片 桐 重 延 監修 片 桐 重 延 ・白石 和 夫 共著
R
〈日本 複 写権 セ ン ター 委 託 出版 物 〉
本書 の全 部 また は一 部 を無 断 で複 写 複 製(コ ピー)す るこ とは,著 作 権 法上 での例 ...
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片 桐 重 延 監修 片 桐 重 延 ・白石 和 夫 共著
R
〈日本 複 写権 セ ン ター 委 託 出版 物 〉
本書 の全 部 また は一 部 を無 断 で複 写 複 製(コ ピー)す るこ とは,著 作 権 法上 での例 外 を 除 き,禁 じ られ て い ます 。本 書 か らの複 写 を希 望 さ れ る場 合 は,日 本複 写 権 セ ン ター(03-3401-2382)に ご連 絡 くだ さい。
序
文
平 成6年
度 よ り実 施 さ れ た新 し い高 校 数 学 で は,コ
ン ピュ ー タ に 関 す る取 扱 い
が い ま まで 以 上 に 重視 され て い る。 そ れ は,こ れ か ら コン ピ ュー タ に つ い て,ま た,コ ン ピュ ー タ に 関 連 す る 「数 学 」 につ い て 学 ぼ う とす る人 々 に と って 学 びが いの あ る もの で あ る。元来,日 本 の 数 学 教 育 は,戦 後 長 い 間 大 学 進 学 者 の た め の, あ る い は,将 来 特 に数 学 を必 要 とす る人 々 の た め の もの で あ っ た。 しか し,数 学 が 情 報 化,高 度 技 術 社 会 の ため に さ ま ざ ま なか た ち で関 与 して き た現 在,も 単に,将 来,数 な くな り,よ
はや
学 を特 に 必 要 とす る人 々 や,理 工 系 を志 す 人 々 の た め の もの では り広 い意 味 で の 知 的ユ ー ザ ー とい わ れ る人 々 が 数 学 を学 習 す る時 代
が きた の で あ る。 こ の こ と は,「 中等 教 育(中 シ ー は,情 報 化,高
学 ・高校)に
お け る数 学 的 リテ ラー
度 技術 社 会 に お け る一 般 知 識 人 が もつ べ き標 準 的 な教 養 を 目
指 す こ とに な る」(数 学教 育 の会)の 指 摘 に も端 的 に示 され て い る。 ま さ に,コ
ン
ピュー タ関 連 の数 学 は,こ れ か ら の生 涯 教 育 の 基 盤 と して の 数 学 で あ る とい って も過 言 で は な い。 本 シ リー ズ(全11巻)は,コ
ン ピ ュー タ 関 連 の 数 学 を次 の 各 分 野 に 分 け て企 画
し た。 そ れ は 既 刊 の 「数 学 とコ ン ピュ ー タ シ リー ズ(全8巻)」 向 け に発 展 させ,新
の 思 想 を よ り現 代
し い 中等 数 学 の 考 え を取 り入 れ た もの で あ る。
第 一 は, 第1巻 コ ン ピュ ー タ 言語 と処 理 第2巻 第3巻
BASICに BASICに
よ る数 学 の 問題 解 法 よ る高 校 数 学
の 内容 で,コ ン ピ ュー タ関 連 の 数 学 を学 ぶ た め の 基 盤 と新 しい 数 学,特 数 学A,数
学Bの
内容 に 準 拠 した もの で あ る。BASIC言
に高校 の
語 は,こ れ らの教 科 書 の
ほ とん どで 使 用 され て い る言 語 で あ り,こ れ か ら も数 学 教 育 用 言 語 の 主 流 と して の 立 場 を維 持 す るで あ ろ う。
第 二 は, 第4巻
行 列 と線 形 計 算
第5巻
数値計算
第6巻
確 率 統 計
に そ の 特 徴 が 見 られ る よ うに,こ
れ か らの 高 校 数 学,あ
学 に 取 り入 れ られ る で あ ろ う。 行 列,線
形 計 算,数
る い は,大 学初 年 度 の数
値 計 算,確 率 統 計 の 基 礎 を 目
ざ し た。 主題 の 性 格 上,や や 難 解 な 問 題 も含 まれ るが,全 体 を とお して 読 め ば 高 校 生 に も理 解 で きる よ うに 心 が け た つ も りで あ る。 い うま で もな く,高 校 現 場 で 数 学Cを
中 心 に これ か ら コ ン ピ ュー タ関 連 の 数 学 を教 え よ う とす る先 生 方 や,大
学 で こ れ らの 数 学 を平易 に 学 習 し よ う とい う人 々 に とっ て も有 効 に 利 用 で き るで あ ろ う。 第 三 は, 第7巻
数 学 ソ フ トに よ る 曲 線 と図形 処 理
第8巻 数 学 ソ フ トに よ る数 式 処 理 と関 数 第10巻
Mathematicaに
よ る離 算 数 学
に お い て 取 り上 げ た 数 学 ソ フ トウ ェ ア に よ る数 学 の展 開 で あ る。 数 学 ソ フ トは い まや ます ます 発 展 し,こ れ か らの 数 学 で 欠 くこ との で き な い分 野 に な りつ つ あ る。 図 形 処 理 や 数 式 処 理,関
数 と グ ラ フ の扱 い に つ い て は,単 に 中等 数 学 の み な らず
数 学 教 育 や 数 学 の研 究 に お い て も有 効 な 手 段 に な る。 こ こ で は,代 表 的 な数 学 ソ フ トに つ い て取 り上 げ,問 題 の解 法 を試 み た 。 他に 第9巻 は,コ
コ ン ピ ュー タに よ る グ ラ フ ィ ッ クス
ン ピ ュ ー タ グ ラ フ ィ ッ ク ス を そ の 基 盤 か ら誰 に で もわか る よ うに や さ し く
解 説 し た もの で あ り, 第11巻 は,主
コ ン ピ ュー タ に よ る成 績 処 理
と して小 学 校,中
学 期 ご との,ま
学校,高
等 学校 に お け る教 科 担 任,学 年 担 任 の 先 生 方 の
た,学 年 末 の 成 績 処 理 と省 力 化 等 に つ い て,誰 に で も利 用 で き る
よ うに 解 説 した 。 ま た,こ
こ で は ソ フ トウ ェ ア を利 用 した処 理 方 法 につ い て も示
し た。 以 上,こ
れ か ら コ ン ピュ ー タ を 学 習 す る 人,コ
ン ピ ュー タ に 関連 す る数 学 を学
習 し,教 育 し よ う とす る人,数 値 計 算 に 習 熟 し数 学 の社 会 にお け る有効 な 活 用 を 図 る人,さ
らに,数 学 の ソフ トウ ェ ア を有 効 に利 用 し よ う とす る人 々 に とっ て,
こ の 全11巻
の 書 が 座 右 の 銘 の ご と く,有 効 に利 用 され る こ と を願 っ てや ま な い。
な お,多 忙 な 中 を この シ リー ズ の 執 筆 に あ た られ た 白石 和 夫,高 橋 公,飯 三,室
岡 和 彦,佐 藤 公 作,志
る と と もに,本
田健
賀 清 一,山 路 進,金 子 伸 一 の各 氏 にお 礼 を 申 し上 げ
シ リー ズ の 出版 を企 画 ・推 進 して くだ さ っ た東 京 電機 大 学 出版 局,
お よ び終 始 ご助 言 くだ さ っ た前 編 集 課 長 朝 武 清 実 氏 に 深 甚 の 謝 意 を表 した い。 1996年10月 監修 片 桐
重延
は じめ に こ の巻 で は,コ ン ピュ ー タに よ る グ ラ フ ィ ッ クス に つ い て 取 り扱 うこ とにす る。 本 シ リー ズ の 第1巻 て,グ
か ら第8巻
までの数 学 の諸 問題 の取 扱 いの延 長線 上 にお い
ラ フ ィ ッ クス の 基 礎 をて い ね い に取 り扱 っ た の が 本 書 の特 徴 で あ る。
第1章
の グ ラ フ ィ ッ クス の 基本 で は,コ
ン ピ ュー タ の グ ラ フ ィ ッ クス機 能 を利
用 す る た め の知 識 を わか りや す く述 べ た。 こ とに,三 角 関 数 が グ ラフ ィ ッ ク ス の 重 要 な役 割 を果 た す こ とにか ん が み,グ
ラ フ ィ ッ クス機 能 を用 い な が ら,三 角 関
数 の 性 質 を調 べ る よ う に した。 また,第2章 は,本
シ リー ズ
第3巻
「BASICに
で は,平
面 図 形 を取 り上 げ た 。 これ
よ る高 等 数 学 」,第7章
「い ろ い ろ な 曲 線 」
で 取 り上 げ た もの を グ ラ フ ィ ッ クス の 立 場 か ら再 検 討 し た もの で あ る。 ま た,第 7巻
「数 学 ソ フ トに よ る 曲線 と図 形 処 理 」 と も関 連 す る項 目で あ る。
第3章
と第4章
で は,平 面 上 の 図 形 の 変 換 と複 素 数,複
い て 取 り扱 っ た。そ して,第5章 列,反
素数平面上 の変換につ
で は,漸 化 式xn+1=f(xn)に
転 写 像 の性 質 を調 べ るこ と を通 して,カ
よ っ て定 義 され る数
オ ス とフ ラ ク タ ル に ふ れ る よ うに
した 。 最 後 に 第6章 数,そ
で,数 学 の応 用 と して,微 分 方程 式,テ
ー ラー 展 開,フ ー リエ 級
して 空 間 図 形 を取 り上 げ た 。
い ず れ も,コ
ン ピ ュー タ に よ る グ ラ フ ィ ッ クス の基 礎 と して の数 学 で あ り,初
心 者 に も十分 読 み こ なせ る よ うに考 え た。 そ して,従
来,コ
ン ピ ュ ー タ ・グ ラ フ
ィ ッ ク ス を行 う上 で 基 本 とな る もの で あ る。 言 語 と して は,グ
ラ フ ィ ッ クス に 関 す る上 記 の ア ル ゴ リズ ム を解 析 す るの に 適
当 と思 わ れ るJISに
定 め られ たFull
BASICを
用 い た 。 しか し,あ
くまで これ は
ア ル ゴ リズ ム を解 析 す る ため の もの で あ り,実 際 は,こ の ア ル ゴ リズ ム を も とに して,そ
れ ぞれ の 言 語 に 書 き改 め て 実 行 して頂 き た い。 これ らの基 礎 が 有効 に 体
得 され る こ とを願 う もの で あ る。 1996年8月 著 者 し るす
目
第1章
次
グラ フィ ックス の基本
1.1 コ ン ピ ュ ー タ の グ ラ フ ィ ッ ク ス [1]
コ ン ピュ ー タの グ ラ フ ィ ッ クス 命 令
[2] 関 数 の グ ラ フ
1 1
3
1.2 三 角 関 数
8
[1] 三 角 関 数
[2] 三角関数 の基本性質
8 13
1.3 基 本 作 図
21
第2章 平面曲線 2.1 媒 介 変数 と極 座 標
26
[1] 曲線の媒介変 数表示
26
[2] 極座 標
31
2.2 二 次 曲 線 [1] だ
40
円
40
[2] 双 曲 線
44
[3] 離心率
46
[4] 接
線
48
[5] 軌
跡
51
第3章 図形の変換 3.1 平 行 移 動 と回 転移 動
56
[1] 図 形 の変 換
56
[2] 回 転 移 動
59
[3] 変 換 の合 成
60 61
3.2 一 次 変 換 [1] 拡 大 ・縮 小 一 次 変 換 [2]
61
[3]
65
ず ら し写 像(shear)
[4] 一 次 変 換 の合 成 と分 解
63
68
[5] 対称移動
73
[6] 等 長 変 換
75
3.3 ア フ ィ ン 変 換
76
[1] 表 向 き合 同 変 換
76
[2] 対 称 移 動
80
[3] ア フ ィ ン変 換
81
[4] BASICに
よ るア フ ィ ン変 換
84
3.4 敷 き 詰 め模 様
86
[1] 敷 き詰 め模 様
86
[2] 紗 綾 形(さ や が た)
89
3.5 自 己 相似 図形 [1] [2]
コ ッ ホ 曲 線 シ ル ピ ンス キー の ガ ス ケ ッ ト
92
92 96
第4章 複素数 4.1 複 素 数 平 面上 の変 換 [1] 相似変 換 [2] 自 己相 似 図 形
4.2 複 素 数 平 面上 の その 他 の 変換
98
98 104 108
[1] 写像 w=z2
108
[2] w2=zで
111
定 まる点
[3] 写像 w=
1/z 114
[4] 反転 w=
1/z 118
[5] 写 像 w=z+
1/z 120
第5章 カオス 5.1
反復写像 [1] 漸 化 式 xn+1=f(xn)に
122
よ っ て 定 義 さ れ る数 列
[2] ロ ジス テ ィ ッ ク写 像
122
136
5.2 マ ンデ ル ブ ロ ー集 合
139
[1]
マ ン デ ル ブ ロ ー の λ-map
139
[2]
マ ン デ ル ブ ロ ー の μ-map
146
第6章 数学の図解 6.1 微分 方程 式
148
[1] 1階 の線 形微 分 方 程 式
148
[2] 2階 の線 形微 分 方 程 式
154 161
6.2 テ ー ラ ー 展 開 [1] 多項 式 に よ る近 似
161
[2] 正弦 関数 の近似
162
[3] テー ラ ー 展 開
164 165
6.3 フ ー リエ 級 数
[1] フ ー リエ 級 数
165
[2] フ ー リエ 係 数
165
[3] の こ ぎ り波
166
6.4 空 間 図 形 [1] 空 間座 標
169
[2] 曲 面 の 表 示
173
問の解答 索
169
175
181
引
第1章 グ ラフ ィ ック スの基 本 こ の 章 で は,コ
ン ピュ ー タの グ ラ フ ィ ッ ク ス機 能 を 利 用 す るの に 必 要 と な る基 礎 知 識
を 学ぶ 。 ま た,本
書 で は 三 角 関 数 が 重 要 な役 割 を果 た す 。 第2節
で は,コ
ン ピュ ー タの
グ ラ フ ィ ッ ク機 能 を利 用 しな が ら三 角 関 数 の 性 質 を調 べ て い く。
1.1
[1]
コ ン ピ ュ ー タ の グ ラ フ ィ ッ ク ス
コ ン ピ ュー タ の グ ラ フ ィ ッ ク ス 命 令
(1) グ ラ フ ィ ック 座 標 系 コ ン ピュ ー タ の デ ィ スプ レー 画 面 は,縦 横 に 規 則 正 し く並 べ られ た画 素 か らで きて い る。例 え ば,PC9801シ 個,縦 方 向 に400個,し
リー ズ の標 準 的 なデ ィ ス プ レー 画 面 は,横 方 向 に640
た が っ て,総 数640×400=256000個
の 画 素 か ら構 成 され
て い る。 各 画 素 は,指 令 に よ って 色 や 明 度 を変 え る こ とが で き る。 個 々 の 画 素 は,コ
ン ピ ュー タ内 部 の 記 憶素 子(メ モ リー)に 対 応 す る。 しか し,
グ ラ フ ィ ッ クス を利 用 す るの に,記 憶 素 子 の コ ン ピ ュー タ 内部 で の番 地(ア ス)で
ドレ
画 素 を指 定 し なけ れ ば な ら な い と した ら,プ ロ グ ラ ミン グは ず い ぶ ん 難 解
な も の と な っ て し ま う。 そ こで,画 面 上 で の 実 際 の 位 置 を縦,横 る方 式 が 採 用 され る。 こ の座 標 を物 理 座 標 とい う。
の座 標 で 指 定 す
た と えば,PC9801シ
リー ズ で は,左 上 端 点 を原 点 と して右 方 を横 軸 の 正 の 向
き,下 方 を縦 軸 の正 の 向 きに す る物 理 座 標 系 が 用 い られ,標 準 の グ ラ フ ィ ッ クモ ー ドで は ,右 下 端 点 の 座 標 は(639,399)と
な る。 物 理 座 標 は,コ
ン ピ ュー タ の能
力 を有 効 に 利 用 した プ ロ グ ラム を書 くの に 適 した 座 標 系 で あ る。 しか し,コ ン ピュ ー タ の グ ラ フ ィ ッ クス 画 面 に グ ラ フ を描 こ う とす る と き,利 用 者 の 念 頭 に あ る座 標 系 は物 理座 標 で は な く,画 面 の左 右 にx座
標,上 下 にy座
標 が 割 り当 て ら れ て い る の が 普 通 で あ る。 この 座 標 系 は,論 理 座 標,利 用 者座 標, 問 題 座 標 な ど と呼 ば れ る。 グ ラ フ ィ ッ ク ス は,プ ロ グ ラ ミン グ言 語 ご とに差 が 大 き い。本 書 で は,「 は じめ に」 で述 べ た よ うに,JIS
Full BASICを
用 い る(注1)。
(2) 論 理 座 標 JIS Full BASICは
標 準 的 な 描 画 領 域 の 形 は 正 方 形 で あ る と仮 定 して い る。 も
し,実 際 に利 用 可 能 な描 画 領 域 が 正 方 形 で な い な らば,そ
の 中 にお さ ま る最 大 の
正 方 形 が 描 画領 域 と して 用 い られ る(注2)。 こ れ に よ っ て,同 一 の プ ロ グ ラム の 実 行 結 果 は,大
き さや 解 像 度 の 違 い を無 視 す る と き,利 用 す る装 置 が 異 な って も同 じ
に な る。 実 際 に座 標 系 を設 定 す る命 令 は,SET 文 は,SET
WINDOW
WINDOW文
WINDOW
xL,xR,yB,yT
の 形 に 書 い て,描
画 領 域 の 左 端 のx座
標
をxL,右
端 のx座
標 をxR,下
標
をyB,上
端 のy座
標 をyTに
1.1)。 す な わ ち,x座
で あ る。SET
端 のy座
設 定 す る(図
標 の 範 囲 がxL∼xR,
y座 標 の 範 囲 がyB∼yTと
な る。
図1.1
(注1)
本 書 の プ ロ グ ラ ム を実 行 す る の に 利 用 可 能 なBASIC処
配 布 して い る 。BASIC処 り,ホ (注2)
JIS
理 系 を イ ン タ ー ネ ッ トを 介 し て
理 系 の 対 象OSはWINDOWS3.1/95とPC9801版MS‐DOSで
ー ム ペ ー ジ のURLは,http://pweb.in.aix.or.jp/ shiraishi/basic.htmで X3003‐1993
Full
BASIC
13.1.9に
よ る。
あ あ る。
[2]
関数 の グラ フ
(1 ) 数 表 を 作 る プ ログ ラ ム x座 標 の 範 囲 を-4∼4に
設定 して,y=x3-4xの
グ ラ フ を描 くプ ロ グ ラ ム を作
っ て み よ う。 ま ず,f(x)=x3-4xと
お い て,簡 単 な数 表 を作 るプ ロ グ ラ ム を用 意 す る。 プ ロ グ ラ ム1.1
10行 のDEFは,関
数 を定 義 す る命 令 で あ る。DEF文
を利 用 して 関 数 の 定 義 を
プ ロ グ ラム の は じめ に 書 い て お く と,プ ロ グ ラ ム の 見 通 しが よ くな り,関 数 の部 分 を書 き換 え て再 利 用 す るの に 都 合 が よい 。 (2) 点 を プ ロ ッ トす る プ ロ グ ラ ム プ ロ グ ラ ム の 実 行 結 果 をみ る と,関 数 値 が-48∼48の わ か る。 そ こ で,y座 FOR文
で制 御 変数xに
標 は,多 少 余 裕 をみ て,-50∼50の
間 に 出 現 し て い る こ とが
対 し て指 定 す る 増分 を0.1に
範 囲 に 設 定 す る。 また, して,上
に 示 した プ ロ グ ラ
ム よ りも細 か く計 算 し,そ の 計 算 結 果 を画 面 上 に プ ロ ッ トす る。 プ ロ グ ラ ム1.2
図1.2
プ ロ グ ラ ム の 変 更 点 は,20行 0.1"を
追 加 し て,70行
のSET
WINDOW文
を 追 加 し,60行
で 機 能 語"PRINT"を"PLOT
に"STEP
POINTS:"に
書 き換 え
た こ と で あ る。 実 行 結 果 を 図1.2に "*"で
示 す 。PLOT
POINTS文
で 描 か れ る点 の 形 の 初 期 値 は
あ る(注1) 。 関 数 の グ ラ フ を 描 く よ う な 場 合 に は 大 き す ぎ る の で,点
" ・"に 変 更 し た い し て,曲
。 ま た,座
標 軸 が な い と 不 便 だ か ら,座
線 の 形 を と ら え る た め に,y座
し た も の が プ ロ グ ラ ム1.3で
の形 を
標 軸 も描 き た い 。 そ
標 の 範 囲 は-10∼10程
度 に狭 め る よ うに
あ る。
プ ロ グ ラ ム1.3
図1.3
点 の 形(point 50行
style)を
に 示 すSET
変 え る 命 令 は,
POINT
STYLE文
で あ る 。point
style
1は,"・"で
あ る。
軸 や 格 子 を 描 く の は 一 般 に は 面 倒 な プ ロ グ ラ ミ ン グ が 必 要 で あ る が,プ ム1.3で
は,格
子 を 描 くた め に 外 部 絵 定 義gridを
定 義 の た め の 構 文 の1つ
で,副
行 す る た め の 文 が,40行
のDRAW文
絵 定 義(external
picture)の
外 部 絵 定 義gridの
(注1)
JIS
X3003
Full
用 い て い る 。 絵 定 義 は,手
プ ロ グ ラ ム の 変 種 と思 っ て よ い 。絵 定 義gridを で あ る 。30行
は,"grid"と
続 き 実
い う名 前 が 外 部
た め に 用 い ら れ る こ と を 宣 言 し て い る。
定 義 部 は,プ
BASIC
ログラ
13.2.4に
ロ グ ラ ム1.4の
よ る 。
よ うに な っ て い る。 外 部 絵 定 義
で 用 い ら れ る変 数 の名 前 や 行 番 号 は プ ロ グ ラ ム の他 の 部 分 で用 い られ る変 数 の 名 前,行 番 号 と独 立 で あ るか ら,絵 定 義 の 内 部 に気 を使 う必 要 は な く,絵 定 義 を完 全 な ブ ラ ッ クボ ッ ク ス と し て利 用 で き る。 なお,160行 は,INT関
で 用 い られ るCEIL関
数
数 と同 様 の処 理 を正 負 の 向 き を反転 させ て実 行 す る 関数 で あ る(す な
わ ち,CEIL(x)は,x以
上 の最 小 の 整 数 を表 す)。 プ ロ グ ラ ム1.4
(注1)
「!」は 注 釈 を 意 味 す る 。
問1 x座
標 の 範 囲 を-4∼4に
設 定 し て,関 数y=x3+2x2の
グ ラ フ を描 くプ ロ グ ラ ム
を作 れ 。
(3) 例 外 処 理 関数y=f(x)の
グ ラ フ を描 く とき,xの
値 が 関 数 の 定 義 域 外 の 値 で あ っ た り,
f(x)の 計 算 結 果 が 桁 あ ふ れ の エ ラー に な って しま うこ とが あ る。そ の よ う な場 合 で も,実 行 を停 止 せ ず に 処 理 を先 に進 め る こ とが で き る よ うに して お か な い と, 関数 の グ ラ フ を描 く とい う 目的 に は具 合 が 悪 い。 こ の種 の 実 行 時 に 発 生 す るエ ラ ー を,構 文 誤 り と区 別 して,例 外 と呼 ぶ 。次 に,例 外 処 理 の 方 法 に つ い て 述 べ る。
関 数y=√x2+x-1の 数 で あ れ ばIF文
グ ラ フ を描 くプ ロ グ ラム で考 え て み よ う。 こ の程 度 の 関
に よ る場 合 分 け で 十 分 対 応 で き るが,こ こ で は,計 算 結 果 が例 外
を 引 き起 こす 条 件 が 予 測 で きな い もの と して考 え る。 例 外 処 理 を行 うた め の 専 用 の構 文 と してWHEN構 能 性 の あ る文(複 数 で も よい)をWHEN み,USE行
とEND
る。WHEN構
WHEN行
文 が あ る。例 外 を起 こす 可
EXCEPTION
IN行
とUSE行
とで 囲
との 間 に例 外 が 起 きた と きに 行 う処 理 を 記 述 す
文 の使 用例 をプ ロ グラ ム1.5に
示 す 。プ ロ グ ラ ム1.5で
発 生 し た と きに行 うべ き仕 事 が な い か ら,USE行
とEND
WHEN行
は,例 外 が の 間 に何 も
書 い て な い。 プ ロ グ ラ ム1.5
図1.4
エ ラ ー を起 こ した文 がWHEN構
文 に 囲 まれ て い なけ れ ば,そ の 呼 び 出 し元 に
エ ラ ー が 伝 達 さ れ る。 し た が っ て,DEF文 PLOT文
に伝 達 され,そ
つ い で に,DEF文
で 発 生 し た エ ラー は 呼 び 出 し元 の
こで例 外 処 理 の 対 象 とな る。
を用 い な い形 で プ ロ グ ラ ム を書 い た と きの動 作 に つ い て 調 べ
て お こ う。プ ロ グ ラ ム1.6の 例 外 が 発 生 す る と170行
よ うに書 け ば,例 外 が発 生 す る の は160行
を飛 び越 して 先 に進 む 。
で あ るが,
プ ロ グ ラ ム1.6
(4) 折 れ 線 で 結ぶ 関 数 の グ ラフ を描 く と き に,計 算 して 得 られ た 点 を なめ らか な曲 線 で結 ぶ よ う に と習 っ た読 者 が 多 い の で な い だ ろ うか 。 な め らか な 曲線 で結 ぶ よ うに す るの は か な り面 倒 で あ るが,た
くさ ん の 点 を とっ て順 に 線分 で結 ん で い くこ とは簡 単 に
で き る。(プ ロ グ ラム1.7参
照)
プ ロ グ ラ ム1.7
図1.5
PLOT
LINES文
で 末 尾 に;(セ PRINT文
は,指 定 さ れ た 点 を順 に 線分 で結 ん で 描 く命 令 で あ る。150行
ミコ ロ ン)が 付 い て い る こ とに 注 意 し た い。 こ の セ ミコ ロ ン は,
で用 い られ る セ ミコ ロ ン と同様 の 働 き を して,次 に,実 行 さ れ るPLOT
LINES文
で指 定 され る点 との 間 を線 分 で 結 ぶ 働 き をす る。170行 に 書 か れ た 引数
の な いPLOT
LINES文
は,引 数 を持 た な いPRINT文
と同様 の効 果 を持 つ 文 で
あ り,直 前,直 後 に指 定 され る点 ど う し を 線分 で 結 ば な い よ う にす る働 き をす る。 問2 例 外 処理 を利 用 して,関 数
1.2
[1]
〓の グ ラ フ を描 け 。
三 角 関 数
三角 関数
(1) 三 角 関 数 の グ ラ フ プ ロ グ ラム1.8は,-360°
か ら360°まで の角 に 対 す る正 弦 の 値 を グ ラ フ に す る
もの で あ る。 角 の 大 きさ の 単位 を度 に した い と き,三 角 関数 が 現 れ る行 よ りも手 前の行 に OPTION
ANGLE
DEGREES
を書 く。 プ ロ グ ラ ム1.8
図1.6
角 の 大 き さの 単位 を度 に して グ ラ フ を描 く と,1°間 隔 で格 子 を描 い た の で は 細 か す ぎて し ま う。 こ の 問題 は,絵 定 義gridを き る。プ ロ グ ラム1.8の40行 め のDRAW文
横 方 向 に拡 大 して描 くこ と で解 決 で
が絵 定 義gridをx軸
方 向 に45倍
に拡 大 し て描 くた
の使 い 方 を示 して い る。
(2) 弧 度 法 角 の 大 き さ を,角 の 頂 点 を 中心 とす る半 径1の
円 が角 に よ っ て切 り取 られ る弧
の 長 さで 表 現 す る こ とが で き る。 こ の よ うに して角 の大 き さ を表 す 方 法 を弧 度 法 とい い,弧 の長 さ θに対 応 す る角 の大 き さ を θ ラ ジア ン(弧 度)と
い う。180゜=
π ラ ジ ア ン だ か ら,
1ラ ジ ア ン
〓で あ る。
弧 度 法 を用 い る と,半 径rの 用 上 は,表1.1の
円 の 中 心 角 θに 対 応 す る弧 の 長 さ はrθ で あ る。実
対応表が役 に立つ。 表1.1
角 の 大 きさ を弧 度 法 を用 い て 表 す と き,単 位 の ラ ジア ン を省 略 して 書 くの が普 通 で あ る。 ま た,BASICで
は,通 常,角 の 大 き さ の単 位 と し て ラ ジ ア ンが 用 い ら
れ る。 (3) 一 般 の 正 弦 関 数 自然 現 象 に は,y=asin(bx+c)の 数 と してy=Asin(ωt+φ)の は 角 振 動 数,φ い,fの
形 の 関 数 が 多 く出 現 す る。特 に,時 刻tの
形 に 書 か れ る と き,Aを 振 幅,ω を 角周 波 数 あ るい
を初 期 位 相 とい う。 ま た,f=ω/2π
逆 数1/fを
関
を周 波 数 あ る い は 振 動 数 とい
周 期 と い う。これ らの用 語 は,必 ず し も時 刻 の 関数 と は 限 らず
一 般 の 正 弦 関 数 に も準 用 さ れ る こ とが 多 い
。
正 弦 関 数 に お い て 重 要 な こ れ らの 定 数 の 意 味 は,異
な る定 数 を用 い て 描 い た グ
ラ フ を比 較 す る こ と で明 らか に な る。 図1.7は,プ
る が,こ
ロ グ ラ ム1.9を
れ はy=cosxの
用 い て,
〓の グ ラ フ を描 い た もの で あ
グ ラ フ と一 致 す る 。 余 弦 関 数 も 広 い 意 味 で は,正
の一 種 で あ る。
図1.7
プ ロ グ ラ ム1.9
弦関数
130行 で用 い られ て い るPIは
円周 率 π(の 近 似 値)を
表 す機 能 語 で あ る。
(4) 正 接 関 数 の グ ラ フ 正 接 関数 の グ ラ フ を描 く場 合 に は,桁
あふ れや 定 義 域 に 関す るエ ラー へ の対 処
を考 え て お く必 要 が あ る。角 の 大 きさ の 単 位 を度 に して 描 く場 合 は,TAN(90)や TAN(270)が
例 外 を 引 き起 こす か ら,プ ロ グ ラム1.10の
す る。 実 行 結 果 を図1.8に
よ うな 方 法 で例 外 処 理 を
示 す。 プ ロ グ ラ ム1.10
図1.8
図1.9
し か し,弧 り,余
度 法 に よ る 場 合,同
分 な 線(漸
BASICの
近 線?)が
変 数xの
様 の プ ロ グ ラ ム の 実 行 結 果 は 図1.9の
描 か れ て し ま う。
値 が 無 理数〓+nπ(n=0,±1,±2,…)に
あ り え な い か ら 弧 度 法 に よ る 限 り,TAN(x)は 込 関 数TAN(x)が
ようにな
一致 す ることは
常 に 有 限 の 値 で あ る 。 だ か ら,組
定 義 域 に 関 す る エ ラ ー を 引 き 起 こ す こ と は あ り得 な い 。桁 あ ふ
れ の エ ラ ー に な る 可 能 性 は あ る が,実 く な い 。 だ か ら,図1.9の な 方 策 は 存 在 し な い か ら,ど
際 に桁 あ ふ れ の エ ラ ー に な る こ とは そ う 多
よ う に な る の で あ る。 こ れ を 防 ぐの に 取 り 立 て て 有 効 う し て も 場 当 た り 的 な 技 巧 に 頼 ら ざ る を得 な い 。 そ
の 一 例 を プ ロ グ ラ ム1.11,図1.10に
示 す。 プ ロ グ ラ ム1.11
図1.10
問3 定 数a,bを
[2]
入 力 す る と,y=tan(ax゜+b)の
グ ラ フ を描 くプ ロ グ ラ ム を作 れ 。
三 角 関 数 の 基 本 性 質
(1) asinθ+bcosθ 図1.11は,y=sinx+cosxの
グ ラ フ を 描 い た も の で あ る 。こ の グ ラ フ か ら,こ
の曲線 が〓
の グ ラ フ と一 致 す る こ と が わ か る。
一 般 に,y=asinx+bcosxの
グ ラ フ を 描 い て み れ ば,そ
れ らが ほ ぼ正 弦 曲 線
で あ る こ と に 間 違 い な い こ とが 読 み 取 れ る で あ ろ う。
実 際,加
法 定 理 を用 い る と,
と な る か ら,
と な る よ う に 定数r,α
を定 め る こ とが
で き れ ば,
と変 形 す る こ とが で き る。
図1.11
rと
α の 定 め 方 に つ い て 考 え て み よ う。 ま ず,
で あ る か ら,
と定 め る 。 そ し て,原
点Oと
平 面 上 の 点A(a,b)と
を 結 ぶ 半 直 線OAがx軸
の正
の 向 き と な す 角 を α とす れ ば,
で あ る。 この 事 実 をデ モ す るプ ロ グ ラ ム を作 っ てみ よ う。半 直 線OAがx軸 と なす 角 を求 め る の に,組 込 み 関数ANGLE(a,b)を
の正 の 向 き
利 用 す る。
プ ロ グ ラ ム1.12
な お,上 の プ ロ グ ラ ム は,a=b=0の は α は ど う定 め て も い い の で,例
場 合 に 不 都 合 が 生 じ る 。a=b=0の え ば,
場合 に
130
IF a=0
AND
b=0
THEN
LET
alfa=0
ELSE
LET
alfa=ANGLE(a,b)
の よ う に 修 正 す れ ば 完 全 な プ ロ グ ラ ム に な る。 (2) う な り 振 動 数 が わ ず か に 異 な る2つ は,プ
ロ グ ラ ム1.13を
の 正 弦 波 を 合 成 す る と,う
な り を 生 じ る。 図1.12
用 いて
の グ ラ フ を描 い た も の で あ る 。 プ ロ グ ラ ム1.13
図1.12
図1.12か
ら 曲 線y=±2cosxが
浮 き上
が っ て 見 え な い だ ろ う か 。 こ の こ と は,和
→ 積 の 公 式 を 用 い る と,
と変 形 で き る こ とか ら説 明 で き る。 問4
次 の 曲 線 を 描 け 。 こ の 波 形 を見 た こ と が あ るか 。
(3) sinnθ の グ ラ フ 電 力 会 社 か ら供 給 され る交 流 電 流 は 正 弦 波 で あ る。 抵 抗 器 の よ うに オ ー ム の法 則 に従 う負荷 に交 流 電 流 を流 した と き,電 流 は 電 圧 に 比 例 す るか ら,負 荷 に供 給 さ れ る電 力 は 正 弦 の2乗 描 き,正 弦 の2乗
に 比例 して 変 化 して い る。 そ こ で,y=sin2xの
グラフ を
が ど の よ うな 関 数 で あ る か 調 べ て み よ う。 プ ロ グ ラム1.14は,
そ れ を 一 般 化 し,y=sinnxの n =2の
グ ラ フ を 描 く よ う に し て い る 。 図1.13に,n=1,
と きの 実 行 結 果 を示 す 。 プ ロ グ ラ ム1.14
(a) y=sinx
(b) y=sin2x 図1.13
これ を見 る と,周 期 が 半 分 に な って グ ラフ 全体 がx軸 徴 は あ る もの の,y=sin2xの 倍角 の公式
か ら誘 導 さ れ る公 式
の 上 側 に あ る とい っ た特
グ ラ フ も正 弦 曲線 だ とい う こ とが わ か る。 これ は2
に よ って 説 明 で き る。 と こ ろ で,y=sin3xの は,こ
グ ラ フは 同様 に正 弦 曲 線 に な るだ ろ うか。 コン ピュ ー タ
の よ う な 疑 問 に 即 座 に 応 え て く れ る。 図1.14(a)は,y=sin3xの
描 い た も の で あ る が,こ
グラフを
れ は ど う見 て も 正 弦 曲 線 で は な い 。
(b) y=sin4x
(a) y=sin3x 図1.14
しか し,3倍
角 の公 式
よ り,
が 得 ら れ る か ら,い
問5
くつ か の 正 弦 関 数 の 和 だ と い う こ と は で き る 。
図1.14(b)にy=sin4xの
グ ラ フ を 示 す 。 これ も,い くつ か の 正 弦 関 数 の 和 の 形 に
表 す こ とが で き る の だ ろ うか 。 な お,余
弦 関 数 も正 弦 関 数 の 一 種 と考 え て お く。
(4) 正 弦 関 数 の 和 図1.15にy=sin99θ
とy=sinl00θ
の グ ラ フ を示 す 。 実 際 に 書 き下 す の は 容 易
で は な い け れ ど も,こ れ ら の 関 数 も,正 弦 関 数 の 和 の 形 に 表 す こ とが 可 能 で あ る 。
(a) y=sin99
(b) y=sin100 図1.15
nが
自然 数 で あ る と き,sinnθ は正 弦 関 数 の和 で表 す こ とが で き るが,も っ と一
般 に,任 意 の 周期 関 数 が 正 弦 関数 の 和 で近 似 可 能 な こ とが知 られ て い る。 例 え ば,
の グ ラ フ は,nを
大 き く して い くと方 形 波 に 近 づ い て い く。nの 値 を指 定 してy=
f(x)の グ ラ フ を描 くプ ロ グ ラム を作 っ て,そ の様 子 を くわ し く観 察 して み よ う。 上 述 の 関 数f(x)の 要 に な る。BASICの
定 義 をBASICで
記 述 す る た め にFOR∼NEXT構
文が必
文 を用 い て 関 数 を定 義 す る ため の構 文 と して,内 部 関数 定 義
と外 部 関数 定 義 が あ る。 内 部 関 数 定 義 は,引 数 以 外 の 変 数 をプ ロ グ ラム 単 位 で 共 有 す る構 文 で あ り,外 部 関数 定 義 は 引 数 以 外 の要 素 も共 有 しな い構 文 で あ る。 こ こ では,内 部 関 数 定 義 を利 用 し て み よ う。 FUNCTION∼END
FUNCTION構
文 に よ る 関数 定 義 の 要 点 は,150行
に示
す よ う に,計 算 結 果 を関 数 名 に 代 入 して 関 数 値 を決 定 す る こ とで あ る。 ま た,内 部 関 数 定 義 で は,引 数 以 外 の 変 数 は プ ロ グ ラ ム単 位 で 共 有 され る。 上 の プ ロ グ ラ ム で は,100行 か ら250行
か ら160行
ま で の 部 分(関 数 の 定 義 部)で 用 い られ るxと,200行
まで の 部 分 で用 い られ るxと
は異 な る変 数 で あ るが,そ れ 以 外 の 変 数
プ ロ グ ラ ム1.15
図1.16
は,100行
問6
か ら250行
次 の 関 数 の グ ラ フ を描 け 。
(1)
(5)正
ま で の 全体 で共 通 で あ る。
(2)
弦 関数 の 微 分
関 数f(x)に 対 して,
を導 関 数 と い う。hを 十 分 に小 さ い定 数 と して,
を計 算 す れ ば,導 関 数 の近 似 値 が得 られ る。 こ の近 似 を用 い て,正 弦 関数f(x)=sinxの
導 関数 の グ ラ フ を描 い て み よ う。
プ ロ グ ラ ム1.16
図1.17
実 行 結 果 を 図1.17に
示 す が,こ れ を 見 る と,導 関 数 は 余 弦 関 数y=cosxの
よ う
に 思 え る。 そ れ を計 算 で証 明 して お こ う。 f(x)=sinxと
こ こ で,和
お く と,
→積 の 公 式 を用 い て 変 形 す れ ば,
と な る か ら,
(1.1) を 用 い て,
が 結 論 で き る。 な お,式(1・1)の 証 明 が さ らに 必 要 とな るが,正 弦 関 数 の 定 義 を考
え て み れ ば,直 観 的 に は 明 らか で あ る。
1.3 基 本 作 図 (1) 垂
線
マ ウ ス で 画 面 上 の1点
を 入 力 す る と,そ
の 点 か らあ らか じめ 指 定 した 直 線 に垂
線 を 引 くプ ロ グ ラ ム を 作 っ て み よ う 。
〔例 題1〕3数a,b,c
を 入 力 し て 直 線ax+by+c=0を
1点 を 指 定 し て,そ の 点 か ら 直線ax+by+c=0に
描 き,さ
らに マ ウ ス で
お ろ し た 垂 線 を 描 くプ ロ グ ラ
ム を作 れ。 〔解 〕
マ ウ ス で 入 力 し た 点 をP(x1,y1),Pか
垂 線 の 足 をH(x2,y2)と
す る 。PHと
ら 直 線ax+by+c=0に
直 線ax+by+c=0の
下 ろ した
法 線 ベ ク トル(a,b)と
が 平 行 で あ る こ と か ら,
す な わ ち, (1・2) と な る 実 数kが
存在す る。
一 方,点Hが
直 線ax+by=c上
に あ る こ と か ら, (1・3)
が 成 り立 つ 。 式(1・3)に
式(1・2)を 代 入 し てkに
つ い て 解 く と,
(1.4) と な る。 式(1・2),式(1・4)を る こ とが で き る。
用 い て,与
え ら れ た 条 件 か ら 点Hの
座 標(x2,y2)を
計 算す
プ ロ グ ラ ム1.17
190行
で 用 い たGET
POINT文
画 面 上 の 点 の 座 標 を2個
は,
の 数 値 変 数x1,
y1に 代 入 す る 文 で あ る 。 こ の 文 が 実 行 さ れ る と,コ
ン ピ ュー タは マ ウ ス カー ソル
を表 示 し てマ ウ ス ボ タ ンが 押 され るの を 待 ち,マ
ウ ス ボ タ ン が 押 さ れ る と,そ
の
と きマ ウ ス カ ー ソル が指 して い た点 の座 標 を変数x1,y1に
代 入 す る。こ の 動 作 は,
数 値 を キ ー ボ ー ドか ら 入 力 す る た め に 用 い ら れ るINPUT文 る。
と同 様 の も の で あ
図1.18
プ ロ グ ラ ム1.17は,図1.18に に 外 部 絵 定 義axesを
見 ら れ る よ う な 目 盛 り付 き の 座 標 軸 を描 く た め
利 用 し て い る 。 こ れ は,次
ッ ク ボ ッ ク ス と し て 利 用 で き る か ら,中
の よ う に 定 義 さ れ て い る が,ブ
ラ
身 に つ い て 知 る 必要 は な い。
プ ロ グ ラ ム1.18
(2) 3点 を 通 る 円 3点
を 指 定 す れ ば,そ れ ら3点
を 通 る 円 が 定 ま る 。こ れ を 実 行 す る プ ロ グ ラ ム を
作 っ て み よ う。
〔例 題2〕
マ ウ ス で3点
を 入 力 す る と,そ
れ ら3点
を 通 る 円 を 描 くプ ロ グ ラ ム を
作 れ。 〔解 〕3点 て,入
を 通 る 円 の 中 心 は,3点
力 さ れ た3点
を頂 点 とす る三 角 形 の 外 心 で あ る。 し たが っ
をP(x1,y1),Q(x2,y2),R(x3,y3)と
の 垂 直 二 等 分 線 の 交 点 を計 算 す れ ば よ い。 PQの
よ り,
垂 直 二 等 分 線 の 方 程 式 は,
す る と き,2線
分PQ,QR
で あ り,同 様 に し て,QRの
垂 直 二 等 分 線 の 方程 式 は
であ るので,
と お け ば,PQ,QRの
垂 直 二 等 分 線 の 交 点 の 座 標(x,y)は,
と お い て,
で 与 え ら れ る 。 た だ し,d=0の り,こ
れ ら3点
場 合 は,3点P,Q,Rが
を通 る 円 は 存在 し な い。 プ ロ グ ラ ム1.19
一 直 線 上 に 並 ん だ場 合 で あ
第2章 平面曲線 こ の 章 で は,コ
ン ピ ュ ー タ を利 用 して 曲 線 を描 き,い
ろい ろな観 点 か らその性 質 を調
べ る。
2.1
媒 介 変 数 と 極 座 標
[1] 曲 線 の 媒 介 変 数 表 示 (1) 円の媒 介変数表 示 原点Oを 中心 とす る半径rの 円の周上 の点P(x,y)に 対 し,半 径OPがx軸
の
正 の向 き となす角 を θとす る と,
と な っ て い る 。 こ の 方 程 式 で θ を0か (x,y)を
ら2π
ま で 少 しず つ 変 化 さ せ,対
応 す る点
座 標 平 面 上 に プ ロ ッ トして い く と円 が描 か れ る。
一 般 に,曲
線C上
の 点(x,y)が,
と表 せ る と き,こ れ を,tを
媒 介 変 数 とす る 曲線Cの
媒 介 変 数 表 示 とい う。 媒 介
プ ロ グ ラ ム2.1
図2.1
変 数 表 示 の 曲 線 を コ ン ピ ュ ー タ に描 か せ る の に は,上
の よ うな プ ロ グ ラ ム を用 い れ ば よ い。
(2) サ イ ク ロ イ ド 直 線 上 を 円 が 滑 る こ と な く転 が る と き,そ
の 円 の 周 上 の 定 点 が 描 く曲線 を サ イ
ク ロ イ ド と い う 。 コ ン ピ ュ ー タ を 利 用 し て サ イ ク ロ イ ドを 描 い て み よ う。 半 径1の
円Cがx軸
上 を 転 が る も の と し,円C上
の 定 点Pが
し て い た 点 を 原 点 と し て 式 を作 っ て み よ う。 円Cが 軸 と が 接 す る 点 をQと
す る と,図2.2に
し た が っ て,点Cの
座 標 は(θ,1)で
準 に し て〓
π-θ
θ だ け 転 が っ た と き,円
示 す よ う にOQ=PQ=θ あ り,CPの
向 き は,x軸
〔ラ ジ アン 〕 で あ る 。 こ の こ とか ら,
よ っ て,
こ こ で,点Pの
と な る。
座 標 を(x,y)で
最 初 にx軸
表 す こ と に す れ ば,
と接 とx
と な って い る。 の正 の 向 き を基
図2.2
サ イ ク ロ イ ドの 説 明 図
プ ロ グ ラ ム2.2
図2.3
問1 半 径OP,あ
る い は,そ の 延 長 上 に,OR=rと
な る点Rを
とる と き,点Rの
軌跡
を描 くプ ロ グ ラ ム を作 れ 。
(3) カ ー ジ オ イ ド 1つ の 円Oの 点Pは
周 上 を,同
じ 半 径 の 円Cが
滑 る こ と な く転 が る と き,円C上
の定
ど ん な 曲 線 を 描 く で あ ろ うか 。 コ ン ピ ュ ー タ を 用 い て 調 べ て み よ う。
円 の 半 径 を1と
し て,図2.4の
Oと 接 す る 点 を 点A(1,0)と
よ う に,円Oの
中 心 を 原 点,円C上
す る 座 標 系 を 考 え る。そ し て 円Cが
の 点Pが
転 が る と き,円C
円
と 円Oの
接 点Qと
原 点 と を 結 ぶ 線 分(円Oの
θ と す る 。 す る と,AQ=PQで
半 径)がx軸
あ る か ら,∠PCQ=θ
で あ る こ と に 注 意 す る と,点Pの
座 標 を(x,y)と
の 正 の 向 き となす 角 を とな る。
し た と き,
が 得 られ る。
図2.5
図2.4
カ ー ジオ イ ドの 説 明図
プ ロ グ ラ ム2.1の50行
と60行
を
50 LETx=2*COS(t)-COS(2*t) 60 LETy=2*SIN(t)-SIN(2*t) と変 更 し て 実 行 す る と,図2.5の
よ うな 曲 線 が 得 られ る。 こ の 曲 線 を カー ジ オ イ
ド と い う。 (4) ア ス テ ロ イ ド 半 径1の
円 の 内 側 を 半 径1/4の
円Cが
滑 る こ と な く転 が る と き,円C上
が 描 く軌 跡 を ア ス テ ロ イ ド と い う 。 ア ス テ ロ イ ドを 描 い て み よ う 。
の定 点
図2.6の
よ う に,円Oの
中 心 を 原 点,円C上
(1,0)と す る 座 標 系 を考 え る 。 そ し て,円Cが 原 点 と を 結 ぶ 線 分(円Oの AQ=PQで
半 径)がx軸
あ る か ら,∠PCQ=4θ
の 点Pが
円Oと
接 す る 点 を 点A
転 が る と き 円Cと
円Oの
接 点Qと
の 正 の 向 き と な す 角 を θ と す る 。 す る と, と な る。
で あ っ て,
で あ る こ と に 注 意 す る と,点Pの
が 得 ら れ る 。 プ ロ グ ラ ム2.2を
座 標 を(x,y)と
し た と き,
修 正 し て 描 い た 図 を,図2.7に
示 す 。 な お,3倍
の 公 式 を 利 用 す る と,
と変 形 す るこ と も可 能 で あ る。
図2.7
図2.6
ア ス テ ロ イ ド
角
[2] 極 座 標 (1) 極 座 標 平 面 上 の 点Pの 線 分 がx軸
位 置 を指 定 す る の に,原 点 か らの 距 離 と,点Pと
原 点 と を結 ぶ
の正 の 向 き とな す 角 を用 い る こ と もで き る。そ の と き原 点 を極,x軸 の
座 標 が 非 負 の部 分 を始 線,極
と点Pと
を結 ぶ 線 分 お よび そ の長 さ を動 径,始 線 と
動 径 の なす 角 を偏 角 とい う。偏 角 は,始 線 を基 準 に して 反 時 計 回 りに 計 る。点Pの 動 径 がr,偏
角 が θで あ る と き,(r,θ)を
直 交 座 標 が(x,y)で
点Pの
極 座 標 とい う。
あ る よ うな 点 の 極 座 標 を(r,θ)と
す る と,
の 関係 が あ る。 上 の 関係 式 を用 い れ ば,極 座 標 か ら直 交 座 標 へ の 変 換 は簡 単 に 行 え る。例 え ば, 極座標 が(2,〓)で
あ る よ う な点 の 直 交
座 標 は, 図2.8
よ り,(√3,1)で
極 座標
あ る。
と こ ろ で,偏 角 は 一 通 り に は 定 ま ら な い か ら,1つ に あ る 。 し か し,原
点 を 別 に す れ ば,0≦
θ<2π,あ
の 点 に 対 応 す る極 座 標 は無 数 る い は,-π<
θ≦ π と い う よ
う な 条 件 を 追 加 す れ ば θ は 一 通 り に 定 ま る 。 直 交 座 標 か ら 動 径rを
求 め るの に
は,
の 関係 を用 い れ ば よ い。 偏 角 θ を求 め る の に,
の 関係 を利 用 す ることが で きるが,BASICの
組 込 み 関 数ATNを
用 いてATN(y/x)
と し た の で は,偏
角 を正 し く求 め る こ と
が で き な い 。そ の た め,x,yの し て 点(x,y)の ANGLE(x,y)が
符 号 を考 慮
偏 角 を求 め る組 込 み 関 数 用 意 さ れ て い る。
〔注 〕BASICの
組 込 み 関 数ATNを
と,例えば,点(-1,-1)の
用いる
偏 角 は5/4πで あ
る が,ATN((-1)/(-1))=ATN(1)= 〓と な る の で,補
正 が 必 要 で あ る(図2.9参
照)。
図2.9
(2) 極 方 程 式 曲 線 を表 す 条 件 が,動 径rと
偏 角 θの 方 程 式 で 与 え られ る と き,こ の 方 程 式 を
曲 線 の 極 方程 式 とい う。 極 方 程 式 が
の 形 で 与 え られ る場 合 に は,簡 単 な プ ロ グ ラ ム で 曲 線 を描 くこ とが で きる。な お, 極 方程 式 を考 え る場 合 に は,rの
値 が 負 に な る場 合 で あ って も,
に よ っ て 極 座 標 が 定 義 さ れ て い る も の と 考 え る。
〔例 題1〕
曲 線r=2cosθ
を 描 くプ ロ グ ラ ム を 作 れ 。(解 プ ロ グ ラ ム2.3) プ ロ グ ラ ム2.3
図2.10に
実 行 結 果 を示 す 。
実 行 結 果 をみ ると,極 方 程 式r=2cosθ は 円 を表 す よ うに思 え るが,そ
れ は,次
の よ うな 変 形 に よ っ て確 認 で き る。 両 辺 にrを
か けて
と し,r2=x2+y2,rcosθ=xを
代 入 す る
と,
図2.10
と な る か ら,確
か に 点(1,0)を
曲 線r=2cosθ
中 心 と す る 半 径1の
に も 含 ま れ る か ら,rを
円 で あ る 。 な お,r=0の
点 は
か け て 得 ら れ た 方 程 式 は は じめ の 方 程 式
と同値 で あ る。
問2 曲線r=2sinθ
は どん な 曲 線 か 。 実 際 に 図 形 を描 い て 考 察 せ よ 。
(3) 円 の 極 方 程 式 極 を 中 心 とす る 半 径aの
で あ るが,上
円 の 方 程 式 は,
の 例 か ら予 想 され る よ う に,極
を通 る円 の 方 程 式 も極 座 標 を用 い る
と簡 単 に 表示 す る こ とが で き る。 極 座 標(a,α)の
点 を 中 心 と し,極 を通 る 円 の極 方 程 式 は,
で あ る 。 こ れ は,図2.11を
も と に 考 え て も よ い し,点(acosα,asinα)を
とす る 円 の 方程 式
にx=rcosθ,y=rsinθ
を 代 入 し て 整 理 す る こ と に よ っ て も得 ら れ る 。
中心
図2.11
a,bが 少 な く と も一 方 が0で
円の極方程式
な い 定 数 で あ る と き,極 方程 式
が 表 す 図 形 は 極 を通 る 円 で あ る 。c=√a2+b2と と な る α を と れ ば,r=ccos(θ-α)と
お い て,a=ccosα,b=csinα
変 形 す る こ と が で き る か ら で あ る 。逆 に,
極 を 通 る 円 の 方 程 式 をr=acosθ+bsinθ
の形 に 表 す こ と も で きる。
(4) 直 線 の 極 方 程 式 極 を 通 る 直 線 の 極 方 程 式 は,始
で あ る が,極
線 と な す 角 を β と す れ ば,
を通 ら な い 直 線 の 極 方 程 式 は,
の 形 に な る。pは 極 と直 線 の 距 離 で あ り,α は極 か ら直 線 に 引 い た垂 線 が 始 線 とな す角 で あ る。 な お,同
じ方 程 式 を
の 形 に書 くこ と も可 能 で あ る。 この 場 合,β
は 直 線 と始 線 の な す 角 で あ る。
図2.12
直線の極方程 式
直 交 座 標 に よ る 直 線 の 方程 式ax+by=c(c>0)は,
と な る α(す
な わ ち,点(a,b)の
と 変 形 さ れ,x=rcosθ,y=rsinθ
偏 角)を
と れ ば,
を 用 い る と,
とな る。
例えば ,x+√3y=4は,
と変 形 で き る。 c<0の 場 合 に は両 辺 に-1を
掛 け て か ら 同様 の こ とを試 み れ ば よい 。
ま た,こ
の 手 順 を 逆 に た どれ ば,rcos(θ-α)=pの
形 の 方 程 式 をax+by=c
の 形 に 直 す こ と も で き る。 な お,コ
ン ピ ュ ー タ を 用 い て 直 線 の 極 方 程 式 を 試 す と き は,
あ るい は,
の 形 に 変 形 し て 用 い れ ば よ い 。secθ 組 込 み 関 数SEC(x)を
問3
a,b,cを
はcosθ
の 逆 数 を表 す 関 数 で あ る 。secxは,
用 い て 求 め る こ とが で き る。
入 力 す る と,極 方 程 式 を 利 用 し て 直 線ax+by=cを
描 くプ ロ グ ラ ム を
作 れ。
(5) カ ー ジ オ イ ド 円r=2cosθ
上 の 各 点 に 対 し て,偏 角 が2倍
で 動 径(の 長 さ)が2乗
を 対 応 させ て 得 ら れ る 曲 線 を描 い て み よ う。 偏 角 を2倍
に し た り,動
る よ う な 操 作 は コ ン ピ ュ ー タ で は 簡 単 に 行 え る 。 例 え ば,プ に す れ ば よ い。 プ ロ グ ラ ム2.4
に等 しい 点 径 を2乗
ロ グ ラ ム2.4の
す よう
と こ ろ で,実 行 結 果(図2.13)を
見る
と,以 前 描 い た カー ジ オ イ ドと似 た 曲線 で あ る。これ は 同 一 の 曲 線 か,そ れ と も, よ く似 て い るが 別 の 種 類 の 曲 線 な の だ ろ うか 。 曲 線 の 方程 式 を求 め て 調べ て み よ う。 上 に 述 べ た操 作 の 結 果 得 られ た 曲 線 上 の 任 意 の 点 の極 座 標 を(r,θ)と し,そ れ に 対 応 す る 円r=2cosθ
上 の 点 の極 座 図2.13
標 を(r0,θ0)と す る と,
が 成 り 立 っ。し
た が っ て,
2倍 角 の 公 式 を適 用 す る と,
これ を直 交 座 標 に 直 す と,
と な る 。 さ らに
と 変 形 し て み れ ば,π-θ
を新 た に θ と 書 き換 え た と き,
が 得 られ るか ら,以 前 に 扱 っ た カ ー ジ オ イ ドをy軸 x軸 方 向 に1だ (6) 正 葉 線
に つ い て 対 称 移 動 し,さ らに
け平 行 移 動 した 曲線 だ と い う こ とが わ か る。
aを 正 の 定 数,nを
自然 数 と す る と き,曲
図2.14に,r=2sin2θ
とr=2sin3θ
線r=asinnθ
を 正 葉 線 と い う。
を示 す 。
(b) r=2sin3θ
(a) r=2sin2θ 図2.14
問4 曲 線r=2sin4θ,r=2sin5θ
を描 け 。
(7) 放 物 線 1つ の 定 点 と,こ
の 点 を通 ら な い 定 直
線 とか ら 等 距 離 に あ る 点 の 軌 跡 を 放 物 線 と い う。 こ の と き,定
点 を 焦 点,定
直線
を 準 線 と い う。 焦 点 が 原 点 で,準
線 が 直線x=-1で
あ る よ う な放 物 線 を極 方 程 式 で 表 して み よ う。 放 物 線 上 の 任 意 の 点 をPと の 極 座 標 を(r,θ)と
す る 。 そ し て,Pか
ら準 線 に お ろ し た 垂 線 の 足 をHと す る と,定
義 か らOP=PHで
一 方,図2.15か OP=r,PH=1+rcosθ
し,そ
す る。
あ る。
ら わ か る よ う に, で あ る か ら,
図2.15
放 物 線
よ っ て,
θの 値 に よ っ て は 分 母 が0に
な る こ と もあ り得 るか ら,例 外 処 理 を組 み 込 ん だ
プ ロ グ ラ ム を作 っ て み よ う。 こ の 曲線 を描 くだ け で あ れ ば,特 定 の θの値 を避 け る よ うに プ ロ グ ラ ム す る だ け で す む が,こ こ で は例 外 処 理 を利 用 す る形 で作 成 し, 他 の 曲 線 を描 く場 合 に も,プ ロ グ ラム の 応 用 が で き る よ うに 考 え た(す 曲 線 を描 くと き に 利 用 で き る)。 プ ロ グ ラ ム2.5
図2.16に,実
行 結 果 を示 す 。
本 書 で 定 義 した 放 物 線 と,2次
関数 の
グ ラ フ と して 現 れ る放 物 線 は 図 形 と して 同 じも の で あ る。 そ れ は,次 の 変 形 か ら い え る。
rcosθ=xを
代 入 す る と,
図2.16
ぐ後 で双
両 辺 を平 方 して
xに つ い て 解 く と,
〓が い え るか ら,最 初 の 方程 式 と平 方 し て得 ら
な お,最 後 の 方 程 式 か ら れ た 方程 式 とは 同値 で あ る。
2.2 二 次 曲 線 [1] だ (1) だ
円 円
だ 円 を2焦 点 か らの 距 離 の 和 が あ る定 数 に 等 し い点 の軌 跡 と し て定 義 す る こ と が 多 い 。 この 種 の定 義 に対 して,コ
ン ピュー タ を利 用 して どの よ うな ア プ ロー チ
が 可 能 か 調 べ て お こ う。 だ 円 とし て,2点F(-3,0),F'(3,0)か
らの 距 離 の 和 が10で
あ る点Pの
軌跡 を
考 え て み よ う。 与 え られ た 条 件 は,
で あ り,点Pの
座 標 を(x,y)と
で あ る 。 こ の こ と か ら,軌 ま ず,コ
お け ば,
跡 の 条 件 をx,yの
方 程 式 の 形 に 表 す こ とが で き る 。
ン ピ ュー タの 画 面 上 で大 ざっ ぱ な 見 当 を付 け るた め の手 法 を求 め る こ
と か ら 始 め よ う。 次 に 示 す プ ロ グ ラ ム は,マ そ の 値 が 目 標 とす る 値10に
ウ ス ボ タ ン を 押 す と,PF+PF'を 近 い と き,画
行 錯 誤 を 繰 り返 す こ と に よ っ て,PF+PF'=10と
面 上 に"*"を
計 算 し て 表 示 し,
表 示 す る も の で あ る。 試
い う条件 を満 たす 点 の 軌 跡 の 輪
郭 が 見 え て くる。 プ ロ グ ラ ム2.6
図2.17
(2) だ 円 の 方 程 式 2点F(-fc,0),F'(c,0)か
ら の 距 離 の 和 が2a(a>c>0)で
方 程 式 は,
で あ る。 この 方 程 式 を 同値 変 形 に よ っ て,
あ る よ うな 楕 円 の
と書 き 換 え る こ と が で き る 。 こ こ で,b=√c2-a2と
お き,
の 形 に 書 い て,だ 円 の 方 程 式 の 標 準 形 と い う。 こ れ は ま た,
と変 形 す る こ とが 可 能 だ か ら,2つ
の関数
お よ び,
の グ ラ フ と して だ 円 を描 く こ とが で き る。 な お,こ れ らの 関 数 の定 義 域 は,
で あ る。 プ ロ グ ラ ム2.7
図2.18
(3) だ円の媒介 変数表 示 だ円の方程 式の標 準形 を
と 書 く こ と が で き る 。 こ こ で,x'=x/a,y'=y/bと ら,x'=cosθ,y'=sinθ
こ こ で,θ
お く と,x'2+y'2=1と
な るか
と お く こ と が で き る 。 し た が っ て,
を0≦
θ≦2π の 範 囲 で 変 化 さ せ る と,x'2+y'2=1を
の す べ て が 尽 く さ れ る か ら,θ
満 た す(x',y')
を0≦ θ≦2π の 範 囲 で 変 化 さ せ る と き,方
程 式
〓を満 た す 点 す べ て が得 られ る。 ま た,こ の こ とか ら,こ の 方 程 式 が 表 す だ 円 は,単 位 円 をx軸 方 向 にa倍,y軸 方 向 にb倍
に 拡 大 し た もの だ と い うこ とが で き る。 プ ロ グ ラ ム2.8
図2.19
[2]
双曲線
(1) 双 曲 線 2定 点 か らの 距 離 の差 が あ る定 数 に 等 しい よ うな 点 の軌 跡 を 双 曲 線 と い う。 こ の と き,2定
点 の こ とを焦 点 とい う。2点F(-c,0),F'(c,0)か
2a(c>a>0)で
あ る よ うな双 曲 線 の 方程 式 は,
で あ る が こ れ を,
と変 形 す る こ とが で き る。
らの 距 離 の差 が
こ こ で,b=√c2-a2と
お い て,
を双 曲 線 の 方 程 式 の標 準 形 とい う。 問5 プ ロ グラム2.6,プ
ログ ラム2.7を 双 曲線用 に書 き換 え よ。
(2) 双 曲 線 の 媒 介 変 数 表 示 楕 円 の 媒 介 変 数 表示x=acosθ,y=bsinθ
に な ら って,双 曲 線 を媒 介 変 数 で表
して み よ う。 双 曲 線 の 方 程 式 の標 準 形 を
と書 き換 え る と,三 角 関 数 の公 式
が 利 用 で き る。 こ こ で
に よ っ て 定義 され る 関 数secθ(正
割 とい う)を 用 いれ ば,上 述 の 公 式 を
と書 くこ とが で き る。 正 接 関数 の値 域 は実 数 全 体 だ か ら,
とな る θは(〓
の 範 囲 に)必 ず 存 在 す る。y=btanθ
上 述 の 三 角 関 数 の 公 式 を 用 い る と,x=±asecθ こ こ で,θ
の範囲 を
が 得 られ る。
を代 入 して
に 広 げ て 考 え る こ とに す る と,
とな る よ うに θを選 ぶ こ とが で き る。 これ が,双
曲 線 の 媒 介 変 数 表 示 で あ る。
問6 媒 介 変数 表示 を用 いて双曲 線 を描 くプ ロ グラム を作 れ。
[3]
離 心率
放 物 線 の 定 義 を少 し変 更 して,焦
点 か らの 距離 と準 線 か らの 距 離 の 比 が 一 定 で
あ る点 の 軌 跡 を考 え て み よ う。 (正の 定 数) と お く と,
よ り,
が 得 られ る。 プ ロ グ ラ ム2.5を 場 合 に は,分
母 が0に
ラ ム で あ る か ら,式 0<e<1の 図2.21の
少 し修 正 す れ ば,こ
れ ら の 曲 線 を 描 く こ と が で き る 。e≧1の
な る こ とが あ る が,そ
の こ と を想 定 して 作 成 さ れ た プ ロ グ
を書 き換 え る だ け で よ い。
と き は,図2.20の
よ う に 閉 じ た 曲 線 が 得 ら れ る 。e>1の
よ う な 曲 線 に な る 。 こ のeの
値 を 離 心 率 と い う。
場 合 に は,
図2.20
図2.21
放 物 線 の と き と同 様 に して,極 方 程 式 か ら直 交座 標 につ い て の 方 程 式 を導 い て お こ う。 こ こ で は,e≠0の
場 合 を考 え る が,e>1の
場 合 に はr<0と
な る こ とが
あ る こ と に 注 意 し な け れ ば な ら な い 。 そ の 場 合,r=-√x2+y2で
あ る。
r=e(1+rcosθ)にrcosθ=xを
な る か ら,
x<-1の
と き,
x>-1の
と き,
代 入 す る と,r=e(1+x)と
で あ る 。 両 辺 を 平 方 し て,
これ を整 理 す る と,
こ の 式 か ら,こ の 曲 線 はe<1の る。
と き 楕 円,e>1の
と き双 曲 線 で あ る こ と が わ か
[4] 接
線
(1) 媒 介変数 で表 される曲線の接線 媒 介変tの
連続 関数
で 与 え ら れ る 曲 線 上 に,t=t0に る と き,P0とt=t0+Δtに 近 づ く な ら ば,lを
対 応 す る 点P0を
対 応 す る 点Pと 点P0に
と る 。Δtを 限 り な く0に
を結 ぶ 直 線 が あ る 直 線lに
お け る こ の 曲 線 の 接 線 と い う 。f(t),g(t)が
分 可 能 で,{f'(t0)}2+{g'(t0)}2≠0で の 方 向 ベ ク トル は(f'(t0),g'(t0))で
あ れ ば,点P0(f(t0),g(t0))に あ り,接
近づけ
限 りな く と もに 微 お け る接 線
線 の 方 程 式 は,
あ る い は,
で あ る 。 た だ し,hは
媒 介 変 数 で あ る 。 図2.22は,プ
ー ジオイ ド
の接 線 を描 い た もの で あ る。 プ ロ グ ラ ム2.9
ロ グ ラ ム2.9を
用 い て,カ
図2.22
(2) 極 方程式 で表される 曲線 の接線 極方程 式
が 表 す 曲 線 の 接 線 に つ い て 考 え よ う。 こ の方 程 式 は,媒 介 変 数 方 程 式 で表 す と
に な る か ら,接
線 の 方 向 ベ ク トル は,
で あ る。 これ を利 用 す れ ば,プ
ログ ラム2.9を
修 正 す る こ とで極 方 程 式 で 表 さ れ
た 曲 線 の接 線 を描 くこ とが で き る(方 程 式 に よ って は,例 外 処 理 の 追 加 が 必 要 で あ る)。 と こ ろ で,f'(θ)≠0の
と き,
に よ っ て 角 ψ を 定 め る と,接 線 の 方 向ベ ク トル を
に と る こ と が で き る 。こ の 方 向 ベ ク トル がx軸
の 正 の 向 き と な す 角 を β と す れ ば,
で あ るか ら,ψ は接 線 と動 径 の な す角 を表 す こ とに な る。
図2.24
図2.23
こ れ を 利 用 し て カ ー ジ オ イ ドr=1+cosθ な る(プ
の 接 線 を 描 く と,図2.24の
ロ グ ラ ム2.10)。 プ ロ グ ラ ム2.10
よ うに
[5]
軌
(1) 軌
跡 跡
コ ン ピュ ー タ を利 用 し て い ろ い ろな 軌 跡 を描 い て み よ う。 〔 例 題2〕 3:1に
点Aがx軸
上 を動 き,点Bがy軸
内分 す る 点Pの
〔 解 〕 線 分ABがx軸 み よ う。 点Aの
で あ る の で,点Pの
ゆ え に,
と な る。
上 を動 くと き,長 さ1の 線 分BAを
軌 跡 を求 め よ。 の 正 の 向 き とな す 角 θを媒 介 変 数 と して 方 程 式 を導 い て
座 標 を(x1,0),点Bの
座 標 を(x,y)と
座 標 を(0,y1)と
す る と,
す る と,
プ ロ グ ラ ム2.11
図2.25
こ こ で得 られ た 曲 線 は 楕 円 で あ る。 (2) 直 線 群 と こ ろ で,θ を変 化 させ なが ら線分ABそ この 図 で線 分ABが
の もの を描 くと,図2.26が
得 られ る。
通 過 す る領 域 と,そ うで な い領 域 との 境 界 に 現 れ る 曲 線 は 以
前 学 ん だ ア ス テ ロ イ ドと似 て い る。 色 を変 え て ア ス テ ロ イ ド曲 線 を 同一 座 標 平 面 上 に 重 ね て描 い て み る と,確 か に 重 な って い る よ うで あ る。 プ ロ グ ラ ム2.12
図2.26
そ の 理 由 を 追 求 し て み よ う。 ま ず,ア (cos3θ,sin3θ)に
ス テ ロ イ ドx=cos3θ,y=sin3θ
お け る接 線 を求 め て み よ う。
上 の点
だ か ら,接 っ て,接
線 の 方 向 ベ ク トル は(-3cos2θsinθ,3sin2θcosθ)で
あ る。 した が
線 の 方 程 式 は,
これ を変 形 す る と,
した が っ て,θ を変 化 させ た と き に得 られ る直 線 群 は,図2.26に
描 い た もの と
同 じ もの だ と結 論 す る こ とが で き る。 曲 線群 に属 す る すべ て の 曲 線 と接 し,し か も,そ れ らの 接 点 に よ って構 成 され る 曲 線 を,そ の 曲 線 群 の 包 絡 線 とい う。プ ロ グ ラム2.12で ス テ ロ イ ドが 包 絡 線 で あ る。一 般 に 曲 線Cは,そ
描 い た直 線 群 で は,ア
の 接 線 の 全 体 か らな る直 線 群 の
包 絡 線 に な る。 (3) 包 絡 線 図2.27は,定
円 上 の 定 点Aを
端 点 とす る弦 を直 径 とす る 円 を描 い て み た もの
で あ る。 こ の 図 か ら カ ー ジオ イ ドら し き曲 線 が 浮 き上 が っ て くる。 こ れ らの 円群 の 包 絡 線 の 方 程 式 を求 め,予 想 が 正 しい こ とを確 認 して み よ う。 プ ロ グ ラ ム2.13
原 点 と 円r=2cosθ 2sinαcosα)と
上 の 点(2cos2α, を結 ぶ 弦 を 直 径 とす る
円 の 方 程 式 は,
で あ るか ら,極 座 標 に直 す と
で あ る。 図2.27
だ か ら,こ の 円 の 接 線 が 動 径 となす 角 を ψ とす る と,
とな る。 α が 変 化 す る と き に,こ れ らの 円 が 描 く曲線 群 の 包 絡 線 を
と す る と,
だ か ら,
接 点 が 円r=2cosαcos(α-θ)上
に あ る こ と か ら,
で あ り,
と な る。 r=f(α),θ=g(α)に
お い て,両
者 のtanψ
が 一 致 す る こ とか ら,
これ を整 理 して
こ れ よ り,
こ こ で,g(α)=2α
し た が って,包
の 場 合 の 解 を求 め る と,
絡 線 の 方程 式 は
で あ り,α を消 去 す れ ば
と な る。 こ れ は,確 か に カー ジ オ イ ドで あ る。 なお,他 め て も,実 質 的 に 同 じ曲 線 が得 られ る。
のnの
値 に対 す る解 を求
第3章 図形の変換 こ の 章 は,平 面 上 の 図 形 を素 材 と し て,図 に,グ
形 の 変 換 に ま つ わ る 幾 何 学 を考 察 し,さ
ら
ラ フ ィ ッ クス の プ ロ グ ラ ミン グ を 通 して 図 形 の もつ 数 理 的 な性 質 を 見 い だ す こ と
を 目標 に す る 。
3.1 平行移 動 と回転移動 [1] 図形の変 換 第3章 が,与
で は,図
形 の 変 換 を 考 察 の 対 象 と す る 。 本 書 で は,図3.1(a)に
え ら れ た 変 換 に よ っ て ど う 変 わ る か を観 察 す る こ と で,変
ら え る こ と が で き る よ う に し た い と 思 う。 例 え ば,図(b)は を 中 心 と し てπ/3〔ラ ジ ア ン 〕 回 転 し,さ き に2だ 図3.1を
ら に,x軸
換 を視 覚 的 に と
図(a)の
図 形 を,原
の 正 の 向 き に3,y軸
け 平 行移 動 して描 い た もの で あ る。 描 くの に 用 い た プ ロ グ ラ ム を,プ
示 す 図形
ロ グ ラ ム3.1に
示 す。
点
の正 の向
(a)
(b) 図3.1
プ ロ グ ラ ム3.1
100行 か ら160行
まで の 部 分 は,Houseと
名 付 け られ た 絵(picture)を 描 くた め
の 手順 を述 べ て い る。 これ を絵 定 義 とい う。 絵 定 義 を実 行 す る た め に 用 い る の がDRAW文 行 に示 され て い る。DRAW文
で あ る。 そ の 基 本 的 な 形 が190
で絵 定 義 を実 行 す る と き,平 行 移 動 や 回 転,拡 大 ・
縮 小 な どの 変 形 を施 す こ とが で き る。 そ れ を示 す の が200行 で あ る。200行 で は,
Houseを
原 点 の まわり
軸 の 正 の 向 き に2だ
にπ/3〔ラ ジ ア ン 〕 回 転 し,さ
ら に,x軸
の 正 の 向 き に3,y
け 平 行 移 動 し て描 い て い る。
図 形 変 換 の 用 い 方 に つ い て 少 し 説 明 し て お こ う。ROTATE(a)は,原 と す る 角aの
回 転 を 表 す 。aの
単 位 は,三
影 響 さ れ る 。SHIFT(a,b)は,x軸 動 を 表 す 。 ま た,第1章
角 関 数 と 同 様 にOPTION ANGLEに
の 正 の 向 き にa,y軸
でSCALEと
点 を 中心
の 正 の 向 き にbの
平行移
い う 図 形 変 換 を 利 用 し た 。SCALE(a,b)は,
x軸 方 向 にa倍,y軸
方 向 にb倍
と 書 い た と き に は,原
点 を 中 心 とす るa倍
い くつ か の 変 換 を*を
間 に は さ ん で 書 い て,合 成 変 換 を 実 行 さ せ る こ とが で き る 。
そ の 場 合,変
に し て,SCALE(a)
の 拡 大 を 表 す 約 束 に な っ て い る 。 ま た,
換 は左 か ら順 に実 行 され る。
絵 定 義 とDRAW文 ム3.2は,う
の 拡 大 を 表 す 。 引 数 を1つ
を 利 用 し て,い ろ い ろ な 絵 柄 を 描 く こ と が で き る 。プ ロ グ ラ
ず ま き 線r=8θ
プ ロ グ ラ ム3.3は,回 く。 い ず れ も,絵Houseの
に そ っ て 拡 大 し な が らHouseを
描 い て い る 。 ま た,
転 移 動 と平 行 移 動 を 利 用 し てHouseを
円環 状 に 並 べ て 描
定 義 部 は省 略 して 示 して あ る。 プ ロ グ ラ ム3.2
プ ロ グ ラ ム3.3
図3.2
図3.3
絵 定 義 に は,BASICの
文 を 自由 に 組 み合 わ せ て 手順 を記 述 す る こ とが で き る。
絵 定 義 の な か でDRAW文
を用 い て,他 の 絵 定 義(あ る い は 自分 自身)を 呼 び 出 し
て 利 用 す る こ と も許 され て い るか ら,複 雑 な 図 形 を描 く絵 を定 義 す る こ とが で き る。 これ は,近 年 話 題 とな って い る 自 己相 似 図 形 を描 くの に 欠 かせ な い性 質 で あ る。
[2]
回 転 移 動
原 点 を 中 心 と す る 角 α の 回 転 を考 え て み よ う 。 回 転 に よ っ て 点P(x,y)が (x',y')に 移 る も の と す る 。 点Pの (r,θ+α)で
あ る か ら,
改 め て 整 理 して 書 く と,
極 座 標 を(r,θ)と
す る と,点Qの
点Q
極 座 標 は
と な っ て い る 。 こ の 変 換 をROTATE(α)で
表す。
[3] 変換の 合成 点(1,1)を に,次
中 心 に し て120° 回 転 さ せ て 描 き た い と思 う。 変 換 を 表 す 式 を 作 ら ず
の よ う に 考 え る こ と も で き る 。 ま ず,点(1,1)が
平 行 移 動 す る 。 次 に,原
原 点 に移 る よ うに 全 体 を
点 を 中 心 に120° 回 転 す る 。 そ し て,原
点 が 点(1,1)に
戻
る よ う に平 行 移 動 す る。 こ の考 えが 正 しい こ と をプ ロ グ ラム を作 っ て確 か め て み よ う 。 な お,Houseの
定 義 部 は,プ
ロ グ ラ ム3.1と
る。 プ ロ グ ラ ム3.4
図3.4
変 わ ら な い の で,省
略 して あ
実 行 結 果 は,図3.4の
3.2
[1]
よ うに な る。
一 次 変 換
拡 大 ・縮 小
平 面 上 の変 換 を式 で表 す と き,も との 点 の座 標 を(x,y)で 表 し,(x,y)が
移 され
る点 を(x',y')で 表 す 習 慣 が あ る。 以 後,平 面 上 の変 換 を式 で 表 す と き,こ の 記 法 を用 い る。 原 点 を基 準 に してx軸
方 向 にa倍,y軸
で 表 さ れ る 。 特 に,a=bの
場 合 は,原
をSCALE(a,b)で
方 向 にb倍
に拡 大 す る写 像 は,
点 を 中心 とす る相 似 変 換 で あ る。 こ の写 像
表 す。
(a) SCALE(2,1)
(b) SCALE(1,2) 図3.5
SCALE(a,b)は,上 SCALE(a)の
の 等 式 に 基 づ い て 定 義 さ れ て い る 。ま た, a=bの
よ う に 書 く こ と も 許 さ れ て い る 。図3.5に,SCALE(2,1)とSCALE
(1,2)の 実 行 結 果 を 示 す 。
場 合 に は,
SCALE(a,b)で,a,bに
負 数 を 代 入 す る こ と も で き る。 SCALE(-1,1)は,x
座 標 の 符 号 を 反 転 さ せ る 写 像 で あ る か ら,y軸 SCALE(1,-1)はy座
標 の 符 号 を 反 転 さ せ る 写 像 で あ り,x軸
を 意 味 す る 。 そ し て,SCALE(-1,-1)は に,そ
に 関 す る 対 称 移 動 で あ る 。 ま た, に 関 す る対 称 移 動
原 点 に 関 す る 対 称 移 動 で あ る 。 図3.6
れ ぞ れ の実 行 結 果 を示 す 。
(b) SCALE(1,-1)
(a) SCALE(-1,1)
(c) SCALE(-1,-1) 図3.6
[2]
一 次 変 換(1
) 一 次 変 換 定 数a,b,c,dを
用 いて
の 形 に 表 さ れ る 変 換 を 一 次 変 換 と い う 。 拡 大 ・縮 小(SCALE),回 は,い
ず れ も 一 次 変 換 で あ る 。 し か し,平
行 移 動 は,一
転(ROTATE)
次変 換 で は な い。
等式
に よ っ て 定 義 さ れ る変 換 も 一 次 変 換 の 一 種 で あ る。 こ の 変 換 を特 に 恒 等 変 換 と い う。 恒 等 変 換 は,実
際 に は ま っ た く点 を動 か さ な い 変 換 で あ る。
一 次 変 換 に は,次
の よ う な性 質 が あ る。
● 原 点 を原 点 に 移 す 。 ● 点(1,0)が
点(a,c)に
移 さ れ,点(0,1)が
点(b,d)に
移 さ れ る と き,こ の 一 次 変
換 を 表 す 等 式 は,
で あ る。 ●一 次変 換 と一 次 変 換 の合 成 は,一 次 変 換 で あ る。 最 後 に 述 べ た性 質 は,次 の よ うに して証 明 す る こ とが で き る。 T1を
に よ っ て 定 め ら れ る 一 次 変 換, T2を
に よ っ て定 め られ る一 次 変 換 とす る。 平 面 上 の 点P(x,y)がT1に っ て 点R(x",y")に
よ っ て 点Q(x',y')に
移 さ れ る も の と す る と,
移 さ れ,さ
ら に 点QがT2に
よ
とな るか ら,T1とT2の
合 成 変 換 は 一 次 変 換 で あ る。
(2) 一 次 変 換 の 行 列 に よ る 表 現 一 次 変 換 を表 す 等 式
は,行
列 を 用 い る と,
と表 す こ とが で き る。こ の と き行 列〓
行列〓
が 表 す 一 次 変 換 は,点(1,0)を
に 移 す 一 次 変 換 で あ る 。 一 次 変 換 は,点(1,0)の ま る の だ か ら,点(1,0)を
点(a,c)に
を,こ の 一 次 変 換 を 表 す 行 列 と い う。
点(a,c)に
移 し,点(0,1)を
点(b ,d)
行 き 先 と点(0 ,1)の 行 き 先 と で 決
移 し,点(0,1)を
点(b
,d)に 移 す 一 次 変 換 を
〓で表 す と考 え て お け ば よい 。 行 列 に よ る表 現 を用 い る と,今
恒等変換
回 転 移 動 ROTATE(θ)
拡 大縮 小 SCALE(a,b)
まで に 学 ん だ一 次 変 換 は次 の よ うに表 され る。
(3) 変 換 の 合 成 変 換T1に
引 き続 い て,変 換T2を
実 行 して 得 られ る変 換 をT1T2と
前 ペ ー ジの 計 算 は,一 次 変 換T1を き,合 成 変 換T1T2を
[3]
表 す 行 列 がA,T2を
表 す 行 列 がABと
書 く。
表 す 行 列 がBで
ある と
な る こ とを示 し て い る。
ず ら し 写 像(shear)
(1) shear shearは ず ら し写 像 あ る い は,剪 断 な ど と訳 さ れ る こ とが 多 い が,特 に 定 着 した 訳 語 は まだ な い ようで あ る。本 書 で は,一 応 ず らし写 像 と呼 ん で お くこ とに す る。 SHEAR(α)は,
に よ っ て 定 義 さ れ,y軸
に 平 行 な 直 線 を角 α だ け傾 け る効 果 を持 つ 変 換 で あ る。
こ れ は 行 列 を用 い て表 せ ば,
で あ る。 図3.7に,SHEAR(π/12)とSHEAR(-π/12)の
(a) SHEAR〓
実 行 結 果 を示 す 。
(b) R〓SHEA 図3.7
(2) shearの shearで
逆変換
変 形 し た 図 形 を 元 に 戻 す に は,ど
SHEAR(α)で
う し た ら よ い だ ろ う か 。 例 え ば,
変 形 し た 図 形 を 元 に 戻 す の に,SHEAR(-α)で
そ れ を 確 か め る の に は,元
い い の だ ろ うか。
の 図 形 とSHEAR(α)*SHEAR(-α)で
形 と を 重 ね が き し て み れ ば よ い だ ろ う。 も し,2つ
変 形 した 図
の 図 形 が ず れ て 描 か れ た ら,最
初 の 考 え は 正 し くな か っ た と い う こ と で あ る。 い くつ か の α の 値 に つ い て 実 行 し て 調 べ て み る と,完
全 に 一 致 し て い る よ う に 見 え る 。 そ こ ま で わ か っ た ら,計
算
で そ の事 実 を確 認 して み よ う。 shearはy座
標 を 変 え な い の だ か ら,x座
SHEAR(α)に
よ っ て 点(x,y)が
点(x",y")に
点(x',y')に
標 につ い て の み 調 べ て み れ ば よ い。 移 り,さ
ら にSHEAR(-α)に
よって
移 さ れ る もの と す る と,
tan(-α)=-tanα
だ か ら,
と な っ て,SHEAR(α)で
移 さ れ た 図 形 をSHEAR(-α)で
移 せ ば 元 に戻 る こ とが
示せ た。 な お,こ
れ は 行 列 を 用 い て,
の よ うに して確 か め る こ と もで き る。 (3) shearとscaleの SCALE(a,b)を
合成 実 行 し て か らSHEAR(α)を
行 し て か らSCALE(a,b)を
実 行 す る の と は,同
実 験 し て み れ ば す ぐ に わ か る よ う に,た
実 行 す る の と,SHEAR(α)を
実
じ効 果 を もつ だ ろ う か 。 こ れ は,
い て い の 場 合,正
し く な い 。 図3
.8に
SHEAR(π/12)*SCALE(3,2)の
実 行 結 果 と,SCALE(3,2)*SHEAR(π/12)の
実
行 結 果 を示 す 。
(a) SHEAR〓*SCALE(3,2)
(b) SCALE(3,2)*SHEAR〓 図3.8
し か し,実
行 結 果 を み る と,傾
き を 少 し補 正 す れ ば 一 致 さ せ る こ とが で き る よ
う に 思 え る 。 コ ン ピ ュ ー タ 上 で 試 行 錯 誤 し て み る の も よ い が,こ
こ は,式
の計算
で 処 理 し て み よ う。 SHEAR(α)*SCALE(a,b)とSCALE(a,b)*SHEAR(β)が つ よ う に す る た め に は,α,β お,a,bは
ど ち ら も0で
同一 の 効 果 を持
の 間 に ど ん な 関 係 が あ れ ば よ い か 調 べ て み よ う。 な
な い もの と し て お く。そ れ ぞ れ の 変 換 を 表 す 行 列 を 計 算 し
て み る と,
SHEAR(α)*SCALE(a,b)
SCALE(a,b)*SHEAR(β)
と な る か ら,
と な っ て い れ ば よ い こ と が わ か る 。 こ こ で,例
え ば,α
か ら β を決 定 す る ため に
は,逆
正 接 関 数tan-1を
用 いて
とす れ ば よ い 。 実 際, DRAW
house
WITH
SHEAR(PI/12)*SCALE(3,2)
DRAW
house
WITH
SCALE(3,2)*SHEAR(ATN(3/2*TAN(PI/12))
を 実 行 し て み る と,そ
の こ とが確 認 で き る。
(4) 下 三 角 行 列 で 表 さ れ る 一 次 変 換 SHEAR(α)*SCALE(a,b)あ は,右
上(1行2列)の
る い はSCALE(a,b)*SHEAR(β)を 成 分 が0に
な っ て い る 。 逆 に,そ
る 一 次 変 換 をSHEARとSCALEの 値 域 は 実 数 全 体 に 渡 る か ら,そ
実 際,〓
の 形 を した行 列 で表 さ れ
合 成 で 表 す こ とが で き る だ ろ うか 。tanα
の
の 可 能 性 は 大 だ と考 え て よ い 。
に よ っ て 表 さ れ る 一 次 変 換 をTと
a≠0の
と き,SHEAR(ATN(b/a))*SCALE(a,d)
d≠0の
と き,SCALE(a,d)*SHEAR(ATN(b/d))
で 実 現 で き る 。 し か し,a=b=0の
[4]
表 す 行 列
す る と,Tは,
場 合 は 不 可 能 で あ る。
一 次 変 換 の 合 成 と 分 解
(1) 一 次 変 換 の 分 解 図3.9は,ROTATE(π/3)*SCALE(1,2)*ROTATE(-π/3)の る 。 こ れ を 見 る と,ず
ら し 写 像 と拡 大 ・縮 小,回
実行結 果 であ 転 の 合 成 で 同 じ結 果 が 得 ら れ そ
うな 気 が す る。 問 題 を 一 般 化 し て,一
般 の一次変換
を対 象 と して考 え よ う。 そ して,こ れ と同 じ効 果 の あ る変 換 を 拡 大 ・縮 小 → ず ら し写像 → 回転
の 順 に 合 成 して 得 ら れ るか 考 え て み よ う。 そ こ で,そ
れ ぞ れ の 定 数 をe,f,α,θ
と して SCALE(e,f)*SHEAR(α) *ROTATE(θ) で 目的 の 変 換 に な る よ う に し て み よ う。 前 に 述 べ た よ う に 一 次 変 換 は 点A(1, 0)と 点B(0,1)の
行 き先 です べ て 定 ま る
の だ か ら,点Aが
点A'(a,c)に
Bが
移 る よ うに して や れ
点B'(b,d)に
移 り,点 図3.9
ば よ い。 と こ ろ で,SCALE(e,f)*SHEAR(α)は ROTATE(θ)は SHEAR(α)が
点(1,0)をx軸
上 に 移 す 変 換 で あ り,
原 点 か ら の 距 離 を 変 え な い 変 換 で あ る か ら,SCALE(e 点(1,0)を
移 す 先 は(√a2+c2,0)か,(-√a2+c2
,0)の
な け れ ば な ら な い 。 実 際 に は ど ち ら で も 同 じ な の で,点(√a2+c2,0)を に し よ う 。 す る と,回
と定 ま り,x軸
,f)* いず れ か で 選ぶ こ と
転 角 θは
方 向 の 拡 大 率 eも
と 定 ま る。 SCALE(e,f)*SHEAR(α)は,点(0,1)を,点(b,d)を-θ さ な け れ ば な ら な い 。 つ ま り,SCALE(e,f)*SHEAR(α)に
す な わ ち,点
に移 ら な け れ ば な ら な い。 した が っ て,y軸
方 向 の 拡 大 率fは,
だ け 回転 した 点 に移 よ っ て 点(0,1)が
点
で あ り,傾
き角 α は,
と定 め て や れ ば い い だ ろ う 。 こ こ で,
を代 入 して 整 理 す る と,
とな る。 次 に 示 す プ ロ グ ラ ム は,ROTATE(PI/3)*SCALE(1,2)*ROTATE(-PI/3) でHouseを
変 形 し て 描 き,さ
ら に,上
こ と を確 認 す る もの で あ る 。190行
で 述 べ た 方 法 で 描 い て,そ
∼220行
で 〔注 〕に 示 す 計 算 の 結 果 得 ら れ る 数
値 をa,c,b,dに
代 入 し,220行
る 。290行
タ ー ン キ ー が 入 力 さ れ る の を待 つ こ と で,280行
は,リ
か ら260行
れ らが 一 致 す る
で 上 の 結 果 に も とづ く 計 算 を行 っ て い
実 行 結 果 を確 認 す る こ とが で き る よ うに す るの が 目的 で あ る。
プ 口グ ラム3.5
のDRAW文
の
〔注 〕
(2) ず ら し写像 図3.10は,原
点 を中心 とす る 円 をSHEAR(π/4)で
れ た 図 形 は だ 円 の よ うに 見 え る が,第2章
変 形 した もの で あ る。得 ら
で 定 義 した 意 味 で だ 円 とい って よ い 図
形 なの だ ろ うか 。 実 は,ず
ら し 写 像 は,回 転 移 動(rotate)
と 拡 大 縮 小 写 像(scale)が
あ れ ば,合
成 で
き る 写 像 で あ る 。 も し そ う で あ れ ば,円 を 拡 大,縮 り,回
小 で変 換 した 図 形 は だ 円 で あ
転 移 動 は 合 同 変 換 だ か ら,図3.10
は だ 円 だ とい っ て よ い こ とに な る。 上 述 の こ と を 確 か め る た め に,与
えら
れ た θ に 対 し て,
SHEAR(θ)=ROTATE(α)
*
図3.10
SCALE(a,b)*ROTATE(β) と な る よ う にα,a,b,β
を 定 め る こ と が で き る か ど う か 調 べ て み よ う。
を成 分 ご とに 計 算 す る と,
と な る 。 こ の 条 件 は,α,a,b,β
を
と な る よ う に 定 め れ ば 満 た さ れ る。 な お,tanθ
≠0の
と き に は,最
の よ う に 書 く こ と が で き る 。 そ の よ う に 書 き 換 え て お く と,BASICの ATNを
初 の条件 を
組 込み関数
用 い て α を求 め る こ とが で き る。
次 の プ ロ グ ラ ム は,θ
を キ ー ボ ー ドか ら 入 力 し た と き,2通
りの 方 法 でHouse
を 変 形 し て 描 い た と き に 一 致 す る こ と を確 認 す る も の で あ る 。 弧 度 法 で プ ロ グ ラ ム を作 成 し て い る の で,0.5前
後 の数 値 を入 力 して 試 して み て ほ しい。 プ 口 グ ラ ム3.6
[5]
対 称移 動
(1) 対 称 移 動 原 点 を通 り,傾 き がtanθ
の 直線y=xtanθ
に 関 す る対 称 移 動 を考 え て み よ
う。 x軸 に 関 す る対 称 移 動 は,SCALE(1,-1)で
実 行 す る こ とが で き るか ら,そ れ を
利 用 して考 え て み よ う。 平 面 全 体 を-θ 回転 してx軸 θの 回 転 で戻 せ ば,y=xtanθ
につ い て対 称移 動 して再 び
に つ い て対 称 移 動 した こ とに な るで あ ろ う。
さ っ そ く,プ ロ グ ラム を作 っ て 調 べ て み よ う。 なお,Houseの て 示 し て い る。 プ 口 グ ラ ム3.7
定義部 は省略 し
図3.11は,θ=120°
と して実 行 して み た もの で あ る。
図3.11
(2) 対 称 移 動 を表 す 行 列 今 度 は,行 列 の積 を計 算 して,対 称 移 動 を表 す 行 列 を求 め て み よ う。ROTATE (-θ)に 対 応 す る行 列 が
で あ る こ と に 注 意 す れ ば,ROTATE(-θ)*SCALE(1,-1)*ROTATE(θ)に 応 す る 行 列 は,
で あ る。
対
(3) 対 称 移 動 の 合 成 直 線y=xtanα
に関 す る対 称 移 動 に 続 け て,直 線y=xtanβ
に 関 す る対 称 移
動 を行 う合 同変 換 につ い て 調べ て み よ う。 そ れ ぞ れ の 対 称 移 動 を表 す 行 列 の 積 を 計 算 す る と,
とな り,原 点 を 中 心 とす る2(β-α)の
[6]
回転 に な る こ とが わ か る。
等 長変 換
い ず れ の2点 に 対 して も2点 間 の 距 離 を変 え な い 一 次 変 換 を等 長(一 次)変 換 と い う。 回 転 移 動 や 対 称 移 動 は等 長 変 換 で あ るが,他
に等 長 変 換 で あ る よ うな 一 次
変 換 が な い だ ろ うか 。 そ こ で,等
長 変 換 の性 質 を調 べ て み よ う。
で 表 さ れ る 一 次 変 換 が 等 長 変 換 で あ る と し よ う 。こ の 一 次 変 換 に よ っ て 点P(1,0) が 移 さ れ る 点P'(a,c)は
単 位 円 上 に あ る か ら,
と お く こ と が で き る 。同 様 に,点Q(0,1)が
移 さ れ る 点Q'(b,d)も
か ら,
と お く こ と が で き る 。 そ し て,PQ=P'Q'=√2だ
と な る 。 こ れ を 整 理 す る と,
か ら,
単位 円 上 に あ る
が 得 られ,加 法 定 理 か ら
と な り,
(nは 整 数) が 得 られ る。 〓の と き,cosβ=-sinα,sinβ=cosα
だ か ら,
とな り,こ の 等 長 変 換 は 回転 移 動 で あ る。 の と き,cosβ=sinα,sinβ=-cosα
ま た,〓
だ か ら,
とな り,こ の等 長 変 換 は対 称 移 動 で あ る。 した が っ て,等 長 一 次 変 換 は,回 転 移 動 と対 称 移 動 の2種 類 しか な い こ とが わ か る。
3.3 [1]
ア フ ィ ン変 換
表向き合 同変換
(1) 任 意 の 点 を 中 心 と す る 回 転 移 動 任 意 の点 を中 心 とす る回 転 移 動 を考 え て み よ う。点A(x1,y1)を の 回転 に よ って 点P(x,y)が け 回転 したベ ク トル だ か ら,
点Q(x',y')に
中心 とす る角 θ
移 る もの とす る と,AQはAPを
θだ
の 関 係 が あ る 。 こ れ を,
と 書 き 換 え て み る と,こ
の 変 換 は,SHIFT(-x1,-y1),ROTATE(θ),SHIFT
(x1,y1)を 順 に 合 成 し た 写 像 と み る こ と が で き る こ と が 分 か る 。 す な わ ち,点A (x1,y1)を 中 心 と す る 角 θ の 回 転 は,SHIFT(-x1,-y1)*ROTATE(θ)*SHIFT (x1,y1)と 一 致 す る 。 次 の プ ロ グ ラ ム は,こ ス に よ っ て 点Aを
指 定 す る と,Houseを30°
の 事 実 を確 認 す る た め の も の で,マ 回 転 し て 描 く。
プ 口 グ ラ ム3.8
図3.12
ウ
(2) 回 転 移 動 と 平 行 移 動 回 転 移 動 と 平 行 移 動 の 順 序 は,通
常,交
換 可 能 で は な く,た
SHIFT(a,b)*ROTATE(α)とROTATE(α)*SHIFT(a,b)と 持 つ。し
い て い の 場 合, は 異 な る効 果 を
か し,SHIFT(a,b)*ROTATE(α)をROTATE(α)*SHIFT(a',b')の
形 に 表 す こ とは 可能 で あ る。 SHIFT(a,b)*ROTATE(α)を(x,y)と(x',y')の
と な る が,こ
関 係 で 表 す と,
れ を
と 書 き換 え る こ とが で き る か ら, SHIFT(a,b)*ROTATE(α) =ROTATE(α)*SHIFT(acosα-bsinα,asinα
+bcosα)
と い う関 係 が 得 ら れ る。 つ ま り,平 行 移 動 と 回 転 移 動 の 合 成 の 順 序 を 単 純 に 交 換 す る こ と は で き な い が, 平 行 移 動 と 回 転 移 動 の 合 成shift・rotateを
回 転 移 動 と 平 行 移 動 の 合 成rotate・
shiftで 表 現 す る こ と は 可 能 な の で あ る 。
問1
上 記 の 事 実 を確 認 す る た め の プ ロ グ ラ ム を作 れ 。
(3) 表 向 き 合 同 変 換 平 行 移 動 と任 意 の 点 に 関 す る 回 転 移 動 と を 任 意 に 合 成 し て 得 ら れ る 変 換 を 表 向 き合 同 変 換 と い う 。 点A(x1,y1)を
中 心 とす る 角 θ の 回 転 が,
SHIFT(-x1,-y1)*ROTATE(θ)*SHIFT(x1,y1) で 表 現 で き る こ と と, SHIFT(a,b)*SHIFT(c,d)=SHIFT(a+c,b+d) ROTATE(α)*ROTATE(β)=ROTATE(α+β)
SHIFT(a,b)*ROTATE(α) =ROTATE(α)*SHIFT(acosα-bsinα,asinα+bcosα) と い う 公 式 を 利 用 す れ ば,表
向 き合 同 変 換 は す べ て
ROTATE(θ)*SHIFT(p,q) の 形 に整 理 す る こ とが で き る で あ ろ う。
問2
点(1,2)を
中 心 と し て30°回 転 す る 表 向 き合 同 変 換 をROTATE(θ)*SHIFT(p,
q)の 形 に 表 せ 。
(4) 表 向 き 合 同 変 換 の 性 質 点A(x1,y1)を
中心 とす る角 θの 回 転
SHIFT(-x1,-y1)*ROTATE(θ)*SHIFT(x1,y1) をROTATE(θ)*SHIFT(p,q)の
形 に 表 す と,
ROTATE(θ)*SHIFT(x1-x1cosθ+y1sinθ,y1-x1sinθ-y1cosθ) と な る。
問3
上 の 式 を利 用 して プ ロ グ ラ ム3.8を
書 き 換 え よ。
逆 に,ROTATE(θ)*SHIFT(p,q)を SHIFT(-x1,-y1)*ROTATE(θ)*SHIFT(x1,y1) の 形 に 直 す こ と が で き る だ ろ う か 。 こ れ は,
とい う連 立 一 次 方 程 式 の 問題 に 置 き換 え られ る。 p=q=0の
場 合 の 結 論 は 明 らか だ か ら,そ れ 以 外 の 場 合 を考 え よ う。す る と,解
が 存 在 す る条 件 は,
で あ る が,変
と な る。
形 す る と,
まず,解 が 存 在 しな い場 合 に つ い て考 察 して お こ う。こ の場 合 に は,ROTATE (θ)が恒 等 写 像 に 一 致 す る か ら,ROTATE(θ)*SHIFT(p,q)が
平行 移 動 に な る
場 合 で あ る。 さ て,解 が 存 在 す る と き,そ れ は
で与 え ら れ る。 我 々 は,平 行 移 動 と回転 移 動 を任 意 に合 成 して得 られ る変 換 を表 向 き合 同 変 換 と呼 ん だ 。 こ こで 得 られ た結 論 は,表
向 き合 同変 換 は 平 行 移 動 と回 転 移 動 の積 に
な る とい うこ とで あ る。
[2]
対称移 動
(1) 対 称 移 動 直 線y=ax+bに 線y=axに
関 す る対 称 移 動 は,y軸
方 向 に-bだ
関 す る対 称 移 動 を実 行 し,y軸 方 向 にbの
け 平行 移 動 し た後 に 直
平 行 移 動 を行 え ば実 現 で き
る。した が っ て,任 意 の 直 線 に 関 す る対 称 移 動 をshift,scale,rotateの
合成 で実現
す る こ とが で き る。 こ こで は,特 く。直 線x=aに
に,y軸
に 平 行 な直 線x=aに
関 す る対 称 移 動 に つ い て 調 べ て お
関 す る対称 移 動 を実 現 す る た め に は,ま ず,x軸
行 移 動SHIFT(-a,0)を
実 行 し,次 にy軸
行 い,最 後 に 平 行 移 動SHIFT(a,0)で
平
に 関 す る対 称 移 動SCALE(-1,1)を
戻 す と い う手 順 で行 えば よ い。した が って,
こ の 対 称 移 動 に よ っ て 点(x,y)が 点(x',y)に 移 る もの とす る と,
と な る。
方 向 に-aの
(2) 対 称 移 動 の 合 成 こ こ で は,直 線 に 関 す る対 称 移 動 の合 成 に つ い て考 察 す る。 た だ1つ の 共有 点(交
点)を
もつ2直
線 に関 す る対称 移 動 を続 け て行 っ た結 果
は,交 点 の まわ りの 回転 移 動 で あ る。 そ こ で,平 行 な2直 線 に 関す る対 称 移 動 を 続 け て行 う変 換 に つ い て考 察 しよ う。簡 単 の た め に,そ の2直 線 をy軸
とx=aと
す る。y軸 に 関 す る 対 称 移 動 に よ っ て 点(x,y)が 点(x',y')に 移 り,そ れ が 直 線 x=aに
関 す る対称 移 動 に よ って 点(x",y")に 移 る もの とす る と,
だ か ら,
とな る。 し たが っ て,こ
の変 換 は,x軸
方 向 に2aだ
け動 か す 平行 移 動 で あ る。
以 上 の こ とか ら,対 称 移 動 を2回 続 け て行 う合 同変 換 は 平行 移 動 か 回 転 移 動 の い ず れ か に な る とい うこ とが い え る。
[3]
ア フ ィ ン変 換
(1) ア フ ィン 変 換 点P(x,y)が
の よ うにx,yの
移 され る先 をQ(x',y')と
す る と き,x',y'が
一 次 式 で 表 さ れ る と き,こ の変 換 をア フ ィ ン変換 とい う。ア フ ィ
ン変 換 に は,一 次 変 換 と平 行 移 動 が 含 ま れ,ア も再 び ア フ ィ ン変 換 に な る とい う性 質 が あ る。 (2) 行 列 に よ る 表 現 ア フ ィ ン変 換 は,行 列 を 用 い て
フ ィ ン変 換 とア フ ィ ン変 換 の 合 成
と書 くこ とが で き る。 ア フ ィ ン 変 換 が3×3行
列Aを
用 いて
と表 され る と き,こ の変 換 はAで 各 変 換 は,そ
表 され る とい う。 こ の表 し方 を用 い る と,次 の
の 右 に示 す行 列 で表 され る。
SHIFT(a,b)
SCALE(a,b)
ROTATE(θ)
問4
SHEAR(θ)を
行 列Aで
表 され るア フ ィ ン変 換 と,行 列Bで
換 は,積 の 行 列ABで (3) 行 列 式 2×2行 列
に 対 して
行 列 で表せ 。
表 さ れ る。
表 され る ア フ ィ ン変 換 の合 成 変
をAの
行 列 式 と い っ てdet(A),あ
ま た,3×3行
る い は,│A│で
表す。
列
に 対 して
をAの
行 列 式 と い っ てdet(A),あ
特 に,ア
る い は│A│で
表す。
フ ィ ン変 換 を表 す 行 列
に 対 し て,
で あ る 。 ま た,Tが
行 列Aで
る い は,det(T)と
も書 くこ と に す る 。 す る と,お
の 行 列 式 は,次
表 さ れ る ア フ ィ ン 変 換 で あ る と き,│A│を│T│,あ も な ア フ ィ ン 変 換 に つ い て,そ
の よ う に な る。
│SHIFT(a,b)│=1 │SCALE(a,b)│=ab │ROTATE(θ)│=cosθcosθ-sinθ(-sinθ) 特 に,x軸 (-1,1)に
=1
に 関 す る 対 称 移 動SCALE(1,-1)やy軸 つ い て,
│SCALE(1,-1)│=│SCALE(-1,1)│=-1 で あ る。
に 関 す る 対 称 移 動SCALE
問5 │SHEAR(θ)│を
A,Bが
求め よ。
と も に2×2行
列 で あ る か , と も に3×3行
列 で あ る と き,
の 関 係 が あ る。 これ は,ア フ ィ ン変 換 を合 成 す る と き,合 成 変 換 を表 す 行 列 の行 列 式 は,も
との変 換 を表 す 行 列 の 行 列 式 の積 に な る こ と を意 味 す る。
問6 A,Bが
ともにア フ ィン変換 を表 す3×3行 列 であ る とき,
│AB│=│A││B│と
な るこ とを証明せ よ。
(4) 合 同 変 換 平 行 移 動,回 う。Aが
転 移 動,対 称 移 動 を任 意 に合 成 して 得 られ る変 換 を合 同 変 換 とい
合 同 変 換 を 表 す とき│A│=±1で
に は│A│=1で
あ る。 逆 に,Aが
あ り,Aが
表 向 き合 同変 換 を表 す と き
合 同 変 換 を表 す と き│A│=1で
あ れ ば,Aが
表
す 合 同 変 換 は 表 向 きで あ る。 表 向 き合 同変 換 で な い合 同 変 換 を裏 向 き合 同 変 換 と い う。 裏 向 き合 同変 換 は,直 線 に 関 す る対 称 移 動 と平 行 移 動 の 合 成 の 形 に 表 す こ とが で き る。
[4]
BASICに
(1) BASICに BASICで
よ る ア フ ィ ン変 換 よ る ア フ ィ ン変 換
は,ア
フ ィ ン変 換 は,3次
元 へ の 拡 張 を考 慮 して4×4行
の よ う に 定 義 さ れ て い る も の と考 え て い る 。4×4行
列 に よって
列 は,
DIMA(4,4)
の よ う に 宣 言 さ れ た 配 列 で 表 現 さ れ る 。 そ し て,そ
れ を そ の ま ま 変 換 を 表 す もの
と して,DRAW文 例 えば,前
のWITH句
に指 定 す る こ とが で き る。
節 で学 ん だ対 称 移 動 は,
と表 す こ とが で き るか ら,次 の プ ロ グ ラム で対 称 移 動 を実 現 す るこ とが で き る。 なお,行
列 演 算 を行 うた め にMAT文
り,行 列 の代 入 や 加 減 算,積,逆 行 列 を意 味 す る英 語matrixの
を使 用 す る。MAT文
を使 用 す る こ と に よ
行 列 の 計 算 な どが簡 単 に で き る。"MAT"は, 最 初 の3文 字 を と っ た もの で あ る。 プ 口 グ ラ ム3.9
図3.13
3.4 敷 き詰め模様 [1]
敷き詰 め模 様
(1) 十 字 つ な ぎ 図3.15は
「十 字 つ な ぎ」と呼 ば れ る刺 し子 の 図案 で あ る。 こ の 図 形
は,図3.14に
示 す 十 字 形 を規 則正 し く並 べ た もの で あ る。平 行 移 動 や
回転 移 動 な ど,図 形 の 変 換 を利 用 して 上 手 に描 く方 法 を工 夫 して み よ
図3.14
う。 コ ン ピ ュ ー タ の プ ロ グ ラ ム で 繰 り返 し の 図 形 を 描 く場 合 に は,x,yに for∼nextの2重
関す る
ル ー プ に す る と描 き や す い 。 十 字 を 作 る 各 辺 の 長 さ を1と
縦,お
よ び 横 の 周 期 を 調 べ て み る と,縦,横
で,ま
ず,そ
と も に5が
して
周 期 に な っ て い る。 そ こ
の 繰 り返 し の 単 位 を 描 く絵 定 義 を 作 り,次
い で,そ
れ を平 行 移 動 し
て描 い て み よ う。 こ の 方 針 に 基 づ く と き,基 本 に な る パ タ ー ン は,図3.16に れ は,十
字 形 を4個,平
示 す 図 形 で あ る。 こ
行 移 動 し て 描 け ば 作 れ る。 そ れ を 縦,横
描 け ば よ い 。 こ の 考 え 方 で 作 成 し た プ ロ グ ラ ム を プ ロ グ ラ ム3.10に
に 平 行 移 動 して 示す。
図3.15は,こ
の プ ロ グ ラム で描 い た もの で あ る。
図3.16
図3.15
プ 口グ ラ ム3.10
と こ ろ で,図3.16を
見 る と,こ
の 図 形 を 少 し傾 け て や れ ば,十
字1つ
に 平 行 移 動 す る だ け で も 作 図 可 能 な こ と が わ か る 。 そ の 角 度 は,BASICの 数 を 用 い て 表 現 す れ ば,ANGLE(2,1)で プ ロ グ ラ ム3.11に,こ
を縦,横 組込 関
あ る。 この 考 え で作 成 した プ ロ グ ラ ム を
の プ ロ グ ラ ム で 描 い た 図 を 図3.17に プ 口 グ ラ ム3.11
図3.17
示す。
[2] 紗 綾 形(さ 図3.18は,「
や が た)
紗 綾 形 」 と呼 ば れ る刺 し子 の 図 案 で あ る。 こ の 図案 の 描 き方 を工
夫 してみ よ う。図3.19は,45° 傾 け て座 標 軸 と と もに 描 い た もの で あ る。こ の 図形 を描 くこ と を 目標 に 考 察 を進 め て い こ う。
図3.18
図3.19は,図3.20に た,図(b)は
図(a)を90°
図3.19
示 す2つ
重 ね合 わせ た もの で あ る。 ま
回 転 させ た も の で あ る か ら,図(a)を
れ ば よ い 。 図(a)は,図3.21の 図3.21の
の 図 形(a),(b)を
折 れ 線 は,図3.22に
描 くこ と を 目標 に す
折 れ 線 を平行 移 動 して 描 くこ とが で き る。 対 称 移 動 と平 行 移 動 を 組 み 合 わ せ れ ば 構 成 で き
る 。こ こ で 用 い る 変 換SCALE(1,-1)*SHIFT(5,0)は,対 平 行 な 平 行 移 動 と を合 成 し た 変 換 で,す
称 移 動 とそ の 対 称 軸 に
べ り対 称 移 動 と 呼 ば れ る 。
(a)
(b) 図3.20
図3.21
図3.18を
図3.22
描 く の に 用 い た プ ロ グ ラ ム を プ ロ グ ラ ム3.12に プ 口 グ ラ ム3.12
示 す。
問7
図3.23は,「
麻 の 葉 」 と呼 ば れ る図 案 で あ る。 ま た,図3.24は,「
呼 ば れ る図 案 を縦 方 向 に 少 し拡 大 し て,そ 角 形,正
れ を構 成 す る三 角 形,六
結 び亀 甲」 と
角形 が それ ぞれ正 三
六 角 形 に な る よ う に 修 正 し た もの で あ る。 こ れ らの 図 案 を,対 称 性 を利 用 して
描 くプ ロ グ ラム を作 れ 。
図3.23
図3.24
問8
プ ロ グ ラ ム3.12を
図3.25を は,ど
少 し変 更 す る と,
描 くプ ロ グ ラ ム が得 られ る 。 そ れ
こ を どの よ う に 変 更 し た もの か 。
図3.25
3.5 自己相 似図形 一 部 分 を取 り出 して拡 大 す る と,自 分 自身 と合 同 に な る図 形 を 自 己相 似 図 形, あ るい は 自己 相 似 形 とい う。 自 己相 似 形 と して 有 名 な 図 形 に,コ
ッ ホ 曲線,シ
ル
ピ ン ス キー の ガ ス ケ ッ ト等 が あ る。 こ れ ら の 図 形 の 描 き方 に つ いて 考 察 し よ う。 [1]
コ ッホ 曲 線
(1) 折 れ 線 の 極 限 と して の コ ッ ホ 曲 線 図3.26に と,図3.27に
示 す4線 分 の お の お の を,全 体 を1/3倍
に縮 小 した もの で 置 き換 え る
示 す 曲 線 が 得 られ る。 この 操 作 を繰 り返 す と,図3.28,図3.29が
得 られ る。 こ れ を無 限 に繰 り返 し た極 限 を コ ッホ 曲 線 と い う。 い い か え る と,コ ッホ 曲線 は,自 分 自 身 を1/3倍
に 縮 小 した も の を図3.26の4線
分 の位 置 に 持 つ 曲
線 で あ る。 コ ッ ホ 曲 線 を描 くプ ロ グ ラ ム は,そ の 構 成 要 素 が 自分 自身 を縮 小 した もの に な っ て い る とい う再 帰 的 な関 係 を そ の ま まプ ロ グ ラム に した も の に な る。図3.26の 各 線 分 の 長 さ を1と
し,左 端 を原 点 に,右 端 を点(3,0)と す る座 標 系 で考 え よ う。
す る と,例 え ば,原 点 と点(1,0)と を結 ぶ 線 分 に 置 き代 わ る構 成 要素 は,コ ッ ホ 曲
線 を1/3倍
図3.26
図3.27
図3.28
図3.29
に 縮 小 し た も の で あ り,点(1,0)を
わ る 構 成 要 素 は,コ てx軸
方 向 に1だ
実 際 に,コ
ッ ホ 曲 線 を 原 点 を 中 心 と し て1/3倍
に 縮 小 し た 後,60° 回 転 し
け 平 行 移 動 した もの で あ る。
ッ ホ 曲 線 を 描 く プ ロ グ ラ ム を プ ロ グ ラ ム3.13に
描 き 方 を 述 べ て い る の は,110行 は,実
左 端 の 点 と す る 斜 め の 線 分 に 置 き代
か ら200行
示 す 。コ ッ ホ 曲 線 の
ま で の 絵 定 義koch(n)で
あ る 。引 数n
際 の コ ン ピ ュ ー タ で は 無 限 に 再 帰 を 実 行 す る こ と は で き な い た め に,適
な 回 数 で 止 め る た め の も の で あ る 。 こ の プ ロ グ ラ ム で は,再 nの 値 を1ず
つ 減 じ,nの
て い る 。 実 際 にn=0の
値 が0に
な っ た ら そ れ 以 上,再
と き に 実 行 さ れ る の は,原
く こ と で あ る。 プ ロ グ ラ ム の 実 行 時 に は,こ 実 行 さ れ る 。 な お,図3.26以 そ れ ぞ れ,n=1,2,3,4を
帰 を実 行 す る た び に
帰 を実 行 し な い よ うに し
点 と 点(3,0)と
の 動 作 が 縮 小,回
降 の 図3.27,図3.28,図3.29の 入 力 し て実 行 して 得 た もの で あ る。 プ 口 グ ラ ム3.13
当
を結 ぶ 線分 を描
転 平 行 移 動 され て つ ご う4枚
の 図 は,
(2) 相 似 変 換 を用 い た コ ッホ 曲線 の 定 義 コ ッ ホ 曲 線 を相 似 変 換 の 観 点 か ら定 義 し直 す こ とが で き る。 図3.30に 辺BCの
お い て,三
長 さ が1,高
角 形ABCは,底 さ が〓
三 角 形 で あ る。頂 点Bを BCを
辺BAに
の二等 辺
固 定 点 と して 辺
移 し,三 角 形ABCを
その
内部 に 移 す 相 似 変 換 を ψ1,頂点Cを 点 と し て 辺BCを
辺CAに
し た と き,K=ψ1(K)∪ 点Bを
図3.30
固定
移 し,三 角 形ABCを ψ2(K)と
な る 図 形Kが
そ の 内 部 に 移 す 相 似 変 換 を ψ2と コ ッ ホ曲 線 で あ る。
原 点 に と っ て,こ の 定 義 通 り に 図 形 を 描 くプ ロ グ ラ ム を プ ロ グ ラ ム3.14
に示 す 。 180行
と190行
で 値 を 与 え て い る 変 数a,bは,点Aの
ψ2 の 拡 大 率 γ を200行 が140行
で,回
転 角 の 大 き さtを210行
座 標 で あ る 。相 似 変 換ψ1, で 求 め て い る 。相 似 変 換 ψ1
に あ る SCALE(r)*SCALE(1,-1)*ROTATE(t)
で あ り,相
似 変 換ψ2が150行
にあ る
SHIFT(-1,0)*SCALE(r)*SCALE(1,-1)*ROTATE(-t)*SHIFT(1,0) で あ る 。150行
に 用 い ら れ た 記 号&
収 ま ら な い 関 係 で,こ
&は
の 記 法 を 用 い た(実
行 継 続 を 表 す 。 印 刷 の 都 合 上,1行
に
際 に プ ロ グ ラ ム を コ ン ピュ ー タ に 入 力
す る と き に は,& 絵 定 義p(S)の
&を 引数sは
省 い て,1行
と な る よ う に し た ほ うが よ い で あ ろ う)。
図 形 の 大 き さ を 意 味 す る。sが
限 度 を 超 え て 小 さ く な っ た と き に,そ と き 指 定 す る座 標(120行 例 え ば,0,0を
こ に 何 か あ る も の と し て1点
で 指 定 す る座 標)は,図
指 定 し て も,実 際 上,誤
後 の 値 に 変 更 し,120行 PLOT
形 内 の 点 で あ れ ば よ く,こ
に あ る 定 数1/1000で
を
LINES:0,0;1,0
に 書 き換 え る と,折
を 描 く。 そ の こ に,
差 を 生 じ る こ と に は な ら な い 。 ま た,解
度 の 限 界 を 指 定 す る た め の 定 数 は,110行 1/10前
デ ィ ス プ レイ の 解 像 度 の
れ線 近 似 が 描 け る。 プ 口 グ ラ ム3.14
像
あ る。 この 定 数 を
図3.31
[2]
シル ピンスキ ーのガ スケ ッ ト
シ ル ピ ン ス キ ー の ガ ス ケ ッ トも 自 己 相 似 形 の例 と して よ く知 ら れ た 図 形 で あ る。 こ の 図 形 は,正 三 角 形 の 各 頂 点 を中心 とす る相 似 比1/2の ψ3 とす る と き,K=ψ1(K)U ロ グ ラ ム3.15は,正
ψ2(K)U ψ3(K)と な る図 形Kと
相 似 変 換 を ψ1,ψ2, して定 義 され る。プ
三 角 形 の 左 下 端 の 点 が 原 点 で あ る もの と して 作 成 され て い
る。 プ 口 グ ラム3.15
図3.32
第4章 複素数 こ の 章 で は,平 面 上 の 図 形 の 変 換 を複 素 数 平 面 上 の 変 換 と い う視 点 か ら 見 直 し を 図 る。 ま た,複 素 数 平 面 に 特 有 の 変 換 に つ い て も考 察 す る。
4.1 複素数 平面上の変換 [1]
相 似 変 換
(1) 複 素 数 平 面 複 素 数 α=a+bi(a,bは P(α),あ
実 数)に
対 し て,点P(a,b)を
る い は 単 に α で 表 す 。 ま た,平
w =f(z)の
よ う に 表 す 。 そ し て,平
面 上 の 点P(z)を
α が表 す点 とい って 点Q(w)に
移 す写像 を
面 上 の 点 を複 素 数 と 同 一 視 す る と き,平
面 を
複 素 数平 面 と呼 ぶ 。 (2) 写 像w=αz 複 素 数 α を 用 い てw=αzで
与 え ら れ る 写 像 を 考 え よ う。た だ し,α ≠0と
α の 絶 対 値 を γ,偏 角 を θ と す る と,こ
の 写 像 は 点zを,原
に 拡 大 し,さ
ら に,原
反 対 に,原
点 を 中 心 と し て γ 倍 に 拡 大 し,さ
す る。
点 を 中 心 と し て γ倍
点 を 中心 と して θだ け 回転 し た点 に移 す 写 像 で あ る。
転 し た 点 に 移 す 写 像 は,α=γ(cosθ+isinθ)と
ら に,原
点 を 中 心 と し て θだ け 回
お く と,w=αzで
与 え られ る。
この 写 像 を拡 大 回転 と呼 ぶ こ とに す る。
〔例 題1〕
第3章
で 定 義 し た 絵Houseをw=αzで
作 れ 。 た だ し,複 素 数 α の 入 力 は,α=a+biと 〔解 〕
α の 絶 対 値 は│α│=√a2+b2で
組 込 関 数 を 用 い てANGLE(a,b)で
な る2数a,bで
求 め ら れ る 。 ま た,α 求 め られ る。 プ 口 グ ラ ム4.1
図4.1
変 換 し て 描 くプ ロ グ ラ ム を 行 う もの とす る。 の 偏 角 は,BASICの
(3) 表 向 き相 似 変 換 複 素 数 平 面 上 で,写 像w=z+β と平 行 移 動w=z+β
は 平行 移 動 を表 す 。α≠0の と き,写 像w=αz
の 合 成 写 像w=αz+β
表 向 き相 似 変 換 は,も
を表 向 き相 似 変 換 とい う。
し,そ れ が 平 行 移 動 で な い な らば,平 面 上 の あ る点 を中
心 とす る拡 大 回転 で 表 現 で き る。 そ れ は,
の 形 に 変 形 す る の に,
と定 め れ ば よ い か ら で あ る。 こ の 点z0を,こ
問1
4数a,b,c,dを
の 相 似 変 換 の 中 心 とい う。
入 力 す る と,第3章
で 定 義 し た 絵Houseを
写 像w=αz+β
で
変 換 して 描 き,さ ら に,相 似 変 換 の 中心 を* で 表 示 す る プ ロ グ ラ ム を作 れ。 た だ し,α= a+bi,β=c+diと
す る。
図4.2
(4) 写 像w=αz 複 素数z=x+yi(x,yは
実 数)に 対 し,x-yiをzで
い う。 した が っ て,複 素 数 平 面 上 でzはx軸
表 してzの 共 役 複 素 数 と
に つ い てzと 対 称 な 点 で あ る。
α を絶 対 値 が γで 偏 角 が θの 複 素 数 とす る と き,写 像w=αzは,x軸
に関す
る対 称 移 動,原 点 を 中 心 とす る角 θの 回 転 と γ倍 の 拡 大 ・縮 小 の合 成 で 与 え られ る。 〔 例 題2〕
直 線y=xtanθ
に 関 す る対 称 移 動 を複 素 数 の変 換 の 形 に表 せ 。
〔解 〕 こ の 写像 は,原 点 の ま わ りの-θ の 回転,x軸
に 関 す る対 称 移 動,原 点 の ま
わ りの θの 回 転 の合 成 で あ る。 し たが っ て,
問2 角 θを入 力す る と,絵Houseを
直 線y=xtanθ
に関 し対称 に移 動 して 描 くプ ロ
グラム を作 れ。
〔 例 題2〕 の 結 果 か ら,α が 絶 対 値 が γで偏 角 が θの 複 素 数 で あ る と き,写 像 w =αzは ,直 線y=xtanθ/2に 関 す る対 称 移 動 と原 点 を 中心 とす る γ倍 の拡 大 の 合 成 変 換 だ とい う こ とが わか る。 この 写 像 を拡 大 対 称 と呼 ぶ こ とに す る。 (5) 裏 向 き 相 似 変 換 点z0を
中心 とす る拡 大 対 称 を表 す 方程 式 を求 め て み る と,
と な る。 一 般 に,α ≠0で あ る と き,写 像w=αz+β
を裏 向 き相 似 変 換 とい う。裏 向 き
相 似 変 換 が 拡 大 対 称 の 形 に表 せ る条 件 を調 べ て お こ う。 初 め に 書 い た 計 算 結 果 を利 用 す る と,
と な るz0が
定 ま れ ば よ い こ とが わ か る 。 両 辺 の 共 役 を と り,α
これ らの2式
の 和 を作 る と,z0が
し た が っ て,│α│≠1で
と な っ てz0が
定 ま る。
あ れ ば,つ
を乗 ず る と,
消 去 さ れ て,
ま り,こ
の 写 像 が 合 同 変 換 で な い な らば,
問3
4数a,b,c,dを
Houseを
入 力 す る と,絵
写 像w=αz+β
さ ら に,│α│≠1で
で 変 換 して 描 き,
あ れ ば,拡
大 対称 の 中心
と軸 を表 示 す るプ ロ グ ラム を作 れ 。 た だ し, α=a+bi,β=c+diと
す る。
図4.3
(6) 裏 向 き 合 同 変 換 裏 向 き相 似 変 換w=αz+β
で│α│=
1の 場 合 を調 べ て み よう。 写 像w=αz +β は 対 称 移 動 と回転 移 動,平 行 移 動 を 合 成 した変 換 で あ り,合 同 変 換 で あ る。 α=1,β=3の
と き,Houseは
図4.4の
よ うに変 換 され る。 こ れ は 対 称 移 動 と, 対 称 軸 に 平行 な方 向へ の 平 行 移 動 を合 成 した もの で,す べ り対 称 移 動 と呼 ば れ る 変 換 の例 で あ る。 こ こで,す べ り対 称 移 動 の全 体 像 を調
図4.4
べ て み よ う。 まず,実 軸 に平 行 な 軸 を もつ す べ り対 称 移 動 を表 す 方 程 式 を求 め て み よ う。 直 線y=kに は,y軸
つ いて 対 称 移 動 し,次 い で,x軸 の 負 の 向 き にkだ
の正 の 向 きにeだ け 平 行 移 動 す る写像
け平 行 移 動 して か らx軸
の 向 きの 平 行 移 動 を行 い,最 後 にy軸 ら,そ れ を複 素 数 で 表 せ ば
に関 す る対 称 移 動 とx軸 の 正
の正 の 向 きにkだ
け 平 行 移 動 す れ ば よ いか
と な る 。 し た が っ て,写 β=c+diと
す れ ば,直
像w=z+β
は,
線y=d/2を
軸
と す る す べ り対 称 移 動 で あ る 。 さ ら に,直
線y=kを
原 点 の ま わ りに
φ 回 転 し た 直 線ycosφ-xsinφ=kを 軸 と す る す べ り対 称 移 動 は,γ=cosφ+ isinφ
と お く と,原 点 の ま わ り の-φ
回 転w=γz,す e +2ki,原 yzの
の
べ り対 称 移 動w=z+ 点 の ま わ り の φ の 回 転w=
合 成 で あ る か ら,そ
図4.5
の 方程 式 は
とな る。 こ の こ とか ら,│α│=1の
と き,写 像w=αz+β
も す べ り対 称 移 動 と し て 表 せ
る こ と が わ か る 。 そ の 軸 の 方 程 式 は,
か ら求 め ら れ る 。 α の 偏 角 を θ とす る と,
で あ り,kは
で あ る か ら,
とな る。
β/γ の 虚 数 部 分 を2で
割 っ て 求 め れ ば よ い 。 β=c+diと
す る と,
問4 │α│=1の w =αz+β
と き,絵Houseを
写 像
で変換 して描 き ,さ ら に,す べ り
対 称 の 軸 を 描 くプ ロ グ ラ ム を作 れ 。 た だ し, αは 偏 角 で 入 力 す る もの とす る 。
図4.6
[2]
自 己相 似 図 形
(1) ドラ ゴ ン 集 合 図4.7に は,図4.7の
示 す 図 形 は,自 己相 似 図 形 の 典 型 例 と し て知 られ る もの で あ る。図4.8 ドラ ゴン を45°回転 した 後,〓
倍 に縮 小 し た もの を平 行移動 して並
べ て描 い た もの で あ る。 ドラ ゴ ン集 合 は,2つ
の 相 似 縮 小 写像
に 対 して,f1(K)∪f2(K)=Kと す る45°の 回 転 と〓 点(1,0)を
な る 自己相 似 図形Kで
倍 の 縮 小 と を 合 成 し た 表 向 き相 似 変 換 で あ り,f2は
中 心 とす る45°の 回 転 と〓
で あ る。 縮 小 倍 率 の〓 必 要 な 条 件 で あ る。
あ る。f1は,原 点 を中 心 と
倍 の 縮 小 と を合 成 した 表 向 き相 似 変 換
と い うの は2個 並 べ て 元 の 図 形 と相 似 に な る た め に は
図4.7
図4.8
プ 口グ ラ ム4.2
(2) 自 己相 似 図 形 の い ろ い ろ プ ロ グ ラ ム4.2で
用 い る相 似 縮 小 写像 を別 の もの に 変 え る と,異 な っ た 図 形 が
得 られ る。 そ の よ うに して得 ら れ る 自 己相 似 図形 の例 を い くつ か 示 す 。
図4.9は,
に 関 す る 自 己相 似 集 合 で,か に が 連 な っ た よ う に見 え る こ とで有 名 な 自 己相 似 図 形 で あ る。
図4.9
図4.10は,
に 関 す る 自 己 相 似 集 合 で,Levy曲
線 と い う。
図4.10
図4.11は,
に 関 す る 自 己相 似 集 合 で あ る。
図4.11
図4.12は,
に 関 す る 自 己相 似 集 合 で あ る。
図4.12
問5
α=γ1(cosθ1+isinθ1),β=γ2(cosθ2+isinθ2)と
に よ っ て定 ま る 自 己相 似 図 形 を描 くプ ロ グ ラ ム を作 れ 。
す る と き,
4.2 複素数 平面上のその他の変換 [1]
写 像w=z2
写 像w=z2は
絶 対 値 を2乗
をこ の 写 像 で 変 換 し,得
られ る図 形 に つ い て考 察 して み よ う。
(1) 複 素 数 平 面 上 で 点1を 点(1,0)を
し,偏 角 を2倍 に す る変 換 で あ る。い ろい ろ な図 形
中 心 とす る 半径1の
中 心 とす る半 径1の
円の像
円 は,媒 介 変数tを
用 いて
と表 す こ とが で き るか ら,こ れ を極 座 標 で 表 した と きの 動 径 を2乗
し,偏 角 を2
倍 に し た 点 を求 め る こ とは容 易 で あ る。 実 際 に プ ロ グ ラム を書 い た もの を プ ロ グ ラム4.3に
示 す 。 ま た,実 行 結 果 を図4.13に プ 口 グ ラム4.3
示 す。
図4.13
こ の 図 形 は カ ー ジ オ イ ドの よ う に 見 え る 。 実 際,こ
れ が カ ー ジ オ イ ドで あ る こ
と を 証 明 す る の は む ず か し く な い 。円 周 上 の 点(γ0,θ0)が 点(γ,θ)に 移 る と す る と,
で あ る 。 一 方,
と 表 す こ と が で き る 。x=γ0cosθ0,y=γ0sinθ0で
で あ り,ま
た,
と 変 形 で き る こ とか ら,
あ る か ら,
と み な す こ とが で き る 。 よ っ て,t=2θ0=θ
と な り,
す な わ ち,
が 結 論 で き る。 (2) 点1を 通 る 直 線 を変 換 す る 写 像w=z2で
複 素 数 平 面 上 の 点1を 通 る直 線 を変 換 して み よ う。す な わ ち,座
標 平 面 上 の 点(1,0)を
通 り,x軸
とな す角 が α の 直 線 はtを 媒 介 変 数 に用 い て
と 表 す こ と が で き る 。次 の プ ロ グ ラ ム は,α
を 入 力 す る と,上 述 の 直 線 を 写 像w=
z2で 変 換 し て 描 くプ ロ グ ラ ム で あ る 。 α は 度 を 単 位 と し て 入 力 す る 。 図4.14に,い
くつ か の α に 対 す る実 行 結 果 を 示 す 。い ず れ も,与 え ら れ た 直 線
に 接 す る 放 物 線 に な っ て い る(し
か し,α=0の プ 口 グ ラ ム4.4
場 合 は 例 外 で あ る)。
(a) α=30゜
(b) α=60゜ 図4.14
問6
aを 実 数 とす る と き,実 軸 上 の 点aを
い て 考 察 し な さい 。
通 る 直 線 を写 像w=z2で
変 換 した 結 果 に つ
[2]
w2=zで
定 ま る 点
(1) 円 を 変 換 す る 点zが
複 素 数 平 面 上 の 点1を
な る 点wの z,wの
中 心 と す る 半 径1の
円 の 周 を 動 く と き,w2=zと
軌 跡 を 描 い て み よ う。 絶 対 値,偏
角 を そ れ ぞ れ,γ0,γ,θ0,θ で 表 し,
と す る と,
よ り,
(nは 整 数) と な る 。2π の 整 数 倍 の 相 違 を 無 視 し て θ の 値 が2通 zの 値 に 対 し て 対 応 す るwの
値 が2個
以 上 の 考 察 か ら プ ロ グ ラ ム4.5が
あ る こ とに 注 意 す る。
得 ら れ る 。実 行 結 果 を 図4.15に
線 を レ ム ニ ス ケ ー ト(lemniscate),あ 点 と,そ
りに 定 ま る こ と か ら,1つの
示 す 。この 曲
る い は 連 珠 形 と い う。こ の プ ロ グ ラ ム は 元 の
れ に 対 応 す る 点 と を 同 時 に 描 く よ う に し て い る か ら,ど
の 点 と どの 点 が
対 応 す る か が 見 ら れ る 。 し か し,最
新 の ハ ー ドウ ェ ア を 用 い る と 速 す ぎ て 一 瞬 の
う ち に 実 行 を終 え て し ま う の で,そ
の 場 合 に は,FOR文
さ く変 更 し て 実 行 し て み る と よ い 。 プ 口グ ラ ム4.5
の 制 御 変数tの
増 分 を小
図4.15
(2) 直 線 を 変 換 す る 今 度 は,直
線 を変 換 して み よ う。 手 始 め と して,実 軸 に 垂 直 な 直 線 を変 換 して
み よ う。 プ ロ グ ラム4.6は,実
数aを 入 力 す る と,点zが
通 っ て 実 軸 に 垂 直 な直 線 上 を動 くと き,w2=zと プ 口 グ ラ ム4.6
複 素 数 平 面 上 の 点aを
な る点wの
軌 跡 を描 く。
図4.16にa=1の
と きの 実 行 結 果 を
示す。
図4.16
問7
点zが
で あ る 点wの
複 素 数 平 面 上 の 点1を
通 り実 軸 と な す 角 が α の 直 線 上 を 動 く と き,w2=z
軌 跡 を 描 くプ ロ グ ラ ム を作 り,実 行 結 果 を考 察 せ よ。
[3] 写 像w=1/z 写像w=1/zは,絶
対 値1/│z│で
偏 角 が-argzに
等 し い点 を対 応 させ る写 像
で あ る。 こ の 写 像 の 性 質 を調 べ て み よ う。(1 ) 直 線 の 像 手 始 め に,直 線x=aを 結 果 を図4.17に
変 換 して み よ う。プ ロ グ ラム を プ ロ グ ラ ム4.7に,実
行
示 す。
実行 結 果 か ら わか る よ う に,写 像w=1/zは 円 に移 す 。写 像w=1/zに
原 点 を通 ら な い 直 線 を原 点 を通 る
は逆 写像 が そ れ 自身 と一 致 す る と い う性 質 が あ るか ら,
原 点 を通 る 円 は 原 点 を 通 ら な い 直線 に移 され る。 プ 口 グ ラ ム4.7
図4.17
問8
写 像w=1/zに
よ っ て 原 点 を通 る直 線 は,ど の よ う な 図 形 に 移 さ れ る か 。ま た,原
点 を通 ら な い 円 は ど の よ うな 図 形 に移 さ れ る か 。 プ ロ グ ラ ム を作 っ て 調 べ よ。
(2) 複 素 数 平 面 上 の 点1を
通る直線 の像
プ ロ グ ラ ム4.7でa=1と と,点1で
し て み る
直 線 と 円 が 接 し て い る こ とが
わ か る(点1は
写 像w=1/zの
あ る)。 一 般 に,点1を =1/zに
不 動点 で
通 る 直 線 は 写像w
よ っ て 点1で
元 の直線 に接 す
る 円 に 変 換 され る。 こ の様 子 を確 か め る た め に,プ
ロ グ ラ ム4.7を
次 の よ うに変
更 し て 実 行 し て み よ う。 95
OPTION
ANGLE
DEGREES 図4.18
100 INPUT
alfa
160 LET
x=1+t*cos(alfa)
170 LET
y=t*sin(alfa)
実 行 例 を 図4.18に
示す。
(3) 等 角 写 像 写 像w=1/zに
は,直 交2直 線 の像 が 交 点 で直 交 す る と い う性 質 が あ る。そ の様
子 をプ ロ グ ラ ム を作 って 観 察 して み よ う。 そ こ で,変 換 して 描 く部 分 を副 プ ログ ラ ム に変 更 し,プ
ロ グ ラ ム の 大 筋 の論 理 的 な構 成 が2直
線 を描 くプ ロ グ ラ ム で あ
る よ うに修 正 して み よ う。 得 られ たプ ロ グ ラム をプ ロ グ ラ ム4.8に,ま 結 果 の一 例 を図4.19に
示す。 プ 口 グ ラ ム4.8
た,実 行
図4.19
[4] 反 転w=1/ 点Oを
z
中心 とす る半 径kの
上 の 点 でOP・OQ=k2と
円 が あ る と き,平 面 上 の 点Pに
な る点Qを
とい う。 この と き,点Oを
対 して 半 直 線OP
対 応 させ る写 像 を,こ の 円 に 関 す る反 転 変 換
反 転 の 中 心 とい う。 反 転 変 換 で は,円 周 上 の 点 は不 動
点 で あ り,円 の 内側 と外 側 が 入 れ替 わ る。 点Oは,こ い。 反 転 変 換 は,円 周 上 の 一 点 を定 め,そ
の 写 像 の定 義 域 に含 ま れ な
の周 囲 で の 挙 動 に 注 目す る と,直 線 に
関 す る対 称 移 動 とよ く似 て い る。 単 位 円 に 関 す る反 転 を,複 素 数 平 面 上 の 変 換 とみ なす と,w=1/zで が で き る。 写像w=1/zは,写 の だ か ら,写 像w=1/zと 写 像w=1/zは,極
像w=1/zと
表す こ と
実 軸 に 関 す る対 称 移 動 を合 成 した も
共 通 す る性 質 が 多 い。 座 標 を用 い て述 べ れ ば,偏 角 は 変 えず に動 径γ を1/γ に 変
え る 写 像 で あ る か ら,プ
ロ グ ラ ミ ン グ は 容 易 で あ る 。 こ こ で は,マ
入 力 す る と,は じ め の 点 を 中 心 と し て,2つ 1/zに
ウ ス で2点
目 に 指 示 さ れ た 点 を 通 る 円 を 写 像w=
よ っ て 変 換 し て 描 くプ ロ グ ラ ム を 作 っ て み よ う。 プ 口 グ ラ ム4.9
を
図4.20
問9
写 像w=1/zに
よ っ て 直 線 が ど ん な 図 形 に 移 さ れ る か,調
べ る プ ロ グ ラ ム を作
れ。
[5] 写 像w=z+1/z 写 像w=z+1/zで ム4.10参 に,γ
照)。 γ=2の
≠1の
原 点 を 中 心 と す る 半 径 γ の 円 を 変 換 し て み よ う(プ と き の 実 行 結 果 を 図4.21に
と きの 変 換 結 果 は楕 円 で あ る。 プ 口 グ ラ ム4.10
ログ ラ
示 す 。こ の 結 果 か ら わ か る よ う
図4.21
第5章 カオス こ の 章 で は,反
復 写 像 の 性 質 を調 べ る こ と を通 し て,カ
オ ス と フ ラ ク タル の 世 界 を探
訪 す る。
5.1
反 復 写 像
[1]
漸 化 式xn+1=f(xn)に
よって定義 される数 列
(1) 数 列 の 図 示 関数fを f(x)=x+bで は公 比aの
用 い て 漸 化 式xn+1=f(xn)に あ れ ば{xn}は
公 差bの
よ って 定 義 され る数 列{xn}を 等差 数 列 で あ り,f(x)=axで
等 比 数 列 で あ る。 ま た,ニ ュ ー トン法 に よ っ てaの
め に 用 い られ る漸 化 式xn+1=(xn2+a)/2xnも
あ れ ば{xn}
近 似 値 を求 め るた
この 形 で あ る。
f が 連 続 関 数 で あ る場 合 に 限 定 す る と,漸 化 式xn+1=f(xn)で {xn}は,収
考 え よ う。
束 す る とす れ ば,そ の 極 限値 は 方 程 式f(x)=xの
実 際 に は,収 束 す る とは 限 らな い。 これ らの 数 列 の 収 束,発
定 義 され る数 列 解 に な る。 しか し,
散の様子 をコンピュ
ー タの 画 面 上 に 図 示 す る手 法 を研 究 し よ う。 y=f(x)の
グ ラ フ が 与 え られ て い る と き,次 の よ う に して{xn}の 初 期 値x0か
x1,x2,x3,… を順 に 作 図 す る こ とが で き る。まず,x1は,直
線x=x0とy=f(x)の
ら 交
点 のy座
標 と し て 得 ら れ る 。同 様 の 手 順 でx1か
値 と し て 実 現 し た い 。 そ れ は,直線y=x1と は じめ と 同 じ手 順 でx1か
らx2を
らx2を
直線y=xと
得 る た め に,x1をx座 の 交 点 のx座
標 の
標 と し て,
求 め る こ とが で き る 。以 下,同 様 に 繰 り返 し て い
けば よい。 コ ン ピ ュ ー タ を 用 い て 計 算 す る場 合 に,上 は な い が,上
に述 べ た手 順 に従 っ て 作 図 す る必 要
の 手 順 に 従 っ て 描 い た 図 形 は,人
し て 見 る の に 便 利 で あ る。 そ れ に は,次
間 が 数 列 の 値 の 変 化 の 様 子 を追 跡
の よ う な プ ロ グ ラ ム を用 意 す れ ば よ い 。
こ の プ ロ グ ラ ム は,点(x0,x0),(x0,x1),(x1,x1),(x1,x2),…,(xn,xn),(xn,xn+1), … を 順 に 結 ん で い る。な お,プ
fを 用 い ず に漸 化 式 を書 け ば,〓
ロ グ ラ ム5.1で
は,〓 とい う こ とで あ る。
プ 口 グ ラ ム5.1
と した。
計算の結果 1.999999971 1.999999986 1.999999993 1.999999997 1.999999999 2 2 2
2 2 2 2 図5.1
2
2 2
実 行 結 果 を 図5.1に
示 す 。 原 点 か ら 折 れ 線 が 階 段 状 に 伸 び て い き,点(2,2)に
束 して い る よ う に 見 え る 。 こ れ は,数 列{xn}が2に そ れ は,PRINT文
問1
収
収 束 す る こ とを物 語 って い る。
の 出 力 結 果 か ら もい え る こ と で あ る 。
f(x)=ax+bと
発 散 に つ い て調 べ よ。
す る。 漸 化 式xn+1=f(xn)に
よ っ て 定 義 さ れ る数 列{xn}の
収 束,
(2) 方 程 式f(x)=xの
解
漸 化 式xn+1=f(xn)に f(x )=xの
よ っ て 定 義 さ れ る 数 列{xn}は,収
解 に 収 束 す る か ら,こ の 数 列 をf(x)=xの
束 す る とす れ ば 方 程 式 解 の近 似 値 を計 算 す るの に
利 用 で き る こ とが あ る。
〔例 題1〕cosθ=θ
と な る θの 近 似 値 を 求 め よ 。
〔解 〕f(x)=cosxと
し て 上 に 述 べ た こ と を 利 用 す る 。そ こ で,プ ロ グ ラ ム5.1を
次 の よ う に修 正 す る。
こ れ を 実 行 す る と,図5.2が の 近 似 値0.739085…
得 ら れ る 。 そ し て,PRINT文
… が 得 られ る。
計 算の結 果 .7390713653 .7390944074 .739078886 .7390893414 .7390822985 .7390870427 .739083847 .7390859996 .7390845496 .7390855263 .7390848684 .7390853116 .7390850131 .7390852141 .7390850787
図5.2
の 出 力 結 果 か ら,解
(3) 数 列xn+1=f(xn) 〔 例 題1〕
で,f(x)=1.5cosxと
数 列{xn}は
収 束 せ ず,0.123…
し て 実 行 して み る と,図5.3の と1.488…
よ う に な り,
との 間 を往 復 し て1つ
の値 に 収 束 して
い く気 配 が 見 ら れ ない。 計算の結果
.1230754977 1.48865365 .1230754992 1.488653649 .1230755007 1.488653649 .1230755007 1.488653649 .1230755007 1.488653649 .1230755007 1.488653649 図5.3
.1230755007 1.488653649 .1230755007
こ の 事 情 は,プ
ログラム を
と変 更 して 初 期 値 をf(x)=xの
解 に よ り近 い 値 に 変 更 して も変 わ らな い(図5.4)。
こ の 辺 り を く わ し く調 べ る た め に,f(x)=acosxと 実 行 し て み る こ と に す る 。 た だ し,aは
の よ うに プ ロ グ ラ ム を修 正 す る。
お き,aの
値 を変 化 させ て
正 の 定 数 と す る 。 そ こ で,
計算の結 果 1.488622439 .1231221578 1.488645056 .1230883467 1.488651284 .1230790362 1.488652998 .1230764739 1.48865347 .1230757683 1.4886536 .1230755739 図5.4
1.488653636 .1230755201 1.488653646
す る と,a=1.32付
近 を 境 に して,そ
れ よ り小 さ け れ ば 収 束 し,そ れ よ り大 き い
と発 散 す る ら し い こ とが わ か る 。こ のa=1.32と
い う数 字 の 根拠 を も う 少 し く わ
し く調 べ て み よ う 。
(a) a=1.31を
入 力
(b) a=1.32を 図5.5
入 力
漸 化 式xn+1=f(xn)に
よ っ て 定 義 さ れ た 数 列{xn}の
の 傾 き に 依 存 し,│f′(x)│<1で る 。 そ の 境 界 は│f′(x)│=1だ と し て,│f′(α)│=1と
だ か ら,
収 束 ・発 散 は,曲
あ る と収 束 し,反 対 に│f′(x)│>1で か ら,f(x)=acosxに
な る と き の 定 数aの
線y=f(x) あ る と発 散 す
つ い て,f(x)=xの
解 を α
値 を求 め て み よ う。
〓よ り
一 方
〓 だ か ら,
よ り,
と な り,定
数aに
ついて
とい う方 程 式 が得 られ る。 こ の 方 程 式 の解(近
似 解)は,
とお き,二
分 法 を適 用 す れ ば 求 め る こ と が で き て,a=1.319…
ラ ム5.2参
照)。 プ ロ グ ラ ム5.2
… で あ る(プ
ログ
問2 束
f(x)=asinxに
つ い て,漸
化 式xn+1=f(xn)に
・発 散 を 調 べ よ 。 た だ し,a>0,x0=1と
(4) 周 期2の
よ っ て 定 義 さ れ た 数 列{xn}の
収
す る。
サイクル
前 項 に 引 き続 い てf(x)=acosxと よ っ て 定 義 さ れ た 数 列{xn}は の 値 で あ る と き,偶
す る 。a>1.319… 発 散 す る が,aの
数 番 目 の 項,あ
値 が1.319…
… を 少 し超 え た 程 度
る い は 奇 数 番 目 の 項 の み を 取 り出 し て 観 察 し
て み る と収 束 が 観 察 で き る 。 プ ロ グ ラ ム5.1を う。 実 行 結 果 は 図5.6の
… の と き,xn+1=f(xn)に
よ う に な る。 プ ロ グ ラ ム5.3
次 の よ うに 修 正 して 実 行 して み よ
数 値 で の 出 力 結 果 の ほ う を 見 る と,1.488… る 。310行
は 第20項
… と0.123…
ま で を 無 視 し て 点 列 を 描 くよ う に 修 正 し て あ る。 グ ラ フ ィ ッ
ク 画 面 に 表 示 さ れ る の は,第21項
以 降 の 挙 動 で あ る 。図 の 上 で は,完
値 の 間 を交 互 に行 き来 して い る よ う に見 え る。 計算の結 果
.1230754977 1.48865365 .1230754992 1.488653649 .1230755007 1.488653649 .1230755007 1.488653649 .1230755007 1.488653649 .1230755007 1.488653649 .1230755007 1.488653649 .1230755007
…が交 互 に現 れて い
図5.6
全 に2つ
の
‐
a=1.5の
と き,数
は 収 束 して,そ は,そ
列{xn}そ
れ 自 身 は 発 散 数 列 で あ る が,部
れ ぞ れ 極 限 を も つ(証
分 列{x2n}と{x2n+1}
明 は 済 ん で い な い)。 こ の と き,数
れ らの 値 に い く ら で も 近 い 要 素 を 含 ん で い る 。 そ の 観 点 か ら,こ
を 数 列{xn}の
凝 集 点 と い う。 特 に,そ
を 開 始 す れ ば,数 {xn}は
周 期2の
(5) 周 期4の
列{xn}は
列{xn} れ らの値
れ らの う ちの い ず れ か を初 期 値 と して反 復
こ れ ら の 値 を 交 互 に と る こ と に な る 。 こ の と き,数
列
サ イ クル を もつ とい う。
サ イクル
図5.7は,a=1.9と … … ,0.03… …,1.89…
し て 実 行 し て み た 結 果 で あ る 。 今 度 は,-0.61… … が 順 繰 り に 現 れ て い る。
計算 の結果
.6126099105
1.554485181 3.098980281E‐2
1.899087724 .6126096766
1.554485436 3.098931838E‐2
1.899087752 ‐ .612609727
1.554485381 3.098942286E‐2
1.899087746 ‐ .6126097162
1.554485393 3.098940006E‐2
図5.7
…,1.55
数 列{xn}の
各 項 を,項
の 番 号 を4で
割
っ た と き の 余 りで 分 類 し,部 分 列{x4n}, {x4n+1},{x4n+2},{x4n+3}に す れ ば,各
つ いて考察
部 分 列 は 収 束 し,極
限 を持 つ
こ とに な る。 g(x)=f(f(f(f(x))))と g(x)の
お い て,y=
グ ラ フ を 描 い て み た の が 図5.8
で あ る 。 直 線y=xと g(x)の
の 交 点 付 近 で,y=
接 線 の 傾 き が1よ
り小 さ く な っ
図5.8
て い る 部 分 が あ る こ とが わ か る。 (6) 周 期4,8,16,32,… パ ラ メ ー タaの
値 を 少 し増 や し てa=1.95と
動 が 観 察 で き る(図5.9)。 32,…
と2の
さ ら に,aの
し て 実 行 し て み る と,周 期8の
値 を徐 々 に 増 や し て い く と,周 期 が8,16,
累 乗 で 増 加 し て い く。
計 算の結果
‐. 720308808
1.465624037 .204708091 1.909284714 ‐ .6475201818
1.555285098 3.024568328E‐2
1.949108137 ‐.7202367498
1.465716718 .2045283609 1.909355928 ‐ .6476511678 図5.9
1.555131011 3.054611643E‐2
振
(7) カ オ ス し か し,あ
る 限 度 を超 え る と,一
見 で た ら め と し か 思 え な い よ う な 挙 動 を示 す
よう に な る 。そ の 状 態 をカ オ ス と い う 。図5.10は,a=2.1と の で あ る 。 た だ し,繰
し て実 行 して み た も
り返 し 回 数 な ど は 次 の よ う に 変 更 し て い る 。
105LET
a=2.1
290FOR
n=1 TO 200
310IF n>100 THEN…
計 算の結果 1.04122234 1.060848029 1.025077459 1.089968628 .971277682 1.18491477 .790389634 1.477493817 .1956511132 2.059934725 ‐ .9867175374
1.15800536 .8424515944
図5.10
1.397834044 .3614124849
パ ラ メ ー タaの と り,縦 を1か
変 化 に よ る数 列{xn}の
軸 に{xn}の ら3ま
挙 動 の 変 化 を 調 べ る た め に,横
値 を と っ た グ ラ フ を 描 く。 プ ロ グ ラ ム5.4は,aの
で と し,縦
軸 に は,{xn│n=201,202,…
…,400}を
軸 にaを 値 の範囲
描 くプ ロ グ ラ ム
で あ る 。 数 列 の 初 め の ほ う を 無 視 す る こ と で,数 列 の 最 終 的 な 挙 動 に 注 目す る こ と が で き る 。 実 行 結 果 を 図5.11に
示 す。
プ ロ グ ラ ム5.4
(8) 周 期3の 図5.11を
サイ クルなど 見 る と,a=2.3付
近 で
3つ の 値 に 集 中 し て い る 様 子 が 観 察 で き る。 図5.12は,プ
ロ グ ラ ム5.3を
さ ら
に 次 の よ う に 修 正 し て 実 行 して み た もの で あ る。 105 LET
a=2.33
図5.11
計 算の結果 -6.028621592E‐2
2.325767174 -1.596673129 -6.028622058E‐2
2.325767173 -1.596673127 - 6.028621592E‐2
2.325767174 -1.596673129 - 6.028622058E‐2
2.325767173 -1.596673127 図5.12
-6.028621592E‐2
2.325767174 -1.596673129
aの 値 を増 や して い け ば 不 規 則 さが 増 大 す る と思 うの が 普 通 で あ る が,あ 定 のaの
る特
値 で,こ の よ うな規 則 的 な挙 動 が 現 れ る とい うの は意 外 な事 実 で あ る。
図5.13は,2.3近
辺 のaの
値 に対 してy=f(f(f(x)))の
グ ラ フ を描 い て み た も
の で あ る。こ れ を見 る と,aの 値 の わ ず か な違 い が 反復 写 像 の挙 動 に 影 響 を与 え て い る原 因 が 理 解 で き る で あ ろ う。 反 復 写像 に は,ま だ ま だ興 味 深 い 事 実 が か ず 多 く隠 され て い る。プ ロ グ ラ ム5. 4を 修 正 して,も
っ と狭 い範 囲 のaの
値 を対 象 に して くわ しい 図 を作 っ て み る こ
と で,ま だ述 べ て い な い 事 実 を見 つ け る こ とが で き るで あ ろ う。特 に,図5.11で 白 く見 え て い る部 分 のaの
値 に 注 目 して探 せ ば,周 期5や
周 期7,あ
る い は周 期6
の サ イ クル な どが 見 つ か る は ず で あ る。 ま た,反 復 に 用 い る関 数 は何 も余 弦 関数 に 限 る こ と は な く,正 弦 関 数 や2次
関
数 な ど,他 の あ りふ れ た関 数 で考 え て も似 た よ うな 結 果 が 得 られ る。 それ らに つ
(a)
(b)
(c) 図5.13
い て も試 し て み る と よ い で あ ろ う。 な お,次 項 で ロ ジ ス テ ィ ッ ク写 像 と呼 ば れ る 2次 関数 を用 い た 反 復 関数 に つ い て考 察 す る。
[2] ロ ジ ス テ ィ ッ ク 写 像 漸化式
に よ っ て定 義 され る数 列{xn}を
考 え る。 こ の 数 列 は,写 像 f を
と定 義 し て,xn+1=f(xn)で
定 義 さ れ る と考 え る こ とが で き る。 こ の 写 像fを
ロジ
ス テ ィ ッ ク 写 像 と い う。 初 期 値x0を0<x0<1の
範 囲 で 選 ぶ と き,kの
値 に よ っ て 数 列{xn}の
挙動 が ど
う 変 化 す る か 調 べ て み よ う。 0<k<1の はfの
場 合 に は,明
値 域 がfの
て,1≦k≦4の
ら か にxn→0(n→
∞)で
定 義 域 を は ず れ る 。 当 面,こ
あ る 。 ま た,k>4の
れ ら の 場 合 を考 え な い こ と に し
範 囲 で 考 察 し て み よ う 。 図5.14は,横
軸 にkを
初 期 値 と し て 反 復 す る と き の{xn│n=300,301,…,500}を で あ る 。 こ こ に は,図5.11と 図5.15は,3.5≦k≦4の も縦 軸 は0か
ら1の
5.14か
ずれ
範 囲 に とっ て あ る。
図5.15
収 束 す る と き のkの
よ そk<3の
な わ ち,1-1/kで
範 囲 を 確 定 す る こ と か ら 始 め よ う。 図
範 囲 で 収 束 す る と読 み とれ る が,実
発 散 の 境 界 と し て 正 し い 。数 列{xn}が の 解,す
縦 軸 上 に描 い た もの
範 囲 を 引 き延 ば し て 描 い た も の で あ る。 な お,い
列{xn}が
ら,お
と っ てx0=0.5を
よ く似 た 分 岐 構 造 が 見 ら れ る。
図5.14
ま ず,数
場合 に
際,k=3は,収
束 ・
収 束 す る と き,そ の 極 限 は,方 程 式x=f(x)
あ るか ら,f′(1-1/k)>-1よ
りk<3が
得 ら れ る。
次 に,数 列{xn}が2つ
の数 値 に 交 互 に近 づ き なが ら振 動 す る場 合 のkの
範 囲 を確 定 して お こ う。 これ は,g(x)=f(f(x))に
よ っ て定 義 され る写 像gを
復 す る こ とで定 義 され る数 列 が 収 束 す る場 合 で あ る。k>3の ラ フ は 図5.16の y=xと
標 は,左
グ
か ら順 に
で あ る 。 そ れ ら の う ち,そ
目 と4つ
と き,y=g(x)の
反
よ う に な っ て い る 。直 線
の 交 点 のx座
│g′(x)│<1と
値の
な り う る の は,左
目 の 値 で あ り,そ
の 点 で か ら2つ
れ が 満 た され
る 条 件 を求 め る と,
図5.16
と な る。 kの 8,16,…
値 を1+√6よ
り も さ ら に 大 き く し て い く と,数
と 増 加 し て い く。 そ し て,あ
か し,図5.15を
見 る と,周
図5.17(a),(b)は,そ 描 い た もの で あ る。
期3の
列{xn}の
凝 集 点 の 個 数 が4,
る 限 界 を 超 え る と カ オ ス の 状 態 に な る。 し
サ イ ク ル や 周 期5の
れ ぞ れk=3.74,k=3.83に
サ イ クル の 存 在 も わ か る 。
つ い て,図5.12と
同様 の 図 を
(a) a=3.74
(b) a=3.83 図5.17
5.2 マ ンデ ル ブ ロー集 合 [1] マ ン デ ル ブ ロ ー の λ‐map (1) λ‐mapを
描 く
前 節 で,写 像f(x)=kx(1-x)を 節 で は,定
反 復 し て 得 ら れ る 数 列 に つ い て 考 察 し た 。こ の
数 お よ び変 数 の と る値 を複 素 数 に ま で拡 張 す る。
λ を複 素 数 の 定 数 と し,f(z)=λz(1-z),zn+1=f(zn),z0=0.5に さ れ る 数 列{zn}を
考 え る。 そ の と き,集
な λ の 集 合 を マ ン デ ルブ ロ ー 集 合,あ λ を 実 数 の 範 囲 に 制 限 す る と,(少 は 有 界 で あ る 。 し た が っ て,複
よ っ て定 義
合{zn│n=1,2,3,…
る い は,マ
}が 有 界 と な る よ う
ン デ ル ブ ロ ー の λ‐mapと
な く と も)0≦ λ≦4の
範 囲 で{zn│n=1,2,3,…
素 数 平 面 上 で 原 点 と 点4と
い う。 }
を結 ぶ線 分 は マ ンデ ル
ブ ロー 集 合 に 含 まれ て い る。 こ こ で は,行
列 演 算 で複 素 数 の 計 算 を代 替 す る こ とに す る。 そ の た め の 準 備 と
し て 複 素 数 を 行 列 を 用 い て 表 現 す る 方 法 を 述 べ て お く。
と お き,実
数x,yを
用 い てxI+yJの
形 に 表 す こ との で き る行 列 の 全 体 を考 え る
と,通 常 の 行 列 演 算 の も と で 複 素 数 と 同 型 に な る 。Jは を 表 す 行 列 で,J2=-Iと さ て,BASICで し て,行
な っ て い る。
は,MAT文
列 の 和,差,積,ス
1個 のMAT文
を 用 い る こ と に よ っ て,2次 カ ラ ー 倍,逆
の 行 列 の 逆 行 列 を1個
行 列 に ス カ ラ ー を か け た 結 果 を1個 λz(1-z)の
の 行 列 の 和,差,積
を1個
の 行 列 に 代 入 す る こ と,お
表 し,配
列 変 数Zお
の行列 に
よ び,1個
の
の 行 列 に 代 入 す る こ と で あ る 。 関 数f(z)=
計 算 を 行 う方 法 を 考 え よ う 。複 素 変 数zをz=x+yi,複
を λ=a+biと
素数 の定数 λ
よ びKに
の 形 で 記憶 させ て お くもの とす る。 ま た,配 列 変 数Iに 記 憶 させ て お く もの とす る。 そ して,途 変 数Wを
元 配 列 を 行 列 とみ な
行 列 を 求 め る こ と が で き る 。 た だ し,
で 行 う こ と が で き る の は,2個
代 入 す る こ と,1個
原 点 の ま わ りの90° の 回 転
もあ らか じめ 単 位 行 列 を
中 結 果 を記 憶 す るた め に,も
用 意 す る。最 終 の 計 算 結 果 はZに
う1つ 配 列
戻 す も の とす る。 す る と,次 の よ う
な命 令 の列 で 目的 の計 算 が 実 行 で き る。
MAT
W=I-Z
MAT
Z=Z*W
MAT
Z=K*Z
結 果 が 有 界 で あ る か ど う か は,計 こ と に し よ う。 し か し,無 数,反
算 結 果 が 桁 あ ふ れ に な るか ど うか で 判 定 す る
限 に 計 算 を し 続 け る わ け に も い か な い の で,適
当 な回
復 して 桁 あ ふ れ に な ら な い な ら有 界 と み な す こ と に す る 。
そ の よ うに し て マ ン デ ル ブ ロ ー 集 合 を 描 くプ ロ グ ラ ム を 作 っ た の が,次
に示 す
プ ロ グ ラ ム5.5で
頂 点 と
あ る 。 こ こ で は,4点-2-3i,4-3i,4+3i,-2+3iを
す る 長 方 形 の 内 部 を描 い て い る 。 ま た,繰
り返 し 回 数 の 上 限 を100回
に選 んで い
る。 また,λ の と こ ろ をそ の 共 役 複 素 数 λ に 置 き換 え て も,基 本 的 な性 質 に は 変 わ りが な い こ とを 利 用 して 計 算 す る点 の個 数 を約 半 数 に 減 ら して い る。 プ ロ グ ラ ム5.5
実 行 結 果 を図5.18に
示す。
図5.18
│λ│<1の と2つ
と き,数
列{zn}は0に
収束す る 〔 注〕。 図5.18は,お
おざっぱにみ る
の 大 き な 円 が 隣 り合 う形 を し て い る が,左 側 の 円 が│λ│<1の
も う1つ
点2を
中 心 とす る 半 径1の
円 が あ る が,そ
の 意 味 を正 確 に説 明 す るた め
に は 複 素 関 数 に つ い て の 初 歩 的 な 知 識 が 必 要 に な る 。 こ こ で は,複 て も 微 分 を 定 義 す る こ とが で き て,f′(z)=λ(1‐2z)と
領 域 で あ る。
素 関数 に 対 し
な り,│f′(z)│<1が
数列
{zn}の 収 束 の 条 件 で あ る こ と を 前 提 に し て 話 を 進 め よ う 。 そ れ を仮 定 す れ ば,数 列{zn}が0以
外 の 値 に 収 束 す る と き,そ
の 極 限 は1-1/λ
で あ り,収
束 の条件
│f′(1‐1/λ)│<1か
ら│λ-2│<1が
出 る。
図5.18は,点1を
通 り実 軸 に 垂 直 な 直 線 に つ い て 対 称 で あ る よ う に み え る 。実
際,
とお い て数 列{wn}を
定 め る と,漸 化 式
が 成 立 す る こ と か ら,対 〔 注 〕│zn│<│λ│nが
称 性 の 根 拠 が 得 られ る。
成 立 す る。
問3 wn=azn+b(b≠0)と る よ うに 定 数a,bを
お い て数 列{wn}を
定 め る と き,wn+1=λ′wn(1-wn)と
な
定 め る と,
と な る こ と を示 せ 。
(2) 周 期 を 求 め る 図5.18に
見 られ る大 き な 円 の 内 部 が 数 列{zn}の 収 束 域 で あ る こ とが わ か っ た。
実 軸 上 で の 議 論 か ら類 推 す る と,大 きな 円 の 外 側 に あ る2番 は,部 分 列{z2n}が
目に大 き な 円 の 内部
収 束 す る領 域 の よ うに 思 え る。 そ こで,周 期 に よ っ て 色分 け
した 図 を作 成 して み よ う。 その 目的 で 作 成 した プ ロ グ ラム が プ ロ グ ラ ム5.6で
あ
る。 結 果 が 点1を 通 り,実 軸 に 垂 直 な 直 線 につ い て対 称 に な る こ とは わか っ て い る の で,こ
こで は,そ の 直 線 よ り右 側 の み を拡 大 して 描 くこ とに し た。 ま た,点2
を 中 心 とす る半 径2の
円 の 内側 で は,収 束 す る こ と もわ か っ て い るの で,計 算 時
間 を短 縮 す る ため に その 範 囲 で は 反 復 を行 わ ず,直 接1番 以 外 の 点 に つ い て は,第250項 絶 対 値 が0.01以
まで 計 算 し,そ の 後,何
の色 で 点 を描 く。 それ
回繰 り返 した と きに 差 の
下 に な るか で 周 期 を判 定 して い る。 た だ し,7回 繰 り返 して も周
期 が 見 つ か ら な い と きに は7番 の 色 で点 を描 く。 実 行 結 果 を 図5.19に か に 周 期 が2に
示 す 。 こ れ を見 る と,2番
目に大 きな 円 の 内側 の 点 で は確
な っ て い る こ とが確 認 で き る。 しか し,そ れ 以 外 の 円 で 大 き な 円
に 直 接 接 して い る円 の 内部 で は,周 期3や 大 き な円 に接 す る円 の 内部 で は,周 期4や
周期5に 周 期6が
な って い る。 ま た,2番
目に
現 れ て い る こ とが 見 て とれ る。
プ ロ グ ラ ム5.6
図5.19
[2] マ ン デ ル ブ ロ ー の μ‐map f(z)=λz(1-z)の
代 わ り にf(z)=z2+μ
定 義 さ れ る 数 列{zn}に
つ い て,集
を 考 え,zn+1=f(zn),z0=0に
合{zn│n=1,2,3,…
数 の 定 数 μ の 集 合 を マ ン デ ル ブ ロ ー の μ‐mapと 5.5を
}が 有 界 と な る よ う な 複 素 い う。 こ の 集 合 は,プ
少 し修 正 す る だ け で 描 く こ と が で き る 。図5.20は,実
ら0.5ま
よって
ログラム
軸 上 の 座 標 で-1.5か
で の 範 囲 を描 い た もの で あ る。
図5.20に
は,カ ー ジ オ イ ドが 隠 さ れ て
い る よ うに 見 え る。 その 根 拠 を探 って み よ う 。 数 列{zn}は
漸 化 式zn+1=zn2+μ
満 た す も の と し て,wn=azn+bに 定 義 さ れ る 数 列{wn}が λwn(1-wn)を
を よ って
漸 化 式wn+1=
満 た す よ う に 定 数a,bを
定 め よ う と す る と,
図5.20
とい う条 件 が 出 て く る。 複 素 数 を係 数 と す る2次 方 程 式 は,(複
素 数 の範 囲 で)必 ず 解 を持 つ の で,1つ
目の 条 件 を満 たす
複 素 数 λ は 必 ず 存 在 す る。し たが っ て,上 述 の 条 件 を満 た す 定 数a,bの 証 さ れ る(μ=0の
場 合 に は,λ=2を
質 につ い て{Zn}と{wn}は
存 在 も保
選 べ ば よ い)。 数 列 が 有 界 か ど うか とい う性
同 じに な るか ら,
に よ っ て 定 ま る λ に 対 す る数 列{wn}の
挙 動 か ら,数
列{zn}の
挙 動 が 定 ま る。
│z│=1の
と き,上
│z│<1に
対 応 す る μ の 領 域 は,カ ー ジ オ イ ドの 内 部 と い う こ と に な る 。な お,μ ≠
1/4で
式 に よ っ て 定 ま る μ の 描 く 図 形 は カ ー ジ オ イ ドで あ る か ら,
あ る か ぎ り,1個
の μ に 対 し て 対 応 す る λ は2個
ず つ あ る 。│z│<1の
とき
の μ に 対 す る も う1個
のzの
ジ オ イ ドの 内 部 は,図5.18の2個
集 合 は,│z-2│<1で
あ る 。 つ ま り,図5.20の
の 大 きな 円 の 内部 に対 応 して い る。
カー
第6章 数学の図解 こ の 章 で は,コ 微 分 方 程 式,テ
ン ピ ュー タ グ ラ フ ィ ッ ク ス を利 用 し て,解
ー ラー 展 開,フ
また,空
間 図 形 につ い て,そ
6.1
微分 方程式
析学 の 主要 な テーマ であ る
ー リエ 展 開 の 考 え 方 の 一 端 に 触 れ て み る 。 の 基 本 を述 べ る こ とに す る。
[1] 1階 の線形微 分方 程式 (1) CR回 図6.1の
路 よ う に,抵
抗Rと
コ ン デ ン サCを
た と き の 電 流 の 変 化 を 考 え る 。 静 電 容 量C〔 ー ロ ン 〕の 電 荷 を与 え た と き
,両
直 列 に接 続 した 回路 に 電 圧 を加 え フ ァ ラ ッ ド〕 の コ ン デ ン サ にQ〔
端 子 間 の 電 圧 はQ/Cに
な る 性 質 が あ る 。 ま た,
i〔ア ン ペ ア 〕の 電 流 がΔt〔 秒 〕間 コ ン デ ン サ に 流 入 す る と,コ れ る 電 荷 はiΔt〔 時 刻tに
ク
ンデ ンサに蓄 え ら
ク ー ロ ン 〕増 加 す る 。
お い て,こ
の 回 路 に 流 れ る 電 流 をi〔 ア ン ペ ア 〕 と す る 。 ま た,t=0の
と き コ ン デ ン サ は 電 荷 を も っ て い な い も の と し よ う。 す る と,初 両 端 に は 電 位 差 が な い か ら 抵 抗Rの 回 路 に は オ ー ム の 法 則i=E/Rに
両 端 に はE〔
め コン デ ンサ の
ボ ル ト〕 の 電 位 差 が あ り,こ
よ っ て 定 ま る 電 流 が 流 れ る 。 し か し,コ
の
ンデ ン
サ に 電 荷 が た ま り,コ わ る 電 圧 がVに
ンデ ンサ の 両 端 に加
な っ た と き,回
る 電 流 はi=(E-V)/Rと
路 に流 れ
な り,VがE
に 近 づ く に つ れ て 電 流 は0に
近 づ い て い
く。 コ ン ピ ュ ー タ の プ ロ グ ラ ム を 利 用 し て, こ の 変 化 の 様 子 を よ り詳 細 に グ ラ フ に 表 し
図6.1
て み よ う 。次 の プ ロ グ ラ ム で は,C=1,R=
1,E=1と
し,0秒 か ら10秒
まで の 変 化 を グ ラ フ に表 す 。変 数dtで
小 時 間 ご とに コ ン デ ンサ の 持 つ 電 荷Qの
与 え られ る微
値 を更 新 し,電 流 を計 算 しな お す こ と で
実 際 の 変 化 を近 似 して い る。 プ ロ グ ラ ム6.1
図6.2 問1
図6.1の
(2) LR回 図6.3の
回 路 で,コ
ン デ ン サ に 加 わ る 電 圧Vの
変化 をグ ラフに表せ 。
路 よ う に,抵 抗Rと
コ イ ルLを
直 列 に接 続 し た 回路 に 電 圧 を加 え た とき の 電 流 の変 化 を考 え る。 コ イ ル に は 自 己誘 導 作 用 が あ るた め に,電 圧 を加 え て も電 流 が 流 れ 始 め るの に 時 間 を要 す る。 そ の 定 数 を 自 己 イ ンダ ク タ ン ス とい う。 自己 イ ン ダ ク タ ン スがL〔 ヘ ン リー 〕の コ イ ル の 両 端 に
図6.3
V〔ボ ル ト〕の 電 圧 が 加 わ っ て い る と き, Δt 〔 秒 〕間 に 電 流 はΔi=(V/L)Δt〔
ア ンペ ア〕だ け 増 加 す る。
時 刻tに お い て,こ の 回 路 に 流 れ る電 流 をi〔 ア ンペ ア 〕とす る。ま たt=0の き,こ の 回路 に は 電 流 は 流 れ て い な い もの とす る。 す る と,抵 抗Rに れ て い な いか ら抵 抗 の 両 端 の 電 位 差 は0で
と
は電 流 が 流
あ り,E〔 ボ ル ト〕の 電 圧 が す べ て コ イ
ル の 両 端 に 加 わ る。し たが っ て,最 初 のΔt〔秒 〕間 に 電 流 はΔi=(E/L)Δt〔
アン
ペ ア 〕だ け 増 加 す る。電 流 が 流 れ る と,抵 抗 の 両 端 に 電位 差 が 生 じ るか ら コイ ル の 両 端 に 加 わ る電 圧 は減 少 し,電 流 の 増 加 も鈍 くな る。 電 流 が オ ー ムの 法 則i=E/
Rに
よ っ て 定 ま る値 に 近 づ く に 従 い,コ
イ ル の 両 端 の 電 位 差 は0に
近 づ き,電
流
は 一 定 値 に 近 づ く。 コ ン ピ ュ ー タ の プ ロ グ ラ ム を 利 用 し て,こ
の 変 化 の 様 子 を よ り詳 細 に グ ラ フ に
表 し て み よ う 。 次 の プ ロ グ ラ ム で は,L=1,R=1,E=1と で の 変 化 を グ ラ フ に 表 す 。変 数dtで 加 わ る 電 圧Vを
更 新 し,電
し,0秒
与 え ら れ る 微 小 時 間 ご と に,コ
か ら10秒
ま
イル の 両 端 に
流 を計 算 しなお す こ と で実 際 の 変 化 を近 似 して い る。
プ ロ グ ラ ム6.2
図6.4
問2
図6.3の
回 路 で,コ
イ ル の 両 端 に加 わ る 電 圧Vの
変化 をグ ラフに表せ 。
(3) 微 分 方 程 式 (1)で 述 べ た コ ン デ ン サ の 性 質 は,定
と 言 い 換 え る こ と が で き る 。 ま た,(2)で
積 分 を用 い て
述 べ た コ イ ル の 性 質 は,微
分 を用 い て
と い う こ と が で き る 。こ れ を利 用 す る と,2つ
と 書 く こ と が で き る 。 さ ら に,CR回
の 回 路 で 成 り立 つ 条 件 を,そ れ ぞ れ,
路 に 関 す る 条 件 は,両
辺 を微 分 して
とす る こ と もで き る。 こ れ らの 等 式 は,関 数 とそ の 導 関 数 に 関 す る方 程 式 で あ る の で 微 分 方 程 式 と呼 ば れ る。 以 後,基 本 的 な 形 の 微 分 方程 式 の解 法 を考 察 し,解 の 性 質 を 調 べ て い こ う。 (4) 指 数 関 数 微 分 方 程 式 で は,指 数 関数 と三 角 関数 が 重 要 な役 目 を果 たす 。 三 角 関 数 に つ い て は 第1章
で も考 察 し た の で,こ
こ で は指 数 関 数 につ い て 調 べ て お こ う。 〓に よ っ て定 義 さ れ る定 数eが
指 数 関数 の 微 積 分 で は, あ る 。f(x)=exで た,aが
あ る と き,f'(x)=ex,す
定 数 で,f(x)=eaxで
な わ ち,f'(x)=f(x)が
あ る と き,f'(x)=aeaxと
が 成 立 す る 。逆 に,微 分 方 程 式f'(x)=af(x)を と し てf(x)=Ceaxに
問3
aを0で
成 立 す る。 ま
な る か ら,f'(x)=af(x)
満 た す 関 数fは,Cを
任意 の定数
限 る こ と もい え る。
な い 定 数 とす る。 関 数fに
と き,g(x)=e‐axf(x)に
重要 で
関 して 微 分 方 程 式f′(x)=af(x)が
よ っ て定 義 さ れ る 関 数gは
前 項 で 述 べ たCR回
路 に 関 す る微 分 方 程 式 は,
と変 形 で き る か ら,そ
の 解 は,Kを
定 数 として
成立する
定 数 関 数 で あ る こ と を示 せ 。
と な る 。t=0の
と き
となる。す な わち,CR回 (5) 1階
〓 で あ る こ とか ら
〓と 定 ま り,
路 を流 れ る電 流 は,指 数 関 数 に従 って 減 少 して い たの で ある。
の 線形微分方 程式
温 度T0の
物 体 を室 温Teの
化 率 は温 度 差T-T0に
環 境 に 放 置 し た と き,温 度Tの
比 例 す る。 その 比 例 定 数 をkで
の 関 係 が成 立 す る。 こ の例 の よ うに,定 数 項bを
時 刻tに
関 す る変
表 す こ とに す る と,
追 加 して
の 形 の 微 分 方 程 式 が し ば し ば 現 れ る。 こ の 型 の 微 分 方 程 式 の 解 を 求 め る に は, g(x)=f(x)+cと に 定 数cを
お い て,g(x)に
関 す る 微 分 方 程 式 がg′(x)=ag(x)と
定 め れ ば よ い。
実 際,f(x)=g(x)-c,f′(x)=g′(x)を -ac+bと
な る か ら,c=b/aと
代 入 し て 整 理 す る と,g′(x)=ag(x) す れ ば よ い 。 し た が っ て,解 は
で あ る。 こ の 結 果 を利 用 す る と,LR回
の 解 は,t=0の
とな る。
なるよ う
と きi=0で
路 に 関 す る微 分 方 程 式
あ る こ と に 注 意 し て,
[2] 2階 の線形 微分方程 式 (1) LCR直 図6.5の
列回路 よ うに,抵
抗R,コ
イ ルL,コ
ン デ ンサCを
直 列 に 接 続 し,直
を加 え た 回 路 に 流 れ る電 流 を考 察 し て み よ う。 プ ロ グ ラ ム6.1お 6.2で
用 い た 技 法 を 応 用 し て 作 成 し た プ ロ グ ラ ム を,プ
プログ ラム6.3
流電圧
よび プ ロ グ ラム
ロ グ ラ ム6.3に
示す。
図6.5
こ の プ ロ グ ラ ム は,130行 え て 実 行 す れ ば,異 ∼(d)に 示 す
な るRの
のLET文
でRの
値 を 設 定 し て い る 。130行
を 書 き換
値 に 対 す る 結 果 が 得 ら れ る 。 そ の 一 部 を 図6.6(a)
。
(a) R=0
(b) R=0.5
図6.6(1)
(d) R=2
(c) R=1
図6.6(2)
R=0の
と きは 振 動 して い る。図 をみ る と正 弦 曲 線 の よ うに み え る け れ ど も,本
当 に そ うな の だ ろ うか 。ま た,周 期 は6.3程
度 と読 み とれ るけ れ ど も,こ れ は2π
だ ろ うか 。図(b)の と きの現 象 は 減 衰 振 動 と呼 ば れ る。こ れ を方 程 式 で表 し た ら ど うな るの だ ろ うか 。 図6.5に
示 すLCR直
列 回路 に 流 れ る 電 流iは,
をみ た す 。 こ れ を時刻tに
つ い て微 分 す る と,微 分 方 程 式
が 得 られ る 。 (2) 単 振 動 の 微 分 方 程 式 ω を 正 の 定 数 と し て,微 分 方 程 式f"(x)+ω2f(x)=0を LCR直
列 回 路 に 関 す る 微 分 方 程 式 でR=0の
f(x)=sinωx,あ
る い はf(x)=cosωxが,こ
わ か る 。 さ ら に,任 意 の 定 数A,Bに こ と もわ か る。
考 え よ う 。こ れ は,上
の
場 合 に 相 当 す る。 の 方 程 式 を満 た す こ と は容 易 に
対 しf(x)=Acosωx+Bsinωxが
解 になる
逆 に,微 分 方 程 式f"(x)+ω2f(x)=0の
解 は,f(x)=Acosωx+Bsinωxに
限
る こ とを示 す。 そ の た め に,ま
ず,初
期 条 件f(x0)=f′(x0)=0を
満 た す 解 を確 定 す る こ とか ら
始 め る 。 与 え ら れ た 微 分 方 程 式 の 両 辺 に2f′(x)を
か けて
こ れ を積 分 す る と,
初 期 条 件f(x0)=f′(x0)=0か
fは
ら,C={f′(x0)}2+ω2{f(x0)}2=0と
実 数 値 関 数 だ か ら,こ
の 方 程 式 を 満 た す 関 数fは,定
な るの で
数 関 数f(x)=0に
限
る 〔 注1〕 。 次 に,初 期 条 件 を 一 般 化 し た と き,解 がf(x)=Acosωx+Bsinωxに を 示 す 。 関 数fを
微 分 方 程 式f"(x)+ω2f(x)=0の
限 ること
解 とす る。 〓 と お く と,g(0)=0,
〓 が 成 立 す る の で,g(x)=0で
こ の結 果 を利 用 す る と,前 項 で 述 べ たLCR直 期 条 件t=0の
と きi=0の
も とで
と な る。 (注1)
背理 法 に よ り証 明 す る。
(3) 2階 の 線 形 微 分 方 程 式 微 分 方 程 式
を考 え る 。 こ の と き,2次
方程 式
あ る 。 し た が っ て,
列 回 路 でR=0の
場 合 の 解 は,初
〓
を 特 性 方 程 式 と い う。ま た,D=a2-4bと Dの 符 号 に よ っ て3つ
1) D<0の
お く。Dは
特 性 方 程 式 の 判 別 式 で あ る。
の 場 合 に分 け て 考 察 す る。
〓 とお く と,与 え られ た微 分 方程 式 を
とき
と書 き 換 え る こ と が で き る。 こ こ で,
と お く と,f(x)=epxg(x)よ
り,f′(x)=pepxg(x)+epxg′(x)と
さらに,〓
な る か ら,
で あるか ら,与 え られ た微 分 方 程 式 を
と書 き 換 え る こ と が で き る。epx≠0だ
か ら,
し た が っ て,g(x)=Acosωx+Bsinωx(A,Bは
定 数)で
あ り,求
め る 解 は,
とな る。 2) =0と
D=0の
と き
1)と同様
にp=-a/2,g(x)=e‐pxf(x)と
お
く と,epxg"(x)
な る か ら ,g"(x)=0
し た が っ て,g(x)=Ax+B(A,Bは
3) D>0の
と き
定 数)と
な り,
α,β を 特 性 方 程 式t2+at+b=0の
解 とす る。
〓で あ るか ら
〓と
と変 形 す る こ とが で き る 。 な る 。ゆ え に,C1を 〓 同 様 に し て,
定 数 と して (C2は
定 数)で
あ る こ と も わ か る の で,
定 数 の部 分 を書 き換 え て (A,Bは
(4) LCR直
定 数)
列 回 路 の解
上の 結 果 を利 用 し,(1)で 調 べ たLCR直
に つ い て,t=0の
と き,
列 回路 に 関 す る微 分 方 程 式
〓 で あ る と し て 解 を 求 め る と,次 の よ う に な
る 。
1)
〓 の と き
2)
〓の と き
こ れ は,図6.6(d)の 3)
〓の と き
〓と お い て,
場 合 に 当 た る。
〓とお い て,
得 られ た結 果 を利 用 して グ ラフ を描 くプ ロ グ ラ ム を,プ プ ロ グ ラ ム6.4
ロ グ ラム6.4に
示 す。
6.2
テ ー ラー 展 開
[1] 多 項式 による近似 指 数 関 数 や 三 角 関 数 は,何
回微 分 して も決 して0に
表 さ れ る関 数 は 有 限 回 の微 分 で0に
な る こ とは な い 。 多項 式 で
な るか ら,指 数 関 数 や 三 角 関数 を多 項 式 で表
す こ と は不 可 能 とい う こ とに な る。 しか し,多 項 式 に は,四 則 演 算 の み で値 が 求 め られ る とい う性 質 が あ る。現 在, 実 用 に供 さ れ て い る コ ン ピュ ー タの 計 算 回 路 は 四 則 演 算 を も とに した も の で あ り,直 接,指
数 関 数 や 三 角 関 数 を計 算 す る こ とは で き な い。 そ こ で,そ れ らの 関
数 を 多項 式 関 数 で近 似 す る こ とを考 え て み よ う。 関 数f(x)をn次
多項 式P(x)で
近 似 す る もの とす る。 あ る特 定 のxの
値x0の
近 くで 最 良 の 近 似 とす る ため の条 件 と し て,
を 考 え る 。 な お,f(n)(x)はf(x)のn次
導 関 数 を 表 す 。f(x)が
能 で あ る こ と を 前 提 に す る と,こ の よ う なn次
多 項 式P(x)は,ち
る。 こ の 条 件 を 満 た すP(x)の
とお
く(a0,a1,a2,…anは
具 体 的 な 形 を 求 め る た め に,
定 数)。
と な る か ら,
〓 をk!と 書 く記 法 を用 い れ ば,
点x0でn回
微分 可
ょ う ど1つ
定 ま
した が っ て,与
え られ た条 件 を満 た す 多項 式P(x)の
係 数a0,a1,a2,…,anは
と 定 ま る 。 な お,k!は,
の よ うに 再 帰 的 に 定 義 す る こ とが 可 能 で あ る。
[2]
正弦 関数の近 似
正 弦 関 数 を 対 象 に して,上 述 の 手 法 の効 果 を 調 べ て み よ う。f(x)=sinxの
と
き,
と な る か ら,
の 繰 り返 し に な る 。x0=0と
と な る。y=f(x)とy=P(x)の
し て,f(x)を
近 似 す る(2n+1)次
グ ラ フ を,同
の 多 項 式 を 作 る と,
一 座 標 平 面 に 描 くプ ロ グ ラ ム を 作 っ
て 近 似 の 精 度 を 目 で 確 か め て み よ う。 プ ロ グ ラ ム6.5
図6.8
図6.7
n=3の
場 合 の 実 行 結 果 を,図6.7に
示 す 。ま た,プ ロ グ ラ ム を 少 し変 更 し てn=
9に つ い て 実 行 し た 結 果 を,図6.8に
問4
余 弦 関 数y=cosxを
示 す。
近 似 す る2n次
多 項 式 を作 り,さ ら に そ れ ら の グ ラ フ を描 く
プ ロ グ ラ ム を作 っ て 比 較 せ よ 。 問5
指 数 関 数y=exを
近 似 す るn次
多項 式 を 作 り,さ らに そ れ ら の グ ラ フ を描 くプ ロ
グ ラ ム を作 っ て 比 較 せ よ。
[3]
テーラー 展 開
fを 無 限 回微 分 可 能 な 関数 とす る と き,
をfのaに
お け るテ ー ラ ー 展 開 とい う。fがaに
お いて 無 限 回微 分 可 能 で あ る と
し て も,テ ー ラー 展 開 が 収 束 す る とは 限 らな い が,も
し収 束 す れ ば,f(x)と
す る こ とは保 証 さ れ て い る。 テー ラー 展 開 は正 弦 関数,余
一致
弦 関 数,指 数 関 数 な ど
の 近 似 値 を求 め る の に 有 効 な手 段 で あ る。 そ れ ば か りで な く,多 項 式 で 表 せ な い 関 数 で も,多 項 式 の概 念 を無 限 次 元 に ま で拡 張 す る こ とで統 一 的 に扱 え る と いう
意 味 で理 論 的 に も重 要 な概 念 で あ る。
6.3
フ ー リエ 級 数
[1] フ ー リエ 級 数 正 弦,余
弦 な ど の三 角 関 数 は周 期 関数 の代 表 的 な 例 で あ るが,正 弦,余
期 関数 を考 察 す る場 合 の 基 本 とな る関 数 で あ る。 す で に,第1章 うに,正 弦 関 数,余 き る。 実 際,正
弦 関数 を重 ね 合 わせ る こ とで様 々 な波 形 を作 り出す こ とが で
弦,余 弦 の 無 限 和 を考 え れ ば,す べ て の 周 期 関数 が 表 現 で きる と
い うの が,フ ー リエ 解 析 の結 論 で あ る。 こ こで は,少 るが,フ
々 お お ざっ ぱ な議 論 で は あ
ー リエ 解 析 の 一 端 に触 れ て み た い。
sinx,cosxは2π
を周 期 に持 つ 関 数 で あ る が,一 般 に,nを
sinnxやcosnxも2π
a1,a2,…,an,b1,b2,…,bnは
自然 数 と して,
を周 期 に持 つ 関数 で あ る。 した が っ て,
に よ っ て 定 義 さ れ る 関 数P(x)も2π
来 は,n→
弦は周
で も考 察 した よ
を 周 期 に もつ 周 期 関 数 で あ る 。 た だ し ,a0,
定 数 で あ る。こ のP(x)を
∞ と し た 極 限 を 考 え る の で あ る が,こ
有 限 フ ー リ エ 級 数 と い う。本
こ で は,有
限 フ ー リエ 級 数 に よ る
近 似 を考 え て み た い 。
[2] フ ー リエ 係 数 2π を 周 期 とす る関 数f(x)が
有 限 フー リエ 級 数 で近 似 で き る と き,そ の 係 数 は
ど う定 め た らよ い の だ ろ うか 。 そ こ で,少 々 乱 暴 な仮 定 で あ るが,
が 成 立 す る もの と して 話 を続 け よ う。
こ こ で,三 角 関 数 の定 積 分 に つ い て 成 立 す る次 の 性 質 を利 用 す る。
こ れ らの 性 質 は,加 法 定 理 の 誘 導 公 式 の1つ
を用 い て証 明 で きる。 この 積 分 を利 用 す る と,
と な る の で,
の よ うに各 係 数 が 定 ま る。
[3]
の こ ぎ り波
区 間-π
≦x< π に お い て,
で あ る積 → 和 の 公 式
と し,定 義 域 を2π を周 期 と して 実 数 全 体 に 拡 張 し た 関 数fを BASICの
考 え る。fは,
組 み 込 み 関 数MODを
利用 し
て 書 け ば,
に よ っ て定 義 さ れ る関 数 で あ る。 この 等 式 を 利 用 し て 描 い た グ ラ フ を 図6.16に 示 す。 fを
フ ー リエ 級 数 で 近 似 し て そ の グ ラ 図6.9
フ を 描 い て み よ う。 各 係 数 は,
の積 分 を実 行 して 求 め られ る。 そ の際,部
分積分 法
を利 用 して
の よ うに 計 算 す る。 こ れ らの 計 算 を実 行 して
と な る 。n=20,n=40と グ ラ フ とn=20の
し て 描 い た グ ラ フ を,図6.10に 場 合 と を 比 較 す る と,nが
示 す 。n=40の
場合の
大 き くな っ て も端 で 大 き く 振 動 す る
傾 向 に は 変 化 が な い こ と が 読 み と れ る 。な め ら か さ と い う 観 点 か ら い う と,nが き い方 が む しろ悪 化 して い る と さ え い え そ う で あ る。
大
プ ロ グ ラ ム6.6
(a) n=20
(b) n=40 図6.10
問6
関 数fを
区 間-π ≦x< π に お い てf(x)=│x│で
定 義 し,さ
ら に 定 義 域 を2π
を
周 期 と し て 実 数 全 体 に 拡 張 す る 。fを 有 限 フ ー リエ 級 数 で近 似 し,そ の グ ラ フ を描 け 。
6.4
空 間 図形
[1] 空 間 座 標 (1) 空 間座 標 関 数z=f(x,y)の
グ ラ フ は 空 間 曲 面 に な る。 空 間 曲 面 を様 々 な 角 度 か ら眺 め た
図 を描 くこ とが で き る よ うに して み よ う。 空 間 に お け る位 置 を記 述 す る ため に,原 し,3数
の 組(x,y,z)を
点 を通 りxy平 面 に 垂 直 なz軸
用 い る。 この と き,z軸
の正 の 向 き をxy平
を追加
面 の 手 前側 に
と るか,そ の 反 対 向 き に と るか の 選 択 の余 地 が あ る。z軸 の 正 の 向 き をxy平
面の
手 前 側 に と る と き,こ の 座 標 系 を右 手 系 と い い,そ の 反 対 の 座 標 系 を左 手 系 とい う。 右 手 系 は,右 手 で 人 差 し指 を ま っ す ぐに 伸 ば し,親 指 を人 差 し指 と垂 直 に な る よ うに広 げ,中 指 を手 の ひ らに垂 直 に な る よ うに 曲 げ た と き,親 指 をx軸 の 向 き,人 差 し指 をy軸 の 正 の 向 き に 向 け る と,中 指 がz軸
の正
の 正 の 向 き を指 す 座
標 系 で あ る。 本 書 で は,右 手 系 を標 準 の座 標 系 と考 え る。 (2) 軸 の ま わ りの 回 転 とxy平
面へ の射影
空 間 図 形 を 平 面 上 に 描 く と き に,基 本 と な る変 換 は射 影 で あ る。 こ こ で は, xy平 面 へ の射 影
に よ っ て空 間 図 形 を平 面 図 形 に 変 換 す る こ とに す る。こ の 変 換 は,z軸 の 正 の 無 限 遠 方 か らxy平
面 を望 む こ と に相 当 す る。
空 間 図 形 を異 な っ た角 度 か ら見 た状 態 で表 示 す るに は,各 軸 の ま わ りの 回転 を 適 宜,合
成 す れ ば よい 。
z軸 の ま わ りの 角 θの 回転 か ら考 えて み よ う。こ の変 換 は,x座 標 とy座 標 に つ い て は 平 面 上 で の 原 点 の ま わ りの 回 転 と等 し い。 す な わ ち,z軸 は,
の ま わ りの 回 転
で あ る。 同 様 に 考 え て,各
で あ り,y軸
軸 の ま わ りの 角 θ の 回 転 を 示 す と,x軸
の ま わ り の 回 転 は,
の ま わ り の 回 転 は,
で あ る こ とが わ か る。 回 転 を 行 わ な い で 各 軸 をxy平
面 に 射 影 す る と,図6.11(a)の
は 紙 面 に 対 し て 垂 直 に 手 前 に 向 か っ て い る。図(b)は,z軸 て か らxy平
面 に 射 影 し た も の で あ る 。 図(c)はz軸
ま わ り に-75° 回 転 し て か らxy平 の ま わ りに-105°
回 転 し,x軸
よ うに な る 。z軸
の ま わ りに-30° 回 転 し
の ま わ りに-30° 回 転,x軸
面 に 射 影 し た も の で あ る。 ま た,図(d)は,z軸
の ま わ りの-75° 回 転 し て か らxy平
面に射影 した も
の で あ る。
(a)
の
(c)
(b) 図6.11
(d)
(3) 変 換 ル ー チ ン の 作 成 座 標 変 換 を実 行 す る 副 プ ロ グ ラ ム を 作 成 し よ う 。 rotx,roty,rotzは,そ 点Pをx,y,z各
れ ぞ れ 変 数x,y,zに
軸 の ま わ りに 角aだ
点Pの
座 標 を代 入 し て 呼 び 出 す と,
け 回 転 し た 点 の 座 標 を 変 数x,y,zに
代 入 し
て 返 す 副 プ ロ グ ラ ム で あ る。 プ ロ グ ラ ム6.8
convertは,変
数x,y,zに
わ りに-30° 回 転 し,さ び 変 数 をx,y,zに 場 合 は,こ
点Pの
ら にx軸
座 標 を代 入 し て 呼 び 出 す と,点Pをz軸
の ま
の ま わ り に-70° 回 転 し て 得 ら れ る 点 の 座 標 を 再
代 入 して 返 す 副 プ ロ グ ラ ム で あ る。回転 角 の大 き さ を変 更 す る
の 副 プ ロ グ ラ ム に 書 か れ た 定 数-30と-70を
書 き換 え る。
プログ ラム6.9
PlotTo(x,y,z)は,PLOT る 。 た だ し,こ
z軸
と同 様 の 機 能 を持 つ 副 プ ロ グ ラ ム で あ
の 副 プ ロ グ ラ ム だ け で はPLOT
る こ と が で き な い の で,副 PlotTextは,指
LINES文
プ ロ グ ラ ムPenUpと
LINES文
と同様 の 機 能 を もたせ
同 時 に 用 い る。 副 プ ロ グ ラ ム
定 座 標 に 指 定 さ れ た 文 字 を 描 く副 プ ロ グ ラ ム で あ る 。x軸,y軸,
を 描 く と き,各 軸 に 名 前 を つ け る の に 利 用 す る 。 こ こ で 用 い るPLOT
文 は,AT以
TEXT
下 に 指 定 さ れ た座 標 に コ ロ ン に 続 け て 書 か れ た 文 字 列 を描 く文 で あ
る。 プ ロ グ ラ ム6.10
[2] 曲面の表 示 2変 数 関 数z=f(x,y)の 点 を と っ て,そ
グ ラ フ を 平 面 上 に 射 影 し て 描 く場 合 に は,た
くさ ん の
れ に 対 応 す る 点 を プ ロ ッ トす る だ け で は 具 合 が 悪 い 。 そ の よ う な
図 形 で は 遠 近 を と ら え る こ とが で き な い 。 遠 近 が 読 み とれ る よ うに す るた め に は 何 らか の 工 夫 が 必 要 で あ る 。比 較 的 簡 単 に 実 現 可 能 な 方 法 は,xy平 に 対 応 す るzの
値 を 計 算 し,そ
プ ロ グ ラ ム6.11は,関
面上 の格子点
れ ら を 網 目状 に 結 ん で 表 現 す る こ と で あ る。
数z=y2-x2(-1≦x≦1,-1≦y≦1)の
グ ラ フ を格 子
を 用 い て 描 く。 実 行 結 果 を 図6.12(a)に
示 す 。 こ れ は,z軸
x軸
面 に 射 影 し た 図 で あ る 。 ま た,図(b)は,
の ま わ り に-70° 回 転 し て か らxy平
定 数 を 書 き 換 え,z軸
の ま わ りに-120°
回 転,x軸
の ま わ り に-30° 回 転,
の ま わ りの-60° 回 転 し,xy平
面 に 射 影 した 図 で あ る 。 こ こ で 実 現 し た 手 法 は 簡 単 に 実 行 で き る 利 点 は あ る が,曲
面 の 表 裏 の 区別 が つ
き に く い な ど の 欠 点 が あ る 。 見 え る は ず の な い 部 分 を 隠 し た り,表 く よ う に す る た め に は,さ
らに複 雑 なプ ロ グ ラム が 必 要 に な る。 プ ロ グ ラ ム6.11
裏 の 区別 が つ
(a)
(b) 図6.12
問3 曲面
〓を 描 け 。
問の解答 第1章
グ ラ フ ィ ック ス の基 本
問1∼ 問3 略 問4 和 → 積 の公 式 を用 いて
中 波 放 送 で 用 い られ る振 幅 変 調(AM)波
の 波 形 で あ る。
問5 〓 問6
略
第2章 平面 曲線 問1 問2
点(0,1)を
中 心 とす る半 径1の
円
問3 100 INPUT 110 SET
a,b,c WINDOW‐8,8,‐8,8
120 DECLARE
EXTERNAL
130 DRAW
140 LET
alfa=ANGLE(a,b)
150 LET
p=c/sqr(a^2+b^2)
160 SET
POINT
170 FOR
t=0
180
LET
200
PLOT USE
220
END
240 END 問4∼
問6略
grid
PI/360 IN
r=p/COS(t-alfa)
WHEN t
1
2*PI STEP
EXCEPTION
190
210
STYLE
TO
WHEN
230 NEXT
PICTURE
grid
POINTS:r*COS(t),r*SIN(t)
問
第3章
図形の変 換
問1 略 問2 問3
略
問4
問5
1
6 略 問7 麻 の 葉 を描 くプ ロ グ ラ ム の 一 例 100
OPTION
ANGLE
110
PICTURE
s1
120
PLOT
130
END
140
PICTURE
DEGREES
LINES:0,0;COS(‐60),SIN(‐60);COS(60),SIN(60);0,0 PICTURE s2
150
DRAW
s1
WITH
SHIFT(1,0)
160
DRAW
s1
WITH
ROTATE(120)*SHIFT(1,0)
DRAW
s1
WITH
ROTATE(240)*SHIFT(1,0)
170 180
END
PICTURE
190
PICTURE
200
FOR
s3 a=0
210
TO
DRAW
220
NEXT
s2
END
PICTURE
240
SET
WINDOW
250
FOR
y=0 x=0 DRAW
280
NEXT
290
NEXT
300
END
WITH
60
ROTATE(a)
0,12,0,12 TO
FOR
270
STEP
a
230
260
300
x y
13
STEP
TO
12
S3
WITH
SQR(3) STEP
3 SHIFT(x,y)
問8 280 DRAW
S
290 DRAW
S WITH
SHIFT(5,0)*ROTATE(90)
第4章 複素数 問1
問2
170
INPUT
PROMPT"a,b=":a,b
175
INPUT
PROMPT"c,d=":c,d
180
LET
190
LET
theta=ANGLE(a,b)
200
SET
WINDOW‐8,8,‐8,8
r=SQR(a^2+b^2)
205
DECLARE
210
DRAW
EXTERNAL
PICTURE
220
DRAW
230
LET
x0=((1-a)*c-b*d)/((1-a)^2+b^2)
240
LET
y0=((1-a)*d+b*c)/((1-a)^2+b^2)
250
PLOT
260
END
axes
axes House
WITH
SCALE(r)*ROTATE(theta)*SHIFT(c,d)
POINTS:x0,y0
プ ロ グ ラ ム4.1で220行
220 DRAW
House
を
WITH
SCALE(1,-1)*ROTATE(2*theta)
に 書 き換 え る 。 問3 170
INPUT
PROMPT"a,b=":a,b
175
INPUT
180
LET
r=SQR(a^2+b^2)
190
LET
theta=ANGLE(a,b)
200
SET
WINDOW-8,8,-8,8
205
DECLARE
210
DRAW
axes
220
DRAW
House
PROMPT"c,d=":c,d
EXTERNAL
WITH
PICTURE
axes
SCALE(1,-1)*SCALE(r)*ROTATE(theta)*SHIFT(c,d)
230 IF a^2+b^2<>1THEN 240
LET
x0=((1+a)*c+b*d)/(1‐(a^2+b^2))
250
LET
y0=((1‐a)*d+b*c)/(1‐(a^2+b^2))
260
PLOT
270
LET
x1=x0+100*COS(theta/2)
280
LET
y1=y0+100*SIN(theta/2)
290
LET
x2=x0‐100*COS(theta/2)
300
LET
y2=y0‐100*SIN(theta/2)
310
PLOT
320 END
POINTS:x0,y0
LINES:x1,y1;x2,y2
IF
330 END 〔注 〕270行
か ら300行
ま で は 軸 を 表 す 。 係 数 の100は
適 当に と る。
問4 170
0PTION
ANGLE
180 INPUT 190 INPUT
問5
DEGREES
PROMPT"theta=":theta PROMPT"c,d=":c,d
200
SET
WINDOW‐8,8,‐8,8
205
DECLARE
210
DRAW
axes
220
DRAW
House
230
DRAW
240
LET
phi=theta/2
250
LET
k=(d*COS(phi)‐c*SIN(phi))/2
260
LET
s=20
270
SET
LINE
280
PLOT
LINES:k*COS(90+phi)+s*COS(phi),k*SIN(90+phi)+s*SIN(phi);
290
PLOT
LINES:k*COS(90+phi)‐s*COS(phi),k*SIN(90+phi)-s*SIN(phi)
300
END
EXTERNAL
House
PICTURE
WITH
STYLE
axes
SCALE(1,‐1)*ROTATE(theta)*SHIFT(c,d)
2
次 の プ ロ グ ラ ム は,
他 の数 値 に 変 え る場 合 に は,180行 を 利 用 す る。
〓の 場 合 の 解 で あ る。 か ら210行
ま で の 部 分 を書 き換 え る か,input文
100
PICTURE
110
IF
120 130
p(s)
s<h/500
PLOT
THEN
POINTS:0,0
ELSE
140
DRAW
P(S*r1)WITH
SCALE(1,‐1)*SCALE(r1)*ROTATE(t1)
150
DRAW
P(S*r2)WITH
SCALE(1,‐1)*SHIFT(‐1,0)*
SCALE(r2)*ROTATE(t2)*SHIFT(1,0)
& 160
&
END
IF
170 END
PICTURE
180 LET
r1=1/SQR(2)
190 LET
t1=PI/6
200 LET
r2=1/SQR(2)
210 LET
t2=PI/4
220 LET
h=1
230 SET
WINDOW‐h/2,h*3/2,‐h,h
240 SET
POINT
250 DRAW
STYLE
1
P(1)
260 END 問6∼
問9
略
第5章
カ オ ス
問1 │a│<1の a =1の 問2,問3
と き収 束,a>1ま と き は ,b=0で
た はa≦1の
収 束,b≠0で
と き発 散 発散
略
第6章 数学の 図解 問1
プ ロ グ ラ ム5.1の200行
を
PLOT
POINTS:t,V
に 変 更 す る。
問2
プ ロ グ ラ ム5.2の190行
を
PLOT
POINTS:t,V
に 変 更 す る。
問3 問4
問5 問6
索 引あ
画素
行
1
加 法定 理
ア ステ ロ イ ド
29
ア フ ィ ン変 換
81
13
軌跡
51
共役複素数 一 次変 換
一 次変換 の行 列 に よ る表現 一 次変換 の分 解 1階 の線 形微 分 方程 式
100
63
行列式
64
極
31
68
極座 標
31
極 方程 式
32
153
82
曲面 の 表示 裏 向 き合 同変 換
173
84,102
裏 向 き相 似変 換
101
絵定義
グ ラフィ ッ クス
1
空間座 標
169
減 衰 振動
156
57
円の極 方程 式
33
円の媒 介変 数 表示
26
コッホ曲線
92
表 向 き合 同変換
78
恒 等変 換
63
表 向 き合 同変換 の性 質
79
合同変換
84
表 向 き相 似 変換
100
か カー ジ オ イ ド
カオ ス
回転移 動
外部絵定義
行
9
弧度法
9
さ 行
28 133 59 4
角 周 波数
9
角 振動 数
9
拡 大 ・縮 小
弧度
61
サ イ クロ イ ド 紗 綾 形(さ
や が た)
3倍 角 の公 式
シ ル ピ ン ス キ ー の ガ ス ケ ッ ト
自己イ ンダ ク タン ス
27 89 17
96 150
31
だ 円の 方程 式
41
152
多項式 に よ る近似
161
射影
169
直 線 の極 方程 式
写像
98
周期
9
自己相似 図 形
92,104
指数 関数
始線
周 波数
34
テー ラー展 開
164
ドラ ゴ ン集 合
104
9
十字 つ な ぎ
86
初期 位相
9
等角 写像
振 動数
9
導関数
振幅
9
動径
ず ら し写像
65
117 20 31
等長 変 換
75
特性 方程 式
158
な 行
正 弦関 数
9
正 弦 曲線
16
2階 の 線形微 分方 程 式
正 弦波
15
2変 数 関数
正 接関 数
11
正葉 線
38
接線
48
157 173
任 意 の点 を 中心 とす る回転 移 動 の こ ぎ り波
76
166
漸化 式
122
双 曲線
44
媒介変数表示
26
双 曲線 の媒 介変 数表示
45
反転 変 換
118
双 曲線 の方 程式
45
相似 変 換の 中心
100
た 行
は 行
微分 方程 式 フー リエ 級 数
165 165
対称 移 動
73,80
フ ー リエ 係 数
対称 移動 の合 成
75,81
複素 数平 面
対称 移動 を表す行 列
79
だ円
40
だ円の 媒介 変数 表示
43
152
物理座 標
偏角
98 1
31
変換 の合 成
65
離心率 放物線
38
包絡線
53
46
レ ム ニ ス ケー
ト
112
例外処理 ま マ ン デ ル ブ ロー 集 合
139
マ ン デ ル ブ ロー の λ‐map
139
や
行
有 限 フ ー リエ 級 数
ロ ジ ス ティ ッ ク写 像
CR回 165
余 弦 関数
10
路
LCR直
LR回
148
列 回路 線
路
ラ ジア ン
Shearの 9
154 106 150
Shear
行
137
英 字
Levy曲
ら
5
行
65
逆 変換
66
〈著 者 紹介 〉
片 桐重
延
学
歴
東 京教 育 大学 理 学 部卒 業(1953)
職
歴
日本私学教育研究所研 究員 日本数学教育学会監事 理学博士
白 石
和 夫
学
歴
東 京教 育 大学 理 学 部数 学 科 卒 業(1976) 筑 波 大 学 大学 院 博 士課 程 数 学研 究科 単 位 取 得(1981)
職
歴 東京都立足立西高等学校教諭 文教大学教育学部助教授 日本数学教育学会出版部幹事 理学修士
新 ・数 学 と コ ン ピ ュ ー タ シ リー ズ 9 コ ン ピ ュー タ に よ る グ ラ フ ィ ッ ク ス 1996年10月20日
第1版1刷
著
発行
者 片 桐 重 延 白 石 和 夫
発行者 学校 法人 東 京 電 機 大 学 代 表 者 廣 川 利 男 発行所 東 京 電 機 大 学 出 版 局 〒101 東 京 都 千 代 田 区 神 田 錦 町2‐2 振 替 口 座 00160‐5‐ 71715
印刷 三立工芸㈱ 製本 ㈱徳住 製本所
〓
電 話 (03)5280‐3433(営
業)
(03)5280‐3422(編
集)
Katagiri Shiraishi
装 丁 高橋 壮一
Printed
in
Shigenobu Kazuo Japan
*無 断 で転 載 す るこ とを禁 じます 。 *落 丁 ・乱 丁 本 は お取 替 えい た します 。 ISBN4‐501‐52590‐8
C3355
R
〈日本 複 写 権 セ ン ター 委 託 出版 物 〉
1996
プ ログラ ミング教科書 ビギナーズ
高校 生 の ため の FORTRAN JIS基 本水 準 に よる
FORTRANプ
秋 冨 勝 他 共著 B5判 128頁 2色 刷 FORTRAN学 習 ・演習のテキ ス トと して,2色 刷で 見やす く学びやす く編集 した。JIS基 本水 準に基づき, さらに上位水準 で学 んでほ しい事 につ いて も記述。
若 山 芳 三 郎 著 A5判 200頁
高校生のための 基 礎BASIC
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新JISフ
新JISフ
学 習 ・パ ソ コ ン演 習 の テ キ ス トと して,2
色 刷 で 見や す く学 び や す く編 集 した。 特 に 高 校 生 に 親 しみ の も て る プ ロ グ ラ ム を選 び 基 本 を重 視 した。
ロー チ ャー ト
若 山芳 三 郎 他 共 著 B5判 106頁 2色 刷 グ ラフィックか らファイル,実 用的 なプ ロ グラムま で どの機種 でも学べるよ うに解説。 口絵に グラフィッ クのカ ラー写真 をのせ,楽 しく学 べる。
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若 山 芳 三郎 著 B5判 88頁
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諸 房 岺 他 共 著 B5判 各128頁 ポ ケ コ ンの 基 本 性 能 が 十 分 に 利 用 で き る よ う,電 卓 機 能 ・統 計 計 算 か らBASIC,C言 具 体 的 に例 題 を 取 り入 れ た 。
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秋 冨 勝 他 共 著 B5判 104頁 2色 刷 BASICの
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