続 ・現 代 史 資 料
(2︶
社 会 主 義 沿 革
(二)
み す ず 書 房
日 本 共 産 党 第 一 次 検 挙 の 新 聞 報 道(「 東 京朝 日新聞 」 大正12.6.6)
猪俣津 南雄
吉 川守邦
堺...
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続 ・現 代 史 資 料
(2︶
社 会 主 義 沿 革
(二)
み す ず 書 房
日 本 共 産 党 第 一 次 検 挙 の 新 聞 報 道(「 東 京朝 日新聞 」 大正12.6.6)
猪俣津 南雄
吉 川守邦
堺
利 彦
特別要視 察人竝 水平社状勢調(365頁)
国領五一郎
三 田村 四郎
三 田村 四郎 予 審訊 問 調 書(744頁)
佐 野
学
福本 和夫
渡辺政之輔
凡
例
一 本巻 には 三 つ の資 料 群 を 収 録 し た。 第 一は前 巻 に続 き 、 内 務 省 警 保 局 と警 視 庁 が作 成 し た 、 社 会 主義 者 の動 静 探 索 ・
取締 経 過報 告書 で あ る。 対象 と す る時 期 は 一九 一九 (大正八)年 か ら 一九 二 六 (大正 一五) 年 に及 ぶ。 第 二 は 第 一次 共 産
党 事件 関 係 被 告 の裁 判 記 録 (大正 一二年 六月︲ 一四年八月) であ る 。第 三 は 三 ・ 一五、 四 ・ 一六 事件 関 係 被 告 の 一員 、 三 田 村 四郎 の予 審 訊 問 調書 (昭和 四年 六月︲六年 五月) で あ る。
二 各 篇 の目次 に あ る丁 づ け は原 資 料 のそ れ で あ り、 そ の下 の洋 数字 は本 書 のペ ー ジ数 を 指 す 。
三 人名 の表 記 に つ い て。表 記 が 二通 り あり 、 双 方 と も に相 当 の頻 度 で使 用 さ れ て おり 、 し か も いず れ か 一方 に確 定 す る 根 拠 がう す い場 合 には 、 原 文 に従 った。
四 句 読 点 と 濁 点 に つ いて。 一〇 篇 から 二〇 篇 ま で の内 務 省 ・警 視 庁 資 料 は 、前 巻 と同 様 に句 読 点 ・濁 点 を つけ な い こと
で統 一し た 。 し かし二 一篇 から 二 六篇 ま で の裁判 記録 は、 ︿現 代史 資 料 ﹀ 一九 巻 ﹃社 会 主 義 運 動 ⑥﹄ に収 録 さ れ て い る
調 書 類 と 、 内容 的 に密 接 な関 係 があ る の で、 そ れ ら の調 書 の収 録 形 式 を 踏襲 し て 、句 読 点 ・濁 点を 付 し た 。
五 原 文 は す べ て旧仮 名 遣 で あ る が、 そ の誤 り も原 文 のま ま 踏 襲 し た 個 所 があ る ( 例 えば、 ア ロウ、見 ヤウなど)。
六 原 文 の中 の不整 合 、 誤 字 に つい ては 、 明白 な誤 り は訂 正 し 、 疑 問 のあ る も のは横 に ︹ ママ︺を 付 し た 。文 字 が欠 落 し て いると 考 え ら れ る個 所 に は、 文 中 に [ ]で補 った 。
七 二 一篇 か ら 二 六篇 ま で の裁 判 記 録 のな か で、係 官 が証 拠 物 件 を 提 示 す る こと を 示す 文 等 は ︹ ︺ 内 に収 めた 。 八 本 巻 の編 集 は 松 尾尊兊 が担 当 し た 。
一二 特 別 要 視 察 人 ノ 近 状 及 其 ノ 取 締 ノ概 況 大正十年 一月十五日調
一一 特 別 要 視 察 人 ノ現 状 及 其 ノ 取 締 ノ 概 況 大正九年六月調
一 〇 特 別 要 視 察 人 概 況 大正九年 一月調
七
三 七
二 七
一
次
一三 特 別 要 視 察 人 状 勢 調 大正十年度 五
九 九
目
一四 最 近 ニ於 ケ ル特 別 要 視 察 人 ノ 状 況 大正十 一年 一月調
一 二七
例
一五 大 正 十 一年 中 ニ於 ケ ル過 激 社 会 運 動 の概 況 大正十二年 一月調
一 三五
凡
一六 最 近 ニ於 ケ ル特 別 要 視 察 人 ノ 状 況 大正十二年 一月調
一 八一
説
一七 最 近 ニ於 ケ ル社 会 思 想 団 体 ノ 状 況 大正十二年 一月調
二 〇五
解
一八 最 近 ニ於 ケ ル社 会 主 義 運 動 ノ 状 況 大正十四年 一月
二六 三 田村 四郎 予 審 訊 問 調 書
二五 堺 利彦 等 予審 終 結 意 見 書 ・予 審終 結 決 定 書 ・判 決
二四 堺 利彦 等 検 証 調書 ・堺 マガ ラ調書 ・堺 利 彦 等 筆 迹 鑑 定 書
二 三 堺 利彦 予審 訊問 調書
二二 猪 俣津 南 雄 予審 訊 問 調 書
二一 吉 川 守 邦 聴 取 書 ・予 審 訊 問 調 書
二〇 大 正 十 五 年 中 ニ於 ケ ル社 会 主 義 運 動 ノ状 況 大正十五年十二月
一 九 特 別 要 視 察 人 竝 水平 社状 勢 調 大正十三年度
五 三一
四 九 一
四 七 七
四 六 一
四 四 九
四七 〇
三 六七
二 二 九
解
説
本 巻 には 三 つ の資 料 群 を収 録 した 。 第 一は前 巻 に収 め た ﹃特 別 要 視 察 人 状勢 一斑﹄ が姿 を消 し た 一九 二 〇 (大正九)
年 から ﹃社 会 運 動 の状況 ﹄ シリ ー ズ のは じ ま る 一九 二九 (昭和 四)年 ま で に内務 省 警 保 局と 警 視 庁 が作 成 し た 年 次 ・半
年 次 の社 会 主 義 者 取締 経 過報 告 書 であ る。 第 二 は 一九 二 三年 六月 に検 挙 され た いわ ゆ る第 一次 共 産 党 事 件 関 係被 告 の裁
判 記 録 であ る。 第 三 は 三 ・ 一五、 四 ・ 一六 事件 関 係被 告 の 一員 た る三 田村 四 郎 の予 審 訊 問 調書 で あ る。 以下 こ の三 群 に つ いて解 説 を試 みる 。
最 近 ニ於 ケ ル特 別 要 視 察 人 ノ状 況 ﹄ (資料番 号 一四) はす で に 日 本 近 代
一 警 保 局 ・警 視 庁 の年 次 ・半 年 次 報 告 書
こ こに収 め た資 料 のう ち ﹃大 正 十 一年 一月 調
史 料 研 究 会 ﹃大 正 後 期警 保 局刊 行 社 会 運 動 史 料 ﹄ (一九六八年) に収 めら れ て いる が、 前後 と の連 続 を考 慮 し て これ を 再
録 し た。 ま た ﹁昭 和 二年 中 ニ於 ケ ル社 会 主 義 運 動 ノ状 況﹂ お よ び ﹁昭 和 三年 中 ニ於 ケ ル社 会 主 義 運動 ノ状 況 ﹂ は 、 三一
書 房 が 一九 七 一年 に復 刻 し た ﹃社 会 運 動 の状 況 ﹄ 第 一巻 に収 録 さ れ て いる の で、 本 巻 には 入 れ て いな い。
1 ﹃特別要視察人状勢 一斑﹄より ﹃社会主義運動 ノ状況﹄ へ
前巻 の末 尾 に収 録 し た ﹃特 別 要 視 察 人 状勢 一斑﹄ ( 第九)は 、 一九 一八 年 五 月 一日 か ら 翌年 一二月 一日ま で の事 項 を お
さ め て いる。 そ の後 一九 二五 年 ま で ﹃特 別 要 視 察 人状 勢 一斑 ﹄ と 題 す る 文書 が刊 行 さ れ た と いう 証 拠 を 筆 者 は 見 出 し て
いな い。 こ の種 の書 類 を も っと も多 く含 ん で い る 小橋 一太 関 係 文 書 の中 に存 在 し な い こと はも ち ろ ん 、詳 細 な 小 森 恵
﹁社会 運動 ・思 想 関 係 資 料 細 目 (三)﹂ ( ﹃運動史研究﹄ 3、 一九七九年) 中 の警 保 局編 の資 料 リ スト の中 にも そ の 名 は な い。
第 一次 大 戦 後 の治 安 法 制 再 編 成 に つ いて の内 務 ・司 法 両 省 の構 想 を詳 述 し た渡 辺治 ﹁一九 二〇 年 代 に おけ る 天 皇制 国 家
の治 安 法 制 再 編 成 を め ぐ って﹂ (﹃ 社会科学研究﹄ 27の5 ・6合併 号、 一九七六年)、 こ の時 期 の社 会 主 義 運 動 抑 圧 取締 体制 の
この両 著 述 と く に後 者 は 、本 巻 第 一
そ の他 諸 家 の関 連 著 書 ・論 文 を読 ん で も、 ﹃一斑﹄ 第 一〇 冊 以後 に つ い て の
変 化 を克 明 に追 求 し た 荻 野富 士 夫 ﹃特 高 警 察 体 制 史 ﹄ (せ りか書房、 一九八四年)︱ 資 料 群 に対 す る す ぐ れ た解 説 に もな る︱
言 及 は な い (一九二五年 に ﹃一斑﹄ が復活した可能性 がある が、 これ については後述 する)。
そ の後 警 保 局 が作 成 し た類 似 の報 告 書 の中 安 定 し た 名称 と内 容 構 成 を も つ のは 、 一九 二 五年 一二月 に ﹃大 正十 四年 中
ニ於 ケ ル社 会 主義 運動 ノ状 況﹄ と題 し て発 行 され 、 以 後 ﹃昭 和 三 年 中 ニ於 ケ ル社 会 主 義 運 動 ノ状 況 ﹄ (一九二八年一 二月
印刷)ま で毎 年 刊 行 さ れ た 一連 の謄 写印 刷 物 であ る 。 そ し て これ が 翌 四年 度 か らは ﹃昭 和 〇 年 中 に於 け る 社会 運 動 の 状 況 ﹄ と題 し て、 毎 年 三 月 に活 版 で 印刷 さ れ 、 昭和 一七年 度 分 に いた る。
第 一次 大 戦 後 にお け る 日 本社 会 主 義 運 動 の様 変 り の発展 、 そ れ は大 衆 化 、 組 織 化 、 国際 化 と 表 現 でき よ う が 、 この事
態 に政 府 の抑 圧 体制 は変 容 を迫 られ 、 旧 来 の治安 警 察 法 に加 重 す る かた ち で治 安 維持 法 が出 現 す る。 ﹃特 別 要 視 察 人 状
勢 一斑 ﹄ の刊 行 が 中 断 さ れ た 一九 二〇 年 から ﹃社 会 主義 運動 ノ状 況 ﹄ が発 行 され る 一九 二 五 年 ま では 、 ま さ しく 、 抑 圧 体制 の過 渡 期 に重 な る。
も ち ろ ん、 この間 と いえ ど も 、政 府 の社 会 主 義 者 に対 す る 監 視 は ゆ る め ら れ た わけ では な い。 し かし 、 そ れま で の よ
うな 密 度 を も って社会 主 義 者 の動 静 を う か がう こと が出 来 な く な った こと は 事 実 であ る 。 そ れ を象 徴 す る の が第 一次 共
産党 事 件 で ある 。 生 ま れ た ば か り の日本 共 産 党 は こ の検挙 で 解 体 に追 い込 ま れ る のだ が、 か つ て の幸 徳 事 件 のと き の よ
う な徹 底 的 な 弾 圧 には いた ら な か った。 検 挙 は 事 前 に党 側 に察 知 さ れ た し、 党 の 理論 面 で の最 高 指 導者 は無 罪 放 免 と な
った。 監 視 密 度 の薄 さ は 、報 告 書 の薄 さ に直 接 反 映 す る。 ﹃一斑 ﹄ のよ う な厚 みを も った警 保 局 の報 告 書 は こ の 時 期 に 一度 も 作 成 さ れ て いな い。
急 速 な 運 動 の発展 に監 視 網 が追 い つ かぬ 中 で 、 取締 当局 は懸 命 の努 力 を 払 って いた こと は否 定 で きな い。 視 察 の対 象
は しぼ ら れ 、 か つ実 情 に即 し て入 れ か え ら れ た。 一九 一九 年 には 特 別要 視 察 人 に三六 名 を新 規 に加 え て 、 三八 〇 名 を 解
除 した (本巻 三ペ ージ)。 一九 二 一年 には東 京 にお いて 、徳 田球 一 ・近 藤 栄 蔵 ら 日本 共産 党 関 係 者 三 一名 を 加 え 、西 川 光
次郎 、松 崎 源吉 ら明 治 社 会 主 義 者 を ふく む 四 二名 が削 除 さ れ て い る (本巻六七頁)。警 保 局 の報 告 書 の名 前 と形 式 が 変 化
し つづ け る のは 、運 動 の変 化 に即 応 す る 努 力 のゆ え と も受 けと る こと が でき よう 。報 告書 の変 化 は各 種 の社 会 運 動 が出
揃 い、 一方普 選 と治 安 維 持 法 の組 合 せ によ る新 支 配体 制 が成 立 す る 一九 二五 年 ま で継 続 し た の で あ る。 す な わち ﹃特 別
要視 察 人 状勢 一斑﹄ が姿 を消 した のは 、 も は や こ のよ う な形 式 の報 告 書 では 運 動 の現 実 に対応 でき なく な った から であ
り、 運 動 が新 支 配体 制 の もと 、 あ る枠 組 みを も って政 府 側 に把 握 さ れ る に いた った 段 階 にな って新 形 式 の年 次 報 告 書 が 作成 され る こと にな った と いえ よう 。
第 二節 社会 主義者及団体 ノ現況
第 一節 最 近ノ状勢
﹃大正十五年中 ニ於 ケ ル社会主義運動 ノ状況 ﹄ 第 一章 総説
﹃一斑﹄ と ﹃社会 主 義 運 動 の状 況 ﹄ と 内 容 構 成 が ど のよ う に違 って い る かを みよ う 。
﹃特別要視 察人状勢 一斑﹄第九 第 一 一般 ノ状況 第 二 要視察 人 々員 ノ異動及現在 ノ散布状態 第 三 要視察人 ノ系統
第 四 各 地 ニ於 ケ ル要 視 察 人 最 近 ノ言 動 ( A︶ 東 京 ノ部 ( B︶ 神 奈 川 県 ノ部 (C ) 京 阪 ノ部 (D) 其 ノ他 ノ地 方
第 二章 社会主義者 ノ運動 第 一節 社会主義者 ノ教育及指導 運動 第三節 社会主義者 ノ政治行動
第 二節 社会主義者 ノ青年運動
第五節 社会主義者 ノ農民運動
第 四節 社会主義者 ノ労働運動 第六節 社会主義者 ノ水平運動
第四章 警察取締
第三章 学生ノ社会主義運動 ト其 ノ検挙
(E) 外 国 在留 者
第七節 社会主義者 ノ国際運動
第 五 刊行物表
第八節 其 ノ他ノ主 ナ ル社会運動 特別要視察人 ニ関 スル各 種 ノ統 計 表 第 六 準 特別要視察人 附録 (一) 要視察人 ト朝鮮人及外国人 トノ関係 (二 ) 労働団体ト要視察人(三)国際労働会議 ト 要視察人(四)学生 ト特別要視察人 ) (五 米価問題 騒擾事 件ト要視察人
上下 を対 照 す れ ば ﹃一斑﹄ では個 人 の言 動 に、 ﹃社会 主 義 運 動 ノ状 況﹄ では組 織 的 運 動 に力 点 がお かれ て い る こ と が
わ か る。 も っと も前 者 に お い ても ﹁系 統﹂ を重 視 し 、 か つ労 働 団 体 や学 生 団 体 と の関 連 に注 目 し て いる が、 そ の場 合 で
も 視 察 の対象 は個 々人 の言 動 な の であ る。 他 方 、後 者 に お い ては ﹁社会 主 義 者 及 団 体 ノ現 況 ﹂ の項 目 の下 に 、社 会 主 義
一、共産 党 一味 の運 動
一、学 生 運 動
一、労 働 運 動
一、農 民運 動
一、無 産 政
各 派 の主要 人物 名 が列 記 され ては いる が 、 ﹁運 動﹂ の記 述 は団 体 本 位 にな って いる 。 そ し て、 こ れ が 一九 二九 年 以 後 の ﹁社 会 運 動 の状 況﹂ にな ると ﹁一、総論
党運動
一、プ ロ レタ リ ア芸 術 運動
一、借 家 人 其 ノ他 ノ運 動
一、水平 運 動
一、無 政府 主 義 運 動
一、在 留 朝 鮮 人 ノ 運
動 ﹂ と 名 実 と も に団 体 本位 の内 容 構 成 と な って いる。 す な わち 、 ﹃一斑﹄ か ら ﹃状 況 ﹄ への変 化 は ﹁特 別 要 視 察 人 ﹂個
人 本 位 の構 成 か ら ﹁社 会 主 義 運 動 ﹂ 団 体 主 体 の構 成 への変 化 であ る。 これ は 現 実 の運動 の発展 に即 し て、 視 察 の対象 が 前 者 から 後 者 へ移 行 し た こと を意 味 す る。
本 巻 収 録 の資料 は 、 こ のよ う な意 味 に おけ る ﹃一斑 ﹄ から ﹃状 況 ﹄ への過 渡 期 の産 物 で あ る。 そ の過 渡 期 は 一九 二 一 年 七 月 の ﹁特 別 要 視 察 人視 察内 規 ﹂ の改 正 を 境 と し て 前期 と後 期 にわ け る こと が でき る。 2 ﹁特別要視察人視察内規﹂ の改正
前 記 のご と く第 一次 大 戦 後 の社 会 主 義 運 動 の特 徴 は 大衆 化 ・組 織 化 ・国 際 化 に求 め ら れ る 。 ﹁大 衆 化 ﹂ と は 、社 会 主
義 の宣 伝 が公 然 と 行 わ れ 、労 働 者 ・農 民 ・市 民 ・学 生 な ど さ ま ざ ま の社 会 運 動 の展 開 の中 で、 社 会 主義 思 想 に めざ め る
も の が続 出 し た こと を いう。 ﹁ 組 織 化﹂ と は 、 これ ら の新 し い社 会 主 義 者 と 明 治 いら い の社会 主義 者 と に よ って い く つ
も のグ ル ープ が形 成 さ れ 、 さら に これ が ﹁日 本 社 会 主義 同 盟 ﹂ のご と き単 一組 織 に結 集 され 、 つ い で非 合 法結 社 日本 共
産 党 の創 立 を みる に いた る状 況 を指 す 。 ﹁国際 化 ﹂ と は いうま でも な く コミ ン テ ル ンと 日本 社 会 主 義 と の接 触 に は じ ま り、 コミ ン テ ル ン日本 支 部 と し て 日本 共 産 党 が存 立 す る に いた る事 態 を いう 。
す で に ﹃一斑 ﹄第 九 の段 階 、す な わち 一九 一九 年 以 前 よ り 、警 察 当局 は この新 事 態 に対 応 す べ く つと め て いた。 社 会
主 義 者 の増 大 にそ な え て視 察 対象 を思 い切 ってし ぼ って探 索 に つと め 、 ま た 労 働 組 合 と 社会 主義 者 と の連 関 を追 究 し、
ま た ロシ ア ﹁過 激 派 ﹂ と の接 触 防 止 に神 経 を と がら せ て いた 。 中 で も注 目 さ れ る のは 、 一九 一九年 七 月 ﹁労 働 問 題 社 会
問 題 並 思 想 問 題 等 ヲ論 議 研究 ス ル諸 団 体 ﹂ を視 察 の対 象 に加 え た こと で あ る ( 荻野本 、 一〇八頁)。 これ は視 察 対 象 の 個
特 別 要視 察 人状 況 ﹄ (本巻資料番号 一〇) は 、 そ の内 容 に お い ては ﹃一斑 ﹄第 九 と ほ と ん ど 重 な っ
人 本位 よ り団 体 本 位 への転 換 の第 一歩 と し て注 目 に値 す る。 ﹃大 正 九年 一月 調
て いる が 、 そ の構 成 に お い て団 体 本位 への 一歩 接 近 を認 め る こと が でき る 。 これ ま で社 会 主 義 各 派 の名称 を 堺 派、 大 杉
派 な ど個 人名 を冠 し て いた のを 、 急 進 的無 政府 主 義 、労 働 組 合 無 政府 主義 な ど の名 称 を使 用 し、 ま た これ ま で ﹁付 録 ﹂
にと どめ られ て いた 労 働 団 体 、学 生 、外 国 社 会 主 義 者 と ﹁特 別 要視 察 人 ト ノ関 係 ﹂ の項 が本 文 中 に扱 わ れ て いる。 また
﹁特 別 要 視 察 人 ノ取締 ﹂ の 一項 が付 加 さ れ た のは 新 例 を 開 いた も ので 、 以後 の報 告 書 に継 承 さ れ る。 ま た刊 行 が以 後 、
一月 に ほ ぼ定 着 す る のは 、議 会 に対 す る政 府 答 弁 の資料 と し て役 立 た せ る狙 いも あ った と 推 測 さ れ る 。
一九 二〇 年 中 の動 向 を カ バ ーす る も のと し て、 ﹁大 正 九 年 六 月 調 ﹂ お よ び ﹁大 正十 年 一月 十 五 日調 ﹂ の ﹃特 別 要 視 察
人 ノ現 状 及 其 ノ取締 ノ概 況 ﹄ (一一)、﹃特 別 要 視 察 人 ノ近 状 及 其 ノ取締 ノ概 況﹄(一二 ) があ る 。各 派 の名 称 がも と に帰 っ
思 想 団 体 ノ 状 況 ﹂ (前者 の増補版 、社会文 庫編 ﹃大正期思想
た が、 構 成 は 運 動 の実態 を反 映 し て 一〇 を 継 承 し 、個 々人 の言 動 よ り も そ の団 体 的 運動 を注 視 し て いる。 し かも こ の年 を 対 象 と す る ﹁思想 団体 行 動 概 況 ﹂ お よ び ﹁大 正 十年 一月調
団体視察人報告﹄ 一九六五年 、柏書房) が作 成 され て いる こと に留 意 す る必 要 があ る 。 こ の調 査報 告 は、 そ の序 論 の付 記 に
﹁特 別 要 視 察 人 ノ集 団 タ ル思 想 団 体 ハ該 要 視 察 人 ノ部 ニ記 セ ルヲ 以 テ本 調 査 ヨリ 一切之 ヲ除 外 セ リ﹂ と あ るご と く 、 一 二 の姉 妹篇 と し て作 成 さ れ た も の であ る。
一九 二 一年 は社 会 運 動 視 察 体 制 にお け る 一つ の画 期 と も いう べき 年 であ る 。前 年 来 の警 保 局 の増 員 (荻野本、 一一一頁)
の成果 と いう べ き か 、 この年 の四 月 には ﹃外事 警 察 報 ﹄ (月刊)が、 七 月 には ﹃社 会 主 義 運 動 月 報 ﹄ が、 さ ら に こ の 頃
﹃労働 運動 月報 ﹄ が、 各 創 刊 され る 。 ﹃社 会 主 義 運 動 月報 ﹄ は 一九 二 三年 四 月 ま では そ の存 在 が確 認 され て い る。 伊 藤
隆 氏 が す でに指 摘 し た よう に、 のち の ﹃特 高 月 報 ﹄ の先 駆 と い え よ う (前記 ﹃大正後期警保局刊行社会 運動資料﹄解説。な
おこの資料集 には ﹃社会主義運動月報﹄第 二冊と第 四冊 が収録され ている)。 こ こでは 第 一冊 (﹁大正十年 六月中﹂) の目 次 を 紹 介 し てお こう。
第 一 思想団体動静
二 、早 大 文 化 会 ノ創 立
五、思 想 団 体 例 会 ノ状 況
一、オ ー ロラ協 会 ノ衰 微 ト 五 月会 ノ創 立 社会 主 義 同 盟 ト コ スモ倶 楽 部 ノ近 状 立)
(2)暁 民 会
四 、解 散後 ノ日本
(3)北 風 会 ( 附 黒色労働会 江東支部 ノ設
三、新 人 会 機 関 雑 誌 ﹁ナ ロオ ド﹂ ヲ創 刊 ス ( 1)建 設者 同 盟
一、 木 本 正 胤 市 民 夜 話 会 ヲ創 設 ス 二 、安 谷 寛 一労 働 新 聞 発 刊 ヲ計 画 ス 三 、武 田 伝 次郎 一派 ノ言 動 四 、福 岡 県 ニ於 ケ ル河島 真
第 二 社 会 主 義 者 ノ言動
二等 ノ行 動 五 、大 阪 労働 争 議 ヲ中 心 ト スル社 会 主義 者 ノ言 動 六、北 原 竜雄 等 北 陸 ニ宣 伝 講 演 会 ヲ開 ク 七 、 逸 見直 造 等 ノ 借 家 人 同 盟 ノ近 状
一見 明 ら か な ご と く 、 一冊 の中 に ﹁思 想 団 体 動 静 ﹂ と ﹁社 会 主 義 者 ノ言 動 ﹂ と が 並 列 的 に 扱 わ れ て い る 。 団 体 運 動 重
視 の 傾 向 を 定 着 さ せ る も の と し て 、 一九 二 一年 七 月 一四 日 、 内 務 省 訓 第 六 一三 号 を も って 、 内 務 大 臣 床 次 竹 二 郎 の 名 で 、
用 ス ル虞 ア ル モノ
一 常 ニ主 義 ノ宣 伝 ニ従 事 シ又 ハ業 務 上 ノ関 係 ヲ宣 伝 ニ利
甲 号 、 左 ノ各 号 ノ 一ニ該 当 スル者
改 正 が 訓 令 さ れ た ﹁特 別 要 視 察 人 視 察 内 規 ﹂ が あ る 。 警 視 庁 ﹃高 等 警 察 例 規 集 ﹄ お よ び 山 形 県 警 察 部 ﹃特 高 警 察 例 規 ﹄ (いず れ も ア メ リ カ議 会 図 書館 所 蔵 ) 中 よ り 、 左 に 転 記 す る 。
特 別 要 視 察 人視 察 内 規
第 一条 本 則 ニ於 テ特別 要 視 察 人 ト称 スル ハ左 ノ各 号 ノ 一 ニ
四 労 働 団 体 ノ幹 部 又 ハ中 心 人物 タ ル者
三 主 義 者 間 ニ於 テ勢 力 ア ル者
心 人 物 タ ル者
二 主 義 ノ宣 伝 ヲ為 シ又 ハ為 スノ虞 ア ル団 体 ノ幹 部 又 ハ中
二 共 産 主義 者
一 無 政 府 主義 者
該 当 シ特 ニ視 察 ヲ要 スト認 定 シタ ル者 ヲ謂 フ
三 社 会 主 義 者 (過激主義者 、サ ンヂカリスト等 ヲ含 ム)
六 居 所 業 務 等 ノ関 係 ニ依 リ爆 発物 其 他 危 険 物 ヲ領 収 ス ル
ア ル者
五 危 険 ノ挙 ニ出 テ ント ス ル虞 アリ若 ハ著 シク過 激 ノ言動 在 ヲ否 認 ス ル者
四 前 各 号 ノ外 如 何 ナ ル名称 ヲ用 ウ ル ニ拘 ハラ ス国 家 ノ存
第 二条 特 別 要 視 察 人 ハ之 ヲ分 テ左 ノ 二種 ト ス
七 同盟 罷 工 又 ハ反 抗 運 動 ヲ煽動 ス ルノ虞 ア ル者
ニ特 別 ノ便 利 ヲ有 スル者 八 境 遇
近親 、隣 佑 、 交 友 、 同 僚 ノ批 評 等
既往 及 現在 ニ於 ケ ル状 態 特 ニ吉 凶禍 福 等
一三 体 質
就中 特 徴
健康 状態 、病痾 ノ種 類
内 外 人 ノ重 ナ ル相 識 親 疎 ノ模 様 、 懇 親 者 ノ人
宗 派 ノ区 別 、 信 仰 ノ程 度 竝既 往 ニ於 ケ ル変 化
一〇 宗 教
九 人望
一二 交 際
一 一 崇 拝 者
八 在 外 同 一思 想 ヲ有 スル者 ト 通信 往 復 ス ル者 乙号 、甲 号 ニ属 セサ ル者 特 別 要 視 察 人 ニ対 シ テ ハ別 紙 第 一号 様 式 ニ依 リ 左 ノ
一 内 地 居住 者 ハ居 住 地
一四 相 貌
区別 ニ従 ヒ当 該庁 府 県 ニ於 テ名 簿 ヲ調 製 ス ヘシ
第 三条
二 入 営者 ハ衛 戍 地
文 章 ニ長 シ、 弁 舌 ニ巧 ニ、 思 索 力 ニ富 ミ、鑑
物
三 入監 者 ハ監 獄 所 在 地
勇 敢 、 怯儒 、 疎放 、〓 密 、沈鬱 、活 発 、因 循 、
経 験 ヲ有 スル等
或 ル種 類 ノ学 術 芸 能 ニ錬 達 シ、 或 ル種 類 ノ事 業 ニ特 別 ノ
識 力 ヲ有 シ、 記 憶 ニ強 ク、 或 ル種 類 ノ製作 模 造 ヲ能 ク シ、
一五 技 倆
四 台 湾 、樺 太 、朝 鮮 、 関 東 州 又 ハ外 国 ニ居 住 ス ル者 ハ其
名 簿 ニ ハ左 記 事 項 調査 ノ 上之 カ記 入 ヲ為 ス ヘシ
ノ本 籍 地 前 項︱
一 氏 名 (別名ト モ)族 称 、年 齢 、本 籍 、 住 所
一七 嗜 好
文芸 ヲ好 ミ武 術 ヲ嗜 ミ読 書 ニ耽 ル ノ類 、 竝 愛
多 弁 、寡 言 ノ類 、 其 ノ他 喜怒 哀楽 、好 悪 慾 ノ特 癖
一六 性 癖
学校 名 、修 業 年 月 又 ハ独 学 ノ状 況 、師 事 シタ ル
一八 私 行
ル年 月 日
境 遇 ト ノ関 係 、其 他誰
第 一条 各 号 ノ関 係 ヲ明 ニス ル モ ノト ス
二 一 要視 察 人 タ ル コト ヲ発 見 セ シ事 由 及名 簿 ニ編 入 シタ
二 〇 系 統
々 ノ事 件 ニ感 シタ ル ノ類
ノ演 説 ヲ聴 キ、 誰 ノ説 破 ニ逢 ヒ、 何 々 ノ文 書 ヲ読 ミ、何
一九 思 想 ニ変化 ヲ来 シタ ル動 機
ス ル冷熱 ノ類
品行 ノ良 否 、長 者 同 好 ニ対 スル挙 止 業 務 ニ服
読 ノ図 書新 聞紙 従事 シタ ル公 私 ノ職 務 若 ハ事 業 ノ種類 、 年 月 、
二 位 階 、勲 章 、学 位 、称 号 三 学 歴 人物 四 経 歴
成績 、 公 共事 業 慈 善 事 業 ト ノ関 係 、 諸種 運動 ノ状 況 、兵 役 関 係 、 刑事 ニ訴 追 セ ラ レ又 ハ訴 追 セ ラ レ ント シタ ル事
犯 罪 ノ種 類 、 年 月 、 刑 、 刑 ノ執 行 ニ関 ス ル事 項
実 、 其 ノ他 必 要 ナ ル事 項 五 前 科
父 母 妻 子 兄弟 姉 妹 、家 内 ノ交 情 、 親 族間
六 職 業 、資 産 、 収 入 及 生活 ノ状 態 七 家 族 ノ関 係
ノ交 際 、 其 他 必 要 ナ ル事 項
二 二 平 素 ノ言動
徴 及 所 在 不 明 ト ナリ タ ル当 時 ノ状 況 其 ノ他参 考 ト ナ ル ヘキ
氏 名 (変名ト モ)、 種 別 、 生 年 月 日 、職 業 、年 齢 、 人 相 、特
所 在 不 明 者 ヲ発 見 シ タ ル場 合 ハ其 ノ旨 報 告 及 通 報 ス ヘシ
事 項 ヲ具 シ テ之 ヲ報 告 シ併 セ テ庁 府 県 ニ通 報 ス ヘシ
二 三 前 各 号 ノ外 本 則 ニ依 リ視 察 シタ ル事 項
任 者 ヲ シテ直 系 上 官 ノ指 揮 ニ従 ヒ専 ラ之 ニ当 ラ シ ム ヘシ
モ ノ ア ルト キ ハ之 ヲ報 告 シ併 セ テ関係 庁 府 県 及 関 係 憲 兵 隊
第 十 一条 特 別 要 視 察 人 ノ言 動 ニシ テ視 察 上注 意 ヲ要 ス ヘキ
第 四条 特 別 要 視 察 人 視 察 ニ関 ス ル事 務 ハ警 察 部 ニ於 ケ ル主
本 則 ノ施 行 ニ付 テ ハ秘 密 ヲ厳 守 シ特 定 ノ事 項 ヲ他 ノ警 察官
匿 名 ノ貼 紙 、楽 書 、投 書 、 及 通 信 ノ類 ハ其 ノ文 章 及 筆 蹟 ヲ
集 ス ヘシ
第 十 二条 特 別 要 視 察 人 ノ 写真 及 筆 跡 ハ可 成各 種 ノ モノ ヲ蒐
長 ニ内 牒 ス ヘシ
ニ補 助 セ シム ル外 臨 時 ニ事 務 ノ代 理 ヲ為 サ シ ム ル コト ヲ得 ス
保 存 ス ル コト ニ注 意 ス ヘシ
第 五 条 特 別 要 視 察 人 ノ視 察 ハ間接 ニ其 ノ動 静 ヲ内 偵 スル ヲ
ニ注 意 シ殊 ニ其 ノ裏 面 ノ動 静 探 知 ニ努 ム ヘシ
以 テ方 針 ト ナ シ常 ニ往 来 通 信 、 会合 、著 訳 、 出 版 竝 宣 伝 等
前 二項 ノ物 件 ハ複 写 ノ上 其 ノ 一部 ヲ警 保 局長 ニ送付 ス ヘ シ
第 十 三 条 新 ニ特 別 要 視 察 人 ニ編 入 シ タ ル者 ア ルト キ ハ名簿
甲 号 ニ該 当 ス ル特 別 要 視 察 人 ノ視 察 ハ特 ニ之 ヲ厳 密 ニシ其
第 六 条 直 接 監 視 又 ハ尾 行 ハ不 穏 ノ企 図 ニ出 ツ ルノ虞 ア リ又
簿 ノ記載 事 項 ニ異 動 ア リ タ ルト キ ハ其 ノ旨 報 告 シ尚 関 係憲
謄 本 ヲ添 付 シテ報 告 シ併 セ テ関 係 憲 兵隊 長 ニ内 牒 ス ヘシ名
ノ所在 ヲ失 セ サ ル様 注 意 ス ヘシ
ハ取締 上特 ニ警 戒 ヲ要 スル事 件 ア ル等 已 ム ヲ得 サ ル場 合 ニ
名 簿 ノ削 除 アリ タ ル場 合 亦 同 シ
事 項 ヲ所轄 庁府 県 ヨリ 他 ノ庁 府 県 ニ通 報 ス ヘシ其 ノ異動 及
第 十 四条 前 条 第 一項 ノ場 合 ニ於 テ ハ別 紙 第 二号 様 式 各 欄 ノ
製 シ爾 余 ノ事項 ハ追 報 ス ヘ シ
ヲ要 スル モ ノ ア ルト キ ハ其 ノ判 明 セ ル部 分 ニ就 キ名 簿 ヲ調
本 条 第 一項 ノ場 合 ニ於 テ名 簿 各 欄 ノ事 項 ニシ テ調 査 上 時 日
兵 隊 長 ニ内 牒 ス ヘシ
限 ル モ ノト ス 第 七 条 視 察 ヲ行 フカ為 業 務 ヲ妨 ケ其 ノ他 就職 ニ支 障 ヲ来 ス コト ナ キ様注 意 ス ヘ シ
ア ル物 件 ノ所 持 隠 匿 ニ対 シテ ハ特 ニ厳 重 ナ ル取締 ヲ為 ス ヘ
第 八 条 爆 発物 変 装 戎 器 、拳 銃 、 短 銃 、 薬 品其 ノ他 危険 ノ虞
シ
庁 府 県 ニ於 テ ハ前 項 ノ通報 ニ基 キ第 二号 様 式 ニ依 リ所 轄 外
第 九 条 教 員 、学 生 、生 徒 、軍 人 、 労 働 者 等 ニ対 ス ル主義 ノ 宣 伝 又 ハ朝 鮮 人 、外 国 人 、労 働 団 体 、 思 想 団 体 、青 年 団 体
特 別 要 視 察 人 ノ名 簿 ヲ編 入 庁 別 ニ調製 整 理 ス ヘシ
等 ト ノ交 渉脈 絡 関 係 等 ニ関 シテ ハ特 ニ注意 ス ヘシ 第 十 条 特 別 要視 察 人 ニ シテ所 在 不 明 ト ナ リ タ ルト キ ハ其 ノ
聯 隊 区 司令 官 ニ内 牒 ス ヘシ
集 団 行動 其 他 適 当 ト認 ム ル事 項 ニ分 類 シ其 経 過 及 現 状 ノ大
第 十 八条 特 別 要 視 察 人 ノ状 勢 ニ関 シ テ ハ毎 年 十 二 月系 統 、
第 十 五 条 特 別 要視 察 人 ノ死 亡 、思 想 ノ変 化 又 ハ誤 謬 ノ発 見 等 ニ依 リ名簿 ヲ削除 シタ ル ト キ ハ其 ノ事 由 ヲ具 シ テ之 ヲ報
[別 紙 第 一︲四 号様 式 略 ]
四号様式 ニ依 ル)之 カ視 察 取 締 ヲ為 ス ヘシ
ア ル団 体 ニ付 テ ハ本 則 ニ準 シ (名簿 ニ就 テ ハ第 三号様式及第
第 二十条 主 義 者 ノ団 体 其 他 主義 ノ宣 伝 ヲ為 シ又 ハ為 スノ虞
州 ニ関 係 ア ル モノ ハ当 該 庁 ヘ通 報 ス ヘシ
第 十 九条 報 告 其 ノ他 ノ事 項 ニシ テ台 湾 、朝 鮮 、樺 太 及 関 東
要 ヲ録 輯 シ テ 一月 十 五 日迄 ニ進 達 シ 一本 ハ之 ヲ保 存 ス ヘシ
告 シ併 セ テ関 係 憲 兵 隊 長 ニ内 牒 ス ヘシ尚 旧名 簿 ハ当 該 庁 府 県 ニ於 テ別 ニ保 存 ス ヘシ
名 簿 ニ第 十 二条 第 一項 ノ物 件 ヲ添 付 シ テ新 所 轄 庁 ニ送 付 ス
第 十 六 条 第 三条 ノ所 轄 ニ異 動 ヲ生 シ タ ルト キ ハ旧 所 轄 庁 ハ
ヘシ此 ノ場 合 ニ於 テ ハ新 所 轄 庁 ハ直 ニ其 ノ旨 ヲ報 告 シ併 セ テ庁 府 県 及 関 係 憲 兵 隊 長 ニ内 牒 ス ヘシ 徴 兵 適 齢 者 ニシ テ特 別要 視 察 人 ニ該 当 ス ル者 ア ル
ト キ ハ其 ノ住 所 氏 名 ヲ毎年 三 月末 日迄 ニ本 人 本 籍 地所 属 ノ
第 十 七 条
す で に前 巻 の解説 で のべ た よ う に、 ﹁特別 要 視 察 人視 察 内 規 ﹂ は 一九 一 一年 六 月 一四 日 に制 定 さ れ た が、 一九 一六 年
七月 頃 に改 正 さ れ た ら し い。 そ の改 正 本 文 は 未 だ 発 見 さ れ て いな い。 改 正 が事 実 であ る と し ても 、 そ の内 容 は 大 き な変
動 はな か った の では な いか と推 測 でき る。 な ぜ な ら ば幸 徳 事 件 以後 か ら この改 正 の前 ま で、 社 会 主義 運動 にお いて大 き
な変 化 は発 生 し て いな いか ら であ る。 改 正点 で確 実 な のは 、 ﹃要 視 察 朝 鮮 人 視 察 内規 ﹄ が 同年 七月 一日 に制 定 さ れ た の
にと もな い、 付 則 の第 十 八条 が削 除 さ れた こと であ ろ う 。 こ の頃 す っか り消 滅 し た土 地 復 権 運 動 関 係 項 目 の第 一条 第 四
項 が削 除 され 、第 二条 甲号 規 定 の第 二項 が修 正 され た かも 知 れ な い。 そ こで 一九 一六 年 改 正 が微 少 であ る と の前 提 のも
と に 、 一九 一 一年 制 定 当 時 の内規 ( 前巻 ﹃ 社会主義沿革﹄解説所収) と 、 一九 二一 年 改 正 内 規 と を 比 べ てみ よ う。
まず 第 一条 の特 別 要 視 察 人 の定義 の変 化 が注 目 され る。 原 内規 では 、 ﹁一無 政 府 主 義 者 、二共 産 主 義 者 、三 社 会 主義 者 、
四土 地復 権 ヲ唱 フル者 、 五 前各 号 ノ外如 何 ナ ル名 称 ヲ用 ウ ル ニ拘 ラ ス国家 ノ存 在 ヲ否 認 スル者 ﹂ の ﹁各 号 ノ 一ニ該 当 ス
ト 認 定 シ タ ル者 ﹂ を ﹁特 別 要 視 察 人﹂ と し た の に対 し 、 改 正 内 規 は 四 号 を削 除 し た上 、 ﹁各 号 ニ該 当 シ特 ニ視 察 ヲ要 ス
ト認 定 シタ ル者 ﹂ ( 傍点松尾) に それ を 限 定 し て いる。 つま り、 原 内 規 では 各号 の思 想 を抱 いて いた も のは す べ て特 別 要
視 察 人 にさ れ た の に対 し、 改 正 内規 では 、 そ の中 で ﹁特 ニ視 察 ヲ要 ス ル者 ﹂、 も っと 具 体 的 に いえ ば何 ら か の 運 動 を 行 い、 あ る いは行 う お そ れ の あ るも の の みを特 別 要 視 察 人と す る の であ る 。
第 二 は視 察 対象 の変 化 と そ の順位 の変 動 で あ る。 視 察 人 定義 の前 記 の変 化 にと もな い、 これ ま で甲 号 の第 一位 にあげ
ら れ た ﹁無 政 府 主 義 者 、 共 産 主義 者 其 ノ 他国 家 ノ存 在 ヲ否 認 ス ル者﹂ お よ び第 二位 中 の ﹁社 会 主 義 又 ハ土 地 復 権 ノ信 念
厚 キ者﹂ が削 除 さ れ、 同 時 に第 八位 にあ った ﹁文 武 官 憲 、 公 衙 等 ノ機密 ヲ探 知 セ ント スル疑 ア ル者 ﹂ も 削 除 さ れ る。 こ
れ に代 って、 これ ま で第 二位 の ﹁伝 道 ﹂ 従事 者 と 第 九 位 の文書 ・図書 の刊 行 ・編 集 者 が ﹁宣 伝 ﹂ に従 事 す る も のと 改 め
ら れ て第 一位 に つけ ら れ る 。第 二位 には宣 伝 活 動 を行 う 団 体 の幹 部 が新 た に指 定 され る。 第 三 位 の ﹁主義 者間 ニ於 テ勢
力 ア ル モノ﹂ は これ ま でも 第 二位 にお か れ て いた 。 第 四位 ノ ﹁労働 団 体 ノ幹 部 又 ハ中 心 人 物 タ ル者 ﹂ は第 二位 と同 様 新
た な設 定 で あ る。 第 五位 は これ ま で の第 四 ・五位 のま と め であ り 、 以下 旧内 規 と変 らな い。
第 三 は要 視 察 人 の区 分 の変 化 であ る。 これ ま で の甲 ・乙 ・丙 の三 区分 のう ち丙 号 が削 除 され た 。 た だ し 丙号 は完 全 に
視察 外 に置 か れた の では な く 、荻 野 本 (一一七頁) の指 摘 す る よ う に普 通要 視 察 人 に加 え ら れ 、 必 要 に応 じ て 甲 号 も し く は 乙号 に編 入 さ れ る の であ る 。
第 四 に第 三条 の調 査 項 目 は これ ま でと ち が わな い が第 四 条 以下 の視 察 方法 と 手 続 に つい て若 干 の相 違 を み せ る。 これ
ま で第 八条 で 、演 説 ・集 会 そ の他各 種 の ﹁伝 道 方 法 ハ直 接 若 ク ハ間接 ノ手 段 ニ依 リ之 ヲ防 制 スル ニ力 ム ヘシ﹂ と社 会 主
義 運動 の全 面 禁 圧 をう た って いた のが全 文 削 除 され る 。 ま た第 十条 で ﹁同 盟 罷 工 ノ唱 道 、 非 軍 備 ノ主 張 、労 働 者 団結 ノ
鼓吹 、普 通選 挙 ノ運 動 等 ニ関 シ テ ハ特 ニ注 意 ス ヘシ﹂ と あ った のも 削除 さ れ る。 し か し、 一方 では 、第 九 条 に ﹁外 国 人 、
労働 団体 、思 想 団 体 、 青 年 団 体 等 ト ノ交 渉 脈 絡 関 係 等 ニ関 シ テ ハ特 ニ注 意 ス ヘシ﹂ と 付 加 され 、 さ ら に最 終 第 二十 条 と
し て ﹁主義 者 ノ団 体 其 他 主 義 ノ宣 伝 ヲ為 シ又 ハ為 スノ虞 ア ル団 体 ニ付 テ ハ本 則 ニ準 シ之 カ視 察 取締 ヲ為 ス ヘシ﹂ が新 た
に設 け ら れ る。 第 十 条 の視 察 人 が所 在 不 明 と な った場 合 の全 国 手 配 お よ び、 第 十 一条 の視 察 人 の要 注 意言 動 の ﹁関 係 庁
府 県及 関 係 憲 兵 隊 長 ﹂ への通 報 規 定 さ ら に第 十九 条 の台 湾 ・朝鮮 ・樺 太及 関 東 州 への関 係 報 告 通 報規 定 も監 視 連 絡 の強 化 と し て注 目 され る。
大 衆 化 ・組 織 化 ・国
に対応 す る も の で、 す で に現 実 に実行 に移 さ れ て いる こと を 追 認 す る も の であ った。 こ の内 規 は 一九 三 五 年 五
要 す る に以 上 の内規 の主 要 改 正 点 は、 す べ て、第 一次 大戦 後 の社 会 主 義 運 動 の様 変 り の発展 ︱ 際 化︱ 月 の改 正 (荻野本 、二四三頁以下) ま で生 き 続 け た ので あ る。 3 ﹃社会主義運動 ノ状 況﹄ へ
﹁特別 要 視 察 人 視 察 内 規 ﹂ の改 正 に前 後 し て 、七 月 一二 日 には ﹁労 働 要 視 察 人視 察 内 規 ﹂ が内 務 大 臣訓 令 と し て発 せ
ら れ 、 八月 五 日 には ﹁要 注 意 外 国 人名 簿 作 成 方 ノ件 ﹂ が指 令 され た ( 荻 野本 、 一二〇頁)。 こ のよ う に視 察 網 が 整 備 さ れ
る 一方、 同 年 五月 に おけ る 近 藤 栄蔵 の コミ ンテ ル ンと の接触 の発覚 を契 機 に、 過 激 社 会 運 動 取締 法案 が 司法 ・内 務 両 省
の協 議 によ り立 案 さ れ、 翌 一九 二二 年 早 々 の第 四 五議 会 に提 出 され る ( 荻野本、 一二三頁 以下 、および松尾 ﹁過激社会運動取
締法案 に ついて﹂﹃人文 学報﹄ 20、ならびに ﹁第 一次大戦後 の治安立法構想﹂藤原 ・松尾編 ﹃論集現代 史﹄ 一九 七 六年 、筑 摩書房)。
最 近 ニ於 ケ ル 特
要 視 察 人 ノ行 動 ﹂ の中 に、は じ め て日
監 視 体 制 の整 備 のあ と に作 成 さ れた 報 告 書 には ど のよ う な変 化 が生 ま れ る か。 ﹃大 正 十 一年 一月 調 別 要 視 察 人 ノ状 況 ﹄ (一四) は 一見一二 と 変 ら な い構 成 のよ う に み え る が、﹁第 二
本 社 会 主 義 同 盟 と ﹁日 本 共産 党 ﹂ の 二団 体 を 主 題 と す る項 目 を設 け て い る。 一四 が も っと も重 視 し て い る の は、 ﹁日 本
共 産 党 ﹂ お よ びそ の 一員 近藤 栄蔵 の コミ ンテ ル ン資 金受 領 事 件 で あり 、 付 録 にそ の檄文 と運 動 計 画 予 算 を のせ て いる 。
日本共産 党創 立神話︱
﹂﹃思想﹄ 一九八四年 一月 号) これ ら の資 料 は 改 め て問 題 にす る必 要 があ ろう 。 な お社 会 文 庫 編
近年 日本 共 産 党 の創 立 を 一九 二 二年 七 月 一五 日 に求 め る こと に疑 問 が 提 出 さ れ て い る 折 柄 (岩村登志夫 ﹁お天気 と歴史 ︱
﹃大 正 期 思 想団 体視 察 人 報 告 ﹄ 所 収 の ﹁宣 伝文 記 入 兌 換 券 紙 幣 調 ﹂ (大正十年自 一月 一日至十 二月卅 一日) は 一四 の 付 録 的 存 在 であ ろ う 。
一四 に示 され た 団 体 重視 傾 向 は、 ﹁大 正 十 一年 一月 調 る が、 さら に警 視 庁 特 別高 等 係 の作 った ﹃大 正 十 年 度
要 注 意 団 体 ノ状 況﹂ ( 社会文庫編 、前掲書所収) で補 強 さ れ て い
特 別 要 視 察 人 状 勢 調 ﹄ (一三 ) では 一段 と顕 著 で あ る。 こ こでは
﹁特 別 要 視 察 人 ノ消長 ﹂ と並 べ て ﹁集 団 関 係 ﹂ の 一章 が設 け ら れ 、 日本 社 会 主 義 同 盟 な ど 一三 団 体 に つ いて の記 述 があ
る。一三 には こ のほ かく わ し い要 視 察 人 の系 統 表 な ど が あ り 、 一四 を補 う も のと し て収 録 した が 、警 視 庁 が この よう な
特 別 要視 察 人 竝水 平 社 状 勢 調 ﹄ (一九) に いた る の であ ろう 。 な お
年 次 報 告 書 を い つか ら作 成 し はじ め た の か不 明 であ る 。 ﹁概 説 ﹂ の書 き 方 から し て これ が最 初 では な い かと 推 測 さ れ る 。 お そ らく 以 後 毎 年 つく ら れ て後 出 の ﹃大 正 十 三 年 度
一三の作 成 時 期 は 、 一四 にな い高 尾平 兵 衛 の入 露 と 帰 国 の件 が 記載 さ れ て いると こ ろ から み て、 一四 よ り少 し後 の こと にな ろ う。
一九 二 二年 は 、 春 に日 本農 民組 合 と全 国 水 平 社 が ほぼ 同 時 期 に創 立 さ れ 、更 に は 日本 共 産 党 が コミ ン テ ル ン日本 支 部
と し て確 立 さ れ、 さら に失敗 に終 った とは いえ労 働 組 合 総 連 合 運動 が高 潮 す るな ど、 社 会 運 動 の新 し い展 開 が み ら れ た。
こ の新 状 況 を受 け て、 こ の年 度 を 扱 った警 保 局 の出 版 物 に新 し い特 徴 を 見出 す こと が でき る。 それ には警 保 局 にお いて
過 激 社会 運動 取 締 法 の制 定 にも っと も熱 心 で ﹁過 激 法 案 居 士 ﹂ の異 名 を う け た川 村 貞 四郎 の存 在 も 与 って いる と いえ よ
う 。彼 は 一九 二一 年 九 月 衛 生 局 よ り警 保 局保 安 課 に移 った が、 翌 年 早 々 に ﹃本邦 労 働 運動 月 報 ﹄ 付 録 と し て発 行 さ れ た
﹃大 正 十年 労 働 運 動 概 況﹄ が ﹁農 業 団 体 の概 況﹂ を も記 述 し、 一 一〇 頁 も の活版 印刷 とな った のは 彼 の力 だ と い う (川
村 ﹃官界 表裏﹄ 一九 三三年、 一三 一頁)。 この ﹃概 況 ﹄ は翌 年 度 には 三 六 〇頁 を越 え る大 冊 とな り、 一九 二 三年 度 か ら は 社
﹁大 正 十 二年 一月 調
最 近 ニ於 ケ ル特 別要 視 察 人 ノ状 況 ﹄ (一六 ) は 名 称 こそ 一年 前 の 一四と 同 様 であ る が 、構 成 は 一変
大 正 十 一年 中 ニ於 ケ ル過激 社会 運動 ノ概 況 ﹄ (一五) は 月 を 追 って のご く 簡 単 な年 次 報 告 であ る が 、
会 局 発 行 にひ き つが れ る。
﹃大 正 十 二年 一月 調
し、 ﹁宣 伝 運 動 ﹂ を重 視 し 、 付録 にも そ の関 係 の文 書 を 多 数 収 録 し て いる。 これ は ﹁宣 伝 ﹂ を 主 眼 に社会 主義 運 動 を 取
締 ろう と し た 過激 社 会 運 動 取 締 法 案 の意 図 にし た が った も の であ ろう 。 取 締 対 象 の数 も ふ え 、前 年 一月 五 二 〇 人 と 最
最 近 ニ於 ケ ル 社 会 思 想 団 体 ノ 状 況 ﹄ (一七) を も った こ と で あ る 。 す で に 述 べ た よ う に 、 一九 二一 年 初
低 を 記 録 し た 特 別 要 視 察 人 の 数 は 六 二 四 人 と 一挙 に 一〇 〇 人 も 増 加 し て い る 。 い ま 一 つ の 特 徴 は 、 ﹁別 冊 ﹂ と し て ﹃大 正 十 二 年 一月 調
頭 い ら い ﹁思 想 団 体 ノ 状 況 ﹂ 以 下 毎 年 の よ う に 同 種 の 報 告 書 が 作 成 さ れ て 来 た の で あ る が 、 こ こ に い た って は じ め て
﹁特 別 要 視 察 人 ノ 状 況 ﹂ と 明 確 な セ ット の形 で ﹁社 会 思 想 団 体 ノ 状 況 ﹂ が 作 成 さ れ る こ と に な っ た の で あ る 。
一九 二 三 年 度 に つ い て の 年 次 報 告 書 は ま だ 発 見 さ れ て いな い 。 い わ ゆ る 第 一次 共 産 党 事 件 や 虎 の 門 事 件 が 発 生 し た の
だ か ら 、 当 然 そ れ 相 応 の 報 告 書 が 作 成 さ れ た と み る の が 自 然 で あ る 。 最 近 古 屋 哲 夫 氏 よ り ﹁特 別 高 等 警 察 研 究 資 料 第 一
例
虎 ノ 門 ニ於 ケ ル 不 敬 事 件 ニ関 ス ル 調 査 ﹂ を 示 さ れ た 。 こ の活 版 印 刷 文 書 は 、 次 に か か げ る 凡 例 か ら み て 、 警 保 局 の 作 成 と 推 定 され る。 凡
別 高 等警 察 研究 資 料 第 一﹂ ト ナ シタ リ。 従 テ文 中前 記 ﹁ 特 別要 視 察 人 状 勢 一斑 ﹂ ニ記 載 ア ル事 項 ハ、 之 ヲ括 弧 内 ニ引 照 附 記 ス
一、 本 書 ハ従 来 上 梓 セル ﹁特 別 要 視 察 人 状 勢 一斑 ﹂ ニ連 続 ス ルモ ノ ナ ル モ、 特 ニ重 大 ナ ル事 案 ニ属 スル ヲ以 テ之 ヲ 分 離 シ、 ﹁特
ル ニ止 メ 、其 ノ 重複 ヲ避 ケ タ ル箇 所 ア リ。
一、 本 書 ハ警 察取 締 上 直 接 、 間 接 ノ関 係 ヲ有 ス ル事 項 ヲ主 ト シ、其 ノ他 ノ事 項 ハ之 ヲ採 録 セサ ル場合 多 シ、 故 ニ処 々 ニ於 テ行 文 ノ接 続 ヲ 欠 ケ ル箇 所 ナ キ ニ非 ス。
一、 従 来 ﹁ 特 別要 視 察 人 状 勢 一斑 ﹂ ニ於 テ ハ、警 察取 締 ノ当 否 ニ関 シテ ハ言 及 セ サ ル ヲ例 ト ス、 然 レト モ本 篇 ニ於 テ ハ、 特 ニ第
七章 ニ於 テ ﹁ 警 察 取 締 ニ対 ス ル批 判﹂ ナ ル題 下 ニ、当 時 ノ警 察 措 置 ニ対 シ極 メ テ重 要 ナ リ シト 認 メラ ル ヽ数 箇 ノ点 ニ就 テ、 簡
略 ニ注意 ス ヘキ要 点 ヲ摘 出 セ リ、 元 ヨ リ之 ヲ 以 テ 尽 セ ル モノ ニ非 サ ル ヲ以 テ詳 細 ナ ル点 ハ各章 ニ就 キ 研究 、 考 査 セ ラ レ ム コト
大 正 十 四年 六 月
ヲ望 ム。
本 文 を 読 む と 、 と こ ろ ど こ ろ に ﹁(附 記 )﹂ と 記 さ れ た 注 の よ う な 文 章 が 入 って い る が 、 ﹁ 一斑 ﹂ か ら の 引 用 と か 参 照
と か は 明 記 さ れ て い な い。 し か し こ の 凡 例 を 素 直 に読 め ば 、 一九 二 五 年 六 月 以 前 に 、 一九 二 三 年 末 に 発 生 し た 虎 の 門 事
件 に 言 及 し た ﹁特 別 要 視 察 人 状 勢 一斑 ﹂ の名 を も つ文 書 が刊 行 さ れ て いた と解 す る ほ か は な い。 た だ し 文 面 か ら は、 一
九 二 〇年 一月 に第 九 冊 目 が刊 行 さ れ て 以後 、 こ の ﹁一斑 ﹂ が何 冊 作 成 され た のか 不 明 で あ る。 も し毎 年 刊 行 され て いた
な ら ば、 本 巻 所 収 の諸 文 書 の多 く は作 成 す る 必要 が な いし 、 ま た これ ら の文書 あ る いは そ の他 の文 献 のど こ か に言 及 が
あ る はず で あ る。 も っと も あり う べき 可能 性 は、 これま で発 見 さ れ て いな い 一九 二 三年 度 お よ び翌 二 四年 度 の年 次 報 告
を 主 と し、 一九 二〇 年 度 分 以 降 を も ま と め た ﹃一斑 第 十 ﹄ が刊 行 され た こと であ る 。 そ し て これ が ﹁一斑 ﹂ シ リ ーズ の
最 後 と な り 、 ﹁大 正 十 四年 中 ニ於 ケ ル社 会 主 義 運 動 ノ状 況﹂ に接 続 す る ので は あ る ま い か。 現 物 の出 現 が待 た れ る。
備 考 △ は 外 国 在 留 者 数 。 た だ し総 人 員 に ふ くま れ てい る。
*は 思 想 要 注 意 人。
最 近 ニ於 ケ ル社 会 主 義
第 五〇 議 会 に おけ る政 府 答 弁 資料 であ ろう 。 こ の報 告 書 の特 徴 は 、 社
一八 は そ の文 体 が ﹁ア リ マス﹂ 調 で 、報 告 書 の中 では 異 例 であ る。
じ ま り を示 し、 ま た 詳細 な ﹁思想 問題 集会 表 ﹂ の存 在 が注 目 され る 。
家 主 義 其 ノ他 ノ保 守 団 体 調表 ﹂ が 、右 翼 団 体 に対 す る官 憲 の注視 のは
本 文 から 外 され ﹁付 表﹂と し て 一覧 表 化 され て い る。 ﹁付 表 ﹂では ﹁国
を受 け て宣 伝 お よ び政治 運動 が大 きく 取 上 げ ら れ て いる 。 思 想 団 体 は
大 震 災 後 から 一九 二 四年 一〇 月 末 ま で で あ る が、 本 文 にお い ては 一六
それ にあ てら れ た紙 数 は僅 少 で あ る。 本 報 告 の対 象 と し て いる期 間 は
一三二頁)、 報 告 の内 容 を みる と、 東 京 に おけ る 運 動 の実 状 を反 映 し て、
官 憲 の水 平 社 に対す る警 戒 ぶ り を物 語 るも の であ る が ( 参 照、荻野本、
一九 では まず 名 称 に水 平 社 が加 わ って いる のが注 目 さ れ る。 これは
運 動 ノ状況 ﹄ (一八) を収 録 し た。
特 別 要 視 察 人 竝 水 平社 状勢 調﹄ (一九)と 、 警 保 局 の ﹃大 正 十 四 年 一月
共 産 党 が 解党 し 、第 二次 護 憲 運 動 が勝 利 し た あ と 、合 法 無 産 政 党 への動 き が盛 ん と な った 一九 二 四年 度 に つ い ては 警 視 庁 の ﹃大 正 十 三年 度
特別 要視察人人員表
会 主義 者 の行動 と団 体 の運 動 と を 警 保 局 と し ては は じ め て 同 一の報 告 書 に お い てま と め 、 そ の名称 も ﹁社会 主 義 運 動 ノ
状 況﹂ と改 め た こと であ る。 た だ し 、 ﹁社 会 主 義 者 ﹂ と ﹁社会 主 義 団 体﹂ と は ま だ並 列 的 にと ら え ら れ て い る。 付 表 の
﹁特別 要 視 察 人思 想 要 視 察 人 犯 罪 調 表 ﹂ の中 で 目 に つく のは治 安 維 持 令 違 反 の数 字 が九件 三〇 人 と な って い る こと であ
る 。 これ ま で大 震 災 にま ぎ れ て過 激 社 会 運 動 取締 法案 の意 図 を実 現 した 治 安 維 持 令 の取締 にお よ ぼ し た効 果 は疑 問 視 さ
れ て いる が ( 渡 辺論文 および荻野本、 一四三頁)、 こ の数字 を み ると 一定 の効 果 は あ った と みな け れ ば な る ま い。
一九 二 五年 度 の報 告 書 と し ては 、 六 月 調 の ﹃最 近社 会 主 義 運 動 竝 社 会 運 動 概 況 ﹄ お よ び 一二 月調 の ﹃大 正 十 四年 中 ニ
於 ケ ル社会 運 動 ノ状 況 ﹄ の存 在 が 小森 恵 氏 に よ って確 認 さ れ て いる 。 所 在 不 明 のた め本 巻 には収 録 でき な か った 。 前 者
の内容 は小 森 氏 に よれ ば ﹁序論 ﹃我 国社 会 主 義 思 想 発 展 の沿 革 ﹄、各 論 ﹃最 近 の社 会 主 義 、 労 働 、 農 民 の各 運 動 と 最 近
の内 地 朝 鮮 人 状 況 、 水 平 運 動﹄ の全 五章 か ら な って い る﹂ と の こと であ る 。後 者 の方 は 、第 一章 総 説 、第 二章 社 会 主
義 者 の運 動 、 第 三章 学 生 の社 会 主 義 運 動 、第 四章 反 動 団 体 の状 況 、第 五章 警 察 取 締 と 分 れ る 。 と も に団 体 本 位 の 記
述 と な って いる こと を 推 測 さ せ る 。 そ の こと は本 巻 所 収 の ﹃大 正 十 五年 中 ニ於 ケ ル社会 主 義 運動 ノ状 況 ﹄ (二〇)によ っ
て さ ら に明 確 と な る。 こ の 二〇 で注 目す べ き こと は、 各 所 に ﹁別 冊 ﹂参 照 の注 記 が みら れ る こと で あ る。 ﹁大 正 十 五 年 中
ニ於 ケ ル労 働 運 動 ノ状 況 ﹂ ﹁大 正 十 五 年 中 ニ於 ケ ル農 民 運動 ノ状 況﹂﹁大 正 十 五年 中 ニ於 ケ ル水 平 運 動 ノ状 況 ﹂﹁結 社 労 働
農 民党 竝 ニ其 ノ他 ノ無 産 政 党 ニ関 スル調 査﹂ 等 々。 小森 稿 に よ れば こ の頃 ﹁社 会 運動 研究 資料 ﹂ と いう シリ ーズ が発 行
さ れ て お り 、第 一 一輯 ﹁無 産 政 党 組 織 運 動 の顛末 ﹂ ( 大 正 一四年 一一月)以 下 六 冊 の資 料 名 が列 挙 さ れ て い る。 年 次 報 告
﹁社会 主義 運 動 の状 況 ﹂ の各 説 と も いう べ き報 告 書 が着 々と整 備 さ れ て い った 様 がう かが わ れ る。 これ ら が 一九 二九 年 以後 大 冊 の ﹁社 会 運 動 の状 況 ﹂ に統 一さ れ る ので あ る。
﹃特 別 要 視 察 人 状 勢 一斑 ﹄ シ リ ーズ の中断 に 示 さ れ る第 一次 大 戦 後 の取 締 体制 の変 容 は 、 一九 二 一年 の ﹁特 別 要 視 察
人視 察 内 規 ﹂ の改 正 を経 て 一九 二 五 年 の治安 維持 法 の制 定 で 一応 完 了 し た と い ってよ い。 こ の年 か ら新 しく ﹁社 会 主 義
運 動 ノ状 況 ﹂ シリ ー ズ の発 行 が始 ま る 。 一九 二〇 年 初 頭 、 甲 乙 両 号 合 計 四 一四 人 と ﹁視 察 内規 ﹂ が設 け ら れ て いら い の
最 低 点 に達 し た要 視 察 人 の数 は 、 以後 上昇 に転 じ 、 一九 二 六年 末 には 八 二七 人 と 倍 増 す る 。 こ の数 は 運動 の発 展 と と も に取締 体制 の再 編 強 化 を 示 す も の であ った。
二 第 一次 共 産 党 事件 裁判 記 録
資 料二一 か ら 二 五 ま で は、 いわ ゆ る 第 一次 共産 党 事 件 関 係 の裁 判 記 録 であ る 。 こ のう ち 二 五 の予 審 終 結 決 定 書 は 大 原
大正﹄ 一九 六九年 、第 一法規出版株式会社) にそ れ ぞ れ収 録 さ れ て い る。 な お これ ま で紹 介 され て、 本 巻 に収
社 会 問 題 研 究 所 ﹃日本 労 働 年 鑑 ﹄ (大正 一三年度) に、第 一審 判 決 文 は 小 田中 聡 樹 ﹁第 一次 共産 党 事 件 ﹂ ( 我妻栄他編 ﹃日本 政治裁判史録
め て いな い同 種 の記 録 と し て は 、証 拠 書 類 と し て の ﹁英 国 共 産党 暫 定党 規 ﹂ (実は ﹁日本共産党暫 定党規﹂)、 ﹁党 規 ノ改 正﹂
共産 党 部 内 通 達 三 点 、 石 神 井 会議 議 事 録 (以上 松尾 ﹁創立期 日本共産党史 のため の覚書﹂﹃京都大学文学部 研究紀要 ﹄19、 一九
七九年)、高 尾 平 兵 衛 の ﹁脱 党 届 ﹂ (立山隆章 ﹃日本共産党検挙秘史﹄ 一九二九年 、武侠社) お よ び 上 告 審 判 決 文 (前出 小田中 稿) があ る 。
こ の事 件 お よ び司 法 処 理 過 程 に つ いて は 、 も っと も信 頼 す べき 党 史 と し て の犬丸 義 一 ﹃日本 共 産 党 の創 立 ﹄ (一九八二
年、青木 書店) お よ び、 小 田中 前 掲 稿 、 そ れ に森 長 英 三郎 ﹃史 談 裁 判 ﹄ (一九六六年 ︹ 新編は 一九八四年︺、日本評論社) が あ る
の で、 こ の解 説 で は主 と し て、 こ こ に収 録 さ れ た資 料 に よ り明 ら かと な った 問 題点 を指 摘す る に と どめ る。
ま ず 検挙 の発端 で あ る が、 スパイ 渋 谷 杢 太 郎 方 にあず け た党 文 書 を 警 視 庁 が押 収 し た こと にあ る こと は す で に犬丸 本
そ の他 に記 さ れ た と お り で あ る。 こ の押 収 文書 が 、暫 定党 規 、党 規 の修 正 およ び議 事録 の三点 で あ った こと が、 吉 川 守 邦 、猪 俣 津 南 雄 お よ び堺利 彦 の調 書 の最 終 回 の予 審 判事 の発 言 で ほ ぼ明 瞭 と な った 。
犬 丸 本 (二九 一頁) は ( 野 坂参 三 ﹃風雪 のあゆ み﹄4も)警 視 庁 の首 脳 が佐 野 や猪 俣 を 中 心 と し た早 稲 田大 学 の 党 組 織 に
まず 目 を つけ た こと を 、御 手 洗 辰 雄 ﹃伝 記 ・正 力松 太郎 ﹄ に より 強 調 す る が、 これ は疑 わ し い。 な ぜ な ら ば 、 当 の猪 俣
津 南 雄 が 、 一斉 検 挙 の六 月 五 日 から 一月 以 上 も経 った七 月一三 日 に証 人 と し て 訊 問 さ れ た あと 、 そ の翌 日 から 被 告 人 と
し て訊 問 さ れ る と いう 事 態 が、 猪 俣 調 書 で明 ら か にな った か ら で あ る。 こ の調 書 は 同時 に、六 月 五 日 の 一斉 検 挙 で、 逃
亡 者 を のぞ く被 告 のす べ て が同 時 に つかま った の では な い ことも 示 し て い る。 つま り警 察 が 佐野 に眼 を つけ て いた こと
は 事 実 だ が、 そ れ は スパ イ と の個 人 関 係 から であ り 、早 大教 授 グ ル ープと いう 認 識 から では な か った ので あ る。
渋 谷 方 で の押 収 文書 によ り党 の存 在 の確 証 を つ か み起 訴 の可能 性 を確 信 し た警 視 庁 は 六 月 五 日 早朝 一斉 検挙 に乗 出 し
た が 、 いち は や く これ を察 知 し た共 産 党 指 導 部 側 は 緊 急 に対 策会 議 を開 き 、佐 野 学 、 山 本 懸 蔵 、 高津 正道 、 近藤 栄 蔵 、
辻 井 民之 助 を亡 命 させ る こと 、証 拠 書 類 を処 分 す る こと 、 石 神 井 会議 を 英 国 共産 党 綱 領 の研 究 会 であ った こと にす る こ と な ど を きめ て、 党 員 に連 絡 し た と いう ( 犬丸本 、二九 二頁以下)。
小 山松 吉 検 事 の認 め るよ う に、 こ の検 挙 は ﹁大 失 敗 ﹂ であ った 。 秘 密 が洩 れ た こと も さ る こと な がら 、 警 察 の連 携 プ
レイ が う まく 行 かな か った こと が原 因 と いう 。 当 時 警 保 局 保 安 課 に勤 務 し て いた 川村 貞 四郎 の ﹃官 界 表 裏 ﹄ (一六四頁) は いう 。
当 時警 視 庁 は極 力 之 が内 偵 に当 り 日本 共産 党 が新 に組 織 さ れた こと を知 つた が 、同 十 二年 五 月 下 旬 、 確 か な 情報 が 手 に 入 つた の
で、 各 地 方 と は連 絡 な く 単 独 で東 京市 外巣 鴨 町字 庚 申 塚 所 在 某 家 に踏 み込 み 、 日本 共 産 党 に関 す る秘 密 書 類 を押 収 し 、茲 に日本
共 産 党 の検 挙 に着 手 し た の であ つた 。 が惜 し い哉 警 視 庁 単 独 に て各 府 県 と連 絡 を と らず 又警 保 局 の主 任 等 と も打 合 せ を為 さず 、
唯 僅 に警 保 局 の 一二 の主 脳 部 而 かも新 任早 々 の人 と 打 合 せ た の みだ つた か ら 、 従来 の共 産 主 義 者 の連 絡 方 法 の調 査 研究 十 分 な ら
ず 、 且 つ各 府 県 の取 締 当 局 と の連 絡 も 面白 く行 か な か つた から 、 折 角秘 密文 書 等 を集 め 、 一派 の者 を拘 束 し ても 、 中 々実相 を確
め る こと が 出来 ず 、事 件 は進 展 し な か つた 。自 分 は 従来 之 に関 係 せ る も のゝ 、 此 の検 挙 に は当 初 何 等 の相 談 をう け ず 、 今 迄 の努
力 も水 泡 に帰 せ ん とし た の で、 大 阪 府 当 局 の不平 も敢 て静 め よう と は せ ず 、其 の後 の事 件 の検 挙 は 、警 視 庁 の為 す 儘 にし た 。 が
警 視 庁 も大 分 困 つてを る 様 だ し 、当 局 と し て放 任 し てお く のも職 責 上 申 訳 な いと 考 へ、 気 を 取 直 し て検挙 に関 し 上 司及 警 視 庁 特 別 高 等 係 長 に注 意 し た 。
検 挙 さ れ た あ と の被 告 た ち の 態 度 に つ い て は 、 こ れ ま で 次 の よ う な 証 言 が あ る 。 ま ず 彼 ら の弁 護 士 布 施 辰 治 は い う 。
九月 一日 の大 震 災 当 時 ま で堺 利 彦 初 め犠 牲 者 の全 部 は 予 審 判事 の審 問 を拒 否 し て 一切 、 秘 密 結 社 の内 容 を語 らず 、 はな は だ整然
厳 粛 な法 廷 態 度 を維 持 し て いた の であ る。 し か る に九 月 一日 の大震 災 の当 時 全 部 の犠 牲 者 が独 居 拘 禁 を開 放 さ れ て雑 居 し た際 、
徳 田球 一の発 議 で、 秘 密 結 社 の処 罰 刑 期 よ り も長 く 未 決拘 留 さ れ る のを不 利 と し て、 これま で の黙 秘 す る法 廷 態 度 が 一変 され た 。
﹁ 治安維持法制定由来 の覚書﹂、布施柑治 ﹃ある弁護士 の生涯﹄ 一九六三年 、六五頁)。
そ の後 の陳 述 が政 府官 憲 に革 命 運動 の内 容 を 知 ら せ 、彼 ら の立法 作 業 を再 検 討 さ せた こと を 私 は 心 か ら 遺 憾 と す る ( 布施 の手記
被 告 の 一人 橋 浦 時 雄 の 森 長 英 三 郎 あ て 書 簡 (一九 六 六年 頃 ) に い う 。
いま す。 徳 田君 は 大 し た 証拠 も な いか ら 、何 も か も否 定 し ろ と いう意 見 、堺 さ ん は これ に動 か され 、 のち に法廷 で曖昧 な態 度 を
法 廷 で共 産 党 の宣 伝 を やろ う と 云 う意 見 を述 べた の は、 大 震 災 の獄 中 で皆 が連 絡 し た時 の野 坂 君 の主 張 で、 私 は今 でも敬 服 し て
と った の で した ( 森長 ﹃ 史談裁判﹄ 一四五頁)。
同 じ く 被 告 の 一人 で 橋 浦 に ほ め ら れ て い る 野 坂 参 三 の 戦 後 の 回 想 ﹃風 雪 の あ ゆ み ﹄ 4 は 、 ま ず 、
と 、 こう いう こと く ら い であ った (二五 一頁)。
わ れ わ れ が逮 捕 さ れ る前 に中 央 か ら指 示 さ れ た こと は、 石 神 井 の会 議 は英 国共 産 党 の綱 領 と規 約 と を研 究 す る会 合 であ る こと に し 、 日本 共 産 党 の存 在 は 否 定 し 、会 議 に参 加 し た者 の氏 名 は 忘 れ た と言 え︱ と 語 り 、 つ い で 震 災 時 の ﹁対 策 会 議 ﹂ に つ い て は 次 の よ う に の べ る 。
そ のと き 、 わ た し た ち が何 を議 論 し た か 、 よ く は覚 え て いな い が、 いち ば ん 問 題 に な った のは、 今 後 の予 審 や公 判 にた いす る
態 度 であ り 、尋 問 にた いし て何 を 、何 の程 度 ま で陳 述 す る かと いう こと であ った 。 つま り 、 これ ま で のよ う に 日本 共 産 党 の存在
を 否 定 し 、石 神 井 会 議 が英 国 共 産党 の綱 領 や規 約 を 研究 す る会 で あ る こと を 主 張 し 、 万事 ノ ラリ ク ラ リと 答 え る態 度 を と り続 け
て ゆく か、 それ と も 、隠 し た と ころ で 、ど う せ わ か って いる のだ か ら 、党 の存 在 と 、 そ の目的 と を堂 々と 述 べ て、 国 民 の前 に党
の姿 を 明 ら か にし て ゆ く か 、と いう 問 題 であ った 。 わ た し は 、後 者 の態 度 を と るべ き こと を主 張 し た。 ( 中略) わ たし の主 張 は 、
そ のま ま では 受 け 入 れ ら れ な か った が、 全 面 的 に否 定 さ れ た ので は な か った 。 た と え ば 、 堺 利彦 は 、震 災 前 と ち が って、 震 災 後
の予審 陳 述 では 、 若 干 の変化 を 示 し た。 つま り、 共 産 党 の存在 を間 接 的 に認 め る発 言 を し て いる の であ った 。徳 田 が ﹁ 何 もかも
否 定 し ろ﹂ と 言 った と いう橋 浦 の文 章 は 、 い さ さ か正 確 を 欠 いて いる。 徳 田 は 、法 廷 で党 の宣 伝 を し よ う と いう 点 で は 、 わ たし
と同 意 見 であ った ( 三〇〇頁) 。
誰 が 被 告 人 た ち の 態 度 を 震 災 を 境 に変 え さ せ た か 、 そ の 変 化 が ど の て いど で あ った か に つ い て は 、 布 施 ・橋 浦 ・野 坂
﹃官 界 表 裏 ﹄ 引 用
三 者 の 証 言 に 食 い ち が い が み ら れ る が 、 共 通 し て い る の は 、 震 災 前 に お い て は 被 告 人 た ち は 黙 秘 に 近 い態 度 を と って い
た の が 以 後 は 訊 問 に 応 ず る よ う に な った 、 と い う こと で あ る 。 こ れ を 補 強 す る も の と し て 、 前 記 川 村 の継 続 部 分 が あ る 。
殊 に当 時 内 務 省 詰 の某 社 々員 I君 が 日 本共 産 党 に関 係 あ り、 警 視 庁 の検 挙 の手 が這 入 る や友 人 某 氏 の処 に行 つた こと も解 つた の
で、 I 君 の来 訪 を機 会 に同 君 を 説 き 一切事 件 の真 相 を告 げ る こと が 、将 来 の君 等 の運 動 の為 にも 必 要 な る こと を説 得 し 、斯 くま
で秘 密 に計 画 さ れた 結 社 も官 憲 の知 る処 と な つた 今 日、 速 に自 首 し て事 件 を明 白 にし 、同 志 を出 獄 せ し め 堂 々と主 義 綱 領 を掲 げ
へた か は分 らな い が、 事 件 が著 し く進 捗 し た らし い。
て結 党 し 、表 面的 合 法 的 運 動 を な す こと の有 利 な る こと を懇 説 し た 。 同 君 も之 に同 意 し、 其 の後警 視 庁 の取 調 に 対 し て 、何 と 答
右 の I 君 と は 何 者 で あ る か 、 被 告 人 の う ち I の 頭 文 字 を も つ 人 物 で新 聞 記 者 で あ った の は 市 川 義 雄 だ け で あ る 。 市 川
義 雄 は 当 時 東 京 毎 日 新 聞 記 者 で 、 兄 の 正 一が 誤 って 検 挙 さ れ た と し て 、 九 月 に名 の り 出 て 起 訴 さ れ た (﹃日本 社 会 運 動 人
名 事 典 ﹄青 木 書 店 )。 第 一審 で は こ の た め 兄 の 正 一は 無 罪 と な った が 、 控 訴 審 で は と も に 有 罪 と さ れ た 。 市 川 義 雄 が 新 聞
記 者 で 、 し か も 九 月 に な って か ら 自 首 し て い る 点 か ら み て 、 I が 市 川 義 雄 で あ る 可 能 性 は 濃 い 。 川 村 の 記 述 を 正 し い も
の と 仮 定 す れ ば 、 や は り 震 災 前 に お い て は ﹁事 件 を 明 白 に ﹂ す る よ う な 被 告 人 た ち の陳 述 は な か った と い う こ と に な る 。
と こ ろ が 、 本 巻 所 収 の 三 人 の 調 書 を み る と き 、 こ れ ま で の 通 説 は 改 め な け れ ば な ら な い。 ま ず 猪 俣 は 予 審 の 終 結 す る
ま で 取 調 べ に非 協 力 的 で あ る 。 猪 俣 は 吉 川 守 邦 や 市 川 義 雄 が 、 彼 が 石 神 井 会 議 の議 長 で あ った と 供 述 し て い る に も か か
わ ら ず 、 一 一月 末 に な って も こ れ を 否 定 し (第 二 回 調 書)、 よ う や く 年 末 に な っ て 、 こ れ を 肯 定 し 、 は じ め て 入 党 の 事 実
を 認 め て いる ( 第 五 回調 書 )。 堺 も 猪 俣 同 様 取 調 べ に終 始 非 協 力 的 で あ る 。 総 務 幹 事 長 と し て 、 事 実 上 の党 首 で あ る に も
か か わ ら ず 、 人 名 そ の 他 党 の 全 容 に 関 す る こ と は 一切 供 述 し て い な い 。 市 川 大 会 に つ い て は 一二 月 に 入 って は じ め て 存
った と 供 述 し て いる。 以上 の こと から 、 少 な く と も震 災 前 に お い て、 布 施 の言 のご と く被 告 人 た ち が黙 秘 を通 した と か 、
在 を 認 め て いる ( 第 七回調書)。 し かし党 の存在 に つ いて は震 災 前 の八 月 一 一日 これ を 認 め 、石 神 井 会 議 が臨 時 大 会 であ
野 坂 の言 のご とく 党 の存 在 を否 定 す る 指 示 が あ り 、 そ れ が守 ら れ た か のよ う に いう こと は事 実 に反 す る の であ る。 吉川
調 書 (第六回、八月 一日) に よ れば 、 野 坂 は す で に石 神 井 会 議 に綱 領 起 草 委 員 と し て出席 し た こと を自 白 し、 そ の上 、 他
の綱 領 委 員 の名前 ま で洩 ら し て い る。 他 方 、震 災 後 被 告 人 た ち が皆 ベ ラ ベ ラ自 白 し は じ め た と いう事 実 もな い こと が明 白 と な る 。猪 俣 や 堺 の調 書 が これを 証 明 す る 。
さら に通説 を根 底 か ら覆 す のは 吉 川 守 邦 の調 書 であ る 。猪 俣 や堺 と ち が い、 吉 川 は 終 始 取 調 べ に協 力的 で あ った こと
は明 白 であ る 。 も ち ろ ん知 って い る こと を す べ て自 白 し て いる わ け で はな い が、 石 神 井 会議 の出 席 者 の氏 名 だ け でな く
座 って いた 場 所 を 示 す 図 ま で画 いて い る。 おま け に市 川 大会 に出 席 し て いな い田代 常 二 を出席 し た と 証言 し ( 第 一三回、
一二月 二八 日)、 ま た 出席 を否 認 し て い る病 中 の川 崎 悦 行 (結局獄死) と対 決 す る か たち で、そ の出席 を 主張 す る有 様 であ る ( 第 一〇回 、 一〇月一三日)。
吉 川 がす ら す ら と自 白 し た のは、 彼 が 、石 神 井 会 議 で天 皇制 問 題 が議 論 さ れ た あと に、 お く れ て出 席 し た ため 、 そ の
議 論 の存 在 を 知 らず 、 こ のた め自 白 し ても 大 し た 罪 にな ら な いの だ か ら、 早 く 刑 を 受 け て出 獄 し た 方 が良 いと判 断 した
か ら で あ ろう 。 理 由 は と も かく 、吉 川 調 書 は 取 調 べ 側 の大 き な武 器と な った こと は 疑 え な い。 こ の点 ﹁執 行委 員 ハ総 テ
ノ責 任 ヲ負 フ モノデ ア リ、連 帯 責 任 デ ア ルカ ラ自 分 カ ラ全部 申 ス﹂ (吉川調書、 一三回)と 自 白 し た仲 宗根 源和 の調 書 ( 未 発見) と双璧 をな す も の であ ろ う 。
そ の こと は 今 日 にな って は 、吉 川 調 書 が創 立 期 共 産党 史 研究 の有 力 な 資 料 と な り う る こと を意 味 す る。 た と えば 第 一
一回調 書 に記 載 され て いる石 神 井 会 議 の議 事 録 は 、筆 者 が前 掲 稿 ﹁創 立期 日本 共 産 党 史 のた め の覚 書 ﹂ で紹 介 し た フー
ヴ ァ ー研 究 所 所蔵 の コピ ーと照 合 す ると 、 ま さし く そ の全 文 で あ る こと が わ か る。 そし て こ の照 合 によ り 、 フ ーヴ ァー
研究 所 の コピ ー で読 みと れ な い箇 所 を 、若 干 では あ る が補 う こと が で き る (もちろん逆 の場合もある)。
お わ り に こ の事 件 の判 決 が、 党 の創 立 を 一九 二 二年一二 月 と 認 定 し 、 のち 一九 三 二年 七 月 、当 時 の党 中 央 委 員 会 が 一
九 二 二年 七 月 一五 日 を創 立 記 念 日 と し て認 め る ま で、 こ れ が通 説 と な った こと にふ れ て お こう。 前 出 橋 浦 時 雄 の森長 英
三郎 宛 書 簡 は、 ﹁ 創 立 の時 期 を づら した のは 、市 川 大会 は か く せ な い し、 余 り 古 く から 準備 し て いた で は準 備 時 代 の あ
れ これ が ば れ て も困 ると 云 った訳 で 、私 や徳 田君 で予 審 判 事 の記 述 を ま と め た のです ﹂ と い って いる 。 ﹁予審 判 事 の記
一月二創 立 説 の根拠 と し て 、橋 浦 のほ か荒 畑 と 堺 (第八回) の 供 述 を
述 を ま とめ る﹂ と は 具 体 的 に何 を意 味 す る の か よく わ から な い。 震災 時 に橋 浦 と徳 田と が相 談 し て そ のよ う に主 張 し た と いう の で あろ う か。 し かし第 一審 判 決 文 では 、
あ げ て い る。 荒 畑 の供述 は震 災 後 と断 定 で き る が、 橋浦 の供 述 の日 付 は 不 明 で あ る。 堺 は震 災 前 、 第 四回 (八月 一一日)
訊 問 の とき 、 一二月 に佐 野 か ら 入党 をす す め ら れ た と 供 述 し 、吉 川 は第 七 回 (八月四日) に党 は 一 一月 か 一二 月 頃 成 立
し たと の べ て い る。 党 の創 立 を年 末 と す る こと は、 検 挙 前 に打 合 せず み であ った か も知 れな い。
最 近 ニ於 ケ ル特 別 要 視 察 人
年 四月 には じ ま る ﹁日本 共 産党 ﹂ の存 在 を認 識 し て い た。 それ に
も う 一つの問 題 は裁 判 所側 が こ の説 を事 実 と 認 定 した こと であ る。 ﹁大 正 十 一年 一月 調 ノ状 況 ﹂ (一四)で判 明す る よう に、 取締 側 は 一九二 一
も か か わら ず 一九 二 二年 一二月 に改 め て ﹁日本 共産 党 ﹂ の成 立 を認 め た のは 、 前 者 が 一九 二 一年 末 の検 挙 ( 暁民共産党
事件) で壊 滅 し た と判 断 し て い た から では な かろ う か。 前 者 を党 準 備 委 員 会 、後 者 (ただし七月 一五日創立)を 正 式 の 党
と みな す 通 説 に対 し 、 近年 岩 村 登 志 夫 がそ の連 続 性 を強 調 し て い る こと は す で に言 及 し た が、 第 一次 共 産 党 事 件 にお い
ては 、 は か らず も被 告 側 の作 為 と 、 取 調 べ側 の思 い こみと が 一致 し て、 一九 二 二年 一二月 創 立 説 が定 着 し た の であ ろ う。
三 三 田村 四郎 予 審 訊 問 調 書
三 田村 四郎 は浜 松 日本 楽 器 争議 の最 高 指 導 者 で、 三 ・ 一五 事 件 以後 、鍋 山貞 親 、市 川 正 一と と も に日本 共 産 党 の指 導
部 を構 成 し た。 彼 の予 審 訊 問 調書 (二六) は、 本 来 な ら ば ︿現 代史 資 料 ﹀ 19、 す な わち 山 辺 健 太郎 編 ﹃社 会 主義 運 動 ⑥﹄
︿現 代 史 資 料 ﹀ 19 ・20 に お さ め ら れ た 調 書 の 中 で 量 の 多 い 鍋 山 貞 親
に 、 鍋 山 貞 親 、 国 領 五 一郎 、 杉 浦 啓 一の 調 書 と と も に収 録 さ る べ き も の で あ る 。 し た が って 読 者 は ま ず 、 同 巻 の 山 辺 の 解 説 を参 照 さ れ た い。 三 田 村 調 書 の特 徴 は そ の 厖 大 な 量 に あ る 。 前 記
(二 二五 頁分 )、 国 領 五 一郎 (二〇 五頁 分)、 徳 田 球 一 (一六 二頁 分 ) に く ら べ て 三 田 村 の 二 九 五 頁 分 は 異 彩 を 放 つ 。 お そ ら
く 三 ・ 一五 、 四 ・ 一六 事 件 関 係 被 告 の 調 書 の中 で 、 量 の 点 で は 第 一に 位 す る も の と 思 わ れ る 。
問 題 は そ の 内 容 の 信 憑 性 で あ る 。 徳 田 球 一 ・志 賀 義 雄 ﹃獄 中 十 八 年 ﹄ (一九 四 七年 、時 事 通 信 社) の中 で 、徳 田 球 一は 次 のよ う に書 い て いる 。
二九 二〇 年 ( 昭和五年)佐 野 、 鍋 山 、 三 田村 、高 橋 ら の調 書 を みせ ら れ て、 わ た し は内 心 お ど ろ いた 。
こ の記録 た る や 、 あ い て をな んと かご ま か し て、 す こし で も早 く 出 よ う と か ん が え 、 そ のう ち にす つかり敵 の策 謀 に の つて、
早 く出 る た め に党 の機 密 もな にも な く 、 お も いお も い に か つてな こと を し や べ つて い る。 佐 野 や鍋 山 な ど は党 の責 任 者 で あ りな
が ら ﹁自分 は党 員 で はな い﹂ と か ﹁党員 では あ る が ほ ん のち よ つと かか わ り あ つた だ け だ﹂ と か い つ て いる 。 三 田村 はま た 自 分
を大 き く み せ ると と も に早 く出 た い気 もち から 、 大 ぼ ら を ふ き 、 ﹁ 党 は ぜ ん ぜ ん弱 体 でな にも でき な い﹂ と か、 ﹁自 分 は 党 な ど ぜ
ん ぜ ん問 題 に せず 、 日本 の労働 者農 民 を自 分 の手 で大 い に啓 発 す る た め党 を利 用 し た﹂ と か い い、党 を非 難 す るた め に党 内 の事
こう し て調 書 は 敵 に都 合 のよ いよ う に つく ら れ、 党 の姿 は す つか り 混乱 し 、 ゆ が めら れ てし ま つた 。 わ れ わ れ は 、 これ にた い
件 を か ぞえ あ げ て いる 。
し て ど うし て もた た か わ ね ば な ら ぬは め にな つた 。 党 のた だ し い姿 を 、人 民 のた め にた た か つた じ つさ い の姿 を 、党 外 の大 衆 に
も う つた え党 内 の同 志 にも つた え る た め に、 い や おう な く 陳述 せ ね ば な ら な くな つた。 わた し は 志賀 君 た ち と相 談 し た。 そし て、
わ れ わ れは い つ監 獄 のな か で死 ぬ か も し れ ぬ、 そ のた め に党 の姿 を あ き ら か に し て お かな け れ ば な ら な いと いう こと にき ま つた 。 そ れ か ら わ れ われ は 予審 の陳 述 を はじ め た 。
こ の 文 章 を 読 む と 、 三 田 村 調 書 は と く に 信 用 で き な い 印 象 を 受 け る 。 し か し 徳 田 が ﹁今 ヤ 私 ノ 任 務 ハ党 ノ 全 体 ノ 姿 ヲ
可 成 完 全 ニ描 キ 出 ス 事 ニ助 力 ス ル事 デ ア ル 事 ヲ自 覚 シ﹂ て供 述 を は じ め た 一九 三 〇 年 一月 二 八 日 以 前 の 三 田 村 調 書 を 読
む か ぎ り 、 徳 田 の 批 判 に該 当 す る 箇 所 は 見 当 ら な い し 、 ま た 全 体 を 通 し て み て も 、 党 を 非 難 す る 姿 勢 は 見 出 せ な い 。 た
し か に 三 田 村 は の ち 一九 三 三 年 、 佐 野 、 鍋 山 に つ づ い て転 向 を 声 明 し た 。 し か し 、 そ の 故 を 以 て 転 向 以 前 の供 述 を に せ
も の 扱 い に す る の は 不 当 で あ ろ う 。 ま し て 三 田 村 は 一九 三 〇 年 一〇 月 二 七 日 に も た れ た ﹁第 一回 被 告 会 議 ﹂ に お け る 八
昭和 ・前 ﹄、
名 の 列 席 者 の 一人 (他 は杉 浦 、徳 田 、志 賀 、 国 領 、 鍋 山 、市 川 、佐 野 ) で あ り 、 以 後 ﹁法 廷 常 任 委 員 ﹂ と し て 法 廷 闘 争 に 参
画 し 、 公 判 に お い て は 代 表 陳 述 者 の 一人 と な っ て い る (小 田 中聡 樹 ﹁三・一 五 、 四 ・一六事 件 ﹂﹃日本 政 治 裁 判 史 録
二〇 三頁 以下 )。 獄 外 ・獄 中 を 通 し て 重 要 な 地 位 に あ った も の の 供 述 と し て 、 三 田 村 調 書 を 位 置 づ け る 必 要 が あ る 。
一 月二 一 三 日) で あ る。 そ の中 で三 田 村 は 鍋
一 月二二 日) ま で の 陳 述 を ﹁全 部 承 認 ﹂ し 、 そ の 理 由 と し て 、 そ れ は ﹁鍋 山
三 田村 調 書 の性 格 を 知 る上 でと く に重 要 な のは第 四 二 回調 書 (一九 三〇年 山 の第 二 四 回 (九 月 一〇 日) か ら 第 三 九 回 (
ノ自 分 勝 手 ナ 陳 述 デ ハ ナ ク シ テ 、 ア ル会 議 ノ 決 定 ニ基 ク 陳 述 ダ カ ラ デ ア リ マ ス﹂ と いう 。 こ の 問 に 鍋 山 が 供 述 し て い る
の は 、 三 ・ 一五 以 後 の党 活 動 で あ る 。 こ れ に つ い て は 鍋 山 が 代 表 し て 供 述 す る こと を あ る 会 議 で 取 極 め た と い う の で あ
る 。 こ の 会 議 が 前 記 一〇 月 二 七 日 の ﹁第 一回 被 告 会 議 ﹂ 以 前 に開 か れ て い る こ と は 鍋 山 の 第 二 四 回 調 書 が 九 月 一〇 日 の
も の で あ る こ と に よ り 証 明 さ れ る 。 た だ し 三 田 村 は ﹁其 会 議 ト ハ如 何 ナ ル事 カ ﹂ の 予 審 判 事 の質 問 に答 を 拒 否 し て い る 。
こ の 会 議 の 取 極 め は 第 一回 被 告 会 議 で 追 認 さ れ た も の と 思 わ れ る 。 そ し て 逆 に 三 田 村 の第 四 四 回 (一二月 二四 日 ) か ら 第
四 九 回 (一九 三 一年 二月 五 日) ま で の 供 述 は 三 田 村 の代 表 陳 述 で あ る こと が 鍋 山 調 書 第 四 一回 (四 月 四 日) で 判 明 す る 。 ま
た 一九 二 八 年 一〇 月 か ら 翌 年 四 月 ま で の 活 動 に つ い て の べ た 市 川 正 一の 第 二 三 回 か ら 第 四 五 回 ま で の 供 述 を も こ の と き
鍋 山 は 承 認 し 、 ま た 三 田 村 も そ の 第 五 一回 調 書 (四 月 八 日) に お い て 同 様 に 承 認 し て い る 。
こ の よ う に 三 ・ 一五 事 件 か ら あ と の 党 活 動 に つ い て は 、 最 高 指 導 部 の 鍋 山 ・市 川 ・三 田 村 の 三 人 が 分 担 し て 供 述 し て
い る の で あ り 、 少 な く と も 三 田 村 の 分 担 部 分 た る 全 協 関 係 の 供 述 を ﹁大 ぼ ら ﹂ 扱 い に は で き な い こと は 明 ら か で あ る 。
問 題 は 三 ・ 一五 事 件 直 後 の 時 期 ま で を の べ た 第 三 八 回 (一九 三〇 年 九 月 二 日) ま で の部 分 で あ る 。 三 田 村 は 第 四 〇 回
(一 一月 七 日)、 第 四 一回 (一 一月 一九 日) の 再 度 に わ た り 、 こ れ ま で の供 述 の修 正 を 申 立 て る 。 そ れ ま で 雄 弁 に 供 述 し て
き た三 田 村 が にわ か に供 述 を拒 否 し た第 三九 回訊 問 が九 月 三 〇 日 に行 わ れ て いる と ころを み る と 、 こ の 修 正 は 前 記 の
﹁ア ル 会 議 ﹂ お よ び 、 一〇 月 二 七 日 の被 告 会 議 の結 果 と 思 わ れ る 。 そ の ほ と ん ど は 事 実 関 係 の 修 正 で は な く 、 個 人 名 の 出 て 来 る 部 分 の 削 除 で あ る 。 修 正 部 分 が ウ ソ の供 述 だ と い う こと に は な ら な い 。 三 田 村 は 、 鍋 山 の第 二 四 回 ( 九 月 一〇 日) 以 前 の供 述 に つ い て 次 の よ う に い う 。
此 ノ陳 述 以 前 ノ同志 鍋 山 ノ陳 述 ノ ア ル部 分 ハ同 志 佐野 学 、杉 浦 啓 一、 市 川 正 一、国 領 五 一郎 、徳 田 球 一、 志 賀義 雄 及 私等 々ノ 陳
述 ノ ア ル部 分 ト同 様 ニ、矢 張 リ個 人 ト シ テ ノ勝 手 ナ陳述 デ ハナ ク、会 議 ノ決 定 ニ基 キ陳述 シ タ モ ノデ ス。然 ル ニ会 議 ノ決 定 ノ不
十 分 ト裁 判 制 度 ニ拘 束 サ レ タ ルタ メ ニ、 此 ノ各 人 ノ陳述 中 ド ノ部 分 ガ会 議 ノ決 定 ニ基 ク モノデ ア リ、 又 ドノ 部 分 ガ会 議 ノ決 定 以
テ居 リ マス。 ソシ テ私 ガ 同 志 鍋 山 ノ此 ノ陳 述 ヲ全 部 承 認 スル ノ モ、全 ク斯 ル趣 旨 カ ラ出 タ モ ノデ アリ マス。
外 ノ陳 述 デ ア ルカ ヲ全 ク不 明瞭 ニ シ テ仕 舞 ヒ マシ タ。 我 々 ハ再 ビ此 ノ失 敗 ヲ繰 返 サ ナイ 様 ニ、出 来 ル丈 ケ方 法 ヲ講 ジ タ イト 思 ツ
こ こ に あ げ ら れ て い る 人 名 は す べ て 第 一回 被 告 会 議 の メ ンバ ー で あ る 。 そ し て 彼 ら の 予 審 訊 問 は 四 ・ 一六 事 件 関 係 を
の ぞ き 、 佐 野 の 四 月 七 日 を 最 後 に お わ って い る 。 も し こ れ ら の被 告 の供 述 の あ る 部 分 か ら の 決 定 に も と づ く よ う な 会 議
が あ った と す れ ば 、 四 月 七 日 以 前 と い う こ と に な る 。 そ れ も 一回 か 数 回 か は 明 瞭 で な い。 も し 公 然 た る 被 告 会 議 のご と
き も の が 四 月 七 日 以 前 に 開 か れ て い る な ら ば 、 三 田 村 の 一 一月 に な っ て か ら の第 四 〇 ・四 一両 回 に わ た る 既 供 述 の 修 正
な ど 行 わ れ る は ず は な い。 会 議 な る も の が 存 在 し て い た と す れ ば 、 持 回 り の 非 公 然 会 議 と で も いう べ き も の し か 考 え ら れ な い。
鍋 山 貞 親 ﹃私 は 共 産 党 を す て た ﹄ (一九 四 九 年 、 大 東出 版 社) に よ れ ば 、 四 ・ 一六 事 件 グ ル ー プ が 入 獄 す る ま で は 、 被 告
間 に何 の 連 絡 も な か った も の を 、 次 第 に 連 絡 網 を つ く り 、 棟 ご と の 責 任 者 も き め 、 ﹁獄 内 中 央 委 員 会 ﹂ を 成 立 さ せ た と
い う (一三五 頁 )。 三 田 村 の い う 会 議 と は こ の 委 員 会 を 指 す も の と 思 わ れ る 。 こ の委 員 会 の メ ン バ ー は お そ ら く 第 一回 被
告 会 議 のそれ と 重 な る の であ ろう 。 委 員 会 が い つ成 立 し た か は 不明 だ が、 これ を 推測 さ せ る カ ギ が な いわけ で は な い。 そ れ は被 告 たち の供 述 態 度 の重 大 な変 化 の時 点 に求 め ら れ る 。
徳 田 が 、 他 の 被 告 の 供 述 を 読 ん で ﹁今 ヤ 私 ノ 任 務 ハ党 ノ全 体 ノ 姿 ヲ 可 成 完 全 ニ描 キ 出 ス事 ニ助 力 ス ル事 デ ア ル 事 ヲ 自
覚 シ マ シ タ ﹂ と し て 、 陳 述 を は じ め る の は 一九 三 〇 年 一月 二 八 日 の こと で あ る 。 こ の と き ま で 党 活 動 に つき 供 述 を 拒 ん
で き た の は 、 ほ か に 志 賀 義 雄 ・杉 浦 啓 一 ・市 川 正 一 ・国 領 五 一郎 が あ り 、 彼 ら の 予 審 訊 問 調 書 を 読 む と 志 賀 は 二 月 一八
日 、 杉 浦 は 二 月 二 七 日 、 市 川 は 三 月 一五 日 、 国 領 は 五 月 二 日 に 供 述 を 開 始 し た こ と が わ か る 。 鍋 山 は 前 年 の 一二 月 二 七
日 、 三 田 村 は 同 じ く 一二 月 二 九 日 か ら 、 佐 野 は 一月 一二 日 か ら 本 格 的 に 共 産 党 と の関 係 を 供 述 し て い る 。 そ し て徳 田 が
( 第 一二 回、 一月 一五 日)
( 第 一二 回 、 一月 二七 日) も 同 じ く 同 年 六 月 の 検 挙 ま で を 語 り お え た 。 徳 田 は
供 述 を は じ め た 時 点 ま で に 三 田 村 (第 一四 回 、 一月 二〇 日) は 、 一九 二 七 年 一二 月 ま で の 、 鍋 山 は 一九 二 九 年 四 月 検 挙 ま で を 供 述 し 、 佐 野
お そ ら く 鍋 山 と 佐 野 、 そ の 中 で も 党 創 立 以 来 そ の中 枢 に い て 事 情 を も っと も よ く 知 って い る は ず の 佐 野 の 陳 述 に 刺 戟 さ れ 、 党 の全 容 を 陳 述 す る 決 意 を 固 め た も の と 推 測 さ れ る 。
徳 田 は 前 記 の ご と く ﹃獄 中 十 八 年 ﹄ に お い て 、 陳 述 を は じ め る に つ い て は ﹁志 賀 君 た ち と 相 談 し た ﹂ と 語 る が 、 そ の
中 に は 鍋 山 も い た 可 能 性 が あ る 。 な ぜ な ら ば 徳 田 が 供 述 を は じ め る と 、 鍋 山 は 一度 二 月 四 日 に 杉 浦 ら と の 関 係 に つ い て
の 短 い供 述 を 行 った だ け で 、 徳 田 の党 史 に つ い て の 供 述 の 終 了 す る 三 月 二 一日 ま で 訊 問 が 途 切 れ 、 三 月 二 六 日 に な る と
態 度 を 一変 し 、 こ れ ま で の 供 述 を ﹁根 本 的 ニ修 正 追 加 ﹂ す る に い た った か ら で あ る 。 三 田 村 は 徳 田 供 述 の開 始 後 も 供 述
を続 け て い る が、 三 月 二 九 日 ( 第 一八 回) に な る と こ れ ま た こ れ ま で の陳 述 の 補 正 に と り か か る 。 こ の 補 正 は 五 月 七 日
( 第 二六 回) ま で 続 き 、 そ の あ と よ う や く 補 正 前 か ら の継 続 陳 述 に入 る 。 前 記 の よ う に 志 賀 は 二 月 一 八 日 、 杉 浦 は 二 月
二 七 日 に 供 述 を は じ め る 。 国 領 が 五 月 に 入 ら ぬ と 供 述 を は じ め ぬ 理 由 は 不 明 だ が 、 徳 田 ・志 賀 ・鍋 山 ・三 田 村 ・杉 浦 の
﹁ニ付 テ ハ同 志 志 賀 又 ハ同 志 市 川
間 に は お そ く と も 三 月 中 に は ﹁会 議 ﹂ と は 行 か な い ま で も 何 ら か の 連 絡 が あ った と 推 定 さ れ ね ば な ら ぬ 。 三 田 村 が 前 記 五 月 七 日 (第 二 六 回) の 最 終 補 正 の お わ り の 部 分 ( 本 巻 六 三 八頁 ) で 、 対 支 非 干 渉 運 動
ガ 詳 細 申 述 ベ テ 居 ル事 ト 思 ヒ マ ス ﹂ と 陳 述 し 、 事 実 、 志 賀 が そ の 第 十 一回 調 書 (三 月 二 日) に お い て 詳 述 し て い る と こ
ろ を み る と 、 あ る て い ど の分 担 も き ま って い た の か も 知 れ な い 。 そ し て さ ら に 九 月 は じ め に ﹁会 議 ﹂ が あ り 、 三 ・ 一五
以後 に つい て の陳 述 分担 が き め ら れ た の で あ ろう 。
以 上 の よ う に 見 て 来 る と 、 三 田 村 の 供 述 は 第 一八 回 (三 月 二 九 日) 以 後 の 部 分 に つ い て は 党 活 動 の 実 態 を 記 録 に 残 そ
う と い う 明 確 な 自 覚 の 下 に な さ れ た も の と し て 受 け と る べ き で あ り 、 そ れ 以 前 の供 述 も 、 以 後 の 供 述 と 矛 盾 し な い か ぎ
り 、 虚 偽 の内 容 と す る こ と は で き な い 。 三 田 村 の 供 述 は 党 関 係 の 文 書 の 内 容 を 詳 述 し て い る の が 特 徴 だ が 、 た と え ば 一
九 二 七 年 末 の コミ ン テ ル ン代 表 報 告 書 (本巻 五 五 六頁 以 下) お よ び ﹁日 本 共 産 党 組 織 再 建 ニ就 テ ノ テ ー ぜ ﹂ ( 同五七六頁以
下 ) を ︿現 代 史 資 料 ﹀ 14 、 す な わ ち 山 辺 健 太 郎 編 ﹃社 会 主 義 運 動 ① ﹄ に 収 録 さ れ て い る原 文 と 比 較 し て み る と 、 い か に
彼 の 記 憶 力 が 絶 倫 で 、 ま た 文 書 の 内 容 を 正 確 に 把 握 し て い る か が わ か り 、 他 の 供 述 一般 に つ い て も 、 充 分 利 用 価 値 の あ る こと を推 定 さ せ る。
も ち ろ ん 、 三 田 村 の 供 述 が す べ て事 実 を 正 確 に伝 え る も の と い う こ と は で き な い 。 大 庭 伸 介 ﹃浜 松 ・日 本 楽 器 争 議 の
研 究 ﹄ (一九 八〇 年 、 五月 社) は く わ し く 三 田 村 調 書 を 検 討 し 、 三 田 村 が 全 市 ぜ ネ ス ト 不 成 功 の 理 由 と し て あ げ て い る 三
点 ( 本 巻 六 三 一頁 ) は 、 ﹁いず れ も 牽 強 付 会 の 最 た る も の﹂ と し (二一六頁 )、 ま た 、 有 名 な ダ イ ナ マイ ト 事 件 に つ い て 、
三 田村 が これ を完 全 に スパイ のし わ ざ と供 述 し て いる こと は ( 本 巻 六 一四 頁 )、 こ の事 件 を 争 議 団 と 無 関 係 に ﹁し て し ま い た い意 図 を 感 じ さ せ る ﹂ と 指 摘 し て い る (一八 七頁 )。
し か し 、 調 書 に 対 し 厳 密 な 資 料 批 判 を 行 わ ね ば な ら ぬ こと は 、 非 転 向 を つら ぬ い た 徳 田 ら に つ い て も 同 様 で あ る 。 三
田 村 が 自 画 自 賛 的 部 分 を 含 め 雄 弁 す ぎ る ほ ど 陳 述 し た こ と は 事 実 だ が 、 徳 田 に し て も 、 前 記 ﹃獄 中 十 八 年 ﹄ で し ゃ べ り
す ぎ た と 自 己 批 判 し て い る 。 の ち の転 向 者 た る ゆ え を も っ て 、 あ の 非 転 向 者 で 人 物 評 価 に き び し い 山 辺 健 太 郎 さ え ﹁左
翼 の し っ か り し た 理 論 家 だ し 、 オ ル ガ ナ イ ザ ー と し て は 非 常 に才 能 が あ る 人 ﹂ (山 辺 ﹃社会 主義 運動 半 生 記 ﹄ 一〇 七頁 ) と 認 め た 人 物 の供 述 の資 料 的 価 値 を お と し め る こ と は で き な い 。
一〇 特 別 要 視 察 人 概 況 大正九年一 月調
大 正 九年 一月 調 特 別 要視 察人 概 況
次
七 5
四 4
丁 一 3
目
急進的無政府主義 ( 大杉栄)
第 一 特 別要 視 察 人 分 布 ノ状 況
労働組合無政府主義 ( 荒畑勝 三、山川均)
一 4
(一)
八 5
二 4
(二) 漸 進 的 社 会 主義 (堺利彦)
九 6
第 二 特 別要 視 察 人 ノ機 関 紙
) (三 国家社会主義 ( 高畠素之)
第 三 特 別要 視 察 人 各 派 ノ主 張 及行 動 ノ概 況
(四)
二八 10
東 京 労 働 運 動 同 盟会
二九 11
二九 10
二九 10
( イ) 労 働 同 盟 会
主 義 者 ノ組 織 セ ル労 働 団 体
第 四 労 働 団 体 ト特 別 要 視 察 人 (一)
( ) ロ
四五 14
四五 14
露 国 過激 派 ト ノ関 係
四七 15
第 七 外 国 主義 者 ト特 別要 視 察 人 ト ノ関 係 (一)
其 ノ他 ノ外国 主 義 者 ト ノ関 係
16
四八 15
(二)
一 主 義 者 ノ機 関 紙 発 売 頒 布 禁 止 調
録
第 八 特 別 要 視 察 人 ノ取 締 附
16
2 2
19
1 6
一 主 義 者 ノ集会 及 中 止 解 散 調 ( 附表)
特別 要視察人 準特別要視察人増減 一覧表 特 別 要 視 察 人 自 大 正 八年 一月 二日 新規編入及視 察解除人員表 準特別要視察人(至 同 九 年 一月 一日) 特別 要視察人 準特別要視察人編入庁別現在人員表
特 別 要 視 察 人概 況
第 一 特 別 要 視 察 人 分 布 ノ状況
特 別 要 視 察 人 ノ総 数 ハ大 正 八 年 一月 一日 ニ於 テ ハ八 九 九 名 ナリ シカ
其 ノ後 一ケ年 間 ニ於 テ新 規 ニ三 六 名 ヲ増 加 シ三八 〇 名 ヲ解 除 シ 一 一
三〇 11
国 在留 者 ト シ テ ハ米 国 ノ三 〇 名 ヲ最 多 ト ス
方 別 ヲ挙 ク レ ハ依 然 東 京 ノ 一三 八 名 ヲ最 多 ト シ大 阪 、 北 海 道 、長 野
ニ比 シ三 五 五名 ヲ減 少 セ リ此 ノ現在 人員 五 四四 名 ニ就 キ其 ノ居 住 地
名 ノ死 亡 者 ヲ生 シタ ル為 メ本年 一月 一日現 在 ハ五 四 四 名 ト ナ リ前 年
三四 11 三六 12
ノ地 方 ハ三 六 乃至 四 三名 其 ノ他 ノ府 県 ハ 一名 乃 至 二三 名 ヲ有 セリ外
四〇 13
東 京 活 版信 友 会 ト ノ関 係 印刷工組合
(三) 大 日本 労 働 総 同 盟 友愛 会 ト ノ関 係 第 五 軍 隊 ト特 別 要 視 察 人 ト ノ関 係
(二)
第 六 学 生 ト特 別 要 視 察 人 ト ノ関 係
争 議 ニ際 シ之 ニ介 入 シテ労 働 者 ニ対 シ労 働 問 題 ノ徹 底 的 解 決 ハ無 政
府 主義 乃 至 社会 主 義 ニ依 ル ニ非 サ レ ハ到 底 望 ム ヘカ ラ サ ル コト ヲ会
ルノ風 アリ 又 一面思 想 円熟 セ サ ル学 生等 ニ接 近 シ之 ニ主 義 ヲ鼓 吹 セ
得 セ シ メ主義 ノ宣伝 ヲ為 スヲ捷 径 ナ リト シ此 ノ方 面 ニ活 動 セ ント ス
第 二 特 別 要 視 察 人 ノ機 関 紙 現 在 ニ於 テ刊 行 シツ ヽア ル主義 者 ノ機 関 紙 ハ大 杉 一派 ノ ﹁労 働 運
ント スル傾 向 アリ旁 主 義 者 ニ対 シ テ ハ最 モ注 意 ヲ要 スル状 況 ニア ル
動 ﹂ 堺 一派 ノ ﹁月 新刊 社 会 ﹂ 其 ノ他 ﹁ 社 会 主 義 研 究 ﹂ ﹁民 本 主 義 ﹂ ( 第
モノ ト ス以 下 各 派 ノ主 張 及 行 動 ヲ略述 ス ヘ シ
本 派 ノ中 心的 人物 ハ大 杉 栄 ニシ テ其 ノ主 張 ハ政 治 的 及 経 済的 直 接
急 進 的 ニ無 政府 主 義 ノ実 現 ヲ期 セ ント ス ル モノ
一号限リ廃刊)神 奈 川 ニ於 ケ ル ﹁横浜労働 新 聞 ﹂ 大 阪 ニ於 ケ ル ﹁日本 労
(一 )
働 新 聞 ﹂等 ニ シ テ高 畠 一派 ハ大 正 八年 四月 ﹁国 家 社 会 主義 ﹂ ヲ発 刊 セ シ カ同 八 月廃 刊 セリ是 等 ノ刊 行物 ハ往 々 ニ シテ過 激 ノ言 論 ヲ掲 載 シ発 売 頒 布禁 止 処分 ヲ受 ケ タ ル コト アリ其 ノ度 数 ハ大 正 八年 中 ニ於 テ 五回 ナ リト ス
キ ハ自 己 ノ生活 ヲ他 人 ニ代 表 セ シ メ自 主 自治 ノ精 神 ニ反 シ人 ヲ獣
行 動 ニ依 リ其 ノ理想 ヲ実 現 セ ント ス ル モ ノ ニ シテ ﹁議 会 政策 ノ如
動 即 チ労働 者 カ威 力 ヲ以 テ議 会 ヲ左右 シ法 規 ノ制 定 及 改 廃 ヲ為 ス
化 ス ルモ ノ ナリ﹂ ト称 シテ之 ヲ排 斥 セリ然 レト モ労 働 者 ノ直 接 行
特 別 要 視 察 人 ノ重 ナ ル人物 ニ就 キ言 動 主張 其 ノ他 諸 般 ノ事 情 ヲ考 察
カ如 キ意 味 ニ於 テ ハ議 会 政 策 必 スシ モ排 斥 ス ヘキ モノ ニア ラ スト
第 三 特 別 要 視 察 人 各 派 ノ主 張及 行 動 ノ概 況
スルト キ ハ我国 ノ主 義 者 ハ大 体 ニ於 テ
ニ主 義 ノ宣 伝 ヲ為 サ ント シ従 来 ノ主 張 ノ外更 ニ ﹁無 政 府 主義 的新
主 張 セ リ又 近 時労 働 問 題 ノ滋 生 セ ル ヲ奇 貨 ト シ労 働 者 ニ接 近 シ之
ス ル主 張 ハ ﹁労働 運 動 ハ労 銀 値 上 、労 働 時 間 短 縮 等 ノ労 働条 件 ノ
労 働 組 合 主義 ﹂ ナ ル標 榜 ノ下 ニ労働 運 動 ニ介 入 セ ント セ リ之 ニ対
一、急 進 的 ニ無 政 府 主 義 ノ実 現 ヲ期 ス ル モノ
三 、漸 進 的 ニ社 会主 義 ノ実 現 ヲ期 スル モノ
二 、労 働 組 合 ニ依 リ無 政 府 主 義 ノ実 現 ヲ期 ス ル モノ
四 、国 家 ニ依 リ社会 主 義 ノ実 現 ヲ期 スル モノ
シ之 ヲ労働 者 ノ手 裡 ニ収 ム ル自 主 自 治的 生 活 獲 得 運 動 ナ ラサ ル ヘ
改 善 ニ止 マル ヘキ ニ非 ス進 テ労働 条件 ノ決 定 権 ヲ資 本 家 ヨリ奪 取
カ ラ ス﹂ ト 云 フ ニ在 リ
ノ 四派 ニ区 別 ス ル コト ヲ得
而 シ テ本 派 ノ具体 的 運 動 ト シ テ ハ大杉 栄 ハ従 来 自 ラ主 催 者 ト ナ リ
然 レト モ之 等 各 派 ノ関 係 ハ絶 対 ニ離 隔 セ ル モノ ニア ラ ス シ テ時 々合
入 セ ル結 果 其 ノ主 張 系統 モ多 少 錯 雑 ヲ来 セ ルノ状 況 ニア リ
同 的 行 動 ニ出 ツ ル コト ア ルノ ミ ナ ラ ス近時 欧 米 ヨリ各 種 ノ新思 想流
著 シク其 ノ活 動 ヲ昂騰 シ殊 ニ労 働 問 題 ニ全 力 ヲ傾 倒 シ労 働 者 ノ自覚
ノ他 ノ同 志 ノ会 合等 ニ 一派 ト共 ニ出 席 シ席 上 講
之 等 要 視 察 人 等 ハ世 上 思想 問 題 労 働 問 題 等 ノ論 議 急 ナ ル ニ連 レ近来
年七月二十日ヲ最 其 終 ト シテ 休 止 セ リ)
開催 シ来 レル同志 ノ主義研究会(毎月二回 開催ス) ノ外 一派 ニ属 スル吉 田 一( 甲 号 本会合 ハ主催者吉 田カ窃盗罪 ニ ノ主 催 セ ル ﹁労 働 相 談 所 茶 話会 ﹂(依 リ検挙 セラ レシヲ以 テ大正 八 鍛冶工) 及 利権 伸 長 ヲ高 唱 シ テ之 ヲ煽 動 シ又 最 近 各 種 ノ方 面 ニ発 生 セ ル労働
働 者 等 ノ激 成 ニ努 メ シ カ其 ノ後 横 浜 在 住 ノ同 志 ト提 携 シ テ大 正 八
演 ヲ試 ミ時 ニ印 半 纏 ヲ着 用 シ テ出席 ス ル等 各 種 ノ方 法 ニ依 リ テ労
筈 ナリ
人 ノ入 監 中 ハ前 記 大石 七分 ニ於 テ大 杉 家族 ノ扶養 ヲ引受 タ ル
ニ依 リ懲 役 ニ処 セラ レ去 ル十 二月 二十 三 日 収 監 セラ レタ リ本
ヲ催 シ之 カ機 関 紙 ト シ テ ﹁横浜労 働 新 聞 ﹂ ヲ発 刊 セ リ大 杉 ハ 一面在
労 働 組 合 主 義 ニ依 リ無政 府 主 義 ノ実 現 ヲ期 スル モ ノ 本 派 ノ中 心 的 人 物 ハ荒 畑勝 三 、山 川 均 ニシ テ其 ノ主張 ハ強 力 ナ ル
) (二
年 六月 六 日 ヨリ同 地 ニ毎 月 二 回 ﹁労 働 問 題 講 演 会 ﹂ ト称 スル会 合
京 各 派 結 束 シ テ実 際 運 動 ニ当 ラ ント計 劃 セ シカ各 派 ハ特 殊 ノ沿 革
労 働 組 合 ヲ組 織 シ ﹁スト ライ キ﹂ ﹁サ ボ タ ー ヂ﹂其 ノ 他 ノ手 段 ヲ
ニ依 リ主 義 ノ実 現 ヲ計 ラ ント ス ル ニ在 リ実 際 運 動 ト シ テ ハ荒 畑 、
講 究 採 用 シ テ資 本 、労 働 ノ闘 争 ヲ継 続 シ結 局 資 本 制度 ヲ打 破 シ之
ラ提 案 者 ト 為 リ同 会 ヲ ﹁東 京 労 働 運 動 同 盟 会 ﹂ ト改 称 シ社 会 主 義
体 ニ接 近 侵 入 セ ント シ大 正 八年 九 月 十 五 日同 研究 会 例会 ノ席 上 自
研 究 論 議 ヲ試 ミ屡 々中 止 解 散 ヲ命 シ タ ル コト アリ
研 究 会 ﹂ ヲ開 催 シ主 ト シ テ両 名 ニ於 テ講 演 ニ当 レ ル カ常 ニ過 激 ノ
山 川 ハ同 志 ト 共 ニ大 正 六年 六月 二十 二 日 ヨリ毎 月 二 回 ﹁労 働 組 合
大 正 八年 十 月六 日月 刊 新 聞 紙 ﹁労働 運動 ﹂ ヲ発 刊 シ友 愛 会 地 方 支
其 ノ手 段 ヲ問 ハサ ル ニ反 シ荒 畑 ハ専 ラ労 働 組 合 ヲ手 段 ト シ之
山 川均 ト共 ニ一派 ヲ形 成 セ リ而 シ テ大杉 ハ直 接 行 動 ヲ主 張 シ
荒 畑 勝 三 ハ従来 大 杉 一派 ニ属 シ タ リ シ カ其 ノ後 大 杉 ト分 離 シ
註
部 其 ノ他 ノ労 働 団 体 等 ニ送 付 シ提 携 ヲ求 メ 且 ツ大 阪 ニ支 部 ヲ設 置
名 ノ同 志 出 入 飲食 セ ル ヲ以 テ米 代 ノ ミ ニテ七 十 円 位 ヲ要 シ 一
大 杉 ハ内 縁 ノ妻 ﹁伊 藤 ノ ヱ﹂ ( 甲号)及 子 供 二名 ト 同 棲 シ且数
シ屡 々行動 ヲ共 ニセ ル ヲ以 テ将 来 両 派 ハ合 同 ノ機 運 ニ達 ス ル
ヲ採 リ著 シ ク荒 畑 ノ主 義 ト接 近 シ来 リ且 ツ両 人 ノ関 係 モ融 和
通 選 挙 ノ実施 、労 働 組 合 ノ組 織 等 比較 的穏 和 ナ ル政 策 ヲ採 用 シ順
本 派 ノ中 心的 人 物 ハ堺 利 彦 ニシ テ其 ノ主 張 ハ社会 主 義 ヲ標 榜 シ普
漸 進 的 ニ社会 主義 ノ実 現 ヲ期 スル モノ
モ ノト認 メ ラ ル
而 シテ之 等 生 活費 ハ雑 誌 其 ノ他 ノ稿 料 及 ﹁労働 新 聞﹂ 売 上金
ケ月 ノ生 活 費 ハ二 百 円 ニ達 ス ル モノ ヽ如 シ
大 杉 ハ ﹁無 政府 主義 的 新 労 働 組 合 主 義 ﹂ ト称 シ労 働 組 合主 義
ニ依 テ主 義 ノ実 現 ヲ期 セ ン コト ヲ主 張 セリ然 ル ニ最 近 ニ至 リ
註
セ ント運 動 中 ナ リ
セ リ而 シ テ 一面 之 ト呼 応 シ労 働 運 動 ヲ統 一指 導 ス ル ノ目 的 ヲ以 テ
キ団 結 シ テ具体 的 運 動 ニ入 ラ ント スル モ ノ ハ之 ヲ収 容 ス ル コト ヽ
者 タ ルト 国 家 社会 主 義 者 タ ルト ヲ問 ハス苟 モ現代 制 度 ニ不満 ヲ懐
己 ノ主 宰 シ来 レル同 志 ノ主義 研 究
ヲ主 張 セ ル高畠 一派 ハ其 ノ後 ニ 至 リ 大杉 ニ提 携 ヲ申 込 ミ タ リ) 従 来 自
会主義
ト主 張 ヲ有 シ之 カ団結 ハ到 底 実 現 シ難 キ状 況 ナ リ シ ヲ 以 テ(国家社
会 ヲ拡 張 スル ノ方 策 ヲ樹 テ且 ツ之 ヲ労 働 団 体 ニ変 形 シ他 ノ同種 団
(三)
ヲ受 ケ居 レ ル模 様 ニシ テ労 働 者 ヲ使 用 スル生産 会 社 又 ハ実 業
次 土 地 、資 本 ノ公 有 ヽ 労 働 者 ノ生 産管 理等 ニ及 ヒ結 局 最 後 ノ理 想
等 ヲ以 テ之 ニ当 テ不足 額 ハ同 志 大 石 七 分 其 ノ他 ノ者 ヨリ救 助
家 等 ヨリ モ多 少贈 与 ヲ受 ケ タ ル形 跡 ア リ然 ル ニ本 人 ハ傷 害 罪
地方 及 東 京 在 住 主義 者 ニシ テ以 上各 派 ニ属 セ サ ル者 亦 少 ナ カ ラサ ル
テ国 家 社 会 主義 ヲ是 認 ス ル コト但 シ国 家 社 会 主義 ハ必 ス シ モ日本
モ是 等 ハ概 ネ各 派 ト脉 絡 ヲ有 シ上 記東 京 ニ在 住 セ ル各 派 中 心 的人 物
ノ国 体 ニ順 応 ス ル社会 主 義 ヲ意 味 セ サ ル コト ﹂等 ノ条 件 ニ依 リ之
主 張 ス ル ニ至 リ シ ニ依 リ両 人意 見 ノ扞 格 ヲ来 シ大 正 八 年 三 月同 社
ニ依 テ計 劃 セ ラ ル ヽ各種 ノ行動 ニ策 応 スル モノト ス之 等 ノ行 動 ノ 二
ニ到 達 セ ント スル ニ在 リ本 派 ノ最 近 ノ行 動 ヲ挙 ク レ ハ堺利 彦 ハ従
ヲ解 散 シ両 名 ニ分 立 スル コト ヽ為 レリ於 茲 堺 ハ自 派 ノ同 志 ト 共 ニ
甲 号 ハ大 正 八年 四月 ヨリ雑 誌 ﹁ 三 ヲ挙 ク レ ハ在 京 山 崎今 朝 弥(弁 社会 護士)
来 同 志 ト共 ニ合名売 会文 社社 ヲ経 営 シ之 ヲ本 拠 ト シ 各 種 ノ 主義 的 行 動
雑誌 ﹁ 月刊新 社 会 ﹂ ヲ自 宅 ニ於 テ発 行 シ又各 種 ノ刊 行 物 ニ主 義 上 ノ
主 義 研究 ﹂ ヲ発 行 シ堺 、 山 川 ノ執 筆 セ ル記 事 ヲ輯 録 シ又在 京 各派 重
ト提 携 セ ン コト ヲ申込 ミ大杉 ハ之 ヲ拒 絶 セ リ ト云 フ
寄 稿 ヲ為 セ リ本 派 ノ同 志 ノ集会 ハ久 シ ク中 絶 セ シ カ大 正 八年 六 月
立 者 ノ後 援 ニ依 リ同 年 八 月 八 日 ヨリ 一週間 ニ亙 リ ﹁平 民 大 学 夏期 講
ヲ劃 策 シ来 リ シ カ同 派 ノ中 堅 タ リ シ高 畠 素 之 等 ハ国 家 社会 主 義 ヲ
十 五 日 ヨリ毎 月 一回 ﹁月刊新 社 会 編輯 公開 日﹂ ト称 シ同 志 ノ会 合 ヲ
習 会 ﹂ ト称 シ社 会 主 義 講 演 会 ヲ開催 シ堺 、山 川 、荒 畑 、高 畠 其 ノ他
本 講 習 会 ハ官憲 ノ取 締 ヲ免 ル ヽ為 特 ニ講 演 者 中 二 三 ノ非 主義
参 考
在 京主 義 者 之 ニ出 演 シ在 京 各派 及 地方 在 住同 志 之 ニ出 席 聴 講 セ リ
開 キ同 年 十 月 会 合 ノ分 ヨリ ﹁労働 問題 講 演 会 ﹂ ト改 メ タ リ堺 ハ毎
国 家 ニ依 リ社 会 主 義 ノ実 行 ヲ期 ス ル モノ
回 之 ニ出 席 講 演 ヲ為 セ リ (四)
本 派 ハ所 謂 国 家 社 会 主 義 ニシ テ中 心的 人 物 ハ高 畠 素 之 ナ リ其 ノ主
ノ軟 論 ニ対 シテ ハ極 力 妨 害 ヲ加 ヘ弥 次 リ倒 シノ行 動 ヲ採 リ自
者 ヲ交 ヘ大 杉 、 荒 畑 等 ノ 一派 ハ是 等 非 主 義 者 ノ講 演 及 高 畠 等
張 ハ土 地 、資 本 ヲ国 有 ト為 シ生 産 ヲ国 営 ト ス ル ニ在 リ 高 畠 等 ハ従 来 堺 一派 ニ属 シ タ リ シ カ時 勢 ニ適 合 シテ主 義 ノ宣 伝 ヲ
モノ ヽ如 ク ナ リ シ カ其 ノ後 山崎 等 ノ仲 介 ニ依 リ該 講 演 ニ ハ硬
派 ノ講 演 ハ之 ヲ尊 重 シ主義 宣伝 ノ目的 ヲ貫 徹 ス ヘキ計 劃 ナ ル
為 ス ヲ良 策 ナリ ト シ大 正 八 年 三 月 堺 一派 ト分 離 シ翌 四月 ヨリ機 関
ヲ開 催 シ又 大正 八年 五月 十 三 日 ヨリ同 志 及職 工等 ニ主 義 ヲ宣 伝 ス
紙 ﹁国家 社会 主 義 ﹂ ( 月刊)ヲ発 刊 シ 一面 之 カ主 義 宣 伝 ノ 為 メ 講 演会
聞 ﹂ ヲ大 正 八年 三月 ﹁日本 労働 新 聞 ﹂ ト改 題 シ労 働 者 ニ主 義 注 入 ヲ
甲 号 ハ従来 自 己 ノ経 営 セ シ ﹁美 な み新 其 ノ他大阪在住岩出金次郎(時 計商)
派 同 志 ハ連袂 欠 席 スル コト ヽ為 セ ル モノ ト ス
予 期 ノ結 果 ヲ収 ム ル コト能 ハ ス同 年 八 月 限 リ右 雑 誌 ﹁国 家 社 会 主
計 リ同 年 七月 六 日 ヨリ ﹁白 雨 倶 楽 部 ﹂ ト称 シ毎 月 一回在 阪 同 志 及新
ル ノ目的 ヲ以 テ毎 週 一回 ﹁労 働 経済 研究 会 ﹂ ヲ開 催 セ シ カ何 レ モ
シ テ振 ハサ リ シ カ 一派 ニ属 スル北 原 竜 雄 ハ同 派 ト共 ニ大 正 八 年 十
ト シ テ実 際 運動 ニ対 スル意 見 ノ交 換 ヲ為 セリ 。岩 出 ハ大 正 八 年 十 月
聞 紙 講 読 者 タ ル労 働 者 ト ノ会 合 ヲ催 シ在 京同 志 モ時 々之 ニ出 席 シ主
義 ﹂ ヲ モ廃 刊 シ高 畠 ハ主 義 上 ノ著 作 ニ没頭 シ本 派 ノ運 動 ハ萎 微 ト
ヘカ ラ サ ル コト ヲ主 張 セ リ又 高 畠 ハ最 近 同志 ヲ 通 シ大 杉 ニ対 シ
在 京 同志 堺 利 彦 、生 田 弘 治 ヲ聘シ 同市 中 之 島 公 園 ニ労 働 問 題 演 説 会
月 七 日 ﹁週 刊労 働 新 聞 ﹂ ヲ発 刊 シ労 働 運 動 ハ社 会 主 義 ニ達 セ サ ル
﹁高 畠 ハ無 政府 主義 ヲ是 認 シ大 杉 ハ無 政 府 主義 ニ達 スル道 程 ト シ
ヲ開 ケ リ同 地在 住 武 田 伝 次郎 (甲 号 )モ最近 金属 彫刻業
﹁社会主義 座 談 会﹂
大 正 八年 四月 二 日同 志 吉 田 一方 ニ於 ケ ル ﹁労 働 相 談 所 茶 話
会 ﹂ 例会 ニ大杉 栄 ハ同 志 黒 瀬 春 吉 、 五 十 里 幸 太郎 、久 板 卯 之 助 、
一、 (イ)
黒瀬 春 吉 ノ主 唱 セ ル モノ第 近藤憲 二ノ五名ト共 ニ労働同盟会(四 )ノ印絆纏 ノ部 ) (一 ノ) (ロ ノ項 ニ詳記 ス
ト称 シ毎 月 二回 同 志 ノ会 合 ヲ主 催 シ居 レリ 以下 要 視 察 人 ノ行 動 ニ就 キ二 三 ノ実 例 ヲ掲 ク
ヲ着 用 シ テ出 席 セ リ
大 正 八年 五月 二十 日同 会 例 会 席 上 大 杉 栄 ハ外 国 ヨリ来 リ タ ル
リ テ ハ八時 間 労 働 ノ如 キ ハ既 ニ過 去 ノ問 題 ト シ テ現在 ニ於 テ ハ六
新 聞 記事 中 面 白 キ事 項 ア リ ト テ英 国 労働 界 ノ状 況 ヲ述 ヘ英 国 ア タ
( ロ )
一、北 海 道 石 狩 国 上 川郡 美 瑛 村 百 三十 八番 地 西 沢 小 次 郎 ( 無 入編)ハ大 株式会社 正 七年九月上旬上京 シ芝 区金杉浜町 五十四番地黒 田権 次 郎(芝 浦製作 所 人夫請負 ノ仲 介 ニ依 リ芝 浦 製 作 所 ニ臨 時 人 夫 ト シ テ被 雇 中 、 過 テ 人 無編入)
ヨリ四 百人 ノ委 員 ヲ出 シ居 レリ然 レト モ此 ノ 六時 間 問 題 カ通 過 ス
時 間 労働 問 題 ニ移 リ之 ヲ調 査 スル為 資本 家 側 ヨリ 四百 人 労 働 者 側
負 傷 シ会 社 ニ治 療 費 ヲ請 求 シタ ル モ拒 絶 セ ラ レ実費 診 療 所 ノ治 療 ヲ 受 ケ ツ ヽ人 ヲ介 シ会 社 ニ交 渉 シタ ル モ目 的 ヲ達 セ ス大 正 八年 二月 十
者総 同盟 罷 業 ヲ行 フ ニ至 ル ヘシ資 本 家 ニ対 シ勝 利 ヲ得 ルト キ ハ更
ノ生 産 機 関 ノ引 渡 ヲ迫 ル ナ ル ヘシ而 シ テ之 ニ応 セサ ルト キ ハ労 働
ルト キ ハ次 ニ四時 間 五時 間 ノ問 題起 ル ヤ モ計 リ難 シ此 ノ如 ク英 国
五 日弁 護 士 山 崎 今朝 弥 (甲号)ヲ訪 問 シ窮 状 ヲ訴 ヘ タ ル ニ偶 々大 杉 栄 モ
勿 論 請 負 人 タ ル黒 田等 モ大 杉 等 ノ平素 ノ主張 ハ労 働 者 ノ如 キ弱 者 ニ
ニ政 府 ニ 一切 ノ モノ ヲ引渡 セト迫 ル ヘ シ夫 レ ヲ請 取 リ終 リ タ ルト
山 崎 方 ニ在 リ テ事 情 ヲ聴 キ大 ニ同 情 シ同 日西 沢 ヲ同 伴 会 社 ニ至 リ交
味 方 ス ル モ ノナ リ ト解 シ大 杉 ヲ徳 ト シ居 レリ
キ カ労 働 者 ノ天 下 ニナ リ タ ルト キ ニシテ 又革 命 ノ成 就 シタ ル時 ナ
ヲ得 居 レリ或 ハ時 間 問 題 ヲ解 決 シ終 レ ハ資本 家 ノ鉱 山 ナ リ其 ノ他
一、 大杉 栄 ハ家 族 ト共 ニ大 正 八 年 四 月 千葉 県 下 ニ転 住 シ同 年 六 月 中
リ英 国 等 ニ テ ハ向後 五六 年 ヲ経 過 セ ハ概 ネ 此 ノ如 ク ナ ル ヘシト 考
労働 者 ハ多 年 運動 ノ結 果 今 日 ニテ ハ短時 間 ノ労 働 ニテ多 ク ノ賃 銀
再 ヒ東 京 ニ移転 シ来 レ ルカ千 葉 県 在 住中 ﹁ 非 軍 備 主 義 ﹂ ノ著 述 ヲ試
フ云 々ト述 ヘタ リ
渉 ヲ試 ミ タ ル ニ会 社側 ハ前 回 ト打 テ変 リ唯 々ト シ テ要 求 ヲ承 諾 セ ル
ミ其 ノ内 容 中 ﹁社 会 主 義 ノ愛 国 心 ﹂ ナ ル 一節 ニ依 レバ愛 国 心 ハ不 自
状 況 ナ リ シ ヨリ其 ノ後 万 事 大 杉 ヲ通 シ テ解決 ス ル ニ至 リ シ カ西 沢 ハ
然 極 マレ ル感 情 ニ シテ権 力 階 級 ノ利益 ノ為 階 級 闘 争 ヲ妨 ク ル結 果 ト
同 年 六 月 二 日同 会 例会 ノ席 上 吉 田 一 ハ資 本 家 ノ横 暴 ヲ叫 ヒ資
本 主 ノ財 産 ハ皆 労 働 者 ノ モ ノ ナリ故 ニ先 ツ労 働 者 ハ資 本 主 ニ対 シ
( ) ハ
ヘカ ラサ ル団 体 ヲ形 成 セ シ ム ル モノ ナ リ ト説 キ非 愛 国 主義 ヲ主張 シ
ヲ掠 奪 セサ ル ヘカ ラ ス又警 察 ノ服 モ剣 モ帽 子 モ労 働 者 ノ モ ノ ナリ
労 銀 増 額 ヲ請 求 シ漸 次 資本 主 ヲ疲 弊 セ シメ遂 ニ資 本 主 全 部 ノ財 産
シ テ個 人 ノ奪 掠 ヲ益 々盛 ナ ラ シ メ国内 ノ富 豪 ト貧 者 ト ヲ シ テ両 立 ス
ス寧 ロ此 ノ機 ニ乗 シ社 会 的 革命 ヲ為 ス為 メ吾 人 ノ生 命 ヲ賭 ス ヘキ ナ
ル ヘカ ラ ス警 察 官 ハ人 民保 護 ナ リ ト 云 フ モ此 ノ席 上 ニア ル モ ノ ヽ
故 ニ労 働 者 カ剣 ヲ捨 テ服 ヲ渡 セト 云 ヘ ハ彼 等 ハ裸 体 ニテ立番 セサ
且 ツ戦 時 ニ於 テ国 家 ヲ防 衛 ス ル為 一滴 ノ血 一寸 ノ肉 ヲ モ与 フ ヘカ ラ
( 本項 ハ ﹁ 第五 軍隊 ト特別要視察人ト ノ関係 ﹂ノ部 ニ関連 ス)
リ ト テ戦 時 一揆 ヲ主 張 セ リ
内 果 シ テ警 察 官 ノ保 護 ヲ受 ケ タ ル モノ ア リ ヤ只 圧 迫 ヲ受 ケ タ ル モ
ノ考 ヘヲ持 タ レタ ク犠 牲 的 観 念 ヲ持 タ サ ル様 致度 シ﹂ ト ノ意
象 ナ リ ト思 フ又 入獄 ニ際 シテ ハ其 ノ本 人 ハ自 己 ノ道 楽 ナ リ ト
ヲ殴打 傷 害 シ刑 事 訴 追 セ ラ レタ ル カ大 正 八年 八月 東 京 区 裁 判 所 ニ於
回 ノ際 他 ノ視 察 係 巡 査 ニ対 スル余 憤 ヲ以 テ之 ニ対 シ鉄 拳 ヲ以 テ左 頬
一、 大杉 栄 ハ千葉 県 在 住 中 大 正 八年 五 月 二 十 五 日同 地駐 在 巡 査 カ巡
ヘカ ラ スト テ頑 ト シ テ応 セ ス検事 ハ其 ノ儘 論 告 ニ移 レリ
サ ルト キ ハ強 制 ス ヘシ ト諭 告 シ タ ル モ被 告 大杉 ハ悪 慣 習 ハ改 メ サ ル
タ ル検 事 即 チ国 家 ニ対 スル敬 意 ニシ テ之 ヲ破 ル コト能 ハス若 シ従 ハ
判 長 ハ被 告 ノ起 立 ハ永 ク法 廷 ニ行 ハレ タ ル慣 例 ニシ テ裁 判 所 構 成 員
裁 判 所 ニ於 テ公 判開 廷 シ検 事 ノ論 告 ニ際 シ再 ヒ起 立 セサ ルヲ以 テ裁
而 シ テ検 事 ハ該 判 決 ヲ不当 ト シ控 訴 シ タ ル カ同年 十 月 二 日東 京 地方
味 ヲ述 ヘタ リ
ノ ア ル ニ過 キ サ ル ヘシ要 ス ル ニ警 察 官 ハ資 本 家 ノ犬 ナリ飽 ク迄 モ 之 ニ反 抗 セ サ ル ヘ カ ラ ス又諸 君 カ同 盟 罷 業 ヲ為 サ ント セ ハ機 械 ニ
テ本 件公 判 ノ際 荒 畑 勝 三以下 十 数 名 ノ同 志 傍 聴 ノ為 集 合 シ タ ル モ傍
砂 利 ヲ播 ク ニ如 カ ス云 々﹂ ト述 ヘタ リ
聴 席 狭 隘 ナ リ シ為 同 志 ノ過 半数 入場 ス ル コト能 ハサ リ シ ニ憤 慨 シ荒
夜 午 后 七 時 京橋 区桜 河 岸貸 席 川崎 屋 ニ於 テ服 部 浜 次 ヲ主 催 名義 人 ト
一、大 杉 一派 ノ同志 ノ主 義 研究 会 ( 北風会) ハ大 正 八 年 七 月 十 七 日
二十 三 日執 行 ノ為 メ収 監 セ ラ レタ リ
ト裁 判 ト ク ル ニナ ツ テ居 ル﹂ 等 ト怒 号 シ已 マサ ル ヲ以 テ裁 判 長 ハ椅
シテ ﹁労 働 問 題 演説 会 ﹂ ヲ開 催 セ ルカ先 是 多 数 引 札 ヲ印 刷 シ広 ク配
斯 ク テ同 月 十 一日懲 役 三 月 ニ処 ス ル旨 ノ欠 席 判 決 ヲ受 ケ同 年 十 二 月
子 ヲ増 置 シ 一同 ヲ入 廷 セ シメ タ リ大 杉 ハ茶 ヲ乞 ヒ扇 子 ヲ使 用 シ極 メ
布 シ且 ツ電気 局 青 山出 張 所 車 掌 、 運 転 手 等 ノ食 堂 等 ニモ貼 付 シ職 工
シメ サ ル ヤ﹂ ﹁秘 密 裁 判 カ﹂ ﹁大杉 コンナ裁 判 ニ服 従 ス ル ナ﹂ ﹁ 警察
テ不 遜 ナ ル態度 ヲ以 テ自 己 ノ無 政 府 共 産 主義 者 ナ ル コト等 ヲ陳 述 シ
畑 其 ノ他 ノ数 名 ノ同 志 ハ外部 ヨリ法 廷 ノ扉 ヲ乱 打 シ ﹁何 故 ニ入場 セ
次 テ検 事 ノ論 告 ニ移 ラ ント ス ル ヤ裁 判 長 ハ大 杉 ニ対 シ起 立 ヲ命 シ タ
認 メ所 轄 警 察 署 長 ニ於 テ主 催 者 服 部 ニ解散 ヲ命 シタ ル ニ出 席 セ ル大
労 働 者 ノ糾 合 ニ努 メタ ルヲ以 テ当 日是 等 ノ者 及 主義 者約 二 百 五十 名
杉 、荒 畑 等 ハ同 志 二 三十 名 ト共 ニ場 外 ニ出 テ解散 ハ横 暴 ナ リ非 立 憲
ル ニ之 ニ応 セサ リ キ次 テ同 月 九 日傷 害 罪 ニ依 リ罰 金 五十 円 ノ言 渡 ヲ
大 杉 一派 ノ主 催 セ ル同 志 ノ主 義 研 究 会 (北風会) ハ大 正 八 年
ナリ 又 ハ理由 ヲ示 セ ト怒 号 シ会 衆 ヲ煽 動 セ ント セ ルヲ以 テ同 夜 七 時
会 場附 近 ニ参 集 シ開 会 ト同 時 ニ会 場 ニ殺 到 シ状 況 安 寧秩 序 ヲ害 スト
八 月 十 五 日例 会 ヲ大 杉 栄 、 和 田 久 太郎 (新聞紙法違反 ニ依) リ入獄 セルモノ 両 人 ノ
受 ケ 同 月 十 一日保 釈 出 獄 セ リ
出 獄 歓迎 ヲ兼 ネ開 催 セ ル カ席 上 大杉 ハ ﹁体 刑 ニ至 ラ ス罰 金 五
半 所 轄 警 察 署 ニ大 杉 以 下 十 数 名 ノ同 志 ヲ検 束 セリ而 シ テ過 半 ハ即 夜
ヲ高 唱 シ或 ハ主 義 的 文 言 ヨリ成 ル俗 謡 ヲ合 唱 シ又 ハ木 枕 又 ハ手 足 ヲ
ヨリ パ ン ノ差 入 レ ア リ稍 鎮 静 セ リ
元乙号築比地仲助 ノ作歌 ニシテ ) 翌午前 三時頃迄或 ハ革 命 歌(主 義者 ノ好 ンテ合唱 スルモノ)
時服部浜次、伊藤 ノヱ 順次検束 ヲ解 ケ ルカ大杉以下六名 ハ暴状 ヲ極 メ(一 (大杉栄内縁 ノ妻 甲号)
十 円 ニテ而 モ保 釈 出 獄 ヲ許 サ レ タ ル ハ意 外 ニ シテ之 荒 畑等 ノ 威 嚇 運 動 ノ成 効 シ タ ル モ ノ ニ シ テ将 来 モ傍 聴 人 ノ義 務 ト シ テ 且 ツ責 任 ト シ テ充 分 活動 セラ レ ン コト ヲ望 ム又 入獄 ニ際 シ同 志 ノ送 迎 物 足 ラ ヌ感 アリ自 分 ト シテ ハ之 ヲ盛 ニス ル ハ良 キ 現
一、横 浜 在 住 吉 田 只次 ハ大正 八年 八 月 三十 一日大杉 栄 ノ ﹁出 獄 慰 安
テ同 日午 前 十 一時 前後 ニ到 リ全 部 検 束 ヲ解 ケ リ
以 テ監 房 ヲ擲 ツ等 喧噪 ノ限 リ ヲ尽 セ リ斯 ク テ漸 ク静 穏 ニ赴 ケ ル ヲ以
吾 人 を し て侵 略 主 義 と専 制 主 義 と よ り 解放 せ し め よ、 吾 人 の生 活
圧迫 よ り解 放 せし め よ
吾人 は宣 言 す 、 現 代 の人類 を し て軍 国 主 義 と 、 オ ート ク ラ シ ー の
を し て黄金 と鉄 火 の鎖 よ り解 放 せ し め よ 、労 働 者 をし て貧 乏 と 過
議 ニ出 席 ス ヘク渡 米 セ シ本 邦 労 働 者 側 代 表 員 桝 本 卯 平 出 発 ノ際 及 同
想 よ り解 放 せ ら れ 呪 ふ べ き 旧制 度 の悉 くを 破 壊 せ ら れ ん事 を要 求
新 時 代 の新 人 が総 て悉 く伝 説 的 、 因 襲 的 、 保 守 的 な る 一切 の旧 思
主 張 と す る 処 、 目的 と す る処 、理 想 と す る処 な り
労 と よ り解 放 せ し め よ、 是 れ実 に吾 人 ﹁研究 会 ﹂ の主 義 とす る処 、
本赤旗 ハ将来使用 セサ ル様神 志高 田公 三 入営 見 送 ノ際 等 ニ使 用 セ リ(奈川県 ニ於テ注意シ居 レリ)
﹁ 赤 旒 会 ﹂ ナ ル モ ノ ヲ設 置 シ赤 旗 ヲ作 製 シ之 ヲ同年 十 月 万国 労 働 会
会 ﹂ ヲ催 シ京 浜 同 志 十数 名会 合 シタ ルカ吉 田 ハ之 ヲ機 ト シ自 宅 ニ
一、徳 永 政 太郎 ( 甲号)ハ同 志 添 田平 吉 、黒 瀬 春 吉 等 ノ後 援 ニ依 リ常 盤
の理 由 とす る所 な り 、 吾人 ﹁研 究 会 ﹂ は 実 に斯 く の如 き 意 気 と 抱
せざ る を得 ず 是 れ 実 に ﹁ 研 究 会 ﹂ の任 務 と す る所 、而 し て其 存 在
負 と を 以 て産 る
テ歌 劇 ヲ興 行 セ ルカ更 ニ生 田 弘 治(甲号)ノ関 係 セ ル戯 曲 座 一派 ト合 併 シ新 派 劇 ト 共同 演 劇 ヲ為 セ リ然 ル ニ同 劇 ニ ハ同 志 五十 里 幸 太 郎 ( 甲号)
人 を援 け よ
希 く は吾 人 と 倶 に社 会 の健 全 な る 発達 を図 る の士 よ悉 く来 り て吾
歌 劇 団 ナ ル モノ ヲ創 立 シ大 正 八年 五 月 六 日 ヨリ浅 草 区 観 音 劇 場 ニ於
未 編 入) 小生第次郎 ( 乙号)辻潤(要 注意者 等 関 係 シ居 レ ル ヲ以 テ演 劇 ヲ 主 義 伝 道
□ □ □ □ 研 究会
ト共 ニ大正 八年 十 月 十 三 一、 在 京 茂木 久 平( 甲 号)ハ原 田政 治 (雑誌記者)
( 文責山本北邱)
小 石 川 区白 山御 殿 町 二〇
日大 磯 ニ赴 キ タ ル カ同 地所 在 高 田慎 蔵 別 荘 ヲ訪 問 シ会 見 ヲ需 メタ ル
大 正 八年 九 月
ニ利 用 スル疑 アリ注 意 中 同 年 五月 十 八 日合 同 第 一回開 演 中 前 記 辻 ハ 幕 間 ニ於 テ社会 主 義 ハ経 済 上 ヨリ出 テ タ ル方 策 ニシ テ自 己 ハ之 ヲ好
セ ル脚 本 ヲ用 ヰ タ ル ヲ以 テ警 視 庁 ヨ リ 興業 主 ニ警 告 ヲ
無政府主義 ヲ主張 セル著 愛 スト 述 ヘタ リ次 テ第 二 回開 演 中 ﹁平 民 の 鐘 ﹂ ( 作物 ニシテ発売頒布 ヲ禁 止 シタ )ヲ脚 色 ルモノ
長 ヨリ興 業 主 ニ解 雇方 ヲ命 シタ リ
ニ不 在 ト称 シ テ拒 絶 セラ レ夫 ヨリ同 地 料 理 店 ニ小 憩 ノ後 更 ニ同 家 ヲ
未 編 入
一、山 本 智 雄 ( 甲号)ハ大 正 八年 九 月 九 日 左 記印 刷 物 ヲ 小 石 川 区戸 崎 町
訪 問 シ タ ル ニ再 ヒ拒 絶 セラ レ其 ノ際 左 ノ手 紙 ヲ提 出 シ再 来 ヲ告 ケ テ
与 ヘ尚 徳 永 ニ対 シ テ ハ演 劇 中 主 義 鼓 吹 ノ言 動 ア ル ヲ認 メ所 轄 警 察 署
ノ電 柱 ニ貼 付 セ リ本 印 刷 物 ハ安 寧秩 序 ヲ紊 乱 スル モノト 認 メ発 売 頒
道 当 地 ニ参 リ候 得 共 職 工 二十 名 程 ト只 今 会 同 中 ニ付 テ少 々要 ス ル
当 地方 ニ於 ケ ル或 ル工場 ノ ス卜 ラ イ キ事 件 ヲ調 停 セ ン タ メ両 人同
立 去 リ タ ル カ同 地 ニ居 住 ス ル茂 木 ノ親 族 ヨリ旅 費 ヲ借 受 ケ帰 京 セリ
布 ヲ禁 止 セリ 来 れ !!叫 ベ !! 世界 は改 造 せ ら れ んと す 、新 文 明 の曙 光 は輝 き 始 めた り 、 解放 の 暁 鐘 は 吾人 の長 夢 を破 れ り、 吾 人 ﹁研究 会 ﹂ 茲 に於 て か生 る !
諸雑費 ニ不足 ヲ感 シ候金百 円拝借願度参上仕候 ニ付何卒宜 シク願 定 セリ
年 九 月 二 十九 日 安濃 津 地方 裁 判 所 ニ於 テ懲 役 二年 六月 ノ判 決 ア リ確
附 記
申侯詳細 ハ御面会 ノ上申上度 ケ レト御多忙中ト アレ ハ略紙 ヲ以 テ 失礼仕候匆 々﹂
大正八年十 一 本人 ハ大脇孫 三郎(月 池田実 ( 同上)浜 口 八 十 郎 ( 同 乙号ニ編入)
上)等 ト共 ニ現 今 ノ生活 方法 ヲ変 改 シ各 労 働 ヲ為 シ自 ラ 耕 シ
南 牟 婁 郡 神 志 山 村 ニ畑 地 約 一町 壱反 歩 ヲ買 入 レ共 同 生 活 ヲ開
原 田 茂 木
始 シ ﹁ 黎 明 ケ 丘﹂ ト 称 セ リ、然 ル ニ米 一 ハ前 記 不 敬 罪 ニ依 リ
高 田 様
一、 三 重 県在 住 宇 都 宮 米 一(大正八年九月二)ハ基督教牧師 ナルカ共産 主 日甲号ニ編入
自 ラ食 ス ル ハ高 潔 ニシ テ自 ラ慰 ム ル道 ナ リト シ在 住 地 三 重 県
ト ス ル国 家 社 会 ノ改 造 ヲ念 ト シ之 ヲ宣 伝 セ ン ト シ特 ニ労 働 服 ( 百姓
義 ヲ抱 キ又労 働 ノ神 聖 ヲ主 張 シ労 働 者 ヲ資産 者 又 ハ権 力 階 級 ト同 等
ア リ ト シ米 一ヲ該 部 落 ヨリ除 名 セリ
検 挙 セラ レシ ヲ以 テ池 田 、浜 口等 ハ世 間 ヨリ誤 解 ヲ受 ク ル虞
風) ヲ纏 ヒ街 頭 ニ立 チ自 己 ノ作 成 セ ル労 働 歌 ヲ歌 ヒ資 産 階 級 ノ遊 食 ス ル ノ罪 悪 ナ ルヲ論 難 セ シ コト アリ本 人 ハ往 々皇 室 ニ関 シ不 敬 ノ言
要 視 察 人 カ其 ノ運 動 ヲ労働 問 題 ニ集 中 セ ル ハ第 三 ノ部 ニ記 述 セ ル所
第 四 労 働 団 体 ト特 別 要視 察 人
官 試 補 垣 田実 憲 ト宗 教 ヲ論 シ転 シ テ国 家 問 題 ニ及 ヒ ﹁我 国 ニ於 テ ハ
ノ如 シ而 シ テ労 働争 議 竝 ニ労 働 運動 カ主 義 的 色 彩 ヲ有 スル ニ至 ル カ
ヲ発 シ居 ルヤ ノ風 評 ア リ シ カ大 正 八年 八 月 三 日同 地 に帰省 中 ノ司法
天 皇 ハ不 必 要 ナ リ
天 皇 ナ クト モ我等 カ人 類 ト シテ ノ生 存 ヲ全 フ スル ニ支障 ナ ク我等
ト ノ関 係 ニ就 テ ハ深 甚 ノ注 意 ヲ払 ヘリ然 レ共 東 京 活 版印 刷 工組 合 信
如 キ ハ最 モ憂 慮 ス ヘキ モノ ナ ルヲ以 テ労 働 者 特 ニ労 働 団 体 ト主 義 者
自 治 ノ発 達 ノ結 果 ハ共 和 政 治 ニテ モ十 分 ニシ テ
ノ選 挙 ニ由 ル政府 ア レ ハ足 レ リ若 シ夫 レ議 会 ニ至 リ テ ハ衆 議 院 ニ代
(一)
東 京労 働 運 動 同 盟 会
本 会 ハ第 三 ノ部 ニ記 述 セ ル所 ノ如 ク大
主義 者 ノ組 織 セ ル労 働 団 体
杉 一派 カ大 正 八年 九 月 自 派 ノ同 志 会 合 ヲ労 働 団 体 ニ変 形 セ ル モ
(イ)
認 メ ス以 下 重 ナ ル モノ ニ就 キ概 説 ス ヘシ
友 会 カ稍 々主義 者 ニ浸蝕 セ ラ レタ リ ト認 メ ラ ル ヽ外 ハ著 シ キ関 係 ヲ
天 皇 ハ 一ノ人 ト シ テ ハ消 費 者 議会 ヲ組成 ス ヘク国 家 ノ機
フ ル ニ生 産 者 議会 ヲ以 テ シ貴 族 院 ニ代 フ ル ニ消 費者 議 会 ヲ以 テ ス ヘ シ而 シ テ
関 ト シ テ モ特 ニ之 ヲ認 メ ス仮 リ ニ認 ム ルト ス ル モ有 害 無 益 ナ ル機 関
天皇 ヲ養 フ ハ迷 惑 ナ リ去 々﹂ ト 公
天皇 ヤ皇 族 モ百 姓 ト カ何 ト カ実 際 ニ働 キ貰 ハネ ハ困 ル
︹マ マ ︺
ニシ テ歴 史 上 ノ遺 物 ト シテ芸 術 的 又 ハ美 術的 骨 董 品 ト認 ム ルノ外意 味 ヲ為 サ ス
国 民 カ多 数 ノ皇 室 費 ヲ負 担 シ テ
一派 ノ同 志 之 カ代 表 員 タ ル コト ヲ協 定 セ ルカ本 会 ハ他 ノ労 働 団
ノ ニ シテ次 テ同 会 ノ下 ニ十 二 ケ所 ノ自 治 団 体 ( 支部) ヲ 設 定 シ
体 ニ接 近 スル ノ手段 ト シ テ設置 シタ ル モノ ニ過 キ ス従 テ労 働 団
言 シ不敬 ノ行 為 ヲ為 シ タ ル ヲ以 テ同 県木 本 区裁 判 所 検 事 ノ起 訴 ス ル 所 ト ナ リ同 年 八月 二十 七 日 懲 役 四年 ノ言 渡 ヲ受 ケ控 訴 申 立 ヲ為 シ同
体 ト シテ ノ作 用 ヲ認 メ ス
支 部 内 ニ時 計 職 工組 合 ヲ設 ケ次 テ八 時 間 制 及労 銀 値上 ヲ決 議 シ
ク ナ リ シ カ同 盟会 内 ニ職 業 組 合 制 ヲ設 ケ先 ツ大 正 八年 五月 柳 島
各 所 ニ演 説会 等 ヲ催 シ 一時 会 員 七 八 百 名 以 上 ニ達 セ ル モノ ヽ如
ヲ利 用 セ ント セ ル モ ノナ リ而 シ テ其 ノ支 部 ヲ約 十 ケ所 ニ設 置 シ
他 ノ主 義 者 ト共 ニ組 織 セ ル モノ ニ シテ大 杉 一派 カ裏 面 ニ於 テ之
会 長 ト為 リ 本会 ハ大正八年 三月黒瀬春吉(料理職)
一団 カ名 ヲ活 版 工 大会 ニ藉 リ裏 面 ニ参 与 シ居 レ ル事 実 判 明 セ ルヲ
工大 会 ヲ開 催 セ ント シ之 カ準 備 ヲ為 シ タ ル カ本 集 会 ハ在 京主 義 者
カ気 勢 ヲ揚 ケ ント シ主 催 者 ト ナ リ同 月 三 日日 比 谷 公園 ニ於 テ活 版
一、 水 沼 辰 ハ大正 八年 八 月 都 下 新 聞 職 工 カ同 盟 罷 業 ヲ為 セ ル際 之
シ ﹁吾 徒 ハ横 暴 ナ ル資 本 家 ノ絶 滅 ヲ期 ス﹂ ト ノ決 議 ヲ為 セ リ
ヲ開 催 セ ル カ水沼 、高 田其 ノ他 数 多 ノ主 義 者 タ ル信 友会 員 モ参 加
( 乙号)ノ主 催 名義 ノ下 ニ大 正 八年 五月 二 日神 田 松 本 亭 ニ政 談 演 説 会
一、従 来 信 友 会員 ニシ テ新 ニ活 版 工革 新 会 ヲ創 立 セ ル竹村 菊 之 助
ハ少 シト セ ス、其 ノ行 動 中 重 ナ ル モノ 二 三 ヲ挙 ク レ ハ
黒 瀬 ハ実行 委員 ト為 リ同 組 合員 ノ就 業 先 タ ル本 所 区柳 島 町所 在
以 テ永 沼 以下 関 係 主 義 者 十 七名 ヲ行 政 検 束 ニ付 セ リ
号
精 工舎 時計 工場 ニ前 記 二条 件 ヲ要 求 シ拒 絶 セ ラ ル ヽヤ同 盟 会 支
乙
部 長 タ ル芝 山 俊外 一名 ヲ シ テ同 盟 罷 業 ヲ煽 動 セ シ メ職 工六 十 一
(水沼ヲ協議員 ニ挙 ケラレシ ハ主義者 ノ運動 ニ依 ルモノナリト シ同会穏健
一、水 沼 辰 ハ大正 八年 九 月 九 日信 友会 多 数 ノ推 挙 ヲ受 ケ同 会 代 表
分子 ハ之 に反対セリ)
者 ト シ テ農 商 務 省 ニ於 ケ ル国 際 労 働 会 議 委 員 協 議 会 ニ出 席 セ リ
年 六 月 十 五 日 黒瀬 ハ同 会 々長 ヲ辞 シ同会 ト ノ関 係 ヲ絶 チ他 ノ主
ル コト 一般 ノ知 ル所 ト ナ リ会 員 ノ結 束意 ノ如 クナ ラ サ ル ヨリ同
義 者 モ脱 退 セリ
時 間 労働 及 婦 女 幼 年 工六 時 間 制 ヲ決 議 シ之 カ実 行 方 ヲ東 京 印 刷 同
水沼以下主義者 タ)ヲ開 キ 八 一、大正八年 十月十 二日本会臨時幹事会(ル 会員 モ列席 ス
信 友会 員 中特 別 要 視 察 人 タ ル モノ ハ水 沼 辰 ( 甲号) 高 田公 三( 甲号)日吉 春
業 組 合 ニ要 求 シ水 沼 、高 田等 ハ卒 先 シ テ各 所 ニ演 説会 ヲ催 シ大 杉 、
方印 刷 業 者 側 ニ種 々交 渉 ヲ重 ネ タ ル モ結 局 容 ル ヽ所 ト ナラ サ ルヤ
荒 畑 等 ノ各 派 モ之 ニ出 席 声 援 セ リ而 シ テ之 カ示 威 運動 ヲ モ試 ミ一
同年 十 月 二 十 五 日築 地活 版 所 ノ職 工 カ同 盟 罷業 ヲ為 シタ ル ヲ始 メ
一派 ハ本 会 ヲ自 派 ニ拉 致 セ ント シ本 会 ノ大会 等 ニ際 シ寄 附 金 ヲ出 捐 シ又 大杉 ノ腹 心 タ ル水 沼 及 高 田 、 鈴 木等 ヲ通 シ之 カ懐 柔 ヲ試 ミ
ト シ漸 次 ニ之 ニ做 ヒ亦 所 謂 同 情 罷 工 ヲ為 シタ ル モノ アリ罷 業 工場
八 ケ 所 ニ及 ヘルカ結 局無 条 件 就 業 ニ決 シ全然 信 友会 側 ノ失敗 ニ終
リ然 レト モ水 沼 等 ハ屡 々大 杉 一派 其 ノ他 ノ主義 者 ノ会 合 ニ出 入 シ 過 激 ナ ル思想 ノ注 入 ヲ受 ケ本 会 ノ各 種 ノ行動 ニ参 劃 シ常 ニ資 本 家
﹁大 日本 労 働総 同盟 友 愛 会 ﹂ ト ノ関 係
レ リ (築地活版 ハ未 タ就 業セス)
居 レ ル カ本 会 々員 中 穏 健 ナ ル者 ハ主義 者 ノ接 近 ヲ嫌 忌 セ ルノ風 ア
雄( 乙号)鈴木 重 治 ( 甲) 号 宮 川 善 三( 乙号) 原田信太郎( 乙) 号 其 ノ他 二 三 ア リ大 杉
東 京 活版 印刷工組合信友 会 ト ノ関 係
芝 山 外 一名 ハ治 安 警 名 忽 チ罷業 ヲ決 行 セリ(察 ) 其 ノ後本人 ノ主義者 タ 法 ニ依 リ検 挙 セリ
( ) ロ 労働同盟会
(二)
︵三︶
ノ横暴 ヲ叫 ヒ階 級 的 不 平 ヲ助 長 セ シ ム ル言 論 ヲ試 ミ居 レ ルヲ以 テ 之 等 ノ分 子 ヲ通 シ テ大 杉 一派 其 ノ他 ノ主義 者 ノ本 会 ニ及 ホ ス影 響
号堺、大杉両派 動 ヲ援 ケ タ リ在 京 小 山勝 清 (甲ニ関 係 ア ル モ ノ )ハ大 日 本 鉱 山同 盟 会 ノ 首
ル カ同 会 ニ於 テ ハ主 義 者 ト提 携 ス ル ハ政 策 上 不 利 ナ ルト為 シ之 ヲ
特 別 要 視 察 人 ハ従来 友愛 会 ニ対 シ機 会 ア ル毎 ニ之 ニ接 近 セ ント セ
ニ赴 キ同会 ニ投 シ其 ノ紛 擾 ヲ増 大 セ シ メ公 安 ヲ害 ス ル ノ虞 ア ル行 動
脳 カ同 事 件 ニ関 シ検 挙 セ ラ レタ ル ヲ奇 貨 ト シ之 ヲ援 助 スト称 シ同 地
変 革 ニ貢 献 セ シメ ンカ為 ニシ テ将 来 堺等 ノ組 織 セ ル著 作 家 組 合(
来 同会 ニ対 シ酷 評 ヲ試 ミ タ ル ハ畢竟 同会 ヲ シ テ来 ル ヘキ経済 的 大
保 護 ヲ目 的 ト ス
八年 六 月 十 八 日組 織 セ ル モ ノ ニ シ テ著 作 家 ノ団 結 権 利 々益 ノ
勝 三等 多 数 ノ主 義 者 及 著述 ヲ業 ト ス ル者 約 三十 名 相 寄 リ大 正
著 作 家 組 合 ハ堺 利 彦 、生 田 弘 治等 発起 人 ト為 リ大 杉 栄 、 荒 畑
参 考
ア リ栃 木県 ニ於 テ行 政 検 束 セ リ
回 避 セ リ従 テ要視 察 人 ハ同 会 ノ態 度 ヲ不 徹 底 ナリ ト非 難 シ居 レル ノ状 況 ニ在 リ シカ大 正 八 年 八 月 開 催 セ ル友 愛会 大会 及 同 会 ノ懇 親
本 組合 ニ就 テ ハ参 ヲ友 愛 会 ノ 一部 ト為 シ提 携 シタ シ ト ノ希 望 ヲ述 ヘ 考 ノ部 ニ記 セリ )
会 ニ堺 利 彦 ハ同 志 生 田 弘 治 ト 共 ニ出席 シ席 上 一場 ノ講 演 ヲ試 ミ従
タ ル形 跡 ア リ又 大 杉 栄 モ自 己 ノ発 行 ニ係 ル ﹁労 働 新 聞 ﹂ ヲ友 愛会 支部 ノ各 所 ニ送 付 シ連 絡 方 ヲ申 込 ミタ ル コト ア リ其 ノ他 主義 者 ト
義 ヲ注 入 シ 一気 ニ革 命 ヲ成 就 セ シ ム ヘシ﹂ ト ノ持 論 ヨリ欧洲 戦 乱 当
特 別 要 視 察 人 中 過激 ナ ル 一派 ニ在 リ テ ハ ﹁戦 時 事 変 ニ際 シ軍 隊 ニ主
第 五 軍 隊 ト特 別 要視 察 人 ト ノ関 係
潮 シ同 会 幹 部 ニ属 スル モ ノ ニシ テ社 会 主 義 乃至 無 政 府 主義 ニ類 似
時 主 義 者 中 軍 隊 ニ接 触 セ ント ス ルノ行 動 ヲ執 リ シ者 ア リ シ カ戦 乱 終
本 会 ト接 触 セ ル二三 ノ事例 アリ加 之 近来 友 愛 会 ノ主 張 モ著 シク高
ス ルカ加 キ主 張 ヲ為 セ ル モ ノ アリ旁 々本 会 ト主義 者 ト ノ関 係 ニ就
会 セ ル ニ大 体事 実 ト認 メラ ル ヽ旨 回 答 ア リ シ ヲ以 テ更 ニ講 演
ヲ為 シ タ ル旨月刊新 社 会 ニ発 表 セ リ当 時 之 カ内 偵 方警 視 庁 ヘ照
殊 ニ在 米 片 山 潜 ハ其 ノ発行 セ ル雑 誌 平 民 紙 上 ニ於 テ此 ノ種 ノ宣 伝 ヲ
担 ハ全 然 平 民 労 働階 級 ニ帰 ス ル コト﹂ 等 ノ思 想 ヲ抱 ケ ル モノ ヽ如 ク
キ国 民 ヲ誤 ラ シ ム ル コト軍 隊 ノ機 能 ハ資 本 家 保 護 ニ傾 キ而 モ之 カ負
ニ ﹁軍 隊 ノ不 生 産 的 ナ ル コト 、軍 隊 ハ国 家 ヲ軍 国 主義 侵 略 主 義 ニ導
局 ト共 ニ此 ノ方 面 ハ疎 却 セ ラ レタ ルノ感 ア リ然 レト モ主義 者 ハ 一般
要 領 調 査 方 依頼 セ ル モノ ナ リ依 テ本 件 ハ雑 誌 掲 載 ノ如 キ事 実
為 セ リ軍 隊 ト特 別要 視 察人 ト ノ関 係 ニ就 キ重 ナ ル モ ノ二 三 ヲ掲 ク
堺 ハ大 正 八年 八 月 開催 ノ友 愛 会 大 会 ニ出席 シ前 記 要 領 ノ講 演
テ ハ将 来相 当 注 意 ヲ要 スル モ ノト考 フ 註
ア リ タ ル モ ノト推 定 セ ラ ル ヽ モ其 ノ内 容 ハ未 タ調 査 中 ニシ テ
一、 堺 一派 ニ属 シタ リ シ北 原 竜 雄 ハ欧 洲 戦 乱 終 局 ヲ期 ト シ徴 兵 制 度
タ ル際 徴 兵官 ハ ﹁我大 日本 帝 国 ハ万 世 一系 ノ
天皇 ヲ戴 キ国 民 常 ニ
甲 号)ハ大 正 八年 五 月 徴 兵適 齢 ニテ検 査 ヲ施 行 セ ラ レ 一、松 浦 長治 (堺 一派
廃 止 運 動 ヲ為 サ ント セ シカ時 機 尚 早 ナ リト シ運動 ヲ開 始 セサ リ キ
的 確 ニ判 明 セサ ル モノ ト ス
シ タ ル際 各 派 主義 者 ハ之 カ援 助 ヲ為 サ ント セ リ又同 年 十 二月 足 尾 銅
以 上 ノ外 大 正 八年 八 月東 京各 新 聞 社 整 版 職 工革 進 会 カ同 盟 罷 業 ヲ為
山 紛 擾 ノ際 大杉 一派 ハ同 志 ヲ該 地 ニ派 遣 シ且 ツ坑夫 ノ上 京 委 員 ノ運
コト ハ当然 ナリ﹂ ト テ徴 兵 ノ義 務 ノ正 当 ナ ル コト ヲ解 説 シ之 ニ対 ス
皇 恩 ニ浴 シ国家 ハ 一家 族 ヲ為 スト 云 フ ヘキ ナリ故 ニ自 分 ノ家 ヲ守 ル
ノ際 ﹁兵 役義 務 履 行 ニ就 テ ハ実 行 ス ヘキ考 ナ ル モ将 来帝 国 カ土 地 ヲ
ニ於 テ所在 ヲ捜 査 シ参 会 ス ヘキ旨 説 諭 シ タ ル ニ翌 日遅 刻 参 会 セ リ其
甲 号)ハ大正八年度簡閲点呼施 行ノ際無届不参 シ憲兵 一、 中 村 還一( 補 充兵
侵 略 ス ヘキ目 的 ノ戦 争 行 為 ニ対 シテ ハ飽 ク迄 反 対 ナ ル ヲ以 テ斯 ル場
ル意 見 ヲ求 メ タ ル ニ松 浦 ハ左 ノ如 ク答 ヘタ リ 国 家 ハ我 等 一分 子 ノ集 合 体 ナ ルヲ以 テ 一家 族 ノ如 ク思 ハル ヽカ私
一、曩 ニ西 比 利 ニ出 征 セ ル帝 国 軍 人 ニシ テ内 地 ニ帰 還 セ ル者 ノ言動
合 ノ行 動 ニ関 シ テ ハ予 言 ス ル ノ限 リ ニア ラ ス﹂ ト述 ヘタ リ
ニ対 シテ ハ引 続 キ相当 注 意 セ ル モ其 ノ過 激 派 ニ感 染 シ其 ノ他 不穏 ノ
ハ現 在 ノ社会 状 態 ニ於 テ批 評 ス レ ハ 一家 族 ト ハ如 何 ニ シ テ モ見 ル
行 動 アリ シ ヲ認 メ ス
コト能 ハス何 ト ナ レ ハ若 シ 一家 族 ナ ラ ハ相 互 ニ助 ケ合 ツ テ生 活 シ 行 ク ヘキ ヲ当 然 ト ス ル ニ現 在 ノ状 態 ニテ ハ富 豪 ハ我 々 ノ貧 民 ニ対
第 六 学 生 ト特 別 要 視 察 人 ト ノ関 係
ハ第 三 ノ部 ニ記 載 セ リ
大杉 栄 カ千 葉 県 在 住 中 ﹁ 非 軍 備 主義 ﹂ ノ著 作 ニ従 事 セ ル コト
附 記
シテ少 シ モ同 情 心 ナ ク又相 互 ニ助 ケ合 フ コト ニ考 ヘ及 ハス先此 点 ヨリ考 ヘテ モ国 家 ヲ 一家族 ト同 視 ス ル コト ハ大 ナ ル誤 解 ナリ ト思 惟 ス 次 テ同官 ヨリ現 在 閲 読 書 籍 ヲ問 ハレ帰 来 ﹁ 平 民 新 聞 ﹂ ト題 スル主義 上 ノ刊 行 物 ヲ郵 送 セ リ
近 時 学 生 間 ニ思 想問 題 乃至 労 働 問 題 ヲ 云為 スル ノ風潮 ヲ生 シ不穏 過
甲号信友会)モ大 正 八年 徴兵 検 査 ヲ施 行 セ ラ レ甲 種 合格 一、高 田公 三(員 大杉 一派
ト ナリ シ カ其 ノ際 服 役 希 望 ノ有 無 ヲ問 ハレ無 政 府 主 義 者 ナ ルヲ以 テ
セ ル講 演 部 又 ハ文 芸 部 等 ニ於 テ屡 々特 別 要 視 察 人 ヲ招 聘 シ其 ノ所 説
ヲ傾 聴 セ ル カ是 等 ハ最 初 学 究 心 ヨリ出 ツ ル モノ ア ル ヘシト雖 漸 次 其
激 ノ言 論 ヲ為 ス モ ノ少 ナ カ ラ ス殊 ニ私 立 大 学 等 ニ於 ケ ル学 生 ノ組 織
ノ思 想 ニ感 染 スル ニ至 ル ヲ順 序 ト シ現 ニ学 生 ニシ テ大 杉 其 ノ他 ノ主
ル コト ヲ答 弁 セリ其 ノ後 本 人 ハ大 杉 一派 ノ同 志会 合 ニ出 席 シ ﹁入 営 ノ上 ハ ﹁ミリ タ リ ズ ム﹂ 整 頓 ノ程 度 ヲ実験 ス ヘシ﹂ ト談 シタ ルカ同
軍備 ノ必要 ヲ絶 対 ニ認 メ ス従 テ兵 役 ニ服 スル コト モ亦絶 対 ニ望 マサ
年 十 二 月 一日多 数 主 義 者 ノ見 送 ヲ受 ケ歩 兵 第 三 聯 隊 ( 麻布) ニ入 営
義 者 ノ会 合 ニ出 入 セ ル モ ノ アリ是 等 ニ対 シテ ハ深 甚 ノ注 意 ヲ払 ヘル
本会 ハ横浜在住同志吉 田只次 カ大杉 カ傷害
セ リ其 ノ際 同志 ハ ﹁横 浜 赤 旒 会 ﹂ (被告事件 ニ関シ収監釈放 セラレ之 カ歓迎会
中央大学卒業生ニ シ
カ今 二 三 ノ事 例 ヲ掲 ク
未編 入者
ヲ 催 シ タ ル際 之 ヲ設 ケ タ ル モ ノ ニ シテ 其 ノ 後 時 々本 会 ノ標 章 タ ル赤 旗 ヲ使 用 シ居 レリ
旬沖縄県師範学校生徒七十余名教 師 ニ引率 セラ レ上京 セル ニ対 シ
一、 沖 縄 県 人 沖 原 善 賢 (テ目下司法官試験準備中 ノモノ)ハ大 正 八 年 四 月中
之 カ歓迎会 ヲ開催 セル際 前記学生 ニ対 シ左記無政府共産主義 ニ渉
︹マ マ ︺
公 三 君﹂ ト書 シタ ル白 旗 ヲ樹 テ其 ノ他 同志 ハ ﹁ 正 義 の人 々﹂ ﹁戦 争
ル講演 ヲ為 セリ
)ノ赤旗及 ﹁ 祝 入営 社会主義者 高 田
は罪悪なり﹂﹁ 労 働 者 ﹂ 等 ノ小 旗 数 本 ヲ携 ヘシ モ ノ ア リ シカ所 轄 警
シ テ営 内 ニ入 リ社 会 党 万 歳 ヲ高 唱 シ憲 兵 ヨリ注意 ヲ受 ケ タ リ
察 署 ヨリ注 意 ヲ与 フ ル所 ア リ ﹁社 会 主 義 者 ﹂ ト書 シタ ル部 分 ヲ緊 縛
人 ハ悉 ク其 ノ跡 ヲ絶 チ社 会 ハ 一切 平等 テ汽 車 汽 船 ニ ハ 一等 ト カ 二
根 本 目リ破 壊 サ レ先 第 一ニ威 張 テ居 ル資 本 家 ハ全 ク ナ ク ナ リ貧 乏
ヘシ近 キ将 来 ニキ ツ ト来 ル ヘシ革 命 来 ラ ハ現在 ノ国 家 社 会 制 度 ハ
日本 ニ革命 ハ果 シ テ来 ル テ ア ロー カ自 分 ハ信 ス ル必 ス来 ル時 ア ル
生 ナ ル モ ノ ヽ如 ク本 会 ハ爾 後 毎 月 一回 同 所 ニ開催 セ ント ス ル モノ ヽ
杉 ハ之 ニ応 答 セリ出 席 者 ハ主 義 者 及 東 洋 、 早稲 田 、慶 応 各 学 校 ノ学
談 ヲ試 ミ且 ツ大杉 ニ対 シ実 際 運 動 及 軍 隊 ニ対 ス ル態度 等 ヲ質 問 シ大
ニ出 席 ス ル筈 ナ リ シカ学 校 側 ニ於 テ考 慮 ス ル処 アリ タ ル モノ ヽ如 ク
一、 大杉 栄 ハ大 正 八年 十 一月 二十 八 日早 稲 田 大学 民 人 同 盟 会 講 演 会
如シ
陸 海 軍 ノ如 キ ハ全 ク有 害 無 益 テ ア ル カ ラ無 ク ナ ルノ ハ当 然 テ ア ル
学 生 ヨリ同 人 ニ中 止 方 申 込 ミ タ ル モノ ヽ如 クナ リ シ ニ モ拘 ハラ ス同
等 ト カ云 フ級 モ全 廃 サ レ従 テ犯 罪 人 モナ ク監獄 モ不用 ト ナ ル殊 ニ
大 将 ト カ中 将 ト カ威 張 ツ テ居 ル連 中 モ官 僚 軍 閥 ノ徒 モ全 然 破滅 シ
日大 杉 ハ多 数 ノ主 義 者 ヲ同 伴 シ同 校 ニ赴 キ学 生 ト懇 談 会 ヲ催 シ座 談
的 ニ無 政 府 主 義 ニ関 スル問 答 ヲ行 ヘリ
テ シ マウ而 シ テ海 上 ニ浮 ヘル巨 船 大 砲 モ悉 ク海 底 ノ藻 屑 ト ナ ル之 レカ世 界 ノ大 勢 テ ア レ ハ人 類 ノ本 望 テ ア ル故 ニ吾 人 ハ須 ラ ク各 自
東 ハ友愛 会支 一、京都在住同志社学生東 忠続(部 同 堀 田康 一ノ 両 名 ハ他 役 員タリ )
ナ ル制 度 組 織 ヲ根 抵 ヨリ破 壊 シ私 有財 産 ノ廃 滅 ヲ主 張 シテ不 公 正 ナ
ノ努 力 ヲ其 ノ方 面 ニ致 シ以 テ 大勢 ノ促 進 ニ貢 献 セ サ ル ヘカ ラ ス云
一、 高 畠 素 之 ハ大 正 八年 十月 十 一日早 稲 田 大 学 ニ開 催 セ ラ レタ ル学
ル分 配 制 度 ヲ撲 滅 シ団員 ノ要 望 ス ル理想 社 会 ヲ建 設 ス ル目 的 ﹂ ノ下
ノ学 生 五名 ト共 ニ大 正 八年 四 月 ﹁現代 思 想 ノ要 求 ニ背 馳 スル不 公 平
生 雄 弁 会 ニ出席 シ ﹁ 現 代 日本 社 会 主 義 運動 ノ傾 向 ﹂ ト題 シ危 激 ナ ル
ニ露 国 革 命 ノ策 源 地 タ ル ﹁ヴ オ ルガ﹂ 河 ニ因 ミ ﹁ヴ オ ル ガ団 ﹂ ヲ組
々
煽 動 的 言 論 ヲ試 ミ尚 日本 ニ革 命 ノ勃 発 ス ヘキ コト ヲ附 言 セ ルカ当 日
ル コト ヽセリ然 レ ト モ東 京 主 義 者 等 ハ之 ヲ伝 聞 シ 一二 ノ者 ハ之 ヲ訪
同 学 生多 数 ノ講 演 ア リ何 レ モ近 ク我 国 ニ 一夜 ノ内 ニ革 命 起 リ血 ヲ見
問 セ シ コト ア リ 、以 上 ノ外 堺 利彦 ハ高 畠 素 之 ト共 ニ大 正 八年 十 月 早
ル モ ノト 認 メ同 年 七月 之 ニ戒 告 ヲ加 ヘタ ル結 果 同年 八 月 任意 解散 ス
過激 ノ宣 言 書 ヲ配 布 セ リ(本件 ハ当時警視庁 ヨリ文相 ニ内報済)
織 セ リ然 シ テ本 団体 ハ単 ニ名 義 上 ノ モノ ニ過 キ サ リ シ モ穏 カ ナ ラサ
一、 大杉 栄 ハ大 正 八年 十 一月 十 五 日東 洋 大 学 内 文 芸 講 演 会 ニ出席 講
稲 田 大 学 ニ於 テ又堺 ハ生 田 弘治 ( 甲号)ト共 ニ同 年 十 月 京 都 ニ於 テ同 地
又骨 ヲ山 ト ス ルカ如 キ コト ア ル ヘシト述 ヘタ ル モノ多 シ尚 学 生 等 ハ
演 ノ筈 ナ リ シ モ学 校 側 ノ反 対 ニ依 リ中 止 シタ ルカ 一部 ノ会 員 ハ民 衆
レ モ危激 ナ ル主 義 上 ノ講 演 ヲ為 セ リ
帝 国 大 学 及同 志 社大 学 ニ於 テ 又高 畠 ハ同 年 十 一月慶 応 大 学 ニ於 テ何
露 国 過激 派 ト ノ関 係
特 別 要 視 察 人 ハ 一般 ニ過 激 派 ニ対 シ同 情
第 七 外 国 主 義 者 ト 特 別 要視 察 人 ト ノ関 係
区神 楽 坂 倶 楽 部 ニ開催 ノ コト ヽ為 セ ルヲ以 テ所 轄警 察 署 長 ヨリ注 意
(一)
文 芸 会 ナ ル モノ ヲ組織 シ丹潔 (乙号) 之 カ主 宰 者 ト ナ リ 同 月 二十 日牛 込
ス ル所 ア リ シ ニ依 リ之 ヲ中 止 ス ル旨 申 出 タ ル カ当 日 ニ至 リ 大杉 派 ノ 同 志 会 合 場 ニ於 テ之 ヲ開 催 シ中 村 還 一( 甲号) 丹 ニ代 リ テ開 会 ノ 辞 ヲ 述 ヘ夫 レ ヨリ東洋 大学 、早 稲 田 大 学 生 等 ノ主義 ニ対 ス ル過激 ナ ル感 想
ヲ有 シ同 志 ノ会 合 又 ハ機 関 紙 等 ニ於 テ過激 派 ハ世 間 伝 フ ル如 ク無 秩 序 暴 戻 ナ ル モ ノ ニ非 ス其 ノ内 部 ノ組 織 モ整 頓 シ之 カ為 ニ不 利 益
参 考
ラ スシ テ了 レリ
長 崎在 住米 人
元 露 国 人 ニシ テ米)ハ時 々 ﹁ニ コラ ス、 ラ ツ セ ル ﹂ (国 ニ帰 化 セ ル モノ
ノ コト ア リ大 正 七年 十 二月 特 別 要 視 察 人 ニ編 入 セ ル モ其 ノ後
現 在 ノ国 家組 織 ヲ難 シ数 多 領 土 ノ分 割 ノ不 必 要 ヲ 口外 セ ル等
ヲ受 ク ル ハ資本 家階 級 ニ過 キ ス決 シ テ排 斥 ス ヘキ理由 ヲ見 スト ノ 口 吻 ヲ洩 セ ル モノ アリ 又京 浜 主 義 者 ハ同 派 ニ対 シ同 情 ヲ表 セ ル決
ハ之 ヲ特 別 要 視 察 人 ニ編 入 シ現在 其 ノ数 五 百 四十 四名 ヲ算 セ リ
無 政 府 主 義 、社 会 主 義 抱 持 者 ニシ テ行動 注 意 ヲ要 スト認 メラ ル ヽ者
第 八 特 別 要 視 察 人 ノ取 締
格 別 ノ言 動 ナ シ
議 文 ヲ作 成 シ大 正 七 年 五 月 十 四 日米 国 ヨリ本 邦 ニ渡 来 シ更 ニ露 国 ニ向 ヘ ル和 蘭 人 社 会 主義 者 ﹁ル ツト ガ ー ス﹂ ニ托 シ同 派 ニ交 付 シ 露 、独 各 地 ノ過 激 派 傾 向 ヲ有 セ ル新 聞 紙 ニ喧 伝 セ ラ レ タ ル事 実 ア リ又堺 利 彦 、高 畠 素 之 ハ大 正 七年 十 二月 一日付 ヲ以 テ ﹁ニ コライ 、 レー ニ ン﹂ 及 過 激 派 ニ宛 テ提 携 ヲ求 メタ ル通信 ヲ発
近 ク
本 通 信 ハ同意 シ(味 ノ モノ ヲ 和
蘭 国 際 社 会党 本 部 独 逸 ハツ セ及 エベ ルト 宛 ノ モノ 四 通 同封 シ テ之 ヲ和 蘭 海)又 牙 国 際 社 会党 本 部 ニ郵 送 シ途 中 美 国 官 憲 ニ依 リ差 押 ヘラ レ タ ル モ ノ ナ リ
知 シ其 ノ不穏 ノ行 動 ニ対 シ テ ハ注 意 警 告 ヲ与 フ ル等 ノ方法 ヲ講 シ法
規 ニ背 戻 ス ルカ如 キ ナ カ ラ シ ム ル ニ努 ム然 レト モ尚之 ニ応 セ ス或 ハ
是 等要 視 察 人 ニ対 シ テ ハ常 ニ内 審 視 察 ヲ加 ヘ各 種 ノ計 劃 ヲ事 前 ニ察
看 過 ス ヘカラ サ ル過 激 ノ行 動 ニ出 ツ ル者 等 ニ対 シ テ ハ夫 々法 令 ノ定
在 紐育 露 国過 激 派 代 表 者 ﹁マル ヂ ス﹂ ニ対 シ米 国 官 憲 カ家 宅 捜 査
リ要 視 察 人 ハ過激 派 ト接 近 連 絡 セ ント努 メ居 レ ル モ未 タ具 体 的 提
ノ際 堺利 彦 ニ宛 テ タ ル過 激 派 宣 伝 ノ通 信 ヲ発 見 シタ ル等 ノ事 実 ア
携ノ 事 実 ハ之 ヲ発 見 セ ス
宛 テ タ ル通 信 ト 同封 シ独 逸 ハツ セ、 エベ ルト 及和 蘭 国 際 社 会 党 本
カ取 締 ヲ施 シ内 容 不 穏 過激 ニ渉 ル モノ ニ対 シ テ ハ発 売 頒 布 ヲ禁 止 シ
ル ニ其 ノ刊 行 物 ニ依 ル言論 ニ対 シテ ハ新 聞 紙 法 井 ニ出 版 法 ニ依 リ之
ハ多 種 多 様 ナ ル ヲ以 テ之 ニ対 ス ル取締 モ従 テ多 岐 ニ渉 レリト 雖 要 ス
ム ル所 ニ従 ヒ厳 重適 切 ナ ル取 締 ヲ加 フ ル モノ ト ス而 シ テ彼 等 ノ行動
部 ニ宛 テ連絡 ヲ求 ム ル通信 ヲ発 送 シ タ ル事 実 ア ル ノ外 米 国 紐 育 ニ
一月 ニ至 ル ノ間 ニ於 テ要視 察 人 ノ経 営 セ ル主 ナ ル刊 行 物 ニシ テ発 売
事 宜 ニ応 シ刑 事 訴 追 ニ付 スル モ ノト ス而 シ テ大 正 八年 一月 以 降 同 十
(二) 其 ノ他 ノ外 国 主 義 者 ト ノ関 係 堺 利彦 、 高畠 素 之等 ハ前 項 ニ記 載 セ ル如 ク大 正 七年 十 二月 一日付 ヲ以 テ露 国 レ ー ニ ン及 過 激 派 ニ
於 テ発 行 スル無 政府 主義 者 ノ機 関 紙 ﹁フ リ ーダ ム﹂初 号 ニ日本 ニ
シ テ米 国 社 会 主 義 者 ニ対 シ連 絡 ヲ計 レ ル通信 ヲ発 シ同 国 主義 者 ヨ
ス ル冊 子 ﹁パ ンの略 取 ﹂ ﹁平 民 の鐘 ﹂ 及 ﹁サ ンヂ カリ ズ ム﹂ ﹁ 革命 の
件 ニ過 キ サ ル モノ ト ス尚 京 都 在 住 主 義 者 山 鹿 泰 治 ハ無 政 府 主 義 ニ関
頒 布 ヲ禁 止 シタ ル モノ別 表 ノ如 シ右 ノ内 司 法 処 分 ニ附 シタ ル ハ一二
︹マ マ ︺
於 ケ ル社 会 主 義 運動 ノ状況 ヲ記 セ ル寄 稿 ヲ為 シ又 堺 、 高 畠 ハ連 名
リ返 信 ヲ受 ケ タ ル形 跡 ア リ又高 畠 派 ニ属 ス ル北 原 竜 雄 、 茂木 久 平
歌 ﹂ ヲ各秘 密出 版 ニ附 シ之 ヲ同 志 ニ頒 布 シ又 ハ頒 布 セ ムト シタ ル事
ノ両 人 ハ亜 細 亜 社 会 主 義 者 ノ会合 ヲ企劃 シ大正 八年 七 月 七 日支 那 主義 者等 ニ対 シ之 ヲ提 議 セ ル英 文 通 信 ヲ発 シタ ル モ実 現 スル ニ至
実 ヲ発 見 シ刑 事 処 分 ニ付 セリ 又要 視 察 人 ノ集 会 講 談 論 議 ニ就 テ ハ治 安 警 察 法 ニ依 リ取 締 ヲ加 フ ル モノ ト ス而 シ テ其 ノ集 会 カ特 定同 志 ノ ミ ニ限 リ主 義 伝 染 ノ虞 ナ キ モ ノ等 ニ対 シ テ ハ寛 大 ノ措 置 ヲ採 リ同 志 以 外 ノ者 又 ハ 一般 公衆 ヲ会同 スル モノ ニ対 シ テ ハ必 要 ニ応 シ警 察 官 ヲ臨 監 セ シ メ不穏 ノ論 議 ニ対 シ テ ハ注 意 ヲ与 ヘ又 ハ中 止 ヲ命 シ或 ハ 集 会 ノ解 散 ヲ命 ス ル モノ ト ス最 近東 京 ニ於 ケ ル主 義 者 ノ集 会 及 中 止 解 散 度数 別 表 ノ如 シ
民 本
会 (月刊) 一回
甲
比
較
乙
増
丙
減
計
自大正八年 一 月 至 同 年十二月主義 者 ノ機関紙発売頒布禁止調
主 義 ( 月刊) 一回
社
国 家 社 会 主義 ( 月刊) 一回 月 刊新
労 働 運 動 (月刊) 一回 横 浜 労 働 新 聞 (月刊) 一回
丙
大 正九 年 一月 一日 調
自大正八年 一 月 至 同 年 十 一月主義者 ノ集会及中止解散調
キ公 安 ヲ害 ス ル行 動 ア ル者 ニ対 シ テ ハ場合 ニ応 シ行 政 検 束 ニ付 セ ル
右 集 会 及 同 盟罷 工等 ニ際 シ暴 行 ヲ為 シ又 ハ騒 擾 ヲ増 大 セ シ ム ルカ如
一回 二
乙
△ ハ減
一、 集 会 度 数 七 一回
甲
大 正 八年 一月 一日現在 人員
一、 中 止 度 数
員
モノト ス而 シ テ 一面 之 カ遷 善 ヲ モ講 シ現 ニ失 職者 等 ニ対 シ適 当 就 職
丙
人
九回
乙
在
増減 一覧表
現
特別要視 察 人 準特別要視察 人
及 甲
計
一、 解 散 度 数
庁 県
計
セ シ メ タ ルノ事 例 ナ シト セ ス
道 府
京
道
東 都
海
京 阪
北
大 川 庫
奈
兵
崎
神
長
山
青
岩
福
宮
長
岐
滋
山
静
愛
三
奈
栃
茨
千
群
埼
新
形
森
手
島
城
野
阜
賀
梨
岡
知
重
良
木
城
葉
馬
玉
潟
宮
熊
佐
大
福
高
愛
香
徳
和 歌
山
広
岡
島
鳥
富
石
福
秋
崎
本
賀
分
岡
知
媛
川
島
山
口
島
山
根
取
山
川
井
田
島 縄
児
沖 計
鹿
合
東 都
京
新
長
兵
玉
潟
崎
庫
ナ シト認 メ ラ ル ヽ者 等 ヲ解 除 シ タ ル ニ拠 ル
丙
計 甲
乙
丙
新 規 編 入 人 員
特 別 要 視 察 人 自 大 正 八 年 一月 二 日) 新規編 入及視察解除人員 表 準特別要視察 人( 至 同 九 年 一月 一日
乙
大 正 八年 一月 一日 現 在 人員 甲
計
甲
観
察
乙
解
丙
除 人
計
員
甲
現
乙
在
丙
人
大 正 九年 一月 一日調
(附 記) 現在 人員 カ大 正 八 年 一月 一日 現在 ニ比 シ激 減 シ タ ル ハ大 正 八年 中 ニ於 テ名簿 ヲ整 理 シ思 想 緩 和 者 其 ノ他 危 険 ノ虞
県
道庁及 府
京 阪
北海道
大
埼 馬
神奈川
群 千 葉
員
計
茨
城
奈 重
良
栃 木
三
岡
愛 知 静
石
福
秋
山
青
岩
福
宮
長
岐
滋
山
川
井
田
形
森
手
島
城
野
阜
賀
山 梨
富
鳥
取
広
岡
口
島
山
島 根
山
熊
佐
大
福
高
愛
香
徳
崎
本
賀
分
岡
知
媛
川
島
和歌山
宮
沖 計
縄
鹿児島
合
( 附 記) 本 表 ハ大 正 八年 一月 二日 以 後 ノ新 規 編 入人 員 ト視 察 解 除 人 員 ト ヲ各 其 ノ当 時 ノ種 別 ニ基 キ計 上 シ テ参 考 ニ資 シタ
県
道庁及 府 北海道 東 京 京 都 大 阪
庫
神奈川 兵
潟
長 崎 新
馬
埼 玉 群
城
千 葉 茨 栃 木
ル モノ ニ シ テ対 照 ニ便 セ ン カ為 上下 ノ 二欄 ヲ附 加 セ リ
計
甲
乙
丙 計
朝鮮、台湾、樺太 又 ハ関東州在留者
入
編入庁別現在人員表 編
丙
者
乙
丙
人
計
外 国 在 留 者 甲
甲
計
員
乙
丙
計
視 察 解 除 人 員 ノ欄 ×印 ヲ附 シタ ル ハ死 亡 ニ依 リ削 除 セ シ人 員 ヲ外 書 ト シ テ示 シタ ル モノ ナ リ 特 別要視察人 準特別要視察人
乙
管 内 在 住 者 甲
大 正九 年 一月 一日 調
女性編入者
甲 乙 丙 計
所在不明者
上欄 計 人 員 ノ内
甲 乙 丙 計
奈
良
山
静
愛
賀
梨
岡
知
三 重
滋
鳥
富
石
福
秋
山
青
岩
福
宮
長
根
取
山
川
井
田
形
森
手
島
城
野
岐 阜
島
山
広
岡
口
島
山
香
徳
媛
川
島
和歌山
愛
岡
高 知 福 大 分
熊 崎
本
佐 賀
宮
沖 計
縄
鹿児島
合
ナリ
( 附 記 ) 本 表 中 △印 ヲ附 シ タ ル ハ在 米 無 政 府 主 義 者 ノ 一派 又 ハ同 一派 ノ関 係 者 ト認 メ ラ レ居 ル者 ヲ内 訳 ニシ テ示 シタ ル モノ 朝 鮮 、台 湾 、樺 太 、 関 東 州 及外 国 在 留 者 内 訳 別 紙 ノ如 シ
鮮
地 湾
留
朝
在 台
国
那
州
太 東 計
樺 関 支 米
国
利 林
伯
仏
西 伯 英 領 印 度蘭 貢 英 領 新 嘉 坡 計 計
南洋 ヂヤムビ島
合
甲
乙
丙
計
一 一 特 別 要 視 察 人 ノ 現 状 及 其 ノ 取 締 ノ 概 況 大正九年六月調
大正九年六月調 特 別 要 視 察 人 ノ現状 及 其 ノ取 締 ノ概 況
四名 乃 至 三 五 名 ニシ テ爾 余 ハ其 ノ他 ノ府 県 ニ散 在 シ外 国在 留 者 ト シ
然 東 京 ヲ最 多 ト シ 一四 三名 ニシ テ大 阪 、 北海 道 、長 野 ハ之 ニ亜 キ 四
テ ハ米 ノ 三〇 名 ヲ最 多 ト ス
之 等 要 視 察人 ヲ其 ノ言動 主 張等 ノ点 ヨリ観 察 スル ト キ ハ大 体 ニ於 テ
辰
和田久太郎
栄
公三
ノヱ
水沼
大杉
同
高田
伊藤
同
京
一 急 進 的 ニ無 政 府 主 義 ノ実 現 ヲ期 スル モ ノ ( 大杉栄 一派)
次 ノ四派 ニ帰 スル コト ハ従 来 ト異 ル所 ナ シ
中 心 人 物 東
同
一
同 丁 一 29
智雄
次
五 30
山本
吉田
目 第 一 総
同
説
第 二 東 京 在 住 者 ノ現況
同
只次
支
京
阪 武 田伝 次 郎
那 深 町
都 山鹿
作次
泰治
二 労働 組合 主義 ニ依 リ無 政 府 主 義 ヲ実 現 セ ント ス ル モノ(
一派
大
及 一派
神 奈 川 吉 田
一 八 34 兵 庫在 住 者
大 阪在 住 者
第 三 地方 在 住 者 ノ現況 ) (二
(一)
二五 36
神 奈 川 在 住者( 四) 其 ノ他 ノ府 県 在 住 者
第 四 外 国 在 住 者 ノ現況
二 七 36
(三)
第 五 要 視 察 人 ニ対 スル取締
︹マ マ︺
特別要視察人 ノ行動及其 ノ取締 ノ概況
山川
中心人物 東 京 荒畑
隆三
均
勝三
荒畑勝三 山川 均 一派)
車
説
同
第 一 総
同
無政府主義者、社会主義者 ニシテ之カ) ハ本 年 一月一日 現 在ニ 特別要視察人 (宣 伝実行 ヲ企図 シ行動注意 ヲ要 スル者
ヲ増 加 シ五 五 三名 ト ナ レリ此 ノ現 在 人員 五 五 三 名 ノ居 住 地 方 別 ハ依
於 テ五 四 四 名 ナ リ シカ其 ノ後 増 減 ア リ本 月廿 五 日 ニ於 テ ハ結 局 九 名
及 一派
阪 岩出金次郎
愛 知 横 田宗次郎 大 三 漸進的 ニ社会主義 ノ実現 ヲ期 スルモノ ( 堺利彦 一派) 利彦
同
藤蔵
杉山 正三
安 谷 寛 一(
庫 和 田 信義
大 阪 若林 兵 同
以 上 各 派 ニ関 係 ナ キ者 ニシ テ相 当 注 意 ヲ要 ス ル者 モ少 ナ カ ラ ス)
ノ手 段 ノ如 何 ヲ問 ハス直 接 行 動 ニ依 リ其 ノ目 的 ヲ達 セ ント ス ル モノ
而 シ テ叙 上要 視 察 人 ノ主 張 ハ各 派 ニ依 リ テ其 ノ内 容 ヲ異 ニシ或 ハ其
京 堺 幸内久太郎
中 心人物 東 同
スル ニ現在 ノ政治 竝経 済 上 ノ制 度 ヲ破 壊 セ ムト スル モ ノ ニ シテ 近時
ア リ或 ハ微 温 的 方 法 ニ依 リ漸 次 理 想 ニ達 セ ント ス ル モノ ア リ ト雖 要
秀夫 長治
幸内 庫 松浦
同 兵
遠藤友四郎
以 下 東 京 ニ於 ケ ル各 派 ノ現状 ヲ概 説 シ注 意 ヲ要 ス ル 二、三 地 方 ノ状
種 ノ機 会 ヲ利 用 セ ル モ ノト ス
思 想 界 ノ混 乱 セ ル ニ乗 シ益々 其 ノ宣 伝 に努 メ ツ ヽア リ之 カ手 段 ト シ
久平
況 ニ及 フ
素之
同 茂木 士郎
京 高畠
同 尾崎
中心人物 東
四 国家 ニ依 リ社会 主義 ノ実行 ヲ期 スル モノ ( 高畠素之 一派)
同
テ各 派 中 心 人物 ハ機 関 紙 ヲ発 行 シ且 一味 ノ定 期 会 合 ヲ催 シ其 ノ他 各
神奈川 北 原 竜雄
第 二 東 京 在 住 者 ノ現 況
有吉
吉 川 守国
シ テ ハ ﹁サ ンヂ カ リズ ム﹂ ノ色 彩 ヲ帯 フ
大杉 栄 ハ今 尚 無 政 府 共 産 ヲ主 張 シ直 接 行 動 論 ヲ唱 導 シ労 働 組 織 ニ対
京 岩佐作 太郎
同
宮島 信泰
東
以上各派 ニ関係 ヲ有 スル主 ナル者
同
近藤 憲 二
急進的無政 一 大 杉一派 ( 府主義派)
同
石井 鉄 治
三吉
同
小山 勝清
期会 合 ヲ主 催 セ ル カ 出 席 者 ハ毎 月 二、三 十名 ニ達 シ本人 及 腹 心 タ ル
一、本 人 ハ引続 毎 月 二回 ﹁東 京 労 働 運 動 同盟 会 ﹂ ト称 ス ル 一味 ノ定
不満 ヲ抱 ケ ル モノ ヲ生 セ リ
大杉 ノ所 論 ハ単 調 ニシ テ進 化 ノ跡 ナキ ニ依 リ最 近 一派 中 之 ニ
同
佐市 金子新太郎
註
同 同
神奈 川 田中
同 志 之 ニ出 席 シ テ主 ト シ テ実 際 運 動 ニ関 ス ル過 激 ノ研 究 討 議 ヲ試 ミ
放 ヲ迫 ラ ン為 警 察 官 署 ニ赴 カ ント シ行動 不穏 ノ点 ア リ シ ヲ以 テ之 ヲ
近 藤 及 堺 ハ登 壇 講 演 セ リ会 衆 中 二、三 百 名 ハ 一団 ト ナ リ 検 束 者 ノ 釈
同 志 和 田久 太郎 ヲ大 阪 ニ派 シ本 紙 ノ拡 張 ヲ計 リ本 年 一月 ヨリ大 阪在
ル自 主 、自 治的 生 活 獲 得 運 動 ナ ラ サ ル ヘカ ラ ス﹂ ト ノ趣 義 ヲ鼓 吹 シ
□ □ □ □ □ □□ 非 ス之 等 ノ労 働 条 件 ノ決 定権 ヲ労 働 者 ノ手 裡 ニ収 ム
シ居 レリ生 活 状 態 ハ近 来 著 シ ク順 潮 ニシ テ去 ル三月 出 獄 ノ際
テ借 入移 転 セ リ其 ノ后 常 ニ上 京 シ同 志 ト共 ニ主 義 運 動 ニ熱 中
県 鎌 倉 町字 小 町 二八 五 谷 ナ オ所 有貸 家 ヲ 一ヶ月 六 十 円 ノ約 ニ
大 杉 栄 ハ内 縁 妻 ﹁伊 藤 ノ ヱ﹂ (甲号要)ト共 ニ本 年 四 月 末 神 奈 川 視察 人
記
住 同 志武 田伝 次 郎 方 ニ関 西 支 局 ヲ設 置 シ前 記和 田 ヲ主 任 ト ナ シ且 同
某 方面 ヨリ五 百 円 ヲ貰 ヒ受 ケ タ ル等 ノ コト ア リ東 京 ト ノ往 復
附
制 止退 散 セ シメ タ リ
居 レリ 月刊客年 十月) ヲ引 続 キ発 行 シ自 一、 大杉 一派 ハ機 関 雑 誌 ﹁労 働 運 動 ﹂(発 刊セルモノ ︹十字 不
家 ノ主 張 タ ル ﹁ 労 働 運 動 ハ賃 銀 値 上 、労 働 時 間 短 縮 等 ノ労 働 □ □ □
地 ニ南 出 張 所 ヲ設 置 シ同 志 逸 見 直 造 ヲ主 任 ト シ尚 愛 知 在 住 横 田 宗 次
出 金 者 ハ三 名 ニ シテ 日 本橋 ノ際 モ二等 列 車 ニ搭 乗 シ居 レ リト 云 フ (方 面 ノ株 屋 連 ナ リ ト 称 セ ラ
明︺
郎 方 ニ名 古 屋 支 局 ヲ設 置 セ ル旨 ヲ発 表 シ 一面 各 地労 働 団 体 等 ト接 近
ル内 偵中)然 レト モ借 家 料 ノ如 キ ハ将来 借 倒 ノ手 段 ニ出 ツ ヘ ク 本
ト アリ シ モ不 起 訴 処 分 ト ナ レ リ
人 ハ之 カ常 習 者 タ ル ヲ以 テ嘗 テ事 件 ヲ裁 判 所 ニ送 致 シ タ ル コ
提 携 ヲ計 リ居 レリ 千葉県在住中同地駐在巡査)ニ依 リ懲 役 三月 ニ処 セ 一、 大杉 ハ曩 ニ傷 害 罪 (ニ 対 シ欧打傷害ヲ加ヘタリ
ラ レ本年 三 月廿 八 日出 獄 セ ル カ ﹁今 後 ハ如何 ナ ル会 合 ニ モ出 席 シ自 己 ノ主義 ノ宣 伝 ニ努 ム ルト共 ニ茲 一年 間 ニ民 衆 ニ対 シ ﹁ク ロポト キ
大 正 八年 六月 以来 両 名 主 催 ト ナ リ毎 月 二回 ﹁労働 組 合 研究 会 ﹂ ト称
荒 畑 、 山 川等 ハ労 働 組 合 ニ依 リ漸 進 的 ニ革 命 ヲ達 セ ン コト ヲ主 張 シ
働組合主義 ニ依 二 荒 畑 、山 川 一派 (労 ル無政府主義派)
一、本 年 五月 二 日上 野 公 園 両 大 師 前 ニ於 テ友 愛 会 外 九 労 働 団 体 主 催
席 セ ント ス ルノ風 ア リ
﹁スト ライ キ﹂﹁サ ボ タ ー ヂ﹂其 ノ他 ニ関 スル過激 ノ研究 論 議 ヲ試 ミ
スル 一味 ノ会 合 ヲ催 シ常 ニ労 働 組 合 ノ理 論 及 其 ノ ﹁戦術 ﹂ ト称 スル
ン﹂ ノ主 張 ヲ自 覚 セシ ム ヘシ﹂ ト 称 シ其 ノ後 各 種 ノ主 義 的 会 合 に出
ト ナ リ ﹁メ ーデ ー﹂ ヲ開 催 セ ル カ在 京特 別要 視 察 人 ノ 一団 ハ之 ニ参
動 思 ハシ カラ サ ルヲ以 テ大 阪 在 住 同 志 岩 出 金 次 郎 等 ト 共 ニ同 地 方 ニ
屡 々中 止 解散 ヲ命 セラ レタ リ然 ル ニ荒 畑 ハ近 時 東 京 方 面 ニ於 ケ ル運
加 シ何 等 カ不穏 ノ計 劃 ア ルヤ ノ聞 エア リ シ ヲ以 テ之 カ中 心 人 物 ト認 メ ラ ル ヽ大 杉 栄 外 五名 ヲ 一時 行 政 検 束 ニ付 セリ然 ル ニ堺 利 彦 外 十 九
日東 京 ヲ発 シ同 地 ニ赴 キ大 阪 ヲ中 心 ト シ テ奈 良 、 京 都 其 ノ他 ノ 地 方
於 テ宣 伝 ヲ為 サ ント シ数 次 同 地方 ヲ視 察 スル所 ア リ シ カ本 年 四 月 七
名 ハ神 奈 川 県 名 (内ヨリ一参 )ノ主 義 者 出 席 シ水 沼 熊 ハL.M ト縫 取 リ セ ル黒 旗 加 セルモノ
( 幅約 三尺) を携ヘ 同 志 ハ他 ノ労 働 者 ト 共 ニ露 国革 命 歌 (荒畑勝 三ノ作歌 ニ係 リ過激 ノ内
ニ宣 伝 運 動 ヲ試 ミ居 レ ルカ之 等 ノ状 況 ニ就 テ ハ大 阪 ノ部 ニ記 セリ
ヲ高 唱 シ テ会 場 ノ周 囲 ヲ練 リ歩 キ 近藤 憲 二 ハ前 記 大 杉 一派
容 ヲ有 ス ) ル モノ
ノ機 関紙 ﹁労 働 運 動 ﹂ ノ号 外 ヲ散 布 シ飛 入演 説 開始 セラ ル ヽニ及 ヒ
主催 シ居 レリ
前記 ﹁ 労働 組合研究会﹂ ハ本人出発以来山川及 堺利彦等 ニ於 テ継続
機 宜 ノ方 法 ニ依 リ主 義 ノ宣 伝 ヲ試 ミ居 レ リ
レ モ予 期 ノ結 果 ヲ収 ム ル コト 能 ハス右 機 関 紙 ノ発 行 ヲ モ休 止 シ爾 来
其 ノ後 私 立 大学 等 ノ招 聘 ニ応 シ自 家 ノ主 張 ヲ講 演 セ シ コト ア リ シカ
最 近専 心 主義 上 ノ著 作 ニ没 頭 シ ﹁マ ルク ス資 本 論 ﹂ ノ 一部 ヲ既 ニ公
刊 セ リ又時 々刊 行物 ニ寄 稿 シ主 義 ノ鼓 吹 ヲ為 セ ル カ本 年 四 月 廿 四 日
三 堺 一派
牛 込 神 楽 坂倶 楽 部 ニ於 テ ﹁錦 心 流 琵 琶 会 ﹂ ノ名 称 ノ下 ニ会 合 ヲ催 シ
漸進的社 (会 主義派)
ヲ根 拠 ト シ時 々各 種 ノ刊 行 物 ニ寄 稿 シ又 単 行 ノ著作 物 ニ依 リ主 義 ノ
従来本人ノ経営 セシ雑誌 ﹁月刊新社 堺利彦 ハ引続 キ機関紙 ﹁新社会 評 論﹂(会 ﹂ヲ本年 一月上記 ノ如 ク改題 ス)
附 記
遠 藤 友 四 郎 ト 共 ニ国 家 社会 主 義 宣 伝 ノ講 演 ヲ為 セ リ
一、 本 人 一派 ノ例 会 ﹁労 働 問 題 講 演 会 ﹂ ハ漸 次 出席 者 ヲ増 加 シ事 実
鼓 吹 ヲ為 シ居 レリ
上 不 特 定 者 ノ会 合 ト化 シタ ルヲ以 テ集 会 ノ届 出 ヲ命 シタ ル モ之 ニ従
タ リ シ カ本 書 ハ届 出 ヲ了 セ ス シテ発 売 頒 布 ヲ為 シ タ ル廉 ニ依
論 ﹂ ヲ著 述 シ安 寧 秩 序 ヲ害 スル点 ア リ発 売 頒 布 ヲ禁 止 セ ラ レ
リ出 版 法 違 反 ト シ テ本 年 三 月 廿 七 日罰 金 二十 円 ニ処 セ ラ レ タ
高 畠 一派 ニ属 スル遠 藤 友 四 郎 ハ大 正 八 年 十 一月 ﹁財 産 奉 還
荒 畑 下 阪 ノ後 ヲ承 ケ 堺 ハ山川 ト共 ニ前 記 ﹁労 働 組 合 研 究会 ﹂ ニ出 席
リ
ハサ リ シ ヲ以 テ厳 重取 締 ヲ加 ヘタ ル結 果 昨 年 十 二 月 以 降之 ヲ休 止 シ
一、堺 ハ大 杉 ノ部 ニ記 シ タ ル如 ク本 年 五月 二 日上 野 公 園 ニ於 ケ ル友
者 ハ正 面 ヨリ爆 弾 ヲ用 ユレ ハ吾 々 ハ地 雷 火 ヲ仕 掛 ケ テ之 ヲ応 援 シ資
一、望 月 桂 ハ ﹁主 義 者 ハ労 働 運動 ノ ミ ニテ ハ満 足 ス ヘキ ニ非 ス労 働
五 其 ノ他 ノ在 京 主義 者 ノ近況
シ居 レリ
愛 会 外 九 団 体 ノ ﹁メ ーデ ー﹂ に出 席 講 演 シタ ル コト ア リ本 人 ハ在 京 主 義 者 ノ長 老 ト シ テ思 想 団 体等 ノ各 種 会 合 ニ出 席 シ又 同 志 ノ為 ニモ
註
本 家 階級 ヲ打 破 セ サ ル ヘカ ラ ス﹂ ト ノ意 味 ヲ以 テ同志 ト 共 ニ ﹁黒 耀
頗 ル斡 旋 ニ努 メ居 レ リ
堺 ハ今 春 来 外遊 ノ準 備 ヲ為 シ タリ シ カ時 機 非 ナ ル コト看 取 シ
会 ﹂ ナ ル モ ノ ヲ組 織 シ本 年 一月 五 日発 会 式 ヲ挙 ケ ﹁ 本 会 ハ自 立 的 芸
毎月
見 合 ス ル コト ヽナ セリ
タ リ シカ本 年 四月 三 、四 日 ノ両 日 大杉 一派 ニ属 スル服 部浜 次 等 ノ斡
運 動 ヲ ナ ス﹂ 等 ノ事 項 ヲ発 表 シ其 ノ後 例 会 ニ大 杉 一派 ノ同志 参 加 シ
及実際 術 的 革 命 ヲ目 的 ト ス ル人 々 ニ依 リ組 織 ス、本 会 ハ研究 会 (一回) 高 畠 素之 ハ大正 八年 三月 以 来 同 志遠 藤 友 四郎 、茂 木 久 平 、 北 原 竜 雄
旋 ノ下 ニ主 義 及 労 働 ニ関 ス ル絵 画 詩 文 ノ展覧 会 ヲ開 催 シ会 場 ニ ﹁醒
四 高畠一派
等 ト 共 ニ皇 室 ヲ中 心 ト スル ﹁国 家 社会 主義 ﹂ ヲ標 榜 シ 一時 機 関 紙
め よ 無 資産 者 ﹂﹁ 起 て よ労 働 者 ﹂ 等 ノ文 言 ヲ挿 メ ル奇 激 ノ宣 言 、文 章
国家社会 (主 義派)
﹁国 家 社会 主義 ﹂ ヲ発 行 シ主義 宣 伝 ノ講 演 会 等 ヲ開 催 シ来 リ シ モ何
○ ○ の夜 ﹂ セ リ(ハ﹁他 ノ 一点 ト
於 テ原 判 決 ヲ取 消 シ森 戸 ニ対 シ禁 錮 三 月罰 金 七十 円大 内ニ 対
右 言 渡 ニ対 シ立 会 検 事 控 訴 ノ結 果 去 ル二十 九 日東 京 控 訴 院 ニ
廿 円 ニ処 ス ル旨 ノ言 渡 ア リ
シ テ本 会 ハ名 ヲ書 画展 覧 会 ニ藉 リ主 義 宣 伝 ヲ目 的 ト ス
三月 (二年間刑執 行猶 予) シ各資格 ニ於 テ禁錮 一月罰金二十円(計 六十 円)
命? ヲ掲出 シ堺利 彦 、丹 潔 其 ノ他 多 数 同 志 ノ著 作 又 ハ出 品 ニ係 ル ﹁革 ○○ の
共 ニ自 ラ撤 回 ) 而 セリト云フ
夜﹂﹁ア ナキ スト の心 理 分 析 ﹂等 ノ作 品約 百 点 ヲ陳 列
ル モノ ナ リ シ カ予 期 ノ結 果 ヲ収 ム ル コト能 ハサ リ シ ヲ以 テ同 月 廿日
ノ言渡 アリ
一、本郷区本郷四丁目十 一番地人力車宿営業杉本平太郎方挽子森本
望 月方 ニ同 志 会 合 ヲ催 シ該 展覧 会 ノ不結 果 ニ終 リ シ ハ 一部 主義 者 ノ
ア ラ シ ム ル為 同 志 ノ糾 合 ヲ為 シ且 労 働 問 題 ニ関 シ平易 ナ ル雑 誌 ヲ発
出 品 ノ ミ ニシ テ多 数 民 衆 ノ嗜 好 ニ適 セサ リ シ ニ依 ル モノ ナ レ ハ今 後
行 セ ント ス ルノ計 劃 ヲ為 シ本 年 五 月 二十 二日本 郷 四丁 目 十 字 街 ノ電
ニ労 働 者 カ来 ル ヘキ時 代 ノ為 ニ相 互 ノ意 思 ヲ交 換 シ其 ノ生 活 ヲ意 義
一、昨 年 十 二月 東 京 帝 国 大 学 経済 学 部 ニ於 テ発 行 セシ雑 誌 ﹁経済 学
柱其 ノ他数 ケ所 ニ ﹁ク ロポ ト キ ン﹂ ノ ﹁パ ン ノ略 取 ﹂ ヲ研 究 ス ヘキ
元早稲 田大) 何 レモ無 重生(学 聴講 生 外 四名(編 入者 )ハ首 唱 者 ト ナ リ赤 旗 社 ナ ル 名 称 ノ 下
研 究﹂ 紙 上ニ 同 大 学 元 助 教 授 森 戸 辰 男 ノ執 筆 セ ル ﹁ク ロポ ト キ ンの
ハ広 ク絵 画 ニ趣 味 ヲ有 スル モ ノ ヨリ出 品 ヲ慫慂 シ尚 機 関 雑 誌 ヲ発 行
社 会思 想 の研 究 ﹂ ナ ル論 文 登 載 セ ラ レ発売 頒 布 禁 止 処 分 ヲ受 ケ亜 テ
シ且赤 旗社 ニ申 込 ヲ求 ム ル旨 ノ意 味 ヲ認 メタ ル広 告 ヲ貼 付 セ リ目 下
旨 ヲ英 文 ヲ以 テ認 メ タ ル モノ及邦 文 ヲ以 テ労 働 者 ノ覚 醒 及 団 結 ヲ促
シ テ芸 術 上 ヨリ主 義 宣 伝 ヲ為 サ ン コト ヲ協 議 セ リ
高 尾 平 兵 衛 ハ本 年 二月 頃 該 出 版 物 ヲ何 レ カ ヨリ 入手 シ之 ヲ謄 写版 ニ
森 戸等 ハ東 京 地方 裁 判 所 検 事 ノ起 訴 スル所 ト ナ リ シカ特 別 要 視 察 人
ト計 劃 中 ナ ル ヲ以 テ相 当注 意 シ居 レリ本 団 体 ニ ハ堺利 彦 後 援 者 タ ル
賛 同申 込 ヲ為 シタ ル モノ ナ キ モ首 唱 者 ノ居 宅 ヲ会 合 ノ場 所 ニ充 テ ン
﹁自由 労 働 会 ﹂ ナ ル モノ ヲ組 織 シ同 志 近 藤 憲 二 ニ托 シ過 激 ナ ル宣 言
ヲ受 ケ荒 畑 ノ ﹁労 働 組 合 研 究 会 ﹂ ニ出 席 シ テ益ゝ 主義 ノ鼓 吹 ヲ受 ケ
共ニ 乙 号 ニ シテ 一、長 沢九 一郎 、 加 藤 昇 (職 ) 等 ハ堺 、 大杉 ヨリ主 義 ノ注 入 工 タルモノ
モ ノ ヽ如 シ
部 数 不 明 ナ ル モ数 同 志 其 ノ他 ニ 一部 二 、三 円乃 至 五、六 依 リ秘 密 出版 シ(十 部 ナ ル カ如 シ )
ニ於 テ謄 写版 ヲ以 テ 秘 密 出 版
円 ヲ以 テ密売 シ更 ニ本 年 五月 頃 ﹁ク ロポ ト キ ン﹂ 著 ﹁法 律 と 強 権 ﹂( 幸 徳 事 件 ニ依 リ 刑 死 セ ル大 石 誠 之 助 等 )ヲ自 宅 ニ依 リ 秘 密 出 版 セ シ モノ ナ リ ト 云 フ
シ(部 数 不 明 ナ ル モ之 亦 数) 其 ノ内幾分 ヲ発売 シ残部十 二部 ヲ同 志 加 藤 昇( 十 部 ナ ル モノ ヽ如 シ
書 ヲ起 草 印 刷 ニ付 シ客 年 十 一月 発 売 頒 布 禁 止 セ ラ レ タ ル コト ア リ シ
ニ陰 匿 セ ル ヲ同 月 廿 八 日発 見 差 押 ヲ為 シ
出 版 法 違 反 ト シ テ同 月 三十 日東 京 地 方 裁 判 所 検事 ニ送致 シ加 藤 ハ前
岩 佐 作 太 郎 等 ト 共 ニL D L )ノ許 ナ ル団 体 ヲ 組 織 セ ルモ ノ
二種 ノ文 書出 版 ニ際 シ高 尾 ヲ幇 助 シ タ ル事 実 アリ刑 事 訴 追 シ目 下 審
之 ヲ配 布 セ リ本 団 ニ対 シ テ ハ引 続 キ厳 重 注 意 シ居 レ ル モ其 ノ後 一、
月 二回 岩 佐 方 ニ会 合 ヲ催 ス コト ヽ為 シ之 カ印刷 物 ヲ調 製 シ本 年 一月
Death団 ( L自 a 由b 決o死 u 労r 働 団) ナ ル モノ ヲ組 織 シ毎
森 戸事 件 ニ就 テ ハ第 一審 ニ於 テ森 戸 辰 男 ニ対 シ禁 錮 二月 雑 誌
ニ Liberty
カ同人 等 ハ無 政 府 主 義 者 岩 佐 作 太 郎 等 指 導 ノ下 ニ他 ノ職 工 五名 ト共
註
高尾 ハ六月 一日東京 理 中 ナ リ(監 獄 ニ収監 セラル)
編 輯 、 発 行 、 印 刷 人 タ ル大 内 兵 衛 ニ対 シ各 資格 ニ於 テ各 罰 金
二回 会 合 ヲ催 シ タ ル外著 シキ行 動 ナ シ
一派 ト武 田伝 次 郎 一派 ト対 立 シ前 者 ハ荒畑 ト提 携 シ後 者 ハ大 杉 一派
以 来 頗 ル注 意 ヲ要 ス ル状 況 ヲ呈 セ リ最 近 ノ情 勢 ニ依 レ ハ岩 出 金 次 郎
ノ系 統 ニ属 ス
一、 本 年 二 月頃 西 比利 ヨリ東 京 朝 日新 聞 社 ニ宛 テ西 比利 社 会 共 産 党 ノ ﹁警 告文 ﹂ ト題 シ不敬 ノ文 言 ヲ挿 メ ル過激 主義 宣 伝 ノ印 刷 物 ヲ配
( イ) 岩 出 一派 岩出 金 次 郎 ハ大 阪 ニ於 ケ ル主 義 者 ノ牛 耳 ヲ執 リ シ モノ ニ シテ相 当 資
入者
シ本 年 三 月十 二 日牛 込 区 神 楽 坂 倶 楽 部 ニ於 テ開 催 セ ル思 想 団 体 啓 明
布 シ来 レ ル カ早 稲 田大 学 講 師 木 村 久 一(無編)ハ該印刷 物 謄 写 ヲ転 得
会 主 催 ﹁コノ﹂ 会 発 起 者 相 談 会 ノ席 上 ニ於 テ出 席 者 ニ提 示 シ且 之 ヲ
荒 畑 ハ下 阪 以 来 先 ﹁日 本 労働 新 聞﹂ ノ拡 張 ヲ計 リ岩 出 カ従 来 主催 セ
カ本 年 四月 更 ニ荒 畑 勝 三 ヲ招 致 シ爾 来 荒 畑 ト行 動 ヲ共 ニセ リ
(月刊)ヲ発 行 シ東 京 ヨリ堺 一派 ノ同 志 ヲ招 聘 シ之 ニ担 当 セ シ メ 居 リ シ
ニ密接 ノ関 係 ア リ而 シ テ本 人 ハ従来 機 関 紙 ト シテ ﹁日本 労 働 新 聞 ﹂
力 ヲ有 シ堺 、荒 畑 、大 杉 等 在 京 各派 中 心 人物 ト連 絡 ヲ有 シ堺 ト ハ特
編 思 想団体新人会 々員 信定滝太郎 (未 ( 入者 ) 雑 誌大学評論記者 )ニ交 附 シ信 定 ハ更 ニ之 ヲ謄 写 シ早 未編 入者法) 阪 二郎(科 大学生 ト協 議 シ前 記 ﹁警 告 文﹂ 修 正名 義 ヲ兼 ネ 同 志 ノ会
合 ヲ催 シ席 上早 阪 ヲ シ テ之 ヲ朗 読 セ シ メ且出 席 者 ニ謄 写物 ヲ頒 布 セ リ ( 信 定 ハ他 ニ知己 ニモ之 ヲ頒布 セリ)
席 シテ主 義 ノ鼓 吹 ニ努 メ且 ﹁ 白 雨 倶 楽 部 ﹂ ノ公 開 講 演 会 ヲ催 シ又同
読者 タル労働者 モ参加 セリ
シ同 志 ノ定 期 会 合 ﹁白 雨 倶 楽 部 ﹂ (毎月 二回開催 シ日本労働 新聞)ニ 毎 回出 以 上 ノ事 実 ニ対 シ関 係 者 ヲ不敬 罪 ト シ テ東 京 地方 裁 判 所 ニ於 テ審 理
志 ト共 ニ京 都 府 下 等 ニ於 テ講 演 会 ヲ開 キ常 ニ過 激 ノ言 論 ヲ試 ミ屡ゝ
前 記 ﹁白 雨 倶楽 部 ﹂ ハ ﹁労 働 問 題 研 究 会 ﹂ ト改 称 シ会 員 其 ノ他 ノ希
中 止 解 散 ヲ命 セ ラ レ タリ
中 ナリ
地 方 在 住 者 ノ現 況
望 ニ依 リ巡 回的 講 演 会 ヲ モ開 始 ス ヘキ筈 ナ ル カ今 後 多 少 労 働 者 階 級
第三
近時 各 地方 ニ於 テ モ諸種 ノ新 思 想 喧 伝 セ ラ ル ヽ ニ伴 ヒ地 方在 住 要 視
武 田 一派
ヨリ加 入者 ノ増 加 ヲ免 カ レサ ル ヘシ ( ) ロ
察 人 等 ハ機 乗 ス ヘシト ナ シ著 シク活 動 ノ状 ヲ呈 シ在 京 主義 者 等 出 テ ヽ之 カ指 導 ニ努 メ居 レリ現 在 ニ於 テ注 意 ヲ要 スル地 方 ハ大阪 、兵 庫 ニシ テ神 奈 川 、京 都 、愛 知 、北 海 道 等 ハ険 悪 ナ ル思 潮 ヲ有 ス ル者 散
拡 張 ノ為 大阪 ニ来 レル和 田 久 太 郎 ヲ自宅 ニ同 居 セ シ メ両 人 及 原 田 国
本 人ノ兄九平 ハ幸徳)ハ曩 ニ大杉 一派 ノ機 関 紙 ﹁ 武田伝次郎 (事 労働運動﹂ 件 ニ連座服役中
蔵 、 山 田正 一等 中 心 ト ナ リ 一団 ヲ組織 シ和 田 カ大 杉 ノ腹 心 タ ル関 係
在 セ シ カ其 ノ後 引続 平静 ノ状 態 ヲ持 続 シ今 尚 二 、三 過激 ナ ル思 想 ヲ 有 スト 認 メ ラ ル ヽモノ ア ル モ特 異 ノ言動 ナ シ
同 志 ノ定 期 会 合 ト シ テ ﹁社会 主 義 座 談 会 ﹂ ナ ル モ ノ ヲ主催 シ居 レ ル
命 主 義 ニ賛 同 セ ル岩 出 一派 ト反 目 ノ状 態 ニ在 リ武 田 ハ従 来 毎 月 二 回
上無 政 府 主 義 ノ直 接 行 動 論 ヲ主 張 シ荒 畑 ノ組 合 主義 ニ基 ク漸 進 的革 (一 ) 大阪在住者 大 阪 方 面 ニ於 ケ ル主 義 者 ハ近来 著 シ ク擡 頭 シ来 リ殊 ニ荒 畑 勝 三来 阪
一、 会 員 ハ大 阪 ニ於
一、 ﹁革 命 運動 社﹂ ナ ル団 体 ヲ組 織 シ 無 政府
ク計 劃 シ本 年 五月 十 日同 地 南 区 道 頓 堀 ﹁カ フ エー パ ウ リ スタ﹂ ニ武
ニ奔 レル モノ アリ之 等 ハ更 ニ過 激 ナ ル団 体 ヲ組 織 シ運 動 ニ着 手 ス ヘ
カ岩 出 一派 ノ者 ニシ テ漸 進 主 義 ニア キ タ ラ サ ル過激 ノ者 ニシ テ本 派
﹁オ ツ ペ ネ メ ー ル﹂商 会 ニ於 テ金 六 千 円 余 ヲ費 消 シ タ ル コト発 覚 シ
主 義 宣 伝 ニ当 ラ ント セ リ然 ル ニ本 人 ハ六 月 十 四 日 其 ノ 勤 務 先 タ ル
ノ ヲ発 刊 スル コト ヽ為 シ 一方 在 阪同 志 ノ会 合 ニ モ出 席 シ全 力 ヲ注 テ
本 人 ハ和 田信 義 ノ計 劃 ニ基 キ更 ニ機 関 紙 ト シテ ﹁労 働 芸 術 ﹂ ナ ル モ
ナ ル モノ ヽ如 シ
田 一派 ノ会 合 ヲ開 キ 主義 ノ研究 及 其 ノ実 行 運 動 ヲ目的 ト ス ル コト
運 動 ハ全 ク蹉跌 ヲ来 セリ前 後 ノ事 情 ニ徴 スル ニ或 ハ和 田 、原 田等 ニ
テ十 五名 京 都 、神 戸 ノ両市 ニ於 テ十 五名 ヲ糾 合 シ京 都 ハ船 越 基 (未編 翌 十 五 日之 カ才 覚 ノ為 旅 行 スト称 シ所 在 不 明 ト ナ リ茲 ニ本 人 一派 ノ 入者)) 神 戸 ハ安 谷 寛 一両 名 代表 シ テ連 絡 ノ衝 ニ当 ル コト
支 給 シ其 ノ他主 義 運動 ノ為 悉 ク該 金 子 ヲ費 消 セ ル モ ノト認 メラ ル
一、機 関 紙 ヲ発
号 ハ決 定 セ サ ル モ 行 ス ル コト(題﹁革 等 ヲ協 定 シ気 勢 ヲ揚 ク ル為本 年 六 月 五 命﹂ ト ス ル模 様)
日同 地 中 央 公会 堂 ニ於 テ京 阪 神 ノ同 志 ヲ糾 合 シ演 説会 ヲ開 催 セ リ本
動 上 一頓挫 ヲ来 シ タ ル状 態 ニ在 リト 雖今 後 何 等 カノ機 会 ニ活 動 ヲ開
認 メ ラ ル ヽ会 合 者 ニ対 シ 一時 行 政 検 束 ヲ加 ヘタ ル等 ニ依 リ彼 等 ハ運
﹁ 横 浜 労 働 新 聞 ﹂ ヲ発 刊 シ主義 宣 伝 ニ努 メ タ リ シ カ右 集 会 ニ於 テ常
ノ定 期 会 合 ﹁横 浜 労 働 運 動 期 成 同 盟会 ﹂ ナ ル モ ノ ヲ起 シ且 機 関 紙
(三) 神 奈 川 在 住 者 横 浜 在 住 吉 田只 次 一派 ハ在 京 大 杉 一派 ノ同志 ト提 携 シ昨 年 以 来 同 志
集 会 ハ過激 ノ言 論 アリ シヲ以 テ中 止 解 散 ヲ命 シ同時 ニ公 安 ヲ害 スト
始 セ ント ス ルノ状 況 ニ在 リ
(二) 兵 庫 在 住者 神 戸 在 住 安 谷 寛 一 ハ久 シ ク主 義 的 活 動 ナ カ リ シ カ大 阪 方 面 ニ於 ケ ル
ヲ開 始 ス ル モ ノト看 測 セ ラ ル
モ最 近 吉 田 ハ出 監 シ且大 杉 栄 ハ鎌 倉 ニ移 住 セ ル ヲ以 テ将 来 再 ヒ活 動
ル吉 田 只 次 カ恐 喝 取財 罪 ニ依 リ検 挙 セ ラ レ爾 来 稍ゝ 平 穏 ニ帰 シタ ル
シメ屡ゝ 中 止 解 散 ヲ命 シ タ ル為 漸 次衰 微 セ ルカ加 フ ル ニ客 臘 首動 タ
︹マ マ︺
ニ過 激 ノ煽 動 論 ヲ試 ム ル ヲ以 テ厳 重取 締 ヲ加ヘ 警 察 官 ヲ之 ニ臨 監 セ
主 義 者 ノ行動 ニ刺戟 セラ レ関 西 方 面 ノ同 志 ノ間 ニ勢 力 ヲ扶殖 シ宣 伝
﹁日本 労 働 新 聞 ﹂ ニ入社 シタ ル モ荒 畑 来 阪 ノ為 不 平 ヲ抱 ケ ルノ和 田
運 動 ヲ開 始 セ ント シ嘗 テ東 京 ヨリ岩 出金 次 郎 ノ招 聘 ヲ受 ケ 下 阪 シ
計 劃 中 ナ リ シ カ本 年 四 月 十 三 日 ヨ リ ﹁ 労 働 芸 術 会 ﹂ ナ ル名 称 ノ許 ニ
メ之等 ト共 ニ在 神 同 志 (主ト シテ)ヲ糾 合 シ同 志 ノ研 究 会 ヲ 開 催 セ ント 無編入者
者 ニシ テ在 阪 主 義 者 等 ト提 携 シ主 義 宣 伝 ヲ為 サ ント ス ル モノ ア リ相
共 ニシ大阪 ニ於 ケ ル各 種 ノ主義 的 会 合 ニ出席 シ居 レリ其 ノ他 未 編 入
一、 京 都 ニ ハ大杉 ノ腹 心 タ ル久 板 卯 之 助 帰 住 シ在 阪 主 義 者 ト行 動 ヲ
(四) 其 ノ他 ノ府 県 在 住 者
毎 月 三 回之 ヲ開 催 シ京 阪 同 志 モ之 ニ会 同 セリ本 人 ハ第 一回 ヨリ引 続
当 注 意 ヲ要 スル状 況 ニ在 リ
信義 及 岩 出 一派 ヨリ武 田 一派 ニ奔 レル原 田 国蔵 等 ヲ神 戸 ニ転 住 セ シ
キ仏 国 ﹁サ ンヂ カ リズ ム﹂ ニ就 テ講 演 ヲ為 シ出 席 者 ハ毎 回 十 名 内 外
警 告 ヲ与 フ ル ノ方 針 ヲ採 レ リト雖 之 ニ応 セ ス不 逞 ノ行 動 ニ出 ツ ル者
察 ヲ加ヘ 各 種 ノ計劃 ヲ事 前 ニ査 察 シ不 穏 ノ行 動 ニ対 シ テ ハ予 メ注 意
ノト ス
ニ対 シテ ハ夫 々法 令 ノ定 ム ル所 ニ遵 ヒ厳 重適 当 ナ ル取 締 ヲ加 フ ル モ
一、 愛 知 、 北海 道等 ニ於 テ ハ夫 々同 志 ノ定 期 会 合 ヲ催 シ主義 ノ研 究
外 国在 住者 ノ現況
宣 伝 ヲ為 サ ント ス ル者 アリ
第四 外 国 在 住 者 中注 意 ヲ要 ス ル ハ上海 在 留 深 町 作 次 、 米 国 在留 片 山潜 、
ス ル ニ其 ノ刊 行 物 ニ対 シ テ ハ新 聞紙 法 、出 版 法 ニ依 リ内 容 ノ不 穏 過
彼 等 ノ行 動 ハ多 種 多 様 ナ ル ヲ以 テ之 ニ対 ス ル取 締 モ 一定 セ サ ル モ要
ヲ掲 載 シ主義 宣 伝 ヲ其 ノ使 命 ト セ リ 又片 山 ハ同 地 ニ於 テ露 国過 激 派
ヲ発 行 セ ル モ ノ ヽ如 ク之 ニ露 国過 激 派 其 ノ他 ニ関 スル激 烈 ナ ル記事
行 シ刑 事 処 分 ヲ受 ケ目下 服 役 中 ニ係 ル モ ノ 一件 、最 近東 京 在 住 者 ニ
ハ客 年 中 京 都 在 住 主 義 者 ニシ テ無政 府 主 義 等 ニ関 ス ル冊 子 四 種 ヲ刊
タ ル モノ 五件 内 司 法 処 分 ニ付 シ タ ル モ ノ二件 ト ス秘 密 出 版 物 ニ就 テ
ノ ト ス昨 年 中 ニ於 テ要視 察 人 ノ各 種 機 関 紙 ニ シ テ発 売 頒 布 ヲ禁 止 シ
激 ナ ル モノ ニ対 シ テ ハ発 売 頒布 ヲ禁 止 シ事 宜 ニ応 シ刑 事 訴 追 スル モ
野 中 誠 之 、岡 繁 樹等 ナ リト ス深 町 ハ其 ノ後 著 シ キ主 義 的 行動 ナ シ片
ト来 往 セ ル モ ノ ヽ如 ク之 等 ニ関 ス ル通信 ヲ内 地 同 志 ニ寄 セ来 レ ル コ
シテ無 政 府 主 義 ニ関 ス ル冊 子 二種 ヲ刊 行 シ刑 事 訴 追 シ目 下 審 理 中 ニ
山 ハ引 続 キ紐 育 ニ在 留 シ機 関 紙
トアリ
属 ス ル モノ 一件 ( 本件 ハ東京 ノ部 ニ記 セリ) ア リ 又要 視 察 人 ノ 集 会 論
大 正六 年 五 月 新 聞 紙 法 ニ依 リ輸 ﹁平 民 ﹂ (入 移 入 ヲ禁 止 セラ レタ ル モノ)
最 近 ノ情 報 ニ依 レ ハ片 山 ハ紐 育 ﹁ボ スト ン﹂ ﹁ヒ ラ デ ル ヒ ヤ﹂ 方 面
於 テ モ過 激 主義 者 ト シ テ視 察 中 ナ リ
墨 国 首 都 出版 ノ雑誌 ニモ本 人 ノ寄 稿 ア リ片 山 ニ対 シ テ ハ米 国政 府 ニ
或 ハ集 会 ノ解 散 ヲ命 ス
察 官 ヲ臨 監 セ シ メ不 穏 ノ論 議 ニ対 シ テ ハ注 意 ヲ与ヘ 又 ハ中 止 ヲ命 シ
志 以外 ノ 一般 公 衆 ヲ会 同 スル ノ状 ア ル モ ノ ニ対 シテ ハ必 要 ニ応 シ警
ミ ニ限 リ他 ニ主 義 伝 染 ノ虞 ナ キ モ ノ等 ニ就 テ ハ寛大 ノ措 置 ヲ採 リ同
議 ニ就 テ ハ治 安警 察 法 ニ依 リ取締 ヲ加ヘ 其 ノ集 会 ニ シテ特 定 同 志 ノ
曩 ニ片山 ハ野中誠之外 一名 ト連名 シ ヲ俳 徊 シ各 種 ノ過激 主義 雑 誌 ニ寄 稿 シ(露 国過激派 ニ宛テ同情 ヲ寄 セタル通 レ ル モ ノ ヽ如 ク ﹁ボ ス ト ン ﹂ 市 ニ於 テ 発 行
野 中 ハ ﹁ロ スア ンゼ ル ス﹂ 市 ニ居 住 シ前 記 片 山 ノ ﹁平 民 ﹂ ヲ援 助 シ
客 年 一月 以 降 十 一月 ニ至 ル ノ間 在 京 要 視 察 人 ノ主 催 ニ係 ル集 会 度 数
Revolutioニ nモ其 Ag ノe 寄 稿 者 ノ 一人 ト 為 リ本年 二 月
信 ヲ為 シ米 国 ニ於 ケ ル同主 )居 義 雑 誌 ニ掲 載 セラ レタ リ
且 片 山 ト各 種 ノ行動 ヲ共 ニ シ居 レ ル モノ ヽ如 シ野 中 ハ同 地 ニ於 テ同
七十 一回 ニシ テ内 論 議 ノ中 止 ヲ命 シタ ル モノ十 二回 集 会 ノ解 散 ヲ命
セ ルThe
志 ノ ﹁座 談 会 ﹂ ヲ主催 シ居 レ ル モノ ヽ如 ク大 正 八 年 三 月 ヨリ別 ニ機
応 シ行 政 検 束 ニ付 セ リ
( 了)
擾 ヲ増 大 セ シ ム ル カ如 キ公 安 ヲ害 ス ル行 動 ア ル者 ニ対 シテ ハ場 合 ニ
シ タ ル モノ九 回 ニ上 ル右 集 会 及 同 盟 罷 工等 ニ際 シ暴 行 ヲ為 シ又 ハ騒
要視 察 人 ニ対 ス ル取 締
関 紙 ﹁平 民 の友 ﹂ ヲ経 営 シ居 レ ル モノ ヽ如 シ
第五
本 要 視 察 人 ノ取 締 ニ就 テ ハ従来 ト異 ル所 ナ ク内 規 ニ拠 リ周 密 ナ ル視
一二 特 別 要 視 察 人 ノ 近 状 及 其 ノ 取 締 ノ 概 況 大正十年 一月十五日調
大 正 十 年 一月 十 五 日 調
次
特 別 要 視 察 人 ノ近状 及 其 ノ取 締 ノ概 況
目
(F) 北 海 道 ノ部
(E) 神 奈 川 ノ部
四六 52
四五 51
四四 51
四二 50
四〇 5 0
(G) 其 ノ他 ノ府 県
四七 52
三九 5 0
( H) 外 国在 留 者 ノ部
四九 52
(C) 京 都 ノ部
第 三 労 働 団体 ト ノ関 係
) ( D 兵 庫 ノ部
第 四 外 国 主 義 者 及 朝 鮮 人 ト ノ関 係
説
要 視 察 人 一般 ノ趨 勢
モノ ア リ殊 ニ在 京 重立 同 志 ハ客 年 八 月 九 日 ヨリ二 週 日 ニ亙 リ ﹁平 民
ノ大 杉 栄 、 堺利 彦 等 大 阪 ヲ中 心 ト シ テ荒 畑 勝 三 等 ノ活 動 ハ顕 著 ナ ル
伴 ヒ著 シ ク擡頭 ノ気 運 ニ向 ヘ ルカ最 近 ニ於 テ ハ東 京 ヲ中 心 ト シテ彼
無政府主義、社会主義 ヲ抱持 シ之 カ宣)ハ近時思想界 ノ急 進ニ 特別要視察人(伝 実行 ヲ企図 シ行動注意 ヲ要 スルモノ
53
五一 53 表
第 五 要 視 察人 ニ対 ス ル取 締 附
一 39
丁 一 39
三 40
説
特 別 要 視 察 人 ノ近状 及 其 ノ取 締 ノ概 況
(A) 要視 察 人 一般 ノ趨 勢
第 一 総
第 一 総
(B) 要 視 察 人 ノ消 長 ト其 ノ分 布
三 40 九 42
(A) 九 42
特 別 要 視 察 人 ノ 近状 及 其 ノ取 締 ノ概 況
( C) 要 視 察 人 ノ系 統 ト其 ノ理 想 第 二 要 視 察 人 ノ行 動
九 42
(イ) 大 杉 栄 一派 ノ行 動
一 六 44
(A) 東 京 ノ部
( ) ロ 堺 利彦 一派 ノ行 動
二〇 45
大 学 夏 期 講 習会 ﹂ ヲ催 シ主 義 運 動 ニ関 スル研 究 及 実 習 ヲ行 ヒ又客 年
48
志 上 京 参 加 シ地 方 中央 ノ連 絡 密 接 ヲ加 ヘタ リ而 シ テ其 ノ主 張 行動 モ
名 ノ下 ニ各 地 ニ宣 伝 運動 ヲ行 ヘルカ是 等 ニ際 シ テ ハ全 国各 地 ヨリ同
六 月 以 来 同 志 ノ 一大 団結 ヲ組 織 ス ヘク ﹁日本 社 会 主義 同盟 ﹂ ナ ル社
三七 49
三一 48
二二 46
45
( ハ) 高 畠 素 之 一派 ノ行 動 ( ニ) 荒 畑 勝 三 、 山川 均 一派 ノ行 動 二一 (ホ) 在 京 一般 要 視 察 人 ノ行 動 (B) 大 阪 ノ部 ( イ ) 荒 畑 、 岩 出 一派 ノ行動 三二 ( ロ) 武 田 、和 田 一派 ノ行動
シ直 接 行 動 等 ノ急 激 ナ ル方 法 ニ依 ラ ント スル ノ風 ア リ又彼 等 ハ社 会
著 シ ク危 激 露 骨 ト ナ リ動 モス レ ハ議 会 政 策 其 ノ他 ノ漸 進 的 方法 ヲ排
ニ スル ハ至 難 ナ ル モ其 ノ言 動 其 ノ他 各 般 ノ事 情 ヲ考察 シ適 当 ト認 ム
定 セ ス殊 ニ最 近各 種 ノ新 思 想 流 入 シ著 シ ク混 乱 シ其 ノ系 統 主 張 ヲ明
一、 社 会 主義 ヲ主 張 ス ル モノ
一、 労 働 組 合主 義 ニ依 リ無 政 府 主 義 ニ達 セ ムト ス ル モノ
一、無 政 府 共産 ヲ主 張 ス ル モノ
ハ主 義 者 ニ シテ労 働 団 体 ノ主脳 ト ナ リ 又 ハ之 等 ニ対 シ実 力 ヲ加ヘ 得
一、 皇 室 ヲ中 心 ト シ テ社 会 主 義 ノ実 行 ヲ期 セ ムト ス ル モノ
ル系 統 ニ区 別 ス ルト キ ハ
ヘキ 地位 ニ立 テ ル モノ ハ二 、三 ニ過 キ サ ル モ多 少 ノ関 係 ヲ 有 ス ル モ
ノ四 派 ニ大 別 ス ル コト ヲ得 ヘシ此 ノ外基 督教 社会 主 義 ニ属 スル モ ノ
シ此 ノ二運 動 ハ今 ヤ形 影相 伴 ハント ス ルノ状 況 ニ向 ヘリ現在 ニ於 テ
ノ ハ少 ナ カ ラ サ ル ノ ミ ナ ラ ス主 義 者 ノ演 説 会 等 ニ際 シ テ ハ其 ノ聴 衆
ア リ或 ハ国 家社 会 主 義 ( 厳正 ノ意味 ニ於ケ ル) ニ属 ス ル モノ ア リ ギ ル
主義 運動 ト労 働 運 動 ト ヲ結合 セ シ メ ムト シ近 年 其 ノ活 動 ヲ之 ニ集 中
一方 彼 等 ハ各 種 思 想 団 体 ニ接 近 セ ムト シ団 体員 タ ル青 年 、学 生 等 ニ
ノ大 部 分 ハ概 シ テ労 働者 ナ ル ヲ常 ト スル ノ状 況 ニ在 リ
ド 社 会 主義 、過 激 主 義 、共 和 主 義 ヲ云 為 セ ル モノ モナ キ ニ非 ス而 シ
無 政府 共産 ヲ主 張 スル モノ
近 合 同 的 行動 ニ出 ツ ル コト多 シ
テ以 上 各 派 ハ絶 対 ニ分 立 セ ル ニ非 ス或 点 ニ於 テ ハ共 通 セ ルヲ以 テ最
シ テ彼 等 ト行 動 ヲ共 ニセ ル モノ モ少 ナ カ ラ ス
(B) 要 視 察人 ノ消 長 ト其 ノ分 布 要視 察 人 ハ明 治 四 十 三年 四 月末 日 ニ於 テ 五百 五 十 四 名 ナリ シカ幸 徳
栄
和田久太郎
ノヱ
水沼
伊藤 同
村 木源 次 郎
京 大 杉
ア リ 一方 思 潮 ノ推 移 ニ鑑 ミ視 察 解 除 、 種 別 整 理 ヲ行 ヒ 一昨 大 正 八年
同
久板卯之助
同
中 心 人物 東
一月 一日現 在 ニ於 テ五 百 四十 四名 ト ナ レリ而 シ テ尚 引続 キ整 理 ヲ行
同
六 日現 在 ニ於 テ千 九 百 八十 九 名 ニ達 セ リ其 ノ後思 想 ノ緩 和 セ ル モノ
事 件 等 ノ捜 査 ニ依 リ多数 ノ モノ ヲ発 見 シ タ ル結 果 四 十 四年 十 一月 十
ヘル モ新 ニ編 入 セ ル者 増 加 シ本 月 十 日現 在 ハ五 百 六十 九 名 ト ナ リ昨
同
吉田
只次
一
京
阪 武 田 伝次 郎
都 山 鹿
泰治 大
及 其 ノ 一派
神 奈 川 吉 田
辰
年 一月 ニ比 シ結 局 二 十 五名 ヲ増 加 セ リ其 ノ分 布 ハ別 表 ニ掲 ク ル処 ノ 如 ク東 京 ノ百 五 十 一ヲ最 多 ト シ大 阪 、 北 海 道 、長 野 、神 奈 川 、 兵 庫 之 ニ亜 キ三 十 二名 乃至 二十 四名 ヲ存 ス
(C) 要 視 察 人 ノ系 統 ト其 ノ理 想 要 視 察 人 ハ分 合 常 ナ リ且中 心 的 人 物 ニ就 テ見 ル モ主 張 必 ラ スシ モ固
同
同
高津
宮崎
赤松
加藤
正道
竜介
克麿
一夫
及 其 ノ 一派
テ認 ム ル ニ過 キ サ ル モノヽ 如 シ本 人 ト大杉 派 ト異 ル点 ハ本 派 ハ組 織
近 過 激 主義 ニ賛 ス ル風 ナ キ ニ非 サ ル モ之 モ理 想 ニ達 ス ルノ手 段 ト シ
闘争 ヲ継 続 シ テ革 命 ヲ成 就 シ終 局 ノ目的 ヲ達 セ ム ト ス ル モノ ナ リ最
荒 畑 ノ理 想 ハ強 力 ナ ル組 織 的 労 働 組 合 ノ力 ニ依 リ資 本 、労 働 ノ階 級
( 自由人聯盟 一派) 東 京
同 巌
( 新人会 一派)
( 暁民会 一派) 和田
幸内
秀夫
幸 内 久 太郎
利彦 同
時雄
京 堺
同
堀
橋浦
中 心 人 物 東
社 会 主義 ノ実 現 ヲ期 ス ル モノ
的 労 働 組 合 ニ依 リ漸 進 的 ニ行 カ ント スル モノヽ如 シ
( 建設者同盟 一派 ) 同
共 産 ニ シ テ直 接 行 動 ニ依 リ急激 に其 ノ実 現 ヲ期 セ ム ト スル ニ在 テ議
同
右 ノ内 大 杉 派 ノ理 想 ト ス ル処 ハ大体 ﹁ク ロポ ト キ ン﹂ ニ依 ル無 政 府
会 政策 ハ勿 論 ﹁ボ ルシ エビ ズ ム﹂ ﹁サ ムヂ カ リズ ム﹂等 モ極 力 排 セ
同
新
コト ヲ理想 ト シ之 カ為 ノ労 働 団結 ハ認 ム ル モノ ナ リ
ムト ス ル モノ ナ リ労 働 運動 ニ就 テ ハ労 働 者 ノ自 主 的 自 治的 運動 タ ル
長治
堺 ノ理 想 ハ マル ク ス派 純 正 社会 主 義 ニ属 ス ル モノヽ 如 シ堺 ハ元来 幸
庫 松 浦
徳 一派 ノ系 統 ニ属 シ大杉 派 ト同 系 ナ リ シ カ 日本 ニ於 テ ハ急 進主 義 ハ
兵
ニ記 セ ルカ何 レ モ理 論 的 架 空的 ニシ テ大 杉 派 ニ比 シ著 シ ク実 行的 方
自 由 人 聯 盟 、新 人 会 、 暁 民会 、建 設者 同 盟 ニ就 テ ハ各 思 想 団 体 ノ部
面 ニ於 テ異 ル乍 併 自 由 人 聯 盟 ノ如 キ ハ建 設 ヨリ破 壊 ノ方 面 ヲ主 眼 ト
均
勝三
同
同
尾崎
茂木
竜雄
士郎
久平
遠藤 友 四郎
素之
忠蔵
啓逸
北原
京 高 畠 三野
同
中 心 人 物 東
皇 室 ヲ中 心 ト シ テ社 会 主 義 ノ実 行 ヲ期 セ ム ト スル モ ノ
ハ暴 力 、 陰 謀 等 ノ手段 モ肯 定 スル旨 ノ 口吻 ヲ洩 セ ル コト ア リ
近 再 ヒ急 進 思 想 ヲ復 活 セ ント ス ル形 跡 ア リ テ主 義 実 現 ノ手 段 ト シ テ
土 地資 本 ノ共 有 ニ及 ヒ終 局 ノ理 想 ヲ実 現 セ ント ス ル モノ ナ リ乍 併 最
不 可 能 ナ リト シ議 会 政 策 、労 働 組 合 其 ノ他 穏 和 ナ ル方 法 ニ依 リ漸 次
山川
隆三
松浦
同
阪 岩 出金 次 郎
車
京 荒 畑
労 働 組 合 主 義 ニ依 リ無 政 府主 義 ニ達 セム ト スル モ ノ
シ其 ノ言 動 ノ過 激 ナ ル大杉 派 ニ譲 ラ ス
同
中 心 人 物 東
同
同
及 其 ノ 一派
大
同
知 横 田宗 次 郎
愛
高 畠 ハ堺 一派 ヨリ 分離 セ ル モノ ニシ テ其 ノ理 想 ハ皇 室 ヲ中 心 ト シ テ
ヲ認 メ之 ト 修 正派 ニ属 ス ル社 会 主 義 ト ヲ結合 セ ムト ス ル モノ ナ リ従
社 会 主 義 ヲ実 現 セ ムト ス ル モノ ニシ テ要 ス ル ニ我歴 史的 団 体 ノ観 念
第 二 要 視 察 人 ノ行 動
同
同
同
東 京
吉川
服部
望月
近藤
三吉
守国
浜次
桂
憲二
岩 佐作 太郎
山崎 今 朝 弥
上 記 各 派 ニ関 係 ヲ有 シ其 ノ他注 意 ヲ要 ス ル行 動 ア ル モ ノ
ト コ ロア リ ﹁反 逆 者 同 盟 ﹂ ﹁無政 府 会 ﹂ ﹁ 革 命 団 ﹂ 等 ノ提 議 ア
客 月 十 五 日例会 ノ席 上本 会 ノ方 針 及 会 名 変 更 ニ関 シ協 議 ス ル
究 論 議 ヲ試 ミ又本 派 ノ実 際 運動 ニ関 スル各 種 ノ計 劃 モ本 会 ニ於 テ之
者 ハ毎 回 二、三 十 名 ニシ テ本 人 及 腹 心 タ ル同 志 之 ニ出席 シ 過 激 ノ研
大 正 九 年 七 月 ヨリ 月 三 回 ニ改 メ 内 一回 ハ同 出席 ス ル 一味 ノ定期 会 合 ヲ主 催 シ(志 ノ宅 ニ巡 回 開 催 ス其 後 又 月 二 回 ニ改 ム )
一、大 杉 ハ 一派 ト 共 ニ引続 キ毎 月 二 回 ﹁東 京 労 働 運 動 同 盟会 ﹂ ト称
(イ) 大杉 栄 一派 ノ行 動
(A) 東 京 ノ部
同
有吉
セリ
リ シ モ結 局 本 会 ノ前 名 タリ シ ﹁北 風 会 ﹂ ト改 称 スル コト ニ決
テ 一派 ハ ﹁国 家社 会 主 義 ﹂ ト称 スル モ厳 密 ノ意 義 ニ ア ラ ス
同
宮島
附 記
ヲ協 定 ス ルヲ常 ト ス
同
高 尾平 兵 衛
信泰
同
か ら朝 鮮 か ら支 那 か ら刻 一刻 革 命 を 迫 ら れ てゐ る 。僕 等 は も う ぼ ん
シ最 近 ﹁日本 社 会 主 義 同 盟 ﹂ 加 盟 者 等 ニ宛 テ ﹁日本 は今 や シベ リ ヤ
金 ヲ収 得 シタ ル模 様 ア リ前 記 機 関 紙 ヲ週刊 ト シ テ再 興 ス ル コトヽ ナ
カ客 年 七 月以 降 之 ヲ休 止 セ リ然 ル ニ最 近何 レカ ノ方 面 ヨリ多 額 ノ資
一、本 人 ハ従 来 主 義 宣 伝 ノ機 関 ト シ テ雑誌 ﹁ 労 働 運動 ﹂ ヲ発 行 セ シ
藤蔵
辻井民之助
や り し て ゐ る事 は出 来 な い。 週 刊 ﹁労働 運 動 ﹂ は 此 の準 備 の為 に生
基
寛 一
信義
れ る﹂ 云 々ト記 載 セ ル印 刷物 ヲ頒 布 シ本 月 廿 四、五 日迄 ニ発 刊 ス ヘ
三 丁目 一番 地 居 住 露 国 婦 人 ﹁ア レキ サ ンダ ー、クリ ジ ヤ ノ フ スキ ー﹂
ク準 備 中 ナ ル ノ事 実 アリ而 シテ本 人 ハ客 月 廿 七 日 ヨリ麹 町 区有 楽 町
知 鈴 木
阪 若 林
安谷
庫 和 田
楯夫
及 其 ノ 一派
都 船 越
同 京 同 大 兵 同
愛
清吉
方 ノ 一室 ヲ 一ケ月 百 十 円 ノ約 ニテ借 入 レ滞 京 中 ノ居 住 ニ宛 テ居 レリ
及 其 ノ 一派
手 石 川 金 次 郎
北 海 道 吉 田 岩
学 内 駿 台 倶 楽 部 ノ 一部 ヲ借 入 レ ﹁労働 運動 ﹂発 行 等 ノ事 務 所 ニ充 テ
ル筈 ナ ルカ本 人 ハ前 記 ﹁オ ー ロ ラ協 会 ﹂ ト ノ関 係 ニ依 リ最 近 明 治 大
シ本 名 ヲ講 師 ト シ ﹁ア ナ キズ ム﹂ 及 ﹁ク ロポ ト キ ン﹂ 研 究 ヲ開 始 ス
尚 明治 大学 生 等 ノ組 織 セ ル ﹁オ ー ロラ協 会 ﹂ ハ第 一第 三 木 曜 日 ヲ期
命 シタ リ然 ル ニ右 ノ者 等 ハ程 ナ ク再 ヒ集合 シ公 安 ヲ害 スル講 演 ヲ
命 ヲ主 張 スル過 激 ノ言 論 ヲ為 シ不 穏 ノ状 ア リ シ ヲ以 テ中 止 解 散 ヲ
定 刻 出 席 者 三十 九 名 ア リ交 々立 テ社会 制 度 ヲ批 評 シ或 ハ反 逆 、 革
ヲ保 チ公 安 ヲ害 スル カ如 キ言動 ナキ様 注 意 ヲ与 フ ル所 ア リ然 ル ニ
旒ヲ樹 立 シ タ ル ヲ以 テ所 轄警 察 署 ニ於 テ ハ之 ヲ撤 回 セ シ メ且 静 粛
命 歌 ヲ高 唱 シ暴 行 ニ出 テ ント スル ノ気 勢 ヲ示 セ ル ヲ以 テ 一同 ヲ所
開 始 シタ ルヲ 以 テ更 ニ中 止 解 散 ヲ命 シ タ ル ニ多 数 ハ之 ニ抗 争 シ革
居 レリ 附 記
﹁コス ロブ ﹂ ト交 際 アリ
大杉 ハ過 激 派 ノ疑 ア ル神 戸 ジ ヤパ ン、 ク ロ ニク ル記 者 露 国 人
シ其 ノ後 大 使 館 武 官 ノ命 ニ依 リ莫 斯 科 過激 派 ニ使 セ ル コト ア
ー﹂ ハ大正 六 年 六 月 中 露 国 軍 需 品 検 査委 員 ト シ テ本 邦 ニ渡 来
リ ト 云 フ モ右 露 国 婦 人 ノ子 ﹁ウ ラジ ミ ル、 クリ ジ ヤ ノ フ スキ
ト述 ヘ臨 監 警 察 官 ヨリ中 止 ヲ命 シ タ ル ニ閉 会後 大杉 ヲ中 心 ト スル
無 政 府 主 義 ヲ主 張 シ居 レ ル カ此 頃 少 シツヽ 賛 成 者 カ殖 ヘテ来 タ﹂
藤 憲 二等 ト 共 ニ過激 ノ講演 ヲ為 シ タ ル カ本 人 ハ ﹁自 分 ハ古 ク ヨリ
主 催 富 士 瓦斯 紡 績 会 杜 同盟 罷 工演 説 会 ニ臨 ミ同 志 岩 佐 作 太 郎 、 近
(2) 本 人 ハ客 年 七 月廿 九 日神 田青 年 会 館 ニ於 ケ ル労 働 組 合 同盟 会
上 京 シ東 京 駅其 ノ他 ニ於 テ狂 暴 ノ行 動 ア リ
轄 鎌倉 警 察署 ニ検束 シ之 ニ懇 諭 ヲ加 ヘテ釈 放 シ タ ル ニ彼 等 ハ同 夜
リ爾 来 過激 主 義 ヲ抱 有 スル ニ至 リ客 年 六 月 東京 発 朝 鮮 満 洲 ヲ
又前 記露 国 婦 人 宅 ヲ借 入 レタ ル ハ新 聞広 告 ニ依 リ タ ル モノ ナ
経 テ帰 国 シ目下 莫 斯 科 方 面 ニ在 リ テ過激 派 政 府 ノ為 ニ活 動 中
(3) 本 人 ハ東 京 ニ於 ケ ル思 想 団 体 ノ各 種 ノ集会 ニ出 席 シ屡々 宣 伝
一団 四 五 十 名 ハ労 働 歌 ヲ唱 ヘツヽ 山 崎 今朝 弥 方 ニ引 上 ケ タ リ
講 演 ヲ為 シ殊 ニ暁 民 会 等 ニ対 シ テ ハ指導 的 行動 ニ出 テタ ル コト ア
ナ リト ノ聞 エ アリ特 ニ注 意 中 一、 大 杉 ハ本 期 間 主 ト シ テ神 奈 川 県 鎌 倉 町 ニ在 住 シ同 地 ヨリ 上京 シ
ノ如 キ ハ国 権 ニ対 シ飽 ク迄抗 争 ス ヘキ コト ヲ煽 動 セ ル過 激 ノ言 辞
リ シ カ客 月 七 日 同会 本 部 ニ於 ケ ル ﹁慰 労 会 ﹂ ノ席 上為 シタ ル講 演
本同盟 ノ状況
テ各 種 ノ行動 ニ参 加 シ居 レリ 二、三 ノ事 例 ヲ挙 ク レ ハ 在 京 同 志 其 ノ他 ノ計 劃 セ ル ﹁日本 社 会 主義 同 盟 ﹂(ニ就 テ ハ後段
附 記
ヲ弄 セリ ( 思想団体状況参照)
ニ参 加 シ狂 暴 ノ言動 ア リ行 政 検 束 セ ラ レ タ ル コト ア リ
ニ記 )ノ会 合 ス
而 シテ本 同 盟 ハ客 月 十 日 東 京 ニ於 テ発 会 式 ヲ催 ス コト丶 ナリ各 地
本 人 カ ﹁オ ー ロラ﹂協 会 ト 密 接 ノ関 係 ヲ有 セ ル ハ第 二項 ニ記
ヨリ多 数 同 志 上 京 セ ル カ本 人 ハ同 月 九 日自 宅 ニ之 カ歓 迎 会 ヲ催 シ タリ
載 セ ル所 ノ如 シ
下 ニ主義 ノ研究宣 ( 4) 先是 大 正 九年 八 月 十 八 日平 民 大 学 夏期 講 習会 (
山崎今朝弥主催 ノ
当 日停 車 場 ヨリ自 宅 ニ至 ル三 ケ所 ニ ﹁社会 主 義 者 同 盟 会 地 方 出席 者 歓迎 会 ﹂ ト朱 書 セ ル宣 伝 ビ ラ ヲ貼 付 シ自 宅 門 前 ニ黒 、 赤旒 旗 二
兼 ネ本 人 ノ自 宅 ニ開 催 シ出 席 者 約 二十 名 ア リ席 上 岩 佐作 太郎 ノ言
伝 ノ目的ヲ以テ東 京 ニ開催 シ地方) 第十 日目 ヲ社会問題研究講演会 名 義 同志 モ出席 セリ詳細 ハ後段 ニ記 ス
説 シ又 同 盟 主 催 ノ ﹁ブ ツ クデ ー﹂ ニ際 シテ ハ同 人 ノ妻 タ メ女 マガ ラ
ニ客 年 六 月 以 来 ﹁日本 社会 主 義 同 盟 ﹂ ノ組 織 ニ熱 中 シ京 阪各 地 ヲ遊
ヲ
論 過 激 ニ亙 レ ル ヲ以 テ直 ニ解 散 ヲ命 シ タ リ
ル同 志 ノ定期 会 合 ﹁労 働組 合 研究 会 ﹂ ヲ去 ル四月 中 荒 畑 ノ下 阪 ニ際
一、堺 ハ従 来 荒 畑 勝 三 、山 川 均 カ主義 宣 伝 ノ機 関 ト シ テ主 催 シ来 レ
挙 家 之 ニ従 ヒ宣 伝 頗 ル努 ム
大 杉 ノ生活 状態 ハ近時 順 潮 ナ ル モノ丶 如 ク鎌 倉 ニ於 ケ ル生 活
シ之 ヲ承 継 シ山 川 ト 共 ニ主 宰 セ シ カ其 ノ後 ﹁日本 社 会 主 義 同 盟 ﹂ ノ
附 記
費 ノ ミ ニテ モ百 五 十 円 ヲ超 過 ス ル モノヽ 如 ク最 近 ニ於 テ ハ全
ト改 称 シ引 続 キ毎 月 二回 之 ヲ開催 シ居 レリ
機 関 タ ラ シ ム ヘク大 正 九年 十 一月 之 ヲ ﹁日本 社 会 主 義 同 盟 研究 会 ﹂
月刊 新 社 会 一、堺 ノ機 関 紙 ﹁ 新 社 会評 論 ﹂(元 ト称 セ シモ ノ)ハ其 ノ後 山 崎 今 朝弥 ノ経
部 ヲ通 シ 一月 数 百 円 ニ達 ス ル模 様 ア リ
営 ニ移 シ引 続 本 人 ハ之 ニ執 筆 シ居 リ シカ去 ル九 月 一日之 ヲ ﹁社 会 主
去 ル十 一月 五 日付 ヲ以 テ ﹁ク ロポ ト キ ン研 究 ﹂ ト 題 スル著 書 ヲ公 刊 シ タ ル ニ其 ノ売 行良 好 ニ シテ客 月 五 日迄 ニ五 版 ヲ 発行
尚 本 人 ハ山 崎 今 朝 弥 カ経 営 セ ル平 民 大学 ヨリ刊 行 セ ル ﹁社 会 主義 研
義 ﹂ ト改 題 シ ﹁日本 社 会主 義 同盟 ﹂ ノ機 関 ト セ リ
リ収受 セ
ハ千 円 位 ナ セ ルカ其 ノ印税 ト シ テ数 百 円 (或 )ヲ書肆ヨ リトモ云フ
一、本 人 一派 ニ属 スル吉 田 一 ハ毎 月 二 回 ﹁ 無 政 府 主 義 研 究 会 ﹂ ヲ開
一、以 上 ノ外 本 人 二、三 ノ行 動 ヲ挙 ク レ ハ
究 ﹂ ト題 スル月 刊 雑 誌 ニ山 川 均 ト 共 ニ執 筆 シ居 レリ
ルヤ ノ聞 エア リ
仮事 務 所 ﹂ ニ催 シ爾 来 引 続 キ主 催 シ居 レリ現 在 ハ出 席 者 モ少 数 ニシ
催 ス ル コトヽ シ第 一回 ヲ客 月 十 三 日麹 町元 園 町 ﹁日本 社 会 主 義 同 盟
(1) 大 正 九 年 十 月 十 二日牛 込 八 千代 倶 楽 部 ニ於 ケ ル暁 民 会 主 催 日 本 社 会 主 義 同 盟 ニ関 スル宣 伝 演 説 会 カ中 止解 散 ヲ命 セラ ルヽ ヤ本
テ著 シキ言 動 ナ キ モ去 ル十 二月 廿 六 日 第 二 回会 合 ノ際 将 来 各 自 ノ勤 務 先 ニ於 テ休 憩 時 ヲ利 用 シ極 力 主義 宣 伝 ヲ為 シ同 志 ノ糾 合 ヲ謀 ル ヘ
人 ハ聴 衆 約 百 名 ト共 ニ第 二会 場 タ ル本 人 ノ自 宅 ニ赴 ク ヘシ ト称 シ
ル ヤ モ知 レ ス青 年 諸 君 カ予 テ其 ノ決 心 ト覚 悟 ヲ要 ス﹂ 云 々ト述 ヘ
ソ ウ テ ア ル然 シ火 山 モア レ ハ噴 火 口 モ ア リ鉱 山 モア ル何 時 爆 発 ス
日本 ハ美 シキ国 テ ア ル ソ ウ テ ア ル桜 ノ国 ト 云 フテ奇 麗 ナ国 テ ア ル
一同 連 行 シ途 中 降 雨 ニ遇 ヒ タ ル ヲ以 テ本 人 ハ路 上演 説 ヲ為 シ ﹁我
キ コト ヲヽ申 合 セタ ル事 実 ア リ将 来 相 当注 意 ヲ要 ス ル モノ ト認 メ ラ ル
(ロ) 堺 利 彦 一派 ノ行動
タリ
一、 本 人 ハ在 京 主 義 者 ノ領 袖 ト シ テ各 種 ノ演 説 会 其 ノ他 ノ集 会 ニ出 席 シ其 ノ他多 数 ノ刊 行 物 ニ寄 稿 シ筆 舌 挙 ケ テ主義 ノ鼓 吹 ニ努 メ暁 民
去 ル十 二 月十 日神 田 青 年 会 館 ニ於 ケ ル本 同 盟 ノ大 会 ニ際 シ中
附 記
会 其 ノ他 ノ思 想 団 体 ニ出 席 シ之 カ指 導 ヲ為 サ ント ス ルカ如 キ行 動 ア
一、 尚 本 人 ハ後 段 ニ記 ス如 ク山 崎 今 朝 弥 、 大庭柯 公 、麻 生 久 等 ト共
リ
千 五百
会 主 義 ﹂ ヲ発 行 シ定 期 会 合 ヲ催 シ タ ル コト ア リ シ モ之 ヲ休 止 シ機 宜
高 畠 一派 ハ嘗 テ 堺 一派 ヨリ分 離 セ ル モノ ニシ テ 一時機 関 紙 ﹁ 国家社
) ( ハ 高 畠 素 之 一派 ノ行 動
シ収 拾 ス ヘカラ サ ル ニ至 レル ヲ以 テ本 人及 加藤 一夫 、赤 松 克
止 解 散 ヲ命 ス ル ヤ本 人 ハ社 会 党 万 歳 ヲ叫 ヒ聴 衆(名 ア リ) 之 ニ和 麿 外 三 十 名 ヲ行 政 検束 セリ
高 畠 ハ其 ノ後 地 方 講 演 会 ニ出 演 シ又 ハ刊 行 物 ニ寄 稿 セ ル コト ア ル モ
ノ方 法 ニ依 リ宣 伝 ス ル コトヽ 為 セリ
那 人 等 ヲ網 羅 シ在 米片 山潜 等 ト 通 シ ﹁コ ス モ倶 楽 部 ﹂ ナ ル モノ ヲ組
ルク ス資 本 論 ノ 一部 ヲ公刊 セリ
其 ノ活 動 著 シ カ ラ ス只 管 主 義 上 ノ著作 ニ没頭 セ ル モノヽ 如 ク既 ニ マ
(2 ハ) 去 ル 堺十 一月中 同 志 及 暁 民 会 、 新 人 会 員等 ト 共 ニ朝 鮮 人 、支
織 シ時 々会 合 ヲ催 シ居 レ ル カ将 来 国 際 的 ニ同 志 ノ糾 合 ヲ計 ラ ムト企
本 派 ニ属 ス ル茂 木 久 平 ハ ﹁日本 社 会 主義 同 盟 ﹂ ノ運動 ニ反 対
附 記
図 シ居 レリ十 一月 十 八 日 一ツ橋 帝 国 学 士 会 ニ於 ケ ル本 会 集 会 ノ席 上
ナ ル手 段 ヲ モ辞 セ ス云 々ノ言 辞 ヲ弄 シ タ ル ハ思 想 団 体 ノ部 ニ記 セ リ
本 人 ハ共 産 制 ヲ主 張 シ之 カ決 行 方 法 ト シ テ ハ暴 力 、陰 謀 其 ノ他 如 何
ス ヘク計 劃 中 ナリ シ カ去 ル十 一月 五 日 ﹁強 権 ﹂ ト 題 ス ル雑誌
ヲ発 刊 スル コトヽ シ之 カ発 行 届 出 ア リ シ モ支 障 ヲ来 シ同 十 二
(3 人)ハ 客本年 二月 廿 九 日 ﹁ウ ヰ リ ヤ ム、 モリ ス﹂ 及 ﹁エド ワード 、 ベ ラ ミ ー﹂ ノ各 著 述 ニ係 ル社 会 主 義 実 現 後 ノ社 会 状 態 ヲ夢 想 セ ル著
月 四 日廃 刊 セ リ
シ カ時機 非 ナ リ ト シ之 ヲ見 合 スル コトヽ ナ シ タリ然 ル ニ去 ル
本 人 ハ昨 春 来 外遊 ノ志 アリ旅 行 免 状 下 附 ヲ願 出 タ ル コト ア リ
盟 ﹂ ノ機 関 ニ移 セリ
川 均 ハ堺 ト 共 ニ引続 本 会 ヲ主 催 シ居 レリ其 ノ 後 ﹁日 本 社 会 主 義 同
ト合 シ関 西 方 面 ニ主 義 運 動 ヲ起 ス ヘク去 ル四 月 大阪 ニ赴 キタ ル為 山
味 ノ定 期 会 合 ヲ主催 シ来 リ シカ荒 畑 勝 三 ハ大 阪 在 住 同 志 岩出 金 次郎
(ニ) 荒 畑 勝 三 、 山川 均 一派 ノ行 動 本 派 ハ従 来機 関 紙 ヲ有 セ ス毎 月 二回 ﹁労 働 組 合 研 究会 ﹂ ト称 ス ル 一
作 物 二種 ヲ抄 訳 シ之 ヲ ﹁理想 郷 ﹂ ト題 シ出 版 セ ル カ三 月 二 日発 売 頒 布 ヲ禁 止 セ ラ レタリ 又 同年 十 一月 一日発 行 雑 誌 ﹁解 放﹂ ニ主 義 宣 伝 ノ記 事 ヲ登 載 シ是 亦発 売 頒 布 ヲ禁 止 セ ラ ル
八 月 中 山 形 県 在 住 堀新 (乙号)ノ 通訳 名 義 ノ下 ニ露 国其 ノ 他 ヘ渡
山 川 ハ刊 行物 ニ寄 稿 シ又 ハ思 想 団 体 ノ会 合 ニ出 席 宣 伝 ヲ試 ミ居 レリ
附 記
不 許 可 ト ナ レリ堀 ニ就 テ ハ資 力 充 分 ナ ラサ ルト渡 航 ノ目 的 不
モ ノ アリ之 等 ノ状 況 ハ大 阪 ノ部 ニ記 セリ
荒 畑 ハ下 阪 以来 同 地 ヲ中 心 ト シ関 西 方面 ニ於 ケ ル活 動 著 シ キ
附 記
航 ス ヘク又 々出 願 シ タ ルカ本 人 所 在 地 ニ在 ラ サ ルノ故 ヲ以 テ
確 定 ナ ル点 ア リ是 亦 不許 可 ト ナ レリ 堀 ハ堺 ノ許 ニ出 入 シ居 リ シ カ大 正 九年 四月 以来 印 刷 機 数 台 ヲ 購 入 シ堺 ノ印刷 ヲ引受 ケ ント計 劃 中 ナ リ
( ホ) 在 京 一般 要 視 察 人 ノ行 動 (1) 在 京 山 崎今 朝 弥 ハ主 唱 者 ト ナリ 大杉 栄 、堺 利 彦 等 賛 同 ノ下 ニ
郎 ノ ﹁ギ ルド マ ンノ見 タ ル新 社 会 ノ意 義 ﹂ ト 題 シ無 政府 、社 会 、
中 止解 散 ヲ命 シ第 十 日目 ハ思 想 団 体 暁 民会 本 部 及 神 奈 川 県 鎌 倉 町
て の 一方 策 ﹂ ナ ル題 下 ニ革命 ヲ説 キ 議 会 制 度 ヲ否 認 ス ル論 議 ア リ
国 家 社会 各 主 義 ノ比 較 研 究 講 演 ア リ亜 テ植 田 好 太郎 ノ ﹁ 暴 行 に就
在 住 大杉 栄 方 ニ開 催 越 テ第 十 二 日目 ハ大 杉 一派 ノ 一味 会 合 ﹁東 京
大 正 九年 八月 九 日 ヨリ 二週 日 ニ亙 リ東 京 ニ於 テ主 義 ノ研 究 宣 伝 ヲ
ヲ主 催 シ左 記 要領 ノ案内 状 ヲ発 シ各 地 ヨリ同
労働 運動 同盟 会 ﹂ ノ状 況 ヲ見 学 セ リ
民大 学 ハ山 崎 カ自 宅 ニ設 置 セ ル モノ 目 的 ト ス ル ﹁平 民 大 学 夏 期 講 習 会 ﹂(平 ニシ テ主 義 的 刊 行 物 ノ発 行 所 タ ラ シ メ 居 レ ルノ外 活)ナ ル モノ 動 ナ キ モノ
志 上 京参 加 セリ
︹マ マ ︺
斯 ノ如 ク ニ シ テ講 習 者 ハ要 視 察 人 、 学 生 、労 働 者 等 五十 名 以 上 ニ
ニ対 シ テ ハ中 止 解 散 ヲ命 シ タ リ
達 セ シ コト アリ 二 週 日中 二回 ハ休 講 シ 一、 二、 三 、 五 、 七 ノ六 回
平民大学夏期講習会 目 的 社 会 改 造 運 動 の闘 将 養 成
見 学 、招 待 、茶 話 、研 究 、批 評 、演 説 、討 論 、講 演 、懇 話 、懇 親
赤 松克 麿 、加 藤 勘 十 等 ハ無 政 府 主義 者 社会 主義 者 ヲ団結 シテ ﹁日
大 正 九年 六月 来 堺 利 彦 、山 崎 今 朝 弥 、 大杉 栄 、大 庭柯 公 、麻 生 久 、
顛 末 ハ左 ノ如 シ
( 2) 東 京 要 視 察 人 等 ノ主 唱 ニ係 ル ﹁日本 社 会 主義 同 盟 ﹂ ノ運 動 ノ
科 目 社 会 改 造 に必 要 な る哲 、文 、法 政 及 ひ経 済 等 の学 術 研 究 並 に其 の宣 伝 、応 用 術 等 の実 地 攻 究
会 、 又 は ピ ク ニツ ク等 の開催 、野 外 、屋 外 の集 会 、演 習 及 ひ各
本 社会 主 義 同 盟 ﹂ ナ ル結 社 ヲ組 織 ス ヘク計 劃 シ各 地要 視 察 人 思 想
各 思 想 及 労 働 団 体 、 政 党 、当 局者 思 想 及 社 会 運 動 家 の訪 問 、
種 座 談 会 の出 席 、傍 聴 並 に珍 書 、禁 書 の研 究 其 の他 は 口伝 口授
友愛 会員其 ノ他労) 団体員( 之 ニ参加 シ爾来東京市 内各所 ニ於 テ暁民会 働団体員 モ加入 ス
方法
恁ク テ第 一日 ハ山 崎 今朝 弥 宅 ニ於 テ開 催 大杉 栄 外 二 名 ノ 無 政 府
或 ハ同 志 ノ箇 人 主 催 名 義 ノ下 ニ宣 伝 集 会 ヲ催 シ大阪 、京 都 、愛 知 、
ルト同 時ニ 示威 的 運 動 ニ出 ツ ル為市 内各 所 ノ道 路 ニ於 テ ﹁社 会 主
神 奈 川 、 山梨 等 ノ同 志 ト声 息 ヲ通 シ之 等各 地 ニ遊 説 シ又資 金 ヲ得
主 義 者 ノ講 演 ア リ中 止 解 散 ヲ命 シ第 二 日 ハ大 杉 一派 ノ 同 志 会 合 ﹁ 東 京 労 働 運 動 同 盟 会 ﹂ ト 合併 開催 シ第 四 日 ハ実 地 見 学 ト 称 シ岩
恁ク シ テ十 二月 十 日 ヲ期 シ発会 式 ヲ挙 ク ル コトヽ シ各 地 ヨリ同 志
義 ブ ツ クデ ー﹂ ト称 シ主 義 上 ノ刊 行 物 ヲ販 売 セリ
佐作 太郎 引 率 ノ下 ニ当 時 東 京 地 方裁 判 所 繋 属 中 ノ同 志 高 尾 平 兵衛 当 日 ハ多数 ノ在京同志傍聴 シ法廷 ニ第五 ノ秘 密出 版 事 件 ノ公 判 ヲ 傍聴 シ( 於 テ狂暴 ノ行 動アリ後段 ニ詳記 ス )
日 目 ハ山 川 均 方 ニ開 催 シ 一同 堺利 彦 ヲ訪 問 シ第 六 日目 ハ布 施 辰治
タ ル ニ之 ニ抗 争 シテ狂 暴 ノ行 動 ア リ重 ナ ル者 八十 九 名 ヲ行 政 検 束
相 続 テ上 京 参 加 シ、 九 日、 十 日 ニ於 ケ ル集 会 ニ対 シ 、解 散 ヲ命 シ
ニ付 シタ ル ニ彼 等 ハ警 察 保護 室 ニ於 テ暴 行 ヲ演 シタ ルヲ以 テ十 八
無編 入) ( 社会 運動 ト警 察 取 締 ﹂ ナ ル講演 ア リ第 弁 護士 方 ニ開 催 同 人 ヨリ ﹁
同館 ニ於 ケ ル砲兵工廠 同盟罷業 一周年記念講演会 ニ出席 シテ飛入
内五名 ハ微罪不 名 ヲ建造物損壊器物毀棄罪 ニ依 リ訴追 シ(起 ) 其 ノ後 二名 訴処分トナ ル
七日目 ハ荒畑 ノ講演第八 日目 ハ府下 王子町演芸館 ニ開催 シ引続 キ 演説 ヲ為 シ第九 日目 ハ思 想団体建 設者同盟本部 ニ開催 シ北沢新次
(
内 一名 ハ ) 建 朝鮮 人
造物 損 壊 、公 務 執 行 妨 害 ニ依 リ拘 引状 ヲ執 行 本 月 十 日
客 年 七月 五 日右 事 件 公 判 中 検事 ノ論 告 ニ対 シ裁 判 長 ハ被告 ニ
起 立 ヲ命 シ タ ル ニ ﹁吾 々 ハ絶 対自 由 ヲ欲 ス若 シ強 テ起 立 セ シ
ヲ無 視 ス ルナ ラ ハ何 故 裸 体 ニテ入 廷 セサ リ シヤ﹂ ト叱 スル ヤ
本 人 ハ矢 庭 ニ双袒 ヲ脱 シ傍 聴 中 ノ同 志 モ之 ニ和 シ喧噪 セ ル ヲ
メ ムト セ ハ暴 力 ニ訴 フ ヘシ﹂ ト怒 号 シ、裁 判 長 ハ ﹁左 程 秩序
弥 次 嘲 罵 ヲ加 ヘ判 事 ノ審 問 ニ際 シ被 告 等 ニ対 シ ﹁君 等 ハ正義 ノ士
以 テ被 告 ニ退 廷 ヲ命 シ タリ
東 京 区裁 判所 ニ於 テ第 一回 公 判 アリ多 数 ノ同 志 及 思 想 団 体員 傍聴 ︹一字欠︺ セ ル カ外 套 及 帽 ヲ着 シ或 ハ襟 巻 ヲ以 テ半 □ 額 ヲ蔽 フ等 不謹 慎 ヲ極
テ ア ル全 然 否 認 ス ヘシ﹂ ﹁現在 制 度 ノ破 壊 ハ吾 人 ノ希望 ナ リ﹂ ﹁ 如
ル為 メ暴 言 ヲ放 チ裁 判 長 ヨリ閉 廷迄 拘 留 セ ラ ル
次 テ同 月 七 日公 判 ニ対 シ傍 聴 中 ノ同 志 ハ被 告 ハ被 告 ニ声 援 ス
メ喧噪 、罵 声 、 怒 号 ノ裡 ニ裁判 ヲ進 行 シ検 事 ノ論 告 ニ入 ル ヤ之 ニ
此 裁 判 ニ服 スル ノ必 要 ナ シ﹂﹁ 俺 達 カ後 ロ ニ居 ル度 胸 ヲ据 ヘロ﹂ト
ト称 シ他 ノ要 視 察 人等 ト共 ニ傍 聴 シ裁 判 長 ヲ罵 倒 シ又 ハ被 告
同 年 八 月 廿 四 日 公 判 ノ際 ﹁平 民 大 学 夏 期 講 習 生 ﹂ ハ見 学 ノ為
︹マ マ ︺
呼 号 シ判 事 カ被 告 ノ社会 主 義 ニ対 スル感 想 ヲ審 問 ス ル ヤ近藤 憲 二 、
無政府主
モ ノ カ ソ ン ナ 審 問 ハ ヨ セ﹂ 又 ハ ﹁雑 賀 君
ヲ高 唱 喧噪 セ ル為 主 ナ ル モノ四 名 ヲ所轄 警 察 署 ニ検 束 セリ
ニ声 援 ス ル等 ノ行 動 ア リ退 廷 ヲ命 セ ラ レ法 廷 外 ニ於 テ革 命 歌
未編入者思想) 中名生幸力(団 御 前 等 ニ社 会 主義 ナト カ判 ル 体暁民会員 等 主 ト ナ リ ﹁ 被 告 ニ シテ 甲 号要 (視 察 人 タ ル モノ)
義 ノ講 演 ヲ ヤ ツ テ裁 判官 ニ聴 カ セ ヨ﹂ 等 ノ悪 罵 弥次 ヲ試 ミ タ リ 附 記
会 合 ヲ催 シ之 カ研究 ニ耽 リ大 杉 一派 ニ属 スル久 板 卯 之 助 之 ニ参 加
正 九 年 一月 ﹁ 黒 耀 会 ﹂ ナ ル モノ ヲ組 織 シ爾 来 毎 月 一回 同 志 ノ定 期
甲号無政府) 望月桂( 等 ハ芸 術 上 ヨリ革 命 思 想 ヲ鼓 吹 セ ム ト シ大 主義者 画家
官 ヲ配 置 シ タ ル モ入 廷 ノ命 ナ カ リ シ モ ノ ナ リ
本 件 公 判 ノ際 警 視 庁 ニ於 テ之 ヲ予 想 シ取締 ノ為 裁 判 所 ヘ警 察
去 ル 一月 十 九 日被 告 中 十 三名 ニ対 シ懲 役 一月 乃至 四月 ニ処 ス
シ主 宰 者 ノ 一人 ト ナ リ シカ去 ル十 一月 廿 四 日 ヨリ五 日間 ニ亙 リ京
ニ係 ル主義 宣 伝 ノ絵 画 、詩 文 約 二百 点 ヲ陳 列 セ リ右 陳 列 品中 村 の
橋 星 製薬 株 式会 社 ニ於 テ絵 画 展 覧 会 ヲ開 催 シ主義 者 其 ノ他 ノ出 品
甲号
旨 ノ言渡 アリ控 訴 中 ナ リ
﹁ク ロポト キ ン の社会 思 想 の研 究 ﹂ ナ
陽 ヲ画 キ皇 室 熟柿(太ヲ諷 ) 及爆 弾 ト題 ス ル モノ外 革 命 、暴 動 、主 義 的 思 想 刺 セ ル モノ
一巻 第 一号 九 一月 一日付 )ニ
ハ元帝国大学助教 授森 戸 辰 男 カ雑 誌 ( 3) 高 尾 平 兵衛 (無政府主義者) ル論 文 ヲ寄 稿 登載 シ発 売 頒 布 ヲ禁 止 セ ラ レ タ ル ニ同 年 二月 之 ヲ謄
一ヨリ注 意 ヲ与 ヘ撤 回 シタ ルカ其 ノ外 ﹁ブ ラ ツ ク リ スト﹂ ト題 ス
ヲ諷 刺 セ ル モ ノ及卑猥 ナ ル絵 画 等 十 二点 ニ対 シ テ ハ会 場 管 理者 星
第 経済 学研究 (年
シ
写 版 ニ依 リ秘 密出 版 シ同 志 ニ密 売 シ同年 五 月頃 更 ニ ﹁ク ロポ ト キ
十 四 点 ニ対 シ所 轄 警 察 署 ニ於 テ撤 去 ヲ命 シ タ リ然 ル ニ会 期 中 右 警
ル刑 死 者 幸 徳伝 次 郎 ノ肖 像 其 ノ他 ノ安 寧 秩序 及風 俗 ヲ紊 ル モノ 二
ン﹂ 著 ﹁ 法 律 と強 権 ﹂ (幸徳事件刑死者大石誠之助ノ) 秘密出版 セシモノナリト云フ ヲ秘密出 版 密 売
タ ル コト発 覚 同 年 八月 廿 八 日第 一ノ事 実 ニ対 シ印 刷 、発 行 人 ト シ
察 官 署 ヨリ撤去 ヲ命 シタ ル絵 画 詩 文 ヲ再 ヒ場 内 ニ掲 出 シ 一般 入 場
テ各 禁錮 二 月第 二 ノ事 実 ニ付 禁錮 一月 罰 金 廿 円 ニ処 セ ラ レタ リ 附 記
者 ニ観 覧 セ シ メタ ルヲ以 テ所 轄 警 察 官 署 ハ主催 者 タ ル久 板 ニ対 シ
憲 ト 衝 突 シ拘 引 セラ ルヽ途 中 官 憲 ノ横 暴 ヲ罵 署 シ民衆 ノ同 情 ヲ索 キ
一、 京 阪神 ノ宣伝 ハ東 京 ニ比 シ柔 弱 ナ ル感 ア リ東 京 ニ於 テ ハ殊 更 官
ツヽ ア リ テ其 効 果 見 ル ヘキ モノ ア ル ニ付 将 来 関 西 モ此 方法 ヲ採 ル コ
宣 伝 ニ関 シ巨 細 ノ協 議 ヲ為 シ且
ル ヲ以 テ已 ムナ ク会 場 管 理 者 星 一ヲ立会 セ シ メ之 ヲ撤 回 シ タ ル ニ
ト
更 メ テ之 カ撤 回 ヲ命 シタ ル ニ本会 ハ主催 者 ナ シト称 シ之 ニ応 セ サ
喧噪 ノ行動 ナ ク閉 会 ノ際 星 一ヲ シ テ夫 々交 付 セ シメ タ リ
(イ)
荒 畑 、岩 出 一派 ノ行動
一、其 ノ他秘 密会 合 ノ場 所 等 ヲ協 議 セ リ
一、懇 親会 ハ年 四 回 ト ス ル コト ( 大阪 二回京都、神戸 各 一回)
彼 等 ハ不法 ナ リ 、権 利 ノ侵 害 ナ リ、 強 盗 ナリ ト暴 言 ヲ放 チ タ ル モ
附 記 一、然 ル ニ望 月 桂 、 橋 浦 時 雄 ハ原告 ト ナ リ山 崎 今 朝 弥 ヲ訴 訟 代 理人 ト シ所 轄 警 察 署 長 等 ヲ被 告 ト シ去 ル十 二月 八 日贓 物 返 還 並 ニ強 盗 損 害 請 求 民 事 訴 訟 ヲ提起 セリ
一、荒 畑 ハ客 年 四月 下 阪 以 来 従 来 岩 出 ノ経 営 セ シ ﹁日本 労 働 新 聞 ﹂
ア リ京 都 ニ支 局 ヲ設 置 シ又 紙 面 ヲ割 キ労 働 団 体 ノ機 関 ニ充 テ努 メ テ
︹マ マ︺
二 、客 年 中 ﹁万 国 の プ ロレ タ リ ア ート に愬 ふ !! ペ テ ログ ラ ー
月 ヲ主 宰 シ急 激 ノ記 事 ヲ掲 ケ屡ゝ 発 売 頒 布 ヲ禁 止 セラ レ タ ル コ ト 刊)
の宣 伝 文 ﹂ ト題 スル宣 伝 文 ヲ頒 布 シ タ ル モノ ア リ
労働 団 体 ニ接 近 セ ムト セ リ
(
ド労 兵 会 よ り﹂ ト題 スル宣 伝 文 書 及 ﹁ 最 近得 た る パ ル チザ ン
前 者 ハ加 藤 一夫 ( 甲号) 等 一派 、後 者 ハ高 津 正 道 ( 甲) 一派 ノ
月二 一、荒 畑 ハ又岩 出 ノ経 営 セ シ同 志 ノ定期 会 合 (回 ) 白 雨 倶 楽 部 ニ出
言 ヲ発 表 シ引続 キ毎 月 二回 之 ヲ主 催 セ ル ノ外本 会 ハ公 開 演 説 会 ヲ催
同志 二十) 五 日同 地南 区 天王 寺 料 理 店 ﹁雲 水 ﹂ ニ発会 式 ヲ 挙 ケ(名 出席 ス 左 ノ宣
労働 ト ト改 称 シ同 月 廿 席 シ之 カ指 導 ニ当 リ シカ客 年 七 月 之 ヲ L L会 ( 自由 )
所 為 ト認 メ ラ ル丶 モ判 明 セ ス内 偵中 ナリ
(B) 大 阪 ノ部
ル ノ方針 ニテ大阪 其 ノ他 ノ箇 所 ニ公 開演 説会 又 ハ巡 回講 演 会 等 ヲ開
シ広 ク同 志 ヲ誘 引 シ之 ヲ本 会 合 ニ招 致 シ テ主義 ノ注 入 ヲ為 サ ム ト ス
組 合 主義 ニ依 リ後 者 ハ大 杉 一派 ノ主 張 タ ル無 政府 共産 主 義 ニ依 リ相
催 セ ル カ公 開 集会 ニ対 シテ ハ厳 重 取 締 ヲ加 ヘ概 中 止解 散 ヲ命 シタ リ
幸徳事件 ニ連坐 本 府 ニ ハ(イ)荒 畑 勝 三 、岩 出 金 次 郎 ノ 一派(ロ 武) 田伝 次 郎 (長 崎監獄入監中 ナ ル武 田 和 田久 太郎 ノ 一派 ア リ前 者 ハ荒 畑 ノ主 張 ニ基 ク 革 命 的 労 働 九平ノ弟)
対 立 シ テ主 義 運 動 ヲ試 ミ東 京 、 京 都 、 兵 庫在 住同 志 ト連 絡 ヲ取 リ最
本会 ノ宣言 左 ノ如 シ
の幸福 安 寧 を維 持 保 証 す へき 生 産 分 配 の機 関 を 独占 し て独 り有 ゆ
す る交 戦 団 体 であ る、 資 本 家 階 級 に属 す る 一部 少数 者 か社 会 全 体
吾 人 は 宣 言 す る 、労 働 階 級 と 資 本 家 階 級 と は根 本的 に利 害 を異 に
近極 メ テ注 意 ヲ要 ス ル状 況 ニ在 リ東 京 同志 ト合 シ テ大 阪 市 内 ニ宣 伝
日大 阪築 港 大潮 湯 ( 公 設 浴 場 ) 一室 ニ於 テ秘 密 ニ ﹁京 、阪 、神 社 会
演 説会 ヲ催 シ屡 々中 止 解 散 ヲ命 セ ラ レタ ル コト アリ シカ本 年 一月 九
主 義 同 盟 懇親 会 ﹂ ヲ開 催 シ出 席 者 四 十 二名 ニ達 シ席 上将 来 ノ結 束 及
し て以 て賃 銀 制度 を撤 廃 す る に至 る迄 は こ の二 階級 間 の社 会 的 戦
よ り醒 め て階 級的 自 覚 の下 に 一致 団 結 し て生産 分配 の機 関 を収 用
和 は畢 寛 夢 想 に過 き な い、 故 に労 働 階 級 か職 業 的利 害 関 係 の迷 信
貧 困 と窮 乏 と 無智 と の悲 惨 な る境 遇 に沈淪 し て居 る間 は社 会 的 平
る社 会 的 特 権 を壟 断 し て居 る時 に幾 千 万 の労 働 者 か絶 ヘす飢 餓 と
ナ リ タ ル歓 迎 歌 ヲ合 唱 シ之 ヲ制 止 セ ル警 察官 ト抗 争 傷 害 ヲ加 ヘタ ル
赴キ ﹁ 祝 高 山義 三君 出 獄 L L会 ﹂ ト 記 セ ル旒旗 ヲ樹 テ且曩 ニ禁 止 ト
ヘク過激 ナ ル歓 迎 歌 ヲ作 成 シ(発売頒布 ヲ) 禁止 セラ ル当 日 LL会 等 ヲ率 ヰ 京 都 ニ
聯 合 会 理事 高 山義 三 カ去 ル十 一月 三 十 日 退営 ス ルヤ之 ニ好 意 ヲ表 ス
同 会 懇親 会 ニ臨 ミ宣 伝 講 演 ヲ為 セ リ而 シ テ曩 ニ入営 セ シ友 愛 会 京 都
﹁赤 化 セ ヨ友愛 会 ﹂ 等 ノ紙 片 ヲ車 台 ニ貼 付 シ声 援 的 示 威 運 動 ヲ為 シ
ヲ以 テ荒畑 等 京阪 同 志 七 名 ハ他 ノ三 名 ト 共 ニ職 務 執 行 妨 害 、 傷 害 罪
争 は 到 底 止 む時 か無 い て あ らう 、 吾 人 は 宣言 す る労 働 の目 的 は 奴 隷 の鉄 鎖 を緩 め む と す る境 遇 の改 善 に在 るに非 す し て奴 隷 を解 放
荒 畑 入 監 中 ハ後 任 ト シ テ橋 浦 時 雄 ( 甲号) 東 京 ヨリ下 阪 シ 日本 労働
ツ クデ ーヲ催 セリ
本 会 ハ東 京 同 志 ノ行動 ニ做 ヒ去 ル十 一月廿 八 日社 会 主 義 ブ
ニ依 リ検挙審 理中 ナ リ
当 な る労働 に対 す る正 当 な る賃 銀 ﹂ てふ 保守 的 な る合 言 葉 に非 す
附記
し て自 由 な ら し め ん か為 に資 本 主 義制 度 の脊 髄 た る賃 銀 制 度 を撤
し て ﹁賃 銀制 度 の撤 廃 ﹂ て ふ革 命 的 な る喊 声 を 以 てし な け れは な
新 聞 ノ編 輯 等 ニ当 ル模 様 ナ リ
廃 す る に在 ら ね は な ら ぬ労 働 運 動 の先頭 に立 つ旗印 し は最 早 ﹁正
ら ぬ 吾 人 は宣 言 す る資 本 家 制 度 の撤廃 は労 働 階 級 か荷 ヘる歴 史 的 使 命 てあ る故 に労 働 階 級 は こ の資 本 家 階級 と の日常 の戦 闘 の みな
( ) ロ 武 田、 和 田 一派
﹁ 革 命 運動 社 ﹂ ナ ル モ ノ ヲ組織 シ機 関 紙 (革 )ヲ 命発 刊 ス ヘク之 カ 示 威
本 一派 ハ同 志 ノ月 次 会 合 ﹁社 会 主義 坐 談 会 ﹂ ヲ主 催 セ シカ客 年 五 月
ら す ま た実 に 他年 一旦資 本 家 制 度 を廃 止 し た る時 直 に代 つて社 会 全 体 の利益 の為 に生 産 分 配 を 行 ふ こと を得 へき組 織 団 体 を作 ら な
振 ハス然 レト モ大 杉 一派 カ近 ク ﹁労 働 運動 ﹂ ヲ発 刊 ス ル ニ至 ラ ハ本
﹁ 黒旒 会 ﹂ ト改 称 シ爾 来 之 ヲ催 シ居 レ ル モ流 会 ト ナ ル コト 多 ク勢 力
テ厳 重取 締 ヲ加 ヘタ ル結 果 計劃 頓 挫 シ同 年 九 月 和 田 ノ 提 議 ニ基 キ
運動 ト シ テ六 月 五 日同 地 中 ノ島 中 央公 会 堂 ニ演 説 会 ヲ催 シ タ ル ヲ以
け れ は な ら ぬ即 ち 労 働 階 級 は 旧 き 殻 の裡 に将 来 の新 社 会 の構 造 を 築 い て行 か な け れ はな ら ぬ
夫 ヲ糾 合 シ ﹁大阪 車 夫 聯 盟 会 ﹂ ナ ル モ ノ ヲ組 織 セ ルカ荒 畑 ハ 一派 ト
一、本 人 ノ 一派 ニ属 スル大 西 昌 ( 甲号)ハ客年 七 月大 阪 市 内 ニ於 ケ ル車
共 ニ之 ヲ指導 シ本 会 ノ機 関 ト シ テ ﹁日本 労 働 新 聞 ﹂ ノ 一部 ヲ割 キ之
一、本 派 ニ属 スル和 田久 太郎 、 山 田正 一、小 田 知 一等 ハ大 正 九年 六
会 ハ再 ヒ活 動 ヲ開 始 ス ル モ ノト認 メラ ル
ル処 アリ シ カ恰 モ当 時滞 阪 中 ナ ル大杉 一派 ニ属 スル吉 田 一ハ同 部落
月来 大 阪 西 浜 ニ於 ケ ル特 種 部落 民 ニ対 シ主 義 宣 伝 ヲ為 ス ヘク計 劃 ス
ニ充 ツ ル コトヽ ナ シ宣 伝 誘 発 ニ努 メ タ ル カ過 激 ノ行 動 ア リ多 数会 員
一、 荒畑 ハ極 力 友 愛 会 ト接 近 セ ムト シ客 年 十 月 三 日大 阪 ニ於 テ同会
ノ指 弾 ヲ受 ケ九 月 二十 三 日大 西 ハ表 面脱 会 ス ル コトヽ ナ レリ
八 周年 大会 開 催 セ ラ レタ ル ニ際 シ同 志十 五名 ト共 ニ自 動 車 ニ分 乗 シ
月中 吉 田 等 ハ同 部落 ニ於 テ路 傍 宣 伝 ヲ開 始 シ警 察 官 ヨリ説 諭 ヲ加 ヘ
靴 製 造 職 工方 ヘ見 習 ト シ テ住 込 ミ其 ノ状 況 ヲ査 察 ス ル所 ア リ同 年 七
ニ毎 月 一回座 談 会 ヲ催 シ大 阪 ヨリ荒 畑 勝 三 出席 指 導 セ リ
以 テ別 ニ友 愛 会 西 陣 支 部 ヲ起 シ之 等 ノ者 及印 友 会 員 等 ヲ集 合 シ自宅
タ ルカ八 月 中屡々 彼 等 ハ同 部 落 ニ於 テ宣 伝 ヲ試 ミ取 締 警 察 官 ヲ見 ル
本 県在 住者 中 注 意 ヲ要 ス ル ハ安 谷 寛 一ノ 一派 ニ シテ本 人 ハ曩 ニ岩 出 、
( ) D 兵 庫 ノ部
武 田等 大 阪同 志 ト来 往 セ シカ自 ラ主 脳 ト ナリ主 義 運動 ヲ開 始 セ ムト
ヤ革 命 歌 ヲ高 唱 シ喧噪 ノ行動 アリ山 田、 小 田 ノ両 人 ニ対 シ警 察 犯 処
渡 ヲ受 ケ タ リ
第 二条第)ニ依 リ各 拘 留 十 日 ニ処 シ正 式 裁 判 ノ結 果 拘留 五 日 ノ 言 罰令(十 一号
期 会 合 ヲ興 シ客 年 四月 十 三 日其 ノ 一回 ヲ催 シ京 、阪 、神 ノ同 志 参 集
シ原 田 国蔵 、和 田信 義 ノ両 名 ヲ誘 致 シ ﹁労 働芸 術 会 ﹂ ナ ル同志 ノ定
正 式 裁 判 ニ際 シ彼 等 ハ東 京 同 志 ノ例 ニ做 ヒ公 判 ニ於 テ起 立 セ
附 記
セ リ次 テ機 関 紙 ﹁ 東 亜 平 民 新 聞 ﹂ ナ ル モ ノ ヲ発 刊 セ ムト計 劃 中 ナ リ
シ カ本 人 ハ主 義 運動 等 ノ為 勤 務 先 タ ル ﹁オ ツ ペネ メー ル﹂ 商 会 ニ於
サリキ
テ六 千 余 円 ヲ消 費 セ ル コト発 覚 シ 一時 所在 不 明 ト ナ リ運 動 頓 挫 セ ル
カ最 近 再 ヒ活 動 ヲ開 始 シ ﹁実 学 派 聯 盟 ﹂ ナ ル名称 ノ下 ニ同 志 ノ定期
( C) 京都 ノ部 ル秘 密 出 版 物 事 件 ニ連 坐 入獄 シ其 ノ後 著 シ キ行動 ナ カリ シカ 近来 新
本 府 ニ於 テ ハ旧 同 志 山鹿 泰 治 、上 田蟻 善 等 ハ曩 ニ無 政府 主 義 に関 ス
シ爾 来 毎 月 二 回之 ヲ主 催 ス ル コトヽ セ リ而 シ テ本 会 宣 言 書 ト シ テ左
会 合 ヲ興 シ去 ル十 月 十 七 日其 ノ第 一回 ヲ神 戸市 内 ナ ル同 志 宅 ニ開 催
言
書
記 ノ印 刷 物 ヲ作 成 頒 布 シタ ルカ発 売 頒 布 ヲ禁 止 セラ レタ リ
同 志 等 大 阪 在 住 者 ト提 携 活 動 シ居 レリ 二、三 ヲ挙 レ ハ 東 忠 続 ハ友 愛 会 京都 聯 合会 長 ト シテ活 動 セ シ カ最 近 大阪 ニ転 セ リ
宣
権 力 者 と異 つた思 想 を 有 す る人 間 を 危 険 人物 と呼 ひ権 力 と 異 つた
船 越 基 ハ主義 宣 伝 ノ目的 ヲ以 テ去 ル十 月 十 五 日雑 誌 ﹁田園 と 工場 ﹂ 第 一号 ヲ発 刊 シ阪神 同志 ノ ﹁サ ンヂ カ リズ ム﹂ ﹁ボ ル シ エビ ズ ム﹂
倫 理 標準 を有 す る人 間 を 不 道 徳 人 と呼 ん た千 数 百 年 の歴 史 は 尽 く
乙号織)ハ大正八年九月西陣織物職工 ヲ糾合 辻井民之助(物 職工
運動 と 名 つけ やう
の本 当 の世 界 を建 設 せ ね はな ら ぬ恁 ふ し た運 動 を仮 り に実 学派 の
虚 偽 た と判 つた吾 々は 虚 偽 の黒 雲 を破 つて愛 と自 由 に生 き る吾 々
シ ﹁織友会﹂
ニ関 ス ル寄 稿 等 ヲ登載 発 売 頒 布 ヲ禁 止 セ ラ ル
ヲ発 行 シ過 激 ノ記事 ヲ登載 シ発 売 頒 布 ヲ禁 止 セ ラ レタ ル コト ア リ後
本 県在 住者 ハ吉 田 只 次 ヲ中 心 ト シ テ 一団 ト ナ リ曩 ニ大 杉 栄 カ出 獄 ノ
( ) E 神 奈 川 ノ部
ナ ル モノ ヲ組 織 シ之 カ会 長 ト ナ リ機 関 紙 ト シ テ ﹁西陣 労 働 者 新 聞 ﹂
東 ノ紹 介 ニ依 リ在 阪荒 畑 勝 三 ト接 近 提 携 シ機 関紙 ヲ廃 刊 シ自 宅 ニ荒 畑 一派 ノ機 関 タ ル ﹁日本 労 働 新 聞 ﹂ 支 局 ヲ設 置 シ之 ニ代 フ ル コトヽ ナ シタ リ シ カ織 友会 他 ノ幹 部 ノ排 斥 スル所 ト ナ リ除 名 セ ラ レタ ル ヲ
一派 ノ者 ハ吉 田 只次 宅 ニ毎 月 二回 京 浜 同 志 ノ定 期 会 合 ヲ催 シ居 レ ル
際 之 カ歓 迎 会 ヲ催 シ タ ル記念 ト シテ ﹁赤旒 会 ﹂ ナ ル モノ ヲ組 織 シ標
同 盟 ﹂ ナ ル モノ ヲ組 織 セ ムト シ其 ノ宣 言 綱 領 等 ヲ印 刷 頒 布 シ主 ト シ
経 済 的組 織 ヲ根 本 ヨリ改 造 セネ ハナ ラ ヌ﹂ ト ノ趣 旨 ノ下 ニ ﹁貧 乏人
ラ レ テ居 タノ テ ア ル、 吾 々 ハ茲 ニ自 覚 シ社 会 的 活 動 ヲ開 始 シ現代 ノ
テ労 働 者 等 ヲ糾 合 セ ム ト シ夕 張炭 山 坑 夫等 ニ モ宣 伝 セ ムト シ ツヽ ア
章 ト シテ赤 旗 ヲ製 作 シ主 義 運動 ノ際 之 ヲ携 帯 ス ル コト アリ
カ去 ル十 月 二十 三 日例 会 ハ ﹁社 会 問 題 講 演会 ﹂ ト シ届 出 ア リ所 轄警
テ全 日本 坑 夫 総 聯 合会 副 理事 坂 口義 治 ナ ル モノ ト共 ニ同会 ノ拡張 ニ
甲 号 ニ シテ ﹁新 小 リ而 シテ前 記 ﹁極 光 社 ﹂ ヲ組 織 セ ル吉 田清 吉 (樽 ﹂ 夕張 支局 員 )ハ貧 乏
努 メ居 ルノ事 実 モア リ且 最 近極 光 社 ノ外 ﹁社 会 研 究 会 ﹂ ナ ル モノ ヲ
人 同 盟 ノ宣 伝 ヲ為 シ且 同 人 ハ炭 山 坑 夫等 ニ主 義 ヲ鼓 吹 ス ル形 跡 アリ
リ 一派 ニ属 ス ル同 志 ハ客 月 荒木 八 郎 カ第 十 八師 団 (久留米) ニ入 営 ス
組 織 セ ム ト シ去 ル十 二 月 十九 日自 宅 ニ第 一回 創 立 協 議 会 ヲ開 キ爾 後
ノ者 ハ横浜 市 ニ於 テ時 々公 開 演 説 会 ヲ催 シ東 京 ヨリ同 志 出 席 講 演 セ
ル コトヽ ナ リ シヲ以 テ京 都 ニ於 テ高 山義 三退 営 ノ際 ニ於 ケ ル荒 畑 等
毎 月 一回 講 演会 ヲ催 ス コトヽ 為 セ リ 同 地 ( 夕張) ハ現在 一万有 余 ノ
察 官 署 ニ於 テ臨 監 不穏 ノ論 議 ア リ シ ヲ以 テ中 止 解 散 ヲ命 シ タ リ 一派
﹁ 祝 荒 木 八郎 君入 獄 赤旒 会 ﹂ ノ旒 旗 ヲ先 頭 ニ葬 儀 ニ模 シ同 志 ハ僧 侶
ニ依 リ思 想漸 次 悪 化 ノ傾 向 ア リ旁ゝ ﹁本 研 究 会 ﹂ ニ対 シ テ ハ其 ノ普
鉱 山 労 働 者 ア リ本 人等 ノ前 記 ﹁全 日本 坑 夫 総 聯 合会 ﹂ ノ宣 伝 運 動 等
ノ行動 ニ做 ヒ 一段 数 奇 ヲ凝 ラ シ送 別 ヲ兼 ネ主 義 宣 伝 ヲ 試 ミ ム ト シ
ニ仮 装 シ各 自 葬 儀 花 ヲ持 チ荒木 ハ額 ニ ﹁死 ハ鴻 毛 ヨリ軽 シ﹂ ナ ル文
及 ヲ阻 止 ス ル方 針 ニテ厳 重注 意 中 ナ リ
言 ヲ黒 書 セ ル 三角 形 ノ厚 紙 ヲ貼 付 シ亡 者 ニ変 装 セ シ ム ル コト ヲ計 劃 セ ル コト ヲ探 知 シ タ ルヲ 以 テ未 発 ニ阻 止 ス ヘク平素 荒 木 カ恩 恵 ヲ受 ケ居 レル旧 主 人 タ ル 一ノ瀬 善 次 ナ ル者 ニ計 リ同 人 ヨリ荒 木 ニ対 シ将
愛 知 県 ニ於 テ ハ鈴 木 楯 夫 等 ノ 一派 ア リ近 来 東 京 同志 ト声 息 ヲ通 シ活
( G) 其 ノ他 ノ府 県
シ ム ル所 ア リ荒木 ハ衷 心悔 悟 ノ状 ア リ シ ヲ以 テ 一ノ瀬 ハ之 ニ金 子 五
動 セ ムト ス ルノ状 アリ殊 ニ機 関 紙 ﹁社会 新 聞 ﹂ ヲ発 行 シ発 売 頒 布 ヲ
来 主 義 者 ト ノ交際 ヲ続 ケ名 誉 ア ル軍 人 ト シ テ本 分 ヲ失 セサ ル様 諭 サ
十 円 ヲ贈 与 シ荒 木 ヲ突 然 出 発 セ シ メ タ リ
禁 止 セ ラ レタ ル コト ア リ尚 同 志 ノ定期 会 合 ヲ モ催 セ ル コト ア リ去 ル
本 道 ニ於 テ ハ吉 田茂 太 郎 ( 乙号)ハ小 樽 啓 明 会 、 吉 田清 吉 ( 甲号)ハ極 光 社 、
義 ノ宣 伝 ヲ試 ミ富 山 県 在 住 ﹁ 中 島 安 太郎 ﹂ ハ大 阪 黒旒 会 神奈 川赤旒
其 ノ他岩 手 県 ニ ハ石 川 金 次 郎 ノ ﹁ 牧 民会 ﹂ ナ ル思 想 団 体 ヲ組 織 シ主
名 古 屋市 ニ催 ス コトヽ セ リ
十 二 月 ヨリ愛 知 在 住 同 志 一団 ト ナ リ ﹁凡 人会 ﹂ ナ ル会 合 ヲ毎 月 一回
出 口豊 泰(乙号)ハ麗 沢 会 ナ ル思 想 団 体 ヲ組 織 シ或 ハ定 期 会 合 或 ハ講 演
会 ノ例 ニ做 ヒ黒旒 会 ナ ル モノ ヲ組 織 ス ヘク計 劃 中 ナ リ
( F) 北 海 道 ノ部
者 一名 ト共 ニ去 ル十 二月 ﹁今 ヤ吾 々貧乏 人 ノ擡 頭 ス ヘキ時機 ニシ テ
会 或 ハ雑誌 講 演 等 ヲ為 シ居 レリ 而 シ テ 高 桑 正 吾(乙号 ﹁新小)ハ他 ノ記 樽﹂記者 吾 々 モ同 シク人 格 ノ所 有 者 テ ア リ ナカ ラ社 会 制 度 ノ欠 陥 ニ依 リ虐 ケ
) ( H 外 国 在 留 者 ノ部
一、 信 友 会 ニ ハ大杉 一派 ニ属 ス ル水 沼 辰 其 ノ他 ノ者 アリ水 沼 ハ同 会
ト アリ
ニ於 テ相 当 勢 力 ヲ有 ス ル モノヽ 如 シ
在 外 者 中注 意 ヲ要 ス ル ハ紐 育 在 留 中 ノ片 山 潜 ニシ テ本 人 ハ同 地 ニ於 テ露 国 過激 派 ト来 往 シ居 レ ル モノヽ 如 ク米 国政 府 ニ於 テ モ本 人 ノ行
席 セ ル モノ ナ ル カ報知 新 聞 ニ職 工 ト シ テ被 雇 中 同 志 ト 共 ニ八 時間 制 、
乙号東京新聞職 工)ハ荒 畑 等 ノ ﹁労 働 組 合 研 究 会 ﹂等 ニ出 一、 布留 川 桂 (﹁ 正進会﹂常務 理事
其 ノ事 実 ナ ク紐 育 ニ於 テ共 産 主 義 者 ト シ テ各 地 ノ刊行 物 ニ寄 稿 シ居
シ新 聞 紙 ノ発 行 ヲ不能 ナ ラ シメ法 安 警 察 法 違 反 器 物毀 棄 営 業 妨 害 ト
最 低 賃 銀 制 度 ヲ主 張 シ去 ル八月 同 盟 罷 業 ヲ為 シ且 同 社 ノ器 具 ヲ破 壊
動 ニ就 テ ハ注 意 シ居 レリ本 人 ハ最 近露 都 ニ赴 ケ リト ノ風 説 ア リ シ モ
レ ル モ其 ノ収 入 ハ多 カラ サ ル ヘク其 ノ女 モ寄席 ニ出 演 セ ル モ最 近両
第 四 外 国 主義 者及 朝 鮮 人 ト ノ関 係
社 会 主 義 ノ研 究 ヲ為 シ ツヽ ア ル模 様 ア リ
セ ル モノ十 数 名 ア リト ノ コト ナ ルカ本 会 ハ月 一回 位 何 レカ ニ会合 シ
一、 芝 浦 大 日本機 械 技 工組 合 ハ会 員 中 ﹁日本 社 会 主 義 同 盟 ﹂ ニ加盟
シ テ起 訴 審 理 中 ナ リ
人 共 徒 食 シ居 レ ル モノヽ 如 ク其 ノ生 活 費 等 ニ就 テ ハ同 地邦 人 間 ニ疑 問 ト セ ラ レ ツヽ ア ル ノ状 況 ナ リ
第 三 労 働 団体 ト ノ関 係 要 視 察 人 ハ従来 労 働 者 及 労 働 団 体 ニ接 近 シ主義 ヲ注 入 セ ント之 ニ全 力 ヲ傾 倒 セ ル ノ状 アリ殊 ニ荒 畑 一派 ノ如 キ ハ労 働 組合 主 義 ヲ執 レ ル 関 係 上 此 ノ傾 向顕 著 ナ ル モノ ア リ
十 一月 五 日神 田朝 鮮 基 督 教青 年 会 館 ニ於 テ特 別 要 視 察 人 ヲ招聘 シ講
ヲ共 ニセ ル モノ ア リ之 等 ハ思 想 団体 ノ部 ニ記 セ リ又 朝 鮮 人 等 ハ去 ル
ナ シ但 シ朝 鮮 人 、 支 那 人留 学 生中 思 想 団 体 ヲ介 シ テ要 視 察 人 ト 行動
演 会 ヲ開 催 セ シ コト アリ シカ集 会 ニ対 シテ ハ解 散 ヲ命 シ タ リ露国 過
外 国 主 義 者 ト ノ関 係 ニ就 テ ハ引続 キ厳 重注 意 シ居 レ ル モ著 シ キ関 係
ニ依 リ治 安 警 察 法 ニ依 リ処 分 ヲ受 ケ タ リ
働 組 合 ﹂ ノ理事 長 ト ナ リ客 年 其 ノ同 盟 罷 業 ニ際 シ煽動 ヲ試 ミタ ル廉
激 派 ト ノ関 係 ニ就 テ ハ要 視察 人 ハ 一般 ニ之 ニ賛 同 シ甚 シ キ ニ在 リ テ
一、 中 西 伊 之 助 ( 乙号)ハ東 京市 電 気 局 従 業 者 ノ 組 織 セ ル ﹁日本 交 通労
一、 友 愛会 ニ就 テ ハ同 会 幹 部 ノ 一員 タ ル麻 生 久 ハ ﹁日本 社会 主 義 同
ハ之 ヲ宣 伝 鼓 吹 セ ムト スル モ ノ アリ荒 畑 勝 三 ノ如 キ将 来 過激 主義 ニ
主 ナ ル事 例 ヲ挙 ク レ ハ
乙号 最近大 盟 ﹂ 発 起 人 ト ナリ各 種 ノ主 義 運 動 ニ参 加 セ リ 東 忠 続 ( 阪 ニ転 ス )ハ荒
過 激 派 ト来 往 セ ル形跡 ア リ其 ノ他各 種 ノ風 説 ナ キ ニ非 サ ル ヲ以 テ此
依 ラ ムト スル カ如 キ口 吻 ヲ漏 セ ル コト ア リ片 山 潜 ハ紐 育 ニ於 テ同 地
退 営 ニ際 シ 一派 ヲ率 ヒ之 カ出迎 ヲ為 シ暴 行 ヲ為 シタ ル ハ既述 セ ル如
ル モノ ハ之 ナ キ カ如 シ
方 面 ニ就 テ ハ特 ニ注 意 中 ナ ル モ現 在 ハ具 体 的 ニ之 ト連 絡 行 動 ヲ採 レ
ル本 会 ト接 近 セ ムト努 ム ル所 ア リ シカ同 会 京 都 幹 部 タ ル高 山義 三 ノ
シ
畑 ト交 通 セ ル カ最 近 迄友 愛 会 京 都 聯 合 長 タ リ荒 畑 ハ関 西 方面 ニ於 ケ
其 ノ他 友 愛 会 ニ於 テ要視 察 人 ヲ聘 シ主 義 上 ノ講 演 ヲ為 サ シ メ タ ル コ
一、大 杉 栄 ハ客 年 中 二、 三 回神 戸 ﹁ジ ヤ パ ンク ロニク ル﹂記 者 露 国
尚 露 国 人 ト ノ関 係 ニ就 テ ハ次 ノ事 例 ア リ
於 テ要 視 察 人 ノ主 催 セ ル集 会 ハ百 十 件 ニシ テ此 ノ内 警 察 官 ニ於 テ論
加 ヘ居 レ リ大 正九 年 一月 一日 ヨリ同年 十 二 月十 日 ニ至 ルノ間 東 京 ニ
又 要 視 察 人 ノ集 会 論 議 ニ対 シ テ ハ治 安警 察 法 ニ依 リ適 当 ナ ル取 締 ヲ
ス
議 ヲ中 止 シ タ ル モ ノ七十 三件 、集 会 ノ解 散 ヲ命 シタ ル モノ十 七 件 ト
過 激派 ノ疑 ﹁イ バ ン 、 コズ ロ フ ﹂ (ア )ノ訪 問 ヲ受 ケ タ ル コト ア リ 又客 ル モノ
人
臘 露 国 婦人 宅 ノ 一室 ヲ借 入 レタ ル ハ曩 ニ記 セ ル如 シ 過激 派 ノ疑 ﹁エ ロ シ エ ン コ﹂ (ア )ハ東 京 ニ於 テ 同 志 及思 想団 ル モノ
右 集 会 其 ノ他 ニ際 シ暴 行 ヲ為 シ其 ノ他 公 安 ヲ害 ス ル虞 ア ル者 ニ対 シ
一、 露 国 人
体員 等 ト交 際 シ居 レリ
テ ハ必 要 ニ応 シ行 政 検 束 ニ付 シ単 ニ危 害 ヲ防 止 ス ル ニ止 メ其 ノ情 最
国
一人
△ 一人
一人
△ 一人
(了 )
日本 社会主義
一、林 正俊 (甲号)ハ西 比 利 ニ渡航 シ同 地 過激 派 ニ接 シ 日本 軍 隊 ニ宣伝
アリ
モ重 キ モノヽ ミ之 ヲ刑事 訴追 セリ目 下 繋 属 中 ノ モノ 二件(同盟 ニ関 スル モノ 一件 、 荒 畑 勝 三 等 一派 ノ モ ノ 一件)
文書 ヲ頒布 シ処分 ヲ受 ケ目下金沢監獄福井分監 入監中 ナリ 無編) 一、 思 想 団 体 ニ関 係 ヲ有 セ シ 早稲 田 大 学講 師 木 村 久 一(入 者 等 ハ露
国 過 激 派 ヨリ出 テ タ ル不 敬 文 書 ヲ転 得受 授 シ去 ル十 二月 廿 日東 京控
一、 米
逸
六人 一、 独
那
外国在留者調
一、 支
一人
訴 院 ニ於 テ不敬 罪 ニ依 リ懲 役 一年 ノ言渡 ヲ受 ク
一、英 領 印度
一人
△ 二一 人
本 要 視 察 人 ハ名 簿 ニ編 入 シ特 殊 ノ視 察 取 締 ヲ加 ヘ居 レリ之 カ方 針 ニ
一、 南
第 五 要 視 察 人 ニ対 ス ル取 締
就 テ ハ従 来 ト異 ル所 ナ ク内 密 査 察 ヲ加 ヘ各 種 ノ計 劃 ヲ事 前 ニ偵 知 シ
一、 新 嘉 坡
県
道庁及 府
北海道
現 甲
乙
在
丙
人
員
計
大正九年 一月 一日 現在
大正九年 一月現在 ニ対スル 増減比較
特別要視察人現在人員及増減比較表 大正十年 一月十日調
備 考 △印 ハ無 政 府 主 義 者
洋
シ ム ル ニ努 ム ルト雖 不逞 ノ行 動 ニ出 ツ ル モノ ニ対 シ テ ハ夫 々法 令 ニ
不穏 過 激 ノ行 動 ニ対 シ テ ハ予 メ注 意 警 告 ヲ与 ヘ可 成刑 辟 ニ触 レサ ラ
従 ヒ厳 重 ナ ル取 締 ヲ加 ヘ居 レリ 取 締 方 法 ハ多 岐 ニ渉 リ詳 説 ス ル コト ヲ得 サ ル モ其 ノ刊 行 物 ニ対 シテ ハ新 聞 紙 法 、出 版 法 ニ依 リ内 容 不穏 ノ モノ ニ対 シ テ ハ発 売頒 布 ヲ禁 止 シ更 ニ司 法 処 分 ニ付 セリ昨 年 中 要 視 察 人 ノ機 関 紙 又 ハ寄稿 、著 述 ニ係 リ 又 ハ要 視 察 人 ノ所 為 ナ ル疑 アリ テ安 寧 秩 序 ヲ害 スル モ ノト シ テ発 売頒 布 ヲ禁 止 セ ラ レ タ ル モ ノ ハ新 聞 紙 法十 七 件 出版 法 ニ依 ル モ ノ二 十 七件 ア リ右 ノ内 司 法 処 分 ニ移 シタ ル モノ ハ八 件 ト ス
東 宮
長
島
城
野
京
京 都 福
青 森
大 阪
庫
山 形
手
兵 崎
秋
岩
長 潟
神奈 川
新
福 井
滋
山
静
愛
栃
茨
千
群
賀
梨
岡
知
三 重
奈
阜
良
木
城
葉
馬
愛
香
徳
広
鳥
富
石
島
口
島
岡 山
島
川
和歌山
山
媛
根
取
山
川
田
埼 玉
岐
宮
熊
佐
大
福
高
崎
本
賀
分
岡
知
沖 計
縄
鹿児島
合 備 考 増 減 比 較 調 中 △印 ヲ附 シ タ ル ハ減 ヲ示 ス
一三 特 別 要 視 察 人 状 勢 調 大正十年度
労 働 社
東 京 北郊 自 主会
自 由 人聯 盟
建 設 者 同 盟
三四 7 3
三二 72
二九 7 1
二七 71
七 7 4
三五 73
四〇 75
オ ー ロ ラ 協会 三
赤 瀾 会
四一 76
第壱 号 大 正 十年 度
コ スモ倶 楽 部
五 月 会
四五 77 四七 78
特別要視察人状勢調
五〇 82
四三 76
特 別 高 等係
(四) 特 別 要 視 察 人 ノ文 書 ニ依 ル主義 宣 伝 大 正 十年 中 特別 要視 察 人 定 期 刊 行 物 調 査 表
四四 77
大 正 十 年 中 特別 要視 察 人 著 作 物 調 査 表
五四 8 4
五七 88 六六 92
五三 83
( 五) 特 別 要 視 察 人 ノ犯 罪 大 正 十 年 中 特別 要 視 察 人 犯 罪 表
以
説
上
七三 96
六八 94 七二 96
概
会合 ( 出席者 ニシテ氏名 ノ判明 セルモノ)
六) ( 管 外 特 別 要視 察人 入京 状 況 来 往 者 数 其 ノ他
大 正 十年 中特 別 要視 察 人 関 係 禁 止新 聞 雑誌 調査 表
日本 社会 主義 同盟 研究 会
次
二 三 69
大 正 十 年 中 特別 要視 察 人 関 係 禁 止 出 版 物 調 査 表
東 京 労働 運 動 同盟 会 目
丁 一 59
説
一 七 67
概
一 八 67
九 6 3 一一 63
新 編 入 ノ部
一 八 67
(一 ) 特 別 要 視 察 人 ノ系統 特 別 要 視 察 人 系統 別 調 査 表
転 入 ノ部
一 六 66
転 出 ノ部
一 九 67
) (二 特 別 要 視 察 人 ノ消 長 大 正 十 年 中特 別要 視 察 人 名 簿 異 動
削 除 ノ部
二六 70
二〇 68 68
新 人 会
( 三) 集 団 関 係 日本 社会 主 義 同盟 二二
暁 民会
一 露 国革 命 ノ結 果 カ我 国 思 想 界 ニ与 ヘタ ル影 響 ノ甚 大 ナ ルモ ノ ナ
行 シ露 国 共産 党 ニ加 盟 セ ル朝 鮮 仮政 府 ノ主 脳 者 朴 致 順 、 李 東 輝 、 金
向 ヲ顕 著 ニ シ本 年 六 月 共 産 主義 ヲ主 張 セ ル甲 号 近藤 栄 蔵 カ上 海 ニ潜
結 社 ヲ組 織 スル ニ至 レ リ本 秘 密結 社 ニ加 盟 セ ル者 ト シ テ判 明 セ ル ハ
立 (唐 一民 ) 一派 ヨリ宣 伝 費 ヲ獲 テ帰 ル ヤ彼 ハ本 年 八月 中 旬 我 国 社
甲 号高 津 正 道 、 高 瀬 清 、 川 崎 悦行 、 山上 正 義 、 中 宗 根 源 和 、 小野 兼
ル コト ハ喋 々 ヲ要 セ サ ル所 ナ ル モ大 正 七年 后 半 ニ至 リ片 々 ト シ テ潜
間 幾 多 ノ分 派 ア リ テ統 一的ニ 一 致 ノ行 動 ニ出 ツ ル能 ハサ リ キ大 正 九
次 郎 、 近藤 栄 蔵 、 要 注 意 人 平 田 晋策 等 ノ少 数 ニ過 キ サ リ シ モ之 レ司
入 シ来 レ ル材 料 ニ依 リ露 国革 命 ノ真 意 義 カ 我国 社 会 主 義 ノ間 ニ知 悉
年 八月 ニ至 リ国 家 社会 主義 者 ヲ除 ク各 派 ノ同 志 ヲ網 羅 シ テ日本 社 会
法 上 ノ処 分 ヲ為 ス ニ必 要 ナ ル見 地 ヨリ証 拠 材 料 明 カ ナ ル モノヽ ミ ニ
ト シ テボ リ シ エヴ ヰ キ政府 ノ樹 立 ヲ目的 ト ス ル暁 民 共 産 党 ナ ル秘 密
主 義 同 盟 組 織 セ ラ レ タリ本 同 盟 ノ実 質 ハ漠 然 タ ル革 命 的 憧 憬 ノ下 ニ
シテ山 川 夫 妻 、 田 所 輝 明 、要 注 意 人 佐 野 一夫 、 荒 井 邦 之 介 、中 村 八
会 主 義 者 ノ双璧 山 川 均 、 堺 利彦 等 ニ謀 リ思 想 団 体 暁 民 会 一派 ヲ中 堅
雷 同 的 ニ結 合 セ ル集 団 ニシ テ実 行機 関 ト シ テノ活 動 ト シ テ ハ両度 ノ
十 二等 モ亦 加 盟 シ居 タ ル コト ハ想 像 ニ難 カ ラ サ ル ナ リ
セ ラ ルヽ ヤ彼 等 カ革 命 ノ達成 ニ対 シ憧 憬 ノ念 ヲ有 シ タ ル ハ争 フ ヘ カ
大 会 ヲ開 キ 一般 社 会 ニ刺 戟 ヲ与 ヘタ ル ニ止 マリ具 体 的 効 果 ト シ テ只
ラ ス然 レト モ彼 等 ノ思 想 ハ依 然 ト シ テ無 政 府 主 義 的 傾 向 ヲ有 シ其 ノ
僅 カ ニ全 国 ニ亙 リ約 一千 名 ノ新 同 志 ヲ糾 合 シ得 タ ル ノ ミ ニシ テ大 正
モ過 言 ニ非 ラ サ ル ヘ ク彼 等 ハ千 個 ノ爆 弾 ニ依 リ千 人 ノ要路 者 ヲ屠 サ
暁 民 共 産 党 ノ成 立 ハ我 国社 会 主 義 運 動ニ一 新 紀 元 ヲ劃 シ タリ ト 云 フ
ン ヨリ ハ思 想 上 ヨリ 一個 師 団 ノ兵 卒 十 万 ノ無 産 階 級 ヲ赤 化 ス ル ハ革
十 年 五月 解 散 ノ運 命 ニ逢 着 シ タ ル モ其 ノ残 骸 ハ依 然 タ ル モ ノ ニ シ テ
郎 居 住 シ主 義 同 盟 当 時 ニ糾合 セ ル名 簿 ヲ備 付 ケ主義 ニ関 ス ル印刷 物
ヲ目 標 ト シ共産 主義 ノ宣 伝 ヲ試 ント スル ニ至 レ リ
命 ヲ導 ク ニ有効 ナリ ト ノ見 解 ヨリ軍 隊 、 労 働 者 、 小 学教 員 、小 作 人
其 ノ旧 事 務 所 タ ル麹 町 区 元園 町 一丁 目 四 十 四 番 地 ニ ハ甲 号 岩 佐作 太
ア リ 又同 所 ニ於 テ屡 々主 義 者 ノ会 合 ヲ催 シ最 近 企 劃 シ タ ル露 国 飢饉
等 ヲ配 布 シ或 ハ寄 附 金 名義 ノ下 ニ之 等 ノ者 ヨリ金 円 ヲ集 メタ ル事 実
先 ツ暁 民 共産 党 成立 ノ ﹁デ モ ン スト レー シ ヨン﹂ ト シ テポ スタ ー ニ
依 ル宣 伝 ヲ企劃 シ八月 下 旬 ﹁ポ スタ ー﹂ 六 万 五 千枚 ヲ印 刷 シ皇 太 子
露 国 革 命 ノ実 情漸 ク明 カト為 ルヤ共 産 主 義 ニ傾 ク者多 ク我国 主
又 近藤 栄蔵 ハ十 一月 二十 一日折 柄特 別 大演 習 ノ為 メ都 市 ニ宿 泊 セ ル
二
救 済 会 ニ就 テ モ同 所 ヲ以 テ其 ノ事 務 所 ニ充 テ タ リ
軍 隊 ニ対 シ共 産 主 義 ノ宣 伝 ヲ為 サ ント 企劃 シ要 注 意 人 浦 田 武 雄 、 堺
殿 下 御 外遊 ヨリ ノ御 帰 朝 当 日 一斉 ニ貼 付 宣 伝 セ ント シタ ル モ果 サ ス
初 期 ハ主 ト シ テ此 ノ論 争 ノ為 メ ニ時 日 ノ経 過 ヲ見 タリ シカ露 国 革 命
真 柄 、中 宗 根 貞 代 等 ト謀 リ日本 共産 党 ノ名 義 ヲ以 テ ﹁軍 人 諸 君兄 弟
遂 ニ十 一月 十 二 日全 国 主 要 都 市 ニ貼 付 宣伝 ス ル ニ至 レリ
完 成 シ露都 莫 斯 科 ニ万国 共 産 党 大 会 開 催 セ ラ レ世界 赤 化 ノ方 針 確 立
よ ﹂ ト題 ス ル不 穏 文 書 ヲ印 刷 配 布 シ タリ
ニ開 カ レ タ ル小集 会 ニ於 テ ハ此 ノ題 目 ニ付 テ論争 セ ラ レ大 正 十 年 ノ
セ ラ ルヽ ヤ我 国主 義 者 ノ間 ニ大 ナ ル刺 戟 ヲ与 ヘ共産 主 義 ニ共 鳴 スル
義 者 ハ無 政 府主 義 対共 産 主 義 ノ論 争 ニ日 モ足 ラサ ル有 様 ニシテ随 所
者 漸 ク滋 ク無政 府 主義 ヲ抱 持 セ ル者 モ漸 次 共産 主義 ニ改 宗 スル ノ傾
至 レリ大 正 十 年 十 月 上 旬共 産 党 員 タ ル支 那 人 張 太雷 ナ ル モノ密 旨 ヲ
出 張 員 ヲ派 遣 シ我 国 社会 主 義 者 ト ノ間 ニ直接 連 絡 ヲ執 ラ ント スル ニ
ハ恣 ニ費 消 シタ ル為 信用 ヲ失 墜 シタ ル ヨリ露 国 共産 党 ハ自 ラ上 海 ニ
社 会 主 義 者 等 ニ対 シテ ハ僅 少 ノ宣 伝 費 ヲ交 付 シ タ ル ニ過 キ ス大 部 分
致 順 、 李 東 輝 、金 立 一派 ハ巨 額 ノ宣 伝 費 ヲ獲 得 セ ル ニ拘 ハラ ス日 本
三 露 国 共産 党 カ 日本 社 会 主義 者 ト ノ中 継 機 関 ト セ シ朝 鮮 仮 政 府 朴
ハ山 川 均 等 ノ指導 ス ル所 ニ シ テ其 ノ宣 言 書 ハ山 川 ノ手 ニ成 レ ル モ ノ
テ発 会 式 ヲ挙 ケ タ ル芝 浦 製 作 所 職 工等 ヲ以 テ組織 セ ル芝 浦 労 働 組 合
策 シ ツ ヽア ル所 ナリ現 ニ大 正 十 年 九 月 十 七 日 麻布 区本 村 町南 座 ニ於
業 ヲ誘 致 シ以 テ革 命 的 気 分 ヲ濃 厚 ナ ラ シ メ ント ス ル ハ彼 等 ノ常 ニ劃
国 主 要 地 ニ共産 党 分 団 ヲ設 ケ凡 有機 会 ヲ捉 ヘテ工場 労 働 者 ノ同 盟 罷
日 本 共産 党 員 八十 九 名 ノ内 四 分 ノ三 ハ工場 労 働 者 ナリ ト呼 号 セ リ全
五
国 共産 党 員 ﹁ゴ ー ル マ ン﹂ ﹁ニ コリ スキ ー﹂ 等 ニ密 書 ヲ送 レ リ
ノ中 高 尾 平兵 衛 ハ十 一月 中 旬 帰 国 シ偽 名 ヲ以 テ府 下 淀 橋 町 ニ 一家 ヲ
接 露 国 共産 党 ト連 絡 ヲ執 ラ ンカ為 メ ナ ル コト ハ明 カ ナ リ而 シ テ 一行
党 大会 ニ出 席 ス ヘク入 露 セ ル モ ノナ リ ト称 セラ ル ヽモ其 ノ真 意 ハ直
ク﹂ ニ於 テ開 催 セ ラ レ シ ﹁ワ シ ント ン﹂ 会 議 ニ反 対 スル為 メ ノ共産
何 レ モ十 月 下 旬 相 前 後 シ テ出 発 入露 ス ル ニ至 レリ彼 等 ハ ﹁イ ル ク ツ
郎 、吉 田 一、 高 尾 平 兵衛 、徳 田球 一等 ヲ派 遣 ス ル コト ヽ シ彼 等 ハ
主義 宣 伝 ノ中 継 所 ニ シ テ我 国 社 会 主義 運動 ノ形勢 ハ上海 ニ於 ケ ル露
如 キ絶 テ其 ノ間 ノ消 息 ヲ説 明 シ得 テ余 リ ア ル ヘシ而 シテ上 海 ハ共 産
ヲ有 ス ルカ如 キ上 海 ﹁ライ フ﹂ ニ於 ケ ル共 産 党 宣 伝 機 関 関 係 者 ニ露 ︹ 雷︺ 国 人支 那人 ノ在 ルカ如 キ高瀬 等 入露 事 件 ニ関 係 セ ル支 那 人 張 太 羅 ノ
衛 等 ヲ中 心 ト シテ企 劃 セ ラ レ シ露 国飢饉 救 済 会 ニ朝 鮮 人 団 体 ノ関 係
ラサ ル事 象 ナ リ近 藤 栄蔵 事件 ニ於 ケ ル朝 鮮 人 李 増 林 ノ如 キ高 尾 平 兵
六
ナ リ ト ノ聞 ヘア リ
彼 等 カ宣 伝 ノ目 標 ト セ ル工 場労 働 者 ノ赤 化 ニ ハ可 ナ リ ニ努 力 シ
シ旅 費 ヲ交 付 セ リ山 川 、堺 、 近藤 ハ相 議 シ テ甲 号高 瀬 清 、和 田軌 一
帯 ヒテ渡 来 シ堺 、 山 川 、 近藤 等 ニ会 シ 日本 社 会 主義 者 ノ入露 ヲ慫慂
借 受 ケ潜 伏 シ甲 号岩 佐 作 太郎 、望 月 桂 、 中 名 生幸 力 等 ヲ表 面 ノ人 物
鮮 支 那 等 同志 ノ活 動 ト密 接 ナ ル関 係 ヲ有 ス ル ヤ明 カナ リ右 上海 ニ於 ケ ル状 況 ヲ略 述 セ ン ニ
社 会 主 義 運 動 ト朝 鮮 人 、 支 那人 、露 国 人 ト ノ関 係 ハ看 過 ス ヘカ
ト シテ露 国 飢饉 救 済 ナ ル美 名 ノ下 ニ講 演 会 、絵 画展 覧 会 等 ニ依 リ労
メ 一時 中 絶 スル ノ止 ムナ キ ニ至 レリ而 シ テ彼 レ ハ宣 伝費 ト シテ 五千
働 団 体 ノ左 傾 分 子 ノ団 結 ヲ企 劃 シタ リ シ カ事 前 ニ観 破 セ ラ レタ ル為
国 社会 主 義 者 ハ茲 ニ勢 ヲ得 共産 主 義 ニ共 鳴 スル者 益 々多 ク暁 民共 産
四
タ ル ニ拘 ラ ス之 ヲ曖 昧裡 ニ費 消 セ ル為 メ信 用 ヲ失 墜 シ目 下 李東 輝
ニ岐 ル李 東 輝 ハ曩 ニ露 国 労 農 政 府 ヨリ巨 額 ノ宣 伝 費 ノ交附 ヲ受 ケ
於 テ ハ異 ル ナ キ モ行 動 上 ヨリ観 察 シテ李 東 輝 一派 ト 呂 運亨 一派 ト
在 上 海 朝 鮮 人 ノ大 部 分 ハ共 産 主 義 者 ナ リ而 シ テ同 地鮮 人 ハ思 想 ニ
(イ) 朝 鮮 人
党 ハ名称 ヲ日本 共 産 党 ト 改 メ正 式 ノ党 員 八十 九 名 ニ達 セ リト 称 ス ル
一派 ノ鮮 人 幹 部 ニシ テ上海 ニ留 ル者 ナ シ呂 運 亨 一派 ハ依然 勢 カ ア
円 ヲ受 領 シ来 レリト称 セ ラ ル
ニ至 レリ而 シテ十 一月 中 旬 ニ至 リ近藤 栄 蔵 、山 川 、 堺 ト謀 リ要注 意
張 太 雷 ノ渡 来 ニ端 ヲ発 シ直 接 露 国 共 産 党 ト ノ間 ニ連 絡 成 リ シ我
人 重 田要 一ヲ密 使 ト シテ之 ヲ上 海 ニ派 シ上 海 ラ イ フ内 ニ出 張 セ ル露
カ 上海 ニ渡 航 シタ ル際 同 人 ニ会 見 シ東 亜 共 産 党 幹 部 ノ聯 盟 ヲ組 織
於 ケ ル革 命 ノ急 先 鋒 タ ラ ン コト ヲ希望 シ居 レリ ト 云 フ先 年 大 杉 栄
動 カ ナ シ呂 ハ日本 労 働 者 カ自 覚 シ 一般 的 同盟 罷 業 ヲ実 行 シ東 洋 ニ
顕 著 ナ レ ル モノ ニシ テ今 后 ハ益 々此 ノ傾 向 ヲ濃 厚 深 刻 ナ ラ シ ム ヘシ
者 、軍 隊 、小 作 人 等 ニ向 ケ 共産 主 義 ノ思 想 ヲ鼓 吹 セ ント スル ノ傾 向
完成 シ著 シク国 際 的 性 質 ヲ帯 ヒ来 リ露 国 共産 党 ヨリ資 金 ヲ獲 テ労働
要 ス ル ニ大 正 十 年 ニ於 ケ ル社会 主義 運動 ハ露 国 共 産 党 ト ノ聯 絡 略 々
ヲ以 テ宣 伝 費 調 達 ノ為 メ莫 斯 科 ニ旅 行 セ ル事 実 ア リ
セ ン コト ヲ提 議 シタ ル モ大 杉 ハ自 己 ノ立 場 ヨリ之 ニ反 対 シ タ リト
彼 等 ハ九 月 下 旬 暁 民 会 一派 ニ加 ヘタ ル不穏 文 書 事 件 検 挙 、 十 一月 敢
ル モ呂 ハ共 産 党 ニ加 盟 シ居 ラ ス又 金 力 乏 シ ク現下 ノ状 況 ニテ ハ活
ル ヤ モ知 レ ス
謂 フ呂 ハ今 日 ニ於 テ ハ或 ハ第 三 ﹁イ ンタ ナ シ ヨナ ル﹂ ニ加 盟 シタ
ニ 一 頓 挫 ヲ来 シ タ ル形勢 ナ ル モ 一時 小 康 ヲ保 ツ ニ止 マリ目 下 入 露中
行 セ ル秘 密 結 社 及 不 穏 文 書事 件 検 挙 ニ依 ル鉄 槌 ノ為 メ相 警 戒 シ運動
飜 ツ テ思 想 界 ノ傾 向 ヲ顧 ル ニ表 面 幾 分 沈 静 ヲ見 タ ル カ如 キ モ之 唯 外
ノ同 志 者 ニ ヨリ更 ニ完全 ニ露 国 共 産 党 ト ノ連 絡 成 ル ニ至 ラハ 勢 力 ヲ
保)牛 耳 ヲ執 リ党員 六 、七 十名 ア リ 青 年 社 会 党 ハ無政 府 主義 者 ニ
観 皮 相 的 ノ見 解 ニシ テ寧 ロ従来 ノ軽噪 的 動 揺 ノ域 ヲ脱 シ現代 社会 組
上海 ニ支 那 人 ノ団 体 三 アリ 上海 共 産 党 、青 年 社 会 党 、 マル ク ス主
(ロ) 支 那人
シ テ劉 純 ( 千葉医専出身者 ナリ)景 梅 九 之 ヲ率 ヒ居 レ リ ﹁マルク ス﹂
織 変 革 ノ翹望 思想 ハ潜 在 勢 力 ヲ以 テ学 生 並 無 産 階 級 間 ヲ旺流 シ其 ノ
ル ニ至 ル ヘシ
主 義 ハ李 人 傑 其 ノ代 表 ト為 リ之 ニ属 スル モノ二 十 名内 外 ナ リ
運 動 頗 ル深 刻 味 ヲ加 フ ル ニ至 リ表 面 的 活 動 ノ中 心 タ ル ヘキ団 体 組 織
恢 復 スル ハ勿 論 彼 等 カ得 意 ト ス ル秘 密 出 版 ニ依 リ盛 ン ニ宣 伝 ヲ試 ム
( ) ハ 露 国 人
上海 共 産 党 ハ共産 主義 者 ノ集 団 ニ シテ 黄 界 民 張 平 如 ( 本 名 ハ黄定
上 海 ライ フ内 ニ露 国 共 産 党 派 遣 員 六、七 名 ア リ ﹁ニ コリ ス キ ー﹂
ニ鑑 ミ大正 十 年 度 ニ於 テ ハ新 ニ思 想 要注 意 人名 簿 ヲ作 製 シ厳 重 ナ ル
ノ如 キ従来 ニ比 シテ其 ノ数 ヲ減 シ秘 密結 社 ニ依 リ事 ヲ為 シ ツ ヽア ル
義団是 ナリ
﹁ゴ ー ル マン﹂ ﹁セミ シ コーフ ﹂ ﹁フ ア ル キ ン﹂ 等 ナ リ他 ニ自 由 社 会 党 (サ ン ヂ カリ スト) ノ団 体 ア リ ﹁メ ーノ フ スキ ー﹂ 及 ﹁メ ル
ヲ絶 チ哲 学 科 学 ノ両 方 面 ニ亙 リ 研究 的 ノ モノ多 ク 一ケ年 ヲ通 シ テ此
ノ モ ノト シ テ ハ徒 ラ ニ外 国 ノ状 況 紹 介 ノ如 キ皮 相 的 出 版 物 ハ其 ノ跡
ノ種 ノ著 作 物 三百 二十 種 ヲ超 ヘ尚 其 ノ趨 勢 ヲ持 続 シツ ヽア ル ノ傾 向
取締 ヲ為 シツ ヽア リ思 想 界 ノ趨 勢 上 文 壇 ノ潮 流 又之 ニ伴 ヒ思 想 関 係
正 十年 三月 頃 自 殺 セ リト 謂 フ
ニ アリ 以下 大 正 十 年 中 ニ於 ケ ル管 下 特 別 要 視 察 人 特 殊 ノ事 項 ニ就 テ
コフ﹂牛 耳 ヲ執 リ党 員 約 三十 名 ヲ有 シ タ リ シカ ﹁メ ル コフ﹂ ハ大
ニシ テ大正 十 年 十 一月 中 ハ約 六 万 円 ノ宣 伝 費 ヲ保 管 セ シ カ ﹁イ ル
其 ノ 概要 ヲ記 述 セ ン
上海 ライ フ内 共 産 党 派 遣 員 カ即 チ我 国 社会 主 義 ニ対 スル聯 絡 機 関
ク ツ ク﹂ 会 議 ニ東 洋 人 代 表 者 派遣 ニ付旅 費 其 ノ他 ヲ支 出 セ ル為 メ 其 ノ大部 分 ヲ費 消 シ十 一月 下 旬 ﹁ニ コリ スキ ー﹂ ハ三 週 間 ノ予 定
( ) 一 特 別要 視 察人 ノ系 統 在 京 特 別 要 視 察 人 は少 数 有 力 者 ヲ除 ク外 其 ノ抱懐 ス ル所 ノ主 義 主 張
一派 ノ吉 田 一、高 尾 平 兵 衛 、和 田 軌 一郎 等 ヲ加 ヘテ秘 密 裡 ニ暁 民 会
ニ暁 民 会 一派 ノ高 津 正 道 、高 瀬 清 、 川 崎 悦 行 、浦 田武 雄 等 及 労 働 社
主 ナ ル者 ト シ其 ノ他 労 働 団 体 正 進 会 主 宰 者 甲 号 布留 川 桂 、北 浦 千 太
和 田 久 太 郎 、村 木 源 次 郎 、服 部 浜 次 、 望 月 桂 、久 板 卯之 助 等 ヲ其 ノ
ナ ル無 政 府 主義 ヲ主 張 ス ル大 杉 栄 一派 ニシ テ岩 佐作 太郎 、 近藤 憲 二、
シ テ ハ殆 ト 論 ス ル ニ足 ラサ ル状 況 ナ リ事 情 斯 ク ノ如 ク ナ ル ヲ以 テ特
レタ ル五 月会 等 ハ単 ニ名 義 ヲ存 ス ル ニ止 マリ特 別 要 視 察 人 ノ系 統 ト
キ ス就 中 自由 人聯 盟 新 人 会 労 働 社 及 中 名 生 幸 力 等 ニ依 リ テ新 ニ興 サ
ハスト雖 其 ノ他 ノ党 派 ニ至 リ テ ハ只 僅 カ ニ旧 来 ノ幻 影 ヲ留 ム ル ニ過
リ テ稍 凋落 ノ観 ア ル モ然 カ モ同 派 ハ尚 都 下 ニ於 ケ ル 一勢 力 タ ルヲ失
一大 変動 ヲ来 セリ而 シテ従 来 重 キ ヲ為 シ タ ル大杉 栄 一派 モ本 年 ニ入
郎 等 之 ニ属 シ又 是 に 対抗 ス ル勢 力 ト シテ ハ等 シ ク無 政府 主 義 ナ ル モ
別 要 視 察 人 ノ抱持 セ ル主 義 上 ヨリ系 統 的 ニ之 ヲ区 別 セ ン コト ハ頗 ル
共産党 ( 後 日本共産党 ト改称︶ ナ ル モノ ヲ組 織 ス ル ニ至 リ茲 ニ系 統 上
時 ニ議 会 政 策 ヲ モ認 メ ント ス ル老獪 ナ ル態 度 ヲ持 セ ル堺利 彦 一派 ニ
困 難 ノ業 ニ属 ス ル モ今 之 ヲ平 素 ノ言 動 及 交 通 ノ状 態 等 ニ徴 シ区別 ス
概 シ テ 一定 セ ス多 ク ハ所 謂 大 勢 ニ支 配 セ ラ レ テ雷 同的 ニ其 ノ反 逆 性
シテ山 崎 今朝 弥 、 山 川均 等 之 ニ与 セリ其 他 共 産 主 義 ノ下 に鞏 固 ナ ル
ヲ発 揮 スル ニ過 キ ス従来 特 別 要 視 察 人 中 比 較 的 勢 力 大 ナ リ シハ極 端
団 結 ヲ成 セ ル高 津 正 道 一派 ノ暁民 会 、無 抵 抗 的 無 政 府 主義 ヲ唱 導 ス
名
備
入監中
渡米中
拘留中 入露中 入監中
考
ル時 ハ大 凡 別 表 記載 ノ如 シ
氏
甲 売文業 近 藤 栄 蔵 著述業 山 川 均 堺 利 彦 雑誌記者 ( 労 働) 片 山 潜 利彦 妻 堺 タ メ 著述 業 (均妻 ) 山 川 菊 栄 無 職 高 尾平兵衛 吉 田 一 高 津 正道
種別 職 業
特 別 要 視 察 人 系 統 別 調 査表 ( 大 正十年十 二月現在)
統 日本 共産 共産主義急進派( 党 一派)
系
ル加 藤 一夫 ノ自 由 人聯 盟 、人 道 的 無 政 府 主 義 ヲ主 唱 ス ル赤 松 克 麿 ノ 新 人 会 一派 及革 命 的 国 家社 会 主 義 ヲ持 シ テ各 派 ニ対 抗的 態度 ヲ執 レ ル高 畠 素 之 一派 、 ギ ルド社 会 主 義 ヲ理 想 ト セ ル建 設 者 同盟 ノ和 田巌 一派 並 堺 、山 川 、 大杉 等 ノ如 キブ ルジ ヨア的 社 会 主 義 者 ノ態度 ニ慊 ラ ス ト ナ シ別 ニ労働 者 ヲ組 織 セ ル吉 田 一、 高 尾 平 兵 衛等 ノ 一派 等 亦 相 当 ニ勢 力 ア リ シ カ本 年 初 期 ノ頃 兵 庫 県 ヨリ近 藤 栄 蔵 ノ転 入 シ巧 ニ 露 西 亜 共 産 党 政 府 ト連 絡 ヲ付 ク ル ニ及 ヒ従 来 ソビ ヱツト 露 西 亜 ニ恋 々ノ情 ヲ秘 メ タ ル モ其 ノ内 情 ニ疎 ク為 メ ニ幾 分 疑 惧 ノ念 ニ捉 ハレ居 タ ル東 京 同 志 等 ハ茲 ニ 一 大後 援 者 ヲ得 タ ルカ ノ如 ク期 セ ス シ テ共産 主 義 ニ傾 キ加 フ ル ニ堺 一派 ヲ中 心 ト シ テ各 派 ト モ相 当 ニ望 ヲ嘱 シ居 タ ル日本 社 会 主 義 同 盟 カ五 月末 遂 ニ解 散 ノ悲 境 ニ陥 ル ヤ早 ク モ堺 及 山 川等 ハ従 来 ノ態 度 ヲ豹 変 シ先 ツ 近藤 栄 蔵 ト密 接 ナ ル関 係 ヲ結 ヒ亜 テ 大庭 景 秋 、 徳 田 球 一、 仲 宗根 源 和 、山 上正 義 等 ヲ自 党 ノ者 ト シ之
共産主義漸進派
高 瀬 清 著述業 助 手 仲宗根源和 源和妻 仲宗根貞代 無 職 川崎 悦 行 著述業 山 上 正 義 会社員 浦 田 武 雄 著述助手 西 雅 雄 新聞記者 大 庭 景 秋 荷造夫 小 林 康 重 弁護 士 徳 田 球 一 無 職 寺 田 鼎 活 版 印刷 工 中 尾新 三郎 機械 工 渡 辺 善 寿 三田村 四 九 津 見 房 郎内妻 乙 無 職 和 田軌 一郎 甲 弁護 士 山崎今朝弥 書画骨 助 松 董売買 南 雑誌 記者 岡野辰之助 著述業 宮 島 信 泰 飲食店 岩崎善右衛門 印刷所 雑役夫 栗 原 光 三 無 職 竹 内義 幹 雑誌配達 吉 田 順 司 活 版 印刷 工 北浦千太郎 靴店員 蓮 藤 助 活 版 諏訪与 三郎 印刷 工 無 職 原沢武之助 飲食店 藤 田 皐 三
入露 中 入監中 入監中
入露中 入露中 入監中
大坂 ヘ旅行中 入露中
神奈川県下 ヘ 旅行中 病臥中
大杉栄 無政府 主義 急進派 (派 一)
塗
無
望 月 桂 橋浦 時雄 服部 浜 次
久板卯之助 所在 不明中 村木源 次郎 車 隆 三
吉 川守 邦 百 瀬 晋 添 田平 吉
幸 内秀 夫 大井永太郎 日吉春 雄 布留川 桂 小林進次郎 伊藤武太郎 所在不明中 水沼 熊 高野純 三郎 岩佐作太郎 近藤 憲 二 和田久太郎 中村 還 一
職 栗林 四郎 一 工 天土松 太郎 長谷川辰治 四野宮仲吉 中西伊之助 朝鮮旅行中 竹村菊之助
無 職 逓信省簡易 保険局雇員 乙 著述業 活 版 印刷 工 外国語飜
訳 助手 靴 工 活 版 印刷 工
新聞配達 機械職 工 甲 学 生 雑誌経 営補助 雑誌記者
著述及 売文業 新聞広告 取次業 雑誌記者 歌 本 著述業 無 職
活動写真 館飯炊 画及図 案師 雑誌記者 洋服店主
無政府主義 漸進派
新聞広 石 井 鉄 治 告 取 欧 文 水 沼 辰 印刷 工 無 職 山本 智雄 活 版 延島 英 一 印刷 工 著述業 赤 松 克 麿 学 生 和 田 巌 無 職 中名生幸力 八 幡兼松 活 版 岡 千 代彦 乙 印刷 工 新聞取 吉 本 俊 一 次所主 活 版 印刷 工 木 村 武 三 染工技手 根 岸 正 吉 病臥中 乙 無 職 加 藤 昇 雑誌社 伊豆味正重 所在 不明中 小 使 甲 金 櫛 斎藤兼次郎 製造業 毛織物 商店員 五十里幸太郎 著述業 神 近 イ チ 図書館 事務員 竹 内 善 朔 監獄看守 田中千代吉 無 職 大 石 七 分 京都 ヘ旅行中 倭 衛 渡仏中 洋 画家 林 活 版 高 田 公 三 現役歩 兵ト シ テ満 州駐屯中 印刷 工 弁護士 宮 崎 竜 介 護 大阪 ヘ旅行中 無 職 浅 野 著述 飜訳 石川 三四郎 渡白中 無 職 木 村 信児 国家社会主義派
社会主義 派
阿 部 四郎
溝 口貞 夫
厚田正二 宮 武 外骨
沖野岩 三郎
乙 剃刀職 工 横山新之助 印刷校正 丹 潔 兼著述 製図機 松本文充郎 械 工 ブ リキ工 長沢九 一郎 図案 工 長沢確三郎 甲 著述飜訳 高 畠 素 之 遠藤友四郎 茂木 久 平 守 田文 治 福 田狂 二 尾崎 士 郎 小栗慶太郎 神 崎 儲 植原悦 二郎 関 未 代 作 京都 ヘ旅 行中 有 吉 三吉 植山治太郎
無 職 新聞記者 無 職 乙 著述業 著述助手 乙 無 職 甲 代議士 新聞 記者 護謨製 品加 工 時計商 牧師及 著述業 印刷業 著述業 雑誌 社 事務員 会 社員
新 聞社外 市 川 藤 市 電 飜訳係 無 職 小 池 芳 造 入監中 乙 黒 瀬 春吉 著述 業 安 成 貞 雄 早大教授 安 部 磯 雄
夫 、植 田好 太 郎 等 ア ル モ実 際 ニ於 テ ハ常 ニ在 京 同 志 等 ト相 往 復 ス ル
ノ ミ ナ ラ ス近 来其 ノ運動 振 カ著 シク全 国 的 ト ナ リ タ ル関 係 上実 際 運
動 上 ニ於 テ サ シタ ル変 化 ナ キ ノ ミ ナ ラ ス近 藤 栄蔵 ノ転 入 ハ在 京 同 志
キ活 況 ヲ呈 ス ル ニ至 レリ而 シ テ新 編 入者 ト シ テ ハ僅 々学 生 十 四名 労
間 ニ 一段 ノ活 気 ヲ与 ヘ殊 ニ共 産 主 義 者 ノ宣 伝 運動 ニ至 リ テ ハ目 覚 シ
働 者 八名 ニ過 キ サ ル モ是 ヲ 一般 的 ニ観 察 ス ルト キ ハ学 生 労 働 者 等 ハ
国 内 及 海 外 ノ思 想 界 竝 ニ労 資 問 題 ノ趨 勢 ニ刺戟 セ ラ レ 一般 ニ思 想 荒
廃 シ動 モ ス レ ハ主 義 的 言 語 ニ出 テ ント ス ル者続 出 ス ル状 勢 ニ シテ管
下 全 般 ニ亙 リ之 ヲ計 上 セ ント セ ハ夥 シ キ数 字 ニ上 ル ヘ ク特 ニ無 政 府
主 義 者 共 産 主 義 者 ﹁サ ンヂ カ リ スト ﹂等 ト共 ニ集 会 論 議 シ又 ハ往 復
テ モ其 ノ数 実 ニ千 四 、五 百 名 ヲ算 セリ而 シテ之 等 要 注 意 者 ニ対 シ テ
通信 シ或 ハ之 等 運 動 ニ附 和 雷 同 セ ムト ス ルカ如 キ言 動 ア ル者 ノ ミ ニ
ハ名 簿 編 入 前 ト雖 常 ニ其 ノ言 動 ニ対 シ深 甚 ノ注 意 視 察 ヲ加 ヘ居 レ ル
カ特 別 要 視 察 人 ト シ テ名簿 編 入 ニ当 リ テ ハ各 本 人 ノ将 来 ニ鑑 ミ其 ノ
特 別 要 視 察 人 ハ常 ニ異動 アリ テ其 ノ数 一定 セ スト雖 従来 大概 百 五十
的 信 念 濃 厚 ナ ル者 ノ ミ ヲ編 入 ス ルノ方 針 ヲ採 レリ尚 目下 ノ所 急 速 編
労 働 要 視 察 人 ト シ テ視 察 ス ル ヲ得 策 ト認 メ真 ニ思 想 的 ニ自覚 シ主 義
其 ノ主 義 的 言動 ア ル者 ト雖 多 ク ハ労 資 ノ問 題 ニ基 因 スル ヲ以 テ寧 ロ
三好慶 吉
高橋 勝作
安 田俊 三
雑誌記者 島 中 雄 三 白柳 武 司 印刷業主 谷 田 徳 三 玩具製造 幸 内久太郎 農 及 養鶏業 江渡 幸三郎 著述 業 小池第次郎 生 田 弘治 宮 地 嘉六 堀 ヤ ス 若林 ヤヨ 栗 田 五郎
無 職 裁 縫内職 洋 服 裁縫職 流行 唄 読 売 屑物買出 組合顧問 運送店 人 夫
抱 懐 ス ル思 想 ノ程度 境 遇 竝平 素 ノ言 動 等 苟 モ其 ノ身 上 ニ対 シ慎 重視
名 内 外 ヲ算 シ タ リ シカ 大 正十 年 末 ニ於 ケ ル名 簿 現 在 ニ於 テ ハ百 三十
入 見 込 ノ者 約 三 十 名 ニ達 セリ
察 考 慮 ノ上 ナ ラテ ハ之 ヲ決 定 セサ ル コト ヽシ殊 ニ労 働 者 ニア リテ ハ
一名 ナ リ之 レヲ大 正 九年 末 ニ於 ケ ル百 五十 三名 ニ比較 ス ルト キ ハ名
(二) 特 別 要 視 察 人 ノ消 長
簿 上総 数 ニ於 テ 二十 二 名 ノ減 少 ヲ見 タ ル カ本 年 中 ニ於 ケ ル名 簿 異 動 ハ別 表 ニ 示 スカ如 ク病 死 又 ハ思 想 緩 和 シ タ ル結 果 視 察 ノ要 ナ キ モノ ト認 メ削 除 セ ル モ ノ四 十 二名 新 編 入 者 二十 二名 他府 県 ヘ転 出 セ ル者 十 一名 他 府 県 ヨリ転 入 セ ル モノ九 名 ニシ テ転 出者 中 ニ ハ従来 一派 ノ 首 領 ト シ テ在 京 同 志間 ニ重 キ ヲ為 シ タ ル大 杉 栄 、荒 畑 勝 三 、加 藤 一
種別 甲
種別 乙
丙
編 入月日 七月二十六日
名
八幡兼 松 十月二十六日
氏
大正十年中特 別要視察人名簿異動 新 編 入 ノ 部
種別
三月五日
山 上 正義 十二月十六日
編 入月日
北浦 千太郎 七月 八 日
大庭 景 秋 十月二十七日
名
天土松太郎 十 二月 二十 六 日
渡 辺善 寿 五 月 一日
氏
寺 田 十 二 月十 九 日 和 田 軌 一郎
十月二十二日
甲
小林 康 重 十 二月 十 六 日
川 崎悦 行
鼎
中尾新 三郎 十 二 月 十六 日
五月 十 四 日
雅雄
西 清
三月五日
高 瀬 蓮
七月八日
一 十 二 月 二十 日 五月 十 日
仲宗根貞代
徳 田 球
中名生幸力 七月 五日
十 一月 十 七 日
藤 助
仲宗根源和
中 島
名
実
十 二月七日
浦 田 武雄
氏
十二月七日
乙
種別
伊藤武 太郎 雄谷巳之助 毛 利 一郎
一月 二 日 岐 阜 ヨリ
転 入月 日 前 住 地 一月 二十 六 日 千 葉 ヨリ 六月 十 三 日 神 奈 川 ヨリ
高 野純三郎
七月四日
名
七月八 日 乙 沖 縄 ヨリ 十 二月 十 五 日 丙 和 歌 山 ヨリ 二月 十 二 日 岩 手 ヨリ
転入月日 前 住 地
転 入 ノ 部
藤田皐三
氏 伊豆味正重 三好慶 吉 小成 田恒郎
丙 木村 信 児
川 崎辰 雄
三月十五日 福 岡 ヨリ 六月十七 日 長 野 ヨリ
転 出 ノ部 名
転出月日 及府県名
削 除 ノ部
甲
種別
甲
削除月 日
丙
種別
乙
十 一月 二十 七 日 (死 亡 )
名 原 田新太郎
八月 二十 二 日
氏
吉村於菟也
大 杉 栄 十 二月 五 日 神奈川 ヘ 三月三日 岡本八枝太 京 都ヘ 十 二月 五 日 伊 藤 ノ ヱ 神奈川 ヘ 荒 畑 勝 三 八月十 日 京都 ヘ 十 二月 八 日 加 藤 一夫 神奈川 ヘ 二月 二 日 大阪 ヘ
氏
甲
種別 甲
種別 乙
京 祐
名
近藤 栄蔵
氏
小山 勝清
植 田好太郎
栄
雑 賀 習之
大 里
名
小松利兵衛
氏
十 月 二十 八 日 兵 庫 ヨリ
転出月 日 及府県名 十月十九 日 熊本 ヘ 十 二月八日 神奈川 ヘ 十 二 月九 日 山口 ヘ 七月 二十 日 大阪 ヘ 十 月 二十 日 山形 ヘ
削除月日
八 月 二十 五 日
小沢 守 郎
井 原 孝 一
西川光次郎
小成田恒郎
八 月 二十 二 日
西村 辰五郎
川崎 辰雄
雄谷巳之助
肇
林
細 井
吉 田
信 逸 見斧 吉
乙
徳永保之助 村 田 四郎
高 田集蔵
千賀俊 蔵
斉
乙 宮 島 ウ ラ
山 田
高 島大 円 甲
伝
倫
田 代 一
衣 巻〓
加 隈
尾原英 夫
八月二十二日
藤 栄蔵 一派 ノ企劃 セ ル日本 共 産 党 運 動 ノ如 キ此 ノ現象 ノ生 メ ル顕 著
ナ ル事 例 ト 云 フ ヘ ク従 来 社 会 運 動 ノ標 的 ト ナ リ居 タ ル思 想団 体 ノ如
キ亦 此 ノ影響 ヲ受 ケ既 往 数 年 間 ニ比 シ テ其 ノ創 設 数 ヲ減 シ行 動 ノ如
キ モ常 ニ当 局 監 視 離 脱 ノ方 法 ニ専 念 シ宣 伝 、会 合 、出 版 ノ多 ク ハ秘
密裡 ニ行 ハント ス ルノ傾 向 ト ナ リ視 察 取締 上 甚 大 ナ ル困 難 ヲ感 スル
ニ至 レリ本 期 間 ニ於 ケ ル団 体 状 勢 ハ政 社 ト シ テ甲 号 山崎 今 朝 弥 ヲ主
幹 ト ス ル日本 社 会 党 ( 大正二年 二月四日届出)及 甲 号 宮 武 外 骨 同 厚 田
正 二等 ノ組 織 セ ル民 本 党 ( 大正八年二月六日届出) ノ 二 ア ル モ何 レ モ
江原小弥太
近藤延太郎
下 唯 一ノ女性 社 会主 義 者 ノ集 団 ニ シテ彼 等 カ従 来 常 ニ男 性 主義 者 ノ
人 思 想 団 体 赤 瀾 会 及 無 政府 主 義 団 体 労 働 社 ノ発 現 之 レナ リ前 者 ハ管
団 体 ニ関 シ テ ハ各 別 記 ノ如 ク ナ ルカ唯茲 ニ注 意 ヲ要 ス ヘキ 一事 ハ婦
八月 二十 二日
阿比留 信 一
其 ノ名 目 ヲ存 スル ニ止 マリ全 然 行動 ノ記 ス ヘキ モノ ナ ク政 社 以 外 ノ
山路 信之助
宮 入右 久
伝
牧野 新 一
連
ノ理 想 社会 ハ真 ニ自 由 タ リ平 等 タ ル コト ヲ要 ス従 ツ テ社 会 ノ何 処 ニ
樋 口
乙
村田通太郎 野村 英 治
牧野 正雄
志 賀
一郎
モ権 力 ノ存 在 ヲ許 サ ス﹂ ト ノ信 念 ヨリ指導 者 ヲ排 斥 シ テ民 衆 綜 合 ノ
丙
松崎 源吉
毛 利
豊
山 田好 文
藤 田四郎
鈴木
日本 社 会主 義 同盟
関 係 特 別 要視 察 人氏 名
主 義 傾 向 、統 一セ ル主 義 主 張 ナ シ
記 ノ如 シ
ヲト ス ル ニ足 ル ヘキ モノト認 メラ ル本 期 間 ニ於 ケ ル各 団 体 ノ状 勢 別
一転 化 ヲ与 ヘタ ルト 同 時 ニ此 ノ両 団 体 ノ消 長 ハ我 国 社 会 運 動 ノ将 来
力 ニ依 ツ テ運 動 ヲ起 サ ント ノ主 張 ヲ有 シ両者 共 ニ従 来 ノ社 会 運 動 ニ
シ テ総 テ カ彼 ノ ﹁ピー タ ー 、 ク ロポ ト キ ン﹂ ノ思 想 ニ心酔 シ ﹁我等
ク後 者 ハ管下 特 別要 視 察 人 中 ノ極 左 分 子 ニ依 リ組 織 サ レ タ ル モノ ニ
後 塵 ヲ嘗 メ ツ ヽア リ タ ル態 度 ヲ捨 テ ヽ進 マ ント スル ノ証 左 ヲ見 ル ヘ
古 川啓 一郎 崎 谷 一郎 坂梨春 水
(三) 集団関係 管 下 ニ於 ケ ル社 会 主義 運動 カ久 シ ク持 続 シ来 レル狂噪 的 態度 ヲ変 シ テ漸 次 潜 入的 深 刻 味 ヲ帯 フ ル ニ至 レル ハ概 説 叙 述 ノ所 ナ ルカ彼 ノ 近
高 畠 素 之 一派 ニ属 ス ル所 謂 国 家 社 会 主義 者 ヲ除 キ各 府 県 ノ特 別 要 視
ル ﹁デ モ ク ラ シー﹂ 思 想 ノ鼓 吹 ニ第 一鞭 ヲ付 ケ タ ル吉 野 作 造 ニ対 シ
大 正 八年 九 月 佐 々木 安 五 郎 、 内 田良 平 等 ノ浪 人 会 一派 カ我 国 ニ於 ケ
論 難 攻 撃 ノ態度 ニ出 テ遂 ニ立 会 演 説 ヲ開 催 スル ニ至 レ ルカ此 ノ浪 人
察 人 ニシ テ関 係 ヲ有 セサ ル モノ ナ シ
会 ノ態 度 ニ憤 慨 シ之 ニ対抗 ス ヘク東 京 帝 大 学 生 ノ 一部 ニ依 リ組 織 シ
消 長 、 行動 竝 現勢
サ ル モ全 然 関 係 ヲ断 テ ル ニ ア ラ ス而 シ テ赤 松 宮 崎 共 ニ共 産 主 義 抱 持
一 本 同 盟 ハ戦後 ニ於 ケ ル思 想 界 ノ動 揺 ヲ機 ト シ在 京特 別 要 視 察 人
者 ナルカ ( 赤松 ハ時 々 ﹁ト レード ユニオ ニズ ム﹂(労働 組合主義)ヲ叫 フカ
タ ル モ ノ ニシ テ赤 松 、宮 崎 共 ニ当 時 ノ創 立 者 ナリ 宮 崎 ハ大 正 九年 中
二 二月 末 第 一回 大会 報 告 ノ印 刷 物 ヲ作 製 各 同 人 ニ郵 送 セ ル ヲ発売
如 キ モ之 レ唯本名 カ日本労働総 同盟 (旧名友愛会)幹部 タル関係 ヨリ 便宜手
等 カ各 府 県 下 ニ亙 レ ル主 義 的 思 想 抱 持 者 ノ実 数 ヲ知 リ併 テ之 等 ト ノ
頒 布 ヲ禁 止 セ リ其 ノ後機 関 誌 ﹁社会 主 義 ﹂ ヲ発 行 シ テ主 義 宣 伝 ヲ為
段 トシテ斯 クスル ニ過キ スシテ真情 ハ共産主義 ニアリ︶本 会 ハ会 員 ノ 主義
ト ナ リ除 名 問 題 ヲ惹 起 セ シ コト アリ爾 来 両 者 ノ関 係 従 前 ノ如 ク ナ ラ
スノ外 特 記 ス ヘキ行 動 ナ カ リ シカ 五月 九 日神 田 青 年 会 館 ニ於 テ第 二
主 張 ニ就 テ ハ全 然 干 渉 セ ス従 ツ テ会 員 中 無 政 府 主 義 者 ア リ社 会 主 義
最 近世 ノ問 題 ト ナ リタ ル伊 藤燁 子 ( 白蓮) ト ノ関 係 カ会 員 ノ 知 ル所
回大 会 ヲ開 催 セ リ当 日 ノ来 衆約 千 五百 名 主 催 名 義 人 高 津 正 道 壇 上 ニ
者 アリ会 自 体 ト シテ ハ 一律 セ ル主張 ナ キ モ多 ク ハ幹 部 タ ル赤 松 ノ主
連 絡 ヲ採 ラ ンカ為 メ大同 団結 的 ニ組 織 シタ ル モノ ナ ル ヲ以 テ会 員 ノ
立 ツ テ開 会 ノ辞 ヲ述 ヘント ス ル ヤ場 内 ノ混乱 甚 シク収 拾 ノ困 難 ナ ル
主 義 差 別 著 シ ク従 ツ テ会 自 体 ト シ テ ハ 一貫 セ ル主 張 ナ シ
ヲ認 メタ ル臨 監 警 察 署 長 ハ弁 士 ノ中止 ヲ命 ス ルト共 ニ集 会 ノ解 散 ヲ
ヤ地 方 ニ散 在 シ相 当 ノ地 位 ヲ占 ム ル関 係 ヲ利 用 シ糾 合 ヲ謀 ルヲ以 テ
目下 宮城 秋 田石 川 福 井 愛 知 広 島 熊 本 北 海 道 ノ各 地 方 ニ支部 ヲ有 シ会
義 (共産) ニ共 鳴 ス ル モノ ヽ如 ク而 カ モ会 員 ノ 一部 ハ学 業 ヲ 卒 ユ ル
員 大 正 九年 度 ノ二 百名 ニ比 シ百 五十 名 ヲ増 加 即 三 百 五十 名 ヲ抱 擁 ス
命 セ リ然 ル ニ聴 衆 ノ喧囂 更 ニ甚 シ ク検 束 ノ止 ムナ キ ニ至 レル モノ三
影 響 ヲ及 ホ ス ヘキ ニ鑑 ミ稟 議 ノ結 果 五 月 二十 七 日内 務 大 臣 ヨリ結 社
十余 名 ニ及 ヘリ如 上 ノ状 態 ニシ テ本 同 盟 ノ存 置 カ治 安 ニ甚 大 ナ ル悪
解 散 ノ命下 リ表面 同 時 ニ消 滅 シ タ ル カ如 キ モ旧盟 員 間 ニ ハ尚 隠 密 裡
一 四 月 二十 六 日午 後 三時 ヨリ帝 大 講 堂 三 十 二番 教 室 ニ於 テ講 演 会
行 動 ノ概 要竝 現 勢
ル ニ至 リ尚 此 ノ趨 勢 ヲ維 持 ス ルノ傾 向 ニア リ
会
ニ連 絡 ヲ採 リ ツ ヽア ルカ如 シ
人
開 催 聴 衆 約 六 十 名 小 岩 井 浄 、新 明正 道 、蝋 山 政 道 、 黒 田 寿 男等 四名
新
主 義 傾 向 、 主 ト シ テ共 産 主 義
衆 約 二百 六 十 名 吉 野作 造 、 佐野 学等 四名 ノ講 演 ア リ午 后 七 時無 事 散
二 五 月 十 九 日午 後 三時 ヨリ帝 大 三十 二番 教 室 ニ於 テ講 演 会 開 催聴
ノ講 演 ア リ タ ル カ午後 六時 無 事 散 会 宮 崎 竜介 (甲号)
関 係 特 別 要 視 察 人 氏名
長
赤松克麿 ( 甲号) 消
三 六月二十 一日午後 三時 ヨリ帝大第三十二番教 室 ニ於 テ講演会開
会 消
高瀬 長
清 (甲号)
川 口慶 助 ( 福岡県乙号)
口 ノ両 名 ハ後 ニ入会 セ ル モ会 ノ主 張 ハ純 乎 タ ル共産 主 義 ニア リ彼 ノ
本 会 ハ高 津 正道 、 高 瀬 清 等 主 唱 ニテ組 織 サ レ タ ル モ ノ ニ シ テ川 崎 川
暁 民 共産 党組 織 ニ当 リ本 会 カ其 ノ中 堅 ト ナ リ シ ハ概 説 叙述 ノ加 ク会
催聴衆約五十名労働要視察人麻生久外数名 ノ講演 アリ テ午后 七時無 四 六月三十日午后七時 ヨリ本郷区駒込追 分町帝 大基督教青年会館
員 数 目下 約 五十 名 創 立 当 時 以 来 増 減尠 シ
事散会 ニ特別要視 察人石川 三四郎 ヲ招聘社会問題 ニ関 スル講演 ヲ聴取研究
唯年 歯未 タ 至 ラ ス事 象 ニ対 スル慎 重 ナ ル洞 察 力 ニ乏 シキ学 生 輩 ノ好
行動 ノ左傾 且 ツ激 越 ナ ル点 ニ於 テ都 下 思 想 団 体 ニ冠 タ リ創 立 当 初 ハ
行 動 ノ概 要竝 現 勢
五 九月二十 日午後 三時 ヨリ帝大三十二番教室 ニ於 テ講演会開催聴
奇 的 集 団 ニ止 マリ シカ研 究 ノ度 ヲ重 ヌ ル ニ伴 ヒ漸 ク質 実 ナ ル運 動 ニ
的質問 ヲ為 シテ午后九時散会 セリ 衆約七百名賀 川豊彦 、赤松克麿、山崎 一雄等 ノ講演 アリテ午后七時
参 加 ス ル ニ至 リ高 津 正 道 、高 瀬 清 、 川 崎 憲次 郎 等 ノ主 脳 部 ハ社 会 主
於 テ講 演 会 ヲ開 催 聴 衆 約 一千 名 中 村 還 一、宮 地嘉 六 、伊 藤 ノ ヱ、 加
無事散会
七 十二月十九 日午後 三時 ヨリ帝大第三十二番教室 ニ於 テ講演会開
藤 一夫 、岩 佐 作 太 郎 、 九 津 見 フ サ等 特 別 要視 察 人 ノ多 ク カ出 演 シ弁
六 十月二十 八日午后 三時 ヨリ帝大三十二番教室 ニ於 テ講演会 ヲ開
催聴衆百五十名大山郁夫外数名 ノ講演 アリタ ルカ無事午后七時散会
士 ノ中 止 ヲ命 セ ル モノ五 名 ニ及 ヘル ニ考 察 ス ル モ如 何 ニ其 ノ所 論 ノ
十 八 日午 後 六時 ヨリ文 芸 思 想 講 演 会 ナ ル標題 ノ下 ニ神 田青 年 会 館 ニ
如上 ノ状態 ニシテ本会 ノ行動 ハ専 ラ研究的講演 タ ルニ止 マリ会員中
奇 激 ナリ シカ ヲ知 ル ニ足 ル
義 同 盟 ニ加 盟 シ テ其 ノ中 堅 ト ナ リ不断 ノ活動 ヲ継 続 シ居 タ ルカ四 月
急激 思想 ノ抱持者必 スシ モ少数 ナリト云 フヲ得 サ ルモ殆 ト全部 カ学
催聴衆僅 カ ニ二十 五名会員来間恭外二名 ノ講演 アリ テ午後七時無事
生 タルノ関係 ヨリ積極的運動 ニ出 ツルモノナ ク唯主幹赤松克麿 カ日
ニ宛 テ不 穏 印 刷 物 ( お目出度 誌其他数種) ヲ郵 送 セ ル モ ノ ア リ極 力 内
従是 先大 正 九 年 末 ヨリ十年 二 月 ニ亙 リ市 内 ノ各 新 聞 社竝 社 会 評 論 家
散会 ス
本労働総同盟 ニ於 テ活動 ヲナスノミ
行 カ高 津 正 道 等 暁 民 会 一派 ノ 手 ニ成 レ ルヲ探 知 シ各 関 係 者 ヲ訊 問 ノ
偵 ス ル モ犯 人 ノ検 挙 ヲ見 ル ニ至 ラサ リ シ ニ八月 ニ入 リ此 ノ犯 罪 ノ敢
結 果 高 津 正 道 及 其 ノ妻 タ ヨヲ不敬 罪竝 出 版 法 違 反 罪 ト シ テ検 事 局 ニ
会
暁
民
主義傾向 、共産主義
送 致 シ目 下 予 審 中 ニ属 ス
其 他 本 会 ト 日本 共産 党 及 近藤 栄 蔵 一派 ノ軍 隊 ニ対 スル宣 伝文 郵 送等
関係特別要視察人 高津 正道 ( 甲号) 川崎憲次郎 (甲号)
ノ関 係 ニ就 テ ハ概 説 ニ叙 述 セ ル ヲ以 テ茲 ニ述 ヘス目下 主脳 部 ハ全 部
テ研 究 会 ヲ開 催 シ八 月 一日 ヨリ同 月 十 八 日 ニ至 ル間 早 大講 堂 ニ於 テ
他 毎 週 一回 宛府 下 池 袋 ナ ル本 部 ニ社 会 問 題 ニ関 スル専門 家 ヲ招 聘 シ
タ ルヤ ノ風 説 ア リ十 一月十 一日 ヨリ ハ神 田 一ツ橋 通 帝 国 教 育会 館 ニ
夏 期 講 習 会 ヲ開 キ延 人員 五千 七百 名 余 ノ入 場 者 ヲ得 相当 ノ純 益 アリ
入 監 又 ハ入露 中 ナ ル ヲ以 テ刮 目 ス ヘキ行 動 ナ キ モ会 ノ結束 比較 的鞏 固 ナ ル ヲ以 テ之 等 ノ出 獄 ヲ待 テ復 活 ス ヘシ ト認 メ ラ ル
盟 員 田所 輝 明 及 曾 テ加 盟員 タ リ シ 長 島 新 ( 目下埼玉県 ニ在 住同県 ニテ
常 ニ盟 員 ノ軽 挙 妄 動 ヲ誡 メ ツ ヽア ル ヲ以 テ何 レ モ自 重 的 態 度 ヲ執 リ
於 テ再 ヒ講 習 会 ヲ開 キ 十 四 日 ヲ以 テ終 了 セ ル カ指 導 者 北 沢 新次 郎 ハ
主 義 傾 向 、主 ト シ テ ﹁ギ ルド﹂ 社 会 主 義
甲号 ニ編入 セリ) カ大 正 九 年 十 二月 ノ社会 主 義 同 盟 第 二回 大 会 ニ於 テ
建設者同盟
巌 ( 甲号)
検 束 セ ラ レ警 視 庁 監 房 ニ移 サ レタ ル際 建 造 物 損 壊 罪 ヲ敢 テ シ テ起 訴
モノ ナ シ
自由人聯盟
( 田所 ハ懲役 三ケ月長島 ハ不起訴処分) ト ナ リ タ ル外 復 刑 辟 ニ触 レ タ ル
長
関係特別要視察人 和田 消
本 同 盟 ハ現早 大 学 生 ( 甲号) カ同 大 学教 授 北 沢 新 次 郎 ノ指 導 ニ依 リ 組織 シタ ル モノ ニシ テ創 立当 時 ニ於 ケ ル和 田 ノ言 動 過 激 ニ亙 リ注 意 ヲ要 ス ル点尠 カ ラ サ リ シ カ現 時 ハ専 ラ研究 方 面 ニノ ミ没 頭 シ ツ ヽア
主義 傾 向 、無 政 府 主 義
リ会 ノ主 義 必 ス シ モ統 一ア ル ニア ラサ ル モ多 ク ハ指 導 者 北 沢 ノ主義
関係特別要視察人
木村信児 ( 甲号)
浅野
ナ ル ﹁ギ ルド ソ シア リズ ム﹂ ニ傾 キ居 レリ会 員 ハ殆 ト総 テ カ早 大 学
加藤 一夫 ( 甲号)
両 名 ハ後 ニ至 リ テ加 盟 セ ル モノ ナ ル カ主幹 タ ル加 藤 ハ初 メ ﹁ト ル ス
本 聯 盟 ハ加 藤 一夫 、浅 野 護 両 名 ノ創 立 ニ係 リ 八 幡兼 松 、木 村 信 児 ノ
護 (甲号) 八 幡兼 松 ( 甲号)
生 ニシ テ排 他的 手 段 ヲ採 リ創 立 当 時ヨ リ約 三十 名 ヲ保 持 ス其 ノ数 多
行 動 ノ概 要 竝 現 勢
シト 云 フ ニア ラ サ ル モ結 束 ノ比較 的鞏 シ
余 リ多 ク ノ積 極 的 行 動 ナ キ モ研 究 方面 ニ於 テ ハ都 下 思 想 団 体 中 ニ最
ト イ ア ン﹂ ト シテ無 抵 抗 主 義 ヲ抱 持 シ居 タ ル モ最 近 ﹁ス テ ルネ ル﹂
長
モ勢 力 ヲ有 ス故 ニ講 演 会 等 ニ ハ其 ノ出 席者 頗 ル多 ク五月 七 日午 后 一
ノ思 想 ヲ叫 フ ニ至 リ他 ノ会 員 等 シ ク唯 心 的 立場 ヨリ無 政 府 主 義 者 ト
消
時 ヨリ早 大 二十 番 教 室 ニ於 テ開 催 ノ際 ハ聴 衆 四百 名 北 沢 新 次 郎 以 下
シ テ大杉 栄 一派 ノ唯 物 的 無 政 府 主義 ニ対抗 シ唯 物 的 社 会 運 動 団 体 ノ
本 同 盟 目下 ノ行 動 ハ主 ト シ テ社 会 問 題 思想 問 題 ノ研 究 ニア ルヲ以 テ
三崎 会館 ニ於 ケ ル講 演 会 ニ ハ七 百 五 十 名 ノ聴 衆 ア リ当 日 ハ特 別 要 視
多 数 ヲ占 ム ル管 下 ノ状 勢 ニ於 テ 一異 彩 タ ル カ会 員 ノ如 キ モ此 ノ思 想
数 名 講 演 アリ テ午 後 六 時 閉 会 シ同 月 十 四 日午 后六 時 ヨリ神 田 三 崎 町
察 人 堺 利彦 、植 田好 太 郎 、石 川 三四 郎 、加 藤 一夫 等 ノ出 演 ア リ其 ノ
ノ共 鳴 者 ニ止 リ創 立 当 初 ヨリ僅 カ ニ二十余 名 ヲ算 ス ル ニ過 キ ス総 テ
ナ リ機 関 誌 ト シ テ発 行 ス ル ﹁自 由 人 ﹂ ハ加 藤 一夫 ノ手 ニ依 リ断 続 出
ト 共 ニ本部 ノ器具 一切 ヲ売 却 シ テ満 洲 方 面 ニ走 リ自 然 消 滅 ノ状 態 ト
ル盟 員 川 崎春 治方 ニ会 合 セ ル カ主 幹 加 藤 ノ言 動 公 安 ニ害 アリ ト認 メ
版 サ ル ヽノ ミナ リ シカ 五月 六 日復 活 ノ意 味 ニ於 テ府 下 巣鴨 町宮 下 ナ
一 本 聯 盟 ハ時 々会 合 ヲ催 シテ主 義 ニ関 スル研究 ヲ為 ス 一面 又 実 行
シ居 タ ル前 記 八幡 兼 松 及 鮮 人 李 竜 基 ノ両 名 解 散 下命 ヲ肯 セサ リ シヲ
臨 監 警 察 官 ニ於 テ中 止 ト 共 ニ解 散 ヲ命 セリ然 ル ニ此 ノ当 時 既 ニ加 盟
行 動 ノ概要 竝 現勢
カ主 義 ノ造 詣深 ク個 人 ト シ テ モ亦 此 ノ種 ノ著作 物 多 シ
ノト シ テ ハ 一月 十 五 日午 後 六 時 ヨリ帝 大基 督 教 青 年 会 館 ニ於 テ講 演
ヨリ テ ノ ミ主 義 ノ宣 伝 ヲ ナ ス ニ止 マリ シカ十 二月 遂 ニ本部 ヲ加 藤 一
以 テ所轄 所 ニ検 束 セリ爾 来 殆 ト積 極 的 行 動 ナ ク只 雑 誌 ﹁ 自由人﹂ ニ
運 動 ニモ相 当 ノ活 動 ヲ為 シ注 意 ヲ要 ス ル モ ノ尠 カラ ス其 ノ主 ナ ル モ
会 開 催 聴 衆約 二 百 五 十 名 アリ吉 田 順 司 、 和 田軌 一郎 、竹 内 一郎 、長
夫 ノ転 住 先 ナ ル神 奈 川県 小 田原 ニ移 セ リ
島 新 、 浅 野護 等 各 特 別 要 視 察 人 出 演 セ ル カ其 ノ中 吉 田 、和 田 、長 島 ノ三 名 ハ所 論 公 安 ニ害 ア ル モ ノト認 メ臨 監 警 察 官 ニ於 テ中 止 ヲ命 シ タ ル ニ会 場 ノ喧 騒甚 シカ リ シヲ以 テ更 ニ集 会 ノ解散 ヲ命 セリ 、次 テ
東 京北 郊 自 主 会
橋浦 時 雄 (甲号)
和 田軌 一郎 ( 甲号)
原沢武之助 ( 甲号)
主義 傾 向 、無 政 府 主 義
一月 二 十 一日午 後 八時 ヨリ府 下 大 崎 町寄 席 相 生 亭 ニ於 テ講 演 会 ヲ開
竹 内 一郎 ( 甲号)
催 セ ル カ当 時 ハ彼 ノ大 和 民 労 会 創 立 時 代 ニシ テ彼 等 ノ間 ニ社 会 運 動
労 会員 ニシ テ機 ア ラ ハ対抗 的 行 動 ニ出 テ ント ス ル モノ ヽ如 ク ナ リ シ
高 尾 平 兵衛 (甲号)
関 係 特 別 要視 察 人
カ果然 主 宰加 藤 一夫 ノ演 壇 ニ立 ツ ヤ盛 ン ニ罵声 ヲ浴 セ場内 ノ喧 騒 甚
ニ対 スル反 対熱 熾 烈 ヲ極 メ本 講 演 会 ノ聴 衆 百 二 十 名中 約 六十 名 ハ民
シ ク収 拾 ス ヘク モア ラ サ リ シ ヲ以 テ午 後 八時 臨 監 警 察 官 ニ於 テ弁 士
ノ中松 本 淳 三 ( 雑誌中外記者) ノ ミ表 口 ヨリ退出 セ ント シ民 労 会 員 ノ
態 度 ニ幾 分 僻 易 ノ色 ア リ タ ル際 ナ リ シ ヲ以 テ裏 口 ヨリ退 去 セ ルカ其
者 タ リ従 ツ テ其 ノ主 義 主 張 ノ如 キ最 初 一定 セサ リ シ モ現時 ニ於 テ ハ
睦 ヲ計 ル ヘ ク創 設 シタ ル モノ ニシ テ関 係 特 別 要 視 察 人 ノ多 クカ発 起
本 会 ハ初 メ単 鴨 町附 近在 住 ノ特 別 要 視 察 人 竝 ニ労 働 要 視 察 人等 ノ親
長
為 メ ニ要 撃 サ レ右 側 下 腹 部 ヲ鋭 利 ナ ル短 刀 ヲ以 テ刺 サ レタ ル椿 事 ヲ
他 ノ異 分 子 ヲ排 除 シ無 政 府 主 義 的 傾 向 濃 厚 ト ナ リ創 立 当時 ノ目的 ヲ
消
惹 起 セ ルカ此 ノ問 題 ハ数 日後 犯 人 ノ検 挙 ヲ見被 害 者 ハ約 一ケ月 療 養
変 更 シ テ広 ク他 ニ モ会 員 ヲ糾 合 シ大正 九 年 中 僅 カ ニ六 名 ナ リ シ モノ
ノ中 止 ト共 ニ集 会 ノ解 散 ヲ命 シ タ ル ニ主 催 者側 ハ当 初 ヨリ民 労 会 ノ
ノ後全 快 シテ解 決 セ リ
カ目 下 約 五 十 名 ヲ算 ス ル ニ至 レリ 行 動 ノ概 要 竝 現勢
二 三 月中 旬 ノ交 ヨリ盟 員 間 ニ乖離 ノ徴 候 現 ハレ主 幹 加 藤 一夫 ハ神 奈 川県 小 田原 ニ転 住 シ庶 務 ヲ鞅 掌 シ居 タ ル浅 野 護 ハ盟 員 加 藤 栄 之 進
主義 傾 向 、無 政 府 主 義
長 谷 川清 吉 ( 甲号)
高 尾 平兵 衛 ( 甲号)
関係特別要視察人 吉 田
一 創 立 後 時 々茶 話 会 ヲ開 ク ノ外 特 ニ注 意 ヲ要 ス ヘキ行動 ナカ リ シ
原 沢 武 之 助 (甲号)
カ 四月 十 七 日 ノ日 曜 ヲト シ本 会 発 起 ニテ都 下特 別 、労 働 ノ各 要 視 察 人 要 注 意 人 ト共 ニ府 下 柴 又 ヨリ千 葉 県 鴻 ノ台 ヘ観桜 会 ヲ催 シ盛 ン ニ
一 (甲号)
二 五 月 三 日本 郷 区本 郷 六 丁 目 街 路 ニ於 テ高 等 師 範 学 校 生 徒 宮 之 原
狂 態 ヲ演 出 シ タ ル モ特 記 ス ヘキ事 故 ナ ク シ テ止 ミ タ リ
長
行動 ノ概 要 竝 現勢
創 立 後 歳 月多 カ ラ ス会 員 ノ異 動 亦 尠 キ モ目 下 ノ状 勢 約 四 十 名 ヲ有 ス
消
吉 田 順 司 (甲号)
ヲ隠 匿 シ タ ル事 実 発 覚 シ会 員 渡 辺 万 蔵 外 数 名 ハ犯人 隠 匿罪 ト シ テ起
初 カ山 田 金 之 助 ナ ル不良 少 年 ニ刺 サ レテ死 亡 ス ル ヤ本 会 ハ其 ノ犯 人
相 当 ノ所刑 アリ タ リ
大 正 九年 中無 政 府 主 義 ノ思 想 カ森 戸 辰 男 ノ ﹁ク ロポ ト キ ン﹂紹 介 ニ
訴 サ レ渡 辺 ハ懲 役 三 ケ月 他 ハ夫 レ〓
三 五 月 二 十 八 日午 後 七 時 ヨリ巣 鴨 町 宮 下 ナ ル思 想 団 体 労 働 社 内 ニ
モノ頗 ル多 ク其 ノ結 果 社 会 運 動 ニ関 スル 一転 機 ヲ劃 ス ル ニ至 リ 理想
社 会 ノ実 現 ヲ計 ル ニ ハ真 実 社 会 ノ被 掠 奪 階 級 タ ル労 働者 自身 ノ手 ヲ
端 ヲ発 シ テ我国 ノ思 想 界 ヲ 旺流 ス ルヤ労 働 階 級 ニシ テ該 主義 ヲ志 ス
更 ニ解散 ヲ命 セリ然 ル ニ久 板 卯 之 助 、 長 谷 川清 吉 ︵共 ニ特 別要視察人)
待 タサ ル ヘ カ ラ スト ノ主 張 ヨリ従 来 無 政府 主義 者 ト シ テ知 ラ レタ ル
例 会 ヲ開 キ会 同 者 約 三十 名 ナ リ シカ臨 監警 察 官 ニ於 テ弁 士 ノ所 論 公
ノ両 名 ハ此 ノ命 令 ニ肯 セ ス反 抗 的 態 度 ニ出 テタ ル ヲ以 テ直 ニ之 レ ヲ
安 ニ害 ア ル モノ ト認 メ中 止 ヲ命 ス ル ヤ場 内 ノ紛 糾 甚 シカ リ シ ヲ以 テ
検 束 セリ
レ タ ル モ ノヲ本 団 体 ト シ管 下 社 会 運動 熱 中 ノ労 働 者 中 無 政 府 主 義 抱
大杉 栄 一派 ノ指 導 者 ヲ排 シ テ自 己 自 身 ノ活 動 ヲ開 始 ス ヘ ク組 織 セ ラ
持 者 ニ シ テ而 カ モ行 動 最 モ左 傾 セ ル モ ノ ヽ梁 山伯 ト モ目 ス ヘク原 沢 、
四 曩 ニ犯 人 隠 匿 罪 ニ問 ハレ テ入 獄 セ ル幹 部 渡 辺 満 三 ( 労働 要視察 人) ハ十 一月 下 旬 満 期 出 獄 シ タ ル ヲ以 テ十 二月 五 日午 後 七 時 ヨリ 小
シ各 種 ノ社 会 運 動 ニ参 加 シ檄 文 ノ配 布 其 ノ他 ノ煽 動 的 行 動 ニ出 テ処
長 谷川 、吉 田 ヲ始 メ同 人 ノ多 ク ハ本 部 ニ起 臥 シテ主 義 ノ宣 伝 ニ奔 走
分 セラ ル ヽ モノ管 下思 想 団 体員 中 最 モ多 キ ヲ 占 メ 又 機 関 誌 ﹁ 労働
石 川 区大 塚窪 町 二 四会 員 高 野武 二方 ニ久 シク中 絶 状 態 ニア リ タ ル例
者 ﹂ ノ如 キ毎 号 発 売 頒 布 ヲ禁 止 サ ル然 レト モ費 用 等 ノ関 係 ヨリ未 タ
会 ヲ開 催 セ ルカ出 席 者 橋 浦 時 雄 、 原沢 武 之 助 、長 谷 川 清 吉 ノ各特 別
ラ レ タ ルヲ以 テ集 会 ノ解 散 ヲ命 セリ
会
要 視 察 人 ヲ始 メ十 数 名 ニシ テ所 轄 署 員 ノ臨 監 ヲ拒 ミ内 容 不 穏 ト認 メ
瀾
シ ツ ヽア リ
赤
以 テ集 会 等 ヲ開 催 セ ル例 ナ ク専 ラ他 ノ運 動 ヲ利 用 シ テ事 ヲ成 サ ント
社
シ
働
現 今 ニ於 テ ハ其 ノ主 力 後 出 労働 社 ニ傾 キ本 会 名 ニ依 リ タ ル行 動 尠 ナ
労
シ途 上 ﹁再 び婦 人 に檄 す﹂ ナ ル印 刷 物 ヲ撒 布 シツ ヽ上 野 ニ至 リ堺 真
ニ至 ル ヤ堺 真柄 、高 津 タ ヨ等 数 名 ノ会 員 ハ会 旗 ヲ携 ヘテ之 レ ニ参 加
約 八 百 名 アリ九 津 見 房 等 十 数 名 ノ出 演 ア リ タ ルカ会 員 中宗 根 貞 代 及
二 六月 十 一日午 後 一時 ヨリ神 田 青年 会 館 ニ公 開講 演 会 ヲ開 キ聴 衆
び婦 人に檄 す﹂ ナル印刷物 ハ即日発売頒布禁止トナ レリ)
柄 ノ如 キ ハ取締 警 察官 ニ反抗 セ ル ヲ以 テ所 轄 署 ニ引 致 検 束 セリ ( ﹁ 再
主義 傾 向 、 共産 主 義
長
伊 藤 ノ ヱ (甲号)
房 (甲号)(目下大阪 ニ在住)
関 係 特 別 要視 察 人 九津見 山 川 菊 栄 ( 甲号)
消
中 宗 根 貞代 (甲号)
ハ研 究会 ヲ開 催 シ管 下 特 別 要 視 察 人 ノ来 演 ヲ乞 フ ノ外 各 団 体 ノ運 動
シ テ閉会 セ ルカ其 ノ他 毎 月 数 回 本 部 ニ会 員 ノ ミ ノ集 合 ニ テ講 習 会 又
ニモ会 員 中 ノ重 立 者 ハ出 席 シ不 穏 ノ言 動 ヲ敢 テ スル コト尠 ナカ ラ ス
山川菊栄 ( 何 レモ甲号)ノ所 論 中 止 ヲ命 セ ラ レ タ ル外 何 等 ノ事 故 ナ ク
セ リ当 時 ノ会 員 ト シ テ ハ管 下 特 別 要 視 察 人 ノ家 族 タ ル女 性 二十 四名
団 体 ニシ テ十年 四月 現 在 本 部 ニ於 テ発会 式 ヲ挙 ケ会 則 竝 綱 領 ヲ発 表
宗 根 貞代 両 名 ノ関 与 セ ル ハ其 ノ 一例 ナ リ
彼 ノ近藤 栄蔵 一派 ノ軍 人 ニ郵 送 セ ル不 穏 文 書 事 件 ニ関 シ堺 真 柄 、中
甲 号 中 名 生幸 力 (五月会主幹)内縁 ノ妻松 村 チ ヱ、 同 堺 利 彦 長 女 堺 真
ニ過 キサ リ シカ漸 次 鮮 人 其 ノ他 ノ女 学 生 間 ニモ勢 力 ヲ扶 殖 シ目 下 四
柄 、 乙 号 九津 見房 等 ノ発 起 ニ依 リ組 織 サ レタ ル管 下 唯 一ノ婦 人 思 想
十 名 ニ達 ス
一 創 立 ノ翌 日本 会 カ資 本 主 義 社 会 ノ倒 壊 ト社 会 主 義 社 会 ノ建 設 ヲ
彩 ヲ異 ニシ無政 府 主 義 ヲ主 張 シ会 勢 ヲ動 カ サ ント努 メ ツ ヽア ル モ反
産 主義 者 支配 下 ニ属 ス ル モ独 リ伊 藤 野 枝 ( 大杉栄内縁 ノ妻) ハ其 ノ 色
三 現時 ニ於 ケ ル会 ノ大 勢 ハ山 川 菊 栄 、 堺 真 柄 、中 宗 根 貞 代 等 ノ共
事 業 ト ス ヘキ婦 人 団 体 ナ ル コト竝 ニ来 ル ヘキ ﹁メ ーデ ー﹂ 当 日 ニ ハ
響 ナ キ モ ノ ヽ如 シ
行 動 ノ概 要 竝現 勢
無 産 階 級 婦 人 ノ出 動 ヲ望 ム旨 ヲ内 容 ト セ ル印刷 物 ヲ作 成 シ三月 二十 七 日夜 会員 松村 チ ヱ ハ其 ノ内 縁 ノ夫 中 名 生 幸 力 外 数 名 ト共 ニ神 田区
主 義 傾 向 、主 義 ト シ テ確 立 セ ル モノ ナ シ
オ ー ロラ協 会
ル ト 一面該 印刷 物 発売 頒 布 ノ下 命 ア リ然 ル ニ 三 月 二十 九 日 ニ至 リ会
表 神 保 町 街 路 ニ於 テ行 人 ニ配 布 シ居 タ ル ヲ以 テ即 日右 両 名 ヲ検 束 ス
関 係 特 別 要視 察 人 中 名 生幸 力 (甲号)
員 中 名 生 イ ネ (幸力妹)外 数 名 ハ府 下 淀 橋 町 柏 木 ノ街 路 ニ於 テ前 記 禁 止 印 刷 物 ヲ再 ヒ行 人 ニ頒 布 シ居 タ ル ヲ所 轄 署 ニ於 テ発 見出 版 法 違
長
創 立 当時 ハ其 ノ趣 旨 専 ラ時 代 思 潮 ノ研 究 ニア ル ヲ標 榜 シ居 タ ル ヲ以
消
カ今 尚 控 訴 中 ニ属 ス然 ル ニ五月 一日友 愛 会 信 友会 等 ノ労 働 団 体 発 起
テ平 塚 明 子 ( 雷鳥)等 ノ主 宰 ス ル 新 婦 人 協会 員 約 五 百 名 ヲ始 メ各 専
反 罪 ト シ テ検 事 局 ニ送致 シ審 理 ノ結 果 罰 金 七 十 円 ノ言 渡 ヲ受 ケ タ ル
ノ下 ニ ﹁メ ーデ ー﹂ ヲ挙 行 シ其 ノ示 威 行 列 カ会 場 タ ル芝 浦 ヨリ上 野
ノ特 別 要視 察 人 等 ト接 近 スル ノ徴 候 ヲ認 メ ラ レ当 時 暁民 会 員 タ リ シ
数 ノ地位 ヲ占 ム ル ニ至 レリ然 ル ニ本 春 初 頭 ノ交 ヨリ漸 次 大 杉 栄 一派
門 学校 学 生 相 踵 ギ幾 許 モナ ク シ テ会 員 八百 ヲ算 シ都 下 思 想 団 体 中 有
五 三 月 二十 八 日午 後 六 時 ヨリ神 田 青年 会 館 ニ於 テ思 想 問 題 講 演 会
廃 刊 セリ
四 三 月 ニ入 リ機 関 誌 ﹁オ ー ロラ﹂ ヲ発 行 セ ルカ其 ノ初 号 ノ ミ ニテ
シ テ出 演 セ シ ム ルカ 如 ク ナリ シ ヲ以 テ臨 監 署 長 ハ本 講 演 会 ヲ以 テ純
ヲ命 シ タ ル ニ更 ニ和 田久 太 郎 、中 村 還 一等 ノ特 別 要 視 察 人 モ弁 士 ト
﹁エ ロシ エン コ﹂ 及 岩 佐 作 太 郎 、 高 津 正 道 ( 以上甲号) ノ 所 論 中 止
困 難 ヲ感 ス ル ニ至 リ シカ幹 部 間 ニ モ亦 内 訌 ヲ生 シ紛 糾絶 ヱ ス其 ノ結
然 タ ル主義 宣 伝 ノ モ ノト認 メ集 会 ノ解 散 ヲ命 シ 一方 其 ノ際場 内 ノ喧
開 催聴 衆約 三 百 五十 名 弁 士 中曩 ニ退 去 命 令 ヲ執 行 サ レ タ ル露 国 人
果 五月 ニ入 リ幹 部 中 名 生幸 力 ハ別 ニ五月 会 (後出) ナ ル無 政 府 主 義
甲 号 中 名 生幸 力 ヲ入 レテ其 ノ幹 部 ニ置 キ行動 日 ト共 ニ赤 化 スル ニ至
団 体 ヲ組 織 シ テ独 立 シ他 ノ幹 部 モ亦 離 散 シ タ ル ヲ以 テ目下 府 下 池 袋
五 、如 上 前 後 数 回 ニ亙 リ テ講 演会 ヲ開 催 シ 一時 行 動 ノ見 ル ヘキ モ ノ
噪 ヲ図 ラ ント シ タ ル暁 民会 員 杉 英 郎 、守 田正 義 外 三 名 ヲ検 束 セリ
リ シ ヲ以 テ茲 ニ会 員 中 ノ穏 健 分 子 ノ乖 離 ヲ招 キ脱 会 者 続 出 シ テ維 持
字 向 原 久 保 清 次 (元主幹) 方 ニ其 ノ存 在 ヲ表 示 スル外 何 等 ノ 行 動 ナ
動ナシ
五
月
会
尠 カ ラ サ リ シ モ会 員 ノ離 散 後 ハ急遽 ニ シ テ衰 境 ニ陥 リ特 記 ス ヘキ行
ク自 然 消 滅 ノ状 態 ニアリ 行 動 ノ概 要 竝 現 勢 一 一月 十 一日午 後 六時 ヨリ神 田青 年 会 館 ニ思 想 問 題 講 演 会 開催 聴 衆 約 二百 五十 名 北 野 博 美 、 島 中雄 三 ( 乙号) 、 帆 足 理 一郎 、 植 田 好 太
十 年 五 月 オ ー ロ ラ協 会 ニ幹 部 タ リ シ中 名 生 幸 力 、 岩 佐 作 太郎 等 ノ組
岩 佐 作 太 郎 (甲号)
主 義 傾 向 、無 政 府 主義
郎 ( 甲号)外 数 名 ノ出 演 ア リ午 後 十時 散 会
中 名 生幸 力 ( 甲号)
関 係特 別 要 視 察 人
渡 辺 善 寿 ( 甲号)
(甲号)、 植 田 好 太郎 (甲号)等 ヲ聘 シ テ社会 問 題 研究 会 ヲ 開催 セ ル カ来会 者毎 会 二十 名 内 外 ニ過 キ ス シ テ終 レ リ
二 一月 二十 七 日 ヨリ毎 週 火 水木 ノ三 日 ニ於 テ午 後 六 時 ヨリ大杉 栄
三 二 月 十 四 日午 後 六 時 ヨリ神 田青 年 会 館 ニ講 演 会 ヲ開 催 聴 衆 約 一
織 ニ係 リ高 尾 平兵 衛 等 ノ労 働 社 一派 カ常 ニ ﹁テ ロリ スト﹂ ト シ テ極
長
数 名 ノ出 演 ア リタ ルカ前 記 弁 士 ノ所 論 公 安 ニ害 ア ル者 ト認 メ臨 監 所
端 ナ ル実 行 運 動 ニ進 マント ス ル ニ対 シ研 究 的 方 面 ニ深 甚 ノ力 ヲ注 ク
消
轄 署 長 ニ於 テ中 止 ヲ命 セリ然 ル ニ聴 衆 中 其 ノ中 止 ヲ不当 ナ リ ト シテ
千 名 石 川 三 四郎 ( 甲号)山 川 菊 栄 ( 甲号) 加藤 一夫 ( 甲号)堺 利 彦 外
怒 号 スル モ ノ又 ハ弁 士中 ニ モ之 ヲ肯 セ サ ル モ ノ ア リ シ ヲ以 テ中 名 生
点 ニ於 テ相 対 抗 シ ツ ヽア リ会 員 数 創 立 当 時 ヨリ 三十 名 ヲ上 下 ス 行 動 ノ概 要 竝 現 勢
幸 力 、 加 藤 一夫 、浅 野 護 ( 以上甲号)、 渡 木 一、 青 山 鼎 三等 数 名 ヲ検 束 シ テ落 着 セ リ
キ行 動 ナ シ本 会 ノ行動 ハ管 下 ヨリ モ埼 玉 県 下 ニ多 ク会 員 ヲ有 シ同県
僻易 シタ ル モノ ヽ如 ク十 二月初 旬 ヨリ ハ例 会 ヲ廃 シ爾 来 何 等 記 ス ヘ
研 究 会 ヲ開 催 シ テ主 義 研究 ヲ継 続 シ来 レ ルカ当 局 ノ監 視 厳 重 ナ ル ニ
毎 週金 曜 ノ午 後 六 時 ヨリ府 下滝 野 川 ナ ル本 部 ( 主幹中名生幸 力 方) ニ
田青 年 会 館 ニ人 類 愛 的 結 合 講 演 会 ナ ル標 題 下 ニ公 開 講 演 会 ヲ開 キ日 、
会 楼 上 ニ秘 密 会 合 ヲ催 シテ之 ヲ決 議 シ同 月 二十 四 日午 後 六 時 ヨリ神
テ従来 ノ事 業 ヲ継 続 セ ント シ六 月 二十 一日 神 田 区 北 神保 町 中国 青 年
カ当 局 ノ監 視 依 然 タ ルヲ予 測 シ タ ル モノ ヽ如 ク本 倶 楽 部 ノ名 ニ隠 レ
ニ対 シ結 社 解 散 ノ命 ア ルヤ同 盟 同 人 等 ハ更 ニ別 個 ノ団 体 ヲ組 織 セ ン
監 警 察 官 ニ於 テ中 止 ヲ命 ス ル ヤ他 ハ命 ニ服 シタ ル モ早 坂 ハ之 ヲ肯 セ
元鐘麟 ( 鮮 人)、 江 口渙 、 佐野 袈 裟 美 、 陳 全 永 ( 支那人)等 ニ対 シ臨
会 ニ於 テ弁 士 早 坂 二郎 、秋 田徳 三 、馬 伯 援 ( 支那人)、范本 梁 ︵ 台湾人) 、
仏 、露 、支 、鮮 ノ 五 ケ国 語 ヨリ成 ル宣 言 書 ヲ発 表 セ リ而 シ テ該 講 演
特 別 要 視 察 人 タ ル長 島新 ガ 同 地 ノ小作 問 題 ニ関 シ煽 動 的 運動 ヲ為 シ ツ ヽア ル ヲ表 裏 共 ニ応援 シ ツ ヽア ル状 況 ナ リ
コ スモ倶 楽 部 主 義 傾 向 、 一定 セ ル主義 ナ シ
ント ス ル ノ行動 ア リ シヲ以 テ前 記 四 名 ヲ検 束 其 ノ翌 日釈 放 セ ルカ此
人 孫 東 元 等 ハ中 止 ノ命 ア リ テ聴 衆動 揺 ノ徴 ア ルヤ会 場 ヲ紛 糾 ニ導 カ
ス又聴 衆 中 ニ混 入 シ居 タ ル特 別 要 視 察 人 中 名 生幸 力 、藤 田皐 三及 鮮
岩 佐作 太郎 (甲号)
関係特別要視察人
憲 二 (甲号)
利彦 ( 甲号) 近藤 長 江 (甲号)
堺 栄 ( 甲号) 生田
採 ルノ ミ
シ テ帰 省 ス ル モ ノ ニ対 シ宣 言 書 ヲ其 ノ郷 里 ヘ配 布 セ シ ム ルノ方 法 ヲ
ノ講 演 会 後 ハ行 動 ノ見 ル ヘキ モノ殆 ト ナ ク唯 支那 朝 鮮 ノ在 留 学 生 ニ
大杉 均 ( 甲号)
長
山川 其他 消
管下 在 住 ノ特 別 要 視 察 人 ノ大部 及 支 那朝 鮮 台 湾 等 ノ在 留 学 生 中 急激
日本 社 会 主 義 同 盟 研 究 会
主義 傾 向 、 一定 セ ル主 義 ナ シ
思想 ノ抱 持 者 ヲ以 テ組 織 スル モ ノ ニ シ テ其 ノ趣 旨 ハ世 界 的 ニ人 類 ノ 平等 親 善 ヲ期 ス ル ニア リ ト スル モ其 ノ真 ノ目的 カ反 国 家 主 義 ノ宣 伝
利 彦 岩 佐作 太郎 和 田 久 太 郎 山 崎 今 朝 弥 高津 正 道
関 係特 別 要視 察 人
始 メ労働 組 合研 究 会 ト称 シ戦 後 労 働 問 題 ノ高 潮 期 ニ当 リ労 働 組 合 ノ
長
性 質 活 動 等 ノ研 究 ヲ目 的 ト シ テ組 織 シ タ ル モ ノ ナ ルカ社 会 主 義 同 盟
消
斎 藤 兼 次 郎 延 島 英 一 ( 以上甲号)
堺
ニア ル ハ想 像 ニ難 カ ラ サ ル所 ニシ テ創 立当 初 ハ会 員 約 百 名 ヲ包 擁 ス ル尨 大 ノ モ ノナ リ シ モ目 下 ハ僅 カ ニ二 、三 十 名 ニ過 キ ス 行 動 ノ概 要 竝現 勢
月 一回 宛例 会 ヲ開 キ テ会 員 間 ノ意 思疎 通 ヲ図 ル ヘキ規 定 ナ ル モ隔 月
本 倶 楽 部 ハ別 ニ主 幹 者 ヲ置 カ ス月当 番 ヲ定 メ テ事 務 ヲ鞅 掌 セ シ メ毎
若 ク ハ数 ケ月 ニ 一 回 宛 行 フ ノ ミ ナリ シカ 五月 二十 七 日社 会 主義 同盟
居 ル モ例 会 ノ出 席 者 ハ堺 利彦 、 岩 佐作 太郎 等 ノ如 キ所謂 専 門的 社 会
其 ノ命 脈 ヲ保 チ ツ ヽア リ会員 ト シ テ ハ旧同 盟 同 人 殆 ト全 部 カ加 盟 シ
ノ創 設 ト同 時 ニ其 ノ附 属 研 究 会 ト シ テ現名 ニ改 メ同 盟 ノ解 散後 モ尚
ノ儘 消 滅 シ研 究 団 体 ト シ テ早 大 文 化 会 、 大 原 社 会 問題 研究 所 、社 会
記 ス ヘキ事 項 ナ ク木 兎 社 、扶 信 会 ニ至 ツ テ ハ創 立 ハ発 表 シタ ル モ其
黒 飄 会 ノ二 ア ル モ何 レ モ本 期 間 ヲ 通 シ テ 二、三 回 ノ会 合 ア リ タ ル外
ク関 係 ナ ク又 種 蒔 き 社 、無 産 社 、大 衆 社 、 文 化 学 会 ノ如 キ ハ全 ク 一
政 策 学 会 、 青 年 社会 政策 学 会 等 存 スル モ特 別 要 視 察 人 ニ対 シ テ ハ多
ス
ノ著 述 ノ発 行 所 ニ止 マリ団 体 ト認 ム ヘキ モノ ニア ラサ ル ヲ以 テ省 略
行動 ノ概 要 竝 現 勢
主義 者 ニ過 キ ス
一ノ四 四岩 佐 作 太 郎 方 ニ例 会 ヲ開 キ社 会 問 題 ヲ中 心 ト ス ル論 議 ヲ戦
ニ依 ル宣 伝 ハ実 際 ニ於 テ其 ノ効 果 最 モ大 ナ ルカ如 シ殊 ニ近来 集 会 結
都 下特 別 要視 察 人等 ノ主 義 宣 伝 ハ種 々 ナ ル手段 方法 ニ依 ルト雖 文 書
(四) 特 別要 視 察人 ノ文 書 ニ依 ル主 義 宣 伝
毎 月第 一第 三 ノ両 日 曜 ニ於 テ旧社 会 主 義 同 盟 本 部 タ ル麹 町 区元 園 町
ハスノ外 特 記 ス ヘキ行 動 ナ ク従 ツ テ大 ナ ル発 展 ナ キ モ亦 消 滅 ス ルカ 如 キ コト ナ シト 認 メ ラ ル
東 京労 働 運 動 同 盟 会
スト シ益 々文 書 宣 伝 ニ重 キ ヲ置 ク ノ傾 向 アリ特 ニ近来 一般 広 ク通 用
社 又 ハ多 衆 運動 等 ニ依 ル方 法 ハ官 憲 ノ取 締 厳 重 ナ ルト 又 一面 宣 伝 効
近藤 憲 二 ( 以上甲号)
主 義 傾 向 、無 政 府 主 義
和 田 久 太郎
果 ノ波 及 ス ル範 囲 比 較 的 狭 小 ニシ テ所期 ノ目的 ヲ達 ス ル ニ充 分 ナ ラ
岩佐作太郎
関 係 特 別 要視 察 人 栄
伝 ニ資 ス ル者 ノ続 出 セ ル ハ真 ニ憂 フ ヘキ現 象 ナ リ ト ス今 大 正 十年 中
大杉
前 名 ヲ北 風 会 ト称 シ無 政 府 主義 者 大杉 栄 カ其 ノ立 脚 点 ト シ テ其 ノ配
特 別 要 視 察 人 等 ノ直 接 経 営 又 ハ関 係 セ ル定 期 刊 行 物 ヲ観 ル ニ其 ノ数
セ ラ ル ヽ紙 幣 又 ハ兌 換 券 ニ不 穏 文 書 ヲ記載 シ又 ハ印 刷 シテ主 義 ノ宣
下 ト 共 ニ組 織 ス ルモ ノ ニシ テ其 ノ機 関 誌 ト シテ ﹁労 働 運動 ﹂ ヲ間 歇
十 四種 ニ上 リ其 ノ他 臨 時刊 行 セ ラ ル所 ノ著 訳 書 亦 尠 ナ カ ラ ス而 シ テ
長
的 ニ発 刊 スル モ会 員 ハ前 記 ノ如 ク大 杉 一派 ノ モノ ヽミ ニ限ラ ル ヽヲ
之 等 刊 行 物 ハ発 行毎 ニ相 当 ノ売 行 ヲ示 シ就 中 其 ノ著 訳 書 ニア リ テ ハ
消
以 テ創 立 当 時 ヨリ六 、七 名 ニ出 テ ス
一般 ニ歓 迎 セ ラ レ版 ヲ重 ヌ ル コト十 数 回 ニ及 フ モノ モ尠 ナ カ ラサ ル
スル ニ難 カ ラ ス殊 ニ専 ラ主 義 宣 伝 用 ト シ テ機 会 ア ル毎 ニ発行 セ ラ ル
状 況 ニ在 リ以 テ之等 カ如 何 ニ現 代 思 想 界 ヲ風 靡 シ ツ ヽア ル カ ヲ推 知
行 動 ノ概 要 竝 現 勢
シテ ハ特 記 ス ヘキ行 動 ナ ク以 テ現 在 ニ及 ヘリ
書 ハ禁 止 差押 ノ処分 ヲ虞 レ届 出 ヲ為 サ ヽル ハ勿論 之 レカ印 刷 スラ印
ヽ所謂 宣 伝 ビ ラ ノ類 ニ至 リ テ ハ其 ノ数 夥 シ キ モ ノ アリ ト雖 此 ノ種 文
時 々例 会 ヲ開 キ テ主義 ノ研 究 竝 ニ宣 伝 方 法 ヲ論 議 ス ルノ外 会 自 体 ト
以 上 ノ外 無 攻府 主 義 標 榜 ノ団 体 ト シ テ其 ノ名 ノ存 ス ル モノ黒 耀 会 、
刷 所 ニ托 ス ル ヲ危険 視 シ窃 カ ニ自 ラ謄 写 版 ヲ使 用 ス ル等 多 ク ハ所 謂
ラ レタ ル モノ多 シ
発行編輯 印 刷 人
大杉 栄 近藤 憲 二 和田久 太郎 近藤 栄蔵 中島 安太郎 望 月 桂 山 川 均 岩佐作 太郎 中名生幸力 添 田平吉 伊藤 ノ ヱ
ン﹂ 等 露 西 亜 共 産 党 ニ関 係 ア ル思 想 家 ノ所 説 及 労農 政 府 又 ハ
本 誌 ハ出 版 法 ニ依 リ発 行 シ居 リ主 ト シテ ﹁マル ク ス﹂﹁レ ー ニ
刊 シ居 レリ
会 一派 ノ同 志 等 ノ検 束 セ ラ ル ヽ等 発 行 困 難 ト ナ リ九 月 以来 休
至 リ休 刊 勝 ナリ シカ加 フ ル ニ編 輯 補 助 ニ当 リ ツ ヽア リ シ暁 民
盟カ 結 社 ト シテ禁 止 セ ラ レタ ル以 来 漸 次 読 者 ノ減 退 ヲ見 ル ニ
掲 載 シ且 ツ加 盟 者 ノ連 絡 ヲ図 リ相 当 ノ売 行 ア リ シカ 五 月末 同
メ内 外 思 想 問 題 労 働 問 題 ニ関 ス ル趨 勢 及 団 体 行 動 竝批 評等 ヲ
元 日本 社 会 主 義 同 盟 ノ機 関 誌 ト シ テ日 本 社会 主義 運動 史 ヲ初
読 者 ヲ有 ス
ニ至 リ シ カ同 年 十 二月 二十 六 日 ヨリ 月刊 ト シ テ復活 セリ相 当
員 ノ入 監 其 他 ノ事 故 ニ依 リ七 月 二十 八 日 限 リ廃 刊 ノ止 ム ナ キ
掲 載 スル外 毎 号 諷 刺 画 ヲ掲 ケ 巧 ニ主義 ノ宣伝 ニ努 ム本 誌 ハ社
体 及 個 人 ノ動 静 ヲ始 メ其 他 ノ時 事 問題 及 主 義 的 学 説 批 評 等 ヲ
テ復 活 セ リ内 容 ハ全 国 ニ起 ル労 働 争 議 及 労 働 運 動 ノ趨 勢 竝 団
大 正 九 年 七 月 末 限 リ廃刊 シ居 タ リ シカ大 正 十 年 一月 週 刊 ト シ
況
載 ノ如 シ
幹
全部兼 近藤 憲 二
全部兼 岩佐作太郎
堺 利 彦 岩佐作太郎 近藤 栄蔵 山 川 均 百 瀬 二郎 高津 正 道 高 瀬 清 秋 田雨 雀 小 川未 明 布施 辰 治 均 発行兼編輯 山 川 山川 均 山 川菊 栄
概
今 同 年 中 ニ於 ケ ル定 期 刊 行 物 著 訳 書 及 禁 止 出 版 物 ヲ挙 ク レ ハ別 表 記
主
栄
均
利 彦
大 杉
堺
山 川
ナ ル 筆 者
秘 密 出 版 ニ係 ル ヲ以 テ関 係 者 等 亦 明 瞭 ナ ラ ス然 レト モ之 レ等 ハ其 ノ
発 行 所
大正十年中特別要視察人定期刊行物 調査表 発 行 度数 及 部 数
府下荏原郡 入新井町七
其社
町 一ノ四 四
麹町区元園
本 郷区駒込 月 一回 片 町 一五 約 二、〇 〇 〇 其社
月 一回 約 三、〇 〇 〇
月 一回
重 執
記 載 スル所 ノ内 容 概 シテ不 穏 露 骨 ニ亙 ル ヲ以 テ禁 止 差押 処 分 ニ付 セ
題号
労 働 運 動
社 会 主 義
社 会 主
義 研 究 平 民 法 律
自 由 人
演
歌
正
進
約 二 、〇〇〇
月 一回 約 二〇 〇
月 一回 約 一、〇〇〇
月 一回 約 三〇〇
月 一回 約 二〇〇
〇三 平民文学出 版部 芝区新桜 田 町 一九 山崎方
府下北豊島 郡巣鴨 町宮 下 一六二 自由 人聯盟
下 谷区山伏 町三七 青年親交会
府下北多摩 郡調布町字 下布 田 一〇 〇五 其社
発行兼編輯 山崎今朝弥 印刷 岡 千代彦
印刷 岡 千代彦
山崎今朝弥
全部兼 八幡 兼 松
全部兼 添 田平 吉
加 藤 一夫
添 田平 吉
布留川 桂
全部兼 諏訪与三郎
堺 利 彦 百瀬 二郎 田所輝 明
山崎今朝弥
ヲ掲 載 シ相 当 ノ売 行 アリ
海 外労 働 団 体 ノ組 織 等 ニ付 キ純 学 究 的 ニ論 評 ヲ試 ミ タ ル記事
ノ用 ニ供 セリ内 容 ハ自 家 取 扱 ニ係 ル訴 訟 事 件 ニ関 シ滑 稽 的諷
山 崎 今朝 弥 カ弁 護 士 ト シ テノ広 告 機 関 ナ ル モ亦 一面 主義 宣伝
ヘキ モノ ナ シ
刺 的 ニ記述 セ ルカ 近来 多 ク ハ端 書 形 一枚 刷 ニシ テ効 果 ノ見 ル
章 ヲ 以 テ充 タ サ レ時 々禁 止 処 分 ニ付 セ ラ レ ツ ヽアリ
本 会 員 ノ大 半カ 主 義 的 思 想 抱 持 者 ナ ル関 係 上常 ニ激 越 ナ ル文
事 及 団 体 行 動 ニ関 ス ル記 事 ヲ掲載 ス
労 働 団 体 正 進 会 ノ機 関 誌 ニシ テ主 ト シ テ労 働 紛 議 ニ関 ス ル記
鼓 吹 ニ亙 ルカ如 キ文 句 ヲ使 用 ス多 ク地 方 同業 者 ニ販 売 セラ ル
ル記 事 ヲ掲 載 ス ル モ新 作 歌 ニ ハ時 々資本 主義 ヲ呪 咀社 会 主 義
版 法 ニ依 リ発 行 シ居 レリ内 容 ハ新 作 流 行 歌 ノ広 告 及 之 ニ関 ス
流 行 歌 読 売 業 者 ニ依 リ組 織 セ ル青 年 親 交 会 ノ機 関 誌 ニシ テ出
加 藤 一夫 小 川 未 明 自由 人 聯 盟 ノ機 関 誌 ナ ル モ同 聯 盟 ノ漸 次 衰 退 スル傾 向 ニ伴 ヒ 佐野袈裟美 本 誌 売 行 思 ハシカ ラ ス従 ツ テ経 営 困 難 ニ陥 リ休 刊 勝 ナ リ内容 ハ ﹁ト ル スト イ﹂ 主 義 ヲ始 ト シ 一般 思 想 問 題 労 働 問 題 ニ関 ス 川崎 悦 行 松 村 チ ヱ ル論 評 竝文 芸 評 論 等 掲 載 ス 吉 田金 重
添 田平 吉 小池芳次郎
布留 川 桂 北浦 千太郎 諏訪与三郎 和田栄 太郎 伏 下 六郎 生島 繁 赤間乾 一
大 衆 運 動
種 蒔 く 人
無 産 社 リー フレ ツ ト 水 曜 会 パ ン フ レ ツ ト
四谷区南伊 賀町六〇 其社
赤坂 区青山 北 町 一ノ八 種蒔き社
本 郷区桜木 週 一回 町五五 約 二 、〇〇〇 其社
月 一回 約 五〇 〇
随時 三、〇〇〇
随時 三、〇〇〇
府下荏原郡 入新井町七 〇三 平民文学 出 版部
高畠 素 之
均
利 彦
近江谷 駒
堺
山 川
全部兼 近江谷 駒
発行 山本 智 雄 編輯兼印刷 小栗慶 太郎
堺 利 彦 中宗根 源和
山上 正義 山川菊 栄 宮 島信 泰 加 藤 一夫 宮 地嘉 六 神 近市 子 小 川未 明 江 口 渙 松 本淳 三
高畠 素 之 北原 竜雄 小栗慶 太郎 高 野松 太郎 山本智 雄
山 川 均 山 川菊 栄 横 田千 元 堺 利彦
発行兼編輯 中宗根源和 印刷 山 上 正義
全部兼 横 田 千元
国 家 社 会 主 義 ノ立 場 ヨリ高 畠 北 原 等 ニ於 テ他派 ニ対抗 的 ニ五
ノ主 張 ヲ圧 倒 セ ント スルカ 如 キ極 端 ナ ル記 事 ヲ掲 ケ挑 戦 的 態
月 二十 一日初 号 創 刊 以 来革 命 的 国 家 社会 主 義 ヲ標 榜 シテ他 派
八月 五 日第 十 号 限 リ廃 刊 セ リ
度 ニ出 テタ ル観 ア リ シ モ間 モナク 両 人間 ニ意 見 ノ衝 突 ヲ来 シ
ノ ヽ如 ク小 説詩 及評 論 等 ヲ内 容 ト セ ル カ文 章 矯 激 ニ亙 ル モ ノ
十 月 三 日創 刊 主 ト シ テ文 芸 ニ依 リ主 義 宣 伝 ヲ為 サ ント スル モ
ア リ初 号 ハ禁 止 処 分 ニ付 セ ラ ル
﹁階級 闘争 ﹂ ト題 ス ル モノ ハ禁 止 処 分 ニ付 セ ラ ル其 他 ﹁労 働
五 月 二 十 四 日 ヨリ専 ラ主 義 宣 伝 用 ト シ テ発 行 シ居 レ ルカ初 号
﹁労働 婦 人 の解 決 ﹂ ﹁ 婦 人 問 題 ﹂ 等 ヲ発 刊 セ リ
運動 桃 太郎 ﹂ ﹁ 智 識 階 級 に与 ふ﹂ ﹁農 村 問 題 ﹂ ﹁金持 と 貧 乏人 ﹂
九 月 二 十 五 日 ヨリ専 ラ主 義 宣 伝 用 ト シ テ発 行 シ居 レリ(一) な
ま け者 と社 会 主 義(二) 牙 を ぬ か れた 狼(三) 労農 露 西亜 の農 業 等 ハ既 ニ発行 セリ
制 度(四) 労 農 露 国 回答(五)タ ンク の水(六) 白 牙 利 ニ労 農 革 命
文 化 運 動
ナ
牛込区払方 町三 月 一回 約 五、〇 〇 〇 日本人文協 会
月 一回
本郷区駒込 上富士前町
ロ
約 三、〇〇 〇 五
新 人会
府下北豊島 郡巣鴨町宮 月 一回 約 二 、〇 〇〇 下 一七八六 労働社
オ ド
労
働
者
石 田友治
千葉雄次郎
吉 田
発行 石 田ミ つ志 編輯 石 田貞 三 印刷 石 田友 治
全部兼 千葉雄次郎
石 田友治 土 田杏村 宮崎安右エ門 島中 雄 三 金 子白夢 山 田嘉吉 赤松 克麿 新明 正道 山 崎 一雄 早 坂 二郎 石渡春 雄 佐野 学
諏訪与 三郎 望 月 桂 鈴 木 重治 水 沼 熊 吉 田 一 吉 田順 司 原沢武之助 発行 渡 辺満 三 和 田軌 一郎 高 田 和 逸 一 八 幡兼 松 編輯兼 久板卯之助 吉 田 一 天土松太郎 岩佐作 太郎 高尾平兵衛 和田軌 一郎 中島安太郎 水 谷 寛 殿 水藤之助
大正 五年 初 頭 ヨリ刊 行 ヲ継 続 シ ツ ヽアリ集 産 主 義 者 井 篦 節 三 、
発表 ハ投 稿 者 ノ自 由 ニ任 スモ事 実 上 ノ編 輯 ハ特 別 要 視 察 人 島
故 野 村 隈 畔 最 モ多 ク執 筆 セ リ内 容 常 ニ 一律 ナ ラ スシ テ意 見 ノ
カラ ス
中 雄 三専 ラ鞅 掌 シ居 ル ヲ以 テ主 義 宣伝 ニ利 用 セ ラ ル ヽ場 合 少
新 人 会 機 関 誌 ﹁先 駆 ﹂ ノ後 身 ナ リ大正 十 年 六月 一日 ヨリ現 題
一党 主 義 ニ終 始 ス従 ツ テ本 誌 ノ所 載 常 ニ 一貫 セ ル主 義 主 張 ア
名 ニ改 ム由 来 新 人 会 ノ主 張 ハ統 一ア ル ニア ラ ス シテ所 謂 一人
ル ニア ラサ ル モ統 計的 ヨリ セ ハ共 産 主 義 ノ主 張 最 モ多 キ ヲ占
ム発 行 後 ノ多 ク ハ発 売頒 布 ヲ禁 止 サ ル ヲ以 テ其 ノ筆鋒 ノ激 越
ナ ル ヲ想 像 スル ニ足 ル
吉 田 一、高 尾平 兵 衛 等 労 働 社 一派 ノ 機 関 誌 ニ シ テ北 部 自 主
分 子 ヲ始 メ足 尾 、横 浜 、 富 山 、 京 都 、 大 阪 、神 戸 、広 島 等 ノ
会 、 正 進会 、信 友 会 、時 計 工組 合 、 友 愛 会 、 工 友会 等 ノ左傾
ム記 事 内 容 ハ各 地 ニ於 ケ ル労 働 運 動 及 同 志活 動 等 ヲ背 景 ニ主
地 方同 志 ト連 絡 ヲ執 リ主 ト シ テ労 働 者 ニ対 シ主 義 ノ宣 伝 ニ努
義 宣伝 竝 ニ煽 動 的 記 事 ヲ以 テ充 サ ル ヲ以 テ殆 ト毎 号 発 売 頒 布 禁 止 処 分 ニ附 セ ラ ル
名
五月
十 一月
十月
九月
五月
十 一月
九月
四月
三月
九月
七月
五月
発行月
大正十年中特別要視察人著作物調査表 題
戯
空 想的及科学的社会主義 火事 と半 鐘 楽 天囚人 悪 民衆芸術論 正義 を求 める心 民衆科 学叢書第 三編人間 の正体 マル ク ス 第三巻 資本論 第 全 集 一冊 社会主義進化論 財産進化論 資本論解説 第三巻 資本論 第 二冊 マル クス マル ク ス 全 集
マルク ス経 済 学
六月
社会主義社会学
レー ニ ンと ト ロツ キ ー
九月
五月
七月
十 一月
民衆科 学叢書第一 編動物 界 の道 徳 労農革命 の建設的方面 アルス社 会学叢書第 一編労農 露西亜 研究 民衆科 学叢書第四編文明人 の野蛮性
響 か ぬ 鐘
八月
カ ア ペ ンタ ア及其 哲 学
ト ル スト イ 短 篇 選集
利 彦
著 作 者 面 家荘 佶 中村徳 二郎 高 島 大円
発 行 者
堺
北 原鉄 雄
幻滅 の彼 方 へ アルス社 会学叢書第 二編 私有財産 第 三巻 社会主義 研究 第 二号
の進化
九月
十月
添田唖禅坊
山崎今朝弥
荒畑 勝 三
加 藤 一夫
本
本
人
人
北 原 鉄雄
神 田豊穂
二月
沖野岩三郎
生 田長 江
操
亀 田輝 時
河中俊 四郎
二 瓶 一次
和 田
馬島房次郎
浜中松 之助
矢 野留 吉 本 人
九月
五月
七月
八月
十月
十 一月
一月
一月
十二月 遠藤友四郎
大 庭景 秋
四月
新 撰流 行歌 お 国 節
九月
六月
悲劇 歌集 こ のご ろ は や る新流行歌 浜 田栄 子 の歌 浮 世 節 ド ナウ河漣
上
新作鴨緑江節 イ ンデイア ンソ ング 新 有 明 磯 辺 の嵐 噫 原首 相 民謡曲 三島女郎衆 白蓮夫人 の歌 同
ペ ンの 踊 天野屋利兵衛 失は れし真珠
少年少女森 の祈 読 物
八月
六月
反資本主義
の 憂 中村徳 二郎
婦人解放 より の解放
魂
神 田豊 穂
北原 鉄雄 中村徳 二郎
山 本 美 中村徳 二郎
面家 荘佶
面家 荘 佶
中村徳 二郎
栄
大杉
均
高 畠素 之
山 川
山 川 均 〃 菊 栄
石川三四郎 加 藤 一夫
河本俊 三
ニイ チ エ 第 全 集
五 編 ツ ア ラ ト ウ スト ラ 十 一月
( 訳) 佐 藤 義 亮 島 中 雄 三
本 本
六月
荒 川信賢
人 人
安 部磯 雄
十 一月 三月
本
社会文化ギ ルド後 篇 組合 の研究叢書 社会主義と は何 ぞや
社会問題概論 宮 武外 骨
十 二月 宮 地 嘉 六
照井 健伍
人
十月
像
売春婦異名集 群
題
号
大正十年中特別要視察人関係禁止新 聞雑誌調査表 禁 止 月 日 一月 十 九 日 一月 二十 四 日
共
同
会
産 評
会
働
主
運
十 二月
九月
五月
四月
二月
花 道 東京第 一部 愛慾篇
十 一月
考
大阪市 ニテ発行
備
創作新約 上巻 同 下巻 江原小弥太短篇集 創 作復 活
発行者又 ハ 関 係 者 荒畑 勝 三 藤 田与次 不
人
人 近藤 憲 二
同
堺 利 彦 岩佐作 太郎
荒畑勝三
同
近藤 憲 二
人
明
西 暦 一九 二〇年 十 一月 党 七 日附 第 一号
義 四月九日附 第 九巻第 六号 動 五月七日第十号
同
藤 田与 次 二月 二十 五 日附
論 二月十五 日附
日 本 労 働 新 聞 一月十 六 日附 第 四 十 三号 新 思 想 訓 ト題 スル記 社 会 評 論 事 ア ル モノ
一月 二十 五 日
社
日 七 日
労
同
社
三月六 日附 労 働 運 動 第 五号 三月十三日附 同 第六号 三月十五日附 日 本 労 働 新 聞 第 四十五号
二 日
二 月 同 三 月
日
三 月 十 九 日 同
日
八 日 五 月 六
日
四 月
同
江原小弥 太
上 司小 剣
帆刈芳之助
三井玉 輝 面 家荘 佶
松 野鶴 平
五 月 十
日
五 月十 九 日 五 月 二十 六 日
労
六月 十九 日 六 月 二十 五 日
正
吉 田
吉 田
一
一
六月二十五日附 者 第 三号
不
六月五日附 進 第 二巻第六号 働
七 月 二 十 八 日附 者 第 四号
内
不
明
著者発行人又 ハ関係者
明
西暦一九二一年 党 五 月七日附 第四号 十月五日 進 第 二巻第 十号
ハ
容
十 一月 十 四 日附 第 二巻第 十 一号
又
)
)
産
働
労 働 者 五月 十 二 日附 吉 田 一 第 一号 五月 二十 日附 同 同 人 第 二号 五 月 二十 四 日附 堺 利 彦 無 産 社 リ ー フ レ ツ ト 階 級 闘 争 ト題 スル モ ノ 仲宗根源和 堺 利 彦 社 会 主 義 五 月 二十 日附 岩 佐作 太郎 第九巻第七号
六月 三十 日
労 共
七 月 三十 一日 八 月 二十 三 日
正 同
十 月 二十 二 日 十 月 十 四 日
号
お 前 等 が かう し て い つも 芝 居 な ど を 見 て楽 し む のも 今 少 し のう ち だ 云々 ト ア ル モ ノ
日本 の無
( 民 衆 の 戦 ひ既 に起 れ るを 云々 ト ア ル モノ
(
革命 今 や近 け り、 見 よ北 欧 に西 欧 に自由 を叫 ぶ
過激主義宣伝歌
﹁ 革命は近けり全国の無産者 団結 せよ 産者準備せよ﹂ト印刷 セリ
五拾銭紙幣 一枚 裏面 ニ
(
過激主義宣伝ビ ラ
題
大正十年中特別要視察人関係禁止出版物調査表 禁 止 月 日
一 月 十 二 日
一 月 二 十 日
一 月 十 九 日
備
考
(亜 細 亜 に続 く 北欧 の ロシ ヤ の民 を 君 見 ず や 云 ゝ)
ロ シ ヤ革 命 歌
共産党宣言 一冊
一月 二 十 二 日 一月 二 十 四 日
佐野袈裟美著
日
各 一枚 ( 主義宣伝文 )
厳正批判 ( 主義宣伝文 一枚)
(露 西 亜の労働者 を見 よ云ゝト アルモノ)
謄 写版 宣 伝 文
( 深川 区西井 三二ト記載 アルモノ)
共 存 倶 楽 部 趣 旨 綱 領 規 約 一枚
日本社会主義同盟報告 一枚 日本 社会主義同盟講演会引札 一枚
日本 社会主義同盟
労働者同人
同盟同人
明
自由 社会 の創 造 一冊
日
一月 二 十 六 日 七
不
月
四
新時代訓新人生訓新思想訓
無産者 同盟会員勧誘印刷物
二
二 月 十 二 日
二 月 十 五 日 二 月 二 十 一日
二月 二 十 四 日
月
二 月 二十 六 日 三
﹁月刊 雑 誌 ﹁労 働 者 ﹂ 発 行 に際 し て」 ト 題 ス
宣 言 ト 題 ス ル檄文 一枚
自由人聯盟
ル モ ノ 一枚
三 月 十 七 日
自由人聯盟 ノ宣 言入会申込書 一枚
三 月 十 五 日
三 月 十 八 日
足尾銅山鉱夫諸君諸君は勇ましくも奮 檄文 一枚( 然 と起 つた 云ゝト アルモノ
署名者 国家社会主義 宮本市蔵神戸富哉
足尾鉱夫後援団 四 月 十 三 日
同 一枚 ( 足尾鉱夫 ニ対 シ革命 ヲ煽動 セル モノ)
)
四 月 十 八 日
大阪府 ニ於 テ発行
要注意人
四 月 十 八 日
四月二 十 六 日
月
一
日
四月二十 八 日 五
主義宣伝文 二種二枚 我 等 の目 的 ト題 ス ル モ ノ 一枚 革命 ヲ煽 動 セ ル モ ノ 一枚
(
ト題 スル宣 伝 文 一枚
)
メーデ ーを し て意義 あ ら し め よ 友 よ! よ!
同志
不
明
日本社会主義 同盟
赤 瀾 会
日本社会主義 同盟第 二回大会 宣言 一枚 婦 人 に檄 す ト 題 ス ル主義 宣 伝 文
不
明
吾等 は何時迄屈せ んや云ゝト記載 セル主義宣 伝歌 一枚
日本無産者同盟
(俺 達 労 働 者 は ト題 スル モノ)
檄文 一枚
赤 瀾 会
日
ト 題 ス ル モノ 一枚
明
檄 文 一枚 (ふ た ゝび婦 人 に檄 す ト題 ス ル モ ノ)
一
﹁真 に人 間 ら し き 平 和 の社 会 を望 む 人ゝ 云ゝ ト ア (
﹁ ル モノ
宣 言 ト題 スル借 家 人 同 盟 ニ関 ス ル印 刷 物 一枚
謄 写版印刷物 一枚
無産階級
社会 主義 ヘ、社 会 主 義 ノ時 代
河島 真 二名 義 ニテ ﹁私 ハ社 会 主 義者 ニテ 四年 前 カ ラ巡 査 ノ尾 行 ヲ受 ケ テ 居 マス」 云ゝ ト ア ル モノ (
ヘ立 テ
立 テ ヨ労 働 者
不
五
日
主義宣伝文 一枚
エル ツ ハツ ヘル著 若 山 健 二 訳
一
)
無政府主義論 一冊
日
五 月 二 十 一日
十
プ ル ード ン著 新 明 正 道 訳
月
月
)
財 産 ト ハ何 ゾ ヤ
五
月
五 月 十 六 日
六
月
九
日
六 月 十 五 日
五
九
日
LL会宣言及会則 宣言書 一枚 吾 々は 今 あ ら ゆ る圧 迫 の もと に生 き て ゐ る 云々 ( ト アルモノ
階 級 闘争 ト 題 シ堺 利 彦 ト記 載 セ ル モ ノ
兄弟 再ビ工場 ヲ奪還 セ ヨ俺達 ノ真 ノ要求 ハ団体 交渉 権ヤ賃金増減デ ナイ云々ト記 ス
宣伝 札 一枚
自由人臨時号
さ ゝる も の は所 有 すべ から ず 云 (耕 々ト ア リ
史 は革 命 の連 続 に あ る 云々 ト ア 宣伝 札 一枚 (歴 リ
(
檄文 一枚
末 尾 ニ 脇 貞 邦 君 送 別 会 有 志 ト 記 載 ス
檄 !!送 別 会 通知 ト題 シ
( 革命的営業 !!革 命は来 れり云々トアルモノ)
謄 写版 印 刷 物 一枚
発 会 の宣 言 ト題 ス ル モノ 一枚
一 日
日
五 月 十
六
無産 者 リ ー フ レ ツ ト (一)
月
五月 二十 六 日
六
六 月 三 十 日
七 月 十 九 日
月
八 月 十 三 日 九 九 月 十 八 日
第 一年 第 一巻 第 一号
)
)
)
)
大阪市 日本労働新聞社内 自由人聯盟 黒色労働会 仲宗根源和
不
明
明
渡 辺時計修繕所馘 首 工後援者
不
自由 人聯盟
巌
近江谷駒発行 種 蒔 く人
日
十
五
十 月 十 九 日
但シ 檄 ト題 ス ル宣 伝 札 此 ノ コーラ ン受 け よ 云々 ト アリ
月
十 一月 二 十 日
近藤栄蔵 一派
近く入営 せんとする 一壮丁 普 く全国 兵 平岩 檄文 一枚 卒 諸君竝 に無産階級諸君 に檄 すト題 ス ト題 スル モ ノ
檄 文 一枚
軍 人 諸 名 よ ! 兄 弟 よ!
十 一月 二十 一日
十 一月 十 六 日
十 一月 二 十 一日
宣伝札 一枚
全国無産階級民 に檄すト題 スル檄文 一枚
檄 文 一枚 軍人諸君ト題 スルモノ
盗 ん で食 ふ のが資 本主 義 云ゝ ト ア ル モノ
十 一月 十 一 日
吾ゝ労働 者と資本家共 の戦 ひに於 て警 檄 ト題 シ 察 官は決 して吾ゝ労働者 を或 は検束し
革 命 によ つて労 働 者 の失 ふ は たゞ 鉄 鎖 のみ 云ゝ ト ア ル モノ 我 等 は 未 だ綿 衣 を得 ざ る に 云ゝ ト ア ルモノ
十 一月 十 三 日
宣伝札
云ゝ ト ア リ
十 一月 二十 四 日
「飢饉 ロシ ヤ民 衆 の為 め に﹂ ト題 ス
一枚 法 律 ト強 権 ト ハ掠 奪 階 級 ノ為 メ ニ存 在 シテ居 ル 云ゝ ト記 載 ス
宣 伝 札 一枚
大正十年 八月 一日附
十 二 月 五 日
創刊号
民衆詩
同年 十 一月 二十 日附
十 二 月 六 日
第三号
来 レ勝 美 ク ラブ ト 題 ス ル講 演 会 引札
第 二号
十 二月 二十 一日
宣 伝 札 一枚 ( 資本家 ヲ倒セ云ゝト アリ)
十 二 月 七 日
十 一月 三 十 日
高瀬
明
清
浅井 リカ
不
岩佐作太郎 一派
明
千葉武郎
不
度 組 織 ノ否 定 変革 若 ク ハ破 壊 ヲ目 的 ト シ言 論 ニ集 会 ニ将 又著 作 物 ニ
済 組織 竝 ニ宗 教 道徳 ノ観念 ニ背 反 ス ルヲ以 テ其 ノ主義 主 張亦 是 等 制
特 別 要 視 察 人 ハ其 ノ抱 懐 ス ル所 ノ思 想 一般 ニ現 代 国 家 社会 制 度 及 経
等 ノ犯 罪 ハ其 ノ性 質 上概 ネ治 安 警 察 法 違 反 、公 務 執 行 妨 害 、 出 版 及
峻 厳 ナ ル取 締 ヲ為 シ ツヽ ア ルヲ以 テ其 ノ犯 罪 検 挙数 亦 少 シト セ ス彼
然 レト モ彼 等 ノ言 動 ニ シ テ苟 ク モ法 令 ニ違 反 スル者 ニ対 シ テ ハ常 ニ
ヲ達 セ ント スル ヲ以 テ之 カ犯 罪 ノ程 度 ニ達 スル モ ノ比較 的 僅 少 ナ リ
払 ヒ且 ツ極 メ テ巧 妙 ナ ル手 段 方 法 ニ ヨリ巧 ニ法 網 ヲ脱 レ テ其 ノ目 的
苟 ク モ彼 等 ノ思 想感 情 ノ発 露 セラ ルヽ所 法 令違 反 ノ伴 ハサ ル コト ナ
新 聞 紙 法違 反 竝 ニ朝 憲 紊 乱 等 ノ系 統 ニ限 ラ レ其 ノ他 ノ犯 罪 ニ至 リ テ
(五) 特 別要 視 察 人 ノ犯 罪
キ カ如 キ モ然 カ モ漫 リ ニ刑 辟 ニ触 レ ン コト ヲ畏 レ常 ニ細 心 ノ注 意 ヲ
コト ナ キ ヲ保 セ ス然 カ モ是 等 ノ犯 罪 ハ年 ト 共 ニ増 加 ノ傾 向 ア リ今 大
ハ極 メ テ稀 ナリ ト雖 時 ニ或 ハ感 情 ノ激 スル所 暴 力的 犯 罪 ヲ敢 行 スル
人渡 辺 満 三外 三名 検 挙 セ リ本 件 夫 々処刑 済
金 之助 ヲ蔵 匿 シタ ル ヲ以 テ吉 田 ヲ初 メ犯 行 ニ加 担 セ ル労 働 要 視 察
郷 区本 郷 六丁 目 先 街 路 ニ於 テ高師 学 生宮 原 初 ヲ殺 害 セ ル犯 人 山 田
輝 一派 ニ属 ス ル在 京 鮮 人 李 増 林 ノ紹 介 ヲ得 在 京 同 志 大杉 栄 、堺 利
東 京 ニ移 送 シ取 調 ノ結 果 右 ハ在 上 海 潜 称 朝 鮮 仮政 府 主 脳 鮮 人 李 東
関 市 ニ上陸 、妓 楼 ニ遊 興 中 下 関警 察 署 ニ逮 捕収 監 セラ ル間 モナ ク
(ホ) 五 月 十 三 日甲 号 近 藤 栄 蔵 ハ現 金 六 千余 円 ヲ携 ヘ上海 ヨリ帰 朝 下
正 十 年 中 ニ於 ケ ル管 下 特 別 要 視 察 人 等 ノ犯罪 ヲ観 ル ニ拘 留 科 料 ニ該 ル カ如 キ軽 微 ナ ル モノ ヲ除 ク モ尚 検 挙 件 数 実 ニ十 七件 ニ及 ヘリ而 シ
ト モ以 テ如 何 ニ彼 等 ノ運 動 振 リ カ熾 烈 ニシ テ且 ツ悪 化 ノ度 ヲ加 ヘツ
テ被 検 挙 者 中 ニ ハ未 タ名 簿 ニ編 入 セ サ ル所謂 要注 意 人 モ尠 カ ラ サ レ
ヽア ル カ ハ想 像 ニ難 カ ラ サ ル ヘ シ茲 ニ同 年 中 ニ於 ケ ル重 ナ ル事 件 ヲ
彦 、高 津 正道 、 近藤 憲 二 、橋 浦 時 雄 等 ト 協 議 ノ上 日本 内 地 ニ於 ケ
愛 敬 ヲ シ テ通 信 関 係 ヲ担 当 セシ メ堺 ヨリ旅 費 ノ支 出 ヲ受 ケ上 海 ニ
ル赤 化 計 劃 ニ関 シ費 用 見積 書 ヲ作 成 シ且 ツ米 国 ヨリ帰 朝 セ シ松 本
略 述 スレ ハ
中 ノ栃 木 県 下足 尾 鉱 山労 働 者 等 ノ集 会 ニ臨 ミ予 テ携 行 セ ル不穏 宣
ト シ テ前 述 金 額 ヲ受 領 シタ ル コト判 明 シ タ ルカ未 タ 以 テ内 乱 罪 ノ
渡 リ露 国 共産 党 ノ宣 伝 機 関 タ ル前 記 李 東 輝 一派 ト会 見赤 化宣 伝 費
(イ ) 四 月 十 三 日甲 号高 尾 平 兵 衛 、原 沢 武 之 助 、 竹内 義 幹 ハ折 柄 争 議 伝 ビ ラ ヲ撒 布 シ煽 動的 行 動 ヲ敢 テ シ タ ル為 メ現状 ヨリ治 安 警 察 法
ル警 察 官 ニ暴 行 ヲ加 ヘ又 ハ禁 止 処分 ア リ タ ル不穏 檄 文 ヲ撒布 ス ル
ヲ指 導 ス ルノ態 度 ニ出 テタ ルカ事 毎 ニ主 義 宣 伝 ニ意 ヲ用 ヒ制 止 セ
ー﹂ ニ際 シ在 京特 別 要視 察人 等 ハ是 等 団 体 ニ先 頭 ニ立 チ示威 運 動
郵 送 シ来 レ ル出 版 物 及 帝 大 学 生 津 曲 蔵 之 丞 ノ所 持 セ シ雑 誌 ノ 一部
要 注 意 人 平 田 晋作 ノ三 名 ニ於 テ 日本 社 会 主義 同盟 ヘ在 米 同 志 ヨリ
捜 査 ノ結 果 ﹁スパ ルタ カ ス団 宣 言 ﹂ ハ甲 号 高津 正道 、同 人 妻 タ ヨ、
批 判 ﹂ ト題 ス ル過激 主 義 及 不 敬 思 想 宣 伝 文 書 ノ筆 跡 ト同 一ト認 メ
目 出 度 い こ と﹂ 云 々 ﹁ 新 思 想 訓 ﹂ ﹁新 人 生 訓 ﹂ ﹁ 新時代訓﹂ ﹁ 厳正
末 ヨリ同 十年 二 月中 旬 ニ至 ル間 市 内 ポ スト ニ投 函 セ ラ レタ ル ﹁お
(ヘ) 六 月 二十 一日 思想 要注 意 人石 川 太 一方 ニ於 テ ﹁スパ ル タカ ス団 宣 言 ﹂ ト題 ス ル謄 写版 刷 秘 密 出 版 物 ヲ発 見 シ タ ル カ右 ハ大正 九 年
程 度 ニ達 セ ス裁 判所 ト協 議 ノ上 厳 諭 釈 放 セ リ
違 反 ト シ テ検 挙 宇 都宮 裁 判 所 ニ於 テ処 刑 セ ラ レ タ リ (ロ) 四月 二十 九 日 要注 意 人中 名 生 イ ネ ( 幸力妹)、神 道 久 三 ノ両 名 ハ デ ー﹂ ニ関 ス ル檄 文 ヲ撒 布 シ主 義 宣 伝 ニ力 メ ツ ヽア ル現行 ヲ発 見 、
府 下 淀 橋 町 角 筈 ノ街路 ニ於 テ禁 止 処 分 ア リ タ ル赤 瀾会 発行 ﹁メ ー
出 版 法 違 反 ト シ テ検挙 セリ今 尚 裁 判 繋 属 中
等 ノ所 為 ア リ タ ル甲 号 近藤 憲 二 、栗 林 四郎 一外 要注 意 人 八 名 ヲ出
( ) ハ 五月 一日都 下 全 労働 団 体合 同 ノ下 ニ挙 行 セ ラ レ タ ル 「メ ー デ
版 法 違 反 、公 務 執 行妨 害 ト シ テ検 挙 セ リ目 下 其 ノ 一部 ハ裁 判 繋 属
「お目 出 度 い 云 々」 外 四種 ノ不 穏 文 書 モ執 筆 セ シ記 憶 ア リト申 述
ヲ綜 合 シ テ起 案 出 版 シタ ル コト ヲ自 認 シ同 時 ニ高 津 タ ヨ ハ前 記
セ ル ヲ以 テ九 月十 三 日事 件 ヲ東 京 地 方裁 判 所 検 事 正 ニ送 致 セ リ目
中 ( ) ニ 五月 三 日甲 号 吉 田 一ヲ中 心 ト セ ル府 下 巣 鴨 町 労働 社 ニ於 テ ハ本
下 予審 中 (ト) 甲 号 近藤 栄 蔵 ハ同 岩 佐作 太郎 ノ発 行 兼 編 輯 ニ係 ル雑 誌 「社会 主
( 之 カ為 メ ニ同紙 ハ禁 止処分トナル) セ ルヲ以 テ 両 名 共新 聞 紙法 違 反
ヲ執 筆 掲 載 (之 カ為メ同紙 ハ禁止処分 セラル) セ ル ヲ以 テ両 名 共新 聞
(ワ) 甲 号 示 野 吉 三郎 (石川県編 入) ハ同 志 吉 田 一ノ 発 行 ニ係 ル新 聞 ﹁労 働 者 ﹂ 第 四 号 ニ ﹁ 労 働 者 、監 獄 軍 隊 ﹂ ト題 スル不 穏 ナ ル記事
ト シ テ八月 八 日事 件 ヲ東 京 地方 裁 判 所 ヘ送 致 セ リ目 下 審 理 中
化 の自 覚 ﹂ ト題 スル不 穏 ナ ル記事 ヲ執 筆 掲 載 セ ル ヲ以 テ七 月 四 日
義 ﹂ 四月 号 ( 禁止処分 セラ ル) ニ ﹁赤 色 労 働 組 合 国 際 同 盟 と 社会 進
両 名 共 新 聞 紙 法 違 反 ト シ テ事 件 ヲ東 京 地 方 裁 判 所 検事 正 ニ送致 セ
紙 法 違 反 ト シ テ八 月 二十 六 日事 件 ヲ東 京 地 方 裁 判 所検 事 正 ニ送 致
ヲ以 テ治安 警 察 法 違 反 ト シ テ現 場 ニ於 テ検 挙 セ リ目下 裁 判 繋 続 中
テ侵 入 シ職 工等 ノ態 度 ヲ軟 弱 ナ リ ト非 難 シ煽 動 的 言辞 ヲ弄 シタ ル
社 工場 ノ労 働 争 議 ニ際 シ罷 業 職 工等 ノ集 合 セ ル工 場 ヘ短 刀 ヲ携 ヘ
(カ) 甲 号 栗林 四 郎 一 ハ十月 五 日府 下 大 森 町 所 在 東 京 瓦斯 電 気 株 式 会
セ リ引 続 審 理 中
リ目 下 審 理 中 (チ) 甲 号 北 浦 千 太郎 ハ吉 田 一ノ発 行 兼 編 輯 ニ係 ル新 聞 「 労働者﹂第 一号 ( 禁止処分 セラ ル) ニ ﹁下 獄 す る に当 つて﹂ ト 題 ス ル不穏 ノ記 事 ヲ執 筆 掲載 セ ル ヲ以 テ両 名 共 新 聞 紙 法 違 反 ト シ テ七 月 四 日事 件 ヲ東 京 地 方裁 判 所検 事 正 ニ送 致 セ リ目 下 審 理 中 ( リ) 甲 号 八 幡 兼松 ハ同 志 吉 田 一ノ発 行 兼 編輯 ニ係 ル新 聞 ﹁ 労働者﹂
荒井 邦 之介 外 二名 ヲ現 行 犯 ト シ テ逮 捕 シ次 テ暁 民 会 一派 ニ属 スル
配中 果 シ テ十 二 日夜 市 内 枢 要 場 所 ニ貼 付 シ始 メタ ル ヨリ要 注 意 人
市ニ一 斉 ニ共産 主 義 宣 伝 ポ スタ ー ヲ貼 付 スル計 劃 ア ル ヲ探 知 シ手
( ヨ) 十 一月十 二 日在 京 主 義 者 等 ハ地 方 同 志 ト連 絡 ヲ執 リ全 国 主 要 都
シ テ七 月 四 日事 件 ヲ東 京 地 方 裁 判 所 検 事 正 ニ送致 セリ目 下 審 理 中
甲 号 川崎 悦 行 等 及 無 産 社 ニ属 ス ル甲 号仲 宗 根 源 和 、山 上 正 義 等 十
( 之 カ為 メ同紙 ハ禁 止処分 セラル) セ ル ヲ以 テ両 名 共新 聞 紙 法 違 反 ト
第 二号 ニ ﹁ 足 尾争 議 の感 想 ﹂ ト題 スル 不 穏 ナ ル記 事 ヲ執 筆 掲 載
鴨 町 宮 下 一六 一 一番 地 ヲ発 行 所 ト シ テ七 月 十 日付 ﹁叛 逆 ﹂ 第 一号
五名 ヲ検 挙 シ取 調 ノ結 果 右 ハ甲 号 近藤 栄 蔵 、高 津 正道 、 高 瀬 清 、
( ヌ) 甲 号 三 田村 四郎 ハ自 ラ発 行 兼 編 輯 印 刷 人 ト ナ リ府 下 北 豊 島 郡 巣
( 新 聞紙法 ニ依 ル ヘキヲ無届 ニテ) ヲ発 行 シタ ル ヲ以 テ新 聞 紙 法 違 反
要注 意 人 平 田晋 作 、 小 野 兼 次 郎 及 前 記 川崎 ヽ仲 宗 根 、 山 上 等 カ本
ノ目的 ヲ以 テ暁 民 共 産 党 ( 後 ニ日本共産党 ト改称)ト 称 ス ル秘 密結
ト シ テ八 月 六 日事 件 ヲ東 京 地 方 裁 判 所 検事 正 ニ送 致 セ リ目 下 審 理
社 ヲ組 織 シ 近藤 栄 蔵 ヲ執 行 委 員 ニ高 津 ヲ宣 伝 部 長 ニ仲 宗 根 ヲ会 計
年 八 月中 堺 利 彦 経 営 ノ無 産 社 ニ会 シ 「ボ ル シ エヴ イ キ」 政 府 樹 立
(ル) 甲 号 仲 宗根 源 和 、山 上正 義 ノ両 名 ハ七 月 九 日尾 行 勤 務 中 ノ四 谷
中
行 妨害 罪 準 現 行 犯 ト シ テ逮 捕 事 件 送 致 ノ結 果 夫 々処 刑 セ ラ レ タ リ
警 察 署 巡 査本 田甚 作 ニ対 シ暴 行 ヲ加 ヘタ ル ヲ以 テ傷 害 竝 ニ公務 執
立 ノ ﹁デ モ ン スト レ ー シ ョ ン﹂ ト シテ前 記 主義 宣 伝 ポ ス タ ー三十
シ要 注 意 人 田 所 輝 明 外 数 名 ヲ党員 ト ス ル コト ヽシ高瀬 ハ先 ツ党 成
部 長 ニ平 田 ヲ調 査 部 長 ニ夫 々選挙 シ山川 均 夫 妻 ヲ党 ノ会 計顧 問 ト
働 者 ﹂ 第 三 号 ニ ﹁吾 人 の目 的 ﹂ ト 題 スル不穏 ナ ル記 事 ヲ執 筆 掲載
(ヲ) 要注 意 人市 川 弁 次 郎 ハ甲 号 吉 田 一ノ発行 兼 編 輯 ニ係 ル新 聞 ﹁労
皇 太 子 殿 下 ノ欧 州 ヨリ御 帰 朝 当 日撒 布 ス ヘク計 企 シ タ ル モ官 憲 ノ
二種 六 万 五千枚 ヲ芝 区新 桜 田町 活 版 業 荒 井 淳 之 助 ニ托 シ テ調 製 シ
ヘキ手筈 ト ナ リ居 ルヲ探 知 シ タ ル ヨリ彼 等 ノ会 見 ニ先 チ翌 二十 五
ル宣 伝 費 ヲ日本 共 産 党 員 ニ交 付 ス ヘク先 ツ甲 号 山川 均 等 ト会 見 ス
﹁グ レ ー﹂ ヲ取 調 タ ル ニ彼 ハ約 金 七 千 円 (五千円 ハ台湾銀行小切手
日早朝 神 奈 川 県警 察 部 ニ通 報 スルト 共 ニ庁 員 ヲ急 派 シ協 力 シ テ
其他 ハ現金) ヲ所 持 シ ﹁チ タ﹂ ヨリ上海 ニ来 リ更 ニ商 用 ニ テ渡 日
取 締 厳 重 ナ ル為当 日迄 遂 ニ其 ノ目 的 ヲ果 シ得 サ リ シ モノ ナ ル コト
シ タ リト 称 ス ル モ同 時 ニ取 押 タ ル重 田 ハ近藤 栄 蔵 ノ 依 頼 ヲ 受 ケ
判 明 セ ル ヲ以 テ治 安警 察 法 及 出 版 法 違 反 ト シ テ事 件 ヲ東 京 地方 裁 判 所 検 事 正 ニ送 致 セ リ目下 審 理中 尚 同 被 告 高 瀬 ハ入露 中 又小 野 ハ
ハ労農 政 府 ノ密使 ト シテ 日本 共 産 党 ト連 絡 ヲ執 ラ ンカ為 メ ニ渡 日
ー﹂ ト 共 ニ帰 国 セ シ コト ヲ自 白 スル ニ至 レ リ由 是 観 之 ﹁グ レー﹂
上 海 ニ渡 リ労 農 政 府 宣 伝 部 ノ人 々 ト会 見 其 ノ際 紹 介 ヲ得 テ ﹁グ レ
逃 亡 所 在 不 明 ト ナリ タ ルヲ以 テ厳 密 手 配 中 ニ属 ス ( タ) 甲 号 近 藤 栄蔵 等 共産 党 一派 ノ ポ スタ ー貼 付 事件 ニ関 係 ア ル者 ニ シテ未 検 挙 ノ者 等 ニ対 シ検 挙 方 法 攻 究 中彼 等 ハ十 一月 二十 日 ヨリ
ニ達 セサ ル ヲ以 テ ﹁グ レー﹂ ハ退 去 セ シ ム ル ノ手 続 ヲ執 リ重 田 ハ
シ タ ル コト 明瞭 ナ ル モ其 ノ行 為 ハ未 タ以 テ犯 罪 ヲ構 成 ス ルノ程 度
陸 軍 特 別 大 演 習 参 加部 隊 ノ市 内 ニ宿 営 スル ヲ奇貨 ト シ軍 隊 ニ対 シ 共 産 主 義 ノ宣 伝 ヲ為 ス ヘク企 劃 セ ル ヲ探 知 シ警 戒 中 ノ処 果 シテ 二
ル者 労 農 政府 ノ密使 ト シ テ来 邦 堺 利 彦 ト会 見 シ タ ルカ 近藤 栄 蔵 亦
厳 戒 ノ上 一先 ツ放 還 セリ。 尚 之 ニ関 聯 シ十 月初 旬 支那 人 張 太 羅 ナ
十 日夜 ヨリ二 十 一日早 朝 ニ亙 リ市 内 各 方 面 ノ軍隊 宿 舎 ニ対 シ ﹁軍
( 朝憲紊乱 ニ該 ル程度ノ不穏文記載) ヲ 郵 送 又 ハ配 布 セ ル ヲ以 テ軍 人
ニ謀 リ張 ノ使 命 ヲ実 行 ス ル為 甲 号 高 瀬 清 、 吉 田 一、高 尾 平 兵 衛 、
之 ニ干 与 シ張 ヨリ金 千 円 ヲ朝 鮮 銀 行兌 換 券 ニテ受 領 シ更 ニ山 川 均
人 諸 君 ﹂ 及 ﹁軍 人 諸 君 兄弟 !!﹂ ト題 スル 二種 ノ共産 主 義 宣 伝 ビ ラ
メ犯 行 ニ加 担 セ シ甲号 浦 田武 雄 、寺 田 鼎 、 仲 宗根 サダ ヨ、労 働 要
ルヲ以 テ厳 重 手配 注 意 中 ニ属 ス
和 田軌 一郎 、徳 田球 一等 ヲ露 国 ニ派 遣 シ タ ル事 実 ア ル ヲ探 知 シタ
等 ニ落 手 前 直 ニ夫 々差 押 ヲ為 シ 一面 捜 査 ノ歩 ヲ進 メ前 記 近藤 ヲ初
視 察 人 大 島 義晴 ( 印刷人)、要 注 意 人 藤 岡 淳 吉 、武 良 二 、堺 マガ ラ 、
尚 同 年 中 判 決 確 定 セ ル特 別 要 視 察 人 ノ犯 罪 ヲ挙 ク レ ハ別 表 ノ如 シ
荒 井 邦 之 助 (印刷 人)等 ヲ検 挙 シ取 調 ノ 結 果 治 安警 察法 及 出 版 法 ( 朝憲紊乱)違 反 ト シ テ事 件 ヲ東 京 地方 裁 判 所 検事 正 ニ送 致 セ リ目 下予審中 (レ) 甲 号 近 藤 栄蔵 ヲ首領 ト ス ル日本 共 産 党 ニ於 テ ハ十 一月 十 二 日要 注 意 人 重 田 要 一 ニ報 告 書 及 赤 化 宣 言 費 予 算 書 ヲ携 帯 セ シ メ在 上 海
ニ越 ヘテ同 月 二 十 四 日 重 田 ハ其 ノ使 命 ヲ果 シ同 宣 伝 部員 ﹁ビ ー、
露 国 労 農 政 府 宣 伝 部 支 局 ニ派 遣 シタ ル事 実 ア ル ヲ探 知 シ タ ルカ更
グ レー﹂ ト 相携 ヘテ帰 国 シ 「グ レー」 横 浜 ニ滞 在 シ携 帯 シ来 リ タ
禁錮
役
三 ケ月
懲
役
二 ケ月
懲 四ケ月
三月十二日 東 京 地方 裁 判 所
五月二十八日 宇都宮地方裁判所
六月二十日 東 京 区裁 判所
名 刑名刑期 言渡月日及裁判所
大正十年中特別要視察人犯罪表 罪
出版法 違 反
治安警 察法違 反 業務妨 害竝器 物毀棄 罪
犯
罪
事
実
概 要
五月 一日 メ ーデ ー当 日禁 止出 版 め よ ト題 スル宣 伝 札 ) を 撒 布 シ
物 (メ ーデ ーを し て意 義 あ ら し タ ル所 為 四月 十 二 日原 沢 武 之 助 ト 共 ニ栃 工中 ノ銅 山 工夫 ヲ煽 動 ス ヘク檄
木 県 下 足 尾 町 ニ旅 行当 時 同盟 罷 文 ヲ撒 布 シ タ ル所 為
雑誌新聞印刷工場内 ニ於 テ暴行 ヲ働 キ器物 ヲ毀棄 シタ ル所為 四 月 十 二日 高 尾 平兵 衛 ト共 ニ栃 工中 ノ銅 山 工 夫 ヲ煽 動 ス ヘク檄
静養 五 日 ノ打 撲 傷 ヲ負 ハセ リ
園 境 内 ニ於 テ尾行 巡 査 ヲ 殴打 シ
十 月 九 日山 上 正義 ト共 ニ上 野 公
大正九年 九月無政府主義宣伝 ノ 目的 ヲ以 テ浅草公園活動 写真帝 国館 ニ於 テ不穏 宣伝札 ヲ撒布 セ ル所為
文 ヲ撒 布 シタ ル所為
木 県 下足 尾 町 ニ旅 行 当 時 同 盟 罷
四月二十 三日 東 京 地方 裁 判 所
懲
役 五月二十 八日 宇都宮 地方裁判所
罰 金 九十 円
十月十 五日 東 京 地方 裁 判 所
二ケ 月
出版法 違 反
罰 金 四十 円
治安警 察法違 反
公務執 行妨害 竝傷害 罪
甲
甲
甲
原沢武之助
北浦 千太郎
高尾平兵衛
近藤 憲 二
名
甲
原沢武之助
氏
甲
仲宗根源和
種別
甲
建 造物 破壊 竝 器物 毀 棄罪
新聞紙 法違反
懲
役
一月十九日 東 京 地 方裁 判 所 三月十五日 東 京 地方 裁 判 所
四 ケ月
一ケ月
二月二十六日 横 浜 地方 裁 判 所
役
罰 金 八十円 三月十二日 東 京 地方 裁 判 所
懲
役
懲
三月五日 那 覇 区裁 判所
四ケ月
罰 金 三十円
三月十六日 那 覇 区裁 判所
業務妨 害竝器 物毀棄 罪
出版法 違 反
罰 金 三十円
四 ケ月
懲
東 京 地方 裁 判 所
二月 二 十 一日
役
新聞紙 法違反 建造物 破壊竝 器物 毀 棄罪
警 視 庁 留 置 場 ニ於 テ同 志 ト 共 ニ シ狂 暴 ヲ逞 シ フ セ ル所 為
革 命 歌 ヲ高 唱 シ果 テ ハ監 房破 壊
ムノ組 織 ト題 スル論文 ヲ寄稿 セ
雑 誌 ﹁宣 伝 ﹂創 刊 号 ニアナ キズ ルカ其 内 容 公 安 ヲ害 ス ル ニ ヨリ
報知新聞印刷工場 ニ於 テ暴行 ヲ 為 シ器物 ノ毀棄 シタル所為 沖 縄 愛 民 会 ナ ル モノ ヲ組 織 シ其 会 則 及 宣 伝 札 等 ヲ起 草 セ シカ宣 伝 札 中 不穏 ノ記 事 ア リ出 版法 違 反 ト シ テ告 発 セ ラ ル 琉 球 新 報 新 天 地 欄 ニ三 月 襦 夫 ノ タ ル ニ ヨリ
別 名 ヲ以 テ不 穏 ノ記 事 ヲ掲載 シ
警 視 庁 留 置 場 ニ於 テ同 志 ト 共 ニ 革 命 歌 ヲ高 唱 シ果 テ ハ監 房 ヲ破 壊 シ狂 暴 ヲ逞 フ セ ル所 為
甲
乙
乙
乙
甲
甲
大阪府編入 大串孝之助
伊豆味正重
布留川 桂
尾 崎士 郎
浦 田武 雄
渡 辺善 寿
建造物 破壊 竝 器物 毀 棄罪
新聞紙 法違反
新聞紙 法違反
役
役
二ケ月
懲
懲 一ケ月
罰 金 七十円
三月十 五日 東 京 地方 裁 判 所 三月十五 日 東京 地方裁判 所
二月七 日 東 京 地 方裁 判 所
罰 金 二月十 四日 各五十円 東 京 地方 裁 判 所
警 視庁 留 置 場 ニ於 テ同 志 ト共 ニ 壊 シ狂 暴 ヲ逞 フセ ル所 為
革 命歌 ヲ高 唱 シ果 テ ハ監 房 ヲ破
大 正九 年 十 月 一日発 行 雑 誌 ﹁雄 弁 ﹂第 五巻 第 十 号 ﹁日農 聯 盟 ノ シタ ル ニ依 リ
誕 生﹂ ト題 シ不 穏 ノ記 事 ヲ掲 載
大 正 九 年 十 二 月 一日 発 行 雑 誌 ﹁労 働 社 会 ﹂第 二年 第 二号 ニ ﹁ 俺 ル不 穏 ノ記 事 ヲ掲載 シ タ ル ニ依
達 ノ立 場 ﹂ 及 ﹁奪 還 を ﹂ ト題 ス リ編 輯 業 発 行 人 ト シ テ告 発 セ ラ
甲
甲
甲
乙
甲
山本 智 雄
加 藤 一夫
富 山県編 入 平井 太吉郎
板 橋 万吉
雑賀 習 之
社 会 主 義 同 盟 ノ発会 式 以来 ハ殊 ニ東 都 ニ於 ケ ル主義 ノ研 究 、宣 伝 其
足 ハ常 ニ地 方 ニ宣 伝 サ レ ツヽ ア リ シ カ客 年 末 即 大 正 九年 十 二月 日本
ル
如 キ傾 向 一層 激 甚 ヲ加 ヘ来 リ タ ル事 実 ア リ之 レ東 京 市 カ各 地 方都 市
管 外 特 別 要 視 察 人 ニシ テ都 下 ニ往 復 シ又在 京 社 会 主義 者 ノ会 合 等 ニ
其 ノ他 ノ環 視 ノ的 ト ナリ 居 レ ル関 係 上 東 都 在 住 主義 者 ノ 一挙手 一投
出 席 ス ル ハ従 来 モ近 県 ノ ミ ニ止 マラ サ リ シ カ近 来特 ニ関 西 方 面 在 住
ノ他 実際 運動 カ 地方 在 住 主 義 者 ノ耳 目 ヲ聳 動 セ シメ タ ル モノ ヽ如 ク
(六) 管 外 特 別 要 視 察 人 入京 状 況
ノ特 別 要 視 察 人 ノ入 京激 増 シ在 京 社 会 主 義 者 ト意 思 ノ疎 通 ヲ図 ル カ
ニ渡 航 ノ上 同 地在 住 ノ過激 派 ヨリ思 想 宣 伝 及 実 行 運 動費 ト シ テ巨 額
中 ナ リ シ兵 庫 県 編 入 甲 号特 別 要 視 察 人 近藤 栄 蔵 等 カ各 別 ニ支那 上 海
正十 年 中 ノ突 発 事 件 ト シ テ当 庁 編 入甲 号 特 別 要 視 察 人 大杉 栄 及在 京
実 地 之 レカ状 況 ヲ視 察 セ ント 欲 ス ル結 果 ハ勿 論 ナ ル ヘキ モ又 一面 大
テ モ非 常 ニ敏 活 ヲ加 ヘタ ル モノ ア リ前文 記載 ノ宮 城 県 編 入 甲 号 岡 野
想像 セラル
況 ハ相 当 各 府 県 下 ニ在 住 ス ル彼 等 ノ同 志 ニ照会 サ レ ツ ヽア ル モノト
半 即 百 五十 一名 ハ甲 号 ニ属 シ居 ルヲ以 テ東 都 ニ起 レ ル各 種 各 様 ノ状
ハ尾 行 引 継 ヲ受 ケ タ ル モ ノ ヽ総 数 二百 三十 名 ア リ而 シ テ其 ノ内 ノ大
守 祐 ノ如 キ ハ旅 行 ニ際 シ列 車 ノ発 車 ス ル迄 ハ ﹁プ ラ ツ ト ホ ー ム﹂ ニ
前 述 ノ如 ク種 別 ニ於 テ甲 号 ニ属 スル モ ノ多 キ結 果 ハ彼 等 ノ行 動 ニ於
佇 立 シ尾 行視 察 員 ノ動 静 ヲ窺 ヒ居 リ何 等 脱 尾 ノ間 隙 ナ キ ニ於 テ ハ不
ノ資 金 ヲ受 ケ テ帰 還 シタ ル外 又別 ニ当 庁 編 入 甲 号特 別 要 視 察 人 大 庭
露 領 西 比 利 亜 ヨリ漸 次 欧 露 ニ入 込 ミ タ ル形 跡 ア ル ハ取 分 ケ彼 等 社 会
景秋 ( 柯公 ト号 ス)、同 高 瀬 清 、思 想 要 注 意 人 徳 田球 一 ( 弁護 士)等 ノ
主 義 者 ノ好 奇 心 ヲ煽 リ タ ル可 ク従 テ彼 等 ハ東 都往 復 ヲ頻 繁 ナ ラ シ メ
躍 列車 外 ニ飛 下 リ以 テ逃 走 尾 行 ヲ脱 ス埼玉 県 編 入 乙 号 特 別 要視 察 人
得 止乗 車 ス ル モ 一度 列 車 ノ運 転 ヲ開 始 ス ル ヤ進 行 中 ノ該 列 車 ヨリ飛
シ居 ル ヲ以 テ其 ノ尾 行 視 察 モ逐年 敏 活 ヲ要 ス ル ニ至 リ ツ ヽアリ
長 島新 ノ如 キ モ此 レ ニ類 スル 一人 ニシ テ此 ノ間 ニ於 テ屡 々同 志 ト会
タ ル原因 ト思 考 セラ ル彼 ノ大 阪 府 編 入 甲 号特 別 要 視 察 人 三田 村 四 郎 、
京 府 下 所在 東京 北 郊 自 主 会 ( 当庁編入甲号特別要視察人橋浦時雄主宰)
同 大 串孝 之 助 、同 金 咲 道 明 、 未 編 入 殿 水藤 之 助 ノ如 キ ハ随 時 入 京 東
及労働社 ( 当庁編入甲号特別要視察人原沢武之助、同吉 田順司 等 ノ合宿 シ 居 ルモノ)等 ニ出 入 シ以 テ団 体 ノ名 称 雑 誌 ノ命 名 会 合 ノ 内 容 等 ニ於
正十 年 中 当 庁 編 入 甲 号 特別 要視 察 人 堺 利 彦 経 営 ノ無 産 社 及 山 川均 発
前 記 甲 号 岡 野 守 佑 ハ鉄 道 局 雇員 ト シ テ在 職 中 巧 ミ ニ鉄 道 ヲ利用 シ大
行 ノ水 曜 会 パ ンフ レ ツト等 ノ各 種 ノ主 義 的 書 籍 数 十 冊 ヲ当 庁 編 入甲
テ モ常 ニ彼 等 社 会 ノ空 気 ヲ関 西 ニ鼓 吹 シ又関 西 方 面 ノ別 空 気 ヲ受 入 レ シメ ツ ヽア リ其 ノ他 兵 庫県 下 在 住 ノ甲 号 特 別 要 視 察 人 安 谷 寛 一 ハ
号 特 別 要 視 察 人 中 名 生幸 力 内 縁 ノ妻 秋 月 静 枝 事 松 村 タ ヱ ヲ シ テ鉄
甲 号 特 別 要視 察 人渡 辺善 寿 ヲ通 シ出 京 スル毎 ニ尾 行 ヲ脱 シ在 京 同 志
当 庁 編 入甲 号 特 別 要 視 察 人村 木 源 次 郎 ト結 ヒ同 県 編 入 甲 号特 別要 視
ノ意 見 ヲ叩 キ同 県下 ニ於 ケ ル地主 対 小 作 人 ノ紛争 ニ介 入 シツ ヽア リ
察 人松 浦 良 治 ハ視 察 ヲ脱 シ十 月中 旬 密 カ ニ入 京 シ テ当 庁 編 入 甲号 特
ケ ル社 会 主義 者 ノ多 ク ハ当 庁 編 入甲 号 特 別 要 視 察 人 岩 佐作 太郎 、岡
又大 阪 府 編 入 甲 号特 別 要視 察 人 逸 見 直 造 ハ数 回 入 京 シ テ在 京 同 志 ヲ
ノ同 志 ニ頒 布 シ タリ 埼 玉県 編 入 乙号 特 別 要 視 察 人 長 島新 ハ当 庁 編 入
山 県 下 ノ甲 号 特 別 要視 察 人橋 本 朝 一郎 及 同 西 雅 雄 ハ当 庁編 入甲 号 山
道 局 名 ヲ詐 称 、 仙台 市 ニ無 賃 輸 送 セ シメ タ ル上 岡 野 ハ該 書 籍 ヲ同 地
川 均 夫 妻 ヲ共 ニ信 頼 シ何 レ モ同 人等 ヲ活 動 ノ目 標 ト シ テ入 京 ス又元
ル事 実 ア リタ ルカ大 正 十 年 二月 二十 五 日 入 京 ノ際 ハ在 京 同 志 ヲ訪 問
訪 問 大 阪 市 ニ於 テ開 催 ス ル主 義 的 演 説 会 ノ弁 士 ト シ テ出 席 方 勧 誘 セ
別 要 視 察 人 百 瀬 晋 、 同 五 十 里幸 太郎 等 ト気 脈 ヲ通 シ又 沖 縄 県下 ニ於
鉄 道 局 勤 務 雇員 タ リ シ宮 城 県 編 入甲 号 岡 野 守 祐 ハ同 県 土着 ナ ル甲 号
主 義 的 意 見 ノ交 換 ヲ為 シタ ル形 跡 ア リ且 ツ市 内 京 橋 区明 石 町 聖 路 加
新 妻 胤 義 、 同 乙 号 西脇 譲 等 ヲ当 庁 編 入甲 号 中 名 生幸 力 ニ紹 介 共 ニ往 復 シツ ヽア リ テ大 正十 年 中 ニ入京 セ ル特 別 要 視 察 人 ニシ テ発 見若 ク
ノ不 遜 ト 他 ノ事 情 ト ニ ヨリ遂 ニ乗 客 ニ何等 ノ反響 ヲ モ与 ヘサ リ シ
赤 色 摺 宣 伝 ビ ラ ヲ乗 客 ニ配 布 シ主 義 宣 伝 ヲ為 サ ント セ ル モ其 ノ態 度
(当時鉄道院 ト称 シ居 タリ)内 ニ於 テ ﹁悪 家 主 を征 伐 せ よ﹂ ト 題 ス ル
シテ危篤 ノ評 アリタリ) ノ病 気 見舞 ヲ為 シタ ル後 帰 阪 ニ際 シ 院 線 電 車
病 院 ニ入院 中 ナ リ シ甲 号 特 別 要 視 察 人 大杉 栄 ( 大杉 ハ当時当庁編入 ニ
意中 ナリ
人 ノ入学 ヲ モ許 ス方 針 ナ リ ト ノ事 ニ付 之 カ視 察 方 ニ就 キ テ モ相当注
テ ハ相 当 社 会 ニ影 響 スル処 尠 少 ナ ラサ ル ヘク風 評 ニ依 レ ハ漸 次 外国
ハ与 謝 野 晶 子等 ノ新 人 ヲ中 心 ト セ ル ニ就 キ之 レカ発 達 ノ如何 ニヨリ
徒 ハ女 性 ノ ミ ヲ募 集 シ開 校当 時 四十 名 ヲ収 容 シ居 リ タ リ教 師 ト シ テ
仲 介 ニ テ十 七 万 余 円 ニテ未 亡 人浜 田某 ヨリ購 入 シ タ ル モ ノ ニ シ テ生
考 甲号
滞 在 中 ノ者 所在 不 明 ト ナ リ タ ル者
考
七名
滞在中 ノ者
備
除
一〇 名 一六 名
乙号
大 正 十年 十 月内 規 改 正 ニ ヨリ丙 号 ナ ル種 別 ヲ廃 止 セリ
氏
削
二三〇名
種 別
高野松太郎
一
大串孝之助
安 谷 寛
三田村 四郎
川 口慶 助
名
丙号
計
計
備
出 版 方 面 ニ於 テ ハ国 家 社 会 主 義 者 当 庁 編 入 甲 号特 別 要 視 察 人 高 畠 素
来 往者数其 ノ他
之 ノ主幹 セ ル新 聞 紙 「大 衆 運 動 」 ニ対 シ神 奈 川県 編 入甲 号 特 別 要 視 察 人 北 原 竜 雄 等 ノ活 躍 アリ シ モ中 途 高 畠 ト意 見相 違 シ北 原 ノ退 社 ト
種別
黒飄会 五月会
人 数
共 ニ ﹁大 衆 運動 ﹂ モ亦 間 モナ ク廃 刊 シ タ リ シカ北 原 ハ相 当 努 力 セ ル カ如 シ
四月 中 開 校 セ ル和 歌 山県 編 入 甲 号 特 別 要視 察 人西 村 伊 作 ノ建 設 セ ル
尚 管 外 特 別要 視 察人 ニシテ今 後 特 ニ充 分 ノ視 察 ヲ要 ス ル モノ ハ本 年
社会主 義 自由 人 研 究 会 聯 盟
合 (出 席 者 ニシ テ氏名 ノ判 明 セ ル モノ)
ヲ有 シ同 校 ハ大 正九 年 末 前 記 西 村 カ浜 田病 院 跡 ヲ弁 護 士 尾越 辰 雄 ノ
市 内 神 田 区駿 河台 袋 町十 二番 地所 在 文 化 学 院 ナ リ同 人 ハ資 産 約 百 万
会
雑集会
東京労 日本社会 日本社会 働運動 主義同盟暁民会 主 義同盟 研究会 研 究 会
栃木 丙 福岡 乙 大阪 甲 兵庫 甲 大阪 甲
神奈 川甲
神奈 川乙 岡山 甲 富山 甲 山梨 乙 埼玉 甲 兵庫 乙
林
清
忠義
岸 井
当府 ヘ 編入替
鈴 木 重治 奈川県 栄 神 ヘ編 入替 大杉
伊 藤 ノ ヱ
潔
雅 雄
小池 西
中島安太郎
平井太吉郎
高 田 一太 郎
石川 三四郎
近藤 栄 蔵
一四 最 近 ニ於 ケ ル特 別 要 視 察 人 ノ 状 況 大正十 一年 一月調
(B) 地 方 ノ部
︵イ) 大 阪在 住 者 ノ行 動
︵ロ) 兵 庫 在 住 者 ノ行 動 三七
(ハ) 福 岡在 住 者 ノ行 動
(ロ) 露 国在 留 者 ノ行 動 四一
(イ) 米 国在 留 者 ノ行 動
︵C) 外 国 在 住 者 ノ部 大 正 十 一年 一月 調
内務 省 警 保 局
最 近 ニ於 ケ ル特 別 要 視 察 人 ノ状 況
(ハ) 墨 国 及 上海 在 留 者 ノ行 動
三一 110
112
三 一 110
三 七 112
三九 112
113
三九 121
(イ) 労 働 者 及 労働 争 議 ト要 視 察 人
四 七 114
四六 114
四 五 114
四 五 114
四四 113
(ロ) 労 働 団 体 ト要 視 察 人
第 三 労 働 問 題 ト ノ関 係
(ハ) 農 業 労働 問 題 ト要 視 察 人
次 丁 一 011
第 四 外 国 人 及朝 鮮 人 ト ノ関 係
目
一 101
第 五 要 視 察 人 ノ取 締 五〇
説
( ) A 要 視 察 人 一般 ノ趨 勢
四 102
三 102
第 一 総
(B) 要 視 察 人 ノ分 布
一 特 別 要視 察 人府 県 別 現 在 人 員 表
115
115
四八 114
( C) 要 視 察 人 ノ系 統 及其 ノ主 張
附
録 六 10 4
117
第 二 要 視 察 人 ノ行 動
117
六 104
二 社 会 主義 的 傾 向 ヲ有 ス ル出 版 物 処 分 調
( A) 東 京 ノ部
三 大 正 十年 度 集 会 ( 特別要視察人主催)調
118
六 041
120
( イ) 大 杉 栄 一派 ノ行 動
四 檄 文 二種
説
( A) 要 視 察 人 一般 ノ趨 勢
第 一 総
五 日本 共産 党 一派 ノ運 動 計 劃 予算
九 104
二四 109
二一 108
一 〇 105
(ロ) 高 畠 素 之 一派 ノ行 動
資 金 ヲ収受 セ ル件
(ハ) 近 藤 栄蔵 上 海在 留 過激 派 鮮 人 ヨリ運 動
(ニ) 結 社 ﹁日本 社会 主 義 同 盟 ﹂ ノ運 動 及 其 ノ禁 止 (ホ) 秘 密 結 社 ﹁日本 共 産 党 ﹂ ノ組 織 ト其 ノ 検 挙
ノ同 情 ヲ表 スル ニ過 キ ス シ テ理 論 ト シテ ハ之 ヲ排 斥 ス ルノ状 況 ニ在
来 レ ルノ状 ア リ従 来 要 視 察 人等 ハ露 国 過 激 派 ノ主 張 ニ対 シ テ ハ多 少
持 続 シ来 リ シ カ偶 々露 国 過激 派 ト聯 絡 ヲ生 シ更 ニ其 ノ運動 ヲ 一新 シ
政府主義者、社会主義者等) 特別要視察人(無 最近 ノ状況 ハ前年以来 活 動 ヲ ニシテ行動 注意 ヲ要 スルモノ
ニ著 眼 シ来 レ ル コト等 モ注 意 ヲ要 スル現 象 ト ス
挙 ク)其 ノ他労 働 者 、軍 隊 ニ対 スル宣 伝 ニ熱 中 セ ル コト、 農 業 問 題
不 穏 文 字 ヲ認 メ宣 伝 ヲ為 ス モノ少 ナ カ ラ ス ( 巻末 ニ其 ノ重 ナルモノヲ
匿 、 頒布 等 ニ当 リ用 意 極 テ周 到 ナ ル モ ノア リ最 近兌 換 券 又 ハ紙幣 ニ
リ シ カ主 義 実 現 ノ過 程 ト シ テ 一時 無 産 階 級 独 裁 ノ方 式 ニ拠 ル ハ止 ム
住 ス其 ノ他 ハ大阪 、神 奈 川 、長 野 、 兵 庫 、 京 都 等 之 ニ亜 キ 四 一名 乃
要 視 察 人 ハ現在 (本月十二日調) 五 二〇 名 ニシ内 一 三四 名 ハ東 京 ニ在
(B) 要 視 察 人 ノ分 布
多 数 社会 主 義 者 ハ ﹁ボ ル シ エヴ イ ズ ム﹂ ヲ目 標 ト スル ニ至 リ理論 上
至 二 二名 ア リ爾 余 ハ其 ノ他 ノ府 県 ニ散 在 シ其 ノ分布 ハ別 表 ノ如 シ
ヲ得 サ ル所 ナ リ ト スル ノ論 議漸 次 行 ハル ヽ ニ至 リ現 在 ニ於 テ ハ我大
全然 之 ト相 反 ス ル無 政 府 主義 者 スラ漸 次 之 ニ接 近 セ ント ス ル ノ状 ア
ヲ通 シ其 ノ他 各 種 ノ方 法 ニ依 リ宣 伝費 ノ供 給 ヲ為 シ近 藤 栄蔵 等 ﹁日
(C) 要 視 察 人 ノ系 統 及 其 ノ主 張
リ 一方労 農 政 府 ニ於 テ モ我 社会 主義 者 ヲ利 用 ス ルヲ得 策 ト シ朝 鮮 人
本 共産 党 ﹂ 一派 ニ対 シ テ ハ将 来 モ亦多 額 ノ資 金 ヲ供 給 セ ム コト ヲ計
同
東
山川
山川
菊栄
均
利彦
一、過 激 派 的 傾 向 ヲ有 ス ル共 産 主 義 者 ノ主 ナ ル者
如 此 ニシ テ彼 等 ハ或 ハ同 志 ヲ露 国 又 ハ上海 ニ送 リ又 ハ米 国 其 ノ他 ニ
同
劃 セ シ モ ノト ス
在留 スル彼 等 一派 ト来 往 セ シ メ又 過激 主義 者 タ ル外 国 人 等 モ我 国 ニ
近藤 栄蔵 (入監中)
潜
急 進 的 思 想 ヲ生 シタ ル コト即 チ所 謂 指導 者排 斥 論 ヲ主 張 シ且 盲 目 的
同
米 野中 誠 之
同
京 高 尾平兵衛
高瀬
吉田
在露国 大庭
清
一
景秋
田 口 運蔵
直 接 行 動 ニ驀進 セ ムト ス ル者 及 其 ノ主義 実 現 ニ急 ナ ルノ余 ﹁テ ロリ
在
同
在 露国 片 山
中心人物︷同
京 堺
相 次 テ渡 来 シ テ彼 等 ト接 触 スル ノ状況 ニシ テ彼 等 ノ活 動 カ漸 ク国際 的 ニ亙 ラ ント ス ルノ風 ア ル ハ注 意 ヲ要 ス ル現 象 ト ス 其 ノ他 最 近 ノ傾 向 ト シ テ ハ結 社 ﹁日本 社会 主 義 同 盟 ﹂ 及 ﹁日本 共産 党 ﹂ ノ如 キ漸 次団 体 運 動 ニ入 ラ ント ス ル コト即 チ彼 等 カ ﹁宣 伝 ヨリ
ズ ム﹂ 其 ノ他 ノ破 壊 思 想 ヲ主 張 シ暴 行 、殺戮 其 ノ他 兇悪 ナ ル赤 色 恐
東
組 織ヘ ﹂ ト称 ス ル方 途 ニ出 ツ ル コト 之 レ ナリ 又 一部 ノ者 ノ間 ニ特 ニ
ア リ 又 一般 ニ宣 伝 方法 巧 妙 ト ナ リ宣 伝 印 刷物 ノ如 キ モ其 ノ作 成 、蔵
怖 手 段 ニ愬 ヘ既 存 ノ制 度 、組 織 ニ兇 害 ヲ加 ヘン コト ヲ唱 道 セ ル モ ノ
同
同
同
同
橋浦
山上 正義 ( 入監中)
川崎 悦行 (入監中)
仲宗根源和 (入監中)
高津 正道 ( 入監中)
時雄
同 一、無 政 府 共 産 主 義 ヲ主 張 ス ル モ ノ ( 急進的 ノモノ) 栄
同
赤松
克麿
及其 ノ 一派
同
同
小栗慶太郎
尾崎
茂木
士郎
久平
遠藤友四郎
京 高畠 素 之
同
中 心人物 東
一、国家社会主義 ヲ主張 スルモノ
同
神崎
儲
同
以上各派 ニ属 セス注意 ヲ要 スルモノ
生田
中村
弘治
還一
京 山崎今朝弥 同
同
東
近藤
京 岩 佐作 太郎
和 田 久 太郎
東
中 心 人 物 神 奈 川 大杉
同
久板卯之助
憲二
同
村 木 源次 郎
清
及其 ノ 一派
三田村 四郎
及其 ノ 一派
岸井
大串孝之助
武 田伝次郎
及其 ノ 一派
勝三
同
辰
阪 荒畑
同 水沼
同
(本 派 ハ無 政 府 ︷大 阪 共 産及 ボ ルシ エヴ イ キ ノ混 同 合 セ ル集 団 ニ シテ主 張 極 メ 同 テ 険悪 ナ ル モ ノ)
大
同
昇 寛 一
加藤 庫 安 谷
同 兵
及 其 ノ 一派
巌 及 其 ノ 一派
京 和 田
(別派 ニ属 スルモノ) 東
第 二 要視 察 人 ノ行 動 (A) 東 京 ノ部 ( イ ) 大杉 栄 一派 ノ行動 大 杉 栄 ハ大 正九 年 中 内 地 在留 排 日朝 鮮 人 李 春 熟 ( 入 目監 下中 京城監獄 ノモノ) 、李増 林 等 ト屡 々鎌 倉 ノ 寓居 ニ於 テ会 見 シ露 国過 激 派 ヨリ資 金 ノ供 給 ヲ受
シ同 人等 ノ斡 旋 ニ依 リ李 東 輝 ヨリ三千 円 ヲ受 領 シ其 ノ後多 額 ノ資 金
ケ テ主 義 運 動 ヲ為 サ ム コト ヲ計 劃 シ遂 ニ同 年 十 月 上 旬 頃 上海 ニ渡 航
ヲ収 得 シタ ル形 跡 ア リ大 杉 ハ右 資 金 ヲ以 テ運 動 ヲ開 始 ス ル コト ヽナ シ先 東 京 ニ於 テ機 関紙 ヲ起 シ客 年 一月 各 地 同 志 ニ対 シ 「日本 は今 や し べ り や から朝 鮮 から 、 支那 か ら、 刻 一刻 革 命 を迫 ら れ て ゐ る僕 等 は も うぼ ん やり し てゐ る事 は出 来 な い、 週 刊 「労働 運動 ﹂ は此 の準 備 の為 め に生 れ る 」 云 々ト記 載 セ ル印 刷 物 ヲ頒 布 シ 一月廿 九 日付 ヲ 以 テ其 ノ第 一号 ヲ発 刊 シ近藤 栄 蔵 、 高 津 正 道 、 近藤 憲 二 、岩 佐 作 太 郎 外 六 名 ヲ同人 ト ナ セ リ爾 来 之 ヲ継 続 発 行 シ大 阪 、京 都 、神 戸 、 名 古 屋 其 ノ他 各 地 ニ同 志 担 当 ノ下 ニ支 局 ヲ設 置 シ呼 応 シテ主 義 宣 伝 ヲ 為 シ居 リ シ カ六 月 発 行 第 十 三 号 限 リ廃 刊 シ最 近更 ニ之 ヲ復 活 ス ヘク 運 動 中 ナリ シ カ去 ル十 二月 廿 六 日付 ヲ以 テ第 一号 ヲ発 刊 セ リ
( ) ロ 高 畠 素 之 一派 ノ行 動
シカ新 ニ ﹁革 命 的 国家 社 会 主 義 ﹂と ﹁全 プ ロレ タ リ ア の戦 闘 的 結 合 ﹂
国 家 社 会 主 義 ヲ主 張 セ ル高 畠 素 之 等 一派 ハ其 ノ後 著 シキ行 動 ナ カ リ
週刊大 衆 運 動 ﹂ ヲ発 刊 セ リ 彼 等 ノ主 ヲ標 榜 シ大 正 十年 五 月 廿 一日 ﹁新 聞
右 廃 刊 ノ際 神 田 駿 台 倶 楽 部 内 ニ於 ケ ル事 務 所 引 払 ニ当 リ左 記
附 記
暗 号 ヲ発 見 セ ル カ右 ハ同 志 通信 ノ際 使 用 シ居 レル コト判 明 セ
と し 政 治 的直 接 行動 を運 動 の中 心 と す る。 運動 の第 一期 に於 て思
運 動 を 尻 目 に かけ つ ゝ全 プ ロ レタ リ ア の生活 其 の儘 を運 動 の主 体
大 衆 運 動 は社 会 主義 運動 の 一形 態 であ る 。議 会 運動 を冷 瞥 シ組 合
張 スル所 次 ノ如 シ
記
リ
左
而 シ テ李 春 熟 、李増 林 ハ此 間 屡々 大 杉 栄 ト会 見 シ同 人 ヲ シ テ
近 藤 栄 蔵 ハ予 テ米 国 ニ在 留 シ片 山 潜 等 ト交 通 シ大 正 八年 六月
多 額 ノ資 金 ヲ領 得 セ シメ タ ル ハ前 述 セ ルト コロ ノ如 シ
帰 朝 シ爾 来 兵 庫 、 大阪 、東 京 ニ於 ケ ル同 志 ト行動 ヲ共 ニシ主
想 宣 伝 の唯 一途 を歩 み、 第 二期 に於 て思 想 の外 部 的 躍動 を促 進 す
而 シ テ内部 ノ記 事 ト シテ農 工労 働争 議 及 主義 宣 伝 ニ関 スル記 事 ヲ掲
る。 大 衆 運動 の最 終 的 使 命 は 実 に此 の部 分 の運 動 に含 ま る 。
載 シ又 一派 ノ中 堅 タ ル北 原 竜 雄 ハ北 陸 地 方 ヲ遊 説 宣 伝 ヲ試 ミ タ リ シ
関 紙 ﹁労 働 運 動 ﹂ ヲ発 刊 ス ル ヤ之 カ同 人 ト ナ リ大 杉 一派 ノ行
義 ノ鼓 吹 宣 伝 ニ努 メ ツ ヽア リ タ ルカ本 年 一月 大杉 栄カ 週刊 機
附 記
カ本 新 聞 紙 ハ十年 八月 三 日発 行 第 十 号 ヲ以 テ廃 刊 セ リ
ニ於 テ不 穏 宣伝 ビ ラヲ頒 布 セ ル ヲ以 テ検 挙 セリ
人カ ﹁ボ ル シ エビズ ム﹂ニ 依 ル革 命 ヲ主 張 ス ル モ ノナ ル事 ヲ確 認 シ
社 ニ於 テ近藤 栄 蔵 ニ会 見 ヲ申 込 ミ爾 来屡々 栄 蔵 ヲ寓居 ニ訪 問 シ テ同
甲号無政 朝 鮮人李増林 ハ客年 二月頃近藤憲二( 府主義 者)ノ紹 介 ニ依 リ労 働 運 動
動ニ 参 加 セシ モノ ナ リ
又 一派ニ 属 ス ル平 岩巌 ハ十 一月 十 九 日 ﹁近 ク入営 セ ムト ス ル
上 海 ニ於 ケ ル 一味 ヨリ 日本 人 同 志 一名 差 遣 方 ノ依 頼 ヲ受 ケ タ ル旨 ヲ
本 派 ニ属 スル浅 井 り か等 ハ去 ル十 一月 十 六 日 以降 浅 草 其 ノ他
一壮 丁 普 ク全 国 ノ兵卒 諸君竝 無 産 階 級 諸 君 ニ檄 ス」 ト題 ス ル
彦 ニ托 セ リ、 客 年 四 月 中 旬 栄蔵 ハ神 戸 市 ノ自 宅 ニ帰 リ革 命 運動 ヲ起
ハ之 ニ賛 意 ヲ表 セ ル ヲ以 テ愈々 之 カ実 行 ヲ決 意 シ旅 費 ノ調達 ヲ堺 利
海 行 ヲ誘 説 セ リ茲 ニ於 テ栄 蔵 ハ堺 利 彦 、 山 川 均 等 ニ謀 リ タ ル ニ両 人
告 ケ同 地 ニ至 ラ ハ党 員 ヨリ多 額 ノ運 動 資 金 ヲ得ヘ キ コト ヲ暗 示 シ上
不穏 印 刷 物 ヲ各 地軍 隊 ニ頒 布 セ ル ヲ以 テ之 亦 検 挙 セ リ
(ハ) 近藤 栄 蔵 上 海 在留 過激 派 鮮 人 ヨリ運 動 資 金 ヲ
ス ニ要 ス ル費 用 内 容 ニ関 シ ﹁ヱ ス チ メー ト﹂ ト称 スル別 紙 第 一号 ノ
収 受 セ ル件 大 正 十 年 五 月 十 三 日山 口県 下 関 市ニ 於 テ兵 庫 県 編 入甲 号 特 別 要 視 察
如 キ実 行 運 動 組 織 者 ニ分 与 ス ヘキ資 金 、主 義 宣 伝 費、 運 動 犠牲 者 救
恤 資金 其 ノ他 ヲ合 シ実 行 運動 費 計 百 二十 万九 千 円 ノ予 算 書 ヲ英 文 タ
カ在 上 海 過 激派 鮮 人 ヨリ運 動 資 金 ヲ収 得 セ ル事 実 発 覚 セ ルカ其 ノ顛
イ プ ライ タ ー ヲ以 テ作 成 セ リ当時 滞 阪中 ノ荒 畑 勝 三 モ之 カ作 成ニ 参
人 近 藤 栄蔵カ 遊 興 中 挙 動 不審 ノ為 メ取 押 ヘ取 調 ノ結 果 同 人 及 大 杉 栄
註
亜 テ同 月 廿 二 、三 日頃 栄 蔵 ハ山 川 ト謀 リ高 津 正 道 ( 甲号)、 橋 浦 時 雄
蹶 起 セ シ メ革 命 ヲ起 シテ政 府 ヲ顛 覆 セ ムト 計劃 セ シ モノ ナ リ
等ニ 謀 リ、各 其 ノ賛 同 ヲ受 ケ タ ル カ彼 等 ハ実 行 運 動 ヲ起 シ労 働 者 ヲ
本 人 ハ之 ヲ携 帯 シテ 四月 廿 日頃 上 京 シ山 川 、堺 、大 杉 、 近藤 ( 憲 二)
与 セ ル形 跡 ア リ
末 左 ノ如 シ
乱罪ニ依 リ朝鮮総督府 在上海排 日鮮人仮政府元軍務総理 李 東輝 (内 ヨリ拘引状 ヲ発 セラル目 下過激派ト会同ノ 為露都 ニアル者 )一派 ハ過 激 派 ト提 携 シ該 主義 ヲ宣 伝 セ ム ト シ 仮政府元軍務次長 ) 目下上海 李増 林 一派ニ 属 ス ル 李 春熟 (目 下京城監獄入監中 金 河球 ( 在留中 ) 大正 八年来東京ニ) ( 在 住 シ最近帰鮮 ス 等 ハ交 々内 地 ニ渡 来 シ内 地 社会 主義 者 ト 交 際
シ屡 々上 海 ニ来 往 シ テ之 カ連 絡 ノ衝 ニ当 レ リ
( 甲号)、堺 ト府 下 大 森 町 ノ料 理 店 ニ会 合 上 海 渡 航 ニ就 テ更 ニ協 議 シ
ヲ以 テ警 視 庁 ニ於 テ夫 々厳 重説 諭 ノ上 七 月 廿 三 日 釈 放 シ近藤 ニ就 テ
ト シテ七 月 四 日事 件 ヲ東 京 地 方裁 判 所 ニ送 致 セ リ
四月)ニ過激 ノ記事 ヲ執 筆 セ ル廉 ニ依 リ新 聞紙 法 違 反 ハ ﹁社 会 主 義 ﹂(号
近藤 ハ釈 放 後 東 京 ニ於 テ 「 売 文 社 」 ナ ル モノ ヲ起 シ同志 ト 共ニ 主 義
﹁ヱス チ メー ト﹂ ヲ示 シ且 別 紙 第 二 号 ノ分 団 予 想 ト称 スル同 志 団 体
リ
表 ノ調製 方 ヲ橋 浦 ニ委 托 シ尚 実 行 運動 方法 ニ就 キ左 ノ分 担 ヲ協 議 セ
運 動 ヲ為 シ タ リ シ カ遂 ニ秘 密 結 社 「日本 共 産 党 」 ヲ組織 セ ル コト発
北郊自主会 ナル団体ヲ組織 シ過激 ナル労働者 ノミ
階級 ( 主義者) ト ノ連 絡 ニ当 ル コト 甲号無政府主 義 高 津 正 道 (者暁民会主幹 者)ハ暁 民会 ヲ中 心 ト シ テ専 ラ宣 伝 ニ当 ル コ
( 別紙第 一号)
ye ar
machines
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0,00W 0eekly
Per Person
O rganir ss e 500
Press 3
1 , 440,0 00
, 000
Pamphlets 100
Pri ntiof nf gic e and
5 sen
year
20 000 ,
300, 000
50, 000
720, 000
15,000
20,0 0O
72, 000
9 60yen y4 e8 n0,000
覚 シ目 下 審 理 中 ニ属 ス ル コト ハ後 段 ニ記 スカ如 シ
(イ) 橋 浦 時 雄 (ヲ集 メ主義宣伝 ヲ試ミ ントシ常ニ不穏 ノ言動 アリ)ハ労働 者 ト智 識
ト
近藤 憲 二出 版 ヲ担 当 ス ル コト(ト ス ル ニ依 リ
(ロ)
(ハ ) 近藤 栄 蔵 ハ海 外事 情 ヲ専 ラ担 任 ス ル コト
)
(ニ) 堺 利 彦 、山 川 均 ハ文 筆 ニ依 リ宣 伝 ヲ担 当 スル コト
秘 密 出 版 ヲ得 意
(ホ)
次 テ栄 蔵 ハ山 川 ト 共 ニ同 志 ノ秘 密 通 信 ニ用 ウ ル為 メ別紙 第 三号 ノ暗 号 ヲ作 成 シ雑 誌 解 放 ニ依 リ E M A N C I P 0 ヲ其 ノ索 引 ト ス ル コト ヲ訪 問 セ ル モノ ニシ テ米 国ヨ リ帰 朝 ノ際 多
ヽシ同 志 ト ノ通 信連 絡 ヲ松 本 愛 敬 (在 米 片 山 潜 、 田 中 運 蔵等 ノ紹 介 ヲ受 ケ山 川
R ele if n fd u s 100
at 20 sen Per
テ下 関 ニ着 シ倉 間英 太郎 ト偽 名 投 宿 シ五 月 四 日 門 司出 帆上 海 ニ渡 航
数 ノ過激出版物 ヲ密 輸入 シ注意中ノ者 )ニ托 シ四月 三十 日東 京 ヲ発 シ京都 、 明石 、広 島 ヲ経
シ同 七 日上海 ニ到 着 同 地大 東 ホ テ ル ニ投 宿 シ李 増林 ノ指 示 ニ従 ヒ金
Executive E xPenses
70 2 yen
ル社 会 運 動 ノ現状 ヲ説 明 シ且 携 帯 シ来 レル前 記 「ヱ スチ メ ー ト﹂ 及
P er Person
分 団 予 想等 ノ運 動 計 劃 書 ヲ提 示 セリ 鮮 人 一派 ハ多 額 資 金 ハ直 接 露 国
G oods
Commercial E stabli shment
河 球 、 朴 致 順 、 李 東輝 、金 立 、姚 作 賓 ︵支那) 人 等 ト会 合 シ 日 本 ニ於 ケ
ヨリ受 取 ル ヘキ コト ヲ慫 慂 シ運 動 資 金 、 露国 渡 航 費 其 ノ他 合 シ テ六
0 yen
﹁ 註﹂
10 ,0 2O 9 ,
於 テ警 察官 ノ取 調 ヲ受 ケ次 テ警 視 庁 ニ移 送 セ ラ レ前 記 ノ事 実 判 明 ス
一、 オ ル ガ ナ イ ザ ア ス五〇〇 人 、 一人 年 九 六 〇 円 宛 計 四 八〇 、
千 三 百 円 ヲ交 付 シ栄 蔵 ハ之 ヲ受 領 シ五 月 十 三 日下 関 ニ帰 還 シ同 地ニ
ル ニ至 レ ル モノ ナ リ本 件 ハ未 タ内 乱 罪 ト認 ム ヘキ程 度 ニ至 ラ サ リ シ
〇〇〇 円 オ ルガ ナ イザ ア ス ハ過激 主 義 実 行 運 動 団 体 ノ指導 者 ニシ テ 一 人ニ 対 シ年 九 百 六 十 円 ヲ給 ス 一、 プ レ ツ ス三〇 、〇〇〇部 (週刊)
一五 、〇
二〇 、〇 〇〇
七 二、〇 〇 〇 円
一冊 二十 銭
一年ニ 付 一、四 四〇 、〇〇〇部 、 一部 五銭 一、 パ ン フ レ ツト 一〇 〇 、〇 〇 〇 冊 円
五〇、 〇〇〇円
一人 一年 七 二〇 円
一、 プ リ ンチ ング、 オ フィ ス、 エンド 、 マ シ ー ン ス 〇〇円 一、 リ リ ー フ、 ファ ンド 一〇 〇 人 一、 エキ セ キ ユーチブ エキ スぺ ンセ ス
三 〇 〇 、〇 〇
総 計 一、二〇 九 、〇 〇〇 円
一、 カ ム マー シ ヤ ル、 エ スタブ リ ツ シ ユメ ント 〇円 一、グ ツズ 二〇〇 、〇〇 〇 円
分団 ( 予想)
( 別紙第 二号)
芝 三田 四国 町
△友 愛 会 ( 高 田和逸、山本懸蔵)
麹 町 区幸 町 一六 震 鳴 ク ラブ
△日本 交 通労 働 組 合
中渋谷六二二
△印刷 工組 合 信 友 会 ( 水沼辰夫、竹村、河部 小 一郎)
△新 聞 工 組合 正進 会 ( 諏訪与三郎)
京橋 区新 佃西 町 △暁 民 会 ( 高津正道)
市 外 戸 塚 町源 兵 衛 二 三 一
△時 計 工聯 合 会 ( 渡辺満 三、 小出邦造)
小 石 川 区 音 羽 町 一ノ 一三
▽東 京 北 郊 自 主 会 (竹内、高尾、原 沢、橋浦) 巣 鴨 町 一七 八 六
盛 岡 市 油 町 四九
△牧 民 会 ( 石川金次郎)
大阪市南区笠屋町四二
△L L会 ( 荒畑)
其 の他 王 子 の工友 会 小 石 川 砲 兵 工廠 の江 一会 等 に は手 蔓 があ り鉱 夫
下 中 弥 三郎 方
( 以上)
総 同 盟 や 岐阜 、岡 山 の小 作 人 組 合 等 には 特 に喰 込 ん で行 く 計 劃 加
△青旒 会 (中島 安太郎) ( 小作 人組合)
追
西 大 久 保 五 一九
富 山 県東 礪 波 郡 南 野 尻 村 大 字苗 島 △啓 明 会
本郷区富士前元町五
△新 人 会 (赤松克麿)
( 別紙第 三号)
暗 号 組 立表
例
暗 号ヲ
( イ) 45,37,38 1, 8,100
5 ノ
ヲ横 ノ数
テ横4 ノ行ト縦
中 ノ拾 位 ノ単位数
トスレバ前 記表 中ニ於
行 ノ合 致 点 sヲ得ル が如ニ ク常 数字
横 4 ノ 行 ト縦 31 ノ行 ノ合 致 点 ヲ見レバ
s
百 ノ 単 位 数 ヲ横 トシ拾 位 以 下 ノ数 ヲ縦 トス 例
ト シ壱 ノ単位 数 ヲ縦 ノ数 トス 。 ( ロ) 百 位 ニアリテハ ヘ バ 431ニアリテハ
会 ノ際暴行 ヲ演 シ建造物損壊、器物毀棄 、公務執行妨害等 ノ罪名ニ
内 一名 ハ 依 リ起 訴 セ ラ レタ ル同 志 十 五 名 (朝 )ノ公 判 ア リ 多 数 同 志 傍 聴 シ 鮮 人
法 廷 ニ於 テ更 ニ狂 暴 ノ示威 的 行 動 ヲ演 シ タ リ而 シ テ二月 ニ入 リ同 盟
ノ如 シ
成 立状 況 及宣 言 ヲ秘 密 出 版 ニ附 シ各 地 ノ同 志 ニ密 送 セ リ其 ノ宣 言 左
我 々は 現代 の資 本 家 制 度 を根 本 的 に破 壊 せ ん と す る。 我 々は 資 本
家 制 度 に附 属 す る各 種 の制 度 、 組 織 、 習慣 、思 想 、芸 術 等 ブ ルジ
我 々は 我 々 の真 の人 間 らし き 生 活 を創 造 せ ん が為 に貧 富 のな い
ヨア の文 化 の 一切 を破 壊 せ んと す る。
社 会 、階 級 のな い社会 即 ち総 て の人 が労 働 し総 て の人 が衣 食 住 の
安 全 を得 る新 社会 の実 現 を期 す る。 我 々は世 界 的人 類 的 に自 由 の
を期 す る。 我 々は資 本 家 階 級 と 其 の附 随 者 に 対 し あ ら ゆ る有 効 な
社 会 、平等 の社会 、平 和 の社 会 、正 義 の社会 、 友愛 の社 会 の実 現
者 にあ る事 を信 じ て其 の覚 醒 と 団 結 と訓 練 と に努 力 す る。 又 外 観
シ。
上 若 く は形 式 上中 流 階 級 で あ つて実 質 上 には労 働 者 であ る所 の諸
ヲ得 ルガ如
(ニ) 結 社 ﹁日本 社 会主 義 同 盟 ﹂ ノ運 動 及 其 ノ禁 止 大 正九 年 六月 以 来 堺 利彦 、 大杉 栄 、大 庭 柯 公 ( 景秋)、麻 生久 、赤 松
我 々は 此 の階級 闘 争 に於 け る我 々 の主 要 な る 実力 が各 種 の労 働
る闘 争 手段 を 取 る 。
克 麿 、加 藤 勘 十 等 在 京 重 立 社会 主義 者 等 ハ ﹁社 会 主 義 同 盟 ﹂ ナ ル社
て我 々 の運動 に来 り加 は る事 を望 み且 つ信 ず る 。
種 の俸 給 生 活 者 、 小 企業 者 、自 由 職 業 者 等 が 一般 に無 産 階 級 と し
か く て我 々は 日本 無 産 階 級 及 其 の附 随 者 を結 束 し てプ ロ レタ リ
名 ノ下 ニ全 国 同 志 ノ大 同 団 結 ヲ計 リ東 京市 内 各 所 竝 大 阪 、 京都 、 愛
ヤ の新 社会 、 新 組織 新文 明 に向 つて大 胆 勇敢 な る 不断 の前 進 を継
知 、神 奈 川 、山 梨 等 同 志 ト 声 息 ヲ通 シ之 等 各 地 ヲ遊 説 シ又 ﹁ 社会主 義 ブ ツ クデ ー﹂ ト称 シ市 内 ノ道 路 ニ於 テ主 義 上 ノ刊 行物 ヲ販売 ス ル
斯 ク シテ同 盟 名 義 ヲ以 テ不穏 ナ ル印 刷 物 ヲ頒 布 シ又 地方 在 住 同 志 ハ
続 す る。
時ゝ 集 会 ヲ催 シ不穏 ナ ル事 項 ヲ協 議 シ或 ハ五 月 九 日 ヲ期 シ東 京 ニ於
等 著 々運動 ノ歩 ヲ進 メ全 国 各 地 ニ亙 リ加 盟 者 千 名 ニ達 セ リト称 シ十
官 吏 ニ抗争 シ テ狂 暴 ノ行 動 ア リ
二月 十 日 ヲ期 シ東 京 ニ大 会 ヲ開 催 ス ル コト ヽシ之 等 集会 ニ際 シ取 締
如 此 ニシ テ越 年 大正 十 年 ニ入 リ 一月 十 日東 京 区裁 判 所 ニ於 テ曩ニ 大
テ第 二 回大 会 ヲ開 催 セ ント ス ル等 行 動 公 安 ヲ紊 ル ニ至 リ タ ル ヲ以 テ
要 一ヲ シ テ党 ノ現状 及 将 来 ノ運 動 方 針 等 ニ関 シ詳 細 ヲ極 メ タ ル報 告
ニ出 席 セ シ メ タ リ (J CG A及 田 口 ノ行動) 斯 ク テ去 ル十 一月 十 二日 ニ 就 テ ハ別ニ 詳 述 ス
オ ツト 及英 国倫 敦 ﹁チュ ー ド ル﹂ 街 十 二番 地 居 住 ﹁ソリ ダ リ テ ー」
ナ ル露 国 労 農政 府 宣伝 部 支局ニ 派 遺 シ 一方 独 逸 伯 林 ス テ ツ セ ン在 住
書 及 総 額 四 十 六 万 五千 三百 九 十 円ニ 達 ス ル予 算 書 ヲ携 帯 セ シ メ上海
重田
遂 ニ五月 廿 七 日結 社 ノ禁 止 ヲ命 シタ リ 附 記
記 者 ﹁ヂ ヤ ツ ク、 タ ンネ ル」 ニ宛 テ之 ヲ郵 送 シ在 露 田 口 ニ廻付 シ同
右 結 社 禁 止 セ ラ ル ヽヤ 一派 ハ曩 ニ本 邦 ニ在 留 ス ル朝 鮮 支 那 其
「コ スモ倶 楽 部 ﹂ ヲ拡 張 シ本 同 盟 ノ後 身 ト ナ サ ント セ シ模 様
ノ他 ノ外国 人学 生 ト在 京 主 ナ ル特 別要 視 察 人 等 ノ組 織 セ ル
計劃及予算書 ヲ
人 ヨリ労 農 政 府 ニ交 付 セ シ メ タ ル モ ノ ヽ如 シ ( 参考 巻末ニ掲ク)
ナ リ シ モ所期 ノ目的 ヲ達 スル コト ヲ得 スシ テ了 レリ
体 ノ過激 分 子 ヲ参 加 セ シメ労 農 政 府 ヨリ受 ク ヘキ資 金 ヲ擁 シ同 盟 罷
如 此 ニシ テ 一派 ハ従 来 智 議 階 級 ノ ミ ヲ以 テ組 織 セ ル共産 党ニ 労 働 団
大 正 十年 四 月 以来 東 京 在 住 山 川 均 、 堺 利彦 、 近藤 栄 蔵 等 中 心 ト ナ リ
リ シ モ ノト ス
業 ノ暴 動 化 、共 産 主 義 ノ宣 伝 実 行 ヲ 一層 組 織 的 ナ ラ シ ム ヘキ計 劃 ナ
( ホ) 秘 密結 社 ﹁日本 共 産 党 ﹂ ノ組織 ト其 ノ検 挙
秘 密 結 社 ﹁日本 共 産 党 ﹂ ヲ組 織 ス ヘク寄 々計 劃 中 ナ リ シカ八 月 十 日
タ ル モノ ヽ如 シ其 ノ後 ﹁東 京 共産 党 ﹂ ヲ ﹁日本 共 産 党 ﹂ ト 改 称 シ在
合 ヲ催 シ 「ボ ル シ ヱヴ イ キ﹂革 命 及之 カ運 動 方 針 ニ関 シ協 議 ヲ為 シ
ヲ調 査 部 長 ニ挙 ケ後 山 川均 及同 人 妻 菊 栄 ヲ会 計 顧 問 ト シ爾 来 屡ゝ 会
部長ニ 、高 瀬 清 ヲ出 版 部 長 ニ、中 宗根 源 和 ヲ会 計 部 長ニ 、 平 田 晋策
ノ執行委員(サコ ーン ルミ ツ)ニ選 挙 シ更 ニ同 人 ノ指 名 ニ依 リ高 津 正 道 ヲ 宣 伝
樹 立 ヲ目的 ト スル秘 密 結 社 ヲ組 織 シ無 記 名投 票 ニ依 リ 近藤 栄 蔵 ヲ党
﹁ 東 京 共産 党 ﹂ (TCP) ナ ル名称 ノ下ニ ﹁ボ ル シ ヱヴ イ キ﹂ 政 府 ノ
先 是 当 局 ニ於 テ ハ 一派 ノ計劃 ヲ探知 シ夫 々手 配 中 ナ リ シ ヲ以 テ直ニ
応 シ街 頭 、電 柱 、 電 車 内 其 ノ他 ノ箇 所 ニ 一斉 貼付 ヲ試 ミ タ リ
阪 、京 都 、神 戸 、 名 古 屋 、横 浜 其 ノ他 ノ主 要 地 ニ於 テ各 地同 志 ト呼
シ爾 来 其 ノ機 ヲ窺 ヒ ツ ヽアリ シ カ遂 ニ十 一月 十 三 日 ヲ期 シ東 京 、 大
々暁 民会 員 高 津 正 道 等カ 秘 密 出 版事 件ニ 依 リ検 挙 セ ラ レ 一頓 挫 ヲ来
洲 ヨリ御 帰 朝 ノ 日 ヲト シ全 国 一斉 ニ貼 付 ス ヘキ計 劃 ヲ立 テタ ルカ偶
記載 セ ル宣 伝 ﹁ポ スタ ー﹂ 約 五 万枚 ヲ印刷 セ シ カ之 ヲ皇 太 子 殿 下 欧
コト ヲ計 劃 シ近 藤 栄 蔵 ノ出 資 ニ依 リ八 月下 旬 三十 二種 ノ不 穏 文 言 ヲ
立 ヲ見 ル ヤ其 ノ第 一運 動 ト シ テ先 ﹁ポス タ ー﹂ニ 依 ル宣 伝 ヲ為 サ ン
﹁日本 共 産 党 ﹂ 一派 ノ実 際 運 動 ノ情 況 ヲ述 フ レ ハ前 記 ノ如 ク党 ノ成
頃東京市 四 ツ谷区南伊賀町無産社(
堺 利 彦 ノ 経営 ニ係 リ、 日本 平 民 史 ノ編 輯 所 ニ 充 ツ ルヲ 目的 ト シ傍 ラ各 種 リ ー フ レ ツト
米 本 邦 共 産 主 義 者 ノ組織 セ ル在 亜 米 利 加 日本 共 産 党 ( J CGA)ヲ米
発 売 頒 布 ヲ禁 止 シ其 ノ大 部 分 ヲ押 収 シ関 係 者 ニ対 シテ ハ刑 事 訴 追ニ
、高 津 正 道 、 高 瀬 清 、平 田 晋 策 其 ノ 他 ノ 者 会 合 シ
国ニ 於 ケ ル本 党 ノ代 表機 関 タ ル コト ヲ承 認 シ又 在 米 共 産 主義 者 田 口
ヲ発 )ニ近藤 栄 蔵 行 ス
運蔵 ヲ シ テ本 党 ヲ代 表 シ十 年 六 月 ヨリ 七 月 ニ亙 リ モ ス ク ワ ﹁大劇
付 ス ル コト ヽセ リ (参考
ポ スター文言 ハ巻末 ニ掲 ク)
場 ﹂ニ 於 テ開 催 セ ラ レ タ ル第 三 ﹁イ ンタ ー ナ シ ヨナ ル﹂ 第 三 回 大会
セ ル軍 隊 ニ対 シ宣 伝 ヲ為 サ ムト シ十 一月 二十 日夜 ヨリ 二十 一日未 明
残 存 セ ル近藤 栄 蔵 ハ当 時 陸 軍特 別 大演 習 ノ為 メ東 京 市 ノ内 外ニ 分宿
右 ﹁日本 共 産 党 ﹂ 員 等 ハ前 記 ポ スタ ー事 件 ニ関 シ検 挙 セ ラ レタ ル カ
﹁グ レー﹂ ハ日本 共産 党 ニ交 附 ス ヘキ宣 伝 費 ト シ テ約 七 千 円(内五千 円 ハ台 湾銀行小切手 ヲ携 帯 シ山 川均 等 ト 会 シ該 金 ヲ手 交 ス ヘキ計 劃 ナリ シカ 其 ノ他 ハ現金)
ンタ ルホ テ ル ニ投 宿 セ シ メ タリ
八 日上 海 出 帆 汽 船 八 幡 丸 ニテ長 崎 ニ入港 シ東 上 横 浜 市 山 下 町 オリ エ
ニ亙 リ不 穏 事 項 ヲ記 シ タ ル宣伝 印 刷 物 ヲ 一斉 ニ軍 隊 宿 舎 及在 郷軍 人
之 ニ先 チ十 一月 二 十 四 日夜 探 知 シ未 タ会 見 セ サ ル以 前 ニ当 リ取 調 ニ
着 手 セ リ ﹁グ レ ー﹂ ハ商 用 ノ為 メ渡 日 セ リト 称 シ容 易 ニ事 実 ヲ自 供
宣伝文書 ハ巻末 ニ掲 ク)
リ ( 参考
セ サ リ シ モ携 帯 セ ル手 簿 中 ニ ハ荒 畑 、 伊藤 野 枝其 ノ他邦 人 社 会 主 義
団 等 ニ慰 問 状 ト 記 シ送 付 シタ ル カ警 視 庁 ニ於 テ其 ノ大 部 分 ヲ押 収 セ
者 ノ氏 名列 記 アリ所 持 品 中 露 国 共 産 党 員 ノ符 号 ア ル名刺 数 葉 ア リ且
大 臣 ヨリ退 去 命 令 ヲ発 セ ラ レ同 月 四 日横 浜 出 帆 ノ春 日丸 ニテ上 海 ニ
一方 彼 等 ハ同 志 平 田 晋策 ヲ九月 十 五 日神 戸 出 帆 山 城 丸 ニ テ上海 ニ派
清 、 和 田軌 一郎 、吉 田 一、徳 田 球 一 ( 弁護士)、高 尾 平 兵 衛 ヲ十 月 下
退 去 セリ
遣 シ同 人 ハ十 一月 三 日帰 朝 セ リ又 八 月下 旬 労農 政府 ノ密 旨 ヲ帯 ヒ来
旬 頃 入 露 セ シ メタ ル形 跡 ア リ 一行 中 ナ リ シ高 尾 ハ分 離 上海 ニ赴 キ運
斯 ク シ テ日本 共 産 党 ノ重 ナ ル関 係者 十 七名 ニ対 シテ ハ収 監 又 ハ不拘
ツ重 田 要 一ノ申 述 ニ依 リ事 実 真 相 瞭 カ ナ リ シ ヲ以 テ十 二月 二 日内 務
動 資 金 五千 円 ヲ収 受 十 一月 中 旬 帰 朝 シ タ リ シ カ本 人 ハ露 骨ニ 宣 伝 運
束 ノ儘 治 安 警 察 法 違 反 及 出版 法 違 反 ト シ テ起 訴 予 審 中 ニ属 ス予審 進
太雷 ハ此際若干ノ運動資金 朝 セ ル支 那 人 張 太雷 ト打 合 ヲ遂 ケ(張 同志高瀬 ヲ本部主 義者ニ交付帰国 セリ)
動 ヲ開 始 ス ルト キ ハ忽 チ官 憲 ノ取 締 ヲ受 ク ヘキ コト ヲ慮 リ近 藤 栄蔵
行 上更 ニ数 名 ノ検 挙 ヲ要 ス ル見 込 ナリ
及社 会 主 義 団 体 ト提 携 シ テ共産 主 義 運 動 ヲ為 サ ン コト ヲ計劃 シタ ル (B) 地 方 ノ部
等 日本 共 産 党 首 脳 ト計 リ露 国飢饉 救 済 会 ニ名 義 ヲ藉 リ 一部 労 働 団 体
モ前 記 ノ如 ク 一派 カ殆 ト検 挙 セ ラ レタ ルヲ以 テ岩 佐作 太 郎其 ノ他 ノ
救 済 ニ藉 口 シ テ宣 伝 運動 ヲ為 サ ム ト スル裏 面 ノ計 劃 判 明 シ居 レ ルヲ
荒 畑 勝 三等 ハ曩 ニ京 都 ニ於 テ友 愛 会 首 脳 高 山義 三退 営 ニ際 シ取 締 官
一、 荒畑 勝 三 一派 ノ行 動
( イ ) 大阪 在 住者 ノ行 動
以 テ本 運 動 ニ対 シ テ ハ厳 重取 締 ヲ加 フ ル コト ヽセ リ 又 前 記 ノ 如 ク
ナシ
吏 ニ暴 行 ヲ為 シタ ル事 件 ニ依 リ入 獄 シ最 近出 獄 シタ ル モ著 シキ行 動
者 中 心 ト ナ リ本 運動 ヲ継 続 シ演 説 会 、 展 覧 会 等 ヲ開 催 セ ント セ シ モ
日上海 ニ上陸 近藤 栄 蔵 ノ指 命 ニ従 ヒ直 ニ上 海 ライ フと ゴ ー マ ンナ ル
復讐 ト ハ資本家、特権階級、国家等搾取 日例 会 ヨ リ ﹁復 讐 会 ﹂ ( 階級 ヲ仇敵 ト看做 シ之 ニ復讐 セムトノ意)ト改 称 シ引
本 一派 ハ従 来 黒 旒 会 ト 称 スル同 志 ノ会 合 ヲ主 催 セ シ カ去 ル五 月 廿 九
一、武 田伝 次 郎 、 大 串 孝 之 助 、 岸 井清 等 一派 ノ行 動
本 党 ノ報 告 書 及 予算 書 ヲ携 帯 上 海 ニ渡 航 セ ル重 田 要 一 ハ十 一月 十 四
者 ヲ訪 問 シ携 帯 セ ル文 書 ヲ交 付 セ リ ゴ ー マン ハ本 人 ニ対 シボ リ ス、 パ ウ ル 、 グ レ ー(露国莫斯科ニ生 レ英) ヲ同 行 内 地 ニ渡 来 セシ ム ヘ キ コト 国ニ帰化 セルモノ
ヲ告 ケ之 ヲ本 人 ニ紹 介 セ リ依 テ重 田 ハ右 ﹁グ レー﹂ ヲ帯 同 シ同 月 十
続 キ毎 月 二 回例 会 ヲ催 シ タ リ シ カ七月 廿 五 日之 ヲ廃 止 シ左 記会 合 ヲ
併 し 吾 等 労働 者 は何 時 ま で も彼 等 の利 己 心 の奴 隷 と は な ら な い。
り、 真 理 な り 、 人道 であ る か ら 、切 るな り、殺 す な り 、 搾 るな り。
吾 等 労 働 者 は こ ゝに於 て彼 等 一切 は吾 等 の仇 敵 てあ る こと を宣 言
起 セリ 一、座 談 会 ( 毎月二回)
す ると 共 に 吾等 よ り 一切 の も のを 掠 奪 せ し彼 等 と 血腥 き復 讐 の闘
爾 来 時ゝ 之 等 ノ会 合 ヲ催 スノ外 大 串 、岸 井 等 ハ九 月 一日機 関 紙 ﹁関
三 、研 究 会 ( 座 談会、同人会出席者中 ノ希望者 ヲ以テ組織 スルコト)
な るも の ゝ存 在 す る を知 らず 、 吾 等 は団 体 的暴 動 を讃 美 す ると 共
べき 処 の手段 も神 聖 な最 善 の行 為 と な る、 ⋮ ⋮ 吾 等 は世 に不 合 理
争 を 開 始 す る ⋮ ⋮吾 等 の前 に は如 何 な る陰 謀 策 略 も罪 悪 と目 さ る
動 ニ耐 フル者ノミヲ選抜加入 セシメ毎日曜開催 ノ予定
二 、同 人 会 (前記復讐会員及座談会出席者中意思強硬 ニシテ実行運 )
西 労 働 者 ﹂ ヲ発 刊 セリ本 紙 宣 言 ト題 ス ル記 事 中 次 ノ 一節 アリ
部 分 ヲ同 志 ニ頒 布 シ残 部 ヲ同 志 宅 ニ蔵 匿 シ居 レ ル ヲ探知 シ差 押 ヲ執
一派 ハ右 新 聞紙 約 五千 部 ヲ秘 カ ニ東 京 ニ於 テ印刷 シ大阪ニ 輸 送 シ大
に個 人 の悲壮 な る反 逆 的 行 為 を敢 行 す。 云 々
⋮ ⋮我 等 は 征服 者 階級 の意 思 と凡 て の行 為 に対 し糾 弾 す る も の あ
行 シ関 係 者 ヲ刑 事 訴追 セ ルカ岸 井 等 ハ十 一月 一、二日頃 不 穏 ノ記 事
言
ら ず し て そを認 容 す る も の であ る。
宣
ん限 り 搾 取 し て莫 大 な る富 の集 積 を な し 、 併 し て あ ら ん限 り の栄
資 本 家 が彼 等 の貪 慾 を充 さ ん が為 め に我 等 労 働者 の労働 力 を あ ら
一、 大 阪 在 住 同 志 ﹁ 関 西 ソビ エツ ト」 ヲ組 織 ス
ヲ掲 ケ タ ル第 二号 ヲ 前 同 様 ノ方法 ニ依 テ秘 密 出 版 セ リ
大 阪 在 住 三 田村 四郎 、大 串孝 之 助 、山 田正 一等 ハ去 ル十 二 月十 五 日
華、 贅 沢 に酔 ひ 、労 働 者 を無 智 と 貧 困 の境 地 に蹴 落 そ う が吾 等 は 彼 等 に向 つて決 し て そ の非 や不 合 理 を 責 め よ う と す る のでな い。
シ 一、委 員 会執 行 委員 会 ヲ設 ク ル コト 、 二、 週 報 ﹁ソビ エツト﹂ ヲ
同 地ニ 在 ル同 志 ノ会 合 ヲ催 シ ﹁関 西 ソビ エツ ト﹂ ヲ組織 ス ル コト ヽ
発 行 シ当 分 謄 写版 摺 ト ナ シ各 同 志 及 労 働 団 体 等 ニ配 布 ス ル コト等 ヲ
ひ やり 弾 丸 の的 と し て満 洲 の曠 野 に或 は 欧 州 の平 原 に何 百 万 の数
協 定 シ続 テ同志 ノ会 合 ヲ催 シ具 体 的 運 動 方 法 ヲ協 議 ス ルト コ ロア リ
国 家 も 又 吾 等労 働 者 の多 く の同 僚 を 狩 立 て ゝ無 意 義 な る戦 場 に追
に海 に山 を な し 地球 全 面 を蔽 は んと す 。 戦 勝 にし ろ戦 敗 に し ろ常
使 用 シ テ行 動 ス ル ハ穏 カ ナ ラ サ ル モ ノ ト認 メ大 阪府 ニ於 テ主 脳 者ニ
限 りな き 兵 士 を組 織 的 、科 学 的 武 器 に依 つ て殺戮 し惨 骸 は山 に野
懇 諭 ヲ加 ヘタ ル ニ彼 等 ハ之 ヲ解 散 ス ル コト ヲ申 立 テ タリ然 ルニ 一 派
宣 伝ビ ラ等 ヲ頒 布 セ ル事 実 ア リ シ カ ﹁関 西 ソビ エツト﹂ 等 ノ名 称 ヲ
ハ更 ニ 「自 主会 」 ナ ル名 義 ヲ以 テ其 ノ運動 ヲ継続 セ ント計 劃 中 ナ ル
漸 次 之 カ運動 ノ歩 ヲ進 メ ント シ ﹁ソビ エツト ﹂名 義 ノ看 板 ヲ掲 出 シ
て国家 の責 任 を問 はう と す る も の では な い。
え高 ら か に 歓声 を挙 げ る。 ⋮ ⋮吾 等 は 決 し て これ等 のこと に つい
ヲ以 テ専 ラ注 意 中 ナ リ
に最 大 の負 担 は我 等 労 働 者 であ る。 吾 等 労働 者 が飢 餓 と貧 困 の為
資 本 家 、特 権 階 級 、国 家 、神 等 彼 等 は 彼 等 自 身 に於 てや り た いと
め に 一家 を 挙 げ て路 頭 に迷 ふと も病 床 に呻 吟 し よ う と も国 家 は 栄
思 ふ こと を 勝手 に す る が よ い。 それ は彼 等 自 身 に と つて は正 義 な
一、木 本 正胤 ノ行 動
本 人 ハ悪 家 主 ニ対 抗 ス ル為 ト称 シ ﹁借 家 人同 盟 ﹂ ナ ル モノ ヲ組 織 シ
一、 逸 見直 造等 ノ行 動
申 述 セリ
用 スル目 的 ナ ル ハ明 カ ナ ル モ本 人 等 ハ漁 業 用 ニ密 売 ス ル モノ ナ リ ト
カ火薬 類 ヲ窃 取 シタ ル ハ其 ノ主 義遂 行 上若 ハ他 ヲ脅 威 ス ル手 段 ニ使
ノ爆 発 物 ヲ窃 取 蔵 匿 シ居 レ ル コト ヲ発 見直 ニ予審 ニ付 シタ ル カ彼 等
コト ア ル モ同 盟 ノ実 体 ハ有 名 無 実 ノ モ ノ ニ属 ス
ナ ル モノ ヲ組 織 シ時ゝ 同 盟 名義 ノ不 穏 印刷 物 ヲ作 成 頒 布 スル
前 記川 島 等 一派 ハ同 志 和 田信 義 等 ト計 リ ﹁ 九州無産者同盟﹂
附 記
所 々 ニ於 テ講 演 会 ヲ催 シ主 義 ノ宣 伝 ヲ試 ミ居 レリ
右 木 本 ハ大阪 在 住社 会 主 義 者 ト提 携 シ去 ル五 月 一日 ヨリ毎 月 一回市 民 夜 話会 ヲ開 催 シ居 レリ
(ロ) 兵 庫 在 住 者 神 戸 安 谷 寛 一等 一派 ハ大 杉 一派 ノ系 統 ニ属 シ大 阪同 志 ト提 携 シ テ各
(C ) 外 国 在 留 者 ノ部
ル ニ米 国紐 育 ヲ策 源 地 ト シ墨 国 、露 国 ニ各 一派 ア リ周 到 ナ ル方 法ニ
在 外 邦 人 社会 主義 者 ノ活 動 ハ最 近著 シキ モノ ア リ目 下 ノ状 況 ヨリ見
種 宣 伝 運動 ヲ試 ミ居 リ シカ去 ル十 一月 一日 付 ヲ以 テ ﹁第 三労 働 新
投 シ主義 ノ鼓吹 ヲ為 シ居 レリ
ク
(イ) 米 国 在 留 者 ノ行 動
在 リ其 ノ他 上海 在 留 者 亦注 意 ヲ要 ス ル モノ ア リ以 下 之 等 ノ概況 ヲ掲
依 リ聯 絡 ヲ取 リ過激 派 ト提 携 シ内 地同 志 ト呼 応 セ ム ト スル ノ状勢ニ
各地 ヲ徘徊 シ縁 日祭礼等 ニ於) 聞 ﹂ ヲ発 刊 セリ其 ノ後 本 人 ハ香 具 師 (テ 万年筆等 ヲ行商 スル モノ ノ群ニ
附 記 安 谷 ハ最 近 神戸 ヲ中 心 ト シ更 ニ同 志 ノ会 同 ヲ為 シ居 レリ
(ハ ) 福 岡 在 住 者
シ片 山潜 ハ十 年 二 月墨 西哥 ニ移 航 シ其 ノ後 入露 シ タ ル形 跡 アリ 田 口
米 国ニ 於 テ ハ邦 人社 会 主義 者 ハ紐 育 ヲ根 拠 ト シ従 来 ノ中 心 人物 タリ
福 岡 県在 住 河島 真 二 、松 居 孝 一郎 一派 ハ常 ニ過激 ノ言 動 ア リ不 穏 ナ ル主 義 上 ノ印刷 物 ヲ作 成 頒 布 シタ ル コト 一再 ナ ラ ス殊 ニ松 居 ノ如 キ
等 代 テ牛 耳 ヲ採 レリ
入露後帰 等 ハ紐 育 ヨリ各 入露 シ佐 々木 某 、 佐 田某 運蔵、吉原源太郎 ( 朝 セリ )
ハ革 命 ニ依 ル直 接 行動 ヲ以 テ其 ノ目 的 ヲ達 セ ム コト ヲ云為 シ同 志 ニ 対 シ革 命 ニ爆 発 物 ハ欠 ク ヘカ ラ サ ル ヲ以 テ已 ニ用意 シ ア ル コト ヲ口
日本 共 産 党 ( J G又 ハJCGAト称 ス)ヲ組 織 シ内 地 ニ在 ル 「日本 共 産
紐 育 同 志 等 ハ中 心 ト ナ リ在 米 邦 人 社 会 主 義 者 ヲ糾 合 シ テ在 亜米 利 加
織 セ ル モノ
外 セ ル コト アリ客 年 三月 六 日 元 日 本 労 友 会 (河 島 真 二 ノ組)一周年記念
﹁ダ イ ナ マイ ト﹂ ヲ携 帯 シ該 集 会 ニ来 援 セ ル加 藤 勘 十等 ニ示 シタ ル
党 ﹂ ノ代 表 機 関 タ ル コト ノ承認 ヲ受 ケ之 カ代 表 ト シ テ田 口運蔵 ヲ モ
演 説 会 ヲ八 幡 市劇 場 大 勝 座 ニ催 シタ ル際 一派 ニ属 ス ル 三 崎 良 一 ハ
事 実 ア リ シ ヲ以 テ厳 重捜 査 ノ結 果 一派 ハ福 岡 炭 坑 々夫 ヲ教 唆 シ多 数
ス ク ワ ニ派 遣 シタ ル モ ノ ナリ而 シ テ本 党 ノ事 業 ト シ テ週刊 機 関 紙 ト
日七 ケ 国 ノ社 会 党 代 表 者 十 九 名 ト 共 ニ赤 旗 ヲ掲 揚 セ ル特 別 列 車 ニ搭
年 四 月 私ニ 紐 育 ヲ発 シ ﹁エ スト ニア﹂ 国 ﹁レバ ル﹂ ヲ経 テ 五月 廿 五
在米同志等 ( JG) 一派 ハ露 国革 命 カ亡 命 者 ニ依 テ実 現 セ ラ レ タ ル
タ ーナ シ ヨナ ル第 三回 大 会 ニ出 席 セリ ト ノ聞 エア リ其 ノ後 引 続 露 都
乗 シ ﹁モ スク ワ﹂ニ 入 リ六 月中 同市 ﹁大劇 場 ﹂ニ 開 催 セ ル第 三 イ ン
印 刷 工場 設 置 ヲ計 劃 シ在 露同 志 ヨリ送 金 ヲ受 ケ タ ル模 様 アリ
コト ヲ指 摘 シ米 国 ヲ共産 主 義 ノ学 園 ト為 シ此 処 ニ於 テ指 導 者 ヲ養 成
ヘキ モ如 何 ニシ テ之 ヲ日本 同 志 ニ交 付 ス ヘキ カ ハ困 難 ナ ル問題 ナリ
方 面ニ 在 ル モノ ヽ如 シ
ト称 セ ラ ル
シ テ不 断 本 国 ニ送 リ且 一朝 革 命 断 行 ノ 日 ニ於 テ ハ有 力 ナ ル共 産 主義
コト ヲ唱 道 シ居 レリ
レ ルヲ以 テ労 農 政 府 ニ於 テ モ重視 ス ヘク資 金 竝 宣 伝 材 料 ヲ入 手 シ得
右 J G 一派 ニ属 ス ル佐 々木 等 ハ同 志 十 五 名 ト共 ニ入 露 スル手 筈 ニシ
田 口、 吉 原 等 ハ過激 派 本 部 ト折 衝 シ日本 宣 伝 ニ関 シ謀 議 ヲ凝 ラ シ内
東 京同 志 等 ノ風 評 ニ依 レ ハ田 口 ハ 「日本 共 産 党 ﹂ ノ信 認 状 ヲ有 シ居
テ片 山潜 ヲ通 シ露 都 本 部 ニ対 シ旅 費 ノ送 付方 ヲ要 請 中 ナ リ シ モ ノ ヽ
認 メ地 名 、 人 名其 ノ他 重要 ノ事 項 ハ数 字 ヨリ成 ル暗 号 ヲ用 ヰ居 レリ
ハJ G ヲ全 米 、布 哇 、加 奈 陀 在 留 日本 人 間 ニ拡張 セサ ル ヘカ ラ サ ル
如 ク ナリ シ カ最 近 ノ情 報 ニ依 レ ハ 一行 ハ (一) 「レ ニ ン」 著 「国 家 と革 命 ﹂ (二) スタ チ ユート 、 オブ 、 サー ド イ ンタ ー ナ シ ヨナ ル (三) C P C ﹁コ ンム ニズ ム﹂(四) 米 国宣 伝 号(五) 雑 誌 革 命 等 ノ宣伝 材 料 ヲ携
者 ヲ供 給 シ テ民衆 運動 ヲ指 導 シ政 権 ヲ獲 得 セ サ ル ヘカ ラ ス之 カ為 ニ
帯 シ入露 シ タ ル ヤ ニ思料 セラ ル ヽ点 ア リ着 露 ノ上 ハ右 宣伝 資 料 ヲ露
シ居 レリ 田 口等 ハチ タ ニ印 刷 所 ヲ設 ケ 日本 内 地 ヨリ印 刷 職 工 ヲ入 露
又 時 ニ ハ上海 、英 、独 等 ニ在 ル外 国 人 過激 主義 者 ヲ仲 介 ト シテ通 信
紐 育 ニ ハ尚 多 少 ノ同 志 残 留 シ残 務 ヲ処 理 シ内 地 対 墨 、露 等 ノ聯 絡 ヲ
最 近 片 山潜 及 紐 育 同 志 十 数 名 入 露 セ ル形 跡 ア リ之 等 ハ主 ト シ テイ ル
セ シ メ タ ル模 様 アリ
ハ英 国 線 西 比利 線 経由 ノ二方 法 ヲ併 用 シ文 書 ハ主 ト シ テ英 文 ヲ以 テ
地 、在 米 、 在 墨 邦 人 主義 者 ト聯 絡 ヲ取 リ居 レリ其 ノ通 信交 換 ノ如 キ
国 ニ於 テ印 刷 スル計劃 ナリ ト認 メ ラ ル
為 サ ント ス ル ノ形 跡 ア リ
大庭 景 秋 ハ客 年 五月 ハル ピ ン ヨリ 入露 シ モ スク ワ ニ於 ケ ル第 三 ﹁イ
墨 国 ニ ハ客 年 二 月片 山 潜 カ紐 育 ヨリ移 航 セ シ カ其 ノ後 同人 ハ伯 林 経
(ハ) 墨 国及 上海 在 留 者 ノ行 動
居 レ ル模 様 ナ リ
ンタ ー ナ シ ヨナ ル﹂第 三 回大 会ニ 出 席 セ シ如 ク今 尚 同 方 面 ニ在 留 シ
ク ー ツ ク方 面 ニ於 テ活 動 セ ント ス ル手 筈 ナ ル モノ ヽ如 シ ( ロ) 露 国 在 留 者 ノ行 動 目 下 露 国ニ 在 ル邦 人 同 志 ハ米 国 ヨリ赴 ケ ル 田 口 運 蔵 、 吉 原 源 太 郎 本人 ハ其 ノ ( 後帰朝 ス )最 近墨 国 ヨリ入 露 セ ル片 山潜 及極 東 ヨリ入 露 セ ル大庭 景
秋 ( 柯 公) 竝 ﹁日本 共 産 党 ﹂ ヨリ派 遣 セラ レタ ル吉 田 一等 ノ 一行 ナ リト ス 田 口ハ 米 国 紐 育 ニ在 リ同 地在 留 邦 人 共 産 主 義 者 ノ牛 耳 ヲ採 リ シカ客
ハ極 東 ニ於 ケ ル過 激 派 ノ巣 窟 ナ ルヲ以 テ邦 人 社 会 主義 者 ノ来 往 絶 エ
由 入露 シタ リ墨 国 ニ ハ尚多 少同 志 残 留 シ居 レ ル哉 ノ疑 アリ
シ居 レ ル等 ノ事 実 ア ルノ外 著 シキ モノ ナ ク只 外部 ヨリ労 働 団 体 ニ宣
最近組織 ヲ改 メ芝)ノ過激職 工等 ト提携 シ社会主義 研究会 ヲ催 浦技友会 (浦 労働組合 ト称 ス
会 幹 部 ニ ハ多 数 ノ主義 的 色 彩 ヲ有 ス ル モノ ア リ其 ノ他中 村 還 一カ芝
伝 ヲ試 ミ ムト ナ シ居 レ ル ニ過 キ ス乍 併 最 近 検 挙 セ ラ レ タ ル近藤 栄 蔵
上海 ニ ハ目 下 特 ニ注 意 ヲ要 ス ル本 邦 社 会 主 義 者 ハ在 留 セ サ ル モ同 地
サ ル状 況 ニシ テ現 ニ大杉 栄 、 近藤 栄 蔵 、高 尾 平 兵 衛 カ同 地 ニ至 リ多
等 ﹁日本 共 産党 ﹂ 一派 ニ属 ス ル者 ハ露 国 ヨリ受 ク ル宣伝 資 金 潤 沢 ナ
計 劃 ア リ シ モ ノナ リ
ル ニ至 ラ ハ各 労 働 団 体 ニ定 給 ヲ与 フ ル宣 伝 者 ヲ配 置 セ ムト ス ル等 ノ
額 ノ資 金 ヲ収 得 シ来 レ ル ハ別項 ニ記 スト コ ロノ如 シ
第 三 労 働 問 題 ト ノ関 係
其 ノ機 関 紙 ノ如 キ モ常 ニ之 等 ニ関 ス ル記 事 ヲ以 テ填 メ又労 働 者 ノ集
機 関 紙 等 ニ ハ概 ネ 之 ニ関 ス ル 一欄 ヲ設 ケ居 レル ノ状 況 ニシ テ曩 ニ要
近 来 各 地 ニ発 ス ル農 業 争 議 ニ対 シ最 近 社会 主義 等 ハ着 眼 シ来 リ其 ノ
(ハ) 農 業 労 働 問 題 ト要 視 察 人
会 等 ニ努 メ テ出 席 シ機 会 アラ ハ宣 伝 ヲ試 ミ ムト ス ル ノ実 況 ニ在 リ殊
トシテ早稲 田大 注意団体建設者 同盟(主 )ヲ主 幹 スル和 田 巌 ハ岐 阜 県 ニ赴 学生ノ主唱ニ係 ル
(イ) 労 働 者 及労 働 争 議 ト要 視 察 人 社 会 主 義 者 ハ其 ノ宣 伝 ニ当 リ常 ニ労 働 者 ヲ其 ノ主 タ ル対象 ト ス従 テ
ニ労 働 争 議 ニ際 シ テ ハ宣 伝 上絶 好 ノ機 会 ナ リト シ之 ニ関 与 セ ント努
キ小 作 紛 議 ノ実 情 ヲ視 察 シ タ ル コト ア リ又 最 近 長 島新 ハ埼 玉県 下 ニ
リ其 ノ他 社会 主 義 者 ニ シテ小 作 人 団 体 ト気 脈 ヲ通 シ又 ハ之 等 ニ主 義
高 田 市 太郎 ハ山 梨県 下 ニ於 テ各 小 作 人 団 体 ヲ組織 セ シ メ タ ル事 実 ア
宣 伝 ヲ為 サ ント スル ノ事 例 少 ナ カ ラ ス将 来 注 意 ヲ要 ス ル モノ ト認 メ
ニ於 ケ ル重 ナ ル各 種 争 議 ニ際 シ テ ハ東 京 、 大 阪 等 ノ同 志 之 ニ赴 キ不 穏 ナ ル宣 伝 印 刷物 等 ヲ頒 布 シ労 働 者 ノ激 成 ニ努 メ弊 害 アリ シ ヲ以 テ
メ居 レリ本期 間 ニ於 テ モ足 尾 、横 浜 船 渠 、 川 崎 造船 所其 ノ他 大 阪 等
之 ヲ検 挙 セ ル事 実 アリ 又最 近検 挙 セ ラ レ タ ル近藤 栄 蔵 一派 ノ ﹁日本
ラル
ノ悪 化 ヲ計 ラ ント ス ルノ計 劃 ナ リト ス
共 産 党 」 ハ其 ノ運 動 ノ進 行 ニ伴 ヒ露 国 ヨリ受 ケ タ ル資 金 ヲ以 テ争 議
第 四 外 国 人 及 朝 鮮 人 ト ノ関 係
ヲ要 ス ル状 況 ト ナ レ リ殊 ニ露 国其 ノ他 ノ外 国 ニ在 留 ス ル者 ハ調 査 機
朝 鮮 人社 会 主 義 者 ト本 邦 同 志 ト ノ来 往 、 通信 ハ頻 繁 ト ナ リ頗 ル注 意
露 国 過激 派 ト ノ関 係 密 接 ト ナ リ タ ル結 果 之 等 ノ色 彩 ヲ有 ス ル外 国 人
社 会 主義 者 ニシテ労 働 団 体 ニ関 係 セ ル モ ノ ハ日本 印 刷 工組 合 信 友会
関 乏 シキ ヲ以 テ其 ノ動 静 ヲ詳 知 ス ル コト ヲ得 サ ル モ在 留 地 ニ於 ケ ル
(ロ) 労 働 団 体 ト要 視 察 人
﹁日本 交 通労 働 組 合 ﹂ 理 事 長 ト ナ リ又兵 庫 在 住 東 忠 続 カ 日本 労 働 総
外 国 人 同 志 ト来 往 シ居 レ ル ノ形 跡 ア リ 又内 地 ニ在留 セ ル支 那 人其 ノ
幹 部 中 水沼 辰等 ア リ中 西 伊 之 助 カ東 京 市 電 気 局 従 業 者 ノ 組 織 セ ル
同 盟 所 属 尼崎 合 同 組 合 長 ト ナ リ又 同盟 総 同盟 所 属 全 日本 鉱 夫 総 聯合
他 ノ外国人朝鮮人 (主 トシテ 在学生等)ト在 京 本邦 社会 主 義 者 等 ハ曩 ニ ﹁コス モ 倶 楽 部」 ナ ル モノ ヲ組 織 シ時 々会 合 ヲ催 シ居 レリ(本倶楽部ニ就テ) ハ別 ニ詳記 ス 在留
又 大 正九 年 十 二月 一日 ヨリ同 十年 十 一月 三十 日 ニ至 ル ノ間 東 京 ニ於
要 注 意 人 ノ関 与 セ ル モノ五 件 ト ス ( 参考詳細 ハ別表ト シテ添付 ス)
其 ノ他 本 項 ニ関 シ客 年 中 ニ於 ケ ル著 シキ事 例 ヲ挙 ク レ ハ大杉 栄 、 近
組 織 シ居 レリ
ヲ中 止 シ タ ル モ ノ二十 八件 集 会 ノ解 散 ヲ命 シ タ ル モ ノ十 二件 ニ シテ
於 ケ ル論 議 不 穏 ト シ テ臨 監警 察官 ヨリ注 意 ヲ与 ヘタ ル モ ノ 一件論 議
ケ ル特 別 要 視 察 人 等 ノ主催 ニ係 ル集 会 ハ百 四十 四 回 ニシ テ内席 上 ニ
右 司法 処 分ニ 付 シタ ル モノ ヽ内 特 別 要視 察 人 ノ関 与 セ ル モ ノ十 六件
鮮 人 学 生等 ハ本 邦 同 志 ト共 ニ別 ニ 「コス モ ス倶 楽 部 」 ナ ル モノ ヲ モ
藤 栄 蔵 等 カ朝 鮮 人 、 支 那人 過 激 主 義 者 ト会 合 宣 伝 費 ヲ収受 シタ ル コ
国 過 激 派 代 表 者 ヨリ本 邦 社 会 主 義 者 ニ赤 化 運 動 資 金 ヲ交 付 ス ヘキ使
エ ン コ﹂ニ 内 地 退去 ヲ命 シタ ル コト、 支 那 人 張 太 雷 ナ ル者 在 上海 露
ト シ テ ハ刑 法 ニ依 ル建 造 物 損 壊 、 器物 毀 棄 、公 務 員 ノ職 務 執 行 妨 害
其 ノ他 客 年 中 ニ於 ケ ル要 視 察 人 ノ犯 行 ニシ テ特 ニ注 意 ヲ要 スル モノ
ハ別表ト シテ巻末 ニ挙 ク)
刑 法 其 ノ他 ニ依 リ司法 処 分 ニ移 シタ ル モノ二 十 六 人 ト ス ( 参考詳細
右 集 会 ニ際 シ公 安 ヲ害 ス ル虞 ア リ行 政 検 束 シ タ ル モ ノ百 七十 一人 、
命 ヲ帯 ヒ去 ル十 月 五 日本 邦 ニ渡 来 シ近藤 栄蔵 等 ト会 合 ノ上 若 干 ノ資
ノ罪 、治 安 警 察 法 ニ依 ル秘 密 結 社 ノ罪 及爆 発物 取 締 罰 則 違 反 等 ナ リ
ト、 内 地 ニ在 留 シ同 志 ト来 往 シ主 義 的 行 動 ア リ タ ル露 国 人 ﹁エロ シ
金 ヲ供 給帰 国 セ ル コト、 ﹁日本 共 産 党 ﹂ ヨリ上 海 ニ派 遣 セ ラ レ タ ル
ト ス
( 終)
重 田 要 一カ露 国 人 ニ シテ英 国 ニ帰 化 セ ル ﹁ビー 、 グ レー﹂ ト同 行 本
海
道 都
京 阪
兵
崎
庫
川
京
奈 長
神
大
東
北
道 庁 及 府 県
甲
乙
計
[一]特 別 要 視 察 人 府 県 別 現 在 人員 表 大正十 一年 一月十二日調
[ 附録]
邦 ニ渡 来 セ ル ヲ以 テ 「グ レー」 ニ退 去 ヲ命 シタ ル コト 、及 曩 ニ支 那 人 張 太 雷来 朝 ニ際 シ本 邦 主 義 者 ニ運 動資 金 授受 ノ仲 介 斡 旋 ヲ為 シ タ ル在 留 支 那 人施 存 統 ニ内 地退 去 ヲ命 シ タ ル コト等 ナ リ ト ス
第 五 要 視 察 人 ノ取 締 要視 察 人 ノ行 動 ニ就 テ ハ常 ニ内 密注 意 ヲ加 ヘ可 及 的 宣 伝 、 運 動 其 ノ 他 ノ機 会 ヲ与 ヘサ ル ニ努 メ居 レリ其 ノ違 法 ノ行 動 ニ対 シ テ モ事 前警 告 ヲ与 ヘ止 ム ヲ得 サ ル場合 ニ法 令 ニ従 テ厳 重 ナ ル取 締 ヲ加 フ ル ノ方 針 ナ ル コト ハ前 年 以 来 異 ナ ル所 ナ シ客 年 中 ニ於 ケ ル社 会 主義 的 傾向 ヲ有 ス ル刊 行 物 ニシ テ行 政 処 分 ニ付 シ タ ル モノ ハ出版 法 ニ依 ル モノ 百 二十 三件 新 聞 紙 法 ニ依 ル モノ 六十 九 件 合 計 百 九 十 二件 ニシ テ内 刑 事 訴 追 シタ ル モノ ハ前 者 九 件 後 者 ニ於 テ 二十 件合 計 二 十 九件 ニシテ
埼 馬
玉
潟 鳥
富 取
山
葉 岡
山
根
新 群 島
千
口 和
川
島
徳
媛
広
重
良
香
知
山
奈
愛
城
三 知
高
木
愛 岡
岡
栃
静 梨
福
山
山 賀
青
岩
福
宮
長
形
森
手
島
城
野
宮
熊
佐
大
崎
本
賀
分
島
滋 阜
茨
歌
岐
山 田
沖 合
モノ ナ リ
備 考 本 表 中 △印 ヲ附 シ タ ル数 ハ在 外 者 ヲ内 訳 ニ示 シ タ ル
計
縄
島
秋
井
児
福
川
鹿
石
七
六
五
四
三
二
月
月
月
月
月
月
月
月
新聞紙 法ニ 依 ルモノ
処
出 版 法ニ 依 ルモノ
行 政
分 新聞紙法ニ 依 ルモノ
司
処
十六件
出 版 法ニ 依 ル モノ
法 計
分
二 社 会 主義 的 傾 向 ヲ有 ス ル出 版 物 処 分 調 ( 大正十 一年 一月 一日調)
次
八
月
九 月
一 月
十 十 一月 計
十 二月 合 内
五件
特 別 要視 察 人 ニ シ テ起 訴 セラ レ タ ル モ ノ 要 注 意 人 ニシ テ起 訴 セ ラ レタ ル モノ
三 種
会
会
度 数
注意
中止
大正十年度集会 ( 特別要視察人主催)調 別
日本社会主義同盟 暁 民 会 日 本会主義同盟 研究会 東京労働 運動同盟 会 著 作 家 組 合
耀
会
会 黒
瀾
黒飄
赤
自 由 人 聯 盟
月
社会 主義 研 究 会 五
無政府 主義研究会 建 設 者 同 盟
他
北 郊 自 主 会 其 計
ル間 ノ調 査 ト ス
解散
検束
司法 処分
備 考 本 表 ハ大 正 九 年 十 二月 一日 ヨリ同 十 年 十 一月 三 十 日 ニ至
計
[四 檄文二種]
兄 弟 よ ! よく 考 へて見 て呉 れ。 日本 が君 等 の生 命 と 、 君等 の親 兄 弟
総人 口の九割八歩︱
は極 く少数︱
全人 口の二分︱
に
過 ぎ な い資 本 家 の奴 隷 と な つ て、益 々、悲 惨 な生 活 をし な け れ ば な
多数︱
妻 子 の幸 福 と の犠 牲 に依 つて 、戦 争 に勝 てば 勝 つ程 、 日本 国 民 の大 軍人諸君 !
兄弟 よ !
君 等 は ﹁忠 君 愛国 ﹂ と は何 の こと だ か知 つて居 る か?
ら な く成 る の だ。 君 等 軍 人 の保 護 の下 に 日本 の富 が 、益 々、大 き く
分 と の為 め 、若 く し て老 ひ、 失 業 と 貧 苦 のは て、終 に は乞 食 と な り、
斯 く て 君等 の兄 弟 で あ ると ころ の労 働 者 は 、過 度 の労 働 と 営 養 不 充
困 と飢 餓 と病 苦 と 無 教 育 と 不 幸 の淵 に沈 ん で行 く のだ。
即 ち 君等 の親 兄 弟 妻 子 は 、 貧
な る に従 つて、 日本 国 民 の大多 数︱
あ るま い。 若 し あ つたと し たら 、 君 等 は 、今 日 、大 演 習 に来 て、 一
君 等 は、 君 等 の立場 か ら 、 そ れ を考 へて見 た こと が あ る か ?
法 律 の罪 人 と な り 、監 獄 に投 せ ら れ る のだ 。 そし て君等 の姉 妹 で あ
ま る で犬 に でも 芸 を 教 へ
上 官 が君 等 に︱
日十 五時 間 や二 十時 間 の馬 鹿 気 た 労 働 を 強 いら れ て は ゐ な い。 猿 芝
一人 前 の立 派 な 男 に︱
込 む やう に 、 う る さ く吹 き 込 む 、 ﹁忠 君愛 国 ﹂ の講 釈 以 外 に、 自 ら
居 のやう な 、 人殺 し の稽 古 を さ せ ら れ て喜 ん で居 る筈 は な い。
つた 柿 のや う な顔 にな つて路 傍 に のた れ死 す る のだ 。斯 う 云 ふ こと
ると ころ の多 く の若 い娘 たち は 、女 工 に売 ら れ 、 淫 売 と堕 落 し 、腐
否、
と き に、 能 く 考 へて見 てく れ。
ゝ知 つた ら 君等 は 、無 論 、 こん な腐 つた 国 家 を保 存 す る た め に 、自
兄 弟 よ !毎 朝 、銃 を掃 除 す る と き に、 毎 晩 、 上 官 の靴 を磨 か さ れ る
日本 は幾 度 か戦 争 を し た 。 そ し て 、 い つも君 等 の ﹁忠 君愛 国 ﹂ に よ
の血 によ つて肥 へ、 君等 の兄 弟 姉 妹 を食 ひ物 にし て贅 沢 安逸 な生 活
分 の 一つし か な い命 を棄 て ゝ迄 も戦 争 に行 く 筈 は な い。 そ こ で君 等
を し て ゐ る支 配 階 級 は 、 ﹁ 忠 君愛 国 ﹂ と 云 ふ だま し 言 葉 を 作 つ て、
つて 、君 等 の仲 間 の貴 い命 と 、君 等 の親 兄 弟 姉 妹 妻 子 の幸 福 と を犠
彼 等 の金 と 力 と 、 悪智 恵 の力 と で 、君 等 の国 から 真 理 を 奪 ひ隠 し て
牲 に供 し て 、大 勝 利 を 得 た 。 そ し て 日本 は だ ん だん 大 き く な つた。
そ し て ﹁成 金 ﹂ が増 へた 。 城 のや う な邸 宅 や別 荘 が景 色 の好 い処 を
世 界 の五大 強 国 の 一つと な つた 。
今 日 に至 つた のだ 。
等 の兄弟 であ る労 働 者 は 、 飢 と 不 安 に堪 へ兼 ね て、 あち ら こち ら で、
そ し て物 価 が騰 貴 し た。 平 民 の生 活 は益 々苦 し くな るば かり だ 。 君
と 云 ふ事 だ !目 覚 め た 中 岡 艮 一は けな げ に も此 の浮 世 の様 を 憤 慨 し
て国 民 の背 に跨 が つ て居 る政 治 屋等 の 「国 家 ﹂ の お ため に命 を 捨 ろ
本 家 の国 家 ︱
た れ 、 そ の犠 牲 と な れ と 言 ふ こと だ。 ﹁ 軍 人 の本 分 ﹂ を 尽 せ と は 資
﹁忠 君 愛 国 ﹂ と は 詐 欺 と 掠 奪 と に依 つて生 存 し て ゐ る支 配 階 級 に忠
皆 君等 平 民 か ら奪 つてし ま つた 。自 動 車 が増 へた。 芸 者 と 旦 那 の世
スト ライ キ を起 し て居 る。 そ し てそ の労 働 者 が 、彼 等 の唯 一の武 器
て、単 身 一刀 の下 に ﹁国 賊 ﹂原 敏 を殺 した 。
の中 と な つた。
であ ると ころ の同 盟 罷 業 によ つて、横 暴 な資 本 家 に打 勝 た う と す る
岩 崎 、 三 井 、 安 田 、古 河 、鴻 池 等 及 び彼 等 と結 托 し
と 、 君等 軍 人 が出 て来 て邪 魔 す る。
目覚 め よ 、軍 人 諸 君 、 兄 弟 よ !
だ。
君 等 は 日夜 、精 鋭 な武 器 を腰 にし 、肩 にし な が ら 、何 を し てゐ る の
等 兵 卒 や 、僕 等 労 働 者 を だ ま し煽 て、無 茶 に働 か せた り 、 大 砲 の餌
た り 、大 きな 屋 敷 を 貰 つた り し て ゐる政 治 家 や役 人 ど もは 、皆 、 君
下 り に撤 兵 し て ゐ る、 あ の シベ リ ヤ遠
二銭 銅 貨 の従軍 徽 章 よ り は命 の方 が大事 だ ぜ 。 君等 の親 兄 弟 妻 子
やな いか 。
お い兄 弟 、 も う い ゝ加 減 で 、狸 や狐 にだ ま され る のは止 め よ う じ
得 た 。 君 等 は何 を得 た !
鈴 木 は ウ ント 儲 け た ら う。 だ が 日本 国 民 全 体 は 、 そ れ に よ つて何 を
征 が、 日本 の為 に実 際 何 に な つた 、 軍 需 品 の御 用 で、 三井 や大 倉 や
を殺 し て、 そし て今 ジ リ〓
人 民 か ら搾 り上 げ た 幾 十億 の大 金 を費 し て、 幾 千 人 の君 等 の仲 間
食 に し た りし て 、 そ れ で栄 華 安逸 を む さぼ つて ゐ る のだ 。 共産 党本 部
﹁日米 戦 争 ﹂ が 来 る ﹁ 国 家 の危 機 ﹂ が 近づ いた 。 そ の時 君 等 は ﹁名
軍人諸君 !
誉 の戦 死 ﹂ を し な け れ ば な らな い。 こ んな事 を毎 日 君等 は聞 か さ れ
だ が安 心 し た ま へ。 日米 戦 争 は 来 な いか ら 、米 国 の労 働 者 は君 等
て ゐ る。
と 戦 争 す る意 思 は な い。 彼 等 は 凡 て の帝 国主 義 的 戦 争 に反 対 だ。 日 本 から無 理 や り に戦 争 を仕 向 け て行 かな い限 り は 、 日米 戦 争 は起 ら
だ が 、兄 弟 、 か つい だ鉄 砲 は棄 て る必要 は な い 。 さげ た 剣 を 持 つ
の方 が 大事 だ ぜ。
てゐ た ま へ。 そ れは 皆 僕 等 労 働 者 が 造 つた も のだ。 当 分 君 等 に預 け
な い。 日米 戦 争 が今 に も起 り そう に 云 ふ のは 、 日本 の参 謀 本 部 の計 略 だ 。 こう 云 つて嚇 か さな け れ ば 君等 が真 剣 に調 練 し な い から だ 。
てお く。 革 命 が来 ると き ま で大事 に持 つて ゐ て く れ たま へ。
資本家︱
に突貫 し な
そ れ は 、 も う 、 す ぐ来 る。革 命 が起 つた
ら 、君 等 と 僕 等 は 肩 を 並 べ て、 共同 の敵 ︱
そし て革 命 が来 た ら ︱
こう 云 つて世 間 を 嚇 か さな け れば 、 ま と ま つた 軍 備 予 算 が取 れ な い か ら だ。 軍 ば つの懐 に金 がう ん と は い ら な い か ら だ。 山県 が 沢 山 の
そ れ から 、 も 一つ ﹁日米 戦争 ﹂ を吹 聴 す る理 由 が あ る。 そ れ は鉄
子 分 を養 つて置 く事 が出 来 な いか ら だ。
て くれ 。
け り やな ら な い。 そ の時 鉄砲 は必 要 だ。 剣 も入 用 だ 。 大事 に磨 い て
○軍人諸君⋮⋮君等は ﹁ 国 家 の干 城 ﹂ だと 云は れ て ゐる 。身 分 を擲
を商 売 にし て ゐる資 本 家 が 、 う んと 鉄 の値 段 を 高 く し てう ん と鉄 を 政 府 に売 り つけ て、 う ん と軍 艦 や 、大 砲 を 造 ら せ て、 う んと 儲 け よ
し て二銭 銅 貨程 の従軍 徽 章 を胸 に飾 つて欣 ん で ゐる 。 又或 者 は 、死
そし て君 等 の仲 間 の或 者 は 、実 際 、 そう 信 じ て戦 争 に行 つた。 そ
つて ﹁国 家 ﹂ を護 る べ く教 へら れ て ゐ る。
ん だ ら招 魂 社 に祭 ら れ る の だと 楽 し み にし てゐ る。 二銭 銅 貨 も悪 く
戦 争 が あ り そう にな れば 、資 本 家 はボ ロ儲 が出
来 る こと は 、 こ の前 の欧 洲 大 戦 の時 ﹁ 成 金﹂ が急 に 日本 に殖 えた こ
戦 争 が あ れ ば︱
う と す る 計 劃 が あ る か ら だ。
と でも 分 る だ ら う。 資 本 家 と 、 それ か ら彼 等 と結 托 し て男 爵 にな つ
は あ るま いが 、 そ れ よ り命 の方 が大事 ぢ や あ る ま い か。 死 ん で招 魂 だ。
公 爵 に な り、 畳 の上 で死 ん でも銅 像 建 て ら れ 、神 様 に崇 め ら れ る の
で兄弟 殺 し に出 か け る のだ 。 そし てそ れ が ﹁国 家 に対 す る忠義 ﹂ だ
そ し て 君等 兵 卒 は こう 云 ふ銅 像 や 、 公爵 様 の御 為 め に、 鉄 砲 か つ い
社 の鳥 居 が何 に な る ! いや 、俺 たち は勲 章 欲 し さ に戦 争 に行 く の でな い 、全 く 国 家 の御
な に有 難 い大切 な も の か。 だ が物 に は裏 と表 と あ る こと を 君 等 は知
君等 の兄 弟 で あ る労 働 者 は 、彼 等 の支配 者 で あ ると こ ろ の資本 家
と云ふ。
為 め に命 を棄 て る のだと 君 等 は 云 ふ 。 そ う か 。﹁国 家 ﹂ と は 、 そ ん
つて ゐ る だ らう 。 君 等 が命 を 賭 し ても守 ら う と す る ﹁国 家 ﹂ の裏 面
支 配 さ れ る者 と の区 別 であ る こと を も君 等 は知 つて ゐ る。 君 等 軍 人
等 は知 つて ゐ る だら う 。 そ う し て其 の 「階 級 」 と は 、 支 配 す る者 と
先 づ 一番 に、 ﹁国 家 ﹂ な る も の ゝ内 に は 「階 級 」 のあ る こ と を 君
荘 の内 で 、 日夜 、 歓 楽 に耽 つてゐ る 。産 業 界 の兵 卒 であ ると ころ の
の血と 汗 と によ つて成 つた 富 と利 益 を独 占 し 、城 の やう な 大 き な 別
る 。資 本 家 は 、 丁 度 軍 人 仲 間 の大将 ど も と同 じ く 、幾 百 万 の労 働 者
タ ージ に よ り 、彼 等 の知 るあ ら ゆ る 手段 を 以 て 、資 本 家 と 戦 つ て ゐ
に対 し て 、今 日 、戦 闘 を開 始 し た 。彼 等 は スト ラ イ キ に依 り、 サボ
仲 間 でも そう だ ら う 。将 校 と兵 卒 の間 に は と て も越 えら れ な い谷 間
が そ れ だ。
労 働 者 は 、彼 等 の大 将 であ る資本 家 に今 肉 迫 し て ゐ る。 スト ライ キ
を 君等 は調 べ て見 た こと があ る か。
のあ る こと を、 君 等 自 身 が能 く知 つ てゐ る。 そ し て ﹁被 支 配 階級 ﹂
スト ラ イ キ の邪 魔 す るな 、 上官 に叛 け !
軍 人 諸 君 よ 、 君 等 も 目 覚 め る時 が来 た !兄 弟 殺 し は も う す る な !
であ る兵 卒 の幾 十 万 が 戦 争 に屍 を さ ら し つ ゝあ る間 に、 ﹁支配 階級 ﹂
ン飲 ん で ﹁戦 勝 ﹂ を祝 し てゐ る 。
共産 党本 部
で あ る何 某 将 軍 閣 下 は 、 鉄 砲 玉 の来 な い安金 なと ころ で、 シ ヤ ン ペ
参 謀 本 部 の計 略 がよ か つた ら戦 争 に勝 つた 、何 某 将 軍 が偉 か つた か ら大 勝 利 を得 た と 云 ふ が、 ど ん な智 恵 で も 、 ど んな 計略 でも 、兵 卒 が命 を棄 て ゝ戦 はねば 、 戦争 に 勝 て な い。 又命 よ り 大 切 な も のは
近藤 栄 蔵 等 ノ組織 セ ル秘 密 結 社 日本 共 産 党カ 将 来 ノ運 動 方針ニ 関
[五] 秘 密 結 社 日本 共産 党 一派 ノ運 動 計 劃 及 予 算
シ在 上 海 露 国 労 農 政府 宣伝 支 局竝 独 逸 伯 林 及 英 国 倫 敦在 住 独英 人 同
世 の中 に な い。 命 を棄 て ゝか ゝる程 大 き な犠 牲 は な い。命 に危 険 の な い何 々大 将 の働 き よ り も命 を棄 て る兵 卒 の働 き の方 が遥 か に真 剣
一 集 団 運動
(A) 将来 ノ運動 方法
シ タ ル通 信ニ 依 レ ハ彼 等 ノ計 劃 ノ大 略 左 ノ如 シ
志 ノ手 ヲ経 テ在 露 邦 人 同 志 ニ送 リ之 ヨリ労 農 政府 ニ交附 セ シメ ムト 命 拾 ひ し て帰 つ
な のだ 、遥 か に偉 い のだ 、 そ れ だ のに 、命 を棄 てた 兵卒 は 、名 さ へ 知 れず に、 野 ざ ら し にな つて 朽 ち る の だ。 た ま〓
て来 たと ころ 、 二銭 銅貨 か、負 傷 す り や乞 食 の真 似 す る廃 兵 だ。 後 陣 で シヤ ンペ ン飲 ん で恩 賜 の シガ ー を吸 つて ゐた 大将 は 子爵 にな り、
々 ニ吸 収 ニ努 メ ツ ヽア リ 其 ノ結 果 党 員 ニ比 シ ﹁キ ヤ ンデ イ デ ー
リト モ称 シ居 レリ) ヲ有 シ其 ノ他 ハ ﹁キ ヤ ンデ イ デ ート﹂ ト シテ 徐
ニ於 テ正 規 ノ ﹁メ ムバ ー﹂ 八 十 九名 十 二 団 体 ( 七十四名十 一分団 ナ
我等 ハ日本 社 会 主 義 同 盟 解散 後 ﹁日本 共 産 党 ﹂ ヲ組織 シ既 ニ東 京
ト ニ全 力 ヲ尽 ス
数 ヲ制 限 シ少 数 ニシテ而 カ モ有 力 ナ ル ﹁ニ ユー ク レ ア﹂ ヲ作 ル コ
セ シ ム ル ハ殆 ト 不可 能 ナ ルカ故 ニ正 規 ノ ﹁メ ムバ ー﹂ ハ寧 ロ其 ノ
モ多 数 ノ ﹁メ ムバ ー﹂ ヲ有 スル集 団 ヲ絶 対 ノ秘 密 団 体 ト シテ存 立
ニ従 テ各 分 団 ニ属 セ シ ム ル ハ不可 能 ナ ル ヲ以 テ現 在 ノ過渡 的方 法
リ従 テ之 等 ノ ﹁キ ヤ ンデ イデ ー ト﹂ ヲ ﹁コ ンス チ チ ユー シ ヨ ン﹂
バ ー﹂ ノ間 ニ ﹁パ ーテ ーデ イ シプ リ ン﹂ ヲ確 立 スル コト ニ努 ム
ーデ イ シプ リ ン﹂ ヲ 必要 ト ス故 ニ吾 等 ハ先 ツ比 較 的 少 数 ノ ﹁メ ム
傾 向 ハ日本 ノ特 種 ナ ル警察 制 度 ト俟 テ我 等 ノ運 動 ニ特 ニ ﹁パ ーテ
ヲ征 服 セリ ト 雖 尚多 ク ノ無 政 府 主 義 的 気 分 ト戦 ハサ ル ヘカラ ス此
(2) 我 等 共 産 主義 者 ハ少 ク ト モ理 論 上 ノ方 面 ニ於 テ ハ無 政府 主義
ト シテ正 規 ノ党 員 ヲ中 心 ト シテ ﹁キ ヤ ンデ イデ ート ﹂ ニ依 リ各 種
ト﹂ ノ数 遥 ニ多 ク実際 ニ於 テ幾 十 倍 ニ達 シ変 則 的 形 勢 ヲ持 シ居 レ
ノ名 目 ノ下 ニ公 然 団結 ヲ組織 シ居 レリ
階 級知 識 分 子 ナ リ而 シ テ大 阪 ニ十個 乃 至 十 二 個 分 団 (八分団 ト モ
ト大 衆 ヨリ離 隔 セ ル少 数 労働 者 ノ 運動 タ ラ シ ム ル虞 ア リ党 ハ此 ノ
臨 ム モノ多 ク其 ノ結 果 ハ社 会 主義 運動 ヲ シテ益 々少 数 ノ知 識 分 子
(3) 最 近 ニ至 ル迄 日本 ノ社 会 主 義 運動 ハ無 政 府 主 義 的 傾 向 ノ影響 ヲ受 ク ル コト多 ク 組 合 運動 ニ対 シテ モ外 部 ヨリ破 壊 的 態 度 ヲ以 テ
正規 ﹁メ ムバ ー﹂ ノ四 分 ノ 三 ハ工場 労 働 者 ニシ テ四 分 ノ 一 ハ無 産
予 定 ニ シテ京 都 ニ ハ既 ニ二個 分 団 ( 会員十 八名 ニシテ内十六名 ハ労働
称 ス)神 戸 ハ大 正 十 年 内 三 、四 個 分 団 ( 五個 トモ称 ス) ヲ 組 織 ス ル
ア﹂ ヲ組 織 ス ル方 針 ヲ取 ル
現 在 ノ組 合 ハ極 メ テ流 動 的 ニシテ革 命 的 傾 向 ニ進 ミ易 キ カ故 ニ組
方 針 ヲ 一変 シ各 組 合 及 ヒ工場 ノ内 重 ニ共 産 主 義 者 ノ ﹁ニ ユー ク レ
合 運 動 ヲ内 部 ヨリ 赤 化 ス ル方針 ハ日本 ノ組 合 ニ ハ殊 ニ適 切 ナ ル運
者 ナリ) ノ組 織 ヲ見 大 部 分 工 場 労 働 者 ナ リ(註 彼等 ハ如上各地分団ヲ設 置 セリト称 スル愚取調ノ結果 其 ノ他 ノ 地方 モ計 劃 中 ナ ル モ規則 的 聯 絡 機 関 ヲ設 ク ル コト ヲ得 サ
動方法 ナリ
未 タ其 ノ事 実 ナ キ カ如 シ
(キヤンデイデ ート ヲ合 シ約 千七百名) コト ニ努 ム
(5) 合 法 的 運 動
(ロ ) 労 働 階 級 ハ意 識 的 又 ハ
) (故 ハ ニ議 会 運動 ハ現 在 ノ組 合 ヲ分
現 在 ノ状 態 ハ労 働 者 階 級 中 ノ 一部 分 カ急 激 ニ革
裂 セ シ メ又 ハ組 合 運 動 ヲ混 乱 セ シ ム ル虞 ア ル コト
無 意 識 的 ニ議 会 制 度 ヲ否 認 ス
的 ナ ル熟 練 工 ヲ除 ケ ハ選 挙権 ヲ有 セス
ノ状 況 ノ下 ニ ハ之 ヲ 行 ハス (イ) 日本 ノ労 働 者 ハ極 メ テ少 数 ノ例 外
(4) 議 会 運 動 ハ次 ノ理由 ニ依 リ 日本 ノ共 産 主 義 者 ハ少 ク ト モ現 在
ル為 止 ムヲ得 ス ﹁キ ヤ ンデ イデ ー ト﹂ ヲ シ テ不 正 規 ノ聯 絡 ヲ保 ツ
二 機 関 紙 ノ発 行 現在 一同 志 ノ経 営 ニ係 ル モ ノア ル モ出 版 法 ニ依 ル モ ノ ニシテ其 ノ 註 山川均、山崎今朝弥経営 ﹁社 記事 ハ専 ラ理 論 上 ノ方 面 ノ ミナ リ(会 主義研究﹂ ヲ指称 セルモノ
(1) 日本 ニ於 ケ ル特 殊 ノ状勢 ト特 殊 ノ警 察 制 度 ノ下 ニ於 テC P カ
) ( B 将 来 ノ運 動 方 針 多 数 ノ ﹁メ ム バ ー﹂ ヲ得 ル コト ハ必 スシ モ不 可 能 ナ ル ニ ハ非 サ ル
命 化 スル結 果 ト シテ 全 体 ヨリ離 ルヽ危 険 ア ル カ故 ニ比較 的 ニ階 級 意 識 ノ後 レ居 ル 一般 労 働 者 ノ間 ノ宣 伝 ヲ 一層 有 力 ニス ル必要 ア リ
及 ヒ組織 者 ヲ 置 ク コト
部 ニ共産 主 義 者 ノ ﹁ニ ユー ク レ ア﹂ ヲ作 ル コト ニ努 メ ツヽ ア リ
進 セ シ ム ルヲ最 良 ノ方 法 ト認 メ小 作 人 組合 ノ組 織 ヲ援 助 シ組 合 内
リ 日本 共産 主 義 者 ハ小 作 人 組 合 ヲ以 テ農村 ニ於 ケ ル階 級 闘 争 ヲ促
ク進 歩 シ今 ヤ至 ル所 ニ小作 人 ノ組 合 ヲ組織 シ地主 ニ対抗 シツヽ ア
(6) 農 村 問題 日本 ノ人 口 ノ六 割 ハ農 民 ニシテ之 等 ノ多 数 ハ無 産 階 級 化 シ ツヽ ア リ最 近 二 ケ年 間 ニ農 村 ニ於 ケ ル階 級 的 意 識 ハ著 シ
モ 一般 労 働者 ヲ目標 ト ス ル機 関 紙 ヲ発 刊 ス ル ノ必要 ア リ
第 九 月
第 八 月
第 七 月
第 六 月
第 五 月
第 四 月
第 三 月
第 二 月
第
〃
〃
〃
〃
四 三、七 〇 〇
四 五 、四 五 〇
四 一、二三 〇
三 九 、八 七 〇
三 八 、六 七 〇
三九 、三三 〇
五 三、六四 〇
金
備
一三、三〇〇
一、五〇 〇
八〇〇
一、 〇O〇
三 、三〇 〇
自第 一月至第十 二月内訳
(丁) 同 一ノ方法 ニ ヨリ農 村 ト ノ連 絡 ヲ確 立 ス ル コト
( 7) 都 会 ノ労 働 者 ハ農 民 運 動 ト ノ間 ニ従来 何 等 ノ聯 絡 ナ シ 日本 ノ
第 十 月
以 上 ノ計劃 ニ対 ス ル予算 次 ノ如 シ
共 産主 義 者 ハ階 級 的 ニ自 覚 セ ル都 会 ノ労働 者 ヲ シテ先 ツ農 民 運 動
第 十 一月
此 目 的 ノ為 ニ尚 合法 的 ノ方 法 ヲ用 フ ヘキ充 分 ノ余 地 ヲ存 ス少 ク ト
ニ対 ス ル同情 的 ノ援 助 ヲ与 ヘシ メ両者 ノ運 動 ノ連 絡 ヲ図 ル コト ニ
一 月
充 分 ノ力 ヲ致 シツヽ ア リ
訳
四 六 五 、三 九〇
〃
現 役 兵 ノ宣 伝 ハ極 メ テ困 難 ニシ テ現 在 党 ノ実 力
内
◎ 創 業 費 証
◎印刷 及経営費
設
内訳︷家 屋 敷 金
保
(一) 週 刊 新 聞 (一般労働者向 キ)
第 一月
第 十 二月
( 8) 軍 隊 ノ宣 伝
ヲ目標 ト
ヲ 以 テ シテ ハ充 分 ノ効 果 ヲ 挙 ク ル コト ヲ得 ス故 ニ党 ハ軍 服 ヲ着 ル 青 年 団 及 ヒ在 郷 軍 人 団︱
以 上 ノ状 況 ニ鑑 ミ 日本 ノ共 産 主義 者 ハ当面 ノ 必
シテ其 ノ間 ニ ﹁ニ ユーク レア﹂ ヲ作 ル コト ニ努 力 ス
以前 ト脱 キ タ ル後 ノ兵 士︱
(9) 当 面 ノ必 要
︵甲) 少 ク ト モ新 ニ三種 類 ノ機 関 紙 ヲ発 刊 ス ル コト
要 ニ応 スル為 次 ノ如 キ計劃 ヲ 立 ツ
︵乙) 最 主 要 工場 及 ヒ組 合 ニ生活 ノ 一部 ツヽ 補 給 ス ル ﹁エ ゼ ン ト﹂ ノ X宣 伝者 (CP宣伝者) ヲ置 ク コト ︵丙) 主 要 工 業 地 及鉱 業 地 ニ絶 対 生 活 費 ヲ支 給 ス ル ﹁エゼ ント﹂
一二、〇 〇 〇
広
家
費
賃
〃
五〇〇
八〇
八〇
一五 〇
〃
十 五 万部 印 刷 代 (一部代金 八銭) 八〇〇
一五〇
告
編 輯 部 員 八名 ( 最低生活費百円)
二〇〇
五〇 〇
二名
〃
内訳︷営業部員 一名
(三 ) 月刊 研究 雑 誌 経 営 費 不 足
〃
従 来 一個 人 ノ経 営 ニカヽ ルモ ノ ヲ中 央 委 員 ノ支 配 ノ 下 ニ移 ス
三 、一〇〇
一、二〇 〇 一、五〇 〇 外 特 殊 出 版 物
四 () リ ー フ レ ツト 二十 万枚 パ ン フ レツ ト 三 万枚
九〇
五 、八 〇〇
訳
東 京 東 北 北海道 名古屋
十五人
二人
五人
三十人
十 五人
二十人
四人
八人
内
阪
十人
二十人
最低生活費 ノ半額補助
一、五 〇 〇
大
二十人
十五人
最低生活費百円
一三 、〇 五〇
計
九〇 二〇〇 七〇
二 、三〇 〇
戸 九 州
五〇〇
六 、五 〇〇
四、八五〇
神
八、二〇〇
二十人
訳
事務費
内
(六) E ・C ノ経 費
農 村
一、 〇〇〇
一、〇 〇 〇
(五 ) エゼ ント 宣 伝 者 、 組織 者
三〇〇
一〇 〇
八〇
三、四三〇
〃
名古屋家賃
◎支局設立及維持費 従業 員 一名
大阪家賃 従業員 三名 神戸家賃
内訳︷ 従業員 二名
従 業 員 拾 名
九州家賃
労働階級中 ノ最 モ進歩シタル部分
以 上 家 屋 敷 金
◎ 創業 費 金
(二) 月刊 評 論 雑 誌 (社会主義者 ヲ目標ト スル機関紙) 証
三〇〇
保
内 訳︷家 屋 敷 金
一、 〇〇〇 二 、一六〇
備
設 ◎ 印刷 及経 営 費
一〇〇
四〇〇
一、 〇〇〇
編輯員 五名
五 千部 印 刷 代 (一部代金弐拾銭)
内訳︷営業部 一名
第 二月
通 信 連 絡 費 二、〇 〇 〇
四 、〇 〇 〇
一二、六 〇 〇
一、六 〇 〇
一 一、〇 〇 〇
五 三 、六 四 〇
調 査 部 経 費
計
第 一月 分 合計
印 刷 及 経 営 費
(一 週) 刊新聞
小
二、 〇〇〇
支 局 経 営 費
(二) 月刊 評 論 雑 誌 印 刷 及 経 営 費
六〇〇
五〇〇
五〇 〇
一、四〇 〇
売 上 金 回 収 差 引 小 計
計
五 、八〇 〇 五 二〇
小
︵リ 四︶ ー フ レツ ト、 パ ンフ レ ツ ト、 特 殊 出 版 物 パ ンフ レツ ト売 上 回 収 金
五 、二 八○
(三) 月刊 研究 雑 誌 経 営 費 不足
差 引 小 計
一三 、 〇 五〇
一 一、 〇〇〇
三 九 、三 三〇
六 、五〇 〇
︵五︶ エゼ ント 宣 伝者 、 組 織 者
第 二月 分 合 計
︵六︶ E ・C 経営費
︵一 週︶ 刊 新聞
第三月
印 刷 及 経営 費
支 局 経 営 費 小
印 刷 及 経 営 費
) (二月 刊 評 論 雑 誌
計 一
差 引 小 計
売 上 代 金 回 収
︵三)月刊 研 究 雑 誌 印 刷 及 経 営 費 不 足
一、六 〇 〇
二 、六 〇 〇
二、〇 〇 〇
六八 〇
一、三 二〇
五〇 〇
一、一〇 〇
五 、八〇 〇
四 、七〇 〇
パ ンフ レツ ト売 上 回 収 代 金
差 引 小 計
一三 、 〇 五〇
(四 リ) ーブ レツ ト、 パ ンフ レツト 、 特 殊 出 版 物
︵五 エ) ゼ ント 宣伝 者 、 組 織 者
六 、五〇 〇 三 八 、六七 〇
八〇 〇
一、二〇 〇
二、〇〇 〇
九 、六〇 〇
三 、〇 〇 〇
一、六〇 〇
一 一、〇 〇 〇
︵六︶ E ・C経 費 第 三 月分 合 計 第四月分
印刷 及 経営 費
︵一 週︶ 刊 新聞
売 上 代 金 回 収
支 局経 営 費
差引 小 計
売 上 回収 代金
︵二) 月 刊 評 論 雑 誌 印刷 及経 営 費
差 引 小 計
五〇〇
一、六 〇 〇
五 、八 〇 〇
印 刷 及 経 営 費 不 足
(三) 月刊 研究 雑 誌
パ ンフ レ ツ ト売 上 回 収代 四 、二 〇 〇
四 () リ ー フ レ ツ ト、 パ ン フ レ ツト 、特 殊 出 版 物
差 引 小計
五 、八 〇 〇
五〇〇
七〇〇
一、 七〇〇
四〇 〇
二、 〇〇〇
八 、六〇 〇
四、 〇〇〇
一、六〇 〇
一 一、 〇〇〇
三 九 、八 七〇
六 、五〇 〇
一八 、二 七〇
五 、二 二 〇
一三 、〇 五 〇
計
同 上 増 員 (四割)
(五) エゼ ント宣 伝 者 、 組織 者
小
第 四 月分 合 計
(六 ) E ・C経 費
第 五月 分 (一 ) 週刊新聞 印 刷 及 経営 費 支 局 経費 売 上 代金 回収 差 引 小 計 (二 ) 月刊 評 論雑 誌 印 刷 及経 営 費
売 上 代 金 回 収
二 千部 増 刊
差 引 小 計
印 刷 及 経 営 費
) (三 月刊 研 究 雑 誌
(四) リー フ レツ ト、 パ ンフ レ ツト 、特 殊 出 版 物
パ ンフ レ ツト 売 上 代金 回収
一三 、〇 五 〇 七 、八 〇〇
四 、〇 五 〇
二、五 〇 〇
七五〇
差 引 小計
二 〇 、八 八〇
パ ンフ レ ツ ト壱 万 五千 部 増 刊
計
小
五〇 〇
五〇 〇
二 、三〇 〇
八〇 〇
二、 〇〇〇
七 、八 〇〇
四 、八 〇〇
一、六 〇〇
一一、〇 〇〇
四 一、二 三〇
六 、五 〇 〇
(五) エゼ ン ト宣伝 者 、 組織 者 ( 増員六割)
第 五 月分 合 計
(六) E ・C経 費
第六月分 (一) 週刊新聞 印刷 及経 営 費 支 局 経営 費
差 引 小 計
売 上 回収 代 金
(二 )月刊 評論 雑 誌 印 刷 及 経 営 費
売 上 回収 代 金
四千 部 増 刊
差 引 小 計
経 営 費 不 足
(三 )月刊 研 究 雑 誌
小
計
一三、〇 五 〇
四、〇 五〇
(四) リ ー フ レ ツ ト、 パ ン フ レ ツト 、特 殊 出 版 物 前 月 ニ同 ジ
(五) エゼ ント宣 伝 者 、 組 織者
増 小
員 ( 十割)
(六 E)・C経 費
計
第 六 月 分 合 計
一三、〇 五 〇
六 、五 〇 〇
二六 、一〇 〇
四五 、四 五 〇
四〇〇
六 、二〇 〇
五〇〇
計
四 三、七 〇 〇
六 、五 〇 〇
二六 、一〇 〇
四 、〇 〇 〇
二 月 刊 評 論 雑 誌
合
週刊 新 聞 ノ売 上代 金 回収 上 至 難 ノ理由 ト シテ ハ
考
六 E ・C経 費
五 エゼ ント宣 伝 、 組 織 者
四 リ ー フ レツ ト、 パ ン フ レ ツト其 他
三 月刊 研究 雑 誌
一 週 刊 新 聞
自 第 七 月 至 十 二月 毎 一ケ月 予算
備
一、労 働 者 の賃 金 制 度 か低 い こと 一、読 書 欲 か な い こと
こと
一、 発 売禁 止 に な る為 売 上 収 入 を 割 引 な し て計 算 す る の必 要 あ る
一五 大 正 十 一年 中 ニ於 ケ ル 過 激 社 会 運 動 ノ 概 況 大正十二年 一月調
大正十二年 一月調 大正十 一年過激社会運動 ノ概況 中 ニ於 ケル
過 激 社 会 運動 ノ概 況
警
保
局
ニ ﹁死 刑 ノ宣 告 ﹂ ト題 ス ル不 穏 文 ヲ郵 送 セ ル者 ア リ同 月 ヨリ 三月 ニ
主 義 宣 伝 記 事 ヲ掲 載 シ同 月号 ハ禁 止 セ ラ レ又 東 京 ヨリ各 地貴 顕 富 豪
亙 リ テ ハ議 会 ニ於 テ審 議 中 ナ リ シ過 激 社 会 運 動 取 締 法案 ニ対 シ反 対
運 動 ヲ兼 ネ宣 伝 的 行動 アリ 四月 中 近 藤 栄 蔵 等 日本 共 産党 事 件 ニ依 リ
収 監 中 ノ者 保 釈出 獄 シ暁 民会 ヲ根 拠 ト シ テ活 動 ノ準 備 ニ着 手 シ翌 五
テ各 種 ノ不 穏印 刷 物 ヲ作 成 頒 布 シ当 日 ハ多 数 ノ 同 志 本 運 動 ニ参 加
月 各 地 労 働 団 体 ノ ﹁メ ーデ ー﹂ 運 動 ア リ社 会 主義 者 ハ其 ノ前 後 ニ於
シ不 穏文 書 、演 説 、作 為 ニ依 リ テ労 働 団 体 ノ 宣 伝 ニ熱 中 セ リ此 月
﹁日本労 働 団 体 に訴 ふ﹂ ト題 スル露 国 過激 派 一派 ヨリ出 テタ リ ト認
ニ密 送 セ ル モノ ア リ六 月 十 日思 想 団 体 水曜 会 ( 山川均主宰)中 心 ト ナ
メ ラ ル宣 伝文 書 ( 邦文) ヲ秘 密 出 版 シ各 地 労働 団 体思 想 団 体 其 ノ 他
其 ノ他 ノ方 法 ニ依 リ テ連 続 シ テ不穏 ナ ル思 想 ノ宣 伝 ヲ為 シ地 方在 住
リ労 働団 体 、思 想 団 体 ヲ網 羅 シ テ ﹁対 露非 干 渉 同 志 会 ﹂ ヲ 組 織 シ
同 志 モ之 ニ応 シ テ運動 ニ加担 セ リ七月 ニ入 リ暁 民 会 一派 ハ主 義 運動
ハレ殊 ニ前 年期 ニ於 ケ ル有 力 ナ ル共産 主義 者 ノ 一派 カ秘 密 結 社 ﹁日
客 年 ニ於 ケ ル過激 社会 運動 ハ前 年 来 ノ余 勢 ヲ受 ケ 引続 キ各 方 面 ニ行
リ シ モ ノヽ如 ク ナ リ シ カ其 ノ後 一派 モ保 釈出 監 シ其 ノ 他 二、三 原 因
﹁対露 救 済 ﹂ ニ托 シ テ ﹁ボ ル セビ ズ ム﹂宣 伝 及 労 働 思 想 団 体 ノ結 束
に依 リ再 ヒ擡頭 ノ状 況 ヲ呈 スル ニ至 レリ
準 備 ノ為 メ全 国 労 働 団 体 ノ調査 ニ着 手 シ 一部 共 産 主 義 者 ハ ﹁小作 人
ヲ試 ム ル目 的 ヲ以 テ運 動 ヲ開 始 シ爾 来 同年 十 一月 ニ亙 リ文 書 、 演 説
尚 ホ重 ナ ル過 激 社 会 運 動 ノ状 況 ヲ述 フ レ ハ 一昨 大 正 十 年 中 近 藤 栄 蔵
同 盟 ﹂ ヲ組 織 シ又 ﹁ 全 日本 の労 働 階 級 に檄 す﹂ ト題 スル過激 派 ヨリ
ノ成 行 ヲ懸念 セ ル等 ノ事 情 ヨリ多 少其 ノ鋒鋩 ヲ収 メ居 リ シ状 況 ニ在
及 暁 民会 一派 其 ノ他 ノ在 京 ﹁ボ ル セビ ズ ム﹂ ニ属 スル者 等 ガ 秘 密結
本 共 産 党 ﹂事 件 ニ連 座 入監 中 ナ リ シト 一般 ニ議 会 ニ於 ケ ル取 締 法 案
社 ﹁日本 共 産 党 ﹂ ヲ組織 シ露 国 過激 派 ト提 携 シテ運 動 ヲ開始 シ検挙
宣 伝 ヲ開 始 セリ 八 月 ニ入 リ堺 利 彦 ハ共 産 主義 講 習会 ヲ開催 セリ 大杉
ル者 ア リ建 設 者 同 盟 ハ本 月末 ヨリ ﹁ 夏 期 講 習 会 ﹂ ト称 シ過 激 思 想 ノ
入 リ大 杉 栄 等 無 政 府 主義 者 ハ機 関 紙 ﹁労 働 運 動 ﹂ ヲ堺 利彦 山 川均 等
栄 等 ハ秘 ニ東 京 ニ於 ケ ル自 由 労 働 者 ニ対 シ無 政 府 主義 ノ宣 伝 ヲ為 シ
出 テ タ リ ト認 メ ラ ルヽ危 険 宣 伝 文 書 ヲ秘 密 出 版 シ テ各 方 面 ニ頒 布 セ
共産 主 義 者 等 ハ機 関 紙 ﹁ 前 衛 ﹂ ヲ発 刊 シテ新 タ ナ ル主 義 運動 ヲ開 始
ツ丶 ア リ シ カ愈々
セ ラ レ 一派 ハ 一時 活 動 ノ気 勢 ヲ殺 カ レタ ルノ状 ア リ シ カ客年一月 ニ
セムトセリ
物 ヲ撒 布 シ テ発 会 式 ヲ挙 ケ ント セ リ本 月 中 旬 頃 上 野 公 園 ニ於 テ除 隊
﹁ 自 由 労 働 者 同 盟 ﹂ ヲ組 織 スル コトヽ シ宣 伝 印 刷
二月 ニ至 リ山 梨 ﹁ 革 人会 ﹂ ハ機 関 紙 ﹁革 人 ﹂ ニ益々 矯 激 ナ ル無 政 府
出 テ タリ 近藤 栄 蔵 等 暁 民 会 一派 ハ農 民 宣 伝 ヲ 開 始 シ テ機 関 紙 ﹁ 農
テ宣 伝 演 説 会 ヲ開 催 シ又帰 路 ニ際 シ共 産 主 義 者 ハ奇激 ノ宣 伝 行動 ニ
他 ニ依 リ宣 伝 ヲ為 シ大 阪 ニ於 ケ ル大 会 ニテ挙 ケ之 ニ参 加 シ同 地 ニ於
ア リ各 社 会 主 義 者 ハ本問 題 ヲ中 心 ト シ テ労 働 団 体 ニ秘 密 出版 物 其 ノ
会 ﹂ ヲ開 催 セ ル モノ アリ 九 月 ニ至 リ テ ハ日本 労 働 組合 ノ総聯 合 運 動
セ ル ヲ以 テ各 地 一斉 ニ之 ヲ検 挙 シタ ル カ尚 在 京 同 志中 ﹁ 米暴動記念
文 ヲ作 成 シ岡 山 県 ヨリ各 地軍 隊 ニ頒 布 シ更 ニ石 川 県 ニ於 テ之 ヲ頒 布
次 テ東 京 、 大 阪 ノ多 数同 志 共謀 シ テ ﹁兵 士 諸 君 ﹂其 ノ他 三種 ノ宣 伝
セ ル軍 人 及 軍 属 ニ対 ス ル不穏 宣 伝 文 ヲ頒 布 セ ル モノ アリ
終 リ ニ外 国 同 志 並 在 外本 邦同 志 ト ノ関 係 ニ就 テ概 説 スレ ハ
リタリ
客年 中 秘 密 結 社 四 件 ア リ内 二件 ニ対 シ テ ハ不 敬 罪 其 他 ニ依 リ処 分 ア
アリ
シツヽ ア リ激越 ナ ル社 会 主 義 者 ハ極 力 之 ヲ援 助 シ又 宣 伝 ヲ為 シ ツヽ
リ客 年 三 月 京都 ニ ﹁ 水 平 社 ﹂ ヲ組 織 シ爾 来 ﹁部 落 民 解 放 運動 ﹂ ヲ為
為 シ ツヽ ア リ又 地 方部 落 民 中 社 会 主 義 的 傾 向 ヲ有 スル者等 主 唱 ト ナ
携 シ テ各 地 ニ於 テ不穏言 辞 ヲ弄 シ又 ハ不 穏 印 刷 物 ヲ頒 布 シ テ宣 伝 ヲ
以上 ノ外 一部社 会 主 義 者 ハ各 地 ニ物 品 ヲ行商 スル所 謂 香 具 師 等 ト提
ヒ上 海 ニ渡 航 セリ
リ 一昨 十 年 及 昨 十 一年 四 月頃 入露 セ ル者 ア リ
(一)露 国 ニ ハ米 国 ヨリ同 地 ニ渡 航 セ ル片 山潜 一派 ノ者 ア リ更 ニ内 地 ヨ
民 運動 ﹂ ヲ発 刊 シ各 地 ニ支 部 ヲ設 置 セリ十 月 無 政 府 主 義 者 ハ ﹁ 農民
ヲ以 テ同 日共 産 主 義 者 ハ飛 鳥 山 ニ集合 シ示威 運 動 ニ出 テ牛 込 会 館 ニ
運動 同 盟﹂ ヲ組 織 シ十一月 ニ ハ七 日 カ露 西 亜 革 命 五 周 年 ニ相 当 ス ル
﹁自由 労働 者 同盟 ﹂ ト提 携 シ テ ﹁横浜 自由 労 働 者 組 合 ﹂ ヲ組 織 セ ン
生 等 ノ奮起 ヲ促 セ ル形 跡 ア リ十二月 ニ ハ横 浜 同 志 等 東 京 ニ於 ケ ル
ハ露 国 革命 ハロ シア大 学 生 等 ノ運 動 ニ負 フ所 多 キ ヲ指 摘 シ テ 日本学
東 京 、 京都 ニ於 ケ ル学 生 、 生徒 等 ハ ﹁ 学 生 聯 合 会 ﹂ ヲ組 織 シ主 脳者
命 記念 号 ト ナ シ極 メ テ危 激 ナ ル宣 伝 ヲ試 ミタ リ 又革 命 記 念 日 ヲト シ
タ ル疑 ア ル モノ ナ リ更 ニ客 年 九 月頃 ﹁ 軍 人 、労 働 者 、 農 民 ﹂ ト 題
ス ル秘 密 出 版 物 三種 ノ如 キ ハ何 レ モ在 露 者 ト内 地 ト ノ通 謀 ニ出 テ
布 セ ル労 働 団 体 ニ対 スル宣 伝 及第 三 イ ンタ ー ナ シ ヨナ ル宣 伝 ニ関
ル形 跡 ア リ テ前 記 客 年 五月 、 七 月 、 十 二 月 ニ東 京 ヨリ各 方 面 ニ頒
斯 ク テ露 国 ニ残 留 セ ル者 ハ活 動 ヲ開 始 シ内 地同 志 ト モ聯 絡 ヲ取 レ
テ内 地 へ帰 還 シ更 ニ再 渡米 セ ル者 アリ
ノ運動 ヲ劃 策 セ ル模 様 ア リ之 等在 露 者 中 客 年 五 、六 月 頃 ヨリ相 次
ト シ不 穏 宣 伝文 書 ヲ作 成 シ東 京 無 政府 主義 者 ノ来 援 ヲ受 ケ発 会 式其
ス ル暴 力 革 命 ヲ鼓 吹 シ 二 ケ年 ニ之 ヲ起 ス ヘキ コト並 其 ノ方 法 等 ヲ
直 接 過 激 派 本 部 ト来 往 シ且 共 同 シ テ ﹁チ タ﹂ 方 面 ニ出 没 シ テ各 種
他 ノ名義 ニ依 リ不 穏 行 動 ニ出 テ タ リ此 ノ月 ﹁ 第 三 イ ンタ ー ナ シ ヨ ナ
掲 ケ タ ル極 メ テ不 穏 ナ ル事 項 ヲ羅 列 シ不敬 記事 ヲ登 載 セ ル モノ ヲ
ル手筈 ヲ定 メ共 産 主 義 機 関 紙 ハ号 外 ヲ発 行 シ又 ハ同 月 発 行 ノ分 ヲ革
ル﹂ ヨリ出 テタ リ ト認 メ ラ ルヽ 共 産主 義 ヲ鼓 吹 シ同 団 体 ニ加 盟 ヲ促
ル ヲ以 テ之 ヲ 押 収 セ シ コト ア リ
長 春 ヨリ内 地同 志 (﹁日本社会主義同盟﹂ ニ加盟者 ニ宛 )ニ郵 送 セ ント セ
於 テ演 説会 ヲ開 催 シ解 散 命 令 ア リ タ ル場 合 ハ直 ニ再 ヒ示 威 運動 ニ移
セ ル秘 密出 版 物 ヲ東 京 ヨリ各 地 ニ密 送 セ ル モ ノ アリ 又大 杉 栄 ハ当 大
主ト シテ曩 ニ結社ノ禁 止 ヲ命 シ タ ル
正 九 年 中 上海 ニ渡 航 シ運 動 資 金 ヲ領 得 シ テ帰 還 セ ル コト ア リ シ カ再
(二 米) 国 同 志 ハ三 月 一日 ヨリ機 関 紙 ﹁イ ス ク ラ﹂ ﹁火 花 ﹂ ヲ 発 刊 シ 同 志 ノ定 期 会 合 ヲ為 シ更 ニ内 地同 志 ノ ﹁ 露 西 亜 飢饉 救 済 運動 ﹂ ニ呼 応 シテ之 ヲ開 始 セリ前 記 ﹁イ スク ラ﹂ ハ内 地 輸 移 入 ヲ禁 止 セリ (三) 尚 墨 西哥 方 面 ニモ多 少 ノ同 志 伏 在 シ居 レル カ如 シ
宣 伝
労働者宣伝
農 民 宣 伝
大正十 一年中 ニ於 ケル過激 社会 運動調 一 般 一、 ﹁大 杉 一派 ﹂ 機 関 紙 ﹁労 働 運 動 ﹂ ヲ発 刊 ス 一、 堺 、 山 川 一 派機関紙 ﹁ 前 衛 ﹂ ヲ発刊 ス 一、 山 梨 ﹁軍 人 上 ニ無 政 府 主
会 ﹂ ハ機 関 紙
ル過激 記 事 ヲ
義 宣伝 ニ関 ス
帰 還 セ ル同 志 ハ概 ネ同 地 ヲ経由 ス ル ヲ常 ト ス又曩 ニ上 海 ニ渡 航
シ運 動 資 金 ヲ獲 得 セ シ コト ア ル大 杉栄 ハ再 ヒ同 地 ニ渡 航 セ ル事 実 アリ
最 近 ノ情 報 ニ依 レ ハ共産 党 員 名 簿 ニ登 録 セ ラ レ居 ル邦 人 同 志 ハ三百
迄継続 ス
ニ出 テ引 続 今 日
ニ不 穏 ナ ル言動
ト提 携 シ テ各 地
師等社会主義者
前 年 末 ヨリ香 具
其 ノ他 ノ運 動
在外同志 ノ運動
六 十 八 名 ア リ テ其 ノ大 部 分 ハ内 地在 住 者 ニシ テ百 〇 八名 ハ米 国 廿 九
結 社 出 版 運 動
一、 東 京 ニ於 テ 秘 密結 社 ﹁ 黒 炎 結 社 ﹂ ヲ組 織 ス東 京 ニ於 テ秘 密 結 社 ﹁無 限者 ﹂ ヲ 組 織 ス各 地富 豪 貴顕 ニ不穏 文 ヲ郵 送 セ ル モ ノ アリ ﹁ 死 刑 宣告 ﹂ 云 々 ト 記 セ ル モノ
秘密 秘密 多 衆
名 ハ墨 西哥 ニ在 リト ノ聞 エア リ
軍 隊 宣 伝
﹁謹賀 新 年 ﹂ ト
セ ル モノ ア リ
各 地軍 隊 ニ頒 布
題 ス ル不穏 文 ヲ
︵四︶ 上 海 方 面 ニ ハ今 尚 邦 人 同 志 ト聯 絡 セ ル者 存 ス ル カ如 ク露 国 ヨリ
月
月
運動 別 月 別
一
二 ル
掲 ケ禁 止 セ ラ
一、 此団 体 ハ四 月解散 ス
三
四
五
月
月
月
主 義 宣 伝 ﹁講
在米井上律太郎
一、 日本 労 働 団
出没 ス
﹁チ タ﹂ 方 面 ニ
在 露 片 山潜 等
ヲ開 催 シ居 レリ
一、 早 大 文 化会
ス
習 会 ﹂ ヲ開 催
﹁種 蒔 き社 ﹂
一、 思 想 団 体 一派 矯 激 ナ ル
東 京 ニ於 テ秘 密
一、 主 義 者 ハ各
派 ヨリ出 タ ル
スル露 国 過激
ト 認 メ ラ ルヽ
体 に訴 ふ ト題
ヲ以 テ労 働 者
文書演説作為
邦文 ・宣 伝文
地 メ ーデ ニ参
ヲ煽 動 ス
シ各 方 面 ニ密
書 ヲ秘 密出 版
リ
送 セルモノア
ヲ頒 布 セ ル モ ノ アリ
秘 密結社 ﹁北部 無産社﹂ ヲ組織
動 ニ参 加 ス
二、 メ ーデ ー運
( 下段参照)
二、 秘 密 出 版 物
加 シ不 穏 ナ ル
ヲ組 織 ス
結社 ﹁ 赤 衛 社﹂
特殊部落民 ハ水 機 関 紙 ﹁イ スク 平社 ヲ組織 シ解 ラ﹂ ヲ紐 育 ニ於 放運動 ヲ開始 ス テ発 刊 ス本 誌 ハ 爾来現在迄継続 内 地輸 移 入 ヲ禁 シ激越 ナル行動 止 ス ニ出 ツ社会 主義 尚 一派 ハ紐 育 ニ 者 ハ之 ヲ援助 ス 同志 ノ定 期 会 合
宣 伝 ヲ為 ス
共産主義 者対露 救済 ヲ標榜 シテ
六
七
八
月
月
月
ボ ル セビ ズ ム宣 伝 運動 ヲ開 始 シ 各 地 ニ波 及 シ十
一、 暁 民 会 一派 作 人 同 盟 ﹂ ヲ組
共産 主 義 者 ﹁小
ス ル露 国 過 激 派
階 級 に檄 す ト題
全 日本 の労 働 者
ス
建 設 者同 盟 本 月 ノ者 労 働 思 想 織 シ宣 伝 ヲ為 ス
ス
一月 迄之 ヲ継 続
ヨリ八 月 ニ亙 リ 団 体 調 査 ヲ開
ヲ頒 布 セ ル モ
一、 秘 密 出 版 物
リ
頒 布 セ ル モノ ア
版 物 ヲ各 方 面 ニ
メ ラ ルヽ秘 密 出
モノアリ
文 ヲ頒 布 ス ル
於 テ軍 隊 ニ対 スル不 穏宣 伝
一、 上 野 公園 ニ
ヲ頒 布 ス
不 穏 文 書 四種
リ各 地 軍隊 ニ
岡山、石川 ヨ
住 同 志 共謀 シ
ノアリ
ヨリ出 セリ ト認
﹁ 夏期講習会﹂ 始 ス
為 ス
ル思 想 ノ宣 伝 ヲ
ヲ開催 シ過 激 ナ
一、 東 京 大阪 在
(下段 参 照 )
在京無政府 主義 者、自由労働 者 同盟 ヲ組織 シ浮 浪労働者 ノ糾合 ヲ計 ル
日本労働組合 総 暁民 会 一派 農 民 聯合大会前後 ニ 運 動 ヲ発 刊 農 民 ニ対 ス ル ﹁ボ ル 於 テ本問題 ヲ中
在京同志米暴動 記念会 ヲ催 ス
在露同志活動 ヲ 開始 シ軍人労働 者農民 ト題 スル
九
十
十
月
月
一月
岩手 ﹁ 牧 民会 ﹂ 機 関 紙赤 旗 ヲ発 刊 シ地 方 宣 伝 ヲ 劃 ス 共 産 主義 思 想 団
心 ト シ過激 宣 伝
セビ ズ ム﹂ 運 動
シ不 敬 記事 ヲ登
暴 力革 命 ヲ唱 導
露国過激派本部 ニ報 告 セ ル処 ニ 依 レ ハ本 部 共 産 党 ハ党 員 名 簿 登 録 者 三 六 八名 ア リ ト ノ聞 エア リ 大杉 栄 上海 ニ渡 航ス
セ シ ヲ押 収 ス
志 ニ郵 送 セ ント
長 春 ヨリ内 地 同
載 セ ル機 関 紙 ヲ
ヲ始 ム
共産主義者露西 亜革命五周年記 念 日 ニ於 テ示威 運動 ヲ起 ス
第 三 イ ンタ ー ナ シ ヨナ ル ヨリ出 テ タリ ト認 メ ラ ル 、宣 伝 文 書 邦 人 秘 密出 版 物 ヲ 各 方面 ニ頒 布 セ ル モ ノ アリ
ヲ為 ス
無政府主義農民 運動 同盟 ヲ組織 シ機 関紙小作 人 ヲ発刊 ス
建 設 者 同 盟 一派
体 ト ナ リ学 生 ヲ 糾 合 シ本 月 七 日
ノ農 民 宣 伝激 越 トナル
ノ言 動 ヲ来 ス
合 会 ヲ起 シ過激
ロシ ア革 命 記念 日 ヲト シ学 生 聯
横 浜 自由 労 働 者 組 合 ヲ組 織 セ ン ト シ テ不穏 行動 ニ出 ツ
本 表 ニ ハ過激 社 会 運動 中 最 モ主 ナ ル モノ ヲ掲 ケ タ ル モ ノトス
考
横浜在住無政府 主義者 ハ横浜自 由労働者組合 ヲ 組織運動 ヲ為 シ 十 二 月 不穏 ナ ル宣伝印 刷物 ヲ頒布 シ在 京同志 ノ来援 ヲ 得 テ発会式 ヲ挙 ケ ント ス 備
一六 最 近 ニ於 ケ ル特 別 要 視 察 人 ノ 状 況 大正十二年 一月調
大正十二年 一月調
次
最 近 ニ於 ケル特別要視察人 ノ状況
目
警
保
局
一 138
丁
一 138
説
(A) 要 視 察 人 一般 ノ趨 勢
三 138
第 一 総
( B ) 要 視 察 人 ノ系 統 及 行動 竝 分布 ノ概 要
六 140
六 140
(A) 過 激 主 義 宣 伝 運 動
六 140
説
(イ) 対露 救 済 運 動
七 140
第 二 各
( ロ) ロシ ア革 命 五周 年 記 念 運動
八 1 41
一 〇 141
九 141
) ( ハ 過 激 主 義 宣 伝 秘 密 出 版 物 ノ頒 布
(イ) ﹁メ ーデ ー﹂ ノ運動
一 〇 142
(B) 労 働 者 及 団 体 並 労 働 運 動 ニ対 ス ル宣 伝
(ロ) 労 働 組 合 総 聯 合 運 動 ト ノ関 係
一 三 1 43
一 二 142
一 六 1 44
(ハ) 大杉 一派 ﹁自 由 労 働 者 同 盟 ﹂ ノ運 動
(イ) 無 政府 主 義 運 動
( C) 農 民 ニ対 ス ル宣 伝
(F ) 秘 密結 社
( E) 香 具師 ト ノ提 携 宣 伝
(D) 軍隊 ニ対 ス ル宣 伝
(ロ) 共産 主 義 運 動
一 九 145
一 八 145
一 七 145
一 六 144
一 六 441
二〇 146
( G) 其 他 ノ宣 伝
思 想 問 題 集 会 調 表
特 別 要 視 察 人府 県 別 現在 人 員 表
三四 155
三〇 511
二七 149
二五 147
二四 147
社 会主 義 機 関 紙 調
三九 157
録
追 加 学 生 ト 社会 主 義 者 ト ノ関 係
第 三 在 外 共産 主 義 者 ノ状 況
附
不穏 宣 伝 文 数 種
163
宣 伝 文 記 入 兌換券紙幣調
171
(をはり)
宣 伝 歌 詞 調
例
香 具 師 一派 ノ宣 伝文 書調
凡
一、本 調 ハ主 ト シ テ大 正 十 一年 ニ於 ケ ル状 況 ヲ叙 述 シ タ ル モ ノ ナリ
セリ
大 正 十 一年 以前 ノ事 実 ト雖 十 一年 中 ニ判 明 セ ル モノ ハ本 調 ニ輯 集
視 察 人 タ ルヲ以 テ本 調 ト 重 複 セ ル場 合 アリ
一、思 想 団体 ノ運 動 ハ別 冊 団 体 調 ニ輯 録 セ ル モ団 体 ノ幹 部 ハ多 ク要
一、本 調 中 ﹁社 会 主 義 者 ﹂ ト 記 シ タ ル場 合 ハ無 政 府 主 義 者 、 共 産 主
名 簿 ニ編 入 セ ラ レ タ ル モノ)タ ル モノ及
義者其他社会主義者 ニシテ要視察人 ︵
説
入者 以 外 ノ要注 意 [ 人] ヲ モ包 含 ス
第 一 総 ( A) 要 視 察 人 一般 ノ趨 勢
ヒ編
ノ間 ニ再 ヒ ﹁ 政 治 行 動 ﹂ 乃 至 ﹁議 会 政 策 ﹂擡 頭 シ来 レリ 従来 本 部
方 面 ノ運動 ニ表 ハレ ント シ ツヽ ア リ(2)是 ニ刺戟 セラ レ共 産 主 義 者
社 会 主義 者 ハ ﹁ 直 接 行 動 ﹂ 派 ニ属 スル モ ノ多 ク従 テ現 政 治 組 織 ハ
全 ク資本 主 義 ノ附 属 物 ニ過 キ ス之 ニ依 テ無産 階 級 解放 ヲ期 ス ル ハ
不 能 ナ リト シ ﹁議 会 政 策 ﹂ ハ全 然 跡 ヲ絶 ツ ニ至 リ シ カ近来 ニ到 リ
政治 ハ否定 セ ント ス ル モ当 面 現 実 ノ問 題 ニシ テ之 ヨリ生 ス ル不 利
興 ヲ見 ル ニ至 レリ之 等 ノ主 張 スル所 ハ在 来 ノ芸 術 ハ資 本 主 義 ノ傀
ヲ併 用 ス ヘシト ナ スノ傾 向 ヲ生 シ タリ (3) 又最 近芸 術 社 会 主 義 ノ隆
挙運動
益 ハ総 テ無 産 階 級 ニ帰 スル ヲ以 テ寧 ロ直 接 行 動 ト議 会 政 策 (普通選
居 レリ
社 会 主 義 者 最 近 ノ状 況 ハ前 年 以 来 ノ余 勢 ヲ享 ケ 引続 キ活 動 ヲ持 続 シ
セ ント スル ノ状 況 ニ在 リ シカ露 国 ニ於 ケ ル両者 確 執 ノ影 響 等 ニ依 リ
本 邦 ニ於 ケ ル無 政 府 主 義 者 、 共 産 主義 者 ハ近年 大同 団結 ヲ為 シ行 動
ヲ創 造 シ テ以 テ他 ノ社 会 運 動 ノ ﹁共 同戦 線 ﹂ ニ列 セ サ ル ヘカ ラ ス
儡 タ ル ヲ以 テ之 等 ノブ ル ジ ヨア芸術 ヲ撲滅 シ第 四階 級 ノ新 興 芸 術
ト シ此 種 ノ運 動 ヲ生 シツヽ ア リ
本 邦 同 志 ノ間 ニ於 テ モ無 政 府 主 義 者 ト 過 激派 的 色 彩 ヲ有 ス ル共 産 主
口 セ ル ﹁ボ ル セビズ ム﹂ 宣 伝 並 ﹁メ ーデ ー﹂ ヨリ九 月 末 大 阪 ニ於 ケ
客 年中 ニ於 ケ ル社 会 主 義 者 ノ運 動 ノ主 ナ ル モノ ハ ﹁対 露 救 済 ﹂ ニ藉
義 者 ノ間 ニ軋 轢 ヲ生 シ現 在 ニ於 テ モ両 派 相 対 立 シ テ主 義 運 動 ヲ進 メ 居 レリ而 シ テ後 者 ノ勢 力 ハ漸 次 増 大 シ我 国 ノ社会 主 義 運 動 ハ概 過激
生農 民 各 思 想 団 体 ニ対 スル運 動 モ熾 烈 ナ リ シカ殊 ニ彼 等 ハ社会 組 織
ル労働 組 合 聯 合 大 会 前 後 ニ亙 ル労働 組 合 運動 等 ニ シテ其 ノ他 軍 人 学
派 的 色 彩 ヲ帯 ヒ来 ラ ント ス ルノ情 勢 ニ在 リ 最 近 ノ傾 向 ト認 ム ヘキ モノ
ニ対 シ宣 伝 セ ルノ事 例 ア リ之 等 ハ直 接 ニ危 険 ナ ル結 果 ヲ醸 成 ス ル ノ
ノ内 部 ニ浸 入 セ ント シ警 察 官 通 信 、鉄 道従 事 員 其 ノ他 特 殊 部落 民等
( ) a 理 論 方 面 ニ於 テ ハ著 シキ変 化 ヲ認 メ ス唯 理論 研 究 カ細 密 ト ナ リ ツヽ ア ル コト及 ﹁ボ ル セビズ ム﹂ ノ研 究 ヲ中 心 ト シテ漸 ク建 設 方
( ) B 要 視 察 人 ノ系 統 及 行動 竝分 布 ノ概 要
虞 ア ル ヲ以 テ殊 ニ周 到 ナ ル注 意 ヲ払 ヘリ
面 ニ進 マント ス ルノ状 ア ル コト
セ ル モ ノ アリ即 従来 我 国 ニ於 ケ ル無 産 階級 運 動 タ ル社 会 主 義 運
( b ) 実際 運動 ノ方 面 ニ在 リ テ ハ(1) ﹁社会 主義 運動 ノ実 際 化 ﹂ ヲ提 唱
動 ト労 働 組合 運動 ト ハ何 レ モ其 ノ前 衛 ト無 産 階 級 大 衆 ト ノ間 ニ著
東京 堺
川
利
均
彦
一、過 激 派 傾 向 ニ属 スル共 産 主義 者 ノ主 ナ ル者
〃
シ キ距 離 ヲ生 シタ ルヲ以 テ ﹁大 衆 の中 へ!﹂ ノ新 標 語 ノ下 ニ大 衆 ノ実 際 ノ要求 ニ即 シテ運 動 ヲ進 メ サ ル ヘカ ラ ス之 レカ為 メ ニ ハ前
山
雑誌 前衛 八月号)此 ノ傾 向 ハ各 種 衛 全 線 ノ方 向転 換 ヲ要 スト ナ セ リ (山 川均所論参照
中心人物 〃
〃
〃
浦
高
近
荒
山
田
津
藤
畑
川
武
正
栄
勝
菊
雄
道
蔵
三
栄
種 実 行 運動 ニ当 ラム コト ヲ企 図 シ ツヽ ア リ
シ カ両 人 ハ団 体 暁 民 会 ヲ根 拠 ト シ テ最 近 ﹁ 農 民 運 動 ﹂ ヲ発 刊 シ各
運動 準 備 ト シ テ同 社 名 義 ヲ以 テ全 国労 働 思 想 団体 ノ調 査 ニ着 手 セ
カ客 年 四月 保 釈 出 所 シ両 名中 心 ト ナ リ ﹁売 文 社 ﹂ ヲ再 興 シ将来 ノ
本 名 等 ハ曩 ニ秘 密 結 社 ﹁日本 共産 党 ﹂ 事 件 ニ依 リ検 挙 セ ラ レ タ ル
杉
栄 近
〃 岩 佐 作 太 郎
東 京 大
和 田 久 太 郎
中心人物
一、 無 政府 共産 主 義 ヲ主 張 ス ル モノ
〃
口 運 蔵
〃 新潟 田 山
〃
二 〃
憲
雄
藤
時
麿
潜
在露 片 松 浦
及新人会 一派
〃
〃 村 木 源 次 郎
克
東 京 赤 〃 橋 行
辰
悦
沼
崎
水
川
昇
仲宗 根 源 和
藤
〃
加
〃
〃
一 夫
之
秋
藤
誠
景
一
久
郎
平
一、 国家 社 会 主 義 ヲ主 張 スル モノ
ル モ ノヽ如 シ
宣 伝 ヲ為 シ ツヽ ア リ本 人 ハ客臘 上海 ニ渡 航 シ今 尚 同 地 ニ在 留 中 ナ
大杉 ハ客 年 一月 機 関 紙 ﹁労 働 運動 ﹂ ヲ再 興 シ爾 来 之 ニ依 リ テ主義
兵庫 安
加
中 一
野 田
清
〃 吉
瀬
寛
在露 大 庭
〃
高
谷
本名 ハ虚無的無政 府主義 ヲ唱導 ス 〃
〃
一、堺 利 彦 、 山川 均 ハ本 邦 過激 派 共産 主 義 者 ノ最 高 幹 部 ニ属 シ各 種 ﹁ボ ル セビ ツ ク﹂ 運 動 ハ概 ネ本 名等 ノ劃 策 ニ出 ツ ルノ形 勢 ア リ
士
之
木
遠 藤 友 四 郎
東 京 高
崎
素 〃
尾
茂
畠
会 主義 研究 ﹂ ヲ発 行 セ ルノ外 ﹁無 産 者 リ ー フ レ ツト﹂﹁水 曜 会 パ ン
〃
雄
堺 ハ ﹁ 無 産 社 ﹂ ヲ山 川 ハ ﹁水 曜 会 ﹂ ヲ各 主 宰 シ機 関 紙 ﹁前 衛 ﹂﹁社
フ レ ツト ﹂ ヲ発 行 シ其 ノ他 各 種 刊 行物 、宣 伝 集会 ヲ利 用 シテ極 力
〃
竜
﹁ボ ル セビ ズ ム﹂ ノ鼓 吹 ニ任 シツヽ ア リ
原
〃
北 堺 、 山 川 ト 提 携 シ テ実 行 運動 ヲ計 劃 シ ツヽ ア リ
一、 近 藤 栄 蔵 、高 津 正道 等 ハ ﹁ボ ルセ ビ ズ ム﹂ ノ実 行派 ニ属 シ前 記
〃
小 栗 慶 太 郎
本 派 ハ小 雑 誌 局 外 ヲ発刊 セ ル モ著 シ キ活 動 ナ シ 一、 以 上 各 派 ノ外 注 意 ヲ要 ス ル モノ
義 思 想 団 体 主 唱 ト ナリ本 年 五 、六 月 頃 ヨリ本 運動 ヲ起 シ遂 ニ在 京 労
ヲ起 シ ﹁労 農 ロシ ア の承認 ﹂ 外 三項 ヲ標 榜 シ テ各 種 ノ宣 伝 運動 ヲ継
働 団 体 、 思 想 団 体 ノ主 ナ ル者 殆 全 部 ヲ網 羅 シ ﹁対 露 非 干 渉 同 志会 ﹂
生
中 田
村 弘
還 治
一
旧友)ヲ中 心 ト シ ﹁労働 者 ロシ ア飢饉 救 済 委 員 会 ﹂ テ日本労働総同盟 (愛 会
救 済 運 動 ヲ起 シ テ寄 附 金 ノ募 集 ヲ担当 セ ル カ労 働 団 体 ハ之 ト併 立 シ
一方 堺 利 彦 、 山 川均 等 ノ機 関 タ ル雑 誌 ﹁前 衛 ﹂ 中 堅 ト ナ リ露 国 飢饉
ヲ分 担 セ リ
続 シ関 西 同 志 ハ ﹁対露 非 干 渉 関 西 同 志 会 ﹂ ヲ起 シ京 阪 神 方 面 ノ運動
〃
大 串 孝 之 助
大 阪 武 田 伝 次 郎
〃
岸
本 運 動 ニ呼 応 シ何 レ モ相 当 ノ効 果 ヲ収 メ タ ル カ如 シ
東 京 山 崎 今 朝 弥
〃
三 田 村 四 郎
テ寧 ロ労 働 団 体、 思 想 団 体 ヲ糾 合 シ ﹁ボ ル セビ ズ ム﹂ ノ宣 伝 ヲ為 サ
有 スル ハ疑 フ ノ余 地 ナ ク其 ノ目 的 ト スル ト コ ロ ハ対露 救 済 ニ非 ス シ
売 シ且 宣伝 ビ ラ二万 枚 ヲ作 製 頒 布 シ タ ル地 方思 想 団体 、労 働 団 体 モ
地方 同 志 ハ概 在 京 同 志 ノ運動 ニ策 応 シ居 レ ルヲ独 立 行 動 ト シ テ大
ント ス ル ニ在 リ シ ハ明 カ ニシ テ本 運 動 ニ際 シ頒 布 セ ル宣 伝 印 刷 物 及
明
阪 ニ於 テ三田 村 四 郎 ハ同 志 ノ研 究会 ヲ主 催 シ金 咲道 明 ハ ﹁私 立 平
宣 伝 演 説 会 ニ於 ケ ル論 議 等 モ労農 共産 主 義 ヲ鼓 吹 セ ム ト ス ル激 越 ナ
咲
ヲ組 織 シ二 回 ニ亙 リ ﹁露 西 亜 デ ー﹂ ヲ開催 シ街 頭 ニ於 テ絵 端 書 ヲ販
〃
金
清
〃
井
〃
元来 本 運動 ハ在 露 片 山 潜 一派 ノ内 意 ヲ承 ケ労農 政 府 ト 一脈 ノ聯 絡 ヲ
民 政 府 ﹂ ナ ル名 称 ヲ用 ヒ テ小 雑 誌 ノ発行 ヲ為 シタ ルヲ以 テ行 政 取
道
岩 手 石 川 金 次 郎
締 ヲ為 シタ ル コト ア リ、石 川金 次 郎 ハ岩 手 県 ニ於 テ団 体 ﹁ 牧 民会 ﹂
会 館 ニ至 リ同 所 ニ於 テ ﹁ 文 芸 講 習 会 ﹂ 名 義 ヲ以 テ演 説会 ヲ開 催 シ該
凝 議 シ当 日午 前 飛鳥 山 ニ集 合 シ隊 伍 ヲ為 シテ示 威 運 動 ヲ開始 シ牛 込
ル ヲ以 テ之 ヲ記念 日ト シ示威 運 動 ヲ為 ス ヘク屡々 ﹁暁 民 会 ﹂ ニ会 合
(ロ) ロ シア革 命 五周 年 記 念 運 動 在 京 共 産 主 義 者 ハ去 ル十 一月 七 日 カ ﹁ロ シア革 命 五 周 年 ﹂ ニ相 当 ス
々本 運 動 ニ対 シ テ ハ厳 重 ナ ル取 締 ヲ加 フ ル コトヽ ナ シ タ リ
ル モ ノ少 ナ カ ラサ リ キ加 之 募 集 金 ノ処 置 ニ就 テ モ各種 ノ流 説 アリ旁
説
ヲ主 宰 シ活 動 シツヽ ア リ 第 二 各
(A) 過 激 主 義 宣 伝 運動 客 年 中 ニ於 テ ハ本 邦 無 産 主 義 者 等 ノ ﹁ボ ル セビ ズ ム﹂ 運 動 熾 ナ リ シ カ其 ノ主 ナ ル モ ノヲ左 ニ掲 ク (イ対 ) 露救済運動 東 京 山 川 均 ノ主 宰 セ ル ﹁ボ ルセビ ズ ム﹂ 団 体 水曜 会 其 ノ他 ノ社 会 主
集 会 解 散 ヲ命 セ ラ ル レ ハ直 ニ場 外 ニ於 テ示 威 運動 ニ移 ル手 筈 ト ナ セ
想労 働 各 団 体及 共 産 主 義 者 ニ郵 送 セ ル モ ノ アリ
( 3) 更 ニ同 年 十 二月 ﹁第 三 イ ンタ ー ナ シ ヨナ ル﹂ ノ宣 伝 文 書 ヲ同 一 方法 ニ依 リ広 ク内 地各 地 ニ郵 送 セ ル モノ アリ
リ而 シ テ堺 利彦 山 川均 一派 ノ雑 誌 ﹁前 衛 ﹂ 及市 川 正 一経 営 雑 誌 ﹁無 産 階 級 ﹂ ハ露 国 革 命 当 時 同 国 ニ表 ハレ タ ル過激 ナ ル直 接 行 動 ヲ慫慂
右 三 件 ハ何 レ モ ﹁露 国 第 三 イ ンタ ー ナ シ ヨナ ル﹂ ヨリ出 テ邦 人 共 産
社 会 主 義 者 ノ活 動 ハ学 生 、軍 人 、 教 員 其 他 各 種 ノ方 面 ニ及 ヒ殊 ニ社
至 ラス
主 義 者 ニ依 テ頒 布 セ ラ レタ ル モノ ト認 メ ラ ルヽ モ犯人 ヲ検 挙 ス ル ニ
シ 一部 階 級 者 ヲ煽 動 ス ルノ目 的 ヲ以 テ ﹁十 一月 七 日 を記 憶 せ よ﹂ 外 一種 ノ文 書 ヲ作 成 シ前 記 刊 行 物 ヲ各 号 外 ト シ テ之 ヲ発 行 シ東 京 及 各 本紙 ハ何 レモ発売頒布 ヲ禁止 シ 地 ニ頒 布 セリ ( 新聞紙法違反 トシテ訴追 セリ) 東 京 市内 ニ於 テ ハ各 部 署 ヲ 定 メ本 所深 川 、 日本 橋 白 木 屋 角 、 早稲 田 通 ニ於 テ前 記印 刷 物 ヲ撒 布
会 的 階 級 ノ存 スル所 必 ス其 ノ 一方 ニ対 シ テ猿臂 ヲ延 ハサ ント ス ルノ
( )B 労 働 者 及 団 体 並 労 働 運 動 ニ対 スル宣 伝
集 団 ヲ為 サ ル ニ先 チ参 集 者 ノ重 ナ ル モノ十 八 名 ヲ検 束 シ携 帯 セ ル不
現 況 ナ ル カ就中 彼 等 ノ運動 ノ主 眼 ト スル ハ労 働 階 級 ニシ テ集 会 、機
セ ル ヲ以 テ十名 ヲ所 轄 署 ニ検 束 シ尚 当 日 ニ至 リ飛鳥 山 ニ於 テ ハ未 タ
穏 物 件 ノ仮 領 置 ヲ ナ シ演 説 会 場 ニ於 テ モ厳 重 ナ ル取締 ヲ為 シタ ル結
部 タ ル モノ モ少 ナ カ ラ ス又労 働 団 体 幹 部 其 ノ他 ノ者 ニシ テ社 会 主 義
的 ト セ サ ル ハナキ ノ状 況 ト ス而 シ テ社 会 主 義 者 ニシ テ労 働 団体 ノ幹
関 紙 、 刊 行 物 等 ハ挙 ケ テ労 働 者 ニ対 ス ル宣 伝 ハ労 働 運動 ノ赤 化 ヲ目
果 彼 等 ハ不 穏 ノ計 劃 ヲ実 現 ス ル コト ヲ得 ス平 穏 裡 ニ散 会 セリ
(ハ) 過 激 主 義 宣 伝 秘 密 出 版 物 ノ頒 布
ナ ラ ント ス ル ノ傾 向 ニ在 リ シカ特 ニ前 節 (A) (イ) ノ部 ニ記 セ ル ﹁ 対露救
的 思 想 ヲ抱 有 スル者 モ亦 少 ナ カ ラ サ ル ヲ以 テ両者 ノ関 係 ハ漸 ク密 接
(1) 客 年 五月 廿 日前 後 ニ於 テ ﹁日本 労 働 団 体 に訴 ふ= 世 の知 る総 て の
ノ資 本 主 義 、 軍 国主 義 行動 ニ対 シ厳 重 ナ ル監 視 ヲ為 ス ヘキ コト 、
ル事 実 ニシ テ客 年 ニ於 ケ ル著 シキ事 例 ヲ挙 ク
済 運 動 ﹂ 以 来 労 働 団 体 ト社 会 主 義 者 ト カ 一層 接 近 シ来 レ ル ハ顕 著 ナ
労 働 者 に之 を 示 せ よ= ﹂ ト題 シ露 国 ニ対 シ武 力 干 渉 ヲ為 セ ル日本
資 本 主 義 破 壊 ノ国際 戦 ニ参 加 セ ラ レタ キ コト等 ヲ日本 労 働 階 級 ニ
カ気 勢 ヲ煽 ラ ント セリ
義 者 等 ハ挙 テ之 ニ参 加 シ宣 伝 印 刷 物 ヲ頒 布 シ又 ハ宣 伝 演 説 ヲ為 シ之
五月 一日東 京 其 ノ他 ニ於 ケ ル ﹁メ ーデ ー﹂ ニ際 シ テ ハ重 ナ ル社会 主
(イ) ﹁メ ーデ ー﹂ ノ運 動
慫慂 セ ル英 国 労 働組 合 幹 部 及 ロ ンド ン対 露 不 干渉 委員 ノ署 名 ア ル 宣 伝 文 書 ノ邦 訳 ヲ謄 写版 ヲ以 テ印 刷 シ東 京 市 京橋 区出 雲 町護謨 靴 商 馬 場 商 会 ナ ル虚 無 ノ差出 人 名義 ヲ以 テ本 邦 労 働 団 体 及 共産 主 義 者 ニ郵 送 セ ル モノ ア リ (2) 越 テ七 月 ﹁全 日本 の労 働 階 級 に檄 す﹂ ト題 シ ﹁ボ ル セビ ズ ム﹂ ヲ ド第 三国 際 共 産 党 ﹂ ノ署 名 ア ル前 項 記 載 ト同 一体 裁 ノ印刷 物 ヲ思
宣 伝 シ極 東 諸 民 族 無産 階級 ノ団 結 ト蹶 起 ヲ促 セ ル ﹁ペト ログ ラ ー
止 ムナ キ ニ至 レリ
ノ提 案 ニ係 ル地方 分 権 的 聯 合 ヲ主 張 シ テ相 譲 ラ ス遂 ニ大 会 ハ解裂 ノ
我国 ニ於 ケ ル労 働 組 合 ハ従来 総 聯合 ヲ計 劃 シタ ル コト ア リ シ モ常 ニ
( ) ロ 労 働 組 合 総 聯 合 運動 ト ノ関 係 不成 立 ニア リ シ カ客 年 五 月 ﹁メ ーデ ー﹂ 以 来 再 ヒ組 合 中 立 ヲ提 唱 セ
義 上 ノ意 見 ヲ異 ニ シタ ル結 果 ナ リ ト断 定 ス ル コト ヲ得 ス総
本 大 会 ノ決 裂 セ ル ニ至 レ ル ハ之 ヲ以 テ直 ニ労 働 団 体 ノ社会 主
( 附 記)
備 委 員 会 ﹂ ヲ開 催 シ東 京 、 大 阪 ノ主 ナ ル労 働 団 体 代 表 者 三 十 四名 会
同 盟 側 ノ専制 的 行動 ニ対 ス ル反 感 其 ノ他 各 種 ノ理由 ニ基 クカ
ル モノ ア リ本 来 之 カ計 劃 ヲ進 メ九 月 十 日東 京 神 田 松 本 亭 ニ之 カ ﹁ 準
ヲ代 表 セ ル社会 主義 者 俵 次 雄 、議 長 ト ナ リ協 議 ヲ進 メ九 月 三十 日大
同 シ尚 ホ東 京 無 政府 主 義 者 、共 産 主 義 者 多 数 列 席 シ テ純 労働 者 組 合
セ ル ハ明 カナ ルト コ ロ ニシ テ之 ニ対 シ総 同 盟側 ハ ﹁ 対露非干
如 シト 雖 組合 同 盟 会 側 ノ有 力 分 子 カ最初 ヨリ大杉 一派 ト提 携
渉 同 志会 ﹂ ノ運動 以来 ﹁ボ ルセビ ズ ム﹂ 一派 ノ者 ト諒 解 ア リ
阪 ニ創 立 大 会 ヲ挙 行 スル コト ニ協 定 セリ 然 ル ニ本 総 合 運動 ニ関 シテ ハ最 初 ヨリ其 ノ精 神 ニ於 テ異 論 アリ即 チ
ル セビ ズ ム﹂ ヲ主 張 スル共 産 主義 者 ハ中 央 集 権 的 合 同 運 動 ニ左 袒 シ
其 ノ他 各 種 ノ事 情 ヲ綜 合 ス ル ニ無 政 府 主 義 者 、 共 産 主義 者 ノ
ニ徴 シ総 同 盟 カ労 農 露 国 ニ好意 ヲ有 シ ツヽ ア ル ハ明 カ ナ リ
右 ﹁対露 非 干 渉 同 志 会 ﹂ ノ主 張 タ ル事 項 ヲ決 議 セ ル等 ノ事 実
本 大会 決 裂 後 同 地 ニ於 テ総 同 盟 ハ第 十 一回 大会 ヲ開 催 シ席 上
テ声 援 セリ而 シ テ大 杉 栄 一派 ノ無政 府 主 義 者 側 ハ持 説 タ ル自 主 自 治
旧友 ハ中央集権的合同 ヲ主 張 シ労働組合同盟会(反 日本労働 総同盟(愛 会) 友 愛 ハ自 治的 自由 聯 合 ヲ主 張 セリ之 ニ対 シ堺 利彦 、山 川均 其 ノ他 ﹁ボ 会)
的 結 合 ニ基 ク自 由 聯 合 ヲ鼓 吹 シ殊 ニ労 働 組 合 同 盟 ノ中 堅 タ ル信 友会、
会 ニ臨 ミ タ リ シ モ ノト ス
シ テ殆 ト 破 壊的 ニ主 張 ヲ固 執 セ シメ タ ル形 勢 ア リ斯 ク シ テ両 派 ハ大
リ シ際 ナ リ シ ヲ以 テ大 杉 一派 ハ大 会 期 日 ノ切 迫 スル ニ従 ヒ水 沼 等 ヲ
シ ﹁自由 労働 者 同盟 ﹂ 組 織 ノ運 動 ヲ進 メ左 記 宣 言 ヲ作 成 シ発 起 人 数
テ之 ニ対 抗 ス ヘク客 年 八月 以 来 本 所 、 深 川 等 ニ於 ケ ル浮 浪 者 ヲ糾 合
動 ﹂ ニ托 シ労 働 団 体 ノ糾 合 宣 伝 ヲ開 催 シ着 々効 果 ヲ収 メ居 レ ル ヲ以
( ) ハ 大杉 一派 ﹁自 由 労 働 者 同 盟 ﹂ ノ運 動 大 杉 栄 等 一派 ノ無政 府 主 義 者 等 ハ共 産 主義 者 カ ﹁露 国 飢饉 救 済 運
ス
勢 力 カ溟 々ノ間 ニ各 労 働 団 体 ニ浸染 シ居 レ ルヲ認 メ サ ル ヲ得
正 進 会 ニ ハ大 杉 ノ腹 心 タ ル水 沼 辰等 カ幹 部 タ ル関 係 上 極 力 之 等 ヲ指
︹マ マ ︺
導 シ且自 己 ノ機 関 紙 ﹁ 労 働 運動 ﹂ ニ於 テ之 ヲ援 助 セ シ カ当 時 偶々 大
予 定 ノ如 ク九月 三十 日大 阪 天 王 寺 公 会 堂 ニ全 国労 働 組 合 総 聯 合 発 会
十 名 ヲ挙 ケ富 川 町部 、花 町 部 、 三 河 町 部 、朝 鮮 部 ヲ置 キ 八月 三十 日
杉 一派 対 堺 一派= 無政 府 主義 者 対 ﹁ボ ルゼ ビ ス﹂ ノ確 執 カ激 烈 ト ナ
式 ヲ挙行 シ在 京 無 政府 主 義 者 共 産 主 義 者 ノ主 脳 者 ハ悉 ク之 ニ参 加 シ
深 川 プ ロ レタ リ ヤ社 ニ発 会 式 ヲ挙 ケ ント セ シ ヲ以 テ関 係 者 及 不 穏 文
書 ノ撒布 ヲ為 シタ ル者 一同 ヲ検 束 シ発会 式 ヲ流 会 ニ終 ラ レタ リ
在 阪 同 志 モ之 ニ加 ハレリ席 上 果 シ テ総 聯 合規 約 第 二条 但 書 ニ就 キ総 友愛 側 ハ中央集権的合同 ヲ主張 シ組合同盟会(反友 同盟(会 ハ水 沼 ) 愛会) 側
人 間 の勤 労 の結 晶 でな いも の は な い、 (中略)古 来 農 民 は 最 大 の
人 間 が こ れま で建 設 し て来 た右 文 明 は 何 れも 人 間 の労 働 の生 産 物 、
労 働 者 であ つた ( 中略)農 民 は 工場 労 働 者 と 共 に 経 済 上 の貴 重 な
言
極 端 に虐 け ら れ た俺 達 は 資 本 主義 組 織 の正 体 を確 に掴 ん だ 、
富 を作 り出 す 基 本 的 な 生産 者 であ る 、 か くも 重 要 な 労働 に服 す る
宣
から逃 れ る為 不 断 に反 抗 し た 今 や資 本 主 義 の牙 城 は 崩 壊 し初 め た
過 去 の凡 て の経 験 は 俺 達 に確 な 方 向 を教 へた、 俺 達 は 現在 の苦 痛
農 民 は果 し て其 の勤 労 を充 分 に酬 ひ ら れ て 来 た で あ ら う か ( 中
らな い、有 閑 階 級 であ る、何 と 云 ふ不 合 理 な 事 であ ら う
略)光 彩 陸 離 た る近 代 文 明 の恩 沢 を享 楽 す るも のは 労 働 の味 を 知
文 明 を作 り出 す のは 労働 であ る 、文 明 を享 楽 す るも のは 労働 す る
を 奪還 す へく断 乎 と し て彼 等 に宣 戦 す る 、 俺 達 は俺 達 の真 の偉 力 を知 る俺達 の徹 底 的 解 放 は 日 々の勇 敢 な る
彼 等 の臨 終 を告 く る弔 鐘 は 鳴 り響 く 、俺 達 は奪 は れた 自 由 と 正義
闘 争 の連 続 に よ つて の み獲 得 せ ら る 、俺 達 は倒 れ掛 つた 資 本 主義
も の でな け れば な ら な い、 労働 の生産 物 を労 働 者 に返 せ これ が社
( 略)農 民 が不 幸 な る社 会 的 地 位 を破 壊 し て真 に自 由 な る 生産 者
四、 農 民 運 動 へ
会 を最 も正 し く最 も美 し く 最 も清 ら か に す る所 以 であ る ( 略)
に最後 の止 め を刺 す へく こゝ に団結 す る ︹ マ マ︺
横 浜在 住同 志 モ之 ニ応 シ ﹁横 浜 自由 労働 者 組 合 ﹂ ヲ組 織 スル コトヽ
と し て自 立 す る に は如 何 にす れ ば よ いか そ れ は農 民 運 動 の外 は な
為 シ不穏 ナ ル宣 伝 印 刷 物 ヲ作 成 且頒 布 シ テ気 勢 ヲ煽 ケ且 東 京 岩 佐作
ント 計劃 セ ル ヲ以 テ之 亦 厳 重 ナ ル取締 ヲ加 ヘタ リ
太 郎 以下 多 数 無 政 府 主 義 者 ノ来 援 ヲ得 テ発 会 式 及 宣 伝 集 会 ヲ開 催 セ
い、 む かし 我等 の祖 先 は 屡 ゝ 一揆 を起 し て武 士 大 名 は徒 ら に反 抗
運動 であ つた 、 一揆 が過 ぐ れば ま た 元 の有 様 に戻 り農 民 の生 活 は
制者 に襲 ひ かゝ つた有 様 は 壮 観 であ つた 、 し か し 一揆 は瞬 間 的 な
し た平 生 深 く黙 し て労 働 に親 し め る農 民 が突 如 とし て起 ち 上 り 圧
近 来 農 民 運 動 ノ勃 興 セ ル ニ乗 シテ社 会 主義 者等 ハ或 ハ同 志 ヲ各 地 ニ
同 じ 様 に苦 痛 に充 ち て居 た 、 現 代 の農 民 運動 は継 続 的 でな け れば
( ) C 農 民 ニ対 スル宣 伝
派 シ テ実 状 ヲ調 査 シ又 ハ之 ト 連 絡提 携 ヲ計 リ若 ハ機 関 紙 、各 種 宣 伝
な ら ぬ根 強 く 、力 強 く、 大 集 団 の下 に連 続 に運 動 せ ねば な ら な い、
農 民 運動 の最 後 の目 標 は 何 か、 それ は 必然 的 に被 搾 取 者 を 絶 滅 す
ノ団 結 ヲ鼓 吹 シ労 働 運動 、社 会 主義 運 動 ト ノ共同 提 携 ヲ慫慂 シ農 民
る も の土 地 と農 業 を社 会 化 す るも の でな け れ ば な らな い、 我 々は
印 刷 物 ヲ刊 行 シ テ之 カ赤 化 誘 導 ニ力 メ居 レ リ宣伝 ノ内 容 ハ概 ネ 農 民
モノト ス在 京 佐藤 学 カ ﹁小 作 人 同 盟 リ ー フ レ ツト﹂ ニ ﹁農 民 運 動 の
問 題 ノ徹 底 的 解決 ハ社 会 主 義 ノ実 行 ニ依 ル ノ外 ナ キ コト ヲ唱 導 セ ル
組 織 あ り訓 練 あ る社 会 を作 り 一階 級 の特権 を廃 止 す ると 共 に全 人
⋮ ⋮ し か ら ば 吾人 は眼 前 の具 体 的 方 法 と し ては 如何 な る手 段 をと
民 の幸 福 を実 現 す べ き で あ る
目 榜﹂ ト 題 シ テ登 載 セ ル記事 ノ 一節 ヲ左 ニ掲 ク 一、労 働 の生 産 物 を労 働 者 に返 せ 人 間 の社 会 に最 も尊 いも のは労 働 であ る
る べき であ る か吾 人 は 先 づ団 結 し な け れば な ら な い、団 結 の力 は
ヲ発刊 セリ而 シテ 地方 ニ於 ケ ル ﹁ 農 民 運動 の中 心﹂ タ ラ シメ且 聯 絡
﹁ボ ル セビ ズ ム﹂ ヲ主 張 ス ル近藤 栄 蔵 、 高 津 正道 、浦 田武 雄 等 暁 民
機 関 ト シ テ秋 田外 十 府 県 十 四 ケ所 ニ支 部 ヲ設置 セ ル旨 ヲ発 表 セ リ
会 一派 ハ ﹁ 農 民 運動 社 ﹂ ヲ設 立 シ テ去 ル九 月 一日機 関 紙 ﹁農 民 運 動 ﹂
其 ノ他在 京長 島 新 ハ ﹁小 作 人 同 盟 ﹂ ヲ組 織 シリー フ レ ツト ヲ発 刊 シ
⋮⋮ 一村 が 団結 し た な らば 一郡 の農 民 が 団結 せ よ 一郡 の農 民 の団 結 は 一県 の農 民 の団 結 へ、 一県 の農 民 の団結 は全 日本 の農 民 の団
偉 大 で あ る、 団 結 の力 は如 何 な る障 害 を も 破壊 す る こと が出 来 る
結 へ移 れ 、 ま た農 民 が団 結 を 遂 げ た な ら ば都 市 の労 働 者 の団 結 と
高 尾 ハ本年四月露国 ニ赴キ労農政府 ニ出 従 来 ﹁労 働 者 ﹂ ( 入セシカ最近上海経由内地 ニ帰還 セリ) ハ機 関 紙 ﹁民衆 の力 ﹂ (ト 称 セ シ モ ノ︶
早 稲 田大 学 生 等 ノ組 織 セ ル建 設 者 同 盟 及高 尾平 兵 衛 等 労 働 社 一派
あ る、 団結 せ よ 団結 せ よ、 団 結 を 遂 げ た な ら ば直 に自 己 階 級 の解
ヲ発行 シ各 農 民 宣 伝 ニ腐 心 シツヽ ア リ
手 を 握 れ 労働 す る者 の利 害 関 係 は 一点 の疑 も な く共 通 す る も の で
放 に向 つ て進 ま ねば な ら ぬ地 主 に小作 料 の低 減 を迫 る も よ い、 国 家 に永 小作 権 の設 定 を要 求 す るも よ い、 す べ て是 等 のも のは 最終
( ) D 軍 隊 ニ対 ス ル宣伝
客 年 ニ於 テ軍 隊 赤 化 ヲ目 的 ト セ シ宣 伝事 例 モ少 ナ カラ ス其 ノ主 ナ ル
の目標 の実 現 に急 がね ば な ら ぬ 権 利 を自 覚 せ よ、 真 の義 務 を 自覚 せ よ
モノ次 ノ如 シ
ト共 謀 シ テ ﹁兵卒 諸 君﹂ 外 三種 ノ軍 隊 ニ対 スル不 穏 宣 伝 文書 ヲ謄
(2)同 八 月 茂 野 藤 吉 、後 藤 謙 太郎 等 ハ大 阪 ニ赴 キ同 地 在 住 社 会主 義 者
(1)客 年 一月 ﹁謹 賀新 年 ﹂ ト 題 ス ル宣 伝文 書 ヲ各 軍 隊 ニ頒 布 セ ル モ ノ アリ
堅固 な る団 結 を 盟 約 せ よ 、家 よ り家 へ、 村 よ り村 へ語 り伝 へて全 農 民階 級 の奮 起 を促 せ 農 民運 動 に身 を捧 げ よ 、農 民 が真 に歓 ば し く幸 福 を 楽 し み得 る の 日 は農 民 運 動 の遂 げ ら れ た後 に於 て のみ来 る の であ る 、 云 ゝ
写版 印 刷機 ヲ以 テ作 成 シ岡 山 ニ赴 キ同 所 ヨリ各 地 軍隊 ニ頒 布 シ更
ヲ発 行 頒 布 セ リ
農 民 ﹂ ト題 シ西 比 利 出 征 軍 人 ニ対 スル宣 伝 記事 ヲ登載 セ ル宣 伝 紙
(4)片 山 潜 等在 露 邦人 ﹁ボ ル セビズ ム﹂ ニ属 スル者 等 ハ ﹁ 軍人労働者
不穏 宣 伝印 刷 物 ヲ頒 布 セ ル者 ア リ
(3)同 月中 上野 公 園 ニ於 テ ﹁ 除 隊 セ ル兵 士 軍 属 諸 君 に訴 ふ﹂ ト題 スル
ニ石川 県 ニ入 リ テ同 地軍 隊 ニ頒 布 シ タ ル ヲ以 テ 一斉 ニ之 ヲ検 挙 セ
農 民 宣 伝 運 動 ノ主 ナ ル モ ノ ヲ挙 ク
リ
シ去 ル十 月 二十 五 日機 関 紙 ﹁ 小 作 人 ﹂ ヲ発 刊 シ小作 人 ノ自 主 自 治 ニ
( イ ) 無 政 府 主 義 運 動 大 杉 一派 ニ属 ス ル中 名 生 幸 力 ハ東 京 ニ於 テ ﹁ 農 村 運動 同 盟 ﹂ ヲ組 織
依 ル農 民 運 動 ヲ鼓 吹 シ且同 盟 ヲ実 際 運 動 ノ機 関 タ ラ シム ヘク各 地 ニ 同 盟 ノ同 人 ヲ配 置 シ別 ニ埼 玉 県 外 四 県 ニ同盟 ノ支部 ヲ設 置 セ ル旨 ヲ 別冊思想団体状況調 発 表 セリ (﹁ 農村 運動同盟﹂参照︶
( ) ロ共産主義運動
) ( E 香 具 師 ト ノ提 携 宣 伝 各 地 方 ニ於 テ祭 礼 縁 日其 ノ他 ニ際 シ万年 筆 等 ヲ行 商 スル ノ傍 ラ社 会
ノ他 ノ不 穏 出 版物 ヲ秘 密刊 行 セ リ
青 森 在 住 大 沢 喜 代 一 ハ本 年 六月 同 志 ト共 ニ本結 社 ヲ組 織 シ不 穏 ナ
4 北 部 無 産 社
等 ハ社会 主 義 者 ヲ盟 主 ト シ或 ハ之 等 ト連 絡 ヲ保 チ各 種 ノ不穏 行 為 ニ
モ不 起 訴 処 分 ト シ(1)無 限社 ニ対 シ テ ハ不敬 罪 其 ノ他 ノ余 罪 ニ就 キ︵4︶
右 ニ対 シ テ何 レ モ秘密 結 社 ト シテ検 挙 シ取 調 ノ結 果結 社 ノ点 ハ何 レ
ル印 刷 物 ヲ作 成 頒 布 シ テ活 動 ニ着 手 セ リ
出 ツ ル モノ ニシ テ客 年 中 ニ於 テ頒 布 シ又 ハ頒 布 セ ムト シタ ル宣 伝 文
ノ北 部 無産 社 ニ対 シ テ ハ出 版 法 、新 聞 紙 法 違 反其 ノ他 ノ余 罪 ニ就 キ
主義 宣伝 ノ言 辞 ヲ弄 シ又 ハ不穏 宣 伝印 刷 物 ノ頒 布 ヲ為 ス者 アリ 、彼
書 ニ シテ判 明 セ ル モノ数 十 種 ノ多 キ ニ達 シ禁 止 処 分 ニ附 シタ ル モノ
処 分 ア リ タリ
カ ラ ス重 ナ ル モノ ヲ別 表 ニ掲 ケ タ リ
(1)客 年 中 紙 幣 及 兌換 券 ニ不穏 文 書 ヲ記 載 シ テ宣 伝 セ ルノ事 例 モ少 ナ
( ) G 其 ノ他 ノ宣 伝
少 ナカラ ス 之 等 ノ行 為 モ時 ト 場 所 ノ如 何 ニ依 リ意 外 ノ弊 害 ヲ惹 起 ス ルノ虞 ア リ 厳 重 注 意 取 締 ヲ為 セリ
( F) 秘 密結 社
リ郵 送 セル者 ア リ厳 探 セ ル モ犯 人 ヲ発 見 ス ル ニ至 ラ ス
貴 顕 富豪 知 名 ノ士 ニ宛 テ ﹁死 刑 ヲ宣 告 ス ル﹂ 旨 不穏 文 書 ヲ東 京 ヨ
例 モ少 ナ カ ラ ス客 年 二月 十 七 日付 東 京 、 大阪 、神 奈 川 、兵 庫 等 ノ
(2)貴 顕 及 富 豪 ニ対 シ脅 迫 的 宣 伝 文 書 ヲ郵 送 シ又 ハ投 書 ヲ為 セ ル ノ事
東 京 在 住 山 口与 曾 人 ハ無 政 府 主 義 宣 伝 ノ目的 ヲ以 テ同 志 ト共 ニ客
1 無 限 社
客年 中 秘 密 結 社 ト シ テ検 挙 シタ ル モノ四 件 アリ
年 二月来 本 結 社 ヲ組 織 シ無 政 府 主義 革 命 ヲ主 張 ス ル秘 密 出 版 物 ヲ 連 続 発 行頒 布 セリ
想 団体 ﹁種 蒔 き 社 ﹂ 一派 ノ者 ハ東 京 市 ノ警 察 官 ニ奇 矯 ナ ル宣 伝文
(3)警 察 官 ニ対 シ宣 伝 ヲ為 セ ル ノ事 例 二 、三 ア リ 客 年 三月 東 京 社会 思
東 京在 住白 木 古 良 ハ数 名 ノ同 志 ト 共 ニ社 会 主 義 ノ研 究 、 宣 伝 、実
2 黒炎 結 社
ル十 月 二十 二 日警 察官 ニ対 ス ル不穏 宣 伝 文 一千枚 ヲ作 成 頒 布 セ ン
書 ヲ郵 送 セ シ コト ア リ シ カ東 京在 住 風 来 倶 楽 部 主 幹 者中 沢 亨 ハ去
依 リ テ宣 伝 シ又 ハ示威 運動 又 ハ集 会 ノ際 ニ気 勢 ヲ揚 ク ル為 メ放 唱
(4 )社 会 主 義 者 等 ハ不穏 ナ ル歌 詞 ヲ作 成 シ之 ヲ秘 密 出 版 シ又 ハ口伝 ニ
以 上 ノ外 教 員 、 青 年 団 通 信 従事 員 鉄 道 従 事 員 ニ宣 伝 セ ル ノ事 例 アリ
ト セ シ ヲ探 知 シ頒布 ヲ禁 止押 収 セリ
行 ヲ目的 ト シ テ ﹁黒 炎 結 社 ﹂ ナ ル社 名 ノ下 ニ本 年 二月 秘 密結 社 ヲ 組 織 シ数 回 ニ亙 リ不 穏 ナ ル印刷 物 ヲ作 成 頒 布 シ且 他 ノ労働 団 体 ト 共 同 シ テ ﹁メ ーデ ー﹂ ニ参 加 シ不穏 行 動 ニ出 テ ント セリ 3 赤 衛 社 東 京在 住 柄 沢 理 一ハ同 志 ト 共 ニ客 年 四月 本 結 社 ヲ為 シ ﹁ 赤衛﹂其
セリ ( 5)特 殊 部 落 民 中 社 会 主義 的 傾 向 ヲ有 ス ル者 等 ハ、 ﹁水 平 社 ﹂ ヲ組 織 シ部落 民 ノ解 放 運 動 ヲ開 始 シ タ ルカ社 会 主 義 者 等 ハ之 ニ対 シ主 義 ノ注 入 ヲ為 サ ント セ リ其 ノ詳 細 ナ ル状 況 ハ別 冊 ノ如 シ
第 三 在 外 共 産 主 義者 ノ状 況
ノ同 志 ヲ内 地 ニ帰 還 セ シメ居 レリ以 下 各 地 ニ在 ル邦 人共 産 主 義 者 ノ 現 況 ヲ挙 ク
露 国 ニ在 ル邦 人 同 志 ハ ﹁モ ス ク ワ﹂ ニ本 拠 ヲ置 キ内 地 宣 伝 ノ根 拠
一、露 国 方 面 ノ状 況
地 ハ ﹁チ タ﹂ ﹁イ ルク ー ツ ク﹂ 方 面 ニ設 置 セ ル モノヽ 如 シ
産 党 運 動 ノ首 領 ト シ テ管 理 指導 ニ当 レリ
シ主 ト シテ ﹁モ スク ワ﹂ ニ在 リ時 々 ﹁チ タ﹂ 方 面 ニ来 往 シ日本 共
片 山 ハ米 国 ヨリ入 露 以 来労 農 政 府 ヨリ殊 遇 ヲ受 ケ居 レ ル モ ノヽ如
斯 ク テ内 地 ヨリ モ 一昨 十年 十 月下 旬東 京 在 住 吉 田 一外 三 名 ノ同 志
従 来 米国 ニ ハ幸 徳 伝 次 郎 一派 ニ属 ス ル邦 人 無 政 府 主 義 者 カ多 数 在 留 シ居 リ シ カ其 ノ棟 梁 タ ル岩 佐作 太 郎等 相 亜 テ帰 朝 シ漸 次 其 ノ跡 ヲ断
ヲ露 国 ニ送 リ更 ニ客 年 四 月高 尾平 兵 衛 外 数 名 ヲ派 遣 シ片 山 一派 ノ
人 、労 働 者 、農 民
ツ ニ至 レリ然 ル ニ偶 ゝ片 山 潜渡 米 ス ル ニ及 テ同 国 ニ亡 命 セ シ露 国 共
紙 ヲ継 続 発 行 セ ル ノ外 (A ノ) (ハ) ノ部 ニ掲 ケ タ ル宣 伝 文 書 ノ如 キ ハ実
米 国 ヨリ入 レ ル同 志 ト合 同 シ テ最 近 運動 ニ着 手 セ ル形 跡 ア リ ﹁軍
紐 育 ヲ根 拠 ト シ テ同 志 ノ糾 合 ヲ図 リ 在 米 日本 共産 党 (J.C.A G. . )
ニ彼 等 一派 ノ所 為 ナ ル ヘシト 認 メ ラ ル
ニ宣 伝 運動 ヲ試 ミ居 リ シ カ 一昨 十年 一月 ニ入 リ俄 カ ニ活動 ヲ開始 シ
Japane Cs oe mmuni Gs ot vernme An mt eriヲ c組 a 織 シ堺利 彦 、 山
前記 ﹁ 軍 人 、労 働 者 、農 民 ﹂ト 題 ス ル機 関 誌 ヲ長 春 ヨリ内 地在 住多
産 主義 者 ト相 来 往 シ遂 ニ ﹁ボ ル セビ ズ ム﹂ ニ資 シ爾 来 邦 人 同 志 ノ間
川 均 、 近藤 栄 蔵 等 ﹁日本 共 産 党 ﹂ 一派 ト連 絡 シテ労 農 共 産 主義 ノ運
万 国 のプ ロ レ タリ ア団 結 せ よ﹂ ト 題 ス ル機 関
動 ヲ為 セリ
押 収 セリ古 機 関 紙 中 ニ ハ ﹁日 本 摂政 裕 仁 に与 ふ﹂及 ﹁天 皇 の正 体﹂
トシテ曩ニ禁止 セラ レタ ル結 社 数同志(主 日本社会主義同盟加盟者 ニ宛テ )ニ対 シ郵 送 セ ム ト シ タ ル ヲ発 見
ト題 ス ル不 敬 記 事 並 暴 力革 命 ヲ主 張 セ ル極 メ テ不 穏 ナ ル記事 アリ
而 シ テ 一派 ノ中 心 人 物 タ ル田 口運蔵 ハ同 年 四月 米 国 ヲ発 シ テ露都 ニ
聯 絡 其 ノ他各 般 ノ計 劃 ヲ進 メ タ ル モ ノヽ如 ク其 ノ後 在 米 同 志 ハ相 亜
ハ客 年 中 相 次 テ内 地 ニ帰 還 シ現 ニ内 地在 住 中 ノ者 ア リ又 内 地 ヲ経
右 ノ内 米 国 ヨリ入 露 セ ル同 志 数 名及 内 地 ヨリ派 遣 セ ラ レ タ ル者 等
入 リ直接 労 農 政 府 ト ノ交 渉 ニ当 リ資金 ノ供 給 同 志 ノ 入露 内 地 同 志 ノ
テ露 国 ニ渡 航 シ同 年 十 月 乃 至 十 二月 ノ頃 ニ至 リ多 数 同 志 ノ 一行 ト米
ハ慎 重 ナ ル態 度 ヲ持 セ ル為 メ不穏 又 ハ容 疑 ノ行 動 ヲ発 見 ス ル ヲ得
由 シ テ再 ヒ渡 来 セ ル者 ア リ共 ニ厳 密行 動 ヲ注 意 セ ル モ内 地 ニ於 テ
国 ヨリ欧 洲 ヲ経 テ入露 セ ル形 跡 アリ 前 記 片 山 モ同 年 一月 紐 育 ヨリ墨 西哥 ニ移 リ同 所 ニ於 テ ﹁ボ ル セビ ズ
二 、米 国 方 面 ノ状 況
サ ルノ状 況 ニ在 リ
ム﹂ ノ中 米 宣 伝 ニ当 リ居 レル モ ノヽ如 クナ リ シ カ 同 年 十 二 月 中 旬 ﹁モス ク ワ﹂ ニ到 着 セ リ 紐 育 在留 者 ハ 一方 内 地同 志 ト ノ連 絡 ヲ 一層 周到 ナ ラ シ ム ル為 二、三
日 ヨリ機 関 紙
米 国 ニ於 テ ハ現 在 紐 育 ニ在 ル井 上律 太 郎 等 中 心 ト ナ リ客 年 三月 一 ﹁イ ス ク ラ ﹂ (火花謄)ヲ発 刊 シ引 続 毎 月 一回之 ヲ発 行 写版摺
シ居 レ ルカ本 紙 ハ内 地 輸 入移 入 ヲ禁 止 セ リ 別 ニ紐 育 同 志 ハ毎 週 火 曜 日定 期 会 合 ヲ主 張 シ居 レ ル形 跡 ア リ
学 生 ト 社会 主 義 者 ト ノ関 係
想 団体 ノ状 況 ﹂ ニ記 ス所 ナ ル カ社会 主 義 者 等 ハ之 等 ノ
学 生 、 生 徒 等 カ団 体 ヲ組 織 シ各 種 ノ行 動 ニ出 テ 居 レ ル コト ハ別 冊 ﹁最 近 ニ社 会思 於ケ ル
団 体 主 催 ニ係 ル ﹁講 習 会 ﹂ ﹁研 究 会 ﹂其 ノ他 ノ会 合 ニ際 シ之 ニ臨 ン
内 地 ニ於 テ ハ堺利 彦 、 山 川均 、 近藤 栄 蔵 等 カ片 山潜 一派 ト聯 絡 シ
等 ノ組織 セ ル社 会 主 義 団 体 ト提 携 シ又 ハ呼 応 シ テ過 激 ナ ル運 動 ニ出
体 化 スル ニ至 レ ル モノ アリ其 ノ他 ノ団 体 ニ在 テ モ社 会 主 義 者 又 ハ之
体 ハ漸 次 左 傾 シ甚 シキ ニ至 リ テ ハ暁 民 会 ノ如 キ純 然 タ ル社 会 主 義 団
テ指 導 教 習 ニ又各 種機 会 ニ之 ニ接 近 宣 伝 セ ムト シ ツヽ ア リ斯 ク テ団
前 記 各 項 ニ記載 セ ル如 ク諸 運 動 ヲ為 セ ル ノ外紐 育 在 留 同 志 ヲ内 地
三 、内 地 ノ連 絡 状 況
同 志 ト ノ連 絡 ヲ 一層 周到 ナ ラ シム ル為 二、三 同 志 ヲ内 地 ニ帰 還 セ
テ ント ス ルノ状 況 ニ在 リ テ客 年 中 ニ於 ケ ル対露 非 干 渉 及 対 露 救 済 運
動 ノ如 キ又露 西 亜 革 命 五周 年 記 念 日 ニ於 ケ ル彼 等 ノ行 動 ノ如 キ ハ其
シ メ タ ル カ之等 ハ東 京 及 大 阪 ニ在 リ テ聯 絡 ニ当 リ居 レリ 最 近 ノ情 報 ニ依 レ ハ日本 内 地 ニ於 テ ハ共 産党 ニ対 ス ル取 締 厳 重 ナ ル
京
道
崎
庫
甲
乙
計
ノ最 タ ル モノ ト ス ( 別冊社会思想団体ノ状 況参 照)
北 海
道庁及府県
特 別 要 視 察 人 現 在 人 員 表 (大正十二年 一月 二十日調)
ヲ以 テ ﹁日 本無 産 党 中 央 委 員 会 ﹂ ハ之 ヲ米 国 ニ置 キ内 地 ニ ハ ﹁秘 密
シ テ内 日本 内 地 ニ在 ル モノ 二百 三 十 一名 、米 国 在 留 者 百 八 名 、 墨 国
実 行 委 員 会 ﹂ ヲ置 キ党 員 ハ名 簿 ニ登 録 セ ラ レ タ ル者 三 百六 十 八名 ニ
在留 者 二十 九 名其 ノ多 ク ハ青 年 職 工及 智 識階 級 ナリ ト ノ聞 エア リ
東
都
邦 人 社 会 主 義 者 トI ・W ・Wト ノ関 係 ニ就 テ ハ曩 ニ同 会 ニ投
京
シ行 動 ヲ共 ニシ タ ル吉 原 源 太郎 ハ其 ノ後 ﹁ボ ルセビ ズ ム﹂ ニ 変 シ目 下 関 係 ナ キ カ如 シ邦 人志 村 捨 松 ハ客 年 米 国 ニ於 テI ・
阪
長
兵
潟
川
新
奈
大
( 了)
タ ル モ釈 放 セ ラ レテ内 地 ニ帰朝 後 ハ宗 教 生 活 ヲ為 サ ント ス ル カ如 ク現 在 全 ク之 ニ関 係 セ サ ル カ如 シ
加)
神
W ・W 団員 ト為 リ宣 伝 行 動 ニ出 テ同国 ニ於 テ 一度 検 挙 セ ラ レ
( 附 記)
( 追
三
奈
栃
茨
千
群
埼
知
重
良
木
城
葉
馬
玉
香
広
和 歌
山
広
岡
島
鳥
川
島
山
口
島
山
根
取
岡
愛
分
媛
福
賀
岡
大
本
静
佐
知
熊
崎
愛
城
宮
高
宮 島
縄
島 計
本 表 中 △印 ヲ付 シタ ル数 ハ在 外 者 ノ内 訳 ヲ示 シタ ル モノ ナ リ
考
鹿 児
備
合
沖
梨
福 手
山
岩 森
賀
青 形
滋
山 田
阜
秋 井
岐
福
川
野
石
山
長
富
県
庁 別
府
京
東
阪
都
京
北海 道
大
三
奈
栃
茨
千
群
埼
新
長
兵
知
重
良
木
城
葉
馬
玉
潟
崎
庫
神 奈 川
愛
会
度
届 出 ナキモノ
数 計
臨監度数 禁止度数
取
思 想 問 題 集 会 調 表 ( 大正十 一年分)
集 届 出 ア ル モノ
締 制限度数
度 注意度数
数 中止度数
解散度数
人
員
司法 処分
件 数
数
人
員
行 政 検 束
件
福
秋
山
青
岩
福
宮
長
岐
滋
山
静
井
田
形
森
手
島
城
野
阜
賀
梨
岡
広
岡
島
鳥
富
口
島
山
根
取
山
石川
山
熊
佐
大
福
高
愛
香
徳
崎
本
賀
分
岡
知
媛
川
島
和 歌 山
宮
沖 計
縄
鹿 児島
合 考
号
共 産 主義 ( 堺、山川 一派 ノ 機関)
系統及主義主張
社 会 主 義 機 関 紙 調
刊
発行期 月
ビ ズ ム﹂ 宣 伝 記 事 ヲ掲 ク
容 堺 、山 川 一派 ノ執 筆 ニ係 ル ﹁ボ ル セ
内
東京大森 入新井町 前衛社 田 所
輝
発 行 所 及 署 名 人
一、本 表 中 △印 ヲ附 シ タ ル ハ特 別要 視 察 人 ノ主 催 ニ係 ル集 会 並 取 締 件 数 人員 ヲ内 訳 ト シテ掲 ケ タ ル モノ
備
題 衛
一、空 欄 ハ報 告 未 着 ノ モノ
前
明
定価
備
考
刊
月二回
月 刊
労働 新 聞
月
労 働運動
農 民運動
刊
刊
刊
週 刊
月
月
月
作
人
人
小
自 由
民 衆 の力
労働 週報
無政府、共産主 義 ( 大杉 一派 ノ機 関)
東京市 小石川 区掃除 町三三 労働新聞社 橋 浦 時
雄
雄
東京市 外戸 塚源兵衛 一七六 農 民運動社 浦 田
武
東京市本郷区駒込片 町 一五 労働運動 社 近 藤 憲 二 大 杉 一派 ノ執 筆 ニ係 ル労 働 者 及 其 ノ 大阪市 南区下寺町 四ノ四五五七 組 合 ニ対 ス ル主 義 宣 伝 記 事 ヲ掲 ク 労働 運動社 西支局 和 田久 太 郎
農 民 ニ対 ス ル共 産 主 義 運 動 鼓 吹 ノ記
共産主義 ( 橋浦 主義 宣伝及労働問題 ニ関 スル記事 ヲ 掲ク
共産主義 ( 暁民 事 ヲ掲 ク
時雄 一派 ノ機関)
会 一派 ノ経営)
東京市芝 区桜 田町 一九 労働 週報社 平
沢
計
七
東京市京橋区新佃西町 一ノ二四布留 川方 労 働 社 吉 田 順 司
神奈 川県小 田原町新玉四 ノ六〇 自由人社 加 藤 一 夫
無政府 主 義 ( 主 東京市外戸塚源兵衛 二四 一 トシテ無政府主義 事 務 所 農 村 運動 同盟 小作 人 ノ団 体 及 小 作 争 議 等 ニ関 スル 等 ノ組 織 ニ係 ル 東 京 府 北 多 摩 郡 府 中 町五五七五 過激 ノ記 事 ヲ掲 ク ﹁ 農村運動同盟﹂ 発 行 所 小作 人 発行所 中 名 生 幸 力 ノ機関)
主 ト シ テ労 働 問 題 ニ関 スル
共産 主義 的 傾 向 ニ属 スル宣 伝 ヲ為 ス
労 働 者 、 農 民 ノ団 結 ヲ主 張 シ無 政府
無政府 主 義 ( 自 虚無的無政府主義者加藤 一夫 ノ執筆 ニ係 ル宣伝記事 ヲ掲 ク 由人聯盟機関)
無政府主義
社会主義山崎今 朝弥 ノ経営
ノ後 身 ナ リ
雑誌労働者
ト称 セ リ
下
流
建
層
設
者
弾
民
月
月
月
刊
刊
刊
社会主義 ( 社会 主義団体思想研究 会 ノ機関紙)
共産主義
均 一派ノ機関)
共産主義
東京市外池袋九 無産 階級 ノ解 放 ヲ主 張 シ ボ ル セビ ズ 思想研究社 ム ニ資 ス ル過 激 ノ記 事 ア リ
山
川
田
淳
正
亮
吉
巌
三
一
東京市 京橋 区月島本仲 通九 四 社 会 思 想 社
東京市神 田区北甲賀町一 二 黒 労 社 宮 越 信 一郎
東京市外代 々幡幡 ケ谷四〇 無産階級社 市 川
東京市外大森 新井宿 五九二 社会主義研究社
東京市外代 々木 大山 一〇 四四 種蒔き社 今 野 賢
和
東京市外池袋 九三〇 建 設者同盟
東京市外青山原宿八 五 ボ ル セビ ズ ムヲ鼓 吹 シ無 政 府 主義 ヲ 流 弾 社 藤 岡
排 撃 セ ント ス ル記 事 ヲ掲 ク
ル記 事 ヲ掲 ク
シ テ主 ト シ テ海 外 社 会 運 動 ヲ紹 介 ス
新 人会 一派 ノ大 学 卒 業 生 等 ノ機 関 ニ
共産主義 ヲ主張 シ階級 闘争労働問題 等 ニ関 スル過激 ノ記事 ヲ掲ク
関 スル記 事 ヲ掲 ク
ム﹂ 及 共 産 主義 ノ各種 研究 、宣 伝 ニ
山 川 均 等 ノ執 筆 ニ係 ル ﹁ボ ル セビズ
ク
﹁ボ ル セビ ズ ム﹂其 他宣 伝 記 事 ヲ掲
社会主義 ( 建設 外国社会 運動及共産主義社会主義宣 伝 ノ記事 ヲ掲ク 者同盟機関)
月
刊
共産主義
共産主義
種 蒔 く人
月
刊
刊
社会主義研 究
月
無政府主義
社 会 主義 ( 山川
無産 階級
刊
刊
月
働
月
者
労
社 会思 想
一派 ノ経 営
近 江 谷駒 等
ニ係 ル
月
刊
外
局
刊
国
刊
方
月
月
地
民衆 の意思
民
旗
層
赤
衆
下
民
解 放 運動
社会 通信
外
国 家 社会主義 (高畠素之 一派 ノ 機関紙)
共産主義 、無政府主義 ノ攻撃記事 ヲ 掲グ
正
社会 主 義 的 立 場 ヨリ各 種 ノ問 題 ヲ批
東 京市外西巣鴨 町池袋 一六二九 民 衆 社 相 馬 秀
夫
評 宣 伝 セ ムト スル モノ
盛岡市下厨 川木伏 一二三 下層民社 横 田 忠
社会主義
資本主義 ヲ否定 シ現社会制度、組織 ノ破壊 ヲ高唱 ス
部
社会主義
社 会 主義 ノ地 方 宣伝 ヲ目的 ト シ之 等
盛岡市油町四九 牧民会本 部
ノ
社会 主 義 ( 牧民
ノ記 事 ヲ掲 ク
居 直
名古屋市中 区上前津町 社会 通信社 鈴 木
人
楯 夫
大阪市南区勝山通三丁目五五 ノ 一 解放運動社 和 田神 刀 男
武
石 川 金 次 郎
会 一派 ノ機関紙)
社会主義 宣伝記事 ヲ掲載 ス
共産主義 乃至無産階級解放 ニ関 スル 過激 ノ記事 ヲ掲 ク
長野県岡谷 二七五 民 衆 社
社会主義
社会主義
ノ 部
ス ク ラ
軍人 労働者農民
イ
不
明
刊
共産 主 義 ( 片山 潜 一派ノ機関)
共 産 主義 ( 在米 邦人共産主義者 ノ 機関紙)
在 露 邦 人 共 産 主義 者 ノ経 営 ニ係 リ不 穏 、不 敬 ニ渉 リ極 メ テ過 激 ノ記 事 ヲ 掲ク
在露邦人共産主義者
オ ー カ スホ ー ム
井 上律 太 郎
紐 育 東 八 十 一番 街 三 五 ハンガ リ ア ン
イ スク ラ社
不明
不明
内 地輸 移 入
ル
ヲ禁 止 セ ラ
ぬ 時機 に遭 遇 し乍 ら革 命 を起 す こと が出 来 な か つた 、 そ れ は未 だ我
を起 さ な け れ はな ら ぬ、 今 迄 我 々は 幾 回 と な く革 命 を起 さ ねば な ら
内 地及 在 留 邦 人 同 志 ト提 携 シ テ ﹁ボ ルセ ビズ ム﹂ 宣 伝 記 事 ヲ掲 グ
大 正 十 一年 九 月長 春 ヨリ内 地 同 セ ル モノ ニシテ在 露 邦 人 共 産 主
何 日革 命 を起 す か 、 そ れ は 二 ケ年 以 内 でな け れば な ら ぬ 、 日本 の経
丈 の力 を慥 ら し た 、革 命 の鍵 は既 に労 働 者 に握 ら れ て居 る 、然 らば
︹ママ︺
々 の力 が足 り な か つた か ら で あ る、 併 し 今 や我 々は革 命 を遂 行 す る
義 者 ノ機 関 紙 ト 認 メラ ルヽ印 刷
済 状 態 は 二ケ年 以内 に行 詰 つて終 ふ、 さう し て失 業 者 は急 速 に増 加
志 ニ郵 送 セ ント セ ルヲ発 見 押 収
物 記 事 ノ 一節 ナ リ
す る失 業 者 餓 へた る者 は真 の我等 の味 方 で あ る失 業 者 が 増 へれ ば増
へる程 我 等 の陣 営 を し て益々 強 か ら し む る所 以 であ る、 それ丈 け敵
は敵 の免 る べ から ざ る 運 命 であ り 、革 命 は 我 々 の起 さな け れば な ら
の陣 営 は 弱 め ら れ る の であ る 、資 本 主 義 経 済 の行 詰 り生 産 過 剰 失業
前略
ぬ任 務 で あ る、 そ の資 本 主義 経済 の行 詰 り は 正 に 一九 二四 年 の秋
業 と の交 代 的 連 続 であ る生 産 過 剰 は失 業 を生 み 、失 業 は饑 餓 を 生 む 、
ば な ら ぬ資 本 主 義 の社 会 組 織 は 必然 的 に景 気 と 生 産 過 多 と 過 労 と 失
産 機 関 を停 止 し最 初 の 一撃 を 与 へな け れ ば な ら ぬ同 時 に電 光 石 火 的
労 働 者 の総 同 盟 罷 業 でな け れば な ら ぬ 総 同 盟 罷業 に依 て資 本 主 義 生
然 らば 我 々は 如 何 にし て革 命 を 起 す べ き か 先 づ第 一の烽 火 は全 産 業
三
︹マ マ︺
革 命 は い つ来 る か でな く し て、 い つ起 す か で あ る、 ど う し て起 る で
至 つて最 高 頂 に達 す る、 そ の時 こそ 我 々は革 命 を起 す べき であ る
饑 餓 は死 の先触 れ てあ る饑 餓 と 死 を 免 れ ん と欲 せ は何 うし て も革 命
直 に起 すと 云は ぬ、 そ こ には 矢 張 り社 会 経 済 の行 程 を直 視 し な け れ
な くし て、 ど う し て起 す か であ る 、 と 云 つて我 々は 無 謀 無 成算 に今
革 命 か死 か
軍 人 、労 働 者 、農 民 ( 抜萃)
[不穏宣伝文数種]
月
ば な らぬ 、 革 命 委 員会 は直 ち に革 命 擁 護 の 労 働 軍 ( 赤衛 軍) を 組 織
に全 産 業 労 働 者 は直 ち に代 表 委 員 を選 び臨 時 革 命委 員 会 を 組織 せ ね
に差 向 け ら れ た軍 隊 兵 士 諸 君 は そ の時 こそ兄 弟 に発 砲 す る のを 止 め
て 一揆 を起 し 土 地 を 収 用 せ ね ば な ら ぬ 、又 スト ライ キ暴 動 一揆 鎮 圧
都 会 の労 働 者 が 都会 を 占領 し た と 云 ふ報 に接 し た農 民 は直 ち に立 つ
の完 成 を待 つて産 業 管 理 権 を 地 方 々 々 の ソビ エツ ト に委 す の であ る 、
糧 は 諸 君 の掠 奪 勝 手 次 第 と な る であ ら う 、其 の時 に於 て諸 君 は 奴 隷
家 を殺 し 、 地主 を刺 し 将 官 を 撃 つこと も出 来 る で あ ら う、 住 宅 と 食
諸 君 が多 年 虐 げ ら れた 恨 は 始 め て そ の時 晴 ら さ るゝ で あ らう 、 資 本
五
直 に革 命 軍 に投 ぜね ば な ら ぬ
し政 治 家 富 豪 を捕 縄 し 非 常手 段 を以 て権 力 を奪 取 し 軍 隊 を 解散 さ せ 、 共 産 主 義 の標 語 を 以 て全 産業 及財 産 の私 有 を廃 し 一切 を 一時 革 命 委
そ の政 治 的 綱 領 は 共 産 党 の主 張 に従 ふ ので あ る
の鉄 鎖 から解 放 さ れ饑 餓 死 か ら救 は れ る であ ら う
員 会 に依 つて管 理 しな け れば な ら ぬ 、斯 く て徐 々に地 方 ソビ エ ツト
そ う し て完 全 に反 動 革 命 を 鎮 圧 し資 本 主 義 を亡 ぼす 迄 は 共 産 党 労 働
諸 君 の人 生 は光 り輝 く で あら う
東 京 神奈 川 大 阪兵 庫 地方 ノ貴 顕 富 豪 ニ宛 郵 送 シタ ル モノ
者 の断 乎 た る独 裁 を強 行 せね ば な ら ぬ 、斯 く し て真 の社 会 革 命 を 始
決 被 告 汝 ヲ死刑 ニ処 ス
判
死刑之宣告
め て遂 行 す る こと が出 来 る 四 併 し 諸 君 よ 諸君 は全 労 働 者 の自 覚 に待 つ総 同盟 罷 業 の困 難 を知 る で
そ れは勇 敢 な る諸 君労 働 者 の革 命 的 行 為 の前 に解 決 さ れ る であら う 、
あ ら う 、然 し 一斉 に手 を つかね る総 同 盟罷 業 は困 難 であ る而 し 諸 君
ゴ ウゴ ウと 廻 転 す る機 械 の下 に活 動 す る幾 万 幾千 の労 働 者 あ りと せ
機 械 廻 転 は中 止 し 自然 そ の工場 は罷 業 せね ば な ら ぬ の であ る 、 そ の
る、 少 数 の勇 敢 な る労 働 者 に依 つて そ の発 動 機 を 破 壊 し て見 よ直 に
ヲ毒 ス
啖 ヒ巨 富 ヲ積 ミ傲然 ト シ テ社 会 ノ上 流 ニ位 シ遊 惰 淫楽 ヲ事 ト シ社 会
汝 多 年 商 工業 ノ名 目 ヲ以 テ法 律 ノ援 護 ノ下 ニ労 働 者 ノ血 ヲ吸 ヒ肉 ヲ
由
理 を社 会 に押 拡 め た時 諸 君 は直 ち に明 確 な 革 命 的 手 段 を念 頭 に描 く
其 ノ罪 ハ革 命 刑 法 第 二 条 ﹁ブ ルヂ ョア的 殺 人 常 習 ハ死 刑 ニ処 ス﹂ ニ
理
但 シ刑 ハ向 フ三 ケ月 以内 ニ執 行 ス
であ ら う 諸 君東 京 の生 産 機 関 運 輸 機 関 の大 半 の動 力 が 四 ツ の水 電 会
よ そ の労 働 者 達 は機 械 が 廻転 せ ねば 就 業 す る こと は出 来 な い の で あ
社 から 供 給 さ れ て居 ると 云 ふ こと を知 つた時 電 光 の如 く 諸 君 に或 る
革 命 裁 判所 判 事
該当 ス
斯 く て 一度 び東 京 に車 命 の烽火 を上 げ ら るゝ や大 阪 、神 戸 其 他都 会
ヲ実 現 セ ンカ為 メ ニ社 会革 命 ヲ断 行 セ ント ス依 ツ テ革 命 ノ血 祭 ニ汝
吾 人 ハ今 ヤ根 本 的 ニ現在 ノ掠 奪的 社 会 組 織 ヲ改 変 シ共 産 自由 ノ社 会
実 行 の方 法 が 湧 き 出 づ る で あ ら う
労 働 者 は 又直 ち に それ に応 し 凡 の都 会 を占 領 し て終 ら ね ば な ら ぬ 、
等 ノ頭 ヲ挙 ク ヘキ者 也
革 命 執 行委 員 会
( 各地軍隊 ニ頒布 セルモノ)
こん な月 並 な文 句 は ど う でも良 いと し て、 さ て大 正 十年 も も う暮 れ
謹 賀 新 年
た 、実 に光 陰 は 矢 の如 く時 の流 れは 早 い、 だ が社会 のド ン底 を流 れ る目 覚 め た る民 衆 の正 義 を要 求 す る思 想 の進 行 は よ り 以 上 に早 い 、
の道 具 に使 は れ る べ く オ レ達
オヽ 兄 弟 よ 血 税 を 払 へる其 の軍 人 、無 産 者 た る兵 卒 よ モ ー大 正十 一 けん や 、市 場 奪 争 いぬ
は余 り に進 歩 し て いる筈 だ
年 だ、 掠 奪 階 級 の番
月
調
伝
兌換券 紙 幣
文
ノ
正義
を採 れ、 今 や 正 直 にし て勤 労 な る憫 れむ べ き 大多 数 の大 和 民 族 は彼
等 少 数 の絞 血 掠 奪 階 級 の為 め餓 死 せ んと し つゝあ る 、起 て︱
要
内務省警保 局
日本 在 郷 軍 人革 命 団本 部
の剣 を 振 つ て彼 等泥 棒階 級 の首 を 刎 ねろ 而 て七 千 万 の同 胞 を救 へ
自 一 月 至 十 一月
大 正 十 一年 一月 元 日
大正十 一年
赤紫色 ペ ン書 兵庫県谷川駅岡 田忠行発見
摘
兌換券 宣伝文記入 紙 幣調
自 一 月 至 十 一月︶
容
(大 正 十 一年
内
団 緑 色 ペ ン書
C
群 馬 県 桐生 尋 常 小 学 校 学 用 品 共 同 購 売 部員 発 見 、桐
脇
(裏 面)
赤色 イ ンキ書 大分県北海部郡津久見町雑貨商 麻生金治 カ売溜金中 ヨリ発見
転 ゝ シ同 校 ニ至 リ シ モノ
生 市 牛 肉 店 宮 盛 太 郎 カ何 人 ヨリ カ受 ケ 取 リ シ モノ カ
( 裏面)
我 々無 産 階 級 よ 宜 し く 団結 し て革 命 を起 せ かく し て
起 てよ 白 屋襤褸 の子
あゝ 革命 は 近 づ け り
あゝ 革命 は 近 づ け り
我 々の自由 を得 よ 諸君 、革 命 は 近け り
西
共産主義宣伝 ス
赤化 セ ヨ
( 裏 面)
宣
宣 伝 文 記 入
五拾銭 紙 幣
五拾銭 紙 幣
五拾銭
M
す べ て の型 式 を捨 てデ ク の坊 の崇 拝 止 め ろ、 そし て正義 の為 め に剣
日
幣又 ハ 発見月日 紙 兌換券 ノ別
一
月
四
一
月
十四日
二
日
月
四
二 日
月
四
二 日
月
十
二
月
十 五日
二
月
廿七日
二
銭 幣
銭 幣
紙 幣
拾 紙
拾 紙
銭 幣
拾 銭 紙 幣
拾 紙
五拾銭
醒 め よ市 井 の貧窮 児 見 よ我 が自 由 の楽 園 を いざ 起 て君 よ 革 命 は
蹂躙 し た るは何 者 ぞ
面)
我等 の前 に近 づ け り ( 裏 国 の天 皇 が何 にな る 諸 君 考 へて見 給 へ 実 に我 々は かく 思 ふね い心 にき か れ ん こと を たゞ 天 皇 は お つき の者 のた め に 名誉 を え て る何 ん の 実力もな い ( 裏 面) 過 激 思 想 に感 染 し 思 ふ女 と だ き寝 し た く ば 花 の都 の岩 滝 の町 の
ペ ン書
長 野 県下 埴 科郡 戸 倉 村 金 子 新 カ坂越 町 新 聞 売捌 所 小 リ発 見
宮 山 方集 金 人 ヨリ釣 銭 ト シ テ受 ケ取 リ シ モ ノヽ中 ヨ
硬筆 京都府綾部 駅物品販売店 ニ於 テ発見 島根 県周吉郡東郷村字大久、三浦観四郎 (二十三歳) ノ所為 ナ ル疑 ヒアリ
ペ ン書 ︹ 長町 カ︺ 石 川県 金 沢 市 長 土 塀 四番 丁 鉄 道 省 書 記 稲穂 方 ニ於 テ
西 光 寺 に皆 集 れ
豆 腐 行商 人 ヨリ釣 銭 ト シ テ受 取 リ シ モ ノヽ中 ヨリ発
(裏 面) 大 日本 帝 国 は今 や諸 外 国 の飼 食 な り ⋮ ⋮
見
⋮ ⋮ (不 明 ) ⋮ ⋮○ ○ ○ ○ 境 遇 な り
山 口県 熊 毛 郡 三 丘村 煙 草 小 売 人 河合 一郎 発 見
ペ ン書
上 記橋 本 ハ農 家 ニシ テ長 一 ハ性 行共 ニ善 良 ナ ル モノ
面)
ペ ン書 大阪市北区堂島浜通 一丁目武貞仲買店員尾本礼造 カ 岡山県下 ニ於 テ発見
ナリ
( 裏
面)
山 口県豊 浦 郡 川 棚村 橋 本 長 一ヲ殺 セ
( 裏
こ の資本 を守 り自 ら増 殖 す る に孜 ゝと し て日夜 働 く
資 本 は な るほ ど国 家 に も人 民 に も必 要 であ り ま す が
日 詳
附
紙 幣
拾 紙
不
月 附 詳
銭 幣
二 日 不
弐拾銭 紙 幣
五拾銭 紙 幣
月
月 附 詳
日
二 日 不
三
五拾銭
月 壱 円 兌換券 日
八
四 六
四 月
︹ま いカ︺
カ発 作 的 ニ書 キ シ モノ ナ ル コト 判 明
労 働 者 は 一層 国 家 に必 要 と し な け れば な り ま す から 、 岡 山 県 上房 郡 高 梁 町 大 字 内 山下 高 梁中 学 生 長 尾 宏 也 り は酷 使 され あ ま つさ へ社会 か ら冷 遇 され る のは ど
然 る に此 の国 家 にな く て は な ら ぬ労 働 者 が資 本 家 よ
ペ ン書
みな さま も 少 し お考 へ下 さ い
う し てゞ せ う
右 記 長 尾 宏 也 ノ所 持 セ ル ヲ発 見
面)
(裏
面)
ペ ン書 岡山県御津郡新 山村大字尾原 医師河原猛夫発見
プ ロ レ タ リ ア の悲 哀
( 裏 労 働 者 の楽 園 は社 会 主 義 の国 家 な り 革命 は近づけり 面) ク ロボ ト
(裏 信 ゼ ヨ 義 ヲ 見 ラ セ ザ ル ハ勇 ナ キ ナ リ
千葉県山武郡成 東町土屋勝利、鈴木 一衛 ノ二名 カ同 所鉄道線 路附近 ニ於 テ拾得 セシ モノ
忠孝 両道 松風堂主人 公称 新 日本 ヲ立 ヨ ︹一字不明︺ 大 ハ□ 国 赤化 セ ヨ ペーパ 長居氏 小川氏 長居氏
青色 イ ンクペ ン書 福岡県遠賀郡戸畑町字浅汐町古物商島 種吉発 見
広島県尾道市十 四日町歯科医岸田真喜 太発見
目 覚 よ労 働 者 、 天 吾 に与 ふ 自 由 と 平等 を 、奪 へ選 挙 権 倒 せ
面)
資 本 家 吾 に与 へず んば 死 を ( 裏
国 賊 原敬 ヲ葬 レ 一厚 顔 無 恥 ナ ル現 内 閣 ヲ倒 セ
十
月
日
紙
五 日
月
幣
四
四
月
銭 幣
壱 円 兌換 券
五拾銭 紙 幣
壱 円 兌換 券
五 日
二十 日
八
五
月
拾 銭 紙 幣
月 拾 紙
七
日
廿三日
八
面)
一政 党 政 治 ヲ 一掃 セ ヨ ( 裏
ト
社会 主 義 ハ二十 世 紀 ノ花 ナ リ、 社会 主 義 ハ共 産 主 義 ヨリ有 益 ナ リ 、 マル サ ス人 口論 ハ反 対 ナ リ
面)
ペ ン書 東京市麻布区網代 町二番地菓 子商鈴木市平 カ売溜金 中 ヨリ発見
Daifutsu.
スベ カ ラ ク ニ ュー マル サ ス主 義 ヲ採 用 セ ヨ
( 裏
高知県吾川郡伊野 町字津野 町中岡茂吉方紙付工川田 必然 にせ よ偶 発 的 現象 にせ よ富 豪 貴 族 の存 在 は社 会 亀 寿 カ製 紙業主 ヨリ給料 トシテ受取 リシ金銭 中 ヨリ 発見 起 て全 国 労働 者 は結 束 せ よ
福岡県小倉市外砂津小倉牛乳共同販売所員発見
店 員 カ発 見 シタ ル モノ
字 稲 田呉 服 商 東 平 造 方 ニ於 テ行使 セ ント シタ ルヲ同
大 阪府 下 中 河 内 郡 楠 根 村 鍛 冶 職 川 口 槌 三郎 カ同 村 大
濃 青色 ペン書 青森 県南都留郡大鰐村醤油味噌醸造株 式会社 ニ於 テ 売溜金中 ヨリ発見
の癌 種 に等 し 須 く 不 労 所 得 を な す紳 士 閥 を打 破 せ よ、
爆 弾 か暴 力 か起 て !! ( 裏面右隅)
面)
ツ テ世 界 万 民 ト幸 福 ヲ共 ニ セ ン起 テ皆 起 テ
吾 人 ハ正 義 ノ為 メ資 本 主 ト闘 ヲ辞 セ ス同 志 ノ士 ヲ募
( 裏 吾 等 は大 和 民 な り
米 国 何 ぞ恐 るゝ に足 ら ん や 不道 悪 逆 な る米 国 を 征 服 せ し む る に あ り
吾 等 が使 命 は神 剣 を奮 ふ て 起 て よ国 民 秋 将 に来 た れ り 義 を見 て せざ るは 勇 な き な り (裏面上余白) 革 命 ノ後 ニ生 ル ( 同右余白) 美 シ キ花 園 ノ世界 革命 ハ
(裏 面)
七
月
月
十 三日
八 廿 三日
八
五拾銭 紙 幣
五拾 銭 紙 幣
月 拾 銭 紙 幣
廿 五日
新社会 ノ
面)
建 設 ノ母 ナ リ ( 裏 有 産 類 ヲ斃 セ
ペ ン墨書
シタ ル モノ ヽ中 ヨリ発 見
山 口県 北 都 留 郡 郡 書 記 武 藤 斌 カ県 税 滞 納 者 ヨリ収 金
二号活字 ニテ押 捺 大阪府編入普通要視察人矢島 三男也 カ南 区難波新地 五番 町志賀理髪店 ノ雇人稲村喜 重ト交換 シ所持 セル モノナリ
ハ平和 ヲ叫 ベ
而 シ テ吾 々無 産 者
( 裏 面) 時代 の要求 国 民 の叫 び 天皇 陛下及皇族 全廃国民自覚
神奈川県小田原町関東銀行小田原支店 ニ於 テ発見
京都市上京区新 町通上立売上 ル安楽小洛町乾物商中 村 源次郎 発見
兵庫県加東郡滝野村高 岡小柴熊次郎 ノ郵便貯金中 ョ リ発見
我大日本帝 国民 よ 共産主義心 を 発揮 せよ 共産主義浜松支部 面)
我 ハ貧 ナ ル汝 ヲ
貧 者 ハ富 者 ヲ倒 セ ヨ
( 裏 月
なるか 明治 維 新 明 日な り誰 も 知 るも のな し然 れ共 維 新 は 既
( 裏 面) 無 政 府 主 義 の実 現 は 最 近 の確 保 な り革 命 の何 日何 時
愛 スベ シ
九
五拾 銭 幣
日 紙
月 日
壱 円 兌換 券
五
九 八
︹マ マ︺
に過 去 の夢 と な れ り 然 れ共 来 る べき 革 命 は 来 らず し て止 まず
汝 以政者 は目を醒し て国難 に当 れ
九
月
拾 紙
銭 幣
月 五拾銭 紙 幣
日
十 一日
十 二
十
壱 円 兌換券
五 円 兌換券
月 五拾銭 紙 幣
月
十三日
十 十四 日
日
十 一月 三
( 裏
面)
大 貧 弱 ノ日本 之 ニ 供 フ馬 鹿 政 府
( 裏 面) 時代 ノ要 求国民 ノ叫 ビ 天皇陛下及ビ 皇族全廃 国民自覚 ( 裏右端) 階級を打破せよ ( 〃 左端) 我 等 の エ ンゼ ルは 何 を呼 ( 裏面左方) 汝 は パ ンの為 め 身 も 心 も な き小 鳥 の如 し
縛 さ れ た る自 由 の天 地
吾 人 ハ正 義 ノ為 メ資 本 主 ト闘 ヲ辞 セズ同 志 ノ士 ヲ募 ツテ世 界 万 民 ト福 ヲ共 ニ起 テ皆 小 倉 牛 乳
ペ ン書 兵庫県津名郡岩屋町仲 ノ町九八三医師 近藤有隣 ハ薬 価集金中 ヨリ発見
一号活字朱肉捺印 神戸市 三宮町 一丁目理髪業加藤梅太郎方揚金中 ヨリ 発見
シ テ受 ケ シ モノ ヽ中 ヨリ発 見
福 島 県伊 達 郡 大 田村 役 場 助 役 カ福 島 市 ニ於 テ釣 銭 ト
ペン書 兵庫県城崎郡 日高村在但馬銀行 ニ於 テ発見
若松 市 本 町六 丁 目 呉 服 商 久 留 米 屋 ヨリ釣銭 ト シ テ受
福 岡 県 若 松 水 上 署 勤 務 防 疫 官 吏 相 馬 彦 馬 カ十 月卅 日
ケ 取 リ シ モ ノ ヽ中 ヨリ発 見
社会主義其 ノ他 ノ宣伝歌詞 安
課
一 163
保
一 水 平 社 の 歌 丁
二 641
録
二 革 命 歌
三
目
三 暁 民 の 歌
四
16 4
四 労 働 歌
四 165
一〇
八 166
五 165 八 166
165
五 メ ー デ ー の 歌 六 露西 亜 革 命 歌
八 新 革 命 歌
七 借 家 人 同 盟 行 進 歌
九 メ ー デ ー の歌 一〇 同 デ ツ カ ン シ ヨ節
一一
一〇 168
168
一 一 労 働 祭 の 歌
一一
168
一二 労 働 祭
一 三 169
168
一三 普 通 選 挙 の 歌 (虚 無 党ノ 歌 )
一二 16 9 一三 169
一四 テ ロ リ スト の歌 一五 革 命 行 進 歌
一七 水 平 歌
の 歌
一六 水 平 社 宣 伝 歌
水 平 社
いざ 起 ち 挙 れ 三 百 万
目醒めよ同胞三百万
団 結 す る は今 な る ぞ
叫 べ よ 兄 弟 諸共 に
社 会 の暗 黒 と戦 は ん
(1)起 て よ同 胞 三 百 万
水平 線 上 の人と な り
正 義 を頭 に頂 き て 理 義 人道 を忘 る ゝな
(2)目 醒 め る時 は今 な る ぞ
(3)吾 水平 の運 動 は 正 々堂 々只 管 に
血 涙 史 をば 如 何 に せん
虐 げ ら れ し を知 らざ る か
踏 む べ き道 は 一筋 ぞ
黙 す る時 に や あ ら ざら ん 吾 等 も彼 等 も赤 子 な り
(4)有 ゆ る事 を奪 は れ て
思 へば 全 て惨 虐 の
(5)吾 等 が祖 先 伝 来 に
尚 団 結 の力 あ り
如 何 で晴 ら さ で置 く べ き や
正 義 人道 を振 り 捨 て ゝ 彼 等 は祖 先 の敵 な るぞ
吾 等 は 寒 く 飢 え た れ ど
(6)噫 積 年 の此 の恨 み
(7)知 ら ず や清 き 此 国 に 自 由 を 虐 みせ し古 の
絶 叫 し つ ゝあ ら ざ る か
団 結 必 ず 忘 る ゝな
意 義 あ る社 会 を 現 は さ ん
正 義 の刃 振 かざ し
忘 る ゝ勿 れ兄 弟 よ 彼 等 は 社 会 の敵 な る ぞ
(8)吾 等 が受 け し 惨虐 を
よ き 日 の来 る を楽 し み に
︵因 9) 襲 城 壁 打 破 り
(水 ) 10 平 線 上 に浮 ば んと
一 四 169 一 六 170
革 命 歌
三重 水 平 社 伊 賀 本 部
奮 へ共 に兄弟 よ
社会主 義者等 カ各種ノ機会 ニ ) ( 頒 布 シ又 ハ放唱 シ居 レルモノ
( 大正七年七月十 七日禁止)
起 てよ叫 べよ 兄弟 よ
︷ 醒 め よ市 井 の貧 窮 児
嗚 呼 革 命 は 近 けり
明 治 四 十年 頃 築 比 地仲 助 ノ作 ニ成 レ ル モノ ニシテ 神 田錦 輝 館 ニ於 ケ ル暴 動 事 件 ( 社会主義者沿革 第 一 編五八丁裏 面五行 以下第 二版 ノ分 ニアリテ ハ六三丁裏 面 十 二行以下参 照) 以来 盛 ニ合 唱 セリ
嗚 呼 革 命 は 近 け り
飽 迄 自由 を要 求す
我等 は何 時 迄 屈 せ ん や
壊廃 し た る は何 奴 ぞ
し た る は何 者 ぞ
起 て よ白 屋 繿 縷 の児 見 よ我 自 由 の楽 園 を 蹂躪 見 よ我 正 義 の公 道 を 圧 制 横 暴 迫 害 に ︹ 脈︺ 我 胸 々の熱 血 は
彼 等 の為 に殺 さ れ き
台 珠 閣 の為 に照 る
寧 ろ墳 墓 を撰 ば んと
彼 等 の為 に餓 死 し た り
我等 に自 由 な から ず ば
秋 玲瓏 の月 さ へも 瑶
争 ど 報 ひ て止 む べ き や
権 門 勢 家 の為 に咲 き
我 児 は曾 て戦 場 に ︹ 痛︺ 老 た る父 も 勇 ま し く
な ほ団 結 の力 あ り
絶 叫 し つ ゝあ ら ざ る か
嗚 呼 積年 の此 の怨
我 等 の前 に近 け り
我同 胞 は露 国 に て
我 等 は寒 に飢 へた れ ど
春爛 漫 の花 さ へも
嗚 呼 立 て君 よ革 命 は
工女 は梭 を 執 て立 て
農 夫 は 鋤 鍬 を 執 て起 て
鉱 夫 は鶴嘴 執 て起 て
樵 夫 は斧 を執 て起 て
や が て染 出 す赤 色 旗
石 よ何 故 飛 ばざ る か
反逆 す べ く絶 叫 せ よ
森 も 林 も武 装 せ よ
高 く 掲 げ て残 虐 に
嗚呼革命 は近けり
我 等 の眥 血下 つ ては
嗚 呼 革命 は 近 け り
(一) 我 等 は 暁 民 自由 の子 我 等 が上 に何 かせ ん
高 き 理想 を望 み て は 階 級戦 の こ ゝろ ざ し
世 の迫 害 も残 虐 も 我 は暁 民自 由 の子
暁 民 の 歌 ( 大正九年十月廿五日禁止)
(二) 我等 は暁 民 自 由 の子 夢寐 に も忘 る能 は ざ る
待 てり 暁 民 自 由 の子
十 六 億 の民 衆 に
断 頭 台 の露 と せよ
街 頭 に斬 れ潔 く
報 いん 時 は 至 り け り
高 く 掲 げ よ赤 色旗
屈 せ ぬ 者 のあ る べき か
夫 れ権 勢 も奪 ふ べ し
征 途 に つか ん時 ぞ今
我 等 の黙 す時 は去 り こ ゝに決 意 の眉 あ げ て
(三) 全 人 類 の苦 し み に
我等一 度 た ゝ ん時
(四) 夫 れ 王法 も破 る べし
富貴 のな せ る悪 虐 に
(五 ) 爆弾 も 飛 べ石 も飛 べ
鬼畜 にも似 し 軍閥 を
) (彼 六残 虐 の資 本 家 を
(七) かく て世 界 に春 来 り 平 和 の花 の匂 ふ日 を
( 本歌詞 ハ思想団体暁民会 一派 ノ作成 シタ ルモノナリ)
( 了)
労 働 歌
ムー ル (河ア の 譜 )
友 愛 会鉄 工組 合 作 ( 大正九年十月五日禁止)
成 果 を奪 ひ貪 り て 資 本 の砦 陥 し い れ
根 幹 堅 し資 本 主 義
魔 の手 は長 く労 働 の
起 て労 働 者 奮 ひ起 て 奪還 す べき 秋 は今
)貪 婪 飽 く な き資 本 家 の (一
我 手 に お の が生産 を 虐 げ ら れし 労 働 者
自 由 の光 仰 が ん と
露 西 亜 の民 を 君 見ず や
青 年 の血 ぞ熱 か りき
(一) アジ ア に続 く北 欧 の 専 制 の雲 き り ひ らき
声 に乱 る ゝ羽 衣 の曲
う たげ を破 る霹 靂 や
玉 盃 の ふ ち溢 ら せ て
ウ ラ ル の雪 に刻 ま れ ん
熱 き血 潮 に彩 り て
叫 びし自 由 黒 海 の
競 ひ起 り し虚 無 党 の
高 鳴 る波 もも のな らず
(二) 或 は村 に 工場 に 反 逆 の文 字 と こし へに
短 か夜 か こ つ歓 楽 の
(二 ) 天 地 ゆ るさ ぬ暴 虐 に 恨 は永 し幾 世 紀
自 由 を叫 ぶ 民衆 の
(三) 咄 国 民 の膏 血 に
永 き 此 世 の不 合 理 を
血 潮 流 れ て河 と な り 起 て労 働 者 奮 ひ起 て
黒 手 は 四方 に拡 がり て
骸 む な し く 野 に朽 ち ぬ
戦 士 を 数 多 シべ リ ア の
志 士 の血 潮 は 専制 の
道 に殉 ぜ るい け に への
正 義 の為 に戦 ひ し
雪 に 埋 め し者 は 誰 ぞ
(五 ) あ ゝ生 き な が ら人 道 の
あ け に染 ま せ し者 は誰 ぞ
魔 王 の牙 を う る ほ し つ
(四) 毒 矢 に似 た る迫 害 の
労 働 自 治 の新 世 界 (了)
尊 き血 も て ギ ロチ ンを
革 命 の使 徒 激 さ で や
血 潮 に今 は曇 り けり
鞘 を脱 せ し復 讐 の
残 虐 いか で熱 血 の
剣 の光 暴 君 の
(六) 天 人 共 に怒 るな る
恢 復 す べき 団 結 の
奪 ひ去 ら れ し人 類 の
一年 一度 の祝 祭 よ
飢餓 窮 乏 の恐 怖 な き 建 設 す べ き吾 々 の
一挙 に屠 り打 ち建 て よ
メーデー の歌 (一) あ ゝ メーデ ー よ メ ーデ ーよ 自 治 労 働 の新 社 会 志 気 を天 下 に示 す べ き
正 義 と 自 由 を 万 民 に
(二 ) あ ゝ メ ーデ ー よ メ ーデ ーよ
死 を 与 へよ の絶 叫 を
海 ど よ も せ る民 衆 が
今 其 鯨 波 に こ だま し て 天 に漲 り 地 に響 き
(七 )聞 かず や森 に野 に山 に 自 由 よ自由 な か らず ば
一年 一度 の祝 祭 よ 地球 を挙 げ て共 通 の
威 力 を世 界 に示 す べ き
歓 び誇 り親 愛 の
刃 を向 けし 戦 ひ や 止む時もなき戦 ひの
プ ロ レタリ ア の祝 祭 よ
(三) あ ゝ メ ーデ ーよ メー デ ー よ
( 八) あ ゝ五 十年 暴 政 に 老 も 若 き も お さ な き も
あ く る自 由 の鯨 波 の声
大地轟け天も呼べ
傷 つき 倒 れ 又立 ち て
労 働 勝 利 の閧 の声
露 西 亜革 命 歌
(九 )あ ゝ革 命 ぞ今 日成 れ る 栄 華 に酔 ひし ロ マノ フの 全 露 の天 地平 民 の ︶ (一〇 亜 細 亜 に続 く 北欧 の 勝 利 に誇 る 目 を挙 げ て 志 士 が 血 汐 のし づ く す ら
双 鷲 つば さ 砕 か れ て 政 府 は こ ゝ にく つが へり
( 右行進曲 ハ大正十年 二月大阪市 ニ於 ケル逸見直造主催 ノ
借家 人同盟大会行列 ヲ行 フニ際 シ撒布 セムト シタ ルモノ)
噫 革 命 は 近 づ い た
醒 め よ全 土 の小 作 人
い よ〓
凱 歌 の声 を 合 す ら ん
立 て万 国 の労働 者
時 は 迫 つた ぞ
露 西 亜 の民 を 君 見ず や 自 由 の為 め に流 し た る
か たま り な ら ぬ 物 は な い
奴 等 の楽 し む 劇 場 も
新革命歌 ( 大 正十 一年八月十四日禁 止)
酬 は れた り と叫 べ る を
奴 等 が 飛 す 自動 車 も
愛 し の民 を苦 し む る
鄙 も都 も到 ると こ
輝 く国 は 日 の本 の
昔 噺 し の勇 ま し さ
鬼 の住 家 に押 し 寄 せ て
源 氏 の大 将 頼 光 は
昔 丹 波 の大 江 山
今 ぞ 横暴 極 みな し
これ ぞ今 世 の悪 家 主
我 欲 の算 盤 振 立 て ゝ
国威 を傷 つく鬼 共 が
今 大 正 の大 御 代 に
首 切 り腕 切 り打 退 治
あ ま た の勇 士 と 諸 共 に
鬼 共 多 く住 みし 時
キ コリは ま さ かり 取 つ て立 て 鉱 夫 は ダ イ ナ マイト 取 れ
あ ゝ革 命 に君 よ立 て
団 結 堅 し モ スク ワ の
噫 々万 国 の革 命 よ
見 よ兄 弟 は 露 西 亜 にて
我 等 が自 由 奪 ふな ら
我 等 の血 潮 は 踊 り 立 ち
此 の圧 制 に迫 害 に
肥 す ば かり で俺 達 は
国 と 国 と の戦 争 は
第 三 イ ンタ ー ナ シ ヨナ ル
無 産 階 級 おし な べ て
早 や革 命 を や つた のだ
む し ろ命 は捨 て やう と
自 由 を求 め沸 き か へる
も う早 や我 慢 がな るも のか
大 事 な仲 間 の殺 し 合 ひ
奴 ブ ル ジ ヨア の懐 を
皆 奴 等 が搾 り 取 る
彼 等 の為 せ る振 舞 は
金 欧 無 欠 の我国 を
兵 士 よ銃 を逆 に取 れ
営 養 不 良 に か ゝり つ ゝ
立 て や 正義 の人 々 よ
討 つは 今 ぞ よ大 正 の
爆 弾 も 飛 べ石 も飛 べ
や つと 作 つた 穀物 は
赤 化 に導 く悪 家 主
共 に祝 ふ て打 樹 て よ
田舎 も 町 も武 装 せ よ
女 工 は オ サ を取 つて立 て
俺 等 が 一年 夜 も寐 ず に
十年 の春 の勲 を
鋭 く つけ よ〓 海 の
農 夫 は竹 槍 引 き し ご き
いざ や繊 弱 き 民衆 よ
打 て や こら せ や鬼 家 主
花 咲 く春 の花 箙
夜 の都 会 を闇 に せ よ
電 信電 話 を た ゝき 切 り
借 家 人 同盟 行 進歌 ( 大 正十年二月 一日)
︵ 社会主義者荒畑勝 三ノ作 ニ依 ルモノナリ)
皆 俺 達 の血 と 汗 の
( 了)
先 づ 監獄 を打 壊 し 打 つは 御 国 の為 な る ぞ
鉄 道 の要 所 を破 壊 せよ
打 つは 御 国 の為 め な る ぞ
かく て世 界 が俺 達 の
食 料財 貨 を奪 ひ取 れ
俺 等 のボ ロ家 焼 き払 ヘ
手 に帰 す る と き万 民 の
ブ ルジ ヨア社 会 を覆 せ
屋 敷 別 荘占 領 せ よ
断 頭 台 上 血 のし ぶ き
流 星 一度 西 に飛 び
世 は永 遠 の秋 にし て
秋 水 去 り て十 余 年
我 革 命 を し のぶ かな
あ ゝ俺 達 の同 志 等 よ
自由 と平 和 と 友 愛 の 覚悟 は よ い か俺 達 の
社会 を皆 で造 る の だ
赤 旗 一度 破 れ ては
反逆 の血 は沸 る か や
我 は 立 ち な ん追 憶 に
我 は 登 り ぬ断 頭 台
同 志空 し く露 と 消 え
我 は歌 は ん革 命 歌
今 あ の様 を思 ふ かな
あ ゝ追憶 は悲 し け れ
再 び街 に叫 び ては
船 を 浮 べ て雲 行 方
噫 々生 命 の断 末 魔 愛 郷 出 て 二十 年
赤旗 高 く飜 せ
赤 旗 再 び破 れ ては
我 は 走 れ る スネ ー プ の
村 も巷 も赤 く せ よ
反逆 の子 は語 ら ひ て
聖 者 の墓 に ひ ざ ま つき
オ ロラ の元 に我 泣 き ぬ
流 す血 潮 で染 め上 げ た
ヤ スナ ヤポ リ ナ の夕 ま ぐ れ
森 に憂 苦 の胸 抱 き
二度 赤旗 か ざ す時
我 は歌 ひ ぬ革 命 歌
あ ゝ反 逆 の熱 血 で
( 了)
伝 統茲 に 三 千年
我 が提 げ ぬ革 命 旗
時 は迫 つた ぞ
噫 々我愛 す る兄 弟 よ 妖 雲 更 に 天 を蔽 ふ
迷羊 未 だ醒 めず し て
いよ〓
惑 溺魔 風 地 を蔽 ひ
鉄腕 高 く う な ると も
今 尚 我 は仰 ぐ か な
噫 々革 命 は 近 づ いた
スト レー シ ツプ の兄 弟 よ
独 断暴 戻 ルイ皇 帝
見 よ モスク バ の十 字 街
オ ロラ の元 に呻 き け り
やが て文 化 の花 園 に
今 飛 び散 ら ん血 の し ぶき
今 又何 を か 云 ひ つら ん
あ ゝ父 母上 い ざ さ らば
我 は行 かな ん ユ ート ピ ア
紅 こぼ る ゝバ ラ の花
焔 と な り て血 を 焼 け よ
只民衆よ迷羊よ
我 愛 人 よ いざ さ ら ば
あ は れ捕 は る革 命 児
白 皚 の シべ リ ア の
ロ マノ フ王 朝今 何 処
革命 の児 よ い ざ さ らば
我 は 悟 り ぬ命 な りと
高 原 の ロバ早 醒 め
知 る や朔 風声 あ る を
断頭 台 上 今 立 ち て
呪 天 の焔 天 を焼 く
さ ら ば 何時 か は 亡 さ ん
朔 風 未 だ消 へざ る に
噫 吾 が愛 す る兄 弟 よ
さら ば 何時 か は死 す べき を
レ ー メイ の鐘 響 く な り
此 の暴 戻 のケ イ ゲイ を
革 命 の旗 飜 り
尚 も 汝 は さ迷 ふ や
此 の脈 々 の熱 血 も
朔 北 の風 狂 ふ頃
日 比 谷 の原 頭 紅 の
灰 つき 散 り て蹟 も な し
紅 東 天 に漲 り て
見 よ北 闕 は炎 上 し
( 了)
大地轟け天も呼べ
世界万国共通 の 歓 び誇 り親 愛 の
プ ロ レタ リ ア の祝 祭 日
恢 復 す べき 団 結 の
奪 ひ去 ら れ し人 類 の
プ ロ レタ リ ア の祝 祭 日
饑 餓 窮 乏 の恐 怖 な き 建 設 す べき 吾 々 の
メ ーデ ー の歌 (﹁あゝ玉杯 に花受けて﹂ の譜) (一) いざ 立 て友 よ 奮 ひ立 て 自 治 労 働 の新 社 会 偉 力 を 天 下 に示 す べ き
正義 と 自由 の生活 を
(二) いざ 立 て友 よ 奮 ひ 立 て
威力 を 天下 に 示す べき (三) い ざ 立 て友 よ奮 ひ立 て プ ロレタ リ ア の祝 祭 よ 労働 勝利 の閧 の声
デ ツ カ ン シ ヨ節
犠 牲 も貴 い労 働祭 ヨイ 〓
デ ツカ ンシ ヨ
花 の乙 女 が そ の血 で染 め た ヨイ 〓
ダ ニに よく 似 た 穀潰 し
今 日 の メ ーデ ーを祝 は ぬ奴 は
聞 い てあ き れ る 一等 国
八時 間 労 働 も や れ な い 国 は
お いら が 居 な け り や世 界 は闇 よ 闇 に葬 れ資 本 主義 世 界 の労 働 者 が お尻 を揃 へ 臭 い資 本主 義 屍 で 飛 ば せ 働 かな い奴 は喰 ふ て は な ら ぬ
( 了)
蒔 か ぬ種 なら 生 えや せ ぬ
労 働 祭 の歌 (﹁ 貧婪飽くなき﹂ の曲)
プ ロ レタ リ ア の記 念 祭
栄 華 の夢 の さ めし 時
此 の双 腕 を さし のべ て 意気と希望と友愛 を
青 葉 の風 を 送 り来 て
(一) 桜 は散 り て貴 人 等 が
(二) 人 類 文 化 の柱 な る 天 下 に 示 せ 我 々が
堅 く誓 は ん自 由 戦
屠 る使 命 我 に在 り
同 志 の意 気 は 天 を衝 き 健 かな れ よ同 志 等 よ
友 よ 今 日 の日 も ろ共 に
(三)暴 逆 無道 の資 本 主 義
︵四︶ お ゝ今 日 の日 は万 国 の 敵 の牙城 に迫 る ら ん
いざ遊 民 に示 さば や
我 等 が汗 の末 に な る 世 界 も闇 と な り ぬ べし
正 義 の赤 旗 き ら め く 日
世 界 の敵 が恐 る ゝ日 世 界 の味 方 は祝 す る日
(五 ) お ゝメ ーデー は何 の日 ぞ
労働祭 ( 譜 一高 の歌) (一) 此 の世 の富 も繁 栄 も 吾 等 が手 を ば 置 く 時 は 汗 の価 の貴 さを
国 の境 を今 日越 へて
賃 銀 奴隷 の屈 辱 に 悲 憤 は同 じ労 働 者
( 二) 国 と 国 と に隔 つれ ど
堅 き握 手 を交 す かな
血 を 以 て染 し 三十 年 金盞 酒 は あ らざ れ ど
団 結 力 を 試 す べ く (三) 史 を 按ず れ ば あ ゝ茲 に 今 日 メ ーデー の祝 祭 に
( 了)
四 十 余 州 の血 は ほと ば し り
こ ゝ に立 ち た る無 政 府 党
未 来 は 我 等 のも のな る ぞ
(メーデーの歌 以下労働祭 ノ歌迄 ハ大正十 一年 五月 一日東京
乾 坤 ゆ る ぐ喊 の声
一揆 反 乱暴 動 起 し
爆裂 弾 を手 に 取 り て
勝 利 を 告 ぐ る 民衆 の
暴 には暴 を報 ひ よと
いざ や勝 負 を決 しな ん
いざ や祝 は ん レボ リ ユシ ヨン
千 代 田 の森 に火 を放 ち
いざ や来 れ よ武 蔵 が原 に
歓 呼 の声 は野 に山 に
フ ル、 フ レ
セシモ同館主任 ヨリ拒絶 セラ ルテ目的 ヲ果 サ ヽリシモノ)
( 大正十 一年 二月 二十 日鹿児島市宝来座 ニ於テ配布 セムト
いざ や祝 は ん レボ リ ユシ ヨン
菊 の花 を焼 き捨 て ゝ
京都大阪神奈川兵庫 ノ各府県 ニ於テ合唱 セシモノナリ)
し か らず ば 死 を与 へよ
我 等 に自 由 を与 へよ
普 通選 挙 の歌 ( 敵は幾万ありとてもの譜) 闇 に嘆 け る其 の声 を 正 義 人道 地 を払 ひ
見よ北欧に西欧に
金 権 世界 を 圧倒 し
(一) 聞 かず や君 よ民 衆 の
戦 ひす で に起 れ る を
[革命行進歌] 革 命 今 や 近付 け り
光 を閉 す 地 の底 に
民 は 悲 し く影 う す し !
自 由 に か わ く民 衆 の
矢 石 舞 は し て奮 ひ立 ち
貧 し き も のに自 由 な く
毒 煙 こも る 工場 に
左手 に鉄 鎖 を たち 切 て
公義 の天 地 み ん た め に
力 に目 醒 め し労 働 者
迫 れ る 姿君 見 ず や
金 も て自 由 を縛 らざ る
右 手 に赤 旗 か ゝげ つゝ
選 挙 の権 利 与 へよと !
正義 は黄 金 に劣 れ る か ?
雄 叫 び高 く 権 勢 に
我 は叫 ば ん平 等 の
公義 の天 地 み んた め に
自 由 を な みす る国 立 つか?
富 の専 制 打 破 れ
目覚 よ 世界 の労 働 者
自 由 に金 の多 寡 あ る か?
(二 ) 君 よ教 へよ 三円 の
選 挙 の自 由 与 へよと !
金 は人 よ りま さ れ るか ?
い ざ立 て君 よ労 働 者
貨 幣 に自 由 の差 違 あ る か ?
金 も て自 由 を 縛 ら ざ る
自 由 の燃 ゆ る胸 の血 に ( 了)
水 平 社 宣 伝歌
(一)
センコトヲ申 込ミシ モ主任者 ヨリ拒絶 セラレタルモノ)
( 大 正十 一年二月二十 日鹿児島市宝来座 ニ於 テ観衆 ニ配付
富 の専 制 打 ち 破 れ
選 挙 の権 利 あた へよと !
我 は叫 ば ん平 等 の 選 挙 の自 由 与 へよ と !
(二月 三日石川県 ニ於 テ香具師ノ 一行 カ配付 シタル モノ ニシテ 不問トナリタ ルモノナリ)
自 由 を無 視 す る暴政 に
テ ロリ スト の歌 ( 虚無党 ノ歌) 天 は許 さず 良 民 の
た てよ 特殊 部 落 民 挙 て起 て よ 三百 万
目 醒 めよ 特殊 部 落 民
不 合 理極 ま る虐 げ に
我 等 は如 何 で許 す べき
我 等 は何 時迄 屈 せ ん や
叫 べ よ 兄弟 も ろ共 に
恨 は長 し 一千 年
突 進 す べき 穢 多 群 衆
復 讐 を誓 ひ て絶 叫 し
血 潮 は 如何 で報 ふ べき
正 義 人道 忘 る ゝな
団 結 す る は今 な る ぞ
我 六 尺 の血 は煮 へ返 り
茲 に競 い て起 ち に け る
六 十 余州 の正 義 の志 士
な る に は必 ず 団 結 だ
人 類 最高 の喚声 に
水平 線 上 の人と な り
正 々堂 々 ひた す ら に 黙 す る時 にあ ら ざ ら ん
茲 に宣戦 布 告 し て
目醒 る時 は今 な るぞ
あ ら ゆ る事 を 奪 は れ て 踏 む べき 道 は 一す じ ぞ
熱 血 も ゆ る青 年 の
我 等 も彼 等 も赤 子 な り し いた げ ら れ た る を知 ら ざ る か
我等 は受 けし 残 虐 を
いざ立 て共 に 三百 万
我水 平 の運 動 に
我等 は さむ く う えた れど
正 義 の刃 を ふ り かざ し
わ す る ゝ勿 れ兄 弟 よ
握手 を す る は今 な る ぞ
双 手 を あ げ て加 盟 せ よ
な ほ 団結 の力 あ り
(三重県水平社本部発行)
凡 て の人 類 は水 平 線 上 に立 ち 上 り よ き 日 のそ うご ん礼 讃 す
(六) 愛 と自 由 の生 活 は人 間 性 の完 成 に飽 く ま で突 進 せ ざ る ら め其 処 に
由 の戦 へ塞 が る悪 魔 を 焼 き 尽 し より良 き社 会 や 人類 に
(嵐 ) 五 の中 の行 動 の中 よ り聞 ゆ る革 命 歌喊 声 起 る ラ ツパ の音 進 め や自
(四) 生 命 力 と 精 神 の力 は軈 て 反逆 の呪 の ほ の ほと 変 り け り今 こそ起 り 狂 ひ起 て三 百 万 の同 胞 は 凡 て の血 汐 呼 び醒 し
(三) 誇 る文 明 の現 代 の共 に同 じ迫 害 に魔 の手 は今 も尚 激 し 吾 等 の歴 史 は血 と 涙 此 の世 の中 のド ン底 に 住 め ど も同 じ人 間 の
るや
る虐 殺 さ れし 亡 霊 は 絶 え な く 現 世 に迷 ふ ら ん吾 等 の祖 先 にあ ら ざ
(二) ま だ飽 き た らず や徳 川 の彼 の非 人道 の政 策 は あ ら ゆ る残 忍 極 め け
(一あ ゝ干 年 の古 き より 穢 多 と 非 人 の名 によ り て な ま暖 き人 間 の皮 は ) は が れ て内 臓 の尊 き 魂 も奪 は れ て暗 き み ち め な 人生 を
水平 歌 ( 大正十 一年九月十七日禁 止)
肉 弾 進 め て起 ち にけ り
我等 が祖 先 伝 来 に
因 襲 城 壁 打 ち やぶ り
団結 必 ず 忘 る ゝな
呼 積 年 此 のう ら み
よき 日 の来 るを 楽 し みに
絶 叫 し つゝあ らざ る か
切歯 扼 腕 血 涙 の 嗚
水 平 線 上 に向 は ん と
振 へ共 に兄 弟 よ (三重県松阪町水平 社三重県本部)
起 てよ 叫 へよ 兄 弟 よ
(二)
茲 に起 た る水 平 社
自由 を 奪 ひ し惨 虐 に
水平 社 宣 伝 歌 天 は許 さ じ良 民 の
天 地 に轟 くと き の声
浪 花 の湾 に浪 騒 ぎ
三 百万 の血 は送 しり
民衆 の声 漲 り て
畝 傍 颪 し吹 き 荒 れ て
六
日
行 為 又 ハ 発 見 ノ月 日 一月
一月 廿 七 日
二月 二十 日
大 正 十 一年
自 一 月 至 十 月
場 所 及 ヒ方 法 文 書 ノ 員 数
又 同 月 五 日 金 沢市 ニ
シ不穏 ナ ル歌 詞 三種 ノ配 布 方 ヲ依 頼 セ シ モ之
シタ キ旨 申込 タ ル モ拒 絶 セ ラ レ更 ニ同 人 ニ対
憩 時間 ヲ利 用 シ 一般 観 覧 者 ニ新 思 想 ノ宣 伝 ヲ
野 曙光 ニ対 シ備 考 欄 記 載 ノ如 キ名 刺 ヲ示 シ休
鹿 児島 市 宝 来 座 ニ於 テ活 動 写 真 興業 中 ナ ル神
参 加 セ ルヲ発 見 諭 示 ノ上 提 供 セ シ メ タリ
群 集 ニ頒 布 ス ル目 的 ヲ以 テ約 百 四十 枚 ヲ懐 中
於 ケ ル普 選 断 行 要 望 運 動 ノ際 上 西 ハ之 ヲ 一般
ニ於 テ群 集 ニ配 布 セ リ
千部 ヲ印 刷 シ 二月 六 日若 干 枚 ヲ河 北 郡津 幡 町
石川 県 金 沢 市 大 工町 印 刷 業 森 隆文 堂 ニ於 テ 一
印 刷 ヲ依 頼 セ ント シ タ ル モ拒 絶 セ ラ レタ リ
鹿 児 島 県 姶 良 郡 国 分 村 吉 元印 刷 所 ニ対 シ之 カ
香具師 一派 ノ宣伝文書調
一号
宣 伝文 ノ香 号 第
第 二号
第 四号 第 五号 第 六 号
行
為
者
吉 田耕 三 外 二名
上西芳 一事 上 西 芳 楠 永 島 善 一郎
藤 田秋 浪
備
警保 局保安課
考
ギ モ ン ノ チ ユ ウ ︹イ ︺ ヂ ンブ ツ
露 公 爵 ウ ー ロウ ユシダ ー ジ フ
ウ ヨキ ー ト ク フ サ ア イ マス ウ ヨチ ー ミ スカ 二 四
シ モノ ニシ テ下 方 ヨリ上 方 ニ読 ミ上
本 名 刺 ハ二月 一日 広 島 ニ於 テ印 刷 セ
夫 レ ヨリ藤 田 等 ハ大 島 ニ
亦 拒絶 セラ レタ リ
ク ルナ リ
向 フ途 中 船中 ニ於 テ不 穏 ナ ル歌 ヲ高 唱 セリ
吉 田耕 三 カ同 行 者 ナ ル北 野 悟 ヲ シ テ印刷 方 ヲ
鹿 児島 県 川辺 郡 加世 田村 三州 印 刷 会 社 ニ於 テ 二月 廿 一日
福岡県粕屋郡篠栗村大字篠栗印刷業花 田茂 一 郎方 ニ於 テ三千枚 ヲ印刷 シタルヲ発見依頼者 吉 田 耕 三
吉 田耕 三 北野 悟
第 三号
四月 二 日
依 頼 セ シメ シ モ拒 絶 セラ レタ リ
第 八 号
第 八 号 第 九 号
第 七 号
第 十 号
第 十 号
四月 二 日
四月 六 日
五月 五 日
五月 五 日
吉 田 ヲ取調 タ ル モ八枚 ヲ所 持 スル外 残 余 ノ 処 リ
置 ニ付 キ テ ハ不 明 ナ ル ヲ以 テ八枚 ヲ差 押 ヘタ
熊 本 市 春 日 町 二 本 樹 町 ニ第 八号 及 第 九 号 ヲ迎 宝 町 ニ第 八 号ノ ミ ヲ撒布 セ ルヲ発 見
広島市堀川町新 天地内活動 写真映画倶楽部及 八丁堀千日前 活動 写真館太陽館等 ノ観 客 ノ散 会 ノ際及八丁堀電車停留所 ニ於 テ電車内 ニ第 七号 ヲ撒布 シタル者 アルヲ発見 セリ
五月 四、 五 ノ両 日 長 崎 市滞 在中 ノ社 会 主 義 者 小島 清 事 岩 佐 駒 吉 、 本 田 真 夫 ノ両 名 ニ対 シ鹿 児 島 市 滞 在 中 ノ大 石 太郎 ヨリ 小 包郵 便 ニテ不 穏 文 書 ヲ郵 送 シ来 ルト同 時 ニ仙 波 正男 ナ ル者 ノ計 劃 ナ リ シ モ遂 ニ目的 ヲ達 セ ス
応 援 ト シ テ入 込 ミ五 月 五 日 前記 三名 ニテ撒 布
鹿児島市 ニ滞 在中 ナ ル斎藤正吉事崔正守、藤 田人志、藤田良助事 趙英華 ノ四名 ハ熊本市山 川清 ヨリ鹿児島市新 屋敷 郵便 局百 羅 西 林 光
富 崎末 松 桜 本清 人 今 村繁 喜 竹内大五郎
岩 佐駒 吉 本 田真 夫 仙 波正 男
斎藤正吉事 雀 正守
本 件 ニ関 シ テ ハ刑 事 訴 追 ニ付 ス ヘク
目下捜査中
一派 ノ者 ノ所 為 ト認 メ荒 井 ヲ取 調 タ
人相 着 衣 等 ヨリ推 定 ノ結 果 荒 井 信 道
ル ニ同 人 ハ田中 英 雄 ナ ル者 ノ所 為 ナ
ラ ムト語 リ タ ル ヲ以 テ田 中 ノ発 見 ニ
努 メ タ ル モ遂 ニ発 見 セ サ リキ
ハ四月 十 五 日 山 口県 下 ノ旅 人宿 ニ於
然 ル ニ本 事 件 当 時 荒 井 ノ同 行 タ ル某
テ前 記 行 為 ヲ荒 井 ノ所 為 ナ ル旨 同 宿
ル モ証 拠 ヲ発 見 ス ル ニ至 ラサ リ キ
人 ニ語 リ タ ル ヲ聞知 シ荒 井 ヲ取 調 タ
本 件 ハ岩 佐駒 吉 、本 田真 夫 、藤 田人
志 、 山 田新 作 等 カ五 月 五 日 ヲ期 シ九
シ モ ノナ リ
州 各 県都 市 ニ 一斉 撒 布 ノ計 劃 ヲ立 テ
同右 本印刷物 ハ其 ノ後大石太郎 ノ内縁 ノ 妻阿美古要子 ナル者 ノ手 ニ依リ熊本
第 十 号
第 十 一号
第十 二号 第十三号
第 十五号
五月 六 日
五月 九 日
五月 二十 六 日
五月 廿 六 日
六月 二 日
二宮峯義 林 田義 馬
( 偽名︶ 宛送 付 シ来 レ ル不 穏 印 刷 物 ヲ 同 市 ニ 藤 田 人 志 撒 布 計劃 中 ナ ル ヲ探知 シ五月 七 日警 察 犯 処 罰 令 違 反 ト シ テ拘 留 各 二十 日 ニ処 シタ リ 佐 賀 県 佐 賀 駅停 車 場 辺 、寺 町及 市 外 愛 敬 、 島 辺 ノ両 村 ニ亙 リ 三 百余 枚 ヲ撒 布 セル ヲ発 見 全
ル コト判 明
県 下 ニ於 テ 一万 枚 ヲ印 刷 セ シ モ ノナ
木 村 元 七郎 、水 野 鷹 麿 、 森 弥 吉 等ノ
部 ヲ収 去 セ リ
岐 阜県羽島郡竹 ケ鼻 町八剣神社祭礼 ニ同社境
所為 ナ ラ ムト思 料 セ ラ ル ヽ モ判 明 セ
五 月 廿 六 日鳥 取 駅 列 車 内 ニ於 テ無 産 者 リ ー フ
﹁金 持 ト貧 乏 人 ﹂ ハ不問 ノ モノ ナ リ
リ貰 ヒ受 ケ タ ル由 ナリ
被 受 者 ノ言 ニ依 レ ハ徳 永 某 ナ ル者 ヨ
ス
内及其 ノ附 近 ノ樹 木電柱等 ニ貼付 シア ルヲ発 見 セリ
テ京 都 府 与 謝 郡 宮 津 町白 柏印 刷 業 佐 々木 筆 太
吉 田耕 三 ハ五 月 廿 五 日同 伴 者 富 崎 ナ ル者 ヲ シ
ヲ依 頼 シ タ ル コト ヲ聞 込 ミ 二十 六 日 両 名 ヲ取
郎 方 ニ於 テ 二種 ノ不 穏文 書各 四 千枚 ノ印 刷 方 調 ヘタ ル ニ二十 七 日新 舞 鶴 町 ニ至 リ海 軍 工廠 勤 務 職 工 ニ配 布 ノ計 劃 中 ナ ル旨 陳 述 セ シ ヨリ
レ ツト ﹁金 持 ト貧 乏 人 ﹂ ヲ無 償 ニテ配 布 シ タ
リ
其 ノ不 心得 ヲ諭 シ右 原 稿 ヲ任 意 提 供 セ シ メタ
ル者 ア ル ヲ発 見 セリ 六 月 二 日真 野 五郎 ハ青 森 県 弘 前 市 本 町 館 山 印 刷 所 ニ不穏 文 書 五 百枚 ノ印 刷 方 ヲ依 頼 セ シ モ 真 野 五 郎 拒 絶 セ ラ レタ リ
ミ同 月 七 日 同 市 ニ於 テ射 倖 的 方 法 ヲ 以 テ万 年
六 月 五 日 山 本、 千 光寺 ノ両 名 ハ青 森 市 ニ入 込
第十 四号
第八号 ト 大同小異 第九号 第十七号 第 十八号
第 十六号
六月 七 日
六 月十 九 日
六 月 三十 日
七月 六 日
七月十四日
第 廿 一号
第 九 号
七月十五日
七 月十 七 日
第廿三号 第廿 四号
第 十九 号
森 重 皆 一
同 人等 ハ不 平 ノ 口吻 ヲ残 シ北 海道 ニ自 動 車 ニ 千光寺正義
筆 ノ販 売 ヲ ナ シ居 ル ヲ発 見 中 止 セ シ メタ ル ニ 山 本 盛 夫
ノ宣 伝 文 書 ヲ撒 布 セ リ
乗 シテ向 ヒ タ ル カ出 発 ニ際 シ市 内 ニ五百 余 枚
六月 十 九 日徳 永 参 二 ハ石 川県 能 登印 刷 株 式 会 社 ニ於 テ 四種 ノ宣 伝文 書各 五 百枚 ノ印 刷 ヲ依 リ
頼 セ ル ヲ聞知 シ本 人 ヲ説 諭 ノ上 中 止 セシ メ タ
六 月 三 十 日 森 重 ハ広 島 県 三次 町香 具 師 今 村 勝 平 方 ニ於 テ宣 伝文 書 ノ原 稿 ヲ認 メ之 ヲ印 刷 ニ 附 サ ムト ス ル計 劃 中 之 ヲ発 見 シ直 ニ原 稿 ヲ押
ヽモ判 明 セ ス
犯 人 ハ東 野 万 平 ナ ラ ムト思 料 セラ ル
収 セリ 七 月 六 日大 分 県 別 府 町 電 柱 ニ宣 伝 文 十 五枚 ヲ
徳 永参 二
横 山七 郎
ル ヽモ判 明 セ ス
行 為 者 ハ三宅 磯 吉 ナ ラ ムト思 料 セ ラ
貼 付 シタ ル モノ ア ル ヲ発 見 セ リ 富 山県 高 岡 市 ニ於 テ印 刷 シ之 レヲ岡 山 市 ノ遊 廓 ニ於 テ配 布 セムト 計 劃 セ シ モ経 費 ノ都 合 上 中 止 セリ
広島県芦品郡戸手村天王神社祭 曲神輿渡御 ノ 際 二種 ノ不穏文書ヲ八九枚宛撒布 セシモノナ リ 七 月 十 七 日 鳥 取 県 境 町印 刷 業 川端 幸 治 郎 方 ニ 於 テ横 山 七 郎 ハ宣 伝文 二 千枚 ヲ印 刷 シタ ル ヲ 発 見 全 部 任 意提 供 セ シ メタ リ
七月 二十 四日鳥取県米 子駅発車 ノ下 リ列車中
第廿 二号
第 十七号
第 十 号
第廿 五号
第 四 号 第廿六号
第 十 号
七月廿四日
七月 廿 五 日
七月廿八日
七月三十日
一日
一 日
七 月卅
八月
ヨリ墨 書 セ ル宣 伝文 書 七枚 を撒 布 セ シ モノ ア
料 セラ ル ヽモ判 明 セ ス
本 件 の行 為 者 ハ横 山 七郎 ナ ラ ムト思
徳永参 二
所 為 ト思 料 セラ ル ヽモ判 明 セ ス
二宮 峯 義 、 本 田真 夫 、 東 野 万 平 等 ノ
行 欠如 本 件 、 吉 田耕 三、 荒 井武 雄 、
第 四 号 ノ分 ハ「一揆 反 乱 ⋮ ⋮ ﹂ ノ 一
文 次 郎 等 ノ疑 ア ル モ判 明 セ ス
本件 ハ橋 本 清 人、 太 田健 太 郎 、 島 田
等 出 発 後 ナ リ シヲ 以 テ取 調 不 能
馬 両 名 ノ行為 ト思 料 セラ ル ヽ モ同 人
本 宣 伝 文撒 布 者 ハ岩 佐駒 吉 、 林 田義
リ 七 月 二十 五 日 徳永 ハ和 歌 山 県 下 田辺 町 大 平 栄 町 留 文 社 ニ於 テ宣 伝 文 ノ印 刷 方 ヲ依 頼 シ同 町 ニ於 テ射倖 的 方法 ヲ以 テ万 年 筆 ノ販 売 ヲ ナサ ムト セ シ モ取締 厳 重 ナ リ シ為 メ予 期 ノ如 キ売 上 ナ カリ シ為 メ印 刷 方 ヲ注 文 シ タ ル儘 出 発 セ リ 七 月廿 八 日長 崎 県 佐 世 保 市 下 京 町 島瀬 町 ニ於 テ宣 伝 文 ヲ撒 布 シ タ ル者 ア ル ヲ発 見 セリ 岡 山 市 富 田町 六 三 印 刷 業 大 重金 次 郎 方 ヘ宣 伝 セラ レタ リ
文 一千 枚 ノ印 刷 方 ヲ依 頼 セ ムト シ タ ル モ拒 絶
七月 三十 一日 大 分 県 宇 佐 町 ニ於 テ 二種 ノ宣 伝 文 書 四十 余 枚 ヲ撒 布 シア ル ヲ警 察 官 ニ於 テ発 見拾得 セリ 大 分 県 立 石 頭 成 両 駅 向列 車 内 ニ於 テ印 刷 物 ヲ 配 布 シ タ ル者 アリ
豊州線門司駅発下 リ列車 カ別府駅発車後車内 洗面所及便所 出入 口ニ宣伝文 三種 ノ貼付及撒 布 シアルヲ当 発車掌 ニ於 テ発見直 ニ之 ヲ破棄 セリ 一 日
第 三号 第 十 号 第 廿 号
八月三日徳永 ハ徳島市及撫養町 ニ於 テ宣伝文
八月
第九号 ト
大同 小異 第十 七号 第廿 五号 ト大同 小 異 第廿 五号 ト大同小 異 第九号
第廿 八号
号
号
第卅三号
第卅
第卅
八月 三 日
一 日
一 日
八月 廿 七 日
九月
九月
九月 五 日
三種 ヲ印 刷 ニ付 サ ムト セ シ モ同 業 者 等 ニ所 轄 サリキ
署 ニ於 テ予 テ 注 意 シ置 キ タ ルタ メ 目的 ヲ達 セ
八 月 十九 日愛 媛 県 今 治 市 ニ於 テ宣 伝 文 三 千 枚 ヲ氏 名 不詳 ノ男 ヨリ貰 ヒ受 ケ タ リト テ徳 永 参 二 ノ所 持 セ ル ヲ発 見 セリ本 名 ハ同 市 ニ於 テ第 リ
九 号宣 伝文 ヲ印 刷 セ ムト シタ ル ヲ発 見 中 止 セ
八 月 二 十 七 日福 山市 築 切町 電 柱 ニ宣 伝 文 ノ貼 付 シ ア ル ヲ発 見 セリ 射 倖 的 方 法 ヲ以 テ 万年 筆 ノ販 売 ヲ ナ シ タ ル上 ノ放 還 方 ヲ申 出 タ ル其 ノ挙 動 不 審 ナ ル ヨリ厳
野 義 雄 外 一名 ヲ検挙 シ拘 留 中 千 葉 昌 則 ハ両 名 重 視 察 セ シ処 同 人 ハ長 野 県 豊 科 町 印 刷 業 藤 沢 常 方 ニ於 テ宣 伝 文 千 枚 ヲ印 刷 セ ル ヲ発 見 セ リ 九 月 一日 広島 県安 芸 郡 安 芸 町 印 刷 業 横 井 清 之 ヲ依 頼 セ ント シタ ル モ拒 絶 セラ レタ リ
助 方 ニ於 テ梅 本 清 人 ハ宣 伝 文 一千 枚 ノ印刷 方
徳永 参 二 外 四 名
徳永 参 二
千葉 昌則
本 件 ハ検 事 ト打 合 ノ結 果 司 法 処分 程
梅 本清 人
度 ニ至 ラ サ ル ヲ以 テ厳 戒 セリ
九 月 五 日 広島 市 塩屋 町坂 田活 版 所 ニ宣 伝 文 ノ 印刷 方 ヲ注 文 シタ ル者 ア ル ヲ発 見 翌 六 日 受 取 タリ
リ ニ来 リ タ ル所 ヲ岩 井 、 上 西 ノ両 名 ヲ取 押 ヘ
九 月 八 日梅 本 ハ高 知 市 滞 在 中 賭博 ノ嫌疑 ニ テ
第 八号 第廿 五号
第卅 一号
第卅 二号
第卅 四号
第卅五号
第 卅六号
九月 八 日
九月十四日
九月十七日
取調 ヘラ レ証 拠 不 充 分 ニテ釈 放 セ ラ レ タ ルカ 其 ノ際 本 人 ノ承 諾 ヲ得 テ所 持 品 ヲ検 査 セ シ処 第 二十 五 号 一枚 第 八 号 三 百枚 ヲ所 持 セ ルヲ発 見 任意 提 供 セシ メ タ リ 九 月 十 四 日吉 田 、 本 田 、崔 ノ 一行 ハ広 島 県 山 県 郡 八重 町 街 道 二十 数 枚 、 安 佐郡 鈴張 村 ニ数 ヲ発 見厳 戒 ノ上 釈 放 セ リ
枚 、 同 可 部 町 ニ七 十 余枚 ノ宣 伝 文 ヲ撒 布 セ ル
九 月十 七 日内 堀 ハ広 島 県 安 佐 郡 三篠 町 ニ於 テ 宣伝 [ 文]ヲ作 成 シ之 ヲ同 町 印刷 業 者島 本 方 ニ シ ム ルト共 ニ原 稿 ハ任意 提 供 セ シ メタ リ
於 テ印 刷 セ ムト シ タ ル ヲ発 見 加 諭 ノ上 中 止 セ
梅 本清 人
吉 田耕 三 本 田真夫 崔 正 守
内 堀益 亀
大 西 ノ供 述 ス ル所 ニ依 レ ハ福 岡 市 ニ
乙号特要 松 尾清 吾 吉 利 〓一 江 頭 一樹
於 テ 二千 枚 ヲ印 刷 シ六 、七 百 枚 ヲ 三
岡 市 ノ自 宅 ニ蔵 置 シ居 ル旨 言外 セ シ
野 啓 ニ大 西 ハ七 百 枚 ヲ所 持 シ他 ハ福
九 月 十 八 日 大 西 ハ佐 賀県 唐 津 警 察 署 ニ万 年 筆
甲号特要 大 西 昌
九 月 二十 六 日 福井 市 郵 便 局 前 通 寄 席 世 界 館附
セリ ト思 料 セ ラ ル ヽモ判 明 セ ス
本 件 ハ勝 西 惣 次 郎 、 鈴 木 富 近 ノ所 持
セ シ メタ リ
カ、 同 人 ノ帰 宅 後 福 岡 県 ニ於 テ提 出
近 ニ於 テ約 二十枚 ヲ撒 布 シタ ル者 ア ル ヲ発 見
訓 戒ノ 上 提 供 セ シ メタ リ
其 ノ際 同 人 カ宣 伝文 多 数 ヲ所 持 セル ヲ偵 知 シ
ノ抽籤 販 売 許 可 方 ヲ願 出 タ ルカ之 ヲ拒 否 セ シ
九月十 二日松尾吉利、江頭 等 ハ佐世保市下京 町及勝富町遊廓附近 ノ路 上 ニ於 テ宣伝文約 四 九月十二日 千枚 ヲ撒布 セリ
九月 十 八 日
九月廿 三日
セリ
第卅 六号
第 卅六号
第卅八号
第廿 五号
第卅 一号 第卅七号
第卅七号
九月廿四日
九月廿 四日
九 月廿四日
九月廿五日
九月廿七 日
九 月 二十 四 日福 井 市 遊 廓 内 ニ於 テ宣伝 文 五、
前 記 吉 村 等ノ 所 為 ト思 料 セラ ル ヽ モ 判 明 セサ ル ヲ以 テ浮 浪 罪 ト シ テ勝 西 ヲ廿 五日 鈴 木 ヲ十 五 日 ノ拘 留 ニ処 セ リ
吉 村宗 者 鈴 木富 近 外 一名
伝 文 数 十枚 ヲ撒 布 シタ ル モノ ア リ
セラ レタ ルタ メ尾 行 ヲ附 サ レ ム コト
梅 本 清 人 カ鳥 取 県 ニ於 テ尾行 ヲ解 除
ル現 行 ヲ取 押 ヘタ ル モ同 人 等 ハ之 ヲ否 認 セリ
六 十枚 ヲ吉 村 鈴 木 外 一名 ノ三 名 ニテ撒 布 シタ
九 月 廿 四 日 鳥 取県 米 子 町道 笑 町 及 四日 市 町電
九 月 二十 四 日福 井 市 栄 新 地 遊 廓 街 路 ニ於 テ宣
柱 三 ケ所 ニ宣 伝文 ヲ貼 付 セ シ モノ ア リ
判明 セス
本 件 ハ梅 本 ノ所 為 ト思 料 セ ラ ル ヽモ
セラル
ヲ欲 シ テ故 ラ ニナ シ タ ル モノ ト思 料
九 月 廿 五 日鳥 取 市 劇 場戎 座 ニ於 ケ ル活 動 写真
本件 ハ藤田人志 カ警察 ノ所締厳重 ナ
禁 錮 二十 日 ニ処 セラ ル
六 条 違 反 ト シ テ京 都 区裁 判 所 ニ於 テ
貼 付 シ タ ル廉 ニ依 リ 治 安警 察 法 第 十
シ警 察 官 ニ於 テ制 止 シタ ル ニ肯 セ ス
十 五 号 ノ違 反 ト シテ科 料 十 九 円 ニ処
タ ル廉 ニ依 リ警 察 犯処 罰 令 第 三条 第
守
本 件 ハ濫 リ ニ他 人 ノ 工作 物 ニ貼 付 シ
正
九 月 廿 七 日京 都 市 新 京 極 六 角 西 入電 柱 其 他 数
ル モノ ア リ
終 了 ノ際 二階 ヨリ約 二 十枚 ヲ観 客 ニ撒 布 シ タ
門 脇 久馬 内 藤 正
崔
ケ所 ニ二種 ノ印 刷 物 ヲ門 脇 、 内 藤 ノ両 名 カ貼 付 セ ル ヲ発 見 ス
九月 二十 八日広島市新 天地活動 写真映画倶楽 部階上 ヨリ階下観客中 ヘ約 百枚 ノ宣伝文 ヲ撒 九月廿八日 布 シタ ル者 アリ其名取調ノ結果崔正守 ノ所為 ト判明 十月 一日兵庫県豊岡町ノ人家 板壁其 ノ他十 八
第 卅 一号
第 九 号
第廿 六号
第 卅 号
十月
一 日
十月 三 日
十月 三 日
十月 四 日
十 月 十 一日
十月 四 日
第 卅 一号 第 卅九号
十 月 十 五日
第卅六号
第 卅 一号
ケ所 ニ宣 伝 文 ヲ貼 付 シア ルヲ発 見 ス
タ ル カ同 人 カ宣 伝 文 七 百 枚 ヲ所 持 セ ル ヲ発 見
十 月 七 日梅 本 ハ兵 庫 県 ヨリ岡 山 県 ニ入 リ込 ミ
梅 本清 人
リ シタ メ復 讐 ノ意 ニテ同伴 者 田村 、
モノ ト思 料 セ ラ ル ヽモ判 明 セ ス
野 間 須 ノ両 名 ヲ シ テ貼 付 セ シ メタ ル
ヲ以 テ取 調 タ ル所 管原 ノ所 為 ナ ル コ
上 記 活 版 所 ニ於 テ所轄 署 ニ届 出 タ ル
任意 提供 セ シメ タ リ 十 月 三 日岡 山 市 岩 田町 三村 活 版 所 ニ 一名 ノ 男
右
本 名 ヲ先 ニ浮浪 罪 ト シテ十 月 六 日拘
同
ト判 明 シ タ ル ヲ以 テ加諭 セリ
来 リ 宣伝 文 ノ印 刷 方 ヲ依 頼 セ シ モ拒 絶 セ ラ レ 管 原 直 三 タリ 十 月 四 日岡 山 市 西 中 山 下 岡 山 印 刷 所 ニ於 テ宣
十 月 四 日富 山 県 高 岡 市 定 塚 町越 中 活版 株 式 会
タ ル者 ア リ
伝 文 ノ印 刷 ヲ注 文 セム ト シタ ル モ拒 絶 セ ラ レ
社 ニ第 三十 六 号 下 段 五 百枚 ノ印 刷 方 ヲ注 文 セ
依 リ 罰金 二 十 五 円出 版 物 ノ末 尾 ニ住
所 氏 名発 行 年 月 日 ヲ記 載 セ サ ル廉 ニ
留 七 日 ニ処 シ十 三 日無 届 出 版 ノ廉 ニ
鈴 木虎 雄
リ同 人 ノ所 持 セ ル第 三 十 九 号 ナ ル不穏 文 書 ニ 付 取 調 タ ル ニ石 川 県 ニ於 テ印 刷 シ内 四 百九 十
セサ ルト キ ハ百 日間 労 役 場 ニ留 置 ス
依 リ 同 シク 二十 五 円 ニ処 シ之 ヲ完 納
ル旨言 渡 セリ
枚 ヲ広 安 栄 一ニ郵 送 シ二枚 ヲ金 杉 停 車 場 ノ巡
藤 田人志
斎藤 武 男
査 ニ与 ヘ残 リ八 枚 ハ現 ニ所 持 ス ル旨 供 述 セ リ
十 月 十 一日 斎 藤 ハ第 卅九 号 ヲ所 持 セ ル ヲ 以 テ
セ ル ヲ以 テ厳 重視 察 中 ( 石川県)
任意 破 棄 セ シメ タ ルカ其 ノ外 第 卅 一号 ヲ所 持
藤 田 ハ第 卅 一号 ヲ百 七十 枚 所 持 セ ル ヲ発 見全 部 差 押 ヘタ リ ( 京都府)
十 月 十 八 日 愛媛 県松 山 市 内 電 柱 其 ノ他 百 余 ケ
太郎 ニ使嗾 セ ラ レ テ貼 付 シ タ ル モノ
三好 重 平 、 石 川 万 平 ノ両名 カ山 崎 徳
ト思 料 セラ ル ヽモ判 明 セ ス
所 ニ宣 伝 文 ヲ貼 付 セ シ モノ ア リ
一七 最 近 ニ於 ケ ル社 会 思 想 団 体 ノ 状 況 大正十二年 一月調
大 正十 二年 一月 調 最近 ニ 社会思想団体 於 ケル
次
ノ状況
目 第 一 社 会 思 想 団 体 一般 ノ状 況 第 二 主 ナ ル 団 体 ノ 行 動
局
( ) E 学生聯合会
( ) D 早 大文 化 会
( ) C 建 設者 同盟
( A) 新 民
人
会
( ) F 自由人聯盟
( ) B 暁
曜
会
会
会
一一 881
一〇 188
一〇 188
九 1 87
九 187
七 186
六 186
四 185
保
( ) G 水 月
一一 188
警
一 183
( ) H 五
一三 189
丁
四 185
( ) I 種 蒔 き 社
一五 901
四 185
( ) J 行 商 人 聯 盟及 思 想 研 究 会
(1) 東 京 ノ 部
) ( K 農村運動同盟
社
一五 190
一六 190
殺
一 六 190
一 六 190
一六 190
(イ) 抹
( )L 其 他 ノ奇 激 ナ ル団 体
社
一六 190 端
( ) ロ 日本 労 働 協 会 、新 日本 建 設者 、無 産 民 社 ( ) ハ 異
︵ニ) プ ロ レ タ リ ア 社
一六 190
) ( M 婦人団体
一七 190
会
社
一八 191
一七 190
瀾
(イ) 赤
建
会
一八 191
一七 190
( )ロ 婦 人 聯 盟
( ) A 創
人
会
(2) 地 方 ノ 部
( ) B 革
民
(を は り)
( ) C 牧
第 一 社会 思 想団 体 一般 ノ状 況
社会思想団体 ノ状況
最近 ニ 於 ケル
青 年 学 生 其 ノ他 ノ者 ノ間 ニ於 テ団 体 ヲ組織 シ各種 社会 的 思 想 ヲ研 究
論 議 スル ノ傾 向 ヲ生 シタ ル ハ最 近 数 年 来 ノ コト ニ属 ス ルト コ ロナ ル
カ爾 来 此 ノ趨 勢 ヲ持 続 シ殊 ニ学 生 間 ニ於 テ ハ益ゝ 熾 烈 ナ ラ ント スル
ノ状 況 ニ在 リ現 在 ニ於 ケ ル此 種 団 体 ノ主 ナ ル モノ ハ別 表 ノ如 ク ニシ
テ尚組 織 計 劃 中 ニ属 スル モノ アリ
是 等 団 体 ノ色 彩 ハ其 ノ積 極 的 行動 ナキ モノ ハ勿 論 多 少 ノ活 動 ア ル モ
ノ ニ在 リ テ モ 一定 ノ主 義 的主 張 ヲ有 セ ス単 ニ資 本 主 義 ノ不合 理 、欠
団 体 ノ会 員 数 ハ現在 ノ処 組 織 ヲ以 テ臨 マント シ又 ハ集 団 ノ力 ヲ利 用
ス
ヲ加 フ ル ニ至 リ無 政 府 主 義 ノ傾 向 ヲ有 スル モ ノ ハ二、三 ア ル ニ過 キ
般 ニ ﹁ボ ル セビ ズ ム﹂ 乃至 共 産 主 義 ニ左袒 セ ント ス ル モノ漸 ク多 キ
翼 団 体 ニ在 リ テ ハ極 メテ急 激 越 ナ ル思 想 ヲ有 シ殊 ニ近 時 ニ於 テ ハ 一
陥 ヲ叫 ヒ或 ハ現 制 度 ノ変 改 ヲ唱 導 スル程 度 ノ モ ノ多 キヲ占 ムル モ左
団 体 ノ農 民 運 動 ニ対 スル関 係 ニ就 テ モ亦 注 意 ヲ要 スル モノ ア リ最 近
密接 ト ナ リ各 種 ノ機 会 ニ於 テ労 働 団 体 ニ好 意 ヲ示 シツ ヽア リ
之 ニ参 加 シタ ルカ前 記 対 露 非 干 渉 運動 以来 労 働 団 体 ト ノ関 係 ハ 一層
即 チ本年 九 月東 京 ニ於 ケ ル ﹁メ ーデ ー﹂ ニ対 シ テ主 ナ ル団 体 ハ挙 テ
運 動 ニ介 入 セ ント ス ル ノ傾 向 ア リ
ア リ或 ハ社 会 主義 者 ト 共同 シ テ主 義 運 動 ニ加 担 シ或 ハ労 働 運動 農 民
ハ ﹁書 斎 ヨリ街 頭 ヘ﹂ ト称 シ実 際 運 動 ニ進 入 セ ン コト ヲ企 図 シツ ヽ
ア リ地 方 団体 モ亦 本 運 動 ニ呼 応 セ リ斯 ク テ研 究 ヨリ宣 伝 ニ移 リ近 来
ハ﹁ 農 民運 動 同 盟 ﹂ヲ組 織 シ長 島新 等 ハ ﹁ 小 作 人 同 盟 ﹂ヲ組 織 シ テ各
セ ム ト ス ル カ如 キ モノ ハ稀 ナ ル ヲ以 テ概 ネ少 数 ナ ル ヲ 常 ト シ新 人
々 活 動 ニ着 手 シ其 ノ他 建 設 者 同 盟 、亦 本 運 動 ニ力 ヲ注 キ ツ ヽア リ
三百五)早 大文化会 (二百二)水曜会 (百九十)ヲ除 キ テ ハ他 ハ数 名 乃 会 (十 名 十六名 二名
各 団 体 ハ研 究 、 宣 伝 ノ 機 関 ト シ テ 同 志 ノ定 期 会 合 ヲ主 催 シ各 種 主
客 年 中 ニ於 テ新 設 セ ラ レ タ ル団 体中 主 ナ ル モノト シ テ前 記 ﹁対露 非
﹁農 民 運 動 社 ﹂ ヲ起 シ大 杉 栄 一派 ニ属 ス ル無 政 府 主 義 者 中 名 生幸 力
義 上 ノ研 究 及 運 動 方 法 等 ヲ協 議 シ又時 々宣 伝 演 説 会 ヲ開 催 セ ル モ ノ
干 渉 同 志 会 ﹂竝 農 村 宣 伝 ヲ目的 ト ス ル前 記 諸 団 体 ノ外 東 京 帝国 大学
各 地 ニ小 作 人 問 題 発 生 スル ヤ農 民宣 伝 ヲ 目 的 ト シ テ暁 民 会 一派 ハ
アリ建 設 者 同 盟 、早 大 文 化 会等 ノ如 キ ハ夏 期 其 ノ 他 ニ於 テ講 習 会
生等 ノ組 織 ニ係 ル新 人 会 ハ学 校 卒 業 者 ヲ以 テ別 ニ ﹁社 会 思 想 社 ﹂ ヲ
セ ス シ テ却 テ小団 体 ニシ テ危 険 ナ ル活 動 ニ出 ツ ル モノ ナ キ ニ非 ス
ヲ催 シ社 会 主 義 者 等 ヲ招 聘 シ テ過激 ナ ル主 義 上 ノ所 説 ヲ講 習 セ ル ノ
起 シ又社 会 主 義 芸 術 ヲ主 張 ス ル者 等 ハ ﹁第 一著 作 家 同 盟 ﹂ 及 ﹁ 文筆
至 数 十 名 ヲ出 テ ス然 シ此 団 体 ノ活 動 ハ必 ス シ モ団 体 員 ノ多 少 ニ比 例
ツト 、 パ ン フ レツト 等 ヲ刊 行 シ ツ ヽア リ客 年 中 ニ於 テ団 体 ノ宣 伝 運
事 例 アリ其 ノ他 ノ有 力 ナ ル団 体 ハ宣 伝 機 関 紙 ヲ発 行 シ又ハ リ ー フ レ
会 ﹂ ナ ル モノ ヲ組 織 シ テ労 農 露 国 ノ承 認 外 三項 ヲ標 榜 シ別 ニ在 京 共
開 始 シ亜 テ在 京 各 労 働 団 体 、思 想 団体 ヲ網 羅 シ テ ﹁対 露 非干 渉 同 志
ハ無 政 府 主 義 ヲ主 張 シ極 メ テ過 激 ノ言 動 ア リ シ ヲ以 テ厳 重 ナ ル取 締
解 散 セ ル団 体 中 ノ主 ナ ル モノ ハ山 梨 県 ニ於 ケ ル ﹁革 人会 ﹂ ト久 本 会
生 聯 合 会 ﹂ ヲ組 織 セ リ
生 々徒 等 ハ去 ル十 一月 七 日 ロ シア革 命 記 念 日 ヲト シ東 京 ニ於 テ ﹁学
ナ ル モノ ヲ組 織 セ ル モ ノ アリ尚 東 京 及 京 都 ニ在 ル大 学 及 専 門学 校 学
産 主 義 者 堺 利 彦 、 山 川均 一派 ノ主 宰 セ ル雑 誌 ﹁前衛 ﹂ カ露 国 飢 饉 救
ヲ加 ヘタ ル結 果 遂 ニ解 散 セリ
労 働 組 合 ﹂ ヲ組 織 セ リ更 ニ ﹁ 思 想行 商 ﹂ ヲ目的 ト シ テ ﹁行商 人 聯盟 ﹂
済 寄 附 金 募 集 運 動 ヲ開 始 スル ヤ之 等 ト提 携 シ テ対 露 非 干渉 及飢 饉 救
動 中 最 モ著 シキ モノ ヲ対 露 非 干渉 運動 ト ス本 運 動 ハ去 ル六 月中 在 京
済 ニ藉口 シ テ ﹁ボ ル セビ ズ ム﹂ ノ宣伝 ニ努 メ殊 ニ新 人 会 ノ如 キ ハ各
斯 クノ如 ク ニシ テ此 種 団 体 ノ行 動 カ動 モ ス レ ハ極 端 ニ流 レ ント ス ル
思 想 団 体 水 曜 会 、 新 人会 、 建 設 者 同盟 、早 大 文 化 会 主 唱 ト ナ リ之 ヲ
高 等 学校 ニ移檄 シ且 各 地 ヲ遊 説 シテ過 激 思 想 ノ宣 布 ヲ為 シ タ ル形 跡
シ ツ ヽアリ
組織 ヲ見 ル ニ至 レ ルカ之 等 ハ新 思 想 団 体 ニ対 シ対 抗 運 動 ヲ為 サ ント
ノ状 況 ニ在 ル ヲ以 テ之 カ反 動 ト シ テ最 近各 方 面 ニ国 家 主義 的 団 体 ノ
月 号 限 リ之 ヲ廃 刊 セ リ
ヲ掲 載 セ シ ヲ以 テ関 係者 ハ刑 事 処 分 ヲ受 ク ル ニ至 リ大 正 十 一年 四
掲 ケ タ リ シ カ同年 十 二 月 号 ニ ハ ﹁敵 か味 方 か﹂ ト 題 ス ル不穏 記 事
発 行 シ常 ニ ﹁ボ ル セビ ズ ム﹂ 其 ノ他 ニ関 スル激 越 ナ ル宣 伝 記 事 ヲ
ヲ招 致 シテ其 ノ所 説 ヲ聴 取 シ又 ハ会 員 ノ研究 ニ係 ル ﹁ボ ル セビ ズ
一、機 関 紙 廃 刊 後 ハ主 ト シ テ講演 会 及研 究 会 ヲ開 催 シ テ社 会 主義 者
之 ヲ要 ス ル ニ社 会 思 想 団 体 ハ最 初 研 究 、批 判 ヲ目 的 ト スル カ如 キ モ
ル ヲ順序 ト ス ル ヲ以 テ此 ノ間 ノ情 勢 ニ就 テ ハ常 ニ厳 密 ナ ル注 意 ヲ払
メ ーデ ー が来 た
ヲ作 成 頒 布 スル コト ヽナ セリ
本 郷 東 片 町 料 理 店 今 半 ニ会 合 シ テ運 動 方 法 ヲ凝 議 シ且 左記 印 刷 物
タ ル コト ア リ シ カ客 年 メー デ ー ニ際 シ テ ハ其 ノ数 日前 堺 利 彦 等 ト
本 会 々員 等 ハ労 働 運動 ニ参 加 シ又 ハ労 働 者 ニ対 シ主 義 宣伝 ヲ為 シ
テ之 ヲ中 止 処 分 セ ル コト ア リ
ル講 演 会 ノ如 キ暴 力 的 革 命 ヲ主 張 スル宣 伝講 演 ヲ為 シタ リ シ ヲ以
ヲ為 セ ル コト ア リ シ カ去 ル十 月 二 十 三 日 大阪 天 王 寺 公 会 堂 ニ於 ケ
ム﹂ 其 ノ他 ニ関 ス ル過激 ナ ル研 究 論 議 ヲ試 ミ居 レリ 又 地方 ニ遊 説
漸 次 之 カ領 域 ヲ脱 シ過 激 ナ ル思 想 ニ深 溺 シ遂 ニ危 険 ナ ル行 動 ニ出 ツ
ヒ適 切 ナ ル警 戒 取 締 ヲナ シ ツ ヽア リ
第 二 主 ナ ル団 体 ノ行 動 以 下 主 ナ ル団 体 ノ行動 ノ概況 ヲ掲 ク
( 1) 東 京 ノ部 (A) 新 人 会 一、大 正 七年 十 一月 東 京 帝 国 大学 生 等 ノ組 織 セ ル モノ ニシ テ現 在 会
万 国 労 働 者 の国 際 的 大祝 日 た る労 働 祭 が来 た、 労 働 祭 は 労働 者 の
員 約 三百 五十 名 ア リ共 産主義 ヲ主 張 ス其 ノ綱 領 ハ ﹁吾徒 ハ世 界 ノ
み の喜 び の 日無 産 階 級 の み の祝 祭 で あ る ( 中略) メ ーデ ーは 労 働
が労 働 者 た る の感 情 の表 現 であ る 、脱 し難 い 、其 の奴 隷 的 境 遇 に
文 化 的 大 勢 タ ル人 類 解 放 ノ新 気 運 ニ協 調 シ之 カ促 進 ニ努 ム、 吾徒
一、本 会 ハ従 来 機 関 紙 同 胞 ヲ発 行 シ来 リ シカ大 正 十 年 七 月 ﹁我 等 の
し て其 の鬱 憤 を行 ると 同 時 に労 働 者 の威 力 の前 に彼 等 搾 取 階 級 を
あ つて泣 く に も泣 か れぬ 不 満 の大嚢 を破 つて思 ふ存 分 所 懐 を 吐 露
ハ現 代 日本 ノ正 当 ナ ル改 造 運 動 ニ従 フ﹂ ト 云 フ ニ在 リ
思 想 は そ の種 蒔 か る べき 豊 沢 な 土 壌 を あ ら ゆ る虐 げ ら れし 同 胞 の
し て戦慄 せ し む る の日 で あ る
︹ マ マ︺
中 に の み見 出 す ⋮ ⋮ ﹁人 民 の中 へ﹂ と叫 ん で ロ シア の大 学 生 達 が 民衆 運動 に投 じ た のは 五十 年 の昔 であ つた 、 そ し て今 漸 く彼 等 の
るの ﹁ 誇 り﹂ の表 現 で あ る、 人 類 の生 存 に欠 く べ か らざ る 地上 一
然 り メ ーデ ーは吾 等 労 働 者 の威 力 の表 現 であ る 、同 時 に生 産 者 た ナ ロオ ド巻 頭 ﹁未 来 は民 衆
播 いた種 子 は収 穫 れ ら れ んと し て居 る ⋮ ⋮ 我等 は今 豊 沃 な土 壌 に
切 の財貨 は みな是 れ吾 等 労 働 者 の鉄 腕 によ つ て のみ造 ら れ た も の
種 子 を 播 く す べ て は未 来 に よ つ て報 は れ る﹂(の 手 に﹂ ト題 ス ル記 事 ノ 一 部)云 々 ト 称 シ之 ヲ ﹁ナ ロ オ ド ﹂ (露国)ト 改 題 シ爾 来毎 月一回 之 ヲ 民衆
移 シ 近藤 栄 蔵 、高 津 正道 等 主 脳 ト ナ リ再 ヒ活 動 ヲ開 始 セリ
準 備 ト シ テ去 ル七 月中 売 文 社名 義 ヲ以 テ全 国 思 想 労 働 団 体 ノ調 査
一、 一派 ハ前 記 近藤 、高 津 等 ヲ中 心 ト シテ ﹁売 文 社 ﹂ ヲ再 興 シ運動
で あ る、 吾 等 労 働者 の労 働 せざ ると ころ 、 吾 等 労 働 者 の存在 せざ ると こ ろ、 そ こ には た ゞ 一切 の死 滅 あ る の み であ る、 万国 の労 働
ニ着 手 セ リ
者 は労 働 者 と し て みな 兄弟 であ る、労 働 者 にと つ ては 人 種 の別 も 国 民 の差 も男 女 の相 違 も何 もな い、 メ ーデ ーは此 の意 味 に於 て の
一、 一方 毎 週 二回 定 期 会合 ヲ主催 シ主 義 ノ研 究 ヲ試 ミ且 各 種 運動 方
日本 に於 け る第 三 回 の メー デ ー吾 等 の 日 が来 た
団 結 の威 力 と平 和 と友 愛 と の精 神 を明 白 に表 示 す る の日 であ る
タ ル形 跡 ア リ
法 ヲ協 議 セ ル カ最 近 ハ主 ト シテ普 通選 挙 ニ対 ス ル研 究 論 議 ヲ重 ネ
( 中略)
同 戦 線 ﹂ ヲ鼓 吹 シ居 レリ
結 ニ依 ル階 級 闘争 ﹂ ト ﹁ 農 民運 動 ト都 会 ニ於 ケ ル労 働 運 動 ト ノ協
機 関 紙 ﹁農 民 運 動 ﹂ ヲ発刊 シ引 続 キ毎 月 之 ヲ発 行 シ ﹁小 作 人 ノ団
一、本 会 一派 ハ農 民 ニ対 シ主義 宣 伝 ノ目 的 ヲ以 テ去 ル九 月 一日 ヨリ
立 て、 集 れ、歌 へ、叫 べ 、喜 べ、 躍 れ、動 け
万 国 の労 働者 団結 せ よ
而 シ テ運動 ノ連 絡 機 関 ト シ テ東 京 、秋 田 、 埼 玉 、 京都 、 石川 、大
一、 本会 ハ在 京 山 川均 一派 共 産 主 義 者 等 ノ主 唱 ニ係 ル ﹁露 西亜 飢 饉
シ又 ハ各 地 ヲ遊 説 シ飢 饉 救 済 ニ藉 口 シ ﹁ボ ル セビ ズ ム﹂ 宣 伝 ヲ試
救済 運動 ﹂ ニ参 加 シ全 国各 地高 等 学 校 ニ移檄 シ或 ハ講 演 会 ヲ開 催
ニ於 テ露 西 亜革 命 第 五周 年 記 念 運 動 ヲ起 シ又 八 月 一日 ヨリ早 稲 田
一、 以 上 ノ外 本 会 ハ在 京 共 産 主 義 者 ト 提 携 シ テ去 ル十 一月 七 日東 京
阪 、熊 本 、兵 庫 、鳥 取 、徳 島 、 岡 山 等 ノ各 地 ニ支 部 ヲ設 置 セ リ
会
ミタ リ
民
大学 講 堂 ニ ﹁エ スペ ラ ント﹂ 語 講 習 会 ヲ開 催 シ或 ハ戸 山 ヶ原 練 兵
( )B 暁
タ ル モ ノ ニ シ テ現 在 会 員 約 五 十 名 アリ純 然 タ ル ﹁ボ ル セビ ズ ム﹂
一、本 会 ハ大 正九 年 八月 主 ト シ テ早稲 田 大学 生 等 ニ依 リ組 織 セ ラ レ
シ深 川 貧民 部 落 ニ撒 布 セ ル等 ノ行 動 ア リ
場附 近 ニ於 テ兵 士 ニ宣 伝 ヲ試 ミ其 ノ他 不穏 ナ ル秘 密印 刷 物 ヲ作 成
( ) C 建設者同盟
団 体 ニ属 シ思 想 団 体 中 最 険 悪 ノ モ ノ タリ 其 ノ綱 領 ハ ﹁ 我 等 は 一切 の旧 勢 を排 し新 秩 序 の創 造 を期 す ﹂ ト 云 フ ニ在 リ 一、 本 会 ハ曩 ニ屡ゝ 秘 密 出 版物 ヲ作 成 頒 布 ス ル等 最 危 険 ノ行 動 ア リ
在 会 員 三十 名 ア リ綱 領 ハ ﹁最 モ合 理的 ナ ル新 社 会 ノ建 設 ヲ期 ス﹂ ト 云 フ ニ在 リ
一、本 同 盟 ハ大 正 八年 十 月 早 稲 田 大 学 生等 ノ組 織 セ ル モノ ニシ テ現
本 共 産 党 ヲ組 織 シ検 挙 セ ラ レ入 監 セリ
早 稲 田大 学 教 授 猪 俣 津 南 雄 、 佐野 学 、北 沢 新 次 郎 其 ノ他 ノ者 指導
シ カ大 正 十 年 十 一月 本 会 ノ主 脳 者 ハ近藤 栄 蔵 等 ト共 ニ秘 密 結 社 日
而 シ テ客 年 四 月 二十 五 日保釈 出 監 シ爾 来 本 部 ヲ府 下 戸 塚源 兵原 ニ
ニ当 リ最 近 ハ特 ニ小 作 人 問 題 ノ調査 研 究 ニ努 メ居 レ ル形 跡 アリ
調 査部 ニ於 テ ハ最 近 主 ト シ テ小作 人 問 題ノ 調 査 ヲ試 ミ時々 会 員ニ
執 行委 員 会 ハ時ゝ 本 部 ニ之 ヲ開 催 シ テ運動 ノ実 施 ヲ計 レ リ
出 版 部 、講 演 部 、雑 誌 部 ヲ置 キ各 部 署 ヲ定 メ テ行 動 シ居 レ リ
印 刷 物 ヲ頒 布 スル等 過 激 ノ行動 アリ シカ中 途 学 校 当 局 ヨリ注 意 ヲ
ノ破 壊 ヲ主 張 シ労 働 者 又 ハ無 産 階 級ノ 独 裁 ヲ唱 導 シ共 産 主義 宣 伝
席 上 講 師 ノ演 述 ノ外会 員 其 ノ他 ノ者 飛 入 リ講 演 ヲ為 シ或 ハ現制 度
名 ニ達 セ ル コト ア リ
二 日 ニ亙 リ早稲 田 大学 講 堂 ニ於 テ講 習 会 ヲ催 セ リ講 習 者 二百 五十
一、本 会 ハ時々 講 演会 ヲ開 催 シ居 レ ルカ客 年 三月 二十 七 日 ヨリ 四月
於 テ実 地踏 査等 ヲ為 セ ル形跡 アリ
与 ヘ且 厳 重 監 視 シ タ ル為 メ稍其 ノ鋒鋩 ヲ収 メ テ終 了 セ リ
一、本 同 盟 ハ東 京 府 下 池 袋 ニ於 ケ ル同 盟 本 部 ニ執 行 委 員会 、 調査 部 、
出 版部 ニ於 テ ハ建 設 者パ ンフ レ ツト及 リ ー フ レツ ト其 ノ他 ノ宣 伝 刊 行物 ノ経 営 ニ当 レル カ右 リ ー フ レ ツト中 不 穏ノ モノ ニ対 シ テ ハ
ニ関 スル公開 集 会 ヲ開 催 セ ル カ公 安 ヲ害 ス ル論 議 ヲ試 ミ中 止 処 分
講 演 部 ハ早 稲 田大 学 講 堂 其 ノ他 ノ箇 所 ニ於 テ思 想 問 題 農 村 問 題 等
本 会 ヲ組 織 シ当 日約 七 十 名 ノ者 ヲ東 京 帝国 大学 々生 控 所 ニ集 合 シ某
学 及専 門 学 校 生 徒 ヲ糾 合 シ去 ル十 一月 七 日 ロ シア革 命 記 念 日 ヲト シ
早 大文 化 会 、建 設 者 同 盟 ノ三 団 体 主 唱 ト ナ リ東 京 及 京 都 ニ於 ケ ル大
東 京帝 国 大 学 生 等 ノ組 織 ニ係 ル新 人 会 及 早 稲 田大 学 生 等 ノ組 織 セ ル
(E ) 学 生 聯 合 会
ヲ受 ケ タ ル コト アリ
発 売頒 布 禁 止 処 分 ニ附 セ ラ レ タ ル コト ア リ
雑 誌 部 ニ於 テ ハ去 ル十 月 一日 ヨリ宣 伝機 関 紙 ﹁ 建 設 者 ﹂ 発 刊 シ主
ハ立 テ
ル モ ノ ナリ
ハレ ツ ヽア ル ノ時 ニ当 リ我 等 ハ五 年 以 前 ロシ ア学 生 ニ学 ハ ント ス
ヲ見 ル ニ ロ マノ フ王 朝 時 代 ニ比較 シ 一層 甚 シキ掠 奪 ト残 虐 ト カ行
想 社会 ヲ建 設 セリ今 日 ハ実 ニ其 ノ五 周年 ニ相 当 ス飜 テ 日本 ノ現 状
ロ シ ア ハ学 生 ト労 働 者 ト ノ手 ニ依 テ旧社 会 制 度 ヲ崩 壊 シ我 等 ノ理
ト シ テ社 会 主義 並農 村 問 題 等 ニ関 スル記事 ヲ登載 セリ 以 上 ノ外 時々 本 部 ニ研 究 会 読 書 会 等 ヲ開催 シ不穏 ノ研 究 論 議 ヲ試 ミ居 レ ル形 跡 ア リ
四 日 ヨリ 八月 七 日 ニ至 ル二 週 日 ニ亙 リ早稲 田 大 学講 堂 ニ之 ヲ開 催
此 ノ光 栄 ア ル記念 日 ニ本 聯 合 ノ成 立 セ ル ヲ祝 福 ス
一、本 同 盟 ハ毎 年 夏期 講 習会 ヲ開 催 ス ルヲ例 ト セ ル カ客 年 七月 二十
セリ聴 講 者 ハ毎 二百 名 内外 ニ シテ講 師 ハ概 社 会 主義 者 ニ属 セ リ而
論 議 ヲ為 セ ル形 跡 ア リ
越 ナ ル言 論 ヲ試 ミタ ル上会 則 ヲ議 定 セ ル カ爾 来 同 所 ニ於 テ過激 ナ ル
ヲ抜 リ﹂ ﹁ロシ ア の革 命 記 念 日 を更 に我 等 の記 念 日 と せ よ ﹂等 ノ激
云々 ト 述 ヘタ ル ヲ初 メ ト シテ数 名 ノ者 交々 立 テ ﹁ブ ルジ ヨア ノ牙 城
シ テ席 上 主 義 宣 伝 ニ関 ス ル奇 激 ナ ル講 述 ヲ聴 取 セ リ
( ) D 早 大 文 化会 一、 大 正十 年 六 月 、早稲 田 大 学 生等 ノ組 織 セ ル モノ ニシ テ会 員 二百 二十 六 名 アリ共 産 主 義 ヲ主 張 ス
( ) F 自由人聯盟
主 張 ハ虚無 的 無 政 府 主 義 ニ属 ス
一、本 聯 盟 ハ大 正九 年 五月 加 藤 一夫 ノ主 唱 ニ係 リ会 員 二十 一名 其 ノ
一、本 聯 盟 ハ従来 屡ゝ 危 激 ナ ル出 版 物 ヲ刊 行 セ シカ最 近 引 続 キ機 関 紙 ﹁自由 人 ﹂ ヲ発 行 シ居 レ リ
) ( G水 曜 会 一、 大 正 十年 九 月東 京 山川 均 等 ノ組織 セ ル モノ ニ シテ純 然 タ ル ﹁ボ ル セビ ツ ク﹂ 団 体 ニ属 ス現 在 会員 百 九十 二名 ア リ
ト 認 メ中 止 解 散 ヲ命 シ タ リ
( I) 種 蒔 き 社 一、東 京 在 住 近江 谷 駒 、村 松 正俊 等 ハ大 正 十 年 九 月 十 五 日本 社 ヲ起
シ十 月 三 日付 ヲ以 テ機 関紙 ﹁ 種 蒔 く人 ﹂ ヲ発 刊 セ リ現 在会 員 ト認
ム ヘキ モノ十 名 ニシ テ共産 主 義 ヲ主 張 ス ﹁種 蒔 く 人 ﹂ 第 一号中 巻
嘗 て人 間 は神 を 造 つた 、 今 や 人 間 は神 を殺 し た、 造 ら れ た も の
頭 ニ左 ノ 一節 ノ記事 ア リ
の運命 は知 る べき であ る、 現代 に神 は ゐな い 、し かも 神 の変形
は いた ると ころ に充満 す る 、 神 は殺 さ る べ き であ る、殺 す も のは
一、本 会 ハ時ゝ 読 書 会 、 茶 話会 等 ヲ催 シ主 義 ノ研 究 及 宣 伝 ヲ凝 議 シ
はな い、 然 り か否 か であ る 、真 理 か否 か であ る、真 理 は絶 対的
こ の状 態 の続 く 限 り 人 間 は人 間 の敵 で あ る、 こ の間 に妥協 の道
売頒 布 禁止 ト ナ リ タ ル モノ アリ全 国各 地 ノ同 志 ヲ経 テ集 会其 ノ他
で あ る故 に、僕 た ち は 他 人 のい はな い真 理 を いふ 、 人間 は人 間
僕 たち であ る是 認 す る も のは敵 で あ る 、 二 つの陣 営 が相 対 す る
ノ場 合 ニ頒 布 シ居 レル カ此 種 宣伝 冊 子中 最 広 ク利 用 セ ラ レ居 レリ
に対 し て狼 であ る 、国 土 と人 種 と は そ の問 ふ と ころ でな い 、真
居 レリ 又宣 伝 用 ト シ テ ﹁水 曜 会パ ン フ レ ツト﹂ ヲ発 行 セ ル カ内 発
一、在 京 思 想 団 体 及 労働 団 体 カ ﹁対 露 非 干 渉 同 志 会 ﹂ ヲ組 織 シ労 農
理 の下 に結 合 と 分離 と が生 ず る 、見 よ 、僕 た ち は真 理 のた め に
世 界 の同 志 と 共 に !
発表 セ ント シタ リ シ モ警 察 ノ警 戒 厳 重 ナ リ シ為 メ所 期 ノ目 的 ヲ達
市 内 各 巡査 派 出 所 並 交 通 係 巡 査 詰 所 ニ配 布 シ其 ノ結 果 ヲ機 関 紙 ニ
一、客 年 三 月 二十 二 日左 記 三 問 題 ヲ印刷 シ回答 用 端 書 ヲ添 付 シ東 京
事 ヲ掲 載 シ内 ニ ハ発 売 頒 布 ヲ禁 止 セ ラ レ タ ル モ ノア リ
其 ノ後 毎 月 一回之 ヲ発 行 シボ ル セビ ズ ム ノ宣 伝 其 ノ他 過 激 ナ ル記
種 蒔 く 人 は こ ゝに於 て起 つ︱
代 の人 間 でな い 、僕 たち は生 活 のた め に革 命 の真 理 を擁 護 す る
共産 主 義 ノ宣 伝 運動 ヲ為 シ タ ル ハ実 ニ本 会 ノ使 嗾 ニ基 因 ス ル モノ
会
戦 ふ、 僕 た ち は 生活 の主 で あ る 、生 活 を 否 定 す る も のは遂 に現
月
トス
( )H 五
一、本 会 ハ大 正 十 年 五 月中 在 京 無 政 府 主義 者 及 明 治 大学 生 等 ノ組 織 既 ニ消 ニ係 ル ﹁オ ー ロ ラ協 会 ﹂ (滅 ノ 一部 ノ モノ ニ依 テ創 立 セ シ モノ ス )
ト ス現 在 会員 三 十 名 アリ大 杉 栄 一派 ノ無 政 府主 義 系 統 ニ属 ス 一、本 会 ハ定期 会 合 ヲ催 シ主 義 上 ノ研 究 及 小作 問 題 労 働 問 題 ノ論 議 討 究 ヲ試 ミ居 リ テ七 月 七 日定 期 会 合 ニ対 シ テ ハ公 安 ヲ害 スル モノ
セ ス シテ終 レリ
あ る、 否 、 吾 等 は 吾 等 の行 動 以 外 に思 想 を持 た な い も の であ る、
聯 盟 の 一員 であ る 、 吾等 が思 想 、 ま た言 葉 は 即 ち 吾等 の行動 で
吾等 が無 言 の裡 に絶 えず 続 け る行動 こそ は最 も痛 切な る吾 等 の
一、労 働 祭 に就 て の御 感 想 二 、現 代 社 会 の公 敵 は資 本 家 な り や労 働 者 な り や
雄 弁 宏 辞 であ る、 吾 等 は この雄 弁 を提 げ て今 日 以 後 、全 国 到 る
処 の市 町村 落 の街 頭 に立 た んと す る
三 、貴 下 は現 在 の境 遇 に満 足 な る や否 や 一、客 年 三月 十 五 日夜 神 田 青 年会 館 ニ於 テ ﹁第 一回純 文 芸講 演 会 ﹂
い、 吾 等 の行 動 は彼 の行 商 人 が自 己 の商 品 を 自 ら 街頭 に 立 つて
行商 人聯 盟 は単 な る書 斎 の革 命 家 を 以 て満 足 し て居 る も ので な
売 ら ん と す る が如 く に吾 等 も吾 等 の思 想 を 自 ら 街 頭 に立 つて道
ヲ開 催 シ ﹁ロ マ ン、 ロー ラ ン﹂作 ダ ント ン劇 第 二幕 法 廷 ノ場 ヲ各
行 く 人 に頒 た んと す る も の であ る
役 割 ヲ定 メ テ朗 読 セ ント シタ ル ヲ以 テ之 カ対話 ハ予 メ禁 止 セ リ 四 月 廿 一日夜 大 阪 在 住 社 会 主義 住 好彦 ノ主 宰 ニ係 ル異 端 座 戯 曲 研
ル宣 伝 印 刷 物 ヲ作 成 シ商 人 名義 ヲ以 テ商 品 見 本 ト シ各 地 学 校教 員 、
員 諸 君 に告 ぐ ﹂ ト題 シ教 員 ノ 団結 ト自 覚 ヲ促 シ共 産 主義 ヲ鼓 吹 ス
為 サ ント シ同 月 廿 五 日行 商 人 リ ー フ レツ ト第 一号 ﹁普 く全 国 の教
一、 本 聯 盟 ハ先 運動 の第 一着 手 ト シ テ学 校 教 員 ニ対 シ主義 ノ宣伝 ヲ
究 会 ト合 同 シ テ講 演 会 ヲ開 催 シ次 テ神 戸 ニ於 テ講 演 会 ヲ開 催 セ リ 爾 来 本会 同 人 ハ各 地同 志 ト提 携 シテ遊 説 ヲ試 ミタ リ
シ殊 ニ ﹁ロシ ア飢 饉救 済 運動 ﹂ ニ対 シテ ハ極 力 之 ヲ援 助 シ或 ハ機
師 範 学 校 教 師 及 生 徒 ニ密 送 頒 布 セ ル ヲ直 ニ発 売 頒 布 ヲ禁 止 シ東 京 、
一、 尚 本会 一派 ハ在 京 同 志 ト共 同 シ テ社 会 主義 運動 労 働 運動 ニ参 加
関 紙 種 蒔 く 人 ノ号 外 ヲ発 行 シ或 ハ演 説 会 ニ参 加 シ ﹁ボ ル セ ビ ズ
シ ﹁す べ て の権 力 を 労 働 者 に!!﹂ 其 ノ他危 険 ノ文 言 ヲ認 メ タ ル宣
き 社﹂ 一味 ノ者 ト共 ニ労農 露 国 ノ標 旗 ヲ樹 立 シ テ示威 運 動 ニ参 加
一、客 年 五月 東 京 ニ於 ケ ル ﹁メ ーデ ー﹂ ニ際 シテ ハ同 種 団 体 ﹁種 蒔
大 阪 ニ於 テ ハ其 ノ大 部 分 ヲ押 収 セリ
ム﹂ ノ宣 伝 ニ当 レ リ
( J) 行 商 人 聯 盟 及思 想 研 究 会 元中央新聞記者警 一、東 京 在 住 山 川 亮 蔵 (視庁詰タリ シ者 )ハ客年 四月十 五日新聞記者当
伝 ビ ラ ヲ頒 布 シテ気 勢 ヲ添 ヘ且会 場 ニ於 テ過激 ノ講 演 ヲ為 セ リ
時 ノ僚 友 数 名 ト共 ニ ﹁ 新 思 想︱ 掠 奪 暴 虐 ア ラ ユ ル手 段 を 以 て無産 階 級 を さ い な み つゝあ る資 本 主義 の倒 壊 を図 る べ き思 想 を 戸 毎 に
一、 本聯 盟 ハ其 ノ後 著 シキ行 動 ナ カ リ シ カ主幹 者 山 川 ハ最 近 ﹁ブ ル
行商 人聯 盟 は大 正 十 一年 四 月 十 五 日に成 立 し た 、 わ が聯 盟 は
張 シボ ル セビ ズ ム宣 伝 及 全 国 総 同 盟 ヲ鼓 吹 スル過激 ナ ル記事 ヲ登
ヲ以 テ機 関 紙 ﹁下層 民 ﹂ ヲ発 刊 セ リ紙 上 ニ ハ無 産 階級 ノ解 放 ヲ主
スル コト ヲ目的 ト シテ ﹁思 想 研 究 社 ﹂ ヲ起 シ去 ル十 一月 廿 五 日付
ジ ヨア文 化 ノ否 定 ト無 産 階 級 ノ徹 底 的 解 放 ノ理 論 及実 際 ヲ研 究 ﹂
就 て無 報 酬 で伝 導 し よ うと す る﹂ 即 チ ﹁ 思 想 行 商 ﹂ ヲ目 的 ト スト
総 べ て の無産 階 級 を束 縛 す る 一切 の鉄 鎖 を断 ち 切 る こと に努 力
称シ ﹁ 行 商 人 聯 盟 ﹂ ナ ル モノ ヲ組織 シ左 ノ宣 言 ヲ発 表 セ リ
す る、 こ の目的 の下 に吾 等 と 共 に努 力 す る者 は悉 く わ が行 商 人
載 セリ
ス ル目的 ヲ以 テ ﹁異 端 者 ﹂ ナ ル モノ ヲ設 置 セ シカ更 ニ同 社 ノ事 業
(ハ) 東京在住無政府主義者︹長 沢九 一郎 ハ ﹁虚無異端﹂ ノ労働者 ヲ団結 マ マ︺
(ニ) 東 京在 住 野 口 一雄 ハ曩 ニ ﹁共 存 倶 楽 部 ﹂ ナ ル モノ ヲ組 織 セ ル カ其
ト シ テ前 科 者 ノ糾 合 ヲ企 テ之 カ宣 伝印 刷 物 ヲ頒 布 セ リ
対 シ無 政 府 主 義 宣 伝 ノ目 的 ヲ以 テ ﹁ 農 村 運 動 同 盟 ﹂ ヲ起 シ去 ル十
(K) 農 村 運 動 同 盟 大杉栄 一派ノ無政府主義系統 ニ 一、在 京 中 名 生 幸 力 (属 シ思想団体五月会ノ主幹者 ) ハ同 志 ト共 ニ農 民 ニ
又主 義 宣 伝 ノ為 ﹁パ ン フ レ ツト﹂ ノ読 売 等 ヲ為 セ リ本 一派 ノ者 ハ
後 之 ヲ ﹁プ ロ レタ リ ア社 ﹂ ト改 称 シ時ゝ 主 義 宣 伝 演 説 会 ヲ開 催 シ
瀾
会
(M) 婦 人 団 体
大 杉 栄 等 ト共 ニ ﹁自由 労 働 者同 盟 ﹂ ヲ組 織 セ リ
月廿 日附 ヲ以 テ機 関 紙 ﹁小作 人﹂ ヲ発 行 セ リ 同 誌 ニ ハ小 作 人 ノ自 主 自治 的 運動 ヲ鼓 吹 シ且 ツ ﹁小作 人 ノ戦 術 ﹂ ニ関 ス ル過 激 ノ記事 及 大杉 栄等 ノ執 筆 セ ル記 事 ヲ登載 セ リ 二 、同 盟 ハ農 民 ノ実際 運 動 ニ参 加 セ ン コト ヲ期 シ ﹁各 地農 村 ニ於 テ 実 戦 ニ従 ヘル者 ﹂ ヲ挙 ケ テ同 盟 ノ同 人 ト ナ ス コト ヽシ東 京 ニ於 テ
本 会 ハ大 正 十年 四 月堺 真 柄 ︵堺利彦女)等 ニ依 リ テ組 織 セ ラ レ タ ル
( イ) 赤
モノ ニシ テ唯 一ノ婦 人共 産 主 義 団 体 タ リ爾 来 極 メ テ過激 突 飛 ナ ル
岩 佐 作 太 郎 外 六 名其 ノ他関 東 、東 北 、中 部 、 関 西 ニ各 数 名 ノ同 人 ヲ発 表 シ テ連 絡機 関 タラ シメ且 埼 玉 、栃 木 、福 島 、青 森 、愛 知 ノ
主 義 運 動 ア リ シ カ最 近 ハ著 シキ活 動 ナ シ
ナセリ
エサ ル状況 ニ在 リ去 ル十 二月 十 日 ﹁婦 人 聯 盟 ﹂ ト改 称 ス ル コト ヽ
度 ノ婦 人 解 放 運動 ヲ為 シ来 リ シカ常 ニ会 員 ノ統 一ヲ欠 キ テ内 証 絶
従 来 新 婦 人協 会 ト称 シタ リ シ モノ ニシ テ女権 ノ拡張 ヲ目的 ト シ低
( )ロ 婦 人 聯 盟
諸 県 ニ支 部 ヲ設 置 セ ル コト ヲ発 表 セ リ
( ) L 其 ノ他 ノ奇 激 ナ ル団 体 以 上 ノ外 東 京 ニ於 ケ ル団 体 ニシ テ奇 矯 ナ ル モノ二 、三 ヲ挙 ク レ ハ 摂 政 宮 御 渡 欧 ニ際 シ西園 寺 式 部 官 邸 ヲ
襲 ヒ暴 行 ヲ演 シ処 刑 セ ラ レタ ル カ出 獄 後 一派 ハ富 豪 其 ノ他 ノ下 ニ
(イ ) 抹 殺 社 一派 ノ者 ハ曩 ニ
至 リ テ寄 附 金 ヲ強 要 シタ ル コト ア リ (2) 地方 ノ部
ノ如 シ
地 方思 想 団体 中 最 近特 ニ注 意 ヲ要 スト 認 メ ラ ル ヽモノ ヲ挙 ク レ ハ次
( )ロ 福 田狂 二 ハ前 記 抹 殺 社 一派 ノ者 ト 共 ニ ﹁日本 労 働 協 会 ﹂﹁新 日本 建 設者 ﹂ ﹁ 無 産 民 社 ﹂ 等 ヲ起 シ ﹁反逆 者 観桜 会 ﹂ ﹁反 逆 者 納 涼 遊 泳
東京帝国大学工学専 門部 ヲ卒業後 北海道 札幌在住 田所篤 (渡 米シ在米 中思想 左傾 セルモノ ) ハ客年三月居住
(A ) 創 建 社 (北海道)
会 ﹂及 ﹁無 産 民 大 会 ﹂ ヲ主 催 セ シ コト アリ 又受 刑 中 ノ者 ニ対 シ主 義 宣伝 ノ目的 ヲ以 テ書 籍 ノ貸 与 ヲ為 ス ヘク ﹁新 日本 建 設 社 牢 獄 文 庫 ﹂ ノ設 置 ヲ計 劃 セ シ コト ア リ
論議 討 究 ヲ為 シタ リ シ カ同 志 ヲ工場 職 工 タ ラ シ メ同 盟 罷 業 ヲ決 行
(a) 右 田 所 ハ創 建 社 及 同 志 宅 ニ於 テ屡ゝ 同志 ノ会 合 ヲ催 シ共 産 主義ノ
更 ニ社 友 五 百 名 ヲ得 タ リ
売 貸 本 ヲ為 シ タリ シ カ同 店 ニ出 入 スル者 ヲ物 色 シテ会 員 二十 名 ヲ得
地 ニ創 建 社 ナ ル書籍 店 ヲ開 業 シ主 ト シ テ思 想 問題 ニ関 ス ル書 籍 ノ販
伝 記 事 ヲ登 載 セ ル ヲ以 テ之 カ発売 頒 布 ヲ禁 止 シ次 テ関 係 者 ヲ刑 事 訴
命 ヲ鼓 吹 シ或 ハ在 京 無 政府 主義 者 岩 佐 作 太 郎 等 ノ執 筆 ニ係 ル主義 宣
二月 一号 発 行 第 五 号 ニ ハ権 力 支配 ヲ否定 シ自 主 自 由 ヲ力 説 シ又 ハ革
刊 行 セ ルカ本 誌 ハ逐 号 奇激 ノ度 ヲ加 ヘ無 政 府 主 義 的 鋒鋩 ヲ表 シ客年
題 、時 事 問 題 其 ノ他 ニ関 シ過激 ノ記事 ヲ掲 ケ タ リ爾 来 毎 月 一回 之 ヲ
追 セリ鼓 ニ於 テ本 会 ハ 一頓 挫 ヲ来 シ同 年 三 月号 限 リ本 誌 ヲ廃 刊 シ四
実 行 ヲ目 的 ト スル モ ノ ナ リ
大正 九 年 五月 石 川金 次 郎等 ノ組 織 セ ル モノ ニ シテ社 会 主 義 ノ研究 、
( ) C牧 民 会 ( 岩 手)
月廿 四 日本 会 ヲ解 散 セ リ
セ ン コト ヲ論 議 シ タ ル形 跡 アリ
一派 ノ ﹁前 衛 社 ﹂ ノ主 唱 ニ係 ル露 西亜 飢 饉 救 済 運 動 ニ参 加 シ鉄 道
(b )田所 ハ東 京 山 川 均 一派 ノ共産 主義 者 ト脈 絡 ア ル形 跡 ア リ シ カ山 川
局苗 穂 工場 ヲ中 心 ト シ テ募 集 セ ル事 実 ア リ
秘 密 出 版 シ同 志 ニ頒布 セ ル ヲ以 テ之 ヲ検 挙 セ リ
(c ) 田所 ハ客 年 八 月 ヨリ九 月 ニ至 リ ﹁革 命 歌 ﹂ 其 ノ他 ノ不穏 印刷 物 ヲ
常 ニ東 京 同 志 ト連 絡 ヲ取 リ之 等 ノ主 義 運 動 ニ参 加 セ ル カ客 年 山 川均
等 前 衛 社 一派 カ露 国 飢 饉救 済 運動 ヲ起 ス ヤ之 ニ加 担 シ飢 饉救 済 ニ藉
口 シ テ ﹁ボ ル セビ ズ ム﹂ノ 宣 伝 運 動 ヲ為 セ リ
主 意
中心人物 ノ氏名
本 会 ハ去 ル十 月 廿 五 日 ﹁赤 旗 ﹂ ト題 ス ル謄 写版 摺 機 関 紙 ヲ 発 刊 シ
彩
動
(B) 革 人 会 ( 山梨) 甲 府 在 住 矢 崎 源 之 助等 主 唱 ト ナリ大 正 十 年 十 月 組織 セ ル モ ノ ニ シテ
色
行
綱 領 ト シ テ ﹁我 等 は個 人 及社 会 の基 調 た る自 主 自 立 竝相 互 扶助 の観
会員数
( 大正十二年 一月現在) ×印 ハ要注意団体
創 立年 月日
ノ
﹁村 ヘ!!町 ヘ!!﹂ ﹁これ 我等 地方 主 義 者 の標 語 な ら ざ る べ か ら ず﹂
地
近
ト称 シ社 会主 義 宣伝 ニ当 リ ツ ヽア リ
︹マ マ ︺
在
世 界 ノ文 化的 大 勢 タ ル 会 ヲ催 シ主義 及新思想 ノ論議
東京帝国大学生 ノ組織 ニ係リ 大学教室其他 ニ於 テ時ゝ講演
最
合 ヲ各 種 研 究 論 議 ヲ為 シ次 テ機 関 紙 ト シ テ ﹁ 革 人﹂ ヲ発 刊 シ小 作 問
所
主 ナ ル 思 想 団 体 調
称
大正 七年
綱 領
念 を研 究 し 宣 伝 し 実行 ﹂ ス ル コト ヲ標 榜 シ 毎 月 一回 同 志 ノ 定 期 会
名
東京市牛込区
× 新
× 暁
人
民
会
会
× 建 設者 同 盟
×
月
会
東京北郊 自主会
× 五
市 ケ谷 富 久 町 一 一三 友岡方
東京府下戸塚 源兵衛町七六 二
十 一月十 五 日
大正 九年 八月十四日
大正 八年 十月十八日
三五〇
五〇
三〇
五〇
東京府下西巣 鴨町池袋九六〇
東京府下巣鴨 町 一七 八六 橋浦方
三〇
大正 九年 九月十五日 東京府下戸塚 町源兵衛 二 一 大 正 十 年 五月 四 中名生方
共産主義
同
ギ ルド ソ シ アリ ズ ム
無政府主 義
同
調 シ是 カ促 進 ニ努 メ現
人 類解 放 ノ新 気 運 ニ協
ヲ試 ミ ント ス ル ノ状 況 ナ リ対
会 主 義 者 ト 提携 シ テ実 際 運動
宣 伝 ヲ試 ミ動 モ ス レ ハ在 京社
党 事 件 ニ連 座 入 獄 シ タ ル モ最
一タ リ本 会 主 脳 者 ハ日本 共産
思想団体中最険悪 ナルモノ ヽ
早 稲 田大 学 生 等 ノ組織 ニ係 リ
セリ
﹁ボ ル セビ ズ ム﹂ ノ宣 伝 ヲ為
露非干渉 同 志 会 ヲ組織 シ テ
代 日本 ノ正当 ナ ル改 造 運動 ニ従 フ
一切 ノ旧勢 ヲ排 シ新 秩
最 モ合 理 的 ナ ル新 社 会
宣 伝 運 動 ヲ試 ム
会 ヲ催 シ又 講 習 会 ヲ開 催 シ テ
利 彦 其 ノ他 ト提 携 シ時 々講演
序 ノ創 造 ヲ期 ス
近保 釈 出 獄 シ再 ヒ活動 ヲ開始
﹁農 民 運 動 ﹂ ヲ発 刊 ス
セ リ農 民 運 動 ヲ 目 的 ト シ テ
ノ建 設 ヲ期 ス之 カ為 メ
早 稲 田大 学 生 ノ組 織 ニ係 ル堺
適 当 ナ ル研究 及実 行 運
最 近機 関 紙 ﹁建 設 者 ﹂ ヲ発 行 セリ
動 ヲ期 ス
自由平等且幸福 ナル新 社会 ノ実現 ヲ期 ス
本 部 ニ定 期 会 合 ヲ催 シ居 レ リ
赤 松克 麿
高 津 正道
巌
川崎 悦行 荒井邦 之介 近藤 栄蔵 高 瀬 清 ( 入露中)
和 田
橋浦 時雄
中名生幸力
×
労
× 無
×
水
×
種
働
産
き
曜
蒔
社
社
会
社
× 社 会 思 想 社
× 早 大 文 化 会
×
行 商 人 聯 盟
東京市京橋 区 新佃西町 一ノ 二四 布留 川方 東京市 麹町区 麹町八丁目二 十四 堺方 東京府荏原郡 入新井 町新井 宿 五九二 西雅雄 方 東京市 京橋 区 多 町 一七 東京市京橋区 月島東仲通九 ノ三 東京府下戸塚 町源兵衛七 三 岩谷弥吉方 東京府下滝野 川町中 里一三 四 川合精 一方
大 正 十 年 三 月 三十 一 日
大 正十 年 四月十五 日
大 正 十 年 九 月 一日
大 正十 年 九月十五 日
二月
大 正 十 一年
大 正 十 年 六 月 十 一日
大 正 十 一年 五 月 十 日
四〇
二
一九 二
一〇
同
共産主義
同
共産主義
同
同
二二六
同
一二
四
社 会 主 義 ノ理 論 ヲ研 究 宣 伝 ヲ目 的 ト ス
社 会 問 題ノ 研究 ヲ目的 ト ス
広 ク文 化 問 題 ノ研 究 ヲ
機 関紙 ﹁ 労 働 社 ﹂ ヲ発 行 セリ
為 目 下 著 シ キ行 動 ナ シ
高 尾 吉 田 等 ハ露 国 ニ赴 キ タ ル
日本共 産 党 一派 ハ屡 本 所 ニ会
合 協 議 シ タ ル形 跡 アリ ﹁無 産
者 リ ー フ レ ツト﹂ ト称 ス ル宣
伝 用 印刷 物 ヲ刊 行 シ居 レリ
時 々読 書 会 、茶 話 会 ヲ開 催 シ
ツト﹂ ヲ刊 行 シ居 レリ
高尾平兵衛 吉 田 一
仲宗根源和 堺 利 彦
均
近江谷 駒
宣 伝 用冊 子 ﹁水 曜 会 パ ンフ レ 山 川
社会 主義 団 体 ト提 携 シテ宣 伝
機 関紙 ﹁ 種 蒔 く人 ﹂ ヲ発 行 ス
平 貞 蔵 三輪 寿壮
運動 ヲ試 ム ル コト ア リ
機関紙 ﹁ 社 会 思 想 ﹂ ヲ発 行 ス
高井 誠道
山川 亮蔵
宣伝講演会及講習会 ヲ開催 ス
ヲ発 刊 ス
機 関 紙 ﹁行 商 人 リ ー フ レツト ﹂
目的ト ス
ノ行 商 ト ヲ目的 ト ス
無 産 階 級 ノ解 放 ト 思想
× 文 化
× 無 産
×
学
民
会
社
日本 労 働 協 会
×
風
社
新 日本 建 設 社
×
熱
社会政 策 学 会
東 京 市 小石 川 区 小 日 向台 町 二 ノ 一九
東京府荏原郡 大井 町 二、四 七八 福 田方
上
東京府荏原郡 大井 町 二、四 七八 福 田方
同
東京市小石川 区宮下 町六九 佐野方
東京帝国 大学
大 正 八年 六月 廿 日
大 正 十 一年 四月 十 五 日
一月 五 日
大 正 十 一年
大 正 十 一年 二 月 一日
大 正 十 一年 五月
明治廿九年
四六
六
八
八
六
三四八
同
無政府主 義
国家社会 主義
同
世 界ノ 大 勢 ニ順 応 シ国 ル為 メ文 化 諸 学 説 ノ研
家 ノ文 化 的 発 展 ヲ期 ス
島中 雄 三
抹殺 団員 及 大 日本 機 械 技 工組
時ゝ 講 演 会 ヲ開 催 シ居 レリ
資 本 主 義 ノ弊 風 ヲ打 破
合 員 等 カ本 年 ノ メ ーデ ー ニ参
究 応 用 ヲ目 的 ト ス
シ貧 富 ノ差 別 的 生 活 ヲ
昇
人
大内 兵 衛
佐野袈裟美
同
福 田狂 二
加藤
斎藤 雄平 改 善 シ進 ンテ 無 産 制度
シ テ其 後 二、三 ノ 突 飛 ナ ル 宣
加 セ シカ為 メ組 織 セ ル モノ ニ 児島 東 一郎
ノ形 跡 ア リ
等 ニ際シ 煽動 ヲ為 サ ント スル
宣 伝 ヲ為 サ ント シ又 労 働争 議
機 関 紙 日本 労 働 雑 誌 ヲ発 刊 シ
伝 行動 ニ出 テタ ル コト ア リ
ニ及 ホ サ ント スル ニ在 リ 労 働 者 ノ地 位 ノ向 上 ヲ 計 リ生 活 ノ安 定 ヲ期 ス ル ニア リ
逆 者 招 魂 祭 ヲ催 サ ント シ又 入
ノ経 営 セ ル モノ ニシ テ曩 ニ反
前 記 日本 労 働 協 会 ト共 ニ福 田 ヲ改 革 シ日本 ノ面 目 ヲ
獄 者 ニ対 シ主 義 宣 伝 ノ目的 ヲ
現 代 ノ欠 陥 ア ル諸制 度 一新 セ ント ス ル モノ ナ
以 テ ﹁牢獄 文 庫 ﹂ ノ設立 ヲ計
風 ヲ刊 行 シ主 義 ノ宣 伝 ニ努 ム
ニシ テ機 関 紙 シ ムー ン改 題 熱
自 由 人 聯 盟 ヨリ 分立 セ ル モノ
劃 セ シ コト アリ
リ
ノ活 動 及 国 家 ノ権 力 ニ
其 ノ範 囲 内 ニ於 テ個 人
私 有 経 済 組 織 ヲ維 持 シ
社会主義 資 本 主 義 文 芸 ヲ撲 滅 シ 芸 術 ヲ主 社 会 主 義 文 芸 ヲ樹 立 セ 張 スルモ ント ス ル モノ ノ
社会政策
青年 社会 政策学
会
( 北風会)
× 労働同 盟 東 京 運 動
×
小作 人 同 盟
×
名
会
コ スモ倶 楽 部
無
× プ ロ レ タ リ ア社
経済学部内
東京市京橋区 出雲町 二 実生活社内 東京市麹町区 元園 町 一ノ四 四 岩佐方 東京府下戸 塚 町源兵衛 二四 一
シ
中名生方
ナ
東京市芝区三 田 一丁目 二六
東京市深川 区 富 川町二 一 野 口方
十 月廿 日
大 正 七 年 十 一月 廿 二 日
大 正 十 一年 八月
大 正 九 年 十 一月 廿 五 日
大 正 六 年 一月 十 日
大 正十 年 十月
一五
七
一二
二〇〇
二六
二〇
主義
同
無政府主 義
合
無政府主 義
混
一定 ノ主 義 ナシ
一定 ノ主 義 ナシ
依 リ階級 軋轢 ヲ防 キ社 ル ニア リ
会 ノ調和 ヲ計 ラ ント ス
ヲ目 的 ト ス
社 会 政 策 ノ学術 的 討究
コ ス モ ポ リ タ ニズ ム ノ 宣 伝 ヲ目的 ト ス
頑迷 思 想 ヲ排 シ浮 華 ナ
ス
ル言 論 ニ溺 レ ス光 輝 ア ル県 国 発 展 ノ促 進 ヲ期
労働及無産階級ノ解放 及人類共存 ノ大義 ノ確 定
最 近 著 シキ行 動 ナ シ
鈴木梅 四郎
長 島
新
ル モノ ニシ テ其 ノ後岩 佐等 一 岩佐作 太郎
大 正 初 年 頃 大 杉 一派 ノ組 織 セ
派 ニ於 テ承 継 セ シ モ ノ ナリ
小 作 人 社 ノ後 身 ニシ テ ﹁小作
シ小 作 人 ニ対 シ主 義 ノ宣 伝 ヲ
人 同 盟 リ ー フ レツ ト﹂ ヲ発 行
為 サ ント ス ル モノ
主義 者 ヲ網 羅 シ時 ヒ会 合 ヲ催
在 京 社会 主義 者 及 在 留 外 国 人
堺 利彦 宮 崎竜 介 国
シ意 見 ノ交 換 ヲ為 セ ル コト ア 権熈 リ
機 関 紙 ﹁無 名 ﹂ ヲ発 行 シ時ゝ リ
宣 伝 講 演 会 ヲ催 シ タ ル コト ア 利 部 一郎
共 存倶 楽 部 ヲ改 称 セ ル モノ ニ シ テ各 所 ニ宣 伝 演 説 会 ヲ催 シ 野 口 一雄 過 激 ノ論 議 ヲ為 シ地 方 ヲ遊 説 畑 中 光 輝 スル コト アリ
×
自由労働者同盟
会
大原社会問 題 研究 所 東京出張所 × 婦人団体 赤 瀾
殺
社
東京市深川区 富川町二 一
東 京市神 田区 西紅梅 町 一二 東 京市麹 町区 元園 町 一ノ四 四 岩 佐方
東 京市赤 坂区 田町三 ノ二八
× 東京府下 大井 新 婦 人 協 会 町 二、七二三 改 ﹁婦人聯盟﹂ 坂本方
× 抹
大 正 十 一年 八月
一月
大 正 八 年
大 正十 年 四月廿 四日
大 正 九年 三月廿 八日
大 正十 年 一月
四〇
四〇
八〇〇
無政府主 義
社会改良 主義
共産主義
我 等 自 由 労 働 者 ハ自 覚
大杉 一派 ハ堺 、山 川 、等 ボ ル
真 柄
坂本 真 琴
堺
高野岩 三郎
セヴ イ ク運 動 ニ 対 抗 ス ヘ ク 大 杉 栄 ﹁プ ロレタ リ ア﹂ 社 一派 及 自 庄司富太郎 坂野 八 郎
演 シ タ ル カ最 近侯 爵 細 川 護 立
石黒鋭 一郎
ル過激 ノ徒 ノ団結 ニシ テ 一定 ノ主義 主 張 ト認 ム ヘキ モノ ナ 清 川 秀 敏 順 シ曩 ニ西園 寺 邸 ニ乱 入暴 行 ヲ 久 保
﹁テ ロリ スト ﹂ ノ色 彩 ヲ有 ス
シ婦 人 聯 盟 ト 改称 セリ
劃 中 ナ リ シ カ其 ノ後 内 証 ヲ生
婦 人参 政 運動 ヲ開 始 ス ヘク計
紙 ﹁ 女 性 同 盟 ﹂ ヲ刊 行 ス将 来
時 ニ宣 伝演 説会 ヲ開 催 シ機 関
最 近 著 シキ活 動 ナ シ
導 セ ント ス ル モノ ナ リ
団 体 ヲ起 シ大杉 ニ於 テ之 ヲ指
シ真 ノ人 間 生 活 ヲ期 ス 由 労 働 者 ヲ糾 合 シ テ上 記 労 働
社 会 問 題ノ 研 究 調 査 ヲ 目的 ト ス 私 達 ノ兄 弟 姉 妹 ヲ窮 乏 ト無 智 ト隷 属 ト ニ沈淪 ニ対 シ宣 戦 ヲ布 告 ス
セ シメ タ ル 一切 ノ圧 制
ル ヲ目的 ト ス
婦 人 ノ地 位 向 上 ヲ期 ス
一定 ノ主 義 綱 領 ナ シ
セ ル事 実 アリ検 挙 審 理中
其 ノ他 ノ富 豪 ヨリ金 銭 ヲ喝 取
近藤 栄蔵高津 正道等 一派 ノ集
×
異
端
明
明
社
会
社会政策実行 団
啓
× 黎
東京市深川区 西大工町 一五
団 ニシ テ売 文 業 ヲ営 ミ且主 義
運 動 ヲ為 サ ント スル モ ノナ リ
ル コト アリ シ カ最 近前 科 者 ヲ
時ゝ 不 穏 ナ ル印 刷 物 ヲ頒 布 ス
会 員 ト称 ス ヘ キ モ ノ ナ ク 只 異 端 ノ徒 ヲ結 合 セ ント
糾合 シ之 カ相 談 相 手 タ ラ ント セリ
称 シ奇 激 ノ宣 伝 印 刷 物 ヲ頒 布
社 会 政 策 ノ実 行 ヲ目 的 ト シ平
民 病 院 、平 民 薬 局 、 平 民食 堂
等 各 種 ノ社 会 事 業 ヲ為 セ リ加
教 育 者 ヲ結合 シ新 思 想 運動 ヲ
カ ラ ント スル モノ ヽ如 シ
治 ハ漸 次 社 会 主 義 運 動 ヨリ遠
自覚 シ自 由 ヲ獲 得 シ万
シ又思 想 団体 ト提 携 シテ之 ト
為 サ ント シ時 々講 演 会 ヲ開 催
本 会 ハ最 近著 シ キ活 動 ナ シ
運 動 ヲ共 ニ シツ ヽア リ
民 ノ味 方 ト シテ之 カ救
ヲ撲 滅 スル コト
勢 ニ逆 行 スル頑 冥思 想
発 揮 スル コト 世界 ノ大
ニ於 ケ ル日 本 ノ使 命 ヲ
闡 明 シ世界 人 文 ノ発 達
日本 ノ国 本 ヲ学 理 的 ニ
メ ント ス
類 ニ対 ス ル熱 愛 ニ眼 覚
済 ト指 導 ト ニ専 念 シ人
教 育 者 ト シテ ノ天 職 ヲ
ス
社会政策実行 ヲ目的 ト
大正 十 一年
社会政策 主義
ス
三 、〇〇〇
一七 四
一月 頃
八 月 四 日
大 正 八 年
東京市京橋区 大 正 八 年 木挽町六 ノ 一〇 六月
東京府下大久 保町西大久保 五 一九
東京市下 谷区 谷中真島 町 一 大 正 七 年 会 ノ三 十 二月 三日 麻 生方
長沢九 一郎
加治時次郎
久
下中弥三郎
麻 生
×
自 由 人 聯 盟
学 生 聯 合 会
第 一著作家同盟
文筆労働者同盟
農村 運動 同盟
ヴ アガ ボ ンド社
未定 東京市 帝国大 学内
東京府下巣鴨 町
撰定中
東京府下戸塚 源兵衛町
大 正九年 五月廿八日
大 正 十 一年 十 一月 七 日
大 正 十 一年 七月十二日
大 正 十 一年 十 二月 十 日
大 正 十 一年 十月
大 正 十 一年 七月
二 一
七〇
三〇
スチ ルネ ル ノ無政 府 主
トアリ
過 激 ナ ル印 刷 物 ヲ頒 布 セ シ コ
機 関 紙 自 由 人 ヲ発 行 シ居 レ リ
義 思 想 ヲ鼓 吹 宣伝 セ ン
モノ ニ シテ東 京 帝 国 大 学 々生
五周 年 記 念 日 ヲト シ組 織 セ ル
ト スル モ ノ ナリ
東 京 及 京 都 ニ在 ル大 学 及 専 門 各 学 校 団 体 及 箇 人 ノ親
学 校 学 生 々徒 等 カ ロシ ア革 命 ボ ル セビ
睦 ヲ計 ル ヲ目 的 ト ス
資 本 主 義 芸術 ヲ排 シプ
等 ノ寄 稿 ヲ登 載 セ リ
作 家 同 盟 ﹂ ヲ発 刊 シ荒 畑 勝 三
十 月 一日機 関 紙 ﹁D S D第 一
加 藤
一夫
黒田 寿男 三宅 正 一
村 雲 毅 一
中名生幸力
内 田 実 小野源之助
配 置 シ ﹁実 戦 ﹂ ニ参 加 セ シ メ 渡 辺善 寿 ント且 主 要 五 県 ニ支部 ヲ設 置
発 行 セ リ各 地 ニ同 盟 ノ同人 ヲ
十 月 廿 日機 関 紙 ﹁小作 人﹂ ヲ
セ ント スル モノ ナ リ
ヲ発 行 シ将 来 労 働 団 体 ニ提 携
ノ ニ シテ機 関 紙 ﹁文 筆 労働 ﹂
ヲ業 ト スル者 等 カ組 織 セ ル モ
共 産 主 義 其 ノ他 ニ属 スル著 述
ロレ タリ ア芸 術 ヲ起 サ
農 民 宣 伝 ヲ目的 ト ス
者 擁 護 ヲ目 的 ト ス
文 道 ノ研究 ト文 筆 労 働
ント ス ル モノ
論 ヲ試 ミ タ リ
控 所 ニ発 会 式 ヲ挙 ケ過 激 ノ言
ズ ム
無政府主 義
セリ
去 ル八 月 中 月 島 労 働 会 館 ニ
﹁社 会 問 題 講 習 会﹂ ト称 シ主
義 ノ講 習 会 ヲ開催 セリ
方)
思 想 研究 社
(地
沢
光
会
社
小 樽 啓 明会
極
麗
思想問題研究会
東京府下池袋 九
北海道 小樽 区 色内 町八ノ二 八 日本海 上保険 会社小樽出張 所内
︹マ マ ︺
北海道天塩国 留萠郡留萠町 南大 通八八 吉田清文方 北海道札幌区 大通西 三丁目 北海道拓殖会 社 北海道石狩 国 夕張郡夕張町 市街地五区
大 正 十 一年 十 一月
大 正 八 年 二月 十 五 日
大 正 七 年 十 月 一日
大 正 九 年 九月十二日
大正 九年 十 二月十九 日
二〇
一〇
一〇
八
共産主義
ブ ルジ ヨア文 化 ノ否 定 ト 無産 階 級 ノ解 放 ノ理 論 及実 際 ヲ研 究 スル ヲ 目的 ト ス
新 思 想 ノ研 究 ヲ目的 ト
去 ル十 一月 廿 五 日新 聞 紙 ﹁ 下
層 民 ﹂ ヲ発 刊 シ過 激 ナ ル宣 伝
記 事 ヲ掲 ク
毎 月 一回会 員 ノ例 会 ヲ催 シ又
時ゝ 学 者 ヲ聘 シ テ講 演 会 ヲ開 催 ス
カ之 ヲ廃 シ雑 誌 ノ輪 読 ヲ為 ス
会 員 ノ定 期 会 合 ヲ催 シ タ リ シ
ス
思 想 、時 事 問 題 ノ研 究
同 志 ノ定 期 会 合 ヲ開 催 ス
論 議 ヲ目的 ト ス
目的 ト ス
思 想労 働 問 題 ノ研 究 ヲ
思 想 問 題 社 会 問 題 ノ研 究 ヲ目 的 ト ス
理想的社会 ノ実現 ニ従 ヒ人類幸福 ノ為合法 ナ ル天賦 ノ権利 ヲ主張 シ
山 川亮 蔵
吉田茂太郎 出 口豊泰
吉 田清 吉
出 口豊 泰 小笠原栄治
吉 田清 吉
醒
人
旒
会
京都府船井郡 園部町字宮町 九六
京都市上京区 丸太 ︹マ マ︺
西川 乙次郎方
大 正 八 年 十 一月 十 七 日
大正 九年 二月廿八日
一日
大 正 八 年
一七
三〇
二五
大 正八年 六 月七 日
三〇
三 月
横浜市戸部 町 二 ノ四七 吉 田只次方
大 正十 年 五月廿 二日
四
大阪市南区天 王寺伶人町 四、八四七
埼 玉県北足 立 郡大宮町大門 二八 角 井方
大 正 八年 五月廿 二日
一五
三重県南牟婁 郡神 志山村 大 字志原
会
社会 問題研 究所
六 日倶 楽 部
大原
赤
会
九 月十 一日
大 正 九 年
名古屋市中 区 矢場町五 ノ四 中央食堂内
( 労働問題講演会)
講
明
化
二五
座
埼玉文 化 協 会
黎
文
テ 一切 ノ世論 ヲ教 導 ス
且 ツ中 心思 想 ヲ創 造 シ
モ著 シ キ活 動 ナ シ
誌 ヲ発 刊 セ ムト ス ル モノ ナ ル
講 演 会 討 論 研 究会 ヲ開 催 シ雑
ヲ排 斥 シ常 ニ誠 実 ト熱
ヲ為 シ ツ ヽア ル モノ ヽ如 シ
本 所 ノ目 的 ニ従 ヒ相 当 ノ活動
著 シキ活 動 ナ シ
表 ヲ為 サ ント スル モ ノ ア ル モ
講 演 及 談 話 会 ノ開 催 研 究 ノ発
⋮ ⋮ 一切 ノ虚 偽 及 妥 協 烈 ナ宗教 的感 激 ニ出 ツ 思 想 問 題 ノ研究 団 体 ト ナ リ我 国 関 西 ニ於 ケ ル 文 化 運動 ノ先 駆 タ ラ ン 事 ヲ期 ス
社会問題 ノ研究 調査発 表 ヲ目的ト ス
本 年 ニ入 リ テ ハ著 シ キ行 動 ナ
在 浜 社 会 主 義 者ノ 集 団 ナ ル モ 社 会 主義 ノ研究 宣伝 ヲ
ク殆 ント有 名 無 実 ノ状 態 ニ在 リ
目的ト ス
永井繁 三郎
西川正次郎
高 野岩三郎 大原孫三郎
吉 田只次
浜 口八十郎
主 脳 者宇 都 宮 米 一カ不 敬 罪 ニ 大脇孫三郎
石 井敬 三 浅子好太郎
依 リ処 刑 セラ レ爾 来 振 ハ ス
活動 ナ シ
思想労働問題 ノ研究 ヲ
長野直 一郎
ルヲ目 的 ト ス
文 化 思 想 ノ向 上 ヲ期 ス
標榜 ス
同 志 ノ定 期 会 合 ヲ催 シ居 レリ ︹マ マ ︺
現代思潮 ヲ批判 シ民衆 生 活 改 造 ノ基 調 ヲ
青年 改造同
人
衆
盟
会
派
思 想研 究 会
民
新
信 州
明
会
信濃 黎 明会
黎
名古屋市南区 熱田本町金山 二七 横井方
静岡市本通リ 三 ノ 一二
一月 十 八 日
目的 ト ス
健 実 ナ ル思 想 ノ涵 養 ヲ
同志 ノ定 期 会 合 ヲ期 ス
サ ント ス ル モ ノナ ル モ活 動 ナ
機 関 紙 ヲ発 行 シ宣 伝 集 会 ヲ催
横 井 米松
山田悦次郎 服部 良 三
山崎伊勢松
在 京 麻 生久 等 ヲ招聘 講 演 会 ヲ
シ
新 思 想 ノ研 究 ヲ為 サ ン
開催 シ タ ル コト ア リ
社会的公正 ノ基調 タル ヘキ原理 ヲ講究 シ且宣 伝ス 社会 ヲシテ各種政治機 関 ノ当事者 タラシメ民 衆ニ有利 ナ ル法制 ノ確 立及運用 ヲ期 ス 労働組合 ノ組織及活動 ニ協力 ス
大 正 十 年
大正 九年 三月 廿 日
大 正十 一年
ト ス ル モノ ナ リ
二 月 廿 日
岐阜県恵那郡 明 石 町 一、八 八七 山田悦次郎方
改 造 ヲ期 ス
小林太郎重
大正 九年 二月十 五日
人 類 解 放 ノ新 気 運 ニ協 調 シ自 己 実 現 ヲ尊 重 シ 現 代 日本 ノ正 当 ナ ル改 造 運動ニ 従 フ
講演 会 ヲ開 催 セリ
活動 ナ シ
松本市大名町 七四
不自 然 ナ ル社 会 状 態 ノ
上 田市 袋 町
大正 九年 十月 二 日
ス
新文化 ノ向上発展 ヲ期
綿田結次郎
半 田藤 七 小林 泰 一 一、二 二七
大 正 九 年 十 一月 廿 三 日
本年 一月鈴 木 文 治 ヲ聘 シ普 通
長野県上水内 郡 日里 村 日下 野 一、八 七 〇
牧
平
化 協
民 協
会
社会問題研究会
文
民
会
会
ナシ 岩手県盛岡市
仙台市 県立図 書館内
宮城 県牡鹿郡 石巻 町仲町 四八
仙台市東六番 丁六九 大 正九年 五月 五日
三 月 廿 日
大 正 九 年
目的 ト ス
労 働 問 題 ノ研 究 発 表 ヲ
内 部 生 活 ノ充 実 ト文 化
社 会 建 設 ヲ為 ス
皇 室 ヲ尊 重 シ合 理的 新
東京社会主義者ト連絡 ス
菅野純 一郎 鈴木清 吉
西 脇 穣 窪 田鉄 男
一時 活 動 アリ タ ル モ最 近著 シ
大 谷 秀雄
藤 原鉄 乗 暁 烏 敏
椎名純 一郎
石川金次郎
岩崎 隆平
著 シキ活 動 ナ シ
キ行 動 ナ シ
同
目的 ト ス
居 町 ヲ中 心 ト シテ社 会 改 造 ヲ期 ス
自 我的新仏教思想 ノ鼓 吹
ニ対 ス ル信条 ヲ期 シ社
時 代 ノ趨 勢 ニ応 シ教 育
ル モ容 疑 ノ点 ナ シ
屡ゝ 会 合 ヲ為 シ雑 誌 ヲ発 行 セ 前 田 二 郎
余川久太郎 テ希望 ト 力 ト ニ満 チタ ル日常 生 活 ヲ営 マン コ
会 ニ於 ケ ル先駆 者 ト シ
最 近著 シ キ行動 ナ シ
社 会 主 義 ノ研 究 実 行 ヲ
ノ促 進 ヲ期 ス
四 月 十 日
大 正 八 年
大正 八年 十 三月七日
大正 九年 五月
一月 一 日
大正 十年 三月
石川県鹿島郡 七屋町字港町 一ノ六八
大 正 六 年
会
団
金沢市西側 町二
曜
社
土
禿
秋田県仙北郡 角館町西藤 楽 町六七 西覚寺
愚
声
新 人会能 登支部
新
ナシ 富 山県氷見 町
ト ヲ期 ス
恒
明
会
ナシ 富山県中新川 郡東水橋町 大 正九年 三月 九 日
社会 人類 ノ幸 福 ト自 由 ヲ高 調 セ ム カ為 メ熱 舌 ヲ奮 テ社 会 民 衆ニ 宣 伝 セ ムト ス
フ
代 社 会 ノ改 造運 動 ニ従
不 幸 ヨリ解 放 ス ヘキ現
彼 等 ハ人類 ヲ束 縛 貧 窮
現代 思想 ヲ研 究 シ文 化
ト ス
上 ト普 及 ヲ図 ル ヲ目的
政 治 社会 等 ノ思 想 ノ向
東 京新人会本部 ノ綱領 ト同 シ
大 正 九 年
ナシ 富山県下新川 郡 三日市町 大 正八年 八月
運動 ニ従 フ
明
富山県新 人 会
広島市元宇品 町 三二 大 正十年 四 月六 日
不
新人会 広島 支部 広島市尾道町 四一 大 正 十 年
八 月 廿 一日
広 島文 化 協 会 甲府市伊勢 十 一月 二 十
会
二 、五 六九
一 月 一日
十 田中 英 三方
行動 ナシ
リ シ モ最 近 著 シ キ行 動 ナ シ
千石 喜 久 尾島治 一郎
一 中 田右 内
時ゝ 講 演 会 ヲ催 シ タ ル コト ア 辻 武
丹 悦 太 弘中柳 三
時ゝ 労 働 問 題 等 ニ関 ス ル講 演
会 ヲ開 ク コト アリ
八太舟 三
高 田 一太 郎
田 中 英 三
会 員 漸 減 著 シ キ活 動 ナ シ
行動 ナシ
一八 最 近ニ 於 ケ ル 社 会 主 義 運 動 ノ 状 況 大正十四年 一月
大正十 四年 一月 最 近ニ於 ケル社会主義運動 ノ状況
(B) 無 産 階 級 運動 ノ統 一
四一 219
四〇 219
五六 223
五五 223
四三 2 20
(C) 政 治 運動
第 四章 反 動 団 体
第 二節 社 会 主義 団体 及 其 ノ他 ノ思 想 団 体 ノ行 動
第 五章 警 察 取 締 ノ方針 ト社 会 主 義 者 ノ犯 罪
最近ニ 於ケル社 会 主 義 運 動 ノ状況
一 ⋮2 07
我 国ニ 於 キ マシ テ社会 主義 的 思 想 ノ輸 入 セ ラ レ テ其 ノ運動 ヲ見 ル ニ
内務省警保局
第 一章 社会 主義 運動 ノ沿 革
一 207
次
第 一章 社 会 主義 運動 ノ沿 革 丁
四 2 08
目
説
説
第 一節 総
シ マスノ ハ可 ナ リ多 ク ノ紙 数 ヲ要 シ マ ステ茲 ニ ハ唯 既往 一ケ年 間 ニ
至 リ マシタ ノ ハ可 成 古 イ コト テア リ マシ テ其 ノ消 長 ヲ詳 シ ク説 明 致
第 一節 総
第 二節 大 正 十 二年 中 ノ状 況 概 要
八 0 21
第 一節 概
三 211
九 2 10
八 21 0
申 上 ル マテ モナ ク我 国 ノ社会 思 想 ト シ マシ テ ハ最 初 「 自由民権﹂主
極 簡単 ニ申 述ヘ ル コト ニ致 シ マス
於 ケ ル我国 ノ社 会 運 動 ノ状 況 ヲ申 上 ル順 序 ト致 シ マシ テ其 ノ沿 革 ヲ
況
第 二節 思 想 及 活動 上 ノ傾 向
運 動 ヲ指 導 シ テ居 リ マシ タ続 イ テ英 国 ノ社 会 主義 思 想 カ流 入致 シ マ
義 的 ナ仏 蘭 西 思 想 カ這 入 テ参 リ マシ テ之 カ当 時 ノ社 会 運動 乃至 政 治
第 二章 大 正 十 三 年中 ニ於 ケ ル社 会 主 義 運 動 ノ状 況
第 三節 社 会 主義 者 及 団体 ノ数 的 観 察 一
211
露 西 亜思 想 タ ル過 激 主 義 ノ思 想 ニ転 シタ ノ テ ア リ マス斯 ク シ テ現 在
産主義及虚無主義) カ相 前 後 シ テ輸 入 サ レ更 ラ ニ最 近 代 ニ於 テ別 箇 ノ
リ マシ タ即 チ独 逸 ノ思 想 ( 科学的 社会主義)及 露 国 ノ 思 想 ( 無政府共
シ アリ ズ ム﹂ 等 ノ思 想 テ ア リ マス夫 レ ヨリ大 陸 ノ思 想 カ流 入 シ テ参
シ タカ之 ハ今 日 カ ラ申 セ ハ所 謂空 想 的 社 会 主 義 ﹁クリ ス チア ン、 ソ
二三 214
第 四節 社 会 主義 者 及 団体 ノ質 的 観 察 一四 第 三章 大 正 十 三 年中 ニ於 ケ ル主 ナ ル運動
二三 214
二三 4 21
(1) 内 地 在 住 社会 主義 者 ノ主 ナ ル行 動
三七 218
第 一節 社 会 主 義 者 ノ主 ナ ル行 動
(2) 在 外 社 会 主義 者 ノ状 況
三九 218 三九 8 21
(3) 所 謂 「方 向転 換 ﹂ ノ問 題 ト政 治 行 動 (A) 方 向 転 換論
ル﹂ ト連 絡 ヲ ト ツ テ資 金 ノ供 給 其 ノ他 ノ援 助 ヲ モ受 ク ル ニ至 リ マ シ
之 ニ応 シテ彼 等 ト 声 息 ヲ通 ス ル ニ至 リ遂 ニ ﹁第 三 イ ン タ ーナ シ ヨナ
﹁ボ ル セビ ズ ム﹂ ヲ大 体 ノ目 標 ト ス ル共 産 主 義 者 ノ運 動 カ本 流 ト為
テ ハ茲 ニ本 邦 社 会 主 義 運動 ノ大勢 ハ自 ツカ ラ 一新 紀 元 ヲ作 リ マシ テ
テ モ尚 左様 テ ア リ マス カ近 キ既 往 ニ於 キ マシ テ ハ我 国 ノ各 種 社 会 主
ニ注 意 ヲ要 スヘ キ点 テ ア ルト存 シ マ ス右 ノ如 ク露 国思 想 ノ影 響 ヲ受
義 思 想 ノ上 ニ ハ露 国 ノ思想 カ非 常 ニ影 響 シ テ居 ツ タト イ フ コト ハ誠
ケ マシタ結 果 ト シ マシ テ近年 ニ於 ケ ル我 国 ノ社会 主義 運 動 ハ総 テ無
ハル ヽト 云 フ状 態 ト ナ ツ タ ノ テ ア リ マス
一方 ニ於 テ大戦 後 ハ労 働 運 動 モ亦 急激 ナ ル勢 ヲ以 テ発 展 シ テ参 リ マ
リ無政 府 主 義 者 ヤ其 ノ他 各 派 社会 主 義 者 ノ運 動 カ之 ノ支 流 ト シ テ行
シ テ所 謂組 合 運動 ノ体 系 ヲ採 ツ テ闘 争 ト教 育 ト 宣伝 ト ニ努 メ他 方農
政府 主 義 的 ノ気 分 ヲ多 量 ニ包 蔵 シテ居 ツ タ ノ テ ア リ マス即 チ彼 ノ幸
我 国 ノ社会 主 義 運 動 ハ 一時 平 静 ノ状 態 ヲ呈 シ マシ タカ時 日 ノ経 過 ト
徳事 件 ハ其 ノ ﹁ク ライ マツ ク ス﹂ニ 当 ル ノ テ ア リ マス此 ノ事 件 以 来
共 ニ再 ヒ擡頭 致 シ テ参 リ マシ タ其 ノ当 初 ニ於 テ コソ我 国 ノ社会 主 義
連 絡 提 携 ヲ計 ル ヘク全 力 ヲ挙 ケ テ努 メ テ居 ルト 云 フ有 様 テ勿 論 他 ノ
ス社 会 主義 者等 ハ此 間 ニ処 シテ自 家 ノ主 張 ノ宣 伝 ニ腐 心 シ或 ハ之 ト
事 情 モ加 ハリ マスケ レト モ大 体 ニ於 テ社 会 主義 者 ノ運動 ト之 等 ノ社
民 運 動 、水 平 社 ノ運 動 其 ノ他 ノ社 会 運 動 モ漸 次 ニ勃 興 シツヽ ア リ マ
テ居 タ様 ナ次 第 テ ア リ マ ス
会 運 動 ト ハ互 ニ原 因 ト為 リ結 果 ト ナ ツ テ進 ミ ツヽ ア ル ノ状況 テア リ
ノ中 核 ヲ為 ス思 想 ヲ見 マ スト 皆無 政 府 主 義 カ若 ハ之 ニ近 イ 考 ヲ持 ツ
然 ル ニ彼 ノ欧 洲 戦 乱 カ起 リ マシ テ以 来各 種 ノ新 思 想 カ奔 流 ノ勢 ヲ以
者 ハ努 メ テ過 激 ナ ル言 論 ハ之 ヲ避 ケ テ居 リ マシ タ ケ レト モ矢張 リ其
テ流 入 シ テ参 リ マシ テ之 ニ関 スル論 議 研究 カ極 メ テ盛 ニ行 ハレ テ参
当 時 偶々 ﹁ロシ ア﹂及 独 逸 ノ革 命 カ起 リ之 ニ関 ス ル情 報 ハ著 シ ク本
混 乱 期 ヲ生 シ タ ノ テ アリ マ シタ
カ其 ノ他 各 種 ノ モ ノカ相 亜 テ迎 ヘラ レ テ全 ク各 種 ノ社 会 主 義 思 想 ノ
日本 共産 党 ハ大分 世 上 ニ喧 伝 セ ラ レ テ居 リ マスカ茲 ニ其 ノ経 過 ヲ簡
共産 党 ﹂ ノ〓 醸 セ ラ レ タ ノ モ実 ニ此 ノ時 代 ニ属 シ マ ス
年 中 ノ 一ケ年 間 ハ共 産 主義 運動 ノ全 盛 時 代 テ ア リ マシ テ例 ノ ﹁日本
以下 大 正 十 二年 中 ノ状 況 ヲ概 説 シ テ昨 年 ノ状 況 ニ入 リ マス大 正 十 二
第 二節 大 正 十 二年 中 ノ状 況 概 要
マス斯 ク ノ如 ク ニシ テ大 正 十 二年 ニ至 リ マシ タ
邦 社 会 主 義 者 等 ヲ刺戟 シタ ノ テ ア リ マス然 ル ニ此 ノ時 代 ニ在 リ マシ
単 ニ述 ヘ マス
﹁ギ ルド ソ シ アリ ズ ム﹂ テ ア ルト カ乃至 ハ ﹁I ・W ・W﹂ テ ア ルト
リ マシ タ ﹁マル ク ス﹂ ノ思 想 ヲ先 ツ第 一ト シ ﹁サ ンヂ カ リズ ム﹂ ヤ
テ モ最 初 ハ尚 本 邦 社会 主 義 者 ( 茲 ニ社会主義 者ト申 ス内 ニハ無政府主義
「暁 民 共産 党 ﹂ ノ運 動 ヲ起 シ マシ タカ幾 何 モナ ク シ テ検 挙 セ ラ レ マ
本 邦 共産 主 義 者 ハ曩 ニ上 海 過激 派 宣伝 部 カラ資 金 ノ 供 給 ヲ 受 ケ テ
﹁集 団 ノ運動 ﹂ 之 テナ ケ レ ハイ ケ ヌト 云 フ信 条 ハ依 然 ト シ テ棄 テ マ
シ タ然 シ乍 ラ彼 等 ハ将 来 ノ主義 運動 ハト ウ ア ツ テ モ 「組 織 ﹂ テ 臨 ム
以下 一切 ヲ含 ム) ハ皆 彼 ノ労 農 独 裁 ノ制 度 ニ ハ反 対 シ マ シ テ 異 口 同
次 其 ノ緒 ニ就 キ マス ル ヤ過 激 派 ハ我 国 ニ対 シ テ徐 々 ニ宣 伝 ヲ開 始 シ
音ニ ﹁ボ ル セビ ズ ム﹂ ヲ非 難 致 シテ居 リ マシ タ ノ テ露 西 亜 革 命 カ漸
其 ノ運 動 ノ提 携 ヲ求 メ テ参 リ マシタ ソ コテ本 邦 社会 主 義 者 等 モ追 々
陸 続 ト シ テ露 国 ニ向 ツ タ形 跡 カ アリ マシタ ノ ミ ナ ラ ス 一方紐 育 カ ラ
邦 人 共産 主 義 者 ノ運 動 カ追 々熾 烈 ト ナ リ マシ テ同 志 ノ者 ハ米 国 ヨリ
当時迄議会政策派 ノ重鎮タリ シモノ)片 山 ヲ中 心 ト シ テ紐 育 方 面 ニ在 ル
ヲ変 シ マシ テ ﹁ボ ルセビ ズ ム﹂ ヲ主 張 ス ル ニ至 リ マ シ タ カ ( 同人 ハ
セ ヌ而 シ テ米 国 ニ在 リ マシ タ片 山潜 等 ハ 「ロ シア﹂ 革 命 以来 其 ノ説
右 大 杉 ノ不 在中 無 政 府 主 義 者 中 ノ 一部 少 壮 人物 ハ共 産 主 義 者 中 ノ過
セ ラ レ タ次 第 テ アリ マス
国 官 憲 ニ逮 捕 サ レ テ日本 官 憲 ニ引 渡 サ レ大 正 十 二年 七 月内 地 ニ送 還
仏 国 ニ渡 航 シ マシタ ケ レ共 同 国 ニ於 テ過激 ナ ル行 動 ニ出 テタ ル為 同
那 、 朝 鮮 其 ノ他 ノ外国 同 志 ト ノ連 絡 ヤ提 携 ヲ謀 リ亜 テ支 那 人 ニ装 ヒ
ル モノ ヲ膺 懲 ス ル コト﹂ ヲ謀 議 シ マシ テ茲 ニ同盟 ノ 「メ ンバ ー﹂ タ
ノ団 体 ヲ設 ケ直 接 行動 ニ依 テ ﹁苟モ無 産 階級 運動 ヲ阻害 ス ル行 動 ア
. ル高尾平兵衛、長 山直厚(何 レ モ露 国 ヨリ 帰 還 セ ル 共産 主 義 者 ノ中 堅) 其 ノ他 一 ﹁ 人 物ニ シテ 其 ノ後 幹 部 等 ニ不満 ヲ抱 ケ ル者 ﹂
激 ナ ル 一部 ノ者 ト 聯合 致 シ 「 戦 線 同 盟 ﹂ ト 称 ス ル ﹁テ ロリ ズ ム﹂ 的
致 ス コト ニナ ツ タ ノ テ ア リ マス又 他 ノ方 面 ニ於 テ ハ内 地 ノ 一部 共 産
味 ノ者 等 ハ先 ツ南 葛 労 働 組 合 次 テ上 杉 慎吉 、高 畠 素 之 等 ノ国 家 社 会
本 国 ニ於 ケ ル革 命 運 動 ヲ助 勢 ス ヘク有 力 ナ ル同 志 カ内 地 ニ帰 朝 致 シ
主 義 者 ハ対 露 非 干 渉 同 志会 ヲ起 シ露 国 ノ完 全 承 認 及 非干 渉竝 飢饉 救
主 義 者 一味 ヲ歴 訪 シ テ暴 力 ニ愬ヘ ント シ タ場 合 モ ア リ マシタ カ次 テ
テ参 リ マシタ ノ テ茲 ニ彼 等 同志 ノ連 絡 ハ所 謂 三面 関 係 ト ナ ツ テ進 行
済 運動 ト 云 フ コト ヲ標 榜 シ テ過激 主義 ノ宣 伝 運 動 ヲ起 シ マシタ而 シ
反 動 団 体 タ ル赤 化 防 止 団 ヲ襲 ヒ同 団 長 タ ル米 村 嘉 一郎 ( 弁護士) ニ
散 致 シ テ仕 舞 ヒ マシタ 又無 政 府 主義 者 中 ノ他 ノ 一部 ノ者 ハ ﹁農 民 宣
テ本 運 動 ハ結 局 巧 ニ官 辺 ノ厳 重 ナ ル取 締 ヲ潜 ツ テ成功 致 シタ ノテ ア
伝 ﹂ ノ運動 ヲ起 シ テ前 記 共 産 主 義 者 ノ運動 ニ対立 シ テ居 ツ タ者 モア
リ マス成 功 シタト 申 シ マスノ ハ彼 等 ノ其 ノ目 的 ノ 一ト シ テ ハ此 ノ名
リ マシタ
ニ立 チ至 リ官 辺 ニ於 テ モ之 ニ取 締 ヲ加ヘ マシ タ結 果 右 団 体 ハ自 然 解
地カ 充 分ニ 出 来 タ ノテ ア リ マス即 チ機 到 レ リト シ テ茲 ニ所 謂 「日本
団 体学 生 団 体 ト ノ間 カ極 メ テ濃 密 ト ナ リ将 来 ニ於 ケ ル主 義 運 動 ノ素
斯 様 ナ状 況 ニ在 リ マシ タ処ヘ 彼 ノ大 震災 カ起 リ マシ テ巷 間 ニ種 々社
暴 行 ヲ加ヘ 之 ト相 闘 争 シテ高 尾 ハ之 カ為 ニ横 死 シタ ト 云 フヤ ウ ナ事
共 産 党 ﹂ ナ ル モノ カ出来 上 ツタ次 第 テ ア リ マス
ト ニ在 リ マ シタ ノ カ本 運動 ノ結 果 ト シ マシ テ共 産 主義 者 ト各 種 労 働
然 ル ニ党 ハ 一昨 年 六 月之 ヲ検 挙 致 シ マシ テ事 件 ハ目下 東 京 地方 裁 判
儀 ノ運 動 テ実 ハ各 種 労働 団 体及 思 想 団 体 ト ノ接 近 ヲ計 ロウ ト ス ル コ
所 ノ公 判 ニ係 属 シ テ居 リ マス続 テ群 馬 県 、 愛 知 県下 ニ於 テ モ之 ト連
スカ ノ如 ク喧伝 サ レタ リ其 ノ他 色 々 ナ風 説 カ生 シ マシタ カ此 ノ間 無
会 主義 者 ニ対 ス ル不利 益 ナ流 説 ヲ生 シ朝 鮮 人 ト共 ニ今 ニ モ革 命 ヲ起
ル ニ至 リ マシ タ ノ テ アリ マス
以 上カ 大 正 十 二年 中 ノ運 動 ノ概 況 テ アリ マ ス
マ ス
政 府 主義 者 ハ遂 ニ其 ノ中 心 人 物 タ ル大杉 栄 ヲ失 フ ニ至 ツ タ ノ テ アリ
絡 ア ル各 秘 密 結 社 ヲ検 挙 シ客 年 三月 ハ長 野 県 下 ニ於 テ亦 之 ヲ検 挙 ス
斯 様 ニ共 産 主 義 ノ運動 カ盛 ニナ リ マシ タ結果 ハ無政 府 主 義 者 ノ運 動 ハ自 然 之 ニ圧 セ ラ レタ形 ト ナ リ マシ タ ノ テ茲 ニ同派 ノ主 脳 タ ル大 杉 栄 ハ局 面 打 開 ノ為 ニ大 正十 一年 末 支 那 上 海 ニ渡 航 致 シ同 地 ニ於 テ支
第 一節 概
況
第 二章 大 正 十 三年 中ニ 於 ケ ル社 会 主 義 運 動 ノ状 況
前申 述 ヘ マシタ如 ク客 年 ノ震 災 ニ依 リ 我国 ノ社 会 主 義 運動 者 ハ 一大 打撃 ヲ受 ケ マシ テ之 カ為 ニ彼 等 ノ運動 ハ 一時 全 ク畏 縮 セ ル状 態 ニ陥
論 尚 ホ他 ニ有 ス ル処 ノ行 動 ノ 「プ ログ ラ ム」 ニ依 テ漸 次 各 種 ノ計
劃 実 行 ヲ為 ス モ ノ テ ア ル コト ハ諸 般 ノ事 情 ニ徴 シ テ明 カ ナ ル処 テ
)ニ詳述 致 シ マス
一節
(3) ノ部 参 照
ア リ マス尚 本 項 ニ就 テ ハ後 段 (第 三 章 第
在 東 京 同 志 等 ハ 「フ エビ ア ン﹂協 会 ナ ル モノ
ヲ創 立 シ テ其 ノ宣 伝 運動 ヲ起 シテ居 リ マ スカ之 ハ社会 主 義 各 派 ノ
(2) フ エビ ア ン運動
ヲ提 唱 ス ル運 動 テ アリ マス ( 第三章第二節参照)
小 異 ヲ棄 テ大 同 ニ従 テ団 結 シ稍漸 進 的 ニ実 現 ヲ期 セ ムト ス ル コト
リ主 脳 人物 ハ東 京 ヲ去 ツ テ大 阪 、兵 庫 等 ニ移 住 スル者 カ続 出 ス ルノ 状 況 ト ナ ツタ ノ テ ア リ マス
本 項 ハ後 段 ニ申 述 フ ル処 テ ア リ マ ス カ
取 セラ ルヽ ノ テ ア リ マ ス然 モ 一般 下 層 階 級 即 チ労 働 者 其 ノ他 ノ無 産
社会 主義 運 動 ハ各 種 ノ新 機 運 ニ向 ハント ス ルノ情 勢 ニ在 ル コト カ看
リ ニ実 現 シ得 ナイ ノ テ直 接 行 動 ノ手 段 ニ愬ヘ ヤウ ト ス ルノ思 想 モ
カ原 因 ハ種 々 アリ マセウ カ) ( a社 会 主 義 的 運 動 カ急 進分 子 ノ希 望 通
ノ間 ニ現 ハレ ツ ヽア ルノ ハ注 意 ヲ要 スヘ キ傾 向 ノ 一テ アリ マス之
最 近 ﹁テ ロリズ ム﹂ 又 ハ直 接 破 壊 主 義 ノ運 動 カ 一部 ノ社会 主 義 者
(3) ﹁テ ロリズ ム﹂ ノ擡頭
斯 ク テ本 年 ニ入 リ彼 等 ハ再 ヒ蹶起 ヲ計 リ 一部 ノ者 ハ前 年来 引続 キ所 謂 「方 向転 換 論 ﹂ ヲ唱 導 シ テ政 治行 動 ヲ企 テ ヤ ウ ト致 シ タ リ其 ノ他
階 級 ノ思 想 モ漸 次 頽 廃 シ テ来 テ之等 ノ思 潮 ヲ迎 合 セ ムト ス ル ノ傾 向
ア リ マセ ウ(b )無 政府 主義 者 等 カ勢 力 ヲ失 ヒ 一定 ノ系統 的 運動カ 出
各 種 ノ運動 ヲ起 サ ウ ト腐 心 シ テ居 ル状 況 テア リ マシ テ要 ス ル ニ我国
カ アリ マスノ テ今 ヤ保 安 警 察 上 最 モ慎 重 ナ ル注 意 考 察 ヲ払 フヘ キ時
想 モア リ マセウ何 レ ニ モセ ヨ此 思 潮 ハ何 等 ノ系 統 脈 絡 ヲ必要 ト セ
有 効 ナ ラ シ ム ル為 ニ ハ直 接 破 壊 主 義 ノ運 動 カ最 モ宜 シイ ト 云 フ思
モア リ マセウ(c ) 又成 ル可 ク犠 牲 者 ヲ少 ナ カ ラ シ メ結 果 ヲ成 ル可 ク
来 得 ナ ク ナ ツ タ結 果 此 ノ直 接 行 動 ノ方 面 ニ趨 クト 云 フ ヤウ ナ事 情
客 年 ニ於 ケ ル社 会 主義 運 動 ノ新 傾 向 ト認 メ ラ ルヘ キ モ ノ ノ二、三 ヲ
第 二節 思 想 及活 動 上 ノ傾 向
機 ニア リ ト考ヘ ラ ル ヽノ テ アリ マス
挙 ケ マス
最 モ注 意 ヲ要 ス ル点 テア ルト考ヘ ラ レ マス
認 ム ヘキ テ ハアリ マセ ヌ カ最 近 特 ニ其 ノ傾 向 カ顕 著 テ ア リ マシ テ
(4) 青 年 及 学 生 運動 社 会 主 義 者 カ思 想 ノ円 熟 セサ ル青 年 期 ノ人 々 ニ 対 シ テ宣 伝 セム ト シツ ヽア リ マス ノ ハ必 ラ ス シ モ新 シイ傾 向 ト
ス随 所 ニ随 意 ニ行 ハレ得 ル処 テ ア リ マス為 取締 上最 モ困 難 テ ア リ
(1) 政 治 行 動 之 ハ従 来 議会 政 策 ト称 シテ 一般 ニ社 会 主義 者 カ排 斥 シテ居 ツタ処 テ ア リ マシタ カ所 謂 方 向 転 換 論 ノ結 果 主 ト シテ共 産
メテ居 リ マ スカ殊 ニ英 国 ニ於 ケ ル労 働 党 内 閣 ノ成 立 ハ 一層 彼 等 ヲ
更 ニ進 ン テ ハ既 成 青 年 団 ノ浸 蝕 ニ腐 心 シ テ居 ル ノ状 況 テ ア リ マス
主 義 者 カ本 運 動 ニ左袒 ス ル ニ至 リ労 働 団 体 等 ト提 携 シ テ歩 武 ヲ進
ノ運動 カ基 本 ト ナ ツ テ行 ク ヤウ ナ状 勢 ニ認 メ ラ レ マス併 シ乍 ラ彼
其 ノ著 シイ実 例 ハ客 年 九 月 結 社 ノ禁 止 ヲ命 セ ラ レ マシ タ長 野 県ニ
刺 戟 シテ本 運 動 ニ熱 中 セ シ ム ル ニ至 ツ タ ノ テ ア リ マシ テ将 来 ハ此
等 ハ之 ヲ以 テ唯 一ノ社会 主 義 運 動 方 法 ト ス ル ノ テ ハアリ マセ ヌ勿
上述 六 八 三名 ノ社 会 主義 者 ノ業 種 ヲ見 マ スト矢 張 リ職 工 及 労働 者 階
ト ハ申 上 ケ ル コト カ出来 マス
的 運動 ヲ計 測 実 行 スル ノ状況 ニ至 ツタ ノ テ ア リ マス
級 ニ属 ス ル者 カ 一番多 数 テ 一二 三名 ヲ算 シ マ ス次 テ新 聞 記者 、 著 述
数 ヲ挙 ケ テ説 明 スル コト カ出 来 マセ ンカ年 々増 シ テ行 ク 一方 テア ル
次ニ 學 生 ノ運 動 テ ア リ マスカ 近 来学 生 カ社 会 科 学 研 究 ヤ社会 問 題
テ其 ノ結 果 ハ青 年 団 ヲ事 実 上 占 奪 シ テ青 年 団 名 儀 ヲ以 テ社会 主 義
研 究 ノ名 義 ノ下 ニ団 体 ヲ為 シ テ社会 主 義 ノ研 究 ヲ為 ス ノ風潮 カ極
ハ各 種 ノ智 識 階級 ト認 ム ヘキ モノ農 民 、 無 職 者 ナト ノ順 序 テア リ マ
業 ト 云 フ様 ナ文 筆 労働 ト 称 セ ラ ル ヽ者 カ九 二名 テ ア リ マス之 ニ亜 テ
於 ケ ル自 由 青 年 聯 盟 カ同 県 下 ノ青年 団 ニ浸 入 セ ル事 例 テ ア リ マシ
メ テ旺 盛 ト ナ リ殊 ニ昨 年 下 半 期 ニ入 リ マシ テ ハ著 シ ク各 地 方 ニ波
阪 ノ七 三 兵 庫、 群 馬 ノ各 三 二愛 知 ノ 三七 等 テ アリ マシ テ其 ノ他 ハ北
飜 テ之 等 ノ地域 的 分布 ヲ見 マスト東 京 ノ 一九〇 名 ヲ最 多 ト シ次カ 大
ス
ハ 一定 ノ連 絡 ノ下 ニ極 メ テ過 激 ナ ル論 議 討 究 ヲ為 シ又 ハ労 働 団 体 、
海 道 、 京都 、神 奈 川 、長 野 、 秋 田 ト 云 フ順 序 ト ナ リ マ ステ結 局 大 都
及 致 シ タ ノ テ ア リ マス勿 論 皆 カ皆 ト申 ス訳 テ ハア リ マセ ヌカ中 ニ
社 会 主義者 等 ノ実 際 運動 ニ加 ハラ ム ト スル様 ナ傾 向 ニ趨 ク モノ モ
会 ニ発達 ス ヘキ傾 向 カ ア ルト 云 フ結 論 ニナ ル ノテ ア リ マ ス
ヨリ観 察 致 シ マ スト我 国 ノ現 状 ニ於 キ マシ テ主 ナ ル モノ ハ 一 無 政
以 上 ハ社 会 主 義 者 及 思 想 団 体 ノ数 的 考 察 テア リ マ スカ之 ヲ質 ノ方 面
第 四節 社 会 主義 者 及 団 体 ノ質 的 観 察
其 ノ傾 向 ヲ同 ウ スル ノ テ ア リ マス
織 セ ル モ ノテ ア リ マ ス其 ノ地 域 的 分 布 ノ状 態 ハ社 会 主 義 者 ノ分 布 ト
社 会 主義 的 思 想 団 体 ハ約 七 十 団 体 位 テ アリ マシ テ多 イ ノ ハ学 生 ノ組
述 フ ル処 テ アリ マス 不穏 又 ハ不 敬 ニ渉 ル投 書 、落 書 、 ビ ラ 、宣 伝 印 刷 物 等
絶 無 テ ハアリ マセ ン尚 本 項 ニ就 テ ハ後 段 ( 第 三章第 二節参照)ニ 申
( 5) 其 ノ他
第 三節 社 会 主 義 者 及 団 体 ノ数 的 観 察
ニ 依 ル宣 伝 行 動 カ漸 次 増 加 シ ツ ヽア ル モ 一ツ ノ傾 向 テ ア リ マス
ス
社会 主 義 者 及 社 会 主 義 団 体 其 他 ノ思想 団 体 ノ数 的 観 察 ニ就 テ述 ヘ マ
所謂 社 会 主 義 者 中 特 ニ粗 暴 矯激 ノ言動 ニ出 テ或 ハ実 害 ヲ生 ス ル虞 ア
社 会 主義 ノ四 テ ア
第 一 無 政 府 主義
ボ ル セビ ズ ム、 四
テ ア リ マ スカ無 政 府 主義 ニ就 テ モ学 説 上 ト シ テ ハ種 々 ノ分 派 モア ル
共 産 主義 、 三
外 ニ尚 程 度 ノ低 イ モノ ハ各 府 県 ノ責任 ニ於 テ注 意 ヲ致 シ テ居 リ マス
様 テ ア リ マス カ本 邦 ノ ソ レ ハ大 体 所 謂 近世 無 政 府 主義 ト称 セラ ル ヽ
ル ヤウ ナ人 物 ニ対 シ テ ハ可 成警 察 ノ視 線 内 ニ在 ラ シ ムヘ ク努 メ テ居
其 ノ人 員 数 ハ二千 名 以 上 ニ達 シ マス
リ マス
所 謂 社 会 主義 者 ハ逐 年 増 加 ス ル 一方 テ ア リ マ スカ従 来 可 成 ク警 察 力
モノ ニ属 シ即 チ彼 ノ大杉 栄 ノ 一派 ヤ森 戸 辰 男 等 ヲ初 メト シ テ本 邦 無
府 主 義 、二
ヲ節 約 シ又 時 勢 ノ推 移 ニ応 シ テ著 シイ危 険 ノ ナイ モ ノ ハ之 ヲ警 察 視
政 府 主義 者 ノ大部 分 ハ所 謂 「ク ロポ ト キ ン﹂ ノ無政 府 共産 ノ思 想 テ
リ マ ス斯 様 ナ人 物 ハ昨 年 十 月末 日 現在 テ六八 三名 テ ア リ マス是 等 ノ
線 カ ラ解 除 ス ル方 針 テ居 リ マ ス等 ノ為 累 年 比較 増減 表 ト 云 フ様 ナ実
アリ マス 居 リ マス
シタ カ是 又最 近 運 動 上 支 障 ヲ生 シ テ活 動 カ思 ハシ ク無 イ 状 況 ニ陥 テ
大 ナ ル モノ テ ア リ学 生 運 動 ノ方 面 ニ モ随 分 反 響 ヲ与 ヘテ居 リ マス為
然 シ乍 ラ本 派 カ労 働 団 体 及 労働 運動 ノ方 面 ニ設 定 シ タ勢 力 ハ実 ニ甚
之 等 ノ二 大 社 会 的 運動 ハ漸 次 此 ノ思 想 傾 向 ニ引 付 ケ ラ レ ツヽ ア ル様
ハ加藤 一夫等 一派之 ニ属 ス) モ アリ マシテ左 程 著 シイ 勢 力 ヲ為 シ マ セ ヌカ無 政 府 主 義 者 ノ思想 ノ 一部 ニ常 ニ膠 著 シ テ居 ル思 潮 テ アリ マス
其 ノ他 ニ 「スチイ ルネ ル﹂ 一派 ノ思 想 ヲ承 継 スル無 政 府主 義 者 ( 例
第 二 共 産 主 義
ニ看 取 セ ラ ルヽ ノテ アリ マ ス 註 (一)
テ ア リ マ ス之 ハ露 国 革命 前 後 迄 本 邦 社 会 主義 者 中 最 モ多 数 ノ抱 イ タ 思 想 テ ア リ マシ タ堺 利 彦 等 カ其 ノ代 表 的 人 物 テ ア リ マス其 ノ後 ﹁ボ
者 等 ハ之 ニ趨 ク コトヽ ナ リ マ シタ
亦 其 ノ運 用 モ総 テ資 本 主 義 化 セ ルヲ以 テ如 此 資 本階 級 ノ政 治 的
﹁政 治 運動 ﹂ ト ハ現時 ノ社 会 状 態 ニ於 テ ハ政 治 ノ機 関 モ組 織 モ
現 在 テ ハ京 都 大 学 ノ河 上肇 氏 ノ如 キ カ依 然 ト シ テ此 ノ共 産 主 義 派 ニ
カ運 動 手段 ト シ テ ハ無 産 階 級 政 治 教 育 ノ宣 伝普 及竝 ニ無 産 階 級
支 配 ニ対 シ無 産階 級 本 位 ノ政 治 ヲ建 設 セ ムト ス ル モ ノ ニ シ テ之
ルセビ ズ ム﹂ カ露 国 ヨリ侵 入 シ テ参 リ マシ テ漸 次 我 大多 数 社 会 主 義
属 スル モ ノト 考 ヘラ レ マス 第 三 ボ ル セビ ズ ム
ル モ ノト ス
﹁政 治 運動 ﹂ 又 ハ ﹁政 治 行 動 ﹂ ハ彼 等 ニ於 テ如 上 ノ意 義 ヲ有 ス
政 党 ノ樹 立 ニ進 マント ス ル モノ ニシ テ以 下 ニ於 テ屡ゝ 使 用 ス ル
ル モノ テ ア リ マシ テ結 局社 会 主 義 ノ階 梯 ヲ経 テ遂 ニ共産 主 義 ノ理 想
テ ア リ マスカ前 述 致 シ マシ タ無 政 府 主義 及 ボ ル セビ ズ ム ヲ除 イ タ他
第 四 社 会 主義
労 働 者 及農 民 ヲ誘 致 シ テ所 謂 「プ ロ レタ リ ア ート」 ノ独 裁 ヲ唱 導 ス
郷 ニ到 達 セ ムト ス ル モノ テア リ マ ス本 邦 ニ於 ケ ル共 産 主 義 者 、 社 会
ノ者 ハ皆 之 ニ属 シ マス数 カ ラ申 セ ハ少 ナ ク ハナイ ノ テ アリ マ スカ中
主義 者 ハ現在 ノ処 大 部 分 此 派 ニ属 スル ノ現 状 テ アリ マシ テ堺 利 彦 、
心 人 物 モ居 リ マセ ス集団 モ大 キ ナ ノ モ固 イ ノ モ無 ク唯 夫 々思 ヒ 々 々
ノ運 動 ヲ採 テ居 ル状 況 ニア リ マス
﹁日本 共産 党 ﹂事 件 ニ坐 シテ或 ハ検 挙 セ ラ レ或 ハ為 ニ当 時 露 国 ニ亡
以 上 カ本 邦 ニ於 ケ ル社 会 主 義 的 思 想 ノ主 ナ ル モ ノ テ アリ マスカ之 レ
山 川均 、荒 畑 勝 三等 カ其 ノ代 表 的 人物 テ アリ マス本 派 ノ中 心 人 物 ハ
一時 全 ク頓 挫 致 シ マシ テ僅 カ ニ残 党 ニ属 ス ル者 カ其 ノ運 動 ノ命 脈 ヲ
命 シ タ者 モ アリ其 ノ後 ハ震 災 等 ノ打 撃 ヲ モ受 ケ マシ タ為 其 ノ運 動 ハ
マス之 ハ御 承知 ノ 通 リ労 働 組 合 主 義 ヲ強 調 シ組合 ノ力 ニ依 テ革 命 ヲ
以 外 ノ社会 主義 的 思 想 モア リ マ ス例 ヘ ハ ﹁サ ンヂ カ リ ズ ム﹂ カ ア リ
成 就 シ ヨ ウト ス ル説 テ アリ マ シテ共 産 主義 者 ニ変説 致 シタ 以前 ノ山
動﹂ ( 註(一)) ヲ標 榜 シ テ再 起 ヲ計 ツ テ居 リマ ス 地 方 ニ在 テ ハ長 野 県 ノ ﹁自 由 青 年 聯盟 ﹂ (第三章第 二節参照) ノ 一派
川均 、荒 畑 勝 三等 ノ思 想 カ之 テ ア リ マス現在 テ ハ此 派 ノ社 会 思 想 者
繋 イ テ居 ツタ ノ テア リ マシ タ カ昨 年 ニ入 リ在 京 同 志 等 ハ ﹁政 治 運
ヤ大 阪 ニ在 ル福 田狂 二等 ﹁進 め 社 ﹂ 一派 ノ者 等 カ活 動 シツヽ ア リ マ
カ ア リ マス之 ハ日本 ノ固 有 ノ国 家 観念 、国 体 観 念 ヲ認 メ国 家 ノ手 ニ
ノ思 想 ヲ戦 術ト 致 サ ウ ト 云 フ傾 向 ハア リ マス次ニ ﹁国 家 社 会 主 義 ﹂
若 ク ハ指導 者 ハ余 リ ア リ マセ ヌ併 シ労 働 組合 カ実 戦 ニ当 テ ハ此 ノ種
運 命 ヲ担ヘ ル モノ テ ア ル」 ト ノ説 テ アリ マ シテ彼 ノ有 島 武 郎 ト 云 フ
会 運動 ニ参 加 ス ルノ資 格 ヲ有 セ サ ル モ ノ テ終 局 ニ於 テ亡 ヒ行 ク ヘキ
消 極 的 ナ ル モノ モア リ マ ス其 ノ説 ハ 「我 等智 識階 級 ハ新 興 階 級 ノ社
々ノ間 ニ彼 等 ノ芸 術 ヲ通 シ テ社 会 ニ影 響 スル所 ハ甚 大 ナ モ ノ テ アリ
様 ナ人 ノ態 度 思 想 カ之 ニ該 当 ス ルノ テ アリ マ ス何 レ ニモ セ ヨ是等 芸
マシ テ殊 ニ年少 子弟 ヲ不健 全 ナ ル思 想 ニ導 キ易 イ ノ テ アリ マス実 際
術 社 会 主 義 ノ思 想 行動 モ決 シ テ軽 々 ニ看 過 ス ヘキ モノ テ ナ ク シ テ冥
ント ス ル軍 国 主 義 者 社会 主義 ナト ト 云 フ モノ モ嘗 テ ア リ マシ タ
問 題 ト致 シ テ モ此 芸 術 運動 ハ社 会 革 命 運 動 ノ 一部 面 ヲ担当 シ テ居 リ
ス高 畠 素 之 ナ ト ノ思 想 ハ之 ニ該 当 シ マス又軍 人 ナト ト 提 携 シ テ ヤラ
此 ノ外 ニ一 ノ注 意 ヲ要 ス ヘキ思 想 カア リ マ ス ﹁芸 術 社 会 主義 ﹂ ト モ
依 テ消 費 者 本 位 ノ社 会 主義 的 理想 ヲ実 現 シ ヨウ ト云 フ思 想 テ アリ マ
申 ス ヘキ モノ テ ア リ マス此 ノ派 ノ主 張 ス ル所 ハ詮 シ詰 ム レ ハ ﹁従来
又 此 ノ芸 術 方 面 カ ラ漸 次 社 会 主 義 思 想 ヲ抱 有 スル ニ至 ツ タ者 及芸 術
テ ア リ マス
社 会 主義 者 ニ シ テ遂 ニ社 会 主 義 運 動 ニ這 入 ツ タ者 ノ数 モ少 ク ナイ ノ
更 ニ附 ケ加 ヘテ申 述 ヘ マ スノ ハ所 謂 「テ ロリ ズ ム﹂ ノ思 想 テア リ マ
ス ル処 カ ナ カ ツ タ ノ ミ ナ ラ ス遂 ニ資 本 主 義 ノ侵 略 ヲ受 ケ テ資 本 主 義 ノ支 持 者 ト ナ リ讃 美 者 ト ナ リ延 テ ﹁ブ ル ジ ヨー ア﹂ ノ傀儡 ト ナ リ玩
ス之 ハ現 在 ノ処 テ ハ 一貫 セ ル系 統 党 派 ト 云 フ ヤウ ナ モノ ハ別 ニ有 シ
文 芸 其 ノ他 ノ芸 術 ハ神聖 ナ ル殿 堂 ニ立 籠 テ人 間 ノ実 生活 ニ何 等 寄 与
弄 物ト ナ リ今 ヤ全 ク堕落 ノ極 ニ達 シタ依 テ再 ヒ之 ヲ我等 無 産 階 級 ノ
テ居 ラ ヌノ テア リ マ ス従 テ中 心 人物 ト 云 フ様 ノ者 モ勿 論 ア リ マセ ヌ
単 ニ各 派 ノ社 会 主 義 ノ間 ニ時 々発 生 シ時 々隠 見 ス ル所 テ ア リ マス本
ラ ヌ﹂ ト云 フ ノ テ アリ マス此 ノ芸 術 上 ノ社 会主 義 ニ モ仔 細 ニ観 察 ス レ ハ種 々異 ナ ル分 派 潮 流 カ ア リ マ ス先 ツ最 モ過 激 ナ ル説 ト致 シ テ ハ
邦 社 会 主 義 運 動 ニ於 テ ﹁テ ロリズ ム﹂ 思 想 ノ起 原 ト 認 ム ヘキ彼 ノ幸
手 ニ奪 還 セネ ハナ ラ ヌ ソ シ テ我 等 新 興 階 級 ノ新 芸 術 ヲ建 設 セ ネ ハナ
コト カ出来 ル カ実 生 活 ヲ離 レタ芸術 ハ空 疎 ナ死 ノ芸 術 テ ア ル果 シ テ
(1) ﹁我 々 ノ実 生活 即 芸 術 テ ア ル実 生 活 ヲ離 レ テ何 処 ニ芸 術 ヲ求 ム ル
投 セ ヨ共同 戦 線 ヲ作 レ然 シ テ共 同 ノ敵 ニ当 レ」 ト 云 フ ヤ ウ ナ説 テ此
府 主 義 者 中 ノ 一部 少 壮 者 ノ間 ニ此 ノ思 想 カ瀰 漫 シ タ コト カ ア リ マス
ト﹂ニ 属 ス ルモ ノ テ ア リ マシタ カ 最 近 ニ於 テ ハ数 年 前 大 阪 在 住 無 政
之 等 ノ在 米 邦 人 無 政 府主 義 者 ハ殆 ト 所謂 「 無政府主義的 テ ロリ ス
ヲ為 シタ ル結 果 同 地 ニ多 数 ノ邦 人無 政 府 主 義 者 カ発 生 シ マシ タ而 モ
徳 伝 次 郎 カ其 ノ往 年 渡 米 シタ際 米 国 ニ在 留 セ ル邦 人 ノ間 ニ主義宣 伝
ノ種 ノ思想 ニ属 スル モノ ハ少 ク ナイ ノ テ アリ マ ス小 川 未 明 ナト カ代
シ又前 ニ申 述 ヘ マシ タ処 ノ大杉 派 ト共 産 主 義 者 ノ 一部 ト カ組 織 致 シ
然 ラ ハ芸術 家 ハ先 ツ自 家 ノ殿 堂 ヲ破 壊 セ ヨ街 頭 ニ出 テ ヨ社 会 運 動 ニ
表 的 ナ モノ ト考 ヘラ レ マス(2) 次 テ第 二 ノ説 ハ稍穏 カ テ単 ニ 「資本
マ シタ ﹁戦 線 同 盟 ﹂ ノ 一派 モ結 局 此 ノ思 想 ニ属 スル モノト 看 ル ヘキ
テ ア リ マ ス其 ノ他 先 般 ノ難 波 大助 ノ如 キ ハ勿 論 此 ノ思 想 傾 向 ニ属 ス
ノ テ アリ マシテ社 会 主義 作 家 又 ハ 「プ ロ レタ リ ア派 」 ノ作 家 ト称 セ (3 )更 ニ又
主義 芸 術 ヲ脱 シテ新 興 階 級 ノ文学 芸 術 ヲ樹 立 セ ネ ハナ ラ ヌ﹂ト 呼 フ
ラ ル ヽモノ テ芸 術 社 会 主義 ノ最 モ多 数 ヲ占 メ テ居 リ マス
以 上 ハ本 邦 ニ於 ケ ル各派 社会 主 義 ノ実 質 ヲ概 略 述 ヘ マシタ次 第 テ ア
ル モノヽ 顕 著 ナ ル事 例 テ アリ マス
書 ノ作 成 頒 布等 ニ努 メ ツ ヽア リ マ ス現 在 会員 数 ハ百 名足 ラ ス テ
要 建 造 物 ノ破 壊等 ヲ実 行 手 段 ト シ爆 発 物 ノ製 作、 蔵 匿 、不 穏 文
内 地 、 朝鮮ニ 於 ケ ル要 路 大 官 ノ暗 殺 、 朝 鮮 貴 族 富豪 ノ暗 殺 、 重
帰途 上海 ニ立寄 リ タ ル田 中 陸 軍 大 将 ヲ狙 撃 シ遂 ニ米 国 婦 人 一名
弾 二箇 ヲ投擲 シタ事 カ ア リ マ ス大 正 十 一年 三 月 比律 賓 ヲ訪 問 シ
本 団 ノ実行 運動 中 主 ナ ル モノ ハ大 正 十年 九 月朝 鮮 総 督 府 庁ニ 爆
ア リ マシ テ機 密部 ト実 行 部 ト ニ分 レテ居 リ マス
リ マス
第 一節 社会 主 義 者 ノ主 ナ ル行動
第 三章 大 正十 三年 中ニ 於 ケ ル主 ナ ル運動
(1) 内 地在 住 社 会 主 義 者 ノ主 ナ ル行動
ヲ死 ニ致 シ他 ニ負 傷 者 ヲ生 セ シ メ タ事 件 モ アリ マシタ其 他 ノ爆 ︹ 思︺ 弾事 件 等 モ アリ マ シテ更 ニ今 回 ノ金祉〓 礎 ノ事 件 ヲ惹 起 シタ次 第
現 在ニ 於 ケ ル社会 主 義 者 ノ運 動 中 主 ナ ル モ ノ ハ宣 伝 ト実 行 運 動 ( 直
本 件 ノ事 犯 ニ日本 共 産 党 一派 ノ者 秀 島 広 二 等 カ関 与 シ テ居 ルノ テ ス
接行動) ノ 二者 テ アリ マス然 ル ニ宣 伝 行動 ノ如 キ ハ極 メ テ多 種 多 様
テ之 ヲ試 ミ テ居 ルノ テ ア リ マシ テ之 カ事 例 ヲ述 ヘ マス コト ハ至 難 テ
マス
カ茲ニ一 寸 本 邦 社 会 主 義 者 ト不 逞 朝 鮮 人等 ト ノ関 係 ヲ申 述 ヘテ置 キ
テ アリ マス
ア リ マス カ故 ニ茲 ニ ハ右 二種 ノ行 動 ニ付 客年 中 ニ於 ケ ル特 ニ著 シ イ
テ ア リ マシ テ ア ラ ユ ル機 会 ニア ラ ユル方 法 ヲ以 テ各 種 社会 階 級 ニ向
事 件 ヲ簡単 ニ述 ヘル ニ止 メ マ ス (A ) 義 烈 団 一派 ノ不 穏 計 劃 事 件 ︹ 思︺ 客 年 一月 五 日在 上海 不逞 鮮 人 ノ集 団 タ ル義 烈 団 一派 ニ属 ス ル金 祉〓
マス彼 等 カ社 会 主 義 革 命 ニ対 シ テ果 シ テ幾 何 ノ信 念 ヲ有 ス ルカハ疑
主 義 ヲ唱 導 シ テ夙 ニ露 国 過激 派 ト 密接 ナ連 絡 ヲ採 ツ テ居 ルノ テ ア リ
由 来 鮮 外ニ 在 ル不 逞 朝 鮮 人 殊 ニ上海 、浦 塩等 ニ於 ケ ル朝 鮮 人 ハ社 会
ナ ル者カ 内 地ニ 潜 入 シ宮 城 二重橋 前 ニ於 テ爆 弾 ヲ投擲 シタ ル事 件 カ
ヲ加 ヘ ント スル点 ハ本 邦 社会 主 義 者 中 ノ 一部 ニ存 ス ル直 接 行 動 主義
問 テア リ マスカ兎 ニ角 其 ノ手段 ト シ テ本 邦 ノ現 在 ノ制 度 組 織 ニ兇 害
ノ主 張 ト 一致 シ マス ノ テ此 ノ両者 ノ関 係 ハ途 切 レ マシ タ リ又 続 キ マ
ヨリ派 遣 セ ラ レ海 路 福 岡 県 枝 光 ニ密航 上陸 シ夫 レ ヨリ鉄 路 東 京 ニ潜
シタ リ常 ニ或 程 度 ノ接 触 ヲ保 テ来 マシタ ヤ ウ テア リ マシ テ彼 ノ大 杉
ア リ マシタ取 調 ノ結 果 同 人 ハ帝 国 議会 ニ之 ヲ投 ス ル目 的 ヲ以 テ上 海
ク俳 徊 中警 察官 ニ訊 問 セ ラ レテ観 念 ヲ定 メ投 下 シタ モノ テ ア リ マス
入 シ マシタ カ当 時 議 会 ハ休 会 中 テ アリ マシタ為 ニ二重 橋 ニ投擲 スヘ
一派 ノ棟 梁 タ ル金 元 鳳 ト 会合 シ テ本 邦 ノ革 命 運 動 ト朝 鮮 独 立 運動 ト
栄 ノ如 キ ハ前 申 述 ヘ マシ タ処 ノ仏 国 渡 航 ノ際 ニ ハ上 海 ニ於 テ義烈 団
ヲ同 時 ニ敢 行 スル コト ヲ協 議 シタ ト申 ス様 ナ聞 エ モア リ マシタ次 第
義 烈 団 ナ ル モノ ハ慶 尚 南 道 出 身 不逞 鮮 人 金 元 鳳 カ大 正 八 年 頃 北
テア リ マ ス
( 参考)
段ヲ モ辞 セ スト スル信 条 ヲ持 ツ テ居 リ マ ス之 カ為ニ ハ 皇 室 及
京 ニ於 テ組 織 セ ル モノ テ朝 鮮 独 立 運動 ノ為 ニ ハ如 何 ナ ル兇 暴 手
テ今般 ノ金 祉〓 事 件 ニ関 係 セ ル 秀 島広二 ハ 「戦 線 同 盟 ﹂ ( 第 一章 第二
ニ 移 シ目下 ハ全 く衰 運 ニ傾 キ ツヽ アリ マス
同 志 及 当 時 亜 細 亜 民族 会 議 ノ為 ニ同 方 面 ニ在 リ マシ タ朝 鮮 人 一派 ト
十 一年 四月 日本 共 産 党 カ ラ派 遣 セ ラ レ テ露 国 ニ赴 キ知 多 方 面 テ邦 人
会 主義 者等 ノ動 静 ヲ厳重 注 意 警 戒 シ ツヽ ア リ マシ タカ果 セ ル哉 越 テ
ニ 此 ノ種 ノ行 動 ニ出 テタ ノ テ ハア ル マイ カト 云 フ疑 ヲ生 シ マ シテ社
山 墓 地ニ 於 テ各 爆 発 物 ノ事 故 カ ア リ マシ タ ノテ 或 ハ何者 カ カ試 験 的
客 年 七 月 十 九 日下 谷 区 谷中 清 水 町 共 同 用 便 所ニ 於 テ同 月 二 十 八 日青
( C) 東 京 無 政 府 主義 者 等 ノ陰 謀 ( 福 田大将狙撃事件)
来 往 シ テ居 リ マシ タカ片 山潜 ヨリ ノ招 電 ニ接 シ テ露 都 ニ赴 キ更 ニ片
節参照) ノ事 件 テ横 死 スル ニ至 リ マシタ処 ノ高 尾 平 兵 衛 ト 共 ニ大 正
山 ノ命 ニ依 テ知 多 、浦 塩 方 面 ニ赴 キ昨 年 二月 鮮 人 同 志 ト共 ニ上海 ニ
本 年 九 月 一日本 郷 区本 郷 四丁 目 街 路ニ 於 テ無 政府 主義 者 和 田久 太 郎
タ ノテ アリ マスカ事 件 ノ顛 末 ハ次 ノ如 クテ アリ マス
カ 客年 震 災当 時 ノ戒 厳 司令 官 タ リ シ福 田 大将 ヲ狙 撃 シタ事 故カ 生 シ
タ ノ テ秀 島 ノ計劃 ニ依 テ邦 人 船 員 等 ト共 謀 シ テ内 地潜 入 ヲ成 就 スル
田 大次 郎 、 倉 地啓 司 ノ四 名 テ アリ マス右 ノ内 和 田、 村 木 ノ両 名 ハ多
本 件 ノ共 犯 ハ只 今 迄 ノ処 無 政 府 主義 者 和 田久 太郎 、 村 木 源 次 郎 、 古
カ ア リ マ ス金 祉〓 カ義 烈 団 カ ラ内 地ヘ 派 遣 セ ラ ルヽ コト ニナ リ マシ
コト ヲ得 セ シ メ タ ヤウ ナ次 第 テ ア リ マ ス
移 航 シ テ鮮 人 不逞 者 ト来 往 シ之 等 ノ主 義 運 動 ニ加 担 シ テ居 ツタ形 跡
其 ノ後客 年 夏 頃 露 国 ニ亡 命 中 ノ邦 人 共産 主義 者 ノ有 力 ナ ル者 カ上 海
露 国 ト密 接 ナ ル関 係 ヲ有 ス ル新 潟 県 人 田 口運 蔵 ヲ入 社 セ シ メ日本 労
同 志 ニ頒 布 シ ﹁ボ ル セビ ズ ム﹂ ノ宣 伝 ニ当 テ居 リ マシ タカ次 テ労 農
紙 ﹁ 進 め﹂ヲ創 刊 シ毎 号 七 、八 千部 ヲ印 刷 シテ之 ヲ内 地 及朝 鮮 方面 ノ
本 人 ハ震 災 後 東 京 ヨリ大 阪 ニ移 住 セ ル者 テ ア リ マ ス而 シ テ宣 伝機 関
古田大次 郎 ハ大 正八年早稲田大学ニ在学中 過激 ナル思想団体 ﹁建設
田 、 村 木 共ニ 肺 患 ヲ疾 ミ 和 田 ハ更 ニ性 ニ関 居 ツ タ状 況 テ アリ マシタ(和 又共 犯 ス ル疾 病 ニ悩 ンテ 居 リ マシ タ ノ テ ア リ マ ス )
﹁労 働 運 動 ﹂ ノ経 営 ス ラ モ困 難 ニ陥 リ且 和 田 、村 木 共宿痾 ニ悩 ンテ
依 リ テ横 死 シ 一派 ハ悲 境 ニ沈湎 シ唯 一ノ運 動 機 関 タ ル 宣 伝 機 関 紙
然 ル ニ偶ゝ 客 歳 ノ震災 ニ於 テ其 ノ領 袖 大 杉 栄 ハ甘 粕 憲 兵 大 尉 ノ手ニ
テ居 ツ タ ノ テ ア リ マス
働 総 同 盟 大 阪 聯 合会 ト ノ接 近 ヲ企 図 シ各 地 ニ宣 伝演 説会 ヲ開 催 シ テ
者 同 盟 ﹂ (早 稲 田大 学 生 ノ組 織 セ ル モ ノ其 ノ後 漸 次 思 想)ニ 加盟 シ次 テ無政 府 主
年 大杉 栄 ノ傘 下 ニ属 シ同 人 ノ腹 心 ト シテ無 政 府 主 義 ノ運 動ニ 没頭 シ
其 ノ収 益 ヲ以 テ聯合 会 ト ノ親 睦 ヲ計 リ ツ ヽア リ マシタ然 ル ニ客 年 五
義 ヲ抱持 シ同 志 ト来 往 シテ居 リ マシ タ カ大 正 十 二年 震 災 後 大阪ニ 移
ニ移航 シ テ屡ゝ 義 烈 団 一派 ト会 同 セリ ト 云 フ情 報 モア リ マス
月 内訌 ヲ生 シ前 記 田 口 ハ退 社 シ マシ タ為 之 ニ代 ルヘ キ過 激 ナ ル同 志
ニ 大 阪 方面 ノ銀 行 、 会 社 、 富 豪 、 工場 等 ニ出 入 シ テ金 銭 ヲ強 請 シ放
転 シ大阪 及東 京 ヨリ来 リ タ ル同 志竝 本 件 ノ共 犯 タ ル倉 地啓 司等 ト共
(B) 福 田狂 二等 ノ行 動
ヲ入 社 セ シ メ テ陣 容 ヲ整 ヘ各 地 ニ宣 伝 員 ヲ派 遣 シ漸 次 内 地各 地方 及
至 リ且 宣 伝 ﹁パ ン フ レ ツト﹂ 或 ハ ﹁地 方附 録 ﹂等 ヲ モ発 行 シ テ極 力
行 玉 造 支店 小使 ヲ殺 害 シ テ金 銭 ヲ強 奪 セ ント シ タ ル事 件 ニ連 坐 シ
浪 生 活 ヲ シ テ居 リ マシ タ中 ニ大 正 十 二年 十 月 大阪 ニ於 テ同 地十 五 銀
﹁ 悪化 シ ﹁ 日 本 共 産 党 ﹂ 一派 ト提 携 セ ル モノ
朝 鮮 ヲ通 シ テ五十 六 ケ所 ニ支 部 ヲ設 ケ毎 号 一万部 内 外 ヲ頒 布 スル ニ
宣 伝 運 動 ニ腐 心 シ テ居 リ マシ タ処 最 近 又ゝ 内訌 ヲ生 シ テ本 部 ヲ東 京
人等 ト相 来 往 シテ居 リ マシ タカ古 田 ハ此 間 大阪 ニ於 ケ ル前 記 ノ強盗
犯罪 ノ発 覚 セ ム コト ヲ恐 レ マシ テ朝 鮮 ニ逃 亡 シ元 義 烈 団 一派 ノ朝鮮
( 本件 ハ後 ニ申述ヘ マス) テ逃 亡 シ東京 ニ来 リ僣 伏 シ テ居 リ マ シ タ カ
ヲ製 造致 シタ ノ テ ア リ マス カ ク テ七 月 上 旬以 来 福 田 大 将暗 殺 ノ機 会
斯 様 ニ致 シ其 ノ製 法 ノ確 実 ナ ル ヲ確 メ マシタ 上前 記 両 様 ノ爆 弾 四 個
発 ノ成 功 セ ル コト ヲ確 メ タ ノテ アリ マス
ヲ窺 ツテ居 リ マシ タ カ九 月 一日遂 ニ之 ヲ決 行 シ和 田 ハ現 場 ニ於 テ逮
田 ハ和 田 ノ逮 捕 セ ラ レ タ ル本 富 士 警 察 署 ニ爆 弾 一個 ヲ装 置 シ テ逃 亡
殺 人 被 告 事 件 ニ付 警 察 及裁 判 所 ニ対 ス ル復 讐 及 掠 奪 ノ目 的 ヲ以 テ爆
致 シ マシ タ カ点 火 不 十 分 ナリ シ為 不発 ニ終 ツ タ次 第 テ ア リ マス越 テ
レ マシタ村 木 ハ逮 捕 ヲ免 レテ逃 走 シタ ノ テ ア リ マ ス次 テ同 月 三 日古
同 月 六 日同 大 将 ニ危 害 ヲ加 フ ル目的 テ小 包 郵 便 ヲ以 テ前 顕 自 働 的 爆
捕 セラ レ マ シタ カ爆 弾 ハ手 提革 袋 ニ収 メ之 ヲ使 用 セ ス シ テ押 収 セ ラ
調達 ノ為 同 志 ノ者 ( 富岡誓)ヲ大 阪 ニ帰 シ マシタ処 其 ノ者 カ逮 捕 セ ラ
村 木 、和 田 ヨリ若 干 ノ資 金 ヲ受 ケ マシタ ケ レ共 遂 ニ不 足 ヲ感 シ之 ヲ
発 装 置 ヲ加 ヘタ ル爆 弾 一個 ヲ同 大 将邸 ニ送付 シ同 家 ニ於 テ開 披 シ タ
ヲ計 リ マシ タ カ之 カ為 ニ ハ可 ナ リ ノ運 動 資 金 ヲ要 シ マシ タ ノ テ在 京
ルヽ ニ至 リ マシ テ爆 弾 入 手 ノ計劃 ハ画餅 ニ帰 シ 一同 ハソ コテ 内 地 ニ
ル後 爆 発 シ畳 、 天 井 、 床 下 地 表 ヲ モ破 壊 シタ ト 云 フ状 況 テ ア リ マシ
弾及 拳 銃 ヲ取 得 スヘ ク計 劃 ヲ進 メ朝 鮮人 等 ニ托 シテ之 カ目 的 ノ達 成
帰 還 シ爾 来 和 田 、 村 木 等 ト 行 動 ヲ共 ニ シ テ居 ツ タ ノ テ ア リ マス又犯
タ尚 右 古 田 ハ同 月 八 日銀 座 四 丁 目電 車 軌 道 ニ之 ヲ装 置 爆 発 セ シ メ タ ル事 実 モア リ マ ス
テ居 リ マシタ者 テ ア リ マ ス如 斯致 シ 一同 ハ漸 次 計 劃 ヲ進 メ マシ タ結
依 テ捜 査 ノ結 果 同 月 十 日未 明 之 ヲ検挙 シダ イ ナ マイ ト残 十 八本 其 ノ
人倉 地啓 司 モ常 ニ東 京 及 大 阪 方面 ヲ徘 徊 シ 一味 ノ者 ト行 動 ヲ共 ニシ
支給 ヲ受 ケ客 年 五月 廿 五 日東 京 ヲ発 シ広 島 県 下 ニ於 ケ ル水 力 電 気会
果 倉 地カ ﹁ダ イ ナ マイ ト ﹂ ヲ入手 ス ル役 目 ヲ担 当 シ村 木 ヨ リ旅 費 ノ
他 ノ モノ ヲ押 収 シ タ様 ナ訳 テ ア リ マス
十 二箇 ヲ作 成 シタ事 実 カ発 覚 致 シ マシ タカ右 ハ東 京 同 志 倉 地 啓
最 近京 都 在 住 同 志 新 谷 与 一郎 ( 職 工) カ銕製 ノ爆 発 物 外 装 大 小
( 附記)
社 ノ隧道工 事 ニ雇 ハ レテ居 リ マス中 ニ同 七月 初 メ東 京 同 志 ヨリ引揚 ノ命 令 ニ接 シ同工 事 場 ヨリ桜 印 ダ イ ナ マイ ト二 十 五本 雷 管導 火 線等
司 ヨリ依頼 ヲ受 ケ タ モノ テ ア リ マシ テ倉 地 ハ之 ヲ受 領 シ爆 薬 ヲ
ヲ窃 取 シ テ帰 京 致 シタ ノ テ ア リ マス
以 テ爆 弾 ノ製 造 ニ着 手 シ製 作考 案 ハ主 ト シ テ古 田 ニ於 テ担 当 致 シ最
於 茲 古 田、 倉 地 ノ両 人 ハ府 下 荏 原郡 平 塚村 ニ 一戸 ヲ借 入 レ右 爆 薬 ヲ
ニ交 附 シ犯罪 ヲ決 行 セ シ ム ル予 定 テ ア リ マシ タカ其 ノ決 行 ニ先
充填 シ タ ル上 一部 ヲ東 京 同 志 ニ於 テ使 用 シ他 ノ 一部 ヲ大 阪 同 志
チ テ発 覚 シ現 品 ハ京 都 府 ノ水 平 社 一派 ノ家 宅 ニ隠 匿 シ アリ シ ヲ
テ其 ノ効 果 ノ適 確 ナ ル コト ヲ慥 メ更 ニ第 二回 ニ ハ発条 ヲ使 用 シテ止
押 収 シ タ次 第 テ ア リ マ ス
初 製 造 ノ モ ノ ヲ倉 地啓 司 ニ於 テ下 谷 清 水 町 共同 用 便 所 ニ点 火 投 入 シ
メ ﹁ピ ン﹂ ヲ外 ス時 ハ自 働 的 ニ点 火 爆 発 スル装 置 ヲ施 シタ ル爆 弾 一
(参考 )
個 ヲ考 案 製 造 シ之 ヲ青 山 墓 地 ニ装 置 シ約 八 間 ヲ隔 リ タ ル箇 所 ニ於 テ 細 紐 ヲ引 キ タ ル上 逃走 シ現場 ヨリ 二丁 ヲ距 リ タ ル箇 所 ニ於 テ其 ノ爆
後 三時 四十 分 頃 大 阪府 中河 内 郡 布 施 村 ニ於 テ第 十 五 銀 行 玉 造 支 店
大 金 ヲ獲 得 スル ヲ以 テ得 策 ナ リ ト シ マシ テ 一昨年 ノ十 月 十 六 日午
運 動 ノ費 ニ充 テ ルト 云 フカ如 キ挙 ニ出 テ テ其 ノ後 寧 ロ 一挙 ニシ テ
村 木 ハ大 正十 年 八月 二十 三 日大 阪 ニ赴 キ同 地在 住 ノ同 志 岩 出金
﹁村 木 源 次郎 ノ拳 銃 ヲ取 得 セ ル前 後 ノ事 情 ﹂
次 郎 ヨリ護身 ノ為 ト称 シ テ拳 銃 実 包 二十 四 発 ヲ譲 リ受 ケ翌 二 十
ヲ強奪 シテ逃 走 シ追 跡 セ ル小使 一名 ヲ刺 殺 シタ ト 云 フ事 件 ヲ惹 起
小使 二名 カ金 員 在 中 ノ鞄 ヲ携 帯 シ テ帰 店 ス ル途 中 ヲ襲 ヒ マシ テ之
シ マシタ為 関 係 者 一同 ヲ検 挙 シタ ノテ ア リ マ ス
四 日神 戸 ニ赴 キ同 地 ノ同 志 タ ル安 谷 寛 一 ニ拳 銃 ノ調 達 方 ヲ依頼
タ当 時 内 偵 ノ結 果 村 木 ハ宿痾 ノ昂 進 シ タ ル等 ノ為 カ直 接 行 動 ヲ
誓 ノ両 人 ハ検 挙 漏 ニ成 ツ テ居 リ マシ タ為 古 田 ハ右 ノ事 件 ノ検 挙 ニ
(b)
シ安 谷 ハ同志 ヨリ之 ヲ 入手 シ村木 ニ交 附 シ タ ル事 実 カ ア リ マシ
決 意 シ マシ テ当 時 ノ総 理大 臣 及 内 務 大臣 ノ要路 者 ヲ暗 殺 シ九 月
捜 査 ヲ為 シ マシ タカ 遂 ニ確 証 ヲ得 ル ニ至 リ マセ ンテ シタ依 テ村
子殿 下 ニ対 シ奉 リ危 害 ヲ及 ホ スヤ ノ聞 エカ ア リ マシ テ厳 重 ナ ル
等 カ同 様 ニ福 田 大将 暗 殺 ノ目 的 テ爆 弾 ノ才 覚 ニ苦 心 シ テ居 ル際 テ
入 手 方 ヲ腐 心致 シテ居 リ マシ タ際 時 恰 モ東 京 同志 タ ル和 田 、村 木
長 及 係 検事 ヲ暗 殺 シ且 ツ同 呉 服 店 ヲ爆 破 ス ル目的 ヲ以 テ爆 発 物 ノ
対 ス ル復讐 ヲ決 意 致 シ マシ テ大 阪警 察部 員 、 三越 呉服 店 大 阪 支 店
然 ル ニ右 ニ共 犯 関 係 ヲ有 シ又 ハ其 ノ疑 ア ル古 田大 次 郎 、 富 岡
迄 ニ之 ヲ決 行 シタ ル上同 月 三 日欧 洲 ヨリ御 還 啓相 成 ル ヘキ皇 太
人 ノ健 康 恢 復 ト四 囲 ノ状況 ノ変 化 ト ニ由 リ マシ テ計劃 ハ自 然 立
木 ノ行 動 ヲ厳 密 ニ監 視 ス ル コト ニ致 シ テ居 リ マシ タカ其 ノ後 本
誓 カ大 阪 ニ帰 阪 シタ際 脅 喝 罪 テ検 挙 セ ラ レ マシ タ ノテ ア リ マスカ
ス而 シ テ前 叙 ノ如 ク ニ客 年 三月 朝 鮮 ヨリ運 動資 金 調達 ノ為 ニ富 岡
獄 中 ニ於 テ富 岡 ハ自 己 ノ犯 罪 嫌 疑 ノ容 易 ナ ラ サ ル ヲ看 取 致 シ マシ
ア リ マシ タ ノテ茲 ニ両 者 ハ自 然 提 携 ス ル コト ニ為 ツ タ ノ テ ア リ マ
畳 ノ上 ニテ安 逸 ナ ル死 ヲ求 ム ヘキ テ ナ イ コト ヲ慫慂 シ テ同人 ヲ
消 ノ模 様 ト ナ リ今 日 ニ及 ンタ ノテ アリ マ ス元 来 村 木 ハ久 シキ 以
使嗾 シ テ居 リ マシ テ本 人 ハ最 モ危 険 ナ ル人 物 ノ 一人 ト シ テ取 扱
テ面 会 ニ来 レル同 志 ニ対 シ何 等 カ ノ方 法 ヲ以 テ破 獄 シ テ抜 出 サ レ
前 ヨリ宿痾 ノ肺 患 ニ悩 ミ其 ノ病 状 昂 進 ス ルヤ大 杉 ハ常 ニ人生 ハ
テ参 リ マシタ カ遂 ニ今 般 ノ挙 ニ及 ンタ ノ テ ア リ マ ス
前記銀行員殺害事件)、 山 ン コト ヲ依頼 致 シ マシタ依 テ茲 ニ小 西 武 夫 (被 告小西次郎ノ兄
田正 一、箴 部 治 之 助 等 大阪 在 住無 政 府 主 義 者 ノ中 堅 人物 等 カ 監 獄
在 阪 同 志 ノ陰 謀
ヲ爆 破 スル カ又 ハ公 判 廷 或 ハ他 ノ適 当 ナ機 会 ニ爆 発 物 ヲ用 ヒ テ前
(D)
記 ノ殺 人 強 盗 事 件 ノ被 告 一同 ヲ救 出 シ且 復 讐 ノ計 劃 ヲ実 行 ス ヘク
大 阪 ニ在 住 セ ル同 志 小 西 次 郎 、 河合 康 左右 、小 川 義 雄 等 ハ震
大 次郎 等 ト共 ニ大 阪 市 外ニ一 戸 ヲ構 ヘ社会 主 義 者 若 ハ労 働 者 タ ル
災 後東 京 ヨリ下 阪 シ マ シ タ 前 記 ( 和 田久 太郎事件 ノ連累 タル)古 田
太郎 、村 木 源 次 郎 等 ノ 一派 カ ラ爆 弾 ノ分 譲 方 ニ付 協 議 ヲ進 メ テ居
謀 議 ヲ進 ム ル コト ヽナリ屡ゝ 密使 及 密書 ヲ受 授 シテ東 京 ノ和 田 久
( ) a
同 志 ノ者 ト来 往 シ且 同 地 ノ会 社 、銀 行 、富 豪 等 ヲ歴 訪 シ テ金 銭 ヲ
リ マシタ事 実 ヲ探 知 シ マシ テ今般 彼 等 ヲ検 挙 致 シタ ノ テ ア リ マ ス
強 請 シ之 ニ応 セサ ル場 合 ハ銃 兇 器 ヲ以 テ之 ヲ脅 迫 シ或 ハ之 ヲ傷 害 セ ル等 ノ コト モ アリ斯 ク シ テ領 得 シ タ ル金 銭 ハ之 ヲ生 活 費 及 主義
米 国ニ 在 留 セ ル邦 人 社 会 主義 者 ノ数 ハ少 ナ ク ナ イ ノ テ ア リ マス カ目
ト シ テ残 留 シ テ策 応 シ テ居 ル模 様 モア リ マシ タ ノ テ スカ之 ヲ監 禁 ス
下 何 レ モ著 シ イ活 動 ハアリ マセ ヌ唯 片 山 潜 ノ残 党 カ紐 育 方 面 ヲ中 心
(2) 在 外 社 会 主 義 者 ノ状 況
ノ者 テ アリ マ ス
下 ト シ テ ハ著 シ キ行 動 ハ無 イ カ ノ様 ニ感 ス ル次 第 テ ア リ マ ス
ヘキ機 関 ニ乏 シ キ為 ニ充分 ナ ル事 情 ヲ詳 知 シ得 ヌノ テ ア リ マス カ目
在 外本 邦 社会 主 義 者 中 注 意 ヲ要 ス ル モノ ハ現 在 露 国 上 海 及 米 国 方 面
(a) 露 国 方 面 去 ル大 正 十 [ 年]末 米 国 ヨリ入露 致 シ マシタ片 山 潜 ハ引 続 キ 同 国 首 都 ﹁モ ス クワ﹂ ニ滞留 シ テ東 洋宣 伝 ニ当 ツ テ居 リ マス片 山 等 ト前 後
迄 出 没 シテ策 動 セ ル形 跡 サヘ モ アリ マス
東 宣 伝 ニ従 事 シ テ居 ル様 ナ形 跡 カ ア リ マ スカ時 々浦 塩 及 上 海 方 面 ニ
テ参 リ マシ タ カ未 タ残留 シ テ居 リ マス者 モア ル様 テ如 上 ノ者等カ 極
命 シタ ル者 等 ハ大 正 十 三年 ニ入 リ相 次 テ東 京 地方 裁 判 所 ニ自首 致 シ
一昨 大 正 十 二年 六 月 ﹁日本 共産 党﹂ 事 件 ニ連 坐 シ内 地 ヨリ露 国 ニ亡
ア リ マス内 地 ヨリ入 露 シ タ同 志 モ尚 幾 分 ハ同 国 ニ在 留 シ テ居 リ マス
合 運 動 ハ何 レ モ其 ノ前衛 ト無 産 階 級 大 衆 ト ノ間 ニ著 シ キ距 離 ヲ生 シ
レ ハ ﹁従 来 ノ我 国 ニ於 ケ ル無 産 階 級 運 動 タ ル社 会 主義 運動 及 労 働 組
タル )紙 上ニ モノ
モノ ハ大 正 十 一年 八 月 発行 雑 誌 ﹁前 衛 ﹂ (共産主義宣伝機関紙 ニシテ後ニ 秘
転 換 ノ問 題 カ提 唱 セ ラ ル ヽ ニ至 リ マシタ之 カ最 初 ノ文献 ト認 ム ヘキ
年 下 半 期 以 降 ヨリ本 邦 共産 主 義 者 ノ 一部 ノ者 ニ於 テ社 会 運 動 ノ方 向
秘 密 結 社 ﹁日本 共 産 党 ﹂ ノ組 織 カ〓 醸 セラ レ マシ タ前 後 即 チ大 正 十
(A) 方 向 転 換 論
(3 ) 所 謂 「方 向転 換 ﹂ ノ問 題 ト政 治 運 動
浦 塩 、沿 海 州 方 面 ニ於 テ ハ同 地 ニ出 入 ス ル邦 人 船 員 等 ニ対 シ各 種 ノ
ル傾 向 カ ア ル カ ク テ ハ前 衛 ノ運動 ヲ大 衆 カ ラ孤 立 セ シ ム ル コト ヽナ
就 中 社 会 主義 運 動 ノ如 キ ハ動 モ ス レ ハ概 念 本 位 ノ運動 ニ陥 ラ ント ス
シ テ米 国 方 面 カ ラ露 国 ニ渡 航 シタ人 物 中 多 少 ハ残 留 シ テ居 ル形 跡 カ
方 法 ニ依 テ宣 伝 ヲ為 シ又 ハ宣 伝 印 刷 物 ノ密 輸 入 ヲ計 ツ テ居 リ マス之
同 志 ノ関 係 ア ル モノ ト認 メ ラ ルヽ ノ テ ア リ マス邦 人印 刷 所 モ﹁チタ﹂
実 際 ノ要 求 ヲ尊 重 シ現 実 ニ欲 ス ル モノ ニ対 シ テ ハ現実 ニ与 ヘテ以 テ
ル ニ依 テ前衛 ハ大衆 ノ中 ニ還 元 セネ ハナ ラ ヌ併 シ テ無 産 階 級 大 衆 ノ
於 ケ ル山 川均 ノ主 張 テ アリ マ ス其 ノ所 説 ヲ要 約致 シ マス
﹁ 密結社日本共産党ノ機関紙トナシ
等 ハ邦 文 テ印刷 ニ付 シ テア リ マシ テ種 々ノ点 カ ラ見 マシ テ在 露 邦 人
及 浦 塩 方 面 ニ存在 ス ル模 様 テ アリ マ ス
線 ニ渉 ツ テ方 向転 換 ヲ為 シ大 衆 ヨリ僅 ニ前 進 シ不 即 不離 ノ立 場 ヲ保
之 ヲ指導 シ階級 ノ運 動 ヲ進 メ テ行 カネ ハナ ラ ヌ之 カ為 ニ ハ前 衛 ハ全
テ之 ヲ指導 シ テ行 カ ネ ハナ ラ ヌ﹂ ト 云 フ ノ テ ア リ マシ テ此 ノ主 張 ハ
海
上 海 ニ ハ目 下邦 人 ノ有 力 ナ ル同 志 ハ在留 シ テ居 リ マセ ヌカ 同 地 ハ朝
爾 来漸 次 本邦 ノ実 際 運 動 ニ於 ケ ル指 導 原 理 ト シ テ認 メ ラ ルヽ ニ至 リ
( ) b 上
カ時 々出 没 シ テ策 動 ス ル形 跡 カ ア リ マス ノテ絶 エス厳 密 ナ ル監 視 ヲ
鮮 人 運 動 及 過激 派 ノ極 東 宣 伝 運 動 ノ策 源 地 テ アリ マシ テ各 種 ノ人 物
現 ハレ ツ ヽア ルノ テ アリ マ ス露 国 ノ本 邦宣 伝 ニモ亦 此 ノ主 張 カ露 ハ
マシ テ社会 主 義 運動 ハ申 ス ニ及 ハス労 働 運 動等 ニモ著 々此 ノ傾 向 カ 国
為 シテ居 リ マス ( ) c 米
然 ラハ 此 ノ ﹁方 向転 換 論 ﹂ ノ結 果 生 シ タ ル実 際 運 動 ノ様 式 ハト申 セ
レテ来 リ ツヽ アリ マ ス
研 究 会 ﹂ ノ組 織 ニ着 手 シ六 月 廿 八 日東 京 ニ於 テ創 立 総 会 ヲ挙 ケ タ ノ
而 シ テ右 ノ結 果 在 京 社 会 主義 者 ノ重立 人 物 等 ハ本 年 二月 以 来 ﹁ 政治
想カ擡 頭 致 シテ参 リ マシ タ ノテ アリ マス
テ ア リ マス
ハ ﹁各 種 ノ無産 階 級 運 動 ノ統 一﹂ト ﹁ 政 治 運動 ﹂ ノ 二 ツ テ ア リ マス
本 会 ハ其 ノ目 的 ト シ マシ テ ﹁無産 階 級 ノ立場 ヨリ政 治 、 外 交 、 財 政 、
(B) 無 産 階 級 運 動 ノ統 一 無 産 階 級 運動 ハ各 種 各 様 テ ア リ マス大 別致 セ ハ社 会 主 義 運 動 ト 労働
ヲ期 ス ル﹂ 旨 ヲ掲 ケ テ居 リ マス其 ノ主 タ ル運動 ハ機 関 紙 及 宣 伝 印 刷
大衆 ノ政 治 的 組 織 ヲ促 進 シ テ 日本 社会 ノ合 理的 改 造 ヲ促 進 スル コト
物 ノ発 行 、 宣 伝 、 集 会 ノ開 催 等 テ ア リ マシ テ之 ニ依 テ無 産 政 治 教 育
経 済 、教 育 、 産 業 、 労 働 、 社 会 ノ諸 問題 ヲ調査 シ之 カ対 策 ヲ確 立 シ
導 者 ハ従 来 直 ニ主 義 思 想 ノ宣 伝 ヲ以 テ臨 ミ ﹁左様 ナ箇 々ノ運 動 テ ハ
ノ普 及同 志 ノ結 束 及 地 方 支 部 設 置 ヲ計 リ結 局無 産 政 党 ヲ樹 立 セ ムト
運 動 テ ア リ マスカ其 ノ他 農 民 運 動、 水 平運 動 、 無 産 青 年 ノ運 動 、朝
最 後 ノ帰 結 ハ得 ラ レ ヌ真 ノ解 放 ヲ求 ム ル ナ ラ ハ即 チ真 ノ社 会 改 造 ヲ
ス ル モ ノテ ア リ マ ス本 会 ハ当 面 ノ問 題 ト シ テ組 織 ノ無 イ無 産 階 級 ヲ
鮮 人 運動 其 ノ以外 ノ各 種 ノ モノ ニ対 シ テ モ社 会 主 義 者 、 社 会 運動 指
ト ハ不 可 能 テ ア ル﹂ ト社 会 主 義 思 想 ノ注 入 ヲ計 ツタ モノ テ ア リ マ ス
達 セ ント ス ルナ ラ ハ社 会 主 義 運 動 テ ナ ケ レ ハ徹 底 セ ル効 果 ヲ獲 ル コ
ヲ モ結 合 シ テ無 産 階 級 ノ全 部 ヲ横 断 ス ル 政党 ヲ作 リ 之 カ ﹁ 中心勢
力 ﹂ ヲ取 ラ ムト ス ルノ意 図 モ存 スル ノテ ア リ マス
糾 合 セ ムト シ テ居 リ マ スカ進 ンテ ハ労働 団 体 、農 民 組 合 、水 平 社 等
斯 様 ニ致 シ テ本 会 カ現 在 迄 ニ支 部 ヲ設 立 致 シ マシタ ノ ハ東 京 、神 奈
カ方 向 転 換 論 ノ結 果 ハ此 ノ態 度 ヲ改 メ マシ テ如此 夫 々ノ運 動 ノ目 的
ヲ尊 重 シ之 ト協 同 シ テ其 ノ目 的 ノ達 成 ニ努 メ マシ テ先 ツ其 ノ欲 スル
川 、 青森 、 秋 田 、長 野 、山 口 、福 岡 等 テ ア リ マシ テ引 続 キ各 地 ニ之
タ ル個 々 ノ要求 ヲ モ軽 視 セ ス寧 ロ其 ノ運動 ノ有 ス ル固 有 ノ主 張 要 求
所 ヲ与ヘ 漸 次内 部 ニ侵 入 シテ漸 次 ニ階 級 ノ成 熟 ヲ助 ケ テ最 後 ノ闘 争
ニ応 スル地域 ヲ其 ノ組 織 ノ単 位 ト スル コト ヲ計 劃 シ先 ツ之 ヲ本 部 所
ヲ設 置 セ ムト致 シテ居 リ マ ス最 近 ハ更 ニ之 ヲ組 織 化 シ テ中 選 挙 区制
ニ導 カ ウト ス ル ノテ アリ マス (C) 政 治 運動
ヲ以 テ班 ノ組 織 ト シ テ増 殖 ノ速 カ ナ ラ ン コト ヲ計 ルト共 ニ運 用 ノ軽
在 地 タ ル東 京府 在 住 ノ同 志 ニ実 施 シ之 ヲ細 分 シ テ更 ニ二 、 三 ケ 町村
既 往ニ 於 キ マシ テ ハ片 山潜 一派 ノ如 キ議 会 政 策 ニ依 テ社 会 主 義 ノ理
﹁直 接 行 動 ﹂ 派 ニ属 ス ル モノ カ多 ク ナ リ マシ テ議 会 政策 ニ対 シ テ ハ
想 郷 ヲ実 現 セ ムト シタ者 モア リ マシ タ カ其 ノ後 本 邦 社 会 主 義 者 ハ
実 現 ヲ期 スル カ如 キ ハ全然 不 可能 ナ リ」 ト非 難 致 シ マシ テ遂ニ 議 会
ノミ ナ ラ ス主 脳 部 ノ内 ニ ハ曩 ニ検 挙 セラ レタ ル日本 共 産 党 ニ属 ス ル
戒 ヲ要 スヘ キ点 ハ団 体 カ 主 ト シ テ社 会 主 義 者 ノ集 合 シ タ モ ノテ ア ル
本 運 動 ノ将 来 ハ余 程注 意 ヲ要 ス ルノ テ ア リ マ スカ治 安 警 察 上特 ニ警
妙 ヲ期 セ ント シ テ居 リ マス
政 策 ハ社 会 主 義 運 動 ノ堕 落 ナ リト極 論 セ ラ レ間 接 行 動 派 ハ 一時 跡 ヲ
﹁現 在 ノ政 治 組 織 ハ全 ク資 本 主 義 ノ附 属 物 テ ア ツ テ之 ニ依 テ主 義 ノ
絶 ツ ニ至 ツタ ノ テ ア リ マシ タ カ此 ノ ﹁方向 転 換 ﹂ ノ結 果 再 ヒ議 会 思
者等 カ介 在 シ テ居 ル様 ナ状 況 テ ア リ マシ テ其 ノ行 動 カ社 会 主 義 ノ宣
想 ヲ注 入 シ テ之 ヲ社 会 ニ送 リ出 スト 云 フ頗 ル面 白 ク ナ イ結 果 ヲ生 シ
ニナ ツ タ ノテ ア リ マ ス然 ル ニ之 等 ノ所謂 学生 団 体 ナ ル モノ ハ自然 年
ト ナ リ マシ テ到 ル処 各 地 ノ学 校 等 ニ於 テ モ之 ニ類 似 ノ事 例 ヲ見 ル様
暁 民 会 ノ如 キカ即 チ其 ノ先 駆 テ ア リ マス爾来 右 ノ事 例 ハ 一種 ノ流 行
生 等 ノ組 織 セ ル新 人会 、早 稲 田大 学 生 一部 ノ主 唱 ニ係 ル建 設 者 同 盟 、
コト ハ大 正 七 、八年 以降 ノ著 シイ 風 潮 テ ア リ マ シ テ東 京 帝 国 大 学 学
殊 ニ学 生 生 徒等 カ団体 ヲ組 織 シテ社 会 思 想 ノ研究 論 議 ヲ為 スト 云 フ
キ モノテ 此 ノ外 ニ尚 地 方的 ノ モノ ハ多 数 ニ存 ス ルト コロテ アリ マ ス
的 ノ モノト シ テ ハ上述 ノ政 治 研 究 会 ﹁フ エビ ア ン﹂協 会 等 カ其 ノ著 シ
者 ノ集 団 ト認 メ ラ ルヘ キ モノ ハ可 成 多 数 ニ上 ル ノテ アリ マスカ全 国
団 ヲ形 作 ラ ント スル傾 向 カ見 エルノ テ ア リ マ スソ レテ 現在 社 会 主 義
主 張 シ ツヽ ア リ マス之 ヲ極 端 ニ申 セ ハ彼 等 カ数 人 集 リ マスト直 ニ集
従来 社 会 主 義 者 等 ハ其 ノ戦術 ト シ マシ テ所 謂 「団 結 ノ必要 ﹂ ヲ極 力
ニ 於 テ宣 伝 講 演 会 ヲ開 催 シ幹 部 等之ニ 出 席 シ テ極 力 宣 伝ト 同志ノ 糾
及 労 働 問 題 ノ研 究 、 調 査竝 新 入会 員 ノ推 薦 ヲ議 シ更ニ 東 京 及各 地 方
フ レ ツト等 ヲ発 行 シ本 会 ノ月次 例 会及 臨 時 会ヲ 各 所ニ 開 催 シ テ思 想
ヲ開催 致 シ マシ タ其 ノ他 前 記 ノ機 関紙 ﹁社会 主 義 研 究 ﹂ 及 宣 伝 パ ン
習会 ヲ開 催 シ更ニ 七 月 ヨリ東 京市 内 三 ヶ所ニ 於 テ交 互ニ 夏 期 講 習 会
先 ツ労 働 宣 伝 ヲ開 始 致 シ マシ テ六 月 二 日 ヨリ十 八 日間ニ 亙 リ労 働 講
研 究 シ テ之 ヲ実 行 又 ハ応 用 セ ムト スル ニ在 リ マス本 協 会 ハ組 織 直 後
モ既ニ 実 行 期ニ 入 リ タ ルヲ以 テ社会 主義 上 ノ各 種 ノ問 題 ヲ実 際 的ニ
会 主義 者 等 ヲ シ テ小 異 ヲ棄 テ大 同 団 結 ヲ為 サ シ ム ル コト及 社 会 主 義
機 関紙 ﹁社会 主 義 研 究 ﹂ ヲ刊 行 致 シ テ居 リ マス本 協 会 ノ目的 ハ各 社
等 ハ本 協 会 ノ組 織 ヲ唱 導 致 シ マシ テ遂ニ 之 ヲ実 現 シ テ五月 一日 ヨリ
大 正 十 三 年 二 月 以来 東 京ニ 於 ケ ル社 会 主義 者 安部 磯 雄 、 山崎 今 朝 弥
調 中 他 ノ箇 所ニ 於 テ ﹁フ エビ ア ン協 会 ﹂ ト記 シ ︵本 a) フ エ 日ビ ア ン協 会 (本 ) タ ル場 合 アリ シハ 本協 会 ヲ指 称 シ タ ル モノ ト ス
ス
ツヽ ア ルノテ ア リ マス以 下 現在ニ 於 ケ ル団 体 中 主 ナ ル事 例 ヲ述 ヘ マ
少 客 気 ノ勢 ニ駆 ラ レテ ハ遂 ニ研 究 論議 ノ域 ヲ脱 シテ或 ハ社 会 主義 者
第 二節 社 会 主義 団 体及 其 ノ他 ノ思 想 団 体 ノ行動
伝 実 行 ノ弊 ニ陥 ル傾 向 テ ア ル点 ニ存 ス ルノ テ ア リ マ ス
ト提 携 シ テ実 際 運 動 ニ加 担 ス ルト カ又 ハ労 働 団 体 、 労 働 運 動 等 ニ マ
リ マス
合 ト ニ努 メ テ居 リ マシ テ最 近 ハ各 地 ニ支 部 ヲ設 置 スヘ ク計劃 中 テ ア
要 ス ル ニ本 協 会 ノ行 動 モ結 局 社会 主 義 運動 ノ常 套 手 段 タ ル宣伝ト 同
テ 立 入 ラ ント ス ル ニ至 ル ト謂 フ様 ナ結 果 ニ陥 リ易 イ弊 カ ア リ マシ テ 前 記 暁民 会 、建 設 者 同 盟 等 ノ如 キ ハ全 ク社会 主 義 的 ノ集 団 ト 化 シ テ
志 ノ糾 合 ノ二 者ニ 帰着 ス ル ノテ ア リ マスカ漸 進 的 テ ア ル コト及 実 行
(b 密) 結 社秘 ﹁LYL﹂ノ 検 挙 ト¬自 由 青 年 聯 盟 ﹂ノ 禁 止
的 テ ア ル コト ヲ其 ノ特 色 ト ス ル モノ テ ア リ マス
学 、退 学 等 ノ為 メ ニ組 織 分 子 ノ新 陳代 謝 カ盛 ンニ行 ハル ヽ傾 向 カ ア
長 野 県 在 住 羽 生 三七 、代 田 茂 、牧 野 英 男 等 ハ予 テ ﹁日本 共産 党 ﹂ 一
ノ ミナ ラ ス学 生 団 体 ハ他 ノ社会 主義 団 体 ト異 リ マシ テ常 ニ学 生 ノ入
リ マスノ テ団 体 ノ内 容 ハ常 ニ変 化 シ ツヽ ア ルノ テ ア リ マス従 テ此 点
派ニ 属 スル東 京 山 川均 、荒 井 邦 之 介 等 ト来 往 シ テ之 等 ノ指 導 ヲ受 ケ
了 ツ タト 云 フ様 ナ事 実 モアリ マス
ニ於 テ モ亦 弊 害 ヲ伴 フ次 第 テ ア リ マシ テ即 チ新 入 者 ニ不健 全 ナ ル思
遂 ニ 「ボ ルセビ ツ キ﹂革 命 ヲ唱 導 ス ル ニ至 リ マシ タ為 先 ツ之 カ宣 伝
リ マシ テ昨年 廃 刊 迄 ニ七号 ヲ出 シ マシ タ カ毎 号極 メ テ激 越 ナ ル言 論
ヲ掲 載 致 シ マシ タカ為 殆 ト各 号 発 売 頒 布 禁 止 ノ処 分 ヲ受 ケ テ居 リ マ
青 年 ニ対 ス ル指 導 宣 伝 ノ為 ニ機 関 紙 ﹁第 一線 ﹂ ヲ発刊 ス ル コト テ ア
ニ ﹁ 自 由 青 年 聯 盟 ﹂ ナ ル結 社 ヲ組 織 シ大 正 十 一年 九 月 廿 四 日 同郡 飯
ト 実行 ト ヲ目 的 ト シ マシ テ同志 ヲ糾 合 シ約 二百 名 ヲ得 マシタ ノ テ茲
ス(聯 ハ) 盟 ハ県 内 各 地 ニ支 部 ヲ設 ケ十 二ケ 村 ニ及 ヒ マシタ (ニ) 一派 ハ既 成 青 年 団 ノ侵 蝕 奪取 ノ運 動 ヲ始 メ マシ テ郡 聯 合青 年 会 ノ如 キ ハ殆 ト
正 十 二年 一月 在 京 共 産 主義 者 西 雅雄 ノ指 導 ノ下 ニ更 ニ ﹁L Y L﹂ ト
カ中 ニ ハ思 想 ノ未 タ鞏 固 ナ ラサ ル異 分 子 モ介 在 シ テ居 リ マスノ テ大
テ表 シタ ノ テ ア リ マス而 シ テ聯 盟 ハ漸 次 膨 大 ナ ル組 織 ト ナリ マシタ
テ モ彼 等 ト シ テ ハ官 辺 ノ取締 ヲ恐 レ テ余 程 目 的 ヲ文 字 ノ上 ニ緩 和 シ
以 テ 一般 青 年 会 員 ニ知 ラ シ メネ ハナ ラ ヌ云 々」 ト 掲 ケ テ居 リ マス之
大 階級 ノ闘 争 ノ最 後 ノ帰 結 ソ レ ヲ階 級 対立 ノ消 滅 ト 万 人 共 存 ノ形 ヲ
的 無 産 階 級 ト ノ対 立 カ ラ生 ス ル 一切 ノ矛 盾 ト欠 陥 ト ヲ然 シ テ此 ノ二
係 ニ求 メ ネ ハナ ラ ヌ然 シ テ経 済 上 ニ優 越 ス ル現 代 資 本 家階 級 ト隷 属
ス、第 二章 ( 前 略)苟 モ社会 ニ生 ス ル諸 問 題 ノ解 決 ハ総 テ之 ヲ経 済 関
聯 盟 ノ綱 領 ハ 「第 一章
如 斯 ニ致 シ マシ テ聯 盟 ノ存 在 ハ実 ニ公 安 ヲ害 ス ル コト甚 シキ モノ ト
テ マシ タ ノテ ア リ マス
次 ニ電 燈 村 営 問 題 又 ハ地方 ニ於 ケ ル自 治 問 題 等 ニ マテ漸 次 浸 入 ヲ企
キ コト ﹂ ヲ唱導 シ漸 次 此 ノ目 的 ノ達 成 ニ向 ツ テ進 ミ ツ ヽア リ マシタ
機 関 ヲ奪 取 シ ヨ ウト計 劃 シ マシテ 「補 習 教 育 ハ青 年 ノ自 治 ニ委 ス ヘ
婦 人 宣 伝 ヲ開 始 シ工女 等 ニ主 義 ノ宣 伝 ヲ開 始 シ マシ タ(ト ) 又 補習 教 育
援 ヲ求 メ マシ タ其 ノ開 会 数 実 ニ数 十 回 ニ達 スル ノ テ ア リ マス) (ヘ 次 ニ
ア リ マ ス(次 ホ) ニ講 習 会 、講 演 会 ヲ屡ゝ 開 催 シ マシ テ在 京 主 義 者 ノ来
スル ニ至 リ事 実 上青 年 会 ハ聯 盟 ノ別 働 隊 タ ルカ如 キ状 況 ニ陥 タ ノテ
運 動 、 講 演会 其 ノ他 ノ主 義 運 動 ヲ右 ノ青 年 会 ノ名 義 ヲ以 テ之 ヲ敢 行
赤 化 セ ラ レ テ幹 部 ノ大 多 数 ハ聯 盟 員 ノ占 ム ル処 ト ナリ マシタ為 示威
カ秘 カ ニ来 援 シ タ ト云 フ事 実 モ アリ マ ス
田 町 ニ於 テ発 会 式 ヲ挙 ケ タ ノテ アリ マスカ其 ノ際 在 京 社会 主義 者 等
称 ス ル秘 密 結 社 ヲ組 織 致 シ同年 七月 更 ニ ﹁九 月 会 ﹂ ト 改称 シ マシ テ
アリ マ ス
認 メ マシ テ遂 ニ去 ル九 月十 三 日之 ニ結 社 ノ禁 止 ヲ命 シ マシタ次 第 テ
本 聯 盟 ハ新 興 階 級 ノ歴 史 的 使 命 ノ遂 行 ヲ期
依 テ秘密 結 社 ﹁九 月 会 ﹂ ヲ大 正 十 三年 三月 十 七 日 治 安警 察 法 違 反 ト
(c) 学 生 団 体 ノ運動
事 実 上 ノ自 由 青 年 聯 盟 ノ核 心 ト ナリ之 ヲ陰 然 操 縦 致 シ テ居 リ マシタ
シ テ検挙 シ同 九 月 三十 日 関 係者 羽生 三 七以 下 十 七 名 ニ対 シ禁錮 十 月
会 ﹂ ノ方 針 ニ従 テ行 動 スル モ ノテ ア リ マシ テ(イ )聯 盟 ハ先 ツ在 京共 産
夫 レカ ラ右 聯 盟 ノ活 動 テ アリ マスカ聯 盟 ハ右 「L Y L﹂ 即 チ ﹁ 九月
カ ﹁日本 共産 党﹂ 一派 ノ検 挙 セ ラ レ マシ タ ル後 モ依然 ト シ テ共 産
化 シ ﹁日本 共産 党 ﹂ 一派 ト結 托 シテ農 民 宣 伝 ニ主 力 ヲ注 キ マシタ
( イ) 建 設 者 同 盟(ノ組 織 セ ル モノ) ハ其 ノ後 全 ク社 会 主 義者 ノ団 体 ト
一部 早稲 田大 学 生
学 生 団 体 中 テ注 意 ヲ要 ス ヘキ モノ ト シテ ハ
主義 者及 他府 県 在 住 同 志 ト来 往 シ テ常 ニ提 携 ニ努 メ東 京其 ノ他 ノ同
主 義 ノ色 彩 ヲ有 シ テ行 動 シテ居 ル ノテ ア リ マス客 年 ニ於 テ ハ機 関
以下 夫 々刑 ノ言 渡 カ ア リ マシ タカ 目下 ハ控 訴 審 ニ繋 属 中 テ アリ マス
志 ノ計 劃 セ ル運 動 ニ呼 応 シ テ居 ツタ状 況 テ ア リ マシ タ(ロ) 次 ニハ地方
ノ旧 幹 部 等 ハ現在 日本 農 民 組合 ノ幹 部 ト シ テ組合 ノ運 動 ヲ指 導 シ
会 ヲ開 催 シ テ主義 ノ宣 伝 ニ努 メ テ居 ツ タ様 ナ次第 テ ア リ マ ス本 会
紙 ﹁青 年 運 動 ﹂ ヲ発 行 シテ各 地 ノ学 校 等 ニ郵 送 セ ルノ外 夏 期 講 習
の存在 を 諸 君 は何 と 見 る?
を な す を !!
見 よ 、復 興 途 上 の東 京 を !!
何 等 か の形 に於 て印 象 づ けら れ る何物 か を 見出 す で あ らう 。
タ カ之 カ 最 近 ﹁学 生 社 会 科 学 聯 合会 ﹂ ト改 称 致 シ マシ テ之 カ総 本
密 ニ発 会 式 ヲ挙 ケ マシタ 「学 生 聯 合会 ﹂ ト称 ス ル団 体 カ ア リ マシ
人 会 、 建 設者 同 盟 ナ ト カ主 唱 ト ナ リ マシ テ東 京帝 国 大 学 内 ニ於 テ
(ハ) ﹁学 生 社会 科 学 聯 合 会 ﹂ 及 各 地 学校 ニ於 ケ ル此 一派 ノ 行 動 テ ア リ マス過 ク ル大 正 十 一年 十 一月 七 日 露国 革 命 記 念 日 ヲト シ テ新
ス最 後 ニ最 モ注 意 ヲ要 スル ノ ハ
リ マス カ概 シ テ客 年 ハ著 シ キ行 動 ニ出 テ ナカ ツタ様 ニ認 メ ラ レ マ
会 員 ノ会 合等 ヲ計 リ無 政 府 主 義 者 等 ノ講 説 ヲ聴 取 シタ ル事 実 モア
(ロ) 新 人 会 モ再 ヒ勢 力 ヲ挽 回 セ ント シ テ秘 密会 報 ヲ発 行 シ又時 々
及 農 民 宣 伝 ハ相 当 注 意 ヲ要 ス ヘキ モ ノト 認 メラ ル ヽノ テ ア リ マス
我 々は社 会 科 学 によ つ て社 会 現象 の 一切 を検 討 す ると 倶 に改 造
会 科 学 聯 合 会 は 斯 る教 育 に断 じ て反 対 す る 。
強 制 し資 本 主 義 の奴 隷 的 使 役 に役 立 せ ん が為 め で あ る。 学 生 社
社 会 科学 を根 こそぎ に蹂躪 し 、 それ に代 る 不純 な軍 閥 的 教 育 を
り に利 用 せ ん が為 め の み では な く 厳 正 な 社会 的 批 判 の メ スた る
や 軍 国主 義 的 教 育 を鼓 吹 す る のは 学 生 を 労働 者 の スト ラ イ キ破
て ゐた の であ る。 彼 等 は 今 や素 町 人的 な 露骨 さ で 、教 育 の軍 隊
専 門 学校 と い ふ名 に、 虚 栄 的 に悦 し が ら せ の煽 動 的 修 辞 を与 ヘ
独 立 研究 の自 由 が あ つた か、 ブ ルジ ヨ アジ ーは 大学 と い ふ名 に
呈 せ ん と す る学 校 を看 よ。 学 校 の何 処 に、 い づ れ の大 学 に学 問
の矛 盾 を如 実 に語 つて ゐ る では な いか 。 今 や陸 軍 省 直 属 の観 を
此 の事 実 の 一端 です ら現 経 済 組 織
働 か んと す れど 、 働 く べ き 部署 す ら な き失 業 者 群
三 十 八 万 に余 る 失業 者 の街 頭 に群
テ居 ル事 実 モ ア リ マシ テ旁ゝ 各 種 ノ事 情 カ ラ見 テ本 会 ノ地 方 宣 伝
部 ノ様 ナ形 ト ナ リ マシ テ各 地 ノ大 学 、高 等 学 校 ナ ト ニ ﹁社 会 科 学
思 潮 の幾 多 の学 説 を考 究 思 索 し 、 社会 科 学 を普 及 促 進 す る こと
盟 ﹂ ナ ル モノ ヲ組 織 致 シ テ居 リ マスカ本 運 動 ニ際 シ テ ﹁学 生社 会
反 対運 動 ヲ起 シテ居 リ マス之 カ為特 ニ 「全 国 学 生 軍 事教 育 反 対同
又本 会 等 カ中 堅 ト ナ ツ テ最 近 ハ軍 事 教 育 施 行 ノ問 題 ヲ捉 ヘテ之 カ
々の立 場 を 社 会 に宣 明 す る も の で あ る。
は 四周 年 記 念 に当 り 、 ロシア革 命 七周 年 を迎 ふ る 日を ト し て吾
献 せ んと す るも の であ る 。 こ ゝに於 て ﹁学 生 社 会 科 学 聯合 会 ﹂
に依 て、 誤 りた る反 動 的 学 生群 を牽 制 し て 、新 らし き 時代 に貢
化 を 立法 化 せ ん と し つ つあ る。 彼 等 が丹念 にブ ルジ ヨア的 観 念
マスカ何 レ モ過 激 ナ ル思 想 ヲ追 及 シ ツヽ ア ルノ状 況 テ ア リ マス
研 究会 ﹂ ト 云 フ団 体 カ組 織 セ ラ レ又 ハ組 織 セラ レム ト シ ツヽ アリ
科 学聯 合 会 ﹂ カ最 近 頒 布 致 シ マシタ宣 伝 ﹁ビ ラ﹂ ヲ此 ノ参 考 ニ申
学 生 社 会 科 学 聯 合会
之 ハ客 年 十 一月 七 日 芝 公園 内 協 調 会 館 ニ於 ケ ル同 聯 合 会 ノ ﹁社会
一九 二四 年 十 一月 七 日
諸君 よ諸 君 にし て卑 屈 な怯 儒 と冷 淡 と無 批 判 の精 神 を恥 と す る
科 学 講 演 会 ﹂ ノ宣伝 ﹁ビ ラ﹂ ノ 一節テ ア リ マシ テ単 ニ出 版 物 ト シ
述 ヘマス
観 念 を 以 て現 在 の社 会 組織 を 一瞥 せ よ。 然 らば 必 ず や 、其 処 に
集 会 ヲ為 シ運 動 ヲ進 メ ルト 云 フ点 カ注 意 ヲ要 スル モ ノテ アリ マシ
ヲト シ本 邦 ニ於 ケ ル 「ボ ル セビ ズ ム﹂ ノ有 力 ナ ル人 物 ト提 携 シ テ
テ ハ極 メテ危 険 ナ ル モ ノト モ認 メ ラ レ マセ ヌカ露 西 亜 革 命 記念 日
ノ主 義 主 張 ト 行 動 ト カ全然 撞 着 ス ルカ如 キ モノ モア ル様 ナ次第 テ ア
拘 ハラ ス社 会 主 義 者 等 ト何 等 撰 フ所 ナ キ急 進 不 当 ノ行動 ニ出 テ テ其
想 カ浮 動 シ テ 一定 ノ主 張 カ ナ ク国 家 主 義 又 ハ愛 国 主 義 ヲ標 榜 ス ル ニ
言 論 ノ争 ニ対 シ テ粗暴 過激 ノ行 動 ニ出 テ甚 タ シ キ ニ至 リ マシ テ ハ思
リ マス
第 五章 警 察 取締 ノ方 針 ト社 会 主 義 者 ノ犯 罪
テ之 ハ単 ニ一例 ヲ申 述 ヘタ ニ過 キ マセ ヌ カ以 テ全 斑 ヲ窺 フ ニ足 ル ト考 フ ルノ テ ア リ マス 要 ス ル ニ現 在 ニ於 ケ ル学 生 等 ノ運 動 ハ社 会 科 学 ノ研究 ニ名 ヲ藉 リ 極 メ テ過 激 ノ思 想 ヲ伝 播 シタ リ又 ハ過 激 ナ ル主義 ヲ抱 持 ス ル者 等
円 熟 シ テ自然 粗暴 矯 激 ナ ル行 動 ヲ慎 ム ニ至 ル傾 向 カ アリ マスノ テ警
主 義 者 殊 ニ青 年 期 ノ者 ニ在 リ マ シテ ハ従 来 ノ経 験 上 年 ト 共 ニ思 想 カ
ハ常 ニ警 察 ノ視 線 内 ニ在 ラ シ ム ヘク努 メ テ居 リ マス而 シ テ 一般 社 会
ア リ又 ハ其 ノ他 ノ理由 ニ依 リ注 意 ヲ必 要 ト スル様 ナ者 ニ対 シ マシテ
リ マ ス レ ハ聯合 会 カ聯 絡 ヲ有 スル ハ約 五 十校 ニ及 ヒ会 員 約 千 五百
細 心 ノ注 意警 戒 ヲ必要 ト ス ル次 第 テ ア リ マス彼 等 ノ唱 フ ル所 ニ依
察 方 面 ニ於 キ マシ テ モ不 穏 ノ行 動 ハ可 成 事 前 ニ防 制 シ テ努 メ テ刑 辟
前 申 述 ヘ マシ タ如 ク警 察 ニ於 テ ハ社 会 主 義 者 ニシ テ粗暴 過激 ノ行 動
名 ニ達 スルト称 シ テ居 リ マ ス尤 モ極 最 近 ニ至 リ マシテ ハ文 部 省 方
ニ触 レ シ メサ ルノ方 針 ヲ採 リ濫 リ ニ之 等 ニ干 渉 ヲ シナ イ コト ニ致 シ
ニ利 用 セ ラ レ テ此 ノ方 面 ニ引 キ付 ケ ラ レ ント ス ル ノ傾 向 カ ア リ マ
面 ヨリ ノ監督 モ アリ 又学 生 等 自 身 ニ於 テ モ其 ノ非 ヲ悟 ツ タ モノト
テ居 リ マス併 シ此 ノ警 察 ノ事 前 防 制 ニ従 ハス シ テ尚 不穏 ノ行 動 ニ出
スノ ミ ナ ラ ス内 部 ニ於 テ憂 慮 ス ヘキ事 情 カ潜 ンテ 居 リ マスノ テ旁
見 エ之等 ノ団 体 ヲ解 散 シ又 ハ之 ヨリ脱 セ ムト ス ル モノ モ続 出 シ ツ
ツ ル者 若 ク ハ 一般 予 防 ノ為 特 ニ必 要 ナ ル場 合 等 ニ於 テ ハ不得 已 厳 重
ヽア ル様 テ ア リ マ ス
至 ル 一ケ年 間 ノ統 計 テ ア リ マ スカ検 挙 総 件 数 ハ 一五 八件 人 員 二 五 八
義 者 ノ犯 罪 ハ大 正 十 二年 十 一月 一日 ヨリ 大 正 十 三年 十 月 三十 日迄 ニ
ナ ル処分 ヲ以 テ之 ニ臨 ムノ方 針 テ ア リ マ ス別 表 ニ掲 ケ マシタ社 会 主
社会 主 義 思 想 ノ擡 頭 ニ伴 ヒ マシ テ他面 ニ於 テ ハ大 正 七 、八年 頃 ヨ リ
名 テ アリ マ ス其 ノ内 不 敬 罪 ノ 一八 件 一九 人爆 発物 取締 罰 則 違 反 、 銃
第 四章 反 動 団 体
リ マシタ
所 謂 反動 的 思 想 カ勃 興 致 シ之 ニ関 ス ル団 体 ト其 ノ運 動 ト ヲ見 ル ニ至
〇人 ト 云 フカ如 キ犯 罪 ハ取 締 上 注意 ヲ要 ス ル処 テ アリ マス社 会 主 義
者 等 ニ於 テ モ心 ア ル者 ハ客 年 中 ノ此 ノ傾 向 ニ対 シ余 リ ニ犠 牲 カ多 ク
砲 火薬 類 取 締 法 関 係 違 犯 カ合 シ テ六 件 九 人 治 安維 持 令 違 反 ノ九 件 三
併 モ効 果 ノ少 ナ カ リ シ ヲ嘆 シ テ居 ル位 テ ア リ マシ テ予 防 警 察 ノ立 場
是 等 ノ主 張 ハ 一定 致 シ テ居 リ マセ ヌカ歴 史 的 精 神 主 義 的 国 家 主義 的
アリ マ ス中 ニ ハ其 ノ主 張 ニ於 テ モ亦 其 ノ行 動 ニ於 テ モ穏 健 質 実 テ ア
其 ノ他概 ネ保 守 的 主 張 ヲ根 拠 ト シ テ新 思 想 ニ対 抗 セ ム ト ス ル モ ノテ
ル モノ モア リ マ スケ レ共中 ニ ハ全 ク思 想 的 ノ実 力 ヲ持 チ マセ ス所 謂
茨
千
群
埼
新
長
兵
木
城
葉
馬
玉
潟
崎
庫
岡
島
鳥
富
石
福
秋
山
青
岩
福
宮
長
岐
滋
山
静
愛
三
山
根
取
山
川
井
田
形
森
手
島
城
野
阜
賀
梨
岡
知
重
カ ラ ハ此 ノ種 ノ直 接 行動 的 ノ犯 罪 ヲ可 成 少 ナ カ ラ シ メ出来 得 ヘ ク ン
栃
良
種別 庁府県名
京
東
阪
都
京
北 海 道
大 神 奈 川
甲
号
乙 号
計
特 別 要 視 察 人 総
計
( 大正十三年 十月末現在)
思想要注意人
特 別 要視 察 人 、 思 想 要 注 意 人 数 調
ハ其 ノ絶 無 ヲ期 ス ル コト ヲ取 締 ノ方 針 ト致 シ テ居 ル次 第 テ アリ マス
奈
香
徳
広
島
和歌 山
山
川
口
島
鹿 児 島
宮
熊
佐
大
縄
崎
本
賀
分
違反
治 安 維 持 令 違 反
反
違
新出 聞 版 紙 法法
ノ
沖
計
其
媛
法 賭
他
小
愛
殺
博
罪
其
計
詐
人
合
欺
罪
未
罪
横
知
罪 調 表
強 窃 盗 罪
遂
高
刑 騒擾 暴行 傷害 脅迫 罪
領
岡
不
特別要視察人 思想要注意人 犯
罪 名
敬
罪 八 件 九 人
爆銃 発砲 火 物薬 取取 締締 規 法則
福
種 別
特別要 視察人
他
ノ
警 察 犯 処 罪 令
法
選 挙 法 違 反
規
其
他
小
計
不起訴
起
起訴猶
予
戒
訴中止
訓
総
計
思想要 注意人 計
東 都
京
埼
新
長
馬
玉
潟
崎
一〇 人
一〇件
一八件 一九 人
セ ル モノ
項 ヲ 宣伝
不 敬 ノ事 ル モノ
宣伝 セ
革命 ヲ
不穏宣伝文書調 種別
県名
庁府
京 阪
北海道
大 神奈 川
群
葉
兵 庫
千
社 会
主
直 接 ニ共産 主義 無 政 府 主義 ヲ宣 伝 セルモノ
伝
宣
義
資本主義 ヲ攻 撃 セ ル モノ
的
無 産 者 ノ団 結 ヲ宣 伝 セ ル モノ
階 級打 破 ヲ宣 伝 セ ルモノ
セ ル モノ
動 ヲ 宣伝
破 壊 的行
セ ル モノ
義 ヲ宣 伝
非軍国主
大 正十 三 大正十三 年 度 年 度
計
(大正十三年 十月末 日現在)
其 ノ他
栃 良
木
茨 城
奈
山
静
愛
賀
梨
岡
知
三 重
滋 岐 阜 長 野
岩
福
森
手
島
宮 城
青
石
福
秋
山
川
井
田
山 形
富
山
広
岡
島
鳥
口
島
山
根
取
佐
大
福
高
愛
香
徳
本
賀
分
岡
知
媛
川
島
和歌山
熊 宮 崎
縄
鹿児島 沖 合 計
一九 特 別 要 視 察 人 竝 水 平 社 状 勢 調 大正十三年度
) 不 穏 宣 伝 文 撒 布事 件 (三
) 不 穏 印 刷 物 頒 布事 件 (二
一 〇二 252
九九 251
九二 250
第 八 在 外 特 別 要 視 察 人 及容 疑 者 ノ行 動
第 七 学 生 ト社 会 主 義 者 ト ノ関 係
一 五三 261
一 三五 257
一 二三 255
一 二一 255
一一 三 254
(四) 不敬 罪 竝 爆 発物 事 件
) 無 政 府 主 義 者 和 田久 太郎 外 三名 ニ係 ル陸 軍 大将 (五
第 五 社 会 主 義 者 等 ノ秘 密結 社
福 田雅 太 郎 狙 撃 事 件 竝 ニ爆 発 物 事 件
大正十三年度
第 六 特 別 要 視 察 人 及 容 疑 者 ト 外国 人 社 会 主 義 者 ト ノ
一 232
関 係
特別要視察人竝水平社状勢調
九 2 33
次
第 一 特 別 要視 察 人 一般 ノ状 況 丁
目 第 二 特 別 要視 察 人 ノ系 統 及 集 団
三五 239
三一 239
(六) 特 別 要 視 察 人 及 要注 意 人 ノ経 営 セ ル定 期刊 行 物調 二六三 325
(五 ) ) (十三項 参 照
(四) 思 想 問 題 集 会 表
) 国 家 主 義 其 他 ノ保 守 団 体 調表 (三
(二) 思 想 団 体 表
( ) 一 特 別 要 視 察 人 及 思 想要 注 意 人 移 動 調 表
一 八七 280
一 七五 272
一 五九 262
一 五七 262
[ 附 表]
( 1) ﹁メ ーデ ー﹂ ニ対 スル運 動
四一 241
(七) (六) 項 参 照
九 233
(2) 労 働 者 及 労 働 団 体 竝 ニ労働 運動 ニ対 ス ル宣 伝
四四 242
(1) 特 別 要視 察 人 ノ系 統
( 3) 農 民 宣伝
四 七 242
二九 238 三一 23 9
( 4) 軍 隊 宣 伝
(八) 特 別 要 視 察 人及 思 想要 注 意 人 発 行 出 版 物禁 止 処 分 調
(2) 特 別 要視 察 人 ノ集 団 第 三 特 別 要 視 察 人 ノ行 動
( 5) 朝 鮮 人 ニ対 スル宣 伝
五二 243
二八五 338
二八一 336
二七一 329 五四 243
(九) 特 別 要 視 察 人及 思 想要 注 意 人 発 行 新 聞 紙禁 止 処
(6) 特 殊 部 落 民 ニ対 スル宣 伝
八一 249 八五 249
(十) 特 別 要 視察 人及 思 想 要 注 意 人 著 作物 調 表
分 調 八五 249
(7) 普 選 其 他 ノ政 治 運 動 (8) 其 他 ノ主 ナ ル宣 伝 及 運動 第 四 特 別 要 視 察 人 ノ主 ナ ル犯 罪 ) 虎 ノ門 不 祥 事 件 (一
(十 外四 社) 会 主 在義 者 及容 疑 者 調
(十 想三 問) 題 ニ 思関 ス ル集 会 多 衆 運 動 取 締 件 数 調
(十 別二 要) 視 察 特人 及思 想 要 注 意 人 犯 罪 調
(十 穏一 宣) 伝 文 不書 調
三一 七 0 36
三一 三 355
三一一 354
二九七 345
二九一 340
西 亜 ニ亡命 シ居 リ タ ル高 津 正 道 、 山 本 懸 蔵 、渡 辺政 之 輔 、辻 井 民 之
存 廃 ニ関 シ秘 密裡 ニ協 議 シタ ル結 果 ハ 一先 解 散 ト ナリ タ ル モ曩 ニ露
上 一頓 挫 ヲ来 シタ リ シ モ本 年 初 頭 一味 同 志 ノ保 釈出 獄 ヲ見 ル ヤ党 ノ
我 国 民 ノ赤 化 ヲ図 リ ツ ヽア リ即 チ客年 日本 共 産 党 ノ検 挙 ニ由 リ運動
ニシ テ第 三 イ ンタ ー ナ シ ヨナ ルト直 接 間 接 ノ連 絡 ヲ保 チ依然 ト シ テ
一 水 平 運 動 ニ関 スル状勢 調
レ モ赤 露 ト ノ連 絡 ヲ 一層 緊 密 ナ ラ シ メ タ リ現時 之 カ運動 方 針 ハ既 定
助 ( 京都)等 ハ今 春 相 踵 テ帰 朝 シ又今 秋 荒 畑 勝 三 ノ帰 朝 ヲ見 ル等 何
ノ計 劃 ニ基 キ労働 組合 、農 民 組 合 及 左 傾 学 生 団 体等 ヲ操縦 シ テ都 会
労 働 者 、農 村 青年 及 学生 等 ヲ宣 伝 ノ目 標 ト為 シ 一回普 通選 挙 ノ実 施
第 一 特 別 要 視察 人 一般 ノ状 況
リ
客 年 九 月関 東 地方 ニ起 レ ル大震 火 災 ニ関 聯 シ各 地 ニ伝 播 セ ラ レ タ ル
之 ニ反 シ無 政 府主 義 系 ニ属 ス ル モノ ハ客 年 其 巨 頭 大 杉 栄 ノ歿 後同 人
ニ置 キ無 産 政 党組 織 準備 運動 ト称 シテ全 国 的 ニ同 志 ノ糾合 ニ着 手 セ
避難 シ新 タ ニ根 拠 ヲ構 ヘテ運 動 上新 生 面 ノ開 拓 ヲ図 ラ ント ス ル アリ
ノ横 死 ヲ宣 伝 ノ具 ニ供 シ自 派 勢 力 ノ挽 回 策 ヲ図 リ之 カ第 一着 手 ト シ
ヲ予 想 シ テ政 治 研究 会 ナ ル横 断 的 団 体 ヲ組 織 シ既成 労 働 組 合 ヲ基 礎
又 一部 残 存 者 中 ニ ハ此 機会 ヲ宣伝 ニ利 用 ス ヘク震 災 救 援 思 想 団 ヲ組
テ計 劃 セ シ大 杉 ノ葬 儀 ハ反 動 団 体 ノ為 ニ遺 骨 ヲ奪 取 セ ラ ルヽ等 機 先
流 言蜚 語 ハ期 セ スシ テ国 民的 精 神 ノ高 潮 ヲ具 現 シタ ル為 メ 一般 社会
織 シ無 産 者 ノ救 済 運 動 ヲ起 シ タ ル ノミ ナ ラス亀 戸 事 件 、 大杉 事 件 等
主義 運動 者 等 ハ内 心 頗 ル恐 怖 ノ念 ニ駆 ラ レ 一部 ノ者 ハ早 ク モ地 方 ニ
同 志 ノ殺 害 セラ レタ ル事 実 ヲ喧 伝 シ以 テ無 産 大 衆 ノ同 情 ヲ喚起 セ ン
形 跡 ア リ シ カ其 後在 阪同 志 等 ト策 謀 シ本 年 九 月 一日震 災当 時 ノ戒 厳
ハ寧 ロ純 然 タ ル ﹁テ ロリ スト﹂ ト シテ活 動 ス ル ニ如 カ スト 密 議 セ シ
司 令 官 福 田 雅 太 郎 大 将 ノ復讐 的 暗 殺 事 件 ヲ惹 起 スル等 遂 ニ其 狂 暴 性
ヲ制 セ ラ レ運 動意 ノ如 ク ナラ ス主 ナ ル同 志 等 ハ痛 憤 措 ク能 ハス今 後
ヲ憎 悪 ス ル ノ風 著 シ ク強 調 セ ラ レタ ル ニ依 リ勢 ヒ社 会 主 義 運 動 ノ形
ヲ発 揮 シ来 レル カ此 ノ種 テ ロリ ズ ム的 運 動 ハ今 後 本 系 統 ニ属 ス ル主
コト ニ力 メタ ル モ反 響 ノ見 ル ヘキ ナ ク更 ニ同 年 末 虎 ノ門 跡 ニ突 発 セ
態 ニモ変化 ヲ来 ス ニ至 リ内 面 的 ニ ハ彼 等 主 義 者 間 ニ甚 シ ク反感 ヲ高
義 者 間 ニ益 々尊 重 セ ラ レ ント ス ルノ傾 向 ア ル ハ特 ニ注 意 ヲ要 ス ヘキ
シ大逆 事 件 ハ国 民 思 想 上 ニ異 常 ノ緊 張味 ヲ呈 シ此 種 非 国 民的 運動 者
メ延 テ運動ニ一 層 ノ深 刻 味 ヲ帯 タ ル感 ナ キ ニ ア ラサ リ シ モ 一般 ノ形
現象 ナ リ ト ス而 モ同 系 ニ於 テ ハ労 働 運 動 社 ヲ中 心 ト シ テ東 京 印刷 工
ア ル外深 川 富 川 町 ヲ中 心 ト セ ル自由 労 働 者 群 ヲ モ自 派 勢 力下 ニ収 メ
組 合 聯 合 ヲ踏 台 ト ナ シ更 ニ機 械 技 工芝 浦 労 働 等 各 労 働 団 体 ト モ連 絡
シ寧 ロ合 法 的 且 ツ統 一的 運 動 方 法 ニ依 リ徐 ロ ニ無 産 大 衆 ヲ主 義 下 ニ 収 メ ント スル ノ傾 向著 シ ク濃 厚 ト ナ レリ
勢 ハ従 来 ノ秘 密的 軽 躁 的 運 動 ハ犠 牲 者 ヲ続 出 シ却 テ効 果尠 ナ シ ト做
而 シテ管 下 ニ於 ケ ル社会 主 義 運動 ノ大 勢 ハ依然 共 産主 義 系 最 モ有 力
ント テ宣 伝 運 動 ニ腐 心 シ ツヽ ア ルノ ミ ナ ラ ス深刻 ナ ル無 政 府 主 義 者 ニ於 テ ハ依 然 ト シ テ直 接 行 動 ヲ運 動 ノ モ ツト ート シ議 会 政 治 国 際 労 働 会 議 等 ヲ否 認 シ ツ ヽアリ 本 年 ニ入 リ特 ニ注 意 ヲ要 ス ヘキ ハ所 謂 社 会 主義 系 ニ属 ス ル モノ ヽ運 動 傾 向 是 ナ リ彼 等 ハ従来 殆 ト微 温 的 運 動 ニ終 始 シ居 リ タ ル モ本 年 初 頭 ヨリ英 国 ニ於 ケ ル ﹁フ エビ ア ン﹂ 運 動 ノ趣 旨 ニ倣 ヒ日本 フ エビ ア ン協 会 ヲ組織 シ大 々的 ニ無 産 大 衆 ノ教 化 運動 ヲ開 始 シ漸 次 政 治 研 究 会 一派 ノ無産 政 党組 織 準 備 運 動 者 ト策 動 シ ツヽ ア ルカ本 協 会 ノ趣 旨 及 運 動 方 針 ヨリ観 察 ス ルト キ ハ将来 我 国 ニ於 ケ ル各 派 社 会 主 義 運 動 ノ統 一的機 関 タ ラ ント スル ノ兆 ナ キ ニア ラ ス之 カ進 展 如 何 ハ注 意 ヲ 要 スル問 題 ナ リ 尚 純 正 マル ク ス主 義 ヲ基 調 ト セ ル国 家 社会 主義 ヲ唱 導 シ ツヽ ア ルモ ノ ニ高 畠 素 之 、遠 藤 友 四郎 等 ノ 一派 ア ル モ其 行動 ニ於 テ ハ寧 ロ反 動
シ
的 思 想 団 体 ヲ利 用 セ ント スル ノ風 ア リ運動 上 ノ効 果 見 ル ヘキ モノ ナ
第 二 特 別 要 視 察 人 ノ系 統 及 集 団 (1) 特 別 要 視 察 人 ノ系統 管 下特 別 要 視 察 人 ノ系 統 ハ大 体 ニ於 テ前 年 度 ト大 差 ナ ク依 然 共産 主
号
号
号
乙
甲
号
号
号
乙 号
甲
乙 号
甲
乙 号
甲
乙 号
甲
特別要視 察人系統別人員表 大正十三年十月末日現在 警視庁 無 政府 主義
義
義
主
産 主
義
社 会
共
主
国 家
計
出生地
岩佐作 太郎
氏
備
考
特 別要視察人系統 別調査表 大正十三年十月末日現在 警視庁 職
千 葉
服 部 浜次
名
系
雑誌経営補 助
商
業
種別
無政府主義
統 甲
服
林
洋
野
原 沢武之助
義 系 優 勢 ヲ示 シ之 ニ亜 ク ハ無 政 府主 義 ナ ル モ本 年 度 ニ入 リ所 謂 社 会
長
馬
倭衛
工
群
長 谷川辰治
画
工
潟
械
機
新
主 義 系 ニ属 ス ル 一派 ニ於 テ積 極 的 運動 ヲ開 始 シ漸 次 勢 力 ノ拡 張 ヲ図 リ ツヽ ア ル ハ注 意 ヲ要 ス ヘキ現 象 ナ リ之 カ詳 細 ハ別 表 ノ如 シ
弁護士書生
甲
無政府主義 北海道 殿水藤之助
林
長
福
福
城
野
島
岡
影 山幸作
渡 辺善 寿
和田久太郎
小野源之助
富 岡
機
著
出 事
印
無
学
械
述
版 務
刷
業
工
業
業 員
工
業
生
活版文選 工
ミ シ ン 工
栃
長
東
大
広
秋
福
新
野
京
阪
島
田
岡
千 葉
愛
木
媛
潟
南
水 沼
木村 信 児
佐藤十 五郎
浅 野 護
近藤憲 二
山本智 雄
山口与曾人
山田 文夫
栗林 四郎 一
野中 俊治
所在不明
入 監 中
無政府主義
宮 岡 柄 沢 理 一
無
鹿児島
宮島 信泰
甲
夫
静 野 加治時次郎
活 版職 工
京
忠 義
著 述 和歌 山
人 工
長 岡
業
東
宮越信 一郎
業
書籍店外交 員
労働新聞編 輯 及 印刷 機 械 工
塗 師
工
福 吉 田
業
潟
芳 雄
望 月
良 二
一
誓
郵便配達夫
鉄
師 千 葉
吉 田順 司
著
新
庄司富 太郎
入 監中
医
潟
高田公三
活版文選工
山 形
野
諏訪与 三郎
所在 不明
雑 誌経 営 新 京
武
機械職工
辰
莫大小機械 職 工 東
田村寛 一郎
長
京
桂
東
無
工
鹿児島
次雄
所在不明
印 刷
東
俵
活版印刷 工
鈴木 重 治
述
歯科 医学 研 究 生 印 刷 工
神奈川
中名生幸 力
玉
業 宮 城
埼
木
印 刷職 工
栃
中 村 還 一
業
池 田寅 三
入監 中
京
村木源次郎
東
神奈川
機械鍛冶 工
業
鉄
伊藤 逸郎
延島英 一
媛
京
愛
東
工
工
京
機 械職 工
文
刷
乙
画 工 兼 図 案 師
魚 売 無 印
乙
甲
無政府主義
社 会主義
建築 請負
鶏卵商店員
理髪 学校 生 徒
福
福
千
岡
島
葉
埼 玉
加藤治兵衛
川 口慶 助
岡 田筧
小 川 三男
石 山正 義
雑誌 記 者
新聞記者
学
香
時
具
僕
師
計 商
熊
鹿 児島
高
茨
本
知
城
大 分
小山 勝清
山上 正義
八幡兼 松
倉 持 忠助
植 山治 太郎
弁
業
士
北海道
東
宮
京
崎
平 田千代吉
平 岩
宮 崎竜 介
社 会主 義
雑誌 編輯 補 助 神奈川
甲
新聞 記者 行 木
無
生
百瀬
護
葉 黒瀬 春 吉
学
長 野
勇
千 京 栗 原光 三
雑誌 記者
工
印 刷 東
山本勝之助
晋
巌
米相 場師
京
生 田弘治
東
業
取
無
鳥
業
著
業
業
述
活 動 フイ ル 神奈川 ム製 造手 伝
乙
伊藤武 太郎
布留川 桂
城
市 川藤 市
葉
茨
知
千
愛
城 岩崎 善右衛門
活版印刷 工
新 聞 配達
茨
坂野 八郎
新 聞社外電 飜 訳 係
北海道
所在不明
飲 食店営業
京 五十里幸 太郎
夫
入 監 中
東
石川 卓也
人
茂 野藤 吉
雑誌編輯員
北海道
木 村武 三
東
石川 三四郎
土木 建築 請 負
馬
埼 玉
石黒鋭 一郎
群
無
野
原 子
活版 印刷 工
飜訳及著述
長
火葬場雇人 青 森
京
無
西 脇
新
島
潟
友井
本 間 勝作
槙
広
一
基
馬
無
穣
群
徳永政太郎 添 田平 吉
師
堀 田 康
口
神奈 川
長沢九 一郎
愛 知 山
著 述
京
業
業 演歌 著述
東
牧
新 聞 社 編輯 部員
ブ リ キ職
在 米 中
所在不明
乙
社 会 主義
静
岡
幸内久太郎
社会 主 義
玩具 製 造
乙
小生第次郎
岡 千代 彦
川
幸 内秀 夫
島 根
石
岡
江渡幸三郎
活版印刷業
画工及著述
静
森
安 部磯 雄
尾崎 士郎
青
岡
宮 地嘉 六
愛 知
福
賀
宮武 外骨
業 大久保久太
建築請負業 手 伝 映 画会 社 事 務 員
佐
川
三好 慶 吉
裁 縫手内職
牧
愛
山
崎
知
梨
神 近 イ チ
加 藤
露
著
雑誌類行商 長
縄 上与那原朝敏 所在不明
著
昇
業
横山新之助
述
著 沖 京
無 洋 服職 工 岡野 辰之助
香
京
白柳武司
東
述
店
後 藤耕 作
著 述 兼 雑 誌記 者 茨 城
早 大教 授
養
業
東
岡
椎名 其 二 訳
業
沖野岩 三郎
商
静
田
飜 丹
潔
鶏
和歌 山
述
秋
吉 本俊 一
師 若 林 ヤ ヨ
業
口
京
篠 田五郎
日吉 春雄
口
東
東
業
ゴ ム 工場 職 工
述
印刷 職 工
広瀬 庫太郎 山
市 川 正
京
竹村菊之助
栃 木
工
事 務
関 根 啓蔵
屑 物買 出 組 合 員
刷
印
谷 田徳 三
埼 玉
稲村隆 一
口
猪俣津南雄
学
潟
橋浦 時 雄
一
新
取
山
鳥
述
雑誌 記者
著
員
活版印刷業
高 橋 勝作
北海道
著
山
共産 主 義
市 役所水道 課臨 時 雇 西洋 剃 刀 工場 職 工 新 聞 取次 販 売
甲
生
所在 不明
美術 サツク 製 造 業
中西伊之助
業
都
述
京
著
長沼確三郎
安 田俊 三
工
野
案
長
図
師
栗 田五郎 具
洋 服職 工 香
甲
共産 主 義
長山直 厚
業
口
無
山
共 産主 義
永 田
一
員
黒 田寿 男
社
山
山崎今朝弥
山
岡
野
山 川亮 蔵
又 吉
長
京
松浦 長 治
甲
梨
村松 正俊
務 員
雅 雄
山
媛
浦 田武雄
事 業
西
愛
本
上 田茂樹
無
山
熊
分
薄
岡
大
島
耀
会
福
徳 田 球
富永宗 四郎
雑 誌 編輯 補 助
縄
京 都 大庭 景秋
人力車輓 子
東
庫
工
士
兵
藤 田皐 三
護
著
東 京
藤 岡 淳吉
弁
吉 川 守圀
雑誌 記者
知
近藤栄 蔵
潜
京
高津 正 道
高
京
計
沖
口
渡辺満三 入露 中
出 版 業 事 務 員 弁 護 士
媛 片 山
所在 不明
友 岡久 雄
愛 山 川内 唯彦
静 岡
時 岡 岡
労働宿泊所 管 理 慶大助教授 著 述 業
雑 誌記 者 福
帝 大法 科 学 生
日雇 人夫
島
高 瀬
木 材 置場 人 夫 著述売文 業
東
述
広
新聞雑誌取次 東 兼雑誌発行
阜
業
侶
僧
岐
田所輝 明
売 文
清
著述業補助 北海道
高 野武 二
業
小林康 重
児島 東 一郎
梨
野
山
雑
長
小林 進次郎
夫
人力車輓子
潟
役
茨 城 高野純 三郎
新
小 池
実
津 田光 造
島
神奈川
福
鼎
薫
夫
土木 建 築 手 伝
寺 田
人
縄
鹿児島
仲宗根源和
沖
及 業
後藤 謙太郎 述 訳
熊 本 著 飜
業 実
無 山
中 島
仲宗 根 サ ダ ヨ
東
京
売 文 生
業 岡
高 野
雑誌 編輯 補 助
学
述
雑誌 編輯 事 務 員 著
無
生
日本平民史 編輯 助 手
学
所在 不明
所在不明
入監 中
甲
共産 主義 山
城
口
堺 利 彦
荒畑 勝 三
赤 座 久 一
荒井邦之介
赤松 克麿
指
無
無
鉄
計
物
職
業
業
工
電気 職 工
印 刷
工
和歌山
群
長
石
野
北海道
茨
馬
城
川
山 形
松 本親 敬
丸 田 寅次
中 島千 八
鶴 田 佐
和 田軌 一郎
岡 部
土 井直作
所在 不明
業
鳥
良
取
島 中雄 三
坂本俊 一郎
清
新
茨 山
堺 タ メ
時
本 無
奈
遠 藤友四郎
高畠素之
島
馬
福
群
著
述
述 著
新 聞雑 誌 記 者
堀
神奈川
富
岡
マカ ラ
熊
国 家 主義
業
述
福 阪 堺
製本職工
甲
共産 主 義
著 業
大 京 佐野袈裟美
所在不明
所在不明
乙
時計修繕業
無
婆 東 野
所在 不明
産 業 長 佐野
述
無 業 分
北浦 千太郎
著
著 大 阪
述
早 大教 授 大
水沼
学
活版印刷 工 東
三 宅 正 一
熊
機械 職 工 岐阜
京
早 大学 生
茂木 久平
三 崎 良
栃 木 四野宮仲吉
新 聞記 者
島
平 野 重吉
乙
指物 大 工 広
城
平野力三
業
一
宮
島
平林初之輔
ヲ標 榜 ス ル モノ 一ヲ算 ス ル外 他 ハ全 部 共 産 主 義 系 ニ属 セ リ而 シ テ無
義 系 ニ属 スル モノ 二、 社会 主義 系 ニ属 ス ル モノ 二 、人 道 的 社 会 主義
政 府 主 義 ノ色 彩 最 モ鮮 明 ナ ル ハ彼 ノ大 杉 栄 ノ衣 鉢 ヲ継 承 セ ル労 働 運
特 別要 視 察 人 ノ関 係 セ ル思 想 団 体 ハ現在 数 二十 八 ニ上 リ中 無 政 府 主
(2) 特 別 要 視 察 人 ノ集 団
新 潟 小栗慶 太郎
岐 阜
百瀬 二郎
述
新 聞記 者
京 都
福
野
杉 浦啓 一
著
通 信記 者
長
岡
述
無
静
著
機械 鉄 工
モ巧妙 ニ宣 伝 ノ効 果 ヲ収 メ ツヽ ア ル ハ益 々其 勢 力 ノ大 ヲ成 ス ヘク取
ノ内容 充実 セ ルト又 運 動 ノ組 織 的 ニシテ統 一的 訓 練 ア ル点 ニ於 テ最
目 ニ値 ス ヘ シ而 シテ最 モ多 数 団 体 ヲ占 ム ル共 産 主 義 系 ハ其 団 体組 織
ビ ア ン協 会 ハ将 来 益 々教 化 運 動 ニ全 力 ヲ傾 注 セ ント シ ツ ヽア ル ハ注
謂 社会 主 義 系 団 体 ト シ テ創 立 以 来漸 次 発 展 ヲ遂 ケ ツ ヽア ル日本 フ エ
モ特 ニテ ロリ ス ム的 傾 向 ヲ帯 ヒ ル点 ニ於 テ最 モ注 意 ヲ要 ス ヘク又所
動 社 一派 ニシ テ現 在 ニ於 テ ハ陣 容 全 ク整 ハサ ルノ感 ナ キ ニア ラ サ ル
尚 メ ーデ ー司会 者和 田栄 吉 ( 労働要視察人) ニ対 シ テ モ同 様警 告 ヲ与
要 注 意 人 ニ対 シ テ ハ各 署 ニ命 シ絶 対 ニ参 加 セ サ ル様警 告 ヲ為 サ シメ
共 産 主 義 者 ノ 一派 及無 政 府 主 義 派 ニ属 スル特 別 要 視察 人 及 之 等 思 想
例 ニ依 リ不 穏 ノ言動 ア ル甲 号 杉 浦 啓 一ヲ検 束 シ目下 保 釈 出 獄 中 ナ ル
送 致 セ ル外事 ナ ク メ ーデ ー当 日 ニ至 レル カ先 之当 庁 ニ於 テ ハ従 来 ノ
直 チ ニ検 挙 シ大 正 十 二年 勅 令 第 四百〇 三 号 違 反 ト シ テ所 轄 検 事 局 ニ
デ ー 不威 ﹂ ト 題 ス ル不穏 宣 伝 ビ ラ ヲ電 柱 其 他 ニ貼 附 セ ルカ之 ヲ発 見
注 江 川 菊 次 郎 ノ二 名 共謀 シメ ーデ ー ノ前 日四 月 三 十 日市 内 ニ 「メ ー
藤 護 郎 、 伊 藤 宗 太郎 、 坂野 良 三等 カ革 命 歌 ヲ合 唱 セ ル ヲ以 テ検 束 セ
ヘタ ル カ為 メ当 日 ハ僅 カ ニ無 政 府 主 義 派 労 働 団 体機 械 技 工組 合 員 佐
締 上最 モ重要 視 ス ヘキ モノ ニ属 ス各 団 体 ノ状 況 別 表 ノ如 シ
第 三 特 別 要 視 察 人 ノ行 動
( 何 レモ思想要注意人)外 四名 ヲ検 束 シ事 前 ノ夫 レ ト 合 算 シ十 数 名 ニ
ノ山 田 作 松 、椋 本 運雄 、共 産 主 義 者 丹 野 セ ツ、諏 訪 八 重 、木 村 コウ
ラ レ且 ツ行 列中 ニ潜 入 シ喧噪 ヲ誘 発 セ シ メ ント セ ル同 派 自 然 児 聯 盟
メ ーデ ー ニ対 スル運 動 ヲ例年 ノ夫 レ ニ観 ル モ彼 等 特 別要 視 察 人 要 注
シ テ無 事 終 了 セリ
(1) ﹁メ ーデ ー﹂ ニ対 ス ル運 動
意 人殊 ニ共 産 主 義 ヲ奉 ス ル 一派 ハメ ー デ ー ヲ利 用 シ所謂 大衆 運 動 ノ
ヲ市 内 ニ撒 布 シ以 依事 端 ヲ渋 カラ シメ其 ノ間 巧 ミ ニ主義 ノ宣 伝 ヲ為
(2) 労 働 者 及 労 働 団 体 竝 ニ労 働 運動 ニ対 ス ル宣 伝
実 効 ヲ奏 セ ムト 当 日 ハ勿 論其 前 後 ニ於 テ不 穏 宣 伝 ビ ラ、 ポ スタ ー等
セリ
種 ニ不 過 畢竟 此 ノ種 ノ運動 ハ何 等 ノ効 果 ヲ奏 セ サ ル ノミ ナ ラ ス 一般
ノ他 ビ ラ 、ポ スタ ー等 ニシ テ禁 止 処 分 ニ付 セ ラ レ タ ル モノ僅 カ ニ二
雑 多岐 ニ亙 リ其 主 義 宣 伝 ノ如 キ ハ近来 極 メ テ普 遍 的 ト ナ リ絶 ヘス各
者 及労 働 団体 ニ対 スル社 会 主義 者 及 社会 主 義 運 動 ノ関 係 ハ極 メ テ複
ヲ観 ル モ頗 ル緊 密 ナ ル関 係 ニア ル ハ恰 カ モ表 裏 ノ如 シ従 テ労 働 運 動
自 由労 働 者 ヲ対象 ト スル運 動 ハ社 会 主義 本 来 ノ性 質 及 其 発 達 ノ歴 史
然 ル ニ本 年 メ ーデ ー ニ於 ケ ル共 産 主 義 派 ノ状 況 ハ極 メ テ平 穏 ニシ テ
社 会 ノ反 感 ヲ受 ク ル ノ甚 大 ナ ルヲ感 知 シ最 近 政治 運動 ニ方 向 ヲ転 換
種 機関 紙 、 パ ンフ レツ ト又 ハ労働 講 習会 等 ノ名 ニ於 テ合 法 的 手段 ニ
テ モ主義 宣伝 ニ利 用 スル ノ方 法 ヲ採 リ ツ ヽア ルカ就 中 工場 労 働 者 及
セ ル ニ因 ル結 果 ニ外 ナ ラ ス反 之 無 政 府 主義 派 ハ彼 ノ大杉 ノ死 ニ ヨリ
特 別 要 視 察 人等 ハ其 系 統 ノ如 何 ヲ問 ハス近来 凡 ユ ル社 会 事 象 ヲ捉 ヘ
テ益 々勢 力 不 振 為 メ ニ同 派 主 義 者 ハ何 等 カ ノ手段 ニ依 リ勢 力 ヲ挽 回
依 リ公 然 行 ハ レツ ヽア ル ノ状 況 ナ ルカ現 在 都 下 ニ於 ケ ル社 会主 義 運
彼 等 ノ発 行 スル機 関紙 等 ニ シ テ禁 止 処 分 ニ付 セ ラ レ タ ル モノ ナ ク其
ス ヘク焦 慮 シ朔 風 会 ノ主 宰者 甲 号 武 良 二、 サ ラリ マン同 盟 ノ幹 部 思
総 同 盟 内 ニ居 据 リ ニ決 シタ ル ハ実 際 派 ト 理 想 派 ノ今 後 ノ行 動 ト シ テ
ク テ ハ将 来 ニ於 ケ ル労 働 運 動 ノ発達 ヲ阻 害 ス ル モノ ナ リ ト端 ナ ク モ
注 意 ヲ要 スル問 題 ナリ
動 ハ概 ネ 二 大潮 流 ヲ成 セ リ則 チ赤 露 ヲ背 景 ト セ ル 共産 主義 (ボルシ
モ ノ ハ日本 労 働 総 同 盟 系 各労 働 団体 ニ シテ彼 ノ 日本 共 産 党員 タ リ シ
又無 政 府 主 義 系 ニ属 ス ル者 ハ東 京 印 刷 工組 合 幹 部 ヲ中 堅 ト シテ機 械
シ遂 ニ同 人等 ノ除 名 問 題 ヲ惹 起 スル ニ至 レ ル カ波 瀾 曲折 ヲ経 テ再 ヒ
野 坂 参〓 、渡 辺政 之 輔 、 渡 辺 満 三 、杉 浦 啓 一等 ヲ始 メ共 産 主義 者 金
労 働 組 合 聯 合 会 及関 東 労働 組 合 聯 合 会 所 属 各 労 働 団 体 ヲ自 派 ノ勢 力
理 想 派 タ ル共産 党 員 タ ル運 動 者 ト 実 際 運動 者 ト ノ意 見 ノ疎 隔 ヲ誘 起
子 健 太 、 河 田賢 治 、立 松 市 太 郎 、本 沢兼 次 、松 尾 直 義 、 春 日庄次 郎
ニ支 配 セ ラ レ ツヽ ア リ而 シ テ無 産主 義 系 ニ属 シ直 接 間 接 ニ連 絡 ア ル
等 ハ何 レ モ前 記総 同 盟 関 東 本 部 ニ喰 入 リ労 働 団体 ノ指 導 者 ト シ テ ノ
ナシ
圏内 ニ置 キ相 互 ニ連 絡 ヲ保 チ ツヽ ア ルカ本 年 ニ入 リ特 ニ著 シキ行 動
エビイキ)及 無 政 府 ノ運 動 ニシ テ労 働 運動 ニ於 テ モ 凡 ソ此 二 大系 統
地 位 ヲ利 用 シ常 ニ共 産 党 ノ外 廓 運動 ニ従 ヒ漸 次 ボ ル シ エビ イ キ運動
計
北
工
聯
金 子 健 太 (同 )
本 沢 兼 次 ( 思注)
組 合 渡 辺 満 三 (特要)
合 会 岩 内 善 作 (同 )
東 京市道路事業組合 大 道 憲 二 (同 )
東 京 自 働 車 工組 合 望 月 源 治 (同 )
城
関 東 印 刷 工 組 合 春 日庄次郎 (思注)
時
関 東 鉄 工 組 合 河 田 賢 治 (思注)
東 京 鉄 工 組 合 内 田 藤 七 ( 思注)
南 部 合 同 労働 組 合 中 島 千 八 (特要)
南
東 部 合 同 労働 組 合 佐 々木節
渡辺政之輔 ( 特要 ) (思注) 巌 (同 )
茲 ニ労 働 組 合 対 特 別 要 視 察 人 ノ直 接 介 在 セ ル状 況 ヲ示 セ ハ左 ノ如 シ
ノ根 拠 ヲ築 カ ン コト ニ努 力 シ ツヽ ア リ タリ然 ル ニ震 災 後 ニ於 ケ ル 一
建設者 同盟 田所 輝 明 元日本共産党員 徳 田球 一
ニ対 スル劃 策 ト ハ何 時 シカ実 際 的 労 働 運動 者 ノ感 知 ス ル処 ト ナ リ斯
般 状 勢 ノ変 化 ヨリ受 ル労 働 運 動 ノ現 実 化 ト 前 示共 産 党 員 ノ労 働 組 合
共産主義系
大 日本 労働総同盟 関 東 同 盟 会 重立者 赤 松克 麿 野 坂 参〓
ロイター通信員 スレバツク 秘書 大倉 旭
無政府主義系
機械労働組合 聯合会
東 京印 刷 工組合
関東労働 組合聯合会
(3) 農民宣伝
鶴 岡 貞 三 ( 思注)
{
東京機械労働組合 佐 藤 陽 一 ( 思注) 純 労 働 者 組 合 俵 次 雄 (特要) 日 本
労
技
辰 ( 特要) 熊 (同 )
友
会 {水 沼 水 沼
北浦 千 太郎 (同 )
{
会 布 留 川 桂 (同 )
田 鉄 次 (同 )
会 日下 部 喜 人 (同 )
本 至 労 働 組 合 高 山 久 三 (同 )
信 正
進
関 東 車輛 工 組 合 沼
元 元
佐 藤 護 郎 ( 思注)
{
機 械 技 工 組 合 池 田 寅 三 (特要) 東 京 製 菓 工 組 合 江川菊次郎 (同 ) 自 働 車 技 工 組 合 岡 田 四方 吉 (同 )
熊 谷 純 二 (同 ) 加 藤 昇 ( 特要)
{
電気鉄工 労働組合 高 田 繁 蔵 (同 ) 輝 星 労 働 組 合 佐 藤 陽 一 (同 )
山 田 作 松 (同 ) 椋 本 運 雄 (同 )
自 由 労 働 者 同 盟 {野 口 一 雄 (思注)
釈 出 獄 後 再 ヒ活動 ヲ開 始 シタ ル モ同 人 等 ノ離 散 セ ルト 且 又 資金 ノ窮
ヲ開 拓 スル コト ヽシタ ルカ 元建 設 者 同 盟 同 人 タ ル稲 村 ハ現 同人 早 大
ナ リ浦 田 ハ残 務 ヲ稲 村 隆 一ニ託 シ テ帰 郷 シ新 タ ニ九 州 ニ於 テ新 生 面
学 生 竹 内 五郎 、 伊 東 光 治 、宮 井 進 一等 ノ発 行 セ ル機 関 誌 青年 運動 ヲ
乏 ト ニ ヨリ維 持 困難 ト ナリ本 年 五月 遂 ニ自 然 消 滅 ノ止 ム ナキ状 態 ト
ク元 暁 民 共 産 党 員 浦 田武 雄 、稲 村 隆 一、森 崎 源 吉 等 ハ大 正 十 二年 三
元 ﹃農 民 運 動 ﹄ ノ読 者 ニ配 布 シ以 テ農 村 青 年 ニ対 スル宣 伝 ヲ継 続 シ
近年 農 村 経 済 ノ変 調 ニ伴 ヒ各 地方 ニ小 作 争 議 頻 発 ノ趨 勢 ナ ル ヲ観 取
月 農 民 運 動 社 ヲ起 シ機 関 紙 ﹃ 農 民運 動 ﹄ ヲ発 行 シ テ各 地 方 ニ於 ケ ル
又 一面 平 野 力 三 、 三宅 正 一、浅 沼 稲 次 郎 、 川 俣 清 音 等 旧 建 設者 同 盟
セ ル管 下 特 別 要 視 察 人 等 ハ早 ク モ之 ヲ農 村 青 年 赤 化 運 動 ニ利 用 ス ヘ
共産 党 ノ検 挙 ニ依 リ首 脳 者浦 田 ヲ失 ヒ爾 来 社 勢 不 振 同 年末 浦 田 ノ保
小 作 争 議 ニ介 入 シ以 テ同 志 ノ糾 合 ニ力 メ ツ ヽア リ シ カ同年 六 月 日本
日本 農 民 組 合 関 東 同盟 ノ幹 部 ト シテ専 ラ農 民 ノ赤化 宣 伝 ニ奔 走 シ来
同 人 等 ハ元 新 人会 員 岡 部 完 介 、荘 原 達 及 新 人会 員畚 野 信 三等 ト共 ニ
兵 一聯 隊 ニ入営 中 ナ ル思 想 要 注意 人 中 西 重雄 軍 服 ノ儘 参 列 シ弔 詞
葬 儀 カ本 年 一月 十 七 日青 山葬 場 ニ於 テ執 行 セ ラ ル ヽヤ第 一師 団歩
二、本 年 六 月 以降 近衛 歩 兵 第 三聯 隊 、 同歩 兵 第 四 聯隊 、札 幌 市 歩 兵
ヲ朗読 セ ル コト
各 種 成 案 ヲ提 出 シ之 カ通 過 ヲ図 ル ヘク努 力 スル等漸 次 理想 ノ実 現 ニ
第 二 十 五聯 隊 等 ニ宛 テ ﹁寄 生 虫 ﹂ ﹁ RATSE L﹂ ﹁不 生 的 人 間 の 飯
リ シカ本 年 二月末 大阪 ニ於 ケ ル日本 農 民 組 合 大会 ニ大挙 シ テ出 席 シ
向 テ発 展 ヲ期 シ ツ ヽア ル カ更 ニ本 年 六 月 同 人 等 ハ代 議 士 有 馬 頼 寧 ヲ
﹁親 愛 な る盟 友諸 君 に呈 す﹂ ト題 スル四 種 ノ宣 伝 札 ヲ郵 送 セ ル犯
事 に民 衆 の膏 血 を乱 費 云 々﹂ ﹁プ ロ出 身 ノ軍 人 諸 君 ニ呈 ス 云 々﹂
人 ア リ タ ル ヲ以 テ極 力捜 査 中 農 商 務 省 水 産 講 習 所 勤務 助手 田 辺武
起 シテ有 馬 農村 問 題 研究 所及 日本 農 民 学 校 協 会 ヲ組 織 シ之 カ幹 部 ト
雄 ノ所 為 ナ ル コト判 明 シ直 チ ニ逮 捕 セ リ
シ テ同 人 等 ノ外 同 志 安部 磯 雄 、北 沢 新 次 郎 、 三 和 一男 、高 橋 亀 吉 、
シ就 中 山 梨 、新 潟 、 千葉 各県 ニ ハ最 モ猛 烈 ナ ル運 動 ヲ試 ミ農 民学 校
三輪 寿 壮 、河 西 太 一郎等 ヲ加 ヘ先 ツ関 東 、 北 陸 地 方 ヲ宣 伝 ノ対象 ト
本 件 ハ目 下 所 轄 検事 局 ニ於 テ予 審 中
三 、今 秋 北 陸 地 方 ニ於 テ挙 行 セ ラ レタ ル陸 軍 特 別 大 演 習 ニ石 川県 思
協 会 ノ事 業 ト シテ常 設 的 教 化機 関 ヲ設 ケ 又 一面 農 民 組 合 ノ県 聯合 ヲ 策 ス ル等 着 々運 動 ノ効 果 ヲ 挙 ケ ツ ヽア ル カ其 他 ノ地 方 ニ対 シ テ モ漸
止 セリ
(5) 朝 鮮 人 ニ対 スル宣 伝
書 ヲ印 刷 シ宣 伝 セ ント シ タ ル ヲ自 供 セ ル ヲ以 テ厳 重 説 諭 ヲ加 ヘ防
タ ル ヲ以 テ彼 等 一味 ヲ取押 ヘ厳 重取 調 ヲ為 シタ ル処 小 原 ハ不 穏 文
注 小 原 秀 雄 同 寺 西 三 郎等 カ 軍隊 宣 伝 ノ陰 謀 計 劃 ヲ挙 行 前 ニ探 知 シ
ス
次 勢 力 ノ拡 張 ヲ図 リ ツ ヽア ル ハ将来 最 モ注 意 ヲ要 ス ヘキ現 象 ナリ ト
(4) 軍 隊 宣 伝 彼 ノ高 津 正 道 ヲ中 心 ト セ ル暁 民 共 産 党 、 堺 利彦 ヲ中 心 ト セ ル日本 共
ル傾 向 ア リ従 テ軍隊 ニ対 シ テ モ又 同 様 ナ ルカ本 年 度 ニ於 ケ ル特 別 要
産 党 ノ 二大 秘 密 結 社 ヲ検 挙 シ テ以来 一般 ニ文 書 ニ依 ル宣 伝 ハ減 少 セ
的 遂 行 ニ腐 心 シ ツ ヽア ル折 柄 屡 々内 地上 海 間 ヲ往 復 シ居 タ ル当 庁
ノ聯 絡 ヲ料 リ以 テ内 地 ニ潜 入予 テノ企 劃 ニ基 ク兇 暴 手段 ニ依 ル目
( ) 一 朝 鮮 左 傾 分 子中 在 上海 ノ義 烈 団 一派 ハ常 ニ内 地 人 社会 主 義 者 ト
ハ文 書 ハ必 ス ヤ発 覚 スル ヲ感 知 セ ル結 果 ニ シテ要 注 意 人 及視 線 外 ニ
ノ必 要 上 是 レ又海 外 主義 者 ト ノ提 携 ヲ策 シ ツ ヽア ル為 メ両 者 間 ニ
思 注 秀 島 広 二、 同 小林 寛 一、黒 島 里経 等 ノ共 産 主 義 者 ハ主 義 宣伝
視 察 人 ノ軍 隊 宣 伝 ハ著 シ ク減 少 セ リ如 斯 傾 向 ヲ見 ル ニ至 レ ル ハ彼 等
ノ左記 ノ 通 リ ニ シテ今 後 之 等 要 視察 人及 視 線 外 ニア ル モノ ニ対 シ相
団 員 金 祉 燮 ヲ伴 ヒ爆 弾 三 個 ヲ携 行 シ テ福 岡 県 八 幡 港 ニ密航 シ次 テ
ハ茲 ニ端 ナ ク モ緊 密 ナ ル密 計成 リ彼 等 三名 ノ内 地 人 主 義 者 ハ義 烈
ア リ シ モ ノ ニ シ テ本 年 度 ニ於 テ軍隊 宣 伝 ヲ為 シ又 ハ為 サ ント セ シ モ
一、昨 年 九 月 ノ大震 災 ニ於 テ死 去 セ ル元南 葛 労 働 会 員 平 沢 計 七 等 ノ
当 視 察 内 偵 ノ要 ア リ
セ ラ レタ ル ヨリ事 ノ発 覚 ヲ虞 レ携 帯 セ ル爆 弾 ヲ投 擲 シ テ逃 走 ヲ図
モ宮 城 侵 入 ヲ決意 シ二 重橋 附 近 ヲ徘 徊 中 所轄 日比 谷 署 巡 査 ニ誰 何
テ行 動 ノ意 ノ如 ク ナ ラサ リ シ カ本 年 一月 五 日前 記金 祉 燮 ハ大 胆 ニ
是 レト 主義 主 張 ヲ等 シ ク スル関 東 水平 社 執 行 委 員 長 村 岡 静 五郎 其 ノ
導 的 運動 ニ従 事 シ居 レリ而 シ テ其 運動 ニ就 テ ハ在 京 都 南 梅 吉 一派 及
同 人 ハ全 国 水 平 社 聯 盟 及 関 東 水 平 社聯 盟 執 行 委 員 ト シテ専 ラ之 カ指
6︶ ︵ 特 殊 部落 民 ニ対 ス ル宣 伝 管下 特 別要 視 察 人 ニシ テ直 接 水 平 運動 ニ関 係 セ ル ハ平 野 重 吉 ニシ テ
貴族顕 官 ノ暗 殺 ヲ為 ス ヘク真 ノ機 会 ヲ窺 ヒ居 タ ル モ警 戒 厳重 ニシ
帝 都 ニ潜 入 セ リ彼 等 ハ時 恰 モ第 四十 九 議 会 開会 中 ナ ル ヲ奇 貨 ト シ
リ タ ル モ遂 ニ之 ヲ逮 捕 シ取 調 ノ結 果 右 事 情 判 明 ス ル ニ至 レリ
対 ス ル復 讐 ヲ為 ス ヘク其 準 備 ト シテ大 正 十 二年 十 一月 二十 日頃 同
ニ依 リ自 派 勢 力 ノ振 張 ヲ料 ルト同 時 ニ他 面頭 主 大杉 ノ殺 害 事 件ニ
階 級 闘 争 的意 識 ノ高 潮 ト共 ニ団 結 ノ必 要 ヲ鼓 吹 シ ツ ヽア ル ハ注 意 ヲ
脈 ヲ通 シ之 等 ノ者 ノ執筆 ニ係 ル宣 伝 記 事 ヲ掲 載 シ 一般 部落 民 ニ対 シ
介 、 島 中雄 三 、赤 松 克 麿 、布 施 辰 治 、 宮 島 信 泰 、遠 藤 友 四郎 等 ト気
盟 機 関 雑 誌 ﹃自由 ﹄ ヲ発 行 シ常 ニ同 志 堺 利彦 、猪 俣津 南 雄 、岡 部 完
キ モ 一面 ニ於 テ ハ本 年 八 月 中 ヨリ自 ラ編輯 主 任 ト シ テ関 東 水 平 社 聯
他 ノ幹 部等 ト常 ニ行 動 ヲ共 ニシ ツ ヽアリ テ表 面 概 シ テ穏 健 ナ ル カ如
志 古 田 大 次郎 、高 島 三治 、 富 田 誓 ノ三名 ヲ相 前 後 シ テ朝鮮 京城 ニ
要 ス ル処 ナ リト ス
) ︵ 二故 大 杉 栄 ノ傘下 ニ至 リ タ ル和 田 久 太 郎 、村 木 源 次 郎 ノ 一派 ハ大 杉歿 後 自 派 勢 力 ノ日 ニ凋落 ス ル ヲ挽回 ス ヘク鮮 人主 義 者 ト ノ提 携
学 生 朴誠 意 等 ノ鮮 人 同 志 ヲ得 之等 ト気 脈 ヲ通 シ如 上 ノ目的 ニ使 用
派 シ元義 烈 団 員 金 一善 及高 麗共 産 党 員 某 ノ妻 金 光尹 及当 時 京 城 中
ス ヘキ爆 発 物 ノ入 手 ニ奔 走 ス ル処 ア リ結 局 同 物 件 ノ入 手 ハ不成 功
最 近数 年 来 我 国 思 想 界 ヲ風 靡 シ ツ ヽア ル共産 主 義 一派 ニ於 テ ハ所 謂
(7︶ 普 選 其 他 ノ政治 運 動
民 衆 運 動 ノ前 衛 ト シ テ組 織 的統 一的 運 動 ニ ヨリ無 産 大 衆 ノ糾 合 ヲ図
ニ終 リタ ル モ運 動 上 ノ目 的 ニ於 テ鮮 人 側 ヨリ相 当 共 鳴 ス ル処 アリ
竝ニ福 田 大将 邸 ノ爆 発 物 事 件 ヲ頻 発 セ シム ル ニ至 リ タ ル ハ注 意 ス
タ リ斯 ク シ テ本 年 九 月 一日福 田 大将 ノ狙 撃 事 件 及 ヒ本 郷本 富 士署
リ ツ ヽア ルカ同 一派 間 ニ重 キ ヲ ナ シ常 ニ其 実 際 的 運 動 方 面 ノ指 導 ニ
任 シ ツ ヽア ル彼 ノ山 川 均 ハ近年 歳 ト共 ニ高 潮 セラ ル ヽ普選 問 題 ヲ捉
ヘテ早 ク モ大 正 十 一年 八 月其 機 関 ﹃前 衛 ﹄ ニ所 謂 方 向 転換 論 ヲ発 表
ヘキ現象 ナリ ︶ ︵ 三 共産 主義 系 ニ属 スル在 京 甲 号要 視察 朝 鮮 人 李 憲 等 一派 ハ特 要 高 津 正 道 ノ思 想 上 ニ於 テ最 モ信頼 スル ニ足 ル ヘキ人 物 ナ リト 称 シ頻
ヘキ コト ヲ鼓 吹 セ リ爾来 同 派 ニ属 ス ル運 動 者 ハ漸 次 政 治 運動 是 認 ニ
シ従来 ノ偏 狭 的 運 動 ヲ排 シ大衆 ノ前衛 ト シテ先 ツ議 会 政府 ヲ利 用 ス
ニ努 メ シ カ遂 ニ大 正 十 三 年 十 二 月 二十 二 日牛 込 区 天 神 町 東洋 経済 新
傾 キ普 選 其 他 ノ政 治 問 題 ニ関 シ機 会 ア ル毎 ニ運 動 ニ関 与 シ之 カ訓 練
リ ニ同 人 ノ下 ニ出 入互 ニ接 触 ヲ図 リ ツ ヽア ル ノ状 態 ニテ 一定 ノ国
等 朝 鮮 人 主義 者 ト之 ヲ社 会 主 義 運 動 ノ第 一線 ニ立 タ シメ ント ス ル
民 的 中 心 思 想 ヲ有 セ ス常 ニ外 来 危 険思 想 ノ模 倣 追 従 ヲ事 ト スル彼
内 地 主義 者 ト ノ接 触 ハ将 来 大 ニ警 戒 ヲ要 ス ル事 象 ナ リ ト ス
報 社 ニ於 テ共産 主 義 者 島 中 雄 三 主催 ノ下 ニ赤 松 克 麿 、 三 宅 正 一、高 橋 亀 吉 、 加 藤勘 十 、鈴 木 茂 三 郎 、 三輪 寿壮 、松 岡 駒 吉 、 荘 原 達 、 近
思 ふ に 日本 の政 治 は ヽ今 日此 の機 会 に於 て、 根本 的 に建 て直
の で あ る。
ニ訓 練 ニ努 力 ス ルノ要 ア ル ヲ申 合 、政 治 問 題 研究 会 ナ ル名称 ノ下 ニ
ス ル準 備 ト シ テ之 カ研 究 会 ヲ開 キ極 力 無 産 階 級ノ 政 治知 識 ノ啓 発竝
協 議 会 ヲ開 ク ニ至 レ リ其 結 果 今 直 ニ普 選 運 動 ハ行 ハサ ル モ普 選 ニ対
農 民 組 合 ノ各幹 部 及新 聞 記者 、文 士 等 十 八 名会 合 普 選 即 行 ニ関 スル
と を伸 張 し 、 一方組 合 運 動 と 相俟 つて これ が 目的 の達 成 に助 力
す るた め には 、 一般 民 衆 の自 覚 の上 に、無 産 階 級 の利 益 と 幸 福
不 正 義 な る法 律 制 度 の改 廃 に努 力 す る こと であ る。 そし て さう
立 場 か ら政 治 を批 判 し 、 国 民 全 体 の幸 福 を眼 目 と し て、 不合 理 、
る こと で あ る。 国 民 の大 多 数 を 占 む る無 産 階 級 が、 それ 自 身 の
し を や らな け れば な ら な い。 そ れ に は民 衆 自 身 、 政 治 に参 加 す
時 々研究 例 会 ヲ開 キ傍 ラ広 ク 同 志 ヲ糾 合 ス ル等 着 々発 展 ヲ図 リ ツ ヽ
す べき 一の民 衆 的 政党 乃至 無 産 政 党 を 樹 立 す る こと が 、 さし 当
江 谷 駒 、 細 野 三 千雄 、松 下芳 男 、 青 野 季吉 等 思 想 団 体 、 労 働 団 体 、
ア リ シ カ更 ニ本 年 五月 十 日前 記 経済 新 報社 ニ於 テ協 議 会 ヲ開 キ名称
つて の必 要 であ ると 考 へる。
﹁政 治 研 究会 ﹂ 設立 準 備 委 員
の第 一歩 を踏 み 出 し た いと 思 ふ。
育 と 団 体 的訓 練 と を促 し、 以 て真 に目 覚 め た る民 衆 的 政 治 運動
に必 要 な る調 査 と研 究 と を 遂 げ 、 あ ま ね く無 産 民 衆 の政 治 的教
と し て本 会 を創 設 し 、 広 く 全 国 同感 の士 の協 力 によ り て予 め之
此 の考 への下 に、 私 共 は こ ゝに 、政 党 組 織 への 一の準 備 階 段
ヲ政 治 研 究会 ト改 称 シ左記 設 立 趣 旨 及 規約 ヲ決 定 スル ト共 ニ島 中雄 三 、安 部 磯 雄 、高 橋 亀 吉 等 幹 部 ニ於 テ同会 創 立委 員 二十 五名 ヲ詮 衡 ノ上決 定 シ愈 々組織 的 政 治 運 動 ヲ開 始 スル ニ至 レリ (イ) 政 治 研 究 会 設 立 の趣 旨 設 立 の 趣 旨
大 正 十 三年 五 月
今 日 ま で の 日本 の政 治 は 、藩 閥 と か官 僚 と か称 す る 一部 の特
苟 合 に よ つて擅 に処 断 さ れ、 大 多数 の民 衆 殊 に無 産 階 級 の利 益
権 階 級 と 、資 本 家 と か地 主 と か いふ少 数 の有 産 階 級 と の、妥 協
一、本 会 ハ政 治 研 究会 ト称 ス
( ) ロ 政治研究会規約 政 治 研 究 会規 約
と 幸 福 と は 、殆 ど全 く 無 視 せ ら れ て ゐ た状 態 であ る。 そ こ に 一
産 業 、労 働 、 社 会 ノ諸問 題 ヲ調 査 研 究 シ 、之 カ対 策 ヲ確 立 シ
二 、本 会 ハ無 産 階 級 ノ立場 ヨリ政 治 、外 交 、 財 政 、 経済 、教 育 、
切 の政 治 的 禍根 が あ ると 私 共 は 信 ず る 。 今 や民 衆 は 、漸 く政 治 的 社 会 的 階 級 的 に自 覚 を増 し て来 た 。
ス ル ヲ目的 ト ス ル
大衆 ノ政治 的 組 織 ヲ促 進 シ、 以 テ日本 社 会 ノ合 理 的 改 造 ヲ期
一国 の政 治 を 一部 の特 権 階 級 や少 数 の有産 階 級 に委 せ て置 いた の では 、 到 底 国 民 全般 の幸 福 と 発 展 と を 図 る こと が出 来 な いと
三、本 会 ハ本 部 ヲ東 京 ニ支 部 ヲ全 国 各 地方 ニ置 ク
いふ こと が、 明 か に多 数 の人 々に意 識 さ れ て来 た 。此 の自 覚 か ら初 め て真 の意 味 の民 衆 政治 、代 議 攻 治 、 立 憲 政 治 が発 足 す る
本 部 事 務 所 ヲ左 記 ニ置 ク ( 東京市牛込区天神町六番地) 四 、本 会 ノ目 的 ニ協 力 ス ル モノ ハ男 女 ヲ問 ハス何 人 モ会 員 タ ル
ト ヲ得 ル
十 一、委 員 総 会 ニ於 テ必 要 ト認 メ タ ル場 合 ハ臨時 大会 ヲ開 ク コ
十 二 、大 会 ノ決 議 ハ出 席 者 総 数 ノ過 半 数 ノ同 意 ニ ヨリ成 立 ス ル
会 員 ハ会 費 一ケ月 三 十 銭 ヲ負担 ス ル
十 三 、本 会 ノ維 持 ハ会 費 及 ヒ寄 附 ニ ヨ ル
会 計 細 則 ハ別 ニ之 ヲ定 メ ル
コト ヲ得 ル 会 員 以 外 ニシ テ本 会 ノ目 的 ヲ援 助 スル者 ヲ会 友 ト スル
十 四 、本 会 ハ随 時 会 報 ヲ発 行 シ会 員 及 ヒ会 友 ニ配 布 ス ル
本 会 ノ主 旨 ニ反 シ又 ハ会 ノ規 律 ヲ紊 スト認 ム ヘキ行 動 ア リ タ ル時 ハ執 行 委員 会 ノ決 議 ニ ヨリ入 会 ヲ拒絶 シ又 ハ除 名 スル コ
十 五 、会 員 三十 名 以 上 ア ル地 方 ニ ハ支 部 ヲ設 置 スル ヲ得
要 スル
支部 規 約 ハ各 支 部 ニ於 テ別 ニ之 ヲ定 メ 、本 部 ノ承 認 ヲ経 ルヲ
トカアル
支部 会 計 ハ本 部 会 計 ト独 立 シ、会 費 ノ内 一ヶ月 一名 五 銭 ノ割
五 、本 会 ニ ハ左 ノ常 設 委 員 会 ヲ置 ク 調査委員会
合 ヲ以 テ本 部 会 計 ニ納 メ ル
会計委員会
各 委 員 ハ大会 ニヨ ツ テ選 出 サ レ、 ソ ノ任期 ハ 一年 ト ス
支部 幹 事 ハ常 ニ本 部 ト ノ聯絡 ヲ図 リ 、支 部 ノ状 況 ヲ報 告 ス ル
執 行委 員 会
ニ於 テ改 選 スル コト ヲ得
但 シ重 任 及 ヒ留 任 ヲ妨 ケ ナ イ 、 モシ必 要 ア ルト キ ハ臨 時 大 会
上
義 務 ヲ負 フ
東 京 市牛 込 区 天神 町 六 番 地
東 洋 経済 新 報 社 内
佐野袈裟美
事 務 所
鉄
以
委 員 ノ数 ハソ ノ都 度 大 会 ニ於 テ決 定 スル 六 、本 会 ニ左 ノ役員 ヲ置 ク 幹事数 [ 名]有給 庶 務 係 一名 幹 事 ハ各 委 員 会 ニ於 テ 一名 以 上 ヲ互 選 ス ル、 ソ ノ任 期 ハ 一年
秀 一
辰治
小泉
トス
福田
寿壮
賀川
力 三
鈴 木 茂 三 郎
新居
友 三
三輪
郁 夫
) ( ハ創 立 委 員 安部 磯 雄
平野
重堯
布施 大山
盛
恒吾
新井
格 馬場
丸岡
豊彦
七 、本 会 ハ毎年 一回 (四月)大 会 ヲ開 ク
木村
亀 吉
唯 士
本 会 ニ評 議員 若 干名 ヲ置 ク
八 、本 会 ハ毎 月 一回本 部 及 ヒ支 部 ニ於 テ例会 ヲ開 ク
茂森
季吉
九 、本 会 ハ毎 月 一回 以 上公 開 政 治 問 題 研 究会 ヲ開 ク
高橋
ク
青野
十 、委 員 会 並 ニ幹 事 会 ハ毎 月 二回 以 上 随 時 必 要 ニ応 シテ之 ヲ開
雄三
芳男
平林初之輔 小林 輝 次 村島
今野 賢 三 片山 帰之
哲
対 スル正式 交 渉 等 ハ当 分 保留 ス ル コト
越 テ六 月 二十 九 日芝 公 園 労 資 協 調 会 館 ニ於 テ同 会 創 立 大 会 ヲ開 キ来
会 者 約 六 百 名 アリ島 中 雄 三開 会 ヲ宣 シ賀 川豊 彦 ノ創 立 理 由 ノ説 明 後
布 施 辰 治 ヲ座 長 ニ推 シ更 ニ島 中 ノ経 過報 告 ニ次 テ前 記 規 約 ヲ附 議 可
松下
決 シ タ ル後役 員 選 挙 ハ銓衡 委員 ニ 一任 ス ル コト ヽシ更 ニ直 井 武 夫 ヨ
島中 付議決定 セリ
言
三輪
茂森
寿壮
唯士
鈴木茂三郎
活 ハ今 ヤ破 滅 ノ淵 ニ逐 ヒ ヤ ラ レ ツ ヽア ル物 価 騰 貴 ト政 費 負 担 ノ
ツ テ財 閥 ノ走 狗 タ ル コト 多年 為 ニ内 治 ニ外 交 ニ弊 政 百 出 国 民 生
我 国 歴代 ノ政 府 ト政 党 ト ハ私 利 ニ駈 ラ レ私 慾 ニ没 頭 シ国 民 ヲ売
宣
ヲ来 シ止 ムナ ク閉 会 セ リ
士 演 説 中 無政 府 主 義 系 労 働 運 動 社 一派 ノ妨 害的 野 次 ニ ヨリ場 内 混 乱
リ左 記 宣 言決 議 ヲ朗 読 可 決 シ タ ル上 演説 ニ移 リ タ ルカ第 二人 目 ノ弁
次 テ同年 五月 二十六 日本部 ニ同会創立準備委員会 ヲ開キ左記各項 ヲ
島中 雄 三 高橋 亀 吉
辰治
義雄 平林初之輔
布施
尾池 季吉
(イ) 創立総会 々場準備委員 大山 郁夫 賀川 豊彦 青野
山崎今朝弥
友 三 村 島 帰之
( )ロ 各団体交渉委員 島中 雄 三 青野 季吉 新井 佐野袈裟美
ノ激 増 ハ其 二 テ ア ル底 止 ス ル所 ナキ農 村 ノ衰 微 ハ其 三 テ ア ル生
不 公 平 ト ニ ヨ ル多 数 民 衆 ノ生活 難 ハ其 一テ ア ル驚 ク ヘキ失 業 者
今野 賢 三
シ メ ント ス ル コ レ其 五 テ ア ル然 ラ ハ之 ヲ解 決 スル ノ途 ハ如 何 吾
民 ヲ シ テ自 暴 自 棄 ニ陥 ラ シ メ外 ニ国 家 ヲ シ テ国 際 的 孤 立 ニ陥 ラ
活 ノ権 利 ヲ奪 ハレタ ル労 働 者 小作 人 ノ窮 乏 ハ其 四 テ ア ル内 ニ国
村島 帰之
哲 黒 田 寿男
季吉
片山
雄三 青野
(ハ) 新聞宣伝委員兼庶務委員 三和 一男 平林初之輔
茂森 唯士
島中
一雄
議
︵ イ) 調 査 委 員
次 テ七月 十 九 日本 部 ニ於 テ委 員 総 会 ヲ開 キ左 記 役 員 ヲ選 挙 決定 セリ
吾 人 ハ無 産 階 級 ノ利 害 ニ立脚 ス ル政 党 ノ樹 立 ヲ期 ス
決
於 テ左 ノ事 項 ヲ決 議 ス
ト ハ少 クト モソ ノ先 決 条 件 テ ア ル此 ノ故 ヲ以 テ吾 人 ハ本 大会 ニ
人 ハ信 ス ル財 閥 中 心 ノ政 治 ヲ シ テ民 衆 中 心 ノ政 治 タ ラ シ ム ル コ
山崎
鈴木茂三郎 佐野袈裟美
(ニ) 地方 ニ対 スル本会組織 ノ主旨 ヲ普及 スル為総会前新聞宣伝委 員 ニ於 テ便 宜ノ方法 ニヨリ宣伝 スル コト ( )ホ 本会顧問ト シテ代議士中 ノ新思想家 ニ対 シ交渉 シタ ル結果非 公式 ニ承諾 ヲ得 タ ルモノアリ総会前 ニ之 レカ氏名 ヲ発表 セ ハ労 働組合員 ヨリ反感 ヲ招 クノ虞 レアル ニヨリ氏名発表及代議士 ニ
岡本
利吉 フ ル モノト ス
平林初之輔
重堯
佐野袈裟美
賛 助員 ハ 一ケ月 拾 円 以 上
輝次 丸岡
格
維 持 員 一ケ月 壱 円
小林 一男
石沢久 五郎
盛
鉄
大山 郁 夫 北沢新次郎 謙 新居 五郎
小泉 芳男 木村
会 計委 員 会 細 則 第 五条
賛 助員竝 ニ維 持 員 ハ政 治 研 究 会 ノ維 持 発 展 ヲ図 ル カ為 メ ニ
ル特 志家 ノ中 ヨリ別 ニ賛 助員竝 ニ維 持 員 ヲ選 定 ス ルヲ得 ル
会 計 委員 会 ハ会 員 会 友 評 議 員 其 他 政 治 研究 会ノ 趣 旨 ニ賛 ス
備考
一、本 会 ハ会 計 委員 会 之 ヲ管 理 ス
但 シ必 要 ア ル時 ハ本 人 ノ承諾 ヲ得 テ発 表 スル コト ア ル ヘ シ
一、賛 助 員竝 ニ維 持 員 ノ氏 名及 金 額 ハ之 ヲ公 表 セ ス
得
ノ無 料 配 布 ヲ受 ケ且 ツ何 時 ニテ モ会 計 報 告 ヲ聴 取 スル コト ヲ
一、賛 助 員竝 ニ維 持 員 ハ政 治 研 究 会本 部 ニ於 テ発 行 スル出 版物
寄 附 額 左 ノ如 シ
フ
沢田 武夫 為藤
一、 賛 助 員 竝 ニ維 持 員 ハ 一ケ年 毎 月 一定 額 寄附 ヲ為 ス義 務 ヲ負
松下 季吉 直井 正俊 悌
川原治吉郎
三和
青野 唯士 村松 藤井 寿壮 黒 田 寿男
市川 房枝
茂森 中沢弁次郎 三輪
高橋 亀 吉
( ) ロ執 行 委 員 賀 川 豊彦 哲
鈴木茂 三郎 島 中 雄 三
片山 青野 一雄
今野 賢 三
帰之
辰治 山崎
義雄
島中 雄 三 福 田 秀 一
季吉 村島
尾池
布施
( ) ハ会 計 委 員 山崎今朝弥
九月 ヨリ月刊雑誌 ﹁政治研究﹂ ヲ発刊 シ宣伝並 ニ連 絡統 一機 関 ニ
専 ラ財 的 援 助 ヲ与 フ ル モ ノト ス
以上 ノ如 ク各部委員 ヲ定 メ地方 ニ対 シテ遊説 ヲ開始 スルト共 ニ今年 充 テタ ルカ同月十八日同会委員 ノ名 ヲ以 テ政治 研究 会 後 援 会 内 規
ス ル無 産 階 級 ノ勢 力 程 度 及普 選 対策 意 嚮 等 ヲ調 査 研 究 ス ヘク地方 同
方 同 志 ノ意 嚮 及 自 治 団 体 ノ政 情 、既 成 政 党 ノ状 況竝 ニ自 治機 関 ニ対
尚 同年 九 月十 八 日附 執 行 委 員 会 ノ名 ニ於 テ会 勢 拡 張 ヲ図 リ合 セ テ地
政治研究会後援会内規
志 ニ対 シ左 記 各 項 ヲ謄 写刷 ヲ附 シ配 布 セ リ
( 左記) ヲ制定 シ各方面 ヘ配布 シ資金 ノ吸収 ヲ図 レリ 一、本会 ハ政 治研究会本部内 ニ置 ク
1 諸 君 が 無産 階 級政 治 運 動 に賛 成 さる ゝ理由
第 一 無 産 階 級 政治 運動 は何 故 必 要 であ ると 御 考 へです か
一、本会 ハ賛助員竝 ニ維持員 ヲ以 テ組織 ス ニヨリ専 ラ政治研究会 ノ維 持発展 ヲ図 ルカ為 ニ財的援 助ヲ与
一、賛 助員竝 ニ維持員 ハ政治研究会 々計委員会細則 ノ定 ムル所
2 諸 君 が 無産 階級 政 党 に対 し て当 面 の問 題 と し て要 求 さる事 項 3 諸 君 がブ ルヂ ヨ ア政 党 に対 し て最 も強 く感 ぜ ら る ゝ不 満 4 政 治 研 究会 に 対 す る当 面 の希 望 其 他 第 二 現 在 の自 治機 関 の内 部 に無 産 階 級 の勢 力 が ど の程 度 に及 ん で居 りま せ う か 1 町 村 、 府 県 会 、 現 に無 産 階 級 の代 表 者 と し て這 入 つて居 り ま す か這 入 つて居 る と す れ ば 、 イ氏 名 職 業履 歴 当 選 月 日、 ロ
3 普 通選 挙 実施 を 予想 し て彼 等 の行 ひ つゝあ る対策 行動
4 彼 等 の遊 説 に於 け る 言 説
( 普選法案特別調査委員会)
5 政 治 的 に組 織 さ れた る青 年 団 の行 動 傾 向 等 其 他
第 四 普 選 法 案 意 見 書 要 項
1 三派 竝 に内 務 省 と の決 定案 に対 す る各 項 目 に つい て
一 意 見書 の大 綱
2 各 地方 に於 け る実 際 の資 料 を な る べ く提 示す る こと 二 右 の大 体 の細 目
限 、 住所 の 一定 期 間 、官 吏 其 他 政府 請 負 業 者 に対 す る権 利
イ 選 挙権 、被 選 挙 権 、年 齢 ( 例之 二十歳 カ十八歳カ)、 性 的 制
団 体 に加 入 し 居 る や 否 や 、 ハ自 治 機 関 内 に於 け る行 動 等 2 町村 府 県 会 に現 に無産 階 級 の支 持 を受 け て這 入 つて ゐ る人
等
が あ りま す か、 あ れ ば右 のイ 、 ロ、 ハ、 の各 項 に関 す る事 項
区 の撤廃 、 区制 の編 制 を産 業 別 に重 き を置 く こと の如 何 等
ロ 選 挙 区制 中 選 挙 カ大 選 挙 カ比 例代 表制 の採 用 、独 立 選 挙
3 目下 各 府 県 に於 て市議 町村 議 員 の改 選 が多 く のと ころ で行 わ れ てを りま す が無 産 階級 の代 表 者 又 は 其 支 持 を受 け て立 候
状況
はれ る が如何 其 方法
締 は な る へく厳 重 に す る こと が無 産 階級 に と り有 利 たと 思
免 除 、警 察官 の巧 妙 な る干 渉 に対 す [る]罰 則 、其 他 此 取
小 学校 公 共建 物 ノ利 用 、屋 外 演 説 の許 可 、郵 税 の或 程 度 の
ニ 運動 の取締 、戸 別 訪 問 、 事 務 所事 務員 の制 限 、選 挙 費 用 、
得 る こと等
或 は保 証 金 に代 は る べ き方 法 、 立 会 人 を候 補 者 よ り推 薦 し
等 に て投 票 不可 能 な る も の に対 す る方法 、候 補 者 の保 証 金
日或 は 夜 間 に 延長 す る か船 員 、 鉄 道 従業 員 、 入獄 者 、病 気
ハ 選 挙 の方法 、議 会 解 散 よ り選 挙 期 日に至 る期 間 投 票 を休
補 さ れ た人 があ り ま す か 若 し あ れば 、 イ候 補 者 の属 す る団 体 の状 況 、 ロ候 補 者 の氏 名履 歴 主 張 、 ハ選 挙 の結 果其 候 補 者 ば か り でな く全 体 の選 挙状 況
団 体 を組 織 し又 は 組 織 せ ん と す る事 実 は あり ま せ ん か
4 自 治 機 関 の内 外 に於 て無 産 階 級 の立 場 に樹 つ何 等 か の政 治
5 府 県 郡 町 村 の農 会 の内 部 に於 け る 地主 と 小 作 階級 の勢 力 分 布其他
1 既 成政 党 の罪 悪
第 三 既 成 政 党 ( 政友、憲 政、政本、革新、実同) の其 地 方 に於 け る
2 既 成政 党 の町 村 府 県会 に於 け る勢 力 の消 長
ホ 其 他無 産 階 級 の立 場 よ り す る必 要 事 項
法 的 運 動 ヲ以 テ所期 ノ 目的 ヲ達 成 ス ヘク意 ヲ注 キ漸 進 的 ニ下 層 民 ノ
会 ヲ開 ク コト 二十 三 回市 内 外 ニ亙 ル支 部 設 置 数 十 二個 所 ニ達 シ新 入
ル借 家 紛 議 頻 発 ノ趨 勢 ヲ利 用 シ大 々的 拡 張 運動 ヲ為 シ之 カ宣 伝 演 説
会 者 約 一千 余 名 ニ及 ヘリ而 シテ本 同 盟 ハ今 秋 各 地 方 ヘモ之 カ主 旨 ヲ
吸 収 ニ努 メ ツ ヽア ルカ客 年 震 災 後 ノ家 屋 払 底 竝 ニ震 災 ニ因 リ惹 起 セ
山 口、 宮 城 ノ各 県 下 ニ ハ夫 々支 部 ヲ設 立 シ又 ハ設 置 セ ント スル ノ状
宣 伝 拡 張 シ以 テ全 国的 ニ連 絡 ヲ図 ラ ント スル モ ノ ヽ如 ク主 宰者 布 施
以 上 ノ如 ク本 会 目下 ノ形 勢 ハ全 国 的 ニ無 産 階 級 政 党 組 織 準 備 ノ為 着
勢 ニア リ
々運 動 ヲ進 メ既 ニ神 奈 川 、青 森 、群 馬 、埼 玉 、長 野 、新 潟 、 福島 、
而 シ テ本 会 ハ其 運動 ノ初 期 ニ於 テ ハ日本 労 働 総 同 盟 一派 ノ労 働 団 体 、
ハ機 会 ア ル毎ニ 地 方 ニ宣伝 ヲ試 ミ ツ ヽア ル ハ注意 ヲ要 ス ル現 象 ナ リ
第 四 特 別 要視 察 人 ノ主 ナ ル犯 罪
農 民 組 合 ト モ共 同 運 動 ヲ為 ス方 針 ナリ シ モ其 後 総 同 盟 内 部 ニ於 テ従 来 同 盟 ト シ テ政 治 部 ヲ設 置 シ同 一目的 ノ為 ニ研 究 セ ル ニ不 拘 偶 々政 治 研 究会ノ 創 立 セラ レタ リト テ直 ニ之 ニ合 同 ス ル ハ組 合 ノ面 目 上 面
皇 太子 殿 下 ニ ハ第 四 十 八議 会 開 院 式 ニ行 啓 遊 サ ル ヘク即 チ大正 十 二
(一) 虎 ノ門 不祥 事 件
モ鈴 木 文 治 ハ初 ヨリ島 中 等 ト固 キ握 掌 ノ間 ニ該 研 究 会 ヲ成 立 セ シ メ
ヲ御 召 自 動 車 ノ通 過 セ ント ス ルヤ突 如 怪 漢 警 戒 線 ヲ突破 シ
年 十 二月 二十 七 日午 前 十時 四十 分 頃 芝 区 琴 平 町 一番 地 先 ( 虎 ノ門)
白 カ ラ スト ノ説 有 力 ト ナ リ遂 ニ各別 個 ノ行 動 ヲ執 ル コト ヽナ リ タ ル
タ ル モ ノ ナ ルノ ミナ ラ ス双 方 ニ於 テ其 時 期 ノ来 ルヲ待 チ ツ ヽ 一面反
殿 下 ニ ハ恙 ア ラ セ ラ レ ス臨 御 ノ上 御 機 嫌 麗 ハシ ク御還 啓 遊
斯 ル大 逆 ヲ敢 行 セ ル不 敬漢 難 波 大助 ノ犯 罪 動 機 竝 ニ本 件事 犯審 理 ノ
サ レタ ル ハ只 管 恐懼 ノ外 ナ シ
ミ ニテ
皇 太子 殿 下 ニ呎 尺 シ発 砲 セ ル モ御 召 自 動 車 ノ窓硝 子 ヲ破 壊 シタ ルノ
畏 モ
総同 盟 ヘモ島 中 等 ハ頻 リ ニ連 絡 セ ント奔 走 中 ナ リ
(8) 其 他 ノ主 ナ ル宣 伝 及 運動
弁 護 士 思注 布施 辰治 ノ主 宰 スル借 家 人 同盟 ハ共 産 主 義 派 ノ傍 系 的 運
記
経 過 ハ左記 ノ通 リ ナ リ
(1) 借 家 人 同 盟
動 ト シ テ最 モ重要 ナ ル組 織 ノ 一ニシ テ同盟 ノ宣 言 ニ ﹁現 実 の生活 苦
無 職
難 波
大 助
本 籍 山 口県熊 毛 郡 周防 村 二 五 七番 屋敷 作 之 進 四 男
と 民 衆 の威 力 と に目覚 め た無 産 階 級 の借家 人 に よ り て弱 き 個 々 の私
ト の借 家 人 を 有 す る 我国 の都 会 は借 家 人 の都 会 な り 云 々 ( 下略)﹂ ト
共 を強 から し む る も のは団 結 の力 な る こと を ( 中略)九二パ ー セ ン
一 犯 罪 ノ動 機
明治 三十 二年 十 一月 七 日 生
リ主 義 ノ宣 伝 ヲ為 シ ツ ヽア リ而 シ テ本 同 盟 ハ機 関 紙 生 活 運 動 ヲ発 行
本 名 ハ由 緒 ア ル勤 王 家 ニシ テ嘗 テ県 会 議 員 、衆 議 院 議 員 タ リ シ作 之
揚 言 シ直 接 間接 ニ彼 等 下 層 階 級 ノ貧 窮 生活 ニ触 レ巧 妙 ナ ル手 段 ニ ヨ
シ 一面 ニ於 テ借 地 借家 問 題 ニ名 ヲ藉 リ随 所 ニ演 説 会 ヲ開 催 スル等 合
ヲ 与 ヘ為 メ ニ我 建 国 ノ歴 史 竝 ニ皇 室 ニ対 ス ル疑 念 ヲ挟 ミ従来 ノ信 念
リ欧 洲 民 主 主 義 ノ風 潮 我 国 ニ〓蔓 シ為 メ ニ本 名 ノ精 神 ニ多 大 ノ刺 激
ノ後 ヲ承 ケ露 独 ノ帝 政 崩 壊 シ所謂 ソビ エツ ト政 府 ノ組 織 セ ラ ルヽ ア
活 ノ艱難 ヲ覚 ユ ル ニ従 ヒ漸 次 思 想 ノ変 化 ヲ来 シタ ル時 恰 モ欧 洲 大 戦
ヲ得 ス シ テ自炊 ヲ為 シ又 ハ新 聞 配達 夫 ニ従 事 シ テ自 給 ヲ計 リ シ カ生
シ テ其 間 常 ニ父 ヨリ倹 素 ヲ旨 ト ス ヘキ コト ヲ説 カ レタ ルカ為 メ已 ム
試 験 ニ応 シ タ ル コト ア ル モ終 ニ初 志 ヲ得 ス シ テ大 正 十年 ニ至 レリ而
苦 学 自 ラ立 タ ン コト ヲ決 意 シ上 京 以 来 各 地 ニ転 学 シ或 ハ中 学 校 検 定
所 ナ カ リ シ カ大 正 六年 二 月慈 母 ヲ失 ヒ其 境 遇 ニ変 化 来
シタ ル為 メ
シ之 レカ皇 室 ノ尊 厳 ナ ル コト ノ普 及 ニ奔 走 シ臣民 ノ大義 ヲ守 リ愆 ル
豊 島 、 磯 谷 、松 岡 、西 川各 判 事 、 陪 席 小 山 検 事 ( 総長)関 与 、松 谷 、
十 三年 九 月 三 十 日及 十月 一日 ノ両 日大 審 院 法 廷 ニ於 テ横 田 裁 判 長 係
セ ルカ本 件 事 犯 ハ大 審 院 第 一特別 刑 事 部 ニ於 テ深 重 審 理 ノ結 果 大 正
現 場 ニ於 テ直 チ ニ逮 捕 引 致 シ 一応 取 調 ノ上 直 チ ニ所 轄 検 事 局 ニ送 致
二
同 所 ニ於 テ杖 銃 ニ弾薬 ヲ装 填 シ タ ル後 前 示 現場 ニ至 レ ル モノ ナ リ
意 シ二十 六 日京 都 ヲ発 シ翌 二十 七 日午 前 八時 二十 分 東 京 駅 ニ到 着 シ
院 式 ニ行 啓 アラ セ ラ ル ヽ コト ヲ知 リ
中 二 十 五 日朝 新 聞 紙 ニ依 リ
求 メ同 月 二十 二 日右 杖 銃 ヲ携 帯 シ家 ヲ出 テ京都 ニ下 車 シ同 市 ニ滞 在
ニ友 人 ヲ訪 問 シ同 町金 物 商 宮 本 謙 一方 ニ於 テ第 二番 ノ大形 散 弾 ヲ買
テ不 逞 ノ意 思 ヲ遂 ケ ント思 惟 シ同 年 十 二月 中 旬 山 口県 玖 珂郡 柳 井 町
者 ヲ殺 戮 シ タ ル ニ同 情 シ愈 自 ラ其 ノ事 ニ当 ル ヲ以 テ万 全ノ 策 ナ リ ト
ニ動 揺 ヲ生 スル ニ至 レ リ爾 後 本 名 ハ雑 誌 解 放 、 改 造 、 社会 主 義 ニ関
進 ノ四男 ニ生 レ克 ク難 波 家 ノ伝 統的 精 神 ヲ体 シ皇 室 中 心 主義 ヲ奉 シ
ス ル著 書 露 国 ノ小 説等 ヲ耽 読 シ又社 会 主 義 的 傾 向 ヲ帯 フ ル朋 友 ニ交
今 村 両 弁 護 士 立会 ニテ公 判 開 廷 ヲ遂 ケ更 ニ十 一月 十 三 日午 前 十 時 同
殊 ニ中 学 時 代 ニ ハ乃 木 将 軍死 後 ノ 我国 上下 浮 華 軽 佻 ニ流 レ世界 無 比
ル ニ及 ヒ漸 ク社会 主義 的 思 想 ヲ脳 裏 ニ浸 潤 スル ニ至 リ父 ノ代 議 士 タ
法 廷 ニ第 三 回公 判 開 廷 ノ上 横 田裁 判 長 ハ ﹁ 被 告 人 大 助 ヲ死 刑 ニ処
シメ ンカ為 メ猟 銃 ヲ許 ス ヤ本 名 ハ家 ニ杖 銃 ノ在 ル ヲ憶 ヒ之 ヲ使 用 シ
ル地 位 ト自 己 ノ新 聞 配 達 夫 ト シ テノ労 働 者 ト ヲ比較 シ テ益 々反 感 ノ
ス﹂ ト テ判決 理由 書 ノ朗 読 ア リ閉 廷 セ リ而 シ テ被 告 人 大助 ハ同 月 十
為 シ其 機 ヲ窺 ヒ居 リ タ ル処 同 年 十 一月 父 作 之 進 ハ本 名 ノ心気 ヲ転 セ
度 ヲ高 メ私 有財 産 制 及 家 族 制 度 ヲ呪 咀 シ露 国 ノ革 命 ハ﹁テ ロリ スト﹂
五 日午 前 九時 三 分東 京 刑 務 所 ニ於 テ死 刑 ヲ執 行 セ ラ レ同 月 十 七 日府
ノ皇 室 ヲ奉 戴 ス ル我 帝 国 ハ今 ヤ危 機 ニ頻 ス ルモ ノ ナ リト テ大 ニ慷 慨
ニ負 フ所尠 ナ カ ラ スト シ テ之 レ ニ共 鳴 シ尚幸 徳 一派 ノ失 敗 ヲ痛 ク憤
下 南 葛 飾 郡 綾 瀬 村 所 在 小 菅 刑 務 所附 属 墓 地 ニ埋葬 サ レタ リ
殿 下 ニ危 害 ヲ加 ヘ ン コト ヲ決
住 所 埼玉 県 北 足 立 郡 浦 和 町 中 学 校 通白 井 昌 子 方
本 籍 佐賀 県 藤 津 郡 吉 田 村 六 六 八 番 地
( ) 二 不 穏 印 刷 物頒 布 事 件
本 件 事 犯 ニ対 スル審 理 ノ経 過
皇 太 子 殿下 ノ同 月 二十 七 日帝 国 議 会 開
慨 シ遂 ニ暴 力遂 行 者 タ ラ ン コト ヲ決意 ス ル ニ至 シ モ父 兄 ヨリ痛 切 ナ ル訓 戒 ヲ受 ケ 一時 之 レ ニ服 シ大 正 十 一年 四月 以 降 早 稲 田高 等 学院 ニ 入学 シタ ル モ学 課 ヲ怠 リ進 テ共産 主 義 及 無 政 府 主義 者 ノ著 書 ヲ耽 読 シ之等 ノ講 説 会 ヲ傍 聴 シ殊 ニ共産 党 宣 言 ヲ熟 読 スル ニ及 ヒ益 其 ノ信 念 ヲ強 フ ス ル ニ至 リ大 正 十 二年 九 月 ノ大 震 災 ニ際 シ労 働 者 社 会 主 義
無職 辰
巳
テ ﹁現 社 会制 度 は悪 であ る国 家 の存 在 は 悪 であ る俺 達 は この こと の
観 ﹂ ナ ル題 下 ニ ﹁ 別 略 此 の人 為 的 な誤 謬 から 出 た 組 織 ⋮ ⋮ 国家 、政
が憎 々し げ にも 国家 の中 心 に座 し て ゐ る 云 々﹂ ト 又 ﹁ 俺 の忠君 愛 国
︹マ マ ︺
存 在 のた め 多 大 な る苦 痛 と焦 燥 と を感 ず る 云 々其 の悪 の最 も大 き い
島
副
現 は れ或 は 現 は れ の全 部と し て国 家 が傲 慢 にも くき ら れ てゐ る君 主
無職 治
本 籍 佐 賀 県 藤 津郡 鹿島 町 大字 高 津 原 三 九 六 四番 地 住 所 本 籍 地 軍
府 、法 律 制 度 、 習慣 等 ⋮ ⋮ を破 壊 し て人 類 同 志 の相 互関 係 を自 然 的
島
基 礎 ⋮ ⋮傍 ち 相 互 扶 助 ⋮ ⋮ の上 に置 く時 に始 め て大 な る幸 福 が人 類
村 本 籍 鹿 児 島 県鹿 児 島 市 清 水 町 一七 二番 地
の上 に展 開 され る であ ら う 云 々要 す る に 一切 の組 織 的系 統 的権 力人
住 所 東 京市 麹 町 区紀 尾 井 町九 番 地善 隣 院 内 無 職
間 に対 す る 一切 の権 力 制度 の為 め に制 度 た る国 家 の廃 止 を 叫 ぶ ので
武
あ る 云 々国 家 に の み属 す る主 権 者 な る も のは 不 可 避 的 に自 滅 す る よ
盛
本 年 四月 上 旬 皇 室 竝 ニ国 体 ノ変 革 ニ関 シ言 及 セ ル 活 版 摺 四 十 余 頁
り外 御 気 毒 だ があ る ま い云 々﹂ ト野 辺 ハ ﹁赤 心 ﹂ ナ ル 表 題 ノ下 ニ
辺
﹁ブ ラツ ク ユー ス﹂ ト 題 ス ル印 刷 物 ヲ都 下 各 府 県 ニ郵 送 セ ル モ ノア
﹁ 前畧 あ ゝ 日本 の保 守 的 な 伝 統的 な形 式 君 主 ⋮ ⋮神 世 よ り 揺 ぎ な い
野
リ ( 該出版物 ハ四月 二十七日禁 止処分トナル)極 力 犯 人 捜 査 ノ 結 果 前 記
皇 統 と ⋮ ⋮万 世 一系 の天 皇 と 。何 が これ で他 国 よ り偉 ぐ れも し 其 偉
大 を誇 れ もし やう 。 反 つ て こ の系 統 を持 つ国 民 は 其 の蒙 を 恥 と し な
ノ著 書 ﹁正義 ヲ求 ム ル心 ﹂其 他 無政 府 主 義 ニ関 ス ル雑 誌 等 ヲ耽読 ノ
け れば な らな い思 ふ に日本 の皇 室 盲 尊 はブ ル教 育 を 軍 隊 に於 て強 制
三 名 ナ ル コト判 明 夫 々逮 捕 ノ上 厳 重取 調 ヘタ ル処 右 ハ熟 レ モ大杉 栄
家 組 織 ニ対 シ テ ハ寧 ロ之 レ カ崩 壊 ヲ希 望 シ窃 ニ相 謀 リ自 己 等 カ奉 ス
結 果 遂 ニ極 端 ナ ル個 人 主 義 的 思 想 ヲ奉 ス ル ニ至 リ現 代 ニ於 ケ ル我 国
巳
的 に信 じ させ ら れた も のに過 ぎ な い云 々﹂ ト夫 々記 述 セ リ
辰
治
ル前 示 主義 思 想 実 現 ノ第 一歩 ト シ テ大 正十 二年 十 二月 中 先 ツ印刷 物
副 島
軍
方裁 判 所 ニ 一件 書 類 ト共 ニ送 致 セ ル処十 一月 廿 四 日左 記 ノ如 ク判 決
島
武
右 所 為 ハ大 正 十 二年 勅 令第 四 百〇 三 号 ニ該 当 ス ル犯 罪 ト シ テ東 京 地
村
辺 盛
﹁ブ ラ ツ ク ユ ー ス﹂ ノ発 行 頒 布 ヲ企 図 シ副 島 ハ自 ラ之 レカ原 稿 ヲ草
言渡 シア リ タ リ
懲役六月 懲役 四月 五年間執行猶予 懲 役四月 五年間執行猶予
(三) 不穏宣伝文撒布事件
野
スルト 共 ニ思 想 上 ノ友 人 宮 崎 巌 外 一名 ニ村 島 ハ野 辺 ニ各 印 刷 物 ニ付 テ ノ原 稿 ノ寄 送 ヲ委 嘱 シ夫 々其 原稿 ヲ得 タ ル上副 島 ニ於 テ之 カ編 輯 ヲ為 シ同 十 三年 二 月十 七 八 日頃 佐 賀 県 藤津 郡 鹿 島 町大 字 高 津 原 字 横 田印 刷 業 酒 見 次 吉 方 ニ至 リ百 五十 部 之 カ印 刷 ヲ依 頼 シタ ル上 都 下 竝 ニ佐 賀 、 鹿 児島 、 長崎 、朝 鮮 、大 連 等 ニア ル知 人 青 年 等 ニ頒 布 シ テ 以 テ治 安 ヲ害 ス ル事 項 ヲ流 布 セ ル コト 判 明 セ リ ( 関係庁府県 ニハ該印 刷 ノ差押方手配 ス)而 シ テ右 ﹁ ブ ラ ツ ク ユー ス﹂中 ニ副 島 ハ序 言 ト シ
良
二
歯 科 医技 工手
本 籍 鹿 児 島 県 大 島 郡 名 瀬 町金 久 六 五番 戸
当 庁 編 入甲 号
住 所 東 京 市 四谷 区花 園 町 八 四
武 本 籍 福 岡 県 福 岡 市 大 字 春 吉 七 四 四 住 所 東 京府 下 荏 原 郡 大 井 町 字 立 合 六 四 八 会 社 員
本 籍 山 梨 県 東 山 梨郡 七 里村 大字 下 於 曾 五六 二番 地
(四) 不 敬 罪 竝 爆 発 物 事 件
武
雄
住 所 東 京 府 下 豊 多 摩郡 渋 谷 町字 下 渋 谷 一五 一五
辺
番 地下 宿 業 雲 出 竹 二郎 方
水産講習所雇
田
右 者 肩 書本 籍 地 ニ於 テ出 生 シ実 家 ハ同 地 方 有数 ノ素 封 家 ニシ テ亡 父
有 栄 ハ初 期 選 出 代 議 士 タ リ シ コト アリ富 裕 ノ家 庭 ニ育 マレ タ ルカ亡
父 が数 次 ノ選 挙 運 動 ニ由 リ家 運 漸 次 悲 境 ニ傾 キ シ モ本 名 ハ無 難 ニ明
思 想要 注 意 人
治 四 十 三年 三 月中 学 校 ヲ卒 業 シ更 ニ陸 軍 士官 学 校 及 第 一高 等 学 校ノ
江 川 菊 次 郎
ニ於 テ挙 行 セ ラ ル ヘキ労 働 祭 ニ際 シ労 働 者 ヲ煽動 シ テ暴 行 騒擾 ヲ為
右 両 名 ハ無 政 府 主義 ヲ信奉 シ居 ル モノ ナ ル カ本年 五 月 一日東 京 市 内
ニア ル同郡 等 々力 村 素 封 家 叔 父 金 丸 伝 四 郎 ノ反 対 ニ依 リ阻 止 サ レ タ
入 学 試 験 ニ応 シ共 ニ及 第 シタ ル モ本 名 ノ養 家 ト シテ予 テ許 嫁 ノ関 係
ル モ初 念 押 ヘ難 ク翌 四十 四 年 更 ニ東 北大 学 ノ入 学 試 験 ニ応 シ タ ル
サ シメ且 ツ安 寧 秩序 ヲ紊乱 セ ム コト ヲ共 謀 シ該 目 的 ノ下 ニ四月 三十
処 首 尾 ヨク及 第 シタ ル モ父 ノ病 死 に遭 ヒ且 ツ学 資 其 ノ他 ノ障 碍 ニ依
日武 ハ江 川 ヲ シ テ市 内各 所 ニ撒布 セ シム ヘク ﹁ 歌 をうたひ旗をふる
ハンマ ー で鍛 え た俺 達 の腕 の力 を見 せ る事 だ。俺 達 の暴 力 でブ ルジ
お葬 ひ の やう な 行 列 が何 に な る。 労 働 者 の示 威 と は 力 を 示 す事 だ。
リ亦 之 中止 ス ル ニ至 ル等 数 奇 ノ運 命 ハ遂 ニ本 名 ノ志 ヲ得 セ シ メ ス鬱
全 日本 の労 働 者 諸 君 !
亀 戸事 件 の復 讐 す る
ヨア の腰 を打 砕 け !
的思 想 ヲ抱 懐 スル ニ至 リ其 後 上 京 シ テ労 働 ニ従 事 ス ル傍 ラ 日 本 大
ト ナ ル等 ノ多 難 複 雑 ナ ル環 境 ニ支 配 セ ラ レ自然 現社 会 ヲ 呪咀 シ反逆
ニ養 家 ト ノ間 ニ絡 マル諸 種 ノ事 情 ヨリ常 ニ円満 ヲ保 ツ不 能 遂 ニ離縁
チ こわ せ。 資 本 家 を や つ つけ ろ。 奪 は れた も のを 奪 ひ返 せ﹂ ト ノ治
学 ニ通 学 セ シカ大 正 元 年 末 一年 志 願 兵 ト シ テ重砲 兵 第 一聯 隊 ニ入 営
結 裡 ニ養 家 ノ業 務 ニ従 事 セ ル モ性 来 短 慮 ニシテ感 激 性 ニ富 ミ加 フ ル
安 ヲ害 スル事 項 ヲ認 メ タ ル宣 伝 札 約 百 枚 ヲ同 人 ニ交 付 シ江 川 ハ同 日
砲兵 伍 長 ニ任 官 同 二年 十 一月 除隊 シ同 三年 九 月 水 産 講 習 所 ニ入 所独
旗 は 不 用 だ石 を持 て。 歌 は 不 用 だ 叫 を あ げ ろ 。 マツ チ
午 後 七 時 頃 ヨリ午 後 九時 半 頃 マテ ノ間 ニ日本 橋 、 京橋 両 区内 各 所 ノ
力苦 学 中 日独 戦 争 ニ際 シ召 集 セ ラ レ出征 同 四年 一月 凱 旋 功 ニ ヨリ勲
は今 だ ぞ !
電 柱 、塀 、建 物 等 ニ之 レ ヲ貼 付 シツ ヽア ル ヲ発 見 取 調 ヘノ結 果 犯 罪
七等 青 色 桐 葉 章 ヲ授 ケ ラ レ 一時帰 省 シ居 リ シカ大 正 五年 再 上 京 水産
だ 、ド スだ、 ダ イ ナ マイ ト だ 。暗 夜 が俺 等 を 待 つ て居 る 。 工場 をブ
月 二 日東 京 地 方 裁 判 所 検事 局 ニ送 致 セ リ目 下 審 理中
事 実 及 証 拠 品 充 分 ニ付勅 令 第 四百 〇 三号 違 反 刑事 被 告 事 件 ト シ テ 五
講 習所 ニ入所 シ同 八 年 三 月 同 所 ヲ卒 業 同 郷 人 小 野 金 六 ノ経 営 ニ係 ル
書 及 之等 雑誌 ヲ飜読 ノ結 果 遂 ニ共 産 主 義 ヲ信 奉 ス ル ニ至 リ脳 裡 深 ク
ル ヤ愈 々支配 階 級 ヲ呪 咀 スル ノ信 念濃 厚 ヲ加 ヘ且 ツ社 会 主 義 者 ノ著
ニ流 浪 ノ身 ト ナ リ僅 カ ニ他 人 ノ筆 写等 ニヨリ糊 口 ヲ凌 ク ノ状 態 ニ陥
訴 訟 ヲ提 起 シタ ル モ敗 訴 ニ帰 シ併 カ モ之 カ為 メ会 社 ヨリ解 雇 サ レ遂
ヲ支 給 セサ リ シカ為 メ本 名 ハ会 社 ヲ相 手 取 リ損 害 賠 償 及 慰 籍 料請 求
カ会 社 ハ何 等 顧 ル所 ナ ク言 ヲ左 右 ニ托 シテ治 療 代 其 ノ他 一切 ノ手 当
ヤ カ ニ出 張 中業 務 上 ノ負 傷 ヲ為 シ タ ル ヨリ空 シク帰 京 シ テ療 養 セ ル
輪 出食 料 品 株 式 会 社 ( 其後 日露漁業株式会社ト改称) ニ被 雇露 領 カ ムチ
葛 ヘビ ニ スト名 義 ニテ栃 木 県 日光 町警 察署 御中 宛 ニ
ニ東 京市 電 車 内 別 記 陰 謀 計 劃 書 ヲ遺 失 シ更 ニ八 月十 三 日柳 島 に て南
都 下 各 大 学 及 管 下 軍 隊 及 北 海 道 、 山 梨 県其 他 及知 名 ノ士 ニ郵 送 シ更
敬 不穏 ニ亙 ル宣 伝 文 ヲ自 ラ謄 写 版 ニヨリ約 百 五十 枚 ヲ作 成 シ之 レ ヲ
親 愛 す る プ ロ出 身 の軍 人 諸 君 よ 以下 ノ同 様 文 辞 ヲ印 刷 セ ル四種 ノ不
言 ふ。 斬 れ⋮ ⋮進 め ⋮ ⋮ 神聖 革 命 の門 出 ︱
党 云 々﹂ ﹃不 生 産 的 人 間 の飯 事 に民 衆 の膏 血 を 乱 費 し 何 を か 奉 祝 と
産 階 級 、 劣 等 資 本 主義 の エゴ イ スチ ツ クな 走 狗 、商 事 会 社 化 し た政
閑 淫 腐 堕 弱 な貴 族 と呼 ぶ特 殊 部 落 伝 統 、 不 労 所得 に堕落 し 切 つた有
﹄ ト ノ表 題 ノ下 ニ前 示
覚 悟 スル処 アリ斯 ニ初 メ テテ ロリ スト ヽナ リ社 会 革 命 ヲ実 行 ス ヘ
填 シ点 セ ント セ ル モ金 六 ノ不 在 ノ模 様 ナ リ シ為 メ其 儘 同 個 所 ニ放 棄
月 二十 四 日麹 町 区 富士 見 町 二 ノ 四七 番 地 ノ同 人 邸 ノ横 丁下 水 内 ニ装
目 的 ヲ以 テ自 ラ製 造 セ ル錻力 街 ニ線 火 薬 ヲ装 填 セ ル爆 発 物 ヲ同 年 十
ガ シ の ヒ キ﹂ ゆ る ヒミ ツケ ツ シ ヤ ﹃ソ レは ワ レ ワ レを ま で を び
ツ ラ がオ カ〓 い。 そ ん な マヌ ケを 〓 て ゐる アイ ダ に タナ ベ ソ レ
ンギ シ ヤを だ そ う と イ ツ シ ヨウ ケ ンメイ に な つて ゐ る ケ イ ジ の
﹁ワ レ ワ レ ソ シア リ スト を さ が〓 ま は つてバ クダ ン シケ ンの ケ
ヘビ ヤ ンキ ヨウ カイ の エイ コク シ キ
セ ルカ右 爆 発物 発 見 サ ル ヽヤ事 ノ露 顕 ヲ恐 レ之 レ カ時期 ヲ窺 ヒ ツ ヽ
レ こそバ カバ カ〓 い﹄ ニ ヒリ スト の ク ワダ テ が オ キ ナジ マホ ー
や かす モ ノ﹄ のケ イ カ ク を ヌ キ に〓 て ゐる オ メデ タ サ ﹃ワ レワ
ク決 意 シ予 テ ヨリ 怨恨 浅 カ ラ サ ル前 示 小 野 金 六 ニ対 シ危 害 ヲ加 フ ル
それは
巧 ミ ニ官 憲 ノ目 ヲ脱 シ以 テ宣 伝 ニ従 事 シ来 リ本 年 七 月 以降 ﹃ 寄生虫 RASEL ﹄ ト題 シ ﹁ 前 畧 兄 弟 エ 一ツ 力 を貸 し てく んね ェ?
も のをば 伝 統 階 級 意 識 で偶 像 化 し て彼 奴 等 が搾 取 の方 便 ま で に傀 儡
が其 の昔 天 才 的 圧 制 者 であ つた 不生 産 的 不 労 所 得 の酋 長 を 仮 称 し た
に告 け ま す﹂ ト ノ表 題 ノ下 ニ ﹁前畧 天皇 ⋮ ⋮卑 劣 な ヴ ル ヂ ヨア シ ー
は寄 生 虫 退 治 には 持 つ て来 いな ん だ か ら ヨー 云 々﹂ ﹁ 親 愛 す る盟 友
罪 事 実 ヲ自 白 セ ル ヲ以 テ九 月 六 日本 名 ノ所 為 ハ刑 法 第 七 十 四条 及爆
ナ ル コト同 月 十 八 日判 明肩 書 住居 地 ニ於 テ取 押 ヘ取 調 ヘノ結 果 右 犯
留品 ア ルヲ発 見 シ タ ル ニ ヨリ愈 々捜 査 ノ端 緒 ヲ得 遂 ヒ ニ本 名 ノ所 為
メ タ ル処 同 月 十 六 日 千葉 県 千 葉 町 発 本 所 押 上 着 京 成 電 車 内 ニ別 記遺
と記 載 セ ル官 製 端 書 ヲ郵 送 シ ツ ヽア リ シ ニ ヨリ極 力 犯 人 ノ捜査 ニ努
メ ンま では び こ つ てる のを しら な い の?
し て居 る記 号 ボ ル ダ ー に過 ぎ な い。 此 厄介 者 は皇 族 貴 族 と 吐 かし よ
テ東 京 地方 裁 判 所 検 事 局 ニ於 テ起 訴 セラ レ同 月 八 日東 京 刑 務 所 ニ収
発 物 取 締 罰 則 竝 ニ大 正 十 二年 九 月施 行 ノ勅 令 第 四 百 〇 三 号違 反 ト シ
革 命 と 云 ふ清潔 剤 を こし ら へる こと に尽 力 し て貰 ひ度 い のだ そ の薬
々﹂ ﹃ 親 愛 す る プ ロ出 身 の軍 人 諸 君 よー ﹄ ト ノ 題 下 ニ ﹁前 畧 嗚 呼 有
る⋮⋮畧⋮⋮ 千 代 田城 に発砲 せ よ焼 打 せ よ 日光 及 び 翁 島 を 襲 へ云
記
監 目下 予審 中
A 日光 の帰 途 に就 て
一、東 京 市 電 内 ニ遺 失 セ ル陰 謀 計 劃 書 ( 原文 ノ儘)
一、鉄 橋 破 壌 汽車 顛覆 二 、硫 化 炭 素 及 シ ヤ シ炭 瓦 斯 発 生 の方 途 を 決 行 致 す こと 一、 ダ イ ナ マイ ト 及 雷管 付 百 一、 コメ ツ ク形爆 弾 十 一、黒 色 火 薬 爆 弾 チ ンプ レー ト 入 一、塩 素 酸 K KG 100G 一、塩 素 酸 K 一KG ふ アイ ト ケ ン スガ ー 200G フ ー ミン グ サ ルフ リ ツ ク ア シ ツド 一teb
一個
一一枚
ル、 ウ ーブ リ、 エー、 パ ルチ ーザ ン、ズ ウ、ポ ア メ ニヱ ーサ
一
ンヂ カ リズ ム。同 人本 部 関 東 直 接 行 動 部 御 中
二 、京 成 電 車 内 ノ遺 失品 ︹二字不明︺ (一) □ □ ヨリ伊 那 支部 宛 手紙
(二) 西 洋 紙 ニ鉛筆 ニ テ書 キ タ ル紙 片
一個
) ゴ ム引 煙 草 入 (四
(三) 親 愛 な る盟 友 に告 げ ます ト題 スル宣 伝文
( ) 五 財布
陸 軍 大将 福 田雅 太 郎 狙 撃 事件 竝 ニ爆 発物 事 件
(五) 無 政 府 主義 者 和 田久 太郎 外 三名 ニ係 ル
本 籍 兵 庫 県 明 石郡 明石 町材 木 町 一三番 地
当 庁 編 入甲 号
雑 誌 記者
田
久 太 郎
住 居 府 下 北多 摩郡 武 蔵 野 村 字 吉 祥 寺 六 三 七 番 地
一、粒 状 黒 色 薬 二 K G
一、焼 失 用 爆 弾 ( 硝石 十硫黄 一柳樹灰 二)
一、ピ ク リ ワ ク ア シ ツド爆 弾
和
源 次 郎
本 籍 神 奈 川県 横 浜 市 寿 町 一ノ 二三 番 地
一、 迅 速 導 火 線 二 百 米緩 導 火線 十 米
木
住 居 本 郷 区駒 込 片 町 一五番 地 無 職
村
B ヴ ル ヂ ヨ ア及 び労 働 思 想ブ ロー カ ー竝 び に異 反者 に対 す
当 庁編 入甲 号
る件 ﹁鈴 木 文 治 、 赤 松 克麿 、福 田徳 三、 末 弘 厳 太 郎 、〓 山政 道 ⋮ ⋮ ブ ラ ツ クリ スト 記名 に決 行 ( 文治帰朝ま で保留)
大 次 郎
本 籍 府 下 豊 多 摩郡 渋 谷 町 字 下 渋 谷 三 五〇 番 地
田
住 居 府 下 荏 原 郡 平 塚村 字 上 蛇 窪 無 職
古
C 人 事 ノ件
思想要注意人
同 人 中 不 幸 発覚 検 束 を 享 け し場 合 若 し 同 人 の名 を語 る も の あ ら ば 其 一族 を鏖 殺 す る件 (は確実 に施行する事) 潜 性 行 動 を 執 る事 (は任意と なす)
拳 銃 一挺 、同 実 包 四十 二発 、導 火 線 四尺 二分 、 短 刀 一振 、 エア ー シ
ル爆 弾 一個 、 ダ イ ナ マイ ト 十 八本 、雷 管 十 五個 、 玩 具 用煙 火 十 七 枚 、
取 調 ヘノ結 果 前 記 三 名 ト共 謀 セ ル コト判 明 セ ル ヲ以 テ同 月十 日 ノ払
司
暁 古 田 ノ自 宅 ニ於 テ同 人 、村 木 ノ両 名 ヲ逮 捕 シ家 宅捜 索 ノ上 密 造 セ
啓
住 居 不 定 無 職
地
本 籍 岡 山 県 上 道 郡 西 大寺 町 四 二〇 番 地
倉
ツプ 空 缶 一個 、爆 発 物 製 造 器 具 等 ヲ押 取 シ大 阪府 ニ旅 行 セ ル倉 地 ニ
思 想 要 注意 人
本 名等 ハ何 レ モ無 政 府 主義 ヲ信 奉 シ同 派 ノ巨 頭 故 大杉 栄 ノ輩 下 ニア
違 反 現 行 犯 ト シテ 、古 田、 村 木 ハ同 月 二十 七 日殺 人 未 遂 及 爆 発 物 取
一日和 田 ハ殺 人 未 遂 、爆 発 物 取締 罰 則 、銃 砲火 薬 類 取 締 法 施 行 規 則
締 罰則 、銃 砲 火 薬 類 取 締 法 施 行規 則違 反 、倉 知 ハ十 月 十 一日殺 人 未
対 シ テ直 チ ニ大阪 府 警 察 部 ニ手 配ノ 上逮 捕 何 レ モ取 調 ヘノ結 果 同 月
遂 、爆 発 物 取 調 罰 則 、 建 造 物 損 壊 竝 ニ窃 盗 罪 ト シテ何 レ モ東 京 地 方
リ テ盛 ン ニ主 義 ノ宣 伝 ニ従事 セシ モノ ナ ル所昨 十 二年 九 月 一日 ノ大
レ ル モノ ナ リト思 惟 シ痛 ク憤 慨 之 レカ機 会 ヲ捉 ヘ復 讐 ヲ決 行 ス ヘク
ノ 三名 殺 害 セ ラ レタ ル ハ之 レ当 時 ノ戒 厳 司令 官 福 田 大将 ノ方 針 ニ依
裁 判所 検 事 局 ニ送 致 シ目 下 同 局 ニ於 テ予 審 中
震 災 直 後 甘 粕 憲 兵 大尉 等 ノ為 メ ニ大 杉 、其 ノ妻伊 藤 野 枝 、甥 橘 宗 一
協 議 ヲ重 ネ暗殺 兇 器 ト シテ爆 弾 及 ピ スト ル ヲ用 ユ ル ニ如 スト為 シ古
下 谷 区清 水 町 一二番 地 先 所在 ノ共同 便 所 及 同 月 二十 八 日古 田
田 ノ住 居 地 ニ於 テ密 カ ニ爆 弾 ノ製 造 ニ着 手 シ本 年 七月 十 九 日倉 地 啓 司 ハ
郷 在 郷 軍 人 分会 ノ主 催 ニ係 ル講 演会 ニ出 席 セ ラ ル ヽヲ聞 知 セ ル和 田 、
力 ヲ試験 シタ ル上其 機 会 ヲ窺 ヒ居 リ シ所偶 々九 月 一日福 田 大 将 カ本
ノ存 廃 ニ関 シ秘 密 裡 ニ協 議 シ タ ル結 果 一先 ツ党 ノ解 散 ヲ為 ス ニ決 セ
年 初 頭 ニ亙 リ其 党員 タ ル被 告 全部 ノ保 釈 出 獄 ヲ見 タ ル カ党 員等 ハ党
大 正十 二年 六 月 初 旬 検 挙 シ タ ル秘 密結 社 日本 共 産 党 ハ同 年末 ヨリ本
第 五 社 会 主 義者 等 ノ秘 密 結 社
村 木 ノ両 名 ハ恰 モ当 日 ハ昨年 ノ大震 災 ノ 一周 記 念 日 ニ相当 シ絶 好 ノ
ヨリ露 西 亜 ニ逃 走 シ居 リタ ル党 員 高 津 正 道 、 山 本 懸 蔵 、渡 辺政 之 輔 、
リ而 シテ事 件 ハ引 続 キ東 京 地 方裁 判 所 ニ於 テ審 理 中 ナ ル カ検挙 当 時
大 次 郎 ハ 赤 坂 区青 山 墓 地 ノ 二箇 所 ニ於 テ何 レ モ爆 弾 ヲ装 填 シ爆 破
本 郷 四 ノ二 二番 地先 街 路 ニ待 チ伏 セタ ル処 午 後 六 時 三十 分頃 福 田大
機 会 ナリ ト テ予 テ用 意 セ ル爆 弾 一個 及 ピ スト ル 一挺 ヲ携 帯 シ本 郷 区
シタ ル カ何 レ モ其 都 度 東 京 地 方裁 判 所 検 事 局 ニ自 首 シ収 監 取調 ヲ受
辻井民之助 ( 京都)等 ハ今 春 相 踵 テ帰 朝 シ荒 畑 勝 三 亦 今 秋 飄然 帰 朝
ケ タ ル後 間 モ ナ ク保 釈 出 獄 セリ尚 同 党 員 佐 野 学 、 近藤 栄 蔵 ノ両 名 ハ
将 ハ該 地 点 ニ於 テ自 動 車 ヨリ下 車 シ歩 行 セ ム ト スル ヲ和 田 ハ突 如 背
引 続 キ露 西 亜 ニ逃走 中
後 ヨリ同 人 ヲ狙 撃 シ タ ル ヲ直 チ ニ逮 捕 スル ヤ之 レ ヲ知 リ タ ル村 木 、
セ ラ レタ ル本 郷 本 富 士警 察署 ヲ脅 威 ス ヘク同 署 構 内 ニ爆 弾 一個 ヲ投
第 六 特 別 要視 察 人 及 容 疑 者 ト 外 国 人 社会 主義 者 ト ノ関 係
古 田 、倉 知 ノ 三名 ハ大 ニ焦 慮 シ協 議 ノ上 同 月 三 日古 田 ハ和 田 ノ拘 禁
シ更 ニ同 月 六 日福 田 大 将 ノ自 邸 ニ爆 弾 一個 ヲ小 包 郵 便 ニテ郵 送 シ初 志 ノ遂 行 ニ腐 心 シタ ル モ悉 ク失敗 ニ終 レリ叙 上 ノ事 実 ハ和 田 ヲ厳 重
ニシ テ尚 ヨツ フ エ退 京前 即 チ同 年 七 月 中 突 如 ヨツ フ エノ娘 ナデ ー
ノ手 段 ニ利 用 ス ル等 一段 ノ活 気 ヲ呈 シ タ ル ハ掩 フ ヘカ ラサ ル事 実
ジ タ ノ入 京 シ タ ル カ如 キ ハ主 義 宣 伝 運 動 上 何 等 カ連 絡 的 重要 使 命
イ ン タ ー ナ シ ヨナ ルノ密 使 支 那 人 張 太羅 ノ渡 来 ヲ見 都 下 在 住 共産 主
ヲ帯 ヒ タ ル コト推 知 ス ル ニ難 カ ラ ス
大 正 十年 後半 期 以来 我国 共 産 主 義 運動 ノ勢 力 著 シク 旺盛 ト ナ リ第 三
畑 勝 三等 ノ巨 頭 ハ在 露 都 莫 斯 科 第 三 イ ンタ ー ナ シ ヨナ ル幹 部等 ト確
義 者 山 川均 、堺 利 彦 、 近 藤 栄蔵 、高 津 正道 、高 瀬 清 、 橋浦 時雄 、荒
爾 来 同 人等 ノ許 ヘ頻 繁 ニ出 入 シ居 タ ル カ同 人 ハ従来 雑 誌 改 造 ニ執
実 ナ ル連 絡 ヲ保 ツ ニ至 リ タ ル モ之 カ連 絡 ノ方 法 タ ル ヤ極 メ テ秘 密 且
筆 シ ツ ヽア ル共産 主 義 一派 ノ主 ナ ル者 及 同系 労 働 団 体 幹 部 等 ト親
改 造 社 ヲ背 景 ト シ テ田 口運 蔵 ノ紹 介 ニ ヨリ 目ツ フ エ 一行 に接 近 シ
リ即 チ彼 ノ故 高 尾 平 兵 衛 及高 瀬 清 、吉 田 一等 ノ入 露 ヲ始 メ秘 密 結 社
二 ヨツ フ エ入 京後 間 モナ ク雑 誌 改 造 社 編 輯員 思注 饒 平 名智 太郎 ハ
日本 共 産 党 検 挙 時 逸 早 ク逃走 入露 シ本 年 ニ入 リ帰 来 シ タ ル共産 主 義
交 ア ル関係 ヨリ ヨツ フ エ 一派 ト邦 人 主義 者等 ト ノ連 絡 ニ当 リ タ ル
ツ巧妙 ヲ極 メ多 ク ノ場 合 直接 同 志 ヲ派 シテ連 絡 ノ衝 ニ当 ラ シ メ居 レ
者 渡 辺政 之 輔 、 山 本 懸 蔵 、高 津 正道 、荒 畑 勝 三等 ハ何 レ モ之 カ連 絡
信員 ヴ オ ツネ セ ン スキ ー及 スレ パ ツ ク等 ト モ常 ニ連 絡 ヲ保 チ殊 ニ
ニ紹 介 シ テ同 人 ノ 通釈 兼 秘 書 タ ラ シ メタ リ爾 来 同 人 ハ ロイ タ ー通
本年 二 月本 名 ハ我 国 全 労 働 団 体 及 水 平 社 等 ニ対 ス ル労 農 露 西 亜 ノ
模 様 ア ル ノ ミナ ラ ス其 間 田 口運 蔵 ヲ通 シ テ同 志 大 倉 旭 ヲ ヨツ フ エ
静 養 ト称 シテ来 朝 セ シ赤 露 代 表 共 産 党 幹 部 アド ロフ ヨツ フ エ 一行 ノ
利権 供 与問 題 ニ関 シ打 合 セ ノ為 単 身渡 支 シ北 京 駐 在 カ ラ ハ ント 会
機 関 ト シテ ノ任 務 ヲ有 シタ リ シ ハ想 像 ニ難 カ ラ ス而 シ テ近年 都 下 ニ
渡 来 以後 ニシ テ我 国 共産 主義 者 亦 当 時 ヨリ之 等 外 国 人同 志 ト ノ間 ニ
見 セ シ事 実 ア リ
於 テ直 接 外 国 人 社 会 主義 者 ノ活 動 ヲ開 始 セ シハ彼 ノ大正 十 二年 病 気
露 骨 ナ ル行 動 ヲ為 ス ニ至 レリ 概 況左 ノ如 シ
東 京 市 長 子 爵 後藤 新 平 ノ招 致 ニ ヨリ宿 痾 療 養 ヲ名 ト シ テ妻 マリ ヤ
一 大 正 十 二年 二月初 労農 ロ シア駐 在 代 表 アド ロフ ヨツ フ エ ハ時 ノ
帰 朝 シタ ルカ同 年 四月 中 前 記 ヨツ フ エカ熱 海 ホ テ ル ヨリ再 ヒ精 養
三 思 注 大倉 旭 ハ曾 テ米 国 コ ロンビ ヤ大学 ニ遊 学 シ大 正 十 二年 一月
旬 ヨリ約 一ケ月半熱海 ホテル ニ転地 ス)同年 八 月中 退 京 シタ ル カ彼カ
連 絡 ノ衝 ニ当 リ タ ル形跡 歴 然 タ ルノ ミ ナ ラ ス同 年 八 月 ヨツ フ エノ
モ裏 面 ニ於 テ ハ常 ニ饒 平 名 、 田 口等 ト共 ニ邦 人 共 産 主義 者等 ト ノ
ロゴ ル スカ ヤ同 ヴ ロ ード スカ ヤ外 交 使 者 ゴ ー ル ツ マン等 ヲ随 ヘテ
秘 書 レー ウイ ン同 シ ユ ワ ルサ ロ ン同 ツ ー ル ツパ タ イ ピ スト オ スト
入 京 ト 同 時 ニ共 産主 義 者 田 口運 蔵 ハ逸 早 ク同人 ノ許 ニ走 リ終 始 同
退 去 後 ハ同 人 ノ紹 介 ニ依 リ ロイ タ ー通 信 員 ト シ テ我 国 ニ駐 在 セ ル
ッ フ エノ通 訳 兼 秘 書 ト ナ リ タ ル カ表 面 主 義 宣 伝 的 行 動 ナキ カ加 キ
人 ニ随 伴 シテ種 々斡 旋 ニ〓 ム ル処 ア リ其 間 ヨツ フ エ 一行 ニ於 テ直
ス レパ ツ ク等 ノ通 訳 兼秘 書 ト ナ リ邦 人 共 産 主義 者 及 左 傾 労働 運 動
露 国 共 産 党 員 ウオヅ ネ セ ン スキ ー及 同 人 ニ亜 テ同 通 信員 ト ナ レ ル
軒 ホ テ ル ヘ転 シタ ル当 時 ヨリ前 顕 饒 平 名 及 田 口等 ノ紹 介 ニ依 リ ヨ
接 主義 宣 伝 ヲ為 シタ ルノ事 実 ト シ テ認 ム ヘキ モノ ナ キ モ間 接 ニ我
本 邦 ニ渡 来 シ京橋 区采 女 町 築 地精 養 軒 ホ テ ル ニ滞 在 ( 其間二月中
国 社 会 主 義 運動 ニ 一大 刺 戟 ヲ与 ヘ同 人 ノ入京 事 実 ヲ以 テ主 義 宣伝
連 絡 ハ 一時 杜 絶 セ ル カ如 シ
那人 無 政 府 主 義 者 間 ニ相 当 連 絡 ヲ保 チ ツ ヽア ルカ最 近 ニ於 テ ハ本
七 同 一派 ニ於 テ ハ前 記 大 杉 栄在 世 当 時 ヨリ支 那 上 海 及 北 京在 住 支
者 及 学 生 等 ト ノ連 絡 ニ従 事 シ ツヽ ア リ 四 思 注 大 道憲 二 ハ前 記 大 倉 旭 ノ異 母 兄ニ シ テ夙 ニ前 顕 饒 平 名 智 太
ツ ク等 ト 気脈 ヲ 通 シ居 レリ而 シ テ ハ本 名 ハ自 ラ東 京 市 道 路 従 業 員
郎 ト 親 交 アリ 従 テ両 者 ヲ通 シ テ前 記 ウオヅ ネ セ ン スキ ー及 スレ パ
印務 局在 住 同 志 支 那 人 ﹃健 民 ﹄ ニ対 シ爆 弾 事 件 及 福 田 大 将 狙 撃 犯
年 十 月末 頃 労 働 運 動 社 首 脳 特要 近藤 憲 二 ヨリ支 那 広 東 新 会 城 芸 興
ア リ将 来 相 当 注 意 ヲ要 ス ル モ ノト認 メ ラ ル
人和 田久 太 郎 ノ 写真 ヲ送附 セ ル事 実 ア ル等 常 ニ通 信 ヲ交 換 シ ツ ヽ
組 合 ノ幹 部 ト シテ下 級 労 働 者 ニ対 スル指 導 ニ当 リ ツ ヽア ル ハ将 来 特 ニ注 意 ヲ要 ス ル点 ナ リ ト ス
ス レパ ツ ク ノ許 ニ公 然 出 入 スル ニ至 レ リ而 シテ之 カ接 見 ノ内 容 ニ
五 其 他 特 要 堺利 彦 、堺 マガ ラ 、田 所 輝 明等 ハ最 近 ロイ タ ー通 信 員
都 下学 生 ノ社 会 主 義 運 動 ハ大 正 十 一年 十 一月 七 日露 西 亜 革 命 記 念 日
第 七 学 生 ト社 会 主 義 者 ト ノ関 係
ス ル諸 般 ノ報 告 ヲ齎 ラ シ又 一面 第 三 イ ンタ ーナ シ ヨナ ル本 部 ト ノ
就 テ ハ容 易 ニ窺 知 シ得 サ ル モ恐 ラ ク我 国 ノ社会 運動 労 働 運 動 ニ対
ヲ以 テ組織 セラ レタ ル学 生 聯 合 会 ノ創 立 ニ由 リ 一転 機 ヲ劃 スル ニ至
レリ則 チ従来 早 大文 化 会 及 新 人 会 等 早稲 田 大学 及 東 京 帝 国 大 学ノ 一
連 絡 ニ外 ナ ラ サ ル モ ノト推 測 セ ラ ル
部 学 生 ニ於 テ夫 々集 団 ヲ成 シ各 母 校 ヲ中 心 ニ各 大 学 及 専 門 学 校 ノ学
六 管 下 在 住 無 政 府 主義 者 ノ 一派 ニ於 テ ハ大 正 十 一年 七月 頃 迄 故 大 杉 栄 、伊 藤 ノ ヱ及 近藤 憲 二等 カ神 戸 市 在 住 露 西 亜 人無 政 府 主 義 者
生 ニ対 シ名 ヲ思 想 研 究 ニ藉 リ専 ラ共 産 主義 ノ宣 伝 ヲ為 シ来 タ ル モ其
ル 一分 野 ヲ形 成 ス ル ニ至 レリ而 シ テ之 カ組 織 ハ第 三 イ ンタ ー ナ シ ヨ
イヴ ア ン コブ ロフ ( 大正十 一年七月末 退去命令 ヲ受 ケ我国 ヲ退去 ス)ト
ナ ル ノ指 導 ヲ受 ケ労 農 露 西 亜 ソヴ イ エツト 組織 ニ傚 ヒ各 学 校 内 ニ班
他 ニ於 テ ハ未 タ勢 力 ト シ テ認 ム ヘキ モ ノ ナ カリ シ カ学 生 聯 合 会 ノ組
同志 等 (氏名不詳)ト連 絡 ヲ採 リ支 那 人 鄭 純棠 ノ偽 名 ニテ支那 人 同
ノ名 ニ於 テ 一個 又 ハ数 個 ノ細 胞 ヲ設 置 シ各班 ヨリ委 員 ヲ選 定 シ テ班
交 際 シ居 リ タ ル外故 大杉 栄 ハ大 正 十 一年 十 二月 中 旬仏 蘭 人無 政 府
志 ヨリ旅 券 ヲ 入手 シ仏 国領 事 ノ査 証 ヲ受 ケ上 海 出 帆 先 ツ仏 国 里 昂
委 員 会 ヲ組織 シ班 委 員 会 ハ更 ニ執 行 委員 ヲ選 定 ス執 行 委 員 会 ハ常 設
織 ニ依 リ全 国的 ニ連 絡 統 一ヲ保 チ常 ニ新 人会 及 早 大文 化 会 之 カ中 心
ニ渡 リ前 記 仏 人 コ ロメ ヲ訪 問 シ約 一ヶ月 半 滞 在 ノ上同 人 ト共 ニ巴
勢 力 ヲ成 シ全 国 学 生 ニ対 シ指 導 的 地 位 ニ在 リ テ共産 主 義 運 動 ニ於 ケ
里 ニ到 リ折 柄 同 地 ノ メ ーデ ー ニ会 シ不 穏 ナ ル演 説 ヲ為 シ タ ル為 同
テ之 ヲ図 解 セ ハ
的 最 高 機 関 ニシ テ直 接 各 学 校 ノ集 団 ニ対 シ指揮 命 令 ヲ為 ス モノ ニシ
ケ ル国 際 無 政 府 主義 大会 ニ出 席 ス ヘク先 ツ支 那 上 海 ニ渡 リ支 那 人
地官 憲 ニ逮 捕 セラ レ禁 錮 三 週 罰金 百 五十 法 ニ処 セ ラ レ満 期 放 免 後
主 義 者 コ ロメ (在本国) ヨ リ招 待 ヲ受 ケ大 正 十 二年 二 月 独 逸 ニ於
同 地警 視 庁 ヨリ追 放 命 令 ヲ発 セラ レ大 正 十 二年 六 月 三 日馬 耳 塞出 帆 七 月 十 一日神 戸 上 陸 帰朝 シタ ル カ本 名歿 後 之 等 外 国 人 同志 ト ノ
ヘツ ヽアリ シ カ大 正 十 二年 六 月突 如 ト シテ 日本 共 産 党 ノ検挙 ヲ見 ル
ノ如 ク ニ シ テ学 生 ニ対 スル赤 化 運動 ハ益 々組 織 的 ニ且 ツ深 刻 味 ヲ加
ヤ彼 等 学生 ノ 運動 ニ モ 一頓 挫 ヲ来 シ更 ニ同 年 九 月 ノ大 震 火災 ノ影 響
ヲ享 ケ 一時慴 伏 ノ状 態 ニ在 リ シ カ本 年 下 半 期 ニ至 リ早 大 文 化 会 及帝
大新 人会 等 ノ左傾 学 生 等 ニ於 テ学 生 赤化 運動 ノ再 興 ヲ企 図 シ早稲 田
大 学 教 授 大 山郁 夫 ノ指 導 ヲ受 ケ 従 来 単 ナ ル学 生 聯 合 会 ノ名 称 ノ下 ニ
絶 対 秘 密主 義 ヲ採 リ タ ル ハ宣 伝 上 却 テ効 果 少 ナ シト做 シ名 ヲ社 会科
学 ノ研 究 ニ藉 リ以 テ全 国 的 ニ学 生 ノ糾合 ヲ図 ル ヘク同 年 九 月 十 四 日
夜 帝 国 大学 第 二学 生 控 室 ニ於 テ金 国 学 生 聯 合協 議 会 ヲ開 キ名 称 ヲ学
ノ運 動 概 況 左 記 ノ如 ク ニ シテ特 ニ宣 伝 ニ関 ス ル組 織 及 未 設 校 ニ対 ス
生 社 会 科学 聯 合 会 ト改 称 シ以 テ再 ヒ運動 ヲ開催 ス ル ニ至 レリ再 起 後
ル拡 張 策 竝 ニ宣伝 方 策 ニ関 シ意 ヲ用 ヒ着 々運動 ヲ進 展 セ シメ ツ ヽア
ル ハ特 ニ注 意 ヲ要 ス ヘキ現 象 ナ リト ス
同
同
法
慶
東
明
政
応
洋
治
大
大
大
大
学
学
学
学
学
東京帝 国 大 学
一 九 月 十 四 日学 生 社会 科 学 聯 合 会 ニ加 盟 セ ル ハ
同
大
院
早 稲 田 大 学
同
本
学
帝 大農 科 大 学 ( 駒場)
日
治
院
会
同
明
学
人
同
山
新
同
青
社 会 科 学 研究 会
同
同
同 日本歯 科 医 専
東京外語 学 校
大
学
東京歯 科 医 専 教 学
同 宗 大
会 教
書
読 立
会 頭 推 戴 ノ件 (本部 ヲ帝大 ニ会頭 ヲ大山郁夫ト
リ 外 国 学 生聯 合 会 ト連 絡 ノ件 (国際聯盟学 生支部 ト打合 セスルコ ト) ヌ 本 部 設置 ノ件
云フ説 アリシ モ委員附託)
一 翌 九 月十 一日学 生 社 会 科 学 聯合 会 実行 委 員 ハ本 郷 区 内 某 カ フ エ
院
ロ 各 研 究 団 体 ハ地 域的 ニ地域 聯 合 ヨリ組 織 スル件
経 済 学 研 究 会
ー楼 上 ニ会 合 協 議 ノ結 果 聯 合 会 ノ組織 ニ付 左 ノ如 ク決 定 セ リ
学 学
ハ 本 聯 合 ノ中央 委 員 ハ地方 聯 合 ヨリ選 出 ス ル コト
大阪外 語 学校 西 大 大
京都帝 国 大 学
関 北 農
社 会 科 学 研究 会
同 東 幌
同
同 札
ニ 本 聯合ハ 地 方聯 合 会 ニ活 動 機 関 ヲ設 置 ス ル コト
関
東 京 帝 大
佐野
門屋
楠弘
博 早
大
各 校 ヨリ 一名 宛 会 員 ノ推 薦 ニヨリ選 出 ス氏 名 校 名 ハ
イ 代 表委 員 会 ( 議決機関)
( 二) 機
東 北 地 方聯 合 会 ( 北海道 ヲ含 ム)
関西地方聯合会 ( 中国、 四国、九州 ヲ含 ム)
関 東 地方 聯 合 会 (中部北陸 ヲ含 ム︶
(一) 組 織 本 聯 合 会 ヲ大 別 シ テ左 ノ三 地方 聯 合 会 ト セ リ
及 事務 分担 ニ関 シ協 議 ノ結 果 概 要 左 ノ如 ク決 定 セ リト 云 フ
一 本聯 合 会 ハ其 後間 モナ ク (月日場所 不詳)秘 密 裡 ニ会 ノ組 織機 関
ホ 本 聯合 会 ハ毎 年 一回 定 期 大 会 ヲ開催 ス ル コト
コト
同 全 国 各高 等 学 校
イ 本 聯 合 会 ハ各 学 校 ノ学 生 社会 科 学 研 究 団 体 ノ聯 合 体 ト ス ル
同
ヲ主 ナ ル モノ ト シ総 数 実 ニ四 十 三校 ノ多 キ ニ達 シ聯 合協 議 会 席 上
決)
( 委員附託)
( 委員附託)
( 可
左記 各 項 ノ議 案 ニ付 討 議 シタ ル後 顧 問 早 大 教 授 大 山郁 夫 ノ講 演 ア
案
リタリ 議
ロ 名 称 ヲ学 生社 会 科 学 研 究 会 ト 改 ム ルノ件
イ 組 織 ヲ改 ム ルノ件
ハ 教 育 事 業 ヲ組 織 的 且 有 効 ナ ラ シ ム ル件 ニ 研 究 会 未 設 校 ニ対 ス ル拡 張 対 策 ホ 学 生 運 動 ノ目 的 ニ応 ス ル出 版 事 業 ノ件 ヘ 国 際 挑 戦 デ ー参 加 ノ件 及 青 年 軍 事 教 育 反 対 ノ件
( ビラ撒布可決) ト 労 働 ニ関 スル件 ( 帝大 セツツ ルメ ント類 ノ事業拡張) チ 産 業 労働 調 査 ノ件 (労働学校 ノ奨励)
島野
上川
真野
矢島
俊雄
誠一
真
為
穣
宣一
野呂栄太郎
慶
早
兼 摂 シ居 レリ
大
東 京 帝 大
(1) 組 織 部
大
衣谷
戸叶
門屋
武
博
ハ 活 動 部 ( 宣伝其他平素事務 ヲ担当 ス)
明 治 学 院
吉井
俊雄
賀真
左 ノ六部 門 ニ分 チ之 カ事 務 ハ代 表 委 員 及 中 央 委 員 等 ニ於 テ
青 山 学 院
有村
大
大
駒 場 農 大
慶
大
太郎
教
明
有村
神田敬 一郎
東 京 外 語
大 潔
石 田 外茂 一
田畑
宗 東 京 外 語 根本
明 治 学 院
法 政 大
東 京 帝 大
(2) 教 育 部
日 本 敬二
野 呂 栄 太郎
山形
真
大
大
島野
洋
大
東
慶 教
(3) 調 査 部
宗
誠 一
俊介 雄次
吉井
大
青 山 学 院
(6) 会 計 部
早
(5) 会 報 出 版 部
(4) 図 書 部 明 大
道人
陶山 山崎
肇
井上
大
国城
某
武
博
某
教 関東代表
増田
門屋
吉田
立 以上 京 都 帝 大 以上 関西代表 東 北 帝 大 旅順 工科大学
以上 東北代表
戸叶
代表委員会 ノ推薦 ニ依 ルモノ校名氏名左 ノ如 シ
ロ 中 央 委員 会 ( 執行機関)
大
東 京 帝 大
田畑
測 セ ハ約 四 百 名 ナ リ会 費 ハ 一学 期 十銭 宛 ト定 メ地方 聯 合 会 毎 ニ
早
陶山 俊介
会 員 全 国 ヲ通 シ テ目 下 約 八 百 名 ト 称 ス ル モ会 費 納 入者 数 ヨリ観
明 治 学 院
徴収 ス
(三 ) 会 員 及会 費
立 教 大 学
衣 谷 賀真
太郎
大
慶
(四) 活 動 上 ノ連 絡 方 法 会 報 ヲ発 行 ( 創立以来二回) シ テ配 布 ス ル外 帝 大 早 大 明 大 学 ノ各 新 聞 学会 発行 ノ新 聞 紙 ヲ利 用 シ テ連 絡 機 関 紙 ニ充 テ居 レリ而 シ テ是等 宣 伝 印 刷 物 ノ配 布 ハ従 来極 秘 ニ取 扱 ヒ会 員 数 ニ応 シ各 学
(4) 右 実 行 方 法 ト シ テ (1)(2) ニ対 シ テ ハ若 干 ノ委 員 ヲ挙 ケ之 カ勧 誘 ︹マ マ ︺ ヲ努 メ雑 誌 ハ ﹃開 放 ﹄ ト命 名 シ思 想 家 教 授 等 ノ寄 稿 ト会 員 各 自
ノ原 稿 ト ヲ材 料 ト シ本年 中 ニ創 刊 号 ヲ発 行 ノ予 定
第 八 在 外 特 別 要視 察 人及 容 疑 者 ノ行 動
ニ渡 航 セ シ者 別 表 ノ如 ク総数 二 十 八名 ニ シテ内 約 半 数 ハ労農 露 西 亜
管 下 特 別 要 視 察 人 及 思 想 容疑 者 ニ シ テ既 ニ海 外 ニ滞 留 シ又 ハ本年 新
校 代 表 委 員 ノ許 ニ送 附 シ代 表 委員 ヨリ更 ニ夫 々会 員 ニ手 交 ス ル ノ方法 ヲ採 リ全 国 各 高 等 学 校 ニ対 シ テ ハ旧 帝 大 新 人 会 員 カ散在
テ ルダ ムに於 け る国 際 排 戦 デ ー の意 義 に徹 底 せ よ︱ 青 年 学 生 軍事
一 本 聯合 会 ハ再 起 後 運 動 ノ第 一着 手 ト シテ九 月 二十 一日 ﹃ア ム ス
占 メ常 ニ露 都 莫 斯 科 ヲ中 心 ト シ テ東 亜 諸邦 殊 ニ我 国 ノ赤 化 宣 伝 運動
リ逃 走 入露 以 来 第 三 イ ン タ ーナ シ ヨナ ル幹 部 ト シ テ重 要 ナ ル地位 ヲ
露 者 ハ殆 ト極 端 ナ ル共産 主義 者 ノミ ニ シテ就 中 片 山 潜 ハ夙 ニ米国 ヨ
ハ概 シテ修 学 其 他 ノ用務 ヲ帯 ヒ特 ニ留 意 ヲ要 ス ル者 ナ キ カ如 キ モ入
ニ他 ハ欧 米 並 ニ亜 細 亜 諸 国 ナリ ト ス而 シテ欧 米 並 ニ亜 細 亜 ニ在 ル者
シ居 ル関 係 上 特 ニ新 人 会 ヲ通 シ テ発 送其 他 連 絡 ノ衝 ニ当 ラ シ メ
教 育 反 対︱ ﹄ ト題 スル宣 伝 印刷 物 ヲ作 成 各 学 校 其 他 関 係 方 面 ヘ配
居 レリ ト 云 フ
布 シタ ル カ其 後 文 部 陸 軍 両省 ノ間 ニ学 生 軍 事 教 育 に関 シ立案 セ ラ
ニ籌 劃 奔 走 シ又 去 ル大 正 十 一年 相 携 ヘテ入 露 セ シ和 田 軌 一郎 、水 沼
日本 共 産 党 検 挙 当 時逸 早 ク逃 走 入露 セ シ佐 野 学 、 近 藤 栄蔵 、 高津 正
レ ツ ヽア リ ト ノ報 伝 ハル ヤ大 々的 反 対運 動 ヲ開 始 ス ヘク寄 々協 議
道 等 ハ露 都 莫 斯 科 ナ ル第 三 イ ン ター ナ シ ヨナ ル本 部 殊 ニ同幹 部 タ ル
熊 、北 浦 千 太 郎 ヲ始 メ大 正十 二年 四月 入露 セ シ荒 畑 勝 三 及 同年 六 月
一 本 聯 合 会 加 盟 団 体 タ ル早 大 社会 科 学 研 究 会 ニ於 テ ハ十 月 中 旬幹
中 ナリ
シ協 議 ノ結 果 同 会 組織 ノ基 礎 ト思 想 宣 伝 ノ範 囲 ヲ単 ニ高等 学校 以
部 学 生 数 十 名 早 大 講 堂 内 ニ会 合 シ学 生 ニ対 ス ル思 想 宣 伝 方法 ニ関
地方 ヲ往 来 シ赤 化 宣伝 ニ関 ス ル劃 策 並 ニ連 絡 ニ当 リ又 一面 和 田軌 一
同 地 ル ツ ク スホ テ ル居 住 ノ前 記 片 山 潜 ト気 脈 ヲ通 シ欧 露 及浦 塩 上海
上 ニ限定 セ ル ハ失 当 ナ リト ノ意 見 一致 シ左 記 事 項 ヲ協 議決 定 セリ
郎 、水 沼 熊 、 北浦 千 太郎 等 ハ莫 斯 科 マー ロ、 ウヴ ロ ンヌイ 所在 東 方
名 ハ相 前 後 シ テ帰 朝 シタ ル モ滞 露 中 ノ行 動 ニ関 シ テ ハ何 レ モ秘 シ テ
フ而 シ テ本 年 ニ入 リ高 津 正道 、荒 畑 勝 三、 北 浦 千 太 郎 、水 沼 熊 ノ 四
労 働 共 産 党 大 学 ニ入学 シ傍 ラ 日本 語 ノ教 授 ヲ為 シ タ ル コト アリ ト 云
(2) 岩 倉 鉄 道 学 校 生徒 ハ純 然 タ ル労 働 者 ニア ラ サ ル モ鉄道 現業 員
語 ラ ス其 真 相 ヲ捕 捉 ス ル コト頗 ル困 難 ナ リ尚 大 正 十年 五 月 入露 セ シ
究 会 ノ勢 力 範 囲 ト ス ル コト
(1) 高 等 学 校 以 下 ノ官 公 私 立中 学 校 及 同 等 専 門 学 校 ヲ モ加 ヘ同研
ナ ル モノ ニ付 本 校 生徒 モ加 盟 セ シム ヘク勧 誘 ヲ為 ス コト
柯 公 事 大庭 景 秋 ハ翌十 一年 秋 イ ルク ー ツ ク附 近 ニ於 テ国家 保 安 部 ノ
志 望 者 ノ養 成 ニア ルト 一面 労 働 者 ハ将 来 思 想 運動 唯 一ノ土台 ト
(3) 機 関 雑 誌 ヲ発 行 シ会 員 ニ対 シ十 五銭 宛 ニテ配 布 ス ル コト
手 ニ逮 捕 セ ラ レ殺 害 セ ラ レ タリ ト ノ情 報 ア リ 一般 ニ信 セ ラ レ ツ ヽア ル処 ナリ 又本 年 ニ入 リ文 学 研 究 ヲ名 ト シテ 入露 セ シ元 早 大教 授 片 上 伸 ハ最 近労 農 政 府 ヨリ退 去 命令 ヲ受 ケ タ リ ト情 報 ア ル モ真 偽 判 明 セ
思
想
事 務 所 所 在 地 支 部 所在 地
団
体
表
日
創 立年 月
大正十三 年
彩
種別 甲号 乙号 計
考
一六 七
転
入
転
出
他管 内 ヨリ ノ 移動者
転
入
四三九
転
出
九
大正十三 年十月末 日 現在
九四七
他 管 内 ト ノ移 動 者 大正十三年 十月末 日 現在
大正十二 年十月末 新編入者 削除者 日現在
思想要注意人移動調表
〇
機関集会
警
行
視
動
庁
中心人物氏名
有 島頼 寧 日本農 民組合関東同 安 部 磯 雄 盟ト密接 ナル干係 ヲ 北沢新次郎 三 和 一男
シ相 互 ニ 保 チ各地方農 民組合
必 要 ニ応
機関紙及
シ
及其状況
ナ
其 ノ状況
転 出 欄 、 四 百 三 十 九 名中 三 百 三十 七 名 ハ震 災 後 所 在 不 明 ト ナ リ又 ハ其 後思 想 上 ニ変 化 ヲ来 タ シ身 許 調 査 中ノ 者
一 、一一
移動 大 正 十 一年 十 一月 一日 新 発見者 現在 種別 思想要 注意人 備
主旨綱領 ノ概要
農 村 ノ実情 ハ都 市 ノ 其 レ ニ比 シ甚 タ シ ク 十 二名 会長無所 切 迫 シ タ ル モ ノカ ア 属代議士 共産主義 ル故 ニ吾国 農 村 生 活 ノ実 情 ヲ調査 シ諸 外 ニシテ同
色
大正十三年十月末現在 警 視 庁
サ ル カ佐野 学 ハ今 尚 在 露 同 国 学務 局 ニ執 務 シ当 分 帰 国 スル模 様 ナ シ ト聞 アリ
[ 附 表]
(二)
称
麹 町区内 山下町
会 員 数 及 其 種 類
(一) 特 別 要 視 察 人 及 思 想 要注 意 人移 動 調 表
名
有馬農村 問 題研究
移
所
行 人社
日本農民 学校協会
政 友会本 部内
府下北豊 島郡西巣 鴨 町池袋 四〇 五 銀 山方
赤坂区 青山北 町 三 ノ六八
六 月 十 七 愛会長其 日 他早 大教 授及思想 運動指導 者
十名 会長無所 属代議士 ニシテ同 共産主義 愛会長 其他 ハ労
国 ノ ア ラ ユル制 度 並
ニ過 キ ス
往 復 スル
ヲ得 ル外 地 方新 聞 紙
ト 連 絡 シ諸般 ノ報 告
高橋 亀 吉 三輪寿 壮
等 ニ依 リ各 地農 村 ノ 河 西太 一郎
ニ各 種 運 動 ノ実 際 ヲ 研 究 シ以 テ吾国 農 村
ニ集 会 ヲ 開 ク
宣 伝 ヲ 為 シ ツ ヽア リ
農 村 青 年 ニ対 シ主 義
ニ於 テ講 習 会 ヲ開 キ
保 チ常ニ 各 地 方農 村
ト表 裏 ノ如 キ干 係 ヲ
日本 農 村 問 題 研 究 所
見 ル ヘキ行 動 ナ シ
一郎
一
川俣 清音 荘 原 達
有馬頼 寧 浅沼稲 次郎 平野 力 三 岡部 完 介 賀 川 豊彦 三 和 一男 三宅 正 一
高 田 和
青 木 助 一
銀 山
ヽア リ
シ
状 況 ヲ調 査 研究 シ ツ 平 野 力 三
ナ
ヲ講 究 セ ント ス ル ノ
シ
随 時随 所
問 題 ノ根 本 的 解 決策 テ アル 会 員 相 互 ニ文 学 ノ研 究 ヲ ナ スヲ目的 ト シ
リ
上 発 展 セ シ ム ル ニア
過 去 久 シキ ニ亙 ル 為 ヘ シ知 ラ シ ム ヘカ ラ
政 者 ノ民 ハ依 ラ シ ム スト 云 フ施 政 方 針 ハ 我国 ノ農 民 ヲ無 智 無 自 覚 ノ儘 ニ放 置 シ テ イ ル今 日我 国 ノ農 村 問 題 ハ極 度 ニ紛 糾 シ テ居 ル本 協 会 ハ合 理 的 ナ ル農 業 経 営 ノ実 ルト 共 ニ公 正 ナ ル農
際 智識 ヲ会 得 セ シ ム
ナ
大 正 十 三 十名 現 下 ノ廃 レ タ ルプ ロ 巷 労働 運動 共産主義 レタ リ ア ノ文 学 ヲ向 月四百部 者 年 七 月 一日
大正 十三 年 六月十七 日
働運動 ノ 指導者
村 社会 問 題 ノ理 解 ヲ ル
与 ヘント スル ノ テ ア
政 治 研 究 会
戦線同盟
労 働 運動 者
四谷区 荒木 町八 布施 辰治 方 支部⋮⋮ 弘前市 川崎市 横浜市
大正十 三 年 六月廿 八 日
大正十年 十 二月十
府 下 代 々 大正十二 幡町字幡 年 ケ谷 一、 六月十六 日 〇七 一
本郷 区 駒込片町
無政府 主義
無政府 主義及 共産主 義
六十名 共産主義 思想抱持 セル大学 共産主義 教授文士 及思想運 動者
十五名 各派社会 主義者
二十名 無政府主
有 産 階 級 ト ノ妥協 苟 合 ニ ヨル専 横 政 治 ヲ 根 本 ヨリ改 造 シ無産 階 級 ノ利 益 ト幸福 ト ニ立 脚 シ タ ル社 会 制 ニ政 党 組 織 ノ準 備 行
度 ノ実 現 ヲ期 スト共 為 ニ シテ 一方 組 合 運 動 ト相 俟 テ新 社 会 制 ル ニ アリ
度 ノ実 現 ヲ目 的 ト ス
資本 主義 社 会 組 織 ノ 更改 ハ素 ヨリ 一労 働 組合 或 ハ 一党 派 ノ事 民衆新聞
政 治研究
イ 労 働 者 及無 産 者 大
フ レ ット
其他 パ ン
業 テ ア ル ヘキ筈 カ ナ 衆 ハ其 本然 ニ於 テ階
労働運動
級 戦 ノ共 同 戦 列 ヲ形 勢 ス ヘキ モ ノテ ア ル 故 ニ党 派利 己 心 ヤ党 致 ス ル ニ アリ
派 感 情 ヲ捨 テ ヽ階 級 的ニ 一
シ
特 定 セ ル主旨 綱 領 ナ
シ
大 正 十 二年 震 災 後 首
ハ専 ラ 近藤 憲 二 ニ於 テ経 営 シ来 レ ルカ大
脳 タ ル大杉 栄死 亡 后
正 十 三年 九 月 一日同
近藤 憲 二 岩佐作太郎 延 島英 一
平 岩 巌 近時 見 ル ヘキ行 動 ナ 長 山直 厚 吉 田 一
大正十 三 島 中雄 三 大山 郁夫 年 六月 廿 北沢新次郎 八 日芝 公 小泉 鉄 園協調会 佐野袈裟美 館 ニ於 テ 屡 々講 演 会 ヲ開 催 シ 新 居 格 創 立 大会 社 会 改 造 ヲ論 説 シ ツ 三 和 一男 ヲ開 キ組 ヽア リ 松 下 芳男 織 ニ干 シ 平林 初之輔 協定 スル 青野 季 吉 直井 武 夫 村松 正 俊 リ
シ
所 アリ タ
ナ
無 政 府系 ニ属 ス ル
自由労働
同志並 ニ
者 並 ニ地
学生社会 科学研究 会
新 人 会
一五
芝 区芝 公 園 五号 ノ 二 野村 明
四日
大正八年 ︹一字 アキ︺ 一月 日
義 運動者 及同系労 働組合負
五百名 隆 方 止宿 帝大新人 衣 谷 賀真 方 ( 実際 大 正十 一 会並 ニ早 ニ於 テ ハ 大社会科 帝大寄宿 年 学研究会 共産主義 舎 内 ニ在 十 一月 七 全国専門 リ) 日 学校以上 四十三校 ノ学生
支部 京都帝大 早大、早 高、日大 、 明大、 一 高其他
帝大寄宿 舎 三ノ 一 六号
十名 帝大生 並 ニ同校卒 共産主義 業者 ヲ以 テ組織 ス
渉 ヲ虞 レ 一定 セ ル主
名 ニ於 テ
聞学会 ノ
各 大 学新
学校 当 局其 ノ他 ノ干
ン ター ナ シ ヨナ ルト
義 綱 領 ナ キ モ第 三 イ
革 命 記念 日当 日東 京
年 十 一月 七 日 ロ シア
ヽア リ
ニ充 テ ツ
之 カ機 関
ヲ発 行 シ
連 絡 ヲ保 チ大 正十 一 大 学 新 聞
ニ組 織 セ シ学 生聯 合
帝 大内 ニ於 テ秘 密 裡 会 ノ後 身 ナリ
シ
方 青 年 農 人和田久太郎 カ福 田 村木源次郎 民 等 ニ雑 大将 ヲ狙撃 シ引続 キ 和 田久太郎 誌 ヲ送 リ 村木源次郎等 ノ陰謀 川 口 慶 助 自 派 主 義 事件 アリ之等検挙後 ハ特記 ス ヘキ行動 ナ
大 山郁 夫
ツ ヽア リ
ヲ宣 伝 シ
内 ニ於 テ
随 時 学校
時 々全 国加 盟 団体 ノ
委員 ト会 合 シ講 演 会
猪俣津南雄 吉野 作 造 以上指導者
研究会 ヲ
開 キ又各
ト連 絡 シ常 ニ同 大 学
学生社会科学聯合会
志賀 生 間 ニ主 義 的 思 想 ノ 菊川 宣 伝 ヲ為 シ同 志 ノ糾 後 藤 岡部
合 ニ〓 ム尚 最 近 軍 事
シ吾 レリ
教 育 反 対 運 動 ニ従 事
義雄 忠雄 寿雄 一郎
大 学 雄弁 或 ハ協 議 会 ヲ開 催 シ 戸 叶 武 (早大) 会 ヲ利 用 居 レ リ最 近 ニ至 リ軍 衣 谷賀 真 シ又 ハ新 事 教 育 普 及 ニ反対 同 ( 慶 大 ) 入学生歓 盟 ヲ起 シ文 部 省 始 メ 門 屋 博 迎会等 ヲ ( 帝大) 干 係官 署 ヲ歴 訪 シ ツ 開 キ巧 ニ 陶 山 俊介 ヽア リ ( 立教) 主 義 ノ宣 以上中央委 員
帝大学生
ツ ヽア リ
伝 ヲ為 シ
全 国 民 ノ経済 的政 治
演会研究
テ屡 々講
会 ヲ開 催
和 室 ニ於 シ
礎 ヲ確 立 シ進 ンテ 世
解 放 ヲ断 行 シ以 テ自 ナ
界 文 化 ノ発 達 ニ貢 献
シ居 レリ
由 ナ ル文 化 生 活 ノ基
セ ン コト ヲ期 ス
建 設 者 同 盟
一 高 社会思想 研 究 会
帝 大 社会科学 研 究 会
府下 西巣 鴨 町字池 袋 九三〇
一高 寄宿 舎 乃木寮 一 号
帝大学友 会 学芸部 内
大正 八年 十月十八 日
大正十 一 年 ︹一字 アキ︺ 十月 日
大正十 二 年 十 一月十 九日
早大生並 ナ ル新 社 会 ノ建 設 ヲ
本 同 盟 ハ最 モ合 理 的
二十 名 ニ同 校 卒 共産 主義 期 ス
ト ヲ 目的 ト ス
キ 一歩 ヲ踏 出 サ ン コ
図 リ 現実 ヨリ ヨリ良
各 学 生 ノ智 的 連 絡 ヲ
社会 科学 ノ研 究 並 ニ
社 会 人 ト シテ覚 醒 シ
己 ノ省 察 ニ資 ス
共産主義 思 想 ヲ研 究 シ以 テ自
社 会 問 題 並 ヒ ニ社 会
業 生 ヲ以 テ組 織 ス
一高 学 生
二十 名 ニ ヨリ組 織ス
三十 名 帝大学生 卒 業 生 等 共産 主義 ニ ヨリ組 織ス
シ
シ
青年運動
ナ
ナ
随 時 研究
会 及講 習
会 名義 ヲ
以 テ集 会
ヲ開 キ主
義宣伝 ヲ アリ
為 シツ ヽ
ス
毎 月 一回 金 曜日校 内 ニ於 テ 同校講師 又 ハ帝大 早大等 ノ 名士 ヲ招 聘 シ講演 会 ヲ開催
随時校内 ニ於テ研 究会ヲ開
ク外最近 軍事教育 反対運動 ニ従事 シ 居 レリ
主 ト シテ地 方 農 村 青
ト シ常 ニ農 民 組 合 ノ
年 ヲ主 義 宣 伝 ノ対 象
指 導 者 ト シ テ活 動 シ
ツ ヽア リ
時 々開 催 ス ル研 究 会
講 演 会 等 ニ ヨリ同 志
三宅 正 一 平野 力 三 浅沼稲 次郎 稲村隆 一 伊東 光 治 宮井 進 一 竹内 五郎
杉 野忠 夫 伊藤 好 道 菊 川忠 雄 岡 部 一郎
石 田英 一郎 学 生ノ 糾 合 ニ努 メ ツ 石丸 季 雄 砂 間 一良
ヽア リ尚 最 近学 生 軍
事 教 育反 対 運動 ニ干
与 シ居 レリ
ニ ヨリ同 志 学 生 ヲ糾
時 々開催 ス ル研 究 会
ヲ為 ス外 最 近学 生 軍
合 主 義 的 思 想 ノ宣 伝
吉 田篤 二
事 教 育 反 対 運 動 ニ従 日下部東 一郎
事 シ ツ ヽア リ
イ ンター ナ シ ョナ ル社
社 会 思 想 社
無産 社
文化学会
府下淀橋 町柏木 四〇 五 年
大正十 一 仲宗根源
会員 ナシ
シ
シ
名
和 主幹 タ
ナ
ナ
七
十 一月 七
大正十 一
リ
年
日
塩 町 一九
京橋区 丸越 四 月 一日
大正八年 六月三十 日
大正十年 ︹一字アキ︺ 五月 日
ビ ルデ ン グ内
麹 町区 麹 町八 ノ 二四
小石川区 小 日向 台 町 二ノ 一 九
一定 ノ主 義 綱 領 ナ シ シ ヨナ ルト連 絡 ヲ採
但 シ第 三 イ ンタ ー ナ
十 二年 上 半 期 ニ於 テ
主幹伸宗根源和 カ日
に於 ケ ル思 想 傾 向 等
機 関 紙 ヨリ欧 米 各 国
依然社勢振 ハス
頓 挫 ヲ来 シ出 獄 後 モ
不 定期 ニ
シ
シ
本 共 産 党 事 件 ニ連 座 収 監 セ ラ レタ ル為 一 仲宗根源和 ナ
ナ
利 彦
三輪 寿 壮 〓山 政 道 河西太 一郎
発行 スル パンフレ ツト
社会思想
シ ツ ヽア リ
堺
施 辰 治 、 山 崎今 朝 弥 、 堺 利彦 、下 中 弥 三郎 、 島 中 雄 三 鈴 木 茂 三郎 等 ヲ創 立 委 員 ニ挙 ケ株 式 募 集
島 中 ニ於 テ計 劃 シ布
出 版 部 ヲ創 立 ス ヘク
リ株 式会 社文 化学 会
大 正 十 二年 八 月中 ヨ
勢 力 ヲ恢 復 セ リ
シ タ ル モ出 獄後 相 当
レタ ル為 一頓 挫 ヲ来
事 件 ニ連 座 収 監 セ ラ
主 幹 堺 カ 日本 共 産 党
十 二年 上 半 期 ニ於 テ
ヲ学 術 的 ニ論 評 紹 介
ヲ宣伝 ス
共 産主 義 ヘキ各 種
シ
シ
我 等 も其 為 め には 出 す 考 てあ る
特 定 ノ主 旨 綱 領 ナ シ 但 シ第 三 イ ン タ ー ナ
パ ンフレ ット
ナ
ナ
来 得 る限 り の力 を 尽
の努 力 を 必 要 と す る
れ る には 凡 ゆ る種 類
新 し い社 会 か実 現 さ
ヲ発 行 スル ノ ミ
定 期 ニパ ンフ レ ツト
宣 伝 ニ使 セ ンタ メ不
共産主義 リ共 産 主 義 的 思 想 ノ
共産主義
共産主義
シ ヨナ ルト 密接 ナ ル 連 絡 ヲ有 ス
世 界 凡 テ ノ人種 ヲ シ
共産主義 テ文 化 人 タ ラ シ ム ヘ 文化運動 ク社 会制 度 経 済 組 織 ノ根 本的 改 造 ニア リ
P C 会
早大社会 科学研究 会
借 家 人 同盟組合
牛 込区 南榎町五 七
府下戸塚 町 早稲田大 学内
四谷区 荒木町 八 支部 十八 ケ所
三日
市内 外 ニ 亙 ル 一部 借 家人 共産主義 千五百八 十三名
震 災 後 ノ児 童 教 育 及 震災 ノ児 童 ニ影 響 セ
を磨 かね ば な ら ぬ 、 云々
特 定 セ ル主旨 綱 領 ナ キ モ無 産 階 級 ノ借 家 人 ニ ヨリ弱 キ個 々 ノ 私 共 ヲ強 カ ラ シ ム ル モノ ハ只 団 結 ア ルノ ミ ナ ル コト ヲ宣 言 ス
生活 運動
糾 を 重 ね よ う と し て 早稲 田大 三百名 早 大教授 共産主義 居 る此 の形 勢 に応 じ 学新聞 ヲ て吾 等 は 吾 々 の頭 脳 利用 ス 及学 生
を 極 め 社会 状 態 は紛
社 会事 情 は益 々複 雑
ヲ掲 ケ ス
ル モ特 定 ノ主 義 綱 領
大正十 二 ル心理 状 態 等 ヲ調 査 十 五名 年 思想運動 共産主義 シ社会 教 化 事 業 ノ研 文化運動 究 ヲ為 スヲ目 的 ト ス 者及文士 十 一月 廿
大正十三 年 五月十日
大正十年 ︹一字アキ︺ 四月 日
ヲ開 始 シ タ ル モ応 募
曜 日定 例
一第 三 月
月 二 回第
学 ヲパ ンフ レ ツト ヽ
考 ニ資 ス ル為 メ童 話
開 キ児 童 教 育 上 ノ参
創 立 以来 数 度 例 会 ヲ
ニア リ
少 ナ ク不 成 立 ノ状 況
会 ヲ開 ク
耶 ニ終 リ 五月 初 フ エ
申 合 セタ ル モ有 耶 無
創 立 以来
ヲ開 キ タ
数 回例 会
レ テ以来 殆 ント有 名
ビ ア ン協 会 組 織 セラ
新 居 格 シ テ発 行 スル コト ヲ 島中 雄 三 村松 正 俊
ル モ格 別
リ
ノ糾 合 ヲ計 リ ツ ヽア
常 ニ市 内 外 ニ集 会 ヲ 布 施 辰 治 開 キ自 派 組 合 ノ宣 伝 黒 田 寿 男 ニ勉 ム ルト共 ニ会員 中 田 惣 寿 中村 高 一 神道 寛次
同校教授、平林初之 輔 ( 特要甲) 大 山郁 夫、北沢新次郎等 ノ 大 山 郁 夫 講演 ヲ聴 取 シ最近 ニ 北沢新次郎 至 リテ ハ軍事教育案 井上 道 人 並 ニ社会科学研究会 戸 叶 武 解散 ニ関 シ反対運動 継続中
無 実 ノ状 態 ナ リ
ノ コト ナ シ
同校内 ニ
シ主 義 ノ
時 々会 合
研 究 ニ余
念 ナシ
各所支部 等 ニテ演 説会 ヲ開 キ家主 ヲ 攻撃 シ無 産者借家
一、三七
村戸越
府下平塚
小石川 区 原町 東洋大学 内
芝区 日 本 新桜田町 フ エビ ア 一九 ン 協 会 山崎今朝 弥方
東洋大学 社会思想 研 究 会
黒 幽会
二
大正十三 五 月 一日
年
大正十 三 年 五月四日
大正十二 年 五 月 一日
云々
テ取 扱 ハレタ ル時 代
社 会 主義 ハ空 想 ト シ
態度
ナ
ナ
シ
シ
人 ノ団 結
ヽアリ
ヲ叫 ヒ ツ
ナ
ナ
シ
シ
講演会講 ハ過 キ タ 社 会 主 義 習会等 ノ 人 類 ハ今 社会 主 義 カ 研 究 及 パ 名 ニ於 テ 思想家及 主 張 ス ル提 案 ノ採 否 ン フ レ ツ 頻 々集会 文 士 ニ ヨ 社会主義 ヲ決 ス ヘキ時 ニ臨 ン ト 我 等 の ヲ開 キ主 リ組 織 ス テ居 ル故 ニ吾 々 ハ此 義宣伝 ヲ 為ス ニ於 テ検 討 セネ ハナ
ノ提 案 ヲ実 行 的 方 面
ラ ヌ云 々
一定 ノ モ ノ ナ シ
飽 迄経済学 ノ学術的 三十五名 東洋大学 共産 主義 研究 ヲ標榜 シ 一定 ノ 生及教授 主義綱領 ナシ
約 二十名 労 働 者 共産主義
泉
忠
山崎今朝弥 創 立 以 来 主 ト シ テ労 石川 三四郎 働 組 合 ニ対 シ主 義 的 安 部 磯 雄 教 化 運 動 ヲ継 続 シ ツ 新 居 格 岩佐作 太郎 松下 芳男
ヽア リ
創 立 以来 数 回 思 想 講 千 葉 亀雄 演 会 ヲ開 キ タ ル モ学 関 栄 吉 校 当 局 ヨリ不 穏 ト認 赤 神 良 譲 メ会ノ 解 散 ヲ命 セ ラ 古 川 時 雄 レ六 月十 四 日 一先 解 鴇 沢幸 二 能 知修 弥
散 セリ但 シ同 人 等 ニ
於 テ ハ名 儀 ヲ変 更 シ 中 俣 暁 一 再 興 計劃 中
山田作 松 泰
ニ出 ツ ル コト ア ル モ 根 津
時 々主義 宣 伝的 行動
荒木 秀雄
常 ニ団 体 名 ヲ使 用 シ 半 沢 公 吉
所 謂 資 本 家 ヨリ金銭
ノ強 制 ヲ為 シ ツ ヽア 畠 山 清 行 リ 原 田利 久
啓 明 会
政治研究 会 城北支部
経 済 学 研 究 会
府下 巣鴨 町字宮仲 二、三二 三 関根 悦郎 方
府下日暮 一、三 六
里町金杉 八
立教大学 内
大正 八年 八月四日
大正十三 年 ︹一字 アキ︺ 十月 日
大正十二 年 ︹一字 アキ︺ 三月 日
凡 テ教 員 人道的 ヲ 以 テ組 社会主 義 織 ス
吾 等 ハ真 人 間 ノ生 活 ヲ基 調 ト ス ル社 会 生 ル故 ニ公 正 ナ ル人 間
活 ノ実 現 ヲ理 想 ト ス 一切 ノ要 求 ヲ肯 定 シ 公平 ナ ル凡 テ ノ社 会 的存 在 ヲ理想 ト シ障 害 タ ル ヘキ 一切不 合 理 不 自然 ノ組 織 、慣
スル
習 、思 想 ヲ極 力 排 斥
政 治 研究 会 ノ主 旨 ヲ ヨリ凡 ユ ル政 治 及 社
汲 ミ無 産階 級 ノ立 場
シ テ 日本 社会 ノ合 理
文化運動
ナ
シ
約十名 会 問 題 ヲ調 査 研究 シ 弁護士其 之 カ対 策 ヲ確 立 シ以 政治研究 他智識階 共産主義 テ無 産 大衆 ヲ基 調 ト 級者 的 改 造 ヲ促 進 ス ル ヲ 以 テ目 的 ト ス
特 定 セ ル主旨 綱領 ナ ク単 ニ経済 学 ノ研 究 立教 大学 共産主義 ヲ標 榜 ス ル モ内容 ニ 生
ナ
ナ
シ
シ
福 田徳 三 大内兵衛 猪俣津南 雄河 西太 一郎等 ヨ
大 正 十 二年 九 月震 災
後下 中 弥 三郎 神 戸 ニ
平 吉 辰雄 西 田宮士
哲 落 合 一夫
転 住 シ テ ヨリ久 シ ク 下中弥 三郎 行 動 見 ル ヘキ モノ ナ 関 根 悦 郎 田中惣 五郎 河 合 仁
カ リ シ カ最 近 同 人 ヨ
リ ﹁啓 明会 ニ就 テ﹂
ニ郵 送 シ タ リ
ナ ル印 刷 物 ヲ各 方 面
キ行 動 ナ シ
陶山 俊雄 浅谷甚八
創 立 以 来 未 タ見 ル ヘ 片 山
シ
格 別 見 ル ヘキ モノ ナ
戦闘文芸 聯 盟
大正十三 年 四月十六 日
牛込区 大正十三 山伏町 一 年 山本伊津 七 月 一日 雄方
府下荏原 郡 入新井 マル ク ス 宿 一、〇 協 会 二九 西雅雄方
思想問題
リ経済 学
義
シ
シ
休 日 ヲ除
ナ
ナ
ツ ヽア リ
シ研 究 シ
等 ヲ聴 講
ナリ
戦闘文芸 部 ヲ発 行
初 号 一千
於 テ ハ思 想 研究 団 体
本 聯 盟 ハ階 級 意 識 ノ 高 潮 ヲ以 テ当 面 ノ目 的 ト シ従 来 ノブ ルジ
主
マル ク ス
為休刊中
金不足 ノ
ヨア階級 的 思想 ニ基 十名 シタ ル モ ツ ク改良 運動 ヲ否 定 早稲 田高 禁止処分 共 産 主 義 シ 一切 ノ解 決 ハ無 産 等学院学 ニ附 セラ 階 級 ノ革 命 ニ ヨリ テ レ其 後 資 生 ノ ミ ナ サ ル ヽ コト ヲ 主 張 シ且 ツ 一切 ノ宗 教 ヲ否定 ス ル云 々
第 三 イ ンタ ー ナ シ ヨ ナ ルト連 絡 ヲ採 リ専 約 二十名 思 想 家 共産主義 ラ共 産 主義 ノ宣 伝 ヲ 目 的 ト シ特 ニ主義 綱 及 文 士 領 ヲ定 メ ス
ナシ 但 シ主 催 学 生等 ノ目
無 産 階 級 解 放 運動 ニ
於 テ ノ戦 野 ニ於 テ文
芸 戦 線 ヲ負 担 シ専 ラ
ヲ為 ス ヘク機 関 紙 ヲ
文 芸 ニ依 リ主義 宣 伝
発 行 セ シ モ初 号 禁 止
処 分 セ ラ レ為 爾 後 休
刊中
前 赤 旗 社 ニシ テ同 人
等 カ共 産 党 事 件 ニ連
座 収 監 セ ラ レ タ ル為
機 関 紙 ﹁階級 戦 ﹂ ハ
日限 リ廃 刊 ノ止 ムナ
大 正 十 三 年 一月 三 十
キ ニ至 リ自 然 解散 ノ
状 態 ナ リ シ カ保 釈 出
テ再 興 セ リ
獄 後 本 協 会 ノ名 ヲ以
五来 欣 造
早大教授
福 本秀 雄 河西太 一郎
山本伊津雄 橘 恭 鎌 塚義 春 土橋佳 文 岩 沢 武 坂田富 三郎 中 野 静 根津憲三 岩 崎 一 佐川 清親
山 川 均 堺 利 彦 西 雅 雄 上 田茂樹 高 橋 貞樹 青 野季 吉 高 橋亀 吉 田所 輝明 市川正 一 高津 正道
早稲 田大 学読書会
文芸戦線 社
(三)
府下戸塚 町 早稲 田大 学内
府下代 々 幡町字代 々木 山谷 四二五 金子洋文 方
三
的 ト ス ル処 ハ震災 後 外 面 的 ニ社 会 運動 家
綱
領
芸 術 上 ノ共 同 戦 線 ニ 立 ツ
旨
ナ
シ
其 状 況
機関紙及
及 行 動 ハ自 由 テ ア ル 約 二十名 思 想 家 共産 主義 此 意 味 ニ於 テ吾 々 ハ 文芸戦線 此 解 放 運 動 ノ為 メ ニ 及文 士
於 ケ ル各 個 人 ノ思 想
無産階級解放運動 ニ
チ ヤ ー ノ養 成 ニア リ
新 シキ イ ンテ リゲ ン
大正十三 約 七十名 ノ影 ヲ潜 メ タ ル ノ観 年 早 大教授 社会主義 ア ルヲ慨 シ新 シ キ思 五月五 日 及 学 生 想 家 新 シ キ リ ーダ ー、
大正十 三 年 六月 五日
創 立 年
主
ツ ヽア リ
シ テ文 芸 ニ依 リ智 識
前 種 蒔 キ社 ノ後 身 ニ
階 級 ヲ対 象 ト シ テ主
リ
視
庁
義 宣伝 ヲ ナ シ ツ ヽア
警
動
氏
名
中 心人 物
金 子洋文 村松 正 俊 青野 季 吉
クノ外 毎 林 葵未 夫 日 一時 間 安部 磯 雄 安部 磯雄 若 ク ハ二 大 山郁 夫 重 富 卓 林 崎 好徳 時 間 宛 各 国家社会主義者 一衛 講 師 ヨリ 高畠 素 之 原 服 部 敬雄 聴 講 シ ツ 等 ヲ講師 トシ各種思 想問題 ニ関 シ聴講 シ 青 山 与 平
シ
ヽア リ
ナ
機関集会
行
及其状況
彩
ニツ キ協
色 月
議 ヲ ナ ス 置 シ又 ハ設置計劃中
日
吾人 ハ教育勅語 ヲ奉 約 五〇 〇 戴 シ苟 モ吾カ国体 ト 名 相容 レサ ル思想防遏 大正 八年 ︹一 字不明︺ 予 後 備 軍 国家主義 シ政界腐敗 ヲ予防 シ 男 十 二月 □ 人 並 一 般 労働者 ノ悪風 ヲ矯 正 毎月発行 日 シ資本 家 ノ横暴 ヲ抑 制 シ国際的経済戦 ノ
会員 数 及 其 種 類
国 家 主 義 其 他 ノ保 守 団 体 調 表
事 務 所 所在 地 支 部 所在 地
称
名
表 町 一ノ
赤 坂 区
大 日本 国粋 会 関東本部
人 ヨリ組
木 田伊之助 其本部 ニ 本会 ハ無料宿泊所無 金 子政 吉 屡 々幹 部 料相談 所等 ヲ設置 シ 梅津勘兵衛 等集合 シ 会 ノ採 ル 各方面 ニ宣伝 シ群馬 、金 井 米 吉 ヘキ方 針 山梨、千葉各 県下及 篠 信 太 郎 八王子市 ニ支部 ヲ設 中 村 三 吉 佐藤房 隆 織 ス
恢 弘会
赤 化 防 止 団
皇 国 至誠 団
麹 町区 九段 偕行 社
赤 坂 区 溜池町二
小石川区 大塚窪町 三
大正十三 年 四月 三日
約 一八 〇 名 予 後 備 軍 国家主義 人 ヲ以 テ ス
一般 人
優 勝 ヲ期 ス
明 治 天 皇ノ 御遺 徳 ヲ 顕 揚 シ今 上 陛 下 ノ聖 旨 ヲ奉 戴 シ国 民 精 神 ヲ作 興 シ時 弊 ヲ矯 正 シ以 テ国 体 ノ精 華 ヲ 発 起 セ ン コト ヲ期 ス
国 家 生活 ノ幸 福 ヲ享 ノ危険 思 想 ヲ防遏 シ
受 セ ンカ為 メ ニ凡 テ 国 民性 ノ発揚 ヲ期 ス
物 質的 方 面 ヨリ シ テ 心 理的 善導 ヲ遂 ケ ン トス ( 中略) 自 暴 自 棄 ノ傾 向 ア ル
ニ思 想 ヲ向 上 変 転 セ シメ高 尚 優 美 ナ ル大
約五〇名 細 民 ノ心 理 ヲ刺 戟 シ 政治家及 国家主義 発 奮 的 勤 倹 努 力 主義
大 正十 一 約 三〇名 年 弁護士及 国家主義 十 一月 三 政治的運 動者 日
大正十 一 年 ︹一字 アキ︺ 八月 日
和 民 族 ノ本 性 ヲ涵 養 シ国 民 ノ世 界 的 発 展 ヲ助 成 セ ント ス
会
ナ
ナ
館
シ
シ
外特記事 項 ナシ
時 々借 行
ツ ヽアリ
無頼 漢 的 行 動 ニ堕 シ
受 セ ント ス ル等 漸 次
一戸 兵 衛 仁田原重行 八代 六郎 木田伊之助
題 風教 問 題等 ヲ捉 ヘ 米村嘉 一郎 テ売名 的 運 動 ヲ為 シ 小笠原省三 其 間巧 ミ ニ金 銭 ヲ収 妹 尾 一 袋井 竜 三 杉 山竹 次
各 種時 事 問 題 思 想 問
リ
社 ニ幹 部 創立以来国民 ノ組織 ノ会 合 ア 的訓練 、軍事教育及 リ テ将 来 社会運動取締法制定 ニ関 シ政府 ニ建議 セ
キ協 議 シ
事 業 ニツ
シ
シ
居 レリ
ナ
ナ
宮内多 吉 稲 村新 六 特 記 ス ヘキ行動 ナ シ 西 端 学 高 野直 治 鳩 山 一郎
大 和 民労 会
大 日本 国民思想 善 導 会
縦 横 倶 楽 部
大 正十 三 年 ︹一字 アキ︺ 一月 日
約
一、五 〇〇名 早 稲 田大
治家等
役軍人政
主 ト シ退
︹一字アキ︺ 学 校 友 ヲ 六月 日
大正八年
国家改 良主義
約 一〇〇名 学 者 国家主義 政 治 家 及 一般人
約 五、 〇 府下上目 〇〇名 黒 五七 一 大 正 十年 学者政治 各地方 ニ 一月 三 十 家退役軍 国家主義 支部設置 日 人及土木 中 建築請負 業者
牛 込 区 弁 天 町 九三
府下戸塚 町字下戸 塚 五 一〇 各府県下 ニ亙 リ支 部十五 ヲ 有ス
皇 室 中 心 主義 ヲ旨 ト シ不 偏 不 党 苟 モ正義 ニ反 シ人 道 ニ乖 ル コ ト ナ ク強 キ ヲ侍 ンテ キ弱 キ カ為 メ ニ虐 ケ
邪 ナ ル モノ ヲ必 ス挫
ス助 ケ 興 ス ヲ目的 ト
ラ レ テ居 ル モ ノ ヲ必 ス
教 育勅 語 戊申 詔 書精
民
労
進 むべき
神 作 興 ニ関 ス ル詔 書 聖 教 ノ旨 ヲ奉 戴 シ国
シ
道
ナ
民 思 想 ノ善導 及 国 民 生 活 ノ安 固 ヲ図 ルヲ 以 テ目的 ト ス
日 本国 体 ノ原 理 ヲ宣 明 シ皇 道 ヲ世 界 ニ布 カ ン コト ヲ期 シ人 類 共 存 ノ大 義 ニ基 キ総 テ ノ偏 狭 的 思 想 ヲ撲 滅 セ シ コト ヲ期 ス
大正十二 年九 月 一 日 ノ震 災 ニ ヨリ 一 時 解 散ノ 形式 トナ リ総 務 河 合 徳 三郎 ノ辞 任 ヲ 見 タ ルモ 十 三年 四
シ
シ
月 一日藤 代天放総 務 トナリ 再興 セリ
ナ
ナ
支 那 動 乱 ニ際 シ其 ノ
政局内情調査 ノタメ
タ ル モ資 金 ナ キ タ メ
会 員 ノ渡 支 計 劃 アリ
立消ト ナル
パ ンフ レ ツト等 ヲ発
行 シ主旨 宣伝 ニ力 メ
ツ ヽア リ
大 杉 栄 ヲ殺 害 セ シ甘 粕 大 尉 ノ助命 運動 並 ニ清 浦 内 閣 倒 壊 前 特 権 階級 ノ政 治 執 着 ヲ 非 難 シ且偏 狭 思 想 ノ 排 斥 ト軽 桃 浮 薄 ナ ル 風 潮 ヲ矯 正 セ ント ス ル ノ意 味 ニ於 ケ ル宣 伝ビ ラ ヲ撒 布 セ リ
上杉慎 吉 藤 代 天放 内 地九皐 元 村銕 洲 川野部 正義 田坂 信夫
武 智徳 本 宮 下 重利 武 藤信 次
立 川太 郎
森 伝 柏木 三千二 三枝 準 二 宮 田 普 結城 源 七
青 年 行 進 団
大 化会
日新会
府下目黒 町字中目 黒 一四七八
国家改 良主義
大 震 災 ノ洗 礼 ニ ヨリ 国 家 ハ ヨリ ヨク精 神 的 ニ改 善 セ ラ レ恰 ク 新 文 化 ノ曙 光 ヲ看 ン
シ
急
ナ
月 一回 発
進 解 セ シ メ以 テ日本 ノ
行 三、 〇〇
ル根 本 的 勢 力 タ ルヲ 目 的 ト シ奴 隷 的 日本
〇
題 ハ国 家 ヲ中 心 ト シ
凡 テ政 治 思 想 社 会問
論 ヲ排 斥 ス
時 ニ欧米 思 想的 革 命
ノ旧 思 想 ヲ排 斥 シ同
合 理 的 改 造 ヲ断 行 ス
的 使 命 ヲ 全 国民 ニ理
本 会 ハ日本 ノ対 世 界
ス
ヲ実 現 セ ン コト ヲ欲
ヨリ恰 ク吾 人 ノ 理想
処 ナ リ 故 ニ各 方 面
約 五〇名 コト ヲ期 待 セリ而 ル 大正十三 政治家学 ニ不 祥事 件 相 ツキ思 年 者等背景 国家主義 想 界 ハ混 乱 シ吾 人 ノ 一月 廿 六 ニ各 大学 転 タ痛 心 ニ堪 ヘサ ル 関係者等 日
大正十三 年 九月十五 日
曙 光容 易 ニ見 ル ヘカ
約 五〇名 テ立 論 セ ラ レ実 行 セ 学 生 及 国家主義 ラ レサ ル ヘカ ラ ス思 都政新報 想 界 ハ混濁 シ清 純 ノ 労働 者
約 一五名 特別要視 牛込区市 大 正 十 三 察 人及政 ケ谷加賀 年 ︹一字アキ︺ 治 運動者 町二ノ五 六 月 日 並 ニ思想 家
牛 込 区 市 ケ谷 台 町二二
ナ
ナ
ナ
シ
シ
シ
岩田冨美夫 茂 木久 平 小 山勝 蔵 山中利 一 鈴 木藤 吉
木下善次郎 格 別 行動 ノ見 ル ヘキ 山 本 敏 夫 佐藤 忠 治 江 尻 澄
モ ノナ シ
這 次 ノ支那動乱 ニ対 シ支那 ノ政 局内情捜 査ノ為 メ大正十 三年 九月三十日同志橋本 善吉並 ニ岩田冨美 夫 渡支 シタリ
附 属 事 業 ノ 一ツ タ ル 大 沼 晴 直 浜田 泰助 茂
演 武 場 ヲ設 立 シ大 正
十 三年 九 月 震災 後 ハ 阿 部
大西 秋作
一変 愛 国 主 義 者 ト ナ 熊 井 幸 治 リ同 団 ヲ組 織 シ名 士 、南 条 四 郎
有 力 者 ヲ訪 問 シ寄附
小石川区 大塚坂下 町 五四
国民思想 善 導 会
経論学盟
府下東大 久保 四四 三 塩田方
四 谷 区 南 寺 町 四二 鈴木勇方
赤化防 止 団 山 ノ手支 部
三 日 会
府下滝 ノ 川町中 里 三九三 野中貞 方
国家改 良主義
ラ ス吾 人 ハ結 束 シ テ 起 タ サ ル ヲ得 ス云 々
国 民思 想 ノ善 導 国 体 ノ為 メ皇 室 中 心 主 義
擁 護 忠 君愛 国 心涵 養 ノ宣 伝鼓 吹 ス ル ヲ以 テ目 的 ト ス
特 定 セ ル主 旨綱 領 ナ シ
ナ シ日本 精 神 ノ研 究 約 一〇名 ヲ為 シ普 ク国 民 ニ此 特別要視 国家主義 ノ主義 ヲ鼓 吹 ス ルヲ 察人及思 以 テ目的 ト ス 想家
皇 室中 心 主 義 ヲ旨 ト
約六〇名 弁護士及 政治運動 国家主義 特 定 ノ主 旨 綱 領 ナ シ 者
重 立者 三名
約 大 正十 三 一〇〇名 年 予後備軍 国家主義 一月 廿 六 人及 一般 人 日
大正十 一 年 十月 ︹一字アキ︺ 日
大正十三 年 五月 ︹一字 アキ︺ 日
大正十 三 年 八月 三日
国
ナ
ナ
ナ
華
シ
シ
シ
ナ
ナ
ナ
シ
シ
シ
毎月三 日
三 日 ヲ例
十 三 日廿
会 日トシ
学者又 ハ
猶太研究
ヲ強 要 シ居 レリ
相馬昌三
由比 光衛 小笠原長生 梨 羽時 起 時 々講 演 会 ヲ開 キ思 堀内文次郎 想 善導 ニ努 メ ツ ヽア 武 田 三 郎 山 口 勝 リ 鈴 木 勇 松井庫之助 松 浦 善助
資 金 其 他 ノ関 係 ヨリ 上杉慎 吉 高畠素之 茂木 久 平
ニ至 ラ ス休 止 ノ状 態
完 全 ナ ル組 織 ヲ見 ル
ニ在 リ
創 立当 時 ヨリ本 部 員
ト別 派 ノ行 動 ヲ採 リ 塩 田 朝 治 井 上卓 弥 妹 尾 一
十 一月中 ヨリ神 洲 双
ノ事 業 ヲ開 始 セ リ
益 社 ナ ル興 信 所 類 似
野 中 貞 西川光次郎 研 究 以 外格 別行 動 ノ 渥 美 勝 沢 田 五郎
見 ル ヘキ モ ノナ シ
神洲義団
早 大 汐 の会
急 進 青年 党
牛込区赤 城下町 八八
大正十 一 年 十 一月 ︹一字 アキ︺ 日
大正十 三
早 大内
牛 込 区
年 二月十 日 五八
原 町 一ノ
本 団 ハ皇 室 ノ尊厳 ト 建 国 ノ大 精 神 ト之 ヨ リ発 スル愛 国 心 ト ヲ
キ コト ヲ誓 盟 ス
戦 ノ第 一線 ニ立 ツ ヘ
ク正義 ヲ把 握 シ思 想
吾 等 ハ日本 精 神 ニ基
ヲ以 テ目的 ト ス
凡 テ ノ者 ヲ糾 弾 ス ル
家 ノ存 立 ヲ危 ク ス ル
鼓 吹 スル タ メ開国 以 約 五〇名 自 由 国家主義 来 ノ国 教 タ ル神祇 道 ヲ宣 伝 ス ルト 共 ニ国 労 働 者
早大生 ノ
国家改 良主義
一部 ニ ヨ 国家主義 リ組 織 ス
約三〇名 思想家 及 労働者
独創的 ニシテ着実 ナ ル改革思想 ノ考究及 普及 ヲ計 リ偽非愛国 者ノ暴行及世紀病 的 新思想家 ノ軽 挙糾 弾 ヲナシ無産労働階級 本位 ノ政治的改革及 経済的確立 ヲ目的 ト ナス
ナ
ナ
ナ
シ
シ
シ
シ研 究 シ
者 等 ヲ聘
シ
シ
シ
ツ ヽア リ
ナ
ナ
ナ
自由 労 働 者 ノ思 想 善
導 ヲ目 的 ト シ時 ニ救
アリ
済 的 事 業 ヲ挙 ケ ツ ヽ
時 々早 大内 ニ於 テ講
演会 ヲ開 キ学 生 ニ対
宮井鐘次郎 大島 斉 鈴 中村 家 久
遠 藤友四郎 森 谷 天洞 入沢吉次郎 野 口 一雄 江 原 一誠
材 満川亀太郎
シ日本 精 神 ノ鼓 吹 ニ 松 永
力 メ ツ ヽア ル モ最 近
ニ在 リ
殆 ト有 名 無 実 ノ状 態
大 正十 三年 二月 十 六
日神 田 区駿 河 台 中 央
仏 教 会 館 ニ其 発 会 演
説 会 ヲ催 ス檄文 数 千
枚 ヲ撒 布 セ リ当 日 ノ 演 説 中 野 口 一雄 外 数
名 ノ弁 士 ノ所 論 不 穏 ト認 メ中 止 ヲ命 セ ラ レ騒 擾 裡 ニ自 然 解 散
大 行 社
護 皇 会
皇国擁護 同 志 会
府下東大 久保 四三 三
府下西大 久保 一六
大正十 三 年 六月六 日
大正十三 年 六月 二十 日
牛 込 区 原 大正十三 野 二ノ 一 年 八 八月廿九 日 吉岡方
約 一五 名 無頼 ノ徒
国家改 良主義
約 二〇〇 名 土木及 土 木請負業 国家主義 並 ニ政治 家
一定 ノ モ ノ ナ シ
皇 室 中 心 主義 ヲ奉 体 シ国 力 ノ充 実 並 ニ国
ナ
ナ
シ
シ
ナ
シ
二期 ニ総
毎年春秋
会 ヲ開 キ
キ協 議 ヲ
ナ
シ
ナ ス筈
会 務 ニ就
シ
トス
ナ
威 ヲ発 揚 スル ヲ目的
本会 ハ混乱 セ ル思 想 界 ヲ革 正 シ テ聖 日本 約 一〇名 国家主義 ノ精 華 ヲ発 揚 セ ン コ 無頼 ノ徒 ト ヲ期 ス
シタ リ其 後 見 ル ヘキ
行動 ナ シ
シ テ貴族 富豪 者 ノ弱
常 ニ大義 名 分 ヲ楯 ト
点 ヲ物 色 指 摘 シ又 ハ
ク ヲ矯 正 ス ル ニ名 ヲ
民 心 ノ軽 佻 浮 薄 ニ趨
藉 リ大 正 十 三年 六 月
ニ闖 入 シ又 同 年 十 月
末 帝 国 ホ テ ル舞踏 場
大 倉 喜 八 郎 ノ米 寿 賀
ヲ試 ム ル等 悪 辣 ナ ル
宴 ニ対 シ妨 害 的 運動
リ
運 動 ヲ継 続 シ ツ ヽア
大 正 十 三年 十 一月博
徒 山 中 伊 三 郎 一派 ト
ノ襲 撃 ヲ受 ケ発 砲 等
紛 議 ヲ起 シ山中 一派
不穏 ノ挙 ニ出 テ シカ
ニ ヨリ解決 シタ リ
結 局 山 中 一派 ノ詑 状
大 正 十 三年 九 月 一日 ﹁ 皇 国 ノ基 礎 ヲ危 ク
清 水行之 助 森 繁 蔵 麻生 延男 上山喜志雄 上村市之 丞 竹 内 勘助
真
中 山忠 治
吉 岡
セ ント ス ル危 険 思 想 郡 司剛 夫 ノ撲滅 ヲ期 セ﹂ 云 々 ノ檄 文 ヲ撒 布 シタ リ
国 粋 会 関東本部 八王子支 部
国 本 社
聖 日本 学 会
府下八王 子市南町 一番 地 滝瀬新蔵 方
チ任侠 ヲ以 テ本 領 ト
本 会 ハ意 気 ヲ以 テ立 ス ル者 ノ集 団 ナリ皇
約 三〇〇 室 ヲ中 心 ト シ普 ク同 大正十三 名 志 ヲ糾合 シ緩 急 ニ応 年 十 一月 博 徒 及 国家主義 シ奉 公 ノ実 ヲ挙 ク ル 一般 人 十 二日
ハ勿 論 平 素 ニ於 テ ハ 本 部 ノ宣 言 書 ニ ヨリ 行動 ス
本会 ハ ﹁ 神 聖 日本 ﹂ ノ 大 精 神 ヲ究 明 シ ﹁ 神 聖 日本 主 義 ﹂ ヲ 高 調普 及 ス ルヲ以 テ 目的ト ス
ナ
シ
二〇 、〇〇
毎 月 一回
聖 日本
約 国 本 麹 町 区 大 正十 三 四五〇〇 本 社 ハ国 本 ヲ固 ク シ 毎 月 一回 名 平 河 町 年 国家主義 国 体 ノ精 華 ヲ顕 揚 ス ︹一字アキ︺ 学 四 、五 〇 者 ル ヲ以 テ目的 ト ス 六 ノ五 五月 日 〇 政治家及 一般 人 府 下千駄 ケ谷町原 宿 二二一 大 正 十 三 約 二〇名 年 支部 学者及青 国家主義 茨 城県水 七 月 三十 年等 一日 戸市 上市 馬 口労町 片町
ナ
ナ
ナ
シ
シ
シ
木住野朝 三 大 正 十 三年 十 一月 十 平林定兵衛 二日 八 王 子市 八 幡 八 小川時太郎 雲 神 社 ニテ結 盟 式 ヲ 城所国 三郎 挙 ケ タリ未 タ特 記 事 小林吉之助 松代 竜 吉 秋 山文太郎
項 ナシ
伊藤 武 夫 稲 葉 一也
田 尻隼 人
平沼騏 一郎 創 立 後未 タ 日浅 キ タ 望 月 茂 メ来 年 度 ヨリ ハ千葉 、 原 嘉 道 大 阪 、 石 川 県 ニ支 部 ヲ設 ケ会 運 ニ資 セ ン 岡 田 忠 彦 樺山資 英 田辺治 道
ト計 劃中
大 正 十 三年 十 二 月 一
日 聖 日本 ヲ発 行 シ会
主義 ノ鼓 吹 ニ勉 ム ル
員 ニ頒 布 シタ ルカ同
タ メ大 正十 四年 度 ヨ
リ ハ市 内 各 小 学 校 舎
ヲ借 受 ケ講 演 ヲ ナ ス
筈
集 会 ノ名 称 及 目 的
思 想 問 題 集 会 表
集会 ノ日時 及 場 所
大杉栄歿後 ノ善 後策打合会
(四)
大正十二年 十 一月十八日 午後七時開 〃 十時閉 本郷区駒込片 町 十五 労働 運動社
〃
十 一月二十 三日 午後七時卅分開 〃 十時閉 牛込区神楽坂 町 二ノ 一二 神楽 坂倶楽部
主催者及司会 者並出席者 ノ 主 ナル者
無政府主義者及 干係弁護士並 ニ 関係雑誌社 々長 等
聴衆数及種類
主義者其他思想 研究者等九名
司会者 近藤 憲 二 村木源 次郎 和田久 太郎 山崎今朝弥 岩佐作 太郎 布施 辰治 江 口渙 延島 英 一 改造社 山本実 彦 アルス社 北原 鉄雄 坂 口貫 一
司会者 新 居 格 島中 雄 三 武藤 直治 思想団体組織 ニ 小 泉 鉄 関 スル会合 一氏 義 良 村松 正俊 近江谷 駒 千葉亀 雄 平林初之輔
シ
シ
演 題及弁 士名
ナ
ナ
警
視
庁
集 会 及 取 締 状 況
無政府主義巨頭大杉栄歿後 ノ遺 児 ニ関 スル処置並 ニ大杉 ノ葬 儀及労 働 運動社支持 ニ関 スル打合 ヲ為 シ タ ルモ何等纏 ラス 所轄駒込署 ニ於 テ視察 シタルモ何 等事故 ナシ
ハ後 日決 定 スル コト ヽシ無事 解散
団 体組 織 ノ趣 旨 綱 領 ヲ決 定 シ会則 セリ
タ ル モ何 等 事 故 ナ シ
所 轄 神 楽 坂署 高 等 係 ニ於 テ視 察 シ
十 一月二十四日 正 午 開 午後 五時閉 早稲 田大学 第 二十番教室
十 一月 二十五日 午後 一時開 五時閉 早稲 田大学 第 三十番教室
十 一月 二十 七日 午後 六時卅分開 十時閉 府 下大崎 町字下 大崎二六 八 真宗説教所
社会思想講演会 思想問題 ノ研究 及弁舌練習 ノ為 メ
早稲田大学校雄 弁会 橋本源二郎 布施 辰 治 戸 叶 武
借 家人同盟大崎 支部 長谷川良太郎 泉 留 吉
早大高等学院文 文芸講演会 芸部 文芸思想研究 ノ 秋 田雨 雀 為メ 生 方敏 郎 横 山有 策
借家人同盟講演 会 会務拡張 ノ為 メ
約 三〇〇名 早大生及同校 高等学院 生
二五〇名 全部同院学生
一一〇名 全部附近住民
聴講無料
シ ム ル ニ何 等 事故 ナ シ
所 轄 大 崎 分 署 高 等 係 ヲ シ テ視 察 セ
抗 策 ヲ採 ル
ル場 合 ハ常 ニ講 演 会 ヲ開 キ之 ニ対
チ借 家 人 対 家 主 間 ニ事 端 ヲ生 シタ
市 内 外 支 部 ハ常 ニ本 部 ト聯 絡 ヲ保
聴講無料
シ ム ル ニ何 等 事 故 ナ シ
所轄 戸 塚 分署 高 等 係 ヲシ テ視 察 セ
震災後 ノ法 律問 題 布施 辰 治 日本国民 ノ社会 所轄 戸 塚分 署 高 等 係 ヲ シ テ視 察 取 的訓練 ヲ提唱 ス 締 ニ従事 セ シメ タ ル ニ何 等 事 故 ナ 森下 国 雄 シ 社会運動 ノ 一転 聴 講 無 料 換期 戸 叶 武 其他省略 ス 人類苦 ? 民族 苦? 秋 田雨 雀 滑稽風刺 ニ就 テ 生 方敏 郎 近代英文学 ニ表 ハレタ ル永世思 想 横 山 有策 借 家問題 ノ経過 報告 長谷川良 太郎 人間 ノ最 大慾 ハ 何カ 泉 留 吉 道路改 正 ノ犠牲 者
大正十二年 十 一月二十九 日 午後 二時開 五時半閉 早稲 田大学 甲教室
十 一月二十 九日 帝国大学学芸部
十 一月 三十 日
早大雄弁会 早 大雄弁会 社会問題研究及 橋本源 二郎 弁舌練習 ノ為 メ 戸 叶 武
思想団体社会科 学研究会組織 ノ 為 メ会合
司会者 伊藤 好道 杉 野 忠夫 菊 川 忠雄 久 富達 夫 豊 田久 二 重田 忠保 外九名
思想団体出版 従 司会者 業員組合 解散 ニ 島 中雄 三
一〇〇名 全部同校学生
一五名 思要者其他帝 大新人会
四名 出版従業員組
坂東 保 一 中 田惣寿
無題
シ
シ
開会 ノ辞 橋本源 二郎 我国民 ノ偶像崇 拝 ト反社会諸相 安達正 太郎 朝鮮人虐殺事件 ニ就 テ 金 松 殷 民衆道徳 ノ殻 ヲ 破レ 千 種達 夫 閉会 ノ辞 戸 叶 武
ナ
ナ
ニ名 ヲ藉 リ過 激 ノ言辞 ヲ弄 ス ル コ
毎 月 例 会 ナ ル モ彼 等 ハ常 ニ雄 弁 会
ト多 キ ヲ以 テ所轄 戸 塚分 署 高 等 係
ヲ シ テ視 察 セ シ ム ル ニ何 等 事 故 ナ シ
聴講無料
帝大新人会員 ニシテ思想要視察人 タル伊藤好道杉野忠太等主唱ト ナ リ社会科学研究及之 カ普及 ヲ計 ル 為 メ趣旨書 ヲ発表 シテ同会今 後ノ 行動 ヲ議 シ散会 ス 所轄本富士署高等係 ヲシテ視察 セ シムル ニ事故 ナシ
タ ル団 体 ナ ルカ客 秋 ノ震 火 災 ニ依
本 組 合 ハ印刷 従業 員 ヲ以 テ組 織 シ
リ会員 ノ死 亡 行衛 不 明転 出 者 等 続
小石 川 区 小 日向 台 町 二 ノ 一九
付 テ ノ会合
早大同志社聯合 演説会
島 中 雄 三方
十 二月 一日 正午 開 弁舌練習及社会 思想研究 ノ為 メ
故大杉栄本葬協 議会
午後 五時閉 早稲 田大学 第 二十番教室
十二月二日 午後八時開 十 一時閉 本郷区駒 込片 町 一五 労働 運動社
小川未 明 川 崎春 次 中 川忠 男
司会者 早 大雄弁会 林 達 麿 橋本源 二郎 戸 叶 武 高 橋信 司
司会者 岩 佐作太郎 江 口 渙 村木源次郎 和 田久太郎 佐藤 菱郎 川 口慶助
合幹 部
二〇〇〇名 全部早大生及 同校高等学院 生
二八名 全部主義者
シ
生活嚮導 ノ背反 律 村井英十郎 民衆文化 カ第 一 原理 安達正 太郎 人格超法性純理 高 橋信 司 震災 ニ直面 シテ 永井柳 太郎 其他
ナ
出 シ会 ノ維 持 困難 ヲ来 シ為 メ ニ此
際 一時 組合 ヲ解 散 ス ル コト ニ決 シ
各 支 部 ニ対 シ テ ハ島 中 雄 三之 ヲ担
任 シ解 散 ノ通知 ヲ発 ス ル コト ヽシ
解散 ス
テ視 察 セ シ ム
所轄 小 石 川富 坂警 察 署 高 等 係 ヲ シ
何等事故 ナク解散 ス 所轄戸塚分署高等係 ヲシテ視察 セ シム
聴講無料
日 ニ於 ケ ル役 割 ヲ司 会者 、受 付 、
司 会 者 及 出 席 者協 議 ノ結 果 葬 儀 当
二月 十 六 日午 後 零 時卅 分労 働 運動
会 計 、会 場 係 ニ分 テ葬 儀 順 序 ヲ十
ニ移 ス
社 発 途 中 葬 列 ヲ廃 シ遺 骨 谷中 斎 場
各 団 体 代 表 者 ノ葬 儀 会列 ハ各 委 員
中 ヨリ選 定 ノ予 定 ナ リ シ モ未 定 ノ
儘 ヲ 以 テ散 会 ス
大正十 二年 十二月五日 午 後六時開 九時閉 牛込 区神楽町 二 ノ一一 神楽坂倶楽部
十 二月十 二日 午後 八時開 十 一時閉 府下戸塚町字源 兵衛七六 近藤栄蔵留守宅
十 二月十三日 午後 三時三十分 開 五時三十分 閉 帝国大学 工学部新講堂
PC会協議会 PC会 ノ会則 及 研究材料 ノ発 表 方法協議 ノ為 メ
川崎悦行追悼会
帝大新人会 創立 五周年記念 講演会 弁舌練習及主義 研究 ノ為 メ
司会者 新 居 格 村 松 正俊 一氏 義 良 武藤 直 治 四名 全部 主義者
四〇〇名 全部帝大生
司会者 原沢武之助 高野純三郎 稲村 隆 一 六 名 (以上特要) 全部主義者 木部 正 行 中浜 千 松 権藤 誠 子 (以上思要)
司会者 菊 川 忠雄
ナ
ナ
シ
シ
青年 運動 ニ就 テ 岡 部 一郎 農林 社会問題 ノ 二重性 河田太 一郎 普 通選挙 ト労働 階級 麻 生 久
セ シ メ タ ル モ何等 事 故 ナ シ
所 轄 本 郷 駒 込 署 高 等 係 ヲ シ テ視 察
ノ ヲ決 定 シ研究 材 料 ニ付 テ ハ島 中
会 則 ハ第 一条 ヨリ第 六条 ニ成 ル モ
雄 三 ヲ シ テ機 関 雑 誌 文 化 運 動 ニ掲
載 セ シ ム ル コト ヽシ何 等 事 故 ナ ク
散会 ス
シム
所轄 神 楽 坂署 高 等 係 ヲ シテ視 察 セ
一同喫茶裡 ニ故人川崎悦行 ノ性格 逸話等事故 ナク解散 ス 所轄戸 塚分署高等係 ヲシテ視察 セ シム
上記講演閉会後大学正門前 一向社 ニ会員 四十三名会合懇親会 ヲ開 キ 将来 ノ運動方法 ヲ協議 シタ ルカ何 等具体的方法 ノ確定 ヲ見 ス午後十 時無事散会 ス 所轄本郷本富士署高等係 ヲシテ視 察 セシム
PC会例会 主義 宣伝 ノ為
十 二月十五 日 午後六時開 九時三十分 平沢計 七追悼会 閉 芝 区新桜田町 一 九 山崎今朝弥方
十 二月十七日 午後六時開 十時閉 牛込区神楽町二 ノ十 二 神楽坂倶楽部 借家人同盟大会
ヲ ナ ス為 メ
組合 員 相 互 ノ結
十 二月十七 日 午後六時卅分開 十時閉 芝区芝公園 協 調会館
特別要視察人等 ノ忘年会
共 ニ 一般 ニ宣 伝
ヲ鞏固 ニ ス ルト
束及 組 合 ノ基 礎
十 二月 十 八 日
二〇〇名 全部借家人同 盟組合員
六名
司会者 加藤 勘 十 鈴 木文 治 (以上労要) 二三名 大部分特要 、 思要労要者 ニ テ他 ニ平沢 ノ 実父及妻 子 川 口慶 助 赤 松克 麿 竹 里仲 之 岩佐作太郎 島中 雄 三 中西伊之助 (以上特要)
司会者 島中 雄 三 村松 正 俊 青 野季 吉 佐 々木孝丸 小 泉 鉄 武藤 直 治
司会者 布施辰治
司会者 島中 雄 三
ナ
ナ
シ
シ
開会 ノ辞 中 田惣 寿 挨拶 布 施辰 治
ル後 加 藤 勘 十 ヨリ演 説会 其 他 ノ収
故 人 平 沢 ノ性 格逸 話 ニ時 ヲ過 シタ
益 金 ヲ以 テ故 人 等 ノ遺 稿 ヲ編纂 シ
ヲ得 テ其 実 行 方 法 ハ後 日 ノ協 議 ニ
同 志 ニ頒 布 方 ヲ提 議 シ 一同 ノ賛 同
譲 リ記 念撮 影 ヲ為 シ何 等 事 故 ナ ク
解散 ス シム
所 轄 芝 愛 宕 署 高 等 係 ヲ シ テ視 察 セ
パ ンフ レ ツト 発行 及 其 発 売 方 法 ヲ
児童 教 育 上 ノ参 考 資 料 ト シテ童 話
協 議 シ解 散 セリ
シ メ タ ル ニ何 等事 故 ナ シ
所轄 神 楽 坂署 高等 係 ヲ シテ視 察 セ
布施 辰治 ヲ議 長 ニ推 シ各支部提出 議題及宣言決議 ヲ議 決 シタ ルカ何
等事故 ナ ク解散 ス 所轄芝愛宕署高等係 ヲ シテ視察 セ シム
各労働組合代 表者 ヨリ上記 ノ普選 即行 ニ伴 フ新政党樹 立 ニ関 シ各労
午後六時開 十 一時十分 閉 牛込区上宮比町 一
カ フ ヱー オザ ワ
大正十 二年 十 二月十九 日 午後七時開 十 一時閉 本郷 区駒込千駄 木 町二 一〇 望月桂方
十二月二十 二日 午 後二時 開 四時 三十 分 閉 芝区白金今 里町 四十二 明治学院講 堂
十 二月 二十 二日 午後六時開
普 選即行 ニ伴 フ 新 政党樹 立 ニ付 キ協 議 ヲ為 ス
新 居 松 岡駒 赤松 克 加 藤勘 高橋 亀 其他
司会者 島 中雄 赤松 克 三宅正 藤 森成
格 吉 麿 十 吉
三 麿 一 吉
司会 者 明治学院文芸部
司会者 望 月 桂 無政府主義 者 一 和 田久太郎 派会合 延島英 一 大杉栄歿後 ノ善 川 口慶 助 後処置協 議 ノタ 山本勝之助 メ 長沼 冨 其他
文芸講演会 主義宣伝 ノ為 メ
普 選 即 行 ニ対 ス
二四名 全部 労働組合 員及特要者
一八名 全部無政府 主 義者及同系統 ノ者
一〇 六名 同学院生及専 門学校生徒
一八 名
ナ シ
ナ
シ
シ
秋 田雨 雀
民族意識ト人類 意識
ナ
働 組 合 ト シ テ採 ル ヘキ意 見 ヲ交 換
ラ ス無事 解 散 セ リ
協 議 シ タ ル モ何 等 具 体的 決 定 ニ至
所 轄 牛 込 神 楽 坂 署 高 等 係 ヲ シ テ視
察 セシム
和 田久 太 郎 等 無 政 府 主義 系 ノ運動
分 レ何 等 決 定 ヲ見 ス散 会 ス
方 法 ニ付 協 議 シ タ ル カ意 見 二派 ニ
ム ル ニ何 等 事 故 ナ シ
所 轄 駒 込 署 高 等 係 ヲ シ テ視 察 セ シ
秋 田雨 雀 ハ思 要 者 ニテ殊 ニ当 日 ハ
特 要 平 林 初 之 助 、 宮 島 信 泰 等 モ出
席 ノ予 定 ナ リ シ ヲ 以 テ ( 但 シ当日
出席 セス)
メ タ ル ニ何 等 事 故 ナ ク無 事 解 散 ス
所 轄高 輪 署 高 等 係 ヲ シテ視 察 セ シ
聴 講無 料
集 合 シ タ ル モ ノ ハ全 部 特 別 要 視 察
セ シ ム ル ニ普 選 ニ対 ス ル示威 的 運
人 ナリ シ ヲ以 テ所 轄 署 ヲシ テ視 察
動 ノ可 否論 二派 ニ分 レタ ル モ結 局
十 一時閉 牛込区天神町 東洋経済社
十 二月 二十六 日 午後 七時開 十時 四十分 閉 府下吾嬬町字講 地二五四号在 空 工場
十二月二十 七日 午後六時開 〃 十時閉 府下西巣鴨町池 袋九三〇 建設者同盟本 部 大正十三年 一月七 日 午後六時開 九時閉 京橋 区南小田原 町二ノ 一四 桜非伊 三郎方
ル態度決 定協議 会
借家人同盟講演 会 会員拡張 ノ為 メ
建設社同盟忘年 会
借 家問題講演会 会 務拡 張ノ為 メ
荘 原 近江 谷 青 野季 三輪 寿 其他
達 駒 吉 壮
司会者 森 谷 吉蔵 布施 辰治 泉 留 吉 中 田惣寿 山田作 松
全部主義者
九〇名 附 近住民
一〇〇名 附 近住民
司会者 三宅 正 一 稲村隆 一 八 名 高野純 三郎 全部主義者 宮井 進 一 竹 内 五郎 其他 司会者 布 施 辰治 泉 留 吉 宝 田光 嶺 神 道寛 次 其他
シ
開会 ノ辞 森 谷 吉蔵 無題 布施 辰 治 泉 留 吉 中 田惣 寿 山 田作松
ナ
開会 ノ辞 泉 留 吉 只団結ク ルノミ 宝 田光 嶺 吸血鬼 ヲ倒 セ 森 谷天 洞 無題
無 産 階 級 ノ政 治 智 識 ノ啓 発 ノ為 メ
ト ニ決 定 シタ ル外 何 等 事 故 ナ ク散
研 究会 又 ハ協 議 会 等 ヲ開 催 スル コ
会 セリ
シ所 轄 寺 島 署 ヲシ テ視 察 セ シ メ タ
布 施 辰 治 、山 田 作 松 等 ノ言 動 ニ関
ル ニ何 等 事 故 ナ ク退 散 セ リ
( 聴講無料)
正 一、稲 村 隆 一、 高 野 純 三 郎 等 ノ
全 部 主 義 者 ノ会 合 ニシ テ殊 ニ三宅
シメ タ ル ニ単 ニ酒 食 ノ中 ニ雑 談 ヲ
言 動 ニ付 所 轄 巣 鴨 署 ヲ シ テ視 察 セ
交 ヘタ ルノ ミ ニテ何 等 事 故 ナ ク解 散ス
ニ何 等 事 故 ナ ク散 会 ス
所 轄 署 高 等 係 ヲ シ テ視 察 セ シム ル
( 聴講無料)
大 正十 三年 一月十 二日 午 後六時開 九時閉 深川区元賀 町所 在 小学校内
一月十 四日 午後 二時開 四時閉 早稲 田大学校 甲教室
一月 十 九 日 午 後 六時 開 十 一時閉 浅草区向柳原町 一ノ七 貸 席 やま と
同
右
早大雄弁会講演 会 弁舌練習及主義 宣伝 ノ為 メ
借家問題講演会 会 ノ趣旨宣伝 ノ 為メ
司会者 布施 辰治 神 道 寛次
司会者 戸 叶 武 安達正太郎 古沢磯次郎 池 田菊太郎
五〇名 附 近住民
一八名 全部会員
司会者 布施 辰治 二五〇名 泉 留 吉 附 近住民 神道 寛次 中村 高 一
本 田 某 住宅問題 布 施 辰治
武
布施 辰治
無題
戸 叶
開 会 ノ辞
のゝ類 ひ
水 ご り をと る も 安達正太郎 進 展 と逆 展 と の 古沢磯次郎
巷 は病 む
池 田 菊 太郎
本 音 か政 策 か
開 会 ノ辞 留 吉
同
右
所 轄 署 高 等 係 ヲ シ テ殊 ニ戸 叶 武 、
タ ル ニ何 等 事故 ナ ク退 散 セ リ
安 達 正 太 郎 等 ノ言 動 ヲ視 察 セ シメ
(一般聴講者 一名 モナシ)
所 轄 署 ヲ シテ視 察 セ シ ム ル ニ何 等 悪 法 ヲ毀 セ 神 道 寛 次
( 無料)
事 故 ナ ク散 会 セ リ
泉
調停 サ レテ苦 ム 借家人 中 村 高 一
一月 二十 三日 正午開 午後 三時閉 東京 駅ホテ ル内 精養軒
一月 二十 三日 午後 六時開 十時閉 浅草 区田中町八 七 基督教田中町支 部
一月 三十 日 午後 六時開 十時閉 京橋 区月島 仲通
大 日本青年 国粋 団発会式 国家主義宣伝 ノ 為メ
借家問題講演 会 会 ノ趣旨宣伝 ノ 為メ
借家問題講演会 会務拡張 ノ為 メ
司会者 福 田 徳久 田坂博 園 山田 万平 大木遠 吉 蜷 川博 士 立 花 大将 松 浦中 将 築 紫中 将
司会者 布 施 辰治 泉 留 吉 中 田 惣寿 神 道 寛次
司会者 布 施 辰治 泉 留 吉 黒 田寿男
五〇名 同会賛助員及 中央法政両大 学生其他新聞 記者
四〇〇名 附近住民
四五〇名 附 近住民
帝都復興トバ ラ
シ
留 吉
布 施 辰 治
ツ ク問 題
ナ
泉
開会 ノ辞
セ ヨ
バ ラ ツ ク ヲ死 守
中 田惣寿 悪法 ヲ毀 セ 神道 寛次 帝都 ノ復興 トバ ラツク問 題 布施 辰治
司会者福 田徳久同団 ノ経過報告 及 同団 ノ綱領事業等 ヲ決定後各来賓 ノ祝詞 アリ 天皇陛下摂政殿下 ノ万歳 ヲ三唱 シ 無事散会 セリ 所轄署高等係 ヲシテ視察 セシム
所轄署 ヲシテ視察 セシム無事散会 聴講無料
開会 ノ辞 泉 留 吉 帝都復興トバ ラ 所轄 署 ヲ シテ視 察 セ シ ム ル ニ何 等 ツク問題 布 施 辰 治 事故 ナシ
三 ノ八 月島演 芸会
大正十三年 二月 二日 午後 一時開 五時 四十分 閉 府下大久保町東 大久保 四 一二 東 京医学専門学 校内
二月三日 午後七時開 十時卅分閉 府下西巣鴨町九 三〇 建設者同盟本部
二月 一日 四時 四十 分
午 後 一時 開
高山治郎市
五〇〇名 全部学生
司会者 田 崎 文 意 二五〇名 奥村 粧 一 全部 学生
司会者 高野純 三郎 ( 以上特要) 一五名 宮井 進 一 主義者及早大 竹内 五郎 生 伊藤 光治 ( 以上思要) 其他早大生
司会者 矢 沢悌 二 永 島 又夫 各大学専門 学校 西 周 雄 小林安 義 聯合雄弁会 主義 宣伝 ノ為 メ 阿 部智 達 小林 太三郎 三宅保 吉 其他
建設者同盟研究 会 主義研究 ノ為 メ
各大学専門 学校 聯合雄弁会
借家争議 ノ真意 黒 田寿 男 高山治郎市
無題
シ
唯物主観 ト倫理 学 永 島 又夫 廃 娼運動 ノ明 日 ヘノ 一考案 西 周 雄 人類社会 ノ真相 阿 部智 達 自覚 セヨ 三宅 保男 其他
ナ
精神生活改造 ノ 要素 田 崎文意 途上偶感
( 聴講無料)
ル ニ所 論 何 レ モ過激 ニ渉 リ タ ル モ
所 轄 署 高 等 係 ヲ シ テ視 察 セ シメ タ
何 等 事 故 ナ ク解 散 セリ
( 聴 講無料)
ル労 働 問 題 ノ講 演 ヲ為 シ タ ル外 他
早 大 講 師蝋 山 政 道 ヨリ英 国 ニ於 ケ
ニ何 等 事 故 ナ シ
( 聴講無料)
所 轄 署 高 等 係 ヲ シ テ視 察 セ シ ム
ル ニ何 等 事 故 ナ シ
所轄 署高 等 係 ヲ シテ視 察 セ シ メ タ
閉 府 下渋谷町青山 南 町七 ノ 一 青 山学院内
二月九 日 午後零時 三十分 開 午 後五時 二十分 閉 早 大高等学院第 八番教室
二月九日 午後六時 開 十時閉 浅 草区今戸町 八 六所在
前 前
弁舌練習及主義 研究 ノ為 メ
同 同
借家問題講演会 会務拡張 ノ為
能 勢義 一 花 香 恭胤
司会者 河子島俊治 山本 泰教 ︹マ マ ︺
押 野義 夫 戸 叶 武 野 口静雄 高 橋 和盛 其他
司会者 布施 辰治 戸 谷初 五郎 泉 留 吉 黒 田寿男
一〇〇名 全部学生
四〇〇名 附近住民
花 香 恭胤
勇 男
前
(聴講無料)
何等事故 ナシ
署 高 等 係 ヲ シ テ視 察 セ シ メ タ ル ニ
特 要 黒 田寿 男 ノ言 動 ニ付 特 ニ所 轄
同
奥 村 粧 一 学 生 ノ外 一般 ノ モノ ヽ入場 ヲ許 サ 偶感 ス 能 勢義 一 労働神聖論 ニ対 スル 一考察
我 レ愛 国的 巨 人 河 子島 俊 治
ノ出 現 ヲ待 ツ
押 野 芳 夫
︹マ マ︺
農 民 ノ自覚 ヲ促 ス
武
学 生 運動 ノ社 会 戸 叶
的進展
野 口 静 雄
追憶 ノレーニン
芝
ロシ ヤ ヲ顧 ミ テ 其他
開会 ノ辞 戸 谷初 五郎 団結 ハ力ナリ 泉 留 吉 借家争議 ノ真意 義 黒 田寿男
バ ラ ツ ク内
大正十 三年 二月十 四日 午後 六時開 十 一時十分 閉 神 田区錦 町 一ノ 一四 松本亭
二月十五日 午後七時開 十時十分閉 深川区東大工町 三三 日下部松 五郎方
二月十六日 午後七時 開 八時 十五分 閉
借家問題講 演会 会勢拡張 ノタメ
同 前 同 前
急進青年党発会 講演会 国家社会主義宣 伝 ノタメ
司会者 布施 辰 治 成 瀬 渡 泉 留 吉 中 田 惣寿 神 道 寛次 久家樵山 其他
司会者 同 右
司会者 入沢吉次郎 椋 本 運雄 宮村 江東 駒井情 太郎
三〇〇名 家主 三分 借家人七分
二三〇名 附近労働者
七〇名 学生 五分労働 者 五分
布施 辰 治
帝都復興トバ ラ ツク問題
無題 泉 留 吉 中 田惣 寿 神 道 寛次 久家樵 山 湯川 勇吉 布施 辰治 吉瀬才 一郎
留 吉 黒 田 寿 男
泉
団 結 ハ力 ナ リ 無題 バ ラ ツ ク ヲ死 守 中 田 惣 寿
セヨ 帝都復興 トバラ 布 施 辰 治
ツ ク問 題
世界政 局ト日本 青年 野 口 一雄 民衆 ノ日本建 設 宮村 江 東 民衆本位 ノ普 選
ニ何 等 事 故 ナ シ
所 轄 署 高 等 係 ヲ シ テ視 察 セ シ ム ル
聴講無料
同 前
森谷吉 蔵 ノ開 会 ノ辞ニ 次デ 椋 本 運
雄 会 ノ宣 言 綱 領 ヲ朗 読 シ次 テ演 説
谷新 三郎 、 宮 村 江 東 、 椋 本 運 雄 、
会 ニ移 リ タ ルカ内 、野 口 一雄 、 岩
ル モノ ト シテ中 止 ヲ命 シ遠 島 哲 男
山 田作 松 等 論 旨 何 レ モ治 安 ニ害 ア
神田区通神保町 一
中央仏教会館
二月十六 日 午後 一時卅分開 六時十五分 閉 早大第三十番教 室
二月十六 日 午後 一時開 二時閉 早 大高等学院第 八教室
早大卒業生送別 演説会
早大基督教青年 会講演会 主義研究 ノ為 メ
野 口 一雄 下村利 一 加 藤 昇 其他
司会者 高 田敏 雄 稲 富稜 人 境 一雄 広瀬 良 司 橋本千代雄 北山亥四三 古沢浅次郎 其他
司会者 早大基督教青 年会
四〇〇 名 全部同校学生
二五〇名 全高等学院生
制 入沢吉次郎 自然 ノ力ト人間 ノ醜 態 遠 島哲 男 其他 フラ ンス革命 ヲ 回顧 シテ 稲 富稜 人 牙城 ヲ守 リテ 広瀬 良 司 闘争的解散 北山亥 四三 行 き詰 れる現実 を見 て 渡辺利太郎 闘争 ヘノ門出 馬場健次郎 其他
東洋 ニ於 ケ ル日 本 ノ地位 吉野作 造
震災 ニ関 スル統 計調査
ノ演 説 中 場 内 喧 噪 ニ亙 リ タ ル ヲ以
テ弁 士 ノ演 説 中 止 ヲ命 シ集 会 ノ解
散 ヲ命 シ タ リ
所 轄 署 ヨリ ハ臨 監 警 部 ノ外制 私 服
警 察 官 ヲ配 シ警 戒 視 察 ス
ニ何 等 異状 ナ シ
所 轄 署 高 等 係 ヲ シ テ視 察 セ シ ム ル
聴講 料 ナ シ
シメス
但 シ学 生 ノ外 一般 ノ モノ ヲ入 場 セ
ニ何 等 異 状 ナ シ
所 轄 署 高 等 係 ヲ シ テ視 察 セ シ ム ル
聴講料 ナシ
大正十三年 二月十七 日 午後 一時開 六時十分閉 芝区芝公園 協調会館
二月十六日 午 後 一時開 五時閉 芝 区芝公園 協 調会館
二月二十 日 午 後六時開 十時 三十分閉 下 谷区竹 町十 二 寄席 六三亭
二月二十 四日 午後 六時開 十時十分閉
同
社会政策学会第 十七回大会 震災後 ノ社会政 策研究会
右
借家人同盟下谷 支部発会式
借家問題講演会 会勢拡張 ノ為 メ
五五名 学生 及会社員
保険 ト復興 森 荘 三郎 財政 ト復興問題 宇都宮 鼎
司会者 社会学会 高城仏次郎
二階堂保側 復興雑感 福 田徳 三 帝都復興 ノ基礎 タ ル築港問題 堀 児夐 復興 ト土地政策 渡 辺鉄 蔵
六五名 学生及会社員
其他
司会者 右 同
五五〇名 附 近住民
右
右
同
同
同
前
( 聴講無料)
ル ニ何 等 異 状 ナ シ
清
所 轄 署 高 等 係 ヲ シ テ視 察 セ シメ タ
村 田
開会 ノ辞 森 谷 吉蔵
開会 ノ辞 中 田惣寿 無題 水谷国太郎 佐藤 忠蔵 バ ラツク ハ帝都 復興 ノ華 布施 辰治
一三〇名 附近住民
無題
司会者 布 施 辰治 松 永 豊吉 中 田惣寿 泉 留 吉 水 谷国太郎 司会者 布 施 辰治 松 永 豊吉 中 田 惣寿
京橋区南 小田原 町二 ノ 一四 桜井伊三郎方 二月 二十五日 午後六時開 十時 卅分閉 深川区黒 江町 一 九 聖校 主教会
二月 二十六 日 午後六時開 十時三十分 閉 京橋 区月島仲通 演芸館
二月 二十九 日 十時 三十分
午後六時開 同 閉 府 下隅 田町 五 一 九 隅 田館
泉 留 吉 神道 寛 次 布施 辰 治
右
同
同
同
右
右
右
泉 留 吉 水谷国太郎
四 二〇名 附 近住民
同
右
演 題 及 弁 士 ノ氏
司会者 同 右
六〇〇名 附近住民
同
テ省 略
ト同 様 ナ ル ヲ以
右
二五〇名 附近住民
名 ハ従来 ノ モノ
同
右
右
同 右
同
同
右
同
特別要視察人等 ノ会合 主義研究 ノ為 メ
司会者
司会者 佐野袈裟美 島中 雄 三 蝋山 政 道 秋 田雨 雀 麻 生 久 高橋 亀 吉 丸岡 重堯 其他
大正十三年
従来 ト同 一目的
借家問題講演会
午後七時開
三 月 十 一日
二月 二十九日 午後七時開 同 十時閉 牛込区天神町六 東洋経済新報 社
十 時 卅 分閉
稲村 隆 一
利彦 故 川崎 悦行追悼
西
其他
仲宗根貞代 三宅 正 一
雅 雄
会
堺
仲宗根源 和
司会者
前 掲 ノ通 リ
下 谷 区 池 ノ端 仲 町 池 ノ端 マーケ ツ ト跡
三月十二日 十時閉
午後六時開 牛込区矢来町所 在 矢来倶楽部
一五名 全 部主義者
一〇〇名 全 部附 近住民
一四〇名 全部主義者
英国政府 ノ実状 本邦政情 トノ比 較論評 蝋山 政 道
清
前 掲 ノ通 リ
開会 ノ辞 高 瀬
浦 田武 雄
所感 徳 田球 一 秋 田雨 雀 堺 利 彦 其他
集 合 シ タ ル モ ノ ハ主 義 者 等 ナ ルヲ
セ シ メ タ ル ニ上記蝋 山政 道 ノ講 演
以 テ特 ニ所 轄 署 高 等 係 ヲ シテ視 察
ヲ聴 講 シ タ ル ノミ ニ テ無 事 解 散 セ リ
所轄 署 ヲ シ テ視 察 セ シ ム
( 聴講無料)
上 記 氏 名 ノ モ ノ等 常 ニ過 激 ノ言 動
ニ出 テ ル ヲ常 ト ス ル ヲ以 テ所 轄 署
メ タ ル ニ何 等 事 故 ナ ク解 散 ア リ
高 等 係 員本 庁 係員 ヲ シ テ視 察 セ シ
( 同人等 ノミノ会合)
三月二十 一日 午後 一時開 五時 三十分 閉 上野公園内 自治会館
三月二十 八日 午後 七時 二十分 開 九時 二十分 閉 浅草 区亀岡 町二 ノ六六 石渡太平方
四月五日 午後 六時開 十時 二十分 閉 本所 区表 町七〇 本久寺
四 月十 日
借家人同盟臨時 大会 会勢拡張 ノ為 メ
前
借家問題講演会
同
司会者 従前 ノ通リ
司会 者 従前 ノ通 リ
司会者
司会者 島中雄三 平林初之輔
一五〇名 附近住民
一五〇〇名 本部員 ノ外市 内各支部会員
開会 ノ辞 岩 井勇 蔵 挨拶 布 施 辰治 運動経過報告 黒 田 寿男
従 前 ノ通 リ
開会 ノ辞 岩井 勇蔵 挨拶 布施 辰治 運動 経過報告 黒 田寿男
五〇〇名 附近小商人及 労働者
ノ提 案 ヲ審 議 決 定 シ タ ル後 隊 伍 ヲ
布 施 辰 治 議 長 席 ニ就 キ各 支 部 ヨリ
ヤ ニ見 受 ケ ラ レ タ ル ヲ以 テ所 轄 署
組 ミ示 威 運 動 ニ移 ル ヘキ計 劃 ア ル
ニ当 ラ シ メ タ ル ニ示 威的 運動 ナ ク
高 等 係 ノ外 制 服警 察 官 ヲ派 シ取 締
無事退散 セリ
ニ何 等 事 故 ナ シ
所 轄 署 高 等 係 ヲ シ テ視 察 セ シ ム ル
右
( 聴講無料)
同
第 四十 八議 会 ノ解 散 ヲ好 機 ト シ テ
午後七時開 十時閉 牛込区天神 町六 東洋経済新 報社
大正十三年 四月二十七日 午 後七時開 十時閉 府 下巣鴨 町上駒 込 木戸侯邸跡 駒込基督教会
五月十 日 午後 一時開 五時閉 小石川区原町 東洋大学講堂
五月九日
特別 要視察人等 ノ政治問題研究 会
思想要視察人選 挙 ニ関 スル講演 会
文芸 思想講演会 主義 研究会
七〇名 基督教信者
一八名 全部 主義者
司会者 帆足 理 一郎
三五〇名 全部同校 学生
佐野袈裟美 新 居 格 青野 季 吉 鈴木茂三郎 高橋 亀 吉 其他
司会者 宮 島信 泰 江 口 渙 秋 田雨 雀 岩佐作太郎 瀬 尾敬 止 大 泉黒 石 能智 修弥
ナ
シ
帆足 理 一郎
無題
現代思想界 ノ新 人 宮 島信 泰 文学運動 ノ現在 及将来 江 口 渙 人間 一歩 秋 田雨 雀 岩佐作太郎
無題 其他
シ タ ル外 他 ニ何 等 事 故 ナ ク退 散 セ
互 ニ政 治 問 題 ニ付意 見 ノ交 換 ヲ為 リ
所轄 署高 等 係 ヲ シテ視 察 セ シ ム
ル ニ何 等 容 疑 ノ言 動 ナ ク解 散 セ リ
所轄 署 高 等 係 ヲ シ テ視 察 セ シ メ タ
ニ ハ甲 号特 要 宮 島 、 同 岩 佐 等 ノ言
本 団 体 ハ創 立早 々 ニ シテ其 会 員 中
タ ル ヲ以 テ
動 ニ付 キ特 ニ注 意 ヲ要 スル点 ア リ
ル カ何 等事 故 ナ ク解 散 セリ
所轄 署 高 等 係 ヲ シ テ視 察 セ シメ タ
午後八時開 十時五十分 閉 浅草区向柳 一 中央劇 場内
五月十六日 午後六時二十分 開
五月十八日 午前九時開 午後三時五十分 閉 府下渋谷町 玉川停留場 ヨリ 玉川遊 園地
五月十七日 午後 一時開 四時 二十分 閉 早稲田大学 二十 番教室
右
借家問 題講演会 前 記 ノ通リ
同
特別要視察人思 想要注意人遠足 会
早大雄弁会 新 入生歓迎講演 会 主義 研究 ノ為 メ
従前 ノ 通 リ
司会 者
司会者 同 前
五〇〇名 附近住民
三〇〇名 附近住民
六〇〇名 全部学生
司会者 橋 浦時 雄 高 野武 二 渡 辺 満 三 二三名 中 村還 一 全部主義 者 中名生幸力 堺 マガ ラ 其他 司会者 大 山郁 夫 戸 叶 武 橋本源次郎 古沢磯次郎 西村 重次郎 長谷部 忠 其他
従来 ト大同 小異 ニ付省略
シ
同 右
ナ
開会 ノ辞 橋本源次郎 政治闘争 展開 古沢磯次郎 社会 科学 ト研究 ノ自由 大 山郁 夫 閉会 ノ辞 戸 叶 武
所 轄 署 ヲ シテ視 察 セ シ ム
聴講無料
所 轄 署 ヲ シ テ視 察 セ シ ム
聴講無料
以上 主 義 者 等 ハ名 ヲ遠 足 ニ藉 リ主
義 ノ宣 伝 ヲ為 ス虞 ア リ タ ル ヲ以 テ
シメ タ ル ニ玉 川 々原 ニ於 テボ ー ル
干係 沿道 各 署 高 等 係 ヲ シ テ視 察 セ
テ何 等 事 故 ナ ク退 散 セ リ
投 縄 飛等 ノ遊 戯 ヲ為 シ タ ル ノ ミ ニ
上 記講 演 会 閉 会 後 更 ニ戸 叶 武 、 橋
馬場 下 町 ニ於 テ雄 弁 会 本 部 ニ討 論
本 源 次 郎 等 外 七名 ノ幹 部 ハ牛 込 区
部 ヲ設 ク ル コト其 他 ヲ協 議 決 定 シ
タ ルカ何 等 事 故 ナ ク退 散 セ リ
所轄 署 高 等 係 ヲ シテ視 察 セ シ ム学
生 ノ外 入場 セシ メ ス
大正十三年 五月十八 日 午後七時開 十時閉 府下高田町字高 田 三五五 安部磯雄方
五月十九日 午後六時三十分 開 八時 四十分 閉 芝区芝公園 内 友愛 ホールニ於 テ
五月十九日 午後七時開 十時三十分 閉 芝区芝公園 協 調会館
従 前 ノ通 リ
司会者
司会者 上 田辰之助 指 谷善 市 加藤 敬 蔵 佐藤新之助 山中篤太郎 其他
司会者 安部 磯雄 山崎今朝弥 フ ヱビ ア ン協 会 秋田 雨雀 協議会 島 中雄 三 主義 宣 伝 ニ便 ス 石 川三四郎 ル労 働 講 習 会 開 松 下 芳男 催 ノ為 メ 木 村 毅 其他
S P S労 働 開 校 式 労 働 者 ノ教 養 ノ 為メ
借家人同盟芝支 部発会式講演会 目的従前 ノ通 リ
シ
挨拶 指谷 善市 上田辰之助 佐藤新之助 閉会 ノ辞 山中篤 太郎
ナ
三〇名 帝大生其他労 働者
従前 ト大同小異 ニ付省略
一二名 全部主義者
六〇〇名 附 近住民
同協会 ノ例会及其 ノ出席講師 ノ詮
衡其 他ノ協議 ヲ為 シタ ル外無事退 散ス 所轄署高等係 ヲシテ視察 セシム
S P S学 校 ハ商 大 講 師 指 谷 、 上 田
両 名 ヲ中 心 ト シ テ起 リ タ ル労働 者
教 養 ヲ目 的 ト シ タ ル モ ノ ナ ル モ左
傾 的 関 係 ヲ有 スル モノ ナ ル ヲ以 テ
ル ニ何 等 事 故 ナ ク式 ヲ了 シ タリ
所 轄 署 高 等 係 ヲ シ テ視 察 セ シ メタ
所 轄 署 ヲ シ テ視 察 セ シム
聴 講 無料
五月二十二日 午後六時 開 九時 五十分 閉 神田区表猿楽 町 二〇 明治会館
五月二十 二日 午後 七時開 十時 三十分 閉 下 谷区竜泉寺町 二三五 竜東倶楽部
五月二十 三日 午後 三時開 七時閉 早大第 四十七教 室
五月 二十 三日 午後 七時開 九時閉
思想要注意人 ノ 講演会 主義宣伝 ノ為 メ
居住権問題演説 会 家賃値上対抗策 及主義宣伝 ノタ メ
早大雄弁会 時局 批判討論会 弁舌練習及主義 研究 ノ為 メ
政治研究会 首脳 会 労働組合 ニ対 ス
司会者 暁烏 敏 益守 武雄
二〇〇名 附 近住民
二〇〇名 学生其他
六名 全部主義者
二〇〇名 全部学生
司会者 添 田 平吉 原 子 基 高 橋 勝作 添 田 知道 北 川吉 太郎
司会者 橋本源次郎 伏 見 武夫 古沢磯次郎 長谷川 了 戸 叶 武 司会者 島中雄三 平林初之輔 鈴木茂 三郎
無題 暁 烏
無題
敏
北川吉太郎 原 子 基 高橋 勝作 添 田平吉 添 田知道
シ
開会 ノ辞 橋本源 次郎 無題 伏見 武夫 古沢磯 太郎 長谷川 了 閉 会 ノ辞 戸 叶 武
ナ
無事 解散 所轄 署高等係 ヲシテ視察 セシム 聴講 無料
特 別 要 視 察 人 等 ノ演 説 会 ナ リ シ ヲ
ヲ派 シ視 察 取 締 ニ当 ラ シ メ タ ル カ
以 テ特 ニ所 轄 署 ヨリ制 服 警 部 其 他
内 、添 田平 吉 、 添 田知 道 ノ言 辞 ハ
何 レ モ治 安 ニ害 ア ル モノト シ テ中
ヲ以 テ解 散 ヲ命 ス
止 ヲ命 シ次 テ会 場 混 乱 ニ陥 リ タ ル
無事解散
所 轄 署 高 等 係 ヲ シ テ視 察 セ シ ム
学 生 ノ外 一般 ノ入 場 ヲ許 サ ス
政 治 研 究 会 創 立 ノ暁 ニ ハ各 労働 団
体 ニ入会 ヲ勧 誘 ス ヘキ コト ヲ協 議
決 定 シタ ル外 何 等 事 故 ナ ク解散 ス
東 洋経済新報社
牛 込区天神 町
思想要注意 人 ノ 講演会 主義 宣伝 ノ為 メ
メ
ル態 度 決 定 ノ為
司会者 早大基督教青 年会 六〇名 全部学生
犠牲 ノ精 神 帆足 理 一郎
平野 力 三 青野 季吉 高 橋亀 吉
大正十 三年 五月 二十四日 午後 一時開 三時閉 早稲田大学西教 室
シ
二〇〇名 附 近住民
ナ
司会 者 布施 辰 治 黒 田寿男 泉 留 吉
八名 全部主義者
区劃整理批判演 説会 借家同盟 ノ宣伝 ノ為 メ
政治問題研究会 創立準備委員会 主義宣伝 ノ為 メ
区劃整理 ト借家 人 黒 田寿 男 区画整理 ト借家 問題 布施 辰治 時事 ニ感 シテ 泉 留 吉
五月二十五日 午 後六時開 十時 四十分 閉 京橋 区南小 田原 町二ノ七 風間惣兵衛方
五月 二十六 日 午後七時開 十時卅分閉 牛込区天神町 東洋経済新 報社
司会者 島中 雄 三 平林初之輔 茂森 唯 士 新井 友 三 今野 賢 三 佐野袈裟美 山 崎 一雄 三 和 一男
所 轄 署 高 等 係 ヲ シ テ視 察 セ シ ム
無事解散
所 轄 署 高 等 係 ヲ シ テ視 察 セ シ ム
所轄 署 ヲ シ テ視 察 セシ ム
聴講無料
サ リ シ モ創 立 ニ伴 フ各 委 員 ヲ挙 ケ
欠 席 者 多 ク決 定的 協 議 ヲ為 スヲ得
ル コト ヲ申 合 セ無 事 散 会 セ リ
本 日 ノ来会 者 ヨリ之 カ承 諾 ヲ求 ム
所轄 署 高等 係 ヲ シ テ視 察 セ シ ム
五月 二十七 日 午後七時十五分 開 九時五十分 閉 芝区芝 公園 協 調会館 労働組合法律相 談所発会講演会
同 右
右
早大潮 の会講演 会
( 第二日)
同
司会者 布施 辰 治 和 光米 久 上 村 進 王 田楽 観 山 田作松 加藤 昇
司会者 満 川亀太郎
司会者 同 右
六月三日 フ ヱビ ア ン協会 司会者 午 後七時開 講演会 安 部磯 雄 十時閉 主 義 宣 伝 ノ為 メ 山崎今朝弥 芝 区新桜 田町 一 (第 一日) 直 井武 夫 九 山崎今朝弥
六月六 日 午後七時開 十時閉 右 ニ同 シ
六月七日 午 後 一時 開
三〇〇名 主義者及労働 組合員其他
一五名 労働者其他
二〇名 労働者其他
八〇名 早大学生
富 和 布 上 王 山
無題
経済
田繁 光米 施辰 村 田楽 田作
蔵 久 治 進 観 松
直井武夫
労働組合 村 島帰 之 民衆 ノ自覚ト小 説 ノ発達 木 村 毅 労働組合概論及 労働組合歴史 直井 武 夫 所感 三木 和臣 国際主義者 ノ夢
特要加藤 昇 ヲ議 長 ニ推 シ各労働組 合 ニ法律相 談所加盟宣伝其他 ヲ決 定 シタル後 上記講演 ニ移 リタルカ 所轄 署 ヲシテ其 ノ言動 ニ注意視察 セシメタ ルニ無事解散 セリ 聴講 無料
無事解散 所轄署高等係 ヲシテ視察 セシム 会費壱円 五十銭
同 右
所轄署高等係 ヲシテ視察 セシム 無事解散
午後 五時閉 早大 二十番教室
大正十三年 六月七 日 午後七時開 十時三十分 閉 下谷区西町 二八 空地天幕内
国家 主義宣伝 ノ 為メ
借家人同盟西 町 支部 発会式講演 会 目的 従前 ノ通リ
早大雄弁会主催 討論会 弁舌練 習ノ為 メ
六月七 日 午後七時開 借家問題講演会 十 一時閉 目的 同前 本所区柳原町 一 ノ五六 天理教 会堂 ︹ママ︺ 六月六 日 午後 三時開 八時十五分 閉 早大第四十七教 室
三木 和 臣 佐藤政治郎
従来 ト内容 大同小異 ニ付省 略
想 松 延繁 次 大邦 ノ理想 満川亀太郎
二五〇名 附 近住民
従来 ト内容大同 小異 ニ付省略
リ
二〇〇名 附 近住民
司会者 布施 辰 治 其他従前通
司会者 布施 辰 治 宝 田光 嶺 岩 井 勇蔵 小松啓三郎 黒 田寿 男
シ
四〇〇名 全部学生
ナ
司会者 戸 叶 武 浅沼稲次郎 平野源次郎 平野 力 三
学 生 ノ外 入場 セ シメ ス
同 右
聴講 無料
所轄署高等係 ヲシテ視察 セシム 無事解散 聴講無料
農村 問 題 ニ付 討 論 シタ ルカ浅 沼 ノ 論旨 ニ対 シ聴 衆 ノ野 次 起 リ多 少 喧 騒 ニ亙 リ タ ル モ無 事 散 会 後 戸 叶 、 浅 沼其 他 ノ有 志 牛 込 区馬 場 下 町 一 九 三 、朝 庵 ニテ懇 親 会 ヲ開 キ地 方 農 村 有 ノ モ ノ ハ農 民 組 合 ノ所 有 物 ト シ テ組 合 基 金 ニ充 当 ス ルノ運 動 其 他 ヲ協 議 シ無 事 退 散 セ リ 所轄 署 高等 係 ヲ シ テ視 察 セ シ ム 学 生 ノ外 入場 ヲ許 サ ス
借家人同盟講演 会 目的従前 ノ通 リ
六月九日 日本 フ ヱビ ア ン 午後七時卅分開 協 会 労 働 講 習 会 十時卅分閉 主 義 宣 伝 ノ為 メ 芝区新桜 田町 一 (第 三日) 九 山崎今朝弥方
六月九日 午後六時三十 分 開 午後十時五十 分 閉 府下大崎町谷山 第 一大崎館
司会 者 安部 磯雄 山崎今朝弥 石川三四郎 原沢武之助 田中貞 吉
司会者 従 前 ノ通 リ
二五名 主義者労働者
七〇〇名 附 近住民
労働者
右
二一 名
六月十日 日本 フ ヱビ ア ン 司会者 午後七時卅分開 原沢武之助 協会労働講習会 十時閉 ( 第 四 日 ) 小林 輝次 芝区新桜田町 一 主 義 宣 伝 ノ為 メ 松下 芳男 九 山崎今朝弥 方
右
一七名 労働者 同
( 第五日)
同
司会者 鈴木 茂三郎
六月十 一日 午後七時三十分 開
社会 主義 ニ就 テ 石川三四郎 芸術 ニ就 テ 秋 田雨 雀
何 等 特 異 ノ言 動 ナ ク無 事 解散 セリ
所 轄 署 高 等 係 ヲ シ テ視 察 セ シ ム
会 費 壱 円 五十 銭
ニ無 事 散 会 セ リ
所 轄 署 高 等 係 ヲ シ テ視 察 セ シ ム ル
同 前
無事解散 所轄署高等係 ヲシテ視察 セシム 会 費壱 円五十銭
聴 講無 料
従 来 ト大 同 小異
ス
ナ ル ヲ以 テ省 略
労働経済学 小林 輝 次 松下 芳 男
労働政治学 ニ就 テ 社会現象ト シテ ノ政治
午後九時閉 同 右 大正十三年 六月十三日 午後七時開 十時閉 従前 ノ場所
六月十 五日 午後六時開 十 一時閉 本所 区表町六九 本久寺
前 前
( 第六日)
同 同
借家同盟講演会 目的 従前 ノ通リ
同
右 ( 第八日)
司会者 従前 ニ同 シ 山 田文 夫 村島 帰之 直井 武夫
従前 ノ 通 リ
司会 者
同
前
六月十六日 午後七時三十 分 日本 フ ヱビ ア ン 開 司 会 者 協 会 労 働 講 習 会 (第七日) 十時閉 従 前 ノ通 リ 芝区新桜 田町 一 主 義 宣 伝 ノ為 メ 九 山崎今朝弥方
六月十七 日 午後七時開 九時卅分閉
鈴木茂 三郎 関西 地方 ニ於 ケ ル実際運動 ニ就 テ
無事解散 所轄署高等係 ヲシテ視察 セシム 会費壱 円五十銭
所轄署高等係 ヲシテ視 察 セシム 聴講無料
一六名 労働者
従来 ト大同 小異 ニ付省略
所轄署高等係 ヲシテ視察 セシム 会 費壱 円五十銭
村島 帰 之 労働 組合 ノ任務 直井武夫
三〇〇名 附近住民
社会史 石川三四郎
前
一二名 労働者
同 一〇 名 前
労働経済 学 ニ就 テ 松 下 芳男 労働法律学 ニ就 同
従来 ノ場 所
六月十七 日 午後 三時開 五時閉 早大第 二〇番教 室
六月十七日 午後 七時開 九時閉 牛込 区神楽町 神楽坂倶楽部
六月十八日 午後七時開 九時閉 前日 ニ同 シ
六月 十 八 日
思想要注意 人 ノ 講演 主義宣伝 ノ為 メ
前
司会者 帆足 理 一郎
司会者 右 ニ同 シ 機械聯合組合側 田 中直 吉 保坂小太郎 高 山久蔵 鍋屋 与平 田 名部 廉
司会者 島 中雄 三 政 治 研 究 会 ノ労 平林初之輔 働 組 合 ニ対 ス ル 三輪 寿 壮 交渉会 鈴木 茂三郎 ( 第 一日) 松 岡 駒吉 平野力三 其他
同
( 第二日)
日 本 フ ヱビ ア ン
五〇〇名 全部学生
一五名 金部特要及労要
八名 同 前
テ 片 山
シ
シ
哲
対米問題 ノ文化 的考察 帆足 理 一郎
ナ
ナ
ビ ク ト ル ユー ゴ ー ニ就 テ
シ テ主 義 ノ宣 伝 ヲ為 ス処 ア リ タ ル
本 人 ハ常 ニ教 授 タ ルノ地 位 ヲ利 用
ヲ以 テ所 轄 署 高 等 係 ヲ シ テ視 察 セ
シ メタ ル ニ何 等 事 故 ナ ク解 散 セ リ
学 生 ノ外 一般 ノ入 場 ヲ許 サ ス
島 中 雄 三 ヨリ総 同 盟 に対 シ政治 研
究 会 ニ加 入 方 ヲ勧 誘 シ タ ル モ総 同
盟 側 ハ軽 々 ニ之 ヲ決 ス ヘキ モノ ニ
非 ス ト シ回 答 ヲ後 日 ニ譲 リ無 事 解
散 セリ
所轄 署 高等 係 ヲ シ テ視 察 セ シム
前 日同 様 島 中 雄 三 ヨリ機 械 聯 合 組
ト同 様 ノ回 答 ヲ得何 等 纏 リ タ ル コ
合 側 ニ加 入 ヲ勧 告 シ タ ル モ総 同盟
ト ナ ク散 会 セ リ
前 日同 様
所轄 署 高 等係 ヲ シ テ視 察 セ シ ム
午後七時開 九時卅分閉 場所 従前 ノ通 リ
大正十 三年 六月十九 日 午後 三時開 四時十 五分 閉 帝大第 一講堂
六月十九日 午後七時卅分開 午後九時卅分閉 場所 従来 ノ通 リ
六月十九 日 午後 三時開 六時閉 早大 四十番教室
協 会労 働 講 習 会 ( 第九日) 主 義 宣 伝 ノ為 メ
新人会講演会 主義研究 ノ為 メ
日本 フ ヱビ ア ン 協会労働講習会 ( 第十日) 主 義 宣 伝 ノ為 メ
早大雄弁会民族 自決討論会 弁論練 習及主義 研究会
司会者 従前 ノ通リ
七名 労働者
一五名 労働者
一五〇名 全部学生
司会者 従来 ノ通リ
二〇〇名 全部学 生
司会者 山 崎 一雄 平野力三 其他
司会者 戸 叶 武 長 谷 川 了 橋本登美三郎 吉 田 実 其他
木 村 毅 時事問題 ニ就 テ 直 井武 夫
無事解散 会費壱円五十銭
ア リ タ ルヲ以 テ所轄 署 ヲ シ テ警 戒
ヨリ之 カ妨 害 ノ為押 寄 ル ヤ ノ情 報
開 会 前 ヨリ大 行 社 其 他 ノ反 動 団体
タ ル日米 問 題
無産 政 党 ヨリ見
事解散 セリ
池 田 等 交 々意 見 ヲ吐露 シタ ル外 無
民族 自 決 ニ付 戸 叶 、長 谷 川 、 吉 田 、
会費 一円 五十 銭
所轄 署 高 等 係 ヲ シテ視 察 セ シ ム
無事解散
ニ当 ラ シメ タ ルヲ以 テ何 等 事 故 ナ ク解 散 セリ
臨 場 警 戒 員 ヲ シテ努 メ テ之 カ取締
コト ヲ得 ス閉 会 セ リ
タ ル為 メ遂 ニ予 定 ノ講 演会 ヲ為 ス
シ来 会 シ会 場 内 外 ヨリ妨 害 ヲ試 ミ
セシ メ居 タ ル カ午 後 三 時頃 前 記団 体 員 等 約 二十 名 自 動 車 二台 ニ分乗 山 崎 一雄 農 民 ノ立場 ヨリ 見 タ ル日米 問 題 平 野 力 三
シ
社会組織 ニ就 テ 小 泉 哲 最低賃金 ニ就 テ 細野三千雄
ナ
所轄 署 高 等 係 ヲ シ テ視 察 セ シム
六月二十 日 午 後七時卅分開 九時 四十分 閉 山崎今朝弥方
六月二十 一日 午後 七時 三十分 開 十時閉 山崎今朝弥方 同
六月二十 一日 午 後六時開 十時閉 芝区白金 今田町 明治学院
六月二十 一日 午 後六時 開
フ ヱビ ア ン協 会 協議会 次回労働学校開 始 ニ付 キ
日本 フ ヱビ ア ン 協会労働講習会 ( 第 一日) 主 義 宣 伝 ノ為 メ
文芸講演会 主義宣伝 ノ為 メ
立教 大学経済学 研究講演会
司会者 従来 ノ通リ 来会者 直井武夫 山崎今朝弥 原沢武之助 田中貞 吉 其他
司 会者 従 来 ノ通 リ
司会者 辻 潤 千葉 亀 雄 馬場 孤蝶 麻 生 久
司会者 立教大学経済
七名 上記来会者 ノ 外帝大其他 ノ 学生
二〇名 労働者
百五〇名 全部学生
六〇名
ナ
シ
組合 直井 武 夫 罷業統制権 村 島帰 之
久
無題 辻 潤 西 ヨー ロッパ文 壇 ノ最 近傾向 千葉亀 雄 学窓ノ思出 馬 場 孤蝶 麻 生
無題
社会科学 ト人生 価値
従来 開 設 シ居 タ ル労 働 学 校 ハ会 期
終 了 ヲ告 ケ タ ル ヨリ次 ノ開 始 期 及
講 師 等 ニ付 協 議 ヲ為 シ タ ル外 無 事
解散 セリ
所轄 署 高 等 係 ヲ シ テ視 察 セ シ ム
所轄 署高等 係 ヲシテ視察 セシム 会費壱円五十銭
無事解散
所 轄 署 高 等 係 ヲ シ テ視 察 セ シ ム
学 生 ノ外 一般 ノ入 場 ヲ許 サ ス
大 山郁 夫 ハ常 ニ学 生 等 ニ向 ツ テ主
ル モノ ナ ル ヲ以 テ所轄 署 高 等係 ヲ
義 ノ宣 伝 及 煽 動 的 言 動 ヲ為 ス疑 ア
︹ママ︺ 午 後六時 閉 府 下西巣鴨町池 袋 神 学校内 大正十三年 六月二十 一日 午 後七時開 十時 卅分閉 深 川区東 大工町 六一 長谷川硝 子 工場内
主義 研究 ノ為 メ
借家問題講演会 会勢拡張 ノ為 メ
前
前
( 第三日)
同 目的 同
学研究会 大 山郁 夫
司会者 従 来 ノ通 リ
司会者 従来 ニ同 シ 原沢武之助 松下 芳 男
六月 二十三日 日本 フ ヱビ ア ン 司会者 午 後七時 卅分開 協 会 労 働 講 習 会 従前 ノ通 リ 十時閉 来会者 ( 第 二日) 芝区新桜 田町 一 原沢武之助 主義 宣 伝 ノ為 メ 九 石川三四郎 山崎今朝弥方
六月二十四日 午 後七時 三十分 開 九時閉 場所 従前 ノ通 リ
全部学生
一五〇名 附近住民
一二名 労働者
七名 労働者
大 山郁 夫
演 題及弁 士氏名 従来 ト大同小異 ニ付省略 ス
主義 運動 ノ変遷 ニ就 テ 石川三四郎
資本主義 ノ利害 及弊害 松 下 芳男
シ テ視 察 セ シメ タ ル ニ事 故 ナ ク退
散 セリ
学 生 ノ外 一般 ノ 入場 ヲ許 サ ス
所 轄 署 高 等 係 ヲ シ テ視 察 セ シ ム
(聴講無料)
五十 銭 ト定 メ労 働 組 合 員 以 外 ノ労
講 演 終 了 後 次 回 ヨリ ハ 一回 ノ会 費
ト ヲ決 定 シタ ル外 何 等 事 故 ナ ク退
働 者 ニテ モ会 費 ヲ収 メ会 員 タ ル コ 散 ス
所 轄 署 高 等 係 ヲ シ テ視 察 セ シ ム
会 費 一円 五十 銭
無事退散 所轄署高等係 ヲシテ視察 セシム 会費壱円五十銭
六 月 二十 四 日 麹 町 区有 楽 町 帝国 ホテル
六月 二十五 日 午後三時開 五時閉 早稲田大学校 十 四番教 室
六月二十五日 午後三時 開 五時 三十分 閉 早稲 田大学 四〇 番教室
六月二十 五日 午後 七時 三十分 開 十時閉 場所 従前 ノ通リ
水平社対米運動 排 日問題 ニ付米 国 ノ反省 ヲ促 ス 為メ
早大社会科学研 究会主催講演会 主義宣伝 ノ為 メ
早大経済学会主 催講演会 主義研究 ノ為 メ
日本 フ ヱビ ア ン 協 会 労 働 講 習会 ( 第 四日) 主 義 宣 伝 ノ為 メ
ナ
シ
事 国 際 問 題 ニ関 係 ヲ有 ス ル ヲ以 テ
所 轄 署 高 等 係 ノ外 本 庁 特高 係員 ヲ
スル印 刷 物 ヲ配 布 シ之 ヲ敷衍 説 明
シテ視 察 セ シ メ タ ル ニ南 梅 吉 ヨリ ︹一字不明︺ 水 平 線 上 □ 五 キ ロ内 外 ニ檄 スト題
階級政治 ヨリ代 表政治 へ 長谷川万次郎
二〇名 都下新聞通信 記者
一二〇名 全部学生
経済思想史 ノ 一 同 右 八四八年前後 同 高橋誠 一郎
ヲ加 ヘタ ル ノ外 無事 退 散 ス
司会者 早大社会科学 研究会 長谷川万次郎
一五〇名 全部学生
各国無産 政治 運 動 ニ就テ 鈴木 茂三郎
司会 者 南 梅 吉 遠 島哲 夫 平 野 重吉 坂本清 一郎
司会 者 早大経済 学会 主催 高橋誠 一郎
一〇名 労働者
同 右 会費壱円 五十銭
学 生 ノ外 一般 入 場 ヲ許 サ ス
所 轄 署 高 等 係 ヲ シ テ視 察 セ シ ム
無事解散
司会者 従前 ノ通リ 鈴木茂 三郎
大正十三年 六月二十六日 午後七時三十分 開 九時三十分 閉 場所 従来 ノ通リ
六月二十七日 午後 七時開 十時閉 場所 右 ニ同 シ
六月二十九 日 午後 三時開 九時 三十分 閉 芝 区芝公園内 協調会館
日本 フ ヱビ ア ン 協会主催労働講 習会 ( 第五日)
司会者 従前 ノ通 リ 藤 森 成吉 一五名 労働者
四三名 司会者側及講 師生徒等
前 記 ノ通 リ
司会者 従前 ノ通リ 日本 フ ヱビ ア ン 出席 者 直井 武 夫 協会労働講習会 川原治吉郎 講師慰安会並 ニ 鈴木 茂三郎 懇談会 村島 帰之 木 村 毅 其他
六〇〇名 主義者及学生 並 ニ労働者 政治研究会 創立総会
司会者 島中雄三 布 施 辰治 堺 利 彦 川 口慶 助 近藤憲 二 橋 浦時 雄 其他
社会革命ト芸術 ニ就 テ
シ
藤森 成 吉
ナ
無題 大山 郁 夫 加藤 勘十
従来 ニ同 シ 会費壱 円五十銭
ル コト 及 担任 講 師開 始 場 所 月 謝 等
次 回 ノ講 習 ハ四 ケ所 ニ於 テ開 始 ス
ヲ協 議 決 定 シ タ ル外 何 等 事 故 ナ ク
解散 ス
所轄 署 高 等係 ニ於 テ視 察 ス
本 会 ハ殆 ント主 義 者 等 ヲ以 テ組 織 セ ル団 体 ニ シテ且 ツ出 席 者 中 ニ ハ 堺 利 彦 其 他 ノ主 義 者 間 ノ巨 頭 連 モ
参 加 シ居 タ ルヲ以 テ所 轄 署 ヨリ制 服 警 察 官 ヲ シ テ臨 監 セ シ メ タ ル カ 規 約 ノ討 議 決 定 後 講 演 会 ニ移 リ タ ル際 参 加 者 中 無 政 府 主 義 者 カ議 場
ノ混乱 ヲ計 リ タ ル タ メ司 会 者 ニ於 テ自 発 的 ニ閉 会 ヲ宣 シ聴 衆 ノ中 二 名 検 束 者 ヲ出 シタ ル外 無 事 解 散 セ リ
入場 無 料
七月 二日 午後八時開 十時閉 府下入新井町不 入斗 一九 二 東京瓦斯電気技 友会本部内
七月 四日 午後七時開 九時 三十分 閉 場所 従前 ノ通 リ
古 川清七方
七月 三日 午後 七時開 九時閉 本所 区三笠 町七 二
七月 七日 午後 七時 三十分 開
司会者 同 前
三五名 労働者
三〇名 労働者
八名 東京瓦斯電気 技友会員
一〇名 全部技友会員
近世経済思想 史 論
社会 ノ根本 ト国 家 ノ使命 浅利順 四郎
労働 運動史 村 島帰 之
政治及財政学 河原治吉郎
従 前 ノ通 リ
司会 者
司会者 同 前
日 本 フ ヱビ ア ン 司会者 協会夏季講習会 従前 ノ通 リ 河原治吉郎 ( 第 一日)
主義 研究 ノ為 メ
日本 フ ヱビ ア ン 協 会 夏 季講 習 会 ( 第 二日) 主 義 研 究 ノ為 メ
日本 フ ヱビ ア ン 協 会 労 働 講 習会 ( 第 一日)
前
主義宣伝 ノタメ
同
( 第 二日)
無事解散 所轄署高等係 ヲシテ視 察 セシム 会費壱円五十銭
前
従 前 ノ通 リ
同
従前 ノ 通 リ
同
同
前
(第 三日 )
同
同
( 第 三日)
前
( 第 三日)
同
午後十時閉 目的 芝区新桜田町 一 同 前 九 山崎今朝弥方 大正十三年 七月七 日 午後七時開 十時閉 府下 入新井町不 入斗 一九 二 東 京瓦斯電気技 友会本部
七月七日 午 後七時開 九時閉 本所区三笠 町七 二 古川清 七 七月九日 午後七時三十分 開 九時三十分 閉 芝区新桜田町 一 九 山崎今朝弥方
前
司会者 同 前
同
同
国際労働会議 ノ 真相 浅利順 四郎
同
同
前
前
某
経済学 ニ就 テ 松下 芳男
同 前
松岡
社会主義経済学 松 岡 某
前
二二名 同 前
八名 同
前
同
二 一名
七月九日 午後七時開 十時 三十分 閉 府下王子町字榎 町寄席 大和亭
七月十 一日 午後 八時開 九時 三十分 府 下入新井町不 入斗 東京瓦斯電気技 友会本部 大正十三年 七月十 一日 午後七時三十分 開 十時閉 芝区新桜田町 一 九 山崎方
七月十四日
借家人同盟講演 会 会務拡張 ノ為 メ
日本 フ ヱビ ア ン 協会講習会 ( 第 四日)
前
従 来 ノ通 リ
同
( 第四日)
勇 忠
二〇名 労働者
五名 技友会員
司会者 布施 辰 治 村 田 修 一 二〇〇名 中 田惣 寿 附 近住民 岩井 泉
従来 ノ通 リ
司会 者
同
要旨従来 ト大同 小異 ニ付省略
村島 帰之
大阪電車従業員 ノ争議敗因 ハ組 織 ノ欠陥 ニ基因 ス
唯物 史観 ニ就 テ 松 本 某
無事解散 所轄 署高等 係 ヲシテ視察 セシム 聴講無料
前
同 前 会費 一円五十銭
同
午後七時開 十時閉 場所 同 前 大正十三年 七月十四日 午 後六時 卅分開 九時 閉 本所区三笠 町七 二 古谷清 七方
同
前
(第 五 日 )
同 ( 第五日)
( 第六日)
同
前
前
七月十五日 午後七時開 九時閉 場所 右 同
( 第 七日)
同
七月十六 日 午後 七時開 九時閉 本所 区三笠町七 二 古谷清七方
七 月十 九 日
同
同
同
同
三〇名 同
同
社会主義 岡 本利 平
商業勃興 松 下芳 男
資本主義 ノ本質 衣 谷賀 真
同
同
同
前
前
前
同
二五名 同
国際労働協会 ニ 就テ 岡本利 平
一〇 名
二五名 同
午後 八時開 十時閉 山崎今朝弥方
七月十九 日 午後六時開 十時閉 牛込区矢来町 東洋経済新 報社 内
七月十九日 午後 七時開 九時閉 本所 区三笠 町 古川清 七方
七月二十 一日 午後 七時開 十時閉 山崎今朝弥方
七月 二十 三日 午後七時 三十分
同
前
(第六日)
政治研究会 委員 総会 会 ノ方針協議 ノ 為メ
日本 フ ヱビ ア ン 協会講習会 ( 第八日) 目的
前
従 前 ノ通 リ
同
( 第 七日) 同
同 (第 八 日)
同
司会者 大 山郁 夫 岡 本 利吉 北沢新次郎 中沢弁次郎 藤 井 悌 小 泉 鉄 小林 輝 次 其他
従 来 ノ通 リ
前
従来 ノ通 リ
同
同
一五名
三八 名 大学教授、文 士、弁護士、 其他
二五名 同 前
一三名 同
同
一五名
シ
経済活動方針 衣 谷賀 真
ナ
社会 ハ不平等 ノ 上 ニ成立 ス 浅利順 四郎
英国労働組合運 動概況 織 本 利
英 国 ニ於 ケ ル賃 金制度 ニ就 テ
同 前
従来 創 立 委 員 ニ於 テ詮 衡 中 ナ リ シ
委 員 ヲ選 定 シタ ル後 会 ノ方 針 等 ヲ
協 議 シタ ル後 何 等 事 故 ナ ク散 会 ス
所 轄 署 高 等 係 ヲ シ テ視 察 セ シ ム
所 轄 署 高 等 係 ヲ シ テ視 察 セ シ ム
同
前
前
会 費 一円 五 十 銭
同
開 午後 十時閉 場所 同 前 大 正十 三年 七月 二十 四日 午前十時開 午後 一時閉 牛込 区天神 町八 二 遠島哲夫方
七月二十 四日 午後 七時開 九時閉 本所 区三笠 町 古谷清 七方
七月二十 五日 午 後七時開 十時閉 山崎今朝弥方
七月 二十六日 午 後七時 開
水平社幹部会 徳川公暗殺事件 ニ関 シ水平社 ノ 立場 ヲ宣明 スル 為メ
日本 フ ヱビ ア ン ( 第 九日)
協会講習会
前
従 前 ノ通 リ
同
( 第九日)
( 第十日)
同
司会者 南 梅 吉 梅津 万次郎 播磨 繁雄 村岡静五郎 平野 重吉 米 田 富 其他
従 前 ノ通 リ
同
同
八名 水平社幹部
前
二五名 労働者
一〇名 同
八名 同 前
シ
織 本
ナ
利
奴隷 ト農奴 松 下芳 男
日本労働運動史 ニ就 テ 小 沢 某
帝国主義 ニ就 テ 織 本 利
無事 散会 所轄署高等係 ヲシテ視察 セシム
同
前
前
聴講料同前 其他同前
同
(第 十 日 )
十時閉 同 所
七月 二十六 日 午後七時開 九時閉 古川清 七方
(第 十 一日 )
( 第十 二日)
従 来 ノ通 リ
目的
協会講習会
日本 フ ヱビ ア ン
借家人同盟講演 会 目的 従前ノ通リ
同
同
七月二十 八日 午後七時 三十分 開 午後十時 二十分 閉 山崎今朝弥方 七月二十八 日 午後 八時開 十時卅分閉 浅草玉姫町 本性 寺内 七月三十 日 午後 七時開 十時 三十分 閉 山崎今朝弥方
同
同
司会者 従来 通リ
従来 ノ通 リ
二五名 同
同
一五 名
組合論 山 崎 一夫
日本労働運動 史 ト職人組合 ノ研 究 小 沢 某
従 来 ト 大 同 小異 ニ付省 略 ス
二〇〇名 附近住民
社会運動 小 沢
某
一五名 労働者
同
同
前
前
聴講無料 取締従来 ノ通 リ
会費壱円 五十銭 同 前
大正十 三年 八月 一日 午後 七時開 十時閉 場所 同 前
八月 一日 午後七時 三十分 開
松菊演芸場
十時三十分 閉 府下大崎町居木 橋
八月 一日 午後 五時開 十時閉 帝 大基督教青年 会館内
八月二日
同
前
二五〇名 附 近住 民
同
一五名
司会者 従来 ノ通 リ
同
借家人同盟演説 会 目的 従前 ノ通リ
司会者 島 中雄 三 一氏 義 良 猪 俣津南雄
( 第十 三日)
建設者同盟主催 社会問題夏 季講 習会 ( 第 一日) 主義宣伝 ノ為 メ
一五〇名 学生 七〇 労働者 一〇 勤人 二〇 婦人 一〇 其他
一〇 〇 名
前
無 料 同 前
同
要旨従来 ト大同 小異 ニ付省略
聴講料 二円 五十銭 所轄署高等係 ヲシテ視察 セシムル ニ何等事故 ナク解散
日本労働 運動史 小 沢 某
奴隷制度 及奴隷 解放 ノ歴 史 一氏 義 良 変転期農村希望 ト事実 猪 俣津南 雄
エ スペ ラ ント講 義
午 後五時開 十 一時閉 場所 右 同
同
八月 四日 午後 五時開 十時閉 場所 右
同
八月 五日 午後 五時開 九時 三十分 閉 場所 右 八月五日 午後 七時開 九時 四十分 閉 府 下千住町千住
同
同
(第 二 日)
右
同
(第三日)
右 ( 第 四日)
借家人同盟講演 会 目的 従来 ノ通 リ
同
同
同
司会者 従 来 ノ通 リ
学生 六五 労働者 一〇 七〇名 学生 四〇 労働者 一〇 勤人 一〇 婦人 一〇
八〇名 右種類 ノ外雑
二五〇名 附 近住民
秋 田 雨 雀 一氏 義 良
猪俣津南雄 右 ハ前 日 ヨリ ノ 演題
社会運動 ノ圧迫 史 村 島帰 之 法 ノ野蛮 布施 辰 治
エ スペ ラ ント講 義 秋 田 雨 雀 日本 経済 状 態 ト
高 橋 亀 吉
無 産 階 級 ノ政 治 運動
従来 ノ講演要旨 ト大同小異ニ付 省略 ス
同 前
右 同 シ
同
所轄 署高等係 ヲシテ視察 セシム 無事 解散 聴講無料
天幕 内
南九一一
大正十三年 八月 五日 午後六時開 十時卅分閉 神 田区美土代町 基督教青年会館 内
八月六 日 午後 六時開 十時閉 場所 右 同
八月五日 午後五時 開 十時 三十 分 閉 場所 従前 ノ通リ
借 家 人 同 盟 主催 講習会 会 務 拡 張 ノ為 メ
前
( 第 一日)
同 (第 二 日)
建設者同盟社会 問題講習会 (第五日)
一八〇名 小商人其他労 働者
黒 田寿男 布 施 辰治 前日来演 題ニ同 シ
欧洲 ニ於 ケ ル住 宅政策 黒 田寿男 借家争 議 ノ法 律 関係 一般 神道 寛次 借地借家臨時 処 理法 ノ解説及批 判 布 施 辰治
同
前
所轄署高等係 ヲ シテ視察 セシム 何等事故 ナク解散 聴講料金 一円 五十銭
同 右
二〇〇名 右 同
司会者 借家人同盟 布 施 辰治
従 来 ノ通 リ
エスペラント 講 義 秋 田 雨 雀 聴講料弐 円五十銭 九〇名 社会思想 ノ圧迫 無事解散 学 生 、労 働 者 、 史 取 締 婦 人 、其 他 村島 帰 之 従前 ノ通リ 無産階級ト政党 赤松 克麿
八月七日 午後五時開 十時 三十分 閉 場所 従前 ノ通 リ
韻松亭
九月三日 午 後六時 開 十 一時閉 下谷区上野公園 内
九月十四日 午 後 一時開 六時閉 場所 日新会本部 ニ於 テ
九月十 六日 午後二時開 三時 三十分 閉
建設者同盟社会 問題講習会 (第六日)
三日会例会 印度事情聴講 ノ 為メ
国家主義 団体日 新会発会式
反動団体東海聯 盟発会式
従来 ノ通 リ
野 中
司会 者 貞
九〇名 学生労働者婦 人其他
二六名 全部会員
都鄙闘争 ト階級 闘争ト ノ相関 河西太 一郎 秋 田雨雀 赤松 克麿 続講
印 度事 情
ネ ース
アールヒー
従 前 ノ通 リ
聴講無料 所轄署高等係 ヲシテ視察 セシム 無事解散
司 会 者 ヨリ ノ挨 拶 来賓 ノ祝辞 等 ア
ネ ース
ア ー ル ヒー
三〇名 会員及賛助員
リ テ無 事 散 会
司会者 大沼晴 直 相馬昌三 熊 井 幸治 和 田青 五郎 其他
四五 名
開会 ノ辞会則朗読来賓 ノ祝詞後酒 食 ヲ共 ニシ 一同無事散会 ス 所轄署高等係 ヲシテ視察 セシム 其他、
会 員 、 賛 助員 、
司会者 大杉精 一 山中 理 一 伊藤熊次郎 小 山清 蔵
四 谷 区新 宿 一丁 東 京 ホ テ ル内
目
大正十三年 十月七日 午後七時開 十時閉 府下寺島町二、 三八八 水沢家具製作工 場
十月八日 午 後三時開 六時閉 早稲田大学第二 十番教室
十月十三日
借家人同盟演説 会 目的 従来 ノ通リ
早大雄弁会主催 演説会 主義研究 ノ為 メ
国家主義団体三
実 川 次郎 萩 原慶次郎 其他
司会者 従 前 ノ通 リ
司会者 戸 叶 武 伏見武夫 今野賢三 石沢磯次郎 北山亥四三 渡辺利太郎 其他
司会者
七〇名 附 近住民
一〇〇名 全部学生
演説要旨従来ト 大同小異ニ付省 略
無産 階級議会利 用 ニ依 ル政治的 闘争 伏見 武夫 新 唯心主義者批 判 古沢磯次郎 台湾統治批判 北山亥 四三 国際戦争 ヨリ階 級闘争 ヘ 渡辺利太郎 閉会 ノ辞 戸 叶 武
無料 無事散会 取締 従前 ノ通 リ
聴講無料
所 轄 署 高 等 係 ヲ シ テ当 庁 思 要 タ ル
今 野 、戸 叶 、伏 見 等 ノ言 動ニ 注 意
視 察 セ シメ タ ル カ何 等 事 故 ナ ク散 会 ス
聴講無料
午 後七時開 十時閉 場所 従前 ノ通 リ
題
日会例会 国家主義宣伝 ノ 為メ
三、 〇〇〇
一部定価
一 回
野 中 貞 遠藤友四郎
発刊 大正十 二年 十 二月 五日
発刊 大正十 二年 五月十 日
二六名 全部会員
容
要
視
庁
備
考
布留 川 桂 重ナル氏名 八 月 廿 九 日 甲号 高 田公 三 号 外 同 延島英 一
乙号
主幹者及重 ナル関係者 氏名
警
無事散会 取締 従前 ノ通 リ
本郷 区駒込 片 町 一五 労働運動社
京橋区木 挽 町二 ノ八
発 行 所
日本帝国 ノ国体 遠藤友四郎
概
労働運動社 ノ機関紙 ニシテ最 モ色彩鮮明 ナル無政府主義宣 伝記事 ヲ掲載 ス
無政府 主義 団体印刷 工聯合 ノ 機 関紙 ニシテ無政府主義 ノ主 張 ヲ掲載 ス
(六) 特別 要視 察人及要注意人 ノ経営 セル定期刊行物調 発刊年 月日 準拠 発行部数 廃休刊年月 名 発行期 日 内 最終発行 ノ 号数 法令
聞 一〇 銭
新 印 刷 工 日
一〇 銭
三 、〇 〇 〇
五
不定 日
回
紙 法
同
一
盟
聯
労働運動
甲号 近藤 憲 二 重ナル氏名 甲号 七月十 四日 望 月 桂 第 五号 同 岩佐作 太郎 延島 英 一 武 良 二
潮
我
流
等
義
マル ク ス 主
社会主義 究
年
研
青 動
治
運
政
新 聞 紙 法
同
同
新 聞 紙 法
同
同
一
一
一
回
日
回
五〇銭
五〇〇
一〇銭
二〇〇
二、〇 〇 〇
日
回
一
一
三〇 銭
三 、〇〇 〇
三五銭
二、五〇 〇
三〇 銭
三、〇 〇 〇
日
回
一
一 日
回
日
回
一
一 一
一
発刊 大正十三年 九月 一日 発刊 大正八年 三月十五日
大正十三年 五月一日
発刊 大正十三年 五月 一日
一般的社会主義 ノ記事 ヲ掲載 ス
府下八王子 市元横山町 三〇
無 政府 主 義 ア リ共 産 主 義 ア リ 四谷区愛住 町四八 テ内 容 一様 ナ ラ ス寄 稿 者 ノ主
張ニ 制 限 ヲ加 ヘ ス
府下 入新井 第三 イ ンタ ー ナ シ ヨナ ルト 密 町新井宿 一 接 ナ ル連 絡 ヲ保 チ最 モ色 彩 鮮 明 ナ ル共 産 主義 宣 伝 記 事 ヲ掲 〇二九 マルクス協 会 載 ス
町 一九
芝 区新 桜 田
思注 藤 田 興次
思注 長谷川万次郎
重ナル氏名 思注 大 山 郁夫
甲号 西 雅 雄
重ナル氏名 甲号 上 田茂 樹
思注 山崎今朝弥
重ナル氏名 布 施 辰治
ニシ テ題 名 ノ如 ク社 会 主義 各
ア ン協 会
日本 フ ヱビ
日本 フ ヱビ ア ン協 会 ノ機 関誌
リ
建設者同盟
島 中 雄 三
稲村 隆 一 橋 浦 時雄
重ナ ル氏名
牛込 区天神 町六
思注 宮 井進 一
派 ノ主 張 ヲ批 判 研 究 スル ニア
共 産 主 義 ヲ主 張 シ学 生及 地方
重ナル氏名 甲号
大 正 十 一年
府下西巣鴨 町池袋九 三 〇 農 村 青 年 ヲ対 象 ト シ テ宣 伝記
共産主義 ヲ基調 トシ無産 大衆 ヲシテ議会政策 ノ利用 ヲ普及
事 ヲ掲 載 シ ツ ヽアリ
十 月 一日
大 正十 三年
研
究
闘 芸
戦 文
め
動
活
進
生 運
化
由
文 動
自
運
新 聞 紙 法
同
同
同
同
一
日
二〇銭 四月 十 一日
十 一月 一日
一、〇 〇 〇 二 五銭
回 日
一、〇〇 〇
一 一
回
大 正十 一年
一
一五銭
大 正 十 一年 十 一月 十 三 日
大 正 十 三年 十 月 一日
発刊 大 正四年 十 二月十 五 日
ス ル ニ アリ
政治研究会 本部
安部 磯雄 大山 郁 夫
思注 山本伊津雄 重ナル氏名 岩 崎一
大阪府編入 甲号
福 田狂 二
加藤誠之介 重ナル氏名 布 施 辰治 中 田惣 寿 進 藤 寛治 中 村高 一
重ナ ル氏名
沢 口忠 蔵
平 野 重 吉
府下落合府 思注 営住宅二 ノ 下中弥 三郎 一〇 重ナル氏名 教員組合啓 島 中 雄 三
(編 輯 所 )
自由社
二ノ七 一
牛 込 区原 町
四谷区荒木 町八
芝区桜田久 保町 一九
牛込 区早稲 内 容 一様 ナ ラ ス投 稿 者ニ 対 シ 田鶴巻 町三 二六 制 限 ヲ加 ヘス
内 容一 様 ナ ラ ス
ス
ト シテ水 平 運 動 ノ主張 ヲ掲 載
関 東 水 平 社 ノ機 関 紙 ニシ テ主
借家人同盟 ノ機関紙 ニシテ借 地借家人 ノ団結 ヲ主張 ス
大正十 三年 主 ト シ テ社会 主 義 ノ主 張 ヲ掲 十 二月十 日 載 ス
一〇 銭
一〇銭
五〇〇
日
日
回
一
一 一
日
一、〇 〇 〇
一、〇 〇 〇
一
回
三 〇銭
回
一
日
一
一
九月三十日
第 一号
九月十日 第 二年 第 九号 十月八日 第 二年 第十号
働
婦 人 ト 労
急
進
Bulldog
社会思想
民衆運動
ブル ドツ ク
同
新 聞 紙 法
同
同
同
一
一 日
回
二〇銭
五〇〇
三〇〇
五〇〇
一 回
回
三〇銭
五〇銭
一 日
二十 日
一
五〇〇
二、〇 〇 〇
一 回
回
三〇 銭
二銭
一
日
二十 日
一
発刊 大正十三年 四月 一日
大正十 三年 四月 二十 日
明会
府下八王子
市横山町三 〇
ブ ルド ツ ク
一
思注 三輪 寿 壮 重ナル氏名 平 貞 蔵
重ナル氏名 平 岩 巌 富 田武 蔵
甲号 吉 田
乙号 茂木 久 平 重ナル氏名 甲号 高畠 素 之 遠藤友四郎
金 咲道 明
思注 府下 巣鴨 町 奥 梅 尾 小 品文 ニ ヨリ社 会 主 義 ノ主 張 字下新 田 一 重ナル氏名 ヲ掲 載 ス 〇二九 職業婦人社 今 野 賢 三 下村 きみゑ
内 様 一様 ナ ラ ス且見 ル ヘキ モ ノナシ
牛込 区加賀 国家社会 主義 ノ主張 ヲ掲載 ス 町 二ノ五 大化会 出版部
社
発刊 大 正十 三年 三月 二十 二 日
無政府主義 ノ主張 ヲ掲載 ス
府下 八王子 市元横山町 三〇
共 産 主 義 ノ主 張 ニシ テ主 ト シ 下谷 区上野 テ外 国 ニ於 ケ ル社会 主義 思 想 桜木 町四五 細野方 及 運 動 ノ状 況 ヲ紹介 ス
大正十 三年 三月十 七日
大 正 十 三年 四 月 一日
文芸戦線
スパ ル タ カ ス
同
同
同
一
回
二〇銭
五〇〇
三〇 銭
一、 〇〇〇
五 銭
五〇〇
日
日
回
日
回
五
一 一
一 一
名
大正十三年 六 月 十 一日
発刊 大正十三年 十月五 日 廃刊 大正十 三年 十 一月 三十 日 発刊 大正十三年 四月十五日 廃刊 大正十三年 六月六日
大 正 十 三年 一月 廿 二 日
発行
発 行年 月 日 禁 止年 月 日
内容 一様 ナ ラ ス 主 ト シ テ文 芸 ニ ヨリ社 会 主 義 ノ主 張 ヲ掲 載 ス
共産 主義 ノ主張 ヲ掲載 ス
二ノ 三 一
四 谷 区新 宿
府下八王子 市元横山町 三〇
発行部数
五〇〇
差押 部数
数
五〇〇
部
嘉 治 隆 一
甲号 中西伊之助
耀
重ナル氏名 佐野袈裟 美 今野 賢 三
甲号 永 田
重ナル氏名 神道 久 三
平 岩
一
巌
重ナ ル氏名
長 山 直 厚
吉 田
坂 本 俊 一郎
庁
視
警
シ
備
ナ
司法 処分
市外高田雑 資本 主 義 社 会 ノ破 壊 ハ各 主 義 司 ケ谷 一二 派 ノ主 張 ニト ラハ レ ス革命 家 七 ハ共 同 シ テ戦 線ニ 猛 進 ス ヘシ 未来と青年 社 ト主 張 ス
思注
発 行 者
(八) 特 別要視察人及思想要注意人発行出版物禁 止処分調
年
未 来 ト 青
題
全 国 ノ無 産 者 ヨ猛 然 ト シ
十月十 五日 第一巻第 一 号
考
上
上
禁止 大正十三年 三月 廿二日 発行 同 禁止 同
上
テ起 ヨ団 結 セ ヨ
自 由 幸 福 ノ為 メ進 メ
発行 同 禁止 同
上
発行 大正十三年 一月十 日 禁止 大正十三年 一月廿 五日
禁止 大正十三年 一月廿三日
上
上
上
発行 同 自由平等幸福 ノ為 メ進 メ 禁止 同
自 由 ノ道 ヘ進 メ
発行 同
テ起 ヨ団結 セ ヨ
全 国 ノ無 産 者 ヨ猛 然 ト シ 自由同盟会
高尾平兵衛 と其遺稿 戦線同盟 大正十三年頭 宣言 青年運動同盟
発行
同
同
人
人
人
一〇〇
二〇〇
三〇〇
九〇
一九 一
三〇〇
ナ
ナ
ナ
ナ
シ
シ
シ
シ
小河国 吉
同
二〇〇
九八〇
二〇〇
一、〇 〇 〇
一、五 〇 〇
人
二、〇 〇 〇
同
坂本俊 一郎
発行 吾 々 の敵 は資 本 家 階 級 だ 年月日不詳 禁止 大正十三年 一月廿 四日
敵 の陣営 は資本家階級ト 題シ
軍国主義 の凋落は資本主 義 の倒壊ト題 ス
無産者 に檄す
発行 年 月日不詳 禁止 大正十三年 一月廿六 日
発行 年 月日不詳 禁止 大正十 三年 一月廿六 日
年月 日不詳 禁止 大正十 三年 一月廿六 日
不
不
不
不
明
明
明
明
不
不
不
不
明
明
明
明
明
一〇
五
一〇
五〇
一〇 〇
ト題 ス
不
五
四五〇
明
明
五〇〇
不
枯 す ゝ き
耀
明
不
発行 年月 日不詳 禁止 大正十三年五月七日
書
不
甲号 永 田
趣 意
発行 年月 日不詳
発行 大正十 二年八月 禁止 大正十 三年 五月十五日
寄生虫 の謎
ナ
シ
一斉休業 の実現
禁止 大正十 三年八月廿三日 発行 大正十 三年五月 一日 禁止 大正十三年 一月廿五日
発行 ﹁寄 生 虫 の RATSEL﹂ ト 大正十三年 八月十七日 禁止 大正十三年 八月十七日
題 ス ル モノ
不 生産 的 人 間 の飯 事 に民
不
明
不
明
五〇
一、〇 〇 〇
五〇
五〇
田 辺武 雄
五〇
ス ル モノ
同
衆 の膏 血 を乱 費 云 々ト 題
五〇
五〇
五〇
明
同
不
七〇
親愛 なる盟友諸君 に呈す
明
一五〇
不
副島 辰 巳 村島 軍 治 野 辺盛武
発行 大正十三年 四月 三日 メ ー デ ー示 威 に参 加 せ よ 禁止 大正十三年 四月 三十 日
ブ ラ ツ ク ユー ス
発行 大正十三年 四月廿 三日 禁止 大正十三年 四月廿七 日
不敬罪及勅 令第 四百〇 三号違反 ト シテ起訴 サ レ目下予審 中
勅令第四百 〇三号違反 ト シテ副島 ハ懲役六月 村島野辺 ノ 両名 ハ懲役 四月 ニ処 シ 両名五年 間 執行猶予
社会 春秋
発行 年月日 ナシ 禁止 大 正 十 二年 十 二 月 五 日
発行 大 杉 栄 氏 伊 藤 ノ エノ葬 儀 年 月日ナ シ 大正十二年 十 二月十六 日 ト題 スル モノ
発行
明
竹 内春 海 今 井鶴 雄
不
不
明
明
三
二
二四 一
不
不 明
二
ピ エル
明
二
大 正十 二年 十二月 廿 六 日
ク ロポ ト キ
不
明
年 月 日不 詳
明
不
三
ン
不
明
明
法律 ト強権
発行 無 産 者 救 命 薬 ト 記載 セ ル 年月 日不詳 禁止 大正十三年 一月十五日
不
不
禁止
万国無産 階級団結 せよ
発行 年月 日ナシ 禁止 大正十三年 二月十九日
不 明
モノ
海 坊主 の話
発行 年月 日不詳 禁止 大正十三年 三月廿八日 発行
革 命 メ ーデ ー ガ来 タ
怪物を葬むる の室
発行 大正十三年五月 一日 禁止 大正十三年 五月六日
発行 年月 日不詳 禁止 大正十三年四月廿九日
年 月日不詳 禁止 大正十 三年四月廿三 日
思注 横 田 忠夫
不 明
不
不
不
明
明
不 明
二〇
一四
二
二
明
労働者 小作人 搾取 ノ話
明
三七三
二、〇 〇 〇
五〇〇
二、〇 〇 〇
三〇
不
甲号 高 橋貞 樹
不 明
松 下 吉衛
明
不 明
兄弟 よ労 働 者 諸 君 よ ト題
発行 大正十三年五月十日 禁止 大正十三年 五月廿四日 発行 年月 日不詳 禁止 大正十三年 五月廿六日 発行 六 月 一日
不
発行 年月 日不詳 禁止 大正十三年五月十日
スルモノ
特 殊部落 一千年史
破 壊創 造 ト題 ス ル モノ
革命家 と托鉢者 との対話
禁止 大正十 三年六月九日 発行 六 月 一日 禁止
︹カ︺
九九 五
三五
一、〇 〇 〇
不 明
福田淡次郎
明
太 陽 は輝 き た り
不
六 月十 日
地主 ヲ叩 キ倒 セ
発行 不 詳 禁止 六月十七 日
二〇
二〇
明
明
不
不
明
前駆者同盟
不
書
一〇
青年団員 に檄す
意
発行 不 詳 禁止 八月廿 二日
明
九九 三
不
一、〇 〇 〇
猪 飼 正男
発行 九 月 一日 禁止
甲号 市 川義 雄
炎
露 行
発行 年月 日不詳 禁止 八月廿八 日
発行 不 詳 禁止 七月十五日
趣
巨
赤
第 二号
名
九 月十 七 日
発行 不 詳 禁止 十月三十 日
四月 五 日
四月 一日
三月 十 七 日
三 月 一日
二月 二十 一日
二月 十 五 日
二月 二十 五 日
二月 五 日
発 行年 月 日 禁 止年 月 日
四月十五日
不
明
二〇
数
不 明
部
六〇
差押部数 五〇〇
四五五
発行部数
明
四〇〇
不
五〇〇
四三〇
福 田狂 二 甲号 近藤 憲 二
五〇〇
同
五〇 〇
四〇〇
二五〇
五五四
布留川 桂
五〇〇
福 田狂 二
三輪寿 壮
不 明
人
布留川 桂
発 行 者
(九 ) 特別要視察人及思想要注意 人発行新聞紙禁止処分調
時 ノ 叫 ビ
題
め 第 二巻
印刷工聯合 第 九号 進
労働 運動 第二号 労働 運動 第三号
四月 三 日
四月 一日
戦闘雑誌 第 二年
四月九日
進め 第 四号
印刷 工聯合 第十 一号
四月十七日
四月五日
社会 思 想 第三巻 第 三号
警
備
庁
視
司法処分
考
大 阪 府 ニ於 テ発 行 スル モノ
大 阪府 ニ於 テ発行 ス ル モノ
第 一年 第 一号
未来と青年 四月号
四月 十 五 日 四月 二十 九 日
六月六日
五月 二 十 九 日
六 月一 日
印刷工聯合 第十 三号
七月十四日
六月号
マル ク ス主義
労働 運動 第 五号
八月十三日
九 月 三十 日
十 月 一日
九月十 日
九 月一 日
八 月 二十 九 日
八 月 二十 日
七 月一 日
六月五日
民衆 運動 第 一巻 第 五号
外
め 第九号
印刷 工聯合 号 第 二年
進
戦 闘文 芸
十月 八日
十月十五 日
十 月 一日
無産階級 戦闘雑誌 進め 第 二年 第十号 第一 号
十月 五日
第 一巻
スパ ルタ カ ス
五〇〇
一、〇 〇 〇
一、〇 〇 〇
二五〇
三二 一
八五〇
九〇〇
無
布留川 桂
五〇〇
五〇〇
雅 雄
近藤 憲 二
五〇〇
西
一
不
三〇〇
吉 田
布留 川 桂
不 明
七 一二
五〇 二
三〇 福田 狂 二
一、〇 〇 〇
一〇 一
六〇〇
明
岩 崎
不 明
耀
一
福 田狂 二
永 田
題
名
発 行届出年月
︵十︶特別要視察人及思想要注意 人著作物調表
上
震災 画報 五、六 白 き石 の上 にて 無産階級政治行動 労働 組合運動 土地国有論 資本主義文明 の凋落 英 国労働党 発達史 一人生記録 野外劇 の 一幕 皇室讃美論 社会科学古代 社会 大 系
唯物史観 解説 資本主義 と物価問題 社会主義 の時代 憎し みの後 に 社会科学大 系 (十二)綜 合経済学
文芸春秋叢書 (七)獄中 より 古事記神話 の新 研究 英国労働 党綱領 空想 から科学 へ 経済科学十 二講 特殊部落 史 第六回国際労働総会概況報告 新思想 の普遍化
種
別
著 作
者
大 正十 三年十月末 日
特別要視察人
宮 武 外 骨 平 林初 之輔 赤 松 克 麿 同 人 安 部 磯 雄 同 人 西 雅 雄 中西伊之助 堺 利 彦 遠藤友四郎 高 畠 素 之 外 一名 ル デ ン 利 彦 川 正 一 部 磯 雄 島 資 夫 野 学 ゴ 堺 市 安 宮 佐
尾 崎 士 郎 石川三四郎 赤 松 克 麿 堺 利 彦 訳 赤 松克 麿 高 橋 貞 樹 赤 松 克 麿 猪俣津南雄
普選 の実施は果し て何時如何 して 普 通選 挙 聖き愛 の世界 へ 経済学 の実際知識 現代婦人職業案内 婦人商 売経営案内 行乞 十年 最後 に笑 ふ者 普選 即行パ ンフレツト 飴 チ ヨコの天使 婦人問題評論集 結 婚 地獄 戯曲集 死 の接吻 人間平等起原論 日本自由主義 発達史 民衆戦 ふ可き乎 哲学と人生 蒼ざめたる馬 犬、猫 、人間 社会と人生 教 育と人生 エスペラント読本 民族闘争 と階級意識 自由人 は斯 く語 る 資本主義最後 の階段とし ての帝国主義 早稲田大学パンフレツト第十二篇 芸術 の暗 示と恐怖 隣 人 思想要注意人
布 施 辰 治 三 和 一男 帆 足 理 一郎 高 橋 亀 吉 稲 垣 正 明 同 人 宮崎安右 衛門 前田河広一郎 布 施 辰 治 小 川 未 明 帆 足 理一 郎 津 村 京 村 同 人 内 山 賢 治 野沢源之丞 室 伏 高 信 帆 足 理 一郎 青 野 季 吉 長谷川万次郎 帆 足 理一 郎 同 人 河 原 次 吉郎 大 山 郁 夫 室 伏 高 信 青 野 季 吉 小 川 未 明 新 島 栄 治
外国文学序説 常識 の社会主義 近代経済組織 と学説 大なる飢 ゑ 童話 赤 い魚 パピー ニ自叙伝 トル ストイ の生涯 人生詩人ブ ラウ ニング 叛逆芸術家 安 成貞 雄
行
為
者
片 上 伸 松 崎 嗣 郎 出 井 盛 之 訳 内 山賢 治 小 川 未 明 新 居 格 宮 島 新 三郎 帆 足 理 一郎 藤 森 成 吉 安 成 二 郎 外 二名 吉 野 作 造 宮 島 新 三郎
計劃及行動 竝取締状況 ノ大要
警
視
前 田河広 一郎
島 田三郎全集第二巻 短篇小説新研究
所
長編 創作大暴風雨時代
場
明
吉 野 作 造 粟 野 谷 蔵 以 上
時
(十一 不 穏 宣 伝文 書調 )
府下巣鴨町字 宮仲 二三五番 地道路電柱 ニ 貼付 セリ
不
露国帰 還 の漂流民幸太夫 中央労働学院史
日
大正十 二年 十 一月二十九 日 午後三時
庁
備
チ ニ剥 取
考
十 銭 紙 幣 ノ裏 面 ニ ﹁社 会 主 義 宣 伝 ハ国 民 ノ義 務 也 ﹂ ト 記 載 セ ル モノ ナ ル ニ ヨリ直
大正十 二年 十 二月十九日 午前十 一時
府 下 滝 ノ川 西
乙号 堀
鈴 木
新
ヤ ス
(精 神 病 者 )
思注
思注 ケ原 及 中 里 ノ (精神病者 ) 鈴 木 ヤ ス
人家 板 塀 ニ貼 付 セリ
府下 巣鴨町字 上駒込番 地不 詳
ノ同志 ニ郵 送
市 内及 各 府 県
大正十 二年 十 二月 二十日 午前十時
一月 一日
セリ
大正十三年 午前九時
一、 計 劃 及 行動 ナ ル政 府 ヲ見 ヨ吾 々 ハ弱 キ者 ノ為 メ
社 会 主義 宣 伝 ノ目 的 ヲ以 テ ﹁無 理 解 ニ幸 多 カ レト戦 フ者 テ ア ル労働 団結 シテ革 命 ヲ起 シ 云 々﹂ ト ペ ン書 セ ル ビ ラ ヲ貼 付 シタ ル モノ ナ リ 直 チ ニ剥 取 ルト 同 時 ニ家 人 ヲ呼 出 シ
二 、取 締 状 況 ノ大 要 説 諭 ヲ加 フ
行 為 者 ハ社 会 主義 ヲ標 榜 ス ル精 神 病
一、 計 劃 及 行動 者 ニシ テ家 人 ノ隙 ヲ窺 ヒ家 出 シ ﹁吾 等 ハ真 ニ人類 ノ文 化 ヲ向 上 セ シ メ︱ 社会 ニ不満 ヲ抱 イ テ居 ル人 ハ社 会 主 ビ ラ ヲ散 布 セ リ
義 ノ実 現 ニ努 力 スベ シ﹂ ト墨 書 セ ル 二 、取 締 状 況 ノ大 要 ニ本 人 ヲ説 諭 ノ上 家 人 ニ引渡 ス
直 チ ニ取 押 へビ ラ ヲ押 取 スルト 同 時
行 為 者 ハ社会 主義 宣 伝 ノ目 的 ヲ以 テ
一、計 劃 及行 動 年賀 状 ヲ利 用 シ ﹁ 赤 化 の 一年 を葬 ひ 革 命 の新年 を迎 ふ 云 々﹂ ノ文 辞 ヲ印 刷 シ郵 送 セリ 二、 取締 状況 ノ大要 ヲ加 フ
郵 送 ノ事 実 ヲ発 見 シタ ルヲ以 テ説 諭
大正 十 三年 二月 二十 一日
同 日
年
時 間 不明
同
大 正十 三年 三 月 一日
江 川菊 次 郎
同
思注 府下大崎町 居木橋 附近 ノ 布施 辰治 ノ組 織 スル借家人 電柱 同盟
同
都下無政府主 義関係労働団 体 ニ配布 ス
一、計 劃 及 行 動 ヲ組 織 シ之 レカ宣 伝 手 段 ト シ テ ﹁借
借家 人 団結 ヲ目的 ト シ テ借 家 人 同 盟
ル札 ヲ電 柱 ニ貼 付 セ ル モノ ナ リ
家 人 よ団 結 せ よ﹂ 借 家 人 同 盟 ト 題 ス
宣 伝 文 ハ不 問 ニナ リ タ ル モ電 柱 等 ニ
二 、取 締 状 況 ノ大 要 貼 付 ス ル ハ違 反 ニ付 説 諭 ヲ加 フ
前顕 ノ 目的 ヲ以 テ ﹁決 議 ﹂ト題 シ﹁吾
一、計 劃 及 行 動
ム ル為 メ 凡 テノ脅 威 ヲ排 シテ勇 往邁
人 ハ生 存 ノ要 素 タ ル住 居 ノ安 定 ヲ求
ノ札 ヲ貼付 セ ル モノ ナ リ
進 以 テ左 記事 項 ノ達 成 ヲ期 ス云 々﹂
前顕 ニ同 シ
二 、取 締 状 況 ノ大 要
一、計 劃 及 行 動 ー マン同 盟 ヲ組 織 シ ﹁サ ラ リ ー マン
社会 主 義 者 糾 合 ノ目 的 ヲ以 テ サ ラ リ 諸 君 に激 す﹂ ト題 スル宣 伝 ビ ラ ヲ配 付ス 直 チ ニ仮 領 置 ヲ為 ス
二 、取 締 状 況 ノ大 要
一、計 劃 及行 動
志 ヲ追 悼 ス ルノ 目的 ヲ以 テ ﹁竹 ヤ リ
昨 年 九 月 一日震 災 ニ ヨリ死 去 セ ル同
送ス
都下 同 志 ニ郵
年
四月 三十 日
都下同志 ニ郵 送ス
小石 川区江戸 川公園 前 ノ電 柱
布ス
市 内 各所 ニ撤
同
同
大正十 三年 五月十 三日 時間不明
大正十 三年 八月 二十 三日
愛知県編 入 甲号 赤 尾 敏
LL労働協会
思注 (精神病者) 鈴 木 ヤ ス
乙号 岩崎善右衛門 思注 藤 田 貞 二
の 日猛 火 の日追 悼宣 伝 同 志 の英 霊 を 追 悼 し て九 月 一日 を忘 れ る な 云 々﹂ モノ ナ リ
ト 題 スル印 刷 札約 一万枚 ヲ作 製 セ ル
直 チ ニ仮 領 置 ヲ為 ス
二、 取 締 状 況 ノ大要
昨 年 九 月 一日 ノ震 災 ヲ記 念 シ且 ツ主
一、計 劃 及行 動 義 宣 伝 ノ目的 ヲ以 テ ﹁懺悔 還 本 の日 ス ル印刷 札 ヲ撒 布 ス
九 月 一日 万 人落 飾 す べ し 云 々﹂ ト題
直 チ ニ仮 領 置 ヲ為 ス
二、 取 締 状 況 ノ大 要
﹁労働 団結 シ テ革 命 ヲ起 シ而 シ テ社
一、 計 劃 及 行動
セ ルビ ラ ヲ撒 布 セ リ
会 ヲ改 造 セ ヨ﹂ ト赤 イ ンク ニテ執 筆
取押 へ家 人 ニ説 諭 ノ上 引 渡 ス
二、 取 締 状 況 ノ大 要
一、 計 劃 及 行 動 ヲ藉 リ社会 主義 宣 伝 ノ目 的 ヲ 以 テ
行 為 者 等 ハ昨年 九 月 一日 ノ震 災 ノ名
﹁流 言 輩 語 ノ為 メ社会 主 義 者 ヤ朝 鮮
官製端書 ニ ﹁ 恨 み の記念 会 ﹂ ト題 シ
シ同 志 ニ郵 送 セ ント セ ル モノ ナ リ
人 ガ虐 殺 サ レタ 云 々﹂ ノ文 辞 ヲ印 刷
大正十三年 九 月 一日
同
同
大正十三年 九月二十 二日
市 内各所 ニ撒 布ス
同
同
借家人同盟
布 施 辰 治
同
思注 衣 谷 賀 真 都下各大学学 同 生間 ニ配布 ス 戸 叶 武 同 後 藤 寿 夫
直 チ ニ仮領 置 ヲ為 ス
二、 取締 状 況 ノ大 要
社 会 主義 宣伝 ノ目的 ヲ以 テ ﹁大 震 火
一、 計劃 及 行動 災 記 念 借 家 人 デ ー﹂ ト題 ス ル札 ヲ撒 布ス 直 チ ニ仮 領 置 ヲ為 ス
二、 取締 状 況 ノ大要
借 家 人 同 盟 拡 張 ノ目 的 ニテ ﹁大震 火
一、 計 劃 及 行動
ヲ撒 布 ス
災 の犠 牲 者 を 吊 ふ 云 々﹂ ト題 ス ル札
前 顕 ニ同 シ
二 、取 締 状 況 ノ大 要
一、計 劃 及 行 動 る な﹂ ト題 ス ルビ ラ ヲ撒 布 ス
前 顕 ノ目 的 ヲ以 テ ﹁九 月 一日を忘 れ
前顕 ニ同 シ
二 、取 締 状 況 ノ大 要
一、計 劃 及行 動 行為 者 等 ハ何 レ モ社 会 主 義 思 想 ヲ抱 シ学 生 社会 科 学聯 合 会 ヲ組 織 シ挑 戦
持 シ都 下各 大 学 ノ思 想 研 究 会 ヲ統 一 運 動 ヲ提 唱 シ ﹁挑 戦 デ ー の意 義 に徹 底 せ よ﹂ ト題 ス ル印 刷物 ヲ配 布 ス 二 、取 締 状 況 ノ大 要
大正十三年 十月二十 七日
犯 名
出 版 法
傷 害 罪
罪
都下各大学学 生 ニ郵送 ス
直 チ ニ仮 領 置 ヲ為 ス 一、 計 劃 及 行動 日芝 協 調 会 館 ニテ講 演 ヲ開 催 ス ル ニ
社 会 主 義 宣 伝 ノ目的 ヲ以 テ十 一月 七 当 リ ﹁諸 君 よ ⋮ ⋮ 諸 君 に し て卑 屈 な る感 念 を以 て現 在 の社会 組織 を 一瞥
︹マ マ ︺
怯 儒 と 冷 淡 と 無批 判 の精 神 を恥 と す
検
起 挙 年 月 日
上
第 二審
同
警
訴
視
上
第 三 審
同
庁
備
ス
考
破 棄 棄 却 宮城控訴院 大正十三年 大 正十 二年 ニ移送 無 罪 七月九 日 大正十 一年 大正十二年 八月 廿三日 同年
日
大正十三年 三月廿五日 懲 役 二月 懲役 二月 懲 役四月 同年 大正十二年 同年 大正十 三年 収監 シ 同年 五月四 十 一月十 六 二月五日 四月七日 五 月 十 一日 日満期出獄
第 一審 判 決 及 年 月 日
せ よ 云 々﹂ ト題 スル札 ヲ撒 布 ス
拘 留 科 料 即 決 及 其 年 月 日
直 チ ニ仮 領 置 ヲ為 ス
二 、取 締 状 況 ノ大 要
訓 戒 不 起 訴 猶 予 及年 月 日
思注 衣 谷 賀 真 同 戸 叶 武 同 後 藤 寿 夫
要
罪 大
大正十 一年 七月大阪市 ニ於 テ軍隊 ニ主義宣伝
タ ル モノ ナ リ
短 刀 ヲ以 テ傷 害 ヲ加 へ
村 足 太 郎 が密 行中 突 然
巣 鴨警 察署 勤 務 巡 査 元
犯 罪
(十特 二別 )要視察 人及思想要注意人犯罪調
亨
種 別 氏名
思注 中 沢
甲号
︹カ ︺
後藤総太郎 違
反
住居侵 入 甲号 栗林 四郎 一 並 恐喝 罪
甲号 治安警察 近 藤 栄 蔵 法違反
甲号 出 版 法 近藤 栄蔵 違 反
甲号 治安警察 高 津 正 道 法違反 思注 治安警察 小野寅次郎 法違反
ノ目 的 ヲ以 テ宣 伝 印刷 物 ヲ岡 山 及 金 沢其 他 ノ 軍 隊 ニ郵 送 セ リ
小 石 川 区 大 塚 町 七 一歩 兵 大 佐 井 染 禄 朗 方 ニ至 リ同 人 ニ面会 ヲ求 メ タ ル モ主 人 不在 ヲ告 ク ル ヤ家 人 ヲ脅 迫 シ金 銭 ヲ
七月
五月卅 日
懲役 大正十二年 六 月 六月廿四日 大正十 二年 七月廿四日
大 正 十 一年
八
リ
交付 セシメタルモノナ
大 正 十年
禁錮 秘 密 結 社暁 民 共産 党 ヲ
月
組 織 シ タ ル モノ ナリ
禁錮 一年 大 正十 三年 四月廿四日 宮城控訴院
警察 犯処罰 令違 反 拘留 七日 大正十三年 五月十四日
シ
却
月
大 正 十 二年
月
棄却 棄却 大正十 二年 大正十二年 逃 走 中
未 収 監
逃 走 中
逃 走 中
執行終了
監中
十 二月 十 七 収監目下在
日
大 正十 三年
棄
七 月 一日
十
第 一審 ニ同 禁錮
大 正 十 二年 大正十 二年
四 月十 五 日 四 月 十 四 日 七月十 二日
四月十四日
第 一審 ニ同
罰金 五十円 大正十 一年 四月廿五日
第 一審 ニ同 第 二審 ニ同
シ
禁錮 八
シ 大 正 十年
大 正 十 一年 大 正 十 二年 大 正 十 二年
シ
十 一月
八
禁錮
月
大 正十 年
四 月 廿 五 日 四月 十 四 日 七月 十 二 日
十 一月
十 一月
大正十年
十 一月
共 産 主 義 宣 伝 ノ為 メ ﹁軍 人 諸 君 ニ云 々﹂ ト ニ配 布 セ シ モノ
記 載 セ ル宣 伝文 ヲ軍 隊
近 藤 栄蔵 ノ犯罪 ニ同 シ
近藤 栄 蔵 ノ犯罪 ニ同 シ
甲号
起訴 大正十 二年 六月五 日
起訴 秘 密 結 社 日本 共産 党 ヲ 大正十 二年 六月五 日
同
起訴 大正十 二年 六月五 日
組織 セ ル モ ノナ リ
同
同
起訴 大正十 二年 六月五 日
治安警察 利 彦 法違反
甲号 仲宗根源和
同
同
起訴 大正十 二年 六月五 日
堺
甲号 田所輝 明
同
同
学
同
同
甲号 佐 野 甲号 高 津 正道
同
同
同
同
同
同
同
同
甲号 近藤栄蔵
一
甲号 杉浦 啓 一
市 川 正
甲号
大正十二年 六月六日
同年 六月七日
同年 六月七日
大 正 十 三年 六月四日
大 正 十 二年 六月六日 同年 六月六日
四月 廿 五 日
大 正 十 一年 四 月 十 四 日 七 月十 二 日
保釈出獄中
同
同
本件発覚 ス ル ヤ巧 ミ ニ 所 在 ヲ晦 シ 入露 ヲ企 ツ
保釈出獄中
本件発覚 ス ルヤ巧 ミ ニ
所 在 ヲ晦 シ 入露 ヲ企 ツ
保釈出獄中
同
甲号 橋 浦 時雄
甲号 西
甲号 渡 辺満 三
甲号 高 野武 二
甲号 吉川 守邦
同
同
同
同
同
同
同
同
同
同
同
同
同
同
同
起訴 大正十 二年 六月五日
起訴 大正十 二年 六月 五日
同
同
起訴 大正十二年 六月五日
起訴 大正十二年 十 二月二日
徳 田 球
一
同
十 一月 五 日
大 正十 二年
起訴
同
甲号 川内唯 彦
同
同
雅 雄
甲号 猪俣津南雄
同
甲号
甲号 荒井邦之介
六月 七 日
同年
同年 十 一月 二 日
同年 六月六 日 同年 六月 八日 同年 六月六 日 同年 十 一月 五 日
同年 六月十二日
七月十四日
同年
同年 六月 九日
同
同
同
同
同
同
同
同
同
甲号 浦 田武 雄
甲号 上 田茂 樹
同
同
同
同
同
同
同
同
同
同
同
同
大正十 二年 八月廿七 日
大正十 二年 七月九 日
同
同
同年 六月六 日 同年 六月九 日
同年 九月十五 日
同
同
同
同
思注 田代常 二 同
同
起訴 大正十 二年 九月十 五日
同年
京都府編入 甲号 辻井民之助 同
同
同
六月六 日
大阪府編入 甲号 小岩井 浄 同
同年 六月十二 日
思注 市 川義 雄
起訴 大正十 二年 六月五日
同
同
労働要視察人 渡辺政之輔
同
同
大正十三年 六月廿七日 同
同
起訴 大正十 二年 六月五日
労働要視察人 山本 懸蔵
同
同
同
大正十二年 六月七日
思注 野 坂参 弍
甲号 荒畑 勝 三 同
同
思注 警察犯処 小 河 国 吉 罰令違反 思注 藤 原栄太郎
同
公文書変 造行使文 書偽造行 使詐欺未 遂罪
治安警察 均 法違反
思注 中 村 家久
甲号 山川
思注 三 須鋹
思注 立原
同
不 穏 宣 伝 札 ヲ撒 布 シタ ル モノ
不 穏 ノ言 辞 ヲ漏 シ タ ル モノ ナ リ
金 銭 ヲ強 要 シ タ ル モ ノ ナリ
同
起訴 秘 密 結 社 日本 共産 党 ヲ 大正 十 三年 一月廿 二 日 組 織 セ ル モノ
百 七 十 一円 ニ書 替 へ金
帳 ノ預 金 額 十 一円 ヲ八
一月廿 二 日
大 正十 三年
起訴
自 己 所 有 ノ郵 便貯 金 通
銭 ヲ詐 取 セ ント シ タ ル 所為
本年四月廿九日府下世
メタル所為
田ケ谷村字 太子堂 三三 警察犯処 四番地先道路 ニ於 テ革 寛 罰令違反 命歌 ヲ高 唱 シ喧噪 ヲ極
拘留十 五日 一月 廿 三 日
大 正 十 三年
拘留十 日 大正十三年 一月廿三 日 拘留十五 日 一月 廿 二 日
大正十三年
拘留 二十日 大正十三年 四月廿九日
大正十三年 十月九日
一月 廿 二日
大 正 十 三年
懲役 六月 大 正 十 三年 大正十 三年 二月廿日 一月 十 二 日
同
執行終了
執 行終了
執行終了
保釈出獄中
執 行終了
執 行終 了
同
同
執行終了
拘留十五日
大 正 十 一年
ニ同 シ
大 正十 三年
四 月十 日
五年間執 行 猶予
五年閲執行 猶予
執行終了
ス
本名 ハ正式 裁判 ヲ請求
完 納
執行終了
同
同
拘留 二十 日 大正十三年 四月廿九日
思注 佐藤
同
執行終了
要
思注 松井 政 次 同
七 月 廿 一日
大 正十 一年
罰金 二十 円 大正十三年 大 正十 三年 三月十四日 三月十七 日
同
大 正 十 一年
十二月七日
懲役 四月 大正十 三年 十 一月廿四 日
七月 廿 一日
懲役六月
同
日
大正十三年 大 正 十 三年 四月廿七日 十 一月 廿 四
同
同
第 一審 判 決
同
同
拘留 十五日
思注 柿崎 甚 一 浅 草 区 花 川 戸 町 三 二番
起訴 地自 宅 ニ於 テ香具 師松 大正十 三年 三月十 四日
野 安 博 外 三 名 ト賭 博 ヲ 為 シ タ ル モ ノナ リ 丸 ノ内 ビ ルデ ング内 大
請 シタ ル所 為
警察犯処 船 渡 セ メ ント株 式 会 社 耀 罰令違 反 ニ至 リ金 銭 ノ寄 付 ヲ強
乙号 賭 博 罪 安田 俊 三
甲号 永 田
同
同
勅令第 四 雑 誌 ﹁ブ ラ ツ ク ユー ス﹂ 起 訴 思注 百〇 三号 ヲ秘 密 出 版 シ社 会 主義 大正十 三年 副島辰巳 違反 ノ宣 伝 ヲ為 シ タ ル モ ノ 五月六 日 思注 村 島 軍治
野 辺守 武
懲役四月 大 正 十 三年 十 一月 廿 四 日
甲号 武
勅令 第四 良 二 百〇三号 違反
同
家宅侵 入 巌 傷害罪
思注 江川菊次郎 甲号 平 岩
一 傷害罪
家宅侵 入
甲号 家宅侵 入 長 山 直 厚 傷害罪
甲号 吉 田
甲号 新聞紙法 橋 浦 時 雄 違反
不敬罪
本 年 五 月 一日 メ ー デ ー 前 日 ﹁メ ー デ ー 示 威 ニ 参 加 セ ヨ﹂ ト 題 ス ル 宣
ノナリ
伝 ビ ラ ヲ撒 布 シ タ ル モ
同
起訴 大正十 三年 四月 三十 日
同
大正十三年 四月三十日
同
大正十 二年 七月
大 正 十 二年 六 月 二 十 六
起訴 日赤 化 防 止 団 長 米村 嘉 大正十 二年 七月
大正十二年 七月
シメ タ ル モノ ナ リ
一郎 宅 ヲ襲 撃 シ傷 害 セ
起訴 大正十 三年 七月
大正十三年 七月
起訴 大 正 十 一年 十 一月 七 日
十 一月 七 日
罰金 五十円 罰金 二十円 大 正 十 一年 大正十 二年 大正十三年 三月十九 日 五月廿八日
起訴 大正十 三年 七月 新 聞 紙 法 ニ準拠 セ ス シ ヨリ労 働 新 聞 ヲ発 行 シ
テ大 正 十 一年 十 月 六 日 並 ニ同 年 十 一月 六 日同 モノ ナ リ
新 聞 号 外 ヲ発刊 シタ ル
大正九年十月廿四日麹 町区富士見町二 ノ四七
保釈出獄中
保釈出獄中
ヲ各 方 面 ニ郵 送 セ ル件
爆発物取 小野 金 六方 横ノ 溝 中 ニ 思注 締罰則勅 爆 発物 ヲ装 填 シタ ル件 起訴 田 辺 武 雄 令第四百 大 正 十 三年 七月 以 降 数 大正十三年 〇三号違 回 ニ亙 リ不 敬 ニ亙 ル文 九月六日 書 並 ニ不 穏 ニ亙 ル文 書 反
日常 盤 線 列車 内 ニバ スケ
大 正 十 二年 十 二 月 二 十 八
村 木 倉 知 等 ト共 謀 ノ上 福 田大 将 ヲ狙 撃 シ及 市
ノナリ
同
起訴 大正十三年 九月廿七 日
〓シ爆 破 セ シ メ タ ル モ 九月 一日
内 二 ケ所 ニ該 爆 弾 ヲ装
起訴 大正十 三年
爆 弾 ヲ製 造 シ共 犯 古 田 、
タ云 々﹂ ト記 載 セ ル モノ
偶 像 ト シ テ置 ケ ハ ヨイ ノ
ツ ト ヲ遺 留 シ在 中 品 手 帳 起訴猶予 思注 ニ ﹁摂 政 ヲ殺 シ タ所 テ帝 大正十 三年 岩 淵謙次郎 不 敬 罪 国 力倒 レ ル モ ノ カ摂 政 ハ 四月十六 日
殺人未遂 爆 発物 取 締 罰則 、 甲号 和田久太郎 銃 砲火薬 取締法施 行規則違 反 殺人未遂 爆発物取 締罰則、 思注 銃砲火薬 古 田大次郎 取締法施 行規則違 反
大正十三年 八月十七 日
大正十三年 三月廿日
大正十三年 九 月 一日
大正十三年 九月十 日
予審 中
予 審 中
甲号 村木源次郎 同
殺人未 遂 爆発物取 思注 締罰則、 倉 知 啓 司 建造物損 壊、窃盗 犯
甲号 賭博罪 野 中俊 治
度
同
同
起訴 大正十三年 十月十 一日
起訴 大正十三年 九月廿七 日
大正十 三年 九月廿八 日
大正十 三年 九月十 日
同
同
本 年 六月 十 五 日本 所 区
大 正十 三年 六月十 五日
集
屋外集会
会 多数運動
警視庁
起訴猶予 中 ノ御業 平 町 三 二根 岸 大正十三年 九月廿七 日 シ タ ル モノ ナ リ
角 蔵 方 ニ於 テ賭 博 ヲ為
屋内集会
ニ関 スル集会多衆運動 取締件数調
数
(十三)思想問題
開 催
(行 政 取 締 ) (1) (2) (3)
司法 処 分件 数
特 別要視察 人及名
集会 ニ関 シ行政検束者数
名
甲 特
甲 特
種
要
要
別
籍
東京市牛 込 区筑土八幡 町二 一
ノ一
区 三崎 町 三
東 京市 神 田
本
国
滞仏中
モ ス コー
露
渡航又 ハ 現 在 所
七 月 廿 二日
大正十年
大正十三年 九月九日
渡 航 ノ目的 及年 月日
(十在 四外 )社会 主義者 (簿未編 入者 ヲ含 ム)及容疑者調 氏
潜
倭 衛
片 山
林
(4) (5) (6)
帰 朝 年 月 日
備
警
視
庁
考
大 正 十 三年 九 月 九 日横 浜 解 纜 ノ佐 土 丸 ニ搭 乗 思 想 ノ
研 究 ニ没 頭 シツ ヽア ル カ後 年 月 日不 詳 独 乙伯 林 市 ニ
移 リ次 テ大 正 十 年 十 二 月 労農 露 西 亜 ニ入 リ モ ス コウ
二 日浦 塩 ニ開 催 ノ世界 共 産党 執 行委 員 大会 ニ極 東 共
市 ヲ経 テ レー ニ ング ラ ウド ニ入 リ大 正 十 二年 六月 十
産 党 員 ヲ代 表 シ テ出席 シ客年 九 月 モ ス ク ワ ニ於 ケ ル
同 会 議 ニ列 席 演 説 ヲ ナ セ ル事 実 アリ其 后 モ ス クワ市
所 在 各 国 共 産 党 員 宿 泊 所 ナ ル ﹁ル ツ ク スホ テ ル﹂ ニ
滞 在 第 三 イ ン タ ー ナ シ ヨナ ル幹 部 ト シ テ活 動 中
﹁ク ライ スト﹂ 号ニ 搭 乗 シテ渡 仏 大 正 十 一年 一月中
大 正 十年 七月 廿 二 日洋 画 研 究 ト 称 シ テ 横 浜 解纜 ノ
同 国 ルア ー ル街 ヨリ当 時 逗 子 町 ニ在 住 ノ特 要 伊 藤 野
乙 ニ渡 航 ス ヘキ希 望 ノ旨 通 信 セ ル モ其 後 ノ行 動 不明
枝 宛 書面 ヲ郵 送 シタ ル事 実 ア リ該 書 ニ依 レ ハ当 時 独
大庭 景 秋
植山治太郎
︹カ︺
学
八幡兼松
佐 野
近藤栄 蔵
和 田軌 一郎
甲 特 要
東京市 四谷 区愛住町 四 八 露
東京府下北 豊島郡巣鴨 町 一、 九四 三 支 青
国
北米加洲
甲 特 要
高知県幡多 郡宿毛町大 島 一〇七
市
露
露
国
国
国
那 島
バ ー ク レー
甲 特 要
露
北海道 札幌 区北五条西
東京府下豊 多 摩郡淀橋 町柏木 三五 三
東京市神田 区小川町 三四
要
要
甲 特 要
甲 特
乙 特
十丁目 一番 地
大正十年 五月十 五日 明 治 計 五年 一月頃 タメ
旅 館経 営 ノ
就 職 ノ タメ
労 農 露 西 亜 国 情視 察 ヲ標 榜 シ テ入露 セ シカ其 後 同 国
国 家 保 安 部 ノ手 ニ逮 捕 セ ラ レ殺 害 セラ レタ リ ト ノ情 報 アリ
︹六字不
□ □ □ ー市 プ レ ー キ街 二 、 一二 一居 住 大 洋 旅 館 ヲ経
明︺
明治三十五年 一月中旅館経営 ノ目的 ヲ以 テ渡□□□ 営 シ居 ル模 様 ナリ
大正十 二年三月中 就職 ノタ メ支那青島 ニ渡航 シ長瀬 鳳輔 ノ主宰 セル国士館大学 ノ経営 ニ係 ル青島新報記 者 トナリ滞在中 大 正十 二年 三月
接 シ タ ル モ其 真 相 不 明
絡 ヲ執 ル目
ル本部 ト連
ー ナ シ ヨナ
真相不明
関 学 校 ニ於 テ日本 語 教 授 ヲナ シツ ヽア ル模 様 ナ ル モ
ー ニ ング ラ ード市 所 在 労 農 学 院 ト称 ス ル共 産 主義 機
露 シ モス カ ウ、 レ ー ニ ング ラー ド等 ヲ旅 行 シ目 下 レ
大 正 十 一年 四 月中 労 農 露 西 亜 ト ノ連 絡 ヲ執 ル ヘク入
徨シ タ ル模 様 ナ ル モ真相 判 明 セ ス
露 シ爾 来浦 塩 、 モ ス コー、 レー ニ ング ラ ンド 間 ヲ彷
大 正 十 二年 六 月 五 日 共産 党 事 件 ニ連 座 検 挙 ヲ恐 レ入
ナ シ屡 々浦 塩 上海 等 ニ旅 行 セ シ形 跡 ア ル旨 ノ情 報 ニ
入露 シ当 時 高 麗 共産 党 ト提 携 シ テ共 産 主 義 ノ宣 伝 ヲ
大 正 十 二年 五 月 三 十 日 共産 党事 件 ニ連 座 検 挙 ヲ恐 レ
共産党事件 発覚 ノ為 大正十二年 五月三十日 共産党事 件 ニテ 大正十二年 六月五日
的 ニテ
第 三 イ ンタ
大 正 十 一年 四月
熊
北浦千太郎
水 沼
荒畑 勝 三
高津 正 道
甲 特
甲 特
甲 特
要
要
要
甲 特 要
同
健 物 貞 一 容疑者
中村誠 太郎
大阪府 大阪 市南 区難波 東神田町八 二 京橋 区木挽 町 二ノ八
府下豊多摩 郡大久保町 大字大久保 百人町三〇 七
浅草区浅草 町 五六水沼 辰方
神奈 川県横 浜市永楽 町 一ノ八
府 下 代 々幡
栃木 県芳賀 郡市 羽村 大 字赤 羽 一
広島県御調
町 幡 谷 一、
第三イ ンタ ー ナ シ ヨナ 大正十 三年 ル本 部 ト連 十月廿九 日 帰朝
絡 ノ為 大 正
上
十 一年 四 月
同
大 正 十 一年 四 月 中同 志 水沼 熊 、長 山 直 厚 等 ト共 ニ労
レー ニ ング ラー ド間 ヲ旅 行 大 正 十 三年 十 月 廿 九 日帰
農 露 西 亜 国 情 視 察 ノ目 的 ヲ以 テ入 露 浦 塩 、 モ ス コウ、 朝
ニ労 農 露 西 亜 国 情視 察 ヲ企 劃 シテ 入露 浦 塩 、 モ ス コ
大 正 十 一年 四 月 中同 志 北浦 千 太郎 、 長 山 直 厚 等 ト 共
ウ、 レ ー ニング ラ ツド間 ヲ旅 行 大 正 十 三年 十 一月 三
大 正 十 二年 四 月 中労 農 露 西 亜 共 産 党 員 ト連 絡 ヲ執 ル
日帰朝
片 山 潜 ト協 力 共 産主 義 ノ運動 ニ没 頭 シ大 正 十 三年 十
大正十 三年 十 一月 三日 帰朝
大 正 十 二年
月 九 日帰 朝
大正十 三年
ヲ恐 レ テ入露 浦 塩 モ ス コウ間 ヲ旅 行 シテ大 正 十 三年
渡支後 ノ行動 不明
渡米後 ノ消息不明
六 月 四 日帰朝 東 京 地方 裁 判 所 検 事 局 ニ自 首 ス
大 正 十 二年 六 月 中 ( 日時不詳)共 産 党 事 件 ニ連 座 検 挙
朝
六月 四日帰
徨シ レー ニ ング ラ ツド所 在 各 国 共 産 党 宿 泊 所 ニ寄 宿
ヘク入 露 浦 塩 、 モ ス コウ、 レ ー ニ ング ラ ツド 間 ヲ彷
四 月 第 三 イ 大 正十 三年 ンタ ー ナ シ 十 月九 日帰 朝 ヨ ナ ルト連
絡 ノ為
清方
修学 目的
郡 羽和泉村 〇
米
大正十二年
大正十二年 六月逃避
岡山県津窪
コ ロンビ ヤ
七月廿八日
一 一一高 瀬
郡早島村早
大学
字 羽倉 一二
島 二四三
支那上海広
国
広島県広島
五月 三十 日
大 正十 三年 東路 五号 海洋 社 三三
市水主町四
杉町八重充
思
注
北海道常呂 米 国 郡野付牛町 ワ シ ント ン 修学 ノ目的 二条 通西 一 大 学 大正十二年 丁目 三 一九 大正十年 五月
沖縄県那覇
米 領 布 畦
市 上 ノ蔵 町
大 正十 一年 十月
視察 ノ目的 大正十 一年 九月
郡 長 泉 村下
五〇
五月
修 学 ノ目 的 大 正 十 一年
静 岡 県 駿東
逸 林
二年間視察 ノ目的大正 十 二年四月 廿日
独 上狩 一、 一 伯
洲 地
二 ノ 一三
容疑者
大正十二年 六月逃晦
比嘉 賀 秀
暹 羅
愛知県 八名 郡石巻村字 玉川 二 独 逸 伯 林
注
大阪府豊熊 郡庄内村三 屋八三 北 米
思
容疑者
高知県高岡 市越 智西町
注
佐藤 智和
荒 川 実蔵
同
同
思
視察 ノ目 的
越 智 秀雄
安 生鞠 子
村瀬武比古
欧 各
愛知県丹羽 郡布袋 町小 折五八〇
渡米後消息 ナシ
渡航後 ノ行動不明
渡暹 ノ真相及其 後ノ行動 不明
渡 独後 ノ行動 不明
渡 米後 ノ行動 不明
渡独後 ノ行動不明
出発後 ノ行動不明
直 吉
中 村雅 宜
辻
就職 ノ為 大正十二年 十 一月三十 日
出発後 ノ消 息不明
其後 ノ消 息不明
同
大 正 十 二年 十 一月 十 日
十 一月 十 一 日
ハ黒 田礼 二 ナ ル別 名 ヲ存 ス
新 聞 記者 ト シテ入 露 シ タ ル モ其 後 ノ消 息 不 明尚 本 名
タ ル ヤノ情 報 ア リ
渡 露 後消 息 ナ キ モ最 近露 国 政 府 ヨリ退 去命 令 ヲ受 ケ
其後 ノ消息不明
山梨県北都 留郡 大原村 藤崎三五九
大連 満鉄会 社内
大正十 二年 十月
出発後 ノ消息 不明
高橋 義臣
思
就 職 ノ為 メ
容疑者
香川県香川 郡檀紙村檀 紙六 八
南 米
修学 ノ目的 大正十年 九月
出発後 ノ消息 不明
満洲遼湯白 塔大街七、 満洲紡績会 社内
同
鹿児島県薩 摩郡 入来村 字蒲 ノ名八 三
北 米
修学 ノ目的 大正十 二年 五月
市 村今朝蔵
同
北海道天塩 国美深町十 一線東六番
北 米
露文学研究 ノタメ 大正十 三年 七月 同
種 田清貴
長野県北佐 久郡東長倉 村
露 国 莫斯 科
注
愛媛県松山 市唐人町二 三
露 国 ヲ経 テ 筈
独 逸 ニ行 ク
視 察 ノ目 的 大 正 十 二年 同
伸
片 上
岡 上 守道
高知県長岡 市大篠村字 篠原 一〇八 ノ 一二号
称
所
在
地
創立年月日 会 員 数
総
主旨綱 領
自大正十二年十 一月一日 ( 第 一表) 水 平 社 団 体 調 至 大正十三年十月三十日
水平運動 ニ関 スル状勢調
名
団体 現在総 数
目
的 日
時
会
員
行
数
動
概
警
幹 部 氏 名
視
庁 要
論 議 其 他 集 会 ノ 状 況
モ解 放 ヲ叫 フ
ニ次 キ平 野 重 吉 外 六 名 ノ講 演 アリ何 レ
郎 ヲ推 薦 議 長 ト ナ シ綱 領 、宣 言 ノ朗 読
細 川 松 之 助 ノ開 会 ノ辞 ニ始 マリ 山内 太
特殊部落 ノ解放 ヲ歴史的又 ハ精 神的 ニ 絶叫 ス
至大正十三年 十 月末 日
衆
一五 〇
聴 浅草区馬道 八ノ 一 竹林亭貸席
四〇〇
所
西多摩郡霞 村藤橋 五〇 二増田時蔵 方
場
( 第二表) 水 平社 ニ関 ス ル集 会 調 自大正十二年十 一月 一日
集合名称 大 正 十 三年 午 后 一時 ヨ
四 月 一日
水 平 社 演 説 会
四月十八日 午 前十時十 五分
リ
水 平 社 趣旨宣伝 演 説 会
警
締
視
状
庁
司法処分
取
行政処分
況
其
他
目
的
日
時
場
所
聴
衆
場
所
憲政会本部
弁護士 上村 進 宅
原
事 因
四 月 二十 九 日浅 草 区 み や と座 ニ於 ケ ル失 言
件 経
ノ
概
要
取
警
締
視
状
庁
司法処分
庁
況
其 ノ他
取締及行政司法処分 状況
視
行政処分
警
日 々新 聞 ニ掲 載 スル コト ニ ヨリ本 問 題 ヲ解 決 シタ リ
二 日上 村 ノ自 宅 ヲ訪 ヒ会 見 ノ結 果 謝 罪 広 告 ヲ和 歌 山
水平社執行委員平野重吉 ( 当庁甲号特要) ハ五 月 二十
本 部 ニ大津 氏 ヲ訪 ヒ釈 明 ニ ヨリ 円満 解 決
等 カ糾 弾 ニ出 テ 平野 重吉 、高 橋 竹 三郎 両 名 ハ憲 政 会
当 ナ ル失 言 アリ シ事 ヲ水 平 社 員 高 橋 竹 三郎 、 大 野 宏
説 会 ニ於 テ大津 淳 一郎 氏演 説 中 ニ水 平 社 員 ニ対 シ不
四 月 二十 九 日 みや と座 ニ於 ケ ル頼 母 木 桂 吉 氏 応 援 演
過
論 議 其 ノ 他 運 動 状 況
至大正十 三年 十 月末 日
( 第三表) 水 平 運 動 ニ関 スル多 衆 運動 調 自大正十 二年十 一月 一日
時
( 第四表) 糺 弾 其 他 ノ 紛 争 事 件 調 自 大正十二年十 一月 一月 至大正十三年 十 月末 日
名 称
日
大正十 三年 五月二十 八 日
大正十 三年 五月 廿二日
四月二十 五日和歌山県 下 ニ於 テ衆議院議員候 補者岡崎邦輔 ノ演説会 ニ於 テ差別的言辞 ヲ用 ヒタル ニ依 ル
( 第五表) 水 平社 員 ノ運 動 ニ関 スル犯 罪 検 挙 調 自大正十 二年十 一月 一日 至大正十 三年 十 月末 日
暴 行脅 迫
所 在 地
場
所
脅
喝
殺 人傷 害
行
庁
動
備
視
人 員
治安警察 法違 反
件 数
計劃及行動並取締状況 ノ大要
警
現在会員数
主 旨 綱 領
人員
公務執行妨害 件 数
至大正十 三年 十 月末 日
会 員 数
至大正 十三年 十 月末 日
創 立年 月 日
行為 者
概
件 数
考
要
警
人員
其
視
警
視
他
部
庁
人 員
ノ
幹
件数
氏
庁
計
数
名
件
人
員
擾 人員
騒 件 数
人 員
人 員
件 数
九州水平社執行委員長松本治 一郎 ハ同社員松本源 太郎及佐藤 三太郎 ニ兇器及旅費 等 ヲ供 与上京 セシメテ徳川公暗殺 ヲ企 テ シモ ( 大正十三年七月九日)未然 ニ検 挙 ス
称
( 第六表) 反 水 平 団 体 調 自大正十 二年十 一月 一日
件 数
備考
名
時
( 第七表) 不 穏 宣 伝 文 書 調 自大正十 二年十 一月 一日
現在 団 体 数
日
題
題
題
著 作 者 発 行 者
発 行 数
部
発行部数
編輯発行人 及 発 行 所
発行 人及 著 作 者
定
数
価
其 発 行 期
差押部数
部
発行部数
数
警 備
ノ
視
他 一部定価
視 備
警
庁
視
考
記事 内 容 概 要
考
庁
警 司法行政処 分
( 第八表) 大正十 一年 以降水平運動 ニ関 シ水平社及社員 著作物 調 名
発行年月 日 廃休刊年月 日
( 第九表) 水 平 運 動 機 関 紙 調 名
禁止年月 日
( 第十表) 水平運動 ニ関 スル新聞紙其 ノ他出版物処分調 名
庁
備
考
十
屋
集 内 一年
集 会 十 三年 十
屋 一年
外
( 第十 一表) 水平社 ニ関 スル集会 及多衆運動取締件数調
数
数
件 数
度
止 件 数
催
限 件 数
開
禁
監 件 数
締)
( 1) 制
意 件 数
取
(3)臨
止 件
政
( 4)注
( 2)
中 散
(行
( 5) 解
人員
件数
(6)
司法処分件数 集会 ニ関 シ行 件 数 政 検 束者 数 人 員
会 集 会 十 三年
多
一 年
衆
視
十
運
庁
三 年
動
警
十
平
名
高橋 竹三郎
平 野 重吉
氏
( 第十 二表) 水
所属団体名
関東水平社
関東水平社
社
本 現
幹
部
住
性 歴
大
要
思
想
警
及
視
行
庁
行
動
概
要
大正 八年 五 月 中 ヨリ労 働 運 動 ニ奔 走 シ常 ニ
現代 資 本 主義 制度 社会 組 織 ノ破 壊 ヲ叫 ヒ大
ノ言 動 ア ル ニ ヨリ大 正 十 一年 十 二月 廿 日当
正十 一年 ヨリ ハ全 国 水平 社 運動 ニ従 事 過激
庁 ( 甲号)特 要 ニ編 入 ス
アリ
性 沈 着 ナ ル モ邪 智 深 ク シ テ時 ニ過 激 ノ言 動
水 平 運 動 ニ関 ス ル会 合 ノ際 ハ常 ニ出 席 シテ
大 正 三年 七月 シ ンガポ ー ル ニ渡 航
下 駄 表 行商 ナリ
自大正十二年十 一月 一日 至大正十三年 十 月末 日
容
視
庁 可決不決撤回 留 保 等 ノ別
警
シ カ大 正 十 二年 八月 上 京 シ現 在 ハ 差 別 的 待 遇 撤 廃 ノ演 説 ヲ ナ ス
シ神 戸 市 ニテゴ ム会 社 職 工ト ナ リ
シ南 洋 各 地 ヲ転 々シ同 十 一年 帰 朝
高 等 小学 卒 業
機関 紙 ( 同和通信) ノ記者 ト ナ ル
ナリ 大 正十 三年 一月 ヨリ水 平 運 動
大 正十 一年 三 月 水平 社東 京 代 表 ト
大正 七 年 五 月 印 刷職 工組 合 ニ加 盟
大正 三年 五 月 上 京印 刷 職 工 ト ナ リ
小学 校 卒 業
経
自大正十二年十 一月 一日 調 至 大正十三年 十 月末 日
籍 所
本籍 新潟県中頸城 郡柿 崎町大字 柿 崎 (番 地ナシ) 現住所 牛込 区原町 一七 二 番地 本籍 兵庫県神戸市 尾池 菅原通四丁目十六 番地 現住所
(第十三表) 水平 社関係集会 ニ於ケ ル決議事項調
ノ 内 提案者及提案 理由
項
集会 ノ名称及 開催日時場所
事
所属水平社名
ヘキ警 告 文 ヲ手 交本 国 ヘノ
排 日問 題 ニ対 シ反省 ヲ促 ス 吉
平
リ排 日案 ニ反 対 ス
重
差 別 撤 廃 ノ本旨 ヨ
野
排 日問題攻撃 四月 二十五日 米国大使館
伝 達 ヲ依 頼 シ タ リ
平 野 重 吉 坂 本 清 一郎 千 崎 富 一郎
二 〇 大 正 十 五 年 中 ニ於 ケ ル社 会 主 義 運 動 ノ状 況
大正十五年十二月
大正十五年十 二月
説 丁
目
大正 十五年社会主義運動 中 ニ於 ケル
第 一章 総
ノ状況 警保 局保安課
四 3 71
一 370
次
( ) 一 最 近 二 、三年 間 ノ状 勢
七 372
第 一節 最 近 ノ状 勢
) ( 二 大 正 十 五年 中 ノ状 勢
一 370 一 370
第 二 節 社 会 主 義 者 及 団 体 ノ現況
三四 381
二八 379
二八 379
) ( 一 全 日本 無 産 青年 同盟 ノ運 動
第 二 節 社 会 主 義 者 ノ青 年 運動
( ) 二 黒 色 青 年 聯 盟 ノ運動
三六 381 三八 382
三八 2 38
(三) 全 国 無産 青年 団 体聯 盟 ノ運 動 第 三節 社 会 主義 者 ノ政 治 行 動
(一) 共 産主 義 者 ノ無 産 政 党 ニ関 スル運動
四〇 38
附 独 立 労 働 協 会 一派 ノ無産 政党 組 織 運 動
) ( 二其 ノ 他 ノ社 会 主 義 者 ノ運 動
第 五 節 社 会 主 義 者 ノ農 民 運動
第 四 節 社会 主 義 者 ノ労 働 運 動
四 八 386
四 七 385
四四 5 38
四三 384
第 六節 社 会 主 義 者 ノ水 平 運動
四九 386
( ) 三 無 政 府 主 義 者 ノ無 産 政 党 反 対 運動
第 七節 社 会 主義 者 ノ国際 運動
五五 38 8
三 38 7
(一) 社 会 主義 者 ト露 国 第 三 イ ンタ ー ナ シ ヨナ ルト ノ関 係 四九 386
七 372
( )三 各 種 国際 記 念 日 ノ運 動
(二) 在 米 邦 人 社会 主 義 者 ノ行 動 五
団 体竝 員団 数体
八 372
( )一 社会主義者及
( ) 二 社 会 主 義 者 及 団 体 ノ分 布 状 態
五六 388
五六 38 8
( ) 一 全 国 俸給 生 活 者 聯 盟 ノ運 動
五九 389 六二 390
) ( 二 本 会 一派 ノ検 挙
(一) 学 生 社 会 科 学 聯合 会 ノ組 織
六八 392
六七 392
六二 390
第 三章 学 生 ノ社 会 主義 運動 ト其 ノ検 挙
) ( 二 消 費 組 合 ノ運動
第 八 節 其 ノ他 ノ主 ナ ル社 会 運 動 八 372
三 3 74
一 二 373
一 二 373
) ( 三 社 会 主 義者 及 団体 ノ思 想 傾 向
第 一節 社会 主義 者 ノ教 育 及 指 導 運 動
第 二章 社 会 主義 者 ノ運動
(一) 大 衆 教 育 同 盟 ノ成 立 ト其 ノ運動 一
二三 377
) ( 三 検 挙 当 時ニ 於 ケ ル 一派 ノ陣 容
376
) ( 三 各 地 ニ於 ケ ル労 働 学校
二四 377
(二) 京都 無 産 者 教 育 協 会 二一
(四) 其 ノ 他 ノ主 ナ ル指導 機 関
( ) a新 人会 ( b)京 大社 会 科 学 研 究会
(四) 検 挙 後 ノ状 況
( ) c早 稲 田 大 学社 会 科 学 研 究会
六九 392
七三 394
七三 393
(イ) 全 日本 学 生自 由 擁 護 同 盟
) ( 五 文 部 当 局 取締ニ 対 ス ル反 対 運動
スル ニ在 リ 一派 ハ之 カ運 動 ノ機 関 ト シ テ ﹁ 政 治 研 究 会 ﹂ ヲ起 シ無 産
階 級 政 治 教育 ノ普 及 徹 底 ト階 級 政 党 ノ樹 立 ト ニ狂 奔 セ リ大 正 十 四 年
タ ル ニ当 リ彼 等 ハ日本 労 働 組 合 評 議 会 、 水 平社 無 産 者 同 盟 其 ノ他 ト
六 月 以 降 本邦 労 働 団 体 、農 民 組 合 等 カ ﹁ 農 民労 働 党 ﹂ ノ組 織 ヲ進 メ
連 衡 シ テ本政 党ニ 侵 入 セ ム ト シ タ ル モ他 ノ団 体 ノ排 斥 ス ル処 ト ナ リ
レタ ル ヲ以 テ 一派 ハ 一時 極 メ テ不 利 ナ ル立 場ニ 陥 リ タ リ シ モ爾 来
且 本 政 党 ハ大 正 十 四年 十二 月 一日結 社 成 立 ノ日ニ 於 テ直 ニ禁 止 セ ラ
ト共ニ 政 党ニ 侵 入 シ テ以 テ其 ノ運 動 ノ根 拠 ヲ築 カ ン コト ニ熱 中 セ リ
彼 等 ハ執 拗ニ 本 運動ニ 纏 綿 シ之 ニ藉 口 シ テ各 種 ノ主義 運 動 ヲ試 ム ル
シタ ル地歩 ハ抜 ク ヘカ ラ サ ル モノ ア リ其 ノ収穫 ノ極 メ テ大 ナ リ シヲ
斯 ク テ彼 等 一派 カ無 産 政 党 運 動ニ 依 リ テ諸 団 体竝 各 地方 ニ於 テ設 定
動 ﹂ ヲ表 面 ノ旗 幟 ト シ テ巧ニ 宣 伝 、 団 結 其 ノ他各 種 ノ計 劃 ヲ進 ム ル
ル モノ ア リ茲ニ 新 局 面 ノ打 開ニ 努 メ大 正 十 三 年 以 来 所 謂 ﹁政 治 行
挙 セラ レ幾 何 ナ ラ ス シ テ彼 ノ震 災ニ 遭 遇 シ当 時 世 評 ノ極 メ テ不 利 ナ
ニ 秘 密 結 社 ﹁日本 共産 党 ﹂ ヲ組 織 シ大 正 十二 年 中 其 ノ萌 芽ニ 於 テ検
共 産 主 義 者 等 ハ露 国 第 三 ﹁イ ンタ ー ナ シ ヨナ ル﹂ ト ノ盟 約 成 ルヤ直
其 ノ急 激 ナ ル進 行 ヲ促 進 セ シ メタ ルノ観 ア リ
運 動 、 農 民 運 動 其 ノ他 ノ社会 運動 ノ勃 興ニ 伴 ヒ互 ニ相 助勢 シ テ 一層
本 邦ニ 於 ケ ル社 会 主義 運動 ハ近年 著 シキ発 展 ヲ見 ル ニ至 リ シカ労 働
水 平 社 、 労働 、 農 民 団体ニ 侵 入 シ将 来 極 メ テ注 意 警 戒 ヲ要 ス ヘ キ 状
ナ ル関 係 ヲ保 テ進 行 シ東 京 、大 阪 、 兵 庫 其 ノ他 全 国主 要 地ニ 波 及 シ
年 共 産 党 ﹂ ノ運動 ノ 一結 節 ト認 ム ヘキ形 跡 ア リ無産 政 党 運動 ト密 接
運 動 ヲ開 始 セ ルカ此 ノ運 動 ハ元 ヨリ露 国ニ 其 ノ源 ヲ発 ス ル ﹁国 際 青
其 ノ他 大 正 十 四年 五、六月 頃 ヨリ共 産 主義 者 等 ハ新 様 式ニ 依 ル青 年
就 テ活 動 ヲ開 始 セ ル ノ風 ア リ タ リ
畑 勝 三、 佐 野 学等 一味 ノ枢 要 人 物 ハ相 次 テ帰朝 シ各 自 担 当 ノ部 署ニ
種 ノ新 機 軸新 傾 向 ヲ生 セ シメ タ ル ノ観 ナ キ ニ非 ス露 国ニ 亡 命 セ ル荒
的 刺戟 ハ相当 著 シキ モノ ア リ彼 我 同 志 ノ来 往漸 増 シ延 テ運 動 上ニ 諸
一方 大 正 十 四年 日露 国 交 ノ 回復 ニ依 リ当 時 彼等ニ 与 ヘラ レタ ル精 神
思 ハシ ム
所 アリ而 モ本 運 動 ハ時 流ニ 投 シ急 激 ナ ル速 度 ヲ以 テ各種 ノ方 面ニ 伝
況ニ 在 リ
七九 398
七五 394
説
( ) ロ 自 由 獲得 同 盟 第 四章 警 察 取締
第 一章 総 第 一節 最 近 ノ状 勢
播 シ 一派 ハ着 々其 ノ効 果 ヲ収 メツヽ ア リ
大 正 十 三 年 以 来各 地 ノ学 校ニ 創 立 ヲ見 タ ル学 生 社会 科 学 研 究 会 ハ大
(一) 最 近二 、三年 間 ノ状勢
セ ラ ルヽ モノ ニシ テ議会 運動 ヲ利 用 シテ無 産 階 級革 命 ヲ成 就 セ ム ト
彼 等 ノ ﹁政 治 行 動 ﹂ ノ神 髄 ハ即 チ ﹁共 産 主義 者 ノ新 議会 政 策 ﹂ ト称
ス レ ハ過激 ナ ル実際 運 動 ニ如 入 セ ム ト スル ノ状 況 ヲ呈 シ是 又警 戒 ヲ
正 十 四年ニ 入 リ其 ノ組 織 ヲ完 成 ス ルト共 ニ研 究 論議 ノ域 ヲ脱 シ動 モ
ヘシ
内 部ニ 於 テ既ニ 若 干 ノ反 動 的 機 運 ノ擡 頭 シ来 レ ル ヲ認 ム ル コト ヲ得
メ居 レ リ従 テ左派 ノ運動 ハ漸 次白 熱 シ来 ラ ムト ス ルト共 ニ 一面其 ノ
以 下大 正十 五年 中ニ 於 ケ ル社 会 主義 運 動 ノ状況 ヲ概説 ス レ ハ先 ツ彼
要 ス ヘキ モノト ナ レリ
等 ノ海 外 ト ノ連 絡 関 係 ヲ見 ル ニ第 三 ﹁イ ン タ ーナ シ ヨ ナ ル﹂、青 年
キ ツヽ ア ル ノ形 跡 ア リ次 テ内 地ニ 於 ケ ル共産 主 義 者 等 ノ組 織 、選 衡 、
要 之 大 正 十 四年 ハ前 年 来 ノ趨 勢 ヲ享 ケ実ニ過 激 派 共 産 主 義 者 ノ全 盛
配 置 ノ関 係 ヲ見 ル ニ労 働 団 体 、 青 年 同 盟 等ニ 於 ケ ル新 進 人 物 ヲ撰 出
期ニ 属 シ前 記 ノ如 ク露 国 方 面 ト ノ連 絡 一層進 展 セ ル等 各 種 ノ事 由ニ
圧 セ ラ レ全 ク之 ニ吸収 セ ラ レム ト スル ノ状 況 ヲ示 セリ
テ之 ヲ適 処ニ 配 置 シ絶 エ ス新 陳 代 謝 ト部 署 ノ移動 ヲ試 ミ周到 ナ ル計
共 産 ﹁イ ンタ ー ナ シ ヨナ ル﹂、 赤 色 労 働 組合其 ノ他露 国 共 産 党 ト本
如 此 ニシ テ大 正十 五年 ニ入 レ リ
劃 ヲ運 ラ シ ツヽ ア ル モノヽ 如 シ特 ニ共 産主 義 者 ノ主 脳 人 物 ハ曩 ノ秘
邦 同 志 ト ノ来 往 交 通 ハ 一層 頻 繁 ト ナ リ運動 上 ノ連 絡 ハ益 々深 刻 ニ赴
( ) 二 大 正 十 五年 中 ノ状 勢 大 正 十 五 年ニ 於 テ ハ各 種 ノ方 面 ニ於 ケ ル無 産 階 級 運動 ハ極 メ テ熾 烈
タ ル ノ観 ア リ無 政 府 主 義 其 ノ他 ノ各 派 社 会 主義 者 等 ハ之 等 ノ運 動ニ
ト ナ リ タ ル ノ ミ ナ ラ ス之 等 解 放 諸 運 動 ハ漸 次 ﹁ 無産階級政治運動﹂
ノ担 任 ヲ適 当 ナ ル人 物ニ 托 シ テ 一定 ノ順 序 ヲ追 テ服 罪 シ以 テ運 動 上
密 結 社 ﹁日本 共産 党 ﹂ 事 件ニ 坐 シ既ニ 結審 ノ近 ツケ ル ヲ推 知 シ各 自
依 リ共 産 主義 者 等 ハ陣 容 ヲ整 備 シ其 ノ運 動 ハ既 往ニ 比 シ 一新 セ ラ レ
ニ 向 ツ テ集 中 セ ムト ス ルノ状 況 ヲ呈 セ リ
シ テ之 ヲ露 国 ニ留 学 セ シム ル カ如 キ其 ノ新 闘 士 ノ養 成 ニ努 メ斯 ク シ
而 シ テ之 等 ノ運 動 ノ過 程ニ 於 テ内 部ニ 左 右二 派 ノ暗 流 ヲ生 シ全 期間
出 セ ント スル ニ至 レ ル モノ ト ス
ニ 論 ヲ発 シ之等 無 産 団 体 及 其 ノ運 動 上 ニ略截 然 タ ル思 想的 分 野 ヲ描
相 交 錯 シ テ雑然 タ ル各 個 ノ運 動 ヲ現 ハシ タリ シカ前 記 ﹁政 治 行 動 ﹂
従 来 本 邦ニ 於 ケ ル無 産 階 級 運 動 ハ各 種 ノ指導 理論 ト思 想 的 背 景 ト カ
認 メ 得サ ル ニ至 レ ル モノト ス
シテ ハ程 度ニ 深 浅 ア ル ノミ ニ シテ多 少 ノ関 係 ヲ有 セサ ル場 合 ハ之 ヲ
運 動ニ 従 ヒ現 在 ニ於 テ ハ所 謂 左 翼 的 社 会 運 動 ト称 セ ラ ルヽ モノ ニ対
牙 城ニ 依 リ無 産 階 級 教 育 ノ徹 底 ト 無産 階 級 解 放ニ 関 ス ル各 種 ノ実 際
年 同盟 、 日本 労 働 組 合 評 議 会 、 無 産 者新 聞 、 大衆 教 育 同 盟 其 ノ他 ノ
要 ス ル モ ノト認 ム次 ニ共 産 主義 者 ノ実際 運動 ノ状 況 ヲ見 ル ニ彼 ノ青
ノ間ニ 於 テ総 テ出 獄 スヘ ク其 ノ後 ニ於 ケ ル彼 等 ノ活 動 ハ更 ニ注 意 ヲ
即 チ各 種 ノ無 産 階 級 運動 者 及 団 体 ニ シテ極 左 無 政府 主義 的 傾 向ニ 属
学 生 社 会 科学 研 究 会 一派 ハ大 正 十 四年ニ 於 テ極 メ テ激 越 ナ ル共 産 主
支 障 ヲ生 ス ル コト ナ カ ラ シ メ ツヽ ア リ之等 ノ者 モ大 正十 六年二 月 迄
ス ル モノ ハ依然 ト シ テ経 済 的 直 接 行 動 ノ信 条ニ 基 キ テ政 治 行 動 ハ之
義 ノ運動ニ 出 テ タリ シ カ大 正 十 五 年 一月 其 ノ主 ナ ル モ ノ ハ治 安 維 持
ヲ通 シ排擠 抗争ニ 寧 日無 カ リ シ モ其 ノ結 果 ト シ テ之 等 無 産 階 級 諸 運
ヲ否 定 シ其 ノ他 ノ モ ノ ハ之 ヲ肯 定 シ テ積 極 行 動 ニ移 レリ之 等 肯 定 派
動 ノ内 容 形 式ニ 於 テ漸 次 整 頓 セ ラ レム ト ス ル ノ曙 光 ヲ現 シ ツヽ ア リ
ニ 於 テ モ更 ニ左翼 共 産 系 、 中 央 及 右 翼 ノ三 派ニ 分 立 シ各 自 運動 ヲ進
︵三) 社 会 主義 者 及 団体 ノ思 想 傾 向
ノ分 布 ト 略 々同 様 ノ関 係 ニア リ
社 会 主義 者 及 団 体 ヲ其 ノ主 張 及 行 動 ノ方 面 ヨリ観 察 ス ルト キ ハ大 体
社 会 主義 団 体其 ノ他思 想 団 体 ノ地 域 的 分 布 ノ状態 ハ前 述 社 会 主 義 者
リ
︵イ 無) 政 府 主 義(ロ 共) 産 主 義 及 ボ ルセビ ズ ム(ハ 其) ノ他 ノ社会 主 義ニ 区 分
リ学 園 ノ自 由 擁 護 、 獲 得 ヲ名 ト シテ再 ヒ活 動 ヲ開 始 セ ムト シ ツヽ ア
無 政 府 主 義 者 等 ハ前 記 共産 主 義 者 ノ運 動ニ 刺 戟 セ ラ レ大 正十 五年 一
法 等ニ 依 リ検 挙 セ ラ レ タ ル等 ノ為 一時 全 ク其 ノ鋒鋩 ヲ収 メ最 近ニ 至
月黒 色 青 年 聯 盟 ヲ組織 シ全国ニ 於 ケ ル同 志 団 体 ヲ糾 合 シ テ活 動 ヲ試
︵イ) 無 政府 主 義
スル コト ヲ得ヘ シ
第二 節 社会 主 義 者 及 団 体 ノ現 況
ミ ツヽ ア リ
八百二 十 七 名 ト ス
一月 十 五 日現 在ニ 於 テ三 千 八 百 四十 名 ヲ存 セ リ此 ノ内 重 ナ ル モノ ハ
所 謂 社 会 主 義 者 中 特 ニ注 意 ヲ要 スト認 メ ラ ル ヘキ者 ハ大正 十 五年 十
幸 徳 系統ニ 属 ス ル モノ
福 田大 将 狙 撃 事 件ニ 依 リ無 期 懲 役 中
大 杉 派 ノ中 心 人物 タ リ
岩 佐作 太郎 (〃 )
和 田 久 太郎 (〃 )
近 藤 憲二
ニ 属 スル者 中 心 タリ無 政 府 主 義 運 動 ノ中 心 人物 ハ現在 次 ノ如 シ
政 府 共 産 ノ思 想ニ 属 ス ル モノ ニ シテ実 際 運 動ニ 於 テ ハ大 杉 栄 一派
本 邦ニ 於 ケ ル無 政 府 主 義 ハ概 ネ ﹁ク ロポ ト キ ン﹂ ノ主 張ニ 係 ル無
之 等 社 会 主 義 者竝 其 ノ他 ノ者 ノ組 織ニ 係 ル社 会 主義 的 団体 及 各 種 新
(一) 社 会 主 義 者 及 団 体竝 団体 員 数
思 想 ノ研 究 、 論 議 乃 至其 ノ宣伝 実 行 ヲ目 的 ト スル所 謂 思 想 団 体 ノ数
大 杉 系 統ニ 属 シ現在 印 刷 工組 合 ノ重 鎮 タ リ 水 沼
加 藤 一夫 ( 〃︶
山 田 作 松 ( 〃)
辰 ( 〃)
( 東京)
ハ約 百 三十 団 体 ト ス而 シ テ之等 団 体 ノ団 体 員 数 ハ其 ノ最 大 ナ ル モノ
シ之ニ 対 抗 セ ル無 政 府主 義 者 ノ集 団 タ ル ﹁全 国 黒 色 青年 聯 盟 ﹂ ノ如
即 チ ﹁全 日本 無 産 青 年 同 盟 ﹂ ノ如 キ ハ全 国 各 地ニ 亙 リ約 六 千 名 ヲ有
大 串 孝之 助 ( 大阪)
望月
竹 内 仲 之 ( 長 野)
伊 串 英 治 ( 愛 知)
安 谷 寛 一 (兵庫)
中 尾 正 義 (〃 )
小 西 武 夫 (〃)
山 田 正 一 (〃)
桂 ( 東 京)
キ モ稍 々之ニ 追 従 スル団 体 員 ヲ有 セリ然 レト モ之等 ハ団 体 ノ聯 合ニ
関西黒旗聯盟 ノ中心人物
属 シ通常 ノ場 合ニ 於 テ ハ概 ネ 団 体員 ハ各二 、三十 名 内 外 ナ ル ヲ常 ト シ百 名 以上ニ 達 スル カ如 キ ハ極 メ テ少 数 ナ リ (二) 社 会 主 義 者 及 団 体 ノ分 布状 態 如 上 社会 主 義 者 ノ地 理 的 分 布 ノ状 況 ハ其 ノ主 ナ ル モ ノ ニ就 テ見 ル ニ
庫 四 十 五名 、愛 知 、 長 野各 三十二 名 、 神 奈 川 、 群 馬 各二 十 九 名 之ニ
東 京ニ 於 ケ ル二百 十 五 名 ヲ最多 ト シ大 阪 百 九 名 、 京 都 五 十 五 名 、兵
次 キ其 ノ他 ノ主 ナ ルモ ノ ハ熊 本 、岡 山 、宮 城 、 北海 道等 ノ順 序 ト ス
人 物 及 大 阪ニ 於 ケ ル ﹁ギ ロチ ン﹂ 社 一派 カ共ニ 過 激 ナ ル計 劃 ヲ為
本 派 ハ其 ノ 棟梁 タ リ シ大 杉 栄 ヲ失 ヒ タ ルト其 ノ残 党ニ 属 ス ル中 心
ニ 富 ミ所 謂 実 力 ヲ有 ス ル闘 士 多 ク其 ノ運 動 ノ巧 妙 ナ ル ハ誠ニ 驚 嘆 ス
術 ハ研 究 ヲ重 ネ タ ル結 果 益 々進 歩 シ殊ニ 実 際 運動ニ 当 テ ハ智 識 経 験
特ニ 中 央 集 権 的 統制ニ 依 ル組 織 化ニ 重 キ ヲ置 キ ツヽ ア リ而 モ其 ノ戦
本 派 ハ各 種 ノ運動ニ 対 シ極 力 団 結 ノ必 要 ヲ鼓 吹 シ ツヽ ア リ テ最 近 ハ
シ タ ル為 検挙 セラ レ且 共 産 主義 者等 ノ組 織 的 運 動ニ 圧 迫 セ ラ レ テ
ヘキ モノ ア リ加 之第 三 ﹁イ ンター ナ シ ヨナ ル﹂ ヲ背 景 ト ス ルヲ以 テ
八 太 舟 三 ( 東京)
全 ク萎 縮 セ ル状 態ニ 陥 リ各 地ニ 於 テ小集 団 ヲ為 シ糊 口的刊 行物 ノ
アリ
各 種 ノ場 合ニ 極 メ テ有 利 ナ ル立 場 ヲ占 メ常 ニ他 派 ヲ圧倒 優 先 シ ツヽ
独立労働協会及 日本 フエビア ン協会ノ主 脳 ニシテ同志間ニ
第二 章 社会 主義 者 ノ運 動
石 川 三 四郎 ( 〃)
平 林 初 之 輔 (〃)
共産主義者等ノ各種運動 ニ参劃セリ 布 施 辰 治 (〃)
〃 遠 藤 友 四郎 (〃)
国家社会主義ヲ主張シ過激ノ行動ナシ 高 畠 素 之 (〃)
〃
芸術社会主義ノ系統ニ属スルモノ 村 松 正 俊 (〃)
極 メ テ声 望 ア ル モ極 左 派 ヨリ ハ右 翼 人 物 ト シ テ排 斥 セ ラ ル
安 部 磯 雄 ( 東京)
発 行 又 ハ金 銭 強 請 等 ノ行 動ニ 出 ツ ル ヲ常 習 ト シツヽ ア リ シ カ共産
均 ( 神奈川)
( ) ハ 其 ノ他 ノ社会 主 義
主義 者 等 ノ青 年 運 動ニ 刺 戟 セ ラ レ本 年 一月黒 色 青 年 聯 盟 ナ ル団 体 ヲ組織 シ全国 ノ同 志 及 無 政 府 主義 ノ系統ニ 属 ス ル労 働 団 体 ト提 携 シ テ運動 ヲ進 メ居 レル モ ノト ス ( ) ロ 共産 主 義 及 ボ ル セビ ズ ム 露 国革 命 前ニ 於 テ ハ本 邦 社会 主義 者 ノ最 モ多 数 ノ者 ノ抱 有 セ ル思 想 ハ マルク ス派 共 産 主 義 ナ リ シ カ露 国革 命 以 来 本 邦 大 多 数 共産 主
山川
義 者 ハボ ルセ ビ ズ ム ヲ主 張 ス ル ニ至 リ現 在 ニ於 テ ハ各種 社会 運動 ハ概 ネ本 派ニ 依 テ計 劃 実 行 ス ル ニ至 レリ 本 派ニ 属 ス ル中 心 的 人 物 左 ノ如 シ
杉 浦 啓 一( 〃)
山 本 懸 蔵 ( 〃)
徳 田 球 一( 〃)
育ニ 依 テ馴 致 セ ラ レタ ル観 念 ヲ破 壊 シ而 シ テ後階 級 教 育 ヲ施 シ テ階
彼 等 ハ現 代 ノ教 育 ヲ以 テ総 テ ﹁資 本 主 義教 育 ﹂ ト為 シ先 ツ之 等 ノ教
ニ 其 ノ顕 著 ナ ル モ ノト シ テ ハ彼 等 ノ所 謂 ﹁教 育 運動 ﹂ ト ス
輓 近本 邦ニ 於 ケ ル社 会 主 義 運 動 ハ著 シキ長 足 ノ進 歩 ヲ来 シタ ルカ特
第 一節 社会 主 義 者 ノ教 育 及 指 導 運動
渡 辺政 之 輔 ( 〃)
シ飽 迄 批 判 的 指 導的 方法ニ 依 リ現 時 ノ資 本 主義 制 度 、組 織 ノ不 合 理
級 的 精 神 ヲ喚 起 セ シ ム ルヲ必 要 ナ リ ト シ従 来 ノ宣伝 的 注 入主 義 ヲ排
学 ( 東京)
(〃 )
( 〃)
共産主義宣伝機関紙 無産者新聞 ヲ主宰 ス 佐野
片 山 峰 登
野 坂 参〓
ナ ル コト ヲ指 摘 シ階 級 団 結 ト階 級 闘 争 ノ必 要 ナ ル コト ヲ鼓 吹 シ ツヽ
無産青年同盟 ノ主脳者タリ
北浦 千 太郎 ( 〃)
産 業労働調査所 ヲ経営 シ全国 俸給 生活者組合 ノ主脳 タリ
無産者新聞ノ経営ニ当 リ且各種共産主義運 動ニ最高幹部ノ 一人トシテ参与 シツヽアリ
ア ル モノ ト ス其 ノ主 ナ ル運動 次 ノ如 シ ︵一) 大 衆 教 育 同 盟 ノ成 立 ト其 ノ運 動 本 邦 社 会 主 義者 等 ハ大 正十 三年 中 ﹁政 治 研 究会 ﹂ ヲ組 織 シ左翼 政 治
鞏 固 ニ ス ル コト ヲ其 ノ任務 ト ス ル コト及 其 ノ原 則 ニ基 キ 運動 ヲ行
フヘ キ 一般 目 標 及 運 動 方 法等 ヲ記 載 セリ
労 働 党 ニ侵 入 セ ント シ タ ル モ党 ノ右 翼 ヨリ ﹁政 研 除 外 ﹂問 題 ノ下 ニ
メ続 テ日本 労 働 組 合評 議 会 等 ノ 一味 ト結 托 シ所 謂無 産 政 党 タ ル農 民
属 ス ル分 子 ハ比較 的穏 健 ナ ル分 子 ヲ排 除 シ遂 ニ同会 ヲ自 派 ノ手 ニ収
五 無産 階級 の政 治 教 育
三 協 調 主義 思 想 に対 す る反 対 ︹ 動︺ 四 帝 国 主義 的 反 対教 育 に対 す る闘 争
二 封建 的 観 念 の打 破
一 一般 的 無産 階 級 教 育 の促進
本 同 盟 の主 要 任 務
尚 本同 盟 ノ任 務 及 事 業 ニ関 シ右 ノ方針 書 ニ基 キ次 ノ如 ク発 表 セ リ
ラ解 体 スヘ キ コト ヲ声 明 セ リ然 ル ニ同 党 ハ即 日内 務 大 臣 ヨリ禁 止 セ
排 斥 ヲ受 ケ亜 テ大 正 十 四 年 十 二 月 一日同 党 成 立 ノ際 ニ於 テ本 会 ハ自
本 同 盟 の仕事
六 無 産 婦 人 の教 育
教 育 ノ普 及 、 無 産 政党 組 織 ノ運 動 ヲ開 始 セ ル カ共産 主 義 者 ノ系 統 ニ
ラ レタ ル為 本 会 ノ解 体 ハ之 ヲ実 現 ス ル ニ至 ラ ス荏苒 時 日 ヲ経 過 シ其
(二) 講 習 会 、大 地 方 研究 会 、労 働 者 農 民 学 校 の開 設 又 は此 等 へ の協 力
編纂頒布
(一) 教 程 、教 材 、 教科 書 、読 書 案 内 、其 の他 必 要 な る出版 物 の
甲 本 部 の事 業
ノ間 本会 ノ将 来 ニ関 シ解 散 、 存 続 ノ両説 ヲ生 シ著 シ キ行 動 ナ ク シ テ 全 ク有 名 無 実 ノ状 態 ニ推 移 セ ル カ結 局 之 ヲ広 ク会 員 ノ意 見 ニ徴 ス ル コトヽ為 シ大正 十 五年 五月 十 六 日東 京深 川労 働 会 館 ニ於 テ本 会 全 国 有 志 協 議会 ヲ開 催 シ各 地 ヨリ ノ代 議員 三 十 二名 出 席 シ多 数 ヲ以 テ存
衆教育同盟﹂ト シ ﹁ 無 産 階 級 ノ教 育 運 動 ヲ促 進 ス ル コト﹂ ヲ目 的 ト
(三) 講 師 団 の設 置
続 ニ決 シ即 時解 散 派 ハ退 場 セ リ席 上 本 会 ノ規 約 ヲ改 正 シ名 称 ヲ ﹁大
ナ シ 一定 地 域 二 十 名 以 上 ノ会 員 ヲ有 スルト キ ハ支 部 ヲ組 織 シ更 ニ支
(八) 機 関 紙 の発 行
(七) ブ ルジ ョ ア教 育 、内 外 無 産 者教 育 其 の他 必要 な る事 項 の調 査
(六) 労働 者 及 び農 民 文 庫 の設 置 及 ひ図 書 取次
) 支部 と の聯 絡 竝 に そ の活 動 の統 制 (五
援助
(四 ) 労働 組 合 、農 民 組 合 其 の他 無産 者 団体 の教 育 事 業 に対 す る
( 概要) ヲ決 定 セ リ
部 ヲ以 テ府 県 聯 合会 ヲ組 織 ス ル コト等 ヲ決 定 シ尚 次 ノ 運 動 方 針 書
現在 ニ於 テ ハブ ルジ ヨア教 育 ハ資 本 主 義 ノ 一大 支 柱 ニシ テ比 較 的 完全 シ居 レ ル モ無 産 階 級教 育 ハ劣 悪 ナ ル コト 無 産 階 級 教 育 ハ無 産 階 級 ノ歴 史 的 使 命 ヲ覚 醒 セ シ ム ル コト ニ シ テ (イ) 階 級 対立 ノ事 実 ノ曝 露) (協 ロ 調主 義 的 思 想 ヲ打 破 シ テ階 級的 意 識 ︹マ マ︺ ヲ喚起 ス ル コト(ニ 反) 動 主義 ト 抗争 シ テ無 産 者 ノ階 級 的連 帯精 神 ヲ
乙 支 部 の事 業 (一) 支 部 研 究会 の設 置 (二) 茶 話 会 、 地 方 研究 会 、講 習 会 、 労 働 者 及 ひ農 民 講 習 の開 設 又 は 此 等 への協 力 ( 三) 労 働 組 合 、農 民組 合 、其 の他 無 産 者 団 体 の教 育 事 業 に対 す る援 助 (四) 本 部 と の通信 聯絡 (五) 労 働 者 及 ひ農 民文 庫 の設 置
(イ) 研究 会 ノ実 際 ニ対 ス ル各 種 指導 方 法
(四) 研 究 会 ノ組 織 及其 ノ方 法 ノ根 本 方 針
( ロ) 東 京 地 方研 究 会 ノ開催 ニ関 ス ル各 種 事 項 ヲ決 定 ス
(五) 宣 伝 ビ ラ、会 員 章 、 マー ク ( 労農 マークヲ採用 ス) ノ作 成 、機 ヲ決 定 ス
関紙 ﹁大衆 教 育 ﹂ ノ発 行 計 劃 、 無 産 者 新 聞 宣 伝 週 間 ノ応 援 等
等 ヲ協 議決 定 シ之 ヲ実 行 シ ツ ヽア リ
尚 本 同 盟 ハ幹 部 タ ル佐野 袈 裟 美 ノ主 幹 ノ下 ニ大 正 十 五 年 七月 ヨリ婦
治 研 究 会 以 来 ノ支部 及 支部 員 ノ整 理 、同 盟 新 支 部 ノ設 置 、其 ノ運 動
爾 来 屡 々指 令 ヲ発 シ テ同 盟 ノ新 方 針 ノ徹 底 ト本 同 盟 ノ前 身 タ ル旧 政
ヲ養 成 シ テ研 究宣 伝 ヲ試 ム ル コト ヽシ ﹁ビ ラ撒 キ﹂ ﹁戸 別 訪 問 ﹂等
ノ問 題 ト シ テ ハ先 ツ政 治 的 ニ之 ヲ動 員 シ左翼 結 成 ヲ計 リ且婦 人闘 士
本 婦 人 部 ノ目 的 ハ無 産婦 人 ノ蹶 起 ヲ促 シ其 ノ統 一ヲ計 ル ニ在 リ当 面
シ極 秘 ノ間 ニ運動 ヲ進 メ居 レリ
人 部 ノ組 織 ニ着 手 シ同年 九 月 ニ至 リ会 員 約 二十 五名 ヲ得 テ之 ヲ完成
方 法 等 ヲ指導 シ テ地 方 ノ活 動 ヲ促 シタ リ
ノ参 加 ヨリ更 ニ進 ンテ ﹁デ モ ン スト レー シ ヨ ン﹂ 其 ノ他 実際 闘 争 ニ
(六) 地方 ブ ルジ ヨア教 育 の調 査
本 部 ニ於 テ ハ倍 大幹 事 会 其 ノ他 ノ幹 事 会 十 七 回 、 組 織 部会 三 回 、宣
( ) ニ テ ロリ スト 的 ナ人物 ヲ可 成 大 切 ニ扱 フ コト
作 ル コト前 衛 闘 士 ノ生 活 ヲ保 証 ス ル コト
( ) ハ 宣 伝 、煽 動 ニ就 テ ハ理論 ヲ完全 ニ体得 セ ル職 業 的 前 衛 闘 士 ヲ
非 ス最後ノ役割 ヲ演 スル モノ)ヲ作 リ最 後 ノ結 果 ニ到 達 ス ヘキ コト
( ) ロ 組織 戦 術 ト シ テ ハ現 代 政 治 ノ曝 露 ニ努 メ完 全 ナ ル 党 ( 政党 ニ
標 語 ハ単 純 ナ ル自由 主 義 的 ﹁ス ロー ガ ン﹂ ヲ掲 ク ル コト
即 チ参政権獲得、廃娼 運動 (イ ) 本協 議 会 ハ中 間階 級 婦 人 団 体 (等 ノ団体 ヲモ包含 セシム )ヲ網 羅 シ
五年 十 月 七 日 其 ノ準 備 会 ヲ同 盟 本 部 ニ開 キ席 上
団 体 ノ結 合 ヲ計 ル為 ﹃ 婦 人協 議 会 ﹄ ヲ組 織 ス ル コト ヽ為 シ テ大 正十
婦 人 ヲ参 加 セ シ メ ム卜 ス ル モノ ト ス尚 本 婦 人 部 ハ各 種 婦 人 社会 運動
伝 、調 査 部会 各 一回 、 婦人 部 会 四回 、 特 別 委 員会 数 回 ヲ開 催 シ (一) 専 門 部 分 担
)
宣伝部 ( 佐野袈裟 美) 調 査 部 (田中勘次) 教 材 部 ( 直井武夫) 上森子鉄) 婦人部 ( 佐野袈裟美 経 理部 ( 城戸忠愛) 組 織 部 ( 松岡 節 瀬 田譲福 最 初 再 組 織 時 代 ニ於 テ ハ支部 ノ整 理 及 確 立 ニ努 ム ル コト
(二) 支 部 ノ組 織 方針
支 部 組 織 テ ー ゼ ヲ作成 ス ル コト ( 三) 労 農 党 ノ対 策 (イ) 党 ノ積 極 的 支 持 卜同 盟 員 ノ加 入 ( ) ロ 右 翼 ノ排 斥 ) ( ハ 党 ノ 左翼 運 動 ノ応援 其 ノ他 ノ運 動 方 法 ヲ決 定 ス
元政治研究会 大正十二年 ( 五月十六日 組織改正)
東京支部 聯 合 会 委員長 岡崎 一夫
共 産主 義 大衆教育 同 盟 会員総数 五六〇名 幹事 佐 野文 夫 佐野袈裟美 直 井武 夫 城 戸忠 愛 田 中 勘 次 地方支部 小林源太郎 瀬 田譲 福 上森 子 鉄 立 見貫 衆
同 同
坂井 某 菊池 克 巳 渡辺 秀 清野 彦吉 小田 某 米 内 一郎 中村 進 三 棚橋 貞夫 青木 明義 鈴木 正 三 松本 兵衛 佐 々木銀 一 太田黒年男
田 口右源太 第 一支 部 会員 一 八名 中 心人 物 矢 部 恒 夫 第 二支部 同 三〇 名 同 中村 猛 雨森卓三郎 第 三支 部 同 三一 名 同 大 島英 夫 同 前 野茂 夫 同 岩方 某 同 佐 々木 某 同 森 某 今 野 健 夫 同 佐 野博 楠 大 里伝 平 小沢 某
第九支部 同 第 十支部 同 未確実同 八名 同 二〇名 同 二三名 同 六名 同 同 同 同 同 同 同 同 同
第 四支部 同一一名 第 五支部 同 二四名 第六支部 同一三名 第七支部 同 二四名 未確 第八支部 同 実 同 二八名
第十一 支部 同 第十二支部 同 第十三支部 同 第十四支部 同 第十五支部 同 室 蘭 支 部 盛 岡 支 部 秋 田 支 部 山 形 支 部 児 玉 支 部 金 沢 支 部 岡 山 支 部 久留米支部
可 ナ リ故 ニ極 力 指導 的 前衛 闘 士 ヲ養 成 シ テ団 体 ニ潜 入 セ シム ル
︵ ︶ ホ 団 体 全 体 カ共 産 主義 者 タラ スト モ指 導 者 サヘ 理論 ニ徹 底 セ ハ
コト急 務 ナ リ
等 ノ極 メ テ激 越 ナ ル謀 議 ヲ為 シ 且之 ヲ極 秘 ニ附 ス ヘキ旨 ノ申 合 セヲ 為 セリ
ノ ニシ テ活 動 ハ政 治 研 究 会 ニ比 シ未 タ著 シ カ ラ ス殊 ニ地方 在 住 者 等
要 ス ル ニ本 同 盟 ハ旧 政 治 研 究 会 ノ左 翼 分 子 ニ依 リ改 造 セ ラ レタ ル モ
ハ政 治 研 究 会 ノ 左傾 ニ対 スル世 上 ノ批 難 ニ辟 易 シ其 ノ多 数 ハ本 同 盟
ノ運動 ニ ハ参 加 セ サ ル ノ状 況 ナ リト雖 モ少数 極 左分 子 ニ依 リ テ指 導
ヲ受 ケ居 レ ル関 係 上 性 質 ハ政 治 研 究会 時代 ニ比 シ 一層 悪 化 セ ル ノ感
ア リ将 来 ノ行 動 ハ極 メ テ注 意 ヲ要 スル モ ノト 認 メ ラ ル
現在 組 織 セル各 地 方 支 部 ハ東 京 十 一ケ 支部 、室 蘭 、盛 岡 、 秋 田 、 山
形 、児 玉 ( 埼玉)、金 沢 、岡 山 、 久留 米各 支部 計 十 九 支 部 ニシ テ組織
準 備 中 ノ モノ東 京 四 ケ 支 部 、 札 幌 、宮 城 、青 森 、 北 信 、安 筑 ( 長野)、
ル各 支 部竝 其 ノ聯 合 タ ル東 京府 聯 合 会 ニ シテ之 等 各 支 部 ハ其 ノ地 ニ
神 戸 、宮 崎 、熊 本 、鹿 児 島等 ニシ テ最 モ活 動 セ ル ハ前 記 東 京 ニ於 ケ
ナ ル形 勢 ヲ示 シ ツヽ ア リ
於 ケ ル労 働 組 合 其 ノ他 ノ無産 団 体 ト連 絡 ヲ講 セ ント シテ極 メ テ険 悪
︵二) 京 都無産者教育協会 京都 ニ於 ケ ル左 翼 労 働 団 体 及 農 民組 合 等 ハ闘 士 養 成 ノ目 的 ヲ以 テ無
産 者 教 育 協 会 ノ設 立 準 備 中 ナ リ シ カ先是 京 都 帝 国 大 学 社 会 科 学 研究
会 一派 ハ ﹁プ ロ カ ル ﹂ (無産者) 部 ヲ設 ケ極 メ テ険 悪 ナ ル ﹁プ ロカ ル テ 教
ー ゼ﹂ 及 ﹁プ ロカ ル教 程 ﹂ ヲ定 メ之 ニ基 キ変 名 ヲ用 ヰ テ之 カ宣伝 教
習 ニ当 リ シ カ其 ノ後 世評 ヲ虞 レ テ右 無 産 各 団 体 ト合 同 シ大 正 十 四年
十 一月 愈 々本協 会 ヲ設 立 セリ
本 協 会 ハ( 1) 労働 学校 農 民 学 校 ノ経 営(2 京) 都 市 其 ノ附 近 ノ無 産 団体 ノ
育
協 会 ノ経営 ニ移 シ大 正 十 五年 六 月 十 八 日 ヨリ 三 日間 夏 期 講 座 ヲ開
称 シ テ同年 秋期ニ 三
日間 之 ヲ開講 セ ルカ本 協 会 成 立 ト同 時 ニ之 ヲ
教 育 事業 一切 ノ援 助( 3)講 習会 講 演 会 (4)出 版 及 ヒ図 書 ノ取次 、労 働 文
) ( 三 各 地 ニ於 ケ ル労 働 学 校 現 在稍々 有 力 ナ ル労 働 団体 ハ何 レ モ競 フ テ教 育部 ヲ設 置 シ又 ハ労 働
題 其 ノ他 ニ関 シ テ講 述 及 講 師 出 席 者 ト ノ応 酬 ア リ
催 シ出 席 者 ハ学生 、労 働 者 等 百 五 十 名 内 外 ニ シ テ席 上 無 産 政 党 問
庫 ノ設 立(5 他) 地 ノ同 種 団 体 ト ノ連 絡 等 ノ各 項 ノ事 業 ヲ行 フ為 (イ) 都 市 プ ロカ ル部 (ロ ) 農 村 プ ロカ ル部其 ノ他 ノ部 門 ニ其 ノ運 動 ヲ別 チ テ進 メ
ラ ルヽ ニ至 リ 一派 ノ運 動 ハ茲 ニ挫折 ス ルノ止 ムナ キ ニ至 リ シカ其 ノ
極 メ テ矯 激 ナ ル行 動 ニ出 テ タ ル為本 年 一月 治 安 維 持 法 ニ依 リ検挙 セ
働学 校 ハ左 ノ如 シ
学 校 ヲ経 営 シ テ組 合 員 ノ教 育 及 闘 士 ノ養 成 ヲ為 セリ 現在 ニ於 ケ ル労
然 ル ニ本 協 会 ノ運 動 ニ加 担 セ ル京都 帝国 大 学 社 会 科 学 研究 会 一派 ハ
京都自由) 且後段 ニ記載 スル京都無産者大学(大 学改称 ヲ協 会 ノ経 営 ニ移 セ リ
後 再 ヒ活 動 ヲ開 始 セ リ其 ノ状 況 次 ノ如 シ
三 其 ノ他 ノ労働 組 合 ノ系 統 ニ属 スル モノ五校
二 日本 労 働 組合 評 議 会 系 ノ モノ 五校
一 日本 労 働 総同盟 系 ノ モノ七 校
ル関 係 者 ナリ シ京 都 社 会 科 学 研究 会 一派 カ前 記 ノ如 ク検 挙 セ ラ レ
(イ) 京都 労働 学 校 本 校 ハ日本 労 働 組 合 評 議 会 京 都 地 方評 議 会 ノ主 催 ニシ テ其 ノ主 タ
四 労 働 組 合 系 以 外 ノ モノ 八校
以 上 ノ中 評 議 会 系 五校 及 他 ノ二校 計 七 校 ハ全 ク左翼 教 育 運動 ノ機 関
タ ル為 一時中 絶 セ シ モ本 協 会 経 営 ノ下 ニ再 ヒ之 ヲ開 校 スル コトヽ
ト認 メ得ヘ ク其 ノ他 ノ モノ ニ在 テ ハ社 会 主義 者 カ参 加 シ テ階 級 教 育
授業ハ 為 シ六 月 三十 日 ヨリ京 都 評 議 会本 部 ニ於 テ授 業 ヲ開 始 セ リ(毎 週二
ヲ施 シツヽ ア ル ノ事 実 アリ
) 尚各組合 ノ研究会、茶
回 二 月 間 ノ 予定 ニシ テ科 目 ハ法 律 、 経 済 、社会 学 其 ノ他 実 際 運動 ニ関 スル モノ ニシ テ生 徒 ハ僅 々六 名 ニ過 キ ス
︵四) 其 ノ他 ノ主 ナ ル指 導 機 関 現 在 ニ於 ケ ル指導 機 関 ノ主 ナ ル モノ 二、三 ヲ掲 ク
話 会 等 ニ ハ本 校 ヨリ ﹁チ ユー タ ー﹂ ヲ派 遣 ス ル コトヽ 為 セリ ( ) ロ 京都 無産 者 大 学 京 都 大 学 社会 科 学 研 究 会 一派 ハ ﹁社会 科 学 に よ り、 重 大 な 社会 問
も必 須 な る社 会 科 学 を研 め んと す る意 味 に於 て ﹃大 学 ﹄ であ る﹂
に捉 は れ ず科 学 を生 命 とす る意 味 に於 て ﹃自 由 ﹄ であ り 、 現在 最
が創 ま る︱
器 タ ラ シ ム ヘキ機 関 紙 ノ発 刊 ヲ企 テ資 金 ハ徳 田 調達 ニ当 リ 左記 標
輔 、佐 野 文 夫 等 ノ共産 主 義 者 ト謀 議 シ主義 宣 伝 及 階級 闘 争 上 ノ武
帰 還 シ同 志 徳 田球 一、荒 畑 勝 三 、野 坂 参〓 、市 川 正 一、渡 辺 政 之
曩 ニ露 国 ニ逃 亡中 ナリ シ共 産 主 義 者 佐 野 学 ハ大 正 十 四年 中 内 地ニ
(イ) 無 産 者 新 聞
云 々ト 称 シ ﹁ 京 都 自 由 大 学 ﹂ ヲ起 シ毎 年 春 秋 二期 ニ講 座 ヲ開 キ臨
ニ届 出 ヲ為 セ リ
語 ノ下 ニ無 産 者新 聞 ヲ発 刊 ス ル コトヽ 為 シ大 正 十 四年 九 月警 視 庁
題 を 正 確 に徹 底 的 に解 決 す る こと が でき 、 そ こに真 の人 類 の歴 史
時 会 報 ヲ発行 ス ル コトヽ 為 セ リ而 シ テ其 ノ第 一回 ヲ大 正 十 四年 五
京都 自 由 大 学 は 社会 科 学 の研 究 を目 的 と し ⋮ ⋮伝 統
月 六 日 ヨリ 三 日間 ニ亙 リ開 講 シ第 二 回 ハ ﹁京 都 無 産 者 大 学 ﹂ ト改
一 大 衆 の日常 闘 争 の武 器 た ら ん こと を期 す
一 全 国 無産 階級 の政 治 新 聞 た ら む こと を期 す
リ本 無 産 者 新 聞 ハ現在 本 邦 ニ於 ケ ル共 産 主 義 ノ各 種 ノ最 高 運 動 ノ
称 シ東 京 芝 協 調会 館 ニ於 テ主 義 宣 伝 ニ渉 ル嫌 ア ル演 芸 会 ヲ開 催 セ
九 百 部 ヲ売 却 シ且 十 月 二 日 、 三 日 ノ両 日 ニ亙 リ ﹁ 無 産 者 の夕 ﹂ ト
ラ注 意 中 ニ属 セリ
策 源 所 タ ル ノ観 ヲ呈 セ ルト共 ニ其 ノ発 行 資 金 ノ如 キ モ疑 問 ア リ専
一 無 産階 級 前 衛 の結 合 促 進 の任務 の遂 行 を期 す
ス ヘキ予 定 ト セリ
斯 ク テ同 九 月十 五 日初 号 ヲ発 行 シ最初 ハ月 二 回 ト シ将 来 日刊 ト ナ
的 ヲ以 テ関 係 者 間 ニ於 テ各 種 ノ受 授 ノ方 法 等 ヲ密 約 セ ル ノ形跡 ア
ヲ登 載 シ屡 々発売 頒 布 ヲ禁 止 セ ラ レ タ ル為 之 ヲ免 レ ント ス ル ノ目
散 説 ヲ主 張 シ大衆 教 育 同 盟 ニ参 加 セ サ リ シ大 山郁 夫 、鈴 木 茂 三郎、
タ ル際 政 治 研 究会 ノ任務 終 了 セ ル コト其 ノ他 ノ理由 ニ依 リ即 時 解
前 述 セ ル政 治 研究 会 カ大 衆 教 育 同 盟 ト シ テ存 続 ス ル コト ニ決 定 シ
( ) ロ 大 衆 社 ノ運 動
リ且漸 次 右 翼 ヨリ疏 外 セ ラ ルヽ ノ状 況 ヲ呈 シタ ル ヲ以 テ中 途 方 針
本 紙 ハ主 ト シ テ左翼 共 産 主義 上 ヨリ 日常 闘 争 ニ関 スル過激 ノ記事
ヲ変 シ無産 階 級 全 体 ヲ目 標 ト シ テ論 調 ヲ低 下 ス ヘキ コトヽ 為 セリ
に活 用 さ るゝ 智識 を供 す る運 動 の ため の雑 誌 ﹂ タ ル コト ヲ標 榜 シ
の確 立 のた め に﹂ ﹁ 研 究 のた め の智 識 より も 寧 ろ闘 争 の た め に 直
刊雑 テ大 衆 社 ヲ興 シ大 正 十 五年 三月 一日 ヨリ ﹁月誌 大衆 ﹂ ヲ発 刊 セ リ
黒 田 寿 男 等 ハ﹁厳 格 な る階級 闘 争 主 義 の立 場 ﹂ニ於 テ ﹁正 し い戦 術
ラ ムト セ シカ 一面 各 地 ニ支 局 ノ設 置 ニ努 メタ ル結 果 大 正 十 五年 一
次 テ大 衆 社 ハ各 地 ニ亙 リ選 挙 区 別 ニ依 ル無 産 階 級 ノ政 治 的 結 成 力
本 紙 ハ其 ノ後 内 地各 所 ニ報 道 者 ヲ設 置 シ テ ﹁レポ ー タ ー﹂ 網 ヲ張
ル ヲ常 ト シ内 地 一万 、朝 鮮 三 千 、欧 米 、赤 露 、支 那 等 約 四 、五百 部
月 内 地 ニ七 十 一支局 ヲ設 置 シ毎 回 発 行部 数 ハ約 一万 五 千 部 内外 ナ
当 レリ大 正十 五年 五 月 一日 メ ーデ ー ニ際 シ テ ハ本 社 ハ全 国 支局 ニ
セ ル ヲ以 テ上 田 茂 樹 、 市 川 正 一、北 浦 千 太 郎 等 ノ同 志代 テ経 営 ニ
大 正十 五年 二月 佐 野 学 ハ右 共産 党 事 件 ノ 処 刑 ( 刑期十 ヶ月)確 定
他 ノ過 激 ナ ル所説 アリ厳 重 ナ ル取 締 ヲ加ヘ タ ルカ終 了 後 横 浜 市 浦
其 ノ他 百 名 内 外 ニシ テ帝 大 助 教 授 其 ノ他 ノ モ ノヽ 共産 主 義 的 其 ノ
督 教 青 年会 館 ニ於 テ夏 期 講 習 会 ヲ開 催 セ リ出 席 者 ハ労 働 者 、 学 生
本 社 一派 ハ大 正十 五年 七月 二十 三 日 ヨリ五 日 間 ニ亙 リ東 京帝 大 基
( 労働其 ノ他 ノ団体及団体員数) ノ調 査 ヲ開 始 セ リ
対 シ ﹁メ ーデ ー﹂ ノ宣 伝印 刷 物 ノ 一斉 頒 布 方 ノ指 令 ヲ発 シ大正 十
賀 船渠 分 工場 ヲ実 地見 学 セ リ
ヲ頒 布 シ居 レリ
五年 九 月 二十 六 日 ヨリ十 月 三 日迄 ノ間 ニ渉 リ本紙 創 刊 一周 年 記 念 運動 ト シテ読 者 拡 張 ノ為 メ全 国 各 地 ニ亙 リ 一斉 ニ宣 伝 週間 ヲ挙 行
介 ニ依 リ京 都 、 弘文 堂 書肆 ニ譲 渡 シ 一派 ハ専 ラ編 輯 ノ ミ ヲ担
大 衆社 ハ大 正 十 五年 八 月 機 関 紙 ﹁大衆 ﹂ ノ発 行 ヲ河 上肇 ノ仲
附 記
為 シ之 ニ参 加 セ シ ム ル計劃 ヲ樹 テ結 局 東 京 ニ於 テ ハ九 月 二十 六 日
当 ス ル コトヽ 為 シタ リト 云 フ
シ ﹁大 動 員 によ る辻 売 ﹂及 別 動 隊 ト シテ ﹁婦 人 、 子供 隊 組 織 ﹂ ヲ
同 二十 七 日 ノ両 日思 想 、労 働 団 体 ト提 携 シ テ要 所 ニ辻 売 ヲ為 シ約
第 二節 社 会 主義 者 ノ青 年 運 動
得 ニ努 力 シ其 ノ生活 ノ向上 ヲ期 ス
一 本 同 盟 ハ労農 青年 大衆 ノ政 治 的 、 経 済 的 及 ヒ社 会 的 利益 ノ獲
ニ運 動 ニ着 手 シ日本 労 働 組 合 評 議 会 一派 ノ左傾 労 働 団 体 、水 平 社 一
ント スル ノ状 況 ニ在 リ シカ去 ル大 正 十 四 年 五 、六 月頃 ヨリ 極 秘 ノ 間
則 ト シ テ前 記 工場 鉱 山 其 ノ他 ノ同 盟員 ノ労 務 所 ヲ単 位 ト シ同 盟 員 五
同 盟 ハ満 十 四歳 以上 満 二十 五歳 以 下 ノ無産 階 級青 年 ヲ以 テ組 織 シ原
会 的 要求 十 五項 ニ渉 ル政 策 及 規 約 、 宣 言 ヲ決 定 セリ(要求及規約 ハ
以 上 ノ原 則的 綱 領 ニ基 キ政 治 的 要 求 十 二項 、 経済 的 要求 十 四項 、 社
一 本 同 盟 ハ労農 青 年 大 衆 ノ全 国 的 組 織 ノ完 成 ヲ期 ス
部 ノ者 及 急 進学 生 団体 タ ル社 会 科 学 聯 合 会等 中 心 ト為 リ東 京 、大 阪
名 以 上 ニ達 シタ ルト キ ハ班 ヲ組 織 シ其 ノ他 ノ場 合 ハ同 盟 員 ノ住 所 ヲ
本 邦 ニ於 ケ ル共 産 主義 者 等 ハ露 国 ニ於 ケ ル国 際 青年 共産 党 ノ運 動 ヲ
(一) 全 日本 無 産 青 年 同 盟 ノ運動
在 住 者等 相 呼 応 シ テ著 々運 動 ノ歩 武 ヲ進 ム ル所 アリ
単 位 ト シ テ街 頭 班 ヲ組 織 ス街 頭 班 ハ勿 論職 業 班 ニ再 組 織 セラ ルヘ キ
一 本 同盟 ハ労 農 青 年 大 衆 ノ階 級 教 育 及 訓 練 ノ徹 底 ヲ期 ス
本 同 盟 ノ組 織 分 子 ハ主 ト シテ労 働 、農 民 、水 平 社 ノ各 青 年 分 子 及 学
範 ト シ本 邦 各 地 ニ於 テ無 産 青 年 ノ結 束 ヲ計 リ テ 一大 組織 運動 ヲ起 サ
生 等 ノ糾 合 ニ重 キ ヲ置 キ先 ツ之 等 青年 ノ組 織 ノ存 ス ル所 ニ侵 入 シ テ
ニ於 テ統 轄 ス ル モノト ス
モ ノト ス同 盟 ハ 一府 県ニ 一
上 ヲ置 ク コト ヲ得)
支 部 ヲ置 キ(例 外 ト シ テ 二個 以 之 ヲ全国 同 盟
巻末 ニ添付 ス)
モ工 場 、鉱 山 、農 村 、 船 舶 、 車 庫 、会 社 、学 校 其 ノ他 青 年 ノ居 所 及
之 ヲ同盟 ニ侵 奪 セ ント ス ル モノ ナ ル モ未 タ組 織 ヲ有 セサ ル モノト雖
各 班 ニ班 長 、 書 記 各 一名 ヲ置 キ 一定 地域 ニ二個 以 上 ノ班 カ存 ス ル場
会 ヲ置 キ各 班 ヨリ選 出 セ ラ レタ ル地 区委 員 ヲ以 テ組 織 ス各 支部 ニ ハ
街 頭 ニ於 テ苟 モ同 盟 員 一定 数 (五名) 以 上 ヲ得 ル ト キ ハ之 ニ細 胞
大 会 及 支 部 執 行 委 員会 、 支部 常 任執 行 委 員 会 等 ノ機 関 ア リ全 国 同 盟
合 ニ ハ其 ノ地 域 的 活動 ヲ助成 ス ル為 支 部 大 会 ノ承 認 ヲ経 テ地 区委 員
大正十四年十月 二十 二日 東京府青 年 同 盟( 大正 十 クシテ大阪府青年同盟(第 一回中央委員会 ヲ開 ク) 四年十
(班) ヲ設置 シテ其 ノ増 殖 ト 結 束 ト ヲ計 レ ル モノ ト ス
斯
シタ ルヲ始 メト シ各 地 方 ニ之 ヲ組 織 シ又 ハ之 カ組織 準
備 中 ニ属 セリ而 シテ 一派 ハ更 ニ之 ヲ統 一ス ル全 日本 無 産 青年 同盟 ヲ
アリ中 央 常 任執 行 委員 之 カ部 長 ヲ兼 任 担 当 セ リ
本 部 ニ ハ組 織 、教 育 、出 版 、政 治 、財 政 、調 査 情 報 、 婦 人 ノ七部 門
ニ ハ全 国 大 会 中 央 執行 委 員 会 、中 央 常 任 執 行 委 員 会 等 ノ機 関 アリ
一月 一 ヲ組 織 日組 織)
タ ルカ更 ニ同 十 二月 十 日 大 阪 ニ之 カ全 国 準 備 会 ヲ開 催 シ大 正 十 五年
組 織 ス ヘク大 正 十 四年 十 月 七 日東 京 ニ於 テ第 一回全 国 準備 会 ヲ開 キ
ル各 ﹁テ ー ゼ﹂ ト 題 ス ル詳 細 ナ ル事 項 ヲ記 載 セ ル方 針書 ヲ交 付 シ之
ニ依 テ更 ニ各 府 県 支 部 及 班 ニ於 テ更 ニ 一層 精 密 ナ ル ﹁テ ーゼ﹂ ヲ作
同 盟 ノ組 織竝 其 ノ運動 方針 及 方 法 ニ対 シ テ ハ同 盟 最 高幹 部 ノ指 定 セ
成 シテ之 ヲ実 行 シ ツヽ アリ 又箇 々ノ運 動 ニ対 シ テ ハ最高 幹 部 ヨリ時
一月 十 五 日 ﹁リ ープ クネ ヒト﹂ 記念 日 ヲト シ東 京 ニ於 テ発会 式 ヲ挙
正 十 五年 八月 一日大 阪 ニ於 テ各 地 ヨリ ノ代 議 員 十 三 府 県 二 十 八名 出
顧 慮 シ大 阪 ニ於 ケ ル準 備 会 ヲ モ延期 シ テ形 勢 ヲ窺 ヒ ツヽ ア リ シカ大
々指 令 ヲ発 シ居 レ ル モ ノト ス其 ノ主 ナ ル運 動 ヲ挙 ク レ ハ︵1) フラ ク シ
ク ル予定 ナ リ シ モ当 時農 民 労働 党 カ禁 止 ヲ受 ケ タ ル為 官 辺 ノ取締 ヲ
席 シ ﹁全 日本 無 産 青 年 同 盟 ﹂ ノ発 会 式 ヲ挙 ケ次 ノ綱 領 ヲ決 定 セリ
全 日本無産青年 同盟本部 ( 会員数四、一 五九人) 事務所 大阪市浪速区 敷津町 三丁目 十 一番地
産 主
渡辺 利右衛門 貞 林 市 蔵 小 樽 支 部 {武 } 田 清
塩 谷 岩 雄 丸町徳太郎 函館 青 年同盟 {村 上 由 浅見 敬} 二九
一一八
雨森卓三郎 五十嵐 元三郎 安 三次郎 伊藤 政 之 助 東 京 支 部 {富 } 二 〇〇〇 田 村 重 夫 豊 田 直 矢 島 直 一 京 都 府 支 部 {早川忠次郎 遠 藤 健 一} 山 村 信 蔵 高 島 勝 次 一三七
大 阪 支
(
沖縄青年同盟 ハ本部員真 栄田三益 ノ提唱 ニヨリ組 織 シタルモノナ ルモ目下 ノ所本部 ト直接連絡ナ シ
}
山 田 有 幹 東恩納寛敷 沖 縄 青 年 同 盟 {神 里 常 松 渡久 地政憑
備考
ナリ
(1)此 ノ外 神 奈 川 、 千葉 、 長野 、福 井 、 広 島 ノ 五 県 ニ ハ支 部 組 織 準備 委 員 会 アリ テ目 下 活 動 中
(2)岐 阜 、 宮 崎 ノ二 県 ニ於 テ ハ曩 ニ支 部 又 ハ班 ノ 組 織 計 劃 ノ目的 ニテ活 動 セ ル者 ア リ タ ル モ共
鳴 者 少数 ナリ シ為 目 下 ノ所 立 チ消 エノ状 態 ナ
合 ヲ催 シテ宣 伝 研 究 ヲ為 シ(5)遠 足 会 ヲ催 シ テ会員 ノ結 束 ト慰 安 ヲ計
シ職 場 ニ於 テ掲 示 通 信 ヲ為 シ(講 4) 習 会 、茶 話 会 、 研 究会 其 ノ他 ノ会
シ(3)支 部 ニ於 テ ハ同 盟 通 信 、主 ナ ル班 ニ於 テ ハ班 報 又 ハ壁 新 聞 ト称
シ テ月 刊 ﹁青 年 大 衆 ﹂ ヲ発行 シ其 ノ他 各 種 ノ宣 伝 印 刷物 ヲ発行 頒 布
ヨン運 動 ト称 シ他 ノ団 体 内 ニ侵 入 シ テ結 節 ヲ作 リ各 地 ノ支 部未 設置
リ
松 田 喜 一 木 村 京 太郎 一︺ ︹ 三益︺ 部 {佐 川 ︹忠八 〇 真 栄 田之璞}五五 久 木 興 次郎
地 方 ニ対 シテ ハ之 ヲ開 拓 シ テ同 盟 ヲ組 織 シ(2)本 部 ヨリ宣 伝機 関 紙 ト
増 田 貞 一
三 宅 右 市 田中稲次郎 兵 庫 県 支 部 {藤 田 鶴 雄 竹元亀之郎} 二六一 井 川 徳 成 荒木金太郎 近藤増 一郎 大 泉 謙 蔵} 三〇 新 潟 県 支 部 {吉 田 兼 治 池 田 栄 治 三 重 県 支 部 {山 田清 之助 中 川 友 蔵 } 一一 七 松 田 辰 雄 山 崎 劔 二} 静 岡 県 支 部 {神 間 健 寿 増田可 一郎 三五〇
野下勝之助 朝 倉 菊 雄 幹 部 宮城県青年同盟 {赤 リ兼 ネ テ示 威 的 運 動 ノ訓 練 ヲ為 シ( 6)関 係 労 働 争議 ニ ハ各 種 ノ方 法 ニ 津 益 造 水野伊 三男 } 七九 執行委員長 渡 部 義 通 小 武 貫 一 依 テ 之 ニ 介 入 シ テ 応 援 ヲ為 シ屡 々争 議 ヲ生 セ シ メ又 ハ之 カ悪 化 ヲ計 片 山 峰 登 福島県青年同盟 {柿 本 四 郎 村山福太郎} 八〇 常任委員 リ タ ル コト ア リ(7 其) ノ他軍 事 教 育 反 対 運 動 及 青年 訓 練 所 侵 入運 動 ヲ 高 坂 通 世 工藤 八 一郎 雨森卓 三郎 青 森 県 支 部 {堀 江 彦 蔵 岡 忠政 } 六五 為 セリ要 スル ニ本 同盟 ハ無 産 青 年 ニ主 義 ノ注 入 ト教 育 ト ヲ与ヘ 同 志 同 岸 野重春 中島 勇 藤 田 俊 徳 同 木村京太郎 岡 山 県 支 部 {八田 茂 森末 鼎}一〇〇ノ結 合 ヲ計 ル コト ニ全 力 ヲ注 キ徐 々 ニ遠足 会 ノ挙 行 、争 議 ノ応 援 、 同 神間 健寿 佐 々 木 是 延 荒 ︹ 三益︺ 福岡県青年同盟 {岩 尾 家 定 白 草 久 雄} 二牧〇進八青 年 訓 練 所 侵 入 ノ如 キ実 行 的 準 備 運 動 ニ著 手 シ ツヽア ル モノト ス 同 真栄田之璞 同 盟 ハ本 部 ヲ大 阪 ニ置 キ函 館 、 小 樽 、 東 京 、 京都 、大 阪 、兵 庫 、新 {永 野 千 里 清 住 政 喜} 八〇 義 熊 本 支 部 潟 、三 重 、 静岡 、宮 城 、福 島 、 青 森 、 岡 山 、福 岡 、熊 本 、 沖 縄 ニ府 松 原 正 男 共
県 同 盟 支 部 アリ神 奈 川 、千 葉 、 長 野 、福 井 、広 島 ノ 五県 ニ於 テ ハ目
斯 ク シテ同 盟 ハ全 国 同 志 ノ糾 合 ヲ計 リ大 正 十 五年 六 月 四 日 ﹁ 全国黒
目下 公 判 繋 属 中 ナ リ
シ各 地方 ノ無 政 府 主義 者 ノ団 体 ヲ之ニ 分 属 セ シ メ更 ニ朝 鮮 、九 州 、
色 青 年 聯 盟 ﹂ ト改 称 シ関 東 、関 西 、中 部 、中 国ニ 各 青年 聯 盟 ヲ組 織
下 組 織 運 動 中 ナリ同 盟 員 総 数 ハ約 五 千 名 ニ達 ス ヘキ状 況 ニ在 リト ス 附 記
北海 道 、東 北 各 地方 同 志 団 体 ニシ テ本 聯 盟ニ 加 盟 セ ル モ ノ アリ続 テ
本 同 盟 ニ関 ス ル詳 細 ナ ル調 査 ハ別 冊 社会 運動 研 究 資 料 第 十 四 輯 以 下 ニ掲 ケ タ リ尚 同 盟 本 支 部 ニ就 テ ハ次ニ 一覧 表 ヲ掲 記 セ
無 政府 主 義 ノ系 統 ニ属 スル労 働 団 体 モ之ニ 参 加 シ 一部 水 平 社員 亦 友
誼 的関 係 ヲ保 テ ルノ状 況 ト ス
リ
其 ノ現在 迄 ノ運 動 ト シ テ ハ(1)各 地 同 志 ヲ糾 合 シ テ地方 同 盟 ノ設 立 ト
(二) 黒 色 青 年 聯 盟 ノ運動
其 ノ拡 張 ヲ図 リ (2)各 地 ニ於 テ同 志 ト 共 ニ頻 リ ニ宣 伝 演 説 会 ヲ開 催 シ
ハ二十 四 団体 会 員 約 二千 名ニ 達 ス ヘキ見込 ト ス
ノ挽 回 ヲ計 ラ ムト シ寄 々協 議 中 ナ リ シ カ遂ニ 大 正 十 五年 ニ入 リ大 杉
テ過激 ノ主 張 ヲ鼓 吹 シ(3) 一部 ノ者 ハ掠 ト称 シ又 ハ各 種 ノ手 段 ヲ講 シ
現 在 ニ於 ケ ル参 加 団 体 ハ約 六 十 団 体会 員 約 三 千名 ト ス加 盟 労 働 組 合
派 ニ属 ス ル ﹁労 働 運動 社 ﹂一 派 、山 田 作 松 等 ノ自然 児 聯盟 一派 、其
テ金銭 ノ喝取 又 ハ利 得 ヲ計 リ屡 々暴 力 行為 処罰 ニ関 ス ル法 律 ニ依 テ
無 政 府 主義 者等 ハ大杉 栄 ノ歿 後 運 動 不 振 ノ状 況ニ 在 リ シカ其 ノ後 共
ノ他労 働 組 合 中 ノ無政 府 主義 系 統 ノ者 等 十 八 団 体中 心 ト為 リ ﹁黒 色
産 主 義 者 ノ活動ニ 刺 戟 セラ レ之 ニ対 抗 スル為 新 運動 ヲ開 始 シテ勢 力
青 年 聯 盟 ﹂ ナ ル団 体 ノ組 織 ヲ企 テ去 ル一月 三 十 一日東 京 ニ於 テ発 会
ノ排 撃 ヲ期 シ特 ニ其 ノ政 治 運 動 等ニ 対 シ テ極 力妨 害 行 動ニ 出 テ居 レ
検 挙 セ ラ レタ ル モノ ア リ (4)共 産 主義 者 ノ 運動ニ 対 シテ ハ之 カ徹 底 的
(三)
ツ ル ノ状 況 ニア ルヲ以 テ特 ニ注 意 警 戒 ヲ要 ス ル処 ナ リ
ラ サ ル モ金銭 ノ要 請 其 ノ他 所 謂 行 為 宣 伝 ト称 シ暴 力 的 直 接 行 動ニ 出
激 越 不軌 ニ渉 ル言 論 ヲ弄 ス ルノ ミ ニシ テ統 制 ア ル運動 ヲ見 ル ニ ハ至
ニ 放 火 シ タ ル事 件 アリ要 ス ル ニ本 一派 ハ各 所ニ 小党 分立 割 拠 シ徒ニ
日 日立 製作 所 ノ争 議ニ 際 シ本 一派 ノ者 ハ之 ニ加担 シ テ久 原 房 之 助 邸
本 会 発 会 式ニ 際 シ銀 座 街 頭 ニ於 ケ ル暴 行事 件 ノ外 大 正十 五年 十 月 七
リ︵5 尚︶一派 ハ動 モ ス レ ハ暴 力 的 行 動ニ 出 テ ント ス ルノ事 実 ア リ前 記
式 ヲ挙 行 セ リ本 同 盟 ハ宣 言及 次 ノ綱 領 ヲ発 表 セ ル ノ外 自由 聯 合 制 ヲ
領
ト リ別ニ 規 約 等 ヲ設 ケ ス 綱
(1) 我 等 は 自 由 聯 合 主義 を強 調 す (2) 無 産 政 党 運動 を排 撃 せ よ (3) 共 産 党 一派 を 撲滅 せ よ (4) 職 業 的 運 動 化 を 抹殺 せ よ ( ) 5 全 暴 圧 法 令 法 案 を葬 れ
前項 ︶ (ニ 1 掲 ケ タ ル全 国 無 産 青 年 同 盟 ハ労 農 青 年 ノ共 同戦 線 ヲ主 張 シ
全 国無 産 青 年 団 体 聯 盟 ノ運 動
右 発 会式 集 会 解 散 後 同 夜 聯盟 一派ニ 属 スル モノ十数 名 ハ銀 座 街 頭ニ
(6) 労 働 者 の解 放 は 労働 者 自身 の力 に依 り為 さ ね ば な ら ぬ
出 テ店舗 ノ損 壊 等 ノ暴 行 ヲ演 シ数 名 ハ検 挙 セ ラ レ其 ノ後 予審 ヲ経 テ
無 政 府 主 義 団 体 調 表 全国 黒色青年聯盟 中 心人物 近 藤 憲 二 岩佐作太郎 水沼 辰 山 田作松 古川 時雄 高田 国 鈴木 光雄 川 口慶 助 栗 原 一雄
労 働 運 動 社 中心人物近 藤 憲 二 岩佐作太郎 望月 桂 水沼 辰 自 新 自 解 関東黒色青年聯盟 論 中心人物水沼 熊 黒 松 田十九 二 松 本親 敏 ギ 有安 浩男 野 大沼 渉 黒 武 良二 反 加盟労働団体 十 一組合 激 外 中部黒色青年聯盟 中心人物伊 串 英 治 伊藤 長 光 浅 野正 雄 加盟労働団体 四組合
然 人 社 軌 道 社 我 人 社 放 戦 線 社 戦 社 手 社 ロチ ン社 蛮 人 社 旗 社 逆 児 聯盟 風 社 十 五 団体 黒 蝶 社 黒 潜 社 街 頭 人 社 ど ん 底 社 名古 屋 労働社 大衆 評 論 社 黒 社 闘 ヘ 社 黒 嵐 社 黒 パ ン 社 文 明 批 評 社 田 園 と 工場 社
関西黒色青年聯盟 加盟労働団体 四組合
州
中国黒色青年聯盟 加盟労働団体 五組合
九
北海道 朝 鮮
黒 色 解放 社 ラ レ ボ ル テ社 黒 煙 社 浮 萍 社 京 阪 女 給 聯盟 南海先駆者 同盟 外 五 社 中 国 評 論 社 黒 血 社 黒 人 社 黒 流 社 黒 沙 社 黒 双 社 大邱 真 友 聯 盟
大正十五年九月十五、 六 両 日 ニ渉 リ開 催 セ ル第 二 回中 央 常 任 執 行 委
ケ次 テ 日本農 民組 合 及 水 平 社 無 産 者 同盟 側 等 ト屡 々会 合 シ内 密劃 策
員 会 ニ於 テ ﹁ 無 産 団 体 連 絡 委 員 会 ﹂ 設 置ニ 関 シ三名 ノ特 別 委 員 ヲ挙
スル所 アリ シカ名 称 ヲ ﹁全 国 無産 青年 団 体聯 盟 ﹂ ト シ労 農 無 産 青年
無 産 者 独 自 ノ立 場 ヨリ政 治 的 、経 済 的及 社 会 的 ノ共 同 利 益 ノ貫 徹 ヲ
図 ル ヲ以 テ目的 ト ス ル コト 、 聯 盟事 務 所 ヲ日本 農 民 組 合 青 年部 内ニ
置 ク コト 、 ト為 シ同 十一 月 十 二日発 会 式 ヲ挙 行 セ リ
第 三節 社 会 主義 者 ノ政 治 行 動
( ) 一 共 産 主 義 者 ノ無 産 政党ニ 関 ス ル運 動
本 邦 共 産 主 義 者 等 ハ露 国 ﹁ 第 三 イ ンタ ー ナ シ ヨナ ル﹂ ノ方針ニ 従 ヒ
無 産 階 級 政 党 組 織 ノ運動 ヲ試 ミ之 ニ依 テ主 義 宣 伝 、 同志 ノ結 束 ヲ固
メ更 ニ進 ン テ ハ議 会 行 動ヲ 利 用 シ テ共産 主義 者 ノ理 想 ト ス ル革 命ニ
ノ請 願 運 動 名 儀 ノ下ニ 党 内 ニ於 ケ ル 一味 ヲ シ テ活 動 ヲ開 始 セ シ メ タ
ニ 党 各 地 支 部 ニシ テ左翼 的 色 彩 濃 厚 ナ ルモ ノ ヲ動 シ議 会 解 散 其 ノ他
行 シ労 働 農 民 党 支 持 聯盟 、水 平 社 労 働 農 民 党 支 持 聯 盟 等 ヲ組 織 シ更
リ状 況如 此 ナリ シ ヲ以 テ右 翼 ハ到 底 収 拾 シ難 キ ヲ自 覚 シ大 正 十 五 年
到 達 セ ム コト ヲ企 図 セ ル コトハ 既ニ 記 セ ル処 ノ如 シ
合 ノ間 ニ進 捗 ス ルヤ共 産 主義 者等ハ ﹁日本 労 働 組 合 評 議 会 ﹂ ﹁ 政治
十 月 二十 四 日 東 京芝 協 調 会 館 ニ於 ケ ル党 ノ第 四 回中 央 執 行 委 員 会ニ
大 正 十 四年 政 社 ﹁農 民 労 働 党 ﹂ノ 組 織 運動カ 本 邦 労 働 団 体 、農 民組
研究 会 ﹂ ヲ根 拠 ト ナ シ政 党ニ 侵 入 ヲ企 テ各 種 ノ策 動 ヲ為 セリ然 ル ニ
於 テ連 晶袂脱 退 シ党 ハ日本 農 民 組 合 ノ ミ ニ依 テ組織 セ ラ ル ヽコト ヽ為
レ右 翼 及 中 間 団 体 ハ更 ニ政 社 ﹁労 働 農 民 党 ﹂ ノ組 織ニ 着 手 シ飽 迄 左
ヨリ脱 退 シタ ル右 派 タ ル総 同 盟 ハ安部 磯 雄等 ノ独 立 労 働 協 会 ノ 一派
リ シ ヲ以 テ共産 主 義 者 ハ極 力 党 ノ支持 ト積 極 的 応 援 ニ努 メ居 レリ党
右 ﹁ 農 民 労 働 党 ﹂ ハ大 正 十 四年 十 二月 一日結 社 成 立 ノ即 日禁 止 セラ
翼 団 体 ヲ排 斥 スル コト ヲ標 榜 シ テ大 正 十 五年 三 月 五 日 大阪 ニ於 テ之
然 ル ニ総 同 盟 中 ノ左 翼 ニ在 ル麻 生久 、望 月源 治 等 ハ日本 農 民 組合 須
セリ
永 好 、 三宅 正一 等 ト共 ニ右 ノ新 政 党 ト別 箇 ノ中 央 的 政 党 ヲ組 織 ス ヘ
ト提 携 シ テ大 正十 五年 十 二月 五 日別ニ 新 政 社 ﹁社 会 民 衆 党 ﹂ ヲ創 立
﹁水 平 社 無産 者 同盟 ﹂ 等 ノ左 翼 四 団 体 ハ党 ノ組 織 ヨリ排 除 セ ラ レ強
大衆教育同 働 組 合 評 議会 ﹂、 ﹁ 政 治 研究 会 ﹂ (盟 、﹁ 全 日本 無 産 青 年 同 盟 ﹂、 ト改称 ス)
ク運 動 ヲ開 始 シ タ リ シ カ遂 ニ大 正 十 五年 十 二月 九 日政 社 ﹁日本 労 農
カ 発 会 式 ヲ挙 ケ タリ
テ之ニ 侵 入 ヲ企 ツ ル ニ於 テ ハ各 種 ノ紛糾 ヲ生 シ党 ノ成 立 ヲ困 難 ナ ラ
党 ﹂ ヲ組 織 セ リ尚 本 運動 ニ関 シ テ ハ別 冊ニ 詳 記 セ リ
然 ル ニ第 二無 産 政党 タ ル前 記 労 働 農 民 党 ニ於 テ ハ最 初 ヨリ ﹁日本 労
シ ム ル ノミ ナ ラ ス官 辺 ノ厳 重 ナ ル取 締 ノ加 ハ ル ヘキ コト ヲ予 想 シ傍
(二) 其 ノ他 ノ社 会 主義 者 ノ運動 附 独 立 労 働協 会 一派 ノ無 産 政 党 組 織 運 動
観 的 態 度 ヲ取 リ シ モ愈 々党 ノ成 立 ヲ見 ル ニ及 ヒ党 ノ中 心 ヲ為 セ ル日 本 農 民組 合 ヲ通 シ テ右 ﹁四 団 体排 除 ﹂ ノ方 針 ヲ撤 回又 ハ緩 和 セ シメ
研 究 会ニ 参 加 セ シ社会 主 義 者 及 自 由 主 義ニ 属 ス ル者 等 ハ排 斥 セ ラ レ
国 家 社 会 主 義 其 ノ他 ノ自 由 主 義 ニ属 スル者 等 ハ 一部 共産 主 義 者 ト提
止 ム ナ ク遂 ニ同会 ヲ離 脱 ス ル ニ至 レリ之等 ノ者 ハ安 部 磯 雄 、 島 中雄
之ニ 参 加 セ ムト シ テ各 種 ノ策 動 ヲ為 セリ之 カ為 党 ハ常ニ 右 ﹁四 団 体
ス ル為 徐 々 ニ各 地 ニ於 ケ ル党 ノ支 部ニ 侵 入 シ又 ハ自 派 ニ依 テ各 地ニ
携 シ テ大 正 十 三年 初 メ ﹁ 政 治 研 究 会 ﹂ ヲ組 織 シ無 産政 党 組 織 ノ運 動
党 ノ支 部 ヲ設 置 シ ツ ヽアリ シ カ更ニ 大 正 十 五年 八 月 前後 ヨリ評 議 会
三、高 橋 亀 吉 、馬 場 恒吾 等 ヲ中 心 ト シ テ大 正十 五年 二月 東 京 ニ於 テ
ニ 熱 中 セ リ其 ノ後 右 ﹁ 政 治 研 究 会 ﹂ ハ共 産 主義 者 ニ侵 奪 セ ラ レ政 治
及 共 産 主 義 者 等 ハ党ニ 対 シ テ積 極 的 方 針 ヲ取 ル コト ニ決 シ評 議 会 及
独 立 労働 協 会 ナ ル モノ ヲ組 織 セ リ本 会 ハ後 記 ノ ﹁綱 領ニ 基 キ調 査 、
一方共 産 主 義 者 等 ハ党 ノ事 実 上 ノ侵 奪 ト右 翼 ノ強 硬 ナ ル態 度 ヲ牽 制
無 産 青 年 同 盟 ハ屡 々指 令 ヲ発 シテ同 志 ノ蹶 起 ヲ促 シ 一般 大 衆ニ 対 シ
研究 、教 育 其 ノ他 必 要 ナ ル施 設 ヲ行 フ ヲ目的 ﹂ ト シ ﹁一定 地 域 ニ於
排 斥 ﹂問 題 ヲ中 心 ト シ テ軋轢 、抗 争 ヲ重 ネ ツ ヽア リ タ リ
テ ハ右 翼 幹 部 ノ堕 落 ト無 産 階 級 政 党 ノ使 命ニ 関 シ矯 激 ナ ル宣 伝 ヲ続
テ会員 五 名 以 上会 友 二十 名 以 上 ア ル時 ハ支 部 ヲ設 置 ス ル コト ヲ得 ﹂ ル モ ノト セリ 斯 ク シ テ本 会 ハ左翼 ヲ排 斥 シ テ現実ニ 即 ス ル政 党 ヲ組織 ス ヘク大 正
役
員
部 磯 雄
産業部 賀 川 豊 彦(主 任
理事長安 理 事
政治部 馬 揚 恒 吾(主 任
理事吉 野 作 造 )
沢田
組織部 宮 崎 竜 介 (主 任
教育部 悌 (主 任
為 藤 五 郎
中沢弁次郎
理事堀 江 帰
一
彪
下中弥 三郎
)
調査部 高 橋 亀 吉(主 任
原
計 哲(監督
)
)
片山
北沢新次郎
)
(三) 無 政 府 主 義 者 ノ無 産 政 党 反 対 運動 無 政府 主義 者 ハ依 然 ト シテ ﹁一切 の解 放 運 動 は 、 個 人 の生命 か ら湧
山 崎 一 雄
十 五年 七 月頃 ヨリ屡 々 日本 労 働 総 同盟ニ 属 セ ル 一派 ト提 携 シ テ内 密
早 坂 二 郎
藤井
運 動 ヲ進 ム ル処 アリ シ カ同年 十 月 二十 四 日総 同 盟カ 左 翼 ノ策動 ヲ快
松 下 義 衛
)
ト セ ス シ テ労 働 農 民 党 ヨリ脱 退 ス ル ヤ直 ニ之 等 ト共 ニ新 党 ノ組織 計
島 中雄 三
出版部 謙( 主 任
ヲ以 テ大 正 十 五年 十 二月 五 日政 社 ﹁社 会 民衆 党﹂ ヲ組 織 セ リ
劃 ヲ進 メ労働 団 体 ノ ミ ニ重 キ ヲ置 カ ス 一般 智 識 階 級 ヲ網 羅 スル目 的
本 政 党ニ 関 シ テ ハ別 冊ニ 詳 記 セ リ尚 本 協会 ノ綱 領 役 員 次 ノ如 シ 附記
)
発 す る経済 的 直 接 行 動 の開 展 ﹂ ニ求 ム ヘキ コト ヲ主 張 シ政 治 行 動 ハ 全然 之 ヲ否 定 セリ
(1) 本協 会 ハ其 ノ事 業 ト シ テ東 京 学 生 消費 組合 ヲ経 営 ス ル コ
大 正 十 五年 一月東 京 ニ於 テ発 会 式 ヲ挙 ケ タ ル無 政府 主 義 者 ノ集 団 タ
任 シ定 款 ヲ作成 シ関 係 庁ニ 認 可 申
ト ヽ為 シ之 ヲ賀 川豊 彦ニ 一
抑 々、政 治 は 征服 維持 のた め に生 れ た ( 中略)あ ら ゆ る 害 悪 と毒
請 中 ニシ テ早 稲 田大 学 生 等 ノ加 盟 者 百 五 十 名 ヲ得 タ ルヲ以 テ
素 の行動 であ る 。
本章第 二 ハ無 産 政 党 ニ対 シ次 ノ如 ク主 張 セリ ル黒色青年聯盟(節 (参 二照 ))
(2) 本 協 会 ハ東 京民 衆 互助 会 ヲ設 置 シ 一定 ノ会 費 ヲ徴 収 シテ
早 大 附 近ニ 店 舗 ヲ設 ク ヘク計 劃 中 ナ リ
会 員 ノ相 互 扶 助 ヲ為 ス ヘク既 ニ規 約 案 ヲ作 成 シ テ進 行 中ニ 属
此 の政 治 に参 加 す る無 産 政党 運動 が 、民 衆 の反 抗 勢 力 を 如 何 な る
た め 、民 衆 を自 殺 の淵 に投 げ 入 れる も の であ る。 民 衆 を仮 死 の状
淵 に投 け 入 れ る かは 案 ず る に困 難 でな い。野 心家 が代 議 士 にな る
セリ (3) 本 協 会 ハ既ニ 三 支部 ヲ設 置 セ リ 領
態 に置 き 料 理 せ ん と す る毒 刃 で あ る。 個 人 の本質 価 値 を蹂躙 さ れ、
綱
一 我等 は国 民 生 活 のあら ゆ る方 面 に於 て社 会 的 正 義 の貫 徹 を期 す
斯 ク テ同 聯 盟 ハ ﹁ 無 産 政 党 運 動 を排 撃 せ よ ﹂ ﹁共産 党一 派 を 撲 滅 せ
言 語 に絶 す る最 大 の罪 悪 で あ る。 云 々
個 人 を 滅 亡 と 壊滅 に誘 導 せ ん と す る無 産 政 党 運動 は 、人 類 に対 し
生 命 を 侵 害 さ れ つゝあ る 此 の場 合 に 、更 に解 放 戦 の名 を僭 称 し 、
て無産 階 級 運動 の達 成 を 期 す
一 我 等 は 日本 特 異 の政 治 的 経済 的 諸事 情 に鑑 み常 に現 実 に立脚 し
会 政 策 に即 し て社 会 の根 本 的 改 革 を期 す
一 我等 は無 産 階 級竝 に準 無 産 階級 の経 済 的 政 治 的 勢 力 を 結成 し議
的 直 接 行 動 主義 ヲ力 説 シ又共 産 主義 者 等 ノ無 産 政 党 運動ニ 関 スル宣
常ニ 無 産 政 党 ハ解放 運動 ニ於 テ全 ク有 害無 益 ノ モノ タ ル コト及 経済
ハ時 々無 産 政 党 批判 演 説 会 其 ノ他 ノ宣 伝 集会 ヲ開 催 シテ席 上 彼 等 ハ
よ ﹂等 ノ標 語 ノ下ニ 無産 政 党 運 動 ノ反 対 ニ努 メ全 国各 地 ニ於 テ 一派
本章第 二 各 種 運動 ノ中 堅 ト ナリ(節 統3 一︶ 運動同盟 ヲ組織 シテ中 間 労 (参 一照 ︶)︵
合ニ属 スル青年等 ハ共産 主義者 ト提携 シテ全 日本無産青年同盟 ノ
ス ル ノ止 ム ヲ得 サ ル ニ至 ラ シ メ テ党 ヲ完 全ニ 奪 取 シ(本章第 三)︵ 組2︶ 節(参 一照 )
立 、議 会 解 散 其 ノ他 ノ請 願 運動 ヲ起 サ シメ遂 ニ右 翼 ヲ シ テ党 ヲ脱
)
働 団 体 ノ結 合 ト 左 傾 ヲ計 リ其 ノ他 各 種 ノ左翼 労 働 運 動 ヲ進 メ居 レ
産 系ニ 属 ス ル者 潜 在 シ居 レリ
以 上 ノ外 東 京 市電 従業 者 ノ組 織ニ 係 ル市 電 自治 会 ノ幹 部 中 ニ モ共
別冊 ﹁ 大正 十五年中 ニ於ケ ルモ ノ ト ス( ル労働運動 ノ状況﹂参照
伝 集 会ニ 際 シ テ ハ 一派 ハ多 数 出 席 シ テ集会 ノ妨 害 ヲ試 ミ屡 々之 ヲ混 乱 ニ陥 ラ シ メタ ル事 例 ア リ 第 四節 社 会 主義 者 ノ労 働 運動 本 邦 ニ於 ケ ル社 会 主 義 者 ノ労 働 運動 ハ漸 ヲ趨 フ テ進 展 シ特 ニ最 近ニ
所属団体二十七組合) 会(団 アリ東 京 、大 阪 、 京都 、 岡 山 、神 奈 川 等 ノ各 体員約二千名
(2) 無 政 府 主義 ノ系 統ニ 属 スル モノト シ テ ハ全 国 労 働 組 合 自 由 聯 合
躍 ヲ為 サ シ メタ ルノ観 ヲ呈 シ現在 ニ於 テ ハ一部 労 働 団 体 ハ全 ク社 会
於 ケ ル無産 階 級 政 党 組 織 ノ運動 、青 年 同 盟 ノ運 動 等 ハ更ニ一 段 ノ飛
主 義 者 等 ノ侵 略 ヲ受 ケ社 会 主義 上 ノ指 導 精 神 ニ基 キ テ行動 ス ル ニ至
ル所 ニシテ無政府主義者等カ大正十五年 一月組織 セル黒色青年聯
)
府県 ニ於ケ ル印刷 工、自由労働者等 ノ組織 セル労働 団体 ノ聯合 セ
第 五 節 社 会 主 義 者 ノ農 民 運 動
本章第 二) 別 冊 ﹁大正十五年中 ニ於ケ 盟(節 ︵参 二照 ︶ ト提 携 シ居 レル モノヽ 如 シ(ル労働運動 ノ状況﹂参照
リ極 左 的 労働 運動 ヲ生 スル ニ至 レリ (1) 共産 主 義 ノ系 統ニ 属 スル労働 団 体 ト シテ ハ其 ノ極 左ニ 位 ス ル モ ノ ニ彼 ノ ﹁日本 労 働 組 合 評 議会 ﹂ ア リ本 組 合 ハ ﹁日本 労働 総 同
方評 議 会 ノ幹 部 ハ殆 ト 全部 強 烈 ナ ル共 産 主義 者 ニシ テ彼 等 ハ本 邦
傾 少 壮 者 ニ依 テ計 劃 セ ラ ル ヽ農 民 教 育 運動 其 ノ他 ノ実 際 運 動 ハ此 種
幹 部 中 共 産主 義 ノ系 統ニ 属 スル モノ多 キ ヲ占 ム ル ニ至 リ 従 テ之 等 左
社 会 主 義 者 ハ前 節 ニ掲 ケ タ ル労 働 宣 伝 ト前 後 シ テ農 民 運動ニ 腐 心 シ
ニ於 ケ ル共 産 主 義 者 ノ領袖 ト策 謀 シテ各 種 ノ運 動 ヲ計 劃 、実 行 シ
ノ思 想 的 背景 ニ依 テ行 ハ レム ト スル ノ傾 向漸 次 顕 著 ナ ラ ムト シツ ヽ
盟 ﹂内 部ニ 在 リ シ共 産 系急 進 分 子カ 本 部 共 産 主義 者 ノ首 脳 者 ト相
ツ ヽア ルノ現 状 ニシ テ其 ノ主 ナ ル モノ ト シ テ ハ大 正 十 五年 ニ於 テ
アリ
組 合 ノ新 設 、既 設組 合 ヘノ侵 入、 農 民 運 動 ノ指導 ニ努 メタ ル結 果 本
ハ(1)政 社 労 働 農 民 党 ノ運動ニ 際 シテ ハ本 組 合 ハ他 ノ共 産 主 義 団 体
最 近 ニ於 ケ ル無 産 階 級 政 党 ノ運動 ハ 一層 此 ノ傾 向 ヲ促 進 シ殊ニ 政 社
邦 最 大 ノ農 民 団 体 タ ル ﹁日本 農 民 組 合 ﹂ ノ如 キ ハ其 ノ有 力 ナ ル少 壮
ト共ニ 左翼 ト シ テ排 除 セ ラ レタ ル ニ拘 ラ ス他 ノ一味 ト共ニ 所 謂 単
労 働農 民 党 ノ組 織 、其 ノ後 ノ活 動 ニ於 テ ハ評 議 会 等 所 謂 共 産 主 義 団
ニシ テ本 団 体 ノ幹 部 及 所 属 組合 タ ル関 東 、 大 阪 、 神戸 、 京都 各 地
一無 産 階 級 政 党 ノ理 想 ヲ提 ケ テ各 種 ノ方 法 ヲ以 テ之 ニ侵 入 ヲ企 テ
体 四 団 体 ハ常ニ 右 翼 ヨリ排 斥 ヲ受 ケ 居 レ ル ニ不 拘 党 ノ有 力 組 織 分 子
呼 応 シ大正 十 四年 五月 遂 ニ総 同盟 ヨリ分 裂 シ テ新ニ 組 織 セ ル モノ
殊ニ 党 ノ支 部 ヲ自 派ニ 収 メ党 ノ支 部 ヲ使嗾 シ テ各 地方 ニ耕 作 権 確
ハ別 冊ニ 詳 記 セ ル処 ノ如 シ
党 右翼 ノ脱 退 ト為 リ名 実 共ニ 党 ヲ左翼 ノ支 配ニ 帰 セ シ メタ ルノ顛 末
々左 傾 シ事 実 上党 ヲ左 翼 ノ傘 下ニ 収 ム ルノ状 況ト 為 リ シ ヲ以 テ遂ニ
三 月 組合 ヨリ分 離 シ別ニ 日本農 民党 ヲ組 織 セ リ而 モ組合 ノ行 動 ハ益
ヲ共 ニシ タ ル為 組 合 中 ノ右 翼 分 子 ハ組 合 ノ左 傾 ヲ憤 リ テ大 正十 五年
タ ル日本 農 民 組 合 ハ陰 ニ陽 ニ之 等 左翼 四団 体 ト連 繋 シ テ左翼 ト行 動
本章第 三節及別冊 ﹁結社 社 一部 ノ者 ハ無 政 府 主 義 者 ト款 ヲ通 シ ツ ヽア リ(労 働農民党竝ニ其 ノ他 ノ
支 持 聯 盟 ﹂ ヲ組 織 シ テ純 左翼 ト シテ党 ノ侵 奪 ニ努 メ ツ ヽアリ尚 水 平
産 系 四 団 体 ト シ テ各 種 ノ策 動 ヲ試 ミ最 近 一味 ト 共ニ ﹁ 水 平社 労 農 党
猶 無 産 政 党組 織 ノ運動 ニ対 シ テ ハ水 平 社 無 産 者 同 盟 ノ 一派 ハ所 謂 共
中 堅 ト シ テ各 種 ノ運 動 ニ当 レ ル ノ事 実 ア リ
産 青年 同 盟 ノ運 動 ニ対 シ共 産 主義 者 ノ領 袖 的 人 物 ト策 謀 シテ同 盟 ノ
第 七 節 社 会主 義 者 ノ国 際 運 動
)
然 ル ニ其 ノ後 総 同 盟 麻 生 久 等 ハ農 民 組 合 ノ同 志 ト 共ニ 中 央 派 ヲ標 榜
無産政党 ニ関 スル調査﹂ 及別 冊 ﹁大正十 五年中 ニ於ケ ル水平運動 ノ状 況﹂各参照
シ テ ﹁日本 労 農 党 ﹂ ヲ組 織 ス ヘク運 動 ヲ開 始 シ タ ル 為 組 合 ハ左 派
ア リ即 チ日本 農 民 組 合 青 年部 、 山陰 、千 葉 、新 潟 、 岡 山 、福 岡 、香
日本農 民組 合 ハ最 近 頻 リ ニ青 年 部 ノ組 織 ノ充 実 ニ努 メ居 レ ルノ形 跡
生 シ目下 之カ 態 度 決 定ニ 腐 心 中ニ 属 セリ
周 匝 ナ ル ヲ想 ハシ ム ル モノ ア リ現 況次 ノ如 シ
加 シ之ニ 附 随 シ テ裏 面 ニ於 ケ ル各 種 運動 上 ノ連 絡 、 通謀 ノ弥 々頻 繁
正 十五 年ニ 入 リ テ ハ官 辺 ヲ掠 メ テ秘 カ ニ露 国ニ 来 往 スル者 ハ漸 次 増
主 義 者 ト第 三 イ ンタ ーナ シ ヨナ ルノ関 係 ハ漸 次 密 接 ト ナ リタ ルカ大
秘 結 結 社 日本 共 産 党 一派 ノ被 告カ 露 国ニ 亡 命 セ ル前 後 ヨリ本 邦 社 会
( ) 一 社 会 主義 者 ト露 国 第 三 イ ンタ ー ナ シ ヨナ ルト ノ関 係
川 各 聯合 会 青 年 部 ノ如 キ之 ナ リ本 青 年 部 ハ共 産 主義 者 ノ主 唱ニ 係 ル
(労働農民党) ト中 央 派 ( 麻生 一派 ノ日本労農党派) ト ノ二 派 ノ潮 流 ヲ
無 産青 年 同 盟 ノ運 動ニ 加 担 シ又 ハ之 ニ呼 応 セ ムト スル ノ形 跡 アリ テ
闘争 ノ主 張ニ 基 ク徹 底 的帰 結 ヲ覓 メ ント スル モ ノト 二 ツノ主 潮 ア リ
由 来 水 平 運 動 中 ニ ハ(イ) 純然 タ ル人 道 主 義 ノ見 地ニ 基 ク モノ ト) (ロ 階級
頗 ル多 カ リ シ モノト ス
平 運動ニ 対 シテ ハ其 ノ運 動 ノ起 源 ニ於 テ共 産 主義 者 ノ指 導ニ 由 ル処
差 別待 遇 ノ撤 廃 ヨリ進 ンテ部落 民解 放 ヲ目 的 ト ス ル ニ至 レ ル所 謂 水
ノ ヽ如 シ
ニ ハ大 正十 年 七月 第 三回 大会 以後 常ニ 若 干 ノ邦 人 同 志 出 席 セ ルモ
担当 シ居 レリ ト ノ聞 エア ル モ詳 カ ナラ ス露 国ニ 開 催 ス ル党 ノ大 会
浦 塩 、 上海 等 ニ於 ケ ル各 支 部 ニ ハ邦人 同志 潜 在 シテ各 種 ノ事 務 ヲ
居 レ ル形 跡 ア リ
央 執 行 委員ニ 列 シ且 同 本 部 極 東 局 顧 問 ト ナリ各 種 ノ運 動ニ 参 劃 シ
(1) 第 三 イ ンタ ー ナ シ ヨナ ルト ノ関 係 ﹁モ ス コー﹂ ニ於 ケ ル第三 イ ンタ ー ナ シ ヨナ ル本部 ニ ハ片 山潜 中
水平 社 少 壮 急 進 分 子 ハ概 ネ後 者ニ 属 シ漸 次 共 産 主義 ノ傾 向 ヲ顕 シ之
)
等 ハ大 正十 四年 九 月 従 来 ノ水 平 社 青 年 同 盟 ヲ解 体 シ テ水 平 社 無 産 者
レ ル モノ ヽ如 ク特ニ 本 邦 同 志 ノ来 往 セ ル者 等 其 ノ密 使 卜 為 リ テ之
本邦 同 志中 徳 田球 一等 最 高 幹 部 ハ各 種 ノ方法 ニ依 テ連 絡 ヲ講 シ居
第 六 節 社 会 主義 者 ノ水 平 運 動
ル農民運動ノ状況﹂参照
最 モ注 意 ヲ要 ス ヘキ状 況 ニ在 リ ト ス(別冊 ﹁大正十五年中 ニ於 ケ
同盟 ヲ組 織 シ露 骨 ナ ル主 義 的 行 動 ヲ試 ミ ツ ヽアリ殊ニ 同 盟 一派 ハ無
ヲ敢 行 シ居 レ ルノ形 跡 ア ル モ詳 カ ナラ ス (2) 露 国共 産 党 大 学 ト ノ関 係 露 國 モス コー ニ於 ケ ル東 方 共 産 党 大学 ニ ハ選 抜 派 遣 ヲ命 セ ラ レタ
月下 旬 日本 労働 組 合 評 議 会ニ 属 スル某 ハ本 組 合 ノ大 会ニ 出 席 シ テ
帰 還 セ ル ヲ発 見 シ之 ヲ取 押 ヘタ ル モ遂 ニ確 証 ヲ得 ル ニ至 ラ スシ テ
放 還 ス ルノ止 ム ナ キ ニ至 レ リ
厳 重 内 偵中 ナリ
十 五 年 中 ニ於 テ秘 カ ニ内 地ニ 帰 還 シ各 地ニ 潜 伏 セ ル哉 ノ聞 エア リ
ハ一層熾 烈 ト ナ リ同 方 面 ニ出 入 ス ル本 邦 船 舶 乗 組 員ニ 対 シ或 ハ同
働 組 合 ノ経 営 ニ係 ル国 際 海員 倶 楽部 及 沿海 州 方 面 ノ共 産 党 ノ活動
合 ノ活動 ハ漸 次 旺盛 ト ナ リ タ リ殊ニ 大 正 十五 年ニ 入 リ浦 塩 赤 色 労
近年 浦 塩 ニ於 ケ ル第 三 ﹁イ ンタ ー ナ シ ヨナ ル﹂ 及 国 際 赤 色 労 働 組
(5) 浦 塩 及 沿 海 州 方 面 ノ状勢
而 シ テ其 ノ補 充 ト シテ本 邦 労 働 団 体中ニ 在 ル少 壮 共 産 主 義 者 ヲ派
ル本 邦 同志 ノ者 十 数 名 在 学 セ ル ノ事 実 アリ シカ是 等 ハ大 部 分 大 正
遣 留 学 セ シ ム ル モ ノ ヽ如 シ
全 日本 無産 青年 同 盟 ハ之 等 ト連 絡 ヲ通 シ其 ノ方 針 ニ従 テ運 動 シ居
カ最 近 ハ努 メ テ鋒鋩 ヲ和 ケ著 シ ク不穏 ノ モノ ハ其 ノ数 ヲ減 スル ニ
極 メ テ多 種 類ニ 上 リ居 リ テ当 初 ハ極 メ テ奇 矯 不穏 ノ モノ多 カ リ シ
等 船員 ヲ介 シ テ宣 伝 印 刷 物 ヲ内 地ニ 輸 入 セ シメ ツ ヽア リ其 ノ数 ハ
倶楽 部ニ 招 致 シ又 ハ各 種 宣 伝 物 ヲ頒 布 シテ主 義 ノ注 入 ヲ試 ミ又之
レル ノ形跡 ア ル モノ ト ス
(3) 国 際青 年 共 産 党 ト ノ関 係
大 正 十 一年 十 二月 ﹁モ ス コー﹂ニ 於 ケ ル第 四 回大 会 以 降 邦 人 同 志
キ ニ非 ス
米 国 ニ ハ従 来 相 当 多 数 ノ邦 人無 政 府 主 義 者 及 共 産 主 義 者 伏 在 セ シ モ
(二) 在 米 邦 人 社 会 主 義 者 ノ行動
至 レリ
大 正 十 五年 五 月本 邦 同 志カ 党 本 部 ニ於 テ印 行 セ ル多 数 ノ不 穏 文 書
ヘキ者 等 ハ各 所ニ 潜 在 シ活 動 ヲ試 ミ居 レ ル形 跡 アル モ本 邦 同 志 ト露
数年 前片 山潜 カ同 志 ヲ率 ヰ テ露 国ニ 転 住 シタ ル以来 其 ノ残 党 ト 認 ム
ノ者 屡 々党 ノ大会ニ 出 席 シテ運 動 上 ノ連 絡 ヲ講 シ居 レ ルノ形 跡 ナ
ヲ横 浜 ニ於 テ密ニ 陸 上 ケ セ ルヲ取 押 ヘタ ル事 実 アリ 又大 正 十 五年
ル ニ至 リ タ ルヲ以 テ著 シク注 意 ヲ要 ス ヘキ運動 ハ之 ヲ認 メ ス目 下 ノ
国 同 志 ト ノ連 絡 ハ既ニ 直 接 ノ関 係 ヲ生 シ テ在 米 同志 ノ仲 継 ヲ要 セ サ
末 及 十 六年 初 メ ニ亙 リ本 邦 青年 同 盟員 多数 ヲ撰 抜 シ露 国ニ 留 学 セ シ ム ル計劃 アリ テ既 ニ其 ノ 一部 ノ者 ハ入露 セリ ト認 メ ラ ル ヽ事 実
状 況 次 ノ如 シ
アリ (4 際︶ 赤 色国 労 働 組 合 ト ノ関 係
( ) 1在 紐 育 日本 人 協 会
テ会 員約 六 十名 位 ヲ有 シ共 産 主 義 者等 中 心 ト為 リ相 当 活 動 シ居 レ
大 正 十 二年 二月 紐 育 在 留 中 ノ邦 人 西村 義 雄 等 ノ組 織 セ ル モノ ニシ
邦 人 共 産 主義 者 近藤 栄 蔵 ハ本 団 体 ノ中 央 執 行 委員 ト シ テ組 合 ノ各 種 ノ事 務 ヲ担 当 シ且露 国 ニ於 ケ ル本 組 合 ノ大会 ニ ハ本 邦 労 働 組 合
ル模 様 ア ル モ詳 カ ナ ラ ス
ニ 対 シ屡 々代 表者 ノ派 遣 方 ヲ申 込 ミ来 レル事 実 アリ之 等 大 会 ニ ハ 常ニ 若 干 ノ同 志出 席 シ居 レリ ト認 メ ラ ル ヽ事 実 アリ 大 正十 五年 三
( ) d メ ーデ ー
( ) c パ リ コン ミ ユ ン記 念 日
五月
五月
五日
一日
月 二十 一日
(2) 羅 府 日本 人 労 働協 会 ﹁ロ ス ア ンゼ ル ス﹂ 市 方 面 ニ ハ近時 共産 主 義 者 ノ擡 頭 ヲ見 ル ニ至
( ) e マル ク ス生誕 記念 日
三月十八日
リ各種 思 想 団 体 モ籏 生 セ リ文 化 研究 会 、 水 平 時 報 社 ノ 一派 等 ノ団
十 一月 七 日
九 月 第 一日曜 日
一
体 ア ル モ其 ノ最 タ ル モノ ハ本 協 会 ニシテ共 産 主 義 ヲ主 張 シ同 志 二
(f) 国 際 無 産 青 年 デ ー
( ) b レー ニ ン追 悼祭 記念 日
十 余 名 アリ大 正 十 四年 三月 一日 ヨリ 月刊 機 関 紙 ﹁階 級 戦 ﹂ ヲ秘 密
(g) ロ シア革 命 記念 日
(一) 全 国 俸 給 生 活 者 聯 盟 ノ運 動
第 八節 其 ノ他 ノ主 ナ ル社会 運動
出 版 シ毎 号過 激 ノ記 事 ヲ登 載 シ之 ヲ内 地同 志 ニ モ密 送 シ来 レ ル ヲ
共 産 主義 者 野 坂 参 弍 ハ其 ノ主 宰 セ ル産業 労働 調 査 所 ニ於 テ俸 給 生 活
以 テ大 正 十 五年ニ 入 リ之 ヲ発 売 頒 布 禁止 処 分ニ 付 シタ ル コト ア リ 本 団 体 ト 露 国同 志 ノ連 絡 ニ就 テ ハ米 国官 憲 ニ於 テ モ厳 重 注 意 シ居
数 約 五百 五 、 六 十 名 ト称 シ居 レ ル モ事 実 ハ左 程多 カ ラサ ル ヘ シト
大 正 九 年 鈴木 悦 ノ主 唱 ニ依 リ創 立 セ ラ レ タ ル モ ノ ニ シ テ現 在 会 員
ト シ大 正 十 四年 六月 頃 ヨリ右 調 査 所ニ 仮 事 務 所 ヲ置 キ其 ノ運 動 ヲ進
級 組織 ニ導 キ之 ニ主 義 ノ注 入 ヲ為 シ テ左翼 運動 ノ 一部 面 ヲ担 当 セ ム
シ テ俸 給 生活 者 ノ同 盟 ヲ組 織 シ俸 給 生活 者 ヲ主 ト シテ職 場 ニ於 テ階
者 ノ調査 ヲ為 シツ ヽア リ シ カ神 戸在 住 共産 主 義 者 三宅 右 市 等 ト 提 携
レル モ未 タ真 相 判 明 ス ル ニ至 ラ ス
認 メ ラ ル会 員 ハ主 ト シ テ左派 労 働 者 及 阿 附 ノ徒 ナ リト ス各 地ニ 支
シタ ル上 、 更ニ 進 ン テ全 国 俸 給 生 活 者 組 合 ノ聯 結 ヲ計 リ、大 正 十 四
メ先 ツ東 京 、神 戸 、大 阪 其 ノ他 各 地ニ 俸 給 生活 者 ノ組 合 ノ組 織 ヲ為
(3) 加 奈 陀 日本 人労 働 組 合
日刊新聞紙発行) 部 ヲ設 置 シ機 関 紙 ﹁民 衆﹂ (高 千部ト称 セリ ヲ発 行 シ居 レリ内 部 ニ ハ
年 中 大 阪 及 東 京 ニ於 テ各 地俸 給 生 活 者 組 合 ヲ合 同 シ テ全 国協 議 会 ヲ
邦 人 共 産 主 義 者 伏 在 シ且紐 育 方面 ニ於 ケ ル邦 人 同 志 ト連 絡 ヲ取 リ
開 催 シ次 テ大 正 十 五年 五 月 二 日神 戸 ニ於 テ第 三 回 協議 会 ヲ開 催 シ席
ノ宣 言 、綱 領 、規 約 ヲ 一応 決 定 シ タ ル上之カ 修 正 方 ヲ共 産 主義 者 山
上各 地 ノ同 志 団 体 ヲ結 合 シ テ ﹁日本 俸 給 生 活 者 聯 盟 ﹂ ヲ組 織 シ、其
テ行 動 ヲ共 ニセ シ コト ア リ (三) 各 種 国際 記 念 日 ノ運 動
主 義 ノ宣 伝 ヲ試 ム ル ノ事 実 アリ加 奈 陀 赤 色 団 ( O.B.U)ト提 携 シ
社 会 主義 者 ハ各 種 国 際 記 念 日ニ 際 シ演 説会 其 ノ他 ノ集 会 ヲ開 催 シ又
ヲ選 任 セリ
川均 ニ托 シタ リ本 聯 盟 ハ役員 ト シ テ中 央 常 任 委 員 、中 央 委員 各 六名
テ最 初 ヨリ ノ方針ニ 基 キ努 メ テ露 骨 ナ ル主義 的 行 動 ヲ秘 シ居 レル モ
シ テ ハ労働 農 民党ニ 対 シ参 加 セ ル ノ外 二 、三 ノ行 動 ア ル ニ過 キ ス シ
本 運動 ハ目下 ノ処 趣 意 ノ宣 伝 ト 同 志 ノ結 合 ト ニ力 ヲ注 キ実 際 運 動 ト
ハ宣 伝 印 刷物 等 ヲ頒 布 シテ主 義 ノ宣 伝 ヲ為 シ或 ハビ ク ニツ ク、 野 外
一月十 五 日
運 動 又 ハ示 威 運動 ヲ為 シテ集 団 的 行 動 ノ訓 練 ヲ為 スノ風 漸 次 流 行 ト ナ リ ツ ヽア リ重 ナ ル記 念日次 ノ如 シ
記念目
(a) リ ープ クネ ヒト 、 ローザ ル ク セ ンブ ルグ記 念 日(青年運動)
モノト 認 メ ラ ル所 属 組 合 ノ概 況 次 ノ如 シ
最 近漸 次積 極 化 セ ント ス ルノ形 跡 ア リ将 来 ニ於 テ ハ注 意 ヲ要 ス ヘキ ヽアリ
刷 物 、集 会 等 ニ依 リ宣 伝 ヲ為 シ最 近海 員 等 ニ対 シ宣 伝 セ ント シ ツ
四年 十 月 四 日大 阪 非筋 肉 労働 組 合 ト改 称 シ タ ルカ其 ノ後組 合 幹 部
大阪 商 業 使 用 人 組 合新 生会 ハ神 戸 S ・M ・U 一派 ト 提 携 シ大 正十
(3) 大阪 俸給 生 活 者 組 合
( ) 1 関 東無 産 俸給 者 組 合 共産 主義 者 野 坂 参 弍 等 主 唱 ノ下ニ 大 正 十 四年 十 一月 二十 八 日 発会
(二) 消 費 組 合 ノ運 動
大 正十 五年 八月 二十 八 日 発会 式 ヲ挙 ケ川 崎 市ニ 支 部 ヲ設 置 セリ
(4) 横 浜 サ ラ リ ー マ ン ユ ニオ ン
大阪 俸給 生 活 者 組 合 ノ発 会式 ヲ挙 ケ タ リ
ニ内訌 ヲ生 シタ ル為 一旦 之 ヲ解 体 シタ ル上 大 正 十 五 年 十 月 十 六 日
式 ヲ挙 ケ 大 正十 五年 六 月 六 日第 二回 大会 ヲ開 キ各 種 ノ運 動 方 法 ヲ 協 定 セリ 本会 ハ屡 々演 説 会 又 ハ刊 行 物 ニ依 リ テ趣 旨 ノ宣 伝 ニ努 メ市 内 数 ケ 所ニ 支 部 及分 会 ヲ設 置 セ リ又会 報 及機 関 紙 ヲ発 刊 セ リ大 正 十 五年
リ シ為 同十 一月 十 五 日附 ヲ以 テ本会 組 織 部 ヨリ ﹁倍 加 運 動 ヲ起 シ
アリ シカ其 ノ後 本 邦 ニ於 テ モ共 産 主 義 者 及 左 翼 労 働 団 体 等 ノ間ニ 本
露 国 ニ於 テ最 近 消 費 組 合 運 動擡 頭 シ之カ 国 際 的 結 束 ヲ計劃 セ ル模 様
十 一月初 旬 一周 年 記 念 宣 伝 週 間 ヲ挙 行 シタ ル モ成 績 思 ハシ カ ラサ
組 合員 ハ 一人 以上 ノ新 組 合 員 ヲ獲 得 ス ル コト 、分 会 ハ別 箇ニ 倍 加
団 体 で あ る こと 。
(イ) 消 費 組 合 は 無 産 階 級 が消 費 者 と し て の立 場 から 結 束 し た 大衆
運動 ノ勃 興 ヲ見 ル ニ至 レリ其 ノ理論 ト ス ル処 次 ノ如 シ
運動 ヲ起 シ且未 組 織 ノ職 場ニ 分会 ヲ設 置 ス ル コト 、俸 給 生活 者 ノ
発 セリ
共済 団 体 ヲ即 時 階 級 的 組 織 タ ラ シ ム ル コト等 ノ指 令 ヲ所 属 団 体ニ
本会 ノ運動 ハ目 下 宣 伝 ト 同 志 ノ糾 合 ト ニ在 ルカ其 ノ他 ノ著 シ キ モ
る機 関 な る が、消 費組 合 は商 業 資 本 家 の恣 な る搾 取 に抗 争 す る闘
( ) ロ 労働 組 合 は生 産 者 とし て 工業 資 本 家 の残 虐 な る搾 取 に抗 争 す
争 機 関 な る こと 。
ノト シ テ ハ左翼 団 体 ト提 携 シ テ労 働 争 議ニ 応 援 シ示 威 運 動 等ニ 参 加 シ ツ ヽアリ 且本 会 婦 人 部 長 タ ル ﹁ 金 津 と き﹂カ 就 職 先 八 千 代 生
(一) 労 働 組合 が資 本 と 闘 争 す る場 合 、資 金 を供 給 し、 日用 品 を
(ホ) 消 費 組合 の職 分 は
に依 つて其 の最 終 目 的 た る無 産 階級 解放 を達 成 し 得 る こと 。
( ) ニ 消 費 組 合 は労 働 組 合 、 無 産 政 党 等 の大衆 的闘 争 団 体 と の協 力
) ( ハ 消 費 組 合 の目 的 は 目 前 の 一銭 に非 ず 働 かざ るも の食 ふ べ か らず の新 社 会 の建 設 、 無 産 階 級 の完 全 な る解 放 に あ る こと 。
命 ヨリ解 雇 セラ レタ ル ニ際 シ結 束 シ テ争 議 ヲ起 セ ル コト ア リ
ル行 動 ヲ避 ケ居 レ ルノ風 ア リ シ カ最 近 ニ至 リ積 極 的 方 針 ニ依 リ行
尚本 会 ハ世 評 ヲ虞 レテ共 産 主義 者等 ノ加 入 ヲ見 合 セ努 メ テ過激 ナ
(2 戸︶ S ・ 神M ・U
動 ス ヘキ コト ニ決 定 セ ル模 様 ア リ
三 宅 右 市 ハ野 坂 ト提 携 シテ大 正 十 四年 六 月 二 十 四 日神 戸ニ 発 会 式 ヲ挙 ケ三 宅 ニ於 テ委 員 長 ト ナ リ各 地 同 志 ト提 携 シテ運 動 ヲ進 メ印
す にあ る こと
為 ス ノ傾 向 ヲ生 シ当 初 ニ於 テ ハ社 会 主義 者等 ノ使嗾 ニ応 シ研 究 、 宣
民会 ( 同)等 ノ如 キ学 生 等 ニ於 テ団 体 ヲ組 織 シ テ思 想 ノ研 究 論 議 ヲ
ア リ シ カ其 ノ後 学 生 ノ社 会 主 義 運 動 ハ極 メ テ組 織 的ニ 進 行 シ学 生 社
伝 ヲ為 スノ程 度ニ 在 リ テ時 々若 干 ノ実際 的 運動ニ 参 加 ス ルノ状 況 ニ
送 り 、直 接 闘 争 の応 援 を な し 、即 ち闘 争 の兵站 部 た る役 割 を な
(二 費︶ 組 合消 運 動 を通 し 無 産 大 衆 を教 育 し階 級 闘 争 に参 加 せ し
カ其 ノ顛 末 ノ概 要 、 其 ノ後 ニ於 ケ ル運 動 状 況 次 ノ如 シ
維 持 法 、出 版 法違 反 其 ノ他 ノ罪 ニ依 リ遂ニ 検 挙 セ ラ ル ヽ ニ至 リ タ ル
ツ ルノ傾 向 顕 著 ナ ル モ ノ アリ大 正 十 五 年 一月 一派ニ 属 ス ル者 ハ治 安
一部 ノ任 務 ヲ担当 ス ヘキ﹂ 意 図 ヲ以 テ進 ミ極 メ テ険悪 ナ ル行 動ニ 出
ニ﹁無 産 階 級 運動 ノ 一翼 ﹂ ト ナ リ ﹁革 命 運 動 ノ協 同戦 線 ニ於 テ共 ノ
張 ノ下ニ 純 然 タ ル共産 主 義 運 動 ト化 シ ﹁学 生 運動 ノ左翼 ﹂ タ ルト共
会 科 学 聯合 会 ヲ中 心 ト シ テ ﹁マル キ シズ ム﹂ 及 ﹁レ ー ニズ ム﹂ ノ主
め 、 未 組織 大衆 を組 織 に導 く こと 、殊 に農民 プ ロ レタ リ ア の組 織 に対 し ては 重要 な る 地位 を持 つも のな る こと (三) 消 費 組 合 は 都 市及 農 村 プ ロ レタ リ アを 連 絡 せ し む る も のな る こと (四) 婦 人 労 働 者 及 び家 庭 に於 け る プ ロ レタ リ ア婦 人 への階 級 的 宣 伝 を為 す の任 務 を 有 す る こと ( ) 五 消 費 組 合 の組 織 は 商 業 資本 の全 国 的 結 成 に対 抗 し 是 非 共 全 以上 ハ日本労働組合評議会所民 関
国 的聯 盟 組 織 を持 つて戦 線 の拡 大統 一を せ ね ばな ら ぬ こと 且議 決権 は 一人 一票 主 義 に依 る こ と {東合同労働組合 ノ頒布 セル本運動
(1) 沿
革
(一) 学 生 社 会 科 学 聯 合会 ノ組織
大 正 十 一年 十 一月 七 日露 国革 命 記念 日 ヲト シ東 京 ニ於 テ主 ナ ル学
)
生 団 体相 会 シ ﹁学 生 聯 合 会 ﹂ ヲ組 織 シ秘 密 結 社 ﹁日本 共 産 党 ﹂ ト
ニ 関 スル教 材 其 ノ 他 ニ依 ル
斯 ク シ テ之 カ宣 伝 ト 団結 ニ努 メ且 一面 ニ於 テ各 地組 合 ヲ組 織 シ大 正
約 二十 四校 ニ シ テ同 結 社 検 挙 後 一時 其 ノ鋒鋩 ヲ収 ム
連 絡 ヲ保 チ其 ノ運 動 ノ 一部 ヲ担 当 ス加盟 団 体 ハ各 地大 学 高 等 学校
大 正 十 三年 九月 之 ヲ ﹁学 生 社 会 科 学聯 合会 ﹂ ト改 称 シ各 学 校ニ 社
十 五年 十 一月 七 日関 東 消 費 組 合 聯 盟 大 正 十 五年 度 大会 ヲ開 催 シ左 記
一我 等 は 営 利 主義 に基 け る責 本 主 義 的 経 済 組織 の改 造 を期 す
会 科 学 研究 会 ヲ組 織 シ之 ヲ統 率 ス
ノ綱 領 ヲ発 表 セリ
一我等 は諸 他 の無 産 階級 の運動 と 相 提 携 し て目的 の実 現 を期 す 。
本 会 ノ 目的 ハ表 面 ﹁一般 社 会 科 学 ノ研 究 ノ促 進 ト 其 ノ 普 及 ヲ 図
一我等 は消 費 組 合 の全国 的 結 成 を期 す 。 現在 の加盟 組 合 ハ東 京 、群 馬 、各 地 ヲ通 シ十 六 団 体 ニ達 ス ル モノ ヽ
ル﹂ コト ヲ標 榜 シ居 レ ル モ事 実 上 共 産 主義 ヲ信条 ト シ其 ノ実 現 ヲ
ス ル処 左 ノ 如 シ
ト ス 一派 ノ所 為ニ 係 ル新 人会 報 第 五号 ニ依 レ ハ会 ノ当 面 ノ 目的 ト
促 進 セ ムト ス ル モノ ナ ル コト ハ一派 ノ所 為ニ 徴 シ テ全 ク疑 ナ キ処
如 ク大 阪其 ノ他 ノ 地方 ニ モ散 在 シ居 レ ル形 跡 ア リ
第 三章 学 生 ノ社 会 主 義 運 動 ト其 ノ検 挙 京帝国大学生等 早稲田大学生等 暁 大正七、八年以降新 人 会(東 ノ組織 セルモノ 建 設者 同 盟(ノ組織 セルモノ)
ノ書 籍 ヲ採 用 シ居 レル旨 ヲ掲 ケ ツ ヽア リ之 カ為 ニ一派 ハ各 種ノ
﹁マルキ シズ ム、 レ ー ニズ ム﹂ 等 ノ共 産 主義 ノ研究 、宣 伝 、実
﹁テー ゼ﹂ ﹁教 程 ﹂其 ノ他 ノ運 動 方 針 及 方 法ニ 関 ス ル不 穏 文 書
行 等 所 謂 理 論 及其 ノ戦 術ニ 関 ス ル各 種 ノ訳 文 其 ノ他 ノ激 越 ナ ル
(一) マル ク ス主義 ノ下ニ ﹁学 生 運 動 中 ノ左翼 ﹂ ト ナ リ ﹁無 産 階 級 運 動 ノ 一翼 ﹂ ト ナ ル コト
文 書 ヲ作 成 又 ハ受 授 セ ル モノ極 メ テ多 数ニ 上 リ京都 ニ於 テ捜 査
(二) 反 封建 的 ノ政 治 闘 争 ト シ テ学 生政 治 結 社 加 盟 ノ闘争 (三) ﹁ 反 帝 国 主 義 闘 争 ト シ テ社会 主義 ノ普 及 ﹂
集 会ノ 方 法 ニ依 レ リ又屡 々共産 主 義 者 等 ト共 同 シ テ公 開宣 伝 集
種 会 合 其 ノ他 各 種 ノ機 関 集 会 ヲ開 催 セ リ之 等 ノ場合 ハ概 ネ秘 密
一面 本 会 全 国 大会 、各 地 方聯 合 会 総 会 、研 究 会 、班 ニ於 ケ ル各
ノ結 果 判 明 セ ル モ ノ ヽミ ニテ数 十 種 ノ多 キ ニ達 セリ
(四) ﹁ 無 産 階級 運 動ニ 貢 献 スル者 ノ養 成 ﹂ ( ) 五﹁ 緊 密 ニ シ テ活 動 的 ナ ル組織 ﹂
(2) 運
会 ヲ開 催 セ リ
(六) ﹁ 無 産 階級 運 動 ヘノ貢 献 ﹂
一派 ノ活 動 ハ研究 、宣 伝 、実 際 運 動ニ 対 ス ル参 加 ニシ テ其 ノ方法
動
ハ出版 、集 会 其 ノ他 ノ手 段 ニ依 レ リ右 ノ内 出 版 物 ノ印 行 、 頒布ニ
ノ神聖ニ藉 口 シ能 フ限 リ警 察 ノ視線 ヲ免 レ テ各 種 ノ言論 協 議 ヲ試
会ニ 際 シ テ ハ公 開 宣 伝 演 説 会等 ヲ除 キ多 ク学 内 等 ニ於 テ所謂 学 校
後ニ大衆教育 或 ハ共 産 主義 者等 ノ活 動 シ ツ ヽア ル政 治 研 究 会 ( 同盟 ト改称 ス )、
接 触 シ居 レル形跡 アリ 又評 議会一 派 ト行 動 ヲ共 ニセ ル者 アリ 、
本 会 幹 部 等 ハ本 部 共産 主 義 者 ノ主 脳 タ ル徳 田 球 一、 佐野 学 等 ト
( ) ロ 社 会 主 義 者 ト ノ提 携
ミ其 ノ他実 際 運 動ニ 参 加 ス ル場合 ハ極 メ テ極 秘 ノ間 ニ之 ヲ敢 行 シ
全 日本 無 産 青 年 同 盟 、産 業 労働 調査 所 、 サ ラ リ ー マ ン同盟 等 ノ
対 シ テ ハ概 ネ届 出 ヲ為 サ ス所 謂 秘 密出 版 ノ方 法 ニ依 ル ヲ常 ト シ集
多 ク変 名等 ヲ使 用 シ居 レル ノ実 況 ニシ テ其 ノ真 相 ヲ知 ル コト ハ困
運 動ニ 参 加 シ居 レ ル モノ アリ其 ノ他 共 産 主 義 者 ノ機 関 紙 タ ル
成 シ テ之 ニ依 テ会 員ニ 対 スル宣伝 教 育 ノ方 針 ヲ定 メ テ全 国的ニ
生 ノ宣 伝 、結 束 ヲ計 リ且 ﹁全 国的 教 程 ﹂ ト題 ス ル不穏 文 書 ヲ作
心 ト ス ル過 激 ナ ル原 則 ヲ記載 セ ル不穏 文 書 ヲ標 準 ト シ テ同志 学
マ ルキ シズ ム 及本 会 ﹁ 教 育 テー ゼ骨 子 ﹂ ト 題 ス ル共 産 主 義 (レ ヲ中 ー ニズ ム )
(イ) 学 生ニ 対 ス ル宣 伝 及結 束 運動 大 正十 四年 七 月 第 二回 本会 大会 ニ於 テ議 決 セ ル ﹁大会 テ ーゼ﹂
講 習 会 其 ノ他 ニ於 テ労働 者 、農 民 等ニ 対 シ共 産 主義 上 ノ過激 ナ
ー ゼ﹂ 及 ﹁プロ カ ル教程 ﹂(部 ニ分 ケテ作成 セリ)ニ基 キ 労 働 学 校 、
一 派 ノ者 ハ労 働 団 体 ト提 携 シ テ ﹁プ ロ レツト カ ルト に関 す る テ
彼 等 ノ運 動 中 特 ニ中 心 ト ナ レ ル モノ ニ シテ東 京 及 京 都 ニ於 ケ ル
(ハ) プ ロカ ル運動
熱 中 シ居 レ ル形跡 アリ
﹁ 無 産 者 新 聞 ﹂ ニ ハ本会 一派 ノ者 等カ 常 ニ出 入 シ テ其 ノ事 業ニ
難 ナ ル状 況ニ 在 リ シ モノト ス其 ノ実 際 運 動 ノ主 ナ ル モ ノト シ テ ハ
教 習 ノ統一 ヲ計 レリ右 教 程中 ニ ハ教 材 ト シ テ 彼 ノ ﹁共 産 党 宣
ル鼓 吹 ヲ試 ミ居 レリ
都布労働者及農民 ノ
言 ﹂其 ノ他 ノ発 売 頒 布 又 ハ輸 入禁 止ニ 係 ル不 穏 ナ ル共産 主義 上
関東地方聯合 会
東 京帝大外十九校 二十団体加盟人員 五九六名
日本学生社会科学聯合会
大正十四年 末 ニ於 ケ ル状況 左ノ如 シ
関西地方聯合会
( ) ニ一 派 ノ労 働 運動 、農 民 運 動 以 上 ノ各 運 動 ニ対 シ テ ハ直 接 、 間 接 之 ニ参 加 シ甚 シキ ハ之 等 ノ
テ之 ヲ補 助 シ居 レリ特 ニ労 働 者 及 農 民 ノ教 育 運 動ニ 対 シ テ ハ前
団 体 又 ハ集 合等 ニ対 シ常 任 書 記 ト シ テ就 任 シ又 ハ他 ノ方 法 ニ依
九州帝 大外 五校六団体加盟人員 一五四名
京都帝 大外 二十 一校 二十 二団体加盟人員三九六名 九州地方聯合会
項ニ 記 シ タ ル如 ク極 メ テ熱 心 ニ之 ニ当 リ殊ニ 闘 士養 成 ノ為ニ 腐 心 セリ
六〇〇名
東北地方聯合会 東 北帝大外十 五校十六団体加盟人員二三二名
大学
五六名
(四) 検 挙 後 ノ状況
中 学程度
専 門学校七 二二名 六十四団体 加盟人員 一、三七八{高 等学校
右 ノ検 挙 ハ一時彼 等 ヲ震駭 シ全 ク其 ノ運 動 ヲ挫 折 セ シ メ爾来 救 済 寄
参加団体
( ) ホ 其 ノ他 無産 政 党 組織 運動ニ 際 シ テ ハ共 産 主義 者 ノ戦 線 ニ加 ハリ テ政 党 ノ乗 取 リ、階 級 思 想 ノ宣 布 ニ努 メ全 日本 無産 青 年 同 盟 ノ運 動 ニ対 シ テ ハ共 産 主 義 者 等 ト 呼 応 シ之カ 急 先鋒 ト為 リ各
( ) 二 本 会 一派 ノ検挙
附 金 ノ募集 、弁 護 人 ノ撰 定 等 事 件 ノ善 後 策ニ 没 頭 シ来 レリ
種 ノ計 劃 及 運動 ニ参 加 セ ルノ事 例 ア リ
ア リ之 ヲ検 挙 シ爾来 捜 査 ヲ進 メ タ ル処 本会 ノ行動 ハ治安 維 持 法 其 ノ
ニ対 スル反 対 運動 ヲ標 榜 シ テ再 ヒ蹶起 セ ムト スル ノ状 況 ニ アリ 重 ナ
然 ル ニ 一部 ノ者 ハ機 会 ヲ窺 ヒテ漸 次 運 動 ヲ開 始 シ特ニ 文 部省 ノ取 締
大 正 十 四年 十 一月京 都 同 志 社 大学 内ニ 不 穏 文 書 ヲ貼 付宣 伝 シタ ル者
他ニ 該 当 ス ル モ ノト認 メラ レ大 正 十 五年 一月 二 十 六 日所 轄 検 事 ニ於
講 述 ヲ聴 取 シ又研 究 会 ヲ開 催 セ ル ノ外 (イ) 鉄 道 従 業員 ノ運動ニ 対 シ
本 部 ニ於 テ引続 キ月 次 講 演 会 ヲ開 催 シ ﹁マル キ シズ ム﹂ 其 ノ他 ノ
)
無届出版 ノ罪及国家 及 治 安 維 持 法 其 ノ他 ノ違 反 ト シ テ 起 テ出版法違反( 紊乱文書出版 ノ罪 )
訴 シ取 調 ノ進 行ニ 従 ヒ関 係 者 ノ検 挙 ヲ続 行 シ タ ル結 果 被 疑 者 ハ左 記
東京帝大学生 ノ組織 セルモノ ニシテ
ル団 体 ノ運動 状況 次 ノ如 シ
京 都 帝 国 大 学 々生 十 七 名 、同 卒 業 者 三 名 、東京 帝 国 大 学 々生 四 名 、
極 秘 ノ間ニ 各 種 ノ応 援 使嗾 ヲ為 シ タ ル形 跡 ア リ) (ロ 運動 上 ノ資 料 ヲ
( ) a 新 人会 (社会科学聯合会 ノ牛耳 ヲ取 レルモノ
其 ノ他官 私 立大 学 、専 門 学 校 学 生 々徒 十 三名 、労 働 組 合 員 一名
蒐 集 シ文 庫 ヲ設 置 ス ル計 劃 ヲ樹 テ大 正 十 五年 六 月労 働 思 想 団 体ニ
三十 八 名ニ 上 レ リ
之 等 ハ何 レ モ治 安維 持 法 若 ハ出 版 法 違 反 又 ハ両法 ノ併 合 罪 ニシ テ内
対 シ指 導 後 援 ヲ求 メ且 規 約 、 綱 領 ノ恵 与 ヲ求 メタ リ) (ハ 京大生検挙
以 テ同月 二十 日街 頭 及 市 内 枢 要 地 ニ於 テ 一斉ニ 声 明 書 ヲ撒 布 ス ヘ
事 件ニ 関 シ新 聞 紙 記 事 解 禁 セ ラ ル ヽヤ大 正 十 五年 九 月十 八 日附 ヲ
ノ処 大 正 十 五年 九月 十 五 日何 レモ同 裁 判 所 ノ公 判ニ 付 ス ( 出版法 ノ 点 ニ就テ免 訴卜ナリタルモノアリ︶ ル旨 ノ予審 終 結 決 定 言 渡 ア リ タ リ
不 敬 罪 ノ併合ニ 属 ス ル モノ 一件 ア リ、 京都 地 方裁 判 所 ニ於 テ審 理 中
(三) 検 挙 当時 ニ於 ケ ル 一派 ノ陣 容
( ) b 京 大 社 会 科 学 研究 会
所 ナリ
加 シ漸 次 実 際 運 働 ニ入 ラ ムト ス ルノ傾 向 ア ル ハ大ニ 注 意 ヲ要 スル
本 会 ノ会 員 ハ約 六 十 名 位 ニ シ テ卒 業 生 等 ハ労 働 、農 民 団体 等ニ 参
参 加 セ ル形 跡 ア リ
一部 ノ会 員 ハ無 産 青年 同 盟 ノ運 動 、労 働 争 議 、 無産 政 党 問 題 等ニ
キ旨 ノ秘 密 指 令 ヲ各 班 宛 ニ送 達 シテ班 ノ動 員 ヲ命シタリ︵ニ其 ︶の他
次 テ十 月 二 日班 委 員 会 ヲ開 キ班 研究 会 、特 別 講 座 、総 会 等ニ 関 ス
為 セリ
開 催 シテ名 士 ノ講 演 ヲ求 メ会 員 ノ研 究 ノ発 表 及 討 論 ヲ行 フ コト ヽ
ス ル書 籍五 種 ニ就 キ之 ヲ行 フ コト ヽ為 シ特 別 講 座 、 合 同 研 究会 ヲ
ゲ ル ス著 、共 産 党 宣 言 ﹂ (何 レ モ発 売 頒 布 ヲ禁) 其 ノ他 ノ共産 主義ニ 関
本 会 ハ研 究 科 目 ト シ テ ﹁レ ニン著、国 家 ト革 命 ﹂ ﹁マル ク ス、 エン
部員 一名 ヲ派 遣 スル コト 等 ヲ決 定 シ現 在 ノ地 域 班 五 箇 ヲ発 表 セリ
ノ活 動 ハ本 研 究 会 ノ消 長ニ 関 ス ル ヲ以 テ今 後 班 研 究 会ニ 本 会 教 育
席 応 援 セ シメ タ ル ヲ第 一歩 ト シ同 年 四月 新 入 生 ニ対 シ極 力 之カ 拉
日本 農 民 組 合 京 都 滋賀 聯 合 会 大 会 当 日本 会員 三 名 ヲ書 記 ト シテ出
動 ヲ開 始 ス ヘク計劃 シ、 大正 十 五年 二月 京 都 同 所公 会 堂 ニ於 ケ ル
ビ ラ ヲ学 生ニ 頒 布 シ ク ラ ス宣 伝 ト称 シ各 クラ ス ニ宣 伝 ヲ為 シ 一般
越 テ十 一月 四 日 ヨリ十 日迄 本 会 倍 加 運動 週間 ヲ挙 行 セ リ各 種 宣 伝
事 項 ヲ掲 ケ タ ル極 メ テ矯 激 ナ ル指令 ヲ発 セリ
補 導者 ノ任務、学生大衆 ノ獲 得、班各機関 トノ関係等) ニ関 シ詳 細 ナ ル
令 ﹂ ト題 シ ﹁班 ノ意 義 、班 ノ 活 動 ﹂(班研究会及研究会 ニ於ケ ル教育
本 会 ハ五 月 二十 五 日付 ヲ以 テ本 会教 育 部 ヨリ ﹁班 活 動 に関 す る指
ル各種 事 項 ヲ決 定 セ リ
止 セ ラ レ居 レ ル モ ノ
検 挙 後 残 留 セ ル 一部 ノ者 ハ既ニ 検 挙 ノ落 着 セ ル ヲ看 取 シテ再 ヒ運
其 ノ後 本 会 ハ学 校 当 局 ヨ リ本 研 究 会 指 導 教 授 ト シ テ河 上肇 外三 名
致 ニ努 メ会 員 六 十 四 名 ト ナ レリ
シ且研
ヲ指 定 セ ラ レ タ リ シ カ同 四月 二十 四 日指 導 教 授 等参 列 ノ下ニ 本 会
究 会 コー スノ決 定 、特 殊 研究 会 及カ ー ル マル ク ス記念 講 演 会 ノ開
ノ懇 親 座 談 会 ヲ催 シ露 国 革 命ニ 関 ス ル論 議 ヲ為 セリ
致 シ テ特 別講 座 ヲ開 キ十 一月 七 日露 国 革命 記念 日 ヲ兼 ネ新 旧 会 員
宣 伝 ト称 シ共 産 主 義 者 佐 野 袈 裟 美 (大衆教育同盟幹部)外 一名 ヲ 招
大会 ヲ開 催 セ リ席 上 役員
催 、会 員 倍 加 週 間 ノ挙 行等 ヲ決 定 セ リ其 ノ他 本 会員 ニシ テ労 働 団
尚 本会 ハ早 稲 田大 学 生 等 ノ組 織ニ 係 ル早 大雄 弁 会 、社 会 事 業 研 究
常 任 議 長 ハ委 員 長 、 教 育 、組 織 、 (図 )ヲ決 定 書 、 財 政 ノ四 部 長 ヲ 選 挙 セ リ
体等 に出 入 シ又 メ ーデ ー其 ノ他 ノ示 威 運 動ニ 参 加 シ公 安 ヲ害 スル
以 上 ニ達 セリ
会 、新 聞 学 会 ト提 携 シ テ運 動 ヲ進 メ居 レ ル所 ト ス現 在 会 員 二百 名
行 動ニ 出 テ検 束 セ ラ レ タ ル等 ノ事 実 ア リ ( ) c 早 稲 田大 学 社 会 科 学 研究 会 本 会 モ 一時 鎮 静 ノ状 態 ニ在 リ シカ大 正 十 五 年 四 月 新 学 期 ト 共ニ
本 運 動 ニ対 シ学 校 当 局 ニ於 テ ハ夫 々取 締 ヲ励 行 セ ル ニ対 シ左傾 学 生
( ) 五 文 部当 局 取締ニ 対 ス ル反 対 運 動
意 書 ヲ頒 布 シ テ入 会者 ノ勧 誘 ニ努 メ同 年 五 月 八 日本 会 総会 ヲ開 キ
等 ハ寄 々之 カ対 策 研 究 ヲ進 メ ツ ヽア リ シカ遂 ニ他 ノ一般 学 生 等 ト共
﹁ 資 本 主 義 没 落 期ニ 於 ケ ル学 生 ノ地 位 任 務 ﹂ 等 ヲ縷 述 セ ル本 会 趣
組 織 ノ変 更 、総 会 ヲ毎 月 一回開 催 ス ル コト 、 特 別講 座 ノ開 講 、班
ニ﹁ 文 相 内 訓 反 対 ﹂ 等 ノ名 称 ノ下ニ 運動 ヲ起 セリ
言 論 ヲ為 シ警 察 官 ヨリ論 議 中 止 ヲ命 セ ラ レタ ル モノ ア リ
儀 ニ隠 レテ各 所 ニ於 テ取 締 批 判 演 説 会 等 ヲ開 催 シ テ自 由 擁 護 ヲ標
運 動 ノ趣 旨 ノ徹 底 ニ努 ム ルト 共 ニ頻 リ ニ同 盟 又 ハ同 志 団 体 主 催 名
﹁ 自 由 擁 護 ﹂ 及 ﹁自由 獲 得﹂ ノ
前 記 ノ如 ク ﹁ 文 相 ノ学 生取 締 内 訓 反 対 ﹂ 運 動 ニ就 テ左派 学 生等 ノ
榜 シ屡 々主義 宣 伝的 言 論 ヲ試 ミ ツ ヽア リ シ カ其 ノ後 本 運動 ハ漸 次
﹁関 西 学 生 講 演 聯 盟 ﹂ ト提 携 シ テ運動 ヲ試 ミ主 ト シ テ学 生 等ニ 本
一派 ハ関 西 ニ於 ケ ル各 大学 、高 等 、専 門 学 校 弁 論 部 等 ノ組織 セ ル
一派 ハ大 正 十 五年 五 月十 三 日東 大 新 人 会 本 部 ニ東 京 ニ於 ケ ル学 生
(イ) 全 日本 学 生 自 由擁 護 同盟
団 体 代 表 者 ヲ召集 シ テ協 議 会 ヲ開 キ此 際 当 局 ノ学 生 弾 圧 ニ対 ス ル
不 振 ノ状 況 ニ陥 レ ル モ ノ ヽ如 シ ( ) ロ 自由獲得同盟
学 生 及一 般 輿論 ノ喚 起 ニ努 メ当 局ニ 挑 戦 ス ヘク時 機 ヲ見 テ全 国 的 組 織 運動ニ 入 ル ヘキ コト等 ノ協 定 ヲ為 シ東 京 ニ於 テ ハ早 稲 田大 学 及 明 治 学 院 等 ニ先 ツ自 由 擁 護 同 盟 ヲ組 織 シ次 テ各 学校 ニ之 ヲ組 織
ク不 振 ノ状 態 ニ陥 リ シカ学 生 社 会 科 学 聯 合 会 ハ京 大事 件ニ 関 シ 一
般 思 想 労 働 団 体竝 学 者 思 想 家 等 ノ同 情 ヲ求 メ且 之 等 団 体 ト共 同 戦
前 記 ノ自由 擁 護 同盟 ハ創 立 当 時 活 動 ア リ タ ル ノ ミ ニシ テ其 ノ後 全
等 ヲ主 張 セ ル声 明書 又 ハ決 議 文 ヲ作 成 シ更ニ 東 京 帝 国 大 学 生 等 中
ル為 之 等 ヲ網 羅 シ タ ル団 体 ヲ組織 ス ヘク計 劃 シ九 月 二 十 日神 田小
線 ヲ為 シ学 校 当 局 ノ圧 迫 ニ備 フ ル ト共 ニ其 ノ主 張 ス ル運動 ヲ進 ム
シ テ当 局 ノ学生 取 締 ノ不 当 ヲ鳴 ラ シ学 生 ノ研 究 ノ自 由 言 論 ノ自 由
心 ト ナ リ之 等 各 校 ノ総 同 盟 其 ノ他 学 生 団体 二十 四団 体 ヲ結 合 シ テ
川 町 カ ツフ エーブ ラジ ル ニ社会 科 学 聯 合 会 、新 人 会 、自 由 法 曹 団
六 月 十 一日関 東 学 生 自 由 擁護 同 盟 ヲ組 織 シ ﹁新 聞 雑 誌 記 者 及 自由 法曹 団 ノ参 加 ヲ求 ム ル コト 、 宣 伝印 刷 物 ノ作 成 、 定 期 協 議 会 ノ開
急進弁護士等ノ 、 大 衆 教 育 同 盟 、無 産 者 新 聞 、大 衆 社 等 ノ共 産 主 義 組織 セルモノ )
組 織 セ リ九 州 、 東 北等 ニ於 テ モ亦 之 ヲ組 織 セ ル形跡 アリ テ機 至 レ
自 由 擁 護 同 盟 ヲ組 織 シ更 ニ之 ヲ結 合 シ テ関 西 学 生自 由 擁 護 同 盟 ヲ
以来 同 志 社 、関 西 学院 ( 兵庫)等 各 校 内 学 生 団 体 ヲ網 羅 シ テ各 々
日京 都 帝 国 大 学 自由 擁 護 同 盟 ヲ組 織 シ声 明 書 、 決議 文 ヲ発 表 セ ル
関 西 ニ於 テ ハ京 都 帝国 大学 々生 等 ノ集 団 十 二団 体 ヲ以 テ六 月 十 一
運 動 方 法其 ノ他 ノ事 項 ヲ決 定 セ リ続 テ 一派 ハ表 面各 大学 卒 業 生 及
ヲ学 生 社 会 科 学 聯合 会 本 部 ニ置 ク
水 野 正 次 (フエビア ン協会)新 居 格 (プ ロ レタ リ)ノ八 名 ト シ、事務 所 ア文 芸 聯 盟
宅 壮 一 (新潮 社) 北浦 千 太郎 ( 無産者新聞)山 田清三 郎 ( 文芸戦線社)
幹 事 ハ黒 田寿 男 ( 大衆社)上 村 進 ( 自由法曹団)佐 野 某 ( 新人会) 大
盟 ﹂ ヲ組 織 ス団 体 及 個 人 加盟 ヲ許 ス
ナ リ言 論 、 出 版 、結 社 、集 会 等 ノ自 由 ヲ擁 護 ス ル為 ﹁自 由 獲 得 同
(
ヲ試 ミ且 同 志 ヲ関 西 ニ派 シ同 地 ト ノ連 絡 提 携 ヲ計 リ テ遂 ニ全 国的
催 、反 対 宣 伝 演 説 会 ノ開 催﹂ 等 ヲ決 議 シ、実 行 委 員 ヲ挙 ケ テ運動
自由法曹団) 団体其 ノ他十数団体等 三十 三名出席 シ、上 村 進(所 属弁護士 議 長 ト
リ ト為 シ彼 等 ハ大 正十 五年 六 月 二十 八 日東 京芝 協 調 会 館ニ 全 日本
社会 主 義 団体 名 ヲ以 テ ﹁関 東 自 由獲 得 同盟 ﹂ ナ ル モノ ヲ組 織 シ、
結 合 ヲ為 ス ヘク計 劃 ヲ准 メ タリ
学 生 自 由 擁護 同盟 ヲ結 成 シ同 日創 立 演 説 会 ヲ開催 シ席 上過 激 ナ ル
関 東 地 方 聯 合 会 合計 五九 六名 後 藤 寿夫 是枝 恭 二 中心人物 秋笹政 之輔 清水平九郎 衣 谷賀真
東
大
新
人
田中 稔男
島野 武 ⋮中 心 人 物︷ 会⋮会員 約 三 〇 〇 倉 田順 三 大間知篤 五
員 早稲 田大学社会科学研究会⋮会 約
五
大山 郁 夫 北沢新次郎 八〇 ⋮中 心 人 物︷井 上 道 人 長 島 又男 木村幸三郎
学⋮
田畑 太 郎 二〇 ⋮中 心人物︷矢 島 直 一 清水平九郎 大
一郎
員 明 治 学 院 社 会科 学研 究会⋮会約 中 央
駒 場 農 大 ⋮ 二〇 青 山 学 院 ⋮ 二〇 助 松 、 田 部 井健 次
日 本 大 学 ⋮ 二〇 ⋮実 川 清 之 、所
学 ⋮ 三 〇 ⋮衣 谷 賀 真 、 三 辺 金 三
明 治 大 学 ⋮ 六〇 ⋮仲 大 学⋮三五
慶 応 大
大 学⋮二〇 山 大 学⋮二五
法 政 豊
其 ノ 他︷宗 教
第 一高 等 学 校 ⋮ 一〇 第 四高 等 学 校 ⋮ 一〇
新 潟 高 等 学 校 ⋮三 〇 静岡 高 等 学 校 ⋮ 一〇 三
水 戸高 等 学 校 ⋮ 三〇 外 国 語学 校⋮
日 本 学 生 社 会 科 学 聯 合
会
会 員数 約 一三五 〇) 共 産 主 義
関 西 地 方 聯 合 会 会員 三九六 山 崎雄 次 泉 隆 中心人物 石 田英 一郎 小崎 正潔 原田 耕
京 都 二〇 二名
大阪 地 方 一八名
神 戸地 方 六六名
府 立 医 科大 学 ⋮ 一五
立 命 館 大 学 ⋮ 一二
池田 隆 山崎 雄次 京都帝国大学社会科学研究会⋮会員 ⋮中 心 人 物{ 一 〇 〇 吉 川孟文 泉 隆 内海 洋 一 大浦 梅 夫 同 志 社 社 会 科 学 研 究 会⋮会員五〇 ⋮中 心人 物{林 信夫 田 辺 哲厓 池 田三千秋
阪
外
糸⋮
学
工 芸⋮
国 語
高 等
高 等 蚕
五
五
其 ノ 他{第 三 高 等学 校 ⋮ 一五
大
小崎 正潔
磯崎 巌 原田 耕 校⋮ 会 員 一〇 ⋮中 心人 物{ 大 林繁 夫 小 島克 巳 大阪高 等学校 ⋮五 其 ノ 他{ 関 西 大 学 ⋮三
六
)
寿、岡 川 健 二
学校 内 ニ ハ研 究会 ナ シ、関 西 戸 高 商 ⋮ 一〇 ⋮(学 院 研 究 会 ニ加 盟 シ居 ル モノ
谷水昇 雄 関西学院社会科学研究会 ⋮会員 ⋮中 心 人物{ 三 〇 蓬 台恒 治 酒 井 一雄 神
甲南高等学校⋮
其 ノ他{姫路高等学校⋮二〇 ⋮赤 羽
九州 地 方 聯 合 会 会員 一五四名
東 北 地方 聯 合 会 会 員 約 二三〇 中心人物 玉城 肇
第 八 高 等 学 校⋮三〇 三重高等農林学校⋮ 一〇 岐阜高等農林学校⋮ 一〇 其 ノ他 ノ 地 方 第 六 高 等 学 校⋮三〇 広 島 高 等 学 校⋮一〇 一〇〇 名{ 松 山 高 等 学 校⋮ 二 松 江 高 等 学 校⋮ 六 鳥取高等農業学校⋮ 二 楠元 富永 員 九州帝国大学読書会 ⋮会二 五 ⋮ 中 心 人物{愛 甲 原 日高 第 五 高 等 学 校⋮ 五 第 七 高 等 学 校⋮八〇 其 ノ他 福 岡 高 等 学 校⋮ 五 一二九 名{ 大分高等商業学校⋮三五 山 口高等商業単校⋮ 四
芳武 忠雄 勝哉 登 正夫
員 ⋮ 中 心人 物 ⋮玉 城 東 北 帝 国 大学 社 会 科学研究会⋮会三 〇
肇
北海道帝国大学社会科学研究会⋮会員 一〇 ⋮ 中心 人 物 ⋮野 口 祥 昌 第 二 高 等 学 校⋮三〇 小樽高等商業学校 弘 前 高 等 学 校 ⋮三五 其 ノ他{
其 ノ他高等専門学校、中学校十 二校 アリ
今 回 の学 生 事 件 は 単 に 一個 の学 生 問 題 に非 ず 、 支 配 階級 の弾 圧
十 月 二十 日 左記 要 旨 ノ声 明 書 ヲ発 セリ
と 見 る べ く階 級 抗 争 総 体 中 の部 分 と 考 ふ べき も のな り 。吾 々は
シツヽ ア リ集会 出 版 物 頒 布 ノ運 動ニ 対 シ テ ハ其 ノ内 情 ニ重 キ ヲ置
示 威 運 動 、 屋 外 及 街頭 ニ於 ケ ル宣 伝 運 動 ハ大 体之 ヲ禁 止 又 ハ制 限
伝 資 料等 ヲ内 地ニ 密 輸 入 スル者 増 加 セ ル ノ状 況ニ 在 リ之 等 ノ方 面
最 近 主義 運動 ノ目的 ヲ以 テ露 国 又 ハ上 海 方 面ニ 来 往 ス ル モノ及 宣
露 国 関 係 ノ取 締
キ、 実 情ニ 従 テ夫 々適 当 ナ ル取 締 ヲ加 フ
争 に依 て戦 ひ 取 るべ き も のとす 。本 同 盟 の目 的 は 近時 益 々組 織
擁 護 す べ き自 由 は 有 せ ず 、吾 々は之 を獲 得 す べき な り。 階 級 闘
化 せ る支 配 階 級 の封建 的 弾圧 に対 し 飽 く迄 抗争 し思 惟 と行 動 と
府 県 間 ニ於 テ モ鋭 意 共 助 連 絡 ノ途 ヲ講 シ テ其 ノ取 締ニ 当 レ ル モノ
ノ取 締ニ 対 シ テ ハ平 素 最 モ厳 密 ナ ル警 戒 ヲ為 セ ル処 ニ シテ勿 論 庁
大 阪 ニ於 テ ハ森 戸 辰 男等 主 唱 ノ下ニ 之ニ 呼 応 シ テ ﹁ 関 西自 由 獲 得
の全 域 に亙 る真 の自由 を獲 得 す る に在 り云 々
同 盟 ﹂ ヲ組 織 シ両 者相 俟 テ時 々宣 伝 講 演 会 ヲ開催 シ居 レリ
甲
号
乙
特別要視察人竝思想 要注意人現在人員表 庁 府 県
京
北 海 道 東
都
庫
号
計
思 想 要 注意人
大正十 五年 十一月十五日現在
テ之 等 ニ対 シ テ モ亦 警 戒 取締 ヲ為 シ ツ ヽア リ
ハ之 等 ヲ シ テ不 穏 ナ ル宣 伝 資 料 ヲ内 地ニ 輸 入 セ シメ ツ ヽア ルヲ以
期 ニ入 リ同 方面ニ 来 往 スル本 邦 船 舶 、 漁船 乗 組 員ニ 宣 伝 ヲ試 ミ又
サ ル ノ形 跡 ア ル ハ遺 憾 ト スル処 ナ リ最 近浦 塩 及沿 海 州 方 面 ノ活 動
ト ス而 モ官 憲 ノ厳 重 ナ ル警 戒 ヲ潜 ツテ 常 ニ若 干 ノ来 往 交 通 ヲ絶 タ
第 四章 警 察 取 締
ナ シ其 ノ過激 ナ ル思 想 ノ伝 播 ト危 険 ナ ル行 動 ノ発 生 ニ対 ス ル防 制 ニ
社 会 主 義 者 、 団 体及 社 会 主 義 運 動 ノ取 締 ニ就 テ ハ予防 警 察 ヲ主 眼 ト
努 メ弊 害 顕著 ナ ル場 合 ニ於 テ ハ之 ヲ司法 処 分 ニ移 シテ厳 重 ナ ル取 締 ヲ加 ヘツ ヽア ル コト ハ従 来 一貫 セ ル取締 方針 ナ リ更 ニ之 ヲ細 説 スレハ
(1) 人ニ 対 ス ル取 締
ヲ査 察 警 戒 シテ不 穏 ナ ル行動 ノ防 圧 ニ努 メ
京
社会 主 義 者 ニシ テ注 意 ヲ要 スト認 ム ル者ニ 対 シ テ常ニ 之 等 ノ行 動
(2) 社 会 主 義 団 体ニ 対 ス ル取締
阪
兵
神 奈 川
大
団体ニ 対 シ テ モ亦 前述 ノ方針ニ 依 リ団 体 及 団 体員 ノ行 動 ノ視 察 警 戒 ヲ為 シ (3) 社 会 主 義 運 動 ノ取締 危 険 ナ ル直 接 行動 ニ対 ス ル事 犯 ハ厳 重 処 分 ス ル ノ方針 ヲ取 リ各 種
青
岩
福
宮
長
岐
滋
山
静
愛
三
奈
栃
茨
千
群
埼
新
長
森
手
島
城
野
阜
賀
梨
岡
知
重
良
木
城
葉
馬
玉
潟
崎
熊
佐
大
福
高
愛
香
徳
広
岡
島
鳥
富
石
福
秋
山
賀
分
岡
知
媛
川
島
和 歌 山
山
本
口
島
山
根
取
山
川
井
田
形
宮
崎
沖 計
縄
鹿 児 島
合
北 米
米
在 留 地
南
乙
号
特別要視察人外国在留 人員表 号
大正十五年十 一 月十五 日現在
計
附
録
領 ( 要求 ヲ含 ム)
全 日本 無 産 青 年 同盟 綱 領 、要 求 、 規 約 一 綱
一 本 同 盟 ハ労農 青年 大衆 ノ政 治 的 、 経 済 的 及 ヒ社 会 的利 益 ノ獲
得ニ 努 力 シ其 生 活 ノ向 上 ヲ期 ス
一 本 同 盟 ハ労 農 青年 大 衆 ノ全 国 的 組 織 ノ完 成 ヲ期 ス
一 本 同 盟 ハ労農 青年 大衆 ノ階 級 教 育 及 訓 練 ノ徹 底 ヲ期 ス
政治的要求
本 同 盟 ハ以 上 ノ同 盟 綱領ニ 基 キ左 ノ要 求 ヲ掲 ク
1 満 十 八歳 以上 ノ青 年 男 女 ノ選 挙権 、被 選 挙 権 ノ獲 得
4 青 少年 男 女 ノ人 身 売 買 ノ禁 止
甲
2 満 十 八歳 以上 ノ青 年 男 女 ノ言 論 、出 版 、集 会 及 ヒ結 社 ニ関 ス ル 制 限法 令 ノ改 廃
洲
5 満 十 八歳 以上 ノ青 年 男 女 ノ自 由結 婚 権 ノ獲 得
3 封 建的 戸 主 制 度 ノ弊 害 打 破
欧 国
伯林
露 海
6 軍 隊内 ノ兵 卒 ノ人格 権 ノ確 立
上
大
満
嶺
連
洲
11 在 営 中 ニ於 ケ ル標準 生活 費 ノ国 庫 支 弁
10 一年 志 願 兵制 ノ撤 廃 並ニ一 年 兵 役 制 ノ即 時 実施
9 青 年 団 、 在 郷 軍 人会 、処 女 会 ノ自 主 化
証 経済的要求
12 戦 死 廃 兵 徴 兵 ニ掛 リ テ起 ル家 族 ノ経 済 的 窮 乏ニ 対 ス ル国 家 ノ保
8 侵 略 的 国 際戦 争 ノ反 対
鉄 貢
7 民 衆 ヲ軍 国主 義 化 ス ル 一切 ノ政 策 ニ対 ス ル反 対
蘭
洋 計
南 合
1 満十四歳未満 ノ幼年労働 ノ禁止
6 凡 ユル公 会 集 会 ニ対 ス ル寺 院 学 校 等 無 料 開 放
5 農 村 公 会 堂 ノ公 費 ニョ ル設立 並 ニ其 ノ無 料 開 放
7 神 社 仏 閣 ヨリ強 制 的寄 附 金 徴 集 ノ慣 習 打 破
8 社 会 奉 仕 ノ名 ニ依 ル強 制 作 業 ニ対 スル青 年 男 女 ノ使 用 反 対
間)ノ制定
2 満十 八歳未満 ノ青年男女労働者 ノ六 時 間 労 働 制 (一週三十三時 3 青年男女労働者 ノ最低賃銀法 ノ制定
9 農 村 ニ於 ケ ル公 設無 料 診 療 所 ノ設 立
14 青年 男 女 ノ体 育 機 関 ノ公 設 並 ニ青 年 同 盟 ノ管 理権 ノ確 立
13 工 場 内衛 生 設備 ノ完 備
12 青年 女 子 ノ教 育 及 ヒ職 業 ニ関 スル 一切 ノ制 限廃 止
関等) 並 ニ青年 同 盟 ノ之 カ管 理 権 ノ確 立
11 資 本 家負 担 ニ依 ル工場 内 ニ教 育 的 施 設 ( 図書室、娯楽室、教育機
確立
10 農 村 青年 ノ公設 娯 楽 機 関 ノ設 立 並 ニ之 レ カ青 年 同盟 ノ管 理 権 ノ
4 失業中 ノ標準生活費 ノ国庫支弁 5 農村青年男女 ノ日曜休業 ノ励行並 ニ都市労働青年 男女 ノ日曜全 休 、土曜 ノ半休 制 ノ確立 6 青年男女 ノ 一年 二週間 ノ賃銀全額支給休暇 7 満 二十歳以下 ノ青年男女労働者 ノ夜業残業 及 ヒ有害危険作業 ノ 禁止 8 工場、商店等 ニ於 ケ ル青少年男女 ニ対 スル虐待酷使 ノ根絶及 ヒ 無制限労働 ノ禁止 9 徒弟年期制度其 ノ他封建的雇傭制度廃止
二 規
約 則
15 形 式 的宗 教 儀 式 並 ニ虚 礼 其 ノ他 ノ悪 習 ノ打 破
第 一章 総
第 一条 本 同 盟 ハ全 日本 無 産 青年 同 盟 ト称 シ本 部 ヲ大 阪 市 ニ置 ク
10 寄宿男女 工ノ人権保護並 ニ強制的寄宿舎制度 ノ廃止、強制的預 金 、送金廃止 11 分娩前後各 八週間 ノ休養及 ヒ其 ノ期間 ノ賃銀全額支給
第 二条 本 同 盟 ハ無 産 青 年 大 衆 ヲ結 成 シ無 産 青 年 ノ利 益 ヲ獲得 ス ル
織
(一) 工場 、鉱 山 、農 村 、 船 舶 、 車 庫 、会 社 其 ノ他同 盟 員 ノ労 務 所
第 四条 本 同盟 員 ハ左 ノ各 項 ニ従 ヒ班 ヲ組織 ス ル モ ノト ス
第 一節 班
第 二章 組
満 十 四歳 以 上 ノ無 産 階級 青 年 ヲ以 テ組 織 ス
第 三条 本 同 盟 ハ本 同 盟 ノ規 約 、綱 領 ヲ承 認 シ タ ル満 二十 五歳 以下
ヲ以 テ目 的 ト ス
12 労働組合、農民組合等 ノ組織促進 13 耕作権 ノ確立 14 農業災害 ヨリ蒙 ル耕作者 ノ窮乏 ニ対 スル国家 ノ保 証 社会的要求 1 授業料 ノ撤廃 並 ニ教具教材其 ノ他教育必要品 ノ無料供給 2 教育期間中 ニ於 ケ ル国家 ノ生活保証 3 補習教育機関 ノ増設並 ニ之 ニ対 スル青年同盟 ノ管理権 ノ確立 4 農村及 ヒ都市 ニ於 ケ ル公設図書館 ノ増設 並 ニ其 ノ無料開放
ヲ単 位 ト シテ同 盟 員 五 名 以 上 ニ達 シタ ル場 合 ハ班 ヲ組 織 ス (二) (一 ) ニ該 当 スル班 ニ属 セサ ル同 盟 員 ハソノ住 所 ヲ単 位 ト シ テ五
第 二節 支
部
名 以 上 ニ達 シタ ル場 合 ハ街 頭班 ヲ組 織 ス
第 五条 本 同 盟 ハ府 県 単 位 ニ支 部 ヲ置 ク
支 部 ハ左 ノ規 定 ニ従 ヒ組 織 ス ル モノ ト ス
但 シ地 勢 、交 通 ノ状 態 ニ ョリ 二個 以 上設 置 ス ル コト ヲ得
(一) 中 央 執 行 委 員 会 ノ承 認 ヲ経 タ ル場 合 関
(二) 一府 県 ニ於 テ班 三個 以上 ニシ テ同 盟員 百名 以上 ア ル場 合 第 三章 機 第 六 条 本 同盟 ニ左 ノ機 関 ヲ置 ク (一) 全国 (イ) 大会 (ロ) 中 央 執 行 委 員 会 (ハ 中)央常 任執 行 委 員 会 支 部代 表 委員 会
(二) 地 方
(三 ) 支 部 (イ) 大会 (ロ) 執 行 委 員 会 (ハ) 常 任 執 行 委員 会
会
(四) 地 区 地 区 委員 会 ( 五) 班
A 全
国
(イ) 総 会 ( ロ)班 委 員 会
一 全 国 大会 第 七条 全 国 大 会 ハ本 同盟 ノ最 高 決 議 機 関 ニシ テ毎 年 一回 之 ヲ開 催
シ中 央 執 行 委 員 長 之 ヲ 召 集 ス
但 シ中 央 執 行 委 員 会 ノ必 要 ト 認 メ タ ル場 合 又 ハ同 盟 員 三 分 ノ 一
以 上 ノ請 求 ア リ タ ル場 合 ハ臨 時 大会 ヲ開 催 スル モノ ト ス
第 八条 全 国 大 会 ハ出 席 代 議 員 数 カ総数 ノ三分 ノ 二 ニ満 タ サ ル場合 ハ成 立 セ ス
支 部 代 表 委 員 会 委 員 長 ヲ以 テ構 成 ス
第 九条 全 国 大 会 ハ代 議員 及 ヒ中 央 執行 委 員 並 ヒ ニ支 部 執 行 委 員 、
ハ発言 権 ヲ有 ス ル モ決 議 権 ヲ有 セ ス
但 シ中 央 執 行 委 員 、 支 部 代 表 委 員会 委 員 長 及 ヒ支 部 執 行 委 員 長
一 二 百 名未 満 ノ支 部 ハ二名
第 十 条 全 国 大会 代 議 員 ハ支 部 ニ於 テ左 ノ比率 ヲ以 テ選 出 ス
一 二 百 名 以 上 ハ百 名 ヲ増 ス毎 ニ 一名
一 五 百 名 以 上 ハ百 二十 五 名 ヲ増 ス毎 ニ 一名
一 千 名 以 上 ハ二百 名 ヲ増 ス毎 ニ 一名
一 二 千 名 以 上 ハ五百 名 ヲ増 ス毎 ニ 一名
一 五 千 名 以 上 ハ千 名 ヲ増 ス毎 ニ 一名
一 最 后 ノ端 数 以上 ナ ル時 ハ更 ニ 一名 増員
議事委員、三
法規委員 、四
予算委
第 十 一条 全 国 大会 ハ議 長 一名 、副 議 長 一名 及 大会 書 記 並 ニ左 ノ各
会計審査委員
一 資 格 審 査 委 員 、 二
種 委員 若干 名 ヲ選 挙 ス
員 、五
第 十 二 条 全 国 大会 ノ決 議 ハ特 ニ規 定 ナ キ限 リ出 席 代 議 員 ノ過 半 数
ノ賛 否 ヲ以 テ決 シ可 否 同 数 ナ ルト キ ハ議 長 之 ヲ決 ス
但 シ コノ議 決 ニ対 シ テ出 席 代 議 員 ノ三 分 ノ 一以上 ノ異 議 ア ル場
合 ハ再 採 決 ヲ行 フ モノ ト ス 二 中 央 執 行 委 員
ヲ各部 長 ニ任 ス
一、組 織 部
ル コト ヲ得
一、 教 育 部
一、出 版 部
一、 政 治 部
一、財 政
ル コト ヲ得 又中 央 常 任 執 行 委員 ハ同時 ニ二部 門 ノ部 長 ヲ兼 任 ス
但 シ中 央 執 行 委 員 会 ニ於 テ必 要 ト認 メタ ル時 ハ新 部 門 ヲ設 置 ス
機 関 ニシ テ大会 ノ決 議 ヲ執 行 スル モ ノ ニシ テ全 国 大 会 ニ対 シ テ
第 十 三 条 中 央 執 行 委 員 会 ハ全 国 大 会 ヨリ次期 大 会 ニ至 ル迄 ノ最 高
責 任 ヲ負 フ モノ ト ス 部
方
一、婦 人 部
以 上 各 部 ノ細 則 ハ別 ニ之 ヲ定 メ部 員 ハ中 央 執 行 委員 会 ニ於 テ選
B 地
一、調 査 情 報 部
ノ場 合 ハ次 期 大 会 ニ於 テ承 認 ヲ経 ル事 ヲ要 ス
任 ス
但 シ緊 急 事 項 ハ大 会 ノ決 議 ヲ経 ス シ テ執 行 ス ル コト ヲ得但 シ コ
第 十 四条 中 央 執 行 委 員 会 ハ全 国大 会 ニ於 テ選 出 サ レ タ ル中 央 執 行 委 員 長 及 ヒ十 五 名 ノ中央 執 行 委 員 ヲ以 テ之 ヲ構 成 シ三 ヶ月 毎 ニ
第 十 九 条 支 部代 表 委 員 会 ハ全 国 大 会 ノ承 認 セ ル 一定 地 方 ニ二個 以
支部 代 表 委 員 会
但 シ中 央 常 任 委員 会 ノ必要 ア リ ト認 メ タ ル場 合 又 ハ中 央 執 行 委
一回以 上 之 ヲ開催 シ中 央 執 行 委 員 長 之 ヲ召 集 ス
員 三 分 ノ 一以 上 ノ請 求 アリ タ ル時 ハ臨 時 中 央執 行委 員 会 ヲ開 催
ニ設 置 ス ル モ ノト ス
上 ノ支 部 存在 ス ル場 合 ニ其 地 方 的連 絡 並 ニ活 動 ヲ助 成 ス ルタ メ
モノ ト ス
部
ロ 支 部執 行 委 員 会
率 ヲ以 テ選 出 サ レ タ ル代 議 員 及 ヒ支 部 執 行 委 員 ヲ以 テ構 成 ス ル
第 廿 三条 支 部 大 会 ハ支 部 ノ最高 決 議 機 関 ニシ テ各 班 ヨリ 一定 ノ比
イ 支 部 大会
C 支
部 ノ規 定 ニ従 ヒ支 部 代 表 委員 会 内規 ヲ作 成 ス ル モノ ト ス
第 廿 二条 支 部 代 表 委 員 会 ヲ組 織 セ ムト ス ル場 合 ハ別 ニ定 メ タ ル本
第 廿 一条 支 部 代 表 委 員 会 ニ議 長 及 ヒ書 記各 一名 ヲ置 ク
以 テ構 成 ス
第 二 十 条 支部 代 表 委 員 ハ其 所 属 支 部 ヨリ選出 サ レタ ル代 表 委 員 ヲ
スル コト ヲ得 第 十 五 条 中 央 執 行 委 員 会 ハ中 央 執 行 委 員 三 分 ノ 二 以上 出 席 スル ニ 非 サ レ ハ成 立 セ ス
会 ヲ開 催 シ補 欠 選 挙 ヲ行 フ
第 十 六条 中 央 執 行 委 員 会 ニ於 テ欠員 ヲ生 シタ ル場 合 ハ臨 時 全 国 大
但 シ臨 時 大 会 ヲ開 催 シ得 サ ル場 合 ハ全 国 各 支 部 執 行 委 員 会 ノ投 票 ニ ョリ之 ヲ定 ム ル モ ノト ス
委 員 ヲ含 ム七 名 ノ中 央 常 任 委 員 ヲ以 テ構 成 シ中 央 執行 委 員 会 ニ
第 十 七条 中 央 常 任 委員 会 ハ中 央 執 行 委 員 会 ノ互 選 ニ ヨリ中 央 執 行
対 シ テ責 ヲ負 フ モ ノト ス 但 シ中 央 常 任執 行 委 員 長 ハ中 央 執 行 委 員 長 之 ヲ兼 任 ス 第 十 八 条 中央 執 行 委 員 会 ノ下 ニ左 ノ部 門 ヲ置 キ中 央 常 任 執 行 委 員
第 廿 四条 支 部 執 行 委員 会 ハ支 部 大 会 ニ於 テ選 出 シ タ ル支部 執 行 委
スル モノト ス
員 長 及 ヒ支 部 執 行委 員 ヲ以 テ構 成 シ支 部 大 会 ノ決 議事 項 ヲ執 行
第 廿 五条 支 部 執 行 委員 会 ノ下 ニ其 補 助 機 関 ト シ テ本 部専 門 部 ニ準 スル各 部 門 ヲ置 キ 支部 常 任 執 行 委 員 ヲ各 部 長 ニ任命 ス ハ 支部 常 任 執 行 委 員 会
執 行 委 員 長 ヲ含 ム支部 常 任 執 行 委 員 ヲ以 テ構 成 シ支部 執 行 委 員
第 廿 六 条 支 部 常 任 執行 委 員 会 ハ支部 執 行 委 員 会 ノ互 選 ニョ ル支 部
D 地
区
会 ニ対 シ責 任 ヲ負 フ モノ ト ス
地 区 委員 会 第 廿 七 条 地 区 委員 会 ハ支 部 大会 ノ承 認 セ ル 一定 地 域 ニ二 個 以 上 ノ
モノト ス
班 カ存 在 スル場 合 ニソ ノ地 域的 活 動 ヲ助 成 スル タ メ ニ設置 ス ル
第 廿 八条 地 区 委 員 会 ハ各 班 ヨリ 一定 ノ比 率 ヲ以 テ選 出 サ レ タ ル地
E 班
区 委 員 ヲ以 テ 構 成 シ地 区委 員 長 及 ヒ書 記 ヲ任 命 ス
第 廿 九 条 (イ) 総 会 ( ロ) 委員 会 ヲ設 置 シ委 員 長 一名 、 書 記 一名 、班 委 員
員
三名 乃 至 九 名 ヲ置 ク 第 四章 役
二 支 部
一 全 国
班 長 一名 書 記 一名
支 部執 行委 員 長 一名 各 専 門 部 長 各 一名
中 央執 行 委員 長 一名 各 専 門 部 長 各 一名
第 三十 条 本 同 盟 ニ左 ノ役 員 ヲ置 ク
三 班
第 卅 一条 中 央 執 行委 員 長 ハ本 同 盟 ヲ代 表 シ 一般 会 務 ヲ統 理 シ其 ノ 責 ニ任 スル モ ノト ス
第 卅 二条 支 部 執 行 委員 長 ハ本 同 盟 支 部 ヲ代 表 シ 一般 会 務 ヲ統 理 シ
其 ノ責 ニ任 ス ル モ ノト ス
ニ任 スル モ ノト ス
各 専 門 部 長 ハ支 部規 定 ノ定 ム ル処 ニ従 ヒ会 務 ヲ分 担 処 理 シ其 責
面 ヲ担 任 シ会 計 ヲ兼 ネ ル モ ノト ス
第 卅 三条 班 長 ハ班 ノ責 任者 ニシ テ班 ヲ代 表 シ書 記 ハ班 ノ事 務 的 方
部 執 行 委 員 会 ニ於 テ之 ヲ定 ム
第 卅 四条 役 員 ハ有 給 又 ハ無 給 ト シ給 料 ノ額 ハ中 央 執 行 委員 会 、 支
第 五 章 加 盟 及脱 退
第 卅 五条 本 同 盟 ニ加 盟 セ ムト ス ル モノ ハ別 ニ定 ムル処 ニ従 ヒ入会
金 弐 拾 銭 ニ会 費 一ヶ 月 分 ヲ添 ヘテ申 込 ム ヘキ モノト ス
第 卅 六 条 本 同 盟 員 ニシ テ脱 退 セ ムト ス ル モノ ハ理 由 ヲ明 記 シ会 員
章 及 ヒ徽 章 ヲ添 ヘテ班 長 又 ハ支 部 ニ差 出 ス ヘキ モ ノト ス
第 卅 七 条 本 同 盟 員 ニシ テ左 ノ各項 ニ該 当 スル モノ ハ全 国 大会 、 支
二以 上 ノ賛 成 ヲ経 テ除 名 ス ル コト ヲ得
部 大 会 、 又 ハ中 央 執 行委 員 会 支 部 執 行 委 員 会 ノ出 席 者 ノ三分 ノ
一 理 由 ナ ク シ テ会 費 三 ヶ 月分 以 上 ヲ滞 納 シ タ ル者
二 規 約 又 ハ決 議 ニ違 反 シタ ル モノ
三 間 諜 的 行 為 ア リ タ ル モノ
計
国 大会 或 ハ支 部 大 会 ニ上 訴 ス ル コト ヲ得
第 卅 八条 中 央 執 行 委 員 、 支 部 執行 委 員 会 ノ除 名 決 議 ニ対 シ テ ハ全
第 六 章 会
第 卅九 条 本 同 盟 ノ経 費 ハ加 盟 同 盟員 ノ負 担 ト シ同 盟員 ハ本 部 費 六 銭 ヲ納 入 ス ル モノ ト ス 但 シ支部 費 及 ヒ班 費 ハ別 ニ之 ヲ定 ム
モノ ト ス
第 四 十条 同盟 ノ経 費 ハ全 国 大会 ニ於 テ決 定 シタ ル収 支 予 算 ニ基 ク
行 委 員 ノ決 議 ヲ経 テ臨 時 費 ヲ徴 集 ス ル コト ヲ得
第 四 十 一条 本 同 盟 ノ会 費 ヲ以 テ本 同 盟 経費 ヲ償 ハサ ルト キ中 央 執
ハ ス返 却 セサ ル モノ ト ス
第 四十 二条 本 同 盟 ノ会 費 ニシ テ既納 セ ル モノ ハ其 理 由 ノ如 何 ヲ問
第 四十 三 条 本 同盟 ノ決 算 ハ毎年 定期 大会 ニ於 テ之 ヲ報 告 シ其 ノ承 認 ヲ経 ル モノ ト ス 第 四十 四 条 本 同 盟 ノ財 産 管 理 及 ヒ会 計 監 査 ニ関 シ テ ハ中 央 執 行 委
第 七 章 附
則
員会 員 ノ連 帯 責 任 ト ス
ヲ経 ル ニ非 サ レ ハ変 更 ス ル コト ヲ得 ス
上
第 四 十 五条 本 同 盟 ノ規 約 ハ大 会 出 席 代 議員 ノ 三分 ノ 二以 上 ノ賛 成
第 四 十 六条 本 規 約 ハ大 正 十 五年 八月 一日 ヨリ実 施 ス 以
二 一 吉 川 守 邦 聴 取 書 ・予 審 訊 問 調 書
聴 取 書 原 籍 東 京府 西多 摩郡 檜 原 村 大 字 人 里 千 六百 八 十 八番 地
様 ニ考 ヘ マ ス。
料 理屋 ニ参 リ マシ タ。料 理屋 ニ着 イ タ ノ ハ午後 二時 頃 ニ為 リ マシタ
宅 ヲ出 ル際 ニ ハ天気 デ アリ マシタ ガ 、池 袋 デ 武蔵 野 電車 ニ乗 ル時 カ
三 自 分 ガ参 リ マシ タ所 、 二階 座 敷 ニ約 二十 人 位 ノ人 ガ 集 リ 、何
ラ雨 ガ降 リ始 メ マシ タ。
ル モノ ハ、 堺 利彦 、高 津 正 道 、渡 辺 満 三、 田 所 輝 明 、高 瀬 清 、仲 宗
カ議 論 ヲ シ テ居 リ マシ タ。 集 マツ テ居 リ マシ タ者 ノ内 、 私 ノ面 識 ア
シ タト 云 フ事 ハ后 ニ至 リ判 リ マ シタ。 夫 ハ橋 浦 時 雄 君 ニ会 ヒ マシタ
根 源 和 等 デ ア リ マシ タ。 佐野 学 ト 云 フ早 稲 田 大 学 教 授 ガ来 テ居 リ マ
平 民 、広 告 取 次業 吉 川 守 邦
住 所 東 京市 小 石 川 区 掃 除 町 三拾 三番 地
ダ ロウ ト申 シ マシタ ノ デ佐 野 学 ガ来 テ居 タト 云 フ事 ヲ知 ツタ ノデ ア
時 、斯 様 々 々 ノ風 体 ノ人 ガ居 タ ト 云 フ事 ヲ話 シ マスト 、夫 ハ佐 野 学
マシタ カ モ知 レ マセ ヌ ガ、 私 ハ之等 ノ人達 ニ面 識 ナ イ ノデ スカ ラ果
リ マシ タ。 近藤 栄 蔵 、杉 浦 啓 一、 野 坂 参 〓 ナド ト 云 フ人 ガ来 テ居 リ
当 四十 一年 右 者 大 正 十 二年 六 月 五 日警 視 庁 ニ於 テ本 職 ニ対 シ テ任 意 左 ノ陳 述 ヲ 為 シ タリ 。
リ マシタ 。府 下 石 神 井 ノ池 ノ端 ニ在 ル料 理屋 ニ、堺 利 彦 、 佐 野 学 等
判 リ マセ ンデ シ タ ガ、暫 ク ス ルト武 藤 山治 ノ商 工党 組 織 ノ事 ニ付 テ、
四 私 ハ先 方 ニ参 リ マシ タ時 ハ何 ノ議 論 デ ア リ マシ タ カ サ ツ パ リ
シ テ来 テ居 タ カド ー カ ト云 フ事 ハ判 リ マセ ヌ。
二十 二 、三人 ノ者 ガ会 合 シ タ事 実 ハアリ マス。其 料 理 屋 ガ 何 ト 云 フ
一 月 日 ハ明 ニ覚 ヘ テ居 リ マセ ヌガ 、 本年 二 月 カ三月 中 ノ事 デ ア
家 号 ナリ シ ヤ ハ記 憶 シ テ居 リ マセ ヌ。此 日 、朝 午 前 六 時 カ七 時 頃 ニ
ガ外 国 程 明 カ ニ分 カ レ テ居 ラナ イ 。 ア レ ハ資 本 家 ノ裾 廻 リト中 産 階
武 藤 ガ商 工党 ノ組 織 ヲ企 テ居 ルガ 、 日本 ニ ハ資 本 家 ト労 働 者 ノ階 級
ル カ ラ此 処 ヘ来 テ貰 ヒ度 イト 申 シ、右 料 理屋 ノ所 在 ヲ示 シ タ図 面 ヲ
予 テ ヨリ知 合 ナ ル渡 辺 満 三君 ガ私 方 ヘ参 リ マシテ 、私 ニ向 ヒ咄 ガ ア
ヲ出 シ タ者 ガ ア リ マシ タ。其 者 ハ近藤 栄 蔵 デ ア ル ト 云 フ事 ヲ、其 席
上 デ ア リ マシ タ カ、其 後 デ アリ マシタ カ ハ知 リ マセ ン、矢 張 リ他 ノ
級 ノ合 ノ子 ノ様 ナ モ ノダ 。 ア ー云 フ モノ ガ出 来 ルト 困 ルト 云 フ議 論
二 十 一時 四 十 分 頃 ニ宅 ヲ出 マシテ 、市 内 電 車 ニテ省線 巣鴨 駅 ニ
レ マシ タ。
者 カ ラ聞 イ テ知 ツタ ノデ ア リ マシ タ ガ 、其 者 ハ誰 デ アリ マシタ カ忘
書 イ タ紙 片 ヲ置 イ テ、 同 人 ハ其 他 ニ ハ何 事 モ申 サズ 立 去 リ マシタ 。
行 キ 、省 線 電 車 ニ乗 リ池 袋 駅 ニ下 車 シ マシ タ ガ、武 蔵 野電 車 ノ停 車
此 事 ニ付 キ多 数 ノ人 カ ラ議 論 ガ ア リ、 労働 者 ノ政 党 ガ多 数 デ ア ルト
場 ガ判 ラ ナイ 為 メ ニ、三 、四十 分 手 間 取 リ、 同 電 車 ニ乗 リ石 神 井 駅 ニ 下 車 シ、 野 原 ノ様 ナ所 ヲ 二 、 三 十 分歩 キ、池 ノ端 ノ図 面 デ 示 サ レ タ
此 事 ニ付 キ徹 夜 シ テ モ極 メ ルト 云 フ説 ト、 今 日 ハ之 レデ別 レ様 ト 云
二、三時 間 ヲ費 ヤ シ マシタ。
ノ結 論 ニナ リ、 又 普 通選 挙 運動 ヲヤ ルカ ド ー カ ニ付 テ議 論 ガ アリ 、
シ テ居 ルガ 、若 イ 人 ハ色 々ナ事 ヲ ヤ ルガ ヨイ ガ、 私 ニ ハ出 来 ナ イ ト
私 ハ若 人 ハ第 一ト カ第 二 ト カ第 三 ト カ 、種 々 ニ分 ケ テ勝 手 ナ議 論 ヲ
革 命 ダト カ種 々 ノ議 論 ガ出 マシタ。
ニシ、 其 記 事 ヲ朗 読 シ テ居 リ マシタ 。 ソ レカ ラ第 一革 命 ダ ト カ第 二
五 私 ハ昼飯 ヲ喰 ベ マセ ンデ シ タガ 、 夕飯 ハ喰 ベ マシタ。
フ説 ガ ア リ、結 局別 レ ル事 ニ為 リ マシ タ。
私 ガ 支払 ヒ ヲシ タ ノデ ア リ マシ タ。
リ マセ ンガ 、多 分 高 瀬 清 デ ア リ マシ タト思 ヒ マ ス。
マシタ 。書 イ テ居 ル者 ハ誰 レデ アリ マシ タ カ ハ、 ハツ キ リ覚 ヘテ居
二 集 マリ マシタ者 ノ色 々ノ議 論 ハ、 其 レ ヲ書 イ テ居 ル者 ガ ア リ
申 シ マシ タ。此 外 ニ ハ私 ハ 一言 モ申 シ マセ ンデ シ タ。
全部 デ 六十 余 円払 ヒ マシ タ。
勘 定 ハ私 ガ 立替 ヘテ支 払 ヒ マシ タ。 誰 レ モ金 ヲ持 タ ナ イ ト 云 フ ノデ 、
内 五 円 ハ女 中 、 二十 円 ハ座 敷 料 ト シ テ支払 ツタ ノデ ア リ マ ス。
人 吉 川 守 邦
書
於警視庁 ニ
調
司法 警 察 官 警
陳
告
述
人 吉 川 守 邦
部 山 田 弥 市
人 吉 川 守 邦
ノ座 敷 ノ間 ノ池 ニ面 シ タ方 ノ柱 ノ辺 ニ居 リ マシタ様 ニ思 ヒ マス。
書 イ テ居 リ マシ タ モノ ハ、 階 段 ヲ上 リ、 三畳 座 敷 ノ次 ノ座 敷 ト 其 次
右録取読聞ケ 云々
六 帰 途 ニ就 イ タ ノ ハ午 後 九時 頃 デ アリ マ シタ。 一同 共 ニ料 理屋 ヲ出 マシ タ。 私 ハ何 処 ヘモ立寄 ラズ帰 宅 シ マシ タ ガ、 夫 レ ハ午 後十
署 名 捺 印 セ リ。
述
部 山 田 弥 市
大 正 十 二年 六 月 六 日
一時 デ ア リ マシ タ。
陳
右 録 取 読 聞 ケ タ ル ニ相 違 ナキ旨 申 立 左 ニ署 名 拇 印 セ リ。
大 正 十 二年 六 月 五 日 於警視庁 司法 警 察 官 警
被
右 治 安 警 察 法違 反 被告 事 件 ニ付 キ大 正 十 二年 六 月 七 日 東京 地方 裁 判
吉 川守 邦 第 二回 聴 取 書 吉 川 守 邦 ハ大 正十 二年 六 月 六 日警 視 庁 ニ於 テ本 職 ニ対 シ任意 左 ノ陳
所 ニ於 テ予 審判 事 沼 義 雄 ハ裁 判 所 書 記 稲 垣 正 二 立会 ノ上右 被 告 人 ニ
年 齢 ハ
答 氏 名 ハ
四十 一年
吉川守邦
一問 氏 名 、年 齢 、族 称 、職 業 、 住 所 、 本籍 及出 生 地 ハ如 何 。
対 シ訊問 ヲ為 ス コト左 ノ如 シ。
述 ヲ為 シタ リ 。 一 本年 二 、三 月中 、府 下 石 神 井 村 ノ池 ノ端 ニ在 ル料 理屋 ニ、堺 利彦 等 二十 二、三 人 ノ者 ガ会 合 シタ顛 末 ニ付 テ ハ昨 日申 上 ゲ タ 通 リ デ ア リ マ スガ 、 私 ノ参 リ マシタ時 ニ ハ、 近 藤 栄蔵 ガ新 聞 ニ出 テ居 ル 武 藤 山 治 ノ商 工党 組 織 ノ事 ニ付 テ国 民新 聞 カ朝 日新 [ 聞] ダ カ ヲ 手
住 所 ハ
職 業 ハ
族 称 ハ
東 京府 西多 摩 郡 檜 原 村 大 字 人 里 千 六 百 八十 八番 地
東 京 市 小 石川 区掃 除 町 三十 三 番 地
新 聞広 告 取次 業
平民
九 問 豊 島 館 ノド ノ部 屋 ニ集 マツ タ カ。
ア ロート思 ヒ マス。
一一 問 誰 レ カ ニ誘 ハレテ行 ツ タ ノ カ。
十 畳 ト八 畳 ト デ ア ツタ ト思 ヒ マ ス。
答 三 間 ア ツ テ、 一間 ハ女 中 部 屋 デ 、他 ノ 二間 ヲ借 リ タ ノデ ス。
一 〇問 何 畳 ノ部 屋 カ。
答 段 梯 子 ノ上 ノ廊 下 ヲ左 ノ方 ヘ行 ツ テ左 ノ部 屋 デ ス。
本 籍 ハ 出 生 地 ハ 同
答 ア リ マセ ヌ。
二問 位 記 、 勲章 、年 金 、 恩給 又 ハ公 職 ヲ有 セザ ル ヤ。
答 其 日 ノ朝 、 渡 辺 満 三 君 ガ 私 方 ヘ来 テ 、暇 ナ ラ此 処 ヘ来 テ呉 レ
ト 云 ツ テ図 面 ヲ書 イ テ紙 片 ヲ置 イ テ行 ツタ ノデ ス。 其 時 石 神 井停 車
リ マシ タ。
場 ヲ行 ツ テ、 左 ヘ山道 ヲ行 ツ テ、池 ノ端 ノ 一番 奥 ノ家 ダ ト 書 イ テ ア
答 明 治 三 十 九年 ニ兇 徒 聚 衆 罪 デ禁 錮 一年 六 月 ニ処 セ ラ レ マシタ。
三問 刑 罪 ニ処 セ ラ レ タ ル事 ナ キ ヤ。
四問 被 告 ハ社 会 主義 ヲ奉 ジ テ居 ルノ カ。
一 七問 市 川 、橋 浦 、西 、山 本 、 小 岩 井 、 野 坂 、渡 辺 (政之輔) ハ如
リ マシ タ。
野 ト 云 フ人 デ ア ルト 云 フ事 ヲ聞 イ テ知 ツ タ ノデ ス。其 ノ人 ハ来 テ居
答 私 ハ佐野 ト 云 フ人 ハ知 リ マセ ヌデ シ タガ 、後 ト デ ア ノ人 ガ佐
一 六問 佐 野 学 ハ什 ウ カ。
答 高 瀬 モ来 テ居 リ マ シタ。
一 五問 高 瀬 清 ハ居 タ カ。
答 田 所 モ来 テ居 リ マ シタ。
一 四問 田 所 輝 明 ハ居 タ カ。
答 堺利 彦 、高 津 正 道 、渡 辺 満 三、 仲 宗 根 源 和 等 デ ス。
一 三問 其 日、豊 島 館 ニ集 マツ タ人 ハ誰 々 々。
答 何 ン ノ用事 ト モ別 ニ申 シ マセ ヌデ シ タ。
一 二問 何 ンノ用 事 デ行 ツ タノ カ。
其 外 ニ ハア リ マセ ヌ。
答 私 ハ以 前 ハ社 会 主義 ヲ奉 ジ テ居 リ マシ タ ガ、 前 ノ刑 ニ服 シ テ 出獄 後 ハ、 只 従 前 ノ関 係 デ 主義 者 ト交 際 ヲシ テ居 ル丈 デ 、私 ニ ハ別 ニ主 義 ト 云 フ モノ ハアリ マセ ヌ。
ア ル様 デ ハナ イ カ。
五問 本 年 三月 十 五 日 、府 下 石 神 井 村 ノ料 理 店 豊 島館 ヘ行 ツタ事 ガ
答 ア リ マ ス。 六問 何 時 頃 行 ツ タ カ。 答 家 ノ仕 事 ノ終 ツ テ カ ラ行 キ タ カ ラ、 家 ヲ出 タ ノガ 十 二時 半 デ 、 向 フ ヘ着 イ タ ノガ 二時 カ二時 少 シ過 頃 デ シ タ。
答 私 ガ行 ツ タ時 ニ ハ二十 人 位 居 リ マシ タ。
七問 幾 人 位 集 マツ タ カ。
答 後 カ ラ来 タ ノ ガ 一人 程 ア リ マ シ タ。 全 部 デ 二十 二 、三人 位 デ
八問 被 告 ノ後 ニ来 タ人 ガ ア ルカ。
答 私 ハ夫 レ等 ノ人 ハ面 識 ガ ア リ マセ ヌ カ ラ来 テ居 ツ タ カ什 ウ カ
何。
一 八問 荒畑 勝 三 ハ什 ウ カ。
存 ジ マセ ヌ。
答 荒 畑 ハ来 テ居 リ マシ タ。 一 九問 其 時 、議 長 ト ナ ツ テ居 ツ タ ノ ハ誰 カ。 答 歯 切 レノ ヨイ人 デ シ タ。 名前 ハ知 リ マセ ヌ。 二〇問 議 長 ハ堺利 彦 デ ハナ カ ツ タ カ。 答 左 様 デ ハア リ マセ ヌ。
答 四 十歳 位 ノ人 デ シ タ。
二一 問 何 歳 位 ノ方 デ ア ツタ カ。
云 ヘバ高 瀬 ノ別 名 ダ ト 思 ヒ居 ツタ ノデ ス。
二 七問 本 人 カ ラ聞 イ タ事 ハナ イ カ。
答 ア リ マセ ヌ。 本 人 ト別 ニ話 シタ事 ハア リ マセ ヌ。
二 八問 其 ノ会 合 ノ前 ニ高瀬 ト会 ツ タ事 ハナ イ カ。
答 昨 年 ノ八 月末 カ九 月頃 、荒 畑 カラ高 瀬 ガ露 西 亜 カ ラ帰 ツ タ カ
ラ、露 西 亜 ヲ聞 キ ニ行 カ ウト 云 フ ノデ 、高 瀬 ノ其 ノ当 時 居 ツ タ渋 谷 へ行 ツタ事 ガ ア リ マ ス。
マ︺
答 池 上 カ池 田 カ、意 気 々 々 シタ池 ノ ツク所 デ シ タ。
︹マ
二 九問 夫 レ ハ、 何 ト 云 フ家 カ。
答 今 年 ニナ ツ テ カ ラ今 申 ス通 リ会 合 ノ時 ニ会 ツ タ丈 デ ス。
三〇問 今 年 ニナ ツ テ カ ラ会 ツタ事 ハ無 イ カ。
党 ヲ組 織 シ テト 云 フ事 ニ付 テノ記 事 ヲ読 ンデ 、 之 レ ハ本 当 ノ労 働 者
新 聞 デ ア ツ タ カ朝 日新 聞 デ ア ツタ カ 、夫 レ ニ出 テ居 ル武 藤 山治 ガ政
答 私 ガ行 ツ タ時 ニ ハ、大 分 話 ガ進 ンデ 居 ツ テ、 近 藤 栄蔵 ガ 国 民
三一 問 三月 十 五 日 ノ会 合 ノ時 ニ、 ド ンナ話 ガ ア ツ タ カ。
シ タ。
答 議 事 録 カ何 カ知 リ マセ ヌ ガ、高 瀬 ガ何 カ頻 リ ニ書 付 テ居 リ マ
二二問 其 会 合 ニ付 テ、議 事 録 ガ出 来 タ ノデ ハナイ カ。
二三問 夫 レ ハ、其 会 合 ノ席 デ 報 告 ヲ シ タリ議 論 ヲ シ タ コト ヲ書 付 ケ
ノ政 党 ト 云 ハナイ 。資 本家 階 級 、労 働 階 級 ト ノ中 間 ノ政 党 ニシ テ、
答 ア リ マ シ タ 。
三二問 尚 ホ 議 会 ヲ ボ イ コ ッ ト シ ナ イ ト 云 フ 様 ナ 話 ハ ナ カ ツ タ カ 。
欲 シ イ ト 思 フ 。 直 ニ自 分 ハ組 織 仕 舞 ト 思 フ ト 云 フ 話 ヲ シ マ シ タ 。
︹マ マ ︺
之 レデ ハ本当 ノ労働 階級 ノ利 益 ハ計 レナ イ。 夫 レデ 労働 者 ノ政 党 ヲ
タ ノデ ハナイ カ 。 答 左様 デ ス。 夫 レヲ書 付 ケ タノ デ ス。 二四問 什 フ云 フ紙 ニ、 何 ンデ 書 イ タ ノ カ。 答 万年 ペ ンデ書 イ テ居 リ マシタ ガ 、良 ク判 リ マセ ヌガ 、多 分 洋
テ誰 レ ガ 云 ツ タ カ 覚 ヘ テ居 リ マセ ヌ ガ 、 一人 カ 二 人 カ 這 入 ツ テ モ 駄
議 員 ニ選 挙 サ ル レ バ 、 勿 論 議 会 へ這 入 ツ テ 行 ク モ ヨイ 。 夫 レ ニ対 シ
紙 デ ア ツ タト思 ヒ マ ス。
答 ド チ ラデ シタ カ良 ク覚 ヘテ居 リ マセ ヌ。
者 ガ ア ル カ ト 云 フ者 モ ア リ マ シ タ 。
目 ダ 、 ボ イ コ ット シ タ 方 ガ ヨ イ 。 夫 レ ニ シ テ モ選 挙 サ レ テ モ出 ナ イ
二五問 縦 ニ書 キ居 ツ タ カ、横 ニ書 テ居 ツタ カ。
答 高 瀬 ガ高 瀬 ノ事 ヲ、 梅 田 々 々ト呼 ビ マスカ ラ、 夫 レデ梅 田 ト
︹マ マ ︺
二六問 高 瀬 ハ、梅 田 ト 云 フ名 ヲ使 ツ テ居 ツ タ ノデ ハナイ カ。
三三問 ソ レ ハ誰 レ ノ意 見 デ ア ツタ ノ カ。 答 誰 レノ意 見 デ ア ツ タノ カ ヨク覚 ヘテ居 リ マセ ヌ。
答 執 行 委員 ノ意 見 ハ什 ウ デ アツ タ カ覚 ヘテ居 リ マセ ヌ。
三四問 執 行 委 員 ノ意 見 ハ、 ド ウ デ ア ツ タ カ。
三五問 然 ラバ執 行 委 員 ハ誰 デ ア ツ タ ノ カ。 答 執 行 委員 ハ誰 レデ ア ツ タ カ覚 ヘテ居 リ マセ ヌガ 、公 然 議 会 へ 出 タ ラ ヨイ ト 云 フ意 見 ハ、高 津 、 近 藤 ノ意 見 ニア ツタ ノデ ス。 三六問 我国 ニ於 テ 、第 一革 命 ヲ執 ルベ キ カ、第 二革 命 ヲ執 ルベ キ カ ト 云 フ議 論 ガ ア ツ タ ノデ ハナイ カ。 答 アリ マシ タ。 三七問 誰 ガ第 一革 命 説 ヲ陳 ベ 、 誰 ガ第 二革命 説 ヲ陳 ベ タ カ。 答 誰 デ ア ツ タ カ ヨ ク覚 ヘテ居 リ マセ ヌガ 、 日本 ハ国 情 ガ 違 フ カ
答 夫 レ ハ政 党 組 織 ノ会 合 デ ア ツタ事 ハ相 違 ナイ ト 云 フノ カ 、共
産 党 ノ会 合 デ ハア リ マセ ンデ シタ 。
答 私 ハ確 タ ル主 義 ハナ イ ノデ ス。
四〇問 被 告 ハ共 産 党 ヲ奉 ジ テ居 ルノ デ ハナ イ カ。
答 学 者 、労 働 者 ノ合 同 シタ政 党 デ ス。
四一 問 政 党組 織 ノ会 合 ト 云 フ ハ、 什 ウ 云 フ組 織 ノ会 合 デ ア ルカ。
ヤ ツ テ居 ル会 合 デ ア ル カラ 、無 論 秘 密 ノ
答 左様 デ ハア リ マセ ヌ。 公 然 タ ル政 党 デ ス。
四二問 秘 密結 社 デ ハナ イ カ。
四三問 然 シ内 証 デ コソ〓
答 別 ニ届 出 ハシ マセ ヌ ガ、 秘 密 ノ政 党 デ ハアリ マセ ヌ。
政 党 デ ハナイ カ。
答 私 ハ二月 会 ト 云 フ ハ知 リ マセ ヌガ 、 二 月会 ガ ア ルト 云 フ事 ハ
四四問 二月 会 ト 云 フ ノ ガ ア ル様 デ ハナイ カ 。
高 瀬 カ ラ聞 キ マシタ 。
ラ鈴 木 文 治 氏 ノ如 キ人 ト提 携 シ テ公 然 タ ル政 党 ヲ造 ラ ナケ レバ駄 目 ダ。 結 局 第 一革 命 デ ナケ レバ イ カ ヌト 云 フ説 ト第 二革 命 デ ナケ レバ
四五問 其 会 ハ、 什 ウ云 フ会 デ ア ルト 云 フ事 デ ア ツタ カ。
答 十 円 カ、 十 五 円位 ハ違 ツ テ居 ルカ ハ知 リ マセ ンガ 、 六十 何 円
四七問 幾 何 払 ツタ カ。
答 左 様 デ ス。
四六問 豊 島 館 ノ会 合 モ会 計 ハ被 告 ガ シタ様 デ ハナ イ カ。
準 備 ノ会 デ ア ルト 云 フ事 ヲ聞 キ マシ タ ノデ ス。
答 什 ウ 云 フ会 デ ア ルト 云 フ事 ハ聞 キ マセ ヌ。 只 政 党 ヲ組織 スル
イ カ ヌト 云 フ議論 ガ 出 デ 、結 局 ナ マヌ ル イ、 鈴 木 文 治 氏 ノ如 キ人 ヲ 入 レテ公 然 タ ル政 党 ヲ組 織 シタ方 ガ ヨイ ト 云 フ話 ガ出 タ ノデ ス。
答 綱 領 ノ時 ノ話 ニ ハ、 私 ハ未 ダ来 テ居 ナ カ ツ タ ノデ ス。 ズ ツ ト
三八問 ソ ウ 云 フ話 ハ綱領 ヲ議 ス ル時 ノ話 デ ハナ イ カ。
カ ヌ ト カ 云 フ テ若 イ 人 ガ議 論 ヲシ テ居 リ マシ タ カ ラ、 若 イ人 ハ第 一
後 ノ話 デ ス。 夫 レデ 第 一デ ナ ケ レバ イ カ ヌト カ、 第 二 デ ナ ケ レバ イ
ト カ第 二 ト カ第 三 ト カ勝 手 ナ議 論 ヲ遣 ツ テ居 ル カ ラ、若 イ人 ハ幾 何
払 ヒ マシ タ。
答 女 中 ニ五円 、料 理 屋 ノ方 ヘ十 円 カ十 五 円 ヤリ マシ タ。
︹ママ︺
シ私 ニ ハ出 来 ナ イ ト 云 ヒ マシ タ。
デ モ ヤ レ、 私 ノ様 ナ年 寄 リ ハド チ ラデ モ暇 ツブ シ ヲ ス ルガ ヨイ。 然
四八問 祝 儀 ハ幾 何 幾 ヤ ツ タ ノ カ。
三九問 其会 合 ハ共 産 党 ノ会 合 デ ア ツ タ ノデ ハナ イ カ。
四九問 二十 円 デ ハナイ カ。 答 座 敷 料 ガ 二十 円 デ ス。 五〇問 何 人 分 払 ツ タ カ。 答 二十 五人 分 デ ア ツ タト 思 ヒ マス。然 シ飯 ハ二、三 人 分 余 リ マ シタ。
判 所 ニ於 テ予 審 判 事 沼義 雄 ハ裁 判 所 書 記 稲 垣正 二 立会 ノ上前 回 ニ引
一問 前 回 二月 会 ガ ア ルト 云 フ事 ヲ、高 瀬 カ ラ聞 イ タ様 ニ云 ツ テ居
続 キ右 被 告 ニ対 シ訊問 ヲ為 ス コト左 ノ如 シ。
答 夫 レ ハ私 ニ ハ存 ジ マセ ヌ。
ルガ、 今 年 ノ 二月中 ニ会 合 ガ ア ツタ ノデ ハナイ カ。
答 ア リ マセ ヌ。
二問 誰 カ ラ カ聞 イ タ事 モ ナイ カ。
三問 本 年 三 月 十 五 日 ニ石 神 井 村 ノ豊 島 館 へ集 ツ タト 云 フ事 デ ア ル
答 私 ハ会 計 係 デ ハアリ マセ ヌガ 、誰 モ払 ヒ マセ ヌ カ ラ私 ガ払 ツ
五一 問 何 故 被 告 ハ会 計 ヲ シ タ カ。
ガ 、其 ノ点 ニ付 テ前 回 被告 ハ女 中 部 屋 ヲ除 イ テ他 ノ二 間 ヲ借 リ タ ト
ア ルガ 、此 ノ 三間 ヲブ ツ通 シ テ借 リ タ ノ デ ナ カ ツ タ カ。
タ。 段 梯 子 ヲ上 ツ タ処 ノ後 ロニ アリ 、其 外 ニ十 畳 二間 ト 七畳 半 ト ガ
云 フ テ居 ル ガ、 今 度 其 家 ヲ見 テ来 タ ガ、 女 中 ノ部 屋 ハ四 畳半 デ アツ
タ ノデ ス。 私 ハ是 迄 ニ何 百 円 ト 云 ツ テ払 ツ テ居 リ マス。
答 私 ハ寄 附 シ タ ノデ ス。
五二問 ダ カ ラ被 告 ガ何 時 モ会 計 係 ヲ勤 メ テ居 ルノデ ハナイ カ。
答 今 年 ノ 二月 デ ア ル カ、 去年 ノ 二月 デ ア ルカ聞 キ マセ ヌ カ ラ知
五三問 二月 会 ト 云 フ ノ ハ今年 ノ二 月 ニア ツタ会 ノ意 味 カ。
答 左 様 デ ス。 女 中 部 屋 ガ 四畳 半 デ其 外 ノ部 屋 ヲ全 部 借 リ タ ノデ
アリ マ スガ、 私 ハ二間 ダ ト思 ツ テ居 リ マ シタ ガ、 三間 ア リト ス レバ
リ マセ ヌガ、 去 年 ノ 二月 デ ア ルト 云 フ様 ナ前 ノ事 デ ハア リ マセ ヌ カ
告
義 雄
人 吉 川 守 邦
︹此時 、 予審 判 事 ハ被 告 ニ対 シ、 其 位 置 ヲ図 面 ニ認 ム ベ キ 旨 命 ジ
六問 其 他 ノ者 ハ什 ウ 云 フ様 ニ座 ツ テ居 ツタ カ。
答 床 ノ間 ノ部 屋 ノ隅 ノ方 ニ居 ツ タ ノデ ス。
五問 高 瀬 ハド ノ辺 ニ居 ツ タ カ。
アリ マス。
舞 台 ヲ置 キ 、其 外 ノ者 ガ丸 ク ナ ツ テ二間 ヲ通 シ テ坐 ツ テ居 ツ タ ノデ
マ︺
度 奥 ノ部 屋 ノ床 ノ間 ト押 入 ト ノ真 中 ノ丸 柱 ノ前 ニ座 ツ テ、其 前 ニ茶
︹マ
答 私 ガ行 ク前 ノ事 ハ知 リ マセ ヌガ 、私 ガ行 ツ タ時 ハ、座 長 ガ恰
四問 其 日集 マツ タ連 中 ハ、 什 ウ 云 フ様 ニ座 ヲ占 メ テ居 ツ タ ノ カ。
ラ、今 年 ノ二月 ダ ロウ ト思 ヒ マス。
人 吉 川 守 邦
夫 レ全 部 借 リ タ ノデ ス。
答 其 ノ家 ヲ出 タ ノ ガ晩 ノ九 時 頃 デ シタ。 被
被
予 審 判 事 沼
裁 判 所書 記 稲 垣 正 二
告
五四問 何 時 頃 帰 ツタ ノ カ。
同 日於 同 所 作 之
右読 聞 ケ 云 々 署 名 シタ リ。
第 二 回調 書
右 治 安 警 察 法 違 犯被 告 事 件 ニ付 キ大 正 十 二年 六 月 十 二 日東 京 地方 裁
タ ル ニ、 被 告 ハ前紙 図 面 ノ通 リ認 メ タ ル ヲ以 テ之 ヲ本 調 書 ノ末 尾 ニ 添 付 ス︺ 七 問 次 ニ繃 帯 シタ者 ガ居 ツ タ ソ ウデ ハナイ カ。 答 左 様 デ ス。之 ガ 田所 デ ス。 八 問 浦 田 モ来 テ居 ツタ様 ダ ネ。 ︹マ マ ︺
答 顔 ハ知 リ マセ ヌガ 、来 テ居 ツ タ 様デ ス。 九 問 茶舞 台 ハ 一ツ丈 出 テ居 ツ タ ノ カ。 答 左 様 デ ス。私 ガ行 ツ テ カ ラ後 ハ 一ツデ シタ。
答 ア リ マス。
一 〇問 被 告 ハ脱 退 届 ヲ受 取 ツ タ事 ガ ア ル様 デ ハナ イ カ。
︹此 時 大 正 十 二年 押 第 七 七 四号 ノ七 ヲ示 シ且 ツ読 聞 カ セ タ リ︺
一一 問 夫 レ ハ之 カ。
答 之 レデ ス。 一 二問 其 ノ脱 退 届 ハ誰 ノ届 カ。 答 之 ハ、高 尾平 兵 衛 ノ脱 退 届 デ ス。 一 三問 持 参 人 ト ア ル ハ高 尾 ノ事 カ。 答 左様 デ ス。 一四 問 高 尾 ガ自 カ ラ持 ツ テ来 タ ノデ ア ルカ。 答 多 分 ソウデ ア ツ タ ノダ ロート思 ヒ マ ス。 恰 度 私 ハ其 時 留 守 デ ア ツタ ノ デ ス。 一 五問 其 ノ脱 退 届 ノ中 ニア ル、 シー ピ ー ト ア ルノ ハ共 産党 ノ事 カ。 答 左様 デ ス。 一 六問 告 訴 者 ト ア ル ノ ハ誰 ノ事 カ。 答 高 瀬 ダト 思 ヒ マス。
答 堺 カ山 川 ダ ロー ト思 ヒ マス。
一 七問 告 訴 受 理 者 ト 云 フ ノ ハ誰 カ。
答 堺 、山 川 ハ、 主 立 ツ人 ダ カ ラデ ア リ マ ス。
一 八問 何 故 堺 カ山 川 ダ ト思 フ ノ カ。
一 九問 委 員 長 吉 川 守 邦 殿 ト ア ルガ 、被 告 ハ何 ノ委 員 長 デ ア ツ タ ノ カ。
答 私 ハ委 員 長 ヲ致 シ テ居 リ マセ ヌ。 多 分 素 見 ニ其 様 ナ事 ヲ書 イ
タ ロウ ト思 ヒ マ ス。 ︹ 二字欠︺ 二〇問 □ □ 委 員 会 ト 云 フ ノガ ア ル カ。
云 フ意 味 デ ハナ イ ノ カ。
答 其 ンナ モノ ハ無 イ ト思 ヒ マス。 ︹一字欠︺ 二一 問 □ ニ委 員 会 ト 云 フ モ ノ ガ ア ツタ 、其 ノ委 員 長 ガ被 告 デ ア ルト
イ デ ハナ イ カ。
答 左様 デ ハア リ マセ ヌ。 ︹ 二字欠︺ 二二問 然 シ ソ ウ 云 フ モ ノガ ナケ レバ 、其 届 □ □ 委 員 会 ト 書 ク訳 ガ ナ
答 然 シ其 那 モ ノ ハナイ ノデ ス。
二三問 イ ージ ート ア ル ノ ハ執 行 委 員 ノ事 カ。
答 執 行 委 員 ノ コト デ ス。
二四問 然 ラバ 執 行 委員 ト 云 フ モノ ガ ア ル ノ カ。 答 ア ル ソ ーデ ス。
二五問 ア ル ソ ーデ ハナ ク、実 際 ハソ ウ云 フ モノガ ア ルノ デ ハナ イ カ。
答 ア ル様 デ ス。其 脱 退 届 ニ執 行 委 員 以 外 ノ者 ニ暴 露 シタ ト ア ル、
其 執 行 委 員 以 外 ノ者 ト ア ル ハ私 ノ事 ヲ指 シ テ居 ル ノデ ス。
二六問 但 執 行 委 員 以外 ノ者 ニ暴 露 シ タト 云 フ様 ナ事 ガ不 服 デ苦 情 ヲ
持 込 ム ノ ニ ハ、執 行 委 員 以 外 ノ被 告 ニ宛 テ、 此様 ナ届 ヲ出 ス訳 ガ ナ
︹一字不明︺ イ デ ハナ イ カ。 寧 ロ執 行 委員 □ ニ対 シ テ苦 情 ヲ 云 フ ノガ 当然 ノ様 ニ 思 ヘルガ 如何 。 答 此事 件 ハ元 本 年 二月 中 、 高 尾 平兵 衛 ガ 上海 辺 デ 、 李 東 輝 (朝 鮮共産党委員) ト相 談 シ テ、 印 刷 機械 ヲ何 処 カ ヘ売 飛 バ シ タ 際 、 高 尾 ハ肩 書 ニ日本 共産 革 命 党 主 領 ト カ書 イ テ ア ツタ名 刺 ヲ振 廻 ハシ テ
答 何 カ会 合 ガ ア ツ タト 云 フ事 ハ聞 イ テ居 リ マスガ 、果 シ テ党 ガ
ナ イ カ。
出 来 テ居 ツ タ カ什 ウ カ ハ知 リ マセ ヌ。
答 共 産 党 ト 云 フ モノ ハ出 来 テ居 リ マセ ヌ。
二九問 共 産 党 ト 云 フ モノガ出 来 テ居 ツタ ノデ ハナイ カ。
三一 問 シ ーピ ー ハ共 産 党 ノ事 デ ア ルト ス レバ 、即 チ共 産 党 ガ出 来 テ
答 シー ピ ー ハ出 来 テ居 ツ タ様 デ ス。
三〇問 然 シ、 シー ピ ー ハ出 来 テ居 ツ タノ カ。
居 ツ タ ノデ ハナ イ カ。
ウ 云 フ モノ ヲ拵 ヘテ振 廻 ハサ レテ ハ迷 惑 スル。実 際 ソウ 云 フ コト ガ
売 飛 バ シ タ。 ソ ウ云 フ者 ハ実 際 無 シ。 無 イ ニ拘 ハラズ コケ脅 シ ニソ
ア ツタ カ什 ウ カ取 調 ベ テ貰 ヒ度 イ ト 云 フ事 情 ヲ聞 キ マシタ 。 ス ルト
答 ツ マリ ソウ 云 フ事 ニナ リ マ ス。
間 モナ ク高 尾 ガ来 マシ タカ ラ其 事 ヲ聞 キ マ スト高 尾 ハ、 君 ニ話 ス必 要 ハナ イ ト、 ツ マリ幹 部 ノ承 認 ヲ得 テ遣 ツ タ事 ヲ、幹 部 ガ 局外 者 ニ
云 フノデ ハナイ ガ 、 コウ 云 フ党 ガ ア ル カ ラ夫 レ ニ賛 成 シ テ其 党 ノ為
三三問 別 ニ入 会 届 ト カ云 フ様 ナ モノ ヲ出 シ タ意 味 ニ於 テ入会 シタ ト
メ ニ 一ツ働 イ テ呉 レ ナイ カ、 ト 云 フ様 ナ勧 誘 ヲ受 ケ テ、 被 告 モ其 党
答 私 ハ加 入 致 シ マセ ヌ。
漏 ラ ス筈 ハナ イ ト 申 シ マ ス カ ラ 私 ハ、 荒 畑 ガ 来 テ 、 之 レ 〓 ノ事 ヲ ︹二字欠︺ 聞 イ テ 呉 レ ト 頼 マ レ タ ノ カ 、 ト 申 ス ト 、 君 ハ□ □ 係 カ ト 聞 キ マ ス カ ︹二字欠 ︺ ラ □ □ 係 デ ハナ イ ガ 、 此 点 丈 ケ 頼 マ レ マ シ タ カ ラ 聞 ク ノ ダ 、 ト 申 シ
三二問 被 告 モ其 ノ シ ーピ ー ニ加 入 シタ ノデ ハナイ カ。
怒 ツ テ、 自 分 ハ、其 那事 ヲ聞 カ レテ ハ苦痛
ニ賛 成 シ、 其 党 ニ加 入 シ タ様 ナ事 ハナ イ ノカ。
マスト 、高 尾 ハブ ン〓
ダト 云 フ ツ テ怒 ツテ帰 リ マシ タ ガ直 グ 其手 紙 ヲ持 ツテ ヤ ツ テ来 タ ノ
ア リ マセ ヌ。
此部 分 ハ コウ 云 フ様 ニ直 ホ シ テ呉 ル レバ這 入 ルト 云 フ様 ナ手 続 ヲ経
答 左様 デ ス。 私 ハ党 ノ党 規 ヲ見 テ、此 部 分 ハ不 服 デ ア ルト カ、
デ ス。 夫 レデ私 ハ其 ノ 日 ノ夕 方 デ ア ツタ カ翌 日 デ アツ タ カ、 荒 畑 ニ ︹ 二字欠︺ 其 手 紙 ヲ渡 シタ ノデ ス。 ソ ウ 云 フ訳 デ 、私 ハ別 ニ□ □ 係 デ モ何 デ モ
ス。 夫 レガ 入党 ト 云 フナ レバ 、 入 党 シ タ ノ ニ相 違 アリ マセ ヌ。
ヨケ レバ ソ レジ ヤ行 コウ ト 云 フ様 ナ意 味 ニ於 テ会 議 ニ列席 シタ ノデ
ナ ク、 人 ニ誘 ハレタ ト 云 フ訳 デ モ ナ ク、 只 共産 党 ノ会 議 ガ ア ルカ ラ、
ハ、 私 ハ這 入 ツタ ノデ ハア リ マセ ヌガ 、自 分 デ 拵 ヘタ ト 云 フ訳 デ モ
テ尚 ホ入党 届 ヲ出 シ テ這 入 ルト 云 フ様 ナ ノデ 入党 ト 云 フ意 味 ニ於 テ
レヲ荒 畑 ニ渡 シ タ ノデ ス。
見 タ上 、 荒 畑 ニ廻 送 シ テ呉 レト 云 フ事 デ ア リ マス カ ラ私 ガ 見 タ上 夫
三四問 其 様 ナ コト ヲ云 ハズ ニ、 我 国 ニ於 テ モ 日本 共産 党 ト 云 フ モノ
答 本 年 二 月 ノ中 旬 カ初 旬 デ ア ツ タト 思 ヒ マス。其 脱 退 届 ハ私 ガ
二七問 何 時其 届 ヲ持 ツ テ来 タ カ。
レカ ラ脱 退 シ タト 云 フ事 ハ明白 デ ア ルガ、 党 ガ 出 来 テ居 ツタ ノデ ハ
二八問 然 シ此 脱 退 届 ノ文 面 カ ラ見 テ モ、 更 ニ党 カ出 来 テ居 ツテ 、 ソ
ガ出 来 テ、 夫 レ ニ被 告 モ加 入 シタ ノデ ア ル ナ レバ 、 此際 陳 ベ テ ハ什
答 夫 レ ハ困 リ マシタ ネ。
ウ カ。 尚 ホ其 党 ノ組 織 等 ニ付 テ聞 カ シ テ貰 ヒ度 イ 。
答 調 書 ニ御 執行 ア ルノ デ スカ、 ナ ラ ナイ ノデ スカ。
三五問 困 ルデ ア ロウ ガ 、此 際 聞 カ シ テ貰 ヒ度 イ 。
三六問 調 書 ニ執 ル執 ラ ヌ ハ別 ト シ テ、 其 那条 件 ナ シ ニ兎 ニ角 陳 ベ テ
答 什 ウ モ詳 イ事 ハ申 上 ゲ 兼 マ ス。
ハ什 ウ カ。
︹ 此 時被 告 ハ暫 ク考 ヘタ上 ︺
三七問 詳 シ ク ナイ ト モ ヨイ カ ラ、 此 際 云 フ テ仕 舞 フテ ハ什 ウ カ。
答 夫 レデ ハ申 上 マス。 共 産 党 ガ 成 立 シ タ ノデ ス。 然 シソ レ ハ日 本 共 産 党 ト 云 フ ノデ ハア リ マセ ヌ。 只 単 ニ共産 党 ト 云 フ ノデ ス。 実
答 最 近 七名 ト 云 フ事 ニ決 ツ テ居 ルノデ ス。
ナイ カ。
三 九問 尚 其 外 ニ国 際 委 員 ト カ総務 委 員 ト カ云 フ モノガ ア ツ タ ノデ ハ
答 ア リ マシ タ。
四〇 問 執 行 委 員 長 ト 云 フ モ ノ モ ア ツタ ノ カ。 答 ア リ マシ タ。
答 警 視 庁 デ モ議 事 録 ヲ見 セ ラ レ マシタ ガ 、夫 レ ヲ御 覧 ニナ レバ
四一 問 執 行 委 員 長 ハ誰 デ ア ツタ ノ カ。
四二 問 党 ハ、 日本 共 産 党 ト 云 フ名 デ ア ツタ ノデ ハナ イ カ。
判 ルト思 ヒ マ ス。
答 左様 デ アリ マセ ヌ。 只 共産 党 ト 云 フ名 デ ス。
四 三問 其 共 産 党 ト 云 フ ノ ハ、 何時 出 来 タ ノ カ。
答 ソ レ ハ良 ク判 リ マセ ヌ。
四四 問 前 ニ共 産 党 ノ秘 密 結 社 ヲ拵 ラ ヘタ為 メ ニ起 訴 サ レ、目 下 上 京
ハ今 度 表 面 上 ノ政党 ヲ造 ツ テ議 会 運 動 ヲ スル事 ニナ ツタ ノ ダ カ ラ是 レ マデ ノ党 ハ要 ラ ヌ事 ニナ ルカ ラ先 月 ノ三 十 日 ニ解 党式 ヲ ヤ ル事 ニ
中 ノ モ ノ モア ル様 デ ア ルガ 、 ソ レ等 ノ者 ガ何 ンデ モ昨 年 ノ四 月頃 ニ
答 或 ハ前 ノ党 ノ継 続 デ ア ル カ モ知 レ マセ ヌ。
別 ニ党 ヲ 造 ツ タ ノ デ ハ ナ イ ノ カ 。
ナ ツ タ ノデ スガ 、或 ル人 ガ 三十 日 ニ解 党 式 ヲ遣 ツ テ ハ、早 稲 田 ノ騒
保 釈 ニ ナ ツ タ カ ラ 、 更 ニ又 コ ソ 〓
又解 党 式 ヲ遣 レバ 已 ニ党 ト 云 フ モノ ガ ア ツ タト 云 フ事 ヲ世 間 ノ者 ニ
動 ガ ア ツ タ カ ラ夫 レ ニ驚 イ テ解 散 シ タト 云 ハレ テ モ意 気 地 ガ無 イ シ、
ノ初 頃 ニ、主 義 者 ノ集 ヲ スル様 ニナ ツ タ カ ラ、一円 デ モ二円 デ モ好 イ
四 五問 然 シ被 告 ハ先 刻 一寸 陳 ベ テ居 ツ タガ 、今 年 ノ 一月 ノ末 カ二 月
カ ラ寄 附 シ テ呉 レト 云 ツ テ来 タ様 ニ陳 ベ テ居 ツ タ様 デ ハナイ カ。 夫
モ知 ラ ス事 ニナ リ、馬 鹿 ナ話 ダト 云 フ事 デ アリ マシタ カ ラ其 儘 止 メ
レカ ラ見 テ モ、今 度 ノ党 ハ前 ノ党 ト ハ別 個 ノ モノ ラ シ イデ ハナイ カ。
ニシ タ ノデ スガ 、愈 々本 月 ノ十 日 ニ解 党 式 ヲ挙 ゲ ル積 リ デ シ タ ノデ スガ、今 度 ノ事 ガ起 ツテ其 儘 ニナ ツ テ居 ル訳 デ ス。 尚 執 行 委 員 ト 云
附 ノ話 ガ出 ル筈 デ ス。 実 ハ此 頃 ニナ ツテ カ ラ出 来 タ ノデ ス。
答 左様 デ ス。 前 カ ラ ア ツ タ モ ノ ナ ラ、 モ ツト前 ニ会 ツ タ時 ニ寄
フ者 ガ ア リ、 コレ ヲ政 治 係 、 労 働 係 、 教育 係 、後 ト 二 ツ許 リ ハ忘 レ ︹マ マ︺
四 六問 然 ラ バ何 時 出 来 タ ノ カ。
マシ タ カ ラ、 ソウ ユウ係 リ ニ分 カ レ テ居 ツ タノ デ ス。
テ居 ツ タ ノデ ハナ イ カ。
三八問 執 行委 員 ハ、 五名 ト カ七 名 ト カ十 名 ト カ 云 フ様 ニ其 数 ガ決 ツ
カ、 川 崎 ガ来 テ 、其 処 デ 会 合 ガ ア ル カ ラ来 テ呉 レト 云 フ事 デ ア リ、
ル ノ ハ嫌 ダ 、寄 附 ナ ラ ス ルト申 シ テ置 キ マ シタ。
尚 ホ其 時 私 ニ会 計 ヲ シ テ呉 レト 云 フ事 デ アリ マシタ ガ、 私 ハ会 計 ス
答 何 時 出 来 タ カ、月 日 ノ処 ハ確 乎 ト判 リ マ セ ンガ 、初 メ ハ四、 五人 ヲ集 メ タ ノガ段 々大勢 ニナ ツタ ノデ ス。 今 年 ニナ ツ テ カラ出 来
デ ア ル カ什 ウ カ ヲ見 ル為 メ ニ、 二月 ナ リ 三月 ナ リ確 カ メ テ見 タ上 加
五五問 被 告 ハ行 カ ナ カ ツタ ニ シ テ モ、其 処 ヘ什 ウ 云 フ人 ガ行 ツ タ カ
ツテ居 ルト 云 フ事 デ ア ツ タ ノデ ス。
テ右 ニ廻 リ、 又 左 ヘ行 ツ タ処 ニア ル小 サ ナ料 理店 デ 、其 辺 ニ誰 カ行
答 家 ノ名 前 ハ知 リ マセ ヌ。 又 、 只 停車 場 ニ下 リ タ ラ、 左 ニ行 キ
五四問 何 ト 云 フ家 カ。
タ モノト 思 ヒ マス。 四七問 其 党 ハ、公 然 ノ モノ デ ハナ ク、 秘 密 ノ結 社 デ ア ロウ。
入 サ セ ル事 ニナツ テ居 リ マス。
答 新 ラ シ ク人 ヲ 加 入 サ セ ル時 ニ ハ、 果 シ テ其 ノ人 ガ 大丈 夫 ナ人
四八問 夫 レ ハ即 チ秘 密結 社 ガ漏 レヌ様 ニ十 分 其 人 ヲ試 験 シタ 上 入 レ
六一 問 然 シ執 行 委 員 ト 云 フ モ ノガ アリ 、党 ガ ア ルト 云 フ事 モ判 リ、
答 夫 レ ハ困 リ マ ス。
六〇問 執 行 委 員 ノ政 治 係 、 労 働 係 等 ノ役員 ハ誰 デ アツ タ ノ カ。
カ ラ ト荒 畑 ガ命 ジ テ居 リ マシ タ。
︹マ マ ︺
答 党 規 ハ見 ト 云 フ コトデ ア リ マシ タガ 、今 何 処 ニア ルカ判 ラ ヌ
︹マ マ ︺
五九問 党 規 ヲ見 タ カ。
ガ行 ツ タ時 ニ ハ誰 モ居 リ マセ ヌデ シタ。
答 其 時 モ矢 張 リ其 近 所 デ待 ツ テ居 ル ト 云 フ事 デ ア リ マシ タ。 私
カ。
五八問 石 神 井 村 ノ豊 島 館 ヘ行 ツタ時 モ、誰 カ途 中 ニ待 ツ テ居 ツ タ ノ
答 夫 レ ハ聞 キ マセ ヌ。 只行 ケ バ判 ルト 云 フ事 デ ア ツ タ ノデ ス。
五七問 其 処 デ 什 ウ云 フ コト ヲ遣 ルノ デ ア ルト 云 フ事 デ ア ツ タ カ。
答 聞 キ マセ ヌ。
五六問 後 ニナ ツ テ誰 カ ラ カ聞 カナ カ ツタ カ。
答 聞 キ マセ ヌデ シ タ。
聞 カ ナ カ ツ タ カ。
答 左 様 デ ス。秘 密 ノ者 デ ス。
ルノデ ア ツ テ、 即 チ秘 密 ノ会 合 タ ル事 ハ明 白 デ ハナイ カ。
四九問 二月 頃 一度 会 合 シタ ノデ 、 二月 会 ト云 フ名 ガ 付 イ テ居 ル様 ニ 見 ヘ ルガ、 二月 中 一度 シ タノ デ ハナ イ カ。 答 ソ レ ハ良 ク判 リ マセ ヌ。 五〇問 被 告 ガ参 加 シ タ カ什 ウ カ ハ別 ト シ テ、 本 年 ノ 二月中 ニ 一度 会 合 ア ツ タ事 丈 ハ陳 ベ テ モ ヨイ デ ハナ イ カ。 答 実 ハ本 年 ノ二 月 七 、八 日頃 ニ、千 葉 ノ ステ ー シ ヨ ン ノ近所 デ 会 ツ タ ノデ ス。 五一 問 千 葉 ノ ステ ー シ ヨン ノド ノ辺 カ。 答 千 葉 デ ハアリ マセ ヌデ シタ。 市 川 ノ停 車 場 ノ近 所 デ ス。
答 左 様 デ ス。 市 川停 車 場 ヲ左 ノ方 ヘ出 テ右 ヘ行 ツ テ、 又 左 ヘ行
五二問 千 葉 県 ノ市 川 カ。
ツ タ小 サ ナ料 理 店 デ ス。 五三問 其 処 ヘ ハ被 告 ハ行 カナ カ ツタ ノ カ。 答 行 キ マセ ヌデ シ タ。其 前 ノ晩 デ ア ツ タ カ、其 日 ノ朝 デ アツ タ
其 党 員 モ大 体判 ツ テ居 ル上 カ ラ ハ、其 ノ人 々 ヲ夫 レ ニ当 テ嵌 メ ル丈
ルガ 、 日本 共 産 党 ト シ テ見 附 カ ツ テ ハ悪 イ カ ラ英 国 ト シ テ書 イ タ ノ
六八問 之 レ ヲ見 タ事 ハナ イ カ、 之 ニ ョルト 英 国 共産 党暫 定 党規 ト ア
︹此 時被 告 ハ暫 ク熟 考 ノ上 ︺
︹此時 大 正 十 二年 押 第 七 七 四 号 ノ 一ヲ示 ス︺
デ ハナイ カ。
ケ デ ア ル カ ラ此 際 陳 ベ テ モ差 支 無 イ ト思 フガ什 ウ カ。
答 政 治 係 ハ高 津 、 近 藤 、 労 働 係 ハド チ ラ ノ渡 辺 デ ア ツ タ カ覚 ヘ
答 之 ハ見 タ事 ハア リ マセ ヌ。之 ニモ六 ケ月 間 云 々ト 云 フ様 ナ事
ガ書 イ テ アリ マスガ、 之 ヲ直 ホ シ テ出 来 タ モ ノ カ モ知 レ マセ ヌ。
テ居 リ マセ ヌ ガ渡 辺 デ ア リ、教 育 係 ハ佐 野 、雑 誌 係 ハ赤 旗 社 ノ連 中
ノ七 ツノ部 ニナ リ マ スガ 、 農 民 係 ハ浦 田 デ ア リ マ ス。
デ シタ。 尚 ホ先 程 申 シ タ外 ニ農 民 係 、婦 人 係 、救 済 係 ガ ア ツ テ、 此
答 堺 ノ事 ヲ麹 町 ノ親 爺 ト評 シ テ居 ルノ ヲ聞 イ タ事 ガ ア リ マス。
六九問 麹 町 ト 云 ヘバ 堺 ノ事 カ。
答 時 々変 リ マスガ 、最 近 ノ雑 誌 係 ハ西 デ ス。
六二問 赤 旗 社 ノ連 中 ト 云 フノ ハ、誰 ヲ指 スノ カ。
答 山 川 ノ事 ヲ大森 ト 云 フ テ居 ルノ ヲ聞 キ マシ タ。 夫 レ モ先 程申
七〇問 大 森 ト 云 フ ハ誰 カ。
ウト 思 ヒ マス。
当 時 、 大森 ニ ハ大 分居 リ マシ タ ガ、 前 衛 社 ノ連 中 ガ 出 シ タ提 案 ダ ロ
シ タ提 案 ノ中 ニ大森 ト ア ルノ ハ、山 川 丈 ノ事 デ ハア リ マ ス マイ 。其
ヌデ シ タ。
答 婦 人 係 ハア ツ テナ イ様 ナ モノデ 、 誰 ト 云 ツ テ決 ツ テ居 リ マセ
六三問 婦 人 係 ハ誰 カ。
六四問 婦 人 係 ト 云 フノデ ア ル カ ラ、 誰 カ婦 人 ガ遣 ツ テ居 ルノ デ ハナ イ カ。
答 金 抔 ハア リ マセ ヌカ ラ会 計 係 ト 云 フ様 ナ モ ノ ハア リ マセ ヌデ
七一 問 会 計 係 ト 云 フノ ガ ア ツ タ ノデ ハナイ カ。
シ タ。
答 婦 人 ノ方 ハ、其 婦 人 ノ最 モ尊 敬 スベ キ 方 デ ナ ケ レバ駄 目 ナ ノ デ ス。
七二問 露 国 ノ主 義 者 カ ラ金 ノ補 充 ヲ受 ケ タ事 ガ ア ルノデ ハナイ カ。
ガ アリ マ ス。
同 日於 同 所 作 之
右 読 聞 ケ 云 々 署 名 シ タ リ。
告
人 吉 川 守 邦
予 審 判 事 沼
義 雄
裁 判 所 書 記 稲 垣 正 二
被
答 金 ヲ借 リ テ来 タ ガ、其 ノ金 ヲ費 込 ンデ仕 舞 ヒ マシ タ ト 云 フ事
︹マ マ︺
六五問 救 済 係 ハ誰 カ。 答 救 済 係 ハ私 デ ス。 六六問 執 行 委 員 ノ外 ニ何 カ役 ガ ア ツタ ノデ ハナ イ カ。 答 警 視 庁 デ見 セ ラ レ マシタ ガ 、何 カ書 イ タ モノ ガ ア ル様 デ スガ 、 夫 レ ニ何 ント書 イ テ ア リ マス カ。 六七問 之 レ ハ什 ウ カ。 ︹ 此 時 大 正 十 二年押 第 七 七 四 号 ノ二 ヲ示 ス︺ 答 之 ハ提 案 デ ア リ マス。
第 三回調書 被
告
人 吉 川 守 邦 右治安警察法違 反被告事件 ニ付大正十二年 六月二十 一日東京地方裁
判 所 ニ於 テ予 審 判事 沼 義 雄 ハ裁 判 所 書 記稲 垣 正 二 立会 ノ上 前 回 ニ引
続 キ右 被 告 人 ニ対 シ訊問 ヲ為 ス コト左 ノ如 シ。
シ。
一問 今 日 ハ、 被 告 ノ接 シ テ居 ル党 ノ組 織 ノ事 ニ付 テ陳 ベ テ貰 ヒ度
答 前 回 申 上 ゲ タ丈 ノ事 デ ス。 二問 細 胞 ト云 フ者 ガ ア ツタ ノデ ハナイ カ。 答 アリ マス。 三 問 其 数 ガ十 四 デ、 員 数 ガ五 十 八 デ ハナ カ ツタ カ。
代 表 者 ガ ア ル ノ カ。
答 其 位 デ ア ツ タ カ モ知 レ マセ ヌ。 数 ノ事 ハ ﹁ジ ー エス﹂ デ ナ ケ レバ判 リ マセ ヌ。
答 ア リ マス。
四問 細 胞 ニ ハ夫 レ〓
五問 細 胞 ハ三 名 乃至 十 名 カ ラ成 リ立 ツ テ居 ル ノデ ハナ イ カ。 答 其 様 デ ス。 十 名 以 内 ト云 フ事 デ 、 三名 ノ モア レバ四 名 、 五 名 、 六 名 、 七名 又 ハ、八 名 、 九 名 カ ラ成 リ立 ツテ居 ルノ モア ル ノデ ス。 六 問 細 胞 ノ代 表 者 ハ、 細 胞員 ガ 互選 シ テ執 行 委 員 ガ之 ヲ任命 ス ル
答 代 表 者 ト細 胞員 ガ決 メテ 、﹁ジ ー エ ス﹂ ガ 任 命 ス ル ノデ ス。
ノデ ハナ イ カ。
七問 細 胞 ハ什 ウ 云 フ方 面 ニ設 ケ ラ レ テ居 ル カ。 答 大抵 東 京 デ ス。
答 労 働 組 合 ノ モノデ ス。 尤 モ学 生 ノ中 ニ モ多 少 ア リ マ ス。 早稲
八 問 什 ウ 云 フ人 カ ラ成 ツ テ居 ル ノ カ。
ロウト思 ヒ マ ス。 ソ ウ 云 フ連 中 ヲ集 メ テ猪 俣 ナ リ大 山 ナ リ ニ講 演 ヲ
シ テ貰 ツ テ、夫 レ ニ ヨツ テ共 鳴 者 ヲ勧 誘 ス ル モノ ダト思 ヒ マス。
一 〇問 三月 十 五 日、 石 神 井村 ニ於 ケ ル会 合 ノ時 ニ来 タ連 中 ハ執 行 委
員 其 他 幹 部 以 外 ノ者 ハ細 胞 ノ代 表 者 デ ア ツ タ ノ カ。 答 左 様 デ ス。
一一 問 野 坂 ノ云 ツ テ居 ル所 ニ ヨル ト規 律 委 員 会 ト 云 フ モ ノガ ア ルガ、
之 レ ハ常 設 ノ モノ デ ハナ ク、 規 律 委 員 会 ニ付 スベ キ問 題 ガ起 ツ タ時
答 其 通 リ デ ス。
ニ造 ル ノデ ア ルト 云 フ事 デ ア ル ガ、 ソ ウ云 フ ノデ ハナ イ ノ カ。
一 二 問 ソウ スルト 、 前 回 示 シ タ脱 退 届 ニ、被 告 ガ委 員 長 ト ア ル処 カ
ラ見 レバ、 被 告 ガ規律 委員 長 デ ア ツタ事 ハ相 違 ナ イ ノデ ハナイ カ。
答 私 ガ委員 長 ト サ レタ ノ デ スガ 、問 題 ニナ ラズ ニ済 ンダ ノデ ス。
一 三問 三 月 十 五 日 ノ会 合 ノ時 ノ議 長 ハ誰 デ ア ツ タ ノ カ、陳 テ ハ什 ウ
答 顔 ハ知 ツ テ居 リ マスガ名 前 ハ知 ラ ナイ ノデ ス。 兎 ニ角 学者 風
カ。
ノ人 デ ス。
一 四問 其 党 ノ役 員 ト ナ ルノ ニ ハ年 齢 ニ制 限 ハナ イ ノ カ。仮 令 バ 二十
マセ ヌ。
答 ソ ウ 云 フ事 ハア リ マセ ヌ。 私 ハソウ イ ウ事 ヲ聞 イ タ事 ハアリ
五歳 以上 デ ナ ケ レバ ナ ラ ヌト カ云 フ様 ナ事 ハナ イ ノ カ 。
九問 渡 辺 満 三 ノ所 デ 、本 年 四月 十 五 日 ト 四月 ノ末頃 ト ノ三 回 、時
一 五問 二 月 四 日 、市 川 ニ於 ケ ル会 合 ノ際 、被 告 ハ行 カ ナ カ ツ タ事 ハ
田 、慶 応 、東 洋 大 学 、 日本 、 明治 ノ学 生 中 ニ モア リ マス。
計 工 ヲ十 名 許 リ集 メ テ猪 俣 ニ講 演 シテ貰 ツ タ事 ガ ア ル様 デ ア ルガ 、
相 違 ナイ カ。
一 六問 什 ウ 云 フ事 ヲ其 時 ニ議 シ タ ノデ ア ル カ話 ヲ聞 イ タ ノデ ハナ イ
答 相違 アリ マセ ヌ。
之 レ モ 一ツ ノ細 胞 デ ハナ イ カ。 答 夫 レ ハ細 胞 デ ハア リ マセ ヌ。 芽 生 ヘダ ロウ ト思 ヒ マ ス。 私 ハ其 処 ヘ行 ツタ人 ハ名 前 ヲ知 リ マセ ヌ カ ラ其 中 ニ細 胞 員 モ居 ルダ
カ。
答 夫 レ ハ、 私 ガ実 際 知 ラ ナ イ ノデ ス。然 シ二 月 ニ会 合 シ、 三月
ニ会 合 シ テ居 ル ノデ ス カラ 、 一月 ニ モ会 合 ガ ア ツ タ モノ ト思 ヒ マ ス。
二二問 思 ヒ マスデ ナ ク シテ、 実 際 知 ツ テ居 ルト思 フガ話 シ テ ハ什 ウ
答 只 行 ケバ 判 ルト 云 フ事 デ ア ツ タ ノデ ス。 一 七問 其 後 ニナ ツ テ川崎 カラ デ モ什 ウ 云 フ人 ガ集 ツ テ、什 ンナ事 ヲ
答 実 際 知 ラ ナイ ノ デ ス。 只 昨 年 中 ニ ハ コウ云 フ会 合 ノ事 ナ ンカ
カ。
答 川 崎 ト堺 、高 津 、 近藤 、佐 野 、 荒 畑 等 ガ行 クト云 フ事 デ シ タ。
相 談 シタ カ ト云 フ事 ヲ聞 カナ カ ツタ ノ カ。
聞 イ タ事 ガ アリ マセ ヌカ ラ今 年 ニナ ツ テ カ ラ決 ツ タ モノ デ ア ロウ ト
人 吉 川 守 邦
思 フ ノデ ス。
告
デ ア リ マシ タ カ ラ、 什 ウ シタ ト 云 フ テ聞 クト 、規 約 ノ改 正 ノ事 ヲ議
同 日於 同所 作 之
告
義 雄
人 吉 川 守 邦
予 審 判 事 沼
被
右 治 安警 察 法 違 犯 被 告 事 件 ニ付 大 正 十 二年 六 月 三十 日東 京 地方 裁 判
第 四 回 調書
裁 判 所 書 記 稲 垣 正 二
右 読聞 カセ タ ル処 無 相 違 旨 申 立 署 名 シ タ リ。
被
其 晩 、私 ガ 二階 ニ寝 テ居 ルト梯 子 段 ノ処 ヘ来 テ、今 帰 ツタ ト 云 フ事
決 シタト申 シ テ居 リ マシタ 。
答 川 崎 ハ其当 時 私方 ノ直 グ 裏 ニ居 ツ タ ノデ ス。
一 八問 川 崎 ガ 其晩 被 告 ノ所 ニ遣 ツ テ来 タ ノ カ。
︹此 時押 収 ノ英 国共 産 党 暫 定 党 規 ト 題 スル書類 ヲ示 ス︺
一 九問 之 レ ハ、其 党 ノ規 約 デ ハナ イ ノ カ。
答 之 レ ハ初 メ テ見 マ ス。 私 ガ前 ニ見 タ事 ノ ア ル、河 名 説 ト書 イ
所 ニ於 テ予 審 判 事 沼 義 雄 ハ裁 判 所 書 記 稲 垣 正 二 立会 ノ上前 回 ニ引 続
テ ア ル モ ノト 之 レト捏 ネ合 セ テ出 来 タ モ ノト思 ヒ マス。
︹此 時 大 正 十 二年 押 第 七七 四号 ノ 二 ヲ示 ス︺
二〇問 其 河 名 説 ト書 イ テア ル ト 云 フ ノ ハ之 カ。
キ右 被 告 人 ニ対 シ訊 問 ヲ為 ス コト 左 ノ如 シ
三問 被 告 ガ名 前 ヲ知 ラ ナ カ ツタ為 メ ニ云 ハナ カ ツ タ ノ モア ルダ ロ
答 堺 ノ隣 ノ方 デ ス。
二問 仲 宗 根 ト ハ、 ド ノ辺 ニ座 ツ テ居 ツタ ノ カ。
答 仲宗 根 デ ス。
一問 誰 カ。
前 回図 ヲ書 イ タ時 ニ、 一人書 キ忘 レテ居 マシ タ様 デ ス。
被 告 ハ左 ノ 通 リ陳 ベ タ リ。
答 之 デ ス。之 ト之 ト ︵ 英国共産党 暫定党規 ト題 スル書類︶ ヲ捏 ネ 合 ハセ テ出来 タ モノ ト思 ヒ マ ス。 此 分 ︵ 大正十二年押第七七四号ノ二︶ ハ、 採 用 ト カ否 ト カ云 フ事 ニナ ツ テ居 マスガ 、之 ニ基 イ テ決 ツ タ モノガ ︹マ マ ︺
モウ 一枚 ナケ レバ ナ ラ ヌ訳 デ ス。 多 分之 ガ 二月 ノ カ カ リ ノ時 ニ議 決 サ レ タ モ ノダ ロウ ト思 ヒ マ ス。
ア ツ テ、其 時 ニ党 ノ出 来 タ モノト 思 ハレ ルガ 、其 時 期 ト人 ト ヲ陳 ベ
二一 問 規 約 ノ改 正 ガ其 時 ア ツ タ モノト ス レバ 、其 前 ニ今 一度 会 合 ガ
テ ハ什 ウ カ。
(〇 点ノ文字隠?)︲ ︹ 原注︺ ウ シ、 又 云 ヒ難 イ為 メ ニ湿 シテ居 ツ タ ノ モ ア ルダ ロウ ガ 、早 ク事 実
答 杉 浦 モ知 ツ テ居 リ マシタ。 尚 ホ議 長 ノ脇 ニ居 ツ タ ノガ多 分 渡
辺 ト思 ヒ マス。 一寸 其 図 面 ヲ貸 シテ下 サ イ。
シ テ居 ル コト ハツ マラ ヌ コト デ ア ル カ ラ、此 際 知 ツ テ居 ル丈 ノ事 ハ
モ云 々ノ文 句 ヲ書 入 レ 再 出 シ タ ル ニ依 リ、本 調書 ノ末 尾 ニ添 付
︹此時 判 事 ハ、 被 告 人 ニ右 図 面 ヲ交 付 シ タ ル ニ、被 告 ハ列 席 シテ
ヲ陳 ベ テ貰 フ方 ガ事 件 ノ進 行 モ早 ク、 又 已 ニ現 ハレ テ居 ル事 迄 モ隠
陳 ベ テ貰 ヒ度 イ ト思 フ ガ什 ウ カ。 ス︺
一 〇問 市 川 デ 集 ツ タ時 ノ関 係 ヲ、 モウ少 シ詳 細 ニ陳 ベ テ ハ什 ウ カ。
答 ソウ デ ス。 已 ニ判 ツ テ居 ル事 迄 デ隠 シ テ居 ツ テ モ致 方 ナイ コ ト デ ア リ マ スカ ラ私 迄 是 迄 ニ知 ツ テ居 ル丈 ケ ノ コト ハ陳 ベ タ積 リデ
藤 ガ議 長 ニナ ツ テ、 近藤 ハ風 ヲ引 イ テ居 ツ タ為 メ、 寒 イ ト 云 ツ テ新
答 荒 畑 ガ 私 ニ コウ 云 フ事 ヲ申 シ マシ タ。 市 川 ノ会 合 ノ時 ニ ハ近
リ マス。
聞 紙 ヲ火 鉢 デ燃 シ、夫 レデ モ寒 イ ト 云 ツ テ酒 ヲ取 寄 テ飲 ンデ居 リ マ
ス。尚 ホ前 回陳 ベ タ外 ニ検事 ノ処 デ 写真 ヲ見 セラ レテ判 ツ タノ ガ ア
四問 今 一度 図 面 ヲ書 キ直 ス様 ニ。
シ テ居 ルト 、風 呂 ヘ這 入 ツ テ居 ツ タ ノ ヲ連 レ テ来 、 ソウ 云 フ様 ナ次
シ タガ 、 其 間 ニ何 処 ニ行 ツタ ノ カ姿 ガ見 ヘナ ク ナ ツ テ仕 舞 タ ノデ探
明 カ ナ カ ツタ ト 云 フ事 デ シ タ。
第 デ ア ツ タ モ ノ ダ カ ラ ド ギ マギ シ テ 、 ハ キ 〓
︹ マ マ︺
︹ 此 時 、 判 事 ハ、半 紙 ヲ 一枚 被 告 ニ交 付 シ タ ル ニ、被 告 ハ本 調 書
タ ル図面 ニハ、人名 トシテ 堺、仲宗根、吉川、渡辺、荒畑 、高瀬、 近藤、
シ ナ カ ツ タ カ ラ埒 ガ
ノ末 尾 ニ添 付 ス ル事 ト シタ ル図 面 ヲ作 成 提 出 シ タ リ ︵ 此時提出 シ
田所 ノ ミノ記載 ヲ為 シタリ)︺
ノ方 デ ス。
答 会 議 ノ ア ツタ 日デ ハナイ ノデ ス。夫 レカ ラ暫 ク経 ツテ カ ラ後
一一 問 ソウ 云 フ事 ハ何 時 聞 イ タ ノ カ。
一 二問 近藤 、 荒 畑 等 ノ人 以外 ニ、什 ウ 云 フ人 ガ其 席 ニ集 ツ タ ノデ ア
答 然 ラバ犠 牲 ニナ ツ テ置 キ マシ ヨウ 。
五 問 今 少 シ詳 細 ニ、 知 ツ テ居 ル丈 ノ事 ヲ陳 ベ テ貰 ヒ度 シ。
ニ該 図 面 ニ浦 田 、上 田 、 西 、 野 坂 、杉 浦 ノ名 前 ヲ記 入 シ タ リ︺
ニ、其 席 ニ什 ウ 云 フ連 中 ガ行 ツ タ ノデ ア ツタ カ聞 カナ カ ツタ カ ト 云
一 四問 今 尋 ネ テ居 ル ノ ハ前 ノ話 デ ハナ ク シ テ、会 議 ガ終 ツ テ カ ラ後
答 左 様 デ ス。
イ カ。
一 三問 夫 レ ハ、会 議 ヘ誰 カ行 ク事 ニナ ツ テ居 ルト 云 フ時 ノ話 デ ハナ
答 夫 レ ハ前 ニ申 上 タ筈 デ ス。
ツタ カ。
︹此 時 、被 告 ハ前 記 図 面 ヲ受 理 シ タ ル ニヨリ 、之 レヲ 交 付 シ タ ル
六問 被 告 ハ浦 田 ヲ知 ツ テ居 ル カ。 答 知 ツ テ居 リ マセ ヌ。 七 問 上 田 、 西 ハ什 ウ カ。 答 上 田 、 西 ハ知 ラナ イ ノデ ス。 写真 ヲ見 テ知 ツ タ ノデ ス。 八 問 野 坂 ハ什 ウ カ。 答 野 坂 ハ知 ツ テ居 リ マ ス。 九 問 杉浦 ハ什 ウ カ。
フノ デ ア ル。 答 夫 レ ハ聞 キ マセ ヌデ シタ ガ 、 三月 ノ時 ト同 ジ 様 ナ顔 振 レデ ア ロウ ト思 ヒ マス。
答 其 時 ニ ハ、橋 浦 ハ行 ツ テ居 リ マセ ヌ。
一 五問 橋 浦 ハ三 月 十 五 日 ノ時 ノ会 合 ニ行 ツ テ居 ツ タ ノデ ハナイ カ。
一 六問 市 川 ノ時 ハ什 ウ カ 。 答 夫 レ ハ知 リ マセ ヌ。 一 七問 橋浦 ハ党 ニ加 入 シ テ居 ル事 ハ間 違 ナ イ ノデ ハナイ カ。 答 這 入 テ居 ルダ ロウ ト思 ヒ マス。 一八 問 這 入 テ居 ルダ ロウ ト思 フノ デ ハナ ク シ テ、 実際 這 入 テ居 ルノ
答 夫 レ ハ判 ラ ナイ ノ デ ス。
デ ハナ イ ノ カ。
一 九問 然 ラバ 、 什 ウ 云 フ処 ヨリ這 入 テ居 ルダ ロウト思 フノ カ。 答 橋浦 ノ活動 振 リ デ ソウ思 フノデ ス。 二〇問 党 ヲ組織 シ タ目的 ハ、主 義 ノ宣 伝 及 ビ 実 行 ニア ツタ ノ カ。 答 夫 レ ハ党 ヲ造 ツタ人 ニ御 聞 キ ヲ願 度 イ ノデ ス。私 ハ組 織 者 デ ア リ マセ ヌ カ ラ判 リ マセ ヌ。
答 主義 ノ宣 伝 普 及 デ ア ツ タ ノデ ス。 告
人 吉 川 守 邦
二一 問 然 シ其 党 ガ主 義 ノ宣 伝 及 ビ実 行 デ ア ツ タ ノデ ハナ イ ノ カ。
被
義 雄
裁 判所 書 記 稲 垣 正 二
右 読 聞 セ タ ル処 無 相 違 旨 申 立 署 名 シ タリ 。 同 日於 同 所作 之
予 審 判 事 沼
ク シ テ モ事 件 ガ延 ビ テ卑 怯 ノ様 ダ カ ラ 裏 切者ニ 成 リ、 茲 ニバ ラ ス次 第
列 席 シ テ モシ ナイ ト 云 フ、 相被告 ニ ハ甚 ダ気 ノ毒 ダ ガ、 コン ナ事 ヲ遅 ナリ 廿 三 名 ト記 憶 ス
第五回調書 被
告
人 吉 川 守 邦
ニ於 テ予 審 判 事 沼 義 雄 ハ裁 判 所 書 記 稲 垣正 二 立 会 ノ上前 回 ニ引 続 キ
右 治 安 警 察 法 違 犯 被 告事 件 ニ付 大 正十 二年 七 月 二日 東 京 地方 裁 判 所
一問 西 雅 雄 ハ写 真 ヲ見 テ知 ツタ ト 云 フ ノデ ハナ ク シ テ前 カ ラ知 ツ
右 被 告 人 ニ対 シ訊 問 ヲ為 ス コト左 ノ如 シ。
テ居 ルノデ ハナイ ノカ。 答 実 ハ前 カ ラ知 ツ テ居 タ ノデ ス。 二問 上 田 茂 樹 モ前 カラ知 ツ テ居 タ ノデ ハナ イ ノカ。 答 知 ツ テ居 リ マシタ。
答 其 処 ヘ ハ行 カナ イ ノデ ス。
三 問 市 川等 ノ会 合 ノ時 ニ被 告 モ行 ツ タ ノデ ハナ イ ノ カ。
四 問 行 ツ タト 云 ヘバ 又名 前 ヲ 云 ハナケ レバ ナ ラ ヌト 云 フ様 ナ処 カ
答 ソ ンナ事 ハナ イ ノデ ス。 実 際行 カ ナイ ノデ ス。
ラ隠 シ テ居 ルノ デ ハナ イ カ。
カ ラ聞 イ テ居 ルノデ ハナ イ カ。 夫 レデ ハ陳 ベ テ ハ什 ウ カ。
五問 然 ラバ行 カ ナ イ ト シ テ モ其 処 ヘ行 ツタ連 中 ノ名 前 ヲ後 ニ荒畑
答 堺利 彦 、高 津 正 道 、 近藤 栄蔵 、 佐野 学 、荒 畑 勝 三ガ行 ツタ ト 云 フ事 ヲ荒畑 カ ラ聞 キ マシ タ。 六問 何 時 聞 イ タ ノ カ。
ス 。
答 私 ノ自 宅 デ ス。
八問 何 処 デ聞 イ タ ノ カ。
答 左様 デ ス。
九問 荒 畑 ガ来 タ ノ カ。
答 其 時 、誰 カ来 タ ト思 ヒ マス。夫 レデ聞 キ マセ ヌデ シ タ。
一 〇問 荒 畑 カ ラ其 時 、 会 議 ノ内 容 ニ付 テ詳 シク聞 イ タ ノデ ハナ イ カ。
一一 問 市 川 ノ 一直 園 ノ女 中 ハ、 検事 ノ取 調 ニ対 シ此 様 ニ陳 テ居 ルガ 、
之 等 女 中 ガ 写真 ヲ見 テ陳 ベ テ居 ル人 々 ノ中 デ 、尚 ホ被 告 ノ陳 ベ タ六
名 以外 ニ行 ツ タ人 ヲ聞 イ テ知 ツ テ居 ルノデ ハナイ カ。
ノ各 聴 取 書 ヲ読 聞 シ タ リ︺
︹ 此 時 、竹 内 太 マ、 木村 と め 、梅 川 フ ク 、大 谷 ツ ル ニ対 ス ル検 事
被
告
人 吉 川 守 邦
答 今 申 シ タ以 外 ノ人 ハ、行 ツタ カ什 ウ カ知 リ マセ ヌ。
同 日於 同 所作 之
被
告
義 雄
人 吉 川 守 邦
予 審 判 事 沼
裁 判 所 書 記 稲 垣 正 二
右 読 聞 シタ ル処 無相 違 旨 申 立 署 名 シタ リ。
第六回調書
右 治 安 警 察 法違 犯被 告 事 件 ニ付 、大 正 十 二年 八 月 一日 東京 地方 裁 判
キ右 被 告 人 ニ対 シ訊問 ス ル コト左 ノ如 シ。
所 ニ於 テ予 審 判事 沼 義 雄 ハ裁 判 所 書 記 稲 垣 正 二立会 ノ上前 回 ニ引 続
答 前 回御 話 シ タ通 リ、 近藤 ガ酒 ヲ飲 ミ マシ タト 云 フ事 ヲ聞 イ タ
七問 何 時 聞 イ タ ノ カ。
一問 被 告 ガ知 ツ テ居 ル丈 ケ ノ事 ヲ此 際 サ ラケ 出 シ テ ハ什 ウ カ。
時 ニ、 一緒 ニ聞 イ タ ノデ ス。
答 前 ニ陳 ベ マシ タ通 リ、 日 ハ忘 レ マ シタ ガ、 会 合 ノ ア ツタ後 デ
ケ聞 イ テ居 ルノデ ス。
八問 然 シ川 崎 ガ居 ルノデ ア ル ナ ラ、炭 抔 ハ 一 一被 告 ノ処 ヘ貰 ヒ ニ
答 什 ウ云 フ事 ヲ御 話 シ テ ヨイ ノ カ ヨ ク判 リ マセ ヌ。 二問 是 レ マデ度 々尋 ネ テ居 ツ タ ノデ ア ル カラ 、其 尋 ネ テ居 ツ タ点
来 ル必要 ハナ イ ノデ ハナイ カ。
答 一ゼ ン飯 屋 デ 食 ツ テ居 ツタ ノデ ス。何 シ ロ、寝 ル時 ニ ハ新 聞
九問 然 ラ バ御 飯 等 ハ什 ウ シ テ居 ツタ ノ カ。
答 貰 ヒ ニ来 テ居 タ ノデ ス。
ニ付 テ是 マデ被 告 ガ陳 ベ ナ カ ツ タ点 ヲ サ ラケ 出 シ テ貰 ヘバ ヨイ ノデ ア ル。 答 然 シ何 カ尋 ネ テ載 ク ト、 其 刺戟 ニヨ ツ テ思 ヒ出 ス事 モア リ マ
一 〇 問 市 川 ノ弟 ノ 、市 川 義 雄 ハ、 前 ニ ハ顔 ニ髯 ガ 一杯 生 ヘテ居 ツ タ
紙 ヲ着 テ寝 ルト 云 フ様 ナ状 態 デ ア ツタ ノデ ス。
スガ 、私 ノ方 カ ラ何 ヲ 云 ツ テ ヨイ カ 一寸 判 リ兼 ネ マ ス。 三 問 三 月十 五 日 ノ会 合 ノ席 ヘ、市 川 正 一ガ行 ツ テ居 ツ タ ノデ ハナ
答 私 ハ市 川 正 一ト 云 フ人 ヲ知 ラナ イ ノデ ス。
イ カ。
一一 問 三月 十 五 日 ノ会 合 ノ時 ニ、顔 ニ髯 ガ 一杯 生 ヘテ居 ル人 ガ 来 テ
答 私 ハ市 川 ニ会 ツ タ事 ガ ナイ ノデ知 リ マセ ヌ。
ノデ ハナ イ ノ カ。
タ。
此 間 、 一寸 此 方 デ市 川 ヲ見 マシ タガ 、 アノ人 ハ来 テ居 リ マセ ヌデ シ
居 ツタ ノデ ハナイ カ。
答 顔 ニ髯 ダ ラ ケ ノ人 ガ来 テ居 リ マシ タ。
アウ ユウ痩 形 ノ人 ハ来 テ居 リ マセ ヌデ シタ 。
答 サ ー、 ソ レ ハ判 カリ マセ ヌ。
一 二問 夫 レナ ラ市 川 義 雄 デ ハナイ カ。
四問 被 告 ハ市 川 正 一ノ弟 ヲ知 ツ テ居 ル カ。 答 名 前 ハ聞 イ テ居 リ マシ タガ 、会 ツタ事 ハア リ マセ ヌ。 私 ノ裏
一 四 問 被 告 人 ノ立 場 ト シ テ 云 ヒ難 イ事 ハ勿 論 察 シ ハス ルガ、 先 程 モ
マセ ヌデ シ タ。
答 其 時 ハ編 笠 ノ中 カ ラ見 、 且 私 ハ近 眼 デ アリ マ スカ ラ ヨク判 リ
然 シ ヨク見 レバ大 抵 判 リ ソ ウナ モ ノト思 フガ什 ウ カ。
一 三問 然 シ髯 ガ ア ルト無 イ ノト デ 人 相 ガ非 常 ニ違 フカ モ知 レ ヌガ、
デ シタ カラ其 人 ダ ト 云 フ事 ハ判 カ リ マセ ヌデ シタ。
此 間 、検 事 局 ノ廊 下 デ 市 川 ノ弟 ヲ見 マシ タガ 、顔 ニ髯 ガ ア リ マセ ヌ
ヘ時 々来 マスノ デ名 前 ハ聞 イ テ居 リ マスガ 、会 ツタ事 ハナ イ ノデ ス。
答 左 様 デ ス。
五問 被 告 方 ノ裏 ト 云 フ ノ ハ、 川崎 ノ家 ノ事 カ。
答 ソウデ ス。 其 時 ニ市 川 ガ 来 テ居 ルト 云 フ事 ヲ聞 イ タ ノデ ス。
六問 川 崎 ノ処 ニ出 版 従 業員 組 合 ガ ア ツ テ、其 処 ヘ来 テ居 ツ タ ノ カ。
七問 其 処 ヘ市 川 ガ来 レバ 、 何 故 ニ市 川 ガ来 タ ト 云 フ テ被 告 ノ処 ヘ
答 私 ノ裏 ニ出 版 従 業 員 組 合 ノ事 務 所 ガ ア リ マシ テ、 其 処 カ ラ炭
申 シタ 通 リ知 ツ テ居 ル丈 ケ ノ事 ヲ サ ラケ 出 シ テ仕 舞 ヒ、事 件 ノ真等
報 告 ガ ア ル ノ カ。
デ ア ルト カ御 湯 デ ア ルト カ貰 ヒ ニ来 ル ノデ ス。夫 レデ 今 誰 レガ 来 テ
ヲ得 ル様 ニシ テ貰 ツ タ方 ガ ヨイ ト思 フ ガ什 ウ カ 。
︹マ マ ︺
居 ルノ デ ア ルカ ト聞 ク ト、市 川 ガ来 テ居 ルト 云 フ様 ナ事 カ ラ名前 丈
答 ソ レデ ハ申 シ マス。 三月 十 五 日 ノ会 合 ノ時 来 テ居 ツ タ ノ ハ市 川 ノ弟 デ ス。 一 五問 ド ノ辺 ニ席 ヲ占 メ テ居 ツ タ ノカ。 答 田所 ト浦 田 ト ノ間 ニ居 リ マシタ。 一 六問 橋 浦 ハ矢 張 リ其 時 ニ来 テ居 ツタ 居デ ハナ イ ノ カ。 答 橋 浦 ハ来 テ居 リ マセ ヌ。 一 七問 荒井 ハ什 ウ カ。 答 荒井 モ来 テ居 ナ カ ツ タ ト思 ヒ マス。 一 八問 何故其 様 ニ思 フノ カ。
答 仲 宗 根 ガ其 時 書 イ テ居 ル様 デ アリ マ シタ シ、 筆 ノ立 ツ書 記 ヲ
二二問 什 ウ シ テ ソ レガ 判 ル カ。
ヤ ル様 ナ人 ハ、 ア ノ時 ノ様 子 カ ラ見 テ仲 宗 根 カ高 津 デ ア ロウト思 フ ノデ ス。
二三問 ﹁G ・S﹂ ト ア ル ノ ハ、 堺 ノ事 デ ア ロウ。
答 ソウ ダ ロウ ト思 ヒ マス。
二四問 思 フデ ナ ク シ テ、 堺 デ ア ルナ ラバ堺 ダ ト申 シ テ ハ什 ウ カ。
答 堺 ノ名 前 ガ其 中 ニ載 ツ テ居 リ マセ ヌ カ。
中 ニ荒畑 君 ノ事 ハ荒 畑 ト名 前 ガ載 ツ テ居 リ マス カ。
答 荒 畑 君 ガ ︹ヂ ー ・エ ス﹂ デ ア ツ タ事 モ アリ マスガ 、議 事 録 ノ
二五問 ﹁G ・S﹂ ト書 イ テ ア ル ノデ ア ル。
二六問 荒 畑 ハ荒 畑 ト載 テ居 ル。
答 荒 井 ハ佐野 君 ノ書 生 デ ア リ マ スカ ラ二 人 ガ来 ル様 ナ事 ハ無 カ ロウト 思 ヒ マス。
二七問 ︹ヂ ー ・ エス﹂ ト 云 フノ ハ、党 ノ主 脳 者 ノ事 カ。
答 ソ ウ ス ルト ﹁ヂ ー ・エ ス﹂ ハ堺 ノ名 デ ス。
一 九問 荒 井 ハ佐野 ノ書生 カ。 答 左 様 デ ス。荒 井 ハ佐 野 ノ文 書 係 リ ヲ シ テ居 ツタ ト 云 フ事 ヲ警 視 庁 デ 聞 イ タ ノデ ス。
答 ソ ウデ ス。
シテ単 ニ綱 領 起 草 委員 ト 云 フ様 ナ関 係 デ列 席 シ タ人 ガ ア ル ノ カ。
三月 十 五 日 ノ会 合 ニ列席 シタ ト ノ事 デ ア ル ガ、 其 外 ニモ幹 部 デ ナ ク
二八問 野 坂 ノ云 ツ テ居 ル処 ニ ヨル ト、 野 坂 ハ綱 領 ノ起草 委員 ト シ テ
マセ ヌ。
答 私 ハ田 代 ト 云 フ人 ハ知 リ マセ ヌ カ ラ来 テ居 ツ タ カ什 ウ カ知 リ
二〇問 田 代 ハ什 ウ カ。
二一 問 此 議 事 録 ノ文 字 ハ、 一番 最 初 ノ議 ノ 一部 ト臨 時 雇書 記 ト記 載
尤 モ細 胞 ハ 一人 デ モ細 胞 ヲ為 ス事 ガ ア リ マ ス。初 メ 四、五 人 カ ラ成
答 野 坂 君 ハ綱 領起 草 委 員 兼 細 胞 代 表 者 デ ス。
デ ア ルガ 、其 初 メ ノ分 ト 、 臨時 雇 書記 ノ分 ト ハ誰 ガ書 イ タ ノデ ア ロ
シ テ ア ル処 カ ラ以 下 二枚 許 リ ト其 他 ノ部 分 ノ文 字 ト ガ違 ツ テ居 ル様
ウ カ。
人 ノ細 胞 デ ア ツ タト 思 ヒ マス。 兎 ニ角 アノ時 ノ会 合 ニ ハ、 執行 委員
ガ 一人 ニナ ツ テ仕 舞 フ事 ガ ア ル ノデ ス。野 坂 君 ノ ハ、 多 分 野 坂 君 一
ル様 ナ事 ガ ア レバ 、其 細 胞 ノ中 カ ラ援 ケ ル事 ニナ リ マ スノデ其 細 胞
リ立 ツ テ居 ツ テ モ、其 人 ガ職 業 ヲ変 ヘルト カ、 他 ヘ移 転 スルト カ ス
︹ 此 時 大 正十 二年 押 第 七 七 四 号 ノ三 ヲ示 ス︺ 答 最 初 ノ分 ハ、仲 宗 根 ダ ロウト思 ヒ マヒ。 臨 時 雇 書 記 ノ分 ハ高 津 デ ア ロウ ト思 ヒ マ ス。
ト細 胞 ノ代 表者 等 ノ幹 部 ノ外 列 席 シ テ居 ラナ イ ノデ ス。 尚 ホ綱 領 起 草委 員 ハ佐 野 、野 坂 、 渡 辺 ( 満 三)、杉 浦 、荒 畑 、 高 津 ノ
カ ラ佐 野 ヲ除 イ テ五人 ニ シ、 夫 レデ 決 ヲ取 ル事 ニ シタ ノ ダ ガ 、夫 レ
六 人 デ ア ツ タ為 メ ニ議 論 ガ岐 カ レテ決 ヲ取 ツタ 時 二 、三人 宛 ニ ナ ル
デ モ尚 ホ議 論 ガ出 テ纏 マラナ カ ツタ ト 云 フ事 ヲ聞 キ マシタ。 尤 モ人
三六問 然 ラ バ何 故 行 ツ タト 思 フ ノ カ。
答 橋 浦 ハ、古 イ前 カ ラ ノ幹 部 デ ア ルト聞 イ テ居 リ マ スカ ラデ ス。
答 前 ノ暁 民 共 産 党 ノ幹 部 ノ事 デ アリ マ ス。
三七問 古 イ前 カ ラ ノ幹 部 ト 云 フ ノ ハ何 カ。
ンデ モ其 時 ハ伊 太利 共 産 党 ト 云 フ名 デ 規約 ヲ拵 ヘ テ居 ツ タ ト 云 フ事
答 堺 、荒 畑 、近 藤 、 高 津 、 山 川 ト橋 浦 ダ ト聞 イ テ居 リ マス。何
三八問 其 時 ノ幹 部 ハ誰 カ。
デ ス。
ノ顔 振 レ抔 ハ違 フ カ モ知 レ マセ ヌカ ラ其 点 ハ野 坂 君 カラ聞 イ テ貰 度 イ ノ デ ス。
四〇問 橋 浦 ト被 告 ト ハ懇 意 ノ間 柄 カ。
ラ聞 イ タ ノデ ス。
答 誰 カ ラ聞 イ タ ト 云 フ事 ハ申 シ兼 ネ マスガ 、兎 ニ角 確 カ ナ処 カ
三九問 誰 カ ラ聞 イ タ ノ カo
二九問 其 話 ハ何 時 聞 イ タ カ。 答 三月 十 五 日 ノ会 合 ノ席 デ聞 キ マシ タ。 三〇 問 誰 レカ ラ聞 イ タ カ。 答 誰 レカ ラデ ア ツ タ カ判 ツキ リ シ マセ ヌ。 三一 問 綱 領 起 草 委 員 ハ何 時決 マツタ ノ カ。
答 ソ ウデ ス。
ノ カ。
四一 問 然 ラバ橋 浦 カ ラ 二月 四 日 ノ会 合 ノ事 ヲ聞 イ テ居 ルノデ ハナイ
答 ︹ヂ ー ・エ ス﹂ ガ指 名 シタ ソウデ 、何 ンデ モ十 五 日 ノ 日 ニ決 ツ タノ デ ハ間 ニ合 ハヌト 云 フ ノデ其 前 ニ決 メ タト 云 フ事 デ ス。
ク知 リ マセ ヌ。
答 其 中 ノ役 ヲ持 ツ テ居 リ マシ タ ガ、何 部 デ ア ツタ カ 、夫 レ ハ ヨ
タ ノデ ハナイ カ。
四四問 橋 浦 ハ、政 治 部 ト カ労 働 部 ト カ云 フ様 ナ部 ノ役 員 ヲシ テ居 ツ
答 ソ ウダ ト思 ヒ マス。
四三問 橋 浦 ハ今 度 ノ共 産 党 ノ 一員 カ。
答 本 当 デ ス。
四二問 本 当 ニ被 告 ハ、 二月 四 日 ニ市 川 ヘ行 カ ナ カ ツタ ノ カ。
答 聞 キ マセ ヌ。
三二問 二 月 四 日 、市 川 デ ノ会 合 ニ被 告 モ行 ツ タ ノデ ハナ イ ノカ。 是 レ迄 行 カナ イ ト 云 フ事 デ ア ツ タガ 、行 ツタ ト 云 ヘバ 又 其時 ノ事 ヲ聞 カ レ ルノ デ隠 シ テ居 ル ノデ ハナイ カ。 答 左様 デ ハア リ マセ ヌ。市 川 ヘ ハ行 カ ナ カ ツ タ ノデ ス。 三三問 橋 浦 ハ市 川 ノ会 合 ヘ行 ツ タノ デ ハナ イ カ。 答 行 ツタ ロウ ト思 ヒ マス。 三四問 本 人 カ ラ其 事 ヲ聞 カ ナ カ ツタ カ。 答 本 人 カ ラ ハ聞 キ マセ ヌ。 三五問 荒 畑 カ ラ聞 カ ナ カ ツ タ カ。 答 荒 畑 カ ラ モ聞 キ マセ ヌ。
四五問 懇意 ノ間柄 デ ア ルカ ラ明 瞭 ニ ハ云 ヒ難 イ事 ハ察 ス ルガ、 度 々
答 出 版 従業 員 ノ組 合 ヲ、 橋 浦 ト市 川 ト デ拵 ヘテ其 方 面 デ 働 イ テ
云 フ通 リ有 リ ノ儘 サ ラ ケ出 シ テ ハ什 ウ カ。
居 リ マス カラ党 ノ 一員 デ ア ルト 思 ヒ マス。 四六 問 思 ヒ マ スデ ハナ ク、 兎 ニ角 党 ノ役 員 ヲ勤 メ テ居 ルト 云 フ事 デ
答 私 ハ、 一員 デ ア ルト思 フ ノデ ス。
ア レバ 、 一員 タ ル事 ハ問 題 ノ無 イ事 デ ハナ イ カ。
四七問 出 版 従 業 員 組 合 ヲ拵 ヘテ働 イ テ居 ルト 云 フ事 ガ、何 故 党 ノ 一 員 タ ル事 ガ起 ル原 因 ト ナ ル ノ カ。 答 主 義 ノ宣 伝 ト思 フ カ ラデ ス。 四 八問 二 月 四 日 ノ市 川 ノ会合 ニ橋 浦 ガ行 ツタ ナ ラ バ、 何 故 三 月十 五 日 ノ会 合 ノ時 ニ行 カ ナ カ ツ タ ノデ ア ロウ カ。 答 其 時 ハ妻 君 ガ病 気 デ ア ツ タカ ラ デ ア ロウト 思 ヒ マス。
答 私 モ其 様 ニ思 フノ デ ス。
五一 問 英 国 共産 党 ト 云 フ名 デ 党 規 ガ出来 テ居 ルト 云 フ事 ヲ聞 カ ナ カ
告
告
人 吉 川 守 邦
義 雄
人 吉 川 守 邦
予 審 判 事 沼
裁 判 所 書 記 稲 垣 正 二
被
答 夫 レ ハ聞 キ マセ ヌ ガ夫 レ ニ違 イ アリ マセ ヌ。遺 ツ テ居 ツ タ仕
ツタ カ 。
署 名 シタ リ 。
事 ガ此 ノ党 規 ノ 通 リデ ア リ マス。
右 読 聞 ケ 云ゝ
同 日於 同 庁 作 之
第七回調書
被
一問 共 産 党 ノ成 立 ガ判 カ ツ テ居 ル以 上 、 夫 レガ 何 日 成 立 シタ カト
略 被 告 人 ニ対 シ訊問 ヲ為 ス コト左 ノ如 シ。
前 同 一事 件 ニ付 キ、 大 正十 二年 八月 四 日東 京 地 方 裁 判 所 ニ於 テ 中
云 フ事 ヲ極 メ ル ノ ハ事 件 ノ真 相 ヲ明 カ ニ カル所 以 デ ア ル カ ラ此 際 其
四九問 前 ノ暁 民 共 産 党 ノ時 ニ、伊 太 利 亜 共 産 党 ト 云 フ名 デ規 約 ヲ作 ツタ ト 云 フ事 デ ア ルガ 、 今度 ノ共産 党 ノ規 約 ハ此 ノ様 ニ英 国 共産 党
四 問 ソウ思 フ ニ付 テ ハ、 何 カ根拠 ガ ア ルデ ア ロ ウ。真 実 ノ事 ヲ陳
タ モノト 思 ヒ マス。
答 私 ハ実 際 知 ラ ナ イ ノデ スガ 、昨 年 ノ十 一月 カ十 二月 頃 成 立 シ
三 問 実際 知 ツ テ居 ル モノ ナ ラバ 此 際 陳 ベ テ ハ什 ウ カ。
答 誰 レ カ ラ モ聞 キ マセ ヌ。
二問 然 カ シ誰 レカ ラ カ聞 イ テ居 リ ソ ウ ナ モノデ ハナ イ カ。
答 私 ハ実 際 何 時 成 立 シタ ノ カ知 ラ ナイ ノデ ス。
時 機 ヲ陳 ベ テ ハ什 ウ カ。
ノ名 デ出 来 テ居 ル ノデ ハナ イ カ。 ︹ 此 時 前 同 号 ノ 一ヲ示 ス︺ 答 左 様 デ ス。 私 モ其 様 ニ思 フノデ ス。 此 党 規 ハ市 川 ノ会 合 ノ時 ヨリ前 ニ出 来 タ モノデ ス。何 故 ナ ラ バ、 細 胞 ト 云 フ文 字 ヲ此 党規 ニ ハ中 心 ト 云 フ文 字 デ 現 ハシ テ アリ マスカ ラ デ ス。 五〇問 其 党 規 ヲ二 月 四 日 、市 川 ノ会 合 ノ時 ニ之 ニア ル様 ニ改 正 ス ル 事 ニナ ツ タ ノデ ハナイ カ。 ︹ 此 時 前 同 号 ノ二 ヲ示 ス︺
答 実 ハ、荒 畑 寒 村 カ ラ聞 イ タ ノデ ス。 去年 ノ暮 カ ラ ボ ツ〓
ベ テ ハ什 ウ カ 。
マツ テ居 ル今 ノ処 ニ、十 二、三人 ダケ 近 々 ニ、 ト申 シ マシ タ。
集
答 夫 レ ハ、知 ラ ナ イ ノデ ス。
一 三問 然 シ被 告 モ党 規 ヲ見 タ事 ガ ア ル ノデ ハナ イ カ。
答 見 タ事 ハナ イ ノデ ス。 二 月 四 日 ニ行 ツタ連 中 ガ 、其 席 上 デ 廻
ハシ テ見 セ マシタ ノデ セ ウ ガ、 私 ハ其 時 ニ行 キ マセ ヌデ シ タ カ ラ見
一 四 問 其 時 ニ見 ナ イ ト シ テ モ、 三 月 十 五 日 ノ会 合 ノ時 ニ見 ル カ聞 ク
マセ ヌ。
カ シタ ノデ ハナ イ カ。
答 夫 レ ハ、荒 畑 ガ私 ニ モ其 集 リ ニ出 ヨト 云 フ テ勧 誘 シタ時 ノ事
五問 夫 レ ハ、何 時 聞 イ タ ノ カ。
デ 、 一月 ノ末 カ 二月 ノ初 頃 ノ事 デ ス。
答 前 ノ暁 民党 ノ時 ノ党 規 ハ、 伊 太利 亜 ノ名前 ニナ ツ テ居 ルト 云
ナイ カ。
一 七問 党 規 ヲ見 ナ カ ツタ ニ シテ モ、 何 時 カ其 話 ヲ聞 イ テ居 ルノ デ ハ
答 左 様 デ ス。
一 六問 ソウ ス ルト 、被 告 ハ豊 島 館 デ 昼 飯 ヲ食 ベ ナ カ ツタ カ。
デ ス。
答 夫 レ ハ、 私 ニ ハ判 カリ マセ ヌ。私 ハ午 後 ノ 二時 頃 ニ行 ツ タノ
居 ツ タ ノデ ハナイ カ。
一 五問 然 シ会 議 ガ殆 ンド 昼食 ヲ食 ベ テカ ラ創 メ、 其 前 ハ雑 談 ヲ シ テ
報告 ガ ア ツ タ ノ ダ ロウト 思 ヒ マス。
答 私 ハ其 日遅 ク シテ行 キ マシ タ カ ラ知 リ マセ ヌ。 私 ガ行 ク前 ニ
六問 二月 四 日 ヨリ以 前 ノ事 カ。 答 左 様 デ ア リ マ ス。 七問 十 二、三人 ダ ト云 ツ タ其 人 ノ名前 ヲ聞 カ ナ カ ツ タ カ。 答 夫 レ ハ聞 キ マセ ヌ。 八 問 聞 イ タ ノデ ア ロウ 。 答 前 ノ暁 民 共 産 党 ノ連中 ト カ遣 ツテ居 ルト 云 フ事 デ シタ。
答 夫 レ ハ、 十 一、二人 デ シタ。
九 問 前 ノ暁 民 共 産 党 ノ連 中 ト 云 フノ ハ什 ウ ユウ連 中 カ。
答 前 回 陳 ベ マシタ幹 部 ノ連 中 ト、 浦 田 、 仲 宗根 、高 瀬 、川 崎 等
一 〇問 什 ウ 云 フ人 々 カ。
ス 。
ノ連 中 デ ス。 夫 レ ニ西 、 上 田等 モ這 入 ツ テ居 ツ タ ノダ ロウ ト思 ヒ マ
フ事 ハ聞 キ マシタ ガ 、今 度 ノ分 ハ聞 キ マセ ヌ。
デ ハナ イ カ。
一 八問 前 ノガ伊 太利 亜 デ、 今 度 ノガ 英 国 デ ア ルト 云 フ事 ヲ聞 イ タ ノ
ツ マリ、 前 ノ暁 民 共産 党 ノ幹 部 ノ六 人 ノ外 ニ、仲 宗 根 、高 瀬 ガ這 入
一 九問 誰 レカ ラ聞 イ タ ノ カ。
党 ノ検 挙 ノ ア ツタ当 時 ニ聞 イ タ ノデ ス。
答 之 ハ私 ノ想 像 デ スガ 、七 、 八 人 ダ ロウト思 ヒ マス。
一一 問 初 メノ発 企 人 ハ、幾 人 位 デ ア ツ タ ロウ カ。
ツ テ居 ナト思 ハレ ルノデ ス。 ︹ 党規︺ 一 二問 今 度 ノ共 産 党 ノ発 起 ハ、 英 国 共 産党 ノ名 前 デ出 来 テ居 ルト 云
答 伊 太利 共 産 党 ノ名 デ 党 規 ガ 出 来 テ居 ルト 云 フ事 ハ、 前 ノ共 産
フ事 ヲ知 ツ テ居 ルノ デ ハナイ カ。
答 橋 浦 デ ス。
答 左様 デ ス。
二〇問 橋 浦 時 雄 カ。
答 アリ マ ス。 夫 レ ハ橋 浦 君 ノ兄 サ ンデ ス。
二一 問 橋 浦 泰 雄 ト 云 フ人 ガ ア ル様 ダ ネ。
二 二問 何 ヲ遣 ツ テ居 ル人 カ。 答 絵 書 キ ダ ロウト思 ヒ マス。 二三問 矢 張 リ同 主 義 ノ人 デ ハナ イ ノ カ。
一 私 ハ是 レ マデ 本 年 三 月 十 五 日 ノ石 神 井 豊 島 館 ノ会 合 ノ席 上 ニ
二 是 レ マデ述 ベ タ所 デ ハ、仲 宗 根 ト佐 野 ト ノ間 ニ、 二 人知 ラ ヌ
於 ケ ル人 々 ノ名 前 ヲ記憶 シ テ居 ル者 ヲ大 抵 述 ベ タ積 リデ アリ マス。
人 ガ居 ツ タ様 ニナ ツ テ居 リ マス。
其 二人 ノ内 一人 ハ、商 人風 ノ角 帯 ヲ締 メ タ和 服 姿 デ 、 大 阪弁 ノ人 デ 、
腮ニ疎 ナ髯 ヲ少 シ生 ヤ シ テ居 リ 、大 阪 弁 ガ相 当 ニ耳 障 リ ニ聞 ヘタ人 デ ア リ マシ タ。
今 一人 ノ人 ハ洋 服 姿 デ 、赤 イ手 提 鞄 ニ肱 ヲ附 イ テ居 ル所 ヲ見受 ケ マ
シ タ カ ラ旅 行 帰 リ ノ人 ノ様 ニ思 ハレタ ノデ 旅 行 帰 リ ノ様 ナ人 デ ア ツ タト 思 ヒ マス。
答 左様 デ ナイ ト思 ヒ マス。 二 四問 英 国 共 産 党 ノ名 デ 今度 ノ党 規 ガ出 来 テ居 ルト 云 フ事 ハ知 ツ テ
ソ レ故 是 レ マデ ハ右 様 ニ二人 ノ人 ノ風 彩 ヲ述 ベ テ居 リ マシ タ。
三 併 シ、右 ノ 二人 ノ内 商 人 風 ノ和 服 姿 ノ人 ハ、 大 阪 ノ辻 井 民 之
居 ルノ デ ハナイ カ。
答 本 年 ノ三 月 十 五 日 ノ会 合 ノ ア ツ タ ヨリ ノ後 ノ事 デ スガ、 私 ガ
シタ事 ヲ覚 エ テ居 リ マ ス。 其 際 辻 井 ト 口 ハ利 キ マセ ヌデ シタ ガ 、同
助 ト 云 フ人 デ ア リ マ ス。 私 ハ以前 辻 井 ト 云 フ人 ニ東 京 デ 一回出 会 ハ
陳 ベ テ ハ什 ウ カ。
誰 カ ニ党 規 ヲ見 度 イ ト 云 フ話 ヲシ タ ラ、 其 時 今度 ノ党 規 ハ英 国 共 産
行 ノ人 カラ彼 レガ辻 井 デ 、 大 阪 ノ人 デ 、労 働 運動 ヲ シ テ居 リ 、 子供
雑 誌 ノ上 デ辻 井 民 之 助 ト 云 フ人 ノ書 イ タ モ ノ ヲ見 タ事 ガ ア ルノ デ、
党 ノ名 デ 出 来 テ居 ラト 云 フ事 ヲ聞 キ マシ タガ其 人 ハ誰 レデ ア ツ タ カ
人 吉 川 守 邦
ガ 沢 山 アツ テ生 活 ニ困 ツ テ居 ル ト 云 フ様 ナ事 柄 ヲ聞 キ マシタ 。私 ハ 告
辻 井 ト 云 ハレ タ丈 ケ デ辻 井 民 之 助 ダト 合 点 シ マシ タ。
ノ名前 ヲ出 スト 云 フ事 ハ家 族 ニ対 シ テ気 ノ毒 デ モ ア リ 、 且 又 一、二
私 ハ辻 井 ガ子 供 ヲ沢 山 持 ツ テ居 ル事 ヲ聞 イ テ居 リ マ ナタ カ ラ、 同 人
其 辻井 ガ 三月 十 五 日 ノ会 合 ニ来 テ居 タ ノデ ス。
義 雄
予 審 判 事 沼
吉 川 守 邦
四 右 様 ニ辻 井 ガ来 テ居 タ事 ハ間違 アリ マセ ヌ。
ヘカ ラ実 ハ其 名 前 ヲ顕 ハサ ナ カ ツ タ ノデ ア リ マ ス。
回 シ カ会 ハヌ私 カ ラ辻 井 ノ事 ヲ云 ツ タ ノ モ余 リ 面白 クナ イ ト 云 フ考
裁 判 所書 記 稲 垣 正 二
被
覚 エテ居 リ マセ ヌ。
署 名 シタ リ。
同 日於 同 所作 之
右 読 聞 ケ云ゝ
聴 取 書
右 者 大 正 十 二年 八 月七 日本 職 ニ対 シ左 ノ通 リ任 意 陳 述 ヲ為 シ タリ 。
其 隣 リ ニ居 タ洋 服 ノ男 ハ、是 レ ハ全 ク初 対 面 ノ人 デ アリ マシタ ガ 、 リ マ ス。
デ ハ、 仲宗 根 ト佐 野 ト ノ間 ニ、 二人 知 ラ ヌ人 ガ居 ツタ様 ニナ ツ テ居
腮ニ疎 ナ髯 ヲ少 シ生 ヤシ テ居 リ、 大 阪 弁 ガ非 常 ニ耳 障 リ ニ聞 エタ人
其 二 人 ノ中 一人 ハ、商 人 風 ノ角 帯 ヲ締 メ タ和 服 姿 デ 、大 阪 弁 ノ人 デ 、
録 ヲ見 セ ラ レ マシタ 。其 議 事 録 中 ニ小 岩 井 ト云 フ名 前 ガ アリ マシタ
ル処 ヲ見受 ケ マシタ カ ラ旅 行 帰 リ ノ人 ノ様 ニ思 ハレタ ノデ 、 旅 行帰
デ ア リ マシタ 。今 一人 ノ人 ハ洋服 姿 デ 、赤 イ手 提 鞄 ニ肱 ヲ付 イ テ居
ハ考 ヘテ居 リ マシタ 。所 ガ警 視 庁 ガ予 審 デ 三 月 十 五 日 ノ会 合 ノ議 事
カ ラ辻 井 ノ隣 ニ居 タ人 ハ、或 ハ其 小 岩 井 ト 云 フ人 デ ハ無 イ カ ト私 ハ
常 ニ辻 井 ト 一緒 ニナ ツ テ居 リ マシ タ カ ラ同 方 面 ノ同 行者 デ ア ルト私
考 ヘテ居 リ マス。 小岩 井 ト 云 フ人 ハ、 岡 山 ノ争議 ノ事 件 デ名 前 ヲ知
リ ノ様 ナ人 デ アツ タ ト思 ヒ マシ タ。 夫 レ故 之 レ マデ ハ右 様 ニ二人 ノ
人 ノ風 彩 ヲ陳 ベ テ居 リ マシ タ。
人 デ ア リ マス。
然 シ右 ノ二人 ノ中 商 人 風 ノ和 服 姿 ノ人 ハ、 大阪 ノ辻 井 民 之 助 ト 云 フ
五 御 示 シ ノ写真 ハ、辻 井 ノ写 真 デ ア ル カ什 ウ カ断 言 ハ出 来 マセ
リ マシ タ。関 西 方面 ノ人 ダ ト思 ツ テ居 リ マシタ。
ヌ。 先 程 述 ベ タ腮髯 ガ其 写真 ニ ハア リ マセ ヌ シ、鼻 カ ラ上 ガ其 写真
吉 川 守 邦
ス。其 際 辻 井 ト 口 ハ利 キ マセ ヌデ シタ ガ 、同 行 ノ人 カ ラ彼 レガ辻 井
ツ テ居 ルト 云 フ様 ナ事 柄 ヲ聞 キ マシタ 。
デ 、 大 阪 ノ人 デ、 労 働 運 動 ヲ シ テ居 リ 、 子供 ガ沢 山 ア ツ テ生 計 ニ困
私 ハ雑 誌 ノ上 デ辻 井 民 之 助 ト云 フ人 ノ書 イ タ モノ ヲ見 タ事 ガ ア ル ノ
デ 、辻 井 ト 云 ハレ タ丈 デ 辻 井 民 之 助 ダ ト合 点 シ マシ タ。 事 黒 川
回 シカ会 ハヌ私 カ ラ辻 井 ノ事 ヲ云 フノ モ余 リ面 白 ク ナイ ト 云 フ考 ヘ
渉
私 ハ以前 其 辻 井 ト 云 フ人 ニ東 京 デ 一回出 会 ハシタ事 ヲ覚 エテ居 リ マ
デ ハ ハツ キリ致 シ テ居 リ マセ ヌ カ ラデ ス。併 シ鼻 カラ下 ノ 口許 ノ辺
署 名 シ タ リ。
︹此 時 大 正 十 二年 押 第 七 七 四 号 ノ五 二 ノ 一ヲ示 シタ リ︺
ハ、 其 写 真 ハ辻 井 ニ非 常 ニ能 似 テ居 リ マス。
右 捺 印 シ読 聞 ケ 云ゝ 右 同 日 於 東 京 地 方 裁 判 所 検事 局
検
裁 判 所 書 記 曾 原 栄 三
其 辻 井 ガ 三月 十 五 日 ノ会 合 ニ来 テ居 タ ノ デ ス。
右 前 同 一事 件 ニ付 、 大 正 十 二年 八 月 十 日東 京 地方 裁 判 所 ニ於 テ前 同
カラ実 ハ其 名 前 ヲ顕 ハサ ナ カツ タ ノデ ア リ マ ス。
私 ハ辻 井 ガ子 供 ヲ沢 山 持 ツ テ居 ル事 ヲ聞 イ テ居 リ マシ タ カ ラ、 同 人
ノ名 前 ヲ出 スト云 フ事 ハ家 族 ニ対 シテ気 ノ毒 デ モ ア リ、 且 又 一、二
一判事 裁 判 所 書 記 列 席 ノ上 云 々。
右様 ニ辻 井 ガ来 テ居 タ事 ハ間違 アリ マセ ヌ。
第 八回 調 書 人 吉 川 守 邦
一問 被 告 ニ対 スル八 月 七 日附 検事 ノ聴 取 書 ニ ヨ レバ ︹私 ハ是 レ マ
其 隣 ニ居 タ洋 服 ノ男 ハ、是 レ マデ全 ク初 対 面 ノ人 デ ア リ マシタ ガ、
告
デ 本年 三 月十 五 日 ノ石 神 井 豊 島 館 ノ会 合 ノ席 上 ニ於 ケ ル人 々 ノ名 前
常 ニ辻 井ト 一緒 ニナ ツ テ居 リ マ シタ カ ラ、 同 方 面 ノ同 行者 デ ア ルト
被
ヲ記憶 シ テ居 ル者 ヲ大 抵 陳 ベ タ積 リ デ ア リ マス。 是 レ ニテ述 ベ タ所
答 知 リ マセ ヌ。
七 問 関 東 鉄 工組合 ノ幹 部 ニ、山 本 懸 蔵 ト 云 フ人 ガ ア ル様 デ ア ルガ 、
私 ハ考 ヘテ居 リ マシ タ。 所 ガ警 視 庁 ガ予 審 デ 、 三 月 十 五 日 ノ会 合 ノ議 事 録 ヲ見 セ ラ レ マシタ 。
其 人 デ ハナ カ ロウ カ。
答 知 リ マセ ヌ。
被
告
人 吉 川 守 邦
一六 問 議 事 録 ニアイ ・ヂー (I ・G) ト ア ル ノ ハ誰 ノ事 カ。
答 知 リ マセ ヌ。
一五 問 有 川 ト 云 フ人 ヲ知 ラ ヌ カ。
答 聞 キ マセ ヌ。
一 四問 ソウ ユウ名 前 ヲ聞 カナ カツ タ カ。
[ 原文、 一三問 に対す る答 の欄なし]
一三問 被 告 ハ坂 井 ト 云 フ人 ヲ知 ツ テ居 ルカ。
ア リ マ ス。
答 一寸 思 ヒ出 シ タ カ ラ ソウ申 上 ゲ タ丈 デ 、 別 ニ意 味 ハナ イ ノ デ
一 二問 然 ラバ 何 故 ニ山 本 ト 云 ヘバ 山本 懸 蔵 ノ事 ダ ロウト 思 フ ノ カ。
答 サ ー、 夫 レ ハ什 ウ モ ヨ ク知 リ マセ ヌ。
一一 問 山 本 懸 蔵 ト云 フ人 ハ、 矢張 リ ソウ ユウ様 ナ主 義 ノ人 カ。
答 今一 寸忘 レ マシ タ。
一 〇問 什 ン ナ事 ガ出 テ居 ツ タ カ。
答 新 聞 デ 見 マシ タ。何 カ友愛 会 ノ事 ニ付 イ テ出 テ居 リ マシ タ。
九 問 什 ウ シ テ名 前 ヲ知 ツ テ居 ル ノ カ。
答 名 前 ハ知 ツ テ居 リ マスガ 、人 ハ知 リ マセ ヌ。
八 問 被 告 ハ其 人 ヲ知 ツ テ居 ルノ デ ハナ イ カ。
答 其 人 ダ ロウト 思 ヒ マス。
其 議 事 録 中 ニ小 岩 井 ト 云 フ名 前 ガ ア リ マシ タ カ ラ辻 井 ノ脇 ニ居 ル人 ハ、或 ハ其 小 岩 井 ト云 フ人 デ ハナイ カ ト密 カ ニ考 ヘテ居 リ マス。 小 岩 井 ト 云 フ人 ハ、 岡 山 ノ争 議 ノ事 件 デ名 前 ヲ知 リ マシ タ。関 西 方 面 ノ人 ダ ト思 ツ テ居 リ マシタ。 御 示 ノ 写真 ハ、 辻 井 ノ写 真 デ ア ルカ什 ウ カ断 言 ハ出 来 マセ ヌ。先 程
キ リ致 シ テ居 リ マセ ヌ カ ラデ ス。併 シ 、鼻 カ ラ下 ノ 口許 ノ辺 ハ、其
述 ベ タ腮 髯 ガ此 写 真 ニ ハアリ マセ ヌ シ、鼻 カ ラ上 ガ 其 写真 デ ハ ハツ
写真 ハ辻 井 ニ非 常 ニ能 ク似 テ居 リ マ ス﹂ ト 陳 ベ テ居 ル様 デ ア ルガ 、
答 相 違 ア リ マセ ヌ。
其 通 リ ノ事 実 ニ相 違 ナ イ カ。
答 道 デ ア ツ タ カ、電 車 ノ中 デ ア ツ タ カ、 ド チ ラ カデ ス。 一寸 忘
二問 東 京 デ 一回 辻井 ニ出 会 ツタ ト 云 フ ガ、 何 処 デ 出 会 ツ タカ。
レ マシ タ。 三 問 ア レ ガ辻 井 デ ア ルト 云 ツ テ聞 イ タ同 行 ノ人 ト 云 フ ノ ハ誰 カ。 答 誰 デ ア ツ タ カ、 ヨ ク覚 テ居 リ マセ ヌ。 四 問 被 告 ハ小 岩 井 ト 云 フ人 ヲ知 ツ テ居 ル ノデ ハナイ カ。 答 知 リ マセ ヌ。 五 問 人 ハ知 ラ ヌ ニシ テ モ、 三 月十 五 日 ノ会 合 ノ席 ニ小岩 井 ト 云 フ 人 ガ居 ツ タ事 ハ知 ツ テ居 ルノデ ハナ イ カ。 答 其 席 デ モ小 岩井 ト 云 フ名 前 ハ聞 キ マセ ヌデ シ タ。 六 問 議 事 録 ニ ハ山 本 ト 云 フ名 ガ載 ツ テ居 ル ガ、 山 本 ト 云 フ人 ハ知 ツ テ居 ル カ。
右 読 聞 ケ云 々。 同 日於 同 所作 之
第九 回調 書 人 吉 川 守 邦
義 雄
裁 判 所 書 記 稲 垣 正 二
告
予 審 判 事 沼
被 右 者 前 記 同 一事 件 ニ付 、大 正十 二年 八月 二十 九 日 東 京 地 方裁 判 所 ニ
脇 ヘ来 マ スト、其 ノ人 モ 一緒 ニ其 処 ヘ来 テ、 其 隣 ヘ座 ツタ ノ デ辻 井 ノ連 人 ダト 思 ツタ ノデ ス。
答 確 カ ニ左様 ダ ト申 シ上 ゲ ラ レ マセ ヌガ 、 南 葛 労働 組合 ニ二 ツ
八 問 細胞 ハ何 処 何 処 ニ在 ツタ カ。
ヒ マ ス。
計 リ有 リ、 時 計 工 組 合ニ一 ツカ 二 ツ、尚 印 刷 工 ノ中 ニモ在 ツ タト思
告
人 吉 川 守 邦
答 市 川 ガ遣 ツ テ居 リ マシ タ カ ラ有 ルダ ロウ ト思 ヒ マス。
九 問 出 版 従 業員 組合 ハ什 ウ カ。
答 好 ク判 カ リ マセ ヌ。
一 〇問 鉄 工組 合 ニ ハ什 ウ カ。
於 テ、 予 審 判事 沼義 雄 ハ裁 判 所 書 記 永 井 清 吉 立 会 ノ上 云 々
答 運 動 場 等 ヘ出 テ居 ルノ ヲ見 テ知 ツ テ居 リ マス。
一 二問 時 計 工組合 ノ方 ハ什 ウ カ。
答 夫 レ ハ好 ク判 カリ マセ ヌ。
一 三問 印 刷 工 ノ方 ハ什 ウ カ。
答 夫 レ モ好 ク判 カリ マセ ヌ。
一 四問 地方 ニ於 ケ ル細 胞 ハ什 ウ カ。
答 地方 ノ方 ハ少 シ モ知 リ マセ ヌ。
同 日於 同 庁作 之
右 読 聞 ケ 云 々 署 名 シ タリ。
被
答 杉浦 カ田所 カ、ド チ ラ カダ ト思 ヒ マス。
一一 問 南 葛 労 働 組 合 ノ細 胞 ノ代 表 者 ハ誰 カ。
一問 今 日デ ハ、猪 俣 津 南 雄 ヲ知 ツテ居 ル ダ ローネ 。
二問 議 長 ハ其 猪 俣 ニ違 ヒナ カ ツ タ カ。 答 違 ヒ無 イ ト思 ヒ マス。 三問 小 岩 井 ヲ見 タ カ。 答 此 ノ間 検 事 局 デ 見 マシタ。 四問 其 小 岩 井 ニ違 ヒ無 イ カ。 答 大 体 違 ヒ無 イ ト 思 ヒ マスガ モウ少 シ頬 ノ処 ガ太 ク、 目 ノ ヤサ シイ商 人 風 ノ人 デ 有 ツ タト思 ヒ マ ス。
答 赤 黒 イ 洋 服 ヲ着 テ、 チ ヨ ツキ丈 ケ ハ上 着 ト 違 ツ テ居 リ マシタ。
五問 豊 島 館 ノ会 合 ノ時 ニ、 什 ウ 云 フ服 装 ヲ シ テ居 ツ タ カ。
答 床 ノ上 ニ赤 色 ノ茶 ニ成 ツ テ居 ル鞄 ト洋 傘 ガ置 イ テ有 ツ テ、其
六問 折 鞄 デ モ持 ツ テ居 ナ カ ツタ カ。
前 ニ其 人 ガ居 リ マシ タ カ ラ其 鞄 ハ其 ノ人 ノ物 ダ ト思 ヒ マシタ 。
裁 判 所 書 記 永 井 清 吉
義 雄
予 審 判 事 沼 答 初 メ床 ノ前 ニ居 ツ タ ノデ スガ 、辻 井 ガ其 処 ヲ立 ツ テ仲宗 根 ノ
七問 ソー スル ト小 岩 井 ハ床 ノ前 ニ居 ツタ ノ カ。
第十回調書 人 吉 川 守 邦
一問 被 告 ハ本 年 二月 四 日 ノ市 川 ニ会合 ノ ア ツタ其 日 ノ朝 カ其 日 ノ
被 告 人 川 崎 悦 行 ニ対 シ、
ツ テ行 ツタ ソウデ ハナ イ カ。
前 ノ晩 カ ニ、 吉 川 ノ処 ヘ行 ツ テ其 処 デ 会 合 ガ ア ルカ ラ来 テ呉 レト 云
告
右 前 同 一事 件 ニ付 、大 正 十 二年 十 月 十 三 日東 京 地方 裁 判 所 ニ於 テ予
被
審 判 事沼 義 雄 ハ裁 判 所 書 記 稲 垣正 二 立 会 ノ上 前 回 ニ引続 キ右 被 告 人
アリ マセ ヌ。
私 ハ其 那 会 ニ行 ツ タ事 ガ ナイ ノデ ス カラ 、其 那 事 ヲ 云 フ テ行 ク訳 ハ
答 其 那 事 ハア リ マセ ヌ。
一問 川崎 ガ被 告 ニ会 計 ヲ シ テ呉 レト 云 フ事 デ ア ツタ カ ラ、 被 告 ガ
ニ対 シ訊 問 ス。
会 計 ヲ ス ル ノ ハ嫌 ダ 、寄 附 ナ ラ スルト 陳 ベ テ居 ツタ ノ ニ其 点 ガ間 違
ウ カ。
三 問 然 シ吉 川 ハ、 被 告 ガ其 様 ニ云 フ テ来 タト 云 フ事 デ ア ルガ 、 什
答 其 那 事 ハア リ マセ ヌ。
二問 尚 ホ其 時 、吉 川 ニ会 計 ヲ シ テ呉 レト 云 フタ ノデ ハナ カ ツ タ カ。
会 計 ヲ シ テ呉 レト 云 ツタ ソ ウデ ア リ マシ タ カ ラ、夫 レデ私 ガ会 計 ハ
答 其 話 ハ其 時 ノ話 デ ハナ ク、其 晩 ニ帰 ツ テ来 タ時 ニ誰 カ ヾ私 ニ
ツ テ居 ルト 云 フノ ハ什 ウ 云 フ ノ カ。
御 免 ダ 。 不足 分 ノ幾 分 カ ヲ寄 附 シ テ呉 レト 云 フナ ラ寄 附 ス ルト云 ツ
答 ソウ ユウ事 デ ア レバ吉 川 君 ト会 ハセ テ下 サ イ。
四 問 尚 ホ被 告 ハ、 其 時 吉 川 ニ対 シ、 堺 、高 津 、 近藤 、佐 野 、 荒 畑
タ ノデ ス。 二問 被 告 ガ是 レ マデ川 崎 ノ事 ニ関 シ陳 ベ テ居 ツタ事 ト間 違 ナイ ノ
義 雄
尚 其 会 ノ ア ツ タ晩 、被 告 ガ吉 川 ノ処 ヘ行 ツ テ 、今 帰 ツ タ
答 吉 川君 ハ正 直 ナ人 デ 、 嘘 ヲ云 フ人 デ アリ マセ ヌガ 、什 ウ ユウ
イカ。
五問 然 シ吉 川 ガ、 被 告 ノ云 ハヌ事 ヲ云 フタ ト 云 フ訳 ガ ナ イデ ハナ
答 其 那事 ヲ話 シ タ覚 ハア リ マセ ヌ。
川 ガ 云 フテ居 ルガ、 什 ウ カ。
ト 云 フ事 デ ア リ 、規 約 ノ改 正 ノ事 ヲ議 決 シタ ト 云 フ話 ヲ シタ様 ニ吉
四 ノ 二問
答 其 那事ハ ア リ マセ ヌ。
等 ガ行 ツタ ト 云 フ事 ヲ話 シ タ ソウ デ ハナイ カ。
署 名 シタ リ。
予 審 判 事 沼
裁 判 所書 記 稲 垣 正 二
答 川 崎 ノ ミナ ラ ズ他 ノ人 ノ点 ニ付 テノ 分 モ間 違 ナ イ積 リデ ス。
カ。
右 読 聞 ケ云 々 同 日於 同所 作 之
第 二回 調書
吉 川 守 邦
人 川 崎 悦 行
六 問 被 告 ハ今 度 ノ 地震 ノ際 、 他 ノ仲 間 ノ人 ト皆 一緒 ニナ ツ タ様 デ
訳 デ ソウ ユウ事 ヲ 云 ハレタ ノ カ判 カ リ マセ ヌ。
告
右 前 同 一事 件 ニ付 、大 正 十 二年 十 月 十 三 日 、東 京 地方 裁 判 所 ニ於 テ
同
被
予 審 判 事 沼 義雄 ハ裁 判 所 書 記 稲 垣正 二 立会 ノ上 云 々
答 左 様 デ ス。
ハナ イ カ。
答 私 ハ前 ニ モ申 シ マシ タ通 リ 、其 那会 ヘ全 然 行 ツ タ事 ガ ナイ ノ
一 三問 什 ウ カ。
デ スカ ラ 、其 那 事 ヲ申 ス覚 ガ アリ マセ ヌ。
夫 レデ スカ ラ吉 川 サ ンモ私 ガ死 ンデ仕 舞 ツ テ居 ル ト思 ツ テ、 夫 レデ
タト思 ツ テ居 ツ タ ソ ウデ ア リ マス。
地震 ノ時 ニ皆 ト顔 ヲ合 ハセ タ際 、外 ノ者 ハ私 ガ病 監 デ 死 ンデ仕 舞 ツ
私 ハ病 監 ニ居 リ マシタ ガ 、外 ノ人 ハ皆 畑 ノ方 ヘ遣 ラ レ、私 等 病 監 ノ
私 ガ其 様 ナ事 ヲ 云 フ タ様 ニ云 ハレ タ モノ ダ ロウ ト思 ヒ マ ス。
答 地 震 ガ ア ツ タノデ 皆 広 場 ヘ出 タ時 顔 ヲ会 ハシタ ノデ ス。
七 問 何 日位 一緒 ニ居 ツタ ノ カ。
モノ ハ別 ニ居 ツタ ノデ ス。
ア ル。
一四 問 然 シ吉 川 ガ陳 ベ タ ノ ハ、被 告 ガ未 ダ病 監 ヘ入監 ス ル前 ノ事 デ
八 問 ソ ウ ス ルト 顔 ヲ会 ハセ タ ノ ハ何 時 間位 ノ事 カ。
︹ 此 時 被 告 人 吉 川守 邦 ヲ入 廷 セ シ メ、 吉 川 ニ対 シ︺
ト 云 フ事 デ ア リ マシ タ ガ、 其 点 ヲ今 一度 確 メ テ見 テ下 サ イ。
答 尚 ホ吉 川 サ ンガ 、私 ガ規 約 ノ事 ニ付 テ話 シ タ様 ニ云 フ テ居 ル
答 一時 間位 デ アリ マス。
九 問 被 告 ハ曩 キ ニ、 二 月 、市 川 ニ会 合 ノ ア ツ タ日 ノ朝 デ ア ツ タ カ、 其 前 ノ晩 ノ事デ ア ツタ カ、川 崎 ガ来 テ其 処 デ其 会 合 ガ ア ルカ ラ来 テ
一 五問 被 告 ハ前 ニ、 二月 四 日 ノ会 合 ノ ア ツ タ晩 、 川崎 ガ被 告 方 ヘ来
︹ 被 告 人吉 川守 邦 ニ対 シ︺
ツ タト 陳 ベ テ居 ツタ ガ 、川 崎 ハ其 那 事 ハナ イ ト 云 フガ 、什 ウ カ。
呉 レト云 フ事 デ アリ 、尚 ホ其 時 被 告 ニ会 計 ヲ シ テ呉 レト 云 フ事 デ ア
テ、 今帰 ツタ ト 云 フ事 デ ア リ、 規 約 ノ改 正 ノ事 ヲ議 決 シタ ト 云 フ話
ヨリ 、判 事 ハ直 接 吉 川 ニ聞 ク様 ニ告 ゲ タ リ 。
︹此時 被 告 人川 崎 悦 行 ハ尚 吉 川 守 邦 ニ確 メ テ貰 度 キ旨 陳 ベ タ ル ニ
答 其 通 リ申 シ マ シタ。
ヲ シ タト 云 フ事 デ ア ツタ ガ、 什 ウ カ。
答 会 計 ヲ シ テ呉 レト 云 フ タ ト 云 フ事 ハ、 夫 レ ハ間 違 デ ス。
答 私 ハ其 様 ニ思 ヒ マ シタ カ ラ、其 様 ニ陳 ベ タ ノデ ス。
一 〇問 会 合 ガ ア ル カラ来 テ呉 レト 云 フ タ点 ハ什 ウ カ。
︹ 被 告 人 川 崎 悦行 ニ対 シ︺ 一一 問 什 ウ カ。
僕 ハ何 モナ スリ附 ケ ル訳 デ ハナイ ノダ 。 僕 ガ其 様 ニ云 ツ タ ノ ハ、
其 時 被 告 人 吉 川 守 邦 ハ、 川 崎 悦 行 ニ対 シ、
未 ダ君 ノ様 子 ガ 判 ラ ナイ 時 ノ事 デ ア ツ タ ノ ダ。
︹ 被 告 人 吉 川 守邦 ニ対 シ︺
答 私 ハ知 リ マセ ヌ。
僕 ハ其 時 ノ事 ニ付 イ テ外 カ ラ聞 ク訳 ガ ナイ ノ デ ア ルカ ラ、 僕 ガ
云 ツ タ事 ハ間 違 ナイ 積 リデ 居 ル ノダ 。 君 モ 一ツ ヨク考 ヘテ見 テ
一 二問 尚 ホ被 告 ハ、川 崎 ガ其 時 堺 、高 津 、 近藤 、佐 野 、荒 畑 等 ガ 行
呉 レ ナイ カ。
ク ト 云 フ事 デ ア ツタ ト陳 ベ テ居 ツ タガ 、 什 ウ カ。
︹ 被 告 人 川 崎 悦行 ニ対 シ︺
答 左 様 ニ申 シ マシ タ。
ト陳 ベ タ ル ニ、 川 崎 悦 行 ハ然 ラザ ル旨 陳 ベ タ リ。 判 事 ハ被 告 人 川 崎 ニ対 シ︺ 一 六問 尚 一層 ヨク考 ヘテ見 テ ハ什 ウ カ。
被
告 吉 川 守 邦
人 川 崎 悦 行
答 考 ヘル事 ハナイ ノデ ス。私 ノ 云 フ事 ハ真 実 デ アリ マス。
同
答 私 ハ途 中 カラ デ ア リ マシ テ、 此 部 分 カ ラ干 係 シ マ シタ ガ、 夫
レカ ラ ハ之 レ ニ書 イ テア ル通 リ議 論 ガ ア ツ タ様 ニ思 ヒ マス。
︹此 時被 告 人 ハ右 議 事 録 中 第 一レボ ヲ三 ツ ニ考 ヘルト ア ル部 分 ヲ 摘 示 シ タリ︺
1は窮 屈 な る意 味 の第 一レボ に な り 得 な い。故 に第 一は 2又 は 3
三 問 然 ラバ其 ノ部 分 以 下 ヲ更 ニ読 ンデ 見 ルカ。 ︹ 佐野学︺ ﹃佐 第 一レボ を 三 つに考 へる ︹ 武藤山治︺ 1 、武 藤 山 2 、社 民 主 3、 フ ア スチ
であ る。
右 被 告 人 川崎 悦 行 ニ関 スル部 分 ハ同 被 告 人 ニ、被 告 人 吉 川 守 邦 ニ 関 ス ル部 分 ハ、同 被 告 人 ニ、 各 読 聞 ケ タ ル処 、何 レ モ無 相 違旨 申
第 二 レボは 純 プ ロ レタ リ ヤ の手 で行 は れ る。 故 に無 産 階 級 の教 育
述 署 名 シタ リ。 同 日於 同 所 作 之
義 雄
裁 判 所 書 記 稲 垣 正 二 予 審 判 事 沼
す るな ら ば 大 衆 の支持 を は な れ る だ らう 。 そ んな 時 は 無 産階 級 大
に よ って第 二 を直 接 に行 は れ る であ ら う。 そは 我 々 の腕 次 第 。 ︹ 浦田武雄︺ 浦 第 一を 行 ふ者 は 佐 ノ説 に 同 じ。 無 産 階 級 が第 二だ け を 目標 と
ら、 故 に第 一レボ を 通 過 し て行 く も のと 見 て、 第 一レボ の対 策 を
衆 は 第 一に ひ つぱ ら れ る だ ら う。 無 産 階 級 の階 級 的 自覚 が浅 いか
考 ふ べ し 。 そ の内 容 は 、 プ ロの自 覚 せ るも の に指 導 さ れ て ゐ る の
人 吉 川 守 邦
テ予 審 判 事 沼 義 雄 ハ裁判 所 書記 稲 垣正 二立 会 ノ上 前 回 ニ引 続 キ右 被
右 前 同 一事 件 ニ付 、 大 正 十 二年 十 一月 二十 六 日東 京 地 方裁 判 所 ニ於
だ から 通 ら な く て も いい と思 ふ。
告
告 人 ニ対 シ訊 問 ヲ為 ス コト 左 ノ如 シ。
ブ ルが 階 級 意 識 。 社 会 民主 々義 の後 に共 産 主義 が入 って来 た の で、
被
一問 昨年 十 二 月 ノ末 ニ、共 産 党 ノ大 会 ガ関 係 者 ノ自 宅 デ ア ツタ様
日本 は そ う では な い 。案 外 日本 の少 数 の労 働 者 、第 一革 命 を飛 び
第 十 一回 調 書
デ ア ルガ、 夫 レガ何 処 デ アル カ被 告 ハ知 ツ テ居 ル ノデ ハナ イ カ。
越 す 。第 一階 級 は決 し て見 逃 す こと は 出 来 な い の でし て 、 そ の時
間 の長 短 は C P の努 力 如 何 に よ る。 ( 浦)
答 私 ハ実 際知 リ マセ ヌ。 近 藤 君 ノ家 ヂ ヤ ナイ カト思 ヒ マ ス。 二 問 本年 三 月 十 五 日 、石 神 井 村 ノ豊 島 館 ニ於 ケ ル会 合 ノ際 議 論 セ
の定義 は 、 ピ チブ ル で あ る。 他 は 浦 に等 し 。 第 一革 の意 味 は 、ブ
第 一を承 認 す る。 そ れ に動 く も のは 労働 者 階級 であ ろ う、 が、 革
︹此 時 大 正十 二年 押 第 七七 四 号 ノ三 ヲ示 シ タ ル ニ、被 告 ハ之 ヲ読
ルが取 つた のは 第 一でな く 、 第 二は ソビ エツト 独裁 と思 ひ、 現 日
ラ レ タ事柄 ハ、此 議 事 録 ニ書 イ テ ア ル通 リデ ア ツタ カ。
了 シタ ル後 ︺
一を認 め て積 極 的 に社 会 民 主連 と進 ま ねば な ら ぬ 。 ( 杉浦)
吾 々に暴 力 が、 軍 隊 が崩 壊 し な く て は出 来 得 な いも の であ る 。第
であ る。 我 々は それ を 利 用 す る と謂 ふ も の であ る。
第 一は経 過し な く ては な ら な い。軍 隊 を動 かす も のは 社 会 民主 連
力 で あ る。
本 は第 二 は暴 力 がな く て行 は れ な い のは革 でな い。 暴 力 は 軍隊 の
第 一は 指導 によ り ( 政治 であるから)何 う に でも な る の であ るし 、
る の だ から 大 丈 夫 であ る 。 ( 西) ︹ 近藤栄蔵︺ ︹ 武藤︺ (伊井) 山 治 の問 題 は 山治 の運 動 自 身 が第 一と謂 ふ べ き で はな い。
社 会 民 主 で殺 す と は 思 へな い。 コンミ ストは 四 十 八 手 を 心得 て ゐ
る こと は前 の人 と 同 じ 。無 産 の階 級 意 識 を殺 し た く な いと思 ふ が、
英 国 は 平 和 の裡 に、 ロ シ ヤは 二 つや つた も のだ と 思 ふ 。 必然 来 た
革 はブ ルと プ ロの 二 つし か な い。 そ の間 に社 会 民 主 党 の革 が あ る。
と ら ねば な ら ぬ。 ( □□)
︹マ マ︺
第 一革 が来 る ピ チブ ル の政 治 的 勢 力 を有 す る反 軍 閥 の思 想 が あ る 。
第 一は 時 と 場 合 で何 う に で もな る こと と 思 ふ 。 吾 々は政 策 を持 つ
て喰 止 得 る の であ る 。 ( 前言附言、杉浦)
反 動 団 体 に対 す る注 意 は 、 社会 民 主 の勢 力 を増 す こと に於 て初 め
が ら、 そ れを 考 慮 し て進 み た いと 思 ひま す 。 ( 高津)
ピ チブ ル の政 党 が大 き く な る ので増 大 す る こと を 悲 し いと思 ひ な
い も の で あり ま す 。要 す る に 日本 の形 勢 。
と思 ふ。 原 則 を 見 る こと は出 来 ると 思 ふ。 ブ ハ君 の書 いた のは い
抗 し な く ては な ら な い。 ︹ 懸藏︺ (山本) 自 分 が Rに 向 ふ為 め に起 と い へば 起 るだ ら う か 。僕 に第
が あ る故 に第 一に対 し て第 二 の立 場 で此 中 に可 成 重 要 な勢 力 で対
様 な フ ラ の出 現 を ロ革 に殺 ん だ と思 ふ。 日本 も 状 勢其 他 に類 似 点
に容 易 に移 る様 に言 は れ る が 、 そ れは 難 し いも の であ る 。伊 国 の
て対 す べき であ る 。 ︹ 満三︺ ( 渡 辺) 第 一から 第 二 に移 る こと は ロ革 で知 つた 。第 一か ら 第 二
︹ママ︺
あ る。 日本 の特 殊 性 を 考 へね ば な ら ぬ。 第 二は 知 識 が あ る こと だ
既 成 政 党 の堕 落 し て ゐ る ピ チブ ルと反 動 団 体 と 一緒 にな る 恐 れ が
考 が決 し な い か ら であ る。 や や決 ま った 、 まあ 決 ま ら な い。武 藤
一が起 ると 、 それ が 長短 と暴 力 と し て存 在 す る 。 す れ ば第 一は可
ら、 そ れが 第 一を や ら うと す る人 があ るな ら 、 こ の運動 に進 む の
成 長 い。 運 動 を や る 上 に暗 示 が あ る。 それ が第 二 の要 素 で あ るな
小岩井
し て ゐ る も の で あ る。 第 一の前 に第 二 の要 素 が進 む から 、第 二 に行 く と は 思 は な い。短
と は な ら な い。原 則 の上 に立 つて や つて行 く べ き で あ る。 予 想 の
反 動 ピ チは各 々 [ピチブ ルの形 と]な ら ざ る を得 な い。 此 等 は 関 連
時 間 に第 一︱ 第 二 に行 く と は思 は な い。 国 際 発 展 の経路 を 重大 視 ︹ 辻井︺ す る事 は出 来 ると雖 も 第 一を要 す。 ( 坂井)
から起 る の であ る か ら 、 そ れも 世 界 の大勢 で動 く も の で あら う が、
第 一を 予想 す る と謂 へど 、第 一を も積 極 的 に運 動 す べき
であ る。 自 分 は只 第 二 を進 む の だ。 意 見 が纏 つ てゐ な い。
こと は勿 論 認 め ね ば な ら ぬ 。 又 そ の過 程 に於 い ても 十 分 に注 意 す
第 一がな く て、 第 二 を望 む も ので あ る が、 第 一を 認 め ね ば な ら ぬ
点 は 時機 の問 題 。革 は予 想 出 来 な い。 混 乱 よ り起 り 、主 観 的 状 況 べ き で あ る。 第 一を ブ ル の中 心 に あ ると し ても 、 プ ロを積 極 的 に
官 僚 軍 閥 の手 を離 れ てゐ な い様 に思 ふ が 、社 会 的 不 安 時 代 は 、労
起 る と す る に、 第 一が存 在 す ると した ら 、 又 それ が 資本 家 が未 だ
第 二 と し て進 む べき だ 。後 に起 つた何 う かと 思 ふが 、 近 い社会 に
を 一刻 も早 く 第 二 に進 め る と は そ の第 一の為 め にす る綱領 を廃 止 、
そ れ が最 近な ら 、 フ ア シ ステ と共 に起 る も の であ ると 思 ふ 。 そ れ
は民 衆 利 用 を 取 るも の であ る。
義 の発 達 を 害 す る のは勿 論 で あ る。
と し て進 む べき だ 。 荒畑 封建残 ︹一字欠︺ 存 し てゐ る 。完 全 に発 達 し て ゐな い で資 本 主義 □主
い期 間 と 思 ふ。 ロシ ヤ の状 態 と し て は ド ウ であ ら ふ 。 第 一を 目標
あ る。 小 ブ ル の勢 力 は張 れな い。 第 一は 重 要 でな い。 あ つて も短
第 一では な い。急 進 的 であ つて も そう だ。 暴 力 。
武 藤 を第 一と 見 る べ き か 。佐 の暴 力 を 用 す る であ ると し た ら普 選
そ の為 め に政 党 を 組 織 す るよ り 、其 場 合 C P を表 面 に出 し て活 発
十 分 に 力 さ え あ れば 、第 一が あ る にし て も第 二 にす ぐ す る と思 ふ 。
に す べ き だ。 そ の場 合 第 一に利 用 し よ うと し た ら 第 二 にす べ き と ︹ 間カ︺ 思 ふ 。都 市 労 働 階 級 の自 覚 が必 要 だ 。対 策 は中 門 を 増 加 す べ き だ 。
そ ん な も の あり 得 な い。
そ の期 間 は 短 い。 そ う し て大 衆 は自 覚 し て ゐ るな ら 易 い。 ︹ 武藤山治︺ ︹ 革命︺ 武 山 の が第 一な ら あ り得 る と思 ふ。 武 が○ ○ は や り 得 ま い。故 に
働 階 級 は戦 闘 的 と 思 ふ。 そ の場 合 に権 力 を握 ら ふと す るだ ら う 。
大衆 に対 し て は組 合 運 動 を やる事 。綱 領 に第 一加 ふ るも の では な
外 国 の影 響 の為 め に レボ が起 る のじ や な い かと 思 ふ 。
早 く起 る。
暴 力 が伴 ふ第 一が起 る と 、起 る時 は第 二 に導 き 得 る時 だ と考 へる。
い 。
吉川
第 一、第 二何 ん て変 だ 。 一つ で い い。 徹 底 し た 事 が い い。
若 い人 は第 一、第 二、 第 三を 書 く 。年 の若 い人 は沢 山 やれ ば い い
第 一は あ ると 思 ふ。併 し 可能 性 は あ つて も第 二 の方 に主 力 を 。
大 体 第 一起 る起 ら ぬ は難 し い。 そ れを 重 要 視 す る か否 や。
が 私 は出 来 な い。 ︹ 川内唯彦︺ 有 川 第 一が あ ると 思 ふ。 現在 の政府 は封 建 分 子軍 閥 等 にあ る。
そ の為 め に無 産 階 級 を 指 導 す べ き でな い。 重 要 す べき でな い。 ︹マ マ ︺
二つに分 け る
綱領作成 の
上田
無 気 力 か の様 に見 へる が普 選 の場 合 は有 勢 と な らう 。 自 覚 は 少 数
( 打切)
の方 に動 く形 勢 が あ る。 第 一︱第 二過 渡 期 は政 策 及 努 力 如 何 によ
労働 者 が短 日的 に組 織 化 す る こと は問 題 であ る。 普 選 の場 合 は そ
る こと ゝ思 ひ 、 よ り永 く な るか も し れ な い。 綱 領 にも 必 要 。
一、重 要 視 す る
時 機 の来 る こと は 重 要 。 近 い遠 いが重 大 。 国 際 時 情 によ り
野坂
三人 位 を 選 ん で要 点 を書 いて貰 いた いと 思 ふ。 作 成 必 要 な し 。
二 、重 要 視 し な い
い前提 と し て資 本 主 義 は 急激 であ る 。従 つて戦 闘 的 ( 鉄 工)。政 治
G S よ り説 明 。略 。
風 の起 る と思 ふ。 来 る時 機 は 近 い。 五十 年 よ り は近 いと 思 ふ 。 近
も 戦 闘 的 であ ると 思 ふ。 封 建 に対 し て プ ロを利 用 せ んと す る の で
やら う と す る 他 の画 い てを 含 め て行 ふ。 人 間 の名 、賀 川 、 鈴 木 、 ︹ 雄三︺ 下 中 、 島 中 、右 翼 境 界 線 で あ る。
︹マ マ ︺
原則 、 イ ン スト ラ ク シ ヨン。表 面政 党 を造 れ。
E C の意 見
( 杉浦) 時期 尚早 論 は な か つた か。
政 治部 の委 員 長 よ り の説 明 。政 党 組 織 の みを 説 明 す る 。
最 近 政府 を対 抗 し な く ては な ら ぬ。 何 時 組 織 す べき や が問 題 で あ
二 、巣 鴨 民衆 社 一派 で倶 体 化 し てゐ る 。議 会 政 策 を 利 用 し てゐ な
会 政策 を基 調 も の であ る。
一、鈴 木 文 治 氏 を中 心 と す る こと は具 体 化 し て ゐな い。 そ し て議
五 、対 策 。 そ の中 に入 り数 個 あ る場 合 は 一つにま と め 、 成 立 を お
四 、時 期 尚 早 。
三 、農 か労 か、 双方 要 素 と す る。
二、 ボ イ コツト し な い。利 用 す る ( 全会 一致)。
一、 政 党 を 造 る 必要 あ り (一名反 対)。
︹マ マ ︺
る。
い様 であ る 。
ら いいだらう)
勢 力 が 分 散 さ れ る 。闘 士 が失 は れ る。( 今 日やらうと 云ふのであるか
次 の議会 でし か れ る そ う であ る 一般 的 危険 論 、論 拠 三 つ。
り た いと謂 ふ こと。
( 渡辺政) 政 党 の必 要 であ る。秘 密 のみ では駄 目 だ。 表 面 が 必 要
校 で あ る。 そ の点 、 即 ち組 織 と し て 必要 と思 ふ。
議 会 政 策 駄 目 、 造 る必 要 、政 治教 育 を普 及 さ せ る。 こ の政 党 は 学
明瞭 と す る が議 会 政 策 を と ら な い。
( 伊井) あ ると 思 ふ。 政 党 組織 と議 会 政 策 を取 る や否 や此 の 点 を
く ら す こと 。
政 治 問題 研究 会 を開 い て ゐ る関 係者 の言 に よ れば 、 関 西 方 面 に力 ︹ 湛︺ があ る 。下 中 弥 三郎 、石 橋 丹 山 等 の自 由 倶 楽 部 で研 究 を 開 いて や
運 動 が 堕落 す る 。
︹マ マ ︺
だ 。普 選 の暁 必 要 であ る。議 会 を ボ イ コツトす る こと も反 対 。 政
べし。
個 人 の問 題 で 大 し た こと でな い。
( 荒畑)=動 議
党 組織 要 素 は無 産 階 級 の みと す る こと 。代 議 士 を出 す に も厳 選 。
に ケ ン制 す る 。
だ が 一座 の決 定 が ほし い。
組 合 の幹 部 を党 の幹 部 と し ては な ら な い。 然 る点 に於 て速 時 行 ふ
○ レボ ヘの近道 。 現在 あ らゆ る政 治 問 題 が あ る ので あ る。 党 を 作
今 晩 此 の動 議 を採 決 す る の賛 成 。
一般 サ ンから洗 礼 を受 け て来 て ゐ る の であ る から 大丈 夫 。 国 際 的
つて そ の機 関 と す べ き であ る。 組 織 を す る為 め に宣 伝 を計 らね ば
( 少数否決)
○ 右 傾 す る であ ら う。
な らぬ 。 総 聯 合 が 欠裂 も準 備 の不 備 によ る故 に準 備 が必 要 であ る。
( 荒畑)
決 をと る こと は 出 来 な い故 に 採 決 に 反 対 。 不 完 全
二月 会 が其 の機 関 と な り 、労 働 組 合 等 と相 談 し て や る べ き だ。 構
︹マ マ︺
成 は組 合 の幹 部 農 民 運動 の社 会 運 動 、 水 平 社 、鮮 台 婦人 を含 め て
E Cよ り 経過 報 告
︹マ マ ︺
ユ ング の延 長 の動 議
日本 は 特 殊 国 であ り 、第 一革 命 が如 何 にし て来 る か を目 秤 と し て
︸否
や る、 第 二革 命 を 目秤 と し て や る か の二 つ があ る 。
せ ら れ る こと ゝ思 ふ の であ る。
第 二段 を 主 と し て議 す る こと と思 ふ。 それ によ り第 三 、第 四 が決
今 の G S の報告 のも のは 、只 単 に参 考 と し てゞ あ るか ら 、 そ の後
決
倍 大 委員 ( 政治部) で決 定 す る案 ( 原案) ( 内容EC各部 の委員)
孰れ を中 心 とし な い で委 員会 を 造 る。
倍 大 委員 E C を中 心 と し て ( 修 正案)
倍 大 委員 会 ︱ 否 決 ︱
即 決 す べき や何 を や る べ き か の討 議 をす る。
二 ケ月 乃 至 三 月 間特 別 委 員 会 と し て行 ふ が い ゝと G S に補 足 。
ト ア リ、文 字 ノ判 カ ラ ナ イ処 モ ア ルガ 大 体今 読 ンダ通 リデ ア ルガ 、
討 議 を す る に賛 成 ( 決定)
大会 延期 の決 定 ﹄
此 通 リ議 セ ラ レタ ノ カ。
○ 二、三月 に て決 す るよ り本 会 か ら の指 命 で も あ るし 前 の代 表 の
し て E C の 一人 でな い こと。 ︹ 荒畑︺ ︹ママ︺ 裁 判 事 件 が あ る こと 。 荒 氏 に相 談 の結 果 内 定 を 得 。 調度 大 会 が あ
M への派 遣 ( EC、G Sよりの説 明)前 決 定 の伊 井 氏 辞 任 、 理 由 と
派 遣 者 の件 を第 一 ︿プ ログ ラ ム政 党 組 織 ﹀ 草 案 通 り 。
(ECより草案 として)
﹃議事 日程
綱領 ( 第三イ ンターナシ ヨナル) が来 年 に延 び る こ と と な つた。 そ
(GS)説 明 。
△ 討 議 す る に決 定 。 細 胞 に渡 つた綱 領 に就 て のイ ンスト ラ ク シ ヨ
来 な い其 他 の理由 に よ り綱 領 決 定 の為 め にす るも の では な い。
会 の説 明 。 (EC)議 す る こと は結 構 で は あ る が、 それ は起 草 が出
○ 綱 領 を 決 す べ き 大会 と思 ふ故 に出 来 る だ け決 し た いと 思 ふ 。大
し て決 し た 方 が い ゝ の であ ると の理 由 によ り 即 決 す べ し 。 ( 高津)
為 め でも あ る し 、 運動 の目秤 が決 せ ら れ る の であ るし 、 完全 無 欠
答 左様 デ ス。 然 シ順 序 ガ前 後 シ テ居 ル処 モア リ マ ス。
る か ら そ の議 に かけ る 。
れ に就 て四 月 の倍 大委 員 会 に懸 け ら れ る そう であ る。
四問 尚 ホ第 一レボ を 一つに考 へるト ア ル前 ノ部 分 ハ此 様 ニナ ツテ
○ E C の決 定 の派 遣 者 決 定 す 。
反 対 意 見 の参 考 と し て起 草 委 員 の出 来 な か つた 理由 の説 明 を求 む 。
で造 ら う な ど と は 不 可 能 であ り 、大 体 を決 し、 重 大 な こと は留 保
議 事 日程 の相 談
(田所)
居 ル。
○ 綱 領 を決 め る には政 党 の方 を前 と す るを 可 (IG)。 ︹ 佐野︺ 綱 領 を前 にす べき の提 議 ( 佐)
即 決 に賛 成 と し て、 日本 は 重 大 で も あ りし に就 て。
ンの説 明 がし て貰 ひ度 い。
綱 領 を先 き にす る に決 定 。
綱 領 の討 議
討 議 終 結 に決 定 。
動議通過し
起草委員長 ( 佐) の説 明 。
○ 意 見 の発 表 に決 定 (即決反対)(田所)
ブ 氏 の草 案 を 示 し て貰 ふ。
裁決 ( 文章 の修正は委員付託)
本 居 に対 す る為 め 運動 の前 途 と し て が あ つた が、 前 者 の方 は別 に
EC よ り提 案 の説 明 ( 佐)。
即決は可決
大 した こと は 今 は な い。運 動 前 途 に於 て対 立 派 であ る こと ゝ思 ふ。
草 案 は 他 の委 員 が持 つて来 る筈 、 草 案 の説 明 、 飜 訳者 の説 明 を求
い、起 草 委 員 に対 す る説 明 を求 め る。
併 し て各 員 の了 解 す る こと が出 来 な い。
日本 の事 情 を 好 く 認識 し て居 な い、 党 員 中 意 見 の相 違 、 日時 が な
(賛成)
む 。内 容 の順 序 を決 す る ( 決定)。 飜訳 者
完 全 不 完 全 は決 し難 い も の で あ る。 暫 定綱 領 の様 な も の。 賛 委 員 会 の起 草 を や ら な か つた のは 駄 目 。出 来 る だけ 早 い方 が
反対
反対
時 日が な い [から不完全な]も のも作 り得 な い。
︹ 浦田武雄︺ 時 日が な いか ら 、 そ れは 出 来 な い。 ( 浦)
分。
E C に懸 、読 会 を開 い て説 明 を十 分 に し て貰 ひ度 い = 休 み
第 二段 及第 四段 を含 め る や否 や。
草 案順 序 に準 じ て議 事 を進 行 さ す 。
順 序 及 飜 訳 は後 廻し ( 決定)。
即 決 反 対 到 底 討 議 し得 な い も の であ る。根 底 な る べき も のは 容
い い。
易 に決 す る こと が出 来 ず 、党 員 の裡 にも そ の間 の事 情 が解 つて ゐ
(決定) 。
第 四段 に関 す る こと であ る (ECの説明)綱 領 第 二 段 か ら 初 め る
( 説 明)資 本 主 義 が若 い。 三井 、岩 崎 は家 長 的 な 点 が多 い。 戦争 後
全 体 が決 定 し 、 GS か ら決 め て貰 ひ度 い。
十
にな つた な ら 、 そ れ よ り起 る不 利 益 が起 る こと ゝ思 ひ、 今 日よ り
即 決者 と し て今 日 よ り懸 り、 委 員会 が出 来 て そ れを 出 発 前 迄 に 造
分 胆 か全 体 か??
︹マ マ ︺
内 容 を起 草 委 員 よ り説 明 し て貰 ふ 。
な い様 であ る 。斯 る事 情 のも と に決 せ ら れ た も の が国 際 上 の参 考 ︹マ マ︺
そ れ に懸 、討 議 す る こと は 勿 論 で、 充 分 や る至 要 が あ る。
る こと 。 ( 伊井)
急 激 に進 歩 し た 。 搾 取 は列 国 と同 じ 。政 権 を取 つて ゐな い。金 融
○ 即 決賛 成 者 の意 見 を明 瞭 にし て貰 ひ た い。 ( 議長)
( 即決反対)
崩 壊 期 は 各国 共同 じ。
資 本 勢 力 を占 め てゐ る。
( 賛成) ︹ 高津正道︺ 持 ち合 せ の意 見 で結 構 (高)
組 合 が闘 争 的 で あ り、 少 数 であ る。 闘 士 が多 い。 三百 万 人 の中 に
階 級 的 発達 が若 い。 搾 取 程 度 が強 い。組 織 化 さ れ て ゐな い。 労働
アナ ーキ ーは 大 勢 上 失 勢 す るだ ら う 。政 治 、貴 族 院 が あ る間 、貴
P指導 者 で導 か れ、 ソビ エツト独 裁 が事 実 上 から 来 る事 と思 ふ 。
にな る 。英 国 流 よ り も政 治 的 色 彩 を 帯 び 、政 治 的 自 覚 す る様 に C
女 工等 が 大多 数 を占 め て ゐ る。
め に資 本 家 に加 は る こと ゝ思 ふ。
族 が第 二 ま で持 続 さ れ るだ ら う。 資 本 家 、 地 主 が 、階 級 意 識 の為
無 産 階級
階 級 的勢 力 の分 布 。 小 ブ ルジ ヨアは 大 き な じ やま 物 にな る。 知識
ピ チブ ルジ ヨ ア の入 る余 地 が あ る。 小 ブ ル から プ ロに な る も の あ
め に偽 さ れ て じ や ま さ れ る こと が あ り。
階 級 が プ ロ レタ リ ヤ資 本 主義 を 助 け る かと 言 ふ に 、資 本 主 義 に味
土 地 所 有 欲 の点 も熟 考 す る こと 。 組 織 化 さ れ る可 能性 が多 い。
り 、知 識 階級 が特 権 を保 持 し て ゐ る がプ ロ運動 に 入 る ので あ る。
資 本 家 は政 党 を組 織 す る こと を し な い。未 だ意 識 的 に努 力 し て ゐ
水 平 運動 、最 初 小ブ ルがあ る そ であ り 、最 近 の少 壮水 平 社 は共 産
方 し 、 フ ア シ ステ に加 る様 な こと が あ る 。
る点 が あ る 。 地主 、消 費 的 の地 主 であ る。資 本家 、 地主 は組 織 化
主義 者 が多 い 。大 体 十 分 気 を 付 け て進 む べ き であ る と思 ふ。 一ケ
封 建 貴族 の集 団 、 軍閥 、官 僚 が多 い。 華族 が 経済 的 勢 力 は な いけ
さ れ て ゐな い。 政権 の所 在 は資 本 家 で あ る が、未 だ握 つて ゐな い。
月 を出 ず し て 二十 六 県 を含 む の であ るか ら将 来 有 望 。 軍 国 主 義 、
に行 く 。農 民 は貧 農 が 多 い。 吾 々が都 合 が い い が保 守 的 精神 の為
資 本 家 と封 建 貴 族 と の争 があ る から 曲 線的 だ 。
征服 欲 で発 達 し て来 た が 、最 近 の シ ベ リ ヤは傀儡 であ る こと が今
階級 的 に資 本 に加 は る こと が な い が、 ゆ う 導 さ れ得 る の で両 階 級
農 民 、 五割 以上 で あ る から R の際 に じ や ま す る も ので あ る。 普 通
後 と も知 ら れ る こと ゝ思 ふ 。 出 身 が プ ロ でも駄 目 であ り、 現 在 の
れ ど 貴族 院 を占 領 し て ゐ る。
選 挙 が来 れ ば非 常 に好 い様 であ る。
生 活 が多 も重 要 だ。
︹マ マ ︺
水 平 社 運動 、 二 百 万外 国 より 強 い。 闘争 力 が強 い。 軍 国 主 義 が非
明瞭 と な る だ ら う。 ︹ 義雄︺ 全 体論 を附 加 し て貰 いた い ( 市川)
︹マ マ︺
常 に強 い。 軍隊 が来 る様 にな つて難 し いも の であ る。
中 尉位 迄 は い い 、将 来 は 征 服 欲 よ り離 れ て資 本 主 義 の傀儡 意識 が
( 将来)資 本 主義 発達 し 崩 壊 す る。 発 達 す る方 は金 融 資 本 が強 く な
原 則 は資 本 主 義 な のだ が、 完成 し て いな い から 完 成 す ると 同時 に
討議
質問 ( 打 切)
り 、 意識 的 に政 権 を握 ると 思 ふ。 崩 壊 、過 耕 生 産 、労 働 階 級 の勢
質 問 、上 田 、 伊 井 、 坂井 。 討議
崩壊 す る だら う 。
力 が強 く な り 、国 際 資 本 がむ ず かし く な り 、米 と むず かし く な る 、 ︹ の市場が封じられるやうに︺ 軍 隊 の力 を 借 り る 様 に な り、 露 支 が 市 場 に な ると 思 ふ。 無 産 階級 、 今 日 のよ う な 搾 取 が続 け ら れ、 政 府 が援助 す る組 織 化 され るや う
︹ 佐野︺ 社会 状 態 の将 来 ( 佐) 資本 主 義 の発 達 と と もに無 産 階級 も発 達 す る。 第 一の後 に第 四 が
そ れは 、第 一、第 二 た る を問 は ず 、 そ れ の指 導 者 に よ り て第 一、
双 方 が無気 力 だ と な る と 、 日本 特 有 の状 態 に す る恐 れ が あ る。
実 際 の情勢 を 考 へる と 、 そ れを 通 ぜず し て行 い得 な いと 思 ふ。
[ 無]気 力 な ブ ルジ ヨア であ る から 、第 一を行 い得 な い と 思 ふ。
第 二 が決 せ ら れ る 。
普選 は 四 、五年 中 に来 。
第 一でも作 る 様 に し た い も の で あ ると 思 ふ 。
来 る か と 云 ふ に、 第 一が な く し て来 る。 第 一は 議 会 を 通 し て来 る。
いか ら し て小 ブ ルを 中 心 と し た も のは出 来 得 な い。 可 能性 は無 産
小 ブ ルが勢 力 を得 な く ては来 な い。 他 農 、労 、 水 の発 達 の方 が強
臨時雇書記 ︹ 高瀬︺ 梅
が あ るだ ら う 。第 一が あ る こと を前 提 と す べ し 。
基 礎 と 立 つだ ら う 、故 に小 ブ ル が農 民 大 衆 を足 場 に し て第 一レボ
組 織 労 働 者 の数 は少 い。 農 民 は 普 選 要 求 す る 。 小ブ ルは、 農 村 を
第 一レボ がな く て いい と は思 は れな い。普 選 は や が て施 か れ る。
階 級 の方 で あ る。 (一 ︶ 小 ブ ル中 心 (二) 議 会 が其 道 具 第 二が来 る 理由
こと な く 、暇 が か ゝる。
田 ( 続き)
(一 ) 議会 を中 心 とす る が余 が な い。 他 の勢 力 が 一朝 にし てな く な る
労働 運 動 の革 命 化 す る、 政 治 化 す る 、労 働 争 議 を政 治 的 叛 乱 に導
軍 隊 は 苦痛 を感 じ て居 る。 農 村 及 都市 無 産階 級 を 通 じ て軍 隊 は 政
被
告
人 吉 川 守 邦
裁 判 所 書 記 稲 垣 正 二
同 日於 同 所 作 之
右 読 聞 ケ 云 々 署 名 シタ リ。
テ居 ラ ナ カ ツ タ ノデ ス。
答 左 様 デ ス。其 部 分 ノ話 ノ ア ツ タト キ ハ、 私 ハ未 ダ其 席 ヘ行 ツ
ガ 、此 部 分 ハ聞 カ ナ カ ツタ ノ カ。
ト書 イ テ アリ 、文 字 ノ不明 ナ点 モア ルガ 、 大 体右 読 ンダ 通 リデ ア ル
治 的 にな る。 第 一革 命 を 一蹴 し て進 む であ ら う ﹄
く方 が 出来 や す い。 無 産 階 級 が議 会 に 入 る こと は至 難 であ る か ら
討議
出 来 にく い。
第 一、政 権 獲 得 す る こと 謂 ふ こと であ る 。 ︹ 商︺ 武 山 が勝 工党 を 造 つて政 権 を握 ら う と 、 そ れ を第 一Rと 見 る べ き であ る。政 治組 織 が変 る だけ で、革 命 に な ら な い ( 佐)。 家 長 的 な も のが あ る のに、 国 家 資 本 を握 る も の は官 僚 、 軍 閥 が握 つて ゐ るも の であ る。 永 井 等 の云 ふ こと は 、革 と 謂 ふ こと は出 来 な い。
予 審 判 事 沼
第 一吾 々 のプ ロ独 裁 ソビ エツト が革 と思 ふ 。ブ ルジ ヨア連 の レボ が あ り、 反動 革 も あ ると 思 ふ が、 今 来 ら ん と す る革 の主 体 は 、農
義 雄 労 が主 と な る。
第 十 二回 調 書 被
告
人
吉 川 守 邦
右 治 安 警 察 法 違 犯 被 告事 件 ニ付 大正 十 二年 十 二月 二 十 五 日東 京 地 方 裁 判 所 ニ於 テ予 審 判事 沼義 雄 ハ裁 判 所 書 記 稲 垣 正 二 立会 ノ上前 回 ニ
テ居 ルデ ア ロウ ネ。 会 ノ ア ツ タ ノ ハド ノ部 屋 デ ア ツ タ カ。
答 這 入 ツテ左 ヘ行 ツ タ、右 ノ部 屋 デ ス。
七 問 被 告 ハ風 呂 ヘ這 入 ツ タ カ。
答 私 ハ其 ノ時 ニ風 呂 ヘ這 入 リ マセ ヌ。
答 左様 デ ス。
八 問 其 日列 席 シ タ人 ハ、 仲 宗根 ガ陳 ベ テ居 ツ タ連 中 カ。
九問 十 六名 デ ア ル ガ、 今 一名 ハ誰 カ。
被 告 ハ、 二月 四 日 、市 川 ノ 一直 園 ノ会 合 ニ出 席 シナ カ ツ タ ト
云 フテ居 ッ タガ 、 仲宗 根 ハ被 告 ガ出 席 シ テ居 ッタ ト 云 ヒ、 又被 告 ハ
一問
引続 キ右 被 告 人 ニ対 シ訊 問 ヲ為 ス コト左 ノ如 シ
執 行 委 員 ノ 一人 デ ア ル様 デ ア ルガ什 ウ カ。 仲 宗根 ハ此 様 ニ述 ベ テ居
其 日 、党 規 ノ改 正 ガ ア ツタ ノ カ。
答 ア ノ意 見 ハ已 ニ前 ニ出 来 テ居 ツ テ、夫 レノ賛 否 ヲ其 時 列席 シ
規 改 正 ノ書 類 ニ書 イ テ ア ル事 ニ付 テ、什 ウ ユウ様 ニ議 セ ラ レ タ カ。
一 六問 其 日 ニ、 十 名 説 ト カ、 七名 説 ト カ云 フ前 ニ見 セ タ事 ガ ア ル党
答 アリ マセ ヌ。
一 五問 其 時 デ ナ ク ト モ予 メ意 見 ヲ陳 ベ テ置 イ タ事 ハナ イ カ。
答 私 ハ其 ト キ意 見 ヲ陳 ベ マセ ヌ。
一 四問 夫 レ ニ付 テ被 告 モ意 見 ヲ陳 ベ タカ。
答 左様 デ ス。
一 三問
答 小岩 井 君 デ ナ ケ レバ 誰 デ ア ツ タ カ、 ヨ ク覚 ヘテ居 リ マセ ヌ。
一 二問 今 一人 ハ誰 カ。
答 田代君 ハ私 ハ知 ラ ナイ 人 デ ス。
一一 問 田代 デ ハナ イ ノ カ。
答 ソー ス ルト、 誰 デ ア ツ タラ ウ カ知 ラ ン。
テ居 ツタ様 デ ア ル ガ什 ウ カ。
答 小岩 井 君 デ ハナ カ ツ タ [カ] ト思 ヒ マス。 ︹マデ︺ 一〇問 小岩 井 ハ二月 一日 カ ラ三 月 ノ初 頃 カ ラ富 山 刑 務 所 ニ収 容 サ レ
︹ 此 時 、 仲 宗 根源 和 ニ対 ス ル第 四回 予 審 調 書中 第 十 四答 乃 至 第 四
ル。
十 三 問 答 ヲ読 聞 ケ タ リ︺ 答 仲 宗 根 君 ノ云 フ テ居 ル事 ヲ承 認 シ マス。 二問 然 ラバ被 告 ハ二 月 四 日 、市 川 ノ 一直 園 ノ会 合 ニ出 席 シタ カ。 答 ソ ウデ ス。 三問 是 迄 、 何 故 川崎 カラ聞 イ タ様 ニ云 ツ テ居 ツタ ノ カ。 答 行 ツ タト 云 ヘバ 人 ノ事 ヲ云 ハナ ケ レバ ナリ マセ ヌノデ 、 ツ イ 隠 シ テ居 ツ タ ノデ ス。
[ 原文、 四問 に対する答 の欄 なし]
四 問 然 ラバ何 故 川崎 ヲ引 出 シ テ来 タ カ。
五問 然 シ川崎 ハ近所 迄 デ行 ツテ番 兵 ヲ遣 ツ テ居 ツタ丈 ケデ 、 一直 園 ヘ ハ行 カ ナ カ ツタ様 デ ハナ イ カ。 答 サ ー、 一直 園 ノ中 ヘ這 入 ツ タ カ什 ウ カ覚 ヘテ居 リ マセ ヌガ 、 行 ツ タ事 ハ行 ツ タノ デ ス。 六 問 被 告 ガ 一直 園 ヘ行 ツ タ ト 云 フ事 デ ア レバ 、家 ノ様 子 ハ判 カ ツ
テ居 ッタ者 ニ求 メ ラ レ、手 ヲア ゲ テ極 メ タト思 ヒ マ ス。
答 之 デ アツ タ カ什 ウ カ、 其 ト キ見 マセ ヌガ 、其 時 何 カ書 イ タ モ
︹此 時 大 正十 二年 押 第 七七 四号 ノ 二党規 改 正 ノ書 類 ヲ示 ス︺
三〇 問 然 ラバ 、 三 月 十 五 日 ノ会 合 ノ ト キ ニ モ、 其 場 デ 議 長 ヲ選 ンダ
答 議 長 ハ其 場 デ 選 ンダ ノ デ ス。
二九 問 然 シ近藤 ガ議 長 ニナ ツ テ居 ルノ ハ什 ウ 云 フ訳 カ。
答 多 分 ソウ ユウ様 ナ事 デ ア ツ タ ノデ ア ロウ ト思 ヒ マ ス。
タ ノデ ハナ イ ノ カ。
二八問 何 ガ 不平 デ ア ツタ ノ カ。 革 命 裁 判 ニデ モ其 当 時 カヽ ツ テ居 ツ
思 ヒ マス。
答 近藤 君 ハ其 当 時何 カ不平 デ アツ テ出 サ ナ カ ツ タ ノデ ア ロウ ト
二七問 近藤 ノ意 見 ハナ カ ツタ ノ カ。
タ ト記 憶 シ テ居 リ マス。
答 誰 レカヾ 夫 レ ハ前 ニ出 テ居 リ マシ テ、 夫 レヲ其 ノト キ読 上 ゲ
二六問 橋 浦 ガ七 名 説 ヲ出 シ タ事 ヲ聞 カナ カツ タ カ。
答 左様 デ ス。
二五 問 其 役 ヲ近藤 ガ ヤ ッ タ ノ カ。
ノ ニ就 イ テ皆 ニ賛 否 ヲ求 メ マシ タデ ス。
一 七問 其 、 已 ニ出 来 テ居 ツタ意 見 ハ、主 ニ発起 人組 織 者 ノ意 見 デ ア ルノ カ。 答 左 様 デ ス。 一 八問 被 告 ハ執 行 委 員 デ ア ツ タ ノ カ。 答 左 様 デ ス。 一 九問 何 時 執 行 委 員 ニナ ツ タ カ。 答 市 川 ノ会 合 ノ時 ニ極 マツタ ノ デ ス。 其 時 ニ選 挙 シ タノ デ ス。 私 ハ当籤 シ マシタ カ ラ辞 シ タ ノデ スガ 、辞 スル コト ハ出 来 ナ イ ト 云 フ事 デ ア ツ タ ノデ ス。然 シ荒 畑 君 モ当籤 シ タ ノデ スガ辞 シタ ノ デ ス。
答 ソ ウデ ス。其 時 デ ハナ ク、後 ニ極 メ ラ レ タ ノデ ス。私 ハ断 ツ
二〇 問 被 告 ハ、尚 ホ常 任幹 事 ト ナ リ 、会 計 係 デ ア ツ タ様 ダ ネ。
タ ノデ スケ レド モ迷 惑 ヲカ ケ ナ イ カ ラ ソ ウ シ テ置 イ テ呉 レト 云 フ事 デ ア リ、 尚其 時 規律 ガ ナ ク ナ ツ タ カ ラト 云 フ事 デ シタ。 二一 問 規 律 ガ無 ク ナ ツ タト ハ。 答 前 ニ規 律 委 員 デ ア ツ タ ノ ガ廃 止 ニナ ッタ カ ラ デ ス。
答 橋 浦 君 カ ラデ ス。
二二問 誰 レカ ラ 云 フ テ来 タ ノ カ。
答 左 様 デ ス。議 長 ハ何 時 モ其 場 デ 選 ブ 事 ニナ ツ テ居 ルノ デ ス。
ノ カ。
三一 問 尚 重 ネ テ尋 ク ガ 、党 規 改 正 ニ付 テ説 ヲ読 上 ゲ タ ト キ ニ、 之 ハ
二三問 高 野 ノ 云 フ テ居 ル処 ニヨ ルト 、高 津 カ堺 デ ア ツ タ カ、山 川 ノ 事 デ ア ツ タ カ、 ヨク覚 ヘテ居 ラ ヌガ、 何 カ被 告 ガ非 常 ニ怒 ツタ ト 云
答 左 様 デ ハア リ マセ ヌ。 五名 説 、 十 名 説 ト 云 フ様 ニ、 コウ ユウ
誰 ノ説 デ ア ルト 云 フ ツ テ読 上 ゲ タ ノ カ。
二四 問 尚 ホ、市 川 ノ会 合 ノ時 キ、此 党 規 改 正 ノ書 類 ヲ見 タ ノデ ハナ
テ、其 手 ノ数 ニ依 ツ テ極 メ タ ノデ ス。
説 ガ ア ルガ 、例 ヘバ 五名 説 ニ賛 成 ノ モ ノ ハ手 ヲ挙 ゲ ル ト 云 フ様 ニシ
答 夫 レ ハヨ ク覚 ヘテ居 リ マセ ヌ。
フ事 デ ア ルガ什 ウ カ。
カ ツタ カ。
署 名 シ タリ 。
同 日於 同 所 作 之
右読聞ケ云 々
第 十 三回 調 書
被
告
人 吉 川 守 邦
人 吉 川 守 邦
義 雄
裁 判 所 書 記 稲 垣 正 二
告
予 審 判 事 沼
被 前 同 一事 件 ニ付 、 大 正 十 二年 十 二月 二十 八 日東 京 地 方裁 判 所 ニ於 テ、 訊 問 ヲ為 ス コト 左 ノ如 シ。
一問 仲 宗 根 ハ、執 行 委 員 ハ総 テ ノ責 任 ヲ負 フ モ ノデ ア リ 、連 帯 責
中略
同 日於 同 所作 之
第 十 四 回 訊問 調 書
訊 問 ス ル コト 左 ノ如 シ
人 吉 川 守 邦
義 雄
裁 判 所 書 記 稲 垣 正 二
告
予 審 判 事 沼
被
右 前 同 一事 件 ニ付 キ 、大 正 十 三年 二月 六 日東 京 地 方裁 判 所 ニ於 テ 中略
一問 被告 ニ対 ス ル被 告 事 件 ハ、 治 安警 察 法違 犯事 件 デ ア ル。 コウ
︹此時 被 告 ニ対 ス ル予 審 請 求 書 記 載 ノ起 訴事 実 ヲ読 聞 ケ タ リ︺
ユウ起 訴事 実 ニナ ツ テ居 ルガ、 何 カ陳述 スル事 ガ ア ルカ。
ル事 ガ ア レバ陳 ベ ル様 ニ。 先 ヅ 犯罪 発覚 ノ原 因 ハ、此 三 ッ ノ書 類 ガ
二問 今 回 ノ事 件 ニ付 テ ノ犯 罪 嫌疑 ノ原 因 ヲ告 ゲ ルガ 、何 カ弁 解 ス
答 別 ニ何 モア リ マセ ヌ。
ラ 、矢 張 リ被 告 モ執 行 委 員 ト シテ其 責 任 ヲ負 ヒ、 田代 ガ 二月 四 日 、
警視 庁 ノ手 ニ這 入 ツ タ事 デ ア ル。
任 デ ア ル カ ラ、 自 分 カラ全 部 申 スト 云 フ事 ヲ陳 ベ テ居 ルノ デ ア ルカ
市 川 ノ会 合 ニ列席 シ テ居 ツ タ カ什 ウ カ、 及 誰 レ ノ細 胞 ニ属 シ テ居 ツ
答 夫 レデ ハ申 シ マセ ウ。
タ カ ヲ解 決 シ テ ハ什 ウ カ。
ル書 類 、同 号 ノ 二 ノ党 規 改 正 ノ書 類 、同 号 ノ 三 ノ議 事 録 ヲ示 ス︺
︹此時 大 正十 二年 押 第 七 七 四 号 ノ 一ノ英 国 共 産 党 暫 定 党 規 ト 題 ス
此書 類 ガ手 ニ入 ツ タ訳 ハ、証 人 渋 谷杢 次 郎 、渋 谷 幸 太 郎 、 坂 口鶴治 、
二月 四 日 ニ田代 君 モ行 ツ テ居 ツ タ様 ニ思 ヒ マス。 ソシ テ田 代 君 ハ、 近 藤 君 ノ細胞 ニ属 シテ居 ツ タ ノデ ス。
渋谷 ハナ、 大 沢 豊 造 等 ノ証 言 ニ依 ツ テ判 カ ルノデ ア ル ガ、 之 レ等 ノ
者 ノ 云 フテ居 ル要領 ハ此 通 リデ ア ル。
︹ 此 時 証 人 渋 谷 幸 太郎 、 渋谷 杢 次 郎 、坂 口鶴 治 、 大 沢 豊 造 、 渋 谷
答 左 様 デ ハナ カ ツタ ト思 ヒ マス。
二問 田代 ハ二 月 四 日当 時 、 細 胞 ノ代 表 デ ア ツ タ カ。
三 問 然 シ其 ト キ ニ ハ、細 胞 ノ代 表 デ ナ ケ レバ、 出 席 出 来 ナ カ ツ タ
告
堺
利 彦
田 所 輝 明
尚 ホ被 告 及 各 証 人 ノ供 述 ノ要 領 ハ此 通 リデ ア ル。 ︹此 時 被 告 人
浦 田 武 雄
対 ス ル司 法警 察 官 及 検事 ノ各 聴 取 書 ノ内 容 ノ要 領 ヲ告 ゲ タ リ︺
ハナ ニ対 スル予 審 調 書 及 渋 谷杢 次 郎 、 渋 谷 幸 太 郎 、 坂 口鶴 治 、 ニ
被
人 吉 川 守 邦
ノデ ハナイ カ。
署 名 シタ リ。
答 ア ノト キ ハ、 ソ ウデ ナ カ ツ タト思 ヒ マス。
右読聞 ケ云々
市 川 正 一
浄
橋 浦 時 雄
渡 辺 満 三
荒 井 邦 之 助
仲 宗 根 源 和
杉 浦 啓 一
田 代 常 二
野 坂 参〓
上 田 茂 樹
小岩 井 徳 田 球 一
川 内 唯 彦
雅 雄
清
高 瀬
猪 俣津 南 雄
梅 川 フ ク
山 川
西 渡 辺 政 之輔
小 島 忠 蔵
高 野 武 二
黒 沢 ユ キ 吉 田
上 邨 ハナ
後 藤 き ん
均
人
木 村 ト メ
証
市 川 義 雄
竹 内 タ マ
斎 藤 テ ラ
之 ハ渡 辺満 三 ガ豊 島 館 ヘ席 ヲ借 リ ニ行 ツタ ト キ ノ関 係 書 面 デ ア ル。
︹此時 前 同号 ノ 四、 五 ヲ示 ス︺
之 ハ水 谷健 一 ( 徳田)名 義 、 吉 原 太郎 宛 ノ書 面 ニ ヨル。
︹此時 前 同 号 ノ 八 ヲ示 ス︺
タ事 ノ判 カ ル 一ツノ材 料 ニナ ル。
之 ハ高 尾平 兵 衛 ノ脱 退 届 デ ア ル ガ、 之 ニ依 ツ テ モ党 ノ成 立 シ テ居 ツ
︹此時 前 同 号 ノ 七 ヲ示 ス︺
之 レ ハ、 渋 谷杢 次 郎 方 ノ米 櫃 ノ台 ト 底 ト デ ア ル。
︹此 時 前 同 号 ノ五〇 ノ 一、 二 ヲ示 ス︺
後 藤 き ん
三 問 其脱 退届 ハ、曩 キ ニ示 シ タ事 ガ ア ルガ 、其 当 時 被 告 ガ規 律 委
答 別 ニ弁 解 ス ル事 ハア リ マセ ヌ。 梅 川 フ ク
員 長 デ ア ツ タ事 ヲ曖 昧 ニシ テ居 ッ タガ 、規 律委 員 長 デ ア ツ タ事 ハ違
一
え 小 林進 次 郎
大 谷 ツ ル 小 倉い 小 林 武 次
木 村 ト メ
大 谷 ツ ル
ニ対 ス ル予 審 調 書 、 竹 内 タ マ
え
被
告
人 吉 川 守 邦
予 審 判 事 沼
義 雄
裁 判 所 書 記 稲 垣 正 二
東 京 地方 裁 判 所
署 名拇 印 シ タリ 。
答 私 ノ供 述 ノ中 デ、 山 川 ト 田 代 ニ関 ス ル供 述 ヲ取 消 シ テ貰 イ度
消 ヲ シ テ来 タガ 、被 告 ガ前 回 陳 ベ タ事 ハ違 イ ナ イ ノデ ハナイ カ。
四問 被告 ハ、先 キ ニ上 申 書 ヲ出 シ テ、 田代 ノ事 ニ関 スル供 述 ノ取
答 左 様 デ ス。
ヒ ナ カ ロウ ネ 。
小 倉い
梅 川 フ ク
黒 沢 ユ キ
一
後 藤 き ん
小 島 忠 蔵
黒 沢 ユ キ
上 邨 ハ ナ 三 崎 良
木 村 ト メ
ニ 対 ス ル検 事 ノ聴 取書 、 及
小 倉い
え
上 邨 ハ ナ
イ ノデ ス。
ニ対 ス ル司 法 警 察 官 聴 取 書 ノ各 内 容 ノ要 領 ヲ告 ゲ 、 尚鑑 定 ノ結 果 ヲ告 ゲ 、 且大 正 十 二年 七 月 十 三 日附 、警 部 山 田弥 市 ノ報 告 書 並 ニ ︹ 知悌︺ 大 正 十 二年 六 月 四 日附 、警 視 庁高 等 課 長 ヨリ南 谷 検 事 正 宛報 告 書
右 読 聞 ケ 云々 同 日於 同 所
ノ要 領 ヲ告 ゲ タ リ︺
︹此時 前 同 号 ノ四十 六 ヲ示 ス︺
之 レ ハ、 二月 四 日、 市 川 ノ 一直 園 ニ於 ケ ル十 七 人 分 ノ伝 票 デ ア ル。
︹此 時前 同 号 ノ 三十 二、 四 十 五 、 四十 七 ヲ示 ス︺
之 ハ豊 島 館 ヤ 一直 園 ノ女 中 ニ見 セ タ各 写 真 デ ア ル。
二 二 猪 俣 津 南 雄 予 審 訊 問 調 書
調
書 証
人 猪保津南雄
右治安警察法違犯被告事件 ニ付、大正十 二年七月十三日東京地方裁 ︹マ マ︺
答 サ ンガ ー夫 人 ノ歓迎 会 ノ時 ニ 一度 会 ッ タ事 ガ アリ マ ス。
答 今 年 ノ初 メデ ア ツタ カ 、去 年 ノ暮 デ ア ツ タ カ覚 エ テ居 リ マセ
五問 夫 レ ハ何 時 何 処 デ カ。
ヌガ、 何 ンデ モ暖 カイ時 分 デ ハナ カ ツ タト 思 ヒ マス。 場 所 ハ帝 国 ホ テ ルデ ア ツ タト 思 ヒ マス。 六 問 会 ツ タ ノ ハ其 時 丈カ 。
答 其 前 ニ会 ッ タ記憶 ガ ア リ マセ ヌ。 七問 近 藤 栄蔵 ハ什 ウ カ。
答 全 然 会 ツ タ記憶 ガ ア リ マセ ヌ。
ルデ ア ロウネ 。
八問 佐 野 学ト ハ同 ジ学 校 ニ出 テ居 ル ノデ ア ル カ ラ、勿 論 知 ツ テ居
判 所 ニ於 テ予 審 判 事 沼 義 雄 ハ裁 判所 書 記稲 垣正 二立 会 ノ上 右被 告 人
一問 氏 名 、年 齢 、 職 業 云 々。
答 昨 年 ノ夏 一回 、冬 一回 、 今 年 ニナ ツ テ カ ラ 一回講 習 会 ヲ遣 リ
一 三問 何 日頃 ア ツタ ノ カ。
答 早稲 田 大学 デ ス。
一 二問 何 処 ノ講 習会カ 。
一寸 見 エテ、 私 ハ田所 デ スト 云 ツ タ事 ガ ア ル様 ニ思 ヒ マス。
答 会 ツ タ カ モ知 レ マセ ヌ。 学 校 ノ講 習 会 ニ遣 ツ テ来 テ居 ル時 、
一一 問 田 所輝 明 ハ什 ウ カ。
答 会 ツ タ記憶 ガ ア リ マセ ヌ。
一〇問 高 津 正道 ハ什 ウ カ。
私 ガ 訪 ネ テ行 ツタ事 モア レバ、 先 方 カ ラ来 テ呉 レタ事 モア リ マ ス。
答 普 通 デ ス。普 通 ヨリ少 シ懇 意 デ ス。
九 問 懇 意 ニシ テ居 ルカ。
答 知 ツ テ居 リ マス。
ニ対 シ訊 問 ヲ為 ス コト 左 ノ如 シ。
年 齢 ハ 三十 五年
答 氏 名 ハ 猪 俣 津 南 雄
職 業 ハ 早 稲 田 大 学講 師 住 所 ハ 東 京 府 豊 多 摩 郡代 々幡 町字 笹 塚 千 百 五 十 二番 地 ︹ 予 審 判 事 ハ、 刑 事 訴 証法 第 百 二十 三条 第 百 二十 四 条 ノ規 定 ニ該 当 ス ル モノデ ア ル ヤ否 ヤ ヲ調査 シ、之 ニ該 当 セザ ル コト ヲ認 メ 、 証 人 ト シテ訊 問 スベ キ旨 ヲ告 ゲ 、宣 誓 ヲ為 サ シ メ タリ︺ 二問 証 人 ハ何 時 カ ラ早稲 田 大学 ノ講 師 ヲ シ テ居 ル カ。 答 一昨 年 ノ十 月 カ ラデ ス。 三問 何 ノ講 座 ヲ担 任 シ テ居 ルカ。 答 農 業 政 策 、 経済 学史 、特 殊 研 究 デ ス。
四問 堺 利 彦 ヲ知 ツ テ居 ルカ。
尚 ホ高 等 学 院 ノ方 デ ハ経 済 原 論 ヲ講 義 シ テ居 リ マス。
マシ タガ 、其 中 ノ何 レノ時 デ ア ツ タ カ、ヨ ク覚 テ居 リ マセ ヌ。
答 全然 記憶 ガ ア リ マセ ヌ。
一 四問 浦 田武 雄 ハ什 ウ カ。
答 会 ツ タ カ モ知 レ マセ ヌガ 、 覚 テ居 リ マセ ヌ。
一五問 市 川 正 一 ハ什 ウ カ。
答 之 レ ハ判 然 ト記 憶 シテ居 ル事 ガ アリ マス。
一 六 問 渡 辺満 三 ハ什 ウ カ。
夫 レ ハ本 年 ノ四月 中 旬 頃 ノ事 デ ア ツ タト思 ヒ マス。 誰 デ ア ツ タ カ記憶 シテ居 リ マセ ヌガ、 誰 カ ノ紹 介 デ来 タ様 ニ思 ヒ マ スガ 、 私 ノ処 ヘ来 マシ テ、 今 度 自 分 ノ知 ツ テ居 ル労 働 者 ノ中 デ 研究
ツ テ貰 度 イ ト申 シ マス カ ラ、 私 ハ兼 ネ〓
労 働 者 ガ什 ンナ研 究 心 ヲ
心 ノ ア ル者 ヲ集 メ テ マル ク ス経 済 学 ノ研 究 ヲ遣 リ度 イ、 此講 師 ニナ
秘密 ノ会 合 ナ ラバ 嫌 イダ ト 申 シ タ ノデ スガ 、其 那 事 ハナイ 、 多 勢 ノ
持 ツ テ居 ルカ ヲ知 リ度 イ ト 思 ツ テ居 リ マ シタ カ ラ尋 ネ テ見 マシ タ。
者 ヲ集 メ テ来 ルト 云 フ事 デ アリ マシタ カ ラ、 夫 レデ ハ講 義 丈 ヲ遣 ル ト 云 ツテ承 諾 シ タ ノデ ス。
夫 レデ秘 密 ノ会 合 デ ナイ ト思 ヒ マシタ カ ラ行 ツ テ講 義 ヲ シ タ ノデ ス。
其 後 、会 場 ノ図 面 ヲ謄 写 版 ニ摺 ツ テ、夫 レヲ配 ツ タ ノ ヲ見 マ シタ。
答 二 、三 日前 ノ事 ト 記憶 シ マス。
一 七問 第 一回講 義 ノ 日 カ ラ、何 日程 前 ニ渡 辺 ガ来 タ ノ カ。
一 八問 其 時 初 メ テ渡 辺 ヲ知 ツタ ノカ。 答 左様 デ ス。
一 九問 第 一回 ノ時 ハ何 人 程 集 タ カ。 答 七 、八人 程 デ シ タ。
二〇 問 什 ンナ連 中 ガ来 タ ノ カ。
答 皆 、労 働 者 ダ ト思 ヒ マシ タ。
二一 問 名 前 ヲ聞 カ ナ カ ツ タ カ。
答 自 己紹 介 デ 名 前 ヲ申 シ テ居 リ マシタ ガ 、覚 エテ居 リ マセ ヌ。
答 致 シ マセ ヌデ シ タト思 ヒ マス。
二二 問 其 時 ノ講 義 ハ、 筆 記 ス ルト カ速 記 ス ルト カ シ ナ カ ツ タ カ。
答 夜 ノ 八時 半 カ九 時 頃 ニ始 マ ツ テ、十 時 半 頃 ニ終 リ マシ タト思
二三問 何 時 頃 ニ始 メ テ、 何時 頃 ニ終 ツタ ノ カ。
ヒ マ ス。
二四 問 第 二回 目 は 何 時 頃 デ ア ツ タ カ。
答 メ ーデ ーガ 五 月 一日 デ ア リ マ シ タ ガ 、其 二、三 日前 ダト 思 ヒ マ ス 。
ツ ト遅 カ ツ タ カ モ知 レ マセ ヌ。 終 ツ タ ノ ハ十 時 半頃 カト思 ヒ マス。
ナ イ カ ト 云 フ テ争 ツ テ居 リ マシ タガ 、始 マツ タ ノ ハ九 時 カ乃 至 ハモ
答 臨 検 ガ ア リ、 主 催 者側 ノ方 デ ハ其 那 事 ヲセ ナ クト モ ヨイ デ ハ
二五問 何 時 頃 ニ始 メ テ、 何時 頃 ニ終 ツタ ノ カ。
講 義 ノ筆 記 ヲシ タ ノデ ス。 処 ガ ソ ンナ 必要 ハナ イ ト 云 ッ タ ノデ スガ 、
日前 ノ事 デ ア ツ テ管 轄 警察 ノ係 リ ノ人 ガ来 テ居 ツテ臨 検 ヲ スル シ、
其 第 一回 ハ何 ント モナ カ ツ タ ノデ スガ 、第 二回 ハメ ー デ ー ノ 二 、三
是 非 ス ルト 云 フ事 デ ア リ マシ タ カ ラ時 間 ガ遅 ク ナ ツ タ ノデ ス。然 シ
答 講義 ヲ聞 イ タ人 ハ前 ヨリ モ少 ク、 五 、六 人 位 デ シ タ。 大分 来
二六問 其 集 ツ タ ノ ハ、幾 人程 カ。
ソウ ユウ事 カ ラ渡 辺 ヲ知 ツ テ居 リ マ ス。
誰 ニ モ聞 イ テ貰 度 イ 事 デ アリ マシタ カ ラ其 儘 講 義 ヲ シ タ ノデ ス。
何 時 デ モ個 人 ノ家 ヘ来 テ講 義 ヲ遣 ツ テ呉 レ ル ノ カ。
三六問 証 人 ハ マル ク スノ経 済 学 ノ講 義 デ ア レバ 、頼 ミサ ヘス レバ、
答 報 酬 ノ話 ハ、 前 カ ラ全 然 ナ カ ツ タ ノデ ス。
話 ヲ後 デ 聞 キ マシ タ。
タノデ スガ、 入 口 ニ七 、八 人 ノ警 察 ノ人 ガ居 ル カ ラ皆 帰 ツ タ ト 云 フ
二七問 什 ウ ユウ連 中 ガ集 マツタ ノ カ。
答 ソウ ユウ 訳 デ モア リ マセ ヌ ガ、 私 ハ兼 ネ〓
諾 シ タ ノデ ス。
研 究 心 ヲ持 ツ テ居 ル カ知 リ度 イト 思 ツ テ居 リ マシ タ カ ラ、夫 レデ 承
労 働 者 ガ什 ンナ
答 労 働 者 デ ア ツタ ト思 ヒ マ ス。 二八問 講 義 ハ、 マル ク スノ経済 学 ノ講 義 デ ア ツ タ カ。 答 左 様 デ ス。
答 ソウ デ アツ タ ト思 ヒ マ ス。
三七問 場 所 ハ渡 辺 ノ家 デ ア ツ タ ノ カ。
ト云 フ事 デ ア ツタ ノ デ スガ 、然 シ夫 レ ハド チ ラデ モ ヨ カ ツタ ノ デ ス。
最 初 、 私 ハ個 人 ノ家 ト ハ思 ハナ カ ツ タ ノデ ス。 何 処 カヲ借 リ テ遣 ル
答 左 様 デ ス。 前 回 ノ続 キ ヲ遣 ツ タ ノデ ス。
二九問 二回 目 モ矢 張 リ同 様 カ。
カ。
答 会 ツ タ事 ハア リ マス。昨 年 外 国 カ ラ帰 ツ テ来 タ間 モナ イ頃 、
四四 問 野 坂 参〓 ハ什 ウ カ。
答 知 リ マセ ヌ。
四三問 仲 宗 根 源 和 ハ什 ウ カ。
答 知 リ マセ ヌ。
四二問 吉 川 守 邦 ハ什 ウ カ。
答 知 リ マセ ヌ。
四一 問 橋 浦 時 雄 ハ什 ウ カ。
答 知 リ マセ ヌ。
四〇 問 高 瀬 清 ハ什 ウ カ。
答 知 リ マセ ヌ。
三九問 上 田 茂 樹 ハ什 ウ カ。
答 全 然知 リ マセ ヌ。
三八問 証 人 ハ杉 浦 啓 一ヲ知 ツテ居 ルカ。
三〇 問 二回 目 ニ来 タ労 働 者 ハ、第 一回 目 ニ来 タ人 ト 同 一人 デ ア ツタ
答 前 ト同 ジ人 モ居 ツタ カ モ知 レ マセ ヌ。 変 ツ タ人 モ居 ツタ様 デ ス 。
カリ ソウ ナ モノデ ア ル シ、前 ノ人 ガ居 ラ ナ イ ト 云 フ事 デ ア レバ 、講
三一 問 五 、 六 人 位 ノ者 ナ ラバ 、前 ノ人 ト同 一ノ人 デ ア ル カ 什 ウ カ判
義 ハ矢 張 リ遣 リ直 ホ サ ナケ レバ 、前 ノ続 キデ ハ判 ラ ヌ様 ニ思 ハルヽ
答 約 束 ガ前 ノ続 キト 云 フ事 デ ア ツ タ ノ デ ス。
ガ什 ウ カ。
答 終 リ マセ ヌ。 三分 ノ二 位済 ンダ ト思 ヒ マ ス。
三二問 二 回目 デ 全 部 講義 ヲ終 ツタ カ。 ︹マ マ︺
答 渡 辺 ノ方 カ ラ何 等 通 知 ガ ナ カ ツタ カ ラデ ス。
三三 問
答 無 報 酬デ ス。
三四問 其 講 義 ヲ スル ニ付 テ報 酬 ヲ貰 ツタ カ。
三五問 最初 カラ ソウ ユウ約 束 デ ア ツ タノ カ。
四五問 其 ハ 一度 限 リ カ。
総 同 盟 デ 会 ツ タト 思 ヒ マス。
答 左 様 デ ア ツ タト 記憶 シ マス。 四六問 西 雅 雄 ハ什 ウ カ。 答 会 ツタ カ モ知 レ マセ ヌ。会 ツタ ト ス レバ、 田 所 君 ト 同 様 ノ場
調
書
被
告
人 猪 俣 津 南 雄
右 治 安 警 察 法違 犯被 告 事 件 ニ付 、 大 正 十 二年 七 月 十 四 日東 京 地方 裁
一問 氏 名 、年 齢 云 々。
判 所 ニ於 テ予 審 判事 沼 義 雄 ハ裁 判 所 書 記 稲 垣 正 二 立会 云 々
職業 ハ
族 称 ハ
新 潟 県 長 岡市 長 町千 一番 地
東 京 府 豊多 摩郡 代 々幡 町字 笹 塚 千 百 五 十 二番 地
早稲 田 大 学講 師
平民
三 十 五年
猪 俣津 南 雄
住 所 ハ
年 齢 ハ
答 氏 名 ハ
イ頃 ノ事 デ ス。
本 籍 ハ
四七問 荒 井 邦 之 介 ハ什 ウ カ。
合 ニ会 ツタ事 ガ ア ル カ モ知 レ マセ ヌ。
会 ヒ マシ タ。 一昨 年 ノ終 リ ノ頃 デ ス。講 習 会 ヲ遣 ルカ ラ遣 ツ テ貰 ヘ
出 生 地 ハ 新 潟 県新 潟市
答 会 ヒ マシタ 。此 人 ニ ハ私 ガ洋 行 カ ラ帰 ツテ学 校 ヘ出 テ間 モナ
ナ イダ ラ ウ カト頼 ミ ニ来 タ様 ナ機会 ニ会 ツタ ノデ ス。
答 長 岡中 学 ヲ出 テ早 稲 田 大 学 ニ入学 シ、大 正 四年 ニ同 大 学 ヲ卒
四 問 被 告 ノ学 歴 ハ。
答 アリ マセ ヌ。
三 問 刑 罪 ニ処 セ ラ レタ ル コト ナ キ ヤ。
答 アリ マセ ヌ。
二問 位 記 、勲 章 、 云 々。
荒 井 ハ、其 頃 ハ早 稲 田 ノ学 生 デ ア ツ タト思 ヒ マ ス。 四八問 田代 常 二 ハ什 ウ カ。 答 知 リ マセ ヌ。 四九問 渡 辺 政 之輔 ハ什 ウ カ。 答 知 リ マセ ヌ。 五〇 問 例 ヘバ 共産 党 ノ人 ガ 、本 年 三月 十 五 日、石 神 井 村 ノ料 理 店 豊 島 館 ニ集 ツ テ何 カ相談 ヲ シタ ト 云 フ事 ハ聞 カ ナ カ ツ タ カ。
ノ大 正 八 年 ニド クト ルフ イ ロソ フイ ノ称 号 ヲ得 タ ノデ ス。
業 シ、 大 正 四年 ニウ イ ス コ ンシ ン大 学 院 ニ入学 シ、夫 レカ ラ四 年 目
答 私 ハ大 体 研究 者 ノ 地位 ニ居 リ マシ テ、 私 ト シ テノ主 義 主 張 ト
答 一昨年 ノ十月 カラデ ス。
五問 夫 レ カ ラ早 稲 田大 学 ノ講 師 ニナ ツ タ ノ ハ何 時 カ。 人 猪 俣津南 雄
証
答 其 那 事 ハ聞 イ タ記憶 ハアリ マセ ヌ。 尚 ソウ ユウ団 体 ノ ア ル事 モ知 リ マセ ヌ。
右読 聞 ケ 云 々。
六 問 被 告 ノ抱 イ テイ ル主 義 思 想 ハ如 何 。 義 雄
裁 判 所 書 記 稲 垣 正 二 裁 判 所 判 事 沼
云 フ モ ノ ハアリ マセ ヌ。 七 問 被 告 ハ、所 謂 ボ ルシ エビ イ ズ ム ヲ奉 ズ ル社 会 主 義 ヲ抱 イ テ居 ル ノデ ハナ イ カ。
第 二回 調 書
被
告
人 猪 俣 津南 雄
右 前 同 一事 件 ニ付 、 大 正 十 二年 十 一月十 七 日東 京 地方 裁 判 所 ニ於 テ
一問 吉 川 ノ 云 フ テ居 ル所 ニヨ ツ テ モ、 又 地震 以 後 ニ起 訴 ニナ ツタ
予 審 判 事 沼 義 雄 ハ裁 判 所 書 記稲 垣 正 二 立会 云 々。
ノ思 想 ト シテ居 ル ノデ ハアリ マセ ヌ。
市 川 義 雄 ノ 云 フ テ居 ル処 ニヨ ツ テ モ、被 告 ガ 三月 十 五 日 ニ石神 井 ノ
答 夫 レ ハ確 ニ私 ノ研 究 材料 ト シ テ居 リ マ スケ レド モ、 夫 レ ヲ私
ス ル事 ノ相 談 ヲ シ タ ノデ ハナ イ カ。
八問 被 告 ハ堺 利 彦 等 ト 共 ニ日本 ニ於 ケ ル共 産 党 ノ秘 密 結 社 ヲ組 織
被
告
人 猪 俣津 南 雄
裁 判 所 書 記 稲 垣 正 二 義 雄
九 問 何 ヲ シ テ居 ル人 カ。
答 今 デ モ 懇意デ ス。
八問 今 デ モ懇 意 ニ シ テ居 ル カ。
答 可 ナ リ古 イ ノデ ス。十 九 、二十 歳 位 ノ時 分 デ ス。
七問 何 時 頃 カ ラ知 ツ テ居 ル ノ カ。
答 早 稲 田大 学 ノ学 友デ ス。
六問 什 ウ 云 フ関 係 ノ人 カ。
答 塚 原 徹 二デ ス。
五問 誰 カ。
答 ア リ マス。
四 問 佐 渡 ニ被 告 ノ知 ツタ人 ガ ア ル カ。
答 今 思 ヒ出 セ マセ ヌ。
三 問 ア ル カ無 イ カ位 ハ判 リ ソウ ナ モノデ ハナイ カ。
答 気 ガ 付 キ マセ ヌ。
二問 被 告 ノ知 ツ テ居 ル人 ノ中 ニ、戸 田 ト 云 フ人 ガ ア ル カ。
信 ジ マセ ヌガ 、仮 リ ニア ツ タト シ テ モ、私 ハ行 カ ナ カ ツ タ ノデ ス。
答 私 ハ行 カ ナ カ ツ タ ノデ ス。私 ガ行 ツ タ ト 云 フ モ ノガ ア ロウ ト
会 合 ノ時 ニ行 ツ タ事 ガ 認 メ ラ ルヽ ガ什 ウ カ。
答 ソ ウ ユウ事 ノ覚 ハアリ マセ ヌ。 九 問 被 告 ハ其 ノ結 社 ニ加 入 シテ居 ル ノデ ハナイ カ。 答 左 様 ナ事 ハアリ マセ ヌ。 一〇問 被 告 ハ、昨 日 モ尋 ネ タ通 リ本 年 三 月 十 五 日 、府 下 石 神 井 村 ノ
答 ソ ウ ユウ事 ハ全 然 記 憶 ニア リ マセ ヌ。
料 理 店 豊島 館 ヘ行 ツタ ノデ ハナ イ カ。
一一 問 全然 行 カ ナ イ ノ カ、 又 ハ今 ノ処 記憶 ニ浮 バ ナ イ ト 云 フ ノ カ。 答 今 ノ処 記 憶 ニ浮バ ナイ ト 云 フ ノデ ス。 一二 問 然 ラバ 、将 来 記 憶 ニ浮 ブ カ モ知 レ ヌト 云 フ意 味 ナ ノ カ。
署 名 シ タリ
答 要 スル ニ記 憶 ノ問 題 デ 、 私 ハ今 ノ処 ソウ ユウ処 ノ名 前 モ記憶 ニ浮 バ ナ イ ノデ ス。
右録取読聞 ケ云々 同 日於 同 所作 之
予 審 判 事 沼
答 実 ハ醤 油 屋 ヲ、醤 油 屋 ノ主 人 デ ス。
答 アリ マ ス。
一〇問 其 外 ニ歯 科 デ知 ツ テ居 ル人 ガ ア ル様 デ ハナ イ カ。
一 九問 誰 々 カ。
答 村 田 、駒 形 、 松 浦 、星 野 、後 ト ハ名 前 ヲ思 ヒ出 セ マセ ヌ。
尚 ホ 一人 判 カ ラ ナイ人 ガ ア リ マ ス。
答 此 人 デ ス。
二〇 問 夫 レ ハド ノ人 カ。
︹ 此 時 右 写 真 ノ後 列 ノ中 央 ノ人 ヲ指 示 シタ リ︺ ︹ 答カ︺ 二一 問 被 告 ハ村 田 ト 云 フ人 ハ、 ヨク知 ツ テ居 リ マス。
一一 問 其 人 ト何 時 カラ知 ツ テ居 ル ノ カ。
松 瀬 教 五郎 デ ス。
二二 問 彼 ハ、戸 田郁 之 丞 ト 云 フ人 ヲ知 ツ テ居 ル ノデ ハナ イ カ。
答 聯 隊 デ 私 ガ看 護 卒 ト ナ リ、 其 人 モ看護 卒 ノ候 補 者 ト シ テ 一緒 ニ病 院 ヘ通 ツテ居 タ ノデ ス。
署 名 シタ リ。
第 三回 調 書
同 日於 同 所 作 之
右読 聞 ケ 云 々
被
告
告
人 猪 俣 津南 雄
義 雄
人 猪 俣津 南 雄
予 審 判 事 沼
裁 判 所 書 記 稲 垣 正 二
被
マセ ヌデ シタ。 然 シ同 級 生 ノ中 ニ戸田 ト 云 フ ノガ ア ツ タ様 デ ス。
答 村 田 ハソウ思 ツテ居 ルカ モ知 レ マセ ヌガ 、 私 ハ 一寸 思 ヒ出 セ
︹此 時前 同 号 ノ六 十 八 ヲ示 ス︺
デ ア ルガ 什 ウ カ 。
タト キ 、村 田 ノ話 デ ハ、戸 田 ト 云 フ人 ヲ被 告 モ知 ツテ居 ルト 云 フ事
ク知 ツ テ居 ル人 デ ハナ イ カ。 村 田 ノ処 ヘ行 ツ テ其 葉 書 ヲ押 収 シ テ来
二三問 ア ツタ ト 云 フ様 ナ気 モ ス ルト 云 フ様 ナ程 度 ノ人 デ ハナ ク、 良
者 モ ア ツ タト 云 フ様 ナ気 モ シ マス。
答 郁 之 丞 ト 云 ハ レテ思 ヒ出 シ マシ タガ 、同 級 生 ノ中 ニソ ウ ユウ
一二 問 聯 隊 カラ出 テカ ラ モ懇 意 ニシ テ居 ツタ ノ カ。 答 附 合 ツテ居 リ マシ タ。 一 三問 被 告 ハ其 ノ松 瀬 ニ宛 テヽ 洋 行 中 手紙 ヲ出 シタ事 ガ ア ル カ。 答 友 達 ノ事 デ スカ ラ ア ツ タ ロウ ト思 ヒ マス。 一 四問 他 ヘ出 ス手 紙 ヲ其 松 瀬 ニ宛 テヽ出 シ、取 次 イデ 貰 ツ タ事 モ ア
答 其 那 事 ハ多 分 無 イ ト思 ヒ マス。
ルノデ ハナ イ カ。
一 五問 二 重封 筒 ニシ テ出 シ タ事 ガ ア ル ノデ ハナ イ カ。 答 ナ イ ト思 ヒ マ ス。 一 六問 被 告 ノ知 ツ テ居 ル人 ノ中 ニ、戸 田 ト 云 フ人 ガ ア ルノデ ハナイ
答 先 程 モ ソウ 云 フ御 尋 ネ デ シ タガ 、思 ヒ出 セ ナ イ ノデ ス。
カ。
︹ 此 時 大正 十 二年 押 第 七 七 四 号 ノ六 十 七 ヲ示 ス︺
一 七問 此 写真 中 ニ、被 告 友 人 又 ハ知 ツ タ人 ガ居 ラ ナ イ カ。
答 之 ハ皆 私 ノ同 級 生 デ ス。 一 八問 何 処 ノ同 級 生 カ。 答 中 学 ノ同 級 生 デ ス。
右 治 安警 察法 違 犯 被 告 事 件 ニ付 、大 正十 二年 十 二月 十 九 日東 京 地方
署 名 シ タ リ。
同 日於 同 所 作 之
右読 聞 ケ 云 々
ニ引続 キ右 被 告 人 ニ対 シ訊問 ヲ為 ス コト左 ノ如 シ。
裁 判所 ニ於 テ予 審 判 事 沼義 雄 ハ、裁 判 所 書 記 稲 垣 正 二立 会 ノ上 前 回
人 猪 俣 津南 雄
義 雄
裁 判 所 書 記 稲 垣 正 二
第 五回 調 書
訊 問 スル コト左 ノ如 シ。
二問 コウ ユウ事 ヲ陳 ベ テ居 ル。
見 テ下 サイ 。
答 上 田 君 ハ未 ダ什 ウ ユウ事 ヲ 云 フ テ居 リ マス カ、 モッ ト読 ンデ
ヲ認 メ、 又被 告 ガ議 長 デ ア ツ タ事 ヲ認 メ テ居 ルガ什 ウ カ。
コウ ユウ様 ニ、 上 田 モ被 告 ガ 三月 十 五 日 ノ会 合 ニ列席 シ テ居 ツタ事
問 答 ヲ読 聞 ケ タリ︺
︹ 此 時 上 田 茂 樹 ニ対 ス ル第 四 回予 審 調 書 中 第 十 八問 答 及 第 二 十 一
一問 上 田 ハ、 此 様 ニ陳 ベ テ居 ルガ什 ウ カ。
中略
前 同 一事 件 ニ付 、 大 正 十 二年 十 二月 二十 八 日東 京 地 方裁 判 所 ニ於 テ 、
告
予 審 判 事 沼
告
義 雄
人 猪 俣 津 南 雄
被
一問 被 告 ハ、 三 月 十 五 日 ニ石 神 井 ノ会 合 ニ行 ツ タト 云 フ事 及 共 産 党 ニ加 入 シ テ居 ルト 云 フ事 ニ付 テ、 一昨 日会 ツタ ト キ ニ考 ヘテ置 ク ト 云 フ事 デ ア ツ タガ什 ウ カ。
被
告
予 審 判 事 沼
裁 判 所 書 記 稲 垣 正 二
人 猪 俣 津 南 雄
答 色 々御 忠告 ガ ア リ マシ タ ノデ ヨク考 ヘテ見 マシタ ガ、 身 ニ覚
署 名 シ タ リ。
ヘノ ナイ コト デ スカ ラ認 ム ル訳 ニ行 キ マセ ヌ。
右読聞ケ云 々 同 日於 同所 作 之
第四回調書 被
訊 問 スル コト左 ノ如 シ。
右 治 安 警 察 法 違 犯被 告 事 件 ニ付 、 大 正 十 二年 十 二 月 廿 六 日東 京 地方 裁 判 所 ニ於 テ、中略
リ︺
︹此 時前 同 一予 審 調 書 中 第 二問 答 乃 至 第 四 十 七 問 答 ヲ 読 聞 ケ タ
︹此 時 仲宗 根 源 和 ニ対 ス ル第 四 回 予 審 調 書中 第 十 八問 答 乃 至 第 二
人 猪 俣津 南 雄
夫 レ ヘ自 分 ガ 細 胞 代 表 ノ資格 デ 出 席 シ マシ タ。 ソ シ テ議 長 ニ選 バ レ
ト 云 フ事 デ 居 ウ チ ニ、 三 月十 五 日 ニ決 定 ス ル為 メ ニ会 議 ガ ア ツ テ、
胞 ト 云 フ モノ ガ ア ルト 云 フ事 デ ア リ マシ タ ガ 、何 レ極 メ ルデ ア ロウ
末 カ三月 ノ初 頃 カ、 佐 野 君 カ ラ話 ガ アツ テ、 党 ニ加 入 シ マシ タ。細
答 解 決 ヲ早 メ ル為 メ、 左 ノ事 ヲ認 メ マセ ウ。 私 ハ本 年 ノ二 月 ノ
被 告 ハ解 決 ヲ付 ケ テ ハ什 ウ カ。
一問 仲 宗根 ハ此 様 ニ申 シ テ居 ル。
十 問答 、第 二十 二問 答 乃 至 第 二十 五 問答 、第 二十 七 問 答 以 下 第 四 十 三問 答 ヲ読 聞 ケ タ リ︺
告
答 色 々ナ申 立 ガ出 テ来 マスガ 、身 ニ覚 エノ ナイ 事 デ ス。
被 告 関 係 ノ部 分 ニ付 テ ハ解 決 ヲ告 ゲ テ ハ什 ウ カ。
被
マシ タ。其 ノ議 場 ノ状 況 等 ハ、 大 体仲 宗根 君 、上 田 君 等 ノ陳 ベ テ居 ラルヽ 通 リデ ア ツ タ様 ニ思 ヒ マス。 三問 佐 野 カ ラド ウ云 フ話 ガ ア ツタ ノ カ。 答 ヨク覚 ヘテ居 リ マセ ヌガ 、共 産 主 義 的 ノ人達 ノ 一ツ ノ団体 ガ ア ル、其 一人 ニナ ラナ イ カト 云 フ事 デ ア ツ タ ノデ ス。
答 別 ニ秘 密 ノ団体 ト 云 フ事 ハ聞 キ マセ ヌガ 、誰 レ ニデ モ云 フ ベ
四問 ソ ノ団 体 ガ秘 密 ノ団 体 デ ア ルト 云 フ事 ハ勿論 デ ア ロウ ネ。
キ モノト ハ思 ツ テ居 リ マセ ヌデ シ タ。 五問 党 ノ組織 役 員 等 ニ付 テ ハ被 告 ハ読 聞 ケ タ通 リ 、仲 宗 根 、上 田 ノ陳 ベ テ居 ル通 リ デ ア ツタ カ。 答 大 体 ソウ デ ア ツ タ ト思 ヒ マス。 六 問 之 ヲ知 ツ テ居 ルカ。 ︹ 七七四号︺ ︹此 時 大 正十 二年 押 第 七 七 号 ノ三 、 議事 録 ヲ示 ス︺
答 夫 レ ハ私 ガ云 フ テ居 ツタ訳 デ ハナ イ ノデ ス。 外 ノ者 ガ付 ケ タ ノ デ ス。
一一 問 外 ノ者 ガ 付 ケ タ ニ シ テ モ、 戸 田ト 云 フ名 前 ヲ自 分デ 使 ツ テ居 ツタデ ハナイ カ。
ヲ紹 介 シ テ呉 レ タノ デ ス。
答 ソ ウ云 フ事 ハアリ マ セ ヌ。 ︹ 野︺ 会 議 ノ 日 ニモ堺 サ ンデ ア ツタ カ、 佐 藤 君 デ ア ツ タ カ、戸 田 ト シ テ私
答 夫 レ モ私 ハ知 リ マセ ヌ。 私 ハ 一人 一所 ノ積 リデ 居 ツタ ノデ ス。
一 二問 高 瀬 ハ被 告 ノ細 胞 ニ属 シ テ居 ツ タ ノ カ。
ノデ ア ツ タカ モ知 レ マセ ヌ。
何 レ所 属 ガ極 マルト 云 フ事 デ ア ツ タ ノデ ス。 或 ハ役員 ノ方 デ極 メ タ
一 三問 之 ハ什 ウ カ。
︹此 時前 同 号 ノ 二 、党 規 改 正 ノ書 類 ヲ示 ス︺ 答 之 レ ハ知 リ マセ ヌ。
ヘ実 際 加 入 シ テ居 ラ ナ カ ツ タ ノ カ。
一 四問 本 年 二月 四 日 、市 川 ノ 一直 園 デ 会合 ノ ア ツタ ト キ ハ、未 ダ党
答 之 ハ知 リ マセ ヌ。 高 瀬 君 ガ会 議 ノ ト キ ニ議 事 録 ヲ作 ツ テ居 ツ タ事 ハ知 ツテ居 リ マ スガ、
答 其 ンナ事 ハア リ マセ ヌ。 夫 レ ハ洋 行 シ タト キ ニ亜 米 利 加 デ知
ハナ イ カ。
一 七問 本 田時 雄 、 佐 田 俊 雄 ト 云 フ名 前 ヲ使 ツテ居 ツ タ事 モア ル ノデ
答 什 ウ モ聞 カ ナ カ ツ タ様 ニ思 ヒ マス。
一 六問 話 ヲ モ聞 カ ナ カ ツ タ カ。
答 左様 デ ス。
一 五問 然 ラ バ、 勿 論 二月 四 日 ノ会 ニ ハ出 席 シナ カ ツタ ノ ダ ネ。
答 実 際 加 入 シテ居 リ マセ ヌデ シ タ。
什 ウ云 フ モ ノヲ作 ツ タ カ知 リ マセ ヌ。 ︹マ マ︺
︹此時 前 同 号 ノ 一、英 国 共 産 党暫 定 書 ト題 ス ル書 類 ヲ示 ス︺
七 問 之 ハ見 タ事 ガ ア ル カ。
答 見 タ事 ハア リ マセ ヌ。 八問 聞 イ タ事 ハア ル ノデ ハナイ カ。 答 極 ク大 体 聞 キ マシ タ。
答 佐 野 君 カ ラデ ス。
九 問 誰 レカ ラ カ。
一〇問 被 告 ハ戸 田 ト 云 フ テ居 ツ タ ノ カ。
ツタ人 デ ス。
告
告
人 猪 俣 津 南 雄
義 雄
人 猪 俣 津 南 雄
予 審 判 事 沼
裁 判 所 書 記 稲 垣 正 二
被
一 八問 被 告 ハ何 時 頃 カ ラ社 会 主義 ヲ抱 ク様 ニナ ツ タ ノ カ。
署 名 シ タリ。
答 極 ク最 近 デ ス。
右読聞 ケ云々 同 日於 同 所作 之
第 六 回 訊問 調 書 被
右 前 同 一事 件 ニ付 キ 、大 正 十 三 年 二月 六 日東 京 地方 裁 判 所 ニ於 テ
渋谷杢次郎
︹ 此時証人
渋谷杢次郎
坂 口 鶴 治
渋谷幸太郎
ニ対 スル予審調書、
渋 谷 ハ ナ 大 沢 豊 造
坂 口鶴 治
ニ対 スル司法警 察官及検事 ノ聴取書 ノ内容 ノ要領 ヲ告 ゲ タリ︺ 堺
利 彦
田 所 輝 明 浦 田 武 雄
尚其外相被告及各 証人 ノ供述 ノ要領 ハ此通 リデ アル。 ︹此時
吉 川 守 邦
仲宗根源和
橋 浦 時 雄
清
小岩井
市 川 正 一 渡 辺 満 三 杉 浦 啓 一 上 田 茂 樹 高 瀬
浜 田 誠 一 川 内 唯 彦
荒井邦 之介
西
浄
野 坂 参〓
雅 雄
田 代 常 二 渡 辺政之輔
後 藤 き ん 黒 沢 ユ キ
均
竹 内 タ マ
高 野 武 二 山 川
小 島 忠 蔵
小林 進 次 郎
市 川 義 雄
小 倉い
証人
大 谷 ツ ル
右 被 告 人 ニ対 シ訊 問 スル コト 左 ノ如 シ。
上 村 ハ ナ
一問 被 告 ニ対 ス ル被 告 事 件 ハ、 治 安警 察法 違 犯 事 件 デ ア ツ テ、 コ
梅 川 フ ク
中略
斎 藤 テ ラ
︹マ マ ︺
木 村 ト メ
ウ ユウ起 訴 事 実 ニナ ツ テ居 ルガ 、 何 カ陳述 ス ル事 ガ ア ルカ。 ︹此 時被 告 ニ対 ス ル予 審 請 求 書 記 載 ノ起 訴事 実 ヲ読 聞 ケ タ リ︺
吉 田
梅 川 フ ク
大 谷 ツ ル
後 藤 き ん
マガ ラ
え
堺
一 松 瀬教 五郎
木 村 ト メ
小 倉い
高 沢 タ ヨ ニ対 ス ル予 審 調 書 及
参 考 人
え
答 今 ハ何 モア リ マセ ヌ。
小林 武 次 郎
ル事 ガ ア レバ陳 ベ ル様 ニ。 先ヅ 犯 罪発 覚 ノ原 因 ハ、 此 三 ツ ノ書 類 ガ
二 問 今 度 ノ事 件 ニ付 テ ノ犯 罪 嫌疑 ノ原 因 ヲ告 ゲ ルガ 、何 カ弁 明 ス
竹 内 タ マ
黒 沢 ユ キ
警 視 庁 ノ手 ニ這 入 ツ タ事 デ ア ル。
上 村 ハ ナ
小林武 二郎
︹マ マ ︺
︹此時 大 正十 二年 押 第 七 七 四 号 ノ 一ノ英 国 共 産 党 暫 定 党 規 ト 題 ス
吉 田
一 小林進次郎
松瀬教 五郎
木 村 ト メ 後 藤 き ん 黒 沢 ユ キ 梅 川 フ ク
ニ対 スル検事聴取書及
三崎良 一
ル書 類 、同 号 ノ 二 ノ党 規 改 正 ノ書類 、同 号 ノ 三 ノ議 事 録 ヲ示 ス︺ 其 書 類 ガ手 ニ這 入 ツタ訳 ハ、 証 人 渋谷 杢 次 郎 、 渋 谷 幸 太 郎 、 坂 口鶴 治 、 渋 谷 ハナ 、大 沢 豊 造 等 ノ証 言 ニ依 ツ テ判 カ ルノデ ア ルガ 、 之等 ノ者 ノ云 フ テ居 ル要 領 ハ此 通 リデ ア ル。
え
小 島 忠 蔵
答 別 ニ今 ノ処弁 解 ス ル事 ハア リ マセ ヌ。
三問 本 田時 雄 、佐 田俊 雄 ハ、被 告 ガ洋 行 シ タト キ ニ亜 米 利 加 デ 知
小 倉〓
ツ タ人 デ ア ルト 云 フ事 デ ア ツタ ガ 、何 ヲ スル人 カ。
上 村 ハ ナ ニ対 スル司 法警 察官 聴 取書 ノ内 容 ノ要領 ヲ告 ゲ 、 且鑑 定 ノ結 果 ヲ
答 其 人 ガ何 レ日本 ヘ来 ルト云 フ事 デ シ タカ ラ私 ガ受 取 ツ テ置 イ
六 問 何 カ本 田 又 ハ佐 田宛 テ ノ手 紙 ヲ被 告 ガ受 取 ツタ ノ カ。
レカ ラ間 モナ イ事 デ ス。
答 大 正 十年 ノ十 月 ノ末 頃 、 日本 ヘ私 ガ帰 ツ テ来 タ ノ デ スガ、 夫
五問 夫 レ ハ何 時 頃 ノ事 カ。
答 一度 ア ツタ ト思 ヒ マ ス。
ア ル カ。
四 問 本 田 又 ハ佐 田宛 ノ手 紙 ヲ松 瀬 教 五 郎 ノ手 ヲ経 テ受 取 ツタ事 ガ
答 船 ニ乗 ツ テ居 ル人 デ ス。
告 ゲ 、 尚 大 正 十 二年 六 月十 三 日附 警 部 山 田 弥市 ノ報 告 書 並 ニ大 正 十 二年 六 月 四 日附警 視 庁 特 別 高 等 課 長 ヨリ南 谷 検事 正 宛 報 告 書 ノ 要 領 ヲ告 ゲ タリ︺
︹ 此 時 前 同 号 ノ四 十 六 ヲ示 ス︺
之 ハ市 川 ノ 一直 園 ニ於 ケ ル二月 四 日 ノ十 七 人 分 ノ伝票 デ ア ル。
之 ハ豊 島 館 ヤ 一直 園 ノ女 中 ニ見 セ タ 写真 デ ア ル。 ︹ 此 時 前 同 号 ノ三 二 、 四 五 、 四七 ヲ示 ス︺ 之 ハ渡 辺 満 三 ガ豊 島 館 ヘ席 ヲ借 リ ニ行 ツ タ ト キ ノ関 係書 類 デ ア ル。 ︹ 此 時 前 同 号 ノ四 、 五 ヲ示 ス︺ 之 ハ水 谷 健 一 ( 徳田)名義 吉 原太 郎 宛 ノ書 面 デ ア ル。
タ ノデ ス。
七 問 先 程被 告 ニ告 ゲ タ 、被 告 ノ妻 君 ガ片 山潜 ノ秘 書 ヲ シテ居 タト
︹ 此 時 前 同 号 ノ八 ヲ示 ス︺
人 猪 俣 津南 雄
之 ハ高 尾 平 兵衛 ノ脱 退 届 デ ア ルガ、 之 ニ依 ツ テ モ党 ノ作 成 シテ居 ツ
答 夫 レ ハ、私 ハ知 リ マセ ヌ。
之 ヲ署 名拇 印 シ タリ。
告
云 フ事 ハ什 ウ カ。
︹ 此 時 前 同 号 ノ七 ヲ示 ス︺
右読 聞 ケ 云 々
予 審 判 事 沼
義 雄
裁 判 所 書 記 稲 垣 正 二
被
タ事 ノ判 カ ル材 料 ノ 一ツデ ア ル。
︹ 此 時 前 同 号 ノ五〇 ノ 一、 二 ヲ示 ス︺
之 ハ渋 谷 杢 次 郎 方 ノ米 櫃 ノ台 ト底 トデ ア ル。
東 京 地方 裁 判所
同 日於 同 所
︹ 此 時 前 同 号 ノ四 八 、 四 九 、 五七 乃 至 五 六 、 七〇 ヲ示 ス︺
之 ハ被 告 宅 ヨリ押 収 シ テ来 タ モノデ ア ル。
之 ハ松 瀬 教 五 郎 宅 ヨリ押 収 シタ モノデ ア ル。 ︹ 此 時 前 同 号 ノ六 二、 六 三 、七 六 ヲ示 ス)
二 三 堺 利 彦 予 審 訊 問 調 書
調
書 被 告 人 堺
利 彦
右 治安 警 察 法 違 犯被 告 事件 ニ付、 大 正 十 二年 六 月 六 日東 京 地方 裁 判 所 ニ於 テ予 審 判 事 平 山慎 英 ハ裁 判刊所 書 記 渡 辺 惣 一郎 立会 ノ上 、右 被 告 人 ニ対 シ訊 問 ヲ為 ス コト 左 ノ如 シ。
答 マル ク ス派 ノ共 産主 義 ヲ奉 ジ テ居 リ マス。
答 多 少 ハ変 化 ハアリ マシタ ガ 、 二十 年 来 其 主義 ヲ奉 ジ テ居 リ マ
五問 何 時 頃 カ ラ其 主 義 ヲ奉 ジ テ居 ル カ。
ス 。
ニ於 テ同 主 義 者 ト会 合 シ タ ソウ デ ハナ イ カ。
人 堺
利 彦
六問 被 告 ハ、本 年 三 月 十 五 日 、北 豊 島 郡 石 神 井 村 ノ料 理店 豊 島 館
答 ソ ンナ事 ハア リ マセ ヌ。
告
裁 判 所 書 記 渡 辺惣 一郎
被
七 問 他 ノ同 主 義 者 ガ其 処 ニ会 合 シ タ事 ヲ知 ツ テ居 ル カ。 答 知 リ マセ ヌ。
予 審 判 事 平 山 慎 英
署 名 シ タ リ。
五十 四歳
同 日於 同 庁
右 読 聞 ケ タ ル処 云 々
士族
堺利彦
年 齢 ハ
著述業
答 氏 名 ハ
一問 氏 名 、年 齢 、 族 称 、 職 業 、住 所 、本 籍 及 出 生 地 ハ如何 。
職 業 ハ
利 彦
族 称 ハ
人 堺
前 同 一事 件 ニ付 、 大 正 十 二年 六月 八 日東 京 地 方 裁 判 所 ニ於 テ予 審 判
告
同所
東 京 市 麹 町 区 麹 町 八 丁 目 二十 四番 地
被
住 所 ハ
第 二回 調 書
本 籍 ハ
事 沼 義 雄 ハ裁 判 所 書 記稲 垣 正 二 立会 云 々
三問 被 告 ト同 様 ノ主 義 ヲ奉 ジ テ居 ル人 々デ被 告 ト懇 意 ニシ テ居 ル
答 未 ダ党 ト 云 フ モノ ヲ造 ツ タ事 ハアリ マセ ヌ。
カ。
二 問 共産 主 義 者 ノ寄 リ集 リ テ出 来 タ党 ヲ組 織 シテ居 ル ノデ ハナイ
答 モウ 二十 年 デ ス。
一問 被 告 ハ何 時 カ ラ共 産 主義 ヲ奉 ジ テ居 ルノ カ。
出 生 地 ハ 福 岡 県 京 都 郡 豊 津 二問 位 記 、勲 章 、従 軍 記 章 、 年 金 、恩 給 又 ハ公 職 ヲ有 セザ ルヤ。 答 ア リ マセ ヌ。 三問 刑 罰 ニ処 セ ラ レタ ル コト ナ キ ヤ。 答 判 然 覚 ヘテ居 リ マセ ヌガ、 新 聞 紙 法違 犯 、官 吏 抗 拒 罪 、 治 安 警 察 法 違 犯 等 ニ依 リ三 、四 回処 刑 ヲ受 ケ タ事 ガ アリ マス。 四問 被 告 ハ社 会 主義 者 ト シ テ現 在 如 何 ナ ル主義 ヲ奉 ジ テ居 ルカ。
人 ハ誰 カ。 答 私 ト大体同様 ノ主義 ヲ奉 ジテ居 ル人デ
マ︺
近 藤 栄 蔵
︹マ
麻 生
体 位 記憶 シ テ居 リ ソウ ナ モノデ ハナイ カ。
答 ヨク覚 テ居 リ マセヌ。
一一問 I Ⅱ Ⅲ Ⅳ ト 四段 ニ別 レテ居 ツ タ ノデ ハナ イ カ。
答 ソ ウデ ア ツ タ カ モ知 レ マセ ヌ ガ、 ヨク覚 テ居 リ マセ ヌ。
答 第 三 イ ンタ ー ナ シ ヨナ ルノ第 四回 大 会 ニ提 出 ス ル為 メ ニ出 来
一 二問 草 案 ハ何 時出 来 タ モノ カ。
タ モノデ ア ツ テ、昨 年 ノ秋 頃 出 来 タ モノデ シ ヨウ。
赤 松 克 麿
山 川 均 荒 畑 勝 三 山崎今朝弥 徳 田 球 一 ︹ 次︺ 服 部 浜 治 橋 浦 時 雄 仲宗根源和 藤 岡 淳 吉 吉 川 守 邦
高 津 正 道
一 三問 其 草 案 ト 云 フ ノ ハ之 レデ ハナ イ カ。
久
三 輪 寿 壮
塩 田 寅 雄
四問 佐 野 学 ハ如 何 。
家 対奴 隷 制 度 。 資 本 家 ガ労 働 者 ヲ使 ツテ産 業 ヲ遣 ツ テ居 ル ノ ハ昔 ノ
答 今 説 明 セ ヨト 云 ハレ テ モ、 一寸 判 リ兼 ネ マ スガ 、 第Ⅰ ガ資 本
一 四問 其 内 容 ヲ説 明 セ ヨ。
マ ス。
答 之 デ ス。 之 ヲ見 テ思 出 シ マシタ。 成 程 I Ⅱ Ⅲ Ⅳ ト ナ ツ テ居 リ
︹ 此 時 大 正 十 二年 押第 七 七 四 号 ノ 二十 二 ヲ示 ス︺
等 デ ス。
答 之 モ可 ナ リ ヨク知 ツ テ居 リ マ ス。 此 外 大 山 郁 夫 、長 谷 川君 モ ヨク知 ツ テ居 リ マ ス。
種 類 ガ違 ツ テ居 リ マスガ 、広
五 問 以 上 ノ人 々 ハ何 レ モ共産 主 義 ヲ奉 ジ テ居 ル人 カ。 答 共 産 主 義 ト 云 ツ テ モ皆 夫 レ〓
奴 隷 制 度 ト同 ジ事 ナ ンダ ト 云 フ様 ナ事 柄 デ ア ツ テ、 第 Ⅱ ガ 労働 者 ノ
イ意 味 カ ラ 云 フ ト何 レ モ共 産 主義 ヲ奉 ジ テ居 ル人 デ ス。
ル カ。
答 アリ マス。
一 七問 其 事 ニ付 テ議 論 スル事 モ ア ル カ。
答 アリ マス。
言 葉 ヲ用 ユ ル事 ガ ア ルデ ア ロウ。
一 六問 被 告 等 主 義 者 ノ仲 間 ノ間 デ 、第 一革 命 ト カ第 二革 命 ト カ云 フ
答 致 シ テ居 リ マセ ヌ。
一 五問 被 告 ハ ﹁ヴ ハー リ ン﹂ ト 通 信 ヲ シ テ居 ルノデ ハナ イ カ。
ト 云 フ事 ニナ ツテ居 ルノデ ス。
解 放 、第 Ⅲ ガ ﹁ブ ルジ ヨアジ ー﹂ ノ熱 望 、第 Ⅳ ガ労 働 独 裁 ヘノ進 路
六問 被 告 ハ ﹁ヴ ハー リ ン﹂ ノ ﹁プ ログ ラ ム﹂ ノ草 案 ヲ見 タ事 ガ ア
答 見 タ事 ガ ア リ マ ス。 七 問 被 告 ノ見 タ草 案 ハ、 什 ウ云 フ草 案 デ ア ツタ カ。 答 ﹁プ レ ス、 コー レ スポ ンデ ンス﹂ ノ ヲ見 タ ノデ ス。 八 問 夫 レ ハ英 文 デ ア ツ タ カ。 答 左様 デ ス。 英 文 デ 印刷 シ テ アリ マシタ。 九 問 什 ウ 云 フ事 ガ書 イ テ ア ツ タ カ説 明 サ レタ シ。 答 什 ウ 云 フ事 ガ書 イ テ ア ツ タ カト 云 ツ テ モ、 今 一々 ヨク覚 テ居 リ マセ ヌ。 一〇問 然 シ共産 主 義 ニ付 テ研 究 シ テ居 ル以 上 、其 ノ草 案 ノ内 容 ノ大
一八問 第 一革 命 ト 云 フ ノ ハ ﹁ケ レ ン ス キ ー﹂ 革 命 ノ 事 ヲ 指 ス ノ カ 。 答 此 言 葉 ハ色 々 ニ使 ヒ マ ス ガ ﹁ケ レ ン ス キ ー ﹂ ノ 革 命 ノ 事 ヲ 第 一革 命 ト 云 ヒ、 ﹁レ ー ニ ン﹂ ノ 革 命 ノ事 ヲ第 二 革 命 ト 云 フ 事 モ ア リ マ
答 左様 デ ス。
デ ハナ イ カ。
二六問 ﹁ ヴ ハー リ ン﹂ カ ラ ﹁イ ン スト ラ ク シ ヨ ン﹂ ガ 来 テ 居 ツ タ ノ
答 他 ノ人 ハ知 リ マセ ヌガ 、私 ト シテ ハ其 那 事 ハア リ マセ ヌ。
二七問 本 年 ノ三 月 十 五 日 ニ、石 神 井 村 ノ料 理 店 豊 島 館 ヘ行 ツ タ事 ガ
ス 。
一 九問 モ ス コー ニ於 ケ ル大 会 ヘ、代 表者 派 遣 ノ事 ニ付 テ会 議 ヲ開 イ
ソ ウイ フ名前 ヲ知 ツ テ居 ル カ。
二九問 被 告 ハ戸 田 ト 云 フ、異 名 トデ モ云 フ カ、 別 名 ト デ モ云 フカ 、
答 私 ハ行 ツ タ事 ハアリ マセ ヌ。
二八問 被 告 ガ 其 日其 処 ヘ行 ツタ ト 云 フ テ居 ル モ ノガ ア ルガ如 何 。
マセ ヌ。
答 夫 レ ハ度 々聞 カ レ ルノ デ スガ 、私 ト シ テ ハ行 ツ タ コト ハア リ
ア ル ノデ ハナイ カ。
答 其 那事 ハア リ マセ ヌ。
タ事 ハナ カ ツタ カ。
答 綱 領 ノ事 ヲ 云 フ ノデ ス。
二〇 問 ﹁プ ログ ラ ム﹂ ト云 フ ハ、 日本 ノ言 葉 デ 云 ヘバ何 ニ当 ル ノカ。
二一問 日本 共 産 党 ノ綱領 ヲ作 ツ タ事 ガ ア ル ノデ ハナイ カ。 答 未 ダ其 那 団 体 ヲ造 ツタ事 ガ ア リ マセ ヌ カ ラ ア リ マセ ヌ。 二二 問 ソウ ユウ団 体 ヲ作 ロウ ト 云 フ計 画 ハア ル ノ カ。
答 知 リ マセ ヌ。 警 視 庁 デ モ検 事 局 デ モ私 ノ事 ダ ロウ ト 云 ハレ マ
シ タケ レド モ、 私 ハ知 リ マセ ヌ。
答 ソウ ユウ計 画 ハ不絶 ア ル ノデ ス。 前 ニ モ社会 主義 同 盟 ト 云 フ ノ ヲ作 ツ タ事 ガ ア リ マス。
答 其 外 ニ ハ無 イ 様 デ ス。判 リ マセ ヌ。
三四問 其 外 ニ ハナイ カ。
答 山 川 均 ノ事 ヲ大 森 ト 云 ツ テ居 ル様 デ ス。
三三問 其 外 ニ地 名 デ 誰 カ ヲ呼 ンデ居 ル様 ナ事 ハナ イ カ。
答 夫 レ ハ ソウ カ モ知 レ マセ ヌ。 云 ヒ ソウ ナ事 デ ス。
三二問 麹 町 ト 云 フノ ハ被 告 ノ事 デ ハナイ カ。
答 私 ハ知 リ マセ ヌ。
三一 問 高 瀬 ガ高 瀬 ノ事 ヲ梅 田 ト 云 ツ テ居 ツ タ ソウ デ ア ルガ什 ウ カ。
答 知 リ マセ ヌ。
三〇 問 梅 田 ト 云 フノ ハ高 瀬 清 ノ事 デ ハナイ カ。
カ。
二三問 然 ラバ ソ ウイ フ計 画 ノ為 メ ニ始 終 寄 リ集 ツ テ居 ルノデ ハナ イ
答 寄 ルト触 ハルト始 終 話 シテ居 マ スガ 、其 様 ナ計 画 ノ為 メ ニ特 ニ寄 リ集 ツ タ事 ハアリ マセ ヌ。 二四問 被 告 等 ノ主 義 者 ノ中 デ 、 政 党 組 織 ト 云 フ名 ヲ使 ツ テ居 ル様 デ
答 政 党組 織 ト 云 フ言 葉 ヲ始 終 使 ツ テ居 リ マス。 現 在 ノ団 体 ハ、
ア ルガ、 夫 レ ハ什 ウ 云 フ事 ヲ意 味 シ テ居 ル ノ カ。
ニシ テ公 ノ政 党 ヲ欲 シ イ ト云 フ意 味 デ ス。
思 想 団 体 ト カ、労 働 団 体 ト カ云 フ モ ノ許 リ デ ア ル カ ラ、 夫 レ ヲ 一緒
二五問 夫 レガ社 会 党 ト カ労 働 党 ト カ ヲ意 味 ス ルノ カ。
同 日於 同 所作 之
右 読 聞 カ セ タ ル処 云 々
第 三 回調 書
署名 シタリ
被
告
告
人 堺
人 堺
予 審 判 事 沼
利 彦
利 彦
義 雄
裁 判 所書 記 稲 垣 正 二
被
右 前 同 一事 件 ニ付 、 大 正 十 二 年 六 月十 四 日東 京 地 方 裁 判 所 ニ於 テ予 審 判事 沼 義 雄 ハ裁 判 所 書 記稲 垣 正 二立 会 ノ上 、 前 回 ニ引続 キ右 被 告 人 ニ対 シ訊問 ヲ為 ス コト左 ノ如 シ。 一問 被 告 ガ本 年 三 月 十 五 日 ニ、石 神 井 村 ノ豊 島 館 ヘ行 ツ タ事 実 ハ、 之 ヲ認 メ テ ハ什 ウ カ。 答 認 メ マ ス。 二問 行 ツ タ事 ハ相違 ナイ カ。 答 相 違 ア リ マセ ン。
答 午 前 十時 頃 デ ア ツタ ト思 ヒ マ ス。
三問 其 日、何 時頃 ニ行 ツタ カ。
答 云 ツ テ来 マシ タ。
四問 誰 カガ其 処 ヘ集 マル様 ニ云 ツ テ来 タ ノ カ。
答 誰 デ ア ツタ カ覚 ヘテ居 リ マセ ヌ。
五問 誰 ガ 云 ツ テ来 タ カ。
答 仲 間 ノ相 談 ガ ア ル カラ 集 ツテ 呉 レト 云 ツ テ来 タ ノデ ス。
六 問 何 ト 云 フ テ来 タ カ。
七 問 豊 島 館 ノ ド ノ部 屋 ニ集 ツタ カ 。
答 ド ノ部 屋 デ ア ツ タ カ覚 ヘテ居 リ マ セ ヌ。
答 左 様 、 二階デ ア ス。
八問 豊 島 館 ノ 二階 デ ハナ カ ツタ カ。
答 ア ツ チ ヘ行 ツ タリ 、 コツ チ ヘ行 ツ タ リ シ テ居 リ、一 定 シテ居
九問 被 告 ハ二階 ノ部 屋 ノド ノ 辺 ニ着座 シテ居 ツ タ カ。
リ マセ ヌ。
答 二十 人 余 デ ス。
一〇問 何 人 程 集 ツタ カ。
答 知 ラ ヌ人 モ居 リ マ シタ。
一一 問 何 レ モ被 告等 ノ仲間 カ。
答 覚 ヘテ 居 リ マ セ ヌ。
一 二問 知 ラ ヌ人 ハ何 人 程居 タ カ。
答 仲 間 ノ事 ニ付 イ テ相 談 シ タ ノデ ス ガ、 一々申 上 ゲ ル訳 ニ ハ行
一 三問 什 ウ ユウ 相談 ヲ シタ カ。
キ マセ ヌ。
一 四問 被 告 ハ、本 年 二月 四 日 ニ、 千 葉 県市 川 ノ 一直 園 ヘ行 ツタ事 ガ ア ル ノデ ハナ イ カ。 答 アリ マス。 一 五問 何 時 頃 ニ行 ツ タ カ。
答 何 時 頃 デ ア ツ タ カ覚 ヘテ居 リ マセ ヌガ 、昼 前 ニ行 ツ タ ト思 フ テ居 リ マス。
答 左 様 デ ス。 矢 張 吾 々仲 間 ノ相 談 ガ ア ルカ ラ集 ツ テ呉 レト 云 ツ
一 六問 此 時 ハ矢 張 リ誰 カ ラ カ集 ツ テ呉 レト 云 ツ テ来 タ ノ カ。
テ来 タ ノデ ス。
一 七問 誰 ガ 云 ツ テ来 タ カ。
ノ人 ガ尊 敬 シ テ居 ル被 告 自 ラ党 ノ成 立 ノ事 ヲ陳 ベ テ 、他 ノ被 告 ノ責
二 八問 勿 論 被 告 ノ 地位 カ ラ 云 ヘバ 云 ヒ難 イ 事 ハ察 ス ルガ 、寧 ロ多 ク
ニグ ルー プ ガ出 来 テ、 夫 レヲ具 体 化 セ ント シ ツヽ ア ル事 ハ
ニ吾 々仲 間 ノグ ル ープ ガ 出 来 、 夫 レガ具 体化 セ ント
テ団 体 ヲ造 ツ テ居 ル カ モ知 レ マセ ヌ。
シ ツヽ ア ル状 態 デ ア リ マ スカ ラ或 ル 一部 分 ノ モ ノガ夫 レヲ具 体 化 シ
答 自 然〓
シ タ方 ガ ヨイ デ ハナ イ カ。
三〇問 勿 論 被 告 ノ立 場 ハ察 スル ガ、 兎 ニ角 党 ノ成 立丈 ケ ハ早 ク是 認
ノデ スガ 、其 点 ヲ申 上 ゲ ルノ ハ困 リ マシ タネ 。
答 私 モ出 来 ルダ ケ事 実 ヲ陳 ベ テ可 成 御 手数 ヲ カケ ナ イ様 ニ思 フ
事 実 丈 ケ ハ陳 ベ テ ハ付 ウ カ。
告 ノ云 ヒ難 イ部 分 ハ十 分 斜 酌 ス ルガ、 党 ガ具 体 的 ニ成 立 シ テ居 ツ タ
二 九問 党 ノ組 織 等 ニ付 イ テ ハ之 ハ別 問 題 ト シ テ、 之等 ノ点 ニ付 キ被
事 実 デ ス。
自然〓
夫 レデ ハ之 レ丈 ケ ノ事 ヲ申 シ テ、 夫 レデ 御 勘弁 ガ 願 イ タイ デ ス。
答 困 リ マシタ ネ。
云 ヘト 云 フノ デ ハナ イ ノ ダ カ ラ、 其 点 ヲ誤 解 セ ヌ様 ニ。
任 ヲ早 ク軽 ク シテ遣 ツ テ ハ什 ウ カ。 然 シ勿 論事 実 ニナ イ事 ヲ被 告 ガ
答 覚 ヘテ居 リ マセ ヌ。 一 八問 何 人 程 集 ツタ カ。 答 十 人 余 リデ ス。
答 夫 レ ハ覚 ヘテ居 リ マセ ヌ。
一 九問 什 ウ ユウ人 ガ集 ツ タ カ。
答 知 ラ ヌ人 モ居 リ マシ タ。
二〇 問 被 告 ノ仲 間 ノ人 許 リガ 集 ツタ ノ カ。
答 ヨク覚 ヘテ居 リ マセ ヌ。
二一問 何 人程 居 ツタ ノ カ。
答 夜 ニナ ツ テカ ラ帰 リ マシ タ。
二二 問 何 時頃 ニ帰 ツ タ ノ カ。
答 此 時 モ夜 遅 ク帰 リ マシ タ。時 間 ハヨ ク覚 ヘテ居 リ マセ ヌ。
二 三問 豊 島 館 ノ時 ハ什 ウ カ。
二四問 被 告 等 ガ奉 ジ テ居 ル共 産 党 ノ団 体 ガ 已 ニ出 来 テ居 ル ノ カ。 答 夫 レ ハ存 ジ マセ ヌ。 二 五問 党 ノ成 立 ハ認 テ ハ什 ウ カ。
三一 問 或 ル 一部 分 デ ナ ク シ テ、 被 告 モ其 ノ中 ニ這 入 ツ テ居 ルノデ ハ
答 ソリ ヤ自 然 ニ吾 々仲 間 ノグ ル ープ ガ 出来 テ居 ツ タ事 ハ相 違 ア リ マセ ヌガ 、団 体 ト カ党 ト カ 云 フ モ ノガ具 体的 ニ成 立 シ テ居 ツ タ ノ
ナイ カ。
尤 モ貴 方 ノ方 デ証 拠 ガ十 分 解 ツ テ居 リ 、 団 体 ガ具 体 的 ニ成 立 シテ居
具体 的 ニ団 体 ノ成 立 シ テ居 ル事 ハ知 ラ ナイ ノデ アリ マス。
テ ハ無 論 這 入 ツテ居 ル コトヽ 認 メ ラ レ ルデ セウ 。然 シ私 ハ ソウ ユウ
答 仮 リ ニ ソウ ユウ団 体 ガ成 立 シテ居 ルト ス レバ 、私 ノ 地位 ト シ
デ ハア リ マセ ヌ。
グ ルー プ ガ出 来 タ ノデ ス。
二六問 然 ラバ何 時 頃 カ ラ其 ノグ ル ープ ガ出 来 テ居 ツタ ノ カ。 答 ソリ ヤ、 ズ ツ ト以 前 カ ラ自然〓ニ
二七問 最 近 ニ至 リ、 党 ガ具 体 的 ニ成 立 シタ ノデ ハナ イ カ。 答 夫 レ ハ申 シ兼 ネ マス。
三二問 其 様 ナ事 ヲ云 ハズ ニ、団 体 ノ成 立 ニ付 テ、今一 応 ヨ ク考 ヘテ
ルト御 認 定 ニナリ マスナ ラ、私 ニ ハ異 存 ノ申 シ様 ガ ア リ マセ ヌ。
夫 レ ヨリ ハ什 ウ カ ヨイ方 法 デ何 等 カ公 ノ政 党 ヲ造 ツ タ方 ガ ヨイ ト 云
者 ヲ出 ス ノ モ ツ マラ ヌト 云 フ ノ ガ私 ノ意 見 デ シタ 。
然 シ其 那 モノ ヲ造 ツ テ モ屹 度 直 グ ニバ レル シ、其 為 メ ニ沢 山 ノ犠 牲
人 堺
利 彦
密 団 体 ノ計 画 ハア ツ タ ロウト思 ヒ マス。然 シ夫 レ ハ何 レ モ成 立 シ ナ
私 ノ想 像 スル処 ニ ヨレバ 、 暁 民 共産 党 ノ前 後 ニ未 ダ 一ツ モ二 ツ モ秘
人 モア リ マシ タ。
ソウ ユウ モノ ガ今 一歩 進 メ テ公 ノ政 党 ニナ ルト 云 フ考 ヲ持 ツ テ居 ル
ル小 サ ナ思 想 団 体 ヲ連 絡 スル意 味 デ 無 産 者 同 盟 ト 云 フ モ ノガ出 来 テ、
夫 レデ昨 年 ア タ リ ニナ ルト何 シ ロ団 体 ガ 欲 シイ ト 云 フノ デ皆 現 在 ア
ノ団 体 ガ 必要 ダ ト 云 フ意 見 モア ツ タ様 デ ス。
目 ダ ト 云 フ事 ニナ リ マシ タ。 然 シ又 一方 ニ ハ、矢 張 リ ア ヽユウ秘 密
夫 レデ ア ノ事 件 ハ失 敗 シタ モノ デ スカ ラ尚 更 公 ノ政 党 デ ナ ケ レバ駄
ソ ウ ス ル間 ニ暁民 共産 党 ノ事 件 ガ起 リ マシ タ。
フ事 デ 、 古 顔 ノ連 中 ハ大 体 ソウ ユウ意 見 デ シ タ。
陳 ベ テ ハ什 ウ カ。 答 私 一個 ノ利 害 ニ関 ス ル問 題 ナ ラバ 少 々 ノ事 ハ什 ウデ モ ヨイ ト
告
義 雄
裁 判 所 書 記 稲 垣 正 二
相 違 無 キ旨 申 立 署 名 シ タリ。
被
思 イ マ スガ 、 団 体 ニ関 ス ル問 題 デ スカ ラ御 尋 ネ ノ点 ハ承 認 シ兼 ネ マ ス 。
右読聞ケ云 々 同 日於 同 所作 之
予 審 判 事 沼
利 彦
カ ツタ モノ ト思 ヒ マス。
第 四回 調 書 人 堺
右 同 一事 件 ニ付 、大 正 十 二年 八 月 十 一日 、東 京 地方 裁 判 所 ニ於 テ予
夫 レ ニ ハ、 其 発 起 シ タ人 ノ信 用 ガ危 イ ト カ 、何 ンダ カ方 法 ガ 面 白 ク
告
審判 事 沼 義 雄 ハ裁 判 所 書 記 稲 垣 正 二 立会 ノ上 、前 回 ニ引 続 キ 右 被告
被
一問 前 回考 ヘテ置 ク ト 云 フ事 デ ア ツ タガ 、考 ヘラ レタ カ。
人 ニ対 シ訊 問 スル コト左 ノ如 シ。
社会 主 義 同 盟 ガ無 ク ナ ツ テ、何 カ欲 シイ ト 云 フ話 ガ 多 クノ人 カラ ア
ロウ ト 云 フ話 ヲ聞 イ テ居 リ マシタ。
私 ノ方 カ ラ申 シ マセ ウ。 一昨 年 、或 ハ其 以前 カ ラ何 ンダ カ団 体 ヲ造
ナ イ カ モ知 レ マセ ヌ。
丈 ケデ 遣 ロウト 云 フ事 デ 、年 寄 株 ノ連 中 ニ ハ是 レ マデ 話 ヲ シ ナ カ ツ
フ小 サ ナ団 体 ヲ造 ツ テ居 ル。然 シ之 ハ直 接 ニ敏 活 ノ働 キ ノ出 来 ル人
フ事 ヲ聞 キ マシ タ。 夫 レ ハ佐野 学 君 ノ話 デ 、実 ハ内 証 デ 共 産 党 ト 云
昨 年 ノ暮 ニナ ツ テ、 私 ハ初 メ テ共 産 党 ト 云 フ モノ ガ出 来 テ居 ルト 云
処 ガ其 方 ノ計 画 ハ近来 デ ハナ イ モノ ト私 ハ思 ツ テ居 マシ タ。
ソウ ユウ計 画 ガ ア ツ テ、 夫 レガ成 就 シナ カ ツ タ モノ ト思 ハ レ マス。
ナ イ ト カ、 其 他 色 々 ノ事 情 ガ ア ツ タ モ ノト想 像 出 来 マ スガ、 兎 ニ角
リ マシタ。 夫 レデ 共 産 党 ト 云 フ秘 密 ノ団 体 ヲ造 ロウト 云 フ話 モ折 々
タ ノ ダ ガ、 遣 ツ テ見 ルト 什 ウ モ矢張 リ古 顔 ノ人 ガ少 ナ クト モ 一人位
答 申 上 ゲ様 ト思 ヒ マ ス。然 シ貴 方 々 ノ御 満 足 ノ行 ク様 ナ事 デ ハ
聞 込 ンデ 居 マシ タ。
ヲ仕 掛 ケ ラ レ テ見 レバ断 ハル事 モ不本 意 デ スカ ラ、 実際 私 ハ敏 活 ノ
私 ハ元 来 余 リ ソ ウ ユウ遣 リ方 ニ賛 成 デ ハナイ ケ レド モ、 ソウ ユウ話
入 ツ テ呉 レト云 フ事 デ シタ。
事 ガ必 要 デ アリ 、 折合 上 都 合 ノ ヨイ 事 ガ ア ル。 ダ カ ラ私 ニ仲 間 ニ這
色 々諸 方 面 ノ折 合 ト カ 云 フ様 ナ事 ヲ什 ウ モ古 イ人 ニ口 ヲ利 イ テ貰 フ
這 入 ツ テ居 ツ テ貰 ハナ ケ レバ具 合 ノ悪 イ事 ガ ア ル。
例 ノ公 ノ政党 ヲ造 ロウ ト 云 フ会 デ ス。然 シ、矢 張 リ共 産 党 ニ関 係 ノ
ス。 ア ノ会 ノ案 内 ハ荒 畑 君 カ ラ伝 言 ノ様 ニシ テ聞 キ マシ タ ガ、 之 ハ
夫 レ カ ラ問題 ノ市 川 ノ会 デ スガ、 ア レ ハ共 産 党 ニ ハ関 係 ノ ナ イ会 デ
タ。
ヌ シ、其 時 ノ話 モ聞 キ マセ ヌ。殆 ド 什 ウ ナ ツタ カ知 ラズ ニ居 リ マシ
其 時 ニ ハ、私 ハ怪 我 ヲ シ テ寝 テ居 リ マシタ カラ 、勿 論 行 キ モ シ マセ
会 デ ア ツタ ノデ セ ウ。 然 シ形 バ カリ ノ モノ デ ア ツ タ ノデ セウ 。
夫 レ カ ラ昨 年 ノ年 末 ニ、確 カ会 合 ガ ア ツ タト 云 フ事 デ ス。 夫 レガ 大
ア ル人 ガ 多 カ ツタ デ セウ ガ 、兎 ニ角 会 ノ性質 ト シ テ ハ全 然 別 ノ会 デ
ガ ア ルト 云 フ事 ナ レバ 夫 レ ヲ勤 メ ルノ モ自 分 ノ職 分 ト 考 ヘルカ ラ 、
ア ツ タ ノデ ス。然 シ其 会 ハ遊 ビ半 分 ノ会 デ 、 大 シ テ要 領 ヲ得 ナ カ ツ
働 キ ガ出 来 ナイ シ、役 ニモ立 タ ヌト思 フ ガ、 諸 君 ノ考 デ何 カ年 寄 役
シ、 又実 際 自 分 ニ ハ仕 事 ガ出 来 ナ イ ノ ダ カ ラ這 入 ツ タ処 デ 単 ニ隠 居
夫 レ ハ遣 ロウ。然 シ古 顔 ノ連 中 ガデ シ ヤバ ル事 ハ ヨク ナイ事 デ ア ル
ア ツ タ事 ハ相 違 ア リ マセ ヌ。
アノ議 事 録 ガ 正 確 ナ モノ カ什 ウ カ判 カ リ マセ ヌガ 、兎 ニ角 党 ノ会 デ
タ ノデ ス。
口出 シ モ セ ヌ、 ソウ ユウ意 味 デ ヨイ ナ ラ バ這 入 ロウ。 殊 ニ責 任 ア ル
私 ハ ヨク判 カ ラナ イ ノデ スガ 、党 ノ関 係 ノ ナイ 人 モ来 テ居 ツタ ノデ
其 後 ニナ ツ テ例 ノ石 神 井 ノ会 デ スガ、 ア レ ハ臨 時 大会 デ アリ マ シタ。
地 位 ニ立 ツ事 ハ堅 ク断 ハルト 云 フ話 ヲ ス ルト 、夫 レデ ヨイ カ ラ、兎
ハナ イ カト 思 ヒ マス。判 ツキ リ判 カ リ マセ ヌガ 、 ソウ デ ナ イ カ ト思
ロウ。 夫 レ丈 ノ事 デ 、 コ マカイ事 ヲ聞 カ シテ貰 フ事 モ要 ラ ヌ シ、 又
ニ角 這 入 ツテ呉 レト 云 フ事 デ シタ カ ラ這 入 リ マシ タ。
フノデ ス。
役 ニ過 ギ ズ 、何 カ ノ場 合 ニ年 寄 ト シ テ、何 カ任 務 ガ ア レバ 夫 レ ヲ遺
ト カ云 フ事 ヲ モ聞 キ マシ タガ 、 夫 レ モ其 那 に キ チ ント極 ツ テ居 ラ ズ、
組 織 ノ事 モ聞 イ タ ノデ スガ ﹁ゼ ツト﹂ ガ イ ク ツ ア ツ テ什 ウト カ コウ
二問 佐 野 カ ラ其 話 ヲ聞 イ タ ノ ハ何 時 ノ事 デ ア ツ タ カ。
五問 最 初 其 党 ヲ什 ウ ユウ人 達 ガ拵 ヘタ ト 云 フ事 デ ア ツ タ カ。
答 其 那 様 ナ事 ダ ロウト 思 ヒ マス。
四問 規 約 ヲ極 メタ ノデ ア ツタ カ。
答 何 処 デ ア ツ タ カ知 リ マセ ヌ。
三問 昨 年 ノ年 末 ノ会 ハ、何 処 デ遣 ツ タ ノ カ。
答 昨 年 ノ十 二 月 ノ初 デ ア ツタ ト思 ヒ マス。
代 表者 ガ アツ テ モ ﹁メ ンバ ー﹂ ガ無 カツ タ リ 、又 這 入 ツ テ貰 フ事 ニ 極 メ テ居 ツテ モ本 人 ニ ハ話 サズ 、仮 リ ニ夫 レガ ﹁メ ンバ ー﹂ デ ア ル ト シ テ ﹁ゼ ツト﹂ ガ成 立 シ テ ア ル カ ノ如 ク シ テア ルト 云 フ位 ノ体 裁 デ 、未 ダ 不整 理 ノ モノ デ、 今 後 近 々整 理 シ テ行 クト 云 フ事 デ シ タ。
ルカ スル筈 ナ ノデ スケ レド モ其 那 手 続 モ ナ シ、曖 昧 デ只 党 ニ這 入 ツ
夫 レデ 私 モ何 処 カノ ﹁ゼ ツ ト﹂ ニ這 入 ル カ、新 シイ ﹁ゼ ツト ﹂ ヲ 造
タ ト 云 フ事ニ ナ ツ テ居 ルノデ ス。
答 可成 話 サ ズ ニ済 ム事 ハ話 サズ 、 聞 カズ ニ済 ム事 ハ聞 カズ ニ置
﹁ゼ ツ ト﹂ 即 チ細 胞 ガ ア ル カ。若 ク ハ造 ロウト 云 フ事 ニナ ツ
コウ ト 云 フ事 デ立 入 リ マセ ヌデ シ タ。 六問 テ居 ツタ事 ハ如 何 。
答 佐 野 君 カ ラ誘 ハレタ ノ デ ス。
ヲ其 前 ニ見 タ事 ガ ア ル カ。
一 三問 何 時 カ被 告 ニ見 セタ事 ガ ア ル様 ニ思 フ党 規 ノ改 正 ト 云 フ書 類
答 見 マセ ヌ。
ア レ ハ什 ウ モ判 カリ マセ ヌガ 、私 ノ居 ナイ 時 ノ事 ダ ト思 ヒ マ ス。
麹 町 ト 云 フ ノガ 若 シ私 ノ事 ト ス レバ、 近 々組 織 ヲ変 ヘ様 ト思 フガ、
答 党 員 ハ鼓 レカ ノ ﹁ゼ ツト ﹂ ニ属 スベ キ モノ ダ ト云 フ規 定 ガ ア ル ノデ スカ ラ当 然 ソ ウ ナ リ マス。
︹ 此 時 大 正 十 二年 押 第 七 七 四号 ノ 二 ヲ示 ス︺
一 五問 夫 レ ハ之 デ ア ル カ。 什 ウ カ。
答 多 少 ア ル様 デ ス。
一 四問 ソ ウ ユウ意 見 ヲ陳 ベ タ記 憶 ガ ア ル カ。
ノデ ハナ イ カト思 ヒ マス。
何 カ意 見 ガ ナイ カト 云 ハレ ル時 ニ私 ガ陳 ベ テ夫 レ ヲ ア ソ コヘ書 イ タ
答 夫 レ ハ知 リ マセ ヌ。
七問 規 約 ハ英 国 共 産 党 ノ名 デ出 来 テ居 ツ タ ノデ ハナイ カ。
答 規 約 ガ ア ル ト 云 フ事 ハ佐 野 カ ラ聞 キ マ シタ ガ、 何 時 カ見 ヨウ
八問 規 約 ヲ見 タ カ。
ト思 ツ テ居 ル ウ チ未 ダ 見 マセ ヌデ シタ。 九問 三月 十 五 日 ノ石 神 井 ノ会 ニ、党 ニ関 係 ノ無 イ 人 モ来 テ居 ツタ
答 コ マカイ事 ハ記 憶 ニア リ マセ ヌガ 、 其 時 話 ヲ シタ ノダ ロウ ト 思 ヒ マ ス。
一 六問 麹 町 ト 書 イ テ鉛 筆 デ コ スツ テ ア ル部 分 ノ処 ニ書 イ テア ル通 リ
答 夫 レ ハ只 莫 然 ト 、 ソ ウ私 ガ考 ヘタ ノデ ス。
ノデ ハナ イ カ ト思 フト 云 フ事 デ ア ルガ 、夫 レ ハ誰 ノ事 カ。
一〇問 然 シ党 ノ人 デ 、知 ツ テ居 ラナ ケ レバ党 員 デ ナイ ト 云 フ事 ハ判
一 八問 最 初幾 人 程 デ党 ヲ作 ツ タ ト 云 フ事 デ ア ツ タ カ。
ニ這 入 ル事 ヲ勧 メラ レタ時 ノ事 デ ス。
答 昨 年 ノ十 二 月 ノ初 メ ノ事 デ ア ツ タト 思 ヒ マス。佐 野 君 カ ラ党
一 七問 何 時 、 誰 カ ラ其 意 見 ヲ聞 カ レタ ノ カ。
答 ソ ウ ナ ンデ セウ。
カ。
答 私 自 身 モ何 ン ノ資格 デ出 席 シ テ居 ル ノ カ モ判 カ ラ ナイ ノ デ ス
ラナ イ訳 デ ハナ イ カ。
カラ 、何 ンダ カ曖 昧 な会 ダ ナ ト 云 フ気 ガ シ タ ノデ ス。 一 一 問 二月 四 日 ノ市 川 ノ会 合 ノ時 ニ ハ什 ンナ話 ガ ア ツタ カ。 答 政 党 ヲ造 リ度 イ ト 云 フ論 ヤ、今 造 ツ テ モ駄 目 ダト 云 フ話 ヤ、 今 造 ルト シテ モ什 ンナ態 度デ 造 ルト カ 、什 ンナ要 素 デ 造 ルト カ 云 フ
ヌデ シ タ。
答 沢 山 ノ人 デ ナ イ ト 云 フ話 デ シ タガ 、 幾 人位 デ ア ル カ聞 キ マセ
要領 ヲ得 ナ カ ツ タ ノデ ス。
一 九問 何 時 造 ツ タト 云 フ事 デ ア ツ タ カ。
様 ナ話 ヤ 、何 時 頃 カ ラ遣 ル カト 云 フ様 ナ話 ガ ア ツ タ ノデ スガ 、結 局
一二問 石 神 井 ノ会 合 ノ時 ニ ハ誰 カラ誘 ハ レタ ノ カ。
答 夫 レ モ確 乎 判 カ リ マセ ヌ。
告
人 堺
利 彦
一緒 ニナ リ マシ タガ 、 三月 ノ石 神 井 ノ会 合ヘ 行 ツ タト 云 フ人 ヲ聞 イ タ事 ガ ア リ マ ス。
答 野 坂 、 吉 川 、渡 辺満 三 、高 瀬 、之 ハ行 ツ タ ト申 シ テ居 リ マシ
六問 誰 ガ行 ツ タト 云 フ事 デ ア ツタ カ。
タ。然 シ出 席 ノ理由 ハ迷 ツ テ居 ル様 デ ス。
七問 何 レ モ本 人 ガ 其 様 ニ云 ツタ ノ カ。
八問 出 席 ノ理 由 ヲ迷 ツ テ居 ルト 云 フノ ハ什 ウ 云 フ ノ カ。
答 左 様 デ ア ツ タト 思 ヒ マス。
義 雄
ノデ ス。
右読聞 ケ云々
第六回調書
同 日於 同 所 作 之
署 名 シタ リ 。
告
人 堺
利 彦
予 審 判 事 沼
義 雄
裁 判 所 書 記 稲 垣 正 二
被
答 夫 レ ハ事 務 ヲ取 扱 フ方 ノ人 デ遣 ツ テ居 タ事 デ 、 私 ハ知 ラナ イ
九問 党 員 ノ名 簿 ガ ア ツ タ ノデ ハナ イ カ。
レ テ行 ツタ ノ ダ ト 云 フ テ居 マシタ 。
答 ヨク ハ聞 キ マセ ヌガ高 瀬 ノ如 キ ハ、僕 ハ只 筆 記 者 ト シ テ誘 ハ
予 審 判 事 沼
レ テ行 ツタ ノ ダ ト申 シ テ居 リ、渡 辺 君 ハ僕 ハ席 ヲ借 リ ニ世 話 ヲ頼 マ
裁 判 所 書 記 稲 垣 正 二
被
二〇 問 党 ノ名 前 ヲ何 ント付 ケ テ ア ツ タ ノ カ。 答 只 共産 党 ト聞 イ タ丈 デ ス。
承諾 署 名 シ タ リ。
同 日於 同所 作 之
右読聞ケ云 々
第 五回 調 書 利 彦
告
人 堺
被
右 前 記 同 一事 件 ニ付 、大 正 十 二年 十 月 八 日東 京 地方 裁 判 所 ニ於 テ予
一問 共 産 党 ノ成 立 等 ノ点 ニ付 テ今 少 シ ク明 瞭 ニ陳 ベ テ ハ什 ウ カ。
審 判 事沼 義 雄 ハ裁 判 所 書 記稲 垣 正 二 立会 ノ上 云 々
答 尋 ネ テ貰ヘ バ 云 ヘル丈 ケ ノ事 ハ申 シ マ ス。 二問 昨 年 ノ十 二月 ノ末 ニ会 合 シ タト 云 フ場 所 ハ何 処カ 。 答 其 時 ニ ハ私 ハ行 カ ナ カ ツ タ ノデ スカ ラ知 リ マセ ヌ。
答 聞 キ マセ ヌ。 然 シ其 時 集 ツ タ人 ハ少 イ人 数 ノ人 デ ア ルト 云 フ
三 問 行 カナ カ ツタ ト シ テ モ聞 イ テ知 ツ テ居 ルノデ ハナイ カ。
四問 近藤 栄 蔵 ノ自 宅 デ ハナ カ ツタ ノ カ。
事 デ ア リ マシ タ カ ラ何 レ関 係 者 ノ自 宅 デ ア ツ タ ロウト 思 ヒ マス。
利 彦
告
人 堺
被
右 前 記 同 一事 件 ニ付 キ、大 正十 二年 十 一月 五 日東 京 地 方裁 判所 ニ於
答 サ ー 、夫 レ ハ判 カ リ マセ ヌ。 五問 被 告 ガ直 接 関 係 シ ナイ事 デ モ、聞 イ テ知 ツ テ居 ル事 モ ア ロウ
告人 ニ対 シ訊問 ヲ為 ス コト左 ノ如 シ。
テ予 審 判 事沼 義 雄 ハ裁 判 所 書 記 稲 垣正 二立 会 ノ上 前 回 ニ引続 キ右 被
答 夫 レ ハ聞 イ タ事 モア リ マス。 今 度 ノ 地震 ノド サ クサ ノ時 ニ皆
カ ラ、 其 点 丈 ケデ モ陳ベ テ ハ什 ウ カ。
一問 党 成 立 ニ付 テ、 モウ少 シ詳 細 ニ陳 ベ テ ハ什 ウ カ。 ナ カ ツ タ ノ デ ス。
ソ ウ ス ル 間 ニ幾 何 カ 人 数 ガ 増 ヘ タ デ セ ウ 。 ケ レ ド モ夫 レ ニ シ テ モ ア
ノ 議 事 録 ニ書 イ テ ア ル 数 ニ ハ実 際 ニ ハ迚 モ達 シ テ居 ラ ナ カ ツ タ ト 思
答 モウ別 ニ申 上 ゲ ル事 ハアリ マセ ヌガ、 兎 ニ角 モウ 一通 リ 云 ツ テ見 マセ ウ。 多 分 最初 ノ起 リ ハ昨 年 十 月 デ ア ツ タト思 ヒ マ ス。 ヒ マ ス 。
夫 レカ ラ前 ニ モ申 陳 ベ タ事 デ ア リ マ スガ、市 川 ノ会 合 ガ ア リ マシ タ
ク仕 様 ト 云 フ計 画 デ スシ、 党 外 ノ者 カ ラ云 フト秘 密 ノ団 体 ヲ公然 ノ
モノ ト思 ツ テ居 リ マス。
其 時 ニ ハ、 佐 野 君達 が寄 ツテ新 シ イ働 手 ノ人 ガ 五人 カ 七人 デ 初 メ タ
政 党 ニ進 化 サ セ様 ト スル計 画 デ ア ツタ ト思 ヒ マ ス。
ヒ マスガ 、党 内 ノ者 カ ラ 云 フト 、 ソウ ユウ事 ヲ機 会 ニシ テ党 ヲ大 キ
ト思 ヒ マス。
ガ 、 ア レ ハ恐 ラ ク党 内 ノ者 ト 党 外 ノ者 ト ノ発起 デ開 カ レタ モノト 思
其 時 ニ私 ノ聞 イ タ組 織 ハ、 五人 カ十 人 程 デ細 胞 ヲ拵 ヘテ、 其 細 胞 ノ
私 ハ元 来 公 然 ノ政 党 ト 仕 度 イ ト 云 フ考 ヘデ シタ カ ラ 、至 極 ヨイ事 ト
ケ レド モ、 什 ウ モ系 統 ノ差 異 ト カ、 個 人 ノ感 情 問 題 ト カデ 思 フ様 ニ
代 表 者 ガ集 ツテ中 央 委 員 ヲ選 ンダ 方 ガ ヨイ ダ ロウ ト 云 フ意 見 ヲ陳 ベ
ソウ ス ルト今 度 ハ石 神 井 ノ会 ガ アリ マシタ ガ 、之 ハ党 ノ会 ニ違 ヒ ナ
思 ツテ居 タ ノデ ス。
事 ガ運 バ ナ ク、夫 レデ私 ヲ モ入 レ テ置 ク事 ガ 必要 ト ナ ツ タ ノ ダ ロウ
テ置 キ マシタ。
ス 。
イ ノ デ スガ市 川 ノ会 ト 同 ジ ク党 員 外 ノ人 モ加 ツ テ居 ツ タト 思 フ ノデ
夫 レ カラ幾 何 カ人 数 ガ増 ヘテ、年末 ノ会 ニナ ツタ ノデ スガ 、 ド チ ラ カト 云 フト 、其 時 ニ初 メ テ党 ガ 成 立 シ タト 云 フ テ ヨイ位 ノ モノデ シ タ 。尚 ホ其 時 ニ ハ人 数 モ少 ナ ク、細 胞 ノ組 織 モ完 全 ニ出 来 テ居 ラ ナ
云 フノデ 呼 ンダ ノ モ ア ルデ セウ。
ルノ ダ カ ラ此 際一 緒 ニ呼 ンデ政 党 組 織 ノ相 談 ヲ シ タ方 ガ ヨカ ロウ ト
通知 ヲ シタ モノ モア ルデ セウ シ、 又什 ウ モ其 人 ニウ スウ ス知 レ テ居
夫 レデ細 胞 ノ出 来 テ居 ツ タ処 モ ア ルデ セウ ガ 、多 ク ハ出 来 テ居 ラナ
夫 レ ハ、 前 カ ラ目 星 ヲ付 ケ テ居 ツタ者 ヲ党 員 ト ナ ツ テ居 ル者 ト シ テ
カ ツタ ロウ ト思 ヒ マス。
然 シ此 点 ハ私 ガ 人 カラ聞 イ タ訳 デ ハナ ク、 種 々 ナ ル周 囲 ノ事 情 カ ラ
カ ツタ ノ デ ス。 中央 委 員 ハ七 人 ト ナ ツタ カ十 人 ニナ ツ タ カ判 カリ マ
出 来 テ居 ナ カ ツ タ処 ニ ハ、 個 人 ノ周囲 ニ目星 ヲ付 ケ テ、 将来 細 胞 ヲ
其 様 ニ感 ジ タ ノデ ス。
セ ヌガ 、幹 事 ガ 三人 位 ア ツ テ事 務 ヲ執 ツ テ居 ルト 云 フ事 デ シ タ。
マ ス。
造 ク ルト 云 フ見 込 デ 、 夫 レデ 已 ニ成 立 シタ モノ ト目 シ タ モ ノト思 ヒ
デ ス。
ル様 ニア ンナ ニキ チ ント シタ モノデ ハナ ク、 乱 雑 ナ モノ デ ア ツタ ノ
尚 ホ党 ノ組 織 ニシ テ モ、石 神 井 ノ会 ニシ テ モ、 議事 録 ニ表 ハレテ居
当 ノ人 物 モ見 ツ カ ラズ 、 夫 レ ニ私 個 人 ト シ テ ハ、 公然 ノ政 党 ヲ造 ク
ア ノ議 事 録 ハ事 ヲ誇 張 シ テ拵 ヘタ、拵 ヘモノ ヽ様 ナ気 ガ シ テ仕様 ガ
例 ヘバ私 ノ周 囲 ニ モ一 ツ ノ細胞 ヲ造 ツテ呉 レト 云 フ事 デ シタ ガ 、適
ル方 ガ ヨイ ト 云 フ考 ヘデ シ タカ ラ細 胞 ヲ造 ルト 云 フ事 ヲ考 ヘテ居 ラ
ナイ ノデ ス。
被
告
人 堺
利 彦
右 治 安警 察 法違 犯 被 告 事 件 ニ付 大 正 十 二年 十 二月 十 九 日東 京 地 方 裁
第 七回 調 書
判 所 ニ於 テ予審 判 事 沼 義 雄 ハ裁 判所 書 記稲 垣 正 二立 会 ノ上 前 回 ニ引
何 レ ニ シテ モ、 モウ少 シ時 間 ガ経 テ バ 、此 秘 密 団 体 ガ 公然 ノ モノ ニ 進 ンダ モノ ダ ロウ ト思 フ ノデ ス。之 ガ大 体 ノ経 過 ナ リ形 勢 ナ ノデ ス。
一問 前 回被 告 ニア ツ タ後 、 コウ ユウ様 ニ事 情 ガ変 更 シ テ来 タガ 、
続 キ右 被 告 人 ニ対 シ訊 問 ス ル コト 左 ノ如 シ。
夫 レ ヲ今 被 告 ニ話 ソウ ト思 フ。 小 岩井 ハ本 月十 三 日 ニ此 様 ニ陳 ベ テ
二 問 市 川 ノ会 合 ノト キ ニ ハ、党 内 ノ者 ト党 外 ノ者 ト ガ居 ツタ ト 云
答 私 ハ党 外 員 ガ誰 々ダ ト 云 フ事 モ判 ラ ナイ ノデ スガ 、其 時 ノ実
フ事 デ ア レバ、 其 党 外 ノ人 ノ名 前 ヲ陳 ベ テ ハ什 ウ カ。
際 ノ形 勢 ガ ソウデ ア ツ タト 云 フ ノデ ス。 従 ツ テ私 ハ其 様 ニ思 ツテ モ、
答 、 第 十 三 問 答 乃至 第 四十 九 問 答 、 第 五 十 一問 答 乃至 第 五十 九 問
︹此 時 小 岩 井 浄 ニ対 ス ル第 二回 予 審 調 書 中第 一回 ノ答 以 下 第 七 問
居 ル。
答 、 第 六 十 一問 答 乃至 第 六 十 六 問 答 及 同 第 三 回 予審 調 書 中 ノ第 一
ス カ ラ云 ヒ兼 ネ マ ス。
検 事 ナリ貴 方 ノ方 デ 什 ウ ユウ様 ニ思 ハレル カ知 レ ヌ処 カラ 、危 険 デ
ハ誰 カ。
︹ 此 時 浦 田 武 雄 ニ対 ス ル第 五回 予 審 調 書 第 一問 答 乃至 第 二 十 五 問
尚 浦 田 ハ、 矢 張 リ本 月 十 六 日此 様 ニ陳 ベ テ居 ル。
︹ 此 時 徳 田球 一 ニ対 ス ル第 六回 予 審 調 書 ヲ読 聞 ケ タ リ。 且徳 田 ヨ ︹ 十二年カ︺ リ山 崎 宛 書 面 (大正十年押第七七四号 ノ七十三ノ二︶ ヲ示 ス︺
尚 徳 田 ハ本 月 十 六 日 、此 様 ニ陳 ベ テ居 ル。
問 答 乃 至 第 七問 答 ヲ読 聞 ケ タ リ︺
三 問 佐 野 等 五人 カ七 人 寄 ツ テ初 メ タト 云 フ、 五人 カ七 人 ト 云 フノ
答 夫 レ ハ確 乎 知 リ マセ ヌ シ、 想像 デ申 上 ゲ ル訳 ニモ行 キ マセ ヌ カ ラ申 上兼 ネ マ ス。 四 問 其 中 ニ ハ前 ノ暁 民 共 産 党 ニ関 係 ノア ツタ人 モ居 ツ タ ノ カ。 答 関 係 ノア ツ タ人 モ居 ツ タ カ モ知 レ マセ ヌガ、 夫 レ ハ何 ント モ
答 ヲ読 聞 ケ タ リ︺
申 上兼 ネ マス。 六 問 要 ス ル ニ此 共 産 党 ノ秘 密 団 体 ノ目的 ハ主 義 ノ宣 伝 実 行 ニア ル
告
人 堺
利 彦
義 雄
第 四問 答 ヲ読 聞 ケ タリ︺
︹ 此 時 橋 浦 時 雄 ニ対 スル第 五 回 予審 調 書 中 、 第 一問 答 、第 二問 答 、
尚 橋 浦 時 雄 ハ コウ ユウ様 ニ陳 ベ テ居 ル。
四問 答 ヲ読 聞 ケ タ リ︺
︹此 時 渡 辺 満 三 ニ対 ス ル第 四回 予 審 調 書 中 、 第 一問 答 乃 至 第 三 十
尚 渡 辺 満 三 ハ本 日 此 様 ニ陳 ベ テ居 ル。
訳 カ。
被
答 左様 デ ス。 然 シ其 手 段 方法 ガ漠 然 ト シ テ オ ル ノデ ス。
署 名 シ タリ 。
同 日於 同 所 作 之
右読 聞 ケ 云 々
予 審 判 事 沼
裁 判 所 書 記 稲 垣 正 二
ソウ ユウ訳 デ ア ル カ ラ、早 ク事 件 ヲ解 決 シ テ ハ什 ウ カ。 答 夫 レデ ハ コウ 云 フ様 ニ申 上 ゲ マセ ウ。 ツ マリ 、市 川 ノ会 合 ガ、 党 ノ会 合 デ ナ カ ツタ ト 云 フ事 ハ偽 リデ ス。 マー早 ク云 ヘバ、 徳 田 、 橋 浦 ハソ レ ニヨ ツ テ救 ヒ得 ル可 能 ガ ア ルト思 ツタ ノ デ ス。 従 ツ テ、
同 日於 同 所 作 之
義 雄
裁 判 所 書 記 稲 垣 正 二
予 審 判 事 沼
利 彦
告
人 堺
被
右 治 安 警 察 法 違 犯被 告事 件 ニ付 大 正 十 二年 十 二月 二十 四 日 東京 地方
第八回調書
規 ノ改 正 、将 来 ノ運 動 方 針 ノ事 ニ付 テ議 シタ ノデ ス。 但 シ党 規 ノ改
裁 判 所 ニ於 テ予 審判 事 沼 義 雄 ハ裁 判 所 書 記 稲 垣 正 二立会 ノ上前 回 ニ
大 体 其 ノ会 合 ノ内 容 ハ、今 外 ノ人 ノ陳述 ニヨ ツ テ聞 イ タ事 デ ス。 党
テ コ マカイ点 ハ後 ノ役 員 ニ委 任 シタ ノ デ ス。
正 ニ付 テ ノ コ マカ イ点 ハ、其 日 ニ決 定 ガ出 来 ナ カ ツ タ ノデ ス。 ソ シ
一問 他 ノ被 告 ノ供 述 ニ依 レバ、 今 度 ノ共 産 党 ニ加 入 ヲ勧 メ タ人 ハ、
引 続 キ右 被 告 人 ニ対 シ訊問 ヲ為 ス コト左 ノ如 シ。
或 ハ佐 野 デ ア ル コト モア リ、 或 ハ近 藤 、高 津 デ ア ル コト モア リ、 又
尚 前 カ ラ ノ問 題 ニナ ツ テ居 リ マス年 末 ノ会 ノ場 所 デ スガ 、 夫 レ ハ実 際 何 処デ 遣 ツ カ タ知 ラ ナイ ノ デ ス。
ニ偽 リ ヲ申 シ タ ノデ ア リ マス。 二月 四 日 ノ会 合 ガ党 ニ関 係 ガ ナ イ ト
デ アリ マシテ、 二月 四 日 ノ会 合 ガ党 ニ関 係 ノ ナ イ事 ヲ 去 ハンガ為 メ
答 実 ハ是 迄 昨 年 十 二月末 日 、 大会 ガ ア ツタ様 ニ申 シ タ ノ ハ偽 リ
ノ場 所 ヲ話 シテ ハ什 ウ カ。
ア ル事 ヲ知 リ得 ルガ、 前 カ ラ話 シ テ居 ル通 リ 、其 ノ昨 年 ノ暮 ノ大 会
ノ暮頃 少数 ノ者 が集 ツテ大 会 ヲ開 イ タト 云 フ連 中 ト ガ 、之 等 ノ人 デ
橋 浦 カ ラ話 ガ ア ツタ ト 云 フ者 モア リ、 之等 カ ラ綜 合 シテ見 ル ト昨 年
︹ 此 時 同 号 ノ 一英 国 共産 党 暫 定 党 規 ト題 スル書 類 ヲ示 ス︺
二問 共 産 党 ノ党 規 ガ之 デ ア ツ タノ デ ハナ イ カ。
答 確 乎 此 通 リダ ト 云 フ事 ハ出 来 マセ ヌ ガ、 大 体 コウ 云 フ モノ ガ ア ツタ事 ハ認 メ マス。 三問 英 国 共 産 党 ト 云 フ名前 デ出 来 テ ア ツ タ ノ カ。 答 ツ マリ、 ゴ マカ ス為 メ ニ外 国 ノ国 名 ガ使 ツ テ アツ タ ト思 ヒ マ ス 。
レバ ナ ラ ヌ事 ニナリ マスノ デ其 辻 褄 ヲ合 ハ ス為 メ ニ昨 年 ノ暮 ニ大 会
云 フ事 ニナ レバ 、 其 前 ニ党規 ノ改 正 ヲ シ タ会 合 ニ付 イ テ、 云 ハナ ケ
人 堺
二問
大 会 ガ ナ カ ツタ ト シ テ モ、先 程 云 ツ タ佐野 学 、高 津 正 道 、 近
実 際 ハ別 ニ昨年 ノ暮 ニ大会 ハ無 カ ツ タ ノデ ス。
其 会 合 ノ事 ヲ ヨク知 ラ ナイ ト 云 フ ニ都 合 ガ ヨイ カ ラデ ア ツタ ノデ ス。
昨 年 ノ暮 ヲ選 ンダ ノ ハ、其 当 時 私 ハ怪 我 ヲ シ テ寝 テ居 リ マ シタ カ ラ
ガ ア ツ タ様 ニ申 シタ ノデ ス。
四問 党規 が今 示 シタ英 国 共 産 党 暫 定 党規 デ ア ル コト ヲ認 メテ ハ什
告
利 彦
ウ カ。 答 夫 レデ ア ツ タ ト思 ヒ マス。
被
五 問 昨 年 年 末 ノ大 会 ノ場 所 ハ本 当 ニ知 ラ ナ イ ノ カ。
署 名 シ タリ
答 本 当 ニ知 リ マセ ヌ。
右読聞 ケ云々
其 書 類 ガ 手 ニ這 入 ツタ訳 ハ、証 人 渋 谷 杢 次 郎 、 渋 谷 幸 太郎 、坂 口鶴
集 リ テ党 ノ成立 ニ付 テ昨
藤 栄 蔵 、橋 浦 時 雄 及 被 告等 ガ其 頃 ト キ〓
治 、 渋 谷 ハナ 、 大沢 豊 造等 ノ証 言 ニ依 ツ テ判 カ ル ノデ ア ルガ 、之 レ
人 堺
利 彦
渡 辺 満 三
︹此 時 被 告 人
荒 井 邦 之 助
吉 川 守 邦
杉 浦 啓 一
田 所 輝 明
田 代 常 二
野 坂 参〓
上 田 茂 樹
市 川 正 一
西
高 瀬
浦 田 武 雄
小 岩井
川 内 唯 彦
市 川 義 雄
渡 辺政 之 輔
雅 雄
清
浄
橋 浦 時 雄
尚 其 外相 被 告 及 各 証人 ノ供 述 ノ要 領 ハ此 ノ通 リデ ア ル。
スル司 法警 察 官 及検 事 ノ各 聴 取 書 ノ内 容 ノ要領 ヲ告 ゲ タ リ︺
豊 造 ニ対 ス ル予審 調 書 及渋 谷 杢 次 郎 、渋 谷 幸 太 郎 、 坂 口鶴 治 ニ対
︹ 此 時 証 人 渋 谷 杢 次 郎 、 渋 谷幸 太 郎 、 坂 口鶴 治 、 渋 谷 ハナ 、大 沢
等 ノ者 ノ 云 フ テ居 ル要 領 ハ此 通 リデ ア ル。
年 ノ暮 頃 目 鼻 ガ付 イ タ事 ハ違 ヒナ イ ノデ ハナイ カ。
被
告
答 大 体 ハソ ウ 云 フ事 デ アリ マスガ 、私 自 身 ハ怪 我 ヲ シ テ寝 テ居 ツタ ノデ 出 席 ハシ テ居 リ マセ ヌ。
署 名 シタ リ。
答 大 体 ハソ ウ ユウ事 ヲ聞 イ タ ノデ ス。
三問 話 ハ聞 イ タ ノデ ア ロウ ネ。
右読聞 云々 同 日於 同 所作 之
義 雄
裁 判 所 書 記 稲 垣 正 二 予 審 判 事 沼
山 川
徳 田 球 一
均
高 野 武 二
猪 俣 津南 雄
上 村 ハナ
後 藤 き ん
利 彦
梅 川 フ ク
人 堺
黒 沢 ユ キ
告
小 島 忠 蔵
被
斎 藤 テ ラ
木 村 ト メ
第 九 回 訊 問 調書
大 谷 ツ ル
小林進次郎
竹 内 タ マ
後 藤 き ん
吉 田
︹マ マ︺
え
梅 川 フ ク
大 谷 ツ ル
人
小 倉〓
え
証
中略 右 被 告 ニ対 シ訊問 ス ル コト左 ノ如 シ。
小林 武 次 郎
木 村 ト メ
小 倉〓
右 前 回 同 一事 件 ニ付 キ 、大 正 十 三年 二月 八 日 東 京 地方 裁 判 所 ニ於 テ
一問 被 告 ニ対 ス ル被 告 事 件 ハ、 治 安警 察法 違 犯事 件 デ ア ツ テ、 コ
竹 内 タ マ
黒 沢 ユ キ
答 別 ニ何 モ アリ マセ ヌ。
一
ウ ユウ起 訴 事 実 ニナ ツ テ居 ルガ、 何 カ陳 述 ス ル事 ガ ア ルカ。
上 村 ハ ナ
ニ対 ス ル各 予 審 調 書 及
三 崎 良 一
︹ 此 時 被 告 ニ対 ス ル予審 請 求 書 記 載 ノ起 訴 事 実 ヲ読 ミ聞 ケ タ リ︺
二問 今 度 ノ事件 ニ付 テノ犯 罪 嫌 疑 ノ原 因 ヲ告 ゲ ルガ何 カ弁 解 スル
ニ対 ス ル検 事 ノ聴 取 書 及
梅 川 フ ク
小 島 忠 蔵
黒 沢 ユ キ
事 ガ ア レバ 陳 ベ ル様 ニ。 先 ヅ 犯 罪 発 覚 ノ原因 ハ此 三 ツノ書 類 ガ警 視
小 倉〓
後 藤 き ん
庁 ノ手 ニ這 入 ツ タ事 デ ア ル。
上 村 ハ ナ
木 村 ト メ
え
ル書 類 及 伺 号 ノ 二、党 規 改 正 ノ書 類 、同 号 ノ三 ノ議 事 録 ヲ示 ス︺
︹ 此 時 大 正 十 二年押 第 七七 四号 ノ 一ノ英 国 共産 党 暫 定 党 規 ト 題 ス
ニ対 スル司法 警 察及 聴 取 書 ノ各 内 容 ノ要 領 ヲ告 ゲ 、尚 鑑 定 ノ結 果 ヲ告 ゲ 且 ツ大 正 十 二年 六 月 十 三 日附 警 部 山 田弥 市 ノ報 告 書 並 ニ大
ノ要領 ヲ告 ゲ タ リ︺
正 十 二年 六月 四 日附 警 視 庁 特 別高 等 課長 ヨリ南 谷 検 事 正 宛 報告 書
︹ 此 時 同 号 ノ 四十 六 ヲ示 ス︺
之 ハ二月 四 日、 市 川 ノ 一直園 ニ於 ケ ル十 七 人 分 ノ伝 票 デ ア ル。
之 ハ石 神 井 ノ豊 島 館 ヤ、 一直 園 ノ女 中 ニ見 セ タ各 写 真 デ ア ル。 ︹ 此 時 前 同 号 ノ三 十 二、 四十 五 、 四十 七 ヲ示 ス︺ 之 ハ渡 辺 満 三 ガ豊 島館 デ 席 ヲ借 リ ニ行 ツ タト キ ノ関 係 書面 デ ア ル。 ︹ 此 時 前 同 号 ノ四 、 五 ヲ示 ス︺ 之 ハ高 尾 平 兵衛 ノ脱退 届 デ ア ル。 之 レ ニ依 ツ テ モ党 ノ成 立 シテ居 ツ タ事 ノ判 カ ル 一ツ ノ材 料 ニナ ル。
︹ 此 時 前 同 号 ノ七 ヲ示 ス︺ ︹マ マ ︺
之 ハ渋 谷 杢 次 郎 方 ノ米 櫃 ノ台 ト底 ト デ ア ル。
︹ 此 時 前 同 号 ノ五 十 一、 二 ヲ示 ス︺
之 ハ水 谷 健 一 (徳田)名 義 吉原 太 郎 宛 ノ書 面 デ ア ル。 ︹ 此 時 前 同 号 ノ八 ヲ示 ス︺
署 名拇 印 シ タ リ。
答 別 ニ弁 解 ス ル事 ハア リ マセ ヌ。
同 日於 同 所
右読聞ケ云 々
義 雄
裁 判 所 書 記 稲 垣 正 二
東京地方裁判所
予 審 判 事 沼
二 四 堺 利 彦 等 検 証 調 書 ・堺 マガ ラ 調 書 ・ 堺 利 彦 等 筆迹 鑑 定 書
検 証 現 場 ハ俗 ニ三宝寺 池 又 ハ三宝 寺 公 園 ト 称 シ、夏 季 ハ水 泳 場 ト
シ テ来 リ遊 ブ者 多 ク、本 検 証 当 時 ハ夏 季 水 泳場 増 設 ノ為 メ 工事 中 ナ リ キ。
ク、該 森 ノ東 南 約 二丁 位 ヲ距 テ巡 査駐 在 所 並 ニ数 軒 ノ人 家 ア リ。
三 宝 寺池 ノ南 、池 ニ接 続 シ テ小 高 キ処 ニ鎮 守 ノ森 在 リ テ昼 尚 ホ暗
ク全 ク寂寥 ヲ覚 ユ。 唯 、池 ノ東 方 ニ一、二軒 ノ雑 貨 店 、 或 ハ料 理
其 ノ他森 ノ北 端 、 池 ニ面 シ テ豊 島 館 ノ存 在 ス ル外 、 附 近 ニ人 家 ナ
店 ノ存 在 スル ノ ミ。 右検 証 ヲ明 カ ニ ス ル為 メ別 紙 図 面 ヲ添 付 シタ
検 証 調書 近 藤 栄 蔵
学
田 所 輝 明 浦 田 武 雄
佐 野
堺
利 彦
高 津 正 道
ロ 豊 島 館 ノ模 様
リ。
橋浦 時雄
市 川 正 一 渡 辺 満 三 杉 浦 啓一 野 坂 参〓
清
上 田 茂 樹
高 瀬
吉 川 守 邦 仲宗根源和
一 検証現場
現場 ニ臨 ミ検証 ヲ為 シタリ。其 ノ始末左 ノ如 シ。
方裁判所予審判事沼義雄 ハ同裁判所書記北村金太郎 ト共 ニ左記検証
ニ対 スル治安警 察法違 犯被告事件 ニ付 キ大正十二年 六月九日東京 地
存 在 スル ヲ認 メ タ ル ノ ミ。前 面 眼 下 ニ三宝 寺 池 ヲ見 下 ロス南 方 ハ
中 ナ リ シ為 メ取毀 タ レ アリ テ、僅 カ ニ床 ノ間 ノ框 及 押 入 ノ敷 居 ノ
所 ニ依 レバ床 ノ間 及 押 入 ノ在 リ シ間 ト 云 フ モ、本 検 証 当 時 ハ増築
成 ル。而 シテ同 階 上 東 端 十 畳 ノ間 ハ豊 島 館 主 小 島 忠 蔵 ノ案 内 スル
面 ニ示 ス如 キ間 取 リ ニシ テ十 畳 二 間 、 七畳 半 、 四畳 半 ノ四 間 ヨリ
同 館 ハ階下 ハ十 畳 、十 八 畳 、 十 畳 ノ三 間 ヨリ成 リ 、階 上 ハ別 紙 図
シ テ増 築中 ナリ シ為 メ 、其 ノ一 部 分 取毀 タ レ アリ タ リ。
豊 島 館 ハ木 造 ノ二階 建 家 屋 ナ ル モ検 証 ノ当 時 ハ其 ノ東 端 レ ニ接 続
東京府北豊島郡石神井村大字上石神井千九百 三番 地 料 [理店]豊 島
障 子 ヲ隔 テ ヽ廊下 アリ 、廊 下 ニ ハ巾一 間 高 サ四 尺 五寸 ノ高 窓 アリ
田 代 常 二 荒井邦 之介
館事 小島忠蔵方及其 ノ附近 ナリ。右 現場 ハ東京 ヲ距 ル西方約 五里余 、
雅 雄
附 近 一帯 ハ平坦 ナル田又 ハ畑 地 ニシテ人家少 ナキ寂寞 ノ地 ナリ。此
テ此 処 ヨリ樹 木 ノ生 繁 ゲ レ ルヲ見 ル事 ヲ得 。
西
ノ地 ニ至 ル通常 ノ経路 ト シテ ハ、市外池袋 ヨリ武蔵 野鉄道 ニ依 ツテ
其 他 詳細 ハ別 紙 図 面 ヲ示 ス。
ス 。
東 京 地方 裁 判 所
記豊 島 館 ニ於 テ此 ノ調 書 ヲ作 成 ス。
右 検証 ハ大正 十 二年 六 月 九 日午 後 一時 着 手 シ同 日午 後 三時 終 了 。 前
石神井駅 ニ至 リ石神井 駅 ヨリ約七丁 ニシテ本 現場 ニ達 スルヲ普通 ト 二 検証現場 ノ模様 イ 豊島 館附 近 ノ模様
裁 判 所 書 記 北 村 金 太郎 義 雄
テ、其 更 ラ ニ外 方 ハ電 車線 路 ト ス。
次 ニ其 ノ内 部 ニ就 テ見 ル ニ、構 造 客 席 向 キ ノ装 ヲ凝 ラ シ特 徴 ト認 ム
ニ普 通 ノ 一畳 敷 ヲ超 ユル一 畳 半敷 ト モ称 ス可 キ畳 ノ混 入 セ ル コト 。
可 キ ハ、板 縁 ノ約 半 部 ヲ割 キ テ畳 ヲ敷 キ込 ミ ア ル コト 。 本 座敷 ノ畳
予 審 判 事 沼 出 張 先 ノ作 成 ニ係 ルヲ以 ツ テ所 属 裁 判 所 印 ヲ押 捺 ス ル コト能 ハ
ト ス。
天 井 ヨリ懸 垂 セ ル二 基 ノ電 灯 ニ灯 籠 式 ノ大 ナ ル上 被 ヲ蔽 ヘル点 ナリ
ズ。 (地図 添 付 ) (豊 島 館 階 上 図)
記 平 田進 ト共 ニ堺 利 彦 等 ニ係 ル治 安警 察法 違 犯事 件 ニ付 キ大 正 十 二
大 正 十 二年 六 月十 二 日東 京 地方 裁 判 所 検事 滝 川秀 雄 ハ同 庁 裁 判 所 書
離家 式 ノ別 棟 ナ ルヲ 以 ツ テ他 室 ヨリ透 見 或 ハ側 聞 セラ ル ヽノ虞 無 キ
終 リ ニ他室 ト ノ干 係 ヲ案 ズ ル ニ、 廊 下 ヲ以 ツ テ相 通 ズ ルト ハ云 ヘ、
或 ハ四畳 ノ控 室 ヲ 通 ジ テ為 スヲ得 ベ シ。
縁 先 ヨリ ス ル ヲ随 意 タ ルベ ク、 又玄 関 ヲ入 ツ テ廊 下 伝 ニ縁 側 ニ出 デ
而 シ テ此 ノ室 ヘノ出 入 ニ ハ玄 関 ヲ経 ズ シ テ門 内 ヨリ室 外 側 ヲ通 ジ テ
年 二月 四 日会 合 ノ場 所 ト認 メ ラ ル ヽ千 葉 県 東 葛飾 郡 市 川 町 字 市 川 新
実況見分書
田 百 五 十 五番 地一 直 園 四季 ノ寮 事 金 親 方 ニ臨 ミ実 況 ヲ見 分 ス ル コト
モ ノト 見受 ケ ラ レ、他 人 ヲ避 ケ テ ノ相 談 会 等 ニ支 障 ナ カ ルベ キ ヲ思
本 見 分 ハ大 正十 二年 六 月 十 二 日午 後 七 時 四 十 五 分 ニ着 手 シ
ハシ ム。詳 細 ハ添 付 見取 図 面 ) (二 ニ譲 ル。
左 ノ如 シ。
同 八 時 十 分 ニ終 了 ス。
( ︶ 一 同 家 ノ位 置 該 家 ハ京 成電 車 市 川 真 間 停 留 場 ヨリ線 路 側 ヲ並行 ス ル道 路 ヲ東 方 ニ
東 京 地方 裁 判 所 検 事 局
四季 ノ寮 事 金 親 方
於 千葉 県 東 葛 飾 郡 市 川 町 大 字 市 川 新 田 百 五十 五番 地
向 ヒ進 ム事 約 二 丁 ノ 地点 ニ在 リ。 二 ツ ノ門 ヲ経 テ初 メ テ其 ノ玄 関 ニ 達 ス( 添付見取図︶ ︵参 一照)。 ( ) 二 会 合 ノ座 敷 ト認 メ ラ ル ヽ春 日 ノ間 ノ状 況
進
裁 判 所 書 記 平 田
春 日 ノ間 ハ同 家 東 方 電 車 線 路 ニ近 ク玄 関 ニ向 ツ テ左 手 ニ建 テ ラ レタ
同 庁 検 事 滝 川 秀 雄
出 張 先 ノ作 成 ニ係 ル ヲ以 ツ テ 云 々
ル離 家 ト モ云 フベ キ東 西 三間 南 北 二 間 半 十 五 畳敷 ノ一室 ニシ テ、 別
(一直 園 ノ 見取 図 ) ( 春 日 ノ間 見 取 図 )
ニ四畳 ノ控 室 ト 合 ハシ テ 一棟 ヲ為 ス。 而 シ テ其 ノ外廓 ヲ略 記 ス レバ 東 方 ハ肘 掛 窓 並 ニ障 子 ヲ以 ツ テ広 庭 ノ一端 ニ面 シ、其 ノ先 ニ周 囲 ノ
検 証 調 書
生籬 ヲ望 ム。南 方 ハ障 子 ヲ以 ツ テ直 ニ広庭 ニ面 シ、 近 ク ハ芝 生稍 離 レテ植 込 ヲ望 見 ス ル ヲ得 。 西 方 ハ四畳 ノ間 ヲ距 テ ヽ玄 関 ト ノ間 ノ中 庭 ニ接 ス。 北 方 ハ大 床 並 ニ違 棚 等 ヲ控 エ側 壁 ノ外 ハ邸内 ノ通路 ニシ
被
告
人 堺
利 彦
右 ノ者 等 ニ対 ス ル治 安 警 察 法 違 犯 被 告 事件 ニ付 キ東 京 地方 裁 判 所 予 審 判事 沼 義 雄 ハ裁 判 所 書 記 稲 垣正 二立 会 ノ上 検証 ス ル事 如 左 。 検 証 ノ場 所 ハ
渋 谷杢 次 郎 方
東 京府 北豊 島 郡 巣鴨 町西 巣 鴨 字 庚 申 塚 六 百 十 三番 地
検 証 ノ目的 ハ右 渋谷 杢 次 郎 方模 様 検 証 ノ結 果
以
上
前 記 同 日検 証 ノ場 所 ニ於 テ之 ヲ作 ル。
出 張先云 々
( 渋 谷杢 次 郎 宅 見 取 図 )
書
義 雄
裁 判所 書 記 稲 垣 正 二
予 審 判 事 沼
マガ ラ
右被 告 人 ニ対 ス ル治 安 警 察 法 違 犯 被 告 事 件 ニ付 大 正十 二年 十 一月 二
調
人 堺
十 日 東 京 地 方裁 判 所 ニ於 テ予 審 判 事 沼義 雄 ハ裁 判 所書 記稲 垣 正 二立
考
軒 長 屋 ガ 三十 二 棟 一廓 内 ニ櫛 比 並 棟 シ居 ル処 ナ リ 。而 シ テ杢 次 郎 方
会 ノ上 右参 考 人 ニ対 シ訊 問 ヲ ナ ス コト 左 ノ如 シ。
参
ハ南 向木 造 瓦葺 平屋 建 八軒長 屋 ノ東 端 ニ位 シ、東 南 南 方 ハ何 レ モ幅
一 右 渋 谷杢 次 郎 方 附 近 一帯 ハ僅 ニ巣 鴨 二 百 軒長 屋 ト称 シ、 一棟 八
約 四尺 ノ路 次 ヲ隔 テ ヽ人家 アリ、 西 北 方 ハ人 家 ト相 接 ス。 同 家 南 隅
一問 氏名 年 齢 等 ハ ( 中略)如 何 。 答 氏 名 ハ 堺 マガ ラ
ニシ テ東 端 ヨリ 一間 ノ間 ハ出 入 口 ト ナ リ、 該 出 入 口 ヲ入 レバ幅 三尺
職 業 ハ 無 職
年 齢 ハ 二十 一歳
ノ板 敷 ア リ其 西隅 三尺 ノ間 ニ右 板 敷 ヨリ約 一尺 高 ク シ テ同 様 板 敷 ト ナ リ炊 事 用 具等 置 キ在 リ。
答 知 リ マセ ヌ。
二問 参 考 人 ハ有 川 ト 云 フ人 ヲ知 ツ テ居 ル カ。
住所 ハ 東 京 市 麹 町 区 麹 町 八 丁 目 二十 四番 地
東 隅 ニ ハ氷 店 ノ屋台 存 ス。 北 隅 ハ座 敷 四 畳 半 一室 ニシ テ同室 東 南 隅 ヲ除 ク各 隅 ニ ハ畳 上 約 四、五尺 ノ個 所 ニ棚 設備 セ ル。 同 室 ノ 北 隅 ハ 東 端 ヨリ順 次各 三尺 平 方 ノ押 入縁 側 及 便 所 存 ス。而 シ テ右 模 様 ハ前
ア ツ テ裁判 所 へ来 タ ト キ ニ参 考 人 カ ラ ア ノ人 ガ有 川 サ ンダ ト 云 ツ テ、
三 問 然 シ高 津 タ ヨノ 云 フ テ居 ル処 ニ ヨルト 、 同年 ノ 五 月頃 公 判 ガ
紙 図 面 ニ図 示 セ ルガ 如 シ。 一 現 場 ニ居合 セ タ ル渋谷 杢 次 郎 ノ妻 ハナ ハ新 聞紙 包 ノ入 レタ リ シ
四問 ソウ ダ。
答 有 川 繁 サ ンデ スカ 。
其 時 初 メ テ知 ツ タト 云 フ テ ア ルガ什 ウ カ。
米 櫃 ハ其 当 時 右 四 畳 半 ノ東 南 隅 ニ置 キ ア リ タ リト 述 べ 、 同 所同 室 上 リ 口敷 居 ニ ハ本 年 五 月 頃 モ今 日 ト同 様 何 モ気 付 ナ カリ シト 陳述 シタ リ。 此検 証 ハ午 後 二時 着 手 シ午 後 二時 三十 分 終 了 ス。
答 手 紙 ハ 一々見 ラ レ マス カ ラ ワザ ト書 イ タ ノデ ス。
ニ面会 ニ行 ツ タ ト キ ノ談 話 ノ中 、接 見簿 ニ ヨ レバ戸 田 サ ンガ特 ニ心
一 四問 然 シ参 考 人 ハ本 年 ノ五 月 二十 三 日 ニ豊 多 摩 刑 務 所 ニ居 ル高 瀬
答 私 ハズ ツ ト前 ニ何 カ ノ雑 誌 ニ有 川繁 ト 云 フ名 前 デ 出 テ居 ツ タ ノ ヲ知 ツ テ居 ルノ デ ス。
カ。
配 シ テ呉 レ マシ タ安 心 シ テ下 サイ ト 云 フ事 ヲ 云 フ テ居 ル様 デ ハナイ
五 問 夫 レ ハ誰 ノ事 カ。 答 川内 唯 彦 デ ス。 私 ハ通 リ名 ガ ド ウ デ ア ルカ知 ラ ナ イ ノデ ス。 六 問 川内 唯 彦 ト云 フ人 ヲ知 ツ テ居 ル カ。
一 五問 戸 田 ト 云 フノ ハ猪 俣 ノ事 デ ア ロウ 。
︹ 此 時 参 老 人 ハ只 笑 ツ タ ノ ミデ 返 答 ヲ為 サ ズ︺
猪 俣 ハ已 ニ起 訴 ニナ ツ テ居 ル ノデ ア ル。陳 ベ テ ハ什 ウ カ。
答 知 ツ テ居 リ マ ス。 七 問 通 リ 名 ガ ド チ ラデ ア ル カ知 ラ ナイ ニシ テ モ、有 川 ト 云 フ ノガ
ヌ カ。
答 ソ ウ云 フ ヨリ外 ニ仕 様 ガ ア リ マセ ヌ。
一 六問 陳 ベ テ ハ什 ウ カ。
一 七問 何 故 ニ仕 様 ガ ナ イ ノ カ。
参
考
人 堺
︹ 此 時参 考 人 ハ只笑 ツ テ居 ル丈 デ 返 答 ヲ為 サ ズ︺
同 日 於 同 所作 之
右 読 聞 ケ タ ル処無 相 違 旨 申 立 署 名 シ タ リ。
義 雄
裁 判 所 書 記 稲 垣 正 二
予 審 判 事 沼
予審 廷 ニ出 頭 シ同 予 審 廷 ニ於 テ左 ニ掲 記 セ ル事 項 ニ就 キ筆 迹 同異 ノ
依 リ大 正 十 二年 十 二 月 三 日文 書 鑑 定 人 ト シテ東 京 地 方裁 判 所第 三 号
堺 利 彦 外 二十 六 名 ニ対 ス ル治 安 警 察 法 違 犯 被 告 事 件 ニ干 シ御呼 出 ニ
筆迹鑑定書
マガ ラ
答 貴 方 ノ方 デ其 那 ニ判 カ ツテ居 ルナ ラ 夫 レデ ヨイデ ハア リ マセ
川 内 ノ事 カ。 答 ソ ウデ ス 八 問 此 手 紙 ハ参 考人 ガ高 瀬 清 ニ宛 テヽ 出 シ タ手紙 カ。 ︹ 此 時 大 正 十 二年 押 第 七 七 四号 ノ三 十 一ノ二 ヲ示 ス︺ 答 ソ ウデ ス。 九 問 其 ノ手 紙 中 ニ斗多 サ ンガ貴 方 ノ其 後 ハ什 ウ カ ツ テ聞 イ テ居 ラ ツ シヤ イ マシ タト ア ルガ 、此 斗多 サ ント 云 フ ノ ハ誰 カ。 答 夫 レ ハ津 田 ト書 ク ノヲ間 違 ヘタ ノデ ス。
答 私 ノ学 校 友達 デ ス。
一 〇問 津 田 トイ ウ ノ ハ誰 カ。
答 係 リ合 ヒ ニナ リ マスト イ ケ マセ ンカ ラ申 上 ゲ 兼 ネ マス。
一一 問 津 田何 ント云 フ ノ カ。
デ何 カ係 リ合 ニナ ル カ。
一二 問 然 シ貴 方 ノ其 後 ハ什 ウ カ ツ テ云 ツテ聞 イテ 居 ツ タト 云 フ丈 ケ
答 予 審 デ ハソ ウデ ハア リ マセ ヌガ 、表 ヲ通 ツ テ モ外 ノ人 カ ラ ハ 調 ベ ラ レ ルノデ スカ ラ。 一三問 然 ラバ何 故 態 々津 田 ヲ斗 多 ト書 イ タ ノ カ。
関 係 ノ 二文 字
大 正十 二年 押 第 七 七 四号 ノ八 中 八葉 第 九 行 目 ニア ル
鑑 定 ヲ為 ス可 キ旨 ヲ命 ゼ ラ ル因 リ テ之 レヲ敬 承 シ テ其 ノ鑑 定 ヲ為 シ
関 係 ノ二文 字 ト大 正 十 二年 八 月 七 日附 徳 田球 一ノ 上申 書 中 、 第 四 葉
表 第 六行 目其 他 同 第 三葉 裏 第 二行 目 等 ニア ル関 係 ノ二文 字 ノ各 姿 態 。
一 大 正 十 二年 押 第 七 七 四号 ノ八 記 載 ノ文字 ト 大 正十 二年 六 月 二十
九葉 ノ首 行 等 ニア ル事 字 ト 大 正 十 二年 七月 十 三 日附 徳 田 球 一ノ上 申
事 字 大 正 十 二年 押 第 七 七 四 号 ノ八中 第 七葉 首 行 、 八葉 ノ第 二行 、
鑑 定事 項
結 果 等 ハ下 ニ開述 セリ。
七 日附 、 同年 七 月十 三 日附 及 同 年 八 月 七 日附 ノ徳 田球 一名義 ノ各 上 申 書 記載 ノ文 字 ハ同 一筆 迹 ナ リ ヤ否 ヤ。
ノ如 キ ハ其 分 布 全 ク 一ニ出ヅ 。
書 中 、首 葉 表 第 九 行 目 裏 第 二行 目第 二葉 表 第 八行 目 等 ニア ル各 事 字
其 他 大 正 十 二年 押 第 七 七 四 号 ノ八 ニ記 載 シ ア ル特 、運 動 、能 、貴
右 鑑 定 事 項 ニ依 リ鑑 査 ヲ遂 グ ル処 其結 果 左 ノ如 シ。 鑑 定 ノ結 果
貴字實字 露 字 ハ雨 冠 ノ蟋蟀 勢〓 雨 ノ犁 深 ノ各貝画 懇 、 底 、 露 ク同 ヲ穿 チ テ雨 竹 ノ如 ク セ ル ノ如 キ ハ、 点 点 画 画 一
ト シテ相 吻 合 セザ ル ハ莫 シ。 猶 以上 ニ掲 ゲ ザ ル諸 文 字 モ 一ト シ テ同
大 正 十 二年 押 第 七 七 四 号 ノ八 ナ ル書面 ニ記載 シア ル文 字 ト 大 正 十 二 年 六月 二十 七 日附 、 同年 七 月十 三 日附 、及 同 年 八 月 七 日附 ノ各 徳 田
一□ニ出デ ザ ル ハ莫 シ。而 シ テ其 行 筆 ノ勢 ヲ較 照 スル ニ、 一 ハ鉛 筆
︹一字 不 明 ︺
球 一名 義 ノ各 上 申 書 ニ記載 シ ア ル文 字 ハ同 一ノ筆 迹 ト 鑑 定 ス。
ル文 字 ト 大 正 十 二年 六 月 二十 七 日附 、 同 年 七 月 十 三 日附 、同 年 八月
前 掲 鑑 定 事 項 ニ依 リ大 正 十 二年 押 第 七 七 四号 ノ八 ナ ル書 面 ニ記載 セ
キ コト ハ、 國字 ノ或 画 等 ニ於 テ明 ニ其 然 ル ヲ見 ル。 又筆 致 筆 旨 ニ於
ザ ル モ ノ有 リ ト雖 モ、其 書 風 ハ両 者 同 一ニ出 デ 、気 勢 鋒鋩 ノ相 同 ジ
者 ハ肥瘠 ノ殊 ナ ル モ ノ ナク シ テ 一様 ニ成 リ、 後 者 ハ細 太相 同 ジ カ ラ
ヲ以 テ書 シ タ ル モノ 一 ハ毛筆 墨 汁 ヲ用 ヒ テ書 シ タ ル モ ノ ニ係 リ 、前
七 日附 ナ ル以 上 三 通 ノ各 被 告 徳 田球 一名 義 ノ各 上申 書 ニ記 載 シア ル
テ モ全然 同 工 ニ シテ 、毫 髪 ノ相 異 ル モノ有 ル ヲ見 ズ 。
由
文 字 ト ヲ対照 ス ル ニ前 者 ハ鉛 筆 ヲ以 テ記載 セ ル モ ノ ニ係 リ 、後 者 ハ
理
三 通 ト モ皆 毛筆 墨 汁 ヲ用 ヒテ記 載 シ タ ル モ ノ ニ係 リ 、 且其 記 載 時 日
キ モノ ニ非 ズ。 是 レ前 掲 ノ如 ク同 一ノ筆 迹 ト鑑 定 シタ ル所 以 也 。 此
乃 チ同 一人 ノ手 ニ成 ル文 字 ナ ル ニ非 ザ レバ 、斯 ノ如 ク能 ク合 一ス可
大 正 十 二年 十 二 月 三 日
十 分 ニ終 了 セ リ。
東京地方裁判所 予 審 判 事 沼 義 雄 殿
鑑
定
人 太 田
彰
鑑 定 ハ大 正 十 二年 十 二月 三 日午 前 十 一時 ニ着 手 シ、同 日午 後 二時 四
モ箇 々相 同 ジ カ ラ ズ ト雖 モ、其 用 筆 ノ上 ニ ハ剛 重軽 重 ノ相 差 フ モノ 無 ク、結 構 ニ於 テ モ亦 巧 拙 優 劣 ノ相異 セ ル モノ ヲ見 ズ。 其 両 者 ニ通 ジ テ ア ル文 字 ニ就 テ点 画 ノ布 置 並 省 略 ヲ視 ル ニ、 察 字 大 正 十 二年 押 第 七 七 四 号 ノ八中 、首 葉 二行 目 ニア ル察 字 ト 大 正十 二年 六 月 二十 七 日附 徳 田球 一ノ上 申 書 中 首 葉 第 三 行 目 ニア ル察 字 ハ全 体 同 一ニ成 レ ル上特 ニ察 又 画 ヲ之 近 ト セ ル ニ於 テ 一ナ リ 。 大 正 十 二年 七 月 十 三 日附 上申 書 ノ同 文 字 亦 相 同 ジ 。
鑑 定 書
倒 底 ノ 二字 ハ六 月 二十 七 日附 上申 書 倒 底 ノ 二字 ト同 ジク 、 又 六 月 二
同 八枚 目 三行 ノ動 ノ字 等 皆 同 一ノ筆 致 法 ナ ル事 。
三 行 ノ運 動 ノ動 ノ字 、 同 六枚 目 六行 ノ動 ノ字 、同 九 行 目 ノ動 ノ字 、
十 七 日附 上申 書 七 行 目 ノ煽動 ノ二字 ハ、押 第 七七 四号 ノ八 ノ五枚 目
又押 第 七 七 四号 ノ 八、 五枚 目 三行 ノ運 動 ノ動 ノ字 ハ、 八月 七 日附 上
被 告 人 堺利 彦 外 二十 六名 ニ係 ル治 安警 察 法違 犯 被 告 事 件 ニ付 、 大 正 十 二 年 十 二 月 三 日東 京 地方 裁 判 所 予 審 廷 ニ於 テ命 令 セラ レタ ル鑑 定
申 書 二枚 目裏 三行 ノ煽 動 ノ動 、 同 三 枚 目 四 行 ノ煽 動 ノ動 、 四枚 目 二
目 ノ裏 四 行 ノ共産 党 ノ党 ノ字 、 二枚 目十 行 ノ共 産 党 ノ党 ノ字 ト其 筆
又 押 第 七 七 四 号 ノ八 ノ共 産 党 ノ党 ノ字 ハ、 七 月 十 三 日附 上申 書 一枚
一筆 致 ニ在 ル コト 。
行 ノ煽 動 ノ動 、同 六行 ノ煽 動 ノ動 、 四 枚 目 裏 三 行 ノ煽 動 ノ動 等 皆 同
事 項 ニ基 キ、所 要 ノ調 査 ヲ為 シ公 平 誠 実 ニ鑑 定 ヲ遂 行 セリ、 即 チ左
大 正十 二年 押 第 七 七 四号 ノ八 記 載 ノ文 字 ハ大 正 十 二年
ノ如 シ。 鑑定事項
六 月 二十 七 日附 、 同年 七 月十 三 日附 、 及 同年 八 月 七 日附 ノ徳 田球 一 以上
致 筆 勢 ヲ同 フ セ ル事 。
鑑 定 大 正 十 三年 押 第 七 七 四号 ノ八 記 載 ノ文 字 ハ、 大 正十 二年 六
名 義 ノ各 上 申 書 記載 ノ文 字 ト同 一筆 蹟 ナ リ ヤ否 ヤ。
月 二十 七 日附 、 同年 七 月 十 三 日附 及 同 年 八月 七 日附 ノ徳 田球 一名義
又押 第 七 七 四 号 ノ八、 二枚 目 六行 ノ連 ノ字 ハ、七 月 十 三 日附 上申 書
右 大 正 十 二年 十 二月 三 日午 前 十 一時 ヨリ鑑 定 ニ従 事 シ午 後 二時 五 十
是 レ主 文 ノ如 ク鑑 定 シ タ ル所 以 ナ リ。
筆 蹟 タ ル コト ヲ証 ス ル モノ ナ リ 。
一枚 目 ノ裏 十 行 ノ連 ノ字 ト筆 致相 等 シキ事 ニ鑑 ミ レバ、 明 ニ其 同 一
上 申 書 記 載 ノ文 字 ト ハ其 筆 蹟 同 一ノ モノ ナ リ。
ナ ク、従 テ 又文 字 ニ何 等 ノ趣 味 ナ キ モノ ナ リ。
鉛 筆 ヲ以 テ書 記 シ タ ル文 字 ニシ テ、文 字 、細 太 、 軽 重 ノ著 シ キ モノ
分 ニ到 リ之 レ ヲ終 了 セ リ。
説 明 大 正 十 三年 押第 七 七 四号 ノ八 ニ記 載 セ ル文 字 ハ、 西 洋紙 上
又 六月 二十 七 日附 上 申 書 、 七 月十 三 日附 ノ上 申 書 及 八 月 七 日附 上申
筆迹鑑定書
鑑
定
人 山 名 篤 義
東 京 市 本 郷 区 湯島 切 通坂 町 二十 一番 地
予審 判 事 沼 義 雄 殿
東 京 地 方裁 判 所
大 正 十 二年 十 二月 三 日
書 ハ何 レ モ毛 筆 ヲ以 テ記 載 シ タ ル文 字 ニシ テ、多 少 其 妙 味 ヲ有 ス ル モノ ナ リ。 今 此 四 通 ノ文 字 ヲ交 互 対 照 審 検 スル ニ、 大体 ニ於 テ筆 致 同 一ニシ テ 同 一人 ノ筆 記 セ ル モノ タ ル コト ヲ認 ム。 殊 ニ押 第 七 七 四号 ノ八 ノ 一枚 目 ノ四 行 、貴 兄 等 ノ事 ニノ事 ノ字 ハ六
一ナ ル コト 。
月 二十 七 日附 上申 書 ノ判 事 、 検 事 、事 件 、事 実 等 ノ事 ノ字 ト筆 致 同
又 押 第 七 七 四 号 ノ八 ノ 二枚 目 五行 、 到 底 ノ底 ノ字 、同 六枚 目 ノ 二行 、
ニ依 リ 、大 正 十 二年 十 二月 七 日文 書鑑 定 人 ト シ テ東 京 地 方裁 判 所 予
堺利 彦 他 二十 六 名 ニ対 ス ル治 安警 察 法 違 犯 被 告 事 件 ニ関 シ御 呼 出 シ
二種 ノ文 字 ヲ除 キ タ ル他 ノ文 字 ト 、前 項 ノ労 農 ロシ ヤを 訪 ね てト題
第 四 右 大 正 十 二年 押 第 七 七 四 号 ノ 三 ナ ル議 事 録 中 第 一項 ニ於 ケ ル
労 農 ロ シヤ を訪 ね て ト題 スル書 類 ノ文 字 ハ相 異 セ ル筆 迹 ト鑑 定 ス。
ス ル書 類 ノ文 字 ハ同 一ノ筆 迹 ト鑑 定 ス。
審 廷 ニ出 頭 シ、 同 予 審 廷 ニ於 テ左 ニ掲 記 セル事 項 ニ就 キ筆 迹 同 異 ノ 鑑 定 ヲ命 ゼ ラ ル、 因 リ テ之 レ ヲ敬 承 シ テ其 鑑 定 ヲ為 シ結 果 等 ハ下 ニ
四 ナ ル仲 宗 根 源 和名 義 ノ書 類 ノ文 字 ハ同 一ノ筆 迹 ト 鑑 定 ス。
第 五 右 第 一項 ニ於 ケ ル二種 ノ文 字 ト大 正 十 二年 押 第 七 七 四 号 ノ七 大 正 十 二年 押 第 七 七 四 号 ノ 三 ノ議 事 録 中 第 一頁 ノ食 事
開 述 セ リ。 鑑定事項
字 ハ相 異 セ ル筆 迹 ト鑑 定 ス。
ル 二種 ノ文 字 ヲ除 キ タ ル他 ノ文 字 ト前 項 仲 宗根 源 和 名義 ノ書 類 ノ文
第 七 右 大 正 十 二年 押 第 七 七四 号 ノ三 ナ ル議 事 録中 、第 一項 ノ議 事
第 六 右 大 正 十 二年 押 第 七 七 四号 ノ 三 ナ ル議 事 録 中 、 第 一項 ニ於 ケ
何 、 全 部 ニ亙 リ テ其 筆 迹 ノ同 一ナ リ ヤ否 ヤ ヲ鑑 定 ス ル コト 。
ト ア ル マデ ノ部 分 ト 、臨 時 雇 書 記 ト赤 イ ンキ ニテ 手 記 シ ア ル以 下 二
若 シ筆 迹 ガ 前 項 ノ如 ク果 シ テ異 ナ レ ル モノ ト セバ 、前 同 号 ノ 三〇 ノ
頁 ト其 他 ノ部 分 ト ハ各 別 人 ノ筆 迹 ノ如 ク思 料 セ ラ ル ヽガ 、果 シ テ如
労 農 ロシ ヤを訪 ね て ト題 ス ル書 類 、 同 七 四 ノ仲 宗 根 源 和 名義 ノ書 類
テ附 記 シ ア ル以下 二頁 ノ文 字 及 其 他 ノ部 分 ノ文 字 ナ ル三種 ノ文 字 ト、
ト ア ル ヨリ食 事 ト ア ル マデ ノ部 分 ノ文 字 、臨 時 雇 書 記 ト赤 イ ンキ ニ
ノ筆 迹 ト ノ異 同 。
及 同 七 五 ノ高 津 正道 名 義 ノ書 類 ト対 照 シ、該 書類 ノ筆 迹 ト右 議 事 録
ハ相 異 セ ル筆 迹 ト鑑 定 ス。
右 同押 号 ノ七 五 ナ ル高 津 正 道名 義 ノ宗 教 家 か ら ト題 ス ル書 類 ノ文 字
鑑定 ノ結 果
右 鑑 定事 項 ニ依 リ鑑 査 ヲ遂 ゲ ル処 其 結 果 左 ノ如 シ。
ア ル ヨリ食 事 ト ア ル マデ ノ文 字 ト 、 赤 イ ンキ ニテ臨 時 雇 書 記 ト 附 記
ノ議 事 ト ア ル ヨリ食 事 ト ア ル マデ ノ文 字 ト 、赤 イ ンキ ニテ臨 時 雇 書
第 一 大正 十 二年 押 第 七 七 四 号 ノ三 ナ ル議 事 録 ヲ把 リ テ、 其 第 一頁
由
シ ア ル以下 二頁 ノ文 字 ハ同 一ノ筆 迹 ト鑑 定 ス。
記 ト附 記 シア ル以 下 二頁 ノ文字 ト 、其 他 ノ部 分 ノ文 字 ト ノ三 者 ヲ各
理
右 ノ如 ク鑑 定 シタ ル ニ左 ノ理 由 ヲ有 ス。
第 二 右 大 正 十 二年 押 第 七 七 四 号 ノ三 ナ ル議 事 録 中 第 一頁 ノ議 事 ト
相 対 照 スル ニ、 前 二者 ハ同 一ノ筆 迹 ニ シ テ、後 一者 ハ別 異 ノ筆 迹 ト
第 一 大 正十 二年 押 第 七 七 四 号 ノ三 ナ ル議 事 録 中 、第 一頁 ノ議 事 ト
ア ル ヨリ食 事 ト ア ル マデ ノ文 字 及赤 イ ンキ ニ テ臨 時 雇 書 記 ト附 記 シ
認 ム ルヲ以 テ之 ヲ 二項 ニ分 チ、本 項 ニ於 テ ハ前 二者 ヲ同 一ノ筆 迹 ト
ス 。
本 項 二者 ノ文 字 ハ其 用筆 ト結 構 ト ニ於 テ相 同 ジ。 即 チ工 拙険 穏 等 ノ
シ タ ル理 由 ヲ開述 ス。
鑑 定 シ タ ル理 由 ヲ開 述 シ、次 項 ニ於 テ後 一者 ノ ミ別 異 ノ筆 迹 ト鑑 定
ア ル以下 二頁 ノ文 字 ト 、 以 上 二種 以外 ノ文 字 ハ相 異 セ ル筆 迹 ト鑑 定
ト大正十二年押第七七四号 ノ三 〇 ナ ル
第 三 右 第 一項 ニ於 ケ ル二種 ノ文 字 即 チ大正十三年押第七七 四号 ノ三 ナル議 事録中第 一頁ノ議事 トアルヨリ食事ト ア ル マデ ノ文字及赤イ ンキ ニテ臨時雇 書記 ト附記 シアル以下二頁ノ文字
殊 ナ ル モノ無 ク、 能 ク合 一セ リ。両 者 ノ中 ニ ハ同 一文 字 ノ以 テ相 対
書 風 ハ全 ク相 違 ヒ、 正 拗 異 ル故 ニ筆 路 ニ軽 重 疾 遅 ノ大 異 ア ル 一点 ノ
其 他 ノ文 字 モ書 風 ハ全 然 同 一ニシ テ、 其 鋒鋩 ノ軽 重熟 否等 ニ気 勢 等
迹 ト鑑 定 シ タ ル主 タ ル理由 ハ、右 第 二項 ニ於 ケ ル主 タ ル理由 ニ同 ジ。
〇 ナ ル労農ロ シ ヤを訪 ね て ト題 スル書 類 ノ文 字 ト ヲ以 テ相 異 セル筆
第 三 右第 一項 ニ於 ケ ル二種 ノ文 字 ト 大 正 十 二年 押 第 七七 四号 ノ 三
ズ 。 是 レ前 掲 ノ如 ク鑑 定 シ タ ル所 以 也 。
人 ノ手 ニ成 レ ル文 字 ナ ル ニ於 テ ハ、斯 ノ如 ク相 異 ル可 キ モノ ニ非 ラ
確 認 ス ル ニ足 ル。 加 フ ル ニ気 勢殊 ナリ 、筆 致 相 差 フ。 若 シ夫 レ同 一
ミ ニ拠 リ テ見 ル モ、 猶 本 項 両 者 ノ文字 ガ全 然 別 異 ノ筆 迹 ナ ル コト ヲ
書 字 、首 画 ﹁第 二 ノ〓 ノ省 略 。 ニ成 リ テ□ 、□ ノ如 ク ス。
︹ 筆 迹実 例 、 省 略 ︺
ス可 キ モノ多 カ ラズ ト雖 ド モ猶 且 ツ 一二 ノ全 ク吻 合 セ ル モノ有 リ。 書 記 ノ 二文 字 ハ
︹ 実例、省略︺
上下開勢 記字 孰レ モ赤 イ ン キ 上閉 合
亦 一ニ成 リ、 筆 旨 ニ至 リ テ モ相 差 フ モノ ヲ見 ズ 、 是 レ前 提 ノ如 ク鑑
即 チ其 用 筆 並 結 構 ニ於 テ前者 ハ重 且 ツ遅 、後 者 ハ軽 且 ツ疾 ナ ルノ異
数 字 ノ略 、 □ 、梅 字 ノ毎 画 、 通 字 ノ甬 画等咸 一ニ出ヅ 。
定 シタ ル所 以 ナ リ。
有 リ。 工拙 亦 従 テ相 差 ヒ、筆 旨 亦 全 ク異 ナ ル。 是 レ前 掲 ノ如 ク鑑 定
シ テ熟 セ ル結 構 ノ 工 ニ姿 態 ヲ得 タ ル等 、 両者 一ナ ルガ上 ニ点 画 面 目
第 二 前 項 二種 ノ文 字 ト 二 種 以外 ノ全 文 字 ト ヲ較 照 スル ニ其 用筆 並
ニ於 テ モ能 ク同 一ニ成 レリ。 特 ニ平 仮名 ニ於 テ ハ毫 髪 ノ相 差 ヘル モ
結 構 ハ、両 者孰 レ モペ ンヲ用 ヒ書 スル ニ熟 セリ ト雖 ド モ、 前 者 ハ後
モノ有 リ。 両者 ニ通 ジ テ有 ル文 字 中 議 字 ハ、義 ノ羊 画 ヲ殊 ニ シ、本
ノ無 ク、漢 文 字 ニ有 リ テ モ、 本 、 長 、 露 、資 、 組織 者 正 者ク ニ者 ハ ノ 一点
シタ ル所 以 ナ リ。
字 ハ□□ □ □□ ノ軽 重 ヲ殊 ニシ、 報 字 ハ幸 ノ結 構 ト及 画 ノ及 ノ長 短 、
ヲ加 ヘタ ル等 ノ諸文 字 ヨリ、 他 全 部 ニ亙 リ テ字 字相 同 ジ カラ ザ ル ハ
第 四 大 正 十 二年 押 第 七 七 四 号 ノ三 ナ ル議 事 録 中 右 第 一項 ニ於 ケ ル
及 ノ深 浅 、 来 字 ハ来 ト來 、長 字 ハ〓ノ省 略 、 軍 字 ハ首 画 軍 ノ軽 重 、
莫 ク、 点 画 分布 ノ 一点 ノ ミ ニ拠 リ テ観 ル モ、 本 項 ノ対 照文 字 ガ同 一
者 ノ勁疾 ナ ル ニ及 バザ ル コト遠 シ。 是 レ間 断 ナ クイ ンキ ヲ縷 出 ス ル
標 、 要 二文 字 ノ各 姿 態等 悉 ク相 異 セザ ル ハ莫 ク、 唯僅 カ ニ平 仮名 ニ
人 ノ筆 迹 ナ ル コト ハ確 ト シ テ易 フ可 カ ラズ 。 更 ニ其 拗 筆 ニ由 レ ル書
万年 筆 ヲ用 ヒ テ書 シ タ ル ト、 時 々点 潤 ヲ要 ト ス ル尋 常 ノ ペ ンヲ以 テ
於 テ肖 似 セ ル モ ノ有 ル ヲ見 ルノ ミ 。而 カ モ肖 似 セ リト 云 フ ニ止 マリ 、
風 、気 勢 等 悉 同 一筆 迹 ナ ル コト ヲ証 セ ザ ル ハ莫 シ。 依 之 前掲 ノ如 ク
シ ヤを訪 ね て ト題 スル書 類 ノ文 字 ト ヲ較 照 ス ル ニ、其 用 筆 ノ勁 疾 ニ
仔細 ニ較 視 スレバ 畢 ク相 差 ヘリ 。
鑑 定 セ リ。
二種 ノ文 字 ヲ除 キ タ ル他 ノ文 字 ト 、 ︵ 前項 ノ︶同 号 ノ 三〇 ナ ル労 農 ロ
第 一項 ニ於 ケ ル 二筆 ノ文 字 ハ、行 草 体 ニ成 リ、 二筆 以 外 ノ 全文 字 ハ
第 五 右 第 一項 ニ於 ケ ル二種 ノ文 字 ト大 正 十 二年 押 第 七 七 四 号 ノ七
書 シ タ ルト ノ異 ヨリ来 ル モノ ニ非 ズ 。 ペ ンノ性 質 種 類 ノ如 キ ハ末 ナ
□□ ニ成 リ 、其 体 様 相 同 ジ カ ラザ ル ヲ以 テ、同 一文 字 モ点 画 ノ比 ブ
四 ナ ル仲 宗 根 源 和 名義 ノ書類 ノ文 字 ト ヲ較 照 ス ル ニ、 其 用 筆 ト結 構
リ。 故 ニ本 項 両者 ノ文 字 ハ其 点 画 分 布 ノ上 ニ至 リテ モ各 相 背 馳 セ ル
ベ キ モ ノ少 シト為 ス。 無 産 階 級 、 普選 ノ文 字 ノ如 キ則 チ是 レ ナリ 。
︹二字 不 明︺
︹五 字 不 明 ︺
其 体 様 ヲ同 フ セ ル文 字 ハ分 間 布 白 ヲ殊 ニス。 又行 筆 ノ勢 ヲ見 ル ニ其
ア ル ヨリ食 事 ト ア ル マデ ノ部 分 ノ文 字 、 臨 時 雇 書 記 ト赤 イ ンキ ニ附
シ ア ル以下 二頁 ノ文 字 及 其 他 ノ部 分 ノ文 字 ナ ル以 上 三筆 ノ文 字 ト、
ト ニ於 テ ハ些 ノ 相 差 ヘ ル モ ノ ヲ見 ズ 、 其 両 者 ヲ通 ジ テ ア ル文 字 中 、 ︹ 筆迹実例、省略︺
議 字 、 羊 画并 ニ最 後 ノ 一点 ヲ遠 ク右 傍 ニ施 セ ル□ 、□ ノ如 キ及 言
ヲ較 照 ス ル ニ、右 議 録 中 ノ文 字 ハ前述 ノ如 ク三筆 ヲ 二種 ノ筆 迹 ト認
右 同 号 ノ七 五 ナ ル高 津 正 道名 義 ノ宗 教家 から ト題 ス ル書 類 ノ文 字 ト
ム ルヲ以 テ 二様 ニ比 照 シ テ同 異 ヲ検 ズ ル ニ、右 第 一項 ニ於 ケ ル二筆
偏 ノ姿 態
基 礎 ノ二文 字 、基 ノ波 勢伸 ビ ズ 、基 及礎 ノ〓 勢 礎 伸 ビ ズ 、姿 致 全
ノ文 字 ト、 右 高 津 正 道 名義ノ 書 類 ノ文 字 ハ其 書 風 全 ク相 差 ヒ、其 鋒
仲宗根源和名義ノ 嚴 密 ノ二文 字 、 書類 ハ第三項ノ 嚴 ヲ〓 ト シ他 全 体并 密 字 ノ寳盖 宀
ク 一ナ リ。
鋩 ノ 一事 ノ ミ ニ観 ル モ□者 ガ全 然 別 異 ノ筆 迹 ナ ル コト ヲ確認 ス ル ニ
ノ如 キ ハ些 ノ差 違 セ ル モ ノナ キ ノ ミ ナ ラズ 、 階 字 ノ〓 、腕 、得 、來 、
以 外 ノ議 事 録 ニ於 ケ ル他 ノ文 字 ト 、 高津 正 道名 義 ノ書 類 ノ文 字 モ□
ミ、鋒 鋩 ハ全 ク相 差 ヒ、気 勢 、筆 意 、 全 然 殊 ナ ル。 又右 第 一項 二筆
偶 々基 、 礎 、来 、等 ノ三 四文 字 ノ点 画□ 肖 類セ ル モ ノ ア ル ヲ見 ルノ
︹一字 不 明︺
級 字 ノ及 画
衆 、策 ノ長 キ 持 等 他 ノ全 部 文 字 モ 一ト シ テ吻 合 一致 セザ ル モノ莫 シ、
全然 其 書 風 ヲ殊 ニシ、 軽 重 工拙 著 シ ク相 差 ヒ、点 画 面 目 ノ如 キ モ資
︹一字 不 明︺
又其 行 筆 ニ至 リ テ モ 一 ハ略 書 シ、 一ハ稍趣 ヲ存 ス ルガ故 、面 目 斉 シ
本 、主 義 、雨 冠 、其 他 字 字□□セ ザ ル モノ ナ リ。 姿 態 大 ニ相 差 ヒ筆
足 ル。
カ ラズ ト雖 ド モ、其 書 風 ハ同 一ニシ テ、 姿 態 、筆 旨 悉 ク相 同 ジ。 若
平 仮名 字 全 部
シ夫 レ筆 旨 ヲ殊 ニセ ン筆 迹 ナ ル ニ於 テ ハ、斯 クノ如 ク合 一スベ キ モ
︹一字 不 明 ︺
ノ ニ非 ラズ 。是 レ前 掲 ノ如 ク鑑 定 シ タ ル所 以 ナ リ。
ノ如 ク鑑 定 シ タ ル所 以 ナリ 。
致全 ク異 ル。 其 相 違 セ ル筆 迹 ナ ル コト ハ的 確 ナ リ ト信 ズ 。 是 レ前 掲
此 ノ鑑 定 ハ大 正 十 二年 十 二 月 七 日午 前 十 一時 ニ着 手 シ同 年 同 月 十 日
︹二 字 不 明︺
第 六 右 第 一項 ニ於 ケ ル 二種 ノ文字 ヲ除 キ タ ル他 ノ全 部 文 字 ト 、前 項 仲 宗 根 源 和名 義 ノ書 類 ノ文 字 ト ヲ以 テ相 異 セ ル筆 跡 ト鑑 定 シタ ル
午 后 三時 ニ終 了 セリ 。
工ニ シテ熟 シ、 後 者 ハ拙 ニ シ テ老 熟 猶 ホ足 ラザ ル モ ノ アリ 。其 点 画
鑑 定 書
予審 判 事 沼 義 雄 殿
東 京 地 方裁 判 所
文 字 鑑定 家 太 田
彰
東 京 市 小 石 川 区 茗 荷 谷 町 九十 四番 地
大 正 十 二年 十 二 月十 日
主 タ ル理由 ハ、 右 第 二項 ニ於 ケ ル主 タ ル理 由 ニ相 同 ジ 。 即 チ前者 ハ
ノ分 布 ハ従 テ相 差 フ。議 、来 、標 、 報 、 本 、 等 ノ諸文 字 ニ於 テ著 ク 相 異 セ ル ノ ミ ナ ラズ 、平 仮名 ニ在 リ テ ハ全 部相 違 フ。 ら 、 あ、 も 、 な ノ如 キ ハ 一ノ肖 似 ダ モ セ ル モノ無 ク、 全然 相 異 セリ 。其 行 筆 ノ勢 ニ於 テ書 風 相違 ヒ筆 旨 全 ク相 差 フ其 相 違 セ ル筆 迹 ナ ル コト ハ疑 ナ キ モノ ト信 ズ 。是 レ前 提 ノ如 ク鑑 定 シ タ ル所 以 ナ リ。 第 七 大 正 十 二年 押 第 七 七 四 号 ノ三 ナ ル議 事 録 中 、第 一項 ノ議事 ト
明
大 正 十 二年 押 第 七 七 四 号 ノ三 ノ議事 録 ハ西 洋 紙 上 ニ 「ペ ン」 ヲ以 テ
説
正 十 二年 十 二 月七 日東 京 地 方 裁 判 所 ニ於 テ命 令 セラ レタル 鑑 定 事項
キ ヲ以 テ手 記 シ ア ル以 下 二頁 ノ文 字 モ前 同 様 ノ書 体 ニシ テ、 是 レ亦
書 キ記 シタ ル文 字 ニシ テ、 書 体 拙劣 ナリ 又同 書 臨 時 雇 書 記 ト赤 イ ン
被 告 人 堺利 彦 外 二十 六 名 ニ係 ル治 安警 察 法 違 反 被 告 事 件 ニ付 キ、 大
ニ基 キ、所 要 ノ調 査 ヲ為 シ、 公 平 誠 実 ニ鑑 定 ヲ遂 行 セ リ、 即 チ左 ノ
部 分 ト 、臨 時 雇 書 記 ト赤 イ ン キデ 手記 シ ア ル以下 二頁 ト其 他 ノ部 分
大 正 十 二年 押 第 七 七 四号 ノ三 ノ議 事録 中 第 一頁 ノ食 事 ト ア ル マデ ノ
其 他 ノ部 分 ノ筆 蹟 ト同 一ナ ラズ ト謂 フ所 以 ノ モノ ハ、其 筆 致 全然 相
雇 書 記 ト赤 イ ンキ ヲ以 テ手 記 シ ア ル以下 二頁 ノ書 面 ハ同 一ナ ル モ、
今 此 三 通 ヲ交 互 対 照 スル ニ、議 事 録 一頁 ノ食 事 マデ ノ文 字 ト、臨 時
﹁ペ ン﹂ ヲ以 テ書 キ記 シ タ ル文 字 ニシ テ、筆 致軽 妙 運 筆 自 在 ナ リ。
文 字 拙劣 ナ リ。 又同 号 ノ内 、 前 記 ニ 通 ヲ除 キ タ ル他 ノ部 分 ハ同 ジ ク
如 シ。
ト ハ各 別人 ノ筆 蹟 ノ如 ク思 料 セ ラ ル ヽガ 、果 シ テ此 事 全 部 ニ亙 リ テ
鑑定事項
其筆 蹟 ノ同 一ナ リ ヤ否 ヤ ヲ鑑 定 ス ル コト。
ノ数 ニ同 ジ ク、 一頁 ノ九 行 財 政 ノ政 ハ、十 五頁 十 一行 ノ政 治 ノ政 ト
違 セ ルヲ 以 テ ナ リ。 即 チ議事 録 一頁 ノ七行 、数 ノ字 ハ十 五頁 ノ三 行
四行 、 五行 、十 行 ノ農 ノ字 ノ末 画 ニ同 ジ ク以 テ其 同 一筆 蹟 タ ル コト
同 ジ ク 、 一頁 ノ 三行 四 行 ノ議 長 ノ長 ノ字 ハ、末 画 ハ十 五 頁 ノ三 行 、
ロ シ ヤを訪 ね て ト題 スル書 類 及 ビ 前 同 号 七 四 ノ仲 宗 根 源 和名 義 ノ書 類 及押 第 七七 四号 ノ七 五 ノ書 類 ト 対照 シ、該 書 類 ノ筆 蹟 ト 右 議 事録
若 シ筆 蹟 ガ前 項 ノ如 ク果 シ テ異 レ ル モ ノト セバ前 同 号 ノ三 〇 ノ労農
ノ筆 蹟 ト ノ異 同
同 一ナ ル モ、 其 他 ノ部 分 ト ハ同 一ノ モノ ナ ラズ 。
部 分 ト 、臨 時 雇 書 記 ト赤 イ ン キ ニテ手 記 シア ル以下 二頁 ト ハ其 筆蹟
大 正十 二年 押 第 七 七 四号 ノ三 ノ議 事録 中 第 一項 ノ食 事 ト ア ル マデ ノ
四 号 ノ 三 、六 枚 目 四行 ノ國 ト 二十枚 目 五 行 ノ國 ト 三十 一枚 目國 際 ノ
三 〇 ノ 一枚 目九 行 ノ國 、 二枚 目 四行 及 七 十 二 行 ノ國 ノ字 ハ押 第 七 七
ナ リ ト謂 フ ハ、是 レ亦 筆 致 ノ同 一ナ ル ニ因 ル。即 チ押 第 七 七 四 号 ノ
頁 ノ食 事 マデ ノ文 字 ト 臨 時 雇 書 記 以 下 二頁 ト ヲ除 キ タ ル部 分 ト同 一
又押 第 七 七 四号 ノ 三〇 ノ筆 蹟 ハ、押 第 七 七 四 号 ノ 三即 チ議 事 録 ノ 一
ヲ認 ム。
押 第 七 七 四号 ノ三 〇 ノ筆 蹟 ハ押 第 七 七 四 号 ノ 三即 チ議 事 録 一頁 ノ食
國 ト 、 又 押 第 七 七 四 号 ノ 三〇 ノ 三枚 目 二行 ノ政、 八枚 目 四行 ノ政 策
鑑定 ( 主文)
タ ル部 分 ト ハ、 其 筆 蹟 同 一ノ モ ノ ナリ 又押 第 七 七四 号 ノ七 四 ノ筆蹟
事 マデ ト、 臨 時 雇 書 記 ト 赤 イ ン キ ニ テ手 記 シア ル以 下 二頁 ト ヲ除 キ
目 政 党 ノ政 、 九枚 目 七行 政 権 ノ政 、 十 枚 目 六 行 、 八 行 、十 三行 ノ政
政 府 等 ノ 政 及 九行 ノ政 策 ノ政 ハ、押 第 七 七 四 号 ノ三 即 チ議 事 録 二枚
九 行 ノ資 本 ノ 二字 ハ議 事 録 八枚 目 ノ六 行 、 八 行 ノ資 本 ト 、十 二枚 目
府 政 治 ノ政 ト 同 ジ ク、 又押 第 七 七 四号 ノ三 〇 ノ九枚 目 二行 、六 行 、
ハ議 事 録 一頁 ノ食 事 マデ ノ筆蹟 ト 、臨 時 雇 書 記 以下 二頁 ノ筆 蹟 ト ハ
又押 七 七 四 号 ノ七 五 ( 高津正道) ノ筆 蹟 ハ前 記 各 章 ノ 何 レト モ 同 一
同 一ノ モノ ナ ル モ他 ハ同 一ナ ラズ 。
ナ ラズ 。以 上
ノ訪 問 ノ訪 、 二枚 目 一行 ノ演 説 ノ説 、 五枚 目 三 行 ノ言 辞 ノ言 、 五 行
ノ二行 、 五 行 ノ資 本 ニ同 ジ ク、 又押 第 七七 四 号 ノ三〇 ノ 一枚 目 三 行
仍 テ主 文 ノ如 ク鑑 定 シタ リ。
面 ト モ符 合 ス ル モノ ナ ク、結 局単 独 ノ モノ ト認 ム ル ノ外 ナ キ ナ リ。
ル モノ ヽ如 ク至 テ拙 劣 ナ リ。而 シテ此 文 字 ハ、 本証 拠 物 中 何 レ ノ書
鑑
定
人 山 名 篤 義
東 京市 本 郷 区 湯 島 切 通 坂 町 二十 一番 地
予 審 判事 沼 義 雄 殿
東 京 地 方裁 判 所
大 正十 二年 十 二月 十 二 日
右 之 通 リ鑑 定 仕 候 也 。
日午 後 五時 ヲ以 テ終 了 セ リ。
本 鑑 定 ハ大 正 十 二年 十 二月 七 日午 前 十 一時 ニ着 手 シ同年 同 月 十 二
ノ謂 、九 枚 目 七 行 ノ謂 等 ノ言 偏 ハ、議 事 録 二枚 目 一行 ノ説 明 ノ説 、 三枚 目 一行 、 五 行 ノ説 等 皆 同 一ナ ル ヲ以 テ ナ リ。 又押 第 七 七四 号 ノ七 四 ノ文 字 ノ臨 時 雇 書記 以下 二頁 ノ文字 ト同 一ナ リト謂 フ ハ、 其 運 筆 々勢 ノ同 一ナ ル ヲ以 テナ リ。 即 チ押 第 七 七 四号 ノ七 四 ノ 一頁 二行 ノ農 、 六行 ノ農 、 二頁 二行 ノ農 、 三頁 ノ三 行 、六 行 、 七行 、十 一行 等 ノ農 ノ字 、議 事 録 十 五頁 ノ三行 、 四 行 、 五行 、 十 行 ノ農 ノ字 ト同 ジ ク、 又同 号 ノ 三頁 十 一行 ノ無 産 階 級 ノ無 ノ字 ハ、 議 事 録 十 六頁 ノ 七行 、 十 行 、十 三行 等 ノ無 ノ字 ト同 一筆 致 ニア ル ヲ
又押 第 七 七 四 号 ノ七 五 ( 高津正道) ノ文 字 ハ、 書 体如 何 ニ モ幼 稚 ナ
以 テ ナ リ。
二 五 堺 利 彦 等 予 審 終 結 意 見 書 ・予 審 終 結 決 定 書 ・判 決
予審終結意見書
徳田球 一
渡辺政之輔
浄
猪俣津南雄
小岩井
荒畑 勝三
近藤 栄 蔵
堺 学
山 本 懸蔵
高野 武二
川 内 唯彦
市川 義雄
辻井民之助
佐 野
利 彦
高津 正道
山 川
市川 正 一
浦田武男事 浦 田 武 雄
告事件 ハ左記 ノ理由 ニ因 リ東京地方裁判 所 ノ公判 ニ付 スルノ決定可
ニ被告徳田球 一ニ対 スル治安警 察 法 違 犯 ( 同法第九条第二項違犯)被
右被告等 ニ対 スル治 安警察法違犯 ( 同法第二十八条違犯)被告 事 件 並
均
田所 輝 明
杉浦 啓 一
渡辺満三
同庁検事 石 田
東京地方裁判所検事局
大正十 三年 二月十 二日
東京 地方裁判所 予審判事 沼 義雄殿 理 由
独裁 ノ社会 ヲ実現 センコト ヲ目的 ト スル ﹁ボ ルシ エビズ ム﹂ ヲ信奉
ニ依 リテ政治上及経済 上ノ権力 ヲ無産階級 ノ手中 ニ収 メ、所謂労農
被告人等 ハ何 レモ現時 ニ於 ケ ル社会組織 ヲ 一変 シ民衆 ノ革 命的手段
基
相成 モノト思料候也。 清
上田 茂樹 高 瀬
橋浦 時雄 吉川守邦事 吉 川 守圀 中宗根源和事 仲宗根源和
雅 雄
野阪参〓事 野 坂 参〓 西
荒井邦之助事 荒井邦之介 田代 常二
ンタ ー ナ シ ヨ ナ ル ノ密使 ト シ テ渡 来 シ、 露 国 ニ日本 代 表 ヲ派 遣 セ ン
如 シト雖 モ、是 レ ヨリ 先 キ大 正 十年 十 月 二 日支 那 人 張 太羅 ガ第 三 イ
事 局 ニ於 テ右 秘 密 結 社事 件 ヲ起 訴 シタ ル為 メ 一頓 挫 ヲ来 タ シタ ルガ
シ ヨナ ルト連 絡 ヲ保 チ、 大 ニ活 動 セ ント シ タ ル際 同 年 十 二 月中 当 検
相 謀 ツ テ暁 民 共 産 党 ナ ル秘 密結 社 ヲ組 織 シ、共 産 党 第 三 イ ンタ ーナ
テ帰 来 シ、同 年 八月 被 告 近藤 、高 津 、高 瀬 、仲 宗 根 、 亡 川 崎 悦行 等
五 月被 告 近藤 ハ上海 ニ渡 航 シ、 同 志 ト相 会 シ、運 動 費 金 数 千 円 ヲ得
ヲ組織 シ テ之 レ ニ加 入 スル ニ至 リ タ ル モノ ナ ル ガ、 先 キ ニ大 正 十年
スル モ ノ ニ シ テ、其 ノ主 義 ノ宣 伝 及 実 現 ノ為 メ秘 密 結 社 日本 共産 党
産 党 々規 ト称 シ、官 憲 ノ眼 ヲ晦 マサ ント シ タ ル ニ做 ヒ、該 暫 定 党 規
暫 定 党 規 ヲ作 成 シ暁 民 共産 党 ヲ組 織 シ タ ル際 、其 ノ党 規 ヲ伊 太利 共
告 等 共 謀 ノ上 、 日本 共 産 党 ナ ル秘 密 結 社 ヲ組織 シ テ之 レ ニ加 入 シ、
リ秘 密 結 社組 織 ノ計 画 ヲ繞 ラ シ タ ル末 、 遂 ヒ ニ同 年 十 二 月下 旬 右 被
荒 畑 、 橋 浦等 ト相 謀 リ寄 々各 自 宅 ニ相 会 シ、 大 正 十 一年 十 一月 頃 ヨ
ニシ テ前 記 暁 民 共産 党 ノ幹 部 タ リ シ被 告 山 川 均 、 堺 、 近藤 、高 津 、
生 及 鉱 山 労働 者 ニ対 シ主 義 ノ鼓 吹 ニ努 メ居 リ シガ 、同 主 義 者 ノ巨 頭
懐 シ、名 ヲ著作 講 演 ニ藉リ 、 且 一方 鉱 夫 総 聯 合 ニ干 与 シ巧 ニ青 年 学
然 ル ニ当 時 被 告 佐野 ハ早稲 田 大学 講 師 ノ職 ニ在 リ、 夙 ニ同主 義 ヲ抱
コト ヲ促 シ其 ノ費 用 ヲ交 附 シ テ去 リ タ ル ヨリ、被 告 近藤 等 ハ被 告 徳
ン コト ヲ勧 誘 シタ ル結 果 、 其 頃 ヨリ大 正十 二年 三月 頃 迄 ノ間 ニ爾 余
ヲ英 国 共産 党 暫 定 党 規 ト命名 シ、 密 ニ同主 義 者 ニ対 シ之 レ ニ加 入 セ
ノ被 告 夫 々右 秘 密 結 社 ニ加 入 シ タ リ。
細 胞 代 表 委員 会 ハ執 行 委 員 ヲ選 任 シ、 執 行 委 員 会 ニ ハ、総 務 、幹 事
ヨリ宣 伝費 ヲ携 ヘテ引 返 シ、 次 デ 同 年 十 一月被 告 近藤 ハ重 田 要 一ヲ
田 、 高 瀬 、 亡高 尾 平兵 衛 、吉 田 一等 ヲ入 露 セ シ メ、高 尾 ハ 一人 上 海
長 等 ノ役員 ヲ置 キ、且 ツ執 行 委 員 会 ハ必 要 ニ応 ジ各 種 ノ専 任委 員 ヲ
而 シ テ該 党 規 ニ於 テ 日本 共産 党 ヲイ ンタ ー ナ シ ヨナ ル ノ支 部 ト ナ シ、
ルト密 接 ナ ル干 係 ヲ結 ブ ニ至 リ シノ ミ ナ ラズ 、 暁 民 共 産 党 ノ検挙 セ
選 任 シ、専 任 委 員 会 ハ各 其 ノ部 門 ニ属 ス ル宣 伝 、教 育 、組 織 ノ計 画
同 一地方 、同 一職 業 、 同 一産 業 、 又 ハ同 一団 体 内 ニ 三名 乃 至 十 名 ノ
ラ レタ ル後 ト雖 モ、 大 正 十 一年 四月 頃 亡 高 尾 平 兵 衛 、 長 山直 厚 、水
及 実行 ニ任 ズ ル コト ヽシ、 党 員 ハ党 ノ存在 及 行動 、党 員 及 委 員 ノ氏
上 海 ニ遣 ハシ宣 伝 費 ヲ要 求 シ タ ル結 果 、同 月下 旬 露 国 共 産 党 員 ビ ー
沼 熊 、 北 浦 千 太郎 、秀 島 秀 二等 入露 シ、 被 告 山 本等 相 次 イ デ 入露 シ、
名ニ付 テ ハ如 何 ナ ル場 合 ト雖 モ絶 対 ノ秘 密 ヲ厳 守 スベ ク 、 一党 員 又
グ レ ー ハ巨 額 ノ金 員 ヲ携 帯 シ テ来 リ シ モ、官 憲 ノ知 ルト コ ロト ナ リ
被 告 高 瀬 モ亦再 ビ露 国 ニ赴 キ タ ル ヨリ、彼 此 ノ干 係 一層 密 接 ヲ加 ヘ
ハ細 胞 ハ各 危 険 ノ全 責 任 ヲ負 ヒ、 他 ノ部 分 ニ危 険 ヲ及 ボ サヾ ル コト
党 員 ア ル場 合 ニ ハ独 立 ノ 一細 胞 ヲ組 織 シ、 各 細 胞 ヨリ 一名ノ代 表 委
タ リ。然 ル ニ大 正十 一年 四、 五 月 頃 、 前 記秘 密結 社 事 件 ニ連 坐 シ タ
ト為 シ、 党 ノ規 律 ニ反 シタ ル モノ ハ規 律 委 員 会 ノ決 定 ニ ヨリテ 処 分
員 ヲ選 挙 シ、 他 ノ細 胞 並 ニ上級 組 織 ト ノ連 絡 ニ当 ラ シ ム ル コト ヽシ、
ル被 告 近藤 等保 釈 セラ レタ ル ヨリ、 更 ラ ニ広 ク同 主 義 者 ヲ糾 合 シ主
ザ リ シト雖 モ、 爾 来 日本 ニ於 ケ ル同 主 義 者 ハ第 三 イ ンタ ー ナ シヨ ナ
義 ノ宣 伝 並 ニ実 現 ノ為 メ秘 密 結 社 ヲ組 織 セ ン コト ヲ画 策 スル ニ至 リ
ス ル コト ヲ定 メ、 且 ツ党 員 二名 以 上 ノ推 薦 ア ル モノ ハ、 一定 期 間 内
退 去命 令 ヲ発 セ ラ レタ ル為 メ、 之 レ ヲ被 告 近藤 等 ニ交 付 スル事能 ハ
タ リ。
細 胞 内 ニ於 テ党員 候 補 者 ト シ テ干 与 セ シ ム ベ キ事 ナド ヲ規 定 シタ レ
迄 ノ間 ニ党 ノ細 胞 数 十 四 、党 員 五十 八 ニ上 リ、 且 被告 猪 俣 ハ被 告 高
意 見 ヲ提 出 シ、其 ノ討 議 ノ為 メ大会 ヲ開 ク コト ヽシ、被 告 徳 田 ハ、
年 一月 頃 先ヅ 被 告 山 川 、堺 、 高 津 、橋 浦 、 小岩 井 、辻 井 ハ夫 々改 正
告 荒 井 ト、 夫 々 一細 胞 ヲ組 織 シ、被 告 猪 俣 、西 、 田所 、 近藤 、 高 津 、
告 吉 川 、渡 辺 満 三、 橋 浦 ト 、 被 告 山 本 ハ被 告野 坂 ト 、被 告 佐 野 ハ被
告荒 畑 ハ被 告 徳 田 ト 、被 告 川 内 ハ被 告 堺 、 仲宗 根 ト 、被 告 高 野 ハ被
告 田代 ト 、被 告 高 津 ハ亡 川 崎 ト 、 被 告渡 辺 政之 輔 ハ被 告 浦 田 ト 、被
瀬 ト 、被 告 西 ハ被 告 上田 ト、 被 告 田 所 ハ被 告杉 浦 ト 、被 告 近藤 ハ被
同年 二 月 三 日 、千 葉 県 東 葛飾 郡 市 川 町字 市 川新 田百 五十 五番 地 料 理
渡 辺 政 之 輔 、 荒 畑 、 川内 、高 野 、山 本 、 佐 野 及 被 告 市 川 義 雄 、 小 岩
ド モ、該 党規 ニ対 シ適 切 ナ ル改 正 ヲ加 フ ル ノ必要 ヲ認 メ 、大 正 十 二
ミ、同 日午 前 十 時 頃 ヨリ被告 堺 、 近藤 、佐 野 、高 津 、 田 所 、浦 田 、 渡 辺 満 三、 上 田 、 高瀬 、橋 浦 、吉 川 、 仲 宗 根 、 田 代 、徳 田 、荒 畑 、
テ其 ノ頃 、綱 領 起 草 委 員 ヲ設 ケ被 告 佐 野 自 ラ其 委 員 長 ト ナ リ、被 告
井 、 辻 井 ハ夫 々細胞 代 表委 員 ト為 リ 、益 々活 躍 セ ント シ タリ 。而 シ
店 一直 園 四季 ノ寮 ニ至 リ、真 宮 ト称 シテ同 月 四 日座 敷 ノ借 入 ヲ申 込
辻 井 、 川 内 ノ十 七 名 、 三 々伍 々同 所 ニ集 マリ、本 件 ノ共 犯 者 ト シテ 起 訴 セ ラ レタ ル亡 川崎 悦 行 ハ見 張 ヲ為 シ、女 中 ヲ斥 ケ テ第 一回 大 会
ニ付 セ ント シ テ被 告 渡 辺満 三 ハ大 正 十 二年 三 月 十 二日 ニ北 豊 島 郡 石
野 坂 、 荒畑 、高 津 、杉 浦 等 其 ノ委 員 ト ナ リ タ ル処 、 之 レ ヲ大会 ノ議
神 井村 千 三百 九 番 地料 理 店 豊 島 館 ニ赴 キ、 山本 満 ト詐 称 シ テ会 社 創
ヲ開 キ、 先 ヅ党 規 ノ改 正 ヲ議 シ、 前 記 改 正意 見 ヲ賛 否 ニ問 ヒ、 執 行 委員 ハ十名 ト シ、内 総 務 、幹 事 長 一名 、国 際 幹 事 一名 、会 計 幹 事 一
立 ノ為 メナ リ ト偽 リ座 敷 ノ借 受 ヲ約 シ、同 月十 五 日 、同 所 ニ第 二回
大会 ヲ開 キ タ リ。 依 ツ テ被 告猪 俣 、 近藤 、高 瀬 、吉 川 、 佐 野 、 野 坂 、
名ヲ常 任 幹 事 ト為 ス等 ノ改 正 ヲ為 シ、次 イ デ党 ノ将 来 ノ方 針 ニ付 キ 意 見 ヲ闘 ハシ、 被 告 徳 田 ハ露 国 ノ状 態 ヲ述 べ 、被 告 浦 田 ハ日本 ニ於
治 ハ被 告 高 津 、 農 民 ハ被 告 浦 田 、 雑誌 ハ被 告 上 田、 労 働 ハ被 告渡 辺
而 シ テ政 治 、農 民 雑 誌 、 労 働 、教 育 、救 済 、婦 人 ノ部 門 ヲ設 ケ、 政
被 告 仲宗 根 ハ総 務 幹 事 長 秘 書 ト ナ リ タ リ。
被 告 佐 野 ハ国際 幹 事 、被 告 吉 川 ハ会 計 幹 事 ト シ テ常 任幹 事 ニ当 リ、
仲 宗 根 、 佐 野 、 小 岩井 、辻 井 ノ十名 ヲ選 任 シ、 被 告 堺 ハ総 務 幹 事 長 、
而 シ テ執 行 委員 ト シ テ被 告 堺 、吉 川 、 浦 田 、 上 田 、渡 辺満 三 、杉 浦 、
ク散 会 シ タ リ。
革命)及 第 二革 命 (レー ニンノ行 ヒタル革命) ヲ我 国 ニ招 来 スベ キ時 期 、
起 草 ニ干 シ意 見 ヲ交 換 シ、露 国 ノ 第 一革 命 ( ケ レンスキーノ行 ヒタ ル
以 テ辞 退 シタ ル為 メ、被 告 荒 畑 ヲ之 レ ニ代 フ ル コト ヽシ、次 イデ 綱 領
ベ キ被 告 近藤 ガ執 行 委 員 ニア ラズ 、 且 暁民 共 産 党 事 件 継 続 中 ノ故 ヲ
過 迄デ ニ亙 リ テ密 議 ヲ凝 ラ シタ リ。 即 チ先 ヅ 露 国 モ ス コー ニ派 遣 ス
被 告 近藤 ハ副 議 長 ト ナ リ、 被 告 高 瀬 ハ書 記 ノ任 ニ当 タ リ、午 後 九時
十 三名 ハ同 日午 前十 一時 頃 ヨリ交 々同 所 ニ参 集 シ、 被告 猪 俣 ハ議 長 、
辺 政 之 輔 、市 川義 雄 、 小岩 井 、辻 井 、川 内 、高 野 、 山 本 、 堺 、 ノ二
渡 辺満 三 、杉 浦 、 荒 畑 、高 津 、浦 田 、上 田 、西 、 田 所 、 仲 宗根 、渡
満 三 、杉 浦 、 教 育 ハ被 告 佐 野 、夫 レ夫 レ専 任 委 員 ト ナ リ、組 織 ヲ完
方 法 等 ニ論 及 シ、 最後 ニ第 三 イ ンタ ー ナ シ ヨナ ル ヨリ出 デ タ ル表 面
ケ ル農 民 運 動 ノ状 況 ヲ報 告 シ テ之 レ ニ意 見 ヲ 付 シ、 夜 ニ入 リ テ漸
備 シテ着 々同 主義 者 ヲ結 合 ス ル ニ努 力 シタ ル結 果 、 大 正 十 二年 三月
基 キ政党 組 織 ニ干 シ、 其 ノ時 期 及 ビ包 含 スベ キ範 囲 等 ニ付 キ討 議 ヲ
運動 ト シ テ、政 党 ヲ組 織 スベ キ旨 、「イ ンスト ラク シ ヨ ン﹂ ( 訓令) ニ
六 番 地 渋 谷杢 次 郎伜 幸 太郎 ヲ介 シ テ杢 次 郎 ニ之 レガ保管 ヲ托 シタ ル
改 正 及 ビ 議事 録 ヲ、同年 十 二、三 日頃 北 豊 島 郡 巣 鴨 町 字 庚申 塚 六百 十
難 キ状 勢 ヲ看 取 シ、自 己 ノ保 管 セ ル前 掲 英 国 共産 党 暫定 党規 、 党 規
日被 告 等 ニ対 シ予審 ヲ求 メ捜 査 ノ結 果 、 被 告 佐 野 ハ亡 高 尾 平兵 衛 ガ
処 、 偶然 ノ機 会 ニ於 テ警 視 庁 ノ探 知 スルト コ ロト ナ リ、 同年 六 月 四
規 律 違 犯 ノ廉 アリ テ規 律 委 員 会 ニ附 セ ラ レタ ル ヲ憤 慨 シ、委 員 長 被
飜 ツ テ被 告 野 坂 ハ、大 正 十 年 五 月 英 国 滞 在 中 ボ ル シ エビズ ムヲ信 奉 スル モ ノト 目 セ ラ レ、 退 去 ノ要 求 ヲ受 ケ同年 十 一月 入露 シ労 農 政 府
告 吉 川 宛 ニ提 出 シタ ル脱 党 届 、並 ニ被 告 徳 田 ガ 水 谷 健 一ナ ル変 名 ヲ
為 シ、之 ヲ議 事 録 (大正十 二年押第七七四号 ノ三) ニ登載 シタ リ 。
ノ施 設 ヲ実 見 シ大 正 十 一年 四 月 帰 朝 シ タ ル モ ノナ ルガ 、爾 来 関 東 鉄
用 ヒ同 志 吉 原 太郎 ニ宛 テ発 送 シタ ル手 紙 ヲ早 稲 田 大 学 研究 室 内 ニ保
日本 共 産 党 ノ会 合 ヲ為 ス コト能 ハザ ル ニ至 リ シ モ ノ ナリ 。
工 組 合 ニ干 係 シ同 主 義 ノ宣 伝 ニ努 メ、 又 被 告 猪 俣 ハ大 正 四年 九 月 北
被 告 徳 田 ハ大 正 十 二年 五月 二十 四 日麻 布 区 森 元 町 二丁 目 十 九番 地 旧
管 シ居 リ タ ル コト 明 ト ナ リ 、被 告 等 相 次 イデ 起 訴 セ ラ レ タ ル為 メ、
ナ ル新 潟 県 佐渡 、歯 科 医 松 瀬 教 五郎 ニ対 シ、自 己 又 ハ自 己 ノ変名 ナ
前 衛 社 ニ於 ケ ル中島 千 八主 催 ノ労 働 講 習 会 ニ於 テ、 聴 講 者 ナ ル関 東
ニ重 ヲ為 スニ到 リ シガ 、大 正 十 年 十 月 末 帰朝 スル ニ当 リ テ ハ、友 人
ル本 田時 雄 及佐 田俊 雄 宛 ノ 二重 封 筒 ノ書 信 ノ中 継 ヲ依 頼 シ、帰 朝 後
機 械 工組 合員 神 谷梅 吉 外 十 数名 ニ対 シ、 経 済 行動 ト 政治 行 動 ト題 シ、
米 ニ留 学 シ経 済 学 研 究 中 、 ボ ル シ エビ ズ ム ニ共鳴 シ、在 米 主 義 者 間
早 稲 田 大 学講 師 ト ナ リ 、爾 後 半 歳 ニ亙 リ巧 ニ在 外 主義 者 ト書 信 ノ往
戮セザ ル ベ カ ラザ ル旨 ヲ力 説 シ、犯 罪 ヲ煽 動 スル演 述 ヲ為 シタ ル モ
復 ヲ為 シ、 且変 名 ヲ用 ヒ テ雑 誌 ニ投 稿 シ主 義 ノ宣 伝 ニ怠 ラズ 、 又被
ノ ナ リ。
同 年 六 月 十 一日 付起 訴状 記 載 ノ趣 旨 ノ講 演 ヲ為 シ、 依 ツ テ現時 ノ社
是 ノ如 キ 日本 共産 党 ハ第 三 イ ン ター ナ シ ヨナ ルノ指 揮 ヲ受 ケ 露国 及
右 事 実 ハ諸 般 ノ証憑 ニヨリ各 被 告 ニ対 シ治 安 警 察 法 第 二 十 八条 ニ該
告 高 瀬 、 徳 田 、 川 内 、 山本 ハ入露 シ、 彼 此 ノ連 絡 ヲ取 リ 、特 ニ被 告
在 米 主 義 者 ト相 策 応 シ、 爾余 ノ被 告 モ又或 ハ学 生 ニ、 或 ハ農 村 子弟
当 スル犯 罪 ノ嫌 疑 十 分 アリ、 且 ツ被 告 徳 田 ニ対 シ テ ハ尚 同 法第 二十
ル革 命 ヲ達 セ シ ム ル為 メ ニ ハ、先 ヅ 警 視 庁 ヲ乗 取 リ、警 官 ヲ総 テ殺
ニ或 ハ又労 働 者 ニ主義 ヲ宣 伝 シ テ大 ニ赤 化 ニ力 ヲ致 サ ント シタ ル際 、
会 組 織 ヲ暴 力 ヲ以 テ破 壊 シ、 ソビ エツ ト組 織 ノ社 会 ヲ建 設 セ ント ス
偶 々大正 十 二年 五月 十 日早稲 田 大学 内 ニ軍 事 研 究 団 ノ創 立 セ ラ ルヽ
ルノ決 定 ヲ ナ ス可 キ モ ノト思 料 ス。
四条 ニ モ該 当 スル犯 罪 ノ嫌 疑 十分 ナ ルヲ以 ツ テ、 当 庁 ノ公 判 ニ付 ス
高 瀬 ノ如 キ ハ、 モ ス コー ニ於 テ第 三 イ ンタ ー ナ シ ヨナ ル幹 部 タ ル片
ニ当 リ、 主 義 者 ノ 一味 ガ 之 レ ニ対 シ テ卑 劣 ナ ル妨 害 ヲ試 ミ シガ 、当
山 潜 ヨリ本 件 日 本 共産 党 ニ加 入 スベ キ勧 誘 ヲ受 ケ タ ル モ ノ ニシ テ、
時 主 義 者 検 挙 ノ声 大 ニ起 リ、被 告 佐野 ハ何 時 検 挙 セ ラ ルヽ ヤ モ図 リ
予審終結決定書 東京市麹町区麹 町八丁目 二十四番地 著述業 堺
利
彦
当 五十 五年 東 京府豊多摩郡淀橋町大字柏木 三百五十 三番 地 当時所在不明 著述業 栄 蔵 当 四十 二年
近 藤
︹一字不明︺ 里百十 一番地□井方 著述業
田 所
輝
明
当 二十五年
熊本県玉名郡高 道村 大字山下百六十五番
地 当時東京府北豊島郡 日暮里町字 日暮
武男事 浦
川
武 雄
正
三
当 三十三年
一
当三十二年
田
里三百九十 一番 地 稲村隆 一方 新聞業
山 口県熊毛郡光井村第 一番地
市
当時東京府豊多摩郡代 々幡町字幡ケ谷三
十 四番地 新聞 通信社員
愛媛県松山市町名番地不詳
満
一
当 三十三年
辺
当時東京市 小石 川区大 塚坂下町百 四十 八
渡
番地 時 計職工 学
東京市神田区小川 町三十 四番地 野
当時所在不明 元早稲田大学講師 佐
当三十 三年
道
静岡 県榛原郡金谷 町金谷河原三百十番 地 正
啓
広島 県御調郡和泉村字 津
浦
当時東京府北豊島郡滝野川町字中 里百十 高
杉
当 二十八年
大分県下 毛郡中津 町二千 二百六十九番地
一番 地 職 工
当時所在不明 著述業 当三十 二年 東京府荏原郡 入新井町大字新井宿七百三 番地 当時東京府北豊島郡滝野川町字中
神戸市兵庫関 屋町百 六番 地
参〓
当 三十 三年
坂
当時東京府荏原郡 入新井町字新井宿千二
野阪事 野
地 赤松克麿 方 著述業
当時東京府荏原郡平 塚村 小山二百十七番 茂 樹
当 二十五年
田
十九番地 新聞 記者 上
千二十九番地 著述業
岡山県勝田郡 梶並村大字東谷下 四百 四十
岐阜県大野 郡大名田村大字七 日町七百八
清
番地 当時東京市麹町区麹町八丁目二十 瀬
雄
当 二十九年
雅
番地 当時東京府荏 原郡 入新井町新井宿 高 当二十四年
西
四番地 堺利彦 方 雑誌記者
東京市京橋区南 佐柄木 町三番 地
茨城県結城郡水海道 町九百 五十 五番 地
二
当 二十六年
邦之助事 荒 井 邦 之 介
三百九十 一番 地 稲村 隆 一方 飜訳業
当時東京府北豊島郡 日暮里町字 日暮里 雄
当時東京府豊多 摩郡野方村字上沼袋八番 時
地 日本宝飾 新聞東京支局経営者 橋 浦
当三十四年 東京府西多摩郡 檜原村千 六百 八十八番地
佐賀県西松浦郡 大川村 大字立川六番 地
常
当時東京府北豊島郡 西巣鴨 町字池袋千百
田 代
十五番 地久保芳郎方 雑誌記者
当時東京市 小石川 区掃除町三十三番地 守圀 当 四十二年
川
新聞広告取次業 守邦事 吉
当 二十六年
千葉県東葛飾郡市川町大字市川三千百六十
沖縄県国頭郡本 部村字渡久 地百四十四番 地 当時東 京府豊多摩郡淀橋町柏木 四百
百三十七番地 職 工
三番地 当時東 京府南葛飾郡亀戸 町二千九 中宗根事 仲宗根源和
渡 辺 政 之輔
五番地 著述出版業 当三十年
当 二十六年 新潟県長岡市本 町四丁目 八百四十三番地 当 時東京府豊多摩郡代 々幡町笹 塚千百 五十 二番 地 元早稲田大学講師 当 三十六年
猪 俣 津 南 雄
山 口県熊 毛郡光井村 九番 地
川 義
当時東京府豊多 摩郡代 々幡町幡 ケ谷 三十
四番地 新聞記者
市
雄
当三十 一年 ︹一字不明︺ 福岡県京都郡□郷村大字徳永 千九百九十
一番 地 当時東京市麹 町区麹 町八丁目二
唯 彦
東京府南多 摩郡川 口村下川 口三千九番地
二
当 二十六年
川 内
沖縄県国頭郡名護 村字名護 七百 四十 五番
一
十 四番地 堺利彦 方 無 職
田 球
地 当時東京市芝 区新桜 田町十九番地 山崎今朝弥 方 弁護士 徳 当三十 一年
当時東京市 小石川 区大塚窪町 二十四番地
当時所在不明 無職
懸 蔵
当 三十年
山 本
茨城県鹿島郡東下村字 宮押 上番 地不詳
当 三十 四年
武
著述 業
三
高 野
長野県東筑摩郡島立村四百四番地
浄
当時東京府北豊島郡高田町高田千六百六
畑 勝
当 二十八年
小 岩 井
十番 地 細野 三千雄方 弁護士
横浜市永楽 町 一丁 目八番 地 当時所在 不明 著述業 荒
岡山県都窪郡倉敷町九百九十 二番地
当時兵庫県明石郡垂水村西垂水二千百二
当 三十九年 京都市 上京区寺内通 リ大宮西入 ル上 ル堅
均
当 四十 五年
川
社北半町 当時所在不明 織物職 工
山
十 二番 地 著述業 辻 井 民 之 助 当 三十 二年
右被 告 人 ニ対 ス ル治 安 警 察 法 違 犯 被 告 事 件 ニ付 キ予審 ヲ遂 ゲ 決 定 ス
文
ル コト 左 ノ如 シ 主 本 件 ヲ東 京 地 方裁 判 所 ノ公 判 ニ付 ス。
高 野 武 二
山 本 懸 蔵
ハ何 レ モ之 ニ賛 同 シ右 秘 密 結 社 ニ加 入 シ タ ル モノ ナリ 。
而 シ テ右 秘 密結 社 日本 共産 党 ノ党 規 ナ ル モノ ハ、 之 ヲ第 一名 称 、 目
的 、 第 二党員 、第 三組 織 、 第 四機 関 、 第 五 規 律 、第 六票 決 ノ 六項 ニ
タ ー ナ シ ヨ ナ ル支部 ト為 シ、 共 産 党 イ ンター ナ シ ヨ ナ ル ノ主 義 及 政
分 ケ テ之 ガ規 定 ヲ設 ケ タ ル モノ ニシ テ、 右 日本 共産 党 ハ共産 党 イ ン
策 ヲ承 認 シ テ党 ノ綱 領 及 規 律 ヲ遵 奉 シ、 実 際 ニ党 ノ活 動 ニ参 与 ス ル
由
被 告 人 等 ハ何 レ モ現時 ノ社 会 組 織 ヲ 一変 シ、 民 衆 ノ革 命 的 手 段 ニ依
理
リ テ資 本 主義 ヲ撤廃 シ、政 治 上 経 済 上 ノ権 力 ヲ無 産階 級 ノ手 中 ニ収
ニ於 テ党 員 候 補 者 ト シ テ干 与 セ シメ又 、同 一地 方 、 同 一職 業 、同 一
者 ヲ党員 ト 為 シ、 且党 員 二名 以上 ノ推 薦 ア ル者 ハ 一定 ノ期 間 細胞 内
図 シ、 大 正 十 一年 十 一月頃 ヨリ寄 リ寄 リ各 自 宅 ニ相 会 シ テ其 義 ヲ進
右 主 義 ノ宣 伝 ヲ為 サ ンガ為 メ密 カ ニ共 産 党 ノ団 体 ヲ組 織 セ ン事 ヲ企
通 ジ 、治 ク同 志 ヲ糾 合 シ、 且其 目的 ヲ達 成 スベ キ 一ノ手段 ト シテ 、
細 胞 代 表 委 員 会 ハ執 行 委 員 ヲ選 任 シ、執 行 委 員 会 ハ互 選 ニ依 リ総 務
細 胞 代 表 委 員 ノ総 会 ヲ以 テ大会 ニ代 ルベ キ党 ノ最 高 決 定 機 関 ト 為 シ、
ヲ組 織 ス ル コト ヽ為 シ、 支部 、 地方 支 部 、大 会 ノ組 織 ヲ見 ル マデ ハ
員 ニ依 リ テ支 部 ヲ組織 シ、 三個 以 上 ノ支 部 代 表 者 ニ依 リ テ地 方 支部
同 一産 業 又 ハ同 一団 体内 ニ 三個 以上 ノ細 胞 ア ル場 合 ニ ハ細 胞 代表 委
ニ上 級 組 織 ト ノ連 絡 ニ当 ラ シ ム ル コト ヽシ、 同 一地 方 、 同 一職業 、
組 織 シ、 各 細胞 ハ何 レ モ 一名 ノ細 胞 代 表 委 員 ヲ互 選 シ、 他 ノ細胞 並
産 業 又 ハ同 一団 体 内 ニ 三名 以 上十 名 迄 ノ党 員 ヲ以 テ独 立 ノ 一細胞 ヲ
メ、 所 謂 労農 独裁 ノ社会 ヲ実 現 セ ン コト ヲ目 的 ト ス ル共産 主 義 ヲ奉
近 藤 栄 蔵
ズ ル社 会 主義 者 ナ ル処 、被 告 人 堺
利 彦
山 川 高 津 正 道
均
佐 野 橋 浦 時 雄
学
荒 畑 勝 三
メ 、同 年 十 二月 日本 共産 党 ナ ル秘 密結 社 ヲ組 織 シ暫 定 党 規 ヲ作 成 シ、
幹 事 長 、 総 務 幹 事 、 国 際幹 事 、会 計 幹 事 ヲ選 任 シ 、 且執 行 委 員会 ハ
ノ七 名 ハ右 ノ目 的 ヲ達 成 セ ンガ為 メ、 露 国 ニ在 ル片 山潜 等 ト気 脈 ヲ
官 憲 ノ眼 ヲ晦 マサ ンガ為 メ、之 ヲ英 国 共 産 党 暫 定 党 規 ト名 ヅ ケ各 自
ス ル宣 伝 、教 育 、 組 織 ノ計 画 及 実 行 ニ任 ズ ル コト ヽシ、 共 産 党 イ ン
モ周 囲 ノ同 主 義 者 ニ対 シ之 ニ加 入 セ ン コト ヲ勧 誘 シ タ ル結 果 、其 頃
渡 辺 満 三
必要 ニ応 ジ各 種 ノ専 任 委 員 ヲ選 定 シ、専 任 委 員 会 ハ、各 其 部 門 ニ属 市 川 正 一
ニ於 テ之 ヲ選 任 スル事 ト 為 シ、党 員 ハ党 ノ存 在 及 行 動 及 党 員 及 委員
タ ーナ シ ヨナ ル ニ対 スル党 ノ代 表者 ハ細 胞 代 表 委 員 又 ハ執 行 委員 会
浦 田 武 雄
吉 川 守圀
田 所 輝 明
ヨリ 翌十 二年 三月 頃 マデ ノ間 ニ、爾 余 ノ被告 人
荒 井 邦 之 介
雅 雄
清 西
ハ各 細 胞 ハ其 危 険 ノ全 責 任 ヲ負 ヒ、如 何 ナ ル場 合 ト雖 モ党 ノ他 ノ部
ノ氏 名 ニ付 、如 何 ナ ル場 合 ト雖 モ絶 対 ノ秘 密 ヲ厳 守 スベ ク、 党員 又
高 瀬
徳 田 球 一
野 坂 参〓
川 内 唯 彦
上 田 茂 樹
市 川 義 雄
猪 俣津 南 雄
杉 浦 啓 一
辻 井 民 之 助
渡 辺 政 之 輔
仲 宗根 源 和
浄
田 代 常 二 小 岩井
部 改 正 ノ必要 ヲ認 メ 、大 正 十 二年 一月頃 、被 告 人
会 ノ決 定 ニ依 リ テ処 分 ス ル コト等 ヲ規 定 シ タ ル モ、該 党 規 ニ対 シ 一
分 ニ危 険 ヲ及 ボ サヾ ル事 ト為 シ、 党 ノ規 律 ニ反 シタ ル者 ハ規 律 委 員
数 ノ少 キ欠 点 ヲ補 フ事 ト為 シ、 尚 ホ同 所 ニ於 テ十 名 ノ執 行 委 員 ヲ互
員 ト ノ間 ノ連 絡 ヲ此 秘 密 ヲ以 テ採 ル事 ト為 シ、執 行 委 員 会 開 催 ノ度
事 ト シ、此 常 任 幹 事 ニ於 テ党 務 ヲ処 理 ス ル事 ト シ、 且絶 ヘズ 執 行 委
学
吉 川 守圀
利 彦
佐 野
被 告人 堺
選 シタ ル結 果
渡 辺 満 三
高 津 正 道
小 岩井 浄
橋 浦 時 雄
上 田 茂 樹
利 彦
仲 宗 根 源 和
堺
一
浦 田 武 雄
均
杉 浦 啓
山 川
ハ予 メ夫 々右 改 正 事 項 ニ付 テ ノ意 見 ヲ提 出 シ、其 討 議 ノ為 メ、 同 年
小 岩井 浄 及 辻 井 民 之 助
二 月 四 日千 葉 県 東 葛 飾 郡 市 川 町 字 市 川新 田百 五十 五番 地料 理 店 一直
辻井民之助
上 田 茂 樹
高 津 正 道
党 ノ将来 ニ於 ケ ル運動 方 針 ヲ附 議 シ、 尚 ホ被 告 人徳 田球 一、高 瀬 清
堺利 彦 ノ秘 書 ト為 リ タ ル ガ、 同 所 ニ於 ケ ル会 合 ハ右 党 規 改 正 ノ外 、
圀 ハ会 計 幹 事 ト シテ常 任 幹 事 ノ任 ニ当 リ、 仲 宗根 源 和 ハ総 務 幹 事 長
ノ選 任 ヲ見 、尚 ホ堺利 彦 ハ総 務 幹 事 長 、 佐 野 学 ハ国 際幹 事 、吉 川 守
佐 野 学
仲 宗 根 源 和
ヲ開 催 シ、同 日午 前 十 時 頃 ヨリ被 告 人
園 四 季 ノ寮 ニ於 テ、 密 カ ニ党 ノ幹 部 並 ニ細 胞 代 表 委 員 ノ第 一回 大 会
近 藤 栄 蔵
吉 川 守圀
渡 辺 満 三
利 彦
堺 浦 田 武 雄
ヨリ露国 ノ状 況 、浦 田 武 雄 ヨリ 日本 ニ於 ケ ル農 民 運動 ノ状 況 ニ付 テ
橋 浦 時 雄
荒 畑 勝 三
ノ各 報告 アリ 、夜 ニ入 リ テ散 会 シ タ ル モ其 ノ後漸 次 党 員 ノ数 ヲ増 加
小岩 井 浄
清
高 瀬 徳 田 球 一
田 所 輝 明
田 代 常 二 川 内 唯 彦
佐 野
猪 俣津 南 雄
高 津 正 道
川 内 唯 彦
小岩 井
田 所 輝 明
シ、其 結 果 細 胞 ノ分 裂 ヲ見 、 其 数 十 四 ト ナ リ タ ルヲ 以 テ新 ニ其 細 胞
渡 辺 政 之 輔
市 川 義 雄
代 表 委員 ヲ定 ム ル事 ト為 リ、 被 告 人 近 藤 栄 蔵
辻 井 民 之 助
ノ十 七 名 ハ三 々伍 々同 所 ニ集 リ、 近 藤 栄蔵 ハ議 長 、高 瀬 清 ハ書 記 ト
西
山 本 懸 蔵
シ テ各 任務 ニ就 キ 、党 員 亡 川 崎 悦 行 ハ其附 近 ニ於 テ見 張 リ ヲ為 シ、 女 中 ヲ退 ケ右 党 規 ノ改 正 ヲ議 シ、 前 記 改 正意 見 ニ対 ス ル 一同 ノ賛 否
荒 畑 勝 三
浄
ヲ問 ヒ、執 行 委 員 ノ組 織 及 職 能 、 党員 ノ資 格 及 規 律 並 ニ細 胞 ノ組
高 野 武 二
学
織 等 ニ付 キ党 規 ノ改 正 ヲ行 ヒ、 執 行 委員 ヲ十 名 ト シ、内 総 務 幹 事 長 、
雅 雄
国 際幹 事 、会 計 幹 事 各 一名 ヲ常 任幹 事 ト 為 ス事 ヲ定 メ 、尚 ホ総 務幹
ラ十 四名 ハ各 自 其 細 胞 ノ代 表 委 員 ト ナ リ タ ルガ 、尚 ホ党 ニ ハ政 治 係 、
農 民 係 ハ 浦 田 武 雄
事 長 ニ ハ秘 書 ヲ置 ク事 ト シ、 該 常 任幹 事 三名 及 ビ秘 書 ニ於 テ党 務 ヲ
政 治 係 ハ 高 津 正 道
労 働 係 ハ 渡 辺 満 三 及
農 民 係 、雑 誌 係 、 労働 係 、教 育 係 、救 済 係 、婦 人 係 ノ各 部 門 ヲ設 ケ
雑 誌 係 ハ 上 田 茂 樹
処 理 シ、国 際 幹 事 ハ共 産 党 イ ン タ ー ナ シ ヨナ ルト ノ連 絡 ヲ、 秘 書 ハ 総 務 幹 事長 ト 国際 幹 事 ト ノ連 絡 ヲ採 リ 、尚 ホ多 衆 ガ 一堂 ニ会 スル ハ 秘 密 運 動 ノ性 質 上 危 険 ナ ル ニ依 リ、成 ルベ ク執 行 委 員 会 ヲ開 カザ ル
学
其 委員 長 ト ナリ 、野 坂 参〓 、荒 畑 勝 三 、高 津 正道 、杉 浦 啓 一等 其 委
員 ト為 リ タ ルガ 、之 ガ起 草 ノ件 ト 共 ニ、 露 国 モ ス コー ニ派 遣 スベ キ
一 教 育 係 ハ 佐 野
夫 々其 係 ニ当 リ 、 佐野 学 ハ早 稲 田 大 学 講 師 並 ニ全 日本 鉱夫 総 聯 合 会
代 表 者 ノ選定 並 ニ政 党 組 織 ノ件 ヲ討 議 スル ノ必要 ヲ生 ジ タ ル ニ ヨリ、
杉 浦 啓
ノ顧 問 タ ル ノ各 地位 ヲ利 用 シ、 青 年 、 学 生 、 鉱 山労 働 者 ノ方 面 ニ、
杉 浦 啓 一
高 津 正 道
右 三 月 十 五 日 、東 京 府 北 豊 島 郡 石 神 井 村 大 字 上 石 神 井 千 九 百 三番 地 、
渡 辺 満 三
佐 野
料 理店 豊 島 館 ニ於 テ密 カ ニ第 二回 ノ大 会 ヲ開 催 シ、被 告 人
近 藤 栄 蔵
山 本 懸 蔵 及 野 坂参〓 ハ関 東 鉄 工組 合 ニ干 係 ア ル処 ヨリ主 ト シテ此 方
浦 田 武 雄
面 ニ、渡 辺 満 三 ハ主 ト シ テ時 計 工組 合 ノ方 面 ニ夫 々其 主 義 ノ宣 伝 ニ
田 所 輝 明
堺
荒 畑 勝 三
浄
学
努 メ、 又猪 俣津 南 雄 ハ大 正 四 年 中 米 国 ニ留 学 シ経 済 学 研 究 中 共 産 主
利 彦
義 ニ共鳴 シ在 米 主 義 者 間 ニ重 キ ヲ為 ス ニ至 リ 、 大 正十 年 十 月 末 帰 朝
小岩井
野 坂 参〓
高 野 武 二
雅 雄
猪 俣 津 南 雄
仲 宗 根 源 和
川 内 唯 彦
西
上 田 茂 樹
市 川 義 雄
渡 辺政 之 輔
ノ手 ヲ経 テ本 田時 雄 、佐 国俊 雄 等 ノ変 名 ニ依 リ 二 重封 筒 ノ信 書 ヲ受
山 本 懸 蔵
辻 井 民 之 助
新 潟 県 佐渡 国 ノ歯 科 医 松 瀬 教 五 郎
スル ニ当 リ、自 己 ノ友 人
取 リ窃 ニ官 憲 ノ眼 ヲ暗 マシテ在 外 主義 者 ト ノ連 絡 ヲ採 リ居 リ タ ルガ 、
スベ キ代 表 ト ナ リ タ ル近 藤 栄蔵 ガ執 行委 員 ニ非 ズ 且先 キ ニ起 訴 サ レ
中 ヲ退 ケ午 後 九 時 頃 マデ ニ亙 リ テ密議 ヲ凝 シ、前 記 モ ス コー ニ派遣
帰 朝 後 早稲 田 大学 ノ講 師 ト ナ リ タ ル依 リ、其 地 位 ヲ利 用 シ雑 誌 ニ依
山 本 懸蔵 、 川内 唯 彦 等 ハ右 日本 共 産 党 成 立 ノ前 後 ニ亙 リ入 露 ノ上 彼
タ ル暁 民 共 産 党 事 件繋 争 中 ノ故 ヲ以 テ辞 任 シタ ル為 メ 、荒 畑 勝 三 ヲ
ハ議 長 、 近藤 栄 蔵 ハ副 議 長 、 高 瀬清 ハ書 記 ト シ テ各 任 務 ニ就 キ、 女
我 ノ連 絡 ヲ採 リ 、夫 々其 主 義 ノ宣 伝 ノ為 メ活 躍 シ、 着 々同 主 義 者 ノ
之 ニ代 フ ル コト ヽシ、 次 デ綱 領 起 草 ニ関 シ テ意 見 ヲ交 換 シ、 第 一革
ノ二十 三名 ハ午 前 十 一時 頃 ヨリ三 々伍 々同 所 ニ参 集 シ、猪 俣 津 南 雄
糾 合 ニ努 タ ル結 果 、大 正 十 二年 三 月十 五 日頃 ニ至 リ テ ハ、 南 葛飾 労
命 (露国 ニ於 ケ ル西暦千九百十七年三月ケ レ ン スキ ーノ革 命)、 第 二革 命
リ又 ハ講 演 ニ依 リ主 義 ノ宣 伝 ヲ怠 ラズ 、 又被 告 人徳 田球 一、 高 瀬 清 、
並 ニ学 生 間 ニ着 々党 員 ト シ テ加 入者 ヲ得 、前 記 細 胞 数 十 四 ニ属 ス ル
働 組合 時 計 工組 合 、印 刷 工組 合 、 出版 従業 員 組 合 等 、 各 種 労 働 組合
表 面 運 動 ト シ テ政 党 ヲ組 織 スベ キ旨 ノ イ ン スト ラ ク シ ヨン ニ基 キ 、
( 同上十 一月 レー ニンノ革命) ヲ我国 ニ招 来 スベ キ時 期 方 法 、 革 命 招 来
リ タ ル為 メ、高 瀬 清 ノ告 訴 ス ル処 ト ナ リ規 律 委 員 会 ニ付 セ ラ レタ ル
表 面 上 ノ政 党 組織 ニ干 シ其 時 期 並 ニ範 囲 等 ニ付 キ討 議 シ、爾 来 同主
ノ 近道 等 々論 及 シ、 最 後 ニ、第 三 イ ンタ ー ナ シ ヨナ ル ヨリ出デ タ ル
ニ ヨリ 、其 規 律 委 員 長 タ リ シ吉 川 守圀 ニ対 シ脱 退 届 ヲ提 出 シ、同 年
義 ノ宣 伝 、 主義 者 ノ糾 合 ニ努 メ居 リ タ ル折 柄 、 同 年 五 月 十 日早 稲 田
之 ヨリ 先 キ党 員 タ リ シ亡 高 尾 平兵 衛 ハ、党 ノ規 律 ニ反 シ タ ル行為 ア
二 月頃 党 ヨリ脱 退 スル ニ到 リ タ リ 。
大 学 内 ニ於 ケ ル軍事 研究 団 ト文 化 同 盟 ト ノ衝 突 ニ際 シ、 佐野 学 ハ主
細 胞員 五十 八名 ニ達 スル ニ至 レ リ。
而 シ テ右 三 月十 五 日頃 ニ至 リ テ ハ、綱 領 起 草 委 員 ヲ設 ケ佐 野 学自 ラ
ラザ ル限 リ 、 日本 ノ革 命 運 動 ハ非 常 ニ遅 レ ルダ ロウ ト思 フ。 例 ヘバ
以 前 ニ起 リ シ米 騒動 ノ如 キ革 命 ヲ起 ス機 会 ガ ア ツタ ガ 、農 村 ノ革 命
無 産 階級 ノ政 党 ガ成 立 シ、 政 党 ガ 総 テ ヲ指導 シ テ行 ク ベ キ立 場 ニナ
的 分 子 ト都 会 ノ革 命 的 分 子 ト ヲ革 命 ノ為 メ ニ組 織 セラ レタ ル政 党 ガ
ト シテ早 稲 田 大 学 研究 室 内 ニ隠 匿 シ置 キ タ ル党 ノ書類 中 、前 記 英 国 共産 党暫 定 党 規 外 二通 ノ書 類 ヲ同 月 十 二、三 日頃 、東 京 府 北 豊 島 郡
義 者 ノ検 挙 ヲ見 ルベ シト思 料 シ 、先 キ ニ保 存 ニ最 モ安全 且確 実 ナ リ
巣 鴨 町字 庚申 塚 六百 十 三番 地 、 元 鉱 夫 渋 谷杢 次 郎 ニ之 ガ保 管 方 ヲ任
ケ レバ ナ ラ ヌ。 政 権 ヲ取 ル行動 ヲ開 始 シナ ケ レバ ナ ラ ヌ、 即 チ警 視
先 ヅ第 一ニ資 本 家 ノ権 力 ヲ押 ヘ、 ブ ルジ ヨ アー政 権 其 モノ ヲ取 ラ ナ
庁 ヲ先 ヅ 乗 取 リ、 而 シ テ警 官 ヲ総 テ打 殺 シ、而 シ テ市 庁 デ ア ルト カ、
指 導 シ ナケ レバ ナ ラ ヌ、 云 々。
リ タ ル モノ ナ リ。
シタ ル処 、同 月 二十 四 日頃 同 人 宅 ニ於 テ革 命 歌 ヲ高 唱 シ タ ル為 メ警
尚 ホ被 告 人 徳 田 球 一ハ大 正 十 二年 五 月 二十 四 日午 後 九 時 頃 ヨリ東 京
視 庁 ヨリ捜 査 ヲ受 ケ、 為 メ ニ右 書 類 ヲ押 収 セラ レ、事 発 覚 スル ニ至
市 麻 布 区森 元 町 二丁 目 十 九 番 地 旧 前衛 社 ニ於 ケ ル中 島 千 八 ノ主催 ノ
ソビ エツ ト、 小 作 人 ノ ソビ エツト ヲ組 織 シ ナケ レバ ナ ラ ナイ 、 革 命
テ警 察官 ヲ奪 取 シ ナ ケ レバ ナ ラ ナイ ノヂ ア ル。 其 処 ニ真 ノ労 働 者 ノ
対 シ、経 済 行 動 ト 政 治 行動 ト題 シ、吾 等 ノ目 的 ト スル無 産 階 級 ノ革
レル様 ニナ ラ ナケ レバ革 命 ハ成 立 シナ イ ノ デ ア ル。
委 員 会 ヲ組 織 シナ ケ レバナ ラ ナ イ 、革 命 委 員 ニ依 ツ テ常 ニ指 導 セラ
町村 役 場 デ ア ルト カ、 ソ ウ ユウ モ ノ ヲ取 リ 、警 察 署 ヲ取 リ、 ソ ウ シ
命 ヲ惹 起 セ シ ム ル ニ ハ経済 行 動 ト政 治 行 動 ト ノ二 途 ア ル旨 ヲ説 キ 、
労 働 講 習 会 ニ於 テ聴講 者 ナ ル関 東 機 械 工組 合 員 神 谷 梅 吉 外 十 数 名 ニ
進 ンデ革 命 遂 行 ノ原動 力 ハ必 ラズ民 衆 ノ力 デ ナ ケ レバ ナ ラ ヌ、民 衆
会 ヲ実 現 セ ン コト ヲ目 的 ト ス ル革 命 ヲ達 成 セシ ム ベ キ道 ヲ力 説 シ、
而 シ テ革 命 ノ遂 行 ニ ハ今 ヨリ農 村 ト カ工場 ト カ全 国 的 ニ網 ヲ張 ツ テ
依 テ犯 罪 ヲ煽 動 ス ル演 述 ヲ為 シタ リ。
置 ク必 要 ガ ア ル ノデ ア ル。故 ニ是 等 ハ革 命 的 行 動 ヲ為 スベ キ処 ノ要
ハ不 十 分 デ ア ル。 之 ヲ補 フ モノ ハ政 党 ニ ヨル。 政 党 ト ハ 一ノ革 命 的
以 上 前 段 ノ事 実 ハ諸般 ノ証憑 ニ依 リ各 被 告 人 ニ対 シ治 安 警 察 法 第 二
ニ対 シ経 済 的 ニ苦 ンデ居 ル事 ヲ教 ヘ、 社 会 制 度 ニ対 スル反 抗 的精 神
思 想 ヲ中 心 ト スル処 ノ集 リデ ア ル、 云 々。
十 八条 ニ該 当 スル犯 罪 ノ嫌 疑 十分 ニ シテ 、且 被 告 人 徳 田 球 一ノ後 段
ヲ起 サ シ メ、 経 済 的 行動 ニ ヨリ 民衆 ガ資 本 家 又 ハ政 府 ト闘 フ事 ニ依
而 シテ真 ノ無 産 階 級革 命 ノ意 識 ニ醒 メ タ ル闘 士 ニ依 テ革 命 的 主 義 主
中 島 千 八 主 催 ノ労働 講 習会 ニ於 テ犯 罪 ヲ煽 動 ス ル演 述 ヲ為 シ タ ル点
ト演 述 シ、 現 時 ノ社 会 組 織 ヲ暴 力 ヲ以 テ破 壊 シ、 所 謂 労 農 独裁 ノ社
張 ヲ目 的 ト シ テ集 リ来 ル政 党 ヲ組 織 シ ナケ レバ ナ ラ ナイ ト思 フ、其
ハ之 又 諸 般 ノ証憑 ニ依 リ同 被 告 人 ニ対 シ同 法 第 二十 四 条 ニ該 当 スル
素 ト シ テ政 党 ヲ必要 ト ス ルト思 フ、云 々。
政 党 ノ主 義 方 針 ニ依 リ 、労 働 組 合 ヲ赤 化 シ、 組 合 員 中 ヨリ真 ノ闘 士
犯 罪 ナ リト シ テ嫌疑 十 分 ナ ル ヲ以 テ、刑 事 訴 訟 法 第 三 百 十 二 条 ニ則
ツ テ真 ニ革 命 的思 想 ヲ植 付 ケ ル事 ガ出 来 ル、 云 々。
ヲ ヨリ多 ク作 リ出 シ、之 ヲ政 党 ニ加 入 セ シ メ政 党 ノ勢 力 ヲ増 ス事 ガ
而 シテ民 衆 ヲ シ テ革 命 的 行 動 ニ就 カ シム ル ニ ハ、労 働 組合 ノミ ニ テ
吾 等 労 働 組 合 ノ勤 メデ ア ル、 云 々。
リ主文 ノ如 ク決定 シタリ。
決
義 雄
五十六年
裁 判所書 記 長 田 公 麿
予 審 判 事 沼
東京地方裁判所
大正十四年 八月 二十 日宣告
大正十三年 二月十 三日
判 利 彦
本籍 並住居 東京市麹 町区麹町八丁目弐拾 四番 地 堺
工 杉 浦 啓 一 二十九年
住居 東京府北豊島郡三河島 町千三百十 六番地
職
本籍 大分県下毛郡中津 町二千 二百六十九番地
著述業
上 田 茂 樹
高 瀬
清
仲宗根源和
雅 雄
三 十年
三十四年
三十 一年
四十 三年
三十五年
二十五年
二十六年
住居 東京府豊多摩郡和 田堀内村字方南府営住宅 二ノ 一〇 一
本籍 岐阜県大野郡大名田村大字七日町七百 八番 地
著述業
住居 東京府豊多摩郡代 々幡町笹 塚千百十 一番 地
本籍 東京市京橋 区南佐柄木町 三番 地
橋 浦 時 雄
住居 東京府豊多摩郡野 方村字 上沼袋 八番地
著述業
新聞広告取次業 吉 川 守 圀
本籍 東京府西多 摩郡檜原村千 六百 八十八番地
著述業
三十三年
本籍 広島県御調郡和泉村字羽倉 百弐拾番屋敷 侶 高 津 正 道
住居 東京市小石川区掃除 町三十 三番 地
僧
住居 東 京府豊多摩郡代 々幡町笹 塚千百十 一番 地 高瀬清方
著述業
本籍 沖縄 県国頭郡本部村字渡久 地百 四十四番地 二十六年
本籍 東京府荏 原郡 入新井町大字新井宿 七百三番 地 田 所 輝 明
住居 東京府 豊多 摩郡淀橋 町柏木 四百 五番地
著述業
住居 同府北豊島郡西巣鴨町池袋千三百九十番 地
本籍 神戸市 兵庫関 屋町百 六番地
西
本籍 佐賀県西松浦 郡大川村 大字 立川六番地
著述業
住居 東京市神田区西紅梅 町六番 地
本籍 岡山県 勝田郡梶並村 大字東 谷下 四百 四十番地
野 坂 参〓
住居 東京府荏原郡平 塚村 小山 二百六十 一番地
市 川 正 一 三十四年
著述業
本籍 熊 本県玉名郡高道村大字山下百六十五番 地
職
三十 三年
住居 東 京市麹 町区平河町五丁目十六番 地 著述業 浦 田 武 雄 本籍 山口県熊 毛郡光井村第 一番地 無
住居 東京府豊多摩郡代 々幡町字幡 ケ谷三十四番 地 本籍 静岡県榛原郡金谷町金谷河原三百十番 地
田 代 常 二
住居 東京市芝区新桜田町十九番 地 山崎今朝弥方 無 職
工 渡辺政之輔
二十七年
徳 田 球 一 三十二年
三十七年
二十七年
本籍 千葉県東葛飾郡市川町大字市 川三千百六十三番地 職
住居 東京府南葛飾郡亀戸 町二千 九百 三十 七番地
住居 東京府豊多摩郡代 々幡町笹 塚千百 五十 二番地
本籍 新潟県長岡市本町四丁目八百 四十 三番地 著述業 ( 元早稲田大学講師) 猪俣津南雄 本籍 沖縄県国頭郡名護村字名護番 地不詳 弁護士
住居 東京市芝区新桜田町十九番 地 山崎今朝弥方
二十九年
著 述 業
高 野 武 二
四十 六年
三十 五年
本 籍 岡 山 県 都窪 郡 倉 敷 町 九百 九 十 二番 地
均
山 川
住 居 兵 庫 県 明石 郡 垂水 村 西 垂 水 番 地 不 詳
著 述 業
右 被 告 等 二十 三 名 ニ対 ス ル治 安 警 察 法 違 犯 被 告事 件 ニ付 キ当 裁 判 所
主
文
ハ検 事 石 田基 立 会 ノ上 審理 ヲ遂 ゲ 判 決 スル コト 左 ノ如 シ。
被 告 利 彦 、 正道 、武 雄 、啓 一、茂 樹 、 守 圀 、源 和 、球 一及 ビ勝 三 ヲ
夫 々禁錮 十 月 宛 ニ処 ス。被 告 輝 明 、高 瀬 清 、 時 雄 、参〓 、雅 雄 、政
ニ処 ス。
之 輔 、 津 南雄 、 小岩 井 浄 、 民 之 助 、 義 雄 及 ビ武 二 ヲ夫 々禁錮 八月 宛
右 各 本 刑 中 ニ算 入 ス。
但 シ被 告利 彦 、輝 明 、啓 一、 茂 樹 、 時 雄 、 守 圀 、参〓 、雅 雄 、政
浄
之 輔 、 及ビ 球 一ニ対 シ夫 々其 未 決 勾 留 日数 中 ヨリ各 百 二十 日宛 ヲ
小岩井
本籍 長野県東筑摩郡 島立村 四百 四番地 弁護士
住居 大阪市東区馬喰 町 一丁目五十 二番地
シ同 上 中 ヨ リ八十 日 、被 告 義 雄 ニ対 シ同 上 中 ヨリ七 十 日 ヲ夫 々右
三十 二年
負 担 ト ス。
由
被 告 正 一、常 二及ビ 均 ハ孰 レモ無 罪 。
理
第 一 被 告 人等 ノ中 市 川 正 一、 田 代 常 二 、 及 ビ 山川 均 ヲ除 ク外 ハ、
(以 上)
収 ス。 訴訟 費 用 ハ被 告 正 一、 常 二 及 均 ヲ除 ク外 其 他 ノ被 告 人 ノ連 帯
押 収 物 件 中 共産 党 暫 定 党 規 ( 大正十二年押 第七七四号ノ 一) ハ之 ヲ 没
各本 刑 中 ニ算 入 ス。
被 告 津 南雄 ニ対 シ其 未 決 勾 留 日数 中 ヨリ百 日 、被 告 小岩 井 浄 ニ対
四十 年
住居 東京府豊多摩郡 大久保百人町 三百七番地 荒 畑 勝 三
市 川 義 雄
三十 三年
京都市 上京区寺内通大宮西入 ル上 ル堅社北半町
著述業
本籍 横浜市永楽町 一丁目八番 地
本籍 並住居
織物職 工 辻井民之助 本籍 山 口県熊毛郡光井村九番地 出版業
住居 東京府豊多摩郡代 々幡 町幡 ケ谷三十四番 地 本籍 東京府南多摩郡川 口村下川 口三千九番地 住居 東京府北豊島郡高 田町雑司 ケ谷四百八十二番 地
テ其 議 ヲ進 メタ ル結 果 、 同 年 十 二 月中 ニ至 リ 、遂 ニ日本 共 産 党 ナ ル
東 京市 内 又 ハ其 郊 外 ニ於 ケ ル右 被 告 等 当 時 ノ住 所 ニ於 テ屡 々会 合 シ
為 メ ノ機 関 ト シ テ該 主 義 ヲ抱 懐 ス ル者 ノ団体 ヲ組 織 セ ン コト ヲ企 テ、
三 、時 雄 、正 道 及 ビ近 藤 栄 蔵 等 ト相 協 リ 共産 主 義 ノ宣 伝 並 ニ実 行 ノ
ノ目 的 ヲ達 成 セ ンガ為 メ ニ、 大 正 十 一年 十 一月 頃 ヨリ被 告 利彦 、勝
目 的 ヲ抱 ク、所 謂 共 産 主 義 者 ナ ル処 、 元早 稲 田大 学 講 師 佐 野 学 ハ此
ル生産 機 関 ヲ資 本 家 ノ私 有 ヨリ奪 テ之 ヲ社会 ノ共 有 ニ移 サ ント ス ル
中 ニ帰 セ シメ 、以 テ労 農 独 裁 ノ政 治 ヲ施 クト共 ニ、 経 済 上 ニ ハ凡 ユ
メ ニ、 無産 階 級 ノ革 命 手 段 ニ依 リ テ 一切 ノ権 力 ヲ悉 ク無 産 階 級 ノ掌
何 レ モ現時 ノ資 本 主 義 社 会 組織 ヲ顛 覆 シ テ社 会 主 義 ヲ実 現 セ ンガ タ
月 中 一部 ノ党 員 ヨリ予 メ改 正事 項 ニ付 テノ意 見 ヲ徴 シタ ル上 、 其 ノ
伴 ヒ自 然 党 規 ノ 一部 ニ改 正 ノ必要 ヲ生 ジ タ ルヲ以 テ 、大 正 十 二年 一
主 義 者 ニ対 シ入 党 ヲ勧 誘 シタ ル結 果 、次 第 ニ党 員 ノ数 ヲ増 加 ス ル ニ
タ ルガ、 爾 後 前 記 佐 野 学 、被 告 利 彦 等 数 名 ニ於 テ各 自 其 身 辺 ノ共 産
タ ル者 ハ規 律 委 員 会 ノ決 定 ニ依 リ テ処 罰 ス ル コト等 ノ大 綱 ヲ明 ニシ
雖 モ、党 ノ他 ノ部 分 ニ危 険 ヲ及 ボ サヾ ル事 ト為 シ、 党 ノ規 律 ニ反 シ
ス可 ク、 党 員 又 ハ各 細 胞 ハ其 危 険 ノ全 責 任 ヲ負 ヒ、 如 何 ナ ル場合 ト
党 員 ハ党 ノ存 在 、 行動 、 党員 及委 員 ノ氏 名 ニ付 キ絶 対 ノ秘 密 ヲ厳 守
者 ハ細 胞 代 表 委 員 会 、 若 ク ハ執 行 委 員 会 ニ於 テ之 ヲ選 定 シ、 最後 ニ
任 シ得 ル事 ト ナ シ、 又 共 産党 イ ンタ ー ナ シ ヨナ ル ニ対 スル党 ノ代 表
守圀 、源 和 、武 雄 、輝 明 、茂 樹 、清 、球 一、民 之 助 等 合 計 十 六 、七
時 雄 、正 道 、佐 野 学 及 近藤 栄 蔵 ノ外 、当 時 既 ニ党 員 ト ナ リ居 リ タ ル
四季 ノ寮 ニ於 テ有 力 ナ ル党員 ノ会 合 ヲ催 シ、 前 記 被 告 利 彦 、 勝 三 、
名 ハ之 ニ列 席 シ テ討 議 ノ末 、執 行委 員 ノ数 ヲ十名 ニ増 加 シ、其 内 ノ
討 議 ノ タ メ ニ、 同 年 二 月 四 日 千葉 県 東 葛 飾 郡 市 川 町 ノ料 理 店 一直 園
ニ基 ク党 ノ綱 領 及 ビ 規 律 ヲ遵奉 シ、 且 ツ無 産 階 級 ノ独 裁 ニ依 リ資本
産党 イ ンタ ー ナ シ ヨナ ル ノ 一支部 ト ナ シ、其 主 義 政 策 ヲ承 認 シ テ之
総 務 幹 事 長 、国 際 幹 事 及 ビ 会 計幹 事 ヲ常任 幹 事 ト シ テ、 之 ト新 設 ニ
秘 密結 社並 ニ其 暫 定 党 規 ノ成 立 ヲ見 ル ニ至 リ タ リ。
主義 ヲ撤 廃 シテ社 会 主義 ヲ実 現 セ ント ス ル党 ノ実 際 活 動 ニ参 与 ス ル
係 ル総 務 幹 事 長 ノ秘 書 一名 ト ヲ シ テ党 ノ常 務 ヲ処 理 セ シ ム ル コト、
而 シ テ右 日本 共 産 党 ナ ル モノ ハ其 党規 ノ定 ム ル所 ニ拠 レバ 、 之 ヲ共
者 ヲ党 員 ト為 シ、 且 党員 二名 以 上 ノ推 薦 ア ル者 ハ候 補 者 ト シ テ 一定
其 他数 項 ヲ議 決 確 定 シ タ ル後 、被 告 利彦 ヲ総 務 幹 事 長 、 佐 野 学 ヲ国
茂 樹 、啓 一、小 岩 井 浄 、 民 之 助 及 ビ亡 渡 辺満 三 ヲ各 執 行 委 員 ニ夫 々
期 間 ノ試 練 ヲ経 タ ル後 之 ヲ正 党員 ニ列 シ、同 一ノ 地方 、職 業 、 産 業 、
選 任 シ、尚 将 来 ニ於 ケ ル党 ノ運動 方針 ヲ モ討 議 シ テ散 会 シタ ル ガ、
際 幹 事 、被 告 守圀 ヲ会 計 幹 事 、被 告 源 和 ヲ幹 事 長 秘 書 、 被 告 武 雄 、
一名宛 ヲ 互選 シ、該 代 表 者 ニ ヨリ テ支 部 ヲ組 織 シ、更 ニ支 部 代 表 者
ヲ以 テ独 立 ノ 一細 胞 ( 中心ト モ称 ス) ヲ組 織 シ、各 細 胞 毎 ニ代 表 委員
ニ ヨリ 地方 支 部 ヲ組 織 スル コト ヽシ、 以 テ相 互 ノ細 胞 並 ニ上 級 組 織
ト ヲ知 リ 、其 主 義 ニ賛 同 シ テ之 ニ加 盟 ス ル モノ次 第 ニ増 加 シ タ ル ヲ
爾 来 前 記 各 党 員 等 ノ努 力 ニ依 リ、秘 密結 社 日本 共 産 党 ノ存 在 スル コ
若 ク ハ団体 内 ニ多 数 ノ党 員 ノ存在 ス ル場 合 ニ於 テ ハ、 三名 乃 至 十 名
ト ノ連 絡 ニ当 ラ シ メ、 尚 ホ細胞 代 表委 員 会 ノ決 議 ヲ以 テ党 員 中 ヨリ
以 テ、大 正 十 二年 三月 十 五 日東 京市 外 石 神 井 ノ料 理 店 豊 島 館 ニ於 テ
執 行 委員 ヲ選 出 シ、 更 ニ執 行 委員 会 ハ其 ノ互 選 ニ依 リ テ総 務 幹 事 長 、 国際 、会 計 等 ノ諸 幹 事 、 並 ニ臨 時 ノ必要 ニ依 リ各 種 ノ専 任 委 員 ヲ選
ノ訓 令 ニ基 キ 、政 党 組 織 ノ時 期 、範 囲等 ニ関 ス ル研 究 討 議 ヲ行 ヒ タ
ー ナ シ ヨナ ル ヨリ出 タ ル表 面運 動 ト シ テ、 無 産 政 党 ヲ組 織 ス可 キ旨
段 等 ニ関 シ種 々意 見 ヲ交 換 ス ルト コ ロア リ タ ル後 、更 ニ第 三 イ ンタ
推 シ、 次 デ 日本 共 産 党 ノ綱 領 起 草 、無 産 革 命 招 来 ノ時 期 、 方法 、手
事 故 ニ因 リ テ其 任 ヲ辞 シタ ル為 メ、新 ニ其 後 任 者 ト シ テ被告 勝 三 ヲ
ル可 キ共 産 党 会議 ニ派 遣 セ ラ ル ヽ コト ニ内 定 シ居 リ タ ル近藤 栄蔵 ガ 、
シタ ル上 、曩 ニ日本 共産 党 ノ代 表 者 ト シテ露 都 モス コー ニ開 催 セ ラ
義 雄 、武 二及 ビ佐 野 学 、 山本 懸 蔵 、川 内 唯 彦 、 近藤 栄 蔵 等 之 ニ列席
清 、守圀 、源 和 、 参〓 、 雅 雄 、政 之 輔 、津 南 雄 、浄 、 勝 三 、 民 之助 、
第 二 回 ノ会 合 ヲ催 シ、 被 告 利彦 、 正道 、輝 明 、 武 雄 、 啓 一、茂 樹 、
ソビ エツト ヲ組 織 シ、 革 命 委 員 ヲ挙 ゲ 、 其指 揮 ニ依 リ テ行 動 ス ル ニ
ザ ル可 ラズ 。 即 チ警 視 庁 ヲ先 ヅ 占 領 シ、総 テ ノ警 官 ヲ撲 殺 シ、次 イ
云 々。 先 ヅ 第 一ニ資本 家 ノ権 力 ヲ押 ヘブ ルジ ヨア政 権 其 者 ヲ奪 取 セ
ハ農 村 ノ革 命 的 分 子 ト都 会 ノ革 命 的 分 子 ト ヲ連 結 指 導 セザ ル可 ラズ
命運 動 ハ甚 シ ク遅 延 スル ナ ラ ン。革 命 ノ為 メ ニ組 織 セラ レタ ル政 党
党 ガ成 立 シ、之 ガ万 事 ヲ指導 ス可 キ立 場 ニ進 マザ ル限 リ 、 日本 ノ革
ノ勢 力 ヲ増 大 セ シム ル事 ハ労 働 組 合 ノ責務 ナ リ云 々、無 産 階 級 ノ政
其 中 ヨリ真 ノ闘 士 ヲ多 数 養 成 シテ之 ヲ政 党 ニ加 入 セ シメ 、 以 テ政 党
士 ニ依 リ テ成 立 ス ル政 党 ノ革 命 的 主 義 方 針 ニ依 リ労 働 組 合 ヲ赤 化 シ、
政 党 ヲ以 テ セザ ル可 カ ラズ 、真 ノ無 産 階 級 革 命 ノ意 識 ニ醒 メタ ル闘
ヲ以 テ ハ不足 ニ シテ、 之 ヲ補 フ ニ革 命 的思 想 ヲ中 心 ト ス ル団 体 即 チ
至 ラザ レバ 、革 命 ハ成 功 セザ ル ナリ 、 云 々ト演 述 シ、 以 テ革 命 的 無
デ市 庁 町村 役場 、警 察 署 ヲ奪 取 シテ此 処 ニ真 ノ小作 人並 ニ労 働 者 ノ
産 階 級 ノ政 党 組 織 ヲ勧 誘 宣 伝 ス ル傍 ラ、 無産 階 級 革 命 ヲ達 成 セ ンガ
ルガ 、其 当 時 ニ於 テ ハ前 記 秘 密結 社 日本 共産 党 ハ既 ニ十 四個 ノ細 胞
川均 ノ三名 ヲ除 ク外 ハ、 総 ベ テ右 秘 密結 社 ニ加 入 シ、 其 ノ党 員 タ ル
ト五 十余 名 ノ党 員 ト ヲ擁 シ、 本 件被 告等 中 市 川 正 一、 田代 常 二 、山
地位 ヲ取 得 シ居 リ タ ル モ ノ ナリ 。
シ、民 衆 ヲ シ テ幾 度 カ経済 行 動 ニ依 リ、 資 本 家 又 ハ政 府 ト闘 争 セ シ
ゲ ラ レ居 ル コト ヲ了 解 セ シ メ、社 会 制 度 ニ対 スル反抗 的 精 神 ヲ鼓 吹
遂 行 ノ原 動 力 ハ必 ズ 民衆 ノ力 ニ俟 ツ ベ ク、 民 衆 ニ対 シ テ経済 的 ニ虐
ニ ハ、経 済 行 動 ト 政 治 行動 ト ノ 二途 ヲ存 スル旨 説 明 シ、進 ンデ革 命
ニ対 シ、経 済 行 動 ト政 治行 動 ト題 シテ、 無 産 階 級 ノ革 命 ヲ招 来 ス ル
ノ労 働 講 習 会 ニ於 テ聴 講者 ナ ル関 東 機 械 工組 合 員 神 谷 梅 吉 外 十数 名
東 京 市 麻 布 区 森 元 町 二丁 目 十 九番 地 旧前 衛 社 ニ於 ケ ル中 島 千 八 主催
ヲ其 手 中 ニ収 メ テ労 農 独 裁 ノ政 治 ヲ施 クト共 ニ、経 済 上 ニ ハ生産 機
社 会 主 義 実 現 ノ手 段 ト シ テ、 先 ヅ 無産 階 級 ノ革 命 ニ依 リ 一切 ノ権 力
等 ノ当 公 廷 ニ於 テ夫 々自 認 ス ル所 ニ シ テ、所 謂 共 産 主 義 ナ ル モ ノガ
武 二等 ガ何 レモ共 産 主義 思 想 ヲ抱 懐 ス ル者 ナ ル コト ハ、右 各 被 告 人
参〓 、雅 雄 、 政 之 輔 、津 南 雄 、球 一、浄 、勝 三 、民 之 助 、義 雄 及 ビ
被 告 利 彦 、 正 道 、輝 明 、武 雄 、啓 一、茂 樹 、清 、時 雄 、守圀 、源 和 、
証 拠 ヲ按 ズ ル ニ
煽 動 演 述 シタ ル モノ ナ リ。
為 メ ニ ハ、殺 傷 暴 行 騒擾 公 務執 行 妨 害等 ノ犯 行 ヲ モ敢 テ セ ン コト ヲ
ム ル事 ニ依 リ テ始 メ テ真 ニ革 命 的 ナ ル思 想 ヲ之 ニ扶植 シ得 ベ ク、而
関 ノ私 有 制 度 ヲ否 定 セ ント ス ル モ ノナ ル コト ハ、被 告 勝 三 及 ビ球 一
第 二 被 告 徳 田 球 一ハ、 大 正 十 二年 五 月 二十 四 日午 后 九 時 頃 ヨリ
シテ民 衆 ヲ シ テ革 命 的 行 動 ニ就 カ シ メ ン ガ為 メ ニ ハ、労 働 組 合 ノ ミ
シ テ被 告 利 彦 、勝 三 、時 雄 及 ビ正 道 ガ、 大 正 十 一年 十 一月頃 ヨリ元
ノ各 当 公 廷 ニ於 ケ ル其 旨 ノ供 述 ニ照 シ毫 モ疑 ヲ容 レザ ル所 ナ リ。而
ヲ目的 ト シ ( 第 二条)、 共産 党 イ ンタ ーナ シ ヨナ ル ノ主 義 及 ビ 政策 ヲ
無 産 階 級 ノ独 裁 ニ依 リ資 本 主義 ヲ撤 廃 シ テ社 会 主 義 ヲ実 現 セ ン コト
ズ、 被 告利 彦 ニ対 ス ル第 八 回訊 問 調 書 中 ニモ之 ト照 応 ス ル供 述 ノ記
準 備 手 続 調 書 中 ニ、 夫 々何 レ モ之 ト同 趣 旨 ノ供 述 記 載 ア ルノ ミ ナ ラ
時 雄 ニ対 スル第 六 回予 審訊 問 調 書 及 ビ 被 告 勝 三 ニ対 ス ル第 二回 公 判
遂 ニ日本 共産 党 ナ ル秘 密 結 社 ノ成 立 ヲ見 ル ニ至 リ タ ル コト ハ、被 告
住 所 ニ於 テ屡 々会 合 シ テ其 議 ヲ進 メ タ ル結 果 、 同年 十 二 月中 ニ至 リ、
セ ン コト ヲ企 テ、 東 京市 内 又 ハ其 郊 外 ニ於 ケ ル右 各被 告 等 其 当 時 ノ
者 ハ規律 委 員 会 ノ決 定 ニ依 リ テ処 罰 スル コト (二三条)、等 ノ記 載 ア
危 険 ヲ及 ボ サヾ ル事 ト為 シ (第 一九、第 二十条)、 党 規律 ニ反 シ タ ル
ス) ハ其危 険 ノ全 責 任 ヲ負 ヒ、 如 何 ナ ル場 合 ト雖 モ党 ノ他 ノ部 分 ニ
ニ就 キ絶 対 ノ秘 密 ヲ厳 守 ス可 ク、 党 員 又 ハ各 細 胞 (一名中 心ト モ称
( 第 七乃至第 一八条)、及 ビ党 員 ハ党 ノ存 在 、 行 動 、党 員 及委 員 ノ氏 名
列 スル コト ( 第四条)、其 他 判 示 ノ如 キ組 織 並 ニ機 関 ヲ 設 ケ ル コト
テ六 ケ月 ノ試験 ヲ経 タ ル後 、総 務 幹 事 長 其 他 ノ同意 ヲ得 テ正党 員 ニ
ヲ党 員 ト為 シ ( 第 三条)、 党員 二 名 以上 ノ推 薦 ア ル 者 ハ候 補 者 ト シ
載 ア ル ニ徴 シ、之 ヲ認 定 ス ル ニ十 分 ニシ テ、右 日本 共 産 党 成 立 ト同
リ テ、之 ニ依 レバ即 チ本 件 ノ結 社 ハ判 示 ノ如 キ、 目的 、党 員 、組 織 、
承 認 シテ党 ノ綱 領 及 ビ 規 律 ヲ遵 奉 シ、実 際 ニ党 ノ活 動 ニ参 与 ス ル者
時 ニ之 ガ党規 ヲ制 定 シ、殊 更 ニ官 憲 ノ眼 ヲ晦 マサ ンガ為 メ ニ、英 国
機 関 及規 律 等 ヲ有 ス ル我 国 ニ於 ケ ル共 産 主義 者 ノ秘 密 結 社 ナ ル事 極
早 稲 田 大 学講 師 佐野 学 ノ主 唱 ニ基 キ、 近 藤 栄蔵 等 ト相 協 リ共 産 主 義
共産党暫定党 規 ( 大 正十 二年押第七七四号 ノ 一) ナ ル 名 称 ヲ附 シ、 其
メ テ明白 ニシテ 、毫 モ疑 ヲ容 レズ 。然 リ而 シ テ右 日本 共 産 党 成 立 ノ
ヲ宣 伝 実 現 セ ンガ為 メノ機 関 ト シ テ該 主 義 ヲ奉 ズ ル者 ノ団体 ヲ組 織
存 在 ヲ秘 セ ン コト ヲ図 リ タ ル事 実 ハ被 告 利彦 ニ対 ス ル第 七回 予 審 訊
シ頻 リ ニ入党 ヲ勧 誘 シ タ ル結 果 、 秘 密結 社 日本 共 産 党 ノ存 在 スル コ
後 、前 記 各 被 告 等 ガ佐 野 学 、 近 藤 栄蔵 ト 共 ニ其 身 辺 ノ同 主 義 者 ニ対
ト ヲ知 リ 、其 主 義 目 的 ニ賛 同 シ テ之 ニ加 盟 ス ル者 次 第 ニ増 加 シ、 大
モ日本 共産 党 ノ暫 定 党 規 ハ押 収 ニ係 ル英 国 共産 党 暫 定 党 規 ト題 スル
正十 一年 中 ニ ハ既 ニ被 告 源 和 及 ビ武 二 ノ 入党 スル ア リ、越 エテ翌 大
問 調 書 、 並 ニ被 告 守 圀 ニ対 スル第 六 及 第 七 回各 予審 調 書 中 ニ、 何 レ
シ テ、 該党 規 ハ官 憲 ノ眼 ヲ晦 マサ ンガ 為 メ ニ、特 ニ英 国 ノ名 ヲ冠 シ
書 面 (大正十二年押第 七七四号 ノ 一) ニ記 載 シ ア ル所 ト 殆 ンド 同 一ニ
テ入党 シタ ル コト ハ右 各 被 告 人等 ノ予 審 訊 問 調 書 中 (被告源 和、茂
一及 浄 等 何 レ モ其 党 員 ト シ テ加 盟 シ、被 告 武 雄 モ其 後 幾 何 ナ ラズ シ
樹、雅雄 ハ各其第四回、武二、輝明 ハ、各其第 三回、啓 一、武 雄 ハ各其第 五
正 十 二年 一月 中 ニ ハ被 告 輝 明 、 啓 一、茂 樹 、守 圀 、雅 雄 、政 之輔 、球
ニ隠 匿 セ ル ヲ官 憲 ニ発 見 セラ レ押 収 セ ラ レタ ル モノ ナ ル旨 供 述 ノ記
題 スル書 類 ト 共 ニ、佐 野 学 ヨリ保 管 ヲ依頼 セ ラ レ同 人 自 宅 米 櫃 ノ中
己 ノ 入党 顛 末 ニ関 スル供 述 記載 ニ徴 シ テ之 ヲ認 メ得 ベ ク、 又 叙 上 ノ
回、守圀、政之輔、浄 ハ各其第 二回、球 一ハ第六回)夫 々右 ト同 趣 旨 ノ自
ア ル旨 ノ各 供 述 記載 ア ルト 、証 人 渋 谷 杢 次 郎 ノ予審 訊 問 調 書 ニ右暫
載 ア ルト ニ依 リ明白 ナ リ。 而 シ テ右 押 収 ノ暫 定 党 規 中 ニ ハ、 本 党 ハ
定党 規 ノ改 正 ( 同押第七七四号 ノ二)及 議 事 ( 同押第七七四号 ノ三)ト
之 ヲ共 産 党 イ ン タ ー ナ シ ヨナ ル支 部 英 国 共産 党 ト名 ヅ ケ ( 第 一条)、
川 町 ノ料 理 店 一直 園 四季 ノ寮 ニ於 テ有 力 ナ ル党員 ノ会 合 ヲ催 ス ニ至
見 ヲ徴 シ タ ル上 、其 討 議 ノ為 メ ニ同 年 二月 四 日、 千葉 県 東 葛 飾 郡 市
以 テ、 大 正 十 二年 一月中 予 ジ メ 一部 ノ党員 ヨリ改 正事 項 ニ付 テ ノ意
如 キ党 員 ノ増 加 ニ伴 ヒ、自 然 党 規 ノ 一部 ニ改 正 ノ必要 ヲ生 ジ タ ル ヲ
ト ヲ擁 ス ル ニ至 リ タ ルヲ以 テ、 同 年 三 月 十 五 日 、東 京 市 外 石 神 井 ノ
而 シ テ前 記秘 密結 社 日本 共 産 党 ハ、 其 後 モ益 々党 員 ノ数 ヲ増 加 シ、
憑 十 分 ナリ 。
四 号 ノ二 党規 ノ改 正 ト題 スル書 面 ニ前 照考覈 シ テ之 ヲ認 定 ス可 キ証
結 局 同趣 旨 ニ帰 着 ス ル供 述 ノ記 載 ヲ綜合 シ テ、之 ヲ前 記 押 収 第 七 七
料 理 店 豊 島館 ニ於 テ第 二回 ノ会 合 ヲ催 シ、被 告 利 彦 、正 道 、輝 明 、
大 正 十 二年 三 月中 旬 頃 ニ於 テ ハ既 ニ十 四 個 ノ細 胞 ト 五十 余 名 ノ党 員
武 雄、 啓 一、茂 樹 、清 、守 圀 、源 和 、参〓 、雅 雄 、政 之 輔 、 津 南 雄 、
リ タ ル コト ヲ、被 告守 圀 ニ対 スル第 十 二回 予 審 訊 問 調書 中 ニ此 趣 旨
圀 、 武 雄 、 茂樹 、清 、輝 明、 源 和 、 正 道 、 時 雄 、球 一、勝 三及 ビ民
浄 、勝 三 、民 之 輔 、義 雄 、 武 二 ノ外 佐野 学 、 山本 懸 蔵 、川 内 唯 彦 、
ノ供 述 記 載 ア ル ニ依 リ テ明白 ニシ テ、 尚 ホ其 会合 ニ ハ被 告 利 彦 、守
之 助 ノ外 佐 野学 、 近藤 栄 蔵 、川 内 唯 彦 、 亡渡 辺満 三等 モ出 席 シ、 近
近 藤 栄蔵 等之 ニ列席 シ、被 告 津 南 雄 ヲ議 長 ト シ、被 告 清 ヲ書 記 ト シ
テ議事 ヲ開 キ タ ル コト ハ、 被 告 茂 樹 及 源 和 ノ各 第 四 回 予審 訊 問 調 書
ヲ行 ヒ タ ル末執 行 委員 ノ数 ヲ十 名 ニ増 加 シ、 且其 中 ノ総 務 幹 事 長 、
中 何 レ モ右 ト同 趣 旨 ノ供 述 記 載 ア ル ニ依 リ極 メ テ明白 ニ シテ 、尚 ホ
藤 栄 蔵 ヲ議 長 ト シ、被 告 清 ヲ書 記 ト シ テ前 記 改 正案 ニ基 キ種 々討 議
ノ秘 書 役 一名 ト ヲ シ テ党 ノ常 務 ヲ処 理 セ シ ム ル コト 、並 ニ国 際 幹 事
席 上 ニ於 テ前 記被 告 等 ガ判 示 ノ如 キ事 項 ヲ討議 決 定 シタ ル コト ハ、
国 際 幹 事 及 ビ会 計 幹 事 ヲ常 任 幹 事 ト シ、 之 ト新 設 ニ係 ル総 務 幹 事 長
被 告 清 ノ第 三 回 予審 訊 問 調 書 中 、 自 分 ハ大 正 十 二年 三 月十 五 日 ノ豊
二 日附 鑑 定書 並 ニ同 上 、石 井 敬 三 郎 作 成 ノ大 正 十 四年 六 月 二 日附 鑑
ハ共 産 党 イ ン タ ーナ シ ヨナ ルト ノ連 絡 ヲ取 リ、秘 書 ハ総 務 幹 事 長 ト
定 書 中 ニ、何 レ モ押 収 ニ係 ル議 事 ト 題 ス ル 書 面 (大正十 二年押第七七
国 際 幹 事 其 他 多 数 ノ執 行 委 員 ト ノ連 絡 ヲ図 リ、 以 テ秘 密 運動 ト シテ
被 告 武 雄 、 茂 樹 、 啓 一、浄 、民 之 助 及 亡渡 辺 満 三 ヲ各 執 行 委 員 ニ、
四号ノ三) ハ其 ノ中 ノ第 一頁 ( 但冒頭 ヨリ食事 ト記 セル部分迄)、第 十 五
島 館 ニ於 ケ ル共産 党 会 議 ニ列 席 シ、 書 記 ト シ テ其 際 ニ於 ケ ル議 事 ノ
夫 々選 任 シ、 尚 将 来 ニ於 ケ ル党 ノ運 動 方 針 ヲ モ附 議 シ テ散 会 シタ ル
頁 及 第 十 六頁 ハ被 告 人 仲 宗 根 源 和 ノ筆 跡 ニシ テ、 其 他 ハ全部 被 告 高
要 旨 ヲ現 場 ニ於 テ録 取 シタ ル旨 ノ供 述 記 載 ト 、鑑 定 人 太 田彰 作成 ノ
ガ 、其 後 党 内 ニ各 種 ノ専 任委 員 並 ニ部 門 ヲ設 ケ、被 告 正道 ハ政 治 係 、
瀬 清 ノ筆 跡 ナ ル旨 ノ鑑 定 、 並 ニ該 押 収 書 類 ノ出 所 ニ関 ス ル前 記 渋谷
ノ自 衛 上 執 行 委員 会 ヲ頻 煩 ニ開 催 セザ ル コト 、及 之 ニ伴 フ不便 ヲ避
被 告 武 雄 ハ農 民 係 、被 告 茂樹 ハ雑 誌 係 、 被 告 啓 一及 ビ渡 辺満 三 ハ労
杢 次 郎 ノ証 言 ノ記載 ト ニ ヨリ 、前 記 豊 島 館 ニ於 ケ ル会 議 ノ議 事 録 タ
大 正 十 二年 十 二 月十 日附 鑑 定 書 、 同 上 、 山 名篤 義 作 成 ノ同年 同 月十
働 係 、 佐 野 学 ハ教 育係 ヲ夫 々担 任 ス ル ニ至 リ タ ル事 実 ハ、被 告 源 和
ヲ国 際 幹 事 ニ、被 告守 圀 ヲ会 計 幹 事 ニ、 被 告 源和 ヲ幹 事 長 秘 書 ニ、
及 茂 樹 ノ各 第 四 回 予審 訊 問調 書 ニ於 ケ ル夫 々何 レ モ右 ト同 趣 旨 ノ供
ル ニ疑 ナキ 、右 押 収 ノ議 事 ト題 ス ル書 面 中 、曩 ニ露都 モ ス コー ニ開
ク ル コト 等 ヲ議 決 確定 シタ ル後 、被 告 利彦 ヲ総務 幹 事 長 ニ、佐 野 学
述 記 載 、 並 ニ被 告 守圀 ノ第 一回乃 至 第 十 二回 予 審 訊 問調 書 ヲ通 ジ テ、
ヲ提 出 シ、 互 ニ討 議 ヲ行 ヒタ ル旨 ノ記 載 ア ル ニ依 リ 、之 ヲ認 定 ス可
党 ヲ組 織 ス ル ニ就 イ テ時 期 、 範 囲 等 ニ関 シ、 列席 者 ヨリ各 種 ノ意 見
領 起 草 、 無 産革 命 招 来 ノ時 期 、方 法 、 手段 及 表 面運 動 ト シテ無 産 政
告 勝 三 ヲ其 後 任 ニ選 定 シタ ル コト、 並 ニ判 示 ノ如 ク日本 共 産 党 ノ綱
訴 追 セ ラ レ居 ル コト 、其 他 ヲ理 由 ト シ テ辞 任 シ タ ル ヲ以 テ、新 ニ被
コト ニ内 定 シ居 リ タ ル近藤 栄 蔵 ガ、 暁 民 共 産 党事 件 ニ連 坐 シテ現 ニ
催 セラ ル可 キ共 産 党会 議 ニ日本 共 産 党 ノ代 表 者 ト シ テ派 遣 セラ ル ヽ
仍 テ其 法 定 刑 ノ範 囲 内 ニ於 テ被 告 利 彦 、正 道 、 武 雄 、 啓 一、茂 樹 、
法所 定 ノ刑 ニ依 リ、 被 告 人 等 ノ所 為 ヲ準 ズ ルヲ正 当 ト ス。
刑 ト ノ軽 重 ヲ比 較 シ、 刑 法 第 六条 ノ規 定 ヲ準 用 シ テ、 軽 キ治 安警 察
刑法 第 十条 ノ規 定 ニ依 リ、 之 ト 現 行 治 安維 持 法 第 一条 第 一項 所 定 ノ
規定 ニ依 リ同 条 所 定 ノ刑 名 ノ ミ ヲ現 行刑 法 上 ノ刑 名 ニ変 更 シ タ ル上 、
犯 罪 ナ ル ヲ以 テ、刑 法 施 行 法 第 十 九 条 第 一項 、第 二条 、第 二十 条 ノ
行 ニ係 リ、其 行 為 当 時 ニ於 ケ ル治 安 警 察 法 第 二十 八条 ニ該 当 シタ ル
条 第 一項 後 段 ニ該 当 ス ル処 、右 ハ孰 レ モ現 行治 安維 持 法 実 施 前 ノ犯
秘 密 結 社 日本 共 産 党 ニ加 入 シタ ル所 為 ハ、 本 判 決 言渡 当 時 ニ於 テ ハ
キ証 憑 十 分 ニシ テ、被 告 清 、 津 南 雄 、義 雄 、民 之 助 等 ガ前 記 三 月 十
治 安 維 持 法 第 一条 第 一項 後 段 ニ該 当 シ、 其 行 為 当 時 ニ於 テ治 安 警 察
守 圀 、源 和 、 及 ビ 勝 三 ヲ夫 々禁錮 十 月宛 ニ処 シ、 被 告 輝 明 、清 、時
仍 テ以 上 ヲ綜 合 シ、 判 示 第 一ノ事 実 ヲ認 定 シタ リ。
法 第 二十 八 条 後 段 ニ該 当 ス ルヲ以 テ、 前 同 様新 旧 両法 比 照 ノ上 刑 法
五 日 ノ会 合 当 時 ニ於 テ ハ、 既 ニ本 件秘 密結 社 日本 共 産 党 ニ加 入 シ、
次 ニ第 二 ノ被 告 球 一ガ大 正 十 二年 五 月 二十 四 日午 后 九時 頃 ヨリ東 京
其 党員 タ ル地位 ヲ取 得 シ居 リ タ ル コト ハ被 告 源 和 ノ第 四 回 予 審 訊 問
市 麻 布 区森 元 町 二丁 目 十 九番 地 旧前 衛 社 ニ於 ケ ル中 島 千 八主 催 ノ労
第 六 条 ノ規 定 ニ準拠 シ、軽 キ旧 法 所 定 ノ刑 ヲ現行 刑 法 上 ノ刑 名 ニ変 ︹一 字不明︺ 更 シ テ其 所為 ヲ□断 スベ ク、 其 判 示 第 二 ノ集会 ニ於 テ犯 罪 ヲ煽 動 ス
々禁錮 八月 宛 ニ処 スベ キ モ ノト ス。 次 ニ被 告 球 一ニ係 ル判 示第 一ノ
対 シ、経 済 行 動 ト政治 行 動 ト題 シ テ判 示 ノ如 キ趣 旨 ノ犯 罪 ヲ煽 動 ス
働 講 習 会 ニ於 テ、 聴 講 者 ナ ル関 東 機 械 工組 合 員 神 谷 梅 吉 外 十数 名 ニ
ル講 演 ヲ為 シタ ル所 為 ハ、 治 安 警 察 法第 二 十 四条 、第 九 条 ニ該 当 ス
雄 、参〓 、 雅 雄 、 政 之輔 、津 南 雄 、浄 、民 之 助 、 義 雄 及 ビ武 二 ヲ夫
ル講 演 ヲ為 シ タ ル コト ハ、同 人 ニ対 スル第 二回 予 審 訊問 調書 中 ニ其
ル ヲ以 テ、刑 法 施 行 法 第 十 九 条 第 一項 、第 二条 、 第 二十 条 ノ規 定 ニ
調 書中 ニ其 旨 ノ供 述 記 載 ア ル ニ依 リ テ詢 ニ明 白 ナ ル所 ト ス。
旨 ノ供 述 記 載 ア ル ニ依 リ テ之 ヲ認 定 スル ニ十 分 ナリ 。
合 罪 ナ ルヲ以 テ 、同 法 第 四 十 七条 、第 十 条 ノ規 定 ニ依 リ、 重 キ秘 密
法 律 ニ照 ス ニ被 告 利 彦 、正 道 、時 雄 及 ビ 勝 三 ガ 佐野 学 並 ニ近藤 栄 蔵
社 日本 共 産 党 ヲ組 織 シタ ル所 為 ハ、 現 行治 安維 持 法 第 一条 第 二項 前
結 社加 入罪 ノ刑 ニ法 定 限 内 ノ併 合 加 重 ヲ ナ シ タ ル刑 期範 囲 内 ニ於 テ、
ヲ選択 シテ其 所 為 ヲ処 断 スベ キ処 、 以 上 ハ刑 法 第 四十 五 条 前 段 ノ併
段 ニ該 当 シ、被 告 輝 明 、武 雄 、 啓 一、 茂樹 、清 、守 圀 、 源 和 、参〓 、
被 告 球 一ヲ禁錮 十 月 ニ処 ス ル ヲ相 当 ト ス。
依 リ、其 刑 ヲ現 行 刑 法 上 ノ刑 名 ニ変 更 シタ ル上 、同 条 所 定 ノ禁錮 刑
雅 雄 、政 之輔 、津 南 雄 、浄 、 民 之 助 、義 雄 及 ビ武 二 ガ、 何 レモ其 情
而 シ テ本 件 ニ於 ケ ル各 被 告 人 ノ未 決 勾 留 日数 ニ就 イ テ ハ、其 中 ヨリ
ト相 協 リ テ判 示第 一ノ如 ク私 有 財 産 制 度 撤 廃 ノ目的 ヲ以 テ 、秘 密 結
ヲ知 リ テ前 記秘 密 結 社 日本 共 産 党 ニ加 入 シタ ル所 為 ハ、 夫 々前法 同
被 告 利彦 、輝 明 、啓 一、 茂 樹 、時 雄 、 守 圀 、参〓 、雅 雄 、政 之 輔 及
大正十 四年 八月 二十 日
仍 テ主文 ノ如 ク判決 シタリ
裁判長 判
事 長谷川理衛
事 飯 塚 敏 夫
事 宇野要三郎
東京 地方裁判所第二刑事部
球 一ニ対 シ、 夫 々百 二十 日宛 、被 告 津 南 雄 ニ対 シ百 日、 被 告 浄 ニ対 シ八十 日 、被 告 義 雄 ニ対 シ七 十 日 ヲ各 本 刑 中 ニ算 入 スベ ク、 尚 ホ押
判
収 物 件 中 主 文 掲 記 ノ物 件 ハ、 判 示 第 一ノ犯罪 ノ用 ニ供 シ タ ル モノ ニ シテ 、犯 人 以外 ノ者 ノ所 有 ニ属 セザ ル ヲ以 テ、刑 法 第 十 九 条 ノ規 定
判 大正十四年 九月十七 日
原本 ニ依 リ此 ノ謄本 ヲ作 ルモノナリ 東京地方裁判所
大正十四年 八月 二十 日宣告
裁判所書記 大 坂 一雄
ニ依 リ テ之 ヲ没 収 シ、 訴訟 費 用 ハ刑 事 訴 訟 法 第 二百 三 十 七 条第 一項 、 第 二百 三十 八 条 ノ規 定 ニ依 リ、被 告 市 川 正 一、 田代 常 二及 ビ 山 川均
ス。 尚 ホ本 件 被 告 中 山 川均 が判 示 第 一ノ秘 密 結 社 日本 共産 党 ノ組 織
ヲ除 ク外 、全 部 ノ被 告 人 ヲ シ テ其 全 額 ヲ連 帯 負 担 セ シ ム ル ヲ相 当 ト
ニ参 劃 シ、 被 告 正 一及 ビ常 二 ガ情 ヲ知 リ テ之 ニ加 入 シ タリ ト ノ公 訴 事 実 ニ就 キ テ ハ、其 事 実 ヲ認 定 ス可 キ確 証 ナ キ ヲ以 テ、刑 事 訴 訟 法
ス可 キ モ ノト ス。
第 三百 六 十 二条 ノ規 定 ニ基 キ同 人 等 ノ為 メ ニ何 レ モ無罪 ノ宣 告 ヲナ
二 六 三 田 村 四 郎 予 審 訊 問 調 書
訊 問 調 書 被 告 人 三田 村 四郎 右 治安 維 持 法 違 反被 告 事 件 ニ付 、 昭 和 四年 六 月十 九 日東 京 地 方裁 判
三問 日 本 共産 党 ハ我 立 憲 君 主制 ヲ廃 止 シ無 産 階 級 ノ独裁 ニ依 ル共
其 他 ハ大 体 御読 聞 ケ通 リ ノ事 実 ニ相 違 アリ マ セヌ。
カ。
産 主 義 社 会 ノ実 現 ヲ目 的 ト ス ル モノ ナ ル コト ヲ承 知 ノ上デ 入 党 シタ
答 私 ハ日本 共 産 党 ハ我 立 憲 君主 制 ヲ廃 止 シ且 ツ私 有 財産 制 度 ヲ
ル コト ヲ承知 ノ上 デ 入 党 シ マシ タ。
廃 シ無 産 階 級 ノ独 裁 ニ依 ル共 産 主義 社 会 ノ実 現 ヲ目 的 ト ス ル結 社 ナ
答 只今 申 シタ様 ナ目 的 ヲ有 ス ル政 党 デ ア リ マ スカラ 届 出 ル コト
四問 日 本 共産 党 ガ秘 密 結 社 ナ ル コト ヲ承 知 ノ上 デ 入 党 シ タカ。
モ出来 ズ 、 又今 日 ノ法 規 上其 ノ 存在 ヲ許 サ レ ヌ政 党 即 チ秘 密 結 社 デ
所 ニ於 テ、 予 審 判事 秋 山 高 彦 ハ裁 判 所 書 記新 井 穣 立 会 ノ上 右被 告 人 ニ対 シ訊 問 ス ル コト 左 ノ如 シ。
ア ル コト ヲ 承知 ノ上 デ 入 党 シ マシタ 。
三田村 四郎 三十 四歳
答 氏 名 ハ
著述業
答 夫 レ ハ大 正 十 五 年 十 月 下旬 中 デ ア ツ タ ト思 ヒ マ ス。
五 問 被 告 ガ 日本 共 産 党 ニ加 入 シタ時 期 ハ。
一問 氏 名 、年 齢 、職 業 、 住 居 、 本籍 及出 生 地 ハ如 何 。
年 齢 ハ
東 京 府 荏 原 郡 目 黒 町中 目 黒 八 百 七 十番 地 小林 俊 方
労 働組 合 ノ運 動 ニ付 知 合 ト ナ ツ タノデ スガ、 別 ニ懇 親 ト 云 フ程 ノ間
職 業 ハ 住 居 ハ
石 川 県 金 沢 市 尻 垂 坂 通 三丁 目 三番 地
答 渡 辺 政 之 輔 ト ハ大 正 九年 頃 カ ラ ノ知 合 デ ア リ マス。
本籍 ハ
柄 デ ハアリ マ セ ヌデ シ タ。
六 問 渡 辺 政 之 輔 ト ハ予 テカ ラ ノ知 合 デ ア ツ タ カ。
出 生 地 ハ 本 籍 ト 同 所 二問 被 告 人 ニ対 シ、 斯 様 ナ ル事 実 ニ付 治 安 維 持 法 違 反罪 ト シテ予
ヒ マシタ。
答 只 今 申 シ タ頃 私 ハ東 京 市 上 野 広 小 路 デ 渡 辺 政 之輔 ニ偶 然 出 会
七 問 渡 辺 政 之 輔 ニ推 薦 サ レタ模 様 ハ。
︹此 時 予審 判 事 ハ昭 和 三年 四 月九 日附 被 告 人 外 四名 ニ対 ス ル予 審
審請 求 ガ ア ツタ ガ、 之 ニ対 シ何 カ 陳述 スル コト ガ ア ル カ。
シ テ渡 辺 カ ラ共 産 党 活 動 ノ必要 ニ付 テ ノ意 見 ヲ求 メ ラ レ マシタ。 私
其 際 渡 辺 カ ラ既 ニ共産 党 ガ存 在 スル旨 ノ話 ガ ア ツ タト思 ヒ マ ス。 ソ
ハ左様 ナ政 党 ノ存 在 及 左様 ナ政 党 ノ活 動 ガ 必 要 ナ ル旨 ヲ答 ヘ マシ タ。
答 私 ガ福 本 和 夫 、 渡 辺 政 之輔 等 ト共 謀 シ 日本 共産 党 ヲ組 織 セ ン コト ヲ企 図 シタ ト 云 フ様 ナ事実 ハア リ マセ ヌ。 私 ハ既 ニ成 立 シテ居
夫 レガ渡 辺 ノ推 薦 又 ハ私 ノ入党 ト 云 フ コト ニ ナ ツテ居 ルノデ 、 私 ニ
請 求書 記載 ノ起 訴 事 実 中被 告 人 関係 部 分 ヲ読 聞 ケ タリ︺
ル日本 共 産 党 ニ渡 辺 政 之 輔 ノ推 薦 ニ依 リ テ入 党 シ タ モノデ ア リ マ ス。
対 シ改 メテ 入党 ヲ許 スト 云 フ様 ナ形 式 上 ノ コト ハナ ク、 其 後 ハ党 員
第 二回 訊問 調 書
人 三 田村 四郎
右 治安 維 持 法 違 反 被 告 事 件 ニ付 、昭 和 四年 十 月 十 二 日豊 多 摩 刑 務 所
告
ニ於 テ、 予審 判 事 両 角 誠 英 ハ裁 判所 書 記 橋 本 源 次 郎 立会 ノ 上前 回 ニ
被
リ マス。
引続 キ右 被 告 人 ニ対 シ訊 問 ス ル コト 左 ノ如 シ。
ト シテ ノ扱 ヒヲ受 ケ、 私 モ亦 党員 ト心 得 テ種 々 ノ仕事 ヲ シタ ノデ ア
フ様 ナ コト ニ関 シテ話 ハナ カ ツ タカ。
士 デ 、 昨年 カ ラ本 年 ニカ ケ小 石 川 区 上 富坂 町 二十 三 番 地 ニ住 ンデ 居
二問 近 藤忠 雄 ハ東 京 帝 国 大 学 医学 部 眼科 教 室 ニ勤 務 シ テ居 タ 医学
答 存 ジ マセ ヌ。
一問 被 告 人 ハ近藤 忠 雄 ト 云 フ者 ヲ知 ツテ居 ル カ。
八 問 其 際 渡 辺 カ ラ日 本 共産 党 ノ主 義 綱 領 、 党 員 タ ル者 ノ 心得 ト 云
答 其 際 特 ニ左様 ナ点 ニ付 テ聞 カ サ レタ ノデ ハア リ マセ ヌガ話 中
ケ レド モ夫 レ以 上 ノ コト ハ記 憶 シ テ居 リ マセ ヌ。
ニ夫 レ等 ノ点 ニ関 ス ル コト モア ツ タト思 ヒ マス。
九 問 被 告 ハ大 正 十 五年 六 月 中 旬 頃 浜 松 ノ 日本 楽 器 株 式 会 社 ノ争 議
タ人 物 デ ア ルガ 如何 。
デ ス。
答 其 三 名 ト ハ何 レ モ友 人 デ ス。 殊 ニ日本 共産 党 員 ト シ テ ノ同 志
三問 被 告 人 ハ井 之 口政 雄 、 市 川 正 一及 鍋 山貞 親 等 ト知 リ合 カ。
答 左 様 ニ云 ハレテ モ近 藤 忠 雄 ト 云 フ人物 ハ判 リ マセ ヌ。
応 援 ニ行 ツ タ カ。 答 行 キ マシ タ。 一〇問 其 際 松 尾 直 義 カ ラ日本 共 産 党 ニ入 党 ノ勧 誘 ヲ受 ケ タ ノデ ハナ
答 左 様 ナ コト ハアリ マセ ヌ。
イ カ。
九 年 頃 共 ニ社 会 運動 ニ関 係 シタ事 カ ラ面 識 ヲ得 マシタ。 然 シ本 当 ニ
答 先 ヅ 井 之 口政 雄 氏 ト ノ関 係 ヲ述 ベ マス ガ、 同 人 ト ハ大 正 八 、
四問 其 三名 ト ハ何 時 カ ラ知 合 ニナ ツ タ カ。
井 之 口氏 ト相 知 ツ テ交 友 ス ル ニ至 ツ タ ノ ハ余 程後 ノ 事 デ ス。 即 チ
︹此時 判 事 ハ被 告 人 松 尾直 義 第 三回 予 審 訊問 調 書 中 、 第 二 九 問 ニ
一 一問 処 ガ松 尾 ハ其 点 ニ付斯 様 ニ申 立 テ居 ルガ如 何 。
対 ス ル申 立 記 載 部 分 ヲ読 聞 ケ タ リ︺
動 ヲ為 ス ニ至 ツ テカ ラ、同 人 ト密 接 ナ交 友 ヲ為 シ来 タ ツタ モノデ ア
答 ケ レド モ左 様 ナ事 実 ハアリ マ セヌ。
人 三 田村 四郎
三 ・ 一五事 件 後 私 ハ井 之 口氏 ト共 ニ日 本 共産 党員 ト シテ互 ニ地 下 運 告
リ マス。
政 治 研究 会 員 タ リ シ関 係 上 面識 ヲ得 マシ タ。 然 シ本 当 ニ相 知 ツ テ交
次 ニ市 川正 一氏 ト ノ関 係 ヲ述 ベ マ スガ、 同 人 ト ハ大 正十 三年 中 共 ニ
友 ス ル ニ至 ツタ ノ ハ昭 和 二年 二月 頃 カ ラ同 人 ト 共 ニ日本 共 産 党 関 係
東 京 地方 裁 判 所
被
右 読 聞 ケ タ ル処 無 相 違 旨 申 立署 名拇 印 シ タ リ。
同 日於同 庁 作 之
予 審 判 事 秋 山 高 彦
裁 判 所 書 記 新 井 穣
デ 互 ニ連 絡 ヲ ト ツ テ活 動 ス ル ニ至 ツテ カ ラ ノ事 デ ス。
何。
ニ依 レバ被 告 人 ガ 近藤 方 ニ宿 泊 シタ事 実 ハ相 違 ナイ 如 ク見 エ ルガ如
一〇問 然 シ井 之 口政 雄 ヤ近藤 忠 雄 ハ斯 様 ニ申 立 テ居 リ 、 之等 ノ供述
︹此 時 予 審 判事 ハ井 之 口政 雄 ニ対 スル第 十 一回 訊問 調 書 中 第 八 、九
ニ社 会 運 動 ニ関 係 シ タ事 カ ラ面識 ヲ得 マシ タ。 其 後 大 正 十 一年 頃 私 ハ鍋 山 氏 ト共 ニ日 本 労 働 総同 盟 ニ属 シテ活 動 シ タ関 係 ヨリ同 人 ト ノ
問答 部 分 、 及 近藤 忠 雄 ニ対 スル第 三 回 訊問 調 書 中 第 七問 答 部 分 ヲ
次 ニ鍋 山 貞 親 氏 ト ノ関 係 ヲ述 ベ マス ガ、 同 人 ト ハ大 正 八 、九年 頃 共
交 友 ガ深 ク ナリ マシ タ。 尚 昭和 二年 末 頃 カ ラ ハ互 ニ日本 共産 党 関 係
読 聞 ケ タ リ︺
フ人 ノ家 ニ泊 ツ タ事 ガ ア ツ タ カ モ知 レ マセ ヌガ、 然 シ只 今 其 様 ナ記
デ 連 絡 ヲ ト リ テ活 動 シ来 タ ツタ モノデ ア リ マス。
憶 ハ無 イ ノデ ア リ マ ス。 実 ハ私 ハ健 忘 症 ト モ云 フ程 物 事 ヲ忘 レ勝 チ
答 其 両 名 ガ 左様 ニ供 述 シ テ居 ルト ス レバ私 ガ 近藤 忠 雄 ト ヤ ラ云
答 私 ハ普 通勝 本 ト 云 フ変 名 ヲ使 ツ テ居 マシタ。 其 他 時 ト所 ト ニ
デ スカ ラ其 事 モ忘 レタ ノ カ モ知 レ マセ ヌ。
五 問 被 告 人 ハ変 名 ヲ用 ヒテ居 ナ カ ツ タ カ。
マセ ヌ。
依 リ種 々ノ変 名 ヲ用 ヒタ事 モア リ マスガ 、 夫等 ハ 一々記 憶 シ テ居 リ
ノ 近藤 忠 雄 ニ電 話 ヲ掛 ケ市 川 正 一ヲ山 口名 義 デ 紹 介 シ、 山 口ガ 訪 ネ
一一 問 被 告 人 ハ昨年 十 一月 中 旬頃 石 川 名 義 デ 帝 大 医 学 部 眼 科教 室 内
答 石 川 ト 云 フ変 名 ヲ使 ツ タ事 ガ ア ツタ カ モ知 レ マセ ヌガ 只今 記
六問 被 告 人 ハ石 川 ト 云 フ変 名 ヲ モ使 ツタ事 ガ ア リ ハセ ヌカ。
憶 シテ居 リ マセ ヌ。
ハセ ヌカ。
テ行 ツ タ ラ同 人 ノ 云 フ事 ヲ肯 イ テ遣 ツテ呉 レト依 頼 シ タ事 実 ガ アリ
居 リ マセ ヌ。
同 日於 前 同 所
第 三 回 訊問 調 書
被
告
告
人 三 田村 四郎
人 三 田 村 四郎
予 審 判 事 両 角 誠 英
裁 判 所 書 記 橋 本 源 次 郎
東 京 地 方 裁 判所
右 読 聞 ケ タ ル処 無 相 違 旨 申 立 署 名拇 印 シ タリ 。
被
答 左 様 ナ事 実 ガ ア ツタ カ モ知 レ マセ ヌガ然 シ只 今 記憶 ニ存 シテ
七 問 市 川 正 一ヤ鍋 山 貞 親 モ変 名 ヲ用 ヒタ事 ガ ア ル カ。 答 市 川 氏 ハ普 通細 井 ト 云 フ変 名 ヲ使 ツ テ居 マシ タ。 又鍋 山氏 ハ 普 通 川 崎 ト 云 フ変 名 ヲ使 ツテ居 リ マ シタ。 尚 両 名 共 時 ト所 ト ニ応 ジ種 々 ノ変 名 ヲ用 ヒ タ事 モア リ マセウ ガ、 其 点 ハ私 ニ ハ ヨク判 リ マセ ヌ。 八 問 市 川 ハ古 谷 又 ハ山 口 ナ ル変 名 ヲ、 又 鍋 山 ハ村 山 ナ ル変 名 ヲ使 ツ タ事 ガ アリ ハセ ヌカ。 答 夫 レ ハ怎 ウデ ア ツ タ カ判 リ マセ ヌ。 九 問 被 告 人 ハ昨 年 十 一月 上 旬 頃 井 之 口政 雄 ノ紹 介 ニ依 リ、 右 ノ 近 藤 忠 雄 方 ニ宿 泊 シ タ事 ガ ア ツタ サ ウデ ハナ イ カ。 答 左 様 ナ記 憶 ハアリ マセ ヌ。
引続 キ右 被 告 人 ニ対 シ訊 問 ス ル コト 左 ノ如 シ。
ニ於 テ、 予審 判 事 両 角 誠 英 ハ裁 判 所 書 記橋 本 源 次 郎 立 会 ノ上 前 回 ニ
右 治 安維 持 法 違 反 被 告 事 件 ニ付 、 昭和 四年 十 一月 二 日豊 多 摩 刑 務所
其 晩 同 人方 ヘ参 リ泊 メ テ貰 ツ タ ノデ アリ マス。其 当 時 時 国 氏 ハ府 下
送 リ其 処 デ 同 人 ト別 レテ引 返 シ マシ タ。 夫 レカ ラ私 ハ時 国 氏 ト共 ニ
遣 ツテ参 ツタ ノデ 、 私 ト時 国氏 ト ハ八 王 子駅 マデ 市 川 氏 ヲ汽 車 デ 見
答 其 旅 行 先 ハ知 リ マセ ヌ。
七問 市 川 ハ其 際 何 処 ヘ旅 行 シ タ ノ カ。
早 ク辞 去 シタ ノデ ア リ マ ス。
世 田 ケ谷 町上 町 ニ住 ンデ 居 リ マシ タ。 私 ハ其 際 一泊 シタ ノ ミデ 翌 朝
答 知 ツテ居 マ ス。
一問 被 告 人 ハ時 国 理 一ナ ル者 ヲ知 ツ テ居 ルカ。
答 昭和 二年 春 頃 夫 レ ハ時 国 理 一ガ 或 外字 新 聞社 ニ勤 務 シ テ居 タ
二問 何 時 如 何 ナ ル事 情 デ 知 ツ タ ノカ 。
午 後 六時 頃 市 川 正 一君 ガ日 本 橋 ノ三 越 呉 服 店 向 側 デ 御主 人 ニ会 ヒ度
タト コ ロ、恰 度 来 客 ガ ア リ マシ タ ノデ 時 国 氏 ノ 奥 様 ニ会 ヒ、今 夜 ノ
答 私 ハ昨 年 十 月 中 午 後 三時 頃 世 田 ケ谷 町 上 町 ノ時 国方 ヲ訪 問 シ
八 問 次 ニ昨 年 十 月 中 時 国 ト接 触 シ タ場 合 ノ顛末 ハ。
ソ シ テ私 ハ市 川 氏 ト共 ニ時 国 方 ニ上 リ約 一時 間 位 話 ヲ シテ帰 リ マシ
シ タ ノデ アリ マス。 時 国 ノ宅 ハ其 当 時 日 本橋 区茅 場 町 ニア リ マシ タ。
当 時 ノ事 デ スガ、 私 ハ友 人 ノ市 川 正 一氏 ニ連 レラ レテ時 国 方 ヲ訪 問
タ。 左様 ナ関 係 デ 其 時 始 メ テ時 国 氏 ト 面 識 ヲ得 タ ノデ ア リ マ ス。
イ ト 云 フ テ居 ルカ ラ其 時 間 ニ御 主 人 ニ来 テ呉 レ ル様 ニ伝 ヘテ下 サ イ
夫 レカ ラ其晩 ノ 午後 六 時頃 三越 呉 服 店 向 側 ヘ行 ツ テ見 タト ロ コ、時
テ居 ル様 デ シタ。
ト 云 ヒ置 イ テ戻 ツタ ノデ ア リ マ ス。 何 デ モ其 際 奥 様 ハ私 ノ顔 ヲ忘 レ
三問 被 告 人及 市 川 ハ何 用 デ 其 時 時 国 方 ヲ訪問 シタ ノ カ。 答 私 ハ別 段 用 事 ガ ア ツ テ参 ツ タ ノデ ハナ ク 只市 川 氏 ニ連 レ ラ レ
国 氏 ガ 遣 ツ テ来 テ居 タ ノデ 同 人 ト会 見 シ マ シタ。 其 際 同 人 ハ今 夜 渋
テ同 伴 シ タ ニ過 ギ マ セ ヌ。
四問 其 際 市 川 ハ小使 銭 ヲ借 受 ケ ル為 メ ニ時 国 方 ヲ訪 問 シタ模 様 デ
市 川氏 ハ何 ノ用 件 デ 参 ツ タ ノ カ判 リ マセ ヌ。
デ ハ大 坂 上デ ノ会 見場 所 ガ 三越 呉 服 店 前 側 ニ変 更 サ レ タ モノト 心 得
谷 町 大 坂 上デ 市 川 君 ト 会 フ約 束 ニ シテ置 イ タ ノダ ガト 云 ヒ、 其 口吻
答 其 点 ハ判 然 致 シ マ セヌ。
ハナ カ ツタ カ。
テ居 タ様 ニ見 エ マシ タ。 ソ シ テ時 国 氏 ノ言 ニ依 リ市 川 氏 ガ旅行 先 カ
ラ帰 京 シ テ居 ル事 ガ 判 ツタ ノデ 、 私 ハ時 国 氏 ニ市 川 君 ト 会 ハセ ル様
ニシ テ呉 レト 云 ヒ、直 チ ニ時 国 氏 ノ案 内 デ 大 坂 上 ニ行 キ待 合中 ノ市
答 二 回 アリ マス。
五問 其 後 ニ モ被 告 人 ハ時 国 ト接 触 シ タ事 ガ ア ルカ。
一回 ハ昨年 四 月中 ノ事 デ 他 ノ 一回 ハ昨 年 十 月 中 ノ事 デ ス。
川 氏 ト 会 ツ テ話 ヲ シ タ ノデ アリ マス。 時 国 氏 ハ間 モナ ク別 レ テ帰 宅
タ事 故 或 料 理 屋 ニ上 ツ テ飲 食 ヲ シタ様 ナ訳 デ シ タ。
シ、 私 ト 市 川氏 ト ハ其 附 近 ヲ歩 キ乍 ラ話 ヲ シタ リ又 久 シ振 リデ 会 ツ
六 問 ス ルト昨 年 四月 中 時 国 ト接 触 シ タ時 ノ顛 末 ハ。 答 昨 年 四月 中 市 川 氏 ガ旅 行 スル事 ニナ リ私 ハ同 人 ト共 ニ夕 方 国 分 寺 駅 ヘ見 送 リ ノ為 メ参 ツタ ノデ ア リ マス。 スルト 時 国氏 モ同 所 ヘ
答 全然 ア リ マ セ ヌ。
一 六問 時 国 理 一ハ申 立 テ 曰 ク、 被 告 人 ヲ三 越 呉服 店 附 近 カ ラ大 坂 上
夫 レ カラ 私共二 人 ハ其 晩 ノ午 後 十 二時 過 頃時 国 氏 方 ヘ参 リ、 泊 メ テ 貰 ツ テ翌朝 辞 去 シタ ノデ ア リ マ ス。
宿 泊 ノ為 メ二 回来 宅 シタ事 ガ ア ルト 申 立 テ居 ルガ 如 何 。
ヘ連 レ行 キ市 川 ニ会 ハ セタ日 ト ハ別 ニ、更 ニ其後 被 告 人 ト市 川 ト ガ
答 左様 デ ス。 私 ハ其 時 背 広 服 ヲ着 テ居 リ マシタ。
九 問 被 告 人 ハ其 際 背 広 服 ヲ着 テ居 ナ カ ツタ カ。
答 私 ト シテ ハ左様 ナ事 ハア リ マセ ヌデ シ タ。
晩 時 国氏 方 ヘ参 ツテ泊 メ テ貰 ヒ、 翌 日 市 川 氏 ノ紹 介デ 府 下 目黒 町小
実 ハ私 ハ大 坂 上デ 時 国 氏 ト別 レタ後 前 述 ノ如 ク市 川 氏 ト 飲 食 シ、其
林 俊 方 ニ落 チ着 キ引続 キ同 家 ニ泊 ツ テ居 リ、 其 間 小 石 川 区 ノ高 山 方
答 其 当 時 私 ハ定 住 ノ場 所 ガ ナ カ ツ タ ノデ 其 晩時 国 氏 方 ヘ泊 メ テ
一〇 問 被 告 人 ハ始 メ午 後 三時 頃 何 用 ア ツ テ時 国 方 ヲ訪 問 シ タ ノ カ。
一一 問 被 告 人 ガ時 国 ノ妻 ニ自 己 ノ事 ヲ 云 ハズ ニ、市 川 ガ 三越 呉服 店
人 三 田 村 四郎
貰 フ積 リデ 同 家 ヲ訪 問 シタ ノデ シ タ。
告
ヘ 一泊 シ タ事 ガ ア ルノ ミデ 他 ニ ハ泊 ツ タ事 ガ ナ カ ツ タノデ ア リ マス。
東 京 地方 裁 判 所
裁 判 所 書 記 橋 本 源次 郎
告
人 三 田 村 四 郎
予 審 判 事 両 角 誠 英
被
ニ於 テ、 予 審 判 事中 里 竜 ハ裁 判 所 書 記 高 柳 英 夫 立 会 ノ上 前 回 ニ引続
右 治 安 維 持 法 違 反被 告 事 件 ニ付 、 昭和 四年 十 二月 六 日 豊 多 摩刑 務 所
第 四 回訊 問 調 書
同日於前同所
右 読 聞 ケ タ ル処無 相 違 旨 申 立 署 名拇 印 シ タ リ。
被
前 側 デ待 ツ テ居 ルカ ラ主 人 ニ来 テ呉 レル様 ニ云 々ト 云フ タ ノ ハ何 故
答 夫 レ ハ時 国 方 ニ来 客 ガ ア リ マ シタ ノデ 時 国氏 ヲ呼出 シテ泊 メ
カ。
テ貰 フ事 ヲ頼 ム 口実 ニ市 川 氏 ノ名 ヲ借 リ タ ニ過 ギ マセ ヌ。 一二問 大 坂 上デ 被 告 人 ト市 川 ト ガ会 談 シ タ傍 ラ ニ時 国 ガ其 話 ヲ聞 イ
答 時 国 氏 ハ私 共 ノ話 ヲバ聞 イ テ居 マセ ヌデ シ タ。 実 ハ時 国氏 ハ
テ居 ナ カ ツ タカ 。
一 三問 被 告 人 ハ右 ノ如 ク時 国 方 ニ泊 メ テ貰 ツ タ事 ニ付 物質 上 ノ謝 礼
大 坂 上 ヘ行 クト間 モナ ク 別 レテ帰 宅 シテ仕 舞 ツ タ ノデ シタ 。
ヲ シナ カ ツ タ カ。
キ右 被 告 人 ニ対 シ訊問 ス ル コト 左 ノ如 シ。
答 別 ニ左 様 ナ御 礼抔 ハシ マセ ヌデ シタ。 一 四問 被 告 人 ハ時 国 ト 接触 シタ際 自 己 ノ日 本 共 産 党 員 ニ シ テ官 憲 ノ
本 共 産 党 ノ機 関 紙赤 旗 ノ印 刷 ヲ シ テ居 タ事 ヲ知 ツ テ居 ル カ。
二問 被 告 ハ昭 和 三 年 七月 上 旬 以来 千 葉県 中 山 町 字 小 栗 原 ニ於 テ日
答 知 リ マセ ヌ。
一問 被 告 ハ三 浦事 清 家 敏住 ヲ知 ツ テ居 ルカ。
マセ ヌデ シタ。
答 私 ハ左 様 ナ事 ハ絶 対 ニ知 ラ セ マセ ヌデ シタ。 素 振 リ ニモ示 シ
捜 査 ヲ免 レツ ヽア ルト 云 フ情 ヲ告 ゲ ナ カ ツ タ カ。
一 五 問 被 告 人 ハ時 国 ニ党 文 書 ヲ渡 シタ事 ハナ イ カ。
中 山 ニ於 テ赤 旗 ノ印 刷 シ テ ル事 ヲ聞 キ マ シタ。
之輔 ノ使 ト為 ツ テ 一回 同 処 ヘ参 ツタ事 ガ ア リ マ スガ、 其 際渡 辺 カ ラ
答 知 ツ テ居 リ マス。 日時 ハ判 然 シ マセ ヌガ、 私 ガ 同年 夏 渡 辺 政
担 当 スベ キ モノ ト考 ヘ マスガ 、私 ハ当 時 党 ノ仕 事 ト カ ナ リ縁 遠 ク無
元 来 赤 旗 ノ事 ハ党 ニ於 ケ ル重要 ナ仕 事 デ 渡 辺 政 之 輔 ニ直 属 セ ル者 ノ
答 其 男 ハ勿論 、何 人 ニ モ其 ノ様 ナ依 頼 ヲ シ タ事 ハアリ マセ ヌ。
ナ イ ノデ ア リ マ ス。
産 者新 聞 ニ干 係 シ テ居 タ ノデ アリ マスカ ラ赤 旗 印 刷 ニ干 係 スル筈 ハ
マレ タト 云 フテ居 ルガ如 何 。
一一 問 三浦 事 清 家 敏 住 ハ右 市 村 座 前 ニ於 テ被 告 カ ラ赤 旗 ノ印 刷 ヲ頼
答 内 容 ハ知 リ マセ ヌガ封 書 ヲ持 参 シ中 山 ノ家 ニ居 タ者 ニ渡 シ タ
三問 其 時 ノ用 件 ハ。
四問 其 際 其家 ニ三浦 ト 云 フ者 ガ居 タ ノデ ハナイ カ。
シタ ソウデ ハナ イ カ。
貰 度 イ。 尚 同 居 ス ル家 ヘモ ウ 一人 ノ男 ガ行 ク カ ラ承 知 シ テ呉 レト申
留 場 附 近 デ 其 女 ニ会 ヒ、宮 原 カ ラ其 前 其 女 ニ紹 介 シ タ者 ト同 居 シテ
一 四問 同 年 六 月 下 旬頃 被 告 ハ清 水 事 小 松 千 鶴 ノ紹 介 ニ ヨリ茅 場 町停
答 居 タ カ什 ウ カ知 リ マセ ヌ。
一 三問 中 山 ノ家 ニ其 ノ 女 ガ居 タ ノデ ハナ イ カ。
答 知 リ マセ ヌ。
一 二問 被 告 ハ中 西秋 子事 大 原 佐 久 ヲ知 ツ テ居 ルカ 。
答 サ ウ 云 フ事 ハア リ マ セヌ。
ダ ケデ ア リ マシタ。
答 誰 ガ 居 タ カ知 リ マセ ヌ。 私 ハ其 処 ニ居 タ者 ニ封 書 ヲ渡 シテ直 グ帰 ツ テ終 ツ タ ノデ ア リ マシタ。 五問 被 告 ハ桜 井 事 宮 原 省久 ヲ知 ツ テ居 ル カ。 答 知 ツ テ居 リ マス。 六問 同 人 ト ハ昨 年 五 月 頃 ノ或 ル夜 市 村 座 前 ニ於 テ初 メ テ会 ツタ ノ
答 多 分 ソウダ ラ ウ ト思 ヒ マス。
デ ハナ イ カ。
答 所 謂 三 ・ 一五事 件 以 前 マル ク ス主 義 誌 上 ニ於 テ ハ野 村襄 二 ナ
七 問 被 告 ハ当 時 野 村襄 二ト 称 シ テ居 タ ノデ ハナ イ カ。
一 五 問 中 山 ノ家 ニ於 テ ハ赤 旗 十 一号 乃 至第 二十 二 号迄 印 刷 シ タ サ ウ
誰 カ ト間 違 ヘテ居 ル ノデ ハナイ カト 思 ヒ マス。
答 サ ウ 云 フ事 ハア リ マセ ヌ。
テ居 リ マシ タ。
ダ ガ 如 何。
ル ペ ンネ ー ム ヲ用 ヰ テ居 リ マシ タガ、 其 他 ニ於 テ ハ通常勝 本 ト 称 シ
ナ ル者 ニ会 ツ タ ノデ ハナ イ カ。
会 ヒ渡 辺 カ ラ依頼 サ レタ封 書 様 ノ物 ヲ渡 シ タ事 ガ アリ マス シ、 又自
答 私 ハ確 カ市 村 座 前 ト思 ヒ マ スガ 、 同 処デ 会 見 以来 宮 原 ニ数 回
一 六問 其中 十 九 号 迄 ノ原 稿 ハ被 告 ガ宮 原 ニ交附 シタ ノデ ハナ イ カ。
答 知 リ マセ ヌ。
八 問 被 告 ガ 右市 村 座 前 ニ於 テ宮 原 ト会 見 シ タ時 宮 原 ノ紹 介 デ 三浦
答 サ ウ 云 フ記 憶 ハアリ マセ ヌ。 九 問 其 際 被 告 ガ宮 原 ニ赤 旗 ノ原 稿 ヲ渡 シ タ サ ウデ ハナ イ カ。 答 サ ウ 云 フ事 ハア リ マセ ヌ。 一 〇問 被 告 ハ三浦 ニ赤 旗 ノ印刷 ヲ頼 ンダ 事 ハ無 イ カ。
分 ガ何カ 渡 サ レタ事 ガ ア リ マ シタガ 、 渡 シ タ物 ノ 内容 ハ判 リ マ セ ヌ。 ガ ア ルカ 。
三 問 被 告 ハ右期 間 中 京 子 ヲ レポ ー タ ート シ テ党 ノ仕 事 ヲサ セタ事
答 京 子 ガ其 仕 事 ノ内 容 ヲ知 ツ テ居 タ カ什 ウ カ判 リ マセ ヌガ同 人
又 貰 ツ タ物 ハ無 産 者 新 聞 ニ執 筆 スル ニツイ テ ノ材 料 デ ハ無 カ ツ タ カ
ヲ シ テ井 之 口政 雄 、木 下 半 二 ニ封 筒 入 リ ノ モ ノ ヲ持参 サ セタ事 ガ ア
ト思 ヒ マス。
リ マス。
ア リ マシ タ。
答 無 産 者 新 聞 ノ原 稿 ヲ書 ク ニ ツイ テ必 要 ナ材 料 ヲ受 取 ツ タ事 ガ
七 問 京 子 ヲ介 シ夫 等 ノ者 カ ラ受 取 ツタ モノ ハナ イ カ。
答 夫 モ日 時 ハ覚 ヱ テ居 リ マセ ヌガ 二、三 回デ ア リ マシ タ。
六問 木 下 半 二 ニ対 シ テ ハ。
答 日時 ハ忘 レ マシ タガ 一回位 ノ モノデ ア リ マ シタ。
五問 井 之 口 ニ ハ何 回 位渡 サ セ タカ。
ヲ持 タ セテ ヤ ツ タ ノデ ア リ マシ タ。
答 当 時 私 ノ携 ツ テ居 タ仕 事 ノ範 囲 ノ モノデ 、 無 産 者 新 聞 ノ原 稿
左 様 ナ訳 デ 私 ハ赤 旗 ノ原 稿 ト知 ツ テ宮 原 ニ渡 シタ コト ハア リ マセ ヌ。
人 三 田 村 四 郎
四問 夫 等 ノ者 ニ何 ヲ渡 シ タ ノ カ。
告
一 七問 被 告 ハ中 山 ノ家 ニ行 キ同 家 ニ居 ル者 ニ家 賃 ト シテ 三十 円 渡 シ
被
タ事 ハナ イ カ。 答 ア リ マセ ヌ。
同 日於 前 同 所
竜
人 三 田村 四郎
予 審 判 事 中 里
裁 判 所 書 記 高 柳 英 夫
東 京 地方 裁 判 所
右 読 聞 ケ タ ル処 無 相 違 旨 申 立 署名拇 印 シタ リ。
第 五 回 訊問 調 書 告
八 問 京 子 ハ其 ノ授 受 シタ モ ノガ何 ンデ ア ルカ知 ツ テ居 タ ノデ ハナ
被
ニ於 テ、 予 審 判 事 中 里竜 ハ裁 判 所 書 記 高 柳 英 夫 立 会 ノ上前 回 ニ引 続
右 治 安 維 持 法 違 反被 告 事 件ニ 付 、 昭和 四年 十 二月 七 日 豊多 摩 刑 務 所
答 ア リ マセ ヌ。
九 問 被 告 ハ京 子 ヲ介 シ宮 原 省 久 カ ラ赤 旗 ヲ受 取 ツ タ事 ハナ イ カ。
寄 越 シ タ ノデ 、 其 内容 ハ知 ル マイ ト思 ヒ マ ス。
答 私 カ ラ ヤ ル時 ハ封筒 ニ入 レ先 方 カ ラ ハ三 越 等 ノ包 紙 ニ入 レテ
イ カ。
一問 被 告 ハ森 田 京 子 ナ ル者 ヲ知 ツ テ居 ル カ。
キ右 被 告 人 ニ対 シ訊問 ス ル コト 左 ノ如 シ。
答 知 ツ テ居 リ マス。
一 〇問 被 告 ハ同 年 七月 中 旬 及 ビ八 月 上 旬 頃 ノ両 回 、 京 子 ヲ シテ 小松
私 ハ当 時渡 辺政 之輔 カ ラ赤 旗 ヲ貰 ツ テ居 タ ノデ ア リ マシ タ。
二問 被 告 ハ同 人 ト 昭和 三年 四月 末 頃 カ ラ同年 十 月 二 日頃 迄 本 郷 西
シ テ居 タ ノカ。
千 鶴 ト 云 フ宮 原 省 久 ト同 棲 シテ居 タ女 カ ラ赤 旗 ヲ受 取 ラ セタ事 ガ ア
片 町 、 麹 町 区飯 田 町 、神 田松 富 町 、 浅 草 区金 竜 山瓦 町等 ニ於 テ同 棲
答 左様 デ ス。
答 サ ウ 云 フ事 ハアリ マセ ヌ。
ルノデ ハナ イ カ。
同 日 於 前同 所
被
告
テ居 ル者 ガ ア リ マスガ 、 ソ レ ハ全 然 私 ノ知 ラ ナイ 事 デ ア リ マス。
横 浜 ノ裁 判所 デ 賭博 並傷 害 罪 デ 懲 役 刑 ニ処 セラ レ其 刑 ノ執 行 ヲ終 ツ
又 私 ハ行 政 処 分 ト シ テ岡山 警 察 署 其 他 ニ於 テ検 束 処 分 ヲ受 ケ タ事 ガ 度 々 アリ マス。
約 十年 以来 音 信 不 通 デ ア リ マ ス。 母 リウ ハ私 ガ 二十 四歳 ノ時 五 十 三
人 三 田村 四郎
歳 デ 死 亡致 シ マ シタ。 兄 二郎 当年 三 十 五歳 ハ現 ニ横 浜 市 扇 町 二丁 目
答 父富 三郎 七 十 歳 位 ハ尚 健 在 デ 本 籍 ニ居 住 シ テ居 リ マスガ私 ハ
二問 家 族 干 係 如 何 。
竜
予 審 判 事 中 里
致 シ マ セ ヌ。 兄 浅 野 吉 次 当年 三 十 五歳 ハ右 二郎 ト ハ腹 違 ヒデ 私 ト 母
五十 一番 地 ニ仲 仕 業 ヲ シ テ居 ル筈デ アリ マスガ私 ハ約 十 年 以 来 往 復
裁 判 所 書 記 高 柳 英 夫
東京地方裁判所
右 読 聞 ケ タ ル処 無相 違 旨 申 立 署 名 拇 印 シ タ リ。
第六回訊問調書 人 三田 村 四郎
ハ同 ジ デ ア リ マ スガ 、 幼 少 ノ頃 カ ラ浅 野 家 ノ養 子 ト ナ リ、 芝 浦 村 山
告
右 治 安 維 持 法 違 反 被 告 事 件 ニ付 、 昭和 四年 十 二月 二十 九 日 豊 多摩 刑
三十 二歳 位 、 同 六 郎当 年 三十 歳 位 ハ何 レ モ消 息 不 明 デ ア リ マス。弟
運 送 店 ノ事 務 員 ヲ勤 メ同 店 ニ居 住 シテ居 ル ト思 ヒ マス。 弟 五郎 当 年
被
ニ引 続 キ右 被 告 人 ニ対 シ訊 問 ス ル コト左 ノ如 シ。
七 郎 ハ十 二、三年 前 死 亡致 シ マシ タ。
務 所 ニ於 テ、 予 審 判 事 神 垣 秀 六 ハ裁 判 所 書 記 鹿 田清 次 立 会 ノ上前 回
一問 前 科 ハナ イ カ 。
松 区裁 判 所 ニ起 訴 セラ レ マシ タガ 、 同裁 判所 ニ於 テ無 罪 ノ判 決 ヲ言
三 、 私 ハ大 正 十 五年 八月 中 浜 松 楽 器争 議 ニ際 シ出 版 法 違 反 ト シ テ浜
役 三 月 ニ処 セラ レ、 其 刑 ノ執 行 ヲ終 リ マシ タ。
二 、 私 ハ大 正 十 一年 六月 頃 伊 丹 区 裁 判 所 ニ於 テ業 務 妨 害 罪 ニ ヨリ懲
二 百 円 ニ処 セ ラ レ マシタ ガ、 其 罰 金 ハ完 納致 シ マシタ。
一、 私 ハ大 正 九年 中 大阪 地方 裁 判 所 ニ於 テ新 聞紙 法 違 反 ト シテ罰 金
私 ハ森 田京 子当 年 二十 四歳 ト 昭 和 三年 四月 カ ラ同 年 十 月 二日 マデ 同
モ連 レテ行 ツ テ居 リ マシ タガ 現 在 什 ウ ナ ツ テ居 ルカ知 リ マセ ヌ。
ガ 、慈 雨 子 ハ同 人 ガ十 一歳 ノ頃 高 田 周 三 ニ引渡 シ、 一燈 子 ハ札 幌 ニ
津 見 一燈 子当 年 十 六歳 、 同 慈 雨 子 当 年 十 四歳 ヲ扶 養 シテ居 リ マシ タ
後 房 子 ハ検 挙 サ レ マシタ。 尚 私 ハ房 子 ト高 田 周 三 ト ノ間 ニ生 レタ九
四百 二 十 二 番 地 ニ居住 シテ居 リ マシ タ ガ、 同 年 四 月 私 ガ東 京 ニ来 タ
カ ラ同 人 ト 同棲 シ、 昭和 三年 一月 以 来 北 海 道 札 幌 市 南九 条 西 六丁 目
私 ニ ハ内縁 ノ妻 九津 見 房 子当 年 四十 歳 ガ ア リ マス。 私 ハ大 正九 年 頃
渡 サ レ マシタ ト コ ロ検 事 控 訴 ト ナ リ、静 岡 地方 裁 判 所 ニ繋 属 中 御大
三問 資 産 状 態 如 何 。
棲 シテ居 リ マシ タ。
答 私 ハ前 科 ガ アリ マス。 其 詳 細 ハ次 ノ通 リデ ア リ マ ス。
四、 尚 大 正 六 、七 年 頃 私 ガ 大 阪府 巡 査 拝 命 中 何 人 カ私 ノ名 ヲ 騙 ツ テ
葬 ノ為 メ恩 赦 ニナ リ マシ タ。
答 私 ハ無 資 産 デ ア リ マス。 四 問 学 歴 如 何 。
マシタ。 而 シ テ大 正 九 年 中 再 ビ 大 阪 ニ行 キ 、南 区水 崎 町 逸 見 直 造 方
ニ携 ハル様 ニナ リ、 従 ツ テ理 髪 器 具 商 ノ仕 事 ヲ抛 擲 シ遂 ニ廃 業 致 シ
ニ寄 寓 シ難 波 桜 川 町 附 近 ノ杉 山印 刷 所 ノ印 刷 職 工 ト ナ リ、 ソ レ ヲ振
出 ニ大 阪 市 内 ノ ア チ コチ ノ印 刷 屋 ヲ転 々 シテ歩 キ マシ タ。
答 私 ハ本 籍 地 金 沢 市 ニ於 テ材 木 町 尋常 小学 校 四年 ヲ卒 業 シ、 更
マシタ。 尚 私 ハ大 阪 ノ川 口商 業 夜学 校 三年 全 科 ヲ卒 業 シ、 又 東 京 市
ニ同市 小将 町 高 等 小 学 校 ニ入 学 シ二年 間 在 学 致 シ マシ タ ガ退 学 致 シ
答 私 ガ 最 初 ニ社 会 主義 団 体 ニ加 入 シタ ノ ハ大 正 八 年 当 時 私 ガ右
六問 社 会 運 動 上 ノ経 歴 如 何 。
神 田区 錦 町 所 在 正 則 英 語 学校 ノ夜学 ニ通学 シタ事 モア リ マシ タ。
等 凡 ユ ル職 業 ヲ漁 リ秀 ラ右 正 則 英 語 学校 ノ 夜学 ニ通 ヒ マ シタ。 其 際
来 マシ タ。 東京 ニ来 タ後 ハ新 聞 配 達 、 土 方 、保 険 勧 誘 員 、 帽 子 職 工
卒 業 ス ルト 同時 ニ日米礦 油 株 式 会 社 ヲ出 テ十 七歳 ノ時 初 メ テ東 京 ニ
リ、 夜 間 右 川 口商 業夜 学 校 ニ通 学 致 シ マシ タ。 私 ハ同商 業 夜 学 校 ヲ
マシ タガ 、 十 五歳 ノ時 同 市 西 区 道 頓 堀 日米礦 油株 式 会社 ノ給 仕 ト ナ
北 ノ新 地 某 写 真 店 ニ見 習 ト シテ雇 ハ レ、 一年 半 位 其 処 ニ勤 メテ居 リ
ハ レ二、三 月 勤 メ テ居 リ マシタ ガ、 十 四歳 ノ時 大 阪 ニ行 キ同 市 北 区
答 私 ハ右 小 将 町高 等 小学 校 退学 後 金 沢 市 某 茶 舗 ニ小 僧 ト シ テ雇
演 説 会 ヲ開 イ タ事 モア リ マシ タ。然 シ主 義 ノ宣 伝 ト申 シ マシ テ モ当
干 係 シタ事 デ ア リ マシ タ。 又 早稲 田 ノ千代 田倶 楽 部 デ 宣 伝 ノ為 メ ノ
ン会社 ノ スト ラ イ キ、 市 電 ノ スト ライ キ 、 印刷 工ノ スト ラ イ キ等 ニ
〓
テ居 リ マシタ 。 スト ラ イ キ ト カ演 説 会 ノ開 催 ト カ 宣伝 ノ為 メ ニボ ツ
ノ斯 様 ナ思 想 団 体 ノ内 デ ハソ レデ モ唯 一ノ行 動 派 団 体 的 傾 向 ヲ帯ビ
ア リ マシ テ、 例 ノ建 設 者同 盟 カ ラ分 離 シ タ 一派 デ アリ マシタ。 当 時
三名 ノ者 ガ中 心 人物 ト ナ ツテ外 十 数 名 デ 組 織 サ レ タ思 想 研究 団体 デ
組 織 シ テ居 タ暁 民 会 ニ這 入 ツタ ノ ガ皮 切 リデ ア リ マ ス。 暁 民 会 ハ右
加 賀 屋 商 店 ヲ経 営 シ テ居 タ頃 、高 津 正 道 、高 瀬 清 、 原 沢 武 之 助 等 ガ
ハ四年 問 東 京 ニ滞 在 シ テ居 リ マシ タガ 、 二十 一歳 ノ時 徴 兵 検 査 ノ為
時 ノ所 謂 社 会 主 義 ト 呼 バ レ テ居 タ モ ノガ ソ レデ ア ツタ。 初 メ暁 民 会
五問 略 歴 如 何 。
メ大阪 ニ行 キ大 正 六 年 二月 マデ 同 地 ニ於 テ新 聞 配 達 ヲ致 シ テ居 リ マ
モ亦会 自 身 ノ統 一サ レ タ主 義 ハナ カ ツタ ノデ ア リ マ ス。 例 ヘバ 其 中
心分 子 デ ア ツ タ高 津 正 道 ヤ高 瀬 清 等 ハ現 在 ノ所 謂 共 産 主 義 的 デ アリ 、
街 頭 ニ乗 出 シテ居 リ マシ タ。 其 顕著 ナ モノ ハ亀 戸 ノ東 洋 モ スリ
シタ ガ、 同 月 中 大 阪 府 巡 査 ヲ拝 命 シ、 二 ケ月 間 教 習 ヲ受 ケ タ後 玉 造 警 察 署 勤 務 ヲ命 ゼ ラ レ外 勤 ヲ勤 メ テ居 リ マ シタ ガ、 約 一年 半 ノ後 同
主 義 、 朝 鮮 台 湾 人 等 ノ民族 主 義 、 共 産 主 義 等 々雑 多 ナ 反 政 府的 革 命
警 察 署 ガ分 割 サ レテ別 ニ高 津 警 察 署 ガ新 設 サ レ マシ タ ノデ 私 ハ同 警
的 ト 云 ツ タ様 ナ 此 レゾ ト定 義 付 ケ ラ レナイ モノデ ア リ マシ タ。 私 ガ
ンナ モノデ ア ル カト 云 ヘバ 人道 主 義 的 社 会 主 義 、 大 杉 一派 ノ無 政 府
服 務 規 律 違 反 ニ問 ハレ懲 戒免 職 ト ナ リ マシ タ。 私 ハ免 職 ト ナ ル ヤ否
同 会 ニ這 入 ツ テ行 ツタ頃 ノ私 自 身 ノ思 想 モ亦 漫 然 ト シ タ反 政府 的 、
原 沢 武 之 助 等 ハ無 政 府 主義 的思 想 ヲ懐 イ テ居 リ マシ テ、 会 全 体 ガ ド
ヤ直 チ ニ東 京 ニ来 タリ 、神 田区 小 川 町 ニ理 髪 器 具 商 ヲ開業 シ加賀 屋
察 署 ヘ転 勤 シ、 内 勤 司 法 書記 ト シテ約 六 ケ月 勤 務 シ テ居 リ マシタ ガ、
商 店 ト称 シ約 一年 営 業 ヲ継 続 致 シ マシ タガ 、 私 ハ其 頃 カ ラ社 会 運 動
ノデ ア リ マスガ 、其 頃 日本 労 働 総 同 盟 ニ加 入 シ、其 後 大 正 十 一年 春
リ大 正 九 年春 ニ理髪 器 具 ノ商 売 ヲ止 メ テ大阪 ニ行 キ印 刷 工 ニナ ツ タ
革 命 的 ト 云 ツタ様 ナ社 会 主 義 デ アリ マシタ。 私 ハ前 ニ述 ベ マシ タ通
遣 サ レ、 昭和 二年 二月 マデ 神 戸 ニ滞 在 シ、 其 間 顕 著 ナ運 動 ト シ テ ハ
獄 直 前 改 選 ニナ リ ヤ メ マシ タ。
所 ニ収 監 セラ レ、 同 年 十 月 下 旬 無罪 デ 放免 サ レ、 同 組 合 長 ノ方 ハ出
同 年 八月 私 ハビ ラ撒 布 ノ事 デ 出 版 法 違 反 ト シテ起 訴 サ レ、 浜 松 刑 務
健 康保 険 法 ニ反 対 シ 二万 人 ノ労 働 者 ガ 所謂 一時 間 スト ライ キ ヲ起 ス
出 獄 後 日本 労 働 組 合 評 議 会 本 部 カ ラ神 戸 ノ オ ルガ ナ イ ザ ート シテ派
ニ至 ツ タ工場 代 表 者 会 議 運 動 ヲ起 シ、 神 戸 地 方 評 議 会 ノ組 織 ノ 拡 大
頃 太 田博 等 ト 共 ニ大 阪 印 刷 労 働 組 合 ヲ組 織 シ同 組 合 ヲ 日本 労 働 総 同
員 ニナリ マシタ。 此 ノ大 正 九 年 カ ラ大 正 十 一年 頃 マデ ノ間 ハ私 ハ主
ニ努 力 シ タノデ アリ マス。
盟 傘 下 ノ支 持 団体 タ ラ シメ、 同 時 ニ私 ハ大 阪印 刷 労 働 組 合 ノ執 行 委
ノ私 ノ思 想 ハ コン ミ ニズ ム ニ達 シテ居 リ マシ タカ ラ労 働 者 教 育 運 動
以 上 ハ私 ノ合 法 運動 ト シテ ノ闘 争 経 歴 ノ概 略 デ ア リ マ ス。
ト シ テ大 阪 ニ於 テ労 働 者 教 育 運 動 ニ従 事 シ テ居 リ マシタ。 既 ニ其 頃
七 問 被 告 ハ日本 共 産 党 ニ加 入 シテ居 ルカ。
八 問 被 告 ガ 日本 共 産 党 ニ加 入 シタ顛 末 如 何 。
答 私 ハ日 本 共産 党 ニ加 入 シ現 ニ其 党 員 ノ 一人 デ ア リ マス。
モ亦 コン ミ ニ スト ノ立 場 カ ラ ヤ ツテ居 ツ タ訳 デ アリ マス。 其 間 日本
鍋 山 貞 親
杉 浦 啓 一
労 働 総 同 盟 大阪 聯 合会 ノ委 員 ヤ関 西 同 盟 会 ノ委 員 等 ヲ歴 任 シ マ シタ
野 田 律 太
ガ、 大 正 十 四年 五 月
答 私 ハ大 正 十 五年 十月 中 旬 頃 東 京 市 上 野 公 園 ニ於 テ渡 辺 政 之 輔
ノ勧 誘 ニ応 ジ テ日本 共 産 党 ニ加 入 致 シ マシ タガ 、 其 際 ノ詳 細 ナ 事情
私
等 所 謂 革 新 同盟 一派 ハ日本 労 働 総 同 盟 ヲ除 名 サ レ、 同 月 二十 四 日神
ハ予 審 ニ於 ケ ル第 一回 訊問 ノ際 述 ベ タ通 リデ ア リ マ ス。
渡 辺 政 之輔
戸 ニ於 テ脱 退 派 ノ大会 ヲ開 イ テ 日本 労 働 組 合 評 議 会 ヲ創 立致 シ マシ
九 問 被 告 ハ日 本 共産 党 ニ加 入 シタ時 同 党 ノ性 質 ガ判 ツ テ居 タ カ。
答 例 ノ大 正 十 二年 ノ日本 共産 党 ノ検 挙 ノ事 ガ報 ゼ ラ レタ前 カ ラ
タ。 此 ノ私 達 一派 ノ脱 退 ノ表 面 ノ原 因 ハ渡 辺 政 之 輔 、 杉浦 啓 一、春 日庄 次 郎 、 河 田 賢 治 ノ 四 名 ガ除 名 サ レタ ト 云 フ人 事 問 題 ニカ ラ ンデ 、
タ ガ、 正 確 ニ日 本 共産 党 ノ 存在 ヲ知 ツタ ノ ハ其 検 挙 ノ事 ヲ聞 イ テ カ
タ ト 云 フ事 ヲ聞 キ マシ タ ノデ 朧 ゲ ナ ガ ラ其 存 在 ハ察 知 シ テ居 リ マシ
ラデ ア リ マ ス。 然 シ大 正 十 二年 検 挙 当 時 ノ 日本 共 産 党 ノ内 容 ヲ見 マ
私ハ 誰 カ ラ カ日 本 共 産 党 ノ宣 言 ガ ﹁イ ンプ レ コー ル﹂ ニ載 ツ テ居 ツ
争 ダ ツ タ ノデ ア リ マス。 此 ノ 日本 労 働 組 合 評 議 会 ノ創 立 大 会 ニ於 テ
スル ト殆 ンド イ ン テ リゲ ン チ ヤ許 リデ 組 織 サ レテ居 リ、 私 ハ ソ レ ニ
私 達 ガ革 新 同 盟 ヲ組 織 シ反 対運 動 ヲ為 シタ事 カ ラ内 部 撹 乱 者 ト シテ
私 ハ組 織 部 長 ニ選 任 サ レ、 翌 大 正十 五年 二月 政 治 部 長 ニ選 任 サ レ、
対 シ テ不 満 デ ア リ、 共 産 党 ト 云 フ モノ ハ真 ニ活 動 シ得 ル労 働 者 ヲ以
除 名 サ レタ ノデ ア リ マスガ 、実 質 的 ニ ハ共 産 主 義 ト 改 良 主義 ト ノ闘
ナ ツテ同 地 ニ赴 キ、 私 ノ就 任 ト同 時 ニ勃 発 シタ浜 松 楽 器 争 議 ノ 指 導
ツテ組 織 サ レネ バ ナ ラ ヌト 云 フ意 見 ヲ其 頃 カ ラ有 ツテ居 リ マ シタ。
同 年 四月 中 部 日本 一帯 ノ組織 ノ任務 ヲ帯 ビ テ浜 松 合 同 労 働 組 合長 ニ
ニ従事 シ、 争 議 団 ニ細 胞 組織 ヲ作 ツ テ可 ナ リ闘 争 ヲ続 ケ マシ タガ 、
入 党 ノ勧誘 ヲ受 ケ タ際 同 人 カ ラ聞 クト コ ロニ ヨルト、 日本 共 産 党 ハ
仕 舞 ツ タ ノデ アリ マスガ 、其 間 雇 主 ト傭 人 ト ノ生 活 ニ於 ケ ル雇 主 ノ
ニナリ 、 ソ レカ ラ二十 歳 位 マデ ノ間 ハ何 処 デ モ雇 主 ト衝 突 シ テ出 テ
答 私 ノ経 歴 ガ示 シ テ居 ル通 リ、 私 ハ十 二歳 ノ時 カ ラ茶 舗 ノ小 僧
何。
依然 ト シテ 存続 シテ居 リ、 一方 大 正 十 二年 ノ検 挙 以来 山川 均 ハ日和
其 後 同 党 ハ消 滅 シタ ノダ ラ ウト 考 ヘテ居 リ マシ タガ、 渡 辺 政 之 輔 ニ
見主 義 ト ナ リ 、 ソ レ ニ対 シテ大 正 十 三 年 ノ頃 カ ラ福 本 和 夫 ガ雑 誌 マ
カ 云 ツ タ様 ナ モ ノ ニ対 ス ル憎 悪 ノ感 ジ カ ラ漠 然 タ ル社 会 主 義的 思 想
無 理 ナ圧制 束 縛 ニ対 ス ル反抗 心 ガ積 ツテ、 上 層 階 級 ト カ権 力 階級 ト
ヲ有 ツ様 ニナ リ マシ タ。 ソ レカ ラ巡 査 ニナ ツ タ ノデ ア リ マスガ 、 左
ル ク ス主 義 誌 上 ニ於 テ山 川 均 ノ態 度 ヲ攻 撃 シ共産 党 第 一主 義 ヲ主 張
其事 ハ私 ガ公 然 ト労 働 組 合 デ モ主 張 シ テ居 リ マシタ ノデ 多 分 渡 辺 政
シ テ良 カ ラウ筈 ハナ ク結 局 懲戒 免職 ト 云 フ事 ニナ リ マシ タ。 此 ノ巡
様 ナ考 ヘヲ有 ツ テ巡 査 ヲ勤 メ テ居 タ ノデ ア リ マ スカ ラ、 上 官 等 ニ対
シ テ居 リ マシタ。 此 点 ニ於 テ私 ハ福 本 和 夫 ノ支 持者 デ アリ マシタ。
之輔 ガ 共産 党 第 一主 義 ニ共 鳴 シ テ居 私私 ノ態 度 ヲ知 ツ テ私 ニ入党 ヲ
査 ヲ シ テ居 ル頃 所 謂 押 ヘ付 ケ ラ レ ル不合 理 ニ対 ス ル疑 ヒ、 即 チ漠然
勧誘 シタ モノ ト思 ヒ マ ス。 勿 論 ソ ウ シ タ主 張 ノ上 ノ点 丈 ケデ ハナ ク、
タ様 ナ モ ノ ヲ ヨク読 ンデ 居 リ マシタ ガ、 巡 査 ヲ ヤ メ ル直 前 頃 ハ吉 野
社 会 主義 的 ナ思 想 傾 向 ハ自 然 当 時 流 行 デ ア ツ タデ モク ラ チ ツ ク ナ書
作 造 、 米 田 庄 太郎 、河 上 肇 等 ノ著 書 ヲ好 ンデ 読 ンデ 居 リ マシ タ。米
日本 共産 党 ノ党 員 タ リ得 ル ノ重 要 点 デ ア ル私 ノ闘争 経 歴 ヲ見 テ私 ヲ
ル事 ハ勿論 知 ツテ 入党 ヲ承 諾 シ タ ノデ ア リ マス。但 君主 制 ノ廃 止 ト
田 庄 太 郎 ハ ﹁サ ン ヂカ リ ズ ム﹂ ノ研 究 者 デ ア リ吉 野 作 造 ハ単 純 ナ民
捉 ヘテ勧 誘 シ入党 セ シメ タ モノ ト思 ヒ マス。
云 フ具 体的 ノ政 策 ヲ掲 ゲ タ ノ ハ コン ミ ンテ ル ン ノ決 定 ニ ヨ ツテ ヾ ア
主 々義 者 デ アリ 河 上肇 ハ マルク ス主 義 ノ研 究 者 デ ア リ マ スガ 、当 時
ア ル カ モ知 レ マセ ヌガ、 其 前 カ ラ モ経 済 論 叢 ト カ法 律 新 聞 ト カ 云 ツ
リ マシタ ガ 、福 本 和 夫 ハ私 ガ同 党 ニ入 党 シ タ以 前 カ ラ、絶 対 専 制 主
私 ハサ ウ シ タ識 別 モ充 分デ ナ ク、 夫 等 ノ諸 思 想 カ ラ強 ヒ テ 云 ヘバ 法
籍 ニ私 ヲ親 マセ マシタ。 私 ノ父 ガ代 言 人 ヲ シテ居 ツ タト 云 フ影響 モ
義 ノ揚棄 ト 云 ツタ様 ナ言 葉 デ 暗 ニ君 主制 ノ撤 廃 ヲ主 張 シテ居 ツタ様
的社会主義者 ( 官吏等 ニ往 々アル法制ノ改善 ヲ主張 スル社会主義者、 今 日ノ
私 ハ渡 辺政 之輔 ニ入党 ヲ勧 誘 サ レタ其 日 本 共産 党 ガ 日本 ノ立 憲 君 主
デ ア リ マスガ 、其 頃 ノ党 自 体 ト シ テ ハ此 ノ点 ニ ハ明 カ ニ ハ触 レテ居
制 ヲ廃 止 シ私 有 財 産 制 ヲ撤 廃 スル事 ヲ目 的 ト シ テ居 ル秘密 結 社 デ ア
ナ カ ツタ ノデ ア リ マス。 当 時 ノ 日本 共 産 党 ハ政 治的 自 由 獲 得 ト 云 フ
ニナ リ マシ タ。 元 来 ガ 法的 社 会 主 義 者 ト 云 フ モノ ハ経 済 事 情 ヲ余 リ
考 慮 シ ナイ ノデ アリ マスガ、 追 々 ソ レガ判 ツ テ来 ル ニ従 ツ テ法制 ノ
社会民主 々義者 ト ハ議会 ノ改善 ヲ偏重 スルカ否 カノ点デ区別サ レルト思 フ)
改 善 丈 ケデ ハ駄 目 デ ア ツ テ什 ウ シテ モ労 働 者 ノ団 結 ガ必 要 デ ア ル、
事 ヲ中 心 ニ シテ居 リ マ シタ ガ、 元 ヨリ政 治 的 自 由 ノ 獲得 ハ資 本 主 義
ハ斯 ル モノデ ア ルト信 ジ テ居 リ マシ タ。
居 リ マシ タカ ラ、 日本 共 産 党 ト シ テ其 点 ヲ明 カ ニ シ テ ナク ト モ吾 々
労 働 者 ノ力 ニ ヨツ テ ノ ミ改 善 ガ 出来 ルノ ダ ト 云 フ事 ニ気 ガ付 キ、 労
制度 及 君主 制 ノ撤 廃 ナ ク シテ ハ出 来 ナイ モ ノデ ア ル位 ノ事 ハ判 ツ テ
一 〇問 被 告 ガ 日本 共産 党 ニ入党 スル ニ至 ル マデ ノ思 想 発展 ノ経 過 如
働 者 ノ力 ヲ重 視 ス ル ニ及 ンデ 其 思 想 ガ追 々 サ ンヂ カ リズ ム ニ近付 ク
第七回訊問調書
告
人 三 田村 四郎
右 治安 維 持 法 違 反 被 告 事 件 ニ付 、 昭 和 五年 一月 四 日豊 多 摩 刑 務 所 ニ
被
ニ近 付 イ タ ノデ ア リ マス。 巡 査 ヲ ヤメ テ大 阪 カ ラ東 京 ニ出 テ来 タ頃
キ右 被 告 人 ニ対 シ訊 問 スル コト 左 ノ如 シ。
於 テ、 予審 判 事 神 垣 秀 六 ハ裁 判 所 書 記 鹿 田清 次立 会 ノ上 前 回 ニ引 続
傾 向 ヲ有 テ居 ル モ ノデ アリ マスガ、 私 モ其 例 ノ如 ク サ ンヂ カ リズ ム
私 モサ ン ヂカ リ スト デ アリ マシタ ガ、 大 正 九 年 再 ビ 大 阪 ニ行 キ労働
一問 被 告 ハ山 形 県 五色 温 泉 ニ於 テ開 カ レ タ日 本 共 産党 ノ大 会 ニ出
組 合 ニ入 リ 又 自 ラ工 場 ニ モ入 リ 、更 ニ其 頃 急 ニ出 ダ シ タ マル ク ス物 例 ヘバ高 畠 素 之 ノ資 本論 解 説 、資 本 論 第 一巻 、 其 他 堺 利彦 、 山 川 均 、
席 シタ カ。
戸 地方 オ ルガ ナ イザ ー ト シ テ活 動 シ テ居 リ マシ タガ 、其 間 姫 路 、 京
タ 通 リ、 日本 共 産 党 ニ入 党 後 其 大 会 マデ ハ日 本 労働 組 合 評 議 会 ノ神
答 私 ハ渡 辺 政 之 輔 カ ラ其 通 知 ヲ受 ケ マシ タ。 私 ハ前 ニ述 ベ マシ
二問 被 告 ハ何 人 カ ラ其 大 会 ニ出 席 スベ キ旨 ノ 通知 ヲ受 ケ タ カ。
答 私 ハ其 大 会 ニ出 席 致 シ マシタ。
河 上 肇 等 ノ断 片的 諸 論 文 、 ソ レト ロシ ア ノ事 情 ヲ紹 介 シ タ モ ノ、 山 川 均 ノ個 人雑 誌 社 会 主 義 研究 、 室 伏高 信 モ其 頃 同 ジ 様 ナ個 人 雑誌 ヲ 出 シ テ居 リ マシタ ガ、 ソウ シタ マルク ス主 義 ニ干 スル読 書 ノ影響 ト
ニ移 ツ テ行 キ マシタ。 元 来 ガ サ ンヂ カ リズ ム ハ労 働 者 ノ力 丈 ケデ 即
現 実 ニ労働 者 ニ接 シタ体 験 トデ 私 ノ サ ンヂ カ リズ ム モ マル ク ス主 義
チ ゼネ ラ ル スト ラ イ キ ニ ヨツ テ社 会 改 善 ガ出 来 ルト 云 フ考 ヘデ 、 政
ノ争 議 ガ勃 発 シ ソ ウ ナ形 勢 ガ アリ 、 姫 路 ニ ハ日本 毛 織 株 式 会 社 ノ争
都 、 四国 方 面 ヘ出 張 シ タ事 モ アリ マシタ。 其 頃 四国 ニ ハ塩 田労 働 者
ヤ姫 路 ニ行 ツ タ ノデ ア リ マス。 京都 ニ ハ何 カ 日本 労 働 組 合 評 議 会 ノ
議 ガ起 リ サ ウ ナ形 勢 ガ アリ マシ タ ノデ 、 夫 等 ノ情 勢調 査 ノ為 メ 四国
権 ヲ問 題 ニ シテ ナ イ ノデ ア リ マスガ、 之 ニ反 シ テ マル ク ス主 義 ハ政
チ大 正 十 、十 一年 頃 日本 労 働 者 ガ政 治 運 動 為為 スベ キカ否 カ ニ 就 テ
権 ノ獲 得 ナ シ ニ ハ労 働 者 ハ勝 利 シ得 ナイ ト説 ク ノデ ア リ マシ テ、 即
ノ問 題 ガ アリ マシタ ガ、 私 ハ元 ヨリ マル ク ス主 義 者 ノ立場 カ ラ政 治
同 年 十 二月 三 日上 野 駅 何 時 発 カノ汽 車 デ 山形 県板 谷 駅 マデ 来 テ呉 レ
行 キ マシ タ。 見 ルト ソ レ ハ渡 辺 政 之輔 カ ラ ノ レポ ートデ 、 ソ レ ニ ハ
男 ガ訪 ネ テ来 テ東 京 カ ラ ノ レポ ート ダ ト 云 ツテ 一通 ノ封 書 ヲ置 イ テ
運動 ヲ為 スベ シト主 張 シテ居 リ マシ タ。 サ ウ 云 フ主 張 ノ下 ニ私 ハ右
人 三 田村 四郎
モナ ク大 正 十 五 年 十 一月 下 旬突 然 神 戸 ノ私 方 ニ年 齢 二 十 一、二歳 ノ 告
事 務 上 ノ要 件 ガ ア ツ テ行 ツ タト 思 ヒ マス。 夫 等 ノ旅 行 カ ラ帰 ツ テ間
被
ニ述 ベ マシ タ様 ナ社 会 運 動 ヲ押 シ通 シ テ居 タ ノデ アリ マス。
同 日於 前 記場 所
右 読 聞 ケ タ ル処 相 違 無 キ旨 申 立 署 名 拇 印 シ タ リ。
勧 誘 シタ際 近 ク党 ノ第 五回 大 会 ガ ア ルト 云 フ事 ヲ話 シ、 又其 レポ ー
ト書 イ テ ア リ マシ タ。渡 辺 政 之 輔 ハ私 ニ日本 共産 党 ニ加 入 スル事 ヲ 裁 判 所 書記 鹿 田 清 次
ト ハ普 通 ノ呼 出 シ レポ ート デ ハナ ク私 信デ アリ マシタ カ ラ党 ノ大 会
東 京 地方 裁 判 所
予 審 判 事 神 垣 秀 六
ノ為 メ ニ呼 出 スノ ダ ト 云 フ事 ガ暗 示 サ レ テ居 リ マシタ。 三問 被 告 ガ其 大 会 ノ場 所 マデ 行 ツ タ順 路 ハ。 答 ソ レデ 私 ハ大 正 十 五年 十 二月 二日 ニ神 戸 駅 ヲ発 シ同 月 三 日 ノ 午後 東京 ニ着 シ指 定 サ レタ東 北 行 ノ汽 車 ニ上野 駅 カ ラ乗 込 ミ マシ タ。 翌 四日未 明私 ハ眠 ツ テ居 リ マシ タト コ ロ汽車 ノ中 デ 渡 辺 政 之輔 カ ラ
四 中 央 委 員 会委 員 等 ノ選 任
ノ順 序 デ 議事 ヲ進 メ、 右 一及 二 ハ福 本 和 夫 ガ、 三 ハ渡 辺 政 之 輔 ガ 担 当 シ タト 思 ヒ マス。
答 私 ハソ レ ハ佐野 文 夫デ ハナ ク福 本 和 夫 デ ア ツ タ ト思 ヒ マス。
六 問 其 規約 ヲ朗読 説 明 シタ ノ ハ佐 野 文 夫 デ ハナ カ ツ タ カ。
答 其 宣 言 ノ内容 ヲ要約 シテ申 シ マ スト、 最 初 ニ日 本 ノブ ルジ ヨ
モノデ ア ツ タ カ。
ア ジ ー側 ノ発 展 過 程 ガ述 ベ ラ レ、其 処デ ハ日本 ハブ ルジ ヨアデ モク
七 問 其 大 会 ニ於 テ福本 和 夫 ガ 朗読 説 明 シタ宣 言 ノ内 容 ハ如 何 ナ ル
国 領 五 一郎 、其 他 顔 知 リ ノ入 モ居 リ マシ テ、 同 勢 十 四、五 人 デ 雪 ノ
汽 車 デ 同 駅 ニ下 車 シタ者 ノ中 ニ ハ中 尾 勝 男 、 松 尾 直義 、藤 井哲 夫 、
中 ヲ 二時 間 モ徒 歩 デ 山 形県 五色 温 泉 ノ宗 川 旅 館 ニ着 キ マシ タ。 其 旅
シテ居 リ、 而 カ モ今 日 ブ ルジ ヨア ジ ー ハ ソ レト結 合 シ テ労 働 者 農 民
ラ シー革 命 ガ 不 徹底 ニ終 ツ テ居 ツテ 従 ツテ前 資 本 主 義 的 勢 力 ガ残 存
起 サ レテ 目 ヲ覚 マシ、 午 前 何 時 カ ニ板 谷 駅 ニ下車 致 シ マシタ。 同 ジ
館 ガ其 大 会 ノ場 所 デ アリ マ シタ。
佐 野 文 夫
中 尾 勝 男
ガ当 面 ノプ ロ レタリ ア ート ノ 重要 目 標 デ ア ル。 第 三 ニ日 本 共 産 党 ハ
農 民 ト共 同 シ テブ ル ジ ヨアデ モ ク ラ シー ヲ闘 ヒ取 ラ ネ バ ナ ラ ヌ。 之
ヲ支 配 シテ居 ル。第 二 ニ叙 上 ノ理 由 カ ラ 日本 ノ プ ロ レタ リ ア ー トガ
四 問 其 大 会 ニ ハ何 人 ガ出 席 シタ カ。
福 本 和 夫
答 其 大 会 ニ出 席 シタ者 ノ中 私 ガ記 憶 シ テ居 ル人 ハ私 ノ外 渡 辺 政 之 輔 菊 田善 五 郎
ノ党 デ ア ツ タ。 然 シ最 近 展 開 サ レ タ理論 闘 争 ニ ヨ ツテ所 謂 全 無 産 階
大 正 十 一、二年 頃 既 ニ組 織 サ レ テ居 ルガ 、其 党 ハ今 日 マデ 折 衷 主 義
藤 井 哲 夫
等 デ ア リ マスガ 其 外知 ラナ イ 人 モ居 リ、 総 勢 十 七 名 位 デ ア リ マシタ。
国 領 五 一郎
五 問 其 大 会 ノ顛 末 如 何 。
ガ獲 得 シ得 ル条 件 ヲ備 ヘタ。 其 処 デ 日 本 共 産 党 ガ政 治 的 自 由 獲 得 ノ
級 的 意 識 ニ成 長 シ タ。 其 処 デ 第 二 ニ述 ベ タプ ロレタ リ アー ト ノ目 的
八問 其 大 会 ニ於 テ福 本 和 夫 ガ 朗 読 説 明 シ タ規 約 ノ内 容 ハ如 何 ナ ル
大 旗 ヲ掲 ゲ テ闘 争 ニ乗 リ出 スト 云 フ意 味 ノ モノデ アリ マシタ。
答 私 共 ハ宗 川 旅 館 ニ到着 シ先ヅ 朝 食 ヲ了 ヘ、 其 後 昼 食 直前 カ ラ
開 キ マシ タ。
デ ア ツ タ カ昼 食 後 カ ラデ ア ツタ カ兎ニ 角 同 旅 館 ノ 二階 ニ於 テ会 議 ヲ
其 会 議 ノ順 序 ハ佐 野 文 夫 ガ議 長 ト ナ リ開 会 ヲ宣 シ、 従 来 ノ党 ノ 活動
中央 委 員 会其 他 ノ機 関 ノ構 成 権 限 等 ニ干 シ テ ノ規 定 、細 胞及 党員 採
デ ア ル事 、 党 ノ組 織 原 則 ト シ テ民 主 的 集中 主 義 デ ア ル事 、更 ニ大 会
答 其 規 約 ノ要 旨 ハ日 本 共 産 党 ガ 第 三 イ ン タ ーナ シ ヨナ ルノ 支部
モノデ ア ツタ カ。
二 規 約 ノ朗 読 説 明
一 宣 言 ノ朗 読 説 明
ト 云 ツタ様 ナ コト ヲ 二、三 簡 単 ニ述 ベ 、 ソ レカ ラ議 事 ニ移 リ
三 政 治 運 動 及 組 合 運 動 ニ就 テ ノ運動 方針 ノ朗 読 説 明
用 ニ干 ス ル規 定等 デ ア ツタ様 ニ思 ヒ マ ス。 即 チ大 会 ガ 党 ノ最 高 機 関
一 〇問 其 大 会 ニ於 テ選 任 サ レタ 日本 共 産 党 ノ中 央 委 員 ハ何 人デ ア ツ
指 導 スル ト 云 フ趣 旨 ノ事 デ アリ マシタ 。
答 其 大 会 ニ於 テ渡 辺 政 之 輔 ハ新 中 央 委 員 、 同 候 補 者 及 統 制 委 員
タ カ。
デ 中 央 委 員 会 ハ大 会 ノ決 議 ニ ヨ ル最 高 執 行 機 関 、 細 胞 ハ五 名 以内 デ 構 成 シ、 党 員 ノ採 用 ハ細 胞 会議 ノ承 認 デ 一応 決 定 スル事 、 規 律 ノ 重 要 点 ハ党 ノ上 級機 関 ノ命 令 ニ絶 対 服 従 ト 云 ツ タ様 ナ事 デ ア リ マシ タ。
市 川 正 一
佐 野 文 夫
長 ニ就 任 サ スベ キ者 ノ予 選案 ヲ読上 ゲ 、出 席 者 一同 ニ諮 リ異 議 ナ ク
徳 田 球 一
鍋 山 貞 親
九 問 其 大 会 ニ於 テ渡 辺 政 之輔 ガ 朗読 説 明 シタ政 治 運 動 ノ方 針 及 労
佐 野
渡 辺 政 之 輔
学 福 本 和 夫
可 決 致 シ マシ タ。 其 中 央 委 員 ハ
ノ 七名 デ アリ マシタ。
働 組 合 運 動 ノ方 針 ハ如 何 ナ ル モノデ ア ツタ カ。
デ ア ツテ、 大 体 ニ於 テ労 働 農 民党 ヲ左翼 ト シ、 其 他 社 会 民 衆 党 、 日
答 其 政 治 運 動 ノ方 針 ハ要 ス ル ニ所 謂 無 産 政 党 ノ各 ニ対 スル批 判
本 農 民党 、 日本 労 働 党 ヲ右 翼 ト シ、労 働 農 民党 ハ左 右 両 翼 ノ闘争 ニ
一一 問 其 中 央 委 員 候 補 者 ハ何 人 デ ア ツタ カ 。
一二 問 其 統 制 委 員 長 ハ何 人 デ ア ツ タ カ。
侯 補者 ニ選 任 サ レ マ シタ ガ、 私 ハ其 姓 名 ハ忘 レ マシタ。
答 私 モ其 中 央 委 員 候 補 者 ニ選 任 サ レ其 他 ニ四名 ノ者 ガ中 央 委 員
ヨツ テ右 翼 ノ下 ニア ル大 衆 ヲ自 党 ニ獲 得 シ被 支 配 階 級 ノ全 国 的 単 一
マス。其 労 働 組 合 運 動 方 針 ハ要 ス ル ニ我 国 ノ労 働 組 合 運 動 ハ純 経 済
共同 戦 線 党 ニナ ラ ネバ ナ ラ ヌ、 ト 云 フ事 等デ ア ツタ ト記 憶 シテ居 リ
闘争 ヲ ヤ ツテ来 タ ガ、 資 本 ノ攻 勢 ト 共 ニ政 治 運動 ニ モ乗 リ出 シ テ来
答 ソ レ ハ荒 畑 勝 三デ ア ツ タト 記 憶 シ テ居 リ マス。
一 三問 被 告 ガ右 ニ述 ベ タ宣 言 、 規 約 、 政 治 運動 方 針 及 労 働 組 合 運 動
タ。而 シテ 日本 ノ労 働 組 合 ハ政 治 的 意 見 ノ相 違 カ ラ 左右 両 翼 ニ対 立 ス ル ニ至 ツタ。 然 シ其 左 翼 デ ア ル日 本 労 働組 合 評議 会 ト雖 モ経 済 的
方 針 ハ其 大会 ニ於 テ可 決 シ タ ノ カ。
答 左様 デ ア リ マ ス。 夫 等 ノ モノ ハ何 レ モ異議 ナ ク可 決 致 シ マシ
利 益 ノ為 メノ政 治 闘 争 所 謂 折 衷 主 義 ノ指 導精 神 ノ下 ニア ツタ ガ、 最
タ。
近 展 開 サ レ タ理論 闘 争 ニ ヨツ テ折 衷 主 義 ノ指 導 カ ラ抜 ケ出 シツ ヽア ル。 日本 ノ組 合 運 動 ハ政 治 的 自 由 ヲ有 ツ テ居 ナイ カ ラ折 衷 主 義 デ ハ
一 四問 其 大会 ノ会 議 開 催 中 ハ何 人 ガ 張 番 ヲ シ テ居 タノ カ。
過 程 ニ於 テ労 働組 合総 聯 合 ヲ達 成 スベ キデ ア ルト 云 フ事 デ ア ツタ ト
ナ ケ レバ ナ ラ ヌ。 即 チ日常 経 済 闘 争 ノ政 治 闘 争 ヘノ転 換 ヲ闘 リ、 其
社 員 其 他 各 種 団 体 ニ就 テ夫 々異 名 ヲ使 用 スベ キ事 等 ヲ告 ゲ ラ レ マシ
川 旅 館 ニ行 ク途 中何 人 カ ラ カ会 議 ニ於 テ使 用 スベ キ合言 葉 、党 員 ヲ
参 加 シ タ 一行 ハ東 京 ノ電 気 器 具 会 社 員 ト 云 フ事 ニ シ、板 谷 駅 カ ラ宗
リ マシ タガ 、 ソ レガ何 人 デ ア ツタ カ ハ記 憶 致 シ マセ ヌ。 又其 大 会 ニ
答 其 大会 ノ会 議 開 催 中 ハ同 志 ノ何 人 カガ 張番 ヲ シテ居 タ様 デ ア
日常 経 済 利 益 ノ獲得 ガ 困難 デ ア ル。 其 処 デ 日 常 闘争 ヲ通 シ テ大 衆 ヲ
思 ヒ マ ス。
政 治 闘 争 ニ動員 シ日常 闘 争 ト全 無 産 階 級 的 政 治 闘争 ト ノ結 合 ヲ為 サ
而 シテ 以上 ノ方 針 ノ下 ニ日本 共産 党 ハ労 働 農 民 党 及 左 翼 労 働組 合 ヲ
タ ガ、 実 際 会 議 ノ時 ハ実 行 サ レテ居 ナ カ ツ タ ノデ ア リ マス。 一 五問 其 大 会 ハ何 時終 ツタ ノ カ。 答 其大 会 ハ其 日 ノ午 後 四時 頃 終 リ、 別 室 デ 宴 会 ヲ開 キ其 晩 一泊 致 シ マシタ 。
答 其 大 会 ヲ 日本 共 産 党 ノ創 立 大 会 ト 呼 ンデ 居 ル者 モア リ マシ タ。
一 六問 其大 会 ノ意 義 如 何 。
一問 被 告 ハ日 本 共 産 党 ノ小 野 川温 泉 ニ於 ケ ル会 合 ニ出 席 シ タ ノ カ。
答 左 様 デ ア リ マ ス。 私 ハ其 会合ニ 出 席 致 シ マシタ。
答 山 形 県 五 色 温泉 ニ於 ケ ル日本 共 産 党 ノ大 会 ガ終 ツ テ翌 大 正 十
二問 被 告 ハ什 ウ シ テ其 会 合 ニ出席 ス ル ニ至 ツ タ ノ カ。
五 年 十 二月 五 日 午前 中 、其 大 会 出 席 者 ハ三 々五 々宿 ヲ 引揚 ゲ マ シタ
ガ 、 私 ハ板 谷 駅デ 渡 辺 政 之輔 カ ラ米 沢 ヘ君 モ 一緒 ニ寄 ツテ呉 レト 云
ハレ、 同 人 ハ私 ノ切符 マデ 買 ツ テ用意 シ テ居 リ マシタ カ ラ、 私 ハ其
佐 野 文 夫
サ ウ 云 フ人 ハ新 方 針 ニ立 脚 シ タ即 チ真 ノ マルク ス主 義 ノ党 ニナ ツ タ
中 尾 勝 男
日 ノ午後 米 沢 駅 ヘ下 車 致 シ マシタ。 同 駅 ニ下 車 シ タ者 ハ
私
ト 云 フ観 点 カ ラ、 ソ レ ヲ創 立大 会 ト主 張 シテ居 ルノデ ア リ マセ ウ。 然 シ其 前 カ ラ継 続 シ テ来 タグ ル ープ的 党 モ共 産 党 ト 云 フナ ラバ 、 ソ
渡 辺 政 之輔
ノ五 名デ アリ マシタ。 而 シ テ私 共 五 名 ハ米 沢 駅 カ ラ自動 車 デ 米 沢市
福 本 和 夫
ア リ マセ ウ。 私 ハ其 大 会 ヲ以 テ既 存 ノ 党 ガ宣 言 方 針 ヲ発 表 シ、 ソ レ
外 ノ小野 川温 泉 ニ行 キ某 旅 館 ニ 一泊 致 シ マシ タガ 、 其 日 夕食 後 其 五
レ ハ矢 張 リ渡 辺 政 之 輔 ガ 私 ニ云 ツ タ様 ニ日本 共 産 党 ノ第 五 回 大 会 デ
ニ ヨ ツテ党 ヲ引 締 メ、 新 方 針 ニ基 イ テ大 衆 ニ乗 リ出 シテ行 ク門 出 デ
答 其 会 合 ニ ハ右 ニ述 ベ マシ タ五 名 丈 ケ ガ 出席 致 シ マシタ。
三問 其 会 合 ニ ハ何 人 ガ出 席 シ タ カ。
申 シ マシ タ ノデ 、 私 ハ隣 室 ニ去 ツ テ 一時間 余 渡 辺 政 之輔 、中 尾 勝 男 、
タ ノデ ア リ マ スガ、 夕 食 後渡 辺 政 之 輔 ガ 私 ニ暫 ク座 ヲ外 シテ呉 レト
人 三田 村 四 郎
人 ガ 会合 ヲ開 イ タ ノデ ア リ マ ス。 告
ア ル ト思 ツ テ居 リ マシタ 。 被
裁 判 所 書 記 鹿 田 清 次
答 其 会 合 ガ ナ ン ノ為 ノ会 合デ ア ルカ誰 モ私 ニ ハ最 初 話 サ ナ カ ツ
四問 其 会 合 ノ顛 末 如 何 。
予 審 判 事 神 垣 秀 六
東京地方裁判所
右 読 聞 ケ タ ル処 無相 違 旨 申 立 署 名 拇 印 シタ リ。 同 日於 前 記場 所
第 八回 訊 問 調 書
カ ラ私 モ呼 込 マレ テ私 ヲ加 ヘテ五名 ノ相 談 ハ北浦 千 太郎 ノ処 分 問 題
佐 野 文 夫 、 福 本 和 夫 ノ 四名 ノ話 ノ済 ム ノ ヲ待 ツテ居 リ マシタ。 ソ レ
デ ア リ マシ タ。 同 人 ノ処 分問 題 ト 云 フ ノ ハ、同 人 ガ 佐野 学 ノ入 獄 中
人 三 田村 四郎
右治 安 維 持 法 違 反 被 告 事 件 ニ付 、 昭 和 五 年 一月 五 日豊 多 摩 刑 務 所 ニ
同 人 ノ後 ヲ受 ケ テ、 無産 者新 聞 ノ主 筆 ト シ テ労 働 農 民 党 、 日本 労 農
告
於 テ、 予審 判 事 神 垣 秀 六 ハ裁 判 所 書 記 鹿 田 清次 立 会 ノ上 前 回 ニ引続
党 合 同 問 題 ニ付 従 来 ノ日本 共産 党 ノ指 導 方 針 ニ反 シテ両 党 即 時 無 条
被
キ右 被 告 人 ニ対 シ訊 問 スル コト 左 ノ如 シ。
件 合 同 説 ヲ唱 ヘ、 其論 文 ヲ無産 者新 聞 ノ社 説 ニ掲 載 シタ事 、 北 浦 千
大 会 ニ於 テ中 央 委 員 候 補 者 ニ選 任 サ レタ ノ カ。
夫 等 ニ関 ス ル事 実 ノ調 査 及 処 分方 法 ガ其 会 合 ノ問 題 ニナ リ マシ タ。
リ乍 ラ理 由 ナ ク ソ レ ヲ果 サ ナカ ツ タ事 等 ガ規 律 違 反 ト シテ数 ヘラ レ、
デ ノ間 ハ別 段 党 ノ仕 事 ハシ テ居 ナ カ ツ タ ノデ ア リ マスカ ラ、当 時 ノ
非 常 ニ重 要 視 サ レタ訳 デ ア リ マ ス。 私 ハ入 党 後 其 大 会 ニ出 席 ス ル マ
テ直 チ ニ中 央 委 員 候 補 者 ニ選 任 サ レ マシ タ ノデ 、 新 参 ノ私 ト シテ ハ
答 私 ハ日本 共 産 党 ニ入 党 後 日猶 浅 キ ニ拘 ラズ 、 其大 会 ニ出 席 シ
其 相 談 ノ結 果 無産 者 新聞 ノ主 筆 ノ職 ハ罷 免 スル事 ニシ、 尚 除 名 処分
党 ノ幹 部 ガ何 故 私 ヲ重 要 視 シ タ カ ハ、 私 ニ ハ判 リ マセ ヌ。 察 ス ル ニ、
太 郎 ガ山 形 県 五色 温 泉 ノ大 会 ニ提 出 スベ キ重 要 案 起 案 ヲ引 受 ケ テ居
ニ スル カ什 ウ カ ハ査問 委 員 会 ヲ設 ケ テ決 定 スル事 ニ シ、 其 査 問 委員
ト合 致 シテ居 タ点 ガ ア ツタ カ ラデ ハナ イ カ ト思 ヒ マス。
私 ガ ソ レ マデ 折 リ ニ触 レテ述 ベ テ居 タ意 見 ガ 当時 ノ党 ノ幹 部 ノ意 見 私
テ居 タ ト思 フ カ。
七 問 然 ラ バ被 告 ノ如 何 ナ ル意 見 ガ当 時 ノ党 ノ幹 部 ノ意 見 ト合 致 シ
中 尾 勝 男
ノ 三名 ガ挙 ゲ ラ レ マシタ。 私 ガ其 会 合 デ 干 与 シ タ相 談 ハソ レ丈 ケデ
渡 辺政 之輔
ニハ
ア リ マシ テ、 私 ガ 座 ヲ外 シ テ居 ル間 ニ如 何 ナ ル相 談 ガ為 サ レ タカ ハ
一 例 ノ健 康 保 険 法 改 正 問 題 ニ付 テ被 保 険 者 同盟 ヲ作 ツ テ反対 運 動
答 其 二、三 ノ例 ヲ挙 グ レバ次 ノ通 リデ アリ マス。
キ、 私 ハ上 野 駅デ 他 ノ四 名 ト別 レ同 月 七 日 ニ神 戸 ニ帰 リ マシ タ。
誰 モ私 ニ ハ漏 ラ シ マセ ヌデ シタ。 而 シテ私 共 五名 ハ翌 六 日 帰 途 ニ着
シ タ。其 運 動 ハ当 時 表 面 日本 労 働 組 合評 議 会 ノ主 張 ト シ テ提 唱 サ レ
ヲ起 スベ シト 云 フ事 ガ大 正 十 五 年 六 、七 月 頃 カ ラ提 唱 サ レ テ 居 リ マ
答 其 問 題 ニ付 テ ハ私 ハ査問 委 員 ト シテ召 集 サ レル事 ニ ナ ツ テ居
テ居 ツタ ノデ ア リ マ スガ、 実 ハ日本 共 産 党 ノ指 導 精 神 ダ ツ タノデ ア
五問 北 浦 千 太 郎 ノ除 名 処 分問 題 ハ其 後 什 ウ ナ ツタ ノ カ。
リ マシタガ 、 其後 ナ ン ノ沙 汰 モナ ク、 昭 和 二年 元 旦 中 ニ北 浦 千 太郎
ノ名デ 反 対意 見 書 ヲ出 サ セ マシ タ。 私 ノ意 見 ハ被 保 険者 同 盟 抔 ト 云
シ、 私 ハ其 当 時 日本 労 働 組 合 評 議 会 中 央 部 宛 神戸 地 方評 議 会委 員 会
ナ カ ツタ ノデ 査 問 ノ件 ニ ハ触 レナ カ ツタ ノデ ア リ マ ス。
フ如 キ モノ ハ敢 テ 日本 労 働 組 合 評 議 会 ガ其 組 織 ヲ提 唱 セズ ト モ、 健
リ マシテ、 私 ハ同 年 十 月 上 旬 ニ浜 松 刑 務 所 ヲ出 テカ ラ其 方 針 ニ反 対
同 年 二月 中 私 ガ東 京 ニ来 タ時何 処 カデ 渡 辺 政 之 輔 ニ面 会 シ タ際 、 同
康 保 険 法 ノ実 施 ト同 時 ニ必 然 ニ保 険 組 合 ト 云 フ様 ナ モノ ガ出 来 ル ニ
ハ神 戸 ニ来 タ序 ダ ト 云 ツ テ神戸 ノ 私方 ヲ訪 ネ タ事 ガ ア リ マシ タガ 、
人 ハ私 ニ北 浦 千 太 郎 ノ件 ニ付 テ ハ渡 辺 政 之輔 ヤ中 尾 勝 男 等 ガ 本 人 ニ
別 ニ日本 共 産 党 ノ用 事デ ハナ ク、 又渡 辺政 之 輔 等 カ ラ モ別 段 ノ話 ガ
会 ツテ尋 ネ タ ト コ ロ、 党 ノ命 令 ニ服 ス ル意 志 ガ ナ イ事 ガ明 カ ニナ ツ
団結 ハ出 来 ル。 ダ カ ラ被 保 険 者 同 盟 等 ト 云 フ モ ノ ヲ更 ニ組 織 ス ル事
ニナ レバ同 ジ様 ナ モノ ガ 二重 ニ出来 ル様 ニ ナ ル。若 シ被 保 険 者 ヲ保
定 ツテ居 ル。 之 ニ ハ被 保 険 者 ガ全 部 這 入 ル ノデ ア ルカ ラ否 応 ナ シ ニ
議 ナ シト申 シテ置 キ マシ タ。
険組 合 ナ ル団体 デ 闘 ハセ ル為 メ ニ ハ健康 保 険 ニ就 テ利 害 関 係 ヲ有 ス
タ カ ラ除 名 ニ決 定 シ タガ 、 異議 ハナイ カ ト申 シ マシ タ カ ラ、 私 ハ異
六問 被 告 ハ如 何 ナ ル理 由 デ 山 形 県 五色 温 泉 ニ於 ケ ル日本 共 産 党 ノ
ル 一切 ノ労 働 者 ヲ動 員 スル必要 ガ ア ルガ、 ソ レ ハ夫 等 一切 ノ労働 者
モ当 時 矢 張 リ日 本 共産 党 ノ指 導 ノ下 ニ為 サ レタ ノデ ア リ マスガ 、当
レ ル事 無 ク唯 大衆 ニ対 ス ル政 治 闘 争 動 員 ノ訓 練 ノ為 メト シ テ強 力 ナ
時 同 党 ト組 織 的 関 係 ノ ナイ私 ハ之亦 遠 慮 ナ ク批 判 シ タノデ アリ マス。
ル方 法 ヲ用 ユベ シト 云 フノデ ア リ マ ス。 議 会 解 散 請 願 同盟 ト 云 フノ
当 時 日 本 労 働組 合 評議 会本 部 ハ大 阪 ニア ツ タ頃 デ 、 殆 ンド 毎 日 ノ様
ガ 一ツノ ﹁ス ローガ ン﹂ ノ下 ニ集 リ得 ル組 織 即 チ工 場 代表 者 会 議 ノ
ガ出 ル度 毎 ニ 一ツ〓
ニ其 本 部 ニ行 ツ タリ シ テ国領 五 一郎 其 他 同 会 ノ幹 部 等 ト 会 ツ タ際 公
如 キ モノデ ナケ レバ ナ ラ ヌ。 サ ウデ ナ ケ レバ 、 今 後 社会 政 策 的 立 法
ナ ル。 ソ レ ハ不 可 能 ノ事 デ ア ルカ ラ、 健 康 保 険 法 改 正 反対 運動 ハ工
式 非 公 式 ニ私 ノ意 見 ヲ述 ベ テ居 リ マシタ カ ラ、 其 意 見 モ何 等 カ ノ方
夫 々其 為 メ ノ同 盟 ヲ作 ラ ナケ レバ ナ ラ ヌ事 ニ
ルト 云 フノデ ア リ マシ タ。 私 ガ浜 松 刑 務 所 カ ラ出 テ其 反 対意 見 ヲ述
三 矢 張 リ私 ガ 浜 松 刑 務 所 ニ在 監 シテ居 ル時 分 カ ラ労 働 農 民 党 ノ支
法 デ 日本 共 産 党 ニ伝 ハツ タ ノデ ア ラウ ト思 ヒ マス。
場 代 表 者 会 議 ヲ開 イ テ ﹁ゼネ ラ ル スト ラ イ キ﹂ ニ ヨルベ キ モ ノデ ア
ベ タ頃 ハ私 ハ未 ダ 日 本 共 産 党員 デ ハナ ク、 被 保 険 者 同 盟組 織 運動 ノ
部 設 置 ガ進 メ ラ レテ居 リ マシ タガ 、 此 ノ問 題 ニ付 テ モ私 ハ大 正 十 五
方 針 ガ同 党 ノ方 針 ダ ト 云 フ事 ハ知 ラ ナ カ ツ タ当 時 デ ア リ マシ タカ ラ
党 ノ支 部 員 ニ移 スト 云 ツ タ様 ナ具体 的 ナ 日常 闘争 ト離 レテ ノ支 部 組
遠 慮 ナ ク攻 撃 致 シ マシ タ。 此 ノ私 ノ意 見 ニ ハ当 時 日 本 労 働組 合評 議
織 デ ア リ マシ テ、 ソ レ ニ対 シ テ私 ハ日 常闘 争 ヲ ナ シツ ヽ支 部 ヲ組 織
年 十 月 初 旬 放 免 後 従 来 ノ方 針 ニ反 対 ノ態度 ヲ執 リ マシタ。 従来 ノ支
スベ シ ト 云 フ意 見 デ ア リ マシ タ。只 有 機 的 ニ組 織 ヲ シ テ社 会 民 衆 党
部 設 置 ノ ヤ リ方 ハ唯 単 ニ左翼 労 働組 合 ノ支 部 員 ヲ採 用 シ テ労 働 農 民
願 運動 ガ 日本 農 民 組 合 及 日 本労 働 組 合 評 議 会 ニ ヨツ テ為 サ レ ツ ヽア
ヲ排 斥 スルト 云 ツ タ様 ナ抽象 的 ナ ヤリ方 デ ハナ ク、 各 地 ニ於 ケ ル当
二 私 ガ浜 松 刑 務 所 ニ入所 中大 正 十 五年 七、八月 頃 カ ラ議 会 解 散 請
リ マシタ ガ、 其 運 動 形態 ハ政 党 ノ様 ナ形 ヲ取 ツ テ為 サ レ テ居 リ マシ ︹ 全国協議会カ︺ タ ( 議会解散請願運動同盟ト云 フ、 左翼許 リヲ集 メタ様 ナ結社 ノ形デ為 サ レ
会 ニ於 テ モ其 処 置 ニ余 程 困 ツ タ様 デ アリ マシタ。
ツ ヽアリ マシタガ)。私 ハ其 点 ニ反対 デ 議 会 解 散 ( 五十三議会ノ解 散ト云
於 ケ ル各 地 方 評 議 会 、 三 重 県 奈 良県 ノ農 民組 合、 神 戸 ハ元 ヨリ大 阪
シト 云 フノデ ア リ マ ス。 此 ノ事 ハ私 ガ浜 松 刑 務 所 放 免 後 四国 地 方 ニ
京 都 等 ノ地 方 評 議 会 ニ招 カ レ テ意 見 ヲ問 ハレタ際 遠 慮 ナ ク 従来 ノ方
面 日常 ノ要 求 ヲ捉 ヘ、 闘争 ニ動 員 シタ ル大 衆 ヲ以 テ支 部 ヲ組 織 スベ
デ ア リ マ シタ。 ト申 シ マスノ ハ、 僅 左翼 丈 ケデ 組 織 シタ 一団 体 ノ 運
針 ヲ攻 撃 シ マシ タ。 此 ノ私 ノ意 見 ハ同 年 七 、八 月 頃 カ ラ 同 年 十 二月
ソ レ ニ賛 成 スル。 一切 ノ階 級 ヲ網 羅 シ動 員 スベ キデ ア ルト 云 フ意 見
動 ヨリ モ、 其 動 機 ノ如 何 ヲ問 ハズ議 会 解 散 ニ賛 成 スル 一切 ノ階級 ヲ
頃 マデ ニカ ケ テ行 ハ レタ第 一回 普 選 ニ ヨル市 会議 員 選挙 ガ 、浜 松 ヲ
フ意味デ、資本家 地主 ノ議会打倒 ノ意味デ ナク) ト 云 フ点 ニ 賛 成 ナ ラ バ
ラ、 目的 達 成 ノ為 メ ニ ハ遥 カ ニ良 策 デ アリ マ ス。 一切 ノ階 級 ヲ網 羅 ス ルト申 シ マシ テ モ社 会 民 主 々義 者 ノ如 ク他 ノ階 級 ト妥 協 シ テ仕 舞
等 ノ選 挙闘 争 ニ反 映 シテ現 実 ニ闘 争 ヲ通 ジ テ組織 ガ 行 ハレ ツ ヽアリ
皮 切 リ ト シテ北 海 道 、 四国 各 地 、 名 古 屋 市 等 ニ行 ハレ マシタ ガ、 夫
網 羅 シタ ル運 動 ハ前 者 ヨリ モ強 力デ アリ 実現 ノ可 能 性 ガ ア リ マス カ
フノデ ハナ ク、 労 働 階 級 ノ立場 カ ラ他 ノ階 級 ニ対 ス ル批 判 闘 争 ハ忘
マシタ ガ、 私 ハ争 議 ヲ此 ノ選 挙 干渉 ト結 ビ付 ケ テ抗 議 運 動 ヲ起 サ セ
松 ノ市 会 議 員 選 挙 ガ 始 マリ之 ニ対 シ テ選 挙干 渉 ガ為 サ レタ ノデ ア リ
何 回 モ執 ラ レ マシ タ。 例 ヘバ 前 ニ述 ベ マシタ様 ニ、 私 ガ入 監 直 前 浜
争 議 ニ於 ケ ル闘 争 ノ色 々 ナ場 面 ニ於 テ闘 争 ヲ政 治 問 題 化 スル方 策 ガ
動 カ ラ政 治 運 動 ノ転 換 ヘト 進 ミ ツ ヽアリ マシタ。 当 時 彼 ノ浜 松 楽 器
ハ特 ニ運 動 方 針 ノ上 ニ於 ケ ル動 揺 期 デ ア リ マ シタ ガ、 其 間 ニ組 合 運
四 大 正 十 五年 ノ浜 松 楽 器争 議 ノ直 前 頃 カ ラ 五色 温 泉 大 会 マデ ノ間
マシタ。
ル方 針 ニ シタ ト 云 フ指 令 ガ来 マ シタ。 其 二回 目 ノ指 令 モ前 ノ レポ ー
本 共産 党 カ ラ公 文 ノ指 令 デ 、 私 ノ意 見 ト同 様 ニ妥協 ヲ排 シ テ闘争 ス
見 ルガ ヨイ ト 云 フノデ ア リ マシ タ。 ス ルト其 後 五 、六 日 ヲ 経 テ 又 日
ロシク ナ イ。 事 件 ノ真 相 ヲ モツ ト下 ヘ降 ロシ テ大衆 ノ批判 ニ訴 ヘテ
サ セ テ置 ク必 要 ガ ア ル。 此 事 件 ヲ幹 部 同 志デ 妥協 シ テ仕舞 フ事 ハヨ
ナ イ。 闘 争 ガ 尖鋭 化 ス ル ニ従 ツ テ大 衆 ニ分 裂 主 義 者 ノ真 面 目 ヲ暴 露
若 シ両 者 ヲ此 ノ儘 妥 協 サ セテ仕 舞 フ ナ ラバ 大 衆 ノ教 育 ノ為 メ ニナ ラ
分裂 主 義 者 ト シテ 日本 労 農 党 ヲ攻 撃 スベ キ名 分 ガ 充 分 立 ツ、第 二 ニ
マシ タ。
タ ーガ 持 ツ テ来 マシタ。 ソ レガ大 正 十 五年 十 一月 上 旬 若 ク ハ中 旬 ノ
以 上 述 ベ マシタ 通 リ 凡 テ私 ノ意 見 ハ五色 温 泉 大 会 前 ノ 日本 共 産 党 ノ
マシタ。 当 時 無 産 者 新 聞 ス ラ此 ノ 私 ノ戦 術 ヲ理 解 シナ カ ツ タ様 デ ア
メテデ ア リ マ シテ、 此 ノ事 ハ私 ガ 上野 公 園 デ 渡 辺 政 之 輔 ト面 会 シ日
方針 ニ反 対 シタ事 ニナ ルノデ ア リ マ ス。 然 ル ニ同 大 会 前 ノ同 党 ハ山
ラ同 年 十 一月 中 旬 頃 私 ハビ ラ ヲ出 シ テ分 裂主 義 者排 撃 ノ宣 伝 ヲ致 シ
本 共産 党 ニ入 党 ヲ勧 メ ラ レ タ時 ニ モ同 人 ニ話 シタ ノデ ア リ マ ス。 又
川 均 ノ指 導 方 針 ニ基 キ活 動 シテ居 タ ノデ ア リ マ ス。 従 ツ テ私 ハ山 川
事デ 、 私 ノ居 ツタ神 戸 ハ殊 ニ日本 労 農 党 ノ重 要 地 盤 デ ア リ マシ タ カ
後 ニ判 ツタ事 デ ア リ マスガ 、当 時 既 ニ日本 共 産 党 員 デ ア ツタ南 喜 一、
リ マ シタ カ ラ、 放 免 後 私 ハ此 ノ事 ヲ攻撃 シタ事 ガ ア リ マ シタ。 此 ノ
中 尾勝 男 、松 尾 直 義 等 モ此 ノ争議 ノ指導 ニ来 テ私 ト共 ニ活 動 シ タ ノ
経 済 闘 争 ヲ政 治 運 動 ニ転 換 サ セ テ行 ク様 ナ戦 術 ヲ執 ツ タ ノ ハ之 ガ初
デ ア リ マスカ ラ、 私 ノ其 指 導 方 法 ガ同 党 ニ通 ジ テ居 タ事 ト思 ヒ マ ス。
ニ於 テ ハ其 内 部 ニ反 山川 派 即 チ福 本 一派 ガ擡 頭 シ次 第 ニ勢 力 ヲ得 、
均 ノ指 導方 針 ニ反 対 シ テ居 タ事 ニナ ツタ ノデ ア リ マ ス。 然 ル ニ同 党
タ ノデ ア リ マス。 ソ レデ 従 来 山 川 均 ノ意 見 ニ対 シ テ公然 反 対 ヲ表 明
五色 温 泉 ノ大 会 ハ此 ノ反 山 川 派 ニ ヨツ テ始 メ テ指導 権 ヲ獲 得 セ ラ レ
五 私 ガ上 野 公 園 デ 渡 辺 政 之 輔 ト 面 会 シ テ日本 共 産 党 ニ入党 シ テ神 戸 ニ帰 ツタ直 後 、 日 本 労 農 党 、労 働 農 民党 分 裂 問 題 ニ就 テ日 本 共 産
シ テ居 タ私 ガ個 々ノ点 デ ハ或 ハ相 違 ガ ア ツ タ カ モ知 レ マセ ヌガ、 兎
党 ノ方 針 ヲ示 シタ指 令 ガ参 リ マシ タ。同 党 ノ公 文 ノ指 令 デ 幾 ツ カ個 条 書 ニ シタ モノデ 、 其 要 旨 ハ日本 共産 党 ト シテ ハ 一応 両 党 ヲ妥 協 セ
人 三田村四郎
ニ角 反 山川 ト 云 フ 一点 デ 五 色 温 泉 大 会 ニ於 テ指 導権 ヲ握 ル ニ至 ツタ
告
反 山 川 派 ノ幹 部 ガ私 ヲ抜 擢 シ タト 云 フ事 ハアリ得 ベ キ事 ダ ト考 ヘラ
被
シ ム ル方 針 ダ ト 云 フ ニア リ マシ タ。 此 ノ指 令 ハ二十 一、二 歳 位 ノ 学
レ マ ス 。
生 風 ノ男 ガ持 ツ テ来 マシ タガ 、私 ハ其 指 令 ヲ見 タ上 ソ レ ニ対 スル私 ノ意 見 書 ヲ即 座 ニ書 イ テ其 レポ ータ ー ニ持 タ セテ ヤ リ マシ タ。 私 ノ 意 見 ハ日本 共 産 党 ノ指 令 ノ趣 旨 ト ハ反対 デ 、反 対 点 ノ要 旨 ハ第 一ニ
其 汽車 中 デ 市 川 正 一、福 本 和 夫 、 佐 野 文 夫 ト 一緒 ニナ リ 、浅 間 山 附
近 ノ某 駅デ 私 共 五名 ハ下 車 シ、 其 処 カ ラ乗 合自 動 車デ 矢 張 リ浅 間 山
福 本 和 夫
佐 野 文 夫
附 近 ノ 或温 泉 ノ某 旅 館 ニ行 キ 一泊 致 シ マシ タ。 其 旅館 デ
裁 判所 書 記 鹿 田 清 次
私
ニ市 川 正 一ニ紹 介 ス ルト 云 ツ テ其 処 ニ連 レ テ行 ツタ丈 ケデ 、 ナ ニノ
ノ五名 ガ其 晩 会 合 致 シ マシ タ。渡 辺 政 之 輔 ハ前 橋 駅 カ桐 生 駅 カデ 私
渡 辺 政 之 輔
人 三 田 村 四 郎
市 川 正 一
告
予 審 判 事 神 垣 秀 六
東京地方裁判所
右 読 聞 ケ タ ル処相 違 ナ キ旨 申 立 署 名 拇 印 シ タリ。 同 日 於 前 記場 所
第九回訊問調書 被
レタ事 カ ラ見 レバ其 会 合 ハ日 本 共産 党 ノ幹 部 ガ 入露 スル ニ就 テ留 守
為 メ ノ会 合 デ ア ル カ説 明 シ ナ カ ツ タ ノデ アリ マスガ、 其 会 合 デ 話 サ
中 央 委 員 ヲ選 定 スル事 ガ其 主 タ ル用 件 デ ア ツタ様 ニ思 ヒ マス。 其 会
右 治 安維 持 法 違 反 被 告 事 件 ニ付 、 昭和 五年 一月 八 日豊 多 摩 刑 務 所 ニ
キ右 被 告 人 ニ対 シ訊 問 スル コト 左 ノ如 シ。
於 テ 、予 審 判 事 神 垣 秀 六 ハ裁 判 所 書 記 鹿 田清 次 立 会 ノ上 前 回 ニ引続
佐 野 文 夫 ト福 本 和 夫 ト ガ市 川 正 一ニ対 シテ 五色 温 泉 ノ大 会 ニ於 テ 可
マスガ、 改 メ テ紹 介 サ レタ ノ ハ其 時 ガ初 メ テ ヾ ア リ マシ タ。 其 次 ニ
ヤ ツテ居 タ仕 事 モ知 ツ テ居 タ ノデ アリ
合 デ ハ先 ヅ 第 一ニ私 ガ 市 川 正 一ニ紹 介 サ レ マシ タ。 双 方 共 以 前 カ ラ
中 央 常 任 執 行 委 員 デ ア リ マシ タ。
決 サ レ タ宣言 等 ニ就 テ 一応 ノ話 ヲ為 シ、 尚 其 大 会 デ 市 川 正 一ガ 中央
互 ニ顔 ハ知 ツ テ居 リ ソ レ〓
二問 被 告 ガ 日 本 共産 党 ノ中 央 常 任 執 行 委 員 ニ任 命 セ ラ レタ顛 末 如
答 私 ハ昭 和 二年 一月 カラ同 年 十 一月 中 旬 マデ ノ間 日 本 共 産党 ノ
一問 被 告 ハ日 本 共 産 党 ノ中 央 常 任 執 行 委 員 デ ア ツ タ事 ガ ア ルカ 。
何。
ンテ ル ンノ承 認 ヲ求 ム ル為 メ中 央 幹 部 ガ入 露 ス ル ニ就 テ、 其 后 ヲ市
委 員 ニ選 任 サ レ タ事 ヲ告 ゲ、 其 大 会 デ 可 決 シ タ宣 言 規約 等 ヲ コンミ
一応 辞 退 シ テ居 リ マシタ ガ、 結 局 納 得 サ レテ留 守 中 央 ビ ユー ロ ーヲ
川 正 一ニ引 受 ケ テ貰 ヒ度 イ ト申 シ、 市 川 正 一ハ其 任 デ ナ イ ト 云 ツテ
答 私 ハ大 正 十 五年 十 二月 七 日前 ニ述 ベ マシ タ小野 川温 泉 ニ於 ケ
働 組 合 評 議 会 ノ神戸 地方 オ ルガ ナ イ ザ ート シ テ活動 シ テ居 リ マ シタ
ル会 合 ヲ終 ツ テ神 戸 ニ帰 リ マ シタ。 而 シ テ神 戸 ニ帰 ツタ後 ハ日本 労
ガ 、 日 本 共 産 党 ノ仕 事 ハシテ居 ナ カ ツ タ ノデ アリ マス。
ハ五色 温 泉 ノ大 会デ 選 任 サ レタ中 央 委 員 ノ大 部 分 ト
引 受 ケ ル事 ニナ リ マシタ。 ソ シテ コ ンミ ンテ ル ン ニ派遣 ス ル代 表 者
河 合 悦 三
然 ル ニ昭和 二年 一月中 旬 頃 渡 辺 政 之 輔 カ ラ神 戸 ノ私 方 ニ、 日時 ヲ指
市 川 正 一
佐 野
学
杉 浦 啓 一
ノ 二名デ ア ルト 云 フ事 デ 、 其 留 守 中 央 委 員 ハ
中 尾 勝 男
定 シ テ群 馬 県 ノ前 橋 駅 デ ア ツ タ カ桐 生 駅 デ ア ツ タカ ヨク記 憶 致 シ マ セ ヌガ其 両 駅 ノ中 何 レカ ニ来 テ呉 レト 云 フ レポ ート ガ参 リ マシタ。 ソ レデ 私 ハ早速 其 通 リ実 行 シ テ指 定 サ レ タ前 橋 駅カ 桐 生駅 カ ニ行 キ、 渡 辺 政 之輔 ト会 ヒ マ シタ。 ソ レカ ラ同 人 ト 共 ニ汽車 ニ乗 リ マシ タ ガ、
国 領 五 一郎
私 外 一名
ク事 実 ハ同 人 ガ 就 任 致 シ マシタ 。留 守 中 央 委 員 中 市 川 正 一ト 私 ト藤
ニ其 時 ハ聞 イ テ居 タ ノデ アリ マスガ 、原 案 ハ志 賀 義 雄 デ ア ツ タ ラ シ
昇 格 スル訳 デ 、 外 一名 ト 云 フ ノ ハ、 私 ト市 川 正 一ハ藤 原 久 ト 云 フ様
私 ノ 三名 ハ中 央 委 員 候 補 者デ ア ツタ ノデ 、 正 中 央 委 員 ノ留 守 中 当 然
七問 志 賀 義 雄 ガ日 本 共 産 党 中央 常 任執 行 委 員 ニナ ツ タ顛 末 如 何 。
受 取 リ マシ タ。 ソ レ ガ事 務 引 継 ギ ト 云 フ事 ガ出 来 ルト思 ヒ マ ス。
日本 共 産 党 ノ組 合 テ ー ゼ、 政 治 テ ー ゼ及 党 員 表 等 ヲ渡 サ レ、 ソ レヲ
シタ。 其 間 ニ私 ハ渡 辺 政 之 輔 ト代 々木 ノ原 附 近デ 面会 シ、 同 人 カ ラ
正 一ト ハ銀 座 、 神 田 辺 ノ市 電 停留 場 等デ 日 時 ヲ定 メテ会 ツテ居 リ マ
ナイ ノデ 其 后 数 日間 上 野 附 近 其 他 ノ旅館 ヲ転 々宿 泊 シテ居 リ、 市 川
答 私 ハ市 川 正 一ト共 ニ其 温 泉 カ ラ東 京 ニ来 マシタ ガ、 私 ハ宿 ガ
タカ。
原久 ( 只今申 ス通 リ事実 ハ志賀義雄)ノ 三名 ガ常 任 執 行 委 員 ト ナ リ市 川
ノ六 名 デ ア ルト 云 フ事 デ アリ マシタ 。其 中 杉 浦 啓 一、 国 領 五 一郎 、
正 一ガ中 央 執 行委 員 長 、私 ガ 組 織 部 長 、 藤 原 久 ( 事実 ハ志賀義雄) ガ
リ〓
外 一名 ノ中 央 常 任 執 行 委員 ガ 会合 シ テ協 議 ヲ ス ル段 取 リ ニナ ツ タ ノ
ーゼ、 政 治 テ ー ゼ及 党 員表 等 ヲ受 取 リ マシタ ノデ 、 私 、 市 川 正 一及
答 右 ニ述 ベ マシ タ通 リ 私 ハ渡 辺政 之輔 カ ラ 日本 共 産 党 ノ組 合 テ
右ノ 様 ナ次 第デ 私 ハ其 温 泉 ニ於 ケ ル会 合 デ 日本 共 産 党 中 央 常 任 執行
一ハ藤 原 久 デ ア ルト 言 渡 サ レ タ様 ニ記 憶 シテ居 リ マ シタ ノデ 同 人 ニ
デ ア リ マ スガ、 其 外 一名 ト 云 フノ ハ右 ニ述 ベ マ シタ通 リ私 ト市 川 正
政 治 部 長 ト 云 フ事 ニナ リ マシタ 。 ソ レデ 其 会 合 ハ終 リ、 其 翌 日各 散
委 員 ニ任命 サ レタ ノデ ア リ マ ス。
ニ其 旅 館 ヲ引揚 ゲ マシタ 。
三 問 其 温泉 ハ草 津 温 泉 デ ハナ イ カ。
カ フ エーデ 私 ト市 川 正 一ト ガ 福本 和 夫 ト面 会 シタ際 、 同 人 ハ政 治 部
其 事 ヲ通 告 シ様 ト思 ツ テ居 リ マシタ 。然 ル ニ其 頃 上 野 山 下 附 近 ノ某
長 ヲ担 当 スル外 一名 ノ中央 常 任 執行 委 員 ハ志 賀 義 雄 ダ ト申 シ、 事 実
答 私 ハ浅 間 山附 近 ノ 地理 ニ暗 イ ノデ 其 温 泉 ガ 草 津 温泉 デ ア ツタ
其 通 リ ニナ リ マシ タ。 然 シ私 ハ志 賀義 雄 ニ対 シ何 人 ガ其 中 央 常 任 執
カ什 ウ カ判然 致 シ マ セ ヌ。 或 ハ草 津 温 泉 デ ア ツ タ カ モ知 レ マセ ヌ。
ヾ出 席 シ タ ノデ ハナイ カ 。
八 問 新 旧 中 央 委 員 デ 事 務 引継 ギ ノ 会合 ヲ開 イ タ ノデ ハナ イ カ。
行 委 員 ニ任 命 スルト 云 フ通 告 ヲ為 シタ カ ハ知 リ マセ ヌ。
四 問 其 温泉 ニ於 ケ ル会 合 ニ ハ被 告 ガ右 ニ述 ベ タ五 名 ノ外 ニ何 人 カ
答 私 ハ其温 泉 ニ於 ケ ル会 合 ニ ハ右 五名 ガ出 席 シ タト記 憶 シテ居 リ マス。 其 他 ニ出 席 シタ モノ ハア リ マ セ ヌ。
答 昭 和 二年 一月 下 旬 ノ或 日 ノ 夕 刻、 入露 ス ル人達 ト私 達 留 守 中
答 私 ハ其 レポー ト ハ郵 便 デ 来 タ カ 又使 ガ持 ツ テ来 タ カ判 然 記 憶
夫 ガ尾 行 ノ警 官 ニ検 束 サ レタ ト ノ騒 ギ ガ ア リ マシタ ノデ 其 場 所 ヲ上
ナ リ其 日 三 々五 々其 約 束 ノ カ フ エー附 近 ニ集 マリ マシタ ガ、 福 本 和
央 委 員 ト ガ万 世 橋 ノ某 カ フ エーデ 別 レ ノ晩 餐 ヲ共 ニ仕 様 ト 云 フ事 ニ
致 シ マセ ヌガ 、何 レ ニ シ テ モ其 二 ツ ノ中 何 レカ ノ方 法 デ アリ マス。
野 山下 ノ某 カ フ エー ニ移 シ、 其 処 デ 晩餐 ヲ共 ニ致 シ マ シタ。 其 時 ハ
ー ト ハ如 何 ナ ル方 法デ 来 タ ノ カ。
五 問 渡 辺 政 之輔 カ ラ被 告 ニ、 前 橋 駅 カ桐 生 駅 カ ニ来 イ ト 云 フ レポ
六 問 被 告 ハ日 本 共産 党中 央 常 任執 行 委 員 ト シ テ事 務 ノ引 継 ヲ受 ケ
志 賀 義 雄
市 川 正 一 私
渡 辺 政 之 輔
佐 野 文 夫
ノ五 名 ガ 出 席致 シ マシタ。 徳 田球 一等 モ万 世 橋 ノ某 カ フ エー ニ ハ来 ル筈 デ ア リ マシタ ガ、 遂 ニ其 会 合 ニ ハ出 席 シ ナカ ツ タ様 ニ思 ヒ マ ス。
ソ ンナ事 務 的 ノ話 ハ格 別 ナ カ ツ タ ト思 ヒ マ ス。 告
人 三 田村 四郎
其 会 合 ヲ事 務 引継 ノ会 合 ト述 ベ テ居 ル人 モ ア ルサ ウデ スガ 、其 時 ハ
被
シテ昭 和 二年 二 月 上 旬頃 私 方 デ 第 一回 ノ中 央 常 任 執行 委 員 会 ヲ開 キ マシ タ。
三 問 其 第 一回 ノ中 央 常任 執 行 委 員 会 ニ ハ何 人 ガ出 席 シ タカ。
市 川 正 一
志 賀 義 雄
私
答 其 第 一回 ノ中 央 常任 執 行 委 員 会 ニ ハ
ノ三 名 ガ 出 席 致 シ マシタ。
四 問 其第 一回 ノ中 央 常 任 執 行 委 員 会 ニ於 テ ハ如 何 ナ ル事 項 ニ付協 議 ヲ為 シ タカ 。
一 政 治 テー ゼ 、組 合 テ ー ゼ発 表 ノ件
答 其 第 一回 ノ中 央 常 任 執 行 委 員 会 ニ於 テ ハ
二 中 央 常 任執 行 委 員 間 ノ事 務 分 担 ノ件
為 シタ カ。
五問 其 政 治 テ ー ゼ、 組 合 テ ー ゼ発 表 ノ件 ニ就 テ ハ如何 ナ ル協 議 ヲ
等 ニ付 協 議致 シ マ シタ。
三 留 守 中 央 ビ ユー ロー所 属 ノ事 務 局 設 置及 事 務 局 員 人 選 ノ件
人 三 田村 四郎
予 審 判 事 神 垣 秀 六
告
裁 判 所 書 記 鹿 田 清 次
東 京 地 方 裁 判所
右 読 聞 ケ タ ル処 相 違 ナ キ旨 申 立 署 名 拇 印 シ タリ。 同 日於 前記 場 所
第十回訊問調書 被
右 治 安維 持 法違 反 被 告 事 件 ニ付 、 昭 和 五年 一月九 日豊 多 摩 刑 務 所 ニ
ゼ ハ既 ニ雑 誌 ニ発 表 スル形 態 ニ書 カ レ テ ア リ マシ タカ ラ何 レ モ時 期
答 其 件 ニ就 テ ハ渡 辺 政 之 輔 カ ラ受 取 ツ タ政 治 テ ーゼ 、組 合 テー
キ右被 告 人 ニ対 シ訊 問 スル コト 左 ノ 如 シ。
於 テ、 予 審判 事 神 垣秀 六 ハ裁 判 所 書 記 鹿 田清 次 立 会 ノ上 前 回 ニ引 続
二 志 賀 義 雄 ハ無 産 者 新 聞 マル ク ス主 義 ノ指 導
一 市 川 正 一 ハ 一般 政 治 運 動
答 其 件 ニ就 テ ハ
ヲ為 シ タカ 。
六問 其 中 央 常 任 執 行 委 員 間 ノ事 務 分 担 ノ件 ニ就 テ ハ如何 ナ ル協 議
ニ発表 ス ル事 ニ協 議決 定 致 シ マシ タ。
ヲ見 テ政 治 テ ー ゼ ハ マル ク ス主 義 誌 上 ニ、組 合 テ ーゼ ハ労 働 者 誌 上
答 開 キ マシタ。
一問 被 告 等 ハ日本 共 産 党 中 央 常 任 執行 委 員 会 ヲ開 イ タ ノ カ。
答 私 ハ前 ニ述 ベ マシ タ通 リ渡 辺 政 之輔 カ ラ日本 共 産 党 ノ政 治 テ
二問 其 第 一回 ノ中 央 常 任 執 行 委員 会 ハ何 時 何 処 デ 開 イ タ カ。
マシタ 。其 中 私 モ東 京 市 下 谷 市 村座 前 ノ某 ペ ンキ屋 ノ 二階 ヲ借 リ、
ーゼ 、組 合 テ ー ゼ及 党 員 表 等 ヲ受 取 リ 、兎 ニ角 事 務 ノ引 継 ギ ヲ終 リ
其 処 ニ居 所 ヲ定 メ マシ タ。 ソ レデ 私 カ ラ市 川 正 一、 志 賀 義 雄 ニ通 知
分 担 スル事 ニ協 議 決 定致 シ マ シタ。
三 私 ハ労働組合運動 ヲ ソ レ〓 七問 其 留 守 中 央 ビ ユー ロー所 属 ノ事 務 局 設 置 及 事 務 局 員 ノ人 選 ノ
第 十 一回 訊 問調 書
裁 判 所 書 記 鹿 田 清 次
東 京 地 方裁 判 所
告
人 三 田村 四郎
予 審 判 事 神 垣 秀 六
被
ニ於 テ 、 予審 判 事 神 垣 秀 六 ハ裁 判 所 書 記 鹿 田清 六 立会 ノ 上前 回 ニ引
右 治安 維 持 法 違 反 被 告 事 件 ニ付 、 昭和 五年 一月 十 一日豊 多 摩 刑 務 所
答 其 件 ニ付 テ ハ留 守 中央 ビ ユー ロー所 属 ノ事 務 局 ヲ設 置 シ其事
件 ニ就 テ ハ如 何 ナ ル協 議 ヲ為 シ タカ。
務 長 ハ私 ガ兼 任 シ事 務 局 員 ニ ハ藤 原 久 、杉 道 夫事 中 野 尚 夫 ノ 二名 ヲ
一問 被 告 ガ 日本 共 産 党 中 央 常 任 執 行委 員 デ ア ツ タ間 ニ其第 二 回 ノ
続 キ 右被 告 人 ニ対 シ訊 問 ス ル コト左 ノ如 シ。
採 用 ス ル事 、尚 事 務 局 専 属 ノ レポ ータ ーヲ追 ツテ物 色 選 任 スル事 ヲ
八問 被 告 ハ其 事 務 長 ニ藤 原 久 及中 野 尚 夫 ハ其 事 務 局 員 ニ就 任 シ タ
答 私 ハ其 第 二 回 ノ中 央 常 任 執 行 委 員 会 ハ何 時 何 処 デ 開 イ タカ記
中 央 常 任 執行 委 員 会 ハ何 時 何 処 デ 開 イ タ カ。
協 議 決 定 致 シ マシ タ。
就 任 致 シ マシタ。 私 ハ中 腎 尚 夫 ニ
二問 然 ラバ其 第 二 回 以後 ノ中 央 常 任 執 行 委 員 会 ハ何 時 何 処デ 開 イ
憶 致 シ マセ ヌ。
答 左様 デ ア リ マ ス。 ソ レ〓
ノ カ。
ラ其 選 任 ノ事 ヲ 通告 シタ ト私 ハ記 憶 シ テ居 リ マス。
対 シ テ ハ渡 辺政 之 輔 カ ラ其 話 ヲ シ、 又 藤原 久 ニ対 シテ ハ中 野 尚 夫 カ
時 必 要 ア ル場 合 ニ其 中 央 常 任 執 行 委 員 会 ヲ開 キ マシ タガ 、其 会 議 ノ
月 上 旬 カラ同 年 十 一月 中 旬 頃 マデ ノ間 前 後 十 数 回 、定 期 デ ハナ ク随
答 ソ レ ヲ 一括 シテ述 ベ マ スト次 ノ通 リデ ア リ マス。 昭和 二年 二
タ カ。
野 尚 夫 、 其後 ハ藤 原 久 ガ レポ ー タ ー ヲ ヤ ツ テ居 リ マシタ ガ 、昭 和 二
場 所 ハ同年 二 月 上旬 カ ラ同 年 四月 頃 マデ ノ間 ハ下 谷市 村 座前 ノ ペ ン
答 其 事 務 局 ノ専 属 レポ ー タ ー ハ暫 クノ間 欠 員 デ 、初 メ ノ頃 ハ中
九 問 其 事 務 局専 属 レポ ー タ ー ニ ハ何 人 ガ選 任 サ レタ ノ カ。
其 事 務 局 専 属 ノ レポ ー タ ー ニ ハ東 京 ノ党 員 間 ニ モ顔 ヲ知 ラ レテ居 ナ
キ屋 ノ二 階 ノ 私 ノ居 室 、同 年 四月 頃 カ ラ同 年 七 月 頃 マデ ノ間 ハ四谷
年 五 月 頃 ニナ ツテ 安 田某 ト 云 フ男 ヲ レポ ー タ ー ニ使 ヒ始 メ マ シタ。
区 永 住 町 ノ 私 方( 私 ハ一戸 ヲ構 ヘテ居 リ マシタガ其番地 ハ忘 レ マシタ) 、
マシ タ。 尚 同年 七 月頃 カ ラ同 年 九 月 頃 マデ ノ間 ニ牛 込 区 若 松 町 ノ市
マデ ノ間 ハ岩 淵 町赤 羽 ノ 私 方 (私 ハ 一戸 ヲ構 ヘテ居 リ マシタ)デ ア リ
方 ( 私 ハ 一戸 ヲ構 ヘテ居リ マシタ)、同 年 九 月 頃 カ ラ 同 年 十 一月中 旬頃
イ 男 ガ ヨカ ラウ ト 云 フ事 ニナ リ、 大 阪 ノ春 日 庄次 郎 ニ依 頼 シタ結 果
人 三 田村 四郎
其 安 田 某 ト 云 フ男 ガ春 日庄 次 郎 ノ紹 介 状 カ何 カ ヲ持 ツ テ ヤ ツテ来 タ
告
同 年 七 月 頃 カ ラ同年 九 月 頃 マデ ノ間 ハ淀 橋 町柏 木 淀 橋 警 察 署 裏 ノ私 被
ノデ 、 其 男 ヲ使 ツテ居 タ ノデ ア リ マ ス。
同 日於 前 記 場 所
右 読 聞 ケ タ ル処 相 違 ナ キ旨 申 立 署 名 拇 印 シ タ リ。
川 正 一方 及 淀橋 町角 筈 ノ志 賀 義 雄 方 デ 各 一回位 宛 其中 央 常 任 執 行 委
六問 其政 治 テ ー ゼ ノ内 容 ハ如 何 ナ ル モノデ ア ツ タカ 。
転 換 に就 て﹂ ト題 ス ル 一論 文 自 体 ガ其 組 合 テ ー ゼデ ア リ マス。
誌 上 ニ内 田 広 名義 デ 載 セ テア ル ﹁我国 労 働 組 合 運 動 の発展 と其 方 向
経 過 ガ述 ベ テ ア リ、 次 ニ労 働農 民 党 、 日本 労 農 党 、 社 会 民 衆 党 及 労
答 其 政 治 テ ー ゼ ニ ハ先 ヅ 我 国 無産 階級 ノ政 治運 動 ノ最 近 ノ展 開
員 会 ヲ開 キ マシタ。
私
三 問 夫 等 ノ中 央 常 任 執 行 委 員 会 ニ ハ何 人 ガ出 席 シタ カ。
志 賀 義 雄
タ。 其 中 労 働 農 民 党 ニ対 ス ル対策 ト シ テ ハ同 党 ガ今 後 ブ ルジ ヨア民
農 総 聯 合 、 議 会 解 散 請願 運 動同 盟 等 ニ対 ス ル政 策 ガ述 ベ テ ア リ マシ
市 川 正 一
答 夫 等 ノ中 央 常 任 執 行 委 員 会 ニ ハ
ノ三名 ガ何 時 モ出 席 致 シ マシ タ。
五 昭 和 二年 七 、八 月当 時 ニ於 ケ ル大 衆 団 体 ノ闘 争 ニ対 ス ル指 導
四 工場 代 表 者 会 議 運 動 ヲ転 機 ト シ テ派 出 シタ諸 問 題 ニ対 ス ル対策
三 金 融 恐 慌 ニ対 スル対策
二 労 農 総 聯 合 組 織 及 統 一同 盟 ノ方針 ニ対 スル指 導
一 政 治 テ ー ゼ及 組 合 テ ー ゼ ノ発 表
運動 セ シメ マシタ ガ其 事 項 ハ
合 体 サ スベ キ事 、 議 会解 散 請 願 運 動 同 盟 ノ従 来 ノ運 動 ハ組織 労 働 者
労 農 総 聯 合 ニス ル事 、其 為 メ ニ ハ労 農 総 聯 合 ヲ解 体 シ テ統 一同 盟 ニ
本 労 農 党 幹 部 ノ為 メ ノ地 盤 ニ過 ギ ナ イ労 農 総 聯 合 ヲ全 大 衆 ノ為 メ ノ
ニ対 スル対 策 ト シ テ ハ労 働農 民党 ガ イ ニ シ ヤ チー フヲ執 ツ テ現 在 日
シ軈 テ夫 等 ノ党 ノ大 衆 ヲ右 ノ共 同戦 線 党 ニ獲 得 スル事 、 労 農 総 聯 合
ト シテ ハ夫 等 ノ党 ノ本質 ヲ大衆 ニ暴 露 シ大 衆 ト幹 部 ト ノ分 離 ヲ促 進
ヲ遂 行 セネ バ ナ ラ ヌ事 、 又 日本 労 農 党 、社 会 民 衆 党 等 ニ対 スル対策
級 カ ラ発 散 スル政 治 的 不満 反抗 ヲ糾 合 促 進 スル事 、 即 チ政 治 的 暴 露
タ全 国 的 階 級 的 単 一共 同戦 線 党 ト ナ ルベ キ事 、 其 為 メ ニ ハ凡 ユル階
主 々義 獲 得 ノ為 メ労 働 者 階 級 ヲ先頭 隊 ト シ、 小 農 民 小 市 民 ヲ抱 擁 シ
四問 被 告 ガ其 中 央 常 任 執 行 委員 デ ア ツタ期 間 中 其 中 央 常 任 執 行 委 員 会 ハ如 何 ナ ル活 動 ヲ為 シ タ カ。
六 府 県 会 議 員 選 挙 戦 ニ対 ス ル指 導
農 民 ノ ミ ノ政 治 闘争 ヘノ動 員 ニ局限 サ レテ居 ツ タガ 、 最 近組 織 労働
答 其 期 間 中 其 中 央 常 任 執 行委 員 会 ニ於 テ ハ大 衆 団 体 ヲ指 導 シ テ
七 対 支 非 干 渉 同 盟 運 動 ノ支 持
持 セ シム ル ト共 ニ、 益 々広 汎 ナ ル人 民層 ヲ此 ノ戦 線 ニ動 員 スル為 メ
八 太 平 洋 労 働 組 合 会 議 代表 者派 遣 運動 ノ支 持
ニ努 力 シ ナ ケ レバ ナ ラ ヌ。 此 ノ 運動 ノ闘 争 ヲ通 シテ 日本 共 産 党 ノ全
等 デ ア リ マ ス。
答 其 政 治 テ ー ゼ ハ マル ク ス主 義 誌 上 ニ発 表 致 シ マシ タガ 、 昭和
線 的 展 開 ヲ可 能 ナ ラ シ メ ル事 、第 五十 二議 会 対 策 ト シ テ ハ当 議 会 ニ
ナ ツ テ来 タ ニ付 、 労 働農 民 党 ハ無 産 諸 団 体 ヲ シテ益 々此 ノ運 動 ヲ支
二年 三月 号 マル ク ス主 義誌 上 ニ村 田省 造 名 義 ノ ﹁わが 無 産 階 級 政 治
者 農 民 ノ ミ ナ ラズ 全被 圧 迫 大衆 ヲ全 線 的 ニ政 治 闘 争 ヘ動 員 スル様 ニ
運 動 最 近 の展 開 ﹂ ト 題 ス ル 一論 文 自 体 ガ其 政 治 テ ー ゼデ アリ マス。
於 ケ ル政 府 ノ諸 法 案 並諸 政策 ヲ批 判 シテ其 反 動 的 本 質 ヲ暴 露 ス ルト
五問 其 政 治 テ ー ゼ及組 合 テ ーゼ ハ如 何 ナ ル方 法 デ 発 表 シ タカ。
其 組 合 テ ー ゼ ハ労 働 者 誌 上 ニ発表 致 シ マシタ ガ、 同 年 二月 号 労 働 者
共 ニ労 働 農 民 党 ノ議 会 対策 ト 、 日本 労 農 党 、 社 会 民衆 党 等 ノ ソ レト
メ ニ ハ労 働組 合員 ノ前 衛 ヲ ソ レ ニ送 ラ ナ ケ レバ ナ ラ ヌ。 此 ノ分 離 結
先 ヅ 政 治 ハ主 体 即 チ政 党 ノ完 成 ニ ヨラ ナ ケ レバ ナ ラ ヌ ノダ ガ 、其 為
第 一ニ労 働組 合 ヲ全 線 的 政 治 闘 争 ニ転 換 セ シ ム ル具体 的 方策 ト シテ、
合 ハ組 合 員 前衛 ノ激 烈 ナ ル理論 闘 争 ニ ヨツ テ行 ハレ ル。 次 ニ政 治闘
ノ本 質 的 相 違 ヲ大衆 ニ明 カ ニ知 ラ シメ ル事 、 其 為 メ ニ利 用 スベ キ問
教 法 、 兵 役 法 等デ アリ 、諸 政 策 ト シテ ハ社 会 政策 的 ナ事 業 、反 動 弾
ラ レ テ居 ル現在 ニ於 テ ハ全 階 級 ノ政 治 的 動 員 ガ ナ ケ レバ ナラ ヌ、故
争 ガ 全 線 的 ニ展開 サ レ ル ニ ハ専 制 勢 力 ノ圧 迫 ガ 全 階級 ノ各 層 ニ加 ヘ
題 ハ諸 法 案 ト シ テ ハ労働 組 合 法 、出 版 法 、 小 作 法 、 小作 組 合法 、宗
圧 政 策 、 政 府 ノ執 ル景 気 転 換 策 、 三党 主 妥 協 ニ ヨル政権 ノ 秘密 取 引
バ ナ ラ ヌ事 、 日 常経 済 闘 争 ヲ大 規 模 計 画 的 ニ組 織 シ テ政 党 ノ活 動 ト
ニ労 働 組 合 ハ組 合員 ノ前 頭 部 隊 ヲ全 無 産 階 級 ノ諸 層 ニ配 置 シナ ケ レ
等 デ ア ル事 等 ガ載 セテ ア リ マ シタ。
答 其組 合 テ ーゼ ノ内 容 ハ先 ヅ 日 本 ノ労 働 組 合 運動 ハスト ラ イ キ
七 問 其組 合 テ ーゼ ノ内 容 ハ如 何 ナ ル モノデ ア ツ タカ。
第 二 ニ日 常 経済 闘争 ニ干 ス ル方 策 ト シ テ、 日本 ノ労 働組 合 ハ小 サ イ
ガ述 ベ ラ レ テ居 リ 、
為 メ ニ、 スト ライ キ ヲ支配 ス ル ヨリ モ スト ライ キ ニ引 摺 ラ レ ル状 態
結 付 ケ ル事 、 左翼 労 働 組 合 員 ヲ急 速 ニ労 働 農 民 党 ニ参 加 セ シ メ ル事
本共産党) ハ、 此 ノ労 働 組 合 ガ政 治 闘 争 ヘ進 出 シ テ来 タ 事 ヲ 労 働 組
ニア リ、 今 日 マデ ノ スト ラ イ キ ハ 一工場 ノ争 議 ヲ延 長 拡 大 ス ル以外
ヲ機 因 ト シ テ生 レ、大 正 十 二年 頃 カ ラ従 来 ノ純 経 済 闘争 ヨリ政 治 闘
合 運 動 ノ社 会主 義 的政 治闘 争 ヘノ転 換 ト誤 認 シ タ。 即 チ当 時 労 働 組
ニ出 デ ズ 、 ゼネ ラ ル スト ラ イ キ ハ問 題 ニナ リ得 ナ カ ツ タガ 、 今後 ハ
争 ヘ干 与 ス ル様 ニナ ツ テ来 タ。 当 時 ノ社 会 主 義 者 ノ 一団 ( 当時 ノ日
ノ区 別 ヲ認 識 ス ル事 ガ出 来 ナ カ ツ タ ノデ ア ル。 一九 二三年 以前 ニ ハ
合 ガ行 ツ タ政 治 闘争 即 チ組 合 主 義 的 政 治 闘 争 ト 社 会主 義 的 政 治 闘 争
一 左 翼 労 働組 合 ノ 充実
ヌト 云 フ事 ガ 述 ベ ラ レ、次 ニ労 農 総 聯 合 運 動 ニ干 スル方 策 ト シ テ ハ
二 統 一同 盟 ヨリ中間 派 労農 総 聯 合 ニ対 ス ル合 同 ノ提 議
初 メ カ ラ計 画 的 ニゼ ネ ラ ル スト ラ イ キ ヲ組 織 スル事デ ナ ケ レバ ナ ラ
リ、 而 カ モ当時 ハ今 日 ノ 如 ク合 法 的 無 産 政 党 ガ ナ カ ツ タ時 代 デ ア ツ
三 労 農 総 聯 合 ノ内部 ヨリ統 一同 盟 ト ノ合 同 ヲ提 議 セ シ メ ル事
我 国 ニ ハ前 述 ノ如 ク共 産 党 ハア ツ タ ガ、 所 謂 解 党 派デ ア ツ テ自 ラ政
タ カ ラ労 働 組 合 ガ 政 治闘 争 ヲ行 ツ テ居 ツ タ。 其 為 メ ニ政 治的 指 導 意
治 的 行 動 ヲ為 ス事 ナ ク合 法 団体 ヲ通 シテ ノ ミ政 策 ヲ遂行 セ シ メテ居
見 ノ相 違 ガ直 チ ニ労 働組 合 ノ 内部 ニ対 立 ヲ起 サ セ、 其結 果 労働 組 合
四 議 会 解 散 請 願 運動 全 国協 議 会 ヲ労 農 総 聯 合 準 備 委 員 会 ニ転 換 セ シ メ ル事
ノ分 裂 ヲ不 可 避 ナ ラ シ メ、彼 ノ日本 労 働 総 同 盟 、 日 本 労 働 組合 評 議 会 ノ分 裂 ノ前 後 ヨリ開 始 サ レ タ所 謂 理論 闘 争 ハ組 合 主 義 ト 公 式 社 会
ト 云 フ事 ガ掲 ゲ ラ レ テ居 リ、 以 上 ノ外失 業 者 運 動 、 未 組 織 労 働 者組
五 日常 闘 争 ニ於 ケ ル共 同戦 線
主 義 的 政 治 闘 争 ヘノ転 換 ノ具 体 的 認識 ヲ得 タ ノデ ア ル ト 云 フ以 上 ノ
織 ノ方 針 、 国 際 運 動 ニ干 スル方針 等 ガ 示 サ レテ居 リ、 其 中 国 際 運 動
主 義 ト ノ本 質 ヲ暴 露 シ、 ソ コデ 初 メ テ組 合 主 義 的 政 治 闘 争 カ ラ社 会
概 括的 説 明 ニ次 デ 、 左 ノ如 キ転 換 方策 ガ述 ベ ラ レテ ア リ マシ タ。
的 共 同殊 ニ日支 労 働 者 ノ共 同 ガ 強 調 サ レテ居 リ マ シタ。
ニ干 シ テ ハ太平 洋 労 働 組 合 会 議 ヘノ参 加 ト スト ラ イ キ ニ於 ケ ル国 際
﹁ 所 謂 労働 組 合 の方 向 転 換 に就 て﹂ ト 云 フ論 文 デ ア リ マ シ タ。 国 領
其 代 表 的 ナ モノ ハ労 働 者 ノ昭 和 二 年 三 月 号 ニ現 ハレタ国 領 五 一郎 ノ
スト 、之 ニ対 シ テ先 ヅ 日 本 共 産 党 ノ内 部 カ ラ批 判 ガ始 マリ マ シタ。
其 政 治 テ ー ゼ ハ マルク ス主 義 誌 上 ニ組 合 テ ー ゼ ハ労 働 者誌 上 ニ適 当
答 私 ガ前 ニ述 ベ マ シタ通 リ第 一回 ノ中央 常 任執 行 委 員 会 ニ於 テ
其 外 矢 張 リ労 働 者 ノ同 号 ニ日下 部 千 代 一ガ発 表 シ タ ﹁階 級 的労 農 総
ル様 ニ ナ ツタ ノ カ其 根 拠 ヲ先 ヅ 究 明 スベ シ ト 云 フ ノデ ア リ マシ タ。
シ ナケ レバ ナ ラナ イ ノ カ、 又如 何 ニシ テ今 日斯 様 ナ闘争 ガ為 サ レ得
ヲ示 シ テ居 ルガ 、何 故 ニ其 具 体 策 ニ於 テ示 シ テ居 ル様 ナ闘 争 ヲ展 開
五 一郎 ノ所 説 ハソ レヲ要 約 ス レバ 、 組 合 テ ーゼ ガ突 然色 々ナ具 体 策
八 問 其 政 治 テ ー ゼ ヲ マ ルク ス主 義誌 上 ニ、組 合 テ ー ゼ ヲ労 働 者 誌
ノ時 期 ニ発 表 ス ル事 ニ協 議 決 定 致 シ マシ タ。 ソ レデ 私 ハ渡 辺 政 之 輔
上 ニ発表 ス ル ニ至 ツタ順 序 ハ。
カ ラ受 取 ツ タ其 政 治 テ ー ゼ ヲ第 一回 ノ中 央 常 任 執行 委員 会 ノ際 志 賀
ノデ 、 私 ガ其 部 分 ヲ抹 消 シタ上 日下 部 千 代 一ニ注 意 シ タ事 ガ アリ マ
ア ル統 一同盟 及労 農 総 聯 合 対 策 ヲ批 判 シ タ意 見 ヲ述 ベ テ アリ マシタ
シ タ。斯 様 ニ日本 共 産 党 ノ内 部 カ ラ党 ノ テ ー ゼ ニ対 スル批 判 ガ ア ツ
聯 合 と統 一問 題 ﹂ ト題 ス ル 一文 ノ原 稿 中 ニ モ明 カ ニ其 組 合 テ ーゼ ニ
ニナ ツ タ労 働 者 誌 上 ニ渡 辺政 之 輔 カ ラ受 取 ツ タ組 合 テ ーゼ ヲ発 表 ス
タ ノデ ア リ マシ テ、 ソ レヲ批 判 ス ル位 ノ人 ハ無 論 ソ レガ 日本 共 産 党
義 雄 ニ渡 シ テ置 キ マシタ。 ソ レデ 同 人 ガ ソ レ ヲ マル ク ス主 義 誌 上 ニ
ル為 メ、 其 第 一回 ノ中 央 常 任 執 行 委 員 会 直 後 、 巻頭 論 文 ニ掲 載 セ ヨ
右 ノ論 文 ト シ テ発表 シタ ノデ ア リ マ ス。 又 私 ハ其頃 カ ラ指 導 ス ル事
ト 云 ツ テ編 輯 人 ノ神道 久 三 ニ郵 送 致 シ マシ タ。 ソ レデ 同 人 ハ右 ノ論
ヘバ 理論 闘争 ニ ヨ ツテ発 展 ス ルト 云 フノデ ア リ マ スカ ラ、 其 当 時 ト
シ テ ハ左 様 ナ コト モ行 ハ レタ訳 デ ア リ マ ス。
ノ テ ー ゼデ ア ル事 ハ承 知 ノ上 デ ア リ マ スガ、 何 分 福 本 イ ズ ム カ ラ云
三問 然 ラバ其 反響 ニ対 シ、 被 告 等 日本 共 産 党 中 央 常 任 執行 委 員 会
文 ト シ テ ソ レ ヲ労 働 者誌 上 ニ発 表 シ タ ノデ ア リ マス。 尚労 働 者 二月
カ ラ 、昭 和 二年 二月 一日 発行 ト ナ ツテ居 リ マシ テ モ事 実 上 ノ発行 ハ
号 ハ其 第 一回 ノ中 央 常 任 執行 委 員 会 後 ニ発 行 サ レ タ モノデ アリ マス
遅 レテ居 リ マ ス。
答 右 ノ様 ナ国領 五 一郎 等 ノ批 判 其 モノ ハ尤 モデ ア リ マシ タガ 、
ハ如 何 ナ ル処 置 ヲ執 ツタ ノ カ 。
答 ソ レ ハ志 賀 義 雄 ガ 勝 手 ニ付 ケ タ ペ ンネ ー ムデ アリ マス。
九問 村 田省 造 ト 云 フ ノ ハ何 人 ノ ペ ンネ ー ムデ ア ル カ。
一〇 問 内 田広 ト 云 フ ノ ハ何 人 ノ ペ ンネ ー ムデ ア ル カ。
ナ ラ ヌト 云 フ事 、第 二 ニテ ー ゼ ノ論 議 ハ党 ノ然 ルベ キ機 関 ニ於 テ為
然 シ私 共 日本 共産 党中 央 常 任 執 行 委 員 会 ハ第 一ニテ ーゼ ヲ守 ラネ バ
スベ キ モノデ ア ツ テ濫 ニ個 人的 ニ為 スベ カ ラザ ル事 、第 三 ニ此 ノテ
答 ソ レ ハ私 ガ勝 手 ニ付 ケ タ名 前 デ ア リ マ ス。 一一 問 其 政 治 テ ー ゼ及 組 合 テ ーゼ ヲ発 表 シタ結 果 現 ハレ タ反 響 ハ什
ー ゼ ハ前 ノ党 中 央幹 部 カ ラ 引継 イダ モノデ ア ル カ ラ仮 ニ誤 ツ タ点 ガ
ア ツ テ モ吾 々留 守中 央 部 ニ於 テ勝 手 ニ変 更 シ得 ザ ル事 、 第 四 ニ若 シ
ウデ ア ツタ カ。 答 右 ニ述 ベ マシ タ様 ニ其 政 治 テ ー ゼ及 組 合 テ ー ゼガ 発 表 サ レ マ
スベ キデ ア ル ト 云 フ事 、 以上 ノ 四 ツノ 理由 ニ ヨツ テ右 ノ様 ナ批 判 ノ
足 リ、 党 員 ハ左 様 ナ議 論 ニ日 ヲ送 ルベ キデ ハナ ク兎 ニ角 闘争 ヲ展 開
誤 ツタ点 ガ ア ツ タト シ テ モ ソ レ ハ闘 争 ノ過 程 ニ於 テ補 正 シ テ行 ケ バ
一三問 其 労農 総 聯合 組 織 及 統 一同 盟 ノ方 針 ニ対 シ テ ハ如 何 ナ ル指導
実 践 ニ於 テ補 正 シ タ 一例 デ アリ マス。
居 ルデ ハナイ カト 云 ツテ攻 撃 シタ位 デ 、矢 張 リ テ ー ゼ ノ誤 ツ タ点 ヲ
就 テ ハ労 農 一派 ハ、福 本 イ ズ ム ハ其 理論 ト実 際 ニ行 フ事 トガ 違 ツテ
二 ツ ノ モノ ヲ如 何 ニ取 扱 ツ テ行 クカ ト 云 フ事 ガ、 昭和 二年 二月 上 旬
及 之 ニ対 抗 シ テ後 ニ日 本 労 農 党 ニ ヨツ テ作 ラ レタ労 農 総 聯 合 、 此 ノ
答 労 働 農 民 党 ノ創 立過 程 ニ於 テ出来 タ 左翼 ノ統 一運 動 全 国 同 盟 、
ヲ為 シ タ カ。
ヤリ方 ニ対 シ テ反 対 致 シ マシタ。 ソ コデ 同 年 四月 号 ノ労 働 者 ニ現 ハ レタ野 村 襄 二名 義 ノ ﹁労働 組 合 は如 何 に闘 争 す べ き か﹂ ト 云 フ私 ノ
策 カ ラ必 然 ニ来 ル労 働 者 階級 ノ窮 迫 ト政 治 的 圧 迫 、 ソ レ ニ対 シ テ先
論 文 ト ナ ツ タ ノデ ア リ マス。其 論 文 ノ要 旨 ハ、 資 本 家 階 級 ノ安 定 政
ヅ 闘 争 セネバ ナ ラ ヌト 云 フ趣 旨 ノ モノデ ア リ マシ タ。然 シ理論 闘争
挙 ゲ ル事 ガ出 来 マ ス。 其 大 会デ 発表 サ レタ同 組 合 ノ テ ー ゼ ハ実 ハ私
働 組 合 大 会 ニ於 テ発 表 サ レ タ同 組 合 ノ テ ー ゼ ヲ撤 回 サ セ タ事 ヲ例 ニ
バ ヨイ ト 云 フ ノデ ア リ マスガ 、 其事 ニ就 テ ハ同 年 三月 中 東 京 合 同 労
令 テー ゼ ニ間 違 ツ タ点 ガ ア ツ テ モ ソ レ ハ闘 争 ノ実 践 ニ於 テ補 正 ス レ
ラ シム ル事 ヲ主 張 シ テ ア ツ タノデ アリ マス。然 ル ニ此 ノ問 題 ニ対 シ
願 運 動 全 国 協 議 会 ヲ、 将来 ノ大 キ ナ労 農 総 聯 合 ノ組 織 準 備 委 員 会 タ
一同 盟 ト労 農 総 聯 合 ト ノ合 同 及 ソ レヲ促 進 ス ル為 メ ニ、 議 会 解 散 請
聯 合 ト ノ合 同 ヲ主 張 シ テ ア ツタ ニ反 シ、 一方 組 合 テ ー ゼ ノ方 デ ハ統
ノ方 デ ハ単 ニ労 働 農 民 党 ノイ ニ シ ヤ チー フノ下 ニ統 一同 盟 ト労 農 総
ー ゼ ニ モ組 合 テ ー ゼ ニモ言 及 サ レ テ居 リ マシタ ガ 、 一方 政 治 テ ー ゼ
ト ナ ツ テ居 リ マシ タ。 此 ノ問 題 ニ就 テ ハ留 守 中 央 部 ガ預 ツ タ政 治 テ
共 留 守 中 央 部 ガ引 継 イ ダ 日本 共産 党 ノ組 合 テ ー ゼ ヲ其 儘 持 ツ テ来 タ
テ此 ノ 二 ツ ノ テ ー ゼガ 発表 サ レ マス ル ヤ日本 共 産 党 内 カ ラ之 ニ対 ス
頃 ノ 一、二回 目 頃 カ ラ ノ私 共中 央 常 任 執行 委 員 会 ニ於 テ 引 続 キ 議 題
様 ナ、 労 働 組 合 即 チ前 衛 党 ト 云 ツタ様 ナ分 離 結 合 ノ問 題 ト 主 体 完 成
ル議 論 ガ起 リ マシ タ。 日下 部 千代 一ニ ヨ ツテ代 表 サ レタ 一ツ ノ意 見
ノ 旺 ンナ当 時 ニア リ マシ テ ハ其 私 ノ論 文 モ余 リ顧 ラ レ ナ カ ツ タ ノデ
論 ヲ取 扱 ツテ居 タ ノデ ア リ マスガ 、 ソ レ ニ対 シテ私 共 留 守 中央 部 ハ
ニ ヨ レバ、 統 一同 盟 ハソ レ自 体 ガ階 級 的 労 農 総 聯 合 ノ過 程 的 組 織 デ
ア リ マ ス。 只 今 申 述 ベ マシ タ通 リ私 共留 守 中 央 部 ノ意 見 ト シ テ ハ仮
ヲ 取扱 フベ キデ ハナ ク日 常 具 体 的 ノ闘 争 ヲ取 扱 フベ キデ ア ルカ ラ、
ア ルカ ラ、 更 ニ之 ニ農 民組 合 其 他 ヲ モ加 ヘテ拡 大 シテ行 ケ バ ソ レガ
当 時 中 央 常 任 執 行 委 員 会 ノ結 果 、労 働 組 合 ノ大 会 デ ハ主 体 完 成論 抔
即 チ階 級 的 労 農 総 聯 合 ニ ナ ルト 云 フノデ アリ マシタ。 一方 国 領 五 一
郎 ニ ヨ ツテ代 表 サ レ タ反 対論 ハ、 日 下部 千 代 一等 ノ所 謂 階 級 的 労 農
ヲ 口頭 デ 同 組 合 ノ南 喜 一カ ニ話 シ テ其 後 ソ レヲ撤 回 サ セ マシ タ。 尚
総 聯 合 ト ハ 一体 何 ヲ指 シ テ 云 ツ タ ノカ 、 ソ レ ニ対 ス ル何 等 ノ説 明 モ
同 組 合 ノ テ ー ゼ ヲ撤 回 サ ス ル事 ニ シ様 ト 云 フ事 ニナ リ、 私 カ ラ其事
レ タ関 東 地方 評 議 会 ノ大 会 ヲ留 守中 央 部 ノ意 見 ニ基 カ シ ム ル為 メ、
ナ イ ガ、 思 フ ニソ レ ハ労働 農 民党 ヲ支持 ス ル労 働 組 合 農 民 組 合 ノ支
今 後 斯 ル事 ノ簇 出 ヲ防 グ 為 メ、 東京 合 同 労 働 組 合 ノ大 会 直 後 ニ開 カ
矢 張 リ私 カ ラ南 喜 一ニ其 事 ヲ話 シ大 体 目的 ヲ達 シ マシ タ。 此 ノ事 ニ
シタ国 領 五 一郎 ノ論 文 ガ同 年 四月 号 ノ同 雑 誌ニ 発 表 サ レタ町 田晃 次
総 聯 合 と 統 一運 動 同 盟 の任 務 ﹂ ト 題 ス ル論 文 デ ア リ マ ス。 之 ニ反 対
右 ノ 日下 部 千 代 一ノ議論 ハ昭和 二年 三 月 号 ノ労 働 者 ニ ﹁階 級 的 労 農
ロー ガ ン ハ撤 去 スベ キ モ ノデ ア ルト 云 フノデ ア リ マ シタ。
ケ ル統 一機 関 ニ過 ギ ナイ モノデ ア ルカ ラ、労 働 農 民 党 支 持 ト 云 フ ス
モノデ ア ル。 本 来 統 一同 盟 ナ ル モノ ハ労 働 組 合 丈 ケ ノ 日常 闘 争 ニ於
ヨリ発 展 シテ生 ズ ル モ ノデ ハナ ク、統 一同 盟 ト ハ別 個 ニ作 ラ ルベ キ
持 聯 合 ト 云 フ モノデ ア ラ ウ。然 ラバ其 支持 聯 合 ナ ル モノ ハ統 一同 盟
関 東労 働 組 合 会 議 、 関 西 労 働 組 合 会 議 其 他 ノ金 国 労 働組 合 会議 ノ開
タ許 リデ ナ ク 、実 際 ノ運 動 ト シテ モ労 働 組 合 ノ方 面 デ ハ従 来 ア ツタ
其 結 果 ハ、左翼 ノ雑 誌 等 ニ労 農 総 聯 合 ト 云 フ事 ガ ソ レ以来 後 ヲ断 ツ
務 ﹂ ト 云 フ題 下 デ 論 ジ テ置 キ マシ タ。
更 ニ私 ガ同 年 五月 号 ノ労 働 者 ニ野 村襄 二名 義 デ ﹁統 一同 盟当 面 の任
二 、三 回無 産 者 新 聞 ノ論 文 ニナ ツテ現 ハ レテ居 ル筈 デ ア リ マス シ、
門 屋博カ 是 枝 恭 二 カ ニ伝ヘ テ、 同 年 三 月 頃 カ ラ同 年 四月 頃 マデ ノ間
此 ノ意 見 ハ志 賀 義 雄 カ ラ当 時 無 産 者 新 聞 社ニ 居 ツ タ日本 共産 党 員ノ
ル ニ至 リ マシタ。 例 ヘバ其 頃 農 民 組 合 山 陰 聯 合 会 ト 日 本 労 農 党系 ノ
某 組 合 ト ノ合 同 ヲ見 或 ハ中 部 地 方 ニ散 在 シ テ居 タ中 部農 民組 合 、 日
催 運動 ヲ促 進 シ、 一方 又農 民 組 合 方 面 デ ハ其 合 同 ノ機 運 ガ促 進 サ レ
私 共 中 央 常 任 執 行 委 員 会 ハ同年 四 月頃 マデ ノ 二、三 回 ノ会 議 ニ於 テ
シ テ協 議 会 ヲ結 成 シ、 其 後 夫 等 組 合 ノ部 分 的 合 同 ガ 行 ハレタ事 実 ガ
本 農 民組 合 中 部 聯 合 会 、其 他 其 地 方 ノ小 作 組 合 等 々ガ今 日 ノ前 提 ト
郎 名 義 ノ ﹁統 一運 動 は 如 何 に改 革 す べ き か ﹂ ト題 ス ル論 文 デ ア リ マ
之 ニ対 スル意 見 ヲ確 定 致 シ マシ タ。其 意 見 ハ、 労 働 者 ト農 民 ト ノ結
シタ。
合 ハ民 主 々義 獲 得 ノ闘 争 ニ於 ケ ル政 治的 同 盟 ト シ テ ヾ ア ツ テ、 経 済
アリ マシタ。
頃 私 カ ラ同 党 中 央 部 附 属 ノ事 務 局 ヲ通 ジ当 時 レ フト ノ書 記 ヲ勤 メ テ
又統 一同 盟 ニ於 テ ハ、 私 共 中 央 常 任 執 行 委 員 ノ其 意 見 ノ反 響 ノ結 果 、
居 タ同 党 々員 ノ ナ ント カ 云 フ男ニ 要 領 書 ヲ渡 シ、 レ フト カ ラ統 一同
モノデ ア ル。 在 来 ノ所 謂 労 農総 聯 合 ト 云 フ モノ ハ右 ノ民 主 々義 獲 得
所 謂 労 農 総 聯 合 ト 云 フ事 ハ無意 味 デ ア ル。 一方 統 一同 盟 ニ対 シ テ ハ、
闘 争 ノ為 メ ニ両 者 ヲ結 合 セ シ ム ル事 ハ両 者 ノ活 動 ヲ反 ツ テ阻 害 スル
在 来 ノ ソ レガ主 ト シ テ労 働 農 民党 支持 ト 云 フ事 ヲ中 心 ト シ テ組織 サ
盟 ニ働 キ カ ケ、 完 全ニ 日本 共 産 党 ノ意 見 ヲ反 映 サ セ ロト 云 フ方 法 ヲ
同 年 八月 ノ統 一同 盟 拡 大 委 員 会 ニ於 テ公然 ト 其意 見 ト同 様 ナ方 針 ヲ
レテ居 タ状 態 カ ラ脱 シ テ、 日常 闘 争 ト 云 フ事 ヲ中 心 ト シ タ労 働組 合
採 ツタ ノデ ア リ マ ス。 当 時 統 一同 盟 ニ ハ日 本 労働 組 合評 議 会 カ ラ出
声 明致 シ マ シタ。 統 一同 盟 ニ対 ス ル日 本 共 産 党 ノ其 方針 ハ同 年 四月
ノ統 一戦 線 ニナ ラ ナケ レバ ナ ラ ヌ。 其 為 メ ニ従 来 掲 ゲ テ居 タ労働 農
タ 日下 部 千 代 一、 俸 給 生 活 者組 合 カ ラ出 タ神 道 久 三 、市 電 自 治 会 カ
ニ労 総 共 同 戦 線 党 ト シ テ労 働農 民 党 ガ出 来 上 ツテ居 ル以上 、 在 来 ノ
民 党 支 持 ノ ス ローガ ン ヲ撤 去 シ、 ソ レ ニ代 フ ル ニ労 働 者 ノ政 党 加 入
ハ容 易 ニ統 一同 盟 内 ニ反 映 致 シ マシ タ。
ラ出 タ島 上 善 五郎 等 ノ 日本 共 産 党 員 ガ 居 リ マシタ ノデ 、同 党 ノ意 見
ノ闘 争 ニ於 ケ ル政 治 的 同 盟 ノ要 望 ノ表 現ニ 外 ナ ラ ヌ。 然 ル ニ今日 既
ン ニ ョツ テ結 合 シ タ モノ ニ シナ ケ レバ ナ ラ ヌト 云 フ ノデ ア リ マシタ 。
ノ自 由 ト 云 フ事 ヲ新 ニ加 ヘテ出 来 ル丈 ケ各 団 体 ノ 一致 ス ル ス ローガ
被
告
人 三 田村 四郎
レバ ナ ラ ヌト 云 フ日本 共産 党 中 央 部 ノ 意 見 ( 前 ニ述ベ マシタ労働者昭
ラ レナ カ ツタ ノデ ア リ マ シタ ガ、 右 金 融 恐 慌 ニ ョツ テ其状 態 ヲ急 転
和二年四月号ノ私 ノ論文其他当時 ノ無産者新聞 ニ於テ モ発表 シタ意見) ハ顧
ス ル ニ至 リ マシタ。
二 問 被 告 等 日本 共 産 党 中 央 常 任 執 行 委 員 会 ニ於 テ ハ其金 融 恐 慌 ニ
東 京 地 方裁 判所
右読 聞 ケ タ ル処 相 違 ナ キ旨 申 立 署 名拇 印 シ タリ。 同 日於 前 記 場 所
対 シ如 何 ナ ル対 策 ヲ講 ジ タ カ。
鹿 田 清 次
裁 判 所 書 記
対策 ヲ講 ジ タ カ ト申 シ マスト、 夫 等 ノ無産 政 党 ハ其 金 融 恐 慌 ニ対 ス
答 先 ヅ 社 会 民 衆 党 、 日本 労 農 党 等 ハ其 金 融 恐 慌 ニ対 シ如何 ナ ル
予 審 判 事 神 垣 秀 六
人 三田 村 四郎
ル政 府 ノ政 策 ヲ攻 撃 致 シ マシ タガ、 然 シ ソ レ ハ預 金 者 ノ利 益 ヲ擁 護
告
ス ルト 云 フ立 場 ニ立 ツ テ ノ攻 撃 デ ア リ マシ タカ ラ、 其計 画 シタ ト コ
被
ニ於 テ、 予 審 判事 神 垣 秀 六 ハ裁 判 所 書 記 鹿 田清 次 立 会 ノ上 前 回ニ 引
右 治 安 維 持 法 違 反被 告 事 件 ニ付 、 昭和 五年 一月 十 五 日豊 多 摩 刑 務 所
ロノ モノ ハ預 金 者 大 会 ト 云 フ様 ナ モ ノデ ア リ マシ タ。
第 十 二回 訊問 調 書
続 キ右 被 告 人 ニ対 シ訊問 ス ル コト 左 ノ如 シ。
ル対 策 決 定 ノ為 メ会 議 ヲ開 キ、 政府 ノ政策ニ 反 対 シタ ノ ハ勿 論 其 金
私 共 日本 共 産 党 中 央 常 任 執 行 委 員 会 ニ於 テ ハ当時 其 金 融 恐 慌 ニ対 ス
一 其 金 融 恐 慌 ガ日本 ノ大財 閥 ノ経 営 ス ル銀 行 ニ マデ 波 及 スル事
融 恐 慌 ノ本 質 及 破 綻 シ タ銀行 ノ系統 ヲ研究 調 査 シタ結 果
答 ソ レ ハ昭和 二年 四月 中 旬 頃 突 発 シ タ金 融 恐 慌 ヲ意 味 ス ルノデ
一問 其 金融 恐慌ト 云 フノ ハ如 何 ナ ル意 味 デ ア ル カ。
ア リ マス。当 時政 府 ハ鈴 木 財 閥 ノ為 メ 二億 万 円 ノ補償 ヲ シ テ其 金 融
者 ノ賃 銀 値 下 ヲ来 タ スト 云 フ事
三 而 シ テ其結 果 ハ工場 閉 鎖 ガ起 リ失 業 者 ガ簇 出 シ、 延 イ テ ハ労 働
ノ小 企 業 ガ 全 体 ト シ テ破 綻 ス ル事
二 更 ニ破 綻 シ タ銀行 ト ノ取 引 干 係 上 及金 融 恐 慌 ノ特 質 上 カ ラ 日本
恐 慌 ヲ鎮 静 シ様 ト シタ ノデ ア リ マ スガ、 其 政 策 ハ通 ラズ、 内 閣 ガ更 迭 シ テ田中 内 閣 ト ナ リ、 同 内 閣 ハ更 ニ五 億 万 円 ノ補 償 ニ ョ ツテ其 金 融 恐 慌 ヲ鎮 静 シ様 ト シ、 其 為 メ ニ臨 時 議 会 ノ召 集 ヲ発表 致 シ マシタ。 而 シ テ前 ニ モ述 ベ マシタ通 リ当 時 東 京 合 同組 合 ノ テ ー ゼ ニ於 テ ハ労
ト 云 フ事 ハ其 中 央 常 任 執 行委 員 会 ニ於 テ ハ未 ダ結 論 ヲ見 出 ス事 ハ出
等 ノ結 論 ヲ得 マシ タ。 其金 融 恐 慌 ガ農 村ニ 如 何 ナ ル影 響 ヲ及 ボ スカ
働組 合 ヲ共 産 党 ノ如 ク解 シテ居 ツ タ ノデ ア リ マシ テ、其 テ ー ゼ ハ当
ア ツ タ南喜 一ヲ動 カ シテ撤 回 サ セ ハシ マシ タ モノ ヽ、 一般ニ 東 京 労
テ労 働 者 ヲ蹶起 セ シ メ様 ト 云 フ事 丈 ケ ハ決 定 致 シ マシ タ。
来 ナ カ ツ タ ノデ アリ マスガ 、 取 敢 ヘズ 以上 ノ見 地 カ ラ其 事 件 ニ対 シ
時 日本 共産 党 ノ関 東 地 方 委 員 長 デ ア リ且 東 京 合 同労 働 組 合 ノ 元老 デ
メ先ヅ 理論 闘 争 ヲ為 シ、 理 論 ノ根 拠 ヲ究 明 シ テカ ラデ ナ イ ト実 際 ノ
其 中 央常 任 執行 委 員 会 ニ於 テ私 共 ガ其 方 針 ヲ決 定 シ タ直 後 政府 ハモ
働組 合 ノ ミ ナ ラズ 、 左 翼 ノ運 動 ガ福 本 イ ズ ム ノ影響 ヲ蒙 ツテ居 タ為
運動 ニ執 リ カ ヽラ ナ イ ト 云 フ有 様 デ 、 兎 ニ角 闘 争 ニ執 リ カ ヽラ ナ ケ
ラト リ ア ムヲ発 表 シ タ ノデ 、 其 結果 現 実 ニ私 共 ガ予 想 シ タ如 ク 工場
席 上 ニ於 テ私 ガ即 座 ニ作 成 シ、 議 会 解 散請 願 運動 ノ為 メノ檄 文 ハ市
ソ レデ 工場 代 表 者 会 議 開 催 ノ為 メ ノ檄 文 ハ其中 央 常 任 執行 委 員 会 ノ
ソ コデ 私 共 ハ更ニ 中 央 常 任 執 行 委員 会 ヲ開 キ 、労 働 者 ヲ シ テ政 府 ト
川正 一カ志 賀 義 雄 カヾ 追 ツ テ作 成 スル事 ニ致 シ マシタ。 私 ガ書 上 ゲ
定 致 シ マシタ。
闘 ハ シム ル為 メ ニ 一、 工 場 代表 者会 議 、 二、 議 会 解 散 請願 、 ト 云 フ
タ檄 文 ノ原 稿 ハ、 其 中 央 常 任 執 行 委 員 会 ヲ開 イ タ夜 カ其 翌 日 カ ニ附
閉 鎖 ガ起 リ賃 銀 不 払 ト ナ リ、 一挙 ニ失業 者 ヲ簇 出 致 シ マシ タ。
二 ツノ形 態 ニ ョラ シ ム ルト 云 フ政 策 ヲ決 定 致 シ マシ タ。
属 事 務 局 ノ藤 原 久カ 中 野 尚 夫 カ ヲ シテ 日本 労 働 組 合 評 議 会 常 任 委 員
シタ ガ、 同 会 カ ラ出 ス事 ニ ス レバ同 会 ノ常 任 委 員 会 ノ決 定 ヲ経 ル必
国 領 五 一郎 ノ処 ヘ持 チ行 カ シ メ、 同 会 ノ名 義 デ 発 表 サ セ様 ト 致 シ マ
而 シテ其 工場 代 表 者 会議 運動 ノ為 メ ノ ス ロー ガ ント シ テ ハ 一 大 資 本 閥 救 済政 策 反対
一郎 等 ノ計 ヒデ当 時 恰 モ常 任 委 員 会 ガ開 カ レ テ居 タ統 一同盟 ノ 名義
要 ガ ア リ、 ソ レデ ハ時 日 ガ遷 延 シテ間 ニ合 ハヌ ト 云
一 給 料 ヲ完 全ニ 支 払 ヘ 一 休 業 中 ノ日給 ヲ支 払 ヘ
一 労 働 者 ノ生 活 ヲ保 証 ス ル緊 急 救済 法 ノ即 時 制 定 実 施 ヲ要 求 ス
一 給 料 値下 反 対
一 作 業 ヲ継 続 シ ロ
散 請 願 運 動 同 盟 ニ居 ツ タ日 本 共産 党 員神 道 久 三 カ 其他 誰 カ党 員 ニ交
運 動 ノ為 メ ノ檄 文 ハ市 川 正 一カ志 賀 義 雄 カヾ起 草 シ テ、当 時 議 会 解
名 義 デ 昭和 二年 四月 二十 八 日ニ 発 表 致 シ マシ タ。 一方 議 会解 散 請 願
デ 発表 シ様 ト 云 フ事 ニナ リ、 統 一同 盟 ニ其 原 稿 ヲ引渡 シ テ該 同 盟 ノ
ノデ、 国 領 五
一 工場 閉 鎖 反 対
一 失 業 手 当 法 ヲ即 時制 定 実施 シ ロ
附 シタ ノ ダ ラ ウ ト思 ヒ マ ス。 ソ レ ハ同 月 二 十 七 日議 会 解 散 請 願 運 動
全 国 実 行 委 員 会 名 義 デ 出 サ レ マシ タ。
一 全 労 働 者 ハ工場 代 表者 会議 ヲ開 催 シテ要 求 ヲ統 一セ ヨ ト 云 フ九 ツ ノ事 項 ヲ決 定 シ、 又議 会 解 散 請 願 運 動 ノ為 メ ノ ス ローガ
三問 其 工場 代 表 者 会 議開 催 ノ為 メノ檄 文 ノ内 容 ハ如 何 ナ ル モノデ
答 其檄 文 ノ全 文 ハ労働 者 昭和 二年 五月 号 ノ 五十 頁 カ ラ五 十 一頁
ア ツタ カ。
ント シテ ハ 一 五 億 ノ金 ヲ国 民 カ ラ強 奪 セ ント スル臨 時 議 会 ニ絶 対 反 対 セ ヨ 一 現 議 会 解 散
ニ再 録 サ レ テ ア リ マス。
四問 其 議 会解 散請 願 運動 ノ為 メ ノ檄 文 ノ内 容 ハ如 何 ナ ル モ ノデ ア
一 普 選 即 行 ヲ請願 セ ヨ ト 云 フ 三 ツ ノ事 項 ヲ決 定 致 シ マ シタ。
ツ タ カ。
頁 ニ再 録 サ レ テ アリ マス。
答 其檄 文 ノ全 文 ハ労 働 者 昭和 二年 五 月 号 ノ七 十 二頁 カ ラ 七十 三
右 ノ中 議 会 解 散請 願 運動 ト シテ ハ、 昭 和 二年 五 月 三 日 ノ臨 時 議 会 召
其 為 メ ニ二種 ノ檄 文 ヲ作 ツ テ発 表 シ様 ト 云 フ事 ヲ決
集 ノ当 日 其 ス ローガ ンノ下ニ 其 運 動 ヲ行 ハシ メ様 ト 云 フ事 ニナ リ、 ソ コデ ソ レ〓
五 問 被 告 等 日本 共産 党中 央 常 任 執 行 委 員 会 ニ於 テ施 シ タ其 金 融 恐
答 其 結 果 ハ工場 代 表 者 会 議 ノ運 動 ト議 会 解 散請 願 ノ運動 ト ニ区
慌 ニ対 スル対 策 ノ結果 ハ什 ウ デ ア ツタ カ。
七 問 其 議 会解 散請 願 ノ運 動 ハ什 ウデ ア ツ タ カ。
答 右 ニ述 ベ マシタ議 会 解 散 請 願 運 動 ノ為 メ ノ檄 文 ハ昭和 二年 四
月 二十 七 日 カ ラ同 月末 ニカ ケ テ約 二、三万 部 全 国 ニ配 付 サ レ マシタ。
場代表者会議 ヲ開キ マシタ)其 後 同 年 五月二 十 日頃 統 一同 盟 ガ 工 場 代
動 ハ起 ラ ナ カ ツ タ ノデ アリ マス ガ ( 唯神戸 ニ於 テ昭和 二年五月六日ニ工
ニ 一般 ニ労 働 組 合 ガ 理論 闘争 ニ強 イ時 代 デ ア リ マシ タ為 メ直 チ ニ運
檄 文 ハ全 国ニ 約 二、三 万部 配 付 サ レ マシタ。 然 シ右 マ述 ベ マ シ タ 様
サ レタ ノ ガ モラト リ ア ム発表 後 二、三 日 ヲ経 タ頃 デ ア リ マ シ テ 、其
答 右 ニ述 ベ マシ タ通 リ 、統 一同 盟 カ ラ私 ノ起 草 ニ係 ル檄 文 ガ出
猛 烈 デ ア ツ タ ノ ト既 ニ臨 時 議 会 ガ過 ギ去 ツテ仕 舞 ツ タ ノト ノ為 メ ニ、
フ意 識 ヲ深 ク植 付 ケ ル事 ガ出 来 マシタ。 然 シ何 分 ニ モ政 府 ノ圧 迫 ガ
ニ、 現 在 ノ議 会 ナ ル モ ノガ少 数 資 本 閥 ノ為 メ ニ動 ク モ ノデ ア ルト 云
果 ハ挙 ゲ得 ナ カ ツタ ノデ ア リ マ スガ、 其 運 動 ニ ョツ テ 一般 大衆 ノ間
願 運 動 ハ既 ニ議 会 ノ会 期 モ終 ツタ後 ノ事 デ ア リ マシ タ カ ラ解 散 ノ結
下 旬 頃 衆 議 院 書 記官 長 カ ニ送 ツタ筈 デ ア リ マ ス。 然 シ其 議 会解 散 請
書 ヲ議 会 解 散請 願 運動 同 盟 ニ集 メ、 労 働 農 民 党 ト 協 力 シ テ同年 六 月
タ従 業 員 カ ラ議 会解 散 要 求 ノ署 名 ヲ採 リ、 数 十 万 人 ノ署 名 ア ル要 求
其 結 果 同 年 五 月 十 五 日頃 カ ラ同 年 六 月 二十 日頃 マデ ノ間 、 工場 代 表
表 者 会 議 運 動 ノ日 報 ヲ発 行 ス ル ニ及 ビ マ シテ 、其 後 同 年 六 月 十 五 日
其 後 大 運 動 ニ ハナ リ得 ナカ ツ タノ デ アリ マ ス。
者 会 議 ト 結 付 イ テ全 国各 地 ノ 工場 従 業 員 大 会 ニ於 テ其 大 会 ニ参 集 シ
頃 マデ ノ間 全 国 各 地 ニ工場 代 表 者会 議 ガ開 カ レ マ シタ。 而 シ テ其檄
六問 其 工場 代 表 者 会議 ノ運 動 ハ什 ウデ ア ツ タ カ。
文 ニ ハ右 工場 代 表 者 会 議 運 動 ノ為 メ ノ ス ロー ガ ンガ記 載 サ レテ アリ
八 問 其 工場 代 表 者 会 議 運動 ヲ転 機 ト シテ先 ヅ 第一ニ 如 何 ナ ル問 題
別 スル事 ガ出 来 マス。
マシタ ガ、 夫 等 ノ 工場 代 表 者 会 議 ニ於 テ ハ其 ス ロー ガ ンノ支 持 ヲ決
議 会 解 散 請 願 運 動 同 盟 、無 産 青年 同 盟 、 農 民組 合 等ノ 諸 団 体 ヲ シ テ
合 ニ ョ ツテ活溌 ナ ル活 動 ヲ展開 シ始 メ マシタ ガ、 同 時 ニ労 働 農 民 党 、
答 其 工場 代 表 者 会 議 運動 ハ左翼 労 働 組 合 ヲ始 メト シ テ全 労 働 組
ガ 生 ジ タ カ。
ガ各 地 ニ起 リ マシ タ。 其 顕 著 ナ例 ヲ挙 ゲ マス レバ同 年 五 月 ノ東 京深
具 体 的 ナ闘 争 ヲ 一斉 ニ展開 シ始 メサ セタ ノデ ア リ マシ タ ガ、 ソ レ ニ
ケ タ労 働 者 ノ損 害 ニ対 ス ル闘争 若 ク ハ賃 銀 値 下 反 対 ノ スト ライ キ等
議 シ夫 々其 地方 ノ個 々 ノ 工場 ノ要 求 ヲ モ附 加 シテ、 工場 閉 鎖 カ ラ受
川 ノ木 材 労 働 者 ノ総 罷 業 、神 戸 川崎 造 船 所 ノ総 怠 業 等 ガ起 リ マシ タ。
就 テ先 ヅ 第 一ニ起 ツ タ問題 ハ左翼 労 働 組 合 ノ解 党 派 的 傾 向 デ ア リ マ シタ。
イ キ ヲ其 当 時 行 ヒ マシ タ。 ソ レ ハ機 織 工場 、護謨 工場 、 セ メ ント 工
九 問 解 党 派 的 傾 向 ト ハ如 何 ナ ル意 味 デ ア ルカ。
総 ジ テ 工場 代 表 者 会 議 ニ参 加 シ タ全 国労 働 者 ノ 三分 ノ 一位 ハスト ラ
力 ヲ必要 ト ス ル小 規 模 ノ 工場 労 働者 若 ク ハ半 手 工業 的 小 工場 ノ労 働
答 解 党 派 的 傾 向 ト 云 フ ノ ハ自 分 ノ正 体 ヲ ボ カ シテ大 衆 ニ示 スト
場 、硝 子 工場 、 鋳 物 工場 、木 材 工場 等 ノ 、機 械 力 ヨリ モ主 ト シ テ労
者 ノ間 ニ起 リ マ シタ。
シ タ。
云 フ ノデ アリ マシ テ、 之 ハ日本 共 産 党 ノ従 来 ノ伝 統 的 方針 デ ア リ マ
ソ レデ 同 月 二 十 二、三 日頃 其 点 ヲ指 摘 シタ文 書 ヲ日本 共産 党 中 央 部
デ ア ル。 ソ レデ其 理由 ヲ指 摘 シテ ヤラ ウ ト 云 フ事 ヲ決 定 致 シ マシタ。
答 其 工場 代 表 者 会 議 運 動 ニ於 テ ハ、実 際 ハ日本 労 働 組 合 評 議 会
タ工場 大 衆 ヲ其 組 織 内 ニ吸 収 シ様 ト シ タ ノデ アリ マスガ 、如 何 ニセ
十 日ニ 工場 代 表 者 会 議 ノ方 針 書 ヲ発 表 シ、 工場 代 表者 会議 ニ駆 集 ツ
附 属 ノ事務 局 ヲ通 シ テ評 議 会 中 央 ビ ユー ロー ノ フ ラ ク シ ョ ン責 任者
ガ働 イ テ居 リ乍 ラ同 会 ハ表 面 ニ立 タ ズ 、統 一同 盟 ヲ矢 面 ニ立 タ シ メ
バ ソ レヲ吸 収 シ得 ル カト 云 フ事ニ 気付 イ テ居 ナ カ ツタ ノデ ア リ マ ス
一 〇問 其 工場 代 表 者 会 議 運 動 ニ際 シ テ起 ツ タ解党 派的 傾 向 ノ問 題 ハ
テ闘 ツタ ノデ ア リ マ ス。 其結 果 工場 代 表 者 会 議 運 動 ノ ス ローガ ント
カ ラ、 其 工場 代 表 者 会 議 ノ政策 運 動 ガ自 己 ノ運 動 ナ ル事 ヲ日 本 労 働
国 領 五 一郎 ニ交 附 致 シ マシタ。 日本 労 働 組 合 評 議 会 ニ於 テ ハ同 月 二
其 運 動 ハ労 働 者 ノ大 ナ ル支持 ヲ贏 チ得 タ ニ拘 ラズ 、 夫 等 ノ労 働 者 ハ
組 合 評 議 会 自 身 ノ名 デ 発表 ス レバ ョイ ト 云 フ事 ヲ、 私 共日 本 共 産 党
如 何 ナ ル モノデ ア ツ タ カ。
ルト解 シ、 従 シ テ統 一同 盟 ヲ崇 拝 信 頼 シ統 一同 盟 ニ参 加 スル気 運 ヲ
其 支 持 シ タ ル ス ローガ ント運 動 ヲ統 一同 盟 ノ ス ロー ガ ンヤ運動 デ ア
果 ヲ生 ジ マシ タ。
ツ テ必然 ニ日本 労 働 組 合 評 議 会 ノ組 織 モ拡 大 シ得 ナ カ ツ タ ト 云 フ結
組 合 評議 会 ニ対 シテ ハ少 シ モ注 意 ヲ払 ハナ カ ツタ ノ デ ア リ マ ス。 従
決 議 ヲ為 シタ ノ デ ア リ マス。 然 シ実 際 ニ其 運 動 ニ従事 シタ 日本 労 働
代 表 者 会 議 初 メ全 国各 地 ノ 工場 代 表 者 会 議 ニ於 テ、統 一同 盟 支 持 ノ
ニ日本 労 働 組 合 評 議 会 ト通 謀 ス ル左翼 分 派 ガ出 来 ル様 ニナ リ マシ タ。
拡 大 シ、其 結 果 同 年 六 月 下 旬 頃 カ ラ ハ日本 労 働 総 同 盟 ヤ組 合 同 盟 内
日 本労 働 組 合 評 議 会 ニ吸 収 スル事 ガ 出来 ル様 ニナ リ、 其 為 メ同 会 ハ
己 ノ名 ヲ以 テ発 表 致 シ マシ タ ノデ、 従 来 統 一同 盟 ヲ支 持 シタ大 衆 ヲ
員 会 ノ意 見 ニ従 ヒ、 其 後 ノ 工場 代 表 者 会 議 ニ干 スル印 刷 物 ハ凡 テ自
答 其 結 果 日 本労 働組 合 評 議 会 ハ私 共 日本 共 産 党 中 央 常 任 執 行委
一 二 問其 結 果 ハ什 ウデ ア ツ タカ。
中 央 常 任 執 行 委 員 会 カ ラ教 ヘテ ヤ ツタ訳 デ ア リ マス。
一一 問 其 問 題 ニ対 シ被 告 等 日本 共産 党 常任 執 行 委 員 会 ハ如 何 ナ ル処
此 ノ分 派 ガ後ニ 組 合 同 盟 等 ニ於 ケ ル内 部 ノ 左右 両 翼 ノ抗 争 ノ原 因 ニ
広 ク促 進 セ シ メ マシタ。 昭和 二年 五月 初 旬 神 戸 ニ於 テ開 カ レタ 工場
置 ニ出 デ タ ノ カ。
ル日本 労 働 組 合 評 議 会 ノ ヤリ方 ガ無 原 則 的 デ 、 之 程 大衆 ノ支 持 ス ル
執 行 委 員 会 ヲ開 キ、結 局 其問 題 ノ原 因 ハ工場 代 表 者 会 議 運 動 ニ対 ス
ノ中 途 カ ラ其 問 題 ニ気 付 イ タノ デ 、 昭和 二年 五月 二十 日 頃 中 央 常 任
議 工場 委 員 会 運 動 展開 の当 面 の任 務 ﹂ ト 云 フ 一文 ヲ載 セ テ居 リ、 其
働 者 昭 和 二年 七 月 号 ニ私 ガ野 村襄 二 ノ ペ ンネ ー ムデ ﹁工場 代表 者会
ツ様 ニナ ツ タ カ ト 云 フ様 ナ拡 大 ノ計 数 ハ記 憶 シ テ居 リ マセ ヌガ 、 労
私 ハ日本 労 働 組 合 評 議 会 ガ 如何 ナ ル程 度 マデ 未 組 織 工場 ニ組 織 ヲ持
ナ ツ タ訳 デ ア リ マ ス。
運 動 ナ ル ニ拘 ラズ 日本 労働 組 合 評 議 会 ガ自 己 ノ名 デ 其 運動 ヲ為 サ ナ
中 ニ神 戸 地 方 丈 ケ ノ統 計 ヲ載 セテ置 キ マシ タガ 、 大 体 ソ レ ニ ョ ツテ
答 私 共 日本 共 産 党中 央 常 任 執行 委 員 会 ハ其 工場 代 表 者 会 議 運動
カ ツ タ為 メ、 大衆 ノ信 頼 モ得 ズ 従 ツ テ組 織 ノ拡 大 モ出 来 ナ カ ツタ ノ
義 と そ の展 開 ﹂ ト 云 フ論 文 ガ アリ マス。 其 中 ニ ハ議 会 解 散請 願 運動
云 フペ ンネ ー ムデ 発表 シタ ﹁ 全 線 的 政 治 闘 争 と し て の請 願 運動 の意
二 ノ文 献 ガ ア リ マス。 労働 者 昭和 二年 二月 号 ニ門 屋 博 ガ 伊 達 宏 一ト
組 合 評 議 会 ハ二十 パ ー セ ント位 デ ア リ マシ タ ノ ガ、 工場 代表 者会 議
ハ単 ニ第 五 十 二議 会 ニ対 ス ル解 散ノ 要 求 ヲ以 テ終 レリト スル モノ デ
題 ガ起 ツ タ ノデ アリ マス。 此 ノ指 導 権 限 ノ問 題 ニ就 テ ハ其 前 カ ラ 一、
運 動 ヲ自 己 ノ名 デ 為 ス様 ニナ ツ テカ ラ即 チ同 年 六 、七 月 頃 カ ラ、其
ナ ク、 吾 々 ノ政 治 的 要 求 ヲ反 映 セザ ル凡 ユ ル議 会ニ 対 シ テ絶ヘ ズ繰
全 国 一般 ノ事 ガ 推 測 出来 ルト思 ヒ マス。 極 メ テ大 ザ ツ パ ニ 云 フト、
比 率 ガ前 者 ノ七 十 パ ー セ ント ニ対 シ後 者 即 チ 日本 労 働 組 合 評 議 会 ガ
従 来 他 ノ組 合 若 ク ハ未組 織 工場 ノ 八十 パ ー セ ント位 ニ対 シ日本 労 働
三十パー セ ント 位 ニナ ツ タ事 ハ争 ハレナ イ事 実 ト思 ヒ マス。
四 月号 ノ マル ク ス主 義 誌 上 ニ村 山藤 四郎 ガ和 田叡 三 ノ ペ ンネ ー ムデ
ハ議 会 解 散 請 願 同 盟 ナ リト 云 ツテ居 リ マス。 之ニ 反 シ テ 一九 二 七年
発 表 シタ ﹁議 会 解 散 請 願 運動 に就 て﹂ ト 云 フ論 文 ニ ハ、 政 治 的 自由
返 ヘサ ナ ケ レバ ナ ラ ヌ 云 々ト ア ツテ、 政 治 的 自 由 獲 得 ノ任 務 負 担 者
フ事ニ 付 、労 働 者 昭 和 二年 六 月 号 ニ ﹁工場 代 表 者 会 議 運 動 ノ最 近 ノ
獲 得 ノ任 務 負 担 者 ハ労 働 農 民 党 ナ リト主 張 シテ居 リ マ ス。
尚 私 ハ工場 代 表 者 会 議 ニ狩 出 シ タ労働 者 ヲ 日本 労 働 組 合 評 議 会 ニ吸
展 開 ﹂ ト題 シ野 村襄 二 ノペ ンネ ー ムデ論 文 ヲ出 シテ居 リ マ ス。
収 ス ル為 メ ニ ハ宜敷 同 会 ハ自 己 ノ名 ニ ョツテ其 運 動 ヲ為 スベ シト 云
一三 問 其 工場 代 表 者 会 議 運 動 ヲ転 機 ト シテ其 次 ニ如 何 ナ ル問 題 ガ 生
一 四問 其 問 題 ニ対 シ被 告 等 日本 共産 党中 央 常 任執 行 委 員 会 ハ如 何 ナ
中 央 常 任 執 行 委 員 会 ト シ テ ハ其 意 見 ノ確 定 ガ重 要 問 題 ニナ リ マシ タ。
答 右 ノ様 ナ指 導 権 限 ノ問 題 ガ起 リ マシタ ノデ 、 私 共 日 本 共産 党
ル処 置 ニ出 タ ノ カ。
ジタ カ。
ハ、 労働 農 民党 ガ其 運 動 ヲ契 機 ト シ テ其 全組 織 機 関 ヲ活 動 セシ メ、
何 故 ナ レバ門 屋 博 ガ論 ジ テ居 ル様 ニ、 政治 的 自 由 獲 得 ト 云 フ任 務 ノ
答 其 工場 代 表 者 会 議 運 動 ノ展 開 ニ伴 ツテ第 二 ニ問 題ト ナ ツ タ ノ
日 本 共産 党 ノ政 治 テー ゼ ニ示 シ タ如 ク各 人 民 層 ノ政 治的 不 満 ヲ爆 発
負 担者 ガ議 会 解 散 請 願 同 盟 ダ ト ス レバ 議会 解 散 請 願 同 盟 ナ ル モノガ
者 ハ日 本 共産 党 ヨリ外 ニナイ ノデ ア ルカ ラ、 其意 見 ニ ョ レバ議 会 解
サ セ ル為 メ ノ煽 動 ヲ開 始 シタ ト共ニ 、 一方 労 働組 合 、議 会 解 散 請 願
散 請願 同 盟 即 チ日本 共 産 党 ト 云 フ事 ニナ ラ ナケ レバ ナ ラ ナ イ。 又 村
同 盟 、農 民組 合 、無 産 青 年 同 盟 等ニ 対 シ労 働 農 民 党 ノ政策 ヲ支 持 シ
ウ カ ト 云 フ問 題 ガ 生 ジ マシタ。 同 時 ニ又労 働 農 民 党 ト 同様 、当 時 各
山 藤 四 郎 ノ意 見 ニ シテ モ同 様 労 働 農 民 党 即 チ日本 共産 党 ニナ ツ テ仕
メ ニ ハ必然 ニ革 命 ヲ ヤ ラ ナ ケ レバ ナ ラナ イ ノ デ ア ルガ、 革 命 ノ遂 行
人 民 層ヘ ノ政 治 的 煽動 ヲ為 シ テ居 タ議 会 解 散 請 願 同 盟 モ亦労 働 農 民
其 任務 ニ堪 ユ ル丈 ケ ノ組 織 ヲ持 タ ナ ケ レバ ナ ラズ 、其 任 務 遂 行 ノ為
党 カ ラ指 導 ヲ受 ケ ル モノ カ什 ウ カ ノ問 題 ガ起 ツ テ来 タ ノデ アリ マス。
ソ コデ 私 共中 央 常任 執 行 委 員 会 ニ於 テ ハ昭 和 二年 六 、七 月 頃 二 回 ニ
舞 フ ノデ アリ マス。
テ行 動 セ ヨト 云 フ指令 ヲ発 シ マシタ。 此 ノ問 題 カ ラ 一体 左翼 労 働 組
更 ニ延 イ テ ハ、労 働農 民 党 ガ展 開 シタ政 治 闘 争 殊 ニ各 地 方 ニ展開 シ
合 其 他 左 翼 ノ諸 団 体 ガ労 働 農 民党 カ ラ指 令 ヲ受 ケ ル筋 合 ノ モノカ 什
タ各 地 ノ政 治 闘 争 ナ ル モ ノガ果 シテ階 級 的 政 治 闘 争 ナリ ヤ否 ヤノ問
タ。 其 意 見 ハ
亙 ツテ会 議 ヲ開 キ、 日 本 共産 党中 央 部 ト シ テ ノ意 見 ヲ決定 致 シ マ シ
ハ 貴 族 、其 他 身 分 制 ノ廃 止
ロ 労 働 者 団結 ノ自 由
デ ア ルト 云 フ事 ニナ リ、
ニ 大 土 地 所 有 ノ無 償 没 収
本 共 産 党 ノ指導 ヲ受 ク ベ キ モノデ ア ル。
二 其 政 治 的 自 由 ヲ闘 ヒ取 ル任務 ヲ 遂行 ス ル為 メ ノ労 働 者 階級 ノ 独
一 左 翼労 働 組 合 ハ無 論 労働 農 民 党 ノ指 導 ヲ受 ケ ル モノデ ハナ ク 日
二 政 治 的 自由 獲 得 ノ任 務 負 担 者 ノ問 題 ニ就 テ ハ門 屋 博 、 村 山 藤 四
立 性 ヲ確 保 スル最 モ重 要 ナ ル組 織 ハ日本 共 産 党 デ ア リ、 其 日本 共産
争 ニ於 テ他 ノ階 級 ヲ自 身 ノ目 的 ノ為 メ ニ利 用 共 同 ス ル事 ガ出 来 ルノ
郎 両 名 ノ説 ハ何 レ モ否 定 ス。 ソ レ ハ、 政 治的 自 由 獲 得 ノ遂 行 者 ハ労
デ ア ル。 ソ コデ 先 ヅ 従来 ノ街 頭 細 胞 ノ組 織 ヨリ工場 細胞 組 織 ヘノ組
党 ハ工場 細 胞 ヲ基 礎 ト シテ組 織 サ レタ党 デ ナ ケ レバ ナ ラ ヌ。斯 様 ナ
云 フ ニ過 ギ ナ イ ノデ ア ツ テ其政 治的 自 由 獲 得 ノ遂 行 者 ハ日本 共産 党
組 織 ガ ア ツ テ コソ初 メ テ労 働 者 ノ階 級 的 利 益 ヲ傷 付 ケ ル事 ナ ク 、闘
以外 ニナ イ、
ヲ遂行 ス ルノデ ア リ、 其 具 体的 結 合 ノ 一場 面 ガ労 働 農 民 党 デ ア ルト
ト 云 フノデ ア リ マシ タ。而 シテ其 意 見 ハ先 ヅ 市 川 正 一ガ 一九 二七 年
スル必要 ガ ア ルト 云 フ結 論 ニ到 達 致 シ マシ タ。
織 換 ヘヲ シナ ケ レバ ナ ラ ヌ。 其 為 メ ニ ハ工場 新 聞 形 態 ノ新 聞 ヲ発 行
働 階 級 以外 ニナ イ。 労 働 階 級 ガ農 民其 他被 圧迫 大 衆 ト結 合 シ テ ソ レ
六 、 七月 号 ノ マル ク ス主 義 誌 上 ニ阿 部 平 智 ト 云 フ ペ ンネ ー ムデ ﹁労
七 年 八月 号 ニ ﹁政 治的 自 由 の獲 得 ﹂ ト 云 フ 一文 ヲ公 表 致 シ マシタ。
ト思 ヒ マ スガ、 佐 野 学 ガ 私 共 ノ意 見 ヲ代 表 シテ マル ク ス主 義 一九 二
ソ コデ 一ノ政 治 的 自 由 ノ内 容 ニ就 テ ハ、私 共 日本 共 産 党 中 央 常 任 執
答 其意 見 発表 ノ結 果 ハ更 ニ政 治 的 自由 ト 云 フ事 ノ内 容 如 何 ノ問
又 二 ノ点 即 チ政 治 的自 由 獲 得 ノ任 務 ノ負 担 者 、 換 言 スレバ革 命 ノ 遂
働 農 民 党 及 び請願 運動 に つい て ﹂ ト 云 フ論 文 ト シ テ発 表 致 シ マシ タ。
題 ト 同 時 ニ、其 政 治 的 自 由 ヲ闘 ヒ取 ル唯 一ノ階 級 デ ア ル労 働 者 階 級
行 者 ハ誰 カト 云 フ点 ニ就 テ ハ市 川 正 一ガ私 共 ノ意 見 ヲ代表 シテ同 年
行 委 員 会 ノ意 見 ヲ多 分 志 賀義 雄 カ ラ佐野学 ニ伝 ヘタ ノデ ア ツ タ ラ ウ
ノ独 立性 ト労 働 者 階 級 ト 他 ノ階級 ト ノ階 級 相 互 間 ノ問 題 如 何 ト 云 フ
六 、七 月 号 ノ マルク ス主 義 誌 上 ニ阿 部 平 智 ト 云 フ ペ ン ネ ー ム デ ﹁労
一 五問 其 意 見 発表 ノ結 果 ハ什 ウデ ア ツ タ カ。
一 六問 其 問 題 ニ対 シ被 告 等 日本 共 産 党 中 央 常 任 執 行 委 員 会 ハ如何 ナ
働 農 民 党 及 び請 願 運 動 に つい て﹂ ト 云 フ題 デ意 見 ヲ発 表 致 シ マ シタ。
事 ガ問 題 ニナ リ マシ タ。
ル処 置 ニ出 デ タ カ。
又 工 場細 胞 及 工場 新 聞 形 態 ノ新 聞 発 行 ノ問 題 ニ就 テ モ亦志 賀 義 雄 ガ
同年 九月 号 ノ マルク ス主 義 誌 上 ニ松 村 徹 也 ノペ ンネ ー ムデ ﹁労 働 者
答 ソ コデ 私 共 日 本共 産 党中 央 常 任 執 行 委 員 会 ハ昭和 二年 七月 頃 会 議 ヲ開 キ協 議 ノ結 果
大 衆 への全 無 産 階 級 意 識 浸 透 の当 面 の過程 ﹂ ト 云 フ 一文 ヲ公 表 致 シ マシタ。
一 政 治的 自 由 ノ内 容 ハ イ 言 論 集 会 結 社 ノ自 由
和 二年 八月 中 其 旨 ノ指 令 ヲ日 本 共産 党中 央 常 任 執 行 委 員 会 カ ラ関東 、
通 シ テ具体 化 シテ行 カ ウト 云 フ私 共 日本 共 産 党 中 央 部 ノ方 針 デ 、 昭
其 工場 細 胞 ヘノ組 織 ノ転 換 ト 云 フ事 ヲ来 ルベ キ府 県 会 議 員選 挙戦 ヲ
如 何 ナ ル モノデ ア ル カ。
一問 其 昭 和 二年 七 、八 月当 時 ニ於 ケ ル大 衆 団 体 ノ闘 争 ト 云 フ ノ ハ
続 キ右 被告 人 ニ対 シ訊問 ス ル コト 左 ノ如 シ。
ニ於 テ、 予 審 判事 神 垣秀 六 ハ裁 判 所 書 記 鹿 田清 次 立 会 ノ上 前 回ニ 引
村 ニ於 テ ハ同 年 六 月 十 八 日 以降 農 民組 合 指導 ノ下 ニ各 地 ニ農 民 代 表
和 二年 九 月 二十 五 日 ニ施 行 セ ラ レタ府 県 会 議 員 選 挙 ヲ目 指 シテ、 農
答 私 ガ前 ニ述 ベ マシ タ工場 代表 者 会 議 運 動 ノ後 ヲ受 ケ テ更 ニ昭
関 西 、 九州 等 ノ 日本 共 産 党 地 方 委 員 長 ノ許 ニ送 リ マシ タ。 然 シ府県
産 党 自 体 ノ其 目的 ハ同 年 九 月 中 大 阪 デ 二 、三 ノ非 合 法 文 書 ノ 発 行 ヲ
会議 員 選挙 戦 ノ方 ハ後 ニ述 ベ マス様 ニ成 功 ヲ収 メ マ シタ ガ、 日 本 共
見 、 工 場細 胞 組 織 ノ準 備 ニ取 リ カヽ ツ タ位 ノ モノ デ、 予 期 ノ結 果 ハ
者 会 議 が開 カ レ、
等 ヲ中 心 ス ロー ガ ント ス ル運 動 が展 開 サ レ、 無 産 青 年 同 盟 ハ同年 六
二 耕 作権 確 立
一 立 入禁 止 反 対
収 メ ル事 ガ 未 ダ出 来 ナ カ ツタ ノデ ア リ マ ス。 以上 ノ指 導 権 問題 ニ干 ス ル事 ヲ煎 ジ詰 メ テ云 ヒ マスト 従来 労 働 農 民
ラ ント スル方 向 ニ進 ミ ツ ヽアリ乍 ラ、 一方 実 際 ノ闘争 ニ於 テ ハ階 級
一 兵 役 法 ノ改 正
月 カ ラ青 少 年 ノ利 益 ニ干 ス ル
党 、 議 会 解 散請 願 同盟 、 左翼 労 働 組 合 等 ガ 観 念 的 ニ ハ自 ラ共 産 党 タ
シ、 農 民 、 小 市 民 等 ト 妥協 シタ ル闘 争 ニ出 デ ヽ 所 謂 典 型 的 小ブ ルジ
人 三 田村 四郎
人 三 田村 四郎
集中 シ、更 ニ ソ レヲ府 県 会 議 員 選 挙 戦 ニ結 付 ケ様 ト 云 フ事 ニナ リ マ
ルト 云 フ方 針 ニ基 イ テ夫 等 ノ大 衆 団 体 ノ諸 運 動 ヲ五 法 案 要 求 運動 ニ
会 ヲ開 キ意 見 ヲ纏 メ マシ タガ 、 其意 見 ハ労 働 者 階 級 ノ利 益 ヲ重視 ス
執 行 委 員 会 ハ同 党 ノ対 策 ヲ決 定 ス ル為 メ 、其 当 時 中 央 常 任 執行 委 員
答 夫 等 ノ大 衆 団 体 運 動 ノ擡 頭 ニ対 シテ私 共 日本 共産 党 中 央 常 任
争 ヲ如 何 ニ指 導 シ タ カ。
二問 被 告 等 日 本 共産 党 中央 常 任執 行 委 員 会 ハ夫 等 ノ大 衆 団体 ノ闘
ガ ンヲ掲 ゲ テ婦 人 ヲ闘 争 ニ動 員 ス ル煽 動 ヲ開 始 シ テ居 リ マ シタ。
関 東 婦 人 同 盟 ハ同年 八 月頃 カ ラ婦 人 ノ政 党 加 入 ノ自 由 其 他 ノ ス ロー
其 他 ノ要 求 ヲ掲 ゲ テ所 謂 青 年 請 願 デ ー運 動 ナ ル モ ノ ヲ起 シ テ居 リ 、
二 工 場 法 ノ改 正
相 互 間 ノ区 別 ヲ忘 レ、 プ ロ レタ リ ア ート ノ階 級 的 立 場 ヲ段 々踏 ミ外
告
ョア的 政 治 闘 争 ニ堕 シ ツヽ ア ツタ誤 謬 ヲ指 摘 シ、 正 シ キ方 向 ヲ示 シ タ ノデ ア リ マス。 被
右 読 聞 ケ タ ル処 相 違 ナ キ旨申 立 署 名拇 印 シ タ リ。 同 日於 前 記 場 所
告
予 審 判 事 神 垣 秀 六
裁 判 所 書 記 鹿 田 清 次
東 京 地方 裁 判 所
第 十 三回 訊 問 調 書 被
右 治 安 維 持 法 違 反被 告 事 件 ニ付 、 昭 和 五 年 一月 十 七 日豊 多 摩 刑 務 所
金 国 労 働組 合 代表 者会 議 ガ東 京 ニ於 テ開 カ レ、 其 大 会 ニ於 テ同 年 九
レタ運 動 デ 、 昭 和 二年 九 月 三 日 ニ労 働 農 民 党 及 統 一同 盟主 催 ノ下 ニ
五法 案 要 求 運 動 ト 云 フ ノ ハ日本 労 働 組 合 評 議 会 ノ提 唱 ニ ヨリ始 メ ラ
シ タ。
四問 其 決 定 サ レタ意 見 ノ内 容 ハ如 何 ナ ル モノ デ ア ツタ カ。
ノ意 見 ヲ決 定 致 シ マ シタ。
和 二年 八 月下 旬 中 央 常 任 執 行 委 員 会 ヲ開 キ 、協 議 ノ結 果 日本 共 産 党
デ 私 共 ハ之 ニ対 ス ル日本 共 産 党 ト シ テ ノ対策 ヲ決 定 ス ル必 要 上 、 昭
掲 ゲテ、 其府 県 会議 員 選 挙 戦 ニ乗 リ出 サ ウト シ テ居 リ マシタ。 ソレ
事 、 又青 年 請願 運 動 ニ就 テ ハソ レ ハ請 願 運 動 デ ハナ ク青年 労働 者 ノ
様 ナ形 デ 集 メ ル誤 謬 ヲ指 摘 シ、 ソ レ ハ村 民大 会 デ ナ ケ レバ ナ ラナ イ
運 動 ガ本 来 組 織 的 ニ集 リ得 ナ イ性 質 ノ農 民 ヲ農 民 代 表 者会 議 ト 云 フ
尚 其間 ニ私 共 日本 共 産 党 中 央 常 任 執行 委 員 会 ハ協 議 ノ結 果 、 右農 民
ヤリ マ シタ。
ル事 ヲ決 議 シ、 其 意 見 ヲ其 頃 日 本共産 党 ノ各 地方 委 員 長 ニ通 達 シ テ
ニ右 ノ農 民代 表 者 会 議 運 動 、 青 年 請願 運動 等 ヲ集 中 サ セ ル方 針 ヲ執
員 会 ハ会 議 ヲ開 キ 、其 十 七 日 、 十 八 日 ニ行 ハレ ル労 働 大 会 示 威 運 動
性 ヲ暴 露 シ、 労 働 者農 民其 他 被 圧迫 民 衆 ノ個 々 ノ要 求 ヲ基 本 ト シテ
央 政 府 ト ノ干 係 ヲ隠蔽 ス ル結 果 ニ陥 ル モノデ ア ル カ ラ、 之 等 ノ反 動
而 カ モ尚 ソレガ 可 能 ナ ルガ如 ク大 衆 ニ信 ゼ シム ル事 ハ結 局 府県 ト中
民 デ 乗 取 リ、 中 央 カ ラ独 立 サ セ ルト 云 フ事 ハ実 際 ニ ハ不 可 能 デ アリ、
一 社 会 民 衆 党 、 日 本 労 農 党 等 ノ 云 フガ如 キ 地方 自 治 体 ヲ労働 者農
支 配 ス ル為 メ将 来 ニ備 ヘ ント スル政 策 ニ過 ギ ナ イ事
一 地方 分 権 モ自 治 権 ノ伸 張 モ、要 ス ル ニ労 働 者 農 民 ヲ ヨリ容 易 ニ
フ様 ニ之 ヲ見 テ ハナ ラ ナイ ト 云 フ事
一 府 県 ト 云 フ モノ ハ中 央 政 府 ト 対立 ス ル モノデ ハナ ク自 治 体 ト 云
答 其 決 定 サ レタ意 見 ノ内 容 ハ
月 十 七 日 ノ 工場 従 業員 大 会 、 労 働 者 大 会 ノ開 催 、 翌 十 八 日 ノ示 威 運
利 益 ト 云 フ事 ヲ中 心 ニ集 ツ タ会 議 デ ナ ケ レ バ ナ ラ ヌ事 、婦 人同 盟 ニ
ノ専 制 的 支 配 ヲ具体 的 ニ経 験 セシ メ、 政 治 的 自由 獲 得 ノ闘 争 ヲ 一歩
大 衆 ヲ政 治 闘争 ニ狩出 シ、其 府 県 会 議 員 選 挙 戦 ヲ通 シ テ大 衆 ニ政 府
動 ノ決行 ヲ決議 致 シ マ シタ。 ソ レデ 私 共 日 本 共 産党 中 央 常 任 執 行 委
就 テ モ亦 同 様 デ ア ル事 、 サ ウ 云 ツ タ様 ナ運 動 形 態 ニ対 ス ル誤 謬 ヲ指
要 上 同 党 ノ各 地 方 委 員会 等 ノ下 級 機 関 ニ送 ツ テ遣 ツ タ筈 デ ア リ マ ス。
一 而 シ テ其闘 争 過程 ニ於 テ 日本 共 産 党 ノ組 織 ノ拡 大 ト完 成 、労 働
前 進 セ シ ム ル事 ヲ以 テ其 基 調 ト シ ナケ レバ ナ ラ ヌ事
摘 シ タ二 、三 ノ指 令 ヲ、 夫等 ノ運 動 ニ対 スル日 本 共産 党 ノ 対 策 ノ 必
三 問 其 府 県 会議 員 選挙 戦 ニ対 シ被 告 等 日本 共 産 党 常 任執 行 委 員 会
ハ地 方 分権 、 地方 自 治 権 ノ伸 張 ト 云 フ事 ニ アリ マシタ。 又社 会 民 衆
答 其府 県 会議 員 選 挙 当 時 政 府 及 ブ ル ジョ ア政 党 ノ中 心 モツ トー
デ アリ マシタ。
組 合 、其 他 ノ諸 団 体 ノ組 織 ノ拡 大 モ期 シ得 ラ レ ルノ デ ア ルト 云 フ事
ナケ レバ ナ ラ ナ イ事 、 ソ レ ニ ョツ テ又 労働 農 民党 、労 働 組 合 、 農 民
惹 起 サ レ ル凡 ユ ル闘 争 ヲ其 選 挙 戦 後 ニモ引続 イ テ発 展 セ シ メテ行 カ
者 ト 農 民 ト ノ結 合 ヲ強 固 化 ス ル事 、 及 其 府 県 会 議 員 選挙 戦 ヲ通 シテ
党 、 日 本労 農 党 等 ノ無 産 政 党 ハ地 方 自 治 体 ノ中 央 カ ラ ノ独 立 及 其 地
ハ如 何 ナ ル対 策 ヲ講 ジ タ カ。
方自 治 体 ヲ労 働 者 農 民 ガ乗 取 ラ ナ ケ レバ ナ ラ ヌト 云 フ ス ロー ガ ン ヲ
五問 ソ レカ ラ被 告 等 日本 共産 党 中 央 常 任 執 行 委 員 会 ハ其府 県 会議 員 選 挙 戦 ニ際 シ如 何 ナ ル処 置 ニ出 デ タ ノ カ。 答 右 ニ述 ベ マシ タ意 見 ハ、 日本 共 産 党 中 央 常 任 執 行 委 員 会 カ ラ 文 書 ニ認 メ タ指 令 ト シ テ同 党 ノ各 地方 委 員 長 ニ通 達 シ テ ア ル筈 デ ア
答 私 共 日本 共 産 党 中 央 常 任 執行 委 員 会 ハ其 問 題 ニ処 スル為 メ、
昭和 二年 十 月 上 旬 頃 中 央 常 任 執 行委 員 会 ヲ開 キ、 協 議 ノ結 果 意 見 ヲ
一 労 働 組 合 、 農 民組 合 ハ資 本 家 地 主 ノ支 配 ニ闘 争 ス ルト 云 フ 一点
決 定 致 シ マシ タ。 其 意 見 ハ
ア ルト 云 フ事
二 無 産 政 党 ハ政 治 的 自 由 獲 得 ト 云 フ事 ヲ条 件 ト シ テ合 同 スベ キデ
デ アリ マシタ。 但 政 党 ニ就 イ テ ハ山 川 一派 ノ労農 派 ガ 無条 件 合 同 ト
デ 合 同 スベ キデ ア ルト 云 フ事
カ ツ タ ノデ ア リ マ スガ、 二 、三 ノ同 党 ノ宣 伝 ビ ラ、 檄 文 等 モ発 行 サ
云 フ事 ヲ主 張 シテ居 リ マシ タガ 、 其 中 間 派 ノ無条 件 合 同 説 ナ ル モノ
リ マ ス。 其 意 見 即 チ同 党 ノ政策 ハ、当 時 同 党 ノ各 地 方 委 員 会 内 ニ秘
レ、 又大 衆 団 体 内 ニ居 ル同 党 ノ党 員 ヲ通 ジ大 衆 団体 内 ニ同 党 ノ政策
ハ、彼 等 及 右 翼 ガ同 年 春 ノ金 融 恐 慌 以 来 及府 県 会議 員 選 挙戦 ヲ 通 ジ
密宣 伝 委 員 会 ト 云 フ様 ナ機 関 ガ 設 ケ ラ レ、同 党 ノ名 前 コソ ハ出 サ ナ
ヲ浸 透 セ シ メ マシ タ。
ト シテ ハ票 数 ニ シテ十 数 万 票 相 当 数 ノ当 選者 ヲ得 マシタ。 然 シ成 功
二名 ニ過 ギ ナ カ ツ タ カ モ知 レ マセ ヌデ シ タガ 、労 働 農 民党 ノ候 補 者
上 ニ於 テ ハ其 一九 二 七年 ノ十 月 号 ニ市 川 正 一ガ ﹁﹃無 条 件 合 同 論 ﹄
ヘ、 其頃 ノ同新 聞 ノ社 説 ニナ ツテ現 ハレテ居 リ、 又 マル ク ス主 義 誌
其 私 共中 央 常任 執 行 委 員 会 ノ意 見 ハ志 賀 義 雄 カ ラ無 産 者新 聞社 ニ伝
カ ラ、 先 ヅ ソ レ ヲ暴 露 シナ ケ レバ ナ ラ ヌト 云 フ事 ニ ナリ マシタ。
テ不 利 ナ立 場 ニ陥 ツ タ事 ヲ救 フノ ヲ目 的 ト シ テ居 ツ タノ デ アリ マス
シタ ト 云 フ点 ニ於 テ ハ大 衆 ノ間 ニ専制 勢 力 ノ圧 迫 ヲ深 ク経 験 セシ メ
答 其 結 果 ハ、 日本 共 産 党 員 ト シ テ ノ当 選 者 ハ神 戸 ノ長 尾 有 外 一、
六問 其 府 県 会 議 員 選 挙 戦 ノ結 果 ハ什 ウデ アツ タ カ。
タ ト 云 フ結 果 ノ方 ガ大 ナ ル収 穫 デ アリ マシタ。
の反 動 的 役 割 ﹂ ト 云 フ題 下 デ 、 同年 ノ十 二月 号 ニ矢 張 リ同 人 ガ ﹁労
同 年 ノ十 一月 号 ニ ハ私 ガ ﹁労 働 組 合 運 動 の統 一問 題 ﹂ ト 云 フ題 下 デ
働 政 党 の合 同 運 動 に つ い て﹂ ト 云 フ題 下 デ 発 表 シテ居 リ マ スシ、 又
組 合 ノ合 同 ニ就 イ テ論 ジ テ置 キ マシ タ。
ノ賛成 ヲ得 テ、形 ニ於 テ ハ投 票 ト ナ ツ テ現 ハレ タノ ミナ ラ ズ 、必 然 ニ労働 農 民 党及 左翼 諸 団 体 ノ組 織 ノ拡 大 ヲ見 マシタ 。 又中 間 派 及 右
而 シ テ私共 日本 共 産 党 中 央 常 任 執 行委 員 会 ノ政 策 ハ労 働 者 農 民 其 他
翼 ノ諸 団体 ノ 大衆 モ私 共 ノ其 政 策 ニ賛 成 シ テ著 シク 左翼 ニ接 近 シテ
八問 其 指 導 ノ結 果 ハ什 ウデ アツ タカ 。
リ マシタ 。
九 問 其 対 支 非 干 渉 同 盟 運 動 ト 云 フ ノ ハ如何 ナ ル モノデ ア ル カ。
ハナ ク終 ツ テ仕 舞 ヒ マシタ 。
ジ テ各 無 産 政 党 ニ合 同 ノ提 議 ヲ致 シ マシタ 。組 合 ニ就 テ ハ格 別 反 響
答 其 結 果 ハ先 ヅ 労 働 農 民 党 ガ 、 無 産者 新 聞 ノ其 社 説 ノ発 表 ニ応
来 ル様 ニナ ツタ ノ デ ア リ マ ス。 而 シ テ昭 和 二 年 十 月 上旬 頃 カ ラ無 産
七 問 被 告 等 日本 共産 党 中 央 常 任 執 行 委 員 会 ハ其 左翼 諸 団 体 ノ合 同
政 党 、 労働 組 合 、農 民組 合 ノ合 同 ト 云 フ事 ガ 切 実 ニ叫 バ レ ル様 ニナ
問 題 ニ対 シ如 何 ナ ル指導 ヲ為 シタ カ。
人 三 田村 四郎
裁 判 所 書 記 鹿 田 清 次
告
答 ソ レ ハ昭 和 二年 五月 三十 日支 那 安 国 軍 ガ 敗 退 シ テ国 民革 命 軍
被
予 審 判 事 神 垣 秀 六
第 十 四 回 訊問 調 書
ガ山 東 ヘ進 出 シ テ来 タ ノ ニ対 シ、 田中 内 閣 ハ山 東ニ 出兵 シテ国 民 革 命 軍ノ 山 東 進 出 ヲ妨 害 致 シ マシタ ノ ニ対 シ起 ツ タ対 支非 干 渉同 盟 ノ
一 〇問 被 告等 日本 共 産 党 中 央 常 任 執 行 委 員 会 ハ其 対 支非 干渉 同 盟 運
運 動 ヲ 云 フノ デ アリ マス。
ニ於 テ、 予審 判 事 神 垣秀 六 ハ裁 判 所 書 記 鹿 田清 次 立 会 ノ上前 回 ニ引
右 治 安 維持 法違 反 被 告 事 件 ニ付 、 昭 和 五 年 一月 二 十 日豊 多摩 刑 務 所
答 私 共 日本 共 産 党 中 央 常 任 執 行 委 員 会 ニ於 テ ハ其 頃 会 議 ヲ開 キ、
答 左 様 ナ事 実 ハア リ マセ ヌ。
用 ヲ支 給 シタ ノデ ハナイ カ。
二問 被 告 ハ日下 部 千 代 一等 ニ対 シ其 太 平 洋労 働 組 合 会 議 出 席 ノ費
答 ソ レ ハ統 一同 盟 ヲ シ テ ヤ ラ セ マシ タ。
何 レ ノ団体 ノ名 義 デ 為 シ タ ノ カ。
一問 被 告 ガ前 ニ述 ベ タ太 平 洋 労 働 組合 会 議代 表 者 派 遣 費 ノ募 集 ハ
続 キ右被 告 人 ニ対 シ訊 問 ス ル コト左 ノ如 シ。
動 ニ対 シ如何 ナ ル対 策 ヲ講 ジ タ カ。
其 対 支非 干渉 同 盟 ノ運 動 ヲ支 持 スル事 ヲ決 議 シ、無 産 者 新 聞 社 等 ニ 其 旨 ヲ伝 ヘ、 同 新 聞 紙 上 等 デ 其 運 動 ノ 一層 強力 化 ヲ主 張 セシ メ マシ タ。 一一 問 其 結 果 ハ什 ウデ ア ツ タ カ。 答 其 結 果 ハ各 地 ニ対 支 非 干 渉同 盟 ノ支 部 ガ組 織 サ レタ ト 云 フ事 実 等 ガ アリ マ シタ。 一二 問 被 告 等 日本 共 産 党 中央 常 任執 行 委 員 会 ハ其 太 平 洋 労 働組 合 会
答 佐 野 学 、 杉 浦 啓 一、 国領 五 一郎 ノ 三名 ノ中 央 委 員 ハ本 来 私 共
ツタ ノ カ。
答 其 問 題 ガ 起 ツ タ ノ ハ昭和 二年 五月 デ ア リ マシ タ。 其 頃 私 共 日
ツ タ ノデ アリ マスガ 、 私 共 ガ其 留 守 ヲ預 カ ル ノ ハセイ ゼイ 昭和 二年
中 央 常 任 執 行 委 員 ト 共 ニ中 央 委 員 会 ヲ開 キ、 ソ レ ニ列 席 スベ キデ ア
三問 日本 共 産 党 ノ所 謂留 守 中央 部 ニ於 テ ハ中 央 委 員 会 ハ開 カ ナ カ
本 共 産 党 中 央 常 任 執 行 委 員会 ニ於 テ ハ会 議 ヲ開 キ、 其結 果 無産 者新
議 代 表 者 派 遣 運 動 ニ付 如 何 ナ ル支持 ヲ為 シタ カ。
聞 、労 働 者 等 ヲ通 シ テ太 平 洋労 働 組 合 会 議 代 表 者 派 遣 運 動 ヲ大 衆 ニ
ノ夏 頃 マデ ト 云 フ約 束 デ ア リ マ シタ。 ソ レデ 初 メ カ ラ中 央 委 員 会 ハ
ニナ リ、 其 儘 私 共 ガ留 守 ヲ預 ツ テ居 ル間中 央 委 員
産 者 新 聞 ノ主 筆 デ ア リ杉 浦 啓 一ハレ フト ノ フ ラ ク シ ョン委 員 長 デ ア
三 名 ハ中 央委 員 ト シ テ ハ別 ニ仕 事 ハシ テ居 リ マセ ヌ。唯 佐野 学 ハ無
会 ハ開 カズ ニ終 リ マシタ。 従 ツ テ佐 野 学 、 杉 浦 啓 一、 国 領 五 一郎 ノ
タガ 遂 ニ延 ビ 〓
開 カズ 中 央 常 任 執行 委 員 会 ノ ミ ヲ開 キ、 ソ レデ 万 事 ヤ ツ テ居 リ マシ 人 三 田村 四郎
ヲ指 示 シ タ事 モアリ マシタ。 告
起 サ スベ キ事 ヲ提 唱 セ シ メ、 又派 遣 費 ノ大 衆 的 募 集 ヲ企 ツベ キ事抔
被
右 読 聞 ケ タ ル処 相 違 ナ キ旨 申 立 署 名拇 印 シ タリ 。 同 日 於 前 記場 所 東京地方裁判所
シタ カ ラ、 各々 其 方 面 ノ仕事 ヲ シテ居 リ マ シタ。
リ国 領 五 一郎 ハ日 本労 働 組 合評 議会 ノ フラ ク シ ョ ン委 員 長 デ アリ マ
事 ハ出 来 マセ ヌ。其 当 時 ニ於 テ ハ党 員 全 体 ノ総 計 数 、 各 地方 委 員 会
バ ョイ 訳 デ 、 一々私 ガ記 憶 シテ居 ル必 要 モナ シ又 到底 記憶 シテ居 ル
ト シ テ ハ総 計 数 サ ヘ記 憶 シテ居 レバ必 要 ナ場 合 地 方 委 員 長 カ ラ聞 ケ
所 属 党 員 ノ総 計数 ハ明確 ニ知 ツ テ居 リ マシ タガ 現 在 ニ於 テ ハ正 確 ナ
四問 其 留 守 中 央 部 ニ ハ専門 部 ガ ア ツタ ノ カ。 答 其 留 守 中 央 部 ニ ハ組 織 部 、政 治 部 ガ ア リ、 私 ガ中 央 常 任 執 行
ガ什 ウ ナ ツ テ居 タ カ述 ベ マ ス レバ次 ノ通 リデ ア リ マス。
記 憶 ハアリ マセ ヌ。 而 シテ現 在 記 憶 シ テ居 ル党 員 数 ヤ各 地方 ノ情 勢
関 東 地方 委 員会 委 員 長 南
シテ政 治 部 長 ヲ兼 ネ テ居 リ マシタ。
関 西 地方 委 員 会 委 員 長 春 日庄 次 郎
委 員 ト シ テ組 織 部 長 ヲ兼 ネ 、志 賀 義 雄 ガ矢 張 リ中 央 常 任 執行 委 員 ト
ンテ リゲ ンチ ヤ部 等 ガ ア リ、 杉 浦 啓 一ガ組 合 部長 、村 山 藤 四郎 ガ農
五問 其 留 守中 央 部 ニ ハ其 他 ニ組 合 部 、 農 民 部 、 無産 者 新 聞 部 、 イ
九 州 地方 委 員 会 委 員 長 藤 井 哲 夫
関 東 地 方委 員 会 所 属 党 員 数 ハ八十 名 弱 、 関 西 地 方委 員 会 所 属 党 員 数
喜 一
民 部 長 、 是 枝 恭 二 ガ無 産 者 新 聞 部 長 、 浅 野 晃 ガ イ ン テリ ゲ ンチ ヤ部 長 デ ア ツ タ ノデ ハナ イ カ。
テ居 タ党 員 ハ鈴 木 治 助、 渡 辺 利 右 衛 門 、竹 内 清 、沼 山 松 蔵 ノ 四名 、
ハ約 三 十 名 、九 州 地 方 委 員 会 所 属 党 員数 ハ約 十 名 、北 海 道ニ 散 在 シ
居 ル者 ガ ア ルト ス レバ ソ レ ハ何 カ ノ思 違 ヒダ ト思 ヒ マス。
其 他 、秋 田 ニ ハ棚 橋 貞 雄 、 仙 台 ニ ハ赤 津 益 造 、名 古 屋 ニ ハ長 谷 川 某
答 左 様 ナ事 実 ハア リ マ セ ヌ。 若 シ左様 ナ事 実 ガ ア ツタ ト述 ベ テ
六 問 被 告 ガ 日本 共 産 党 中 央 常 任 執 行 委員 デ ア ツタ当 時 ニ於 ケ ル同
尚 私 ガ引 継 ギ ヲ受 ケ タ時 ハ北海 道 、秋 田 、仙 台 、 長 野 、 名 古 屋 等 ハ
外 一、二名 、 長 野 ニ ハ何 某 等 ガ アリ マシタ。
答 私 ハ私 共 ガ留 守 中 央 部 ヲ預 ツ テ居 タ間 日本 共 産 党 ノ組 織 部 長
ハ関 東 地 方 委 員 会 ニ、 名 古 屋 ハ関 西 地方 委 員 会 ニ所 属 セ シ メ マシタ。
中 央 部 直 属 デ ア リ マシ タガ 、 其後 直 チ ニ秋 田、 仙 台 、 長 野 、 北 海 道
党 ノ党員 数 ヤ各 地方 ノ情 勢 ハ什 ウ ナ ツ テ居 タカ。
ー ゼヲ受 取 ツ タ時 、 党 員 ノ名 前 ヤ役 員 ノ名 前 ヲ書 イ タ モノ ヲ受 取 ツ
デ アリ マシタ カ ラ 、前 組 織 部 長渡 辺 政 之輔 カ ラ政 治 テ ー ゼ ヤ組 合 テ
タ事 ハ前 ニ述ベ タ通 リデ アリ マス。 私 ガ其 事 務 引 継 ギ ヲ受 ケ タ時 ノ
ナ リ マ シタ。
尚 昭和 二年 五 月 頃 カ ラ関東 地 方委 員 長 ハ南 喜 一ニ替 ツ テ村 尾薩 男 ガ
七問 被 告 ガ 日 本 共産 党中 央 常 任 執 行 委 員 デ ア ツ タ当時 ニ於 ケ ル同
党 員 数 ハ五色 温 泉 ニ於 ケ ル大 会 ノ時 述 ベ ラ レタ数 ト同 ジ デ 、 唯 北 浦 千 太郎 ガ 一名 除 名 サ レ テ減 ジ テ居 タ丈 ケ ダ ト記 憶 シ テ居 リ マス。 私
党 ノ フラ ク シ ョン干 係 ハ什 ウ ナ ツテ居 タ カ。
一 レ フト
タ時 ハ
答 前 ニ述 ベ マシ タ通 リ私 ガ渡 辺 政 之 輔 カ ラ事 務 ノ 引継 ギ ヲ受 ケ
ハ渡 辺 政 之 輔 カ ラ党 員 ノ名前 ヤ役 員 ノ名 前 ヲ書 イ タ文 書 ハ、 党員 数 ノ総 計 ト各 地方 委 員 長 ノ名ト 各 地方 委 員 会 所 属 ノ党 員 数 ノ総 計 ト ヲ
地方 委 員 長 ガ承 知 シ テ居 ル ノデ 、私
暗 記 シテ仕 舞 ツ テ カ ラ、 其場 デ文 書 ハ焼 棄 テ マシ タ。 地 方 委 員長 以 下ノ 各 党 員 ノ名 前抔 ハソ レ〓
一 日本 労 働 組 合 評 議 会 タ期 間 ハ。
九問 被 告 ガ 日本 共 産 党 中 央 常 任 執 行 委 員 会事 務 局ノ 事 務 長 デ ア ツ
和 二年 十 一月 ロシ ア カ ラ帰 朝 シ タ正中 央 委 員 ニ事 務 ノ引 渡 ヲ為 シ タ
答 其 期 間 ハ前 ニ述 ベ マシ タ通 リ、私 ガ其 事 務 長 ニ就 任 シ タ後 昭
一 日本 労 農 党 及 日 本 労 働組 合 同 盟 一 労 働 農 民 党 一 金 日本 無 産 青 年 同盟
一 〇問 其 期 間 中 其 事 務 局員 ニ変動 ハナ カ ツタ ノ カ。
答 昭 和 二年 五 月 頃 中野 尚 夫 ガ其 事 務 局員 ヲ ヤメ マシ タ。 ソ レデ
時 マデヽ ア リ マシ タ。
其 後 ハ私 ハ事 務 局 員 藤 原 久 及 レポ ータ ー安 田某 ヲ使 ツテ其 事 務 局 ノ
等 ノ諸 団 体 内 ニ日本 共 産 党 ノ フ ラク ショ ンガ ア リ マシ タ。 而 シ テ杉
会 内 ノ フ ラ ク シ ョン、喜 入乕 太郎 ハ日本労 農 党 及 日本 労 働 組 合同 盟
仕 事 ヲ シ テ居 リ マシ タ。
浦 啓 一ハ レフト 内 ノ フ ラク シ ョ ン、国 領 五 一郎 ハ日本労 働組 合 評 議
ハ全 日 本 無 産青 年 同盟 内 ノ フラ ク シ ョ ンノ各 責 任 者 デ アリ マシタ。
処 ニ藤 原 久 、中 野 尚 夫 等 ノ事 務 局員 ガ来 テ仕 事 ヲ シ テ居 リ マシ タ。
町 、 淀 橋 警察 署 裏 、岩 淵 町赤 羽等 ノ私 ノ居 宅 ニ其 事 務 局 ヲ置 キ、 其
答 其 期 間 中 其事 務 局 ハ私 ノ居 宅 ニア リ マシ タ。 即 チ 四谷 区 永 住
一一 問 被 告 ガ 其 事 務 局 長 デ ア ツタ期 間中 其 事 務 局 ハ何 処 ニア ツ タ カ。
内 ノ フ ラ ク シ ョン、浅 野 晃 ハ労 働 農 民 党 内 ノ フ ラ ク シ ョ ン、片 山 久
フラ ク シ
ラ ノ指 導 ヲ受 ク ベ キ モノデ ア リ マ スカ ラ、 私 ハ其 フ ラク シ ョ ンノ責
ョ ンガ ア ツタ筈 デ ア リ マスガ、 ソ レ ハ日本 共 産 党 関 東 地方 委 員 長 カ
尚 日本 労 働組 合 評 議 会 内 ノ関 東 地方 評 議 会 等 ニ モ ソ レ〓
任 者 ノ名前 等ス 知 リ マセ ヌ。
一二 問 其 事務 局 ノ事 務 分担 ハ。
答 昭和 二年 十 月 頃 カ ラ 日本 共 産 党 中央 部 ニ於 テ ハ横 浜 地方 ヲ将
諸 団体 ノ情 勢 ノ蒐 集 整 理 ト カ、 同 党 ノ各 地 方 機 関 若 ク ハ各無 産 団体
指 令 ノ発 送 ト カ 、中 央 部 ノ意 見 ヲ決 定 ス ル材 料 ト ナ ルベ キ無 産 階級
答 其 事務 局事 務 分 担 ハ日本 共 産 党 中 央 部 ノ方 針 ヲ党 員 ニ伝 ヘル
八 問 被 告 等 ハ昭和 二年 十 月 頃 カ ラ日 本 共産 党京 浜 地方 委 員 会 組 織
来 独 立 ノ 地 区 タ ラ シメ様 ト 云 フ計 画 ヲ立 テ、便 宜上 中 央 部 附 属 ノ事
準 備 会 ヲ組 織 サ セタ ノデ ハナ イ カ。
務 局 員藤 原 久 ニ其 準 備 的 ノ仕 事 ヲ命 ジ 、同 人 ガ横 浜 地方 ノ渡 部 義 通
シタ 。
内 ノ同 党 フ ラク シ ョ ン ヨリ ノ同 党 中 央 部 ヘノ報 告 ノ整 理 等 デ アリ マ
マシタ。 然 シ間 モナ ク同 年 十 一月 ニ ロシ ア カ ラ帰 朝 シタ正 中 央 委 員
タト カ 、何 時 如 何 ナ ル報 告 ヲ受 ケ タ ト カ 云 フ様 ナ 詳細 ナ事 ハ記 憶 致
務 局 ノ仕 事 ヲ為 シテ居 リ マ シタ。 然 シ私 ハ何 時 如 何 ナ ル指 令 ヲ発 シ
答 私 ハ藤 原 久 、中 野 尚 夫 等 ヲ手 伝 ハセ テ右 ニ述 ベ マシタ様 ナ事
一 三問 被 告 ガ其 事 務 長 ト シ テ為 シ タ其 事 務 局 ノ仕事 ノ詳 細 ハ。
外 一名 ト共 ニ其 地方 ノ 工場 調 査 ト カ左 翼 分 子 ノ物 色 ト カ準 備 的 ナ仕
ニ事 務 ノ引 渡 ヲ為 シ、 ソ レカ ラ党 ノ組 織 替 ヘガ ア リ マ シタ カ ラ、 其
シ マセ ヌ。 要 スル ニ前 ニ述 ベ マシ タ 日本 共 産 党ノ 諸 運 動 ニ就 テ指 令
事 ヲ少 シ シタ事 ガ ア ツ テ、 其 当 時 一応 藤原 久 カラ私 ニ其 報 告 ガ ア リ
ツ タ ト思 ヒ マ ス。
横 浜 地方 ヲ独 立 ノ地 区 ニ スルト 云 フ計 画 ハ其 儘 ニナ リ実 行 出 来 ナ カ
指 令 ハ必 ズ シ モ同 党 地 方 機 関 ニ通 達 シ タ モノ許 リデ ナ ク、 合 法 形 態
ヲ発 シ、 又夫 等 ノ諸 運 動 ニ就 テ報 告 ヲ受 ケ テ居 リ マ シタ。 尚 同 党 ノ
タ間 ノ同 党 ノ収 入 ト シ テ ハ、 党 費 ヨリ モ寧 ロ私 共 常 任執 行 委 員 ガ寄
交 通費 ヲ支 給 シテ居 リ マシ タ。 私 共 ガ 日 本 共 産 党 ノ留 守 ヲ預 ツテ居
五百 円 ア リ、 其 大 部 分 ヲ同 党 活動 費 ニ当 テ ヽ居 リ マシタ。 勿 論 ソ レ
三 人 ガ マ ルク ス主 義 、 労 働 者 、 其 他 ヘ投 稿 シタ原 稿 料 ガ月 平 均 金 四、
丈 ケデ ハ足 ラ ナイ ノデ 、 浅野 晃 等 カ ラ原 稿 料 ヤ著 書 ノ印 税 ノ 一部 ヲ
附 シタ金 ノ方 ガ多 カ ツ タ ノデ ア リ マ ス。市 川 正 一、志 賀 義 雄 、 私 ノ
ア リ マ ス。
ト シ テ マルク ス主 義 、 労 働 者 、 無 産新 聞 等 ノ誌 上 ヲ通 シ テ 一般 ニ徹
一 四問 被 告 等 ガ 昭 和 二年 十 一月 ニ ロ シア カ ラ帰 朝 シ タ正 中央 委員 ニ
一 六問 被 告 等 ハ何 時 日本 共産 党 ノ正 中 央 委 員 ニ事 務 ノ引 渡 ヲ為 シ タ
寄 附 シ テ貰 ツ タ事 モ アリ マシ タ。
底 セ シメ ルト 云 フ方 法 モ執 ツ テ居 ル事 ハ前 ニ其 都 度 申 述 ベ タ通 リ デ
タ カ。
答 ソ レ ハ昭 和 二年 十 一月 中 旬頃 デ ア リ マシ タ。
カ。
事 務 ノ引 渡 ヲ為 シ タ当時 ニ於 ケ ル日本 共 産 党 ノ党 員 数 ハ何 程 デ ア ツ
答 私 共 ガ日 本 共 産 党 ノ留 守 ヲ預 ツテ居 タ間 ニ同 党 ノ増減 ト シ テ ハ、 昭 和 二年 夏 頃 東 京合 同 労働 組 合 ノ福 田某 ト 云 フ者 ヲ除 名 シタ事
尚 関 東 地 方 委 員 会 ノ委員 長 以下 ノ委 員 ノ名 前 ト カ、 各 無産 団 体内 ノ
百 三十 数 名 ア ツ タト 記憶 シテ居 リ マ ス。
労 農 党 カ ラ、 福 本 主義 ノ清 算 ト 云 フ様 ナ条 件 ヲ持 出 シ タ為 メ実 現 ス
ア リ マシ タ。然 シ結 局其 合同 協 議 会 ハ無 条 件 合 同 説 デ ア ル筈 ノ日本
メ ノ協 議 会 ヲ開 イ タ ノ デ ア リ マス。 ソ レガ昭 和 二年 十 一月 中 旬頃 デ
ラ合 同 ヲ提 議 シ、 其為 メ先ヅ 日本 労 農 党 ト労 働 農 民 党 ト ガ 合 同 ノ為
前 ニ述ベ マシ タ通 リ 、府 県会 議員 選 挙 ニ対 ス ル日本 共 産 党 ノ政策 ガ
フラ ク シ ョ ンノ責 任 者 以 外 ニ モ二 、三 フラ ク シ ョ ンメ ン バ ー ガ ア ツ
ル ニ至 ラ ナ カ ツ タノ デ アリ マスガ、 恰 度 其 頃 正 中 央 委 員 ガ ロシ アカ
モア リ、 九 州 、 神 戸 等 デ 二 、三名 病 死 シタ者 モア リ、結 局 夫 等 ノ 党
タ筈 デ ア リ マスガ 私 ハ現 在 ニ於 テ ハ其 名 前 ハ記 憶 致 シ マセ ヌ。藤 原
ラ帰 朝 致 シ マシ タノ デ 、私 共 留 守 中 央 部 ハ其 合 同 問 題 ヲ最 後 ト シ テ
大 衆 ノ非 常 ナ支 持 ヲ得 マシ タ為 メ従 ツテ 左翼 勢 力 ノ伸 張 ト ナ リ、 其
久 ノ如 キ ハサ ウ シ タ事 務 局 ノ交 渉 ヲ サ セテ居 リ マシ タ カ ラ、同 人 ハ
正 中 央 委 員 ニ 一切 ノ事 務 ヲ引 渡 シ茲 ニ任 務 ヲ終 ヘタ ノデ ア リ マス。
結 果 ハ左 右 両 翼 ノ合 同 問 題 ガ 叫 バ レ ル様 ニナ リ、 現 ニ労 働 農 民 党 カ
其 名 前抔 ハ記 憶 シ テ居 ル カ モ知 レ マ セ ヌ。
最 後 ニ 一言 申 述 ベ テ置 キ度 イ事 ハ、 私 共 留 守 中 央 部 ハ其 託 サ レタ政
ツテ私 ガ正 中 央 委 員 ニ組 織 部長 ノ事 務 ヲ引 渡 シ タ時 ニ ハ全 党員 数 ガ
一 五問 被 告 等 ガ 日 本 共産 党 ノ中 央 常 任 執 行 委 員 デ ア ツ タ期 間中 同 党
籍 離 脱 者 ヲ差 引 イ テ増 加 シタ党 員 約 十 名 弱 デ ア ツ タト 思 ヒ マス。 従
ノ経 費 ハ什 ウ シ テ調 達 シ テ居 タ カ。
ニ於 テ証 明 スベ ク闘 ツ タノデ ア リ マ ス。 然 シ乍 ラ其 実戦 ノ跡 ヲ顧 ミ
福本
治 テ ー ゼ、組 合 テ ーゼ ニ則 テ福 本 主 義 ノ正 シ イ事 ヲ凡 ユル実際 闘 争
成 功 シ タ ト同 時ニ一歩 〓
答 日本 共 産 党 ノ党費 ハ 一人金 五十 銭 宛 デ ア リ マシ タガ 、完 全 ニ
マ スト 、 私 共 ノ行 ツタ事 ハ 一歩 〓
ハ集 ラ ナ イ ノデ 月 平 均 金 五 十 円位 集 ツテ居 リ マシ タ。事 務 局 ノ事 務 員 ト カ レポ ー タ ー ト カ ニ ハ 一定 ノ給 料 ノ定 メ ハナ ク、 随時 生 活費 ヤ
争 ニ ョツ テ発 展 スルト 云 フノデ ア リ マ ス。 私 共留 守 中央 部 ハ観 念 的
福 本 ノ意 見 ハ現 実 ノ闘 争 ノ前 ニ先 ヅ 理 論 闘 争 ガ必 要 デ ア リ 、 理論 闘
ノ意 見 ヲ篩 ヒ落 シ テ来 タ結 果 ニナ リ マシ タ。 繰 返 シ テ述ベ マス通 リ、
ノカ 。
一問 日本 共 産 党 ノ正 中 央 委 員 ハ何 時 ロシ アカ ラ日本ニ 帰 ツ テ来 タ
続 キ右被 告 人 ニ対 シ訊 問 ス ル コト左 ノ如 シ。
ニ於 テ、 予審 判 事 神 垣秀 六 ハ裁 判 所 書 記 鹿 田清 次 立 会 ノ上 前 回ニ 引
右 治 安 維持 法 違 反 被 告 事 件 ニ付 、 昭 和 五 年 二 月十 一日豊 多 摩 刑 務 所
答 日本 共 産 党 ノ正 中 央 委 員 ガ 帰 ツ テ来 タノ ハ昭和 二年 十 一月 中
ニ ハ福 本 ノ意 見 ヲ支持 シテ居 タ ノデ ア リ マ スガ 、 実 際 ニ ハ先 ヅ 闘 争
実 際 ニ行 ツ テ来 タ足 跡 ハ前 述 ノ通 リデ ア リ、結 果 ニ於 テ成 功 シ タ ノ
シ マセ ヌ。
デ アリ マシタ。 私 ハ ソレガ 十 一月 ノ何 日 デ アツ タ カ ハ正 確 ニ記 憶 致
ニ ョツ テ発 展 セ シメ 、大 衆 ヲ教 育 シ テ来 タ ノデ アリ マス。 其 吾 々 ノ
ル ト考 ヘテ居 テ ソ レヲ捨 テ丶 行 キ ツ ヽア ルト 云 フ事 ヲ気 付 カ ナ カ ツ
デ ハア リ マシタ ガ 、観 念 ニ於 テ ハ矢 張 リ福 本主 義 ヲ正 シイ モノデ ア
答 昭和 二年 十 一月 中 突然 中 尾 勝 男 ガ 岩淵 町 ノ私 方 ヲ訪 ネ テ来 マ
二問 被 告 ハ什 ウ シ テ其 正 中 央 委員 ガ帰 ツ テ来 タ事 ヲ知 ツ タ ノ カ。
シタ。 其 時 同 人 ノ話 ニ ョツ テ ロシ ア ニ行 ツ テ居 タ正 中 央 委 員 一行 ガ
タ ノデ アリ マス。 ソ レデ 昭 和 二年 八 月 ニ コン ミ ンテ ル ン ニ ョツ テ福
帰 国 シタ事 ヲ知 リ マシ タ。
本 主 義 ノ誤 謬 ガ指 摘 サ レタ ト 云 フプ ラ ウダ ノ記 事 ヲ見 テ モ、 ソ レガ
々 カ ラ詳 シイ話 ヲ聞 ク ニ及 ンデ 、総 テ諒 解 ス ル事 ガ出 来 タ ノデ ア リ
能 ク諒解 シ得 ナ カ ツ タ ノデ ア リ マス。 ソ レガ ロ シア カ ラ帰 朝 シ タ人
三問 中 尾 勝 男 ハ什 ウ シ テ被 告 方 ヲ知 ツテ 居 タ ノ カ。
答 中 尾 勝 男 ハ誰 カ ラカ 私 方 ノ所 在 ヲ聞 イ テ知 ツタ ノデ ア リ マシ
マス。 即 チ吾 々 ハ福 本 主 義 ノ根 本的 誤 謬 ヲ今 一歩 デ 知 ラ ナ ケ レバ ナ ラ ヌト 云 フ処 マデ 、 知 ラズ 識 ラズ ノ間 ニ押 シ進 メ テ来 テ居 タ ノデ ア
タ ガ、 私 ハ其 聞 イ タ人 ガ何 人 デ ア ツタ カ ハ今 記 憶 致 シ マセ ヌ。 而 シ
人 三 田 村 四郎
テ中 尾 勝 男 ハ帰 朝後 居 所 ガ ナ イ ト 云 フノデ 、 引 続 キ私 方 ニ宿 泊 ス ル 告
リ マス。 ソ レ故 ニ コ ンミ ンテ ル ン ニ ョツテ与 ヘラ レタ テ ー ゼガ 吾 々
被
人 三 田村 四郎
ンタ ー ン本部 カ ラ日本 共 産 党 ニ対 スル テ ー ゼガ 与ヘ ラ レ、 同時 ニ同
産 党 ニ関 ス ル 一伍 一什 ヲ話 シテ聞 カ セ マシ タ。 ソ レ ニ ョルト コンミ
ガ 私 方 ニヤ ツ テ来 テ、 コ ン ミ ンター ン本 部 ニ於 テ議 セ ラ レ タ日本 共
答 中 尾 勝 男 ガ右 ノ如 ク私 方 ヲ訪 問 シ タ 日 カ ラ数 日 後渡 辺 政 之 輔
タ ノ カ。
四問 日 本 共 産 党ノ 正 中央 委 員 等 ハ露 都 ニ於 テド ンナ事 ヲ ヤ ツ テ来
ヒ マ ス。
事 ニナ リ、多 分 私 ガ 北海 道 ニ移 転 ス ル マデ 私 方 ニ同 居 シ テ居 タト 思
初 メ全 党 員 ニ直 チ ニ諒 解 サ レ タ ノデ ア リ マス。
同 日於 前 記 場 所
告
予 審 判 事 神 垣 秀 六
裁 判 所 書 記 鹿 田 清 次
東京地方裁判所
右 読 聞 ケ タ ル処 相 違 ナ キ旨 申 立署 名拇 印 シタ リ。
第 十 五 回 訊問 調 書 被
中 央 委 員 ヲ解 任 シ其事 務 引継 ギ ハ追 テ行 フ事 、 並 私 ノ今後 ノ仕事 ニ
ア ニ行 ツ タ 一行 ガ 帰 国 シ、新 中 央 委 員 ガ出 来 タ以 上 、 今 マデ ノ留 守
フ事 デ ア リ、 私 ト シ テ モ聞 ク 必要 モア リ マセ ヌデ シ タ。 兎 ニ角 ロ シ
ア リ マ シタ ガ、 其 新 中央 委員 ガ何 人 デ ア ルカ ハ話 ス訳 ニ行 カ ヌト 云
党 ノ新 中 央 委 員 ガ コン ミ ン タ ー ン本 部 ニ於 テ選 任 サ レタト 云 フ事 デ
全 ク吾 々留 守 中央 常 任 執行 委 員 ハ名 実 共 ニ其 任 務 ヲ終 ツタ ノデ ア リ
央 常 任 執 行委 員 会デ 決 定 シタ引 継 事 項 ヲ渡 辺 政 之 輔 ニ報 告 シ、茲ニ
渡 辺 政 之 輔 ガ 再 ビ私 方 ニ来 マシタ ノデ 、 其 時 私 カ ラ右 最 後 ノ留 守 中
守 中 央 常 任 執 行 委員 会 ノ最 後 ノ会 合 デ ア リ マシ タ。 其後 数 日 ヲ経 テ
決 定 事 項 ハ今 日 ニ於 テ ハ ヨク記 憶 ニ残 ツ テ居 リ マセ ヌ。 其 会議 ガ留
新 中 央 委 員 ニ対 ス ル事 務 引継 事 項 ニ就 テ協 議 決 定 致 シ マシ タガ 、其
同 日 於前 記 場所
第 十 六回 訊 問 調 書
被
告
人 三 田村 四郎
予 審 判 事 神 垣 秀 六
裁 判 所 書 記 鹿 田 清 次
東京地方裁判所
右 読 聞 ケ タ ル処相 違 ナ キ旨 申 立 署 名 拇 印 シ タリ 。
憶 シ テ居 リ マセ ヌ。
答 其 事務 引 継事 項 ノ内 容 ハ只 今 モ述 ベ マス通 リ現在 ニ於 テ ハ記
六 問 其 事務 引 継事 項 ノ内 容 ハ如 何 ナ ル モノデ ア ツ タカ 。
マ ス。
就 テ ハ何 レ決 定 ス ルガ今 ノ ト コロ未 ダ決 定 シ テ居 ナイ ト ノ事 デ ア リ マ シタ。 尚 其 時渡 辺政 之輔 ノ話 ニ ヨレ バ私 ノ事 ガ コン ミ ンタ ー ン本
テ居 タト 云 フ点 デ、 斯 ル前 職 ノ者 ヲ共 産 党 ノ組 織 ノ干 係 ガ判 ル様 ナ
部 デ 問 題 ニナ ツ タト ノ事 デ ア リ マシ タ。 ソ レ ハ私 ガ 以 前 巡 査 ヲ勤 メ
地 位 ニ置 ク事 ガ良 クナ イ ト 云 フノデ ア ツ タ サ ウデ アリ マス。 ソ レデ
ニナ ルダ ラウ ﹂ ト 云 ツテ居 リ マ シタ。 私 ハ私 ニ対 ス ル コン ミ ンタ ー
渡 辺政之輔 ハ ﹁ 恐 ラク君 ニ ハ今 後 労 働 組 合 運 動 ノ方 ヲ ヤ ツテ貰 フ事
ン本 部 ノ 此 ノ処 置 ハ全 ク正 当 デ ア ルト 思 ヒ マシタ カ ラ、渡 辺 政 之 輔 ニ、 万事 共産 党 ニ於 ケ ル人 事 行 政 ハサウ 云 フ風 ニ ヤ ラナ ケ レバ ナ ラ ナ イ カ ラ大 ニ賛 成 ダ ト答 ヘテ置 キ マシ タ。渡 辺 政 之輔 モ其 事 ヲ私 ニ 話 スノ ハ云 ヒ難 カ ツタ ラ シイ 様 デ アリ マシタ ガ 、私 ガ 即座 ニ賛 意 ヲ 表 シ マ シタ ノデ 大 変 喜 ンデ 居 ル様 デ ア リ マシタ 。
人 三 田村 四郎
右 治安 維 持 法 違 反 被 告 事 件 ニ付 、 昭 和 五 年 三 月 五 日豊 多 摩 刑 務 所 ニ
告
於 テ、 予審 判 事 神 垣 秀 六 ハ裁 判 所 書 記 鹿 田清 次立 会 ノ上 前 回 ニ引 続
被
答 致 シ マシ タ。 私 ハ右 ノ如 ク、渡 辺 政 之輔 ガ私 方 ニ来 タ翌 日 頃
五問 事 務 引 継 ギ ハ為 シ タ ノ カ。
市 川正 一及 志 賀 義 雄 ヲ右 私 方 ニ呼 寄 セ会 議 ヲ開 キ マシタ。 其 会 議 ノ
一問 被 告 ガ前 ニ述 ベ タ派 遣 代 表 ノ報 告 書 ハ被 告 ニ配 付 サ レタ ノ カ。
答 前 ニ述 ベ マシ タ通 リ事 務 引 継 ヲ為 シ タ後 数 日 ヲ経 テ矢 張 リ昭
キ右被 告 人 ニ対 シ訊 問 スル コト左 ノ如 シ。
和 二年 十 一月 中 其 派 遣 代 表 ノ報 告 書 ナ ル モ ノガ私 ニ配 付 サ レ マシ タ。
席 上 ニ於 テ私 カ ラ、 中 央 部 ノ 一行 ガ帰 国 シタ事 、並 新 中 央 委 員 ガ 選
遣 代 表 カ ラ報 告 書 ガ 出 ル シ、 又追 ツテ留 守 中 央 常 任 委 員 全 員 ト渡 辺
任 サ ル吾 々留 守 中 央 委 員 ガ 解 任 サ レタ事 ヲ告 ゲ、 尚 詳 細 ナ報 告 ハ派
政 之輔 等 一行 ト ノ会 合 ガ ア ルダ ラウ ト 云 フ事 ヲ伝 ヘ、 而 シ テ引続 キ
力 ガ著 シ ク減 退 シ、 国 民全 体 ノ窮 乏 ガ極 度 ニ深 化 シ テ人 心 動
(甲) 例 ヘバ英 仏 ハ戦 争 ノ結 果 国内 ノ産 業 ガ破 壊 サ レテ生 産 能
答 私 ハ何 人 ガ 其 報 告 書 ヲ私 ニ渡 シタ カ ハ現 在 記 憶 ニア リ マセ ヌ。
揺 シ、 危 ク革 命 ガ 勃 発 セ ント シタ独 乙 ハ英 仏 ヨリ モ其 程 度 ガ
二問 被 告 ハ何 人 カ ラ其 報 告 書 ヲ受 取 ツタ ノ カ。
三問 其 報 告 書 ノ内容 ハ如何 ナ ル モノデ ア ツタ カ。
ルノデ ア リ マセ ウガ 、 其 後 私 ガ 北海 道 オ ルガ ナイ ザ ー其 他 ト シ テ活
成 功 シ、 又 国 ノ労働 者 ノ革 命 運動 ヲ鎮 圧 ス ル事 ニ成 功 シ、 所
向 ヒ、 今 日其 生 産 力 ヲ戦 前 ノ 水準 ニ マデ 近付 ケ ル ト コ ロ マデ
然 シ何 レモ之 等 ノ国家 ハ其 危機 ヲ脱 シ、 或 ハ崩 壊 カ ラ再 建 ニ
甚 ダ シ ク、 遂 ニ革命 ハ勃発 シ テ 一度 資 本 主 義 経 済 ガ崩 壊 シ タ。
動 致 シ マシ タ ニ就 テ個 々 ノ戦 術 方針 ヲ決 定 シタ基 調 ト ナ ルベ キ モ ノ
謂 ﹁相 対 的 一時 的 安 定 ﹂ ノ 状態 ニア ル。
答 其 報 告 書 ハ報 告 ノ要 点 ト題 ス ル証 拠 品 ト ナ ツ テ押 収 サ レ テ居
マ スガ、 私 ノ受 取 ツ タ報 告書 ノ内 容 ハ次 ノ如 キ モノデ ア リ マシタ 。
デ ア リ マシ タ カ ラ、 私 ガ 其当 時 理解 シテ居 タ儘 ヲ陳 述 ス ル事 ニ致 シ
ツ テ、 殊 ニ米 国 ハ欧 洲 戦争 ヲ通 シテ 巨大 ナ資 本 国 ト ナ リ、 其
(乙 ) 米 国 ト日 本 ト ハ之 ニ反 シ、戦 争 ニ ョ ツテ発 展 シ タ国 デ ア
革命 ( プ ロレタリア革命) ノ 遂行 ハ其 国 丈 ケ ノ条 件 ニョ ツ テ ハ決 シ
ナ地 位 ニナ ツ タ。 ソ レガ為 メ ニ、 此 ノ ア メ リ カ金 融 資 本 ト 各
金 融 資 本 ノ威 力 ニ ョツ テ爾 余 ノ世 界各 国 ヲ其 支 配 下 ニ置 ク様
イ 世 界 資 本 主 義 ノ今 日 ノ発 展 状 態 ノ下 ニ於 テ ハ、 或 国 ニ於 ケ ル
一 国 際 資 本主 義 ト 日本
ラ レ ナイ 。 又 其 様 ナ 独 立 不羈 ノ条 件 ナ ル モノ モナイ 。 今 日 ノ諸 国 家 ハ何 レモ世 界 的資 本 主 義 干 係 ヲ結 ンデ 居 ル モノデ ア リ、世 界資
チ ョー ロツ パ諸 国 対 ア メリ カ ノ 対立 、就 中 英 国 対 米 国 ノ対 立 、
国 ノ金 融 資 本 ト ノ利害 ノ衝 突 ガ新 ニ到 ル処 ニ起 ツ テ居 ル。 即
ニ発 展 シ ツヽ ア ル。 即 チ世 界資 本 主 義 ハ其 一環 ヲ既 ニ断 切 ラ レ
和 国 ガ 既 ニ社 会主 義 国家 ト ナ リ、 其 国 家 ハ経 済 的 政 治 的 ニ急激
(一) 世 界 ノ中 最 モ広 大 ナ国 家 即 チ ソヴ イ エツト 聯 邦 社 会 主義 共
ノデ ア ル。
ル闘 争 、 支 那 国 民 革 命 ト 反 帝 国主 義 闘 争 ノ発 展 ハ最 モ重 要 ナ モ
革 命 、反 帝 国 主 義 運 動 ヲ始 メ テ来 タ 。例 ヘバ印 度 ノ英 国 ニ対 ス
(四) 更 ニ東 洋 ノ各 植 民 地 ガ 帝 国主 義 国家 ノ支 配 ニ反 抗 シ テ民 族
米 国 対 日本 ノ対 立 。
最 モ広 大 ナ国 ヲ自 分 達 ノ敵 ニ廻 ハサ ネ バ ナ ラ ナ ク ナ ツ テ居 ル。
( )五 支 那 ノ反 帝 国 主 義 的 革命 運動 ハ、来 ルベ キ世 界 プ ロレ タリ
ロ 現 在 ノ日 本 資本 主 義 ノ国 際 的 地 位 ハ什 ウデ ア ルカ ト 云 フ ニ
本 主 義 ノ動 キ ニ密 接 ニ左右 サ レ ルカ ラデ ア ル。
(二) 世 界 ノ凡 テ ノ資 本家 国家 ハ社 会 主 義 国 家 デ ア ル ソヴ イ エツ ト聯 邦 社 会 主 義 共 和 国 ト 対 立 シ、 此 ノ国 家 ヲ潰 スベ ク協 同聯 盟
世界 ノ帝国主義国家 ノ利益ヲ揺 ガ シテ居リ、其成功 ハ必然 ニ爾余 ノ植民
ルカラ)之 ガ発 展 ハ全 世 界 ノプ ロレ タリ ア ガ特 別 ナ注 意 ト 凡 ユ
地国 ノ模範ト ナツテ、結局各資本主義国家 ノ基礎 ヲ根本 ヨリ覆 ス事 ニナ
ア革 命 ノ要 因 ト ナ ル モ ノ デ ( 支那 ノ反帝国主義革命運動 ノ進行ガ全
ヲ結 ンデ 絶 エズ 攻 撃 シ テ居 ル。 (三) 然 ル ニ此 ノ協 同 聯 盟 ヲ結 ンデ居 ル各 資 本 家 国 家 ノ状 態 ハ決 シ テ 一様 デ ナ ク、 又 各 々 ノ利害 関 係 モ同 一デ ナ イ。
殊 ニ日本 ハ極 東 ニ於 ケ ル強 大 ナ ル帝国 主 義 国 家 ト シ テ、 又 支 那
之 ハ許 スベ カ ラザ ル誤 謬 デ アツ テ、支 那大 革 命 ノ世 界 的 意
( ︶ハ 故 ニ支 那 革命 ノ成 功 ハ日本 共 産 党 ノ成 長 、 日本 プ ロ レタ リ ア革 命 ノ成 功 ナ シ ニ ハ出 来 ナイ ト主 張 ス ル。
ル手 段 方 法 ヲ執 ツ テ其 発 展 ノ為 メ ニ協 力 シナ ケ レバ ナ ラ ナイ 。
ニ 於 ケ ル巨 大 ナ投 下資 本 及 資 源 ( 鉄、石炭等) ノ採 取 ノ為 メ ニ、
義 、 プ ロ レタ リ ア ノ世 界 革 命 ニ対 シテ占 メ ル重 要 ナ役 割 ヲ
党 ガ指 導 ス ルト 云 フ様 ナ誤 ツタ見 地 ニ立 ツタ為 メ、 既 ニ支
此 ノ支 那 ノ反 帝国 主 義 運 動 ニ ハ最 モ脅 威 ヲ受 ク ル立 場 ニア ル。
那 大 革 命 其 他 ヲ指 導 スベ キ国 際 共 産 党 即 チプ ロ レタ リ ア ノ
故ニ 日 本 ノ資 本 主 義 ハ此 支 那 ノ革 命 ヲ鎮 圧 スル為 メ ニ全 力 ヲ尽
階級 ノ革 命 運 動 ヲ妨 害 シ テ居 ル。
革命 的 闘争 ノ主 体 ガ完 成 サ レテ居 ル ニ モ拘 ハラズ 、 更 ニ日
ナ ル無 理 解 ヲ暴 露 ス ル モ ノデ ア ル。支 那 大 革 命 ヲ日 本 共 産
(六) 右 ノ理 由 カ ラ 日本 プ ロレ タ リ ア ート ハ此 日本 資 本 主 義 ノ支
抹 消 シ、 植 民 地 ノ反 帝 国主 義 民族 革 命 ノ意 義 ニ対 スル完 全
那大 革 命 妨 害 ト抗 争 シ、 来 ルベ キプ ロレ タリ ア ノ世 界 革 命 ノ重
本 ニ於 テ主 体 完 成 ヲ主 張 ス ルガ如 キ反 コ ンミ ンテ ル ン的意
シ、蒋 介石 ガ労 働 者 農 民 ヲ裏 切 ツ テ カ ラ ハ之 ヲ買 収 シ支 那労 農
大 ナ要 因 デ ア ル支 那 革 命 ノ発 展 ノ為 メ ニ努 メ ル事 ハ、 最 モ重 大
見 ヲ為 スノ デ ア ル。 二 日本 資 本 主 義 ノ現 段 階
ナ ル任 務 デ ア リ、 其 発 展 ガ 自 国 ノ革 命 ヲ又発 展 セシ メ ルデ ア ラ ウ。
命ノ宣伝 以上 ノ事 ハ為 シ得 ナイ トノミ云 ツテ居 ル) 。
等 此為 メ ニ具体 的 組 織 的 ナ活 動 ヲ シ様 ト シ ナ イ (今 ハ支那革
(甲) 山 川 一派 ハ此 ノ点 デ ハ完全ニ 無 力 、 無 定 見 、 無 関 心 、 何
本 主 義 ノ最 後 ノ時 代 、 最 早 ソ レ以 上 進歩 発 展 シ得 ナ イ時 代 、 即 チ
金融資本家 ノ利益 ニ従 ツテ産業 モ政治 モ意 ノ儘 ニ運用 スルト云 フ時代) ニ
本 ガ経済的 ニハ全産業 ヲ支配 シ、政治的 ニハ 一国 ノ政策 ヲ左右 スル、即 チ
発 展 ヲ遂 ゲ、 欧 洲 大 戦 ヲ通 シテ 一躍 金 融 資 本主 義 ノ時 代 ( 銀行資
イ 日本 資 本 主 義 ハ日清 日露 ノ両 役 ヲ通 シ テ急 速 ナ ル資 本 主 義 的
) 同 志福 本 ノ意 見 モ亦 大 変 ナ誤 謬 ヲ犯 シ テ居 ル。 同 志福 本 (乙 ノ意 見 ノ要 点 ハ
シ ソ レ故 ニ此 時 代 ハ資 本 主 義 ノ最 高 ノ段 階 デ モ ア ル。
進 メ バ進 ム程 自 ラ ヲ没落 ニ導 ク時 代 ト称 シテ居 ルノデ ア ルガ 、 然
然 ル ニ日 本 共 産 党 ノ従来 ノ行 動 ヲ見 ル ニ
(イ) 日本 ノ プ ロ レタ リ ア革 命 ガ世 界 資 本 主義 ノ国際 的 干係 ト
来 ノ発 展 ヲ次 ノ様 ナ 理由 ノ為 メ ニ極 メ テ窮 屈 ニ制 限 サ レ テ居 ル。
ロ ト コ ロガ 斯 様 ナ最 高 ノ段 階 ニ達 シタ 日本 ノ資 本 主 義 ハ、 其 将
這 入 ツ タ。 此 金 融 資 本 支 配 ノ時代 ヲ資 本 主 義 ノ帝 国 主 義 時 代 、 資
独 立 シ テ遂 行 サ レル ト 云 フ見 地 ニ立 ツ テ居 ル。 ( )ロ 殊 ニ良 ク ナイ ノ ハ、 支 那 革 命 ヲ指 導 ス ル モ ノ ハ日本 ノ共
本来 ナ ラ バ明 治 維 新 ブ ル ジョ ア革 命 ノ際 遂 行 サ レネ バ ナ ラ ヌ非
) 農 村 問 題 ヲ解 決 出 来 ナ イ事 (一
産党 ダト主 張 スル ( 其主張 ノ根拠 ト スルト コロハ日本 ハ帝国主 義国デ アル。支那 ハ植民地国家デ アルカラ帝国主義国 家 ヨリ先 ニ 植民地国家 ノ革命 ハナイト云 フノデ アル)。
民 ニ与 ヘテ土 地 ノ資 本 主 義 的 利 用 ヲ齎 ス事 ガ出 来 ナ カ ツタ ト コ
ノ下 ニ苦 シ ム小作 人 ノ存 在 、 此 ノ両 者 ヲ撤 廃 シ、 土 地 ヲ働 ク農
資 本 主 義的 干 係、 即 チ地 主 ノ存 在 、 封 建 的 ( 物納 ノ)搾 取 干 係
シ テ其 日程ニ 上 ゲ、 其 準 備 ヲ為 シ ツヽ ア ル。斯 ク テ資 本 家 階 級
急 ニ進出 シ テ来 タ ア メ リ カ ノ金 融 資 本 ト ノ利 害 ノ衝 突 ガ著 シク、
中 後 者 ニ付 テ ハ、支 那 ニ於 ケ ル利 権 ヲ中 心 ト シテ 、 欧 洲戦 争 後
ノ反 動 政 策 、 帝 国 主 義 政 策 ハ愈 々露 骨 極端 ト ナ リ、 嫌 応 ナ シ ニ
両 国 ノ金 融 資 本 家 ハ来 ルベ キ 日米 戦 争 ハ避 クベ カ ラザ ル モノ ト
事 ニ ナ ルカ ラ ソ レ モ出 来 ナイ ノデ ア ル。 尚後 ニ述 ベ ル様 ニ、 農
増 税 ト 云 フ事 ニナ ル。
ロガ 、 今 日 之 ヲ行 ハント ス レバ 惹 イ テ ハ金融 資 本 家 自 身 ガ覆 ル
民 ハ戦 争 準 備 ノ為 メ ノ高 イ 租 税 、 独 占的 資 本 主 義 ニ ヨル不 当 ニ
村 ハ益 々疲 弊 スル 一方 デ ア ル。 之 等 一切 ノ農 民 問 題 ヲ解 決 ス ル
品 即 チ農 作 物 ガ資 本 家 的 生 産 品 カ ラ受 ケ ル不利 益 等 ノ為 メ ニ農
ョ ツテ異 常 ナ発 展 ヲ為 シ、 其 発 生 ノ当 初 ヨリ 一路 向 上 ノ途 ヲ辿
ノ資 本 主 義 ハ戦 争 ニ ョツ テ障 碍 ヲ受 ケ タド コ ロカ反 ツテ戦 争 ニ
) ( 六 斯 ク ノ如 ク 日本 ノ資 本 主 義 ノ今後 ノ発 展 ハ非常 ニ制 限 サ レ テ居 リ、 危 機 ヲ予 想 シテ ハ居 ル ガ、 然 シ ソ レ ニ モ拘 ハラズ 日本
高 イ 生産 品 、肥 料 、 農 具 等 ヲ買 ハサ レ ル事 、及 非 資 本 家 的 生 産
事 ガ出 来 ナ イ状 態 ニア ル。
ツテ居 ル。 而 カ モ此 ノ向 上 線 ハ今 尚依 然 ト シテ進 行 中 デ ア ル。
且 外 国 ノ高 度 ニ発 展 シ タ生 産 機関 ニ ヨ ル製 品 ト ノ競 争 上 必然 ニ
︵四) 斯 様 ナ訳 デ 国 内 的 ニモ国 外的 ニ モ市 場 ガ枯 渇 シ テ、 日 本 ノ 資 本 主 義 ガ 持 ツ全 生 産 機 関 ヲ働 カ ス事 ガ出 来 ズ 生 産 制 限 ト ナ リ、
利権 ガ根 本 カ ラ覆 サ レ様 ト シ テ居 ル。
民族 革 命 ノ発 生 ノ為 メ ニ、 日 本 ノ資 本 主 義 ノ大 打 撃 ト ナ ツ テ其
主 義 的 工業 ノ発 達 ト、 第 二 ニ ハソ シテ決 定 的 ニ ハ反 帝 国 主 義 的
(三) 第 三 ニ右 資 源 ノ唯 一ノ採 取 地 デ ア リ金 融 資 本 ノ投 下 地 デ ア リ且 消費 財 ノ販 売 市 場 デ ア ル支 那 ガ 、第 一ニ ハ支 那 自 身 ノ資 本
同 志 福 本 ノ観 察 ノ誤 謬 ナ ル事 明 白 デ ア ル。
ア ル。 従 ツ テ ﹁急 激 ナ ル没 落 ノ段 階 ﹂ ト ハ反 対 ノ状 態 ニア ル。
ア ツテ 日本 ト ア メ リ カト ハ未 ダ 発 展 向 上 ノ途 ヲ辿 ツテ居 ル国 デ
世 界 資 本 主 義ノ 一環 ト シ テノ 日本 ノ資 本 主 義 モ其 影 響 カ ラ離 レ
テ没 落 ノ段 階 デ ア リ、 世 界 的 ニ資 本 主 義 ハ今 没 落 期 ニア リ、 其
フノデ ア ル。 ナ ル程 資 本 主 義 ノ帝 国主 義 ノ段 階 ハ資 本 主 義 ト シ
第 一ハ同 志 福 本 ノ代 表 ス ル ﹁急 激 ナ ル没落 ノ段 階 ニア リ﹂ ト 云
(二) 第 二 ニ金 融 資 本 ノ絶 対 存 在条 件 デ ア ル資 源 ( 鉄、石炭 、石油 等) ヲ欠 イ テ居 ル事 。
失業 者 ノ増 大 ト労 働 者 ノ労 働 条件 ノ低 下 ト ナ ル。
モ更ニ 日本 資 本 主 義 安 定 カ ラ無 限 ノ発 展 ヲ約 束 ス ルカ ノ如 ク説
第 二 ハ ﹁安 定 論 ﹂ デ ア ル。 此 安 定 論 ハ反 共産 派 ノ主 張 デ、 今 後
ノ誤 レ ル観 察 ガ行 ハレ テ居 ル。
(七) 然 ル ニ斯 ル日 本 ノ資 本 主義 ノ現段 階 ニ対 シテ 日本 ニ ハ二 ツ
( ) 五 斯 ク テ国 内 的 ニ ハ階 級 闘 争 ノ激 化 ト ナ リ、 国 外 的 ニ ハ植 民
イ テ居 ル。 元 来 此 安 定 ト 云 フ言 葉 ハ、英 仏 独 等 ノ如 ク 一度 資 本
テ存 在 シ得 ナイ ノデ ハア ルガ 、 然 シ各 国 夫 々ニ特 徴 ガ ア ルノデ
地 ニ於 ケ ル利 益 ノ確 保 並 新 市 場 ノ獲 得 ノ為 メ ニ、 必 然 ニ他 ノ金 融資 本 主 義 国 家 ト ノ対 立 、 惹 イ テ ハ戦争 ヘノ危 機 ヲ早 メ ル。 就
主 義 ガ崩 壊 シ若 ク ハ崩 壊 ニ瀕 シタ国 ニ対 シテ 云 ハレ ル ノデ アツ
一掃 シ得 ナ カ ツ タ事 、 反 ツ テ政 権 ハ封 建 的 要 素 ノ手 中 ニ握 ラ レ
タ事 、 従 ツ テ地 主 ヲ叩 キ潰 シ土 地問 題 ヲ解 決 シ封 建 的 諸 干 係 ヲ
テ居 タ ノデ ア ル。 此 封 建 的要 素 ガ自 分 自 身 ノ存 在 ヲ維 持 スルガ
テ、 之 等 ノ国 ハ斯 ル状態 ヲ克 服 シ、 其 後 復 興 シ テ目 下 安 定 ノ状 態 ニア ル ト 云 フ場 合 ナ ノデ ア ル。 然 ル ニ日本 ハ之 等 ノ国 ト ハ違
為 メ ニ ハ社 会 ヲ資 本 主 義 ニ発 展 セ シ メネ バ ナ ラ ナ カ ツ タ。
ー﹂ ハ従 ツ テ其 政 治的 勢 力 ヲ拡 大 シ、 憲 法 発 布 議 会 開 設 ヨリ 三
度ノ 戦 争 ヲ通 ジ テ急 速 ナ ル発 展 ヲ遂 ゲ、 日本 ノ ﹁ブ ルジ ョアジ
︵四 ク) テ 日 斯本 ノ資 本 主 義 ガ徐 々 ニ発 展 ノ緒 ニ着 キ、 其 後 両 三
ツテ斯 ル状 態 ニ陥 ツ タ事 ナ ク、 反 対 ニ向 上 発 展 シ ツヽ 来 タ国 デ
ナ イ。 反 共 産 派 ハ今 後 モ尚 悠 々タ ル発 展 ガ為 シ得 ラ レ ルカ ノ如
ア ルカ ラ、 之 ニ対 シ テ復 興 ダ ノ安 定 ダ ノ ト 云 フ事 ハ問 題 ニナ ラ
ク説 ク ガ、 然 シ日 本 ノ資 本 主 義 ハア メ リ カト 違 ツ テ其 発 展 ヲ極
ジ ー﹂ ガ 此 処 マデ 発展 シタ時 ニ ハ、 一方 下 カ ラ労 働 者 農 民 ノ 反
メ テ阻 マ レテ居 ル ノデ 、其 様 ナ可 能 性 ハ認 メ ラ レ ナイ 。 但 シ日
抗 ガ擡 頭 シ テ自 分 ヲ覆 サ ウ ト シ テ居 リ、 又 其 帝 国主 義 政策ノ 遂
ニ取 ツ テ代 ツ テ政 権 ヲ握 ル ニ至 ツタ。 然 シ日 本 ノ ﹁ブ ルジ ョア
ノデ ア ル カ ラ、 ソ レ相 当 ノ社 会 民 主 々義 者 ヲ養 ヒ得様 ガ 、欧 米
行 、 植 民 地政 策 ノ遂 行 ノ為 メ ニ此 封 建 的 努 力 ヲ 一掃 ス ル事 ガ出
派 護 憲 内 閣 ノ成 立 ニ至 ツ テ遂 ニ封 建 的 要 素 デ ア ル官 僚 貴 族 軍 閥
ノ如 ク熟 練 工 ノ所 謂 労働 貴 族 ヲ繁 栄 ナ ラ シ メ ル条 件 ハナ イ。 従
本 ハ支 那 ト 云 フ事 実 上 ノ植 民 地其 他 若 干 ノ植 民 地 ヲ持 ツテ居 ル
ツ テ安 定論 者 ノ意 見 ハ完 全 ナ ル誤 謬 デ ア ル。
同 盟 ヲ結 ビ 、地 主 ヲ援 ケ テ地 主 ノ搾 取 ニ反 抗 ス ル農 民 ノ闘 争 ヲ
ア﹂ ノ支配 マデ モ顛覆 サレルカラ) 其 処 デ 反 ツ テ之 ト妥 協 シ、 之 ト
ラバソレヲ機縁ト シテ労働者農 民 ニョツテ地 主 丈 ケ デ ナ ク ﹁ ブ ルジョ
来 ズ (ナント ナレバ若 シ此処デブ ルジョア革命 ノ完成 ヲ シ様 ト シ タ ナ
ヲ左 右 指 導 シ テ居 ル モノ ハ、 勿 論 ブ ルジ ョ アジ ー デ ア ル。 日本 ノ
此 同 盟 ノ中 ニ於 テ指 導 権 ヲ握 ツ テ居 ル モ ノ即 チ現 実 ニ政 権 ノ運 用
弾 圧 シナ ケ レバ ナ ラ ヌ事 ニナ ツ タ ノデ ア ル。
イ 日 本 ノ現在 ノ支 配 政 権 ハ資 本 家 ト地 主 ノ同盟 ノ手中 ニア ル。
三 支 配 階 級 ノ構成 ニ付 テ
資 本 家 階 級 ガ斯 様 ナ状 態 ニ マデ 漕 ギ 着 ケ ル ニ ハ次 ノ如 キ極 メ テ特
行 ハレテ居 ル。
) ( 五 以上 ノ事 実 ニ対 シ テ日 本 デ ハ次 ノ諸 点 ニ付 テ誤 ツタ見 解 ガ
其 第 一ハ明 治 維 新 ノ性 質 ニ就 テヾ ア ツ テ、之 ヲ ﹁ブ ルジ ョア﹂
徴 ア ル進 行 ヲ辿 ツテ来 タ。 (一) 明 治維 新 ハ明 カ ニ ﹁ブ ルジ ョ ア﹂革 命 デ ア ツテ、 此 革 命 ニ
(二) 然 シ乍 ラ当 時 ノ政 治 権 力 ハ封 建 的要 素 タ ル大 地主 諸 侯 王 党 (君主貴族等) ノ手中 ニア ツ タ。
デ ナ ク封 建 勢 力 デ ア ツ タ事 ヲ以 テ斯 ク 云 フ ノデ ア ルガ 、 元来 革
此 意 見 ハ此 革 命 ノ遂 行 者 、 政権 ノ掌 握 者 ガ ﹁ブ ル ジ ョアジ ー﹂
ノ ﹁ブ ルジ ョア﹂ 革 命 ナ リト ス ル同志 福 本 ノ指 導 意 見 デ ア ル。
革 命 デ ナ ク、 後 ノ明 治 二 十 三年 ノ 憲 法 発布 議 会 開 設 ヲ 以 テ日 本
ョツ テ日本 ノ資 本 主 義 発 展 ノ途 ヲ開 イ タ モノデ ア ル。
﹁ブ ルジ ョア ﹂ ガ政 権 ヲ握 ラナ カ ツタ事 、 ソ レ程 強 力 デ ナカ ツ
(三) 此 革 命 ガブ ル ジ ョア革 命 ト シ テ不徹 底 ナ モノデ ア ル。 即 チ
ガ握 ツテ居 ル カ ニ ヨツ テ其 政 治 ノ内 容 ガ決 セラ レ ルノデ ハナ ク、
其 革 命 ガ社 会 的 ニ何 ヲ齎 シ タ カヾ問 題 ナ ノデ ア ル。 又 政 権 ヲ誰
見 ル事 ハ凡 テ誤 リデ ア ツ テ、 同 志 福本 ノ主 張 ス ルガ如 ク、 明 治
持 ツテ居 ル。 故 ニ此 君 主 ヲ地主 階 級 ト 離 レタ 一種 特 別 ナ階 級 ト
主 ハ啻 ニ大 地 主 タ ル バ カ リデ ナ ク、大 株 主 デ ア リ自 身 ノ銀 行 モ
依 然 独 立 ノ存 在 物 デ ア リ重 要 ナ 地 位 ヲ占 メテ居 ル。 又 日本 ノ君
君主 ノ 地位 ハ如 何 ニ今 日 金 融 資 本 ト 密 接 ナ結 合 ヲ シテ居 様 ト モ
如 何 ナ ル政 治 ヲ行 ツ テ居 ルカヾ 問 題 ナ ノデ ア ル。 例 ヘバ今 日 ノ
維 新 ニ ヨツ テ大 名 ハ廃 サ レ タガ 封 建制 度 ハ遺 ツ テ居 テ、 此 封 建
主 ノ存 在 ト離 スベ カ ラザ ル モ ノデ ア ツ テ、 日本 ニ於 テ此 地 主 及
英 国 ノ如 ク労 働 者 ガ 政 権 ヲ運 用 シテ居 テ モ其 政 治 ハ決 シ テ労働
ナ ク、 其 革 命 ノ社 会 的 内容 ニ ヨツ テ決 セラ レ ルノデ ア ル。 即 チ
者 政 治 デ ナ ク ﹁ブ ルジヨ ア﹂政 治 即 チ ﹁ブ ルジ ヨア﹂ ノ利 益 ヲ
( 国家機構 ニ残存 スル封建 的要素 、天皇 、枢密院等) ノ ミ ト ナ ツ タト
制 度 ノ残 存 物 ハ明 治 二十 三年 ニ廃 除 サ レ、 其 後 ハ封 建 的 遺 制
命 ノ性 質 ハ其 革 命 ヲ誰 ガ 遂 行 シ タカ ニ ヨ ツテ決 セラ レル ノデ ハ
遂 行 スル ノ政 治 デ ア ル。 ﹁フア シ スト ﹂ ノ政 治 又 然 リ デ ア ル。
シテ仕 舞 フ ガ如 キ、 全 ク ノ観 念 遊戯 デ ア ル。 又山 川 一派 ノ如 ク
云 フガ如 キ、 君 主 ヲ地主 及 非資 本 主 義 的 土地 干 係 ノ存 在 ト 遊 離
明 治 維 新 ハ封 建 勢 力 ノ手 ニ ヨツテ 遂行 サ レ、 此 モノヽ 手 ニ政権 ヲ握 ラ レテ居 タ ノデ ハア ルガ、 此 革 命 ニ ヨツ テ封 建 制度 カ ラ資
ハナ ク資 本 主 義 ガ 発展 セ シ メ ラ レタ ノデ ア ル カ ラ明 カ ニ ﹁ブ ル
本 主 義 ヘノ途 ヲ開 イ タ ノデ ア ル。 此 ノ政 権 ニ ヨツ テ封 建制 度 デ
ノ土 地 干 係 ノ存 在 ヲ無視 シ テ、 今日直 チ ニ ﹁プ ロレ タ リ ア﹂ 独
此 君 主 ノ地 位 ヲ 一種 特 別 ナ モノ ニ祭 リ上 ゲ、 或 時 ニ ハ君 主 ト 右
裁 ノ ﹁ス ロー ガ ン﹂ ノ ミ ヲ掲 ゲ、 ソ レガ 一直 線 ニ達 シ得 ラ レ ル
ジ ヨア﹂ 革命 ナ ノデ ア ル。 故 ニ明 治 維 新 ヲ ﹁ブ ルジ ヨア﹂革 命 デ ナイ ト 云 フガ 如 キ ハ、 此 革 命 ノ意 義 ニ対 スル盲 目 ヲ暴 露 ス ル
モノ ト 云 フガ 如 キ 見 地 ヲ採 ル、 又或 時 ハ君 主 ハ資 本家 対 労働 者
ノ闘 争 ニ於 テ恰 モ不 必要 ナ モノ ガ紛 失 シ タ カ ノ如 ク、 両 者 ノ闘
カ ノ如 ク考 ヘ、 ﹁ブ ルジ ヨア ﹂民 主 々義 革 命 ハ既 ニ完 成 サ レ タ
争 ノ過 程 ニ於 テ煙 ノ如 ク消 エ去 ル様 ニ主 張 シ、 又 或 時 ハ君主 制
モ ノデ ア ル。
志 全 体 ハ完 全 ニ君主 ト ハ何 カ ト 云 フ事 ノ理 解 ヲ欠 イ テ居 ル。 元
第 二 ハ日 本 ノ君主 ノ 地位 性 質 ニ就 テヾ ア ル。 之 ニ就 テ日本 ノ同
来 君 主 ハ地主 階 級 ノ代 表 デ ア ツテ君 主 、 官 僚 、 軍 閥 等 ト 云 フ モ
﹁ブ ルジ ヨア﹂民 主 主 義 革 命 ヲ説 クガ 如 キ奇 怪 ナ意 見 ハ、 之 凡
撤 廃 ノ ﹁ス ローガ ン﹂抜 キ ノ即 チ君 主 制 度 ニ就 テ触 レ ル事 ナ ク
テ君 主 ノ地 位 ニ干 ス ル無 理解 デ ア ツ テ、 之 ガ 正 シキ 理解 ハ次 ノ
ハ要 スル ニ地 主 階 級 ノ武 力 的 表 現 ニ外 ナ ラ ナイ ノデ ア ル。 現 ニ 日本 ノ君 主 ハ大 地主 デ ア ル。 又 日本 ニ ハ物 納 制 度 ニ ヨ ル搾 取干
革 命 ノ展望 従 ツテ 又 ソ レ ニ対 スル日 本 ﹁プ ロレ タリ ア ー ト﹂ ノ
ノ ハソ レ等 ガ 一種特 別 ナ 一階 級 ヲ構 成 スル モノデ ナク 、 ソ レ等
係 ( ソ レ ハ封建 的ナ地主 ト ハ違 フガ所謂小作米 ヲ取 ツテ 居 ル地主 ノ存
対策 樹 立 上 必要 ナ モノデ ア ル。
ロ 最 後 ニ今 日 ノ 日本 ノ政 権 ヲ ﹁フ ア シズ ム﹂ 云 々ト主 張 スル者
在)ガ アリ 、 土 地 ヲ持 タ ナ イ農 民 ガ 存 在 ス ル。 ソ レ ハ決 シ テ 農 業 資 本 家 対 農 業 労働 者 ノ干 係 デ ハナ イ。 斯 様 ナ制 度 ノ存 在 ハ君
反 動 的野 蛮 デ ア ル。 然 シ日本 ハ現 ニ政 権 ハ ﹁ブ ルジヨ ア ﹂ ト地 主
ガ ア ルガ 、 一般 ニ資 本 主 義 ノ帝 国 主 義 段 階 ハ独占 ノ時 代 デ ア ル。
ス ル ニ土 地問 題 ノ未 解 決 ト 云 フ事 ヲ深 イ 其基 因 ト シテ居 ル モノ
毛 差 押 反 対 ノ闘 争 、 並 ニ最 近 頻 々ト シ テ起 ル農 民 ノ暴 動 ハ、 要
ツカ ツテ居 ル。 即 チ耕 作 権 確 立 ノ ﹁ス ローガ ン」 ノ下 ニ立 禁 立
条 件 ハ十 分 備 ツテ居 ルト 云 ハネ バ ナ ラ ヌ。 ト コ ロデ右 ノ 土 地 ノ
デ ア ル。而 シテ之 ガ真 ノ解 決 ハ地 主 ノ土 地 ヲ無 償 没 収 シ、 働 ク
ノ同 盟 ノ手中 ニア リ、 其 中 デ ﹁ブ ルジ ヨア﹂ ガ指 導 権 ヲ握 ツテ之
無償 没 収 ト 云 フ事 ハ、 其 事 丈 ケ ヲ切 離 シ テ 云 ヘバ毫 モ私 有 財 産
ヲ運 用 シ テ居 ルノ デ ア ツテ、 決 シ テ ﹁フ ア シズ ム﹂ ノ政 治 デ ハナ
資 本 閥 ガ 中 産 階級 ヲ シテ政 権 ヲ運 用 セ シ メ ル ノデ ア ツテ、 詰 リ共
制 度 ノ撤 廃 ヲ意 味 ス ル モノデ ハナ ク、 反 ツ テ実 ハ私 有 財産 制 度
ル。然 ル ニ日本 ニ於 テ ハ ﹁ブ ル ジ ヨア﹂ 民主 々義 革 命 ノ客 観 的
産 党 ニ モ大 資 本 閥 ノ 横暴 ニ モ反 対 シ、 其 間 平 和 ヲ希 望 ス ル中 産 階
ヲ ヨリ鞏 固 ニ ス ル モノデ ア ル。 ナ ント ナ レバ 地 主 ハナ クナ ツタ
農 民 ノ手 ニ獲 得 ス ル事 ニ ヨツ テ ノ ミ解 決 ス ル事 ガ出 来 ルノデ ア
級 ヲ シ テ政 権 ヲ運 用 セ シ メ ルノデ ア ル。 然 ル ニ現 在 ノ日本 ニ ハド
代 リ ニ今 マデ ノ農 民 ガ ソ レ〓
イ 。 ﹁フ ア シズ ム﹂ ハ共 産 党 ノ革 命 ガ失 敗 ニ帰 シ、資 本 主 義 ノ 混
ノ点 カ ラ 云 ツ テ モ ﹁フ ア シズ ム﹂ ノ独 裁 云 々 ト 云 フ事 ハ当 テ嵌 ラ
地 ノ手 工 業 者 ノ如 キ立場 ニ立 チ、 農 業 ヲ自 己 ノ企 業 ト シ テ営 ミ、
乱 期 ニ而 カ モ大資 本 閥 ノ政 治 デ ハ全 国 民 ガ 承 知 シナ イ ト 云 フ時 大
ナ イ。 帝 国 主 義 ノ反動 ト ﹁フア シズ ム﹂ ノ独 裁 ト ヲ混 同 シ タ謬 論
農 産 物 ヲ自 己 ノ商 品 ト シテ販 売 シ、 ヨツ テ以 テ利 潤 ヲ取得 ス ル
土 地 ヲ持 ツ テ独 立 企 業 者 即 チ土
デ ア ル。 四 革 命 ノ展 望 ニ就 テ
商 品 生 産 者 ノ地 位 ニ立 ツカ ラデ ア ル。 故 ニ此 ノ農 民 ノ要 求 ハ私
土 地 経 営 ヲ撤 廃 シ、 資本 主 義 的 土 地経 営 ノ新 設 ナ ノデ ア ル。 又
有 財 産 制 度 ノ撤 廃 デ ナ ク 私 有財 産 ノ取 得 デ ア リ、 非 資 本主 義 的
土 地所 有 ノ無 償 没 収 、 国 家 機 構 ニ於 ケ ル封 建 的 残 存 物 即 チ
政治的 ニハ
天皇 、
枢 密院 、貴 族 院 、 官 僚 、 軍 閥 等 ノ 一掃 、労 働 者 農 民 ノ言 論 、 集 会 、
日本 ノ来 ルベ キ革 命 ハ前 述 ノ如 キ諸 条 件 ノ結 果 、 地 主 ノ掃 蕩 即 チ大
出 版 、結 社 ノ絶 対 自 由 ヲ其 主 要 内 容 ト ス ル ﹁ ブ ルジ ヨア﹂ 民 主 々義
一切 ナ ク ナ ル。 ダ カ ラ此 ノ事 丈 ケ ヲ考 ヘ レバ、 斯 ク シ テ初 メ テ
ルジ ヨア ﹂共 和 国 ト ナ ツ タノ デ ア ル。 故 ニ 先進 諸 国 ニ於 テ ハ
世 ノ中 ハ余 スト コ ロナ ク資 本主 義 的 ニナ ル事 ガ出 来 、 即 チ ﹁ブ
天 皇 ヲ含 メ テノ 地主 階級 ノ封 建 的 専 制 的 ナ機 関 ガ
革 命 デ ア ル。 ダ ガ此 ノ ﹁ブ ル ジ ヨア﹂ 民主 々義 革 命 ハ極 メ テ急 速 ニ ﹁プ ロレタ リ ア ﹂革 命 ニ転 化 スルト コ ロノ革 命 デ ア ル。
( ) 一 日本 ニ ハ今 日尚 国 家 機 構 ニ多 クノ封 建 的 残 存 物 ヲ持 テ居 リ、 更 ニ重 要 ナ事 ハ封 建 的 ナ生 産 干 係 、 地主 ノ封 建 的 ナ現 物 搾 取 ガ
土 地 ヲ地主 ノ手 カ ラ無 償 没 収 シ之 ヲ農 民 ニ与 ヘ地主 ノ存 在 ヲ 一
) ( 二 然 シ ソ レダ カ ラ ト 云 ツ テ今 日 ノ日 本 ニ於 テ斯 ル仕 事 、 即 チ
協 同 シテ 地主 ヲ 一掃 シ ﹁ブ ル ジ ヨア﹂ 社 会 ヲ建 設 シタ ノデ ア ル。
﹁ブ ルジ ヨア ジ ー ﹂ ガ地 主 ニ対 スル農 民 ノ反 抗 ヲ支 持 シ農 民 ト
存 在 ス ル。 ソ シテ此 地主 ノ搾 取 ニ対 シ テ広 大 ナ農 民 ガ究 極 ニ土
イ ﹁ブ ルジ ヨア ﹂民 主 々義 革 命 ノ前 提 条件
地 ヲ要 求 ス ル闘 争 ニ奮 起 シテ居 リ、 現 ニ其 尖端 ハ土 地問 題 ニ打
ス ル来 ル ベ キ ﹁ブ ルジ ヨア﹂ 民主 々義 革 命 ニ ﹁ブ ルジ ヨア ﹂ ヲ
大 キ ナ間 違 デ ア ル。 ノ ミナ ラ ズ 又 地主 ヲ 一掃 スル事 ヲ其内 容 ト
ジ ー ﹂ ガ ヤ ル モノダ ト カ 賛成 ス ル モノ ダ ト カ思 フナ ラ、 ソ レ ハ
掃 ス ル事 ヲ、 先 進 諸 国 デ ヤ ツタ如 ク今 日 ノ我 国 ノ ﹁ブ ルジ ヨ ア
故 ニ農 民 ノ要 求 ハ飽 迄 土 地 ノ無 償 没 収 ニ ヨル獲 得 デ ア ル。然 シ
而 モ豊 年 ト 不作 ト ニ拘 ハラズ 確 実 ニ取 立 ル事 ガ 出 来 ルノ デ ア ル。
ガ地 主 ハ之 ト 反 対 ニ負 担 ヲ免 カ レ、 従 来 ノ小 作 料 ヲ今度 ハ金デ
ル カ ラ、 小 作 料 デ 搾 ラ レ ル以上 ニ窮 境 ニ立 ツ ノデ ア ル。 ト コロ
シテ中 立 ノ立 場 ヲ執 ラ シ メ ル事 ガ出 来 ル ダ ラ ウト考 ヘル事 モ亦
ハ不 可能 デ ア ル。
此 土 地 ノ獲 得 ハ然 ラ バ農 民丈 ケ ノ力 デ ヤ レル カト 云 フ ニ、 ソ レ
ハナイ 。 ﹁ブ ルジ ヨ アジ ー ﹂ ヲ敵 ト シ テ之 ヲ倒 シ得 ル ノ ハ私有
第一 ニ農 民 ハ今 日権 力 ヲ握 ツテ居 ル ﹁ブ ル ジヨ アジ ー﹂ ノ敵 デ
間 違 デ ア ル。 ナ ント ナ レバ今 日 ノ 日本 ノ ﹁ブ ルジ ヨアジー ﹂ ハ 封 建 的 ナ地 主 ノ為 メ ニ自 己 ノ利 益 ノ獲 得 、 自 己 ノ発 展 ヲ阻 止 サ レテ居 ル ﹁ブ ルジ ヨア ジ ー﹂デ ハナ ク シ テ既 ニ資本 主 義 社 会 ヲ 建 設 シテ仕 舞 ツ テ居 リ 、然 カ モ此 ノ社 会 ノ支 配 権 力 ヲ握 ツテ居
ア ル。 今 日 デ ハ ﹁プ ロレタ リ ア ー ト ﹂ ノ ミ ガ地 主 及 地主 ヲ援 ケ
ル ニ農 民 ハ私有 財産 ノ撤 廃 ノ要 求 者 デ ナ ク土 地 私 有 ノ要 求 者 デ
ニ云 ヘバ成 程 私 有 財 産制 度 ノ撤 廃 デ ナ ク反 ツ テ資本 主 義 ヲ強 固
テ居 ル ﹁ブ ルジ ヨア ジ ー﹂ ヲ倒 シ、 土 地 ヲ地 主 カ ラ取 上 ゲ テ之
財 産 制度 撤 廃 ヲ主 張 ス ル ﹁プ ロ レタ リ ア ー ト﹂ ノ ミデ ア ル。然
ニ ス ル モノデ ハア ルガ 、 地主 ノ 土 地 ヲ無 償 没 収 シ テ農 民 ニ与 ヘ
ヲ働 ク農 民 ニ与 フ ル事 ガ出 来 ル。 ナ ント ナ レバ ﹁プ ロレ タリ ア
ル ﹁ブ ル ジ ヨアジ ー﹂ デ ア ル。 故 ニ前 述 ノ農 民 ノ要 求 ハ抽 象 的
ルト 云 フ事 ハ明 カ ニ地主 ノ所 有 権 ノ侵 害 デ ア リ、 之 ヲ許 スト 云
ー ト﹂ ハ他 人 ヲ搾 取 ス ル資 本 ハ 一切 没 収 シ国 有 ニ ス ルカ 、 他 人
第 二 ニ労 働者 ハ資 本 主 義 ノ発 展 ト共 ニ、 ソ レガ進 メバ進 ム程 階
ヲ搾 取 ス ル事 ナ キ 個 人 ノ私 有 物 マデ 取 上 ゲ ハシ ナイ カ ラデ ア ル。
フ事 ハ所 有 権 ノ上 ニ社 会 ヲ建 設 シ生 活 シ テ 居 ル今 日 ノ 我 国 ノ ﹁ブ ルジ ヨアジ ー﹂ ト シ テ ハ到 底 承 知 出 来 ナイ 事 デ ア ル。 ナ ン ト ナ レバ 惹 イ テ ハ自 分自 身 ノ所 有 権 ノ否 定 ヲ招 来 ス ルカ ラデ ア
級 的 ニ単 純 化 サ レ統 一サ レテ来 ル ガ、 之 ニ反 シ農 民 ハ資 本 主 義
ガ 進 展 ス レバ ス ル程 階 級 的 ニ分 裂 シ テ来 ル。 即 チ農 業資 本 家 、
ル。 故 ニ此 ノ農 民 ノ要 求 ニ対 シテ賛 成 協 同 ス ル事 ガ 出来 ヌノ ハ 元 ヨリ中 立 ノ態度 ヲ モ執 ル事 ハ出 来 ヌ。 ソ レド コ ロカ 地主 ヲ援
大 中 小 地主 、自 作 農 、自 作 兼 小 作 農 、 小 作 農 、農 業 労働 者 ト 云
ニ ナ ツ テ来 ル。斯様 ナ階 級 的 特
﹁ブ ルジ ヨア ﹂権 力 ヲ倒 スト 云 フ如 キ ハ思 ヒ モ ヨラ ヌ事 デ ア ル。
性 ヲ有 ス ル農 民 ハ、 農 民 自 身 ノ力 丈 ケデ今 日 ノ強 力 ナ組 織 的 ナ
化 ス レバ ス ル程 意 見 ガ散 リ〓
農 民 ノ階 級 的 特 性 デ ア ル。 此 ノ特 性 ハ階級 闘 争 ニ於 テ ソ レガ激
フ風 ニ多 岐 ニ別 レ、 農 民 全 体 ト シ テ 一致 ス ル事 ガ出 来 ナ イ。 之
ケ テ斯 様 ナ農 民 ノ要 求 ヲ鎮 圧 スル ノデ ア ル ( 彼 ノ自作農創定ト云 フノ ハ、土地ノ獲得 ト云 フ事 ヲ目蒐 ケテ突進 シテ来 ル農 民ノ鉾尖 ヲ転 ジ、 地主 ヲ無償没収ノ被害 カラ救 フ窮余 ノ 一策デ アル)。 ( 三) 然 シ乍 ラ今 日 ノ全 農 民 ハ地 主 カ ラ土 地 ヲ買 取 ル金 モナ ク、 又 借 金 シ テ買 ツタ ノ デ ハ借 金 ノ返 済額 ハ従来 ノ小作 料 ト毫 モ変 ラズ 、 其 上 ニ利 子及 土地 ヲ持 ツ テ居 ルガ 故 ニ諸 税 諸 掛 リ ガ加 ハ
第 三 ニ又農 民 ハ経 済 的 要 求 即 チ単 ニ小 作 米 ノ減 免 ト 云 フ闘 争 ニ
ル共産 党 ニ指 導 サ レテ初 メ テ彼 等 ハ従 来 ト 違 ツ テ組 織 的 ト ナ リ、
モ資 本 家 階 級 ヲ倒 スト コ ロノ力 ヲ持 ツ テ居 ル労 働 者 階 級 ノ指 導
闘 争 ハ 一時 的 デ ナ ク永 続 的 ト ナ リ革 命 的 ト ナ ル。 又 此 ノ強 イ 土
援 助 ヲ仰 ガ ネ バ ナ ラ ナ ク ナ ル。 ソシ テ労 働 者 階 級 、 其 政 党 デ ア
地 ニ対 ス ル要 求 ガ ア ル為 メ ニ、 無 智 ダ ト 云 ハ レル農 民 ガ 其 闘争
ト ナ レバ経 済 的 ナ要 求干 係 デ ハ共 通 点 ガ ナ ク、 個 々別 々皆 異 ツ タ条 件 ガ ア ル カ ラデ ア ル。 而 モソ レ ハ単 純 統 一ニ向 ハズ益 々多
於 テ ハ、 全 国的 統 一的 ナ闘 争 ヤ組 織 ヲ持 テ ル モノ デ ナ イ。 ナ ン
岐 ニ亙 ル モノダ カ ラデ ア ル。 然 シ農 民 ハ其 闘争 ガ 政 治的 性 質 ヲ
一掃 ニ奮 起 ス ル ノデ ア ル。 即 チ従来 ト ハ違 ツ テ
ヲ通 シ テ容 易 ニ今 日 ノ 日本 ノ国 家 機 構 ニ於 ケ ル封 建 的 残 存 物 ノ
一般 ノ政 治 的 権 力 ノ廃 止 ヲ政 治的 目 的 ト シ、 其 中 ニ
別 ナ存 在 ト 見 ズ 、彼 等 ハソ レ ハ地主 階 級 一般 ノ廃 止 、 地 主 階 級
天 皇 其 他 ヲ特
早 ク カ ラ全 国 的結 成 ヲ シ テ居 ルノ ハ実 ニ此 処 ニ根 拠 ガ ア ルノデ
帯 ビ ル ニ及 ンデ初 メ テ全 国 的 統 一的 ト ナ ル。 日 本 ノ農 民組 合 ガ
ア ツテ、 日本 ノ農 民 ノ小作 料 ノ闘 争 ハ其 発 生 ト同 時 ニ土 地問 題
ヲ襲 撃 或 ハ焼 打 シ、 又 ハ苛 酷 ナ租 税 ヲ課 シタ村 役 場 、 農 民 ヲ弾
爆 発 的 非組 織 的 デ ア ル。 即 チ彼 等 ノ闘 争 ハ横 暴 ナ ル地 主 ノ邸 宅
第 四 ニ農 民 ノ闘 争 ハ政 治 的 性質 ヲ帯 ビ テ モ、尚 其 闘 争 ハ 一時 的
題 ノ解 決 ガ焦 眉 ノ問 題 ト 為 ツ テ居 ルカ ヲ物 語 ル モノデ ア ル。
タ時代デ アツタカラ、君主 ノ地位 ハヨク判 ラナカツタ。今 日デ モ階級闘
時代デ、未ダ今日 ノ如 ク労働 者農 民ガ階級闘争 ニ進出 シテ来 テ居 ナカツ
ニ直面 シテ来テ居 ラレル、明治天皇 ノ時代 ハ ﹁ ブ ルジ ヨア﹂社会 ノ建設
ハ﹁ ブ ルジヨ ア﹂ノ為 メニ利用 サ レテ労働者農民 ノ階級闘争 ニ白日ノ下
マ レル事 ニナ ル ( 而 カ モ都合 ノ ヨイ事 ハ明治天皇ト違 ツテ近時 ノ天皇
天 皇 モ含
ニ打 ツカ ツテ居 ル カ ラデ ア ル。 之 ハ又 日本 ニ於 テ如 何 ニ土 地問
圧 シ タ県 庁 、 天 皇 ノ名 ニ ヨツ テ差 押 ヤ立 入禁 止 ヲ 許 シ タ ﹁ブ
ニ ハ労働者農民 ノ階級闘争 ガ起 ツタ事ト、第 二 ニハ﹁ ブ ルジ ヨアジー﹂ガ
金融 資本主義 ノ段階 ニマデ成長 シタ為 メニ極 メテ明瞭 ニ君主 ノ今 日ノ地
争 ニ立 ツタ事 ノナイ労働者農民 ハ矢張リ同様デ ア ル。近時 ノ天皇 ハ第 一
位ヲ大衆 ニ判 リ易 クシテ居 ル。即 チ独裁的ナ政治ヲ行 フ為 メ ニ議会 ナル
ル ジ ヨア﹂ ノ裁 判 所 ヲ襲 撃 スル。 又 ﹁ブ ルジ ヨア﹂ ノ官 吏 軍 隊
襲 撃 シ破 壊 シ叩 キ出 シ ハス ルガ ソ レデ オ仕 舞 ヒデ ア ツ テ、 ソ レ
モノヲ益 々疎 ジ、君主其他 ノ封建的国家機構 ヲ盛 ニ利用 スルカラデ アル。
ト相 対 峙 シ、 鋤鍬 ヲ持 ツテ対 戦 スル。 然 シ農 民 ハ之 等 ノ モノ ヲ
以 上 階 級 的 ナ団結 組 織 ヲ持 チ権 力 ヲ握 ツ テ政 治 支配 ヲ行 フト ハ
彼 ノ金融資本ノ救済 ヲ緊急勅令デ行 ツタ如 キ、支那出兵ノ如キ、其他凡
テ天皇 ノ名 ニ於テ行 ハルヽ事 ガ如実 ニ労農大衆 ノ日常利益ト衝突 シテ居
﹁ ブ ルジ ヨア﹂ ノ 一層組 織 的 ナ軍 隊 ト警 官 隊 ト ノ為 メ ニ鎮 圧 サ レ、 単 ニ 一時 地 主 ヲ追払 ツタ丈 ケデ 未 ダ土 地 ヲ奪 ヒ返 シ、 自 分
ル点 ノ指摘︱
セ ヌ。 什 ウ シ テ ヨイ カ サ ヘモ考 ヘ モセ ヌ。 又 判 リ モ セ ヌ。 直 グ
ノ モノ ニ セ ヌ中 ニ元 ノ儘 ノ農 民 ニナ ツテ仕 舞 フ ノデ ア ル。
ジ ヨア ジ ー ノ思 フ通 リ ニ利用 サ レ ル無 力 ナ モノ ニナ ツ テ居 ルカ
ノ封 建 的 機 関︱
枢 密 院 、貴 族 院 、官 僚 、 軍 閥︱
ガ全 クブ ル
私ノ釈 明)。然 シダ カ ラ ト 云 ツ テ今 日 ノ君 主 ヤ其 他 (四) 以上 ノ如 ク農 民 丈 ケ ノ力 デ ハ如何 ニ土地 所 有 ニ対 ス ル強 イ 欲 求 ヲ持 ツテ居 テ モ其 獲 得 ヲ実 現 ス ル事 ハ出 来 ナイ 。 嫌 ガ応 デ
地 ヲ離 サ ナ イ。此 新 所 有 物 ヲ維 持 ス ルガ為 メ ニ ハ、労 働 者 ノ独 裁
ツ テ 一旦土 地 ヲ握 ル ヤ否 ヤ、最 早 ド ンナ事 ヲ シ テ モ此 握 ツ タ土
実 際 ニ見 聞 経 験 スル。而 シ テ共産 党 ニ指 導 サ レテ労 農 政権 ニ ヨ
摘)。農 民 ハ労 働 者ニ 指 導 サ レ テ日 々斯 様 ナ 干 係 ヲ 理窟 デ ナ ク
トナツテ居 ル軍閥 ノ 一団 ニ対 スル攻撃等 ガ叫 バレ ル事実等 ニ対 スル指
ニ干 渉 シ様 ト スル (屡 々ブ ルジ ヨア政党 カラ枢密院 ノ横暴 ヤ天皇直轄
立 ノ存 在 物 デ ア ツ テ、 之等 ノ機 関 ガブ ル ジ ヨア政府 ノ ヤ ル コト
ト 云 フ ニサ ウデ ナ ク、曩 ニ述 ベ タ ガ如 ク依 然 ト シ テ重 要 ナ ル独
ニ土 地 ヲ要 求 スル農 民 ト 同盟 ヲ結 ビ、 其 中 ニア ツ テ指 導 権 ヲ確
対 シテ最 後 マデ 闘 ヒ得 ル唯 一ノ統 一的 階 級 デ ア ル。 ソ シ テ日本
日本 ノ革 命 ノ指 導 者 デ ア ル。 又 労働 者 ノ ミ ガブ ル ジ ヨアジ ー ニ
転 化 スル前 提 条 件 デ ア ル。 日本 ノ プ ロ レタ リ アー ト ハ来 ルベ キ
之 日本 ノブ ルジ ヨア民主 々義 革 命 ヲ急 速 ニプ ロレ タ リ ア革 命 ヘ
既 ニ資 本家 ニ対 ス ル闘 争 、資 本 家 地 主 ノ同 盟 政権 ニ対 ス ル闘 争 、
達 及 ブ ルジ ヨアジー ト 地主 的 貴 族 ト ノ統 一的 同 盟 並 ニ労 働 者 ノ
ト ト ラ ストト ノ緊 密 ナ ル融 合 、 国 家 資 本主 義 ノ比較 的 大 キ ナ発
資 本 主 義 ノ段階 ニ達 シテ居 リ、 ト ラ スト 化 ノ高 度 ノ段階 、国 家
立 シ、其 革 命 闘 争 ノ発 展 ニ於 テ常 ニ躊 躇 逡 巡 ス ル農 民 ヲ政 治 的
ノ プ ロ レタ リ アー ト ハ此 ブ ルジ ヨア ジ ー ノ支 配 ヲ顛 覆 ス ル為 メ
指 導 ノ適 確 ト勇 敢 ナ ル行 動 ト ヲ以 テ農 民 ニ勝 利 ノ確 信 ヲ与 ヘ、
ニ ヨ ルブ ルジヨ ア ノ最 後 ノ覆滅 ニ マデ 労 働 者 ト手 ヲ握 リ ツヽ来
一度 握 ツタ 土地 ハ離 シ ハシ ナイ 。 ソ レド コ ロカ 軍隊 ヲ既 ニ自 分
ザ ル ヲ得 ナ イ ノデ ア ル。 仮 令 ブ ルジ ヨアノ軍 隊 ガ来 テ モ決 シ テ
ノ味 方 ニ シテ居 ル。 軍 隊 ハ実 ハ農 民 ダ カ ラデ ア ル。 故 ニ農 民 ガ
リ ア革 命 ヘノ過 程 ノ 一段 階 ニ過 ギ ナイ ガ 、 然 シ此革 命 ヲ無 視 シ
都 市 小 ブ ルジ ヨア ヲ シテ此 労 働 者 ト農 民 ノ同 盟 ヲ支 持 セ シメ、
テ 一直 線 ニプ ロ レタ リ ア革 命 ニ達 スル事 ノ出来 ヌ事 ハ既 説 ノ通
真 実 ニ土 地 ヲ自 分 ノ モノ ニシ様 ト云 フ以 上 労働 者 ト同 盟 シ、 共
ノ来 ルベキ革命 ニ於 テ ハ農民 ノ地位 ガ非常 ニ重要ナ意 義ヲ占 メテ居 ルガ、
リデ ア ル。即 チ土 地 ニ対 スル強 イ 欲 求 ヲ持 ツ テ居 ル農 民 ガ 、其
レ タリ ア ート ニ取 ツ テ ハ此 ブ ルジ ヨア民主 々義 革 命 ハプ ロレ タ
元来農 民ノ要求 ハ革命的デ ハアルガ、 ソレ ハ封建的 地主 ニ対 スルブ ルジ
欲 求 ノ実 現 ノ為 メ ニ ハブ ル ジ ヨアト 地 主 ノ同盟 権 力 其 中 ニ於 ケ
第 一ニブ ルジ ヨア民 主 々義 革 命 ヲ遂 行 シナ ケ レバ ナ ラ ヌ。 プ ロ
ヨア的 ノ意味デ ノ革命的 ナノデ アツテ、農 民ノ力 ガプロレタリアートノ
ル指導 者 デ ア ルブ ル ジ ヨア ジ ー ヲ倒 ス コト 、 之 ガ第 一革 命 ヲ急
産 党 ノ指 導 ノ下 ニ立 タネ バ ナ ラ ヌ。 ソ レナ シデ ハ土 地 ヲ得 ル ド
力 ニ比較 シテ、農民 ノ方ガ相対的 ニ大デ アルト云フ場合 ニハ政治 的 ニ ハ
速 ニ第 二革 命 ニ転 化 ス ル条 件 デ ア ル。 プ ロレタ リ アー ト ハ此 ブ
コ ロカ永 久 ニ浮 ビ上 レ ヌ小 ブ ル ノ政 治 的 要 求 ニ終 始 ス ル (日本
農民組合ガ向背 左右 ノ権 ヲ握 ツテ居 ル様相 ヲ呈 スルノ ハ之 ニ基 クノデ ア
実 ハ危 険ナノデ アル。彼 ノ日本 ニ於ケ ル無産 政党組織 ノ当初 ヨリ今日尚
ルジ ヨ ア民主 々 義革 命 ヲ指 導 スル事 ニ ヨツ テ決 シ テプ ロ レタ リ
望 コソ此 ブ ルジ ヨア民 主 々義 革 命 ヲ正 シ ク指 導 ス ル事 ガ出 来 ル
ア革命 ヘノ展 望 ヲ忘 レ ル モノデ ナ ク、 プ ロレタ リ ア革 命 ヘノ展
ル︱ 私 ノ註)。 ロ プ ロレ タリ ア革 命 ヘノ急 速 ナ ル転 化 ノ前提 条 件 ) ( 一 今 日 日本 ノ資 本 主 義 ハ既 ニ資 本 主義 最高 ノ 段階 デ ア ル金 融
方 ニ味 方 スル動 揺階 級 デ ア ルカ ラ、 先 ヅ プ ロレ タ リ ア ート ハ第
視 シテ ハナ ラ ヌ要 素 デ ア ルガ 、要 ス ル ニ此 階 級 ハ何 レカヾ 強 キ
ノデ ア ル。 都 市 小 ブ ルジ ヨ ア モ亦 来 ルベ キ第 一革 命 ノ為 メ ニ無
之 ヲ要 スル ニ其 誤 謬 ノ根源 ハ前 述 ノ様 ナ 日本 ノ支 配 政 権 ノ性 質
デ 何 等 確 実 ナ ル客観 的 条件 ノ 分析 ノ上 ニ立 ツ タ モノデ ハナイ 。
デ ア ル。 此 両 者 ト モ其 立論 ノ 根拠 ハ将 来 ニ対 ス ル主観 的 ナ想像
闘 争 或 ハ全 階 級 的 政 治 闘争 等 ト 称 シ、労 働 者 、農 民 、小 市 民 ノ
ノ革 命 ガブ ル ジ ヨア革 命 ダ ト 云 フ事 カ ラ或 ハ全 無 産 階 級 的 政 治
階 級 的 性 質 ノ相 違 、 階 級 的 相 互 間 ノ区 別 ヲ忘 レ、専 制 主 義 ノ倒
及 農 民 ノ地 位 ニ対 スル理 解 ノ欠 如 カ ラデ ア ル。 其 結 果 只 管 当 面
ル力 デ ア ツ テ、 此 力 ニ ヨツ テ小 ブ ルノ動 揺 ハ圧倒 サ レ ル ノデ ア
壊 、 ブ ルジ ヨアデ モク ラ シ ー ノ獲 得 等 ノ標 語 ノ前ニ 一
一ニ農 民 、 就 中貧 農 ト ノ同盟 ヲ鞏固 ニ シナ ケ レバ ナ ラ ヌ。 此労
ル。
農 ノ同 盟 コソブ ルジ ヨアト 地主 ノ同 盟 ニ対 抗 シ其 政 権 ヲ奪 取 ス
(二) 斯 様 ニ日 本 ノ来 ルベ キ革命 ハ急速 ニプ ロ レタ リ ア革 命ニ 転
小ブ ルノ利 益 ノ水 準 ニ引 下 ゲ 、 其 小 ブ ル ノ要 求 デ 三者 ガ 一列 ニ
衆 ナ ル概 念 ノ中 ニ階 級 的 差 異 ヲ溶 解 シ、 プ ロレタリ ア ノ利 益 ヲ
様 ニナ ツタ事 ヲ以 テ プ ロ レタ リ アガ 素晴 シイ政 治家 ニナ ツ タ ト
進 軍 ス ル事 ヲ 以 テ階 級 的 政 治 闘 争 ダ ト考 ヘ、其 様 ナ闘 争 ヲ ス ル
切合 切 大
ニ対 シテ モ同 様 誤 ツ タ見 解 ガ 行 ハレ テ居 ル。
化 ス ルブ ルジ ヨア革 命 デ ア ル。 然 ル ニ日本 ニ ハ此 来 ルベ キ革命
々義 革 命 デ 、 ソ シテ此 第一 革 命 ハ其 内 的 必然 ニ ヨ ツテ第 二革 命
第 一、 同 志 福 本 ノ意 見 ニ ヨレバ来 ルベ キ革 命 ハブ ルジ ヨア民 主
考 ヘル様 ナ誤 解 ニ マデ 走 ツ テ来 タ ノデ ア ル。
級 ノ先頭 部 隊 デ ア ル共 産 党 ノ指 導 ノ下 ニ於 テ ノ ミ革 命 ニ勝 ツ事 ガ
イ 労 働 者階 級 ハ労 働 者 階 級 中 ノ最 モ革 命 的 組織 部 分 、 即 チ其 階
五 日本 共 産 党 組 織 問 題
即 チプ ロ レタ リ ア革 命 ニ マデ 発 展 転 化 ス ル。
ラ シー ガ徹 底 シテ居 ナイ カ ラ来 ルベ キ革 命 ハ先ヅ ブ ル ジ ヨア民
第 二 ハ山 川 ノ意 見 デ 、 ソ レ ニ ヨレバ 日 本 ニ ハブ ルジ ヨアデ モク
主 々義 革 命 デ ナ ケ レバ ナ ラ ヌ。然 シ恐 ラ ク 此第 一革 命 ノ進 行 中
サ レ タ且 理論 的 ニ純 化 シタ大 衆 的 共 産 党 ナ シ ニ ハプ ロレ タリ ア革
出 来 ル。 独 乙 、 バ バ リ ア、 伊 太利 、 洪 牙 利 等 ノ経 験 ハ鞏固 ニ組 織
命 ノ勝 利 ハ不 可能 ダ ト 云 フ、 レー ニ ンノ思 想 ノ絶 対 ニ正 シイ事 ヲ
ニ第 二革 命 即 チプ ロ レタ リ ア革 命 ガ 始 マルト 云 フノデ ア ル。 此
容 ガ ア ルカ ニ見 エ ル。 然 シ肝 腎 ノ所 謂 ﹁内 的 必然 ﹂ ト ハ何 カ ト
ロ 然 ラバ斯 様 ナ党 ハ如 何 ニ シテ組 織 スル カト 云 フ ニ、今 日デ ハ
証 明 シ タ。
ノ両者 ハ何 レ モ似 タ リ寄 ツ タ リデ ア ルガ 、 同 志福 本 ノ方 ハ些 内
云 ヘバ 、 要 ス ル ニ其 革 命 ヲ労 働 者 即 チ共 産 党 ガ 指 導 シテ居 ル カ
サ レ テ居 ル ノデ ア ルカ ラ、或 一国 ニ於 テ斯 ル党 ヲ組 織 セ ント ス ル
既 ニ世 界 プ ロレ タリ ア革 命 運 動 ノ指 導 部 デ ア ル国 際 共 産 党 ガ組 織
ラ遂 ニ此 革命 ヲ プ ロ レタ リ ア革 命 ヘ持 ツ テ行 ク ト 云 フ ノデ ア リ、
ル カト 云 ヘバ 現在 ハ資 本 主 義 ノ社 会 デ ア リ、 同様 ニ此革 命 ノ混
場 合 ニ ハ此 国 際 共産 党 ノ支 部 ト シテ組 織 的 ナ干 係 ニ立 チ、 此 国 際
山 川 ノ方 ハ 一層 曖昧 デ 、 第 一革 命 ノ進 行中 ニ第 二革 命 ガ何 故 起
乱 期 ニ労 働 者 ガ 恐 ラ ク プ ロ レタ リ ア独 裁 ヲ叫 ブ ダ ラウ ト 云 フノ
ハ 而 シ テ其 組 織 ノ為 メ ニ ハ第 一ニ独 立 ノ党 機 関 紙 ヲ持 ツ事 、 此
争 ト 交 互 干係 ニ於 テ組 織 サ レネバ ナ ラ ヌ ノデ ア ル。
客 観的 事 情 ニ正 シク適 用 シ闘 争 ス ル コト 、 此 闘争 ノ過 程 カ ラ此 闘
共 産 党 ノ指 導 ノ下 ニ立 チ、 之 ガ 与 ヘル政策 並 ニ諸 方 針 ヲ当 該 国 ノ
非 合 法機 関 紙 ヲ発 行 スル事 ガ先ヅ 第 一ノ仕 事デ ア ル。 日 本 ノ同 志
非 合 法的 ニ組 織 スベ キデ ア ツ テ、 日 本 ノ党 ハ其 組 織 運 動 ノ為 メ ニ
ホ ソ コデ 日本 ノ如 ク共 産 党 ガ合 法 的 ニ組 織 サ レナ イ ト コ ロデ ハ
ル。
為 メ ノ宣伝 煽 動 組 織 者 ノ役 目 ヲ代 用 セ シ メ ル事 ハ出来 ヌ。非 合 法
サ レ テ居 ル新 聞 デ ア ル。 斯 ル合 法 的 新 聞 ヲ以 テ非 合 法党 ノ組 織 ノ
ハ、無 産 者 新 聞 ヲ発 行 シ テ居 ル事 ヲ以 テ既 ニ党 ハ機 関 紙 ヲ持 ツテ
者 ヲ代 表 シ、常 ニ其 利 益 ノ為 メ ノ要 求 ヲ提 出 シ、 又 他 ノ被 抑 圧 階
的 組 織 ハ非 合 法的 機 関 紙 ナ ク シ テ組 織 サ レル モ ノデ ナ イ 。 又共 産
居 ルト 主張 ス ルガ、 之 ハ大 キ ナ誤 リデ ア ル。 同紙 ハ合 法的 ニ発 行
級 ノ利 益 ニ対 シテ ハ厳 密 ニ労 働 者 階 級 ノ階 級 的利 益 ヲ損 傷 セザ ル
党 ガ 合 法的 ニ組 織 サ レナ イ カ ラ ト 云 フ テ、 其 思 想 的組 織 的 ナ階 級
スル共産 主 義 的 解 決 ヲ与 ヘ、 労 働 者 ノ階 級 的 代表 者 ト シテ全 労 働
事 、否 労 働 者階 級 ノ利 益 ノ見 地 カ ラ之 ヲ取 上 ゲ 、彼 等 ノ反 抗 ヲ支
的 独 立性 ヲ毀 損 ス ル試 ハ其 一歩 ノ退 却 デ モ実 際 的 ニ ハ日和 見 主 義
機 関紙 ニ ヨ ツ テ当 該 国 ノ 一切 ノ政 治 的 、 経済 的 、社 会 的 問 題 ニ対
ノ為 メ ニ利用 ス ル コト。
持 シ、 其 利 益 獲得 ノ闘 争 ヲ指 導 シ、 之 ヲ労 働 者 階 級 ノ究 極 ノ利 益
場 ノ細 胞 ヲ基 礎 ト シテ組 織 サ レタ時 ソ レ ハ初 メ テ真 実 ノ階 級 的 大
ノ代 表 者デ モ ナケ レバ農 民 ノ先 頭 部 隊 デ モナイ 。 ソ レ ハ飽 ク マデ
織 シ ナ ケ レバ ナ ラ ヌガ、 然 シ乍 ラ此 農 村 細 胞 ハ決 シ テ農 民 ノ利 益
行 シ ナ ケ レバ ナラ ヌ国 ニ於 テ ハ、 農 村 ニ モ同 様 共 産 党 ノ細胞 ヲ組
ヘ 日 本 ノ如 キプ ロレタ リ ア ー ト ガブ ル ジ ヨア民 主 々義 革 命 ヲ 遂
衆 党 ト 云 ヘル ノデ ア ツテ、 此 組 織 ハ前 述 ノ党 機 関紙 ノ配 布 ト交 互
労 働 者 ノ階 級的 代 表 者 デ ア リ、 労 働 者 階 級 ノ利 益 ノ立 場 カ ラ農 民
デ ア リ、結 局 ニ於 テ資 本 主 義 ニ対 スル闘 争 ノ抛棄 デ ア ル。
作 用 ニ於 テ ノ ミ大衆 的 ニ組 織 サ レル ノデ ア ル。 即 チ労働 大 衆 ガ此
ニ 斯 ル党 ハ他 ノ階 級 ト ハ思 想 的 ニ モ組織 的 ニ モ厳格 ニ独 立 シ、
機 関 紙 ニ ヨ ツテ 共産 党 ノ主 張 要 求 ノ正 シ キ事 ヲ認 メ、其 主 張要 求
ケ ル農 村 ニ ア ル共 産 主 義 者 ハ凡 テ農 民 ノ代 表 者 ト ナ リ 下 ツテ仕 舞
運 動 ヲ指 導 ス ルト コロノ労 働 者 党 ノ細 胞 デ ア ル。然 ル ニ日本 ニ於
工場 細 胞 ヲ基 礎 ト シ テ大 衆 的 ニ組 織 サ レネ バ ナ ラ ヌ。共 産 党 ガ 工
ヲ取 ツ テ以 テ自 分 ノ ソ レト シテ其 利 益 獲 得 ノ闘争 ニ奮起 ス ル。 斯
ツ テ居 テ、 労 働者 党 ノ党 員 即 チ労 働 者 階 級 ノ代 表 者 ト シ テ農 民 運
様 ナ事 ノ度 重 ナ ル ニ ヨツテ労 働 大 衆 ハ共 産 党 コソ労 働者 ノ真 実 ノ 階 級 的 利 益 ヲ代 表 ス ル党 デ ア ル事 ヲ実 際 的 ニ経 験 シ、 共産 主 義 ノ
ツ テ居 ナカ ツ タ必然 ノ結 果 デ モア ル ガ、 之 ハ直 グ 改 メ ラ レネ バ ナ ラ ヌ。
動 ヲ指 導 シ テ居 ナ イ。 之 ハ日本 ノ党 ガ 土 地 問 題 ニ対 ス ル理解 ヲ持
ト 又 共 産 党 ハ常 ニ厳 密 ニ共産 主 義 ノ立 場 ヲ護 リ、 労 働 者 ノ部 分
シテ活 動 セ ン コト ヲ希 望 ス ル。 斯 ル大 衆 ノ政 治意 識 ノ向 上発 展 ノ 程 度 ニ応 ジ テ党 ヲ組 織 シ拡 大 シテ行 ク ノデ ア ル。 故 ニ党機 関紙 ノ
理 論 ヲ掴 ム ニ至 ル。 斯 クテ共 産 党 ヲ信 頼 シ進 ンデ自 ラ共 産 党 員 ト
発 行 、 党 文 書 ノ発 行 ト 云 フ事 ガ党 組 織 ニ当 ツ テ ノ第 一ノ任 務デ ア
チ、 之 ヲ指 導 シ、 労働 者 ヲ進 ンデ 階 級 的 利 益 ノ為 メ ノ闘争 ニ奮 起
スル コト 、 ソ レト同 様 ニ又労 働 者 ノ部 分 的 ナ日 常闘 争 ノ先 頭 ニ立
的 ナ利 益 ノ代表 者 デ ナ ク労 働 者 階 級 ノ階 級的 利 益 ヲ代 表 シテ闘 争
上 労 働 者 階 級 ヲ除 外 シタ モノデ ア ツ タ。 故 ニ其 活動 ハ或 団体 ヲ如
幹 部 ヲ掻 キ集 メ、而 モイ ンテ リ ゲ ンチ ユアガ 主 要 構 成要 素 デ 事 実
実 ハソ レ ヲ行 ハズ 、単 ニ労 働 組 合 、 農 民組 合 、 其 他 ノ大 衆 団体 ノ
云 フノ デ アリ 、 従 ツテ 工場 細 胞 ヲ党 ノ基 礎 ト ス ル事 ヲ認 メ乍 ラ事
何 ニ動 カ スカヾ 活 動 ノ主 点 デ アツ タ。
ソ レ故 共 産 党 ハ未 ダ賃 銀 ノ為 メ ノ闘 争 ノ起 ツ テ居 ナイ 処デ ハ
チ
ト独 立 シテ存 在 スル ノデ ア ルガ 、然 シ乍 ラ其 組 織 タ ル ヤ何 レ モ工
此 両 者 共 決 シ テ組 織其 モノ ハ大 衆 団 体 ノ中 ニ置 ク ノデ ナ ク、 ソ レ
セ シム ル様 引 上 ゲ ル為 メ ニ働 カ ネ バ ナ ラ ヌ。
其 為 メノ闘 争 ヲ組 織 シ、 労 働組 合 ノ ナ イ処 デ ハ労 働 組 合 ノ組 織 ノ
場 細 胞 ヲ基 礎 ト シ タ階 級 的 大衆 的組 織 デ ハナ ク立 派 ナ セ ク ト ( 宗
為 メ ニ働 カ ネ バ ナ ラ ヌ。 斯 ル活動 ヲ為 ス党 ナ シ ニ ハ階 級 闘 争 ノ発
ナ指 導 ト 云 フ事 ニ終 始 シ、 党 ノ活 動 ヲ大衆 団 体 ノ中 ニ解 消 シ テ居
展 モ労働 者 ノ階 級 意 識 ノ発 展 モ期 シ得 ラ レナ イ シ、 就 中 革 命 ノ遂
タ ノデ ア ツ テ、 之 ハ立 派 ナ解 党 派 デ ア ル。然 カ モ自 己 ノ存 在 ヲ自
全然 労 働 組 合 、農 民 組 合 、 其 他 ノ合 法 的 ナ 闘争 ニ対 ス ル セクト 的
急 速 ニプ ロレ タ リ ア革 命 ニ転 化 スルデ ア ラ ウト コ ロノ前 提 条 件 モ
己 ノ味 方 デ ア ル労働 大衆 ノ前 ニ スラ只 管 隠 シ テ来 タノ デ ア ル。 共
派)デ ア ツテ、 其 組 織 ハ大 衆 団 体 ノ外 ニア ツタ ト 云 ヘ、 其 活 動 ハ
存 在 スル。 然 ル ニ此革 命 ヲ指 導 ス ル主 観 的 条 件 、 即 チ日本 ノ 共産
産 党 ハ彼 ノ マル ク ス ・エ ンゲ ル スノ共 産 党 宣 言 ニ モ明言 シテ ア ル
行 等 到 底為 シ得 ナ イ。
九 二 一年創 立 サ レ
リ 日本 ニ ハ来 ルベ キブ ルジ ヨア革 命 ノ前 提 条件 モ、亦其 革 命 ガ
テ永 年 ノ歴 史 ヲ持 ツ テ居 ル。 ダ ガ此 党 ハ啻 ニ数 ニ於 テ微 弱 ナ丈 ケ
党 ノ状 況 如 何 ト 云 フ ニ、 日本 ノ 共産 党 ハ既ニ 一
ナ政 党 ハ厳 密 ニ ハ政 党 ト ス ラ 云 ヒ得 ナ イ ノデ ア ル。 此 誤 謬 ガ 、 今
ニ自 己 ノ存 在 、 自 己 ノ政 治政 策 ヲ大 衆 ノ前 ニ公 然 ト発 表 シ ナイ様
日 共産 党 ガ 日本 デ 合 法 的 ニ組 織 サ レ得 ナ イ カ ラ ト 云 フ理 由 カ ラ出
通 リ自 己 ノ存 在 ト 政策 ヲ決 シ テ隠 蔽 シナ イ ノデ ア ル。 故 ニ否 一般
ハ共 産 主 義 政策 ノ提 唱 ト教 育 的 任 務 デ 、其 組 織 ハ大 衆 団 体 内 ノ指
発 シ タ ニ至 ツテ ハ、 全 ク解 党 派 ノ極 悪 ナ モ ノト 云 ハネ バ ナ ラ ヌ。
デ ナク其 思 想 組 織 ニ就 テ モ亦 誤 謬 ヲ持 ツテ居 ル。
導 部 分 及 共 産主 義 者 ノ個 人 ガ集 ツ テ作 ル ノデ 一般 大 衆 ヲ其 基 礎 的
第 一 ハ山 川 一派 ( 提唱派)デ 、 此 派 ノ意 見 ニ従 ヘバ共 産 党 ノ 任 務
構 成 要 素 ト シ テ居 ナ イ。
云 々 スル資格 ナ キ モノ ト シテ排 斥 スル。 何 ト ナ レバ世 界各 国 デ 解
党 派 ハア ツ タ。然 シ ソ レ等 ハ反 動 期 ニ現 ハレ タ ノデ ナ ク、反 対 ニ
就 中 前 者 山 川派 ノ如 キ ハ、 我 コミ ンテ ル ン ハ、彼 等 ハ最 早 革 命 ヲ
労 働 者 運 動 ガ 秘 密 ノ境 遇 カ ラ合 法 的 活 動 ノ途 ガ 開 ケ タ時 ニ起 ツ タ
第 二 ハ行 動 派 デ ア ル。 此行 動 派 ハ 一九 二 一年 ノ第 一次共 産 党 検 挙
ノ 一団 デ ア ツ テ、 此 派 ノ当時 ノ意 見 ハ共 産 党 ハ工場 細 胞 ニ基礎 ヲ
ノデ ア ツテ、 即 チ彼 等 ハ最 早労 働 者 運 動 ガ合 法 的 ニ ヤ レ ルカ ラ従
後 イ ンテ リゲ ンチ ユア党 員 ノ臆 病 風 ニ憤 慨 シ テ起 ツ タ労 働 者党 員
云 フト コロノ大 衆 的 ト ハ大 衆 ニ支 持 サ レ ルト 云 フ意 味 デ 大 衆 党 ト
置 ク大 衆 的 基 礎 ヲ持 タ ネバ ナラ ヌト 云 フノデ ア ツ タ。 然 シ乍 ラ其
国デ 其 国 ノ客 観 的 条 件 ニ正 シ ク適 合 セ シ メ テ応 用 ス ル事 ガ絶 対
界 プ ロ レタ リ ア運 動 ノ公 式 ト ナ ツ テ居 ル。 此 公式 ヲ ソ レ〓
ノ
リ、 秘 密 ノ党 組 織 ヨリ モ合 法 的組 合 組 織 ヲ重 視 シ タ リ シ タ ノデ ア
来 ノ秘 密 組 織 ニ モツト一 般 ノ者 ガ這 入 ル様 門 戸 ヲ開 ケ ト主 張 シ タ
ニ必要 デ ア ル。 日本 ノ共 産 党 ガ ソ レガ 出 来 ナ カ ツタ ノ ハ党 ガ解
テ宣 言 ( 五色大会 ノ宣言) ニ ハ ﹁万 国 ノ 共産 党 団結 セ ヨ﹂ト 云 ツ
ル。 彼 等 ノ議 論 ヲ煎 ジ詰 メ レバ結 局党 ヲ解党 ニ導 ク 議論 デ ア ツ タ
テ居 ルノデ ハナ イ カ。 之 ハ明 カ ニ反 コン ミ ンテ ル ンデ ア ル。
ニ主 体 完 成 ヲ スル ノデ ナ イ ト 云 フガ 、 其 誤謬 ノ 必然 ノ結 果 ト シ
然 ル ニ日 本 ノ山 川 派 ハ世 界無 比 ノ党 ノ解 散 ヲ主 張 シ タ極 悪 ノ解 党
党 主 義 ダ ツタ カ ラデ ア ル。 同 志 福 本 ハ、 コン ミ ンテ ル ント ハ別
派 デ ア ルカ ラデ ア ル。
レー ニ ンガ 社 会 民 主 々義 者 ト ノ分 離結 合 ヲ説 イ タ ノ ハ歴 史 的 ナ
(二) 分 離 結 合 ニ就 テ
カ ラ彼 等 ヲ解 党 派 ト 云 ツ タノ デ 、彼 等 ト雖 モ ハツ キ リ党 ヲ解 散 シ
第 三 ハ主 観 派 即 チ同 志 福 本 ノ党 組 織 ニ干 スル誤 謬 デ ア ツ テ、彼 ノ
様 ト主 張 シ タ ノデ ハナイ 。 左様 ナ解 党 派 ハ世 界 中 何 処 ニ モナ イ 。
意 見 ニ ヨレバ 、 先ヅ 理論 闘 争 ニ ヨツ テ マル ク ス主 義 意 識 ヲ闘 ヒ取
ハ共 産 党 ハナ カ ツ タ。 一九 一八年 ニ ハ共 産 党 ハ社 会 民 主 党 ノ中
ニ介 在 シ テ居 ツ タ。斯 ル時 代 ニ ハ思 想 的 ニ モ組 織 的 ニ モ、 社 会
条 件 ガ ア ル。 一九 〇 二年 レ ー ニ ンガ共 産 党 組 織 ヲ提 唱 シタ時 ニ
民 主 々義 カラ 一旦 綺 麗 ニ分 離 シ結 合 ス ル必要 ガ ア ツ タ。 然 シ今
リ、 凡 ユル非 マル ク ス主 義 思 想 カ ラ 一旦綺 麗 ニ分 離 シ、意 識 ノ完
ヲ為 ス コト 、 ソ レ ニ ヨ ツテ主 体 ノ完 成 ヲ スル ト云 フ ノデ ア ル。然
成 サ レ タ モ ノノ ミ結 合 ス ル事 、 即 チ真 ニ職 業 的 革命 家 ノ ミノ結 合
シ之 ガ 誤 謬デ ア ル コト ハ次 ノ如 ク明 白 デ ア ル。
党 ト シ テ介 在 シ テ居 ルノデ ハナ イ。 一九 〇 二年 及
日 ハ国 際 共 産 党 ガ 独 立 ニ存 在 シ、 日本 ノ 共産 党 モ決 シ テ社 会 民 主 党 ノ中ニ 一
( ) 一 主 体 完成 ニ就 テ
思 想ト 意 識 ノ分 離 結 合 デ ア ル。 而 カ モ ソ レガ 理論 闘 争 ニ ヨツ テ
世 界革 命 運動 ヲ指 導 ス ル主 体 ハ国 際 共 産 党 即 チ コン ミ ンテ ル ン
行 ハ レル ト 云 フ ニ至 ツ テ、 遂 ニ共産 党 ヲ哲学 界 ニ変 形 シテ仕 舞
一九 一八年 当 時 ト 現 在 ト 客 観的 事 情 ガ異 ル事 斯 ク ノ如 シ。 然 ル
ヲ作 ルノ デ ナ イ。 然 シ日本 ニ モ主 体 ガ 完 成 サ レ テ居 ナ イ ト (日
ツテ居 ル。 又 同 志 福 本 ハ、 共産 党 ヲ斯 ル意 識 ノ完 成 サ レタ ル職
ト シテ既 ニ存 在 ス ル。 而 シ テ 日本 共 産 党 ハ其 主 体 ノ 一部 デ ハナ
本 ノ共産党 ガ マルクス主義意識 ヲ闘 ヒ取 ツテ居 ナイト) コ ンミ ン テ ル
業 的 革命 家 ノ ミ ヲ以 テ組 織 ス ルト 云 フ ノデ ア ルガ、 之 ハ誤 リデ
ニ同 志 福 本 ハ ﹁非 マル ク ス主 義 思 想 カ ラ 一先 ヅ 綺 麗 ニ分 離 シ、
ンノ政 策 ヲ公 式 的 ニシ カ使 用 ス ル事 ガ出 来 ヌ。 日本 ニ主 体 ガ 完
ア ル。 共 産 党 ハ全 身 ヲ マル ク ス主義 レ ー ニ ン主 義 デ 武 装 サ レネ
意 識 ノ完 成 サ レ タ ル モ ノ ノ ミ結 合 ス ル﹂ ト 云 フノデ ア ル。 即 チ
成 サ レ テ居 ナ イ カ ラ、 日本 ノ共 産 党 ハ組 合 主 義 ト 此 公式 即 チ コ
バ ナ ラ ヌ。 就 中 党 中 央 部 ハ理論 的 ニ シ ツカ リ シテ居 ナ ケ レバ ナ
ア ルカ 。 同志 福 本 ニ ヨ レバ、 勿 論 此 コン ミ ンテ ル ント 別 ニ主 体
ン ミ ン テ ル ンノ諸 政 策 ト ノ折 衷 主 義 デ ア ル ト 云 フ ノデ ア ル。然
イ カ。 然 ラバ今 日更 ニ何 故 ニ日本 デ 主 体 完 成 ヲ 云 々 ス ル必 要 ガ
シ之 ハ嗤 フベ キ観 念 論 デ 、 国 際 共 産 党 ノ諸 政 策 ハ 一部 ハ既 ニ世
年 経 ツ テ モ出 来 得 ナ イ。 彼 等 ハ共 産 党 員 ト シ テ闘 争 ス ル事 ニ ヨ
ヤ農 民 ニ 一々先ヅ 理論 ノ完 成 ヲ求 メ ルト シ タ ラ、 ソ ンナ事 ハ百
働 イ テ居 ル労 働 者農 民 ヲ以 テ組 織 サ レネ バ ナ ラ ヌ。斯 ル労働 者
来 ヌ。否 共産 党 ハ職 業 的 革 命 家 ニア ラザ ル、 日 々 工場 ヤ農 村デ
ガ、 共 産 党 全員 ニ斯 ル理論 ノ 完成 ヤ職 業 的 革 命 家 ヲ望 ム事 ハ出
ラ ヌ。 革 命 運 動 ヲ職 業 ト シ テ居 ル人 々カ ラ組 織 サ レネ バ ナ ラ ヌ
本 ノ無 産 階級 ニ絶 大 ナ損 害 ヲ与 ヘタ モノデ 許 スベ カ ラザ ル誤 謬
分 裂 ヲ合 理 化 シタ ノ ミナ ラズ 、 更 ニ分 裂 ヲ激 成 シ タ ノ ハ実 ニ日
ル観 念 的 理 論 闘争 ト 分離 結 合 論 ヲ持 込 ミ、 以 テ之 等 大 衆 団 体 ノ
労 働 組 合 其 他 ノ大衆 団 体 ニ モ適 用 シ、 之 等 ノ大 衆 団 体 ニ マデ 斯
争 ニ ヨル分 離 結 合 、 主 体 完成 ヲ 、単 ニ共 産 党 ニ就 テ ノ ミ ナ ラズ
念 的 哲 学 的 ニセ ント ス ル モ ノデ ア ル。 而 モ同 志 福 本 ハ此 理 論 闘
リデ ナ ク、 其 理 論 闘 争 ハ反 レ ー ニ ン主 義 的 デ ア リ、 労 働 者 ヲ観
ヌ 更 ニ日本 ニ ハ此 共 産 党 組 織 問 題 ト関 聯 シ テ所 謂 ﹁方 向転 換 ﹂
デ ア ル。
ト 称 ス ル謬論 ガ行 ハレ テ居 ル。
ツ テ彼 等 ノ理論 ヲ豊 富 ニシ堅 実 ニシ テ行 ク ノデ ア ル。同 志 福 本
配 ニ対 ス ル闘 争 ノ中 カ ラ理 論 ヲ築 キ上 ゲ テ行 ク ノデ ア ル。
ノ 云 フ如 ク単 ナ ル理 論 闘 争 ニ ヨツ テヾ ハナ ク、 現実 ノ資 本 ノ支
レ ー ニ ンガ共 産 党 ヲ創 設 スル為 メ ニ非 マル ク ス主 義 思 想 ト闘 争
(三)理 論 闘 争 ニ就 テ
ク ス主 義 的 政 策 ヲ掲 ゲ テ闘争 シ、而 シテ社 会 民主 党 ノ政 策 ノ矛
共産 党 ガ成 立 ス ルヤ今 度 ハ凡 テ ノ事 柄 ニ就 テ先ヅ 共 産 党 ノ マル
ガ暴 露 サ レ、 之 ト分 離 シ テ共 産 党 ガ 出来 タ ノデ ア ル。 然 シ 一旦
ノデ ア ツタ。 之 ニ ヨツ テ社 会 民 主 党 ノ非 マルク ス主 義 ナ ル コト
党 ガ大 衆 的 労 働 者 党 ト ナ ル事 、 労 働 者 農 民 ノ革命 的 同 盟 ノ 必要 ガ
働 者農 民 ノ階 級 闘 争 モ急 速 ニ進 展 シ、 此 進 展 ニ対 シ テ日本 ノ共 産
真 実 ノ事 情 ハ、 日本 ノ資 本 主 義 ノ異 常 ニ急 速 ナ ル発 展 ト同 時 ニ労
闘 争 ヘ運 動 ヲ転 換 シナ ケ レバ ナ ラ ヌ﹂ト ノ見 解 。
第 二 ハ同 志 福 本 ノ主 張 デ ﹁組 合 主 義 的 闘 争 カ ラ全 無 産階 級 的 政 治
運 動 ヲ転 換 シナ ケ レバ ナ ラ ヌ﹂ ト 云 フ見 解 。
第 一 ハ山 川 ノ主 張 デ ﹁少 数 者 ノ闘 争 カ ラ大 衆 自 ラ ノ大衆 的 闘争 ニ
盾 、反 労 働 者 的 性 質 ヲ暴 露 シ、 共産 党 ノ政 策 ト社 会 民 主 党 ノ政
シ タ 一九 〇 二年 当 時 ノ理 論 闘 争 ハ、 歴 史的 重 大 ノ意 義 ヲ持 ツ モ
策 ノ対 比 ニ ヨツ テ大 衆 ヲ革命 化 シ テ来 ルノデ ア ル。 斯 ル暴 露 即
現実 ノ事 情 ヲ見 忘 レ タバ カ リデ ナ ク、 少数 者 即 チ共 産 党 ノ指 導 的
強 圧的 ニ押 シ上 ゲ テ来 テ居 タ ノデ ア ル。然 ル ニ山 川 ハ斯 ル客 観 的
ル。 ト コ ロガ 同 志 福 本 ノ理論 闘争 ハ既 ニ存 在 スル ニ モ拘 ラズ 、
ゲ テ仕 舞 ツタ ノデ ア ル。 又 同 志 福本 ハ彼 一流 ノ観 念 論 ニ ヨツ テ闘
任 務 ヲ解 消 シ、 共 産 党 ヲ大衆 ノ自然 発 生的 闘 争 ノ尻 尾 ニ マデ 引 下
チ理論 闘 争 ハ今 日 ニ於 テ モ絶 対 ニ必要 デ ア リ、 現 ニ行 ヒ ツ ヽア
モウ 一度 主 体 ノ完 成 ヲ ス ル為 メノ 理論 闘 争 デ ア ツ テ、而 モ現実 ノ闘 争 ト ハ離 レ テ即 チ他 人 ノ主 張 ヲ批 判 スル事 ニ ヨツ テ、意 識
リ ア運 動 ヲ指 導 シ テ来 タ日 本 共産 党 ノ革 命 的 伝 統 マデ 抹 殺 ス ル罪
争 ニ観 念 的 段 階 ヲ附 シ、 誤 レ ル点 アリ ト雖 モ、尚 日本 ノプ ロレ タ
ヲ犯 シタ。 即 チ同 志 福 本 ハ、 此 処 マデ ハ組 合 主 義 ノ段 階 、 此 処 カ
ノ完 成 即 チ自 己 完 成 ヲ ス ルト 云 フノデ ア ル。 斯 様 ナ同 志 福本 ノ 理論 闘 争 ハ、 主 体 ノ完成 サ レ テ居 ル今 日全 然 無意 義 デ ア ルバ カ
デ ア ツ テ、 決 シ テ労 働 者 ハ同 志 福 本 ノ 云 フ如 ク其闘 争 ヲ段 階 的 ニ
相 互 干 係 デ 、或 時 ハ経 済 闘 争 ヲ、 或 時 ハ政 治 闘争 ヲ遂行 ス ル モノ
タ ガ、 今 日 ノ如 キ帝 国主 義 ノ段 階 デ ハ労 働 者 ハ客観 的 条 件 ト力 ノ
本 主 義 ノ発 展 ニ応 ジ テ経 済 闘 争 カ ラ政 治 闘 争 ト 云 フ風 ニ進 ンデ 来
折 衷 主 義 ノ党 デ ア ルト シ テ排 斥 シタ。 労 働 運 動 ノ歴 史的 発 展 ハ資
従来 ノ共 産 党 ヲ、組 合 主 義 ノ上 ニ コ ンミ ン テ ル ンノ 公 式 ヲ重 ネ タ
ラ ハ全 無 産 階 級 的 政 治闘 争 ノ段 階 ト 云 フ風 ニ区 別 ダ ツ テ 、 日本 ノ
シ テ経 済 闘 争 ノ ミ ニ終 始 シ テ居 ラ レ ナイ。 或 場 合 ニ ハ政 治 的 ナ闘
而 モ今 日 ノ如 ク資 本 主 義 ノ高 度 ニ発 達 シタ時 代 ニ ハ労 働 組 合 モ決
最 モ革 命 運動 ニ取 ツ テ重 要 ナ モノデ ア ル。
致 点 ト シ テ自 然 発 生 的 ナ闘 争 ヲ為 シ、 其結 果組 織 ス ル労 働 組 合 ハ
ナイ。 故 ニ此 資 本 家 ニ対 シ テ有 利 ナ労 働条 件 ノ獲 得 ト云 フ事 ヲ 一
素 デ ア ル。賃 銀 ノ為 メ ノ闘 争 ナ ク シ テ賃 銀制 撤廃 ノ闘 争 ハア リ得
的 闘争 デ ア ル。 然 シ之 ハ軈 テ賃 銀制 ノ撤 廃 ト 云 フ革 命 的 要 求 ノ原
最 初 ノ階 級意 識 ヲ闘 ヒ取 ル カ ラデ ア ル。賃 銀 ノ為 メノ闘 争 ハ改 良
ナ レバ 労働 者 ハ賃 銀 ノ為 メ ニ資 本 家 ト 闘 争 ス ル事ニ ヨ ツテ初 メ テ
争 モ遂 行 シナ ケ レバ ナ ラ ナイ 。 ソ シ テ労 働 者 ハ労 働 組 合 ニ於 テ階
遂 行 シ テ居 ナイ。 世 界 各 国 ニ於 テ サ ウデ ア ル シ日本 モ現実 ニサ ウ
級 意 識 ヲ昂 メ、 思 想 的 ニ組織 的 ニ革 命 的 闘 争 ノ訓 練 ヲ受 ケ ル ノデ
デ ア ル。 而 カ モ明白 ナ誤 謬 ハ、 若 シ日 本 ノ 共産 党 ガ組 合 主 義 ナ ラ
ル 日本 ノ共産 党 ハ以上 ノ様 ナ誤 謬 ヲ改 メ、党 ヲ大 衆 化 シ、 来 ル
バ 頭 カ ラ共産 党 ヲ作 ル筈 ガ ナイ ト 云 フ事 デ ア ル。
共産 党 ハ、労 働 組 合 ノ発 展 ノ為 メ ニ ハ全力 ヲ尽 サ ネ バ ナ ラ ヌト 同
ア ル。 之 労 働 組 合 ヲ共 産 主 義 ノ学校 ナリ ト 云 フ所 以デ ア ル。 故 ニ
六 戦 術 ニ就 テ
ベ キ革命 ノ真 ノ指 導 者 ト ナ ル事 ガ 急 務 デ ア ル。
日本 ノ共産 党 ハ、 右 ノ如 キ凡 ユル誤 謬 ノ 必然 ノ結 果 ト シ テ労 働 組 合
メ ニ闘 ハネ バ ナ ラ ヌ。 然 ル ニ日 本 ニ ハ相反 ス ル ( 然 シ根本 ニハ同様
時 ニ、支 配 階 級 ノ労 働 組 合 分 裂 策 ニ拮 抗 シ、労 働 組 合 ノ統 一ノ為
共 産 党 ハ労 働 者 階 級 ノ階 級 的 利 益 ヲ代 表 シテ闘 争 スル政 党 デ ア ツ
イ 労 働 組 合 政 策 ニ就 テ
準 ニ引 下 ゲ 、 他 方 労 働 組 合 ニ共 産 党 ノ任務 ヲ負 ハ セ、 共 産 党 ト 労
ノデ ア ル。 其 結 果 ハ 一方 ニ於 テ革命 的 闘争 ヲ自 然 発 生 的 闘 争 ノ水
労 働 組 合 ノ方 ヲ重 シト シ、 労 働組 合 ニ党 ノ 活動 ヲ解 消 シ テ仕 舞 フ
第 一ハ山 川 ノ意 見 デ 、 之 ハ労 働 組 合 ヲ過 重評 価 シ、共 産 党 ヨリ モ
ナ)誤 レ ル組 合 政 策 ガ 行 ハレ テ居 ル。
ノ政策 、労 農 党 日労 党 合 同 問 題 、 共 同戦 線 戦 術 等 ノ諸 方 策 ニ於 テ誤
テ、決 シテ労 働 者 ノ部 分 的 要 求 ヤ農 民 、 小市 民 ノ要 求 ヲ代 表 ス ル
働 組 合 双 方 ノ発 展 ヲ阻 害 シ タ。 総同 盟 ノ分 裂 、評 議 会 ノ創 立 ハ此
ヲ犯 シ テ居 ル。
党 デ ハナ イ。 然 シ乍 ラ共 産 党 ハ労 働 者 ノ階 級 的 利 益 ノ為 メ ニ闘 フ
誤 謬 ノ為 メ ニ生 ジ タ モ ノデ ア ル。
第 二 ハ同 志 福 本 ノ意 見 デ 、 ソ レ ハ労 働 組 合 ノ有 スル革 命 的 役割 ヲ
ニ モ積 極 的 ニ参 加 シ、 之 ヲ指導 ス ル事 ガ絶 対 ニ必 要 デ ア ル。 労働
看 過 シ、 労 働 組 合 ノ闘 争 ヲ不当 ニ過 少 評 価 シ、 労 働 組 合 ノ遂行 ス
ト同 様 ニ労 働 者 ノ部 分 的 要 求 即 チ経 済 闘 争 ( 改良的要求 ニ基 ク闘争)
ノ闘 争 ヲ起 シ、 労 働 組 合 ヲ組 織 ス ル為 メ ニ 働カ ネバ ナ ラ ヌ。何 ト
組 合 ノ存 在 シナイ 処 デ ハ、 共産 党 ハ何 ヨリ モ先 ニ先ヅ 賃 銀 ノ為 メ
無 産 階 級 的 政 治 闘争 ノ遂行 ヲ迫 リ、 労 働 組 合 ヲ政 党 化 ス ル誤謬 ヲ
ル政 治 闘 争 ハ凡 テ組 合主 義 的 政 治 闘 争 ナ リ ト シ テ排 斥 シ、所 謂 全
ノ無 条件 合 同 ナ ノデ ア ル。 ソ シテ此 大 衆 団 体 ニ共 産 党 ニ シ テ初
解 ノ上 ニ立 ツ テ居 ルノデ ア ツ テ、 共 産 党 ノ存 在 ヲ全 然 無 視 シ テ
ノ自 然 生 長 的 闘争 ノ中 カ ラ自 然 発 生 的 ニ生 レルト 云 フ根 強 イ 見
メ テ行 ヒ得 ルガ如 キ闘 争 ヲ強 イ テ遮 二 無 二 進 出 セ シ メ ル。然 シ
犯 シタ。 又例 ノ分 離結 合論 デ 組 合 ノ分 裂 ヲ合 理 化 シ、更 ニ分裂 ヲ 激 成 シタ。
之 ハ直 グ行 キ詰 ル ニ決 ツテ居 ル シ又 実 際 ニ直 グ 行 キ詰 ツ タ。 ソ
相 違 、 共 産 党 ノ大衆 団体 ニ対 ス ル任 務 ノ無 理 解 デ ア リ、 根 本 ニ
退 却 論デ ア ル。要 ス ル ニ此 二者 ハ何 レ モ共 産 党 ト 大 衆 団 体 ト ノ
ウ スルト 今度 ハ 一斉 ニ無 条 件 退 却 ヲ ス ル文 字 通 リ ノ機 械 的 進 出
ロ 労 農 党 日 労 党 合 同問 題 ニ就 テ ) ( 一 労 働 者 ノ階級 的 政党 ハ共 産 党 以外 ニナイ 。 此 党 ニ シテ初 メ テ指 導 精 神 即 チ階 級 的政 治 思 想 ノ統 一ガ保 持 サ レ得 ル。然 シ日
ハ 共 同 戦 線 戦術 ニ就 テ
於 テ解 党 主 義 者 タ ル事 毫 モ変 リ ナ イ。
共 産 党 ノ共 同 戦線 ノ戦術 ハ要 ス ル ニ、資 本 ノ支 配 ニ対 スル闘 争 ニ
本 ノ所 謂 無 産 政 党 ハ共産 党 デ ハナ イ。 極 メ テ動 揺 性 ヲ持 ツタ労
従 ツ テ厳 密 ニ ハ政 党 ト ハ云 ヒ難 イ モノデ ア ル。 ナ ント ナ レバ政
働 者 農 民 小 市 民 ノ自 然 生長 的 政 治 闘 争 ノ 一時 的 同 盟組 織 デ ア ル。
党 ハ階 級 ノ頭 部デ アリ 、 一階 級 ノ政 治 的 利 益 ヲ追 及 ス ル政 治的
於 テ共 産 主 義 者 丈 ケ デ ナ ク、共 産 主 義 者 以外 ノ広 大 ナ ル大 衆 ヲ共
チ共 産 党 ノ提 出 シ タ政策 要 求 ニ大衆 ヲ結 集 シ、右 翼 幹 部 ガ自 己 ノ
産 主 義 者 ノ政 策 ニ従 ツ テ動 員 シ闘争 セ シ メ ル 一ノ手 段 デ ア ル。 即
支 配 下 ニア ル大衆 ノ闘争 ヘノ進 出 ヲ阻 止 セ シメ ント ス ル努 力 ヲ無
ヲ作 ルト 云 フ事 ハアリ得 ナ イ シ出 来 ナイ カ ラデ ア ル。 故 ニ ソ レ ハ労 働 者農 民 小市 民 ノ 一時 的 闘 争 同 盟 デ ア ル。 今 日 ノ所 謂無 産
結 集 体 デ ア ツ テ、数 個 ノ階 級 ガ各 ノ利 益 ヲ持 チ寄 ツ テ 一ノ政 党
政 党 ニ指 導精 神 ノ統 一ヲ 求 メ ル事 ハ出 来 ヌ。
ニ結 集 シ得 ナ イ モノデ ハ何 ニ モ ナ ラ ヌ。 日本 ノ同 志 ハ観 念 的 ニ ハ
之 ヲ認 メ テ居 ル。 然 シ実 際 ニ行 フト コ ロ ハ、右 翼 団 体 ニ対 スル闘
効 ナ ラ シ メ ル戦 術 デ ア ル。 故 ニ共 同戦 線 戦 術 ハ全 大 衆 ヲ 一ノ戦 線
甲 山 川 ハ両党 ノ無 条 件 合 同 ヲ主 張 シ
ス ルト ( 実 ハ拒絶 スルニ定 リキツテ居 ルノ ニ)之 ヲ 以 テ右 翼 幹 部 ガ 闘
争 ノ勧 誘 若 ク ハ共 同 闘争 ノ申 込状 ヲ送 付 シ、右 翼 幹 部 ガ之 ヲ拒 絶
( 二) 然 ル ニ日 本 ノ同 志 ハ斯 ル干 係 ヲ 又見 誤 ツ テ居 ル。而 シテ労
乙 同 志 福 本 ハ日労 党 ガ其 誤 レ ル指 導 精 神 ヲ棄 テ ザ ル限 リ、
農 党 ガ分裂 シ日労 党 ガ生 ズ ルヤ
労 農 党 ハ日 労 党 ト合 同 スベ カ ラズ ト 云 フ ノデ ア ル。
テ居 ルガ 、 コンナ戦 術 ハ共 産 党 ノ共 同 戦 線 ノ戦 術 デ モナ ンデ モ ナ
イ。 寧 ロ共 同戦 線 ノ破 壊 デ ア ル。 正 シ キ共 同 戦 線 ノ戦 術 ハ自 ラ適
争 ヲ裏 切 ツ タト 云 ツ テ囃 シ立 テ ル。 之 ガ 共同 戦 線 ノ戦 術 ダ ト思 ツ
確 適 切 ナ闘 争 ヲ組 織 シ、 之 ニ全 大 衆 ヲ共 同 セ シ メ ル事 デ 、 肝 腎 ナ
( 三) 同 志福 本 ノ意 見 ガ間 違 ツテ居 ル事 ハ既 ニ明 カデ ア ル。 彼 ノ
ノ共 産 党 ガ 独立 的 大 衆 的 組 織 ヲ取 ツ テ大衆 ノ前 ニ公然 現 ハレ ル
誤 謬 ハ共産 党 ト斯 ル闘 争 同 盟 ト ヲ混 同 シ タ点 ニ アリ 、 之 ハ日本
事 ニ ヨツ テ自 ラ解 決 サ レ ル。 然 シ山 川 ノ意 見 ハ、 共産 党 ハ大 衆
立 ツ ト共 ニ直 チ ニ改 メナ ケ レバ ナ ラ ヌ。
ツ筈 ガ ナイ 。 斯 ク ノ如 キ誤 謬 ハ共 産 党 ガ真 ニレ ー ニ ン主 義 ノ 上 ニ
ニ迎 合 スル事 ニ努 メ ル。何 レ モ共 同 闘 争 ハナ リ タ タ ナイ 。 又成 立
共同 闘 争 ヲ成 立 セ シ メ ンガ 為 メ ニ左翼 ノ闘 争 ヲ全 ク休 止 シ テ右 翼
翼 労 働 者 ニ シテ初 メ テ為 シ得 ルガ 如 キ闘 争 ヲ持 込 ミ、 或 時 ハ只 管
ナ モノデ ナ ク テ ハナ ラ ヌ。 然 ル ニ日本 デ ハ、 或 時 ハ共 同 闘 争 ニ左
事 ハ共産 党 自 身 ノ政 策 ガ先 ヅ 斯 ノ如 ク全 大衆 ヲ動 員 シ得 ル現 実 的
ス。 以 上 私 ガ 述 ベ マシタ ノ ハ渡 辺 政 之 輔 カ ラ 口頭 デ 聞 イ タ事 及 報告
告 書 ニ ハ私 ガ只 今 述 ベ マシ タ程 解 リ易 ク書 イ テ ナ カ ツ タ ノデ アリ マ
私 ガ受 取 ツ タ報 告 書 ノ内容 ハ以 上 ノ様 ナ モノデ ア リ マ シタ。 然 シ報
展 ス ルデ ア ラ ウ。
衆 ノ政 治 的 教 育 ト労 働 者 農 民 ノ同 盟 、真 実 ノ革 命 的 闘 争 ノ準 備 ハ進
ソ シ テ之等 ノ ス ロー ガ ンノ組 織 的 宣伝 ニ ヨ ツ テノ ミプ ロ レタ リ ア大
レ タリ ア独 裁 ナ ル中 心 ス ローガ ント結 付 ケ テ闘 争 シナ ケ レバ ナ ラ ヌ。
七 行 動 綱 領
レデ スカ ラ私 ノ釈 明 モ多 分 ニ含 マ レテ居 ル事 ヲ承 知 シ テ頂 キ度 イ ノ
書 ノ記 載 ノ 二 ツ ヲ綜 合 シ テ私 ガ解 リ易 ク申 述 ベ タ ノデ アリ マス。 ソ
デ ア リ マス。 但 シ私 ノ釈 明 ハ現在 ノ私 ノ理 解 ヲ標 準 ト シ テ申 述 ベ タ
最 後 ニ日 本 ノ共 産 党 ハ、 以上 ノ諸 条 件 ノ分 析 ノ結 果 当 面次 ノ如 キ行 動 綱 領 ヲ以 テ闘 争 シナ ケ レバ ナ ラ ヌ。 即 チ
理解 ヲ持 ツ事 ガ出 来 タ カ ト申 シ マ スレバ 、 私 ハ留 守中 央 部 ヲ預 ツ テ
ノデ ハアリ マセ ヌ。 私 ガ報 告 書 ヲ受 取 ツ タ当 時 ニ於 ケ ル私 ノ 理解 ノ
ハ ソヴ エツト ロ シア ノ防 衛
実際 ノ闘 争 ヲ指 導 シテ来 タ干 係 カ ラ、 従 来 日本 デ行 ハレテ居 ル様 ナ
程度 ヲ申述 ベ タ ノデ ア リ マ ス。 何 故 私 ガ 其 当 時 以 上 申述 ベ タ程 度 ノ
ニ 植 民 地 ノ完 全 ナ ル独 立
ロ 支那 革 命 不 干 渉
ホ 君主 制 ノ撤 廃
此 コン ミ ンテ ル ンノ批 判 ト 一致 シナ ケ レバ ナ ラ ナ イ ト コ ロ マデ 私 ノ
指 導 理論 ガ誤 ツテ居 ルト 云 フ事 ヲ無 意 識 ノ中 ニ体 得 シテ居 リ、 早 晩
イ 帝 国 主 義戦 争 ノ危 機 ニ対 ス ル闘 争
ヘ 議 会 解 散 ト 十 八歳 以上 ノ男 女 ノ普 通選 挙
ヲ聞 イ テ直 チ ニソ レガ了 解 サ レ ルト 共 ニ、 又 サ ウデ ナ ケ レバ ナ ラ ヌ
考 ハ進 ンデ 居 タ カ ラデ アリ マス。 ソ レデ 私 ハコ ンミ ンテ ル ンノ批 判
同 日於 前 記 場 所
告
人
裁判所書記
東 京 地方 裁 判 所
右 読 聞 ケ タ ル処相 違 ナ キ旨 申立 署 名拇 印 シ タ リ。
被
鹿 田 清 次
三田村四郎
ト 云 フ理由 ガ実 証 的 ナ根 拠 カ ラ直 グ頭 ニ浮 ンデ 来 タ訳 デ ア リ マス。
チ 言 論 、 出 版 、 集 会 、結 社 ノ自 由 リ 反 労 働 者 法 ノ撤 廃 ヌ 失 業 保 険 ル 八 時 間 労 働制 ヲ 宮 廷 、 寺 院 、 地主 ノ 土 地 ノ無 償 没 収 ワ 高 度 ノ累 進所 得 税 而 シテ之 等 十 三 ノ行動 綱 領 ノ実 現 ハ、 常 ニ労 働 者農 民 ノ政 府 、 プ ロ
第十七回訊問調書 告
人 三 田村 四郎
予 審 判 事 神 垣 秀 六
被
志 賀 義 雄
中 尾 勝 男
水 野 成 夫
国 領 五 一郎
村 山 藤 四郎
等 ガ確 ニ出 席 致 シ マ シタ。 尚 其 外 ニ 佐 野
学
河 合 悦 三
杉 浦 啓 一
二、三名 デ ア ツ タト思 ヒ マ ス。
等 モ出 席 シテ居 タ様 ニ記 憶 致 シ マ ス。 兎 ニ角 其 出 席者 ハ全 部 デ 約 十
右治 安維 持 法 違 反 被 告 事 件 ニ付 、 昭 和 五年 三 月 六 日豊 多 摩 刑 務 所 ニ
キ右被 告 人 ニ対 シ訊 問 スル コト左 ノ如 シ。
答 其 会合 ハ帰 朝 団 一行 ト留 守 中 央 委 員 其 他 ノ者 ノ会 見 デ 、 会議
六問 其 会 合 ノ顛 末 如 何 。
答 私 は 鍋 山貞 親 が其 会 合 ニ出 席 シ タ カ什 ウ カ記憶 致 シ マセ ヌ。
五問 鍋 山貞 親 モ其 会合 ニ出 席 シタデ ハナイ カ。
於 テ、 予 審判 事 神 垣秀 六 ハ裁 判 所 書 記 鹿 田清 次立 会 ノ上 前 回 ニ引 続
一問 ロシア カ ラ帰 朝 シタ 日本 共 産 党 ノ派 遣 代表 一行 ト留 守 中 央 委 員 ト ノ 会合 ハ為 サ レタ カ。 答 其 会合 ハ昭和 二年 十 一月 下 旬 カ十 二 月 初 カ ニ日光 ニ於 テ催 サ
ハ約 二、三 時間 続 キ 、第 一ニ渡 辺 政 之 輔 カ ラ報 告 書 ニ記 載 サ レ テ ア
レ マシタ。 二 問 被 告 ハ其 会 合 ニ出 席 シ タ ノ カ。
ル事項 ノ内容 ニ就 テ詳 細 ナ説 明 ガ ア リ マシ タ。 私 ガ 前 ニ申 述 ベ マシ
タ内容 ヲ モツ ト詳 シ ク シタ様 ナ説 明 デ ア リ マシ タ。 ソ シ テ従 来 日本
答 私 ハ其 会 合 ニ出 席 致 シ マシ タ。 三 問 被 告 ガ其 会 合 ニ出 席 ス ル ニ至 ツ タ事 情 如何 。
事 ガ 出 来 タト 同時 ニ コン ミ ンテ ル ント ノ連 絡 ガ緊 密 ニナ ツ タ。 代表
デ 充 分 ニ 一切 ノ事 ガ 明瞭 ニナ リ、 過 去 七 年 間 ノ誤 謬 ノ総 決算 ヲ ス ル
ハ コ ンミ ン テ ル ンノ中 央 部 デ ヨク判 ツ テ居 ナ カ ツ タガ 、 今度 ノ事 件
テ ル ンカ ラ帰 朝 シタ 一行 ノ報 告 ガ ア ル カ ラ日 光 ニ行 ク様 ニ、何 日 ノ
ノ共 産 党 ト コン ミ ン テ ル ント ノ連 絡 ガ緊 密 デ ナ カ ツ タ ノデ 日 本 ノ事
何 時 ノ汽 車 ヘ ( 多分出発駅 ハ赤羽駅デ アツタト思 フ)来 イ ト云 フノ デ ア
ヘラ レ タテ ーゼ ガ全 ク正 シイ モノデ ア ル コト ヲ信 ジ 、 之 ヲ実行 ス ル
団 ハ コン ミ ン テ ル ンノ指 摘 シタ吾 党 ノ従 来 ノ誤 謬 ヲ認 メ、 且 新 ニ与
答 前 ニ述 ベ マ シタ通 リ報 告 書 ガ配 付 サ レ タ後 、 昭和 二年 十 一月
リ マシタ。 ソ レデ私 ハ指 定 サ レタ通 リ ノ汽車 ニ乗 リ 日光 ニ行 キ マシ
下 旬 カ十 二月 初 カ ニ私 ハ 一ノ命 令 ニ接 シ マシ タ。其 命 令 ハ コンミ ン
タ 。其 晩 ハ日光 ノ某 旅 館 ニ同 志 四 、五 名 ト 共 ニ泊 リ 、翌 日 指 定 サ レ
事 ヲ誓 ツ テ来 タ ガ 、諸 君 異 存 ハナ イ カト云 フ事 デ アリ マシ タ。 ソ レ
二 吾 々ガ党 ノ斯 ク モ明 白 ナ語 謬 ヲ今 日 コン ミ ン テ ル ンカ ラ指 摘 サ
一 コン ミ ン テ ル ンノ テ ー ゼ ガ全 ク正 シ イ事
デ 出 席 者 一同 ハ何 レ モ異 議 ナ ク賛 成 ノ旨 ヲ答 ヘ マシ タ。 尚 私 ハ其際
一
タ通 リ 日 光 カ ラ約 一里 程 離 レタ山 ノ中 ニ行 キ マシタ。 其 処 ガ会 合 ノ
市 川 正
場 所 デ ア リ マ シタ。
佐 野 文 夫
若 干 ノ意 見 ヲ述 ベ テ置 キ マ シタ。 其 要 点 ハ次 ノ様 ナ事 デ アリ マシタ。
答 其 会 合 ニ ハ 渡 辺 政 之 輔
四問 其 会 合 ニ ハ何 人 ガ出 席 シタ カ。
福 本 和 夫
治闘 争 ヤ マル ク ス ・レ ー ニ ン ノ言 葉 ニ ハ間 違 ナ イ ノデ 勿 論 ソ レニ ハ
ツ テ来 テ山 川 ヲ攻 撃 シ タ。 労 働 者 ハ共 産 党第 一主 義 ヤ社 会 主 義 的 政
政治 闘 争 ト 云 フ事 ヲ表 看 板 ト シ、 レー ニ ン、 マ ルク スノ言 葉 ヲ引張
導 理論 ニ愛 想 ヲ ツ カ シ テ居 ツ タ事 、第 三 ニ福 本 ガ共 産 党 ト社 会 主義
ン ミ ンテ ル ント ノ緊 密 ナ連 絡 ヲ欠 イ テ居 ツタ事 、 第 二 ニ、 山 川 ノ指
見 ヲ支 持 シタ カト 云 フ点 ニ就 テ 、第 一ニ渡 辺 政 之 輔 ノ云 ツ タ様 ニ コ
レ ル マデ気 ガ付 カ ナ カ ツ タ理由 、 就中 日本 ノ労 働 者 ガ何 故 福 本 ノ意
フ趣旨 ノ事 ヲ述 ベ テ置 キ マシ タ。
今 後 永 イ執 拗 ナ闘 争 ガ必 要 ダ ト 云 フ事 ヲ覚 悟 シナ ケ レバ ナ ラ ヌト云
基 イ テ今 後 闘 争 スル事 ニ ヨツ テ ノ ミ達 ス ル事 ガ出 来 ルノデ 、 従 ツ テ
来 ノ誤 謬 ガ 一切 ナ ク ナ ツ タ ノデ ハナ ク、此 ノ誤 謬 ノ清 算 ハ新 方 針 ニ
ノ吾 々 ノ任 務 デ ア ル事 、 又 テ ーゼ ガ与 ヘラ レタ カ ラ ト云 ツ テ之 デ 従
来 テ居 ル ノデ ア ル カ ラ此 ノ現状 ヲ新 方 針 ニ正 シク転 換 ス ル事 ガ今 後
ラ ヌ党 ノ発 展 ガ阻 マ レテ来 タ事 、 現 在 党 ハ福本 主 義 ノ矛 盾 ノ頂 点 ニ
マシタ。 私 ハ其 日 ノ夜 行 デ 日 光 ヲ立 チ帰 宅 致 シ マシ タ。 而 シテ其 会
其 会 議 ガ終 ツ テ出 席 者 一同 ハ其 場 デ 解 散 シ、 思 ヒ思 ヒ ニ帰 途 ニ着 キ
合 ガ 所謂 日 光会 議 デ ア リ マ ス。
ハ解 決 出 来 ナ イデ 困 リ抜 イ テ居 タ カ ラ ﹁理論 闘 争 ニ ヨ ツテ マ ルク ス
七 問 被 告 ハ何 人 カ ラ其 日光 会 議 出 席 ノ命 令 ヲ受 取 ツタ ノ カ。
賛成 デ ア リ、 一方 山 川 ノ指 導 ニ ハ慊 ラナ カ ツタ ガ、 サ リ ト テ自 分 デ
タ。 ソ シテ其 方 法 論 ノ誤 謬 ヲ見 破 ル事 ガ 出来 ナ カ ツタ カ ラデ ア ルト
主 義 意 識 ヲ闘 ヒ取 ル事 ガ 必 要 ダ﹂ ト 云 フ福 本 ノ主 張 ヲ成 程 ダ ト思 ツ
ニ モ思 ヒ マスガ 、確 カ ナ記 憶 ハア リ マセ ヌ。
答 ソ レ ハ其 当 時 私 方 ニ同 居 中 デ ア ツ タ中 尾 勝 男 カ ラデ アツ タ様
フ事 デ ア ル。 尚 福 本 ヤ山 川 丈 ケガ 間 違 ツ テ居 テ俺 達 ハ間 違 ツ テ居 ナ
云 フ事 、之 ヲ要 スル ニ日 本 ノ労 働 者 ガ全 体 ト シテ未 ダ 弱 カ ツ タト 云
八問 其 報 告 書 ハ日光 会 議 直 後 ニ配 付 サ レ タ ノデ ハナイ カ。
ン ミ ンテ ル ンデ 問 題 ニナ ツ タ時 代 カ ラ以 後 ノ 吾 党 ノ 現状 、 殊 ニ現 在
九問 被 告 ハ日光 会 議 ノ後 何 レカ ノ日 本 共産 党 細 胞 会議 ニ出 席 シ、
私 ハ日光 会 議 前 ニ其 報 告 書 ヲ見 テ居 リ マシ タ。
自 其 報告 書 ヲ持 ツテ渡 辺 政 之 輔 ノ説 明 ヲ聞 キ マシタ ノデ 、少 ク ト モ
答 私 ハソ ンナ事 ハナ イ ト思 ヒ マ ス。 私 共 ハ其 日光 会議 ニ於 テ各
カ ツ タト考 ヘテ ハナ ラ ヌ ト 云 フ事
ノ吾 党 ガ什 ウ ナ ツ テ居 ル カ ヲ知 ル事 ガ肝 要 デ ア ルト云 フ事
三 其 コ ンミ ンテ ル ンノ テ ー ゼ ヲ之 カ ラ実行 ニ移 ス ニ当 ツ テ ハ、 コ
大 体 右 ノ様 ナ意 見 ヲ述 ベ マシ テ カ ラ尚 私 ハ過 去 一年 間 ノ党 ノ発 展 経
中 央 部 ハ、 新方 針 ヲ全 党 員 ニ徹 底 セ シム ル為 メ各 細 胞 ニ説 明者 ヲ送
答 左様 ナ事 実 ハア リ マ セ ヌ。 日光 会 議 ノ直 後 ニ日 本 共 産 党 ノ新
前 ニ述 ベ タ報告 書 即 チ報 告 ノ要 点 ト 題 ス ル文 書 ノ内容 ニ付 説 明 シタ
モソ レ ニ応 ジ テ変 形 シテ、 昭 和 二年 夏 以 来 外 廓 カ ラ工場 細 胞 ノ組 織
ツテ 報 告 書 ノ説 明 ヲ ス ルト 云 フ事 デ アリ マシタ。 其 話 ハ岩 淵 町 ノ私
事 ハナ イ カ 。
ニ向 ヒ、非 合 法党 機 関 紙 ノ発 行 ト云 フト コ ロ マデ来 テ居 ル事 、 斯 様
方 デ 中 尾 勝 男 カ ラ聞 イ タ様 ニ思 ヒ マス。然 シ私 ハ其 当 時 細 胞 ニ属 シ
ツ タ事 、 ソ レデ 理論 上 デ ハ少 シヅ ヽ福 本 主義 ヲ変形 シ、 又組 織 ノ方
ニ解 党 主義 カラ ハ 一歩 一歩 抜 ケ出 テ ハ来 テイ タガ福 本 ノ誤 謬 ニ就 テ
過 ヲ略 述 シ、現 実 ノ闘 争 ヲ ヤ ツ テ来 タ結 果 ハ福 本 主 義 デ ハ駄 目 デ ア
ハ依 然 ト シ テ見破 ル事 ガ出 来 ナ カ ツ タ カ ラ、 当 然 発 展 シナ ケ レバ ナ
何 処 カ ノ細 胞 会 議 ニ出 席 シ テ報 告 ノ要 点 ヲ説 明 シ タ様 ニ供 述 シ テ居
タ カ ラ、 改 メ テ ハ誰 カ ラ モ報 告 ハ受 ケ ナ カ ツ タ ノデ ア リ マス。私 ガ
テ居 ナ カ ツ タ シ、既 ニ日 光会 議 其 他 デ 充 分 ニ報 告 ヲ受 ケ テ居 リ マシ
件 デ ア ル。
十 % ヲ、 同 貧 農 ガ 三 十 % ヲ占 メ テ居 ル事 ハ共 産 党組 織 ニ決 定 的 条
) ( 一 資 本 主 義 ガ 高 度 ニ発 達 シ、 プ ロ レタ リ ア ー ト ガ全人 口 ノ 三
版 シ マシタ ﹁ 左 翼 労 働 組 合 運 動 ﹂ ノ原 稿 執筆 中 デ アリ マシタ カ ラ外
引 受 ケ ル筈 モナ シ、 又 其 当 時 ハ私 ハ待 命 中 ノ 余暇 ヲ幸 ト シ、 後 ニ出
守 中 央 委 員 解 任 後 ハ無 役 ノ儘 待 命 中 デ ア リ マシタ カ ラ、 左 様 ナ役 ヲ
ス ル活動 ノ舞台 ト シテ 、 又 ソ レヲ共 産 党 ノ後 衛 舞 台 ト シ テ自 己 ニ
散 シ テ居 ルガ、 之 ヲ合 同 セシ メ ル ナ ラ共 産 党 ハ自 己 ノ勢力 ヲ拡 大
織 ヲ持 ツテ居 ル事 ハ、 共 産 党 再 建 ニ好 条 件 ト ナ ル。今 日 之等 ハ分
員 シ組 織 サ レテ居 ル政 治 的 闘 争 組 織 、 所 謂 無 産 政 党 ガ 二十 万 ノ組
(二) 共 産 党 ハ大 衆 団 体 カ ラ自 然 発 生 的 ニ ハ生 レナ イ ガ 、労 働 組 合 ガ 三十 万 、 農 民 組 合 ガ 五 十 万 、 労 働 者 貧 農 ヲ中 心 ニ小 ブ ルヲ モ動
ル者 ガ ア レバ ソ レ ハ間 違 デ アリ マス。 前 ニ モ述 ベ マシ タ様 ニ私 ハ留
ヘ出歩 イ テ居 ル暇 モア リ マ セ ヌデ シ タ。
二 コ ンミ ンテ ル ン ノ 一支 部 ト シテ ノ 日本 共 産 党
引 付 ケ ル事 ガ出 来 ル。 之 ハ共 産 党 再 建 ニ最 モ重 大 ナ干 係 ヲ有 ス ル。
一〇問 被 告 ハ其 待 命 中 何 カ 日本 共 産 党 ノ仕 事 ヲ シ タ事 ハナ イ カ。
従来 閑 却 サ レ勝 デ ア ツ タ コン ミ ン テ ル ント ノ干 係 ヲ明 カ ニ シ、 日本
答 私 ハ其 待命 中 別 ニ日本 共 産 党 ノ仕 事 ハシ ナ カ ツタ ノデ ア リ マ
﹁日本 共 産 党 組 織 再 建 ニ就 テ ノテー ゼ ﹂ ノ原 稿 ヲ示 シ、 私 ノ意 見 ヲ
之 以外 ノ政 党 ハ名 前 ハ什 ウデ ア ツ テ モ決 シテ労 働 者 ノ党 デ ナイ 。
共 産 党 ハ日 本 丈 ケ ノ共産 党 デ ナ ク コン ミ ンテ ル ンノ 一支 部 デ ア ル事 、
スガ、 昭 和 二年 十 二 月中 旬 渡 辺 政 之 輔 ガ岩 淵 町 ノ私 方 ヘヤ ツテ来 テ
求 メ マ シタ。 ソ レ ハ留 守中 ノ方 針 ヲ其 組 織 再 建 ノ テ ー ゼ ニ ヨツ テ変
) ( 二 共産 党 ノ独 立 性 ト独 立 運 動 ノ任 務 共産 党 ハ工場 細 胞 ヲ基 礎 ト シ テ 一切 ノ団 体 ト ハ独 立 ニ組 織 サ レル
定 サ レテ居 リ マシタ。
ニ基 キ、 先 ヅ 機 関 紙 ヲ発 行 ス ル事 、 ソ レ ニ ヨ ツテ組 織 スル事 ガ 規
爰テ ハ報 告 書 ノ説 明 中 共 産 党組 織 ノト コロ ニ述 ベ ラ レタ組 織 原 則
) ( 一 党 組 織 ノ方 法 ニ就 テ
三 日本 共 産 党 組 織 再 建 ニ当 ツ テ ノ 一般 的 任 務
革 シテ行 ク為 メ ニ、留 守中 ノ事 情 ヲ知 ツテ居 ル私 ニ意 見 ヲ求 メ ル為 メデ ア リ マ シタ。 私 ハ留 守 中 ニ於 テ組 織 上執 ツテ来 タ変 遷 ト 現 在 ノ 状 態 ニ就 テ、 可 ナ リ詳 シ ク渡 辺 政 之 輔 ニ説 明 シテ ヤリ マシ タ。 而 シ
﹁日 本 共産 党組 織 再 建 ニ就 テ ノ テ ー ゼ﹂ ト ﹁日本 共 産 党 ノ当 面 ノ政
テ其後 数 日 ヲ経 テ同 月 下 旬 渡 辺 政 之 輔 ガ右 私方 ニ来 テ、 出 来 上 ツ タ
策 ﹂ ト 題 ス ルプ リ ント 一部 ト ヲ私 ニ呉 レ マシタ。 而 シテ其 時 渡 辺 政
ガ 、 又同 時 ニ党 員 ハ組 合 ヤ 一般 大衆 ノ中 ニ ア ツ テ党 ノ政 綱 ノ下 ニ
之 輔 ハ私 ヲ北 海 道 地方 オ ルガ ナイ ザ ー ニ任 命 ス ルト伝 ヘマ シタ。
モノデ ア ツ タ カ。
ノデ ナ ク、 又 党 ノ活動 ガ大 衆 団体 ノ活 動 カ ラ分 離 スル モ ノデ モナ
活 動 ス ル モノ デ ア ル。 故 ニ党 ノ活 動 ガ大衆 団 体 ノ中 ニ没 入 ス ル モ
一一 問 其 ﹁日 本 共産 党組 織 再 建 ニ就 テ ノ テ ー ゼ﹂ ノ内 容 ハ如 何 ナ ル
答 其 内 容 ハ次 ノ様 ナ趣 旨 ノ モノデ ア リ マシ タ。 一 日本 共 産 党 組 織 再 建 ニ就 テ ノ条 件
従 ツ テ活 動 ス ル モノト サ レタ。 此 ノ組 織 上 ノ変革 ハ党 ガ実 践 ニ於 テ
ノ決 定 ( 工場細胞組織 ノ為 メノ)) ( 二工場 新 聞 ノ発 行 (三) 工場 新 聞 ノ 周 囲 ニ工場 内 革 命 労 働 者 ヲ結 集 ス ル事 ガ決 メラ レ、同 年 七月 以来 組 織 サ
然 シ今 度 ハ従 来 ノ欠 点 ヲ 一掃 シ、 且 如 上 ノ貴 重 ナ成 果 ヲ抹 殺 ス ル事
タ為 メ ト伝 統 的 セ ク ト主 義 ノ為 メ ニ、 真 ノ機 能 ガ発 揮 サ レナ カ ツタ。
ク テ、 党 ノ 政治 政 策 ノ正 シイ 事 、 党 員 ノ勇 敢 ナ ル行 動 ニ ヨツテ大 衆 団 体 ヲ党 ノ政 綱 ニ基 イ テ指 導 スル モノデ ア ル事 。
獲 得 シ タ貴 重 ナ成 果デ ア ルガ 、 党 ノ根 本 政 綱 ガ決 定 サ レ テ居 ナ カ ツ
ス ル事 、合 法的 ニヤ レナ イ カ ラ ト云 ツ テ或 活 動 ヲ止 メ ル事 ナ ク、
レタ外 廓 ハ此 ノ工 場 細胞 組 織 ノ為 メ ニ動 員 サ レ、 工場 細 胞 ノ活 動 ニ
離 シテ ハナ ラ ヌ事 、合 法 活 動 ト 非 合 法 活 動 ト ヲ緊 密 ニ正 シク結 合
(三) 非 合 法 活 動 ト合 法 活 動 合 法 活動 ハ組 合 ニ任 セ、 党 ハ非 合 法 活 動 バ カ リ ヤ ルト 云 フ風 ニ分
ソ レ ハ非 合 法 的 ニヤ リ、軈 テ合 法 的 ニヤ レ ル様 ニ力 ノ増 大 即 チ合
ナ ク ソ レ ヲ生 カ ス事 ニ ヨツ テ正 シ キ モ ノ ニ転 換 スベ キ事 。
工場 細 胞 ハ党 ノ組 織 ノ基 礎 デ アリ 、党 ハ大 衆 ノ結 合 ノ橋 梁 デ ア ル カ
五 工 場 細 胞 及 街頭 細 胞 ノ任 務 ト構 成
法 性 ノ範 囲 ヲ拡 大 スル事 。
共産 党 ハプ ロ レタ リ ア階 級 ノ頭 部 デ ア ル カ ラプ ロレ タリ ア階 級 ノ
四 ) ( 党 ノ 民主 主 義 的 集 権 主 義 ノ原則
ニ立 ツ テ闘 ヒヽ 党 ノ政 綱 政策 ヲ大 衆 ノ間 ニ伝 播 シヽ 闘 争 ノ中 カ ラ新
シ キ党 員 ヲ見 付 ケ 出 シ党 ニ組 織 シ、 党 ヲ拡 大 ス ル事 、 其 為 メ ニ工場
ラ、 大衆 ノ凡 ユル不平 不満 ト 欲 求 ヲ吸 収 シ、 大 衆 ノ現 実 闘 争 ノ先 頭
細 胞 ハ新 聞 ヲ発 行 シ、其 編輯 局 ト ナ ラ ネ バ ナ ラ ヌ。 更 ニ工場 細 胞 ノ
日 常 一切 ノ要 求 ガ党 ニ集 中 サ レナ ケ レバ ナ ラ ヌ。 故 ニ細 胞 ハ大 衆
シク党 ノ機 関 ニ反 映 サ レテ中 央 ニ集中 シ、 又 中央 部 ノ意 見 ハ党 ノ
ト最 モ密 接 ニ接 触 シ テ居 ナ ケ レバ ナ ラ ヌ。而 シ テ党員 ノ意 見 ハ正
末 端 ニ マデ 徹 底 サ レ、 党 員 ヲ通 シ テ大 衆 ニ伝 播 サ レ ル事 、之 ガ集
胞 ハ根本 的 ニ改 メラ レ、 又 従来 ア ツ タ ﹁レ フト﹂ 即 チ左 翼 労 働 者 ノ
代 表 者 ヲ選 ビ 、各 代表 者 ヲ 以 テ 一ノ委 員 会 ヲ作 ル事 、 例 ノ五 人組 細
ニ細 胞 ( 分会) ヲ 作 リ、
ハ 下 級 ノ機 関 ハ上 級 ノ機 関 ニ従 ツ テ行 動 ス ル
ロ 一切 ノ機 関 ハ選 挙 ニ ヨツ テ作 ラ レ ル
非 合 法組 織 及農 民 ﹁レ フト﹂ 即 チ農 民 組 合 内 ノ左 翼 分 子 ノ非 合 法組
工場 一細 胞 ガ原 則 デ 、大 工場 ニ ハ職 場〓
任 務 ガ 十 四 項 カ ニ亙 ツ テ示 サ レヽ ソ レカ ラ 工場 細 胞 ノ構 成 ニ就 テ 一
ニ 党 内 ニ於 ケ ル論 争 ハ機 関 ニ ヨツテ決 定 サ レ ル マデ ハ充 分 続
織 ヲ廃 止 ス ル事 、其 中 ノ資 格 ア ル モノ ヲ直 チ ニ党 員 ニ ス ル事 、 ソ シ
イ 党 ノ根 本 方 針 及 党 ノ 一切 ノ生 活 ハ党 ノ大 会 デ 決 定 サ レル
中 的 民主 主 義 デ ア ツ テ組 織 上 デ ハ次 ノ様 ニナ ル。
ケ ラ レ ルガ、 一度 機 関 ニ ヨツ テ決 定 シタ 以上 ソ レ ニ服 シ テ行 動
テ次 ノ如 キ方 法 ニ ヨ ツテ 工場 細 胞 デ 組 織 スル事 。
) ( 一 現 在 ノ 五 人組 細 胞 ノ外 廓 及 受 持 工場 ノ外 廓組 織 ヲ基 礎 ト シテ、
シナ ケ レバ ナ ラ ヌ 四 日本 共 産 党 従 来 ノ組 織 上 ノ欠 点 第 一ニ報 告 書 ニア ル通 リ 党 ノ種 々 ノ欠 点 ガ挙 ゲ ラ レ、 第 二 ニ 一九 二
チ ユ ア及 失業 中 ノ労 働 者 ハ凡 テ ソ レ〓
即時 可 能 ナ処 デ ハ党 員 ト共 ニ工場 細 胞 ヲ組 織 ス ル。 イ ン テリ ゲ ン
ノ細 胞 ニ所 属 セ シ ム ル事 。
七年 夏 五人 一組 ノ支 社 ガ 其 周 囲 ニ外廓 ヲ持 チ、 更 ニ其 後 ) ( 一受 持 区 域
(二) 直 チ ニ工場 細 胞 ノ編成 出来 ナ イ処 デ ハ現 在 ノ細 胞 ヲ ソ レ〓
ト 云 フ趣 旨 ノ モノデ ア リ マシ タ。
タカ 。
答 其 内 容 ハ報 告 ノ要 点 ト組 織 再 建 ノ テ ー ゼト ニ基 イ テ、 大衆 党
一二 問 其 ﹁日本 共 産 党 ノ当 面 ノ政 策 ﹂ ノ内容 ハ如何 ナ ル モノデ ア ツ
ノ合 同問 題 、 現議 会対 策 、総 選 挙 対 策 、 農 民 対 策 、 婦 人 対策 、反 戦
独 立 ノ 工場 細 胞 組 織 準 備 会 ト シ、 工場 細 胞 組 織 ノ為 メ ニ活 動 ス ル
細 胞 ヲ運 転 系 統 ニ ヨツ テ職 場 細 胞 ヲ作 ル事 、農 場 デ ハ工場 細 胞 ト
闘争 、 対 支非 干 渉 闘 争 等 ニ就 テ党 ノ当 面 ノ政 策 ヲ論 及 シ タ モノデ 、
事 、 船 舶 ハ工場 細 胞 ト 同 ジ ク 、 陸 上交 通産 業 ハ車 庫 機 関 庫 ニ工場
同 様 ノ組 織 ニ シテ農 村 デ ハ街 頭 細 胞 ニ ス ル。 街 頭 細 胞 ハ工場 ノ ナ
タ。
東京地方裁判所
告
人 三 田村 四郎
裁 判 所 書 記 鹿 田 清 次
告
人 三 田 村 四 郎
予 審 判 事 神 垣 秀 六
被
川 正 一ガ留 守 常 任 委 員 ニ就 テ、 藤 原 久 ヲ常 任委 員 政 治 部 長 ト思 ツ テ
答 私 ハ第 九 回訊 問 調 書 第 二問 ニ対 ス ル答 ニ於 テ 、私 及 ビ同 志 市
二問 被 告 ハ先 ヅ 如 何 ナ ル点 ヲ訂 正 シ度 イ カ。
答 ア リ マ ス。
一問 被 告 ハ前 ニ述 ベ タ事デ 何 カ訂 正 ス ル点 ガ ア ルカ。
引続 キ右 被 告 人 ニ対 シ訊 問 ス ル コト 左 ノ如 シ。
所 ニ於 テ、 予 審 判 事 神 垣 秀 六 ハ裁 判 所 書 記 鹿 田清 次 立 会 ノ上 前 回 ニ
右 治 安 維 持 法 違 反 被 告 事 件 ニ付 、 昭和 五年 三月 二十 九 日 豊 多 摩 刑 務
第 十 八 回 訊問 調 書
同 日 前 記場 所
右 読 聞 ケ タ ル処相 違 ナ キ旨 申 立 署 名拇 印 シ タ リ。
被
其 骨 子 ハ凡 テ報 告 ノ要 点 ヤ組 織 再 建 ノ テ ー ゼ ニア ル通 リデ アリ マシ
イ 地 域 ニ党 員 ガ密 集 シ テ居 ル場 合 ニ作 ル事 。 六 各 機 関 ( 一) 地方 委 員 会 ハ細 胞 ノ組 織 活 動 ノ増 大 ニ ヨツテ選 挙 ニ ヨ ツテ作 ラネ バ ナ ラ ヌ。 今 日 ノ ト コ ロデ ハ、 中 央 部 カ ラ派遣 セラ レタ 地方 オ ルガ ナ イ ザ ー ニ地方 運 動 ノ統 轄 ヲ サ セ ル。 ( 二) 中央 委 員会 及 常任 委 員 会 ハ大 会 デ 定 メ ラ ルベ キダ ガ 、来 タ ル 大 会 マデ コン ミ ン テ ル ンデ 指 名 サ レタ モノ ヲ シ テ中 央 指導 体 ノ任 務 ヲ遂 行 スル。 ( ) 三 中 央 部 ノ下 ニ組 織 部 、組 合 部 、 プ ロアジ 部 ノ三 部門 ト農 民委 員 会 政 策 委 員 会 ノ二特 別委 員 会 ヲ置 ク。 七 フラ ク シ ヨン ニ就 テ ( 一) 党 ハ大 衆 団 体 ノ中 ニ党 ノ フ ラク シ ヨ ンヲ形 成 スル。 ( 二) フラ ク シ ヨン ノ任 務 ハ大衆 団体 内 ニ闘 争 ヲ通 シ テ共 産 党 ノ影 響 ヲ拡 大 シ、党 ノ政 策 ヲ確 保 ス ル事 。
フ ラ ク シ ヨンノ基 礎 ハ工場 細 胞 デ ア ル。其 代 表 者 ニ ヨツ テ順 次 ニ
( 三) 其 構 成 ト活 動
上 ニ向 ツ テ各階 級 ノ フラ ク シ ヨン委 員 会 ガ組 織 サ ルベ キ事 、 故 ニ
ハ党 ノ命 令 ノ下 ニ活動 ス ル。
従 来 ノ天 下 リ的 フラ ク シ ヨ ン組 織 ヲ廃 止 ス ル。 フ ラ ク シ ヨ ン活 動
スガ 、 之 ハ私 ノ全 然 思 違 デ 、 草 津 温泉 ノ会 合 ノ時 以来 同 志 志 賀義 雄
居 タト コ ロソ レ ハ志 賀 義 雄 ト ノ間 違 デ ア ツ テ云 々ト申 述 ベ テ居 リ マ
五問 其 正 中 央 委 員 会 ハ何 時 何 処 デ 開 イ タ カ。
議 ヲ開 催 シ タ事 ヲ思 ヒ出 シ マシタ。
持 チ廻 リ拡 大 中 央 委 員 会 一回 、拡 大 中 央 委 員 会 一回ノ 三 ツ ノ重要 会
答 其 正 中 央 委 員 会 ハ確 カ 昭和 二年 二月 下 旬 カ 三月 初 旬 頃省 線 大
ハ中 央 常 任委 員 ト シテ指 定 サ レ テ居 タ ノデ アリ マ ス。 何 カ別 ノ仕 事 ノ担 任 ニ就 テ同 志 志 賀 義 雄 ト 同 志藤 原 久 ト ノ混 同 ガ ア ツ タ ノ ヲ、 私 ガ 右 ノ如 ク常 任 委 員 ニ就 テ混 同 ガ ア ツ タノ ダ ト感 違 ヲ シ テ居 タ ノデ
六問 其 同 志 某 ト 云 フ ノ ハ何 入デ ア ルカ。
塚 駅附 近 ノ同 志 某 ノ家 デ開 催 致 シ マシタ。
国領 五 一郎
市 川 正 一
私
杉 浦 啓 一
ノ六 名 ガ出 席 致 シ マシタ。
学
八問 其 正中 央 委員 会 ニ於 テ ハ如 何 ナ ル事 項 ニ付 協 議 ヲ為 シタ カ。
佐 野
述 ベ テ居 リ マスガ 、 之 モ私 ノ 云 ヒ誤 リデ ア リ マス。 同 志 片 山 久 ハ日
答 其 正中 央 委員 会 ノ会 議 ハ二 日 ニ亙 ツ テ開 催 サ レ、 会議 第 一日
志 賀 義 雄
答 其 正 中 央 委員 会 ニ ハ同 志
七問 其 正 中 央 委 員 会 ニ ハ何 人 ガ出 席 シタ カ。
答 ソレ ハ申 上 ゲ 兼 ネ マス。
アリ マス。 其 混 同 ガ ア ツ タ担 任事 務 ガ ナ ンデ ア ツ タ カ今 私 ハ記憶 シ マセ ヌガ 、兎 ニ角 右 ノ常 任 委員 ニ就 テヾ ナ カ ツタ コト ハ確 デ アリ マ スカ ラ此 点 訂 正 致 シ マ ス。 三問 被 告 ハ其 次 ニ如 何 ナ ル点 ヲ訂 正 シ度 イ カ。 答 私 ハ第 十 四 回 訊問 調書 第 七問 ノ答 ニ於 テ、 片 山 久 ガ 全 日本 無
本 共 産 党 員 デ ア ツ タ事 ハ事 実 デ ア ルガ、 同 人 ハ同 時 ニ日本 共産 主 義
ハ主 ト シ テ三 常 任委 員 カ ラ各 分 担 事 務 干 係 諸 活 動 ノ報告 、 並 ニ ソ レ
産 青 年 同 盟 ニ於 ケ ル日本 共産 党 ノ フラ ク シ ヨ ン責 任 者 デ ア ツタ ト申
ガ日 本 共産 主義 青 年 同 盟 ヲ指 導 スル際 、 私 ハ同 人 ニ折衝 シ タ事 ガ ア
青 年 同 盟 ノ委員 長 デ ハナ カ ツタ カ ト思 ヒ マ ス。 其 干 係 デ 日本 共産 党
ニ対 ス ル中央 常 任委 員 会 ノ政 策 ノ報 告 ヲ終 ツ タト思 ヒ マス。第 二 日
一 レ フト ノ問 題
リ、 ソ レガ フ ラク シ ヨ ン責 任 者 ト 云 フ風 ニ感 ジ ラ レ テ居 タ ノデ ア ツ
ヲ持 ツ テ居 タ事 ハア リ マ セヌ。 従 ツ テ同 志 片 山 久 ガ全 日本 無 産 青 年
二 労農 総 聯 合 ノ問 題
ハ前 日 ノ報告 ニ基 イ テ討 議 ガ行 ハ レ マシ タガ 其 重 要問 題 ハ
同 盟 ニ於 ケ ル日本 共 産 党 フラ ク シ ヨ ン責 任者 デ ア ツ タト 云 フ事 ハ間
テ、 全 ク日本 共 産 党 ハ日本 共 産 主 義 青 年 同盟 ノ中 ニ党 フラ ク シ ヨ ン
違 デ アリ マス。
ニ現 ハ レタ傾 向 ニ対 スル対策
三 東 京 合 同 労 働 組 合 大 会 テ ー ゼ及 大衆 教育 同 盟 ノ教 育 方 針 等
等 デ ア ツタ ト記 憶 致 シ マ ス。
タ カ。
九 問 其 レ フト ノ問 題 及 其 問 題 ニ干 ス ル討議 ハ如 何 ナ ル モノデ ア ツ
答 私 ハ第 十 四回 訊 問 調 書第 五 問 ニ対 ス ル答 ニ於 テ 、私 共 ガ留 守
四問 被 告 ハ其 次 ニ如 何 ナ ル点 ヲ訂 正 シ度 イ カ。
タ ト申 述 ベ テ居 リ マスガ 、 私 ハ最 近其 期 間 中 ニ正 中 央 委 員 会 一回 、
常 任委 員 会 ノ仕 事 ヲ シ テ居 タ間 ニ中 央 委 員 会 ハ 一回 モ開 催 シ ナ カ ツ
答 私 は其 レ フト ノ問 題 ノ内 容 及 ソ レ ニ干 ス ル討 議 ノ内 容 ガ如 何
ノデ アリ マス。 然 シ之 ガ間 違 ツ テ居 タ事 ハ既 ニ申 上 ゲ タ 通 リデ 、吾
福 本 主 義 ノ履 キ違 ヒ者 極 左 翼 ト 云 ツ テ攻 撃 シ、 吾 々 コソ ハ福 本 主 義
ト コロガ吾 々 ハ ソ レヲ決 シ テ福 本 主 義 排 斤 ト シ テ ヤ ツタ ノ デ ナ ク 、
々 ハ中 央 常 任 委 員 会 ト シテ ノ活 動 ノ第 一歩 カ ラ斯 ノ如 ク福 本 主 義 ノ
答 其 点 ニ就 テ ハ既 ニ私 ガ中 央 常 任委 員 会 ノ問 題 ト シ テ申 上 ゲ タ
ノ 正統 派 ナ リ ト 云 ツ テ力 ンデ 居 タ ノデ ス カ ラ、今 日 ト シ テ思 ヘバ其
ナ ル事 デ ア ツタ カ什 ウ モ思 出 セ マセ ヌ。
事 デ ア リ マ スガ 、 唯 一ツ之 ニ関 聯 シ テ思 出 ス事 ハ、 確 カ此 ノ問 題 デ
無 識 実 ニ汗 顔 ノ至 リ ト 去 フベ キデ ス。 此 ノ態 度デ コン ミ ンテ ル ンノ
ヲ凡 ユ ル手 段 ヲ尽 シ テ大 衆 団 体 カ ラ放 逐 シ テ仕舞 ツタ ノデ ア リ マス。
中 央 常 任 委 員 会 ノ意 見 ト同 志国 領 五 一郎 ト ノ意 見 ガ対 立 シ、 永 イ 討
テ ーゼ ガ与 ヘラ レル マデ 押 シ進 ンデ 来 タ事 ハ既 ニ申 上 ゲ タ 通 リデ ア
正統 派 ニ対 シテ闘 ヒヲ始 メ タ ノデ ア リ マス。 ソ シ テ其 正統 派 ノ連 中
議 ノ結 果 ハ完 全 ナ意 見 ノ 一致 ヲ見 ル事 ガ出 来 ナ カ ツ タ ガ大 体 ニ於 テ
リ マ ス。 唯 一ツ之 ニ関 聯 シ テ附 加 ヘテ置 キ度 イ事 ハ、同 志 佐野 学 ハ
ノデ ア ツ タ カ。
諒 解 シ合 ヒ マシ タ。 ソコデ 中 央 常 任委 員 会 ハ特 ニ同 志 国 領 五 一郎 ニ
問 一〇 其 労 農 総 聯 合 ノ問 題 及 ソ レ ニ干 ス ル討 議 ノ内 容 ハ如 何 ナ ル モ
サ レタ雑 誌 労 働 者 ノ論 文 デ ア ツタ ト記 憶 シ マ ス。 ソ シ テ後 中 央 常 任
此 ノ問 題 ニ就 テ論 文 ヲ書 ク事 ヲ勧 メ、 ソ レガ町 田晃 次 郎 名義 デ発 表
ハ レテ居 ル傾 向 ヲ攻 撃 シ、 福 本 主義 ニ反 対 ノ意 見 ヲ表 明 シ マ シタ。
此 ノ中 央 委 員 会 ノ会 議 デ 前 記 ノ合 同 労 働組 合 大会 テー ゼ及 其 他 ニ現
ノ任 務 ﹂ ト 題 シ、雑 誌 労 働 者 ニ発 表 シ タ事 ハ既 ニ申 上 ゲ タ通 リデ ア
委 員 会 ガ 此 ノ問題 ニ最後 的 決 定 ヲ為 シ、 ソ レヲ私 ガ ﹁統 一同 盟当 面
シテ排 斥 シ闘 争 シ テ居 ルト 云 フ報告 ヲ聞 イ テ 、聊 カ意 外 ノ感 ニ打 タ
然 ル ニ前 記 ノ如 ク吾 々中 央 常 任 委員 会 ガ同 様 之等 ノ傾 向 ヲ極 左 翼 ト
ハ同 人 ガ積 極的 ニ中 央 委 員 ト シテ活 動 ス ル様 ニナ ツ タ因 ヲ為 シ タト
本 主 義 ニ反 対デ アリ 乍 ラ日 々ニ吾 々ト 堅 ク手 ヲ握 ル事 ニナ リ、後 ニ
レタ様 デ ア リ マシ タ。 ソ シ テ此 ノ中 央 委 員 会ニ 佐 野 学 ガ出 席 シ タ事
リ マ ス。
答 ソ レ ハ東 京 合 同 労 働 組 合 大 会 テ ー ゼ及 大 衆教 育 同盟 ノ教 育 方
推 察 シ テ居 リ マス。 之 ニ就 テ直 接 同 志 佐 野 学 ノ感 想 ヲ聞 イ タ事 ハナ
一一 問 其東 京 合同 労 働 組 合 大 会 テ ー ゼ及 大 衆 教 育 同 盟 ノ教 育 方針 等
針 等 ニ現 ハレタ傾 向 ハ、 当 時 ノ所 謂 全 無 産 階 級 政 治闘 争 主 義 即 チ福
イ カ ラ果 シ テサ ウ デ ア ツタ カ什 ウ カ断 言 ハ出 来 マセ ヌ。然 シ吾 々中
ガ、 同人 ヲ シ テ荒 畑 勝 三 、堺 利彦 等 ト 手 ヲ 切 ラ シメ 、 且佐 野 学 ハ福
本主 義 ノ正 シキ発 展 デ ハナ ク ﹁其 履 キ違 ヘ﹂ デ ア ルカ ラ、 之 等 ヲ徹
央 常 任 委員 ハサ ウ考 ヘテ居 リ マシ タ。
ニ現 ハレ タ傾 向 ニ対 ス ル対 策 ハ如 何 ナ ル モ ノデ ア ツ タ カ。
合同 労 働 組 合 大 会 テ ー ゼ及 大衆 教 育同 盟 教育 方 針 ニ現 ハ レタ傾 向コ
底 的 ニ闘 フ事 ト 去 フ ノデ ア リ マシ タ。然 ル ニ焉 ンゾ 知 ラ ン此 ノ東 京
一二 問 其 持 チ廻 リ拡 大 中 央 委 員 会 ハ何 時 何 処 デ開 イ タカ 。
デ アリ マシテ 、既 ニ述 ベ マシ タ如 ク其 頃 例 ノ 工場 代 表 者 会 議 ヲ転 機
答 其 持 チ廻 リ拡 大 中 央 委 員 会 ト 云 フノ ハ確 カ昭 和 二 年 初夏 ノ事
ソ、福 本 主 義 ノ正 当 ナ ル発 展デ ア ツ タ ノデ ア リ マ ス。 然 シ私 達 ハ其 時 ハ左様 ニ看 破 スル事 ガ 出 来 ズ 、 反 対 ニ自 分 等 コ ソ即 チ吾 々中 央 常 任委 員 会 コ ソ正 シ キ福 本 主 義 ノ実行 者 デ ア ルト信 ジ 且宣 揚 シ テ居 タ
ト シ テ種 々 ナ ル重要 問 題 ガ派 生 シ、 之 ニ対 シ テ常 任委 員 会 デ ハ ソ レ 〓 対策 ヲ決 定 シ マシタ モノ ヽ、 之 ヲ常 任 委員 会丈 ケ デ定 メ テ仕 舞 フ ノ ハ穏 当 デ ナ イ故 ニ拡 大 中 央 委 員 会 ヲ開 カ ウ ト 云 フ事 ニナ ツ タ ノ
一五 問 其 持 チ廻 リ拡 大 中 央 委 員 会 ニ於 テ ハ如 何 ナ ル事 項 ニ付 協 議 ヲ 為 シ タ カ。
ト ス ルカ或 ハ山 ヘ出 カ ケ テキ ヤ ンプ生 活 ヲ シ テ ヤ ラ ウ ト 云 フ ノデ 、
デ ア ラ ウ カ ラ、 避 暑 地 又 ハ海 水 浴場 地 デ臨 時 ノ家 ヲ借 リ テ屋 内集 会
四 農 民 運 動 政 策
三 労 働 組 合 政 策
二 支 社 ノ任 務ニ 就 テ ( 組織問題)
一 共 産 党 当 面 ノ任 務 ト労 農 党 ニ就 テ ( 政治問題)
答 其 持 チ廻 リ拡 大 中 央 委 員 会 ノ議 事 デ 私 ノ記 憶 ニア ルノ ハ
其 為 メ実 地 調 査 ニ私 ガ 千葉 県下 其 他 ニ出 カ ケ テ見 マシ タ。然 シ既ニ
五 対 支 非 干 渉 運 動 ニ干 ス ル件
デ アリ マ ス。 ソ シテ其 討 議 ハド ンナ ニ切詰 メ テ モ二、三日 ヲ 要 ス ル
避 暑 地 、 海 水 浴場 地 共 ニ適 当 ナ空 家 ハナ ク、 一方 キ ヤ ンプ 生 活 ハ病
六 其 他
ガ ナイ カ ラ会議場 所 ヲ 二 ケ所 又 ハ三 ケ所 ニ分 割 シ テ開 催 シ、持 チ廻
一 六問 其 共 産 党 当 面 ノ任 務 ト労 農 党 ニ就 テ ト 云 フ議 事 ノ内容 ハ如 何
デ ア リ マシ タ。
弱 者 等 ガ 居 ル為 メ ニ実 行 不 可能 ト云 フ事 ニナ リ マシ タ。 ソ コデ 仕 方
リ拡 大 中央 委員 会 ト仕 様 デ ハナ イ カト 云 フ事 ニ ナ ツ タ ノデ ア リ マ ス。 其 会 合 ノ中 一ツ ハ東 京 郊 外 ノ同 志 某 ノ宅 デ行 ハレ マ シタ。 其 他 ノ会
ヌガ 、例 ノ労 農 党 ガ政 治 的 自 由 獲 得 ノ為 メ ノ政党 デ ア ル云 々ト 云 フ
答 其 議 事 ノ内 容 ガド ンナ モノデ ア ツ タ カ今 日能 ク思 ヒ出 セ マ セ
ナ ル モ ノデ ア ツ タカ。
ツ テ夏 季 屋 内 ノ集 会 ハ危 険 ダ ト 云 フ事 ニ ナリ 、第 二 回 ノ会 合 ガ少 シ
ノ 任務 ガ規 定 シ テ ア ツ タ ト記 憶 シ マス。此 ノ議 事 草 案 ハ中 央 常 任 委
和 田叡 三 ノ限 度 形 態 段 階 論 ヲ攻 撃 シ、来 ルベ キ革 命 ニ対 ス ル共 産 党
合 ヲ何 処デ ヤ ツタ カ ハ什 ウ モ思 出 セ マセ ヌガ 、 其第 一回 ノ会 合 ニ ヨ
時 日 ガ 延 ビ タ事 及 其 第 一回 ノ会 合 其 モ ノ ニ於 テ既 ニ危 険 ヲ感 ジ タ位
ト思 ヒ マ ス。 ソ シ テ此 ノ議案 ノ 審議 カ ラ端 ナ ク モ ﹁革 命 ノ展 望 ト 共
員 会 ノ決 定 意 見 ニ基 キ、 同 志 志 賀義 雄 ガ起 草 シタ モノデ ナ カ ツ タ カ
デ シタ カ ラ、 第 二回 ノ会 合 ヲ前 記 ノ某 宅 デ 開 催 シナ カ ツ タ事 丈 ケ ハ 確 カデ ア リ マ ス。
答 ソ レ ハ申 上 ゲ 兼 ネ マス。
子 ガ 、 此 ノ会 議 デ 決 定 サ レタ ノデ ハナ カ ツ タ カト 記憶 シ マス。
志 市 川 正 一及同 志 志 賀 義 雄 ガ雑 誌 マル ク ス主 義 デ 展開 シタ意 見 ノ骨
ハ早 速 其 草 案作 成 ヲ始 メ ルト 云 フ事 ニ シ、 爾 余 ノ問 題 ハ大 体 後ニ 同
産 党 ノ綱 領 ﹂ ト 云 フ重 大問 題 ニブ ツカ リ、 永 イ討 議 ノ結 果 綱 領問 題
一 三問 其 同 志 某 ト 云 フ ノ ハ何 人 デ ア ルカ。
一 四問 其 持 チ廻 リ拡 大 中 央 委 員 会 ニ ハ何 人 ガ 出 席 シタ カ。 答 其持 チ廻 リ拡 大 中 央 委 員 会 ニ ハ 私
誤 解 ノナ イ様 ニ 一言 シ テ置 キ度 イ 事 ハ、 此時 ノ会合 ガ既 ニ持 チ廻 リ
志 賀 義 雄
ノ中 央 常 任委 員 三名 以外 数 名 ガ出 席 シ マシタ ガ私 ハ其 名 前 ハ今 思 出
会 議 デ ア リ マ シタ故 ニ、 ド ノ会 合 デ モ決 定案 ヲ作 ルト 云 フ事 ハシ ナ
市 川 正 一
セ マセ ヌ。 兎 ニ角 其 人 数 ハ約 六 、七 名 デ ア ツタ ト記 憶 シ マ ス。
条 件 ノ悪 化 ト 云 フ方 法 ニ ヨツ テ行 ハレ ル。今 日 ノ 我 国 ノ遅 レタ生 産
ル工場 ノ多 数 ナ国 デ ハ、 其 産 業 合 理 化 ハ操 業 ノ短縮 ト労 働 者 ノ労 働
様 式 ヲ執 ツ テ居 ル産 業 ハ、 彼 ノ資 本 主 義 ノ発 展 期 ノ 如 ク ソ レガ自 由
カ ツ タ ト思 ヒ マス。 又 ソ レ ハ出 来 ナ イ事 デ ア リ マ ス。 故 ニ此 ノ会議 ノ性 質 ハ正 確 ニ云 フ ナ ラバ 、中 央 常 任委 員 会 ガ、 中 央 委 員 ノ ミ ナ ラ
競 争 ニ ヨ ツテ大 規 模 経 営 ニ集 中 サ レ、 又 生 産 方 法 ガ 改良 サ レテ行 ク
体 ト シ テ ハ操業 短縮 ト労 働 条 件 ノ引 下 ゲ ニ ヨ ル ニ相 違 ナイ 。 ソ レ ハ
ズ 其 他 ノ重 要 ナ人 々 ニ意 見 ヲ聴 イ テ廻 ツテ 、 ソ レヲ中 央 常 任 委 員会
我 国 ノ工業 ガ其 遅 レタ生 産 様 式 ノ儘 デ 既 ニ金 融 資 本ニ 統 轄 サ レ テ仕
ニ全 部 集 中 シ テ整 理 シ タ ノデ ア ルト 云 ツタ方 ガ適 当 デ ア リ マセ ウ。
答 其 議 事 ノ内 容 ハ之 マタ中央 常 任委 員 会 ノ決 定 ニ基 キ同 志 市 川
舞 ツ テ居 ル カ ラデ ア ル。 此 事 ヲ能 ク見 極 メ、 従 ツ テ各 産 業 ノ異 ナ ル
ル ノ ハ極 メ テ限 ラ レタ ル生 産 部 門 ト 少 数 ノ大 企 業 ニ於 テ ノミ デ 、全
正 一ガ執 筆 シタ草 案 ニ基 キ討 議 シ タ モ ノデ 、右 ノ 共産 党 当 面 ノ任 務
ニ応 ジ テ進 行 ス ル産業 合 理化 ノ特 殊 性 ヲ ヨク考 察 シ、 之ニ 適 用 シタ
ト 云 フガ 如 キ事 ハア リ得 ナイ 。 生 産 方 法 ノ機 械 化= 自 由 化 ガ行ハ レ
ニ相 照 応 ス ル組 織 問 題 デ ア リ マシ タ。 即 チ 此 ノ議 案 ノ 審 議 ノ 結 果
政 策 要 求 ヲ以 テ闘 フ事 ヲ忘 レ テ ハナ ラ ヌ。
一 七問 其 支 社 ノ任 務 ニ就 テト 云 フ議 事 ノ内 容 ハ如 何 ナ ル モノデ ア ツ
﹁党 ノ基礎 ハ工場 ニ﹂ ト 云 フ方 針 ガ生 レ タ ノデ 、 其前 提 ト シテ所 謂
タ カ。
﹁外廓 ﹂ ノ制 度 ガ採 用 サ レ、更 ニ ソ レガ ﹁工 場 新 聞 ノ 発 刊 、其 周 囲
ル闘 争 ハ労 働 組 合 ガ積 極 的 ニ働 ネ バ ナ ラ ヌ。 而 シテ前 記 ノ如 ク時 間
二 産 業 合 理 化 政策 ノ結 果 ハ慢 性 的 失 業 状 態 ガ出 現 スル。 之 ニ対 ス
ノ短 縮 、 賃 銀 値 上 ノ為 メ ニ闘 フト 共 ニ、 従来 ノ如 ク失 業 者ニ 対 ス ル
ニ革 命 的労 働 者 ノ結 集 、 工場 細 胞 ノ確 立 ﹂ ト 云 フ事 ニ ナ ツタ ノデ ア
資 本 家 ノ 一時 的 手 当 即 チ解 雇 手 当 ノ獲 得 ヲ以 テ満 足 スベ キデ ナ ク、
リ マス。
答 其 労 働 組 合 政 策 ハ同 様 中 央 常 任 委 員 会 ノ決 定ニ 基 キ私 ガ 起草
一 八問 其 労働 組 合 政 策 ト 云 フ議 事 ノ内 容 ハ如 何 ナ ル モノデ ア ツタ カ。
不利 益ニ 対 シテ断 乎 ト シ テ闘 ハネ バ ナ ラ ヌ、 ト同 時 ニ此 ノ資 本 家 ノ
ハ産 業 合 理 化 其 モノ ニ ハ反 対 セ ヌガ 、 ソ レ ニ ヨ ツテ被 ム ル労 働 者 ノ
一 我 国 ニ於 テ モ資 本家 ノ産業 合 理化 ガ着 々進 行 シ テ居 ル。 労 働 者
要 デ ア ル。
働 条 件 改 善 ノ為 メ ニ闘 ヒ、彼 等 ヲ闘 争 ニ動 員 シ組 織 ス ル事 ガ最 モ必
年 労 働 者 ヲ労働 カ ラ駆 逐 ス ル ニ至 ル。 故 ニ青 少 年 及 婦 人 労 働 者 ノ労
三 産 業 合 理化 ハ必然ニ 青 少 年 婦人 労 働 者 ノ使 用 ヲ増大 シ、男 子青
ム ルベ ク闘 フベ キデ ア ル。
且 現ニ 失 業 シテ居 ル者 ニ対 シ テ ハ国 家 ニ ヨル其 生 活 ノ保 証 ヲ為 サ シ
産 業 合 理化 ノ御 手 伝 ヲ シ テ居 ル右翼 労 働 組 合 官 僚 ノ資 本 家 ト ノ取 引
四 工場 代 表 者 会 議 ハ大 衆 動 員ニ 、 又組 合 戦 線 統 一運 動ニ 、 或 ハ未
失 業 者 ヲ出 サ ヌ事 、 失 業 者 ヲ仕 事 ニ着 カ シ ム ル事 ヲ闘 争 ノ基 調 ト シ、
ト闘 フ事 、此 ノ資 本 家 ノ産 業 合 理 化 ト闘 フ労 働 者 ノ要 求 ハ時 間 ノ短
組 織 労 働 者 ノ組 織 ニ極 メ テ有効 ナ ル闘 争 形 態 デ ア ル。 元 来 工場 代 表
シ タ草 案 ニ ヨツ テ審 議討 議 シタ モノデ 、之 ニ就 テ ハ唯 次 ノ様 ナ事 ヲ
縮 ト賃 銀 ノ値 上デ ア ル。 此 ノ要 求 ニ ヨツ テ労 働 者 ノ解 雇 ト極 度 ノ心
記 憶 シテ居 リ マス。 此 ノ議案 ハ確カ 労 働 組 合 運 動 当 面 ノ任 務 ト 題 シ、
身 消耗ニ闘 ハネ バ ナ ラ ヌ。 尚 日本 ノ如 キ遅 レ タ生産 方 法 ヲ執 ツテ居
ニ際 シ、先 ヅ 工場 従 業 員 大 会 、次 ニ地区 工場 代 表 者 会 議 、最 後ニ 全
ニ於 テ執 ツ タ如 ク金 融 恐 慌 ト 云 フガ如 キ 一大 政 治 的 動 揺 ノ モメ ント
ス ル事 ガ出 来 ル。然 シ乍 ラ ソ レダ カ ラ ト 云 ツ テ関 西 殊ニ 大阪 、京 都
者 会 議 ハ工場 委 員 会 ヲ基 礎 ト シ テ成 立 ス ル時 最 モ ヨク其 威 力 ヲ発揮
キデ ア ル。 更 ニ雑 多 ナ種 類 ノ工場 ガ密 集 シテ居 ル地 方 、 或 ハ取 リ 立
第 一回 ハ賃 銀 ノ問 題 、第二 回 ハ時 間 ノ問 題 ト云 フ如 ク シ テ開 催 スベ
当 該 産 業 全 体ニ 共 通 ノ問 題 ト ナ ツテ居 ル利 害 問 題 ヲ捉 ヘテ、 例ヘ バ
ハ 一般 的 ナ問 題 デ 開 催 ス ルノデ ナ ク シテ 、当 該 産 業 特 有 ノ或 ハ目 下
東京 、大 阪 、 京 都 ノ如 キ大都 市 デ ハソ レガ出 来 ナ イト 云 フ何 等 ノ理
タ。 神 戸 市 及 尼 ケ崎 市 ニ於 テ ハ全 市 的 工場 代 表 者 会 議 ハ行 ヘルガ 、
東 京 デ モ同 様 誤 ツ テ居 ル。東 京 ハ全 ク自 然 発 生 的 力ニ 追 随 シ テ行 ツ
ノ中 ヘ潜 リ込 ミ、 力 ヲ強 大 ニ シ テ モウ 一度 公 然 ト立 上 ツ テ復 讐 ス ル
ノ為 メ ニ弾 圧 サ レ公 然 ノ開 催 ガ 困 難 ト ナ ツタ時 ニ ハ、 其 時 コソ 工場
ル ニ応 ジ テ其 形 式 ヲ決 定 スベ キデ ア ル。 更 ニ工場 代 表 者 会 議 ガ官 憲
要 ス ル ニ其 時 其 場 所 並 ニ力 ノ相 互 干 係 ト問 題 如 何 等 ノ諸 条 件 ノ異 ナ
工場 代 表 者 会 議 ヲ開 ク ベ キデ アリ 、 又 ソ レ ヨリ外 ニ開 キ様 ガ ナイ 。
テヽ 産 業 的ニ 整 理 シ得 ル程 ノ 工場 ノ ナ イ 地方 ニ於 テ強 イ テ産 業 別 工
由 モ見 出 セナ イ。 要 スル ニ最 初 ノ出 方如 何 ニ ヨ ルノデ ア ル。 又 吾 々
事 デ ナ ケ レバ ナ ラ ヌ。 然 シ此事 ハ東京 ニ於 テ行 ハ レタ如 キ彼 ノ会場
市 工場 代 表 者 会 議 ヲ開 クト 云 フガ如 キ方 針 ハ誤 リデ ア ル。 斯 様 ナ際
ガ産 業 別 労 働 組 合 主 義 ヲ執 ツ テ居 ルト同 様 ニ工場 代 表 者 会 議 モ産業
ノ 入 口デ 労 働 者 ノ住 所氏 名 ノ署 名 ヲ求 メ、後 ニ其 者 等 ヲ自 宅 訪問 シ
キ公 式 主 義 デ ア リ、 実 際 ニ ハ徒 労デ ア ル。斯 ル地方 ハ地 域 的 ニ コソ
別ニ 開 催 サ レ、 ソ レガ全 市 的 地域 的 ニ結 合 ス ル事 ハ最 モ理 想 的 デ ア
テ 工場 委 員 会 組 織 ヲ勧 誘 スルト 云 フ様 ナ手 工業 的 ヤ リ方 ニ ヨル ノデ
場 代 表 者 会 議 ノ開 催 、 ソ レノ 地 域的 結 合 ナ ンカ ヲ企 テ ル ノ ハ笑 フベ
ル。 然 シダ カ ラト 云 ツ テ如何 ナ ル場合 ニ モサ ウデ ナ ケ レバ ナ ラ ヌ訳
ニ ハ神 戸 市 及 尼 ケ崎 市 ニ於 テ行 ハレタ如 ク 一挙 ニ全 市 的 ナ工 場 代表
ノ モ ノデ ナ イ。 其 時 ノ条 件 即 チ労資 ノ力 ノ干 係 、資 本 家 カ ラ受 ケ タ
チ ニ工場 代 表 者 会 議 又 ハ工場 代表 者会 議 実 行 委 員 会 ヲ非 合 法 的ニ 開
ナ イ。 工場 代 表 者 会 議 ノ公然 ノ開 催 ガ 不可 能 ト ナ ツ タ時 ハ吾 々 ハ直
者会 議 ヲ開 キ、 ソ レ カ ラ下 ニ向 ツ テ行 クベ キデ ア ツ テ、 此 ノ点デ ハ
打撃 ノ強 弱 、 其 ノ土 地 ノ産 業 分頒 状 態 、其 時 ノ問 題 等 ニ ヨツ テ工場
又特 別ニ 産 業 別 工場 代 表 者 会 議 ヲ開 カ シメ ル事 ハ可 能 デ ア リ、 一層
議 ノ中 心的 活 動 体 ト ナ ルデ ア ラウ 。而 シ テ此 ノ産 業 ノ労 働 者 ヲ シ テ
モ金融 恐 慌 ニ ヨリ強 ク打 撃 ヲ受 ケ タ産業 ノ労 働 者 ガ其 工場 代 表 者 会
如 キ ハ先ヅ 全 市 的 工場 代 表 者 会議 ヲ開 ク ベ キデ ア リ、 ソ コ ニ於 テ最
開 催 シ得 ル ニ至 ル ノデ ア ル。
ガ組 織 サ レ、軈 テ弾 圧 ヲ跳 ネ返 シテ堂 々ト公 然 ノ 工場 代 表 者 会議 ヲ
然 ノ討 議 ニ移 スベ キデ ア ル。斯 ク シテ コソ闘 争 ノ中 カ ラ工 場 委員 会
委 員 会 議 ノ決 定 事 項 ヲ印 刷 シ工場 ニ持 チ込 ミ 、 工場 内 労 働 大衆 ノ公
催 スベ キデ ア ル。 ソ シ テ其 非合 法的 ニ開 カ レタ代 表 者 会 議 又 ハ実 行
︹マ マ︺
代表 者 会議 ノ形 態 ハ 一定 不 変 デ アリ得 ナ イ。 例 ヘバ金 融 恐 慌 ノ際 ノ
多 ク此 ノ産 業 ノ労 働 者 ヲ闘 争 ニ動 員 ス ル事 ト ナ ルデ ア ラ ウ。 又 平時
五 共 同 戦 線 ノ戦 術 ニ就 テ ノ今 日 マデ ノ誤 謬 ハ、
イ 右 翼 及 中 間 派 団 体 ニ対 シ或 ハ闘 争 ノ共 同 ヲ提 議 シ、 或 ハ右翼
ニ於 テ労働 者 ヲ闘 争 ニ動 員 スル煽 動 ノ 一舞 台 ト シテ産 業 別 工場 代表 者 会議 ハ最 モ有 効 デ ア ル。 斯 ル平 時 ニ於 ケ ル産 業 別 工場 代 表 者 会議
又 ハ中 間 派 ノ指 導 シ テ居 ル闘 争 ニ応 援 ヲ申 込 ミ、 若 シ右 翼 又 ハ中
共 同 闘 争 委 員 会 ヲ組 織 ス ル事 ハ必要 デ ア ル。 然 シ只 管 此 ノ共 同闘
ロ 左翼 ガ中 間 派 及 右翼 ノ大衆 ト闘 争 ヲ共 同 セ ンガ 為 メ団 体 間 ノ
慮 シ テ仕 舞 フト 云 フ事 ハ誤 リデ ア ル。 又 一切 ノ左翼 ノ活動 ヲ此 ノ
争 委 員 会 ノ形 式 的 成 立 ノ為 メニ一 切 ノ左 翼 ノ闘 争 ヲ休 止 シ或 ハ遠
共 同 闘 争 委 員 会 又 ハ共同 闘 争 組 織 ノ中 ニ溶 ケ込 マシ テ仕舞 フ事 モ
ナ リ﹂ ト 云 ツ テ囃立 テ、或 ハ幹 部 ノ裏 切 行 為 ヲ摘 発暴 露 シ、 以 テ 大 衆 ト裏 切 リ幹 部 ト ヲ離間 シ、大 衆 ヲ左 翼 化 セ シ メ得 ルト考 ヘテ
間 派 ノ幹 部 ガ 之 ヲ拒 絶 スル ヤ得 タ リ賢 シト ﹁之 階 級 闘 争 ノ裏 切 リ
居 ル事 デ ア ル。 例 ヘバ 常盤 炭 坑 其 他 ノ スト ライ キ ニ於 ケ ル左翼 ノ
ル左 翼 ノ態度 ガ ソ レデ ア リ 、後 者 ハ彼 ノ 工場 代 表 者 会 議 運動 及各
同 様 ニ誤 リデ ア ル。前 者 ノ典 型 的 ナ モノ ハ司 厨 同 盟 ノ争議 ニ於 ケ
ナ ル闘 争 ガ ア ツ テ コソ団 体 間 ノ共 同 委 員 会 モ成 立 ス ル ノデ アリ、
地 ノ スト ライ キ 共同 応 援 委 員 会ニ 現 ハ レテ居 ル。 左翼 自 身 ノ強 力
ハナイ 。 第 一、 左 翼 ガ 先ヅ 自 カ ラ範 ヲ示 シテ労 働 階 級 ノ利 益 ヲ擁 護 ス ル適
行 動 ガ即 チ ソ レデ ア ル。斯 ノ如 キ ハ共 同 戦 線 戦術 ノ正 シキ遂 行 デ
切 ナ ル闘 争 ヲ展 開 シ、 此 ノ闘 争 ニ右 翼 及 中 間 派 幹 部 ノ指 導 下 ニア
第 二、 他 ノ団 体 ノ スト ラ イ キ ニ左 翼 ガ応 援 ス ル ノ ハ、右 翼 又 ハ中
拘 ラズ 左 翼 ハ其 企 テ タ闘 争 ヲ 遂行 シナ ケ レバ ナ ラ ヌノデ ア ル。
居 ナ ケ レナバ ラ ヌ。 又 其 団体 間 ノ共 同 闘 争 ガ 成 ルト成 ラザ ルト ニ
ヲ提 議 スル ニ ハ、 ソ レ以外 ニ既 ニ左 翼 ガ其 闘争 ヲ強力 ニ展開 シテ
クス主義 ノ論文統 一問題 ニ掲ゲ タルモノト同 一ニ付其行動綱領 ヲ略 ス)。 而
ナ ラ ヌ (茲ニ左翼労働組合 ノ行動綱領 ヲ列記 シアリタ ルモ之 ハ其後雑誌 マル
ラ即 チ闘争 ト ノ交 互 干係 ニ於 テ組 合 ノ統 一ヲ達 成 ス ル事 デ ナ ケ レバ
事 、 左 翼 ハ先ヅ 行 動 綱 領 ヲ提 出 シ、 其 行 動 綱 領 実 現 ノ闘 争 ノ過 程 カ
而 シ テ単 ナ ル統 一ノ為 メ ノ統 一ハ無 意 義 デ ア リ実 現 ス ル モノデ ナ イ
六 労 働 組 合 総聯 合 ニ干 シテ ハ右 中 央 左 翼 ノ最 近 ノ傾 向 ガ 示 サ レ、
又 共 同 闘争 組 織 例 ヘバ 工場 代 表 者 会 議 ノ如 キ モ力 強 ク闘 フ事 ガ出
間 派 ノ幹 部 ガ 其 応援 ヲ受 諾 スル ト拒 否 スル ト ニ ヨツ テ決 セラ レ ル
シ テ此 ノ行 動 綱 領中 仮 令 一ツデ モ二 ツデ モ共 同 シ テ闘 争 シ得 ルナ ラ、
ル大 衆 並 ニ未組 織 労働 者 ニ至 ル マデ 動 員 スル 一ノ手段 ガ 即 チ共 同
ノデ ナイ 。裏 切 リ幹 部 ガ ソ レヲ受 諾 スルト 否 ト ニ拘 ラズ 、左 翼 ハ
来 ル ノデ ア ル云 々。
誠 心 誠 意 現 ニ闘争 シ ツ ヽア ル労 働 大 衆 ノ利 益 ノ為 メ ニ献 身 的 ニ活
ナ ン ノ為 メ ニ統 一シナ ケ レバ ナ ラ ヌ又 ス ル ノカ ヲ最初 カ ラ具 体 的ニ
其 共 同 闘 争 ヲ組 織 ス ル事 デ ナ ケ レバ ナ ラ ヌ。 故 ニ左翼 ノ統 一戦 術 ハ
戦 線 ノ戦 術 デ ア ル。 故 ニ左翼 ガ中 間 派 又 ハ右翼 団 体 ニ闘 争 ノ共 同
動 シ、 其 闘争 ヲ勝利 セ シ ムベ ク闘 ハネバ ナ ラ ヌ。斯 様 ニ シテ コソ
考 ヘルガ 如 キ ハ全 ク誤 リデ ア リ、 常 ニ反 対 ノ結 果 ヲ招 来 スル ニ過
ズ シ テ単 ニ裏 切 リ幹 部 ノ暴 露 ニ ヨツ テ ノ ミ大衆 ヲ左翼 化 シ得 ルト
対 比 ニ ヨツ テ批 判 シ理解 ス ル ニ至 ル ノデ ア ル。然 ル ニ斯 ノ如 ク セ
ナ ケ レバ ナ ラ ヌガ故 ニ、闘 争 ノ組 織 ガ必 要 デ アリ 、其 闘 争 ノ激 発 ノ
又 労働 組 合 ノ産 業 別 合 同 ハ、 之 マタ闘 争 ノ過程 カ ラ作 リ 上 ゲ ルノデ
労 働組 合 ノ比 例 代 表 ニ ヨ ル労 働 組 合 会 議 ヲ樹 立 ス ル事 デ ア ル。
明 示 ス ル事 、 即 チ先 ヅ 行 動 綱 領 ヲ提 出 シ其 行 動 綱 領 ニ賛 成 ナ 凡 ユ ル
︹カ︺
大 衆 ハ左 翼 ノ行 動 ト彼 等 ノ指 導 者 等 ノ行 動 ト ヲ、 其具 体 的 事 実 ノ
ギ ナイ 。
現 在 我国 ノ労 働 組 合 運 動 ヲ什 ウ 云 フ風 ニ指導 シテ行 ク カ、 其 方 針 ヲ
党 ノ立場 カ ラ起 草 サ レテ居 ナイ ノガ 欠 点 デ ア ル。 即 チ共 産 党 ト シ テ
ハ凡 テ正 シイ ガ 、此 ノ原 案 ハレ フト ノ立 場 カ ラ書 カ レテ ア ツ テ共 産
以 上 ノ如 キ モノデ ア ツ タ ト記 憶 シ マ ス。 ソ シ テ討議 ノ結 果 ハ、 原 案
メ各 産業 別ニ 全 国 的 宣 伝 委 員 会 ヲ設 置 スル事 云 々。
為 メ ノ煽 動 宣伝 カ ラ始 メ ネバ ナ ラ ヌ。 此 ノ当 面 ノ煽 動 ヲ遂 行 スル為
其 具体 的 ノ方 策 ヲ其 会 議 デ 什 ウ定 メ タ カ今 思 出 セ マセ ヌ。
ノ合同 問 題 ハ当 時 ハ矢 張 リ全 国 的 合 同 デ ア ツ タ ニ違 ヒ アリ マセ ヌガ、
ナ ラ農 民委 員 会 ト スベ キ モノダ ツ タ ノデ ア リ マス。 最後 ノ農 民 組 合
闘争 ス ル様 ニ ス ル事 ト決 メ ラ レタ ト思 ヒ マ ス。今 日 ニ シ テ思 ヒ マス
汎 ナ ル闘 争 組 織 ヲ執 リ、 小 作 料 問 題 ノ ミ ナ ラズ 政 治 上 ノ問 題 ニ就 テ
禁 反 対耕 作 権 確 立 同 盟 ト 云 フ形 デ 自 作 農 ヲ モ含 メ テノ農 民 ノ 一層 広
答 其 対 支 非 干 渉 運 動 ニ干 シ テ主 ト シ テ問 題 ト ナ ツ タ ノ ハ、 当 時
タ カ。
急速 ニ変 化 シ ツ ヽア ツ タ支 那 革 命 ノ観 察 ニ就 テヾ ア ツ タ ト思 ヒ マス。
二〇問 其 対 支 非 干 渉 運 動 ニ干 ス ル議 事 ノ内 容 ハ如 何 ナ ル モノデ ア ツ
ツ テ居 ル故 ニ、 此 ノ点 ヲ補 足 訂 正 ス ル事 ト 云 フ事 ニナ リ マシ タ。而
ラ立 案 サ レテ居 ナ イデ 、 寧 ロ評 議 会 ノ当 面 ノ任 務 ト 云 ツ タ モノ ニ ナ
シテ 此 ノ議 案 ハ後 ニ要 点 書 キト シ テ 一般 党 員ニ 指 令 サ レ、 合 法 的 ニ
タカ ト思 ヒ マ ス。
確 カ此 ノ会 議 デ 唐 生 智 ニ対 ス ル観 察 ノ誤 謬 ガ訂 正 サ レタ ノデ ナ カ ツ
生 カ ス為 メ ニ党 員 ガド ンナ活 動 ヲ シナ ケ レバ ナ ラ ヌカ ト 云 フ立場 カ
ハ部 分部 分 ヲ切 離 シテ独 立 ノ表 題 ノ下 ニ私及 同 志 杉 浦 啓 一ガ雑誌 労
ル評 議 会 ノ メ ツ セ ー ヂ ハ此 ノ議 案 ノ精 神 ノ遂 行 デ ア リ マシ テ、該 メ
答 其 持 チ廻 リ拡 大 中 央 委 員 会 ニ於 ケ ル会 議 ノ議 事 ニ ハ、 尚 議 会
二一 問 其 他 ノ議 事 ト 云 フ ノ ハ如 何 ナ ル事 デ ア ツ タ カ。
働 者 及雑 誌 マル ク ス主 義ニ 発 表 シ マシ タ。 又彼ノ 総 同 盟 大 会ニ 対 ス
ツ セ ーヂ ノ要 綱 ハ中 央 常 任 委員 会 ノ命 ニ ヨリ私 ガ書 キ、 之 ヲ評議 会
解 散 請 願 運 動 其 他 ニ干 スル件 ガ ア ツ タ様 ニ思 ヒ マ スガ能 ク記 憶 シ テ
人 三 田 村 四郎
フラ ク シ ヨ ン ニ与 ヘ、 更 ニ評議 会 フラ ク シ ヨ ンガ修 正 補 正 シ テ成 文
告
居 リ マ セ ヌ。
同日於前記場所
第 十 九 回訊 問 調 書
被
告
人 三 田 村 四郎
予 審 判 事 神 垣 秀 六
裁 判 所 書 記 鹿 田 清 次
東 京 地方 裁 判 所
右 読 聞 ケ タ ル処 相 違 ナキ旨 申 立署 名拇 印 シタ リ。
被
ニ シタ モノデ ア リ マ ス。 彼 ノ後 ニ遂行 サ レタ所 謂 五法 案 獲 得 闘争 ハ 此 ノ議 案 ガ動 機 ト ナリ 発 現 シ タ モノデ アリ マ ス。
答 農 民 運 動 政 策 ハ只 今 ヨク記 憶 致 シ マ セ ヌガ、 唯 此議 事 ニ於 テ
一 九問 其 農 民 運 動 政 策 ノ議 事 ノ内 容 ハ如 何 ナ ル モノデ ア ツ タカ。
中 心的 問 題 ト ナ ツ タ点 ハ土 地問 題 、農 民 ノ闘 争 形 態 ノ問題 、農 民組 合 ノ統 一問 題 等 デ ア ツ タト 思 ヒ マス。 右 ノ土 地 問 題 ハ地主 ノ土 地無
サ レタ所 謂 村 民 大 会 カ ラ県 民大 会 ヘト 云 フ農 民 ノ闘 争 形態 ハ不可 デ 、
償 没 収 ト自 作 農 対 策 、農 民 ノ闘 争 形 態 ニ就 テ ハ、 当 時 一部 カ ラ提 唱
農 民ニ 労 働 者 ト 同 ジ 闘争 形 態 ヲ押 付 ケ テ ハイ ケ ナイ ト 云 フ事 、及 立
引続 キ右 被 告 人ニ 対 シ訊 問 ス ル コト 左 ノ如 シ。
右 治 安 維 持 法 違 反 被 告 事 件ニ 付 、 昭和 五年 三月 三十 一日 豊 多 摩刑 務
二 恰 度 此 会 議 ノ直 前 ニ無 産 者 新 聞 社説 ニ ﹁ 国 家 行 政 機 関ヘ ノ人 民
各 層 ノ個 々 ノ要 求 ガ定 メ ラ レ タ事 。
ニ自 由 ヲ与 ヘ ヨ﹂ ノ三 大 ス ローガ ント 、 ソ レ ニ統 一サ ルベ キ各 階 級
ノ行 政 ニ参 与 スル事 ハ絶 対 ニ不 可デ ア ル﹂ ト定 メ ラ レ、 無 産 者 新 聞
ハ議 会 ニ代 表 ヲ送 ツ テ 一ノ闘 争舞 台 ト シ テ之 ヲ利 用 ス ルガ現 存 国 家
ノ参 加 ノ要 求 云 々﹂ ト 云 フ記 事 ガ 現 ハレ タ ノガ 問 題 ト ナ リ 、 ﹁ 吾々
所ニ 於 テ、 予 審 判 事 神 垣 秀 六 ハ裁 判 所 書 記 鹿 田清 次 立 会 ノ上 前 回ニ
一問 其 拡 大 中 央 委 員 会 ハ何 時 何 処 デ 開 イ タ カ。
ハ次 ノ号 デ 前 主 張 ヲ訂 正 シ タ ト思 ヒ マス。
答 其 拡 大 中 央 委 員 会 ハ昭和 二年 秋 頃 、前 ニ述ベ マシ タ持 チ廻 リ 拡 大 中 央 委 員 会 ヲ開 イ タ東 京 郊 外 ノ同 志某 宅 デ開 催 致 シ マシ タ。
市 川 正 一 私
志 賀 義 雄
フラ ク シ ヨ ンデ ア ル。 故 ニ現 存 レ フト ハ ﹁ 所 謂 工場 新 聞 ノ周 囲ニ 結
ニ 更 ニ レ フト ヲ作 ルベ キデ ナ ク、 評 議 会 ノ中 ニ作 ルノ ハ共 産 主 義 者
三 レ フト ノ廃 止 、 即 チ元 来 評議 会 全体 ガ レ フトデ ア リ評 議 会 ノ中
国 領 五 一郎
答 其 拡 大 中 央 委 員 会 ニ ハ
二問 其 拡 大 中 央 委 員 会 ニ ハ何 人 ガ出 席 シタ カ。
一
集 ス ル革 命 的 労 働 者 ﹂ 即 チ党 工場 細 胞 ノ準 備組 織 ニ即 時 編 成 替 スル
学
事 ガ定 メラ レ マシタ。
佐 野
ノ六 名 ノ中 央 委 員 ト外 ニ和 田 叡 三、 浜 田 、秋 山、 永 野 成 夫 ノ四 名 合
杉 浦 啓
計 十 名 ガ出 席 シタ カ ト思 ヒ マ ス。
ケサ セ マシタ。 此 ノ特 種 委 員 会 ハ党 規約 ニ基 ク モ ノデ ナ ク中 央 常 任
題 デ其 問 題 毎 ニ特 別 ナ対 策 委 員 会 ヲ持 チ、 ソ レデ 党政 策 ノ決 定 ヲ援
三 ツデ アリ マス。 然 シ私 達 留 守 中 央 常 任 委 員 ハ、 其外 ニ種 々ナ ル問
答 私 達 ガ留 守 中 央 常 任 委 員 時 代ニ 開 催 サ レ タ中 央 委 員 会 ハ前 ノ
モノ ヲ開 イ タ事 ハナ イ カ。
六問 被 告 等 ガ留 守 中 央 常 任 委 員 デ ア ツ タ時特 別 委員 会 ト 云 フ様 ナ
答 ソ レ ハ浅 野 晃 ノ事 デ ア リ マス。
三問 其 浜 田 ト 云 フ ノ ハ何 人 デ ア ル カ。
答 ソ レ ハ是 枝 恭 二 ノ事 デ ア リ マス。
四問 其 秋 山 ト 云 フノ ハ何 人 ノ事 デ ア ルカ。
答 其 拡 大中 央 委 員 会 ハ前 ニ述 ベ マシ タ持 チ廻 リ 拡大 中 央 委 員 会
五問 其 拡 大 中 央 委 員 会 ニ於 テ ハ如 何 ナ ル協 議 ヲ為 シタ カ。
デ 、 尚未 解 決 又 ハ不明 瞭 デ ア ツ タ モノ ヲ其後 ノ中 央 常 任 委 員 会 ガ数
ノ特 別委 員 デ主 要 政 策 ガ討 議 サ レ、 ソ レ ヲ中央 常 任委 員 会デ 纏 メ テ
委 員 会 ガ 勝手 ニ必要 ニ応 ジ テ作 ツ タ モ ノデ ア リ マス。 而 カ モ往 々此
決 定 シ闘 争 ヲ遂行 シテ来 タ ノデ ア リ マ ス。
回 ニ亙 ツ テ研究 討 議 シ、 大 体 ノ成 果 ヲ得 テ最 後的 ナ決 定 ヲ スル為 メ ニ開催 シ タ モノ ヽ様 ニ記 憶 致 シ マ ス。 其 拡 大 中央 委 員 会 デ 私 ガ今 記
ノ根 本 政策 ハ大 会デ 決 定 シ、 大 会 カ ラ大 会 マデ ハ中央 委 員 会 デ 討 議
マシ タ。何 故 之 ガ私 達 ノ過 失 デ ア ルカ ト申 シ マ スニ、 共産 党 ハ 一切
此 ノ組 織 ニ於 ケ ル機 会 主 義 ハ実 ニ許 スベ カ ラザ ル吾 々ノ過 失 デ ア リ
一 多 分 之 ハ当 時 ノ無 産 者 新 聞 ニ発 表 サ レ テ居 ルト思 ヒ マスガ ﹁労
憶 シ テ居 ル事 ハ次 ノ諸 点 ニ過 ギ マセ ヌ。
働 者 ニ仕 事 ト食 ヲ与ヘ ヨ、働 ク農 民 ニ土 地 ヲ保 証 セ ヨ、 凡 テ ノ人 民
即 チ今 申 上 ゲ マシタ様 ニ中 央 委 員 会 ハ前 後 三 回開 キ マシタ。 其 中 央
張 シ、 コン ミ ンタ ー ンノ命 令 ヲ実 行 シ ナイ ノ ガ 日本 共 産 党 ノ伝 統 的 ︹ シンニユウ︺ ナ悪 癖デ アリ マシタ。 吾 々 ハソ レニ 一層〓 ヲカ ケ タ ノデ ア リ マ ス。
ニ対 シテ目 下 弾 圧 ノ嵐 ノ中 ニ ア ル カ ラト 云 ツテ大 会 開 催 不 可 能 ヲ主
ガ アリ マセ ヌ。 反 対 ニ コ ンミ ン タ ー ンカ ラノ大 会 ヲ開 ケト 云 フ命 令
リ マス。然 ル ニ日本 ノ共 産 党 ハ未 ダ曾 テ左様 ナ政 策 ヲ実 行 シ タ コト
真 ニボ ル セビ ー キ党 ト シ テ弾 圧 ノ嵐 ニ抗 シテ進 ム事 ガ出 来 ル ノデ ア
束 ヲ固 メ ル コト ガ絶 対 ニ必 要 ナ ノデ アリ マス。 ソウ シテ コソ初 メ テ
ナ リ マセ ヌ。 反 対ニ 弾 圧 ノ嵐 ノト キ ニ コソ即時 大 会 ヲ開 イ テ党 ノ結
シ テ、如 何 ニ弾 圧 ノ嵐 ノ真 中デ ア リ マシ テ モ此 ノ原 則 ヲ破 ル コト ハ
決定 シテ行 カ ネバ ナ ラ ヌ ノデ ア リ マス。 之 ハ断 乎 タ ル原 則 デ ア リ マ
会 ヲ作 ル。 ソ シテ ソ コデ 立 案 シタ政 策 ヲ中 央 常 任 委 員 会 ニカ ケ テ討
較 的 知 識 ア ル モノ ヲ彼 方 此 方 カ ラ引 抜 イ テ来 テ之 ヲ集 メ テ 一ノ委 員
ニ充 分 ナ ル知 識 ヲ持 ツ テ居 ナ イ。 ソ コデ 党 員 中 ノ 此 方面 ニ於 ケ ル比
例 ヲ申 シ マスト 、中 央 常 任 委 員 会 ハ例ヘ バ 対 支非 干 渉闘 争 ヲ遂 行 ス
シ最 後 ノ特 別 対 策 委 員 会 ニ至 ツ テ ハ全 ク言 語 同断 デ アリ マシタ。 一
出 席 者 ニ予 メ配 付 致 シ マシ タ。 故 ニ之 ハ マダ許 ス事 ガ出 来 マ ス。 然
会 ノ際 ハ会 議 開 催 数 日 前ニ 中 央 常 任 委 員会 提 出 原 案 ノ プ リ ント ヲ各
ス。吾 々 ハ当 時 ソ レ ニ朧 気 乍 ラ気 付 イ テ、第 三 回目 ノ拡 大 中 央 委 員
中 央 会 議 ニカ ケ テ討 議 決 定 ス ルト 云 フ遣 方 ヲ シナ カ ツタ事 デ ア リ マ
員ニ 原 案 ヲ示 シ、 細 胞 会 議 ニ カ ケ テ全 党員 ノ意 見 ヲ聴 取 シ、 然 ル後
ル余 裕 ヲ与 ヘナ カ ツ タ事 、 及 重 要議 案 ニ就 テ ハ必 ズ 其 決 定 前ニ 全 党
央 常 任 委員 会 ノ報 告 書 並ニ 議 事 草 案ハ カ ナ ラズ プ リ ント ト シ、 出 席
守 中 央 常 任委 員 時 代 ノ中 央 委 員 会 ハ 一歩 前進 デ アリ マシタ。 即 チ中
直 グ ソ レ ヲ決 定 シタ ノデ ア リ マ ス。 斯 様 ナ遣 方 カ ラ見 レバ私 達 ガ留
議 案 ニツイ テ何 等 知 ル ト コ ロナ ク、 会 場 デ突 如 議 案 ヲ読 聞 カ サ レ、
五 色 大 会 デ スラ、 ソノ通 リデ ア ツ タ ノデ ス。 吾 々代 議 員 ハ大 会 前ニ
ゴ ト キベ ラ棒 ナ遣 方 ハ打 破 シ マシ タ。 既 ニ申 上 ゲ マシタ ア ノ重 要 ナ
会 者 ハ其時 突 然 ソ レヲ読 聞 カ サ レル、 ソ レ ヲ討議 決 定 ス ルト 云 フ ガ
ソ レデ難 問 題 ニ当 面 ス ル毎 ニ臨 時 ノ特 別 委 員 会 ヲ作 ツテ処 理 シテ来
常 任 委員 会 ガ問 題ニ 当 面 シ テ間 違 ツ タ様 ナ事 ニナ ル ノデ アリ マシタ。
ニ 特 別委 員 会 ヲ作 レバ ヨイ ノデ ア リ マシ タ。 ソ レ ヲ ヤ ラ ヌカ ラ中 央
取 シ決定 スベ キ ナ ノデ ア リ マ シタ。 又 必 要 ア ル場 合 ハ中 央 委員 会中
タ。 又其 会議 前 ニ 一般 党 員 ノ討 議 ニカ ケ テ、 全 党 員 カ ラ ノ意 見 ヲ聴
ソ中 央委 員 会 ナ リ拡 大 中 央 委 員 会 ナ リ ヲ開 催 スベ キ ナ ノデ アリ マシ
ス。然 シ ソ レ ハ大 ナ ル間 違 ナ ノデ ア リ マシ タ。斯 様 ナ際 ニ ハソ レ コ
央 常 任委 員 会 ト シテ極 メ テ穏 当 適 切 ナ遣 方 ヲ採 ツ タ カノ様 ニ見 ヘ マ
議 決 定 シ実 行 ニ移 スト 云 フ遣 方 ヲ採 ツ タ ノデ アリ マス。 之 ハ 一見 中
ル必要 ニ迫 マラ レル。 然 ル ニ中 央 常 任 委 員 会 ハ其 政策 ヲ決 定 ス ルノ
委 員 会 デ ハ従来 ノ如 ク原 案 説 明 者 ガ議 案 ヲ 一通持 ツテ居 ル丈 ケデ 参
者ニ 各 一通 宛 交附 シ、 ソ レヲ持 ツ テ討議 シ タ ノデ ア リ マ ス。 又中 央
ニ於 ケ ル便 宜主 義 、機 会 主 義 デ ア リ、 党 内 民 主 々義 ノ破 壊 デ ア ツタ
タ ノデ アリ マスガ 、之 ハ明 カ ニボ ル セビ ー キ党 ノ最 モ排 斥 ス ル組 織
委 員 会 及 中 央 常 任委 員 会 ノ決 議 ハ之 亦 必 ズ全 党員ニ一 通宛 行 キ渡 ル
ア リ マス。然 カ モ尚 之デ 完 全 デ ナ イ ノ ハ、其 中 央 委 員 会 開 催 前ニ 原
ノデ アリ マス。啻 ニ ソ レバ カ リデ ナ ク実 ニ此 ノ機 会 主義 コソ、党 ヲ
丈 ケ印 刷配 付 シ、 ソ レヲ持 ツ テ各 支 社 (細胞)デ 討 議 セ シメ タ ノデ
案 ヲ各 中 央 委 員 ニ配 付 シ、充 分 ソ レ ニ就 テ各中 央 委 員 ガ研 究 審 議 ス
労 働 者 党 ニ シテ初 メ テ完 全 ニ実 現 ス ル事 ガ出 来 ルノデ ア リ マシ テ、
即 チ民主 的 集 中 主 義 又党 内 民 主 々義 ト 云 フ事 ハ工場 細 胞 ノ上ニ 立 ツ
党 ガ 工場 細 胞 ヲ基 礎 ト シタ労 働 者 党デ ナカ ツ タト 云 フ事 デ ア リ マ ス。
リ マス。更 ニ重 要 ナ事 ハ党 ガ独 立 ノ機 関紙 ヲ持 ツテ居 ナ カ ツ タ事 ト、
推 移 ス ル ノデ ア リ 、従 ツ テ便 宜 主義 ハ易 々ト シテ是 認 サ レル ノデ ア
ア ツ テ組 織 的 ニ物 事 ヲ行 フ事 ヨリ個 人 的 ニ物 事 ヲ ス ル方 向ヘ 必 然ニ
奉 シ テ居 タ事 、即 チ福 本 主 義 ノ根本 立 場 ハ小 ブ ルジ ヨア個 人 主 義 デ
手 ナ事 ハ出 来 ヌト 云 フ強 イ意 識 ニ制 縛 サ レ テ居 タ事 、福 本 主 義 ヲ信
吾 々 ハ当 時 正中 央 委 員 ノ留 守 ヲ預 ツ テ居 ル ノデ 、 ソ レ ニ相 談 ナ ク勝
如 キ ハ当 然 大会 ヲ開 催 シ討 議 スベ キ性 質 ノ モノデ ア リ マ ス。 然 ル ニ
二年 夏 カ ラ問 題 ト ナ リ、 第 三回 目 ノ拡 大中 央 委 員 会 ニカ ケ タ問 題 ノ
ナ過 失 ヲ犯 ス ニ至 ツタ ノ ニ ハ種 々 ナ ル条件 ガ ア リ マシタ。 即 チ昭 和
敵 ノ間諜 ガ 最 モ容 易 ニ這 入 込 ミ得 ル ノデ アリ マス。 勿 論 吾 々ガ 斯 様
移 動 ハ頻繁 ニ行 ハレ ルノ ハ必 然 デ アリ 、斯 ル便 宜 主 義 ノ間 隙 ニ コソ
ヲ破 壊 シ テ居 タ ノデ ア リ マ ス。 又 斯 様 ナ便 宜主 義 ヲ執 ル限 リ人 事 ノ
然 ル ニ中 央 常任 委 員 会 ノ斯 様 ナ便 宜 主 義 ハ自 カ ラ此 ノ横 ノ連 絡 ノ戒
党 ハ秘 密結 社 ト シテ全 党 員 間 ノ横 ノ連 絡 ヲ厳 重 ニ戒 メテ居 リ マ ス。
官 憲 ノ手 ニ引渡 ス最 モ危 険 ナ過 失デ ア ツ タ ノデ ア リ マ ス。 即 チ共 産
云 ヒ乍 ラ積 極 的 ニ連 絡 ヲ付 ケ様 ト シ ナカ ツ タノ ハ、全 ク重 大 ナ過 失
委 員時 代 ニ ハ コンミ ンテ ル ント ノ連 絡 ガ 杜絶 シタ ノ ヲ困 ツタ〓
ハ、各 国 共 産 党 ノ第 一任 務 デ ア リ マス。然 ル ニ私 達 ハ留 守 中 央 常 任
指 導 ノ干 係 ヲ如 何 ナ ル場合 ニモ杜 絶 シ ナイ様 ニ シ緊密 ニ シテ置 ク事
方 針 ニ誤 リ ハナ イ ノデ ア リ マ ス。 故 ニ此 ノ コン ミ ン テ ル ント ノ連 絡
若 シ報 告 ガ詳 細 完 全 デ ア ル場 合 ニ ハ断 ジ テ コン ミ ン テ ル ンノ与 ヘ ル
針 決 定 ノ素 材 ト ナ ツ タ報 告 ガ誤 ツ テ居 ル カ不 充 分 カ ニ ヨ ルノデ ア リ、
リ マス。 若 シ其 与 ヘラ レタ方 針 ガ 不 完 全 ダ ト 云 フ場合 ハ、必 ズ 其 方
ヲ齎 シ、 ソ レ ニ対 シ テ与ヘ ラ レ ル方 針 ニ誤 ノ ア ラウ筈 ガ ナ イ ノデ ア
論 ノ結 晶 点 ナ ノデ ア リ マ ス。 故 ニ此 ノ コン ミ ン テ ル ン ニ詳 シイ情 報
デ ア リ マス。 即 チ コ ンミ ン テ ル ン ハ共産 主 義 運 動 ノ世 界 的 経 験 ト理
疎 解 シタ時 デ ア リ マ ス。 之 ハ共 産 主 義 ノイ ロ ハデ判 リ 切 ツタ事 ナ ノ
巡 、拒 否 、歪 曲 シ タ場 合 、 或 ハ コ ンミ ン テ ル ン ノ決 議 指 令 ヲ誤 解 、
連 絡 ノ杜 絶 シテ居 ル時 、 コ ンミ ン テ ル ンノ 指 令 ノ 実 行 ヲ 躊 躇 、 逡
失 ヲ犯 シ或 ハ運 動 ノ失 敗 ヲ シ タ時 ハ、実 ニ必 ズ コ ンミ ンテ ル ント ノ
ハ必 ズ其 運 動 ガ成 功 シ テ居 ル。然 ル ニ日本 共産 党 ガ多 カ レ少 カ レ過
導 ニ従 ツテ活 動 シ タ時 、 或 ハ コン ミ ンテ ル ンノ決 議 ヲ実 行 シ タ時 ニ
史 ヲ 通 ジ 、 コンミ ンテ ル ント ノ指 導 連絡 ノ 干係 ガ ア ル時 、 又 此 ノ指
ス。顧 ル ニ私 達 留 守 中 央 常 任 委 員 時 代 丈 ケ デ ナ ク 日本 共 産 党 ノ全 歴
バ ナ ラナ カ ツ タ ノデ ア リ マ ス。 最 後ニ 、当 時 全 ク コンミ ンテ ル ント
シ ヤ ラウ ト思ヘ バ出 来 得 ル ノデ ア リ、 党内 民主 々義 ヲ厳 守 シナ ケ レ
リ マス。 私 達 ノ留 守 中 央 常 任 委 員 時 代デ モ私 達 ハヤ ラナ カ ツタ ガ然
至 ル為 メ ニ矢張 リ党 内 民 主 々義 ノ原 則 ヲ破 壊 シテ ハナ ラ ナ イ ノデ ア
デ ア リ マス。 若 シ何 カ ノ都 合 デ 全 然 連絡 ガ 切 レ テ仕 舞 ツタ時 デ モ、
次 郎 ヲ派 遣 ス ル事 ニシ テ居 ナガ ラ、 遂 ニ ソ レ ヲ決 行 シナ カ ツ タ カ ラ
同 人 ハ何 カ ノ都 合 デ 昭 和 二年 夏 頃 帰 朝 シ、 其後 其 後 任ニ 同 志 春 日庄
東 ビ ユー ロー ガ ア リ、 之 ニ ハ水野 成 夫 ガ 派 遣 サ レテ居 タ ノデ シタガ 、
デ ア ルト思 ヒ マ ス。 ナ ント ナ レバ 当 時支 那 ニ ハ コン ミ ンテ ル ンノ極
ト
之 ハ不 可 欠 ノ条 件 デ ア リ マ ス。 然 シ ソ レ ニ至 ル前 デ モ、 尚 且 ソ レ ニ
ノ連 絡 ガ 杜絶 シテ居 タ事 、 之 ハ吾 々 ノ過 失 ニ重大 ナ ル干 係 ガ ア リ マ
告人
三 田村 四郎
右 治安 維 持 法 違 反 被 告 事 件ニ 付 、 昭 和 五年 四 月 一日豊 多 摩 刑 務 所ニ
被
ル ノデ スカ ラ、誰 カ ヲ派 遣 シ テ此 ノ中 国 共産 党 ト連 絡 ヲ付 ケ レバ 、
於 テ、 予 審判 事 神 垣 秀 六 ハ裁 判 所 書 記 鹿 田清 次 立 会 ノ上 前 回ニ 引 続
支 那 ニ ハ永年 ノ闘 争 ニ ヨ ツテ鍛 エ上 ゲ ラ レ タ強 固 ナ中 国 共 産 党 ガ ア
マス。 ド ンナ最 悪 ノ場 合 デ モナ ント カ 工 夫 ヲ ス レバ必 ズ 方 法 ガ付 ク
直 チ ニ コン ミ ンテ ル ント ノ連 絡 ガ付 ク ノ ハ判 リ 切 ツタ事 ナ ノデ ア リ
一問 被 告 ハ其 次 ニ如 何 ナ ル点 ヲ訂 正 シタ イ カ。
キ 右被 告 人ニ 対 シ訊 問 スル コト 左 ノ如 シ。
モノデ ア リ マ ス。 又 シ ナ ケ レバ ナ ラ ヌノデ ア リ マ ス。 而 カ モ留 守中
連 絡 ガ ア ツ タ ノデ ア リ マ ス。然 ル ニ其 命 令 ヲ即 時 実 行 セズ 却 ツ テ自
ロー ハ水 野 成 夫 ノ代 リ ヲ派 遣 セ ヨト要 求 シテ居 タ ノデ ア リ、 立 派ニ
組 合 テ ー ゼ ニ就 テ種 々 ナ ル誤 解 ガ ア ル様 デ ア リ マ スカ ラ、 此 ノ組 合
並ニ 組 合 テ ー ゼ ヲ受 取 ツ タ事 ハ既 ニ申 上 ゲ タ 通 リデ ア リ マス。 此 ノ
私 達 ガ留 守 中 央 常 任 委 員 ト ナ ツタ時 、前 中 央 委 員 会 カ ラ政 治 テ ーゼ
述 ヲ補 足 シ度 イ ト思 ヒ マス。
答 私 ハ其 次 ニ 一九 二七 年春 ノ日本 共産 党 組 合 テ ー ゼ ニ就 テ ノ陳
カ ラ連 絡 ヲ絶 ツ様 ナ事 ヲ シタ ノデ スカ ラ、 其 過 失 タ ル ヤ許 スベ カ ラ
央 常 任 委 員 時 代 ニ ハソ レ程 ノ窮 地 ニ陥 ツタ ノデ ナ ク、 右 極 東 ビ ユー
ンデ 初 メ テ之 等 ノ誤謬 モ理解 サ レタ ノデ ア リ マス。 私 ガ北 海 道 オ ル
ザ ル モノデ シ タ。 其 後 コン ミ ンテ ル ンカ ラ テ ー ゼガ 与 ヘラ ルヽ ニ及
答 一九 二 六年 十 二月 下 旬 私 ガ神 戸 地 区 責 任 者 並ニ 関 西 地方 委 員
二問 然 ラバ其 組 合 テ ーゼ ハ什 ウ シテ出 来 上 ツ タ ノ カ。
ス 。
テ ー ゼガ 什 ウ シ テ出来 上 ツタ カ ヲ 一言 明 カ ニシ テ置 キ度 イ ト思 ヒ マ
ガ ナイ ザ ート シ テ活 動 中 、屡 々全 道 会 議 ヲ開 催 シ、 又殊ニ三 ・ 一五 事 件 ガ 起 ル ヤ再度 各 地 ノ代 表 者 ヲ招 集 シ会 議 ヲ開 催 シ様 ト シタ ノ モ、
長 ト シ テ神 戸 ニ居 住 シテ居 マ シタ時 、 或 日 ノ事同 志渡 辺 政 之輔 カ ラ
全 ク右 ノ過 失 ヲ過 失 ト シテ深 ク反 省 スルト コ ロガ ア ツタ カ ラデ ア リ マス。 又 三 ・ 一五事 件 ニ ヨツ テ中 央 部 ト ノ連 絡 ガ杜 絶 ス ルヤ進 ンデ
手紙 デ 直 グ 上京 セ ヨト 云 フ通 知 ニ接 シ マシ タ。私 ハ指 定 ノ通 リ上 京
判 事 神 垣 秀 六
事 業 ノ為 メ ニ
南
喜
一
渡 辺 政 之輔
私
中 尾 勝 男
松 尾 直 義
ス ル コト ニシ タ。 ソ レ ニ君 モ参 加 セ ヨト 云 フ ノデ ア リ マシ タ。此 ノ
提 出 セ ヨト要 求 サ レ タ故 ニ、新 方針 ニ ヨ ル組 合 運 動 方 針 ヲ協 議 作成
納 ル ヽト コロト ナ ラズ 、 討論 ノ末 其 方 針 ニ ヨ ル組 合 政 策 ヲ具 体 的ニ
時 ノ用 件 ト 云 フノ ハ、 五 色 大 会 ノ方針 ガ コン ミ ンテ ルン 日本 代 表 ノ
中 央 部 ト ノ連 絡 ヲ執 ル為 メ ニ上 京 シ タ ノ モ、全 ク此 ノ留 守 中 央 常 任
人 三田 村 四郎
シ、 日本 橋 区室 町 ノ 三共 薬 店 デ 同 志渡 辺政 之輔 ト会 見 シ マシ タ。 其 告
委員 時 代 ノ経 験 ニ基 ク モノデ ア リ マス。 被
予審
裁 判 所 書 記 鹿 田 清 次
東 京 地方 裁 判 所
右 読 聞 ケ タ ル処 相 違 ナ キ旨 申 立 署名拇 印 シタ リ。 同 日於 前 記 場 所
第 二十 回 訊問 調 書
吾 々 ハ其 旅 館 ニ落 付 クト直 グ様 会議 ヲ開 キ 、各 自 ノ分 担 ヲ定 メ書 キ
ヲ協 議 作 成 スル事 ト ナ リ マシ タ。 私 ハ其 旅 館 ノ名 ハ忘 レ マシ タガ 、
合 シ伊 香 保 温 泉 ニ行 キ、 某 旅館 ニ二、三 日滞 在 シ テ其 組 合 運 動 方 針
ノ 五名 ノ同 志 ガ協 力 スル事 ト ナリ 、其 翌 日上 野 公 園 カデ 右 五 名 ガ 集
タ ノデ ア リ マ ス。 ソ シ テ討 議 ノ末 工場 代表 者 会議 ガ採 用 サ レタ ノデ
尚 此 ノ機 会 ニ申 上 ゲ テ置 キ度 イ 事 ハ、 ア ノ被 保 険 者 同 盟 ガ 日本 共 産
カ ツタ為 メデ ア リ マス。
為 メデ ア リ マ ス。 又 成 文 ニ シ タ後 更 ニ充分 ノ審 議 ヲ スル事 ガ出 来 ナ
成 ガ 一人 ノ手 ニ ヨツ テ作 成 シ、 ソ レヲ 会議 デ 審 議 シタ モノデ ナイ ガ
ア リ マ ス。
党 ノ方 針 デ ア ツ タト 云 フ事 ヲ、 私 ハ此 ノ伊 香 保 ノ会 議 デ 初 メ テ知 ツ
三問 其 組 合 テ ー ゼ ヲ作 成 ス ル ニ当 ツ テ右 五 名 ハ其 如何 ナ ル部 分 ヲ
上 ゲ ル事 ト ナ リ マシ タ。然 シ第 一回 ノ出 来 上 ツタ モノ ヲ オ互ニ 発表
セテ作 成 ス ル事 ニシ マシ タ。然 ル後 之 ヲ全 部 同 志 渡 辺 政 之 輔 ノ手ニ
分担 シタ ノ カ。
シテ見 ル ト如 何 ニ モ不 充 分 ダ ツ タノデ 、再 度 新ニ 大 体 ノ方 針 ヲ打 合
集 メ、 大 体 ノ統 一ヲ付 ケ テ全部 ヲ読 上 ゲ 、 一々討 議 修 正 シ マシタ 。
ニ就 テ補 足 シ度 イ ト思 ヒ マ ス。
答 私 ハ其 次 ニ 一九 二七 年 五 月 ノ評 議 会 大 会 ト 日本 共 産 党 ノ活 動
四問 被 告 ハ其 次 ニ如 何 ナ ル点 ヲ訂 正 シ度 イ カ。
答 私 ハ今 何人 ガ如 何 ナ ル部 分 ヲ分 担 シ タカ思 出 セ マセ ヌ。
然 シ ソ レデ モ尚 満 足 ト 思 フ様 ニ ハ出来 上 リ マセ ヌデ シタ。 然 シ日 数 モ経 過 シ テ之 以 上 滞 在 協 議 ス ル事 モ不 可能 ダ ト 云 フノデ 、 後 ノ修 正 補 足 ハ 一切同 志 渡 辺 政 之 輔 ニ 一任 シ テ取 敢 ヘズ ソ レデ 其 組 合 運 動 方
タ。 私 ハ別 ニ同 志 渡 辺 政 之 輔 ト 用 事 ガ ア ツタ ノデ 尚 二 日滞 在 シ テ神
針 書 ノ作 成 ハ打 切 ル事 ト シ、 其 温 泉宿 ヲ引揚 ゲ帰 京 シテ散 会 シ マシ
答 既 ニ申 上 ゲ マシタ如 ク 、吾 々中 央 常 任 委 員 会 ハ其 活 動 ノ当 初
私 ハ留 守 中 央 常 任 委 員 会 時 代 、 党 ノ活 動 ヲ申 上 ゲ ル際 、 日本 共 産 党
カ ラ労 働組 合 方 面ニ 現 ハ レ ル福 本 主 義 ノ誤 謬 ヲ訂 正 ス ル事 ニ奔走 シ
ガ 一九 二 七年 五月 大 阪 ニ於 テ開 催 サ レタ評 議 会 大 会 ヲ指 導 シタ重 要
員 会 ハ思 ハザ ル官 憲 ノ邪 魔 ガ 這 入 ツ タ為 メ ニ集 合後 直 チ ニ解 散 シ テ、
テ居 リ マ シ タ ( 例 ヘバ東 京合同労働組合大会並ニ関東地方評議会大会ニ対
戸ニ 帰 リ マ シタ。 ソ レガ 一九 二七 年 一月 二 日 ノ事 デ ア リ マ シタ。
遂 ニ此 ノ組 合 運 動 方 針 ハ中 央 常 任 委 員 会 ト シ テ審議 ス ル事 ガ出 来 ナ
スル指導等)。 然 シ中 央 常 任委 員 会 ガ労 働 組 合 ニ現 ハ ル ヽ斯 ル傾 向 ヲ
然 ル ニ同 志 渡 辺 政 之 輔 ハ此 ノ組 合 運動 方 針 ヲ其 後 党 務 激 甚 ノ為 メ ニ
カ ツタ ノデ アリ マス。 ソ シテ同 志 渡 辺 政 之 輔 ハ急遽 コンミ ンテ ル ン
ナ事件 ヲ ヌカ シテ居 リ マシ タ カ ラ、 ソ レ ヲ補 足 シ度 イ ト思 ヒ マス。
本 部 ニ行 カ ネ バ ナ ラ ナ ク ナ ツ タ タ メ、 雑 誌ニ 発表 ス ル前ニ 尚 一度 私
見 テ 一番 頭 ヲ悩 シタ ノ ハ、 一九 二 七年 五月 ニ開 催 サ レ ル評 議 会 ノ全
五 問 然 ラバ其 詳 細 如 何 。
ニ ヨク目 ヲ通 シテ然 ルベ ク筆 ヲ入 レ テ呉 レト 依頼 サ レテ、 私 ガ受 取
ルト ソ レ コソ取 リ返 シノ ツ カ ヌ事 ニナ ル カ ラデ アリ マシ タ。然 カ モ
国 大 会デ アリ マシタ。 此 ノ大 会 デ 若 シ東 京 合 同 ノ如 キ誤 謬 ガ 現 ハレ
充分 審 議 訂 正 ス ル暇 ナ ク、 大 体 ノ筋 書 ヲ付 ケ タ 丈 ケデ 之 ヲ中 央 常 任
ツタ ノデ ア リ マ ス。
委 員 会 ニカ ケ ル予 定 デ ア ツ タ ノデ アリ マス。然 ル ニ此 ノ中 央 常 任 委
アノ組 合 テ ー ゼ ガ如 何 ニ モ矛 盾 ニ満 チ テ居 ル ノ ハ、 此 ノ テ ー ゼ ノ作
吾 々 ハ什 ウ考 ヘテ モ東 京 合 同 ノ 二 ノ舞 ヲ ヤ ル様 ニ予想 サ レテ 不安 デ
ソ シ テ尚 詳 シイ事 ハ村 山 藤 四郎 ガ上 京 シ タ カ ラ同 人 カ ラ聞 イ テ 呉 レ
ト 云 フノデ ア リ マシタ。 其 送 付 シ テ来 タ筋 書 ヲ見 ルト案 ノ 定大 変 ナ
数 日 前 ニ漸 ク本 部 報 告 並 ニ本 部 提 出 議 案 ノ筋 書 ヲ送 付 シ テ来 マシタ。
﹁ 来 ルベ キ評 議 会 大 会 ノ任 務 ﹂ ニ就 テ論 文 ヲ書 カ セ マ シタ。 然 ル ニ
子 ヲ聞 ク ト 、此 ノ大 会 報 告 ニ ハ彼 村 山 藤 四郎 ガ参 画 シタ ト 云 フノデ 、
間 違 ナ ノデ 、直 チ ニ神 楽 坂 ノ 田原 屋 ニ於 テ村 山藤 四郎 ト会 見 シテ様
ナリ マセ ヌデ シタ。 ソ コデ 同 志 国 領 五 一郎 ニ命 ジ テ 雑 誌 労 働 者ニ
同 志 国 領 五 一郎 カ ラ送 付 シ テ来 タ該論 文 ヲ見 ルト 、過 去 ノ無 産 者 運
一言 ノ下 ニ其 誤 謬 ヲ指 摘 シ テ ヤ リ マシ タ。 村 山藤 四郎 ハ釈 然 ト シ テ
同 人 カ ラ詳 細 説 明 ヲ聞 キ マシ タ。 ソ シ テ 一層 其 誤 謬 ガ明 白 ト ナ リ、
︹マ マ ︺
動 ヲ歴 史的 ニ批 判 シテ、 要 ス ル ニ過 去 ノ闘争 ハ全 無 産 階 級 政 治 闘 争 主義 デ ナ カ ツタ。 然 シ今 ヤ吾 々 ハ全無 産 階級 政 治 闘 争 意 義 ノ意 識ニ
テ合 理的 解 決 ヲ齎 ス。 評 議 会大 会 ハ斯 ル見 地 カ ラ討 議 サ レネ バ ナ ラ
成 熟 シタ カ ラ、 一切 ノ事 ガ 今 ヤ合 理的 解 決 ガ出 来 ル。 即 チ批 判 ハ軈
グ大 阪 ヘ行 ツ テ訂 正 シ テ貰 ハナ イ ト大 阪 ノ人 々 ハソ レデ 正 シイ ト信
自 己 ノ誤 謬 ヲ認 メ、 大 変 ナ失策 ヲ シタ ト陳 謝 シ、 且 ソ レデ ハ誰 カ直
少 シ モ言 及 シ テ居 ナイ ノデ アリ マシタ。 私 ハ早 速 此 ノ事 ヲ中 央 常 任
コデ 私 ハ直 グ 同 志 市 川 正 一、同 志志 賀 義 雄 ノ両 名 ヲ 四谷 永 住 町 ノ私
ジ込 ンデ 居 ル カ ラ手紙 位 デ ハ駄 目 ダ ラウ ト 云 フノデ ア リ マ シタ。 ソ
ヌト 云 フ様 ナ意 味 ノ事 ヲ云 ツテ 、大 会 デ 何 ヲ討 議 決 定 スル カ ニ就 テ
委 員 会ニ 報 告 シ、 其 決 定 ニ従 ツテ同 志 国 領 五 一郎 ノ該 論 文 ノ後 半 ヲ
方 ニ来 テ貰 ツ テ緊 急中 央 常 任委 員 会 ヲ開 催 シ、 其 決 定ニ 従 ツ テ私 ガ
リ印 刷 シ テ仕舞 ツタ大 会 議 案 集 ヲ持 ツテ同 志 杉 浦 啓 一ト 共ニ 右 小 川
削 リ 、大 会 ノ討 議 決 定 スベ キ諸 問 題 ニ就 テ ノ意 見 ヲ附 加 シ、 書 キ替
方 ヘ来 マシ タ。 ソ レデ 三 人デ 協 議 ノ上 、同 志 杉 浦 啓 一ト 私 ト デ議 案
大 阪 ニ行 ク事 ニ ナ リ マシ タ。 斯 ク テ私 ガ大 阪 ニ到 着 シ タ ノ ハ評 議 会
速 対 策 ヲ講 ズ ル必要 ガ ア ルト 云 フノデ 、 私 ト 同 志 志 賀義 雄 ノ両 名 ハ
大 会 ガ開 カ レ ル前 日 ノ朝 デ アリ マシタ。 私 ハ当 時 大 阪 ノ秘 密 連 絡 場
同 志 杉 浦 啓 一ニ東 京 ノ某 所 ( 記憶 シ マセヌ)デ 会 見 シ、 右 ノ事 情 ヲ話
全 部 ヲ ヤ リ替 ヘル事 ニ シ マ シタ。 私 ト杉 浦 啓 一ハ其 晩 徹 夜 シテ該 大
ヘテ印 刷 ニ付 シ マシ タ。 同 志 国領 五 一郎 ノ該 論 文 ガ 前 半 ト 後半 ト チ
シ テ直 グ 大 阪 ニ行 キ 、中 央 常 任 委 員 会 ノ方 針ニ 基 イ テ同 志 国領 五 一
会 議 案 ヲ修 正 シ マシタ ガ 、 ア ノ厖 大 ナ議 案 ヲ完 全 ニヤリ替 ヘル事 ハ
グ ハグ ノ感 ア ル ノ ハ斯 ル事 情 ニ基 ク ノデ ア リ マ ス。
郎 ニ注 意 ス ルト 共 ニ、大 会 前 ニ開 催 サ レル評 議 会 ノ中 央 委員 会 ヲ コ
到 底 出 来 ル仕事 デ ハア リ マ セ ヌデ シ タ。 又 若 シ ソ レガ 出来 タ ト シテ
所 ニナ ツ テ居 タ東 区味 原 町 ノ同 志 小 川 ノ家 ニ行 キ、 同 志 杉 浦 啓 一、
ント ロー ル シ テ呉 レ ル様 ニト依 頼 シ、 同 人 ヲ大 阪 ニ派 遣 シ マシタ。
吾 々 ノ案 デ ハ草 案 ト大 変 ナ相 違 ガ ア ル ノデ 、 ソ レデ ハ却 ツ テ大 会 デ
同 志 国 領 五 一郎 ヲ呼 ビ マシタ。 其 日 ノ夕 刻 国 領 五 一郎 ハ既 ニス ツ カ
ソ シ テ 一方 同 志 国領 五 一郎 ニ対 シ テ ハ該 論 文 ノ誤 謬 ヲ指 摘 シテ ヤ ル
混 乱 ヲ惹 起 ス ル危 険 ガ ア リ マシ タ。 ソ レデ 大 体 ノ打 合 セ ヲ シテ 、同
子デ ハ来 ル大 会 ガ 東 京合 同 ノ 二 ノ舞 ヲ演 ズ ル ノ ハ明 カ デ ア ルカ ラ早
ト共ニ 、 大 会 ヘ提 出 スベ キ議 事 草 案 ノ内 容 ヲ直 グ 中央 常 任 委 員 会 ヘ
志 杉 浦 啓 一 ハ 一先 評 議 会 ノ中 央 委 員 会 ニ出 席 シ、更 ニ翌 日同 志春 日
而 シ テ中 央 常 任 委 員 会 ハ此 ノ同 志 国 領 五 一郎 ノ傾 向 ヲ見 テ、 此 ノ調
報 告 スル様 ニ命 ジ マシタ。 然 シイ ク ラ経 ツ テ モ其 報告 ガ来 ズ 、 大 会
庄 次 郎 、同 志 喜 入乕 太郎 両 名 ヲ呼 寄 セ、 私 ト杉 浦 啓 一ガ相 談 シ ツヽ 口述 ス ルノ ヲ春 日庄 次 郎 、 喜 入乕 太 郎 ノ両 名 ニ書 取 ラ シメ、 兎ニ 角 一時 凌ギ ノ弥 縫 策 ヲ講 ジ 、 日本 共 産 党 中 央 常 任委 員会 ノ主 張 ト草 案
被
告
右 読 聞 ケ タ ル処 相 違 ナ キ旨 申 立 署 名拇 印 シ タ リ。
東 京 地方 裁 判 所
人 三 田村 四郎
裁 判 所 書 記 鹿 田 清 次
同 日 於 前 記場 所
予 審 判 事 神 垣 秀 六
ノ ヨイ ト コ ロヲ喰 付 ケ テ什 ウ ヤ ラ恰 好 ノ付 ク モノ ニ拵 ヘ上 ゲ 、更ニ 大 会 議 場 内 ノ杉浦 啓 一ト私 ト ノ連 絡 ハ喜 入乕 太 郎 ニ往 復 サ セテ ツナ
人 三 田 村 四郎
右 治 安 維 持 法 違 反 被 告 事 件ニ 付 、 昭和 五年 四月 二 日豊 多 摩 刑 務所ニ
告
於 テ、 予 審 判 事 神 垣 秀 六 ハ裁 判 所 書 記 鹿 田清 次 立 会 ノ上 前 回ニ 引続
被
ノ議 場 ニ於 ケ ル精 力 的 ナ 活動 ニ偏 ニ負 フベ キ モノデ ア リ マス。
第 二十 一回 訊 問調 書
ギ 、 同 志 杉 浦 啓 一 ハレ フト ヲ総 動 員 シ テ 日本 共 産 党中 央 常任 委 員 会 ノ主 意 ヲ呑 込 マシ テ大会 ヲ コント ロー ル シ、 無 事 ニ大 会 ヲ終 了 セ シ
尚 ア ノ大 会 ニ於 テ可 決 サ レ タ行 動 綱領 ハ、 日本 共 産 党 中 央 常 任 委員
一問 被 告 ハ其 次 ニ如 何 ナ ル点 ヲ訂 正 シ度 イ カ。
キ右 被 告 人ニ 対 シ訊 問 ス ル コト 左 ノ 如 シ。
メ マ シタ。 同 大 会 ガ 兎 ニ角 大 過 ナ ク終 了 シタ ノ ハ全 ク同 志杉 浦 啓 一
ア ノ行 動 綱 領 ノ前 文 ニ ハ、 同 志春 日庄 次 郎 ト私 トデ 作 成 シ タ モツト
会 カ ラ委 嘱 サ レ テ私 ト同 志 杉浦 啓 一ニ ヨ ツテ作 成 サ レタ モ ノデ アリ 、
可 決 セラ レタ モノデ ア リ マス故 ニ、多 少 修正 等 ハサ レテ ア リ マ ス。
ガ作 ツタ原 案 ハ、 大 会 議 場 デ 全 代 議員 ノ充 分 ノ討 議 ヲ経 テ ソ レ〓
起 ス事 ヲ恐 レ、 ア ノ様 ニ簡 単 ナ前 文 ト シタ ノデ ア リ マ ス。 勿 論 私 達
大会 ヲ支 配 シテ居 タ全 体 ノ空 気 ト ハ合 致 セ ヌ事 ト ナ リ、 混 乱 ヲ惹 キ
党 組織 ノ 必 要 ヲ力 説 シテ居 タ ノデ ア リ マス カ ラ元 ヨリ此 ノ同 志 松 尾
且 私 ニ同 党 ニ加 入 スル事 ヲ勧 メ マシ タ。 私 自 身既ニ 数 年 前 カ ラ共 産
義 ガ 浜松 ニ於 ケ ル私 ノ住 所 ニ訪 ネ テ来 テ日本 共産 党 ノ存 在 ヲ打 明 ケ、
志 松 尾直 義 デ ア リ マ ス。 昭 和 二年 夏 浜 松 楽 器争 議 ノ際 、 同 志 松 尾 直
私 ニ対 シ初 メ テ 日本 共 産 党 ニ這 入 ラ ナイ カ ト 云 ツ テ勧 誘 シタ ノ ハ同
シ度 イ点 ガ ア リ マ ス。
答 私 ハ前 ニ述ベ マシ タ私 ガ 日 本 共産 党 ニ入党 シタ事 情ニ 付 訂 正
後 ニ評 議 会 ノ新 方 針 ト シ テ出 版 サ レ タ大 会議 案 集 ガ実 ニチ グハ グ ナ
長 文 ノ モノ ガ付 ケ ラ レ ル筈 デ アリ マシタ ガ、 ソ レヲ付 ケ ルト 尚 ア ノ
矛盾 ニ満 チ テ居 ルノ ハ、 斯 ル事 情 ニ基 ク ノデ アリ マス。 故ニ 私 ハア
私 ハ数年 前 カ ラ共産 党 員ニ 非 ザ ル共 産 主 義 者 ト 云 フ者 ハナ イ、苟 モ
ヲ承 諾 致 シ マシタ。
共 産 主義 者 タ ル モノ ハ必 ズ共 産 党 員 ト ナ ラネ バ ナ ラズ 、 又共 産 党 ガ
直 義 ノ申 込 ニ異 存 ノ ア ラ ウ筈 ナ ク、 私 ハ即 座ニ 同 党 ノ党 員 ト ナ ル事
マ ス。 而 カ モ尚 吾 々中 央 常 任 委 員 会 ノ誤 謬 ハ、 斯 ル党 ノ方 針 ヲ大 衆
ノ新 方 針 ヲ研究 会 ノ教 材 等 ニ使 用 ス ル際 ニ ハ此 ノ事 ヲ理解 シテ使 用
ノ前ニ 公 表 シ テ労働 者 ヲ指 導 ス ル事 ナ ク裏 面 カ ラ コツ ソリ活 動 シタ
ナ ケ レバ ソ レ ヲ作 ラ ネ バ ナ ラ ヌト信 ジ テ居 リ マシ タ故ニ 、 私 ハ前カ
シ ナイ ト ト ンダ誤 リ ヲ犯 ス事 ヲ常 ニ同 志 達 ニ注 意 シ テ来 タ ノデ ア リ
ト 云 フ事 、 党 ノ誤 謬 ハ公 然 大衆 ノ前 デ 訂 正 シ ナ カ ツ タ事 デ アリ マス。
事 ニ ハ夫 等 ノ 人 々ガ定 リ切 ツ タ様 ニ ﹁日 本デ 共産 党 ヲ作 ル事 ガ出 来
リ、 共 産 党組 織 ノ必要 ヲ力 説 シテ居 タ ノデ アリ マス。然 ル ニ意 外 ナ
ラ自 他 共 ニ共 産 主義 者 ト シテ許 シ テ居 ル友 人 ニ向 ツ テ常 ニ其 事 ヲ語
或 ハ今 尚 驚 異 ヲ以 テ思 出 ス事 ハア ノ戒 厳 令 下 ノ 如 キ状 態 ノ中 デ 重 要
細胞 メ ンバ ー ノ仕 事 ノ分 担 、 党 内 民 主 主 義 、 フ ラク シ ヨ ン活 動 等 々、
織 及 細 胞 活動 カ ラ絶 大 ナ教 訓 ヲ学 ビ マシ タ。 非 合 法連 絡 、細 胞 会議 、
ソ レガ 浜 松 楽 器争 議 ニ於 ケ ル細 胞 組 織 デ ア リ マ ス。 私 ハ此 ノ細 胞組
ハ南 或 ハ同 志 斎 藤 ガ出 席 シ テ討 議 シタ事 、或 ハ其 時 三名 ノ家 屋 委 員
問 題 ノ起 ル度 毎 ニキ ヤプ テ ン総 会 ヲ開 キ、 其 会 議 ヘ中 央 部 カ ラ私 又
ガ ア ツテ、 此 ノ委 員 ハ専 門 ニ私 達 ノ隠家 ヤ秘 密 集 会 場 所 ヲ次 々ト 探
ヘル ノデ アリ マシタ。 私 バカ ウ 云 フ答 ヲ聞 ク度 ニ誠 ニ苦 々 シキ事 ニ考 ヘテ居 リ マシ タ。 勿
シ求 メ、 ソ レヲ準 備 シ テ居 リ マシ タ事 ヤ、 或 ハ全 国 カ ラ集 ツ タ知 名
ル ト思 フ ノカ 、 日本 デ 共 産 党 ヲ作 レバ 直 グ 検 挙 サ レテ仕 舞 フ﹂ ト答
論 今 ノ ト コ ロ日本 デ 共 産 党 ガ 公 然 ト組 織 サ レル筈 ガ ナイ 。 ソ レ ハ秘
ノ組 合 幹 部 ノ 日和 見 主 義 ト闘 ヒ之 等 ノ幹 部 ヲ浜 松 カ ラ追 払 ツタ事 杯
忘 レラ レ ヌ モノ ガ ア リ マ ス。 此 ノ経 験 ガ ナ カ ツタ ラ私 ハ臆 面 モナ ク
ハソ レ ハ秘 密 結 社 デ ハナイ 。 秘 密結 社 ノ存 在 ガ判 ツ テ居 テ而 カ モ捕 ハレナ イ カ ラ コソ秘 密 結 社 ナ ノダ ト 云 フノ ガ、 斯 ル際 ニ於 ケ ル私 ノ
留 守 中 央 常 任 委 員 会 ト 云 フ様 ナ 地 位 ヲ気軽 ニ引受 ケ ル気 ニ ハナ レ ナ
密結 社 ト シテ ヨリ外 ナイ 。 ダ ガ拵 ヘレバ検 挙 サ レ ルト 云 フ様 ナ結 社
其 人 ニ対 スル嘲 笑 的 反 抗 的 ナ意 見デ ア リ マ シ タ。 我 国 ニ ハ永 イ 間
胆 ナ活 動 ヲ自 信 ヲ以 テヤ レ ナカ ツタデ ア リ マ セウ。 然 シ私 ハ此 ノ浜
カ ツタデ ア リ マセ ウ。 又 此 経 験 ガ ナ カ ツタ ラ後 ニ北 海 道 デ ア ンナ大
ノ政 策 ノ正 シイ 事 、 共 産 党 ノ 存在 ヲ大 衆 ニ明 示 スル事 ﹂ ト ノ混同 ガ
﹁誰 ガ党 員 デ ア ル カト 云 フ事 ヲ匿 ス事 ﹂ ト ﹁共 産 党 ノ必 要 、 共産 党
ア ツ テ前 記 ノ如 ク ﹁日本 デ ハ共 産 党 組 織 ノ可 能 ナ シ﹂ ト 云 フ考 ヘヲ
サ レ、 此 時 以 来 ﹁日本 ニ於 テ 共産 党 ハ組 織 出 来 ル﹂ ト 云 フ確 信 ヲ持
松 楽 器 争 議 ニ於 ケ ル細 胞組 織 ト其 活 動 ニ ヨツ テ大 衆 ト 共 ニ私 ガ 訓練
同 志松 尾直 義 カ ラ 日本 共 産 党 加 入 ノ勧誘 ヲ受 ケ タ ノデ ア リ マ シタ。
チ マシ タ。 ナ ント ナ レバ私 ハ今 ヤ レー ニ ンカ ラ其 組織 方 法 ヲ教 ヘラ
﹁共 産 党 組織 ノ 必要 ﹂ ヲ力 説 シ タ モノ ヽ、 私 ガ 此 人 ナ ラ バ ト 思 ツ テ
然 シ其 時 ニ ハ日本 共 産 党 ノ事 ヲ ﹁ 社 」 ト 云 ヒ細 胞 ノ事 ヲ ﹁支 社 ﹂ ト
ト ナ ツ テ カ ラ此 ノ悪 思 想 ト徹 底 的 ニ闘 ヒ、 中 央 常 任 委員 会 ト シテ指
大 衆 ニ与 ヘテ来 テ居 タ ノデ ア リ マ シタ。 私 ハ後 ニ留 守中 央 常任 委 員
話 シカ ケ ル人 々ガ右 ノ様 ナ返 事 ヲ ス ル ノデ 、 一体 什 ウ シタ ラ共 産 党
云 ヒ、 各 メ ンバ ー ハ ﹁社員 ﹂ 並 ニ細 胞 ノ責 任者 ヲ ﹁キ ヤ プ テ ン﹂ ト
レ タ丈 ケデ ナ ク、 ソ レヲ実 験 シ テ見 テ同 志 レ ー ニンノ意 見 ガ全 ク正
ヲ作 ル事 ガ出 来 ルカ シ ラ ント 困 ツ テ居 リ マシタ。 然 ル ニ私 ガ浜 松 楽
云 ツ テ居 ル事 、 私 ノ所 属 細胞 ハ追 ツ テ通告 スル ト 云 フ事 ヲ申 渡 サ レ
シイ事 ヲ其 結 果 ニ於 テ知 ル事 ガ出 来 タカ ラデ アリ マス。 丁度 其 時 ニ
器 会 社 ノ争 議 直 前 ニ レー ニ ン ノ何 ヲ為 スベ キ カ ヲ読 ミ、 初 メ テ共 産
タ丈 ケデ 現 ニ共 時 私 ガ 指導 シ テ居 タ浜 松 楽 器 争 議 ニ対 スル党 ト シ テ
ノ如 ク ﹁日本 デ 共 産 党 組 織 ノ必 要 ナ シ﹂ ナ ド ト 称 ス ル者 ニ対 シ テ
党組 織 ノ確 信 ヲ与 ヘラ レ マシ タ。私 ハ同 志 レー ニ ンノ教 ヘ ニ基 イ テ
ノ方 針 ハ勿 論 、 其 活 動報 告 ヲ何 処 ノ誰 ニ報 告 セ ヨト モ聞 カ サ レ ナカ
令 ヲ発 シ テ居 リ 、匡 正 ニ努 メ マシ タ。 然 シ ソ レ ハ後 ノ事 デ 私 ハ前 記
アノ有 名 ナ争 議 団 大 弾 圧 ノ真 中 デ 自 カ ラ ソ レヲ実 験 シ テ見 マシ タ。
ズ モ私 ト 一緒 ニ働 イ テ居 タ南 喜 一ガ不 用 意 ニ口 ヲ滑 ラ シタ事 カ ラ初
尾 直 義 ニ其 点 ヲ モウ 一度 会 ツテ聞 イ テ見 様 ト思 ツ テ居 タト コロ、 計
ツ タ ノデ アリ マス。 之 ハ聯 不思 議 ニ感 ジ マシ タ。 ソ レデ 私 ハ同 志 松
ハ今 日 デ モ ハツキ リ 申 上 ゲ ラ レ ル事 ハ、 此 ノ私 ニ対 スル起 訴 ガ 出版
半 句 ノ事 柄 丈 ケデ 、 ソ レ以 上 ノ事 ハ何 モア リ マ セヌデ シ タ。 私 ハ其
同 志 松 尾 直 義 ト 私 ト ノ党 ニ干 ス ル干 係 ハ以上 述 ベ マシ タ ホ ン ノ寸言
ノデ ア リ マス。
法 違 反 デ ア ル限 リ絶 対 ニ私 ハ無 干 係 デ ア リ マシ タ。 従 ツ テ私 ノ考 ヘ
後 出 版 法 違 反 被 告 ト シ テ検 挙 サ レ浜 松刑 務 所 ニ収 容 サ レ マシ タ。 私
デ ハ此 ノ私 ニ対 ス ル起 訴 ハ争 議 鎮 圧 ノ為 メ ノ モノデ争 議 ガ終 リ 次第
メ テ ﹁此 ノ男 モ社員 ダ ナ ア ﹂ ト感 付 キ マシ タ。 ソ シ テ 私 ハ私 カ ニ
ウ。 ソ レデ 松 尾 ハ私 ニ其 点 ニ就 テ何 モ云 ハナ カ ツ タ ノダ ﹂ ト思 ヒ マ
﹁党 ノ方 針 ハ此 ノ 男 ガ受 ケ テ居 リ報 告 モ此 ノ男 ガ ヤ ツ テ居 ル ノ ダ ラ
シ タ。 故 ニ ソ レ カラ ハ改 メ テ南 喜 一ノ主 張 ニ特 別 ノ注意 ヲ払 ヒ、 吾
ト決 定 シ タ ノ ヲ見 テ聯 驚 キ マシタ。 然 シ私 ハ無 罪 ヲ確 信 シ テ居 リ マ
シ タ カ ラ此 ノ有 罪 ノ 予 審 ノ決 定 ニ ハ全 然 無 頓 着 デ アリ マシタ。 ソ シ
予 審 免 訴 ト ナ ル モノ ト ノ ミ考 ヘテ居 リ マシ タ故 ニ、後 ニ予審 ガ有 罪
テ公 判 ハ私 ノ確 信 通 リ無 罪 ト ナ ツ タ ノデ ア リ マス。 ソ ンナ訳 デ 私 ハ
々 ノ指 導 方 法 ノ意 義 ヲ充 分彼 ニ理解 セシ ムベ ク努 メ マシタ 。私 ガ南
ハ単 ニ彼 南 喜 一 ハ優 レタ闘 士 デ ア ルト 云 フ噂 ヲ聞 イ テ居 タ ニ過 ギ マ
喜 一ト 親 シ ク行 動 ヲ共 ニ シタ ノ ハ此 時 ガ初 メ テ ヾ ア ツテ、 ソ レ マデ
セ ヌデ シ タ。然 ル ニ私 ガ彼 ト 一緒 ニ仕 事 ヲ シ テ見 ルト、 彼 ハ細 胞 組
テ モ暮 レ テ モ共産 党 組 織 ト 日和 見 主 義 ト ノ喧 嘩 ノ事 バ カ リ老 ヘ続 ケ テ居 リ マシタ 。
獄 中 ニ於 テ ハ犯罪 事 件 ノ事 ハ全 然 無 干 心 デ 、 三 ケ月 ト 云 フ モノ 明 ケ
二問 被 告 ガ松 尾直 義 カ ラ 日本 共 産 党 ニ加 入 ス ル事 ヲ勧 誘 サ レ承 諾
織 ヤ非 合 法 運動 ニ就 テ テ ンデ 知 ツ テ居 ナイ ノデ 一々私 ガ其 ヤリ方 、
ノ ニ ハ全 ク驚 キ マ シ タ。 而 カ モ尚 彼 ハ私 ガ 一寸 油 断 ヲ ス ルト ト ン
ヲ与 ヘタ場所 ハ浜 松 ノ被 告 ノ住 居 デ ア ツ タト 云 フガ 、其 住 居 ハ何 処
其 理 論 的 根 拠 並意 義 ヲ手 ヲ取 ル様 ニシ テ教 ヘネ バ ナ ラ ヌ状 態 ダ ツ タ
ナ リ マセ ヌデ シ タ。然 シ此 男 ノ ヨイ ト コ ロ ハ、私 ガ注 意 ス ルト彼 ハ
告
東 京 地 方裁 判 所
人 三 田村 四郎
デ モナイ 日 和見 主 義 ヲ発 揮 スル ノデ 不 断 ニ注意 シ訂 正 シテ ヤ ラ ネ バ
デ ア ツ タカ。
同 日前 記 場 所
右 読聞 ケ タ ル処 相 違 ナ キ旨 申 立 署 名 栂 印 シ タリ 。
被
答 其 私 ノ住 居 ハ浜 松 市 馬 込 町 デ ア リ マシ タ。
自 分 ノ日和 見主 義 デ ア ツタ事 ヲ男 ラ シ ク認 メ、 ソ シ テ定 メ ラ レタ方 針 ニ勇 猛邁 進 ス ル点 デ ア リ マ シタ。 其 時 私 ガ考 ヘタ事 ハ此 ノ男 ニ ハ 常 ニシ ツカ リ シタ 理論 家 ガ付 イ テ居 ナ ク テ ハイ ケ ナ イ。 此 ノ男 ハ非 常 ニ動揺 性 ヲ持 ツテ居 ルガ誰 カ ヾ付 イ テ指 導 シテ居 レバ実 行 力 ノ点 ニ於 テ優 レタ男 ダ ト 云 フ事 デ ア リ マシ タ。 私 ガ後 ニ留 守 中 央 常 任 委
予 審 判 事 神 垣 秀 六
裁 判 所 書 記 鹿 内 清 次
員 ト ナ ツ タ時 ニ彼 ハ関 東 地 方 委 員 長 デ アリ マシタ。 ソ シテ私 ハ関 東
ヌ事 ヲ発 見 シ、 早 速 村 尾 薩 男 ト更 迭 セ シ メ、 同 人 ノ指 導 下 ニ置 イ タ
地 方 委員 長 ト シテ ノ彼 ノ欠 点 ガ浜 松 楽 器争 議 ニ於 ケ ル時 ト寸 分 違 ハ
第 二十 二回 訊 問 調 書 被
告
人 三 田村 四郎
マシタ 。無 政 府 主 義 派 ハ 一斉 ニ立 ツテ私 ヲ代議 士 病、 議 会 主 義 者 ト
一喝 シ、今 聴 イ タ 三 田村 ノ意 見デ ハ決 シ テ三 田村 ヲ代 議 士 病 ト 云 フ
云 ツテ嘲 罵 シ マシ タ。 然 シ和 田 久 三 ハ味 方 ノ此 ノ私 ニ対 スル嘲 罵 ヲ
評 ヲ以 テ シテ ハ三 田村 ノ意 見 ヲ破 ル事 ハ出 来 ヌト 云 ツテ無 政 府 主 義
事 ハ出 来 ヌ。 又 三 田村 ノ意 見 ハ議 会 主義 ト モ違 フ。 ソ ンナ単 純 ナ批
右 治 安 維 持 法違 反被 告 事 件ニ 付 、 昭 和 五年 四 月 五 日豊 多 摩 刑 務 所ニ
キ右被 告 人 ニ対 シ訊 問 スル コト左 ノ如 シ。
ヲ持 ツ テ居 リ マシ タ ガ、 此 ノ和 田 久 三 丈 ケ ニ ハ今 日 モ尚 立 派 ナ革 命
者 ヲ窘 メ マ シタ。 私 ハ日本 ノ無 政 府 主義 者 ニ対 シテ其 以前 カ ラ軽 蔑
於 テ、 予 審 判事 神 垣秀 六 ハ裁 判 所 書 記 鹿 田清 次 立 会 ノ上 前 回ニ 引 続
一問 被 告 ハ前ニ 獄 中 ニ於 テ共 産 党 組 織 ノ事ニ 非 常ニ 熱 中 シタ ト 云
家 ト シ テ敬 意 ヲ表 シテ居 リ マス。 和 田 久 三 ト私 ト ノ論 戦 ハ結 局 モノ
ツ タガ 、 什 ウ シテ熱 中 スル様 ニナ ツ タ ノ カ。 答 私 ガ什 ウ シテ寝 テ モ覚 メ テ モ共 産 党組 織 ノ事ニ 熱 中 スル様 ニ
分 レト ナ リ、 オ互 ニ闘 フ ヨリ仕 方 ガ ナイ ト 云 フ事 ニナ ツタ様ニ 記 憶
ガ陣 頭 ニ立 チ マ シタ。 私 ハ無 政 府主 義 ヲ攻 撃 シ、 プ ロ レタ リ ア ート
アリ マス。 此 ノ席 上 デ 無 政 府 主 義 派 ト 共産 主 義 派ト ノ論 戦 ガ行 ハレ ︹ 太郎︺ マシタ。 無 政 府 主 義 派 ハ和 田 久 三 ガ代 表 シ、共 産 主 義 派 ト シ テ ハ私
シ マセ ヌガ、 当 時 大 阪 ニ於 テ所 謂 社 会 主義 者 ノ集 会 ガ開 カ レ タ事 ガ
ル様ニ ナ ツテ居 リ マシ タ。 只 今 ナ ン ノ記念 会合 デ ア ツタ カ能 ク記 憶
タ ル対立 ガ生 ジ タ時 デ ア リ マ ス。 私 ハ此時 以 前既 ニ共 産 主 義 ヲ奉 ズ
カ ノ労 働 組 合 総 聯 合 ノ決 裂 即 チ無政 府 主義 派 ト共 産 主 義 派ト ノ決 然
一 私 ハ最 初ニ 共 産 党 組 織 ノ必 要 ヲ痛 切 ニ考 ヘタ ノ ハ 一九 二 二年 、
マスト次 ノ如 キ モノ ガ ア リ マ ス。
遇 シ、永 イ間 ニ培 ハレタ ノデ ア リ マ ス。 其 事 件 ノ主 ナ ル モノ ヲ挙 ゲ
行 動 論 ヲ喋 々 シ、 無 政 府 主 義 派 ノ攻 撃 ニ対 ス ル弁 明 ニ之 努 メ テ居 ル
時 山 川 均始 メ共 産 主 義 大 家 ト目 サ レ ル連 中 ガ実 ニ決 断 力 ノ ナ イ政 治
得 ノ闘 争 ニ大 衆 ヲ動 員 ス ル事 デ ア ル事 ヲ力説 致 シ マ シタ。 私 ニ ハ当
顧 慮 ス ル必 要 ハナ イ。 当 然 必 要 ナ事 ハ共産 党 ヲ組 織 シ普 通 選 挙 権 獲
事 ガ アリ マ ス。 ソ シ テ私 ハ今 日デ ハ最 早 無 政府 主 義 派 ノ饒 舌 ナ ンカ
行 動 論 ハサ ンヂ カ リズ ム ノ臭 味 ヲ脱 却 シ テ居 ナ イ ト 云 ツテ攻 撃 シ タ
々 シ テ普 選 獲 得 ノ闘 争 ヲ シ ナイ ノ ハ不 徹 底 デ アリ 、所 謂 彼 等 ノ政 治
ハ川崎 憲 二郎 ニ対 シ テ山 川 均 始 メ日 本 ノ共産 主 義 者 ガ政 治 行 動 ヲ 云
郎 ハ雑 誌 赤 旗 デ ア ツ タ カ前 衛 デ ア ツ タ カ ニ干係 シテ居 リ マ シタ。 私
私 ト ハ旧暁 民会 員 ト シテ又 友 人 デ アリ マシタ 。 ソ シテ当 時 川 崎 憲 二
日私 ノ家 ニ滞 在 シ マシ タ。 川 崎 憲 二郎 ハ九 津見 ト 旧知 ノ間 柄 デ ア リ、
当時 此 ノ労 働 組 合 総 聯 合 大 会 傍 聴 ニ来 阪 シ タ故 川崎 憲 二 郎 ガ二 、三
シ マス。 ソ レカ ラ間 モナ ク労 働 組 合 総聯合 ガ決 裂 シタ ノデ ア リ マ ス。
ナ ツタ カ ト申 シ マ スト、 之 ハ決 シ テ 一朝 一夕 ニサ ウ ナ ツ タ ノデ ハナ
ハ政権 ヲ握 ラ ナ ケ レバ ナ ラ ヌ事 、 プ ロレタ リ ア独 裁 ニ ヨツ テ反 革 命
共 産 党 ガ ナ ク テ ハ駄 目 ダ ト考 ヘサ セラ レ ル事 件ニ 遭
ヲ鎮 圧 シナ ケ レバ ナ ラ ヌ事 、 従 ツ テ労 働者 ハ政 治闘 争 ヲ シ ナ ケ レバ
ノガ歯 痒 ク テ ナ ラ ナ カ ツ タ ノデ ア リ マス。
ク、幾 度 モ〓
ナ ラズ 其 為 メ ニ ハ議 会 モ利 用 スベ キデ アリ 、政 治 闘 争 ヲ是 認 シ議 会
二 其 頃 ハ 一九 二 三年 ノ共 産 党 ノ検 挙 ニ ヨツ テ明 カ ト ナ ツ タ共 産 党
︹マ マ︺
ヲ利 用 ス ルト 云 フ以 上 当 然普 選 獲得 ノ闘 争 ヲ スベ キデ ア ルト主 張 シ
ハ既 ニ私 ガ 暁 民 会 ニ居 ル時 カ ラ彼 ヲ共 産 主 義 者 ト思 ツ テ居 ナ カ ツタ
産 党 ガ ア ツ タ事 ガ 判 然 シ マシタ。 然 シ其 被 告 ノ中 デ 堺 利彦ニ 対 シ テ
メ ンバ ー ニ対 ス ル私 ノ 不満 デ ア リ マ ス。 此 ノ検 挙 ニ ヨツ テ日 本ニ 共
ハ総 同 盟 各 組 合 ノ研 究 会 、茶 話 会 ニ殆 ンド毎 夜 ノ如 ク駆 ケ廻 リ共 産
分 ノ所 属 組 合 デ ア ル大 阪 印刷 労 働 組 合 内ニ 特 別 研 究 会 ヲ組 織 シ、 或
タ ガ、 誰 モ取 合 ツ テ呉 レ ル モノ ハア リ マ セ ヌデ シ タ。 ソ レデ 私 ハ自
ニ ハ什 ウ シ テ モ共 産 党 ガ ナ ク テ ハ駄 目 ダ ト思 ツ テ ソ レ ヲ力 説 シ マシ
以 テ或 者 ハ三 田村 ノ道 楽 ハ労 働 者教 育 ナ ド ト 云 ツ テ嘲 笑 シ マシ タ。
主 義 ヲ宣 伝 シ、 日和 見 主 義 ニ対 ス ル闘 争ニ 孤 軍 奮 闘 シ マシ タ。 之 ヲ
シ、 過去 ノ功 績 ニ対 シ テ ハ兎 ニ角 現在 ノ指 導 者 ト シ テ尊 敬 モ シ テ居 マセ ヌデ シ タ。 私 ハヅ ツト 以前 カ ラ堺 利 彦 ハ議 会 主 義 者 ダ ト 思 ツ テ
カ ハ次 ニ申 上 ゲ ル通 リデ ア リ マス。
然 シ此 ノ奮 闘 ガ後 ノ総 同 盟 内 紛 及評 議 会創 立 ノ時ニ 如 何ニ 役 立 ツ タ
居 リ マシ タ。 又 同 ジ被 告 中 ニ橋 浦 時 雄 、 吉 川 守 邦抔 ガ 居 ル ノ ニ ハ少
ニ スベ キ人 間 デ ナイ ト 決 メ テ居 タノデ ア リ マス。 故ニ 此 ノ検 挙 ニ ヨ
カ ラズ 驚 キ マシ タ。 私 ハ コノ連 中 ハ道 楽 社 会 主 義 者 デ 真 面 目ニ 相 手
共産 主 義 者 ノ団 結 ヲ 一層 力 説 シ マシ タ。此 ノ当 時 ノ出 来 事 ト シテ 一
ツ テ来 マシタ。 ソレデ 私 ハ改 良 主義 ニ対 ス ル攻撃 ト 共産 主 義 ノ擁 護 、
ラ、 日 一日 ト我 国 ニ於 ケ ル改 良主 義 ト 共産 主 義 ト ノ 対立 ガ明 白 ニナ
ノ前 記 ノ如 キ顔 振 ヲ見 テ聊 幻滅 ヲ感 ジ マシタ。 ソ レデ 私 ハソ レ以 来
ツ私 ノ忘 レラ レナイ 事 ハ、 大 阪 機 械 労 働組 合鯰 江聯 合 会 ノ特 別 研 究
四 其 次 ハ国 際 労 働 組 合 会 議 ヘノ参 加 ト無 産 政 党 組 織 運 動 ノ擡 頭 カ
共 産 党 ハ現 実 ニ闘 争 ス ル労 働 者 ニ ヨ ツ テ組 織 サ レネ バ ナ ラ ヌ事 ヲ力
会デ ア リ マ ス。 私 ハ大 阪 印 刷 労 働組 合 ノ研 究 会 ト 此 ノ鯰 江聯 合 会 ノ
ツテ 日本 ニ共 産 党 ガ存 在 シ テ居 タ事 及 同 志 佐 野 学 始 メ若 干 ノ同 志 ガ
説 シ マ シタ。 後 ニ支 那 ニ於 テ支 那 ノ同 志 カ ラ共 産 党 ニ就 テ質 問 ヲ受
研究 会 ニ ハ特 ニ力 ヲ入 レテ居 リ マシ タガ 、 或 時 此 ノ鯰 江聯 合 会 ノ研
検 挙 ヲ免 カ レテ遁 レタ ノ ニ ハ非 常 ニ嬉 シク思 ツタ ガ、 又 一方 被 告 中
シナ ケ レバ ナ ラ ヌ。 但 其 共 産 党 ハ現 ニ闘 争 シ ツ ヽア ル労 働 者 ニ ヨツ
ケ タ時 モ私 ハキ ツ パ リト サウ 申 シ マシタ。 ﹁日本 共 産 党 ハ即 時 樹 立
ト 吾 々 ハ徹 底 的 ニ闘 ハネ バ ナ ラ ヌ事 、 ソ シ テ其 闘 争 ガ 公然 ト表 面ニ
出 ルノ ハモウ間 モナ イ事 デ ア ルト 宣 言 シ マ スト 、 此 ノ鯰 江聯 合 会 ノ
究 会ニ 総 同 盟 内ニ 改 良 主 義 ガ立 派 ニ擡 頭 シ ツヽ ア ル事 ヲ指 摘 シ、之
指 導 者デ ア ツタ同 志 徳 田某 ハ私 ニ向 ツ テ、 総 同盟 ノ 内部 ヲ撹 乱 ス ル
一緒 ニ ヤラ ネ バ ナ ラ ヌガ 、 大 部 分 ハ恐 ラク落 伍 ス ルダ ラ ウ シ全 然 提
三 第 三 ハ震 災 直 後 ノ所 謂 リベ ツ化 ノ潮 流 ト 支配 階 級 ノ弾 圧 政 策 デ
携 シ テ ハナ ラ ナ イ人 間 モ居 ル 云 々。﹂
ニ当時 総 同盟 ノ会 員 ハ、総 同 盟 コソ最 左 翼 ノ労 働 組 合デ 改 良主 義 ノ
様 ナ事 ヲ云 ツ テ呉 レテ ハ困 ル ト申 シ抗 議 シ タ事 ガ アリ マシタ。 一般
テ組 織 サ レネ バ ナ ラ ヌ。 第 一次 共 産 党事 件 被 告 中 ノ或 人 々 ト ハ是 非
ア リ マス。 支 配 階 級 ハ関 東 震 災 ニ際 シプ ロレ タリ ア ノ闘 士 ヲ虐 殺 シ、
イ事デ ア リ マシ タ。 其 為 メ同 志 徳 田某 ハ私 ヲ鯰 江 聯 合 会 ノ研究 会 ノ
影 ナ ン カ 一沫 モナ イ位 ニ信 ジ切 ツ テ居 タ ノデ スカ ラ、 之 ハ無 理 モナ
無 産 者運 動 ヲ弾 圧 スル ト共 ニ、 一方 国 際 労働 会 議其 他 ノ餌 ヲ 以 テ労
ハ、 支 配 階 級 ノ弾 圧 ニ慄 エ上 ツテ盛 ニ運 動 ノ穏 健 化 ヲ唱 ヘル傾 向 ガ
講 師 ト ス ル事 ヲ 一時躊 躇 シタ様 デ ア リ マシ タ。 然 シ ソ レ カ ラ 一ケ 月
働 官 僚 ヲ買 収 ニ努 メ マ シタ。 ソ シ テプ ロレ タ リ アノ陣 営 ノ 一部 カ ラ
現 ハレ マシ タ。 私 ハ此 ノ支 配 階 級 ノ反 動 ト味 方 ノ日和 見主 義 ト闘 フ
志 等 ニ勧 メ マシ タガ 、 依然 ト シ テ誰 モ取 合 ハナ カ ツ タ ノデ ア リ マス。
ソ コデ 即 時 全 国 ノ共 産 主 義 者 ノ団結 ( 正確ニ 云ヘバ連絡) ノ必 要 ヲ 同
ルベ キ総 同 盟 ノ大 会 ガ 左 右 両翼 ニ分裂 ス ルト 云 フ予 想 ヲ得 マシ タ。
上 京 シ テ農 民組 合 ノ大 会 ヲ傍 聴 シ、 此 ノ農 民組 合 大 会 ノ空 気 カ ラ来
団 結 、 共産 党組 織 ノ必 要 等 ヲ力 説 スル事 ガ出 来 マ シタ。 尚 私 ハ偶 々
ト ナ ル事 ガ 出来 、今 度 ハ公 然 遠 慮 ナ ク改 良 主義 攻撃 ヲ ヤリ 、 左翼 ノ
評 議 会 創 立 ト 云 フ事 件 ガ起 ツタ ノデ 、 私 ハ引 続 イ テ同 研究 会 ノ講 師
ノ後ニ 関 東 同 盟 ノ内 紛 、 同志 渡 辺 政 之 輔 以 下 七 名 ノ除 名 、 関 東 地 方
ウ ナ ツ テ カ ラ始 メ テ、 同 志鍋 山貞 親 等 ト安 芸 盛 ト ノ間ニ 何 等連 絡 ノ
合 ヲ始 メ マシ タ。 所謂 総 同盟 刷 新 運 動 ガ ソ レデ ア リ マ ス。 事 態 ガ ソ
裂 シ マ シタ。 ソ シ テ左翼 ハソ レカ ラ初 メ テ全 国 ノ左 翼 分 子 ノ連 絡 結
レカ ラ後 ノ事 ダ ト 云 フ様 ニ考 ヘテ居 リ マシタ。 大 会 ハ果 セル カ ナ分
ナ イ。 又 此 ノ大 会 ハ分 裂 スル ニ定 ツ テ居 ルノ ダ カ ラ 、私 ノ仕 事 ハソ
ウ思 ヒ込 ンデ 居 リ マ シタ。 ソ レ故 私 ト シ テ ハ大会 デ 為 スベ キ用 事 ガ
リ マシ タ。之 ハ私 ノ誤 解 デ ア ツ タ事 ガ後 ニ判 リ マシタ ガ 、当 時 ハサ
ニ足 ラ ナイ 安芸 盛 ノ方 ニ、 何 等 カ ノ連 絡 ガ ア ル様 ニ思 ハレ ルノデ ア
レテ居 リ マシ タ。而 カ モ不可 解 ナ ノ ハ、 革 命 家 ト シ テ全然 信用 ス ル
ナ カ ツ タ事 ガ判 明 シ マシタ。 私 ハ此 ノ安 芸 盛 ヲ吾 々 ノ仲 間 カ ラ徹 底
寧 ロ私 ガ来 ルベ キ総 同盟 ノ大会 ガ分 裂 スル ト 云 フ ノガ 不 思 議 ダ ト 云 フノデ ア リ マシ タ。然 シ私 ニ云 ハセ レバ之 ハ少 シ モ不 思議 デ ナ ク、
的 ニ除 外 ス ル事 ヲ主 張 シ マシタ。 何 故 私 ガ安 芸 盛 ヲ除 外 シ タカ ト云
ノ目 ノ前 デ 用談 シ ロ﹂ ト申 シ マ スト彼 ハ ﹁徳 久 ノ用 事 ハ自 分 ノ内 妻
ロツ キ廻 ル ノダ 、 一体 君 ニ什 ウ 云 フ用 事 ガ ア ル ノ カ此 処 ヘ呼 ンデ 俺
テ来 レバ ヨイ 、 何 故 ニ俺 ノ顔 ヲ見 テ ア ハテ ヽ隠 レタ リ家 ノ周 囲 ヲウ
盛 ニ向 ツ テ ﹁徳 久 ガ 君 ニ用事 ガ ア ルナ ラ堂 々ト此 ノ家 ヘ案 内 ヲ乞 フ
来 テ居 ルノダ ﹂ ト 云 フ意 外 ナ 安 芸盛 ノ返 答 デ ア リ マ シタ。 私 ハ安 芸
カ モ知 レ ヌカ ラ用 心 シ ロト注 意 シ マスト ﹁ 徳 久 ハ俺ニ 用 事 ガ ア ツ テ
デ アリ マス。 私 ハ或 日 ソ レ ヲ発 見 シ テ安芸 盛 ニ向 ヒ、吾 々ヲ引 張 ル
部 特高 課 ノ徳 久 警 部 ガ屡 々私 ノ家 ノ周 囲 ヲ夜 間 ニナ ルト ウロ ツク ノ
フ ニ、彼 ハ 一時 私 ノ家 ニ寄 寓 シテ居 リ マシ タ。 其当 時 大阪 府 警 察 本
先 キ ノ関 東 同 盟 ノ内 紛問 題 ハ決 シテ完 全 ニ解 決 ガ 付 イ テ居 ル訳 デ ナ ク、 寧 ロ反 対 ニ対立 ハ 一層 拡 大 シテ居 ル事 、 総 同盟 ノ最 高 幹 部 ト農 民組 合 ノ最高 幹 部 ト ハ密 接 ナ連 絡 ガ ア ル ノデ スガ 、其 農 民 組 合 ノ大 会 ヲ見 ル ニ明 カ ニ右 翼 ハ分 裂 主 義 ニ固 ツ テ居 ル事 、然 ル ニ左 翼 ハソ レ ニ対 シテ 対策 ヲ講 ジ テ居 ル様 ニ思 ハレ ヌ事 、然 ラ バ来 ルベ キ総 同
ト 云 フ人 ノ方 ガ私 ニ ハ不 思議 ニ思 ハ レ マ シタ。 私 ハ其 総 同 盟 大 会ニ
盟 ノ大 会 ガ分 裂 スル ノ ハ火 ヲ見 ル ヨリ明 カ ナ事 デ 、 ソ レガ 判 ラナ イ
代 議 員 ト シ テ出 席 スル事 ヲ辞退 シ マ シタ。 私 ガ何 カ ノ地 位 ヲ辞 退 シ タ ノ ハ後 ニ モ前 ニ モ之丈 ケデ ア リ マ ス。私 ガ何 故 此 ノ大 会 ニ出 席 ス ル事 ヲ辞 退 シ タカ ト申 シ マスト、 ソ レ ニ ハ他 ニ モ色 々事 情 ガ ア リ マ シ タガ 最 モ中 心的 理由 ハ、 私 ガ此 ノ大 会 ヘ出 席 シ テ モ何 モ為 スベ キ
コデ 更 ニ私 ガ ソ ンナ用 事 ナ ラ余 計 ナオ 世 話 ダ ト言 ツ テ 一言 ノ下 ニ撥
ノ事 デ話 ガ ア ルカ ラ 一緒 ニ来 テ呉 レト 云 フ ノダ ﹂ ト答 ヘ マシタ。 ソ
中 村義 明等 ト関 東 ノ 左翼 分 子 ト ノ間 ニ相 当 ノ連 絡 ガ執 レテ居 ル事 ハ、
ツト後 デ祟 ル ニ違 ヒナイ ト 云 フ ノデ ス。 ソ レデ ス ツカ リ彼 安 芸 盛 ノ
ネ付 ケ テ仕 舞 ヘト申 シ マ スト 、 彼 ハソ レ ヲ断 ハレバ彼 ノ事 ダ カ ラ キ
仕 事 ガ ナイ ト 云 フ事 デ ア リ マ ス。 此 ノ大 会 ノ直 前 ニ同 志 鍋 山 貞 親 、
色 々ノ 点デ 想 像 サ レ マシ タ。 然 シ私 ハ夫 等 ノ連 絡 カ ラ ハ全 ク除 外 サ
ヲ ヤ メ マシタ。 傍 ラデ 聞 イ テ居 タ私 ノ妻 モ呆 レ テ嘲笑 ヲ遺 シ、 サ ツ
正体 ハ判 リ 、 モウ ソ レ以 上 云 フ必 要 モ ナ シ、 私 ハ彼 ヲ相 手 ニ ス ル事
ガ 、 刷 新 運 動其 モ ノ ハ其 点 ニ触 レル事 ヲ努 メ テ避 ケ、 只 管 反 幹 部 即
和 見 主義 ト 共産 主 義 ノ 対立 闘 争 ト 云 フ風 ニ考 ヘテ居 リ マシ タノデ ス
シ タ通 リ、 私 ハ此 ノ総 同 盟 ノ内 紛 ヲ最 初 カ ラ 日本 ニ於 ケ ル最 初 ノ 日
タ大 阪 印刷 労働 組 合 ノ ミデ ハ此 ノ闘 争 ハ日和 見 主 義 ト共 産 主 義 ノ闘
サ ト彼 ト別 レ、今 後 ハ吾 々 ノ同 志 デ ハナイ 、 スパ イ ト シテ警 戒 シナ
争 デ ア ル事 、 共産 主 義 ノ正 シイ事 ヲ明 白ニ 説 イ テ居 リ マシ タガ 、 一
一人ニ取 ツ テ ハ甚 シク 不満 デ ア リ マ シタ。 然 シ私 ハ私 ノ指 導 シ テ居
ル事 ヲ鮮 明 ニ シ、 キ ツパ リ吾 々ト 手 ヲ切 ル事 ニ ナリ マシタ。 私 ハ此
般 ニ ハ刷 新 同 盟 ノ決議 ニ従 ヒ、反 幹 部 運動 ト シテ 一切 ノ反 幹 部 派 ノ
チ幹 部 ノ横 暴 反 対 ト 云 フ点 ヲ強 調 スル事 ニシ テ居 リ マシ タ。 之 ハ私
ノ刷 新 運動 ニ寝 食 ヲ忘 レテ奔 走 シ タ ノ ハ申 ス マデ モ アリ マセ ヌ。 当
糾 合 ニ努 メ マシ タ。 ソ レ故 ニ愈 評 議 会 ヲ創 立 スル ト 云 フ時 ニナ ツ テ
ケ レバ ナ ラ ヌト主 張 シ マシ タ。 ソ ウ云 フ訳 デ 吾 々 ハ安 芸 盛 ニ ハ内 密
時私 ト同 志 鍋 山貞 親 及 中 村 義 明 等 ト ハ私 的 感 情 ニ於 テ犬 猿 ノ間 柄 デ
其 大 会 議 案 ノ起 草 ヲ各 自 分担 シ マ シタ ガ、 私 ハ其 時 政 党 問 題 ト 総 聯
デ刷 新 運動 ヲ進 メ タ ノデ ア リ マ ス。 安 芸 盛 モ日 一日 ト改 良 主 義 派 タ
私 ノ家 ヘ西 尾 末 広 ガ訪 問 ス ル抔 シ テ手 ヲ尽 シ マシ タ。私 ハ私
合 並 ニ産 業 別 合 同 ノ問 題 ヲ分 担 致 シ マシタ。 其 政 党 問 題 ノ議 案 ノ中
アリ マシタ。 西尾 末 広 等 ハ之 ヲ利 用 シ テ私 ヲ幹 部 派 ニ引 込 ムベ ク ワ ザ〓
ニ 私 ハ ﹁政 治 研究 会 ト評 議 会 ノ 密接 ナ ル結 合 ﹂ ヲ 一項 挿 入 シ マシ タ
ガ、 之 ハ大 会 ヘ提 出前 議 場 裏 デ 其 文 丈 ケ抹 殺 サ レ マ シタ。 私 ガ 何 故
テ、 プ ロレ タリ ア ノ階 級 的 利 益 ト私 的 利 益 ト ヲ混 同 シ テ ハナ ラナ イ
斯 ル 一項 ヲ挿 入 シ タカ ト 云 ヘバ 、此 ノ総 同 盟 ノ内 紛 ハ日 和 見 主 義 ト
情 ノ為 メ ニ去就 ニ迷 ツテ居 ル多 ク ノ人 々 ニ向 ツ テ私 自 身 ノ例 ヲ示 シ
ヤ中 村 義 明 ト 握手 シ タ事 ハ幹 部 派 ノ連 中 ニ ハ理 解 ノ出 来 ナ イ珍 事 デ
ト 云 ツ テ刷 新 運動 ニ加 ハル事 ヲ勧 メ マシ タ。 実 際 私 ガ 同 志 鍋 山貞 親
握 ルカ、 之 ガ此 ノ闘争 ノ最後 ノ 勝敗 ノ 分 レ ルト コロデ ア ル。 故ニ 評
ガ数 ガ多 イ カト 云 フ事 丈デ ハ マダ定 メラ レ ヌ。 農 民 大 衆 ヲド チ ラ ガ
議 会 ハ政 治 研 究 会 ニ積 極 的 ニ働 キ カ ケ 、政 治 研 究 会 ヲ通 ジ テ裏 カ ラ
共 産 主 義 ト ノ闘 ヒデ ア リ 、此 ノ闘 ヒノ勝 敗 ハ分 裂 後 ノ両 組 合 ガ何 レ
タ ノ ハ、 オ 互 ニ共 産 党員 ト シテ活 動 スル様 ニナ ツ テ カ ラ ノ事 デ 、評
実 質 的 ニ農 民 ト 握 手 ス ル事 、総 同盟 ト評 議 会 ト対 立 スル以 上 農 民 組
ア ツ タ ノデ アリ マス。恐 ラク同 志 鍋 山 貞 親 等 モ当 時 ハ私 ノ行 動 ヲ意
議 会 常 任委 員 ト シテ オ互 ニ仕 事 ヲ シテ居 ル時 スラ未 ダ 完 全 ニ打 解 ケ
合 ト ノ表 面 上 ノ結 合 ハ極 メ テ困難 デ ア リ、 農 民組 合 ソ レ自 身 ガ双 方
外 ニ思 ツ タ事 デ ア リ マセウ。 私 ハ鍋 山 貞 親 ト 兄 弟 ノ様ニ 親 密 ニナ ツ
タ仲 デ ハナ カ ツタ ノ デ ア リ マ ス。 私 達 ノ刷 新 運 動 ハ非 常ニ 成 功 シ テ
ニ 遠 慮 シ テ立 場 ニ困 ル ニ違 ヒ ナイ。 故 ニ右 翼 ガ政 治 研 究 会 ヲ毛 嫌 ヒ
シテ居 ル ノ ヲ幸 、 政 治 研 究 会 ヲ通 ジ テ一挙 ニ農 民 ヲ把 握 シテ仕 舞 フ
シ テ闘 ハナ カ ツタ為 メ ニ、時 日 ガ経 過 スルト 大 衆 ノ間ニ 一種 ノ倦 怠
事 、 之 ガ私 ノプ ラ ンデ ア ツ タ ノデ ア リ マ ス。 ト コロガ当 時 如 何 ナ ル
次第 ニ左翼 側 ガ優 勢 ト ナ リ マシ タ ガ、 然 シ最 初 カ ラ行 動 綱 領 ヲ明 示
ト ナ ツ テ来 マシ タ。 ソ コデ 吾 々 ハ遂 ニ神 戸 デ 刷 新 派 ノ大 会 ヲ開 キ 、
理 由 ガ ア ツ タ ノ カ、 私 ガ 此 ノ問 題 ニ触 レ ルト奇 妙ニ 同 志 達 ハ沈 黙 シ
ガ 生 ジ テ、 之 以上 総 同盟 刷 新 運 動 ト シ テ闘 争 ヲ継 続 スル事 ガ 不 可能
刷 新 運 動 ヲ打 切 ツ テ評 議 会 ヲ創 立 シタ ノデ ア リ マ ス。 只 今申 上 ゲ マ
ノデ ア リ マス。 又産 業 別 合 同 問 題 デ 、 産業 協 議 会 ノ 設置 ト機 関 紙 産
テ仕 舞 ヒ、 大会 デ ハ前 述 ノ如 ク議 場 裏 デ 右 一項 ヲ抹 殺 シ テ仕 舞 ツタ
シ、常 任 委員 会 又私 ヲ代 表 ニ選 定 シ マシ タ。 私 ガ大 阪 ヲ出 発 シ タノ
表 シ テ支 那 ヘ行 ク事 ト ナ リ マ シタ。 私 ハ進 ンデ 其 代表 タ ル事 ヲ希 望
速 馬 車 ニ乗 ツ テ日本 出 発 前 大 阪 ノ国 民 党 支 部 デ 聞 イ テ来 タ国 民党 北
ハ其 翌 朝 ノ事 デ アリ マス。 私 ハ汽 車 デ 下 関 ニ到 リ関 釜 連 絡 船 デ 朝鮮
京 支 部 ヲ訪問 シ、総 工会 ノ 人 ニ会 見 ヲ申 込 ミ マシ タ。 折 ヨク其 処ニ 、
業 版 ノ発 行 ト ハ私 ノ提 議 シ タ モノデ ア リ、 又 中央 委 員 会 ヲ産 業 別 協
総 工 会 ノ指導 者 ニ シテ 且中 国 共 産 党 員 デ ア リ曾 テ ロシ ア ノ レ ー ニ ン
シ テ カ ラ四 日 目 ノ夕 刻 無 事 北 京ニ 到 着 スル事 ガ 出 来 マシ タ。 私 ハ早
シ タ理論 的 根 拠 ヲ持 ツ テ居 タ訳 デ ハア リ マセ ヌ。 唯 経 験 上斯 様 ニ ス
供 シタ ノデ ア リ マスガ、其 当 時 之 等 三 ツノ問 題 ニ 就 テ私 ハ ハツ キ リ
大 学 生 デ ア ツ タ某 ガ 居 合 セ マシタ ノデ 、 其 男 ト別 室 デ 会 見 シ、 私 ノ
ニ 入 リ 、 奉 天 ヲ経由 シテ 一路 北 京 ニ向 ヒ マシ タ。 ソ シ テ大阪 ヲ出 発
ル事 ニ ヨ ツテ初 メ テ革 命 的 労 働 運動 ノ遂行 ガ出 来 ル位 ニ考ヘ タ ニ過
議 会 カ ラ比 例 代 表 ト ス ル事 ヲ原 則 ト ス ルト 云 フノ モ私 ノ提 案 デ ア リ
ギ マセ ヌ。 ソ シテ此 ノ単 純 ナ問 題 ノ中 ニ重 大 ナ理論 的 、実 際 的 意 義
テ ア ツ テ評議 会 常 任委 員 組 織 部 長 三 田村 四郎 ヲ評 議 会 ノ代 表 ト シ テ
信 任 状 ヲ示 シ来 意 ヲ告 ゲ マシタ。 其 信任 状 ハ評 議 会 本 部 ノ判 ガ 押 シ
マシタ。 ソ レデ 私 ハ ソ レヲ大 会 議 場 ヘ図解 シ テ貼 出 シ、討 議 ノ要ニ
ガ含 マレテ居 タ事 ヲ知 ル ニ至 ツ タ ノ ハ、私 ガ 党 ノ留 守 中 央 常 任 委 員
ノデ 私 ヲ元 日本 留 学 生デ 中 国 共 産 党 員 デ ア ル台 湾 人 某 ノ下ニ 連 レ テ
支 那 ニ派 遣 スト 認 メタ モノデ ア リ マシ タ。 其 男 ハ日本 語 ガ解 セ ナイ
ト ナ ツテ カ ラ後 ノ事 デ ア リ マ ス。 サ ウ 云 フ訳 デ アノ評 議 会 創 立 大 会 ニ 素 晴 シイ宣 言 ガ上 程 サ レ タ時 ニ ハ、 晴 天 ノ霹靂 ト 云 ツタ感 ガ ア リ
行 キ マシタ 。中 国共 産 党 ハ以後 其 台 湾 人 某 ヲ私 ノ通 訳 ト シ テ支 那滞
マシタ。 評 議 会 ハ昨 夜 マデ ハ総 同 盟 ノ幹 部 ノ横暴 ヲ攻撃 ス ル反 幹 部 派 ノ運動 デ ア ツタ ノ ガ、 今 ヤ 一躍 シ テ赤 色 労 働組 合 ノ創 立 大 会 ト ナ
翌 日 街 頭ニ 出 テ見 テ全 ク驚 キ マシタ。 其 日 ハ反 帝 国 主 義 示 威 運 動 ガ
ニナリ マシタ 。其 日 ハ疲 レテ居 ル ノデ 其 儘 寝 テ仕 舞 ヒ マシ タガ 、其
行ハ レ ルノデ 、 街頭 ハ道 行 ク人 モ車 上 ノ人 モ子 供 モ老 人 モ皆 手ニ 晴
在 中 私 ニ付 ケ テ呉 レ マシタ。 ソ レデ 私 ハ此 ノ通 訳 ノ家ニ 同 居 スル事
天 白 日 旗 ヲ持 ツ テ居 リ マス。 ド ノ家 ヲ見 テ モ打 倒 帝 国 主 義 ノ伝 単 ガ
ツ タ ノデ アリ マス。 之 ガ 凡 テ ニ共 通 ノ山 川 主 義 ノ戦 術 デ ア リ、 此 ノ
ツ テ現実ニ 現 ハレテ来 マシ タ。 故ニ 評 議 会 ハ創立 大 会 デ ア ノ宣 言 ヲ
所ニ 、評 議 会内 ノ内 紛 問 題 ト シテ、 又 評 議 会 内 右翼 ノ左翼 反 対 ト ナ
貼 ツ テ アリ マス。家 丈 ケデ ハア リ マセ ヌ、 人 力 車 ノ背 部 、荷 車 ノ側
矛 盾 ノ破 綻 ハ早 晩 表 面ニ 出 テ来 ネ バ ナ リ マセ ヌ。 実 際 ニ間 モナ ク随
ミ砕 イ テ説 明 ス ルト 云 フ段 ニナ ルト 、 ソ レ ヲ為 シ得 ル人 ハ評 議 会 幹
可 決 シ マシタ モノ ヽ、扨 テ ア ノ宣 言 ヲ 一般組 合員 大衆ニ 判 リ易 ク噛
反 帝 国 主 義 ノ漫 画 ト ス ローガ ンガ絵 カ レテ居 リ マ ス。 更ニ 驚 イ タ ノ
面 ニ モ 一杯 伝 単 ヤ ラ檄 文 ガ貼 ツ テ アリ マス。 城 壁 ノ至 ル処ニ 見 事 ナ
ハ国 民 党 ノビ ラト相 並 ンデ 中 国 共産 党 ノ ビ ラ ガ堂 々 ト貼 付 ケ テ ア ル
私 ハ評 議会 常 任 委 員 組 織 部 長 ト ナ ツ テ間 モナ ク 、有 名 ナ上 海 南
五
事 デ ア リ マシ タ。 私 ガ 後 ニ日本 共 産 党 ノ留 守 中 央 常 任 委 員 時 代 及 北
部 中 ニ ス ラサ ウ 沢 山 ハ居 ナ カ ツタ ノデ ア リ マス。
シ マセ ヌガ 、或 日 ノ事 緊 急常 任 委 員 会 ガ開 カ レ テ誰 レカ 評議 会 ヲ代
京 路 事 件 即 チ五卅 事 件 ガ勃 発 致 シ マシ タ。 私 ハ日 時 ヲ ハツ キリ記 憶
ス ル事 ニア ル。 之 ガ 私 ノ述 ベ タ来 意 デ ア リ マシ タ。 恰 度 正 午 カ ラ示
農 大 衆ニ 報 告 シ、 此 ノ闘 争 ノ為 メ ニ日支 労 働 者農 民 ノ提 携 ヲ強固 ニ
主 義 闘 争 ニ対 ス ル日本 労 働 者 ノ態 度 ヲ凡 ユル機 会 ヲ通 ジ テ支 那 ノ労
ノ諸 幹 部 ト 会 見 シ、私 ノ来 意 ヲ報 告 シ マシ タ。 私 ノ使 命 ハ、 反帝 国
ノ為 メ ニ銃 殺 サ レタ同 志 李 大釗 ヲ始 メ、 中 国 共 産 党 北 京支 部 中 央 部
ノ門 ヲ潜 リ マシタ。 ソ コデ 私 ハ中 国 共 産 党 ノ指 導 者 ニ シテ後ニ 官 憲
私 ハ途 々斯 様 ナ物 凄 イ光 景 ヲ見 ツ ヽ通 訳 ノ案 内デ 市 中 ノ或 一軒 ノ家
ヲ取 ツ タ ノ ハ、実 ニ此 ノ中 国 共 産 党 ノ戦 術 カ ラ学 ンダ ノデ ア リ マ ス。
海 道 オ ルガ ナ イ ザ ー時 代ニ 個 別 ス ローガ ン ノ小 ポ スタ ー ヲ貼 ル戦 術
ノ方 法 ノ意 義 ハ後 デ 私 ノ北 海 道 ニ於 ケ ル活動 ニ干 ス ル供 述 ノ際 申 上
果 ヲ収 メ、 又 北 海 道 小 樽 ノ前 衛 ガ 之 ヲ実 行 シテ亦 成 功 シタ事 、 及 此
デ ー示 威 行 列 ニ於 テ此 ノ中 国 共産 党 ノ ヤリ方 ヲ移 シ試 ミ、 多 大 ナ効
返 スノデ ア リ マス。 私 ハ後 自 分 ガ指 揮者 ト シテ遂 行 シタ浜 松 ノ メ ー
マ ス。 サ ウ スルト 全 員 ガ ソ レ ヲ復 唱 ス ル。 之 ヲ行 進 歌 ノ中 間 毎ニ 繰
名 ノ メ ガ ホ ン ヲ持 ツ タ男 ガ 居 テ ソ レガ代 ル〓
ラ レ テ居 マシ タ。私 ガ 此 ノ示威 運動 カ ラ学 ンダ ノ ハ、 一隊 毎ニ 三 、四
マシ タ ノ モ実 ニ羨 シ ク感 ジ マシタ。 参 加 者 ノ数 ハ約 二十 万 人 ト 称 セ
ニ参 加 シ タ ノデ アリ マシテ、 労 働 者 ノ部 隊 ハ何 レ モ数 千 人 宛 デ アリ
者 ガ ヤ ツ テ来 マシタ。 凡 ソ北 京 ノ凡 ユル階 級 層 ガ 全 部 此 ノ示 威 運動
大 会 ﹂ ガ開 催 サ レ マシ タ。 私 ハ此 ノ大 会 ニ日本 ノ労 働 者 ヲ代 表 シテ
ゲ マ ス。 此 ノ示 威 運 動 ガ ア ツ タ数 日 後 ニ北京 天安 門 外ニ 於 テ ﹁雪 恥
標 語 ヲ叫 ブ ノデ ア リ
威 運 動 ガ 行ハ レ ル事 ニナ ツテ居 リ マシ タ ノデ 、 私 ハ中 国 共産 党 北京 支 部 政 治 部 長ニ 連 ラ レ、 此 ノ 示威 運 動 ヲ参 観 ニ出 カ ケ マシ タ。
ノ代 表 者 ガ参 加 シ テ居 タト 記 憶 シ マス。 此 ノ大 会 ハ先 ヅ 南 京 路 ニ於
私 ハ此 ノ示 威 運 動 ヲ見 テ又 一ツ新 タ ナ ル教 訓 ヲ学 ビ マシ タ。当 時 ハ
テ刺 殺 サ レタ同 志 ノ霊 ヲ弔 フ儀 式 ガ ア ツ テ、其 式 ガ済 ンデ カ ラ大 会
ヴ エー ト、 ジャ ワ、 蒙 古 、 台 湾 、 朝 鮮 、英 、 ア フガ ニ スタ ン、 仏 等
レト ハ全 ク異 ナ リ、決 シ テ ワ ツ シ ヨ〓抔
ト ナ リ、 各 種 ノ決 議 ガ行 ハレ、 ソ レガ仕 舞 ツ テカ ラ各 所 ニ設 ケ ラ レ
出 席 シ演 説 ヲ致 シ マシ タ。 外 国 人 ト シ テ ハ私 ノ 外 ニ印 度 、独 乙、 ソ
如 何 ニ モ秩 序 正 シ ク整然 ト シ テ居 テ シツ カ リ シタ足 取 リデ 進 行 シ テ
タ演 壇 デ 演 説 ガ行 ハ レタ ノデ ア リ マスガ 、当 日 ノ参 会 者 ハ約 二十 万
タ時 代 デ 、 北 京 ハ憑玉 祥 ノ治 下 ニア リ マ シタ。 示 威 運 動 ハ日 本 ノ ソ
来 マス。 今 ハツ キ リ記 憶 シ マセ ヌガ、 先 頭ニ 少 年 労 働 者 ノ 一隊 ガ標
ト 称 セラ レ、 私 達 ハ中 央 演 壇 デ 挨 拶 ス ル事 ニナ リ マシ タ。
未 ダ 支 那 国 民 ブ ルジ ヨ アジ ー ヲ労 働 者 ト共 ニ革 命 運 動ニ 共 同 シ テ居
語 ヲ掲 ゲ テ来 マシ タ。 其 次ニ一 個中 隊 程 ノ軍 隊 ト其 直 グ 次 ヘ同 様 一
ト 云 ツ テ走 リ廻 リ マセ ヌ。
個 中 隊 程 ノ警 官 隊 ガ打 倒 帝 国主 義 ノ標 語 ヲ掲 ゲ テ ヤ ツテ来 タ ノ ニ ハ、
ア ツ テ、 反帝 国 主 義 闘 争 ノ前 ニ ハ之 等 ノ国 ノ間 ニ何 等 ノ 差別 ヲ設 ケ
私 ノ其 時 ノ演 説 ノ要 旨 ハ ﹁日 、 英 、 米 、仏 等 ハ凡 テ帝 国 主 義 国 家 デ
テ ハナ ラ ナ イ事 、 日本 ノブ ル ジ ヨア ジ ー ハ朝鮮 、台 湾 ヲ掠 奪 シ又満
テ モ見 ル事 モ想 像 スル事 モ出 来 ヌ事 デ アリ マス。 私 ハ其 次ニ 一体 何
蒙 ヲ掠 奪 シテ居 ル丈 ケデ ナ ク旅 順 、 大 連 、 青 島 ヲ占領 シ テ居 ル。 更
全 ク私 ハ呆 然 ト シテ仕 舞 ヒ マシ タ。 ソ ンナ光 景 ハ吾 々日 本 人 ニ ハト
ヤ ツテ来 タノデ ヤツ ト少 シ落 付 ク事 ガ 出来 マシタ。 鉄 路 総 工会 ガ ソ
ガ来 ルカ ト思 ツテ キ ヨ ロ〓
ニ最 近デ ハ上 海 ニ積 極 的 ニ魔 手 ヲ延 バ シ テ居 ル。 支那 ノ労 働 者 諸 君
シ テ居 ル前 ヘ、 北京 印 刷 工会 ノ 一隊 ガ
レ ニ続 キ 、看 護 婦 ノ 一隊 、 学 生 、 先 生 等 ノ各 隊 ガ 通過 ス ルト 又労 働
ハ此 ノ奪 ハレタ権 利 ヲ日 本 帝 国 主 義者 ノ 手 カ ラ奪 還 シナ ケ レバ ナ ラ
ヲ雪 グ ト 云 フ事 、即 チ反 帝 国 主 義 ト 云 フ 一点 ニ賛 成 ス ル 一切 ノ階 級
ニ ヨ ツテ意 ノ儘 引 廻 ハシ テ居 ルト 云 フ事 デ アリ マシタ。
一ノ組 織 ノ中 ニ継 ギ ト メ、 共 産 党 ハ其 中 ニ フラ ク シ ヨ ンヲ作 リ、 之
例 ヘバ私 ガ出 席 シ タ天 安 門 外 ノ ﹁ 雪 恥 大 会 ﹂ ニ ハ、 労 働 者 階 級 ノ立
層 ヲ網 羅 シテ当 面 ノ闘 争 ニ動 員 シ、 而 カ モ此 ノ ﹁ 雪恥大会﹂ト 云フ
支 那 革 命 不 干 渉 、 軍 隊 軍 艦 ノ即 時 撤 退 ヲ要 求 シテ闘 争 シ テ居 ル。 日
ヌ。 ソ レ ニ反 対 スル ノ ハ日 本 ノブ ルジ ヨア ジ ーデ ア ツ テ吾 々デ ハナ
本 ノ労 働 者 階 級 ハ支 那 ノ諸 君 ノ反 帝 国 主 義 闘 争 ニ賛 成 デ ア リ、 之 ト
イ。 故 ニ吾 々 ハ日本 ニ於 テ日 本 ノ帝国 主 義 ブ ルジ ヨア ジ ー ト闘 ヒ、
共 同 シテ闘 フ モ ノデ ア ル。 故 ニ日本 ノブ ル ジ ヨア ジ ー ハ日 支 労働 者
ケデ 、 後 ハ全部 民 族主 義 ヤラ自 由 主 義 ヤラ平 和 主 義 ノ立 場 カ ラ日 本、
場 カ ラ演 説 シ タ外 国 人 ハ私 ト ソヴ エー ト代 表 及 独 乙 ノ代 表 ノ三 人 丈
英 国 ノ暴 虐 ヲ攻撃 シタ ノデ ア リ マ ス。 要 ス ル ニ各 自 勝 手 ナ立場 カ ラ
ノ提 携 ヲ最 モ恐 レ、 日本 ノ 労働 者 代 表 ノ支 那 ニ来 ル事 ヲ妨害 シタ。
ラ之 ト 闘 フト 云 フ限 リ 一切合 切共 同 出 来 ル筈 ナ ノデ ス。 ト コ ロガ 此
然 シ彼 等 ノ凡 ユル妨 害 ニ モ拘 ラズ 現 ニ私 ハカ ウ シ テ此 処 ニ出 席 シ、
ノ判 リ 切 ツタ出 来 ル筈 ノ事 ガ 日本 デ ハ出 来 ナ イ ノデ ア リ マス。 ソ レ
ク考 ヘテ見 レバ ソ レデ イ ヽ訳 ナ ノデ ス。 当 ノ敵 ハ帝 国 主 義 ナ ノダ カ
世 界 ノ労働 者 ガ支 那 労 働 者 諸 君 ト握 手 シ、相 協 力 シ テ世 界 ノ帝 国 主
ハ共 産 党 ガ ナ イ カ ラデ ア ル。 一切 ノ団 体 カ ラ独 立 シ テ共 産 党 ガ アリ、
帝 国 主義 ニ反 対 シテ居 ルノデ ア リ マ ス。 ソ レデ 平 気 ナ ノデ ス。 又能
義 ヲ必 ズ覆 滅 ス ル事 、其 闘 争 ガ 必 ズ 勝 ツト 云 フ事 ヲ意 味 ス ルノデ ア
共 産 党 ハ共産 党 ト シテ独 立 ノ ビ ラ ヲ発 行 シ テ己 ガ 主 張 ヲ発表 シ、 党
ソ レ ハ帝 国主 義 者 ガ如 何 ニ妨 害 シ様 ト モ、 日 支 労働 者 ノ ミナ ラズ 全
ル。私 ガ今 支 那 ノ労 働 者 諸 君 ト 握 リ合 ツ テ居 ル手 ハ二本 デ ア ル。 然
支 那 ノ労働 者諸 君 ト握 手 ス ル事 ガ出 来 タ。 此 ノ事 ハ何 ヲ意 味 ス ルカ。
シ此 ノ二本 ノ手 ヲ通 ジ テ何 十 万 何 百 万 ノ日本 ノ労 働 大 衆 ガ諸 君 ト 握
ア ルガ故 ニ コンナ大 胆 鷹 揚 ナ共 同 戦 線 モ張 ル事 ガ出 来 ルノ ダ ト考 ヘ
員 ハ又 凡 ユルト コロ ニ潜 リ込 ンデ 居 テ此 ノ主 張 ノ下 ニ活動 ス ル。 之
マシタ。 私 ハツク〓
ク反帝 国 主 義 闘 争 ニ邁進 セ ヨ﹂ ト 云 フ ノデ アリ マシタ。
テ羨 シク ナ リ マ シタ。 又 ソ レ故 一層 日 本 ニ共 産党 組 織 ノ 必要 ヲ痛 感
手 シ テ居 ルノ ヲ忘 レテ呉 レル ナ。 故 ニ諸 君 ハ躊 躇 逡 巡 スル ト コ ロナ
私 ハ本 名 ヲ名 乗 ラズ 堀 一郎 ト 云 フ仮 名 ヲ用 ヰ テ居 リ マシタ ガ、 此 ノ
シ マシタ。 私 ハ此 ノ事 ヲ、 其 翌 晩 ﹁雪 恥 大 会 ﹂ ノ代表 者 委 員 会 ニ出
支 那 ノ共 産 党 ノ此 ノ ﹁雪恥 大 会 ﹂ ノ戦 術 ヲ見
ス ルト 云 ツテ私 ノ所 在 ヲ探 シ廻 リ マシタ。 私 ハ此 ノ大 会 デ 演 説 シ タ
演 説 ノオ カ ゲ テ所 謂 支 那 ゴ ロト 称 ス ル日本 人 ノ無 頼 漢 共 ハ私 ヲ暗 殺
成 スル) ノ代 表 ニ ヨツ テ実 行 委 員 会 ガ作 ラ レ テ居 リ マ ス。 ソ レ カ ラ
シ タ。此 ノ ﹁雪 恥 大 会 ﹂ ハ色 々 ナ党 派 ノ各 団 体 (即チ反帝国主義 ニ賛
更 ニ中 央 委 員 会 ノ様 ナ モノガ 選 バ レ、 其委 員 会 ノ下 ニ幾 ツカ ノ事 務
席 シ且 ﹁ 雪 恥 大 会 ﹂ ノ組 織 ヲ詳 シ ク知 ル ニ至 ツ テ、 一層 痛 感 致 シ マ
シタ。 私 ガ此 ノ ﹁雪 恥 大 会 ﹂デ 学 ンダ事 ハ、 此 ノ大 会 ハ日 本 ノ所 謂
許 リ デ ナ ク北 京 滞 在 中諸 処 ノ合 法 非合 法 ノ集 会 ニ出 席 シ、 反 帝 国 主
何 々国 民大 会 ノ如 キ ト違 ツ テ永続 的 ナ自 主 的 組 織 ヲ以 ツ テ居 ル事 、
部 門 ガ設 ケ ラ レテ居 リ マシ タ。 更 ニ宣伝 隊 、糺 察 隊 ト 云 フ様 ナ行 動
義 ノ宣 伝 ヲ致 シ マシ タ。 又 通訳 ヲ介 シ テ新 聞 ニ意 見 ヲ モ発 表 致 シ マ
故 ニ動 機 立 場 ノ如 何 ヲ問 ハズ 帝 国 主義 者 ノ暴 虐 ニ ヨツ テ受 ケ タ恥 辱
ニ其 委 員 会 ガ ア リ、 明 日 ノ正 午 一斉 ニ宣 伝 演 説 ヲ スル ト 云 ツ テ其 演
持 ノ場 所 ニ於 テ 一斉 ニ宣 伝 演説 ヲ ヤ ルノデ ア リ マ ス。 或 晩 ノ十時 頃
サ レ ルノデ ア リ マ ス。 ソ シ テ各 隊 ハソ レ ニ基 キ、 定 メ ノ時 刻 ニ各 受
心 ヲ コ ヽ ニ向 ケ ルベ シト 云 フ様 ナ具 合 ニ、 其 要 点 ガ 項 条 書 式 ニ決 定
員 会 デ 明 日 ノ宣 伝 事 項 ハ此 点 ト 此点 ヲ此 ノ立 場 カ ラ説 キ、 大衆 ノ関
隊 ノ責 任 者 ニ ヨツ テ委員 会 ガ作 ラ レテ居 タ様 デ シ タ。 ソ シ テ コノ委
ノ宣 伝 隊 ハ我 国 ノ メ ーデ ー宣伝 隊 ノ如 ク幾 組 モノ分 隊 ガ ア リ、其 分
ノ様 デ シタ。 宣 伝 隊 ニ就 テ ハ大 イ ニ学 ブ ベ キ モノ ガ ア リ マシ タ。 此
ノデ ア リ マ スガ 、 スト ライ キ破 リ ノ発 見 モ矢 張 リ此 ノ糺 察 隊 ノ仕 事
議 違 反 者 ノ発 見 ガ 主 ナ ル仕事 ノ様 デ シタ。 後 ニ上 海 ニ行 ツ テ知 ツ タ
議 ヲ破 ツ テ私 カ ニ日 貨 ヲ売 買 ス ル奸 商 ノ摘 発 ト 云 ツ タ様 ナ、 所謂 決
部 門 モア リ マシ タ。 右 ノ糺 察隊 ハ私 ノ知 ル限 リデ ハ、 日貨 排 斥 ノ決
此 ノ集 団 ノ凡 ユル段 階 ニ党員 ヲ配 置 シ、 ソ レ ニ ヨツ テ甘 ク統 御 シ テ
ハグ ニナ ツ テ 一寸 モ興 味 ヲ持 テ マセ ヌデ シタ。 然 ル ニ中 国 共 産 党 ハ
唯 反 帝 国 主 義 ト 云 フ事 丈 ケ ハ 一致 ス ルガ、 ソ レ以 外 ハ悉 ク話 ガ チグ
連 中 ガ集 ツテ構 成 シ テ居 リ マシタ。 私 ガ夫 等 ノ人 々ト談 話 シ テ モ、
民 ブ ル ジ ヨアジ ー ア リ、 学 生 、 労働 者 、 自 由 主 義 者 等 々種 々雑 多 ナ
会 ﹂ ノ実 行 委 員 会 即 チ各 団 体 ノ代表 者 会議 ハ、 ア ナ キ スト ア リ、 国
党 ノ存 在 ト 云 フ事 ガ 絶 対 不 可 欠 ノ条 件 デ ア リ マ ス。 前 述 ノ ﹁雪 恥 大
事 ヲ体 験 シ マシ タ。 然 シ ソ レ ニ ハ鉄 ノ 如 キ規 律 ノ下 ニ行 動 スル共 産
ノ際 此 ノ ヤリ方 ヲ移 シ試 ミ テ見事 ニ成 功 シ、 決 シテ至 難 ナ事 デ ナイ
器 争 議 ノ際 、 及 留 守 中 央 常 任 委員 時 代 並 ニ北 海 道 ニ於 ケ ル総 選 挙 戦
ク モ秩 序 正 シ ク 一斉 ニ行 ハレ ルノデ アリ マス。 然 シ私 ハ後 ニ浜 松 楽
ガ居 テ其 男 ニ通 知 ガ 来 タカ ラデ アリ マス。 ソ シテ僅 カ半 日 ノ間 ニ斯
ガ ナ イ カ ラ ト 云 ツ テ私 ヲ北 京 ノ浅 草 ト 云 ツタ様 ナ処 ヘ案 内 シ テ呉 レ
ア リ マシタ。 其 翌 日中 国 共 産 党 ノ政治 部 長 及 組 織 部 長 ガ、 幸 ヒ用 事
ンバ ー ニ ヨ ツテ コ ヽ ニ提 出 サ レ討議 可 決 サ レタ ノデ ア ルト 云 フ事 デ
産 党 ノ委 員 会 ニ ヨツ テ決 定 サ レ タ モノデ 、 ソ レヲ今 フ ラ ク シ ヨ ン メ
留 守 中 央 常 任 委 員 ト シ テ議会 解 散 請 願 運 動 ノ ヤ リ方 ヲ徹 底 的 ニ ヤリ
産 党 ノ ヤ リ方 ニ教 ヘラ レ ルト コロガ ア ツ タ カ ラデ ア リ マ ス。 又更 ニ
同 戦 線 ヲ提 議 シ タ ノ ハ、 全 ク此 ノ支 那 ノ反 帝 国 主 義 闘争 ニ於 ケ ル共
行 シテ大 衆 ニ其 存 在 ヲ明 カ ニ ス ル事 、及 他 党 派 ト ノ大 胆 鷹 揚 ナ ル共
ト塩 原 温 泉 ニ於 テ会 見 シタ際 、 日本 共 産 党 ハ直 チ ニ党 署 名 文 書 ヲ発
ノ ケ チ臭 イ狭 イ 量 見 ニ憎 悪 ヲ感 ジ マシタ。 私 ガ後 ニ同 志渡 辺政 之輔
タ。 ソ シ テ日 本 ノ共産 主 義 者 ノ 巨頭 連 中 殊 ニ山 川 均 、荒 畑 勝 三等 々
マシタ。 正 午 頃 私 達 ガ 午 餐 ヲ共 ニ シテ帰 途 ニ着 ク ト、 其 遊 園 地 ヲ初
替 ヘタ ノ モ、 皆 此 ノ ﹁雪恥 大 会 ﹂ ノ教 訓 ニ基 イ タ モ ノ デ ア リ マ シ
居 ルノデ ア リ マ ス。 私 ハ支 那 ノ共 産 党 ノ度 量 ノ広 イ ノ ニ感 服 シ マシ
メト シテ諸 処 方 々 ノ人 ノ集 リ サウ ナ処 デ 宣 伝 隊 ガ演 説 シ テ居 ルノ ニ
タ。
ス。 ト コロガ聞 ク ト コ ロニ ヨレバ其 演 説 要 旨 並 ニ方 法 ハ其 前 夜 ノ 共
出 会 ヒ マシタ。 其 各 宣 伝 隊 ガ 掲 ゲ テ居 ル標 語 ヲ見 ル トド レ モ コレ モ
此 ノ ﹁雪 恥 大 会 ﹂ ノ ア ツタ 日 カ ラ 二、三 日後 ニ私 達 外 国 人 一同 ハ国
説 要 旨 方 法 ヲ討 議 決 定 シ テ居 ル処 ニ、 私 ガ偶 然 立 会 ツ タ事 ガ アリ マ
ノ宣 伝 ノ決 議 ハ昨 夜 ノ十 時 ニ行 ハレ、 ソ レガ宣 伝 隊 員 ニ通 知 サ レ タ
民 党 カ ラ招 カ レ、 北 京 郊 外 ノ有 名 ナ万 寿 山 離 宮 ノ歓 迎 会 ニ出席 シ マ
皆 一致 シテ居 リ マ シタ。 私 ハ其組 織 的 ナ ヤリ方 ニ驚 嘆 シ マシ タ。 此
ノ ハ夜 明 ノ 四時 頃 デ ア リ マス。 ト 云 フ ノ ハ私 ノ宿 ニ モ 一人 宣 伝 隊 員
シ タ。 此 ノ万寿 山 ハ当 時 憑 玉 祥 ノ手 デ 管 理 サ レテ居 リ マ シテ、 憑 玉
ス。 最 モ シツ カ リ シ タ意 見 デ モ ﹁ 共 産 党 ガ シツ カ リ牛 耳 ツ テ居 ル カ
人 ノ意 見 ヲ聴 ク ニ、 什 ウ モ此 ノ点 ヲ非 常 ニ楽 観 シテ居 ル ノデ ア リ マ
云 々﹂ ト 云 フノデ ア リ マシ タ。 ト 云 フノ ハ私 ガ通 訳 ヲ通 シ テ色 々 ナ
ラ大 丈 夫 ダ ﹂ ト 云 フ位 ヨリ 以 上 ニ云 フ人 ハア リ マセ ヌデ シ タ。 私 ハ
祥 ノ兵営 ハ此 ノ 万寿 山 ノ直 グ 際 ニア リ マシ タ。当 時 憑 玉 祥 ハ所 謂 国
此 ノ点 ニ就 テ中 央 部 ノ人 ト意 見 ノ交 換 ヲ ス ル事 ガ出 来 ナ カ ツ タ ノト 、
民 革 命 軍デ アリ マシタ カ ラ、 其 兵 営 ノ城 壁 ニ ハ 一里 モ先 カ ラ見 ユル 程 大 キナ文 字デ 打 倒 帝 国 主 義 其 他 ノ標 語 ガ白 ク書 カ レテ ア ツ タ ノ ハ、
支 那 語 ノ共 産 党 ノ機 関紙 ヲ読 ム力 ガ私 ニナ カ ツ タ ノデ 、 ソ レ ニ就 テ
党 ノ意 見 ヲ知 ル事 ガ 出 来 ナ カ ツタ ノ ハ残 念 デ ア リ マシ タ。 然 シ私 ハ
レ タ ノ ハ私 ガ万 寿 山 ヘ到 着 シ テ名 刺 ヲ出 シテ カ ラデ ア リ マ ス。 名 刺 ヲ見 タ番 兵 ハ私 ヲ兵 営 内 ヘ引 張 ツ テ行 キ マ シタ。聊 カ不 安 ニ思 ヒ マ
私 ニ ハ珍 シイ モノデ ア リ マシ タガ 、更 ニ ソ レ以上 ニ奇 異 ナ感 ニ捉 ハ
シ タガ軈 テ少 佐 ノ前 ヘ連 レ テ行 カ レ マシタ。 其 少 佐 ハ私 ノ名 刺 ヲ見
レ ニ立 派 ニ対 策 ガ出来 テ居 ル様 ニ思 ヒ マ シタ。
上 海 カ ラ再 ビ 北 京 ヘ帰 ツ テ支 那 労働 組 合 ノ情 勢 ヲ知 ル ニ及 ンデ 、 ソ
此 ノ万 寿 山 ノ歓 迎 会 後 数 日間 ハ、労 働 者 ノ秘 密 集 会 ヤ学 生 ノ集 会 、
ル ヤ否 ヤ椅 子 ヲ持 ツ テ来 テ私 ニ勧 メ、鄭 重 ニ御 苦 労 様 デ スト 挨 拶 サ レ タノ ニ ハ気 持 ガ悪 イ 位 デ シ タ。 私 ハ此 ノ少 佐 ニ ヨ ツ テ 尚 二 、三 ノ
マ シタ。
国 民 党 ノ集 会 、 其 他 ニ出 席 シ テ約 半 月 ヲ送 リ、 ソ レカ ラ上 海 ニ赴 キ
上 海 デ ハ折 悪 シ ク到着 後 直 グ病 気 ニ罹 ツ タ為 メ ニ、 学 生聯 合 会 ノ大
リ マ シタ。 後 デ 聞 イ タ ラ此 ノ少 佐 ヤ将 校 ガ共 産 党 員 デ 、 軍 隊 ノ中 ニ
会 ト総 工会 ノ臨 時 集会 ニ出 席 シタ丈 ケデ ア リ マシ タ。
将 校 ニ紹 介 サ レ挨 拶 ヲ交 ハシ、 此 ノ少 佐 ニ案 内 サ レテ万 寿 山 ニ這 入
ハ又兵 卒 ノ中 ニ モ沢 山 ノ党 員 ガ居 リ、 細 胞 ガ ア ルト 云 フ事 デ シタ。
此 ノ決議 文 ハ帰 朝 後 本 文 ハ総 同 盟 ニ渡 シ、 其 写 ヲ当 時 ノ評 議 会 ノ機
私 ハ ソレ ヲ大 変羨 シク思 ヒ マ シタ。 私 達 ハ歓 迎 午 餐 会 ヲ済 マシ、各
関 紙 労働 新 聞 ニ掲 載 シ マシ タ。 私 ハ此 ノ集 会 ノ翌 日 病気 ガ 一層 険 悪
代 表 ガ各 々立 ツ テ挨 拶 ス ル事 ニナ リ マシ タ。 私 ハ前 ニ述 ベ マシタ通
マシ タ。 ソ レヲ此 ノ席 上 デ 発 表 致 シ マシ タ。私 ノ 不 安 ト 云 フ ノ ハ
ト ナリ 遂 ニ学 生 聯 合 会 ノ世 話 デ 上 海 病 院 ニ入 院 シ、 一週間 程 治 療 ヲ
セ ルベ キ 一ノ決 議 ヲ行 ヒ、其 決 議 文 ノ伝 達 ヲ私 ニ委 任 致 シ マシタ。
﹁現 在 反帝 国 主 義 闘 争 ハ挙 国 一致 デ 遂 行 サ レ テ居 ル。 然 シ帝 国 主 義
総 工会 ノ集 会デ ハ私 ノ挨 拶 ニ対 シ テ、 其 集 会 ハ評 議 会 ト総 同 盟 ニ寄
ニ対 シ テ最 後 マデ 一貫 シ テ徹 底 的 ニ闘 フ階級 ハ労 働 者 以外 ニナイ 。
受 ケ テ退 院 シ マ シタ。 多 分 其 日 デ ア ツ タカ其 翌 日 カ ニ支 那 ノ同 志 ニ
リ、 中 国 共産 党 ノ戦 術 ニ悉 ク感 服 シ テ居 ル 一方 、 一ツノ不 安 ガ ア リ
ツ ア ル。 然 シ之 ガ果 シ テ何 時 マデ 続 ク カ 、私 ハ、 モウ少 シ運 動 ガ 発
今 日 支 那 ノ ブ ル ジ ヨアジ ー ハ吾 々ト共 ニ反帝 国 主 義 闘 争 ヲ遂 行 シ ツ
ノ為 メ ニ北 京 ニ於 ケ ル如 キ活動 モ出 来 ズ 、 又確 カ ニ北 京 ヨリ モ 一層
ラ同 志 ゲ ラ ニ会 見 シ テ 二、三 時 間 会 談 シ マシタ。 私 ハ上 海 デ ハ病 気
案 内 サ レテ同 志 陳 独 秀 ト 会 見 シ、 二 、三時 間 会 談 シ マ シ タ。 ソ レ カ
々 ニ敵 対 ス ルデ ア ラ ウ。 吾 々 ハ此 ノ事 ヲ予 メ承 知 シ テ置 ク事 ガ必 要
優 レテ居 ナ ケ レバ ナ ラ ヌ上 海 ノ共産 党 及総 工会 ノ活 動 ヲ支 持 且 学 ブ
展 シ激 化 シテ来 ル ト、 此 ノブ ルジ ヨア ジ ー ハ必 ズ 吾 々 ヲ裏 切 リ、 吾
デ ア ル。 若 シ サ ウデ ナイ ト 、其 時 ト ンデ モナ イ目 ニ会 ハネ バ ナ ラ ヌ
勢 ガ悪 化 シ、 軍 隊 ハ奉 天系 ノ張 某 ノ手 ニ落 チ、 反 帝 国 主義 闘争 ハ漸
事 ガ出 来 ナ カ ツ タ ノ ハ返 ス返 ス モ残 念 デ シ タ。 私 ガ 上 海 滞 在 中 ニ形
ガ、 ソ レデ モ私 ハ此 処デ 又 二 ツノ新 タ ナ ル教 訓 ヲ学 ビ マシ タ。 政 治
事 ヲ セズ 広 東 ヘ出 カ ケ タ ラウ ト 思 ヒ マス。 私 ハ其 希 望 ヲ懐 イ テ居 リ、
シ上 海 デ 同 志 山 本 懸 蔵 ト 会 見 シテ居 タ ラ 、 ア レカ ラ直 グ 日本 ヘ帰 ル
闘 争 ト経 済 闘 争 ト ノ結 合 及大 衆 動 員 ノ戦 術 ガ ソ レデ ア リ マシ タ。
其 予 定 デ ア ツ タ ノデ ア リ マス。 上海 デ ハ全 ク無 為 ニ過 シ タ様 デ シ タ
元 来 此 ノ五 卅 事 件 ハ、 上 海 ノ某 紡 績 工場 ノ スト ラ イ キ ニ於 テ英 国 官
ク弾 圧 ヲ受 ケ ル様 ニナ ツ テ来 マシタ故 ニ、 私 ノ活 動 モ危 険 ト ナ ツタ
様 ト 定 メ タ晩 ニ支 那 ノ同 志 ガ私 ノ宿 所 ニヤ ツ テ来 テ、 東京 市浅 草 区
ノデ 上 海 ヲ引 揚 ゲ ル事 ニ シ マシタ。 私 ガ上 海 ヲ愈 々明 日 ノ朝 出 発 シ
須 賀 町 ノ某 労 働組 合 代表 某 ガ私 ニ会 見 ヲ申 込 ンデ来 テ居 ルガ 、其 男
憲 ノ為 メ ニ 一労 働 者 ガ 射 殺 サ レタ ノ ガ発 端 ト ナ ツ タ ノデ ア リ マ ス。
メ 一切 ノ大 衆 団 体 ヲ総 動 員 シ テ五月 三十 日 ニ南 京 路 ニ於 テ抗 議 ノ為
上 海 ノ共 産 党 ハ直 チ ニ此 ノ事 件 ヲ捉 ヘ、此 ノ スト ラ イ キ ヲ反 帝 国 主
メ ノ示 威 運 動 ヲ組 織 シ タノデ アリ マス。 即 チ共 産 党 ハ五 月 三十 日 ノ
ト 会 見 ス ル カ什 ウ カ ト聞 キ ニ来 マシ タ。 私 ハテ ツ キ リ同 志 徳 田球 一
タ。 然 シ支 那 ノ同 志 諸 君 ハ其 浅 草 須 賀 町 ノ日 本 人 某 ヲ余 リ信 用 シテ
定 メ ノ時 間 ニ英 国 ノ支 配 下 ニア ル公 武 署 ノ所 在 地 デ ア ル南 京 路 ニ集
ダ ト思 ツ テ人 相 ヲ尋 ネ マスト、 全 然 違 フ ノデ 、 兎 ニ角 直接 会 見 ス ル
居 ナイ 様 子デ 、 目下 上海 ノ 日本 官 憲 ハ君 ノ所 在 ヲ捜 索 シ テ居 ルノデ
合 シ、 英 官 憲 ニ抗 議 ス ル事 ヲ指 令 シタ ノデ ア リ マ ス。 当 日定 メ ノ時
義 ノ政 治 闘 争 ニ転 化 シ タノデ アリ マス。上 海 ノ共 産 党 ハ此 ノ事 件 ガ
ア ル シ ス ル カラ若 シ心当 リ ガ ナ ケ レバ 此 儘 出 発 シ テ彼 ト ノ 会見 ヲ ヤ
間 ニナ リ マスト 、 上海 市 ノ 四方 八方 カ ラ南 京 路 目 掛 ケ テ大 衆 ガ殺 到
起 ルヤ直 チ ニ全 党 員 ニ指 令 シ、抗 議 運 動 ノ火 蓋 ヲ切 リ、 且国 民 党 始
メ ロト 云 ツ テ切 ニ勧 メ マ シタ。 私 ハ此 ノ親 切 ノ勧告 ニ従 ツ テ其 者 ト
シ タ ノデ アリ マス。 ソ シテ瞬 ク間 ニ、 サ シ モ ニ広 キ南 京 路 ヲ之 等 抗
ヲ謝 絶 シ様 。 ソ シ テ私 ハ明 日 ノ出 発 ヲ見 合 ハ ス事 ニ シ様 ト答 ヘ マシ
会 見 ス ル事 ヲ断念 シ、予 定 通 リ上 海 ヲ出 発 北 京 ニ帰 リ マシタ。 ト コ
議 ノ人 々 ヲ以 テギ ツ シリ 埋 メテ仕 舞 ヒ マ シタ。 勿 論 共 産 党 ハ抗 議 ノ
前 ニ一度 隙 見 ヲ為 シ、私 ノ知 人 ナ ラ バ会 見 シ、 サ ウデ ナケ レバ会 見
ロガ 此 ノ浅 草 須 賀 町 ノ某 コソ同 志 山 本 懸 蔵デ ア ツ タ ノデ ス。 私 ガ支
ツ テ之 ニ発 砲 シ、 此 ノ 示威 運 動 ヲ 一先 ヅ 退 散 セ シ メ マシ タガ 、 此 ノ
那 カ ラ大阪 ニ帰 ツタ数 日後 ニ突 然 同 志 山 本 懸 蔵 ガ私 方 ヲ訪 問 シテ来
発 砲 ニ ヨツ テ数 十 名 ノ支 那人 ヲ射 殺 シタ為 メ ニ事 態 ハ 一層 発 展 シ テ、
マシ タ。英 官 憲 ハ此 ノ抗 議 デ モ ン スト レー シ ヨ ン ニ驚 愕 シ、 度 ヲ失
過 シ タ後 ヘ〓
一工場 ノ スト ライ キ ガ今 ヤ挙 国 一致 ノ反 帝 国 主 義 闘 争 ト ナ ツ タ ノデ
檄 文 ヲ撒 布 シタ シ、反 帝 国 主 義 ノ ス ロー ガ ンヲ書 イ タ旆 モ押 立 ラ レ
部 ノ信 任状 ヲ持 ツテ行 ツテ居 ル ガ彼 ハ信 任 状 ヲ持 ツ テ行 カ ナ カ ツ タ
ア リ マス。 此 ノ南 京路 ノ 示威 運 動 並 ニ其 後 ノ反 帝 国 主 義 闘 争 ニ於 テ
テ初 メテ ソ レガ判 ツタ ノデ ア リ マシ タ。 同 志 山 本懸 蔵 モ、堀 一郎 ガ
ノデ ス。其 為 メ私 ハ正 代 表 ト シ テ歓 迎 サ レ タガ 、同 志 山本 懸 蔵 ハ信
私 ダ ト 云 フ事 ガ其 時 初 メ テ知 ツ タ ノデ ア リ マシ テ、彼 ハ恰 度 私 ノ通
任 状 ノナ イ為 メ ニ私 ノ様 ニ ハ便 宜 ヲ得 ナ カ ツ タ ラ シイ ノデ ス。 サ ウ
最 モ勇 敢 ニ闘 ツ タノ ハ最 初 ノ スト ラ イ キ ヲ起 シ タ 工場 ノ労 働 者 デ ア
ト立 チ廻 ツ タ ノダ ソ ウデ ス。 ト コ ロガ 私 ハ評 議 会 本
シ テ遂 ニ上海 デ私 ニ追 付 キ会 見 ヲ申 込 ンダ ノダ サウデ シタ。 私 ガ若
若 シ資 本 家 ガ即 座 ニ労 働 争 議 ヲ解 決 スルト スレバ 、 勿論 一方 ニ大 キ
ル事 ハ申 ス マデ モア リ マセ ヌ。 茲 ニ大 キナ 教訓 ガ ア ルノデ アリ マス。
結 果 今 マデ 眠 ツ テ居 タ印 刷 工 ハ 一斉 ニ立 上 リ、 到 ル処 ニ争 議 ガ勃 発
ゼ及 工場 テ ー ゼ ヲ立 テ ヽ所 謂 私 ノ上 カ ラ ノ煽 動 ヲ ヤ ラ セ マシタ。 其
イザ ー ノ組 織 ヲ立 テ、 各 オ ルガ ナイ ザ ー ノ分 担 ヲ定 メ、 且 地 区 テ ー
マシ タ。 当 時 印 刷 労 働 組 合 ノ頽 勢 ヲ挽 回 スベ ク中 央 集 権 的 オ ルガ ナ
シ、 組 合 員 ハ 一躍 シ テ 二倍 ニナ リ マシ タ。 此 ノ争 議 ヲ解 決 ス ル為 メ
ハ大 勝利 ヲ以 テ貫 徹 ス ルデ セウ。 ソ シ テ労 働 者 ハ争 議 ガ労 働 者 側 ノ
ニ、 オ ルガ ナイ ザ ー ニ命 ジ テ毎 晩 時 間 ヲ定 メ テ工 場 カ ラ直 接 大 衆 ヲ
ナ 挙 国 一致 ノ反 帝 国 主 義 闘 争 ニ牽制 サ レ テ、 労働 者 ノ主 張 又 ハ要 求
セウ シ、 他 ノ労 働 者 ヲ刺 戟 シ テ スト ライ キ ヲ起 サ スデ セウ。 若 シ資
動 員 シ、 其 定 メ ノ時 間 ニ八 方 カ ラ 一斉 ニ争 議 工場 前 ニ集 合 シテ 示威
勝利 ヲ齎 セバ 一層 奮 ヒ立 ツ テ引 続 キ反 帝 国 主 義闘 争 ノ先頭 ニ立 ツデ
本 家 側 ガ労 働 争 議 ノ解 決 ヲ拒 メ バ、 労 働 者 ハ否応 ナ シ ニ矢 張 リ反 帝
タ警 察 ガ 此 ノ示 威 運動 ヲ破 壊 ス ル為 メ ニ警 察 隊 ヲ派 遣 スルト シ テ モ、
運 動 ヲ行 ヒ、 工場主 ヲ威嚇 シタ ノ デ ア リ マス。 ド ンナ大 都 市 ノ優 レ
ハ絶 対 ニ出来 マセ ヌ。 此 ノ示 威 運 動 ノ指 揮 者 ハ ヨク時 間 ヲ見積 リ 、
先 ヅ 巡 査 ヲ召集 シテ 、 ソ レガ現 場 ニ到 着 スル マデ ニ ハ三 十 分 以 内 デ
国主 義 闘 争 ノ先 頭 ニ立 ツデ セ ウ。 ソ レ ハ争 議 ガ解 決 シナ イ限 リ 又反
私 ハ其 事 ヲ後 ニ浜 松 楽 器 争 議 ニ於 テ実 験 シ テ見 テ 、誤 リデ ナ イ事 ヲ
帝 国主 義 闘 争 ガ終 熄 シナ イ限 リ、 此 ノ干 係 ニ変化 ハ起 ラ ナ イデ セウ。
確 メ マ シタ。 彼 ノ浜 松 ニ於 ケ ル運動 会解 散 ニ対 ス ル抗 議 運 動 、 争 議
ノ境 界線 ニ最 モ近 イ方 向 ヘ示 威 運 動 ヲ引 揚 サ ス。 ソ シ テ急 速 ニ隣接
十 五 分 乃 至 二十 分経 過 シタ ラ直 グ 其 地 点 カ ラ当 該 警 察 ト 他署 ノ管 轄
ス。犠 牲 者 ガ出 ル気 使 ヒガ ア リ マセ ヌ。 一人 モ犠 牲 者 ヲ出 シ マセ ヌ
警 察 ノ管 轄 区 ヘ這 入 ルヤ否 ヤ示 威 運 動 ヲ解 散 シ テ仕舞 フ ノデ ア リ マ
団弾 圧及 選 挙 干 渉 ニ対 スル抗 議 運動 ガ 即 チ ソ レデ ア リ マ ス。 私 ハ此
ネ バ ナ ラ ヌト思 ヒ マシ タ。 我 国デ ハ永 イ合 法 主 義 ノ伝 統 ノ為 メ ニ、
ノ南 京 路 事 件 ヲ親 シ ク知 ツ テ カ ラ、 日 本 ノ 示 威運 動 ノ ヤ リ方 ヲ改 メ
示 威 運 動 ハ必 ズ 警 察 ニ届 出 其 許 可 ノ範 囲デ 行 フト 云 フ習 慣 ガ ア リ マ
威 運動 ニ加 ハツタ事 ガ動 機 ト ナ ツ テ組 合 員 ト ナ リ、印 刷 労働 者 ハ此
ノ事 ア ツテ 以来 皆 労 働 服 ヲ着 ル様 ニナ リ マシ タ。 此 ノ 示 威運 動 ノ最
デ シ タ。 勿論 此 ノ示 威 運 動 ニ ハ組 合 員 外 ノ大衆 モ動員 サ レ、此 ノ示
モ成 功 シタ ノ ハ、当 時 勃 発 シ タ高 野 印刷 ノ スト ライ キ ニ対 ス ル非 合
ス。 吾 々 ハ元 ヨリ此 ノ合 法性 モ利 用 シナ ケ レバ ナ リ マセ ヌ。 然 シ支
テ ハ居 ラ レ マセ ヌ。 此 ノ南京 路 ニ於 ケ ル上 海 共 産 党 ノ大 衆 動 員 ノ戦
法 示威 運動 デ ア リ マ シタ。 彼 ノ北 海 道 小 樽 ニ於 テ行 ハレ タ同 志 山本
配 階 級 ガ反 動 化 シ タ今 日 、 ソ ン ナ合 法主 義 ニノ ミ吾 々ノ運 動 ヲ限 ツ
サ ウ セズ シ テ労 働 者 ガ 軈 テ権 力 ヲ奪 取 ス ル事 ハ出 来 ヌ。 然 シ斯 様 ナ
懸 蔵出 迎 ノ非 合 法 示 威 運 動 ハ、 全 ク此 ノ南 京路 事 件 ノ 教訓 ニ ヨリ、
術 ニ習 ツ テ、 官 憲 ノ意 思 ニ反 シ テ示 威 運動 ヲ組 織 シ ナ ケ レバ ナ ラ ヌ。
又前 述 ノ大 阪 印 刷 労 働 争 議 ノ経 験 ニ基 キ遂 行 サ レ タ モノデ ア リ マ ス。
マシタ。 此 ノ 工場 カ ラ直 接 大 衆 ヲ動 員 シ定 メ ノ時 刻定 メ ノ場 所 ニ八
更 ニ私 ガ留 守 中 央 常 任 委 員 時 代 此 ノ示 威 運 動 ノ ヤ リ方 ヲ 一層 完成 シ
ハ中 央 集 権 的 強 固 ナ組 織 ガ何 カ ナ ケ レバ駄 目 デ ア ルト考 ヘ マシ タ。 私 ハ帰 朝 後 直 チ ニ其 年 即 チ 一九 二六年 ノ暮 相 次 デ 勃 発 シ タ大 阪 印 刷
大 衆 動 員 ハ工場 細 胞 ニ基 礎 ヲ置 ク共 産 党 ナ シ ニ ハ不 可 能 デ ア ル。 或
労 働 者 ノ スト ライ キヲ解 決 ス ル為 メ ニ此 ノ大 衆 動 員 ノ実 験 ヲ シ テ見
庄 次 郎 ノ優 レタ意 見 ニ賛 成 シ マシ タ。 即 チ労 働争 議 ノ場 合 ハ問 題 デ
ヲ何 処 ニ選 ブ カ ヾ大 問 題 ナ ノデ ア リ マ ス。 私 ハソ レ ニ就 テ同 志 春 日
方 カ ラ 一斉 ニ集 合 ス ルト 云 フ根 本 基 準 ハ毫 モ変 リ マセ ヌガ 集合 地 点
シ タ ノデ ア リ マスガ 、 此 ノ珍 客 ノ歓 迎 会 ヲ同様 挙 国 一致 デ 挙 行 スベ
私 ガ北 京 ニ帰 ル 二、三 日 前 ニ ソヴ エ ート聯 邦 ノ 飛行 機 ガ北 京 ニ到 着
居 リ マ シタ。 漸 クブ ルジ ヨ アジ ー ノ軟 化 ガ 始 ツ テ居 タ ノデ ア リ マ ス。
事 デ アリ マシ タ。此 ノ事 ハ、 支那 北 京 警 察 庁 内 ニ這 入 込 ンデ 居 ル共
ク共 産 党 ハ宣 伝 煽動 シタ ノデ ア リ マス。 然 ル ニ之 ハ ﹁雪 恥 大 会 ﹂ ノ
産 党員 カ ラ ノ報 告 ニ基 ク モノデ ア ルト 云 フ事 デ シタ。 従 ツ テ私 ハソ
ハア リ マセ ヌ。 政 治 闘 争 ノ場 合 ハ其 集 合 地 点 ハ停 車 場 前 官 公 署 前 、
産 党 ガ南 京 路 ヲ此 ノ示 威 運 動 ノ集合 地 ト シテ選 ンダ 意 義 ガ私 ニ 一層
レカ ラ ハ 一切 公 然 ノ集 会 ヘ出 ル事 ヲ避 ケ 、 労 働 者 ノ非 合 法集 会 ニノ
如 ク 一致 ス ル事 ハ出 来 ナ カ ツタ ト 云 フ事 デ シ タ。 ソ シ テ 二、三 日後
能 ク判 ツ テ来 マシ タ。 更 ニ私 ガ 上海 デ 学 ンダ事 ハ、 此 ノ反 帝 国 主 義
ミ出 席 シ マシ タ。 ソ シテ其 オ カゲ デ 北 京 ノ労 働組 合 ノ情 勢 ヲ 一層能
又 ハ官 公 署 ニ最 モ近イ 大 街 路 、 然 ラザ ル時 ハ最 モ人 口ノ密 集 ス ル繁
闘 争 勃 発 以 来 労 働 組 合 其 他 ノ機 関紙 ガ 日刊 ト シテ発 行 サ レ テ居 ル事
ニ開 催 サ レ ル第 何 回 カ ノ ﹁雪恥 大 会 ﹂ ニ ハ私 ハ出 席 シ ナ イ方 ガ ヨカ
デ ア リ マシ タ。其 時 ハ只 ソ レ ヲ羨 シク思 ツ タ ニ過 ギ マセ ヌデ シ タ。
ク知 ル事 ガ出 来 マシ タ。然 シ ソ レガ 明 瞭 ニナ ル ニツ レ テ、私 ニ ハ又
華 ナ街 路 、 例 ヘバ 日 本 橋 通 リ 或 ハ銀 座 通 リ ノ如 キ ヲ其 集 合 地点 ト シ
然 ル ニ私 ガ 後浜 松 楽器 争 議 ニ於 テ争 議 日報 ヲ発 行 シ テ見 テ此 ノ 日刊
此 ノ北 京 ノ労 働 組 合 ニ就 テ 一種 ノ不 安 ガ 生 ジ テ来 マシ タ。 即 チ北京
モ日 本 ノ官憲 及 支那 ノ官 憲 ガ私 ヲ 捜 索 シ テ居 ルカ ラ用 心 セ ヨト 云 フ
新 聞 ノ意 義 ガ諒 解 出 来 マシタ。 更 ニ又 此 ノ争 議 日 報 ガ 在来 ノ日本 ノ
ノ労 働 組 合 ハ今 度 ノ反 帝国 主 義 運 動 ノ為 メ ニ急 拵 ヘ ニ組 織 サ レタ モ
ラ ウト 云 フ同 志 カ ラ ノ勧 告 ヲ受 ケ 、 私 ハソ レ ニ従 ヒ マ シタ。 ナ ンデ
スト ライ キ ノ戦 術 ヲ 一変 スル事 、 ソ レ ニ不 可 欠 ノ条 件 ヲ為 ス モノデ
ノデ 、 自 国資 本 家 ト ノ闘争 ノ過 程 カ ラ生 長 シタ モノデ ナ イ ノデ ス。
テ選 ブ ベ キデ ア ル ト 云 フ ノデ ア リ マ ス。 之等 ノ集 合 地点 ハ ソ レ〓
ア ル事 ヲ モ理解 出 来 マシ タ。 夫 等 ニ就 テ ハ既 ニ私 ハ雑 誌 マルク ス主
特 別 ナ理 由 ト意 義 ノ ア ル事 ハ申 ス マデ モア リ マセ ヌ。 斯 ク テ上 海 共
義 及 労 働 新 聞 号 外 ニ発 表 シ テ ア リ マスカ ラ此処 デ ハ申 上 ゲ マセ ヌ。
ガ ﹁雪恥 大会 ﹂ ヘ代 表 ヲ送 ツ テ居 ル ノデ ア リ マ ス。 ト コ ロガ 此 ノ
ノ職 業 ニ応 ジ テ組 合 ヲ組 織 シ且組 織 サ レテ居 リ マシ タ。 ソ シ テ ソ レ
サ レテ居 リ マシ タ。 之 モ其 時 ハ気 ガ付 キ マセ ヌデ シタ ガ、 後 ニ レー
﹁雪恥 大 会 ﹂ ニ ハ、 先 キ ニ申 シ マシ タ如 ク資 本 家 モ亦 総 商 会 其 他 ノ
当 時 北 京 ノ凡 ソ働 ク 民衆 ハ全 部 一人 残 ラズ ト 云 ツ テ ヨイ 位 ニ、 各 々
ニ ンノ何 ヲ為 スベ キカ ヲ読 ミ、初 メ テ其 意 義 ガ判 リ、 留 守 中 央 常 任
尚 此 ノ 日刊 新 聞 ニ反 帝 国 主 義 闘争 ノ 運動 資 金 ノ寄 附 広 告 ガ毎 号 掲 載
委 員 時 代 ニ之 ヲ思 出 シ、 無産 者 新 聞 ニ之 ヲ応 用 シ タ ノ ガ彼 ノ基 金 三
コニア ツタ ノデ ア リ マ ス。 私 ハ既 ニ日本 ニ於 テ、 ア ノ普 選 獲得 運 動
過 程 ニ於 テ今 井 嘉 幸 ヤ賀 川 豊 彦 等 ニ ヨツ テ組 織 サ レ タ労働 組 合 ガ 、
団 体 ニ結 合 シ、 同 様 代 表 ヲ送 ツ テ居 ル ノデ アリ マス。 私 ノ不安 ハソ
私 ハ以 上 ノ如 キ 沢 山 ノ新 知 識 ヲ得 テ 又北 京 ニ帰 ツ テ来 マシ タ。僅 カ
一朝 資 本 家 ト闘 争 ス ルト 云 フ時 ニナ ツ テ、 無 力 ヲ暴 露 シ タバ カ リデ
千 円 募 集 運 動 デ アリ マス。
二 十 日 間 程 ノ間デ アリ マシタ ガ 、其 間 ニ北 京 ノ情 勢 モ大 ニ変 化 シ テ
内 ニ於 テ秘 密 集 会 ヲ盛 ン ニ開 催 シ、自 国 資 本 家 ト ノ利 害 ノ不 一致 ヲ
私 ノ無 智 ヲ直 グ 覚 リ マシ タ。 北京 ノ共 産 党 ハ此 ノ急 拵 ヘノ労 働組 合
ナ杞 憂 ヲ持 ツ タ モ ノ ヽ、 労働 組 合 ニ於 ケ ル共 産 党 員 ノ活 動 ヲ見 テ、
タデ セウ。 中 国 共 産 党 ハ正 シ カ ツ タ ノデ アリ マス。 私 ハ 一時 右 ノ様
ヲ忘 レテ居 タ ト シ タ ラ、 ソ レ コソ大 ナ ル過 失 ト 云 フベ キデ ア リ マシ
ルジ ヨ アト協 力 シテ遂 行 スル ノ ミデ 、 此 ノ労働 者農 民 ヲ組 織 ス ル事
ベ キ モ ノデ アリ マシタ。 若 シ中 国 共 産 党 ガ 此 ノ反 帝 国主 義 闘 争 ヲブ
争 ノ過 程 ニ於 テ労働 者 農 民 ヲ 一挙 ニ組 織 シ タ共 産 党 ノ戦術 コソ学 ブ
然 シ之 ハ私 ノ全 ク杞 憂 デ アリ無 智 ノ表 白 デ 、 寧 ロ此 ノ反 帝 国主 義 闘
ナ ク、 跡 形 モナ ク瓦 壊 シ テ仕 舞 ツタ ノ ヲ知 ツ テ居 ル カ ラデ アリ マス。
シタ事 ハ爾 来 私 ノ血 ト ナ リ肉 ト ナ ツタ ノデ ア リ マ ス。
諸 戦 術 ガ凡 テ レー ニ ンノ教 義 ニ従 ツ タ モ ノデ ア ル事 ヲ 理解 シ、 其 運
後 ニ レー ニ ンノ何 ヲ為 スベ キ カ ヲ読 ム ニ及 ンデ 、此 ノ支那 共 産 党 ノ
ガ当 時 支 那 滞 在 中 ニ其 運 動 並 ニ戦 術 ノ意 義 ヲ理 解 シ得 ナカ ツタ事 モ、
間 ニ支 那 ニ於 テ受 ケ タ教 訓 ハ前 述 ノ如 ク絶 大 ナ モ ノガ アリ マス。 私
在 ハ右 ノ 如 ク僅 カ ニ一ケ月 ニ過 ギ マセ ヌデ シ タ ガ、然 シ此 ノ 一ケ 月
告 シ テ済 マシタ ノ ハ大 ナ ル過 失 ト 云 ハネ バ ナ リ マセ ヌ。 私 ノ支 那滞
ハ日本 共 産 党 ビ ユー ローノ 方針 デ 、単 ニ各 地 ノ非 合 法 集 会 デ ノ ミ報
大 衆 的 ニ其 報 告 ヲ行 フベ キデ ア リ マシ タガ 、当 時 ノ評 議 会 ノ方 針 実
経 由 シテ大 阪 ニ帰 リ マシ タ。 私 及 同 志 山本 懸 蔵 ガ 日本 ニ帰 ツテ当 然
本 ノ労 働 者 ニ報 告 スル事 ニシ、 支 那 ニ滞 在 ス ル事 約 一ケ月 、 朝 鮮 ヲ
人 三 田 村 四郎
動 、 其 戦 術 ノ理 論 的 根拠 ヲ知 ル ニ至 リ 、 此 ノ 一ケ月 間 ニ支 那 デ 経 験
同 日於 前 記 場 所
東京地方裁判所
右 読 聞 ケ タ ル処 相 違 ナ キ旨 申 立 署 名 拇 印 シタ リ。
告
宣 伝 シ、 労 働 者 ニ階級 意 識 ヲ注 ギ 込 ミ、 資 本 家 ト ノ闘争 ニ労働 者 ヲ
瓦壊 シ
被
蹶 起 セ シ ムベ ク働 イ テ居 タ ノデ ア リ マ ス。 私 ガ 出 席 シ タ集 会 ハ実 ニ
シ タ。 即 チ日本 ノ普 選 運 動 過 程 ニ作 ツ タ労 働 組 合 ガ ム ザ〓
斯 様 ナ集 会デ ア ツタ ノデ ス。 ソ コデ 又 私 ハ共 産 党 ノ必要 ヲ痛感 シ マ
テ仕 舞 ツタ ノ ハ、 当 時 日 本 ニ共 産 党 ガ ナ ク 、共 産 党 独 自 ノ活 動 ガ ナ カ ツタ カ ラデ ア ルト 云 フ事 ガ 判 ツ タカ ラデ アリ マス。 其 後 私 ガ共 産 党 神 戸 地 区 責 任 者 ト ナ ル ニ及 ンデ 、彼 ノ但 馬 震 災 義 捐 金 問 題 ノ闘 争
予 審 判 事 神 垣 秀 六
裁 判 所 書 記 鹿 田 清 次
ノ戦 術 ニ教 ヘラ ル ヽト コロガ ア ツタ カ ラデ ア リ マ ス。 支 那 ノブ ルジ
過 程 ニ於 テ農 民 組 合 、 労 働組 合 、青 年 同 盟 ヲ組 織 シ タ ノ ハ、 全 ク此
人 三 田村 四 郎
右 治 安 維 持 法 違 反被 告 事 件 ニ付 、 昭和 五年 四月 四 日豊 多 摩 刑 務 所 ニ
告
従 ツ テ反 帝 国主 義 運動 ガ赤 色 化 シ テ来 タ ノ ヲ見 テ早 ク モ恐 怖軟 化 シ、
於 テ、 予 審 判事 神 垣秀 六 ハ裁 判 所 書 記 鹿 田清 次 立 会 ノ上 前 回 ニ引続
被
凡 ユル方 面 ニ於 テ労 働 者 ト ノ間 ニ不 一致 ガ 生 ジ テ来 マシタ 。斯 ク テ
第 二十 三 回 訊問 調 書
反 帝 国主 義 闘争 ハ半 月 前 ノ様 ニ表 面 的 花 々 シ クナ ク ナ リ 、陰 惨 ニナ
一問 被 告 ガ共 産 党 組 織 ニ熱 中 スル ニ至 ツ タ原 因 ト ナ ツ タ事 実 ハ前
キ右被 告 人 ニ対 シ訊 問 ス ル コト左 ノ如 シ。
ヨア ジ ー共 ハ斯 ノ如 ク労 働 者 ガ段 々階 級 意 識 ニ自 覚 シ始 メ、 ソ レ ニ
ツ テ来 マシタ。 ソ ンナ訳 デ 私 ハ 一先ヅ 日 本 ニ帰 リ 、支 那 ノ情 勢 ヲ 日
ツ タ事 件 ヲ 一カ ラ 五 マデ 述 ベ マシ タ。然 シ其 事 件 ハ尚 幾 ツ カ ア リ マ
答 私 ハ前 ニ私 ガ共 産 党 ガ 無 ク テ ハ駄 目 ダ ト考 ヘサ セラ ル ヽ ニ至
ルト 云 フ状 態 ニナ ツ テ居 リ マシ タ。 私 ハ驚 イ テ委 員 会 ノ開 催 ヲ要 求
リ マス。僅 カ半 歳 ノ間 ニ組 合 員 ハ激 減 シ、事 務 所 ノ家 賃 モ支 払 兼 ネ
阪 印刷 労 働 組 合 ノ広 イ事 務 所 ハ閑 古 鳥 ガ 鳴 ク様 ニ寂 レテ 居 ルノデ ア
テ見 マシタ。 然 ル ニ今 マデ 賑 カ ナ組 合 事 務 所 ト シ テ評 判 ノ ア ツタ大
ノ体 ニ余 裕 ガ生 レタ ノデ 、 私 ハ大 阪 印 刷 労 働組 合 ノ方 ヘモ顔 ヲ出 シ
スノデ 之 以 下 ヲ述 ベ タイ ト 思 ヒ マス。
シ、過 去 半 歳 間 ノ活 動 ノ報 告 ヲ受 ケ テ見 マスト 、 ソ コニ大 キ ナ欠 陥
ニ述 ベ タ 以 外 ニ モア ル ノ カ。
シテ来 タ腸 疾 患 ガ再 発 シ、 遂 ニ ソ レガ盲 腸 炎 ト ナ リ マシ タ。 其 為 メ
六 私 ハ支 那 カ ラ帰 朝 シ テ約 十 日程 ス ルト 、上 海 デ 一時 押 ヘ ニ治 療
為 メ ニ貴 重 ナ時 間 ヲ随 分 邪 魔 サ レ マシ タガ 、 後 ニ ハ私 自身 ガ其 当 事
紛 ガ続 発 シ マシ タ。私 達 中 央 常 任 委 員 ハ之 等 ノ内 紛 問 題 ヲ鎮 定 ス ル
デ 協 同 シ結 合 シ タ評議 会 ノ陣 営 ニ漸 ク左 右 ノ対 立 ガ生 ジ 、 小 サ ナ内
領 ヲ掲 ゲ テ進 メ タ ノデ ナ カ ツタ為 メ ニ、 即 チ当 時 反 幹 部 ト 云 フ 一点
題 ガ山 積 シ テ居 リ マシ タ。評 議 会 ガ ア ノ刷 新 運 動 ヲ最 初 カ ラ行動 綱
前 ニ暴 露 サ レ タ ノ ヲ痛 ク怨 ンデ 卑 劣 極 マ ル反 三 田村 運 動 ヲ起 シ タ ノ
ツ タ ノデ ア リ マシタ 。彼 等 ハ私 ノ活 動 ニ ヨ ツテ彼 等 ノ無 能 ガ 大 衆 ノ
ガ、 ソ レ ハ印 刷 労働 組 合 ノ若 干 ノ幹 部 諸 君 ノ喜 ブ ト コ ロト ナ ラ ナ カ
私 ハ此 活 動 ニ ヨツ テ大阪 印 刷 労働 組 合 ノ勢 力 ヲ 一躍 強 大 ニシ マシ タ
工代 会 議 ト私 及 共 産 党 ノ干 係 ニ就 テノ陳 述 ニ就 テ参 照 シテ頂 キ マ ス。
ナ ク、 其 二倍 ニ組 合 員 ヲ増 大 シタ ノデ ア リ マ スガ 、其 詳 シイ顛 末 ハ
ニ約 一ケ月 半 ト 云 フ モ ノ病臥 シ タ儘 何 モ ス ル事 ガ出 来 マセ ヌデ シ タ。
者 ノ 一員 ト ナ ル ニ至 ツタ事 ハ次 ニ申 上 ゲ マス。 私 ノ所 属組 合 ハ大 阪
デ ア リ マス。彼 等 ノ主 張 ハ私 ノ政 策 ニ ハ悉 ク賛 成 デ ア ル ガ、 私情 相
ス ル為 メ ニ闘 ヒ、 僅 カ 一ケ 月 半 ノ間 ニ組 合 ヲ旧態 ニ回 復 シタ許 リデ
印 刷 労働 組 合デ ア リ マ スガ、 私 ハ評 議 会 ノ 常 任 委員 ト ナ ルト同 時 ニ
ノ ア ル事 ガ判 明 シ マシ タ。 ソ コデ 新 方針 ヲ樹 立 シテ此 ノ頽 勢 ヲ挽 回
印刷 労働 ノ方 ハ役 員 ヲ辞 スル筈 デ ア ツ タト コ ロ、 ソ レデ ハ困 ル カ ラ
テ呉 レ、 私 ガ若 シ大 阪 印 刷 労 働 組 合 カ ラ手 ヲ引 カ ネ バ彼 等 ガ連 袂 辞
容 レザ ル モノ ガ ア ルカ ラ私 ト 一緒 ニ仕 事 ガ シ難 イ 故 ニ、 私 ニ辞 職 シ
ソ シテ病 気 ガ治 ツ テ組 合 ヘ出 カ ケ テ見 ルト、 其 処 ニ ハ実 ニ厄 介 ナ問
セ メ テ閑 職 ニ据 リ、 全 ク相 談 役 ト 云 ツ タ形デ ヽモ委 員 会 丈 ケ ニ ハ出
グ支 那 ニ行 キ、 帰 ツ テ カ ラ ハ病 気 デ休 ミ、今 度 出 テ見 ルト 用 事 ガ 山
デ ア ル カ大 衆 ノ前 デ 討 議 シ、然 ル後 去 就 ヲ決 シ様 ト主 張 スル ト、 彼
ス。 私 ガ、 彼 等 ト ノ不 和 ガ 果 シ テ私情 ノ疎 隔 デ ア ルカ政 策 上 ノ相 違
大 衆 ノ前 ニ暴 露 シ、 大 衆 ノ批 判 ニ訴 ヘル事 ヲ極 力 恐 レタ ノデ ア リ マ
席 シ テ呉 レト 云 フ組 合 員 ノ希望 ニ従 ツ テ、確 カ教 育 部 長 ダ ツ タ カ ヲ
積 シテ居 ルノト 私 ノ仕事 ガ組 織 部 長 デ ア ル干 係 カ ラ 一寸 モ大 阪 ニ落
リ 私 ニ引 退 ツ テ呉 レト 云 フ要 求 ナ ノデ アリ マス。彼 等 ハ私 ガ事 件 ヲ
着 イ テ居 ル事 ガ 出 来 ナ イデ 、何 時 モ地 方 ヘ旅 行 バ カ リ シ テ居 ルト 云
リ ニ馬 鹿 ラ シイ ト ハ思 ツタ ガ 、 私 ハ私 一個 人 ノ名 誉 ヨリ モ評 議 会 全
等 ハ只 管 左 様 ナ事 ヲ セズ 引 退 ツテ呉 レト懇 願 スル ノデ シ タ。 私 ハ余
職 ス ルト 云 フノデ ア リ マシ タ。 然 カ モ其事 ヲ大衆 ニ知 ラ サ ズ コツソ
フ状 態 デ ア リ マシ タ。 従 ツテ大 阪 印 刷 労 働 組 合 ノ方 ハ、委 員 会 ヘ顔
引 受 ケ テ居 マシ タ ト コ ロガ、今 云 ツタ様 ナ訳 デ 私 ハ評 議 会 創 立 後 直
ヲ出 ス暇 モナイ 様 ナ状態 デ シタ 。漸 ク本 部 ノ仕 事 モ少 シ片 付 イ テ私
労 働 組 合 カ ラ退 キ、 更 ニ大 会 デ評 議 会 ノ中 央 委 員 会 カ ラ退 イ タ ノ ハ
体 ノ平 和 ノ為 メ ニ黙 ツ テ引 退 ル事 ニ シ マ シタ。 ソ レデ 私 ガ 大阪 印刷
テ誰 モ取 合 ハズ 却 ツ テ左翼 ノ 一時 退 却 ヲ説 ク ノデ ア リ マ シタ。 恰 度
和 見 主 義 ト闘 ハネ バ ナ ラ ヌ事 ヲ力 説 シ タ ノデ アリ マスガ 、例 ニ ヨツ
右傾 化 ガ生 ジ始 メ タ時 、 共 産 党 ヲ組 織 シ テ右翼 及味 方 ノ陣 営 内 ノ 日
居 タ ノデ ア リ マス。 ソ レ ニ 一層 油 ヲ注 イ ダ ノ ハ、彼 ノ大 阪 中 ノ島 公
ノ勢力 ガ相当重キヲ為 シテ居 マシタ) ハ ソ ロ〓
ハ押 シ匿 シ テ 一致 団 結 右翼 ニ当 ラナ ケ レバ ナ ラ ヌ大 事 ナ時 デ ア ツ タ
ヤル ノ ガ落 デ アリ マシタデ セウ 。評 議 会 ト シ テ ハ当 時 、 内 部 ノ紛 争
左 右 ノ衝 突 ト ナ ル危 険 ガ アリ 、其 結 果 ハ綱 領 調 査 委 員 会 ノ 二 ノ舞 ヲ
然 シ実 際 ニ於 テ ハ騒 ギ ヲ大 キ ク シテ 、 ソ レヲ キ ツ カ ケ ニ評 議 会 内 ノ
斯 様 ナ情 勢 ノ時 ニ私 ノ前 述 ノ印刷 労働 組 合 幹 部 ト ノ衝 突 ガ起 ツ タ ノ
会 堂 ニ開 カ レ タ歴 史的 会合 、無 産 政 党 綱 領 調 査 委 員 会 ニ於 テ、 左右
ノデ ス。 斯 ル際 ニ本 部 常 任委 員 ノ 一人デ ア ル私 ガ内 紛 問 題 ヲ起 シ タ
スガ、 ソ レ ニ ハ次 ノ様 ナ大 キ ナ問 題 ガ潜 ンデ 居 タ ノデ ア リ マス。
何 故 カ ニ就 テ、 今 日 マデ ホ ンノ 少数 ノ 人 以外 ニ誰 モ知 リ マセ ヌノデ
両 翼 ノ衝 突 シ タ事 デ ス。 右翼 ハ 一斉 ニ結 束 シテ政 党 組 織 運 動 カ ラ脱
ト ナ レバ、 対 外 的 ニ評 議 会 ハ抜 キ差 ナ ラ ヌ事 ニナ ルノ ハ火 ヲ見 ル ヨ
ニ スレ バ、 理 論 ニ於 テ大義 名 分 ニ於 テ私 ハ必ズ 勝 ツ タデ ア リ マセ ウ。
退 シテ此 無 産 政 党 組織 運動 ヲ打 壊 サ ウ ト試 ミ マシ タ。 而 シ テ川崎 ノ
デ ア リ マス。 故 ニ私 ガ 若 シ其 際 私 ノ立 場 ヲ 明 カ ニシ テ問 題 ヲ大 衆 的
紡 績 会 社 ノ争議 ニ於 ケ ル関 東 地方 評 議 会 ノ共 同 戦 線 ノ失 敗 ヲ種 ニ シ
リ明 カデ ア リ マシ タ。 其為 メ私 ハ実 ニ思 フベ カ ラザ ルヲ忍 ンデ 印 刷
ト コロナキ連 中デ今日デ ハ明白 ニ左翼陣営 カラ没落 シテ居 マスガ当時 ハ彼 等
テ右 翼 ハ評 議 会 ヲ攻撃 シ、 遂 ニ評 議 会 ハ無 産 政 党 組 織 運 動 カ ラ退 却
ヲ開 イ タ ノデ ア リ マ ス。 左 翼 ガ 余 リ ニ評 議 会内 ノ右翼 ニ遠 慮 シテ退
労 働 組 合 カ ラ身 ヲ引 キ、評 議 会 ハ形 勢 転 換 ノ為 メ ニ拡 大 中 央 委 員 会
恰 度 其 頃 カ ラ評議 会 ノ右 翼 幹 部 ( 其本質 ニ於テ総同盟 ノ幹部 ト何等選ブ
ヲ余 儀 ナ クサ レ マシタ 。無 産 政 党 ニ評 議 会 ガ参 加 出 来 ナ イ ト ナ ル ヤ、
其 本 質 ヲ現 ハシカ ケ テ
右 ノ評 議 会 内 ノ右 翼幹 部 ノ連 中 ハ 一斉 ニ左 翼 攻 撃 ヲ始 メ マシ タ。 其
大 阪 デ ハ私 ガ 極 左 ノ代 表 ト 云 フ レツ テ ル ガ貼 ラ レ タ訳 デ ス。私 ハ川
ニ斯 ノ如 キガ 山 川主 義 ノ常 道 ナ ノ デ ア リ マス。 而 シ テ内 部 ノ左 翼幹
議 会 ノ政 策 ヲ具 体 的 ニ明 白 ニ シ テ退 却 カ ラ進 出 ニ転 ジ マシ タ ガ、 実
タ ノデ ア リ マス。 ソ レデ ハイ カ ヌト 云 フノデ 此 拡 大 中 央 委 員 会 ハ評
テ彼 等 ハナ ンデ モ カ ンデ モ皆 左翼 ノ ヤリ過 ギ失 敗 ノ極 印 ヲ押 シ始 メ
崎 市 ノ紡 績 争 議 ニ於 ケ ル関東 地方 評 議 会 ノ ヤ リ方 ハ失 敗 シ タト思 ヒ
部 共 ガ此 拡 大 中 央 委 員 会 ノ決 議 ノ精 神 ヲ理解 シ様 筈 ナ ク、 従 ツ テ依
却 戦 術 ヲ執 リ、 彼 等 ヲ怒 ラ サナ イ事 ニ之努 メタ結 果 、 薬 ガ効 キ過 ギ
マシタ ガ、 綱 領 調 査 委員 会 ニ於 ケ ル同 志 渡 辺 政 之 輔 ノ行 動 ハ失 敗 ダ
然 ト シテ内 部 デ ハ右 翼 ニ対 ス ル遠 慮 ノ政 策 ガ執 ラ レタ ノデ ア リ マ ス。
ス ローガ ン ハ左翼 小児 病 反 対 ト 云 フノデ ア リ マ ス。 ソ シ テ差 シ詰 メ
ノ ヤリ過 ギ ダ ノ ト ハ毫 モ思 ヒ マセ ヌデ シタ。 反 対 ニア レ コソ立 派 ナ
評 議 会 内 右 翼 幹 部 ガ 此 拡 大 中 央委 員 会 ノ決 議 ノ精 神 ヲ理 解 シテ居 ナ
関 東 地 方 評 議 会 ノ同志 渡 辺政 之輔 始 メ諸 幹 部 ガ此 ノ極 左 小 児 病デ 、
々 マデ ヤ リ過 ギ ダ ト 云 ヒ出 シタ ノ ニ ハ全 ク不 平 デ 堪 リ マセ ヌデ シ タ。
イ ト 云 フ証 拠 ニ ハ、 此 会 議 ノ直後 ニ開 カ レタ大 阪 印 刷 労 働 組 合 大 会
階 級 的 行 動 ダ ト 信 ジ テ居 リ マシタ故 ニ、山 川 均 ノ退 却 論 ヤ左翼 ノ人
私 ハソ レ ヨリ先 キ漸 ク無 産政 党 組 織 運 動 ガ甘 ク進 マズ 且 評 議 会 内 ニ
イ デ オ ロギ ーデ貫 カ レテ居 ル ノデ ア リ マシ タ。然 カ モ吾 々 ハ斯 ル連
シ タ モノ デ ア ルカ ラデ ア リ マ ス。 然 ル ニ此 テ ーゼ ハ徹 頭 徹 尾 小 ブ ル
ガ 、 他 人 ハ彼 ヲ未 ダ 左翼 ト見 テ居 リ マシ タ。 ソ レ程 ノ彼 太 田 ガ起 草
リ マス。 太 田博 ト 云 フ ノ ハ私 ハ其 頃 カ ラ彼 ヲ右 翼 ト見 テ居 リ マシ タ
右翼 幹 部中 ノ最 モ理 論 家 ト シ テ知 ラ レ タ太 田博 ノ起 草 シタ モノデ ア
議案 組 合 テ ー ゼ ヲ挙 ゲ ル事 ガ出 来 マス。 ナ ント ナ レバ此 テ ー ゼ ハ、
ノ ト決 メ テ私 ノ住 ム家 マデ モ用 意 シテ待 ツ テ居 リ マシ タ。 私 モ此 三
三 重 県 聯 合 会 ノ 人達 ハ非 常 ニ喜 ンデ 、 モウ私 ガ確 実 ニ三 重 ヘ来 ル モ
ハ止 マレ ナイ ガ半 歳 程 ナ ラ働 イ テ見 テ モ ヨイ ト返 事 シ テ ヤ リ マシ タ。
話 シ、若 シ私デ 良 ケ レバ来 ル評 議 会 ノ大 会 デ 役 員 ヲ辞 メ次 第 、 永 ク
マシ タ。 三 重 県聯 合会 ノ 人達 ハ親 シ イ人 達 ナ ノデ 私 ノ当 時 ノ事 情 ヲ
運 動 研究 旁 々評 議 会 ノ方 ハ息 ヲ抜 イ テ見 様 カ ト 云 フ気 マグ レガ 生 ジ
述 ノ如 ク手 モ足 モ出 ヌ様 ナ始 末 デ シ タ カ ラ、 此 際 之 ヲ幸半 歳程 農 民
中 央 委 員 ヲ辞 任 シ、其 改 選 ニ当 リ 太 田博 ヲ推 薦 シ テ愈 無 位 無官 ト ナ
重 県 聯 合 会 ノ人 達 ノ熱 情 ニ感 謝 シ、 必 ズ 行 ク積 リデ 評 議 会 ノ大 会 デ
従 フ ヨリ仕 方 ガ ナ イ 。而 モ私 ノ提 案 デ ア ル共 産 党 ヲ組 織 シ テ日和 見
スト、 彼 ハ非 常 ニ驚 イ テ絶 対 ニイ ケ ナ イ ト 云 ツ テ反 対 致 シ マシ タ。
リ マシ タ。 私 ハ早 速 三 重 ヘ赴 ク積 リデ 其 由 ヲ同 志 鍋 山 貞 親 ニ申 シ マ
ノ方 針 ガ 左 様 デ ア ル限 リ私 ハ仮 令 ソ レ ニ不 満 デ モ反 対 デ モ其 方 針 ニ
主 義 ト闘 フト 云 フ事 ガ許 サ レ ヌ限 リ当 分 私 ト シ テ ハ評 議 会 デ働 キ様
中 ニ只 管 遠 慮 シ テ行 カ ネ バ ナ ラ ナ カ ツ タ ノデ ア リ マス。評 議 会 全 体
ガ ナ ク ナ ツ タ訳 デ アリ マス。当 時 私 ハサ ウ考 ヘ マシ タ。恰 度 其時 農
ダ ト 云 フ ノデ シ タ。 私 ハ之 ニ ハグ ツト詰 ツテ仕 舞 ヒ マシ タ。 私 ハモ
ウ誰 ガ何 ト 云 ツ テ モ三 重 ヘ行 ク コト ハ出 来 ナ ク ナ リ マシ タ。 ソ レ ハ
彼 ノ反 対 理 由 ハ共 産主 義 者 ガ労 働 運 動 ノ舞 台 カ ラ離 レテ什 ウ ス ル ノ
私 ノ共 産 主 義 者 ト シ テ ノ良 心 ガ許 サ ナ イ カ ラデ ア リ マ ス。 ソ レデ 其
民 組 合 三 重 県 聯 合 会 カ ラ、誰 カ 一人 労 働 者 ノ理 論 家 デ 且 オ ルガ ナ イ
私 ハ総 同 盟 時 代 カ ラ三 重 県聯 合 会 ノ人 々ト ハ親 シ ク、 三重 合 同 労働
ザ ー ヲ世 話 シ テ呉 レト 云 フ六 ケ敷 イ注 文 ヲ私 ニ依 頼 シ テ来 マシ タ。
組 合 ハ私 ノ発 議 デ 組 織 サ レタ ト 云 フ様 ナ深 イ関 係 ガ ア ツ タ ノデ アリ
ダ ガ私 ハ其 当 座 コソ 三重 県 聯 合 会 ノ人 達 ヲ失望 セ シメ同 志 等 ノ期 待
タ ノデ ア リ マ ス。 私 ハ三重 県 聯 合 会 ノ人達 ヲ大変 失 望 サ セ マシ タ。
ニ報 ユ ル事 ハ出 来 ナ カ ツ タガ 、 然 シ私 ガ 三 重 県 ヘ行 カ ナ カ ツ タ事 ニ
事 ヲ又釈 明 シ テ 三重 ノ人 達 ニ詫 ビ 、私 ノ替 リ ニ大 西 十 寸 男 ヲ推 薦 シ
ハ以前 カ ラ岡 山 、 山 陰 、 京 都 等 ヲ始 メ方 々ノ農 民 組 合 ノ人 ト 親 交 ア
ヨツテ反 ツテ私 モ階 級 的 立 場 ヲ踏 ミ外 ス事 ナ ク 、 又其 後 ノ共 産 主 義
マ ス。 当 時 農 民 運 動 ハ最 初 ノ立 入禁 止処 分 ガ始 マリ カ ケ テ居 テ漸 ク
リ 、 又農 民 ノ争 議 ニ モ干 係 シ テ多 少 ノ知 識 ヲ持 ツ テ居 リ マシ タ ガ、
者 ト シテ ノ私 ノ活 動 ハ私 ガ 三重 ヘ行 ツ テ働 イ タ ヨリ 以上 ニ、 三重 ノ
農 民 運 動 ノ行 キ詰 リガ 唱 ヘラ レ始 メ ラ レテ居 タ時 デ ア リ マシ タ。 私
ハ出 来 マセ ヌデ シタ。 少 シ落 着 イ テ研 究 シ テ見 レバ 必 ズ其 打 開 策 即
尖端 カ ラ 一寸 デ モ離 レ様 ト 云 フ気 マグ レ ヲ起 シ タ ノ ハ、後 ニ モ前 ニ
農 民諸 君 ニ尽 シタ事 ニナ ツ タ ト信 ジ テ居 リ マス。 私 ガ労 働 運動 ノ最
私 ニ ハ当 時 唱 ヘラ レ始 メ タ農 民 運 動 ノ行 キ詰 リ ト 云 フ事 ハ信 ズ ル事
チ行 キ詰 リ ノ出 口 ガ容 易 ニ見 ツ カ ル ニ相 違 ナ イ ト信 ジ テ居 マシ タ。
モ此時 一度 デ アリ マ ス。
私 ハソ レ以前 カ ラ農 民 ノ闘 争 ニ就 テ、農 民組 合 ノ指 導 者 諸 君 ノ見 解 ト 違 ツ タ見解 ヲ持 ツテ居 タ カ ラデ ア リ マス。 ソ レデ 評 議 会 ノ方 ハ前
ノ組 織 ヲ引 受 ケ テ呉 レナ イ カ ト相 談 ヲ持 ツ テ来 マシ タ。 私 ハ勿論 言
下 ニ之 ヲ承 諾 シ浜 松 ニ赴 イ タ ノ デ ア リ マス。 而 シ テ私 カ ニ決 心 シ タ
居 ラ レナイ 程 闘 心 ニ燃 エテ居 ル時 、評 議 会 ハ私 ニ対 シ中 部 地 方 一帯
事 ハ、 遠 慮 ダ ノ退 却 ダ ノト 云 フ事 ハ私 ノ性 質 ニ適 合 シ ナイ 、 柄 ニ モ
ケ、 又 一方 共 産 党 カ ラ ハ私 ノ前 職 ガ巡 査 デ ア ツ タ事 カ ラ スパ イ 扱 ヒ
スル事 ヲ躊 躇 シ マシ タ。然 シ ソ レ ハ正 当 デ ア ツ タ ノデ ス。何ト ナ レ
ヲ サ レテ来 マシ タ。 同 志 等 ハ明 カ ニ私 ニ理 窟 ノ ア ル時 デ モ私 ヲ支持
ニ最 モ適 合 シタ ヤ リ方 ハ徹 頭徹 尾 闘 ヒ抜 ク事 ダ 、吾 々ガ政 権 ヲ獲 得
ナ イ 引込 ミ思 案 等 スルト 右 ノ三 重問 題 ノ様 ナ失 敗 ヲ ヤ ル、 私 ノ性 質
私 ハ今 日 マデ 支 配 階 級 カ ラ ハ最 左翼 ト シ テ常 ニ極 端 ナ弾 圧 迫害 ヲ受
バ私 ヲ少 シデ モ支 持 ス ル コト ハ大 衆 ト私ト ノ接 合 ヲ密 接 ニ ス ル事 デ
ス ル マデ ハヤリ足 ラ ナイ 事 コソ ア ル カ モ知 レ ヌガ断 ジ テ ヤリ過 ギ ナ
ア リ、 若 シ私 ガプ ロレ タリ アノ闘 士 デ ナ ク真 実 ノ スパイ デ ア レバ 、
ンカ ナ イ、 失 敗 ハヤ リ足 ラ ヌ場 合 ニ起 ルノ ダ ト 云 フ事 之 デ ア リ マ ス。
日和 見主 義 者 ヲ木 端 微 塵 ニ叩 キ付 ケ タ ノデ アリ マス。而 カ モ彼 等 ガ
スパ イ ニ大 衆 ヲ ク ツ ツケ ス パイ ノ信 用 ヲ付 ケ テ ヤル結 果 ト ナ ル カ ラ
全 国 的 ニ反 三 田村 熱 ヲ煽 ルヤ、 私 ハ次 ニ申 上 ゲ マス通 リ尚 一層彼 等
ソ レ故浜 松 デ ハ私 ノ主 張 ヲ徹 底 的 ニ押 通 シ、 一ケ 月前 ト ハ正 反 対 ニ
リ マス。然 シ此 左 カ ラ ノ斯 ル政策 ニ堪 エルト 云 フ事 ハ尋 常 一様 ノ事
ト 大 喧嘩 ヲ [スル]積 リ ダ ツ タ ノデ アリ マス。斯 様 ナ 訳 デ 曩 ニ申 上
レ テ来 マ シタ。 右 カ ラ ノ迫 害 ニ ハ断 乎 ト シテ闘 フ人 ハイ ク ラデ モ ア
デ ハアリ マセ ヌ。 而 モ私 ハ此 左 ノ斯 ル政 策 ヲ正当 ナ リ ト信 ジ、 又共
ゲ マシ タ通 リ私 ハ浜 松 刑 務 所 ニ収 容 サ レテ居 ル間 出 獄 後 如何 ニ シテ
デ ア リ マ ス。 此 左 カ ラ ノ斯 ル政策 ハ私 ガ共 産 党 員 ニナ ル マデ続 ケ ラ
ウ主 張 シ テ来 タ ノデ ア リ マ ス。 勿 論 其 永 イ 歳 月 ノ間 ニ ハ断 腸 ノ思 ニ
産 党 ハ私 ノ如 キ者 ニ対 シ テ ハ必 ズ サウ シナ ケ レバ ナ ラ ヌト自 分 モサ
ム機 会 ヲ得 マシタ 。私 ハ其 時 私 ヲ包 ンデ 居 タ黒 雲 ヲ 一掃 シタ様 ナ気
七 私 ハ此 三 重問 題 ガ ア ツタ直 後 ニ レー ニ ンノ何 ヲ為 スベ キ カ ヲ読
来 マ ス。
起 シ タ時 一度 キリ ダ ト 云 フ事 ヲ寧 ロ大 ナ ル誇 ヲ以 テ白 状 ス ル事 ガ出
尖 端 カ ラ離 レ様 ト シタ ノ ハ、 後 ニ モ前 ニ モ右 ノ三 重 行 ノ 気 マグ レヲ
組 織 ノ ヤ リ方 デ 一カ ラ始 メ ル ノデ ア リ マ シテ、 半 歳 目 ニ ハ五 百 人 、
フ事 ヲ スツ カリ 忘 レテ 居 タ事 デ ア リ マ ス。 私 ノプ ラ ン ハ浜 松 ノ 細 胞
同 志 松 尾 直 義 カ ラ勧誘 サ レテ既 ニ自 分 ガ共 産 党 員 ニナ ツ テ居 ルト 云
タ。 唯 今 日 思 ヒ出 シテ 見 テ モ如何 ニ モ不 思 議 ニ堪 エナイ 事 ハ、其 際
方 針 ニ従 ツ テ支 配 階級 ガ 与 ヘテ呉 レタ瞬 間 ヲ有 意 義 ニ生 活 致 シ マシ
利 用 ス ル コト 、 之 ガ私 ノ生 活 方 針 デ ア リ マ ス。 此 際 モ立 派 ニ此 生活
テ居 リ マシ タ。 如何 ナ ル瞬 間 ヲ モプ ロ レタ リ ア運 動 ノ為 メ ニ生 カ シ
ガ シ マシ タ。 永年 ノ間憧 レ且渇 望 シテ居 タ共 産 党 ノ組 織 方 法 ヲ理解
一年 目 ニ ハ二千 人 ヲ獲 得 ス ル計 画デ ア リ マ シタ。 而 モ私 ハ其 実 現 ヲ
共 産 党 ヲ組 織 ス ルカ ニ就 テ案 ヲ練 リ、 其 プ ラ ンヲ ス ツカ リ作 リ上 ゲ
シ得 タ バ カ リデ ナ ク、支 那 ニ於 テ経 験 シタ諸 事 件 ヤ日 本 ニ於 テ経験
確 信 シ テ居 リ マシ タ。 モ ウ 一ツ日和 見 主 義 ト ノ喧 嘩 云 々ト 云 フ ノ ハ
カ ラ退 カウ ト シタ事 ハア リ マセ ヌ。 私 ガ 仮 令 一瞬 時 ニ モ セ ヨ運 動 ノ
シ或 ハ当 時 私 ノ胸 中 ニ懐 イ テ居 タ色 々ナ新 シ イ プ ラ ン ニ就 テ、其 理
先 ニ申 上 ゲ マシ タ通 リ 、 私 ハ細 胞 組織 ニ ヨツ テ争 議 ヲ指 導 シ、各 地
値 ス ル苦 シイ事 モア リ マシ タ。然 シ私 ハソ レ故 ニ 一度 モ運 動 ノ尖 端
論 的 根 拠 ヲ与 ヘラ レ タカ ラデ ア リ マ ス。 斯 ク テ私 ハ モウ ヂ ツト シテ
違 ツ タ仕事 ガ授 ケ ラ レ
タデ ア リ マセ ウ シ、 又 ア ノ細 胞 組 織 モ直 チ ニ党 ノ組織 ノ中 ニ取 入 レ
ラ レナ イ マデ モ、 ア ノ細胞 メ ンバー ノ中 カ ラ充 分 ニ多 数 ノ党 員 ヲ採
時 指 導 シ テ居 タ細胞 組 織 ノ活 動 ニ モツ ト〓
用 スル事 ガ 出 来 タ ノデ アリ 、 更 ニ日本 共 産 党 ノ為 メ ニア ノ細 胞 組織
カ ラ集 ツ タ闘 士 ノ中 デ 日和 見 主 義 的 意 見 デ 争 議 団 ヲ動揺 セ シメ ル連
〓
ハ崩 シテ ハナ ラ ヌ ノデ ア リ マシ タ。私 ガ検 挙 サ レタ後 モ、 残 ツ タ細
中 ハ色 々 ナ方 法 ニ ヨツ テ彼 等 ノ 日和 見 主 義 ヲ暴 露 シ、浜 松 カ ラ ド ン
分 ノ地 方 ニ帰 ツ テ カ ラ私 ニ対 ス ル批 難 攻 撃 ヲ盛 ニヤ ツ テ居 リ マシ タ。
胞 メ ンバ ー ニ ヨツ テ細 胞 組 織 ハ維 持 サ レ、争 議 解 決 後 モ依 然 ト シ テ
自
当 時 私 ニ味 方 スル者 ハ極 メ テ少 数 デ東 京 、 大 阪 、 京 都 、 神 戸 、 名 古
追 放 ツ テ仕 舞 ツ タ ノデ アリ マス。 ト コ ロガ此 連 中 ハソ レ〓
屋 等 一言 ニ シテ 云 ヘバ全 国 的 ニ三田村 反 対 ノ声 ガ揚 ツ テ居 タ ノデ ア
社及 浜 松 一帯 ノ 工場 ニ組 合 ヲ再 興 ス ル為 メ ニ勇 敢 ニ闘 ツテ居 リ マシ
タ。私 ノ獄 中 ノ党 組 織 ノプ ラ ン ハ、 此浜 松 ノ細 胞 中 優 秀 ナ ル分 子 ハ
維 持 サ レテ居 テ、 私 ガ出 獄 シ タ時 ニ ハ此 細 胞組 織 ハ惨 敗 後 ノ楽 器 会
変 心配 シ テ、 谷 口善 太 郎 ノ如 キ ハ態 々浜松 ニ来 テ私 ニ真 相 ヲ聞 イ タ
ハ単 ニ浜 松 ノ労 働 者 丈 ケデ ナ ク東 京 、 大 阪 、 静 岡 、名 古 屋 、神 戸 、
ソ ツ クリ党 ノ中 ニ取 入 レラ ル ヽ モノデ ア リ マシ タ。 又此 細 胞 ノ中 ニ
リ マス。 ソ ンナ訳 デ 私 ニ同情 ヲ持 ツ テ居 タ京 都 ノ同 志 谷 口善 太 郎 、
位 デ アリ マシタ。 然 シ私 ガ 事 情 ヲ説 明 ス ルト 、私 ノ同 情 者 ハ皆 私 ノ
委 員 長 ノ野 田律 太、 東 京 デ ハ野 坂参〓 、松 尾直 義 、 中 尾 勝 男 等 ハ大
ヤ リ方 ヲ正当 ナ リ ト是 認 シ タ ノデ ア リ マス。然 シ私 ハ此 争 議 ガ終 レ
リ マシ タ故 ニ、 私 ノ獄 中 ノ プ ラ ン ハ決 シテ空 中 楼 閣 デ ハナ カ ツタ ノ
ハ私 ノプ ラ ン ノ中 デ ハ各 地 ノ オ ルガ ナ イ ザ ート シ テ勘 定 ニ入 レテ ア
デ ア リ マ ス。
京 都 等 カ ラ応 援 ニ来 タ労 働 者 モ這 入 ツ テ居 タ ノデ 、 勿論 夫 等 ノ連 中
私 ガ勝 ツト 云 フ自 信 ヲ持 ツ テ居 リ マシ タ。 又 当時 私 ノ指 導 ノ下 ニ細
私 ハ獄 中 デ 案 ヲ練 リ且 共産 党員 ト シテ ソ レヲ実 行 ニ移 シタ ノ ハ右 ノ
バ 什 ウ セ 一悶 着 ハ免 レ ヌ モノ ト思 ツ テ居 リ マシタ シ、彼 等 如 何 ニ多
胞 メ ンバ ート ナ ツテ闘 ツテ居 タ青 年 闘 士 等 ハ、 是 非 私 ガ 先頭 ニ立 ツ
外 、 尚 政 治 闘 争 ト 大 衆動 員 ノ方 法 ニ就 テ ヾア リ マ シタ。 此 ノ問 題 ノ
数 ト 雖 モ向 フ ニ廻 ハシテ大 喧 嘩 ヲ シ テ ヤ ル積 リ デ アリ マシタ。 而 モ
ル事 ヲ要 求 シ テ居 リ マシタ。 今 日 カ ラ考 ヘ マ スト 私 ガ 既 ニ党員 ト ナ
テ彼 等 日 和 見主 義 幹 部 ト闘 ツテ呉 レ ル事 、 其 闘 ヒガ 絶 対 ニ必要 デ ア
識 ラズ 其 処 ヘ落 込 ンデ 居 タ モ ノト思 ヒ マ ス。 更 ニ私 ノ日 本 共 産 党 入
大 会 ノ開 催 、抗 議 文 ニ署 名 ヲ為 サ シ メ数 千 名 ノ署 名 ヲ得 テ代 表 ヲ内
対 ス ル内 務 省 ヘノ抗 議 運 動 、 其 為 メ ノ全 浜 松 ノ各 工場 ニ於 テ 従業 員
器争 議 中 ニ運 動 会 解 散 ニ対 ス ル抗 議 運 動 ヲ起 シ、或 ハ争 議 団 弾 圧 ニ
マイ ト事 件 ト差 入 書 籍 ニ対 ス ル反 動的 制 限 デ アリ マス。私 ガ浜 松 楽
党 干 係 ガ前 述 ノ如 ク実 ニ簡 単 デ而 モ直 チ ニ具 体 的 ナ党 活 動 ノ指 令 ヲ
務省 ニ派遣 シタ リ 、或 ハ選 挙 干 渉 ニ抗 議 シ テ闘 ヒ、或 ハ市 会 議 員 選
動 機 ト ナ ツ タ ノ ハ、 浜 松 楽 器争 議 中 ニ起 ツタ所 謂 暴 動 事 件 及 ダイ ナ
受 ケ、 且党 活 動 ヲ シ ナ カ ツ タ事 モ其 一原 因 デ ア リ マセ ウ。 若 シ其 時
ツ テ居 ル ニ拘 ラズ右 ノ共産 党 組 織 ノ プ ラ ンガ全 然 一カ ラ始 メ ル事 ニ
私 ガ同 志 松 尾 直 義 カ ラ直 チ ニ党 ノ此争 議 ニ対 ス ル具 体 的 方 針 ヲ授 ケ
挙 ノ タ メ ニ各 労 働 団体 並 ニ小 市 民 ノ団 体 及 工 場 内 ノ御 用 団体 マデ モ
ナ ツ テ居 タ ノ モ、 此 ノ日和 見主 義 幹 部 ト ノ闘 争 ノ経 緯 抔 カ ラ知 ラズ
ラ レ、私 ノ任 務 ガ命 ゼ ラ レ テ居 タ ノデ ア リ マ シタ ナ ラ、 ア ノ私 ガ当
差 入制 限 コソ労 働 者 ニ対 ス ル階 級的 弾 圧デ ア ル事 、 之 ニ闘 ハズ シ テ
農 民 大 衆 ニ直 接 訴 ヘ、 大 衆 ヲ動 員 シ テ大衆 的 ニ闘 フノ デ ア ル事 、其
糾 合 シテ選 挙 協 議 会 ヲ組 織 シ、 其闘 争 進 行 中 ニ ソ レ等 ノ参 加 団 体 ノ
方 法 ハ労 働 者 農 民 ニ手 ニ〓
テ当 局 ト交 渉 談 判 スル事 デ ナ ク、 此 支 配 階 級 ノ反動 的 弾 圧 ヲ労 働 者
コロガ ア ツ タ カ ラデ ア リ マス。然 ル ニ此 戦 術 ノ意 義 ヲ当 時 ノ無 産 者
吾 々ノ政 治 闘 争 ハナ イ事 、 更 ニ其 闘 争 方 法 ハ弁 護 士 ナ ンカ ヲ動 カ シ
新 聞 スラ十 分 理 解 シ ナカ ツタ ト 云 フ事 ハ前 ニ申 上 ゲ タ通 リデ アリ マ
メ ノ時 間 ニ一斉 ニ刑 務 所 ノ門 前 ニ殺 到 シ刑 務所 長 ニ面 会 ヲ申 込 ム事
ツタ ノ ハ、 実 ニ私 ガ 支 那 デ 共産 党 ノ ヤリ方 ヲ親 シク見 聞 シ テ学 ズ ト
スガ、 私 ガ浜 松 刑 務 所 ニ入獄 シテ間 モナ ク、 朴 烈 問 題 ガ 動 機 ト ナ ツ
ド ツ チ カ ヘ変 化 サ シ度 イ ナ ラ指導 者 ガ プ ラ ンヲ立 テ ヽ統 制 ス レバ ヨ
デ ア ル。 ソ レカ ラ事 件 ガ 什 ウ変 化 スルカ ハ自 分 ニ ハ判 ラ ナ イ。 但 シ
中 ニ細 胞 ヲ組 織 シ タ リ抔 シ テ只 管政 治闘 争 ト経 済 闘 争 ト ノ結 合 ヲ計
テ被 告 ニ対 ス ル差 入 書籍 ガ実 ニ極 端 ナ反 動 的 制 限 ヲ受 ケ ル事 ニナ リ
イ ダ ラ ウ。 此 闘 争 ガ 必 ズ 成 立 ス ルト 云 フノ ハ、 現 ニ刑 務 所 ニ叩 キ込
抗 議 文 ナ リ嘆願 書 ナ リ ヲ持 タ シテ、 定
マ シタ。 私 ハ其 時 捕 ハレテ居 ル身 ガ残 念 デ 堪 リ マセ ヌデ シタ 。 ナ ン ト ナ レバ此 問 題 コソ全 国 ノ労 働 者農 民 ヲ政 治 闘 争 ニ動 員 ス ル絶 好 ノ
マ レテ居 ル ノ ハ評 議 会 ノ組 合員 丈 ケ デ ナ イ 。総 同 盟 ハ四国 別 子 ニ於
ツテ此 闘 争 ハ左 右 ノ労働 組 合 及農 民組 合 ガ 一致 出 来 ル筈 ダ シ大 衆 モ
テ、 農 民 組 合 ハ新 潟 県 木崎 村 ニ於 テ大 衆 的 ナ投 獄 ヲ受 ケ テ居 ル。 従
ヤ リ マシ タ。 ソウ ス ルト案 ノ定 今 度 新 ニ規 則 ガ出 来 テ差 入 不可 能 ダ
支 持 スル ニ違 ヒ ナイ事 等 ヲ長 々ト書 イ テ妻 九津 見 ニ発 信 シ マシ タ。
ラ シ テ ヤ ラウ ト思 ツ テ 、 ワザ ト社 会 主 義 ノ本 ヲ差 入 セ ヨト注 文 シテ
ト 云 フ返 事 ガ来 マシタ 。 ソ コデ 私 ハソ レ ハ既 ニ承 知 シ テ居 ル、而 モ
然 シ其 手 紙 ハ勿 論許 可 サ レ様 筈 ナ ク押 収 不許 可 ト ナ リ マシ タ。 出獄
問 題 ダ ト考 ヘタ カ ラデ アリ マス。私 ハ什 ウ シテ其 事 ヲ外 部 ノ者 ニ知
私 ハ是 非 読 ミ度 イ 、君 達 ノ政 治 闘 争 ト ハ 一体 ド ン ナ事 ヲ ス ルノ カ ト
テ来 ル ノデ 私 ノ手紙 ヲ同 志 某 ヤ其 他 ノ人 々 ニ見 セ テ教 ヘヲ乞 フ タト
コ ロ、 人 々 ハ三 田村 ハ神 経 衰 弱 ニ罹 ツ テ居 ル ノダ ラ ウ カ ラ気 ニ シナ
後 妻 ニ聞 イ タト コ ロニ ヨ レバ 、私 ガ余 リ訳 ノ判 ラ ヌ事 ヲ 云 ツ テ怒 ツ
イ方 ガ 良 イ ト 云 ツタ サ ウデ ス。私 ハ出 獄 スル ヤ勿 論 此 事 ヲ同 志 等 ニ
云 ツ テ ヤリ マシタ 。然 シ外 部 ノ同 志 ハ私 ノ暗 示 ガ 什 ウ シ テ モ呑 ミ込
判 中 ダ ト カ云 フノ ミデ ア リ マ シタ。 而 モ其 返 事 ト 一緒 ニ、 目下 外 部
メ ナイ デ 、 ヤ レ弁 護 士 ヲシ テ交 渉 シ テ居 ルト カ刑 務 所長 ニ会 ツテ談
デ ハ組 合主 義 政 治闘 争 ト闘 ヒ全 無 産 階 級 政 治 闘争 ニ邁 進 シテ居 ルト
原 温 泉 ニ於 テ同 志渡 辺 政之 輔 ト会 見 シ タ際 モ此 事 ヲ同 人 ニ話 シ、無
シ獄 中 ノ南喜 一ニ モ此闘 争 ヲ 通信 シテ ヤ ツ タ事 ガ ア リ マシ タ。 又 塩
産 者 新 聞 ガ 之 ニ就 テ何 等闘 争 ヲ煽 動 シ ナ イ ノ ハ怪 シ カ ラ ント 云 ツテ
話 シ テ其 怠慢 ヲ責 メ タ シ、無 産 者 新 聞 ニ モ之 ニ闘 争 スベ キ事 ヲ投 書
引退 ル
云 フ様 ナ事 ヲ得 意 然 ト 云 ツ テ寄 越 スノデ アリ マシ タ。私 ハ馬 鹿 ラ シ
ハナイ カ 、 差 入禁 止 ノ立 札 ヲ見 テ刑 務 所 ノ門 前 カ ラ スゴ 〓
合 主 義 ト ハ何 処 ニア ルノ カ、 其 組 合 主 義 ハ君 等 ノ腹 ノ中 ニア ル ノデ
ハ組織 シ マセ ヌデ シタ ガ 、労 働 農 民 党 ノ当 面 ノ政 策 ノ中 ニ此差 入本
攻 撃 シ マシ タ。 私 ハ後 留 守 中 央 常 任 委 員 ト ナ ル ヤ、 此 闘争 ヲ独 立 ニ
ク ナ ツ テ大 阪 ノ同 志 某 及 私 ノ妻 九 津 見 ニ 一体 君 等 ガ 闘 ハント ス ル組
テ罵 倒 シ テ ヤリ マシ タ。 私 ハト テ モ暗 示位 デ ハ判 ル マイ ト思 ツ テ此
君 等 ノ何 処 ヲ押 セバ全 無 産 階 級 政 治 闘 争 ナ ン テ音 ガ出 ルノ ダ ト 云 ツ
中 デ考 ヘタ ノ ハ非 合 法 示 威 運 動 ニ ハ前 ニ申 上 ゲ タ 通 リ ニ共 産 党 又 ハ
ノ ニ歪曲 サ レテ行 ツ タ ノ カ今 日 尚 私 ニ ハ能 ク判 リ マ セ ヌガ、 私 ガ 獄
初 ノ計 画 デ ア ツタ様 デ ス。 ソ レガ 何 処 デ何 ウ シテ ア ンナ暴 動 的 ナ モ
マシ タ。 私 ハ当 時 仄 聞 シテ居 タ限 リデ ハ単 ナ ル非 合 法示 威 運 動 ガ最
ツ タ暴動 事 件 ハ、大 衆 動 員 ノ方 法 ニ就 テ私 ニ取 ツ テ深 ク考 ヘ セ シメ
制 限 ニ対 ス ル闘 争 ヲ 一項 目挿 入 セ シ メ マシ タ。次 ニ浜 松 争 議 中 ニ起
枚〓
〓
効 果 ハ零 ト ナ ツテ、 ソ レ マデ 蓄 積 サ レ タ大 衆 ノ エネ ル ギ ー ハ ム ザ
デ ノ様 ニ代表 ガ 一纏 メ ニ シテ官 庁 ノ秘 書 官 ニ手 交 シ タ ノデ ハ示 威的
名 ヲ採 ルノ ハ ヨイ ト シテ、 其 提 出 方 法 ハ少 シ改 メ ネバ ナ ラ ヌ。今 マ
ハ考 ヘル事 ハ出 来 マセ ヌデ シタ。 然 シ抗 議 文 或 ハ陳 情 書 ニ大衆 ノ署
組 織 的 ナ点 ニ於 テ 工場 従業 員 大 会 ト 工場 代 表 者 会 議 以 上 ニ ヨイ 方 法
必 要 ガ ア ル。 即 チ私 ハ大衆 動 員 ノ方 法 ト シテ色 々考 ヘテ見 タ結 果 、
発 展 中 ニ必 ズ 出 現 スル気 マグ レ者 ノ行 動 ヲ鎮 圧 シ、 又事 件 進 行 中 ニ
更 シテ ハイ ケ ナ イ事 、 党 員 ニ ヨツ テ厳 重 ニ部 隊 ヲ縛 リ付 ケ、 事 件 ノ
フ際 ハ必 ズ 予 メ確 固 タ ルプ ラ ンヲ持 チ此 プ ラ ンヲ ミダ リ ニ中 途 デ 変
ク マイ カ ラ 、勢 代 表 ヲ選 出 シ テ提 出 ス ルト 云 フ事 ニナ ルデ ア ラ ウ シ、
セ シ メ ルガ ヨイ 。 サ ウ ス レバ何 百 人 何 千 人 カ ラ 一々受 取 ル訳 ニ モ行
労 働 者 ヲ大衆 的 ニ動 員 シ、 厳 重 ナ ル規 律 ト 統制 ノ下 ニ団 体的 ニ行 動
労 働組 合 ガ争 議 解 決 ノ タ メ ニ動 員 シタ様 ニ、 指 導 者 ガ直 接 工場 カ ラ
出 セ シ メ ルト 云 フ方 法 ヲ執 ルガ ヨイ。 此 大 衆 動 員 ヲ、 例 ノ大阪 印刷
各 自 ガ手 ニ シテ 日時 ヲ定 メ テ 一斉 ニ当該 官 庁 ノ前 ニ集 合 シ提
紙 屑籠 ノ中 ヘ投 入 レラ レテ仕 舞 フ事 ニナ ル故 ニ、 之 ハ是 非 共 一
デ ア ツテ農 民 ノ場 合 ハ異 ナ ル ト 云 フ事 、 ソ シ テ非 合 法 示威 運 動 ヲ行
中 央 集権 的 統 制 組 織 ナ シ ニ ハ行 ヒ得 ナイ事 、然 シ之 ハ労 働 者 ノ場 合
ツ テ牽 制 シ統 制 スル事 、 此 既 定 ノプ ラ ンノ断 乎 タ ル遂 行 ト 云 フ事 ト
参 加 ス ル大 衆 ヲ党 員 ノ厳 重 ナ ル統制 下 ニア ル部 隊 ノ団 体 的 行 動 ニ ヨ
ソ レカ ラ先 キ什 ウ発 展 スル カ ハ誰 ニモ予 測 付 ク モ ノデ ナ イ 。例 ヘバ
サウ ナ レバ演 説 モ ヤ レル事 ニナ ル。 又 此 示 威 運 動 ヲ マサ カ騒 擾 罪 デ
南 京路 事 件 ノ如 ク官 憲 ガ下 手 ニ圧 迫 ス レバ 挙 国 一致 ノ 大衆 的 大政 治
引 ツカ ケ ル訳 ニ モ行 ク マイ 。 然 シ事 件 ハ如 何 ニ統 制 シ テ行 ツテ [モ]
ベ キ奸 策 ニ ヨツ テ意 外 ナ煮 エ湯 ヲ呑 マサ レ ル様 ナ事 ガ起 ル事 、 後 ニ
シデ モ忽 ニ スル ト実 ニ思 ヒ設 ケ ヌ失 敗 ヲ演 ズ ル事 ニナ リ、 敵 ノ恐 ル
申 上 ゲ マ ス通 リ彼 ノ浜 松 ノダ イ ナ マイ ト事 件 ハ全 ク スパイ ノ ヤ ツ タ
テ大衆 闘 争 ヲ正 シ ク発 展 セ シ メ得 ル ノ ハ共 産 党 ガ ア ツテ始 メ テ為 シ
闘争 ト ナ ルカ モ知 レ ヌ。 只 如 何 ナ ル変 化 ガ 起 ラウ ト モ其 変 化 ニ応 ジ
此 プ ラ ン ニ従 ツ テ大 衆 ノ行 動 ヲ厳 重 ニ統 制 ス ルト 云 フ事 ノ 二 ツ ヲ少
仕 事 ナ ノデ ア リ マス。 私 ハ此浜 松 ノ暴 動 事 件 ハ右 ノ既 定 プ ラ ン ノ断
ト コロデ ア ルト 云 フノデ ア リ マシ タ。 私 ハ出獄 後 共産 党 ノ神 戸 地区
得 ルト コロデ ア リ、 只 理 論 ト経 験 ニ豊 ナ ル指 導 者 ノ ミノ ヨク シ得 ル
乎 タ ル遂 行 ト其 統 制 ヲ怠 ツタ結 果 、事 件 進 行 中 指 導 者 ノ知 ラナ イ 間 ニプ ラ ンガ歪 曲 サ レ テ行 ツタ結 果 生 ジ タ モノ ダ ト思 ヒ マス。 ソ レデ
ニ衰 頽 シカ ケ テ居 タ同 運 動 ヲ盛 リ返 ス事 ガ 出来 マシタ 、 又留 守 中 央
責 任 者 ト シテ但 馬 震 災 義 捐 金 問 題 ノ闘争 ニ此 プ ラ ン ヲ採 用 シテ 、正
私 ガ獄 中 デ 考 ヘタ ノ ハ、 此非 合 法 示 威 運 動 ヲ前 記 差 入 本制 限 ノ抗 議 ノ方 法 ノ ト コ ロデ 述 ベ タ様 ナ戦 術 ヲ執 ルノ ガ 一番 良 イト 云 フ事 デ ア
常 任委 員 時 代 此 プ ラ ンヲ議 会 解散 請 願 運動 ニ適 用 シ様 ト思 ツ テ色 々
リ マシ タ。 私 ハソ レデ 彼 ノ争 議 団弾 圧抗 議 運 動 ノ為 メ ニ工場 従 業員 大 会 ヲ開 催 シ タ ノ ハ全 ク正 シイ ガ、 ソ レカ ラ後 ノ方 ハ少 シ訂 正 ス ル
シ テ、 九 州 地 方委 員 長 デ ア ツタ同 志 藤 井 哲 夫 ハ此 問 題 ニ私 ノプ ラ ン
ン通 リ理 想 的 ナ成 功 ヲ収 メ マ シタ。 其 運 動 ハ確 カ水 利 問題 デ ア リ マ
即 チ党 ノ強 固 ナ ル統 制 ガ絶 対 不可 欠 ト 云 フ事 ニナ ルノデ ア リ マ ス。
場 ヲ基 礎 ト シ テ、組 織 的 ニ動 員 シ組 織 的 ニ行 動 シ又 セ シ メ ル組 織 、
リデ ナ ク、 敗 北 デ ア リ不成 立 デ アリ マス。 故 ニ労 働 者 ノ場 合 ニ ハ工
ノ ミ力 タ リ得 ル ノデ 、 少 シデ モ分 散 シタ場 合 ニ ハ力 タ リ得 ナ イ バ カ
マセ ヌ。 労 働 者 ハ飽 ク マデ組 織 的 ニ団結 シ組 織 的 ニ行 動 シ タ場 合 ニ
ヲ応 用 シ タ ノデ アリ マス。即 チ県 当 局 ニ対 スル同 問 題 ノ陳 情 書 カ歎
ル可 能 [ 性]ガ ア ルノデ ア リ マ ス。然 シ労 働 者 ノ 場 合 ハサ ウ ハ行 キ
願 書 カ ヲ印 刷 シ テ全 農 民 ニ予 メ配 布 シテ置 キ、 一方 農 民組 合 ヲ指 導
ス。 実 ニ吾 々ガ 最 大 ノ注意 ト警 戒 ヲ シナ ケ レバ ナ ラ ヌト思 フノ ハ、
サ ウデ ナ イト ア ノ浜 松 ノ暴 動 事件 ノ様 ナ事 ニナ ルト思 フノデ ア リ マ
ヌデ シ タガ 、各 地 方委 員 長 ニ ハ此 プ ラ ンヲ教 ヘ、 九 州 デ ハ私 ノ プ ラ
シ 日時 ヲ定 メ テ 一斉 ニ農 民 ヲ県 庁 前 ニ総 動 員 シ タ ノデ アリ マス。農
苦 心 シ テ見 マシタ ガ 、少 シ無 理 ガ ア ル様 デ 甘 イ 方 法 ガ 見付 カ リ マ セ
民 ハ其 署 名 シタ嘆 願 書 ヲ持 ツ テ農 民 組 合 ノ幹 部 ニ引 率 サ レ続 々集 ツ
テ当 時 西 本 一二 ト 云 フ海 員 組 合刷 新 会 ノ男 ガ検 挙 サ レテ居 リ マ シタ。
ガ全 ク官 憲 ノ仕 事 デ ア ツ タ事 ヲ発 見 シテ 痛 感致 シ マ シタ。 犯 人 ト シ
地 区 ノ責 任 者 ト シ テ活 動 中 、 図 ラズ モ ア ノ浜 松 ノ ダ イ ナ マイ ト事 件
ノ ハ勿論 南 京路 事 件 、大 阪 印 刷 労 働 者 ノ動 員 、 浜 松 暴 動 事 件 其 他等
此 男 ハ浜 松 争 議 ニ応 援 ニ来 テ居 タ ノデ スガ 、然 シ彼 ノ行 動 ガ如 何 ニ
斯 ル際 ニ於 ケ ル恐 ルベ キ官 憲 ノ奸 策 デ アリ マシテ 、私 ハ共 産 党 神 戸
ノ綜 合 研 究 ノ結 果 デ アリ マスガ 、尚 一ツ之 ニ参 考 ト ナ ツ タ ノ ハ農 民
モ怪 シイ ノデ 、 私 ハ細 胞 ニ命 ジ テ彼 ニ密 偵 ヲ付 ケ マシ タ。
テ来 マシ タガ 、 其 数 ハ実 ニ数 千 人 ニ及 ビ、 其 処 ニ ハ組 織 農 民 丈 ケ デ
組 合 三重 県 聯 合 会 指 導 下 ニ行 ハレタ津 裁 判 所 事 件 デ ア リ マ ス。 之 ハ
其 結 果 彼 ガ西 尾 ヤ協 調 会 ノ者 ト 密 カ ニ裏 面 デ 会 見 シ テ居 ル事 実 ヲ突
ナ ク未 組 織 農 民 モ参 加 シ タノ デ アリ マシタ。 私 ガ此 戦 術 ヲ編 出 シ タ
ノ仮 処 分 ノ申請 ニ許 可 ノ決定 ヲ与 ヘタ ノデ ア リ マ ス。 農 民 組 合 ハ県
留 メタ ノ デ ア リ マ ス。 ソ コデ 私 ハ早 速 細 胞 ニ命 ジ 、細 胞 ハ警 備 隊 ヲ
津 裁 判 所 ガ 或 地 主 ニ、 土 地 立 入禁 止デ ア ツ タ カ立 毛 差 押 デ ア ツ タ カ
動 員 シ テ彼 ヲ浜 松 カ ラ追 放 ツ タ ノデ ア リ マス。 ダ イ ナ マイ ト事 件 ハ
ノ 一人 カ ラ神 戸 ノ同 志 ニ宛 テ ヽ、 西 本 カ ラ神戸 ノ某 ニ手 交 スベ キ密
下 農 民 ヲ総 動 員 シ テ 一定 時 日 ニ津裁 判 所 ニ殺 到 セ シメ、 此 仮 処 分 許
書 ヲ送 付 シテ来 マ シタ。 浜 松 ノ細 胞 メ ンバ ー ハ此 西本 ノ手紙 ガ警 察
可 ノ決 定 ニ抗 議 シ其 取 消 ヲ要 求 シタ ノデ ア リ マ ス。 此 交 渉 ハ 一昼 夜
シタ ト 云 フ始 末 デ シ タ。 ソ シ テ其 翌朝 遂 ニ此 仮処 分 ノ決 定 ハ取 消 サ
官 ニ宛 テタ モノ ダ ト 云 フ事 ヲ知 ラ ナ カ ツ タ シ、規 律 ヲ厳 重 ニ守 ツテ
ト シテ活 動 中 、 前 記 ノ如 ク争 議解 決 後 モ活 動 シ テ居 タ細 胞 メ ンバ ー
レ、農 民 ハ凱 歌 ヲ挙 ゲ テ引 揚 ゲ タト 云 フ事 件 デ ア リ マ ス。 斯 様 ナ例
其 手紙 ノ内容 ヲ勝 手 ニ披 見 スルト 云 フ様 ナ事 モ シナ カ ツタ ノ デ 、彼
其 数 日後 ニ起 ツ タ ノデ ア リ マス。然 ル ニ私 ガ 出獄 後神 戸 地区 責 任者
ハ農 民運 動 ニ ハ沢 山 ア ル ニ相 違 アリ マセ ヌ。 ソ レ ハ農 民 ノ階 級 特 性
西 本 ガ スパ イ デ ア ルト 云 フ事 モ全 然 知 ラ ナ カ ツ タ ノデ ス。兎 ニ角 争
ニ亙 リ、 数 千 ノ農 民 ハ其 間殆 ド裁 判 所 ヲ占 領 スル様 ナ状 態 デ 官 憲 ト
カ ラ其 闘 争 ヲ 一揆 ニ求 メ ルト 云 フト コロデ アリ マス。故 ニ斯 ル闘 争
相 対 峙 シ、 市 中 ハ騒 然 ト シ テ夕 方 カ ラ 一斉 雨 戸 ヲ閉 メ テ戦 々兢 々ト
形 態 ハ農 民 ノ場 合 ハ、 大 シ タ指 導 者 ノ組 織 ナ クト モ立 所 ニ勃 発 シ得
議 ノ犠 牲 者 ト シ テ過 去 ノ事 ハ葬 ツテ彼 ヲ同 志 ト シテ扱 ヒ、 此 密 書 ノ
東 京 地 方 裁 判所
予 審 判 事 神 垣 秀 六
裁 判 所 書 記 鹿 田 清 次
人 三 田村 四郎
取 次 ヲ シタ ノデ ア リ マス。然 ル ニ此 密書 ヲ受 取 ツタ神 戸 ノ同 志 ハ其
告
右 治 安 維持 法 違反 被 告 事 件 ニ付 、 昭 和 五 年 四月 十 日 豊 多摩 刑 務 所 ニ
被
於 テ、 予 審判 事 神 垣秀 六 ハ裁 判 所 書 記 鹿 田清 次 立 会 ノ上 前 回 ニ引続
第 二十 四回 訊 問 調 書
宛 名 ガ兵 庫 県 警 察 本 部 特高 課 ノ某 ト 云 フ予 テ労 働 者 ヲ買 収 スル事 デ 有 名 ナ札 付 ノ男 デ ア ル ノ ニ驚 キ、他 ノ同 志 ト モ相 談 ノ上 其 密 書 ヲ開
ヲ持 参 シ マシ タ。 其 密 書 ノ内 容 ヲ見 ル ニ彼 西本 ガ此 警 察 官 ト予 メ打
封 シタ ノデ ア リ マ ス。 而 シ テ其内 容 ヲ見 テ吃 驚 シテ私 ノ処 ニ其 手 紙
合 セノ上 松 浜 ニ入込 ンデ 居 タ事 、 ダ イ ナ マイ ト事 件 ハ全 ク彼 等 ノ仕
一問 被 告 ハ浜 松 刑 務所 出 所 後 什 ウ シタ ノ カ。
キ右 被 告 人 ニ対 シ訊問 ス ル コト左 ノ如 シ。
答 私 ガ 出 獄 シ テ見 ルト タ ツタ 三 ケ月 ノ間 ニ世 ノ中 ハ スツ カ リ ヒ
リ、 ソ レヲ此 警 官 ニ報 告 シ、 彼 カ ラ金 ヲ受 取 ツ テ別府 温 泉 ニ身 ヲ匿 シ タ事 、 ソ シテ此 密 書 ハ此 警 官 ニ自 分 ヲ救 ツ テ呉 レト 云 フ依 頼 状 デ
シ自 分 ニ対 スル攻 撃 ハ想 像 以 上 ダ ラウ ト思 ツテ居 リ マシ タ。 然 ル ニ
ツ ク リ返 ツ テ居 リ マシ タ。 私 ハ争 議 ノ結 果 ハ惨 敗 デ ア ツ タ シ、 定 メ
事 ダ ア ツタ事、 西 本 ガ ダ イ ナ マイ ト ヲ爆 発 サ セ テカ ラ直 グ神 戸 ニ帰
ア ル事 等 ガ 明 カ ト ナ リ マ シタ 。西 本 ハ私 ヤ南 喜 一ガ逮 捕 サ レ テ数 日
ルノ ハホ ンノ 二、三 ノ者 ニ過 ギ ズ 、 他 ノ人 々 ハ予期 ニ反 シ テ ﹁自 分
前 ニ述 ベ マ シタ様 ナ日 和 見 幹 部 中相 変 ラズ 私 ニ ヨ ソ〓
シク シテ居
ノ ヤ リ方 ガ悪 辣 残 忍 デ ア ルカ実 ニ戦 慄 スベ キ モノ ガ ア リ マス。 私 ハ
後 ニ別 府 デ逮 捕 サ レ、浜 松 ニ護 送 サ レテ来 タ ノデ シ タ。 如何 ニ彼 等
直 チ ニ浜 松 ノ同 志 ニ此事 ヲ通知 シテ西 本 ヲ スパ イ ト シ テ警 戒 ス ル事
ク話 シテ 呉 レナ イ カ﹂ ト 云 ツ タ謙 遜 ナ挨 拶 ナ ノデ 、 私 ハス ツカ リ拍
子 抜 ケ ガ シテ仕 舞 ヒ マシ タ。 ソ シ テ左 翼 陣営 ハ組 合 主 義 ノ打 破 、全
等 ニ ハ当 時 君 ノ ア ノ ヤ リ方 ノ意 義 ガ ヨク判 ラ ナカ ツタ 。改 メテ詳 シ
無 産 階級 政 治闘 争 主 義 ノ大 流 行 デ ア リ マシ タ。 私 ハ浜 松 刑 務 所 ヲ出
ヲ命 ジ、 又後 私 ガ 留 守 中央 常 任委 員 ト シテ活 動 中 西 本 ガ保 釈 出 獄 ト
コト ヲ指 令 シ マシ タ。
ナ ルヤ、 直 チ ニ共 産 党 ノ各 地 方委 員 長 ニ此 顛 末 ヲ通 告 シ警 戒 スベ キ
私 ハ以 上述 ベ タ如 ク獄 中 三 ケ月 ヲ共 産党 組 織 、 日和 見 主 義 ト ノ闘 争 、
デ 福 本 ガ サ ンザ ンニ攻撃 ス ルデ アラ ウ 。今 日吾 々 ニ取 ツ テ最 モ緊 切
相 変 ラズ 出 タリ 引 込 ンダ リデ ア ル。 多 分 此 ノ論 文 ニ対 シ テ ハ来 月 号
﹁ 山 川 ハ今 日吾 々ガ何 ヲ シナ ケ レバ ナ ラ ヌ カ ヲ全然 理 解 シ テ居 ナ イ 。
私 ニ意 見 ヲ求 メ マシタ。 私 ハ ソ レ ニ対 シ テ 次 ノ 如 ク 答 ヘ マシ タ。
野 田 律 太 ハ雑 誌 マルク ス主 義 掲 載 ノ山 川 均 ノ所 謂 左翼 進出 論 ヲ 示 シ、
人 三 田村 四郎
獄 シ テ野 田律 太 ト 二人 デ 大 阪 ヘ帰 ツ タ ノデ ア リ マスガ 、其 列 車中 デ
告
政治 闘 争 ト大 衆 動 員 等 々 ニ就 テ ア レ コレト 出獄 後 ノ プ ラ ンヲ練 ツ テ
被
居 ル時 、突 然 保 釈 ト ナ ツ テ十 月 上 旬 浜 松 刑 務所 カ ラ釈 放 サ レタ ノデ アリ マス。
同 日於 前 記場 所
右 読 聞 ケ タ ル処 相 違 ナ キ旨 申 立 署 名 拇 印 シ タ リ。
階 級 的 政 治 闘 争 デ ハナ ク誤 ツ タ モ ノデ ア ツタ ト 云 フ事 ハ後 ニ申 上 ゲ
ノ全 無産 階 級 政 治 闘 争 ト同 様 、 レ ー ニ ン ノ所 謂 社会 主 義 政 治 闘 争 、
ト 云 ツ テ笑 ツテ居 リ マシ タ。 然 シ私 ノ此 ノ社 会主 義 政 治闘 争 ガ福 本
自 分 ハ山 川 ノ意 見 ガ正 シイ ト思 ツ テ居 タ ノ ニ駄 目 ダ ト ハ情 ナ イ ナ ア
ニ動 員 シ日和 見 幹 部 ヲ下 カ ラ圧 迫 スル事 デ ア ル﹂ ト 。野 田律 太 ハ、
ナ任 務 ハ共 産党 ノ組 織 ト社 会 主 義 政 治 闘 争 ノ遂 行 、 大衆 ヲ政 治闘 争
答 ヘ マスト 、同 志 鍋 山 貞 親 ハ ﹁ソ レ ハ未 ダ確 定 的 デ ナイ 。 僕 ガ 数 日
既 ニ浜 松 デ 同 志 松 尾直 義 カ ラ勧 誘 ヲ受 ケ党 員 ニナ ツテ居 ル ンダ ﹂ ト
同 志 松 尾 直義 ト ノ約 束 ヲ思 出 シ、 同 志 鍋 山 貞 親 ニ向 ツ テ ﹁其事 ナ ラ
ニ日本 共 産 党 ノ話 ヲ持 出 シタ ノデ ア リ マ ス。 ソ コデ 私 ハ今 更 ノ如 ク
ラ ウ ナ ン テ事 ハ初 メ テ ヾア リ マ シタ 。此 ノ席 上 デ 同 志 鍋 山 貞 親 ハ私
君 ハ現在 細 胞 ニ属 シテ居 ナイ ダ ラ ウ﹂ ト 云 フ事 デ アリ マシタ 。 サ ウ
ナ ツ テ居 ル。 ソ レデ 初 メ テ党 員 ニナ ル事 ガ 定 マル ノデ ア ル。 ダ カ ラ
議 中 並 ニ入 獄 中 厄 介 ニナ ツ タ人 々又 ハ団 体 ノ挨 拶 ニ廻 リ マシ タガ 、
云 ハレテ見 ルト成 程 同 志 松 尾 直 義 ハ何 レ所 属 細 胞 ヲ通知 ス ルト 云 ツ
中 ニ上京 シ其 結 果 君 ニ上 京 シテ貰 ヒ党 ノ責 任 者 ト 会 見 シ テ貰 フ事 ニ
私 ガ京 都 ヘ行 ツ タ時 山 本 宣 治 、河 合悦 三 、水 谷 長 三郎 ト私 ノ 四人 ガ
ル事 ニ致 シ マ ス。 私 ハ出 獄 後 名 古 屋 、 三 重 、奈 良 、 京 都 等 、 浜 松 争
水 谷 長 三郎 ノ家 ニ落 合 ヒ、 其 処 デ晩 餐 ヲ共 ニ シタ事 ガ ア リ マス。 話
マデ夫 ヲ忘 レテ居 タ位 ナ ノデ 、 同 志 鍋 山 貞 親 ノ云 フ事 ヲ尤 モダ ト思
ヒ マシタ 。 ソ シテ其 後 同 志 渡 辺 政 之 輔 ト ノ会 見 ニ ヨツ テ始 メテ党 員
タ切 リ デ ナ ンノ通 知 モナ ク、 私 自 身 モ此 時 同 志 鍋 山 貞親 ニ云 ハレル
ト シテ活 動 ス ル様 ニナ ツ タ事 ハ後 ニ申 上 ゲ マスガ 、 左様 ナ都 合 デ シ
ハ勢 ヒ浜 松 争 議 カ ラ共 産 党 ノ事ニ 及 ビ マシタ。 私 ハ請 ハル ヽ儘 ニ浜 松 ニ於 ケ ル細 胞 運 動 ノ事 ヲ話 シ、 此 ノ経 験 ニ ヨツ テ 日本 ニ共 産 党 ヲ
タ カ ラ敢 テ私 ノ共 産 党 入 党 ニ就 テ同 志 松 尾直 義 ト ノ交 渉 干 係 ヲ否 認
シ、同 志 渡 辺 政 之 輔 ト ノ会 見 ノ時 ヲ以 テ 入党 セリ ト陳 述 シタ次 第 デ
﹁ 浜 松 ト 云 フガ 如 キ 一小都 市 ニ於 テ ハイ ザ知 ラズ 、 其 経 験 デ 全 日本
ア リ マ ス。
組 織 シ得 ル確 信 ヲ得 タト 云 フ事 ヲ発 表 シ マ シタ。 然 ル ニ河 合 悦 三 ハ
的 ナ秘 密 結 社 ノ可 能 ヲ即断 出 来 ナ イ ﹂ ト 云 ツ テ連 絡 ヤ会 議 ヤ其他 ノ
右 ノ同 志 鍋 山 貞 親 ト ノ 会 合 ガ ア ツタ翌 日、 野 田律 太 ノ請 ヲ受 ケ テ 四
困 難 性 ヲ数 ヘ立 テ ヽ反 対 シ マシタ 。然 シ私 ハ実 例 ヲ挙 ゲ テ 一々 ソ レ
国 塩 田 地 方 ヲ 二人 デ 一巡 ス ル事 ニナ リ マ シタ。 野 田律 太 ハ少 シ問 題
ニ沈黙 シ テ仕 舞 ヒ マシ
ヲ 一蹴 シ マシ タ。 ソ レデ河 合 悦 三 ハ不 承 〓
ツ カ ヌ モ ノデ アリ マシタ 。 ト同 時 ニ四国 一帯 ノ塩 田 争 議 ハ第 一期 ノ
タ。 ト コ ロガ 十数 日後 ニ私 ガ共 産 党 関 西 地 方 委 員 ト シ テ委 員 会 ニ出
労 働 者側 (実 ハ小作 人側) ノ攻 勢 カ ラ転 ジ テ第 二期 ノ資 本 家 側 (実 ハ
ニ勃 発 セ ント シ テ居 タ 塩 田争 議 ハ海 ノ モノ ト モ山 ノ モ ノト モ予 測 ガ
私 ガ 京 都 カ ラ大阪 ニ帰 ルト同 志 鍋 山 貞 親 ガ 私 ノ労 ヲ犒 フ為 メ ニ晩 餐
地主側) ノ逆 襲 ガ始 マリ カ ケ テ居 タ ノデ ア リ マ ス。
ガ難 問 ダ ト 思 フト 必 ズ私 ヲ 引張 リ出 シ ニ来 ル ノガ 例 デ 、 此 時 モ丸 亀
会 ヲ ヤ ラ ウ、 ソ レ モ多 勢 デ ナ ク 二人 丈 ケデ 親 密 ニ ヤ ラウ ト 云 フ事 デ 、
私 ノ此 ノ四 国 塩 田争 議 地 一巡 ハ、 数 日後 ニ出 版 法 違 反事 件 第 一回公
席 シ テ見 ルト 、 此 ノ河合 悦 三 ガ共 産 党 関 西 地 方 委員 長 ダ ツタ ノ ニ ハ
同 人 ノ宅 デ 夕食 ヲ共 ニシ乍 ラ会 議 シ タ事 ガ アリ マス。私 ト同 志 鍋 山
全 ク開 イ タ 口ガ 塞 ガ ラ ナ カ ツ タ程 驚 キ マシ タ。
貞 親 ト ハ永 イ 交際 デ ハア リ マ スガ、 二人 丈 ケ デ打 チ解 ケ タ晩 餐 ヲ ヤ
通 リ 一巡 シ、各 地 ノ指 導 者 ト 数 時間 宛 会見 シテ意 見 ノ交 換 ヲ シ テ来
タ。同 志 渡 辺 政 之 輔 ト私 ト ハ以 前 ニ モ二 、三 回会 談 シタ事 ガ ア リ マ
ナ要点 丈 ケ ニ限 ル事 ト シ、 其 晩 カ ラ翌 日 ノ正 午 ニ カケ テ懇 談 シ マ シ
リ マ シタ。 同 志 渡 辺 政 之輔 ハ熱 心 ニ山 川 ノ意 見 ノ間 違 ツテ居 ル事 ヲ
判 ガ 迫 ツテ居 リ マシ タ ノデ落 着 イ テ研究 ス ル事 ガ出 来 ズ 、 全 ク文 字
私 ニ説 ク ノデ ア リ マス。 私 ハ夫 ニ対 シ言 々句 々大 ニ然 リ ト賛 意 ヲ表
ス。然 シ親 シク胸 襟 ヲ開 イ テ懇 談 シ タ ノ ハ此時 ガ初 メ テ ヾ ア リ マ ス。
ノ噴 火 湾 沿 岸 漁 業 労働 者 問題 ノ討議 ニ於 テ塩 田労 働 者 、 森 林 労働 者 、
スル ノデ 、 同 志 渡 辺 政 之輔 ハ突 然 話 ヲ止 メ テ ﹁君 ハ吾 々 ノ同 志 デ ア
最 初 ノ 三十 分 間 程 ノ会 話 ハ後 デ 両 人 デ大 笑 ヲ シタ程 滑 稽 ナ モノデ ア
漁 業 労 働 者 ハ労 働 者 ノ範 疇 ニ入 ル ヽベ キデ ナ ク農 民 ノ範 疇 ニ入 ル ヽ
ル事 ハ信 ジ テ居 タ。然 シサ ウ 一々賛 成 出 来 ル程 意 見 ガ 一致 シ テ居 ル
ニ北 海 道 オ ル ガ ナイ ザ ート シ テ彼 ノ全 道 会 議 ヲ指 導 シタ際 、 北 海 道
ベ キ モノデ ア ルト 云 フ決 定 ヲ ス ル ニ、 大 ニ役 立 ツ タ ノデ アリ マス。
ト ハ思 ツ テ居 ナ カ ツ タ ノダ 。 ソ レデ ハ君 ノ意 見 ヲ先 ヅ 聞 カ ウ﹂ ト 云
タ ニ過 ギ マセ ヌデ シ タ。 然 シ此 ノ四 国 塩 田 地方 ヲ 一巡 シ タ事 ハ、 後
ラ ク ア ンナ ニ簡 単 ニ決 定 ス ル事 ハ出 来 ナ カ ツ タデ セ ウ。
私 ガ若 シ此 ノ四 国 塩 田 地 方視 察 ヲ シテ居 ナ カ ツ タ ラ、 全道 会 議 デ恐
闘 争 ト ノ結 合問 題 、 日和 見主 義 者 ト ノ闘 争 、 獄 中 デ 考 ヘタ共産 党組
ヒ マシ タ。 ソ コデ 私 ハ浜 松 争 議 ニ於 ケ ル細 胞 活 動 、 経 済 闘 争 ト 政 治
答 私 ハ四国 塩 田 地方 ヲ 一週 間 程 旅 行 シ テ大 阪 ニ帰 リ マシタ。 浜
二問 被 告 ハソ レカ ラ什 ウ シタ ノ カ。
タ ノデ 、自 分 ハ多 少 君 ヲ誤 解 シ テ居 タ点 ガ ア ツ タ。 ソ ンナ事 ト知 ラ
スト 同 志渡 辺政 之輔 ハ ﹁ソ ンナ詳 シ イ報 告 ヲ今 マデ 受 ケ テ居 ナ カ ツ
ナイ カ ラ惜 イ 三十 分 ヲ無 駄 言 ニ空 費 シ タ。 吾 々 ノ意 見 ハ完 全 ニ一致
織 ノプ ラ ン、 山 川 ノ 左翼 進 出 論 ニ対 スル意 見 等 々 ヲ詳 シ ク開 陳 シ マ
ト 云 フ手紙 ト旅 費 ヲ持 参 シ マシ タ。 其 使 者 ノ年 齢其 他 今 記 憶 シ マ セ
シ テ居 ルノ ダ 。 モウ前 段 的 話 ハ止 メ テ 一直 線 ニ今 後 ノ活 動 ニ関 スル
松 ノ公 判 ニ ハ尚 四 、五 日余 裕 ガ ア リ マシ タ。 私 ガ 大阪 ニ帰 宅 ス ル ト
ヌ。 私 ハ指 定 サ レタ通 リ其 翌 朝 東 京 駅 ヘ下車 致 シ マスト、 同 志 某 ガ
具 体論 ニ這 入 ラ ウ﹂ ト云 ツ テ
同 時 ニ、 一人 ノ青 年 ガ ﹁ 今 夜 ノ急 行 デ 上 京 シ東 京 駅 デ同 志 某 ニ会 ヘ﹂
シ テ温 泉 塩原 ニ行 キ、 某 旅 館 ノ某 ト 云 フ宿 泊 人 ニ会 ヘ、 ソ レ ハ同 志
一 近 ク党 大 会 ヲ開 催 スル予 定 デ ア ル事
出 迎 ヘテ居 マシタ。 其 男 ハ更 ニ私 ニ時 間 ヲ指 定 シテ ﹁上 野 カ ラ出 発
二 其 大 会 ニ提 出 スベ キ政 綱 ノ要 旨
等 々 ニ付 テ説 明 シ、 私 ヲ神戸 ノ地 区責 任 者 並 ニ関 西 地 方 委 員 会 委 員
シ、其 日 ノ夕 刻 前 記 旅 館 ニ着 キ、案 内 サ レテ某 ノ部 屋 ニ這 入 ルト 同
開 カ レ ルト 云 フ事 ヲ知 ラ ナカ ツ タ為 メ ニ、私 ガ 二、三 日 ユツ ク リ 滞
ニ任 命 ス ル旨 ヲ伝 ヘ マシ タ。 同 時 ニ神 戸 ノ メ ンバ ー ノ氏 名 ト関 西 地
渡 辺政 之 輔 デ ア ル﹂ ト 指 示 シ マシタ 。私 ハ其 指 示通 リ上 野 カ ラ出 発
在 シ色 々相 談 出 来 ルト 思 ツ テ居 タ ラ シイ ノデ スガ、 私 ガ 公 判 ニ出 廷
方 委 員 長 並 ニ委 員 ノ氏 名 ヲ教 ヘラ レ マシタ。 更 ニ同 志 国 領 五 一郎 ト
三 党 ノ組 織 関 係 ト 連 絡 方 法 並 ニ党員 ノ規 律 、 党 ノ規 約
シナ イ ト当 然 無 罪 ト ナ ルベ キ モノ ガ有 罪 ニナ ル危 険 ガ ア ル カ ラ是 非
相 談 シ テ表 面 上 評 議 会 ノ神戸 オ ルガ ナ イ ザ ー ト ナ リ、 神 戸 ニ早 速移
志 渡 辺 政 之 輔 ガ居 リ マシ タ。 同 志渡 辺 政 之輔 ハ私 ノ公 判 ガ 翌 々日 ニ
出 廷 シ度 イ ト申 シ マスト同 人 モ ソ レヲ勧 メ、 同 人 ト ノ談 ハ極 ク必要
シ マシタ 。
ソ コデ話 ハ進 ンデ 私 カ ラ同 志渡 辺 政 之輔 ニ向 ツ テ次 ノ 二問 題 ヲ提 出
住 ス ル事 ヲ命 ゼ ラ レ マ シタ。
ル 一切 ノ大 衆 ヲ此 ノ闘 争 ニ動 員 シ協 同 ス ル方 針 ヲ採 ツ タ ノ モ、全 ク
後 ニ私 ガ議 会 解 散請 願 運動 ニ就 テ 、議 会 解 散 ノ ス ローガ ン ニ賛 成 ス
思 ヒ マ シタ。
テ居 ナ カ ツ タ方 法 ヲ改 メ、 各 問 題 ニ就 テ其 理 論 上 ノ根 拠 ト具 体 策 ト
私 ガ支 那 ニ於 テ中 国 共 産 党 ノ反 帝 国 主 義 闘 争 ヘノ大衆 動 員 ノ ヤリ方
ヲ示 シ タ長文 ノ謄 写刷 文 書 ヲ発 行 シ、 之 ヲ全 党 員 ニ行 キ渡 ル様 配 付
一 日本 共 産 党 ガ愈 々来 ルベ キ大会 デ大 衆 ノ前 ニ乗 リ出 ス以 上当 然
二 今 日 マデ ト 違 ツ テウ ント大 胆 鷹 揚 ナ他 党 派 ト ノ共 同戦 線 ガ張 ラ
スル方 法 ヲ採 ツタ ノ モ、前 述 ノ第 一問 題 党 署 名 ノ文 書 ヲ直 チ ニ発 行
ソレ マデ ハ各 地 方 委員 長 丈 ケ ニ極 ク簡 単 ナ箇 条 書 式 ノ指 令 シカ 与 ヘ
ル ベ キデ ア ル。 即 チ或 ス ロー ガ ン ニ賛 成 ナ ル限 リ 一切 ノ党 派 ヲ動 員
出 来 ナイ 欠 ヲ補 フ意 味 カ ラ モ出 テ居 ル ノデ ア リ マス。
カ ラ学 ンダ ノデ アリ マス。 又後 ニ留 守 中 央 常 任 委 員 ト ナ ツ テカ ラ、
スル事
キ事
此 ノ第 一ノ問 題 ハ私 ガ浜 松 デ 実 験 シ タ細 胞 組織 ト獄 中 デ 考 案 シタ プ
私 ト 同 志渡 辺 政 之輔 ト ハ此 ノ塩 原 温 泉 ノ会 合 ニ ヨツテ肝 胆相 照 ス仲
今 後 ハ党 署 名 ノ文 書 ヲ発 行 シ日本 共 産 党 ノ存 在 ト其 政策 ヲ公表 スベ
ラ ンノ当 然 ノ帰 結 デ ア リ 、又 私 ガ先 年 支 那 ニ於 テ中 国 共 産 党 ノ檄 文
ト ナ リ マシタ 。然 シ夫 ニシ テ モ党 ヘ入 ツ タ其 日 カ ラ地 区責 任 者 及 地
ノ活 動 ヲ党 活 動 ト シ テ勘 定 ニ入 レ タ ノデ ア リ マ シタ ナ ラ、 其 際 私 ニ
ヲ沢 山街 頭 デ見 テ来 タ経 験 カ ラ、 日 本 共産 党 モ当 然 サ ウ ス ル モノ ト
斯 様 ナ地 位 ヲ与 ヘタ事 ハ強 チ当 時 ノ 党指 導 部 ノ軽 率 暴 挙 ト断 ズ ル事
思 ツ テ居 タノデ ア リ マ ス。 又 第 二 ノ問 題 ハ之 又支 那 ノ中 国 共 産 党 ノ
ノ経 験 、 レー ニ ンノ意 見 等 ヲ挙 ゲ テ説 明 シ マシタ。 同 志 渡 辺 政 之 輔
ハ出 来 ナ イ ト思 ヒ マ ス。 之 ヲ当 事 者 タ ル私 ガ 云 ツタ ノデ ハ聊 カ自 画
マス。然 シ若 シ更 ニ此 時 ヲ以 テ入 党 ト セズ 、 ヤ ハリ浜 松 ニ於 ケ ル私
ハ勿 論 賛 成 シ テ呉 レ マシ タ。然 シ第一ニ 対 シテ ハ日本 共 産 党 ハ其 存
自 讃 ノ様 デ 変 デ スガ 、 私 ハ然 シ此 ノ事 ヲ単 ニ私 ノ問 題 ト シ テデ ナ ク
方 委員 ト ナ ルト 云 フ事 ハ、 ナ ント 云 ツ テ モ少 シ突 飛 ノ様 ニ感 ジ ラ レ
在 ヲ公 表 シ ナ ケ レバ ナ ラ ヌ。然 シ今 日直 チ ニ公 ニ其 姿 ヲ出 ス事 ハ出
党 ノ規 律 ノ問 題 ト シ テ考 ヘ マスガ故 ニ敢 テ此 ノ点 ヲ明 カ ニ スル次 第
戦 術 ニ教 ヘラ レタ モノデ ア リ マス故 ニ、私 ハ此 ノ支 那 ノ経 験 、 浜 松
テ見 レバ 同 志 レー ニ ン モ何 ヲ為 スベ キ カ ノ中 デ 、 指 導 部 ヲ国 外 ニ置
来 ヌ。 ソ レ ハ国 外 ニ指 導 部 ヲ移 シテ カ ラデ ア ルト 云 ヒ マシ タ。考 ヘ
ニ党 ノ中 央 部 ニ於 テ決 定 サ レ テ居 タ ノデ ア リ、 ソ レヲ同 志 渡 辺 政 之
ノ同 志 渡 辺 政 之 輔 ト ノ会 見後 ニ決 定 サ レタ モノデ ナ ク、 既 ニ夫 以 前
輔 ガ決 定 通 リ私 ニ伝 ヘタ ノデ ア ルト 云 フ事 デ ア リ マ ス。 又 後 ノ僅 カ
デ ス。 ソ レ ヲ証 明 ス ル 一ノ根 拠 ト シテ ハ、 此 ノ私 ニ対 スル地 位 ハ此
ナ ラ ヌ。然 シ現在 ノ我党 ハ数 ニ於 テ モ理 論 的 ニモ未 ダ 弱 イ故 ニ、中
ク事 ヲ主 張 シ テ居 リ マシタ。 私 ハ ソ レヲ思 出 シ テ同 志 渡 辺 政 之輔 ノ
国 共 産 党 ノ様 ニ思 ヒ切 ツタ共 同 戦 線 ハ不 可 能 デ ア ル。 我党 ヲ強 ク ス
三 ケ月 ノ間 ニ私 ガ関 西 地方 委 員 長 ト ナ リ、 次 ニ中 央 委員 候 補 カ ラ直
意 見 ヲ尤 モダ ト思 ヒ マシタ。 第 二 ニ就 テ ハ将 来 必 ズ サウ シナ ケ レバ
ル事 ガ当 面 ノ仕 事 デ ア ルト 云 フ ノデ ア リ マシ タ。私 ハ之 モ尤 モダ ト
グ 正 中 央 委 員 ト ナ リ、 更 ニ常 任委 員 組 織 部 長 ト ナ リ タ ル モ聊 カ突 飛
其 地位 ノ高 低 如 何 ニ拘 ラズ其 地位 ヲ 甘受 シ全 力 ヲ挙 ゲ テ其 使 命 ヲ全
与 ヘラ レタ地 位 ヲ決 シ テ拒 ンダ リ遠 慮 シタ リ シタ事 ハア リ マセ ヌ。
由 ガ ア ル ノデ ア リ マス。 尚私 自 身 ハ如 何 ニ高 カ ラ ウ ガ低 カ ラ ウガ 其
神 戸 ノ 現在 ノ党 員 ヲ 二 ツ ノ細 胞 ニ分 割 スル事 ヲ命 ゼ ラ レ タ事 等 ヲ報
マス。私 ハ第一ニ 今 度 中 央 部 カ ラ神 戸 地 区 責 任 者 ニ任命 サ レ タ事 、
員 ノ家 デ開 催 サ レ マ シタ。 当 時 ノ神 戸 ニ於 ケ ル党員 ハ同 志板 野 勝 次 、 ︹ 右 一︺ ︹ 鶴夫︺ ︹ 善 一郎︺ 三宅 某 、藤 田某 、青 柿 某 、 白 土 五 郎 、 長 尾 有 ノ六 名 デ ア ツタ ト思 ヒ
会 見 シ、党 細 胞 会 議 開 催 ヲ要 求 シ、 其 第 一回 ノ会 合 ハ藤 田 ト 云 フ党
答 私 ハ神 戸 ニ移 転 ス ルト 同時 ニ ソ レ マデ ノ神 戸 ノ党 ノ責 任 者 ト
カ。
ウ スル事 、 之 ガ 私 ノ不 断 ノ信 条 デ ア リ マ ス。 又私 ハ其 仕 事 ノ難 易 ニ
ノ感 ナ キ ニシ モア ラズ デ ス。然 シ之 ニ ハ以下 述 ベ マ ス様 ニ相 当 ノ理
ヨ ツテ進 退 ヲ決 シ、 或 ハ勇躍 シ躊 躇 ス ルト 云 フガ如 キ事 ハ未 ダ 嘗 テ
ヲ聴 キ マシ タ。
告 シ、前 責 任 者 カ ラ今 日 マデ ノ党 活 動 ノ概 略 ノ報 告 ト当 日 ノ議 題 ト
此 ノ会 合 ニ ハ長 尾有 ハ欠席 シ、青 柿 ハ会 議 中 途 ニ出 席 シ マシ タ。青
一回 モシ タ事 ハア リ マセ ヌ。 反 対 ニ他 人 ガ最 モ嫌 悪 スル最 モ困 難 危
柿 ハ議 席 ニ着 ク ヤ否 ヤ私 ニ向 ツテ ﹁君 ハ如 何 ナ ル資 格 デ 此 ノ会 合 ヘ
険 ナ任 務 ニ ハ進 ンデ ソ レ ヲ引 受 ケ 、敢 然 ト シテ闘 フト 云 フ事 ヲ心 ガ ケ テ来 マ シタ故 ニ、 私 ニ取 ツ テ如何 ナ ル小 サ ナ問 題 デ モ軽 々シ ク片
ツ タ ノデ ア リ マスガ 、 兎 ニ角 党生 活 ハ本 日 ガ始 メ テダ カ ラト 云 ツ テ
付 ケ ル事 ハ出 来 マセ ヌ。 ド ン ナ小 サ ナ仕 事 ニ モ全 生 命 ヲ打 込 ンデ 遂
其 日 ノ議 長 ハ前 責 任 者 ニ代 行 シテ貰 ヒ、 暫 ク議 事 ヲ傾 聴 シ テ居 リ マ
出 席 シ テ居 ル ノカ ﹂ ト 云 ツ テ詰 問 シ マシ タ。 ソ レデ 再 度 私 ノ地 位 ニ
ツト ーデ ア リ マ シタ。 故 ニ同 志 渡 辺 政 之輔 ガ 私 ニイ キ ナ リ神 戸 地 区
シ タ。 ト コ ロガ 其議 事 ヲ見 テ私 ガ驚 イ タ ノ ハ、 議 事 内 容 ハ凡 テ各 合
就 テ説 明 シ、 議 事 ヲ続 行 ス ル事 ニナ リ マ シタ。 私 ハ地 区 責 任 者 ト ナ
責 任 者 関 西 地 方 委 員 ノ地 位 ヲ任命 シ タ ノ ニ対 シテ モ別 段 驚 キ モシ マ
法 団 体 ノ常 任 委 員 会 デ 討議 ス レバ ヨイ様 ナ モノ バ カ リデ ア ル事 、 各
セ ヌト 云 フノ ガ私 ノ仕 事 ニ対 ス ル方 針 デ ア リ 、 一事 一発 見 ハ私 ノ モ
セ ヌデ シ タ。 反 対 ニ見 事 其使 命 ヲ全 ウ シテ見 セ様 ト固 ク誓 ツタ位 デ
党 員 ハソ レ〓
行 シ、必 ズ ヤ ツ タ仕 事 カ ラ何 カ 一ツ新 シイ教 訓 ヲ〓 ミ出 サ ネ バ承 知
シタ。
談 シ合 ツ テ居 ルノ デ アリ マス。私 ハタ マラ ナ ク ナ ツテ発 言 シ ﹁ 今日
マデ ノ会 合 モ大 体 今 日 ノ如 キ事 ヲ ヤツ テ居 タ ノ カ ﹂ト 前 責 任 者 ニ聞
自 分 ノ所 属 団体 ノ人 事 問 題 ヲ持 出 シ テ ア レ コ レト相
テ翌 々 日自 宅 ニ帰 リ マシ タ。 ソ シ テ早 速同 志 国領 五 一郎 ニ会 ツ テ渡
私 ハ同 志 渡 辺 政 之 輔 ト 別 レ テ帰 途 ニ着 キ 、途 中 浜 松 ノ公 判 ニ出 廷 シ
イ テ見 マシ タ。 ソウ ス ルト前 責 任 者 ハ然 リ ト答 ヘ マシ タ。 ソ コデ 私
ハ全 員 ニ注意 シ マシ タ。吾 々 ハ マカ リ間 違 ヘバ十 年 間 監 獄 ヘ叩 キ込
ヨ ツテ私 ハ評 議 会 神 戸 地 方 オ ル ガ ナイ ザ ート ナリ 、直 チ ニ大 阪 ヲ引
マレネ バ ナ ラ ヌノ デ ア ル。 其 危険 ヲ犯 シテ カ ウ シテ結 盟 シ会 合 ヲ開
辺 政 之 輔 カ ラ ノ伝 言 ヲ報 告 シ、 其 翌 日 ノ評 議 会常 任 委 員 会 ノ決 議 ニ
テ活動 ヲ始 メ ル事ニ ナ ルノデ ア リ マス。
ク ノ ハ、 決 シ テ右 ノ様 ナ問 題 ヲ討 議 スル為 メデ ハナイ 筈 デ ア ル。今
払 ツテ神 戸 ニ移 転 致 シ マシ タ。 斯 ク テ初 メ テ私 ガ 日本 共 産 党 員 ト シ
三問 被 告 ハ日本 共 産 党 員 ト シ テ神 戸 ニ於 テ如何 ナ ル活 動 ヲ為 シタ
方 デ ア ツタ様 ニ記 憶 致 シ マス。青 柿 某 ハ此 ノ第 一回 ノ会 合 以 来 サボ
マセ ヌ。 地区 委 員 会 ハ頻 繁 ニ開 催 サ レ マシ タ。会 合 ノ場 所 ハ大 概 私
ス ル事 ニ シ マ シタ。 両 細 胞 ノ所 属員 ガ誰 デ ア ツタ カ今 日記 憶 ニア リ
ト ナ ルノデ ナ ク全 社 会 ガ 問題 ト ナ ラネ バ ナ ラ ヌ。 即 チ吾 々 ハ全 兵 庫
タ ー ジ ユ シテ会 議 ニ出 席 シ ナ ク ナ ツ タト 共 ニ、 日 々反 共 産 党 的 態 度
リ マシタ 。 ソ シテ私 ト板 野 勝 次 、 三 宅某 ノ 三 人デ 地区 委 員 会 ヲ構 成
県 下 ノ労 働 者 農 民 其 他 ノ被 圧 迫 大衆 ヲ如何 ナ ル政 治 問 題 デ 闘 争 ニ動
ヲ執 リ出 シ マシ タ ノデ 、 党 ハ其後 彼 ヲ除 名 シタ ト記 憶 シ マ ス。 私 ハ
各 団 体 ノ常 任 委 員 会 デ 討 議 スレバ 事
此 ノ闘 争 ニ各 大衆
日 ノ議 事 ノ如 キ ハ宜 敷 ソ レ〓
員 ス ルカ、 其 為 メ ニ吾 々 ハ今 何 ヲ為 スベ キ カ ?
足 リ ル。 共 産 党 ノ会 合 デ ハ単 ニ党員 ノ存在 ス ル団 体 ノ事 丈 ケガ 問 題
ル。 今 日 ノ如 キ議 事 デ ハ恰 モ各 団体 有 志 ノ私 的 懇 談 会 デ ア ル。 共産
団 体 ヲ シ テ如 何 ニ活動 [サ]シ タ ルカ ヾ問 題 ト ナ ラネ バ ナ ラ ヌ ノデ ア
シテ居 リ マセ ヌ。然 シ私 ガ 党 神戸 地 区責 任 者 ト シテ指 導 シ タ事 件 ハ
神 戸 ニ於 ケ ル党 ノ各 会 議 デ 如 何 ナ ル事 ヲ協 議 シタ カ今 日明 確 ニ記 憶
党 ノ会 合 ハソ ンナ モ ノデ ナイ 。 現 ニ吾 々ノ眼 前 ニ何 万 ト 云 フ未組 織 労 働 大 衆 ガ ア リ、 大 工場 ハ殆 ンド何 等 ノ手 ガ カ リガ ナイ 。 之 ヲ什 ウ
三 健 康 保 険 問 題 ニ就 テ工場 代 表 者 会 議 ニ ヨル労 働 者 ノ闘 争
二 但 馬 震災 義 捐 金 問 題 ニ就 テ但 馬 町会 並 ニ兵 庫 県 庁 ニ対 ス ル闘 争
一 姫 路 警 察 ノ学 生 及 労働 組 合 並 ニ青 年 同 盟 弾 圧 ニ対 ス ル抗 議 運 動
左 ノ様 ナ モノガ ア リ マス。
分 ハ未 組 織 デ ア リ、組 織 サ レ テ居 ル モノ ヽ大 部 分 ハ右 翼幹 部 ノ指 導
四 神 戸 市 当 局 電車 賃 値 上反 対 ノ闘 争
又 兵 庫 県下 ニ ハ何 十 万 ト 云 フ農 民 ガ居 ル。 然 カ モ其 大部
下 ニア ル。 之 等 ヲ左翼 団体 ニ組 織 シ共 産 党 ノ指 導 下 ニ置 ク事 、 之 ハ
ス ルカ ?
当 面 ノ問 題 デ ア ル。而 カ モ姫 路 ニ ハ学 生 ト 労 働 組 合 ト ニ対 ス ル警 察
五 日労 党 幹 部 ノ分 裂 主義 ニ対 ス ル闘 争
︹マ マ ︺
ノ弾 圧 ガ ア リ、但 馬 ニ ハ震 災 義 捐 金 問 題 ガ ア リ、 神 戸 三市 当 局 ノ電
六 神 戸 新 聞 社主 催 青 年議 会 及代 議 員 選 挙 戦 ヲ利 用 シ、 党 ノ政策 ヲ
八 神 戸 地 方 評 議 会 ノ活動 方 針 ノ変 更
七 日 本 毛織 会 社労 働 者 ノ闘 争
宣伝煽動 スル事
車 賃 値 上 問 題 ガ ア ル。 之 ニ対 シテ共 産 党 ハ如 何 ナ ル政 策 ヲ執 ルノ カ 。 又 兵 庫 県 ニ ハ新 聞 社 ノ主 催 デ 青 年 議 会 ガ毎 年 行 ハレ其 議員 ノ選 挙 ガ
九 労 農 党 兵 庫 県 聯 合 会 ノ活 動 方 針 ノ変 更
大 衆 的 ニ行 ハレ テ居 ル。之 ニ対 ス ル政 策 如 何 等 々議 スベ キ問 題 ハ山 積 シ テ居 ルデ ハナ イ カ ?
十 議 会 解散 請 願 運動
共 産 党 ハ諸 君 ノ今 日 ノ見 地 ヨリ モウ 一段
ハ成 程 ト 云 ツテ賛 成 シ、 今 日 マデ ノ会 合 デ ハ大衆 団 体 ノ秘 密常 任 委
高 所 ニ立 ツ テ全 面 ニ亙 ツテ考 察 シナ ケ レバ ナ ラ ヌト 申 シ マシタ。 皆
等 々デ ア リ マシ タ。
ル ト同 時 ニ、各 団体 ノ フラ ク シ ヨ ン責 任 者 ニ命 ジ テ各 団 体 ノ活動 報
私 ハ地 区 責任 者 ト ナ ツ テ、藤 田方 ニ於 ケ ル第 一回 ノ前 述 ノ会 合 ガ終
告 ヲ提 出 セ シ メ マシタ 。 ソ レヲ見 ルト各 団 体 共 通 ノ欠 点 ハ、全 国的
云 フ事 ニナ リ 、其 日 ハ ソ レデ 散 会 シ マシ タ。 ソ レカ ラ神戸 ハ細 胞 ヲ 二 個 ニ分 割 シ、 一ツ ハ同 志 板 野 勝 次 ガ キ ヤプ テ ント ナ リ 、 一ツ ハ同
員 会 ト何 等 違 フト コ ロガ ナイ 。 次 回 カ ラ ハ議 事 ヲ ス ツカ リ改 メ様 ト
志 三 宅某 ガ キ ヤプ テ ント ナ リ、 私 ハ板 野 勝 次 ノ細胞 ニ属 ス ル事 ニナ
ルト 云 フガ如 キ事 ハ断 ジ テ ア リ得 ナイ 。 若 シ斯 様 ナ場 合 ニ赤 色 労
行 ハレテ居 ル時 ニ、 労 働 組 合殊 ニ赤 色 労働 組 合 ノ組 織 率 ガ減 退 ス
働 組 合 ノ組 織 率 ガ減 退 ス ル ナ ラバ 、 ソ レ ニ ハ必 ズ赤 色 労 働 組 合 ノ
一般 的 問 題 ト自 然 発 生 的 事件 ニ就 テノ ミ活 動 シテ居 テ、 上 カ ラ大衆
ツ モ為 サ レ テ居 ナイ事 デ アリ マシタ 。私 ハ ソ レヲ見 テ評 議 会 ヤ青 年
労 働 者 ニ対 スル宣 伝 煽 動組 織 ノ戦 術 ニ誤 リ ガ ア ルノデ ア ル。 此 ノ
ノ不 平 不 満 ヲ抽 出 シ、 闘争 ヲ計 画的 ニ激 発 ス ル煽 動 ト 云 フ モノガ 一
コデ 第 一ニ評 議 会 ノ ヤ リ方 カ ラ建 テ直 シ テ行 カネ バ 駄 目 ダ ト思 ツタ
同 盟 ガ 日 々 ニ会 員 ガ減 少 シテ行 ク ノ ハ無 理 ハナイ ト 思 ヒ マシタ 。 ソ
ガ、 此 ノ神 戸 地 方評 議会 ノ場 合 ニ モサ ウ デ ア リ マ シタ。 私 ニ早 速
主 張 ハ今 日 マデ幾 多 ノ実 験 ニ ヨツ テ其 正 シサ ヲ証 明 シテ来 マシ タ
工場 調 査 報 告 ヲ提 出 セ シ メ、嘗 テ大 阪 印 刷 労 働 者 ニ試 ミ マシ タ様
ノデ 、幸 ヒ私 ガ評 議 会 神 戸 地 方 オ ル ガ ナイ ザ ート ナ ツ テ居 ルノ ト 、 一方 レ フト ノ指 導 ヲ モ委 任 サ レテ居 タ ノデ 、 合 法非 合 法 ノ両 方 面 カ
タ。 テ ーゼ ガ出 来 タ ノ ハ化 学 工業 丈 ケデ ア ツ タト 記 憶 シ マス。然
ニ産 業 別闘 争 ノ見 地 カ ラ 工場 テ ー ゼ ヲ作 成 シ テ戦 フ様 指 示 シ マシ
イ ソ シテ私 ハ神 戸 ノ レ フト 地 方委 員 会 ヲ開 催 セ シメ 、 ソ レ ニ出
シ此 テ ーゼ ガ全 産 業 ニ亙 ツテ出 来 上 ラ ナ イ前 ニ、 次 ノ健 康保 険 法
ラ 一挙 ニ変 革 ス ル事 ヲ企 テ マシ タ。
席 シ マシ タ。 ト コ ロガ 此 ノ会 合 デ 川崎 ヤ三菱 等 ノ大 工場 ニ レフト
ニ対 ス ル闘 争 ニ ヨツ テ私 ノ意 見 ガ 全 ク正 シイ事 ヲ神戸 ノ労働 者諸
ロ 健 康 保 険 法 ニ対 スル闘 争 ニ関 シ テ ハ私 ノ第 八 回訊 問 調 書 第 七
鉄道従業員、市電従業
会 社 其 他 ノ大 工場 ニ対 シテ如 何 ナ ル活 動 ヲ シ テ居 ル カ?
問 ニ対 スル答 ニ於 テ モ申 上 ゲ マシ タ通 リ 、当 時 評 議 会 本 部 ハ此 ノ
ハ今 日 マデ 如 何 ナ ル活 動 ヲ シ テ居 ルカ ?
ヅ 聞 イ テ見 ルト 、其 答 ヘハ川 崎 ノ某 職 場 ノ 二、三 ノ 職 工 ヲ 通 シ テ
闘 争 ニ被 保 険 者 同盟 ト 云 フ闘争 組 織 ヲ主 張 シ、評 議 会 ニ ハ対 策 委
君 ハ信 ズ ル ニ至 リ マシ タ。
工場 内 ニ秘 密 グ ルー プ ヲ組 織 サ ス様 ニ努 メ ル以 外 何 モ シ テ居 ナ イ
員 ナ ル モノガ 設 ケ ラ レ、 且長 文 ノ宣 伝 ビ ラ ヲ労 働 者 ニ頒 布 シ テ労
員 等 々 ニ対 シ テ如 何 ナ ル活動 ヲ シテ居 ルカ。 兵 庫 県 下 ノ日 本 毛織
ト 云 フノ デ ア リ マシタ。 川 崎 其 他 ノ大 工場 ハ弾 圧 ガ酷 ク テ表 面 ノ
働 者 ノ闘 争 ヲ煽 動 デ ハナ ク希 求 シテ居 リ マシ タ。 私 ハ此 ノ戦 術 ガ
等 ヲ先
ノ ガ右 ノ如 キ活 動 ノ弁 明 デ ア リ マシ タ。 ソ コデ私 ハ彼 ノ私 ノ所 謂
運 動 ハト テ モ出 来 ナ イ シ、職 工 モ恐 ハガ ツ テ寄 リ ツカ ナ イ ト 云 フ
ノ方針 ト ノ ミ思 ツテ居 タ ノデ スガ 、私 ハ此 ノ方 針 ニ ハ悉 ク反 対 デ
党 ノ方 針 ダ ト ハ後 デ知 ツタ ノデ 、当 時 ハ ソレ ヲ知 ラズ 評 議 会本 部
摘 シ、当 面 健 康 保 険 ト 云 フガ 如 キ絶 好 ナ問 題 ガ ア ルノ ミ ナ ラズ 、
マシタ ガ 、尚 此 ノ対 策 委 員 会 ト 云 フ モ ノガ 私 ニ ハ大反 対 デ ア リ マ
アリ マシタ 。被 保 険 者 同 盟 ニ反 対 デ ア ルト 云 フ理 由 ハ既 ニ申 上 ゲ
上 カ ラ ノ煽 動 ノ理 論 ト 実 際 ヲ説 明 シ、 従来 ノ神 戸 地方 ノ誤 リ ヲ指
特殊 ナ 労働 者 ノ不 平 ガ充 満 シ テ居 ル。然
事 ヲ主 張 シ マシ タ。私 ハ今 日 モ固 ク サ ウ信 ジ テ居 リ マス。官 憲 ノ
ル時 労 働 組 合 員 ガ 減 少 ス ルト 云 フ事 ハ絶 対 ニア リ得 ベ キ事 デ ナ イ
癖 デ ア リ マシ テ、 評 議 会 ノ対 策委 員 会病 ハ、私 ガ後 ニ留 守 中 央 常
方 ガ 、 又私 ノ大 反 対 ナ ノデ ア リ マシ タ。実 ニ之 ハ山 川 イ ズ ム ノ悪
シタ。 更 ニ宣 伝 ニ ヨツ テ労 働 者 ノ大 衆 的 蹶起 ヲ求 メ ルト 云 フ ヤリ
各 産 業 各 工場 ニソ レ〓
迫 害 ガ猛 烈 デ ア ル、資 本 家 ノ労 働 者 ニ対 スル労 働 条件 ノ 引 下 ゲ ガ
委 員 会 ヤ被 保 険 者同 盟 ハケ シ飛 ンデ 仕 舞 ツ テ、 之 等 大 工場 ノ秘 密
夜 間 工場 裏空 地 デ 秘 密 集会 ガ毎 晩 開 催 サ レ、 評 議 会 ハ斯 ク テ対策
加 ヲ勧 誘 シ タビ ラ ヲ撒 布 セ シメ マシタ。 川 崎 、 三菱 等 ノ 工場 デ ハ
数 十 連 名 ヲ以 テ工場 代 表者 会議 開 催 ヲ報 告 シ、 全 工場 労 働 者 ノ参
〓
集 ツ テ来 マシ タ ノデ 、 早速 会 場 ヲ借 リ受 ケ、 今 度 ハ発 起 工場
収 シ タ バ カ リデ ナ ク、今 後 ノ 運動 資 金 ガ カ ウ シ タ労 働 者 カ ラド ン
議 ヲ開 催 シ テ呉 レト 頼 ミ ニ来 マシタ 。評 議 会 ハ最 初 ノ ビ ラ代 ヲ回
工 ガ私 カ ニ十 円 或 ハ二十 円 ト 評議 会 ニ持 参 シ、 是 非 工場 代 表 者 会
タ ニ過 ギ マセ ヌ。 此 ノビ ラガ配 布 サ レ ルト直 グ川 崎 、 三菱 等 ノ職
諸 君 ハ工場 代 表 者 会 議 ヲ開 イ テ要 求 ヲ統 一シテ闘 ヘト書 イ テ ア ツ
保 険 料 全 額 資 本 家 負 担 ヲ闘 ヒ取 ツ タ二 、三 ノ 工場 ノ事 件 ヲ記 載 シ、
工場 ニ配 布 セ シメ マシ タ。 其 ビ ラ ハ単 ニ関 東 、関 西等 ニ於 テ健 康
ヤリ方 ニ反 対 シ直 チ ニ煽 動 ビ ラ ヲ作 成 シ、 之 ヲ印 刷 シテ全 県 下 ノ
レヲ大 衆 ニ宣 伝 シ大 衆 ノ蹶 起 ヲ希 求 ス ル ノデ ア リ マ ス。 私 ハ斯 ル
論 議 シテ居 ル意 義 等 々 ヲ繰 返 シ論 議 ス ル ノデ アリ マス。 ソ シテ ソ
義 、此 ノ問 題 ノ社 会 的 歴 史 的 意 義 、 ソ レ ヲ今自 分 等 ガ問 題 ニ シテ
険法 ノ意 義 、 ソ レ ニ闘 争 ス ル意 義 、 闘 争 形 態 ノ理論 的 根 拠 、其 意
ナ ノ デ ア リ マ ス。 即 チ此 ノ対策 委 員 会 ハ毎 晩 〓
集合 シテ健 康 保
戸 以 外何 ンノ音 沙 汰 モナ カ ツ タ ノ ハ実 ニ此 ノ対 策 委員 会 病 ノ為 メ
者会 議 ガ 、党 ガ統 一同 盟 ノ名 ヲ藉 リ テ提 唱 シ テ カ ラ約 半 月間 、神
員 会 病 ハ評 議 会 ノ癌 デ ア リ マシ タ。 彼 ノ金 融 恐 慌 ノ際 ノ工場 代表
全 国 的 ニ根 本 的 ニ此 ノ対 策 委 員 会 病 ヲ 一掃 スル マデ 、 此 ノ対策 委
任 委 員 ト ナ ツ テ彼 ノ金融 恐 慌 ニ対 ス ル闘 争 ヲ指 導 スル際 、初 メテ
此 ノ同 盟 ノ中 カ ラ出 タ労 農 党 但 馬 支部 ヲ指 導 シ、此 問 題 ヲ全 兵 庫
闘 争 シテ居 タ ノデ ア リ マ ス。 日 本 共産 党 ハ直 チ ニ此 ノ問 題 ヲ把 ヘ、
等 ノ罹 災 民 同 盟 ナ ル モノガ 組織 サ レ、 県 及 町 ノ ヤリ方 ニ抗 議 シ、
退 ヲ命 ぜ ラ レルト 云 フ惨 憺 タ ル状 態 デ シタ 。故 ニ自 然 発 生 的 ニ之
民 ハ冬 空 ニ向 ツ テ尚 住 ムベ キ家 モナ ク、然 カ モバ ラ ツク カ ラ ハ立
官 公 吏 ト結 托 シ彼 等 ノ私 利 ヲ計 リ、 多 数 ノプ ロレタ リ ア ー ト罹 災
会 ト デ管 理 シテ居 リ マシ タ。 然 ル ニ罹 災 者中 ノブ ルジ ヨ アジ ー ハ
大 震 災 ニ罹 災 民 ヘ全 国 カ ラ義 捐 金 ガ 贈 ラ レ、 之 ヲ兵庫 県 ト但 馬 町
ニ 但 馬 震 災 義 捐 金 問 題 ト 云 フ ノ ハ、 一九 二 五 年 五 月 ノ但 馬 地方
義 捐 金問 題 ヤ市 電 車 賃 値 上 反 対 ノ闘 争 ヲ為 サ シ メ マシタ 。
健康 保 険 法改 正 等 ニ対 ス ル闘 争 ノ外 ニ姫 路警 察 ノ事 件 ヤ但 馬震 災
ヲ把 エテ上 カ ラ闘 争 ヲ激 発 ス ル煽 動 ヲ セ ヨト 指 示 シ、 議 会解 散 、
テ大衆 ヲ獲 得 シ様 ト シテ居 ルノデ ア リ マ ス。 私 ハ日 常 ノ政 治 事件
組 織 サ レ テ居 リ マシタ ガ 、扨 テ其 活 動 ハト 云 ヘバ 之 亦 宣 伝 ニ ヨ ツ
ハ 労農 党 ノ支 部 及支 部 聯 合 会 ハ所 謂 山 川 ノ進 出 ラ ツパ ニ ヨツ テ
戸 地 方 評議 会 ノ組 織 率 ハ急騰 致 シ マ シタ。
ガ 開 催 サ レ、保 険 料 ノ資 本 家 全 額 負 担 ガ可 決 サ レ マ シタ。 勿 論 神
キ ニ ハ二万 人 ノ大衆 ガ参 加 シ、 ト コロ〓
レ マシ タ。 之 ガ所 謂 一時 間 スト ライ キ デ ア リ マ ス。 此 ノ スト ライ
ル為 メ ニ一時 間 一斉 ニ機 械 ノ運転 ヲ停 止 シテ 示威 ス ル事 ガ 決 定 サ
此 ノ健 康 保 険 法 ニ神 戸 ノ労働 者 ハ反 対 デ ア ル事 ヲ表 示 シ、 抗 議 ス
一回 ノ 工場 代 表 者 会 議 ハ神戸 全 労働 者 ノ支 持 参 加 ノ下 ニ開 催 サ レ、
ノ際 ノ スト ライ キ ノ指 導 体 ト ナ ツ タ ノデ アリ マス。 斯 ク テ此 ノ第
ノ デ ア リ マス。 此 時 ニ作 ラ レ タ川崎 工場 内 ノ組 織 ガ後 ニ金 融 恐 慌
ノ 工場 デ ハ従 業 員 大 会
集 会 ヘ煽 動 者 ヲ派遣 シ、組 合 ヲ組 織 ス ル事ニ 忙 殺 サ レ ル ニ至 ツ タ
県 ノ労 農 大 衆 ニ訴 ヘテ此 ノ罹 災 民 ノ闘争 ヲ支持 セ シメ 、義 捐 金 ノ
ノ態 度 ヲ執 ツテ居 リ マ シタ。 私 ハソ レ ニ反 対 シ、 此 ノ闘 争 ニ ハ吾
ノ同 志 ハ此 ノ運 動 ニ対 シテブ ル ジ ヨア ノ遊 戯 ダ ト 云 ツ テ攻撃 否 定
ノ青 年 ガ大 騒 ギ ヲ ヤ ツテ選 挙 運 動 ヲ ヤ ル ノデ アリ マス。 従来 吾 々
々 ハ積 極 的 ニ参 加 シ、同 志 ヲ代 議 士 候 補 ニ立 テ ヽ政 見 発表 演 説 会
運動 進 行 中 ニ但 馬 地 方 ノ労 働 者 及 農 民 ヲ シテ組 合 ヲ組 織 セシ メ、
及 ビ ラ並 ニ議 会 ノ演 壇 ヲ利 用 シ テ吾 々 ノ政 策 ヲプ ロパ ガ ンダ シ、
罹 災 民 同 盟 管 理 ヲ要 求 シ テ闘 争 セ シ メ タ ノデ ア リ マ ス。 然 シ党 ハ
レト神 戸 ノ共 産 党 ト 連 絡 シ、 又 此 ノ非合 法 グ ルー プ ヲ シテ前 述 ノ
或 ハ青 年 同 盟 ヲ組 織 セ シ メ、 又 党 ハ非合 法 グ ルー プ ヲ組 織 シ テ ソ
ガ 立 候補 シ テ居 タ ノデ 、 之 ヲ指 導 シ テ戦 ヒ マシ タ。 右 三名 ハ何 レ
ラ二 名 、 日本 毛織 会 社 労 働 者 ニシ テ我 党 ト 間 接 的 関 係 ノ ア ツタ某
大衆 ノ支 配 階 級 ニ対 ス ル闘 争 ヲ激 発 シ、 青 年 ヲブ ルジ ヨ ア的 影 響
フラ ク シ ヨ ン活 動 ヲ シ タ ノデ ア リ マス。
モ高 点 ヲ以 テ当 選 シ、 議 場 ニ於 テ党 ノ指 示 ニ従 ツ テ宣伝 煽 動 ニ働
カ ラ切 リ離 ス為 メ ニ闘 ハネ バ イ カ ヌト シ、 但 馬 ノ例 ノグ ル ープ カ
ホ 次 ニ姫 路 警 察 ハ漸 ク同 地 ニ若 干 ノ労 働 者 ニ ヨ ツテ労 働 組 合 準
キ マシタ 。 此 ノ運 動 ハ着 手 ガ遅 カ ツ タ為 メ ニ特 筆 ス ル程 ノ効 果 ハ
メ ンバ ー ヲ配 置 セ シ メ、 更 ニソ コデ各 々秘 密 ノ グ ル ー プ ヲ持 チ、
備 会 及 青 年 同 盟 支 部 準 備 会 ガ 組織 サ レタ ノ ヲ知 ル ヤ、無 法 ニ モ事
罹 災 民 同 盟 、 労 農 党 、 農 民組 合 、 労働 組 合 及官 製 青 年 団 等 ノ中 ニ
威嚇 シ テ右 準 備 会 ヲ解 散 セ シ メ ント シ タ ノデ アリ マス。 而 シ テ右
務 所 ヲ家 宅 捜 査 シ テ名 簿 ヲ押 収 シ テ関 係 者 ヲ警 察 ニ引 致 シ、 之 ヲ
役 立 チ マシ タ。
納 メ得 ナ カ ツタ ガ 、選 挙 戦 ヲ如 何 ニ戦 フベ キ カ ヲ教 ヘルノ ニ大 ニ
ト 日労 党 幹 部 ノ分 裂 主 義 ニ反 対 ノ闘 争 、 日 本 毛織 会 社 争 議 、議
ノ家 宅 捜 査 ニ ヨツ テ、 此 ノ準 備 会 ノ仕事 ニ姫路 高 校 ノ学 生 ガ関 係
要 ス ル ニ神 戸 ノ共 産 党 ハ従 来 ト 違 ツ テ常 ニ全 県 下 ヲ見 渡 シ凡 ユル
シテ居 ルノ ヲ発 見 シ テ之 亦 警 察 ニ引 致 シ テ脅 迫 シ、 一方 学 校 側 ヲ
事 件 ヲ把 ヘテ政 治 闘 争 ヲ計 画 シ、 之 ヲ大衆 団体 ヲ動 カ シテ表 面 ノ
ヒ マスカ ラ改 メ テ申 上 ゲ マセ ヌ。
ヲ起 サ シメ、 更 ニ共 産 党 員 某 ヲ派 遣 シテ破 壊 サ レタ両 組 織 ヲ再 建
会 解 散請 願 運 動 等 ニ就 テ ハ既 ニ之 マデ ノ陳 述 デ申 上 ゲ テ ア ルト思
サ セ マシタ。
シ之 ガ セク ト的 ナ活 動 デ ア ツ タ事 ハ申 ス マデ モア リ マセ ヌ。
実 行 ニ移 シ、 大 衆 ヲ闘 争 ヘ動員 ス ル様 ニナ ツタ ノデ ア リ マ ス。 但
共産 党 ハ直 チ ニ此 ノ問 題 ヲ把 ヘ、県 下 各 無 産 団 体 共 同 デ 抗 議 運 動
ヘ 右 ノ青 年 議 会 ト 云 フ ノ ハ、神 戸 ノ某 新 聞 社 主 催 デ 毎 年 神 戸 市
使 嗾 シテ遂 ニ此 ノ学 生 ヲ退 校 処 分 ニ シ テ仕 舞 ツタ ノデ ア リ マ ス。
デ 青 年 議 会 ナ ル モノ ガ開 催 サ レ ル ノデ ア リ マス。 ソ レ ニ ハ予 メ政
ト同 時 ニ、 関 西 地 方 委 員 会 委 員 ト シ テ同 委 員会 ヘモ出 席 シ活 動 シ マ
私 ハ右 ノ如 ク神 戸 地 区 ノ責 任 者 ト シ テ全 兵庫 県 下 ノ闘 争 ヲ指 導 シ タ
シタ。 関 西 地 方 委 員 会 ハ大 概 同 志 国 領 五 一郎 ノ家 デ開 催 サ レ、 委 員
此 ノ選拳 ニ ヨ ツテ当 選 シ タ代 表 ニ ヨツテ議 会 ガ成 立 シ、 数 日 間 ニ
長 ハ河合 悦 三、 委 員 ハ同 志 国 領 五 一郎 、喜 入乕 太郎 、 私 ノ 三名 合 計
府 ノ施 政 方 針 ガ発 表 サ レ、 全 兵庫 県 下 ニ亙 ツテ選 挙 戦 ガ行 ハレ、
ノ 一手 段 ト シテ行 ハ レル ノデ アリ マスガ 、 此 ノ選 挙 戦 ニ ハ全 県 下
亙 ツ テ議 会 ガ開 カ レル ノデ アリ マス。 之 ハ全 ク新 聞 社 ノ販 売 政 策
タ ノ ハ、 此 ノ委 員 会 モ神 戸 ノ ソ レト同 様 其 協 議 事 項 ガ共産 党 ラ シク
四名 デ 構 成 シ テ居 リ マシタ。 私 ガ最 初 ニ此 ノ委 員 会 ニ出 席 シ テ驚 イ
ゲ マ ス通 リ中 央 カ ラ呼 出 サ レ テ中 央 ノ仕 事 ヲ手 伝 ハサ レ、 一月 下 旬
着 イ テ居 ル事 ハ稀 デ ア リ マシ タ。 ソ シテ十 二月 下 旬 カ ラ ハ別 ニ申 上
デ ア リ マシ テ、 而 カ モ其 間 屡 々各 地 ヘ旅 行 シテ居 テ殆 ンド 神 戸 ニ落
方 委 員 更 ニ地 方 委 員 長 ト シ テ活動 シ タノ ハ僅 ニ十 一、十 二 ノ 二 ケ月
ニ ハ関 西 委 員 長 ヲ確 カ喜 入乕 太郎 ニ譲 ツテ 、私 ハ中 央 ヘ引 上 ゲ ラ レ
ナ ク、 各 大 衆 団 体幹 部 ノ秘 密 懇 談 会 ト 云 フ ヨリ外 ナイ 事 デ アリ マシ
ル事 ト ナ リ彼 ノ草 津 ノ会合 デ 常任 委 員 組 織 部 長 ニ任 命 サ レタ ノデ ア
タ。 私 ハ神 戸 ニ於 ケ ルト同 様 同 志 諸 君 ニ警 告 シ、爾 後 此 ノ委 員 会 ヲ シ テ全 関 西 地方 ノ政治 闘 争 ノ指 導 者 ト シテ ノ活 動 ニ引 上 ゲ マシタ 。
人 三 田 村 四 郎
其 結 果 大 阪 及 京都 モ神 戸 同様 色 々ナ問 題 ヲ把 ヘテ政 治 闘争 ヲ開始 シ
告
リ マ ス。
同 月 於 前 記 場所
裁 判 所 書 記 鹿 田 清 次
予 審 判 事 神 垣 秀 六
人 三 田 村 四郎
右 治 安 維 持 法 違 反被 告 事件 ニ付 、 昭和 五年 五月 六 日豊 多 摩 刑 務 所 ニ
告
於 テ、 予 審 判事 小泉 英 一 ハ裁 判 所 書 記 菅 生 清 立 会 ノ上 前 回 ニ引続 キ
被
方 理 論 的 方 面 デ ハ例 ノ労 農 党 及 議 会 解 散 請 願 運 動 同 盟 ト 共産 党 ノ関
第 二十 五 回 訊問 調 書
東京 地方 裁 判 所
右 読 聞 ケ タ ル処 相 違 ナ キ旨 申立 署 名 拇 印 シタ リ。
被
マシ タ。 ト コロガ 此 ノ時 代 ニ遂 行 サ レタ所 謂 政 治 闘争 ナ ル モノ ハ例 ノ ﹁其 迫 害 ヲ受 ケ タ ル階 級 ガ如 何 ナ ル階 級 デ ア ルト ヲ問 ハズ偏 ニプ ロレ タリ ア ート ノ立 場 カ ラ之 ニ抗 議 シ テ起 ツ﹂ ト 云 フノデ ア リ マ シ タ ガ、実 ハ ﹁ 偏 ニプ ロ レタ リ ア ート ノ立 場 カ ラ抗議 シテ起 ツ﹂方 ハ オ留 守 ニ ナ ツ テ ﹁ 専 制 的 迫 害 ニ抗 シ テ起 ツ﹂ 事 ガ 社 会主 義 政 治闘 争 ト 云 フ風 ニ考 ヘラ レ マ シタ。 左 様 ニ実 行 サ セ タノデ アリ マス。此 ノ 誤 謬 ハ、 私 ガ留 守 中 央 常 任 委 員 ト ナ ツ テ、 小 樽 争議 ニ於 ケ ル市 民 ト ノ共 同 ノ顛末 、新 潟 ノ労 農 党 ノ活 動 報 告 、 九 州 熊 本 ノ 印刷 同 業 組 合
係 ノ問 題 ト ノ双 方 カ ラ、 相 俟 ツ テ訂 正 スル ニ至 ツ タ事 ハ既 ニ申 上 ゲ
一問 之 迄 述 ベ タ事 ニ付 テ ハ訂正 スベ キ点 ハ無 イ カ。
右 被 告 人 ニ対 シ訊問 ス ル コト 左 ノ如 シ。
事 件 ノ報 告 ヲ聞 イ テ初 メ テ其 誤 リ ヲ知 リ、 実 際 運動 ノ方面 カ ラ ト 一
タ通 リデ ア リ マス。兎 ニ角 私 ハ神 戸 地 区 及 関 西 地 方 ノ双 方 ノ会合 ニ
日本 労 働 組 合 評 議 会 ノ提 唱 ニ依 リ始 メラ レタ ル運 動 デ ア ツ テ日 本 共
答 第 十 三 回 訊 問調 書 第 二問 ニ対 ス ル答 ニ於 テ、 五 法 案 要 求 運 動 ハ
出 席 シ タ其 日 カ ラ相 共 ニ従 来 ノ党 ノ活 動 方 針 ヲ 一変 シ タ訳 デ ス。 而 シ テ関 西 委員 長 ハ河合 悦 三デ シタ ガ、 爾 後 反 対 ニ河 合 悦 三 ヲ私 ガ指
ガ 、此 陳 述 デ ハア ノ五 法律 獲得 ノ闘 争 ト 日本 共 産 党 ト ノ干 係 ガ誤 解
産 党 ハ此 運 動 ヲ単 ニ支 持参 加 シタ丈 デ ア ルカ ノ如 ク述 ベ テ居 リ マス
導 スル様 ナ実 状 ト ナリ マシタ。 後 聞 ニ ヨレ バ河 合 悦 三 ハ 一々其事 ヲ 中 央 ニ正直 ニ報 告 シテ居 タ サ ウデ ス。 斯 ク テ私 ハ五 色 大会 ニ於 テ中
サ レ ル虞 ガ ア リ マ スカ ラ其 点 ヲ訂 正 致 シタ イ ト思 ヒ マ ス。
央 委 員 候 補 ニ任命 サ レ、同 時 ニ河 合 悦 三 ガ留 守 ト ナ ツタ ノデ 私 ガ関 西 地 方 委 員 長 ニ任 命 サ レ マシタ。 然 シ私 ガ神 戸 地 区 責 任 者 及 関西 地
二問 夫 レ ハ什 ウイ フ事 情 カ 。 答 五法 律 獲 得 ノ闘 争 ハ表 面 上評 議 会 ノ提 唱 ト ナ ツ テ居 リ マ スガ、 実 ハ日本 共 産 党 ガ ヤ ツ タ仕事 デ アリ マス。
対 ス ル反 抗 不 平 ガ 工場 内 ニ充 満 シ テ居 ルト 云 フ状 態 デ ア リ マ シタ。
我 々自 身 ノ戦 術 上 ノ 一寸 シ タ手 落 カ ラ工場 代表 者 会議 ハ下 火 ト ナ ツ
然 ル ニ前 述 ノ如 ク、 金 融 恐 慌 ノ 一般 的動 揺 ノ鎮 静 並 ニ官 憲 ノ弾 圧及
ト ノ協 定 ガ成 立 シテ例 ノ内 閣 更 迭 九億 円 ノ国家 補 償 ト ナ リ 、 モラ ト
ラト リ ア ムヲ施 行 シ、 其 期 間 中 ニ金融 資本 家 団体 ト ブ ルジ ヨア政 党
資 本 家 ノ遣 リ方 ニ反 抗 闘 争 セ シ メ マシ タ。然 シブ ルジ ヨア階 級 ハ モ
題 ヲ捉 ヘ、失 業 反 対 デー ナ ル モノ ヲ計 画 シ、 其 実 行 ヲ労 働 組 合 ニ指
労 農 党 ハ金融 恐 慌 ヲ転 機 ト シテ 一層 増 大 シ タ失 業 者 及失 業 不安 ノ問
ノ労働 組 合 対策 特 別 委 員 会 ノ問 題 デ ア リ マシ タ。 又 一方 丁度 此 頃 、
カ、 之 ガ当 時 日本 共 産 党 中 央 常 任 委 員 会 ノ問題 デ アリ 、就 中 共 産 党
デ スカ ラ、此 大 衆 ノ エネ ルギー ヲ如 何 ニ シ テ現 実 ノ闘 争 ニ導 ク ベ キ
マセ ヌデ シタ 。然 シ其 労 働 者 ノ不 平 反 抗 ハ少 シ モ沈 静 シ テ居 ナ イ ノ
リ ア ムガ 明 ケ ルト 一斉 ニ各 銀 行 ハ支 払 ヲ開 始 シ人 心 ノ 一般 的 ナ動 揺
令 シ タ ノデ アリ マ ス。 然 ル ニ此 指 令 ハ彼 ノ労農 党 ト労 働 組 合 ト ノ指
テ終 ヒ、 此労 働 者 ノ不 平 不 満 ヲ現 実 公然 ノ闘争 ニ組 織 ス ル事 ガ出 来
ヲ鎮 定 ス ルト共 ニ、 一方 権 力 ヲ以 テ労 働 者 ノ工場 代 表 者 会 議 運 動 ヲ
導 権 限 ノ問 題 ヲ惹 起 シタ許 リデ ナ ク、 該 指 令 ノ内容 ヲ見 ル ニ ﹁ 来 ル
其 顛 末 ハ既 ニ申 上 ゲ マシ タ通 リ、彼 ノ金 融 恐 慌 ニ際 シテ 日本 共 産 党
鎮 圧 シ、 見事 ニ此 危 機 ヲ 一時 脱 スル事 ニ成 功 シ マシ タ。 此 時 我 日本
ハ工場 代 表 者 会 議 ト議 会 解 散 運 動 ニ依 ツ テ大 衆 ヲ動 員 シ、 政 府 並 ニ
共 産 党 及 左翼 労 働 組 合 ハ直 チ ニ工場 代 表 者 会 議 運動 ヲ非 合 法 ニ推 移
シ カ ナイ ト 云 フ乱暴 極 マ ル モノデ ア リ マシ タ。 夫 レデ 此指 令 ヲ受 取
ヒ、而 モ其指 令 ヲ発 シタ 日 カ ラ失 業 反 対 デ ー迄 僅 カニ一 週間 ノ余 裕
ツ タ評 議 会 ハ直 チ ニ労 農 党 ニ抗 議 スル ト同 時 ニ、 一方評 議 会 内 党 フ
何 日 ヲ失 業反 対 デ ー ト シ、 全 労 働 者 ハ スト ライ キ ヲ決 行 セ ヨ﹂ ト 云
工場 代 表 者 会 議 運動 ハ金 融 恐 慌 ノ 一時 的 動 揺 ガ恢 復 ス ル ニ従 ヒ次 第
方 ヲ発 見 シ其 訂 正 ヲ指 令 シタ時 ニ ハ、 実 ハ既 ニ手 遅 レデ ア リ マシタ。
ラ ク シ ヨン ハ中 央 常 任委 員 ニ向 ツ テ共 産 党 ノ労 農 党 ニ対 ス ル指 導 監
セ シ メ、 合 法 運動 ト非 合 法 運 動 ト ノ巧 ミ ナ ル結 合 ヲ計 ルベ キデ ア ツ
ニ沈 滞 シ テ行 キ マシタ 。然 シ納 マラ ナ イ ノ ハ労 働 者 大衆 ノ現実 ノ苦
ト シ テ多 数 ノ工 場閉 鎖 カ ラ失 業 者 ノ洪 水 ガ起 リ、 共産 党 神戸 地 区委
督 ノ怠 慢 ヲ抗 議 シ テ来 タ ノデ ア リ マ ス。 又神 戸 デ ハ川崎 造船 ヲ初 メ
タ ノデ ア リ マシ タ。然 シ日本 共 産 党 ガ運 動 上 ニ於 ケ ル手 工業 的 遣 リ
ミデ ア リ マシ タ。 即 チ金融 恐 慌 ノ結 果 、 日本 ノ全産 業 ハ 一層金 融 資
員 会 ハ此 状 態 ヲ捉 ヘテ失業 手 当 法 ノ獲 得 ナ ル闘 争 ヲ開 始 シ、 大衆 ヲ
本 ノ支 配 下 ニ統 合 サ レ、 我国 金 融 資 本 ノ支 配 的 地 位 ハ驚 クベ キ程 強 化 サ レ マ シタ。
ヲ掲 ゲ、 其 獲 得 デ ーナ ル モノ ヲ計 画発 表 シタ ノデ ア リ マス。斯 様 ナ
糾 合 シ ツ ヽア ツ タ ノデ ア リ マス。 更 ニ婦 人 同 盟 モ亦 同様 婦 人 ノ要 求
ノ闘 争 ヲ統 合 スル事 、 又今 ヤ沈 滞 シカ ケ タ 工場 代 表 者 会 議運 動 締 括
状 態 ニ当 面 シ テ共産 党 労働 組 合 対 策 特 別 委 員 会 ニ於 テ ハ、 之 等 一切
ソ シテ此 金 融 資 本 ハ今 モ 一斉 ニ自 己 ノ支 配 下 ニ統 合 サ レ タ産業 ノ整
ニ依 ル 一時 的 人 心 ノ動 揺 ハ鎮 マリ マシタ ガ 、労 働 階 級 ハ日 ヲ経 ル ニ
理 即 チ所 謂 産 業 合 理 化 ヲ遂行 シ始 メタ ノデ ア リ マ ス。 故 ニ金融 恐 慌
従 ツテ新 タ ナ ル生 活 不 安 ニ襲 ハレ、無 慈 悲 ナ ル労 働 条 件 ノ引 下 ゲ ニ
リ ノ意 味 モ含 マセテ 之 ヲ全 国 的 政 治 的 ナ要 求 デ闘 争 セ シメ様 ト 云 フ
アリ マシ テ 、最 初 評 議 会 及 レ フト 並 ニ労 農 党 ノ間 ニ於 テ決 メ タ最 低
事 ニ決 リ マ シタ。 然 シ其 処 ニ到 ル迄 ニ ハ次 ノ様 ナ経 過 ヲ取 ツ タノデ
時間 労 働 制 ノ即 時 実 施 ノ要 求 ヲ追 加 シ テ四法 律 ト シ、後 更 ニ婦 人 及
賃 銀 法 、失 業 手 当 法 ノ制 定 及 健康 保 険 法 ノ改 正 ノ 三法 律 ニ、 更 ニ八
議 ガ起 ツ タ ノデ アリ マス。 而 シ テ評 議 会 及 レ フト ノ方 面 デ 決 定 シ タ 失 業 手 当 法 、 健 康保 険 法 、最 低 賃 銀 法 三 法 律 ノ獲得 並 ニ改 正 ノ闘 争
一 最 低 賃 銀 法 ノ即 時 制 定
三 失 業 手 当 法 ノ即 時 制 定
ス。
リ 、次 ノ 五法 律 ヲ要 求 シ闘 争 セ シ メ ルト 云 フ事 ニナ ツ タ ノデ ア リ マ
青 少 年 労 働 者 ノ問 題 ヲ加 ヘテ結 局右 ノ如 ク 五問 題 ヲ 一括 スル事 ト ナ
計 画 ハ 一層 此 特 別委 員 会 ノ仕 事 ヲ進 メ マシ タ。
答 夫 レ ハ私 及同 志 杉 浦 啓 一、 国 領 五 一郎 、外 二 名 、 合 計
三 問 其 労働 組 合対 策 特 別 委 員 会 ノ構成 員 ハ。
五 名 デ 構 成 シ テ居 リ マシタ。
四 健 康 保 険 法 ノ徹 底 的 改 正
二 八時 間 労 働 制 ノ即 時 実 施
セ ヌ ガ、 同志 国領 及 杉 浦 ニ付 テ ハ判 然 シ マセ ヌガ 私同 様 終 始 委 員 デ
答 私 ハ最 初 カ ラ終 迄 其 委 員 ノ 一員 デ ア ツタ ノ ハ申 ス迄 モア リ マ
四問 其 委員 ニ ハ変 更 ハナ カ ツ タ カ。
ア ツ タト思 ヒ マス。 ソシ テ右 ノ外 他 ノ二 名 ト 云 フノ ハ常 ニ更 迭 ガ ア
五 青 少 年 及 婦 人 労 働 者 保 護 法 ノ制 定
尚此 五法 律 獲 得 ノ闘 争 ヲ成 功 セ シ メ ル ニ ハヽ此 五 ツノ法 律 ノ獲 得 ニ
ツ タ ノデ誰 々デ ア ツ タ カ其 氏 名 ハ只 今思 ヒ出 セ マ セ ヌ。 又此 委 員 会 ノ委員 長 ガ私 デ ア ツ タ カ同 志 杉 浦 啓 一デ ア ツタ カ ニ付 テ モ判 然 記 憶
ラ ヌ事、 其 煽 動 ノ効 果 如 何 ガ此 五 法律 獲得 闘 争 ノ勝 敗 ヲ決 メ ル事 ニ
定型 付 ケ ラ レテ居 ナ イ個 々 ノ凡 ユル端 緒的 不平 ヲ爆 発 セ シメ ネ バ ナ
ナ ル モノデ ア ルト 云 フ事 、 更 ニ前 述 五 法 律 ニ軈 テ統 一集 中 サ ルベ キ
統 一集 中 サ ルベ キ、 目 下 労 働 者 ノ間 ニ充 満 シ テ居 ル処 ノ現 実 ニ未 ダ
答 此委 員 会 ハ我 々ガ留 守 中央 常 任委 員 時 代 ノ全 期 間 ニ亙 ツ テ存
ニ アリ マセ ヌ。
在 シ タ モノデ 、随 時 招 集 開 催 シ テ居 マシ タ。委 員 会 ノ開 催 サ レタ場
五 問 其 委 員 会 ハ何 時 迄 続 イ タカ 、 又開 催 ノ場 所 等 ハ如 何 。
所 ハ主 ト シ テ東 京 市 附 近 ノ郊 外 デ ア ツテ 、其 一々 ニ付 テ ハ記 憶 アリ
シ テ此 運動 ノ具 体 的 実 現 ノ為 ニ ハ先 ヅ 評 議会 ガ 此闘 争 ヲ提 唱 シ、 夫
労働 者 ノ端 緒 的 不 平 ヤ要 求 ノ主 ナ ル モ ノ ヲ夫 々決 定 シ マ シタ。 ソ ウ
レ ヲ統 一同 盟 ヲ シテ支 持 セ シ メ、 然 ル後 統 一同盟 ト労 農 党 ト ノ共 同
マセ ヌ。 六問 其 委 員 会 デ 五 法 律 獲 得 闘争 ニ付 テ ド ンナ協 議 ヲ シタ カ。
一時 間 スト ラ イ キ、 工場 従 業員 大 会 及 労働 者 大 会 ノ開 催 、 翌 十 八 日
(日曜)示 威 運 動 ノ 決 行 ヲ 決 議 遂 行 セ シ メ ルト 云 フ実 ニ込 ミ 入 ツ タ
主催 デ 全 国 労 働 組 合 代 表 者 会 議 ヲ開 催 セ シ メ、 其会 議 デ 九 月 十 七 日
プ ラ ンヲ立 テ マ シタ。
答 其 特 別 委 員 会 デ 、前 述 ノ労 働 者 ノ 不平 ヲ全 国 的 ニ且 ツ統 一的
ノ中 心問 題 デ ア ル賃 銀 、 失 業 、健 康 保 険 、時 間 、 青 少 年 及 婦 人 労 働
ニ又 一斉 ニ闘 争 ニ導 ク為 ニ ハ現在 労働 者 ノ間 ニ漲 ツテ居 ル不 平 不 満
者 ノ待 遇 ノ問 題 ヲ法制 獲得 ノ形 式 デ 闘 ハシ メ ル事 ガ最 モ良 イ ト 云 フ
七問 答
私 ハ右 ノ委 員 会 ノ決 定 案 ヲ直 チ ニ共 産 党 中央 常 任委 員 会 ニ報
其 決 定 ハ実 行 シタ カ。
ニ襲 ハレ ル事 ト ナ ル形 勢 デ ア ツタ カ ラデ ア リ マス。 故 ニ中 央 常任 委
シ タ。斯 ク テ事 件 ノ発 展 如 何 ニ依 ツ テ ハ関 東 一帯 ガ スト ライ キ ノ波
ト ライ キ ヲ指 導 スベ キ事 ヲ命 ジ マシ タ。 関 東 地 方 委 員 会 ハ南 喜 一ヲ
其 特 別委 員 ニ任命 シ、南 ハ関 東 ノ レフ ト メ ンバー ト モ協 議 シ テ此 ス
員 会 ハ関 東 地方 委 員 会 ニ特 別 ノ指 令 ヲ与 ヘ、 特 別 委 員 ヲ挙 ゲ テ此 ス
ト ライ キ指 導統 制 ノ プ ラ ンヲ作 成 シ マシ タ。 私 ハ常 任 委員 会 ノ命 ニ
ラ ン ヲ採 用 ス ル事 ニ決 定 シ マシ タ ノデ 早 速 其旨 ヲ レ フト ノ責 任 者 同 志杉 浦 、評 議 会 ノ責 任 者 同 志 国 領 、 労 農 党 ノ フ ラク シ ヨン責 任 者 浅
告 シ承 認 ヲ 求 メ マ シタ。 而 シ テ党 中 央 常 任 委員 会 ハ右 ノ委 員 会 ノプ
野 晃 ニ伝 ヘ、 又右 三名 ハ各 受 持 団 体 ノ機 関 ヲ動 カ シ テ公 然 ノ運 動 ニ
ニ此 スト ライ キ ヲ鎮 圧仕 様 ト ス ルノ ハ火 ヲ睹 ル ヨリ瞭 カデ ア ル事 、
依 ツ テ特 ニ南 ト 会 見 シ、此 闘 争 ハ凡 テ ノ事 情 カ ラ考 察 シ テ、 スト ラ
故 ニ予 メ此 事 ヲ考 慮 シ夫 レ ニ対 ス ル対策 ヲ講 ジ テ置 カネ バ ナ ラ ヌ事
イ キ開始 ト 同時 ニ官 憲 ノ弾 圧 ガ降 リ、 支 配 階 級 ハ夫 レニ依 ツ テ 一気
テ此 運動 ノ先 頭 ニ立 ツテ闘 フベ キ事 、 殊 ニ此 闘争 ノ成 功 ノ為 ニ ハ如
ラ ク シ ヨ ン ニ此運 動 ノ具 体 化 ヲ指 令 スルト 共 ニ、 一方 全 党員 ニ向 ツ
何 ナ ル微 細 ナ問 題 デ モ労 働 者 ノ端 緒 的 ナ不 平 不 満 ヲ捉 ヘ、 工場 主 ト
等 ヲ告 ゲ 、 其 計 画 ハ什 ウ ナ ツテ居 ルカ ヲ尋 ネ マシ タ。 南 ハ レフ トト
具 体 化 シ テ行 キ マシタ。 共 産 党 中 央 常 任 委 員 会 ハ右 ノ如 ク各 団 体 フ
ノ闘 争 ヲ激 発 組 織 ス ル事 ガ絶 対 ニ必 要 デ アリ 、 夫 レナ シ ニ ハ此 運動
ヲ示 シ マシ タ。
協 議 作 成 シ タ争 議 指導 ノ為 ノ臨 時 非 合 法 組 織 所 謂 ﹁ア ヂ ト ﹂ ノ組 織
其 所 謂 ﹁ア ヂト ﹂ ノ組 織 ト 云 フノ ハ、 先年 ノ共 同 印 刷 ノ スト
﹁アジ ト ﹂ ノ組 織 ト 云 フノ ハ何 カ。
ハ失 敗 ニ終 ル事 、 故 ニ此 工場 主 ト ノ闘 争 ヲ激 発組 織 シ夫 レヲ此 五法
答
九問
律獲 得 闘争ニ 結 合 ス ル事 ヲ 以 テ運 動 ノ基 調 ト シナ ケ レバ ナ ラ ヌ事 ヲ
単 ニ指 令 ヲ発 シタ丈 カ、 其 他 ノ活 動 ノ有 無 如何 。
数 回繰 返 シ指 令 シ マ シタ。 八問
ラ イ キ ノ時 初 メ テ我 国 ニ採用 サ レ、其 翌年 浜 松 ノ争 議 ニ於 テ其 理 想
的 形 態 ニ迄 発 展 セ シ メ ラ レ タ スト ライ キ指 導 ノ非 合 法 組 織 デ ア リ マ
日本 共 産 党 中 央 常 任 委 員 会 ハ、 此 闘 争 ノ勝 敗 ノ鍵 ハ京 浜 及大
阪 、神 戸 ノ労 働 者 ノ蹶 起 状 態 ノ如 何 ニア リ、 就 中 京浜 労働 者 ノ闘 争
マスカ ラ夫 レヲ御 覧 願 ヒ マス。
シテ 、其 詳 細 ニ付 テ ハ私 ノ著 書 ﹁左翼 労 働 組 合 運 動 ﹂ ニ述 ベ テ居 リ
答
レバ当 時 京 阪 一帯 ノ労 働 者 ノ間 ニ ハ、 工場 代 表 者 会 議 運 動 ノ後 ヲ受
決 行 シ テ之 ニ闘 フ事 ニナ ツテ居 リ マシ タ。 又 之 ヲ キ ツ カケ ト シテ京
ツテ継 ギ 、 且 ツ下 部 ニ行 ク ニ従 ツ テ組 合 ノ役 員 ガ 取 入 レラ レ、 最 下
ツテ党 員 ト レ フ ト ノ メ ンバ ーガ 巧 ニ組 合 ハサ レ、其 各 々ヲ伝 令 ニ依
答 私 ガ南 ノ呈 示 シ タプ ラ ン ヲ見 マスト 、上 カ ラ下 迄 各 段 階 ニ亙
一 〇問 夫 レデ 什 ウ シ タ カ。
状態 如 何 ニ依 ツテ大 勢 ヲ決 スルト 云 フ見 解 ヲ採 リ マシ タ。何 ント ナ
ケ テ開 始 セ ル京 浜 一帯 ノ資 本 家 団 体 六 郷 会 ノ猛 烈 ナ ル圧 迫 ニ対 シ極
浜 一帯 ノ全 工場 ガ スト ラ イ キ ヲ遂 行 スル情 勢 ニア リ マシ タ。 又 東京
部 ノ争 議 団 各 班 ニ於 テ ハ争 議 団 員 ト レ フト ノ メ ンバ ー ニ依 ツテ非 合
度 ニ反 抗 ガ昂 ツテ居 リ、 就 中 芝 浦 製 作 所 分 工場 ハ断然 スト ライ キ ヲ
デ ハ東 京市 従 業員 ガ 之 又断 然 スト ラ イ キ ヲ決 行 スル事 ニナ ツ テ居 マ
セ ヨト 指 令 シ マシ タ。
マシ タ。 ソ シ テ南 ニ対 シ、私 ト 二人 デ 浜 松 デ ヤ ツ タ ア ノ方法 ヲ実 行
合 法 宣 伝 ヲ直 グ 開始 ス ル事 、自 転 車 ヲ数 台 直 グ 用 意 スル事 ヲ指 示 シ
シ テ組 織 サ レ ル モノ デ ナ イ事 、其 為 ニ ハ直 チ ニ秘 密 印刷 所 ヲ拵 ヘ非
ニ壊 レテ終 フ事 、 ソ ウ シテ本 当 ニ役 ニ立 ツ非 合 法 組 織 ハ コン ナ風 ニ
ニ注 意 シ マシ タ。 即 チ此組 織 ハ現 実 ニ スト ライ キ ガ開 始 サ レ タ其 日
法 グ ル ープ ガ組 織 サ レ ル事 ニナ ツテ居 マ シタ。 私 ハ此 組 織 ヲ見 テ南
ト 云 フ事 等 々、 何 等 理 解 スル処 ガ ナ カ ツタ ノデ ア リ マス。 私 ハ彼 ガ
又 、其 作 リ方 ノ相 違 、 秘 密 争 議 日 報 ヤ自 転車 ガ 一体 何 ノ為 ニ必 要 カ
テ教 ヘタ 、弾 圧 前 ノ細 胞 組 織 ト 弾 圧 後 我 々ガ 作 ツ タ細 胞組 織 ノ相 違
ヲ以 テ南 ヲ叱 責 シ マシ タ。 彼 ハ私 ガ浜 松 争議 ニ於 テ手 ヲ執 ル様 ニシ
云 フノデ ア リ マシ タ。 私 ハ彼 ガ中 央 ノ指 令 ヲ即 時実 行 シナ カ ツ タ事
留 所 ハ警 官 ガ張 リ込 ンデ 居 ル為 ニ連絡 ガ 極 メテ 困難 デ ア ル事 等 々ト
非 合 法 争 議 日報 モ未 ダ 発 行 シ テ居 ナ イ 事 、京 浜 一帯 ノ各 交 通 機 関 停
悟 リ マシ タ。 其 後 直 グ非 合 法 争 議 日 報 ガ発行 サ レ、官 憲 ノ為 ニ断 チ
浜 松 デ 充 分 経 験 シ テ居 ルト 過信 シタ ノ ガ 抑 モ誤 ツテ居 タ事 ヲ初 メ テ
答 右 ノ私 ノ著書 ニ詳 シイ報 告 ガ載 ツテ居 マ スカ ラ夫 レ ヲ御覧 願
一一 問 浜 松 デ ヤ ツタ アノ方 法 ト ハ。
ア リ マシ タ。
ノ組 織 ニ依 ツ テ彼 ノ大 キ ナ闘争 ヲ指 導 ス ル ニ ハ全 ク 不適 当 ナ モノデ
何 ント ナ レバ斯 ク テ再組 織 サ レ タ此 ﹁ア ヂト ﹂ ノ組 織 ノ中 間 ニ、 上
切 ラ レタ非 合 法 ﹁ア ヂト ﹂ノ連絡 モ付 キ マシタ ガ 、然 シ此 ﹁ア ヂ ト﹂
党 ヲ裏 切 ツタ 岡 村 陽 三 、D ト ア ル ノ ハ大 阪 ノ同 志 斉 藤 民 之 助
ヒ マス。﹁ 浜 松 争 議 ニ於 ケ ル非 合 法 組 織 ﹂ト 云 フ ノ ガ夫 レデ アリ マ シ
デ ア リ マス。
カ ラ ノ非 合 法 争 議 日 報 ヤ指 令 ノ実 行 ヲ停 滞 セ シメ ル分 子 ガ混 入 シ テ
テ、 該 文 章中 Aト ア ルノ ハ私 、 B ハ南 、 C ハ ロシ ア カ ラ帰 朝後 共産
一 二問 南 ハ夫 レヲ実 行 シタ カ。
ラ起 ツタ事 デ ア リ マシ テ、 此非 合 法争 議 日報 ノ発 行 、夫 レ ニ依 ル非
居 タ カ ラデ ア リ マ ス。 之 ハ旧組 織 ヲ其 儘 新 組 織 ノ中 ヘ取 リ入 レ タ カ
合 法 指 導 組 織 体 ノ組 織 ハ実 ニ斯 様 ナ 不純 分 子 ヲ争 議 統 制 団 ノ 圏外 ニ
答 然 ル ニ南 ハ夫 レ ヲ実 行 シナ カ ツ タ ノデ ア リ マ ス。 斯 ル間 ニ時
排 除 シ、 厳 重 ナ ル中 央 集 権 ニ依 ツテ争 議 ヲ統 制 指 導 セ ンガ為 ノ モノ
日 ハ切 迫 シ、既 ニ芝 浦 製 作 所 モ東 京 市 従 業 員 モ予 定 ノ如 ク スト ライ キ ヲ決 行 シ マシ タ。 ソ シテ案 ノ定 官 憲 ハ両 争 議 団 ニ 一気 ニ襲 ヒ掛 リ 、
排 除 セシ メ マシ タ。 夫 レデ ヤ ツト 此合 法 組 織 ハ敏 活 ニ活 動 ガ出 来 ル
目 星 シイ 闘 士 ハ全 部 検 束 シテ終 ツ タ許 リデ ク ナ、 評 議 会 始 メ各 労 働
様 ニナ リ マシ タ。 然 シ其 時 ハ全 ク手遅 レダ ツタ ノデ ア リ マ ス。 第 一
ア リ マス。 私 ハ更 ニ夫 レ ヲ指摘 シテ斯 様 ナ分 子 ヲ非 合 法 組 織 ノ外 ニ
日 カ ラパ ツ タリ ト 夫 レガ止 マツテ終 ヒ マ シタ。 私 ハ早 速 又南 ニ会 見
ニ東 京 市 従 業 員 ノ スト ライ キ ハ官 憲 ノ弾 圧 ト 切 崩 シノ為 ニ破 レ テ終
デ ア リ マ ス。 然 ル ニ此 事 ガ又彼 南 ニ良 ク 理解 サ レテ居 ナ カ ツ タ ノデ
シ マシ タ。然 ル ニ南 ノ報 告 スル処 ニ依 レ バ、 例 ノ ﹁ア ヂト ﹂ ノ組 織
ヒ マ シタ。 夫 レデ 本 所 、 深 川 並 ニ接続 郡 部 ノ小 工場 ニ スト ラ イ キ ガ
団 体 ノ左 翼的 ナ幹 部 モ尽 ク検 束 シテ終 ヒ マシ タ。 此 闘 争 期 間中 毎 日
ニ切断 サ レテ終 ツ タ事 、 目 下 其連 絡 ヲ付
情 報 ヲ私 ノ処 ニ提 出 ス ル様 ニナ ツ テ居 マシ タガ 、 争 議 ガ 始 マツ タ翌
ケ ル為 ニ骨 ヲ折 ツテ居 ルト 云 フ事 、自 転 車 モ未 ダ 用意 シ テ居 ナ イ シ
連 絡 ハ官 憲 ノ為 ニバ ラ 〓
起 リ始 メ マシタ ガ 、元 ヨリ之 ヲ以 テ大 局 ヲ支 配 ス ル訳 ニ ハ行 キ マ セ
ノ発 シ タ ア ツ ピー ルト ハ全 ク趣 ヲ異 ニ ス ル モノデ ア リ マス。
他 ニ激 励 ノ檄 ヲ発 シタ事 ハア リ マ ス。 然 シ此 労 働 組 合 代 表全 国 会議
由 ヲ詳 説 シ、来 ルベ キ 此闘 争 デー ニ農 民 諸 君 モ耕 作 権 ノ確 立 ヤ立 毛
答 其 ア ツ ピ ー ル ハ最 初 ニ、労 働 者 ガ今 五法 律 ヲ要 求 シ テ戦 フ理
一 四問 農 民 ニ対 ス ル ア ツピー ルノ内 容 ハ如 何 。
ヌデ シタ 。第 二 ニ京 浜 地 方 一帯 ノ労 働 者 ハ同 様 二 、三 ノ 工場 ハ芝 浦
製 作 所本 工場 ノ方 ガ蹶 起 セズ 、 全 体 ト シ テ芝 浦製 作 所 分 工場 ノ スト
製 作 所 分 工場 ニ相 次 イデ スト ラ イ キ ヲ決 行 シ タ様 テ スガ肝 腎 ノ芝 浦
ライ キ ヲ応 援 ス ル程 度 以 上 ニ出 マセ ヌデ シ タ。 之 ハ本尊 ノ芝 浦 製 作
タ意 味 ノ事 ヲ述 ベ タ モノ デ アリ マシタ 。実 ハ日本 共産 党 ガ夫 レ以 前
ニ、 前 述 ノ如 キ理由 カ ラ敢 テ農 民組 合 ヲ此 労働 者 ノ会 議 ヘ参 加 セ シ
差 押 並 ニ立 入 禁 止 反 対 等 ノ闘 争 ニ共 ニ奮 起 セ ン事 ヲ希 望 スルト 云 ツ
メ ナ イ方 針 ヲ採 リ、 其 代 リ 同 会議 カ ラ右 ノ如 ク農 民 ヘア ツピ ー ル ヲ
所 分 工場 ノ 方 ガ最 初 ノ弾 圧デ 争 議 団 ノ統制 ガ 破 壊 サ レ、多 数 ノ裏 切
一時 休戦 ス ルノ 止 ムナ キ ニ至 ツ タ ノデ ア リ マス。
デ アリ マシタ 。而 シテ芝 浦 製 作 所 ノ スト ライ キ ハ遂 ニ再 起 ヲ期 シ テ
発 セ シメ、 而 シ テ九 月 十 八 日 ニ ハ農 民 ヲ モ同様 蹶 起 セ シメ 、農 村 ニ
者 ガ出 テ頗 ル形 勢 不利 ニ陥 ツ タ為 ト 、 煽 動 方 法 ニ誤 謬 ガ ア ツタ為 ト
一 三問 五 法 律獲 得 ノ合 法 団体 方 面 ノ活 動 ハ如 何 。
キ事 ヲ全 党 員 ニ指 令 シ テ ア ツ タ ノデ ア リ マス。 右 労働 組 合 代 表 全 国
於 テ大 会 又 ハ示 威 運 動 ヲ組 織 シ テ此 労働 者 ノ闘 争 ト相 呼 応 セ シム ベ
ノ ヽ 一ツデ ア リ マ ス。
会議 ノ農 民 ニ対 スル ア ツ ピ ー ル ハ即 チ其 指 令 ガ 公然 具 体 化 サ レタ モ
答 合 法 団 体 方 面 ノ活 動 ハ順 調 ニ進 行 シ、 予 定 ノ如 ク評 議 会 ガ 公
同 主 催 デ 労 働組 合 代表 全 国会 議 ガ芝 協 調 会 館 デ 開 催 サ レ、 規 定 ノ如
然 ノ提 唱 ヲ為 シ、 之 ヲ統 一同 盟 ガ支 持 シ、 統 一同 盟 ト労 農 党 ト ノ共
ク九 月 十 七 日 、十 八 日 ノ両 日 ヲ 五法 律 獲 得 ノ闘 争 日ト 決 定 シ マシ タ。
ノ都 市 ニ於 テ労 働 者 大 会 ガ開 カ レ マシ タ。 然 シ実 際 ニ於 テ力 ア ル工
答 全 国 各 地 ノ 工場 ニ於 テ従 業 員 大 会 ガ開 カ レ、東 京 、大 阪 其他
一 五問 九 月 十 七 、八 日 ノ情 報 ハ什 ウデ ア ツ タ カ。
場 従業 員 大 会 ガ開 カ レタ所 ハ極 メ テ少 数 デ ア リ、 労 働 者 大 会 ノ方 モ
ニ シテ誤 リ ナ ケ レバ 、 我 国 ニ於 テ労 働 者 ノ集 会 ガ農 民 ニア ツ ピ ー ル
更 ニ右 全 国 会 議 ハ農 民 ニ対 ス ルア ツピ ー ルヲ発 シ マシ タ。 私 ノ記 憶
マ スナ ラ、 斯 様 ナ際 ニ ハ決 リ キ ツ タ様 ニ農 民 ノ要 求 ヲ 一ツ二 ツ加 ヘ
ヲ発 シ タ ノ ハ之 ガ嚆 矢 デ ナイ カト思 ヒ マス。若 シ之 ガ半 歳 前 デ ア リ
散 サ レ、 会 場 外 ニ追 ヒ出 サ レタ労 働 者 ガ直 チ ニ隊 伍 ヲ組 ンデ 即 席 ノ
カ ツ タト思 ヒ マス。 又示 威 運 動 ノ方 モ労 働 者 大 会 ガ 官 憲 ニ依 リ テ解
非 合 法 示 威 運 動 ニ移 ツタ位 デ終 ツ タト思 ヒ マ ス。 故 ニ此 五 法 律 獲 得
官憲 ノ弾 圧 ノ為 ニ殆 ンド解 散 ヲ命 ぜ ラ レテ完 全 ニ開 催 シ得 タ処 ハナ
タ如 ク夫 レ以 前 既 ニ組 合 統 一運 動 ニ干 シ、 労働 組 合総 聯 合 及農 民組
ノ闘 争 ハ全 ク予 期 ノ如 キ大衆 動 員 ノ効 果 ヲ挙 ゲ ル事 ガ出 来 ズ 失 敗 ニ
テ農 民 組 合 ノ代 表 ヲ此 処 ニ参 加 セ シ メ、労 働 組 合 及 農 民 組 合 ノ聯 合
合 総 聯 合 ノ 二 ツ ニ分 離 シ労 農 総 聯 合 論 ヲ排 斥 シ テ居 リ 、 又労 働 者 ト
終 ツ タ ノデ ア リ マ ス。 此 運動 ガ発 表 サ レ テカ ラ 九 月 十 七 、八 日 ノ 両
代 表 者 会 議 ト スル処 デ ア リ マス。然 シ日本 共産 党 ハ既 ニ申 上 ゲ マシ
居 タカ ラデ アリ マス。勿 論 従来 モ労 働 者 ノ大 会 ガ 農 民 ノ小 作争 議 其
農 民 ト ノ 階級 的 特 質 及 階 級 相 互間 ノ干 係 ノ問 題 ガ既 ニ問 題 ト ナ ツテ
テ獲 得 セムト スル ノ ガ怪 シ カ ラ ヌト 云 フノデ ア リ マシタ。
済 的 要 求 ニ基 ク スト ライ キデ ナ ク、 政 治的 要 求 ヲ スト ラ イ キ ニ依 ツ
ニ相 違 ナ ク 、就 中 彼 等 ガ弾 圧 ノ 口実 ト シ テ喋 々 シタ ノ ハ此 闘 争 ガ経
モ ノデ アリ マシタ。 官 憲 ハ勿 論 此 運 動 ヲ共 産 党 ノ 運動 ト睨 ンデ 居 タ
日 ヲ経 テ、全 ク此 運 動 ガ終 了 スル迄 ノ官 憲 ノ暴 圧振 リ ハ実 ニ極 端 ナ
タ評 議 会 中 央 委 員 会 ニ持 チ出 シ タ ノデ ア リ マス。 同 ジ ク同 会中 央 委
ノ集 会 デ其 反 対意 見 ヲ流 布 シ、 更 ニ 一九 二七 年 十 一月初 旬 ニ開 カ レ
更 ニ此 運動 ノ公 然 ノ提 唱 者 ト ナ ツ タ評 議 会 本 部 ヲ攻 撃 シ、労 働 組 合
リ マス。此 反 対派 ハ其 反 対 意 見 ヲ中 央 常 任 委 員 会 ニ提 出 ス ルト 共 ニ、
ト﹂組 織 ノ中 間 ニ於 テ指 令 ヤ檄 ノ伝 達 ヲ停 滞 セ シ メ タ連 中 ナ ノデ ア
タ ノデ アリ マス。然 シ此 反 対 派 ノ 連 中 コソ 右 ノ 争 議 中 所謂 ﹁ア ヂ
レタ事 ハ勿 論 デ アリ マスガ 、然 シ運 動 失敗 ノ原 因 ハ決 シ テ夫 レ ノ ミ
此 闘 争 ガ前 述 ノ如 ク官 憲 ノ極 端 ナ ル弾 圧政 策 ノ為 ニ其 成 功 ヲ妨 ゲ ラ
タ。 然 シ夫 レ ハ充 分 デ ハア リ マセ ヌデ シ タ故 ニ、成 ル程 反 対 派 ノ最
員 会 ニ出 席 シタ他 ノ党 員 等 ハ彼 等 ノ日 和 見 主義 的 意 見 ヲ駁撃 シ マシ
ス。 夫 レデ 此 運 動 ガ 失 敗 ニ終 ル ヤ否 ヤ、党 内 ノ 一部 カ ラ中 央部 ヲ非
デ ハア リ マセ ヌ。 我 々 ノ遣 リ方 ニ ハ幾 多 ノ誤 謬 ガ ア ツ タ ノデ アリ マ
ツテ 以来 未 ダ曾 テ見 ザ ル日 和 見主 義 ヲ以 テ貫 カ レタ ル スト ラ イ キ新
初 ノ主 張 ノ如 キ ヒド イ モノ ニ ハナ リ マセ ヌデ シ タガ 、然 シ評 議 会 初
一 六問 其 反 対派 ノ非 難 ノ要 点 ハ。
同 日 於右 出 張 先作 之
告
告
人 三 田村 四郎
清
人 三 田村 四郎
予 審 判 事 小 泉 英 一
裁 判 所 書 記 菅 生
東京地方裁判所
右 読 聞 ケ タ ル処 無 相 違旨 申 立署 名拇 印 シタ リ。
被
方 針 ナ ル決 議 ガ、 右 中 央 委 員 会 デ 可決 サ レ マシタ 。
難 スル反 対 派 ガ 生 ジ マシタ 。
答 非 難 ノ要 点 ハ 第 一、 五 法 律獲 得 ノ闘 争 ハ誤 謬 デ ア ツ テ失 敗 ス ル ノ ハ当 然 デ ア ル。
カ ラデ ア ル。
何 ント ナ レバ大 衆 ハ斯 様 ナ法 律 ノ制 定 ヲ目 下 切実 ニ要 求 シ テ居 ナ イ
第 二 、然 ル ニ斯 様 ナ統 一的 ナ要 求 デ 労働 者 ヲ シ テ スト ラ イ キ ヲ セ シ メ ント シタ ノ ハ平 地 ニ波 瀾 ヲ捲 キ起 ス モノデ ア ル。 第 三 、京 浜 ニ於 テ 、就 中 芝 浦 製 作所 本 工場 ノ労 働 者 ヲ スト ライ キ ニ
被
右 治安 維 持 法 違 反 被 告 事 件 ニ付 、 昭 和 五年 五月 七 日豊 多 摩 刑 務 所 ニ
第 二十 六 回訊 問 調 書
ト ライ キ ニ捲 キ込 ムト 云 フ戦 法 ヲ採 ルベ キデ ア ツタ 。然 ル ニ実 際 ハ、
於 テ 、 予審 判 事 小 泉 英 一ハ裁 判 所 書 記菅 生清 立 会 ノ上前 回 ニ引 続 キ
起 タ セ ルノ ニ、先 ヅ 分 工場 ノ スト ライ キ ノ応 援 カ ラ始 メ、 然 ル後 ス
ガ イ ケ ナ イ。 之 ガ関 東 ノ スト ライ キ ノ 敗因 デ ア ル云 々。 斯 様 ナ日 和
最 初 カ ラ分 工場 ト共 ニ本 工場 ヲ スト ライ キ セ シメ ル方 針 ヲ採 ツ タ ノ
一問 五 法律 ノ闘 争 結 果 ニ付 キ 日本 共 産 党 中 央 部 ノ意 見 ハ如 何 。
右 被 告 人 ニ対 シ訊 問 スル コト左 ノ如 シ。
答 共 産 党 中 央 部 自 体 モ、 前 ニ申 上 ゲ マシ タ如 ク此 五 法律 ノ闘 争
見主 義 ノ非 難 ハ労 働争 議 ノ場 合 ノ ミナ ラズ少 シ大 キ ナ運 動 ノ失 敗 ノ 後 デ ハ必 ズ 起 ル モノデ ス ガ、 此 時 モ此 非 難 ハ東 京 ノ党 員中 カ ラ起 ツ
第 二、 右 ノ端 緒 的 要 求 ニ基 ク闘争 即 チ経 済 的 スト ライ キ ヲ起 ス事 ガ
ノ基 礎 条 件 デ ア ル ノ ニ夫 レガ 不充 分 デ ア ツタ事 。
タ事 、之 ハ最 初 カ ラ中央 部 ガ力 説 シタ事 デ ア ツ テ、 其 成 否 ガ此 闘 争
イ テ スト ライ キ ガ充 分 ニ起 ラナ カ ツ タ事 ト 云 フ ヨリ ハ起 シ得 ナ カ ツ
第 一、 此 運 動 ノ失 敗 ハ、経 済 闘争 即 チ工場 労 働 者 ノ端 緒 的 要 求 ニ基
中 央 部 ノ意 見 ハ
シ其 見 解 ハ右 反 対 派 ノ様 ナ 馬鹿 ゲ タ モノデ ハア リ マセ ヌデ シ タ。 党
ノ 失敗 ニ付 テ自 己 批 判 ヲ行 ヒ、幾 多 ノ誤 謬 ヲ認 メ テ居 リ マシ タ。 然
動 ス ル事 ガ絶 対 ニ必 要 デ ア リ、 又 此 事 ナ ク シ テ闘争 ノ成 功 ハア リ
ナ ルノ ハ当 然 デ ア リ、 然 ル限 リ其 事 実 ヲ報 告 シ テ他 ノ労働 者 ヲ煽
蹶起 シテ居 ル労 働 者 ガ九 月 十 七 日 ノ政 治 闘 争 ノ中 心 ト ナ リ 先頭 ト
ナ ク極 メ テ自 然 デ ア リ正 シイ ノデ ア ル。 何 ト ナ レバ 、経 済 闘争 ニ
五 法律 闘 争 ノ煽 動 ニ推 移 シ テ行 ツ タ事 デ ア ル。然 シ此 ハ誤 謬デ ハ
一部 ノ煽 動 ガ 、九 月十 七 日 ガ近 付 ク ニ従 ツ テ経済 闘争 ノ煽 動 カ ラ
ロ 其第 二 ハ、 以 上 ノ中 ニア ツテ尚 正 シイ 方 向 ヲ進 ミ ツ ヽア ツタ
タ方 法 ニ逆 戻 リ シタ事 、及 ニ ユー ス ( 煽動文) ノ俗 悪 化 デ ア ル。
ノ デ ア ル。
ナ ツタ ト 云 フ事 デ ア ル。 実 ニ此 処 ニ コソ失 敗 ノ最 大 原因 ガ ア ツタ
然 ラ バ何 故 斯 様 ナ誤 謬 ガ起 ツ タ カト 云 フ ニ、 最初 カ ラ五 法 律 ノ為
得 ナ イ カ ラデ ア ル。 問 題 ハ斯 ク テ今 ヤ経 済 闘 争 ノ為 ノ煽 動 ガ ナ ク
欠 陥 デ ア ツ テ、 宣伝 ト煽 動 ト ノ混 同 、宣 伝 ニ依 ツ テ大 衆 ノ闘 争 ヲ希
ノ宣 伝 、 五法 律 ノ為 ノ煽 動 、 経 済 闘 争 ノ煽 動 、 此 三 ツ ヲ厳 格 ニ区
ハ決 シ テ此 闘 争 丈 ノ問 題 デ ナ ク事 実 プ ロ レタ リ ア運 動 ノ永 イ伝 統 的
求 スル方 法 即 チ山 川 ノ解 説 社 会 主 義 ガ其 病 根 デ ア ル。 恐 ラ ク日 本 共
別 シ、 且 ツ各 々ヲ密 接 ニ結 合 統 一スル事 、 即 チ三 ツ ノ交 互 干係 、
不充 分 ダ ツ タ ノ ハ其 煽 動方 法 ニ一大 欠 陥 ガ ア ツ タ カ ラデ ア ル事 、 之
リ大 衆 獲 得 ニ成 功 ス ル事 ハ出 来 ナ イデ ア ラ ウ。 故 ニ我 々 ハ機 会 ア ル
産 党 及 左 翼 労働 組 合 ハ、 凡 ユ ル場 面 ヲ通 シテ此 病 癖 ヲ根 治 セザ ル限
ア リ 、 且其 結 果 ハ五 法 律 ノ要 求 ヲ以 テ スト ライ キ ヲ煽 ルト 云 フ結
リ行 ク限 リ勢 ヒ宣 伝 ニ依 ツ テ闘 争 ヲ希 求 ス ル事 ト ナ ルノ ハ当 然 デ
毎 ニ此 病 癖 ト戦 ツ テ来 タノデ ア ルガ 、彼 ノ金 融 恐 慌 ノ際 工場 代 表 者
迄 ヲ常 任 委 員 会 ノ許 可 ヲ得 テ私 ガ執 筆 シタ ノ モ其 闘 争 ノ 一ツデ ア ル。
果 ニ落 チ行 ク ノデ ア ル。 此 ヲ反 対 派 ハ、統 一的 要 求 ヲ以 テ スト ラ
ツタ故 ニ夫 レ ハ必 然 ニ右 ノ如 キ結 果 ト ナリ 、 又煽 動 宣 伝 ガ斯 ク ナ
即 チ彼 ノ日報 ニ依 ツテ煽 動 文 ノ範 ヲ示 シ タ ノデ ア ル。事 実 此 日報 ニ
交 互的 発 展 ヲ策 スベ キデ ア ツ タ ノデ ア ルガ 、 夫 レガ出 来 テ居 ナ カ
依 ツ テ初 メ テ、 工場 代 表 者 会 議 ガ対 策 委 員 会 ノ堂 々廻 リ ノ柵 ヲ飛 ビ
ハ五法 律 ト 云 フ統 一的 要 求 ヲ以 テ スト ライ キ ヲ起 サ シ メ ル方針 ヲ
イ キ ヲ起 サ セ ント シ タ 云 々ト 云 フ ノデ ア ル。然 シ中 央 常 任委 員 会
会 議 開 催 ニ当 リ党自 ラ其 檄 文 ヲ書 キ 、更 ニ統 一同 盟 発 行 日 報第 三 号
ク抽 出 激 発 サ レ タノ ハ衆 知 ノ コトデ ア ル。 然 ル ニ此 五 法 律 獲得 ノ闘
越 エテ 一斉 ニ開 催 サ レ、 又 工場 内 ニ於 ケ ル労 働 者 ノ不 平 ガ余 ス所 ナ
争 ノ激 発 コソ ハ此 闘 争 ノ勝 因 デ ア ル事 ヲ力 説 シタ ノ デ ア ル。但 シ
採 ツタ事 ハナイ 。 反 対 ニ此 闘 争 ニ経 済 闘争 ヲ結 合 ス ル事 、経 済 闘
イ 其 第 一ハ 、 折 角 正 シイ方 法 ニ進 ミ ツ ヽア ツ タ煽 動 技術 ガ 又 モ
九 月 十 七 日 ノ 一時 間 スト ライ キ ニ付 テ ハ尚後 述 ス ル様 ナ誤 謬 ト誤
争 ガ初 マルト 又 二 ツノ誤 謬 ガ起 ツ テ来 タ ノデ ア ル。
ヤ、 宣 伝 ニ依 ツ テ闘 争 ヲ希 求 ス ル方 法 即 チ宣 伝 ト 煽 動 ト ヲ混 同 シ
タ スト ラ イ キ ノ煽 動 ノ事 ヲ云 フ ノデ ア ル。然 ル限 リ党 中 央 部 モ評
間 スト ラ イ キ ノ事 デ ハナ ク、 右 ノ宣伝 煽 動 ノ誤 謬 カ ラ必 然 ニ陥 ツ
解 ガ ア ル ガ、 此 処 ニ反 対 派 ガ 云 フ ス卜 ラ イ キ 云 々 ハ決 シ テ此 一時
ア ツ タト 云 フノデ ア ル。 之 ハ我 々 モ認 メネ バ ナ ラ ヌ。然 シ反 対派 ノ
味 方 ノ力 ハ強 ク ナ カ ツ タ 、之 ヲ全 然 見 落 シ テ居 ル故 ニ失 敗 ハ当然 デ
月 十 七 日及 十 八 日 ノ両 日中 央 部 ガ規 定 シタ様 ナプ ラ ンヲ実 行 ス ル程
ヲ正 シク認 識 シ テ取掛 ツタ カ否 カ ト 云 フ問 題 ガ ア ル。 ア ル者 ハ、 九
ル処 デ ア ル。 ソ シ テ此誤 謬 ガ什 ウ シテ生 ジ タ カ ハ前 述 ノ理 由 ニ依
謬 デ ア ル事 ハ寧 ロ我 々ノ方 ガ ヨリ強 ク認 メ ル処 デ ア リ 一層 排 斥 ス
或 ハ彼 ノ 一九 二六 年 末 ノ大 阪 印 刷 労 働 組 合 ノオ ルガ ナ イ ザ ー ノ組
動 デ ア ル。非 合 法 示 威 運 動 ノ為 ニ ハ、 工 場 細 胞 ヲ基 礎 ト シタ党 カ
然 合 法 的 ニヤ リ得 ル可 能 性 ハナカ ツ タ。然 ラバ 之 ハ非合 法 示威 運
イ 第一ニ 示 威 運 動 デ ア リ、 此 示 威 運 動 ハ当 時 ノ力 ノ 干 係 デ ハ当
ハ 、
云 フガ如 キ其 凡 テ ガ誤 ツ テ居 タ訳 デ ハナ イ。 我 々 ガ誤 謬 ト 認 メタ ノ
議 会 モ、 反 対 派 ノ 云 フ ガ如 キ 方針 ハ絶 対 ニ無 カ ツ タ ト 云 フ事 ニ ナ ル。 然 シ 一般 的 要 求 デ スト ライ キ ヲ煽 動 シタ事 実 ハ什 ウ カト 云 フ
ル モノデ ア ルガ 、 反 対派 ハ此誤 謬 ノ根 拠 ヲ把 握 シ、 以 テ将 来 ノ運
織 ノ如 キ厳 格 ナ ル集 中 主 義 ノ組 織 ガ 無 ク テ ハ出 来 ル モ ノ デ ナ イ
事 ニナ レ バ、 之 ハ既 ニ申 上 ゲ タ 如 ク確 ニ存 在 シタ。 而 シ テ之 ガ誤
ヒ、 更 ニ五 法 律 ノ要 求 ノ闘 争 ト大 衆 ノ不 平 不 満 ノ存 在 迄 否 定 ス ル
動 ヲ正 シイ 方 向 ニ進 メ ル代 リ ニ斯 ル誤 謬 ヲ中 央 部 ノ方 針 ナ リト強
イ キ ガ無 残 ノ敗 北 ト ナ ツタ事 ハ、此 闘 争 ヲ不 成 功 ナ ラ シ メ タ ノ ニ大
第 三 此 闘 争 ノ成 功 ノ為 ニ最 モ期 待 ヲ カ ケ テ居 タ関 東 方 面 ノ スト ラ
ロ 第 二 ノ誤 謬 ハ 一時 間 スト ライ キデ ア ル。 之 モ経 済 闘 争 ノ発 展
起 ツテ居 レバ之 ヲ中 心 勢 力 ト シ テ ヤ リ得 ル。
云 フ ニ決 シテ ソ ウ ト許 リ ハ云 ヘナイ 。 若 シ経済 的 大 スト ラ イ キ ガ
ノ問題 ガ採 用 サ レタノデ アリ マス)。然 シ之 ハ全 然 不 可能 デ ア ルカ ト
(ソ シテ実 ニ此時 ノ批判 ニ於 テ同志春日 ノ提案 シタ非合法 示成運動集合 地
イ ニ与 ツ テ力 ガ ア ル。然 シ其 失敗 ノ原 因 ハ決 シテ反 対 派 ノ 云 フ如 キ
如何 ニ左右 サ レ ル。 現 ニ経 済 闘 争 ヲ行 ツ テ居 ルカ 又 ハ経 済 闘 争 ノ
処 迄 堕 落 シ タ。
単 純 ナ モノデ ナ ク、 実 ニ先 ニ挙 ゲ タ如 キ非 合 法 組 織 ノ欠 陥 ト 煽 動 方
ヲ充 分 ニ考 察 シナ ケ レ バ ナ ラ ヌ。 元 ヨリ斯 様 ナ力 ハ闘 争 ノ中 カ ラ
法 ノ誤 謬 ガ最 大 ノ原 因 デ ア ル。 元 ヨリ芝 浦 本 工場 ニ対 スル組 合 ノ ス
作 ラ レ ル モノデ ア ル。 故 ニ今 日其 力 ガ ナイ カ ラト 云 ツテ 又運 動 ガ
以外 ニ、党 ノ 工場 ニ於 ケ ル勢 力 並 ニ組 合 ノ工場 ニ於 ケ ル勢 力 干 係
サ レル モノデ ア ル。 反 対 派 ガ芝 浦 本 工場 ノ ミ ニ就 テ 云 ツ テ居 タ時 ニ
個 々 ノ方 策 ハ全 体 的 闘争 ニ従 属 セ シメ テ運 用 サ ル ヽ事 ヲ絶 対 ニ要 求
失 敗 シタ カ ラ ト 云 ツ テ、 運 動 其 モノ ヲ否 定 ス ル事 ハ誤 謬 ニ陥 ル丈
煽 動 ノ良 ク行 ハ レテ居 タ処 デ ハ立 派 ニ行 ヒ得 タ 。然 シ之 ハ尚 夫 レ
ハ少 ク ト モ正 シイ 事 ヲ云 ツ タノデ ア ル。然 シ此 特 殊 ノ事 件 ヲ 一般 的
デ ア ル。然 シ乍 ラ非 合 法 示 威 運 動 ヤ 一時 間 スト ライ キ ノ決 行 ヲ 一
ト ライ キ政 策 ノ誤 謬 モア ツ タガ 、 之 ハ要 ス ル ニ客 観 的 条 件 ノ変 化 ニ
規 定 ニ作 リ上 ゲ ル ニ至 ツ テ救 フベ カ ラ ザ ル誤 謬 ニ陥 ツ タ ノデ ア ル。
ケ 月 モ前 カ ラ 予告 シ、 其 間 ニ力 ヲ作 ルト 云 フ遣 リ 方 ハ何 ント云 ツ
応 ジ テ種 々 ナ ル方策 ヲ執 ル事 ト 云 フ ニ尽 キ ル ノデ ア ツ テ、然 モ斯 ル
第 四 更 ニ此 闘 争 ノ失 敗 ノ原 因 ト シテ 、 我 々 ハ当 時 ノ客 観 的 諸 条件
ハ誤 リト ハ断 ジ テ 云 ヘナ イ 。寧 ロ最 初 カ ラ此 二 ツ ノ マニ フ エステ
依 ツ テ短 時 間 ニ決 行 シ テ コソ成 功 ス ル モノダ カ ラデ ア ル。 我 々 ハ
展 状 態 ト 味 方 ノ力 ノ干 係 ヲ注 意 深 ク考 慮 シ、 厳 格 ナ ル組織 ノ力 ニ
テ モ誤 リ タ ル事 ヲ認 メネ バ ナ ラ ヌ。 又斯 様 ナ闘 争 ハ実 ニ運 動 ノ発
方 ハ同 志 鍋 山 ニ委 シ、 私 ハ専門 ニ此同 情 スト ラ イ キ組 織 ニ取 掛 リ、
ノ為 ニ応 ( 援) スト ライ キ ヲ サ スベ ク計 画 ヲ立 テ 、其 為 メ争 議 団 ノ
何 ント ナ レバ私 自 身 同 志 鍋 山 ト 両 人 デ 浜 松全 市 ノ労 働 者 ヲ楽 器 争 議
故 ニ私 ハ夫 レヲ聞 イ テ非 常 ニ残 念 ニ思 ヒ マシ タ。
間 ニ ハ何 人 モ左 様 ナ提 議 ヲ私 ニ洩 シ タ者 ハナ カ ツタ ノデ ア リ マ ス。
ー シ ヨン ニ闘争 方 法 ヲ決 定 シ テ運 動 ヲ進 メ、 而 シ テ其 闘争 ノ発 展
ヲ シ テ居 タ カ ラデ アリ マス。然 シ此計 画 ハ五月 三十 日 ノ大 検 挙 ノ為
既 ニ工場 代 表 者 会 議 ヲ開 催 シ テ同情 スト ラ イ キ ヲ決 行 セ シメ ル準 備
以 上 二 ツ ノ誤 謬 ヲ認 メ ル。然 シ乍 ラ彼 ノ従 業 員 大 会 ヤ労働 者 大会
具 合 ニ依 ツテ 一時 間 スト ラ イ キ ナ リ非 合 法 示 威 運動 ナ リ ヲ決 行 セ
働 争 議 指 導 ニ当 ツ タ者 ノ方 針 ノ誤 謬 カ ラ実 現 不 可 能 ト ナ ツ タ ノデ ア
ニ 一頓 挫 ヲ来 シタ ノト 、更 ニ モウ 一ツノ原 因 ハ、 此 争 議 前 ノ浜 松 労
此機 会 ニ 一言 シテ置 キ タイ 事 ハ右 ノ 一時 間 スト ライ キ ナ ル戦 術 ニ付
リ マ ス。右 ノ誤謬 ハ実 ニ又此 争 議 ノ勝 敗 ヲ左 右 スル程 大 キ ナ影響 ヲ
シ ムベ キデ ア ツタ 云 々。
テ ヾ アリ マス。 此 戦 術 ガ日 本 ニ始 メ テ現 ハレタ ノ ハ 一九 二七 年 一月 、
ルト 云 フ山 川 イズ ムノ誤 謬 デ ア リ マス。 資本 ノ攻 勢 カ ラ労 働 者 ハ自
持 ツ タ モ ノデ ア リ マシテ 、即 チ宣 伝 ニ依 ツ テ労 働 者 ノ力 ヲ強 大 ニ ス
然 発 生 的 ニ資 本 家 ニ反 抗 シ、労 働 組 合 ニ加 入 シ テ直 チ ニ スト ライ キ
ヲ敢 行 シタ ノ ガ抑 々デ ア リ マス。 此 スト ライ キ ハ既 ニ申 上 ゲ タ通 リ、 私 ガ共 産 党 神 戸 地 区 責 任 者 ト シ テ提案 指 導 シテ遂 行 セ シメ タ モノデ
彼 ノ健 康 保 険 法 ニ反 対 シ テ神 戸 ノ労働 者 二 万 人 ガ 一時 間 スト ラ イ キ
ア リ マ ス。 之 ヨリ先 私 ハ同 志渡 辺 政 之輔 ト共 ニ、 日本 プ ロレ タ リ ア ︹ 山本懸蔵︺ 運 動 ノ恩 人 デ ア リ優 レ タ指 導 者デ ア ル同 志 山 形 ニ会 ヒ マシ タ。 其 際
ツテ甚 ダ シク勝 算 少 ク ナ ツ タ為 、 二種 ノ スト ライ キ抑 制 政 策 ヲ採 ル
然 ル ニ労 働 組 合 ノ幹 部 中 、 資 本 攻 勢 以来 スト ライ キ ガ労 働 者 側 ニ取
夫 レ等 ノ点 ヲ考 慮 シ テ左様 ナ提 議 ヲ シ タ ノデ ア リ マセウ 。然 ル ニ私
ナ ツ タ ラ、 夫 レ ハ確 ニ大 キ ナ力 ト為 ツ タデ ア リ マセウ 。 同 志 山形 ハ
ト同 時 ニ交 通機 関 ヲ 一時 間 停 止 シテ浜 松 ノ スト ライ キ ヲ応 援 シ タト
ツ タ ノ ハ、当 時自 治 会 ノ 左翼 ガ非 常 ニ優 勢 デ ア ツ タ カ ラデ アリ マス。
致 シ マシ タ。 同 志 山形 ガ其 際 特 ニ東 京 ノ交 通 労 働 者 ヲ シ テ云 々ト 云
議 シ タ ニ拘 ラズ 、何 故 夫 レ ヲ実 行 シナ カ ツタ ノ カ ト 云 ツ テ私 ヲ叱 責
者 就 中 東 京 ノ交 通労 働 者 ヲ シ テ 一時 間 ノ サ ボ タ ー ジ ユヲ サ ス事 ヲ提
バ研 究 会 ヤ茶 話 会 ヲ開 キ ﹁ 資 本 主 義 ノ カ ラ ク リ﹂ ト カ ﹁労 働組 合 ノ
ヌ﹂ ト 云 フ ノデ ア リ マシ タ。然 ラバ如 何 ニ シテ其 力 ヲ養 フ カト 云 ヘ
従 業 員 ヲ組 合 ニ加 入 セ シ メ テカ ラデ ナ イ ト スト ライ キ ヲ シ テ ハイ カ
選 ブ 事 、 殊 ニ自 ラ ノ力 ヲ養 ツ テカ ラデ ナ ケ レバ イ カ ヌ。 即 チ全 工 場
テ唱 ヘラ レテ居 タ モノデ 、 曰 ク ﹁スト ライ キ ヲ ヤル ニ ハ良 キ時 期 ヲ
ス。 此 第 二 ノ モノガ 一般 ニ当時 左翼 陣 営 殊 ニ関 西 方 面 ノ幹 部 ニ依 ツ
策 デ ア リ、 第 二 ハ山 川 イ ズ ムカ ラ出発 シ タ スト ライ キ抑 圧 デ ア リ マ
モノ ガ現 ハ レ マシ タ。 第 一ハ周 知 ノ松 岡 、赤 松 等 ノ スト ラ イ キ鎮 圧
ヲ決 行 セ ン事 ヲ希 フノデ ア リ マシ タ。
同 志 山 形 ハ浜 松 争 議 ヲ批 判 シ、 且 ツ此争 議 ノ為 ニ東 京 、 大 阪 ノ労 働
ハ此 提案 ハ実 ニ此時 ガ初 耳 デ ア ツ テ 、私 ガ浜 松 争 議 ヲ指 導 シ テ居 ル
シタ多 数 労 働 者 ノ緊 張 ト 闘争 ニ対 ス ル熱 情 ヲ次 第 ニ喪 失 ス ル許 リデ
労 働 者 ヲ組 織 スルド コ ロカ最 初 異 常 ナ緊 張 ト期 待 ヲ以 テ組 合 ニ加 入
方 策 ハ実 際 ニ ハ少 数 ノ博 学振 ツタ労 働 者 ヲ製 造 スル ノ ミデ 、未 組 織
士 ヲ養 成 シ未 組 織 労働 者 ヲ組 織 ス ルト 云 フ方 策 デ ア リ マス。然 シ此
話 ﹂等 ヲ講 義 スル ノデ アリ マス。即 チ此 研 究 会 ヤ茶 話 会 ニ依 ツ テ闘
レヌ形 勢 ト ナ ツ テ来 タノデ アリ マス。右 ノ工場 代 表者 会議 ニ於 テ ハ
タ。 ソ シ テド ノ工 場 モ自 分 ノ雇 主 ニ対 ス ル スト ライ キ決 行 ハ最 早 免
ヲ 一斉 ニ開 始 致 シ マシタ 。斯 ク テ各 工場 共 一時 ニ活 気 付 イ テ来 マシ
速 各 工場 ノ条件 ニ応 ジ テ特 殊 ノ要 求 ヲ掲 ゲ、 私 ノ所 謂 上 カ ラ ノ煽 動
議 開 催 日迄 ニ急 速 ニ闘争 ニ捲 キ込 ム事 ガ必 要 デ ア ルト 云 フ ノデ 、 早
キ ツカ ケ ト シ テ各 工場 共 雇 主 ニ要 求 ヲ提 出 シ、 其 回答 如 何 ニ依 リ テ
一斉 スト ラ イ キ ニ入 ル計 画 デ ア リ マシ タ。 即 チ個 別 的 スト ライ キ ト
全 一日 ノ同 情 罷 業 ヲ決 議 シ同 情 罷 業 ヲ決 行 ス ルト 共 ニ、更 ニ夫 レヲ
同情 スト ラ イ キ ノ結 合 デ ア リ マ ス。
ア リ マシ タ。 私 モ昔 ハ此 遣 リ方 ヲ最 高 ノ モノ ト思 ツ テ居 リ マシ タ。
既 ニ数 月 前 即 チ 一九 二五 年 末 大 阪印 刷 労働 者 ノ闘 争 ニ於 テ、 闘 争 ノ
然 シ夫 レガ間 違 デ ア ル事 ヲ発 見 シテ 以来 私 ハ斯 様 ナ遣 リ方 ニ反 対 シ、
マス。 更 ニ其 直 後 開 催 サ レ タ評 議 会拡 大 中 央 委 員 会 ハ 一層 明 白 ニ此
中 カ ラ闘 士 ヲ養 成 シ未 組 織 労働 者 ヲ組 織 ス ル方 針 ヲ執 ツ タ ノデ ア リ
情 スト ライ キ ヲ計 画 シ、 浜 松 合 同 労 働組 合 加盟 各 工場 労 働 者 ノ状 態
ニ各 工場 カ ラ第 一回 日給 一日分 、 第 二回 同 ジ ク日 給 一日 分 、 合 計 日
故 ニ労働 者 ハ既 ニ其為 罷 業 資 金 ヲ積 立 テ マシ タ。 彼 ノ浜 松 楽 器 争議
細胞 組 織 ガ此 運動 ノ進 行 ト交 互 シテ出 来 上 ツ テ行 キ ツ ヽア リ マシ タ。
檄 ガ発 行 サ レ、 且 ツ各 工場 内 ニ ハオ ル ガ ナイ ザ ー ノ名 義 デ 集 中 的 ナ
而 シ テ其 為 浜 松 合 同 組 合 及 争 議 団 カ ラ全 市 ノ労 働 者 ニ宛 テ タ特 別 ノ
ヲ調 査 シ タ ル処 、同 様 前 述 ノ如 キ山 川 イ ズ ムノ馬 鹿 気 タ方 針 デ 労 働
事 ヲ評 議 会 ノ方 針 ト シ テ決 議 シ マシ タ。然 ル ニ今 浜 松 ニ於 テ右 ノ同
者 ノ闘争 欲 求 ヲ抑 圧 シテ居 タ事 ヲ発 見 シ タ ノデ ア リ マス。其 処 デ 早
一部 ヲ贈 呈 シタ ノデ ア リ マス。 此 同 情 スト ライ キ ハ前 述 ノ如 ク五 月
給 二 日 分 ト 云 フ多 額 ノ応 援 寄 附 金 ガ ア ツ タ ノ ハ実 ニ右 ノ罷 業 資 金 ノ
三 十 日 ノ大検 挙 ノ為 ニ 一頓 挫 シ、 私 ハ其 方 ニ掛 ツ テ居 レナ クナ リ 、
ハ資本 家 階級 ト闘 争 ス ル事 ニ依 ツ テ ノ ミ自 分 ノ力 ヲ強大 ニ ス ル事 ガ
既 ニ申 上 ゲ タ通 リ細 胞 組 織 ノ再 建 ニ専 心 シナ ケ レバ ナ ラ ナ ク ナリ 、
速 各 工場 分会 総 会 ヲ開 催 セ シ メ、 夫 レ ヘ私 ガ 一々出 席 シテ ﹁労 働 者
ル事 ガ出来 且 ツ労 働 組 合 ノ必 要 モ理 解 出来 ルノデ ア ル。 又未 組 織 労
カ ラ コソ、 ア ノ弾 圧 ノ中 デ 工場 従業 員 大 会 ヲ開 キ、 或 ハ工 場 内 デ 示
出 来 ル。 又資 本 家 階 級 ト闘 争 シ テ コソ資 本 主 義 ノカ ラ ク リ モ理 解 ス
威 行 列 ヲ行 ヒ、或 ハ官 憲 ノ争 議 団 弾 圧 抗 議 ノ署 名 ガ行 ハレ得 タ ノデ
ト ナ ツ タ ノデ ス。然 シ例 ヒ短 時 間 ニ モ セ ヨ以 上 ノ如 キ活 動 ガ ア ツタ
ソシ テ私 ガ提案 シタ楽 器 争 議 ノ為 ニ同 情 スト ライ キ ヲ ス ル事 ヲ 、溢
又 弾 圧 ノ為 ト 一時 争 議 団 ノ形 勢 ガ不 利 ト ナ ツ タ為 ニ同 情 罷 業 ハ中 止
ル ヽ計 リ ノ歓 喜 ヲ以 テ賛 成 シ マシ タ。 其 処 デ 此 同情 スト ライ キ ヲ 一
ハ二 ツ返 事 デ 之 ニ賛 成 シ実行 ニ奔 走 シタ ニ違 ヒナイ ノデ ア リ マシ タ。
ア リ マシ タ。 故 ニ若 シ其 時 同 志 山 形 ノ 云 フ如 ク提 案 ガ ア レバ 勿 論 私
ツ テ達 成 出来 ル ノデ ア ル﹂ ト申 シ マ スト 労 働 者 ハ皆 大変 喜 ビ マシタ。
層 大 規 模 ニ ス ル為 ニ、当 時 夫 レ以 前 ノ誤 レル方 針 ノ為各 工場 共 尚 多
働 者 ノ組 織 モ現 実 ノ利 害 問 題 ニ依 ツ テ資 本 家 ト 闘争 セ シ メ ル事 ニ依
数 ノ未 組 織 労 働 者 ガ アリ マシタ故 ニ、 之 ヲ来 ル全 浜 松 工場 代表 者 会
ノ戦 術 ダト 云 フ事 デ アリ マシタ。 私 ト同 志 渡 政 ト ハ此 イ タ リ ーノ同
処 ニ依 レバ 、 夫 ハフ ア シ スト ノ弾 圧下 ニア ルイ タ リ ー共 産 党 ノ最 近
ハ同 志 山 形 ニ其 サボ タ ージ ユ ニ付 テ尚 詳 シク尋 ネ マシ タ。彼 ノ云 フ
ス。 故 ニ同 志 山 形 ノ意 見 ハ全 ク初 耳 ダ ツタ ノデ ア リ マ ス。 夫 レデ私
然 シ乍 ラ私 直 接 ニ ハ東京 カ ラ ハ何 モ指 導 ハ受 ケ ナ カ ツ タ ノデ アリ マ
ト 云 フ事 丈 ハ断 言 出 来 マス。当 時 其 事 丈 ハ私 ハ希 望 シ テ居 マシ タ。
少 ク ト モア ノ スト ライ キ ノ指 導 部 ハ浜 松 カ ラ東 京 ニ移 ツ タデ ア ラウ
シ斯 様 ナ運 動 ガ行 ハレ タト シタ ラ、或 ハ行 ハ ント致 シ マシ タ ナ ラ、
但 シ夫 レガ果 シ テ現 実 ニ実 行 シ得 タ カ什 ウ カ ハ疑 問 デ ア リ マス。然
ル事 ハ実 ニ珍 シイ 事 ナ ノデ ア リ マス。 夫 レデ 此 一工場 ノ スト ラ イ キ
ラ イ キ ハ大 体 一工場 単 位 デ 同 一地 方 ノ同種 産 業 労働 者 ガ 一斉罷 業 ス
働 者 罷 業 ト カ木 材 労 働 者 罷 業 ト 云 フ ノデ セ ウ。然 ル ニ日本 デ ハスト
ハ小樽 ノ場 合 デ モ深 川 ノ場 合 デ モ決 シ テ総 罷 業 ト ハ云 ハズ 、運 輸 労
者 ノ罷 業 、 深 川 木 材 労 働 者 ノ同 情罷 業 ガ其根 源 デ ア リ マス。外 国 デ
ト ト 云 フ言 葉 ハ何 処 カ ラ来 タ カ ト申 シ マ ス ニ、 其 以 前 小樽 運輸 労 働
意 ニ依 ツ テ 一層 事 ノ重 大 ナ ル ニ気 ガ 付 イ タ ノデ ア リ マス。 此 ゼ ネ ス
夫 レ ニ気 付 カ ナ カ ツ タ ノデ スガ 、関 西 地方 委 員長 同 志春 日 カ ラ ノ注
﹁一時 間 ノ ぜネ スト ﹂ ト 云 フ言 葉 ガ盛 ン ニ使 用 サ レ マシタ 。我 々 ハ
ニ対 比 シテ 、此 全 員 罷 業 ヲ総 罷 業 ト 呼 ンダ ノ デ ア リ マス。 夫 レ丈 ナ
ニ訳 スト 今 度 ハ政 治的 罷 業 ト ナ ルノデ ア リ マス。 之 ガ抑 モ間 違 ヲ引
志 ノ巧 妙 ナ ル戦術 ニ感 心 シ、夫 レ ハ是 非 日本 デ モ試 ミ ル必 要 ガ ア ル
起 ス種 デ ア リ、 此 間 違 ヲ 一層強 化 シタ許 リデ ナ ク 、此 間 違 ト ピ ツ タ
ンダ ノデ ア リ マ ス。然 ル ニ此 ゼ ネ ラ ル スト ラ イ キ ヲ モウ 一度 日本 語
リ 一時 間 スト ライ キ ト申 シ マシ タ。 此 用 語 ガ 抑 モ失 敗 デ ア リ マシタ。
者 ノ 一時 間 スト ライ キデ ア リ マ ス。 処 ガ私 ハ夫 レ ヲ今 モ申 上 ゲ タ 通
リ結 合 シ タ モ ノガ 福本 主 義 デ アリ マシタ。 要 ス ル ニ 一工場 ノ スト ラ
ラ良 イ ガ 、夫 レヲ簡 略 ニシ テ ゼ ネ スト 即 チ ゼネ ラ ル スト ライ キ ト呼
夫 レ ハ同志 山形 ガ正 シク教 ヘテ呉 レタ通 リ、 スト ライ キ デ ハナ ク サ
イ キト 一時 間 サ ボ タ ージ ユト産 業 別 スト ラ イ キ ト政 治 的 スト ラ イ キ
ト 云 ツ テ賛 成 シタ ノデ ア リ マ シタ。 ソ シ テ私 ハ早 速 之 ヲ健 康保 険 法
ボ タ ージ ユデ アリ マス。 一時 間 ノ サボ ター ジ ユデ ア リ マス。私 及 渡
ノ闘 争 ニ応 用 シ テ見 タ ノデ ア リ マ ス。 夫 レガ右 ノ神戸 二万 人 ノ労 働
政 ハ、機 械 ノ 運転 ヲ停 止 スル ト コ ロカ ラ罷 業 即 チ スト ライ キ ト 云 ツ
ル ヤ寒 心 スベ キ モ ノガ ア ルノ ハ当 然 デ ア リ マシタ。
ト ノ 四 ツ ガ全 ク滅 茶 苦 茶 ニ混 同 シテ終 ツタ ノデ ア リ マ ス。 其 弊 害 タ
謬 ノ道 ヲ開 イ タ ノデ ア リ マ ス。 今 日 デ モ此 一時 間 サ ボ タ ー ジ ユヲ指
ガ付 キ、 ﹁此 用 語 ノ 不完 全 ガ発 展 シテ政 治 的 罷 業 ヲ 煽 動 スル 結 果 ニ
同 志 春 日 ハサ スガ ニ外 国 ノ土 地 ヲ踏 ンデ 来 タ丈 ア ツ テ直 グ 夫 レ ニ気
タ ノデ スガ 、此 用 語 ノ誤 リ ノ為 ニ政 治 的 スト ライ キ ト 混同 サ レ ル誤
シ テ政 治的 スト ラ イ キ ト称 シ テ居 マスガ 、 之 ハ厳 密 ニ区別 ス ル必 要 ガ ア リ マ ス。 此 一時 間 サボ タ ージ ユ ハ 一ツノデ モ ン スト レー シ ヨ ン
ナイ ﹂ ト 我 々 ニ注 意 シタ ノデ ア リ マ ス。 又 常 任 委 員 会 モ既 ニ其 点 ニ
気 ガ 付 キ 、確 カ其 為 政 治 的 罷 業 ニ付 テ指 令 ヲ出 シ ( 其際政治的罷業 ヲ
陥 ツ テ居 ル、 之 ハイ ケ ナ イ 、政 治 的 罷 業 ハ濫 リ ニ煽 動 スベ キ モ ノデ
発展 ガ内 乱 ヘ赴 ク処 ノ政 治 的 スト ライ キ 即 チゼ ネ ラ ル スト ラ イ キト
指 シテドイツ語ノ マツセンストライク即 チ大衆罷業 ト 云 フ用語ヲ用 ヒタ様 ニ
デ ア ツテ、 政 治 闘 争 ニ モ亦 経 済 闘争 ニ モ応 用 サ レ ルデ セウ。 然 シ其
ハ全 然 異 ル モノデ ア リ マ ス。 然 ル ニ彼 ノ 五 法律 獲 得 闘 争 ノ 時 ニ ハ
記憶致 シ マス)政 治 的罷 業 ヲ濫 リ ニ煽 動 シタ リ計 画 スベ キ デ ナイ事 ヲ
時 正 シイ事 ヲ主 張 シ タ カ ノ如 ク得 意 ニナ ツタ ノデ ア リ マ スガ、 之 ハ
五法 律 獲 得 闘 争 ノ時 中 央部 ニ反 対 シ タ連 中 ハ、 如 何 ニ モ自 分 等 ガ当
誤 リ ヲ訂 正 スル際 ニ ハ、 其 誤 リ ノ内容 ヲ モ ツト詳 シク調 ベ テ カ ラ充
大 キ ナ誤 リデ ア リ マシ タ。 コミ ン テ ル ン ハ正 シイ事 ヲ 云 ツテ居 ル ノ
分 対策 ヲ ト ラ ヌト、 只 機械 的 反撥 ガ ア ルバ カ リデ 、毫 モ誤 謬 ノ根 本
一般 ニ警 告 シ タト 思 ヒ マス。反 対 派 ハ前 述 ノ如 キ五 法 律 獲 得 闘争 失
ト 云 ヘバ其 機械 的 反撥 ト シテ 日和 見 主 義 ヘ堕 落 シ タ ノデ ア リ マス。
ハ訂 正 サ レ得 ナ イ モノデ ア リ マス。 此誤 謬 ヲ福 本 主 義 ニ スツ カ リ ナ
敗 ニ絡 マル複 雑 ナ ル事 情 並 ニ原 因 ヲ 一ツ モ見 様 ト セズ 、 只 管 統 一的
評 議 会 中 央 委員 会 ノ新 スト ラ イ キ方 針 ハ実 ニ其 誤 謬 ノ上 ニ築 カ レ タ
スリ ツケ テ、 夫 レデ 足 レリ ト シ タ者 モ アリ マス。確 ニ福 本 主 義 ノ経
タ事 ヲ 、 コミ ンテ ル ン ハ七 月 ニ指 摘 シ テ居 タノデ ス。 然 シ日本 デ 其
ノデ ス。 彼 等 ノ主 張 ヲ以 テ ス レバ 、浜 松 ニ於 ケ ル同 情 スト ライ キ ノ
デ ア リ マ ス。 即 チ我 々 ガ同 志 春 日 ノ注意 ニ依 ツテ十 月 初 メ テ気 付 イ
計 画 モ実 現 シ ナカ ツ タカ ラ、従 ツテ実 現 ノ可 能 ナ キ無 謀 ナ計 画 ト 云
ノ如 ク原 因 ハ夫 レ ノ ミデ ハナイ ノ デ アリ マシタ 。 夫 レヲ充 分 ニ見 ナ
済 闘 争 ノ政 治 化 ハ此 誤 謬 ノ最 大 ノ原 因 ノ 一ツデ ア リ マ ス。 然 シ前 述
ライ キ ヲ煽 動 シ タ ノガ イ ケ ナ イ ト 云 ツタ ガ、 然 ラ バ如 何 ニスベ キ カ
フ事 ニナ ル ノデ ア リ マセ ウ。何 ト ナ レバ其 計 画 ヲ シ タ当 初 ハ、決 シ
要 求 デ スト ライ キ ヲ起 サ ント シタ ノ ガ イ ケ ナ イ、 最 初 カ ラ 一斉 スト
テ浜 松 ノ労 働 者 ノ力 ハ夫 レヲ ヤリ得 ル程 強 固 デ ナ カ ツ タ カ ラデ アリ
モウ 一度 繰 返 シ タ ノデ ア リ マス。総 選挙 闘 争 ノ初 期 ハ、此 大 切 ナ労
働 者 ノ経 済 的 闘 争 ト 選 挙 戦 ノ結 合 ガ御留 守 ニナ ツ テ、運 動 ガ所 謂 選
カ ツ タ故 ニ、 此 五法 律 ノ時 ノ失敗 ヲ更 ニ 一九 二 八年 春 ノ総 選 挙 ノ時
ル煽 動 ガ ア ツ タカ ラ コソ、最 初 無 デ ア ツタ力 ガ築 キ上 ゲ ラ レ テ、彼
二問 反 対 派 ニ対 シ テ中央 常 任委 員 会 ノ執 ツタ対 策 ハ如 何 。
挙 運 動 ニ堕 シ ツ ヽア ツ タ ノ ハ立 派 ナ証拠 デ アリ マス。
マ ス。 然 シ左様 ナ批判 ハ全 ク反 プ ロ レタ リ ア的 ダ ト 云 フ事 ハ浜松 ノ
ノ弾 圧 下 ニ従業 員 大 会 、 示威 運 動 署 名 運 動 ガ出 来 タ ノデ ア リ マス。
実 際 ガ証 明 シ テ居 マス。個 別 的 闘 争 ト同 情 スト ライ キト ノ結 合 ニ依
五 法 律 獲 得 闘争 ノ 失敗 ハ、斯 様 ナ個 別 的 闘 争 ト ノ結 合 ガ ナ カ ツ タ事 、
デ ア リ マス。彼 ノ 一九 二 七年 コミ ンテ ル ンテ ー ゼ ガ与 ヘラ ル ヽヤ、
ル事 、 宣 伝 ト煽 動 ト ノ分 離 ト其 両 者 ノ結 合 、 交 互 干 係 コソ必 要 ナ ノ
的 一般 的 ナ モノ ト 個別 的 特 殊 ノ モノ ト ノ結 合 ト 交 互 関 係 ガ 必 要デ ア
バ之 カ﹂ ト 云 フ考 ヘ方 ハ只 誤 謬 ヲ 一層 深 メ ル丈 デ ア ル事 、 常 ニ全 般
ク方 針 ヲ変 更 シナ カ ツタ事 デ ア リ マ ス。 要 スル ニ ﹁ア レ カ然 ラズ ン
論 ヲ駁 撃 セ シ メ タ事
第 三、 評 議 会 中 央 委員 会 ニ於 テ反 対 派 以外 ノ党 員 ヲ シ テ反 対 派 ノ謬
獲 得 ノ闘 争 ノ報 告 ヲ、 雑誌 労 働 者 ニ某 ノ変 名 デ 執 筆 登 載 セシ メ タ事
第 二、 同 志 春 日 ヲ シ テ彼 等 ノ謬論 ノ反 証 ト シテ 、関 西 方 面 ノ五 法 律
事
第 一、 彼 等 ガ 党 ノ機 関 デ論 議 セズ個 人的 行 動 ヲ執 ツタ事 ヲ譴 責 シ タ
ヲ発 シ マシ タ。 当 時 中 央 常 任 委員 会 ガ執 ツタ主 ナ ル対 策 ハ
答 中 央 常 任 委 員 会 ハ当 時 早速 右 反 対派 ノ主 張 並行 動 ニ対 シ警 告
此 時 ト 同 様 ゼ ネ ラ ル スト ラ イ キ ノ濫 発 ガイ ケ ナイ 、 一般的 問 題 デ ス
其 煽 動 宣 伝 ガ正 シ クナ カ ツタ事 、並 ニ形 勢 ノ変 化 ニ応 ジ テ浜 松 ノ如
ト ライ キ ヲ煽 動 シ テ ハイ ケ ナ イ ト 云 フ事 ガ再 燃 シ マシタ 。 ソ シテ此
ユノ成 功 ニ依 ツ テ、 一般 ニ此 一時 間 サ ボ タ ージ ユヲ事 毎 ニ濫 用 スル
険法 反 対 一時 間 サ ボ タ ー ジ ュ及 深 川 木材 労働 者 ノ 一時 間 サ ボ タ ー ジ
答 党 中 央 部 ハ此 問 題 ガ動 機 ト ナ ツ テ、其 頃 神 戸 ノ第 一回 健 康 保
等 々デ ア リ マシ タ。
傾 向 ガ ア ツタ ノ ヲ戒 メ タ事 ガ ア リ マス。 夫 レ ハ指令 ト シテ全 党 員 ニ
第 四、 前 述 ノ ぜネ ラ ル スト ライ キ ニ付 テ ノ指 令 ヲ発 シ タ事
ヲ党 内 一般 ノ問 題 ト セズ 、簡 単 ニ五法 律 獲 得 闘 争 ノ失 敗 ノ根 拠 ヲ箇
此 反 対 派 ハ関 東 党員 中 ノホ ンノ 一部 ニ起 ツ タ モノデ ア ツ タ ノデ 、 之
五問 其 他 ニ訂 正 スベ キ点 ガ ア ル カ。
徹 底 セ シメ マシ タ。
答 第 十 三回 訊 問 ノ際 、 対 支 非 干 渉 ノ運動 ヲ単 ニ共 産 党 ガ其 運 動
条 書 ニシ テ 一般 党員 ノ注 意 ヲ促 シタ指 令 ヲ発 シ タ ノ ニ止 メ マシ タ。
ヲ支 持 シタ ノ ミデ ア ル カ ノ如 ク陳 述 シ テ居 リ マスガ 、 此運 動 モ共 産
尚 私 ハ前 述 ノ如 キ意 見 ニ基 キ 、主 ト シテ評 議 会 中 央 委 員 会 ノ決 議 ヲ
ハ丁 度 其 時 コミ ン テ ル ンカ ラ帰 朝 シタ代 表 一行 ト事 務 引 継 ヲ シ タ際
批 判 ス ル形 ニ於 テ同 様 雑 誌 労 働 者 ニ論 文 ヲ書 キ マシ タ。 然 シ此論 文
党 ガ指 導 シタ闘 争 デ ア リ マス。然 シ夫 レ ニ付 テ ハ同 志 志 賀 又 ハ同 志
人 三 田村 四郎
行 方 不 明 ト ナ ツ テ遂 ニ登載 サ レ マ セ ヌデ シタ。 今 日 ニ シ テ考 ヘテ見
告
市 川 ガ詳 細 申 述 ベ テ居 ル事 ト思 ヒ マス カ ラ夫 レ ヲ御 参 照 願 ヒ マ ス。
同 日於 右 出 張 先 作 之
第 二十 七 回 訊問 調 書
裁 判 所 書 記 菅 生
清
人 三 田村 四郎
一
告
予 審 判 事 小 泉 英
東 京 地 方裁 判所
右 読 聞 ケ タ ル処 無 相 違 旨 申 立 署 名 拇 印 シ タリ 。
被
レバ、当 時中 央 常任 委 員 ガ彼 ノ闘 争 ガ終 ル ト同 時 ニ其 自 己 批 判 ヲ堂 々大 衆 ノ前 ニ披〓 シ、全 党 員 ノ討 議 ニ移 サ ナ カ ツ タ ノ ハ重 大 ナ誤 リ
シ タ党員 ガ充 分反 対 派 ヲ克 服 シ得 ナ カ ツ タ ノ モ其 為 デ ア リ マス。 尚
デ ア ツ タト思 ヒ マス。評 議 会 中 央 委 員 会 ニ於 テ中 央 部 ノ意 見 ヲ代 表
私 ガ京 浜 争議 ノ失敗 ノ原 因 ト シテ挙 ゲ タ非 合 法 組 織 、 非 合 法争 議 日 報 ノ発行 モサ ル事 乍 ラ 、 ヨリ大 切 ナ事 ハ党 ノ機 関紙 、 党 ノ争 議 統 制 指 導 コソ必 要 ダ ツタ ノ デ ア リ マ シタ。 更 ニ此 闘 争 ノ失 敗 ガ福本 主 義 ト 密 接 ナ干係 ノ ア ル モノデ ア ル事 ハ、 当 時 ハ判 リ マセ ヌデ シタ 。 夫
被
右 治 安 維 持 法 違 反被 告事 件 ニ付 、 昭和 五 年 五 月十 三 日豊 多 摩 刑 務 所
レ ガ理 解 サ レ タ ノ ハ コミ ンテ ル ンノ テ ー ゼ ガ与 ヘラ レ テ カ ラ ノ後 ノ 事 デ アリ マス。
二問 其 事 情 ハ如 何 。
答 左 様 デ ス。
一問 北 海 道 地方 オ ルガ ナイ ザ ート シ テ被 告 ハ北 海 道 ヘ行 ツ タ カ。
キ右 被 告 人 ニ対 シ訊 問 ス ル コト 左 ノ如 シ。
ニ於 テ 、予 審 判 事 小 泉英 一ハ裁 判 所書 記菅 生 清 立 会 ノ上 前 回 ニ引 続
答 前 述反 対派 ノ 一人 ハ、 当 時 ト同 様 卑 劣 曖 昧 ナ態度 ヲ以 テ最 近
三 問 其 反 対 派 ハド ンナ人 々デ ア ツタ カ。
共 産 党 ヲ裏 切 リ 、新 解 党派 ニ投 ジ マ シタ モノデ ス。 然 シ其 時 ノ反 対 派 ガ誰 々デ ア ツ タカ ハ申 上 兼 ネ マ ス。 四問 党 中央 部 ハ此 問 題 ニ関 シテ他 ニ方 策 ヲ講 ジ ナ カ ツ タカ 。
ガ ナ イ ザ ー ニ命 ジ タ カ ラ直 グ 任 務 ニ就 ケ ト 云 フ命 ヲ受 ケ マ シタ ノデ 、
答 前 ニ述 ベ タ如 ク 、昭 和 三年 一月初 旬渡 政 カ ラ北 海 道 地 方 オ ル
採 用 ス ル事 ニ シ マシタ。 山 口 ト山 名 ト ニ対 シ テ ハ武 内 、沼 山 ノ何 レ
ノ党 員 適格 者 約 十 名 ニ対 シテ ハ夫 々右 ノ責 任 者 カ ラ話 ヲ シ テ党員 ニ
ノ モノ ヲ夫 々党員 ト シ テ採 用後 ハ工場 細 胞 又 ハ工場 細 胞 組 織 準 備 会
カ カ ラ話 ヲ シテ 党員 ト シ テ採 用 後 、夫 々責 任 区 域 ノ責 任 者 ト シ テ任
ヲ組 織 サ セ ル事 ニ シ マシタ 。尚 此 際 例 ノ ア ツ ピ ー ル ト政 治 テ ーゼ ト
務 ニ就 カ シ ム ル事 ニ シ、函 館 ノ鈴 木 ニ ハ追 テ私 ガ同 地 ヘ出 張 シ タ折
党員 ト ノ連 絡 場 所 ニナ ツ テ居 ツ タ南 小樽 駅前 ノ党 員 渡 辺 利 右 衛 門 ノ
ヲ数 部 宛 武 内 ト 沼 山 ト ニ手 交 シ マシタ 。
私 ハ直 チ ニ其 旨 ヲ北 海 道 ノ共 産 党員 デ当 時 小樽 市 ニ居 ツタ武 内 清 ニ
宿 所 ニ落 着 キ マシ タ。 此 連 絡 場所 ハ、留 守 中私 ガ 中央 組 織 部 ヲ預 ツ
此 会 合 デ 以 上 ノ事 ヲ取決 メ マシタ カ ラ愈 々之 カ ラ北 海 道 デ 共 産 党 ノ
同 人 ト 会 見 シテ其 旨 ヲ伝 達 ス ル事 ニ仕 様 ト 云 フ事 ニシ マシ タ。 夫 等
テ居 ツタ 干係 カ ラ、 渡 辺 カ ラ聞 ク迄 モ ナ ク知 ツ テ居 タ ノデ ア リ マ ス。
シタ。 武 内 ガ駅 頭 ニ迎 ヘテ呉 レ テ、 同 人 ト 共 ニ当 時 中 央 部 ト北 海 道
武 内 モ亦評 議 会 干 係 デ 前 ニ私 ガ北 海 道ヘ 行 ツタ時 カ ラ ノ知 合 デ ア リ
シ ク果 ス為 ニ ハ凡 ソ次 ノ様 ニ シナ ケ レバ ナ ラ ヌト考 ヘ マシ タ。
活 動 ヲ始 メ ル ノデ アリ マスガ 、 オ ルガ ナ イザ ータ ル私 ハ其 任 務 ヲ正
宛 テ ヽ通告 シ、 同 年 一月 十 日 頃 単 身 東京 ヲ出発 シ テ小樽 駅 ニ着 キ マ
マス。同 日 ハ其 処ヘ 一泊 シ、 其 翌 日 武 内 ノ案 内 デ 札幌ヘ 行 キ 、同 地
答 即 チ、
四問 其 項 目 ハ如 何 。
ノ党員 沼 山松 蔵 ニ会 ヒ、沼 山 ノ奔 走デ 早 速 札幌 市 南九 条 西 六丁 目 ニ 一戸 ヲ借 リ受 ケ マシタ。 其 翌 々 日東 京 カ ラ家 族 ガ到 着 シ マシタ 。
第 一ニ、 コミ ンテ ル ン ノ政 策 ハ世 界 ノ 客 観的 条 件 ノ分 析 ニ基 イ テ立
三 問 北 海道 ニ於 ケ ル活 動 ノ模 様 ハ如 何 。 答 夫 レカ ラ 二、三 日 シテ党 中 央 部 カ ラ例 ノ ﹁日本 共産 党 再 組 織
ニ移 ス場 合 ニ ハ更 ニ自 国 ノ客観 的 条件 ニ正 シク適 用 セシ メ ナ ケ レ バ
テ ラ レタ モノデ ア ル カ ラ、 各 国 ノ共産 党 ハ其 政 策 ヲ自 国 ニ於 テ実 行
ナ ラ ヌト同 様 ニ、 日本 共 産 党 ノ テ ーゼ ヲ北海 道 ニ於 テ実 行 ニ移 ス場
ニ当 リ革命 的 労働 者 諸 君 ニ檄 ス﹂ ト 云 フ ア ツ ピ ー ルト 政 治 テ ーゼ ト
合 ニ ハ、 同 地 ノ客 観 的情 勢 ヲ正 シク 分析 シタ上 ニ夫 レ ニ適 合 シ テ正
ガ各 三 十 部位 宛 到 着 シ マ シタ。 之 ハ渡 辺 利 右衛 門 ノ処ヘ 着 イ タ ノ ヲ
ト三人 デ 会合 ヲ開 キ 、 先ヅ 私 カ ラ新 方 針 ヲ詳 細 ニ説 明 シ、新 方針 ニ
事 情 ヲ知 ル事 、
武 内 ガ持 ツ テ来 テ呉 レタ ノデ ス。 之 ガ着 イ タ ノデ 沼 山 ヲ呼 ビ 、武 内
旭川 ノ 山 名 正 実
シク 之 ヲ生 カ ス事 デ ナ ケ レバ ナ ラ ヌ故 ニ、私 ノ任 務 ハ先 ヅ 北 海 道 ノ
室蘭 ノ 山 口 利 哉
基 イ テ直 チ ニ党 員 ト シテ採 用 シ得 ル者 ガ ド ノ位 ア ル カト 聞 イ タ処
テ 一切 ノ事 件 ニ政 治 的 解 決 ヲ与ヘ 、要 求 ヲ掲 ゲ テ闘 争 ノ先 頭 ニ立 ツ
第 二 ニ、 斯 ク シ テ得 タ客 観 的情 勢 ニ基 キ、何 ヨリ モ先ヅ 共 産 党 ト シ
地方 ノ機 関 紙 ヲ発 行 スル事 デ ス。
事 、其 為 ニ北 海 道 内 各 地 ノ共 産 党 組織 活 動 ノ テ ーゼ ヲ作 成 ス ル事 及
ヲ初 メ ト シ、 札 幌 、 小樽 、函 館 等 デ 全 体 デ 約 十 名 ア ルト 云 フ事 デ シ
亮 ヲ函 館 ノ各 責 任 者 ト ス ル事 ニ シ、 山 口 、山 名 ヲ党 員 ト シ テ採 用後
タ。 其 処 デ 先 ヅ 従来 ノ党員 デ ア ル武 内 ヲ小 樽 、 沼 山 ヲ札 幌 、 鈴木 治
山 口 ヲ室 蘭 、 山 名 ヲ旭 川 ノ責 任者 ト スル事 ニ決 シ マシ タ。 ソ シ テ右
一 資 本 家 ト 地主
情 及 夫 ニ対 ス ル私 ノ考 ハ凡 ソ次 ノ様 ナ モノデ ア リ マ シタ。
情 ヲ聞 キ取 ツ タ ノデ ア リ マスガ 、同 人 等 カ ラ聞 キ取 ツ タ北 海 道 ノ事
其 処 デ 私 ハ主 ト シ テ武 内 、沼 山 カ ラ右 ノ会 合 其 他 デ 先 ヅ 北 海 道 ノ事
ニ於 ケ ル利 権 ノ争 奪 、 年 々支 出 ス ル巨額 ノ北海 道 開 拓 費 、北 海 漁 業
団余 ノ軍 隊 ト常 時 二、三 隻 ノ軍 艦 ガ配 置 サ レ テ居 ル。 ソ シ テ 北 海 道
資 本 家 ノ利 権 ト地 主 ノ利 益 ヲ擁護 ス ル為 メ ニ、国 家 ニ依 ツテ 一箇 師
居 リ 、国 家 権 力 ト ノ結 合 ガ他 ノ如何 ナ ル所 ヨリ鞏 固 デ ア ル。 故 ニ此
要 ス ル ニ北 海 道 ノ資 本 家 及 地主 ハ日本 ノ資 本 閥 大 地主 ノ粋 ヲ集 メ テ
ル干 係 ノ上 ニ立 ツ テ居 ル。北 海 道 ハ元 来 開 拓 地 デ ア ツ テ、 此 処 ノ資
北 海 道 ノ資 本家 ト 地主 階級 ハ、 日本 内 地 ノ夫 ト違 ツ テ極 メ テ特徴 ア
ト活 動 スル処 ハ、 恐 ラ ク北 海 道 以 外 ニ ハ余 リ見 ラ レナ イ状 態 デ ア ル。
ニ各 工場 主 ト警 察 当 局 ト ガ全 道的 ナ 緊密 且 ツ集 中 的 組 織 ヲ以 テ公 然
スル ニ次 ノ如 キ事情 ノ結 果 カ ラデ ア ル。即 チ凡 ソ北 海 道 ニ於 ケ ル目
ガ当 該 地 ノ警 察 署 長 デ 、 幹 事 長 ガ高 等主 任 デ ア ツ テ、主 タ ル事 業 ハ
其 組 織 ト 云 フノ ハ北 海 道 工場 主協 会 ノ事 デ 、此 協 会 ノ各 地 ノ支 部 長
問 題 ガ常 ニ中 央 政 界 ノ重 要 問 題 ト ナ ツ テ居 ル。 又労 働 運 動 鎮 圧 ノ為
ニ立 ツ大 事 業 ハ悉 ク政府 ト財 閥 ト ノ結 托 ニ依 ツテ生 ジ タ所 謂 利 権 事
本 家 ハ何 レ モ日 本 ニ於 ケ ル大 財 閥 資 本 家 ノ巨 頭 揃 デ ア ル。 夫 レ ハ要
業 デ ア ツ テ、 原 料 採 掘権 、 土 地利 用 権 等 ヲ獲 得 シ夫 レヲ基 礎 ト シ テ
我 々ガ最 モ重 視 スル ノ ハ前 者 デ ア ツ テ、 此 十 万 人 ノ労 働 者 ハ大 体 百
並 ニ港 内 労 働 者 ハ僅 カ ニ十 万 人 デ 其 他 ノ労 働 者 ハ約 三十 万 人 デ ア ル。
北 海 道 ノ全 人 口 二百 五 十 万 ニ対 シ テ工場 、鉱 山 、運 輸 、 通 信 、 交 通
二 労 働 者 ト 農 民
ア リ、 又 北 海 炭 礦 汽 船 ガ 皇室 及 三井 三菱 ノ共 同 経 営 デ ア リ、 海 運 業
樺 太 工業 ヤ昭 和 工 船 ガ 日露 条 約 ニ依 ツテ捏 ネ上 ゲ ラ レタ利 権 会 社 デ
名 以上 ノ 工場 、鉱 山 等 大 経営 三 十程 デ 大半 ヲ占 メ テ居 ル。 地 域 的 ニ
労 働 運 動 対 策 デ ア ル。
ハ三菱 系 ニ依 ツ テ圧倒 サ レテ居 ル。 爾 余 ノ 工場 鉱 山 其 他 ノ事 業 モ三
ハ札 幌 、函 館 、 小 樽 、 旭 川 、 室蘭 ノ五市 デ其 大 半 ヲ占 メ テ居 ル。 之
事 業 ガ成 立 ツ テ居 ル。 例 ヘバ炭 坑 、製 紙 、 紡 績 等 ノ諸 事 業 及 室蘭 製
井 カ 三菱 ノ何 レ カ ニ縁 ヲ繋 イデ 居 ル。 夫 レト鉄 道 、 通 信 、 鉄 道 省 工
ニ反 シテ農 民 ハ自 作 兼 小 作 人 デ約 九 十九 万 人 、之 ニ対 ス ル百 町 歩 以
鋼 等 、 凡 テ三 井 又 ハ三菱 ノ経 営 デ ア ル。 日魯 漁 業 ハ三 井 デ アリ 、 北
場 等 ノ国 家 資 本 、 之 ガ 北海 道 ノ事 業 ノ全 部 デ ア ル。 北 海 道 ノ銀行 ト
イ 工場 労 働 者 ハ北 海 道 ニ於 テ全 道 的 ニ低 日 給 ( 固定給)附 請 負
会 社 及 夫 等 ノ重 役 ト 政 党 干係 ヲ見 ルト 一層 此 干 係 ガ明 瞭 デ ア ル。 一
ト 云 フ賃 銀 制 度 ガ行 ハレ テ居 ル。 之 ハ労働 者 ニ最 モ不 利 ナ条 件 デ
上 ノ地 主 ハ七 百 六 十 名 デ ア ツ テ、 此 地主 ガ 土 地 ノ大 半 ヲ占 メ テ居 ル。
主 ガ到 ル処 ニ存 在 ス ル。而 カ モ其 地主 ハ皆 一風 変 ツ テ居 ル。 即 チ皇
其 処 デ 此 労 働 者 農 民 ノ生 活 状 態 如 何 ト 云 フ ニ
室 ヲ始 メト シ テ徳 川 、前 田 、蜂 須 賀 、鍋 島 等 ノ旧 諸 侯 、 鳩 山 、長 島 、
働 ケ バ働 ク程 労 働 者 ガ損 ヲ ス ルト 云 フ制 度 デ ア ル。 最 近 一般 ニ請
方 北 海 道 ノ地 主 ハ之 亦内 地 ト違 ツテ特 徴 ヲ持 ツ テ居 ル。 北 海 道 ノ地
中 西 等 々 ノブ ルジ ヨア政 党 ノ幹 部 ガ北 海 道 ノ大 地 主 ナ ノデ ア ル。 ソ
負 単 価 ノ引 下 ガ行 ハレ テ居 ルノ ハ此制 度 ノ必 然 ノ結 果 デ ア ル。 更
主 ヲ 一瞥 スルト 、 内 地 デ ハ見 ラ レ ヌ様 ナ広 大 ナ土 地 ヲ所 有 スル大 地
シテ大 体 各 二、三 千 町歩 カ ラ 一万 町歩 ノ土 地 ヲ 独 占 シ テ居 ル。 之 ヲ
如 キ モ内 地 ノ如 ク資 本 家全 額 負担 ノ処 ガ無 イ ド コ ロカ、 此 保 険 ノ
ヲ無 制 限 ニ スル事 デ ア ル。次 ニ工場 設 備 ガ悪 イ事 、 健 康 保 険 料 ノ
ニ悪 イ事 ハ、 此 制 度 ニ依 ルト資 本 家 、労 働 者 ノ双 方 カ ラ労 働 時 間
ニ拘 ラズ組 合 員 ヲ持 ツテ居 ナ イ。 単 独 組 合 ト シ テ札 幌 、 函 館 ノ市 従
蘭 、札 幌 、旭 川 等 ノ合 同 労 働 組 合 ハ何 レ モ其 所 在 地 ニ大 工場 ガ ア ル
船 木 工組 合 モ組 合 員 ハ多 イ ガ産 業 ハ近 代 工業 デ ナイ 。 其 他 函 館 、室
全体 ヲ合 計 シ テ モ恐 ラク 五千 名 ニ ハナ ラ ナイ 。 労 働 者 ノ其 他 ノ組 織
フ ヨリ協 調 的 色 彩 ノ濃 厚 ナ 、 一工場 一組 合 ノ職 業 別組 合 ニ過 ギ ナ イ 。
ト シ テ ハ、全 道 ノ全 工場 ニ種 々 ナ ル名 称 ノ下 ニ、 工場 全 員 ガ組 織 サ
業 員 組 合 、函 館 船 渠 工愛 会 、其 他 ガ ア ル ガ、 何 レモ闘 争 的組 合 ト 云
スル ニ労 働 者 ハ収 入 ガ刻 々引 下 ゲ ラ レ ルノ ニ支 出 ノ ミ昂 マリ、 失
レ テ居 ル工場 委 員 会 ガ ア ル。 然 シ之 ハ従 来 労 働 組 合 ノ働 キ カ ケ ガ ナ
実 施 ト 同 時 ニ従来 共済 組合 ニ支出 シテ居 タ補 助 費 ヲ廃 止 シ タ。 而
業 シ テ モ困 ル ガ働 イ テ モ食 ヒ兼 ネ ルト 云 フ状 態 ニ近付 イ テ居 ル。
カ ツタ為 ニ完 全 ニ資 本 家 ノ支 配 下 ニア リ労 働 者 ノ機 関ト 云 フ ヨリ 、
モ共 済 組 合 ノ管 理権 ハ依然 ト シテ資 本 家 ニ握 ラ レテ居 ル。 之 ヲ要
ロ 鉱 山 労 働 者 ハ工場 労働 者 ヨリ更 ニ惨 メデ 、 職 業 病 ノ保 護 モ無
機 関 ニ転 換 ス ル事 ハ容 易 デ ハア ル。 次 ニ政 治組 織 ノ方 面 ハ、 共 産 党
ケ レ バ信 書 秘 密 ノ自 由 ス ラナ ク、 通 信 ハ資 本 家 ノ為 ニ 一々検 閲 サ
員 ハ各 地 ニ散 在 シテ 四名 シカ居 ナ カ ツ タ ノデ 、 党 活 動 ト シ テ見 ルベ
利益 問 題 ヲ捉 ヘテ自 主 化 ノ闘 争 ヲ展 開 ス レバ 、 労 働 者 ノ利 益 ノ為 ノ
ハ 鉄 道 、交 通 、 通 信 従業 員 ハ頻 々ト シテ待 遇 ヲ引 下 ゲ ラ レ、 規
資 本 家 ノ労 働 者 搾 取 ノ機 関 ト ナ ツ テ居 ル。 然 シ之 ハ現 実 当 面 ノ 日常
定 ノ労 働 時間 ハ勝 手 ニ延長 サ レ ル。特 ニ交 通労 働 者 ハ不 完 全 ナ ル
ロ小 ブ ル的 政 治 闘 争 デ ア ツタ為 ニ、労 働 者 ヨリ モ小 市 民 ノ組 織 率 ガ
キ モノ ナク 、労 農 党 支 部 ハ各 地 ニア ルガ 其 活 動 ハ労 働 者 的 デ ナ ク寧
レル。 而 カ モ設 備 ノ 不 完全 ナ為 ニ毎 年 多 数 ノ労 働 者 ガ災 害 ノ犠 牲
機 械 ト過 労 カ ラ事 故 ノ絶 間 ガ ナ イ 。鉄 道 通信 従 業 員 ノ如 キ ハ政 党
ト ナ ツ テ居 ル。
加 入 ト選 挙 運 動 ノ自 由 ス ラ剥 奪 サ レ、極 メ テ悪 辣 ナ ル方 法 デ 夫 レ
ル者 ガ 十名 近 ク当 選 シ、 其 異 常 ナ ル得 票 率 ニ依 ツ テ 一時 ブ ルジ ヨア
多 イ ト 云 フ珍 現象 ヲ呈 シ、全 体 ノ数 ガ 三百 名 足 ラズ デ ア ル ノ ニ労 働
階 級 ヲ恐 怖 セ シメ タ ガ、 夫 レ等 ノ議 員 ハ当 選後 凡 テ無 産 階級 ノ利益
者 ハ其 中 ノ極 メ テ僅 カデ ア ル。 斯 様 ナ状 態 ダ カ ラ当 然 ニ労 働 者 階級
以 上 之 等 ノ労 働 者 ノ組 合組 織 状 態 ヲ見 ル ニ鉱 山 、 通 信 事 業 ハ全 ク労
ヲ裏 切 ツテ仕 舞 ツテ居 ル。
ガ禁ゼ ラ レ テ居 ル。
働 組 合 ノ組 織 ナ ク、鉄 道 ハ組 織 ノ形 式 ハア ツ テ モ有 名 無 実 ノ状 態 デ
次 ニ農 民 ノ状 態 ヲ見 ル ニ、 北 海 道 ノ地 主 ハ土 地 ニ対 シ テ何等 貢献 シ
ガ政 治的 自 由 ヲ持 ツテ居 ナ イ。 前 年 ノ市 議 戦 デ ハ無 産 党 議 員 ト 称 ス
ア リ マ ス。 其 他 各 種 ノ産 業 ニ付 テ モ北 海 道 ノ大 工場 ハ未 組 織 ノ儘 ト
テ居 ナ イ 。彼 等 ノ 土 地 ハ政 府 ト結 托 ニ依 ツ テ、 一枚 ノ証 文 ト 誰 某所
ニ 港 内 労働 者 ハ最 近資 本 家 側 ノ攻 勢 著 シ ク、 各 職 場 カ ラ戦 闘 的
云 ツ テ差 支 ナイ 。 北海 道 デ ハ評 議 会 ガ名 声 ヲ博 シテ ハ居 ル ガ、 其 組
有 地 ト 云 フ立 札 一本 デ 獲 得 シタ モノデ ア ル。 北 海 道 デ ハ土 地 地 主 、
分 子 ガ放 逐 サ レ、 引続 イ テ 一般的 待 遇 引下 ガ行 ハレ テ居 ル。
ル。 小 樽 合 同 モ其 組 合員 ハ工場 労 働 者デ ナ ク沖 仲 仕 デ ア リ、 函 館 造
織 状 態 ヲ見 ル時 ハ甚 ダ 遺 憾 デ ア ツ テ、 千名 近 ク ノ組 合 員 ヲ持 ツ テ居
生 産物 生産 者 ノ 干係 ガ極 メテ明 瞭 デ 、 内 地 ノ夫 レ ノ如 ク牧 歌 的 ナ伝
償 没 収 、 高 度 ノ累 進 所 得 税 ト 云 フ事 ガ 示 サ レ テ居 ナイ カ ラ、闘 争 ガ
論 一層 悪 化 ス ル丈 デ ア ル。 農 民ニ 対 シ テ未 ダ 今 日 迄 大 土 地所 有 ノ無
担 ヲ負 フノデ ア ル カ ラ、 此 方 法 デ ハ農 民 ノ窮 状 ガ 救 ハレ ナイ ノ ハ勿
ツテ居 ナ カ ツ タ ノデ ア ルガ 、 之 ハ今 ヤ我 党 ノ右 ノ二 ツ ノ ス ロー ガ ン
行 詰 ツ テ農 場 解 放 ト 云 フ様 ナ欺瞞 策 ヲ施 サ レ、 之 ヲ打 破 ル方 策 ガ立
ト 信 ジ テ原 野 ヲ拓 キ、 荒 蕪 地 ヲ改 良 シ テ遂ニ 土 地 カ ラ幾 何 カ ノ生 産 物 ガ得 ラ レ ル様 ニ シタ。 処 ガ農 作 物 ガ収 穫 サ レ始 メ ルト 地主 ハ小作
統 ガ ナイ 。 元来 ガ原 野 デ ア ツタ ノ ヲ、 農 民 ハ将 来 自 分 ノ モ ノ ニナ ル
料 ヲ取立 テ始 メ テ、 其 小 作 料 ガ年 々増 額 サ レ、 今 デ ハ農 民 ハ高 イ 小
ノ農 民 ニ ハ元 々自 分 ガ開 拓 シ タ土 地 丈ニ 内 地 ノ農 民 ヨリ ハ 一層不 合
求 ハ内 地 ト同 様 土 地立 入禁 止 ヲ以 テ酬 ヒラ レ テ居 ル。 此事 ハ北海 道
的 ナ要 求 デ資 本 家 ト闘 争 セ シ メ組 合ニ 組 織 ス ル事 ガ必 要 デ ア ル。 北
弱 デ ア ル。何 ヨリ モ先 ヅ 此 資本 家 ト 闘争 シ タ事 ノ ナ イ労 働 者 ヲ初 歩
ナ ケ レ バ ナ ラ ヌ。然 ル ニ之 ヲ指 導 スベ キ プ ロ レタ リ ア ー ト ノ力 ガ貧
ナ ル処 ヨリ モ農 民 革 命 ガ急 速ニ 勃 発 ス ル条 件 ガ備 ツテ居 ル モノ ト見
ツテ容 易ニ 打 破 ル モノ ト ナ ツ タ。 之 ヲ要 スル ニ北海 道 デ ハ他 ノ如 何
理 ナ事 ト受 取 ラ レ ル。 自 分 等 ガ開 拓 シ タ田 畑 ヲ今突 然 地主ニ 取上 ゲ
海 道 デ 何 故 此事 ヲ強 調 シナ ケ レバ ナ ラ ヌカ ト云 ヘバ、 資 本 家 ノ搾 取
ト ﹁今 迄 支 払 ツ タ金 ヲ返 セ﹂ ト 云 フ ス ローガ ン ヲ附 ケ加 ヘル事ニ 依
ラ レ テ見 知 ラ ヌ人 ガ自 分ニ 代 ツ テ夫 レ ヲ耕 スト 云 フ事 ハ、 何 ント シ
ト 闘争 仕 様 ト シ ナイ労 働 者 ハ、幾 ラ労 働 者 デ モ資 本 ノ搾 取 制度 撤 廃
作 料 ト重 イ税 ト ノ為ニ 耐 ヘキ レナ ク ナ ツ テ居 ル。 夫 故 北海 道 デ モ近
テ モ道 理 ア ル事 ト考 ヘラ レナイ 故ニ 、 昭 和二 年 ノ蜂 須 賀 農 場 ヤ旭 農
ト 云 フ主 張 ノ上ニ 立 ツ共 産 党 ノ政 治 的 主 張 ヲ理 解 スル事 モ支 持 スル
年 著 シク 小作 料 軽 減 ノ争 議 ガ起 ツ テ居 ル。 然 ル ニ此 小 作料 減 免 ノ要
土 地 ハ多 ク ハ農 場 経 営 ト ナ ツ テ居 ル。 之 ハ小作 カ ラ農 業 労 働 者 ヘノ
場 ノ争 議ニ 現 ハ レタ如 ク争 議 ハ深 刻 デ ア ル。更ニ 北 海 道 ノ大 地主 ノ
夫 レガ出 来 テ居 ナイ ノ ハ煽 動 宣 伝 ノ方 法 ガ間 違 ツ テ居 ル カ ラデ ア ル。
不 平 ガ 到 ル処 充満 シテ居 ルノデ ア ル カ ラ極 メ テ容 易 デ ア ル。今 日 迄
云 フ事 ハ、既ニ 北海 道 全 道 ノ労 働 者 ガ 一般ニ 労 働 条 件 ノ劣 悪 ナ為ニ
造 策 デ ア ツテ、 之 ハ内 地 ノ自 作 農 創 設策 ノ様ニ 農 民 ガ政 府 カ ラ金 ヲ
事 モ出来 ナ イ カ ラデ ア ル。 然 シテ此 労 働 者 ヲ経 済 闘 争 ニ 駆リ出 スト
借 リ テ 一時ニ 地 主ニ 対 価 ヲ払 ツ テ土 地 ヲ買 フノ ト ハ違 ツ テ、 直 チ ニ
ヌ。 此制 度 ハ階 級 闘 争 ノ防 火 壁 ト ナ ツ テ居 ル。 北海 道 ノ指 導 者 ガ 従
先 ヅ第 一 ハ ﹁ 固 定 給 附 請 負 制 ﹂ ト 云 フ賃 銀 制 度 ヲ叩 キ 潰 サ ネ バ ナ ラ
過 渡 ノ形 体 デ ア ル。 処 ガ最 近 一般ニ 北 海 道デ ハ農 場 解 放 ト 云 フ事 ガ
名 目 上土 地 ノ所 有 権 ヲ農 民ニ 移 スト 共ニ 地主 ハ農 民 カ ラ返 リ証 文 ヲ
流 行 シテ居 ル。 之 ハ北 海 道 ノ地 主 ガ案 出 シ タ極 メテ巧 妙 ナ自 作 農 製
取 ツ テ土 地代 ヲ年 賦 払 ト スル遣 リ方 デ ア ル。此 年 賦 完 納 ノ暁 初 メ テ
テ居 タ ノ ハ大 ナ ル誤 リデ ア ツ テ、 之 ハ直 チ ニ ﹁ 請 負制 ヲ撤 廃 シ単 一
日 給制 ト ス ル﹂為ニ 闘 ハネ バ ナ ラ ヌ。 共産 党 ガ 之等 ノ労 働 者 ヲ資 本
来 此制 度ニ 何 等 注 意 ヲ払 ハナ カ ツ タ許 リ カ此制 度 ノ上デ 小競 合 ヲ シ
家 ト ノ闘 争ニ 駆 リ出 シ組 合ニ 組 織 スル事ニ 成 功 ス ルナ ラ バ 、今 日十
土 地 ハ名 実 共ニ 農 民 ノ所 有 ト ナ ル ノデ ア ツ テ、 夫 レ以前ニ 年 賦 金 支
名 目上 デ ノ所 有 者 デ モ実 質 ハ小 作 人 ト 毫 モ変 リ ナ イ。 然 モ自 作 農 創
払 ヲ怠 レバ直 チ ニ契 約 ガ破 棄 サ レ土 地 ハ取 上 ゲ ラ レ ル。故ニ 農 民 ハ
設 ト同 様 農 民 ハ従 来 地 主 ガ払 ツ テ居 タ土 地所 有 者 ト シテ ノ 一切 ノ負
ル シ、 夫 レト交 互 シ テ我 党 ガ 発 展 ス ル事 ハ確 信 出 来 ル。 又 斯 ク シ テ
数 名 シ カ共産 党 ノ政 治 主 張 ヲ聞 ク 者 ガ ナ ク ト モ明 日 ハ数 百 数 千 名 ガ
結 局 同 地 ノ資 本 ハ三 井 、 三菱 何 レカ ノ大 金 融 資 本 ニ統率 サ レ、政
函 館 ニ於 ケ ル銀 行 ト 諸 工場 ト政 党 ト ノ干 係 ニ徴 シ明 瞭 デ ア ツ テ、
ハ我国 ノ金 融 資 本 及 国家 権 力 ト密 接 ナ結 合 ヲ シ テ居 ル事 、 夫 レ ハ
ロ 函 館 ノ資 本 家 ハ各自 産 業別 ニ従 ヒ同 業 組 合 ニ団 結 シ テ居 ルガ 、
友 、 民 政 ノ 二大 ブ ル政 党 ニ結 合 シテ居 ル。
共 産党 ノ政 治 的 主 張 ヲ聞 ク許 リ デ ナ ク、 夫 レヲ支 持 シ実 行 ス ル ニ至
地 主国 家 ト ノ結 合 ノ緊 密 露 骨 ナ事 、 大 地主 ノ存 在 、 農 場 ニ働 ク農 民
ト函 館 船 渠 ガ此協 会 ニ熱 心 ニナ リ出 シタ事 デ 、 夫 レ ハ最 近 夫 レ等
特 ニ注 意 スベ キ ハ従 来例 ノ工場 主 協 会 ニ冷 淡 デ ア ツ タ浅 野 セ メ ン
農 民 ヲ指 導 シテ革 命 ヲ遂 行 ス ル事 ガ出 来 ル。 殊 ニ北 海 道 デ ハ資 本家
ノ 存在 、 之 等 ハ来 ルベ キブ ルジ ヨア民 主 々義 革 命 ノ遂 行 ニ最 モ良 イ
ハ 一方 函 館 附 近 ニ ハ徳 川 、前 田 、大 橋 等 ノ大 地 主 ノ所 有 ス ル広
ノ 工場 ノ労 働 者 ガ 反 抗 シ始 メタ事ニ 起 因 スル事 。
条 件 デ ア ル。 以 上 ガ 当 時 私 ノ知 リ得 タ北 海 道 ノ 一般 情 勢 及 夫 レ ニ対 ス ル私 ノ考 デ ア リ マシ タ。 此私 ノ知 リ得 タ以 上 ノ情 勢 ハ極 メ テ不完
々 一千 町 歩 乃 至 二 千 町歩 ノ 土 地 ヲ所 有 シテ居 ル事 。
大 ナ土 地 ガ ア ルト 共 ニ、渡 辺 、 三井 、 田 、相 馬 等 ノ資 本 家 モ亦 夫
全 デ ア リ粗 雑 デ ハア リ マシ タガ 、 元来 客 観 的 情 勢 ト 云 フ モノ ハ闘 争 ノ展 開 ト共 ニ変 化 ス ル モノ デ ア リ、 又闘 争 ノ展 開 ト共 ニ自 ラ 一層 詳
二 労 働 者 階 級 ノ情 勢
ニ 以 上 支 配 階級 ガ経 済 的 政 治 的 ニ鞏固 ニ結 合 シ テ居 ル事 。
細 明 瞭 ニ判 ツ テ行 ク モ ノデ ア リ マ スカ ラ、 取 敢 ヘズ 先ヅ 右 ノ 一般 情 勢 ニ基 イ テ各 地 ノ活動 テー ゼ ヲ造 リ、 党 活 動 ヲ直 チ ニ展 開 ス ル事 ニ シタ ノデ ア リ マス。 五 問 夫 レデ 什 ウイ フ風 ニ行 動 シタ カ。
館 地 区 ノ責 任 者 ニ任命 ス ル旨 ヲ通 告 シ、 同 人 ト協 議 ノ上 日本 共 産 党
デ 鈴 木 治 亮 ト会 見 シ、同 人 ニ党 ノ新 方 針 ヲ説 明 シ、同 人 ヲ今 後 ノ函
ハ大 工 場 ニ基 礎 ガ ナ ク、 其 他 ノ組 合 ハ協 調的 デ ア ル。各 工場 ノ 工
評 議 会 加盟 組 合デ スラ自 然 発 生 的 一工場 一組 合 デ アリ 、合 同 労 働
名 程 ニ過 ギ ナイ 。而 モ夫 レガ十 二 ノ組 合 ニ分 立 シ テ居 ル。之 等 ハ
ル。 而 シ テ労働 組 合 ニ組 織 サ レテ居 ル労 働 者 ハ約 一割 三分 デ 二千
ニ達 シナ イ 。 此労 働 者 ノ半 数 ハ約 十 七 個 ノ大 工場 経営 デ占 メテ居
イ 函 館 ノ総 人 口約 十 七万 ニ対 シ労 働 者 総 数 約 一万 五 千即 チ 一割
函 館 地 方 工場 細 胞 組 織 活 動 テ ー ゼ ヲ作 成 シ マシ タ。 此際 鈴 木 ニ モ例
場委 員 会 ナ ル モノ ハ矢 張 リ資 本 家 ノ労 働 者懐 柔 用 ト ナ ツテ居 ル。
答 其 処 デ私 ハ 一月 十 四、五 日頃 函 館 ニ赴 キ 、 函館 郊 外 高 島 温 泉
ノ ア ツ ピ ー ルト政 治 テ ー ゼ ト ヲ数 部 渡 シ テ置 キ マシタ。
名 、其 五十 名 ガ小 市 民 デ ア ル。 斯 ノ如 キ状 態 デ ハ必 然 ニ函 館 プ ロ
ガ分 散 シテ居 ル。 労 働 者 農 民 ノ同 盟 デ ア ル労 農 党 支 部 ハ僅 カ百 余
ノ勢 力 ニ比 シテ決 定 的 ニ弱 勢 デ ア ル。 組 織 労働 者 ガ少 イ上 ニ組 織
ロ 函 館 ノ プ ロ レタ リ ア ノ勢 力 ハ以 上 ニ依 ツ テ判 ル通 リ支 配 階 級
六 問 鈴 木 ト会 合 シテ作 成 シ タ函 館 テ ーゼ ノ内容 ハ如 何 。 答 其 内 容 ハ、
イ 函 館 ガ北 海 漁 業 ノ中 心 ト シ テ重 要 ナ干 係 ヲ持 ツテ居 ル事 、 北
一 函 館 地 方 ニ於 ケ ル支 配 階 級 ノ勢 力
海漁 業 ガ 我国 ノ重 要 ナ産 業 ノ 一ツト ナ ツ テ居 ル事 カ ラ之 等 ノ資 本
ニ対 シ賠 償 金 ヲ取 ラ レ テ居 ル。解 雇 退 職 手 当 ノ制 度 ガ無 ク作 業 中
工業 的 雇 傭 契 約 ガ行 ハレ、 徒弟 制 度 ガ ア リ、 労 働 者 ハ機 械 ノ破 損
レタ リ ア ノ生 活 条件 ガ劣 悪 ニナ ルノ ハ当 然 デ ア ル。 即 チ 一般 ニ手
体 ノ活 動 ヲ我 党 ノ活 動 ニ結 合統 一ス ル事 、其 際 大 工場 経 営 ニ
事 件 ニノ ミ活 動 ヲ終 始 セ シ メ テ居 ツタ活 動 ヲ訂 正 シ、 大 衆 団
ノ 日常 闘 争 ヲ計 画 的 ニ激 発 ス ル事 ニ依 ツテ従 来 ノ自 然 発 生 的
ク働 キ カ ケ ル事 。
(2) 組 合 ノ統 一 ハ評 議 会 ヲ シテ ﹁上 カ ラ ノ煽 動 ﹂ ニ依 ツ テ日
ノ フ ラ ク シ ョン ヲ形成 シ我党 ノ指 導 ヲ確 保 スル事 。
緊 急 ナ任務 デ ア ルカ ラ、 之 ヲ統 一強 大 ナ ラ シ メ、其 中 ニ我党
(1) 函 館 ノ如 ク組 合 ガ分 散 シ テ居 ル処 ハ其統 一ガ 我 党 ノ最 モ
B 労働 組 合 ノ統 一ト其 革 命 化
全 力 ヲ集 中 シ、 且 ツ 二万 ノ漁 業 労 働 者 ヲ闘争 ニ動 員 セ シム ベ
以上 ノ情 勢 ニ対 スル我 々今 後 ノ任務
ノ傷 害 ニ対 スル弁 償 制 度 モ無 イ 。斯 ル際 ニ ハ所 謂 親 方 ノ慈 善 的 恵
ハ
与金 ガ若 干 与 ヘラ レ テ居 ル。 一方附 近 ノ農 民 ハ未 組 織 デ ア ル。
A 共産 党 ト大 衆 団 体 ノ組 織 並 活動 (1) 共 産 党 ハ来 ル ベ キ革 命 ノ為 ノ闘 争 ニ全 函館 ノ労 働 者 ヲ動
ノ劣悪 ナ ル事 実 ヲ捉 ヘテ資 本 家 ト ノ闘争 ヲ計 画的 ニ激 発 組 織
ヲ樹 立 シ、 改 良 主 義 組 合 、協 調 的 組 合 ヲ全 体 ト シ テ革 命 化 セ
常 闘 争 ヲ激 発 セ シ メ、此 闘 争 ノ上 ニ立 ツテ各 組 合 ノ共 同 戦線
員 シナ ケ レバ ナ ラ ヌ。 其 為 ニ ハ今 日 ノ函 館 労働 者 ノ労 働 条 件
シ、 我 党 ノ ス ロー ガ ント結 合 統 一シ テ之 ヲ発 展 セ シ メ、労 働
大 衆 団 体 ヲ通 ジ テ ノ ミ大 衆 ノ革 命 化 ニ腐 心 シ テ来 タ。 更 ニ良
機 械 的 ニ永 続 セ シメ様 ト シタ事 デ 、 其 為 ニ折 角 好調 ニ向 ツタ
同 時 ニ夫 レト シ テ ハ消 滅 スベ キ性 質 ノ 一時的 ナ其 共 同 戦 線 ヲ
(3) 函 館 ノ前 衛 ノ誤 謬 ハ、 共 同 戦線 ヲ張 ツタ或 闘 争 ノ終 結 ト
シメ ル事 デ ナ ケ レバ ナ ラ ヌ。
者 ノ 階 級 的 自覚 ヲ昂 メ ル事 。
ク ナカ ツタ事 ハ、労 働 者 ノ 不平 ヲ捉 ヘテ ﹁上 カ ラ ノ煽 動 ﹂ ニ
(2) 我 党 ノ 従来 ノ根 本 的 誤 謬 ノ結 果 函 館 ノ我 党 員 ノ活動 モ亦
依 ツ テ労 働 者 ヲ計 画的 ニ組 織 ス ル事 ノ ナ カ ツ タ為 ニ評 議 会 ハ
ム ル様 ナ方 法 ヲ執 ツタ事 デ ア ツ タ。 我 々 ハ非 合 法 的 活 動 ヲ我
ニ其 協 調 的 組 合 ニ属 ス ル労 働 者 個 人 ヲ更 ニ評 議 会 ニ加 盟 セ シ
党 ニ集中 シ、大 衆 団体 ノ組 織 ヲ出 来 ル丈 単 純 化 セ シ メ、其 活
組 合 間 ノ干 係 ヲ破 壊 シ、 或 ハ協 調 的 組 合 ヲ革命 化 セ シ ム ル為
﹁上 カ ラ ノ煽 動 ﹂ ト 云 フ事 ハ今後 ノ供 述 ニ モ屡 々出 テ来 マス
大 工場 ニ基礎 ヲ持 ツ事 ガ出 来 ズ、 自 然 発 生 的 ニ起 ツ タ争 議 ヲ
ガ、 其 意 味 ノ詳 細 ハ私 ガ 一九 二 八年 四月 号 ノ マルク ス主 義 誌
同 戦 線 ノ 正 シキ適 用 ニ依 ツテ従 来 ノ誤 謬 ヲ匡 サ ネ バ ナ ラ ヌ事 。
動 ヲ出来 ル丈秘 密 性 ノ ナ イ モノ ニ シナ ケ レバ ナ ラ ヌ。 且 ツ共
只 処 理 シ テ居 ツ タ丈 ノ傾 ガ ア ツタ事 。
上 ニ野 村襄 二 ノ ペ ンネ ー ムデ ﹁ 煽 動 ト ハ何 ゾ ヤ﹂ ト題 スル論
(1) 函 館 ニ ハ何 等 カノ 名 称 デ全 工場 ニ例 ノ 工場 委 員 会 ガ ア ル
C 工場委 員 会 ノ組 織 ト其 自 主 化 ノ為 ノ闘 争
文 ヲ掲 載 シテ居 マ スノデ 参 考 ニ御 覧 ヲ願 ヒ マス。 (3) 今 後 ハ共 産 党 独 自 ノ闘 争 ヲ展 開 シ テ革 命 的 労 働 者 ヲ 我党 ニ吸 収 シ、 共 産 党 ト合 法 大 衆 団 体 ト ノ混 同 ヲ清 算 シ、労 働 者
ガ、 従 来函 館 ノ前 衛 ハ此 工場 委 員 会 ガ 労 働 者 懐 柔 ノ道 具 デ ア
ハ自 衛 団組 織 ノ良 イ機 会 デ ア ツタ。 然 ル ニ函 館 ノ前 衛 ハ之 ニ
(2) 昭和 二年 中 函 館 ニ警 官 抜 剣 事 件 ガ ア ツ タガ 此事 件 ノ如 キ
ノ日 常 利害 問 題 ト ヲ結 ビ付 ケ テ各 工場 ニ労 働 者 ノ自衛 団 ヲ組
対 スル対策 ヲ欠 イ タ ノデ ア ルガ、 斯 ル際 ニ ハ此事 件 ト労 働 者
ルト 云 フ点 カ ラ ノ ミ見 テ之 ヲ軽 視 シ タ許 リデ ナ ク、 破 壊 仕 様
啻ニ労 働 組 合 ヲ統 一シ、 之 ヲ我 党 ノ指 導 下 ニ置 ク事 ガ必 要 ナ 許 リデ ナ ク斯 ル 工場 委 員 会 ノ如 キ モ ノ ヲ重視 シナ ケ レバ ナ ラ
タ此 際 、事 件 ノ中 心地 デ ア ツ タ函 館 デ 労 働 者 自衛 団 ノ大 会 ヲ
織 シ、 且 ツ全 労 働 者 及 一般 市 民 ノ官 憲 ニ対 スル反 抗熱 ガ 昂 ツ
ト ス ル傾 向 ガ ア ツタ ガ、 プ ロレ タ リ ア ノ決定 的 勝 利 ノ為 ニ ハ
ヌ。
意 シ、延 イ テ労 働 者 農 民 ノ武 装 ヘノ傾 向 ヲ促 進 スベ キ事 。
進 セ シ ム ルガ如 キ戦 術 ヲ執 ル ベ キデ ア ツ タ。今 後 斯 ル点 ニ注
開 キ、 此 大 会開 催 ト交 互 干 係 ニ於 テ各 工場 ノ自衛 団組 織 ヲ促
(2) 工場 委 員 会 ハ労 働組 合 ノ如 ク資 本 家 ト ノ闘 争 ヲ出 発 点 ト シテ結 合 シタ モノデ ナ ク作 業 上 経営 上 ノ問 題 ヲ中 心 ト シテ結
ヤ直 チ ニ土 地立 入 禁 止 等 ニ依 ツ テ土 地 問題 ノ解 決 ニ当 面 ス ル
(1) 函 館 附 近 ノ農 村 ニ働 キ カ ケ テ農 民 ノ自 然 発 生的 闘 争 デ ア ル小作 料 問 題 ノ闘 争 ヲ煽 動 シ、 農 民 ガ 此闘 争 ニ進 出 ス ル ヤ否
E 労 働 者 農 民 ノ階 級 的 政 治 的 同 盟
合 シタ モノデ 、 労 働 組 合 ニ組織 シ得 ナ イ モノデ モ凡 ソ作 業 ニ 従事 スル全 員 ヲ組 織 ニ得 ル ノデ ア ル。 其 点 ヲ重 視 シ、 斯 ル 工
工場 委 員 会 ヲ獲 得 ス ル事 ニ依 ツテ 我 々ガ利 益 スル、 即 チ資本
問 題 ヲ提 出 シ テ自 主 化 ノ為 ノ闘 争 ヲ行 ハナ ケ レバ ナ ラ ヌ。 此
ニ土 地 ヲ分 配 セ ヨ﹂ ノ ス ローガ ン ニ結 ビ付 ケ 、結 局 土地 問 題
事 情 ニ鑑 ミ、 此 闘 争 ヲ常 ニ ﹁大 土 地 ノ無償 没 収 ﹂ ﹁ 働 ク農 民
場 委 員 会 ニ我 党 ノ フ ラ ク シ ヨ ンヲ形 成 シ、労 働 者 ノ現 実 利 害
主 義 社 会 ノ下 ニ於 テ ハ作 業 並 ニ経 営 ノ如 何 ナ ル微 細 ナ問 題 モ
ジ ヨア ト地 主 ノ政 権 ヲ倒 ス事 ナ ク シ テ ハ不可 能 ナ ル事 、 而 シ
ノ解 決 ハ地 主 ヲ擁 護 シ テ農 民 ノ反抗 ヲ抑 圧 シ テ居 ル処 ノブ ル
終 局 ニ於 テ階 級闘 争 ニ依 ラ ズ ンバ真 実 ノ解 決 ヲ見 ル事 ガ 出来 ヌ カ ラデ ア ル。 D 労働 者農 民 ノ武 装
ルプ ロ レタ リ ア ート ト ノ同 盟 ノ必要 ナ ル事 、其 闘 争 ノ経 験 ト
テ其 為 ニ ハブ ルジ ヨア階 級 ニ対 ス ル決 定的 ナ革 命 的 勢 力 デ ア
我 々 ノ正 シ キ指 導 ト ニ依 ツテ 理解 セ シ メ労 働 者 農 民 ノ政 治 的
(1) 支配 階 級 ト ノ決 定 的 ノ闘 争 ニ於 テ支 配 階 級 ノ強 大 ナ ル権
ラ ヌ。 此事 ハ 一朝 一夕 ニ ハ出 来 ナ イ ノデ ア ル カ ラ、 先ヅ 其為
同 盟 ヲ鞏 固 ニシ ナ ケ レバ ナ ラ ヌ事 。
力 ト組 織 ニ対抗 ス ル為 ニ ハ、労 働 者 農 民 ヲ武 装 セ シ メネ バ ナ
ニ ハ労働 者 農 民 ノ 日常 利 益 獲 得 ノ闘 争 ヲ妨 害 スル如 キ行 為 ノ
定 的 ニ重 大 デ ア ル。然 ル ニ函 館 ニ於 テ ハ従 来 此 運 動 ハ 一ツ モ
附 近 ニ大 地主 ガ蟠 拠 シテ居 ル函 館 地方 デ ハ右 ノ活 動 ハ決
行 ハレ テ居 ナイ 。 労農 党 支部 ハ幾 多 ノ闘 争 ヲ遂 行 シ テ来 テ活
(2)
労農 大 衆 ヲ煽 動 シ、 工場 農 村 ヲ基 礎 ト シ テ自衛 団 ノ組 織 ガ必
起 ツ タ場 合 斯 ル妨 害 行 為 ト労 農 大 衆 ノ現 実 利 益 ト ヲ結 ビ 付 ケ 、
要デ ア ル事 。
動 的 デ ハア ツタ ガ 、然 シ其 闘 争 ハ小 ブ ル的 闘 争 ガ 中 心 デ ア ツ
キ適 当 ナ ル ス ローガ ンヲ示 シ、闘 争 ヲ組 織 シテ行 ク事
(7 館) ノ 如函キ手 工 業 的 小 工 場 ノ多 イ処 デ ハ非 近代 的 労 働 条
件 ヲ改 善 シ テ近 代的 労 働条 件 ニ引 上 ゲ ル為 闘 争 セ シム ベ キ事 、
タ為 ニ労 働 者 ノ間 ニ於 テ ヨリ モ小 市 民 ノ間 ニ労 農 党 支 持者 ガ 多 イ 。 小市 民 ニ対 ス ル共 産 党 ノ政 策 ハ、 中 央 部 ガ 正 シク示 シ
此 事 ハ運 輸 、 漁 業 労 働 者 ノ闘争 激 発 ニ当 ツ テ特 ニ重 要 デ ア ル
函 館 テ ー ゼ ノ要 点 ハ大 体 以 上 ノ様 ナ モノ デ アリ マシタ。 詳 シ ク ハ日
タ如 クプ ロ レタ リ ア革 命 ニ於 テ彼 等 ヲ中 立 化 セ シ メ、 ブ ルジ
本 共 産 党 函 館 市 工場 細 胞 組 織 準 備 会 議 テ ー ゼ ニ全 文 ガ ア リ マス。
事
シテ 小ブ ルノ政 治 的 要 求 ニ労 働 者 ノ階 級 闘争 ヲ従属 セ シム ル
七 問 高 島温 泉 ニ於 ケ ル鈴 木 ト ノ会 合 ノ性 質 ハ何 デ ア ツ タカ 。
ヨ ア革 命 ニ於 テ労 働 者 農 民 ノ政 府 ヲ支 持 セ シ ム ル ニ ア ル。 決
事 デ ハナ イ。 此 事 ハ函 館 市 ノ如 キ全 人 口 ニ比較 シテ労 働 者 ガ
組 織準 備 ノ会 合 ト 云 フ事 ガ出 来 ルデ セウ。
被
人 三 田 村 四郎
清
予 審 判 事 小 泉 英 一
裁 判 所書 記 菅 生
東京地方裁判所
第二 十 八 回 訊 問 調 書
同 日於 右 出 張 先 作 之
右読 聞 ケ タ ル処 無 相 違 旨 申 立 署 名拇 印 シ タリ 。
告
答 新 方針 ヲ伝 ヘル事 、 鈴 木 ニ任 務 ヲ与 ヘル事 、 函 館 市 工場 細 胞
僅 カ ニ 一割 ニ足 ラ ナイ 処 デ ハ厳 ト シ テ此政 策 ヲ守 ラ ナ ケ レバ ナ ラ ヌ事 。 F 結 論 以 上 ノ任 務 ヲ遂 行 ス ル為 ニ ハ、函 館 ノ共 産 党 員 ハ今 日其 数甚 ダ 僅 少 デ ア ルカ ラ、 我 党員 ガ当 面着 手 スベ キ事 ハ次 ノ事 デ ア ル。 (1) 工場 内 革 命 的 労 働 者 ト協 力 シテ 工場 内 ニグ ル ープ ヲ組 織 ス ル事 (2) 工場 新 聞 ヲ発 行 スル事 (3) 共産 党 ノ政 策 ヲ之 ニ依 ツ テ公 表 シ、 此 工場 新聞 ノ 周 囲 ニ 革 命 的 労 働 者 ヲ結 集 シ テ 工場 細 胞 組織 ノ為 ノ活動 ヲ開 始 セ シ
右 治 安 維 持 法 違 反 被 告 事 件 ニ付 、 昭和 五年 五 月 二十 六 日豊 多 摩 刑 務
人 三 田村 四郎
所 ニ於 テ、 予 審 判 事 小泉 英 一 ハ裁 判 所 書 記 菅 生 清 立 会 ノ上 前 回 ニ引
告
(4) 中 央 部 ノ テ ー ゼ ニ基 キ各 工場 ノ客観 的情 勢 ヲ正 確 ニ分 析
続 キ右 被 告 人 ニ対 シ訊問 ス ル コト左 ノ如 シ。
被
シタ上 、 工場 テ ー ゼ ヲ作 成 ス ル事
ム ル事
(5) 工場 テ ー ゼ ヲ公 表 シ テ闘争 ヲ計 画的 ニ遂行 セ シ ム ル事
一問 高 島 温泉 デ 函館 テー ゼ ヲ決 定 シタ後 什 ウ シ タ カ。
月十 五 、 六 日頃 妻 ノ九 津 見 房 子 ニ約 三 、 四 十 部印 刷 サ セ、 函館 ノ党
答 高 島 温 泉 デ原 案 ヲ作 成 シ、 夫 レヲ札 幌 ノ私 ノ宅 ニ持 帰 リ 、 一
(6) 函 館 ノ労 働 者 ノ労働 条件 ガ 低 劣 ナ ル状 態 ニ鑑 ミ、 党 員 ハ 常 ニ党 ノ ス ローガ ンヲ之 ニ結 ビ付 ケ テ賃 銀 、 時 間 、 工場 設 備 、 雇 傭制 度 、保 険衛 生 ニ干 ス ル条 件 改 善 ノ為 ノ闘 争 ヲ激 発 スベ
組 合 ニ組 織 ス ル事 ハ港 内 労 働 者 ヲ革 命 化 スル上 ニ必 要 デ ア ル。
階 級闘 争 上 ニ占 メ ル役 割ハ重 要 デ ア ツ テ、 小 樽 ノ工 場 労働 者 ヲ 先ヅ
﹁上 カ ラノ煽 動 ﹂ ヲ開 始 スベ キ事 、 如 何 ニ少 数 ト雖 モ工 場 労 働 者 ノ
任 者 ヲ通 シ全 党 員 及 党 員 候 補 者 ノ 分 ト シテ 一括 シテ残 部 約 二十 部 ヲ
三 小樽 ノ労 農 党 ハ従 来 比 較 的 労 働 者 的 闘 争 ヲ展開 シ テ来 テ居 ル シ
働 者 ヲ組 織 スル為 ニ各 工場 ノ条 件 ヲ分 析 シ、 夫 レ ニ 適 合 セ シ メ テ
各 地ヘ 送 付 シ マシ タ。 尚高 島 温泉 デ鈴 木 ト相 談 ノ際 党 員 ト シ テ採 用
現 ニ市 会ニ一 名 ノ議 員 即 チ境 市 会 議 員 ヲ持 ツ テ居 ルガ 、最 近 此 議 員
予備 的 ニ約 十 部 位 ヲ函 館 ノ鈴 木 ノ下ヘ 送 付 シ、尚 参 考 ノ為 各 地 ノ責
スル事 ニ決 シ タ函 館 ノ労働 者 二 、三 名 ( 現在名前 ハ失念 シ マシタ) ニ付
員 鈴 木 外 、 鈴 木 ト 相 談 ノ上 物 色 シタ 二 、三名 ノ党 員 候 補 者 ノ 分 ト 尚
テ ハ 一切入 党 通 告 其 他 ノ件 ハ鈴 木 ニ 一任 シテ置 キ マシ タ。
利 益 ヲ重 視 ス ル傾 ニア ル。 之 ヲ改 メ議 員 ヲ監 視 シ、 市 会 ニ対 シ テ労
ノ行 動 ガ 小 ブ ル的 ト ナ ル傾 向 ガ ア ル ト共 ニ労 農 党 ノ闘 争 モ小 市 民 ノ
答 左 様 デ ス。
二問 其 他 ノ地 方 ノ テ ー ゼ ハ作 成 シタ カ 。
ダ実 施 サ レテ居 ナ イ自 由 労 働 者 溜 リ場 設 置 ノ如 キ問 題 ヲ捉 ヘテ大衆
働 者 ノ施 設 ヲ要 求 シ闘 争 ス ル事 、 例 ヘバ市 会 デ 可 決 シ タ ニ拘 ラズ 未
答 函 館 カ ラ帰 ツ テ直 グ 一月十 五 、六 日頃 カ ラ 二十 日 頃 迄 ノ 間 、
三問 其 事 情 ハ如 何 。
ハナ ク、当 時 小樽 合 同 ガ境 市 議 ニ此 案 ヲ提 出 セシ メ タト 共 ニ小 樽 ノ
闘争 ヲ展 開 サ セ ル事 、 元来 此 議 案 ガ可 決 サ レタ ノ ハ市 会 議 員 ノ力 デ
自由 労働 者 ヲ動 員 シテ市 会ニ押 シ掛 ケ サ セ、 市 会 ヲ威 圧 シ タ結 果 即
私 方 ニ札 幌 ノ責 任者 沼 山 、 小樽 ノ責 任者 武 内 、 室 蘭 ノ責 任 者 山 口、
地方 ノ テ ー ゼ ヲ作 リ マシ タ。
旭 川 ノ責 任 者 山 名 等 ヲ各 別 々 ニ呼 ビ 、夫 々同 人 等ト 協 議 シ タ上 各 其
ナイ ノデ ア ル。
テ ヽ只 管 一市 議 ノ力 ニ任 シキ リ ニ シテ居 ルカ ラ今 日其 実 施 ヲ見 テ居
座 ニ可 決 サ レ タ ノデ ア ル ニ、 此尊 イ 且 ツ正 シイ大 衆 行 動 ノ教 訓 ヲ捨
四 小 樽 ノ海員 組 合 ハ昭和 二年 ノ スト ラ イ キ ガ ア リ、 平 組 合 員 ハ反
答 札 幌 、 小 樽 、 室 蘭 、 旭 川 等 ノ テ ー ゼ ハ大 体 右 ノ函 館 テ ー ゼト
四問 其 各 地 方 テ ーゼ ノ 内容 ハ如 何 。
大同 小異 デ ア リ マシ タガ 其 著 シ ク違 ツ タ点 強調 シタ 点 ヲ申 上 ゲ マ ス。
ム ル事 ガ 急 務 デ ア ル。尚 同時 ニ小樽 カ ラ出 港 出 稼 ス ル数 千 ノ積 取 人
ヲ形 成 シ テ居 ナ イ 、此 海 員 ニ働 キ カ ケ テ 一定 ノ左 翼 的 分 派 ヲ作 ラ シ
幹 部 派 デ ア リ評 議 会 ニ好意 ヲ有 シテ居 ルガ 、然 シ 一定 ノ左 翼 的 分 派
五問 小 樽 テ ー ゼデ 強 調 シ タ点 ハ。 答 次 ノ通 リデ ス。
夫 ヲ組 織 スル事 。
一 一般 ニ工場 労 働 者 ヲ第 一位 ニ置 カ ネ バ ナ ラ ヌガ 小樽 デ ハ工場 ガ
現在 ノ請 負 制 ヲ撤 廃 シテ 日給 制 ト スル為 ニ闘 フ事 ガ 必要 デ ア ル事 。
少 イ カ ラ港 内 労 働 者 ヲ重 要 視 セネ バ ナ ラ ヌ。其 処 デ 此港 内 労 働 者 ノ
五 小 樽 市 ニ ハ多 数 ノ 豆 選 工場 ガ ア リ此 処 ニ ハ婦 人 労 働 者 ガ劣 悪 ナ
労 働 条 件 ノ下 ニ働 イ テ居 ル。 此 労 働 者 ヲ闘 争 ニ駆 リ出 シ組 織 スル事 。
二 工大 場 北 海 製 缶 会 社 ノ労 働 者 ガ未組 織 ノ状 態 ニ ア ルノ ハ 一大 欠 点デ ア ル。 今 日漸 ク橋 本 鉄 工所 及 二、三 ノ護謨 工場 、市 ノ 水 道 部 等
又 小 樽 附 近 一帯 ハ有名 ナ鰊 漁 場 デ此 処 ニ ハ季 節〓
ニ数 千 ノ労 働 者
ニ評 議 会 ガ組 織 ヲ持 チ始 メ タ ガ、 更 ニ爾 余 ノ工 場 及鉄 道 機 関 庫 ノ労
党 組 織 拡 大 ノ 一般 方 針 ニ従 ツテ党 ヲ拡 大 シテ行 ク事 。
各 現 場 代 表 者 委 員 会 ヲ組 織 シ、全 体 ト シテ 一個 ノ 工場 新 聞 ヲ発 行 シ、
場新 聞 ヲ発行 シテ細 胞 組 織 拡 大 ニ努 メ ル事 、 其 際 運 輸 産 業 ニ於 テ ハ
チ札 幌 合 同 労 働 組 合 ガ右 ノ 二組 合 ニ比 較 シ テ組 合員 数 ノ少 イ為 ニ之
動 ス ル事 、 我 党 員 ノ間 ニ ハ之 ニ付 テ 一ツ ノ謬論 ガ行 ハレテ 居 ル。 即
ゲ ラ レ、 無 数 ノ不 平 ト 要 求 ヲ持 ツ テ居 ルノデ ア ルカ ラ之 ヲ捉 ヘテ煽
為 働 ク事 、 之 ハ目 下 右 何 レモ ノ労 働 者 ガ 労働 条 件 ヲ頻 々ト シテ引 下
合 支 部 ヲ再 興 スル為 ニ働 ク事 、 及 札幌 市 電 従業 員 組 合 ヲ左 翼 化 スル
二 当 局 ノ弾 圧 ノ為 ニ鎮 静 シ テ居 ル鉄 道 省 苗穂 工場 ノ鉄 道 従業 員 組
七 小 樽 附 近 ニ ハ相 当 ノ農 場 ガ ア ル。 昭 和 二年 ノ運 輸 労 働 者 罷 業 ニ
等 ノ組 合 員 ガ札 幌 合 同 ノ提 議 ヲ軽 視 スル偏 見 ガ ア ツ テ困 ルト カ、 札
忘 レテ ハナ ラ ヌ。
対 スル農 民 カ ラノ兵 糧 ノ救 護 又農 場 争 議 ニ対 スル小 樽 労 働 者 ノ人的 、
ガ参 集 スル。 此 労働 者 ノ待 遇 改 善 ノ為 ニ闘 フ事 。
財 政 的 応 援 指 導 等 ノ関 係 カ ラ 、農 民 ハ小 樽 ノ労 働 者 ニ非 常 ナ好感 ヲ
六 以 上 ノ闘 争 ノ発 展組 織 ノ進 展 ト交 互 シテ小 樽 ノ党 員 ハ直 チ ニ工
持 ツ テ居 ル。 此農 民 ヲ革 命 化 ス ル為 ニ働 カ ネ バ ナ ラ ヌ事 、 以 上 ガ 小
ハ左翼 ノ 云 フ事 ニ応 ジ ナイ ト カ 云 フ テ居 ルガ 、 夫 レ ハ大 ナ ル謬 論 デ
ア ル。 斯 様 ナ単 純 ナ偏 見 ヤ過 去 ノ過 失 ノ蟠 リ ハ指 導 ノ 正確 ニ依 ツ テ
幌 合 同 組 合 ノ 一書 記 ガ犯 シ タ過 去 ノ過 失 ノ為 ニ札 幌 市 電 従業 員 組 合
六問 札 幌 テ ーゼ ノ強 調点 ハ如 何 。
樽 テ ー ゼデ 特 ニ強調 シテ置 イ タ点 デ ア リ マ ス。
ヲ持 ツ テ居 ナイ 許 リデ ナ ク僅 カ ニ百 名 足 ラズ ノ労 働 者 ヲ組 織 シ テ居
テ居 ル。 然 ル ニ札幌 ノ評 議 会 系 合 同 労 働 組 合 ハ之 等 ノ大 工場 ニ組 織
者 ヲ獲 得 ス ル事 、殊 ニ大 工場 ヲ獲 得 スル事 ガ決 定 的 ニ重 要性 ヲ持 ツ
幌 ビ ー ル工 場 、 鉄道 工 場 、市 電 等 ノ大 工場 ガ ア ル札 幌 デ ハ工場 労働
一 北 海 道第 一ノ 工場 所 在 地デ ア ル事 且 ツ帝 国 製 麻 、 日 本製 鋼 、札
七 問 旭 川 テ ーゼ ノ強調 点 ハ。
等 デ シ タ。
ヲ組 織 シ、 我 党 ノ ス ローガ ン ヲ伝 播 シ、農 民 ノ闘 争 ヲ革 命 化 スル事
ト ノ闘 争 ヲ開 始 シ テ居 リ組 合 ニ組 織 サ レ テ居 ル。此 農 民 ノ間 ニ細 胞
三 札 幌 附 近デ ハ大 農 場 ガ多 数 ニ存 在 ス ル。 此 処 ノ農 民 ハ既 ニ地 主
ヲ指 導 スル ナ ラ、 彼 等 ガ 左 翼 ヲ信 頼 シ ナイ 筈 ガ ナ イ 。
常 ニ適 切 ナ ル回 答 ヲ与 ヘ、 彼 等 ノ利 益 ト ナ ル要 求 ヲ指 示 シテ其 闘 争
一蹴 サ レル モノデ ア ル。 若 シ我 党 ガ 彼 等 ノ緊 切 ナ ル利 害 問 題 ニ付 テ
ル ニ過 ギ ナイ 。 之 ハ他 ノ処 ト同 様 ﹁上 カ ラ ノ煽 動 ﹂ ニ依 ル闘 争 ノ組
答 夫 レ ハ次 ノ 点 デ ス。
織 ト 云 フ事 ガ 行 ハレ テ居 ナ イ カ ラデ ア ル。 札 幌 ノ 工場 労 働者 ハ凡 テ
争 セ シ メ組織 ス ル事 ハ容 易 デ ア ル。 札 幌 ノ我 党 員 ハ何 ヨリ モ先 ヅ 其
働 者 ノ間 ニ不 平 ガ漲 ツテ居 ルカ ラ、 煽 動 方 法 サ ヘ正 シケ レバ 之 ヲ闘
ガ戦 闘 的 デ ナイ 。 夫 レ ハ手 工業 的 労働 条 件 即 チ請 負 制 ノ必 然 ノ結 果
ク労 働 者 デ ア ル。 従 ツテ 此 労働 者 ハ今 日労 働 組 合 ヲ組 織 シ テ ハ居 ル
一 旭 川 ニ ハ近 代 工業 ガ ナ イ 。旭 川 ノ労 働 者 ハ手 工業 的 小 工場 ニ働
答 次 ノ通 リ デ ス。
為 ニ働 カ ナケ レバ ナ ラ ヌ。 其 際 札 幌 市 及 附 近 ニ ハ綿布 工場 ガ多 数 存
デ ア ル。 旭 川 ノ党 員 ハ労 働組 合 ヲ指 導 シテ此 手 工業 的 労 働 条 件 ヲ近
﹁固 定 給附 請 負制 ﹂ ノ下 ニ働 イ テ居 ルガ、 最 近 請 負 単 価 ノ 引 下 デ 労
在 スル事 及 此 処 ニ ハ劣悪 ナ条 件 デ 働 イ テ居 ル婦 人 労働 者 ガ ア ル事 ヲ
ニ農 村ニ 我 党 ノ細 胞 ヲ確 立 ス ル事 デ ナ ケ レバ ナ ラ ナイ 。 農 民 ヲ革命
ノ労 働 者 ヲ革 命 化 シ工場 細 胞 ノ上 ニ我 党 ノ基 礎 ヲ確 立 ス ル事 、第二
結 果 デ ア ツ テ此傾 向 ハ危 険 デ ア ル。 之 ヲ克 服 スル為 ニ ハ第 一 ニ旭 川
農 民 ニ圧倒 サ レテ居 ル状 態 デ ア ル。 之 ハ労 働 者 ノ勢 力 ガ弱 イ 必然 ノ
三 旭 川 ノ労農 党 支部 ハ農 民 ノ政 治 闘 争 機 関 ノ観 ガ ア ル。 労 働 者 ガ
命 化 スル事 。
ハ更 ニ ﹁ 今 迄 支払 ツ タ金 ヲ返 セ﹂ ナ ル ス ローガ ンヲ提 示 シ農 民 ヲ革
間 ニ伝 播 シ、 自作 農 創 設 、農 場 解 放 ニ惑 ハサ レテ居 ル農 民 ニ対 シテ
農 民 ニ土 地 ヲ与 ヘ ヨ﹂ ﹁ 高 度 ノ累 進 所 得 税 ﹂ ノ ス ローガ ン ヲ農 民 ノ
ニ働 キ カケ 、農 民 ニ我党 ノ細 胞 ヲ組 織 シ ﹁ 大 土 地 無 償 没 収 ﹂ ﹁働 ク
ヤ我 党 ニ依 ツ テ解 決 シ得 ル モノ ト ナ ツ タ。 旭 川 ノ党 員 ハ之 等 ノ農 村
ブ ツ カ ツ テ居 乍 ラ従来 其 解 決 策 ガ ナ カ ツ タ カ ラデ ア ル。 然 シ此 ハ今
デ ア ル。然 シ夫 丈 現在 其 運動 ハ最 モ行 詰 ツ テ居 ル。 蓋 シ土 地 問 題 ニ
近 ノ農 民 ガ 一番 早 クカ ラ 地主 ト闘 争 シテ居 リ且 ツ今 日 モ最 モ闘 争的
二 旭 川 ハ北 海道 農 民 運動 ノ中 心 地 ト ナ ツテ居 ル。 北 海 道 中 旭 川附
此 事 ハ党 発 展 ノ決 定 的要 件 タ ル モノデ ア ル。
代 化 スル為 ニ戦 フ事 、労 働 者党 デ ア ル我 共 産 党 ノ旭 川 地 区 ニ取 ツ テ
及 非 合 法 的 リ ー フ レ ツ ト及 パ ンフ レ ツト ヲ作成 シ、兵 卒 ニ頒 布 ス ル
第二ニ 、 右 諸 事 件ニ 対 スル マル ク ス的 理論 的 説 明解 説 ヲ シタ合 法 的
読 者 ヲ兵 営 内ニ 於 テ組 織 シ、 其 内 ニ我 党 ノ細 胞 ヲ組 織 ス ル事 。
此 ニ ユー ス ヘ不 平 ヤ新 事 件 ヲ投 書 ス ル ニ至 ル。 我 々 ハ此 ニ ユー スノ
如 何ニ 憲 兵 ガ阻 止 仕 様 共 兵 卒 ハ此 ニ ユー ス ヲ競 ヒ求 メ、更 ニ進 ンデ
発 行 ス ル事 、 斯 ル ニ ユー ス コソ今 兵 卒 ガ渇 望 シテ 居 ル モノ デ ア ツテ、
キ 理論 的 説 明 デ ナ ク具 体 的 事 実 ノ報 道 ヲ満 載 シ タ定 期的 ニ ユー スヲ
国 主 義 運 動 等 々兵 卒ニ 関 係 ア ル 一切 ノ事件 ヲ、 従来 ノ宣 伝 ビ ラ ノ如
本 家 ト ノ取 引事 件 、 兵 役 短 縮 、 青 年 訓 練 所 自 主 化 、出 兵 反 対 、反 軍
暴 行 事 件 、 兵 卒 ノ反 抗 事 件 、 兵 卒 ノ不 平 、 軍 事高 官 及政 府 高 官 ト資
第 一、軍 隊 赤 化 ノ為 ノ定 期 的 特 別 ニ ユー ス ヲ発行 ス ル事 、 即 チ隊 内
党員 ガ為 スベ キ事 ハ次 ノ如 クデ ア ル。
如 キ拙 劣 ナ ル軍 隊 宣 伝 ノ方 法 ヲ根 本 的 ニ改 メネ バ ナ ラ ヌ。 ソ シ テ我
青 年 同 盟 ヲ指 導 シテ此 任 務 ヲ遂 行 スル責 任 ガ ア ル。 夫 レ ニ ハ従来 ノ
動 宣 伝 組 織 ノ事 業 ガ欠 ケ テ居 ル。 帰 国 所 在 地 デ ア ル旭 川 ノ我党 員 ハ
ヲ行 ツテ居 ルガ、 兵 卒 自 身 ヲ不 断 ニプ ロレ タ リ ア運動 ニ動 員 ス ル煽
陥 ツテ居 ル。 青 年 同 盟 旭 川 支 部 ハ入 営 及 除 隊 期ニ 反 軍国 主 義 ノ宣 伝
於 テ ハ成 功 ノ可能 性 ガ ナ イ ト同 時 ニ労 働 者 ニ取 ツ テ危 険 デ ア ル。旭
ラ ウ。 然 シ彼 等 兵 卒 ノ集 会 ハ今 日直 チ ニ夫 レ ヲ兵 営 内 ニ望 ム訳 ニ ハ
文 書 頒 布 、 秘 密 組 織 等 ノ軍 隊 内ニ 於 ケ ル諸 運動 ノ指 導 者 ト ナ ルデ ア
合 ノ組 合 員 デ ア ツ タ兵 卒ニ 全 部 仕事 ガ 与 ヘラ レ、爾 後 彼 等 ハ集 会 、
事 、斯 ク シテ従 来 ノ煽 動 ト宣 伝 ノ混 乱 ヲ 一掃 ス ル事 。
川 ニ於 テ ハ此事 ヲ特 ニ留 意 シナ ケ レバ ナ ラ ヌ。
行 カ ナイ 故ニ 、 我 党 員 ハ日曜 外 出 ヲ利 用 シ、彼 等 ガ外 部 デ 集 会 ス ル
第 三ニ 、 以 上 ノ如 ク スル事 ニ依 ツ テ初 メ テ入営 前 労 働 組 合 、農 民 組
四 旭 川 ハ軍 隊 ノ所 在 地デ ア ル ガ、 従 来 兵 卒 ヲ革 命 化 スル何 等 ノ活
ト 云 フ事 デ ア ル。 此 労働 者 ノ指 導 権 ノ確 立 ナ キ農 民 革 命 ハ、今 日 ニ
動 ガ ナイ 。 従 ツテ 入営 前 労 働 運 動 、 農 民 運 動 ニ従 事 シ タ労 働 者農 民
為 ノ会 場 ヲ作 ツ テ ヤ ル事 ヲ忘 レ テ ハナ ラナ イ 。
化 スル際 ニ深 ク注 意 ヲ要 ス ル事 ハ農 民 ニ対 スル労 働 者 ノ ヘゲ モ ニ ー
ガ 一度 軍隊 ニ這 入 ルト、 プ ロ レタ リ ア運 動 カ ラ絶 縁 シ タ如 キ状 態 ニ
以 上 ノ如 クデ シ タ。
海 通 信 ﹂ ト 云 フ題 デ シタ ガ第 六号 カ ラ ﹁北 海 労 働 者 ﹂ト 改 称 シ マシ
行 シ テ予 定 ノ如 ク活 動 ヲ始 メタ ノデ ア リ マ ス。 此 機 関 紙 ハ最 初 ﹁北
一 室 蘭 ノ 我党 員 ノ第 一ノ任 務 ハ、 今 日 何 等 ノ組 織 ヲ持 ツテ居 ナ イ
ガ始 マツ タ ノデ アリ マス。然 シ夫 レ ニ移 ル前 ニ私 ハ早 速 問 題 ト ナ ル
行 スル直 前 ニ議 会 ガ解 散 サ レ総 選 挙 ガ行 ハレ ル事 ニナ リ、 選 挙 運 動
ノ時 ニ ハ約 三 百 部位 ニ達 シ テ居 リ マシタ。 丁度 此 機 関 紙 第 一号 ヲ発
タ。 最 初 ノ発 行 部数 ハ百部 位 デ シタ ガ、 漸 次 増 加 シテ 三 ・ 一五事 件
八問 室 蘭 テ ー ゼ ノ強 調 点 ハ。
室 蘭 製 鋼 及苫 小牧 ノ王 子製 紙 工場 ノ労 働 者 ヲ闘 争 ニ駆 リ出 シ組 合 ニ
党 員 拡 張 及 党 機 関 紙 配 布 網 組 織 ノ 一般 方 針 ヲ述 ベ テ置 キ マ ス。
答 次 ノ 通 リデ ス。
事 デ ア ル。 室蘭 ノ労 働 者 ハ室 蘭 製 鋼 、 王 子 製 紙 ノ強 大 ナ ル姿 ノ前 ニ
組 織 ス ル事 デ ア ル。第 二 ニ港 内 労 働 者 及 機 関 庫 ノ労 働 者 ヲ組 織 ス ル
イ ト シ タ ラ、 革 命 ノ遂 行 等 モ思 ヒ モ寄 ラ ヌ事 ト ナ ル。 今 日 迄 此 等 ノ
ナ誤 リデ ア ル。 我 々ガ 之 等 ノ大 工場 ノ労 働 者 ヲ組 織 スル事 ガ出来 ナ
セ シメ 、其 演 説 会 デ 例 ノ ﹁上 カ ラ ノ煽 動 ﹂ ヲ ヤ ラ セ、 又 ビ ラ ヲ 以 テ
一 党 ハ先ヅ 労 働 組 合 ヲ シ テ 工場 所 在 地 デ 組 合 宣 伝 ノ演 説 会 ヲ開 催
産 党 ノ細 胞 ヲ組 織 ス ルカ ニ付 テ ハ、
ク 、全 然 手 懸 リ ノ ナイ 大 工場 ノ労 働 者 ヲ如 何 ニ シ テ獲 得 シ其 処 ニ共
答 未 ダ曾 テ争 議 モ起 ツ タ事 ナ ク、 又 従 ツ テ労 働組 合 ノ組 織 モナ
一〇問 党 員 拡 張 及 党 機 関紙 配 布 網 組 織 ノ 一般方 針 ハ如 何 。
労 働 者 ガ組 織 サ レテ居 ナイ ノ ハ要 ス ル ニ ﹁ 上 カ ラ ノ煽 動 ﹂ ガ ナイ カ
﹁上 カ ラノ煽 動 ﹂ ヲヤ ラ セル。
バ諦 メ ノ態 度 ヲ執 リ、 其 活動 ヲ小 工場 ニノ ミ向 ケ テ居 ル ノ ハ根 本 的
威 圧 サ レ テ、 之等 ノ労 働 者 ノ組 織 ハ到 底 歯 ガ立 タ ナイ モ ノト シ テ半
ラデ ア ツ テ、 若 シ宣伝 煽 動 ノ方 法 サ ヘ正 シク展 開 スル ナ ラ、 此 等 ノ
シ ヨ ン責 任者 ガ此 宣 伝 隊 ノ結 果 ヲ蒐 集 スル。
労 働 者 ヲ闘 争 セ シメ組 織 ス ル事 ハ容 易 デ ア ル。何 ト ナ レバ之 等 ノ労
三 斯 様 ニ シ テ ﹁ 上 カ ラ ノ煽 動 ﹂ ヲ ヤ ル ト必 ズ 其 工場 ノ 内 カ ラ 二、
フ ラ ク シ ヨ ン ヲ設 ケ ナ カ ツタ時 ハ、 宣 伝 隊 ヲ通 シ テ労 働組 合 フ ラク
二 室蘭 ノ 我党 員 ハ従 来 ノ誤 謬 ヲ改 メ、宣 伝 煽 動 ヲ正 シク展 開 シ、
三人 乃 至 十 四 、五名 ノ労 働 者 ガ立 上 ツ テ来 テ此 宣 伝 隊 ニ縁 ヲ繋 グ、
二 此 労働 組 合 ノ宣 伝 隊 ノ中 ニ党 員 ヲ必 ズ 一人 入 レ テ置 ク。若 シ此
労 働 者 ヲ組 合 ニ組 織 ス ルト共 ニ此 活 動 ト交 互 干 係 ニ於 テ 我 党 ノ細 胞
夫 レ ハ何 処 ノ田 舎 ノ工場 デ モ都 会 ノ 工場 デ モ、 スト ライ キ ノ結 果放
働 者 ハ最 近頻 々 ト シ テ待 遇 ヲ引 下 ゲ ラ レ、 工場 ノ内 ニ ハ労 働 者 ノ不
ヲ夫 等 ノ工 場 ニ組 織 シナ ケ レバ ナ ラ ヌ。
平 ガ 充満 シテ居 ルカ ラデ ア ル。
等 ノ点 デ シ タ。
当 嵌 ル ﹁上 カ ラ ノ煽 動 ﹂ ヲ ヤ ル。 ソウ ス ルト 工場 ノ中 ハ蜂 ノ巣 ヲ突
ノ事 ガ 一層 ハツ キ リ手 ニ取 ル様 ニ判 ルカ ラ 、夫 レヲ材 料 ト シ夫 レ ニ
四 此 二人 デ モ三 人デ モ工場 内 ノ モノト 連 絡 ガ付 クト 今 度 ハ工場 内
逐 サ レタ労 働 者 ガ潜 リ 込 ンデ居 ルカ ラデ ア ル。
ゼ中 デ 強 調 シ タ点 デ ア リ マスガ 、之 デ 大 体 各 地 ノ活 動 基 準 ガ定 マツ
答 以 上 述 ベ タ点 ガ 夫 々其 地 方 ノ条 件 ニ異 ル ニ応 ジ テ特 別 ニテ ー
九 問 各 地 ニ於 ケ ル テ ーゼ ガ定 ツ テ カ ラ後 ノ活 動 ハ如何 。
タ ノデ ア リ マ スカ ラ、直 チ ニ私 ハ日本 共 産 党 北 海 道 地 方機 関紙 ヲ発
イ タ様 ニナ ル。
十 一 右 ノ機 関紙 読 者 ノ拡 大 ハ決 シ テ個 人 デ 勝 手 ニ ヤ ラ セナ イ。 必
用 ノ際 ハ党 ノ綱 領 ヲ承 認 シ党 員 ト シ テ行動 ス ルカ什 ウ カ ト 云 フ事 ガ
ズ グ ル ープ会 議 又 ハ工場 細 胞 会 議 ニ懸 ケ テ、 誰某 ヲ読者 ト ス ルカ什
更 ニ条 件 ト サ レ ル。
五 其 処 デ 最初 ニ立上 ツタ労 働 者 ヲ以 テ労 働 組 合組 織 準備 会 ヲ組 織
ソ シ テ之 ナ ラ機 関 紙 ヲ ヤ ツ テ モ大 丈 夫 ダ ト思 ハレ ル最 モ勇 敢 ナ者 ガ
十二 故 ニ読 者 モ党 員 モ其 採 用 ハグ ル ープ 及 工場 細 胞 ガ全 責 任 ヲ負
ウ カ、 又 如何 ナ ル手 続 ヲ執 ツテ機 関 紙 ヲ渡 スカ 等 一切 会議 ノ決 定ニ
三 人 ア ルト ス レバ、 フ ラ ク シ ヨ ン ハ此事 ヲ直 チ ニ共 産 党 ノ当 該 地 区
フ事 、 而 シテ其 採 用 ニ付 テ全 員 ノ 一致 ヲ条 件 ト シ、少 数 ノ反 対 ノ為
セ シ メ、 爾 後労 働 組 合 組 織 ト スト ライ キ ノ決 行 ヲ目標 ト シテ運 動 ヲ
委 員 長ニ 報 告 ス ル。
ニ或 有 能 ナ ル者 ヲ党 員 ト ス ル事 ガ出 来 ズ 、然 モ其 少 数 ノ反 対 意 見 ガ
従 ツ テ行 フ事 、 又読 者 ノ選 定 ノ基 準 ハ理 窟 屋 デ ナ ク行動 本 位 ト ス ル
七 共 産 党 地区 責 任 者 ハ此 三 人ニ 共産 党 機 関 紙 ヲ売 付 ケ ル。
不当 ト認 メ タ場 合 ニ ハ上 級機 関 ノ裁 断 ヲ 求 メ ル事 、之 ヲ要 スルニ 共
進 メ サ セ ル。
八 ソ シテ此 三人 ノ其後 ノ行 動 ヲ監視 ス ル。 共 産 党 ノ機 関 紙 ヲ受 取
産 党 ノ独 立 活 動 、 合 法 運 動 ト非 合法 運動 ト ノ結 合 、 フ ラ ク シ ヨ ン活
六 共産 党 ハ、右 ノ宣 伝 隊 内ニ 入 レ テ ア ツ タ党 員 即 チ フラ ク シ ョ ン
ツテ見 ル ト色 々 ナ政 治 上 ノ事 ガ書 イ テ ア ル ガ、 又 自 分 ノ工 場 ノ事 ガ
ル者 ヲ選 ブ事 、 之 ハ党 員 採 用 ノ際 モ同 様 デ ア ル。 但 シ党 員 ト シテ採
掲 載 サ レテ居 リ自 分 等 ノ今 後 ノ方 針 ガ教 示 サ レテ ア ル ノデ 、 此 者 等
レ、 党 ノ各 種 テ ーゼ ガ アリ 、 又機 関 紙 、檄 等 ニ依 ツ テ常 ニ 一切 ノ問
動 、 経 済 闘 争 ト 政 治 闘争 ノ結 合 等 々ガ最 初 カ ラ極 メ テ自 然 ニ遂 行 サ
事 、 理窟 ガ少 々判 ラ ナ ク ト モ信 念 的 行 動 的 ナ者 デ ア ツ テ秘 密 ヲ守 レ
ハ 一層 勇 敢 ニ飛 躍 ス ル。然 シ中 ニ ハ機 関 紙 ヲ受 取 ツ テ カ ラ元 気 ガ下
ヲ シ テ此全 運動 ノ進 行 中 工場 労 働 者 中 ノ骨 ノ ア ル者 ヲ物 色 サ セ ル。
火 ニナ ル者 モ居 ル。 之 ハ爾 後 機 関 紙 ノ送 付 ヲ停 止 ス ル。 九 右 ノ飛 躍 シテ来 タ労 働 者 ヲ シ テ即 座 ニ読 者 グ ル ープ ヲ組 織 サ セ
ル カ ラ、 一般 党員 ハ只其 持 場〓
題 ニ対 スル政 治的 解 決 ガ 与 ヘラ レ、 且 ツ党 ノ主 張 要 求 ガ示 サ レ テ居
チ労 働 組 合 ヨリ先ニ 共産 党 ノ工場 細 胞 ガ出 来 、 該 細 胞 ノ当 面 ノ任 務
動 ト容 易 ニ結 ビ付 ク。 ソ シ テ労 働 組 合 ガ発 会 式 ヲ挙 ゲ ナイ 以 前ニ 即
ナ イ 、極 メ テ秘 密ニ 事 ヲ運 バ ネ バ ナ ラ ヌ。此 事 情 ガ共 産 党 ノ秘 密 活
ノ解 雇 ヲ防 グ為 ニ ハ、 イ ザ 名 乗 リ ヲ挙 ゲ ル段 迄 ハ決 シテ公 然 ニヤ レ
十 此全 運 動 ハ大 工場 ニ於 テ ハ、 労 働組 合 ノ組 織 運 動 ト雖 モ労 働 者
ル。 ソ シ テ此 グ ルー プ ノ中 カ ラ党 員 ヲ採 用 シ細 胞 ヲ組 織 ス ル。
拡 大 シテ行 ツ タ ノデ ア リ マ ス。
当 時 此事 ハ指 令 ト シ テ又 ハ機 関 紙 上 デ全 党員ニ 徹 底 セ シ メ、党 員 ヲ
以 上 ガ北 海 道 ニ於 ケ ル党 拡 大ニ 付 テ執 ツ タ 一般方 針 デ ア リ マ シテ、
産 党 ハ諸 運動 ノ発 展 ト交 互 シ テ拡 大 発 展 スル。
合 法 的 ナ組 織 ヲ工場 ヤ農 村 ヲ基 礎 ト シ テ組 織 シ テ行 ク事 ガ出 来 、共
必 要 ニ応 ジ 又自 ラノ力 ニ応 ジ テ、 自 己 ノ周 囲ニ 色 々 ナ合 法的 又 ハ半
揮 シ、 大衆 ノ 先頭 ニ起 ツテ夫 レヲ実 行 ニ移 セ バ良 イ 事 ニ ナ ル。 且 ツ
ニ於 テ自 己 ノ発 意 性 ヲ最 大 限 ニ発
ル。 爾 後 此 グ ルー プ ノ責 任 者 ト地 区 責 任 者 ト ノ連絡 指 導 ガ開 始 サ レ
ハ労 働 組 合 ヲ組 織 シ経済 闘争 ヲ指 導 ス ルト 云 フ事 ニナ ル。
一 一問 北海 道 地 方機 関 紙 ノ編 輯 者 及 原 稿 ノ筆 者 ハ誰 々デ ア ツタ カ。
山 口、 私 ノ五 名 デ シ タ。函 館 ノ鈴木 ハテ ーゼ ニ基 キ活 動 シタ処 、 忽
選 挙 対 策 ヲ協 議 シ マシ タ。 此 会議 ニ集 ツタ者 ハ武 内 、 山 名 、 沼 山 、
人 三 田村 四郎
四 候 補 者 選 定 ノ基準ニ 付 テ ノ決 議
三 農 民ニ 対 ス ル特 別 ノ檄発 行 ノ件
ニ 対 ス ル各 別 ノ檄発 行 ノ件
二 各種 産 業 別 労 働者ニ 対 ス ル檄 、青 年 、婦 人、 兵 卒 、 小 市 民
一 総 選 挙 ニ対 ス ル共産 党 ノ態 度 ニ付 テ ノ声 明 書 発 表 ノ件
答 此 会 議 デ 決 定 シ タ事 ハ
二問 其 会 議 ノ模様 ハ如何 。
ケ タ為 ニ、 其 方ニ 忙 殺 サ レ テ居 テ此 会 議 ニ出 席 出 来 マ セ ヌデ シタ。
チ函 館 船 渠 、 浅 野 セ メ ント港 内 労働 者 ガ動 揺 シ スト ラ イ キ ガ起 リ掛
答 編輯 ハ私 一人デ ヤ ツタ モノデ ア リ、 原 稿 ハ重 要論 文 ハ私 ガ書
告
キ マシ タガ 、各 地 カ ラ ノ報 告 及 投 書 等 モア リ マス。 被
一
清
東京地方裁判所
右 読聞 ケ タ ル処 無 相 違 旨 申 立 署 名拇 印 シ タリ 。 同 日於 右出 張 先 作 之
予 審 判 事 小 泉 英
裁 判 所 書記 菅 生
人 三 田村 四郎
五 各 選 挙 区 ニ於 ケ ル主 タ ル働 キ カ ケ ノ場 所 ノ決 定
告
右 治 安維 持 法 違 反 被 告 事 件ニ 付 、 昭和 五 年 六 月 四 日豊 多 摩 刑 務 所ニ
六 大衆 行 動 ノ組 織 ト 経 済闘 争 ノ激 発
被
於 テ、 予審 判 事 小 泉 英 一ル裁 判 所 書 記菅 生清 立 会 ノ上 前 回ニ 引続 キ
七 総 選 挙 戦 中 ノ党 員 ノ任務ニ 関 ス ル決 議
第二 十 九 回 訊 問 調 書
右 被 告 人ニ 対 シ訊 問 スル コト 左 ノ如 シ。
八 選 挙 期 間 中 地 方機 関 紙 ヲ頻繁ニ 発 行 ス ル事 等 デ ア リ マシ タ。
一問 各 地 テ ー ゼ ガ出 来 上 リ、 機 関 紙 発 行 ヲ始 メ テカ ラ後 ノ活 動 ハ 如何 。
ノ総 選 挙 対 策 委 員 会 モ開 カ レ ル事 ニ ナ リ マシ タノデ 、各 地労 農 党 代
ヲ招 集 シ マ シタ。 一方 夫 レト 同 時ニ 一月 下 旬 頃 労農 党 北海 道 聯 合 会
ニ 付 シ、 各 約 百 部 ヲ作成 シ、 一 ハ北海 道 各 地 ヘ、 三 ハ同 農 民 ノ ミ ヘ
シ、 一ハ私 ガ、 三 ハ山 名 ガ 夫 々起 案 シタ モノ ヲ即 時 私 ノ自 宅 デ 印 刷
通 ノ檄 文 ヲ作 成 ス ル事 ト シ、 右会 議 ノ当 日 夫 々其檄 文 ノ要 綱 ヲ協 議
ニ付 テ ハ ﹁国 会 議 員 総 選 挙ニ 当 ツ テ全 道 農 民諸 君 ニ檄 ス﹂ ト題 シ二
ニ付 テ ハ ﹁総 選 挙 ニ対 ス ル日 本 共産 党 ノ態 度ニ 付 テ ﹂ ト題 シ、 又 三
表 者 ガ札 幌 ニ参 集 シ マシ タ。 武 内 、 山 名 、山 口等 モ夫 々労 農 党 ノ支
何 レ モ党 員 ノ手 ヲ通 シ テ労 働 者農 民ニ 配 付 シ マシタ。
右 ノ内 一及 三 ガ 共ニ 日 本 共産 党 北海 道各 地代 表 者 会 議 ノ名 義 デ 、 一
部 代 表 者 ノ任 務 ヲ モ兼 ネ テ札 幌ニ 来 マシタ 。 共産 党 ハ此労 農 党 ノ選
右 一ノ内 容 ノ要 点 ヲ申 上 ゲ マスト 、先 ヅ 現 下 ノ政 局 ハ旧選 挙 法 ニ依
答 愈 々活 動 ニ移 ラ ウ ト ス ル時 議会 ガ解 散 サ レ、総 選 挙 ガ行 ハ レ
挙 対 策 委 員 会 ニ先 チ札 幌 市 北 七 条 西 十 一丁 目 小 川勝 己事 田 口右 源 太
ル事 ニナ リ マシ タ。 其 処 デ 其 対策 ノ為ニ 直 チ ニ共産 党 ノ各 地代 表 者
方 デ 日本 共 産 党 北 海 道 各 地 代 表 者 会議 ヲ開催 シ、共 産 党 ト シテ此 総
ク ﹁ ブ ルジ ヨア ジ ー﹂ ノ民衆 抑 圧欺瞞 ノ機 関 ト ナ ツテ居 ル ト 云 フ事
ナ ル モノ ハ最 早 資 本 主 義 発 展 期ニ 発 揮 シタ如 キ進 歩 性 ノ モノデ ハナ
我 日本 共 産 党 ガ此 選 挙 戦ニ 参 加 ス ルト 云 フ事 ヲ宣 言 シ、 次 ニ此 議 会
ル議 会 ガ解 散 サ レ、 新 選 挙 法 ニ依 ル衆 議院 議 員 選 挙 デ ア ルト冒 頭 シ、
リ ア ノ前 衛 ト シテ労 働 階 級 ノ利 益 ヲ徹 底 的ニ 主 張 シ、 ブ ルジ ヨア諸
ル事 ヲ立 証 シ、次ニ 日本 共 産 党 ハ什 ウ カト 云 フ ニ、 我 党 ハプ ロ レタ
スル ニ労農 小市 民 ノ利 益 ヲ蹂躙 シテ資 本 家 ト地 主 ノ利 益 ヲ図 ツ テ居
ハ地 租 、 移譲 税 制 整 理等 ト称 シ テ地 主 ヲ救 済 シ ヨウト シ テ居 ル。要
下ニ 闘 争 ス ルト 云 ヒ、 共 産 党 ノ十 三 ノ ス ローガ ン及二 ツノ中 心 ス ロ
ヲ具 体 的 事 例 ヲ挙 ゲ テ説 明 シ、 尚今 日 ノ社 会 ハ階 級 対 立 ノ社 会 デ ア
ーガ ンヲ掲 ゲ、 而 シ テ此 闘 争 ノ為ニ 又 共産 党 ハ労 働 者 ノ 凡 ユ ル初 歩
ハ解 放 サ レナ イ事 ヲ主 張 シ、 其 為 次 ノ如 キ行動 綱 領 ト ス ロー ガ ンノ
ア ル事 、 ﹁ プ ロレ タリ アー ト ﹂ ガ自 己 ノ権 力 ヲ確 立 スル為 ニ ハ在 来
的 部 分 的 利 益 ヲ支 持 シ、 其 先 頭 ニ立 ツ テ闘 ヒ、 且 ツ農 民 ノ端 緒 的 ナ
党 ト断 乎 ト シ テ闘 ヒ、 プ ロ レタ リ ア ハブ ル ジ ヨア ヲ倒 ス事 ナ ク シテ
ノ国 家機 関 ヲ其 儘 継承 ス ル事 ハ出 来 ヌカ ラ、 プ ロ レタ リ ア ート ハブ
小作 料 ノ闘 争 ヲ支 持 シ、 大 地 主 ノ土 地 ヲ没 収 シ、働 ク農 民 ニ土 地 ヲ
リ、 階 級 ト 階 級 ト ノ闘争 ハ政 治 闘争 デ アリ、 要 ス ル ニ権 力 ノ争 奪 デ
ル ジ ヨア議 会 ヲ転 覆 シ、 ソヴ エツト ヲ造 ラ ネ バ ナ ラ ヌ事 ヲ詳 説 シ、
分 配 ス ル為ニ 戦 フ モノデ ア ル事 、 ソ シ テ其 為 ニブ ルト地 主 ノ政 府 ヲ
倒 シ、 労 農 政 府 ノ樹 立 ヲ主 張 ス ル。 又中 間 階 級ニ 対 シテ ハ共 産 党 ハ
テ、 議 会 ヲ転 覆 シ テプ ロ レタ リ ア ノ独 裁 ヲ樹 立 スル事 ハ理論 的ニ 解
彼 等 ノ大 資 本 ノ独 裁ニ 対 ス ル反抗 ヲ利 用 ハス ルガ決 シ テ彼 等 ノ要 求
然 ラ バ何 故 今 日 ノ斯 ル議 会 ノ選 挙 戦ニ 吾 人 ガ参 加 スル カ ノ理 由 ト シ
ロレ タリ ア大衆 ガ今 日 ノ議 会 デ ハ何 物 ヲ モ期 待 シ得 ナイ事 ヲ経 験 シ
決 サ レ タ丈 デ ハイ ケ ナ イ ノデ 夫 レヲ実 行 セネ バ ナ ラ ヌ。 夫 レ ニ ハプ
ノ軽 減 ト 云 フ事 デ ア ルカ ラ ダ ト指 摘 シ、 ダ カ ラ ﹁小 市 民 ハ租税 ノ軽
ハ支 持 シ ナイ ト 云 フ事 ヲ言 明 シ、其 理由 ト シテ、 中 間 階 級 ハ資 本制
減 ヲ要 求 ス ル ナ ラ共産 党 ノ強 度 ノ累 進 課 税 ノ 政 策 ヲ 支 持 セ ヨ﹂ 又
社 会 デ ハ結 局 プ ロレ タ リ ア ニ没落 ス ル モノデ ア ツ テ何 人 モ此 没 落 ヲ
ル大衆 ヲ啓 発 シ、ブ ルジ ヨア議 会 ニ ハ何 等 期 待 スベ キ モノ ナ キ事 ヲ
﹁ブ ルジ ヨア ノ専制ニ 反 対 ス ルナ ラプ ロ レタ リ ア及 農 民 ト 共 ニ闘 ヘ、
ナ ケ レバ ナ ラ ヌ。茲 ニ コソ共 産 党 ガ今 日 ノ選 挙 戦 ニ参 加 ス ル理由 ガ
経 験 ヲ通 シ テ知 ラ シメ、 ブ ル ジ ヨア議 会 ヲ内 部 カ ラ破 壊 ス ル為ニ 代
ア ル事 ヲ説 明 シ、 夫故ニ 共産 党 ハ議 会 闘 争 ヲ議 会 外 ノ大衆 闘 争 ニ従
表 ヲ送 ルノデ ア ルト 云 フ事 ヲ説 明 シ、 又 北海 道 ノ労 農 小市 民 ノ生 活
労 農 政 府 ノ樹 立 ヲ支 持 セ ヨ﹂ ト訴 ヘ、 次ニ 社 民 、 日 労 、 労農 等 所 謂
〓ク ガ、 其 要 求 ハ資 本 制 社 会 上ニ 於 テ ヨリ良 ク生 活 又 ハ生 活 ノ負 担
状 態 ヲ詳 細 ニ事 実 ヲ挙 ゲ テ述 ベ、 之 等 ノ労農 小 市 民ニ 対 シ政 友 、 民
大 衆 党ニ 付 テ ハ夫等 ノ本 質 ガ労 農 政 治 同 盟 デ 、 従 来 共産 党 が 公然 大
喰 ヒ止 メ ル事 ハ出来 ヌト 云 フ事 、 ソ シテ彼 等 ハ此 没 落 ノ苦 シ サ カ ラ
政 其 他ブ ルジ ヨア政 党 ガ何 ヲ シ タ カト 云 ヘバ 、相 協 力 シテ民 衆 カ ラ
リ、 又 日和 見 主 義 者 ガ此 大 衆 党 ノ本 質 ガ 不 明 瞭 ニナ ツ テ居 ルノ ヲ利
衆 ノ前ニ 姿 ヲ現 ハサ ナ カ ツタ為 、 之 等 ノ同 盟 ガ 政 党 的観 ヲ呈 シテ居
シ メ テ闘 争 ス ル事 ニ依 ツテ今 尚 ブ ル ジ ヨア議 会ニ 多 少 望 ヲ掛 ケ テ居
十 億 ノ金 ヲ搾 取 シ、 失 業 者 ノ洪 水 、 無 産 階級 抑 圧法 令 ノ制 定 、普 選
属 セ シ メ テ闘 ヒ、ブ ルジ ヨア階 級 ノ政 策 ト 共 産 党 ノ政策 ト ヲ対立 セ
実 施 ノ妨 害 、地 方 自 治 体 ノ破 壊 、 帝 国主 義 戦 争 ノ準 備 等 々、 若 シ ク
同 盟 ニ ス ル為 ニ闘 フ事 、 及 今 日斯 様 ナ事情 カ ラ、 之 等各 党 カ ラ色 々
ツ テ全部 ノ合同 ヲ主 張 シ、労 働 者 農 民 ノ政 府 樹 立 ノ為 ノ真 ノ政 治 的
用シ テ党 ヲ彼 等 ノ手 中 ニ握 ラ ウ ト シ テ居 ル ガ、 共産 党 ハ其 本 質ニ 従
シタ モノデ ア リ マシ タ。 此檄 文 ガ農 民 ニ配 布 サ レ マ スル ヤ、 農 民 ハ
為 作 ツ タ モノデ ア リ マシ テ、 之 ハ前 ニ申 上 ゲ タ 通 リ、 農 民 丈 ニ配 布
働 者 農 民 ノ政 府 樹 立 ﹂ ノ 三 ツノ ス ロー ガ ン ニ付 テ農 民ニ 理 解 サ セ ル
結 成 ヲ 一歩 前 進 セシ メ、 第二 ニ農 民 ノ地主ニ 対 ス ル反抗 ヲ激 成 シ、
ニ於 テ闘 フ モノデ ア ツ テ、 第 一ニプ ロレ タリ アノ階 級闘 争 ト階 級 的
闘 フ旨 ヲ宣 言 シ、最 後 ニ結 論 ト シ テ、 共 産 党 ハ以 上 ノ如 ク 此選 挙 戦
此檄 ノ内 容 ヲ簡 単 ニ申 述 ベ マスト 、 第 一ニ北海 道 ノ農 民 ガ初 メ テ北
別 ノ檄 ヲ出 シ タ事 ハ共 産 党 ト シ テ大 ナ ル成 功 デ ア ツ タ ノデ ア リ マス。
動 ヲ ヤ ツ タ リ ス ル様 ニナ ツタ ノデ アリ マスカ ラ、此 農 民 ニ対 スル特
後ニ 述 ベ マス様ニ 総 選 挙中 農 民自 身 ガ演 壇 カ ラ之 ヲ高 唱 シ、 示 威 運
我 党 ノ右 ノ三 ツ ノ ス ロー ガ ンガ 北海 道 ノ農 民 ノ間ニ 急 速ニ 伝 播 シ、
ノ檄 ヲ数 人 ガ 取 リ巻 イ テ 徹宵 議 論 シタ ト 云 フ話 デ ス。 此檄 ノ御 陰 デ
其 闘 争 ヲ革 命 化 シ、労 働 者 農 民 ノ政 治 的 同 盟 ヲ鞏 固 ニ シ、第 三 ニ此
海 道 ニ ヤ ツ テ来 テ 、所 謂 北海 道狐 ト 呼ブ 農 場 主 ノ手 先 ノ為ニ ﹁拓 キ
熱 狂 シ テ之 ヲ競 ヒ求 メ、 其 部 数 ガ 少 カ ツタ ノデ 、到 ル処 農 民 ハ 一枚
闘争ニ 依 ツテ大 衆 党 ノ統 一ヲ 一歩 前 進 セ シ メ、第 四ニ 小市 民 ノ 不満
分 ケ﹂ (開 墾 シ テ呉 レ ヽバ 土 地 ヲ半 分 分 ケ ニ仕 様 、夫 レ迄 ハ食 料 ヲ
ナ候 補 者 ガ出 馬 シテ居 ルガ、 其 プ ロレ タリ ア ノ利 益ニ 反 ス ル言 行 ヲ
反 抗 ヲ利 用 シ テ彼 等 ヲ シ テ労 農 ヲ支 持 セ シ ム ル事 、第 五 ニ斯 ク テ半
貸 シ テ遣 ラウ ) ト称 ス ル甘言 ニ欺 カ レタ経 緯 ヲ書 キ、 次ニ 農 民 ガ此
採 ル モノ ニ対 シテ ハ、 ブ ル ジ ヨアジ ーニ 対 ス ルト同 様ニ 断 乎 ト シテ
資 本 家 地主 一切 ノ勢 力 ヲ結 合 シ テ資 本 家 ト 地 主 ト ノ政権 ニ向 ツテ総
甘 言ニ 乗 ツ テ開 墾 シ タ結 果 約 八十 万 町歩 ノ耕 地 ガ出 来 タ ガ、 サ テ其
攻 撃 ヲ ス ル事 デ ア ルト 結 ンデ ア リ マス。 ﹁ 総 選挙ニ 対 ス ル日本 共 産 党 ノ態 度 ﹂ ト 云 フ檄文 ノ要 旨 ハ右 申 上 ゲ
耕 地 ノ約 七 十 万 町歩 ハタ ツ タ 一千 人 ノ地 主 ニ独 占 サ レテ、農 民 ハ 一
千 町 歩 余 デ ア ツテ 、然 モ自 作 農 ガ年 々約 一千 町 歩 、 小 作 人 ガ 年 々二
塊 ノ土 地 モ得 ル事 ガ出 来 ナ カ ツタ。 ソ シテ北 海 道 ノ土 地 所 有 状 態 ハ
千 人 程 消 エテ行 キ 、 田畑 ガ年 々約 五千 町 歩 荒 廃 シ テ行 キ ツ ヽア ル事 、
タ様 ナ事 デ シ タ。 尚 此檄 文 デ 注 意 シ テ貰 ヒ タイ事 ハ、所 謂 大 衆 党 ノ
化 スル モノデ ア ル事 、 殊 ニ農 民 ノ行 動 綱 領 ハ形勢 ト 共ニ 変 化 シ、 発
其 原 因 ガ 重税 、 肥料 代 、 土 工組 合 費 、高 利 ナ借 金 等 ノ為 デ 、 今 北海
本 質 ヲ社 会 民主 々義 ノ党 ト見 テ居 ナイ 点 ト 、後 ニ第二 回全 国 組 織 会
展 ト共ニ 革 命 化 スル モノデ ア ル ト 云 フ点 、 此 点 ハ従来 多 ク ノ共 産 党
道 ノ百姓 ハ平 均一 戸 当 リ 七 百余 円 ノ借 金 ヲ シ テ居 ル事 ヲ暴 露 シ、第
公 有 地 約 十 六 万 町歩 、 五十 町 以上 ノ 地主 ノ新 所 有 地 約 八 十 万 町 歩 、
ノ文 書 中 北 海 道 ノ此檄 文 ノ大 衆 党 ノ性 質 ノ説 明 ノ 処 ニ於 テ初 メ テ指
三ニ 農 民 ノ 小 作 料 ノ減 額 要 求ニ 対 シテブ ルジ ヨア ガ地 主 ヲ助 ケ テ争
五 十 町 以 下 ノ地主 所 有 地約 四十 万 町歩 、 自 作 農 所 有 地 タ ツ タ五 万二
示 サ レテ居 ルノデ ア リ マス。
議 ヲ弾 圧 シ タ リ、 土 地 立 入禁 止 ヤ立 毛 差 押 等 デ 農 民 ヲ困 シ メ テ居 ル
見 テ居 ル点 即 チ斯 ル同 盟 ハ客 観 的 情 勢 ノ変 化 ト 共ニ 其 行 動 綱 領 ガ変
二ノ ﹁国 会 議 員 総 選 挙ニ 当 ツ テ全 道 ノ農 民諸 君ニ檄 ス﹂ ト題 ス ル檄
議 デ 問 題 ニナ ツ タ労 農 ノ政 治 的 同 盟 ナ ル モ ノガ 一時 的 同 盟 デ ア ルト
文 ハ、党 ノ ス ロー ガ ン中 ﹁大 土 地 ノ無償 没 収﹂﹁強度 ノ累 進 課 税 ﹂﹁労
ト カ 云 ツ テ農 民 ノ投票 ヲ瞞 シ取 ラ ウ ト シ テ居 ル、 コ ンナ連 中ニ 農 民
ヲ苦 メ テ置 キ乍 ラ、今 日 ハ勤 労 階 級 ノ代 表 者 ダ ト カ、 百 姓 ノ味 方 ダ
ハ達 成 サ レヌ事 、 今 日 ノブ ル政 党 ノ候 補 者 ガ昨 日 ハ土 地 明 渡 デ農 民
ノ主 張 デ ア ル土 地 ノ没 収 ヤ強 度 ノ累 進 課 税 ハブ ル政 党 、 ブ ル議 会 デ
凡 ユ ル場 合ニ 宣 揚 シ、苟 メ ニ モ当 選 ハ問 題 デ ナ ク階 級 闘争 ノ激 発 ガ
三 候 補 者 ノ当 選 ノ必 勝 ヲ期 シ ナ ケ レバ ナ ラ ヌ事 、 此事 ハ固 ク守 リ、
シ、 我 々ノ側ニ 投 票 ヲ取 ル事 ガ出 来 ル。
ハ必 然ニ 選 挙 戦 ト結 ビ付 キ、 我 々 ノ政 治 的 暴 露 ヤ主 張 ヤ要 求 ヲ支持
ガ要 求 ヲ持 チブ ル ヤ地主 ト闘 争 スル気 ニナ レバ 、 其 処 迄 来 レバ 大衆
ノ利 益 ト衝 突 スル処 ノ何 等 カ ノ現 実 利 益 ノ要 求 ヲ持 タ セ ル事 、 大衆
二 夫 レ ニ ハ北 海 道 ノ様 ナ大 衆 ノ階 級 意 識 水 準 ノ低 イ 処 デ ハ選 挙運
ハ瞞 サ レ テ ハナ ラ ヌ、本 当 ニ農 民 ガ自 分 ヲ助 ケ ル道 ハ労 働 者 ト 手 ヲ
目的 ダ等 ト 云 フテ ハナ ラ ナイ 。 選 挙 戦 ヲ遂 行 ス ル ニ付 テ ハ、投 票 数
カ ト 云 ヘバ、 自 作 農 創 設 ヤ増税 ヤ農 民 運動 抑 圧法 令 ノ制 定 ヤ殊ニ 北
繋 イデ 資 本 家 地 主 ト戦 フ事 、奪 ハ レタ土 地 ヲ奪 ヒ返 ス事 、 ブ ルト 地
ハ階 級 闘 争 発 展 ノ バ ロメ ー タ ーデ ア リ、 階 級 闘争 ノ 発展 ナ ク シテ当
事 、及 政 友 会 、 民 政 党 等 ノブ ル政 党 ガ 、議 会 デ 農 民 ノ為ニ 何 ヲ シ タ
主 ノ政 府 ヲ倒 シ テ労農 政 府 ヲ樹 立 スル事 デ ナ ケ レバ ナ ラ ヌ。故 ニブ
選 スル事 ハ出 来 ヌ ノデ ア ツ テ、 両 者 不 可 分 ノ モノデ ア ル。 只 我 々 ハ
テ労 農 大 衆 ニド ンナ小 サ ナ問 題 デ モ良 イ カ ラ結 局 ニ於 テ資本 家 地主
ル候 補 者 ニ ハ 一票 モ投 票 ス ル勿 レ、 労 農 党 ノ候 補 者 ヲ先 頭 ニ立 テ ヽ
動 ノ全 場 面 ヲ 通 ジ テ即 チ演 説 会 、 ビ ラ、 ポ スタ ー、 推 薦 状 等 ヲ通 シ
ブ ルト 地主 ニブ ツ ツカ レト 云 フ趣 旨 ノ檄 文 デ 、 夫 レ ニ ﹁小 作料 ヲ引
海 道 第二 回 拓 殖 計 画 等 ノ欺瞞 ノカ ラ ク リ ヲ シタ事 ヲ暴 露 シ、 共 産 党
下 ゲ ロ﹂ ﹁立 毛 差押 反 対 ﹂ ﹁ 土 地 立 入 禁 止 土 地 明渡 反 対 ﹂ ﹁ 大 地主 ノ
ヲ慎 マナケ レバ ナ ラ ヌ。
ト 云 フ事 ヲ忘 レ、 只 管当 選 セ ンガ為ニ 階 級 的 立 場 ヲ踏 ミ外 シ タ言 行
者 農 民 ノ 政府 ヲ打 樹 テ ロ﹂﹁労 働 者 農 民 ノ同 盟 万 歳 ﹂ ト 云 フ ス ロ ー
以 上 ノ三 点 ガ 我 々ガ協 定 シ タ決 議 ニ特ニ 重 視 シタ点 デ ア リ マシ テ、
前 年 ノ市 会 議 員 選 挙 ノ時 ノ様 ニ、 階 級闘 争 ノ激 発 ト選 挙 戦 ト ノ結 合
ガ ンヲ掲 ゲ テ置 キ マ シタ。
土 地 ノ没収 ﹂ ﹁ 強 度 ノ累 進 課 税 ﹂ ﹁ブ ルト 地主 ノ政 府 ヲ倒 セ﹂ ﹁ 労働
三問 党 各 地代 表 者 会 議 デ 協 定 シ タ ﹁総 選 挙 中 ノ 党員 ノ任 務 ニ関 ス
ノポ スタ ーニ 要 求 又 ハス ロー ガ ン 一ツ丈 ヲ書 イ タ モノ ヲ当 時 作 成 シ
マシ タ。 其数 ハ全 部 デ二 十 万 位 デ ア リ マシ タ。 例 ヘバ ﹁賃 銀 三 割 即
其 為 右 ノ我 々 ノ目的 ヲ 一層 有 効 ニ ス ル為 ノ戦 術 ト シ テ、 第 一ニ 一ツ
答 夫 レ ハ要 スル ニ ﹁テ ー ゼ﹂、 党員 拡 大 ノ 一般 方 針 及 前 述 ノ檄
時値上﹂﹁ 健 康 保 険 法 ノ改 正 ﹂﹁八時 間 労 働 制 ノ即 時 実 施 ﹂ 等 々 ノ労
ル決 議 ﹂ ト 云 フ ノ ハド ンナ モノデ ア ツ タカ 。
キ ルノデ ア リ マ スガ、 特 ニ問 題 ト シ タ ノ ハ、
文 等 ニア ル趣 旨 ヲ選 挙 戦 ト結 ビ 付 ケ テ生 カ シ テ行 カ ウ ト 云 フ事 ニ尽
下 ゲ ロ﹂ ﹁ 耕 作 権 ノ確 立 ﹂等 々 ノ農 民 関 係 ノ 要 求 、 ﹁戸 数 割 税 ノ 撤
働 者関 係 ノ要 求 、 ﹁ 立 入禁 止反 対 ﹂﹁立 毛 差 押 ノ反 対 ﹂ ﹁小 作 料 三 割
云 フ事 デ 政 治 熱 ガ昂 ツ テ居 ル時 デ ア ルカ ラ 、此 機 会 ヲ利 用 シ テ急 速
ーデ 持 ヘ、労 働 者関 係 ノ ポ スタ ー ハ工場 ト労 働 者 街 ヘノ ミ持 込 ミ、
廃 ﹂﹁ 荷 馬 車 税 ノ廃 止 ﹂等 々 ノ小 市 民 関 係 ノ要 求 ヲ 一要 求 一ポ ス タ
一 此 期 間 ハ特 ニ全 労 農 小 市 民 ガ初 メ テ普 選 ニ依 ル国 会 議 員 選 挙 ト
ニ 大 衆 ノ階 級 的 政 治意 識 ヲ昂 メ ル事ニ 努 力 セネ バ ナ ラ ヌ。
カ リ区 別 シ タノ デ アリ マス。 同 様ニ 各 種 ノ ビ ラ モ必 ズ 労 農 小 市 民 等
論 、 集 会 、結 社 ノ自 由 ﹂ ﹁ 男 女 十 八 歳 以 上 ノ選 挙 権 ﹂ ト 云 フ 如 キ 一
車 ヲ使 用 シ テ居 ル家 ニ貼 リ 、戸 数 割 税 廃 止 ノ如 キ ハ各 戸ニ 貼 リ、﹁ 言
ニ 貼 付 シ、市 内 デ ハ貼 付 シナ イ事 、 又 荷 馬 車 税 ノ廃 止 ノ如 キ ハ荷 馬
一般 市 街 ヤ農 村 ヘハ貼 付 セ ヌ事 、 同 様ニ 農 民 関 係 ノポ ス タ ー ハ農 村
居 ルノ カ ト 云 フ事 ヲ全員 ニ ハツ キ リ意 識 サ セ ルト 共 ニ、路 傍 ノ 大衆
運 動 ニ於 テ ハ必 ズ 何 ノ為 ニ集 ツ タ ノ カ、何 ノ為ニ 示威 運動 ヲ ヤ ツテ
未 組 織 ノ広 凡 ナ大 衆 ヲ此 示 威 運 動 ニ引 込 ム事 及 大 衆的 ナ集会 ヤ示威
訓 練 ヲ与 ヘル事 、 又 常 ニ示 威 運動 ヲ行 フ際 ハ組 織 労働 大衆 丈 デ ナ ク、
此 示威 運 動 デ ハ必 ズ 力 ノ乱 雑 ナ ル発 散 ニ ナ ラ ヌ様 常 ニ組 織 ト 団結 ノ
第二 ニ ハ凡 ユ ル機 会 ヲ掴 マ ヘテ示 威 運動 ヲ組 織 ス ルト 云 フ事 デ ス。
ニ モ之 ヲ判 ラ セル事 、其 為ニ 盛 ニ ス ロー ガ ン ヲ絶 叫 ス ル事 、誰 カ 一
般 的 ノポ ス タ ー ハ労農 小市 民 全 部ニ 行 キ亙 ラ シメ ル ト 云 フ風 ニ ス ツ
ツノ ス ロー ガ ンヲ叫 ンダ ラ全 員 続 イ テ夫 レヲ復 唱 ス ル事 、 之 ハ内 部
ヲ大衆 ノ間ニ 伝 播 サ セ ル事 。
ノ ナ イ ス ローガ ン ヲ ヤタ ラ ニ並 ベ ル事 ヲ厳 禁 シ マシ タ。 ソ シ テ全 要
第 三ニ 選 挙運 動 中 特 別 ナ演 説 隊 ノ中ニ 我 党 ノ党 員 ヲ夫 々配 置 シ、党
対 象 ノ異 ナ ル ニ応 ジ 夫 々ニ適 当 シタ ス ロー ガ ンヲ配 シ、 対 象 ト 関 係
モ其 事ニ 関 係 ノ ナイ 十 モ十 五 モ ノ ス ロ ーガ ンヲ並 ベ タ テ ル習 慣 ヲ打
ノ方 針ニ 基 キ党 ノ政 策 ヲ大 衆 化 ス ル為 ニ働 クト 共ニ 、 演 説 隊 ヲ指 導
ヲ齎 シ、 ソ シテ此 際 共 産 党 員 ハ此 機 会 ヲ利 用 シ、 我 党 ノ ス ローガ ン
破 シ マシ タ。 此 事 ハ大 変 重要 ナ事 デ 、 小市 民 ヤ農 民ニ 健 康 保 険 法 ノ
シ、候 補 者 ノ言 行 ヲ監 視 シ テ階 級 的 立 場 ノ擁 護 ニ努 メ ル事 、 及 例 ノ
的 ニ ハ自 身 ノ結 束 ヲ固 メ、 外 部 的 ニ ハ其 結 果 ノ力 ヲ認 メ サ セ ル効 果
改 正 ノ ス ロー ガ ン ハ何 等 興味 モ利害 関 係 モア リ マ セ ヌ。
求 及 ス ローガ ン ヲ書 イ タ モノ ハ声 明 書 ナ リ宣 言 ナ リ全 般 的 ニ問 題 ヲ
階 級 意 識 ノ発 達 シ タ労 働 者 ハ凡 テノ 他 ノ階 級 ノ要 求 ヤ ス ローガ ン ニ
党 員 拡 大 ノ 一般 方針 ニ従 ヒ夫 レヲ実 行 スル事 。
取 扱 ツ タ文 書 ニノ ミ載 セ ルト 云 フ事 ニ シテ 、在 来 ノ 一寸 シタ事ニ デ
関 心 ヲ持 チ マ スシ又 持 タネ バ ナ リ マセ ヌガ、 無 自 覚 ナ労 働 者 ハソ ウ
四問 党 ノ全 道 代 表 者 会 議 デ 協 定 シタ選 挙 戦ニ 対 ス ル諸 方 針 ハ実 現
以 上 ガ 選 挙戦ニ 対 ス ル主 ナ ル戦 術 ノ適 用 デ ア リ マシ タ。 別 ニシ タ ノ
ハ、要 ス ル ニ選 択 者ニ 其 中 ノド レデ モ勝手 ニ選 バ セ ル為 デ ア リ マ ス。
答 前 述諸 方 針 中 遂 ニ実 現 ヲ見 ル ニ至 ラ ナ カ ツ タ ノ ハ、各 産 業 別
サ レ タ カ。
デ ハア リ マセ ヌ。 此 ス ローガ ン ヲ対象 ニ応 ジ テ 一ツ〓
解 雇 ノ不 安ニ 駆 ラ レ テ居 ル者 ハ解 雇反 対 ヤ失 業 保 険 ノ ス ロー ガ ンヲ 掴 ムデ セウ シ、 土 地 明渡 ヲ迫 ラ レ テ居 ル農 民 ハ大 土 地所 有 ノ没 収 ノ
ア リ マシ テ、其 他 ハ全 部 実 行 サ レ且 ツ皆 夫 々優 秀 ナ成 績 ヲ収 メ マシ
タ。 右 ノ各 産 業 別労 働 者 ヘノ檄 及 青 年 、 婦 人 、 兵 卒 、 小 市 民 ヘノ各
労 働 者 ヘノ檄 、青 年 、 婦 人 、 兵 卒 、 小 市 民 ヘ各檄 ヲ発 スル件 、 丈デ
ノ檄 ハ、 此 会議 ノ席 上デ 其 骨 子 ハ既ニ 協 定 サ レタ ノデ シ タ カ ラ、只
ス ロー ガ ンヲ掴 ム ト 云 フ訳 デ ス。処 ガ 夫 レ等 ノ要 求 ヲ完 全ニ 獲 得 仕
ヲ得 ナ イ事 ト ナ リ、 同 時ニ 共 産 主 義 者 ガ演 壇 ヤビ ラデ 此 宣 伝 ヲ ヤ ル
ノ 政府 ノ樹 立 デ ナ ケ レバ ナ ラ ヌト 云 フ共産 党 ノ主 張ニ 耳 ヲ傾 ケ ザ ル
之 ヲ成 文ニ 作 リ 上 ゲ テ発表 シサ ヘ ス レバ良 カ ツ タ ノデ ス。 私 ハ此選
様 ト ス ルト 、結 局 ブ ル ジ ヨアト 地主 ノ政府 デ ハ駄 目 デ 、 労 働 者 農 民
ト 云 フ事 デ ア リ マス。
動 開 始 ノ当 初ニ 私 ノ仕事 ノ補 助 員 ヲ 一人 派 遣 シ テ呉 レ ル事 ヲ中 央ニ
ナ成 功 ヲ齎 シ タ ニ鑑 ミ、 大 変 残 念 ガ ツ テ居 リ マシ タ。 私 ハ此 選 挙 運
全 国 組 織 会 議 ニ於 キ マシ テ、同 志 渡 辺 ガ右 ノ農 民 ヘノ特 別檄 ガ大 変
ヲ書 キ上 ゲ ル事 ガ出 来 マセ ヌデ シタ。 此 事 ハ後 ニ申 上 ゲ マス第二 回
挙 期 間 中 不 眠 不 休 デ働 キ マシタ ガ、 残 念 乍 ラ力 足 ラズ 遂 ニ最後 迄 之
鉄 道 函 館 構 内 、 函 館 附 近 ノ農 村
第 三区 、 函 館 船 渠 会 社 、 浅 野 セ メ ント 、市 電 、 日魯 漁 業 内 労 働 者 、
第二 区 鷹 巣 村 、 月 形 村 、 東 旭 川 等 ノ農 村 ノ木 工 々場
道 札 幌 構 内 労 働 者 、 尚 小 樽 札 幌 附 近 ノ農 村
工場 、 帝 国 製 麻 工場 、 帝 国製 鋼 工場 、 ビ ー ル会 社 、 市 電 従 業 員 、 鉄
工場 、 鉱 山 、 農 村 ヲ全 部 陥 落 セ シ メ、 其 処 ニ共産 党 ノ基 礎 ヲ据 付 ケ
要 求 シ マシ タ。当 時 北海 道 ニ ハ党 員 僅 カ十 数 名 デ 、 武 内 、 沼 山 、 山
タ許 リデ ナ ク、 右 規 定 ヨリ遥 ニ多 ク ノ工場 、鉱 山 、農 村 ヲ獲 得 シタ
ヲ集 中 ス ル事 ヲ規 定 シ タ ノデ ア リ マ ス。然 シ実 際 ニ ハ右ニ 規 定 シタ
ル人 々ダ カ ラ、 之 ヲ此 大 キ ナ大 衆 的 闘 争 場 裡 カ ラ此 際 引 抜 ク事 ハ出
事 ハ後 ニ申 上 ゲ ル通 リデ ア リ マ ス。
即 チ以 上 指 摘 シ タ工 場 、 鉱 山 又 ハ農 村 ニ向 ツテ闘 争 激 発 ノ宣 伝 煽 動
来 マ セヌデ シ タ。 夫 レデ是 非 イ ンテ リ党 員 ノ比 較 的 多 イ東 京 カ ラ誰
名 ト 云 フ ガ如 キ 人 々 ハ北 海 道 ノ労 農 大 衆 カ ラ絶 対 ノ信 頼 ヲ博 シ テ居
ンナ際 ニ ハ何 処 デ モ人 手 ノ欲 シイ時 デ アリ、 他 ヘ廻 ス様 ナ冗 員 ノ無
カ 一人 派 遣 シ テ呉 レト 云 フノ ガ私 ノ請 求 理由 デ ア ツ タ ノデ スガ、 コ
名 デ拵 ヘ、 又戦 術 ノ第 三 ト シ テ申 上 ゲ タ演 説 隊 モ労 農 党 ノ演 説 隊 ト
術 ノ第 一ト シ テ申 上 ゲ タ右 ノ 一ス ロー ガ ン 一ポ スタ ー ハ労農 党 ノ署
我 々ノ力 ガ足 リ ナ カ ツ タト 云 フ事 デ ス。 尚 申 上 ゲ テ置 キ マ スガ、 戦
夫 レ丈 党 員 丈ニ 対 ス ル方 針 書 ト シ テ発 表 サ レ、 全 労 農 大衆 ニ対 ス ル
タ。夫 レ ハ実ニ 立 派 ナ モノデ ア リ マシ タ。 夫 レガ 立 派デ ア ツタ丈 、
尚 右 ノ 一ノ声 明 書 発 表 後 、 中 央 部 カ ラ ﹁総 選 挙 方 針 書 ﹂ ガ参 リ マシ
毎ニ 発 行 シ マ シタ。
答 前 述 一及 三 ノ檄ニ 引 続 イ テ其 第 一号 ヲ発 行 シ、其 後ニ 五 日 目
五問 北 海 道 地方 機 関 紙 ノ発 行 状 態 ハ如 何 。
シテ編 成 シ、 共 産 党 ハ其 中ニ 党員 一名 宛 ヲ責 任 者 ト シテ配 置 シ タ ノ
イ時 デ ア リ マシ テ、 私 ノ要 求 ハ実 現不 可 能 デ ア リ マ シタ。 要 ス ル ニ
デ ア リ マ ス。 只 今何 処ニ 誰 ヲ配 置 シタ カ ハ記 憶 ア リ マセ ヌ。
ハ早速 北海 道 ノ ﹁声 明 書 ﹂ ニ此 ﹁方 針 書 ﹂ ノ要 点 ヲ織 リ 込 ミ、 地 方
機 関紙 ノ第 一号ニ 夫 レ ヲ再 録 シ マ シタ。
声 明書 ト シテ発 表 サ レナ カ ツ タ事 ハ実 ニ残 念 デ ア リ マシ タ。故 ニ私
第 一ニ我 党 員 、 第二 ニ革 命 的 労 働 者 、第 三ニ 農 民 ノ闘 士 、 第 四 ハ政
ラ レ タカ 。
六 問 党 ノ全 道 代 表 者 会 議 終 了 後 、 労 農 党 選 挙 対策 協議 会 ハ開 催 セ
又前 述 ノ会 議 ノ協 定 事 項 中 、 四 ノ候 補 者 選定 ノ基 準ニ 付 テ ノ決 議 ハ、
ノデ アリ マ ス。
答 労 農 選 挙 対 策 協 議 会 ハ勿 論 前 述 ノ我 党 員 等 ノ活動 ニ依 ツ テ指
七 問 其 結 果 及 活 動 ハ如 何 。
答 左様 デ ス。
治 的 自 由 獲 得 ノ闘 争ニ 戦 ツ タ者 ト 云 フ順 序デ 選 定 ス ル事 ニ決 メ タ モ
又 五 ノ ﹁各 選 挙 区 ニ於 ケ ル主 要 ナ ル働 キ カ ケ ノ場 所 ノ決 定 ﹂ ハ次 ノ 通 リデ ア リ マ シタ。 第 一区 小 樽 ハ第 一ニ運輸 労 働 者 、 次ニ 北 海 製 缶 会 社 、鉄 道 小 樽 構 内 労 働 者 、 漁 業 労働 者 、同 ジ ク第 一区 札 幌 ハ苗 穂
導 サ レ、労 農 党 モ我党 ノ政 策 方 針 ニ準 拠 ス ル事 ニナ リ マ シタ。 ソ シ
ヲサ セ マセ ヌ。 之等 ノ 土 地 ハ労 働 者 大 会 スラ ムヅ カ シイ 位 力 ガ弱 イ
事 ヲ宣伝 シ マシタ 。然 シ室 蘭 ヤ札 幌 デ 出 来 モ セ ヌ示 威 運 動 ノ計 画 等
ハ小樽 以 外 ノ土 地デ ハ実 行 ス ル力 ガ ア リ マセ ヌ。 私 ハ勿 論 中 央 部 ノ
挙 運 動 ト 云 フ程 ノ モノ ハヤ ラ ナ カ ツ タ ノデ ア リ マス。
ス。事 実 同 氏 ハ投 票 日 ノ数 日前 ニ ナ ツ テ立 候 補 シタ ノデ 、 従 ツ テ選
ナ ク、若 シ立 候 補 スル ナ ラ認 メ テ良 イ ト 云 フノデ ア ツタ ト記 憶 シ マ
ヲ公 認候 補 ト決 定 サ レ マシ タ。 但 シ函 館 ノ加 藤 君 ニ付 テ ハ確 定 的 デ
ニ又 明 後 日 ハ示 威 運動 ガ組 織 出 来 ル様 ニ、 其 将 来 ノ成 立 条件 ヲ作 ル
決 議 ヲ発 表 ス ル事 丈 シカ出 来 ナ イ処 ハ明 日 ハ労 働 者 大 会 ガ開 ケ ル様
応 ジ テ具 体 的闘 争 形 体 ヲ執 ラ セ マ シタ。 ソ シ テ今 日 ノ処 未 ダ組 合 ノ
大 会 ヲ各 組 合 共 同デ 開 催 ス ル事 ニ努 メ ルト 云 フ具 合 ニ、 力 ト 条 件 ニ
デ ハ労働 者 大会 、小 樽 デ ハ労 働 者 大 会 ト示 威 運 動 、 函 館 デ ハ労 働 者
ノデ ス カ ラ、其 処デ 力 ニ応 ジ テ、 室 蘭 デ ハ組 合 ノ決 議 ノ発 表 、 札幌
指 令 ハ 一般 ニ伝 ヘ且 ツ全 道 各 地 ニ労 働 者 大 会 示 威 運 動 ヲ組織 スベ キ
第 四 区 ハ 木 田 茂 晴 君
テ早 速具 体 的 ナ活 動 ニ這 入 リ マシ タガ 、 此労 農 党 ノ会 議 デ ︹ 三︺ ︹ 貫 一︺ 第 二 区 ハ 加 藤 某 君
丁度 此両 会 議 ガ終 ツ テ カ ラ数 日 後 ニ、 我党 中 央 部 カ ラ公 式 ニ党 員 山
第 三 区 ハ 荒 岡 庄 太 郎 君
︹二 ︺
第 一区 ハ 山 本 懸 蔵 君
本 懸 蔵 君 ヲ第 一区 カ ラ立 候 補 セ シ メ ル事 、及 中 央 部 カ ラ特 別 巡 回
リ マシ タ。 又 事 実右 ノ中央 部 カ ラノ指 令 ニ対 シテ モ只 今 申 上 ゲ タ通
ク事 ヲ サ セ マシタ 。 之 ガ私 ノ中 央 部 ノ指 令 ニ対 スル不 断 ノ態 度 デ ア
リ ニ指 導 シ マシタ 。夫 レ丈 細 心 ナ注 意 ヲ払 ツ テ モ其 結 果 ハ什 ウ カト
為 ニ働 ク事 即 チ力 ヲ増 大 ス ル事 、 大 衆 ヲ其 処 迄 引 揚 ゲ テ来 ル為 ニ働
中 央 部 ニ提 出 シタ意 見 書 ガ後 ニ開催 サ レ タ第 二 回全 国 組 織 会 議 デ 問
申 シ マスト 、 小樽 ハ予期 ニ反 シテ只 今 失 念 シ マシ タ ガ、 当 時 何 カノ
之 等 ノ指 令 ニ付 テ申 述 ベ ルベ キデ ア リ マスガ 、 此 指令 ニ対 シテ私 ガ
題 ニナ ツ テ居 リ マシテ、 夫 レ ニ付 テ ハ後程 申 上 ゲ様 ト思 ヒ マ スガ、
故 障 デ 示 威 運 動 ガ出 来 ズ、 札 幌 同 様 労 働 者 大 会 シ カ開 催 出 来 マセ ヌ
応 援 隊 ヲ派 遣 ス ル事 ノ通 知 並 ニ種 々 ナ指令 ガ 到着 シ マシタ 。順 序 上
只 一言 申 上 ゲ テ置 ク事 ハ、 私 ハ党 中央 部 ノ 指令 方 針 等 ニ疑 念 或 ハ誤
デ シ タ。 室蘭 ハ予定 ノ 通 リ組 合 ガ声 明 書 ヲ発 シ マシ タ ガ、 函 館 ハ労
シ タ。
働 争 議 ニ没 入 シテ 了 ツ テ此 運 動 ヲ全 ク ﹁サ ボ タ ー ジ ユ﹂ シ テ了 ヒ マ
マシタ 。然 シ自 分 ガ不 分 明 又 ハ反 対 ダ カ ラト 云 フ テ其 指 令 ノ実 行 ヲ 勝 手 ニ阻 止 シタ事 ハ 一度 モ ア リ マセ ヌ。同 時 ニ私 ハ中 央 部 ノ指 令 ヲ
リ ヲ発 見 シタ際 ニ ハ直 チ ニ遠 慮 ナ ク質 問 或 ハ反 対意 見 ヲ提 出 シテ来
実 行 ス ル場 合 ニ ハ、 夫 レ ガ特 定 ナ指 令 デ ナ ク 一般 的 ナ指 令 デ ア ル場
答 以 上述 ベ来 ツタ政 策 方 針 ニ従 ツ テ、 当 時 北 海 道 ニ於 ケ ル総 選
八 問 夫 レカ ラノ活 動 ハ如 何 。
マスガ 、詳 シイ事 ハ 一々記 憶 シ テ居 リ マセ ヌ ノデ 、 記 憶 ニ残 ツ テ居
挙 戦 ニ際 シ テ具 体 的 ニ如 何 ナ ル事 ヲ為 シ タ カ ヲ申 上 ゲ ル順 序 デ アリ
ニ移 シ、 中 央 ノ指 令 ダ カ ラト 云 フ テ其 処 ニ書 イ テ ア ル事 ヲ其 儘 盲 目
合 デ ハ、 常 ニ其 土 地 其 時 ノ客 観 的 条件 ヲ良 ク見、 夫 レ ニ応 ジ テ実 行
ニ対処 シテ労 働 者 大 会 示 威 運 動 ヲ組 織 セ ヨト 云 フ指 令 ニ付 テ申 シ マ
ル主 ナ ル事 件 丈 申 上 ゲ レバ次 ノ様 ナ事 ガ ア リ マシ タ。 日 時 等 ハ前 後
的 ニ実 行 シタ事 ハア リ マセ ヌ。 例 ヘバ 選挙 戦 中 二 月十 一日 ニ建 国 祭
スナ ラ、 北 海 道 デ ハ労 働 者 大 会 ハ各 地 共開 催 出 来 マスガ、 示 威 運 動
デ ア リ マス。
スル カ モ知 レ マセ ヌガ、 要 ス ル ニ 一月 下 旬 カ ラ 二月 中 旬 迄 ノ間 ノ事
ラ夕 方 迄 ノ活 動 ノ結 果 デ ア リ マス。 故 ニ小 樽 ノ我 党員 ガ 労働 組 合 員
名 ノ労 働 者 ガ定 刻 ニ小 樽 駅 ニ殺 到 致 シ マシ タガ 、 之 ガ 僅 カ ニ正 午 カ
ハ 小 樽 其 他 ノ土 地 ニ於 ケ ル租 税 問 題 ヲ中 心 ト シ タ市 民 ノ集 会
ロ 妹 背 牛村 ニ於 ケ ル農 民 ノ示 威 運 動
イ 小樽 ニ於 ケ ル山 本 懸 蔵 君 出 迎 ノ示 威 運 動
リ マシ タ。此 ス ロー ガ ン ハ直 グ全 員 ニ行 亙 リ、 間 モナ ク全 員 ガ夫 レ
示 威 運 動 中盛 ニ我党 ノ ス ロー ガ ンヲ絶 叫 シ、 ス ロ ーガ ンノ伝 播 ヲ計
全 員 四列 縦 隊 ヲ組 ミ小樽 ノ中 心街 ヲ 示威 行 進 シ マシタ 。 我党 員 ハ此
同 志 山 本 ニ労 働 者 ニ挨 拶 ヲ為 サ シ メ、更 ニ同志 山本 ヲ先 頭 ニ立 テ ヽ
山 本 懸 蔵 ガ小 樽 駅 ニ到 着 シ マスト直 チ ニ駅 頭 ニ於 テ屋 外演 説 ヲ行 ヒ、
ヲ指 導 シテ如 何 ニ目 覚 シイ 活 動 ヲ シ タカ ハ覗 ハレ マス。 ソ シテ同 志
ニ 札 幌 帝 国 製 麻 工 場 ノ血 判 事 件
ヲ叫 ブ ニ至 リ マシタ 。此 示 威 運 動 ガ斯 様 ナ成 功 ヲ収 メ タ ノ ハ勿 論 小
主 ナ ル事 件 ノ項 目 ヲ挙 ゲ レバ次 ノ通 リデ ス。
ヘ 投 票 日 公 休 、 日給 全額 支 払 ノ運 動
ホ 公 開 状 及 推 薦 状 発 送 ノ件
樽 ノ共 産 党員 ノ献 身 的 ナ活 動 ト其 指 導 ノ宜 シキ ヲ得 タ事 ニア ル事 云
フ迄 モア リ マ セ ヌガ、 尚 モウ 一ツ此 示威 運 動 成 功 ノ要 因 ガ ア ル ノデ
ト 経 済 闘 争 ノ激 発 並 ニ共産 党 及労 働 組 合 農 民 組 合 ノ組 織 ノ拡 大 等 デ ア リ マ ス。
ア ル小 樽 駅 ガ小 樽 市 ノ坂 ノ中 腹 ニア ル事 デ ス。 即 チ示 威 運 動 ガ 坂 ノ
アリ マス。夫 レ ハ労 働 者 ノ集 合 地 デ ア リ、 同 時 ニ示 威 運 動 出発 地 デ
答 第 一区 カ ラ立 候 補 スル同 志 山 本 懸 蔵 ガ 一月 三 十 一日 午 後 八時
ノデ ス。 警 官 隊 ハ下 方 ニ立 チ並 ンデ 此 示威 運動 ヲ阻 止破 壊 仕 様 ト シ
上 カ ラ下 ヘ向 ツ テ進 行 シ タト 云 フ処 ニ此 示 威 運 動 成 功 ノ鍵 ガ ア ツタ
九 問 小 樽 ニ於 ケ ル山本 懸 蔵 出 迎 ノ示 威 運 動 ハ如 何 。
ニ小樽 ノ 我党 ノ責 任 者 同 志 武 内 ニ電 報 デ ﹁ヤ マケ ン八 ジ オ タ ル エキ
小樽 駅 ニ到 着 ス ルト 云 フ電 報 ヲ中 央 部 カ ラ受 取 リ マシ タ。私 ハ直 チ
マシ タ。 然 シ之 ハ実 ニ無 惨 ナ敗 北デ シタ 。上 カ ラ ノ シ カヽ ツ テ来 ル
シ タ。 労 働 者 ハ此 一戦 デ勝 敗 ノ決 ヲ付 ケ テ了 ツ タ ノデ ス。 午 後 警 官
ツク セイ ダ イ ニム カ ヘ ヨ﹂ ト 云 フ指 令 ヲ発 シ マシタ 。同 志 武 内 並 ニ
隊 ニ 一指 モ触 レサ セ マセ ヌデ シタ 。 又警 官 隊 モ最 初 ノ敗 北 デ 此 示 威
カ ツ タ ノデ ス。 労 働 者 ハ殆 ンド無 造 作 ニ此 警 戒 線 ヲ突 破 シ テ了 ヒ マ
労 働 者 ガ時 計 ノ針 ガ丁 度 八 時 ヲ指 示 シ テ居 ル目 醒時 計 ヲ持 ツ テ、 其
運 動 破壊 ヲ諦 メ、 斯 ク テ示 威 運 動 ハ小 樽 合 同労 働 組 合 事 務 所前 デ解
力 ヲ喰 ヒ止 メ ル ニ ハ夫 レ ニ数 倍 ス ル力 ヲ要 ス ル事 ヲ警 官 隊 ハ知 ラ ナ
時 間 ヲ指 ヲ以 テ示 シ ﹁山 本 君 到 着 此時 間 ニ全 労 働 者 ハ小 樽 駅 ヘ﹂ ト
散 ス ル迄 一名 ノ検 束 者 モナ ク堂 々ト遂 行 スル コト ガ 出 来 タ ノデ ス。
小樽 ノ全 党 員 ハ実 ニ見 事 ニ此 指 令 ヲ実 行 致 シ マシタ 。 小樽 ノ共 産 党
大 書 シタ絵 入 ポ スタ ー ヲ無 数 ニ作 成 シ、 之 ヲ 工場 運 輸 労 働 者 ノ現 場
員 ハ ﹁全 労 働 者 ハ山 本 懸 蔵 君 ヲ迎 ヘ ロ﹂ ト 大 書 シタ ポ スタ ー並 ニ 一
或 ハ労 働 者 街 ヘ貼 リ廻 シ又 小 サ ナ ビ ラ ヲ作 ツ テ同 様 工場 現 場 労 働 者
一〇問 妹 背 牛村 ニ於 ケ ル農 民 ノ示 威 運 動 ノ模 様 ハ如 何 。
答 右 ノ 小樽 ニ於 ケ ルト同 様 ナ事件 デ ア リ マシ テ、 二 月 十 一日妹
街 ニ撒 布 シ、 以 テ同 志 山 本 懸蔵 出 迎 ノ示 威 運 動 ノ組 織 ヲ煽 動 シ タ ノ デ ア リ マ ス。 其 結 果 組 合員 三 百 五 十及 未 組 織 労 働 者 百 五十 合 計 五 百
部 ハ労 働 者 ヤ農 民 ガ都 市 及 農 村 ノ演 説 会 ニ於 テ公 然 演 壇 カ ラ叫 ンデ
ガ ン ハ ﹁君主 制 度 撤廃 ﹂及 ﹁労 働 者 ノ独 裁 ﹂ ノ 二 ツ ヲ除 イ テ他 ノ全
ヨ﹂ 等 ノ ス ローガ ン ヲ絶 叫 シ マ シタ。 モウ其 頃 ニ ハ共 産 党 ノ ス ロー
中農 民 ガ盛 ニ ﹁ 大 地主 ノ土 地没 収 ﹂ ヤ ﹁労 働 者 農 民 ノ政 府 ヲ樹 立 セ
様 ナ諸 税 ヲ撤 廃 シ、 強 度 ノ累 進 所得 税 ノ実 施 ノ要 求 、其 為 労 働 者 農
車 挽 五十 、労 働 者 五十 、 合 計 三 百 五 十 名 デ 、 此集 会 デ ハ前 ニ述 ベ タ
リ マセ ヌ。 小 樽 ニ於 ケ ル此 集 会 ハ、 其 参 集 者 小市 民 二百 五十 、荷 馬
リ マス。 他 ノ土 地 ニ於 ケ ル此 集 会 ノ模 様 ハ什 ウデ ア ツタ カ今 記 憶 ア
事 、 労 働 者 農 民 ノ政 府 ニシ テ始 メ テ実 行 シ得 ル事 ヲ力 説 シタ ノデ ア
ヲ力 説 シ、 従 ツ テ其 実 現 ハブ ル ジ ヨア政府 ニ依 ツ テ ハ不可 能 デ ア ル
ナ小 ブ ル的 ナ雑 税 ヲ廃 シ テ強 度 ノ累 進 所 得 税 ノ 一点 ニ集 中 スベ キ事
居 リ マシ タ。 之 ハ決 シテ 我党 員 丈 デ ナ ク、 凡 テ ノ労 働 者 農 民 ガ平 気
自 家 用 自 動 車 税 等 ノ新 設 税 ヲ要 求 ス ル ヤリ 方 ヲ攻撃 シ マシタ。 斯 様
デ 口 ニシ テ居 タノデ アリ マシテ、 警 官 モ夫 レ ニ中 止 ヲ命 ズ ルト 云 フ
民 ノ政 府 ノ樹 立 ト 云 フ決 議 ヲ採 択 シ、 此決 議 ヲ印 刷 シ テ 一般 ニ広 ク
背 牛 村 ノ農 村 ノ農 民 一千 名 ノ示 威 運 動 ガ ア リ マシ タ。選 挙演 説 ニ集
ガ如 キ事 モ アリ マセ ヌデ シタ 。夫 レ程 北 海 道 デ ハ共 産 党 ノ ス ローガ
又 此決 議 ヲ更 ニ良 ク公 衆 ニ理 解 サ レ ル為 ニ、本 問 題 ノ ﹁パ ン フ レツ
公 表 ス ル事 ヲ決 議 シ、 其 費 用 ト シ テ即 座 ニ参 集者 ガ醵 金 ヲ シ マ シタ。
ツ タ農 民 一千 名 ガ解 散 ス ルト同 時 ニ示 威 運 動 ヲ組 織 シ、 其 示 威 運動
ン ハ労働 者農 民大 衆 ノ間 ニ支 持 サ レ且 ツ普 遍 的 ト ナ ツ テ居 タ ノデ ア
シ合 サ レ マシタ 。故 ニ此 集 会 ハ ﹁ 第 一回戸 数 割税 等 撤廃 大 会 ﹂ ト 云
ト ﹂ ノ発 行 ト今 後 モ引 続 イ テ継 続 的 ニ此 種 ノ宣伝 集 会 ヲ開 ク事 ガ申
リ マ ス。 此 事 ハ僅 カ 一ケ 月 ノ選 挙 戦 中 ニ共 産 党 ガ如 何 ニ大 衆 ノ中 ニ
二問 租税 問 題 ヲ中 心 ト シタ市 民 ノ集 会 ト 云 フノ ハ如 何 。
答 選 挙 戦 ヲ通 ジ テ ノ上 カ ラ ノ煽 動 ガ 最 モ速 ニ又最 モ良 イ効 ヲ奏
三問 札 幌 帝 国 製 麻 工場 ノ血 判 事 件 ト ハ何 カ。
フ風 ニ命 名 サ レタ ト記 憶 シ マ ス。
急 速 ニ根 ヲ据 ヘタ カ ノ実 際 ノ証 明デ ア リ マ ス。
答 二 月 中 旬総 選 挙戦 ノ終 頃 ニ ハ小 樽 其 他 ノ土 地 ニ於 テ租 税 問 題
シタ ノ ハ帝 国 製 麻 工場 デ ア リ マシ タ。 同 志 山 本 ハ病 気 ヲ押 シテ立 候
ヲ中 心 ト シ タ市 民 ノ集会 ガ開 催 サ レ マシタ。 此 市 民 ノ集 会 ハ都 市 小
リ マ ス。 只 今 其主 催 者 ヲ如 何 ナ ル団体 名 義 ニ シタ カ記 憶 ア リ マセ ヌ
市 民 ニ対 シ共 産 党 ノ政策 ヲ宣 伝 ス ル為 ニ特 ニ開 催 セ シ メ タ モノデ ア
ノ為 ニ 一時 倒 レ ソウ ニナ リ マシ タ。 此 時 帝 国 製 麻 工 場内 ニ新 シク出
来 タ共産 党 ノ細 胞 ハ、 巧 ニ此 同 志 山 本 ノ病 気 ト同 工場 ノ労 働 者 ノ労
補 シ活動 シテ居 タ ノデ ア リ マ スガ、 北 海 道 ニ来 テ気候 ノ激 変 ト過 労
働 条 件 ニ対 ス ル不平 等 ヲ結 ビ 付 ケ テ同 志 山 本 激 励 ノ煽 動 ヲ行 ヒ マ シ
ガ、 共 産 党 主 催 等 ト シナ カ ツタ事 ハ勿 論 デ ア リ マ ス。 恐 ラ ク市 民 有
ロー ガ ンノ説 明 ニ力 点 ヲ置 キ マシ タ。即 チ戸 数 割 税 、 自 転 車 税 、 諸
ノ ﹁強 度 ノ累 進 所 得 税 ﹂ 及 ﹁ 労 働 者 農 民 ノ政 府 ノ樹 立 ﹂ ノ 二 ツ ノ ス
ハ私 自身 全 ク驚 嘆 シ マ シタ。 此 煽 動 ノ結 果 、 帝 国製 麻 工場 男 工全 員
タ。 此 巧妙 ナ ル戦 術 、 労 働 者 特 有 ノ階 級 戦 ニ於 ケ ル創 造 性 ノ発 揮 ニ
志 或 ハ労 農 党 主 催 名 義 ト シ タ様 ニ記 憶 シ マ ス。此 集 会 ニ於 テ ハ我 党
車 税 、北 海 道 特 有 ノ馬橇 税 、 其 他主 ト シ テ小 市 民 ニ課 セラ レテ居 ル
ニ依 テ同 志 山本 激 励 文 ガ作 成 サ レ、 此 激 励 文 ニ全 男 工ガ署 名血 判 シ
租 税 ノ撤 廃 ヲ主 張 シ、 之 ヲ強 度 ノ累 進 所得 税 ト 云 フ 一点 ニ集 中 シ、 在来 ノ代 リ財 源 ヲ小 ブ ル根 性 其 儘 ノ所 謂 蓄 妾 税 ダ ト カ、 庭 園 税 或 ハ
シ テ来 タ自 分 等 ノ指 導 者デ ア ル、 故 ニ山 本 ノ当 選 ハ自 分 ノ勝 利 デ ア
如 ク投 票 権 行 使 ノ時 間 ヲ交 代 ニ与 ヘ且 ツ其 時 間 ノ給 料 ヲ差 引 カ ナイ
獲 得 シタ所 ハ尚 札 幌 、 小 樽 、函 館 等沢 山 ア リ マシタ。 又札 幌 市 電 ノ
シ室 蘭 ノ運 輸 労 働 者 ヲ初 メト シ テ、 午後 休 日 ト シ、 日給 全 額 支 払 ヲ
リ、 山 本 ノ身 体 ハ山 本 個 人 ノ身 体 デ ナ ク我 々労 働 者 階 級 ノ身 体 デ ア
ト 云 フ事 ニサ セ タ所 モ可 ナリ アリ マシタ 。大 体 ニ北 海 道 ノ労 働 者 ノ
貫 徹 シタ ノ ハ札 幌 ノ陽 明 堂 印刷 所 丈 デ ナカ ッ タカ ト記 憶 シ マ ス。 然
ル、 病 気 ダ ト 云 フ事 ヲ聞 イ テ皆 心 配 シ テ居 ル、 什 ウカ プ ロ レタ リ ア
当 時 ノ力 相 応 ノ条 件 ヲ獲 得 シタ訳 デ アリ マス。
テ同 志 山 本 ニ贈 ツ タ ノデ アリ マス。 ツ マリ自 分 等 ハ今 コン ナ労 働条
ノ為 ニ身 体 ヲ大事 ニ シテ呉 レ、 ト 云 ツ タ様 ナ意 味 ノ事 ガ 如何 ニ モ労
一 五問 経 済 闘 争 ノ激 発 並 ニ共産 党 及労 働 組 合 、 農 民 組 合 ノ組 織 ノ拡
件 ノ下 ニ苦 シ ンデ 居 ル、同 志 山本 ハ斯 様 ナ労 働 者 ノ為 ニ永 イ 間 奮闘
働 者 ラ シク素 朴 ナ調 子 デ 書 カ レテ ア リ マシ タ。 此 激 励 文 ハ同 志 山本
大事情如何。
答 日 本 共 産 党 北 海道 各 地代 表 者 会 議 ニ於 テ私 達 ガ決 定 シ タ諸 政
ヲ感激 セ シ メタ ヨリ モ、 一層 全 北 海 道 ノ 一般 労 働 大衆 ニ大 キ ナ感 動 ヲ与 ヘ マシタ 。
テ ソウ サ セ ル事 ニシ タ ノデ ア リ マス。 又 我 党員 ハ労働 組 合 、 農 民 組
タ右 ノ 二名 ノ者 ニ ハ、 先 ニ申 上 ゲ タ演 説 隊 内 ノ 我党 責 任 者 ガ指 導 シ
候 補 者 ニ対 シテ公 開 質 問 状 ヲ発 セ シ メ マシ タ。 之 ハ同 志 山本 ヲ除 イ
ト シ テ、帝 国製 麻 、札 幌 製 鋼 、北 海 道 タ イ ム ス社 、 ビ ー ル会 社 、橋
鋼 、 王 子製 紙 、富 士製 紙 、 北海 道 製 缶 等 北 海 道 有 数 ノ大 工場 ヲ始 メ
経 済 闘 争 ノ激 発 ニ努 メタ結 果 、 夫 レ迄 難 攻 不 落 ト称 セ ラ レ タ室蘭 製
一切 ヲ通 シ テ ﹁上 カ ラノ煽 動 ﹂ ノ戦 法 ニ従 ツ テ 工場 、 鉱 山 、 農 村 ニ
テ行 キ マシ タ。 即 チ演 壇 、公 開 状 、推 薦 状 、 ﹁ポ スタ ー﹂ ﹁ビ ラ﹂ 等
策 ガ全 ク正 シ カ ツ タト 云 フ事 ハ、選 挙 運 動 開 始 後 日 一日ト 証 明 サ レ
合 、其 他 ノ団 体 ニ於 テ フ ラ ク シ ヨント シ テ活動 シ、 夫 々ノ団 体 ヲ指
答 選 挙 戦 中 候 補 者 山 本 、 木 田 、荒 岡 ノ名デ 対 立 ブ ルジ ヨア党 ノ
一 三問 公 開 状 及 推 薦 状 発 送 ノ件 ニ付 テ ハ。
導 シテ候 補 者 ノ推 薦 状 ヲ例 ノ ﹁ 各 区 ノ主 要 ナ ル働 キ カ ケ ノ場 所 ノ決
ノ間 ニ動 揺 ガ起 リ 又既 ニ札 幌 テ ー ゼデ 問 題 ト ナ ツ タ鉄 道 省 苗 穂 工 場
及 札 幌 市電 ニ モ動 揺 ガ起 リ、 尚 夫 レ許 リデ ナ ク従 来 最 モ組 織 困 難 ト
本 鉄 工 、 キ ヤ ンデ ー、其 他 各 地 ノ 工場 ニ悉 ク何 等 カ ノ問 題 デ 労働 者
状 、 推 薦 状 共 ニ其 内容 ハ何 レ モ当 該 地 ノ労 働 者 農 民 ノ生 活 苦 ヲ具 体
目 サ レタ 北海 道 各 地 ノ鉄 道 機 関 庫 、夕 張 、歌 志 内 、 幾 春 別 等 ノ大鉱
定 ﹂ ニ従 ツ テ夫 々当 該 区 ノ 工場 、鉱 山 、農 村 ニ配 付 シ マシタ。 公 開
的 ニ例 ヲ挙 ゲ テ指 摘 シ、之 ト ブ ルジ ヨア 地主 ノ政 策 ト労 農 党 ト ノ政
山 並ニ二 、三 ノ船 舶 ニ至 ル迄 宣 伝 煽 動 ノ効 ガ奏 シ テ、 右 何 レ モ ニ 労
来 マシタ 。 又農 村 ノ方 ハ夫 レ迄 地 主 ト闘 争 シ タ事 ノ ナイ村 ニ新 シイ
策 ヲ対 照 的 ニ説 明 シ タ モノデ アリ マシタ 。
答 選 挙戦 中 共産 党 ハ労 働 組 合 ヲ指 導 シテ投 票 日 ヲ休 日ト シ、 其
農 民組 合 支 部 ノ準 備 会 ガ出 来 、 従 来 カ ラ闘 争 ノ経 験 ヲ持 ツ テ居 ル農
働 組 合 組 織 準 備 会 及 共 産 党 ノ 工場 細 胞 又 ハ機 関 紙 読 者 グ ル ープ ガ出
日 ノ日 給 全額 ヲ支給 セ ヨト 云 フ資 本 家 ニ対 スル闘 争 ヲ労 働 者 ニ勧 メ
村 ノ間 ニ ハ我党 ノ農 村 細 胞 ガ片 ツ端 カ ラ出 来 テ来 マシ タ。
一 四問 投 票 日公 休 、 日給 全 額 支 払 ノ運 動 ハ如 何 。
マシ タ。 此運 動 ニ付 テ旭 川 ノ分 ハ記 憶 ニア リ マ セ ヌガ、 其 要 求 通 リ
工場 、 大 鉱 山 、 大 経営 ニ十幾 個 ノ 工場 細 胞 、其 他 ノ 工場 ニ二十 八個
即 チ北 海 道 ニ於 ケ ル日 本 共 産 党 ノ勢 力 ハ労 働 者 百 名 以上 使 用 スル大
ツ テ居 ナイ 処 ハナイ 事 ニ ナ ツ タ訳 デ アリ マス。
海 道 各 地 ノ主 ナ ル 工場 職 場 ニシ テ、 共 産 党 ノ機 関紙 ガ 一部 以上 這 入
一月 二 十 日 カ ラ 二月 二十 日迄 ノ僅 カ 一ケ月 ノ活 動 ニ依 ツテ 、 凡 ソ北
一 六問 総 選 挙 ニ於 ケ ル投 票 ノ結 果 ハ什 ウデ ア ツ タ カ。
知 ツ テ居 ル カ ラデ アリ マス。
紙 ノ読 者 ガ、 労働 運動 、農 民 運動 ノ第 一線 ニ立 ツ テ働 イ テ居 タ事 ヲ
居 タ事 ナ キ 工場 農 村 ニ働 イ テ居 タ労 働 者農 民 即 チ前 述 ノ共 産 党 機 関
慄ヘ上 ツ テ日 和 見 的 行動 ヲ執 ツ タ ニ反 シテ、 従来 公 然 ノ活 動 ヲ シ テ
答 一ケ 月 ノ選 挙 戦 ノ後 ニ投 票 ガ行 ハ レ マ シタ。 投 票 ノ結 果 ハ政
ト照 シ合 セ テ確 信 シ テ之 ヲ支 持 シタ カ ラデ アリ マス。 私 ガ今 日敢 テ
デ ナ ク、 共 産 党 ノ主 張 政策 ノ絶 対 ニ正 シイ事 ヲ自 分 等 ノ境 遇 ヤ経 験
ソシ テ 一般 労 働 者 及農 民 ハ決 シ テ酔 狂 ヤ道 楽 デ 共産 党 ニ関 係 シタ ノ
又北 海 道 ノ全 党 員 ハテ ー ゼ及 諸 方策 ヲ忠 実 ニ実 行 シタ ノデ ア リ マ ス。
大 ノ 一般 方 針 ヤ テ ー ゼ ニ示 シ タ事 ガ其 通 リ 実 現 シ タノデ アリ マス。
ンテ リ ゲ ンチ ア 四 パ ー セ ント デ ア ツ タト 記 憶 シ マス。 即 チ彼 ノ党 拡
者 八十 七 パ ー セ ント、 農 民 九 パ ー セ ント 、 現 ニ農 村デ 働 イ テ居 ルイ
六 パ ー セ ント ハ現 ニ工場 デ 労 働 シ テ居 ル労 働 者 デ 、 其 比 率 ハ約 労働
発 行 ス ル様 ニナ ツ テ居 リ マ シタ。 然 モ党 員 モ機 関 紙 ノ読 者 モ其 七十
現 実 ノ闘 争 ガ起 ツ タ ノ ハ投 票 後 デ ア リ マシ タ故 ニ、 斯 様 ナ労 働 者 ハ
揺 ガ起 リ始 メタ許 リデ 、 未 ダ現 実 ニ公 然 ノ闘 争 ハ起 ツ テ居 ナ カ ッ タ、
デ アリ マス。 ツ マリ札 幌 デ ハ労 働 者 ガ長 イ間 眠 ツ テ来 テ当 時 漸 ク動
票 ガ九 百 九 十 四票 ニ対 シ細 谷 ガ 二 千 四 百 三十 二票 ヲ獲 得 シ テ居 ル ノ
民 衆 党 的 ナ中 立候 補 ガ 六 十 三票 、然 ル ニ一方 札 幌 デ ハ同 志 山 本 ノ得
事 デ ス。 同 志 山 本 ノ得 票 ハ小樽 デ ハ千 百 八十 六票 、細 谷 ト 云 フ社 会
展 ト投 票 数 ト ガ正 比 例 ス ルト 云 フ見解 ノ正 シ カ ツ タ事 ガ証 明 サ レタ
ノ方 針 ト見 解 ガ絶 対 ニ正 シ カ ツ タト 云 フ事 デ ス。 即 チ階級 闘 争 ノ発
レガ私 達 ノ収 穫 デ ア リ マシ タ。 第 一ハ共 産 党 北 海 道 各 地 代 表 者 会議
レ ニ モ拘 ラズ 我 々共 産 党 員 ハ此 結 果 カ ラ重 大 ナ事 ヲ学 ビ マシ タ。 夫
友 、 民政 ノ両 ブ ルジ ヨア党 ガ絶 対 多 数 デ 各 十 五 万 票 以 上 ヲ獲 得 シ テ
ノ工 場 細 胞 ヲ有 シ、 十 八個 ノ農 村 ニ農 村 細 胞 ヲ有 ス ル ニ至 リ マシ タ。
之 ヲ確 信 ヲ以 テ断言 ス ルノ ハ、 三 ・ 一五 事 件 直 後 、 検 挙 ヲ受 ケ ナカ
流 石 ニ資 本 家 代 表 ニ ハ投 票 シ マ セヌ、 サ リト テ同 志 山 本 ニ モ投票 シ
其 内 当 時 既 ニ工 場新 聞 ヲ発 行 シテ居 タモ ノ ハ八、 直 チ ニ発 行 出 来 ル
ツ タ帝 国製 麻 、 王 子製 紙 、函 館 船 渠 及 其 他 ノ 工場 並 ニ旭 川 附 近 ノ農
マセ ヌ、彼 等 ノ多 ク ハ細 谷 ニ投 票 シ タ ノデ ア リ マ ス。 此 関 係 ヲ 一層
迄 ニ準 備 ノ出 来 タ モノ ハ八、 而 シテ党 員 ハ千 九 百 二十 七 年 末 ノ 四名
村 ニ ア ツ タ機 関 紙 ノ読 者 ガ自 発 的 ニ蹶起 シテ、 中 絶 シ タ 工場 新 聞 ノ
明白 ニ スル ノ ハ函 館 デ ア リ マ ス。 函 館 ニ ハ前 ニ申 上 ゲ マシ タ様 ニ投
ツタ ノデ ア リ マ ス。投 票 ニ於 テ我 々 ハ立 派 ニ惨 敗 シ マシ タ。 然 シ夫
発 刊 ヲ企 テ或 ハ細 胞 ノ再 建 ヲ企 テ タ事 並 ニ後 ニ私 ガ無 産 者 新 聞 ノ フ
票 日 ノ数 日前 ニ加 藤 弁 護 士 ガ労 農 党 ノ候 補 者 ト シ テ立 チ マシタ ガ、
居 ル ニ反 シ、労 農 党 ハ其 一割 ニ モ足 ラ ヌ約 一万 二千 ノ得 票 シカ ナカ
ラ ク委 員 長 ト シテ情 勢 調 査 ノ為 社 員 ヲ各 地 ニ派 遣 シ タ際 、 私 達 ガ当
投 票 日 ニ真 近 シ テ立 ツ タ事 ト テ運 動 ト 名 ノ付 ク程 ノ選 挙運 動 ヲ ヤ ツ
カ ラ五 、六十 名 ニ増 加 シ、 地方 機 関 紙 ハ前 ニ述 ベ マシ タ通 リ 三 百 部
時 党 ト ノ関 係 カ ラ除 外 シテ置 イ タ所 謂 組 合 ノ闘 士 ハ、何 レ モ弾 圧 ニ
テ居 ナ イ ノデ ア リ マ ス。 夫 レニ モ拘 ラズ函 館 ハ当 時 函 館 船 渠 、 浅 野
初 ニ声 明 シ タ通 リ彼 等 ノ反 抗 ヲ利 用 仕 様 ト シタ ガ、 彼 等 ノ根 本 的 ナ
然 ル ニ今 日 ノ労 働 者 ノ力 ハ力 ニ依 ツ テ彼 等 ヲ引 付 ケ ルト 云 フ程 ノ強
要 求 ハ支 持 シナ カ ツタ ノデ ア リ マ ス。
正 比 例 スル﹂ ト 云 フ私 達 ノ主 張 ノ正 シカ ツ タ立 派 ナ証 明 デ ア リ マス。
大 ナ力 ニナ ツ テ ハ居 リ マセ ヌ。 故 ニ今 日 ノ労 働 者 ト シ テ ハ彼 等 ニ注
セメ ント、 造 船 、 木 工、 日 魯 漁 業 、港 内 労働 者 等 ニ殆 ンド全 市 的 ナ
第 二 ノ収 穫 ト シテ ハ労 働 組 合 ノ宣 伝 煽 動 ノ方 法 ガ 一変 シ タ事 デ ス。
意 ヲ向 ケ ル ヨリ モ、 自 分 自 身 ノ力 ノ結 成 ト農 民 ト ノ 同 盟 ト 云 フ事 ニ
争 議ガ起 ツ テ居 リ マシ タ為 、 其御 蔭 デ加 藤 候 補 ハ易 々ト シ テ約 二千
即 チ今 迄 到底 手 ガ附 カ ヌト半 諦 メ テ居 タ大 工場 大 鉱 山 モ、宣 伝 煽 動
全 力 ヲ尽 サ ネバ ナ ラ ナイ ノデ ア リ マス。 然 ル ニ従来 ハ此事 ヲ忘 レ逆
ナイ ノデ アリ マス。
ノ方 法 及 合法 非 合 法 ノ結 合 サ ヘ正 シ ク展 開 ス レバ案 外容 易 ニ陥落 ス
ニ彼 等 ノ要 求 、 利 益 ニ労 働 者 ノ利 益 ヲ従 属 セ シ メテ居 タ ノデ ア リ マ
労 働 者 ハ力 ヲ持 タ ズ シテ本 当 ニ彼 等 ヲ利 用 スル事 ハ出 来 ル モノデ ハ
ルト 云 フ確 信 ヲ実 際 ノ経 験 ヲ通 シ テ得 タ事 デ アリ マス。特 ニ重要 ナ
ス。 然 ル ニ今 度 此 選 挙 戦 ヲ経 テ此 謬 リ カ ラ脱 却 シ、 労 働 者 ハ先 ヅ 自
五百 票 ヲ獲 得 シ テ居 リ マス。 此事 ハ ﹁ 階 級 闘 争 ノ発 展 ト得 票 数 ト ガ
民 ノ投 票 ガ僅 カ ニ 一パ ー セ ント シカ ナイ ト 云 フ事 デ ア リ マ ス。
事 ハ前 述 ノ得 票 数 ニ於 テ九 十 九 パ ー セ ント ガ 労働 者 デ 、農 民 ト 小市
テ モ当 選 者 ニ於 テ モ驚 クベ キ 収穫 ヲ シ マシタ 。自 然 夫 レ ニ モ拘 ラズ
ウ カ ヲ吟 味 ス ル必 要 ガ ア ルノデ ス。此 事 モ最 初 私 達 北 海 道 各 地 代 表
起 ツ タ場合 ニ ハ、 我 々ノ方 針 ガ階 級 的 立 場 ヲ踏 ミ外 シ テ居 ナイ カ 什
ノ労 働 者 ノ力 ヲ以 テ シテ、 小市 民 ノ投 票 ガ非 常 ニ多 イ ト 云 フ現 象 ガ
分 自 身 ノ力 ヲ強 ク ス ル第 一歩 ヲ踏 ミ出 シタ事 デ ア リ マス。 若 シ今 日
工場 農 村 ニ於 ケ ル階級 的 対立 ハ 一向 激 化 シナ カ ツ タ許 リデ ナ ク、 当
者 会議 ノ意 見 ノ正 シカ ツ タ事 ヲ実 際 ニ証 明 シ得 タ貴 重 ナ ル経 験デ ア
前 ノ市 会 議 員 選 挙 戦 デ ハ小 市 民 ノ投 票 ガ 圧倒 的 ニ多 ク、 投 票 数 ニ於
選 シ タ市 会 議員 モ皆 裏 切 ツ テ 了 ツ タ ノデ ア リ マ ス。 然 ル ニ今度 ノ選
リ マシタ 。 以上 選 挙 戦 ヲ通 シ テ得 タ貴 重 ナ ル収 穫 デ ア リ マス。
答 兎 ニ角 右 ノ如 ク ニシ テ選 挙 戦 ハ終 了 シ マシタ 。其 処 デ 私 ハ直
挙 戦 デ ハ今申 上 ゲ タ 通 リ、 工場 農 村 ハ階 級 対 立 ガ激 化 シ テ、第一ニ
デ 今度 ハ小市 民 ノ投 票 ガ殆 ンド無 イ ト 云 フ事 デ ア リ マス。 夫 レ ハ我
チ ニ再 ビ各 地 ノ代 表 者 ヲ集 メ テ此 一ケ 月 間 ノ闘 争 ノ集 積 、批 判 、 将
一 七問 総 選 挙 終 了 後 什 ウ シタ カ。
々ノ方 針 ガ誤 リデ ハナ カ ツ タ ト 云 フ点 デ ア リ マス。 即 チ今度 ノ 選 挙
我 党 、第 二 ニ労 働 組 合 、 農 民 組 合 等 ノ組 織 ノ発 展 ヲ見 マシタ 。其 処
戦 デ ハ北 海 道 ニ於 ケ ル労 働 者 ノ小 市 民 ニ対 ス ル関 係ガ 一変 シタ事 デ
京 セ ヨト 云 フ招 集 状 ガ来 マシタ ノ デ右 ノ北 海 道 全 道 会 議 ヲ延 期 シ、
ニ発 シ マシ タ。 処 ガ丁度 其 時中 央 部 カ ラ組 織 会 議 ヲ開 ク カ ラ私ニ 上
体 ハ矢 張 リ資 本 家 側 ニ向 ケ ラ レ テ居 タト 云 フ事 ヲ実 験 シタ ノデ ア リ
同 志 武 内 ニ労 働組 合 テー ゼ 、同 志 山名 ニ農 民組 合 運 動 テ ー ゼ、 同 志
来 ノ対 策 樹 立 ヲ講 ズ ル為 ニ第 二 回全 道 会 議開 催 ノ通知 ヲ各 地責 任 者
マス。此 事 ハ彼 等 ノ階 級 的 ナ本 質 デ ア ツ テ、彼 等 ハ要 ス ル ニ理 窟 デ
沼 山 ニ労農 党 活動 テ ーゼ ノ草 案 ヲ来 ルベ キ会 議 ノ為 ニ作 ツ テ置 クベ
ス。 即 チ此 選 挙 戦 ニ於 テ モ、 小 市 民 ハ頭 デ ハ労働 者側 ヲ支 持 シタ ガ、
ナ ク力 ノ強 イ方 ヘト 動 揺 ス ル ノダ カ ラデ ア リ マ ス。故 ニ共 産 党 ハ最
リ マセヌガ)
三 総 選 挙 中 選 挙 戦 ニ関 聯 シ テ党中 央 部 ヨリ到 着 シタ 三 ツノ指 令
キ事 ヲ命 ジ テ置 イ テ直 チ ニ私 ハ上 京 致 シ マシ タ。 今 日 時 ハ判 然 記憶 シ マセ ヌガ 、 二 月下 旬 ノ指 定 サ レタ 日時 ニ上 野 駅 ニ到 着 致 シ マスト
四 総 選 挙 戦 ノ終 頃 ニ農 民組 合 中央 フ ラク シ ヨ ンビ ユー ロー カ ラ
告
人 三 田村 四郎
第 一ニ我 党 ノ候 補 者 ハ共産 党 ノ戦 略 ヲ具 体 的 ニ説 明 スル事
中 央 部 カ ラ来 タ モ ノデ ア リ マシ テ、其 指 令 ノ内 容 ハ、
答 此 指 令 ハ総 選 挙 戦 ノ初 期 (即チ二月 一日頃 ト記憶 シ マス) ニ 党
令 ノ内 容 ハ。
三問 革 命 的 労 働 者 農 民 ニ対 ス ル党候 補 者等 ノ演 説 要 旨 ト題 ス ル指
等 デ ア リ マ ス。
政 策 ト モ云 フベ キ指 令
ノ政 策 中 ニ ア ル労働 組 合政 策 ヲ更 ニ完 成 シタ共 産 党 ノ労 働 組 合
五 選 挙 戦 終 了 期 ニ一九 二 七年 十 二 月 発表 サ レタ 日本 共 産 党 当 面
来 タ農 民 運 動 並 ニ農 民 組 合 合 同問 題 ニ関 ス ル指 令
水 野 成 夫 ガ出 迎 ヘテ居 リ マ シタ。 同 人 ニ連 レ ラ レ テ京 橋 ノ渡 辺 政 之 輔 ノ家 ニ行 キ マ シタ 。其 処 デ 会 議 ヲ開 イ タ ノデ ア リ マスガ 、之 ガ 日
被
本 共 産 党 第 二 回全 国 組 織 会 議 ト称 セラ レ ル モ ノデ アリ マス。
同 日 於 右出 張先 作 之
清
人 三 田村 四郎
予 審 判 事 小 泉 英 一
裁 判 所 書 記 菅 生
東京地方裁判所
右 読 聞 ケ タ ル処無 相 違 旨 申 立 署 名拇 印 シ タリ 。
第 三 十 回訊 問 調 書 告
ノ民 主 化 デ アリ 、 具 体的 ニ ハ ﹁モナ ー キ ー﹂、枢 密 院 、 貴 族 院 ノ 廃
第 二 ニ夫 レ ニ付 テ特 ニ注 意 スベ キ事 ハ封 建 的 国 家 機 構 ノ破 壊 ト政 権
被
右 治 安 維 持 法 違 反被 告 事 件 ニ付 、 昭 和 五 年 六 月 六 日豊 多 摩刑 務 所 ニ
云 フ事
止 ト 一院制 ノ完 成 、 一言 ニ シテ 云 ヘバ国 家 機 関 ヲ民 衆 ノ手 ニ握 ルト
於 テ、 予 審判 事 小泉 英 一 ハ裁 判 所 書 記 菅 生 清 立 会 ノ上前 回 ニ引 続 キ
一問 総 選 挙中 北海 道 オ ルガ ナ イ ザ ー タ ル被 告 ニ対 シ、 日本 共 産 党
右 被 告 人 ニ対 シ訊問 ス ル コト 左 ノ如 シ。
第 三 ニ暴 露 スベ キ事 実 ト シテ、 (イ) 金 融 恐 慌 ニ際 シ テ ノブ ル政 党 ノ行
ノ実 施 ヲ引 延 シ タ事 、(ハ 地) 租 、 移 譲 、 自 作 農 創 定 等 ノ農 村 ニ対 ス ル
為 即 チ九億 円 ノ負 担 ヲ民衆 ニ課 シタ事 、 ) (ロ 三党 首 妥 協 ニ依 ツ テ普 選
改 良 政 策 ノ欺瞞 ノ暴 露 、(ニ 支) 那 革 命 妨 害 、 出 兵 、 満 蒙 政策 等 ノ帝 国
答 参 リ マシタ 。
中 央 部 カ ラ指 令 ハ来 ナ カ ッ タ カ。
答 夫 レ ハ次 ノ指 令 デ シタ 。
二問 什 ウ イ フ指 令 デ ア ツ タ カ。
第 四 ニ党候 補 者 ハ或 一組 合 又 ハ 一団 体 ノ代 表 デ ナ ク労 働 階級 ノ代 表
デ アリ
主義 外 交 政策 ノ暴 逆 性 ノ暴 露 、 (ホ) 労 働 者 農民 ニ加 ヘタ暴逆 ノ事 実 等
ノ演 説要 旨 ト 題 ス ル指令
一 総 選挙 戦 ノ初 期 ニ来 タ革 命 的 労 働 者 農 民 ニ対 ス ル党候 補 者 等
二 共 産 党中 央 部 カ ラ派 遣 サ レタ特 別 応 援 遊説 隊 ( 之 ハ指令デ ハア
事 、 但 シ此 際 ハ日 和 見 主義 者 ノ批 判 暴 露 ヲ毫 モ留 保 スル モノデ ナイ
第 五 ニプ ロレ タ リ ア ノ政 治 闘 争力 ノ統 一即 チ大 衆 ノ合 同 ヲ力 説 スル
デ ア リ、 階 級 的 利 害 ヲ代表 ス ル モノ ナ ル事 ヲ宣 揚 スル事
ラ ハ説 明 シナ ク ト モ宜 シイ、 尚 私 ニ対 シテ ハ指 令 停 滞 ニ対 シ テ何 等
見 通 リ 右指 令中 ノ第 二 ノ部 分 ハ非 合 法 的 ニ遂 行 スベ ク公 然 ノ演 壇 カ
見 書 ニ対 ス ル中 央 部 ノ 回答 ハ折 返 シ到着 シ マシタ。 中 央 部 ハ私 ノ意
並 ニ各 区 ノ演 説 隊 ノ責 任 者 ニ交 附 シ実 行 セ シ メ マシ タ。其 後 私 ノ意
リ マシタ。 此 指 令 ハ右 ノ私 ノ意 見 ヲ附 シ タ上 我 党 ノ候 補 者 山 本懸 蔵
咎メズ ト 云 フ事 デ アリ マシタ 。私 ハ早 速 此 回 答 ヲ同 志 山 本 並 ニ各 区
事
ノ演 説 隊責 任 者 ニ通告 シテ置 キ マシ タ。
第 六 ニ具 体 的 事 実 ヲ捉 エテ日 常闘 争 ノ激 発 ニ努 メ ル事
ニ行 ハザ ル事 ト 云 フ候 補 者 並 ニ応 援 演 説 者 ニ対 ス ル注 意 デ ア リ マシ
最 後 ニ候 補 者 ハ如 何 ナ ル場 合 ニ モ投 票 掻 キ集 メ ノ場 当 リ演 説 ヲ絶 対
五問 特 別 応 援遊 説 隊派 遣 ノ模 様 ハ如 何 。
答 党中 央 部 カ ラ派遣 サ レタ特 別 応 援 遊 説 隊 ハ確 カ 二 月 十 四、五
タ。 私 ハ此 指 令 ヲ受 取 ルト 同時 ニ、中 央 部 ニ対 シテ此 指 令 ハ実 行 不 可 能
日 頃 ニ北海 道 ニ巡 回 シテ来 タ ト記 憶 シ マ ス。 其 人 数 ハ確 カ 三 、四 名
ガ来 タカ 記憶 シ マセ ヌガ、 只私 ハ各 区 ノ演 説 隊 責 任 者 ヲ シ テ中 央 部
デ ア ル カ ラ再考 ヲ求 ム ルト 云 フ反 対意 見 書 ヲ提 出 シ マ シタ。
答 私 ノ意 見 ハ指 令 中 ノ 他 ノ凡 テ ニ ハ賛 成 デ ア リ、 全 ク正 シイ ト
派 遣 遊 説隊 ニ対 シ、 北海 道 ニ於 ケ ル共 産 党 ノ総 選 挙 方 針 ヲ説 明 セ シ
デ ア ツタ ト思 ヒ マス。私 ハ別 段 此 演 説 隊 ト会 見 シ ナ カ ッ タ カ ラ、 誰
考 ヘル ケ レド モ、第 二 ノ ﹁モナー キー ﹂廃 止 ヲ候 補 者 ガ合 法 的 公 然
メ、 其 方針 ニ準 拠 シテ行 動 ス ル事 ヲ要 求 セ シメ マシ タ。
四問 反 対意 見 書 ノ内容 及其 後 ノ事 情 如 何 。
ノ演 壇 カ ラ説 明 シナ ケ レバ ナ ラ ヌト 云 フ指 令 ハ反 対 デ ア ル、 若 シ之
六問 総 選挙 中 選 挙 戦 ニ関 聯 シテ党 中 央 部 カ ラ到 着 シ タ三 ツ ノ指 令
( ) ロ 党員 ニ シテ経 験 ア ル者 ヲ党 ノ ビ ラ撒 キ隊 ト シ テ即 時 ニ組 織 シ、
用 シ テ隊 員 中 ヨリ優 秀 ナ ル者 ヲ党 員 ト シ テ養 成 スル事
(イ) 合 法 的 ビ ラ撒 隊 ヲ編 成 シテ其 中 ニ党 員 ヲ配 置 シ、其 経 験 ヲ利
答 第 一 ハビラ撒 キ隊 ヲ作 レト 云 フ指 令 デ ア リ マシ テ、
ハ 。
ヲ強 ヒ テ実行 ス レバ 、 第 一回 目 ニ於 テ其 場 カ ラ候 補 者 ハ拘 引 サ レ ル デ ア ラ ウ、斯 ノ如 キ宣 伝 ハ今 日 ノ処 デ ハ非 合 法 的 ニ遂 行 スベ キデ ア ツ テ、 中 央 部 ハ明 カ ニ合法 非 合 法 ノ関 係 ヲ混 同 シ テ居 ル ト思 フ ガ、 中 央 部 ハ今 日 ノ我 々ノ 力 ヲ 以 テ シテ斯 ノ如 キ事 ガ公 然 合 法 的 演 壇 カ ラ説 明 シ得 ルト考 ヘル ノデ ア ルカ、 若 シ然 リ ト セバ何 故 ニ党 ノ候 補 者 ヲ労 農 党 ノ候 補 者 ト シテ立 候 補 セ シメ シカ、 何 故 ニ日本 共 産 党 候
ト イ フノデ アリ マシタ。
第 一線 ニ立 タ セ党 ノ独 立 活 動 ニ当 ラ セ ル事
ヲ 一瞬 時 ト雖 モ停滞 セ シ メ ル事 ハ許 シ難 キ規 律 違 反 デ ア ル ガ、 此 事
補 者 ト シ テ公然 名 乗 リ ヲ上 ゲ シ メナ カ ツ タ カ、 中 央 部 ノ指 令 ノ実 行
第 二 ハ非合 法 文書 ノ配 付 網 ヲ作 レト 云 フ指 令 デ 、
(イ) 共産 党各 細 胞 ヨリ此 技 術 ニ優 レタ ル者 ヲ選 抜 シ テ地 区 グ ルー
丈 ハ本 意 見 書 ニ対 ス ル回答 ア ル迄 、右 ノ部 分 ニ関 スル点 ノ ミ其 実 行 ヲ保 留 スル、 夫 レ ニ対 ス ル処 罰 ハ当 然 負 フ覚 悟 デ ア ル ト 云 フ ノデ ア
プヲ作 ル事
第 二 ニ非 合 法文 書 ノ配 付 網 モ同 様 デ 、 此 配 付 網 ガ出 来 ル為 ニ ハ先 ヅ
キ失 策 ガ演 ジ ラ レ ルデ ア ラウ 。
未 ダ機 関紙 モ出 シ テ居 ナ イ、 又選 挙 ニ付 テ ノ非 合 法 文 書 モ出 シ テ居
非 合 法的 定 期的 刊 行 文 書 ガ発 行 サ レテ居 ナ ケ レバ ナ ラ ヌ、 中 央 部 ハ
(ロ) 各 細 胞 毎 ニ責 任 者 ヲ置 キ 此 グ ルー プ ノ連 絡 ヲ執 ル事 ( ) ハ 地 方 委 員 会 ニ責 任 者 ヲ置 キ中 央 ト ノ連 絡 ヲ執 ル事 トイ フノデ ア リ マシ タ。
ナ イ 、什 ウ シテ配 付 網 丈 先 ニ出 来 ル カ、 北 海 道 ノ現 在 ヤ ツ テ居 ル行
(5) 細 胞 ヲ強 固 ニシ、 色 々 ナ組 織 ヲ又 自 分 ノ周 囲 ニ作 リ出 シ テ行 キ、 合 法 的 組 織 並 ニ活 動 ト 交 互 関 係 ヲ起 シ、 フ ラク ヲ下 カ ラ作 ツ
衆 闘 争 ガ発 展 革 命 化 シ テ居 ル。
(4) 機 関 紙 及 党 文 書 ノ拡 大 ト 共 ニ党 ノ組 織 ガ 編成 サ レテ行 キ、 大
ク、 全 大 衆 ノ末 端 ニ向 ツ テ語 ラ レ テ居 ル。
(3) 党 機 関 紙 並 ニ党 文 書 ハ 一々 ノ問 題 ニ対 シ我 党 ト シ テ徹 底 的 ニ 階 級 的 主 張 ヲ シ テ居 ル、 決 シ テ党 員 丈 ニ対 ス ル指 令 ト シ テヾ ハナ
頭 ニ立 ツ テ闘 ツ テ居 ル。
拡 大 シテ配 付 網 ヲ完 成 シ、 党 員 ハ党 ノ主 張 ヲ大衆 的 闘争 場 面デ 先
(2 員)ハ 此党機 関 紙 ヲ大 衆 的 闘 争 ト 結 合 シ テ交 互 関 係 ノ下 ニ益 々
文 書 ノ発 行 、 非 合 法 工場 新 聞 ノ発 行 ヲ シ テ居 ル。
(1) ﹁テ ーゼ ﹂ ト同 時 ニ党 署 名 ノ地 方 機 関 紙 並 ニ党 署 名 ノ 非 合 法
動 及 方針 ハ中 央 ノ指 令 ト ハ正 反 対 デ ア ル、 即 チ、
第 三 ハ選 挙 戦 中 ノ党 員 拡 大 ニ関 ス ル指 令 デ ア リ マシ テ、 (イ) 全 党 員 ハ労 働組 合 、農 民組 合 、労 農 政 党 、 ビ ラ撒 隊 、 警 備 隊 、 応 援 団 等 合 法 組織 ノ中 ニ党 ノ組 織 ヲ持 チ、 行 動 ヲ通 シ テ党 ノ政策 及 行 動 ニ従 事 ス ル前 衛 分 子 ヲ注 意 シ テ之 ガ獲 得 ニ努 メ ル事 (ロ) 選 挙 戦 中 地 方 オ ルガ ナ イ ザ ー ニ新 党 員 決 定 ノ権 利 ヲ与 ヘル云 々、 ト 云 フ ノデ ア リ マ シタ 。
ヲ提 出 シ マシ タ。
右 ノ指 令 ヲ受 取 ルト同 時 ニ即刻 中 央 部 宛 ニ私 ハ該 指 令 ニ対 シ意 見 書
七 問 被 告 ノ提 出 シ タ意 見書 ノ内 容 及 之 ニ対 スル党 中 央 部 ノ回 答 ハ。 答 此 指 令 ニ対 ス ル私 ノ反 対意 見 ハ第 一ニ、 中 央 部 ガ党 ノ組 織 ト 云 フ事 ニ付 テ コミ ン テ ル ンガ 正 シク指 令 シタ機 関 紙 ノ発 行 及機 関紙 ノ宣 伝 、 煽 動 、組 織 者 ト シテ ノ重 要 ナ ル役 割 ヲ認 メ テ居 ナイ 、 此機
ノ方 針 ヲ強 調 セズ 、 却 ツテ夫 レト ハ反 対 ノ相 変 ラズ 合 法 的組 織 、合
関 紙 ノ配 付 ト 交 互関 係 ニ於 テ党員 ヲ組 織 シテ行 ク ト 云 フ ﹁テ ー ゼ﹂
テ居 ル、 従 ツ テ大 衆 団 体 ヲ動 カ ス ノ ニ機 械 的 デ ハナ イ。
チ依 然 ト シ テ解 党主 義 的 セク ト主 義 的 デ ア ル、 ソ ン ナ ヤ リ方 デ ハ工
法 的 活 動 カ ラ ﹁セク ト ﹂的 ニ党 員 ヲ採 用 シテ行 カ ウト シ テ居 ル、 即
ビ ラ撒 キ隊 ヲ組 織 シ、 夫 レ ヲ以 テ党 ノ独 立 運 動 ト 称 ス ル ガ如 キ ハ、
書 ガ ア ツ テ初 メ テ生 カ サ レ ル、全 党 員 ヘノ ﹁イ ニシ ア テイ ーブ ﹂
ア リ、 中 央 機 関 紙 並 ニ ( 党員 ニノミ宛テタ モノデ ナク大衆 ヘノ)党 文
地 方 ノ ﹁イ ニシ ア テイ ーブ ﹂ ノ発揮 ト 云 フ事 ハ、 中 央 ノ テ ー ゼ ガ
ハ、 蓋 シ我 々 ノ非 合 法 新 聞 ヤ党 文書 ノ発 行 ガ ナ カ ツ タ カ ラデ ア ル。
(6) 大 衆 団 体 ヲ ﹁ビ ユー ロー﹂ 許 リデ 動 カ サ ネ バ ナ ラ ナ カ ツ タ ノ
共 産 党 ノ思 想 的 組織 的 独立 性 即 チ独 立 活 動 ト 云 フ事 ニ対 ス ル極 メテ
場 細 胞 ヲ基 礎 ト シ タ党 ハ出 来 ナ イ、 又党 員 中 ノ若 干 ヲ選 出 シ テ党 ノ
幼 稚 、 極 メ テ機 械 的 ナ解 釈 デ ア ツ テ、 其 ノ必 然 ノ結果 ト シ テ恐 ルベ
八問
農 民 組 合 中 央 フ ラ ク シ ヨンビ ユー ロー カ ラ来 タ指 令 及 其 当 時
ノ発 揮 亦然 リ 。
丁 度 総 選 挙 ノ終 頃 ニ農 民組 合 中 央 フラ ク シ ヨ ンビ ユー ロー カ
ノ事 情 如 何 。 答
(7) 非 合 法 文 書 ノ配 付 網 ハ或 程 度迄 出 来 テ居 ル処 ハア ル、 例 ヘバ
ラ農 民運 動 並 ニ農 民 組 合 合 同問 題 ニ関 ス ル指 令 ガ来 マシ タ。 私 ハ今
関 西 ハソウデ ア ル、 然 シ関 西 デ ハ非 合 法文 書 ハ出 テ居 ル ガ肝 腎 ノ 党 ノ署 名 ガ ナ イ、 中 央 部 ハ此事 ニ注 意 ヲ払 ツ テ居 ナ イ ノ ハ如 何 ナ
ニ集 中 スル ト 云 フ事 ト農 民組 合 ノ合 同 ニ関 シテ ハ従 来 ノ方 針 通 リ日
本 農 民 組 合 、 全 日 本農 民 組 合 等 ヲ全 国 的 ニ合 同 サ スト 云 フ ノガ 其 趣
此 指 令 ノ内 容 ヲ充 分 ニ記 憶 致 シ マセ ヌガ、 農 民 ノ闘 争 ヲ大 土 地 没 収
旨 デ ア リ マシ タ。 私 ハ此 指令 ヲ受 取 ルト同 時 ニ之 ニ対 シ テ モ反 対 意
ル訳 カ 。
ニ陥 ル危 険 ガ ア ル様 ニ覚 エル、 之 ハ時 事 問 題 ニ対 スル地 方 委 員会
其 後 モ必 要 カ什 ウ カ自 分 ニ ハ今 見当 ガ付 カ ナ イ、 什 ウ モ地 方 分権
見 書 ヲ提 出 シ マシ タ。 私 ノ意 見 ハ、
尚 中 央 機 関 紙 ガ発 行 サ レ ヽバ 北海 道 デ 発 行 シテ居 ル地 方機 関紙 ガ
ノ檄 ( 党文書)デ 良 イデ ハナ イ カ ト思 フ、 以 上 ノ如 ク 中 央 ノ指 令
ゼ ガ与 ヘラ レ タ以前 ト 何等 ノ変 化 ガ ナ イ。
如 何 ト 云 フ事 、 即 チ此 フ ラク ノ指 令 ノ趣 旨 ハ コミ ンテ ル ンノ テ ー
(1) 第 一ニ此 フ ラ ク (フラク ション) ノ指 令 ヲ中 央 部 ハ承 認 ス ル カ
ウ カ早 速 返 事 ヲ シ テ貰 ヒタ イ、 自 分 デ ハ コ ミ ン テ ル ン ノ ﹁テ ー
ト ハ大 変 相 違 ス ルガ 、果 シテ北 海 道 ガ間 違 ヲ仕 出 カ シ テ居 ルカ什
ゼ﹂ 並 ニ中 央部 ノ組 織 ﹁テ ー ゼ ﹂ ヲ忠 実 ニ正 シ ク展 開 シ テ居 ルト
イ 、 我 々 ハ 一時 的 ナ全 国的 農 民代 表 ノ会 議 ヲ開 催 スル事 ハ必 要 ト
(2) 農 民 組 合 ハ労働 組 合 ト違 ツテ全 国 的 合 同 ト 云 フ事 ハ有 リ得 ナ
此 意 見 書 ヲ提 出 シタ当 時 ニ ハ未 ダ 共 産 党 ノ中央 機 関紙 ハ出 テ居 ナ カ
ス ルガ 、 恒久 的 組 織 ト シテ ハ地方 的 ナ モノデ 良 イ 、 ソ シ テ夫 レ ハ
思 ツ テ居 ル 云 々ト 云 フノデ ア リ マシ タ。
ツ タ ノデ アリ マス。然 ル ニ北 海 道 デ ハ前 ニ申 上 ゲ マシ タ通 リ、 全 道
共 産 党 ニ依 ツ テ全 国 的 統 一ガ保 タ ル ベ キデ ア ル。
シ。
(3) 農 民組 合 ハ地方 的 合 同 タ ル事 、 全 国 的 合 同 ヲ セ シ メ ル必要 ナ
代 表 者 会議 ノ声 明 書 ヤ地 方 機 関 紙 ガ発 行 サ レ テ居 リ、 鉄 道 省苗 穂 工
ト 工 場細 胞 ガ出 来 テ行 キ ツ ヽ
場 ハ工場 新 聞 ヲ発 行 シ テ居 リ、 之 等 ノ党文 書 ノ発 行 ト同 時 ニ配 付 網 ガ自 然 ト出 来 タ許 リデ ナ ク、 バ タ〓
階 級 ノ ﹁ヘゲ モ ニー﹂ 等 ノ諸 関 係 ヲ究 明 シ タ必然 ノ結論 デ ア ツ テ、
(4) 右 ハ農 民 ノ階 級 的 特 性 並 ニ農 民 革 命 及 労 農 政 権 ノ樹 立 、労 働
シタ 。夫 レ ハ、 渡 辺 政 之 輔 カ ラノ 私 信 デ ア リ マ シ テ ﹁君 (三田村)
アツ タ ノデ ア リ マ ス。 此意 見 書 ニ対 ス ル回答 書 ハ数 日後 ニ到 着 シ マ
ノ意 見 ト中 央 部 ノ意 見 ニ根 本 的 ノ相 違 ハナ イ ト考 ヘル カ ラ君 ノ方 針
シ、方 策 ヲ樹 テ ネ バ ナ ラ ヌ。 今 日 迄 此 見 地 ニ立 タナ カ ツ タカ ラ、
労 働 組 合 ト同 様 ニ階 級 的 特 性 ノ違 フ農 民 ノ組 合 ニ モ全 国的 合同 ト
農 民 ノ闘 争 ヤ組 織 ニ付 テ考 ヘル場 合 ニ ハ必 ズ 以 上 ノ見 地 カ ラ観 察
デ ア リ マシ タ。 故 ニ私 ハ既 ニ申上 ゲ マ シタ北 海 道 ノ諸 方 針 ニ基 イ テ
云 フ方 針 ガ機 械 的 ニ執 ラ レ テ居 ル ノデ ア ル。 又 実 際 ノ経 験 ヲ見 テ
デ 進 ンデ 行 ツ テ呉 レ、 追 ツ テ君 ト ハ充分 懇 談 シ タ イ 云 々﹂ ト 云 フノ
闘 争 シタ ノデ ア リ マス。
日 分 散 シテ居 ル各 地 ノ農 民 組 合 ノ統 一 ハ直 チ ニ解 決 ガ付 ク ト考 ヘ
(6) 若 シ我 々ガ 以上 ノ方 針 ノ下 ニ農 民 組 合 合 同 ニ処 ス ルナ ラ、 今
持 ツ テ居 ル。
組 合 ハ其 内容 カ ラ 云 ツ テ モ容 易 ニ此 農 民 委 員 会 ニ転 化 ス ル条 件 ヲ
事 ヲ中 心 任務 ト ス ル政 治 的 団体 ト農 民 委 員 会 デ ア ル。 今 日 ノ農 民
チ、 経 済 団 体 ト 云 フ ヨリ寧 ロ地 主 ノ土 地 没 収 、 其 土 地 ヲ管 理 ス ル
(5) 尚 地 方 的 ナ農 民組 合 ハ共産 党 ノ当 該 地方 委 員 会 ノ指 導 下 ニ立
ヲ命 ジ テ ハナ ラナ イ 。
働 組 合 ト 同 ジ 統 一戦 術 ヲ用 ヰ、 全 国合 同 ノ為 ニ地方 合 同 ニ足 踏 ミ
特 性 カ ラ来 タ必 然 デ アリ 、 正 シイ ノデ ア ル。然 ル ニ之 ニ対 シ テ労
ハ レテ居 ル。 之 ハ決 シ テ不 思議 デ モ間 違 デ モナ ク、 農 民 ノ階 級 的
モ農 民組 合 ノ地 方 合 同 ハ容 易 ニ且 ツ中 央 ノ意 向 ナ ンカ頓 着 ナ ク行
第 四 ニ労 働組 合 内 ノ共産 党 フラ ク シ ヨ ン当 面 ノ任 務 ハ、
意 見 ノ相 違 ニ依 リ テ組 合 ヲ組 織 上 ニ迄 分 裂 セ シ メテ ハナ ラ ヌ事 。
ラ ク シ ヨ ンヲ形 成 シ、 労 働 組 合 内 部 カ ラ獲得 指 導 スベ キデ 、 政 治 的
第 三 ニ労 働 組 合 ト 共 産 党 ノ関 係 ニ付 テ、 共産 党 ハ労 働 組 合 ノ中 ニ フ
モノ タ ル事 。
者 大 衆 ノ 日常 利 益 ノ為 闘 争 ヲ機 関 ト シ テ 一切 ノ 労働 者 ヲ組 織 サ レ ル
事 、 其 手 段 ハ先 ヅ 共 産 党 ガ公 然 大 衆 ノ前 ニ出 ル事 、労 働 組 合 ハ労 働
第 二 ニ我 国 ニ ハ最 近 政 党 ト 組 合 ト ノ混 同 ガ ア ツタ ガ 、 之 ヲ克 服 ス ル
再 組 織 、 未 組 織 労 働 者 ノ組 織 ガ 必 要 デ ア ルト 云 フ事 。
テ居 ル故 ニ、 資 本 ニ対 スル闘 争 ノ組 織 ト組 合 ノ統 一、組 合 ノ産業 別
組 織 サ レテ居 ルノ ハ僅 カ ニ三 十 五 万 ニ過 ギ ナイ 。然 モ組 合 ハ分散 シ
的 反抗 ガ擡 頭 シテ居 ル。 然 シ 日本 ノ労 働 者 四 百 五 十 万 ノ内 、組 合 ニ
働 条 件 ガ極 度 ニ悪 化 シ テ来 ツ ヽア リ、 之 ニ対 シ テ労 働 者 ノ自然 発 生
的 ナ統 一ノ必要 ナ ル事 ノ宣 伝
(1) 共 同 闘 争 ニ依 ツ テ組 合統 一ノ基 礎 ヲ築 ク ト共 ニ、 絶 エズ 一般
ル。然 ル ニ此 フラ ク ノ指 令 ハ依 然 ト シ テ旧来 ノ陳腐 ナ政 策 ヨリ 一 歩 モ出 テ居 ナ イ許 リデ ナ ク、 今 日 デ ハ斯 ル方 針 ハ誤 リデ ア ルト考 ヘル云 々。
ガ ア リ マ セ ヌデ シ タ ガ、 次 ニ述 ベ マス労 働 組 合 ニ関 ス ル方 針 ト共 ニ
組 織 ガ 必 要 デ ア ル。
ノ重 点 ヲ置 イ テ居 ルガ、 労 働 組 合 ハ横 ノ組 織 ト共 ニ産 業 的 ナ縦 ノ
ライ キ ヲ全 産業 ニ拡大 セシ ム ル事 、 現 在 各 組 合 ハ地 方 同 盟 ニ闘 争
(2) 生 産 合 理 化 ニ対 ス ル闘 争 特 ニ同 一産 業 ノ 一工場 ニ於 ケ ル スト
第 二 回全 国 組 織 会 議 デ 問 題 ト ナリ マシタ 。
ト 云 フノデ ア リ マ シタ。 此 私 ノ意 見 書 ニ対 シテ ハ中 央 部 カ ラ ハ回 答
九 問 総 選 挙 戦 終 了 期 ニ到 着 シタ指 令 ノ内 容 及 其 事 情 ハ。
(3) 未組 織 労働 者 ノ組 織 ハ困 難 ナ問 題 ダ ガ、 然 シ困 難 ハ夫 レ ニ応
ズ ル戦術 ニ依 ツ テ必ズ 克 服 出 来 ル モノデ ア ル。 計 画 的 ナ宣 伝 デ ー、
答 其 指 令 ハ 一九 二七年 十 二 月 発表 サ レタ 日本 共 産 党 当 面 ノ政 策 中 ニア ル労 働 組 合 政 策 ヲ更 ニ完成 シタ共 産 党 ノ労 働 組 合 政 策 ト モ云
新 組 合員 獲 得 デ ー等 特 別 ニ組 織 拡 大 ノ為 ノ計 画 ヲ ス ル必 要 ガ ア ル。
場 ノ労 働 者 ハ革 命 的 闘 争 ニ決 定 的 役 割 ヲ持 ツ ノダ カ ラ、 我 々自 身
(4) 海 員 、海 軍 、 官 業 等 重 要 ナ大 工場 ガ 右翼 ノ手中 ニ ア ル、大 工
フベ キ モノデ ア リ マシ テ、其 指 令 ノ要 旨 ハ 第 一ニ我 国 資 本 主義 ノ情 勢 ト労 働 組 合 ノ 一般 的 任 務 ニ付 テ日 本 ノ資 本 主 義 ハ向 上 線 ヲ辿 ツ テ居 ルガ、 其 内 部 ノ矛 盾 ノ為 ニ労 働 階 級 ノ労
ラ レ、更 ニ同 志 花 房 及 私 ノ論 文 ニ依 ツ テ最 高 ノ形 態 ニ迄 其具 体 策 ガ
其 後 評 議 会 カ ラ総 同 盟 大会 ヘノ ア ツピ ー ル等 ニ依 ツ テ実 践 的 ニ遂行
完 成 サ レテ居 リ 、評 議 会 ハ既 ニ其 実 行 ニ着 手 シ テ居 ル ノデ ア ルガ、
ノ味 方 ヲ其中 ニ持 チ彼 等 ヲ共 産 党 ノ指 導 下 ニ置 ク事 。
治 闘 争 ヘノ結 合 、 市 民 層 ト ノ結 合 、統 一的 ナ闘 争 ガ可 能 ト ナ ル。
其 貴 重 ナ集 積 ガ凡 テ黙 殺 サ レテ、 一工場 ノ スト ライ キ ヲ全 産 業 ニ拡
サ レ テ居 ル。 又組 合 ノ産 業 別 再 組 織 デ ハ評 議 会 大 会 デ 従 来 ノ方 針 ヨ
(6) 労 働 組 合 ハ失業 者 ノ具 体 的 ナ要 求 ヲ掲 ゲ テ之 ヲ組 織 シ闘争 ヘ
大 ス ルト 云 フ旧 イ方 針 ガ事 新 シ ク説 カ レ テ居 ル。 更 ニ未 組 織 労 働 者
リ 一歩 前 進 シ、産 業 別 的 闘 争 ノ煽 動 ト 云 フ事 ガ 第 一任 務 ト シ テ挙 ゲ
動 員 スル事 。
ノ組 織 ニ付 テ モ依 然 ト シ テ組 合 宣伝 ヤ組 合 獲得 デ ート 云 フガ如 キ方
ス モノ ダ カ ラ、 斯 ル闘 争 ヲ徹 底的 ニ戦 ヒ抜 ク事 、 之 ア ツ テ コソ政
(7) 左 翼 組 合 ハ現在 太平 洋 労 働 組 合 会 議 ノ構 成 部 分 ト ナ ツテ居 ル
(5) 一工場 ニ於 ケ ル個 々 ノ経 済闘 争 ト雖 モ革 命 的 闘 争 ノ基 本 ヲ為
ガ、 我 々 ハ之 ヲ ヨリ鞏 固 ニ シ、未 参 加 ノ右 翼 中 間 派 諸組 合 ヲ引込
法 丈 ガ挙 ゲ ラ レ、 労 働 大衆 ヲ大衆 的 ニ闘 争 ニ動 員 シ、 大 衆 的 ニ組 織
シ得 ル ノ ハ煽 動 即 チ上 カ ラ ノ煽 動 ニ依 ルト 云 フ事 ガ閑 却 サ レ且 ツ大
ム事 及 プ ロフイ ンテ ル ン加 盟 運 動 ヲ 一般 的 ニ行 フ事 。
工場 中 心 主義 ガ 強調 サ レ テ居 ナ イ。 最 後 ニ右 翼 組 合 、 就 中 海 員 、 海
(8) ソヴ エツト労 働 組 合 ト ノ 一般 的 並 ニ産 業 別 的 提 携 運動 ヲ起 ス
軍 、官 業 等 ノ労 働 者 ヲ獲得 ス ルノ ニ何 等 ノ具 体 策 ヲ挙 ゲ テ居 ナイ 。
形 成 、 其 為 ノ有 力 ナ ル動 員 組 織 形 態 ト シテ産 業 別 工場 代 表 者 会 議 ト
事。
云 フガ 如 キ具 体 的 ナ活 動 ガ緒 ニ就 イ テ居 ル ノ ニ、 夫 レ等 ガ 一切 閑 却
然 ル ニ実 際 運動 ハ既 ニ産 業 別 煽 動 ト闘 争 、 夫 レ ニ依 ツ テ左 翼 分 派 ノ
等 云 フノデ ア リ マシ タ。
サ レ テ居 ル。 要 ス ル ニ此 方 策 ハ コミ ンテ ル ンノ テ ー ゼガ 我 々 ニ与 ヘ
(9) 戦 争 反 対 ノ闘 争 ツヴ エツ ト及 革 命 支 那 ノ擁護 ノ闘 争 ヲ 遂行 ス
私 ノ此 方 針 ニ対 ス ル意 見 ハ、 右 方 針 中 フ ラ ク シ ヨ ン当 面 ノ任 務 (5) ニ
ル事
ガ反 対 デ 、 他 ノ凡 テ ハ賛 成 デ ア リ マシ タ。然 シ同 時 ニ此 方 針 ハ 一九
於 テ 、今 尚 市 民 層 ト ノ結 合 等 ト 云 フ福 本 イ ズ ムヲ持 続 シテ居 ル 一点
ニ苦 ンダ諸 問 題 ガ 一掃 サ レネ バ ナ ラ ヌノ ニ、 夫 レガ 少 シ モ行 ハレテ
ラ レタ事 ニ依 ツ テ我 々ノ組 合 政 策 ガ 一段 ト 飛 躍 シ、 従来 解 決 サ レズ
ン テ ル ンノ テ ー ゼ ニ依 ツテ評 議 会 分 裂 ト 其 後 ノ評 議 会 ノ活 動 ノ再 吟
居 ナイ許 リデ ナ ク、 個 々ノ具 体 策 デ ハ後 退 シ テ居 ル事 、 我 々 ハ コミ
二七 年 春 以 前 ヨリ 一歩 モ前 進 シ テ居 ナ イ ト 云 フ点 デ 反 対 デ ア リ マシ
ハ此 方 針 ヨリズ ツト 進 行 シ テ居 ルノ デ ア ルカ ラ デ ス。 政 党 ト組 合 ト
タ。 何 ト ナ レバ 、 私 達 ガ 留 守中 央 常 任委 員 時 代 デ スラ 、実 際 ノ運 動
ニ セネ バ ナ ラ ヌノデ ア ル。 即 チ、
味 、労 働 組 合 再 組 織 ト其 統 一運 動 、 就 中 統 一同 盟 ニ付 テ等 々ヲ明 カ
イ 評 議 会 分 裂 ハ日 本 共 産 党 ガ 解党 主 義 デ アツ タ 必然 ノ所 産 デ 、 此
ノ混 同 ハ 一九 二七 年 ノ春 ニ解 決 ガ 付 イ テ居 リ 、現 ニ東 京 合 同 ノ大 会 、
日常 闘 争 ニ依 ル統 一ヲ力 説 シ テ居 ル事 、政 治 的 意 見 ニ依 ツ テ組 合 ガ
分裂 ハ間 違 ツ テ居 ル事
評 議 会 大 会 等 政策 並 ニ統 一同盟 ノ行 動 綱 領 カ ラ労 農 党 支 持 ヲ削 除 シ、
分 裂 スル事 ノ不 可 ト 云 フ点 デ ハ該 統 一同 盟 大 会 デ 声 明 シ テ居 リ且 ツ
左翼 労働 組 合及 左翼 労 働 組 合 ノ分 派 ノ総 評 議 会 タ ルベ キ事
ロ 然 シ分裂 シ タ以上 此 評 議 会 ハ日 本 ニ於 ケ ル赤 色 労 働組 合 ト シテ
レバ我 々 ガ コミ ン テ ル ン ノ テ ーゼ ヲ受 取 ツタ意 義 ガ無 イ ト 云 フ ノデ
ノ ダ カ ラ、 我 々 ハ大 胆 ニ之 ヲ解 決 シ即刻 実 行 スベ キデ ア ル。 然 ラザ
ア リ マシ タ。 私 ノ此意 見 ハ総 選挙 戦 ノ最 盛 期 デ ア ツタ為 ニ之 ヲ書 ク
清
予 審 判 事 小 泉 英 一
裁 判 所 書 記 菅 生
人 三 田 村 四 郎
ハ 故 ニ其 活動 ハ産 業 別 宣 伝 煽 動 委 員 会 ノ上 カ ラ ノ煽 動 ニ依 ツテ全
告
暇 ナ ク、 後 ニ第 二回全 国組 織 会議 ニ於 テ発 表 シタ ノデ シ タ。
同 日 於右 出 張先 作 之
第 三十 一回 訊 問 調 書
東京地方裁判所
右 読 聞 ケ タ ル処無 相 違 旨 申 立 署 名拇 印 シタ リ。
被
国的 産 業 別 闘 争 ノ組 織 、 夫 レト 交 互 シ テ労働 組 合産 業 統 一即 チ再 組 織 ヲ ス ル事 、評 議 会 ハ其 産 業 別 協 議 会 ノ全 国的 集 中 的 組 織 タ ル事 ニ 此 闘 争 ガ大 工場 ニ集 中 シ テ遂 行 サ レ、 此中 ニ右 翼 組 合 ノ獲 得 ガ 自 ラ含 マ レ ル事 ホ 斯 ク テ統 一同 盟 ヲ左 翼 労働 組 合及 其 分派 ノ同 盟 等 ト 云 ツ タ規 定 ガ全 ク解 党 主 義 カ ラ生 ジ タ必然 ノ誤謬 タ ル事 ガ釈 然 ト シ テ明 瞭 ト ナ
レ ハ限 ラ レ タ ル或 特 定 ノ日 常闘 争 題 目 ノ下 ニ動 員 サ レタ ル 一時的 共
リ、 統 一同 盟 ハ最 モ単純 簡 単 ナ ﹁ルー ズ ﹂ ナ組 織 デ 充 分 デ ア リ、 夫
右 治安 維 持 法 違 反 被 告 事 件 ニ付 、 昭 和 五年 六 月 十 三 日豊 多 摩 刑 務 所
人 三 田村 四郎
ノ如 キ物 々 シイ組 織 ヤ規 約 ヤ任 務 ヲ背 負 ハズ 、 弊 害 ヲ 一掃 シ、 モ ツ
ニ於 テ 、 予審 判 事 小 泉 英 一ハ裁 判 所 書 記菅 生清 立 会 ノ上 前 回 ニ引 続
告
気 易 イ 行動 体 ニ シナ ケ レバ ナ ラ ヌ。 或 一定 ノ行 動 ノ実 行 ト 云
被
ト〓
キ右 被 告 人 ニ対 シ訊 問 スル コト 左 ノ如 シ。
同 戦 線 体 デ ア ル事 、 従 ツ テ統 一同 盟 ヤ労 働 組 合 ノ会 議 ニ対 ス ル従来
ヘ 評 議 会創 立 以来 、実 際 運動 ハ常 ニ此 傾 向 ヘ接 近 仕 様 ト シ テ来 テ
フ事 丈 ガ 之 等 ノ共 同 戦線 体 ノ重 点 ト ナ ルベ キデ ア ル
人 ニ連 レラ レ テ京 橋 ノ渡 辺 政 之 輔 ノ家 ニ行 キ 、其 処 デ開 カ レタ 日本
答 前 々回 申 上 ゲ マシ タ様 ニ、 私 ハ上野 駅 デ水 野 成 夫 ニ会 ヒ、 同
一問 日本 共 産 党 第 二回 全 国 組 織 会 議 ノ模 様 ハ如 何 。
共 産 党 第 二回 全 国 組織 会 議 ニ列 席致 シ マシタ。 日 ハ確 カ 二月 二十 日
居 ル。 即 チ産 業 別協 議 会 機 関 紙 産 業 別 版 ノ発 行 、統 一同盟 、産 業 別 宣 伝 委 員 会 、産 業 別 工代 、産 業 別 要 求 項 目 ノ決 定 、 評 議 会 大 会 ニ於
直 後 ノ同 月 下 旬 デ 、 会 議 ハ私 ガ 到着 シタ其 日 ノ正 午 カ ラ始 マリ、 翌
日 ノ正 午 頃 ニ終 ツ タト 思 ヒ マス。
ス ル論 文 、評 議 会 本 部 ノ産 業 別 ﹁ニ ユー ス﹂ 発 行 ノ計 画等 々此傾 向
二問 其 会 議 ノ列 席 者 ハ。
春 日庄 次 郎
ケ ル産 業 別合 同 新 方 針 、同 志 花 房 ノ論 文 並 ニ私 ノ組 合 運動 統 一ニ関
ハ 一九 二 七年 ニ於 テ最 高 潮 ニ達 シ、 真 実 ノ解 決 ノ 一歩 手前 迄 来 テ居
答 此 会 議 ニ参 集 シ タ者 ハ、
ル。然 ル ニ共 産 党 ノ解 党 主 義 セ クト 主 義 ノ政策 ノ為 ニ其 正 当 ナ ル発 展 ガ阻 マレ、出 口 ヲ求 メ テ苦 悩 シ テ居 ルト 云 フ状 態 ニ ア ツタ ノデ ア
渡 辺 政 之輔
中 尾 勝 男
ル。 之 ガ 今 ヤ コミ ンテ ル ンノ テ ー ゼ ニ依 ツ テ解 決 ノ鍵 ガ与 ヘラ レ タ
河 合 悦 三
藤 井 哲 夫
三 田村 四 郎
ノ六 名 デ ア リ マシ テ、申 ス迄 モナ ク渡 政 ハ中 央 組 織 部 責 任 者 、其 他 ハ各 地 方 ﹁オ ルガ ナ イ ザ ー ﹂ デ ア リ マ ス。 三問 会 議 デ協 議 セ ラ レタ内 容 ハ。
四 関 東 オ ル ガ ナイ ザ ー ノ誤 謬 ト 夫 ニ対 ス ル中 央 部 ノ指 令 ノ説 明
方 針 ヲ持 ツ テ居 ナイ ト 云 フ事
第 一ニ我 党 ガ ﹁セ クト ﹂ 的 組織 デ ア ツ タ為 、党 員 ノ九 十 パ ー セ ン
五 全 般 的 ニ持 ツ テ居 ル組 織 上 ノ欠 点 及再 組織 ノ 困難 性 ニ付 テ
員 ガ居 ナ イ
ト ガ大 衆 団 体 ノ公 職 ニア ル モ ノデ 、十パ ー セ ント シカ 工場 内 ノ党
対 スル我 党 ノ態 度 、 ト題 ス ル二 通 ノ謄 写版 刷 ノ印 刷 物 ガ渡 サ レ、同
リ待 ツテ居 ル
第 二 ニ各 細 胞 及 機 関 ノ自 主 的 活動 ガ 不振 デ ア ル、下 ハ上 ノ指 令 許
答 開 会 ニ先 チ渡 政 カ ラ中 央 組 織 部 報 告 、 労 農 ノ ﹁グ ル ープ ﹂ ニ
志 渡 政 ガ 夫 レ ヲ説 明 シ マシタ。
第 四 ニ合 法 非 合 法 活 動 ノ考 ヘガ 極 メ テ曖 昧 デ ア ル事
明瞭 デナイ
第 三 ニ党 ノ基 本 組 織 活 動 ト ﹁フ ラク シ ヨン﹂ ノ組 織 活 動 ノ区 別 ガ
四問 中 央 組 織 部 報告 ノ要 点 ハ。
一 一九 二七 年 末 ﹁コミ ンテ ル ン﹂ ノ ﹁テ ー ゼ ﹂ ニ基 イ テ、 従 来 ノ
答 夫 レ ハ、
五 人 組 細 胞 ノ党 ヲ工場 細 胞 ヲ基 礎 ト スル党 ニ組 織 変 更 シ タ事 、 地 方
北 海 道 ハ条 件 ガ良 イ 上 ニ ﹁オ ルガ ナ イ ザ ー﹂ ガ ﹁プ ラ ン﹂ ヲ持 ツ テ
﹁プ ラ ン﹂ ヲ持 ツ テ居 ナ カ ツ タ ノデ 一層 混 乱 ニ陥 ツ タ。
関 東 ハ右 ノ困 難 性 ヲ看 取 セズ 且 ツ夫 レ ヲ如 何 ニ シ テ 克 服 ス ル カ ノ
居 タ カ ラ急 速 ニ発 展 シ、 工場 内 党 員 ノ吸 収 ガ 一番 優 レ テ居 ル云 々
二 右 ノ オ ルガ ナイ ザ ー中
委 員 会 ヲ廃 シ テ各 地 オ ルガ ナ イ ザ ーヲ配 置 シタ事
テ当 該 地 ノ客 観 的 条件 ノ新 タナ ル分 析 ノ上 ニ政 治 組 織 ﹁テ ー ゼ﹂ ヲ
北 海 道 ﹁オ ルガ ナイ ザ ー﹂ ハ、直 チ ニ中 央 ノ政 治 ﹁テ ー ゼ﹂ ニ基 イ
ニ申上ゲ タ総選挙 ノ初 ニ北海道 ニ到着 シタ指令デ アリ マス)
六 中 央 組 織 部 ハ以 上 ノ諸 条 件 ノ認 識 ノ下 ニ、 総 選 挙期 間中 ノ組 織
七 右 ノ中 央 ノ指 令 ニ対 シ北 海 道 地 方 ﹁オ ルガ ナイ ザ ー﹂ カ ラ質 問
方 針 ヲ次 ノ如 ク行 ツ タ ト 云 ツ テ指 令 下 再 録 サ レ テ 居 マ シ タ ( 之 ガ前
夫 レラ シイ モ ノ モ シ テ居 ナ イ 、信 越 ハ試 ミ タ ガ全 然 失 敗 シ テ居 ル、
カ ツ タ ガ再 組 織 ノ具 体 的 方針 ヲ党員 ニ指 示 シタ、 関 東 ト 九 州 ハ全然
北 海 道 ハ党 地 方 機 関紙 ガ 既 ニ五 号迄 出 テ居 ル、関 西 モ多 数 ノ党 文 書
的 意 見 書 ガ提 出 サ レ タガ 、 極 メ テ重 要 ダ カ ラ其 全 文 ヲ引 用 ス ル、 ト
作 成 シ、 党 員 ノ活 動 ノ方 向 ト基 準 ヲ定 メ タ、 関 西 ハソ ン ナ事 ハシナ
ガ出 テ居 ル、
シタ
云 ツテ私 ガ中 央 部 ニ提 出 シ タ質 問 書 ノ殆 ンド全 文 ガ再 録 サ レテ居 マ
八 夫 レカ ラ中 央 部 ノ之 ニ対 スル意 見 ト シ テ、 右 ノ質 問 書 ノ後 段 ノ
其 他 ノ地 方 ハ何 モ出 テ居 ナイ
ガ、 其 活 動 ハ依然 ト シ テ従来 ノ ヤリ方 ヲ踏 襲 ス ルノ ミデ 、 夫 々 ノ団
部 分 ニ ハ勿 論 賛 成 デ ア リ異 論 ハナイ ガ 、今 日 ノ我 党 ノ組 織 的 ナ力 ハ
三 労 農 党 ト 評 議 会 ノ中 央 ﹁フラ ク シ ヨ ンビ ユー ロー﹂ ガ 確 立 シ タ
体 内 ノ党 員 ガ 当 面 如 何 ナ ル活動 ヲ展 開 ス ル事 ガ必 要 カ ニ付 イ テ全然
此 原 則 通 リ ノ闘 争 ヲ今 日直 チ ニ進 展 セ シメ得 ナイ ﹁セ クト ﹂主 義 ノ
六問 会 議 デ 発 表 シ タ被 告 ノ意 見 ノ要旨 ハ。
第 一 中 央 部 ハ私 ノ意 見 書 ノ後 段 丈 ニ賛 成 シ テ居 ツタ ガ、 私 ハ前 段
答 夫 レ ハ、
題 ノ ミデ 直 チ ニ解 決 シ得 ル モノ デ ナ イ コト ヲ充 分 ニ知 ラネ バ ナ ラ ヌ
モ賛 成 シテ呉 レル事 ヲ要 求 スル。 何 ト ナ レバ、 中 央 部 自 身 機 関 紙 ヤ
種 々ナ ル遺 産 ヲ承 継 シ テ居 ル、党 ト シテ ハ此 遺 産 ヲ単 ニ原 則 上 ノ問
九 然 シ党 ノ組 織 ニ当 ツ テ最 モ重要 デ ア ツ タ党 ノ教 育 的 任 務 及 党 ノ
シテ居 ルガ、茲 ニ コソ問 題 ノ鍵 ガ ア ルノデ アリ 、 私 ハ其 事 ヲ意 見書
党 文 書 ノ発 行 ガ或 ハ後 レ或 ハ欠 如 シ タ事 ヲ重 大 ナ 欠点 デ ア ルト自 認
ノ前 段 ニ於 テ力 説 シ タ ノダ カ ラデ ア ル。 今 各 地 方 ノ報 告 ニ依 レバ、
大 衆 ヘ ハ ﹁ア ツピ ー ル﹂煽 動 等 ガ中 央 部 ニ欠 如 シ テ居 タ事 及 党中 央
政 治 的 過 誤 デ ア ツ タ事
北海 道 ヲ除 ク他 ノ凡 テ ハ機 関 紙 ノ煽 動 宣伝 組 織 者 ト シテ ノ作 用 ヲ理
機 関 紙 ノ発 行 ガ 後 レ タ事 ハ、党 再 建 ニ致 命 的 ナ欠 陥 ヲ与 ヘ、 重 大 ナ
十 要 スル ニ我 党 ニ ハ ﹁セク ト ﹂主 義 ノ遺 産 ガ可 ナ リ強 ク残 存 シ テ
テ居 ル事 ヲ暴 露 シ タ。 従 ツ テ ﹁コミ ン テ ル ン﹂ ノ テ ーゼ 通 リ実 行 シ
テ居 ナ イ ト 云 ツテ差 支 ナイ 。 又 党 ガ先 ヅ 凡 ユル問 題 ニ政 治的 解 決 ヲ
解 シテ居 ナ イ事 、 此 機 関 紙 ノ配 布 ト 党 ノ再 建 ト 云 フ事 ノ理解 ヲ欠 イ
与 ヘタ 党文 書 ヲ党 署 名 ノ下 ニ大 衆 ノ前 ニ発 表 スル事 ノ重 要性 、 就中
居 ル、 又党 独 立 活 動 並 ニ非合 法 活動 ニ付 テ充 分 意 義 ヲ理 解 シ テ居 ナ
ニ工場 内 日常 闘 争 ノ激 成 、 之 ト 交 互 シ テ工場 内 党 員 ヲ獲 得 スル事 ニ
今 日 ノ我 党 ニ取 ツテ ノ 夫 レノ意 義 モ理 解 シ テ居 ナイ 事 ヲ暴露 シ タ。
イ 、更 ニ各 機 関 及 組 織 ノ独自 的 活動 ガ ナ イ 、然 シ夫 レ等 ハ今 後 第 一
依 ツテ決 定 的 ニ克 服 サ レル 云 々
指 導 ハ誤 リデ ナ イ ト シテ モ、 依 然 ト シ テ問 題 ノ末 梢 ニ対 ス ル末 梢 的
中 央部 ガ 関東 地方 ﹁オ ルガ ナ イ ザ ー ﹂ ノ誤 謬 ニ対 シ テ採 ツタ 対策 及
対 策デ ア ツ テ、 地方 委 員 会 ガ先 ヅ 諸 問 題 ニ政 治 的 明答 ヲ与 ヘ、 党 ノ
ト 云 フノデ ア リ マシ タ。
答 右 ニ引続 イ テ各 地 方 ﹁オ ルガ ナイ ザ ー﹂ ノ報 告 ニ移 リ、 其 報
五問 共 次 ノ議 事 ハ。
告 ガ 終 ツ テ カ ラ討 論 ニ移 リ マシ タ。 討 論 ハ主 ト シテ私 ト渡 政 ノ論 戦
完 全 ト ハ云 ヘナ イ、 故 ニ夫 レデ ハ問 題 ノ根 本 的 解 決 ト ハナ ラ ナイ 。
主 張 政策 要 求 ヲ大衆 ノ前 ニ発 表 スル コト 、 具 体 的 ニ ハ機 関 紙 、 党文
又 中 央 部 自 身当 然 大 衆 ニ公 表 スベ キ党 ノ諸 政 策 ヲ方 針 書 ヤ指 令 ト シ
書 ノ発 行 ト 云 フ肝 腎 ナ事 ヲ指 示 ス ル事 ヲ欠 イ テ居 ルガ 故 ニ、 夫 レ ハ
闘 争 ヲ指 導 シ、具 体 的 ナ経 験 ヲ以 テ集 ツ タ ノデ アリ マスカ ラ、 其 論
テ党 員 丈 ニシ カ示 サ ナ イ ト 云 フ彼 ノ セ ク ト時 代 ノ ヤ リ方 ヲ踏 襲 シ テ
﹁コミ ン テ ル ン﹂ ノ ﹁テ ー ゼ﹂ ガ与 ヘラ レ テ カ ラ既 ニ三 ケ月 実 際 ノ
戦 ハ実 ニ物 凄 イ程 真 剣 デ ア リ マシ タ。
居 ル カ ラデ ア ル。 又中 央 部 ハ関 西 ノ党 文 書 ニ付 テ夫 レ等 ノ党 文 書 ニ
デ アリ マシタ ガ 、然 シ各 出 席 者 ト モ良 キ ニ シ ロ悪 キ ニ シ ロ、兎 ニ角
テ最 初 ノ モノデ ア ルト 云 フ事 デ シ タ。 確 カ其 事 ヲ彼 ハ決 議 ノ中 ニ書
ナイ 。
党 ノ署 名 ガ 無 イ事 ニ何 等言 及 シテ居 ナ イ シ、 関 西 ニ注 意 ヲ与 ヘテ居
同 志渡 政 ノ云 フ処 ニ依 レバ、 斯 様 ニ立 派 ナ会 議 ハ日本 共 産 党 始 マツ
ノ通 リ デ ア ツタ ト記 憶 シ マ ス。
イ タト思 ヒ マス。此 会 議 ニ於 テ発 表 シ タ私 ノ意 見 ヲ大約 シ マスト次
織 上 ノ困難 性 ト シテ挙 ゲ テ居 ル我 党 ニ於 ケ ル欠陥 ハ現実 ニ存 在 スル。
第 二 中 央 部 ノ報 告 並 ニ各 地 方 オ ルガ ナ イ ザ ー ノ報 告 ニア ツ タ再 組
テ ーゼ ニ明 示 シタ モノデ ア ル。 中 央 部 モ亦 其組 織 テ ーゼ ニ之 ヲ力 説
ル。 此 原則 コソ レー ニ ンノ組 織 原 則 デ ア リ、 コミ ン テ ル ンガ殊 更 ニ
通 リ ニ ハ今 直 チ ニ進 展 セ シメ得 ナイ ト 云 フガ 、 之 ハ大 キ ナ誤 リデ ア
ハ私 ノ意 見書 ニ対 シテ、 セク ト主 義 ノ克 服 ハ私 ノ主 張 ス ル如 キ原 則
シテ居 ルノデ ハナ イ カ。
十 パ ー セ ント シカ 工場 内 ノ党 員 ガ 居 ナイ ﹂ ト 云 フ事 ハ確 カ ニ我 党 ノ
ソウ シ テ此 原 則 ニ依 ツテ ノ ミ セ クト 主義 ガ 克服 サ レ ルノデ ア ツテ、
然 シ乍 ラ ﹁党 員 ノ九 十 パ ー セ ント ガ 大衆 団体 ノ公 職 ニア ル モノデ 、
活動 ヲ遂 行 シ且 ツ北 海 道 ノ如 キ党員 拡 大 ノ 一般 方 針 ニ依 ル ナ ラバ 、
弱 点デ ハア ル。 然 シ之 ハ絶 対 的 弱 点デ ハナ イ、 若 シ北 海 道 ノ如 ク党
反 対 ニ一番 悪 イ ト 見 ルベ キデ ア ル。 党 員 ガ タ ツ タ 四名 シ カ居 ナ イ ト
ラ ンヲ持 チ 云 々﹂ ト 云 ツ テ居 ルガ、 断 ジ テ北 海 道 ハ条 件 ハ良 ク ナ イ、
筈 デ ア ル。 中 央 部 ハ ﹁北 海道 ハ条 件 ガ良 イ上 ニオ ル ガ ナイ ザ ーガ プ
ア ル。 ソシ テ イ ン スト ハ会 費 ヲ納 入 セ ヨト カ、 集 会 ノ報 告 ヲ即 時 提
タ通 リ斯 ル現 象 ハ存 在 シ ナイ 。 夫 レ ハ機 関 紙 ト党 文 書 ガ ア ル カ ラデ
デ ア ルカ、 夫 レ ハ党 文 書 ガ ナイ カ ラデ ア ル。北 海 道 ニ於 テ ハ報 告 シ
下 ハ上 ノ ﹁イ ン スト ﹂ 指 令 ヲ待 ツ テ居 ルト 云 フ状 態 ハ抑 々何 ガ原 因
第 三 中 央 部 ノ報 告 ガ示 ス処 ノ各 細 胞 及機 関 ノ自 主 的 活 動 ガ不 振 デ 、
之 ヲ強 味 ニ転 換 スル事 ガ出 来 ル。 ソ シテ党 ノ古 キ地 盤 ノ存 在 ス ル各
云 フ事 ガ什 ウ シ テ条件 ガ良 イ ト 云 ハ レル カ。 セ クト 主義 ノ病 癖 ハ決
ヲ北 海 道 ノ実 践 ガ証 明 シ テ居 ル ノデ ハナイ カ 。
シ テ我 党 員 丈 ニア ル ノデ ハナ ク、 日本 ノ左 翼 運 動 ノ全 体 ニ根強 ク蔓
ア ル。 然 モ全 党 員 ハ極 メ テ自由 且 旺盛 ニ発 意 性 ヲ発 揮 シ テ居 ル。何
出 セ ヨト 云 ツ タ全 ク事 務 上 ニ関 ス ル二、三 ノ モノ ガ発 セ ラ レ タ 丈 デ
之 以外 ノ方 法 デ ハ断 ジ テ セクト 主 義 ノ克 服 ハ出 来 ナ イ 。 ソ シテ其 事
ツ テ居 ル ノデ ア ル。 此事 ヲ同 志 諸 君 ハ充 分 理 解 シ テ居 ナ イ ノデ ハナ
地方 ニ於 テ ハ、 北 海 道 ニ於 ケ ル ヨリ数 倍 ノ発 展 ヲ見 ナ ケ レバ ナ ラ ヌ
イ カ、 夫 レ故 ニ私 ハ コミ ンテ ル ンノ テ ー ゼ ヲ受 取 ツ タ時 ニ解 党 主 義 、
ル場 面 ヲ通 シ テ衆 ニ先 ンジ テ実 行 ニ移 シテ行 ツ タ カ ラデ アリ 又 夫 レ デ 足 リ ル ノデ ア ル。
ト ナ レバ、 全 党 員 ハ地 方 委員 会 ガ 先ヅ 範 ヲ 示 シタ党 ノ主 張 ヲ、 凡 ユ
ミ ンテ ル ンノ テ ーゼ ヲ正 シク実 行 スル永 イ 実 践 ニ依 ツ テ ノ ミ達 成 出
第 四 更 ニフ ラ ク シ ヨン活動 ト党 ノ独 立 活 動 ト ノ区 別 ガ ツカ ヌト 云
セ クト 主 義 ニ対 ス ル執 拗 ナ ル闘 争 ノ必 要 即 チ其 微 細 ナ 現 [レ] ニ対
来 ル事 ヲ力 説 シタ ノデ ア ル (日光会議ヲ指 ス)。 北 海 道 ハ 一 ニ モ 二 ニ
フ事 モ、 合 法 及 非合 法 ノ干 係 、其 結 合 ノ意 義 ガ理 解 サ レ ナイ ト 云 フ
シ テ モ声 ヲ大 ニ シテ闘 争 シナ ケ レバ ナ ラ ヌ事 、 ソ シ テ其 克 服 ハ只 コ
モ コミ ン テ ル ンノ テ ー ゼ ヲ正 シク実 行 ス ルト 云 フ事 ヲ只 管 心懸 ケ テ
ア ル。 一体今 日 ノ党 ノ力 デ 我 党 ノ独 立 性 ヲ何 ン ニ依 ツ テ保 持 ス ルカ
事 モ、 要 ス ル ニ其原 因 ハ前 述 ノ モノ ト同 一ノ根 拠 カ ラ来 テ居 ルノデ
又 為 シ得 ルカ 、 党 ハ今 日公 然 党 主 催 ノ演 説 会 、 示 威 運 動 ノ組 織 又 ハ
来 タ、其 御 蔭デ 僅 カ 一ケ月 デ 斯 ク モ多 数 ノ党 員 ヲ獲 得 ス ル事 ガ出 来 、
リ四 パ ー セ ント、 然 モ工場 内 労 働 者 党 員 七 六 パ ー セ ント ト 云 フ、 他
議 員 ヲ立 候 補 セ シ メ ル迄 [ノ]段 階 ニ達 シ テ居 ナイ 。然 ル時 党 ノ 独
其 党 員 ノ比率 ハ労 働 者 八 七 パ ー セ ント、 農 民 九 パ ー セ ント 、 イ ンテ
ノ地 方デ ハ見得 ラ レナ イ成 績 ヲ収 メ ル事 ガ 出 来 タ ノデ ア ル。中 央 部
ハ、 前 述 中 央 部 ノ指 令 ニア ツタ様 ナ党 員 ノ非 合 法 ビ ラ撒 隊 ノ編 成 ヲ
書 ナ ク シ テ フ ラ ク シ ヨ ン活動 ト党 ノ独 立 活 動 ノ結 合 及 区 別 モ、合 法
凡 ユ ル場 面 ヲ通 ジ テ実 行 ス ルト 云 フ事 ニア ル、 故 ニ今 日 ノ場 合 党文
自 ノ政 治 的 立 場 ハ只 党 署 名 ノ文 書 ニ於 テ之 ヲ発 表 シ、全 党 員 ガ 之 ヲ
ル ガ、 此 最 後 ノ モ ノ ニ至 ツ テ ハ以 テノ外 デ ア ル。私 自 身 十 年 前 社 会
ヘ党 ノ ビ ラ ヲ散 布 シ、 或 ハ三越 ノ階 上 カ ラ党 ノ ビ ラ ヲ撒 布 シ タト ア
第 六 報 告 ニ依 レバ関 東 ハ労 働 者 街 ヘ党 ノビ ラ ヲ貼 リ、 関 西 ハ工場
ノ大 キ ナ動 キ ニ捲 キ込 マレ自然 ト 牽制 出 来 ル。
場 ニ傾 注 スベ キダ 、 大 工場 ヲ獲 得 シサ ヘス レバ、 小 工場 ハ其 大 工 場
リト テ未ダ労働組合 トノ組織的関係 ノ無カッタ当時)同 様 三越 カ ラビ ラ ヲ
主 義 運 動 ノ 初 期 (即 チ社会主義者 ガ漸 ク研究会 カラ街頭 ヘ出初 メタガ、サ
非 合 法 ノ結 合 モアリ 得 ナイ 、 之 ナ ク シテ党 ノ独 立 活 動 ヲ 云 々 ス ル時
テ其 結 果 ハ関 東 ニ於 ケ ルガ如 キ、 大 衆 団 体 ノ活 動 ト 孤 立 シテ共 産 党
以 テ党 ノ独 立 活 動 ト 云 フガ如 キ狭隘 ナ ル見 解 ニ陥 ル ノデ ア ル。 ソ シ
ヲ思 ヒ出 ス度 ニ恥 シ サ ノ為 ニ顔 ガ真 赤 ニナ ル。 一体 今 日三 越 ノ買物
客 ニ党 ノ非 合 法 ビ ラ ヲ撒 イ テ党 ノ政 策 ヲ宣 伝 シ、 ﹁ポ ピ ユ ラ ー﹂ ニ
撒 イ タ リ、 劇 場 ノ観 客 ニビ ラヲ撒 イ タ リ シタ事 ガ ア ル。 私 ハ今 夫 レ
シ ヨウ ト 云 フ ガ如 キ全 ク 狂 気 ノ沙 汰 デ ア ル。 自 分 ハ斯 様 ナ行 為 ニ断
主 催 ノ演 説 会 ヤ示威 運動 ヲ企 テ ルト 云 フ極 端 ナ ル考 ヘガ起 ルノデ ア
ヲ有 シ、 其 程度 ノ合 法性 ヲ獲 得 シ テ居 ナ ケ レバ ナ ラ ヌ ノデ ア ル。
乎 ト シ テ反 対 デ ア ル。 我 々ノ ビ ラ ノ持 込 ミ場 所 ハ工場 就 中 大 工 場デ
ル。 共 産 党 ト シ テ斯 様 ナ事 ガ出 来 ル為 ニ ハ、 実 ニ共 産 党 ガ 強大 ナ力
ナ ケ レ バ ナ ラ ヌ カ ヲ理解 シテ居 ナ イ ノデ ハナイ カ、 我 々 ノ任務 ハ今
第 五 尚 同 志諸 君 ハ今 日 ノ 日本 共 産 党 ハ 一体 其 活 動 ヲ何 処 ニ集 中 シ
メ ト シ テ、 工 場 新聞 、 工場 委 員 会 、 購 買 組 合 等 ト 云 フガ 如 キ ハ之 凡
実 際 ニ行 ハナ ケ レバ何 ニ モナ ラナ イ。 又 元 来 共 産 党 ノ工 場 細胞 ヲ始
ケ レバ ナ ラ ヌ ノデ ア ル。同 志 等 ハ理 論 上 此 事 ハ承 認 シ テ居 ル。然 シ
ハ今 現 ニ夫 レ等 ニ何 等 カ ノ手 懸 リ ガ ア ル ト ナイ ト ニ拘 ラズ 実行 シナ
スル事 、 大 工場 ニ我 党 ノ基 礎 ヲ確 立 スル事 デ ナ ケ レバ ナ ラ ヌ、 夫 レ
力 ヲ大 工場 、 大 鉱 山 、 大経 営 ニ集 中 シ、 何 ヲ措 イ テ モ労 働 者 ヲ結 成
民 街 デ ア ルト シタ ラ、決 定 的 ニ間 違 デ ア ル。 其 第 二 ハ党 ガ斯 様 ナ事
ヘ﹂ 外 ラ ス事 ニナ ル、若 シ其 ビ ラ ノ貼 リ場 所 ガ 工場 街 デ ナ ク 一般 市
ハ此 ﹁工場 内 ニ﹂ ト 云 フ事 ヲ忘 レ、 少 シデ モ労 働 者 ノ注 意 ヲ ﹁街頭
込 ム時 代 デ ア ル、然 ル ニ工場 街 ニ シ ロ、 ビ ラ ヲ貼 リ又 ハ撒 布 ス ル事
第 一ハ今 日 ノ党 ハ其 非 合 法 ビ ラ ヲ最 モ秘 密 且 ツ組 織 的 ニ工 場 内 ヘ持
リ歩 ク ト 云 フ事 ニ モ反 対 デ ア ル、其 理由 ハ次 ノ 三 ツ ノ点 ニア ル、其
ア ル。 此 事 ヲ諸 君 ハ忘 レテ居 ル。 次 ニ関 東 ノ如 ク 工場 街 ヘビ ラ ヲ貼
︹マ マ︺
テ大 工場 ノ モ ノダ ト 云 フ事 ヲ閑却 シテ居 ル ノデ ハナイ カ 。 如何 ニ党
バ ナ ラ ヌ。然 ル ニ我 々 ハ今 ソ ンナ力 ヲ持 合 シ テ居 ナイ 。 ソ ノ第 三 ハ、
ガ出 来 ル ノ ハ、既 ニ工場 細 胞 ガ鞏 固 ト ナ リ且 ツ秘 密 運 動 ニ習 熟 シ、
斯 様 ナ事 ヲ スル事 ニ依 ツ テ支配 階 級 ト我 々ト ノ力 ノ相 対 比率 ガ 不当
支 配 階 級 ノ力 ト 対抗 シテ弾 圧 ヲ ハネ カ ヘ ス程 ニナ ツ テ カ ラデ ナケ レ
工場 デ 工場 新 聞 ヲ発 行 シ、 工場 委 員 会 ヤ消 費 組 合 ヲ組織 シ テド ンナ
テ居 ルト シ タ ラ、党 ハ 一体 夫 レデ 何 ガ出 来 ル ノダ 、 十 人 ヤ二十 人 ノ
威 力 ガ発 揮 出 来 ル ノカ 、夫 レ ハ精 力 ノ浪 費 デ ア ル、 玩 具デ ア ル。 我
ニ不 均 衡 ト ナ ル。何 ト ナ レバ、 支 配 階 級 ハ共 産 党 ガ既 ニ夫 レ丈 強大
員 ノ 総員 数 ガ 多 ク テ モ、十 人 ヤ二十 人 ノ 工場 ノ ミ ニ党 ガ 基礎 ヲ持 ツ
々 ハ当 分 之 等 ノ小 工場 ヲ留 保 シテ置 イ テ モ良 イ 、 ソ シ テ全 力 ヲ大 工
ナイ ノダ カ ラ 、其 打 撃 ハ恐 ルベ キ モ ノト ナ ルデ ア ラ ウ ( 此私 ノ予想 ハ
カ ラデ ア ル。然 ル ニ我 々ノ実 際 ノ力 ハ工場 細 胞 モ未 ダ碌 ニ出 来 テ居
ニナ ツ タ モ ノト 仮定 シ、 夫 レ ニ相 応 スル準備 ヲ持 ツテ攻 撃 シテ来 ル
ハレ ル場 合 又 ハ出 征 軍 人 ノ行 進 ガ ア ル時 等 其 集 合 者 又 ハ示威 行 進 者
キナ政 治的 又 ハ経 済 的 動 揺 ガ ア リ、 大衆 的 ナ集 合 又 ハ示威 行 進 ガ行
第 八 特 別 ビ ラ撒 キ隊 ノ活 動 ハ次 ノ様 ナ場 合 ニ ハ許 サ レ ル、 即 チ大
得 ル ノデ ア ル。
或 ハ出 征 軍人 ノ行 進 中 ニ党 ノ主 張 ヲ伝 播 スル為 、 党 ハ特 別決 死 的 覚
三 ・一五事件 ニ依 ツテ現実 ニ経験 シナケ レバナリ マセヌデ シタノ ハ不幸 デ シ タ、後 日同志渡政 ハ全国組織会議 ニ於ケ ル此私 ノ意見 ガ正 シカツタト云 ツ テ 繰返 シ此事 ヲ述懐 シテ居リ マシタ) 。 又関 西 ハ 一方 党 ノビ ラ ヲ工 場 ヘ持
ズ 党 ノ手 懸 リ ガ ナ イ カ ラト 云 フガ 、 之 モイ ケ ナ イ。 若 当 該 大 工場 ニ
ノ見 境 ナ シ ニ撒 布 シ テ居 ル ノデ ア ル。 其 理由 ト シテ、 大 工場 ニ取 敢
則 ヲ守 ラネ バ ナ ラ ヌ。 総 選 挙 ハ大 キ ナ政 治 的事 件 デ ハア ルガ、 右 ノ
夫 レ ハ緊 急止 ムヲ得 ヌ場 合 ニデ ア ル。 然 ラザ ル時 ハ飽 ク迄 前 述 ノ原
党 ハ相 当 ノ犠 牲 ヲ覚 悟 シ テ、 斯 ル事 モ遂 行 シナ ケ レバ ナ ラ ヌ。然 シ
云 フ必要 ナ場 合 ガ ア ルデ ア ラ ウ。 要 ス ル ニ非常 時 デ ア ル。此 時 ニ ハ
悟 ヲ 以 テ党 員 若 干 ヲ 一隊 ニ編 成 シ、 之 ヲ シ テビ ラ ヲ撒 布 セ シ メ ルト
何 等 ノ手 懸 リ ガ ナ イ場 合 ハ、 北 海 道 ノ党員 拡 大 ノ 一般 方 針 ノ如 ク、
場 合 ト ハ異 ナ ルガ故 ニ、 夫 ニ ハ不 可 デ ア ル。但 シ何 時 迄 モ不 可 ナ ノ
込 ンデ 居 ルト 云 フガ、 其 遣 方 ハ工場 労働 者 ノ出 勤 退 時 ニ際 シ、 誰 彼
ニ秘 密 且 ツ組 織 的 ニ工場 内 ヘ喰 ヒ込 ムベ キデ ア ル。私 ハ北 海 道 ニ於
合 法 運動 ト非 合 法 運 動 ト ノ結 合 ニ依 ツ テ手 懸 リ ヲ付 ケ、 飽 ク迄 厳 格
見出 ス事 ハ出 来 ナ イ。
ヲ忘 レテ ハナ ラ ヌ。
シ今 日 我党 ノ力ハ 其 処 迄 達 シ テ居 ナイ 。 其 準 備 ノ初 歩 ニ ア ル。 此 事
ト ラ イ キ ノ場 合 ニ党 ノ ビ ラ ヲ街 頭 デ モ撒 布 ス ル事 ガ 必要 デ ア ル。然
デ ハナ イ 。党 ガ 工場 細 胞 ヲ確 立 シ、 力 強 ク ナ ツ タ ラ大 ニ総 選 挙 ヤ ス
第 七 同 志 渡 政 ハ関 東 、 関 西 ノ如 ク党 ノ力 ノ強 イ処 デ ハ出 勤 労 働 者
第 九 又 フ ラ ク シ ヨ ンビ ユー ロー ノ活動 ニ シテ モ、 在 来 ノ如 キ或 団
テ ノミ夫 レガ 成功 シ、 他 ノ地 方 ニ於 テ 夫 レガ 不可 能 ダ ト 云 フ根 拠 ヲ
ヘノ党 ノ ビ ラ ノ撒 布 ヤ工 場 街 ヘビ ラ ヲ貼 布 ス ル事 ハヤ レ ル シ且 ツ ヤ
依 ツテ党 ノ政 策 ヲ合 法 化 ス ルト 云 フガ如 キ、 例 ヘバ金 融 恐 慌 ノ際 党
体 ノ中 央 フ ラ ク シ ヨ ンビ ユー ロー ニ党 ガ ソ ツク リ文 書 ヲ書 イ テ与 ヘ、
ノ主 張 ヲ統 一同 盟 ニヤ ラ セ タ如 キ 、其 他 凡 テ ノ セク ト的 指 導 ハ断 乎
ルベ キダ ト 云 フガ 、 私 ハ反 対 ダ 。其 点 ナ ラ反 対 ニ関 東 、 関 西 ヨリ 北
リ ニ モ大 工場 ニ工 場細 胞 ガ ア リ 、党 ハ其 上 ニ立 チ且 ツ細 胞 ハ何 等 カ
海 道 ノ方 ガ力 ガ 強 イ ト 云 ヒタ イ 。何 ト ナ レバ、 北 海 道 ハ既 ニ曲 リ ナ
ト シ テ廃 止 スル事 、 ソ シテ何 ヨリ モ党 ガ数 歩 前ニ 一
切 ノ問 題 ニ政 治
ノ活 動 ヲ シ テ居 ル カ ラデ ア ル。然 ル ニ関 東 、 関 西 ハ党 員 ノ数 ハ多 イ 、
的 解 決 ヲ与 ヘ、範 ヲ示 シテ行 ク事 ニ シナ ケ レバ ナ ラ ヌ。 北 海道 デ ハ
的 指 導 ハ最 早 ヤ必要 ト シナ イ 。然 シ 一般 ニ ハ未 ダ 党 ト シ テ未解 決 ノ
先 ヅ ﹁テ ー ゼ﹂ ヲ作 リ且機 関 紙 ヲ出 シテ居 ル カ ラ、 斯 ノ如 キ セ クト
取 上 ゲ テ見 レバ寧 ロ最 モ力 弱 イ ト 云 ヒタイ 。 党 ハ工 場 細胞 殊 ニ大 工
問 題 ガ 多 々 アリ 且 ツ差 迫 ツテ大 衆 団 体 ヲ シ テ或 種 ノ行 動 ヲ執 ラ シメ
レデ ハ決 シ テ力 強 イ ト ハ云 ヘヌ。故 ニ今 後 ハイザ 知 ラズ 、 現 在 ノ儘
又党 籍 ハ古 イ、然 シ工場 細 胞 モ未 ダ確 立 シ テ居 ナイ デ ハナイ カ 、 夫
場 ノ上 ニ基 礎 ヲ置 イ テ活 動 シ得 ル様 ニナ ツ テ初 メ テ力 ヲ得 タ ト 云 ヒ
ル必 要 ガ ア ル事 ハ尚 免 レ ヌデ ア ラ ウ。 故 ニ当 分 之 ヲ 一切 廃 止 ス ル事
必要 カ什 ウ カ疑 問 デ ア ルト 云 ツ タ ノ ハ、党 ノ組 織 ハ中 央 機 関 紙 ニ依
第 十 一 最 後 ニ私 ガ意 見 書 ニ於 テ中 央 機 関 紙 ノ他 ニ尚 地 方 機 関 紙 ガ
注 意 ヲ払 ツ テ居 ナイ 様 ニ思 ヘル。
ツテ統 一的 集 中 的 ニ為 サ レネ バ ナ ラ ヌカ ラデ ア ル。 只現 在 ノ中 央 機
ハ不 可 能 デ ア ラ ウ。然 シ此状 態 ハ速 カ ニ脱 却 スル様 ニ努 メネ バ ナ ラ
公 表 スル事 ニ依 ツ テ ノ ミ可能 デ ア ル。之 ヲ為 サズ シ テ例 ノ大衆 団 体
ヲ充実 ス ル事 、 即 チ名 実 共 ニ全 国 的 ト ナ リ 、 一層 具 体的 ナ モノ ト ナ
関 紙 デ ハ此 任 務 ヲ遂 行 スル ノ ニ甚 ダ 不 完全 デ ア ル カラ、 中 央 機 関 紙
ヌ。 ソシ テ夫 レ ハ党 ガ 先ヅ 諸 問 題 ノ政 治 的 解 決 ヲ為 シ、 之 ヲ大衆 ニ
セ ク ト主 義 ニ陥 リ、 運動 ガ機 械 的 ト ナ リ、 大 衆 的 ト ナ ラ ナ
ヲ動 カ シ テ何 カ ヲ スルト 云 フ 一時 凌ギ ノ遣 リ方 ヲ執 ツ テ居 ル ト、知
イ。
ノ存在 ス ルト 云 フ事 ハ、 一面 中 央機 関 紙 ノ如 上 ノ欠 陥 ヲ補 ヒ、 甚 ダ
ル事 ガ 必要 デ ア ル。 ソ ウデ ナ ク シ テ中 央機 関 紙 ノ他 ニ尚 地 方機 関 紙
ラズ〓
第 十 更 ニ同 志 諸 君 ノ報 告 ニ依 レバ 、 党 ノ活 動 ヲ遂 行 スル際 、 其 働
シ、其 代 リ当 該 地方 ノ 地方 的 諸 問 題 ニ対 シ テ ハ地 方 委 員 会 ガ檄 ヲ発
ア ル。私 ノ考 ヘデ ハ中 央 機 関 紙 ヲ充 実 シ テ、 地 方 機 関 紙 ハ之 ヲ廃 止
行 ス レバ良 イ ト思 フ。
有 効 ナ様 ニ見 エ ルガ、 他 面 多 分 ニ地 方 分 権 的 ト ナ ル危 険 ガ ア ルノデ
ト 云 フガ如 キ事 ヲ ヤ ツ テ居 ルカ ラデ ア ル。 我 々 ハ対 象 ノ異 ナ ル ニ応
党 ノ十 三 ノ ス ロー ガ ン ヲズ ラリ ト 抜 キ書 シタ ビ ラ ヲ 一般 ニバ ラ撒 ク
ス ル事 ニナ ツタ ト 云 フ報 告 ガ ア ツ タ ガ、 之 ハ実 ニ喜 バ シイ 事デ ア ル。
第 十 二 尚各 地方 ト モ中 央 部 ノ督 促 ニ依 ツ テ極 ク最 近 党 文 書 ヲ発行
ス ルト 云 フ事 ノ必 要 ヲ全 然 理解 シテ居 ナ イ様 ニ思 ヘル。 何 ト ナ レバ 、
ジ テ其 宣 伝 煽 動 ノ遣 リ方 ヲ区 別 シナ ケ レバ ナ ラ ヌ。 殊 ニ同 志 諸 君 ハ
キ カ ケ ルベ キ対 象 ノ階 級 的 差 異 ニ応 ジ テ我 々 ノ働 キ カ ケ方 法 ヲ変 化
小市 民 ニ対 シテ間 違 ツ タ態 度 ヲ執 ツ テ居 ル。 小市 民 ノ減 税 要 求 ヲ其
ツ テ夫 レ以前 ノ諸 干 係 ト夫 レ以 後 ノ諸 干 係 ガ 一変 シ タ事 ヲ認 メ ラ レ
然 ラバ其 経験 ガ未 ダ極 ク浅 イ ト雖 モ、 尚 各 地 ノ代 表 諸 君 ハ夫 レ ニ依
タデ ア ラウ 。 夫 レデ 以 上 ノ私 ノ意 見 ガ正 当 デ ア ル事 ヲ現 実 ガ諸 君 ニ
儘 取 リ上 ゲ、 単 ニ夫 レ丈 ノ獲 得 ノ闘争 ヲ行 ツテ居 ル。 之 ハ小 市 民 ノ
ニ依 ツ テ指 示 セラ レタ事 ヲ忘 却 シ テ居 ル事 ヲ証 明 ス ル モノデ ハア ル
階級 的 特 性 ト我 党 ノ小 市 民 ニ対 スル態 度 即 チ コミ ン テ ル ンノ テ ー ゼ
ノ当該 地 方 ニ於 ケ ル困 難 性 ノ 一、二 ノ事 実 ヲ挙 ゲ テ弁 解 ヲ試 ミ マ シ
シ タ。 此 私 ノ意 見 ニ対 シテ信 越 ト九 州 ト ノ オ ルガ ナイ ザ ーガ 、当 時
タガ 、同 志渡 政 ニ ヨ ツテ其 様 ナ事 情 ハ凡 テ右 ノ組 織 原 則 ノ正 シキ 運
裏 書 シ証 明 シテ 居 ル事 ヲ認 メ ラ ル ヽデ ア ラ ウ 云 々ト 云 フ ノデ アリ マ
其 活 動 ヲ集 中 シ、 小 市 民 ニ対 シ テ ハ彼 等 ノ減 税 欲 求 ハ取 リ上 ゲ タ ガ、
マイ カ 。福 本 時 代 ノ小 市 民 重 視 ノ誤 謬 ガ相変 ラズ コビ リ付 イ テ居 ル
必 ズ 我 党 ノ強度 ノ累 進 所 得 税 及 労 働 者 農 民 ノ政 府 ノ樹 立 ト云 フ此 二
レ、全 会 一致 私 ノ意 見 ヲ全 部 承 認 シ、 之 ニ基 キ決 議 文 ヲ作 成 ス ル事
用 ニ依 ツ テ克 服 サ レ ル モノデ ア ツ テ、 理 由 ト ナ ラ ヌト 云 ツ テ 一蹴 サ
ノデ ハナ イ カ 。北 海 道 デ ハ報 告 シタ通 リ第 一ニ労働 者 、次 ニ農 民 ニ
ローガ ン中 、 小市 民 ノ経 済 的 利 害 ト 密 接 ニ結 合 ス ル ス ロー ガ ン ハ前
ニナリ マシタ 。 只最 後 ノ地 方 機 関 紙 問 題 ハ党 中 央 部 ノ厳 重 ナ ル思 想
ツ ノ ス ローガ ン ニ統 一集 中 スル事 ヲ厳 ト シ テ守 ツ テ居 ル。 我党 ノ ス
述 強 度 ノ累 進所 得 税 ノ ス ロー ガ ンデ ア ル、 此 事 ニ付 テ諸 君 ハ特 別 ノ
様 、組 織 運 動 上 非 常 ニ有 効 デ ア ルカ ラ、 各 地方 共 発 行 スル事 ニ仕 様
的 統 一ノ下 ニ発 行 スル ナ ラバ 夫 レ ハ廃 止 スベ キデ ナ ク、 工 場 新 聞 同 テ居 ル事
争 ノ先 頭 ニ立 チ行 動 ヲ通 シ テ大衆 団体 ノ文 字 通 リ ノ指 導 体 ト ナ ツ
ル事
織 活 動 ト フ ラ ク ノ組 織 活 動 ノ混同 ハ此処 デ ハ確 然 ト整 理 サ レ テ居
(5) 故 ニ大 衆 団 体 内 ノ共 産主 義 者 ノ活 動 ハ極 メ テ明 確 デ 、 党 ノ組
マシタ 。然 シ実 際 ニ ハ此 組 織 問 題 ニ干 ス ル決 議 ハ其 全 文 ヲ同 志渡 政
ト 云 フ事 ニナ リ、 右 決 議 文 ノ作 成 者 ト シテ同 志 渡 政 ト私 ト ガ選 バ レ
ガ起 草 シタ ノデ ア リ マシ テ、 私 ハ単 ニ二 、三 ノ字 句 ノ修 正 ヲ 行 ツ タ
渡政 ハ此点 ヲ別 ニパ ンフレツトトシテ書 ケト私 ニ命ジ マシタガ、私 ハ今 日
事 ( 之 ハ北海道 ノ党員拡大 ノ 一般 方針 、共 他ノ事 ヲ指 スノデ アツテ、同志
(6) 党 員 拡 大 吸 収 ノ為 ニ採 用 シタ諸 方 策 ハ貴 重 ナ ル モ ノ ガ ア ツ タ
セウ 。其 決 議 文 ハ ﹁第 二回 全 国組 織 会 議 ニ於 ケ ル党 ノ組織 方 法 ニ付
本 問 題 ニ干 スル完 全 ナ ル意 見 ノ 一致 ヲ見 ル ニ至 ツ タ カヾ窺 ハレ ルデ
ツテ党 ヲ拡 大 シ ツヽ ア ツタ モノ ハ党 ノ地 方 機 関 紙 デ ア ツ タ事
迄遂 ニ夫 レヲ実行 スル事ガ出来 マセヌデ シタ)、 ソ シ テ常 ニ其 先頭 ニ立
ニ過 ギ マ セ ヌ。 故 ニ此 討 論 ニ依 ツテ如 何 ニ同 志 渡 辺 政 之 輔 ト 私 ト ノ
テ ノ決 議 ﹂ ト題 スル モ ノデ アリ マシタ 。
右 ノ北 海 道 ノ方 策 ハ全 ク正 シイ、 而 シ テ先 ニ関東 ニ与 ヘタ中 央 部 ノ
︵7) 工場 細 胞組 織 ニ ハ地方 機 関 紙 ト同 様 工場 新 聞 ガ 重 要 ナ役 割 リ ヲ勤 メ タ事
七問 其 決 議 内 容 ハ。 答 夫 レ ハ、
チ党 ノ弱 点 ト其 弊 害 ガ 列 挙 サ レ、
第 一ニ中 央 部 ノ報 告 書 ニ ア ツタ セク ト主 義 ノ組 織 上 ニ於 ケ ル残 存 即
第 二 、関 東 、 信 越 等 ノオ ルガ ナ イ ザ ー ノ ヤ ツ タ事 ハ右 弱 点 ト弊 害 ノ
第 四 ニ、 先 ニ発 表 シタ党 組 織 テ ー ゼ中 ノ中 央 機 関紙 ニ依 ツ テ党 ノ政
ル具 体 的 行 動的 ナ効 験 デ ア ルト 云 フ事 ヲ本 会 議 ハ承 認 シ タト 云 フ事
スト ﹂ ハ、 機 関紙 ノ組 織 上 ニ持 ツ重 要 性 ヲ看 過 シ タ ル点 ニ於 テ未 ダ
指 令 デ 補 ヒ且 ツ我 党 ノ組 織 上 ニ持 ツ セクト 的 遺 産 ヲ根本 的 ニ排 除 ス
完 壁 ヲ期 シ タ モ ノデ ナ カ ツタ事 ヲ本 会 議 ハ明 白 ニ認 メ タ事 、
フ組 織 原 則 ガ再 説 サ レ且 ツ今 日 ノ経 験 ニ依 レバ中 央 機 関 紙 ノ ミ ナ ラ
策 ヲ伝 播 シ、 之 ノ配 布 網 ノ拡 大 発 展 ト交 互 シ テ党 ヲ再建 スベ シト 云
具 体 的 現 ハ レデ ア ツ タ事 及 之 ニ対 ス ル中 央 部 ノ関 東 ニ与 ヘタ ﹁イ ン
第 三 ニ北 海 道 ハ此 弊害 ガ組 織 上 ニ齎 ス困 難性 ヲ予 メ正当 ニ認 識 シ、
(1) 当該 地 ノ客 観 的 条 件 ノ分 析 ノ上 ニ政 治 活 動、 組 織 活 動 ノ テ ー
第 五 ニ、第 二 回全 国 組 織 会 議 ハ其 従 来 ノ誤 謬 ノ実 践 的克 服 ノ綜 合 的
要 デ ア ル事
ズ 党 ノ宣 伝 的 統 一ノ下 ニ地方 機 関 紙 モ工場 細 胞 ヲ作 リ上 ゲ ル上 ニ必
ゼ ヲ作 成 シタ事 、
決 意 ノ集 中 化 サ レタ会 議 デ ア ツタ事 、 ソ シ テ今後 セ クト主 義 ノ遺 産
之 ヲ再 組 織 過 程 ニ於 テ征 服 シ成 功 シ タ。 其 北 海 道 プ ラ ン ハ、
(2) 組織 建 設 ニ欠 ク ベ カ ラ ザ ル地 方 機 関紙 ヲ発行 シタ事
克 服 ヲ次 ノ如 キ方 法 ニ依 ツ テ行 フベ キ事
( ) 一 全 国 的中 心機 関 紙 ノ充 実
(3) 組織 勢 力 ヲ大 工場 ニ集 中 シ タ事 (4) 斯 ク テ党 ノ組 織 ノ基 礎 ハ工場 ニ確 立 サ レ、 工場 細 胞 ハ大 衆 闘
(二) 党 ノ宣 伝 的 統 一ノ下 ニ地 方 機 関紙 ノ発 行
行 ト スベ シ﹂ト 云 フ コミ ン テ ル ンノ 指 令 ニ依 ツテ変 更 サ レ マシ タ。
如 ク ﹁地方 機 関 紙 ハ発 行 シ テ ハイ ナ イ、 夫 レ ハ地 方 委員 会 ノ檄 ノ発
メ ル ガ如 キ署名 ハイ ケ ナ イ ト 云 フ事 ヲ此 会 議 デ 決 定 シ マシ タ。然 シ
(三) 其 機 関 紙 ノ持 ツ ﹁煽 動 宣伝 及組 織 的 任 務 ﹂ ト結 合 シ テ、 工場
後 ニ ハ 一層 拡大 サ レテ、 工場 新 聞 ヲ ﹁何 々 工場 細 胞 機 関紙 ﹂ ト署 名
尚 組 織 上 ニ関 聯 シ テ党 文 書 ニ署 名 ス ル際 ﹁オ ルガ ナ イ ザ ー﹂ ﹁工 場
シ テ出 ス事 ハイ ケ ナ イ、 工場 全 員 ノ機 関 紙 ト シ テ発 行 スベ キ デ ア ル
準 備 会 ﹂ 何 々 ﹁ビ ユー ロー﹂ ト ス ル事 ハ不 可 、 之 等 ハ凡 テ地 方 委 員
独 立 活動 ノ意 義 ガ 理論 的 ニ モ党 員 大 衆 ニ明瞭 ト ナ リ 、同 時 ニ党 ノ
ト 云 フ事 ニナ リ マ シタ。 同 時 ニ 一般 ニ工場 細 胞 ノ所 在 ヲ明 示 ス ル事
内 日常 闘 争 ノ激 発 指 導 、 其革 命 化 、其 闘 争 ヲ 通 シ テ 工場 細 胞 ノ結
秘 密組 織 ヲ充実 化 ス ル故 ニ、 党 ノ政 策 ハ益 々拡 大 シ テ大衆 ノ面 前
ハ外部 カ ラ窺 知 サ レ ル虞 ガ ア ル カ ラ、 如 何 ナ ル方 法 ニ依 ル モ之 ヲ為
成 、 而 シ テ我 党 ノ非 合 法文 書 ハ先 ヅ 第 一ニ大 工場 ニ集 中 的 ニ持 チ
ニ公 然 ト ナ ルベ キ事
スベ カ ラズ ト 云 フ事 ニナ リ マシ タ。 尚 此 会議 ニ於 テ 従来 ノ エー ゼ ン
ハ準 備 会 デ 、 何 処 ガ既 ニ委員 会 ガ成 立 シテ居 ルト 云 フ事 ヲ窺 知 セ シ
( ) 五 工場 内 日常 闘 争 ノ革 命 化 ハ党 員 ヲ吸 収 シ、 党 ノ基 本 組 織 ヲ確 立 ス ルト同 時 ニ党 外 大 衆 団 体 ヲ編 成 セ シメ 又 ハ存 在 スル モノ ハ其
ト ナ ル制 度 モ廃 止 スベ シト 云 フ事 ニ シ マシタ 。 此 エー ゼ ント ナ ル制
会 又 ハ工場 細 胞 或 ハフ ラ ク シ ヨ ン委 員 会 ト シ、 何 処 ガビ ユー ロー又
組 織 並 ニ活 動 ヲ革 命 化 シ、 夫 ヲ橋 梁 ト シテ党 ヲ 一層 拡 大 スベ キ事
込 ムベ キ事
(六) 党 ノ 工場 細 胞 ノ発意 ハ常 ニ党 ヲ大 衆 闘 争 ノ先 頭 ニ立 タ シ メ、
ニ採 用 サ レタ モノデ ア リ マシ タガ 、 北海 道 ニ於 ケ ル実 際 ノ経 験 ノ結
度 ハ彼 ノ 一九 二七 年 末 迄 存 在 シ タ党員 候 補 者 制 度 ニ替 ヘル ニ、 新 タ
(四) 斯 ク テ 工場 細 胞 ガ確 立 シ、 其 活 動 ガ遂 行 サ レヽ バ 必然 ニ党 ノ
テ来 ル云 々
党 外 大 衆 団 体 内 ノ共 産主 義 者 フラ ク ノ活 動 ガ具 体 的 ニ明確 ニナ ツ
(2) ハ共 ニ今 日 ノ党 ガ持 ツ現 実的 ナ欠 点 ト当 面
ー ロー ニ、其 団 体 指 導 ノ為 ノ中 央 部 カ ラ直 接 ノイ ン スト ヲ与 ヘ ル事
ヤ ル ナ ラバ 党 文書 ノ読 者 ノ中 カ ラ直 チ ニ党 員 ヲ採 用 スベ キデ 、読 者
ナ資 格 ニ保 留 シ テ置 ク事 ハ却 ツテ有 害 無 益 デ ア ル、 飽 ク迄組 織 的 ニ
ノ上 党 員 ト シ テ活 動 仕様 ト ス ル者 ニ対 シ、 一時 エー ゼ ント ト 云 フ様
リ、 共 産 党 ノ組織 ガ 法律 デ 禁 ゼ ラ レテ居 ル 日本 ニ於 テ、 夫 レ ヲ承知
必要 ナ ル緊 急 ナ仕 事 ヲ行 フ為 ニ採 用 ス ル ノデ ア ツテ、 従 ツテ基 本 組
中 見 込 ナ キ者 ハ直 チ ニ干 係 ヲ断 チ、 党 ノ意 見 ニ賛 成 シ テ行 動 シ且 ツ
果 、 此 制度 モ亦 候 補 者 制 度 ト 同様 、大 衆 ニ足 踏 ミ ヲ サ セ ル モノデ ア
織 発 展 ノ下 ニ厳 重 ニ従 属 サ レネ バ ナ ラ ヌ云 々
党員 タ ル事 ヲ希 望 スル者 ハ夫 レガ 工場 労 働 者 若 ク ハ働 ク農 民 デ ア ル
第 六 ニ(1)必 要 ア ル時 ハ特 別 ビ ラ撒 隊 ヲ地 方 委 員 会 ノ下 ニ属 セ シ メテ
ト 云 フノデ ア リ マシ タ。
限 リ大 胆 ニ党 員 ニ採 用 スベ キデ ア ル、 イ ンテ リ ゲ ン チア ニ対 シテ ハ
組 織 ス ル事、 (2)評 議 会 、労 農 党、 農 民組 合 等 ノ党 ノ フ ラ ク中 央 ビ ユ
但 シ右 ノ地 方 機 関 紙 ノ発行 ハ此会 議 デ ハ奨 励 シ テ居 リ マ スガ 、後 ニ
党 文 書 ノ読 者 ト スル事 モ、 従 ツ テ又党 員 ト シテ採 用 ス ル事 モ後 廻 シ
ガ ア ル、 但 シ右 ノ (1)及
述 ベ マ ス通 リ、 三 ・ 一五事 件 後 ニナ ツテ私 ガ当 会 議 デ 述 ベ タ意 見 ノ
ト スルト 云 フ事 ニ決 定 シタ ノデ ア リ マ ス。
タ モノ ヽ、 実 際 ニヤ ツ タ事 ハセク ト主 義 ヲ抜 ケ キ ツ テ居 ナ カ ツ タ ノ
ル事 デ ア ルト 思 ヒ マス。若 シ日本 共 産 党 ガ各 地 共 北 海 道 ノ如 ク彼 ノ
デ ア リ マ ス。 此事 ヲ明瞭 ニ シテ置 ク事 ハ日本 共 産 党 員 ト シ テ重 大 ナ
答 以 上述 ベ マシタ決 議 文 ハ印 刷 サ レ各 地 ニ配 布 サ レ マシタ 。夫
八問 其決 議 ハ什 ウ シタ カ 。
テ居 ル者 ハア ル マイ ト思 ヒ マ ス。 実 際 日 本 共 産 党 ハ此会 議 以後 初 メ
ト 反 共 産 党性 ヲ暴 露 シテ之 等 ノ党 員 ヲ大 掃 除 スル事 ガ 出来 タデ ア リ
同 様 多 ク ノイ ン テリ ゲ ン チ ヤ党 員 ハ其 闘 争 過 程 ニ於 テ遺 憾 ナク無 能
場 労 働 者 ヲ獲得 シ、 工場 細 胞 ヲ獲 得 シ、 其 反 面 ニ北 海 道 ニ於 ケ ルト
レ ハ昭 和 三年 三月 十 日頃 デ ア ツ タ ト記 憶 シ マス。 従 ツ テ三 ・ 一五事
テ ﹁コミ ン テ ル ン﹂ ノ ﹁テ ー ゼ﹂ ニ依 ル正 シイ 活 動 ヲ始 メタ ト 云 ツ
マセ ウ。
リ正 シ ク闘争 ヲ展 開 シテ居 リ マ シタ ナ ラバ 、 北 海 道 ト 同様 莫 大 ナ 工
テ宜 シイ ノデ ア ツテ、 夫 レ以 前 ノ活 動 ハ コミ ン テ ル ン ノテ ー ゼ ニ基
九 問 決 議 文作 成 後 ノ会 議 ノ模 様 ハ。
選 挙 戦 ト 云 フ重 大 ナ ﹁モ ーメ ント﹂ ニ於 テ コミ ン テ ル ン ノ テ ーゼ 通
イ テ ヤ ツタ モノ ト ハ云 ヒ乍 ラ、 此 決 議 デ 明 示 シ テ居 ル通 リ、 相 変 ラ
件 前 ノ党員 デ モ夫 レ以後 ノ党 員 デ モ、 此 会 議 ノ事 ハ私 達 以外 ニ知 ツ
ズ セ クト主 義 的 デ 、 コミ ンテ ル ンノ テ ー ゼ ヲ正 シク実 行 シタ ト ハ云
ーゼ ノ具体 的 実 行 ト見 テ居 ル カ ラデ アリ マス。 又 私共 ノ留 守 ﹁ビ ユ
アリ マス。 即 チ此 会 議 前 ノ党 ノ活 動 ヲ以 テ 一般 ニ コミ ンテ ル ンノ テ
今 日 共産 党 ニ対 シ彼 レ此 レ非 難 スル人 々 ハ此事 実 ヲ知 ラ ナ イ カ ラデ
始 メ テカ ラ十 五 日目 ニ大 検 挙 ヲ受 ケ タト 云 フ事 ニナ ルノデ ア リ マ ス。
ツ テカ ラデ アリ マシタ。 故 ニ日 本 共 産 党 ハ真 ニ共産 党 ラ シイ活 動 ヲ
兎 ニ角 党 ガ此 決 議 ニ基 イ テ各 地 ノ活 動 ヲ 一斉 ニ始 メタ ノ ハ三月 ニ入
ンナ 風 ニ宣 伝 ス ル日和 見 主 義 ガ党 ノ内 外 ニ起 ツタ ノデ 特 ニ此 会 議 デ
提 出 シテ 以来 、 此 ス ロー ガ ンヲ労 働 党 政 府 ト 云 フ風 ニ解 釈 シ又 ハ ソ
第 一ニ日本 共 産 党 ガ ﹁労 働 者 農 民 ノ政 府 ﹂ ト 云 フ ﹁ス ロ ーガ ン﹂ ヲ
此 党 ノ ス ローガ ン ニ付 テ ノ問 題 ト 云 フノ ハ、
リ マシタ 。
会 議 再開 後 第一ニ 議 題 ト ナ ツ タ ノ ハ党 ノ ス ローガ ン ニ干 ス ル件 デ ア
憩 シ テ会 議 ヲ続 行 シ マシタ 。
会 当 日 ノ午 後全 部 ヲ此 問 題 ノ為 ニ費 シ タト 記 憶 シ マス。夕 刻 一寸 休
答 前 述 ノ組 織 問 題 ニ干 ス ル討 論 ハ最 モ盛 デ ア リ マシ テ、確 カ開
ー ロー﹂時 代 ノ活 動 ヲ福 本 主 義 ノ具 体的 実 行 ト見 テ居 ル人 モア リ マ
ハレナ イ ノデ アリ マス。
ス。然 シ之 ハ二 ツ共 誤 リデ アリ マシ テ、 留 守 ビ ユー ロー時 代 ハ福 本
タ モ ノ ハ、 後 ニ我 党 ヲ裏 切 ツ タ門 屋 、 是 枝 等 ノ無産 社 新 聞 編 輯 員 及
関 東 地方 ニ属 スル若 干 ノイ ン テ リ党員 デ アリ マシ テ、 具体 的 ニ ハ無
問 題 ト ナ ツタ ノデ ア リ マ ス。 党 内 デ 此 日 和 見 的 労働 党政 府 論 ニ傾 イ
産 者新 聞 ノ号 外 ト ナ ツ テ現 ハレ タ ノデ アリ マス。 此会 議 デ ハ斯 ル日
﹁コミ ンテ ル ン﹂ ノ ﹁テ ー ゼ﹂デ アリ、 其 ト ド メヲ刺 シタ モノ ガ此
テカ ラ此会 議 前 迄 ハ、 北 海 道 ヲ除 ク外 ノ各 地 ノ活 動 ハ コミ ンテ ル ン
第 二 回全 国 組 織 会 議 デ ア リ マス。 コミ ン テ ル ンノ テ ー ゼ ガ与 ヘラ レ
和 見主 義 ニ対 シテ徹 底 的 ニ戦 フ事 、而 シ テ今 日 日本 ノ労 農 党 ガ掲 ゲ
主 義 ノ破 綻 ノ修 正 ノ時 代 デ アリ 、其 破壊 ノ最 後 ノ判 決 ヲ下 シ タ ノガ
ノ テ ーゼ ノ正 シイ実 行 デ ハナ ク、 口デ ハ唱 ヘ、 其 方 向 ニ ハ向 ツ テ居
テ居 ル ﹁政 治 的 自 由 ﹂ ナ ル曖昧 ニシ テ 且抽 象 的 ナ ス ローガ ン ヲ ﹁労
ノ制 定 ト 云 フ ガ如 キ馬 鹿 気 タ事 ヲ 云 ハセ ル ニ至 ツテ居 ル。 労 働 組 合
始 ツテ以 来 、 彼 ノ山 川 均 ニ至 ル迄耕 作 権 ノ確 立 ヲ内 容 ト スル小 作 法
法 ハ夫 レガ如 何 ニ不 完 全 ノ モ ノデ ア ツテ モ、 夫 レヲ獲 得 スル事 ハ絶
働 者 農 民 ノ政 府 ﹂ ナ ル具 体 的 ナ ス ロー ガ ン ニ変 更 スル様 戦 フ事 、 且 ツ此 ス ローガ ン ハ労 働 者農 民 ノ革 命 的 民主 的 独 裁 デ ア ル事 ヲ努 メ テ
ド ンナ ニ制 限 ガ ア ツ テ モ我 々 ハ必 ズ 夫 レ ニ依 ツテ利 益 ス ル、 夫 レ ハ
労 働 者 ノ階 級 的 特 性 ト 共 産 党 ノ其中 ニ於 ケ ル活 動 ガ ア ル カ ラデ ア ル。
対 ニ必 要 デ ア ル。 労 働 者 ガ 団 結 ス ル事 ヲ法 律 的 ニ認 メ ラ レル ナ ラ、
然 シ農 民 ニ対 シテ此 労 働 者 ト 同 ジ筆 法 ヲ用 ヒテ ハナ ラ ナ イ。 農 民 ニ
宣 伝 スル事 ヲ決 議 致 シ マシ タ。
ハ最 大 革 命 的 要 求 ヲ与 ヘネ バ ナ ラ ヌ。 又農 民 最 大 革 命 的 ス ロー ガ ン
第 二 ニ北 海 道 ニ於 テ党 ノ ﹁大 土 地 ノ没 収 ﹂ ノ ス ローガ ント ﹁耕 作 権
ツ タ ノデ ア リ マ シテ、 私 ノ主 張 ハ元来 共 産党 ノ根 本 的 ナ土 地 政 策 ハ
ノ確 立 ﹂ ナ ル合 法 的 ス ローガ ント 対立 セ シメ タ事 ガ問 題 ノ発端 ト ナ
ハ、要 ス ル ニブ ルジ ヨア革 命 的 ノ モ ノデ ア ツテ 、労 働 者 ノ改 良 的 要
フ事 ヲ約 束 シテ耕 作 権 ノ確 立 ヲ保 証 スル小 作 法 ノ制 定 ﹂ ト 云 フ事 ハ、
土 地国 有 デ ア ル。 之 ハプ ロレ タ リ ア独 裁 ノ内 容 ヲ為 ス モノデ ア ツ テ、
農 民 ノ利 益 ヲ擁 護 ス ル要 求 デ ナ ク、 地 主 ノ利 益 ヲ擁 護 ス ル反 動 的 ナ
初 期 ノ日本 共 産 党 ノ ス ローガ ン ハ此 土 地 国有 デ ア ツタ。 然 ル ニ当 時
安 藤 、行 政 等 ノ 日和 見 幹 部 ヲ始 メト シ テ、 日本 ノ社 会 民 主 々義 者 共
主 張デ ア ル。即 チ農 民 ヲ何 時 迄 モ地 主 ノ搾 取 ニ縛 リ付 ケ ル事 ヲ法 定
モ革 命 的 発 展 性 ガ ア ル ガ、 農 民 ニ対 シ テ同 様 ニ ﹁地主 ニ小 作 米 ヲ払
ハ此 共産 党 ノ土 地国 有 ナ ル ス ローガ ン ヲ暗 々裡 ニ ﹁土 地 ヲ 一定 価 格
シ ヨウ ト 云 フノデ ア ル。耕 作 権 ノ確 立 ナ ル ス ロ ーガ ン ハ今 ヤ斯 様 ナ
求 ト相 均 等 ス ル。 労 働 者 ニ ハ労 働組 合 法 ノ制 定 ト 云 フ改 良 的 要 求 デ
デ 買 ヒ上 ゲ テ国 有 ニ スル﹂ ト 云 フ風 ニ農 民 ニ対 シテ宣 伝 シ テ居 タ。
反 動的 内 容 ガ盛 ラ レテ居 ル故 ニ、 我 々 ハ ハツキ リ大 地主 ノ土 地 没 収
ノ党 ハ当 面 ノ ス ロー ガ ン即 チ ﹁大 土 地 没 収 、農 民委 員 会 ノ管 理 ﹂ ナ
其 為 日本 共産 党 ハ彼 ノ無 産 党 成 立 ニ際 シ、 ア ノ有名 ナ綱 領 調 査 委 員
ト 云 フ具 体的 ナ 我党 ノ ス ロー ガ ン ヲ之 ニ対 比 セ シ メ、之 ヲ大 衆 化 シ
ル ス ローガ ンヲ欠 イ テ居 ツ タ。 ソ シ テ主 ト シ テ農 民組 合 中 ノ杉 山 ヤ
会 ニ於 テ此 日和 見 主 義 ニ対 立 シ テ ﹁ 耕 作 権確 立 ﹂ ナ ル ス ロー ガ ン ヲ
且 ツ愈 々耕 作 権 確 立 ナ ル ス ローガ ン ニ噛リ付 イ テ 日和 見 主 義 的 悪 素
ナイ カ ラト 云 フノデ 、 当 時 ノ合 法 主 義解 党主 義 ノ 日本 共 産 党 ハ此 耕
デ アリ マシタ 。
ヲ振 リ マク社 会 民主 々義 者 ノ裏 切 ヲ暴 露 スベ キデ ア ル云 々ト 云 フノ
︹ママ︺
ローガ ン ハ、 実 ハ土 地 ノ無 償 没 収 ト 云 フ事 ヲ合 法 的 ニ公 然 ト 云 ヒ得
提 出 シ、 之 ガ 一般 的 ト ナ ツ タ ノデ ア ル。 処 ガ 此耕 作 権 ノ確 立 ナ ル ス
作 権 ノ確 立 ト 云 フ ス ロー ガ ン ヲ製 造 シ タノデ ア ル。 然 シ 日和 見 主 義
ル ス ローガ ン ニ ソウ真 向 カ ラ対 立 ス ルノ ハ良 ク ナ イ、 夫 レ ヨリ モ政
然 シ此会 議 デ ハ今 ヤ大 衆 ノ ス ローガ ント ナ ツテ居 ル耕 作 権 ノ確 立 ナ
治 的自 由 ト 云 フ ス ロー ガ ンノ場 合 ト 同 様 、耕 作権 ノ確 立 ナ ル ス ロー
タ ル事 ハ五 十歩 百歩 デ ア ル故 ニ、 最 近 デ ハ彼 ノ杉 山 ヲ始 メ ト シ テ 日
ル ド﹂ ヲ組 織 ス ル事ニ 依 ツテ達 スル等 ト 云 フ ニ至 ツタ 。 又 一般 ニ此
ガ ン ヲ叫 ブ ニ ハ、 必 ズ 耕 作 権 ノ確 立 、 大 土 地 ノ没 収 ト 云 フ具 合 ニシ
和 見 主義 者 ハ又 モ ヤ此 耕 作 権 ノ確 立 ト 云 フ事 ヲ、 土 地 ヲ買 ツ テ ﹁ギ
ス ローガ ン ハ其 日和 見 主 義 的 根 拠 ノ必然 ト シ テ、政 治 闘 争 ノ展 開 ガ
テ 、耕 作 権 ノ確 立 ト云 フ事 ハ大 土 地 ノ没 収 ト 云 フ事 ダ ト 云 フ事 ヲ判
第 三十 二回 訊 問 調 書
被
告
人 三 田 村 四 郎
ニ於 テ、 予 審 判 事 小泉 英 一 ハ裁 判 所 書 記 菅 生 清 立 会 ノ上 前 回 ニ引続
右 治 安 維 持 法 違 反 被 告 事 件 ニ付 、 昭 和 五年 六月 十 九 日豊 多 摩刑 務所
ラ セ ル様 ニ ス レバ良 イ ト 云 フ事 ニ決 定 サ レ マ シタ。 然 シ此 点 ハ後 ニ、 斯 ノ如 キ遣 リ方 ハ決 シ テ日和 見 主 義 ト戦 フ方 法 デ ナイ 、 明白 ニ耕 作
一問 第 二回 全 国組 織 会 議 ニ於 テ ス ロー ガ ンノ問 題 ノ次 ニ議題 ト ナ
キ右 被 告 人 ニ対 シ訊 問 スル コト 左 ノ如 シ。
権 ノ確 立 ト大 土 地 没 収 ノ ス ロー ガ ント ヲ対 立 セ シ メ、耕 作 権 ノ確 立 ナ ル ス ローガ ン ノ陰 ニ隠 レテ ﹁ギ ルド ﹂ ノ組 織 又 ハ耕 作権 ノ確 立 ヲ
リ マシ タ。
答 夫 レ ハ労 農 ﹁グ ルー プ ﹂ ニ対 スル我 党 ノ態 度 ニ干 ス ル件 デ ア
ツ タ ノ ハ何 デ ア ツ タカ 。
内 容 ト スル小 作 法 ノ制 定 等 ト称 ス ル日和 見 主 義 ト徹 底 的 ニ闘 争 スベ キデ ア リ、 働 ク農 民 ニ土 地 ヲ与 ヘヨ又 ハ農 民 ニ土 地 ヲ保 証 セ ヨ等 ト
二問 其 事 情 ハ。
云 フ ガ如 キ内 容 ノ具体 的 デ ナ イ ス ロー ガ ン ハ 一切 イ ケ ナイ 、殊 ニ農
ハ農 民 ノ階級 的 特 質 ト プ ロ レタ リ ア ート ノ ﹁ヘゲ モ ニ ー﹂ ト 云 フ事
説 明 ニ基 キ 討議 シタ モノデ ア リ マシ テ、
答 之 ハ先 ニ述 ベ マ シタ中 央 部 ノ提 出 文 書 並 ニ同 志渡 政 ノ若 干 ノ
民 ニ対 シ テ ハ曖昧 ナ ス ロー ガ ンヲ与 ヘル事 ハ絶 対 ニイ ケ ナ イ、 夫 レ
カ ラ必 然 ニ要 求 サ レ ルノデ ア ルト 云 フ事 ニ変 更 サ レ マシタ 。 第 三 ニ本 会議 ニ於 ケ ル ﹁小 ブ ル ヂ ヨア﹂ ニ対 ス ル党 ノ政 策 、 就 中 小
左翼 社会 民主 々義 デ ア リ、 其 処 ニ ハ共 産主 義 的 要 素 ハ 一抹 モ含 ンデ
( 1) 労農 ﹁グ ルー プ﹂ ハ解 党 派 デ ア リ、合 法主 義 デ アリ、 典 型 的 ナ
居 ナ イ事 。
市 民 ノ経 済 的 要 求 即 チ減 税 要 求 ト 党 ノ ス ローガ ン ニ干 ス ル私 ノ意 見 ガ問 題 ニナ ツタ モノデ 、 会 議 ハ北 海道 ノ対 小市 民政 策 ヲ正 当 ト 認 メ
人 三 田 村 四郎
一
清
見 ルガ良 イ、 但 シ今 日 ノ荒 畑 ハ其 動 機 如 何 ハ兎 ニ角 、 前 述 ノ如 ク公
ニ 一応 ノ会 見 ヲ希 望 シ テ居 ルノデ ア ルカ ラ、 中 央 部 ハ其斡 旋 ヲ シテ
党 統 制 委 員 ニ指 名 サ レ テ居 リ 且 ツ コミ ンテ ル ンノ日 本 代 表 者 ガ荒 畑
カ ラ即 刻 除 名 スル事 、 但 シ荒 畑 ニ対 シテ丈 ハコミ ンテ ル ン ニ依 ツ テ
居 ル、 此 連 中 ハ最 早 党 内 ノ分 派 デ ナ ク公 然 ノ反 共 産 派 ト ナ ツタ ノダ
(4) 此 グ ル ープ 中 ニ共 産 党員 デ ア ル山 川 、北 浦 、 荒 畑 等 ガ存 在 シ テ
(3) 我 々 ハ之 ト理 論 的 ニモ組 織 的 ニ モ決 定 的 ナ闘 争 ヲ スベ キ事 、 夫 レナ ク シ テ ハ我 党 ハ理論 的 ニ モ組 織 的 ニ モ強 ク ナ ル事 ハ出 来 ナイ 。
(2) 彼 等 ハ今 日公 然 ノ反 共 産 党 、 反 コミ ンテ ル ンデ ア ル事 。
且 ツ小市 民 ノ減 税 要 求 ヲ取 リ上 ゲ ル際 ハ必ズ 我 党 ノ強 度 ノ累 進 所得 税 並 ニ労 働 者 農 民 ノ政 府 樹 立 ノ ス ロー ガ ン ニ統 一集 中 シ テ行 フベ キ
告
コト ヲ決 議 シ マシ タ。 此 決 議文 ノ作 成 者 ニ ハ河 合 悦 三 ガ選 バ レ、同 人 ガ起 草 シタ様 ニ記 憶 シ マス。 被
右 読 聞 ケ タ ル処 無 相 違旨 申立 署 名拇 印 シタ リ。 同 日於 右 出 張 先 作 之
裁 判 所 書 記 菅 生
東 京 地方 裁 判 所
予 審 判 事 小 泉 英
然 反 共 産 党 ノ行 動 ヲ執 ツ テ居 ルノ ダ カ ラ、 右 ニ付 テ我 党 ヘ謝 罪 状 ヲ
ハ大 衆 党 ノ合同 ニ干 ス ル決 議 ト題 スル モノデ アリ マシテ、 其 重 要 点
正 シイ ト 云 フ事 ヲ認 メ、次 ノ如 キ決 議 文 ヲ作 成 シ マシ タ。 此決 議 文
此 最 後 ノ部 分 ヲ簡 単 ニ記 載 シタ ニ過 ギ マセ ヌ。
一 大衆 党 ハ労 働 者農 民 ノ 一ツ ノ政 治 的 ﹁ブ ロツ ク﹂デ ア ツテ、 各
ハ次 ノ如 クデ ス。
入 レザ ル限 リ断然 除 名 シテ 了 ヘト 云 フ ノデ ア リ マシタ 。決 議 文 ニ ハ
三問 基 次 ノ議題 ハ何 ンデ ア ツ タ カ。
々 ノ自然 発 生的 要 求 ガ労 働 者 農 民 ノ政 府 ノ 樹 立 ( 今 日迄 ノ処政治的自
政府 ノ樹 立 ナ ル ス ローガ ン ニ変 更 ス ル事 及 大 衆 党 ノ合 同 ハ此 労 働者
ニ従 ツテ政 治 的 自 由 ノ獲 得 ナ ル中 心 ﹁ス ロー ガ ン﹂ ヲ労 働 者農 民 ノ
三 故 ニ右 ノ農 民 ノ要 求 ノ革 命 化 ノ過 程 、 労 働 者農 民 ノ政 府 樹 立 ノ
々義 者 ニ依 ツ テ モ実 現 サ レナ イ、 夫 レ処 カ社 会 民主 々義 者 ハ此 農 民
革命的要求 ( 大土地没 収其他) ハブ ルヂ ヨア及 地 主 ハ勿論 、社 会 民 主
ノ革 命 化 ハ共 産 党 ニ依 ツ テノ ミ遂行 サ レル モノデ ア ツ テ、 此農 民 ノ
由) ナ ル中 心 ス ロー ガ ン ニ結 集 シ タ モ ノデ ア ル事 、
答 第 四 ノ議 題 ハ大 衆 党 ノ合 同 ニ干 スル件 デ アリ マシタ。 此 ニ付
農 民 ノ 政府 ノ樹 立 ノ為 ニ戦 フト 云 フ事 ヲ条 件 ト シテ行 フベ キ事 ト 云
為 ノ闘争 ノ過程 ガ要 ス ル ニ社 会 民 主 々義 者 ノ裏 切 ノ過 程 デ ア リ又 大
テ ハ ﹁赤旗 ﹂第 二号 ノ記 載 文 ガ本 問 題 ノ中央 部 案 ト シテ提 出 サ レ、
フ ニア リ マ シタ。 其 処 デ 討 議 ハ 一般 ニ原 案 ハ(1)共 産 党 ト 大衆 党 ト ノ 区別 ヲ盾 ニ取 ツ テ、 大衆 党 ハ共 産 党 ト ハ違 ツ テ原 則 的 指 導精 神 ノ 一
衆 党 統 一ノ過 程 デ ア ル事 、
二 此労 働 者 農 民 ノ政 治 的 同 盟 ノ特 質 ハ、 今 日此 同 盟 ニ結 合 セ ラ レ
致 ニ依 ツ テ結 合 スル政 党デ ナク、 労 働 者 農 民 ノ政 治 的 ﹁ブ ロツク ﹂
四 夫 レ故 ニ結 局 大 衆 党 ノ合 同 ト 云 フ事 ハ共 産 党 ガ 工場 毎 ニ大 工 場
夫 レ ニ基 キ討 論 サ レタ ノデ ア リ マス。 其 原案 ニ依 レバ、 既 ニ再 三 繰
ダ カ ラ合 同 セ ヨ、 合 同 シナ ケ レバ ナ ラ ヌ、 合 同 出 来 ルト 云 フ単 純 ナ
ニ党 ノ基 礎 ヲ確 立 シ、 其 活 動 ヲ最 大限 ニ展 開 シ農 民 ノ闘争 ヲ革命 化
タ ル労 働 者 ノ要 求 ハ改 良 的 デ ア ルガ、 農 民 ノ要 求 ハ之 ニ反 シ客観 的
考 ヘガ 旺盛 ナ様 デ ア ル事 、 ( 2)此 政 治 的 ブ ロツ ク ノ特質 ヲ ハツキ リ具
スト 云 フ事 以外 ニ方 法 ハナイ 云 々
返 サ レ タ共 産 党 ト所 謂 無 産 大 衆 党 ト ノ区 別及 其 区別 ト党 ガ 工場 細 胞
体 的 ニ見 テ居 ナイ事 、 (3)如 何 ナ ル具 体 的 ナ闘 争 ノ過程 ニ於 テ合 同 ガ
ト 云 フノデ ア リ マシ タ。 此 決議 文 ノ作 成 者 ハ私 ト同 志 渡 政 デ 、主 ト
フ事 デ 、 此 点 コソ此 ﹁ブ ロ ツク ﹂ ノ最 モ重 要 ナ点 デ ア ル。斯 ル農 民
可能 ト ナ ル カ即 チ合 同 ヲ齎 ス闘 争 ハ如 何 ナ ル闘 争 カ ヲ 明確 ニ示 シ テ
シ テ私 ガ執 筆 シ マシ タ。
条 件 ノ変 化 即 チ農 民 ノ闘 争 ガ革 命 化 ス ル ニ従 ツテ革 命 的 ト ナ ルト 云
居 ナ イ事 ガ指 摘 サ レ且 ツ北 海 道 地 方 委 員 会 ガ主 張 シテ居 ル此 ブ ロツ
ノ上 ニ立 チ、 公然 ノ活動 ヲ発 展 スル事 ニ依 ツ テ明瞭 ニナ リ混 同 ガ 無
ク ノ特 質 ノ規 定 ガ 正 シイ カ什 ウ カ問 題 ト ナリ マシタ 。会 議 ハ討 論 ノ
此 決 議 文 ハ前 ノ組 織 問題 ニ干 ス ル決 議 同 様 、 印 刷 配 布 サ レタ ノ ハ三
クナ ルト 云 フ事 ヲ反 復 解 説 シ、 新 説 ト シ テ ハ僅 カ ニ此 無 産 党 ノ本質
末 ニ共 産 党 対 大衆 党 ノ対 策 上 且 ツ又 大衆 党 合同 ニ干 シテ此 ブ ロツ ク
月 十 日頃 デ 、 一般 党 員 ニ ハ此事 ハ判 ツテ居 ナイ ト同時 ニ、 此決 議 文
ノ革 命 的 要 求 ノ前 ニ其 裏 切 ヲ暴 露 スル モノデ ア ル事 、
ノ特 質 ヲ明 確 具 体的 ニ ス ル事 ガ極 メ テ重 要 デ アリ、 北 海 道 ノ主 張 ノ
ノデ ア リ マス。
共 産 党 ト シ テ ハ三 ・ 一五検 挙 後 党 再 建 ニ当 ツ テ致 命 的 欠 陥 ト ナ ツ タ
ノ趣 旨 ヲ取 扱 ツ タ合法 的 論 文 モ発 表 サ レテ居 リ マセ ヌ。此 事 ハ日 本
ニナ リ マ シタ。 其 討 議 ノ結 論 ハ、
出 サ レタ モノデ 、 夫 レト 各 地 方代 表 ノ報 告 ト ニ基 イ テ討 論 サ レ ル事
答 此 議 題 ハ前 同 様 ﹁ 赤 旗 ﹂第 二号 記 載 論 文 ガ中 央 部案 ト シテ提
来 ズ、 中 立 議 員 ノ向背 ニ依 ツテ政 局 ガ左 右 サ レ ルト 云 フ極 メテ不 安
(1 ) 今 後 ノ総 選 挙 デ 政 府 党デ ア ル政 友 会 ガ絶 対 多 数 ヲ制 ス ル事 ガ出
ニ後 ニ開 カ レタ北 海 道 全 道 会 議 ノ労農 政 党合 同 並 ニ労 農 会 議 開催 ノ
定 ナ状 態 ニア ル、 一方 選 挙期 間 中 ニ激 発 サ レ タ労 働 者 ノ大 衆 闘 争 ハ
日本 共 産 党 ハ同 年 四月 十 日労 農 党 ガ解 散 サ レ ル ヤ、 此 会 議 ノ決議 並
具 体 的経 験 ニ基 キ、 労 働 者 ノ政 党 ハ共産 党 以外 ニナ イ事 、 労 農 党 ノ
北 海 道 ヲ初 メト シ テ日 一日 ト昂 リ行 キ ツ ヽア ル事
ハ混 乱 ヲ惹 キ起 シ タ ニ過 ギ マセ ヌ。後 ニ此 方 針 デ コミ ン テ ル ンノ指 九 二 八 年 (昭
事
ハ此 選 挙 戦 ニ於 テ遺 憾 ナ ク彼 等 ガ議 会 主 義 者 デ ア ル正体 ヲ暴 露 シタ
(2) 右 鈴 木 、赤 松 、 左翼 労 農 一派 ニ至 ル迄 ノ 一切 ノ社会 民主 々義 者
再 建 ニ反 対 シ労 農 協 議 会 ヲ作 レト主 張 シタ ノデ ア リ マスガ 、 実際 ニ
令 ニ基 キ労 農 党 再 建 ノ方 針 ガ変 更 シ マ シタ。 然 ルニ 一
和 三年)十 二月 ノ新 党 準 備会 ノ解 散 ニ際 シ テ ハ此 共 産 党 ノ主 張 ハ圧
ノ御 大 典 予算 ヲ可決 ス ル事 ヲ主 要 目 的 ト シ テ開 催 サ レ ル モノデ 、 労
(3) 臨 時 議 会 ハ来 ル三月 下 旬 召 集 サ レ ルガ 、 此臨 時 議 会 ハ七 千 万 円
原 則 綱 領 ヲ持 ツ タ社 会 民主 々義 党 ダト 云 フ大衆 党 ノ本 質 ニ干 スル明
働 者 農 民 ト シテ斯 ル予 算 ニ反 対 スベ キ事 勿論 デ ア ル事
倒 的 支 持 ヲ博 シ タ ノデ アリ マス。勿 論 此 時 ニ ハ合 法 無 産党 ハ立 派 ナ
確 ナ規 定 ガ ア ツ タ事 ニ モ依 リ マスガ、 然 シ四 月 十 日 ト 違 ツテ 、共 産 党 ハ十 二月 前 ニ此 会議 並 ニ北 海 道 会 議 ノ趣旨 ヲ不完 全 乍 ラ事 前 ニ宣
迄 ノ大 衆 ノ具 体的 経 験 即 チ合 法 無 産 党 ニ依 ツ テ ハ社 会 民 主 々義 的 活
争 スベ キ事 ヲ強 要 シ、 彼 等 ガ 夫 レ ヲ実 行 シナ ケ レバ全 大 衆 ノ面前 デ
テ当 ニ ハナ ラ ヌ、 然 シ我 々 ハ此 レ ニ対 シ労 農 階 級 ノ要 求 ニ従 ツ テ闘
クベ ク好 都 合 ノ状 態 ニア ル 一方 、所 謂 無産 党 代 議 士 ナ ル モノ ハ大 シ
( 4) 其処 デ 以上 ノ諸 条 件 ノ綜 合 ノ結 果 ハ、来 ルベ キ議 会 ヲ解 散 ニ導
動 シ カ出来 ナ イ ト 云 フ具 体 的 実 験 ト ノ結 合 ガ十 二月 ノ共 産 党 再 建 ノ
裏 切 ノ正 体 ヲ 一層 白 日 ノ下 ニ暴 露 ス ル ニ至 ル
伝 スル事 ガ 出来 タカ ラデ ア リ マ ス。 此 事 前 ノ宣 伝 ト 四月 カ ラ十 二 月
成 功 ト ナ ツ タノデ ア リ マ ス。決 シ テ 一篇 ノ論 文 デ 大 衆 ガ右 ヲ向 イ タ
ニ統 一結 合 ヲ図 リ 、 大 工場 、 鉱 山 ニ党 ノ基 礎 ヲ据 ヘ付 ケ ル事 又 現 ニ
中 シ、 日常 闘 争 ヲ激成 シ、労 働 者 大 衆 ノ要 求 ヲ党 ノ中 心 ス ローガ ン
(5︶ 故 ニ共 産 党 ハ凡 ユル機 会 ニ重要 産 業 ノ大 工場 、 鉱 山 ニ勢 力 ヲ集
全 ク知 ラナ イ様 ニ思 ヒ マ ス。
リ左 ヲ向 イ タ リ ス ル モノデ アリ マセ ヌ。多 ク ノ人 々 ハ此 間 ノ事 情 ヲ
四問 其 次 ノ議 題 ハ何 デ ア ツ タカ 。
的 会 合 ヲ組 織 シ テ 一層 発 展 セ シメ ル事 、 農 民 ノ闘争 ヲ革 命 化 ス ル事 、
起 リ ツ ヽア ル闘 争 ハ之 ヲ工場 代 表 者 会 議 、 農 民 ハ農 民 大 会 等 ノ大 衆
リ マシタ。
而 シ テ此 労 農 大衆 ノ闘 争 ヲ議 会 解 散 ノ闘 争 ニ結 合 スル事 云 々ト 云 フ
答 其 次 ハ最 後 ノ議 題 デ 総 選 挙後 ノ闘 争 ニ関 スル件 ト 云 フ ノデ ア
五問 其 議 題 ニ付 テ ハド ンナ模 様 デ ア ツ タ カ。
題 シ、起 草 者 ハ同 志 中 尾 勝 男デ ア ツタ ト記 憶 シ マ ス。
此 討議 ノ結 論 ハ決 議 文 ト シ ﹁選 挙後 ノ闘 争 ノ指 導 ニ付 テ ノ決 議 ﹂ ト
ノデ アリ マシタ。
党 ヲ 一切 無 差 別 ニ共産 党再 建 ノ橋 梁 ダ 等 ト 云 フト ンデ モナ イ見 解 ヲ
(3) 彼 ノ政 治 テ ーゼ ニ於 テ ハ労 農 、 社 民 、 日労 、 日 農 等 ノ所 謂 無 産
仕 舞 フ カ [ラ]デ ア リ マス。
ツ無 産 党 ノ合 同 デ ハナ ク、 之 等 ノ党 ヲ社 会 民 主 々義 ノ党 ト シ テ之 ヲ
執 ツテ居 リ マシ タ ノ ニ較 ブ レバ、 此 会 議 ガ政 治 的 ﹁ブ ロツ ク﹂ ノ特
破 壊 スベ キデ ア リ、斯 ル政 党 ノ存在 ハ共 産 党 再 建 ノ懸 橋 ニナ ル好 条
質 ヲ把 握 シ、農 民 ノ闘 争 革 命 化 及労 働 者 農 民 ノ政 府 樹 立 ノ過 程 ガ 大
定 シテ仕 舞 ヒ マシ タガ 、 ブ ルヂ ヨア ジ ー ニ ハ コン ナ旨 イ政 局 安定 策
件 ド コ ロカ、 共 産 党 再 建 ノ大 妨 害 物 ダ ト 云 フ、後 ニ共 産 党 ガ達 シ タ
此決 議 ノ他 ノ部 分 ハ凡 テ間 違 ツ テ居 ナ イ ト思 ヒ マス。 然 シ政 友会 ガ
ガ ア ルト 云 フ事 ハ残 念 ナガ ラ当 時 ノ私 達 ハ知 ラ ナ カ ツ タ ノデ アリ マ
無 産 党 ニ対 スル正 シイ 見 解 ノ素 因発 祥 ト ナ ツタ モノ ト 云 フベ キデ ス。
絶 対多 数 ヲ制 スル事 ガ 出 来 ナ カ ツタ カ ラ政 局 ハ不 安 定 ノ状態 ニア リ、
ス。全 ク政 治 的 ニ幼 稚 デ オ恥 シイ次 第 デ ス。 之 デ 会 議 ノ議 題 ハ終 ツ
但 シ此 会 議 デ ハ御 覧 ノ通 リ労 農 ノ政 治的 ブ ロ ツク ト所 謂 大 衆 党 ト ヲ
議 会再 解 散 ノ可 能 ア リト 云 フ見 解 ノ ミ ハ全 ク馬 鹿 気 タ観 察デ アリ マ
タ ノデ ア リ マ スガ、 私 ハ此 第 二 回 全国 組 織 会 議 ヲ通 シ テ其 特 徴 ヲ此
ハ軈テ労 農 ノ政 治 的 一時 的 ﹁ブ ロ ツク ﹂ ト所 謂 無 産 党 ト ヲ区 別 シ且
処 ニ申 シテ置 カ ウ ト思 ヒ マス。
ズ 此迷 路 カ ラ脱 ケ出 様 ト ス ル際 ド イ ホ ン ノ 一歩 ト 云 フ処 ガ覗 ハ レ マ
混 同 シ、 大 衆 党 ノ合 同 ト 云 フ処 カ ラ出 発 シテ居 マ ス。夫 レ ニ モ拘 ラ
衆 党 統 一ノ過 程 デ ア ルト 規定 シタ ノ ハ 一段 ノ進 境 デ ア リ マシ テ、 之
六問 夫 レ ハ什 ウ イ フ点 カ。
シタ 。御 承 知 ノ通 リ民 政 党 カ ラ床 次 一派 ガ脱 党 シ テ見 事 ニ政 局 ヲ安
答 其 特 徴 ハ、
進 展 シ、殆 ンド解 決 点 ニ接 スル ノデ アリ マス。
ス。之 ハ此 会 議 ノ直 後 ニ開 カ レ タ北海 道 ノ全 道 代 表 者 会 議 デ ハ更 ニ
(1) 機 関 紙 及 党 文 書 ノ持 ツ テ居 ル宣伝 煽 動 組 織 ノ機 能 ガ充 分 ニ認 メ ラ レ、之 ナ シ ニ ハ 一歩 モ正 シイ 闘争 ヤ組 織 ノ建 設 ハ遂 行 発 展 セ シ メ
七問 其 外 ニ会 議 デ 話 サ レタ事 ハ無 カ ツ タ カ。
営 ニ党 ノ勢 力 ヲ集 中 スルト 云 フ事 ガ規 定 サ レ且 ツ其 大 工場 、 鉱 山 ノ
過 ギ ナ イ ノ ニ反 シ、 此 会 議 デ ハド ノ決 議 文 ニ モ大 工場 、 鉱 山 、 大 経
中 労 働 者 ガ 三十 パ ー セ ント 等 ト 云 ツ テ漠 然 ト シタ数 ヲ挙 ゲ テ居 ル ニ
ノデ ア ルカ ラ是 非 議 題 ト シ テ欲 シイ 事 又 労 働 組合 対 策 ニ付 テ モ今 度
ハ意 見 書 ヲ提 出 シテ ア リ、 夫 レ ハ中 央 ノ方 針 ト 根 本 的 ニ相 反 ス ル モ
付 テ モ本 会 議 デ 討 議 決 定 シ タイ 、 殊 ニ農 民組 合問 題 ニ付 テ ハ既 ニ私
私 ハ最 近発 セラ レタ 二 ツノ指 令 即 チ農 民組 合 政策 及 労働 組 合 政 策 ニ
答 中 央 部 カ ラ提 出 サ レ タ議 案 ハ前 述 ノ通 リデ アリ マシタ。 然 シ
得 ナ イ事 ガ強 調 サ レタ事
労 働 者 ノ 日常 闘 争 ノ激 発 及 其闘 争 ト交 互 シテ党 ノ基 礎 ヲ先 ヅ 大 工 場
ヲ表 明 シ マ シタ。 此 私 ノ提 議 ニ対 シ、 三 田 村 ノ意 見殊 ニ農 民組 合 対
上京 後 渡 政 ニ其 概 要 ヲ話 シ テ置 イ タ ガ、 自 分 ハ異論 ヲ持 ツテ居 ル旨
(2) 彼 ノ組 織 テ ー ゼ ニ於 テ ハ党 再 建 ノ客 観 的 好 条 件 ト シ テ、 全 人 口
ハ共 産 党 ノ如 何 ニ高 遠 ナ理 想 モ計 画 モ結 局紙 ノ上 丈 ノ モノト ナ ツ テ
ニ据 ヘ ル事 等 ガ之 迄 ニナイ 程 重視 サ レテ居 マ ス。 夫 レ ハ之 ナ ク シ テ
裁 判 所 書 記 菅 生
人 三 田 村 四 郎
清
策 ニ関 ス ル意 見 ハ共 産 党 ト シ テ重 大問 題デ ア ルカ ラ此 組 織 会 議 デ 決
予 審 判 事 小 泉 英 一
第 三十 三回 訊 問 調 書
告
定 スル事 ハ不適 当 デ ア リ 又権 限 上 カ ラ モ ソ ンナ事 ハ出 来 ナ イ、 自 分 ( 即チ渡政 ノ事) ハ来 ルベ キ中央 委員 会 ニ三 田村 ノ意 見 ヲ責 任 ヲ以 テ
被
右 治安 維 持 法 違 反 被 告 事 件 ニ付、 昭和 五年 六月 二十 七 日 豊 多 摩 刑 務
紹 介 シ、 早 速 何 等 カ ノ決 定 ヲ ス ル事 ヲ約束 ス ル故 ニ、 此 会 議 ハ之 デ
所 ニ於 テ、 予 審 判 事 小 泉英 一ハ裁 判 所 書 記 菅 生 清 立 会 ノ上 前 回 ニ引
答 北 海 道 全 道 代 表 者 会議 開 催 ノ 日時 ハ何 時 デ ア ツ タ カ只今 ハツ
我 々ガ知 ラ ナ イ ト 云 フ事 ハ甚 ダ遺 憾 ダ、 本 会 議 デ 討 議 決 定 出 来 ヌ ナ
キ リ記 憶 ア リ マセ ヌガ 、確 カ 三月 一日前 後 デ ナ カ ツ タ カト 思 ヒ マス。
閉 会 シタ イ ト申 シ マシ タ。然 シ代表 者中 ノ 一人 ハ ソ ンナ重 大 問 題 ヲ
題 ニ付 キ私 ガ前 回 述 ベ マシタ 如 キ本 問 題 ニ対 スル私 ノ意 見 ヲ発表 致
決 シ テ夫 レ ヨリ遅 イ ト 云 フ事 ハア リ マ セ ヌ。 会 議 開 催 ノ場 所 ハ札 幌
ラ 一旦会 議 ヲ閉 ヂ非 公 式 ニ三 田村 ノ意 見 ヲ聞 キ タイ ト 云 フ事 ヲ主 張
シ マシ タ。 全員 ハ私 ノ意 見 ニ賛 成 ノ意 ヲ表 シ マシ タ。 ソ シ テ早 ク中
市 北 七 条 西 十 一町 目 小 川事 田 口右 源 太方 デ ア リ マシ テ、 参 集 者 ハ、
一問 北 海 道 全 道 代 表 者 会 議 開催 ノ事 情 ハ如 何 。
央 部 ガ此 意 見 ヲ党 ノ意 見 ト シテ発 表 シ テ呉 レル事 ヲ望 ムト 云 フ事 ニ
武 内 、 沼 山 、渡 辺 、 田 口、山 口、 山 名 、 私 ノ七 名 デ アリ マシタ 。函
続 キ右 被 告 人 ニ対 シ訊 問 ス ル コト 左 ノ如 シ。
ナ リ マシ タ。 夫 レデ 其 日 ノ会 議 ハ終 リ マシ タ。 翌 日 ハ午前 カ ラ開 会
シ マシ タ。 夫 レデ 会 議 ハ閉 会 シ、 引続 キ非 公 式 ノ会 合 ト シ テ右 二問
サ レ マシ タガ、 此 日 ノ議 事 ハ前 日決 定 シ タ諸 決 議 ノ第 二読 会 デ正 午
ツ テ居 ツ タノデ アリ マスガ、 鈴 木 ハ相 変 ラズ ﹁スト ラ イ キ ﹂ ニ没 頭
シ テ仕 舞 ツ テ何 等 ノ通 知 ナ ク欠 席 シ、 境 ハ確 カ ニ会 議前 日 ニ出 席 ス
館 ノ鈴 木 、 小樽 ノ境 [一雄]モ此 会 議 ニ列 席 シナ ケ レバ ナ ラ ヌ事 ニナ
ル事 ヲ承 諾 シテ置 キ乍 ラ出 席 シ ナ カ ツタ ノデ アリ マス。会 議 ハ二 日
頃 終 リ、斯 クテ第 二回 全 国 組 織 会 議 ハ全 ク終 了 致 シ マシタ 。其 日 ノ
ノ列 車中 デ 北海 道 全 道 代 表 者 会 議 テ ー ゼ作 成 ノ為 ノ各 種 統 計 材 料 ヲ
渡 政 宅デ 泊 リ、 翌 日私 ハ帰 途 ニ就 キ マシ タ。 私 ハ此 会議 出 席 ノ往 復
間 ニ亙 リ 、両 日共 早 朝 ヨリ夕 刻 迄 会 議 ヲ行 ヒ、夜 間 ハ会 議 ヲ セズ 休
午 後 ハ色 々ナ実 際 運 動 上 ノ経 験 等 ノ懇 談 等デ 過 シ、 其 夜 ハ前 夜 同 様
調 査 シ整 理 シ、 テ ー ゼ ノ筋 書 ヲ作 リ 上 ゲ テ帰 宅 シ、 帰 宅 後 夫 ヲ成 案
憩 ト シ マシタ 。
答 会 議 デ 私 ガ如 何 ナ ル報 告 ヲ シ タカ 只今 充分 記 憶 ア リ マセ ヌ ガ、
三問 其 内 容 ハ如 何 。
シタ 。
答 オ ルガ ナ イザ ー タ ル私 及 北海 道 各 地代 表 者 ノ報 告 カ ラ始 メ マ
ニ書 キ上 ゲ ルト同 時 ニ、 先 ニ延 期 シ テ ア ツ タ北海 道 全 道 代 表 者 会 議
人 三田 村 四郎
ヲ招 集致 シ マ シタ。 告
二問 会 議 ハ何 カ ラ始 マツ タ カ。 被
東 京 地方 裁 判 所
右 読 聞 ケ タ ル処 無 相 違 旨 申 立 署 名拇 印 シタ リ 。 同 日於 前 記 出 張 先 作 之
多 分 詳 細 ナ事 ハ全 道 ﹁テー ゼ ﹂作 成 ノ際 ニ譲 ル事 ニシ、此 報 告 デ ハ
右 ノ私 ノ報 告 ニ引 続 イ テ各 地 ノ報 告 ガ ア リ マ シタ。 函 館 ノ分 ハ代表
タト 記 憶 シ マス。
旭 川 及 各 地 農 村 ノ分 ハ同志 山 名 、札 幌 ノ分 ハ同 志 沼 山 、 室 蘭 、苫 小
欠 席 ノ為 私 ガ 代 ツ テ概 略 ノ情 勢 報 告 ヲ為 シ、 小 樽 ノ分 ハ同 志 武 内 、
牧 ノ分 ハ同 志 山 口ガ 各 自報 告 シ、岩 見沢 地方 炭 鉱 ノ情 勢 報 告 ハ同志
一 北 海 道 ニ於 ケ ル共 産 党 ノ勢 力 ハ 一九 二七 年末 迄 ハ全 ク其 存 在 ス ラ知 ラ レザ ル程 微 々タ ル モノデ ア リ、 共 産 党 ト シ テ ノ独 自 ノ活 動 ハ
ホ ンノ概 括 的 ニ次 ノ如 キ事 ヲ述 ベ タ ノデ ハナカ ツ タ カト思 ヒ マス。
何 等 為 サ レ テ居 ナ カ ツタ 。然 シ夫 レ ハ北 海 道 ノ党員 ノ過 失怠 慢 ト 云
武 内 ガ報 告 シ タカ ト記 憶 致 シ マ ス。 以上 ノ報 告 ハ終 ツ テ直 チ ニ此各
我 党 ノ細 胞 ハ今 尚 工場 新 聞 ヲ発 行 シテ居 ナ イ ノ ハ良 ク ナイ 。 小樽 ノ
報 告 ニ対 スル討 論 ガ行 ハレ マシタ 。其 結 論 ハ、
代 表 ハ其 理由 ト シ テ印 刷 所 ノ設 置 ト 云 フ難 問 ノ解 決 ガ付 カナ イ為 ダ
フノデ ハナク 、 我 党自 体 ニ重 大 ナ欠 点 ガ ア ツ タ必然 ノ結 果 デ ア ツタ。
二 我 北 海 道 地 方 ノ組 織 活動 ガ 日本 共 産 党 ノ政 治 ﹁テ ーゼ ﹂並 ニ組
ト 云 フ ガ、然 シ工場 新 聞 ノ 重要 性 ヲ認 メ 且 ハ如 何 ニシ テ モ発 行 ス ル
第 一 小 樽 ハ全 党員 ノ活動 並 ニ大 衆 団 体 ノ活 動 ガ旺 盛 ナ ル ニ拘 ラズ 、
織 ﹁テ ーゼ ﹂ ヲ忠 実 ニ守 リ 且 ツ正 シク生 カ シ テ来 タ モノデ ア ルト 云
ト 云 フ態 度 デ ア レバ 方 法 ハ幾 ラデ モ付 ク モノデ ア ツ テ、 例 ヘバ複 写
一時 ニ活 溌 ト ナ リ 、党 ノ勢 力 モ急 速 ニ増 大 シ タ。
フ事 ハ、 先 般開 催 サ レタ 我党 第 二回 全 国 組 織 会 議 デ 賞 讃 ヲ受 ケ タ所
然 シ 一九 二 七年 末 我党 ノ新 方 針 ガ確 立 サ レテ カ ラ ハ北海 道 ノ活 動 ハ
ノ モノデ ア ル。 北 海道 ノ全 党 員 ハ此 名 誉 ヲ傷 付 ケ テ ハナ ラナ イ 。 我
ト発 行 ノ決 意 ガ 足 リ ナ イ カ ラデ ア ル。
第 二 札 幌 ハ各 工場 細 胞 共 工場 新 聞 ヲ発 行 シ テ居 ル、 又 細 胞 会 議 モ
紙 デ 書 イ テ モ良 イ ノデ ハナ イ カ、 要 ス ル ニ工場 新 聞 ノ重 要性 ノ認識
拡大 ノ比率ヤ党員 ノ階級別比率等 ヲ読上ゲタト思 ヒ マス)。
ラズ 工場 ノ日 常 闘争 ガ 全体 ト シテ尚 不活 溌 デ ア ル、 其 原 因 ハ工場 新
頻 繁 ニ開 催 サ レ テ居 ル、其 点 デ ハ全 ク模 範 的 デ ア ル、然 シ夫 ニ モ拘
々 ノ正 シイ組 織 活動 ノ結 果 ハ、 北 海 道 ノ共 産 党 ノ勢 力 ガ次 ノ如 ク ナ
三 我 党 全 国組 織 会 議 ガ 我 々ノ組 織 活 動 ヲ正 シイ ト 賞 讃 シ タノ ハ其
ツタ ( ト云ツテ其 次 ニ先 ニ申上ゲタ工場細胞 ノ数、機関紙発行ノ状態 、党員
根 本 的 遣 リ方 ガ 正 シイ ト 云 ツテ居 ル ノデ ア ツ テ、 我 々 ノ活 動 ニ寸 分
結 果 不 可 避 的 ノ モノデ ア ル。 然 シ夫 レ ハダ カ ラト 云 ツ テ夫 レヲ放 任
ニ ハ尚幾 多 ノ誤 謬 ヲ執 ツテ居 ル。 夫 レ ハ我 々 ガ未 ダ 政 治 的 ニ未 熟 ナ
正 シ カ ツ タガ、 各 地 区各 細胞 活 動 ノ 一ツ〓
事 、 党 ノ機 関紙 及 党文 書 ヲ モ ツト大 胆 ニ工場 労 働 者 ノ中 ニ持 チ込 ミ、
導 ノ確 保 ト 云 フ肝腎 要 ノ点 ガ全 ク欠 ケ テ居 ル、 工場 新 聞 ヲ発 行 ス ル
優 レテ居 ル、 然 シ党 ノ活動 、党 ノ拡 大 、 党 ノ大 衆 団 体 内 ニ於 ケ ル指
第 三 函 館 ハ工 場 内 ノ日常 闘 争 ヲ激 発 シタ ノ ハ大 成 功 デ 全道 中 一番
新 聞 ハ工場 内 ノ日 常 闘 争 ヲ取 扱 フ事 ニ心懸 ケ ネ バ ナ ラ ヌ。
聞 ガ 工場 内 ノ日 常問 題 ニ触 レ ル事 ガ少 ナ イ カ ラデ ア ル、 モ ツト 工場
シ テ置 イ テ ハイ ケ ナ イ 。 此会 議 ニ於 テ夫 レ等 ノ誤 謬 ヲ充 分批 判 討 議
ヲ取 ツ テ見 レバ部 分的
シ テ、其 依 ツテ来 ル必 然 的 根 拠 ヲ明 ニシ訂 正 シ、 以 テ党 活動 ヲ 一層
工場 細 胞 ヲ結 成 ス ル事 ガ函 館 当 面 ノ任 務 デ ア ル。
ノ誤 リ ガ 無 イ ト 云 フ意 味 デ ハナ イ。 実 際 我 々 ノ活 動 ノ基 本 的方 向 ハ
正 シク発 展 セ シ ム ル事 ニ努 力 シナ ケ レバ ナ ラ ヌ 云 々ト 云 フノデ ア ツ
場 ニ当 分全 力 ヲ傾 注 スベ キ事 。
獲 得 シタ ノ ハ大 ナ ル成 功 デ ア ル、直 チ ニ工場 新 聞 ヲ発 行 シ、 右 二 工
第 四 室 蘭 ハ ﹁テ ー ゼ﹂ ニ従 ツ テ室蘭 製 鋼及 苫 小 牧 王 子 製 紙 其 他 ヲ
シメ マシ タ ガ、 農 村 ノ方 ハ範 囲 ガ広 カ ツタ為 ニ引 続 キ同 志 山 名 ノ指
早 速 其 指 導 者 干 係 ヲ同 志 正 木 ノ手 カ ラ分 離 シ、 地 区 委 員 会 ニ配 属 セ
農 村 ノ方 ハ同 志 山 名 デ ア リ マシ タ。 ソ シテ岩 見 沢 地 方 ノ炭 鉱 ノ分 ハ
第 五 旭 川 責 任 者 ガ農 村 細 胞組 織 ノ特 別 任 務 ニ就 イ テ居 タ為 ニ、旭
ル ガ、 其 活 動 ハ什 ウ モ農 村 臭 イ、 労 働 者 党 ノ農 村 細 胞 ト 云 フ ヨリ、
導 下 ニ置 イ テ ア ツ タ ノデ アリ マス。其 結 果 農 村 細 胞 ハ活 動 ハシ テ居
農 民 組 合 中 ノ革命 的 分派 ト 云 ツタ傾 向 ガ強 イ 事 ガ右 ノ報 告 ニ依 ツテ
ニ分 属 セ シ メ地 区委 員 会 ノ指 導 下 ニ置 ク ト 云 フ事 ニナ ツタ ノデ ア リ
ノ為 止 ム ヲ得 ヌ事 デ ア ツタ 、然 シ今 後 ノ任 務 ハ先 ノ テ ーゼ ノ実 行 ニ
川 ニ於 ケ ル 工場 労 働 者 ヘノ活 動 ガ全 然 為 サ レテ居 ナイ 、 之 ハ右 事 情
今 日迄 ノ組織 上 ノ欠 陥 ノ必 然 デ ア ツ タ、 又 各 都市 地 区委 員 会 ガ既 ニ
マス。農 民 ヲ指 導 ス ルノ ニ斯 様 ナ方 法 ヲ執 ツ タト 云 フ事 ハ誠 ニ些細
ノ問 題 及 其 他 ノ干 係 カ ラ右 結 論 ノ如 ク十 八 ノ農 村 細 胞 ヲ夫 々各 地 区
各 テ ー ゼ ニ於 テ指 摘 サ レテ居 ル ニ モ拘 ラズ 、附 近農 村 ニ対 ス ル具 体
ナ事 ノ様 ニ見 エ マス。然 シ只 今 私 ハ夫 ニ付 テ適確 ナ言 葉 デ 云 ヒ表 ハ
明 瞭 ニナ ツ タ ノデ ス。其 為 ト モウ 一ツ ハ後 ニ述 ベ マス労 農 政 権 樹立
的 対策 ヲ持 ツテ居 ナ イ ノ ハ良 ク ナイ 、 其 処 デ全 道 ノ各 地十 八 ケ所 ニ
セ マセ ヌガ、 実 ハ此 事 ノ中 ニ労 農 政 権 ノ樹 立 ト 干 係 ア ル非 常 ニ重 大
全 力 ヲ挙 ゲ ル事 デ ア ル。
ア ル農 村 細 胞 ヲ旭 川 、 室 蘭 、 札 幌 、 小 樽 、函 館 ノ各 地区 委 員 会 ニ分
ナ事 ガ含 マ レテ居 ル様 ニ思 ヒ マス。
第 六 特 別 活 動 ニ依 ツ テ組 織 シタ各 農 村 細 胞 ノ活 動 ノ不 充 分 ナ ノ ハ、
割 所 属 セ シメ、 地区 委 員 会 指 導 ノ下 ニ各 農 村 細 胞 カ ラ 工場 新 聞 ト 同
答 欠 席 者 ニ対 スル抗 議 デ アリ マシタ 。
四問 其 会 議 ニ於 ケ ル次 ノ議 題 ハ何 デ ア ツタ カ 。
云々
様 ナ ル然 シ農 民 向 ト シ テ特 別 ニ考 慮 サ レタ ル党 機 関 紙 ヲ発 行 ス ル事
デ シタ 。此 結 論 ハ全 員 異 議 ナ ク認 メ、 会 議 後 直 チ ニ実 行 ニ移 サ レ、
ニ ハ各 地 区 ノ責 任 者等 ハ何 等 ノ手 懸 リ ヲ持 合 セ テ居 リ マセ ヌデ シタ
別 活 動 ニ依 ツ テ組 織 シ タ農 村 細 胞 云 々ト 云 フ ノ ハ、 当時 農 村 ト鉱 山
変 シタ為 ニ殆 ンド 全 市 的 工場 労 働 者 ノ動 揺 ガ起 リ マシ タ。 尚右 ノ特
約 致 シ マスト 、
分 ニ付 テ ノ抗 議 ガ提 出 サ レタ ノデ ス。右 ノ同 志 ノ述 ベ タ事 ヲ綜 合要
並 ニ函 館 ノ鈴 木 ニ対 ス ル地方 オ ルガ ナ イ ザ ート シ テ ノ私 ノ監 督 不充
諸 君 カ ラ前 述 ノ本 会議 ニ於 ケ ル欠 席 者 鈴 木 、 境 ノ両 名 ニ対 ス ル抗議
答 右 ノ報 告 ニ対 ス ル討 議 ガ終 ツテ カ ラ同 志 武 内 、 沼 山 、渡 辺 ノ
五問 夫 レ ハ什 ウイ フ内容 デ ア ツタ カ 。
カ ラ、 其 処 デ幸 ヒ当 時 行 ハレタ選 挙 戦 ヲ利 用 シ、其 演 説 隊 ノ中 ニ比
数 日後 ニ ハ各 細 胞 共 工 場 新聞 ヲ発行 シ、 札 幌 ハ工場 新 聞 ノ内容 ヲ 一
較 的 之 等 鉱 山 及農 村 ノ事 情 ニ通 ジ タ者 二名 ヲ選 定 シ テ其 演 説 隊 ノ中
テ又何 等 ノ 通知 ナ ク本 会 議 ニ欠 席 シ タ、 共 産 党員 ガ経 済 闘 争 ニ没 頭
第 一 函 館 ノ同 志 鈴 木 ハ前 回 選 挙 戦 前 ノ全 道 会 議 ノ招 集 ニ モ欠 席 シ
シ テ重要 ナ ル党 会 議 ニ出席 シ ナイ ト 云 フ事 ハ許 スベ カ ラ ザ ル事 デ ア
ニ配 置 シ、 之 ヲ シテ例 ノ党 員 拡 大 ノ 一般 方 針 ニ従 ヒ 一挙 ニ細 胞 ヲ作 リ上 ゲ テ仕 舞 ツ タノデ ア リ マ ス。 其 担 任 者 ハ鉱 山 ハ同 志 正 木 [清]、
モ、 函 館 丈 デ モ此 一ケ月 間 ニ於 テ少 ク ト モ百 名 ノ労働 者 党 員 ヲ獲 得
諒 解 ニ苦 シ ム、本 会議 ニ於 テ報 告 サ レ タ各 地 方 ノ諸 経験 カ ラ推 シ テ
現 ニ全 市 的 労働 争 議 ガ捲 キ起 ツテ居 ル函 館 ニ於 テ斯 ノ如 キ事 ハ全 ク
紙 読 者 数 モ 一ケ 月前 ト同 様 デ 少 シ ノ増 加 モ ナイ ト 云 フ事 デ ア ル ガ、
ル、 地 方 オ ルガ ナ イ ザ ー ノ代 理 報 告 ニ依 レバ 、函 館 ハ党 員 数 モ機 関
ル、 即 チ彼 ノ行 動 ハ党 ノ仕 事 ヨリ ﹁スト ライ キ﹂ ヲ重 シト スル ニア
衆 ニ依 ツ テ批 判 サ レ始 メ テ来 タ、 我 党 ノ 工場 細 胞 ノ力 ガ モウ 一息 進
滅 シ ツ ヽア ル、 彼 等 ノ指 導 意 見 ガ 日和 見 主 義 的 ダ ト 云 フ事 ハ今 ヤ大
彼 ト 同 型 ノ 旧指 導 者 ガ夫 レ迄 大 衆 ノ間 ニ持 ツ テ居 タ信頼 ハ急 激 ニ消
ヲ今 日 迄相 当 重視 シテ来 タ、 然 シ新 シ キ党 活動 ガ 始 マツ テ以来 彼 及
破 ツ テ欠席 ヲ シテ居 ル。我 々 ハ彼 ト大衆 ト ノ接 続 干係 ヲ考 慮 シテ彼
イ 、彼 ハ党 員 ト ナ ツ テ カ ラ今 日迄 一切 ノ党 集 会 ニ今 回 ト同 様 約 束 ヲ
シテ居 ナ ケ レバ ナ ラ ヌト考 ヘ ル、 之 ハ他 ノ地 方 ノ実績 ニ徴 シテ決 シ
ア ル、 後 ニ独 立議 案 ト シテ提 出 スル筈 デ ア ル ガ、 同 志境 ノ市 会 議 員
展 スル ナ ラ、最 早曾 テ 心配 シタ様 ナ彼 等 ニ対 ス ル考 慮 ハ無 用 有 害 デ
ル、 然 シ同 志 境 ニ対 シテ ハ之 以上 ノ心 遣 ハ無 用 デ アリ 且 ツ斯 ル党員
ト シ テ ノ行 動 ハ他 ノ無 産 党 議 員 ト同 様 毫 モプ ロレ タリ ア ノ代 表 ト シ
テ過 大 ナ要 求 デ ハナ イ 、函 館 ハ他 ノ地 区 ト違 ツ テ真 先 ニ ﹁テー ゼ ﹂
モ党 ノ重 要 会 議 ニ列 席 セ シ メ又 ハ多 少 共 重 要 ナ地 位 ニ就 ケ テ置 ク事
ガ作 成 サ レ且 ツ夫 レ ハ 一般 ニ公 表 サ レテ居 ル、 然 モ此 テ ーゼ ガ絶 対
ニ移 シタ ニ過 ギ ズ シ テ、肝 腎 ノ 党 ノ活 動 組 織 ト 云 フ事 ハ 一切 抜 キ ニ
ハ党 ニ取 ツ テ危 険 デ ア ルト考 ヘ ル、 以上 ノ事 実 ニ付 テ ノ ミデ モ 一切
テ ノ行 動 デ ナイ 、党 員 ヲ 凡 ユ ル手 段 ヲ尽 シ テ鞭韃 シ、 深 切 ニ之 ヲ指
シテ居 ル、 従 ツ テ此 テ ーゼ ノ正 シイ事 ヲ大 衆 ノ間 ニ広 メ、 党 ニ対 ス
ノ役 員 タ ル ノ地 位 ヲ剥 奪 ス ル事 ヲ要 求 ス ル云 々
導 シ テ誤 レ ル ヲ匡 シ テ立派 ナ党 員 ニ スル ト 云 フ事 ハ絶 対 ニ必要 デ ア
ル大 衆 ノ信 頼 ヲ昂 メ ルト 云 フ仕 事 ハ 一ツ モヤ ツ テ居 ナイ 故 ニ、 オ ル
ハ此 テ ー ゼ中 ノ経 済 闘 争 ノ激 発 ト其 方 法 ニ関 スル 一部 分 丈 ケ ヲ実 行
ガ ナ イ ザ ー ヘノ報 告 ハ党 活動 ト シテ ノ モノ ハ 一ツ モナ ク、相 変 ラズ
マシ タ。
ト 云 フノデ ア ツ タト 記 憶 シ マス。私 ハ此 抗 議 ニ対 シ テ次 ノ如 ク答 ヘ
ニ正 シイ事 ヲ現 実 ニ大衆 ガ 日 一日 ト証 明 シ テ居 ル、 然 ル ニ同志 鈴 木
合 法 団体 ノ印 刷 物 ヲ申 訳 的 ニ送 附 シテ居 ル ニ過 ギ ナイ 、彼 ノ行 動 ヲ
同 志 鈴 木 ニ対 スル諸 君 ノ抗 議 ハ全 ク正 当 デ ア ル、 彼 ニ対 ス ル私 ノ指
遠 慮 ナ ク結 論 ス レバ 共 産 党員 タ ル事 ヲ嫌 ガ ツ テ居 ル ノデ ハナイ カ ト
シ、 党 活 動 ノ遂 行 ヲ促 シ テ来 タ、 残 念 乍 ラ選 挙 戦 ノ為 ニ私自 身出 張
導 ガ不 充 分 デ ア ツ タ事 モ又 認 メ ル、 但 シ今 日迄 私 ハ何 モシ テ居 ナ イ
ス ル事 モ代 表 ヲ派 遣 シ テ厳 談 ス ル事 モ出 来 ナ カ ツ タ ノ ハ遺 憾 デ ア ツ
ス ラ思 ヘル、 同 志 鈴 木 ノ斯 ル怪 シカ ラ ヌ態 度 ニ対 シ テ 一体 オ ルガ ナ
ル。
タ、 従 ツ テ函 館 ノ選 挙 戦 モ果 シテ党 ノ方 針 ヲド レ丈 実 行 シ タカ モ未
訳 デ ハナイ 、 既 ニ報 告 シタ 通 リ時 々刻 々書 翰 ヲ以 テ 一々欠 点 ヲ指 摘
第 二 ニ小樽 ノ境 ニ付 テ ハ本 会 議 ニ出 席 出 来 ナ イ ト 云 フ何 等 ノ理由 モ
ダ何 等 報 告 ガ ナイ カ ラ真相 ハ判 明 シナ イ、 函 館 ノ前 述 ノ状 態 ニ対 シ
ルカ、 少 ク ト モオ ルガ ナイ ザ ーノ 監督 不充 分 ノ責 モ免 レ ナイ ト考 ヘ
我 々 ハ発 見 ス ル事 ハ出 来 ナイ 、彼 ハ明 カ ニ口デ ハ出 席 ヲ承 諾 シタ ガ
イ ザ ー ハ如 何 ナ ル対 策 ヲ執 ツ テ来 タ カ 又如 何 ナ ル処 置 ヲ取 ル考 デ ア
色 々ナ事 情 ヲ綜 合 シ テ見 ルト 出 席 ノ意 思 ガ無 カ ツ タ モ ノト 認 メ テ ヨ
識 ノ高 低 ニ拘 ハル、 従 ツテ 工場 内 労 働 者 及 農 村 ニ働 ク 農 民 ヨリ モ
行 動 本 位 ダ ト 云 フ事 ハ百 モ承 知 シ テ居 ル、 夫 レデ 居 テ知 ラズ〓
意
テ 、私 ハ此 全 道 会 議 ガ終 リ次 第 函館 ノ党 組 織 ノ為ニ 一
名 労 働 者 党員
ヲ 派遣 ス ルト 云 フ ﹁プ ラ ン﹂ ヲ持 ツテ居 ル、 同 志 鈴 木 ガ 党員 ト シテ
題 ト 密 接 ナ干係 ヲ有 ス ル貴 重 ナ教 訓 ヲ学 ンダ 、 此事 ハ同志 境 ノ問 題
ノ上 デ ナ ケ レバ 断言 出 来 ナ イ、 然 シ私 ハ此 一ケ月 ノ活 動 ニ於 テ此 問
病 ニビ ク〓
組 織 的 且 ツ大 胆 デ ナ ク ナ リ、 セク ト的 ト ナ リ、 コセ〓
党 員 採 用 ノ方 向 ガ ソ ンナ風 ニ傾 イ テ行 ク限 リ、 益 々其 活 動 ハ大衆 的
﹁イ ンテ リ﹂ ヤ組 合 ノ役 員 ガ党 員 ノ候 補 者 ト シ テ ヨリ多 ク目 ニ付 ク 、
ヲ解 決 ス ル鍵 ト モナ ルト考 ヘル モノデ ア ツ テ、 夫 レ ハレー ニ ン主 義
党 活 動 ヲ遂 行 ス ル意 思 ガ無 イ カ什 ウ カ ト 云 フ点 ニ付 テ ハ尚 一応 調 査
ノ正 シキ闘 争 ノ前 ニ ハ労 働 者 ト ﹁イ ン テリ ゲ ン チア ﹂ ト ガ恐 ロシイ
ク見 ヘルガ、 実 ハ却 々細 心 デ 秘 密 運 動 ト 云 フ事 ニ掛 ケ テ ハ天才 的 ナ
凡 テ ノ点 デ大 胆 デ ア ル、 ソ シテ 一見 不 注意 デ 粗雑 デ迚 モ危 ナ ツカ シ
度 ﹁レー ニ ン主 義 ﹂ ニ依 ル党 活動 ガ 遂行 サ レテ カ ラ 日 一日 ト 彼等 ガ
云 フ事 ガ暴 露 サ レタ、 又 彼 ノ合 法 運動 ノ舞 台 ニ於 ケ ル革 命 家 ハ、今
シタ党 員 ノ無 能 振 リト 云 フ ヨリ ハ、真 ノ共産 党 的 活 動 ニ適 シ ナイ ト
ゲ ン チア ﹂党 員 並 ニ労 働 者 デ 永 ク工場 ヲ離 レ、 而 モ ﹁イ ンテ リ﹂ 化
ノ次 デ 、 第 一ニ工場 労 働 者 ニ目ヲ 付 ケ、 闘 争 ノ中 カ ラ採 用 シ テ行 ク
位 デ ア ル、 ダ カ ラ以 上 ノ様 ナ態 度 デ ア ル限 リ、 組 合 ノ役 員 ナ ン カ ニ
上 リ 又起 チ上 ラ スト 云 フ式 デ ア ル、 党員 採 用 ノ態 度 ハ飽 ク迄 行 動 本
些 々タ ル利 害 問 題 ヲ巧 ニ捉 ヘテ干 係 労 働者 ト 肩 ヲ組 ンデ 闘 争 ニ起 チ
処 ガ ア ル、闘 争 激 発 ノ遣 リ方 ハ ﹁イ ン テリ ﹂ ノ遣 リ方 ト ハ正 反 対 デ 、
シ テ居 テ 一向 伸 張 性 ガ ナイ 、 之 ニ反 シ テ労 働 者党 員 ハ
シテ 且 ツ臆
程 其 階級 的 特 質 ヲ明 瞭 ニ発 露 スルト 云 フ事 デ ア ル、 即 チ ﹁イ ンテ リ
口先 丈 ノ革 命 家 デ アリ 、 其 本質 ハ日和 見 主 義 其 モノ ニ過 ギ ズ 、今 日
ナ ラ バ、彼 等 ハ 一見非 常 ニ細 心 ニシ テ用 心深 ソ ウ ニ見 エ ルガ、 実 ハ
ル事 ガ如 実 ニ暴露 サ レタ、 右 イ ンテ リ党 員 ノ欠 点 ヲ具 体的 ニ挙 ゲ ル
山 名 ハ自 分 ニ内 在 ス ル此 傾 向 ヲ自 ラ警 戒 シ、 其後 ノ山名 君 ハ立 派 ナ
欠 点 ハ同 志 山名 モ初 ノ内 持 ツ テ居 タ、 私 ガ 夫 レ ヲ指 摘 シ テカ ラ同 志
角 ﹁イ ン テリ ﹂ ト 労働 者 ト反 対 ノ性 質 ヲ示 シ タ、 此 ﹁イ ン テリ ﹂ ノ
カ ラ大 胆 デ ア リ、 大衆 的 デ ア リ、 然 モ組 織 的 デ 危 険 性 ガ少 イ 、兎 ニ
細 心 デ モ用意 周到 デ モナ ク、 臆 病 デ ア ル、彼 等 ハ労 働 者 ノ闘 争 ヲ激
デ ハ最 早 旧 型 指 導 者 デ 、 明 日 ハ指 導 者 ノ地 位 カ ラ叩 キ落 ス必 要 ノ ア
発組 織 ス ル ニ当 ツテ、 労 働 者 ノ現 実 当 面 ノ利 害 ヲ引 出 シテ之 ヲ行 ハ
ヘル。斯 ク考 ヘ ルト ﹁イ ンテ リ﹂ ノ欠 陥 ノ影響 ハ甚 大 デ ア ル、 然 モ
党員 ト シ テ 一変 シタ、 札 幌 ノ 工場 新 聞 ノ傾 向 モ又茲 ニ基 因 スル ト考
ヲ シ テ、夫 レデ 労 働 者 ノ闘 争 ヲ期 待 ス ル、党 員 拡 大 ノ遣 リ方 ガ矢 張
ウ ト ハセズ、 理窟 デ 闘 争 ヲ叩 キ付 ケ ル、 即 チ労 働 者 ニ高 遠 ナ オ説 教
欠 点 ハ或 ハ同 様茲 ニ基 因 ス ル ノデ ハア ル マイ カ。 私 ガ函 館 ノ党 組織
ジ テ事 毎 ニ現 ハ レル ノデ 、 私 ハ実 ニ恐 シク感 ジ テ居 ル。 同 志 鈴 木 ノ
彼 等 ノ 一様 ノ主 張 ハ ﹁誰 某 ハ行 動 ニ於 テ申 分 ハ無 イ ガ未 ダ意 識 ガ低
ノ為 ニ特 ニ労 働 者 党員 ヲ派遣 ス ルト 云 フノ モ右 ノ様 ナ事 ヲ考 慮 シ タ
労 働 者 ノ階 級 的 本 能 ノ発 露 ト ﹁イ ン テリ ﹂ ノ欠 陥 ガ 凡 ユル場 面 ヲ通
イ ﹂之 デ ア ル、 故 ニ党員 拡 大 ガ却 々渉 取 ラ ナイ 、 彼 等 ハ地 方 委員 会
結 果 ノプ ラ ンデ ア ル。 兎 ニ角 ﹁イ ンテ リ﹂ 党 員 ノ斯 様 ナ欠 点 ハ、同
リ 此流 儀 デ ア ル、 被 選 定 者 ノ行 動 ヨリ モ頭 ノ出 来 具 合 ヲ問 題 ニス ル
ノ党 員 拡 大 ノ 一般 方 針 ガ ﹁ 其 者 ガ 理窟 ヲ知 ツ テ居 ル カ什 ウ カデ ナ ク、
没 落 ア ル ノ ミ、 夫 レ ハ只 時 間 ノ問 題 デ ア ル、 又合 法 運 動 ノ舞 台 ニ於
志 山 名 ノ如 ク夫 レヲ良 ク改 メタ 人 ハ幸 福 デ ア ルガ、 然 ラザ ル人 ハ只
シテ ハ其 者 ガ理 論 的 ニ ハ非 常 ニ水準 ガ低 ク又 其 他 ノ事情 デ迚 モ党員
寧 ロ我 々 ハ斯 様 ナ人 々 ヲ深 切 ニ導 ク事 、 就 中 労 働 者 ノ旧 イ 闘 士 ニ対
彼 ガ公 然 ト反 共 産 党 ヲ標 榜 シ テ居 ナ イ ト 云 フ限 リ私 ハ反 対 デ ア ル、
ニ出 来 ナイ ト 云 フ人デ モ、 我 々 ハ我 々ノ同 志 ヲ以 テ彼 ノ周 囲 ヲ取 リ
ケ ル口先 ノ革 命 家 旧 型 闘 士 ハ、今 日迄 ノ処 彼 等 ノ言 動 ガ果 シ テ真 ニ
導 スル事 デ ナケ レバ ナ ラ ヌ、 若 シ之 等 ノ人 ガ過 失 ヲ犯 シ タ時 ニ ハ、
階 級 的 ナ モノデ ア ルカ 什 ウ カ ヲ試 験 ス ル衡 器 (ハカリ) ガ ナ カ ツ タ
我 々 ハ其 人 ヲ責 メ ル代 リ ニ我 々自 身 ノ其 人 ニ対 スル監視 指 導 ノ 不充
囲 ミ、 彼 ニ過 ヲ犯 サ セ ヌ様 、彼 ノ労 働 運 動 界 ニ於 ケ ル旧 イ 闘 士古 強
タ、 此 ハカ リ ノ出 現 ノ為 ニ彼 等 ノ正 体 ガ遺 憾 ナ ク暴 露 サ レ、命 ヲ投
者 ト 云 フ大 衆 ノ間 ニ於 ケ ル名 望 ヲ落 サ セ ヌ様 手 段 ヲ尽 シ テ防禦 シ指
ゲ出[シテ ﹁プ ロレ タリ ア﹂ ノ階 級 ノ為 ニ働 イ テ居 ル等 ト ハ真 赤 ナ偽
分 デ ア ツ タ事 ヲ反省 ス ル必要 ガ ア ル、 例 ヘバ必 要 ナ場 合 ニ ハ其 者 ノ
日和 見 主 義 性 ガ暴 露 サ レズ ニ来 タ、 然 シ今 ヤ共 産 党 ト 云 フ衡 ガ出 来
リデ 、 イ ザ ト 云 フ時 迄待 ツ迄 モナ ク、 今 現 ニ逃 腰 ノ喰 セ物 ダ ト 云 フ
故 ニ、 彼 等 ト真 実 ノ革命 家 ト 区 別 ス ル事 モ出 来 ナ カ ツ タ シ、彼 等 ノ
ア ル、 此 適 例 ガ同 志境 デ ア ル、 私 ハ小 樽 地 区 ガ ﹁イ ン テ リ ゲ ン チ
事 ガ事 毎 ニ暴 露 サ レ、合 法 的 演 壇 デ 大 見 得 ヲ切 ツ テ居 ルガ、 滑 稽 デ
ルト 云 フ場 合 ニ ハ、勿 論 ソ ンナ考 慮 ハ無 用 デ ア ル、 我 々 ハ断 乎 ト シ
テ之 ト戦 ヒ、彼 ヲ大 衆 的 舞 台 カ ラ葬 ル 一途 ア ルノ ミデ、 今 問 題 ノ同
生 活 ニ付 テ迄 我 々ガ 心配 シ テ遣 ルベ キデ ア ル、 此 適例 ハ小樽 ノ鈴 木 ︹ 重︺ 源 十 君 デ ア ル、但 シ夫 等 ノ者 ガ陰 ニ陽 ニ共 産 主義 及 共産 党 ニ反 対 ス
員 ヲ採 用 ス ル様 ナ事 ナ ク、 只 管 工場 労 働 者 ヲ第 一ニ党 ニ吸 収 シタ ノ
モ其 責 ノ 一半 ハア ツ タ ト 云 ツ テ良 イ 、 然 シ夫 レ以後 ノ彼 ノ態 度 ハ明
志 境 ニ付 テ云 ヘバ 、少 ク モ党 員 ト ナ ル前 ノ境 ノ過 失 ニ付 テ ハ我 々 ニ
ア﹂ ニ ハ見 向 モ セズ 又組 合 役 員 ナ ル ガ故 ト 云 フ ガ如 キ 理由 ヲ 以 テ党
大 功 績 ト考 ヘル。 以上 ノ様 ナ
カ ニ裏 切デ ア ル。 党 ニ於 ケ ル 一切 ノ役 員 タ ル地位 ヲ即 時 剥 奪 スルト
ハ賢 明 ナ ル遣 方デ ア ツタ、 ト同 時ニ 一
ヲ機 械 的 ニ指 導 的 地位 カ ラ退 ケ ル事 デ ハナ ク テ、永 イ間 ノ具 体 的 闘
云 フ提議 ニ私 ハ賛 成 デ ア ル。 又 夫 レ ヲ行 ツタ処 デ 彼 自 身 斯 ル地 位 ニ
欠 点 ヲ持 ツ タ党員 及 大 衆 団 体 ノ指 導 者 ニ対 ス ル我 々ノ 方策 ハ、 之 等
ス ル モノ ナ ル事 ヲ大 衆 ノ具 体 的 ナ現 実 的 利害 ト結 ビ付 ケ テ暴 露 シ、
争過 程 ニ於 テ 一歩 々々 ト彼 等 ノ指 導意 見 ヤ行 動 ガ大 衆 ノ利 害 ト相 反
ク徐 々 ニ戦 フ事 デ ア ル。 尚 其 反 面 ニ我党 ノ正 シイ活 動 ハ今 始 ツ タ許
即 座 ニテ キ パ キ ヤ ツ テ ハイ ケ ナイ 、 夫 レ コソ彼 等 ガ死 ニ者 狂 ヒデ噛
ラデ 良 カ ラ ウ、 但 シ合 法 的 大 衆 団 体 ニ於 ケ ル方 ハ党 ニ於 ケ ル ガ如 ク、
マイ 。党 籍 カ ラ彼 ノ名 ヲ削 ル カ什 ウ カ ハ尚 暫 ラ ク彼 ノ行 動 ヲ見 テカ
就 ク事 ヲ嫌 ガ ツ テ居 ル ノダ カ ラ、 其為 党 ニ危 険 ヲ醸 ス様 ナ事 モア ル
リデ ア ツ テ、 夫 レ迄 ハ我 々 モ同 様 間違 テ ヤ ツテ居 タ ノダ ト 云 フ事 ヲ
大衆 自 ラ起 ツテ之 等 ノ モノ ヲ指 導 者 ト ス ル事 ヲ拒 否 ス ル処 迄 根 気 強
忘 レテ ハナ ラ ナイ 。 故 ニ今 日 ノ 我 々ノ見 解 ト或 者 ト ノ見 解 ガ相 違 シ
ヒ、 執 拗 ニ徐 々 ニヤ ル必 要 ガ ア ル云 々
リ付 キ タ イ地 位 ナ ノダ カ ラ、 之 ニ対 シ テ ハ飽 ク迄 右 述 ベ タ方 針 ニ従
ト 云 フ ノデ ア ツ タト記 憶 シ マス。同 志 諸 君 ハ此 問 題 ニ付 テ ハ私 ノ右
テ居 ルカ ラト 云 ツ テ、 早速 得 意 気 ニ彼 日和 見 主 義 者 也 、 裏 切 者 也 ト 指 弾 スル ガ如 キ、 少 クト モ其 者 ガ左 翼 陣 営 ニア ル者 デ ア ツテ 、然 モ
ノ意 見 ニ賛 成 シ、 函 館 対策 ハ私ニ 一
任 シ、 同 志 境 ニ対 シ テ ハ同 志 武
答 此 ﹁テ ーゼ ﹂ ノ草 案 ハ先 ニ申 上 ゲ タ通 リ私 ノ作 成 シタ モノデ 、
ス際 、 此 テ ー ゼ審 議 ニ引続 イ テ審 議 決 定 サ レタ評 議 会 内 我 党 ﹁フ ラ
ク シ ヨン﹂ ノ活 動 ﹁テ ー ゼ﹂、農 民 組 合 内 我 党 ﹁フ ラ ク シ ヨ ン﹂ ノ
之 ヲ基 礎 ト シ テ討議 シタ ノデ ア リ マ ス。 尚 此 テ ー ゼ ニ付 テ申 上 ゲ マ
活 動 ﹁テ ー ゼ﹂ 及 労農 党 内 我 党 ﹁フ ラク シ ヨ ン﹂ ノ活 動 ﹁テ ー ゼ﹂
内 カ ラ深 切 ニ本 日 ノ欠席 ニ付 テ 一応 警 告 ヲ与 ヘル事 ニナリ マシタ 。
表 者 カ ラ此 一ケ月 間ニ 確 ニ夫 レト思 ヒ当 ル種 々 ナ ル経 験 ヲ シ タ事 ガ
尚 ﹁イ ンテ リ﹂ ノ欠 点 及 労 働者 ノ階 級 的 本 能 ノ発 揮 ニ付 テ ハ、各 代
述 ベ ラ レ、 今 後 ハ 一層 労 働 者 ヲ重視 シ、 ﹁イ ンテ リ﹂ 党 員 採 用 ノ 際
ニ シタ イ ト思 ヒ マス。 其 訳 ハ此 全道 ﹁テ ーゼ ﹂ ノ中 ニ以上 三 ツ ノ団
ノ 三 ツ ヲ モ此 全 道 ﹁テ ーゼ ﹂ ノ説 明 ノ中 ニ引 ツク ルメ テ申 上 ゲ ル事
居 ル ニ過 ギ ナイ カ ラデ アリ マス。全 道 ﹁テ ーゼ ﹂ ノ内 容 ハ本 当 ノ要
ラ ク シ ヨ ン活 動 ﹁テ ー ゼ﹂ ノ方 針デ ハ其実 行 方 面 ノ事 ガ取 扱 ハ レテ
体ニ 関 ス ル対 策 ノ根 本 的 方 針 ガ取 扱 ハレ テ居 ルノデ ア リ マシ テ、 フ
ハ特 別 綿 密 且 ツ永 ク試 験 ヲ ス ル事 又今 日迄 ニ既 ニ採 用 シ タ ﹁イ ン テ
ハ惜 ミナ ク除 名 スル事 等 ガ決 議 サ レ マシタ 。 告
人 三 田村 四郎
リ ﹂ 党員 ニ対 シ テ ハ特 別 注 視 シ指 導 ヲ為 ス事 、 而 シ テ尚 見 込 ナキ者
被
点 書 キデ ハア リ マ スガ、 何 分 其 中 ニ取 扱 ツ タ問 題 ガ 広汎 ナ為 ニ、 可
ナ リ厖 大 ナ モノデ ア リ マシ タ。 今 日 デ ハ既 ニ時 日 モ経 過 シテ居 ル事
デ アリ、 私 ハ其 詳 シイ 事 ハ記 憶 シ テ居 リ マセ ヌ。 従 ツテ極 ク大 体 ノ
東 京 地 方裁 判 所
右 読聞 ケ タ ル処 無 相 違 旨 申 立 署 名拇 印 シタ リ 。 同 日於 前 記 場 所 作 之
構 造 ト特 ニ今 迄 私 ガ申 上 ゲ タ中 ニ無 イ 新 シイ問 題 、特 ニ此 会 議 ガ重
清
予 審 判 事 小 泉 英 一
裁 判 所 書 記 菅 生
勢 ノ分析 、夫 レ等 ヲ基 礎 ト シテ将 来 ノ対 策 、 而 シ テ其観 察 、立 論 、
証的 経 験 、夫 レ等 ノ集 積 、 過 去 ノ批 判 、更 ニ 一層綿 密 ナ ル客 観 的 情
ベ タ私 ノ意 見 、北 海 道 ニ於 ケ ル党 ノ諸 政 策 、 私 及 出 席各 代 表者 ノ実
視 シタ点 等 ヲ思 ヒ出 シ テ申 上 ゲ ル事 ニ致 シ マス。要 ス ル ニ今 日迄 述
右 治 安 維 持 法 違 反被 告 事 件 ニ付 、 昭 和 五 年 七 月 四 日豊 多 摩 刑 務 所 ニ
対 策 ノ正 シキ事 ヲ 一々確 カ ナ統 計 ヲ挙 ゲ テ立 証 シ テ居 ル モノ ダ ト 云
第 三 十 四 回訊 問 調 書
於 テ、 予 審 判事 小泉 英 一ハ裁 判 所 書 記 菅 生清 立 会 ノ 上前 回 ニ引 続 キ
ヘバ 一言 ニ シ テ尽 キ マセウ ガ、 其 要 点 ハ、
人 三 田村 四郎
右 被 告 人 ニ対 シ訊問 ス ル コト左 ノ如 シ。
第 一ニ北 海道 ニ於 ケ ル資 本 家 及 地主 ノ資 本 状 態 、 其 資本 防 護 ノ為 ノ
告
一問 北 海 道 全 道 会議 デ 欠席 者 ニ対 スル抗 議 ノ次 ニ ハ何 ガ議 セラ レ
被
タカ。
道 庁 道 会 カ ラ消 費組 合 ニ至 ル迄 、 一切 ノ資 本 家 及 地 主 ノ戦 闘機 関 ト
直 系 傍 系 ノ凡 ユル組 織 ト機 関 即 チ上 ハ軍 隊 カ ラ下 ハ反動 団 体 マデ 、
マシタ。
其 準 備 ノ状態 、 北海 道 ノ資 本 家 ト日 本 金 融 資 本 及 国 家 権 力 ト ノ関 係
答 其 次 ニ北 海 道 全 道組 織 活 動 ﹁テ ー ゼ﹂ ガ議題 ト シテ上 程 サ レ
二問 其 模 様 ハ如 何 。
第 二 ニ労 働 者 農 民側 ノ勢 力 ト其 戦 闘 組 織 、 其 準 備 ト 発 展 状態 ガ同 様
等 々ガ統 計 ト 調 査資 料 ヲ挙 ゲ テ 一目 瞭 然 ニ抽 キ出 シ テ アリ マス。
タ党中央部ノ労農組合政策 ニ対 スル私 ノ意見 ガ展開サ レテ アリ マス)。而 シ
開 シ、 名 実 共 ニ赤 色労 働 組 合 ト ナ ル事 デ ア ル ( ト云 ツテ私ガ先 ニ述 ベ
本 的 ニ解 決 ヲ要 ス ル事 ハ、 評 議 会 ガ赤 色 労 働 組 合 ト シテ ノ活 動 ヲ展
檄ノ産 業 別 ニ従 ツ テ当 該産 業 ノ工場 ニ持 チ込 ム為 ニ働 ク事
(3) 各 地 ノ各組 合 及 支部 分 会 等 ハ右 ノ ﹁ニ ユー ス﹂ ヲ其 ニ ュー ス
者 ノ全 道 的 闘争 激 発 ノ定 期 ﹁ニ ユー ス﹂ 並 ニ臨 時 ノ檄 発 行 デ ア ル
(2) 此 各 責 任 者 ノ当 面 ノ任 務 ハ、 全 国 的 立 場 カ ラ夫 々 ノ産 業労 働
者 、 海 員 等 ノ各 産 業部 門 各 一名 ノ責 任 者 ヲ置 ク事
(1) 地 方 評 議 会 ニ直 ニ金 属 、交 通 、 鉱 山 、 通 信 、 繊 維 、 港 内労 働
テ夫 レノ具 体的 実 行 方 法 ト シテ ハ、
統 計 ヲ挙 ゲ テ示 サ レ テ居 ル、 而 シテ此 方 ノ情 勢 ハ 一ケ 月 前 ト著 シク 変 化 シタ事 、 即 チ今 迄 ノ守 勢 カ ラ攻 勢 ニ転 ジ タ事 、 尚 其 攻 勢 ヘ転 ズ ル際 ニ起 ツ タ失 敗 ト 成功 並 ニ将 来 ノ方 向 如 何 ガ論 ジ ラ レ テ居 ル事 。 第 三 ニ北 海 道 ノ資 本主 義 ノ方 向 ハ全 国 的 傾 向 ト 同 様 、否 寧 ロ比率 ニ シテ ハ ヨリ多 ク向 上 線 ヲ進 ンデ 居 ル事 。 即 チ鉄 道 ノ哩 数 モ石 炭 採 掘
ヲ進 ンデ 居 リ、 大 工場 ノ数 ハ年 々増 加 シ、 大 工場 ト 中 小 工場 ト ノ相
量 並 ニ消 費 星 、 動 力 及物 貨 生産 量 並 ニ投 下 資 本 額 等 凡 テ増 加 ノ 一途
対比 ハ段 々大 キ ク ナ リ、中 小 工場 ノ没 落 ガ目 ニ立 チ、 工場労 働 者 ノ
ノ ハ農 村 ノ疲 弊 デ ア ル、 之 等 ニ付 テ ハ凡 テ申 上 ゲ マシ タガ 、 此 全道
事 、其 労 働 条 件 ハ日 本 人 並 デ ナ ク 、殖 民 地並 デ ア ル事 、 殊 ニ目 立 ツ
評 議 会 ノ関 係 責 任 者 ヘノ ニ ユー ス ノ材 料 ノ報告 、 工場 ヘノ ニ ュー
ノ 監督 組 織 ノ仕 事 ヲ為 シ、各 組 合 ノ責 任 者 ノ当 面 ノ任 務 ハ、 地 方
又責 任 者 一名 ヲ置 ク、 此 ﹁オ ルガ ナ イ ザ ー ﹂ ハ当 該 地 区 ノ此 事 業
(4 ) 各 地 ニ地 方 カ ラ派 遣 シ タ ﹁オ ルガ ナ イ ザ ー ﹂ 一名 、 各 組 合 ニ
組 織 活 動 ﹁テ ー ゼ﹂ デ ハ夫 レ ヲ北 海道 庁 調 査 ノ統 計 ニ依 ツ テ立 証 シ
スノ頒 布 、 工場 内 ﹁レポ ー タ ー﹂ ノ発 見 ト組 織
数 ハ年 々増 加 シ テ居 ルガ 、 之 ト 並行 シテ失 業 者 ノ数 モ激 増 シ テ居 ル
テ居 マス。
管 理実 行 ノ足 慣 ラ シデ ア ル ガ故 ニ重 視 ス ヘキデ ア ル事 。
工場 委 員 会 ヲ闘 争 舞 台 ト スル事 ガ最 モ有 効 デ ア リ、 之 ハ又軈 テ産 業
者 ノ 大半 ヲ占 メ テ居 ル事 ニ鑑 ミ、 都市 ニ活動 ヲ集 中 ス ル事 、 其 為 ニ
大 経営 ヲ獲 得 シ ナ ケ レ バ ナ ラ ヌ事 、 又数 個 ノ都 市 デ 北 海 道 ノ全 労働
評 議会 ヘ統 一サ ルヽ デ ア ラ ウ。 評 議 会 ハ評 議 会 ノ凡 ユ ル会 議 、就
他 団体 ニ分 派 ガ発 生 シ、 夫 レ ハ日 ト 共 ニ増 大 シ、軈 テ公 然 ト ナ リ、
サ レ ルデ ア ラ ウ、 更 ニ此 過 程 ハ又 組 合統 一ノ過 程 デ ア ル。最 初 ハ
労 働 者 ノ組 織 ガ発 展 スベ ク、 然 モ其 組 織 ハ評議 会 ヘ集 中 的 ニ統 一
全 道 的 性 質 ヲ帯 ビ ルデ ア ラ ウ。 又 此 闘争 ノ発展 ト 交互 シテ必 然 ニ
( 5) 此 ニ ユー スノ発 展 ガ闘 争 ノ発 展 ト ナ ルベ ク、 然 モ夫 レ ハ必 ズ
第 五 ニ労働 組 合 ヲ強 大 ニ スル事 ガ絶 対 ニ必要 デ ア ツテ、 評 議 会 ガ我
シ メ ル事 ガ不 可 能 ナ場 合 ニ ハ、 何 等 カ ノ方 法デ 此 分派 ノ意 見 ヲ会
中 大会 ニ ハ此 分 派 ノ代 表 ヲ参 加 セ シ メネ バ ナ ラ ヌ。代 表 ヲ出 席 セ
第 四 ニ右 ノ諸 条 件 ノ結 果 、 我 々 ハ 一層勢 力 ヲ集 中 シ テ大 工場 、 鉱 山 、
党 ノ指 導 ニ依 ツ テ大 工場 中 心 主 義 ニ転 ジ 且 ツ 我 党 ノ ﹁ 上 カ ラ ノ煽
議 ニ反 映 セ シ メネ バ ナ ラ ヌ
動 ﹂ ニ其煽 動 方 法 ヲ 一変 シタ ノ ハ甚 ダ良 イ事 デ ア ル。其 結 果 ハ評 議 会 ガ 活 気付 イ テ来 タ ト同 時 ニ組 織 率 ガ 昂 進 シ始 メテ居 ル。 然 シ尚 根
ノ如 キ地 方評 議 会デ ハナ ク ナ リ、 赤 色 労 働 組 合 ト シテ、 真 ニ全 道
(8 ︶ 評 議 会内 ノ党 員 ハ之 ヲ直 チ ニ実 行 ニ移 スト 共 ニ、 其 実 証 的 経 験 ヲ携 ヘテ評 議 会 全 国 大 会 ニ臨 ミ、 此 理論 ト 方針 ノ正 シキ事 ヲ具
(6) 斯 ク テ地方 評 議 会 ハ其 名 ノ ミ重 苦 シ ク、 其行 ヒ伴 ハザ ル現 在 的 労 働 運 動 ノ集中 的 指 導 体 ト シテ、 名 実 共 ニ其 威 力 ヲ発 揮 ス ル ニ
ノ全 国的 方 針 ト ス ル為 ニ闘 フ事 云 々 ( 之 ハフラク シヨンテーゼノ方
体 的 ナ北海 道 ノ実 績 ニ依 ツ テ証 明 シ、 大 会 ヲ支配 シ、 之 ヲ評 議 会
可 能 デ アリ 又有 害 デ ア ル。 夫 レ ハ ﹁ニ ユー ス﹂ ノ発 展 、 闘 争 ノ発
鍛 練 サ レ テ行 クデ ア ラ ウ。 故 ニ此 組 織 ハ 一挙 ニ作 リ 上 ゲ ル事 ハ不
応 ジ テ徐 々 ニ集 中 的 組 織 ヲ形 成 シ且 ツ ﹁オ ルガ ナイ ザ ー﹂ ト シテ
実 ハ ﹁オ ルガ ナ イ ザ ー﹂ ノ組 織 デ ア ル。 夫 レ ハ闘争 ノ発 展 進 歩 ニ
地 方 評 議 会 デ 其 尖端 ヲ 一括 リ ニサ レタ ル此 ﹁ニ ユー ス﹂ ノ責 任 者 、
働 者 ノ範 疇 ニ入 レ ルベ キ モノデ 、 大 土 地 ノ 没 収 ( 漁 夫 ハ漁業 区ノ没収
レ ハ間 違 ツ テ居 ル。夫 レ等 ノ大 部 分 ハ農 民 ノ範疇 ニ、 一部 ハ農 業 労
メ、 工 場 労働 者 ニ対 ス ルト同 ジ様 ナ方 針 デ 臨 ンデ 居 リ マシタ ガ、 夫
ナ シ ニ労 働者 ノ範 疇 ノ中 ニ入 レ、 之 等 ノ モノ ニ労 働 組 合 ヲ組 織 セシ
此 テ ー ゼ ニ於 テ ハ漁 夫 、森 林 労 働 者 、 塩 田 労 働 者 等 ハ、 従来 何 ノ考
尚 労 働 者 ノ組 織 ニ関 聯 シテ漁 夫 ノ問 題 ガ取 扱 ハレ テ居 リ マシタ。
ニ取扱 ハレテ居ルノデ ス)。
至 ル。 此 集中 的 指導 ヲ確 保 ス ル モノ ハ前 述 ノ ニ ユー スト産 業 別 ニ
展 ト 照 応 シテ徐 々 ニ進 行 セ シメネ バ ナ ラ ヌ。然 シ実 行 ノ暁 ハ其 進
ト云 ツタ様 ナ) ノ ﹁ス ロー ガ ン﹂ ノ下 ニ闘争 セ シ ム ベ キ デ 、 名 称 ハ
従 ヒ地 方 評議 会 カ ラ工場 ニ至 ル迄 各 段 階 ニ亙 ツ テ配 置 サ レ、 然 モ
行 ハ驚 異 ニ値 ス ル速 度 ヲ呈 示 スルデ ア ラウ
テ区 別 シナ ケ レバ イ カ ヌト 云 フ事 ガ指 摘 サ レテ居 マシタ 。斯 様 ナ見
労 働 者デ アラ ウ ト モ、 其 本 質 ヲ良 ク見 極 メ、 工場 労 働 者 ト ハ厳 ト シ
沿 岸 ノ漁 業 労 働 者 ノ問 題 ガ提 出 サ レ、 之 ガ導 火 線 ト ナ ツ テ討 論 ノ結
解 ガ 日本 ニ起 ツタ ノ ハ此 ﹁テ ー ゼ﹂ ガ最初 デ 、之 ハ北 海 道 ノ噴 火 湾
(7) 今 日 一部 ニ唱 ヘラ レテ居 ル地 方 評 議 会 カ ラノ函 館 ノ分 離 、 函 テ 一蹴 サ ルベ ク、 要 ス ル ニ地 方 評 議 会 ガ当 然 解 決 ヲ迫 ラ レテ居 タ
館 地 方 評 議会 新 設 等 ト 云 フ地 方 分 権 ノ迷論 ハ、右 ノ新 方 針 ニ依 ツ
根 本問 題 即 チ右 ノ新 方 針 ヘノ転 換 ノ 必要 ト 云 フ事 ガ、 其 出 口 ヲ誤
ー﹂ ノ会 議 即 チ オ ルガ ナイ ザ ー会議 デ ア ル。此 会 議 ニ ハ評 議 会 外
ガ ナ イ ザ ー統 率 ノ下 ニ、 当該 地 ノ各 産 業 別 代 表 ﹁オ ル ガ ナ イ ザ
ノ組 織 、海 外 出 稼 労 働 者 及 船 舶 乗組 員 ノ組 織 、交 通 労 働 者 ノ組 織 等
労 働 者 ト同 様 ニ扱 ハレ テ居 ル様 デ ス。 更 ニ此 項 デ ハ北 樺 太 ノ労 働 者
為 、今 日 モ尚 塩 田労 働 者 ガ農 民 又 ハ農 業 労 働 者 ト シテヾ ナ ク、 工 場
ナ ツテ居 マシ タ、 然 シ三 ・ 一五事 件 ノ為 一切埋 木 ト ナ ツ テ仕 舞 ツ タ
ノ組 合 ノ分 派 代 表 モ参 加 シ、 分 派 ハ評 議 会 加 盟 組 合 ト同 様 、統 一
ガ特 別 ナ理 由 カ ラ重 視 力説 サ レテ居 マシタ ノデ 、 党 ハ其 為 特 別 ノ勢
果 右 ノ意 見 ニ到 達 シ タ ノデ ア リ マス。 之 モ評 議 会 大 会 ニ持 出 ス筈 ニ
的 指導 ヲ受 ケ ル。 故 ニ分 派 ノ指 導 ハ在 来 ノ如 ク個 人 的 セ クト的 デ
力 ヲ割 ク事 ト シ テ居 リ マシタ 。 其特 別 ノ 理由 ト 云 フノ ハ、 第 一ハ平
ツ テ右 ノ如 キ函 館 地 方 評 議 会 新 設 ト 云 フ地方 分 権 ニ陥 ツ タ ノデ ア
ナ クナ リ、 団 体 的 組 織 的 ト ナ ル。斯 クテ評 議 会 ハ愈 々赤 色 労 働組
時 及 戦 時 ノ国 際 的 プ ロ レタリ ア ノ連 絡 ノ為 ト 云 フ事 デ ア リ、第 二 ハ
ル。夫 レ ハ函 館 地方 評 議 会 ノ新 設デ ナ ク、 地方 評 議 会 派 遣 ノオ ル
合 タ ルノ実 ヲ発 揮 ス ル ニ至 ルノデ ア ル。
国 内 ノ非 合 法連 絡 ノ為 デ ア リ マ ス。 之 ハ此 会 議 後 直 チ ニ着 手 サ レテ、
ナ限度 ニ応 ジ テ分 配 ス ルガ、 此 新 タ ニ分 配 ヲ受 ケ ルノ ハ小作 人 デ 、
地 国 有デ ア ル、 ソ シテ貧 農 即 チ働 ク農 民 ニ対 シ テ ハ夫 々生活 ニ必 要
民 委 員 会 ガ管 理 シ、 其 管 理 ノ下 ニ農 民 ニ夫 々分 配 ス ル、 又農 民 ニ分
既 ニ出 稼 労働 者 中 ニ モ船 舶 乗 組 員 ニ モ手 懸 リ ヲ付 ケ マシタ 。 又北 樺
配 ス ル土 地 ノ程 度 ニ付 テ ハ、 農 民 ノ動 揺 ヲ防 グ 程 度 ト 云 フ限 度 ガ ア
テ置 ク 事、 地主 ノ 土 地 ハ 一切没 収 スル ガ、 一時 其 没 収 シタ土 地 ハ農
ル、 夫 レデ 恐 ラ ク土 地 ノ狭 イ人 口 ノ多 イ日 本 デ ハ、農 民 ニ分配 ス ル
他 人 ヲ搾 取 ス ル事 ナ キ自 作 農 ノ土 地 ハ没 収 ス ル ノデ ハナク其 儘 ト シ
ツ テ居 リ マシタ 。而 シテ之 ニ従 事 スル モノ ハ特 別扱 ト シ、 一切 関 係
道 中 丈 ノ連 絡 ナ ラ危 険 率 ノ多 イ郵 便 局 ノ手 ヲ経 ル必要 ガ ナ イ様 ニナ
事 ナ ク国有 ト シ、 国 家 直 営 デ 使 用 スル土 地 ト 云 フ モ ノ ハ案 外 少 イダ
太 ヘ ハ氷 ガ解 ケ テ船 ガ 通ズ ル様 ニナ ツ タ ラ私 ガ 出 張 視察 ス ルト 云 フ
外 ノ党 員ト ノ接 触 ヲ サ セ ヌ様 ニシ テ アリ マシ タ。
ラ ウ ト 云 フ様 ナ事 ガ話 シ合 ハ レ、 従 ツ テ現 在 ノ農 民組 合 ハ此 農 民 委
事 ニナ ツ テ居 リ マシタ 。交 通 労 働 者 ノ方 ハ三 ・ 一五事 件 迄 ニ既 ニ全
此 連絡 網 ハ三 ・ 一五事 件 ノ為 ニ実 際 使 用 スル ニ至 リ マセ ヌデ シ タ。
員 会 ニナ ルベ キデ 、 現 在 ノ農 民 組 合 ノ行 キ 詰 リ ハ正 ニ其 転 換 ノ 必
要 ヲ物 語 ツテ居 ル モノデ ア ル、 其 処 デ 前 ニ申 上 ゲ マシ タ中 央 部 ヘノ
三問 其 次 ニ ハテ ーゼ中 什 ウ 云 フ事 ガ掲 ゲ テ ア ツ タカ 。
此 問 題 ニ関 ス ル私 ノ意 見 書 ノ内 容 ガ展 開 サ レ、農 民組 合 ハ農 民委 員
其 後 之 ハ什 ウ ナ リ マシタ カ私 ハ存 ジ マセ ヌ。
答 第 六 ニ農 民 対策 ニ付 テ、 詳 シイ 統 計 ヲ挙 ゲ テ北海 道 ニ於 ケ ル
キデ ア ルガ 、 固 ヨリ 小作 料 ノ減 免 ト 云 フ端 緒 的 闘 争 ヲ抛棄 ス ル モノ
会 ヘ転 換 シ、 土地 問 題 ノ解 決 ガ其 中 心 任 務 デ 、 政 治 的 団 体 ト ナ ルベ
デ ナ ク、 一層 夫 レヲ激 成 シテ、 速 カ ニ地 主 ノ土 地 没 収 ノ段階 ニ迄 運
ヤ内 地 ノ農 民 ト同 様 土地 問 題 ノ解 決 ニ迫 ラ レテ居 ル事 、 斯 ク テ総 選 挙 戦 ヲ通 シ テ大 土地 所 有 ノ没 収 ノ ス ローガ ン ヲ宣 伝 シタ ガ、 之 ハ広
農 民 ノ階 級 分 裂 状態 、農 民 ノ生 活 状 態 ガ示 サ レ、 北海 道 ノ農 民 モ今
汎 ナ農 民 ニ支持 サ レ、 今 ヤ農 民 大 衆 ノ公然 ノ ﹁ス ロー ガ ン﹂ ト ナ ツ
ノ ヲ ﹁農 民 委員 会 ノ管 理 ﹂ ト 云 フ事 ヲ加 ヘル事 ニ改 メ ラ レ マシタ。
ノ結 果 、 従 来 ﹁地主 ノ 土地 没 収 、 農 民 ヘノ分 配 ﹂ ト ノ ミ云 ツ テ来 タ
更 ニ自 作農 対策 ト シテ ハ、 北 海 道 デ ハ ﹁借 金 ノ棒 引 ﹂ ﹁ 今 迄支払ツ
動 ヲ引 上 ゲ ルト 云 フ事 ハ勿 論 デ ア ル事 、 此 テ ー ゼデ ハ此 会議 ノ討 議
テ ハ実 現 ス ル モノデ ナ イ事 ヲ宣 伝 ト 実 際 ト ニ依 ツ テ理解 サ セル事 ヲ
テ仕舞 ツ タ、党 ハ 一層 此 傾 向 ヲ促 進 スベ キデ ア ル事 、其 際 此 土 地 ノ
絶 対 ニ忘 レ テ ハナ ラ ヌ事 等 ハ、 前 回 迄 屡 々申 上 ゲ タ事 ガ繰 返 シ力 説
タ金 ヲ返 セ﹂ 等 ノ ス ロー ガ ンガ強 度 ノ累 進 課 税 ノ ス ローガ ン以外 ニ
没 収 ハ労働 者ト 協 力 ス ル事 、 労 働 者 階 級 ノ 指導 ノ下 ニ戦 フノデ ナ ク
サ レ テ居 マス。 夫 レカ ラ此 会 議 デ 新 タ ニ問 題 ト ナ リ マシ タ事 ハ、 此
ル事 ヲ再 認 シ マシタ 。右 ノ ﹁借 金 ノ棒 引 ﹂ ト ハ、 彼 ノ農 民 ガ高 利 ノ
為 ニ苦 ンデ 居 ル状 態 ニ適 合 シタ モノデ ア ルト同 時 ニ、 所謂 自 作農 創
唱 ヘラ レ テ来 テ居 マシタ ガ、 会 議 ハ此 ス ローガ ンガ絶 対 ニ必要 デ ア
設 ヤ農 場 開 放 ニ依 ツ テ土 地 代金 ヲ年 賦 払 ト シ テ背 負 ツ テ居 ル新 自作
﹁ 農 民 ニ土 地 ヲ分配 セ ヨ﹂ ト 云 フ事 ヲ主 張 シ テ来 タガ、 共産 党 ノ根 本 政策 ハ土 地 国 有デ ア ル、 ﹁大 土 地 没 収 、 農 民 ヘ分配 ﹂デ ハ不 正 確
選 挙 戦 ヲ通 シ テ日本 共 産 党 ハ北 海 道 地 方 デ ﹁大 地 主 ノ 土 地 没 収 ﹂
ダ ト 云 フ問 題 デ アリ マシタ 。討 論 ノ結 果 ハ、 共産 党 ノ根 本 政 策 ハ土
之 等 ハ ﹁レ ー ニ ン主 義 ﹂ ノ農 民 政 策 デ 決 シ テ事 新 シイ モノデ ア リ マ
ヲ 云 フ ノデ アリ マス。
﹁今 迄 支払 ツタ金 ヲ返 セ﹂ ト 云 フ ノ ハ、 右 ノ支払 ツタ年 賦 金 ノ取 戻
農 ト 新 自作 農 タ ラ ムト迷 フ農 民 ヲ牽 制 スル為 ノ モ ノデ ア リ 又 右 ノ
テ行 ケ ル カ什 ウ カ ト 云 フ点 ハ又別 問 題 デ ア ル、 之 ヲ維 持 シテ行 ケ ル
モソ ウト 限 ラナ イ、 勿 論 此 地方 ニ成 立 シ タ労 農 政 権 ガ果 シテ維 持 シ
ダ ト カ、 工業 都 市 ニ先 ヅ 成 立 ス ル モノダ ト 云 フ考 ガ ア ルガ 、 必 ズ シ
置 ク必 要 ガ ア ル。 一般 ニ労 農 政 権 ハ必 ズ 全 国 一斉 ニ樹 立 サ レ ル モノ
ンカ問 題 ニナ ラ ナ イ 。何 ト ナ レバ、 既 ニ当 該 地 ノ労農 政 権 ハ当 該 地
為 ニ ハ、 対外 的 戦 争 又 ハ国 内 ノ 一般 的 動 揺 等 ノ為 ニ、此 労農 政 権 ヲ
ノ軍隊 ニ依 ツテ擁 護 サ レテ居 ル ノデ ア ル カ ラ、 ト 云 フ ヨリ当 該 地 ノ
セ ヌ。然 シ日本 デ 之 ガ現 実 ニ農 民 ノ間 デ 唱 ヘラ レタ ノ ハ、 今 日 ハイ
軍 隊 ハ此 新 設 権 ノ支 配 下 ニア ル カ ラデ アリ マス。 以 上 ノ見 地 カ ラ農
フ様 ナ条 件 ヲ 必要 ト ス ル、 此 場 合 ニ ハ只 軍 隊 丈 ガ問 題デ 、警 察 力 ナ
且 ツ前 回 ニ述 ベ マ シタ処 デ 抜 ケ テ居 マシタ事 デ ハ、 労 農 政 権 ノ事 ガ
農 民組 合 ハ全 国 合 同 デ ナ ク、 地 方 合 同 タ ル事 ガ 此会 議 デ モ承 認 サ レ
民 対策 並 ニ労 働 者 農 民 ノ同 盟 ト 云 フ モノ ヲ考 察 シ テ行 カ ネ バ ナ ラ ヌ。
樹 立 シ タ地方 ヘ向 ケ テ支 配 階 級 ガ軍 隊 ヲ派 遣 ス ル事 ガ出 来 ナ イ ト 云
此 会議 デ ハ 一層 突 キ進 ンデ 論 ジ ラ レ マシタ 。北 海 道 ハ色 々 ナ点 デ 急
ザ知 ラズ 、 当 時 ト シテ ハ北 海 道 丈 デ ハナカ ツ タカ ト思 ヒ マ ス。 進 ン
速 ニ農 民革 命 ガ勃 発 スル ト 云 フ条 件 ガ備 ツテ居 ル、 其 処 デ 従 来 余 リ
﹁テー ゼ ﹂デ ハ農 民 組 合 ノ地 方 合 同 ヲ 一層 力 説 シ タノデ アリ マ ス。
夫 レデ 前 述 ノ如 ク、 農 村 細 胞 ヲ各 地 区 ニ分 属 セ シ メ タ ト 共 ニ、 此
デ 農 民組 合 ノ合 同 問 題 ニ付 テ ハ、 既 ニ先 ニ述 ベ マシタ私 ノ意 見 即 チ
我 々ノ間 デ 問 題 ニナ ラ ナ カ ツ タガ 、労 農 政権 ハ或 一地 方 ニ於 テ他 ノ
ヲ目指 シテ運 動 シテ ハナ ラ ヌ、 或 一地 方的 ニ労農 政 権 ガ成 立 スル ト
但 シ斯 ウ イ フ カ ラト 云 ツ テ我 々 ハ地 方 的 ニ労 農 政 権 ガ樹 立 サ レル事
地 方 ニ先 ンジ テ発 生 スル可 能 ア リト 云 フ事 デ ア リ マ ス。 夫 レ ニ ハ (1) 地 理的 ニ交 通 不 便 ナ事
党 ニ組 織 サ レテ居 ル事
(2) 少 イ ト雖 モ当 該 地 方 ニ工場 ガ アリ 且 ツ其 処 ノ労 働 者 ガ共産
農 政 権 樹 立 ヲ目 指 シ テ行 カ ネ バ ナ ラ ヌ。而 シテ尚 其 全 国 的 革 命 運 動
ニ起 ルノデ ア ル事 ヲ注 意 シ ナケ レバ ナ ラ ヌ。 我 々 ハ飽 ク迄 全 国 的 労
云 フ事 ハ、 決 シ テ全 国 的 革命 運 動 ノ成 功デ ハナ ク、 寧 ロ失 敗 ノ場 合
ノ失 敗 ノ場 合 ニ ハ、 先 ニ述 ベ タ条 件 ニ依 ツテ或 一地 方 ニ労 農 政 権 ガ
(3) 農 民 ノ闘 争 ノ激 烈 ナ事 (4) 大 地 主 ノ比 較 的 多 数 ニ存 在 ス ル事
レ テ、労 農 政 権 ガ或 ハ中 央 都市 ヨリ先 ンジ テ成 立 スル事 ア リト 云 フ
以 上 ノ様 ナ処 デ ハ、 後 ニ述 ベ マス労 農 会 議 及 軍 隊 問 題 ヲ モ考 慮 ニ入
即 チ小 作 料 ノ為 丈 ノ闘 争 団体 ト 云 フガ如 キ状 態 ヲ打 破 ス ル事 、自 作
テ今 後 ノ組 合 活 動 ヲ シ テ 一層 政 治 問 題 ヲ取 扱 フ様 範 囲 ヲ広 メ ル事 、
民 組 合 フ ラ ク シ ヨン活動 ﹁テ ーゼ ﹂ ノ方 デ ハ、 右 ノ見 解 方 針 ニ基 イ
デ ナ ク、 大 胆 ニ実 行 スベ キ ダ ト 云 フ事 ナ ノデ ア リ マス。 夫 レ カ ラ農
成 立 スル事 モ予 メ認 メ テ置 ク事 、 其 際 労 農 政 権 ノ樹 立 ヲ躊 躇 スベ キ
事 、 元 ヨリ此 政 権 ハ 一地 方 ニ成 立 シタ モノデ ア ル ガ、 夫 レ ハ地方 的
シテ居 ル事
( 5) 農 村 ニ共 産 党 細 胞 ガ ア リ、 共 産 党 ノ農 民 指 導 ガ順 調 ニ進 行
政 権 デ ハナ ク全 国 的 政 権 デ ア ル。 北海 道 デ ハ此 事 ヲ特 ニ予 メ知 ツテ
デ ハナイ カ ト思 ヒ マス。
只 今 存 ジ マセ ヌ。多 分 アノ 三 ・ 一五事 件 ノ為 ニ中絶 シテ仕 舞 ツタ ノ
ニナ リ マシ タ。 此 会議 ガ実 際 開 催 サ レタ カ又 其 後 什 ウ ナ ツタ カ私 ハ
髪 会 館 ニ於 テ全 道 農 民 団体 第 一回 ノ合 同 問 題 懇 談 会 ガ開 催 サ レ ル事
ヲ支 持 シ、 三 月 十 三 日デ アツ タ カ十 六 日 デ ア ツ タカ ニ、旭 川 市 ノ理
農 民 組 合 北 海道 聯 合会 ニ依 ツ テ提 唱 サ レ、全 日本 農 民組 合 支 部 ガ之
ル農 民組 合 又 ハ小作 人 団 体 全 体 ノ合 同 ハ、 此 会議 ガ終 ルト直 グ日 本
時 遂 行 スルト 云 フ事 ガ規 定 サ レタト 思 ヒ マス。 此最 後 ノ北 海 道 ニア
農 ヲ モ引 入 レ ル事 等 ガ力 説 サ レ、 北 海 道 丈 ノ全農 民組 合 ノ合 同 ヲ即
ニ於 テ共 産党 ハ工場 ト農 村 ト ニ基 礎 ヲ据 ヘ、 之 ガ動 イ テ大 衆 ヲ動 員
事 モ ナイ ト 云 フ関 係 モ手 伝 ツタ ノデ ア リ マ ス。然 ル ニ 一方 此 一ケ月
リ組織 率 ガ低 ク、 然 モ小 市 民 ガ多 数 ヲ占 メ テ居 テ、問 題 ニナ ル程 ノ
レバ ナ ラ ヌ程 ノ モノ モナ イ、 更 ニ本 尊 ノ労 農 党 ガ既 ニ述 ベ マ シタ 通
勿 論 夫 レ ニ ハ北海 道 ニ ハ他 ノ無 産 党 ト 云 ツ テ ハ取 立 テヽ 合 同 シナ ケ
党 ノ合 同 ト 云 フ事 ハ 一蹴 サ レテ仕 舞 ツ タ形 ト ナ ツ タノデ アリ マス。
セ ント シ タ北 海 道労 農 会議 ガ提 唱 サ レタ ノデ ア リ マス。斯 ク テ労 農
ア ル云 々。 此 見解 ニ基 イ テ、 後 ニ述 ベ マ スブ ル議 会 ト 対抗 シテ開 催
フ大中 心 ﹁ス ロ ーガ ン﹂ ニ統 一サ レ、 夫 レ〓
ン」 ガ色 々異 ナ ルデ ア ラ ウ。 然 シ結 局 労働 者農 民 ノ政 府 ノ樹 立 ト 云
スレバ 、 優 ニ労 農 党 以上 ノ大 衆 ヲ 工場 農 村 カ ラ直 接 動員 闘 争 セ シメ
結 合 シテ行 ク モノデ
第 七 ニ労 農 政 党 問 題デ アリ マス。此 会 議 デ ハ ﹁テ ーゼ ﹂中 ノ問 題 ニ 関 シテ彼 ノ党 第 二回全 国組 織 会 議 ヨリ更 ニ 一歩 前 進 シ マシタ、 労 働
ル事 ガ 出 来 ルト 云 フ状 態 ニナ ツ テ居 タ カ ラデ アリ マス。 此事 ガ此 北
一歩 前 進 シテ居 ル事 ニ重 大 ナ関 係 ガ ア ルト 考 ヘ マス。会 議 ハ以上 ノ
海 道 全 道 会議 ガ前 ノ党 ノ第 二回 全 国 組 織 会 議 ヨリ凡 ユル問 題 ニ付 テ
様 ナ見 解 ニ到 達 シ マ シタ ガ、 然 シ党 全 体 ノ方 針 ハ尚 大衆 党 ノ合 同 ト
ア リ マ ス、 此 会 議 デ ハ然 ラバ 左様 ナ労 農 ノ政 治 的 同 盟 ノ組 織 形 態 如 何 ト 云 フ点 ガ問 題 ト ナ リ 、﹁テ ー ゼ ﹂ ハ明 白 ニ次 ノ如 ク決 定 シ マ シ
者 農 民 ノ政 治 的 同 盟 ノ内 容 即 チ其 特 質 ノ規 定 ハ前 ニ申 上 ゲ タ 通 リデ
タ 。即 チ (1)労 農 ノ政 治的 同 盟 ハ彼 ノ労 働 者 ノ ﹁スト ライ キ ﹂ ノ際 ニ
ヌ。 夫 レデ労 農 党 ノ フラ ク シ ヨ ン活 動 ﹁テ ーゼ ﹂ ノ方 ハ定 期 大 会 ヲ
廃 止 スル事 、役 員 ヲ労 働 者 農 民 ニ順 次 更 迭 シ テ行 ク事 、 大 衆 ハ共 産
云 フ方 針 ナノデ スカ ラ、 夫 レヲ全 然 無 視 シ テ仕舞 フ訳 ニ モ行 キ マセ
党 、 労 働 組合 、農 民組 合 、青 年 同 盟 等 ヘ組 織 シ、 労 農 党 ハ労 農 会 議
於 ケ ル ガ如 ク、 労 働者 ト農 民 ガ 一ノ ﹁ス ローガ ン﹂ ノ下 ニ即 チ或 政
同 盟 ハ組 合 ヤ共 産 党 ノ如 ク規 約 ヤ定 期 大 会 等 ヲ持 ツ モノデ ナ イ、 (3)
治 的 要 求 獲 得 ノ為 ニ結 集 シタ争 議 団 デ ア ル、 ︵2)故 ニ斯 ル争 議 団 タ ル
争 議 団即 チ労 農 政 治 同盟 ハ工場 農 村 ヲ基 礎 ト シ テ動 員 サ レ タ ル労 農
ニ スル為 ニ戦 フ事 等 ヲ規 定 シタ ト思 ヒ マ ス。 右 ノ争 議 団 云 々、 定 期
大 会 ノ廃 止 、 規約 ノ廃 止等 ニ付 テ ハ此 会 議 デ 一挙 ニ出来 上 ツタ モノ
ノ発 展 ト 相 俟 ツ テ労 農 会 議 ノ方 ヘ転 換 シ テ行 ク事 、 此意 見 ヲ全 国 的
デ ハア リ マセ ヌ。 之 ハ実 ニ私 達 ノ過 去 数 年 間 ノ実 際 闘争 ノ経験 カ ラ
大 衆 ガ 一ノ目 的 貫 徹 ノ行 動 団体 デ ア ル、 此 争 議 団 ハ団 長 ヲ選 ビ、 実
ガ 選 バ レ ル、 夫 レ ハ党 首 デ ハナイ 。
割 出 シ タ モ ノデ アリ マシテ、 特 ニ此 方 針 ニ役 立 ツ タ モ ノ ハ浜 松 ノ選
行 委 員 ヲ選 ブ ガ、 夫 レ ハ此 同盟 ノ目 的 遂 行 ノ実 行 力 ア ル労働 者農 民
積 ミ重 ネ テ行 ク モ ノデ ア ル。従 ツ テ 時 ニ中 心 ﹁ス ロー ガ
以 上 ノ様 ナ争 議 団 ハ要 スル ニ固 定 シタ モノデ ナ ク、 色 々 ナ問 題 デ 何 回 モ〓
様 ニ代 表 者 会 議 ヲ開 ケバ 良 イ 、其 処デ ﹁此府 県 会 選 挙 ニ ハ我 々労 働
際 ノ如 ク、 労 働 者 農 民 ニ関 ス ル重 大 問 題 ガ 起 ツタ時 ニ ハ、 ア ノ時 ノ
イ ト 云 フ意 見 ヲ発 表 シ テ居 タ ノデ ア リ マス。 即 チ彼 ノ府 県 会 選 挙 ノ
前 述 ノ 通 リ此 全 道 会 議 デ 決 定 サ レタ通 リ共 産 党 ガ 提 唱 シ、更 ニ評 議
議 会 ノ開 会 日当 日 ニ開 催 サ レ ル事 ニナ ツ テ居 マシ タ。 此 労農 会 議 ハ
皆 デ 大笑 ヲ致 シ マ シタ 。右 ノ労 農 会 議 ハ昭 和 三 年 四 月 二 十 日、 帝 国
フ事 ニ決 メ マシタ 。 ソ シテ労 農 党 ガ 一時 ニ影 ガ薄 ク ナ ツ タト 云 ツテ
会 議 ノ提 唱 ハ飽 ク迄 共 産 党 デ 、 合 法 的 ニ ハ評 議 会 ガ ヤ レバ良 イ ト 云
ナ リ マ シタ。 ソシ テ更 ニモ ウ 一度 前 ノ議 論 ガ繰 返 サ レ、 労 農 党 ニ今
者 農 民 ハ何 ヲ要 求 シテ闘 争 ス ル カ﹂ ヲ決 メ、 其 実 行 ノ為 一時 的 ナ実
会 ガ 公然 ノ提 唱 ヲ シ マシタ。 農 民 組 合 ガ夫 レ ニ相 呼 応 シナ イ 以前 ニ、
後 ソ ンナ事 ヲ サ シ テ ハイ ケ ナ イ、 労 農 党 ハ政 治 闘 争 ノ ﹁イ ニ シ アテ
行 委 員 ヲ選 ビ、 代 表 者 ハ夫 々帰 ツテ大 衆 ニ之 ヲ報 告 シ、 其 決 メ タ方
既 ニ小樽 デ 工場 代 表 者 会 議 ガ開 カ レ、 之 ガ 更 ニ提 唱 シテ、 此 全 道 会
挙 協 議 会 、 議 会解 散請 願 運動 同 盟 及 此 前 年 ニ開 催 サ レ タ労農 党 ノ府
針 ト ﹁ス ロー ガ ン﹂ ト デ 一斉 ニ敵 ニ当 ルト 云 フノデ 結 構 ダ 、 之 ナ ラ
議 後数 日中 ニ早 ク モ会 議 開 催 ノ具 体 的 行 動 ニ這 入 ツ テ居 リ マシタ 。
県 会 選 挙 対策 全 国 代 表 者 会 議 、 ﹁コミ ン テ ル ンテ ー ゼ﹂、 労 農 党 第 二
実 ニ至極 簡 単 ダ シ、 夫 レデ 立 派 ニ闘争 ガ出 来 ルト 云 フ沢 山 ノ経 験 実
其 労農 会 議 ハ党 ノ 工場 細 胞 、農 村 細 胞 ガ主 ト ナ ツテ大 衆 ヲ動 員 シ、労
シテ 一般 大衆 ニ矢 張 リ労農 党 ヲ政 党 ト シテ考 ヘサ シ メ ル、 ダ カ ラ此
例 ヲ持 ツ テ居 ル、 然 モソ ウ スル方 ガ 労農 党 ノ 対策 方 針 ト シテ大 衆 ヲ
働 組 合 、 農 民 組 合 、 青 年 同 盟 等 ト協 力 シテ、 先ヅ 都 市 デ 工場 代 表 者
イ ーブ ﹂ ヲ取 ツ タリ ス ルト 大衆 ヲ労 農 党 ヘ引 キ付 ケ ル事 ニナ ル、 ソ
動 員 ス ル ヨリ モ、 一層 広 汎 ナ大 衆 ヲ同 一方針 ノ下 ニ立 タ セ ル事 ガ 出
会 議 ヲ開 キ又 農 村 デ ハ農 民 大 会 ヲ開 イ テ、 此 工場 代 表 者 会 議 及 農 民
回 大 会等 デ アリ マス。私 ハ既 ニ此 労 農 党 ノ第 二回 大 会 ノ時 ニ、 労 農
来 且 ツ闘 争 ヲ ウ ント引 締 メ ル効 果 ガ ア ル云 々、 此 事 ヲ此 全 道 会 議 デ
大 会 カ ラ ノ代 表 ニ労 働 組 合 、農 民組 合 等 ノ団体 代 表 ヲ モ加 ヘテ 一ノ
党 ハ定期 大 会 ヲ開 イ テ役 員 ヲ選 ンダ リ規 約 ヲ持 ツタ リ ス ル モノデ ナ
々ナ実 例 ヲ各 代 表 者 ガ発 表 シ マシタ 。 ソ シテ ナ マジ ヒ労 農 党 ナ ン テ
主 張 シ マ スト、 皆 モ確 カ ニ其 通 リ ダ、 思 ヒ当 ルせつ ガ ア ルト 云 ツ テ色
十 日 ニ ﹁ブ ルジ ヨア﹂ 議 会 ガ開 会 サ レ ルガ 、 其処 デ ハ天皇 ノ即 位 ヲ
会 議 ト ス ルト 云 フ計 画 デ アリ マシタ 。 其 会 議 提唱 ノ檄 ハ此 全 道 会 議
居 テ モ、 知 ラズ〓
飾 ル大 礼 費 ヤ地 方 地 主 資 本 家 ノ為 ニ鉄 道 ヲ敷 設 シ テ ヤ ル相 談 ガ行 ハ
直 後 ニ発 行 サ レタ ﹁北 海 道 労 働 者 ﹂ ニ掲 載 サ レ、其 要旨 ハ、 四月 二
シタ。 斯 ク テ労農 党 ハ此 会議 デ 台 ナ シ ニナ ツ テ仕 舞 ツ タ ノデ ス。更
レ ルノデ 、何 一ツ労 働 者 農 民 ノ利 益 ニ付 テ ハ相 談 サ レナ イ、 然 シ今
什 ウ モ政 党 的 ニ扱 フ様 ニナ ルト 云 フ ノデ アリ マ
ニ後 ニ労 農 会 議 ヲ共 産 党 ガ 提唱 スル ノ ハ良 イ ガ、 合 法 的 ニ ハド ノ団
労 働 者 ヤ農 民 ハ ﹁八時 間 労 働 制 ﹂ ﹁失 業 手 当 法 ﹂ ﹁ 最 低 賃 銀 法 ﹂﹁健
云 ツテ政 党 ラ シ ク ヤ ツ テ居 ルカ ラ、 頭 デ ハ労 農 政 治 同 盟 ダ ト 決 メテ
ハ何 処 カデ 工代 ヲ開 イ テ、更 ニ夫 レ ニカ ラ ンデ モ良 イ ダ ラウ ト 云 ツ
ノ累 進 課 税 ﹂ ヲ主 張 シ、 一切 ノ税 ノ廃 止 、戦 争 反 対 、 ﹁ト ラ ス ト﹂
康 保 険 法 ノ改 正 ﹂﹁小 作 料 ノ減 免 ﹂ ﹁土 地 ヲ働 ク農 民 ヘ分 配 ﹂﹁強 度
体 ニ提 唱 サ セ様 カト 云 フ相 談 ニナ ツ タ時 、 私 ガ評 議 会 ガ農 民組 合 又
邪魔 ニ
タ ラ、 誰 カヾ ﹁ 合 法的 提 唱 ハ評 議 会 デ ナ ク労農 党 ニサ ス ベ キ デ セ ウ﹂ ト 云 ヒ マシ タ、 此時 私 ハ労 農 党 ノ政 党 的 存 在 ガ ツイ〓
ニ闘 争 ス ル事 ニ依 ツ テ ノ ミ実 現 ス ル、 故 ニ四月 二十 日ブ ル議 会 ニ対
只労 働 者 ト農 民 ガ固 ク手 ヲ握 ツ テ、彼 等資 本 家 及 地主 階 級 ニ大 衆 的
ニ於 テ ブ ルジ ヨア 地主 ト協 議 スル事 ニ依 ツ テ ハ実 現 シナ イ、 夫 レ ハ
ノ法 令 ノ廃 止 ヲ要 求 シテ居 ル等 、 一切 ノ モ ノ ハ ﹁ブ ルジ ヨア﹂ 議 会
結 社 ノ自 由 、選 挙 法 ノ改 正 ヲ要 求 シ且 ツ労 働 者農 民 ヲ抑 圧 スル 一切
ニ依 ル農 具 肥 料 ノ独占 価 格 ニ反 対 シ テ居 ル、 又言 論 、集 会 、 出 版 、
ア リ マ ス。 三 ・ 一五 直 後 ニ私 ガ同 志渡 辺 及 鍋 山 ニ此 事 ヲ話 シ テ其 賛
ツタ ノ ハ、 全 ク此 北 海 道 ノ此 全 道 会 議及 労 農 会 議 ノ延 長 ダ ツ タ ノデ
ナ モノ ヲ別 ニ作 ル ノ ハ間 違 デ ア ル、 各 地 ニ労農 協 議 会 ヲ作 レ﹂ ト 云
シ、其 再 建運 動 ニ反 対 シ テ ﹁党 ハ共 産 党 ヨリ他 ニナ イ、 再 ビ政 党 的
マセ ヌ。 然 モ後 ノ 三 ・ 一五事 件 直 後 日本 共 産 党 ガ 労農 党 ノ解 散 ニ際
舞 ヒ マシ タ。 故 ニ此 北 海 道 ノ労 農 会 議 ノ事 ヲ殆 ンド 凡 テノ人 ハ知 リ
ハ此 労 農 協 議 会 ヲ ソヴ エツト 云 々ト 云 フ処 迄 理 窟 ヲ押 シ進 メ テ行 ツ
タ ノデ ア リ マス。勿 論 当 時 我 々ガ其 党 ノ意 見 ヲ先 ヅ 党 文 書 ニ依 ツテ
成 ヲ得 、 夫 レ ヲ無産 者新 聞 デ 提 唱 セ シメ タ ノデ ス。 処 ガ 無 産 者新 聞
即 時 三割 値 上 、 大 土 地無 償 没 収 、没 収 土 地 ノ農 民 委 員 会 ノ管 理 、自
発 表 スル事 ヲ セズ、 無 産 者 新 聞 ノ ミ ヲ通 シ テ夫 レ ヲ シタ ノ ガ間 違 ノ
抗 シテ全 道 労 働 者 農 民 会 議 ヲ開 ケ 云 々ト 云 フノデ ア ツ テ、 其 会議 ノ
作 農 創 定 及 農 場開 放デ 捲 キ上 ゲ タ金 ノ返 還 、 強 度 ノ累 進所 得 税 ノ設
議 題 ト シ テ、 八 時 間 労働 制 、失 業 手 当 法 、 健 康 保 険 法 ノ改 正 、賃 銀
定 、 一切 ノ消費 税 ノ撤 廃 、労 働 者 農 民 ヲ抑 圧 スル 一切 ノ法 令 ノ廃 止 、
レ ハ決 シ テ ソヴ エツ トデ ハア リ マセ ヌ。臨 時 議 会 ニ対 ス ル闘 争 ノ為
根 本 デ アリ マス。然 シ北 海 道 ノ此 労 農 会 議 ガ成 立 シタ ト シテ モ、 夫
ノ倒 壊 、 ブ ル議 会 ノ解 散 、労 農 政 府 ノ樹 立 等 ガ掲 ゲ ラ レテ居 マシ タ。
言 論 、 集 会 、出 版 、結 社 ノ自 由 、 選 挙 法 ノ改 正 、 ブ ルト 地主 ノ政 府
テ、其 会 議 デ 選 バ レタ実 行 委 員 等 ハ、 此 会議 デ 決 議 サ レタ事 項 ノ遂
行 ノ為 ノ行 動 委 員 会 デ ア リ マ ス。故ニ一 定 ノ時 期 ガ来 レバ其 運 動 ハ
ト 云 フ限 定 サ レタ目 的 ヲ有 スル労 働 者 農 民 ノ 一時 的 同 盟 デ ア リ マシ
事 、 モ ツト要 求 ガ沢 山 提 出 サ レ ルデ ア ラウ事 ハ予想 シテ居 リ マシ タ。
打 切 ト ナ ツ テ、 此 委員 会 ガ解 任 サ レ ルカ或 ハ又新 タ ニ発 生 シ タ問 題
勿 論 此議 題 ハ現実 ニ会 議 ガ開 催 サ レ タ際 ハ変 更 追 加 サ レルデ ア ラ ウ
ソ シ テ此全 道 会 議 後 各 代 表 者 ガ各 地 ニ帰 リ 且 ツ前 述 ノ如 ク、 党 ガ 先
ノ為 ニ闘 フ モノ ニ転 換 シ テ行 クカ ニナ ルデ セウ ガ、 然 シ兎 ニ角 固 定
早 ク モ工代 会 議 ヲ開 催 スル ニ至 ツタ ノデ ア リ マシ タ。 尚 農 村 方 面 カ
テ嵌 マラ ナイ ト 同 時 ニ、 ソヴ エツ ト ハ革 命 ノ際 ニ出 来 ル モ ノデ 、 平
的 ナ モノデ ア リ マセ ヌ。 故 ニ之 ヲ以 テ ハ ソヴ エツ ト 云 々 ハ絶 対 ニ当
ヅ 此労 農 会 議 ヲ提 唱 スル ヤ全 党員 ハ熱 狂 シテ之 ヲ迎 ヘ、 小 樽 ノ如 キ
ラ モ挙 ツ テ参 加 スル事 ガ 報 ゼ ラ レ、労 働 者 ハ之 等 会 議 参 加 者 タ ル農
九 二七 年 春 ノ工 代 会議 ノ際 モ又 一
九 二九 年 春 ノ東 京 市 会 議 員 選 挙 戦 ノ際 ノ ﹁工代 ヲ基 礎 ト シタ選 挙 会
時 ノ モノデ ア リ マセ ヌ。然 ルニ 一
隊 デ 擁 護 スルト 云 フ様 ナ 処 迄運 動 ハ着 々進 メ ラ レ テ居 マシ タ。尚 全
民 ノ為 ニ宿 泊 ノ世 話 ヲ引 受 ケ ル事 、 此 労 働 者 農 民 会 議 ヲ労 働 者自 衛
道 会 議 デ ハ、 将来 此 労農 会 議 ニ ハ兵 卒 代 表 モ参 加 スベ キ モノデ ア ル、
マス。其 様 ナ事 ヲ 云 ツ タ モノ ハ何 レ ノ時 モ ﹁イ ンテ リ ゲ ンチ ヤ﹂ デ
議 ﹂ ノ際 ニモ之等 ニ付 テ同 様 ソヴ エツト 云 々 ヲ囃 シ立 テ タ者 ガ ア リ
シ タ。勿 論 労 働 者 農 民 ハ斯 様 ナ会 議 ヤ闘 争 ヲ積 ミ重 ネ ル事 ニ依 ツ テ
ソウ イ フ時 期 ガ 必 ズ来 ルト申 合 ハサ レ マシ タ。然 シ此 労農 会 議 ハ表 面 ノ処 ハ小樽 ノ 工代 丈 デ 、 三 ・ 一五 事 件 ノ為 ニ沙 汰 止 ミト ナ ツ テ仕
工代 会 議 ヤ労 農 会 議 ノ経 験 カ ラ ノ ミ受 ケ ルノデ ハア リ マセ ヌ。 夫 レ
ガ、 然 シ労働 者 ヤ農 民 ガ ソヴ エツト ヲ作 ル訓練 ハ、 決 シテ右 ノ如 キ
訓 練 ヲ受 ケ、革 命 時 ニ於 テ容 易 ニソヴ エツト ヲ作 ルノデ ハア リ マス
ヨア民 主 々義 革 命 ガ 完 成 サ レ ルト 云 フベ キデ セ ウ。然 シ我 々 ハ当 時
リ ア革 命 ヘ転 化 スル﹂ デ ハナク シ テ、 日本 ノ来 ルベ キ革 命 ハプ ロ レ
ヨア 民主 々義 革 命 ﹂ ﹁此 ブ ルジ ヨア民主 々義 革 命 ハ急 速 ニプ ロレ タ
事 ガ決 メラ レ マシ タ。 従 ツ テ日本 ノ革 命 ノ展 望 ハ ﹁来 ルベ キブ ルジ
ハ其 処 迄 ハツ キ リ考 ヘ及 バ ナ カ ツタ ノデ ア リ マ ス。 此 点 ハ日本 共産
タ リ ア革 命 ト シ テ勃 発 シ、其 プ ロ レタ リ ア革 命 ノ過 程 ニ於 テブ ルジ
党 ト シ テ重 大 問 題デ アリ マス。何 ト ナ レバ、 従 来 ハ只 管 ﹁ 来 ルベ キ
ハ資本 家 及 地主 ト ノ闘 争 ノ 一切 ノ経 験 、永 イ間 ノ幾 多 ノ経 験 ニ依 ツ
居 ル事 ハ事 実 デ ア リ マ ス。然 シ今 ノ労 農 会 議 ヤ 工代 ヲ指 シ テ直 チ ニ
ブ ル ジ ヨア民 主 々義 革 命 ﹂ ト 云 ツテ此 処 ニ力 点 ヲ置 イ テ居 タ偏倚 ガ
テ訓練 サ レ ルノデ ス。 只 労 農 会 議 ハ其 構造 ガ ソヴ エツト ニ良 ク似 テ
ソヴ エツト 云 々ト 云 フ事 ハ断 ジ テ間 違 デ ス。此 北 海 道 全 道 会議 デ ハ
思 ヒ マス。 土 地 国有 、 産 業 ノ国 有 、 資 本 家 階級 ノ倒 壊 ヲ ス ロー ガ ン
将 来 ノ 予想 ハ致 シ マシ タ。 夫 レ故 ニ軍 隊 ノ事 モ問 題 ニナ リ、労 農 政
ト シ テ革 命 ヲ起 スベ キデ ア リ マ ス。然 シ夫 レノ ミデ ハイ ケ ナイ ノデ
ア リ マ ス。 之 ハ彼 ノ猪 俣 式 ノ プ ロ レタ リ ア革命 偏倚 ト同 様 誤 リデ ア
ノ国 家 機 構 ニ於 ケ ル封 建 的 残 存 要 素 ノ 一掃 ト シ テ ﹁モ ナ ー キ ー﹂、
ルト 思 ヒ マス。来 ルベ キ革 命 ニ於 テ、 ブ ルジ ヨア民主 々義 革 命 ノ内
枢 密 院 、 貴 族 院 等 ノ廃 止 、 一院 制 ノ完 成 云 々ト 云 ツ テ居 ル、 其 一院
ア ツ テ、 夫 レト同 時 ニ必 ズ 地 主 ノ 一掃 、農 民 ヘノ 土地 ノ分 配 、 国 家
権 ガ或 一地方 ニ於 テ他 ノ工業 都 市 ニ先 ンジ 樹 立 サ レ ル事 ガ アリ得 ル
制 ノ完 成 ニ対 シ テ ハ明 白 ニ反 対 ノ決 定 ガサ レ マシタ 。以 上 ノ様 ニ此
機 構 ニ於 ケ ル封 建 的 残 存 物 ノ 一掃 等 ノブ ルジ ヨア民 主 々義 革 命 ノ ス
事 等 ガ問 題 ニナ リ マシ タ。然 シ私 達 ハ其 会 議 デ 此 北 海道 労農 会 議 ヲ
全 道 会 議 デ ハ物 事 ガ 凡 テ具 体 的 ニ討 議 サ レ タ結 果 ハ、 我 国 ノ将 来 ノ
ローガ ンガ掲 ゲ ラ レ、 其 完 成 ガ実行 サ レネ バ ナ ラ ヌ故 ニ、 プ ロレ タ
ルベ キ革 命 ヲ其 処 カ ラ出 発 セシ メ ル ト 云 フ ノデ ア ツテ ハナ ラ ナ イ ト
革 命 ノ展 望 ニ付 テ中 央 部 ノ見 解 ノ如 ク ﹁一院制 ノ完 成 ﹂ ト 云 フ様 ナ
リ ア独 裁 ト共 ニ労 農 政 府 ノ ス ローガ ンガ絶 対 ニ必 要 ナ ノデ ア リ マス。
容 タ ル土 地 ノ没 収、 地主 ノ排 除 ヲ絶 対 ニ行 ハネ バ ナリ マセ ヌガ、 来
事 ハ問 題 ト ナ ラナ イ、 夫 レ ハ昔 ノブ ルジ ヨア革 命 ノ時 ハイ ザ知 ラズ 、
私 ハ実 際 ニ モ必 ズ ソ ウ ナ ルト 思 ヒ マス。 現 ニ此 全 道 会 議 ニ於 テ ス ラ、
ソヴ エツ トダ 等 ト ハ断 ジ テ云 ハナ カ ツタ シ、 ソ ン ナ事 ガ問 題 ニ モナ
今 日 ノ経 験デ ハ労 働 者 ガ来 ルベ キ革 命 ノ指 導 者 ト シテ立 チ上 ル ノデ
モ ツト〓
既 ニ凡 ユル点 ニ於 テ其 傾 向 ヲ現 ハシ テ居 リ マ ス。 故 ニ日 本 共 産 党 ハ
リ マ セ ヌデ シ タ。 只彼 ノ党中 央 部 ガ発 シ タ指 令 其 他 ニ、 現 在 ノ 日本
ア リ、労 働 者 ハ農 民 ト ノ同 盟 ニ依 ツ テ闘 フノデ ア ルカ ラ、 最 初 カ ラ
ソヴ エツト ヲ作 ルト 云 フ迂 遠 ナ途 ヲ採 ルノデ ハア ル マイ ト 云 フ事 ガ
在 ノブ ルジ ヨア議 会 制 度 ヲ 一院 制 ニ シ テ、 然 ル後 更 ニ之 ヲ破 壊 シ テ
レタ リ ア独 裁 ノ内容 ニ関 ス ル宣 伝 ハ全 ク ナ サ レ テ居 マセ ヌ、其 為 ニ
民 主 々義 革 命 ﹂ ト 云 ツ テ其 処 ニ力 点 ヲ置 キ過 ギ テ居 ル結 果 、 此 プ ロ
宣 伝 シナ ケ レバ ナ ラ ヌ事 ニナ リ マス。従 来 ハ ﹁来 ルベ キブ ルジ ヨア
土 地 国 有 ヤ産業 国 有等 、 プ ロ レタ リ ア独 裁 ノ内 容 ニ付 テ
革 命 的 民主 的 議 会 即 チ ソヴ エツト ト 云 フ形 態 デ 闘 フノデ ア ラ ウ、 現
論 ジ ラ レ、 此 点 ヲ中 央 部 ニ進言 シ、 ハツキ リ スル必 要 ガ ア ルト 云 フ
廃 ﹂ ヲ目的 ト ス ル団体 ト 云 フ感 ジ ヲ与 ヘ易 キ外 観 的 傾 向 ガ ア ツ タト
日本 共 産 党 ハ、 恰 モブ ルジ ヨア民主 々義 革 命 ノ 為 ノ 党 、 ﹁君 主 制 撤
ヌカ ラ、 其 指 令 ガ新 タ ニ訂 正 又 ハ廃 止 サ レ ル迄 ハ絶 対 ノ効 力 ア ル モ
其 指 令 ニ反 対 デ ア ツ テ モ、其 指令 ノ 遂行 ヲ停 滞 サ ス事 ハ許 サ レ マセ
従 ノ義 務 ガ ア リ マ スカ ラ、仮 令 其 指 令 ガ間 違 ツ テ居 ルト 思 ツ テ モ又
ノト シテ守 ラ ナ ケ レバ ナ ラナ イ ノデ アリ マス。
一見 サ ウ シ タ感
ナ主 張 ハシテ居 ルノデ ハア リ マセ ヌガ 、知 ラズ〓
思 ヒ マス。然 シ日本 共 産 党 ノ主 張 ヲ良 ク吟 味 シテ見 レバ決 シ テ ソ ン
ジ ヲ与 ヘル様 ナ言 動 ハ随 所 ニア リ マス。例 ヘバ天 皇 ト結 ビ付 イ タブ
答
四問
労 働 者 、 青 年 労 働 者 ノ莫 大 ナ数 ヲ明 カ ニ シ、 其 組 織 ヲ力 説 シ テ居 マ
第 八 ニ婦 人 及 青 年 ノ組 織 ニ付 テ、 テ ー ゼ ハ統 計 ヲ示 シ テ婦 人
次 ニテ ー ゼ ニ記 載 シ タ事項 ハ。
ル議 会 云 々ト カ、 地主 ノ代 表 天 皇 ト カ、 只今 申 上 ゲ タ 一院 制 ノ完 成 等 々、 尚其 他 ニ モ斯 ウ シ タ例 ハ沢 山 アリ マス。此 点 ニ付 テ ハ後 ニ特
展 望 ニ付 テノ見 解 ノ 一寸 シ タ相 違 カ ラ、資 本 主 義 独 裁 ヲ倒 シ、 プ ロ
地 カ ラ説 明 シテ置 イ タ ト記 憶 シ マ ス。
ノ際 申 上 ゲ マ シタ方 針 ガ、 更 ニ全 道 ノ軍備 ヲ調 査 シタ上 、 全 道 的 見
第 九 ニ軍 隊 対 策 即 チ兵 卒 ノ組織 ニ付 テ、 既 ニ前 ニ旭 川 テ ー ゼ ノ説 明
ス 。
レ タリ ア独裁 樹 立 ヲ目 的 ト スル労働 者 ノ政 党 タ ル共 産 党 ガ、 恰 モブ
別 ニ申 上 ゲ タ イ ト思 ヒ マ スガ、 兎 ニ角 日本 共 産 党 ハ来 ル ベ キ革 命 ノ
ル革 命 ノ党 ノ如 キ感 ヲ与 ヘ又 支 配 階 級 ガ 故意 ニ共 産 党 ヲ天 皇 倒 壊 ノ
ヲ繰 返 シテ ア ツタ ト思 ヒ マ スガ、 特 ニ新 シ ク此 全 道 会議 ヲ問 題 ト シ
第 十 ニ道 会 並 ニ市 町 村 会 対 策 ニ付 テ、 此 テ ーゼデ ハ中 央 部 ノ議 会 対
タ点 ハ、彼 ノ 小樽 テ ー ゼ ニ於 テ示 シ タ方 針 ガ絶 対 ニ正 シカ ツタ事 、
策 並 ニ先 ニ発 表 シ タ小 樽 テ ー ゼ説 明 ノ際 ニ申 上 ゲ マ シタ方 針 ノ要 点
達 ハ日 本 共産 党 ハブ ル独 裁 ヲ倒 シ テプ ロ独裁 ヲ目 的 ト ス ル労 働 者 ノ
ア ツ タ事 ハ明白 ニ認 メ ル必 要 ガ アリ マス、 ト同 時 ニ、 又夫 レ故 ニ私
政 党 デ ア ルト 云 フ事 ヲ 一層 力 説 シ ナ ケ レバ ナ リ マセ ヌ。北 海 道 全 道
即 チ小樽 ノ党 員 ハ彼 ノ テ ー ゼ ニ基 イ テ労 働 組 合 ヲ指 導 シ、例 ノ自 由
為 ノ陰謀 団 ノ如 ク民 衆 ニ逆 宣 伝 ス ル ノ ニ好 都 合 ナ前 述 ノ如 キ言 動 ノ
会 議 ハ色 々ナ 点デ 今 日 理論 上 ニ於 テ モ解 決 サ レタ事 ヲ、 当 時 実 際 運
ツ タ ノデ ア リ マシタ ガ、 ソウ スルト 今 迄 此 事 ヲ投 ヤリ ニ シテ居 タ市
労 働 者 溜 場設 置 ニ関 シ再 ビ大 衆 ヲ動 員 シ テ、其 即 時実 行 ヲ市 会 ニ迫
当 局 ハ、 早速 右 ノ自 由 労 働 者 溜 場 設 置 費 ト シ テ予算 一万 円 ヲ市 会 ニ
ガ起 ツ テ居 リ マス。即 チ 一ツ ハ、 一方 デ ハ党 中央 部 ノ方 針 ニ基 イ テ
上 程 シ マシタ 。先 ノ経 験 ト今 又 此 経 験 ニ依 ツ テ小樽 ノ労 働 者 ハブ ル
動 上 カ ラ解 決 ヲ迫 ラ レテ居 タ ノデ ア リ マス。 其 処デ 次 ノ様 ナ奇 現 象
サ レ、 労農 会議 ト労 農 党 ト ガ併 行 シ テ居 ル事 、第 二 ハ此 北 海 道 ノ労
労 農 政 党 ノ統 一ヲ説 キ、 他 方 デ ハ労農 党 ノ労 農 会議 ヘノ転 換 ガ決 定
ニ於 ケ ル無産 党 議 員 ノ饒 舌 ノ力 デ モナ ケ レバ ブ ル議員 ト プ ロ議 員 ト
ジ ヨア議 会 ガ労 働 者 ノ要 求 、 労 働 者 ノ利 益 ノ為 ニ動 ク ノ ハ、 議 会 内
ノ協議 ニ依 ル モノデ モナ ク、 只 議 会 外 労 働 者 大衆 ノ大 衆 闘 争 ノ結 果 、
農 会 議 ハ対議 会 闘 争 ヲ目 的 ト シ テ開 催 サ レ ル ノ ニ、 更 ニ尚 一ツ後 ニ
斯 ノ如 ク セザ ルヲ得 ヌ様 余 儀 ナ ク サ レ ル結 果 ダ ト 云 フ事 ヲ固 ク体 験
述 ベ マス中 央部 ノ指 令 ニ基 ク ﹁議 会 解 散 民衆 大会 ﹂ ノ開 催 ガ同 時 ニ
レ マスガ 、然 シ共産 党 ニ於 テ ハ下 級 機 関 ハ上 級機 関 ノ指 令 ニ絶 対 服
決 定 サ レ テ居 マス。斯 様 ナ事 ハ 一見 誠 ニ不 可 思議 ナ事 ノ様 ニ考 ヘラ
シ テ居 ル。夫 レ故 小 樽 ノ労 働 者 ハ、市 会 ニ予算 一万 円 ガ上 程 サ レ ル
﹁溜 場 建 設 事 業 ノ労 働 組 合 ノ管 理 ﹂ ﹁ 溜 場 ノ労 働 組 合 管 理 ﹂ ヲ ス ロ
ト其 運 動 ヲ少 シ モ緩 メ ル事 ナ ク直 チ ニ ﹁予 算 一万 円 ノ 絶 対 通 過 ﹂
ー ガ ント シ テ闘 争 ヲ更 ニ拡大 進 行 セ シメ ント シ テ居 リ マシ タ。 之 ハ 共 産 党 小 樽 地 区 ノ指導 デ ア リ マシテ、 本 会 議 ハ此 小 樽 地 区 ノ政 策 ノ
被
告
等 ガ決 議 サ レ マシ タ ガ其 事 ハ次 ニ申 上 ゲ マス。
東京地方裁判所
右 読 聞 ケ タ ル処 無 相 違 旨 申 立署 名拇 印 シタ リ。 同 日於 右 出 張 先 作 之
人 三 田 村 四郎
裁 判 所 書 記 菅 生
清
絶 対 ニ正 シイ事 ヲ認 メ タ事 、 又今 日迄 何 レノ議 会 ニ限 ラズ 、議 員 ノ
第 三 十 五 回 訊問 調 書
予 審 判 事 小 泉 英 一
フ事 ハ少 シ モサ レテ居 ナ イ、 選 挙 ノ時 丈 ニ闘 争 ヲ限 ルノ ハブ ルジ ヨ
選 挙 ノ際 ハヤ カ マシク 騒 ギ立 テ ル ガ、 選 挙 後 当 選 ノ議員 ノ統 制 ト 云
右 治 安維 持 法 違 反 被 告 事 件 ニ付 、 昭 和 五 年 七 月 九 日豊 多 摩 刑 務 所 ニ
人 三 田村 四郎
行 動 ノ統 制 ガ重 大 デ ア リ、 我 々ノ闘 争 ハ 一時 モ緩 メ ル事 ナ ク其 闘 争
於 テ、 予 審判 事 小泉 英 一ハ裁 判 所 書 記 菅 生 清 立 会 ノ上 前 回 ニ引 続 キ
告
ニ当 選議 員 ノ行 動 ヲ従 属 セシ メ テ、 一層闘 争 ヲ拡 大 発 展 セ シム ル事
右被 告 人 ニ対 シ訊 問 スル コト 左 ノ如 シ。
被
ニ努 メ ネ バ ナ ラ ヌ、 此 好 適 例 ハ小樽 市 会 ニ対 ス ル闘 争 デ ア ル云 々ト
一問 北 海 道 全 道 代 表 者 会 議 ニ於 ケ ル決 議 中 、市 会 ニ於 ケ ルプ ロレ
ア議 会主 義 ノ弊 デ ア ル、 選 挙 戦 ガ重 大 デ ア ルト同 程 度 ニ当 選 議 員 ノ
云 フ趣 旨 ノ事 ガ決 定 サ レ マシ タ。
樽 ノ同 志 境 ノ市 会 ニ於 ケ ル行 動 ガ問 題 ト ナ ツタ ノデ ア リ マシ テ、 同
ト記 憶 シ マ ス。 私 ハ今 其内 容 ヲ ハツ キリ記 憶 致 シ マ セ ヌガ、 之 ハ小
答 此 決 議 案 ハ小樽 ノ同 志渡 辺 及 武内 ノ 両名 ニ依 ツテ提 案 サ レ タ
タ リ ア代 表 ノ行 動 ニ関 ス ル決 議 ノ事 情 ハ。
記 憶 シ マ ス。
ー ゼ審 議 中 此 会 議 デ 議 論 サ レ タ事 ハ大 体 右 ノ様 ナ諸 点 デ ア ツ タ様 ニ
前 回迄 ニ申 上 ゲ タ事 以 外 デ 、 此全 道 テ ーゼデ 新 タ ニ取 扱 ハ レ又 ハテ
五 問 其 他 ニ全 道 会議 デ 議 セ ラ レタ事 項 ハナイ カ。
志 境 ガ 市 会 議 員 ト ナ ツ テカ ラノ小 ブ ル的 行 動 ニ付 テ ハ再 三北 海 道 ノ
労 働 者 ノ間 ニ問 題 ト ナ ツテ居 リ マ シタ。 就 中 当 時 名 前 ハ失 念 シ マシ
タ ガ、 宮 殿 下 ガ 北海 道 ニ来 遊 サ レタ際 小 樽 市 会 ハ之 ノ歓 迎 ノ為 ニ其
答 尚 此 北海 道全 道 代 表 者 会 議 ニ於 テ ハ以 上 申 述 ベ マシ タ事 項 ノ 外、 (イ) 市 会 ニ於 ケ ルプ ロ レタ リ ア代 表 ノ行 動 ニ関 ス ル決 議
ニ賛成 投 票 シタ許 リデ ナ ク 、他 ノ市 会 議 員 ト 共 ニ小樽 駅頭 ニ其 某 宮
費 用 若 干 ノ支 出 ヲ市 会 デ可 決 シタ ノデ ア リ マ ス。 其 際 同 志 境 ハ夫 レ
殿 下 ヲ出 迎 ヘ、歓 迎 ノ意 ヲ表 シタ ト 云 フ事 ニ対 シ小樽 ノ労 働 者 ガ激
( ) ロ 議 会解 散 民衆 大 会 ノ開 催 決 議
( ) ニ 共 産 党 学 校 開 設 ノ決 議 其 他
昂 シタ ノデ ア リ マ シタ。 夫 レガ此 議 案 ノ提 出 ノ動 機 ト ナ ツタ ノデ ア
(ハ) 労 農 会 議 開 催 ノ決 議
(ホ) 共 産 党 北 海 道 地 方 委 員 会 所 属 印 刷所 設 置 ノ件
リ マス。 提 案 者 ノ主 張 ハ、 斯様 ナ際 ニ ハ市 会 ニ於 ケ ル ﹁プ ロレ タリ ア ﹂ ノ代 表 ハ ﹁皇 室 ヲ担 グ事 ニ依 ツテ利 益 ヲ得 テ居 ル ノ ハブ ルジ ヨ ア ト地 主 丈 デ ア ツ テ、 労 働 者 ト農 民 ハ直 接 搾 取 サ レ或 ハ搾 取 ヲ強度 化 サ レテ居 ル ガ、 利 益 ハ毫 モ受 ケ テ居 ナ イ、 其 事 ヲ明 カ ニシ テ、 プ ロ レタ リ ア及 農 民 ト シ テ ハ歓 迎 スル 理由 ナ シト 反 対 スベ キ デ ア ル﹂、 而 シ テ ﹁斯 ル問題 ヲ契機 ト シテ常 ニ労 農 大 衆 ニ君 主 ノ地位 ヲ明瞭 ニ シ宣 伝 ス ル事 デ ナ ケ レバ ナ ラ ヌ﹂故 ニ、 同 志 境 ノ取 ツ タ行 動 ハ反 階
( 1︶ 選 挙 干 渉糾 弾
(2) 男 女 十 八歳 以上 ノ普 選
(3) 言 論 、集 会 、 出 版 、 結 社 ノ自由
(4) 労 働 者 農 民 ノ民 主 的 議 会 (5) ブ ル議 会 解 散
(6) 田中 反 動 内 閣 ヲ倒 セ
亦 此 事 件 ニ付 テ モ小樽 ノ共 産 主 義 者 ハ彼 ノ境 ノ議 会 内 行動 ニ対 シテ
ニ同 志 境 ノ行 動 ハ反階 級 的 デ ア ル、然 シ看 過 シ テ ナ ラ ヌ事 ハ従来 モ
スル ノ ガ正 シイ ノデ ア リ マスガ 、全 道 会 議 ハ中 央 部 ノ指 令 通 リ 民衆
之 ハ既 ニ申 上 ゲ タ工代 会 議 及 農 民大 会 ヲ基 礎 ト シ タ労 農 会 議 デ闘 争
行 ヲ決 議 シ タ ノデ アリ マス。
ト 云 フ指 令 デ ア リ マシ タ。 其 処 デ 之 ヲ北海 道 全 道 会 議 ニカ ケ テ其 実
ニ議 会 解 散 ノ民 衆 大 会 ヲ開 催 セ ヨ
(7) 労 農 政 府 樹 立 ノ ﹁ス ローガ ン﹂ ノ下 ニ三月 十 一日全 国 一斉
統制 指 導 シテ 居 ツタ カ否 カ ト 云 フ事 デ ア ル、 若 シ共産 主 義 者 ノ統 制
級 的 デ ア ル カ ラ糾 弾 スベ シト 云 フノデ ア リ マシ タ。 然 シ会議 ハ確 カ
指 導 ガ ア ツ タ ニ モ拘 ラズ 、 其 指 導 統 制 ヲ裏 切 ツ テ彼 ガ 左様 ナ行 動 ヲ 執 ツ タノデ ア レバ確 カ ニ糾 弾 ノ価 値 ガ ア リ又 糾 弾 シナ ケ レバ ナ ラ ヌ、
シ タ ノデ アリ マス。此 議 会 解 散 ノ民 衆 大 会 ハ全 道 会 議後 直 チ ニ運 動
ガ進 メ ラ レ、 小樽 、札 幌 、 旭 川 、 函 館 、 室 蘭 五都 市 並 ニ妹 背 牛 村 ニ
大 会 ノ実 行 ヲ決 議 シ、 一方 此 議 案 ノ直 グ次 ニ労 農 会 議 開 催 ノ決 議 ヲ
ガ負 フベ キ モノデ ナ ク、 小 樽 ノ共 産 主 義 者 モ亦 其責 ヲ負 ハネ バ ナ ラ
於 テ行 ハレ マシタ。
然 シ若 シ彼 ニ対 ス ル指 導 統 制 ガ無 カ ツ タト ス レバ 、其 罪 ハ同 志 境 丈
三問 労 農 会 議 開 催 ニ付 テ ノ決 議事 情 ハ。
答 同 年 四月 二十 日召 集 サ レ ル議 会 ニ対抗 シテ 、其 開 会 当 日全 道
ヌ、故 ニ此 議 案 ハ提 案 通 リ同 志 境 ノ行 動 ニ対 ス ル糾 弾 ト シテ決 議 ス
タ リ ア代 表 ノ行 動 ノ基 準 ト ナ ル モノダ カ ラ、斯 ル モノ ト シ テ決 議 仕
ル事 ハ出 来 ヌ、然 シ此 問 題 ハ重 要 デ 、 一般 ニ議 会内 ニ於 ケ ルプ ロ レ
様 ト 云 フ事 ニナ リ マシ タ。 決 議 ハ斯 ル趣 旨 ノ下 ニ右 小樽 ノ提 案 理 由
レ マシタ。 此事 ニ付 テ ハ全 道 ﹁テ ー ゼ﹂ ニ付 テ申 上 ゲ タ際 既 ニ詳 述
労 農 会議 ヲ開 催 シ、継 続 的 ニ議 会 解 散 ノ為 ノ闘争 ヲ ス ル事 ガ決 議 サ
デ ア リ マ ス。 其 結 果 ト シ テ、 工場 内 労 働 者 ノ 吸引 率 ハ非 常 ニ高 ク、
答 北 海 道 ノ党 員 拡 大 ノ 一般 方針 ハ、既 ニ申 上 ゲ タ様 ニ行 動 本 位
四問 共 産 党 学 校 開 設 ノ決 議 其 他 ニ付 テノ 審議 ノ模 様 ハ。
シ タ通 リデ ア リ マス。
ヲ党 ノ方 針 ト シ テ可 決 シ マシタ。
答 議 会 解 散 民衆 大 会開 催 ニ付 テ ハ此 全 道 会 議 開 会 ノ直 前 ニ党中
二問 議 会 解 散 民衆 大 会開 催 ニ付 テ ノ決 議 事 情 ハ。
央 部 カ ラ指 令 ガ来 テ居 タ ノ デ ア リ マ シタ。 夫 レ ハ総 選 挙 後第 一回 ノ 議 会 ガ召集 サ レ ルノ ニ対 シテ、
ニ移 スト 云 フ点 ニ於 テ ハ実 ニ申 分 アリ マセ ヌガ 、其 代 リ 一般 党 員 ノ
理 窟 ノ理解 ハ第 二段 ト シ テ、 兎 ニ角 共 産 党 ノ発 シタ命 令 ハ早 速 実 行
(3) 場 所 ハ冬 季 ハ此 目 的 ノ為 ノ ミニ 一 戸 ヲ借 リ受 ケ其 処 デ 開 校 シ、 同 一家 屋 ヲ 二度 使 用 セザ ル事 、夏 季 ハ山間 ニ出 懸 ケ テ野 外 デ ヤ ル
(2 ) 学 生 ハ毎 月 各 地 カ ラ 一名 宛 位 ト シ、講 習 期 間 ハ三 日 乃至 五 日 間 ト ス ル事 、 講 習 ハ講 師 ノ説 明 ト 生 徒 ノ実 習 ト ヲ組 合 セル事
方 面 ノ知 識 ハ全 国 無 比 ノ低 イ 段 階 ニ ア ルト 云 フ状 態 デ ス。 私 ト各 地 事
所 謂 思想 水 準 ト称 スル ﹁マル ク ス主義 ﹂ ﹁レー ニ ン主 義 ﹂ ノ 理 論 的
区 ノ責 任 者 ト ノ均 衡 ハ兎 ニ角 取 レテ行 キ マス、然 シ各 地 区 責 任 者 ト
(4) 学 生 ハ講 習 ヲ受 ケ後 直 チ ニ各 地 ニ帰 リ 夫 レヲ実 行 ニ移 シ、 地
区責 任 者 ノ仕 事 ヲ助 ケ ル事 、 翌 月 ハ又新 タ ナ党 員 ヲ学 生 ト シ テ選
平 党員 ト ノ思 想 水 準 ノ間 隔 ガウ ント 飛 ビ 離 レテ居 テ、 其 中 間 ガ 無 イ ノデ ス、之 ハ党 ガ 一挙 ニ拡 大 シ タ以上 止 ム ヲ得 ヌ現 象 デ ア リ マス、
抜 シ講 習 ヲ受 ケ シ メ ル事
(5) 右 費 用 ハ 一切 地 方 委 員 会 ニ於 テ負 担 ス ル事
ソ シ テ之 等 平 党 員 ハ共 産 党 ノ凡 ユル宣 伝 ト実 際 闘 争 ノ経 験 ト ニ依 ツ テ徐 々 ニ革 命 的 理 論 ヲ掴 ミ、所 謂 思 想 水 準 ヲ高 メ テ行 ク ノデ アリ マ
ニ、 此 平 党 員 ト 指 導 者 ト ノ思 想 水 準 ノ懸 隔 ガ 一層 甚 ダ シイ ト 云 ヘル
々ナ点 デ 北 海 道 ノ方 ガ全 国 ヨリ 一歩 先 ンジ テ居 ル傾 向 ガ アリ マス故
海 道 全 道 会 議 ト 党 第 二 回組 織 会 議 ト ヲ比 較 シ テ見 テ モ判 ル様 ニ、色
地 区責 任 者 ガ非 常 ニ骨 ガ折 レ ルノデ ア リ マ ス。 夫 レト 同 時 ニ、 此北
員 ト ノ間 ノ大 キ ナ ﹁ギ ヤ ツプ ﹂ ノ存 在 ハ、各 種 ノ闘 争 遂行 ニ際 シ各
ク適 宜 ノ処 置 ヲ執 ツ テ来 タノデ アリ マス。 然 シ此 地 区 責 任 者 ト平 党
済 闘 争 ノ激 発 ヲ重 視 シ且 ツ政治 闘 争 ノ全 国 的 水 準 ト 歩 調 ヲ合 セ ルベ
到 底 現 在 ノ様 ナ印 刷 方 法 デ ハ此 需 要 ニ応 ジ切 レ ナイ 、 即 チ今迄 地 方
ガ発 行 毎 ニ急 激 ニ増大 ス ルノ ト 、党 出 版 物 ガ多 ク ナ ツ テ来 ル ノト デ 、
発 行 ヲ今 後 モ続 行 仕様 ト 云 フ事 ニナ リ マシ タ。 ソ シ テ機 関 紙 ノ部 数
レ テ来 マシ タ、 夫 レデ 此 選挙 戦 中 ノ ミ ニ限 ツ テ居 タ機 関 紙 ノ五 日 目
ト ナ ツ テ居 リ マシ タ。 夫 レガ為 ニ機 関 紙 ノ重 要 性 ガ益 々強 ク要 求 サ
済 闘 争 ハ選 挙 戦 終 了頃 カ ラ愈 々公然 ノ爆 発 ヲ為 シ始 メ様 ト ス ル形 勢
選 挙 戦 中 ニ党 ガ 異 常 ナ発 展 ヲ シタ ノ ト 、 一方 選 挙 戦 中 ニ煽 動 シ タ経
表 者 会 議 ノ決 議 ニ従 ツ テ五 日 目 毎 ニ発 行 シテ来 タ ノデ ア リ マス ガ、
答 地 方 機 関 紙 ﹁北 海 労働 者 ﹂ ハ総 選 挙 戦 前 ニ開 催 サ レタ金 道 代
以上 デ ア リ マシ タ。
ノデ ス、 此 ﹁ギ ヤ ツプ ﹂ ヲ什 ウ シテ埋 メ ル カ ト 云 フ事 ガ此議 題 ト ナ
印 刷 物 ガ多 ク ナ ルト到 底 一人 デ ハヤ リ切 レナ イ シ、 人 間 ヲ増 ス事 ハ
五問 共 産 党 北 海 道 地 方 委員 会所 属 印 刷 所 設 置 ニ関 スル決 議 ハ。
ツタ ノデ ア リ マス。 会 議 ノ結 論 ハ次 ノ如 クデ ア ツ タト 記憶 致 シ マス。
危 険 デ ア リ、尚 謄 写刷 ハ筆 蹟 ガ判 ツ テ危 険 デ ア ル。 故 ニ此 際印 刷 方
ス。 共 産 党 北 海 道 地 方 ハ此 全般 的 ニ党 員 ノ思 想 水 準 ノ低 イ事 並 ニ北
(1) 共 産 党 学校 ヲ創 設 ス ル事 、此 学 校 ハ広 汎 ナ共 産主 義 ノ 一般 理 論 ヲ教 授 スル ノデ ナ ク、各 地 ノ平 党 員 中 カ ラ優 秀 ナ者 ヲ選 抜 シテ
法 ヲ 一変 シテ 活 字 印刷 ニ仕 様 ト 云 フノデ ア リ マシ タ。 此事 ハ全 員 異
海 道 ノ労 働 大 衆 ノ広 汎 ナ ル層 ガ未 ダ無 自 覚 デ ア ル事 ヲ考 慮 シ テ、経
之 ヲ ﹁オ ルガ ナイ ザ ー﹂ ニ仕 立 テ ル事 ガ目 的 デ ア ル、故 ニ教 ヘ ル
委 員 会 ノ印 刷物 ハ 一切九 津 見 房 子 ガ担 任 シ テ居 タ ノデ アリ マスガ 、
事 ハ主 ト シ テ宣伝 煽 動 組 織 ノ戦 術 方 面 デ ア ル
議 ナ ク賛 成 シ、其 費 用 ト シテ 一千 円 デ ア ツタ カ 五百 円デ ア ツ タ カ ヲ
メ ラ レ テ居 タ モ ノデ 選 挙 戦 後 ニ到 着 シ タ ノ ガ約 百 円 、全 道 会 議 終 了
ニシ マシ タ。 此 寄附 金 ハ総 選 挙 戦 中 ニ約 三 百 円 、更 ニ選 挙 戦 中 ニ集
後 約 二百 円 、合 計 約 六百 円 ノ金 ガ集 マリ マシ タ。 此 金 ノ御 蔭 デ 此 全
公 募 仕 様 ト 云 フ事 ニ決 定 シ、 此 事 ハ此 全 道 会議 直 後 ニ発 行 サ レ タ
道 会 議 モ開催 出 来 タ ノデ ア リ 又同 志 武 内 ヲ函 館 ヘ派 遣 ス ル事 ガ出 来
﹁北 海 労 働 者 ﹂紙 上 ニ於 テ印 刷 所 設 置 費 募 集 ノ檄 ガ 発行 サ レ マ シタ。 当 時 我 々 ハ此 予 定額 ハ即座 ニ集 ルト 云 フ確 信 ヲ持 ツ テ居 リ マシタ、
ハ出 京 ス ル事 モ出 来 ナ カ ツ タ ノデ ス。 当 時 私 ガ 党 カ ラ受 ケ テ居 タ給
ヲ継続 ス ル事 ガ出 来 タ ノデ ア リ マ ス。 更 ニ此 寄附 金 無 カ リ セバ、 私
料 ハ月 五 十 円デ 、別 ニ活 動 費 約 七 十 円 合 計 百 二 十 円 位デ ア ツタ ト記
且 ツ三 ・ 一五事 件 ニ依 ツテ中 央 部 ト ノ連 絡 ガ切 レ タ ニ モ拘 ラズ 活 動
ナ シ ヨナ ル﹂ カ ラ豊富 ニ支 給 サ レ、 従 ツ テ地 方 ハ中 央 カ ラ仕 送 リ ヲ
ト申 シ マ スノ ハ北 海道 デ ハ早 ク カ ラ党 ノ活 動 費 ハ 一般 カ ラ寄 附 ヲ受
受 ケ テ活 動 ス ル ンダ ト 云 フ老 ヘ方 ガ暗 々裡 ニ行 ハレ テ居 リ マシタ。
テ仕 舞 ツ タノデ ス。 此 外 ニ選 挙 戦 特 別 費 ト シ テ二 百 円送 付 ヲ受 ケ タ
憶 シ マス。 之 ヲ受 取 ツタ ノ ハ 一月 、 二月 ノ 二ヶ 月 デ 、 三 月 ハ杜 絶 シ
ケ テ居 タ カ ラデ アリ マス。 一般 ニ共 産 党 ノ活 動 費 ハ第 三 ﹁イ ンタ ー
今 日デ モソ ウ思 ツ テ居 ル人 ガ ア リ マ ス。 然 シ私 ハ留 守 常任 時 代 カ ラ
ト 記 憶 シ マスガ 、此 内 百 円 ハ郵 便 局 デ 停 滞 シ テ居 テ三 ・ 一五事 件 以
斯 ル考 ヘ方 ニ断 乎 ト シテ反 対 シ、 之 ヲ 一掃 ス ル事 ニ努 メテ来 マ シタ。 斯 様 ナ考 ヘ方 デ ハ万 一戦 争 ノ勃 発 或 ハ支 配 階 級 ノ弾 圧 等 ノ為 ニ連 絡
ノデ ハア リ マセ ヌ。 北 海 道 ガ ア レ丈 活 溌 ナ活 動 ガ出 来 タ ノ ハ、全 ク
右 ノ如 キ寄附 金 ガ ア ツタ カ ラデ ア リ マ ス。 此 様 ナ状態 デ シタ カ ラ 、
後 入 手 シ マシ タ。 コンナ事 デ 到 底 ア ノ大 キ ナ選 挙 戦 ヲ ヤ レ ル訳 ノ モ
全 道 会 議 デ決 定 シタ 共産 党 学 校 ノ設 立 モ印 刷 所 ノ設 置 モ問 題 ト ナ リ
ス ニ相 違 ナイ ト 、 同時 ニ斯 様 ナ財 政 策 ニ依 ル党 活 動 ハ不健 全 ナ モノ
ヨリ ノ補 助 ハ全 ク文 字 通 リ補 助 ト シ テ財 政 々策 ヲ樹 ツベ キデ ア ル、
ト ナ リ易 イ 故 ニ、 各機 関 ト モ夫 々自 立 ノ方 針 ヲ原 則 ト シ、 上級 機 関
ア ツ タ ノデ ア リ マス。
得 タ ノデ 、決 シ テ無 謀 ナ計 画 デ ハナ ク、 立 派 ニ実 現 シ得 ベ キ モノデ
ガ切 レ タ時 什 ウ ス ルカ 、 一時 ニ党 活 動 ガ停 滞 ス ルカ或 ハ大 支 障 ヲ来
ヲ容 易 ニス ル様 ニ コソ シナ ケ レバ ナ ラ ヌ、 之 ハ私 ノ持 論 デ アリ マシ
寧 ロ反 対 ニ下級 カ ラ上 級 機 関 ヘ資 金 ヲ送 リ、 上 級機 関 ノ指 導 的 活 動
ハ尚 セ クト的 残 存 ガ アリ 、此 全 国 組 織 会 議 デ 初 メ テ正 シイ 党 ノ 活動
違 ヲ申 シ マス ナ ラ、全 国 組 織 会 議 ノ方 ハ北 海 道 以 外 ノ各 地 方 ノ活 動
ヘ各 代 表 ノ討論 ハ実 ニ盛 デ シタ。 彼 ノ党 第 二回 全 国 組織 会議 ト ノ相
マ ス。 私 ハ此 経 験 ガ ア リ マ スノデ 、 若 シ共 産 党 ガ 公 然 自 己 ノ 存在 ヲ
基 準 ヲ定 メ タ ニ止 マツ テ居 ルノ ニ、 北 海 道 全 道 会 議 ノ方 ハ各 代表 者
以 上 ガ北 海道 全 道 会 議 ノ内 容 デ ア リ マ ス。 此 会 議 ハ秘 密 会 議 ト ハ云
大 衆 ノ前 ニ発 表 ス ルナ ラバ、 一層 此 事 ハ容 易 ダ ト 云 フ確 信 ヲ持 ツテ
共 最 初 カ ラ此 正 シイ基 準 ニ従 ツテ活 動 シ テ来 タ ノデ アリ 、然 モ其 活
テ、 又 同 志 市 川 、 志賀 モ全 ク同 意 見 デ ア リ マシタ 。 夫 レ故 アノ苦 難
居 リ マシ タ。 ソ シ テ私 ハ夫 レガ間 違 デ ナイ 事 ヲ立 派 ニ北海 道 デ実 験
動 ニ依 ツ テ得 タ具体 的 ナ経 験 ト成 績 ト ヲ携 ヘテ参 集 シ テ居 ルノデ ア
ナ留 守 ビ ユー ロー時 代 一ケ年 ヲ切 リ抜 ケ テ来 ル事 ガ 出来 タ ノ デ ア リ
モノ ト シ テ北 海 道 独 立 ノ予算 ヲ立 テ、 其 財 源 ハ 一般 ヨリ 公募 ス ル事
致 シ マシ タ。 私 ガ北海 道 ニ赴 任 スル ヤ、 中 央 部 ヨリ ノ補 助 ハ余 分 ノ
リ マス。 夫 レノ ミ ナ ラ ズ 、必 然 ニ又 凡 テ ノ点 ニ於 テ全 国 組 織 会 議 ヨ
リ マス。 勢 ヒ討 議 ハ全 国組 織 会 議 ヨリ具 体 的 デ真 剣 ナノ ハ当 然 デ ア
一問 被 告 ハ森 田京 子 ヲ党 ニ加 入 セ シ メ タ事 ハナ イ カ。
右被 告 人 ニ対 シ訊 問 スル コト左 ノ如 シ。
於 テ、 予 審判 事 中 里竜 ハ裁 判 所 書 記 高柳 英 夫立 会 ノ上 前 回 ニ引 続 キ
ノ中 ニト 云 フ ヨリ ハ、 否 応 ナ シ ニ真 実 ノ解
答 サ ウ云 フ事 モア リ マ セ ヌ。
五問 被 告 ハ京 子 ノ党 費 ヲ代 納 シ タ事 ハナイ カ。
答 ア リ マセ ヌ。
四問 其 頃 京 子 カ ラ社費 ト 云 フ意 味 ヲ聞 カ レタ事 ハナイ カ 。
答 サ ウ 云 フ事 ハア リ マセ ヌ。
ヲ請 求 サ レ タト 云 フ事 ヲ申 シ タ事 ハナ イ カ。
三問 昭和 三年 七 月 下 旬 カ八 月初 頃 京 子 ガ被 告 ニ小松 ちづ カ ラ党 費
答 其 点 ハ答 ヘラ レ マセ ヌ。
二問 然 シ何 人 カ ガ京 子 ヲ入 党 サ セ タ事 ガ ア ルノデ ハナ イ カ。
答 サ ウ 云 フ事 ハア リ マセ ヌ。
リ 一歩 前 進 セザ ルヲ得 ナ カ ツ タ ノデ ア リ マス。殊 ニ労 農 政 党 問 題 及
﹁コミ ンテ ル ン﹂ 第 六 回 大 会 ノ決 定 ト ヲ比 較 スル時 、 其 処 ニ驚 クベ
農 民 対策 ニ於 テ此 全 道 会 議 ガ 決 定 シ或 ハ将 来 向 ハ ン ト シ タ 方 向 ト
キ 一致 ヲ見 出 スノデ ア リ マス。 私共 ガ飽 ク迄 労 働 階 級 ノ利 益 ト 云 フ
シテ行 クト 、知 ラズ〓
事 ヲ忘 レズ 、 マル ク ス ・レ ー ニ ンノ教 ヘ ニ則 ツ テ忠 実 ニ闘争 ヲ遂行
々 ニ真 実 ノ解 決 ヲ迫 ツ テ来 ルカ ラデ ア リ マ ス。 固 ヨリ 北海 道 全 道 会
決 点 ヘブ ツ カ ル モ ノト 見 エ マス、 ト 云 フノ ハ大 衆 ノ革命 的 圧力 ガ我
議 ノ決 定 ナ リ傾 向 ナ リ ハ決 シテ完 全 デ モナ ク、幾 多 ノ誤謬 モア リ、 不 明確 デ モ アリ マシタ。 夫 レ ニ モ拘 ラズ 我 々 ノ実 際 運 動 ノ 経 験 ハ ﹁コミ ン テ ル ン﹂ ノ決 定 ノ方 向 ニ全 身 ヲ向 ケ テ居 タ ト 云 フ事 ガ出 来
六問 京 子 ハ其 頃 被 告 ニ小 松 カ ラ党 費 ヲ請 求 サ レタ ノデ 被 告 ニ其 事
答 当 時 党組 織 部 ノ決 定 ニ依 リ、 無 産 者 新 聞 ノ読 者 ヨリ 撰択 シテ
八 問 其 名 簿 ヲ整 理 シタ 理由 ハ。
ニ清 書 サ セ タ事 ガ アリ マシタ。
答 同 年 五 月 中 、 私 ガ無産 者新 聞 読 者 名 簿 ヲ整 理 シ タ モノ ヲ京 子
ヲ記 載 シ タ モノ ヲ清 書 サ セタ事 ガ ア ルカ。
七 問 被 告 ハ京 子 ト 同 棲 中 、同 人 ニ赤 旗 若 ク ハ無 産 者 新 聞 ノ発 行 先
其 様 ナ事 実 ハ全 然 無 イ ノデ アリ マス。
答 京 子 ハ什 ウ 云 フ考 ヘデ サウ 云 フ申立 ヲ シタ カ判 リ マセ ヌ ガ、
ベ居 ル ガ如 何 。
ルト思 ヒ マス。 此 全 道 会 議 ハ二日 目 ノ夕 刻 ニ終 了 シ、各 代 表 者 ハ直
人 三田 村 四郎
ヲ告 ゲ タ処 、 被 告 ガ従 来 京 子 ノ分 ヲ モ代納 シ テ居 タト 云 ツタト 申 述 告
チ ニ夫 々受 持 地 ニ帰 リ マシ タ。 被
右 読 聞 ケ タ ル処 無 相 違 旨 申立 署 名 拇 印 シ タ リ。 同 日於 右 出 張 先 作 之
一
清
人 三 田村 四郎
裁 判 所 書 記 菅 生
告
予 審 判 事 小 泉 英
東 京 地方 裁 判 所
第 三 十 六 回 訊問 調 書 被
右 治 安 維 持 法 違 反被 告事 件 ニ付 、 昭和 五年 七 月 十 日豊 多 摩 刑 務 所 ニ
赤 旗 ノ読 者 ヲ得 ル事 ニナ ツタ カ ラデ ア リ マシ タ。然 シ此 ノ事 情 ハ京 子 ハ知 ル マイ ト思 ヒ マス。 九 問 尚被 告 ハ京 子 ニ無 産 者 新 聞 ノ原 稿 ノ清 書 ヤ口述 ノ筆 記 ヲ サ セ
ハ 。
一問 日本共産 党北海道全道会議終了後武内 ヲ函館 ニ派遣 シタ事情
答 北海 道 全 道 会 議 ノ決 議 ニ基 キ同 志 武 内 ヲ函 館 ニ派 遣 シ、党 ノ
関 係及 財 政 上 ノ都 合 デ 其 出 発 ガ後 レ、 函 館 ニ到着 シタ ノ ハ同 年 三月
拡 大組 織 ヲサ セ ル事 ニ致 シ マシ タ。 同 志 武 内 ハ小樽 ニ於 ケ ル仕 事 ノ
答 ア リ マ ス。 私 ハ同 年 六 月 下 旬 頃 カ ラ無 産 者 新 聞 ノ仕 事 ヲ シ テ
ヒ、全 道 会 議 ノ決 定 ヲ伝 ヘ、 今 日 迄 ノ彼 ノ行 動 ヲ 叱責 シタ処 、 彼 ハ
十 日頃 デ ア ツ タ ト思 ヒ マ ス。 同 志 武 内 ハ函 館到 着 後 函 館 ノ鈴 木 ニ会
タ事 ガ ア ルカ。
ス ル憂 ガ ア ツタ ノデ 、 常 ニ私 ノ書 イ タ原稿 ヲ同 人 ニ清 書 サ セ タ リ又
居 タノデ スガ 、私 ノ書 イ タ モノ ヲ直 接 新聞 社 ヘ廻 シテ ハ筆 跡 ガ 判 明
口述 シタ モノ ヲ筆 記 サ セ タリ シ テ居 リ マ シタ。
ヲ物 色 シテ居 タ為 渉 々 シ ク行 カナ カ ツタ ト弁 明 シタ由 デ ス。 其 処 デ
案 ニ違 ハズ党 員 拡 張 ニ付 テ意 識 水 準 ヲ重 視 シテ 、 理論 的 ニ秀 レタ者
同 志 武 内 ハ彼 ノ経 験 ト 北 海 道 全道 会議 ノ決 議 ニ基 キ、 同 志 鈴 木 ト 協
一 〇 問 何 時 マデ サ ウ シ テ居 ツ タ カ。 答 京 子 ガ捕 ヘラ レ ル迄 デ ア リ マシ タ。
其 処 デ 二 、三 日前 ニ党 ニ這 入 ツ タ者 ヲ便 リト シ テ仕事 ヲ シ ナ ケ レ バ
タ ニ入 レ タ党 員 中 ノ目 星 シ イ者 モ 一緒 ニ検 挙 サ レ テ仕舞 ヒ マシタ。
ツ タ ノデ アリ マス。 ソ シテ鈴 木 、 村 上 等 旧 イ 党 員 ハ皆 検 挙 サ レ、新
武 内 ガ函 館 デ 右 ノ仕 事 ヲ ヤ ツテ居 ル時 、 ア ノ三 月 十 五 日 ノ検 挙 ガ始
イ報 告 ヲ聞 イ テ、私 ト 武内 ト デ話 合 ツタ事 デ ア リ マシ タ。
デ ハア リ マセ ヌデ シ タ。 之 ハ後 ニ同 志 武 内 ガ札 幌 ニ帰 ツ テカ ラ詳 シ
ノ党 員 ニ比 較 シ テ直 チ ニ党 員 ト シテ採 用 シテ モ決 シ テ遜 色 ノ ア ル人
タ カ只 今 ハツ キ リ記憶 致 シ マセ ヌ。 此 七 、八十 名 ノ人 ハ、 他 ノ 地 方
力 シ テ毎 晩 工場 労 働 者 ノ秘 密集 会 ヲ組 織 シ、 一挙 ニ七 、八 十 名 ノ機
人 三 田村 四郎
関 紙 読 者 ヲ作 リ マシ タ。 此中 直 チ ニ党員 ニ採 用 シタ者 ハ何 名 デ ア ツ
告
一 一 問 一体 被 告 ハ京 子 ヲ シ テ自 己 ノ仕 事 ヲ手 伝 ハセ ル考 ヘデ 同 人 ト
被
同 棲 ス ル事 ニシ タ ノデ ア ツ タ ノカ。 答 左 様 デ ス。
東京地方裁判所
右 読 聞 ケ タ ル処 無相 違 旨申 立 署 名 拇 印 シタ リ。 同日於前同所
人 三 田村 四郎
竜
裁 判 所 書記 高 柳 英 夫
告
予 審 判 事 中 里
被
者 ﹂ ノ 号 外 ヲ出 シテ抗 議 文 ヲ発 表 シ、 ド ン〓
第 三 十 七 回訊 問 調 書
右 治 安 維 持 法違 反 被 告 事 件 ニ付 、 昭 和 五 年 七 月 十 二 日豊 多 摩 刑 務 所
行 ク ニ モ拘 ラ ズ 、平 然 ト シ テ毎 夜 工場 細 胞 会 議 ヲ開 催 シ、 工場 細 胞
労 働 者 ガ検 挙 サ レテ
ニ於 テ、 予 審判 事 小泉 英 一ハ裁 判 所 書 記 菅 生清 立会 ノ上 前 回 ニ引 続
確 立 ニ努 メテ戦 ヒ マシタ。 函 館 市 電 鉄 道 ヲ始 メト シテ 、大 工場 ニ ハ
ナ ラ ヌ事 ニナ ツタ訳 デ ス。 武 内 ハ此 検 挙 ニ対 シ テ直 チ ニ ﹁北海 労 働
キ右 被 告 人 ニ対 シ訊 問 ス ル コト 左 ノ如 シ。
私 カ ラノ要 求 ニ依 ツ テ札 幌 ヘ帰 ツテ来 マシ タ ノ ト、 武 内 ガ後 事 ヲ託
テ タ ノデ ア リ マ ス。 其 後 ノ情 勢 ガ 什 ウ ナ リ マシ タ カ丁 度 其 頃 武内 ハ
ハ、同 工場 ノ党 員 ガ検 挙 サ レ ル ヤ直 チ ニ起 ツ テ 工場 細 胞 ノ再 建 ヲ企
ア リ マ セウ、 函 館 ド ツ ク ノ労働 者 中 新 タ ニ機 関 紙 読 者 ト ナ ツタ者 達
居 ラ レ マセ ンデ シ タ。此 同 志 武 内 ノ英 雄 的行 動 ニ励 マセラ レタ ノデ
仕 方 ガ ナ イ ノデ 十 六 日 ノ午後 例 ノ 小川 勝 己方 ヘ九 津 見 ヲ使 ニ ヤリ マ
テ居 マシ タ ガ、 未 ダ 検 挙 ガ始 ツテ居 ルト 云 フ事 ハ知 リ マセ ヌデ シ タ。
モ所 定 ノ時 間 ニ所 定 ノ場 所 ニ参 リ マ セ ヌノデ 、 私 ハ聊 カ不 審 ニ思 ツ
マセ ヌ。 又 、 十 五 日 ニ同 志沼 山 ト会 見 スル約 束 ガ シ テ ア ツ タノ ニ之
ゲ マス) ヲ小樽 ニ派 遣 シテ ア ツ タ ノ ガ、 十 五 日 ニ ナ ツ テ モ帰 ツ テ 来
月 十 四 日 地 方 委員 会 ノ 伝 令 、同 志 岡 本 ( 此者 ニ付 テハ後 ニ詳 シク申上
講 ジ ツヽ アリ マシタ。 其 時 三 ・ 一五 事 件 ガ﹂ 起 ツタ ノ デ ア リ マ ス。三
農 村 細 胞 ノ ﹁キ ヤプ テ ン﹂ ヲ地 区 ニ招 集 シ テ新方 針 ニ従 ツテ対 策 ヲ
シ テ来 タ函 館 ノ新 責 任 者 某 モ間 モナ ク検 挙 サ レタ為 又 其 後 武 内 モ検
シ タ処 ガ、 小 川 事 田 口 ハ居 ナイデ 、寺 島 ト 云 フ若 イ男 ガ 一人 居 リ マ
場 新 聞 ノ発 行 ヲ実 現 シ、 札 幌 ハ工場 内 闘 争 ノ激 発 ニ成 功 シ、 引 続 キ
挙 サ レ マシタ ノデ 私 ハ審 カデ アリ マセ ヌ。 私 ガ種 々 ナ ル情 勢 カ ラ綜
シ タ。 ソ シテ初 メ テ昨 日 一斉 検 挙 ガ ア ツタ事 、札 幌 デ ハ兎 ニ角 只 今
残 ラズ 細 胞 ガ出来 マシタ。 私 ハ同 志 武 内 ノ此勇 敢 ナ行 動 ニ於 テ労 働
合 シ テ見 テ 、 ア ノ函 館 ニ於 テ検 挙 サ レ タ人達 ノ中 ニ ハ、 確 カ ニ此 武
者 ノ ミ ガ持 ツ英 雄 的態 度 、労 働 者 ノ ﹁ヒ ロイ ズ ム﹂ ヲ讃嘆 セズ ニ ハ
内 ノ勧誘 ニ依 ツテ初 メ テ入 党 シ タ人 ガ 可 ナ リ ア リ マ ス。 ソ ウ ス ルト
マシタ。 ﹁レポ ー タ ー﹂ ノ帰 ラ ヌ処 ヲ見 レバ検 挙 ハ決 シ テ 一地 方 的
ノ モノデ ナ ク、 検 挙 ノ内 容 ハ共産 党 検 挙 ニ相 違 ナ イ ト思 ヒ マシ タ。
ノ 処寺 島 ト連 絡 ヲ執 ツ テ、 逃 ゲ テ居 ル者 ガ モウ 一人 ア ル事 ガ判 明 シ
未 ダ 何 等 ノ活動 モ シテ居 ナイ 人 達 デ ス。然 モ其 人達 ガ 三年 四年 ノ刑
ヲ ﹁ポ ピ ユラ ー ﹂ ニ作 ル事 、 検 挙 ヲ逆 用 シ テ 一層 党 ヲ公 然 ニシ大 衆
其 処 デ 予 テカ ラ斯 ル際 ニ ハ検 挙 ト 大衆 ノ利 害 ト ヲ結 ビ付 ケ テ共 産 党
ニナ ル ノデ アリ マス。 従 ツテ入 党 シ タト ハ云 ヘ夫 レ コソ名 許 リデ 、
ヲ言 渡 サ レ テ居 マス。 此 刑 ノ量 定 ニ ハ聊 カ 判 断 ニ苦 シミ マ スガ、 然
此 人 達 ハ実 ニ共 産 党 ニ入 党 シ タ翌 日 又 ハ翌 々日検 挙 サ レ タト 云 フ事
シ之 等 ノ人 達 ハ法 廷 ニ於 テ堂 々共 産 党 及 共産 主 義 ノ正 シイ 事 ヲ宣 明
ス ルト共 ニ、全 国 ノ情 勢 ヲ問 ヒ合 セ、 一方 ﹁北海 労 働 者 ﹂ ノ記 事 ノ
予 定 ヲ変 更 シテ 、右 ノ趣 旨 カ ラ此 検 挙 ヲ大 衆 ニ報 告 シ且 ツ此 検 挙 ハ
化 ス ル事 ト相 談 シテ ア リ マシ タ ノデ 、 私 ハ直 グ此 検 挙 ヲ中 央 ニ報 告
労 農 大衆 ヘノ弾 圧デ ア ル事 ヲ、 大衆 ノ利害 ト 検挙 サ レタ人 々ノ平 常
シタ ノ ヲ見 テ、彼 ノ後 ニ我党 ヲ裏 切 ツ タ ﹁イ ン テリ ゲ ン チア ﹂共 ノ
対 シ尊 敬 ノ念 ガ 自 然 ト頭 ヲ下 ゲ ザ ル ヲ得 ヌ気 ガ 致 シ マス。 労 働 者 ノ
ノ行動 並 ニ党 ノ主 張 ト ヲ結 ビ 付 ケ テ説 明 シ タ檄 ヲ掲 載 シ、検 挙 ニ対
見 苦 シイ 態 度 ト ヲ比較 シ、之 等 函 館 ノ新 党 員諸 君 ノ此 立 派 ナ態 度 ニ
階 級 的 ﹁ヒ ロイ ズ ム﹂ ハ斯 様 ナ際 ニ全 ク遺 憾 ナク発 揮 サ レ ルノ ハ不
ス ル大衆 的抗 議 ヲ提 議 シ マシ タ。 其 結 果 ハ旭 川 、其 他 ニ於 ケ ル弾 圧
ニ、 此 対 策協 議 会 ヲ開ベ ク ク函 館 ヘ出 張 中 ノ武内 、 小樽 ノ渡 辺 、 旭
抗 議 ノ演 説 会 開 催 ト ナ ツタ ノデ ア リ マス。 又 右檄 ヲ起 草 スル ト同 時
二問 三月 十 五 日 ノ検 挙当 時 ノ行 動 ハ如 何 。 答 全 道 会 議 ガ終 ツ テ各 地 ニ帰 ツ タ責 任 者 ハ直 チ ニ各 地区 ノ会 合
思 議 ナ程 デ ア リ マス。
ヲ開 キ 、更 ニ細 胞 会 議 ヲ開 イ テ全 道 会 議 ノ決 議 ヲ報 告 シ、 小樽 ハ工
山 口 ハ既 ニ検 挙 サ レテ居 リ、 山 名 ハ消 息 不明 デ 一向 音 沙 汰 ガ アリ マ
川 ノ山 名 、室 蘭 ノ山 口 ニ招 集 状 ヲ発 シ マシタ。 然 シ同 志 渡 辺 、 同 志
三問 夫 レカ ラ什 ウ シ タ カ。
帰 シ マ シタ。
事 デ シ タ。 其 処 デ 之 モ同 志山 名 ニ対 ス ルト同 様 ノ打 合 ヲ為 シ室蘭 ニ
答 以上 ノ様 ナ訳 デ 、 旭 川 、 室蘭 、函 館 、札 幌 ハ旧 責 任 者 カ或 ハ
セ ヌデ シ タ。其 処 デ 札 幌 ノ前 述 ノ寺 島 ヲ小樽 ヘ派遣 シテ小 樽 ノ情 勢
新 責 任者 ガ存 在 シ活 動 ス ル事 ガ出来 ル状 態 デ シタ ガ、 独 リ小 樽 丈 ハ
ヲ調 査 セ シ メタ処 、 小樽 ハ大 体 ニ於 テ全 滅 ノ状 態 デ 、 工場 細 胞 中 若 干 残 ツ テ居 ル モノ モア ルガ、 モウ少 シ小 樽 ノ事 情 ニ通 ジ タ者 ガ居 ナ
ハ私 ノ住 所 ヲ知 ツテ居 ル者 ハホ ン ノ数 名 シ カ居 ナ イ ノ ト 、夫 レ等 ノ
人 々 ハ死 ヲ以 テ私 ノ家 ヲ 口外 シ ナイ ト 云 フ確 信 ヲ持 ツテ居 マ シタ ガ
同 志 武内 デ モ帰 ツテ来 テ呉 レネ バ手 ノ付 ケ様 ガ ナ イ状 態 デ シタ。 私
小 川 勝 己 ノ宅 ハ連 絡 範 囲 ガ広 イ カ ラ可 ナ リ危 険 デ ア ルト思 ツタ ノデ
イ ト夫 レ等 ヲ連絡 糾 合 ス ル事 ガ出 来 ヌ事 ガ判 リ マシタ。 札 幌 ハ右 ノ
機 関 紙 読 者 ト ノ組 織 連 絡 ヲ為 サ シメ マシ タ。 丁度 其 処 ヘ函 館 カ ラ武
寺 島 外 一名 ニ札幌 ノ 党再 建 運 動 ヲ命 ジ 、 検 挙 ヲ免 レタ 工場 内 党 員 ト
内 ノ使 ガ 来 テ、 其 報 告 ニ ヨ レバ、 函 館 ハ被 害 ガ 一部 ニ過 ギ ナ イ事 、
転 ノ準 備 ヲサ セ、 夫 レガ出 来 テ カ ラ愈 々明 日 移 転 ス ルト 云 フ前 晩 ニ
直 グ 移転 ス ル必要 ガ ア リ マシ タ カ ラ、 同 志 寺 島 外 一名 ニ命 ジ テ其 移
工場 細 胞 会 議 ヲ続 々開 イ テ居 ル事 、新 地 区 ヲ作 リ夫 レ ニ後 事 ヲ託 シ
シ タ。 処 ガ 所定 ノ時 間 ニ寺 島 ハヤ ツ テ来 マセ ヌ ノデ 、 私 ト 某 トデ 小
私 ト寺 島 外 一名 ト ガ市 内 ノ某 カ フ エーデ 会 合 ス ル約 束 ガ シ テア リ マ
﹁ 北 海 労 働 者 ﹂ ノ臨 時 号 外 ヲ勝 手 ニ出 シタ ガ承 認 シ テ呉 レト 云 フ事 、
フノデ ア リ マシ タ。 其後 ヘ同志 山名 ガ無 事 ニ私 方 ヘ訪 ネ テ来 マシタ。
次 第 札 幌 ヘ帰 ル事 、 今直 グ 帰 リ タ イ ガ旅 費 ノ都 合 ガ付 カ ヌ云 々ト 云
警 察 官 ニ依 ツ テ張 リ 込 マレ テ居 タ モノ ト見 エ マ ス。 私 ト 別 レ タ某 ハ
髪 ト 云 フ処 ダ ツ タ ノデ ス。既 ニ其 時 ニ ハ寺 島 ハ検 挙 サ レ テ小 川 方 ハ
エーデ 再 会 シ報 告 ヲ聞 カ ウ ト 云 フ事 ニシ テ別 レ マシ タ。全 ク危機 一
川 方 ヲ訪 問 仕 様 ト 云 フ事ニ ナ リ 、小 川 方 ノ数 町手 前 迄 行 キ マシ タ。
層 広 ク大 衆 ノ間 ニ散 布 シ、 党 ヲ拡 大 ス ル事 、大 衆 団 体 ヲ指 導 シ テ検
前述 ﹁ 北 海 労 働 者 ﹂ ノ檄 ノ趣 旨 ヲ根 本 基 準 ト シ、非 合 法 機 関紙 ヲ 一
其 晩 小 川 方 デ 捕 マツ タ モ ノト 見 エ、 翌 日 ノ会 合 場 所 ニ ハ来 マセ ヌデ
同 志 山 名 ノ報 告 ニ依 レバ 、 旭 川 ノ 検挙 ハ全 然 当 外 レデ 、 党 員 ト非 党
挙抗 議運 動 ヲ起 ス事 、 各 地 区 ノ指 導部 ハ之 ヲ機 会 ニ完 全 ナ ル地 下 生
シタ。 其 処 デ 私 ハ心 配 シ乍 ラ モ尚 一縷 ノ望 ヲ懸 ケ テ某 ノ下 宿 屋 ヲ訪
フ事 ガ ア ル カ ラ今 夜 ハ某 一人 ガ行 ツ テ寺 島 ニ会 ヒ、 明朝 所 定 ノ カ フ
活 ニ這 入 ル事 、従 ツテ今 迄 ノ連 絡 方 法 ヲ変更 ス ル事 等 ヲ相 談 シ テ山
ネ マシタ処 、 彼 ハ昨 日 帰 ラ ナイ ト 云 フ事 デ ア リ マ シタ。 私 ハ夫 レデ
私 ハフト 気 ガ 付 イ テ小 川 ノ家 ヘ二人 行 ク事 ハ危 険 デ ア ル、 万 一ト 云
名 ハ旭 川 ヘ帰 リ マシタ。
モ尚諦 メ兼 ネ テ九 津 見 ヲ小 川 方 ヘ見 ニ ヤリ マシタ。 其 結 果 ハ別 段 変
マレ テ居 ルト 云 フ ノデ ア リ マシタ 。其 処 デ 此 検 挙 ニ対 ス ル対策 ハ、
夫 レト同 時 ニ札 幌 ノ寺 島 カ ラ室 蘭 ノ山 口ガ 小 川方 ヘ訪 ネ テ来 テ居 ル
ラナ イ ガ 人 ハ居 ナイ ト 云 フ事 デ アリ マシタ。 其 処 デ 注 意 シ乍 ラ小 川
員 ト ノ見 境 ガ付 イ テ居 ナイ 、 党員 ヨリ非 党 員 ガ多 ク検 挙 サ レ且 ツ睨
口 ノ報 告 ニ依 レバ 、室 蘭 ハ 一時 検 束 サ レタ ガ全 部 釈 放 サ レタ ト 云 フ
ト 云 フ通知 ヲ受 ケ マ シタ ノデ 早 速 同 志 山 口ト会 見 シ マシ タ。 同 志 山
方 ヘ行 キ マ スト、 九 津 見 ノ云 フ通 リ家 ノ外 モ家 ノ内 モ平 常 ト 少 シ モ
二、三日 ス ルト 又 ス ツカ リ全 快 致 シ マシ タ。 其 処 デ 武 内 ト 相談 シテ 、
労 ノ為 重 態 ト 見 エタ ノ デ 、原 因 ハ単 ナ ル風 邪 ニ過 ギ ナカ ツ タト見 エ、
デ ア リ マシ タ。 私 達 ハ 一生懸 命 ニ彼 ヲ介 抱 シ マシ タ。 幸 ニ極度 ノ疲
私 ガ直 グ 上 京 シ中 央 ト ノ連絡 ヲ復 活 ス ル事 、私 ノ留 守 中 ノ仕事 ハ 一
変 リ ガ ア リ マセ ヌ。 不 思 議 ニ思 ヒ乍 ラ フト畳 ヲ注 意 深 ク見 ルト 、 キ
切 同 志 武 内 ト 九 津 見 ト デ相 談 シテ ヤ ツテ行 ク事 、 同 志 武 内 ハ直 チ ニ
チ ント敷 イ テ ハア ルガ確 カ ニタ ツタ今 全 部 畳 ヲ上 ゲ タト 云 フ事 ガ ア
タ マラ ナカ ツタ 、然 シ逃 ゲ ラ レル丈 ハ逃 ゲ テ ヤ レト思 ツ
ト判 リ マシ タ。 其 時 私 ハモウ捕 マツ タ ト観 念 シ マシ タ。私 ハ
リ〓 残 念 デ〓
ニ確 立 シ、 両 地 区 ノ再 組 織 活動 ヲ為 サ シメ ル事 等 ヲ定 メ マシ タ。 ソ
イ武 内 ノ住 所 ヲ当 分 連 絡 場所 ト ス ル事 、小 樽 及 函 館 ノ責 任 者 ヲ急速
シテ同 志 武 内 ガ札 幌 市 内 某所 ニ間借 ヲ ス ルト同 時 ニ私 ハ上 京 ス ル事
適 当 ナ処 ニ間 借 リ ヲ シ、 毎 日私 ノ家 ヘ出 勤 スル様 ニ スル事 、 其 新 シ
マセ ヌ。 然 シ尚 要 心 シ テ直 グ 電車 ニ乗 ラズ彼 方 此 方 ト廻 リ道 ヲ シ テ
テ早 速 靴 ヲ取 ツ テ裏 口 カ ラ ソ ツト 飛 ビ出 シ マシタ。 平 気 ヲ装 フ テ数
見 テ 、愈 々大 丈 夫 ト 判 ツ タノデ 帰 宅 シ九津 見 ニ大 叱 言 ヲ喰 ハシ マシ
﹁レポ ー タ ー﹂ 同 志 宮 下 ( 岡本) ノ事 ニ付 テ申 シテ置 キ タ イ ト 思 ヒ
ニ シタ ノデ ア リ マ ス。 私 ハ此 処 デ 先 ニ申 上 ゲ マ シ タ 地 方 委 員 会 ノ
町 歩 イ テ附 近 ヲ注 意 シ テ見 タ ガ 一向自 分 ノ後 ヲ付 イ テ来 ル者 モ アリ
タ。 夫 レデ 私 ハ二度 命 拾 ヒ ヲ シ タノデ ス。 此 時 ノ経 験 ガ身 ニ泌 ミ テ、
小 川 宛 ニ通 信 ス ルナ 、新 タ ニ通 信 場 所 ヲ知 ラ ス迄 通 信 止 メ ヨト 云 フ
リ マス。 私 ハ小川 方 カ ラ帰 宅 ス ルト直 グ 中央 部 及各 地 区責 任 者 宛 ニ
ノ家 ヘ行 キ マシタ ガ 、此 長 江 ノ家 デ 私 ハ危 ク捕 マル処 ダ ツタ ノデ ア
デ 検 挙 サ レカ ケ タ時 ノ コトデ 、 私 ハ行 キ場 所 ニ困 ツテ同 志 長 江甚 成
マス、 ソ シ テ其 結 果 ハ見 事 ニ失 敗 デ シ タ。 夫 レ ハ昭和 三年 十 月 浅 草
ト 堅 ク〓
決 心 シ マシ タ。 其 間 タ ツタ 一度 此 決 定 ヲ破 ツ タ事 ガ ア リ
検 挙 サ レタ モノ ト断 定 シ、断 ジ テ先 方 ノ家 ヘ乗 リ 込 ンデ ハナ ラ ナイ
警 察 ニ検束 サ レ取調 ベ ヲ受 ケ タ事 ガ ア リ マシ タ ガ、 何時 デ モ彼 ハ警
メ テ浅 イ 訳 デ ス。然 ル ニ此 男 ハ前 述 ノ争 議 中 及 其 後 モ何 カノ機 会 デ
労 働 運動 ニ這 入 ツタ ノ デ ア リ マ スカ ラ、 労 働 運 動 ニ於 ケ ル経歴 ハ極
フ 一点 デ アリ マシタ。 彼 ハ漸 ク前 年 ノ小 樽 沖 仲 仕 総 罷 業 ノ際初 メテ
ガ断然 彼 ヲ重 要 ナ ル地方 レポ ー タ ー ニ採 用 シ タ ノ ハ、 口ガ 堅 イ ト 云
ノ程度 ハ私 ノ娘 ノ 一燈 子 ノ夫 レ ヨリ モ劣 ル位 デ シ タ。然 モ私 ト武 内
デ アリ マシタ。 例 ヘバ ﹁パ ンフ レ ツト ﹂等 ヲ読 マシテ見 テ モ其 理 解
テ採用 シ タ者 デ 、彼 ノ革 命 理 論 ニ対 ス ル理解 ハ皆 無 ト 云 ツテ良 イ位
答 宮 下 ハ十 九 歳 位 ノ青 年 デ アリ マス。 此 男 ハ武 内 ノ推 薦 ニ依 ツ
四問 宮 下 ト被 告 ト ハ什 ウイ フ関 係 カ 。
マ ス。
夫 レ以来 会 合 ハ必 ズ 二重 ニ決 メ テ、第 一 ハ某 日 ノ何 時 某 所 、 若 シ其 時 会 ヘナ イ時 ハ夫 レカ ラ何 日 目 ノ何時 某 所 ト 云 フ風 ニ シテ会 フ カ、 毎 水曜 日何 時 某 所 、其 処 デ 会 ヘナ カ ツ タ時 ハ次 ノ水 曜 日 ハ場 所 ト 時
電 報 ヲ打 チ マシタ。 今 ヤ札 幌 ガ新 タ ニ責 任 者 ヲ失 ツタ ノデ ア リ マ ス。
ナ ラ ナイ ﹂ ト 云 ヒ ツケ ラ レタ事 ハ死 ヲ以 テ守 ツ タ ノデ ア リ マス。 私
察 ニ於 テ如何 ニ熱 烈 ナ 取調 ヲ受 ケ、 ド ンナ目 ニ遭 ツテ モ ﹁云 ツテ ハ
間 ヲ変 ヘテ何 時 某 所 ト 云 フ風 ニ決 メ、其 何 レデ モ会 ヘナ カ ツ タ時 ハ
レ マシタ。 彼 ハ途 中 健 康 ヲ害 シ、 殆 ンド 口 モ碌 々利 ケ ナ イ程 ノ重 態
然 シ夫 レト 入 レ違 ヒ ニ同 志 武 内 ガ苦 心 惨澹 シテ札 幌 ニ突 如 帰 ツ テ呉
ニ就 キ マシ タガ 、彼 ノ行 動 ハ如 何 ニ モ鈍 重 デ ア ル、諺 ニ云 フ箸 ノ上
内 ガ彼 ニ其由 ヲ伝 ヘマ スト彼 ハ快 ク夫 レヲ承 諾 シ マシ タ。 彼 ハ任 務
ー﹂ ニスベ キ男 ダ 、 早速 彼 ニ話 ヲ シ テ呉 レト 云 フ事 ニナ リ 、同 志 武
ハ同 志 武 内 カ ラ此話 ヲ聞 イ テ 、其 男 コソ地 方 委 員 会 ノ ﹁レ ポ ー タ
然 誤 ツ テ居 タ事 ヲ今度 初 メ テ函 館 ヘ行 ツテ体 験 シテ来 タ 、此 地 下 生
夫 レ ニ比 ベ テ同 志 勝 本 ノ生 活 ハ楽 ダ ト思 ツテ居 タ 、然 ル ニ此 考 ガ全
レ、 其 上 共 産 党 ノ非 合 法 活動 モア ルノ ダ カ ラ コ ンナ苦 シイ 事 ハナイ 、
ナ ンカ到 底 問 題 ニナ ラナ イ 、 又今 迄 細 心 ノ注 意 ヲ払 ツ タ積 リデ 大 丈
活 ノ苦 シ サ ニ比 ブ レバ 自 分 ノ今 迄 ノ合 法 舞 台 ニ於 ケ ル忙 シサ苦 シ サ
ゲ 下 シ ニ モ注 意 シテ ヤ ラ ネ バ ナ ラ ヌ有 様 デ シ タ。彼 自 身 ニ云 ハセ ル ト沖 仲 仕 ノ 労働 ノ方 ガ余 程 楽 デ 、 此 ﹁レポ ー タ ー﹂ ノ仕 事 ハ気 ヲ使
ツ タ﹂ 云 々ト 云 フ ノデ アリ マシタ。 私 ハ此 同 志 武 内 ノ意 見 ト同 様 ナ
夫 ト思 ツ テ ヤ ツ テ来 タ事 ガ全 ク隙 ダ ラケ ダ ツタ ト 云 フ事 ガ初 メ テ判
事 ヲ沢 山 ノ地 下 運 動 ニ這 入 ツ タ同志 カ ラ聞 キ マ シタ。 全 ク永 年 労 働
フ ノデ 苦 シク テ タ マラ ナ イ ト 云 フ ノデ ス。 ソ シ テ自 分 ガ 一体 什 ウ シ テ コンナ 重大 ナ任 務 ノ担 当 者 ニ選 マレ タ ノカ 合 点 ガ行 カ ナ イ 、然 シ
ノ ハ実 ニ此 合 法 的 生 活 ヲ シテ 居 ル党 員 ト地 下 生 活 ヲ シ テ居 ル党 員 ト
運 動 デ 鍛 ヘ上 ゲ タ立派 ナ闘 士 デ モイ ザ 地下 運 動 ト 云 フ事 ニナ ルト 最
ル ニ半 月 、 一月 ト経 過 スル ニ従 ツ テ ス ツ カリ 人 間 ガ変 ツテ仕 舞 ヒ マ
ノ連 絡 デ ア リ マ ス。 私 ハ僅 カ半 月間 デ ハア リ マ スガ 、函 館 デ 単 身 地
初 ノ中 ハ マルデ 素 人 同様 デ ス。 共産 党 ニ取 ツテ対 官 憲 上 一番 危 険 ナ
シ タ。 私 ガ 一々注 意 スル必 要 ノ ナイ 程 凡 テ ノ点 ニ自 ラ注 意 ヲ払 ヒ又
シ タ。 ソ シ テ仕 事 ヲ終 ル ト何 時 デ モ疲 レ切 ツ テ眠 リ 込 ミ マシタ。 然
最初 ノ様 ニ疲 レ切 ツテ眠 リ込 ム様 ナ事 モナ ク ナ ツ テ来 マシ タ。寧 ロ
ニ シタ ノデ ア リ マシ タ。
下 運 動 ノ経 験 ヲ積 ンデ来 タ同 志 武内 ガ 居 ルノデ 安 心 シ テ上 京 スル事
夫 レ丈 此仕 事 ヲ大 切 ニ思 ヒ、 注 意 深 ク ヤ ツ テ居 ルト 云 フノデ アリ マ
反 対 ニ眠 レナ イ事 ガ ア ル ト 云 フ風 ニナ ツ テ来 マシ タ。 之 デ 一人前 ノ 非合 法 ﹁レポ ー タ ー ﹂ ノ資 格 ガ出 来 タ ノデ ア リ マス。 私 ハ之 ト同 様
同志 ニ ハ ﹁ 名 レポ ー タ ー﹂ ト シ テ多 大 ノ尊 敬 ヲ払 ツ テ居 リ マス。 処
安 田 ガ 矢張 リ 此宮 下 ソ ツ ク リデ ア リ マシ タ。 私 ハ今 日 デ モ此 二 人 ノ
所 ヘ速 達 便 ヲ出 シ呼 出 シ マシ タガ 、其 時 間 ニヤ ツ テ来 マセ ヌ ノデ 心
聞 クト 共 ニ、 色 々注意 モ シタ イ ト思 ツテ新 タ ニ通 知 シ テ寄 越 シ タ場
シ タ。 途 中 函 館 ニ立 寄 ツ テ函 館 ノ新 責 任 者 某 ト会 見 シ其 後 ノ情 勢 ヲ
答 私 ガ札 幌 ヲ出 発 シ タ ノ ハ大部 予 定 ガ後 レテ 四月 上 旬 ニナ リ マ
五問 上 京 ノ模 様 ハ。
ガ斯 様 ナ事 ハレポ ー タ ー ノ ミデ ハア リ マセ ヌ。
ナ事 ヲ彼 ノ留 守 常 任 時 代 ニ同 志 安 田 ニ於 テ経 験 シ テ居 マシ タ。同 志
同志 武 内 ガ 只今 申 上 ゲ タ様 ニ愈 々私 ノ留 守 ヲ預 ツ テ仕 事 ヲ ス ルト 云
ヘ通 知 シ テ ヤ ルト 共 ニ、私 ガ少 シデ モ愚 図 々々函 館 ニ留 ツ テ居 ル事
ニ検 挙 サ レタ ト 云 フ事 ガ判 リ マシタ。 其 処 デ 其 事 ヲ直 グ 札 幌 ノ武 内
今 日迄 同 志 勝 本 ノ生 活 ヲ密 カ ニ羨 ンデ 居 タ、 ア ヽシテ全 然 非 合 法 的
ハ袋 ノ鼠 同 様 ナ 目 ニナ ルト思 ツタ ノデ 直 グ 函 館 ヲ出 発 シ 一直線 ニ上
当 リ ヘモ電 話 ヲカ ケ テ聞 キ合 シテ見 ルト、 私 ノ尋 ネ ル男 ハ其 前 日 カ
ニ生 活 シ、俗 務 ト離 レ テ居 レバ良 イ考 ノ浮 ブ ノ モ当 リ前 デ 、 自 分 ノ
京 致 シ マシタ。
フ事 ニナ ツタ時 、 私 ニ コ ンナ事 ヲ打 明 ケ マシタ。 彼 ノ 曰 ク ﹁自 分 ハ
様 ニ ヤ レ組 合 ダ、 労 農 党 ダ 、争 議 ダ ト 云 ツテ沢 山 ノ用 事 ニ追 ヒ廻 サ
同 日於 右出 張 先作 之
被
告
右 読 聞 ケ タ ル処 無 相 違 旨 申 立 署 名 拇 印 シ タリ 。
答 先ヅ 私 カ ラ同 志 渡 政 ニ対 シ、 第 二回 全 国組 織 会議 以後 ノ 北海
道 ニ於 ケ ル党 活動 及 三 ・ 一五事 件 ノ被 害 状 態 並 ニ夫 レ ニ対 シテ 北海
其時 私 ハ同 志渡 政 カ ラ聞 イ タ処 ノ 一般 情 勢 ハ大体 次 ノ如 クデ ア ツ タ
人 三 田村 四郎
清
ラ今度 ハ同 志渡 政 ガ当 時 ノ 一般 情 勢 ニ付 テ簡 単 ニ話 シテ呉 レ マシタ。
道 地 方委 員 会 ガ執 ツタ対 策 等 ヲ逐 一報 告 シ マシ タ。 夫 レガ終 ツテ カ
裁 判 所 書 記 菅 生
三 大 阪 、 神 戸 、 京 都 、 九 州 等 ノ各 地 方 並 ニ地区 委 員 会 ハ全 部 検 挙
モ、 一番 下 層 即 チ工場 細 胞 ハ残 ツ テ居 ルト 見 テ差 支 ナ カ ラ ウ
ア ルガ 、大 体 ニ於 テ東 京 同 様 党 組織 ノ中幹 部 ガ検 挙 ヲ受 ケ タ ケ レド
二 東 京 以外 ノ地 方 ノ情 勢 ハ連 絡 ガ 切 断 サ レ タ為 ニ全 ク消 息 不 明 デ
一 東 京 地方 委 員 会 ハ検 挙 ヲ免 レ テ活 動 ヲ続 ケ テ居 ル
ト 記 憶致 シ マス。
人 三田 村 四郎
一
告
予 審 判 事 小 泉 英
東 京 地方 裁 判 所
第 三十 八回 訊 問 調 書 被
右被 告 人 ニ対 シ訊 問 ス ル コト 左 ノ如 シ。
於 テ 、 予審 判 事 小 泉 英 一ハ裁 判 所 書記 菅 生清 立 会 ノ上 前 回 ニ引 続 キ
サ レテ仕 舞 ツ タ ラ シイ 、 然 シ彼 ノ総 選 挙戦 中 ニ中 央 部 カ ラ派 遣 シ タ
右治 安維 持 法 違 反 被 告 事 件 ニ付 、 昭和 五年 九 月 二 日豊 多 摩 刑 務 所 ニ
一問 北 海 道 ヨリ東 京 ニ到着 シ タ日 ハ何 日デ ア ツタ カ。
地方 委 員 会 カ ラ ハ最 近 通 信 ガ到 着 シタ
特 別 オ ル ガ ナイ ザ ー ハ検 挙 ヲ免 レ活動 シテ居 ル模 様 デ ア ル、 尚 中 部
記 憶 致 シ マセ ヌ、然 シ私 ガ東 京 ニ到 着 シタ ノ ハ兎 ニ角 四月 十 日 少 シ
四 三 ・ 一五事 件 以前 ノ党 ノ中 央 印 刷 所 及 中 央 事 務 局 ハ検 挙 サ レ タ、
答 私 ガ 三月 十 五 日事 件 後北 海 道 カ ラ上 京 シタ日 時 ハ只今 判然 ト
二問 東 京 ニ着 イ テカ ラ什 ウ シタ カ。
前 デ ア ツ タト 記 憶 致 シ マス。
正 一ガ無 事 デ ア ル等
五 党 中 央 部 ノ者 ノ内 同 志 佐 野 学 ハ国 外 ニ旅 行 中 デ ア リ、 同 志 市 川
然 シ直 チ ニ新事 務 局 ト新 印 刷 所 ヲ確 立 シタ
居 タ同 志 鍋 山 貞親 ノ家 ヲ訪 問 シ マシタ。 同 志 鍋 山 ハ私 ノ無事 ヲ非 常
タ ガ全 部 帰 還 シナ イ ノデ 、更 ニ第 二 ノ使 者 ヲ派 遣 シ テ各 地 ト ノ連 絡
六 検 挙 ガ始 マルト同 時 ニ関 西 、九 州 、信 越 、中 部 等 ヘ人 ヲ派遣 シ
答 私 ハ上 野 駅 ニ到着 ス ルト直 チ ニ当 時 本 郷 区 丸 山 町 ニ居 住 シテ
ニ喜 ンデ 、 早 速 私 ノ上京 シタ事 ヲ同 志 渡 辺 政 之 輔 ニ報 告 シ テ呉 レ マ
ニ努 メ タ、然 シ之 モ第 一ト同 様 夫 々目 的 地 ニ到 着 後 或 ハ目 的 地 ニ赴
シタ。 ソ シ テ同 人 ノ斡旋 デ 其 日 ノ夕 刻 デ ア ツ タ カ同 志渡 政 ト会 見 ス ル事 ガ出 来 マシ タ。
ク途 中 ニ於 テ警 官 ノ為 ニ逮 捕 サ レテ仕 舞 ツ テ凡 テ不 成 功 ニ終 ツタ 、
合 ハセ ル事 ニ シ タ、其 処 ヘ丁 度 君 ガ来 テ呉 レタ ノデ ア ル、 北海 道 ヘ
左 様 ナ都 合 デ各 地 ヘノ人 ノ派 遣 ハ モウ少 シ事 情 ガ 判 明 ス ル迄 一時 見
三問 渡 辺 ト 会 見 シ タ場 所 ハ。 答 東 京 府 下某 所 デ ス。 四問 渡 辺 ト 会 見 シ タ顛 末 ハ。
人 ヲ派 遣 シ ナ カ ツ タ理由 ハ、君 ハ大 丈 夫 捕 ツ テ居 ナ イ ト確 信 シ、安 心 シテ居 ツ タ カ ラダ 、悪 ク取 ラ ナ イ様 ニ シテ呉 レ。 尚同 志 渡 政 ハ更 ニ私 ニ向 ツテ 、
答 其 翌 日 ハ同 志 渡 辺 及 鍋 山 ト私 ノ三 人 ガ会 議 ヲ開 ク約 束 ニナ ツ
六 問 時 国 方 ニ落 付 イ テ カ ラ後 ノ行 動 ハ。
シテ約 束 ノ時 間 ニ会合 場 所 ニ行 キ マ シタ。 ソ シ テ其 処 デ 予 定 ノ如 ク
テ居 リ マシ タ ノデ 、朝 早 ク時 国 氏 宅 ヲ辞 シ、 市 中 デ 若 干 ノ私 用 ヲ済
三人 デ 会 議 ヲ開 催 致 シ マシタ。
一 同 志 市 川 ハ明 日 東 京 ヲ出 発 シテ旅 行 スル事 ニナ ツ テ居 ル、其 処 デ其 出 立 前 ニ同 人 ト 君 ト ヲ会 見 サ スカ ラ、 同 人 ニ直 接 北 海 道 ノ
セ ヌガ 、 大体 ニ於 テ次 ノ如 クデ ナ カ ツ タカ ト 記憶 致 シ マス。
答 其 時 ノ会 議 ノ内 容 ハ今 日 デ ハ詳 細 ノ事 ハ到 底 記 憶 シテ居 リ マ
八問 其 会 議 ノ内 容 ハ。
答 東 京 市 内 デ ス ガ詳 シイ事 ハ申 上兼 ネ マス。
七問 其 会 議 ノ場 所 ハ。
二 君 ハ此 儘東 京 ニ止 マリ中 央 部 ノ仕 事 ヲ助 ケ テ呉 レル事 、 従 ツ
事 情 ヲ詳 細 報 告 シテ貰 ヒ タイ
テ北 海道 ノ方 ハ同 志 武 内 ニ一任 シ家族 ヲ直 グ東 京 ニ呼 ビ寄 セル事
第 一ニ、 同 志渡 政 カ ラ簡 単 ナ ル情 勢 報 告 ガ ア リ マシ タ。 当 時 中 央 部
三 尚 一軒 ノ家 ニ中 央 部 ノ者 ガ 二人 モ同 居 ス ル事 ハ万 一ノ場 合 其 損 害 ヲ 二重 ニ ス ル結 果 ト ナ ルカ ラ、 君 ハ同 志 鍋 山 ノ家 ニ ハ帰 ラズ
ハ同 志 渡 政 ニ依 ツテ下 級 機 関 ヤ大 衆 団 体 内 ノ我 党 フ ラ ク シ ヨ ン等 ト
明 日同 志 市 川 ト 相 談 シ テ新 ニ住 居 ヲ決 定 スル事 ニ セ ヨ云 々 ト 云 フ命 令 ヲ致 シ マシ タ。 私 ハ勿 論 直 チ ニ之 ヲ承 諾 シ且 ツ北海 道 ノ
ノ連 絡 ガ執 レ テ居 タ ノ デ ア リ マシタ。 同 志 渡 政 ノ其 時 ノ報 告 ノ内 容
私 達 ガ 国 分寺 駅 ニ到 着 致 シ マスト 其処 ニ予 テ面 識 ノ間 柄 デ ア ル時 国
渡 政 ニ命 ゼ ラ レタ 通 リ北 海 道 ノ情 勢 ヲ同 志 市 川 ニ報 告 致 シ マシ タ。
両 人 同道 シテ自 動 車 デ 国 分 寺 駅 迄参 リ マシタ。 ソ レデ 其 車 中 デ 同 志
答 其 翌 日私 ハ同 志 市 川 ト 浅 草 公 園 デ 会 見 シ マ シタ 。 ソ シ テ其 儘
二 労農 政 党 、労 働 組 合 、 農 民 組 合 、 青 年 同 盟 及其 他 ノ 凡 ユ ル無 産
闘 争 ヲ展 開 シ ツ ヽア ル
建 ガ進 ンデ居 ル、而 シテ之 等 ノ工 場 細 胞 ハ弾 圧抗 議 及 指 導 者 奪 還 ノ
ス ルト関 東 即 チ東 京 及 京 浜 ハ地 方 委員 会 ノ指 導 ノ下 ニ工場 細 胞 ノ再
ツ タ、 従 ツテ最 近 ノ具 体 的情 勢 ハ不 明 ナ ル モ、今 日迄 ノ報 告 ヲ綜 合
一 昨 日即 チ会 議 前 日 ノ指 定 連 絡場 所 ヘ事 務 局 ノ者 ガ ヤ ツ テ来 ナカ
ハ 、
妻 九津 見 房 子 及 同 志 武 内 宛 ニ其事 ヲ 通告 シテ ヤリ マシ タ。
理 一氏 ガ同 志市 川 ノ荷 物 ヲ持 ツテ待 ツ テ居 リ マシ タ。 ソ シテ私 ト時
五問 市 川 正 一ト被 告 ト ノ会 見 ノ模様 ハ。
国 氏 ト ハ八 王 子 駅 迄同 一列 車 デ 同 志 市 川 ヲ見 送 リ 、 其 処 デ同 志 市 川
ハ労農 党 内 我 党 フラ ク シ ヨ ンノ活 動 ニ依 ツ テ近 日中 ニ具 体 化 スル処
者 団 体 ヲ糾合 シ タ ﹁ 暴 圧反 対 運 動 ノ為 ノ共 同 戦線 同 盟 ﹂組 織 ノ運 動
三 全 国 各 地 ニ弾 圧抗 議 ノ運 動 ガ起 ツ テ居 ル、然 シ今 日迄 ノ処 ハ大
迄遭ギ付 ケタ
ト別 レテ私 ト時 国 氏 ノ二 人 ハ帰 途 ニ就 キ マシ タ。 其 際 同 志市 川 カ ラ
ニ決 リ マ シタ。 ソ レデ 其 晩時 国氏 ノ処 ニ落 付 イ タ ノデ アリ マスガ 、
時 国 氏 ニ交 渉 ガ ナ サ レ テ、私 ハ当 分 ノ内 時 国 氏 ノ処 ニ厄 介 ニナ ル事
夫 レ ニ付 テ ノ詳 細 ハ既 ニ両角 判事 ニ申 上 ゲ タ通 リデ アリ マス。
者 ヲ奪 還 シタ処 モア ル、 夫 レ等 ハ都 市 ヨリ概 シテ農 村 ニ多 イ
ル。然 シ其 演 説 会 後 示 威 運 動 ヲ組 織 シ、所 轄 警 察 署 ニ押 掛 ケ テ検 挙
体 ニ於 テ其 闘 争 形 態 ハ暴 圧 抗 議 ノ檄 ノ発 表 又 ハ演 説 会 ノ開 催 等 デ ア
ニ中央 常 任委 員 デ 組 織 部 ヲ担 当 スル事 ニ決 定 致 シ マシタ。
任 委 員長 及政 治 部 長 ヲ兼 ネ、 同 志 鍋 山 ハ組 合 部 ヲ担 当 シ、私 ガ新 タ
ノ結 果 、 我 々三 人デ 新 中 央 常 任 委 員 会 ヲ構 成 シ、同 志 渡 政 ハ中 央 常
ハ如 何 。
一一 問 党指 導部 ヲ政 治 的 及組 織 的 ニ強 化 スル件 ニ付 テ ノ会 議 ノ内 容
答 鍋 山 ハ組 合 部 長 デ 私 ガ組 織 部 長 デ ア リ マシ タ。
一 〇問 組 合部 、組 織 部 ノ部 長 ハ。
勾 引 シ或 ハ共産 党 ト干 係 ナ キ被 検 束 者 ヲ釈放 シ始 メタ
一斉 ニ検挙 者 ニ対 スル拷 問 ヲ始 メ タ。 又 一旦釈 放 シタ者 ヲ更 ニ追 及
四 同 志某 ノ検 挙 ニ依 ツ テ当 局 ノ検 挙 方 針 ガ確 立 シタ モノヽ 如 ク、
五 近 日中 ニブ ルジ ヨア政 府 ハ共 産 党 検 挙顛 末 ヲ発 表 ス ル由 デ ア ル
尚 犠 牲 者救 援 会 ノ活 動 ニ干 シ テ報 告 ハア リ マシ タガ 、只 今 其 詳 シイ
全 大 衆 ノ支 持 ヲ得 ル事 モ出 来 ナ イ カ ラデ ア ル。 党 ノ指 導 部 ハ眼前 ニ
方 針 ガ 適 切 且 ツ確 実 デ ナ イ ナ ラ バ、 全 大 衆 ヲ把 握 ス ル事 モ又 従 ツテ
固 デ ナ ク テ ハナ ラナ イ 、何 ト ナ レバ、 若 シ党 指 導 部 ノ樹 立 シタ政 治
答 其 点 ニ付 テ ノ議 事 ノ内 容 ハ第 一ニ、 党 ノ指 導 部 ハ政 治的 ニ強
事 ニ付 テ ハ記憶 ガ ア リ マ セヌ。
等々
以 上 ノ同 志渡 政 ノ報 告 ニ基 キ我 々 三人 ガ協 議 決 定 シ タ事 ハ凡 ソ次 ノ
生 起 ス ル種 々 ナ ル事 件 ニ対 シテ 、厳 格 ニ レー ニ ン主 義 ノ原 則 ノ上 ニ
ノ下 ニ於 テ観 察 シナ ケ レバ ナ ラ ヌ。 又党 指 導 部 ハ実 ニ此 全 面的 ニ観
方 針 ヲ生 ミ出 ス為 ニ ハ、 党指 導 部 ハ個 々 ノ事 件 ヲ全 体 的 ナ政 治 干 係
毎 ニ右 往 左 往 ス ル様 ナ モノデ ア ツテ ハナ ラ ナ イ。 故 ニ党 ガ確 乎 タ ル
争 ノ先 頭 ニ立 タネ バ ナ ラ ヌ。 即 チ党 ノ方 針 ハ眼 前 ノ事 件 ガ変転 ス ル
レタ リ ア ート ノ執 ルベ キ態 度 及 政 策 並 ニ闘 争 ノ方 向 ヲ明 示 シ又其 闘
立 ツ テ、 誤 リ ナ ク夫等 ノ事 件 ノ本 質 ヲ解 明 シ 且 ツ夫 レ ニ対 ス ルプ ロ
如 クデ ア ツ タト記 憶 致 シ マス。 (1) 新 中 央 常任 委 員 会 編 成 ノ件 (2) 党 指 導部 ヲ政 治 的 及 組 織 的 ニ強 化 ス ル件 (3) 党 印刷 所 ノ強 固 化 ノ件 (4) 党 再 建 ノ根 本 方 針 ト メ ンバ ー ノ移 動 ニ干 ス ル件 (5) 工場 新 聞 ニ干 ス ル件
ダ ト 云 フ許 リ デ ナ ク、 下 級機 関 ヤ大 衆 団体 内 我 党 フ ラ ク シ ヨント ノ
ナ イト 云 フ不 安 ナ住 居 ニ居 ル。 又同 志 渡 政 ハ啻 ニ住 居 ガ同 様 不 安 定
察 シ、 考 究 シ得 ル余 裕 ヲ持 タネ バ ナ ラ ナ イ。
答 之 ヨリ以 前 同 志渡 政 カ ラ私 ニ向 ツテ、 今 後 常 任 委員 ノ 一員 ト
連 絡 応 接 ノ為 ニ殆 ンド席 温 マラズ ト 云 フ状 態 デ ア ル。 党 ノ中央 部 ハ
然 ル ニ現 在 ノ我 党 中央 部 ハ同 志 鍋 山 ハ何 時 官 憲 ニ襲 ハレ ル カ モ知 レ
ナ ツテ活 動 セ ヨト 云 フ事 ヲ命 ぜ ラ レ、私 モ之 ヲ承 諾 シ テ種 々党務 ニ
斯 様 ナ状 態 ニ ア ル事 ハ、 勢 ヒ党 ノ方 針 ガ目 先 ノ事 ニ捉 ハレ テ大 局 ヲ
(6) 地 方 機 関紙 ニ干 ス ル件 等 デ ス。
付 キ相 談 シ テ来 タ ノデ アリ マスガ 、此 三人 ノ会 議 デ 正 式 ニ其事 ガ提
九 問 新 中 央 常 任委 員 会 編 成 ノ件 ハド ンナ決 定 ニナ ツ タカ。
議 サ レ且 ツ 三人 ノ仕事 ノ 分 担 ヲ決 定 シタ ノデ ア リ マシ タ。 即 チ協 議
局 ヲ全 体 的 ニ充 分観 察 シ、兎 ニ角 向 フ半 歳 ナリ 一年 間 ナ リ夫 レヲ以
ハ敢 テ当 分 夫 レ ニ付 テ ハ目 ヲ ツブ ル事 ニシ テ、 党 ト シテ ハ現 在 ノ政
シ テ当 面 ノ事件 ニ付 テ大 衆 団 体 ガ多 少 ノ間 違 ヲ仕出 カ ソウ ト モ我 々
故 ニ、 同 志 鍋 山 ト渡 政 ハ直 チ ニ先 ヅ 安 全 ナ ル住 所 ニ移 転 ス ル事 、 而
誤 ル様 ナ結 果 ニ陥 ル危 険 ガ ア ル。
一 二問 印 刷 所 ノ強 固 化 ニ付 テ ノ議 事 ノ内容 ハ。
デ アリ マシタ。
定 メ、家 族 ガ到 着 シタ ナ ラ バ直 チ ニ適 当 ナ家 ヲ持 ツ事 、 以 上 ノ如 ク
便 且 ツ安 全デ ナ イ カ ラ 、即 時 市 内 デ 取 敢 ズ 二階 借 リ デ モ シテ居 所 ヲ
三 私 ノ新 住 所 デ ア ル時 国 氏 宅 ハ地 理 的 ニ モ其 他 ノ事情 ニ於 テ モ不
居 ヲ定 メ、専 ラ党 ノ根 本 的 ナ政 治 方 針 ノ樹 立 ニ努 メ ル事
答 同 志 渡 政 ノ報 告 ニ依 レバ、 党 中 央部 ノ新 印 刷 局 ハ東 京 地 方 委
テ押 シ進 ンデ行 ケ ル様 ナ政 治 方 針 ヲ樹 立 ス ル事 デ ア ル。 即 チ三 ・ 一
シ タ。 之 ハ元 来 東 京 地 方 委 員 会 ノ印 刷 所 デ ア ツタ ノ ヲ、 三 ・ 一五 事
員 会 ト 共同 デ 、然 モ東 京 地 方 委 員 会 ノ指導 下 ニア ルノ ダ ト 云 フ事 デ
五 事 件 以 前 ト 現在 トデ ハ政 治 情 勢 ニ 一大 変 化 ガ 生 ジ テ居 ル、然 モ我 党 ハ殆 ンド 壊滅 状 態 ニ陥 ツテ居 ル ノデ ア ル。 此情 勢 ニ対 シテ我 々 ノ
ニサ シテ居 タ ノデ ア リ マシ タ。 ソウ イ フ干 係 デ、 此 印 刷 局 ハ当 時 尚
件 ニ依 ツテ党 ノ中 央 印 刷 局 ガ 検 挙 サ レタ ノデ 早 速 中 央 部 ノ印 刷 モ共
方 針 ハ当 然 新 シク樹 立 サ レネ バ ナ ラ ヌ。 ソ シ テ現在 ノ政 局 ニ適 応 シ
事 件 ニ追 ハレ ルト 云 フ状 態 ニ陥 リ行
タ適 確 ナ ル政策 ヲ大 衆 ノ前 ニ明 示 スル事 ガ 必 要 デ ア ル。 然 ル ニ我 々 ノ現 在 ノ状 態 ハ明 カ ニ日 ニ〓 キ ツヽ ア ル。
ヨリ赤 旗 ノ原 稿 ヲ何 回 分 モ手 交 シタ ニ拘 ラズ 一向 刷 リ上 ツ テ来 ナ イ
東 京 地 方 委 員 会 ノ指 導 下 ニ置 イ テ ア ツタ ノデ ア リ マス。 処 ガ中 央 部
ハ中 央 部 ノ直 接 統制 下 ニ置 カ ネ バ ナ ラ ヌ モノデ ア ル。
ト 云 フ状 態 デ ア リ マシ タ。 ソ シテ 夫 レ ニ対 シテ此 常 任 委 員 会 ガ 討 議
第 二 ニ、平 時 ニ於 テ モ党 ノ指 導 部 ヲ官 憲 ニ渫 ハレナ イ為 ニ凡 ユル手
二 従 ツ テ現 在 ノ印刷 所 ヲ直 チ ニ中 央 部 ニ引 揚 ゲ 、 東京 地 方委 員 会
段 ヲ尽 シ テ防 護 ス ルト 云 フ事 ハ全 党 員 ノ義 務 デ ア ル。 就 中 今 日 ノ如
イ カ ラト ハ云 ヘ、 同 志 渡 政 ガ他 団 体内 ノ我党 フラ ク シ ヨ ンヤ下 級機
一 機 関 紙 ノ印 刷 所 ハ共産 党 ニ取 ツテ最 モ大 切 ナ機 関 デ ア ツテ 、之
関 ト直 接 会 見 スル ガ如 キ ハ危 険 千 万デ ア ル。 之 ハ直 チ ニ廃 止 シナ ケ
ト ノ干 係 ヲ切 断 ス ル事 。
シタ結 論 ハ次 ノ如 クデ アリ マシタ。
レバ ナ ラ ヌ。 ソ シテ同 志 渡 政 及 鍋 山 ハ厳 重 ニ会 見 スル人 ヲ制 限 シ、
三 夫 レ等 一切 ニ干 シ テ組 織 部 長 ガ直 接 調 査 指 導 ス ル事 等 ガ決 定 サ
ク弾 圧 ノ真 只中 ニ在 ツ テ ハ党 ノ指 導 [ 部 ] ヲ官 憲 ノ前 ニ防 護 ス ル ト
断 然 身 ノ安 全 ヲ期 シ ナ ケ レバ イ ケ ナ イ 云 々
レ マシ タ。
云 フ事 ハ真 ヅ 先 ニ為 サネ バ ナ ラ ヌ事 デ ア ル。 然 ル ニ如 何 ニ人 手 ガ ナ
ト 云 フノデ ア リ マシ タ。 之 ニ付 テ ハ種 々討 議 ノ結 果 次 ノ如 ク決定 致
答 此 会 議 デ決 定 サ レタ党 再 建 ノ根 本 方 針 ハ、 一九 二七 年 十 二月
一 三問 党 再 建 ノ根 本 方 針 ト メ ンバ ー ノ移 動 ニ付 テ ノ議 事 内 容 ハ。
一 今 日迄 同 志 渡 政 ガ執 ツ テ居 タ 一切 ノ連 絡 干 係 ヲ組 織部 ニ移 ス事
ノ我 党 ノ組 織 テ ーゼ及 一九 二 八年 二月 ノ第 二回全 国 組 織 会 議 ノ決 議
シ マシタ。
二 同 志 渡 政 及 鍋 山 ト ノ連 絡 ニ ハ私 ガ当 リ、 両 人 ハ群 馬県 辺 リ ニ住
機 関 紙 ノ印 刷所 ヤ事 務 局並 ニ東 京 地 方 委員 会 ガ既 ニ其 前 日検 挙 サ レ
ヲ再 建 スルト 云 フノデ ア リ マシ タ。 実 ハ此 会 議 ノ時 ニ ハ未 ダ前 述 ノ
配 布 網 ノ発 展 ト 交 互干 係 ノ下 ニ、 闘 争 ノ中 カ ラ工場 ヲ基 礎 ト シ テ党
ニ示 サ レ タ ル方 針 ヲ飽 ク迄 厳 守 シ、 当 面機 関 紙 赤 旗 及 臨 時 ノ檄 等 ノ
刊 ト ナ ツテ居 タ訳 デ ハア リ マセ ヌ。配 布 網 ト細 胞 組 織 ト ノ形 成 ガ発
争 議 日報 ハ名 称 ハ日報 ト ナ ツ テ居 マシタ ガ 、然 シ決 シ テ最 初 カ ラ日
リ マセ ヌデ シ タ。 彼 ノ浜 松 争 議 ノ時 ノ経 験 カ ラ申 シ マシ テ モ、 当 時
此赤 旗 日刊 ノ企 ハ実 際 ニ ハ実 現 シ マセ ヌデ シタ。 又実 現 スル筈 ガ ア
ニ此赤 旗 日刊 計 画 ヲ企 テ タ当 時 ハ、 反 対 ニ党 ノ組 織 ガ弾 圧 ヲ受 ケ、
夫 レデ モ屡 々休 刊 シ ナ ケ レバ ナ ラ ヌ日 ガ ア ツタ ノデ ア リ マ ス。 然 ル
日 ニ〓
達 ス ル ニ従 ツ テ発 行 回 数 ヲ増 加 シ、 遂 ニ日刊 ニ シタ ノデ ア リ マシ タ。
リ マス。 其 処デ 第 一ニ問 題 ニナ ツ タ ノ ハ機 関 紙 赤 旗 デ ア リ マス ガ、
テ 居 タ事 ヲ我 々 ハ知 ラ ナ カ ツ タ ノデ ア リ マス。故 ニ此 会 議 デ ハ夫 レ
此 機 関紙 赤 旗 ハ三 ・ 一五事 件 直 後 ノ中 央 常 任委 員 会 デ 当 分 ノ中 日 刊
等 ガ尚健 在 ニア ルト 云 フ見 地 ノ下 ニ、 凡 テガ協 議 決 定 サ レタ ノデ ア
ト スルト 云 フ計 画 ガ立 テ ラ レ、 其 計 画 ノ下 ニ印 刷 所 ニ原 稿 ガ送 ラ レ
マシテ モ実 力 ニ伴 ハナイ 計 画 デ ア ツ タト 申 サ ネ バ ナ リ マ セヌ。 斯 様
予 テ月 二 回発 行 デ ア ツ タ赤 旗 ヲ 一躍 日 刊 ニ セ ント シタ事 ハ何 ト 申 シ
態 デ アリ 、斯 様 ナ際 ニ ハ四囲 ノ状 勢 ガ 刻 々 ニ変 転 スル ノデ アリ マス
謀 ナ計 画 ト ハ考 ヘ マセ ヌデ シ タ。何 ト ナ レバ 、其 当 時 ハ全 ク戦 時 状
タ ノデ アリ マス。 私 自 身 ハ此 前 常 任委 員会 ノ赤 旗 日刊 計 画 ヲ左 程 無
ア リ マ スカ ラ、 其機 会 ニ 一層 党 ト党 ノ ス ロー ガ ン及 党 ノ根 本 政 策 ヲ
即 チ検 挙 ニ依 ツ テ 一般 大衆 ノ全 注 意 ガ共 産 党 ニ集 中 サ レテ居 ル ノデ
説 明即 チ プ ロパガ ンダ ニ重 点 ヲ置 イ タ モノ ニ スベ キデ ア リ マシ タ。
様 ニ、 反 対 ニ赤 旗 ヲ月 一回 発 行 ニ シ テ、然 モ党 及 党 ノ ス ローガ ン ヲ
ナ際 ニ ハ夫 レ コソ後 ニ コミ ン テ ル ン代表 カ ラ正 当 ニ注 意 サ レ マシ タ
破 壊 サ レテ行 キ ツ ヽア ル時 デ アリ マシタ。 斯 様 ナ際 ニ ハ、
テ居 タノデ ア リ マス。 然 シ夫 ハ前 述 ノ通 リ 一向刷 リ上 ツ テ来 ナ カ ツ
マス。私 ハ彼 ノ浜 松 争 議 ニ於 テ細胞 ノ 秘密 機 関 紙 ト シ テ争 議 日 報 ヲ
カ ラ、 夫 レ ニ対 シテ迅 速 ニ大衆 ニ方 向 ヲ与 ヘネ バ ナ ラ ヌ カ ラデ アリ
更 シ タ ニ止 マリ マシ タ。 即 チ赤 旗 日刊 ト 云 フ事 ハ実 際 ノ経 験 カ ラ云
宣 伝 スル処 ノ権 威 ア ル モノ ヲ出 版 ス ル事 ハ、 宛 モ時 宜 ニ適 シ タ大衆
刷 所 ガ シ ツカ リ シテ居 ル事 ト 、中 央 部 ト印 刷 所 ト ガ最 モ密 接 ニナ ツ
ツテ現 在 ノ我 党 ノ力 ヲ以 テ シ テ ハ到 底 実 行 不 可 能 デ ア ル故 ニ、 当 分
発 行 シタ経 験 ガ ア リ マ スノデ 、 却 ツ テ此 三・一 五事 件 直 後 ノ常 任委
テ居 ル事 ト ガ必 要 デ ア リ マス。 又或 ハ夫 レ ハ恰 モ中 央 部 ノ中 ニ印 刷
五 日目 毎 ニ発 行 ス ル事 、然 シ テ大体 一回 ノ頁 数 半 紙 四枚 ヲ限度 ト ス
レテ初 メ テ知 ツ タ事 デ 、此 会 議 ニ於 テ ハ赤 旗 日 刊 計 画 ヲ次 ノ様 ニ変
局 ガ ア ル位 ニナ ツ テ居 ナ ケ レバ 到底 不 可 能 デ ア リ マ ス。 現 ニ浜松 争
ル事 、 之 ナ ラバ 既 ニ北海 道 地方 委 員 会 其 他 ニ於 テ既 ニ実 行 シテ来 タ
獲 得 ノ政 策 デ ア リ マシ タ。然 シ夫 レ ハ コミ ンテ ル ン代 表 カ ラ注 意 サ
議 ノ時 ノ印 刷 所 モ北海 道 地方 委 員 会 ノ印 刷 所 モ当 該 委 員 会 ノ直接 監
経 験 ガ ア ル カ ラ、大 体 ニ於 テ無 理 ナ ク実 行 サ レ得 ルデ ア ラウ ト 云 フ
シ タ。然 シ乍 ラ此 計 画 ガ 兎 ニ角 曲 リ ナ リ ニデ モ実 行 サ レ ル為 ニ ハ印
督 下 ニ専 属 シ テ居 タ ノデ アリ マス。 然 シ此 後 者 ハ決 シ テ正 シイ方 策
事 ニナ リ マシ タ。 又機 関紙 赤 旗 ノ配 布 ノ方 法 ニ関 シ テ ハ、 此 会 議 デ
員 会 ガ決 定 シタ赤 旗 日 刊 ノ企 ヲ至極 時 宜 ニ適 シタ モノト考 ヘテ居 マ
ト 云 フ事 ハ出 来 ナイ ノデ アリ マシテ、 寧 ロ変 則 デ ア リ マス。
即 チ党 ハ右 ノ如 ク赤 旗 配 布 ノ準 備 ヲ ス ルト 共 ニ、各 重要 都 市 ヘオ ル
速 ニ配 布 網 ノ完 成 並 ニ工場 細 胞 ノ再 建 ヲ期 ス ル計 画 デ ア リ マシタ。
ニ次 ニ申 上 ゲ マスオ ルガ ナ イ ザ ー派 遣 及 党 員 ノ移動 ニ依 ツテ 一層 急
地 方 委 員 会 ヲ通 シ テ配 布 スル ト 云 フ計 画 デ ア リ マシ タ。 ソ レト同 時
シ 、更 ニ北 海道 其 他連 絡 ノ付 イ タ処 カ ラ次 第 ニ拡 大 シテ行 ク事 ト シ、
ル モノ ト思 ツ テ居 リ マシタ ノデ 、当 面 党 ノ再 建 ハ関 東 ニ全 力 ヲ傾 注
ハ当 時 未 ダ東 京 地 方委 員 会 ヤ北海 道 地 方 委 員 会 ガ無 事 ニ存 在 シテ居
一 四問 工場 新 聞 ニ干 ス ル議 事 内 容 ハ。
定 シ タ ノデ ア リ マス。
情 ア ル者 ハ報 告 アリ次 第 直 チ ニ夫 レ〓
東 京 ニ於 テ他 ノ任務 ニ就 カ シ ムル事 、 同 様 東 京 其 他 ニ於 テ右様 ノ事
山 口並 ニ床波 モ同 様 一先 東 京 ニ呼 寄 セ、 山 口 ハ関 西 方 面 ヘ、床 波 ハ
京 ノ同 志 某 ヲ同 志 武内 ノ協 力 者 ト シテ北 海 道 ニ送 ル事 及 室 蘭 ノ 同 志
山 名 ヲ東 京 ニ呼 ビ寄 セ テ東 京 地方 ノ オ ル ガ ナイ ザ ート シ、 其代 リ東
動 セ シ メ様 ト 云 フ事 ニ シタ ノデ ア リ マ ス。 ソシ テ取 敢 ズ 旭 川 ノ同 志
件 以 前 ノ赤 旗 ノ読 者 ヲ指 導 シ、 工場 細 胞 ヲ再建 セ シ メ ル必 要 ガ ア ル
マシ タ通 リ 、従 来 工場 新 聞 ハ凡 テ日 本 共産 党 何 々工場 細 胞 機 関 紙 ト
答 既 ニ第 二 回全 国組 織 会 議 ニ付 テ陳 述 シ タ際 一寸 申 上 ゲ テ置 キ
交 替 セ シ メ ルト 云 フ事 ニ決
ガ ナイ ザ ー ヲ派 遣 シテ急 速 ニ残 ツ テ居 ル工場 内 ノ党 員 及 三 ・ 一五 事
ト 云 フ事 ニナ リ マ シタ ガ、 先 ニ モ申 シ マシタ 通 リ 、現 ニ連 絡 ノ ア ル
云 フ署 名 ノ下 ニ発 行 サ レテ居 リ マ シタ。 勿 論 共 産 党 ノ工 場 細 胞 ハ党
場 新 聞 ヲ発行 シナ ケ レバ ナ リ マ セ ヌガ、 夫 レ ハ然 シ共 産 主 義 者 丈 ノ
ト 大衆 ト ヲ結 合 シ又大 衆 ヲ革 命 化 ス ル為 ニ、 夫 々当 該 工場 ニ於 テ工
依 ツ テ其 欠 陥 ヲ補 フト 云 フ事 ニ ナ ツ タ ノデ ア リ マ ス。
ノ労働 者全 体 ノ新 聞 ト ナ ルガ如 キ モノ ト シ テ発 行 サ レネ バ ナ リ マセ
機 関紙 ト 云 フガ如 キ モノデ ナ ク、 非 共 産 主 義 者 ヲ モ含 メ テ、其 工場
ハサ ナイ ト 云 フ状 態 デ ア リ マシ タ。然 シ之 ハ次 ノ党 員 移 動 ノ方 法 ニ
前 述 ノ如 ク 、北 海 道 ノ同 志 武 内 、 山 名 、 山 口等 ハ三・ 一五事 件 ノ勃
ノ ハ東京 丈 デ 、肝 腎 ノ派 遣 スベ キオ ル ガナ イ ザ ー ヲ中 央 部 ハ持 チ合
発 ト同 時 ニ地下 生 活 ニ移 シ マシ タ。然 シ室蘭 ノ同 志 山 口利 哉 、 床 波
一ニブ ルジ ヨア政 府 ノ共 産 党 検 挙 ニ最 モ良 キ手 懸 ヲ与 ヘル結果 ト ナ
ルト同 時 ニ、 工場 新 聞 ノ活動 力 ト其 使 命 ヲ極 メ テ狭 イ モノ ニ ス ル結
ヌ。然 ル時 工場 新 聞 ニ共 産 党 何 々 工場 細 胞 機 関 紙 ト署 名 ス ル事 ハ第
果 ニ陥 リ易 イ 故 ニ、 以 前 ノ様 ニ工場 新 聞 ニ共 産 党 何 々工場 細胞 ト署
均 等 ハ如 何 ニ巧 ニ隠 レ ルト シ テ モ、到 底 ア ノ狭 イ室 蘭 デ 永 ク地 下 運
ヲ知 ラ レテ居 ル カ ラデ アリ マス。 故 ニ党 ト シテ ハ斯 様 ナ事 情 ノ下 ニ
警 察 官 ニ充 分 顔 ヲ知 ラ レ テ居 ル許 リデ ナ ク、 其 土地 ノ市 民 ニ普 ク顔
動 ガ出 来 ル道 理 ガ アリ マセ ヌ。何 ト ナ レバ、 同 人 等 ハ啻 ニ当 該 地 ノ
ア ル党 員 ハ直 チ ニ他 ノ地 方 ニ移 動 セ シメ 、以 テ検 挙 ヨリ防護 シナ ケ
イ様 ナ名 称 ヲ附 シ テ発 行 ス ル事 、勿 論 共産 党 ノ 工場 細 胞 ガ其 工場 新
名 ス ル事 ヲ断 然 廃 止 シ、 其 代 リ当 該 工場 ノ全 労働 者 ニ最 モ親 シ ミ易
聞 ノ編 輯 及 発 行 ノ全指 導 ヲ行 ハネ バ ナ ラ ヌト 云 フノ デ ア リ マ シタ。
レバ ナ リ マ セヌ。 ソ シ テ斯 様 ナ事 情 ノ下 ニ在 ル党 員 ハ決 シ テ室蘭 ノ 同 志 山 口及 床 波 等 丈 デ ハナク 、各 地 ニ斯 ル党 員 ガ存 在 ス ルノ デ ア リ
関 紙 並 ニ赤 旗 ニ工 場細 胞 ノ所 在 ヲ 明記 シ、 細 胞 会 議 ノ決 議 又 ハ活 動
従 ツ テ此 決 議 ノ当 然 ノ帰 結 ト シ テ、彼 ノ 三 ・ 一五事 件 以前 ノ 地方 機 顔 ノ知 ラ レ テ居 ナ イ他 地方 ニ於 テ オ ルガ ナイ ザ ー ト シテ活
マス。 其 処 デ 協 議 ノ結果 、 之等 ノ党 員 ヲ 一切 直 チ ニ移 動交 替 セ シメ 、 夫 レ〓
ア ツ タ カ ハ只今 私 ニ ハ明 瞭 デ ア リ マセ ヌ。
三 ・一五事 件 直 後 ノ常 任 委 員 会 デ 決 定 サ レ タ モノ ヲ再 討議 シタ ノデ
ス。 之 等 ノ決議 ハ此会 議 デ 始 メ テ論 議 決 定 サ レ タ ノデ ア ツ タカ或 ハ
ヲ報 道 シ タ如 キ モ同 様 、今 後 断 然 廃 止 サ レ ル事 ニナ ツタ ノデ ア リ マ
常 任 委 員 会 デ決 定 サ レテ居 ル ノデ ア リ マシ タ。
関 紙 ノ廃 止 ノ ミ ハ只 今 申 上 ゲ マシ タ通 リ、 既 ニ三 ・ 一五事 件 直 後 ノ
方 機 関紙 ノ発 行 ハ廃 止 セ ヨト 云 フ命 令 ガ来 テ居 リ マス。 然 シ地方 機
マシ タ。 勿論 此 会議 ヨリズ ツ ト後 ニ、 コミ ン テ ル ンノ代 表 カ ラ モ地
直 後 ノ常 任 委員 会 ハ、斯 様 ナ弾 圧 ノ嵐 ノ中 デ ハ地 方機 関紙 ヲ発 行 ス
テ地 方機 関紙 ノ発 行 ヲ奨 励 シ タ ノデ ア リ マシ タ。然 シ三 ・ 一五事 件
ツ モノデ ア ルカ ラ、中 央 部 ノ思 想 的 統 一ノ下 ニ発行 ス ル事 ﹂ ト 云 ツ
ト 共 ニ地 方機 関紙 ハ党 ノ 工場 細 胞 組 織 ノ上 ニ極 メ テ有効 ナ働 キ ヲ持
上 ゲ テ置 キ マシタ ガ、 彼 ノ第 二回 全 国 組 織 会 議 ニ於 テ ハ ﹁工場 新 聞
レ テ来 ル郵便 物 ノ量 ハ相 当 目 ニ立 ツ程 ニ上 ツ テ居 リ マシタ。
セ ヌ ガ、 地 方都 市 デ ハ彼 ノ 三 ・ 一五 事 件 直 前 デ ス ラ中 央 カ ラ送 付 サ
マス。 大都 市 デ ハ小 包 郵 便 ガ頻 繁 ニ往 来 シ テ モ決 シテ注 意 ヲ引 キ マ
ア ル許 リデ ナ ク官 憲 ニ発 見 サ レル危 険 率 ガ多 イ ト考 ヘタ カ ラデ ア リ
ノ赤 旗 ヲ印刷 シ且 ツ之 ヲ 一々各 地 ニ送 付 ス ルト 云 フ事 ハ迚 モ困 難 デ
慮 シ タ結 果 ノ決 定 デ ア リ マ ス。 即 チ斯 様 ナ際 ニ ハ中 央 部 ニ於 テ多 数
大 ス ル様 ナ場 合 又 ハ此 会 議 当 時 ノ如 ク極度 ノ弾 圧 下 ニア ル場 合 ヲ考
スル事 ト シタ ノ ハ、例 ヘバ彼 ノ総 選 挙 戦 ノ時 ノ如 ク党員 ガ急 速 ニ増
尚 右 ノ決 定第 三 ニ於 テ各 地 方 委 員 会 ハ必 要 ニ応 ジ テ赤 旗 ヲ複 製 配 布
ル事 ハ危 険 デ ア ルト同 時 ニ、 斯 様 ナ際 ニ ハ全 体 ガ最 モ統 一的 ニ行 動
答 之 ニ付 テ モ更 ニ第 二回 全 国 組 織 会 議 ニ付 テノ陳 述 ノ際 一寸 申
一五 問 地 方機 関 紙 ニ干 ス ル議 事 ノ内 容 ハ。
シ ナケ レバ ナ ラナ イ故 ニ、地 方 機 関 紙 ノ発 行 ハ 一時 中 止 シ、其 代 リ
モノデ 、断 ジ テ絶 対 的 ナ モノデ ハア リ マセ ヌ。 ソ シテ 我 々 ハ当 時 ノ
勿 論彼 様 ナ事 ハ力 ノ干 係 ト技 術 ノ発 達 ノ程 度 ニ依 ツテ決 定 サ ル ベ キ
ル事 モ ア ルダ ラ ウ シ又或 時 ハ原 案 一部 宛 シ カ送附 出 来 ナ イ ト 云 フガ
我 党 ノ力 ノ状 態 ヲ計 量 シタ上 デ 、 或 時 ハ多 数 印刷 送 附 ス ル事 ガ出 来
中 央 機 関紙 ヲ日刊 ト シ、煽 動 記 事 即 チ報 道 記 事 ヲ豊 富 ニ シ ヤウ ト 云
迄 中 央 部 ト ノ連 絡 ガ杜 絶 シテ居 タ ノデ ア リ マスカ ラ、其 決 定 ハ此 会
フ事 ニナ ツ テ居 タ ノデ ア リ マ シタ。 勿 論 私 ハ三 ・ 一五事 件 以後 此 時
議 デ初 メ テ聞 イ タ ノデ ア リ マ ス。 而 シ テ此 会 議 デ ハ更 ニ此 問 題 ヲ討
又 各 地 方委 員 会 ハ夫 レ ニ依 ツ テ必 要 部 数 丈 複 製 シ テ配 布 ス ルナ ラ バ、
如 キ場 合 モ起 リ得 ルデ ア ラ ウ ト 云 フ事 ニ考 慮 シタ ノデ ア リ マ シタ。
一 地 方機 関紙 ノ発 行 ハ廃 止 スル事
議 シ テ次 ノ如 ク決 定 シ マ シタ。
中 央 ト 地 方 ト ノ郵 送 途 上 ニ於 テ官 憲 ニ検 挙 サ レ ル危 険 ヲ防 止 シ得 ル
三 地 方委 員 会 ハ必要 ニ応 ジ中 央 機 関 紙赤 旗 ヲ複 製 配 布 スル事
突 キ止 メ ル ニ迷 フ事 ニナ ルデ ア ラ ウト 云 フ考 カ ラ採 ツタ政 策 デ ア リ
ニ ナ ルデ アラ ウ。 然 ル時 官 憲 ハ抑 々何 処 ガ果 シ テ根 源 地デ ア ルカ ヲ
許 リデ ナ ク、同 一文 書 ガ書 体 ヲ異 ニシ テ数 万 部 発行 サ ルヽ ト 云 フ事
故 ニ先 ニ御 取調 ノ際 、 コミ ンテ ル ンノ指 令 ニ基 イ テ地方 機 関 紙 ヲ廃
マシ タ。実 ハ彼 ノ留 守 常 任 委 員 会 ガ 一九 二七 年 十 一月 七 日 ノ ロ シヤ
ヲ発 行 ス ル事
二 当 該 地 ノ特 種 ナ突 発 事 件 ニ対 シ テ ハ地 方委 員 会 ガ臨 時 ノ檄
止 スル事 ニナ ツ タノデ ア ルト述 ベ タ ノ ハ明 カ ニ私 ノ思 ヒ違 ヒデ ア リ
デ ア リ マシ タ。 但 シ此 決 議 ハ其 後 一九 二九年 一月 ノ組 織 会 議 ニ於 テ、
中 央 機 関 紙 ヲ地 方 委員 会 ガ複 製 頒 布 シ テ モ良 イ ト 云 フ決定 ヲ シタ ノ
ノデ ア リ マシ タ。 斯様 ナ経験 ガ ア リ マ スノデ 、 此 会 議 ハ前 述 ノ如 ク
発 行 シタ宣 言 ハ書 体 ヲ異 ニ ス ル事 数 十 種 、 其 総 数 一万 以 上 ニ達 シタ
ク テ十 一月 七 日 ノ ロシ ア革命 記念 日当 日 ニ ハ我 党 中 央 常 任 委 員会 ノ
夫 レヲ受 取 ツ タ労 働 者 ガ 更 ニ夫 レ ヲ複 製 頒 布 シタ ノデ ア リ マス。 斯
アリ マス。 各 地方 委 員 会 ハ此 指 令 通 リ之 ヲ複 製 頒 布 シ マシ タ処 、 又
タ。 ソ シ テ各 地方 委 員 会 ニ此 宣 言 ヲ複 製頒 布 ス ル事 ヲ指 令 シタ ノデ
ノデ アリ マス。 当 時 此 宣 言 ハ百 部 印 刷 サ レ夫 レヲ各 地 ニ送 附 シ マシ
革 命 記 念 ノ際 日 本 共産 党 中 央 常 任 委 員 会 ノ宣 言 ヲ発表 シタ事 ガ ア ル
テ事 務 局 ノ仕 事 ヲサ セ ル事 ト シ、 尚 同 志 岩 田 ヲ通 シ テ新 印 刷 所 員 及
込 中 ノ警 官 ノ為 ニ逮 捕 サ レタ事 ヲ知 リ マシ タ。 其 処 デ同 志 宮原 ヲ シ
来 ナ カ ツ タ カ ラト 云 ツ テ両 人打 揃 ツテ村 尾 ノ家 ヲ訪 問 シ、 其処 ニ張
員 デ ア ル門 屋 博 、浅 野 晃 ガ 東京 地方 委 員 長 村 尾 薩 男 ガ約 束 ノ場 所 ニ
会 議 ノ前 日 ニ東 京 地 方 委員 会 及印 刷 所 ノ検 挙 サ レタ事 並 ニ新 事 務 局
ア リ マ ス。 ソ レデ 夫 レ カ ラ数 日後 ニ初 メテ 我 々 ハ前 述 ノ常 任 委 員 会
久 ト会 見 致 シ マシ タ。 爾 来 其 両 人 ヲ通 ジ テ党務 ヲ遂 行 シテ来 タ ノデ
道 及主 ト シテ労 働 組 合 方 面 ト ノ連 絡 ニ当 ツ テ居 タ同 志 桜 井 事 宮 原 省
導 シ且 ツ労農 党 内 党 フラ ク シ ヨ ンノ連 絡 ニモ当 ツ テ居 タ同 志 岩 田義
ノ決 定 ニ基 キ 、其 頃 同 志 渡 辺 ノ紹 介 デ当 時 主 ト シ テ無 産 者新 聞 ヲ指
答 ソウ デ ス、私 ハ只今 其 日時 ハ記 憶 致 シ マセ ヌガ 、前 述 ノ会 議
北 海道 ヘノ派 遣 員 ヲ物 色 シテ貰 ヒ マシ タ。 然 シ夫 レ等 ニ干 シテ ハ後
中 央 機 関 紙 ヲ其 儘 ソ ツク リ複 製 スルト 云 フ事 ハ禁 ズ ルト 云 フ事 ニ変 更 サ レ テ居 マス。 夫 レ ニ付 テ ハ当 然 後 ニ申 上 ゲ マス。
答 常 任 委 員 会 デ 決 定 シ タ其 二人 ノ群馬 県 下 ヘノ移 住 ハ早 速 両 人
一 八 問 渡 辺 及 鍋 山 ノ住 居 移 転 ハ什 ウ シ タカ 。
述 シ マス。
時 ニ我 々 ハ評 議 会 、 労 農 党 及 無 産 青年 同 盟 ノ 三団 体 ガ政 府 ニ依 ツ テ
等 ガ同 地方 ヲ視 察 シ マシ タ ガ、 適当 ナ家 屋 ガ ア リ マセ ヌデ シ タ。 只
答 以 上デ 此 会 議 ハ終 ツ タ ノデ アリ マスガ 、 丁度 此 会 議 ガ終 ツ タ
一 六問 其 会 議 デ ハ其 他 ニ談 合 シ タ事 ハ無 カ ツタ カ。
レデ 取敢 ヘズ 此 ブ ルジ ヨア政府 ノ三 団体 解 散 命 令 ニ対 ス ル抗 議文 ヲ
解 散 ヲ命 ゼ ラ レタ ト 云 フ某 日刊 新 聞 ノ 号 外 ヲ見 タ ノデ ア リ マス。 夫
答 私 ハ只 今 日 時 ヲ記 憶 シ マセ ヌガ 、前 述 ノ常 任 委 員 会 ノ決 定 ニ
一 九問 被 告 ノ住 所 家族 ニ付 テ ハ什 ウ シタ カ。
同 志 鍋 山 丈 ハ什 ウ ニ カ 一軒 探 シ当 テ ヽ即時 前 橋 市 ニ移 転 シ マシ タ。
ラ ク シ ヨ ン ニ モ其 由 ヲ伝 ヘル事 ニ致 シ マシ タ。 右 ノ抗 議文 ハ同 志 渡
基 キ本 郷 区 内 ニ於 テ会 社 員 某 ト 云 フ変 名 デ 早 速 二 階 借 リ ヲ致 シ マシ
作 成 シ、 之 ヲ印 刷 所 ニ廻 ス事 ニ ス ルト同 時 ニ、 無 産 者 新 聞内 ノ党 フ
シ テ ノ方 針 ヲ決 定 ス ル為 ニ特 別 会 議 ヲ開 催 スル事 ト シ テ散 会 致 シ マ
政 ガ即 座 ニ起 草 致 シ マシ タ。 ソ シテ此 三団 体 解 散命 令 ニ対 ス ル党 ト
ニ派 遣 ス ル事ニ 致 シ マ シタ。 然 ル ニ其 男 ハ北 海道 ヘ出 発 ノ準 備 中 ニ
タ。 夫 レト 同時 ニ 一方 常 任 委 員 会 ノ決 定 通 リ東 京 ノ同志 某 ヲ北 海 道
一 七問 其 会 議 後被 告 ハ渡 辺 政 之 輔 ヨリ組 織部 ヘノ連 絡 事 務 ノ引 継 ヲ
タ。 此亀 井 君 ハ私 ノ記 憶 ニ シ テ間 違 ナ ケ レバ当 時 未 ダ党 員 デ ハナ カ
検 挙 サ レ テ仕 舞 ツタ ノデ 、 更 ニ同 志 亀 非 某 ヲ北海 道 ニ派 遣 致 シ マ シ
シ タ。
受 ケ タカ。
ツ タ ト思 ヒ マス。然 シ亀 井 君 ト私 ト ハ評 議 会 時 代 カ ラノ知 友 デ ア ツ
東京地方裁判所
裁 判所 書 記 菅 生
清
テ、 私 ハ同 君 ヲ真 面目 ナ青 年 ト シ テ知 ツ テ居 リ マシタ。 私 ガ同 君 ヲ
予 審 判 事 小 泉 英 一
ノ家 族 ヲ東 京 ニ呼寄 セ ル事 丈 ニ使 ヲ シ テ貰 ツ タ ニ過 ギ マ セ ヌ。 然 シ
北 海 道 ヘ派 遣 シタ ノ ハ、単 ニ同 志 武 内 ニ対 ス ル伝 言 、同 志 山 名 及 私
皆 検 挙 サ レテ仕 舞 ツテ居 タ ノデ シ タ。 故 ニ亀 井 君 ハ態 々北 海 道 迄 捕
キ右被 告 人 ニ対 シ訊 問 スル コト左 ノ如 シ。
ニ於 テ、 予審 判 事 小 泉 英 一ハ裁 判 所 書 記 菅 生清 立 会 ノ上 前 回 ニ引 続
右 治 安維 持法 違 反 被 告 事 件 ニ付 、 昭 和 五 年 九 月 三 十 日豊 多 摩 刑 務 所
人 三田 村 四郎
マリ ニ行 ツタ様 ナ モノデ シ タ。 私 ハ亀 井 君 ガ逮 捕 サ レタ事 ヲ即 日 知
告
ル事 ガ出来 マシタ。 何 ト ナ レ バ我 々 ハ若 シ同 君 ガ無 事 北 海 道 ニ到 着
一問 被 告 ハ昭 和 三年 五 月 下 旬 頃 、 浅 草 公 園 団十 郎 銅 像 附 近 デ 相 馬
被
シ タ際 或文 面 ノ電 報 ヲ打 ツ テ寄 越 スト 云 フ約 束 ガ シテ ア ツ タ ノデ ア
一郎 ノ連 絡 ニ依 リ景 山 事 中 川 為 助 ニ会合 シテ 、同 人 ヲ北 海 道 地 方 ノ
第 三 十九 回訊 問 調 書
リ マス。 ソ シテ丁 度 亀 井 君 ガ北 海 道 ヘ到着 シタ ト思 ヘル時 間 ニ発 シ
同 君 ガ北海 道 ニ到 着 シタ時 ニ ハ既 ニ私 ノ家 族 始 メ、前 述 ノ諸 同 志 ハ
タ電 報 ガ参 リ マ シタ ガ、 其 電 報 ニ ハ私 ト亀 井 君 トデ 約 束 シ タ肝 腎 ノ
其 時 日本 共 産 党 ニ加 盟 シ タ モ ノト思 ツテ 小樽 ヘ赴 任 シ タ様 ニ述 ベ テ
二問 中 川 為 助 ハ被 告 ト 其 時 会 ツ テ小樽 ヘ派 遣 命 令 ヲ受 ケ タ ノデ 、
答 ソウイ フ事 柄 ニ干 シ テ ハ御 答 ヘ致 シ兼 ネ マス。
オ ルガ ナ イ ザ ー ト シ テ小 樽 ヘ派 遣 シ、 百 円 ヲ与 ヘタ事 ハナ カ ツ タ カ。
ル事 及亀 井 君 ガ犠 牲 ト ナ ツ タ事 ヲ知 ツタ ノデ ア リ マ シタ。
居 ルガ如 何 。
文 字 ガ 抜 ケ テ居 ツタ カ ラデ ア リ マス。 夫 レデ 私 ハ其 電 報 ガ偽 電 デ ア
ス事 モ凡 テ水泡 ニ帰 シ タ許 リデ ナ ク、前 述 ノ如 ク東 京 地 方 委 員 会 及
三問 当 時 党 ノ中央 部 デ ハ組 織 拡 大 ヲ計 ツテ居 タ ノデ ハナイ カ 。
答 其 点 ニ付 テ モ申 兼 ネ マス。
斯 ク テ私 ノ家 族 ヲ呼 寄 セル事 モ、同 志 山名 及 山 口、 床 波 等 ヲ移転 サ
ン ハ全然 無 効 ト ナ ツ タ訳 デ ア リ マス。 故 ニ我 々 ハ新 タ ニ計 画 ヲ 一カ
印刷 所 ガ検 挙 サ レタ為 ニ、彼 ノ新 常 任 委 員 会 デ 決 定 サ レ タ組 織 プ ラ
答 其 点 ニ付 テ ハ順 序 ヲ追 フテ述 ベ ル事 ニ致 シ マ ス。
四問 被 告 ハ同 年 四 、五 月 中岩 田義 道 ガ編 輯 シタ無 産 者 新 聞 ニ 対 シ
ラ立直 サ ネ バ ナ ラ ナ ク ナ リ マシ タ。 ソ レデ 其 為 再 ビ会 議 ヲ開 キ新 方
事 ニ付 テ ハ御答 ヘ致 シ兼 ネ マス。
ヌ、 然 シ当 時 私 ト岩 田 ト ノ間 ニソ ンナ干 係 ガ ア ツ タカ 什 ウ カ ト 云 フ
ヘテ来 テ居 マス。 ソ シ テ夫 レ ハ御 尋 ネ ノ時 期 ニ限 ツ タ事 デ ア リ マセ
答 日本 共 産 党中 央 部 ハ無 産 者 新 聞 発 刊 以 来 毎 号 批 判 ト 指 導 ヲ与
針 ヲ確 立 シタ ノデ ア リ マ ス。
人 三 田村 四郎
テ毎 号 批 評 ト 次 号 ノ指 導 ト ヲ与 ヘテ居 タ事 ガ ア ル カ。
答 同 一ノ モノデ ス。 告
二〇 問 東 京 地方 委 員 会 ト 云 フノ ハ関 東 地方 委 員 会 ト ハ別 個 ノ モノ カ。
被
右 読 聞 ケ タ ル処 無相 違 旨申 立 署 名 拇 印 シ タ リ。 同 日於 右 出 張 先 作 之
被
告
右読 聞 ケ タ ル処 無相 違旨 申 立 署 名 拇 印 シ タ リ。 同 日於 右 出 張 先 作 之
人 三 田村 四郎
ノ形 態 ハ多種 多 様 デ ア リ マ ス。 然 シ其 本 質 ハ 一様 ニブ ルジ ヨア独 裁
デ ア リ マス。 日 本 現在 ノ国 家 モブ ル ジ ヨア独 裁 ノ国 家 デ アリ マス。
ス。 日本 共 産 党 ハ君 主制 廃 止 ヲ行 動 綱 領 ノ 一ツ ニ掲 ゲ テ居 マスガ 、
我 々 ハ此 ノ日 本 ノブ ルジ ヨ ア国 家 ヲ破 壊 ス ル事 ヲ目 的 ト シ テ居 リ マ
之 ハ無 政 府 主 義 者 ノ君 主 ノ暗 殺 ト ハ断 然 区 別 サ レ ル事 ヲ要 シ マス。
東 京 地方 裁 判 所 清
裁 判 所 書 記 菅 生
我 党 ハ 一人 、二 人 ノ君 主 ガ問 題 ナ ノデ ナ ク 、君 主 制 ノ廃 止 ガ問 題 ナ
ノデ ス。 又共 産 党 ハ生 産 手 段 ノ私 有制 ヲ廃 止 シ、之 ヲ国 有 ト スル事
予 審 判 事 小 泉 英 一
ヲ目的 ト シテ居 リ マ ス。 之 ヲ単 ニ私 有 財産 制 度 ヲ廃 止 ス ルト 云 ツ タ
ノデ ハ共産 党 ノ 目的 ト スル ト コ ロト 相 違 シ マス。 共産 党 ノ目 的 ト ス
第 四十 回訊 問 調 書 人 三 田村 四郎
ルト コ ロ ハ生産 手 段 ノ私 有 制 ノ廃 止 デ アリ マス。 私 ハ日本 共 産 党 ヲ
告
右 治 安 維 持 法 違反 被 告 事 件 ニ付 、 昭 和 五年 十 一月 七 日豊 多 摩 刑 務 所
斯 ル モ ノト承 知 シテ 入党 シ マシ タ。
被
ニ於 テ、 予 審 判事 秋 山 高 彦 ハ裁 判 所 書 記 鹿 田清 次 立 会 ノ上 前 回 ニ引
云 々以 下 全 部 ヲ取 消 シ マス。 又同 志 市 川 ニ関 シ テ ノ陳 述 中 ﹁ 然 シ本
第 四問 ノ答 中 同 志 井 之 口 ニ関 シテ ノ陳 述 中 ﹁即 チ三 ・ 一五事 件 後 ﹂
志 デ スト 云 フ陳 述 ヲ取 消 シ マス。
答 第 二 回 訊問 調 書 中 第 三問 ノ答 ニ殊 ニ日 本 共 産 党員 ト シテ ノ同
三問 次 ハ。
消 シ マ ス。
第 七問 及 第 八問 ノ答 全 部 ハ前 述 ノ第 二問 ノ答 ノ取 消 ニ ヨ ツテ当 然 取
続 キ右 被 告 人 ニ対 シ訊問 ス ル コト左 ノ如 シ。 ︹ 予 審 判 事 ハ被 告 人 ノ各 予審 訊 問 調 書 ヲ示 シ タ ル上 ︺ 一問 是 マデ ノ被 告 人 ノ申 立 ハ凡 テ事 実 ノ通 リカ 。 答 従 前 ノ申 立 中 ニ ハ事 実 ニ相 違 シテ居 ル点 ガ数 多 アリ マ スカ ラ 補 正 ノ申 立 ヲ致 シ マス。
答 先 ヅ 第 一回 予 審 訊 問 調 書中 、第 二問 ノ答 ニ於 テ、 私 ガ同 志 渡
二問 ソ レ ハ如 何 ナ ル点 カ。
辺 政 之輔 ノ推 薦 ニ ヨリ日 本 共産 党 ニ入党 シタ ト陳 述 シ テ居 リ マスガ 、
又同 志 鍋 山 ニ関 シ テ ノ陳 述 中 ﹁ 尚 昭和 二年 末 頃 カ ラ ハ互ニ」 云 々以 下 全 部 ヲ取 消 シ マ ス。
当 ニ相 知 ツ テ交 友 スル ニ至 ツタ ノ ハ﹂ 云 々以下 全 部 ヲ取 消 シ マス。
第 七問 ノ答 全 部 ヲ取 消 シ マ ス。
右 ハ全 ク私 ノ考 ヘ違 ヒデ ア リ マシ タカ ラ取 消 シ マ ス。
日 本 共産 党 ハブ ルジ ヨア ノ独 裁 ヲ倒 シ、 プ ロレタ リ ア ノ独 裁 ニ ヨツ
第 三問 ノ答 全 部 ヲ取 消 シ次 ノ如 ク訂 正 シ マス。
テ共産 主 義 ヲ実 現 セ ント スル労 働 者 階 級 ノ 政 党デ ア ツ テ、 特 ニ立 憲
四問 次 ハ。
答 第 三 回訊 問 調 書 中 第 五 問 ノ答 全部 ヲ取消 シ マ ス。
君 主制 ヲ廃 止 ス ル事 ヲ目 的 ト シ タ政 党 デ ハアリ マセ ヌ。 日本 現 在 ノ 国 家 ハ立 憲 君主 国家 ダ ト 云 ハ レテ居 リ マス ガ、抑 モブ ルジ ヨア国 家
従 ツテ第 六 問 乃 至 第 十 六問 ノ答 全 部 ヲ取 消 シ テ頂 キ マス。 五問 次 ハ。 答 第 四回 訊問 調書 中 第 二問 ノ答 ハ事 実 ト 相 違 シ マスカ ラ取 消 シ マ ス。
従 ツ テ第 三問 及第 四問 ノ答 ヲ取 消 シ マス。 第 六 問 ノ答 ハ事 実 ト相 違 シ マ スカ ラ取 消 シ マス。 第 十 六問 ノ答 全 部 ヲ取 消 シ マ ス。
﹁五色 温 泉 ニ於 ケ ル党 大 会 ノ翌 日 小野 川 温 泉 ニ於 テ第 一回 中 央 委員
申 上 ゲ マ ス。
テ中 央 委 員 ニ引 上 ゲ ラ レ、正 中 央 委 員 ト シ テ同 委 員 会 ニ出席 シ タノ
会 ガ開 カ レ マシ タ。 私 ハ中 央 委 員 中 欠 員 ガ ア リ マシ タ ノデ 補 欠 ト シ
一 中央 委員 ノ事 務分 担 及専 門 部 ノ編 成 其 他
デ ス。 同 委員 会 ニ於 ケ ル議 事 ハ、
二 北浦 千 太郎 処 分問 題
ノ二 ツ丈 ケ ガ 現在 私 ノ記 憶 ニア リ マス﹂
第 九 問 ノ答 中 私 ガ同 志 渡 辺 政 之 輔 カ ラ赤 旗 ヲ貰 ツ テ居 タ ト陳 述 シ テ
従 ツテ第 四問 乃 至 第 八 問 ノ答 全 部 ヲ取 消 シ テ頂 キ マ ス。
一 〇 問 次 ハ。
選 任 サ レタ カ私 ニ ハ判 リ マセ ヌ。
私 ガ何 故 入党 後 日尚 浅 キ ニ拘 ラズ 五 色 大 会 ニ於 テ中 央 委 員 候 補 者 ニ
キ マス。
第 六問 ノ答 全 部 事 実 ト相 違 シ マ スカ ラ取 消 シ、次 ノ如 ク訂 正 シテ頂
居 ルノ ヲ取 消 シテ頂 キ マス。
答 第 五 回訊 問 調 書 中 第 三問 ノ答 全 部 ヲ取 消 シ マス。
六 問 次 ハ。
七問 次 ハ。
全 部 取 消 シ マ ス。
答 第 九 回 訊 問 調 書 中 第 二問 ニ対 ス ル答 ハ事 実 ト相 違 シ マ スカ ラ
ノ中 ニ入 レル事 ハ誤 解 ヲ惹起 シ マスカ ラ削 除 シテ頂 キ マス。
従 ツテ第 四問 、 第 五 問 ノ答 全 部 モ取消 シテ頂 キ マ ス。
答 第 六 回訊 問 調 書中 第 二問 ノ答 ニ於 テ同 志 森 田京 子 ヲ此 ノ陳 述
第 八問 及 第 九 問 ノ答 全 部 ヲ取 消 シ マス。
第 六問 ノ答 ハ事 実 ト相 違 シ マスカ ラ全 部 取 消 シ マ ス。
答 第 七 回 訊問 調 書中 第 二問 乃至 第 四問 ノ答 全 部 ヲ取 消 シ マス。
八 問 次 ハ。
テ頂 キ マス。
第 七問 ノ答 ハ全 ク私 ノ思違 デ ア ツタ事 ガ判 リ マシ タ カ ラ全 部 取 消 シ
ゲ テ居 リ マスガ 之 ヲ全 部 取消 シテ頂 キ マス。
一一 問 次 ハ。
第 八問 ノ答 ハ全 ク私 ノ思 違 デ シタ カ ラ全 部 取 消 シ マス。
第 五問 ニ対 ス ル答 中福 本 和 夫 、 佐野 文 夫 、 渡 辺 政 之 輔 等 ノ氏 名 ヲ挙
第 十 問 及 第 十 二問 ノ答 ヲ全 部 取 消 シ マ ス。
九 二七年 二 月 上旬 開 催 サ レタ事 及 其 委 員 会 ニ私 ガ出 席 シタ事 丈 ケ ハ
マ スカ ラ全部 取 消 シ テ頂 キ マス。 但 シ其 第 一回 中央 常任 委 員 会 ガ 一
答 第 十 回 訊問 調 書 中 第 二問 及 第 三問 ニ対 ス ル答 ハ事 実 ト相 違 シ
答 第 八 回 訊問 調書 中 第 二問 乃 至 第 五 問 ノ答 ハ事 実 ト相 違 シ マ ス
九 問 次 ハ。
カ ラ取 消 シ マス。 ソ シ テ改 メ テ右 小 野 川 温 泉 ノ会合 ニ就 テ 一括 シ テ
様 ニ申 述 ベ テ居 マスガ 、 之 ハ前 ニ訂 正 シタ通 リ同 人 カ ラ受 取 ツタ モ
第 五問 ノ答 ニ於 テ政 治 テ ーゼ及 組 合 テ ー ゼ ヲ同 志渡 辺 カ ラ受 取 ツタ
事 実 デ ス。
一 四問 次 ハ。
議 会 ノ フ ラ ク シ ヨ ン ニ指 令 ヲ伝 ヘタ事 ハ事 実 デ ス。
第 十 一問 ノ答 中 ニ ア ル責 任 者 国 領 五 一郎 ノ名 ヲ取 消 シ マス。但 シ評
答 第 十 四 回 訊問 調 書中 第 三問 ニ対 スル答 全 部 ヲ事 実 ト相 違 シ マ スカ ラ取 消 シ マス。
ノデ ア リ マセ ヌ カ ラ其 点 丈 ケ削 除 シテ頂 キ マ ス。 其 他 ハ事 実 デ ス。 第 六問 乃 至 第 九 問 ノ答 ハ事 実 ト相 違 シ マ スカ ラ全 部 取 消 シ マス。
第 四問 答 中 ノ ﹁志 賀義 雄 ガ 矢 張 リ ﹂ 云 々以 下 全 部 取 消 シ テ頂 キ マス。
第 八問 乃 至 第 十 問 ノ答 ハ事 実 ト相 違 シ マ スカ ラ全 部 取 消 シ マス。
第 十 問 乃 至 第 十 四問 ノ答 ハ事 実 ト相 違 シ マ スカ ラ全 部 ヲ取 消 シ マス。
答 ヲ ﹁サ ウ 云 フ事 実 ナ シ」 ト改 メテ頂 キ マス。
第 八問 ノ答 ハ私 ノ思 違 デ シ タカ ラ全 部 取 消 シテ頂 キ マ ス。 ソ シ テ其
第 六問 及 第 七 問 ノ答 全 部 ハ事 実 ト相 違 シ マスカ ラ取 消 シ マス。
一二問 次 ハ。
第 十 二問 ノ答 ノ末 尾 ﹁ 当 時 統 一同 盟 ニ ハ日 本 労 働 組 合 評 議 会 カ ラ出
答 第 十 一回 訊 問 調 書中 第 二問 及 第 三問 ノ答 ハ全 部 取 消 シ マス。
タ ﹂ 云 々ト ア ルト コ ロ ヨリ以下 全 部 取 消 シ マ ス。 其 理 由 ハ日 本 共産
一 五問 次 ハ。
リ マ セ ヌ。 従 ツ テ留 守 中央 常 任委 員 会 ガ代 表 一行 ト連 絡 スル ニ至 ツ
カ ラ取 消 シ マ ス。 同 志 中 尾 ガ私 ノ家 ヘ来 タ事 モ同 居 シ テ居 タ事 モア
答 第 十 五 回 訊問 調 書中 第 二問 及 第 三問 ノ答 ハ事 実 ト相 違 シ マス
党 ノ主 張 ガ正 シ ク且 ツ統 一同 盟 ガ階 級 的 立 場 ニ立 ツ テ居 ルカ ラ、 我
ガ居 ルカ ラ ト 云 フ事 ノ ミ ニ ヨル モノデ ナ イ カ ラデ ス、 ト 同 時 ニ私 ハ
党 ノ政 策 ガ直 チ ニ夫 等 ノ団体 ニ反 映 シタ ノデ ア ツ テ、 ソ コニ我党 員
其 処 ニ誰 々ガ居 タ カ実 際 確 実 ニ知 ラ ナ イ ノダ カ ラデ ス。
ハソ レ〓
中 央 常 任 委 員 ガ其 草 案 ヲ分 担執 筆 シタ上 、再 度 常 任 委 員
其 工場 代 表 者 会 議 開 催 ノ タ メ ノ檄文 及議 会 解 散 請 願 運 動 ノ タ メ ノ檄
次 ノ如 ク訂 正 シ テ頂 キ マス。
議 ノ タ メ ノ檄 文 ハ」 云 々以 下全 部事 実 ト相 違 スル点 ガ ア リ マスカ ラ
ヲ知 リ マシ タ。 然 シ同 志中 尾 ガ斯 様 ナ架 空 ナ事 実 ヲ製 造 シタ ノ ニ ハ
シテ居 ルノ ヲ警 視 庁 ノ取調 ノ時 知 リ 、全 ク架 空 ナ事 ヲ 云 ツ テ居 ル事
右 第 二問 及 第 三問 ノ答 ヲ取消 ス理由 ハ、 私 ハ同 志 中 尾 ガ 左 様 ニ陳 述
キ マ ス。
ツテ為 サ レ タ モノデ ス。 故 ニ第 四問 及 第 五問 ノ答 モ全 部 取 消 シ テ頂
ハ第 四問 及 第 五 問 ノ答 ニ於 テ陳述 シテ居 ルノ ト全 然 違 ツ タ事情 ニ ヨ
タ事 情 並 留 守 中 央 常 任 委員 会 ガ新 中 央 部 ニ事 務 引 継 ギ ヲ シ タ事 情 等
会 ニ提出 シ、最 後 ノ決 定 案 ヲ作 成 シ タ後 、 工場 代 表 者 会 議 開 催 運 動
タ。 ソ レデ 私 ハ同 志 中 尾 ノ陳 述 通 リ辻 褄 ヲ合 シ テ置 イ タ ノデ ス。 ソ
党 ヲ擁 護 スルト 云 フ目 的 カ ラ熟 慮 ニ熟 慮 シタ結 果 デ ア ルト 察 シ マシ
答 第 十 二回 訊 問 調 書 中第 二問 ノ答 ノ末 尾 ﹁ソ シ テ工 場 代 表 者 会
一三 問 次 ハ。
ノ分 ハ統 一同 盟 ノ名 義 デ 四月 二十 四 日 ニ又議 会 解 散 請 願 運 動 ノ分 ハ
シテ序 乍 ラ留 守 中 央 常 任 委員 会 ト代 表 団 一行 及 留 守 中 央 常 任 委員 会
同 月 二十 七 日議 会 解 散 請 願 運 動 全 国 実 行委 員 会 ノ名 義 デ 発 表 サ レ マ シ タ。右 ノ工場 代 表 者 会 議 開 催 ノ為 メ ノ檄 ハ私 ガ執 筆 シ タ モノデ ス。
訳 デ ス。 然 ル ニ私 ノ製 造 シ タ架空 ノ事 実 ハ更 ニ他 ノ関 係 者 ニ及 ボ シ、
マシタ。 斯 ク テ第一 ノ架 空 ノ事 実 カ ラ第 二 ノ架 空 ノ事 実 ヲ製 造 シタ
ト新 中 央 部 ト ノ連 絡 関 係 一切 ヲ ソ レ ニ基 イ テ ア ツ サ リ片 付 ケ テ置 キ
ガ起 草 シタ モノデ ア ルト云 ツ テ居 ル部 分 ノ ミ取 消 シ マ ス。
第 十 七問 ノ答 中 支 社 ノ任 務 ニ就 テト 云 フ議 事 ノ草 案 ヲ同 志 市 川 正 一
同 志 志 賀 義 雄 ガ起 草 シタ カ ノ如 ク申 上 ゲ テ居 ル点 ノ ミ取 消 シ マス。
第 十 六問 ノ答 中 共 産 党当 面 ノ任 務ト 労 農 党 ニ就 テト 云 フ議 事 草案 ヲ
ハ全 ク間 違 デ アリ マス。 従 ツ テ私 ノ全 調 書 ニ亙 ツテ同 志 中 尾 ガ引 合
差 控 ヘ マスガ 、私 ガ ソ レヲ基 ト シ テ第 二 ノ架空 ナ事 実 ヲ製 造 シ タ事
タ山 川 等 ノ伝 統 的 ナ悪 癖 デ ア リ マシ タ﹂ 云 々、日 本 共産 党 ト シテ ハ
ヲ次 ノ如 ク訂正 シテ頂 キ マ ス。 ﹁当 時 ノ日 本 共産 党 ノ指 導 者 デ ア ツ
第 六問ノ 答 中 ﹁日本 共 産 党ノ 伝 統 的 ナ悪癖 デ アリ マシタ ﹂ト ア ル ノ
取消 シ マス。 従ツテ 第 三 問 及第 四問ノ 答 全 部 ヲ取 消 シ マ ス。
答 第 十 九 回 訊 問 調 書 中第 二問 ノ答 中 、私 以外 ノ出 席 者 ノ氏 名 ヲ
一 八問 次 ハ。
其 者 等 ガ 又 ソ レ ニ辻 褄 ヲ合 ハ スト 云 フ止 マ ルト コ ロヲ知 ラザ ル結果 ヲ惹 起 シテ居 マ ス。 同 志 中 尾 ガ第 一ニ製 造 シタ架 空 ノ事 実 ハ十 分事
ニ出 サ レルト コロ ハ全部 取消 シ マ ス。
情 ノ ア ル事 デ 、之 デ 一切 ヲ片 付 ケ タ事 ノ当否 ニ就 テ ハ申 上 ゲ ル事 ヲ
一 六問 次 ハ。
第 七問 ノ答 ハ曩 ニ申 シ マシ タ如 ク事 実 ト相 違 シ マ スカ ラ取 消 シ マス。
カ ラ全 部 取 消 シ マ ス。
尾 ニ同 志 春 日庄 次 郎 及 水 野成 夫両 名 ノ氏 名 ヲ挙 ゲ テ居 リ マスガ 之 ハ
ツ テ、 日 本 共 産 党 其 モノ デ ハナ イ カ ラデ ス。 尚 同 ジ ク第 六問 ノ答 末
マ ス。然 シ其都 度 之 ニ反 対 シサボ タ ー ジユ シ タノ ハ山 川 、堺 等 デ ア
ソ レ マデ ニモ屡 々大会 其 他 コミ ンタ ー ンノ命 ニ ヨツ テ開 催 シテ居 リ
唯 確 カ ナ記 憶 ガ ナ イ ト 云 フ事 丈 ケ ガ事 実 デ ス。
取 消 シテ頂 キ マ ス。
答 第 十 七 回 訊 問 調 書中 第 二問 及 第 四問 ノ答 ハ事 実 ト相 違 シ マ ス
第 九問 ノ答 中 ノ ﹁其 話 ハ岩 淵 町 ノ私方 デ 中 尾 勝 男 カ ラ聞 イ タ様 ニ思
一九問 次 ハ。
答 第 二十 回 訊 問 調 書 中第 二問 ノ答 中 私 及 同 志 渡 辺 政 之輔 以 外 ノ
ヒ マス﹂ ト 云 フ部 分 ノ ミ取 消 シ テ頂 キ マス。 其 理由 ハ前 ニ申 シ タ通 リ デ ス。
者 ノ氏 名 ヲ全 部 取 消 シ マ ス。
関 与 シ タト 云 フ事 丈 ケ ヲ申 上 ゲ テ置 キ マ ス。
評 議 会 大 会 ヲ指 導 シタ事 及 私 ガ党 常 任 委員 会 ノ命 ニ ヨリ直 接 ソ レニ
第 五問 ノ答 全 部 ヲ取 消 シ マ ス。 ソ シ テ日 本 共 産 党中 央 常 任 委 員 会 ガ
ノ訊 問 調 書 ノ訂 正 ニ ヨ ツテ必 要 ノ ナイ 事 デ ス カ ラ取 消 シ マ ス。
答 第 十 八 回 訊問 調 書 中 第 二問 及 第 三 問 ノ答 全部 ハ第 十 七回 マデ
一 七問 次 ハ。
第 七問 ノ答 中 私 以 外 ノ者 ノ氏 名 ハ全 部 取 消 シ マス。
松 尾 直 義 デ ア ツ タト 訂 正 シ テ居 ル部 分 ヲ取 消 シ マ ス。 ソ シ テ只 私 ガ
答 第 二十 一回訊 問 調 書 中 第 一問 ノ答 中 、 私 ノ入 党 勧 誘 者 ハ同 志
二〇 問 次 ハ。
々以 下全 部 取 消 シ テ頂 キ マ ス。
第 十 一問 ノ答 末 尾 「唯 一ツ之 ニ関 聯 シ テ附 加 シテ 置 キ度 イ事 ハ﹂ 云
第 十 四問 ノ答 中 私 以 外 ノ出 席者 ノ名 ヲ 取消 シ マス。
日本 共 産 党 ニ入党 シタ ノ ハ 一九 二六 年 六 月 デ ア ル事 丈 ケ ヲ申 上 ゲ ル
二二問 次 ハ。
渉 干 係 ハ全 部 取 消 シ テ頂 キ マ ス。 尚 同 ジ ク第 一問 ノ答 ニ於 テ同 志 南
合 理 化 政 策 ガ﹂ 云 々或 ハ ﹁ 今 日 ノ我 国 ノ遅 レタ産 業 様 式 ﹂ 又 ハ ﹁我
第 十 八 回 訊 問調 書第 十 八問 ノ答 ノ 一ニ於 テ ﹁我国 ニ於 テ モ資 本家 ノ
云々
答 第 十 一回訊 問 調 書 ノ第 六 問 ノ答 ニ於 テ 「先 ヅ 我 国 無 産 階級 ﹂
喜 一及 村 尾 薩 男 ニ就 テ陳 述 シテ居 ル部 分 全 部 ノ取 消 ヲ願 ヒ マス。
事 ニシ マ ス。 従 ツ テ此 ノ調 書 以 後 出 テ来 ル同 志 松 尾直 義 ト私 ト ノ交
第 二問 ノ答 ハ事 実 ト 相 違 シ マスカ ラ取 消 シ マ ス。
国 ノ 工業 ガ﹂ 云 々及 同第 十 八問 ノ答 ノ 六 ニ於 テ ﹁現 在 我 国 ノ労 働 組 合運動 ヲ﹂云々
二一 問 次 ハ。
第 二十 二 回訊 問 調 書 第 一問 ノ答 ノ五 ニ於 テ 「我 国 デ ハ永 イ合 法 主 義
答 第 二十 四回 訊 問 調 書 中第 一問 ノ答 中 河 合 悦 三 ト 共 産 党 関 西委 員 長 ト ノ関 係 及 私 ノ党 加 入 問 題 ニ関 ス ル同 志 鍋 山 ト私 ト ノ交 渉 一切
ノ伝 統 ノ タ メ ニ」 云 々等 々ト 陳 述 シ テ居 リ マ ス ガ 、 以 上 陳 述 中 ノ
ス。 其 訂 正 理由 ハ、元 来 労 働 者 ハ祖 国 ヲ持 チ マセ ヌ。 之 ガ 一九 一七
﹁我 国 ﹂ ト ア ルト コ ロヲ 凡 テ 「日本 ﹂ ト訂 正 シ テ頂 キ度 イ ト思 ヒ マ
ヲ取 消 シ マス。 其 他 ハ凡 テ其 儘 ノ事 実 デ ス。
年 十 一月 ノソ ヴ ヰ エツ ト ユ ニオ ンガ建 設 サ レル マデ ノ国 際 的 労働 者
第 二 問 ノ答 全 部 ヲ取 消 シ マ ス。 ソ シ テ只 私 ガ 塩原 温 泉 デ 同 志 渡 辺 政
レタ ト 云 フ事 丈 ケ ヲ申 上 ゲ マ ス。
之 輔 ト 会 見 シ、私 ガ共 産 党 神 戸 地 区 委 員 長 及 関 西 地方 委 員 ニ任 命 サ
一九 一七 年 ノ ソヴ ヰ エツト ユニオ ンノ建 設 以来 、 コ ヽ ニ初 メ テ全 世
ツ テ、 我 々労働 者 ノ 国家 ト 云 フ モノ ハナ カ ツ タ ノデ ア リ マス。 然 シ
界 ノ労 働 者 ハ自 分 自 身 ノ祖 国 ガ 出来 タ ノデ アリ マス。 而 シテ現 在 ノ
階 級 ノ実 際 デ アリ マシタ。 凡 テ ノ国 家 ハブ ル ジ ヨア ジ ー ノ国家 デ ア
長 尾 ノ六 名 デ ア ツ タト 云 フ事 並 ニ同 志 長 尾 有 ガ第 一回 会 議 ニ欠席 シ、
シタ ト云 フ事 及 神戸 ノ党 員 ガ同 志 板 野 、 三宅 、 藤 田 、 青柿 、白 土 、
青 柿 ガ遅 刻 出 席 シ タト 云 フ事 又私 及板 野 、 三宅 三人 デ 地 区 委 員 会 ヲ
セ ヌ故 ニ、此 ノ 日本 ハ我 々労 働 者 ニ執 ツ テ ハ我 国 デ ハアリ マセ ヌ。
日本 ハ明 カ ニブ ルジ ヨアジ ー ノ国家 デ 、 我 々労働 者 ノ国 家 デ ア リ マ
第 三問 ノ答 中 神戸 ノ 党細 胞 会 議 第 一回 会 議 ヲ同 志藤 田 某 ノ宅 デ 開 催
組 織 シタ ト 云 フ事 等 ニ干 ス ル陳 述全 部 ヲ取消 シ マ ス。 然 シ 一九 二 六
ツト ヲ建 設 シナ ケ レバ ナ ラ ヌノデ ア リ マ ス。 ソ シ テ労働 者 独裁 ニ ヨ
我 々労 働 者 ハ此 ノ 日本 ノブ ル ジ ヨアジ ー ノ国 家 ヲ顛 覆 シ、 ソヴ ヰ エ
年 十 一月 初 旬 、 神 戸 ノ党 細 胞 会 議 ガ開 カ レ、 ソ レ ニ初 メ テ私 ガ出 席 シ タ事 、其 後 神 戸 地 区 委 員 会 ガ組 織 サ レ私 ガ其 委 員 長 ト シ テ活 動 シ
ル ソヴ ヰ エツト ガ樹 立 サ レタ時 、 初 メ テ我 々労 働 者 ハ此 ノ日本 ヲ我
タ事 ハ事 実 デ ス。 同 ジ ク第 三問 ノ答 ノ末 尾 「私 ハ右 ノ如 ク神戸 地 区 ノ責 任者 ト シ テ全
ア リ マセ ヌカ ラ、其 時 我 々ガ此 日本 ヲ我 国 ト 云 フ カ什 ウ カ モ疑 問 デ
国 ト 呼 ビ 得 ルデ セウ。 然 シ ソヴ ヰ エ ツト ハ本 来 ノ意 味 デ ノ国家 デ ハ
ア リ マ ス。 故 ニ私 ハ予 審ニ 於 ケ ル陳 述 中 他 ノ個 所 デ ハ斯 ル 際 凡 テ
兵 庫 県 下 ノ闘争 ヲ指 導 シタ ト同 時 ニ関 西 地 方 委 員会 委 員 ト シテ同 委
マ ス。
員 会 ヘ モ出 席 シ活動 シ マシタ 」 ト 云 フト コ ロカ ラ以 下 全部 ヲ取 消 シ
﹁日本 ﹂ ト 申 上 ゲ テ居 ツテ、 此 ノブ ル ジ ヨアジ ー ノ国家 デ ア ル日本
リ マシ タ。故 ニ右 陳 述 ヲ取 消 シ マ ス。
学 ノ個 人 的論 文 デ ア ツテ、 常 任 委 員 会 ト ハ何 等 干 係 ノ ナ イ モノデ ア
答 第 十 六 回 訊問 調 書 ノ最 終 部 分 ノ 「何 故 私 ガ 其当 時 以 上申 述 ベ
二五問 次 ハ。
ヲ我 国 ト ハ云 ツテ居 ナ イ ノデ ア リ マ ス。 然 ル ニ前 記 六 ケ所 ノ ミ ニ於 テ日本 ト陳 述 スベ キ ト コ ロヲ我 国 ト 陳 述 シ テ居 リ マス。 之 ハ単 ナ ル 云 ヒ誤 リデ ナ ク、 国 家 ニ対 スル観 念 ニ於 テ私 ガ 尚 ブ ルジ ヨア ・イデ
答 私 ハ第 十 六 回 訊 問 調 書中 「報告 の要 点 ﹂ ト題 スル出 版 物 ノ内
際 ノ闘 争 ヲ指 導 シテ来 タ結 果 、 到 ル処 福 本 主 義 ノ 誤謬 ヲ経 験 シタ、
日 光会 議 ニ就 テ ノ陳 述 中 ニア ル通 リ、 我 々留 守 中央 常任 委 員 会 ハ実
申 述 ベ タ様 ナ解 釈 ヲ シタ カ ト申 シ マ スレバ 、 第 十 七 回 訊問 調 書 中 ノ
タ程度 ノ理解 ヲ持 ツ事 ガ出 来 タ カ ト申 シ マ スレバ ﹂ ト 云 フト コロカ
容 ヲ説 明 スル際 、 来 ルベ キ日 本 ノ革命 ニ就 テ 「ブ ルジ ヨア民 主 々義
ソ シテ 我 々ガ福 本 主 義 ト現 実 ト ノ矛 盾 ニ当 面 ス ル毎 ニ、 レー ニ ンノ
ラ以下 全 部 ハ私 ガ陳 述 シ様 ト シタ意 思 ト 全 然 相 違 ス ル陳 述 ト ナ ツテ
革 命 ﹂ ト陳 述 スベ キト コ ロヲ、単 ニ 「ブ ルジ ヨア革 命 ﹂ト ノ ミ 云 ツ
主 張 又 ハコミ ンタ ー ン及 プ ロフイ ン タ ー ン ノ諸 決 議 ヲ参 考 ト シテ部
オ ロギ ーノ伝 統 カ ラ充 分 抜 ケ切 ツ テ居 ナ カ ツ タト コ ロノ 必然 ノ結 果
テ ﹁民 主 々義 ﹂ ノ 四字 ヲ抜 カ シ テ居 ルト コロガ 二、三 ケ所 ア リ マス、
分 的 修 正 ヲ施 シ ツヽ 進 ンデ 来 タ ノデ アリ マシタ。 而 カ モ福 本 主 義 ノ
デ ア ツテ 、共 産 主 義 者 ト シ テ重 大 ナ ル誤 謬デ アリ マスガ故 ニ、此 処
例 ヘバ
根 本 的 誤 謬 ヲ悟 ル事 ガ出 来 ナ カ ツ タ為 メ ニ、 運動 ノ正 当 ノ発 展 ガ阻
居 リ マスカ ラ 、右 ノ部 分 ヲ次 ノ様 ニ訂 正 シ テ頂 キ度 イ ノデ ス。
第 三問 ノ答 ノ四 ﹁革 命 ノ展 望 ニ就 テ ﹂ ノ( ロ) 「プ ロ レタ リ ア革 命 ヘノ
ニ ハツキ リ訂 正 シ テ置 キ度 イ ト思 フノ デ アリ マス。
急 速 ナ ル転 化 ノ前 提 条件 ﹂ ノ( )二 ノ陳 述 中 ニ於 テ 及 第 三 問 ノ答 ノ 五
止 サ レテ居 タ ノデ ア リ マシ タ。 ソ シ テ 一九 二 七年 秋 以来 、 日本 プ ロ
何 故私 ガ其 当 時 即 チ 一九 二七 年 十 二月 ノ 「報 告 の要 点 ﹂ ニ就 テ 以上
﹁日 本 共 産 党組 織 問 題 ﹂ ノ ( リ) ノ陳 述 中 ニ於 テ前 記 ノ如 キ民主 々義 ノ 四字 ノ脱 落 ガ アリ マス。 之 等 ハ凡 テブ ルジ ヨア民 主 々義 革命 ト 訂 正
テ来 テ居 マシ タ。 即 チ運 動 ノ現 実 的 発 展 ハ我 々 ニ福 本 主 義 ノ矛 盾 ノ
二三 問 次 ニ訂 正 スベ キ点 ハ。
シ テ頂 キ度 イ ノデ ス。
解 決 ヲ迫 ツ テ居 タ ノデ アリ マシタ。 而 カ モ我 々 ハ ソ レヲ自 力 ヲ以 テ
居 タ ト 云 ツ テ ヨカ ラ ウト 思 ヒ マス。 斯 ル時 ニ我 々 ハコミ ンタ ー ンノ
答 第 十 二回 訊問 調 書 第 十 六 問 ノ答 ニ於 テ ﹁政 治 的 自由 ノ内 容 ﹂
レタ リ ア運 動 ハ福 本 主 義 ノ誤 謬 ノ清 算 ヲ 一日 モ延 バ セナ イ程 押 上 ゲ
二四問 次 ハ。
日本 ニ対 スル決 議 ニ ヨツ テ福 本主 義 ノ誤 謬 ノ根 本 点 ガ教 示 サ レ タ ノ
一月 ニ ハ福 本 イ ズ ムト 運 動 ノ現 実的 発 展 ト ノ矛 盾 ガ其 頂 点 ニ達 シ テ
ニ伝 ヘ、 同 人 ガ代 表 シテ 一九 二七 年 八 月 号 ノ ﹁マル ク ス主 義 ﹂誌 上
デ ア リ マ スカ ラ、 我 々常 任 委 員 会 ノ 凡 テ ノ者 ハ釈 然 ト シ テ此 ノ誤 謬
当 時 未 ダ 解 決 シ得 ナ カ ツ タ ノデ ア リ マシタ 。 故 ニ恰 度 一九 二七 年 十
ニ ﹁政 治的 自 由 ノ獲 得 ﹂ ト 云 フ題 下 ニ於 テ発 表 シ タ カ ノ如 ク陳述 シ
ニ就 テ ノ共 産 党中 央 常任 委 員 会 ノ意 見 ヲ同 志 志 賀 義 雄 ガ同 志 佐野 学
テ居 リ マスガ 、 之 ハ全 ク私 ノ思 違 デ ア リ マシ タ。 該論 文 ハ同 志佐 野
タ ー ンガ 決 定 シ タ事 ハ凡 テ我 々留 守 中 央 常 任 委 員 ガ 解 決 セ ント シ テ
ヲ理 解 シ タ ノデ ア リ マス、 ト同 時 ニ コミ ンタ ー ン ノ決 定 ヲ異 常 ナ感
合 ニ就 テ 云 フ場 合 ニ之 ヲ解 党 派 的傾 向 ト 名 付 ケ ル事 ハ穏 当 デ ア リ マ
マスガ、 其 内 容 説 明 ハ毫 モ訂 正 ス ル必 要 ヲ認 メ マセ ヌ。 然 シ労 働 組
的 傾 向 ト 云 フ事 ヲ申 上 ゲ 、 第 九問 ノ答 ニ於 テ其 内 容 ヲ説 明 シテ居 リ
セ ヌ。 故 ニ左 翼 解 体 又 ハ左 翼 隠 蔽 ノ傾 向 ト 訂 正 シ マス。
激 ヲ以 テ支 持 ス ル事 ガ出 来 タ ノデ ア リ マ ス。 ナ ント ナ レバ 、 コミ ン
努 力 シ テ来 タ諸 問 題 デ アリ 、而 カ モ自 カ ラ解 決 シ得 ザ リ シ問題 デ ア
二八 問 次 ハ。
ル ノ ヲ ﹁工場 労働 者 ノ範 疇 ニ入 レ ルベ キデ ナ ク、 農 民 及 農 業 労働 者
入 ルヽベ キデ ナ ク、農 民 ノ範 疇 ニ入 ル ヽベキ モノデ ア ル﹂ 云 々ト ア
答 第 二十 四 回訊 問 調 書 第 一問 ノ答末 尾 ニ於 テ 「 労 働 者 ノ範 疇 ニ
ツ タ カ ラデ アリ マス。 故 ニ此 ノ ﹁報 告 の要 点﹂ ヲ当 時 此 処 ニ申 上 ゲ
ツ テ解 釈 シ テ居 ル点 ノ ア ルノ モ、 当 時 私 ト シ テ ハ又 止 ム ヲ得 ナ イ事
タ様 ニ理 解 シ タト 同時 ニ、其 理解 ノ中 ニ ハ コミ ンタ ー ン ノ決 議 ヲ誤
デ ア リ マシ タ。
ノ範 疇 ニ入 レ ルベ キデ ア ル﹂ ト訂 正 シ マ ス。
々ト申 上 ゲ タ ノデ ア リ マ シテ、 多 分 調 書 作 成 ノ際聞 キ違 ヘラ レタ ノ
マ スガ、 之 ハ ﹁上 海 ノ共 産 党 及 総 工会 ノ活 動 ヲ知 リ 且学 ブ事 ガ ﹂ 云
海 ノ共 産 党 及総 工 会 ノ 活動 ヲ支 持 且 ツ学 ブ 事 ガ 」 云 々ト ナ ツテ居 リ
リ マシ タ。 此 点 訂正 シ マス。 従 ツ テ第 三問 乃至 第 五問 ノ答 全 部 ヲ取
ハ全 ク私 ノ思 違デ ア ツ テ、 ソ レ ハ党 ノ組 合 部 デ 問 題 ト ナ ツ タ ノデ ア
産 党 ノ労 働組 合 特 別 対策 委 員 会 ガ取 扱 ツタ ト申 述ベ テ居 マスガ 、 之
答 第 二十 五 回 訊問 調 書第 二問 ノ答 ニ於 テ 五法 律 獲 得 ノ闘 争 ヲ共
二九問 次 ハ。
ダト 思 ヒ マス。 尚 第 二 十 二回 乃 至第 二十 四 回 訊問 調 書 ニ於 テ、 私 ガ
消 シ マ ス。 尚 第 七問 ノ答中 ノ冒頭 ヲ次 ノ如 ク訂 正 シ テ頂 キ マ ス。組
答 第 二十 二 回 訊問 調 書 第 一問 ノ答 ノ 五 ニ於 テ 、私 ノ陳 述 ガ 「上
二六問 次 ハ。
共 産 党 員 ト ナ ル以 前 ニ見 聞 シ タ経験 ヲ党員 ト ナ ツ テカ ラ後 ニ実 行 ニ
ル事 ニ決 定 シ マシタ 。 ソ シテ早 速 其 決 定 ガ レ フ ト及 労 農 党 内 我 党 フ
シタ。而 シ テ党 中央 常 任委 員 会 ハ組 合 部 ノ提 出 シタプ ラ ン ヲ採 用 ス
ラ ク シ ヨ ン、 評 議 会 内 我党 フラ ク シ ヨ ン等 ニ伝ヘ ラ レ マシ タ。 各 フ
合 部 ハ其 決 定案 ヲ直 チ ニ党 中 央 常 任 委 員 会 ニ報 告 シ、 承 認 ヲ求 メ マ
居 リ マ スガ 、 ソ レ ハ凡 テ其当 時 ソ レ〓
ラ ク シ ヨン ハ各 其 団体 ノ機 関 ヲ動 カ シテ公 然 ノ運 動 ニ具 体 化 シ テ行
テ党 ト ハ関 係 ナ ク、 私 ガ 勝手 ニソ レ ヲ実行 ニ移 シタ カ ノ如 ク ナ ツ テ
党 ノ機 関 ノ承 認 ヲ経 テ党 活 動 ト シ テ具 体 化 サ レタ モノデ ア リ マ スカ
キ マシ タ。
移 シテ居 ル諸 事 件 ヲ陳 述 シ テ居 リ マス。 而 シテ右 調 書 ノ陳 述 デ ハ凡
ラ、此 ノ点 補 足 シテ置 キ マス。 尤 モ該 陳述 中 ノ非 合 法 示 威 運 動 ニ就
党 ノ機 関 ニ意 見 ヲ提 出 シ、
テ ノ ミ ハ党 ハ正 式 機 関 ニ ヨツ テ斯 ル形 態 ヲ採 用 ス ルカ什 ウ カ ヲ決 定
三〇問 次 ハ。
於 ケ ル活 動 ニ干 ス ル陳 述 ノ部 分 ニ述 ベ テ ア ル同 志 山 名 正 実 、 武 内清 、
答 第 二十 七 回 訊問 調書 ヨリ第 三十 七 回訊 問 調 書 マデ ノ北 海 道 ニ
シタ事 ハア リ マ セヌ。 二七 問 次 ハ。 答 第 十 二 回訊 問 調 書第 八 問 ノ答 ニ於 テ、 左翼 労 働 組 合 ノ解 党 派
九 津 見 房 子 、宮 下 要 吉 、渡 辺 利 右 衛 門 、 鈴 木 治 亮 、 村 上某 、 田 口右 三四問 次 ハ。
マス。
リ マスカ ラ全 部 取 消 シテ頂 キ マ ス。 此問 題 ニ就 テ ハ四 月中 旬 ノ党 中
ハ前後 ニ起 ツタ事 件 ガ混 乱 シ テ居 テ事 実 ト相 違 ス ル モノ ト ナ ツテ居
答 第 三十 四 回訊 問 調 書 ノ第 三問 ノ答 中 、 労農 政権 ニ就 テ ノ陳 述
源 太 、 山 口利哉 、床 波 均 、正 木 某 、 沼 山 松 蔵 等 ノ氏 名及 同 人等 ト ノ
テ居 リ マスガ、 実 際 ハソ ン ナ少 数 デ ハナカ ツタ ノデ スカ ラ此 ノ陳 述
道 地 方 ノ 我 党員 ガ最 初 四名 デ 、 後 ニ五 、六 十名 ニ増 大 シタ ト 申 述 ベ
交 渉 並 同 人 等 ノ行 動 ニ干 ス ル事 柄 一切 ヲ取 消 シ テ頂 キ マス。 又 北 海
モ取消 シテ頂 キ マス。
ニ申 上 ゲ ル事 ニシ マ ス。 同 ジ ク第 三問 ノ答 第 七労 働 会 議 ニ就 テ ノ陳
央 常任 委 員 会 デ 批 判 サ レ、 決 議 ガ行 ハレ テ居 マスカ ラ、 ソ コデ 正 確
シ﹂ 云 々ト 云 フト コ ロカ ラ 「只彼 ノ党中 央 部 ガ発 シタ指 令 其 他 ニ現
述 中 ﹁然 シ後 ノ 三 ・ 一五 事件 直 後 日本 共 産 党 ガ 労 農 党 ノ 解 散 ニ際
三一 問 次 ハ。 答 第 二十 九 回 訊 問 調 書第 七問 ノ答 末 尾 ニ於 テ、 意 見 書 ニ対 ス ル
レ ハ思 違 デ シ タ。 回答 ハ党組 織 部 カ ラ来 タ ノデ シ タ。
回答 ハ同 志 渡 辺 政 之 輔 カ ラノ私 信デ ア ツタ ト述 ベ テ居 リ マ スガ 、 ソ
リ マ セ ヌデ シ タ﹂ ト ア ルト コロ マデ 全 部 取消 シテ頂 キ マ ス。 之 モ四
在 ノ 日本 ノ国 家 機 構 ﹂ ト ア ル直 前 マデ 即 チ ﹁ソ ンナ事 ガ問 題 ニ モナ
同 日 於 前 記 場所
第 四十 一回 訊 問 調 書
告
人 三田 村 四 郎
予 審 判 事 秋 山 高 彦
裁 判 所 書 記 鹿 田 清 次
東 京 地方 裁 判 所
右 読 聞 ケ タ ル処相 違 ナ キ旨 申 立 署 名拇 印 シタ リ。
被
批 判 サ レ、 決 議 ガ行 ハレ テ居 リ マスカ ラ其 際 正 確 ニ申 上 ゲ マ ス。
月 中 旬 ノ党 中 央 常 任 委 員 会 ニ於 テ問 題 ト ナ リ 、誤 謬 ト長 所 ガ正 シ ク
三二問 次 ハ。 答 第 三 十 一回 訊問 調 書 第 五問 ノ答 全 部 並 第 六 問 ノ答 ノ第 七 ノ 冒 頭 ニ同 志渡 政 ハト ア ルノ ヲ削 ツテ頂 キ マ ス。 ソ シ テ同 ジ ク第 六問 ノ 答 ノ第 十 二 ノ末 尾 「私 ハ単 ニ 二 、三 ノ字 句 ノ修 正 」 云 々以 下 ヲ次 ノ 如 ク訂 正 シ テ頂 キ マス。 ﹁ 私 ハ単 ニ二、三 ノ字 句 ノ修 正 ニ参 加 シタ ニ 過 ギ マセ ヌ。其 決 議 文 ハ第 二 回全 国 組 織 会 議 ニ於 ケ ル党 ノ組 織 方 法 ニ就 テ ノ決 議 ト題 ス ル モノデ シ タ」。 次 ニ第 九問 ノ答 中 ニ当 時 ノ 合 法 主 義解 党主 義 ノ 日本 共 産 党 ハ云 々ト ア ル ノ ヲ単 ニ当 時 ノ 日本 共 産 党 ハト 訂 正 シ マス。 三三問 次 ハ。
人 三 田村 四郎
右 治 安維 持 法 違 反 被 告 事 件 ニ付 、 昭 和 五年 十 一月十 九 日豊 多 摩 刑 務
告
配 ス ル事 ナ ク国 有 ト シ テ国 家 直営 デ使 用 ス ル土 地 ト 云 フ モノ ハ案 外
引続 キ右 被 告 人 ニ対 シ テ訊 問 スル コト 左 ノ如 シ。
所 ニ於 テ 、予 審 判事 秋 山 高 彦 ハ裁 判 所 書 記鹿 田清 次 立 会 ノ上 前 回 ニ
被
少 ナイ ダ ラウ ト 云 フ様 ナ事 ガ 云 々ト ア ルノ ハ、 日本 デ ハ国 有 ト シ テ
答 第 三十 三 回訊 問 調 書 中 第 三 問 ノ答 ニ於 テ、 日本 デ ハ農 民 ニ分
使 用 ス ル事 ナ キ土 地 ト 云 フモ ノ ハ案 外 少 ナ カ ラ ウ 云 々ノ誤 リデ ア リ
二 国 内情 勢 ト 三 ・ 一五事 件 ノ関 聯 ニ就 テ
東 京 ニ着 クト同 時 ニ我党 中 央 部 ト ノ連 絡 ニ努 メ、確 カ 四月 九 日頃 ニ
月 十 五 日 以後 初 メ テ東 京 ニ出 テ来 タ ノ ハ四 月 五 日頃 デ アリ マ シタ。
テ居 リ マスカ ラ全 部 撤 回 シ、 次 ノ如 ク申 上 ゲ ル事 ニ シ マ ス。 私 ガ 三
八 モツプ ル運動 ニ就 テ
七 暴 圧反 対 闘争 ノ組 織 ニ就 テ
六 無 産青 年 同 盟 再 建方 針 ニ就 テ
五 評 議 会 再組 織 方 針 ニ就 テ
四 労 農 党解 散 対策 ニ就 テ
三 共 産 党 拡 大 ニ関 ス ル諸 問 題 ニ就 テ
至 リ ヤツ ト党 中 央 部 ト連 絡 ガ付 キ マシ タ。 此 ノ点 ニ関 シ第 三十 八 回
九 農 民組 合 大 会 及 合同 問 題 ニ就 テ
答 アリ マス。 ソ レ ハ第 三十 八 回 訊 問 調書 ニ於 ケ ル陳 述 ハ間 違 ツ
一問 尚補 正 スベ キ点 ガ ア ル カ。
訊 問 調 書 ニ於 テ 、同 志 鍋 山 ヲ訪 問 シ テ党 中央 部 ト連 絡 ガ付 イ タ カ ノ
十 メ ーデ ー ス ロー ガ ンノ決 定
スル問題 等 ガ ア ツタ様 ニ記憶 シ マ ス。 但 シ以上 述 ベ マシ タ諸問 題 中 、
尚 此 ノ外 ニ議 会 対策 及 所 謂 無 産 党 議 員 団 並 議 会 対 策 共 同 委 員 会 ニ干
如 ク申 述 ベ テ居 ルノ ハ全 ク架 空 ノ事 デ ス。 私 ハ同志 鍋 山 ガ本 郷 丸 山
マセ ヌ。 之 ハ他 ニ事 情 ガ ア ツ テ斯 様 ナ架 空 ナ事 実 ニ ヨツテ私 ト党 中
町 ニ居 住 シ テ居 ル事 ヲ当 時 全 然 知 ラ ナイ シ、 従 ツテ訪 問 モ シテ居 リ
央 部 ト ノ連 絡 関係 ヲ単 純 化 シ タ ノデ ス。 同 志 鍋 山 モ其 事 情 ヲ酌 ンデ
モノ モ混 入 シ テ居 ル様ニ 思 ヒ マス。
此 ノ常 任 委 員 会 ノ翌 日開 催 サ レタ常 任 委 員 会 ニ於 テ討 議 決 定 サ レ タ
二問 被 告 ガ常 任委 員 会 ニ参 加 シ、 組 織 運 動 ヲ担 任 ス ル様 ニナ ツテ
私 ガ 彼 ノ処 ニ同 居 シテ居 タ如 ク辻 褄 ヲ合 シ テ居マ スガ 、 ア ノ架 空 ノ
モ ノデ ス。 従 ツテ 此 ノ架 空 ナ事 実 ヲ基 本 ト シ テ組 立 テ ラ レタ爾 余 ノ
事 実 ハ今 日デ ハ最 早 必要 ナ イ カ ラ此 ノ事 ヲ明 カ ニ シ テ前 言 ヲ取 消 ス
答 党 ノ再 建 運動 及 党 ノ活 動 ヲ切 リ離 シ テ特 別 ナ私 ノ活動 ト 云 フ
カ ラ ノ活 動 如何 。
ソ シ テ前述 ノ如 ク私 ト党 中 央 部 ト ノ連 絡 ガ復 活 ス ル マデ ニ ハ約 三、
同 志 等 ト ノ交 渉 ハ 一切取 消 サ ルベ キ モ ノデ ス。
一 四 月 ノ 党 ノ再 建 状 態 ト党 ノ活 動
モノ ハアリ得 ナ イ ノデ ア リ マ スカ ラ、 大 体 四月 以 後 ノ党 ノ再建 状 態
二 五 月 ニ入 ツテ カ ラ ノ党 ノ再 建 状 態 ト 活 動
ト 党 ノ活動 ヲ次 ノ順 序 デ 申 上 ゲ マ ス。
付 イ テ四 月 十 日 ノ常 任 委 員 会 ニ出 席 スル コト ガ 出来 マシタ。
三 六 月 ノ党 再 建 状 態 ト活 動
四 日 間 カ ヽツテ居 リ マ ス。 然 シ其 間 私 ガ什 ウ シ テ居 タ カ 又什 ウ シ テ
其 常 任 委員 会開 催 ノ場 所 ハ申 上 ゲ ラ レ マセ ヌガ 、出 席 者 ハ同 志 渡 辺
四 七 月 ニ於 ケ ル党 再 建 状 態 ト 活 動
党 中 央 部 ト連 絡 ス ル ニ至 ツ タ カ ハ申 上 ゲ 兼 ネ マスガ 、兎 ニ角 連 絡 ガ
ゼ ラ レ マシ タ。 ソ シテ其 時 ノ常 任 委 員 会 デ 討 議 サ レタ主 ナ ル議 事 ハ
政 之 輔 、 鍋 山貞 親 及 私 デ ス。 私 ハ其 常 任 委員 会 デ組 織 運動 担 任 ヲ命
六 九 月 ノ 党 再建 運 動 ト党 ノ活 動
五 八 月検 挙 ト其 後 ノ状 勢 一 国 外情 勢 ト 三 ・ 一五事 件 ノ関 聯 ニ就 テ
此 ノ諸 問 題 デ ア ツタ ト記 憶 シ マ ス。
三問 四月 ノ党 ノ再 建 状 態 ト 活動 如何 。
一 赤 旗 ノ確 実 ナ ル発 行
答 四月 十 日 ノ常 任 委 員 会 ハ党 再建 方 針 ヲ次 ノ如 ク決 定 シ マシ タ。
一 現 ニ連 絡 ア ル地 方 及今 後 連絡 ノ付 イ タ 地方 ヨリ漸 次 工場 細
ヲ注 ガネ バ ナ ラ ヌ
胞 ノ再 建 ヲ進 メ テ行 ク事 、 此 ノ際 東京 地 方 ノ再 建 ハ特 ニ精 力
シ テ党 ノ中 央 諸 機 関 ヲ再 建 スル事 ニ努 メ ルト 共 ニ、 無産 者 新 聞 ノ合
ソ シテ 四 月 中 ニ遂行 シタ闘 争 ノ主 ナ ル モ ノ ハ、
法性 ヲ最 大 限 ニ利 用 シ、 闘 争 ノ激 発 ト指 導 ニ努 メ マシタ。
対 ス ル闘 争
一 共 産 党 ノ プ ロパ ガ ンダ 並 社 会 民主 々義 者 ノ裏 切及 逆 宣 伝 ニ
一 暴 圧反 対 並 田中 内 閣 倒 壊 ノ闘 争
一 対議 会 闘 争
一 犠 牲 者 救 援 運 動
一 対支 出 兵 反 対 運 動 ノ煽 動
一 左翼 三 団体 再 建 運 動
ツ テ破 壊 サ レタ ル左 翼 諸 団 体 ノ機 関 ノ再 建 ノ為 メノ闘 争 、 其
一 治 安維 持 法 撤 廃 ノ為 メ ノ闘 争
一 大 衆 団 体 内 フ ラ ク シ ヨ ン ノ再 建 ヲ ス ル事
他 政 治 的 及 経 済 的 諸 闘争 ヲ通 シ テ即 チ之等 ノ闘 争 ニ大 衆 ヲ活
一 メーデ ー ノ指 導
一 我 党 ノ再 建 運動 ハ暴 圧 反 対 並 犠 牲 者救 援 ノ運 動 及 政 府 ニ ヨ
溌 ニ動 員 シ、 其 闘 争 ヲ通 シ テ新 ナ ル党 員 ノ獲 得 、 工場 細 胞 ノ
ソ シテ 四月 下 旬 ニ至 リ ヤ ツト 印 刷所 ガ 再建 サ レ、 四月 三十 日赤 旗 第
等 ガ主 ナ ル モノデ ア リ マシ タ。
一 農 民組 合 ノ合 同 ノ為 メ ノ闘 争
再 建 ガ行 ハレネ バ ナ ラ ヌ
細 胞 ニ結 成 ス ル事 ガ特 ニ留 意 サ レ
一 今 日 マデ 党 文 書 ノ読 者 デ ア ツタ 工場 内 ノ労 働 者 ノ中 ヨリ優
ネバナラヌ
秀 ナ ル闘 士 ヲ即時 ソ レ〓
八 号 ヲ発 行 スル事 ガ出 来 マシ タ。
マシ タ ガ、 具 体 化 ニ当 リ 一部 変 更 シナ ケ レバ ナ ラ ナ ク ナ リ マシタ。
此 ノ 四月 十 日 ノ常 任 委員 会 ノ党 再 建 方 針 ノ根 本 政 策 ハ厳 重 ニ守 ラ レ
タ モノデ ス。 彼 ノ 一九 二七年 末 ノ第 一回組 織 会 議 ニ於 テ機 関 紙 ヲ読
此 ノ政 策 ハ組 織 部 会 議 ニ於 テ決 定 サ レ、後 ニ常 任 委 員 会 デ 承 認 サ レ
シタ。
機 聞 紙 赤 旗 ハ直 接 中 央 部 カ ラ各 地 ノ戦 闘 的 労 働 者 及 農 民 ニ郵 送 シ マ
又赤 旗 ハ四月 三十 日 ノ第 八 号 以 来 七 月 三十 日 ノ第 二十 二号 マデ 若 干
ソ レ ハ条 件 ノ 一部 変 更 ガ起 ツタ カ ラデ ス。
者 ニ郵 送 スル方 法 ガ臨 機 ノ方 法 ト シテ決 定 サ レ、 第 二回組 織 会議 ニ
体 中 央 部 ノ活溌 ナ 活動 ノ為 メ ニ特 別 ナ ル指 導 ガ為 サ レネ バ ナ
一 之 等 ノ為 メ ニ無 産 者新 聞 ノ確 実 ナ ル定 期 的 発 行 並 左 翼 諸 団
其 条 件 ノ 一部 変 化 ト ハ四 月十 日 ノ決 定 ノ基 準 ト ナ ツ タ我 党 ノ勢 力 ガ
ノ例 外 ヲ除 イ テ 五 日目 毎 ニ発 行 サ レ マシタ。
検 挙 ノ拡 大 ノ タ メ ニ殆 ンド根 コソギ ニ破 壊 サ レテ居 タ事 デ ス。
於 テ モ別 段 ソ レ ニ就 テ ノ欠 点 ヲ発 見 シテ居 マセ ヌデ シ タ。 ソ レデ 此
ラ ヌ等 々
ソ コデ 我 々 ハ 一カ ラ始 メ ル事 ニ シ マシタ。 即 チ 一方 印 刷 所 ヲ始 メト
ナ イ ザ ー ヲ派 遣 シ テ夫 等 読 者 ノ行 動 ヲ調 ベ 、厳 選 ノ上 配 布 網 及 工場
ノ時 ニ モ臨 機 ノ処 置 ト シ テ即 チ最初 ハ郵 送 シテ置 キ、 直 チ ニオ ルガ
一 府県 会議 員 選 挙 戦
一 対支 出 兵 反 対 闘 争
一 治安 維 持 法 撤 廃 ノ為 メ ノ闘 争 ノ煽 動
等。
一 救 援 会 ノ大 衆 化 即 チ 工場 班 農 村 [ 班]確 立 ノ運 動
又 党 ノ組 織 再 建 状 態 ハ五月 中 旬 ニ至 ツ テ ヤ ツト中 央 部 諸 機 関 モ確 立
細 胞 ヲ組 織 スル事 及 斯 ル方 法 ニ ヨツ テ各 地 ニ尚 検挙 ヲ免 レテ居 ル党
デ ア リ マ ス。 読 者 ノ選 定 ハ組 織 部 ニ於 テ致 シ マシタ ガ 、機 関 紙 ノ部
一 同 志 山本 懸 蔵 奪 還
数 及 読 者 ノ氏 名 ハ申 上 ゲ マセ ヌ。 又読 者 ハ勿 論 党 員 デ ア リ マセ ヌ。
シ且 ツ大衆 団体 内 ノ フラ ク シ ヨ ン モ中 央 部 丈 ケ ハ確 立 出 来 マシ タ。
員 ト ノ連 絡 ヲ復 活 セ ント シ タ モ ノデ ア リ マス。 更 ニ官 憲 ノ検 閲 ヲ顧
之 ヲ要 ス ル ニ、 赤 旗 ノ再 刊 サ レ タ ノ ガ四 月 三十 日デ スカ ラ、 ソ レ マ
レ マデ 連 絡 ヲ断 タ レテ居 タ各 地 ノ旧 党 員 ト ノ連 絡 モ付 キ始 メ マシ タ。
更 ニ五 月 ニ入 ツテ カ ラ東 京 方 面 ニ於 テ新 党員 ガ獲 得 サ レ始 メ、 尚 ソ
慮 ス ル事 ナ キ徹 底 的 ナ 我党 ノ政 策 ノ発 表 ヲ絶 対 ニ必要 ト考 ヘタ カ ラ
デ ハ我党 ノ主 張 及 政 策 ハ主 ト シ テ無 産 者 新 聞 ヲ通 シテ 公表 サ レテ居
ソ シ テ五 月下 旬 幾 ラ カ人 手 ガ 出 来 テ来 タ ノデ 、早 速 全 国 ノ重 要 工業
タ丈 ケデ ス。 又 左翼 団 体 ノ フ ラ ク シ ヨン モ四 月中 ニ ハ確 立 シ テ居 マ セ ヌデ シタ。 唯 僅 カ ニ諸 団 体 中 央 部 ト 苦 心 シ テ連絡 ガ付 イ テ居 ルト
但 シ此 ノ時 私 ハ中 央 常 任 委 員 組 織 運 動 担任 ヲ ヤ メ、 プ ロア ジ部 員 、
都 市 ヘオ ルガ ナ イザ ー ヲ派 遣 シ、全 国 的党 再 建 ニ取 リ カヽ リ マシ タ。
無 産者 新 聞 指 導 責 任 者 ト ナ リ マシ タ カ ラ其 詳 シイ事 ハ知 リ マセ ヌ。
云 フ程度 ニ過 ギ マ セ ヌデ シタ。 党 ノ中 央機 関 モ亦 四月 中 ニ ハ未 ダ 完
ソ レデ 四 月中 ニ ハ我党 ノ主 張 及 政 策 ト 大衆 団体 ノ政 策 ト ノ間 ニ随 分
全 ニ確 立 シテ居 マ セヌデ シ タ。
マス。 同 志 森 田京 子 ト私 ト ガ什 ウ シ テ 一戸 ヲ構 ヘ ル様 ニナ ツ タ カ ノ
私 ガ同 志 森 田京 子 ト 共 ニ住 所 ヲ確 立 シタ ノ モ亦此 ノ時 期 ノ事 デ ア リ
顛末 ハ申 上 ゲ ル事 ハ出 来 マセ ヌ。 尚 同 志森 田京 子 ト私 ト ハ官 憲 及 世
チグ ハグ ガ起 リ マ シタ。 例 ヘバ 新 党 準備 会 ト労 農 協 議 会 及 労 働組 合
間 ノ目 ヲ眩 スタ メ夫 婦 ノ如 ク装 フ テ来 マシタ ガ、 実 際 ニ ハ夫 婦 ト シ
新 聯 合体 組 織 準 備 会 ト産 業 別 組 合 ノ基 礎 ノ 上 ニ立 ツタ総 評 議 会 ト ノ
四問 五 月 ニ入 ツテ カ ラ ノ党 ノ再 建 状 態 ト 活動 如何 。
問 題 ノ如 キ ガ其 最 モ著 シ キ モノデ ス。
テノ関 係 ハ何 等 ア リ マセ ヌ。
之 ヲ要 ス ル ニ、 四月 中 旬 カ ラ五 月下 旬 マデ 約 一ケ月 ノ中 ニ組織 部 ガ
答 五 月 ニ入 ツテ カ ラ赤 旗 ノ定 期 的 発 行 ト無 産 者 新 聞 ノ配 布 網 ノ 復 活 拡 大 並 大衆 団 体 ノ勢 力 ノ回 復 ノ上 向 ト相俟 ツテ 、諸 運 動 ガ四 月
一 印 刷 所 ノ設 立 、 機 関 紙 ノ再 刊 並中 央 部 諸 機 関 及 大 衆 団 体 内 中央
行 ツタ仕 事 ヲ 一言 ニシ テ 云 ヘバ 、
フ ラク シ ヨ ン等 ノ確 立 ヲ行 ヒ、 兎 ニ角 党中 央 部 ガ曲 リ ナ リ ニ モ セ ヨ
ニ比 シ テ急激 ニ活溌 ニ展 開 サ レ始 メ マシタ。 ソ シテ 五月 ニ於 テ党 ガ
一 農 民 ノ立 入禁 止 反 対 運 動
活動 ガ出 来 ル様 ニ基 礎 ヲ確 立 シタ ト 云 フ事
指 導 又 ハ関 係 シタ主 ナ ル闘 争 ハ次 ノ如 クデ ス。
一 無産 党 議 員 並 社 会 民 主 々義 者 ノ裏 切 ニ対 ス ル闘 争
云 フ事
三 斯 ク テ第 二段 ノ全 国 的 党 再 建 ヘ踏 出 スト コロ マデ 漕 ギ 付 ケ タ ト
メ タ事
二 連 絡 ノ復活 シ タ旧党 員 及 新 ニ獲 得 シ タ党員 ヲ夫 々部 署 ニ就 カ シ
広 ク大 衆 ニ報 ラ ス事 ガ出 来 マ ス。 此 ノ事 ト党 文 書 ノ配 布 網 ノ暴 露 ト
載 紹介 ス ルト 云 フガ如 キ方 法 ニ ヨツ テ モ我党 ノ主 張 ナ リ政 策 ナ リ ヲ
ラ 撒 ク 必要 ハア リ マ セ ヌ。 無 産 者 新 聞 、 マルク ス主 義 等 ニ ヨツ テ転
文 書 ノ発 表 ガ必 要 デ ア リ マ ス。 然 シ其 公表 ノ為 メ ニ何 モ機 関 紙 ヲバ
之 ハ確 ニ重要 ナ問 題 デ シタ。 党 ノ政 策 ヲ公然 大衆 ニ示 スタ メ ニ ハ党
ナ ル様 ナ 公表 ノ仕 方 ト ハ厳 重 ニ区 別 サ レネ バ ナ ラ ヌノデ シタ。 彼 ノ
四 其 間 一方中 央 常任 委 員 会 ト他 諸 機 関 ト ノ間 ニ立 チ、中 央 常 任 委 員 会 ノ決 定 ノ具体 化 ニ努 メ諸 運 動 ヲ指 導 シ テ来 タ事
ヲ報 ラ ス事 ガ出 来 ナ イ、 ト 同 時 ニ、 配 布網 ヲ暴 露 ス ル モノデ ア リ且
郵 送 ノ方 法 ハ、前 者 ニ比 シ テ御 話 ニナ ラ ヌ程 ノ少 数 ニ シカ党 ノ政 策
ツ彼 ノ第 二 回全 国 組 織 会 議 デ 批 判 サ レ タ非 合 法 ビ ラ撒布 ト 五十 歩 百
等 々デ ア リ マシ タ。
歩 ノ誤 ツ タ方 法 デ ア リ マ シタ。 非 合 法 党 タ ル我党 ノ文 書 ハ飽 ク マデ
五 問 六 月 ノ党 再 建状 態 ト活 動 如 何 。 答 前 述 ノ如 ク私 ハ最 早 中 央 常 任 委 員 デ モ組 織 運動 担任 者 デ モナ
五 機 関紙 読 者 ノ大 整 理 ガ行 ハレ又 新 ナ ル読 者 ノ追 加 ガ行 ハ レ且 ツ
ク ナ リ マシ タカ ラ、 六月 ニ入 ツ テ カ ラ ノ党 ノ再 建状 態 ハ適 確 ナ事 ガ
配 布網 ノ完 成 ト党 員 ノ獲 得 ガ行 ハレ、 党 ハ茲 ニ第 一期 再 建 ヲ達 成 シ
モ人 カ ラ人 ヘ且 ツ渡 スベ キ人 ヲ厳 選 シ、責 任 ア ル配 布 方 法 ヲ執 ラ ネ
ニ宛 テ ヽ郵 送 サ レ テ居 タ モノヽ 如 クデ ス。
タ如 クデ ス。
バ ナ ラ ヌ ノデ シタ。
二 私 ガ組 織 運動 担任 ヲ ヤメ テ カ ラ、 客 観 条件 ノ変 化 ニ基 キ当 然 組
六 問 七 月 ニ於 ケ ル党 再 建 状 態 ト 活 動 如 何 。
一 確 カ六 月下 旬頃 マデ 依 然 ト シテ機 関 紙赤 旗 ハ中 央 部 ヨリ各 読 者
織 テ ー ゼ ヲ作成 スベ キデ ア ル事 ニ気 ガ付 キ、 之 ヲ中 央 部 ニ上 申 シ、
判 リ マセ ヌ。 只今 私 ノ記 憶 ニア ル事 ハ次 ノ事 ノ ミデ ス。
併 セ テ無 産 者新 聞 社員 ヲ派 遣 シテ調 査 シ タト コ ロノ全 国的 情 勢 報 告
程 復 活 シ マシタ。 我 党 ノ全 国 的 再 建 即 チ工 場 細胞 、 地方 機 関 、 各 大
答 七 月 ニ入 ツテ カ ラ我 党 ノ中 央 各 機 関 ハ正常 的 活動 ヲ為 シ得 ル
三 六 月 中 ノ主 ナ ル闘 争 ハ次 ノ通 リデ ア ツ タト 記憶 シ マス。
煽 動 宣 伝 ト組 織ト ノ関 係 並 党 及 大 衆 団 体 ノ活 動 ト 現 実 ノ闘 争 ノ進 行
衆 団 体 内 フ ラク シ ヨ ン等 ノ確 立 ハ第 二期 ノ拡 張 ヲ始 メ、全 運 動 即 チ
ヲ中 央 部 ニ参考 材 料 ト シテ提 出 シタ事 ガ ア リ マス。
イ 白熱 化 シ タ ル治 安 維 持 法 撤 廃 並 出 兵 反 対 ノ闘 争
ト ガ凡 テ歩調 ヲ合 シテ進 行 シ得 ル様 ニナ リ マシ タ。 他 ノ労 農 党 及 評
ロ 社 外 船 乗組 員 ノ争 議
キ 一ツ ノ新 党準 備 会 ト シテ 又 一ツ ハ総 聯 合 促 進協 議 会 ト シテ統 一シ
議 会 再 建 ニ就 テノ混 乱 モ、 此 ノ月 ニ至 ツ テ コミ ン テ ル ンノ決 議 ニ基
ハ 労 農 党 ノ解 散 取 消 ノ行 政 裁 判 問 題
四 コミ ンテ ル ン代表 カ ラノ注 意 ニ ヨツ テ機 関 紙 ノ 郵送 ヲ廃 止 シ、
テ再 建 ス ル事 ニナ ツ タ ノデ 、 之 等 ノ両 団 体 ノ再 建 ハ急速 ナ進 行 ヲ始
等。
厳 重 ニオ ルガ ナイ ザ ーノ手 ヲ通 シテ次 々ト 手 交 ス ル方 法 ニ改 メ タ事 。
メ マシ タ。 ソ シ テ此 ノ期 間 ニ遂 行 シ タ主 ナ ル党 ノ活 動 ハ右 ノ 二問 題
聞 秘 密 編 輯 局 メ ンバ ート特 別 連 絡 法 ヲ講 ジ 且 ツ 二週 間 分 ノ新 聞 ヲ先
丈 ケ全部 一時 地下 ニ潜 メ マシ タ。
編 輯 シ、之 ヲ公 然 ノ編 輯 部 ニ交 附 シ、更 ニ公 然 ノ編 輯 部 モ此 ノ期 間
一 労 農 一派 ノ戦 略 ニ対 ス ル闘 争
ノ 一行 ニ加 ヘラ レ 一緒 ニ避 難 スル コト ニナ リ マシ タ。其 時 何 処 ヘ誰
私 ハ五 月下 旬 以 来 中 央 部 員 デ ハア リ マセ ヌデ シ タガ 、特 ニ中 央 部 員
ヲ除 イ テ尚 次 ノ如 キ モノ ガ ア リ マシ タ。
一 全 国労 働 組合 会 議 ノ樹 立 ノ タ メ ノ闘 争
々ト 避 難 シ タ カ ハ申 上 ゲ ラ レ マセ ヌ ガ、 我 々 ハ八 月 上旬 東 京 ヲ去 リ、
一 農 民 ノ立 禁 反 対 共 同 闘 争 一 労 農 一派 ノ無 産 大 衆 組 織 ニ対 スル闘 争
約 二週間 ノ後 ニ東 京 ニ帰 ツ テ来 マシ タ。 ソ シ テ予 メ定 メ置 キ タ ル連
関 及 地方 機 関 ガ殆 ンド 全 部 検 挙 サ レ タ様 子デ シ タ。其 処 デ 更 ニ中 央
一 床 次 ノ第 三党 組 織 問 題
部 ハ向 フ 一週 間 避 難 ヲ延 長 シ、 今 度 ハ私丈 ケ ガ東 京 ニ残 ツテ 一層 詳
絡 法 ニ ヨ ツテ被 害 状 態 ヲ調 査 シ マシ タ ト コ ロ、 我党 ノ重 要 ナ ル諸 機
等。
細 ナ ル調 査 ヲ ス ル事 ニナ リ マシ タ。
一 引 続 ク出 兵 反 対 並 治安 維 持 法 撤 廃 ノ闘 争
前述 ノ如 ク闘 争 ト 組 織 ハ急 激 ナ ル発 展 ノ緒 ニ着 キ マシ タガ 、 ソ レト
私 ト編 輯 局 ト ノ連 絡 ハ予 定 ノ如 ク付 キ マシタ。 ソ シテ無 産 者 新 聞 干
係 ハ 一人 モ犠 牲 者 ガ出 ナ カ ツ タ事 ヲ知 リ マシ タ。 ソ シテ直 チ ニ之 ヲ
ノ同 志 ノ 一部 モ検 挙 サ レ、 斯 ク テ再 ビ 七 月下 旬 ニ来 ル八 月 七 日 ヲ期
動 カ シ テ他 ノ方 面 ヲ調査 シタ ル処 、 大 体 前 述 ノ諸 機 関 ガ殆 ンド 凡 テ
同時 ニ大 阪 ニ於 テ 一部 ノ同 志 ガ検 挙 サ レ、 ソ レガ端 緒 ト ナ ツ テ東 京
ハ直 チ ニ其対 策 ヲ講 ジ マシ タ。
シテ全 国 的 一斉 検 挙 ガ行 ハル ヽト 云 フ事 ガ探 知 サ レ マシ タ。 中 央部
タ。 斯 ク テ我 党 ハ又 々諸機 関 ヲ再建 シ ナケ レバ ナ リ マセ ヌデ シ タ。
私 ハ此 ノ情 報 ヲ避 難 先 ノ中 央 部 ニ報 告 シ、中 央 部 ハ全 部 帰 京 シ マシ
テ 、全 体 ニ亙 リ平 常 ニ復 シ、警 戒 モ解 除 サ レ テ居 ル事 ガ判 リ マシ タ。
検 挙 サ レテ居 ル事 ガ 確 メ ラ レ マシタ。 而 シテ検 挙 ハ大 体 一段 落 付 イ
答 八 月 検 挙 ガ 予 知 サ レ マス ル ヤ我 党 中 央 部 ハ大 体 次 ノ様 ナ対策
七問 八 月 検 挙 ト 其 後 ノ情 勢 如何 。
ヲ樹 テ マシ タ。 一 八 月 七 日前 後 二 週間 ノ党 活 動 ノ停 止 二 党 文 書並 証 拠 物 件 ト ナ ルガ如 キ虞 ア ル一 切 ノ物 品 ノ始 末
ル様 ニ上 向 シ ツ ヽアリ マシタ カ ラ、当 面 ノ闘 争 ノ展 開 ハ四 月 及 五 月
然 シ今度 ハ新党 準備会及評議会 ガズ ン〓 活溌 ナ ル活動 ヲ展開 シ得
一 東 京市 会 ノ疑 獄 事 件 ニ対 ス ル闘 争
一 北海 道会 議員 選 挙戦 ノ指 導
ニ努 メ ツヽ ア ル間 ニ尚 次 ノ如 ク闘 争 ヲ展 開 シタ ノデ ア リ マ ス。
ニ比 較 シ テ大 変 楽 デ シ タ。即 チ 我党 ハ斯 ク ノ如 ク打 撃 ヲ受 ケ 又再 建
三 中 央部 ノ安 全 地帯 ヘノ 一時 的 避 難 四 各機 関 共特 別連 絡 方法 ヲ打 合 セ置 キ、 切 断 サ レタ ル連 絡 線 ヲ即 時 修 復 スル事 五 其 他 右 ノ命 令 ヲ受 取 ルト同 時 ニ、私 ハ自 分 ガ担 任指 導 シ テ居 タ無 産 者 新
一 東 電 従 業 員 ノ争 議 ノ指 導
ソ レカ ラ九 月 末 無産 者 新 聞 編 輯 局 デ 電 燈 料 争 議 ノ問 題 及 陪審 法 ニ対
党 並 社 民 党 下 ノ革 命 的 大 衆 ノ闘争 ガ ソ レデ ア リ マ ス。
シテ如 何 ナ ル政 策 ヲ執 ルベ キ カ ノ問 題 ガ起 リ、 之 ヲ党 ト シ テ討 議 決
一 富 山 県 ノ 一角 ヨリ始 マツタ電 燈 料 争 議 ノ指 導 等 々。
定 スル為 メ ニ又 赤 旗 ノ再刊 ヲ相 談 ス ル為 メ ニ、 十 月 三 日 臨時 会 議 ヲ
開 催 ス ル事 ニナ リ マシタ 。然 ル ニ其 前 夜 カ ラ所 謂 十 月 検 挙 ガ始 マリ、
此 ノ会 議 ハオ流 レト ナ ツタ ノデ ア リ マ ス。
答 私 ハ中 央 部 ノ組 織 的 ナ事 ハ知 リ マセ ヌガ、 九 月 初 旬 又 ハ中 旬
八問 九 月 ノ党 再 建 運 動 ト 党 ノ活動 如 何 。
中 央 部 ハ旅 行 ニ出 カケ マシタ 。 ソ シテ其 留 守 中 ハ同 志 某 ニ万事 相 談
九 問 プ ロアジ 部員 ト シ テノ活 動 如 何 。
答 党 プ ロアジ部 ノ活 動 ト 切 リ離 シ テ特 ニプ ロアジ部 員 ト シ テノ
セ ヨト 云 フ命 ヲ受 ケ マシタ 。其 同 志 某 ノ氏 名 ハ申 上 ゲ ラ レ マセ ヌガ 、
五月 下 旬 開 催 サ レ タプ ロ アジ部 会 以後 ノ党 ノプ ロアジ部 ノ活 動 ヲ申
私 ノ活 動抔 ト 云 フ モ ノ ハナ イ ノ デ スカ ラ、 以 下 私 ガ初 メ テ参 加 シタ
私 ノ活 動 ニ ハ従 前 ト何 等 変 ツタ事 ナ ク 、唯 プ ロア ジ部 ノ部員 ガ全 部
ナ ク ナ ツ タ ノデ 、 一時 ニ忙 シ クナ ツ タ丈 ケ ノ事 デ ス。党 ノ組 織 部 ハ
一 〇問 プ ロアジ 部 ノ構 成 員 及 部 長 ノ氏 名 ハ。
上 ゲ ル事 ニ致 シ マス。
居 ナ ク ナ ツ タ為 メ ニ、 夫等 ガ 分担 シ テ居 タ仕 事 ヲ全 部 ヤ ラネ バ ナ ラ
ハ詳 シイ 事 ハ判 リ マセ ヌ。当 時 我党 ノ政 策 ハ赤 旗 ノ発行 ガ中 絶 シ テ
直 チ ニ諸 機 関 ノ再 建 並 工 場細 胞 ト ノ連 絡 ヲ シタ様 デ シ タ。然 シ私 ニ
答 ソ レ ハ申 上 ゲ マセ ヌ。 只 部 長 ガ誰 デ ア ツ タ ニシ ロ、実 際 活 動
上 ニ於 テ ハ私 ガ主 タ ル責 任 ヲ負 ハサ レ テ居 マシ タ。
居 マシ タ ノデ 、 主 ト シ テ無 産 者 新 聞 ヲ通 シ テ公 表 サ レ又組 織 部 カラ 各 メ ンバ ー及 フ ラ ク シ ヨ ン ニ通 ゼ ラ レテ活 動 ヲ展 開 シ テ行 キ マシタ。
答 会 議 開 催 ノ場 所 ハ 一切申 上 ゲ マセ ヌ。会 議 開催 ノ日時 ハ 一々
一一 問 プ ロアジ部 会 議 ノ開 催 場 所 及 日時 ハ。
レ マシ タ。
記 憶 シ マセ ヌガ 、特 別 ノ故 障 ノ ナ イ限 リ部 会 ハ毎 週 一回 必ズ 開 催 サ
一 農 作 物 ノ不作 ヲ考 慮 シ、農 民 ノ小 作 料 及 公 課 全 免 ノ運 動 ノ指 導
其 間 遂 行 シ タ闘 争 ハ、
二 八 月末 ヨリ発 表 サ レタ ル各 地 共 産 党事 件 予審 終結 ニ基 キ闘 士 釈
一 二問 プ ロアジ 部 ノ活 動 如 何 。
放 及 公 判 公 開 ノ為 メ ノ運 動 三 東 京 市会 解 散 運動
六 所謂 無産 党 統 一ニ干 スル 二 ツ ノ策 動 ニ対 ス ル闘 争 即 チ第 一、 日
五 新 党 準 備会 ノ結 党 運 動
的 諸 問 題 ニ対 シ テノ宣 伝 煽 動 ニ就 テ協 議 決 定 シ マシタ 。決 定 サ レタ
サ レ テ居 マシ タ。 ソ シテ毎 回 其 当 時 ニ於 ケ ル最 モ重要 ナ政 治 的 経 済
マ ス。 プ ロアジ部 会 ハ前 述 ノ 通 リ故 障 ノ ナ イ限 リ毎 週 一回必 ズ 開 催
答 ソ レ ニ就 テ ハ五 月下 旬 カ ラ十 月 上 旬 マデ ノ活動 ニ就 テ申 上 ゲ
労 党 左翼 幹 部 ト労 農 一派 無産 大 衆 ト ノ合 同 運 動 、 第 二、社 民党 左翼
事 項 ハ夫 々其 性 質 ニ応 ジ テ或 モノ ハ赤 旗 紙 上 ニ、 或 モ ノ ハ雑 誌 マル
四 所 謂 大 典予 備 検束 ニ対 ス ル闘 争
幹 部 ト 日労 党 右 翼 幹 部 ト ノ合 同 運 動 、 之 ニ対 ス ル新 党 準 備 会 及 日労
ク ス主義 ニ、或 モノ ハ無 産 者 新 聞 ヲ通 シ テ発 表 サ レ マシ タ。然 シ夫
ヲ既 ニ作 製 シ テ居 タ 、 ソ シテ其 プ ラ ンノ第 一ノ実行 ト シテ 、既 ニ
イ 党 プ ロアジ部 ハ非 合 法 プ ロア ジ活 動 ニ干 シ テ種 々 ナ ルプ ラ ン
一 三 月 十 五 日 以後 ノ経 過
共産 党 パ ン フ レツ ト第 一輯 ヲ発 行 シ、 更 ニ以下 続 刊 ノ計 画 デ ア ツ
等 ノ 一々 ニ就 テ ハ現在 記 憶 ガ確 カデ ア リ マセ ヌ カ ラ ソ レ以 上詳 シク 申 上 ゲ ル事 ハ出 来 マセ ヌ。 共 産 党 プ ロアジ部 ト シ テ ノ活 動 ト シ テ ハ
ロ 党 ハ五月 中 旬 政 府 ノ対 支 出 兵 ニ際 シ、出 征 兵 士 ノ間 ニ出 兵 反
タガ 三 月十 五 日事 件 ノ為 メ ニ中断 サ レ テ仕 舞 ツ タ
勿 論 ソ ンナ事 ヲ以 テ足 レリト スベ キ モ ノデ ナ ク、例 ヘバ、 一 合 法 的 及 非 合 法 的 宣 伝 並煽 動 文書 ノ出 版
ノ組 織
ノ第 二 回全 国 組 織 会 議 ノ決 議 ト 其 後 ノ経 験 ニ鑑 ミ、 彼 ノ党 署 名 ノ
対並 帝 国 主 義 戦 争 反 対 ノ宣 伝 ヲ必 要 ト 認 メ タ、然 シ党 ハ二月 下 旬
二 合 法 的 及 非 合 法 的 研究 会 、講 習会 、学 校 ノ設 立 指 導 並 集 会
沢 山為 スベ キ事 業 ガ ア リ マ ス。 然 シ右 期
三 宣 伝 隊 ノ組 織 並 宣 伝 家 ノ養 成 等 々数 ヘ挙 ゲ レ バ マダ 〓
ソ シテ其 代 リ党 ハ青 年 同 盟 ヲ シ テ青年 同 盟 ノ名 ニ於 テ出 征 兵 士 ノ
非 合 法 ビ ラ ノ作 成 及 非 合 法 ビ ラ撒 キ隊 ヲ編成 ス ル事 ヲ シ ナ カ ツ タ。
テ居 マセ ヌデ シ タ。 従 ツ テ此 ノ期 間 ノ プ ロア ジ部 ノ活 動 ハプ ロアジ
間 ノ我 プ ロアジ 部 ハソ レ程広 汎 ナ活 動 ヲ遂 行 シ得 ル程 条 件 ガ 具備 シ
ハ 赤 旗 ハ確 実 ニ五 日毎 ニ発 行 サ レテ居 ル、 並 ニ党 印 刷 所 ハ目 下
間 ニ右 ノ宣 伝 ビ ラ ヲ撒 布 セ シ メ タ
イ 非 合 法 プ ロアジ 活動 ニ就 テ ハ多 クノ為 スベ キ事 ガ ア ルガ 、 目
二 決 定
一ケ所 デ ア ル
活 動 ノ極 メ テ 一小 部 分 ニ過ギ マセ ヌ。 ソ レデ 前 述 ノ如 ク、当 面 ノ問 題 ニ対 スル宣伝 煽 動 ヲ赤 旗 、無 産 者 新 聞 、 マ ルク ス主義 等 ヲ通 シ テ 遂 行 シ タト 云 フ事 デ プ ロアジ部 ノ活 動 ハ尽 ルノデ ア リ マ スガ 、其 活 動 ヲ スル ニ就 テ特 ニ問 題 ト ナ ツ タ左 ノ 三 ツ ノ件 ニ就 テ ノ ミ特 別 ニ申 上 ゲ マス。
ツ テ中 断 サ レタ共産 党 パ ン フ レツ ト第 二輯 以 下 ヲ続 刊 スル事 ニ力
下 ノ力 ノ干 係 デ ハ当 面赤 旗 ノ確 実 ナ ル発 行 及 三月 十 五 日事 件 ニヨ
ロ 党 印 刷 所 ヲ強 固 ニス ル事 及 党 印 刷 所 ヲ至 急 二 ケ所 ニ増 設 シ、
ヲ注 ガ ネバ ナ ラ ヌ
一 非 合法 プ ロア ジ活 動 並 党 印 刷 所 問 題 二 マル ク ス主 義 、労 働 者 、農 民 運 動 等 ノ問 題
一ケ所 ヲ赤 旗 印 刷 所 ト シ、 他 ノ 一ケ所 ヲ非 合 法 プ ロアジ 文 書 ノ印
三 無 産 者 新 聞 ノ指 導 一 三問 然 ラバ非 合 法 プ ロア ジ活 動 並 党 印 刷 所 問 題 ト ハ如何 ナ ル事 カ。
赤 旗 並党 印 刷 所 等 々 ニ干 シ テ詳 細 ナ ル討 議 ヲ シ タ末 決 定致 シ マ シタ。
ツ タ政 策 ヲ正 シイ ト認 メ ル、 党 ハ緊 急 重 大 ナ ル問 題 ノ勃 発 ニ際 シ
ハ 対 支出 兵 ニ際 シ、出 征 兵 士 ニ対 スル宣 伝 ニ関 シ党 中 央部 ガ採
刷 所 ニス ル事
然 シ私 ハ此 ノ議 事 ニ干 シテ ハ唯 次 ノ事 丈 ケ シ カ申 上 ゲ ル訳 ニ ユキ マ
テ ハ啻 ニ赤 旗 ニ於 テ ソ レ ヲ取 扱 フ丈 ケデ ナ ク、 必 要 ナ場 合 ニ ハ臨
答 六 月 上旬 開催 サ レタ プ ロア ジ部 会 ハ非 合 法 宣 伝文 書 ノ刊 行 及
セ ヌ。
等。
相 互 関 係 ヲ考 慮 シ テ行 ハ レネ バ ナ ラ ヌ
時 ノ檄 ヲ発行 スベ キデ ア ル、 然 シ其 配 布 方 法 ハ厳 重 ニ其 時 ノ力 ノ
ヲ続 ケ ル事 ガ 出来 タ、然 シ五月 号 ハ種 々ナ ル故 障 ノ タ メ ニ休 刊 シ
党 中 央 部 ハ非 常 ナ苦 心 ヲ シ テ取 敢 ヘズ 臨 時 ニ四 月 号 ヲ編 輯 シ発 行
挙 サ レ テ仕 舞 ツ タ、
更 ニ確 カ六 月下 旬 ニ開 催 サ レタプ ロアジ 部会 デ特 ニ党 印 刷 所 ニ就 テ
ロ 雑 誌 労 働 者 ハ今 日 ニ至 ル モ尚 発 行 ノ見 込 ガ立 タ ナ イ、農 民 運
動 ハ発 行 サ レ テ居 ルガ党 ハ其 新 シキ発 行 者 達 ト今 日尚 何 等 干 係 ガ
タ
一 今 日 マデ赤 旗 印刷 所 ハプ ロアジ 部 ノ指 導 下 ニ置 カ レ テ居 タ。 之
問 題 ガ起 リ 、討 議 ノ結 果 次 ノ如 キ決 定 ヲ致 シ マシ タ。
付 イ テ居 ナイ
尽 ス事 、 ソ シ テ其 タ メ党 ハ急 速 ニ マル ク ス主 義 編 輯 部 ヲ確 立 スベ
イ 党 ハ当 面 マルク ス主 義 ノ確 実 ナ ル定 期 的 発 行 ノ タ メ ニ全 力 ヲ
二 決 定
ハ赤 旗 ノ性 質 及 赤 旗 印 刷 所 ノ組 織 的 重 要 性 カ ラ云 ツ テ妥当 デ ナ イ 、
二 党 中 央 部 ハ可 及 的 急 速 ニ新 印 刷 所 ヲ建 設 シ、 ソ レヲ赤 旗 印 刷 所
赤 旗 印刷 所 ハ党 中 央 部 ノ直 接 指 導 下 ニ置 クベ キデ ア ル
ト シ、現 在 ノ印 刷 所 ヲ プ ロアジ 部 ノ非 合 法 文 書 印 刷 所 ト ス ル事
キデ ア ル、尚 直 チ ニ六月 号 ヲ編 輯 シ之 ヲ五、六月 合 併 号 ト シ テ 即
ロ 現 在 ノ力 ノ状 態 デ ハ雑 誌 労 働 者 ヲ無 理 ニ再 刊 スル ト 云 フ ヨリ
時 発 行 ス ル事
ハ、当 面 マル ク ス主 義 ノ定 期 的 確 実 ナ ル発 行 ニ全 努 力 ヲ集 中 スベ
此 ノ決 定 ハ即 時 実 行 サ レ、 爾来 赤 旗 印 刷 所 ノ指 導 ハ中 央部 ニ ヨ ツテ 為 サ レ ル事 ト ナ リ マシ タ。 ソ シ テ新 印 刷 所 ノ確 立 ナリ次 第 、当 時 ノ
キデ ア ル
等。
ノ計 画 ハ八月 検 挙 ニ ヨツ テ二 ツト モ挫折 シ テ仕 舞 ヒ マシタ 。尚 八月
印 刷 所 ハプ ロア ジ部 ニ譲 渡 サ レル事 ニナ ツ テ居 リ マ シタ。 然 ル ニ此
ハ 雑 誌 農 民 運動 ノ発行 者 達 ト速 ニ連 絡 ヲ付 ケ党 ノ指 導 ヲ確 保 ス
等。
ル事
此 ノ決 議 ニ基 イ テ マ ルク ス主 義 五 、六 月 合 併 号 ノ編 輯 内 容 ガ 其 会 議
ト ト シテ刊 行 スル事 ガ 決 定 サ レ、 ソ レ ニ着 手 サ レテ居 マシ タ ガ、 十 月検 挙 ニ ヨ ツテ之 モ挫 折 シ テ仕 舞 ヒ マシ タ。
下 旬 ノプ ロア ジ部 会 デ 組 織 問 題 ニ干 スル宣 伝文 ヲ非 合 法 パ ンフ レツ
一四 問 マ ルク ス主義 、労 働 者 及農 民 運動 ノ問 題 ト ハ。
行者 達 ト ノ連 絡 ガ什 ウ ナ ツ タ カ私 ハ今 詳 シイ 事 ヲ記 憶 シ マセ ヌガ 、
デ 決定 サ レ、 ソ レ ハ六 月 十 五 日 ニ発 行 サ レ マシタ。 雑 誌 農 民 運動 発
マル ク ス主 義 編 輯部 ノ方 ハ其 後 直 グ確 立 シ タ筈 デ ス、然 シ常 ニプ ロ
答 五月 下 旬 又 ハ六 月 上 旬 開 催 サ レ タプ ロ アジ部 会 議 ハ雑 誌 マル
アジ部 ハ其 後 モ マル ク ス主 義 毎 月 号 ノ編 輯 中 心 点 ヲ討 議 決 定 シ テ行
ク ス主 義 、 労 働 者 及 農 民 運 動 ニ干 シ テ討 議 ノ結 果 次 ノ決 議 ヲ致 シ マ
一 現 状
キ マシタ 。例 ヘバ五 、六 月 合 併 号 ハ四 月 中 旬 ノ常 任委 員 会 ノ決 定 ヲ
シタ。
イ 三月 十 五 日事 件 ニヨ ツ テ雑 誌 マルク ス主 義 ノ編 輯 員 モ全 部 検
発行不能 ニ
ニ休 刊 ノ止 ム ナ キ ニ至 リ、十 月 号 ハ編 輯 ガ全 部 終 ツ テ翌 日出 版 所 ヘ
開 ヲ中 心 ト スル ト 云 フガ 如 キデ ス。 ソ シテ九 月 号 ハ八 月 検 挙 ノ タ メ
中 心 ト シ、 八月 号 ハ コミ ン テ ル ン ノ決 議 及 其 決 議 ニ基 ク新 方 針 ノ展
最 近 ノ情 勢 ヲ取 入 レテ展 開 スル事 ヲ中 心 ト シ、七 月 号 ハ戦 略 問 題 ヲ
社内 ニ直 チ ニ我 党 ノ細 胞 ヲ組 織 シタ事 デ ア ル、 而 カ モ尚 其 上 我党
的 秘 密 編 輯 局 ヲ作 ツタ事 デ ア リ、 第 二 ハ再 建 サ レ タ無 産 者 新 聞 本
為 メ ニ 二ツノ方 法 ヲ採 ツ タ、第 一ハ公 然 ノ編 輯 部 ノ他 ニ半 非 合 法
モ党 ノ 勢力 ガ 一挙 ニ弱 マツ タ時 ニ生 ジ 易 キ新 聞 ノ動 揺 ヲ防 止 ス ル
ロ 党 ハ前 述 ノ目 的 ヲ完 全 ニ果 ス為 メ ニ又斯 ル非 常 時 ニ於 テ而 カ
会 デ 、 ソ レ マデ ニ マル ク ス主 義 及 労 働 者 誌 上デ 発 表 サ レタ諸 論 文 ヲ
尚 マルク ス主 義 ニ関 聯 シテ 一言 シ テ置 ク事 ハ八月 下 旬 ノ プ ロアジ 部
陥 リ マ シタ。
ハ 三月 十 五 日事 件 ニ ヨツ テ其 読 者 数 ハ 一時 半 数 以下 ニ激 減 シタ、
ル宣 伝 者 煽 動 者 ノ役 目 ヲ果 ス事 ガ出 来 タ。
産 者 新 聞 ハ 一回 ノ休 刊 モ ナ ク支 配 階 級 ノ弾 圧 ニ大衆 ヲ反 抗 セ シメ
要綱 ヲ与 ヘ且 ツ毎 号 ノ批 判 ト次 号 ノ方 針 ト ヲ指 示 シ タ、斯 ク テ無
中 央 部 ハ多 大 ノ危 険 ヲ犯 シ テ毎 号 ノ社 説 並 ニ重 要 記事 ノ全 文 又 ハ
送 附 ス ルト 云 フ前 夜 、 所 謂 浅 草 事 件 ニ遭 遇 シ テ マタ 〓
整 理 シ、 労 働 組 合 運動 論 文集 、無 産 政 党 問 題 論 文 集 、 戦 略 問 題 論 文
タ結 果 、次 第 ニ 一時 破 壊 サ レタ配 布 網 ガ再 建 サ レ、今 日デ ハ大 体
然 シ前 述 ノ如 ク、 我 党 ノ異 常 ナ努 力 ニヨ ツ テ定 期 的 発 行 ヲ継 続 シ
集 、農 民 問 題 論 文 集 ノ四 論 文 集 ヲ刊 行 ス ル事 ガ決 定 サ レ マシ タ。 ソ シテ之 モ既 ニ整 理 ガ終 リ、夫 々 ニ対 ス ル序 文 ヲ附 ス ル丈 ケ ニナ ツ テ
メ ツ ヽア ル。
ニ於 テ全 国 ニ行 キ渉 ル 様 ニナ ツ タ。従 ツ テ紙 数 モ次 第 ニ復 活 シ始
居 マシ タ ガ、 矢 張 リ浅 草 事 件 ノ為 メ ニ其 計 画 ハ挫 折 シ マシ タ。
答 ソ レ ハ五 月 下旬 開 催 サ レ タプ ロア ジ部 会 議 ハ、 無 産 者 新 聞 ノ
一 五問 無 産 者 新 聞 ノ指 導 ニ就 テ ハ。
実 ナ ル定期 的 発 行 ノ 重要 性 並 ニ斯 ル非 常 時 ニ於 ケ ル無産 者 新 聞 ノ
状 態 ニ陥 ツタ 、 我党 中 央 部 ハ斯 ル非 常 時 ニ於 ケ ル無 産者 新 聞 ノ確
ラズ 、各 地 ノ支 局員 並 ニ新 聞 干 係 者 ノ全 部 ガ検 束 サ レ、 一時壊 滅
イ 三 月 十 五 日事 件 ニ ヨツ テ例 外 ナ ク無 産 者 新 聞 ハ本 社 員 ノ ミナ
掲 載 スル事 ニヨ ツ テ発禁 ノ虞 ア リ ト思 ハレル モノ ハ凡 テ号 外デ 取
其 一策 ト シ テ対支 出 兵 反 対 及 治 安 維 持 法 撤 廃 ノ記 事 ニシ テ ソ レ ヲ
ヲ最 大 限 ニ発 禁 カ ラ救 ヒ、確 実 ニ大衆 ノ手 ニ渡 ス事 ノ必 要 ヲ認 メ、
ナ ク発 禁 命 令 ヲ下 シ押 収 シ始 メ タ、 我党 ハ今 日 ノ場 合 無 産 者新 聞
テ 一言 デ モソ レ ヲ妨 害 ス ル様 ナ記 事 ノ掲 載 シア ル場 合 ニ ハ、 容 赦
ハ猛 然 無 産 者 新 聞 ニ襲 ヒ カ ヽリ 、 凡 ソ対 支 出 兵 及 治 安 維 持 法 ニ就
ニ 我 党 ハ対 支 出兵 反 対 、治 安 維 持 法 撤 廃 ノ タ メ ノ大 衆 闘 争 激 発
勤 メ ル役 割 ノ重 要性 ヲ考 慮 シ、新 聞 社 ノ再 建 並 ニ新 聞 ノ継 続 的 発
扱 フ様 ニセ シ メタ 。
ノ タ メ ニ無 産 者 新 聞 ヲ最 大 限 ニ利 用 シ タ、然 ル ニブ ルジ ヨア政 府
行 ニ全 力 ヲ傾 注 シタ 、此 ノ努 力 ノ結 果 無 産 者 新 聞 ハ僅 カ ニ予定 ノ
一 三月 十 五 日 以後 ノ経 過 報 告
発 行 日 ヨリ二 、三 日遅 レタ丈 ケデ 休 刊 スル事 ナ ク直 チ ニ続 刊 サ レ
ホ 我 党 ハ無 産 者 新 聞 編 輯 上 ノ問 題 特 ニ掲 載 記 事 ニ於 ケ ル煽 動 ト
指 導 ニ関 シ報 告 ニ基 キ討 議 ノ結 果 次 ノ如 キ決 議 ヲ採 用 シ マシ タ。
タ。
ヘ 前 述 ノ如 ク、 党 中 央部 ハ社説 及 重要 記 事 ノ全 文 又 ハ要綱 ヲ与
附 加 シタ リ ス ル事 丈 ケ ハ根 絶 ス ル事 ガ出 来 タ。
執 筆 者 ガ勝 手 ナ意 見 又 ハ批 判 ヲ加 ヘタ リ或 ハ勝 手 ナ ス ローガ ン ヲ
改 良 ガ現 ハ レテ居 ナイ 、唯 一ツ彼 ノ報 道 記 事 ノ中 ニ於 テ其 記事 ノ
ノ官憲 ノ弾 圧 ニ ヨル頻 々 タ ル更 迭 ノタ メ ニ、 未 ダ 殆 ンド 見 ルベ キ
ニ尚 行 ヒツヽ ア ル、然 シ何 分 ニ モ連 絡 ノ不 充 分 及 公然 ノ編 輯 局 員
宣伝 ト ノ混 乱 ニ就 テ不 断 ニ警 告 シ、其 訂 正 ニ努 力 シ テ来 タ シ又現
ニ於 ケ ル宣 伝 ト煽 動 ノ混 同 ノ 一掃 ハ此 ノ為 メ ニ最 モ重 要 ナ 一方策
絡 及 指 導 ノ強 化 ト 云 フ事 ハ不可 分 ノ モ ノデ ア ル、 ソシ テ彼 ノ記事
営 業 及 編 輯 ヲ公 然 化 シ、 社 内 ノ細 胞 ヲ強 化 シ、 秘 密 編 輯 局 ト ノ連
適 切 ナ方 策 ヲ発 見 シ ナケ レバ ナ ラ ヌ、 其 タ メ ニ ハ前 述 ノ新 聞 社 ノ
外 政 策 ハ今 後 モ継 続 サ ルベ キデ ア ル、 然 シ秘 密 編 輯 局 ハ更 ニ 一層
ハ絶 対 ニ必 要 デ ア ル、其 為 メ ニ既 ニ採 用 サ レテ居 ル 一方 策 即 チ号
ロ 無 産 者 新 聞 ハ発 禁 ヲ避 ケ 、確 実 ニ大 衆 ノ手 ニ渡 ル様 ニス ル事
更 ニ七 月 ノ上 旬 開 催 サ レ タプ ロアジ部 会 議 ニ於 テ特 ニ無 産 者 新 聞 ニ
等。
デ ア ル、 此 ノ為 メ ニ秘 密 編 輯 局 ハ 一層 努 力 シナ ケ レバ ナ ラ ヌ。
然 ノ編 輯 会 議 ヲ経 テ最 後 ニ発 表 サ レ ルノデ ア ルカ ラ、 我 党 ガ 与 ヘ
干 ス ル件 ガ議 題 ト シ テ上 程 サ レ マシタ。 ソ レ ハ恰 度 其 時 期 ニ コミ ン
ヘテ来 タガ 、然 シ ソ レ ハ更 ニ秘 密 編 輯 局 ノ討 議 ニ上 リ、 更 ニ又 公
タ モノ ガ其 儘 発 表 サ レルト ハ限 ラ ナイ 、或 モノ ハ無 修 正 デ 発 表 サ
テ ル ン代 表 カ ラ ノ無 産 者新 聞 ニ干 スル指 令 ガ アツ タ カ ラデ ア リ マ ス。
レ、或 モノ ハ修 正 、 附 加 、 削 除等 ガ 行 ハレテ発 表 サ レテ居 ル。
ソ レデ 此 ノ時 ノ議 事 ヲ 一、 コミ ン テ ル ン代 表 ノ指 令 、 二、 無 産 者新
尚 党 ハ対 支 出 兵 反 対 運動 ノ発 展 ト無 産 者 新 聞 ノ記 事 ト ノ関 聯
ノ重 大 性 ヲ考 慮 シ、 無 産者 新 聞編 輯 部 ニ対 シテ特 別 ナ注 意 ヲ与 ヘ
イ 党 ガ 三 月 十 五 日以 後 ノ困 難 ナ時 ニ於 テ無 産 者 新 聞 ノ定 期 的 発
一 コミ ンテ ル ン代 表 ノ指 令
聞 ノ最 近 ノ情 勢 報 告 、三 、決 議 ノ順 序デ 申 上 ゲ マス。
ト
タ。
イ 党 ガ三 月 十 五 日事 件 以 後 ノ最 モ困 難 ナ時 期 ニ於 テ、 無産 者 新
ノ無 産 党 代 議 士 達 ノ裏 切 ヲ暴 露 シ タ ノ ハ非 常 ニヨカ ツ タ、 然 シ無
行 ヲ擁 護 シ且 ツ之 ヲ自 己 ノ タ メ ニ利 用 シタ ノ ハ全 ク正 シ イ、 又彼
二 決 議
フ事 ハ全 ク正 シ カ ツ タ、党 ガ無 産 者 新 聞 ノ定 期 的 発 行 ヲ確 保 シ且
バ ナ ラ ヌ、 ソ レカ ラ最 近 事 毎 ニ君 主 ガ前 面 ニ担 ギ 出 サ レテ居 ル事
産 者 新 聞 ハ更 ニ 一層 社 会 民 主 々義 者 ノ裏 切 ヲ暴 露 ス ル事 ニ努 メネ
聞 ノ煽 動 宣 伝 及 組 織 者 ト シ テ ノ機 能 ヲ百 パ ー セ ント利 用 シ タト 云
コソ、比 較 的 速 ニ大 衆 ヲ シ テ敵 ノ攻 撃 ニ対 シ テ逆 襲 ニ転 ゼ シ メ ル
ツ ソ レ ヲ通 シテ我 党 ノ政 策 ヲ迅速 且 ツ広 ク大 衆 ニ伝 播 シ得 タ カ ラ
カ ト云 フ事 又如 何 ニ君 主 ガ ブ ルジ ヨア ジ ー ノ利 益 ニ奉 仕 シ、労 働
者 及 農 民 ニ対 スル搾 取 抑 圧 ノ オ役 目 ヲ勤 メ テ居 ル カト 云 フ事 ヲ暴
実 ニ鑑 ミ、 如 何 ニブ ルジ ヨ アジ ー ノ為 メ ニ君 主 ガ利 用 サ レ テ居 ル
露 スベ キデ ア ル
事 ガ出 来 タ ノデ ア ル、 党 ハ無 産者 新 聞 ノ確 実 ナ ル発 行 ノ タ メ ニ 一
ソ シ テ其 反 面 ニ無 産 者新 聞 社 ノ営 業 及編 輯 ヲ出 来 ルダ ケ 公然 ト ヤ
層 秘 密編 輯 局 ノ強 化 ヲ計 ル事 及 無 産 者新 聞 社内 細 胞 ヲ強 化 スル事 、
ル様 ニ努 メ ネ バ ナ ラ ヌ。
ロ 無 産 者 新 聞 ハ モツ ト煽 動 的 ナ モノ ニス ル事
ノ指 令 的 ア ツ ピ ー ルガ掲 載 サ レ テ来 タ ノデ ア ルガ 、 之 ヲ断 然 廃
イタ、全労働者出兵反 対ノ従業員大会 ヲ開ケ) ト 云 フ ス ロ ー ガ ン 付
止 スル事 ニシ タ、其 理由 ハ、大 衆 的 運 動 ニ対 シ テ誰 彼 ノ個 人 ガ
ハ 発 禁 ヲ受 ケ ナ イ様 ニ スル事
ガ ス ロー ガ ン付 ノ指令 的 ア ツ ピ ー ルヲ掲 載 ス ル事 ハ不 合 理 デ ア
勝 手 ナ ス ローガ ン ヲ提 出 ス ル事 ガ不 合 理 デ ア ルト 同 様 ニ、新 聞
リ且 ツ屡 々情 勢 ト適 合 セザ ル スロ ーガ ン ヲ与 ヘ、 或 ハ大 衆 ノ組
ニ 新 聞 ノ指 導 関 係 ヲ本 社 、 秘 密 編 輯 局 、 共 産 党 ト 云 フ様 ニ ス ル
二 無産 者新 聞 ノ最 近 ノ情 勢 報 告
織 的 力 ノ干 係 ヲ無 視 シ タ闘争 ヲ強 ユ ル誤 謬 ヲ犯 スカ ラデ ア ル、
事
無 産 者 新 聞 秘 密 編 輯 局 ハ五 月下 旬 ノ プ ロア ジ部 会 ノ決 定 ニ基 キ編 輯 、
ルガ 、元 来 大 衆 運 動 ノ ス ローガ ン ヤ闘 争 方 法 等 々 ハ共 産 党 又 ハ
新 聞 ハ社 説 ニ於 テ主 張 シ批 判 シ或 ハ何 等 カ ノ提 唱 ヲ スル事 ハア
組 織 、財 政 ノ三 方 面 ニ亙 ツ テ新 方針 ヲ樹 テ タ。 イ 第 一 編 輯 方針 ノ改 良
組 合 等 ガ決 定 シ発 表 スベ キ モ ノデ ア リ 、新 聞 社 ノ編 輯 局 ガ決 メ
( イ) 無 産 者新 聞 ノ宣 伝煽 動 ノ混乱 ヲ 一掃 スル為 メ ニ報 道 記事 ト 宣 伝 記 事 ト ハ劃 然 ト 区 別 シ、社 説 及社 告 以外 ノ プ ロパ ガ ンダ 記
ピ ー ル ヤ決 議 ヲ転 載 スル事 ニ ヨツ テ ヨリ広 汎 ナ大 衆 ニ煽 動 スル
ス ロー ガ ンヤ闘 争 方 法 ヲ紹 介 シ又 ハ党 ヤ組 合 ガ発 シタ檄 ヤ ア ツ
ノデ ア ル、 又若 シ差 当 リ斯 ル党 ヤ組 合 ノ檄 ヤ決 議 ガ間 ニ合 ハナ
タ リ発 表 シ タ リ スベ キ モ ノデ ナイ 、新 聞 ハ党 ヤ組 合 ガ決 定 シタ
以外 ニ於 テ絶 対 ニセ ヌ事 ニ シタ 、 ソシ テ所 謂 各 頁 ノ巻 頭 或 ハ同
事 ニ ハ必 ズ 署 名 ヲ シ テ、其 文 責 ト ソ レガ宣 伝 文 デ ア ル事 ヲ 一見
種 報 道 記 事 ノ冒 頭 ニ掲載 サ レ テ来 タ 無 署 名 ノ ア ツ ピ ー ル的 記
ヲ語 ラ シメ 、 ソ レヲ紹 介 ス ル事 ニヨツ テ啻 ニ有 効 ナ ル宣 伝 煽 動
イ場 合 ニ ハ、党 ヤ組 合 ノ代 表 的 人物 ヲ シ テ方 針 、意 見 、批 判 等
シ テ判 ル様 ニス ル事 ト シ タ、 ソ シテ新 聞 社 ト シ テ ノ主 張 ハ社 説
事 ヲ断 然 廃 止 スル事 ニシ タ、其 代 リ事 件 報 道 ニ当 ツ テ闘 争 ノ ヨ
タ ルノ ミ ナ ラズ 、其 団 体 又 ハ代 表 的 人物 ノ信 用 ト ソ レ ヲ紹 介 シ
リ高 度 ノ段 階 ヘノ発 展 ノ徴 候 ヲ示 スト コロノ事 件 ヲ大 キ ク且 ツ 先頭 ニ出 来 ル丈 ケ印 象 的 ニ報 道 スル事 ニヨ ツ テ闘 争 ノ方 向 ヲ指
ル宣 伝 ト煽 動 ノ 混 同 ヲ絶 滅 シ且 ツ発 禁 ノ 口実 ヲ与 ヘナイ 様 ニ ス
タ新 聞其 モノヽ 信 用 ヲ昂 メ ル ト 云 フ 一石 二鳥 式 ナ効 果 ヲ得 ル事
ル事 ガ出 来 ルカ ラデ ア ル
ガ出 来 ルカ ラデ ア ル、 又 斯 ク ノ如 ク シ テ初 メ テ新 聞 記事 ニ於 ケ
九 州 ノ 一角 ニ於 テ二 、三十 名 ノ工場 デ 出 兵 反 対 ノ従 業 員 大 会 ガ
テ他 ノ諸 地方 デ ハビ ラ撒 布 或 ハ演 説会 以 上 ニ出 テ居 ナ イ時 ニ、
開 カ レタ ト シタ ラ、 新 聞 ハ此 ノ出 兵 反 対 ノ従 業 員 大 会 ヲ最 大 ノ
ヽ報 道 記事 デ ハナク テ 、 正 ニ斯 ル ス ローガ ン付 ノ指 令的 ア ツピ
(ロ) 従来 発 禁 ノ口実 ト ナ ツ テ居 ル ノ ハ、 多 ク ノ場 合 事 実其 モノ
示 シ且 ツ煽 動 スル事 ト 云 フ事 ニシ タ、例 ヘバ出 兵 反 対 運 動 ニ於
活 字 ヲ使 ツ テ同 一運 動 ノ報 道 記 事 ノ先 頭 ニ掲 ゲ 、 ソ レ ニ ヨリ事
ー ル記 事 デ ア ル、而 シ テ斯 様 ナ ア ツ ピ ー ル的 記事 ヲ撤廃 シ且 ツ
実 ヲ以 テ闘 争 発展 ノ方 向 ヲ示 ス事 ニシ タ、斯 様 ナ際 ニ ハ従 来 必 ズ其報道 記事 ノ外 ニ ( 九州 ノ某 工場デ ハ出 兵反対ノ従業員大会 ヲ開
聞 ハ階 級 的 立 場 ヲ少 シ モ引下 ゲ ル事 ナ ク、 反 対 ニ益 々階 級 的 立
宣 伝 記 事 ト報 道 記 事 ト ヲ厳 格 ニ区別 ス ル事 ニ ヨツ テ、 無 産者 新
ヲ大 衆 化 スルト 共 ニ、編 輯 部 ノ党 フラ ク シ ヨ ンヲ強 化 シ ナケ レ
或 ハ踏 ミ外 ス結 果 ニ陥 ル、 此 ノ問 題 ハ結 局 ニ於 テ公 然 ノ編 輯 部
件 ニ対 スル観 点 ト 云 フ モ ノ ヲ誤 ルト全 ク階 級 的 立 場 ヲ低 下 シ、
開 ガ 混 入 サ レタ リ 、 ス ロー ガ ンガ挿 入 サ レ タリ 、批 判 ガ 重 ネ ラ
バ、 大 衆 ノ間 カ ラ斯 様 ナ声 ノ起 ル ノ ハ報 道 記事 ノ中 ニ理論 ノ展
的 ニ破 壊 サ レタ リ ス ル為 メ ニ、 未 ダ 充 分 ナ ル成 功 ヲ納 メ テ居 ナ
員 ガ更 迭 ス ル事 及 党 員 ガ検 束 サ レテ編 輯 部 フラ ク シ ヨンガ 一時
(ニ) 無 産 者新 聞秘 密 編輯 局 ハ大 体 以上 ノ方 針 ノ下 ニ編 輯 ヲ統 制 シ改 善 シ ツヽ ア ル、然 シ絶 エザ ル官 憲 ノ圧 迫 ノ為 メ ニ常 ニ本 社
バ ナ ラ ヌト 云 フ事 ニ帰 着 ス ル モノ ト考 ヘル
場 ヲ確 保 シ テ、 新 聞 ヲ ヨリ 大衆 的 ナ モノ ト スル事 ガ出 来 ルト考 ヘタ カ ラデ ア ル、 又斯 様 ニ シテ初 メ テ モツト 読 ミ易 ク シ テ呉 レ
レ タリ ス ルカ ラデ ア ル、大 体 以 上 ノ見 地 ニ立 ツ テ記事 ノ改 良 ニ
シ歓 迎 ノ声 ガ起 リ ツヽ ア ル
イ 、然 シ大衆 ノ間 カラ ハ早 ク モ新 方 針 ニ転 ジ テ カ ラ ノ新 聞 ニ対
ト 云 フ大 衆 ノ声 ニ満 足 ヲ与 ヘル事 ガ出 来 ル ト考 ヘタ、何 ト ナ レ
努 メ ツヽ ア ル
(イ) 無 産者 新 聞 ノ確 実 ナ ル定 期 的 発 行 ト読 者 ノ増 大 及 大 工場 ノ
ロ 第 二 組 織
(ハ) 斯 ノ如 キ方 針 ニ転 ジ タ結 果 、 就 中報 道 記事 ニ指 令 ヤ批 判 ヲ 加 ヘル事 ヲ廃 止 シ タ結 果 、 各 記者 ノ階 級 意 識 ノ発 達 ノ程 度 ガ 一 層 明白 ニナ ツ タ、 例 ヘバ同 一事 件 ノ報 道 デ モブ ルジ ヨア新 聞 ハ 争 議 悪 化 シタ ノ デ当 局 ハ取 締 ヲ シ タト報 ズ ルデ アラ ウ ガ 、階 級
メ ニ、本 社 ノ営 業 及 編 輯 等 ノ諸 部 門 ヲ充 実 スルト 共 ニ、 二 ケ月
労 働 者 ヲ読 者 ニ獲 得 シ、新 聞 ヲ大 工場 ノ基 礎 ノ上 ニ確 立 ス ルタ
テ争 議 ヲ破 壊 シタト 報 ズ ルデ ア ラウ カラデ ア ル。 斯 ノ如 ク同 一
的 立場 ニ立 ツ記 者 ハ、争 議 ガ 発 展 シ タノデ 政 府 ハ闘 士 ヲ検 束 シ
局員 ト ナ ルベ キ モノ ト、 其 地 其 地 ニ於 テ合 同 会 議 ヲ開 キ、 各 支
一回 ノ派 遣 ヲ実 行 シ タ、 オ ルガ ナ イ ザ ー ハ各 地 ノ支 局 員 或 ハ支
テ居 ル カ ノ程 度 ニ応 ジ テ報 道 ノ仕 方 ガ変 化 スル カ ラデ ア ル、 又
局 当 面 ノ活 動 テ ー ゼ ヲ作 成 シ テ来 タ 、其 作 成 サ レタ各 地 支 局 テ
ニ 一回 ノ定 期 的 巡 回 オ ルガ ナイ ザ ー派 遣 ノ制 度 ヲ設 ケ 、既 ニ第
或 者 ハ事 件 ノ中 カラ闘 争 発 展 ノ要 素 ヲ鋭 ク把 握 シ テ之 ヲ前 面 ニ
事 件 デ モ其 報 道 ニ当 ツ テ、階 級 的 立 場 ニド レ丈 ケ確 実 ニ立 脚 シ
押 出 スガ 、或 者 ハソ レ ヲ看 過 シ、 単 ニ表 面 ニ表 ハレ タ処丈 ケ シ
一 当 該 地 ニ於 ケ ル政 治 的 及 経 済 的 諸 干 係 ノ分 析 並 当 該 地 ノ
ー ゼ ノ 一般 的 共 通 的 項 目 ハ次 ノ如 クデ ア ル、
カ報道 シ得 ナ イ ト 云 フ結 果 ガ生 ズ ル、 従 来 ハ斯 様 ナ問 題 ハ報 道 記 事 ニ抽象 的 ナ文 字 ヲ以 テ意 見 ヤ批 判 ヲ混 入 ス ル事 ニ ヨ ツテ粉
二 労働 者 及農 民 ノ概 数 及其 組 織 状 態 並 団 体 ノ政 治 的 傾 向 、
主 ナ ル指 導 者 及活 動 分 子等 其 傾 向
工 場 、 就 中 大 工場 ノ分 布 状 態 ト附 近 農 村 事 情
デ 無産 者 新 聞 ハ報 道 記 事 ヲ満 載 スル事 ニヨ ツ テ新 聞 ヲ生 々ト シ
三 最 近 ノ労 働 者 及農 民 ノ闘 争 ト其 傾 向
飾 サ レ テ居 タ 、然 ル ニ今 ヤ其 誤 魔 化 シガ 付 カ ナ ク ナ ツタ 、 ソ コ
タ平易 ナ モノ ト スル カ、 然 シ若 シ以 上 ノ如 ク其 報 道 ニ当 ツ テ事
五 次 ノ巡 回 マデ ノ即 チ二 ケ 月 間 ニ於 テ達 成 スベ キ当 面 ノ活
批判
ル、 大体 ニ於 テ 三 ・ 一五 事 件 前 ノ発 行 部 数 ニ近 付 イ タ 、 又大 概
デ 増 大 シ始 メ、 而 カ モ大 工場 労 働 者 ヲ読 者 ニ獲 得 シ始 メ ツヽ ア
ガ良 化 シ且 ツ最 近益 々恢 復 シ ツヽ ア ツタ読 者 数 ガ急 激 ナ テ ンポ
全 国 的配 布 網 及 通信 網 ガ強 化 シタ許 リデ ナ ク、 紙代 ノ払 込 状 態
(ハ) 此 ノ オ ルガ ナ イザ ー ノ派 遣 及 各 支 局 テ ー ゼ ノ作 成 ニ ヨ ツテ
動 並 目標 工場 及 目 標 農 村 ノ決 定 ト ソ レ ヘノ新 聞 持 込 方 法 及 読
ノ支 局 カ ラ ハ支 局 ニ ユー スガ 発 行 サ レ テ居 ル、更 ニ工場 ヲ基 礎
四 無 産 者 新 聞 ノ頒 布 状 態 並 従 来 ノ頒 布 方法 及 ソ レ ニ対 ス ル
工場 ヘノ頒 布 闘 争 、 読 者 獲 得 等 ノ 一聯 ノ干 係 ノ統 一結 合
ト シタ読 者 会 ハ東 京 方 面 ヲ除 ク外 ハ殆 ンド ナ イ 、凡 テ ハ尚 地 域
者 獲 得 方 法 ノ決 定 即 チ工 場 暴露 記事 ノ通信 、 新 聞 記 事 、当 該
六 大 工場 ヲ基 礎 ト シ テ ノ読 者 会 ノ組 織 及 読 者 会 ト支 局 ト ノ
内 読 者 会 デ ア ル。 ハ 第 三 財 政
民 主 的 集 中 的 組 織 ノ確 立 七 支 局 ニ ユー スノ発 行
( イ) 彼 ノ対 支 出 兵 ノタ メ ニ連 続 的 発禁 ニ遇 ヒ、 一時 新 聞 社 ノ財
政 ハ危 殆 ニ瀕 シ タ、 ソ レデ 五 月末 基 金 三 千 円募 集 ヲ発 表 シ タ、
八 工場 及農 村 ヲ基 礎 ト シテ ノ大 衆 的 基 金 募 集 運 動 ノ組織 九 工場 及農 村 カ ラノ 通信 及 配 布 網 ノ建 設 並 非 常 時 ニ於 テ確
所 ガ封 鎖 サ レテ仕 舞 ツ タ事 、 及格 別割 高 ナ料 金 ヲ支 払 ハナイ 限
此 ノ基 金 募 集 ハ大 衆 カ ラ異 常 ナ感 激 ヲ以 テ迎 ヘラ レ、六 月 末 即
リ資 本 家 的 印 刷 所 ヲ利 用 スル事 ガ 困難 ニナ ツ タ事 ニ鑑 ミ、 専 属
実 ニ新 聞 ガ読 者 ニ届 キ 又 通 信 ガ確 実 ニ本 社 ニ届 ク様 ナ、何 時
シ テ完 全 ナ モ ノデ ハナ イ 、 ソ レ ハ極 メ テ大 ザ ツパ足 ラザ ル ヲ得
( ロ) 此 ノ第 一回巡 回 ニ ヨツ テ作 成 シ タ各 地 支 局 活 動 テ ーゼ ハ決
印 刷 所 ヲ建 設 ス ル事 ニ定 メ タ、而 シ テ日刊 ノ目 標 ヲ明 確 ニシ、
チ発 表 後 僅 カ ニ 一ケ月 ニシ テ早 ク モ応 募 二千 円 ヲ突 破 シ タ、 無
ナ カ ツ タ、然 シ ソ レ ニ モ拘 ラズ 第 一回 ノ試 ミト シ テ ハ此 ノオ ル
五 万 円 基 金 募 集 ヲ六 月 二十 一日第 百 六 十 号 ニ於 テ発 表 シ タ、 之
デ モ非 合法 ヘノ推 移 ガ出 来 ル配 布 及 通 信 網 ヲ予 メ準 備 シ テ置
ガ ナイ ザ ーガ 予想 外 ノ抜 群 ノ成 績 ヲ現 ハシ タ、 ト 云 フ事 ハ、此
又 大 衆 ノ異 常 ナ感 激 ヲ以 テ迎 ヘラ レ、 目下 各 地 ニ組 合 及 無 産 者
産 者 新 聞 秘 密 編 輯 局 ハ、 最 近 ノ官 憲 ノ弾 圧 ニ ヨツ テ殆 ンド 印 刷
ノ オ ルガ ナ イ ザ ー ガ テ ー ゼ作成 ノ材 料 ト シ テ使 用 シ タト コロノ
的 団 体 等 ニ ヨツ テ無 産 者 新 聞 日刊 期 成 同 盟 ガ作 ラ レ、 工場 ヲ基
ク事 等 々。
各 地 ノ情 勢 調査 報 告 ガ 、我 党 ノ再 建 ノ タ メ ニ非 常 ナ貢 献 ヲ シタ
礎 ト シ テ基 金 募 集 ト 支 持 運 動 ガ進 行 シ ツヽ ア ル。
三 決 議
ユー ス発 行 数 、 財 政等 々ノ報 告 ガ ア ツタ ガ現 在 記 憶 シ マセ ヌ。
最 後 ニ新 聞 ノ発 行 部数 、 地方 頒 布 状 態 、支 局 数 、 読 者 会 数 、 支 局 ニ
ト 云 フ事 ヲ以 テ証 明 出 来 ル、此 ノ テ ー ゼ ハ次 ノ巡 回 ノ時 ニ再 ビ 会 議 ヲ開 キ 、当 該 支 局 ノ 二 ケ月 間 ニ於 ケ ル此 ノ テ ーゼ ニ規 定 サ レ タ ル任 務 ノ実 行 状 態 ヲ検 査 シ且 ツ批 判 シ、新 ニ獲 得 シタ ヨリ 詳 細 ナ情 勢 ニ基 キ 一層 適 切 詳 細 ニ補 正 シ テ行 ク予定 デ ア ル。
禁 ヲ免 レ ル為 メ ニ階 級 性 ヲ緩 和 シ、官 憲 ト ノ妥協 ヲ勧 メツ ヽア ル。
ガ連 続 的発 禁 ニ遭 遇 ス ル ヤ、党 外 ノ小 ブ ルジ ヨ ア分 子 ハ新 聞 ノ発
共 産 主義 者 ニ於 テ ハ斯 様 ナ妥 協 論 ノ起 ル余 地 ガ ナイ 。然 ル ニ新 聞
ト 妥 協 セ ヨト 云 フ事 デ モナ イ。 事 ハ指 令 ノ(イ) ニ照 シ テ明白 デ ア ル。
イ 様 ニセ ヨト 云 フ事 ハ、 階 級 的 立 場 ヲ緩 和 セ ヨト 云 フ事 デ モ官 憲
努 力 シ ナケ レバ ナ ラ ヌ。 又指 令 ノ(ハ) ニ示 サ レ タ ル、発 禁 ヲ受 ケ ナ
露 並 君 主 ノ暴 露 ハ確 カ ニ不十 分 デ ア ツ タ 、今 後 ハ 一層 此 ノ方 面 ニ
行 ニ移 サネ バ ナ ラ ヌ。指 令 ノ( イ) ニ示 サ レタ ル社 会 民 主 々義 者 ノ暴
イ コミ ンテ ル ン代 表 ノ指 令 ハ絶 対 ニ正 シイ 、 我 々 ハ之 ヲ即 時 実
ハ 彼 ノ 日和 見 主 義 的 新 聞 論 ヲ 一蹴 シ且 ツ無 産 者 新 聞 ノ 一大 大 衆
及 他 ノ記 事 ト 一見 明 瞭 ニ区 別 シ テ掲 載 ス ル事 ガ 必要 デ ア ル。
ア ツピ ー ル的 記 事 ハ必 ズ 無 産 者 新聞 秘 密 編 輯 局 ニ於 テ執 筆 ス ル事
ト同 様新 聞 社 ガ責 任 ヲ負 フベ キ モノ ナ ノダ カ ラ、 ソ レ故 此 ノ種 ノ
ル事 ハ十 分 認 メネ バ ナ ラ ヌ。 ソ シテ 此 ノ ア ツ ピ ー ル的 記 事 ハ社 説
事 ガ情 勢 ニ適 合 セザ ル指 令 ノ濫 発 ト ナ ルト 云 フ誤 謬 ヲ犯 ス危 険 ア
事 ハ不 可 デ ア ル。然 シ報 告 ガ指 摘 シタ如 ク 、此 ノ ア ツ ピ ー ル的 記
レ故 社 説 以 外 ノ無 署 名 ノア ツピ ー ル的 記 事 ヲ全然 撤 去 スルト 云 フ
ハ、無 産 者 新 聞 ヲ シ テ 一ノ指 導 的役 割 ヲ演 ゼ シメ ネ バ ナ ラ ヌ。 ソ
等。
於 テ モ、本 社 ヲ大 衆 的 ナ公 然 ナ基 礎 ノ上 ニ築 クト 云 フ点 ニ於 テ モ
然 シ乍 ラ我 々今 日 マデ ノ成 績 ハ、 其 煽 動 的 新 聞 ニス ルト 云 フ点 ニ
云 フ ト コ ロ ニ求 メ ラ レネ バ ナ ラ ナ イ。 此 ノ指 令 (ロ) 、 (ハ) 、 (ニ) ハ、既 ニ我 々ガ着 手 シ実 行 シ ツ ヽア ルト コ ロト完 全 ニ 一致 ス ルト考 ヘル。
五 無 産 者 新 聞 社 ノ大 衆 化
四 無 産 者 新 聞 ト赤 旗 ト ノ干 係
三 無 産 者 新 聞 ト所 謂 無 産 政 党 ノ機 関 紙
二 日和 見的 及 極 左的 新 聞 論 ノ批 判
此 ノ決 議 ニ基 イ テ直 チ ニ無 産 者 新 聞 テー ゼ ノ審 議 ニ移 リ マシ タ。審
ル
ガ発 禁 ヲ受 ケ ナ イ様 ニ スル事 ハ、 コミ ン テ ル ン代 表 ガ指 令 ノ (ロ) ニ 於 テ正 シク指 示 シ テ居 ル様 ニ、 百 パ ー セ ント煽 動 的 ナ新 聞 ニ スル
議 シタ テ ー ゼ ノ要 点 ハ只今 明確 ニ記 憶 シテ居 リ マセ ヌガ 、次 ノ如 ク
化 ヲ達 成 ス ルタ メ ニテ ー ゼ ヲ作 成 シ、 之 ヲ公 表 ス ル事 ガ必 要 デ ア
ト 云 フト コ ロ ニ求 メ ラ レネ バ ナ ラナ イ、 又指 令 ノ (ニ ︶ ニ正 シ ク指 示 シテ居 ル様 ニ、 党 ト新 聞 社 ト ノ干 係 ヲ 三段 構 ヘト シ、 本 社 ヲ公 然
デ ナ カ ツ タ カト 記 憶 シ マス。
我 々 ハ此 ノ 日和 見 主 義 ニ断 乎 ト シ テ闘 ハナケ レバ ナ ラ ナイ 。新 聞
タ ル大 衆 的 基 礎 ノ上 ニ築 キ上 ゲ 、其 中 ニ於 ケ ル党 ノ細 胞 ノ強 化 ト
決 シ テ満 足 スベ キ 程度 ニ逮 シテ居 ナイ 。 我 々 ハ此 ノ方 面 ニ 一層 ノ
六 無 産 者 新 聞 ノ諸 組 織 就 中 配 布 網 、 通 信 網 ト赤 旗 ノ ソ レト ノ
一 無 産 者新 聞 ノ性 質 ト 目的 及 任 務
勢 力 ガ為 サ レネ バ ナ ラ ヌ。
七 編 輯 方 針
干係
去 ト 云 フ点 ノ ミ ヲ除 イ テ其 他 ノ凡 テノ方 針 ヲ全 力 ヲ挙 ゲ テ進 行 セ
八 無 産 者 新 聞 ガ対象 ト ス ル読 者
ロ 会 議 ハ報 告 ヲ全 体 ト シ テ承 認 スル、 ソ シ テ唯 ア ツ ピ ー ル ノ撤
シ ムベ キデ ア ル。 党 及 組 合 ノ勢 力 ガ極 度 ニ弱 マツ テ居 ル時 ニ於 テ
九 読 者 会 ノ役 割 等々 審 議 ノ結 果 テー ゼ ヲ作 リ マシ タガ 、其 テー ゼ原 文 ハ記 憶 シ マセ ヌ。 然 シ其 テ ー ゼ ノ要 旨 ヲ展 開 シ タ ノガ 一九 二八 年 七 月 二十 日 発 行無 産
告
人 三 田村 四 郎
予 審 判 事 秋 山 高 彦
裁 判 所 書 記 鹿 田 清 次
東 京 地 方裁 判 所
第 四 十 二回 訊 問 調 書
被
右 治 安 維 持 法 違 反 被 告 事 件 ニ付 、 昭 和 五年 十 二月 十 三 日豊 多 摩 刑 務
者 新 聞 第 百 六 十 六 号 以下 三 回 ニ亙 ツテ掲 載 サ レタト コ ロノ、 小泉 保 太 郎 名 義 無 産 者新 聞 ニ就 テト 云 フ論 文 デ アリ マ ス。 ソ コデ今 日述 ベ
引 続 キ右 被 告 人 ニ対 シ訊 問 スル コト 左 ノ如 シ。
所 ニ於 テ、 予 審 判 事 秋 山 高彦 ハ裁 判 所 書 記鹿 田清 次 立会 ノ上 前 回 ニ
一 党 再 建 問 題
マシ タ ト コ ロヲ要 約 シ マスト 、
︹ 予 審 判 事 ハ被 告 人 鍋 山 貞 親 ノ第 二十 四 回 乃 至 第 三十 九 回 予 審 訊
一問 党 再 建 問 題 ニ関 シテ ハ被 告 人 鍋 山貞 親 ノ申 立 テ居 ル通 リ カ。
同 志 鍋 山 ノ第 二十 四回 乃 至 第 二十 六 回 訊問 調 書 ニ於 ケ ル陳 述 及 第 三
答 其 通 リデ ス。
六 対 支 出兵 反 対闘 争
ソ シ テ此 ノ機 会ニ一 言 釈 明 シ テ置 キ度 イ事 ハ、党 再 建 ト 云 フ言 葉 デ
ソ レ ニ該 当 致 シ マス。 私 ハソ レヲ無 条 件 ニ承 認 ス ル モノデ アリ マ ス。
アリ マ ス。 私 ハ今 日 マデ ノ陳 述 ニ於 テ党再 建 ト 云 フ言 葉 ヲ使 ツ テ居
十 五 回 、第 三十 八 回 ニ於 ケ ル陳 述 並 ニ第 二 十 九 回第 一問 ノ答 等 々ガ
九 治 安 維 持 法 撤 廃 ノ闘争
七 戦 略 問 題
十 救 援 会 ニ関 スル問 題
ルジ ヨア政 府 カ ラ検 挙 ヲ受 ケ マシ タ、然 シ ソ レ ニ ヨ ツテ嘗 テ 一度 タ
リ マス。 然 シ之 ハ決 シ テ妥当 デ アリ マセ ヌ。 我党 ハ今 日 マデ 屡 々ブ
我 々ガ ヤ ツ タ ノ ハブ ルジ ヨ ア政 府 ニ ヨツ テ破 壊 サ レタ我 党 ノ諸機 関
即 チ検 挙 ヲ受 ケ ル度 ニ党 ヲ ツ ク リ直 スト 云 フ事 ハシ ナ カ ツ タ ノデ ス。
ソ レ故 ニ我 々 ハ党 ヲ再 建 ス ルト 云 フ事 ハシナ カ ツ タ ノデ ア リ マ ス。
カ ツタ ト同 様 ニ、 将 来 モ断 ジ テ無 イ事 ヲ確 信 ス ル モノデ ア リ マ スガ 、
リ ト モ絶 滅 サ レタ事 ハナ イ ノデ ア リ マス。之 ハ今 日 マデ ニ於 テ モ無
十 一 社 会 民 主 々義 者 ニ対 ス ル闘 争
八 経 済 的 及 政 治的 諸 闘争
五 議 会 及 選 挙 戦 ニ対 ス ル闘 争
四 農 民 組合 及農 民 運動
問 調書 ヲ被 告 人 ニ閲 読 セ シ メ タ ル上 ︺
人 三 田村 四 郎
二 労 農 党再 建 及無 産 政 党 問 題
告
三 評 議会 再 建 及労 働 組合 統 一問 題
被
十 二 プ ロアジ 部 ノ活 動 十 三 其 他 デ ア リ マシ タ。
同 日於 前 記 場 所
右 読 聞 ケ タ ル処 相 違 ナ キ旨申 立 署名 拇 印 シ タ リ。
ノ再 建 デ ア ツ テ、 党 ノ再 建 デ ハナイ ノデ アリ マス。 即 チ コ ヽ ニ所 謂 答 其 通 リデ ス。
ル通 リ カ。
レ ニ該 当 シ マ ス。
同 志 鍋 山 ノ調 書 中 第 二十 九 回 第 四 問 ノ答 、第 三 十 回 第 一問 ノ答 ガ ソ
党 再 建 ト ハ、 ブ ルジ ヨ ア政 府 ニ ヨツ テ破 壊 サ レタ我 党 ノ諸 機 関 ノ再 建 及 共 産 党 ノ大 衆 化 拡 大 ノ事 デ アリ マ ス。
同 志 鍋 山 ノ第 二十 七 回第 一問 ノ答 及 第 三十 六 回 第 一問 ノ答 ガ恰 度 ソ
ル通 リ カ。
八問 経 済 的 及 政 治 的 諸 闘 争 ニ干 シ テ ハ被 告 人鍋 山貞 親 ノ申 立 テ居
同 志 鍋 山 ノ調 書 中 第 三 十 七 回 ニ於 ケ ル陳 述 ガ ソ レ ニ該 当 シ マ ス。
答 其 通 リデ ス。
七問 戦 略 問 題 ニ関 シ テ ハ被 告 人 鍋 山貞 親 ノ申 立 テ居 ル通 リ カ。
二 問 次 ニ労 農 党 再 建 問 題 及 無 産 政 党 問 題 ニ関 シ テ ハ被 告 人 鍋 山貞 親 ノ申 立 テ居 ル通 リ カ。
レ ニ該 当 致 シ マス。 私 ハソ レヲ全 部 承 認 シ マ ス。
答 其 通 リデ ス。
三 問 次 ニ評 議 会 再 建 及 労 働 組 合 統 一問 題 ニ干 シ テ ハ被告 人 鍋 山貞
答 其 通 リデ ス。
同 志 鍋 山 ノ調 書 中 第 二十 八 回第 五問 ノ答 、第 三十 六 回第 七 及 第 八 問
ハソ レヲ全 部 承 認 シ マ ス。
ノ答 、 第 二十 八 回 第 二問 ノ答 等 ニ於 テ陳 ベ テア ル通 リデ ア ツ テ、 私
答 其 通 リ デ ス。
親 ノ申 立 テ居 ル通 リ カ。
同 志 鍋 山 ノ調 書中 第 二十 七 回第 二問 ノ答 、 第 三 十 六 回 第 二問 及第 五
ル通 リ カ。
九 問 治 安 維持 法 撤 廃 ノ闘争 ニ関 シ テ ハ被 告 人鍋 山貞 親 ノ申 立 テ居
問 ノ答 、第 三 十 九 回 第 六問 ノ答 ガ ソ レ ニ該 当 シ マ ス。 私 ハソ レ ヲ全 部 承 認 シ マス。
通 リ カ。
一 〇問 救 援 会 ニ関 スル問 題 ニ干 シ テ ハ被 告 人 鍋 山 貞 親 ノ申 立 テ居 ル
ソ レヲ全 部 承 認 シ マス。
同 志 鍋 山 ノ調 書 中 第 三 十 二 回第 一問 ノ答 ガ恰 度 ソ レ ニ該 当 シ、 私 ハ
答 其 通 リデ ス。
四 問 次 ニ農 民組 合 及 農 民 運 動 ニ干 シ テ ハ被 告 人 鍋 山貞 親 ノ申 立 テ 居 ル通 リ カ。 答 其 通 リデ ス。
ニ該 当 シ マス。私 ハソ レ ヲ全 部 承 認 致 シ マ ス。
同 志 鍋 山 ノ調 書中 第 二十 八 回第 四 問 ノ答 及 第 三 十 三 回 ノ陳 述 ガ ソ レ
五 問 次 ニ議 会 及選 挙戦 ニ対 ス ル闘 争 ニ関 シ テ ハ被 告 人 鍋 山貞 親 ノ
答 其 通 リデ ス。
一一 問 社 会 民主 々義 者 ニ対 ス ル闘 争 ニ関 シ テ ハ被 告 人 鍋 山 貞 親 ノ申
レヲ全 部 承 認 致 シ マ ス。
同 志 鍋 山 ノ第 二 十 八 回訊 問 調 書 第 二問 ノ答 ガ ソ レ ニ該 当 シ、 私 ハソ
同 志 鍋 山 ノ調 書中 第 三十 一回 ノ陳 述 ガ ソ レ ニ該 当 シ マス。
答 其 通 リデ ス。
申 立 テ居 ル通 リ カ。
六 問 次 ニ対 支出 兵 反 対闘 争 ニ干 シ テ ハ被 告 人 鍋 山貞 親 ノ申 立 テ居
法 律 上 ノ責 任 ノ事 ヲ申 上 ゲ テ居 ル ノデ ハナイ カラデ ス。 尚 此 ノ同 志
丈 ケ デ ハナ ク、 閲 読 シ タ第 二 十 四 回 乃至 第 三十 九 回 マデ ノ同 志 鍋 山
私 ガ同 志 鍋 山 ノ陳 述 ヲ承 認 ス ル ノ ハ、単 ニ只 今 挙 示 シ タ諸 点 ニ就 テ
以 上 ノ如 ク私 ハ同 志 鍋 山 ノ陳 述 ヲ全 部 的 ニ承 認 ス ルノデ ア リ マ スガ 、
モノデ ス。
至 ル マデ ノ随 所 ニ陳 ベ ラ レ テ ア リ マスガ 、私 ハソ レヲ全 部 承 認 ス ル
ソ シ テ ソ レ ニ就 テ ハ同 志 鍋 山 ノ調 書中 第 二十 四 回 カ ラ第 三 十 九 回 ニ
十 分 ト裁 判 制 度 ニ拘 束 サ レ ル タ メ ニ、 此 ノ各 人 ノ陳 述 中 ド ノ部 分 ガ
ナ ク、会 議 ノ決 定 ニ基 キ陳 述 シ タ モノデ ス。然 ル ニ会 議 ノ決 定 ノ不
々 ノ陳 述 ノ ア ル部 分 ト同 様 ニ、 矢 張 リ個 人 ト シ テノ勝 手 ナ陳 述 デ ハ
学 、杉 浦 啓 一、市 川 正 一、 国 領 五 一郎 、徳 田球 一、志 賀 義 雄 及 私 等
ト思 ヒ マ ス。 此 ノ陳 述 以 前 ノ同 志 鍋 山 ノ陳 述 ノ ア ル部 分 ハ同 志 佐 野
誤 解 ガ生 ズ ル虞 ガ ア リ マ スカ ラ、 ソ レ ニ就 テ 一言釈 明 シ テ置 キ度 イ
然 ラバ此 ノ 二十 四 回 以 前 ノ陳 述 ハ凡 テ彼 ノ自 分勝 手 ナ陳 述 カ ト 云 フ
鍋 山 ノ陳 述 ガ会 議 ノ決 議 ノ決 定 ニ基 ク モ ノダ ト申 シ マス事 ニ ヨ ツテ、
ノ陳 述 全 般 ニ亙 ツ テ凡 テ真 実 デ アリ マスカ ラ、其 一字 一句 モ修 正 追
ア ルカ ヲ全 ク不 明 瞭 ニシ テ仕 舞 ヒ マシ タ。 我 々 ハ再 ビ此 ノ失 敗 ヲ繰
会 議 ノ決 定 ニ基 ク モノデ ア リ又 ド ノ部 分 ガ会 議 ノ決 定 以 外 ノ陳 述 デ
答 其 通 リデ ス。
立 テ居 ル通 リ カ。
ハ 一言 其 理 由 ヲ附 加 シ テ承 認 スル事 ニシ度 イ ト思 ヒ マ ス。 其 理由 ハ、
加 ス ル事 ナ ク其 儘 承 認 スル モ ノデ ス。但 シ私 ハ之 ヲ承 認 スル ニ就 テ
スナ ラバ 、 同 志 鍋 山 ノ此 ノ陳 述 ニ対 シ テ ハ私 ガ共 同 署 名 ヲ スル事 ガ
句 ノ修 正 追 加 スル事 ナ ク承 認 ス ルノデ ア リ マ ス。 若 シ裁 判 手 続 ガ許
議 及 決 定 ニ参 加 シ タ ノデ スカ ラ、 私 ハ此 ノ同 志 鍋 山 ノ陳 述 ニ 一字 一
ベ キデ ナ イト 思 フ ノデ ス。 ソ レ ハ定 メラ レタ ル人 ノ陳 述 ヲ承 認 スレ
カ ラ、凡 テ ノ者 ハ同 一ノ内容 ノ事 ヲ各 々ガ 云 フ必 要 ハナ イ シ又 云 フ
報 告 書 又 ハ軽 イ意 味 ニ於 テ決 議 ト 同 様 ノ性 質 ヲ持 ツ モノデ ア リ マ ス
出 タ モノデ ア リ マ ス。 即 チ会 議 ニヨ ツ テ定 メラ レタ ル或 人 ノ陳 述 ハ、
テ私 ガ同 志 鍋 山 ノ此 ノ陳 述 ヲ全 部 承 認 スル ノ モ、全 ク斯 ル趣 旨 カ ラ
最 モ望 マシ イ ノデ アリ マス。従 ツテ共 同 責 任 ヲ負 フベ キ モ ノデ ス。
バ ヨイ カ ラデ ス。 ソ シ テ又 ソ レ故 ニ此 ノ同 志 鍋 山 ノ陳 述 ニ就 テ ハ、
返 サ ナ イ様 ニ、出 来 ル丈 ケ 方 法 ヲ講 ジ 度 イ ト思 ツ テ居 リ マス。 ソ シ
勿 論 コ ヽ ニ同 志 鍋 山 ノ陳 述 ニ就 テ私 ガ共 同 責 任 ヲ負 フ ト 云 フ ノ ハ、
共 産 党 ノ上 級 機 関 カ ラ変 更 ヲ命 ゼ ラ レナ イ 限 リ 、公 判 廷 ニ於 テ モ、
テ、 ア ル会 議 ノ決 定 ニ基 ク陳述 ダ カ ラデ アリ マス。 ソシ テ私 ハ其 会
決 シ テブ ルジ ヨア ノ法律 ニ対 シ テデ ハア リ マセ ヌ。 ソ レ ハ法 規 上 カ
亦 他 ノ如 何 ナ ル処 ニ於 テ モ断 ジ テ 一言 一句 モ訂 正 シ ナイ モノデ ス。
此 ノ同 志 鍋 山 ノ陳 述 ハ決 シ テ同 志 鍋 山 ノ自 分 勝 手 ナ陳 述 デ ハナ ク シ
ラ 云 ツテ モア リ得 ナイ シ、 我 々 モ亦 ソ ンナ意 思 ハア リ マセ ヌ。私 ガ
一内 容 ノ事 ヲ陳 述 シ テ居 様 ト 、将 又 正反 対 ノ事 ヲ陳 述 シ テ居 様 ト 、
而 シテ又 ソ レ故 ニ他 ノ人 ガ此 ノ点 ニ関 シ テ仮 令 同 志 鍋 山 ノ陳 述 ト 同
夫 等 ノ陳 述 ニ ハ 一切 承 認 ヲ与 ヘル事 ハ出 来 マセ ヌ。
共 同 責 任 者 ト シ テ其 責 ヲ負 フ ノ ハ共 産 党 ニ対 シ テ ヾ ア リ マス。更 ニ
最 後 ニ北 海 道 ニ於 ケ ル労農 会 議 及労 農 政 権 ノ問 題 ニ就 テ特 ニ釈 明 シ
断 ツ テ置 キ度 イ事 ハ、 私 ガ 此 ノ同 志 鍋 山 ノ陳 述 ニ共 同 責 任 者 ト シ テ
ト ナ ルト 云 フ事 ト 混 同 シ ナイ様 ニシ テ頂 キ度 イ、 私 ハ決 シ テ ソ ンナ
責 ヲ負 フ ト 云 フ事 ヲ、此 ノ陳 述 ノ内 容 ヲ為 ス事 件 ノ法 律 上 ノ責 任 者
テ置 キ度 イ ト思 ヒ マ ス。 当 時 私 ハ北 海 道 全 道 会 議 ノ決 定 ニ基 イ テ、 議 会 解 散 ノ タ メ ノ大衆 運 動 ヲ組 織 スル ニ当 リ ﹁ブ ルジ ヨ ア議 会 ニ対
予 審 判 事 秋 山 高 彦
人 三 田 村 四 郎
右 治 安 維 持 法 違 反 被 告 事 件 ニ付 、 昭和 五年 十 二月 十 六 日豊 多 摩 刑 務
告
所 ニ於 テ、 予 審 判 事 秋 山 高彦 ハ裁 判 所 書 記鹿 田清 次 立会 ノ上 前 回 ニ
被
ナ ル言 葉 ノ誤 リデ ハナ ク 、同 志 鍋 山 ノ陳 述 ニア ル如 ク ﹁ 当 面 具体 的
第 四 十 三 回訊 問 調 書
ナ議 会 解 散 闘 争 ノ タ メ ノ労 農 会 議 ト 云 フ事 ト ハ別 ニ、 斯 ル労 農 会 議
引続 キ右 被 告 人 ニ対 シ訊 問 スル コト 左 ノ如 シ。
抗 シ テ労農 会 議 ヲ開 ケ﹂ ト 云 フ提 唱 ヲ シタ ノデ ア リ マスガ 、之 ハ単
ヲ ヨリ理論 的 ニ闡 明 シ様 ト スル試 ガ為 サ レ タ結 果 、革 命 的 権 力 ノ問
一問 十 月 以 後 ノ活 動 如 何 。
答 ソ レ ニ就 テ ハ十 月 二 日 ヨリ十 月 下 旬 マデ ノ活 動 及 十 月 下 旬 以
題 ニ対 ス ル認 識 ノ不 十分 及 全 国 的 諸 情 勢 分 析 ノ不 十 分 等 ノ タ メ ニ理
二問 然 ラ バ十 月 二 日 ヨリ十 月 下 旬 マデ ノ活 動 如 何 。
後 ノ活 動 ノ 二 ツ ニ分 ケ テ申 上 ゲ ル方 ガ便 宜 ダ ト思 ヒ マ ス。
論 的 闡 明 ガ 甚 ダ当 為 的 ナ モノ ト ナ リ、 ソ レ ガ後 実 践 上 ニ表 ハレ タ モ ノデ ア ル﹂ ト 云 フ四月 中 旬 ノ党 常 任 委 員 会 ノ決 定 ガ全 ク正 シイ モ ノ
三 十 月 五 日 ノ第 二回会 合 ト臨 時 党 指 導 部 ノ形 成 ニ就 テ
二 十 月 三 日善 後 策 会 議 ニ就 テ
一 所 謂 十 月 検 挙 ニ就 テ
答 ソ レ ハ次 ノ様 ニ分 ケ テ申 上 ゲ ル事 ニ致 シ マス。
デ ア リ、 私 ハ其 誤 謬 ヲ認 メ、其 決 定 ヲ絶 対 ニ支 持 シ タ ノデ ア リ マス。 尚 北 海 道 全 道 会議 デ問 題 ト ナ ツタ所 謂 労 農 政 権 ノ 問 題 ハ、 ﹁全国 的
四 家 屋 委 員 会 ニ就 テ
規 模 ニ於 ケ ル二 重 権 力時 代 ノ問 題 ノ事 デ ア ル﹂ ト 云 フ事 ガ 之 又 四 月
メ テ知 ル ニ至 リ マシタ。 之 等 ニ就 テ ハ同 志 鍋 山 ノ第 三 十 九 回 訊問 調
中 旬 ノ常 任 委 員 会 デ 明確 ニ闡 明 サ レ、私 ハ問 題 ノ真 実 ノ所在 点 ヲ初
五 中 央 部 ト ノ連 絡 ノ復 活 並 臨 時 指 導 部 ヨリ正中 央 部 ヘノ事 務
告
人 三 田村 四郎
タ者 デ ハア ル マイ カ ト 云 フ疑 念 ヲ持 ツタ ノデ 、直 グ ニ二階 ヘ上 リ、
事 ヲ聞 キ ニ来 タ者 ガ ア リ マシ タ。 私 ハ其 訪 問 者 ヲ私 ノ家 ヲ内 偵 ニ来
タ、 ソ シ テ衣 服 ヲ着 替 ヘ階 下 デ 夕 食 ヲ シ始 メタ時 、突 然 訳 ノ判 ラ ヌ
戸 ヲ構 ヘテ居 タ浅 草 区 金 竜 山 瓦 町 ノ自 宅 ニ外 出 先 カラ帰 ツテ来 マシ
答 一九 二八 年 十 月 二日午 後 八時 頃 、私 ハ当 時 他 ノ同 志 ト共 ニ一
三問 所 謂 十 月 検 挙 ニ就 テ申 述 ベ ヨ。
引 継 及 報 告 事 項 ニ就 テ
レヲ無 条 件デ 全部 承 認 ス ル モノデ ス。
等。
書 第 六 問 ノ答 ノ 二( イ) ( ロ)(ハ ) ニ於 テ詳 シク陳 述 シテ居 リ マスガ 、 私 ハソ
被
一二問 被告 ガ 鍋 山貞 親 ノ陳 述 ヲ全 部 的 ニ承 認 スル理 由 ト シ テ申 述 ベ タ其 会 議 ト ハ如何 ナ ル事 カ。 答 ソ レ ハ申 上 ゲ マセ ヌ。
東 京 地方 裁 判 所
右 読 聞 ケ タ ル処 相 違 ナ キ旨 申 立 署 名 拇 印 シ タ リ。 同 日於 前 記 場 所
裁 判 所 書 記 鹿 田 清 次
フ物 音 ガ 致 シ マシタ。 ソ シテ早 ク モ土 足 デ 誰 カ 二階 ヘ駆 上 ツ テ来 マ
座 ヲ外 シ マシタ 。然 ル ニ私 ガ 二階 ヘ上 ルカ上 ラ ヌ カ ニ階 下 デ 人 ノ争
マルト思 ツ タ ノデ 其 儘抛棄 シ テ表 通 リ ヘ逃 ゲ 、其 処 デ 通 リ ガ カ リ ノ
拾 ヒ ニ帰 ラ ウ ト シ マシ タ ガ、 然 シ引 返 ヘシ テ ソ レ ヲ拾 ツ テ居 テ ハ捕
シ タ。 私 ハ官 憲 ニ襲 ハレタ ト直 感 スル ト同 時 ニ、 机 ノ抽 斗 カ ラピ ス
コ ヽデ 断 ツ テ置 キ度 イ事 ハ、此 ノ時 ノ警 官 ガ私 ガ彼 等 ニピ スト ル ヲ
タ ク シー ニ飛 乗 リ某 所 ニ逃 ゲ マシ タ。
投 付 ケ テ逃 ゲ タ、 ソ シ テ私 ノ跡 ヲ自 転 車 デ追 跡 シタ ト報 告 シ テ居 ル
リ マセ ヌ。 ナ ント ナ レバ、 私 ハ前 述 ノ通 リ同 志 太 田 ノ家 ヘ ハ案 内 ヲ
ラ ント ス ル乱 入者 ニ向 ツ テ ピ スト ル ヲ発 射 シ マシ タ。其 男 ハ奇 声 ヲ
ト ル ヲ取 出 シ、将 ニ階 段 カ ラ半 身ヲ現 ハシ、 窓 ヲ乗 越 エテ私 ニ飛 掛
乞 フ テ入 ツ テ行 ツタ ノデ スカ ラ、 若 シ彼 等 ガグ ツ スリ寝 込 ンデ 居 ナ
タト 云 フ事 ガ事 実 ナ ラ バ、 私 ハ其 処 デ 当 然 逮 捕 サ レテ居 ナケ レバ ナ
ト思 フ処 マデ 走 リ続 ケ テ逃 ゲ マシ タ。 ソ シ テ通合 セタ タ ク シー ヲ傭
事 デ ア リ マス。 之 ハ全 然 虚 偽 デ ス。若 シ彼 等 ガ ソ レ程 私 ト相 対峙 シ
ツ テ 一先 ヅ 市 ノ中 心 ニ出 テ、其 処デ 服 装 ヲ整 ヘテ午 後 九 時 半 頃 下 谷
カ ツタ ナ ラ 、私 ハ二階 ヘ上 ルト 同 時 ニ捕 ツ テ居 ル筈 デ ス。更 ニ彼 等
シ マシタ ガ 、階 下 ニ モ表 ニモ誰 モ居 マセ ンデ シタ 。私 ハモウ大 丈 夫
金 杉 ノ同 志 太 田 ノ家 ヘ行 キ マシ タ。同 志 太 田 ノ家 ノ附 近 ヲ注 意 シ テ
ガ 私 ヲ追 跡 シ テ来 タ ト仮 定 シ且 ツ私 ガ彼 等 ノ云 フ如 ク ピ スト ル ヲ投
揚 ゲ テ階 段 ヲ駆 ケ降 リ表 ヘ逃 ゲ テ行 キ マシ タ。 私 モ続 イ テ表 ヘ飛 出
見 タ ガ別 段 警 戒 シテ居 ル様 子 モ ナ ク又 近 所 ノ人 達 モ騒 イデ 居 ル様 子
付 ケ タ ト仮 定 シ テ モ、 目 前 数 尺 ノ先 ヲ逃 ゲ ルト コロノ其 犯 人 ヲ自 転
ガ事 実 ナ ラバ 、実 ニ此 ノ時 又捕 ツ テ居 ル筈 デ ス。 私 ハ決 シ テ彼 等 ニ
モア リ マセ ヌデ シ タ。 ソ レデ 多 分 大丈 夫 ト思 ツ テ裏 口 カ ラ案 内 ヲ乞
ピ スト ル ヲ投 ゲ タ事 実 ハア リ マセ ヌ。 全 ク ソ レ ヲ落 シ テ拾 フ暇 ガ ナ
車 デ 追 跡 ス ルト 云 フ事 ハ少 クト モ ア リ得 ベ カ ラザ ル事 デ アリ マス。
然 ル ニ其 処 ニ ハ我 々ノ同 志 ハ 一人 モ居 ラ ナイ バ カリ カ 、 一見 警 察 官
カ ツ タ ノデ ス。敢 テ此 事 ヲ申 上 ゲ ル ノ ハ、 共 産 主義 者 ガ 握 ツ テ居 ル
現 ニ私 ハ其 時 僅 カ ニ 一丁 程 シ カ走 ツ テ居 マセ ヌ。 実 ハソ レ以上 走 レ
ト 察 セ ラ ル ヽ男 ガ 二人 入 口 ヲ足 ニシ、 頭 ヲ向側 ニ シ テ布 団 ヲ被 ツ テ
武 器 ヲ敵 ニ呉 レ テヤ ルト 云 フガ如 キ事 ハ絶 対 ニナイ ト 云 フ事 ヲ明 ニ
フタ ト コ ロガ、 階 下 ノ妻 君 ハ ﹁ 多 分御 居 デ ヽセ ウ﹂ ト答 ヘ マシ タ。
寝 テ居 マシタ 。私 ハシ マツ タト思 ツ テ直 グ障 子 ヲ閉 メ様 ト ス ルト 、
尚 土 間 ヲ見 ルト 男 下 駄 ガ数 足 ヌギ捨 テ ヽア リ マシ タ。 私 ハ多 分 私 以
其 内 ノ 一人 ガ眼 ヲ醒 シ マシ タ。 私 ハ障 子 ヲ閉 メ ルト同 時 ニ階 段 ヲ駆
シ テ置 キ度 イ ノデ ス。 彼 等 ハ虚 偽 ノ報 告 書 ヲ作 成 シ テ私 ヲ毀 ケ 且 ツ
ナ カ ツ タ ノデ ス。 ナ ント ナ レバ 、直 グ眼 ノ前 ニ交 番 ガ ア リ 、巡 査 ガ
ケ降 リ 、表 ヘ飛 出 シ マシ タ。 私 ガ恰 度 土 間 カ ラ将 ニ表 ニ飛 出 ス時 ニ
自 己 ノ職 責 ノ怠 慢 ヲ糊 塗 シタ モノデ ス。
立 ツ テ居 タ カ ラデ ス。若 シ私 ガ彼 等 ニピ スト ルヲ投 付 ケ テ逃 ゲ タ ノ
彼 ノ二階 ニ寝 テ居 タ警 官 ハ 「此 ノ野郎 」 ト怒 鳴 ツテ居 マシ タ。 ソ レ
前述 ノ如 ク私 ハ 一旦 タ ク シ ー ヲ傭 ツ テ再 ビ 此 ノ場 所 ヲ遠 ノ キ マシ タ。
テ 二階 ニ登 リ、同 志 太 田 ノ室 ノ障 子 ヲ声 ヲ カケ テ引 キ開 ケ マシタ。
ヲ聞 キ捨 テ ヽ路 地 カ ラ表 通 リ ヘ走 リ出 シタ ノデ ア リ マ スガ、 其 際 懐
ソ レカ ラ暫 ク街 路 ヲ歩 キ乍 ラ善 後 策 ヲ考 ヘ マシタ ガ 、兎 ニ角 事 件 発
外 ノ同 志 モ襲 ハレ テ此 処 ニ避 難 シテ来 テ居 ル モノト推 察 シ、 安 心 シ
中 シ テ居 タ ピ スト ル ガ帯 ノ間 カ ラ抜 ケ落 チ マシタ。 私 ハ 一時 ソ レ ヲ
考 ヘタ ノデ 取 敢 ヘズ党 ト ハ何 等 干 係 ノ ナイ 私 ノ知 人 ノ処 ニ行 ツテ 一
ノ モ モウ間 モ ナイ事 ヲ察 シ マシ タ。 故 ニモウ 徘 徊 シ テ ハイ ケ ナ イ ト
生 ヨリ既 ニ二時 間 近 ク経 過 シ テ居 ル事 、 斯 クテ ハ非 常 線 ガ張 ラ レ ル
ノデ ス。 従 ツ テ共 産 党 ハ個 人 的 テ ロリズ ム ニ反 対 シ マスガ 、決 シテ
人 ヲ ヤ ツ ツケ ル事 デ ナ ク、 階 級 ヲ倒 スタ メ ニ向 ケ ル事 ヲ主 張 ス ル モ
人 的 テ ロ リズ ム ニ向 ケ ラ レル勢 力 ヲ、 組 織 的 武 装 蜂 起 ニ即 チ 一人 二
ル ヽ重 役 邸 ノ襲 撃 ノ如 キ ニ ハ断 然 反 対 デ ス。 共 産 主義 者 ハ斯 様 ナ個
モテ ロリズ ム ヲ用 ヒナ イ カ ト 云 フ ニ、 決 シ テサ ウデ ハアリ マセ ヌ。
平 和 主義 者デ ハアリ マセ ヌ。 然 ラバ 、 共 産 主 義 者 ハ如何 ナ ル場 合 ニ
晩 泊 ル事 ニシ マシタ。 其 家 ヘ落 付 イ タ ノガ午 後 十時 十 分前 頃 デ シタ。 ソ シ テ其 晩 全市 ニ非 常 線 ガ張 ラ レタ ノ ハ午 後 十 時デ シタ 、将 ニ間 一
ノ ナイ 様 ニ断 ツ テ置 キ マ スガ 、我 々 ハ或 者 ガ政 治 的 意 見 ガ変 ツ テ共
様 デ ハ断 ジ テプ ロ レタ リ ア ー ト ハ勝 利 シ得 ナイ カ ラデ ス。 但 シ誤 解
ル制 裁 ヲ加 ヘ マス。 ソ レ ハ斯 様 ナ階 級 的 裏 切 者 ヲ楽 々生 カ シ テ置 ク
制 裁 ガ加 ヘラ レ テ居 マス。 況 ンヤ共 産 党 ノ裏 切 者 ニ対 シ テ ハ断 乎 タ
例 ヘバ 、 今 日デ モ労 働 争 議 ニ於 テ裏 切者 ノ首 魁 ニ対 シ テ ハ種 々 ナ ル
リズ ム ハ本 質 的 ニ ハテ ロリズ ムト 云 フ ヨリ ハ階級 裁 判 デ ア リ マス。
我 々 ハ裏 切者 ニ対 シ テ断 然 テ ロリズ ム ヲ使 用 シ マ ス。然 シ此 ノ テ ロ
髪 デ 私 ハ逮 捕 ヲ免 レタ ノデ ア リ マ ス。 四問 当 時 金竜 山瓦 町 ニ被 告 ト同 居 シ テ居 タ同 志 ト ハ誰 々 カ。 答 ソ レ ハ申 上 ゲ兼 ネ マ ス。 五問 太 田 ト ノ知 合 干 係 及同 人 ノ住 所 ヲ知 ツ テ居 タ干 係 ハ。 答 同 志 太 田 ト ハ評 議 会 時 代 カラ ノ知 人 デ ア リ マス。
申 上 ゲ マセ ヌ。
然 シ同 人 ガ 下 谷金 杉 ニ居 ル事 ヲ什 ウ シ テ知 ツ テ居 タ カト 云 フ事 情 ハ
六 問 其 晩 被 告 ガ 泊 ツ タ知 人 ノ住 所 氏 名 ハ。
産 党 ヲ脱 退 シ、 共産 党 ニ敵 対 ス ル様 ニナ ツ タ カ ラ ト 云 ツ テ ソ レ ヲ片
方 法 ニ ヨツ テ階 級裁 判 ハ執 行 ス ルガ 、個 人 的 テ ロリズ ム ニ ヨツ テ階
端 カ ラ暗 殺 シ テ廻 ルト 云 フ様 ナ馬 鹿 ナ事 ハ致 シ マセ ヌ。 然 シ党 ノ秘
答 ソ レ モ申 上 ゲ ラ レ マセ ヌ。
級 闘 争 ニ代 ヘ様 ト ス ル事 ニ ハ断 然 反 対 ス ル モノデ ス。然 ル ニ日 本 ノ
尚 私 ガ私 ヲ逮 捕 ニ来 タ警 官 ニピ スト ルヲ発 射 シ タ理 由 ニ就 テ 一言 申
ナ ラ ヌト 云 フ ノガ規 則 デ アリ マス。 然 シ コ ヽ ニ云 フト コロ ノ武 器 ヲ
左 翼 社 会 民 主 々義 者 ハ私 ノ事 件 ヲ所 謂 テ ロリズ ムデ ア ルト 云 ツ テ嘲
密 ヲ敵 ニ売 リ、敵 ト策 応 シ テ共 産 党 破 壊 ヲ企 テ タ モノ ハ断 ジ テ生 カ
取 ル取 ラ ヌ ノ問 題 ハ、内 乱 即 チ武 装 蜂 起 ニ干 スル規 定 デ ス。 従 ツ テ
笑 シ マシ タガ 、 私 ハ斯 様 ナ盲 目 的 批 判 ニ ハ断 然 服 スル事 ガ出 来 マセ
上 ゲ テ置 キ度 イ ト思 ヒ マス。 之 ハ共 産 主 義 者 ト シ テ非 常 ニ重 大 ナ問
固 ヨリ私 ノ事 件 ノ場 合 ニ ハ当 嵌 マラ ナ イ ノデ ス。 第 二 ニ、共 産 主 義
ヌ。 私 ガ武 器 ヲ執 ツ タ ノ ハ決 シ テ所 謂 テ ロリズ ム ヲ採 用 シ タ ノデ ハ
ルト同 様 デ ス。 之 ヲ要 ス ル ニ、我 々 ハ 一定 ノ条 件 ノ下 ニ於 テ特 別 ナ
者 ハ個 人 的 ナ テ ロリズ ム ヲ排 斥 シ マ ス。 此 ノ点 ハ無 政 府 主 義 者 ト相
ア リ マセ ヌ。
シ テ置 キ マセ ヌ。 ソ レ ハ昔 カ ラ所 謂 軍 ノ首 途 ニ裏 切 者 ヲ血 祭 ニ上 ゲ
天 皇 ヲ狙 ツ タリ 、個 人 ノ将 軍 、 大
題 ダ カ ラデ ス。第 一ニ、 プ ロ レタ リ ア ート ハ濫 ニ、武 器 ヲ取 ツ テ ハ
違 スルト コロデ ア ツ テ、例 ヘバ
ナ ラ ナイ 、然 シ 一旦武 器 ヲ取 ツタ ナ ラ最 後 マデ 断 乎 ト シ テ戦 ハネ バ
臣 、警 察 官 、 資 本 家等 ヲ狙 ツタ リ或 ハ又彼 ノ経 済 闘 争 ニ於 テ屡 行 ハ
テ 立 向 ツタ ノデ ア ルト 云 フ ノデ ス。斯 ク云 フ人 々 ハ私 ヲ擁 護 スル積
防 禦デ ア ツ タト 云 ツテ居 マス。 即 チ敵 ノ攻 撃 ニ対 シ敢 然 武 器 ヲ執 ツ
尚 武 器 ヲ執 ル場 合 ニ防 禦 ノ場 合 ガ ア リ マス。或 人 ハ私 ノ此 ノ場 合 ヲ
第 三 ニ、 以 上述 ベ マシ タ第 一及 第 二 ハ共 ニ攻 撃 ノ場 合 デ ア リ マズガ 、
ソ レ ハ敵 ニ追 撃 サ レ或 ハ包 囲 サ レ或 ハ退 路 ヲ阻 マレタ場合 デ ス。斯
此 ノ退 却 ノ場 合 ニ モ武 器 ヲ使 用 シ ナ ケ レバ ナ ラ ヌ場 合 ガ ア リ マ ス。
戦 闘 ヲ避 ケ テ安 全 地帯 ヘノ速 ナ ル避 難 ヲ目 的 ト スル モ ノデ ア ルガ 、
ガ 如 キ ハ、全 ク兵 法 ヲ知 ラザ ル者ト 云 フベ キデ ス。然 シ乍 ラ退 却 ハ
我 々ガ敵 ノ タ メ ニ我 々 ノ隠 家 ヲ発 見 サ レ、警 官 隊 ガ我 々 ヲ逮 捕 ニ向
護 リ 且 ツ機 ヲ見 テ攻 撃ニ 転 ズ ル戦 法デ アリ マス。然 ラ バ今 日 ノ力 デ
仕 事 即 チプ ロ レタ リ ア革 命 ヲ遂 行 ス ルタ メ ニ ハ 一時 退 却 シ ナケ レバ
比例 ス ル モノデ ス。 私 ガ武 器 ヲ使 用 シタ ノ ハ正 ニ之 デ ス。 私 ハ私 ノ
デ 退却 ス ル事 ニア ル ノデ スカ ラ、 其 武 器 ヲ執 ル程 度 ハ敵 ノ攻 撃 ニ正
ツ テ目 的 ハ攻 撃 ニ転 ジ 、敵 ヲ倒 ス事 ニア ル ノデ ナ ク、 一定 ノ地 点 マ
ル事 ガ 必要 デ ア リ マ ス。然 シ此 ノ際 ニ於 テ モ ソ レ ハ防 禦 ノ場 合 ト違
ツ テ来 タ際 ニ防 禦 ノ戦 術 ヲ ト ル ト云 フ事 ハアリ得 ナ イ事 デ ス。 ナ ン
ナ ラ ナ カツ タ 、 ソ シ テ前 述 ベ タ如 ク、 私 ガ官 憲 ニ襲 ハレ タト気 ガ付
様 ナ場 合 ニ ハ追 撃 ノ足 ヲ鈍 ラ シ或 ハ 一方 ノ血 路 ヲ切 リ開 イ テ脱 出 ス
ト ナ レバ 、 ソ レ ハ陣 地 ヲ護 リ且 ツ機 ヲ見 テ攻 撃ニ 転 ズ ルド コ ロカ、
イ タ時 ニ ハ既 ニ警 官 ハ眼 前 ニ迫 ツ テ私 ニ飛 ビ カ ヽラ ント シ テ居 タ ノ
リデ 居 ルノデ スガ、 ソ レ ハ却 ツ テ反 対 ノ結 果 ヲ招 イ テ居 ルノデ ス。
反 対 ニ好 ンデ 自 滅 ヲ求 ム ルモ ノ ニ他 ナ ラ ヌ カ ラデ ス。 今 日 ノ状 態 ニ
デ ス。 若 シ私 ガ検 挙 ノ危 険 ヲ予 感 シ或 ハ其 際 多 少 デ モ逃 ゲ ル隙 ト 時
私 ハ敵 ノ攻 撃 ヲ防 禦 シ タ ノデ ハアリ マセ ヌ。防 禦 ト ハ現在 ノ陣 地 ヲ
ニ、防 禦 ノ戦 術 ヲ執 ルト 云 フ事 ハ絶 対 ニ成 立 チ マ セ ヌ。
ト逃 ゲ テ仕舞 ツ タデ セ ウ。 退 却 ト降 伏 ト ハ全 然 別 モノデ スカ ラ、 私
間 ガ ア レバ 、私 ハ逮 捕 ニ来 ル警 官 ヲ待 受 ケ ル様 ナ事 ヲ セズ 、 サ ツサ
於 テ隠 家 ガ発 見 サ レタ リ、 秘 密 集 会 ガ発 見 サ レタ ト 云 フガ如 キ場 合
ソ レ ハ退 却 デ ア リ マシ タ。 退 却 ハ敵ヘ ノ降 伏 、武 装 解 除 、自 滅 等 々
第 四 ニ、然 ラ バ私 ガ武 器 ヲ執 ツ タ ノ ハナ ンデ ア ツタ ト申 シ マ ス ニ、
ス。 即 チ敵 ニ相 手 ニナ ラ ナイ事 、 最 モ短 時 間 ニ最 モ遠 ク敵 カ ラ離 レ
認 セズ 且 ツ武 装 解 除 ヤ自 滅 ニ至 ル事 ヲ避 ケ ンガ タ メノ モノダ カ ラデ
カ ラ三 ツ ノ教 訓 ヲ受 ケ マシタ 。 ソ レ ハ第 一ニ、 プ ロ レタ リ ア ハ武 器
包 囲 ノ 一角 ヲ突 破 シ ナケ レバ ナ ラ ナ カ ツ タ ノデ ス。 尚 私 ハ此 ノ検 挙
全 ク此 ノ逃 ゲ ル時 間 モ隙 モナ カツ タ ノデ ス。 ソ シ テ逃 ゲ ル タ メ ニ ハ
セズ ニ武 器 ヲ振 リ廻 ハス事ニ 反 対 シ マ ス。私 ノ場 合 ハ前 述ベ タ如 ク、
ハ コ ヽデ 逃 ゲ ル事 ヲ恥 辱 ト シナ イ シ、 反 対 ニ斯 様 ナ際 ニ逃 ゲ ル事 ヲ
ル事 、勝 目 ノ ナ イ戦 ヲ避 ケ テ 一時 退 却 シ、敵 ヲ圧倒 ス ル力 ヲ築 キ上
ノ使 用 法 ニ充 分習 熟 シ置 カネ バ ナ ラ ヌト 云 フ事 、実 ハ私 ハ彼 ノ ピ ス
ト ハ断 然 区別 サ レネ バ ナ リ マセ ヌ。 蓋 シ退 却 ハ実 ニ敵ヘ ノ降 伏 ヲ承
ニ ハ退 却 ハア リ マセ ヌ。 退 却 ハ正 シ ク斯 様 ナ仕 事 ヲ愛 ス ルガ故 ニ行
ル者 ハ如 何 ナ ル場合 ニモ若 干 ノ金 ヲ肌 身 離 サズ 所 持 シ テ居 ナ ケ レバ
ト ル ノ使 ヒ方 ヲ知 ラ ナ カ ツタ ノデ ス、第 二 ハ、 非 合 法 運 動 ヲ シ テ居
ゲ ル事 デ ス。故 ニ後 日敵 ヲ圧 倒 スル計 画ト 意 図 ト仕 事 ヲ持 タ ヌ モノ
ハレ ル モノデ ス。 従 ツ テ徹 頭 徹 尾 戦 ヲ避 ケ テ味 方 ヲ傷 付 ケ ヌ事 デ ス。
ナ ラ ヌト 云 フ事 、第 三 ハ、検 挙 ヲ受 ケ タ際 ニ ハ決 シテ他 ノ同 志 ノ家
然 ル ニ此 ノ退 却 ノ戦 術 ヲ知 ラズ シ テ勝 算 ナ キ戦 ヲ敢 テ シ又 ハ充 分 逃 ゲ得 ル時 間 ガ ア ルノ ニ逃 ゲ ル事 ヲ セズ シテ敵 ト戦 闘 ヲ交 エ ルト 云 フ
ヘテ置 ク事 、 ソ シ テ ソ レ ハ我 々ノ運 動 カ ラ想 像 モ ツ カ ヌ程 カケ離 レ
ヘ直 接 出 カ ケ テ ハナ ラ ヌト 云 フ事 及 斯 ル際 ノ用 意 ニ即 チ斯 ル際 ノ ミ
キデ ナ イ、 身 ヲ以 テ脱 出 スベ キデ ア ル事
凡 テ現 在 ノ家 ヲ抛棄 スル事 、斯 様 ナ際 ニ ハ家 財 ノ整 理 等 ヲ考 慮 スベ
ルカ或 ハ間 モ ナ ク検 挙 隊 ガ ヤ ツ テ来 ル モノ ト見 ナ ケ レバ ナ ラ ヌ カ ラ、
第 四 各 自 ノ避 難 場 所 及 次 回 会合 日 並 ニ ソ レ マデ ノ事 務 分 担 ノ決 定
ノ用 意 ニ、 何 時 デ モ飛 込 ンデ 隠 レ ル事 ノ出 来 ル知 人 ヲ 予 メ 二、三 拵
タ人 デ ア ル事 及 ソ レ ヲ非 常 時 以外 ニ濫 ニ使 用 セ ヌ事 等 々デ ス。
等 デ ア リ マシ タ。 此 ノ時 ノ決 定 中 第 三 ノ各 自 ノ家 ヲ抛 棄 シ タ事 ハ全
私 ハ所 定 ノ時 間 ニ約 束 ノ会 合 場 所 ヘ行 キ マシ タ。 ソ シ テ其 処デ 秘 密
テ居 マ スガ、 正 ニ我 々 ノ場 合 ハソ レダ ツタ ノデ ス。 又 実 際 ニ此 ノ抛
ヲ得 ザ ル場 合 ニ ハ、建 設 シ タ諸設 備 ヲ惜 シ ム事 ナ ク抛 棄 セ ヨト 云 ツ
ク正 シ イ政 策 デ ア ツ タト信 ジ テ居 マス。 兵 法 ニ モ退 却 ニ際 シ テ止 ム
七問 所 謂 十 月 三 日 ノ善 後 策 会 議 ニ就 テ述 ベ ヨ。
編 輯 局 ノ諸 同 志 ト 会合 シ マシタ 。其 会 合 ニ於 テ ハ私 ガ報 告 ス ル マデ
一 〇問 無 産 者新 聞 ノ指 導 ヲ 一任 シタ 同志 某 ト ハ誰 ノ事 カ。
棄 政 策 ノ オ カゲデ 同 志 達 ハ検 挙 ヲ免 レタ ノデ シタ。
答 十 月 三 日 ハ無 産 者 新 聞 秘 密 編 輯 局 ノ定 例 会 議 日デ ア リ マシタ 。
モナ ク、 出 席 者 ハ全部 新 聞 記事 ニ ヨリ私 ノ家 ガ襲 撃 サ レ タ事 ヲ知 ツ
レバ、
テ開 催 シ マシ タ。 ソ シ テ ソ レ マデ ニ手 分 ケ シテ調 査 シ タト コ ロ ニヨ
答 我 々 ハ前 回デ 決 定 シ タ通 リ 、十 月 五 日第 二回 会 合 ヲ某所 ニ於
一 二問 十 月 五 日 ノ第 二 回会 合 ト臨 時 指 導 部 ノ形 成 ハ。
答 ソ レ モ申 上 ゲ ラ レ マセ ヌ。
一一 問 各 地 ノ避 難 場 所 及 事 務 分担 ノ内容 ノ詳 細 ハ。
答 ソ レ ハ申 上 ゲ ラ レ マセ ヌ。
テ居 マシ タ。 ソ レデ 此 ノ秘 密 編 輯 会 議 ヲ直 チ ニ検 挙 善 後策 会 議 ニ変 更 シ タ ノデ アリ マス。 八 問 其 会 合 ノ場 所 及 出 席 者 ノ氏 名 如 何 。 答 会 合 ノ場 所 ハ申 上 ゲ マセ ヌ。 其 処 ヘ ハ秘 密 編輯 局員 全員 出 席 シタ ノデ スガ、 其 出 席 者 ノ氏 名 ハ申 上 ゲ マセ ヌ。 九 問 其 検 挙 善 後 策会 議 ニ於 テ如 何 ナ ル事 ガ決 定 サ レタ カ 。
テ官 憲 ニ襲 ハレタ ノ ハ三、四個 所 デ 、 其 中 検 挙 ヲ免 レタ 者 ハ私 一
(一) 検 挙 ハ局 部的 ノ モ ノデ ア ツ テ、他 ニ ハ別 段 異 常 ハナイ 、 ソ シ
答 ソ レ ハ、 第 一 検 挙 ノ状 況 カラ察 シテ多 分 中 央 機 関 ガ破 壊 サ レタ模 様 デ ア ル、
(二 ) 私 ノ身 ノ安全 ヲ期 ス ル為 メ ニ 一時 会 合 ヲ中 止 シ、 重 要 問 題 ニ
( ) 一 前 回 ノ予定 通 リ此 ノ秘 密 編 輯 局 ヲ臨 時 指 導 部 ト スル事
デ シ タ。 ソ コデ 我 々ガ 決定 シ タノ ハ、
(二) 現 在官 憲 ノ追 及 ハ私 一人 ニ集 ツテ居 ルト 云 フ事
人 デ 、 諸 同 志 ハ殆 ンド逮 捕 サ レ タ模 様 デ ア ル事
然 シ取敢 ヘズ被 害 状態 ヲ直 グ 調 査 スル事 、 ソ シ テ予想 ノ如 ク中 央 機 関 ガ 全滅 シ テ居 タ ラ、 即 時 此 ノ秘 密 編 輯 会 議 ヲ臨時 指導 部 ニ変 更 シ テ党 ノ機 関 並 ニ全 党 員 ト ノ連 絡 再 建 及 国 外 ニア ル中 央 部員 ト ノ連 絡 ニ努 メ ル事 第 二 当 分 ノ内 無 産 者 新 聞 ノ指 導 ハ同 志 某 ニ 一任 ス ル事 第 三 検 挙 ノ状況 ヨリ察 シ テ各 自 ノ家 ニ ハ既 ニ警 官 ノ手 ガ延 ビ テ居
就 テ ノ ミ私 ガ参 加 ス ル事 ト シテ、 他 ハ各 自 分担 事 務 ニ付自 由 裁 量
第 一ニ新 聞 ニ写 真 ガ 出 タ タ メ ニ迂 濶 ナ処 ヘ行 ケ ナ イ ト 云 フ事
然 シ 一番 困 ツ タ ノ ハ私 ノ住 所デ シ タ。
始 メ タ事 、 ソ レガ タ メ ニ新 党 準 備 会 ヤ労 働 組 合 及 学 生 ノ団 体 等 ノ闘
フ丈 ケデ ナ ク、警 察 ハ全国 ニ亙 ツテ労 働 者 及 農 民 ヲ大 衆 的 ニ検 束 シ
第 二 ニ所 謂 大 典 ガ 近 付 イ テ来 タ ノデ 一般 ニ警 戒 ガ厳 重 ニナ ツ タト 云
ニ ヨツ テ処 理 シテ行 ク事 (三) 党 ノ連 絡 ノ再 建 ノ タ メ ニ赤 旗 ヲ発 行 スル事 、赤 旗 ノ再 刊 及 組 織 的事 務 ハ 一切同 志 某 ガ担 当 スル事
第 三 ニ斯 様 ナ際 ニ最 モ大 切 ナ労 働 者 ノ家 ニ近 付 ケ ナ カ ツ タ事 、 ソ レ
士 達 ガ 悉 ク此 検 束 ヲ免 レ ルタ メ ニ隠 レ廻 ラ ネバ ナ ラ ナ ク ナ ツ タ事 、
(四) 当 面 ノ政 治 問 題 若 干
ハ当 時 左翼 労 働 組 合 ガ十 分 復 活 シ テ居 ナ カ ツ タト 云 フ丈 デ ナ ク、其
更 ニ夫等 ノ団 体 ノ集 会 ガ公 然 ト開 ケ ナ ク ナ ツ タ タ メ ニ秘 密 ニ開催 シ
尚 其 間 我 々 ガ協 議 決 定 シ テ指 導 シタ闘 争 ハ、
上 ニ左翼 労 働 組 合 ニ嘗 テ我 党 カ ラ除 名 サ レ タ福 田某 ノ 一派 ガ蔓 ツテ
等 デ アリ マシ タ。
一 共 産 党 事 件 公 判 公 開 及闘 士 釈 放 ノ大 衆 闘 争
居 テ危 クテ近 寄 レナ カ ツ タ事
其 後 間 モナ ク東 京 地 方 ノ党員 ト ノ連 絡 及若 干 ノ大 衆 団 体 内 フラ ク シ
二 秋 ノ農 民 ノ闘 争 ノ指 導
等 デ ア リ マシ タ。
始 メ タ事 、斯 クテ 我 々ガ私 ノ隠 家 ニ スベ ク様 子 ヲ探 ツ テ見 ルト 、其
三 所謂 大 典 ニ対 ス ル闘 争 就 中 大 衆 的 逮 捕 ニ対 スル闘 争
右 ノ様 ナ事 情 ノ タ メ ニ、同 志 等 ガ種 々奔 走 シ テ呉 レタ ニ モ拘 ラズ 十
ヨ ント ノ連 絡 ガ付 キ又 赤 旗 印 刷 所建 設 ノ見 込 モ出 来 マシタ。 ソ レデ
四 新 党 準 備会 ノ結 党 運 動 ノ指 導 就 中 新 党 準 備 会 内 ニ発 生 シ タ日和
月 十 五 日頃 ニナ ルト 私 ハ全 ク行 キ場 所 ニ窮 シテ仕 舞 ヒ マシ タ。 此 ノ
レ テ居 テ安全 ナ処 ガ ナ ク ナ ツ タ事
見 主 義 ニ対 ス ル闘 争
経 験 ニ鑑 ミ テ我 々 ハ家 屋委 員 会 ヲ作 ル事 及 左翼 労 働 組 合 カ ラ福 田 一
目 指 シタ家 ガ悉 ク前 述 ノ合 法 団 体 ノ集 会 又 ハ闘 士 ノ避 難 所 ニ使 用 サ
五 十 月初 ヨリ再 ビ展 開 サ レタ ル所 謂 無 産 政 党 合 同 運 動 ニ対 ス ル活
我 々 ハ赤 旗 ガ再 刊 サ レ次 第 、 我 々 ハオ ルガ ナ イ ザ ー ヲ各 地 ニ派 遣 シ、
動
シ タ。
派 ヲ放 逐 シ、 左 翼 労 働 組 合 ヲ強 大 ニス ル事 ニ全 力 ヲ挙 ゲ ル事 ニシ マ
全 国 的 連 絡 ヲ再 建 スル事 ニシ マシタ 。
六 ﹁ト ー マ﹂ ノ来 朝 及 ソ レヲ機 ト シ テ樹 立 セ ント ス ル ア ジ ア労 働
答 家 屋 委 員 会 ト 云 フノ ハ非 合 法 的 家 屋 及 集 会 場 所 等 ヲ準備 ス ル
一 四問 家 屋委 員 会 ノ性 質 任務 如何 。
答 作 リ マシタ。
一 三問 家 屋 委 員 会 ヲ作 ツ タ カ。
会 議 並 ニ右 翼 労 働 聯 盟 等 ニ対 ス ル反 対 運 動 七 無 産 者 新 聞 発 行 停 止 ノ陰 謀 ニ対 ス ル闘 争 並 ニ本 問 題 ニ干 シテ生 ジ タ無 産 者 新 聞 編 輯 局 一部 ノ 日和 見 主 義 ト ノ闘争 八 左翼 労 働 組 合 ノ全 国 的 結 成 運 動 等 デ アリ マシタ。
怪 マレ ル虞 ナ キ ヤ否 ヤ等
官 ノ住 居 ノ有 無 或 ハ出 入 及交 通 ニ便 ナ ルヤ否 ヤ又 出 入 ヲ近 隣 ノ者 ニ
二 其 際 其 家 ノ周 囲 及交 通干 係 等 ノ調 査 、例 ヘバ附 近 ニ交 番 又 警 察
ナ家 又 ハ場 所 等 々 ヲ専 門 ニ調 査 準 備 スル事
一 指 導 部 ノ隠 家 ニ適 当 ナ家 、印 刷 所 ニ適 当 ナ家 、 秘 密 集 会 ニ適 当
特 別 専 門 委 員 会 ノ事 デ 、 此 ノ委 員 会 ノ仕事 ハ、
痛 感 シ、 早速 之 ヲ作 ル事 ニ シタ ノデ ス。
ハ今 現 実 ニ私 ノ住 所 ニ行 キ詰 ツ テ益 々此 ノ家 屋 委 員 会 設 置 ノ必 要 ヲ
事 ニ シ テ居 マ シタ。 其 後 ノ事 ガ什 ウ ナ ツ タ カ ハ知 リ マセ ヌガ 、 我 々
常 任委 員 会 ハ之 ヲ 一日 モ早 ク分 離 シ、 独 立 ノ家 屋 委 員 会 ヲ設 置 ス ル
屋 委 員 会 ノ仕 事 ヲ兼 務 ス ル事 ガ決 議 サ レ マシタ。 ソ シ テ当 時 ノ中央
国会 議 ニ於 テ家 屋 委 員 会 ガ出 来 ル マデ 当 分 各 地 ノ革 命 警 察委 員 ガ 家
答 当 時 ハ此 ノ委 員 会 組 織 ノ責 任 者 一名 ガ選 バ レ タ丈 ケデ 、其 儘
一 五問 其 委 員 会 ノ構 成 如何 。
後 ノ経 過 ハ知 リ マセ ヌ。 其 選 バ レタ責 任 者 ノ氏 名 ハ申 上 ゲ兼 ネ マス。
連 絡 ノ付 イ タ中 央 部 に 一切 ノ事 務 ト共 ニ之 モ引 継 ギ マシ タ カ ラ、其
テ集 会 等 ニ使 用 シタ事 ガ ナイ事 、組 合 ヤ党 ノ者 ガ出 入 シ ナ イ事 並 ニ
三 其 他 ノ条 件 、 例 ヘバ 其家 ノ者 ガ警 察 カラ睨 マ レ テ居 ナ イ事 、 嘗
其 家 ハ 一時 的 集 会 ニ適 スル ヤ、或 ハ隠 家 ニ適 スル ヤ又 其 期 間 ノ長 短
一 六問 中 央 部 ト ノ連 絡 ノ復 活 並 ニ臨 時 指 導 部 ヨリ正 中 央 部 ヘノ事 務
等 々 四 斯 ク テ条 件 ニ適 合 シ タ家 ガ 見付 カ ツタ ナ ラバ 夫 々ノ目 的 ニ従 ツ
引 継 ギ ハ。
答 前 述 ノ如 ク私 ハ住 所 ニ窮 シテ処 々 ヲ転 々ト シ テ歩 キ マシタ。
テ特 約 シテ行 ク事 、 即 チ該 委 員 以 外 ニ ハ誰 ガ頼 ミ ニ来 テ モ他 ヘ貸 サ ナ イ様 ニ堅 ク契 約 シ テ行 ク事 、勿 論 此 契 約 ハ絶 対 秘 密 ガ厳 守 サ レル
見 付 カ ル ト 云 フ事 デ ア ル等 々
労 働 組 合 ガ経 済 闘 争 ヲ活 溌 ニ遂 行 シ テ居 ル限 リ適 当 ナ家 ハ幾 ラデ モ
ノ家 ヲ漁 ツ テ歩 ク事 ヲ ナ ルベ ク避 ケ、 労 働 者 ノ家 ヲ第一 ニ選 ブ 事 又
六 委 員 会 ガ家 屋 ヲ物 色 スル際 注意 スベ キ事 ハ、 イ ンテ リゲ ンチ ヤ
応 ジ テ種 々ナ ル方 法 ヲ以 テ自 ラ建 設 シ テ行 カネ バ ナ ラ ヌ
求 シ ツ ヽア ル事 ヲ考 慮 シ、 身 ノ安 全 ヲ期 スルタ メ ニ特 ニ注 意 スベ キ
務 ヲ中 央 部 ニ引渡 シ マシタ。 ソ シ テ中 央 部 ハ目 下 官憲 ガ 専 ラ私 ヲ追
ス ルト共 ニ、所 謂 十 月 検 挙 以 来 臨 時 指 導 部 ガ遂 行 シ テ来 タ 一切 ノ事
ノ中央 部 ノ同 志 ト選 逅 致 シ マシ タ。 其 処 デ 私 ハ最 近 ノ諸 情 勢 ヲ報 告
ニ偶 然 ノ機 会 ニ於 テ外 国 カ ラ来 朝 シ テ私 達 ヲ探 シ求 メ テ居 タト コロ
乍 ラ住 所 ヲ求 メ ツ ヽア リ マシ タ。 其 時 即 チ十 月下 旬 ノ或 日 ノ事 、誠
ノ東 京合 同労 働 組合 ノ意 見 書 、実 ハ福 田 某 ノ論 文 ノ反 駁 文等 ヲ書 キ
社 説 又 ハ記 事 ノ要 領 ヲ書 キ或 ハ赤 旗 ノ原 稿 及 後 ニ発 表 サ レタ ト コロ
当 時 決 定 シ タ ノ ハ大体 斯 様 ナ任 務 ヲ遂 行 スル専 門 委 員 会 ノ設 置 デ ア
事 ヲ命 ジ マシタ 。
其 間 他 ノ同 志 等 ト時 々会 合 シ テ運 動 ニ就 テ協 議 シ且 ツ無 産者 新 聞 ノ
リ マシ タ。 斯 様 ナ委 員 会 ハ元 来 共産 党 ニ ハ当 時 ナ ク テ ハナ ラ ナイ モ
五 委 員 会 ハ斯 ノ如 ク他 人 ノ家 ヲ借 リ ル丈 ケデ ナ ク 、場 合 ト必 要 ニ
ノデ ア リ マシ テ、既 ニ 一 九 二七 年 ノ夏 当 時 ノ中 央 常 任 委 員 会 ハ其 設
一 七問 其 同志 ト ハ誰 々ノ事 カ。
事
置 ヲ決 議 シ且 ツ同 年 秋 ニ ハ革 命 警 察 委 員会 ガ 設 ケ ラ レ、其 第 一回 全
ノ全 国 的 連 絡 ヲ再 建 スル計 画 デ ア ル
ア ツ テ、 他 ノ党 員 ガ検 挙 サ レタ ノデ ハナ イ 、全 国 ニ散 在 スル我 党 員
八 所 謂 十 月 検 挙 ハ党 活動 指 導 ノ中 心 的 諸 機 関 ガ破 壊 サ レタ ノ ミデ
七 既 ニ若 干 ノ大 衆 団 体 内 フ ラ ク シ ヨ ン及 東 京 方 面 ニ於 テ ハ党 員 ト
答 臨 時 指 導 部 ガ事 務 ヲ引渡 シタ中 央 部 ノ同 志 ノ氏 名 並 ニ私 ト ノ
答 其 報 告 事 項 ハ党 ノ組 織 状 態 ト 先 ニ申 上 ゲ マシ タト コ ロノ我 々
ハ 一時 連 絡 ヲ切 断 サ レタ ニ過 ギ ナイ 、 従 ツ テ前 述 ノ方 法 ニ ヨツ テ此
会 見 ノ場 所 等 々 ハ申 上 ゲ マセ ヌ。
臨 時 指 導 部 ガ遂 行 シ テ来 タ 諸活 動 デ アリ マス。 故 ニ第 一ニ党 ノ組 織
ノ連 絡 ヲ復 旧 スル事 ガ 第 一ノ急 務 デ アリ 且 ツ ソ レガ容 易 ニ成 功 スル
ノ連 絡 ガ付 キ始 メ ツ ヽア ル
状 態 ニ就 テ ノ報 告 ノ要 点 ヲ申 上 ゲ 、以 下 曩 ニ述 ベ マシ タ活 動項 目 ノ
一 八問 中 央 部 ヘノ報告 ハ。
順 ニ従 ツ テ申 上 ゲ ル事 ニ致 シ マス。
旗 休 刊 ノ止 ム ナ キ ニ至 ラ シ メ タ
提 唱 シ タ、 然 シ所 謂 八 月 検 挙 ノ タ メ ニ其 具 体化 ガ中 絶 シテ居 タ
村 ヲ基 礎 ト ス ル大 衆 的 請 願 運 動 ヲ起 スベ キ事 ヲ決 定 シ且 ツ之 ヲ公 然
一 既 ニ八 月 五 日 我 党 ハ闘 士 釈 放 要 求 運 動 ノ 一形 態 ト シ テ工場 及 農
答 ソ レ ハ次 ノ如 クデ ア ツ タト 記 憶 シ マス。
容 ハ。
二〇問 共 産 党 事 件 公 判 公 開 並 ニ闘 士 釈放 ノ大衆 闘争 ニ就 テノ報 告 内
ト 云 フ見 解 ヲ採 ツ テ居 ル等 々。
答 ソ レ ハ次 ノ如 クデ ア ツ タ ト記 憶 シ マ ス。
一 九問 党 ノ組 織 状 態 ニ就 テノ報 告 ノ要 点如 何 。
一 我 党 ハ六 月及 七月 ニ於 テ急 速 ナ ル打 撃 カ ラ回 復 ヘノ途 ニ就 キ著
二 九 月 初 旬 党 中 央 部 ハ旅行 ニ出 カ ケ未 ダ 帰 国 シ テ居 ナイ
二 八 月 末 頃 カ ラ各 地 ノ共 産 党 事 件 予審 終 結 決 定 ガ 発表 サ レ始 メ タ、
シ キ上 向 線 ヲ辿 ツ テ居 タ 。然 ル ニ八 月 検 挙 ハ此 ノ上 向 ヲ阻 止 シ、赤
三 中 央 部 ノ留 守 中 ノ仕 事 ハ臨 時 機 関 ガ代 行 シ テ居 タ、 我 々 ハ九 月
我党 ハ支 配 階 級 ノ秘 密 裁 判 ヲ予 想 シ、 共 産 党事 件 公判 公 開 要 求 運 動
ヲ起 ス事 ヲ決 定 シ、 之 ヲ公 表 シ、大 衆 的 運 動 ノ組 織 ヲ宣 伝 煽 動 シ タ
タ
三 予 審 ノ終 結 ト共 ニ大 衆 ノ間 ニ闘 士 ノ釈 放 運動 ガ自 然 発 生 的 ニ モ
下 旬 赤 旗 ノ再 刊 ヲ企 テ、十 月 三 日其 タ メ ノ会 議 ヲ開 ク事 ニナ ツ テ居
四 十 月 二 日 ノ所 謂 浅 草 事 件 並 ニ十 月 三 日 ノ同 志 某 々等 ノ検 挙 、所
ルト コ ロノ闘 士 ノ即 時 釈 放 並 ニ公 判 公開 要求 ノ請 願 署 名 用 紙 ヲ作 製
謂 十 月 検 挙 ガ 行 ハレ タ、 ソ シ テ党 ノ組 織 干 係 ハ 一時 一切 不 明 ト ナ ツ
セ シメ 、之 ヲ 工場 及 農 村 ニ配 付 セ シ メ タ
我党 ハ九 月 中 旬 救 援 会 ヲ シ テ治 安維 持 法 撤 廃 ヲ中 心 ス ロー ガ ント ス
四 九 月 二十 九 日開 催 サ レ タ神 戸 ノ裁 判 ハ、被 告 タ ル我 等 ノ同 志 及
擡 頭 シ、之 ガ我 党 ノ活 動 ト結 合 シ テ強 イ 要 求 ト ナ ツ テ来 タ、 ソ シ テ
ノ闘 争 ノ指 導 並 ニ党 ノ組 織 的 連 絡 ノ復 活 ノ タ メ ノ任 ニ就 イ タ
義 務 デ ア リ又責 任デ ア ルト考 ヘ、直 チ ニ臨 時 指 導 部 ヲ形 成 シ、当 面
大 衆 ノ切 実 ナ公 判 公 開 ノ要求 ニ モ拘 ラズ 開 廷後 直 チ ニ傍 聴 禁 止 サ レ
タ
六 目下 機 関紙 赤 旗 ノ再 刊 ヲ急 ギ 、 既 ニ印 刷 所 建 設 ニ着 手 シ テ居 ル、
五 十 月 三 日無 産 者 新 聞 秘 密 編 輯 局 ハ非 常 時 ニ於 ケ ル共 産 主義 者 ノ
而 シ テ此 ノ赤 旗 ガ 再刊 サ レ次 第 オ ル ガ ナイ ザ ー ヲ各 地 ニ派 遣 シ、党
五 無産 者 新 聞 ヲシ テ毎 号 此 ノ タ メ ノ煽 動 宣 伝文 ヲ掲 載 セ シメ テ来
タ 其 理由 ハ、
押 出 ス必 要 ヲ痛 感 シテ居 ル
ニ対 シ テ小作 料 及 公 課 ノ全 免 ト 云 フ ス ローガ ン ヲ提 出 シ テ農 民 ヲ
(イ) 本 年 即 チ 一九 二 八年 ハ非 常 ナ不作 デ ア ツ タ、 我 々 ハ此 ノ情 勢
タ。然 シ其 成 功 ト踵 ヲ接 シ テ土 地 立 入 禁 止 、立 毛差 押 或 ハ動 産 差
闘争 セ シメ タ 、此 ノ政 策 ハ全 ク正 シ カ ツ タ シ又非 常 ナ成 功 ヲ収 メ
タ、 ソ シ テ現 在 各 地 ノ 工場 及農 村デ 請 願 書 ニ署 名 ガ行 ハレ テ居 ル、
此 ノ目的 ノ タ メ ニ演 説 会 或 ハ種 々 ナ ル集 会 ガ開 催 サ レテ居 ル
又公 判 開 催 地 ニ於 テ ハ裁 判 開 廷 日 ヲ中 心 ト シ テ労 働 者 農 民 ニ ヨツ テ
六 十月 十 二 日 ニ ハ雑 誌 法 律 戦 線 社 ノ提 唱 ノ下 ニ、 八箇 ノ プ ロ レタ
押 等 ガ襲 ヒ カ ヽツ テ来 テ居 ル、 ソ シ テ農 民 ハ到 ル処暴 動 化 ス ル傾
確 サ ヲ曖 昧 ニシ テ居 ル
リ ア新 聞 及 雑 誌 社 ノ代 表 ニ ヨツ テ公 判 公開 要 求 聯 盟 ガ組 織 サ レ、 公
( ロ) 一方 七 月創 立 サ レ且 ツ既 ニ数 回 ノ会 議 ヲ開 催 シ テ来 タ全 国農
ノ暴 動 化 及 大 地主 ノ土 地没 収 ノ ス ロー ガ ンガ 前 面 ニ出 ル傾 向 ノ明
維 持 法 撤廃 ヲ中 心 ス ロー ガ ント スル闘 士 ノ即 時釈 放 及公 判 公 開 ノ タ
民 団 体会 議 ( 此 ノ会議 ハ立禁反対共同闘争委員会ト モ云 フ) ハ、 此 ノ
向 ヲ示 シ テ居 ル、 然 ル ニ耕 作 権 確 立 ナ ル ス ローガ ンガ 、此 ノ農 民
メ ノ闘 争 ヲ通 シテ広 汎 ナ ル労 働 者 及 農 民 ノ大 衆 ニ共産 党 ト其 政 策 ヲ
農 民 ノ革 命 化 ヲ大衆 的 闘争 ニ導 カズ 、反 対 ニ内 務 省 、 司法 省 、農
判 公 開要 求 ノ声 明 書 ヲ発 表 シ テ闘争 ニ蹶起 シ ツ ヽア ル
宣 伝 シ且 ツ此 ノ闘 争 ヲ通 シ テ大 衆 ヲ訓 練 シ組 織 化 シ革 命 化 ス ル事 ヲ
林省 或 ハ裁 判 所 ニ対 シ テ、農 民 組 合 顧 問 弁 護 士 及 所 謂 無産 党 代議
七 此 ノ運動 ヲ通 シテ ノ 一貫 シ タ我 々 ノ方針 ハ、 此 ノ運 動 即 チ治 安
目 標 ト シ テ来 タ 、故 ニ常 ニ此 ノ運 動 ヲ工場 ト農 村 ヘ持 込 ミ 、 工場 ト
士 等 ニヨ ル抗 議 文 ノ 捧呈 、陳 情 等 々 ニ ヨツ テ瞞 着 シ、 今 ヤ ﹁立 入
ロー ガ ン ヲ提 出 ス ル ニ至 ツタ、 即 チ耕 作 権 確 立 ヲ内 容 ト スル小作
禁 止 及 立 毛 差 押 反 対 ノ闘 争 ヲ完 全 小作 法 獲 得 ノ闘 争 ヘ」 ト 云 フ ス
ニ於 テ モブ ルジ ヨア的 ナ街 頭 署 名 ニ反 対 シ タ、 蓋 シ斯 ノ如 クシ テ初 メ テ支 配 階 級 ガ 一生懸 命 ニナ ツ テ傍 聴 ヲ禁 止 シ、事 件 ノ真 相 ヲ隠 蔽
農 村 ヲ基 礎 ト シ テ大衆 ヲ動 員 スル事 ニ努 メ テ来 タ 、 従 ツ テ請 願 運 動
シ ツ ヽア ル奸 策 ヲ無 効 ニ帰 セ シメ ル ト共 ニ、 斯 ノ如 ク シ テ初 メ テ力
料 ノ制 定 ト 云 フ ノデ ア ル
ヲ正 シ ク 一層 発 展 セ シ メ ル ニ ハ什 ウ シ テ モ耕 作 権 ノ確 立 ト 云 フ ス ロ
二 我 々 ハ右 ノ社会 民主 々義 指 導 者 達 ノ裏 切 ト闘 ヒ且 ツ農 民 ノ闘争
ヅ クデ 公 判 ヲ公 開 セ シメ 又闘 士 ノ釈 放 ヲ余 儀 ナ ク セ シ メ ル モノ ト考 ヘタ カ ラデ ア ル、 現在 モ此 ノ見 解 ノ下 ニ闘 争 ヲ進 メ ツ ヽア ル
ー ガ ンヲ断 然 撤 去 スル事 ヲ必 要 ト 考 ヘタ ノデ ア ルガ、 之 ニ就 テ ハ我
等 々。
党 第 二 回全 国 組 織 会 議 ノ決 定 ガ ア ル ノデ 、当 面右 ノ如 キ社 会 民 主 々
且 ツ所 謂 完 全 小 作 料 獲 得 ノ正 体 ヲ暴 露 シ、耕 作 権 ノ確 立 ト ハ小 作 法
義 者 ノ裏 切 ト闘 ヒ、 専 ラ大衆 ノ共 同 闘争 ニヨ ル示 威 的 運 動 ヲ煽 動 シ
二一 問 秋 ノ農 民 ノ闘 争 指 導 ニ就 テ ノ報 告 内 容 ハ。
一 我 々 ハ今農 民 ノ闘 争 ヲ指 導 ス ル ニ当 ツ テ彼 ノ耕 作権 ノ確 立 ナ ル
答 其 要点 ハ次 ノ如 クデ ア ツタ ト記 憶 シ マス。
ス ロー ガ ンヲ断 然 撤 去 シ、 大 地 主 ノ土 地没 収 ノ ス ローガ ンヲ前 面 ニ
ス ロー ガ ンノ下 ニ大 衆 ヲ闘争 セ シ メ ツ ヽア ル
五 ﹁大 典 奉 祝 又 ハ大 典 記 念 ヲ名 ト スル 一切 ノ強 制 寄 附 ニ反 対 ﹂ ノ
等 々。
ノ制 定 ノ事 デ ハナ イ ト 云 フ事 ヲ宣 伝 スル事 ニ決 定 シタ
二三問 新 党 準 備会 結 党 運動 指 導 ニ就 テノ報 告 ノ要 旨 ハ。
等 々。
シ テ報 告 シ タ事 ハ之 ニ止 マル モノデ ナ ク、 モ ツト広 汎 ナ種 々ナ ル問
此 報 告 ニ就 テ 一言附 加 シテ置 キ タ イ事 ハ、 固 ヨリ農 民 運 動 指 導 ニ干
一 一九 二 八年 七 月 、 我党 ハコミ ンテ ル ン政 治 部 書 記 局 五 月 四 日 ノ
答 ソ レ ハ次 ノ如 クデ アツ タ ト記 憶 シ マ ス。
決 シ テ耕 作 権 確 立 ト 云 フ ス ロー ガ ンノ不 明 確 サ丈 ケデ モア リ マセ ン
題 ニ亙 ツテ居 リ マシ タ。 又 農 民 運 動 発 展 ノ障害 ニナ ツ テ居 ル モノ ハ、
デ シタ 。例 ヘバ我 々 ノ組 織 的 力 ノ微 弱 ト 云 フ事 モ考 慮 ニ入 ル ノデ ス。
フ ス ロー ガ ンヲ撤 去 シ、 新 党 準 備 会 発 展 ニ努 メ ル事 ニ統 一シ タ、 ソ
決議 ニ基 キ 、従 来 ノ 我党 ノ主 張 デ ア ツ タ労農 協 議 会 ヲ組織 セ ヨト 云
シ テ我党 ガ積 極 的 ニ此 ノ運 動 ヲ指 導 ス ル様 ニナ ツ テ カ ラ、 一挙 ニ各
然 シ当 時 夫 等 ノ中 デ 特 ニ重 要 視 シ タ ノ ハ右 ノ ス ロー ガ ン ニ就 テ ノ問 題 デ ア ツタ ト 云 フ事 デ ス。
地 ニ於 テ支 部 及 支 部 聯 合 会 ガ組 織 サ レ タ
ノ闘 争 ヲ遂 行 シ テ来 タ事
ル反 対 並 ニスト ライ キ及 小 作 争 議 ノ鎮 圧 ト組 合 ノ破 壊 ニ対 ス ル反 対
二 大 典 挙 行 ヲ 口実 ト シ テノ労 働 者 及 農 民 ノ大 衆 的 逮 捕 監 禁 ニ対 ス
一 大 典 ノ階 級 的 性 質 ノ暴 露 ヲ行 ツ テ来 タ事
三 九 月初 旬新 党 準 備会 ノ代 表 ト労 働 組 合 及 農 民組 合 ノ代 表 ト ノ合
ス ル凡 ユル傾 向 ニ反 対 シ テ来 タ
指 示 シ且 ツ原 則 的 理 論 的 妥 協 ニ ヨツ テ政 党 ト シ テノ公 認 ヲ得 ヤ ウト
ツ テ大 衆 ヲ獲 得 シ、 自 ラ ノ力 ノ増 大 ニ ヨツ テ合 法 性 ヲ獲 得 ス ル事 ヲ
二 我党 ハ新 党 準 備 会 ニ対 シ テ常 ニ支 配 階 級 ト ノ断 乎 タ ル闘 争 ニ ヨ
三 右 翼 カ ラ左 翼 マデ ノ 一聯 ノ社 会 民 主 々義 者 達 ガ 一様 ニ君主 ニ恭
サ レ タ、 ソ シ テ此 ノ頃 カ ラ新 党 準 備 会 ニ含 マ レ ル二 ツ ノ潮 流 ガ稍 明
同 会 議 ガ開 催 サ レ、速 ニ結 党 ス ル事 及 新 綱 領 ヲ作 成 ス ル事 等 ガ決 定
答 ソ レ ハ次 ノ如 クデ ア ツ タト記 憶 シ マス。
二二問 所 謂 大 典 ニ対 スル闘 争 指 導 ニ就 テ ノ報 告 要 旨 ハ。
順 ノ意 ヲ表 シ、 ブ ルジ ヨア政 府 ト 協 力 シ テ労 働 者 及農 民 ノ争 議 ヲ鎮 圧 シ、或 ハ争 議 中止 命 令 ヲ発 シ、或 ハブ ル ジ ヨア政 府 ノ前述 ノ如 キ
スル革 命 的労 働者 ノ潮 流 デ アリ 、他 ノ 一ツ ハ、 八 月 検 挙 ニ ヨツ テ共
白 ト ナ リ始 メタ、 其 潮 流 ノ 一ハ、 支 配 階 級 ト ノ非 妥協 的 態 度 ヲ代 表
シ タ等 凡 ユ ル種 類 ノ裏 切 ニ対 シテ闘 争 シ テ来 タ事
労 働 者 及 農 民 ニ対 ス ル抑 圧 ノ事 実 ヲ否 定 シ、 之 ニ抗 議 ス ル事 ヲ拒 絶
テ来 タ新 党 準 備会 中 央部 ニ於 ケ ル小ブ ルジ ヨア分 子 ノ 日和 見主 義 デ
産 党 ノ指導 力 ガ 一時 的 ニ弱 マツ タ隙 ヲ狙 ツ テ、 急 激 ニ頭 ヲ持 チ上 ゲ
ア ル、然 シ此 ノ 二 ツ ノ潮 流 ハ尚 結 党 ト 云 フ当 面 ノ目的 ニ対 ス ル 一致
四 ﹁大典 休 日中 ノ 日給 ヲ支 払 ヘ﹂ ト 云 フ ス ローガ ン ヲ提 出 シ テ 労 働 者 ヲ闘 争 セ シメ タ事 、 之 ハ目 下労 働 組合 協 議 会 ノ指 導 ノ下 ニ活 溌
ニ於 テ、 コ ヽ九 月 初 旬 ニ於 テ ハ公 然 ノ対 立 ニ マデ 至 ツ テ居 ナ カ ツ タ
四 然 ル ニ小 ブ ルジ ヨア分 子 ノ日和 見主 義 潮 流 ハ其 後 益 々濃 厚 ト ナ
ナ ル闘 争 ガ進 行 中 デ ア リ且 ツ既 ニ各 地 ノ工場 ニ於 テ其 要 求 ガ獲 得 サ レ行 キ ツ ヽア ル
等 々。
対 スル反 対 ノ勢 力 ハ増 大 シ ツ ヽア ル
対 ス ル下 カ ラ ノ抗 議 運動 ガ進 行 中 デ ア リ且 ツ中 央 部 ノ日 和 見 主義 ニ
スル ト コ ロト ナリ 、新 党 準 備 会 中央 部 内 小 ブ ル分 子 ノ 日和 見 主義 ニ
六 此 ノ闘 争 ハ今 尚 継 続 中 デ ア ル、 ソシ テ我 党 ノ主 張 ハ大衆 ノ支 持
ー ガ ンヲ撤 去 シ タ事 ヲ攻 撃 シ テ来 タ
主 義 ニ断 乎 ト シ テ反 対 シ、其 原 則 的 妥 協 及 労 働 者 農 民 ノ政 府 ノ ス ロ
五 我 々 ハ新 党 準 備 会 内 ニ新 ニ又公 然 明白 ナ形 ヲ採 リ始 メ タ日和 見
四 日全 国 支 部代 表 者 会 議 ヲ開 催 ス ル事 ニナ ツ テ居 ル
和 見 主義 ノ新 綱 領 主義 ノ趣 旨 ナ ル モノ ヲ発 表 シ タ、 ソ シ テ十 月 二十
決 定 シ且 ツ労 働 者 農 民 ノ政 府 ノ ス ロー ガ ンヲ撤 去 シ、恥 知 ラズ ナ 日
リ、 遂 ニ九 月 二十 三 日 ニ至 ツ テ彼 等 ハ合 法 政 党 ト シ テ結 党 ス ル事 ヲ
事 ガ明 カト ナ ツタ タ メデ ア ル、 即 チ彼 等 一聯 ノ社 会 民主 々義 者 ノ真
要 求 ガ益 々昂 マツ テ来 タ事 及 新党 準 備 会 ガ 愈 々近 ク結 党 ス ルト 云 フ
九 州民 憲 党 、其 他 ガ合 同 運 動 ヲ始 メ タ、之 ハ大 衆 ノ政 治 戦 線 統 一ノ
四 社 会 民 主 々義 者 達 ノ 二 ツ ノ策 動 ハ 一時 失敗 シ タガ 、十 月 ニ入 ル ︹ 労︺ ヤ再 ビ擡 頭 シ タ、 ソ シ テ今 度 ハ日農 党 、 日本 農 民 党 、 無 産 大 衆 党 及
政 党 合 同 ノ二 ツ ノ策 動 ハ見 事 ニ破 産 シタ
ニ参 加 セ シ メ ヨト 要求 シタ 、斯 ク テ此 ノ新 党 準 備 会 ヲ除 外 スル無 産
三 我 党 ハ彼 等 ノ裏 切 ヲ攻 撃 シ又 一般 大 衆 ハ新 党 準 備 会 ヲ此 ノ合 同
フ事 ニ於 テ完 全 ニ 一致 シ テ居 タ
ヲ モ共 産 党 ノ指 導 下 ニア ル事 ヲ以 テ此 ノ合 同 運 動 カ ラ除 外 スルト 云
ヲ持 ツ テ ハ居 タガ 、共 産 主 義 者 ヲ排 除 スル丈 ケデ ナ ク、新 党 準 備会
ト ノ策 動 ニ ヨル両 党 ノ合 同 運動 デ ア ル、此 両 者 ハ夫 々多 少 ノ相 違 点
︹ 労︺ 動 ニ ヨル両党 ノ合 同 運 動 、他 ノ 一ツ ハ日 農 党 右 翼 ト社会 民 衆党 左翼
実 ノ意 図 ハ、新 党 準 備 会 ガ結 党 シナ イ以 前 ニ之 ヲ除 外 シ テ合 同 シ、
二四問 所 謂 無 産 政 党 ノ合 同運 動 ノ指 導 ニ就 テノ報 告 要 旨 ハ。
大衆 ノ政 治 戦 線 統 一ノ要 求 ヲ瞞 着 セ ント スル ニア ル、 従 ツ テ左翼 社
答 ソ レ ニ就 テ ノ報 告 ノ要 点 ハ次 ノ如 クデ アツ タ ト記 憶 シ マ ス。 一 労 働 者 大衆 ノ戦 線 統 一ノ要 求 ハ、遂 ニ全 国 労 働 組 合 会 議 組 織 準
共 産主 義 攻撃 及 新 党 準 備 会 ヘノ合 法 主 義 ヘノ勧 誘 ヲ為 スト共 ニ、他
方 右翼 社 会 民 主 々義 者 ニ対 スル奴 隷 的 ナ屈 従 ヲ表 明 シ ツ ヽア ル
会 民主 々義 者 労 農 一派 ハ彼 等 裏 切 者 共 ノ最 尖 端 ニ立 チ、 一方 ニ於 テ
五 我党 ハ之 等 一聯 ノ社 会 民 主 々義 者 ノ敗 北 的 無 産 政 党 合 同 運動 ヲ
備 会 ノ成 立 ト ナ ツ タ、 又農 民 大 衆 ノ戦 線 統 一ノ要 求 ハ、 日本 農 民 組
攻 撃 シ タ、就 中 労 農 一派 ノ裏 ト醜 悪 ナ ル態 度 ヲ攻 撃 シ タ、 ソ シ テ新
合 ト 全 国 日本 農 民 組 合 同 盟 ト ノ合 同 ト ナリ 、更 ニ立 禁 反 対 共 同 闘 争
民 ノ戦 線 統 一ノ欲 求 ハ啻 ニ組 合 戦 線 ノ統 一ニ止 ヤ ラズ 、政 治 戦 線 ノ
委 員 会 即 チ所 謂 全 国 農 民 団 体 会 議 ノ成 立 ト ナ ツタ、 斯 ル労 働 者 及 農
党 準 備 会 ヲ積 極 的 ニ此 ノ合 同 運動 ニ参 加 セシ メ 、凡 ユル 日和 見 主義 ト闘 ハシ メ ツ ヽア ル
闘争 ガ行 ハレ ツ ヽア ル
等 々。
統 一ヲ要 求 シ、 到 ル処 ニ於 テ政 治闘 争 ニ於 ケ ル大 衆 ト大 衆 ト ノ共 同
ニ立 ツ テ二 ツノ策 動 ガ行 ハ レタ、 其 第 一 ハ七 月 二十 二 日結 党 シタ東
二五問 ﹁ト ー マ﹂ ノ来朝 及 ソ レ ヲ期 シ テ樹 立 セ ント スル ア ジ ア労 働
二 此 ノ労 働 者 及農 民 ノ大衆 ノ強 イ政 治 戦 線 統 一ノ要求 ノ根 拠 ノ 上
京 無 産 大衆 党 即 チ左翼 社 会 民 主 々義 者 労 農 一派 ト 日農 党 左翼 ト ノ策
神 戸 ニ上 陸 ス ル事 ニナ ツ テ居 ル、 ソ シ テ 日本 ノ右 翼 社 会 民 主 々義 者
一 労 働 者 階 級 ノ世 界 的 裏 切 者 ﹁ア ルベ ル ・ト ー マ﹂ ガ十 二月 五 日
答 ソ レ ニ就 テ ノ報 告 ノ要 点 ハ次 ノ如 クデ ア ツ タト 記 憶 シ マ ス。
対 シテ大 衆 的 抗 議 運 動 ヲ組 織 スル事 ヲ決 定 シ タ
故 ニ我党 ハ直 チ ニ此 事 ヲ広 ク大衆 ノ間 ニ暴 露 シ、 支 配 階 級 ノ陰 謀 ニ
者 新 聞 発 行 停 止 ヲ企 ミ ツ ヽア ル モノデ ア ルト 云 フ見解 ニ到 達 シ タ、
近 ノ無 産 者 新 聞 ニ対 スル連 続 的 発 売 禁 止 ハ、正 シ ク支 配 階 級 ガ無 産
二 我党 ハ此 ノ事 ヲ知 ルト 同時 ニ、此 ノ同 志 関 根 ニ対 ス ル起 訴 及 最
名 ニヨ ツテ起 訴 シ テ居 ルト 云 フ事 実 ガ判 明 シタ
等 ハ此 ノ ﹁ト ー マ﹂ ノ来 朝 ヲ機 ト シテ 、 カ ネ テ ノ計 画 デ ア ル右 翼 労
会 議 並 ニ右 翼 労 働 聯 盟 ニ対 ス ル反 対運 動 ノ指 導 ノ報 告 要 旨 ハ。
働 聯 盟 及 ア ジ ア労 働 会 議 ヲ樹 立 セ ント 企 ミ ツ ヽア ル
ニ報 告 サ レ ル事 ガ遅 レタ ノデ ア ツ タ、 即 チ 一部 ノ同志 ハ此 ノ事 件 ヲ
見主 義 ガ支 配 シテ居 タ、 又 此 ノ日 和 見主 義 ノタ メ ニ此 ノ事 件 ガ我 党
三 然 ル ニ無 産 者 新 聞 社 内 ノ 一部 ニ此 ノ事 件 ニ関 シ テ恥 ズ ベ キ 日和
(イ) ﹁ア ルベ ル ・ト ー マ﹂ ノ裏 切 事 実 ヲ広 ク大 衆 ニ暴 露 シ、 大衆
即刻 新 聞 紙 上 ニ公 表 シ、抗 議 運 動 ヲ檄 スベ シト主 張 シタ ノデ ア ルガ、
二 我 党 ハ之 ニ対 シ テ次 ノ如 キ方 針 デ 戦 フ事 ヲ決 定 シ タ
ノ示 威 運 動 ヲ組 織 シ テ 「ト ー マ﹂ ノ 上陸 反 対 ヲ為 ス事
ヲ公 言 シテ居 ル ノデ ナ ク、 今 ノト コロ同 志 関根 ニ対 ス ル単 ナ ル起 訴
同 志 関 根 ノ罪 ヲ重 ク スル様 ニナ ルト カ或 ハ支 配 階 級 ハ未 ダ発 行 停 止
一部 ノ同 志 ハ之 ニ反 対 シ或 ハ事 ヲ荒 立 テ 、 ハ裁 判 所 ノ心 証 ヲ悪 ク シ、
( ) ロ 此 ノ目的 ノタ メ ニ労 働 組 合 ノ共 同 闘 争 委 員 会 ヲ組 織 スル事 ( ハ) 既 ニ右 翼労 働 聯 盟 ニ ハ極 力反 対 シ テ来 タ ガ、 全 国 労 働 組 合 会 議 ヲ 一層 充実 シ、徹 底 的 ニ右 翼 ノ計 画 ヲ粉 砕 スル事
カ ラ発 行 停 止 ノ陰 謀 ダ ト 云 ツ テ騒 ギ 立 テ ル ノ ハ不利 デ ア ルト カ 云 ツ
デ ア ルカ ラ、 モウ少 シ裁 判 ノ進 行 ヲ見 テ カ ラナ ライ ザ知 ラズ 、 此 方
(ニ) アジ ア労 働 会 議 ノ参 加 予定 者 ト ナ ツ テ居 ル支 那 及 印 度 等 ノ労 シ テ居 ル札付 ノ反 動 的 組 合 デ ア ル事 ヲ暴 露 シ、 一方 太平 洋 労 働 組
働 組合 ガ 凡 テ日本 ノ海 員 組 合 ヤ総 同 盟 同 様 、当 該 国 ノ政 府 ト結 托
三 以 上 ノ方針 ノ下 ニ目 下 宣 伝 煽 動 ヲ遂 行 シテ居 ル、 尚 ﹁ト ー マ﹂
織 ヲ命 ジ タ、 ソ シ テ大衆 的 抗 議 運動 ニヨ ツ テノ ミ同 志 関 根 ニ対 スル
乎 ト シ テ反 対 シ、 即刻 事 件 ヲ新 聞 紙 上 ニ発 表 シ、大 衆 的 抗 議 運 動 組
四 我 党 ハ無 産 者 新 聞 社 ノ 一部 ニ支 配 シ テ居 タ此 ノ日和 見主 義 ニ断
テ只 管 此 ノ事 件 ヲ弁 護 士 ニ 一 任 シ、 ブ ルジ ヨア裁 判 所 ノ法 廷内 ニ閉
排 撃 運動 ノ タ メ ノ労 働 組 合 共 同 闘 争 委 員 会 ノ組 織 ハ労 働 組合 協 議 会
起 訴 ヲ無 効 ニ帰 セ シ メ又支 配 階 級 ノ無 産 者 新 聞 発 行 停 止 ノ陰 謀 ヲ打
込 メ様 ト シ タ
ヲ シ テ具 体 化 ニ努 メ シ メ テ居 ル
合 会議 ヲ 一層 大 衆 ノ間 ニ宣 伝 シ、 大 衆 ヲ太 平 洋 労 働 組 合 会 議 ニ獲
等 々。
ト切 リ離 シ テ考 ヘテ ハナラ ナ イ事 、 ソシ テ裁 判 官 ノ心 証 云 々 ハ、 全
破 シ得 ル モ ノデ ア ル事 、同 志 関 根 ノ起 訴 事 件 ヲ此 ノ支 配 階 級 ノ陰 謀
得 シ、彼 等 ノ アジ ア労 働 会 議 ノ計 画 ヲ粉 砕 スル事
答 ソ レ ニ就 テ ノ報 告 ノ要 点 ハ次 ノ如 クデ ア ツ タト記 憶 シ マス。
ク今 日 ノ裁 判 ガ階級 裁 判 デ ア ルト 云 フ事 ニ対 ス ル盲 目 ヲ暴 露 シ タ モ
二六問 無 産 者 新 聞 発 行 停 止 ノ陰 謀 ニ対 スル闘 争 指 導 ノ報告 要 旨 ハ。
一 最 近支 配 階 級 ガ同 志 関 根 ヲ無 産 者 新 聞 ノ署 名 人 ト シ テ五 ツノ罪
ノデ ア リ、 ブ ルジ ヨア裁 判 ヲ超 階 級 的 ナ独 立 的 ナ モノ ト見 ル小 ブ ル 通 リデ ア ル
イ テ始 メ テ此 ノ事 ガ 判 ツタ 。其 処 デ臨 時 指 導 部 ガ決 定 シ タ事 ハ次 ノ
事
ノ前 ニ暴 露 ス ル事 、併 セ テ全 国 委 員 会 ニ当 面 ノ 活 動 ヲ指 示 ス ル
( ) ロ 其 タ メ ニ福 田 ノ福 本 主 義 的 理論 ノ誤 謬 、其 裏 切 ノ正 体 ヲ大衆
国 委 員 会 ノ信 用 ヲ昂 メネ バ ナ ラ ヌ
( イ) 左 翼 労 働 組 合 ノ全 国 的結 成 ノ タメ ニ ハ福 田 一派 ヲ放 逐 シ、全
ジ ヨア思 想 デ ア ル事 ヲ指 示 シタ 五 我 党 ノ断 乎 タ ル主 張 ニ ヨツ テ 日和 見 主義 ヲ克 服 シ、最 近 ヤ ツ ト 新 聞 紙 上 ニ此 ノ事 件 ヲ発 表 シ、抗 議 運 動 組 織 ノ ア ツ ピ ー ル ヲ発 ス ル 事 ニナ ツタ 等 々。 二七 問 左翼 労 働 組 合 ノ全 国 的 結 成 運 動 ニ干 ス ル報 告 ノ内 容 如 何 。
起 草 中デ ア ル
五 目下 此 ノ決 定 ニ基 キ福 田 ガ執 筆 シタト 思 ハレ ル意 見書 ノ駁 論 ヲ
一 七 月 二十 九 日我 党組 合 部 ノ指 導 ノ下 ニ単 一労 働 組 合 総 聯 合 促 進
等 々。
答 其 要 旨 ハ次 ノ如 クデ ア ツ タト 記 憶 シ マス。
協 議 会 関 東 地方 協 議 会 ノ創 立 大 会 ガ開 催 サ レ タ、此 ノ大会 ハ開 会 後
動 、各 地 ノ選 挙 運 動 、 農 民 暴 動 、其 他 凡 ソ私 ガ既 ニ申 上 ゲ マシ タ諸
答 以 上 ノ外 ニ、労 働 組 合 会 議 ニ対 ス ル 活 動 、 対 支 出 兵 反 対 運
二八問 其 他 ニ報 告 シタ事 ハナ カ ツ タ カ。
事 件 ニ就 テ 一切 漏 レ ナ ク報告 シ マシ タ。
ニ ヨツ テ此 ノ関 東 地 方協 議 会 カ ラ全 国 委 員会 ガ作 リ出 サ レタ、 ソ シ
直 チ ニ解 散 ヲ命 ゼ ラ レ タガ協 議 会 ハ成 立 シタ 、更 ニ党 組 合 部 ノ指 導
テ機 関 紙 労 働 新 聞 再 刊 ノ タ メ ニ大衆 的 ナ基 金 募 集 運 動 ガ始 メ ラ レ タ
答 臨 時 指 導 部 カ ラ中 央 部 ヘノ報 告 ニ対 ス ル批 判 及 決 定 ハ、其 後
二 此 ノ単 一労 働 組 合 総 聯 合 促 進 協 議会 ハ九 月 上 旬 日 本 労 働 組 合
会 ノ樹 立 ニ全 力 ガ注 ガ レ、 徐 々 ニ其 確 立 ヲ見 ツ ヽア ツ タ。然 ル ニ八
開 催 サ レタ党 中 央 部会 議 ニ於 テ夫 々 ノ問 題 ニ対 シテ結 論 ガ与 ヘラ レ
二九問 報 告 ニ対 シ中 央 部 カ ラ何 カ意 見 ガ ア ツ タカ 又中 央 部 カ ラ新 ニ
月検 挙 ニ ヨ ツ テ我党 ノ指 導 力 ガ弱 マツ タ ノ ヲ機 ト シ テ、 関東 地 方協
テ居 マ スガ、 此 ノ報 告 ノ時 ニ ハ単 ニ報 告 シタ丈 ケデ ス、 ソ シ テ中 央
聞 イ タ事 ハナ イ カ。
議会 就中 東 京 合 同 労 働 組 合 ニ嘗 テ我党 カ ラ除 名 サ レ タ福 田某 ガ再 ビ
部 カ ラ ハ コミ ン テ ル ン第 六 回大 会 ニ於 テ決 定 サ レ タ諸 決 議 、 就中 当
[ 全国] 協 議 会 ( 略称全協) ト改 メタ
勢 力 ヲ扶 殖 シ、福 本 主 義 ノ理 論 ヲ振 リ廻 ハシ テ事 毎 ニ全 国 委 員 会 ノ
面 日本 ノ諸 運 動 ニ必 要 デ アリ 且 ツ干 係 ア ル重 要 点 ノ ミ抜 キ出 シ テ報
三 全協 ノ全 国 的 結 成 運 動 ハ党 組 合 部 ノ指 導 ノ下 ニ当 面 各 地 方協 議
方針 ニ反 対 シ、 左 翼 労 働 組 合 ノ全 国 的 結 成 ヲ妨 害 シ ツ ヽア ル、而 カ
告 ヲ受 ケ マシ タ、 ソ シ テ正 中 央 部 ニ事 務 引 継 ヲ スルト 同時 ニ、十 月
人 三 田村 四郎
モ彼 福 田 一派 ノ勢 力 ハ次 第 ニ増 大 シ、全 国 委 員 会 ノ信 用 ガ不 当 ニ傷
告
付 ケ ラ レテ居 ル
被
検 挙 後組 織 サ レ テ居 タ臨 時 指 導 部 ハ廃 止 サ レ マシ タ。
四 十 月 検 挙 ニ ヨツ テ組 織 シタ臨 時 指導 部 ガ 全 運動 ノ指 導 ノ任 ニ就
右 読 聞 ケ タ ル処 相 違 ナ キ旨 申 立署 名 拇 印 シ タ リ。 ニ 農 民問 題
ハ 労 働 組 合 ニ関 スル問 題
告
人 三 田村 四 郎
ロ 綱 領 作 成 ニ就 テ ノ全 党 員 協 力 ニ就 テ
繁 ニ会 議 ヲ開 催 シ、党 活 動 ニ関 ス ル重 要 政 策 ヲ協 議 決 定 シ テ居 リ マ
此 ノ ビ ユー ロー ハ十 月下 旬 カラ 翌 一九 二九 年 四月 下 旬 マデ ノ間 ニ頻
ア リ マ ス。 私 ハ選 バ レ テ此 ノビ ユー ロー ノ 一員 ニ加 ヘラ レ マシタ。
員 会 デ モ中 央 常 任 委 員 会 デ モ アリ マセ ヌ。 全 ク 一時 的 ナ臨 時 機 関 デ
臨 時 中央 指 導 委 員 会 (一ノビ ュー ロー) ヲ設 置 シ マシ タ。 之 ハ中央 委
答 十 月下 旬 我党 中 央 部 ハ当 時 ノ主 観 的 及 客 観 的 条 件 ニ基 キ新 ニ
三問 昭 和 四年 十 月 以後 ノ活 動 如 何 。
︹マ マ︺
答 ソ レト同 様 ノ趣 旨 デ ア リ マシ タ。
七問 ノ申 立 記載 部 分 ヲ読 聞 ケ タ リ︺
︹ 此 時 被 告 人 市 川 正 一ノ第 二十 一回 予 審 訊 問 調 書 第 五 、第 六、 第
二問 夫 等 ノ問 題 ニ就 テ ノ内 容 ハ斯 様 デ ハナ カ ツ タ カ。
等 々デ ア リ マシタ。
ヘ 青 年 及 婦 人 ノ組 織 ニ関 ス ル問 題
ホ 煽 動 宣 伝 及 動 員 等 ニ関 スル問 題
同 日於 前 記 場 所
被
予 審 判 事 秋 山 高 彦
裁 判 所 書 記 鹿 田 清 次
東 京 地 方裁 判 所
第四十四回訊問調書
右 治 安 維 持 法 違 反 被 告 事 件 ニ付 、 昭 和 五年 十 二月 二十 四 日豊 多 摩 刑 務 所 ニ於 テ、 予審 判事 秋 山高 彦 ハ裁 判所 書 記鹿 田清 次 立 会 ノ上 前 回
一問 正 中 央 部 カ ラ聞 イ タ コミ ン テ ル ン大会 ニ関 スル報 告 ハ。
ニ引 続 キ右 被 告 人 ニ対 シ訊 問 ス ル コト 左 ノ如 シ。
答 其 報 告 内 容 ノ要 点 ハ、 一 第 六 回大 会 ニ就 テ ハ
ハ 国 際 的 見 地 カ ラ凡 テ ノ問題 ヲ取扱 フ事 ノ強 調 ニ就 テ
一 一九 二 八年 十 月下 旬 ニ ハ
ス。例 ヘバ 、
イ コミ ン テ ル ン ノ真 ニ国 際 的 集 中 的 組 織 デ ア ル事 ノ実 証 ニ就 テ
ニ 帝 国 主義 戦 争 問 題 ト 党 ノ任務 ニ就 テ
ロ 新 党 準 備 会 対策
イ 日本 共 産 党 ノ組 織 問 題
ホ 社 会 民 主 々義 及 フ ア シズ ム ニ就 テ ヘ 所 謂 労 農 政 党 ノ問 題 ニ就 テ
ホ 全 国 労 働 組 合 会 議 対 策
ニ 左翼 労 働 組合 ノ全 国 的 結 成 運 動 対 策
ハ 所 謂 無 産 政 党 合 同 運 動 対 策
ト 非 合 法 的 機 構 創 設 及 強 化 ニ就 テ チ 其 他
ヘ 工場 委 員 会 及 スト ラ イ キ戦 術 ニ関 スル問 題
二 日本 問 題 ニ就 テ ハ
ロ 労 農 党 、 社 会 民 主 々義 者 、政 党及 労 農 グ ルー プ ニ関 スル問題
イ 党 問 題
リ 共産 党事 件公判 対策
チ ロシヤ革 命記念 日 ノ運動 方策
ト 所謂大典対策
ホ 三 ・ 一五 記念 闘争 ト同 志 渡 政 労 働 者 葬 ノ問 題
ニ 闘 争 方 法 ニ関 スル問 題
ハ 香 川 農 民 組 合 奪 還 ニ関 スル方 策
ト 反 帝 国 主義 戦 争 同 盟 世 界 大 会 ト建 国祭 ニ関 ス ル決 議
ヘ 対 議 会 闘 争 ニ関 スル決 議
イ 日本 共産党 ノ組織 問題
チ 救 援 会 活 動 方 針 ニ関 スル問 題
二 一九二八年十 一月中 ニハ ロ 左翼労働 組合 ノ全国的結成 ニ関 スル方針
リ 四 月 ヲ中 心 ト シ テ全 国 ニ行 ハ レル市 町 村会 議 員 選 挙 対策
ヌ 党 ノプ ロ アジ 活 動 ニ関 スル報 告 ト決 議
ハ 新党準備会 対策 三 一九二八年十 二月中 ニハ
六 一九 二九年 三 月中 ニ ハ
ロ 新党準備会 対策
イ 日本共産党 ノ組織問題
ロ 三 ・ 一五記 念 闘 争 ノ問 題 ハ 労 農 同 盟 ノ問 題
イ 日本 共 産 党 ノ組 織 問 題
ニ 左翼労働組合対策
ニ 労 働 組 合 ノ問 題
ハ 所謂無産政党 ノ合 同問題 ホ 第 五十六 議会対策
ト 山 本 宣 治 刺 殺 ニ対 ス ル闘争 ノ問 題
ヘ 労 働 者 農 民 自 衛 隊 ノ問 題
ホ 市 会 議 員 選 挙 闘 争 組 織 ノ問 題
ロ 左翼労働組合問題
イ 日本共産党 ノ組織 問題
チ 合 法 的 宣 伝 雑 誌 統 制 ノ問 題
四 一九 二九年 一月中 ニハ
ハ 第五十六議会 対策
リ 其 他
ロ 所 謂 四 ・ 一六検 挙 ト其 対策 問 題
イ 日本 共産 党 大会 準 備 ノ問 題
七 一九 二九 年 四 月 中 ニ ハ
ニ 赤旗創刊 一周年 ニ際 シテ労働者及農民 ニ訴 ヘル檄 ホ 同志渡 辺政之輔遭難 ニ関 スル問題 ヘ 東京市会議員選挙対策 ト 労農 同盟問題
等 々、然 シ此 ノ会 議 ノ事 ニ就 テ私 カ ラ ハ之 以 上 申 上 ゲ マセ ヌ。 只党
ハ 戦 略 問 題 其 他
イ 日本共産党 ノ組織問題
ノプ ロアジ活 動 、党 ノ組 合 運 動 指 導 ニ就 テ及 労 農 同 盟 問 題 ニ就 テ ハ
五 一九二九年 二月中 ニハ ロ 農民運動 テーゼ
然 シ党 ハ遂 ニ十 二 月下 旬 ニ至 リ マルク ス主 義 ノ編 輯 部 ヲ再 建 シ、
ス主 義 ノ編 輯 部 ヲ再 建 シ、 マル ク ス主 義 ノ再 刊 ヲ企 テ タ、 ノ ミ ナ
マ ルク ス主 義 ノ復 活 ニ成 功 シ タ。 ソ シ テ マルク ス主 義 ハ 一九 二九
ラズ 合 法 的 プ ロパ ガ ンダ文 書 ノ刊 行 スラ企 テ タ、 此 ノ計 画 モ遺 憾
答 十 月下 旬 以 後 ノプ ロ アジ活 動 ニ就 テ ハ 一九 二 九年 二月 開 催 サ
年 一月 号 カ ラ再 刊 サ レ ル ニ至 ツタ。 支 配 階 級 ノ マルク ス主 義 ニ対
特 ニ申 上 ゲ ル必要 ガ ア ルト思 ヒ マ ス。尚 最 後 ニ私 ガ執 筆 シタ若 干 ノ
レタ 日本 共 産 党 ノ中 央 会 議 ニ総 括 的 ナ報 告 並 ニ決 議 ガ 行 ハレ テ居 リ
ス ル態 度 ハ、 彼 ノ無 産 者 新 聞 ニ対 ス ルガ如 ク編 輯 発行 人 ヲ起 訴 ス
乍 ラ其 実 現 ノ前 夜 ニ於 テ所 謂 十 月検 挙 ノタ メ ニ中 絶 セ シメ ラ レ タ。
マ スカ ラ ソ レ ヲ述 ベ ル事 ニ シ度 イ ト思 ヒ マ ス。 只 今 正 確 ニ ハ記 憶 シ
ルト 云 フガ如 キ積 極 的 ナ攻 撃 ハ今 日 ノト コ ロ未 ダ試 ミ テ居 ナ イ。
文 章 ニ就 テ 一言 釈 明 シテ置 キ度 イ ト思 ヒ マス。
マセ ヌ ガ、 其 報 告 並 ニ決議 ノ要 点 ハ大 体 次 ノ如 クデ ア ツ タト 記憶 致
四問 然 ラバ 党 ノプ ロア ジ活 動 ニ付 申 述 ベ ヨ。
シ マ ス。
然 シ乍 ラ其 記 事 ノ内 容 如 何 ニ拘 ラズ 発 売頒 布 ヲ禁 止 シ、 以 テ事 実
ハ 党 ハ今 日尚 合 法 的 宣 伝 文 書 ノ計 画 的刊 行 ニ就 テ何 等 プ ラ ンヲ
上 発行 不能 ニ陥 ラ シ メ ヨウト シ テ居 ル事 ハ確 実デ ア ル。
一 報 告
持 ツ テ居 ナ イ。 然 シ 二 ツ ノ理 由 カ ラ 一九 二 八 年 十 一月 以来 無 産 者
イ 党 ノ非 合 法 的 プ ロ アジ活 動 ハ八月 検 挙 ニ ヨツ テ党 印 刷 所 ガ破
リ赤 旗 ノ再 刊 及 非 合 法文 書 ノ発 行 ヲ企 テタ、 然 シ其 前 夜 所 謂 十 月
壊 サ レタ為 メ ニ 一時 全 ク中 絶 シタ 、十 月 初 旬 党 印 刷 所 ノ再 建 ヲ計
ノ宣 伝 文 書 ヲ発 行 シ テ居 ル。 其 理由 ノ 一 ハ、 我党 ノ当 面 緊 急 ノ活
動 ノ展 開 ノタ メ ニ斯 ル宣 伝 文 書 ノ発 行 ヲ必 要 ト シ タ事 デ ア ル、他
新 聞及 労 働 新 聞 ノ特 別 号 並 ニ無 産 者 新 聞 パ ンフ レ ツト ト シ テ多 ク
検 挙 ニ遭 遇 シ タ。 此 ノ時 ノ印刷 所 ノ検 挙 ハ啻 ニ有 能 ナ同 志 ヲ奪 ハ
ニス ルタ メ ニデ ア ツ タ。 此 ノ事 ハ赤 旗 パ ン フ レツ ト ニ就 テ モ同 様
ノ 一ツノ 理由 ハ無 産 者 新 聞 及 労 働 新 聞 ヲ煽 動 的 ナ生 々ト シタ モ ノ
検 挙 ニ遭 遇 シテ再 ビ此 ノ計 画 ハ挫 折 シ タ、十 一月 上 旬 更 ニ党 印 刷
レタ ト 云 フ丈 ケデ ナク 更 ニ新党 準 備 会 ノ結 党 ヲ前 ニ控 ヘ且 ツ此 ノ
所 ヲ再 建 シ、正 ニ赤 旗 ノ印 刷 ニ取 リ カ ヽラ ウ ト 云 フ ト コ ロデ 三度
結 党 運動 ヲ共 産 党 ノ大 衆 化 ニ転 化 セ ント シ テ居 タ我 党 ニ取 ツ テ大
テ ノ宣 伝 文 書 ハ初 歩 的 啓 蒙 的 ナ モノデ ナイ 、 寧 ロ我 党当 面 ノ政 治
的 及組 織 的方 針 ノ発 表 デ ア ツ タ。 ソ レ ニモ拘 ラズ合 法及 非 合 法 ヲ
当 嵌 マル。従 ツ テ最 近 発 行 サ レテ居 ル斯 如 キ合法 及非 合 法 ヲ通 シ
通 シ テ斯 ノ如 ク多 数 ノ パ ンフ レツ ト及 特 別 号 並 ニ檄 等 ヲ発 行 シタ
シ タ、 ソ シ テソ レ以 来 啻 ニ赤 旗 ヲ通 シ テ宣 伝 煽 動 ス ルノ ミ ナ ラズ 、 既 ニ数 種 ノ非 合 法 檄 及 非 合 法 宣 伝 文 書 ト シ テ赤 旗 パ ンフ レツ ト ヲ
キ ナ痛 手 デ ア ツ タ、 然 シ党 ハ遂 ニ十 二月 上旬 非 合 法 印 刷 所 ヲ確 立
続 刊 シ ツ ヽア ル。 而 シ テ之 以 上 ノ非合 法 プ ロア ジ文 書 ノ刊 行 ヲ ス
ノ期 間 ニ全然 新 シイ事 業 ヲ 一ツ行 ツ テ居 ル、 ソ レ ハ無産 者新 聞 グ
事 ハ我党 プ ロア ジ活 動 ノ劃 期 的 進 歩 デ ア ツ タト 信 ズ ル。 尚 党 ハ次
ラ フ ノ発 行デ ア ル。 此 ノグ ラ フ ノ発 行 ハ早 ク ヨ リ希 望 ガ ア ツタ ガ、
ル タ メ ニ ハ什 ウ シテ モ党 印 刷 所 ヲ増 設 スル ヨリ外 ナ イ 、現 在 ニ於
ロ 党 ハ八 月検 挙 ニ ヨ ツ テ異 常 ナ打 撃 ヲ受 ケ タ ニモ拘 ラズ マル ク
テ既 ニ印 刷 所 ノ作 業 能 力 ハ其 需 要 ニ応 ジ 切 レ ナイ状 態 デ ア ル。
ニ ハ幾 多 ノ困 難 ニ遭 遇 シタガ 、 遂 ニ 一九 二 八年 十 一月 創 刊 号 ヲ発
一九 二 八年 夏 初 メ テ具 体 的 計 画 ガ 進 メ ラ レ、党 ハ最 初 カ ラ其 中 ニ
月 刊 新 聞 ト シ テ発 行 スル事 ニ ヨツ テ政 府 ノ暴 圧 ニ答 ヘント ス ルモ
ロアジ 部 七 月会 議 ノ決 議 ノ精 神 ニ従 ヒ、 無 産 者 新 聞 ヲ純 煽 動 的 ナ
新 聞 発 行 発 起 人会 ガ作 ラ レ ント シ テ居 ル。而 シ テ我党 ノ計 画 ハプ
レヲ通 シ テ ノ新 聞 ノ大 衆 化 ト 云 フ事 ハ全 ク我党 ノ欲 ス ルト コ ロト
ノデ ア ル。然 ル ニ此 ノ事 ヲ保 証 ス ル第 一ノ発 行 停 止 抗 議 運 動 及 ソ
フ ラ ク シ ヨ ンヲ作 ツ テ此 事 業 ヲ指導 シ タ。 現 実 ノ発 行 ヲ見 ル マデ
ニ 政 府 ノ無 産 者 新 聞 ノ発 行 停 止 ハ最 早確 定 的 ナ モノ ト ナ ツ タ。
行 シタ。
最 後的 判 決 ハ未 ダ下 ツ テ居 ナ イ ガ、 事 実 上 政 府 ハ 一九 二 八年 十 月
ホ 発 行 停 止 ニ対 スル抗 議 運動 ノ開始 ガ無 産 者 新 聞 本 社 ノ 一部 ニ
発 生 シタ 日和 見 主 義 ノ タ メ ニ数 個 月遅 レタト 云 フ事 ハ最 初 ノ欠 点
正 反 対 ニ進 ミ ツヽ ア ル。
ノ手段 ヲ用 ヰ テ居 ル。 新 聞 ハ其 掲 載 記 事 ノ如 何 ニ拘 ラズ 発 売 禁 止
デ ア ツ タ。 次 ニ我 党 ハ大 衆 的抗 議 運動 ヲ煽 動 シ タガ、 当 時 ノ力 ノ
以来 無 産 者 新 聞 ヲ発 行 不 能 ニ陥 シ入 レル タ メ ニ、 凡 ソ尽 セル丈 ケ
微 弱 ノ タ メ ニ此 ノ抗 議運 動 ヲ組 織 的 ニ指 導 スル事 ガ 出来 ナ カ ツタ
党 ハ 一九 二九 年 一月 ニ至 ツ テ初 メ テ此 ノ事 ヲ知 リ、 直 チ ニ此 ノ語
ヲ命 ゼ ラ レテ居 ル。 又 東 京附 近 ノ印 刷 所 ハ凡 テ政 府 ノ命 令 ニ ヨ ツ
謬 ヲ訂 正 スル タ メ ニ戦 ツタ 。目 下 抗 議 運 動 ハ工場 及 農 村 ヲ基 礎 ト
テ無 産 者 新 聞 ノ印 刷 ヲ拒 絶 スベ ク余 儀 ナ ク セ ラ レ テ居 ル。 又新 聞
手 サ レ テ居 ナイ 以前 ニ既 ニ出 来 上 ツ テ居 ル ノデ ア ル。 此 ノ 一事 ヲ
シテ正 シ キ方 向 ニ向 ツ テ遂 行 サ レ ツヽ ア ル。 然 ル ニ無 産 者 新 聞 本
ト 云 フ事 ガ続 ク、而 シ テ抗 議 運動 ハ抗 議 文 ノ官 庁 ヘノ送 付 ト 云 フ
以 テ凡 テノ事 情 ハ明 白 デ ア ル。 従 ツ テ事 実 上最 近 ノ無 産 者 新 聞 ハ
社 編 輯 部 ノ最 近 ノ傾 向 ハ全 ク誤 ツ タ途 ヲ進 ンデ 居 ル。其 要 点 ヲ挙
ガ如 キ、 全 ク小ブ ルジ ヨ ア的 ナ方 法 ニ ヨツ テ進 メ ラ レツ ヽア ツ タ。
全 ク半 非 合法 的 ニ発 行 スル事 ヲ余 儀 ナ ク サ レテ居 ル。 現在 党 ノ指
ニ処 セ ラ レテ居 ル。 実 ニ毎 号 ノ発禁 命 令 ハ尚 当 該 新 聞 が編 輯 ニ着
導 ノ下 ニ、 此 ノ政 府 ノ無 産 者 新 聞 発 行 停 止 処 分 ニ対 シ テ結 局 ハ 一
ゲ ルト次 ノ如 クデ ア ル。
ノ編輯 及 発行 ノ諸 活 動 ニ従 事 スル者 ハ誰彼 ノ容 赦 ナ ク長 期 ノ拘 留
ツ ノ事 デ ア ルガ、 然 シ二 ツ ノ運 動 ガ進 メ ラ レテ居 ル、 一ハ此 ノ政
反 抗 運 動 及 ソ レ ヲ通 シ テノ新 聞 ノ大 衆 化 ト 云 フ事 ノ中 カ ラ政府 ガ
ヲ通 シ テ新 聞 ヲ 一層 大 衆 化 スト 云 フ事 デ ア ル、 又 他 ノ 一ツ ハ此 ノ
的 態 度 デ ナ ク、 小 ブ ルジ ヨア ノ弱 点 其 モ ノデ ア ル。然 シ テ党 ガ
使 ツテ ヒ ステ リ ツ ク ニ叫 キ立 テヽ 居 ル。 之 ハ毫 モプ ロ レタ リ ア
(イ) 嘗 テ ハ発 行 停 止 ノ陰 謀 ヲ大 衆 ニ発 表 ス ル事 ヲ躊躇 シ、 今 ヤ 発 行 停 止 ガ確 実 ト ナ ル ヤ、捨 鉢 的 ナ態 度 ヲ好 ンデ 激 越 ナ文 字 ヲ
府 ノ発 行停 止 処 分 ニ対 スル大 衆 的 反 抗 運 動 デ ア リ且 ツ其 反 抗 運動
最 後 的 判 決 ヲ下 シタ、 其 瞬 間 ニ於 テ依 然 ト シ テ新 聞 ヲ続 刊 シ得 ル
ヲ余 儀 ナ クサ レ テ居 ル状 態 カ ラ公 然 ニ浮 ビ 出 ル事 ニ努 メ ツヽ ア
此 ノ反 抗 運 動 ヲ通 シ テ新 聞 ヲ大 衆 化 シ、 現 在 ノ半 非 合法 的 活 動
ル方針 ヲ根 底 カ ラ覆 ス モノデ ア リ、 反 対 ニ自 ラ好 ンデ 非 合 法 ニ
︹マ マ ︺
タ メ ノ 一ノ公 然 ノ大 衆 的 委 員 会 ヲ作 ルト 云 フ事 デ ア ル。 後 者 ハ大
ト シ テ、 其 他 ノ無産 者 団体 及 所 謂 左翼 的 名 士 ヲ モ加 ヘテ新 無産 者
体 プ ロアジ部 七 月会 議 ノ決 議 ニ基 キ、 労 働組合 、 農 民 組 合 ヲ始 メ
且 ツ狭 ク窮 屈 ニナ ラ ウト シ テ居 ル事 。
レ ル モ ノ ハ次 ノ如 クデ ア ル、
(イ) プ ロアジ部 七 月会 議 ノ決 定 ハ無 産 者 新 聞 ト赤 旗 ト ノ任 務 ノ
差 異 ヲ明 カ ニシ タ ノ ハ非 常 ニヨ カ ツタ ガ、 其 代 リ無 産 者新 聞 ガ
共 産 党 ハ大 衆 ヲ革 命 化 シ、之 ヲ共産 党 ニ組 織 ス ルタ メ ニ ハ啻 ニ
( ロ) 党 ハ無 産 者 新 聞 ガ大 衆 化 シ公 然 ニ浮 ビ 出 ル タメ ニ ハ、 プ ロ アジ 部 七 月 会 議 ノ決 議 ニ示 サ レタ ルト コロノ煽 動 的 ナ モノ ニ ス
非 合 法 機 関 紙 赤 旗 及 非 合 法 宣 伝 煽 動 文 書 ヲ発 行 ス ル ノミ ナ ラズ
ナ ケ レバ ナ ラ ヌ ト 云 フ事 ガ 背 後 ニ押 シ ヤラ レ タ憾 ミ ガ ア ツ タ。
即 チ報 道 記 事 ノ場 面 ヲ広 ク スル事 ニ努 メ テ来 タ。然 ル ニ本 社 編
党 ノ合法 的 煽 動 及 組織 的 活 動 ノ タ メ ノ最 モ重要 ナ 一中 心 機 関 デ
輯 部 ハ此 ノ方 針 ヲ全 ク無 視 シ、未 曾 有 ノ宣 伝 ト煽 動 ト ノ混乱 ヲ
又合 法 性 ヲ百 パ ー セ ント 利用 シ、 種 々ナ ル方 面 ニ亙 ツ テ又 種 々
ルト 云 フ事 ガ最 モ重 要 ダ ト云 フ事 ヲ考 ヘタガ故 ニ前 述 ノ如 ク特
犯 シ テ居 ル。 即 チ条 件 ヲ無 視 シ タ勝 手 ナ ス ローガ ン ヲ付 シタ指
ル事 ガ明 カ ニサ ルベ キ モ ノデ ア ル。 而 シ テ大衆 ノ初 歩 的 ナ政 治
ナ ル段 階 ノ合 法 的 新 聞 、 雑 誌 、 宣 伝文 書等 ヲ発行 ス ル モノデ ア
別号 或 ハパ ンフ レツ ト等 ヲ発 行 シ テ出来 ル丈 ケ新 聞 ノ煽 動 記 事
令 的 ア ツ ピ ー ルヲ盛 ニ乱 発 シ、 報 道 記 事ニ一 一説 明 、批 判、 指
其 最 モ重 要 ナ ル モノ ヽ 一ツデ ア ツ テ、 大衆 ノ政 治 的 結 集 即 チ共
的 啓 蒙 的 ナ開 拓 者 ノ役 目 ヲ勤 メ ルト コロノ大 衆 的 日刊 新 聞 ハ、
令 、 ス ロ ーガ ン等 ヲ附 加 シテ居 ル事 。 ) ( ハ斯 ク テ抗 議 運動 及 新 無 産 者 新 聞 発 行 運 動 ト現 在 ノ無 産者 新 聞 本 社 ノ編 輯 方 針 ト ハ全 ク正 反 対 ノ途 ヲ進 ンデ 居 ル。
ル。 ソ レ故 ニ此 ノ種 ノ合 法 性 ヲ利 用 シ テ発 行 サ ル ヽ新 聞 ハ、其
産 党 ヘノ結 集 ノ タ メ ニ豊 カ ナ ル地 盤 ヲ開拓 シ準 備 ス ル モノデ ア
一層 明 カ ニサ レ ル事 ヲ要 ス ル。
経営 ガ 公然 タ ル事 及 所 謂 営 業 化 ス ル事 ガ必 要 デ ア ル。 此 ノ点 ガ
ヘ 以 上 ノ形 勢 ニ対 シ テ党 ハ再 三本 社 編 輯 部 ニ警 告 ヲ発 シ タ。然
クノ如 キ大 キ ナ誤 謬 ガ 最 近 ノ無産 者 新 聞 ニ表 ハレ ル ニ至 ツ タ ノ ハ、
シ今 日尚 依 然 ト シ テ此 ノ誤 レ ル傾 向 ヲ訂 正 シ様 ト シテ居 ナイ 。 斯
絶 エザ ル弾 圧 ノ タ メ ニ党 ト ノ連 絡 及 党 員 ノ指 導 ガ 不充 分 デ ア ル ノ
( ロ) 故 ニ彼 ノ ア ツピ ー ル的 記 事 ニ関 スル七 月 会 議 ノ決 定 ハ変 更 サ レ ル事 ガ絶 対 ニ必要 デ ア ル、 即 チ七 月 会 議 ハア ツ ピ ー ル的 記
ミナ ラズ 、 プ ロアジ 部 七 月会 議 ノ決 議 ヲ知 ツテ居 ル編 輯 員 ガ 一人
デ ア ル。 然 シ其 後 ノ経験 ニヨ レバ、 党 ノ力 ノ弱 イ時 ニ ハソ レガ
モ存 在 セ ヌ事 、 本 社 編 輯 部 員 ガ絶 エズ 更 迭 シ テ居 ル事 又最 近 ノ新
完 全 ニ実 行 シ得 ナイ事 、 ソ シ テ之 カ ラ起 ルト コ ロノ弊 害 ヲ痛 切
ニ ハ厳 重 ニ秘 密 編 輯 局 ノ手 ニ ヨツ テ執 筆 スベ キ事 ヲ決 定 シ タ ノ
ニ味 ツ タ、 即 チ党 ト本 社 編 輯 部 ト ノ連 絡 ガ 切 レタ リ或 ハ本 社 ニ
事 ノ墜 入 リ易 キ誤 謬 ヲ認 メ、 アツ ピ ー ル的 記 事 ヲ掲 載 スル場合
ニ対 ス ル我党 ノ組 織 的 指 導 ヲ強 固 緊 密 ニ スル事 、 第 二 ニ彼 ノプ ロ
ト 以上 ノ誤 謬 ヲ訂 正 スル タ メ ニ、 我 党 ハ第 一 ニ無 産 者 新 聞 本 社
対 スル党 ノ指 導 力 ガ薄 弱 ニナ ツ タ リ シタ時 ニ ハ、 勢 ヒ此 ノ ア ツ
分 ナ ル編 輯 会 議 ヲ開 イ テ居 ナ イ事 等 々 ノ結 果 デ ア ラウ 。
アジ部 七 月会 議 ノ決 定 ヲ若 干 訂 正 シ、 之 ヲ広 ク大 衆 的 ニ公表 ス ル
聞 ハ半 非 合 法 的 ニ而 カ モ怱卒 ノ間 ニ編輯 発 行 サ レ テ居 ルタ メ、 充
事 ガ 必 要 デ ア ラウ 。而 シ テ七月 会 議 ノ決 議 中 訂 正 ヲ要 スルト思 ハ
ニ執筆 サ レ ル事ト ナ ル。 斯 ク テ我 党 ガ 七 月会 議 ニ於 テ此 ノ ア ツ
ピー ル的 記事 ハ本 社 編 輯 部 ノ手 ニヨ ツ テ、 而 カ モ屡 々前 述 ノ事
テ居 ル方 針 ハ決 定 的 ニ誤 謬 ト認 メ ル、 云 々。
新 聞 ノ実 現 之 デ ア ル。 従 ツ テ現在 無産 者 新 聞 本 社編 輯 部 ガ採 ツ
ノ精 神 ハ正 ニ ソ コ ニア ル モノト 認 メ ル。 即 チ階 級 的 大衆 的 日刊
ピ ー ル的 記事 ハ全 廃 スベ キデ ア ル。 若 シ特 ニ必 要 ガ ア ル場 合 ニ
テ モ、 合 法 的 且 ツ大 衆 的 新 聞 デ ア ル無産 者 新 聞 ハ断 然 斯 ルア ツ
例 外 ナ ク誤 謬 ヲ犯 シ テ居 ルノデ ア ル。然 シ斯 様 ナ事 情 ヲ別 ニシ
ハ直 チニ 邦文 タイ プ ラ イ タ ー ヲ使 用 ス ル事 、 次 デ 活 字 印 刷 所 ヲ設
事 ガ 必 要 デ ア ル。而 シ テ先 ヅ 非 合 法 印 刷 所 ノ中 、 少 ク ト モ 一個 所
ロ 非 合 法文 書 ノ刊 行 ニ関 シテ ハ差 当 リ党 印 刷 所 ヲ拡 大 充 実 ス ル
ニ関 スルプ ラ ン ヲ確 立 ス ル必要 ヲ認 メ ル
イ 会 議 ハ可 及 的 速 ニ党 プ ロアジ 部 ノ充 実 ヲ行 ヒ、 プ ロア ジ活 動
二 決 議
情 ニ ヨ ツテ編 輯 会 議 ニ モカケ ル事 ナ ク 一記 者 ノ手 ニ ヨツ テ勝 手
ピー ル的 記 事 ヲ存 置 スル事 ヲ認 メタ 目的 ト ハ正 反 対 ノ結 果 ガ起
ハ 一般 報 道 記事 ト ハ区別 シ、 新 聞 社 又 ハ編 輯 部 ノ名 ニ於 テ行 フ
ルノデ ア ル。 ソシ テ斯 様 ニシ テ製 造 サ レタ アツ ピー ル的 記 事 ガ
ベ キデ ア ラウ 。 ソ シ テ紙 面 ノ九 九 パ ー セ ント マデ ヲ階 級 的 立 場
ハ 無 産 者 新 聞 ニ関 シテ ハ直 チ ニ次 ノ諸 方 策 ガ採 ラ レネ バ ナ ラ ヌ、
立 スル事 、其 タ メ基 金 二 千 円 募 集 ヲ行 フ事
等 々ノ革 命 的 教 育 運 動 ヲ復 興 ス ル事 等 々
(ハ) 最 近著 シク不 振 ニ落 入 ツ テ居 ル研究 会 、 講 習会 、 労 働 学校
( ロ) プ ロパ ガ ンヂ スト ノグ ル ープ ヲ組 織 ス ル事
テ、 宣 伝 的 オ ルガ ンヲ組 織 的 ニ コ ント ロー ル スル事
(イ) 雑 誌 ﹁イ ンタ ー ナ シ ヨナ ル﹂ ﹁社 会問 題 研究 ﹂ ヲ 始 メ ト シ
バナ ラヌ
ニ 合 法 的 ナ宣 伝 的 活 動 ニ関 シ テ ハ直 ニ次 ノ諸 方 策 ガ 実 行 サ レネ
組 合 、 労 働 組 合 ノ支 持 ノ上 ニ立 ツ様 ニス ル事
ハ ヨイガ 、 必 ズ 工 場 ニ根 ヲ置 キ、 組 織 的 ニ モ労 働 者 大衆 、 農 民
) ( ハ 所 謂 第 二無 新 発 行 運 動 ハ所 謂 名 士 ヲ立 テ 、 [ 運]動 ス ル ノ
( ロ) 無 産 者 新 聞 ニ対 スル公 然 ノ批 評 及 忠告 ヲ与 ヘル事
(イ) 本 社 就 中 編 輯 部 ニ対 スル我党 ノ指 導 力 ヲ強 化 ス ルタ メ ニ即 時 組 織 的 方 法 ヲ講 ズ ル事
カ ラ観 察 シ且 ツ純 客 観 的 ニ取 扱 ツタ ト コ ロノ報 道 記事 ヲ以 テ満 載 スベ キデ ア ル。 又其 報 道 ニ当 ツ テ ハ事 件 ヲ ア リ ノ儘 ニ報 道 ス ル事 デ ナケ レバ ナ ラ ヌ、 ナ ント ナ レバ、 凡 ソ資本 主義 社会 ニ起 ツ タ事 件 ヲ マル ク ス主 義 ノ立 場 カ ラ冷 静 且 ツ正 確 ニ報 道 ス ル事 ガ出 来 ル ナ ラバ 、少 シノ文 飾 モ必 要 ト シ ナイ 。 反 対 ニ客 観的 事 実 其 モノ以 上 ニ資本 主 義 社会 ノ矛 盾 ヲ暴 露 スル雄 弁 ナ説 明者 ハ ナ イ カ ラデ ア ル。斯 ク テ無 産 者 新 聞 ハ事 件 ノ報 道 ヲ専 門 ト ス ル 煽 動 的 ナ モノ即 チ ﹁新 聞 ﹂ ト ナ ル事 ガ出 来 ル。 ( ハ) 然 カ モ尚 新 聞 ガ合 法 的 発 行 ヲ期 ス ルト 云 フ事 カ ラ、 如何 ニ 事 実 ノ報 道 デ ア ツ テ モ、尚 一定 ノ法 律 的 制 限 ヲ受 ケ ルデ ア ラウ 。 即 チ彼 ノ記 事 掲 載 禁 止 命 令 ト 発 売 頒 布禁 止押 収 ガ ソ レデ ア ル。 前 者 ニ対 シ テ ハ今 日 ノト コ ロ非 合 法 ニ譲 ル外 ハナイ 。 後 者 ニ就 テ ハ所 謂 号 外 政 策 ノ如 キガ 巧 ニ活 用 サ ルベ キデ ア ル。 斯 ク テ又 無産 者 新 聞 ノ所 謂 営 業 化 ガ可 能 ト ナ ル、 七 月会 議 ニ於 ケ ル決 議
等 デ ア リ マシ タ。
ホ 共 産 党 中 央 学 校 開 設 ノ タ メ ニ方策 ヲ講 ズ ル事
議 運動 ヲ組 織 ス ル事 ヲ拒 否 シ、 只 管 裁 判 官 ノ心 証 ヲ ヨク スル タ メ ニ
新 聞社 ノ内 部 ニ此 支 配 階 級 ノ無 新 絞 殺 陰 謀 ヲ大 衆 ニ訴 ヘ、 大衆 的 抗
無 産 者 新 聞 ニ対 ス ル公 然 ノ批評 及 忠 告 ヲ与 ヘル件 デ ア リ マシ テ、其
答 凡 テ即 時 実 行 ニ移 サ レ マシ タ。其 内 デ特 ニ私 ニ干 係 ア ル ノ ハ
ノ抗 議 運 動 開 始 期 ガ遅 ラサ レタ ノデ ア ル。 然 シ此 ノ日和 見主 義 論 ハ
ニ報 サ レ ル事 ナ ク其 発 表 ガ 遅 ラ サ レ タ ノデ ア ル。 ソ レ ハ同 時 ニ大衆
此 ノ日和 見 主 義 論 者 ノ タ メ ニ、 支 配 階 級 無新 絞 殺 陰 謀 ガ永 イ 間 大衆
新 聞 ノ論 調 ヲ引 下 ゲ ヨト 云 フ ガ如 キ 日和 見 主 義 ガ 現 ハレ タ。 ソ シ テ
為 メ小 泉 保 太 郎 名 義 デ ﹁最 近 無産 者 新 聞 ノ記 事 批 判 ﹂ ト題 スル公開
其 後 間 モナ ク克 服 サ レテ大 衆 的 抗 議 運 動 組 織 ニ転 換 シ タ。 ソ シ テ大
五問 夫 等 ノ決 議 ハ実 行 ニ移 サ レ タ カ。
状 ヲ発 表 シ マシ タ。
衆 ノ間 カ ラ強 イ抗 議 運 動 ガ 起 リ且 ツ愈 々発 行 停 止 ガ免 レ難 イ ト 云 フ
ダ﹂ ﹁何 ヤ ラ ヲ倒 セ﹂ ト ヤ ツ テ居 ル小 ブ ル的 日 和 見的 不 安 定 性 ヲ 遺
チ矢 鱈 ニ最 高 級 ノ激 越 ナ文 句 ヲ使 ツ テ ﹁ヤ レデ モダ ﹂ ﹁ス ト ラ イ キ
事 ガ判 明 スル ヤ、 此 度 ハヒ ステ リ カ ル ナ噪 ギ 方 ガ 現 ハレ テ居 ル、 即
憾 ナ ク暴 露 シテ居 ル。 然 シ 一番 ヨク ナイ事 ハ、新 聞 社 ト シテ ノ主 張 、
答 其 全 文 ハ只 今 記憶 シ マセ ヌガ、 要 点 ヲ覚 エテ居 リ マ ス、 ソ レ
六問 其 公 開 状 ナ ル モ ノヽ内 容 如何 。
一 私 ハ日本 ニ於 テ合 法 的 ニ発 行 サ レテ居 ル唯 一ノ階 級 的 全 国的 政
ハ次 ノ如 クデ ア リ マス。
大 衆 ヘノ ア ツ ピ ー ル、煽 動 ト宣 伝 等 々ガ 一切 合財 混 同 シ テ居 ル事 及
新 聞 社 ガ客 観 的 情 勢 、 特 ニ味 方 ノ力 ノ干係 ヲ無 視 シタ ス ロー ガ ンノ
ノ新 聞 ノ 一挙 一動 ガ 日本 ノプ ロ レタ リ ア運 動 ニ重 大 ナ影 響 ヲ及 ボ ス カ ラデ ア ル。 最 近無 産 者 新 聞 ハ著 シ ク階 級 的 ニナ リ且 ツ非 常 ニ ヨ ク
乱 造 乱 発 デ ア ル。 参 考 ノ タ メ ニ第 二百 七号 ニ就 テ之 ヲ具 体 的 ニ指 摘
治 新 聞 即 チ無 産 者 新 聞 ニ対 シ テ特 別 ノ注 意 ヲ払 ツ テ居 ル、 ソ レ ハ此
ナ ツ タト 云 ツ テ讃 メ ル人 ガ ア ル、 果 シ テ サ ウデ ア ラ ウ カ、 私 ニ ハ遺
シ テ見 ル。
イ 社 説 ハ新 聞 社 ノ主 張 ト同 時 ニ提 議 及 大 衆 ヘノ ア ツ ピ ー ル ヲ兼
憾 乍 ラ什 ウ モ讃 メ ル気 ニ ハナ レナ イ。 私 ハ浜 松 争 議 ニ就 テ書 イ タ文
判 シ タ時 次 ノ如 ク 云 ツ タ ﹁彼 等 ハ何 カ大 キ ナ変 動 ヤ事 件 ニブ ツカ ツ
ネ テ居 ル故 ニ、 一面 ノ 冒頭 デ ア ル﹁元 山 総 罷 業 ニ際 シ全 日本 ノ労
三 第 一面
タリ 或 ハ争 議 団側 ガ 不利 ナ状 況 ニ陥 ツ タ リ ス ルト、 必 ズ 速 ク争 議 ヲ
働 者 ニ訴 フ﹂ ト 云 フ アツ ピ ー ル ハ全 部 重 複 デ ア リ、 余 計 ナ モ ノデ
章 (マルク ス主義 二月号)デ 、 同 争 議 中 ニ於 ケ ル日和 見的 指 導 者 ヲ批
解決 シナ イ ト結 束 ガ保 タ ナ イト 云 ツ テ騒 イダ 、 而 シ テ少 シ争 議 団 側
ロ 元 山争 議 ノ煽 動 記事 ( 争議情報) ガ死 ンデ 居 ル、 少 ナ ク ト モ
此ノ ﹁ 争 議 続 報 ﹂ ハ七 ツ ノ報 道 記 事 ニ分 割 掲 載 サ レネ バ ナ ラ ナイ、
ア ル。茲 ニ ハ当 然 煽 動 記事 即 チ報 道 ガ来 ナ ケ レバ ナ ラ ナイ 。
即 チ、
ルナ ト 云 ツテ噪 ギ 廻 ツ タ 云 々﹂ 此 ノ言 葉 ガ最 近 ノ無 産 者 新 聞 ニソ ツ クリ当 テ嵌 ル様 ニ思 フ。
ガ景 気 ガ ヨク ナ ル ト、 今 度 ハ要 求 ガ貫 徹 ス ル マデ 断 ジ テ争 議 ヲ打 切
二 彼 ノ無 産 者 新 聞 発 行 停 止 ガ 初 メ テ裁 判 ニ カケ ラ レ ル時 、 無 産 者
( ) 一 平 壌 労働 聯 盟 ノ応 援 ( 二) 平 壌 警 察 ノ応 援 運動 禁 止 ( 三) 元 山労 働 聯 合会 幹 部 ノ検 挙 (四) 文 坪 石油 会 社職 工 ニ対 スル暴 挙 (五) 右 同 社争 議 団 ノ検 束 者 奪 還 (六) 労 働 聯 合 会 、消 費 組合 、石 油 労 働 組 合 幹 部 ニ対 ス ル当 局 ノ
動 員 シ テ駅 頭 ニ送 レ﹂ ト 云 ツ テ居 ル。 又同 記 事 ノ 四行 目 カ ラ例 ノ
煽 動 ト ア ツ ピ ー ルト ヲ混 同 シタ ス ロー ガ ンガ投 ゲ付 ケ ラ レ テ居 ル。
朝 鮮 労 働 組 合 ヤ各 組 合 ハ此 ノ代 表 ヲ東 京 駅 ニ送 ラナ イ ノデ ア ル カ、
一層 煽 動 ト ナ ル。 即 チ ﹁サ ウ カ皆 ンナ送 ル ノ カ、 デ ハ俺 モ 行 カ
ソ ンナ事 ハア ル マイ 。然 ラバ其 事 ヲ報 道 シタ方 ガ送 レト 云 フ ヨリ
ウ﹂ ト 云 フ事 ニナ ル ノデ ア ル。
ヘ ﹁反 動 団 体 ノ擡 頭 ﹂ ハ煽 動 ト宣 伝 ト ノ混 乱 ノ好 箇 ノ 見 本 デ ア
ナツテ労働者 ニ敵対 シテ居 ルカノ事実︶後 半 ハ其 プ ロ パ ガ ン ダ ( 理論
ル。 即 チ 前 半 ガ 報 道 (如何 ニ彼等 ガ帝国主義ブ ルジ ヨアジ ーノ手先ト
的解明)デ ア ル。 此 ノ後 半 ヲク ツ ツ ケ タ ノデ 此 ノ記 事 即 チ 煽 動 ガ
暴圧 (七) スカ ツプ ノ寝 返 リ、 労 働 組 合 ノ組 織 斯 ク テ吾 々 ハ 一目 シ テ元 山争 議 ガ目 下 ド ンナ 状 態 ニ ア ル カ ヲ其
ト ﹁第 二無 新 ﹂ ハア ツ ピー ルト煽 動 ト ノ混 同 デ ア ル。 即 チ 前 書
死 ンデ 居 ル。
﹁見 出 ﹂ 丈 ケ ヲ拾 ヒ読 ミ シタ丈 ケデ モ判 ル事 ニナ ル、 又斯 ク テ事
ル、 此 ノ事 ハ日刊 新聞 デ ス ラ少 シ大 キ ナ事 件 ヲ報 道 ス ル場 合 ニ ハ
件 ノ各 場 面 ト事 件 発 展 ノ ﹁テ ンポ﹂ ヲ生 々ト シ テ描 キ出 ス事 ニナ
ノ発 揮 ヲ殺 シ タ。
大 キ ナ感 動 ヲ与 ヘル ノデ ア ル。然 ル ニ此 ノ前 書 ノ タ メ ニ此 ノ感 動
宣 言 ガ 報 道 サ レ ヽバ ヨイ ノデ ア ル。 其 ノ方 ガ遥 ニ大 衆 ニ広 イ 且 ツ
ヨイ ノデ ア ル。 ソ シ テ、 茲 デ ハ新 無 産 者 新 聞 発 起 人 会 ノ成 立 ト 其
ニ当 リ各 段 階 ヲ説 明 ニヨ ツ テ継 グ代 リ ニ、 反 対 ニ各段 階 ヲ切離 シ
事 ハ絶 対 ニ必 要デ ア ル。 即 チ幾 ツ カ ノ段 階 ヲ経 タ事 件 ヲ報 道 ス ル
チ ﹁大 軍 事 予 算 ﹂ ノ記 事 ハ暴 露 ト主 張 ノ混 同 デ ア ル。 最 後 ノ 三
ノ ア ツ ピ ー ル ハ無産 者 新 聞 ノ社告 ト シ テ第 四面 ニア ル、 又 ソ レデ
テ ﹁見 出 ﹂ デ 継 グ ノデ ア ル。 此 ノ事 ノ モ ウ 一ツ ノ重 要性 ハ尚 後 デ
行 ハレ テ居 ル モ ノデ ア ル、 況 ンヤ週 刊 新 聞 ニ於 テ ハ什 ウ シ テ モ記
述 ベ ヨ ウ。
ノ不 備 ハア ルガ 、 若 シ此 ノ最 後 ノ三行 ノ主 張 ガ茲 ニク ツ ツケ ラ レ
行 ガ主 張 デ ア ル、 ソ シ テ ソ レ ヨリ前 ガ暴 露 デ ア ル、 若 干 ノ言 葉 使
事 ガ長 ク ナリ 勝 チナ ノデ ア ルカ ラ、 斯 ル方 法 ヲ以 テ記事 ヲ生 カ ス
ハ 社 説 中 ニア ル ﹁小 樽 運輸 労 働 組 合 ノ元 山 スト ライ キ応 援 ﹂ ニ
ナ カ ツ タ ナ ラバ暴 露 記 事 ト シ テ ハ上出 来 デ ア ツ タ。
関 スル報 道 記事 ガ 何 処 ニモ見当 ラ ナ イ。 ニ 同 ジ ク社 説中 ニア ル総 同 盟 及 組 合 同 盟 ガ応 援 運 動 ノ協 同 ヲ拒
イ 巻 頭 ノ ﹁工代 会 議 全 国 ニ進 ム﹂ ハ ヨイ ト シ テ、 ﹁更 ニ闘 争 ヲ
四 第 二面
拡 大 シ﹂ カ ラ ﹁闘 争 万 歳 ﹂ マデ ノ前 置 キ全 部 ハ全 ク余 計 ナ饒 舌 デ
否 シタ ト 云 フ報 道 記事 ガ ナ イ 。私 ハ社 説 ヲ読 ンダ カ ラ コソ此 ノ事
ホ ﹁朝 鮮 ヘ代 表 ノ出 発﹂ ニ干 スル記 事 ノ ﹁見 出 ﹂ ニ ﹁工 場 カ ラ
実 ヲ初 メ テ知 リ得 タ、 社 説 ヲ読 マナイ 読 者 ニ ハ什 ウ ス ルノ カ。
ア ル、 コンナ饒 舌 ガ 一番 イ ケ ナイ 、 此 ノ種 ノ記 事 ハ絶 対 ニ廃 止 ス
ガ如 キ指 令 ヲ附 加 シタ ノ カ、 何 故 工代 会 議 デ 闘 ヘト 云 フ代 リ ニ工
イ 冒 頭 ノ木 場 ノ記事 ﹁見出 ﹂ ニ何 故 ﹁工代 会 議 デ 闘 ヘ﹂ ト 云 フ
(五) 京浜 乗 合 ノ従 業 員 大 会 五 第 三 面
ロ ﹁大 連 汽 船 ノ陰 謀 露 ハル﹂ ノ記事 ノ後 ヘ ﹁同 一労 働 ニ同 一賃
ベ キデ ア ル。
銀 ﹂ ノ記 事 ヲ ク ツ ツケ タ ノ ハヨク ナ イ、 此 ノ同 一労 働 ニ同 一賃 銀
ロ 其 次 ノ記 事 ノ ﹁胡 魔 化 ニ乗 ルナ﹂ ハ ﹁胡 魔 化 暴 露 サ ル﹂ デ ア
代会 議 デ闘 フ関東 木 材 ト シ ナ カ ツタ ノデ ア ルカ、 サ ウ スレバ 此 ノ
ル。無 産 者 新 聞 ノ記 者 ガ之 ニ干 スル限 リ ソ ンナ命 令 ヲ スル必 要 ハ
記事 ハ立派 ナ煽 動 記事 ト シ テ生 キ ルノデ ア ツ タ。
強 ヒテ 云 フ ナ ラバ 、
ハ 若 シ以 上 ノ 二 ツ ヲ除 ク ナ ラバ第 二面 ハ申 分 ナ キ出 来 デ ア ル、
第 一ノ神 戸 工代 ノ記 事 ハモウ 少 シ細 分 シテ内 容 即 チ事 件 ノ ﹁テ ン
毫 モ ナイ、 其 記事 ノ内 容 ヲ 一目 シテ判 ル様 ニ、 労働 者 ハ無 産 者新
ノ記事 全 文 ハ宣 伝 記 事 デ ア ツ テ当 然 別個 ニ取 扱 フベ キ モノデ ア ル。
ポ﹂ ト各 場 面 ガ 一目 シ テ判 ル様 ニ独 立 ノ ﹁見 出 ﹂ ヲ付 ケ ルベ キデ
ハ ﹁ 関 東 木 材 ノ闘 争 進 ム﹂ ノ記事 ノ最 後 ニ掲 ゲ テ ア ル ス ローガ
ニ胡 魔 化 ヲ美 事 暴 露 シ テ居 ルデ ハナ イ カ。
ン ハ茲 ニ入 ルノデ ハナ ク、 此 ノ記 事 ノ最 初 即 チ ﹁ 関 東 木材 デ ハ直
聞 記者 ノ命 令 ヲ待 ツ マデ モナ ク立 派 ニ胡 魔 化 ニ乗 ル事 ナ ク、 反 対
ト シタ モノ ニナ ル。
チ ニ対策 ヲ樹 テ﹂ ノ次 ヘ入 ルベ キデ ア ル、即 チ関 東 木 材デ ハ直 チ
ア ル。 之 ニ要 スル紙 面 ハ彼 ノ無 用 有 害 ナ饒 舌 ヤ中 途 半 端 ナ宣 伝 記
第 二 ノ静 岡 ト島 田 ノ記 事 ハ別 ノ記事 即 チ 二 ツノ記 事 ニ スベ キデ ア
ニ対策 ヲ樹 テ斯 々ノ ス ロー ガ ンノ下 ニ工代会 議 ノ準 備 ヲ進 メ云 々
事 ノ混 入 ヲ排 除 スル事 ニ ヨツ テ充 分 出 テ来 ル、 ソ シテ新 聞 ガ 生 々
ル。
撤 去 スベ キデ ア ル。
ト ナ ルベ キデ ア ラ ウ、 若 シ サ ウデ ナイ ナ ラ此 ノ ス ロ ーガ ン ハ断 然
第 三 ノ泉 州 ノ記 事 モ少 クト モ三 ツ ニ分 ケ ル事 ガ出 来 ル、 即 チ、 ( 一) 泉 州 労 働 組 合 ノ活動
ニ 札 幌 ノ被 告 一部 出 獄 ノ記 事 末 尾 ニ付 シ タ三 ツ ノ ス ロ ーガ ン ハ
撤去 スベ キデ ア ル。 此 ノ ス ロー ガ ン ヲ ク ツツ ケ タヽ メ ニ折 角 ノ煽
( 二) 工代会 議 開催 ノ準 備 進 ム、 総 同盟 大衆 ト ノ共 同 戦 線 (三) 警 察 ノ暴 圧 、労 働 者 ノ反抗 第 四 ノ青 バ スノ記事 ハ次 ノ五 ツ ニ分 ケ、 適 当 ナ ﹁見 出 ﹂ ガ 付 ケ ラ
動 記 事 ヲ台 ナ シ ニシ テ仕 舞 ツ タ。 暴 圧 ヲ跳 返 ス タ メ ニデ モ ン スト
ルト思 フ ナ ラ バ大 キ ナ間違 デ ア ル。然 ラバ条 件 ヲ無 視 シテ斯 ル ス
キ 又 ハデ モ ン スト レー シ ヨン ヲ現 実 ニ組 織 シ得 ル条 件 ヲ持 ツテ居
事 ガ正 シ イ。 然 シ乍 ラ現在 ノ小 樽 ノ労 働 者 ガ暴 圧反 対 ノ スト ラ イ
レー シ ヨ ンヤ スト ライ キ即 チ労 働 者 ノ組 織 的 反 抗 ガ 必要 ダ ト 云 フ
ル ベ キデ ア ル、 ) ( 一 芝 浦 営 業 所 従 業 員 ノ蹶起 ト勝 利 ( 二) 新 宿 、 上 野 ノ蹶起
(四) 支 部連 絡 委 員 会 ノ成 立 ト活 動
( 三) 戦 闘 分 子 ヲ転 勤 サ ス
ロー ガ ンヲ濫 ニ提 出 スベ キデ ナイ 。 ス ロー ガ ン ハ什 ウ シ テ決 定 サ レル モノ カ ヲ考 ヘテ見 ルベ キデ ア ル。 ホ 以 上 ノ欠 点 ヲ除 ケ バ 三面 ハ上 出 来 デ ア ル。 ヘ 第 三 面 ノプ ロパ ガ ンダ記 事ニ ﹁市 会 ヲ曝 ク﹂ ト云 フ ノガ ア ル、 此 ノ記 事 ハ社 外 ノ或 個 人 ノ寄 稿 デ ハナ ク、 一記者 ノ執 筆 シ タ モ ノ デ ア ル以 上 、 階 級 的 無 産 者 新 聞 ハ新 聞 社 ト シ テ此 ノ記事 ニ対 ス ル 政 治 的 責 任 ヲ負 ハネ バ ナ ラ ナイ 、 ト コロデ 編 輯 部 ハ此 ノ 一記者 ノ
同 日於 前 記 場 所
被
告
右 読 聞 ケ タ ル処無 相 違 旨 申 立署 名拇 印 シタ リ。
人 三 田村 四郎
予 審 判 事 秋 山 高 彦
裁 判 所 書 記 鹿 田 清 次
東京地方裁判所
第 四十 五 回 訊 問 調 書
人 三 田村 四郎
右 治 安 維 持 法 違 反 被 告 事 件 ニ付 、 昭 和 五 年 十 二月 二十 七 日豊 多 摩刑
告
ヌ、同 記事 ニ ハ如 何 ニ モ小 ブ ルジ ヨアガ 思 ヒ付 キサ ウ ナ沢 山 ナ新
務 所 ニ於 テ、 予 審 判 事 秋 山 高 彦 ハ裁 判 所 書 記 鹿 田 清次 立会 ノ上前 回
被
税 創 設 ノ主 張 ガ ア ル、 無 産 者 新 聞 ハ コン ナ新 税 設 置 ニ賛 成 ナ ノ カ
一問 党 ノ労働 組 合 運 動 指 導 ニ関 シ テ ハ。
ニ引 続 キ右 被 告 人 ニ対 シ訊 問 スル コト左 ノ如 シ。
意 見 ニ同 意 デ ア ルカ、 若 シ同 意 ナ ラ バ次 ノ事 ヲ明 カ ニセネ バ ナ ラ
ノ新 税 ノ創 設 ガ プ ロ レタ リ ア ノ要 求 ト ナ ルト 云 フ理由 カ ラデ ア ル、
否カ 、 若 シ賛 成 ナ ラ其 理 論 的 根 拠 ヲ説 明 スル必要 ガ ア ル、 即 チ此
答 一九 二 八年 十 月 以後 ニ於 ケ ル日本 共 産 党 労 働 組 合 運 動 指 導 干
係 ニ就 テ ハ大 体 次 ノ様 ニ分 ケ テ申 上 ゲ ル方 ガ便 宜 ダ ト思 ヒ マ ス。
一 一九 二 九年 三 月 上旬 開 催 サ レ タ ル日本 共 産 党 組 合 部 会 議
カ、 編 輯 部 ハ早 速 此 ノ 一記 者 ノ意 見 ヲ討 議 ス ル必要 ガ ア ル。
然 シソ レ ハ強 度 ノ累 進 所 得 税 ニ ヨツ テ 一切 ガ 解決 ツク ノデ ハナ イ
二 一九 二 九年 四月 上旬 開 催 サ レタ ル日本 共 産 党 組 合 部 会 議
モ諸 君 ニ要 求 ス ル事
デ ア リ マス。
ハ、 労 働 者 ヤ農 民 ハ十 時 間 ヤ十 五 時 間 モ働 イ テ疲 レキ ツ タ体 デ 新 聞
二問 然 ラバ 一九 二九 年 三月 上旬 開 催 サ レタ ル日本 共 産 党 組 合 部 会
六 親 愛 ナ ル無産 者 新 聞 編 輯 員 諸 君 、 呉 レ〓
クノ読 者 ハ読 ム ヨリ モ見 ル事 ヲ欲 ス ル、 即 チ先 ヅ 見 ル、 然 ル後 読 ム
議 ニ就 テ ハ。
三 所謂 四 ・ 一六事 件 ニ ヨ ツテ破 壊 サ レタ ル全 協 本 部 再 建 方 策
ノデ ア ル、 此 ノ事 ガ判 リ マス カ、第 一諸 君自 身 ガ 日 々ブ ル ジ ヨ ア新
ヲ読 ムノデ ア ルト云 フ事 ヲ忘 レナ イ様 ニシ テ貰 ヒ度 イ事 デ ア ル。多
聞 ヲド ンナ仕 方 デ 読 ンデ 居 ル カ ヲ考 ヘテ見給 ヘ、 先 ヅ 見 出 ヲ 一渡 リ
答 会 議開 催 ノ正確 ナ ル日時 ニ就 テ ハ記 憶 シ マセ ヌ。
又 会議 開 催 ノ場 所並 ニ出 席 者 ノ氏 名 ハ申 上 ゲ ラ レ マセ ヌ ガ、会 議 ニ
見 ル、 然 ル後 自 分 ニ干 係 ア ル記事 或 ハ興 味 ア ル記事 ヲ読 ム ノデ ア ル。 社 説 ヤ宣 伝 記 事 ハ恐 ラ ク余 程 必 要 カ或 ハ閑 散 ナ時 ニノ ミ読 ム ノデ ア
於 ケ ル議 事 中 最 モ重 要 ナ事 ハ次 ノ 三 ツデ ア リ マシ タ。
一 一九 二 八年 十 月 カ ラ 一九 二九 年 三 月 マデ ノ党組 合 運動 指 導
ラウ。 私 ガ記 事 ヲ細 分 シ テ見 出 デ 事 件 ノ発 展 ヲ継 ゲ ト 云 フ ノ ハ又 此 ノタ メデ ア ル。
対 及 統 一戦 線 要 求 ト 云 フ形 ヲ採 ツ テ現 ハレ テ居 タ。 之 ハ今 日デ モ
ロ 一方 全 協 ハ 一般 ニ大 工場 ニ其 組 織 的基 礎 ヲ持 ツ テ居 ナ イ 。小
尚 サ ウ デ ア ル。
ニ関 スル報告 二 報 告 ニ対 スル討 議
ル ニ ハ余 リ ニ微 弱 デ ア ル。而 カ モ東電 争 議 敗 北 ノ後 ヲ受 ケ テ、全
サ ナ争 議 ハ随 所 ニ遂 行 シ テ居 ルガ 、然 シ ソ レ ヲ以 テ大勢 ヲ支 配 ス
三 決 議 然 シ今 日 デ ハ記 憶 ガ確 カ デ ア リ マセ ヌ カ ラ、 前 述 ノ内 一ト 三 ニ就 テ
協 中 最 モ有 力 ナ関 東 地方 協 議 会 ノ勢 力 ガ著 シ ク弱 メ ラ レ タ。 又 一
ノ ミ申 上 ゲ ル事 ニ シ度 イ ト思 ヒ マ ス。 三 問 一九 二 八年 十 月 カ ラ 一九 二九年 三 月 マデ ノ党 ノ組 合 運 動 指 導
般 的 ニ ハ所 謂 大 典 ノ タ メ ノ大衆 的逮 捕 ニ ヨツ テ有能 ナ ル指 導 者 ガ
諸機 関 ハ 一時 的 ニ半 非 合 法 ヘ推 移 スル事 ヲ余 儀 ナ ク セ シ メ ラ レ テ
奪 ハレ或 ハ地下 生 活 ニ追 ヤ ラ レ タ。 全 国 的 ニ亙 ツ テ全 協 系 組 合 ノ
居 タ 。更 ニ悪 イ事 ハ東 京 合 同 ニ巣 喰 ツ テ居 ル福 田 一派 ガ事 毎 ニ全
答 其 報 告 ノ内 容 ハ凡 ソ次 ノ如 クデ ア ツ タ ト記 憶 シ マ ス。
ニ関 ス ル報 告 ノ内 容 如 何 。
一 一九 二 八年 十 月 検 挙 直 後 ニ於 ケ ル労 働 組 合 運 動 情 勢 ハ次 ノ如 ク
的結 成 ヲ妨 害 シ テ居 タ。 ソ レ故 全 協 本 部 ハ事 実 上 各 組 合 ト ノ全国
協 本 部 ノ方 針 ヲ妨 害 シ、 本 部 ノ信 用 ヲ不 当 ニ傷 付 ケ、 全協 ノ全国
デ ア ツ タ。 イ 資 本 家 的 産 業 合 理 化 ノ結 果 、 一般 的 ニ自 然 発 生 的 ナ労 働 者 ノ
テ居 ナカ ツタ。 ソ レ ニモ拘 ラズ 大 典 休 日 日給 獲 得 ノ タ メ ノ闘 争 、
的連 絡 モ充 分 執 レテ居 ラズ 且 ツ各 組 合 ノ行動 ヲ充分 指 導 統 制 シ得
闘 争 ガ擡 頭 ス ル形 勢 ガ濃 厚 ト ナリ ツ ヽア ツタ。 ソ シテ夫 等 ノ動 揺 ヲ示 シ ツ ヽア ル工場 ハ、 主 ト シ テ右 翼 又 ハ中 央 派 組 合 ノ指 導 下 ニ
全 国労 働 組 合 会 議 結 成 ノ タ メ ノ闘 争 、 新 党 準 備 会 結 党 運 動 等 々 ニ
ア ル大 工 場 或 ハ未組 織 ノ大 工 場 デ ア ツタ 。然 ル ニ当 時 ブ ルジ ヨア 政 府 ハ十 一月 ノ大 典 ヲ 口実 ト シ テ現 ニ起 リ ツヽ ア ル闘 争 ノ ミ ナ ラ
二 当 時 我党 ハ十 月 検 挙 ノ後 ヲ受 ケ テ凡 テ ノ連 絡 干 係 ガ切断 サ レ テ
大衆 ヲ動 員 シ奮 闘 シ ツヽ ア ツタ 。
シテ右 翼 組 合 ノ官 僚 幹 部 ハ公 然 政 府 ト協 力 シ、 スト ラ イ キ鎮 圧 ニ
ニ過 ギ ナイ 。 ダ ガ 、党 ハ不 完 全 ナ リ ト雖 モ知 リ得 タ右 ノ状勢ニ 基 キ、
居 タ。 以 上 ノ如 キ状 勢 モ僅 カ ニ某 所 ヲ通 シ テ間 接 的 ニ知 リ得 タ モ ノ
ズ 又 正 ニ勃 発 セ ント スル スト ライ キ ヲ暴 力 的 ニ鎮 圧 シ テ居 タ。 ソ
テ居 タ、 彼 等 ニ ハ只 スト ライ キノ勃 発 ヲ恐 怖 ス ル事 ノ ミ ガ ア ツ タ。
奔 走 シ タ。 又 中 央 派 組 合 ノ幹 部 ハ 一般 ニ闘 争 ニ対 シテ確 信 ヲ失 ツ
下 ノ政 治 状 勢 ト 力 ノ相 互干 係 上 、今 日直 チ ニ全 国 ノ左 翼 組 合 代 表
イ 左 翼 労 働 組合 ノ全国 的 結 成 ヲ急 速 ニ実 行 ス ル事 、然 シ乍 ラ現
者 ヲ 一堂 ニ召 集 シ、結 成 会 議 ヲ開 カ ス事 ハ事 実 上 不 可 能 デ ア ル、
十 月 下 旬 ノ党 中 央会 議 ニ於 テ直 チ ニ労 働 組 合 対 策 ヲ次 ノ如 ク定 メ タ。
満 ヲ懐 キ 、到 ル処 ニ於 テ幹 部 ト衝 突 シ テ居 タ。当 時 開 催 サ レタ右
ソシ テ彼 等 ハ此 ノ内 心 ノ恐 怖 ヲ革 命 的 大 言 壮 語 ニヨ ツ テ押 シ隠 シ
翼 及中 央 派 組 合 ノ各 種 ノ大 会 並 ニ委 員 会 等 々 ニ於 テ我 々 ハ明白 ニ
故 ニ直 チ ニ為 スベ キ事 ハ、全 協 ニ蔓 ツ テ居 ル福 田 一派 ヲ一 放逐 シ、
テ居 タ、 故 ニ右 翼 及 中 央 派 組 合 ノ 一般 大 衆 ハ幹 部 ノ斯 ル態 度 ニ不
ソ レ ヲ見 ル事 ガ出 来 ル。 而 シ テ大衆 ノ此 ノ反 幹 部 熱 ハ闘 争 抑 圧 反
十 二月 初 旬 デ ア ツタ 。然 シ之 ヨリ先 十 一月 中 旬 我 党 ハ全 協 本 部 ト ノ
四 此 ノ我 党 ノ方 針 ガ公 然 大衆 ノ前 ニ発 表 サ レタ ノ ハ非 常 ニ遅 レ テ
状 勢 観 察 ノ不 充 分 及連 絡 ノ欠 如 ハソ レ以 上立 入 リ得 ナ カ ツ タ等 々。
ロ 其 タ メ機 関 紙 労 働 新 聞 ヲ即 時 発 行 シ テ各 組 合 ト ノ全国 的 連 絡
連 絡 ノ復 活 ニ成 功 シ、直 チ ニ我党 ノ方 針 ガ伝 ヘラ レタ。 然 シ或 特 別
全協 本 部 ヲ強 化 シ、本 部 ヲ シ テ指 導 的 活 動 ヲ為 サ シ メ ル事
ハ 暫 定 行 動 綱 領 ヲ発 表 シ、各 左 翼 組 合 ニ行動 ノ基 準 ヲ与 ヘル事
ナ ル事 情 ノ タメ ニ、党 ノ全 協 ニ対 スル指 導 ハ依 然 ト シ テ間 接 的 ナ連
ヲ確 立 ス ル事 。
絡 ニ ヨツ テ活 動 ス ル ヨリ仕 方 ガ ナ カ ツ タ。 ソ レ故 其 後 数 ケ月 間 ノ全
導下 ニ十 二 月 五 日第 一ニ機 関 紙 労 働 新 聞 ヲ再 刊 シ タ。 又之 ト 前 後 シ
ニ 日常 闘 争 ノ計 画 的 ナ激 発 ニ ヨツ テ組 合 ノ基 礎 ヲ大 工場 ニ据 ヘ
テ合 法 及非 合 法 ノ両 方 面 カ ラ我 党 ノ方 針 ガ公 表 サ レ 一般 ノ討 議ニ 移
ル事
ト 又全 国 労 働 組 合 会 議 ニ干 シ テ ハ行 動 綱 領 ヲ提 出 シ、此 会 議 ニ
サ レ タ。而 シ テ東 京 合同 ハ十 二月 十 三 日福 田 一派 ヲ除 名 シ、 党 ノ方
ホ 地方 協 議 会 ノ即 時 結 成 ヲ行 フ事
臨 ム各 左翼 組 合 ノ態 度 ノ統 一ヲ付 ケ ル ノ ミナ ラズ、 一方 中 央 派 幹
ニシ ヤ チ ー フノ発 揮 ニ待 ツ モノ ガ多 イ。 兎 ニ角 全 協 本 部 ハ我 党 ノ指
部 卜 左翼 組 合 ト ノ対 立 点 ヲ明白 ニス ルト共 ニ、 他 方 右 翼 及 中 央 派
ノ信 用 ヲ回復 シ且 ツ各 組 合 ト ノ全 国 的 連 絡 ヲ形 成 スル ニ至 ツ タ。
針 ヲ絶 対 ニ支 持 ス ル事 ヲ声 明 シ タ。 斯 ク テ全協 本部 ハ指導 部 ト シ テ
協 ノ活 動 ノ展 開 ハ全 ク全 協 内 我 党 員 並 ニ革 命 的 労 働 者 ノ旺 盛 ナ ルイ
組 合 員 大 衆 ト ノ共 同 闘 争 ノ結 合 点 ヲ造 リ出 ス事 、即 チ此 ノ行 動 綱
ヘ 産 業 別 協 議会 ノ活 動 ヲ活溌 ニ遂 行 スル事
領 実 現 ノ タ メ ノ大衆 ト大 衆 ト ニ ヨ ル下 カ ラ ノ共 同 闘 争 委 員 会 ヲ造
五 当 時 ニ於 ケ ル全 協 ノ指 導 シ タ特 長 的 ナ闘 争 ハ ﹁ト ー マ﹂排 撃 ノ
闘争 、農 村 争 議 応 援 運動 、新 党 準 備 会 ノ結 党 運 動 ヘノ大衆 ノ動 員 、
リ出 ス事 等 々 三 此 ノ方 針 ハ前 述 ノ如 ク党 ガ間 接 的 ニ知 リ得 タ極 メ テ不 充 分 ナ報
デ ア ツタ。
イ ﹁ト ー マ﹂ 排 撃 ノ タ メ ノ闘争 ニ於 テ全 国的 ニ ﹁ト ー マ﹂ 排 撃
産 業 別 協 議 会 ノ組 織 等 々デ ア ツタ。 右 ノ内 就 中 重 要 ナ事 ハ次 ノ諸 点
同 盟 ガ作 ラ レタ事 及 此 同 盟 ヘ改 良 主義 組合 内 ノ反 対派 が参 加 シタ
ニ当 ツ テ特 ニ注 意 シ タ事 ハ次 ノ諸 点 デ ア ツ タ。 イ 赤 色 労 働 組 合 ト シ テ ノ組織 及活 動 ニ干 シ テ ハ只 暗 示 ニ止 メ、
事 、即 チ鉄 道 従 業 員 組 合 ヲ始 メ ト シ テ、改 良 主義 組 合 内 ニ ﹁ト ー
告 材 料 ニヨ ツ テ樹 テ ラ レタ モノデ ア ル。 従 ツテ此 ノ方 針 ヲ決 定 スル
ロ 取 敢 ヘズ 現 ニ全 国 ニ散 在 シ テ居 ル左 翼 組 合 ヲ 一先 ヅ 一ノ全 国
ソ レ ニ ハ深 ク触 レ ナイ事 ニ シタ
マ﹂ 歓 迎 ニ狂 奔 シ ツ ヽア ル官 僚 幹 部 ニ反 対 シ刷 新 同 盟 ガ作 ラ レ、
ロ 産 業 別 協 議 会 運動 ノ方 面 デ ハ、東 京 ニ於 テ革 命 的 労 働 組 合 ト
夫 等 ガ声 明 書 ヲ発 表 シ テ ﹁ト ー マ﹂ 排 撃 同 盟 ニ参 加 シタ ノ デ ア ル。
改 良 主義 組 合 内 ニ於 ケ ル革 命 的 分派 ト ニ ヨ ル金 属 産 業 労 働 組 合 協
ハ 種 々 ナ ル欠 点 ハ今 後 ノ実 際 ノ活 動 ノ展 開 ト赤 色 労 働 組 合 ニ干 スル今 後 ノ宣 伝 ニ ヨツ テ訂 正 シ テ行 ク事 ニシ タ
的 組 織 ニ固 メ ルト 云 フ事 ニ重点 ヲ置 イ タ
ニ ソ レ故 又活 動 上 ニ於 ケ ル詳 細 ナ規 定 ニ ハ立 入 ラナ カツ タ。 又
ハ 農 村 争 議 応 援 ニ関 シ テ全協 系 組合 ト全 農 東 京出 張 所 ト ノ代 表
動 ト結 合 シテ全 国 的 結 成 ニ向 ツ テ運動 ガ進 メ ラ レタ事
凡 テ我 党 ノ方 針 ニ従 ヒ、 共 通 ノ行 動 綱 領 ヲ決 定 シ、 全 協 本 部 ノ活
議 会 及 自 由 労 働 者 組 合 ノ協 議会 ノ 二 ツ ノ協 議 会 ガ作 ラ レ、 之 等 ハ
ホ 代 表 者会 議 ニ参 加 シタ各 代 表 ハ此 ノ会 議 後 夫 々 ノ地 方 ニ於 テ
議 シ テ置 ク事
ニ 全協 系 組 合 ト 他組 合 ニ ヨツ テ産 業 別協 議 会 ヲ作 ル事 ヲ特 ニ決
議 会 ノ儘 ト シ、出 来 ル丈 ケ簡 単 化 スル事
ハ 規 約 ニ於 テ当 然 問 題 ト ナ ル ベ キ全 協 ノ組 織 原 則 ニ就 テ ハ旧 評
時 ニ於 テ集 リ得 ル者 丈 ケ デ全 国 的 結 成 ヲ行 ヒ、 組 合 戦 線 ニ於 ケ ル革
七 之 ヲ要 ス ル ニ党 十月 会 議 決 定 ノ具 体 的 実 行 デ ア ツ テ、 一先ヅ 当
地 方 的会 議 ヲ開 キ 、全 国 代 表 者 会 議 ノ諸 決 定 ヲ報 告 シ、 一般 大 衆
ニ ヨ ツテ農 村 争 議 応 援 委 員 会 ガ作 ラ レ タ事等 々。
体 的 ナ対策 及 指 導 ハソ レ マデ問 題 ト ナ ラ ナ カ ツ タ モノ デ ア ル。
命 的 核 心 ヲ作 ルト 云 フト コロ ニ重 点 ヲ置 イ タ ノデ ア ツ タ。 全 協本 部
ニ徹 底 セ シ メ ルト 共 ニ、諸 決 定 ヲ速 ニ実 行 ニ移 ス事 等 々
六 我党 ハ全 協 本 部 ト ノ連 絡 ガ復 活 シ且 ツ全協 ノ機 関 紙 労 働 新 聞 ガ
然 シ乍 ラ之 等 ニ就 テ ノ詳 シイ 情 報 ハ 一月 下 旬 ニ至 ツ テ初 メ テ我 党 ノ
再 刊 サ レ、全 協 本 部 ト各 組 合 ト ノ全 国 的連 絡 ガ 一応 形 成 サ ル ヽヤ否
ハ此 ノ我 党 ノ方針 ニ基 イ テ直 チ ニ其 準 備 ヲ為 スト共 ニ、 此 ノ全国 代
知 ルト コロト ナ ツ タ ノデ ア ツ テ、 従 ツ テ之 ニ対 ス ル我 党 ト シ テ ノ具
ヤ、 直 チ ニ第 二段 ノ運動 ニ取 リ カ ヽツ タ。 ソ レ ハ十 二 月 二十 四 、 五
サ レタ議事 草 案 ハ我 党 ガ 与 ヘタ モノ其 モノデ ハナ イ。 然 シ会 議其 モ
表 者 会 議 ノ開 催 ト其 議 題 ト ヲ広 ク 一般 大 衆 ニ公 表 シ タ。 此 ノ時公 表
ノ ヽ全 体 的 方 針 ハ我 党 ノ指 示 ガ支 持 サ レタ。 会 議 ハ予 定 ノ如 ク十 二
ノ両 日 ニ亙 ツ テ開催 サ レル新 党 準 備 結 党 大 会 ヲ機 ト シテ 全協 ノ全 国
云 フ事 デ ア ツ タ。而 シ テ之 ニ干 ス ル我 党 ノ方 針 ハ次 ノ如 クデ ア ツタ。
代 表 者 会 議 ヲ開 催 セ シメ 、左 翼 労 働 組 合 ノ全 国 的結 成 ヲ達 成 ス ルト
テ此 処 ニ 一応 左翼 労 働 組 合 ノ全 国 的結 成 ガ樹 立 サ レタ。 此 ノ会 議 ニ
於 テ結 合 シ タ組 合 ノ数 ハ五 十 六 又組 合 員 数 六千 百 九 十 名 ト 報 告 サ レ、
月 二十 五 日官 憲 ノ暴 圧 ヲ巧 ニ潜 ツテ半 非 合 法 的 ニ開 催 サ レ タ。而 シ
ソ レ ハ北 海 道 カ ラ九 州 ニ至 ル マデ文 字 通 リ全 国 ノ左 翼 組 合 ヲ糾合 シ
イ 凡 テ ノ状 勢 ヨリ見 テ此 ノ会 議 ハ公 然 合 法 的 ニ開催 ス ル事 ハ不
ロ 準 備 ノ不 充 分 及 充 分 ナ ル討 議 ヲ行 フ事 ガ不 可 能 デ ア ル事 ニ鑑
タ。 又此 ノ会 議 後 数 日 ヲ経 テ神 戸 、静 岡 、東 北 ヲ始 メ ト シ テ続 々未
可 能 デ ア ル故 ニ半 非 合法 的 方法 ニ ヨツ テ開 催 スル事
ミ 、会 議 ノ議 題 ハ当 面 最 モ必要 ナ次 ノ諸 問 題 ノ決 定ニ 限定 ス ル事 、
ク全 協 ヲ シテ公 然 ノ組 織 及 活 動 ノ自由 ヲ闘 ヒ取 ラ シ ム ル事 ニア ツ タ、
組 合 協 議 会 組 織 準 備 会 ト シ テヾ ア ツ タ、 夫故 我党 ノ方 針 ハ 一日 モ速
云 ヘ、 ソ レ ハ全 ク半 非 合 法 的 方 法 ニヨ ツ テヾ アツ テ 、未 ダ 日本 労 働
八 前 述 ノ如 ク我 党 ハ左翼 労働 組 合 ノ全 国的 結 成 ヲ為 サ シ メ タト ハ
組 織 地 ニ地 方 協 議 会 成 立 ヲ見 タ。
即 チ、 ) ( 一 全 協 当 面 ノ任 務 (二 ) 行 動 綱 領 ( 三) 規 約 (四) 役 員 選 挙 等 々
ヲ執 ル様 ニナ ツ タ、 而 シ テ全 協 内 ノ我党 員 ヲ モ参 加 セ シメ テ定 期 的
九 一九 二九 年 一月 下 旬 ニ至 ツ テ初 メ テ我 党 ハ全 協 ト ノ直 接 的 連 絡
発 表 シタ 、赤 旗 パ ンフ レツ ト第 三 輯 ガ 即 チ ソ レデ ア ル。
其 タ メ我 党 ハ 一九 二 九年 一月 ノ中 央 会 議 ノ決 定 ヲ経 テ 一ノ方 針 書 ヲ
ニ 改 良 主 義 組 合 内 ノ革 命 的 分 派 ヲ全 協 ノ構 成 要 素 ト シ テ取 入 レ
ヲ全協 内 ノ組 織 ト ス ル事
ハ 彼 ノ産 業 別 組 合 協 議 会 ハ現 在 全 協 外 ノ組 織 ト ナ ツ テ居 ルガ 之
アル
ロ 事 実 上今 日 ノ全 協 ハ革 命 的 組 合 ト分 派 ト ノ結 合 体 ト ナリ ツヽ
( 五) 各 産 業 別 協 議 会 並 ニ分 派 ノ テ ー ゼ作 成 ニ就 テ
(四) 産 業 別協 議 会活 動 ニ就 テ
( 三) 大会 開催 ニ就 テ
ト 力 ノ干 係 デ 公然 分 派代 表 ガ出 席 シ得 ナ イ場 合 ニ ハ何 等 カ ノ方
分 派 ノ活 動 ニ就 テ討 議 シ ナケ レバ ナ ラ ヌ
中 全 協 ノ大 会 又 ハ重 要 ナ ル会 議 ニ必 ズ分 派 ノ代 議 員 ヲ出 席 セ シ メ
ヘ 全 協 ノ凡 ユル機 関 及 集 会 ニ分 派 ノ代 表 ヲ参 加 セ シメ ル事 、 就
体 ト シテ全 協 ノ各機 関 ニ ヨツ テ指 導 シ ナケ レバ ナ ラ ヌ
会 ノ反 対 派 等 々 ハ凡 テ全協 ノ 一構 成 要素 ト シ テ、各 分 派 ハ夫 々全
ホ 従 ツ テ海 員 組 合刷 新会 、 鉄道 従業 員 組 合 刷 新 同盟 、逓 友 同 志
ル事
ニ党 組 合 部 会 議 ヲ開 催 シ得 ル様 ニナ ツタ 、全 協 当 面 ノ活 動 ニ関 シ テ 最 初 ノ組 合 部 会 議 ガ決 定 シ タ主 ナ ル問 題 ハ次 ノ十 二項 デ ア ツ タ、 ( 一) 全 協 ノ組 織 ニ就 テ
(六) 全 協 各 機 関 ノ構 成 員 ニ就 テ
( 二) オ ルガ ナイ ザ ー ノ組 織 ニ就 テ
(七) 機 関 紙 労 働 新 聞 ニ就 テ
デ ア ル、然 シ 一年 以前 ト比 較 ス レバ オ話 ニナ ラ ヌ程 容 易 ニ大衆 ハ
チ 之 等 ノ事 ヲ 一般 ニ承認 セ シメ ルタ メ ニ ハ精 力 的 ナ宣 伝 ガ 必 要
之 ヲ理解 ス ルデ ア ラ ウ、 ソ レ ハ凡 テ ノ客 観 的情 勢 ガ 益 々 ソ レヲ可
法 ニ ヨツ テ此 ノ分派 ノ意 見 ヲ会 議 ニ反 映 セ シメ ル事
( 十) 塩 田 争 議 ニ就 テ
能 ナ ラ シ メテ居 ルト同 時 ニ、 今 日 ノ全 協 ガ事 実 上 サ ウ ナ ツテ居 ル
( 八) 全 国 労 働 組 合 会 議 ニ就 テ
) (十一 農 村 争 議 応 援 委 員 会 ノ運 動 ニ就 テ
(九) 健 康 保 険 組 合 総 会 ニ就 テ
(十二) 太 平 洋 労 働 組 合会 議 代表 派 遣 ニ就 テ
議 会 ト ナ ラ ネ バ ナ ラ ヌト 云 フ事 、 ソ レ ハ従 ツ テ全 体 ト シテ プ ロフ
チ革 命 的 労 働 組 合 ト改 良 主 義 組 合 内 ニ於 ケ ル革 命 的 分 派 ト ノ総 評
イ 来 ルベ キ創 立 大 会 マデ ニ全 協 ハ日 本 ニ於 ケ ル赤 色 労 働 組 合 即
此 ノ自 己 ノ地 位 ヲ明白 ニ シ テ居 ナ イ タ メ ニ、 改 良 主 義 組 合 内 ニ於
重 要 ナ ル時 機 又 ハ重 大 ナ問 題 ニ当 面 シタ時 動 揺 ス ルノデ ア ル、 又
リ 全 協 ガ此 ノ自 己 ノ地位 ヲ明白 ニ意 識 シ テ居 ナ イ タ メ ニ、屡 々
アル
ノ如 ク行 動 スル事 又事 実 上 ノ成果 ヲ以 テ大 衆 ヲ納 得 セ シメ ル事 デ
カ ラデ ア ル、 大 切 ナ事 ハ全協 ガ 今 日 カラ意 識 的ニ一 層事 実 上斯 ク
イ ンテ ル ン ニ加 盟 スル モ ノデ ア ル事 ヲ精 力的 ニプ ロパ ガ ンダ スル
第 一ノ全 協 ノ組 織 ニ干 ス ル決 定 ノ要 点 ハ次 ノ如 クデ ア ツ タ、
必要 ガアル
ケ ル分派 ニ対 スル全 協 本 部 ノ指 導 及 組 織 干 係 ガ不 完 全 ナ ノデ ア ツ
第 五 ノ各 産 業 別 協 議 会 並 ニ分 派 ノ テ ーゼ作 成 ニ就 テノ決 定 ノ要 点 ハ
要 点 ト同 様 デ ア ル。
次 ノ如 クデ ア ツ タ、
タ等 々
イ 各 産 業 別 協 議 会 及 各 分 派 ニ要 点 ヲ指 示 シ テ夫 々 テー ゼ草 案 作
ロ 然 ル後 テ ー ゼ草 案 ヲ作 成 シ、 各 産 業 別 協 議 会 代 表 又 ハ各 分派
成 ニ要 ス ル資 料 ヲ調 査 提 出 セ シ メ ル事
タ、
第 二 ノオ ルガ ナ イ ザー ノ組 織 ニ干 ス ル決 定 ノ要 点 ハ次 ノ如 クデ ア ツ
ロ 即 時 全 国的 組 織 会 議 ヲ開 催 シ組 織 活 動 ニ干 スル当 面 ノ任 務 ヲ
イ 全協 本 部 組 織 部 ヲ即時 確 立 ス ル事
組 織 会 議 ヲ開 キ夫 々当該 地 ニ於 ケ ル組 織 活 動 当 面 ノ任 務 ヲ決 定 セ
ニ移 サ レ タ
要 点 ヲ指 示 シ テ草 案 作 成 ニ取 リ カ ヽラ シメ ル事 、之 ハ直 チ ニ実 行
ル丈 ケデ 、自 ラ ガ良 ク テ ーゼ草 案 ヲ作 成 シ得 ル モノ ト認 メ直 チ ニ
ハ 金 属 、印 刷 、 木 材 、 電 気 等 々ノ産 業 別 協 議 会 ハ要 点 ヲ指 示 ス
シメ ル事
ニ 紡 織 産 業 ニ ハ現 在 産 業 別 協 議 会 ハ存 在 シ ナイ 、然 シ目下 産 業
代 表 ヲ参 加 セ シ メ テ合 同 会 議 ヲ開 キ テ ーゼ 成文 ヲ協 議 作 成 スル事
ニ 各 組 合 ノ組 織 部 ヲ充 実 スル事
合 理 化 ノ結 果 及深 夜業 廃 止 ヲ契 機 ト シ テ全 般 的 動 揺 ガ起 ツ テ居 ル
決 定 スル事
ホ 以 上 ヲ第 一回 ノ仕 事 ト シ爾 後 ノ闘 争 ト交 互 シテ急 速 ニ工場 ノ
事 、 並 ニ此 ノ産 業 ノ重 要 性 ヲ考 慮 シ、全 協 ハ直 チ ニ東 京 合 同 労 働
ハ 会 議 後直 チ ニ本 部 組 織 部員 ヲ各 地 ニ派 遣 シ、各 地 ニ於 テ地 方
ヘ 組 織 活 動 当 面 ノ 任務 ノ主 要 内 容 ハ
ニ未 ダ開 催 ス ル ニ至 ツ テ居 ナイ 。
此 ノ会 議 ハ既 ニ出席 者 ヲ召 集 シタ ノ デ ア ルガ、 或 特 別 ナ事 情 ノ タ メ
任 務 ニ当 ラ シ メ ル事
ヘ 鉄 道 ハ全 日本 鉄 道 従 業 員 組 合 内 ノ左 翼 派 即 チ刷 新 同 盟 ヲ此 ノ
成 スル事
内 ノ反 対派 ノ盟 主 ト ナ ラ ネ バ ナ ラ ヌ事 、 斯 ル見 地 カ ラ テ ー ゼ ヲ作
全 国 的結 成 運動 ノ中 心 タ ラ シ メ ル事 、 又此 ノ分 派 ハ同時 ニ総 同 盟
ホ 通信 産 業 ハ逓 友 同 志 会 内 左 翼 派 ヲ強 化 シ、 之 ヲ通 信 労 働 者 ノ
業 別協 議 会 ト 同 様 ニ活 動 セ シメ ル事
業 宣 伝 委 員 会 ヲ組 織 ス ル事 、而 シテ之 ニテ ー ゼ ヲ作 成 セ シ メ、産
組 合 其 他 カ ラ紡 織 産 業 出 身 ノ闘 士 数 名 ヲ選 抜 シ、之 ヲ以 テ紡 織 産
中 ニオ ルガ ナ イザ ー ヲ設 置 スル事
( 一) 第 一ノ全 協 ノ組 織 ニ干 スル決 定 ヲ徹 底 セ シ メ実 行ニ 移 ス事 ( 二) 日常 闘争 ノ計 画 的 ナ激 発 ノ タ メ ノ活 動 ) ( 三 目 標 大 工場 ノ決 定 ト其 征 服 方 法 ノ決 定 四 () 統 一戦 線 ト 分 派問 題 (地方 ハ当該地 ノ)
第 三 ノ大 会 ニ干 スル決 定 、第 四 ノ産 業 別 協 議会 ノ活 動 ニ干 ス ル決 定 、
ト 交 通 特 ニ電 車 干 係 デ ハ自 治 会 ノ左翼 派 代 表 ト協 議 シ テ テー ゼ
(五) 過去 ノ組 織 活 動 ノ批 判 等 々ト ナ ル予定 デ ア ル
主義 三 月 号 ニ発 表 サ レタ左 翼 労 働 組 合 当 面 ノ 三問 題 ト 題 ス ル論 文 ノ
第 八 ノ全 国 労 働 組 合 会 議 ニ干 スル決 定 等 々 ノ要 点 ハ、 大 体 マル ク ス
ヲ作 ル事 等 々 第 六 ノ機 関 紙 労 働 新 聞 ニ干 ス ル決 定 ノ要 点 ハ労 働新 聞 ニ発表 サ レタ
テ ハナ ラ ナイ ト 云 フ事 ガ条 件 ト サ レネ バ ナ ラ ヌ等 々。
第 九 ノ健 康保 険 組合 総 会 ニ就 テノ決 定 ノ要 点 ハ次 ノ如 クデ ア ツ タ、
第 七 ノ全 協 各 機 関 ノ構 成 員 ニ就 テ ノ問 題 ハ、彼 ノ全 国 代 表 者 会 議 ニ
ロ 保 険 料 全 額資 本 家 負 担 、給 付 範 囲 ノ拡 大 、 薬 価 及 治療 費 ノ全
己 ノ勢 力 ノ増 大 ノ タ メ ニ百 パ ー セ ント利 用 シ ナ ケ レバ ナ ラ ヌ
員 ノ改 選 ガ 行ハ レ ル、全 協 ハ此 ノ選 挙 戦 ト総 会 ニ対 スル闘争 ヲ自
イ 一月 カ ラ三月 ニ カケ テ健 康 保 険 組 合 ノ総 会 ガ開 催 サ レ且 ツ役
於 テ選 挙 サ レタ中 央 委 員 中 若 干 ノ同 志 ガ其 後官 憲 ノ追 及 ノ タ メ ニ合
額 支給 、休 養 日数 制 限 ノ撤 発 、 休 養 手 当 日給 全 額 支 給 、 凡 テノ議
﹁ 機 関 紙 労 働 新 聞 ニ就 テ﹂ ト題 スル意 見 ノ内 容 ト 同 様 デ ア ル。
ノ右 翼 的 分 子 ハ斯 様 ナ同 志 ヲ来 ルベ キ創 立 大 会 デ 中 央 委 員 ニ再 選 ス
法 的 活 動 ガ 不可 能 ニナ ツ タ事 カ ラ生 ジ タ ノ デ ア ツ テ 、全 協 内 ノ 一部
テ居 ルト コ ロノ大 衆 ヲ闘 争 ニ動 員 シ組 合 ニ組織 ス ル事
ベ キデ ナイ ト 主張 シタ 、然 シ革 命 的 労 働 者 ハ此 ノ意 見 ニ反 対 シ、 専
ガ全 協 ト 共 ニ在 リ、事 実 上専 ラ全 協 ノ諸 活 動 ノ最 尖 端 ニ立 ツ テ闘 ツ
ハ 此 ノ タ メ ニ全 協 又 ハ左翼 派 ノ闘 士 ヲ議 員 候 補 ニ立 テ闘 争 ノ先
ンノ下 ニ、今 ヤ産 業 合 理 化 ノ タ メ ニ極 度 ニ心 身 ヲ痛 メ反抗 ニ燃 エ
テ居 ル限 リ我 々 ハ其 者 ヲ中 央 委 員 ニ再 選 スベ キ デ ア ル、而 シ テ其 同
員 ノ従業 員 ニヨ ル公 選 、理 事 長 ノ議 員 ニ ヨル互 選 等 々 ノ ス ロー ガ
志 ガ合 法 的 集 会 ニ ハ出席 シ得 ナ イ ト シ テ モ、 彼 ガ全 協 ノ闘 争 ノ ア ル
ニ 此 ノ闘争 ヲ通 シ テ工場 委 員 会 ヲ獲得 ス ル事 及 工場 代 表 者 会 議
頭 ニ立 タ シ メ ル事
ラ官 憲 ノ追 及 ノ タ メ ニ合 法 的活 動 ガ不 可 能 ニナ ツ タト シ テ モ、其 者
ト コ ロ到 ル処 ニ出 没 シ テ常 ニ最 尖 端 ニ立 ツ テ闘 ツ テ居 ルト 云 フ事 ヲ
並 ニ従 業 員 大 会 ノ如 キ ヲ活 用 シ 、大 衆 動 員 ト未 組 織 労 働 者 ノ組 織
此 ノ闘 争 ハ目下 活溌 ニ進 行 シ テ居 ル、 ソ シテ到 ル処 ニ於 テ左翼 ガ擁
大 衆 ニ宣伝 シ、斯 ル指 導 者 ニ対 スル 一般 大衆 ノ信 頼 ヲ高 メ ル事 ニ努
ノデ ナケ レバ ナ ラ ヌ、得 フ ベ ク ンバ同 志 川崎 及 小泉 ノ如 キ モ何 等 カ
テ大 衆 ノ 一般 的 左翼 化 ガ著 シク促 進 サ レタ。
立 シ タ候 補 者 ガ 保 険 組 合 ノ議 員 ニ当 選 シ テ居 ル、 又此 ノ闘 争 ヲ通 シ
並 ニ組 合 戦 線 統 一等 ヲ計 ル事 等 々。
ノ方法 デ中 央 委 員 ニ選出 ス ル事 ガ望 マシイ 、 就 中同 志 川崎ノ 如 キ ハ
メ ルベ キ デ ア ル、 又其 同 志 ノ活 動 ハ事 実 ニ於 テ充 分 ソ レ ニ価 ス ル モ
太平 洋 労 働 組 合 会 議 書 記 局 常 任 ニ選 バ レテ居 ル ノデ ア ルカ ラ 、是 非 中 央 委 員 ニ選 出 ス ル必 要 ガ ア ルト 云 フ ノデ ア ツタ。
ソ シテ会 議 ハ革 命 的 労 働 者 ノ主 張 ガ絶 対 ニ正 シイ ト 云 フ事 ヲ強 調 ス
右 翼 分 子 ノ主 張 ニ ハ断 乎 ト シ テ反 対 シ、之 ヲ克 服 シナ ケ レバ ナ ラ ヌ、
ロ 然 ル ニ其 争 議 ノ指 導 方 法 ハ旧 態 依 然 ト シ テ此 ノ所 謂 塩 田労 働
ノ争 議 指 導 ノ タ メ ニ大阪 地方 協 議 会 カ ラ關 士 ヲ派 遣 シ タ
イ 徳 島 県 撫 養 ニ所 謂 塩 田労 働 者 ノ争 議 ガ再 発 シ、 全 協 本部 ハ此
第 十 ノ塩 田争 議 ニ干 ス ル決 定 ノ要 点 ハ次 ノ如 クデ ア ツ タ、
ル、但 シ此 ノ事 ハ 一般組 合 員 ノ充 分 ナ ル理解 ヲ得 ル事 及 斯 様 ナ中央
ハ 塩 田 ニ於 ケ ル階 級 闘 争 ハ 一見 極 メ テ複 雑 ナ様 相 ヲ呈 シテ居 ル
者 ノ階 級 的特 質 ヲ看 過 シテ居 ル
会 議 ハ之 ニ対 シ テ次 ノ如 ク決定 シ タ、
委 員 ガ多 数 ヲ占 メ テ機 関 ノ円滑 ナ ル活 動 ヲ阻 害 ス ルガ如 キ事 ガ ア ツ
ハ 一ツ ノ而 カ モ労 働 組合 ニ組 織 サ レテ居 ル
彼 ノ小 ブ ル指 導 者 達 ノ香 川 ヘノ闘 士 派 遣 ト称 スルブ ルジ ヨ ア的 饒
抗 議 ヲ以 テ発 足 シタ 、之 モ亦 正 シ イ、 然 ル ニ其後 ノ活 動 ヲ見 ル ニ、
国 農 民 団 体 会 議 ニ於 ケ ル小 ブ ルジ ヨ ア指導 者 ノ裏 切 行動 ニ対 ス ル
ロ 農 村 争 議 応 援 委 員 会 、従 ツ テ ソ レヲ ﹁リ ード﹂ ス ル全 協 ハ全
ホ 我 々 ハ塩 田争 議 ヲ地主 ニ対 ス ル農 民 ノ闘 争 ト シ テ取 扱 ヒ、 小
舌 旅 行 ニ対 シ テ何 等 批 判 ス ル事 ナ ク追 随 シ テ居 ル如 クデ ア ル、其
テ示 シ タ モ ノデ ア ツテ 、其 功 績 其 影 響 ハ偉 大 デ ア ル
作 人 ヲ シ テ地 主 ノ土 地没 収 ヲ中 心 ス ロー ガ ント シ テ闘 ハシ メネ バ
結 果 全 協 ノ革 命 的 精 力 的 ナ活 動 ガ却 ツ テ彼 等 小 ブ ル指 導 者 ノ欺瞞
ニ 所 謂 塩 田労 働 者 ト ハ小 作 人 ト農 業 労 働 者 デ ア ル、然 ル ニ現 在
ナ ラ ヌ、而 シ テ其 処 ニ於 ケ ル賃 銀 労 働 者 ハ小 作 人 ト ハ別 個ニ 農 業
ガ 、結 局 ニ於 テ地主 ニ対 ス ル農 民 ノ闘 争 デ ア ル
労 働 者 ト シ テ独 立 ノ組合 ニ組 織 シ ナケ レバ ナ ラ ナイ
的 行為 ヲ被 ヒ隠 シ テ ヤ ル様 ナ事 ニナ ツ テ居 ル、 之 ハ直 チ ニ改 メラ レネ バ ナ ラ ヌ
ヘ 以 上 ノ事 ガ 明 ラ カ ニナ ツテ居 ナ イ タ メ ニ、 塩 田争 議 ガ恰 モ行
ハ 全 協 ハ小ブ ル指 導 者 ノ欺瞞 ヲ暴 露 シ、 労 働 者 ト農 民 ニ ヨル全
キ詰 リ ニナ ツ タ カ ノ如 キ観 ヲ呈 シ テ居 ルノデ ア ル、 全 協 本 部 ハ直
国 的 ナ大衆 的抗 議 運動 即 チデ モ ン スト レー シ ヨ ン組 織 ノ タ メ ニ闘
闘 士 派 遣 及 関 西 各 地 ニ於 ケ ル演 説 会 開 催 計 画 ヲ拒 否 シ反 対 スル事
ニ宣 伝 シナ ケ レバ ナ ラ ナイ
デ ハナイ 、 反 対 ニ全協 ハ此 ノ タ メ ニ 一層 積 極 的 ニ働 カ ネ バ ナ ラ ヌ、
チ ニ此 ノ事 ヲ派遣 シ タ争 議 指 導 者 ニ伝 ヘルト 共 ニ、此 ノ事 ヲ 一般
シ メ、 小作 人 ト ハ別 個 ニ独 立 ノ組 織 ヲ持 タ ス事 デ ア ル
然 シ乍 ラ ソ レ ハ第 一 ニ小 ブ ルジ ヨア指 導 者 ノ裏 切的 農 民 運 動 政 策
ハネ バ ナ ラ ヌ
チ 此 ノ賃 銀 労 働 者 ヲ シ テ小 作 人 ノ土 地 ニ対 スル闘 争 ノ先頭 ニ立
暴 露 ノ舞 台 ト シ テ、 第 二 ニ労 働 者 ト農 民 ニ ヨル全 国的 大 衆 的 抗 議
ニ 而 シ乍 ラ、 ソ レダ カラ ト 云 ツテ現 ニ進 行 シ ツ丶 ア ル香 川 ヘノ
タ シ メ、指 導 的 地 位 ヲ占 メサ セ ル事
運 動 組 織 ノ タ メ ノ宣 伝 煽 動 ノ舞 台 ト シ テ、第 三 ニ都 市 労 働 者 ヲ農
ニ置 カ レテ居 ル塩 田 ノ賃 銀 労働 者 ヲ シ テ彼 等 自 己 ノ要 求 ヲ提 出 セ
リ 此 ノ事 ハ今 ヤ我 々 ノ重 要 問 題 ノ 一ツト ナ ツ タ農 業 労 働 者 ノ組
ト 而 シ テ当 面 撫 養 ノ争 議 ニ就 テ緊 急 ナ事 ハ、 現在 小作 人 ト同 列
織 ニ就 テ 一ツノ道 標 ト ナ ル モノデ ア ツ テ、 極 メ テ重 大 デ ア ル、全
民 ノタ メ ニ奮 起 セ シ メ又 農 民 大 衆 ノ闘 争 ヲ激 発 シ且 ツ労 働 者 ト農
バ 闘士 派 遣 モ演 説 会 ノ開 催 モ全 ク無 意 義 デ ア リ、 小 ブ ル指 導者 ノ
スルト 云 フ見 地 カラ ノ ミ ナ サ ネバ ナ ラ ナイ 、 若 シ サウ デ ナイ ナ ラ
民 ノ革 命 的 同 盟 ノタ メ ノ宣 伝 煽 動 ノ舞 台 ト シテ百 パ ー セ ント利 用
協 ハ之 ヲ断 乎 ト シ テ遂 行 シナ ケ レバ ナ ラ ヌ 第 十 一ノ農 村 争 議 応 援 委 員 会 ノ運 動 ニ干 ス ル決 定 ノ要 点 ハ次 ノ如 ク
裏 切 ノ提 灯持 ヲ シ テ ヤ ル結 果 ト ナ ル等 々
デ ア ツ タ、 イ 全 協 ガ農 村 争 議 応 援 及 農 民 ノ団結 権 ノタ メ ニ積 極 的 ナ活 動 ヲ
第 十 二ノ 太 平洋 労 働 組合 会 議 代 表派 遺 運動 ニ干 ス ル決 定 ノ要 点 ハ次
シタ事 ハ全 ク正 シ カ ツ タ、 ソ シ テ ソ レ ハ何 時 モ乍 ラ農 民 ノ タ メ ニ 真 実 ニ闘 フ モノ ハ唯 左 翼 労 働 者 ア ル ノ ミダ ト 云 フ事 ヲ実 践 ニ ヨツ
イ 一九 二九 年 八月 ﹁浦 塩 ﹂ ニ於 テ開 催 サ レ ル大 会ニ 代 表 ヲ派 遣
ノ如 クデ ア ツタ 、
二 全 国 労 働 組 合 会 議 ニ就 テ
六問 機 関紙 ト オ ルガ ナ イ ザ ー ノ干 係 ニ就 テ ノ決 定 ノ内 容 ハ。
ハ 代 表 派 遣 及 代 表 選 出 ヲ公 然 且 ツ大 衆的 ニ遂 行 ス ルタ メ ニ各 労
ロ 大 会 ヘ提 出 スル報 告 及提 出 議 案 ヲ準 備 ス ル事
二 今 日 マデ 公 然 公 表 サ レタ諸 文 書 ニ ヨレバ 、機 関 紙 ニ対 ス ル相 対
メ直 チ ニソ レ ニ着 手 シタ事 ハ正 シ カ ツ タ
一 我 党 ガ全 協 ノ組 織 部 ノ確 立及 オ ルガ ナ イザー ノ活 動 ノ必要 ヲ認
答 ソ レ ハ大 体 次 ノ如 クデ ア ツ タ ト記 憶 シ マ ス。
働 組 合 ニ ヨル会 議 ヲ開 催 ス ル事 、此 ノ会 議 ニ中 央 派 組 合 及 右翼 組
ス ル事
合 内 ノ反 対 派 ヲ引 入 レ ル事
三 機 関 紙 ハ確 カ ニ集 合 的 宣 伝 煽 動 者 デ ア ルト 同 時 ニ組 織 者 タ ルト
ナ過 小評 価 ガ ア ツタ
コロノ偉 大 ナ機 能 ヲ持 ツ テ居 ル、然 シ我 々 ガ斯 ク 云 フ時 ニ ハソ レト
的 ナ過 重評 価 ガ アリ 、従 ツ テ オ ル ガ ナイ ザ ー ノ活 動 ニ干 ス ル相 対的
ホ プ ロフイ ン テ ル ン及 太 平 洋 労 働 組 合 会 議 ノ活 動 並 ニ来 ルベ キ
同 時 ニ又 ソ レト不 可 分 ノ干 係 ニ於 テ オ ルガ ナイ ザー ノ活 動 ト 云 フ事
ニ 代表 派 遣 費 ノ 一般 的 公 募 ヲ行 フ事
ヘ 之 ト 対 比 シ テ国 際 労 働 会 議 ノ罪 状 摘 発 及 アジ ア労 働 会 議 開 催
ヲ前 提 ト シテ居 ルノデ ア リ、 オ ルガ ナイ ザ ーノ活 動 ヲ予 想 シ テ居 ル
大 会 議 案 ヲ宣 伝 スル事
ノデア ル
ガ ナ イザ ー ノ活 動 ト 切 リ離 シ テ考 ヘテ ハナ ラ ナイ 、 機 関 紙 ハオ ル ガ
計 画 ノ反 動 性 ヲ暴 露 ス ル事
ナ イザ ー ノ活動 ト 結合 シ テ初 メテ其 偉 大 ナ ル機 能 ヲ発揮 スル事 ガ出
ト 此 ノ運動 、全 協 ノ赤 色 労 働 組 合 タ ル事 ノ宣 伝 及 プ ロフイ ン テ
十 組 合 部会 ハ其 後 一週間 ニ 一回宛 定 期 的 ニ開 催 シ テ来 テ居 ル。
来 ルノデ ア ル、 又 オ ルガ ナ イ ザ ー ハ此 ノ武 器 ヲ有 効 ニ使 用 スル事 ニ
四 故 ニ此 ノ機 関 紙 ノ事 ヲ云 フ場 合 ニ ハ、此 ノ武 器 ヲ使 用 ス ルオ ル
四問 其 一月下 旬 以来 開 催 サ レタ組 合 部 会 議 開 催 場 所 及出 席 者 ノ氏
ル ン加 盟 ノ自由 獲 得 ノ タ メ ノ闘 争 ト ヲ結 合 スル事 等 々
名 ハ。
五 此 ノ事 ガ 充 分 ニ理解 サ レナ イ タ メ ニ、機 関 紙 ニ対 ス ル過 重評 価
ヨツ テ其 活 動 ヲ容 易 ニ スル ノデ ア ル
ト 人 及 人 的 活動 ノ価 値 ヲ軽 視 ス ル傾 向 ガ 一般 ニ現 ハレ テ居 ル、此 ノ
答 ソ レ ハ共産 党 ノ機 密 事 項 ニ属 シ マス カ ラ 一切申 上 ゲ ル事 ハ出 来 マセ ヌ。
一 ﹁ 組 合 統 一﹂ ソ レ ハ最 早 ﹁上 カ ラト 下 カ ラ ノ統 一﹂ デ ハナ イ 、
答 ソ レ ハ大 体 次 ノ如 クデ ア ツタ ト 記憶 シ マス、
七問 全 国 労 働 組 合 会 議 ニ就 テノ決 定 ノ内 容 ハ。
傾 向 ハ即 時克 服 サ レネ バ ナ ラ ヌ等 々。
五 問 報 告 ニ対 ス ル決 議 ノ内 容 如 何 。 答 組合 部 会 議 ハ全 体 ト シ テ右 ノ報 告 ヲ承 認 シ マシ タ。 種 々決 定 ガ為 サ レ マシタ ガ、 其 決 定 中 特 ニ重 要 ナ点 ト シ テ今 日私 ガ記 憶 シ テ
一 機 関 紙 ト オ ルガ ナ イザ ー ノ干 係 ニ就 テ
居 ル ノ ハ次 ノ 二 ツデ ス、
二 全 国労 働 組合 会 議準 備 会 ハモウ之 以 上 ニ ハ進 展 シ ナイ 、 確 カ ニ
唯 下 カ ラ ノ ミ ノ統 一デ ア ル
同 日於 前 記 場 所
東京地方裁判所
人 三 田村 四郎
予 審 判 事 秋 山 高 彦
告
裁 判 所 書 記 鹿 田 清 次
被
口約 ヲ シ タ、然 シ彼 等 ガ之 ヲ実 行 ス ルト思 ツ タ ラ間 違 デ ア ル、彼 等
第 四十 六 回 訊 問 調 書
最 近 中 央 派幹 部 ハ当 面 団 結 権 罷 業 権 ノタ メ ニ共 同 闘 争 ヲ ス ルト 云 フ
ニ於 テ ハ其 実 行 ヲ拒 否 シ、右 翼 ニ転 向 スル事 ノ ミガ 展 望 サ レ得 ル
右 治 安 維 持 法 違 反 被 告 事 件 ニ付 、 昭和 五 年 十 二月 二十 九 日豊 多 摩 刑
三 元 来此 ノ全 国 労 働 組 合 会 議 ハ中 央 派 ノ指 導 者 ガ 評 議会 解 散直 後
務 所 ニ於 テ、 予 審 判 事 秋 山 高 彦 ハ裁 判 所 書 記 鹿 田 清 次 立会 ノ 上前 回
答 会 議 開 催 ノ正 確 ナ ル 日時 ハ記 憶 シ マセ ヌ、 又会 議 開 催 ノ場 所
即 チ左 翼 ガ 最 モ悲 境 ニ ア ツタ時 評 議 会 ヲ除 外 シ、 政府 ニ呼 応 シ テ評
及 出 席 者 ノ氏 名 ハ申 上 ゲ ラ レ マセ ヌ、然 シ此 会 議 ニ於 ケ ル主 ナ ル議
議 会 ヲ徹 底 的 ニ粉 砕 シ、右 翼 ト結 合 ス ルタ メ ニ投 機 的 ニ召 集 シ タ モ
四 然 シダ カラ ト 云 ツ テ全 協 ハ此 ノ準 備 会 カ ラ脱 退 スベ キ モ ノデ モ
事 ハ、
一問 一九 二九 年 四 月 上 旬 開催 サ レタ組 合 部 会 議 ノ顛 末 如 何 。
ナ ク又 此 ノ機 関 ノ利 用 ヲ抛棄 スベ キデ モナイ 、 反 対ニ 全協 ハ彼 等 中
一 全 協 本 部 ノ活 動 並 ニ全協 本 部 ニ対 ス ル我 党 ノ指 導 ニ干 スル報 告
ニ引続 キ右 被 告 人 ニ対 シ訊 問 ス ル コト左 ノ如 シ。
央 派 幹 部 ノ裏 切 ヲ彼 等 ノ治 下 ニア ル大 衆 ノ面 前 デ剔抉 スル 一舞 台 ト
二 若 干 ノ分 派 ニ対 ス ル指 導 ニ就 テ ノ報 告
ノデ ア ツ タ、 ダ ガ結 果 ハ彼 等 ノ思 惑 ニ外 レ、 彼 等 ハ自 ラ設 ケ タ罠 ニ
シ テ充 分利 用 シ ナケ レバ ナ ラ ヌ
落 込 ミ其 右 翼 的 本 質 ヲ暴 露 シ タ ノデ ア ル
五 真 実 ノ統 一 ハ此 ノ準 備 会 カ ラ出 テ来 ル ノデ ナイ 、 ソ レ ハ下 カ ラ
三 全 協 大 会 ニ就 テ
二問 全 協 本部 ノ活 動 並 ニ全 協 本 部 ニ対 スル党 ノ指 導 ニ干 スル報 告
ノ 三 ツデ ア リ マシ タ。
ノ内 容 如 何 。
ンパ ー ニ ア ニ於 ケ ル大 衆 ト大 衆 ト ノ結 合 ニ ヨツ テヾ ア ル、統 一戦 術 ハ改 良 主義 幹 部 ヲ駆 逐 ス ルタ メ ノ戦 術 デ ア ツ テ、 ソ レ ハ彼 等 ト ノ協
即 チ工 場 カ ラノ統 一ニ ヨツ テヾ ア ル、 日 常 闘 争 ニ於 ケ ル又政 治 的 カ
調 デ ハナ イ
答 ソ レ ハ大 体 次 ノ如 クデ アツ タ ト記 憶 シ マ ス。
ハ三月 上 旬 以来全 ク 地下 生活 ヲ余 儀 ナク サ レテ居 ル、而 カ モ全 国 各
亙 ツ テ有 能 ナ ル闘 士 ガ検 束 サ レ或 ハ地下 ニ追 ヒ ヤ ラ レ タ、 全協 本 部
一 三 月 十 五 日 ノ共産 党 事 件 記 念 闘 争 ヲ前 ニシ テ政 府 ハ又 々左 翼 諸
六 ソ レ故 ニ全 協 ハ準 備 会 、 従 ツテ中 央 派 幹 部 ノ動 キ出 ス ノ ヲ待 ツ
人 三 田村 四郎
事 ナ ク下 カ ラ大 衆 ト大 衆 ト ノ共 同 闘 争 ヲ活溌 ニ遂 行 ス ル事 ニ努 メ ネ
告
団 体 ニ対 シ テ極 端 ナ ル暴 圧 ヲ行 ツ タ、 此 ノ タ メ全 協 ニ於 テ モ全 国 ニ 被
バ ナ ラ ヌ等 々。
右 読 聞 ケ タ ル処 相違 ナ キ旨 申 立 署 名拇 印 シ タ リ。
ソ レ ニ モ拘 ラズ 全 協 本 部 ハ三 月初 旬 以来 次 ノ如 ク闘 争 ヲ遂 行 シ タ、
選 挙 戦 ニ大 衆 ヲ動 員 シ タ
チ 東 京 市 会 議員 選 挙 ニ候 補者 ト シ テ同 志 唐 沢 以下 五名 ヲ推 薦 シ
リ 横 浜 ド ツ ク ノ スト ライ キ ニ就 テ檄 ヲ発 シ テ全 日本 ノ金 属 労 働
組 合 ト ノ連 絡 ハ断 続 勝 チト ナリ 、活 動 上非 常 ナ不 便 ヲ感 ジ テ居 ル、
イ 三月 八 日 ノ国 際 婦 人 デ ーノ タ メ ニ檄 ヲ発 行 シ且 ツ婦 人労 働 者
ノ タ メ ニ闘 ツタ
ノ裏 切 ニ反 対 シ テ下 カ ラ ノ スト ラ イ キ委 員 会 ヲ組 織 シ、争 議 継 続
ヌ 関 西 ニ於 ケ ル染 色 労 働 者 ノ スト ライ キ ノタ メ ニ共 同 闘 争 委 員
者 ノ蹶 起 ヲ促 シ、 此 ノ スト ライ キ ノ応 援 運 動 ヲ起 シ且 ツ官 僚 幹 部
ニ対 ス ル総 同 盟 幹 部 ノ裏 切 ヲ攻撃 シ、 通信 労 働 者 ノ全 国 的 結 成 ト
ヲ闘 争 ニ動 員 シ組 合 ニ獲 得 スル タ メ ニ闘 ツタ
逓 友 同 志会 内 左翼 派 ノ結 成 ノ タ メ ニ闘 ヒ、 此 ノ タメ ニ檄 ヲ発 行 シ
ル 最後 ニ台 湾 ニ於 テ支 配 階 級 ノ タ メ ニ虐 殺 サ レ タ同志渡 政 ノ労
会 ヲ組 織 シ テ闘 ツタ
ロ 石 塚君 ノ 刃傷 事 件 ニ干 シ此 ノ事 件 ノ意 義 ヲ闡 明 シ且 ツ此 事 件
タ
以 上 ノ諸 闘 争 ノ内 、東 京 市 会 議 員 選 挙 戦 ニ於 ケ ル活 動 及 右 ノ渡 政労
働 者 葬 ヲ企 テ、僚 友団 体 ト共 同 シ テ 一ノ実 行 委 貝会 ヲ組織 シ テ活
ハ 全 国農 民組 合 第 二回 大 会 出 席 代 議 員 ニメ ツ セー ジ ヲ送 リ 、農
働 者 葬 ノ挙 行 ニ関 シ テ ハ最 近 ノ我 党中 央 会 議 ニ於 テ批 判 及 決 定 ガ為
動 シ タ等 々
檄ヲ発 シ且 ツ此 ノ争 議 ノ応 援 運動 ヲ起 シ又 此 ノ スト ライ キ ニ於 ケ
民 ノ革 命 化 及労 働 者 ト ノ結 合 ヲ強 化 スル事 ニ努 メタ
ル幹 部 ノ欺瞞 ヲ暴 露 シ、 所謂 人 道 主 義 ノ タ メ ノ闘 ヒ ニ反 対 シ、 日
サ レテ居 ル カ ラ、 夫 等 ニ対 ス ル組 合 部 ガ採 ツ タ批 判 及 指 導 ニ干 ス ル
ニ 横 浜 市電 ノ スト ライ キ ニ就 テ全 国 ノ交 通労 働 者 ニ蹶起 ヲ促 ス
常 利 害 ニ基 ク要 求 ヲ掲 ゲ テ下 カ ラ ノ スト ライ キ委 員 会 ノ形成 ノタ
二 組 合 部 ハ 一月 下 旬 以 来 党組 合 部会 議 ヲ毎 週定 期 的 ニ開 催 シ テ来
タ ガ 、 三月 ニ入 ツ テ カ ラ前 述 ノ如 ク官 憲 ノ暴 圧 ノ タ メ ニ屡 々全 協 本
報 出ハ 省 略 スル。
部 ト ノ連 絡 ガ杜 絶 シ指 導 ノ円滑 ヲ欠 イ タ、而 カ モ全 協 本 部 ハ地下 ニ
メ ニ闘 ツ タ
日本 ノ労 働 者 ニ向 ツテ抗 議 運 動 ノ組織 ヲ訴 ヘタ 。又 官 憲 ノ暴 圧 ニ
ホ 同 志 山 本 宣 治 ノ遭 難 ニ際 シ此 ノ事 件 ニ抗 議 シ、檄 ヲ発 シ テ全
抗 シ テ其 送 葬 ニ労 働 大衆 ヲ動 員 シ タ
シ乍 ラ又其 運動 上 ニ於 テ幾 多 ノ誤 謬 ノ存 在 ヲ モ認 メ タ、 ソ レ ニ就 テ
総 括 的 ナ討 議 ヲ行 ヒ、適 確 ナ ル方 針 ヲ決 定 スル タ メ ニ我党 組 合 部 ハ
追 込 メ ラ レナ ガ ラ前 述 ノ如 ク活溌 ナ ル闘 争 ヲ遂 行 シ ツ ヽア ツ タ、 然
特 ニ拡 大 シ タ組合 部 会 議 ヲ開 イ タ、 此 ノ拡 大 組 合 部会 議 ニ於 ケ ル重
ヘ 既 ニ元 山 総 罷 業 応 援 ノ タ メ ニ争 議 資 金 ノ募 集 、 応 援 闘 士 派 遣 、
メ ニ闘 ヒ ツ ヽア ツ タ ガ、 更 ニ全 協 本部 ハ三月 八 日元 山 総 罷 業 ノ応
要 問 題 ハ次 ノ七 ツデ ア ツタ 、
元 山行 キ貨 物 ノ輸 送 拒 絶 、 スト ラ イ キ破 リ ニ対 ス ル攻 撃 等 々ノ タ
援 ヲ農 民 ニ訴 ヘ、其 タ メ檄 文 ヲ発 行 シ タ
( ) 一 若 干 ノ非 合 法主 義 的 偏倚 ノ問 題
ト 官 業労 働 総 同 盟 全国 大会 出 席 代 議 員 ニメ ツ セ ージ ヲ送 リ 、官 業労 働 者 ノ左 翼 化 ト 左翼 派 形 成 ニ尽 シ タ
( ) 二 合 法 性 利 用 ノ不充 分 ノ問 題
非 合 法 ヘ非 合 法 ヘト自 己 ノ周 囲 ヲセ バ メ ツ ヽア ル様 ニ見 エル、 ソ
ニ押 込 メ ラ レ タ地 下 生 活 カ ラ出 様 ト セズ、 反 対 ニ自 ラ進 ンデ 益 々
傾 向 ニ走 ツ テ居 ル。
ザ ル 一種 特 別 ナ非 合法 主 義 ノ組 合 デ ア ルカ ノ如 キ感 ヲ懐 カ シメ ル
シ テ其 結 果 、 外 部 カ ラ見 ル者 ヲ シテ全 協 ト ハ恰 モ容 易 ニ近 付 キ得
( 三) 客 観 的 条 件 ヲ無視 シ タ計 画 ニ関 ス ル問 題 (四) 一種 ノ左翼 解 体的 傾 向 ノ問 題 (五) 宣 伝 及 煽動 的 活動 ト組 織 的 活 動 ノ結 合 ノ不 充 分 ノ問題
五 若 シ非 合 法 的 ニ活 動 ス ル事 ガ特 別 ニ偉 イ モノ ヽ様 ニ考ヘ 、支
配 階 級 ノ タ メ ニ無 理矢 理 ニ押 込 メラ レタ地 下 生 活 カ ラ出 ヨウ ト セ
(六) 改 良 主義 組 合 ニ於 ケ ル革 命 的 左 翼 分 派 組 織 ノ問 題 (七) 新 シ キ幹 部 養 成 ノ問 題 第 一ノ若 干 ノ非 合 法 主 義 的 偏倚 ノ問 題 ニ干 スル討 論 ノ結 論 ハ次 ノ如
敗 北 的合 法 主義 ニ劣 ラズ誤 謬 ヲ犯 ス モノデ ア ル、 我 々 ハ此 ノ傾 向
ズ 、 ソ レ ニ満 足 シ或 ハソ レ ニ甘 ンズ ルナ ラバ 、 ソ レ ハ労 農 一派 ノ
一 社 会民 主 々義 者 就 中 労 農 一派 ノ只 管 ナ ル敗 北的 合 法 主 義ニ 対
ニ断 然反 対 シ、克 服 シ ナケ レバ ナ ラ ヌ等 々
クデ ア ツ タ、
シ テ断 乎 ト シ テ反 対 ス ル事 ハ勿 論 デ ア ル、然 シ乍 ラ此 ノ事 ハ我 々
係 上 一時 的 ニ労 働 組 合 ニ於 テ モ其 機 関 ヲ地 下 ニ推 移 セ シメ テ活 動
リデ ナ ク又大 衆 ノ 日常 生 活 ニ切 実 ナ関 係 ヲ有 ス ル凡 ユ ル問 題 ト機
上 ニ浮出 ルタ メ ニ ハ、 既 存 ノ合 法 的舞 台 ヲ最 大 限 ニ利 用 ス ルバ カ
一 全協 ガ 支配 階 級 カ ラ無 理 矢 理 ニ追 込 メ ラ レタ 地下 生活 カ ラ地
ア ツ タ、
ス ル事 ヲ必 要 ト認 メ ル、然 シ ソ レ ハ全 ク文 字 通 リ 一時 的 デ ア ツ テ、
会 ト ヲ把 ヘ テ新 ニ合 法 的 活 動 ノ舞 台 ヲ造 出 シ テ行 カネ バ ナ ラ ヌ、
第 二 ノ合法 性 利 用 ノ不充 分 ノ問 題 ニ関 スル討 論 ノ結 語 ハ次 ノ如 クデ
我 々 ハ凡 ユ ル可 能 ナ機 会 ヲ把 ヘ テ革 命的 労 働組 合 ガ合 法 的 ニ組 織
然 ル ニ此 ノ方 面 ニ於 テ モ亦 努 力 ガ不 充 分 デ ア ル、此 ノ事 ハ彼 ノ非
ガ非 合 法主 義 就中 非 合 法 労 働 組 合 主 義 ヲ唱ヘ ル モ ノデ ハ毫 モナ イ。
活動 シ得 ル自 由 ヲ獲 得 ス ルタ メ ニ戦 ハネ バ ナ ラ ヌ、換 言 ス レバ、
合 法 的 偏倚 ト ノ関 聯 ニ於 テ特 ニ注 意 サ レネ バ ナラ ヌ。
二 我 々 ハ専ラ支 配 階 級 ノ警 察 的 テ ロル ニ対 シ テ、其 時 ノ力 ノ関
支配 階級 ノ タ メ ニ無 理矢 理 ニ追 込 メ ラ レ タ地下 カラ 地上 ニ出 ル タ
バ ナ ラ ヌ、例 ヘバ全 協 本 部 ノ如 キ ハ殆 ンド全 メ ンバ ー ガ官 憲ニ 追
二 又全 協 自 身 ノ諸 機 関 ノ如 キ モ新 シ キ労 働 者 闘 士 ヲ補 充 シ、 各
及 サ レテ居 ルタ メ ニ公然 ノ活動 ガ 全 ク不 可能 ニナ ツ テ居 ル、 之 ハ
メ ニ凡 ユ ル努 力 ガ試 ミ ラ レネ バ ナ ラ ヌ。
ノ機 会 ヲ利 用 シ日 常 闘 争 ヲ通 シ又 共 同戦 線 戦 術 ノ正 シ キ遂 行 ニ ヨ
部 内 ノ充 実 ヲ図 リ、 モツト 公然 ノ活動 ガ 出来 ル様 ニ確 立 シ ナ ケ レ
ツテ大 工場 ニ其 組 織 的 基 礎 ヲ置 ク事 、 ソ レ ニ ヨ ツテ ノ ミ全協 ハ合
直 チ ニ彼 ノ全 国 代 表 者会 議 ニ於 テ選 バ レタ中 央 委 員 中 カ ラ某 々 ノ
ル絶 好 ノ機 会 デ ア ル、 我 党 ガ屡 々指 摘 シタ如 ク 、全 協 ハ此 ノ絶 好
法 的 組 織 活 動 ノ自 由 ヲ戦 ヒ取 リ得 ルノ デ ア ル。
如 キ労 働 者 ノ古 キ闘 士 ニシ テ公然 活動 シ得 ル者 ヲ以 テ補 充 シ、本
三 今 ヤ擡頭 シ来 タ レル スト ライ キ ノ波 ハ全 協 ガ合 法 性 ヲ獲 得 ス
四 然 ル ニ最 近 ノ全協 本部 ノ傾 向 ハ、支 配 階 級 ノ タ メ ニ無 理 矢 理
業 員 大会 ヲ開 ケ﹂ ナ ル ス ロー ガ ンヲ提 出 スル事 ガ 出 来 ル シ又提 出
シ ナケ レバ ナ ラ ヌノデ ア ル、斯 ノ如 キ ハ労 働 者 ノ工場 生活 ヲ知 ツ
部 ノ陣 容 ヲ整 ヘル事 ガ 必 要デ ア ル等 々。
テ居 ル者 ニ ハ自 明 ノ事 デ ア ル。
四 一般 ニ資 本 家 階 級 ト戦 フタ メ ニ ハスト ラ イ キ、 デ モ ンスト レ
ア ツタ 、 一 最 近全 協 本 部 ガ遂 行 シ タ諸 闘 争 ニ於 ケ ル組 織 的 計 画 ニ於 テ、
ル事 ト、 或 具 体 的 闘 争 ノ当 面 ノ段 階 ヲ スト ライ キ 又 ハデ モ ン スト
ー シ ヨン、 従業 員 大会 等 々ノ方 法 ガ必 要 デ ア ルト 云 フ事 ヲ宣 伝 ス
第 三 ノ客 観 的 条 件 ヲ無 視 シ タ計画 ニ干 ス ル討 議 ノ結 語 ハ次 ノ如 クデ
全協 本部 ガ各 加 盟 組 合 ト ノ民 主 的 集 中 的 ナ組 織 的干 係 ヲ欠 イ テ居
勝 手 ナ計 画 ヲ大衆 ニ押 付 ケ テ居 ル、 例ヘ バ機 関 紙 労 働 新 聞 ニ最 モ
二 而 カ モ全協 本 部 ハ客 観 的 情 勢 ト力 ノ相 互 干 係 ヲ全 ク無 視 シ テ
若 干 ノ指 令 ニ現 ハレタ ル傾 向 ハ正 ニ前 者 デ ハナ ク後者 デ ア ツ テ、
ニ力 ノ相 互 干 係 ヲ計 量 シタ 上 デ決 定 サ レネ バ ナ ラ ヌ、 労 働 新 聞 及
別 サ レネバ ナ ラ ヌ、後 者 ノ場 合 ニ ハ厳 密 ニ其 時 ノ政 治 経 済 情 勢 並
レー シ ヨン或 ハ従業 員 大会 ノ開 催 等 々ト規 定 ス ル事 ト ハ厳 重ニ 区
ル事 、 一般 ニ各 組 合 ト ノ連 絡 ガ 不充 分 デ ア ル事 、 従 ツ テ全 体 ノ情
露 骨 ニ現 ハレテ居 ル如 ク、事 毎 ニ ﹁スト ラ イ キ ヲ ヤ レ﹂ ﹁デ モ ン
コ ロノ指 令 ノ乱 発 デ ア ル、斯 ク ノ如 キ ハ軈 テ大 衆 カ ラ孤 立 ス ル ニ
ソ レ ハ疑 モナ ク情 勢 ト力 ノ干 係 ヲ無 視 シ タ闘 争 ヲ大 衆 ニ強 ユ ルト
勢 ト力 ノ干 係 ガ全 ク判 ツテ居 ナ イト 云 フ事 ヲ露 骨 ニ暴 露 シ タ。
スト レー シ ヨ ンヲ ヤ レ﹂ ﹁従業 員 大会 ヲ開 ケ﹂ 等 々ノ行 動 ノ ス ロ
ラ ヌ。
至 ル最 モ危険 ナ傾 向 デ ア ツ テ、此 ノ誤 謬 ハ直 チ ニ改 メ ラ レネ バ ナ
ーガ ン ヲ乱 発 シテ居 ル事 、 之 デ ア ル。斯 ノ如 キ ハ全 ク労 働 者 ノ 工
ルベ キ事 デ ハナ イ。
場 生 活 ニ経 験 ノ ナ イ者 ノ ヤ ル事 デ ア ツ テ、権 威 ア ル全 協 本 部 ノ ヤ
モ ノデ モナ ク又 開 催 スベ キ モ ノデ モ ナイ 、 一般ニ 我 々ガ大 衆 ニ向
レ ル、 ソ レデ モ矢 鱈 ニ又 ノベ ツ幕 ナ シ ニ従 業 員 大 会 ガ開 催 シ得 ル
ハ、当 該 工場 ニ於 ケ ル労 働 組合 ノ勢 力 ガ圧 倒 的ニ 強 固 ナ処ニ 限 ラ
ナ モノ ヽ如 ク誤 認 シ テ居 ル、然 シ従 業 員 大 会 ガ即 座 ニ開 キ得 ル ノ
二 然 シ乍 ラ最 近 ノ労 働 新 聞 及 若 干 ノ指 令 ニ於 テ見 ル如 ク、 工 場
ス ル事 ノ重要 性 ハ大 キイ 。
シ テ将 又 一ノ大 衆 動 員 ノ機 関 ト シ テ工場 代 表 者 会 議 ノ如 キ ヲ利 用
ナ時 ニ於 テ ハ、左 翼 組 合 ガ広 汎 ナ ル大 衆 ト ノ連 絡 ノ タ メノ機 関 ト
チ上 ツ テ来 テ居 ル時 ニ於 テ、而 カ モ革 命 的 労 働 組 合 ノ組 織 ガ弱 少
一 現 在 ノ如 ク階級 闘 争 ガ激 化 シ、 広汎 ナ大衆 ガ闘 争ニ 新 シク起
タ、
ツ テ従業 員 大 会 ヲ開 ケ ト 云 ヒ得 ル タ メ ニ ハ、何 等 カノ現 実 問 題 ヲ
代 表 者 会議 ヲ 一種 特 別 ナ 万能 薬 ノ如 ク解 シ、﹁凡 ユ ル闘 争 ヲ 工 代
第 四 ノ 一種 ノ左翼 解 体的 傾 向 ニ干 ス ル討 論 ノ結 語 ハ次 ノ如 クデ ア ツ
事 前 ノ充 分 ナ ル宣 伝 煽 動 ガ成 功 シ或 ハ自 然 発 生的 ナ何 等 カノ事情
デ ﹂ ト カ ﹁要 求 ハ凡 テ工代 デ統 一シテ﹂ 等 々ト称 シ テ此 ノ工場 代
三 例 ヘバ 従業 員 大会 ノ如 キ ヲ採 ツ テ見 テ モ直 グ 判 ル事 デ ア ル、
ニ ヨツ テ全 従業 員 ノ間 ニ大 動 揺 ガ起 ツテ居 ナケ レバ ナ ラ ヌ、即 チ
事 情 ヲ知 ラ ナイ 人 々 ハ往 々此 ノ従 業 員 大 会 ト 云 フ モ ノ ヲ最 モ容 易
煽 動 ガ効 ヲ奏 シ テ大衆 間 ニ動 揺 ガ起 リ始 メ タ時 、 其 時 我 々 ハ ﹁ 従
表 者 会 議 ヲ過 重評 価 シ、寧 ロ崇 拝 シ、事 実 ニ於 テ赤色 労 働組 合 自
的 活 動 ト組 織 的 活 動 ト ノ結 合 ノ不 充 分 、 之 デ ア ル。
活 動 ガ 一般 ニ極 メ テ不 充 分 デ ア ル、 一言 ニシ テ云 ヘバ、 宣 伝 煽 動
衆 ヲ即 刻 一ノ分 派 ニ結 成 シ、之 ヲ全 協 ニ獲 得 ス ル事 等 々ノ組 織 的
三 例 ヘバ、 全協 ハ多 ク ノ宣 伝 煽 動 的 活動 ヲ シ テ居 ルガ 、其 際 当
ケ テ仕 舞 フ事 ハ明 カニ一 種 ノ清 算 主 義 デ ア リ、 遂 ニ ハ左 翼 組織 ヲ
然 ソ レト交 互 シ テ進 メ ラ ルベ キ組 織 的 活動 ニ干 シ テ ハ何 等 プ ラ ン
身 ノ活 動 ヲ忘 レ或 ハ抛棄 シ、 一切 ノ活 動 ヲ 工場 代 表 者 会 議 ニ押 付
三 我 々 ガ 工場代 表 者会 議 ヲ開 催 ス ルノ ハ、 先 ヅ 第 一ニ、赤 色 組
解 体 ニ導 ク危 険 ナ傾 向 デ ア ル。
ニ具 体 的 ニ指 令 シ ナケ レバ ナ ラ ヌ モ ノデ ア ル、 ソ シテ啻ニ 宣 伝 煽
ヲ示 シテ居 ナイ 、 之 コソ指 令 ト シ テ地 方協 議 会 ナ リ干 係 組 合 ナ リ
動 的 活 動 ニ組 合 員 大 衆 ヲ動 員 スル丈 ケ デ ナ ク、組 織 活 動 ニ モ組 合
合 自 身 ノ独 立 的代 表 的 ナ闘 争 ガ ア リ、 ソ シテ其 活 動 ニ ヨツ テ 一層
員 ヲ動 員 シ、訓 練 スル事 デ ナ ケ レバ ナ ラ ヌ ノデ ア ル、此 ノ欠 点 ハ
広 汎 ナ大 衆 ヲ自 己 ノ計 画 シ遂 行 シタ闘 争 ニ導 キ入 レ、 大 衆 ヲ赤 色 労 働 組 合 ニ獲 得 スル事 、 即 チ広 汎 ナ大 衆 ヲ赤 色 組 合 闘 争 ニ動 員 シ
四 一般 ニ組 織 的 活 動 ノ不 充 分 ハ、第 一ニ全 協 諸 機 関 ガ組 織 部 ノ
直 チ ニ改 メ ラ レネ バ ナ ラ ヌ。
充 実 ヲ欠 イ テ居 ル事 、 第 二 ニ組 織 活 動 ニ干 スル具 体 的計 画 ヲ持 ツ
ンガ タ メ ニデ ア ル、 此 ノ事 ヲ忘 レ、赤 色 組 合 自 身 ノ闘争 ヲ工場 代 表 者 会 議 ノ闘 争 ニ ヨツ テ置 キ替 ヘント ス ルナ ラ バ ソ レ ハ決 定 的 ニ
且 ツ闘 争 ヲ ヨリ高 キ段 階 ニ引 上 ゲ 、赤 色 組 合 自 身 ノ力 ヲ強 大 ニセ
誤 リ デ ア ル等 々。
テ居 ナ イ事 、第 三 ニ ハ 一月 ノ組 合部 会 議 ノ決 定 即 チ赤 色 労 働 組 合
之 ヲ全協 ノ 一構 成 要 素 ト ス ルト 云 フ事 ガ充 分 徹 底 シ テ居 ナイ カ ラ
ト シ テノ全 協 ノ活 動 就 中 改 良 主 義 組 合 内 ニ革 命 的 分 派 ヲ組 織 シ、
デ ア ラウ 、 之 ニ関 シ テ ハ直 チ ニ既 定 ノ計 画 ヲ実 行 スベ キデ ア ル等
第 五 ノ宣 伝 及 煽 動 的 活 動 ト 組 織 的 活 動 ト ノ結 合 ノ不充 分 ニ干 スル問
一 最 近全 協 本 部 及 各産 業 別協 議 会 ハ凡 ユ ル生起 ス ル問 題 ニ対 シ
題 ノ結 論 ハ次 ノ如 クデ ア ツ タ、
テ檄 ヲ発 シ、 大 衆 ヲ闘 争 ニ動 員 スル事 ニ努 メ或 ハスト ライ キ ノ応
第 六 ノ改良 主 義 組 合 内 ニ於 ケ ル革 命 的 左 翼 分 派 組 織 ノ問 題 ニ就 テ ノ
々 。
スト ラ イ キ委 員 会 ヲ組 織 スル事 ニ働 キ 或 ハ改 良 主 義 組 合 ノ大 衆 ヲ
援 運 動 ヲ起 シ或 ハ改 良主 義 幹 部 ノ意 思 ニ反 シ テ大衆 ヲ シテ下 カ ラ
結 論 ハ次 ノ如 クデ ア ツタ 、
組 合 内 ノ大 衆 ハ著 シク左 翼 化 シ ツ ヽア ル。
協 ガ行 ツ タ宣 伝 煽 動 ニ ヨツ テ既 ニ広 汎 ナ ル未 組 織 大 衆 及 改 良 主 義
二 現下 ノ諸情 勢 ニ鑑 ミ テ 、此 ノ革 命 的 分 派 ノ組 織 形 態 ヲ決 シ テ
ト云 フ事 ガ 切実 緊 急 ナ問 題 ト ナ ツタ。
シ、 之 ヲ全 協 ニ獲 得 シ、全 協 ノ 一構 成 要 素 ト シ ナ ケ レ バ ナ ラ ヌ﹂
ノ ﹁凡 ユル モメ ント ヲ把 ヘテ改 良 主義 組 合 内 ニ革 命 的 分 派 ヲ組 織
一 最 近 ノ諸 情 勢 ハ既 ニ我 々ガ 一月 ノ会 議 ニ於 テ決 定 シ タ ト コロ
左翼 化 ス ルタ メ ニ活 動 シ テ居 ル、 之 ハ確 カ ニ全 協 ノ活 動 ニ取 ツテ
二 然 ル ニ此 ノ左翼 化 シ タ未 組 織 労 働 大 衆 ヲ即 時組 合 ニ結 合 シ、
偉 大 ナ ル進 歩 デ ア リ、 現 ニ尚 幾 多 ノ不 備 ハア ルト シ テ モ、此 ノ全
全 協 ニ加 盟 セ シ メ ル事 、 或 ハ改 良 主 義 組 合 内 ノ 左翼 化 シタ労 働 大
スル事 モ可 能 デ ア ラウ 。
視 シ ナケ レバ ナラ ヌ、 又或 特 定 ナ問 題 ニ就 テ ノ ミ ノ反 対 派 ヲ結 成
向 ノ反 対 派 ヲ糾合 ス ルト コ ロノ所 謂 刷 新 同 盟 ノ如 キ形 態 ヲ モ重 要
レナイ 、 我 々 ハ当 該 改 良 主 義 組合 又 ハ聯 合 体内 ニ於 ケ ル凡 ユル傾
産 業 別 協 議 会 参 加 ノ有 志 団 ト云 フガ 如 キ形 態 ニノ ミ限 ツテ ハ居 ラ
成 要 素 ト スベ キ左 翼 分 派 ヲ、 単 ニ産 業 別協 議 会 参 加 ノ有志 団 ト 云
相 応 シタ反 対派 ガ生 ズ ル可 能 ガ ア ル、 ソ レ故 其 際 我 々ガ全 協 ノ構
条 件 ハ右 翼 及中 央 派組 合 内 ニ種 々ナ ル モメ ント ヲ通 シ テ、 ソ レ ニ
ニ分 派 ヲ作 ルベ キ デ ナ イ ト 云 フ主 張 ガ ア ルガ 、然 シ現在 ノ客 観 的
六 又 一部 ノ組 合 闘 士 ノ間 ニ ハ彼 ノ往 年 ノ ﹁レ フト﹂ ノ如 キ ヲ再
ハ凡 テノ反 幹 部 派 ヲ全 協 ニ獲 得 ス ル事 デ ナ ケ レバ ナ ラ ヌ。
フ形 態 ノ ミ ニ限 ルト ミ タ ラ疑 モナ ク誤 リ ヲ犯 スモ ノデ ア ル、 我 々
部 ニ劣 ラ ヌ乙 ノ官 僚 幹 部 ガ彼 等 ノ勢 力 争 ヒノ タ メ ニ此 ノ刷 新 同 盟
ナ事 ハ ﹁レフト ﹂ ヲ再 現 スル事 デ ナ ク 、全 協 ヲ革 命 的 労 働 組 合 ト
現 スベ シト主 張 ス ル者 ガ ア ルガ 、 此 ノ意 見 モ間 違 ツ テ居 ル、必 要
三 但 シ刷 新 同 盟 型 ノ反 対派 ニ就 テ注 意 スベ キ事 ハ、 甲 ノ官 僚幹
ヲ利 用 シ、此 ノ刷 新 同 盟 ノ指 導 権 ヲ握 ラ ント ス ル事 デ ア ル、 之 ニ
ハ改 良 主 義 組 合 内 ノ誰 彼 ヲ通 シ テ セ クト的 ナ策 動 ヲ ス ル事 デ ナ ク、
革 命 的 分 派 ト ヲ以 テ構 成 スル赤 色 労働 組 合 ト ス ル事 ニア ル、 ソ レ
就 テ ハ彼 ノ評 議 会 ガ尚 総 同 盟 革 新 同 盟 ト 云 ツ テ 云 タ時 代 ニ、如 何 ニ多 ク ノ日和 見 主 義 指 導 者 ガ同 盟 ニ潜 入 シテ居 タ カト 云 フ事 及之
ヲ指 導 ス ル事ニ ア ル。
大 衆 的 ナ反 対 派 ヲ形 成 シ、 之 ヲ全 協 ノ分 派 ト シ、全 体 ト シ テ分 派
等 ノ日和 見主 義 指 導 者 達 ガ或 者 ハ既 ニ評 議 会 創 立前 ニ或 者 ハ評 議
ツ タ カト 云 フ事 ヲ想 起 ス レバ足 リ ル。
会 創 立 後 僅 カ ニ半 年 ノ中 ニ如 何 ニ速 ニ其 正 体 ヲ暴 露 シ没 落 シテ行
ン以 外 ニ改 良 主 義 組 合 内 ニ更 ニ全 協 分 派 ヲ作 ル ベ キ デ ハ ナ イ ト
七 又 日本 共産 党 ガ公 然 活 動 シ テ居 ル今 日 、共 産 党 ノ フ ラ ク シ ヨ
云 フ 一部 組合 闘 士 ノ意 見 モ同 様 ニ誤 リデ ア ル、 若 干 ノ例 外 ヲ除 イ
タメ ニ次 ノ方 針 ガ守 ラ レネ バ ナ ラ ヌ。
テ改 良 主義 組 合 ノ機 関 ノ上 部 ノ ミ ナ ラズ 、 或 処 デ ハ下 部 機 関 ニ至
四 我 々 ハ此 ノ刷新 同 盟 型 反 対 派 ヲ官僚 幹 部 ノ毒 牙 カ ラ擁 護 ス ル
イ 常 ニ労 働 者 ノ 日常 利 害 ニ基 ク行動 綱 領 ヲ掲 ゲ、 同 盟 ノ階 級
ル マデ今 日 デ ハ最 早 階 級 闘 争 ノ機 関 デ ハナ ク ナ ツ テ居 ル、 反 対 ニ
ソ レ ハ労 働 者 抑 圧 ノタ メ ノブ ルジ ヨア ノ 一機 関 ト ナ ツ テ居 ル、 ソ
ロ 同 盟 ノ階 級 的 立 脚 点 ヲ明 白 ニシタ 上 デ尚 一切 ノ反 幹 部 派 ヲ
レ故 大衆 ハ自 己 ノ利 益 ヲ擁 護 シ又 ハ獲 得 スル タ メ ニ ハ既 存 ノ機 関
的 立 脚 点 ヲ明 白 ニ スル事
ハ 公 然 ノ官 僚幹 部 ヲ暴 露 ス ルト 共 ニ、同 盟 内 ニ潜 入 シテ居 ル
糾 合 スル事
ヲ破 壊 シ ナケ レバ ナ ラ ナ ク ナ ツ テ居 ル ノデ ア ル、最 近 ノ凡 テノ ス
関 ト ノ対立 ハ此 ノ事 ヲ実 証 シ テ居 ル、 而 シ テ今 ヤ新 ナ ル スト ライ
ト ライ キ ニ於 テ生 ジ テ居 ルト コ ロノ争 議 団 大衆 ト改 良 主 義 組 合 機
キ ノ波 ノ昂 揚 ニ当 面 シテ 、共 産 主 義 者 ニ非 ザ ル広 大 ナ ル組 合 員 大
レテ ハナ ラ ナイ 五 現 在 一部 ノ組 合 闘 士 ノ間 ニ、改 良 主 義 組 合 ノ中 ニ作 ル左翼 分
日和 見 主義 指 導 者 ノ正 体 ヲ仮 借 スルト コロナ ク暴 露 ス ル事 ヲ忘
派 ハ産 業 別 組合 協 議 会 参 加 ノ有 志 団 ト シ テ形 成 スベ ク、 ソ レ以外
衆 ガ到 ル処 ニ反 幹 部 派 ト シ テ結 成 セ ント シ テ居 ルノデ ア ル、 又此
三問 其 拡 大 組 合 部 会 議 開 催 ノ場 所 、 日時 、出 席 者 ノ氏 名 ハ。
答 日時 ハ記 憶 シ マセ ヌ。
会 議 開 催 ノ場 所 及出 席 者 ノ氏 名 ハ共産 党 ノ機 密 事 項 ニ属 シ マ スカ ラ
ノ改 良 主 義 組 合 ノ機 関 ノ変 質 ノ故 ニ、今 ヤ革 命 的 労 働 組 合 ト ノ上
人 三 田村 四郎
カ ラ ノ統 一ハ 一般 ニ不 可能 ト ナ ツ テ居 ル ノデ ア ル、此 ノ時 ニ当 リ
告
我 々 ガ此 ノ広 大 ナ ル組 合員 大 衆 ヲ反 対派 ニ結 成 シ、之 ヲ全 協 ノ 一
同 日於 前 記 場 所
第 四十 七 回 訊 問 調 書
人 三 田村 四郎
予 審 判 事 秋 山 高 彦
裁 判 所 書 記 鹿 田 清 次
東 京 地 方裁 判 所
右 読 聞 ケ タ ル処相 違 ナ キ旨 申 立 署 名拇 印 シ タリ 。
被
申 上 ゲ マセ ヌ。
ツ事 ニ限 定 ス ルト シタ ラ、之 又疑 モナ ク誤 リ ヲ犯 スモ ノデ ア ル等
要 素 ト シ テ獲 得 ス ル事 ナ ク、単 ニ共産 党 ノ フラ ク シ ヨ ンノ ミ ヲ持
々 。
第 七 ノ新 シキ幹 部 ノ養 成 ニ干 ス ル問 題 ニ就 テ ノ結論 ハ次 ノ如 クデ ア ツタ 、 一 所 謂 三 ・ 一五 事 件 以 後 引 続 ク数 回 ノ検 挙 ニ ヨ ツテ 日本 ノ革 命 的 労 働 組 合 ハ文 字 通 リ根 コソギ ニ有 能 ナ ル指 導 者 ヲ敵 手 ニ奪 ハレ
告
ニ於 テ 、予 審 判 事 秋 山 高 彦 ハ裁 判 所 書 記 安 武 六 郎 立 会 ノ上 前 回 ニ引
右 治 安 維 持 法 違 反被 告事 件 ニ付 、 昭和 六 年 一月 十 二日豊 多 摩刑 務 所
被
二 後 ニ残 ツ タ闘 士 諸 君 ハ凡 テノ責 務 ヲ 一身 ニ引 受 ケ、 敢 然 ト シ
タ。
テ闘 争 ヲ指 導 シ テ居 ル、 凡 テノ革 命 的 労 働 者 ハ正 ニ非 常 時 ニ際 シ テ ハ此 ノ覚 悟 ガ ナケ レバ ナ ラ ヌ。
一問 若 干 ノ分 派 ニ対 スル指 導 ニ付 テ ノ報 告 ノ内 容 如何 。
続 キ右 被告 人 ニ対 シ訊 問 ス ル コト左 ノ如 シ。
ス ル報 告 ノ内 容 如何 。
二問 然 ラ バ通 信 労 働 者 ノ組 織 ト逓 友 同 志 会 内 革 命 的 分 派 指 導 ニ干
三 電 気 事 業 労 働 者 ノ組 織 ト 左翼 分派 組 織 ニ干 ス ル報 告
干 ス ル報 告
二 交 通労 働 者 ノ組 織 ト 日本 交 通労 働 総 同盟 内 左翼 派 ノ結 成 ニ
報告
一 通 信 労 働 者 ノ組 織 ト 逓 友 同 志 会 ノ革 命的 分派 指 導 ニ干 ス ル
答 夫 レ ニ付 テ ハ次 ノ順 序 デ申 上 ゲ度 イ ト思 ヒ マス、
三 然 シ ソ レト同 時 ニ新 シ キ幹 部 ヲ養 成 スル ト云 フ事 ノ必要 ヲ看 過 シ テ ハナ ラナ イ 、何 時 マデ モ 一人 デ 沢 山 ナ仕事 ヲ抱 ヘ込 ンデ 居 ルト 云 フ事 ハ、続 ク モノ デ モナ ク又 誤 リ ヲ犯 ス モ ノデ ア ル、盛 ニ 工場 内 現 業 労 働 者 中 カ ラ新 幹 部 ヲ起 用 シ、彼 等 ニ仕 事 ヲ与 ヘ、労 働 者 ノ革 命 的 創 意 性 ヲ余 スト コ ロナ ク発揮 セ シ メ ル事 デ ア ル。 四 特 ニ今 日 ノ如 ク指 導 者 ガ 一挙 ニ奪 ハレタ様 ナ非 常 時 ニ於 テ ハ
モ集 合 的 指 導 ヲ行 フ ト 云 フ事 、 之 デ ア ル等 々。
尚 更 此 ノ事 ガ必 要 デ ア ル、即 チ 一工場 ニ於 テ モ全 国 的 規 模 ニ於 テ
三 右 ノ拡 大 組合 部 会 議 ノ諸決 定 ハ凡 テ即 刻 実 行 ニ移 サ レ タ 云 々。
可 能 ト認 メ ラ ル ヽ者 ノ総 数 ハ十 二万 人 デ ア ル、此 外 ニ尚 保 線 工夫 ガ
処 ニ依 レバ、 現 在 日本 ニ於 テ通信 事 業 ニ従 事 ス ル労 働 者 ニ シテ組 織
左翼 分 派 ノ情 勢 報告 ヲ提 出 セ シ メ タ、其 報告 及 我党 ガ最 近調 査 シ タ
一 我党 ハ全 協 ト直 接 連 絡 ヲ執 ル様 ニ為 ツ テ カラ直 チ ニ逓 友 同 志 会
ニ 現在 ノ逓 友同 志 会 ハ東 京逓 信 局管 内 ニ於 ケ ル僅 カ ニ東 京 市 内
両 局 並 ニ東 工 支部 ニ少 数 ノ事 務 員 ガ参 加 シテ居 ル ニ過 ギ ナイ
支 部 ハ殆 ンド集 配 人 ヲ以 テ組 織 サ レ テ居 ル、僅 カ ニ中 野 及 四 谷 ノ
ハ 東 工支 部 ハ総 テ電 信 電 話 ノ 工夫 ヲ構 成 要 素 ト シ、 各 郵 便 局 ノ
ニ於 テ更 ニ分会 ヲ作 ツ テ居 ル
電 信 及 電話 工 夫 ヲ以 テ組 織 ス ル モノ デ ア ツ テ、 夫 レ ハ十 一ノ職場
工 支部 ト 去 フノ ガ ア ル、 東 工支 部 ト ハ東 京 逓 信 局 工務 課 ニ属 ス ル
ア ルガ 、目 下 ノ処 其 数 及 夫 レ ニ付 テ ノ詳 シイ事 ハ我 々 ニ判 ツテ居 ナ
答 夫 レ ハ大 体 次 ノ如 クデ ア ツ タト 記憶 致 シ マス、
イ。
ケ ル僅 カニ 三
及 近 郊 ノ職 場 ニ其 組 織 ヲ持 ツ テ居 ル ニ過 ギ ナ イ 、而 モ其 範 囲 ニ於
分 ノ 一ヲ組 織 シ テ居 ル ニ過 ギ ナ イ、 然 シ組 織 ア ル各
シ カナ ラ ナ イ、 之 ヲ運 輸 、鉄 道 、電 車 、自 動 車 、船 舶等 々 ノ従 業 員
二 通信 労 働 者 ノ収 入 ハ総 テノ収 入 ヲ含 メ テ平均 日 収 一円 十九 銭 ニ
布 ノ五 支 部 ノ幹 部 ハ殆 ンド 左翼 ノ指 導下 ニア ル。
五 逓 友 同 志 会 ニ於 ケ ル左翼 ノ勢 力 ハ東 工 、中 野 、 四谷 、品 川 、 麻
局 夫 々 ヲ取 上 ゲ テ見 レバ 、其 組 織 率 ハ 一局 ノ三 分 ノ 二 ニ当 ル
労 働 者 ノ待 遇 ガ劣 悪 デ ア ルカヾ 窺 ハレ ル、 又其 労 働 時 間 ハ長時 間 連
六 左 翼 運動 ト シ テ ハ目下 職 場 委 員 会 ノ確 立 ト 地域 的 支 部 聯 合 会 組
ノ夫 レ ニ比 ベ ル ナ ラバ 、 実 ニ 一円 以 上 ノ差 ヲ示 ス、 以 テ如 何 ニ通 信
々 モ亦定 評 ガ ア ル、夫 故 屡 々夫 レ ヲ原 因 ト シ テ自 然 発生 的 ナ争 議 ガ
続 勤 務 ヲ以 テ有 名 デ ア リ、 其 監 督 ノ苛 酷 ナ ル事 、 懲 罰 ノ厳 シイ事 等
バ、 自 主 的 ナ職 場委 員 会 ハ四 谷 局 ニ在 ル丈 ケデ ア ル、 然 シ テ此 委 員
カ報 告 ガ詳 カデ ナイ カ ラ不 明 デ ア ルガ 、今 日迄 入手 シ タ報 告 ニ依 レ
モノデ ア ル カ又 此委 員 会 ト彼 ノ 現業 委 員 会 ト 如何 ナ ル干 係 ニ立 ツ ノ
ノ ミデ ア ル、大 阪 其 他 ニ於 テ モ屡 々組 合 樹 立 運動 ガ 企 テ ラ レテ居 ル
会 ノ活 動 ノ実 践 ニ ヨ ツテ宣 伝 煽 動 ヲ他 局 ニ行 ツ テ居 ルト 云 フ事 デ ア
織 ノ 二 ツノ 運動 ガ進 メラ レ テ居 ル、 第 一ノ 職場 委 員 会 ト ハ如 何 ナ ル
ガ 、 現在 ノ処未 ダ表 面 的 ニ為 ツ テ居 ル モ ノ ハナイ 、 只大 阪 ニ ハ 一種
勃 発 ス ル。
ノ団 体 ガ組 織 サ レテ居 ルト 云 フ噂 ハア ルガ、 逓 友 同 志 会抔 ト モ何 等
ニ習 熟 シ大 衆 ヲ動 員 シ ツ ヽア ル、第 二 ノ 地域 的 支 部 聯 合 会 ノ組 織 ハ
ル、 又 東 工 、 品 川 、中 野 、麻 布 等 々ノ支 部 ハ従 業 員 大 会 ノ闘 争 方 法
三 現在 通信 労 働 者 ノ労 働 組 合 ハ東 京 ニ於 ケ ル総 同 盟系 逓 友同 志 会
ガ 通 信 労 働 者 ガ加 盟 シ テ居 ル。
ノ不 活溌 ニ対 ス ル直 接 ノ抗 議 ト シ テ組 織 サ レタ モノデ ア ツ テ、 現在
赤 松 ヲ初 ト シ テ 一連 ノ官 僚 幹 部 ニ ヨツ テ占 領 サ レテ居 ル東 部 諸 機 関
連 絡 ガ ナイ 様 デ ア ル、 但 シ各 地 ノ合 同 労 働 組 合 ニ ハ少数 宛 デ ハア ル
四 逓 友 同 志会 ノ組 織 ノ現状 ハ次 ノ如 クデ ア ル、
ソ シ テ此 処 デ ハ目下 闘 争 ノ協 議 ト ニ ユー スノ発 行 ヲ主 タ ル仕 事 ト シ
全 支 部 ヲ三 聯 合 ニ分割 シ、連 絡 及 或 ル程 度 ノ決 議 権 ヲ有 シ テ居 ル、
イ 組 合 員 総 数 千九 百 名 即 チ東 工支 部 七 百 、各 郵 便 局 千 二百 デ ア
ロ 支部 ハ東 京 市 内 外 ノ十 六 ノ郵 便 局 ニ夫 々支 部 ガ アリ 、更 ニ東
ル
テ居 ル。
ニ之 ガ行 ヘナイ場 合 ニ於 テ モ、何 等 カ ノ方 法 デ 全 協 ト同 盟 ト ノ組
選 出 シ、 全 協 ノ大会 ニ代 議 員 ヲ派 遣 シナ ケ レバ ナ ラ ヌ、 若 シ公 然
( 手当ノ本給繰 入レ)、 八時 間 労 働 、馘 首 反 対 、郵 便 区 縮 少 、選 挙 運
七 是等 ノ左翼 派 ノ掲 ゲ テ居 ル当 面 ノ ス ローガ ン ハ、給 料 二割 値 上
サ レネ バ ナ ラ ヌ。
織 的 指 導 干 係 ガ設 置 サ レ又 同 盟 ノ意 見 ガ全 協 ノ凡 ユ ル機 関 ニ反 映
ハ 此 同盟 ハ通信 労 働 者 ノ全 国 的 結 成 ヲ其 目標 ト シナ ケ レバ ナ ラ
動 及 政党 加 入 ノ自 由 等 々デ ア ル。 八 最 後 ニ最 近全 協 内 ノ 一同 志 カ ラ、 現 在 ノ逓 友同 志 会 ハ其 組 織 ガ
ニ 此 ノ為 メ ニ同 盟 ハ其 活 動 方 針 ト行 動 綱 領 ヲ決 定 シ、之 ヲ大 衆
ニ広 ク公表 ス ル必 要 ガ ア ル、 ソ レヲ能 フ ベ ク ンバ 、 現在 ノ逓 友 同
ヌ。
志 会 ノ機 関 紙 ヲ此 ノ同 盟 ノ手 ニ握 ル事 、若 シ夫 レガ不 可 能 ナ ラバ 、
ノ組 織 ニ拡 大 仕 様 ト セ ヌ コト 及 組 合 ノ上層 機 関 ヲ動 カ シ テ労 働 者 ノ
サ レ テ居 ル コト 等 々ノ理 由 ニ因 リ 、逓 友同 志 会 内 ノ左 翼 派 ハ逓 友 同
利 益 ヲ獲 得 セ ント スル事 ハ全 ク望 ミ ナイ事 、 反 対 ニ常 ニ利 益 ガ蹂躙
ホ 故 ニ同 盟 ハ通 信労 働 者 ノ全 国 的 活 動 ノ中 心 ト ナ リ又 其 指 導 者
同 盟 ハ別 ニ夫 自身 ノ機 関 紙 ヲ持 ツ事 ガ 必要 デ ア ル。
東 京 ニ限 ラ レテ居 ル コト 、組 合 ノ上層 機 関 ハ之 ヲ全 国 的 通 信 労 働 者
シタ方 ガ善 イ ノデ ハナイ カト 云 フ意 見 ガ提 出 サ レタ。
志 会 ヲ脱 退 シ、 全 国 的 通 信 労 働 者 ノ組 織 ヲ目 標 ト ス ル新 組 合 ヲ組 織
メ同 盟 ハ必要 ニ応 ジ テ全 国 ヘオ ル ガ ナイ ザ ー ヲ派 遣 ス ル事 ガ 必要
デ ア ル、 ソ シ テ同 盟 ハ此 組 織 シ タ労 働 者 ヲ固 ク同 盟 ノ指 導 下 ニ置
ト為 リ 、未 組 織 労 働 者 ヲ闘争 ニカリ出 シ、之 ヲ組 織 スル事 、其 為
提 出 サ レタ報 告 丈 ケデ ハ逓 友 同 志 会内 左翼 分 派 ノ活 動 ニ関 シ テ直 チ
ヘ 逓 友 同 志 会 ノ左 翼 派 ( 同盟) ハ斯 様 ニシ テ現在 ノ少 数 派 カ ラ
キ 、之 ヲ官 僚 幹 部 ノ手 ニ渡 サ ナ イ様 ニセネ バ ナ ラ ヌ。
九 我党 組 合 部 ハ全 協 本 部 カ ラ提 出 サ レタ報 告 並 ニ我党 自 身 ガ調 査
ニ全 般 的 且 ツ詳 細 ナ指 示 ヲ与 ヘルノ ニ ハ不充 分 デ ア ル、故 ニヨリ 一
シタ諸 情 勢 ニ基 キ 、全 協 本 部 ニ対 シ テ次 ノ如 キ指 示 ヲ与 ヘタ、 即 チ
層 詳 細 ナ報 告 ヲ要 求 ス ル、然 シ既 ニ提 出 サ レタ報 告 並 ニ我 党 ガ調査
作 ルト 云 フ事 ハ断 然 イ ケ ナイ 、 反 対 ニ逓 友 同 志会 内 左翼 派 ハ同 組
イ 逓 友 同 志会 内 ノ 左翼 派 ガ同 組 合 カ ラ脱 退 シ別個 ノ労 働 組 合 ヲ
代 表 者 会 議 等 々ガ活 用 サ レネ バ ナ ラ ヌ。
害 ニ基 ク種 々 ナ ル問 題 ヲ把 ヘテ地 方 的 職 場 代 表 者 会 議 並 ニ全 国 的
会 委 員 選 挙 戦 等 ヲ充 分 利 用 スル事 及 通信 労 働者 ノ切実 ナ ル日常 利
スル事 ガ必 要 デ ア ルト共 ニ、現 業 委 員 会 自 主 化 ノ闘 争 、 現 業 委 員
多 数 派 ニ転 ジ ナ ケ レバ ナ ラ ヌ、 其 為 メ ニ現在 遂 行 シツ ヽア ル職 場
合 内 部 ニ於 テ何 等 カ適 当 ナ名 称 ヲ以 テ職 場 ヲ基 礎 ト シタ強 固 ナ 左
ト 現 在 ノ地 域 的 支部 聯 合会 ハ同 盟 ガ成 立 シ テ モ解 体 スベ キデ ナ
委 員 会 、従 業 員 大 会 等 々 ノ形 態 ヲ以 テ大衆 ト ヨリ 一層 密 接 ニ結 合
翼 派 ノ同 盟 ヲ組 織 スベ キデ ア ル。
ク、 寧 ロ同 盟 ノ活動 舞 台 ト シテ有 効 ニ使 用 サ レネ バ ナ ラ ヌ、然 シ
シ タ諸 情 勢 ニ付 テ考 察 シ タ丈 ケ デ モ尚 次 ノ様 ナ事 ガ 逓 友 同 志 会内 左
ロ 此 同 盟 ハ全 協 ノ分 派 ト シ テ全 協 本 部 ノ指 導 ノ下 ニ活 動 ス ル事 、
翼 分 派 ノ活 動 ニ付 テ指 示 シ得 ル、
然 シ テ同 盟 ハ他 ノ全 協 加盟 ノ組 合 ト同 様 ニ全協 ノ諸機 関 ニ代 表 ヲ
現在 ノ如 ク此 地 域 的 支 部 聯 合 会 ヲ以 テ同 盟 ニ代 ヘルト 云 フノ デ ア
ト 職 別 ニ異 ル特 殊 ナ要 求 、例 ヘバ集 配 人 ニ特 有 ノ要 求 、 工夫 ニ
ヘバ刷 新 同盟 ノ如 キ ノ盟 主 ト ナ リ、 其 中 ニ於 ケ ル指 導的 地 位 ヲ占
翼 派 ト シ テ其 活 動 ヲ局 限 スベ キデ ナ ク、総 同 盟 全 体 ノ 左翼 派 、例
チ 更 ニ逓 友 同 志 会 ノ左 翼 派 ( 同盟) ハ単 ニ逓 友 同 志 会 ノ ミ ノ 左
運動 ノ舞 台 ト シ テ余 ス処 ナ ク其 効 用 ガ発 揮 サ レル ノデ ア ル。
居 ル、 従 ツ テ小 ブ ル的 意 識 ガ種 々ナ ル形 態 デ附 纏 ツ テ来 ル危 険
労 働 者 ハ工場 労 働 者 ノ如 キ集 合 労 働 デ ナ ク、 其作 業 ハ分 散 シテ
ル 作 業 状 態 カ ラ必然 ニ生 ズ ルイ デ オ ロギ ー ノ特 徴 、例 ヘバ通 信
ヌ 人 為 的 ナ階級 制 度 ノ状 態
リ 勤 務 及 交 替 ノ状 態
チ 休 日及休 憩 時 間 ノ状 態
特 有 ナ要 求等
メネ バ ナ ラ ヌ、夫 故 ニ現 在 ノ左 翼 派 ハ逓 友 同 志 会 ヲ脱 退 スベ シト
ガ ア ルト 考 ヘラ レ ル、 夫 レノ有 無 ト其 特 徴
ツ テ ハナ ラナ イ、 斯 様 ナ聯 合 会 ハ強 固 ナ同 盟 ガ ア ツ テ初 メテ左 翼
云 フ意 見 ハ正 ニ斯 ル重 大 ナ ル任 務 ヲ抛 棄 スル モ ノデ ア ツ テ絶 対 ニ
ワ 六 大 都 市 及 北海 道 、 九 州 ニ於 ケ ル通信 労 働 者 ノ密 集 状 態 及 全
等 カ ノ干 係 ノ有 無
オ 管 理 局 ノ分 布 状 態 及管 理 区劃 ト労 働 者 ノ組 織 並 ニ運動 等 ニ何
不 可 デ ア ル、反 対 ニ逓 友 同 志 会 ノ左 翼 派 ハ、 予 想 サ ル ヽ処 ノ官 僚 幹 部 ノ左翼 派 除 名 処 分 ニ対 シ テ執 拗 ナ ル戦 ヲ シ ナ ケ レバ ナ ラ ヌノ デ ア ル、 等 々デ ア ツ タ。 十 組合 部 ハ右 ノ指 示 ニ基 キ、 其 処 ニ指 示 セ ル逓 友 同 志会 内 左翼 派
体 ト ノ比 率
ヨ 逓 友同 志 会 ノ過 去 ノ主 タ ル闘 争 ト其 結 果
カ 過 去 ノ主 ナ ル闘 争 及 自 然 発 生 的 小争 議 ノ共 通的 原因
ノ同 盟 ヲ如 何 ナ ル名称 ノ下 ニ、如 何 ナ ル形 態 デ 組 織 スベ キ カ又其 活 動 方 針 及 行 動綱 領 等 々 ヲ具 体的 ニ決 定 ス ル為 メ ニ、 逓 友 同 志 会 内 左
レ 逓 友同 志 会 内 ニ於 ケ ル今 日迄 ノ左翼 運動 ノ概略 等 々
タ 逓 友同 志 会 各 大 会 ニ於 ケ ル中 心 問 題 ト其 決 定
翼 派 ノ代 表 者 及 全 協 ノ代 表 者 ト ノ合 同会 議 ヲ開 ク事 ニ決 定 シ、 直 チ ニ其 準 備 ニ着 手 シ タ、 ソ シ テ此 会 議 ニ於 ケ ル討 議 ノ準 備 ノ為 メ ニ尚
針 ニ基 イ テ活 動 ヲ開 始 シツ ヽア ル等 々。
友 同 志 会 内 左翼 派 ハ我 党 ノ指 示 シ タ方針 ニ賛 成 シ、既 ニ事 実 上其 方
メ ニ開 催 ニ至 ラズ 、目 下 第 二回 会 合 ヲ準 備 中 デ ア ル、但 シ全 協 及逓
十 一 此 テ ー ゼ作 成 及 同 盟 結 成 ニ付 テ ノ会 議 ハ第 一回 ハ行違 ヒ ノ為
左 ノ諸 項 目 ニ付 テ能 フ限 リ ノ調 査 ヲ為 シ、材 料 ヲ提 出 スベ キ事 ヲ逓 友 同 志 会 内 左 翼 派 ノ代 表 ニ指 示 シタ 、
ロ 強 制 貯 金 ノ有 無
イ 通 信 労 働 者 ニ特 有 ナ ル疾 病 ノ有 無
ハ 罰 則 ニ付 テ
三 問 被 告 ノ所 謂 全 協 内 ノ 一同 志 ト ハ誰 ノ事 カ。
四 問 次 ニ交 通労 働 者 ノ組 織 ト 日本 交 通 労 働 総 聯 盟 内 左 翼 派 ノ結 成
答 夫 レ ハ申 上 ゲ ラ レ マセ ヌ。
ニ 共 済 組 合 ノ現 状 ト其 対 策 ホ 現 業 委 員 会 及 委 員 並 ニ其 対 策 ヘ 電 話 交 換 手 ニ対 スル対 策 ノ有 無 、其 必要
ニ干 ス ル報 告 ノ内 容 如 何 。
ハ単 ニ自 治会 ノ左翼 分派 ト シテ止 ル事 ナ ク同 時 ニ全国 的 立場 ニ立 チ、
ノ統 制 権 ヲ持 ツ テ居 ナイ 、此 種 ノ聯 盟 ガ資 本 ト ノ闘 争 ニ於 テ無 力 デ
シ此 聯 盟 ハ全 ク文 字 通 リ ノ聯 盟 デ ア ツテ、 各 加 盟 組 合 ニ対 シ テ何 等
鉄 道 及 海 員 ヲ除 ク全交 通 労働 組 合 ガ加 盟 シ テ居 ル ト 云 ツテ 良 イ 、然
ケ レバ ナ ラ ナイ 、 日本交 通労 働 総 聯 盟 ニ ハ形 式 的 ニ ハ日本 ニ於 ケ ル
総 聯 盟 ト此 聯 盟 ニ於 テ主 導 勢 力 ヲ占 メ テ居 ル自 治 会 ニ付 テ注 意 シ ナ
一 交 通労 働 者 ノ組 織 ヲ問 題 ニ スル場 合 ニ ハ、我 々 ハ日本 交 通 労 働
ソ シ テ之 ガ具 体 的 ナ点 ニ干 シ テ ハ最 近自 治 会 内 ノ我 党 員 ト 会合 ヲ開
メト シ テ左翼 分 派 ノ組 織 ヲ必 要 ト 認 メ ル モ ノデ ア ル等 々デ ア ツ タ、
為 メ ノ努 力 ヲ抛棄 ス ル モノデ ナ ク、 反 対 ニ其 為 メ ニ コ ソ自 治 会 ヲ初
ト 又自 治 会 ヲ全 体 ト シテ全 協 ニ加 盟 サ セ、 此運 動 ノ中 心 勢 力 ニ スル
論 此為 メ ニ ハ日本 交 通労 働 総 聯 盟 ヲ左翼 派結 成 ノ為 メ ニ利 用 スル コ
的 集中 的 ナ 左翼 派 ノ結 成 ヲ行 ヒ、 此 左翼 派 ヲ全 協 ニ加 盟 サ ス事 、 勿
執 ル事 、之 ヲ要 ス ル ニ、 日本 交 通 労働 総 聯 盟 ノ中ニ 一
良 主義 ト 戦 ヒ、各 交 通労 働 組 合 内 ニ左 翼 派 ヲ形 成 シ、全 国 的 連 絡 ヲ
今 ヤ明 カ ニ流 行 ト ナ ツタ各 地 ノ交 通 労 働 組 合 ニ於 ケ ル右 傾 幹 部 ノ改
ア ル事 ハ従 来 デ モ然 ウ デ ア ツタ ガ、 最 近 ノ横 浜 市 電 ノ スト ライ キ ニ
キ討 議 スル コト ニ為 ツ テ居 ル。
答 夫 レ ハ大 体 次 ノ様 デ ア ツ タト 記 憶 シ マス、
於 テ又夫 レヲ証 明 シ タ、 此聯 盟 ハ再 組 織 サ レネ バ ナ ラ ヌ。
四 又党 ハ最 近 自 治会 ニ在 ル我党 員 ヲ動 カ シテ共 済 組合 役員 改 選 ノ
意 見 ヲ聞 イ タ上 デ決 定 指 示 シタ方 針 ハ、
選 挙 戦 ヲ指 導 シ タ、 此 選挙 戦 ニ付 テ自 治 会 内 ノ我 党 フ ラ ク シヨ ンノ
ノ強 固 ナ全 国
ハ自 治 会 側 ノ有 利 ニ発 展 シ ツ ヽア ル、最 近発 表 シ タ行 動 綱領 ハ二、
二 自 治 会 ハ現 在 会員 約 九 千名 ヲ有 シ、斯 ノ現 実 同 盟 ト ノ合 同問 題
シテ居 ル事 ヲ除 ケ バ 大 体申 分 ナイ モノ デ ア ル、又 日本 交 通 労働 総 聯
(八) 従業 員 ニ ヨ ル共 済 組 合 ノ管 理断 行 ヲ掲 ゲ ル事
( 七) 共済 組 合 ニ対 スル局 長 ノ独 裁 反 対
( 六) 部会 委 員 、 組 合 長 及 事 務 長 ノ従 業員 ニヨ ル公 選 、 局 長 ノ任 命 反対
(五) 貸 与 金 ノ利 子撤 廃
(四) 食 堂 ノ賄 改 善
( 三) 日用 品 ノ三割 値 下
( 二) 恩給 年 限十 年 ニ短 縮
( ) 一 退 職 金 ノ五割 増
イ ス ローガ ント シ テ
三 ノ点 、 例 ヘバ 市 政参 与 ノ自 由 ト カ 、各 無 産 政 党 等 ノ合 同 等 ヲ主 張
盟 ニ対 シ テ ハ、 中 央機 関 ヲ強 化 シ中 央 集 権 化 スル事 ヲ主 張 シ テ居 ル、 更 ニ月 二回 発 行 ノ自治 会 機 関 紙 交 通 労 働 新 聞 最 近 号 ノ社 説 ハ、今 後 交 通産 業 ノ全 国的 立場 ニ立 ツテ宣 伝 煽 動 及 組織 ノ任 ニ就 ク事 ヲ力 説 シ 、従 来 自 治会 本 位 ノ 立場 ニ立 ツ テ居 タ事 ヲ誤 リ ナ リト自 己批 判 シ テ居 ル故 ニ、自 治 会 ハ全 体 的 ト シテ 一見 左 翼 的 ニア ル カ ニ見 ユ ル、
キ任 務 ニ就 キ得 ナイ ト 云 フ事 ヲ暴 露 シ タ。
然 シ最 近 ノ横浜 市 電 ノ スト ラ イ キ ニ於 テ自 治 会 モ亦 其 儘 デ ハ新 ラ シ
三 我 党 ガ 自治 会 ノ左翼 派 ニ指 示 シ タ当 面 ノ任務 ハ、各 職 場 ヲ単 位 ト シ テ自 治会 内 ニ強 固 ナ 左翼 分 派 ヲ組 織 ス ル事 、各 職 場 ニ於 ケ ル分 派 ノ代 表 者 会議 ( 委員会) ヲ組 織 スル事 、而 シ テ自 治 会 ノ 左 翼 分 派
此 共済 組 合 ノ機 関 ガ 一種 ノ伏 魔 殿 ト為 ツ テ居 ルカ ヲ具 体 的 事 実 ヲ
ツ テ居 ル事 及如 何 ニ官 僚 幹 部 ガ当 局 ト 取 引 シ テ居 ルカ ト 云 フ事 又
ハ 従来 此 共済 組 合 ノ機 関 ガ当 局 ガ官 僚 幹 部 ヲ買 収 スル機 関 ト為
ロ 左翼 労 働 者 ヲ候 補 者 ニ立 テ ル事
更 ニ交 通 ノ場 合 ト モ違 ヒ又 通 信労 働 者 ノ場 合 ト モ相 違 スル、 即 チ交
等 々 ノ如 ク直 チ ニ此 協 議会 ヲ全 協 ノ 一構 成 要 素 ト ス ル事 ガ出 来 ヌ事 、
衰 微 ト全 協 外 ノ組 合 ガ 総 体 的 力 ノ大 キ イ事 ノ為 ニ金 属 、印 刷 、木 材
協 議 会 ハ全 協 系 組 合 ニ依 ツ テ指 導 権 ヲ握 ツ テ居 ル ガ、 夫 自 身 ノ力 ノ
ノ電 気 産 業 労 働 者 ノ組織 対策 ハ極 メ テ複 雑 ナ様 相 ヲ呈 ス ル、 即 チ此
通 ノ場 合 ニ ハ自 治 会 ガ ア ルガ 、 夫 レ ハ全 協 ノ加 盟 組 合 デ ハナ ク又 交
挙 ゲ テ暴 露 ス ル事 等 デ ア ツ タ
ニ ハ其 可 能 [ 性] ガ ア ル、 又 通 信 デ ハ総 同盟 内 ノ分 派 ノ強 大 化 デ ア
通 聯 盟 モ全 協 ノ 一構 成 要 素 ト スル事 ハ出 来 ナ イ 、然 ル ニ電 気 ノ場 合
五 最 後 ニ尚 党 ハ自 治 会 ノ我 党 フ ラ ク シ ヨ ン ニ対 シテ鉄 道 、 電 車 、 自 動 車 、船 舶 等 ノ従業 員 ノ代 表 者 会 議 ヲ開 キ 、共 同 ノ綱 領 ヲ作 成 ス
ツ テ、独 立 組合 ハナ イ ノ デ ア ル。
ル運 動 ヲ起 ス事 ヲ指 示 シタ。 五問 次 ニ電 気 事 業 労 働 者 ノ組 織 ト左翼 分 派組 織 ニ干 ス ル報 告 ノ内
二 斯 様 ナ条件 ヲ考 慮 シ テ電 気 産 業 労 働 者 ノ組 織活 動 テ ーゼ ヲ作 成
ル項 目 ハ次 ノ如 クデ ア ル、
スル事 ニシ タ、 目下 其 草 案 作 成 中 デ ア ツテ 、其 処 ニ取 扱 ハレ ル主 ナ
容 ハ。 答 夫 レ ハ大 体次 ノ如 クデ ア ツ タト 記 憶 シ マス。 一 電 気 産 業 労働 組合 協 議 会 ノ現 状 ハ、 其 加 盟 組 合関 東電 気 労 働 、
( 二) 電 気 事 業 労 働 者 数 ト其 分布 状 態
( ) 一 電 気 事 業 ノ概 観
約 二千 名 デ ア ル、此 協 議 会 ニ於 テ指 導 勢 力 タ ルベ キ関 東電 気 ガ 、前
( 三) 労 働 状態 ト労 働 条 件
関 西 電 気 労働 、 大阪 電 気 労 働 及 東 京 市 電 協 同 会 ノ四団 体 ニ シ テ其 数
年 ノ争 議 ノ惨敗 後 一握 ノ少 数 ニ衰 微 シ テ以 来 其 活 動 ガ 一挙 ニ弱 マリ、
(四) 労 資 対 立 ノ現勢 ト其 特 長
イ 関 東電 気 労働 組 合 ノ再 建 、 夫 レト不 可 分 ノ干 係 ニ立 ツ東 電
(六) 左 翼 当 面 ノ任務
(五) 労 働 組合 運動 ト 現勢
其 後 ノ発 展 ガ ナ ク、 今 日 ニ於 テ ハ僅 カ ニ機 関 紙 ヲ断 続 的 ニ発 行 シテ 居 ル ニ過 ギ ナイ 、 大 阪電 気 労 働 ハ斯 ノ三・一 五事 件 後著 シ ク右 傾 シ、
左 ヘ復 活 シ、 此協 議 会 ニ モ好 意 ヲ示 ス様 ニ為 ツ テ来 タ、 之 ニ反 シ テ
此 協 議 会 ニ対 シ テ モ極 メ テ消 極 的 態 度 ヲ取 ツ テ居 タ、然 シ最 近稍 々
派 ノ定 期的 発 行 、 組 織 部 ノ充 実 ト其 活 動
ロ 電 気 産 業 労 働 組 合 協 議 会 ノ強 化 即 チ中 央 機 関 ノ充 実 、機 関
ハ 未 組織 労 働 者 ヲ組 織 シ電 気 産 業 労働 組 合 協 議 会 ニ加 盟 サ ス
従 業 員 組合 内 ニ左翼 分派 ヲ組 織 ス ル事
全 協 ノ 一構 成 要素 ト シ テ組 織 サ レタ モノデ ナイ ト 云 フ事 、 ソ シテ此
ト同 時 ニ全 協 ニ加 盟 サ ス事
関 西 電 気 労 働 ハ益 此協 議 会 ニ積 極 的 ト 為 リ、 現 在 デ ハ此協 議 会 ノ有
協 議 会 ノ指 導 権 ハ依 然 ト シ テ関 東 電 気 ガ握 ツ テ居 ルガ 、其 肝 心 ノ関
力 ナ支 柱 ト 為 ツ テ居 ル、然 シナ ガ ラ此 協 議 会 ノ弱 点 ハ、此 協 議 会 ガ
東 電 気 ガ殆 ンド 潰滅 状 態 ニ為 ツ テ居 ルト 云 フ事 デ ア ル、 夫故 ニ我 々
三 又関 東 電 気 ニ対 シ テ ハ最 近同 組 合 ガ発 表 シ タ方 針 書 ヲ批 判 シ、
引 込 ム事 デ ア ル、等 々デ ア ツタ。
次 ノ如 キ指 示 ヲ与 ヘタ、
ニ 現在 事 実 上 全 協 内 ノ組織 ト為 ツ テ居 ル処 ノ電 気 産 業 労 働組 合 協 議 会 ヲ速 カ ニ形 式 的 ニモ全協 内 組 織 ト スル為 メ ニ努 力 ス ル
ヲ正当 ニ導 イ テ居 ナイ ト 云 フ事 デ ア ル。
労 働 者 大 衆 ハ闘 争 欲 求 ニ燃 エテ居 ルガ 、関 東 電 気 労 働 組 合 ガ夫 レ
案 ニ ハ闘 争 的 意 気 ガ 溢 レ テ居 ル、之 ハ何 ヲ意 味 ス ルカ ト 云 ヘバ 、
ヲ辿 ツ テ居 ル、而 モ其 支部 発 会 式 ニ於 ケ ル労 働 者 ノ演 説 及 提 出 議
( 二) 然 ル ニ 一方 御 用 組合 タ ル東 電 従 業 員 組 合 ハ最 近益 増 大 ノ 一途
遺 憾 ナ ガ ラ然 シ此事 ヲ正 シ ク認 ムベ キ デ ア ル。
ノ関 東 電 気 労働 組合 ハ全 ク 一握 リ ノ少 数 ニ為 ツ テ居 ル ノデ ア ル、
) ( 一 関 東 電気 労 働組 合 ハ自 己 ノ実 勢 力 ヲ過 重 評 価 シ テ居 ル、 現 在
事 、此 際 大 阪 電 気 労 働 、関 西電 気 労 働 ガ全 体 ト シ テ然 ウ為 リ得 ナ イ場 合 ニ ハ、 夫 等 ノ内部 ニ左翼 分 派 ヲ組 織 シ此 為 メ ニ戦 フ コ ト ( 但 シ此項 ノ詳細 ハ関西電気 及大阪電気労働内 ノ党 フラ ク シヨント 協議 ノ上決定 スル事)
ニ参 加 セ シ メ ル事
ホ 其 他 ノ電 気 産業 労働 者 ノ団 体 内 ノ左 翼 分 派 ヲ組 織 シ協 議会
ヘ 電 気 産 業 労 働者 ノ共 通的 要 求 (七) 最 後 ニ此 闘 争 遂 行 上注 意 スベ キ コト ロ 工場 委 員 会 ノ組織 及既 存 ノ工場 委 員 会 ノ自 主 化 ノ闘 争
イ 共 済 組 合 自 主 化 ノ闘争
メ ニ地味 ナ活 動 ヲ為 シ、来 ルベ キ戦 ノ為 ニ力 ヲ養 フト共 ニ、 改 良
(三) 関 東 電 気 労 働 組 合 ハ彼 ノ争 議 敗 北後 労 働 者 ノ部 分 的 要 求 ノ為
主 義 裏 切 幹 部 ノ御 用 組 合 組織 運動 ニ対抗 スベ キ デ アツ タ 、然 ル ニ
ハ 同 一企 業 系 統 又 ハ地方 的 及 全 国 的 等 々、 種 々 ナ ル形 態 ニ於 テ電 気 事 業 労 働 者 ノ代 表者 会 議 ノ開 催
関 東 電 気 労働 組 合 ハ専 ラ裏 切幹 部 ノ暴 露 攻 撃 ニ ヨツ テ御 用 組合 組
北 数 ケ月 ノ特 殊 性 ヲ正当 ニ把 握 シナ カ ツ タ ト同 様 ニ又 現 在 ノ瞬 間
ヲ中 心 ト シ タ数 ケ条 ニ過 ギ ナイ 、即 チ関 東 電 気 労 働 組 合 ハ争 議 敗
織 計 画 ヲ粉砕 仕 様 ト シ テ来 タ 、 ソ シテ掲 ゲ テ居 ル要 求 ハ解 雇 反 対
ニ 瓦 斯 、 水 道 等 所謂 公共 事 業 労 働 者 ト ノ合 同会 議 ノ開 催
ク分 散 的 ダ カ ラト 、全 体 ヲ支 配 シテ居 ル請 負 制 度 カ ラ来 ルノ デ ア
而 モ小 ブ ル ジ ヨア的 ナ モ ノガ多 イ事 、夫 レ ハ作 業 ガ 集 合労 働 デ ナ
ニ於 ケ ル特 長 ヲ モ正 シ ク見 テ居 ナ イ。
(八) 最 後 ニ電気 労 働者 ノ要 求 ガ非 常 ニ複 雑 デ ア リ、 多 岐 ニ亙 リ 、
ル事 ヲ考 慮 シ、請 負 制 度 ヲ撤 廃 シ、 総 テ ノ労 働 条 件 ヲ単 純 化 ス ル
︵四︶ 昨 年 末 ノ数 ケ月 ハ争 議 敗 北 ノ後 ヲ受 ケ テ労 働 者 ハ争 議 前 ノ如
要 スル ニ其 労働 条 件 ト作 業 状 態 ノ反 映 ニ外 ナ ラ ナイ ノデ ア ツテ、
味 ナ活 動 即 チ スト ラ イ キ ノ煽 動 デ ハナ ク、組 合 勢 力 ノ 引締 メ及 未
ハ争 議敗 北 ノ原 因 ヲ探 究 シ、 来 ルベ キ闘争 ノ為 ニ準 備 ス ル処 ノ地
キ闘 士 ヲ欠 イ テ居 タ 、要 スル ニ一般 ニ沈 滞 期 デ ア ル故 ニ、 此時 ニ
事 ニ努 メ ル事 。
此 特 殊性 ヲ神秘 化 シ テ ハナ ラ ナ イ、 此 克 服 ハ労 働 条 件 ヲ単 純 化 ス
組 織労 働 者 組 織 ノ為 メ ノ煽 動 宣 伝 及 組織 的 ナ活 動 ガ必 要 デ ア ツ タ、
(九) 所謂 電 気事 業 労働 者 ニ於 ケ ル特 殊 性 ト 称 スル小 ブ ル意 識 ハ、
ルト 共 ニ、常 ニ他 ノ労 働 者 ト 接 触 ヲ図 リ、全 体的 労 働 運 動 ノ中 ニ
合 ハ争 議 当 時 ノ ス ロー ガ ント変 ル処 ナ キ ス ロー ガ ンヲ以 テ大衆 ニ
而 シテ此 沈 滞 気 分 ヲ打 破 ス ル事 デ ア ツタ、 然 ル ニ関 東電 気 労働 組
ニ其 ス ロー ガ ンヲ変 更 シ ナケ レバ ナラ ヌ、然 シテ大 衆 ノ部 分 的 要
対 ス ル只 管 ナ ル防 禦 ノ ス ローガ ン カラ積 極 的 攻 撃 ヘノ ス ローガ ン
( 七) 関 東 電 気 労 働 組 合 ハ直 チ ニ会 社 及 堕 落 幹 部 カ ラ ノ組 合破 壊 ニ
大衆 ガ是 以 上御 用 組 合 ヘ走 ル事 ヲ阻 止 ス ル事 、 又 一方 東 電 従 業 員
処 ノ煽 動 宣 伝 及 組 織 的 活 動 ヲ開 始 シ、組 合 ノ力 ヲ強 化 スル ト共 ニ、
求 ヲ余 ス処 ナ ク取 上 ゲ テ 一層 不平 不満 ヲ激 発 シ、 大 衆 ヲ結 束 スル
闘 争 ヲ要 求 シ タ、 其結 果 ハ関 東 電 気 労 働 組 合 カ ラ大 衆 ガ離 去 ツタ ノ デ ア ル。
組 合 内 ニ左 翼 分 派 ヲ組 織 シ之 ヲ獲 得 ス ル事 デ ア ル。
(五) 然 シ本 年 ニ這 入 ツ テ カ ラ ハ形 勢 ハ変 化 シテ居 ル、 其 後 ノ資 本
ヤ又大 衆 ハ闘 志 ヲ回 復 シ始 メ ツヽ ア ル、即 チ労 働 大 衆 ハ退 却 カ ラ
家 側 ノ非 人 間 的 ナ圧 迫 ト 頻 々 タ ル労 働 条 件 ノ引 下 ゲ ノ為 メ ニ、今
ト ノ間 ニ対 立 ガ生 ズ ル事 ハ明 白 デ ア ル、而 カ モ大衆 ハ明 カ ニ関 東
従業 員 組 合 幹 部 ノ裏 切 ノ正 体 ガ再 ビ白 日 ノ下 ニ曝 ケ出 サ レ、 大 衆
(八) 関 東 電 気 労 働 組 合 ガ 斯 ノ如 ク闘 争 ノ先頭 ニ立 ツ ナ ラ バ、 東 電
其 支部 発 会 式 ニ於 ケ ル労 働 者 大 衆 ノ要 求 ガ之 ヲ示 シテ居 ル、然 ル
逆 襲 ニ転 ジ始 メ ツヽ ア ル、 最 近 ノ東 電 従業 員 組 合 ノ急 激 ナ ル増 大 、
ニ関 東 電 気 労 働 組 合 ハ此 新形 勢 ヲ正当 ニ把 握 シ得 ズ 、依 然 ト シ テ
ノ圧迫 ガ ア ル ニ モ拘 ラズ 、 尚 多 ク ノ戦 闘 的 分 子 ガ 御用 組 合 ニ加 盟
ス ル事 ヲ杜 絶 シ、関 東 電 気 労 働 組 合 ノ活 動 ヲ期 待 シ テ居 ル事 、 又
電 気 労 働 組 合 ノ復 活 ヲ切 望 シテ居 ル、 夫 レ ハ凡 ユル資 本 家 側 カ ラ
既 ニ御 用組 合 ニ走 ツタ大 衆 スラ其 支 部 発 会 式 ニ於 テ公然 関 東 電 気
槍 デ進 ンデ居 ル、 ソ シ テ東 電 従 業員 組 合 ノ急 激 ナ ル増 大 ヲ単 ニ御 用 組合 ノ勢 力 ノ増 大 ト見 テ、 其 中 ニ含 マレ テ居 ル大 ナ ル矛 盾 ヲ看
馘 首反 対 を中 心 ト スル ス ロー ガ ン ヲ掲 ゲ 且 ツ裏 切幹 部 攻 撃 ノ 一本
過 シ テ居 ル。
見 レバ判 ル。
ナ ク、 反 対 ニ断 然 モウ 一戦 争 スベ ク其 戦 闘機 関 ト シ テ参 加 シテ居
東 電 気 労 働 組合 ハ我党 ノ指 示 シタ右 ノ方 針 ノ下 ニ、 最 近新 ニ組 合 本
四 電 気 産業 協 議会 ノ活 動 テー ゼ正 文 ハ未 ダ出 来 テ居 ナイ 、然 シ関
労働 組 合 ノ衰 微 ヲ嘆 キ、 強 キ団 結 ト闘 争 ノ必 要 ヲ叫 ンデ居 ルノ ヲ
(六) 最 近恰 モ雪 崩 ヲ打 ツ ガ如 ク ニ大衆 ガ東 電 従業 員 組 合 ニ加 入 シ テ居 ル ノ ハ、決 シテ是 等 ノ大 衆 ガ資 本 家 ト協 調 セ ンガ為 メ ニデ ハ
ル ノデ ア ル、然 ル ニ此 大 衆 ノ要 求 ハ断 ジ テ東 電 従業 員 組 合 ニ ヨ ツ
部 機 関 ノ陣 容 ヲ樹直 シ積 極 的 活 動 ヲ開 始 シ タ、 等 々
人 三 田 村 四 郎
テ ハ実 現 シ得 ナイ モノ ナ ノデ ア ル、 ソ シ テ裏 切幹 部 ハ此 新 ニ台 頭
告
デ ア リ マシ タ。
即 日於 前 同 所
東 京 地 方裁 判 所
右 読 聞 ケ タ ル処 無相 違 旨 申 立署 名拇 印 シタ リ。
被
シタ大 衆 ノ資本 家 ニ対 ス ル闘 争 欲 求 ヲ巧 ニ関 東 電 気 労働 組 合 攻 撃 ニ転 化 ス ル事 ニ ヨツ テ欺瞞 シ テ居 ル、然 ラ バ斯 カ ル現象 ガ 一体 什 ウ シ テ出 来 タ カト 云 ヘバ 、要 ス ル ニ関 東 電 気 労 働 組 合 ガ彼 ノ支 部
ゲ テ積 極 的 ナ活 動 ヲ シ テ居 ナイ カ ラ デ ア ル。
発 会 式 デ 大 衆 ガ絶 叫 シ テ居 ル様 ナ部 分 的 ナ要 求 ヲ余 ス処 ナ ク取 上
予 審 判 事 秋 山 高 彦
裁 判 所 書 記 安 武 六 郎
( ) 一 日本 ニ於 ケ ル労 働 者 ト資 本 家 ト ノ闘 争 ハ 一九 二 七年 以来 労 働 者
側 ノ敗 北 ガ 目 立 ツ テ来 タ 、労 働 争 議 ハ労 働 者 側 ノ要求 ニ端 ヲ発 ス ル
モ ノガ減 ジ テ、資 本 家 側 ノ挑 戦 ニ端 ヲ発 スル モ ノガ漸 次 増加 シ、最
ツ テ来 タ。 日本 ノ資 本 家 ハ政 府 ノ反 動 政 策 ト 社会 民主 々義 者 ノ裏 切
タ。然 ル ニ 一九 二九 年 ニ這 入 ツ テ カ ラ新 タ ナ ル労 働 争 議 ノ波 ガ昂マ
近 ニ於 テ ハ全 労 働 争 議 件 数 中 ノ約 六 割 ヲ占 メ ル様 ナ状 態 ニ為 ツテ来
右 治 安 維 持 法 違 反 被 告 事 件 ニ付 、 昭 和 六年 一月十 五 日豊 多 摩 刑 務 所
ノ助 ケ ヲカ リ テ急 速 ニ産 業 ノ資 本 家 的合 理 化 ヲ遂 行 シ、著 シキ成 功
人 三 田村 四 郎
ニ於 テ 、 予審 判 事 秋 山 高 彦 ハ裁 判 所 書 記 安武 六郎 立 会 ノ上 前 回 ニ引
ヲ納 メ タ。 夫 レ ハ今 モ尚鋭 意 進行 ガ続 ケ ラ レ テ居 ル。然 ル ニ労 働 大
告
続 キ右 被 告 人 ニ対 シ訊 問 ス ル コト 左 ノ如 シ。
衆 ハ此 資 本 家 的 産 業 合 理 化 ガ 社会 民 主 々義 者 ノ言 フ様 ナ ﹁ 労働者 ヲ
被
一問 四月 上 旬 ノ組合 部 会議 ニ於 ケ ル全 協 本 部 ノ活 動 並 ニ全協 本 部
第 四 十 八 回 訊 問 調書
ニ対 スル組 合 部 ノ指導 ニ干 ス ル報 告 及 若 干 ノ分 派 ニ対 スル指導 ニ付
憶 シ マス。 只此軈 テ作 製 サ ルベ キ当 面 ノ任務 ノ最 モ重要 ナ諸点 ヲ抜
マシ タガ 、 私 ガ逮 捕 サ レ ル迄 ニ ハ未 ダ成 文 ニ為 ツ テ居 ナ カ ツタ ト記
ト 云 フ決 定 ヲ シ マシタ 。此 当 面 ノ任 務 ハ其 後 直 グ 草 案作 製 ニ取 掛 リ
産 党 ト シ テ ノ総 括 的 ナ対 組合 運動 当 面 ノ任 務 ヲ決 定 スル必 要 ガ ア ル
特 長 デ ア ル。 ダ カ ラ此新 タ ナ労 働 争 議 ノ波 ガ最 モ著 シ ク資 本 家 的産
抗 ヲ試 ミ始 メ タ。 之 ガ 今 日新 タ ニ昂 マリ来 レル処 ノ労 働 争 議 ノ波 ノ
広 汎 ナ ル大 衆 ハ此 資 本 家的 産 業 合 理化 ノ結 果 ニ対 シ テ自 然 生 長 的反
而 シ テ今 ヤ其 ノ内在 的 矛盾 ガ暴 露 シ始 メ タ ノデ ア ル。 即 チ労働 者 ノ
反 対 ニ合 理 化 ノ成 功 ハ資本 主 義 ノ危 機 ヲ 一層 増 大 ス ル ニ過 ギ ナ イ。
タ。 資 本 家 的 産 業 ノ合 理 化 ハ資本 主 義 ノ安 定 ヲ齎 ラ ス モノ デ ナ ク、
幸福 ニス ル﹂ モノデ ナ イ ト 云 フ事 ヲ実 際 ノ生 活 ヲ通 シ テ痛 感 シ始 メ
出 シ テ諸 同 志 ニ ヨ ツ テ宣 伝 文 章 ガ起 草 発 表 サ レ マシ タ。他 ノ同 志 ノ
シ寄 セ テ来 タ事 、 並 ニ労働 者 ガ等 シク人 員 ノ増 加 、 賃 銀 ノ値 上 、時
業 合 理 化 ノ進 捗 シ タ交 通 、機 械 、金 属 、 紡 績 等 々ノ産 業 ノ最 先 ニ押
答 会 議 ハ全 体 ト シ テ報告 ヲ承認 シ マ シタ。 ソ シ テ会 議 ハ日本 共
テ ノ報 告 等 ニ対 シ テ会 議 ハ如 何 ナ ル決 定 ヲ シ タ カ。
発表 シ マシタ。
事 ニ付 テ ハ 一切申 上 ゲ マセ ヌ ガ、 私 モ同 様 ニ二 ツ ノ宣 伝 文 章 ヲ起 草
的 不 平 及 要 求 ヲ以 テ立 上 ツ テ来 タ事 ハ決 シ テ偶 然 デ ハナイ 。 蓋 シ資
間 ノ短 縮 、健 康 保険 法 ノ改 正 、苛 酷 ナ ル労 働 監 督 ノ排 斥 等 々 ノ共 通
答 其 一 ハ ﹁ 新 た な る スト ラ イ キ の波 ﹂ ト 題 シ、 他 ノ 一ツ ハ ﹁改
二問 被 告 ガ起 草 発表 シタ宣 伝 文 章 ハ如 何 ナ ル モ ノデ ア ツタ カ。
デ長 時 間 而 モ厳 重 ナ監 督 ノ下 ニ極 度 ナ緊 張 ヲ以 ツ テ能 率 ノ発揮 ヲ強
本 家 的 産 業合 理 化 ハ労 働 人 員 ヲ減 少 シ、実 質 賃 銀 ヲ引 下 ゲ、 少 人数
ア ル。
制 サ レ、 労 働 者 ハ急激 ニ心身 ヲ消 耗 シ、 生 命 ヲ破 壊 シ テ行 ク カ ラデ
良 主 義 組 合 内 に於 け る革 命 的 分派 の問 題 ﹂ ト 題 スル モノ デ ア ツテ 、
ニ記 憶 シ マセ ヌ ガ、其 要 点 ハ次 ノ如 キ モノデ ア リ マシタ 、即 チ冒 頭
第 一ノ ﹁新 た な る スト ライ キ の波 ﹂ ト題 スル文章 ノ内容 ハ只 今 確 実
ニ ﹁新 た な る スト ラ イ キ の波 ﹂ ト題 シ、
ツ タ。 又交 通産 業 デ ハ同 ジ ク横 浜 市 電 ノ従業 員 ガ スト ラ イ キ ヲ敢 行
機 械 金 属産 業 デ ハ横 浜 ド ツ ク ノ労 働 者 四 千 五 百 名 ガ闘 争 ノ火 蓋 ヲ切
工場 ニ於 テ自然 発 生 的 ナ労 働 者 ノ反 抗 ト争 議 ガ次 々ト勃 発 シテ居 ル。
( 二) 紡 績 産 業 ニ於 テ ハ彼 ノ深 夜 業 ノ廃 止 ヲ契 機 ト シ テ、全 国各 地 ノ
共 ハ従 業 員 ヲ ﹁暖 カ キ家庭 ニ帰 ス﹂ ト称 シテ、 実 ハ資 本 家 ノ搾 取 ノ
リ ツ ク ナ理由 デ スト ライ キ ヲ急 遽 打 切 ツ テ了 ツ タ。 彼 等 日和 見幹 部
家 側 ト妥 協 シ ﹁労働 者 ヲ暖 キ家 庭 ヘ帰 ス﹂ ト 云 フ前 代 未 聞 ノ ヒ ス テ
ニ ヨツ テ行 ハレタ。 自 治 会 ノ 日和 見幹 部 ハ此横 浜 市 電 ノ スト ラ イ キ
テ横浜 市 電 ノ堕落 幹 部 ト同 様 ナ裏 切 ガ東 京 市電 自 治会 ノ日和 見幹 部
坩 堝 ノ中 ヘ従業 員 ヲ叩 キ込 ンダ ノデ ア ル。 此 スト ライ キ ノ過 程 ニ於
ガ勃 発 シタ 翌 日 ﹁我 自 治 会 ハ此 際 スト ラ イ キ ヲ起 ス様 ナ事 ナ ク暫 ク
シ タ。 ダ ガ遺 憾 ナ事 ハ、 大 衆 ノ斯 ノ如 キ急 激 ナ ル闘 争 力 ノ成 長 ニ比 シ テ、其 指 導 力 即 チ革 命 的 労 働 組合 ノ勢 力 ノ微 弱 デ ア ル。 夫 故 ニ今
形 勢 ヲ観 望 ス ル﹂ ト 云 フ態 度 ヲ闡 明 シ、 以 テ資 本 家 ヲ喜 バ シ、 重 要
ナ ル瞬 間 ニ於 テ労 働 者 ヲ裏 切 ツ タ。 更 ニ奇 怪 ナ ノ ハ交 通労 働 者 ノ全
ニ闘 争 ガ抑 止 セ シ メ ラ レテ居 ル。最 近 ニ於 ケ ル其 甚 シキ例 ハ横 浜 市
際 ニ コソ横 浜 市 電 従 業 員 ノ間 ニ充 満 シ テ居 ル労 働 条件 改 善 ノ為 メ ノ
日未 ダ何 レノ争 議 モ敗 北 ニア ル カ或 ハ改 良 主 義 幹 部 ノ為 ニ中 途 半 端
電 及横 浜 ド ツ ク ノ スト ライ キ ニ於 テヾ アツ タ。
要 求 ヲ引 出 シ、 闘争 ヲ発 展 セ シ メ ルト共 ニ、全 交 通労 働 者 ヲ シテ共
国的 結 合 体 デ ア ル処 ノ 日本 交 通 労 働 総 聯 盟 デ ア ツタ。 聯 盟 ハ斯 カ ル
ル ニ至 ツ タ ノ ハ、 既 ニ全 従業 員 ノ間 ニ労 働 条 件 ニ対 スル不 平 不満 ガ
( 三) 横 浜 市 電 ノ スト ライ キ ハ人事 問 題 ヲ契 機 ト シ テ勃 発 シ タ モ ノデ ア ツタ 、 ダ ガ斯 様 ナ問 題 ヲ契 機 ト シ テ労 働 者 ガ スト ライ キ ヲ決 行 ス
主 義 争 議 ﹂ ノ尻 ニク ツ ツイ テ了 ツタ 。 日本 共 産 党 京 浜 地 方 委 員 会 並
盟 ハ闘 争 ヲ革 命 的 ニ指 導 スル代 リ ニ、横 浜 市 電 ノ堕 落 幹 部 ノ ﹁人 道
通 ノ要 求 ノ為 メ ニ共 同 蹶起 セ シ ムベ ク闘 争 ノ拡 大 ノ為 メ ニ戦 ハネバ
タ ノ ハ当然 デ ア ツ タ。此 スト ラ イ キ ハ既 ニ反 抗 心 ニ燃 エ テ居 ル全 国
ニ日本 労 働 組 合 協 議 会 ハ、 此 スト ライ キ ガ勃 発 ス ルト 同 時 ニ ﹁人 道
ナ ラ ヌ ノデ ア ツ タ。然 ル ニ聯 盟 ハ之 ニ付 テ全 ク無 能 ヲ暴 露 シ タ。 聯
ノ交 通労 働 者 ヘノ蹶起 ノ煽 動 ト為 ツ タ事 及 此 スト ライ キ ヲ契 機 ト シ
主 義 争 議 ﹂ ノ欺 瞞 ヲ暴 露 シ、労 働 条 件 改 善 ノ要 求 ヲ提 出 スベ キ事 、
ニ鬱 積 シ テ居 タ処 ノ不平 ガ具 体 的 ナ要 求 ト為 ツテ表 面 ニ現 ハレ始 メ
テ横 浜 市 従 業員 ガ 要求 ヲ提 出 シテ起 チ、 市 営 自 動 車 従 業員 亦 サ ボ タ
充 満 シ テ居 タ カ ラデ ア ル。故 ニ時 間 ノ経 過 ト共 ニ此 労 働 者 ノ胸 ノ中
ー ジ ユヲ始 メ、更 ニ横 浜 ド ツ ク ノ労 働 者 ガ 要 求 ヲ提 出 シ、斯 ク テ横
ベ キ事 ヲ指 示 シ、 ス ロー ガ ンヲ明 示 シテ全 交 通 労 働 者 及 京 浜 地 方 ノ
浜 カ ラ始 ツ テ全 京 浜 地方 ノ労 働 者 ノ大 争 議 ニ発 展 ス ル形 勢 ニア ツ タ
団 ノ 日和 見幹 部 共 ハ此 争 議 ヲ ﹁人 道 主 義 ノ為 メ ノ戦 ヒ﹂ デ ア ルト称
全 労 働 者 ヲ煽 動 シタ事 ハ正 当 デ ア ツタ。 ダ ガ残 念 ナ事 ニ ハ、官 憲 ノ
シ メ ル為 メ ニ全 国 ノ交 通労 働 者 ガ共 通 ノ要 求 ノ為 メ ニ 一 斉 ニ蹶 起 ス
シ テ只管 労働 条 件 改 善 ノ為 メ ノ闘 争 ニ転 化 ス ル事 ヲ阻 止 シ、労 働 者
圧 迫 ト 自 ラ ノ力 ノ微 弱 ノ為 メ ニ精 力 的 ナ煽 動 宣 伝 及 下 カ ラ ノ スト ラ
下 カ ラ ノ スト ライ キ委 員 会 ヲ組 織 スベ キ事 、此 スト ライ キ ヲ勝 利 セ
ノ間 カ ラ労 働 条 件 改 善 ヲ要 求 スル声 ガ 昂 マリ 且 ツ此 争 議 ガ契 機 ト為
イ キ委員 会 ノ組 織 ガ急 速 ニ出 来 ナ カ ツ タ。 又 関 東 及 関 西 ノ交 通 労働
事 ニ於 テ重 大 ナ ル意 義 ヲ持 ツ タ モノデ ア ツ タ。然 ル ニ横 浜 市 電 争 議
リ テ前述 ノ如 ク闘 争 ガ拡 大 セ ント ス ル形 勢 ガ 生 ズ ルヤ 、慌 テ ヽ資 本
敢行 ス ル丈 ケ ニ ハ未 ダ成 長 シ テ居 ナカ ツタ。 斯 クテ全 労 働 者 ノ注 目
者 モ彼 等 ノ上 ニノ サ バ ツ テ居 ル日 和 見幹 部 ノ裏 切 ヲ突 破 シ テ闘 争 ヲ
出 勤 ス ル者 ハナ カ ツ タ ノ デ ア ル。 斯 ク テ闘 争 ハ意 外 ニ急 激 ニ発 展 ス
幹 部 ガ資 本 家 ト取 極 メ テ来 タ入 場 時 間 ガ来 テ モ誰 一人 ト シ テ工場 ニ
一蹴 シ、 全 従業 員 大会 ヲ開 イ テ争 議 ノ継 続 ヲ決議 シ タ。 ソ シテ裏 切
カ ス筈 ガ ナカ ツタ 。労 働 者 ハ幹 部 ガ勝 手 ニ取極 メ テ来 タ 解決 条 件 ヲ
ル カ ノ如 ク ニ見 エタ 、偖 彼 等 裏 切 幹 部 共 ハ自 分 等 ノ取 引 シ タ解 決 条
ト期 待 ヲ持 ツ タ横 浜 市電 ノ スト ラ イ キ ハ終 熄 シタ。 ダ ガ交 通 労 働 者
件 ヲ承知 シナ カ ツ タ ト コ ロノ全 従 業 員 ニ対 シ テ何 ヲ以 ツ テ酬 イ タ デ
ノ不平 ハ少 シ モ緩 和 サ レ テ居 ナイ 、夫 レ ハ労 働 条 件 ガ少 シ モ改 善 サ レ ナ カ ツタ カ ラデ ア ル。 労働 者 ノ不平 ト闘 争 欲 求 及 其 闘 争 準 備 ハ争
数 百 ノ巡 査 ガ総 動 員 サ レタ、 武 装 シ タ巡 査 ハ争 議 団 ヲ包 囲 シ テ労 働
ア ラウ カ、夫 レ ハ其 後 ノ事 件 ノ進 行 ガ雄 弁 ニ物 語 ツ テ居 ル。直 チ ニ
議 終熄 以後 却 ツ テ益 昂 進 シ テ居 ル。
者 ヲ威嚇 シ且 ツ強 硬 分 子 ヲ続 々検 束 シテ了 ツタ 、即 チ彼 等 堕 落 幹 部
(四) 横 浜 ド ツク ノ スト ラ イ キ ハ人 員 ノ増 加 、賃 銀 ノ値 上 、 労 働 時 間 ノ短 縮 、健 康 保 険 料 ノ負 担 額 ノ改 正等 ニ明 カ ニ資 本 家 的 産 業 合 理 化
高 メ タ処 ノ労働 者 ハ少 シ モ戦 意 ヲ抛 棄 シ テ居 ナ イ 、彼 等 ハ来 ルベ キ
共 ハ官憲 ト 通謀 シ テ スト ラ イ キ ヲ蹂 躙 シ、 無 理 矢 理 ニ労 働 者 ヲ工 場
蹶 起 ノ為 メ ニ堕 落 幹 部 ニ対 抗 スル闘 争 組織 ノ建 設 ヲ急 イ デ居 ル。
ノ結 果 ニ対 ス ル労 働 者 ノ代 表 的 要 求 ヲ具 体 的 ニ掲 ゲ テ立上 ツタ事 ニ
モ) ノ応 援 ヲ 一切拒 絶 シ、只 管 闘 争 ノ激 化 ヲ阻 止 ス ル事 ニ之 レ努 メ
(五) 偖 我 々 ハ今 ヤ新 タ ニ押 寄 セ来 レ ル スト ライ キ ノ波 ノ高 潮 ニ当 面
於 テ重 要 ナ意 義 ヲ持 ツ タ モノデ ア ツ タ。然 ル ニ此 処 ニ於 ケ ル労 働 組
タ 。 ダ ガ 日本 共 産 党 始 メ労 働 組 合 協 議 会 及 其 他 ノ労 働 団 体 ハ決 シ テ
シ テ差 当 リ何 ヲ為 スベ キデ ア ル カ、之 ヲ 一言 シ テ言ヘ バ、 革 命 的 労
ニ入 場 セ シ メ、 以 テ争 議 ヲ打 切 ツ テ了 ツ タ ノ デ ア ル。 斯 ク テ表 面 上
此 争 議 ヲ応 援 スル事 ヲ止 メ ハシナ カ ツ タ。 是 等 ハ凡 テ工信 会 幹 部 ノ
働 組 合 及 右 翼 並 ニ中央 派 労 働 組 合 内 ノ革 命 的 分 派 ヲ強固 化 ス ル事 、
スト ライ キ ハ 一段 落 付 イ タ 。然 シ此 闘 争 ヲ通 シテ著 シ ク階 級意 識 ヲ
非 階 級 的 態 度 ヲ難 詰 シ タ。殊 ニ日本 共 産 党 ト 日本 労 働 組 合協 議会 ト
ハ極 力 官 憲 ノ了解 ヲ求 メ ル事 ニ腐 心 シ、 他 ノ 労 働 団 体 ︵ 総同盟 サ ヘ
ハ全 金 属 労 働 者 ニ訴 ヘテ共 同 蹶 起 ヲ煽 動 シタ。 争 議 中 ノ労働 大衆 モ
カラ ノ スト ライ キ委員 会 ノ組 織 ト 云 フ事 ニ尽 キ ル。 更 ニ詳 細 ニ言 ヘ
闘 争 激 発 ノ為 メ ノ統 一的 ナ 、 ソ シテ執 拗 ナ煽 動 ノ精 力 的 ナ遂 行 、下
合 (工信会) ノ幹 部 ハ最 初 カ ラ全 然 闘 争 ノ意 志 ヲ欠 イ テ居 タ 。彼 等
亦 自 ラノ幹 部 ノ妥 協 的 裏 切 的 態 度 ニ不満 ヲ懐 キ 、争 議 団 ノ再 組織 即
バ 、
チ下 カ ラ ノ スト ラ イ キ委 員 会 組 織 ノ運動 ヲ始 メ タ。 此 形 勢 ニ恐 怖 シ タ裏 切幹 部 共 ハ、彼 ノ横 浜 市 電 共 和会 ノ堕落 幹 部 ノ 筆 法 ニ倣 ツ テ
(イ) 紡 績 産 業 デ ハ日 本 ノ革 命 的労 働 組 合 ハ殆 ンド何 等 ノ組 織 的 基
伝委 員 会 スラ持 ツ テ居 ナ イ ノデ ア ル、 此事 ハ日本 ニ於 ケ ル重 要 産
礎 ヲ持 ツテ居 ナ イ、 夫 許 リデ ナ ク我 々 ハ未 ダ全 国 的 ナ紡 績 産 業 宣
﹁可 憐 ナ ル子供 等 ノ為 メ ニ﹂ ト 云 フ涙 ツポ イ囈 語 ヲ吐 イ テ、 争 議 団
ダ ガ勿論 経済 的 利 害 ニ基 ク具 体 的 ナ要 求 ヲ以 テ戦 ツ テ居 ル此 処 ノ労
業 ノ 一ツデ ア リ且 ツ今 ヤ闘 争 ニ進 出 シ始 メタ ル紡 績 労 働 者 ノ闘 争
員 ニ何 等 ノ相 談 モナ ク取 急 イデ 資 本 家 ト 取 引 シ争 議 ヲ売 ツ テ了 ツ タ。
働 者 ガ、 彼 ノ市 電 従業 員 ノ如 ク易 々 ト幹 部 ノ此 涙 ツポ イ囈 語 ニ耳 ヲ
国 的 紡 績産 業 宣伝 委 員 会 ヲ組 織 シ、 闘争 ノ統 一的 激 発 ノ為 メ ノ宣
ノ指 導 及 組織 ニ応 ズ ル 一大 欠 陥 デ ア ル、 何 ヲ措 イ テ モ直 チ ニ此 全
ニ大 体 四 月 上 旬 ノ組 合 部 会 議 ニ於 ケ ル全 協 本部 ノ活動 並 ニ全 協 本 部
義 組 合 内 ニ於 ケ ル革 命 的 分 派 ノ問 題 ノ方 ハ、 同 様 ニ斯 様 ナ表 題 ノ下
メ ニ労働 者 自 衛 隊 ノ組織 等 々 ヲ急 ガ ネ バ ナ ヲ ヌ 云 々、 第 二 ノ改 良 主
ニ対 スル組 合 部 ノ指 導 ニ関 スル報 告 中 ノ ﹁宣伝 及 煽 動 的 活 動 と組 織
伝 ト煽 動 ヲ開 始 ス ル事 及 紡 績 労 働 者 ヲ革 命 約 労働 組合 ニ組 織 スル 事 ガ急 務 デ ア ル。
改良 主 義 労 働 組 合 ノ中 ニ協 議 会 ノ分 派 ヲ建 設 シ之 ヲ拡 大 強 化 スル
ヲ活 溌 ニ シ、未 組 織 労 働 者 ヲ組 織 スルト 共 ニ、 工場 ヲ基 礎 ト シテ
攻 勢 ト 云 フ事 ヲ鋭 ク把 握 シ、改 良 主 義 組 合 諸 機 関 ノ反 動 化 ヲ考 慮 シ、
之 ヲ要 ス ル ニ、当 時 我 党 ハ所 謂 産 業 合 理 化 ノ破綻 、 大衆 ノ新 タ ナ ル
派 組織 の問 題 ﹂ ノ討 論 ノ結 語 ヲ宣 伝 シ タ モノデ ア ツ タト 記憶 シ マ ス。
的 活動 の結 合 の不 充 分 の問 題 並 に改 良 主 義 組 合 内 に於 け る革 命 的 分
事。
働 組 合 ヲ強 化 拡 大 ス ル事 ガ此 瞬 間 ニ於 ケ ル対 組 合 運 動 政 策 ノ重 点 デ
(ロ ) 機 械 金 属 産 業 デ ハ現 在 ノ金 属 産 業 労働 組 合 全 国協 議 会 ノ活 動
) ( ハ 交 通産 業 デ ハ第 一ニ自 治 会 内 ノ左翼 分派 ハ各 職 場 単 位 ニ強 固 ナ組 織 ヲ持 チ、各 職 場 ノ分 派 ノ代 表 者会 議 ( 委員会) ヲ組 織 ス ル
ア ルト 云 フ見 解 ヲ取 ツタ ノ デ ア リ マ ス,
即 日於 前 同所
告
人 三 田村 四郎
裁 判 所 書 記 安 武 六 郎
予 審 判 事 秋 山 高 彦
人 三 田村 四 郎
右 治 安 維 持 法 違 反 被 告 事 件 ニ付 、 昭和 六年 二月 五 日豊 多 摩 刑 務 所 ニ
告
於 テ、 予 審 判 事 宮 原 増 次 ハ裁判 所 書記 安 武 六 郎 立 会 ノ上 前 回 ニ引続
被
会 ヲ組 織 シ 、裏 切幹 部 ニ抗 シ テ スト ライ キ ヲ指 導 スル事 、 又彼 ノ横
第 四 十 九 回 訊問 調書
東 京 地 方裁 判 所
右 読 聞 ケ タ ル処 無 相違 旨 申 立 署 名 拇 印 シタ リ。
被
大衆 的 闘争 ヲ準 備 シ進 出 ス ル事 、而 シテ此 前 進 ニ於 テ 日本 ノ赤 色 労
コト 、 ソ シ テ自 治 会 ノ左 翼 分 派 ハ単 ニ自 治 会 ノ ミノ 左翼 分 派 ト シ テ止 マル事 ナ ク、 同 時 ニ全 国 的 立 場 ニ立 チ、今 ヤ明 カ ニ流 行 ト為 ツ タ各 地 ノ交 通労 働 組 合 ニ於 ケ ル右 傾幹 部 ノ改 良 主義 ト戦 ヒ、 各
ル事 、 日本 交 通労 働 総 聯 盟 ノ再 組 織 ヲ計 ル事 。
交 通労 働 組 合 ノ中 ニ左 翼 分 派 ヲ組 織 シ、 之 ガ全 国的 結 合 ヲ形 成 ス
等 々デ ア ル。 又 一般 的 ニ ハ日本 労 働 組 合 協 議 会 ノ強 化 、新 シ キ オ ル ガ ナイ ザ ーノ養 成 ト其 活 動 、改 良 主 義 組 合 ノ中 ニ左翼 分派 ヲ作 リ、 各 分 派 ト 協議 会 ト ノ密 接 ナ組 織 的 ナ結 合 ヲ作 ル事 、 改良 主 義 幹 部 ノ
浜 市 電 ノ スト ヲイ キ ニ於 テ モ、例 ノ如 ク出 動 シ タ処 ノ在 郷 軍人 団 、
一問 全 協 大 会 ニ付 テ ノ議 事内 容 如 何 。
キ右 被 告 人 ニ対 シ訊 問 ス ル コト 左 ノ如 シ。
裏 切 ニ対 ス ル執 拗 ナ ル闘 争 及 闘 争 ニ際 シ テ下 カ ラ ノ スト ライ キ委 員
メ ニ組 合 青 年 部 並 ニ共 産青 年 同盟 ノ活 溌 ナ ル闘 争 及 在 郷 軍 人団 、青
答 夫 レ ニ付 テ ハ、
青 年 団 等 々 ノ スト ライ キ破 リ ノ事 実 ニ鑑 ミ、 青年 労 働者 ノ組 織 ノ為
年 団 等 ノ破 壊 ノ為 メ ノ闘争 、 スト ラ イ キ破 リ及 官 憲 ノ暴 圧 ニ戦 フ為
一 大会 開 催 期 日
働 者 ノ十 分 ナ ル大衆 的 一般 的 討 議 ニ移 ス事 ガ 必 要 デ ア ル。
フ限 リ代議 員 ハ工場 ニ働 キ ツ ヽア ル労 働 者 ヲ多 ク選 出 スル事 ニ努 ム
ソ尚 更 大 会 出席 代 議 員 ハ民 主 的 ニ選 挙 シ ナケ レバ ナ ラ ヌ、然 シテ能
ベ キデ ア ル。
三 大 会 ヲ半 非 合 法 的 ニ開 催 スル場 合 ニ於 テ ハ、寧 ロ夫 レナ レバ コ
四 本 部 報 告 ニ付 テ ノ決 定
四 更 ニ自 明 ナ事 ト シ テ、 大 会 後 大会 ノ成果 ヲ広 ク 一般 大 衆 ニ宣 伝
二 大会 準備 並 ニ大 会 宣 伝 ニ付 テ ノ決 定
五 テ ーゼ草 案 ニ付 テ ノ決定
三 大会 議 事 方 針 ニ付 テ ノ決 定
六 細 目 テー ゼ及 ア ツ ピ ー ル ニ関 ス ル決 定
シ ナケ レバ ナ ラ ヌ。
五 之 ニ関 連 シ テ注 意 スベ キ事 ハ、昨 年 末 二 、三 ノ労 働 組 合 ニ ヨ ツ
七 特 別 会 議 ニ付 テ ノ決 定
テ行 ハレタ処 ノ ﹁ピ ク ニツ ク﹂ ヲ突然 労 働組 合 ノ大会 ニ代 ヘルト 云
フ方策 デ ア ル、ブ ルジ ヨア ジ ー ノ反 動 政 策 ガ強 化 シ タ結 果 、赤 色 組
ノ順序 デ申 上 ゲ度 イ ト思 ヒ マ ス。
答 会 議 ハ凡 テ諸 情 勢 及 大 会 準 備 運動 ノ不十 分等 ヲ考 慮 シ、 全 協
テ来 タ、然 シ夫 レダ カ ラ ト 云 ツ テ我 々 ハ他 日 大会 ガ公 然 合 法 的 ニ開
合 ガ其 組 合 大 会 ヲ公 然 大 衆 的 ニ開 催 スルト 云 フ事 ガ益 々困 難 ニナ ツ
二問 然 ラバ大 会 開 催 期 日 ニ付 テ ノ決定 ノ内 容 如 何 。
創 立 大会 開催 期 ノ予 定 五月 ヲ七 月 ニ延期 ス ルノ ガ適 当 デ ア ルト 云 フ
ツ テ、斯 様 ナ際 ニ ハ半 非 合 法 的 ニデ モ開 催 シ ナケ レバ ナ ラ ヌ、而 シ
催 シ得 ル時 迄 組 合 大 会 ハ 一切 開 カ ナイ ト 云 フ訳 ニ ハ ユカ ナイ ノデ ア
意見 ニ 一 致 シ、 此 ノ事 ヲ全 協 本 部 ニ伝 ヘル事 ヲ決 定 シ マシタ。 三問 大 会準 備 並 ニ大 会 宣 伝 ニ干 スル決 定 ノ内 容 如 何 。
ウ、 故 ニ我 々 ハ此 大会 ヲ彼 ノ全 国 代 表 者 会 議 ノ如 ク半 非 合 法 的 ニ開
ア ル。 従 ツ テ大会 ニ関 ス ル凡 テ ノ準 備 ハ予 メ十 分組 織 的 計 画 的 ニ遂
ク﹂ ニ ヨリ テ大会 ガ官 憲 ノ為 メ ニ発 見 妨 害 サ レ ル事 ヲ防 禦 ス ルノデ
ク ニツ ク﹂ ヲ突 然 大 会 ニ変 更 スル ノデ ハ ナ ク、反 対 ニ ﹁ピ ク ニ ツ
テ其 際 此半 非 合 法 的 ニ開 催 スル大 会 ヲ無 事 ニ終 了 ス ル為 メ ニ ハ色 々
答 夫 レ ハ大 体次 ノ如 クデ ア ツ タト 記憶 シ マス、
催 スル準 備 ヲ シナ ケ レバ ナ ラ ヌ。
行 サ レネ バ ナ ラ ヌ。 即 チ大 会 ニ関 スル 一切 ガ事 前 ニ十 分大 衆 ニ宣 伝
ナ方策 ガ採 ラ ル ヽデ ア ラ ウ、例 ヘバ ﹁ピ ク ニ ツ ク﹂ ノ如 ク装 フ テ山
二 大 会 ガ公 然 公 開的 且合 法 的 ニ開 催 シ得 ル場 合 ニモ勿 論 ノ事 デ ハ
サ レ ルガ 、 只何 日何 処 デ何 ンナ方 法 デ 開 催 ス ル カト 云 フ事 丈 ケ ガ大
一 全 協 創 立 大会 ヲ仮 令 七 月 ニ延 期 シ タト シ テ モ、支 配 階 級 ノ意 図
ア ル ガ、 半 非 合 法的 ニ開催 シナ ケ レバ ナ ラ ヌ時 ニ ハ、合 法 的 ニ開 催
会 終 了 後迄 参 加者 以外 ニ秘 密 ニサ レ ル ノデ ア ル。
間 又 ハ海 浜 ニ於 テ行 フ ガ如 キ即 チ夫 レデ ア ル。然 シ之 ハ決 シ テ ﹁ピ
シ得 ル時 ヨリ モ 一層 精 力的 ナ事 前 ノ大 会 宣 伝 即 チ大会 ノ開 催 ヲ公 表
ク此 大 会 ヲ公 然 合 法 的 ニ開 催 スル事 ハ先 ヅ 不 可能 ト見 ルベ キデ ア ラ
シ、 此 大 会 ノ任務 、意 義 及 其 主 タ ル議 事 内 容 ヲ単 ニ所 属 組 合 員 ノ ミ
然 ル ニ之 ニ反 シ テ ﹁ピ ク ニツ ク﹂ ヲ突 然 組合 ノ大会 ニ変 更 ス ルト 云
及 現 下 ノ労働 者 側 ノ力 ノ関 係 ヲ考 慮 スル ナ ラバ 、 過去 ニ於 ケ ルガ如
ナ ラ ズ 、広 ク 一般 労働 大衆 ニ宣 伝 シ、大 会 開 催 前 ニ工場 ニ於 ケ ル労
大 衆 的 ニ運 動 ヲ進 メ ル代 リ ニ、 小 ブ ル的 ナ無 計画 ナ思 付 ト便 宜 主 義
即 チ異 常 ニ困難 ナ反 動 期 ニ於 テ、 飽 ク迄 労働 者 的 ニ忍 耐 強 ク組 織 的
フ方 策 ハ、 労働 組 合 運 動 ヲ危 険 ナ方 向 ニ導 ク小ブ ル的 思 付 デ ア ル、
評 議会 ヲ再 建 シタ、 全 協 ガ 即 チ夫 レデ ア ル。評 議 会 ハ依 然 ト シ テ此
建 ト 云 フ事 ヲ夢 ニ モ忘 レ タ事 ガ ナイ ノデ ア ル。 然 シテ労 働 者 ハ遂 ニ
然 シ夫 レ ニ モ拘 ラズ 全 協 ニ参 加 シ テ居 ル凡 テノ労 働 者 ハ評 議 会 ノ再
新 団体 ノ創 立 ト 云 フ途 ヲ採 ツ タ。
処 ニ存 在 ス ルノ デ ア ル、此 事 ヲ明 白 ニシ、多 カ レ少 ナ カ レ全 協 ヲ評
ニ ヨリ テ労 働 組合 ノ組 織 的 ナ規 律 ヲ破 壊 ニ導 ク処 ノ所 謂 最 少 抵 抗 線
拡 大 シ タ規模 ニ於 ケ ル評 議 会 ノ再 建 ﹂ ト ハ評議 [ 会] ト別 個 ノ モ ノ
議 会 ト ハ異 ル或 モノデ ア ル ト解 釈 スルガ 如 キ傾 向 ニ対 シ テ ハ断 然 反
ヲ組 織 スル事 ヲ意 味 ス ルノデ ハナ ク、 政 府 ノ解 散 命令 ニ反 対 シ、此
ルノ ハ、 正 ニ其 労働 組 合 ガ如 何 ニ工場 就 中 大 工場 ニ基 礎 ヲ持 ツ テ居
反 動 期 ニ ハ、 動 モ スレバ斯 様 ナ傾 向 ガ擡 頭 スル危 険 ガ ア ル ノデ ア ツ
反 対 運 動 ヲ通 シ テ右 翼 及中 央 派 並 ニ未 組 織 ノ労 働 大衆 ヲ獲 得 シ、解
ヲ歩 マ ント ス ル モノ ダ カラデ ア ル。 而 シ テ斯 様 ナ事 ガ平 気 デ行 ハ レ
テ、十 分 注 意 シ ナケ レバ ナ ラ ナイ。
散 ヲ命 ゼ ラ レ タ時 ヨリ モ却 ツ テ膨 張 シ テ解 散 命 令 ニ答 ヘルト 云 フ ニ
対 シ ナケ レバ ナ ラ ヌ。 而 シ テ之 ニ関 連 シ テ明白 ニ ス ル必 要 ガ ア ルノ
此事 ハ ﹁ピ ク ニツ ク﹂ ﹁スポ ー ツ﹂演 芸 会 等 々ノ場 面 ヲ階 級 闘 争 ノ
在 ル。 而 シ テ此 目的 ヲ達 成 ス ル為 メ ノ諸 方 策 ノ 一ト シ テ、評 議 会 ガ
ナ イ カ ト 云 フ事 及 既 ニ平 常 ニ於 テ モ其 組 合 活 動 ガ如 何 ニ非 組 織 的 個
為 メ ニ利 用 ス ル事 ヲ排 除 ス ル モ ノデ ナ イ 、反 対 ニ其 正 シ キ利 用 ヲ主
革 命 的 労 働 組 合 及革 命 的分 派 ノ結 合 体 ト ナ ル事 ガ 要求 サ レ ルノ デ ア
﹁旧 評 議 会 ノ持 ツテ居 タ組 織 的 欠 陥 云 々﹂ ト 云 フ事 デ ア ル。 ﹁ヨリ
張 ス ル モ ノデ ア ル。 即 チ是 等 ノ参 加者 ガ其 名 ニ於 テ或 種 ノ決議 ヲ行
ル。 然 ル ニ四 月 十 日 以 前 ニ於 ケ ル評 議 会 ノ組 織 ハ斯 カ ル結 合 体 デ ハ
ハ、彼 ノ ﹁ヨリ拡 大 シタ規 模 ニ於 ケ ル評 議 会 ノ再 建 ﹂ ト 云 フ コト、
ツ タリ 、基 金 募 集 ガ行 ハレ タ リ或 ハ又参 加 者 ノ中 カ ラ未 組 織 工場 ノ
ナカ ツタ、 即 チ革 命 的 分 派 ハ評 議 会 ノ友 誼 団 体 デ ア ツ テ、評 議 会 ノ
人 的 ニ行 ハ レテ居 ル カト 云 フ事 ヲ暴 露 シ タ モ ノデ ア ル。 此 傾 向 ハ即
組 合 組織 準 備 委 員 会 其 他 ガ作 リ出 サ レタ リ ス ルガ如 キ ガ夫 レデ ア ル。
時 我党 ノ忠 告 ニ ヨリ テ其 後跡 ヲ断 ツ タ様 デ ア ル、然 シ異 常 ニ困 難 ナ
然 シ是等 ト彼 ノ ﹁ピ ク ニツ ク﹂ ヲ突然 組合 大会 ニ代 ヘル ト 云 フガ 如
依然 ト シテ然 ウダ ツ タ ノデ ア ル。 四 月十 日直 後 ノ無 産 者 新 聞 、 マル
ク ス主 義 等 ノ諸 文 章 中 ニ於 テ言 ハレ タ ル ﹁旧評 議 会 ノ持 ツ テ居 タ組
構 成 要 素 デ ハナ カ ツ タ ノデ ア ル。而 カ モ 一九 二七 年 末 以 後 ニ於 テ尚
織 的 欠 陥 云 々﹂ ト ハ主 ト シ テ此事 ヲ指 シタ ノデ ア ツ テ、 夫 レ ハ彼 ノ
キ ト ハ絶 対 ニ区別 サ レネバ ナ ラ ナイ 。
以 下 ノ モ ノデ モ無 イ ト 云 フ事 ヲ銘 記 シ ナケ レバ ナ ラ ヌ。 元 来 彼 ノ四
六 次 ニ全協 ハ評 議 会 ノ再 建 物 デ ア ツ テ夫 レ以 上 ノ モノデ モ又 夫 レ
月 十 日政 府 ニヨ ツ テ解 散 ヲ命 ジ ラ レタ時 、 評 議会 は此 解 散 命 令 ヲ拒
々 ノ馬鹿 気 タ事 ヲ意 味 スル ノデ ハナイ 。
福 田 某 々等 ノ展 開 シタ如 キ中 央 集 権 対 地 方 分権 ノ闘 争 或 ハ混 合 型 等
七 最 後 ニ政 府 ハ来 ルベ キ全 協 ノ創 立 大 会 ヲ機 ト シ テ再 ビ 解散 ヲ命
絶 シ、 評 議会 ノ諸機 関 就 中 中 央 及 地 方 機 関 ヲ 一時 地下 ニ推 移 セ シ メ、
ノ力 ノ微 弱 ト 政 治的 ナ若 サ ハ此 政 府 ノ解 散 命 令 ヲ事 実 ニ於 テ受 諾 シ、
飽 ク迄 評 議会 ト シ テ闘 争 スベ キデ ア ツ タ。然 ル ニ当 時 ノ労 働 者 階 級
等 デ アリ マシタ。
ノ為 メ ニ執 拗 ナ ル大 衆 的 カ ンパ ー ニヤ ヲ組 織 ス ル事 デ ア ル
機 関 ヲ 一層強 固 ニ ス ルト共 ニ、 此 解 散 命令 ヲ拒 否 シ、解 散 命 令 取 消
ツ テ予 メ此事 ニモ十 分 準 備 ヲ シ テ置 ク コト ガ 必要 デ ア ル、即 チ主 要
ノ モノ ニ解散 ヲ命 ズ ルト 云 フ事 モ絶 対 ニナ イ ト ハ断 言 出 来 ナ イ、 従
ズ ル カ モ知 レ ナイ 、或 ハ夫 レ以 前 ニ彼 ノ新 党準 備 会 ノ如 ク準 備 会 其
テ ハ大 会 ノ主 要 任 務 ガ何 処 ニ在 ル カ ヲ明 瞭 ニ示 ス事 デ ナ ク、 反 対 ニ
等 ニ ヨ ツテ誤 魔 化 サ レル ノデ ア ル。 夫故 ニ改 良 主 義 組 合 ノ大 会 ニ於
ニ ヨ ツ テ穏 カ ニ棚 上 ゲ サ レ ル、 即 チ委 員 会 附 託 或 ハ中 央 委 員 会 一任
級的 利 益 ヲ追 及 スル モノデ ア ルガ 、然 シ此 田舎 者 ノ要 求 ハ議 事 規 則
田舎 者 コソ他 ノ如 何 ナ ル代 議 員 ヨリ モ最 モ率 直 ニ、最 モ赤 裸 々 ニ階
員 ハ議 場 ニ於 テ官 僚 幹 部 諸 公 ノ為 メ ニ田 舎 者 扱 ヒ ニサ レ ル。 然 シ此
夫 レ ヲ曖昧 ニ スル ノデ ア ル。 何 ト ナ レバ 、改 良 主 義 組 合 ノ大 会 ハ大
シテ全 体 ト ノ関 係 ヲ不 明瞭 ニス ル事 ハ此 目的 ヲ達 スル ノ ニ最 適 ノ方
ス ル為 メ ノ モノダ カ ラデ ア ル。而 シテ凡 テノ議 事 ヲ部 分 々 々 ニ寸断
会 ノ舞 台 裏 デ行 ハ レツ ヽア ル改良 主義 幹 部 ノ醜 行 ヲ確 認 シ或 ハ粉飾
一 全 協 本 部 ハ先 ニ所 謂 文 書 ニ ヨル会 議 ト称 ス ル方 法 ニ ヨツ テ得 タ
答 夫 レ ハ大 体 次 ノ如 クデ ア ツ タト 記憶 シ マ ス、
四 問 大会 ノ議 事 方 針 ニ付 テ ノ決 定 ノ内容 如 何 。
ル、即 チ大 会 ノ議 事 ヲ何 々 ノ件 、何 々ノ件 ト 云 フ風 ニ幾 ツ モ ノ議 案
各 問題 ニ関 ス ル結 論 ヲ来 ルベ キ大会 ノ議 案 ト シテ提 出 セ ント シ テ居
二 革 命 的 労 働 組合 ニ於 テ モ此 ブ ルジ ヨア議 会 式 ナ議 事 方法 ガ尚 多
法 デ ア ル。
ニ分 割 シテ討 議 セ ント スル ノデ ア ル。 我 々 ハ斯 カ ル大 会 議 事 方針 ヲ 根 本 的 ニ改 正 スル必 要 ガ ア ル、何 ト ナ レバ、 斯 カ ル方 法 デ ハ大会 ノ
シテ全 然 新 シイ 議事 方針 即 チ全 問 題 ヲ集 中 シ テ討 議決 定 ス ル方策 ガ
採 ラ レ テ来 タ。而 シ テ出 来 ル丈 大 会 ノ任務 ト意 義 ヲ明 瞭 ニ映 出 スル
分 ニ残 存 シ テ居 ル。評 議 会 ハ其 創 立 大 会 以 来斯 カ ル議 事 方針 ト併 立
フ カ ラデ ア ル。 其 結果 、非 常 ニ重要 ナ問 題 ヲ討 議 決 定 シ テ居 ナ ガ ラ、
シ、本 部報 告 夫 レ ニ対 スル討 論 、 而 シ テ其 討 論 ノ結 論 ヲ テ ー ゼ ニ纏
事 ニ努 メ テ来 タ。来 ルベ キ全 協 ノ大 会 デ ハ彼 ノ古 キ議 事 方針 ヲ 一掃
主 要 任 務 ガ何 処 ニ在 ル カト 云 フ事 ヲ全 ク不 明 瞭 ニシ或 ハ抹消 シ テ了
ハ闘 争 発 展 ノ 一段 階 デ ア リ、 新 タ ナ ル情 勢 ニ対 ス ル新 タ ナ ル闘 争 ノ
其 大 会 ガ占 メ タ処 ノ特 別 ナ意 義 ハ把 握 サ レ得 ナイ カ ラデ ア ル。 大 会
メ上 ゲ ル事 、之 ヲ大 会 ノ中 心 議 題 ト スベ キデ ア ル。 従 ツ テ夫 レ ハ次
イ 本 部報 告 ハ在 来 ノ如 キ事 務 報 告 デ ハナ ク、 所謂 前 大会 年 度 ニ
ノ如 クデ ナ ケ レバ ナ ラ ヌ、
於 ケ ル最 モ主 要 ナ ル経 験 ヲ報 告 シ且 ツ将 来 ヘノ準備 及 方針 ガ指 示
出 発 点 ヲ為 ス モノ デ ア ル。 従 ツ テ大 会 ノ議 事 ニ依 ツ テ夫 レガ鮮 明 ニ
ナ 一ノ儀 式 デ ア ル。 夫 故 同 一議 案 ガ毎 年 々 々繰 返 シ提 出 サ レ且 ツ決
具 体 化 サ レネ バ ナ ラ ヌ。 改 良 主 義組 合 ニ於 テ ハ之 ニ反 シ大 会 ハ空 虚
議 サ レ ル。全 体 ト シ テ ノ後 退 ハア ツ テ モ決 シ テ何 等 ノ発 展 ハナイ 。
サ レルガ 如 キ モ ノデ ナ ケ レバ ナ ラ ヌ、 即 チ、
) ( 二 夫 レ ニ対 シ テ全 協 ノ採 ツ タ方針
) ( 一 客 観 的 諸条 件 ノ変 化 及 其 主 要 ナ ル動 向
又 議員 ハ上 カ ラ下 迄 ノ幹 部 ヲ以 テ構 成 サ レ ル。夫 レ ハ拡 大 役 員 会 ト 何 等 異 ラ ナ イ モノデ ア ル。 偶 々新 タ ニ参 加 シタ組 合 カ ラ 工場 ニ働 ク 労 働 者 ガ代 議 員 ト シ テ選 出 サ レ ル事 ガ アツ テ モ、 哀 ムベ シ、 此代 議
(三) 夫 レト前 大 会 ニ於 ケ ル決 議 ト ノ関 係 四) ( 発 見 サ レタ ル新 タ ナ ル経験 (五) 勝 敗 ト 勝 敗 ノ根 拠 ノ探究
展望
(六) 現 在 ノ瞬 間 ニ於 ケ ル客 観的 諸条 件 ノ変 化 ノ方 向 及 其 発 展 ノ
( 七) 之 ニ対 スル方 針 ノ指 示
々義 者 ノ裏 切 ト不 可 分 ノ必 然 的 関 係 ニ置 カ レ テ居 ル事 、並 ニ失 業
ノ資 本 家 的 合 理 化 ノ異 常 ナ進 行 ト極 メ テ特 徴 ア ル形 態 及 社 会 民 主
問 題 ヲ初 メト シテ 、産 業 合 理 化 ト 結 付 イ タ搾 取 強度 化 ノ無 数 ノ諸
形 態 ヤ帝 国 主 義 戦 争 ノ危 機 等 々ト モ不 可 分 ノ相 関関 係 ニア ル事 ヲ
発 見 ス ル ノデ ア ル。従 ツ テ夫 レ ニ対 スル抗争 方法 モ自 ラ生 々ト具
従 ツ テ政 治 的 ナ問 題 ノ ミ ナ ラズ 、 宣 伝煽 動 及組 織 的 ナ問 題 カ ラ時
ガ補 ハレ、誤 解 ガ訂 正 セ ラ レ、 正 シ サガ 強 調 サ レ ル事 デ ア ル。
工場 ニ於 ケ ル経験 ト照 合 シ テ其 正 否 ガ批 判 討議 サ レ、其 不十 分 性
ロ 大 会 ハ此 本 部 報 告 ニ対 シ テ各 地 方 、各 産 業 ニ於 ケ ル経 験 就 中
ハ 報告 ハ十 分 詳 細 ナ ル事 ヲ要 シ、 討 論 ニ ヨツ テ更 ニ夫 レガ深 メ
ル対 策 モ遂 ニ革 命 的 タ リ得 ナ イ ノデ ア ル。
ツ テ、他 ノ部 分 ト ハ何 等 ノ関 係 ナ ク孤 立 シ テ居 ル、夫 故 ニ如 何 ナ
対 ニ凡 テガ故 意 ニ部 分 部 分 ニ切 離 サ レ ル、而 シ テ部 分 ガ全 体 デ ア
イ 。改 良 主 義 組 合 ニ於 テ ハ之 ニ反 シ情 勢 ノ全 体的 把 握 ガ ナ イ 、反
ニ於 テ把 握 サ レ ルガ故 ニ、改 良 主義 的 対策 ニ堕落 ス ル危 険 ガ尠 ナ
体的 ニ生 レ テ来 ル訳 デ ア ル、 即 チ個 々 ノ問題 ガ 凡 テ全 体 ト ノ関 聯
間 、賃 銀 、設 備 等 々ノ問 題 ニ至 ル迄 余 ス処 ナ ク、而 モ静 的 ニデ ハ
ニ ハ討 論 ノ結 果 得 タ ル精 髄 ガ摘 録 サ レ ル ノデ ア ル。
ラ レ拡 大 サ レ ル、然 シ テー ゼ ハ文 字 通 リ要 綱 的 規定 ト ナ ル、其 処
ト ナ ラ ネバ ナ ラ ヌ。
ナ ク動 的 ニ即 チ流 レ ニ於 テ把 握 サ レ論 議 サ レ対策 ガ樹 立 サ レルデ
ニ 故 ニ個 々ノ問 題 ノ具 体 的 ナ実 践 、 其 詳 細 ナ ル組 織 的 技 術 的 ナ
ア ラ ウ。
点 ハ此 テ ー ゼ ニ基 キ其 処 カ ラ発 足 シ テ 、然 シ之 ト ハ別 ニ定 メネ バ
ト 云 フ ノデ アリ マシタ。 而 シテ此 決 議 ニ基 イ テ本 部報 告 ノ要 点 、 テ
ク、改 良 主 義 組 合 ノ大 会 ニ於 テ ハ 一ノ儀 式 ト シ テ平 凡 ニ決 議 サ レ
ーゼ草 案 ノ要 点 ノ決 定 並 ニ細 目 テ ーゼ及 アツ ピ ー ル ニ関 スル決 定 、
例 ヘバ 七時 間 労 働 ノ問 題 、 賃 銀 値 上 ノ問 題 ヲ取 ツテ見 テ モ判 ル如
ナイ 、即 チ最 近 (一九 二九年三月当時) ノ客 観 的 条 件 ハ定 額 賃 銀 ガ
特別 決 議 ニ関 ス ル決 定 等 ガ行 ハレ タ ノデ アリ マス。
ナ ラ ヌ等 々
低 下 シ テ平 均 実 収 額 ガ増 加 シ テ居 ル、 又労 働 人 員 ガ減 少 シ テ生 産
ル。 然 シ此 問 題 ハ決 シ テ去年 ト同 一ノ客 観 的 条 件 ノ上 ニ立 ツ テ居
高 ハ増 加 シテ居 ル。 然 ラ バ抑 々斯 カ ル現象 ハ如 何 ニ シテ生 ジ タ カ、
五問 本 部 報 告 ニ付 テ ノ決 定 ノ内 容 如何 。
ナ ル報 告 書 草 案 ガ起 草 サ レ マシ タ。然 シ私 ハ今 其 全 テ ノ内 容 ヲ其儘
答 此 組 合 部 会 議 ニ於 テ其 要 点 ガ決 定 サ レ、其 決定 ニ基 イ テ詳 細
又此 現 象 ガ何 ノ産 業 部 門 ニ最 モ鋭 ク現 ハレテ居 ルカ、 又 其結 果 労
記憶 シ テ居 リ マセ ン、但 シ其 要 点 ハ記憶 シ テ居 リ マ ス。
働 者 ノ利 益 ニ如 何 ナ ル影 響 ヲ及 ボ シ テ居 ルカ等 々ガ剔 抉 サ レ ル。
丈 ケ デ ナク 、夫 レガ 日本 ノ資 本 主 義 ノ現段 階 ノ特 長 デ ア ル。 産 業
而 シ テ我 々 ハ其 処 ニ労 働 者 ノ長時 間 ニ亙 ル時 間 外 労 働 ヲ発 見 スル
六 問 然 ラバ 其 要 点 ハ。 答 夫 レ ハテ ーゼ草 案 ノ要 点 ト大 差 ナ キ モ ノデ アリ マス。
ア労 働 会 議 ノ樹 立 運動
ニ 右 翼 聯 盟 、 産業 民 主 々義 、 スト ラ イ キ ノ鎮 圧
業 部 門 相 互 間 ニ於 ケ ル不均 衡 ト夫 レ ニ基 ク産 業 合 理 化 政策 ノ諸 形 態 、
レタ産 業 合 理 化 ノ異 常 ニ急 激 ナ ル進 行 、 同 一産 業 部 門 ノ内 部 及 各 産
一 金 融 資 本 ノ支配 権 ノ急 速 ナ ル強 化 発 展 、 其 統率 ノ下 ニ於 テ行 ハ
メ ノ機 関 ニ変 質 シ、 大 衆 ノ左 翼 化 、 大衆 ト首 領 ト ノ衝 突 ノ激 化 ガ
ト 斯 ク テ今 ヤ 一般 的 ニ改 良 主義 組 合 ノ諸機 関 ガブ ルジ ヨア ノ為
労 働 者 ノ闘 争 ニ於 ケ ル無 能 、 闘争 ノ激 化 ニ対 ス ル恐 怖 及 抑 圧
国 労 働 組 合 会 議 ニ於 ケ ルサ ボ タ ー ジ ユ、 左 翼 反 対 、右 翼 ト ノ提 携 、
ヘ 中 央 派 組 合 首 領 モ本質 ニ於 テ右 翼 首 領 ト何 等 異 ル処 ナ ク、 全
ホ 議 会 主 義 、 大 衆 闘 争 ノ抑 圧 、 共 同闘 争 ノ妨 害
其 結 果 ト シ テ労 働 者 ノ生 活 条 件 ノ急激 且 一般 的 ナ悪 化 、異 常 ニ高 マ
起 リ ツ ヽア ル事
答 夫 レ ハ大 体次 ノ如 クデ ア ツ タ ト記 憶 シ マス。
七 問 テ ー ゼ草案 ノ要 点 ハ。
レル生 産 力 ニ対 シ テ、益 狭 隘 ト ナ レル内 外 市 場 、其 処 カラ 必然 ニ生
四 一九 二七年 及 二 八年 ニ於 ケ ル労 働 争 議 ノ特 長 ト 一九 二 九年 ニ於
三 国 内 及 植 民 地 ノ労 働 者 農 昆 ニ対 ス ル反 動 的 抑 圧 ノ強 化
二 帝 国 主義 戦争 勃 発 ノ危 機 ノ深 化
ハ 官 業 労 働 者 ノ多 イ コト ヽ全 部 右 翼 ノ指 導 下 ニ在 ル事
業 ニ於 ケ ル労 働 人 員 ( 女工) ノ減 少
ロ 一時 的 現 象 ト シ テ ハ深 夜 業廃 止 及産 業 合 理化 ニ ヨツ テ紡 績 産
労 働 者 ノ比 率 ノ増 大
イ 産 業 合 理 化 ニ ヨ ル急 激 ナ ル就 業 労働 者 数 ノ減 少 ト青 少 年 婦 人
七 日本 ノ労 働 者 数 ト其 組 織 率 及 組 織 労働 者 ノ現 状
ケ ル新 タ ナ ル スト ラ イ キ ノ波 ノ高 潮
レル益 深刻 化 ス ル不景 気 ト新 タ ナ ル資 本 主義 ノ危機
五 最 近 ニ於 ケ ル資 本 家 団 体 ノ対労 働 者 的 戦 闘 化 ト 中 央 集権 的強 化
八 最 近 ノ革 命 的 労 働 組 合 運 動 ト 其 弱 点 、 即 チ組 織 恢復 ノ未 熟 ト大
ニ 組 織 率 ノ低 イ 事 、 而 モ組 織労 働 者中 圧倒 的 多 数 ガ改 良 主義 組
工場 ニ基 礎 ヲ据 エテ居 ナイ事
合 指 導 下 ニア ル事 、革 命的 組 合 ノ勢 力 ノ微 弱
九 革 命 的 労 働 組 合 ガ 其 蒙 レ ル迫 害 ヲ撃 破 シ、逆 攻 勢 ニ移 リ得 ベ キ
運動
ニ於 ケ ル利権 ノ確 認 ト擁 護 、 対 支 出 兵 ノ支持 、国 民党 ト ノ握 手 、
イ 帝 国 主義 戦 争 ニ対 スル協 力 、即 チ日本 ブ ル ジ ヨアジ ー ノ満 蒙
客 観 的 条 件 ガ十 分 ニ成 熟 シ テ居 ル事
六 改 良 主 義 労 働 組 合 指導 者 ノ裏 切 ト 一般 組 合 員 ノ左 翼 化
ロ 政 府 ノ共産 党 検 挙 及 左翼 団 体 弾 圧 ニ対 スル支 持 協 力 、 共産 党
ロ 改 良 主 義 組 合 ニ於 ケ ル大 衆 ノ左翼 化 、 官 僚 幹 部 ト ノ対 立 ノ激
イ 新 タ ニ擡 頭 シ タ スト ライ キ ノ波 ト大 衆 ノ 一般 的 左 翼 化
出 兵 反 対 運動 ノ拒 否
工場 ヨリ ノ放逐 化
員 発 見 ノ為 メ ノ スパ イ的 行 為 、 共 産 主 義 者 及 左 翼 分 子 ノ除 名並 ニ
ハ ソヴ エート 攻 撃 、国 際 聯 盟 及 国 際 労 働 会 議 ノ支持 協 力 、 ア ヂ
イ 革 命 的 労働 組合 ト革 命 的 分 派 ノ結 合 体 ト シ テ ノ全 協 ノ強 化
ヲ目 的 ト ス ル共同 委 員 会 ノ強 化 並 ニ植 民 地 労働 組 合 支 持
ワ 在 日本 朝 鮮 人 労 働 者 ノ組 織 ト 在 日本 朝 鮮 労 働 総 同 盟 ト ノ合 同
オ 失 業者 ノ組 織 ト失 業 者 運 動 ノ組 織
ロ 全 協 合法 化 ノ闘 争 、非 合 法 的 偏 倚 並 ニ清 算 主 義 的 傾 向 ニ対 ス
ヨ 太 平洋 労 働 組 合 会 議 書 記 局 活 動 ヘノ積 極 的参 加
カ 帝 国主 義 戦 争 ノ危 機 ニ対 スル闘 争 ノ中 心 ト ナ ル事
十 全 協 当 面 ノ任務
ル闘 争
タ 反動 ニ戦 ヒ、 工場 ヲ基 礎 ト シ タ自衛 団 ノ組 織
ハ 大 工場 ノ獲 得 及 官 業 労 働 者 獲 得 ノ重視
十 一 当 面 ノ行動 綱 領
ニ 改 良 主義 首領 ノ裏 切 ニ対 スル闘 争 ト 改良 主義 組 合 内 ニ於 ケ ル 革 命 的 分 派 ノ組 織 及 分 派 ノ全 協 ヘノ獲 得
ル、 特 別 決議 等 ニ於 ケ ル諸 問 題 ニ モ触 レテ居 ル カ ラデ ア リ マス。尚
等 々デ ア ツタ ト 記憶 シ マ ス。 固 ヨリ報 告 書 ノ方 デ ハ之 ヨリ モ ツト多
最 後 ノ行 動綱 領 ト 云 フ項 目 ノ内 容 ハ 一九 二八 年 末 ノ全 国代 表者 会 議
岐 ニ亙 ツ テ居 タ筈 デ ス。即 チ報 告 書 ノ方 デ ハ細 目 テ ーゼ 、 ア ツピ ー
ト 工場 代 表者 会 議 従業 員 大 会 等 々 ノ正 シ キ活 用
デ 決 定 サ レ タ モ ノト 大差 ア リ マセ ヌカ ラ強 ヒテ説 明 ヲ致 シ マセ ヌ。
ヘ 工場 委員 会 ノ獲 得
チ 統 一戦 線戦 術 、 即 チ下 カ ラ ノ統 一ノ力 説
只 此 機 会 ニ行 動 綱 領 ニ関 連 シテ 一言 シテ置 キ度 イ コト ハ所 謂 保 護 法
ホ 組 織 部 ノ充実 ト新 シキ幹 部 ノ養 成
シ労 働 者 ヲ下 カ ラ広 ク結 合 セ シム ル事 、敵 軍 ノ間諜 タ ル改 良 主 義
獲 得 ノ闘 争 ニ付 イ テヾ アリ マス。 私 ハ 一九 二九 年 一月 頃 発 表 シ タ或
リ スト ライ キ戦略 ノ確 立 ノ必 要 、 即 チ敵 ノ強 大 ナ ル結 合 力 ニ対
首 領 ノ放 逐 、 其 指導 機 関 ノ破 壊 又 ハ無 視 、 罷 業 労働 者 ノ自 主 的 ス
ハ自 由 労 働 者特 別保 護 法 制 定 等 々 ノ要 求 ニ反 対 シ テ居 リ マス。勿 論
論 文 ニ於 テ、 此 行動 綱 領 中 ノ青 少 年 婦 人 労 働 者 特 別 保護 法 制定 、 或
夫 レ ハ決 シ テ其 要求 ノ内 容 ニ反 対 シテ居 ル ノデ ナ ク、其 要 求 ヲ特 別
ト ラ イ キ、 指 導 部 ノ形 成 、其 指 導 部 ヲ赤 色 組 合 ニ獲 得 ス ル事 、 又
保 護 法 制 定 ト 云 フ形 デ 闘 争 ス ル事 ニ反 対 シ タ ノデ アリ マシ タ。然 シ
小規 模 ノ自 然 発 生 的 スト ラ イ キ ノ意 義 ノ相 対 的減 少 、 スト ラ イ キ
ノ大衆 的 平 易 化 ノ必 要等 々 ヲ考 慮 ニ入 レテ精 密 ナ ル戦略 確 立 ノ 必
ノ意 識 的 計 画 的 宣 伝煽 動 ト断 乎 タ ル準 備 、 主 要 スト ライ キノ経 験
シナ ケ レバ ナ リ マセ ン。 日本 ニ於 テ ハ彼 ノ往 年 ノ ア ナ ル コ ・サ ンヂ
此 私 ノ反 対意 見 ハ明 カ ニ誤 リデ シ タ。 寧 ロ我 々 ハ今 日迄 一般 ニ所 謂
カ リズ ム ノ残 滓 ノ為 メ ニ、 今 尚 一般 ニ労 働 者 ノ為 メ ノ立 法 獲 得 運動
労 働 立 法 獲 得 ノ為 メ ニ労 働 大衆 ヲ動 員 スル事 ノ余 リ ニ尠 イ事 ヲ反 省
業 保 険 及 疾 病 保 険 ノ タ メ ノ闘 争 、此 際 百 五十 七 万 人 ヲ包 擁 ス ル健
ニ積 極 的 攻 撃 的 デ ハナ ク、 反 対 ニ消 極 的 反 対 ヲ以 テ支 配 階 級 ヤ改 良
ヌ 産 業 合 理 化 ニ対 スル闘 争 、特 ニ時 間 ノ短 縮 、 賃 銀 ノ値 上 、失
康 保険 組 合 ニ注 意 シ、 健康 保 険 法 改 正 ノ為 メ ニ精 力 的活 動 ヲ ス ル
主 義 者 ト対 抗 シ テ居 マス。 私 ノ右 ノ反 対 意 見 モ矢 張 リ此 影響 カ ラ未
要
ル 青 少 年 及 婦 人 労 働 者 ノ動 員 ト組 織
事
六 最 後 ニ労 働 者 ノ種 々 ナ ル保 護 立法 獲 得 ノ為 メノ闘 争 ハ、 ブ ル
ル。是 等 ニ対 シ テ断 乎 ト シ テ戦 フ事 ハ勿 論 デ ア ル。
ジ ヨア ジ ー ノ合 法 主義 ヲ階 級闘 争 発展 ノ為 メ ニ逆 用 スル有 力 ナ闘
ダ 完 全 ニ抜 ケ 切 ツテ居 ナ カ ツ タ ノデ セウ、 私 ハ之 ニ対 シ テ今 日 次 ノ
争 場 面 ノ 一ツデ ア ル
如 ク考 ヘテ居 マス、 即 チ、 一 特 別 保護 法 獲 得 ノ闘 争 ニ当 該 関 係 労働 者 ヲ大 衆 的 ニ動 員 スル
等 々デ アリ マ ス。
ト 云 フ事 ハ、労 働 者 大 衆 ヲ啓 蒙 シ組 織 化 ス ル為 メ ノ戦 術 ト シ テ大 イ ニ用 ヒ ラ ルベ キデ ア ル。
答 夫 レ ハ大 体 次 ノ如 クデ ア ツタ ト記 憶 致 シ マ ス。
一 大 会 ハ赤 色 労 働 組 合 ノ 一般 的 任務 ニ関 ス ルテ ー ゼ ヲ審 議 決 定 ス
八問 細 目 テ ー ゼ及 ア ツ ピ ー ル ニ関 ス ル決 定 ノ内 容 ハ。
ルト共 ニ、 其 テー ゼ ニ於 テ指 摘 サ レ タ重要 ノ問 題 ニ付 テ更 ニ細 目 テ
二 但 シ其際 斯 様 ナ法 規 ハ所 謂 ブ ルジ ヨ アジ ー ノ進 歩 的 態 度 ヤ聡
テ ノ ミ獲 得 シ得 ル モノ ナ ル事 ヲ宣 伝 シ、 改 良 主 義 者 ノ議 会 主義 ト
得 サ レ ル ノデ ハナ ク、 労 働 者 ノ組 織 的 ナ大衆 的 闘 争 ノ圧 力 ニ ヨツ
ヘバ、
ーゼ ヲ審 議 決 定 スル事 、 又 ハ中央 委 員 会 ニ其 仕 事 ヲ命 令 ス ル事 、 例
明 又 ハ理 解 ニ ヨツ テ或 ハ議 会 内 ニ於 ケ ル代 議 士 ノ演 説 ニ ヨツ テ獲
三 又 我 々ガ積 極 的 ニ労 働 者 立 法 獲 得 ノ闘 争 ニ大 衆 ヲ動 員 スル事
闘 フ事 。
四 例 ヘバ普 通 選挙 法 、労 働 組 合 法 、 健康 保険 法 、失 業 保 険 法 等
ホ 失業 者 ノ組 織
ニ 青 年 労 働 者 組 織 ( 自主的青年部)
ハ 婦人 労 働 者 組 織
ロ 左翼 派 形 成 ノ方 針
々、 是 等 ニ対 スル事 前 ノ獲 得 運 動 ニ何 レ丈 ケ 大衆 ヲ動 員 シタ カ ガ
ヘ 在 日本 朝 鮮 労 働 総 同 盟 ト ノ合 同
イ スト ライ キ戦 略
即 チ事 前 ノ闘 争 ノ程 度 ガ出 来 上 ツ タ立 法 ノ内容 ガ何 レ丈 ケ労 働 者
等 々 ノ諸問 題 ニ付 テ夫 レガ 必 要 デ ア ル。
ニ ヨツ テ 一層 有効 ニ改 良 主 義 者 ノ裏 切 ヲ大 衆 ノ面 前 ニ暴 露 スル事
ノ利 益 ヲ保障 ス ルカ、 或 ハ反 対 ニ労 働者 ノ利 益 ヲ蹂 躙 ス ルカ ノ程
ガ出 来 ル。
度 ト 正 比 例 ス ル、 従 ツテ又 事 前 ノ闘争 ノ程 度 ガ出 来 上 ツ タ立 法 ヲ
二 大会 ハ又産 業 別 ニ労働 者 大衆 ヘノ 一般 的 ア ツ ピ ー ル ヲ出 ス事 、
ツ組織 ノ方向 ヲ与 ヘ ル意 味 ノ モ ノデ ア ル
而 シ テ此 ア ツピ ー ル ハ当 該 産 業 ノ労 働 大衆 ニ闘 争 ノ目 標 ヲ明 示 シ且
等 々デ アリ マシタ。 所 デ 此 機 会 ニ前 述中 ノ スト ライ キ戦 略 及 左翼 派
ハ我 々ガ現 実 ニ今 日経 験 シテ居 ル事 デ ア ル。 五 注 意 スベ キ事 ハ、 社 会 立 法 ノ名 ノ下 ニ或 ハ労 働 者 ノ利 益 ヲ擁
大 衆 ガ 利 用 ス ル程度 及 改 正 運 動 ノ程 度 ト 正 比例 ス ル、 是 等 ノ コト
護 スル ト云 フ 口実 ノ下 ニ反 対 シ、 労 働 者 ヤ農 民 ヲ抑 圧 シ、 搾 取 ヲ
ノ形成 問 題 並 産 業 別 合 同 ニ関 シ テ 一言 附 加 シテ置 キ度 イ事 ガ ア リ マ ス。
強 化 スル種 々 ナ ル欺 瞞 法 ガ現 ハ レル事 デ ア ル。例 ヘバ彼 ノ社 会 民 主 々義 者 ノ ﹁完 全 小作 法 ﹂ ヤ ﹁争 議 調停 法 ﹂ ノ改 正等 ガ夫 レデ ア
答 スト ラ イ キ 戦略ニ 関 シ テ ハ前述 ノテー ゼ ノ要 点 ノ処 デ 極 ク簡
一一 問 スト ラ イ キ戦略 ニ付 テ附 言 ス ル事 ハ何 カ。
リ マセ ン。 然 シ他 ノ問 題 ノ中 ニ ハ極 メ テ部 分 的 デ ハア ルガ 、 スト ラ
単 ナ内 容 ヲ申 上 ゲ タ丈 ケ デ 、 他 ニ ハ夫 レト シ テ ハ 一言 モ触 レ テ ハ居
答 夫 レ ニ付 テ先ヅ 左翼 派 ノ形 成 、 次 ニ スト ライ キ戦 略 ニ付 テ、
九問 夫 レ ハ怎 ウ 云 フ事 カ。
一 〇問 然 ラバ 左翼 派 ノ形 成 ニ付 テ附 加 スベ キ事 ハ何 カ。
最 後 ニ産 業 別 合 同 ノ順 序 デ 申 上 ゲ 度 イ ト思 ヒ マ ス。
二 分 派 ト 全協 ト ノ組 織 的 干 係
一 分 派 ノ諸形 態 ト其 活 動 方 針
ノデ ス。而 シ テ特 ニ附 言 シ テ置 キ度 イ ノ ハ、 此 決 定 ト 一九 二八 年 十
テ ーゼ ノ要 点 中 デ 説 明 シ タ ヨリ以 上詳 細 ニ ハ論 議 サ レテ居 ナ カ ツ タ
動 及 分 派 ノ活動 ノ決議 中 ニ於 テ等 々デ アリ マ ス。 兎 ニ角 此 会 議デ ハ
議 ニ於 ケ ル組 合 運 動 ニ関 ス ル決 議 中 ニ於 テ、 或 ハ産 業 別 協 議 会 ノ活
イ キ ニ付 テ若 干 ノ決 定 ハ為 サ レ テ居 マ ス。 例 ヘバ 、 一月 ノ党 中 央会
三 分 派 ト党 フ ラク シ ヨ ント ノ干 係
答 分 派 問 題 ニ関 シ テ ハ此会 議 以前 ニ論 議 決 定 サ レ タ事 、 例 ヘバ、
四 改 良 主義 幹 部 ニ ヨ ル分 派 除 名 政 策 ニ対 スル闘争
フ事 デ ア リ マ ス。 元 来 私 ガ ア ノ論 文 ヲ書 イ タ時 ニ ハスト ラ イ キ戦 術
ヲ樹 テ ル事 及 スト ラ イ キ委 員 会 ノ組 織 ノ必 要 ト カプ ロ フイ ンテ ル ン
二月 発 表 シタ私 ノ論 文 ﹁スト ライ キ戦 術 ﹂ ト ハ何 等 関 係 ガ ナ イト 云
第 四 回大 会 デ 決 議 サ レタ ト 云 フ事 ヲ聞 イ タ丈 ケデ 、 スト ラ イ キ委 員
イ 改良 主義 組 合 内 ノ各 革 命 的 左翼 分 派 ハ機 関 紙 ト シ テ労働 新 聞 ヲ用 ヒ ル ノ ミ ナ ラズ 、 分 派 運 動 ノ為 メ ニ之 ト ハ別 ニ更 ニ分 派 自 身
会 ニ付 テ モ詳 シイ内 容 ヲ聞 イ タ訳デ ハアリ マセ ヌデ シタ。 夫 レデ 当
等 々 ノ諸問 題 ノ外 ニ、 新 タ ニ次 ノ様 ナ事 ガ此 会 議 デ 決 定 サ レ マシタ 。
ロ 分 派 ノ全協 ヘノ本 部 費 ハ免 除 スベ キデ ア ル、 但 シ機 関 紙 代 位
ノ機 関 紙 ヲ モ持 ツ必要 ガ ア ル
働 組 合員 大 衆 ハ、 自 己 ガ革 命 的 労 働 組 合 員 デ ア ルト 云 フ自 覚 ヲ高
的 物 質 的援 助 ヲ シ テ遣 ルベ キデ ア ル、 夫 レ ニ ヨツ テ 一方 革 命 的 労
ト ライ キ デ モ、 夫 レガ導 火 線 ト ナ ツ テ急速 ニ同 一産 業 全 体 ニ或 ハ全
ズ、 日本 ノ資 本 主 義 ガ新 タ ニ当 面 シ タ危機 ハ、 一工 場 ニ勃 発 シタ ス
ガ アリ 又他 方 労 働 組 合 ノ組 織 率 ノ微 弱 ト勢 力 ノ分 散 ガ ア ル ニ モ拘 ラ
一産 業内 部 ニ於 テ又各 産 業 相 互 ノ間 ニ於 テ極 メ テ不均 衡 ナ発 達 状 態
ニ於 ケ ル スト ラ イ キ ノ特 性 、 即 チ日本 ノ資 本 主 義 ノ発 展 ハ、 一方 同
メ、 他 方 改 良 主義 組合 内 ノ大 衆 ハ革 命 的 労 働 組 合 ニ対 スル信 頼 ヲ
地 方的 ニ拡 大 ス ル可 能 [ 性]ガ ア ル事 、 又 夫故 ニ日本 ニ於 テ モ今 ヤ
時 ノ私 ノ力 デ 考 ヘ得 ラ レル範 囲 ニ於 テ、 此 スト ライ キ委 員 会 ト 日本
高 メ ルデ ア ラウ
最 初 カ ラ産 業 別 スト ラ イ キ ヲ組 織 シ得 ル可 能 [ 性] ガ ア ルト 云 フ 事
ハ納 メ ル事 ガ望 マシイ
ニ 而 シ テ革 命 的 労働 組 合 ハ此 事 ノ為 メ ニ、 大 会 其 他 ニ於 テ分 派
ハ 革 命 的 労働 組合 ハ啻 ニ財 政 的 援 助 ノ ミ ナ ラズ 、 種 々 ナ ル精 神
ノ代 表 ニ対 シ テ差 別的 ナ待 遇 ヲ シ テ ハナ ラ ナ イ、 凡 テ ニ亙 ツ テ同
ヲ証 明 シ、 其 準 備 ニ着 手 ス ル事 ノ必 要 ヲ力 説 セ ント シタ モノデ ア リ
マシ タ。然 ル ニ事 実 ハ極 メ テ観 念 的 公 式 的 ナ、然 カ モ赤 色 組 合 ノ中
等 ノ権 限 ガ 保 証 サ レネ バ ナ ラ ヌ 等 々ト 云 フ事 デ ア リ マス。
央 集権 的 スト ラ イ キ統 制 ト 云 フ ガ如 キ重 大 ナ問 題 ヲ閑 却 シタ スト ラ イ キ戦 術 ヲ書 キ 上 ゲ タ ノデ ア リ マシ タ。 私 ハ逮 捕 サ レ テ カ ラ後最 近初 メ テプ ロフ イ ンテ ル ン第 四 回 大会 ニ於
ルト 云 フ事 ガ自 明 ノ事 ト シ テ要 求 サ レ ル。 而 シ テ自 主 的 スト ライ キ
委 員 会 ノ組 織 ト 云 フ事 ハ此新 タナ ル方針 ト不 可 分 ノ関 係 ニ立 ツ モ ノ
スト ライ キ基金 ノ問 題 ヲ初 メ ト シテ、 極 メ テ実 際 的 ナ問 題 ニシ テ而
ナ ラ ヌ モ ノデ シタ 。何 ト ナ レバ、 其 処 ニ ハ スト ライ キ統制 ノ問 題 ヤ
ケ レバ ナ ラ ヌノ ハ勿 論 ノ事 、 既 ニ夫 レ以 前 ニ実 践 ニ移 サ レナ ケ レバ
知 ツ テ居 タ ナ ラ、 彼 ノ テ ーゼ草 案 ニ ハ必 ズ夫 レガ取 入 レラ レテ居 ナ
常 ニ重 要 ナ事 ガ 決 定 サ レ テ居 ル ノデ ア ツテ、 若 シ我 々ガ当 時 夫 レ ヲ
痛 感 サ レ マ ス。 此 日本 ニ対 ス ル決 議 ニ ハ日本 ノ労 働 運 動 ニト ツ テ非
ノ書 イ タ スト ライ キ戦術 ノ如 何 ニ詰 ラ ナ イ モノデ ア ル カト 云 フ事 ガ
第 三 ニ欧 洲 ニ於 ケ ルト同 様 、 例 外 ナ ク 日本 ニ於 テ モ改 良 主 義 組 合 ノ
テ居 ル事
ノ争 議 団 ニ ヨツ テ労 働 者 ガ極 メ テ顕 著 ナ発 展 ヲ示 ス処 ノ訓 練 ヲ受 ケ
此 ノ争 議 団 ガ組 合 ニ即 チ未 組 織 カ ラ組 織 ニ転 化 ス ルノデ ア ル。 又 此
合 ヲ問 ハズ 必 ズ 組織 サ レ ル習 慣 ト為 ツテ居 ル事 、 而 シ テ多 ク ノ場 合
生 的 ニ所 謂争 議 団 ト称 ス ル自 主 的 ナ スト ラ イ キ委 員 会 ガ 如 何 ナ ル場
多 数 及労 働 組 合 ノ スト ラ イ キ統 制 権 ノ微 弱 、 其結 果 古 ク ヨリ自 然 発
第 二 ニ日本 ノ労 働 者 ノ組 織 率 ノ低 イ事 、 即 チ未 組 織 労働 者 ノ圧 倒 的
第一 ニ ハ日本 ニ ハ独 立 ノ赤 色 労 働組合 ガ ア ル事
テ ハ実 ニ重 大 且 ツ複 雑 ナ問 題 ヲ提 出 ス ル事 ニナ ルノデ ア リ マ ス。
デ ア ル コト モ明 白 デ ス。 若 シ然 ウ ダ ト ス レバ、 此 決 議 ハ日本 ニ取 ツ
モ従 来 我 々 ガ閑 却 シ テ居 タ諸 問 題 ガ指 示 サ レ テ居 ル ノダ カ ラデ アリ
ケ ル 日本 ニ対 スル決 議 ノ要 点 ヲ知 リ マシ タ。 夫 レ ヲ見 タ丈 ケデ モ私
マ ス。 尚 私 ハ今 日 モ未 ダ プ ロ フイ ン テ ル ン第 四回 大 会 及 其 後 引 続 キ
等 々デ ア リ マ ス。然 ラバ若 シ我 々ガ当 時 プ ロフ イ ンテ ル ン第 四 回 大
委 員会 ト ガ衝 突 シ テ居 ル事
会 及 スト ラ スブ ルグ会 議 ノ決 議 ノ内 容 ヲ知 ツ テ居 リ マシ タ ナ ラバ、
機 関 ガ反 動 化 シ、 スト ラ イ キ毎 ニ組 合 官 僚 ト争 議 団 即 チ スト ライ キ
事 ガ中 心 問 題 デ ア ツ タ様 デ ス。 若 シ私 ノ想 像 ニシ テ誤 リ ガ ナ イ ナ ラ
正 ニ此 ノ三 ツ ノ問 題 ノ正 シ キ統 一的 集中 的 ナ解 決 コソ スト ラ イ キ戦
開 催 サ レタ ト 云 フ スト ラ スブ ルグ会 議 ニ於 ケ ル スト ラ イ キ ニ関 スル
バ、 此 ﹁スト ラ イ キ ノ独 自 的 指 導 ﹂ ト 云 フ事 ハ要 スル ニ茲 デ ハナ イ
略 決 定 ノ中 心 点 ト為 ツ タデ ア ラ ウト 思 ヒ マス。然 ル ニ我 々 ハ当 時 夫
決 議 ヲ存 ジ マセ ン。 只 両 決 議 共 ﹁スト ライ キ ノ独 自 的 指 導 ﹂ ト 云 フ
カト 思 ヒ マス。即 チ ヨー ロツ パ ニ於 ケ ルプ ロフイ ンテ ル ン加盟 団 体
追 及 シ タガ故 ニ、 既 ニ述 ベ マシ タ ガ如 ク甚 ダ 不 充 分デ ハア ツタ ガ、
戦術 ヲ書 イ タ リ シ マシ タ ガ、 然 シ我 党 自 体 ハ労 働 者 ノ利 益 ヲ飽 ク迄
レ ヲ知 リ マセ ヌデ シタ。 而 シ テ私 ハ前述 ノ如 ク詰 ラナ イ スト ラ イ キ
ハ殆 ンド 凡 テガ 改 良 主 義 組 合 内 ノ革 命 的 分 派 ノ様 デ ス。 然 ル ニ改 良
反 対 ニ其 抑 圧 機 関 ト ナ ツテ居 ル事 、 然 シ テ欧 洲 ノ労 働 組 合 ハ我 々ガ
両 会 議 ノ決 議 ニ期 セズ シ テ近付 キ ツ ヽア ツ タ ノデ ハナ カ ツタ カト思
主 義 組 合 ノ機 関 ハ既 ニ反 動 化 シ テ スト ライ キノ指 導 機 関 デ ハナ ク、
想 像 シ得 ナ イ 程 スト ライ キ ニ対 ス ル統 制 権 ヲ持 ツ テ居 ル ラシ イ ノデ
ヒ マ ス。
ア ルガ、 然 シ夫故 ニ組 合 機 関 ガ反 動 化 シ タ以 上 此 改 良主 義 組 合 機 関 ノ統 制 ニ反 シ テ革 命 的 分派 独 自 ノ方 針 ニ ヨツ テ スト ライ キ ヲ指 導 ス
五 協 議 会 ノ組 織 ニ関 スル決 議
七 労 働 新 聞 ニ関 スル決 議
六 本 部 財 政 確 立 ニ関 スル決議
八 全 国 労 働 組 合 会 議 準 備 会 ニ関 ス ル決 議
答 私 ハ十 月 以 後 ノ活 動 ノ陳述 ニ於 テ産 業 別 合 同 ニ付 テ ハ 一言 モ
一二 問 産 業 別 合 同 ニ付 テ附 言 ス ル事 ハ何 カ。
産業 別合 同 ノ問 題 ガ無 カ ツ タ ノデ ナ ク、反 対 ニ産 業 別 合 同 ニ付 テ ハ
等 々、而 シ テ
申 上 ゲ ナ カ ツタ様 ニ記憶 シ マス、 夫 レ ハ十 月 以後 ニ於 テ我 々ノ間 ニ
第 四 ノ政 党 問題 ニ関 ス ル決 議 ニ於 テ ハ特 ニ次 ノ点 ガ 考慮 サ ルベ キデ
九 太平 洋 労 働 組 合 会 議 第 二回 大 会 ヘ参 加 ノ決 議
ノ具 体 的当 面 ノ任 務 ト シ テ ハ革 命 的 労 働 組合 及革 命 的 分 派 ト ノ産 業
絶 エザ ルプ ロパ ガ ンダ ヲ シ テ来 テ居 ル ノデ ア リ マ ス。 然 シ其 ノ実 践
別 協 議 会 ノ強 化 ト 云 フ処 ニ重 点 ヲ置 イ テ来 タ ノデ アリ マ ス。 然 ル ニ
ア ル、
イ 赤 色 組合 ノ支持 スル政 党 ハ、 元 ヨリ唯 一ノプ ロレ タ リ ア ノ党
我 々ガ逮捕 サ レ テ カ ラ後 、 此 ノ産 業 別 協 議 会 ガ 凡 テ廃 止 サ レ、 一躍 全 国 的 産 業 別 労働 組 合 ガ作 ラ レタ様 デ ス。 之 ハ我 々ト シ テ ハ全 ク意
如 何 ヲ問 ハズ 、 凡 テ ノ労働 者 ガ包 括 サ レネ バ ナ ラ ヌ コト、 即 チ労
ナ イ、 反 対 ニ全 協 ハ労 働 組 合 デ ア ツテ、 所 属 政 党 又 ハ政 党 支 持 ノ
働 組 合 ニ於 テ ハ殊 ニ赤 色 組 合 ニ於 テ ハ某 々政 党 ノ支 持 ガ組 合 員 タ
共 産 党 デ ア ル。然 シ乍 ラ共 産 党 支 持 ヲ特 ニ大 会 デ 決 議 スル必要 ハ
ルノ加 盟 条 件 ト為 ツ タ リ、 政 党 支持 関 係デ 組 合 ヤ組 合 員 ヲ除 名 シ
タ直 後 ニ為 シ得 ル処 ノ客 観 的条 件 ガ 日本 ニ十 分 存 在 シ テ居 タト ハ、
ニ我 々 ハ斯 ノ産 業 別 協 議 会 ヲ全協 内 ノ組 織 ト ス ル コト ニ付 テ ス ラ、
不 幸 ニ シテ我 々 ハ観 取 スル事 ガ出 来 ナ カ ツ タ カ ラデ ア リ マス。反 対
タリ或 ハ分 裂 シタ リ シ テ ハナ ラ ヌ事 ガ強 調 サ レネ バ ナ ラ ヌ。
外 ナ事 デ ア リ マス。 何 ト ナ レバ、 斯 様 ナ事 ガ当 時而 カ モ弾 圧 ヲ受 ケ
ツ タ位デ ア ツタ ト 云 フ事 デ ア リ マス。
既 ニ申 上 ゲ マ シタ如 ク夫 々 ノ事 情 ニ応 ジ テ異 レ ル種 々ナ ル方 策 ヲ採
ロ 此 ノ事 ハ党 ガ非 合 法 デ ア リ且 ツ最 近 全協 ガ 地下 ニ追 込 メ ラ レ
テ居 ル事 及 最 近 ノ非 合 法 的 若 干 ノ偏 倚 ノ傾 向 並 ニ最 近火 花 ヲ散 シ
タ社 会 民主 々義 ノ小 ブ ル的 合 成 党 ハ共 産 党 ト ノ論 争 及 労 農 同 盟 問
答 夫 レ ハ次 ノ如 クデ ア ツ タ ト記 憶 シ マス。
一 三問 特 別 決 議 ニ関 ス ル決 定 ノ内 容 如何 。
大 会 ハ更 ニ次 ノ如 キ問 題 ニ関 シ テテ ー ゼ ニ基 キ特 別 ニ決 議 ヲ行 フ必
ヲ忘 レテ、 共 産党 ノ敷 写 シ ニ為 ラ ウ ト ス ル危 険 ガ ア ル故 ニ特 ニ注
題 等 々 ト ノ関 係 ヨリ シ テ、 動 ト モ スル ト全 協 ガ 労 働組 合 タ ル コト
一 反 帝 国 主義 戦 争 同 盟 ヘ参 加 ノ決 議
要 ガ ア ル、
社会 民 主 々義 ニ対 シ テ ハ政 党関 係 ニ ヨ ツ テ組 合 員 ヲ除 名 スル コト
活 動 ノ自 由 ヲ要 求 シ、治 安維 持 法 ノ撤 廃 ヲ要 求 シ ナ ケ レバ ナ ラ ヌ。
ハ 而 シ夫 レト同 時 ニ、 全 協 ハ政 府 ニ対 シテ労 働 者 ノ政 党 組織 及
意 サ レネ バ ナ ラ ヌ。
三 農 民 ニ対 ス ル ア ツピ ー ル
ス ル決 議
二 植 民 地 労 働組 合 運動 及 一般 ノ反 日本 帝 国 主義 闘争 支持 ニ関
四 政 党 問 題 ニ関 スル決 議
ノ不 当 ヲ抗 議 シ又彼 ノ不 当 ニ歪 メ ラ レ タ ル政 治 闘 争 ニ於 ケ ル労働 ル コト
四 官 憲 ノ為 メ ニ破 壊 サ レ タ ル全 協 ノ全 国 的 連 絡 ヲ即 時 再 建 ス
定 シ マシ タ。以 上 ニ付 テ ハ四 月 二十 六 日 発行 労 働 新 聞 号外 ニ二 ツ ノ
等 、 尚会 議 ハメー デ ー ニ対 スル労 働 組 合 ノ態 度 及 対策 ニ付 テ協 議 決
組 合 ノ占 ム ル役 割 ノ抹 殺 ニ反 対 シ、 労働 組合 ハ階 級 的 政 治 闘 争 ニ
ア ル事 ヲ力 説 シ、彼 ノ政 治 ト経 済 ト ノ分 離 ニ反 対 シ、 労 働 組 合 ハ
当 然 積 極 的 ニ参 加 ス ルノ ミ ナ ラズ 、 組 合 員 ヲ動 員 シ テ闘 フ モノデ
三 田村 四郎
檄 文 ガ掲 載 サ レ テ居 リ マス。 夫 レ ニ詳 シク出 テ居 マ スカ ラ之 以上 申
告
人 三 田村 四郎
予 審 判 事 宮 原 増 次
裁 判 所書 記 安 武 六 郎
人
上 ゲ マセ ン。
告
ヌ事 ガ闡 明 サ レネ バ ナ ラ ヌ。
即 日於 前 同 所 作 之
第 五 十 回訊 問 調書
東 京 地 方裁 判 所
右 読 聞 ケ タ ル処 無相 違 旨 申 立 署 名 拇 印 シ タ リ。
被
政 治 的 カ ンパ ー ニヤ ニ於 テ中 心 勢 力 ト為 ツ テ活 動 シ ナケ レバ ナ ラ
ル事 デ ア ルガ、 分 派 ト ノ関 係 ヲ更 ニ判 然 セシ ム ル為 メ ニ特 ニ抜 出 シ
第 五 ノ協 議 会 ノ組 織 ニ関 スル決 議 ハ既 ニ テー ゼ ニ於 テ明 示 サ レ テ居
テ決 議 ヲ採 用 セ ント スル モノデ ア ル。 第 八 ノ全国 労 働 組 合 会 議 準 備会 ニ関 ス ル決 議 ハ 一般 的 ナ組 合 戦 線 統 一ノ問 題 ト シ テヾ ハナ ク、 夫 レ ニ付 テ ハ已 ニ テー ゼ ニ示 サ レル ノデ ア ル カ ラ、此 ノ決 議 デ ハ夫 レ ニ基 キ特 ニ此 ノ準 備 会 ノ ミ ヲ引 出 シ、 中 央 派 首領 ノ裏 切 ノ暴 露 、 此 ノ準 備 会 ノ利用 価 値 ト真 実 ノ統 一達 成
被
右 治 安 維 持 法違 反 及傷 害被 告 事 件 ニ付 、 昭 和 六 年 二月 十 日 豊多 摩刑
ノ途 ヲ指 示 スル為 メノ モノデ ア ル、 等 々デ ア リ マシタ 。 一四 問 所 謂 四 ・ 一六事 件 ニ ヨツ テ破 壊 サ レ タ全 協本 部 再建 方策 如 何 。
務 所 ニ於 テ、 予 審 判事 秋 山高 彦 ハ裁 判 所 書 記 安 武 六 郎 立 会 ノ上前 回
二 当 時 私 ガ使 用 シタ拳 銃 ヲ同 志 渡 辺 政 之輔 ヨリ受 領 シタ如 ク ニ為
ニモ申 述 ベ タ 通 リ私 ノ内 縁 ノ妻 デ ハア リ マセ ヌ。
一 森 田 京 子 ヲ私 ノ内 縁 ノ妻 ト シ テ取 扱 ツ テ ア リ マスガ、 同 人 ハ前
答 其 公 訴 事 実 中 、
︹ 此 時 追 予 審 請 求 書 記 載 ノ公 訴事 実 ヲ読 聞 ケ タ リ︺
ツタ ガ之 ニ付 陳 述 スル事 ガ ア ル カ。
一問 被 告 人 ニ対 シ尚 傷 害罪 ト シ テ斯 様 ナ ル事 実 ニ付 予 審 請 求 ガ ア
ニ引 続 キ右 被 告 人 ニ対 シ訊問 ス ル コト 左 ノ如 シ。
答 四月 下 旬 ノ初 頃、 去 ル四月 中 旬 全 国 ニ亙 ツ テ 一斉検 挙 ガ行 ハ レタ事 、 而 シテ全 協 中 央 部 モ総 検 挙 サ レテ了 ツ タト 云 フ情 報 ニ接 シ
一 政 府 ノ弾 圧 ニ対 シ テ大 衆 的抗 議 運動 ヲ起 ス コト、 其 ノ為 メ
マシタ。 我 党 組 合 部 ハ緊 急 部会 ヲ開催 シ次 ノ事 ヲ決 定 シ マシ タ、
全 協 ノ名 ニ ヨツ テ檄 ヲ発 ス ル コト 二 金 属 、 印 刷 、 木 材 、 電 気 、 一般 等 々 カラ各 一名 乃 至 二名 ノ 代 表 ヲ選 出 シ即 時 臨 時 本 部 ヲ形 成 セ シメ ル事 三 機 関紙 労 働 新 聞 ノ定 期 的 発 行 確 保 ノ為 メ ニ緊 急 資 金 ノ募 集 ヲ行 フ事
ツテ居 リ マ スガ、 其 拳 銃 ハ同 人 カ ラ受 領 シタ モ ノデ ハア リ マセ ヌ。 カ。
六 問 抽 斗 カ ラ取 出 ス際 ニ ハ其 拳 銃 ハ其 サ ツ ク ノ中 ニ這 入 ツ テ居 タ
居 リ マシタ。
答 然 ウデ ハナ ク、 拳 銃 丈 ケ ノ裸 ノ儘 デ 別 ニ抽 斗 ノ中 ニ這 入 ツ テ
三 公 訴 事 実 デ ハ警 察官 ヲ傷 害 シテ其 場 ヲ逃 走セ ム事 ヲ企 テ 云 々ト
七問 取 出 ス際 其 拳 銃 ニ何 発 分 ノ実 包 ガ装 填 サ レテ居 ツタ カ。
為 ツ テ居 リ マスガ、 夫 レ ニ付 イ テ ハ已 ニ申 述 ベ タ通 リデ ア ツ テ、 左 様 ナ事 実 ハア リ マセ ヌ。
答 何 処 ト 云 フ事 ナ シ ニ相 手 ヲ目 掛 ケ テ発 射 シ マ シタ。
八問 相 手 ノ何 処 ヲ目 掛 ケ テ発 射 シタ カ。
答 実 弾 ガ十 発 装 填 サ レテ ア ツ タ筈 デ ス。
四 巡査 ノ負 傷 云 々ノ事 ニ付 テ ハ私 ニ ハ判 リ マセ ヌ。
ノ モノデ ハナ イ ノデ スカ ラ、 党 活動 カラ分 離 シ テ更 ニ斯 様 ナ訴 追 ヲ
此件 ニ付 テ ハ前 ニ モ述 ベ タ通 リ、 党 活動 其 モノデ ア ツ テ、 夫 レ以 外
受 ケ ル事 ハ迷 惑 デ ア ルト 思 ヒ マス。
ツタ カ。
一〇問 第 二発 ヲ発 射 シ、更 ニ第 三 発 目 ヲ発 射 セ ム ト シ タ ノデ ハナカ
答 一発 丈 ケデ ア リ マス。
九 問 何 発 発 射 シ タ カ。
リ︺
︹ 此 時 被 告 人 第 四 十 三 回 予審 調 書 第 三 乃 至 第 六 問 答 ヲ読 聞 ケ タ
二問 其 事 実 ニ付 テ ハ ﹁所 謂 十 月検 挙 ニ付 テ﹂ ト シテ申 立 テ タ ノ カ。
答 其 通 リ ノ事 実デ アリ マ ス。
答 左 様 ナ事 ハア リ マセ ヌ、 一発 発 射 シタ丈 ケデ ス。
︹此 時 前 同 押 号 証 ノ五〇 一ヲ示 ス︺
一一 問 是 等 ガ 其 拳銃 用 ノ実 弾 カ。
答
答 私 ハ二 階 六 畳 ノ間 、表 道 路 ニ面 シ タ廊 下 ニ接 近 シ テ置 イ テア
三問 拳 銃 発 射 ノ際 ニ被 告人 及 相 手 ノ位 置 ハ何 ンナ風デ ア ツタ カ。
ル机 ノ傍 ニ立 チ、相 手 ノ者 ガ階 段 カ ラ其 上 半 身 ヲ表 ハシ タ瞬 間 発 射
一 四問 其 事 ニ付 キ警 察 デ 述 ベ タ事 ハ事 実 ニ違 フ テ居 ルノ カ。
答 夫等 ノ点 ニ付 テ ハ 一切 答 ヘ マセ ヌ。
一 三問 拳 銃 及 弾 丸 ヲ何 時 如 何 ニシ テ手 ニ入 レタ カ 。
答 此 小 サ イ 方 ノ弾 丸 ハ什 ウ シ タ モ ノ カ私 ハ存 ジ マセ ヌ。
一 二問 序 ニ訊 ネ ルガ、 其 小 サ イ方 ノ弾 丸 ハ。
此 内 ノ大 キイ 方 ガ然 ウデ ア ルト思 ヒ マ ス。
シ マシ タ。
ヨリ発 射 シタ ノデ ア リ マ ス。
其 際 私 ト相 手 ノ者 ト ノ距 離 ハ約 一間 半 デ 、 私 ハ相 手 ノ者 ノ右 稍 前 方
四 問 其 階 上階 下 並 ニ附 近 ノ模 様 ハ コン ナ風 カ。 ︹此時 記録 第 十 四丁 第 十 五 丁 ノ図 面 ヲ示 ス︺ 答 左様 コンナ風 デ シ タ。
実 ト相 違 シテ居 リ マ ス。
答 警 察 ニ於 ケ ル申 立 ハ全 然 私 ノ思 違 ヒデ ア ル モノデ アツ テ、 事
︹ 此 時 昭和 四年 押 第 四四 六 号 ノ五〇 二 ヲ示 ス︶
一 五問 被 告 人 ハ拳 銃 使 用 ニ付 テ ノ経 験 ガ ア ツ タ カ。
五 問 其 拳 銃 ト ハ之 カ。
答 使 用 セ ル拳 銃 ハ五〇 二中 ノ拳 銃 デ ア リ マ ス。
答 前 ニ モ述 ベ タ 通 リ、 全 然 其 経 験 ハアリ マセ ヌデ シタ。 一 六問 被告 ハ常 ニ其拳 銃 ヲ携 帯 シ テ居 ツ タカ 。
被
告
人 三 田村 四郎
答 机 ノ抽 斗 ニ入 レ放 シデ ア ツ テ常 ニ携 帯 シ テ居 リ マセ ヌデ シ タ。
右 読 聞 ケ タ ル処 無 相 違 旨 申 立 署 名拇 印 シタ リ 。 即 日於 前 同 所 作 之
ニ亙 リ全 部 的 ニ承 認 ス ル モノデ ス。
由 ニ依 ツ テ、 ソ ノ部 分 丈 ケ デ ナ ク只 今 閲 読 シ タ同 志 市 川 ノ調 書 全 体
タ諸 文 書 ニ就 イ テ何 ニ カ申 立 度 イ事 ガ ア ル旨 述 ベ テ居 ル様 ダ ガド ン
三 問 被 告 人 ノ第 四十 四 回訊 問 調 書 ニ依 ルト 、 被 告 人 ガ執 筆 発 表 シ
答 個 々 ノ点 ニ就 イ テ ハ前 回迄 ノ陳 述 中 ニ於 テ夫 々 ノ問 題 ニ干 聯
ナ事 カ。
シ テ言及 シ テ来 マシタ。
シ カ シ茲 デ 特 ニ弁 明 シ テ置 キ度 イ事 ハ、 四 月 労 農 同 盟 解 体 ニ干 ス ル
東 京 地 方裁 判 所
日本 共産 党 ノ決 定 及 ビ十 月 ヨリ 四月 下 旬 マデ ノ我 ガ 党 ノ諸 決 定 就 中
ス 。
三 月 以 後 ノ決 定 ノ結 果 ト私 ノ執 筆 発 表 シ タ諸文 書 ト ノ干 係 デ ア リ マ
予 審 判 事 秋 山 高 彦
三 田村 四郎
裁 判所 書 記 安 武 六 郎
人
即 チ此等 ノ決 定 ニ依 ツ テ私 ハ政 治 的 責 任 上 ソ レ マデ ニ発表 シタ諸 論
告
文 特 ニ労 農 同盟 問 題 、 工場 代 表 者 会 議 問 題 並 ニ労農 会 議 問 題 、 マタ
被
右 治 安 維 持 法 違 反被 告 事 件 ニ付 、 昭和 六 年 四 月 八 日豊 多 摩刑 務 所 ニ
第 五十 一回 訊 問 調 書
於 テ、 予 審 判事 宮 原 増 次 ハ裁 判 所 書 記 福 田 徳蔵 立 会 ノ上前 回 ニ引 続
盟 ニ与 ヘタ不当 ナ意 義 ヅ ケ即 チ ﹁こ ゝ には じ め てブ ルジ ヨ ア民 主 々
労 働 者農 民 ノ革 命 的 同 盟 ト ノ干 聯 ニ於 テ、 カ ノ議会 解散 請 願 運動 同
︹予審 判 事 ハ被 告 人 鍋 山 貞 親 ノ第 四 十 回 乃至 第 四十 二回 予 審 訊 問
キ右 被 告人 ニ対 シ訊 問 ス ル コト 左 ノ如 シ。
義 獲 得 のた め の労 働 者 農 民 の革 命 的 同 盟 が でき た 云 々﹂ ノ問 題 等 ニ
テ シ マツ タ ノデ ス。
マシ タガ 、 残念 乍 ラ ソ レ ヲ発 表 スル マデ ニ至 ラズ シ テ私 ハ逮 捕 サ レ
就 イ テ訂 正文 ヲ発 表 シナ ク テ ハナ ラ ナ イ ノデ 、 ソ レ ニ着 手 シテ居 リ
調 書 ヲ被 告 人 ニ閲 読 セ シ メ タ ル上 ︺ 一問 労農 同盟 問 題 ハ被 告 人 鍋 山 貞 親 ノ申 立 通 リカ。 答 ソ ノ通 リデ ス。 私 ハ以 前 第 四 十 二 回 調書 第 十 一問 ノ答 ニ於 テ
カ ラ ソ ノ詳 細 ニ就 イ テ ハ略 シ マス。
以 上 ノ問 題 ニ就 イ テ ハ三 月及 ビ 四月 ニ於 ケ ル党 ノ諸 決 定 ニ明白 デ ス
申 上 ゲ タト同 様 ノ 理由 ニ依 ツ テ ソ ノ同 志 鍋 山 ノ申 立 ヲ承 認致 シ マ ス。 ︹予 審 判事 ハ被 告 人市 川正 一ノ第 二十 二回 乃 至第 四 十 五 回 予 審 訊
尚 ホ私 ノ調 書 全 体 ニ付 イ テ 一言 シテ置 キ度 イ 事 ガ ア リ マス。
問 調 書 ヲ被 告 人 ニ閲 読 セ シメ タ ル上 ︺
ニ説 明 シ テ来 タ為 メ、或 ル
二問 十 月 下 旬 以 後 ノ日本 共産 党 中 央 部 ガ決 定 シ タ諸 決議 ノ内 容 ニ
答 長 イ期 間 ニ個 々 ノ問題 ヲバ ラ〓
四問 ソ レ ハ如 何 ナ ル事 カ。
答 ソ ノ通 リデ ス、 此 レ モ同 志 鍋 山 ノ申 立 ヲ承 認 シ タト 同 様 ノ 理
干 シ テ ハ被 告 人市 川 正 一ノ申 立 テ ヽ居 ル通 リ カ。
由 ヲ告 ゲ ︺
一問 何 カ弁 解 スル コト ガ ア ル カ。
答 サ ウ 云 フ嫌疑 ヲ受 ケ ルベ キ モノデ ハナ イ ト思 ヒ マス。 元 来 起
ノ形 デ 説 明 シ又或 ル処 デ ハ其 後 ニ到 達 シ タ党 ノ意 見 、 モ ツト正 確 ニ
処 デ ハ事 件当 時 ノ決 定 及 ビ ソ ノ内 容 並 ニ意 義 ヲ事 件 当 時 ノ解 釈 其 儘
云 ヘバ 一九 二 九年 四 月吾 々ガ逮 捕 サ レル直 前 ノ党 会 議 ニ依 ツ テ到 達
テ其 理 由 ヲ詳 細 ニ申 上 度 イ ト思 ツ テ居 リ マス。
三 田村 四郎
於 豊 多 摩 刑務 所
前同 日
被
告
裁 判所 書 記 新 井
東 京 地 方裁 判 所
告
人
穣
三 田村 四郎
予 審 判 事 秋 山 高 彦
被
於 テ、 予 審 判事 秋 山高 彦 ハ裁 判 所 書 記 中 村 清 立 会 ノ上 前 回 ニ引続 キ
右 治 安 維 持 法 違 反被 告 事件 ニ付、 昭和 六年 五月 十 日豊 多 摩 刑 務 所 ニ
第五十三回訊問調書
三 田村 四郎
訴 状 ニ対 シ テ モ尚 ホ腑 ニ落 チ ナ イ点 ガ ア リ マ スノデ 後 日上 申 書 ヲ以
人
人
シ タ意 見 解 釈 ニ モトヅ イ テ説 明 シ テ居 マス。 ソ レガ タメ ニ、 同 一問
告
右 読 聞 ケ タ ル処無 相 違 旨 申 立 署 名 拇 印 シタ リ。
題 ニ就 イ テ往 々前 後 矛 盾 スル様 ナ処 ガ出 来 テ居 マス。此 等 ハ特 ニ断 ツ テ ナイ場 合 ニ ソ レ以 後 ノ会 議 ニ依 ツ テ常 ニソ レ以 前 ノ会 議 ノ決 定 ガ 訂 正 サ レタ モノデ ア ルト解 釈 シ テイ タ ヾキ度 イ ト思 ヒ マス。
リ自然 発 生的 ニ所 謂 争 議 団 ト 称 ス ル自 主的 ナ スト ラ イ キ委 員 会 ガ如
尚 ホ私 ノ第 四十 九 回訊 問 調 書 第 十 一問 答中 ﹁ 第 二﹂ ニ於 テ ﹁古 ク ヨ
何 ナ ル場 合 ヲ問 ハズ 云 々﹂ ト ア ル ノ ヲ ﹁ 古 ク ヨリ自 然 発 生 的 ニ所 謂
被
争 議 団 ト称 ス ル闘 争 組 織 ガ如 何 ナ ル場 合 ヲ問 ハズ 云 々﹂ ト訂 正 シ テ イ タ ヾ キ マス。
同 日 於 同所 作 之
右 読 聞 ケ タ ル処 無相 違 旨 申 立 署 名 拇 印 シ タ リ。
東 京 地方 裁 判 所
一問 神 戸 地 方 委員 長 ノ主 ナ ル任 務 ハ。
右 被 告 人 ニ対 シ訊問 ス ル コト 左 ノ如 シ。
客 観 的 情 勢 ヲ考 慮 シ、 党 ノ政 策 ヲ実 行 ニ移 シ且党 活動 ヲ統 轄 指 導 ス
答 極 ク大 マカ ニ言 ヘバ、 当 時 ノ神 戸 地 区 委員 会 ハ全 兵 庫 県 下 ノ
裁 判 所 書 記 福 田 徳 蔵
三 田村 四郎
予 審 判 事 宮 原 増 次
人
ル モ ノデ アリ 、委 員 長 ハ其 委 員 会 ノ責 任 者 、 委 員 会 々議 ノ議 長 ヲ兼
告
ネ ル モ ノデ ア リ マス。
被
右 治 安維 持 法 違 反 、 傷 害 被 告 事 件 ニ付 、 昭 和 六年 四 月十 三 日豊 多 摩
第 五十 二回 訊 問 調 書
刑 務 所 ニ於 テ、 予 審 判 事 秋 山 高 彦 ハ裁 判 所 書 記新 井 穣 立 会 ノ上 前 回
答 夫 レ モ詳 シク ハ規 約 ニア ル通 リデ スガ 、当 時 ノ関 西 地方 委 員
二問 関 西 地 方委 員 会 及 同 委 員 長 ノ任務 権 限 ノ主 ナ ル モノ ハ。
︹予 審判 事 ハ被 告 人 ニ対 シ被告 人 ガ本 件 犯 罪 ノ嫌 疑 ヲ受 ケ タ ル 原
ニ引 続 キ右 被 告 人 ニ対 シ訊 問 スル コト 左 ノ如 シ。
モノデ ス。
慮 シ、 党 ノ政 策 ヲ実 行 ニ移 シ且 当該 地 方 ノ全 党 活 動 ヲ指 導 統 轄 スル
会 ノ任 務 ヲ極 メ テ大 掴 ミ ニ申 上 ゲ レバ 、関 西 地方 ノ具 体 的 事 情 ヲ考
ノ スト ラ イ キ ヲ組 織 指 導 シ タ事
康 保 険 法 問 題 ヲ捕 ヘテ煽 動 シ、 工 場 代 表者 会 議 運動 ヲ起 シ テ二 万人
運動 ト ヲ結 合 スル事 ヲ決 定 シ、 此 ノ為 メ ニ当 時 問 題 ト 為 ツ テ居 タ健
画的 ナ闘争 激 発 ノ為 ノ宣 伝 煽 動 ヲ開 始 セ シ メ、 此 ノ宣 伝煽 動 ト組 織
二 姫 路 ノ労 働 組合 準 備 会 及 青 年 同 盟 支 部 準 備 会 並 ニ之 等 ノ組 織 ニ
又 地方 委 員 長 ハ此 ノ委 員 会 ノ責 任者 デ ア ツ テ、 委 員 会 々議 ニ於 テ ハ 議 長 ト為 ル モ ノデ ス。
干 係 ア ル学 生 等 ニ対 ス ル姫路 警 察 ノ暴 圧事 件 ニ対 シ、 兵 庫 県 下 ノ無
答 夫 レ ハ、
三問 神 戸 地 区 委員 会 ニ於 テ協 議 決 定 セ ラ レタ ル主 ナ ル事 項 ハ。
然 議 スベ キ性 質 ノ大 衆 団 体 ニ於 ケ ル人 事 問 題 ヲ協 議 シテ居 タ誤 謬 ヲ
二 従来 党 会 議 ニ於 テ労 働 組 合 、其 他 ノ大衆 団体 ノ常 任 委 員 会 ヲ公
四 日本 毛織 会 社 ノ労 働 争 議 ヲ指 導 シ、 同 会 社 数 千 ノ労働 者 ヲ評 議
事
働 者 農 民 ヲ シ テ反 対運 動 ヲ起 サ シ メ、 其 分 裂 ヲ最 小 限 ニ喰 ヒ止 メ タ
三 日労 党幹 部 ノ総 同 盟 及 農 民 組 合 分 裂 政 策 ニ抗 議 シ、 全 県 下 ノ労
サ レタ ル両 団 体 ノ再 組 織 ヲ行 ツ タ事
産 者 団 体 ヲ シ テ闘争 同 盟 ヲ組 織 セ シメ、 共 同抗 議 運 動 ヲ起 シ、 破 壊
改 正 シ、 党 自 身 ノ活 動 、 党 自 身 ノ発 展 ニ就 テ協 議 シ、 常 ニ夫 レト ノ
会 及 日本 共産 党 側 ニ獲 得 シタ事
一 中央 部 ノ指 令 ニ基 キ神 戸 ノ全 党員 ヲ二 ツ ノ細 胞 ニ分 割 シタ事 。
干 聯 ニ於 テ大 衆 団 体 ノ事 ヲ問 題 ト ス可 ク党 活 動 ノ方 針 ヲ根 本 的 ニ改
労 働 者 及 農 民 ヲ立 タ シ メ且此 闘 争 ノ過 程 ニ於 テ但 馬 地 方 ニ共 産 党 ト
第 一ニ、 兵 庫 県下 十 二 万人 ノ労 働 者 ノ組 織 、 就 中 未 組織 ノ儘 ニ放
メ タ事 。
日本 共 産 党指 導 下 ニ獲 得 ス ル事
聯 絡 スル反非 合 法 グ ルー プ及 労 働 組 合 、 農 民 組 合 、 青 年 同 盟 等 ヲ組
ヲ組 織 シ、 従 来 ノ小 ブ ルジ ヨ ア的 闘 争 方 法 ヲ改 メ テ此 闘 争 ノ先 頭 ニ
第 二 ニ、兵 庫 県 下 何 十 万 ノ未 組 織 農 民 ヲ組 織 ス ル事 、 又 既 ニ組 織
織 シ タ事 等デ アリ マシタ。
五 但 馬 震 災 義 捐 金 問 題 ヲ捕 ヘテ但 馬 町当 局及 県 当 局 ニ対 ス ル闘 争
サ レ右 翼 ノ指 導 下 ニア ル農 民 ヲ左翼 ノ手 ニ獲 得 シ、 全 体 ト シテ農
勿 論 之 等 ノ外 ニ議 会 解 散 請 願 運 動 其 他 全 国 的 ナ闘 争 等 モア リ マシ タ。
任 サ レ テ居 ル川崎 、 三菱 、 其 他 ノ大 工場 労 働 者 ヲ組 織 シ革 命 化 シ、
民 ヲ左翼 化 シ、 日本 共 産 党 指導 下 ニ獲 得 ス ル事
四 問 細 胞 会 議 ハ開 イ タ カ。
. ハ神 戸 市 内 ノ某 処 デ 週 一回 宛 細胞 会 議 ヲ開 キ
第 三 ニ、 益 々窮 乏 化 セ ル都市 小市 民 ノ政 治 的 経 済 的 反 抗 ヲ激 発 シ、
答 私 ノ所 属 細 胞 デ マシタ。
之 レヲ労 働 者 ノ利 益 ノ為 メ ニ利 用 ス ル事 以 上 ノ方 針 ニ基 キ、
五問 誰 々ガ出 席 シ、 如 何 ナ ル事項 ヲ協 議 決 定 シ タカ。
答 出 席 者 ハ申 上 ゲ 兼 ネ マスガ、 協 議 事 項 ノ重 ナ ル モノ ハ地 区 委
一 日本 労 働 組 合 評 議会 神 戸 地方 評 議 会 ノ活 動 方 針 ヲ批 判 シ、 従来 ノ自 然 発 生 的 組織 活 動 方針 ノ誤 謬 ヲ改 メ、 大 工場 ニ対 ス ル意 識 的 計
員 会 ノ処 デ 申 シ上 ゲ タ諸 事 項 ト 大差 アリ マセ ンガ、 細 胞 デ ハ夫等 ノ 具 体的 実 行 ニ付 テ協 議 決 定 シ マシタ 。尚 細 胞 員 カ ラ提 出 サ レ タ議 案 及 党 上部 ノ建 言 、 質 問 、 新 党員 ノ獲 得 等 ニ付 テ モ協 議 シ マシ タ。 六問 其 決 定 ハ実 行 シ タ カ。 答 夫 々実 行 ニ移 シ マシ タ。 七 問 関 西 地方 委 員 会 ガ協 議 決 定 セ ル事 項 ハ。 答 同 委 員会 ハ大 正十 五年 十 月 以 降 大 阪 市 内某 処 ニ於 テ前 後 数 回 開 催 サ レ マシ タガ、 其 出 席 者 ノ事 ハ申 上 ゲ ラ レ マセ ン。
一 従 来 党 会 議 ガ 寧 ロ大衆 団体 ノ秘 密 常 任 委 員会 デ ア ツタ カ ノ
協 議 決 定 セ ル事 項 ハ、
如 キ状 態 ヲ打破 ス ル事 二 全 関 西 地方 ノ労 働 者農 民 ノ政 治 的 経 済 的 闘 争激 発 及労 働 者 農 民 ノ組 織 、 大 衆 ノ共 産 党指 導 下 ヘノ獲 得 三 組 合 ノ統 一ト其 共 産 党 指導 下 ヘノ獲 得 四 日本 共 産 党 各 地区 委 員 会 ノ活 動 プ ラ ン作 成 ニ対 スル指導 五 各 地 区委 員 会 ニ対 ス ル不 断 ノ指導 六 地 方委 員 会 ノ組 織 活 動 プ ラ ンノ作 成 等 々ガ 先ヅ 決 定 サ レ、 最 後 ノ プ ラ ン作 成 ノ為 メ各 委 員 ガ分 担 シ テ客 観 的 情 勢 分析 ノ為 メ材 料 ヲ収 集 提 出 シ、 夫 レ ニ基 キ決定 ス ル事 ト シ、
一 当 面 各 地 区 、 就中 大阪 、 京 都 地 区 ノ活 動 ヲ神戸 地 区 ノ活 動
其 完 成 ニ努 メ ツ ヽ、
方 針 ノ如 ク改 善 セ シ メ ル事 二 当 時 益 々 旺盛 ニ為 ツ テ居 タ議 会 解 散 請 願 運 動 ニ就 テ、 此 ノ 運動 ノ基 礎 タ ル可 キ労働 者 農 民 ノ 日常 闘 争 ノ激 発 及 夫 レト請
願 運 動 ト ノ結 合 ガ疎 カ ニ為 ツ テ居 ル事 ヲ改 善 スル事
被
告
清
人 三 田村 四郎
反 対運 動 ニ動 員 スル事 、其 為 メ ノ煽 動 宣 伝 及 組 織 的 活 動
三 日労 党 幹 部 ノ分 裂 政 策 ニ反 対 シ、 全 関 西 ノ労 農 大 衆 ヲ此 ノ
四 其 他 党 拡 大 ニ干 スル事 項 等 々デ アリ マシタ。
八 問 夫等 決 定 事 項 ノ実 行 ハ。 答 何 レ モ実 行 シ マシ タ。
同 日於 同 所作 之
右 読 聞 ケ タ ル処無 相 違 旨 申 立 署 名 拇 印 シ タリ 。
東京 地方 裁 判 所
予 審 判 事 秋 山 高 彦
裁 判 所 書 記 中 村
編
者
略
歴
松 尾 尊兊 〈ま つ お ・たか よ し〉1929年 鳥 取 市 に 生 ま れ る. 1953年 京 都 大 学 文 学 部 卒 業.現 在 京 都 大 学 文 学部 教 授. 著 書 『大 正 デ モ ク ラ シ ー の研 究 』(青 木 書 店,1966),『 民本 主 義 の 潮 流 』(文 英 堂 ,1970),『 大 正 デ モ ク ラ シ ー』(岩 波 書 店,1974),『
本 倉 』(み す ず 書 房,1983).
続 ・現 代 史 資 料 2
社会主義沿革 2 松 尾 尊兊
1986年7月15日 1986年7月25日
・解 説
印刷 発行
発 行 者 北 野 民 夫 発 行 所 株 式 会 社 み す ず 書 房 〒113 東 京 都 文 京 区 本 郷3丁 電 話 814‐0131(営
業)815‐9181(本
社)振
目17‐15
替 東 京0‐195132
本 文 印 刷 所 精 興 社 扉 ・口 絵 ・函 印 刷 所 栗 田 印 刷 製 本 所 鈴 木 製 本 所
1986 Misuzu Shobo Printed in Japan ISBN 4‐622‐02652‐X 落丁 ・乱丁本 はお取替 えいた します