経 済 協 力 開 発 機 構 (OECD) 経済協力開発機構(Organisation for Economic Co-operation and Development)は、 1960 年 12 月 14 日にパリで調印され 61 年...
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経 済 協 力 開 発 機 構 (OECD) 経済協力開発機構(Organisation for Economic Co-operation and Development)は、 1960 年 12 月 14 日にパリで調印され 61 年 9 月 30 日に発効した条約の第 1 条に基づき、次 のことを意図した政策を推進する。 (a) 加盟国において、財政金融上の安定を維持しつつ、出来る限り高度の経済成長 及び雇用並びに生活水準の向上を達成し、もって世界の経済の発展に貢献するこ と。 (b) 経済的発展の途上にある加盟国及び非加盟国の経済の健全な拡大に貢献するこ と。 (c) 国際的義務に従って、世界の貿易の多角的かつ無差別的な拡大に貢献すること。 OECD 原加盟国は、オーストリア、ベルギー、カナダ、デンマーク、フランス、ド イツ、ギリシャ、アイスランド、アイルランド、イタリア、ルクセンブルク、オラン ダ、ノルウェー、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス、トルコ、イギリス、 アメリカである。以下の諸国はその後加盟した。日本(1964 年 4 月 28 日)、フィンラ ンド(1969 年 1 月 28 日)、オーストラリア(1971 年 6 月 7 日)、ニュージーランド (1973 年 5 月29 日)、メキシコ(1994 年 5 月 18 日) 、チェコ(1995 年12 月 21 日)、 ハン ガリー(1996 年 5 月 7 日)、ポーランド(1996 年 11 月 22 日)、韓国(1996 年 12 月 12 日)、 スロバキア(2000年12 月14 日) 。 欧州委員会も OECD の活動に参加している(OECD 条約第13 条) 。 C OECD, 1999 C 地域社会に貢献する大学, Japanese language edition, Organisation for Economic Co-operation and Development, Paris, and Tamagawa University Press, Tokyo, 2005 Published in English and French under the titles : ‘‘The Response of Higher Education Institutions to Regional Needs’’ ‘‘Les établissements d'enseignement supérieur face aux besoins régionaux’’ 原文英語版から日本語への翻訳は玉川大学出版部の責任で行った。
た 使 命 を も つ 地 域 大 学 だ け に と ど ま ら な い 。
事 例 研 究 で は 機 関 の み な ら ず 、 高 等 教 育 機 関 が そ の も と で 機 能 し て い る 地 域 条 件 、 特 に 地 域 の 豊 か さ 、 経 済 力 と 3
と を 固 有 の 責 務 と し て 創 立 さ れ た 新 し い 機 関 ま で 多 岐 に わ た る 。 そ れ ゆ え 、 本 書 に お け る 考 察 は 高 度 に 焦 点 化 さ れ
事 例 研 究 は 伝 統 的 な 構 造 を 新 し い 需 要 に 適 応 さ せ よ う と し て い る 歴 史 あ る 研 究 大 学 か ら 地 域 ニ ー ズ を 充 足 す る こ
序 文
5 ヨ ー ロ ッ パ 大 陸 ︵ フ ラ ン ス 、 リ ヨ ン ︶
4 オ ー ス ト ラ リ ア ︵ ニ ュ ー ・ サ ウ ス ・ ウ ェ ー ル ズ 州 、 バ イ ロ ン ・ ベ イ ︶
3 イ ギ リ ス ︵ ス コ ッ ト ラ ン ド 、 エ デ ィ ン バ ラ ︶
2 ア メ リ カ 合 衆 国 ︵ フ ロ リ ダ 州 、 フ ォ ー ト ・ ロ ー ダ ー デ ー ル ︶
1 バ ル テ ッ ク 諸 国 な ら び に ス カ ン ジ ナ ビ ア ︵ リ ト ア ニ ア 、 ク ラ イ ペ ダ に お け る 会 議 ︶
研 究 に 基 づ く も の で あ る 。 考 察 の 対 象 国 ・ 地 域 な ら び に 会 議 の 開 催 地 は 以 下 の と お り で あ る 。
本 書 は 高 等 教 育 機 関 の 経 営 ︵ I M H E ︶ に 関 す る O E C D プ ロ グ ラ ム が 主 催 し た 複 数 の 会 議 に お け る 考 察 や 事 例
政 府 が 具 体 的 に ど の よ う な 政 策 を 形 成 し て い る の か に つ い て も 取 り 上 げ る 。
す る こ と で あ る 。 ま た 地 域 開 発 と い う 目 標 の 達 成 に 向 け て 高 等 教 育 機 関 を 活 用 し た い と 考 え て い る 中 央 政 府 や 地 域
本 書 の 目 的 は 高 等 教 育 の 管 理 運 営 者 が 地 域 開 発 に 関 わ る 新 た な 関 係 者 、 仲 介 組 織 に 対 応 す る う え で の 指 針 を 提 供
序 文
な お 本 書 は O E C D 事 務 総 長 の 責 任 の も と に 発 行 さ れ て い る 。
し て い る 。
も の で あ る 。 ま た 高 等 教 育 機 関 と 地 域 と の イ ン タ ー フ ェ ー ス の 運 営 や 国 や 地 域 の 政 策 に 関 す る 優 れ た 実 践 例 も 紹 介
等 教 育 機 関 が も つ 資 源 を 活 用 し よ う と し て い る 人 々 に と っ て 、 ま さ に 鍵 と な る 問 題 、 検 討 課 題 に 主 に 焦 点 を あ て た
本 書 の 内 容 は 大 学 の 管 理 運 営 者 、 地 域 開 発 の 担 当 機 関 、 あ る い は 高 等 教 育 や 国 土 開 発 に 関 わ る 中 央 官 僚 な ど 、 高
・ 地 域 の 仲 介 組 織 が 直 接 、 大 学 に 資 金 援 助 で き る 範 囲
家 に よ る 高 等 教 育 に 対 す る 規 制 ・ 計 画
・ 教 育 シ ス テ ム の セ ク タ ー 間 ︵ ポ リ テ ク ニ ッ ク 、 大 学 、 継 続 教 育 カ レ ッ ジ ︶ の 関 係 な ど 、 下 位 国 家 レ ベ ル で の 国
・ 地 域 ニ ー ズ に 対 応 す る た め に 高 等 教 育 機 関 が も つ 権 限 と 財 源
以 下 の よ う な も の が あ る 。
な ど 、 国 家 レ ベ ル で の 高 等 教 育 政 策 に 関 わ る 情 報 も つ け 加 え ら れ て い る 。 こ の 点 で の 国 家 間 の 大 き な 差 異 と し て は
究 に は 、 イ ギ リ ス 、 オ ー ス ト ラ リ ア 、 フ ィ ン ラ ン ド に お け る 高 等 教 育 全 国 調 査 ︵ 地 域 課 題 も 調 査 項 目 に 含 ま れ る ︶
そ の 他 に も 国 家 レ ベ ル で の 高 等 教 育 政 策 に よ り 形 づ く ら れ て い る 背 景 と い っ た 点 で も 多 様 性 が み ら れ る 。 事 例 研
役 割 に つ い て 特 に 取 り 上 げ る こ と は し な い ︵ 公 共 政 策 の 観 点 か ら す れ ば 、 そ れ は 大 学 の 重 要 な 役 割 で あ ろ う が ︶ 。
い っ た 点 も 多 様 と な っ て い る 。 た だ し 、 そ れ ら を 分 類 す る こ と は 高 等 教 育 機 関 の 地 域 ニ ー ズ ︵ そ れ ら が ど ん な も の
で あ ろ う と ︶ へ の 対 応 に 焦 点 を あ て た た め 、 こ こ で は 行 わ な か っ た 。 本 書 は 地 域 間 格 差 を 是 正 す る う え で の 大 学 の 4
ピ ー タ ー ・ ウ ェ ス ト 氏 、 最 終 報 告 書 の 作 成 に あ た っ て ゴ ダ ー ド 教 授 と チ ャ タ ー ト ン 博 士 に 対 し 、 ご 助 力 い た だ い た
さ ら に プ ロ ジ ェ ク ト の 運 営 委 員 会 の 委 員 長 を 務 め て い た だ い た イ ギ リ ス の ス ト ラ ス ク ラ イ ド 大 学 の 事 務 官 で あ る 5
ル 氏 ︵ ス ペ イ ン ︶ 。
︵ フ ラ ン ス ︶ 、 カ リ ・ ハ イ ポ ネ ン 氏 ︵ フ ィ ン ラ ン ド ︶ 、 フ ラ ン チ ェ ス カ ・ ソ レ ・ パ レ リ ャ ー ダ 氏 、 ジ ョ セ フ ・ コ
謝 辞
だ い ま ヴ た た バ ス ィ 。 各 ラ タ シ 国 ︶ 、 シ ェ ご ヴ ス ッ と ィ ・ ク の シ バ ・ 高 ェ イ ク 等 ッ テ リ 教 ク ク ッ 育 ・ ナ チ 政 ク ス 教 策 リ 氏 授 に ッ ︵ ︵ よ チ ク オ る 氏 ラ ー 環 ︵ イ ス 境 バ ペ ト に イ ダ ラ 関 ロ ︶ 、 リ す ン マ ア る ・ ン ︶ 追 ベ サ 、 加 イ ・ ジ 的 ︶ メ ャ な 、 ハ ン 資 ピ リ = 料 エ ス ポ ・ ー 氏 ー 文 ル ︵ ル 献 ・ フ ・ に ラ ロ ド 関 ド リ ・ し リ ダ ゴ て エ ︶ ー は ー 、 ド 、 ル マ マ 以 氏 ー ー 下 ︵ テ 氏 の リ ィ 、 方 ヨ ン ジ 々 ン ・ ャ か ︶ ン 。 ロ ウ ら ・ 提 氏 カ ︵ 供 ー エ し ル て デ ソ ィ い ン 氏 た ン
れ た が 、 そ れ ぞ れ の 開 催 地 で は 以 下 の 方 々 に 会 議 の 運 営 に ご 尽 力 を い た だ い た 。
会 議 全 体 は カ リ ・ ハ イ ポ ネ ン 氏 や ピ エ ー ル ・ ラ ド リ エ ー ル 氏 な ど の I M H E 事 務 局 ス タ ッ フ に よ っ て 企 画 運 営 さ
大 学 の 都 市 ・ 地 域 開 発 研 究 セ ン タ ー の 研 究 協 力 者 で あ る ポ ー ル ・ チ ャ タ ー ト ン 博 士 が 起 草 し た 。
リ ス の ニ ュ ー カ ッ ス ル 大 学 学 長 補 佐 、 地 域 開 発 研 究 ︶ の 指 導 の も と に 出 版 の 運 び と な っ た 。 本 書 は ニ ュ ー カ ッ ス ル
本 書 は 高 等 教 育 機 関 の 対 応 性 を テ ー マ と し た I M H E プ ロ ジ ェ ク ト の 代 表 で あ っ た ジ ョ ン ・ ゴ ダ ー ド 教 授 ︵ イ ギ
謝 辞
オ ー ス ト ラ リ ア 、 サ ザ ン ク ロ ス 大 学 の ヴ ィ シ ェ ッ ク ・ ク リ ッ チ 学 長 に も 厚 く 御 礼 申 し あ げ た い 。
6
地 域 社 会 に 貢 献 す る 大 学 ■ 目 次
4 地 域 の ガ バ ナ ン ス と 政 策 の 新 た な 形 態 ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・
地 域 と 地 域 ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 性 格 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
地 域 の 特 性
44
41
3
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
全 国 的 環 境 に お け る 地 域 高 等 教 育 シ ス テ ム ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・
高 等 教 育 の 全 国 シ ス テ ム ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
全 国 シ ス テ ム の 特 性
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34
2 地 域 の 問 題 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
高 等 教 育 機 関 と 地 域
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
地 域 開 発 と ガ バ ナ ン ス の 再 定 義 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
34
26
22
1 謝 序 辞 文
本 書 の 背 景 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
序 論
・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・
本 書 の ア プ ロ ー チ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
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22
19
15
15
5
3
8
6 学 習 プ ロ セ ス の 地 域 化 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
学 生 と 地 域 雇 用 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
学 生 募 集 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
教 育 マ ネ ジ メ ン ト
114 103 100 94
87
84
地 域 学 習 シ ス テ ム の 整 備 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
9
変 化 す る 教 育 提 供 の 形 態 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
目 次
生 涯 学 習 、 継 続 職 能 開 発 お よ び 訓 練 の 推 進 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
5
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
財 政 マ ネ ジ メ ン ト ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
地 域 内 対 話 の 促 進 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
大 学 ︱ 地 域 連 携 促 進 に 向 け て の メ カ ニ ズ ム ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
新 し い 組 織 文 化 の 創 造 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
地 域 協 力 の た め の 能 力 構 築 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
地 域 高 等 教 育 シ ス テ ム の 影 響 力 評 価 と マ ッ ピ ン グ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
地 域 連 携 の た め の 大 学 経 営
83
76
71
59
58
55
50
50
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
9 地 域 連 携 の 推 進 要 因 と 阻 害 要 因 ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・
結 論
156 153 152 151
151
新 し い 制 度 形 態 の 出 現 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
地 域 開 発 に 関 す る 役 割 の 阻 害 要 因 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
地 域 開 発 に 関 す る 役 割 の 推 進 要 因 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
8 高 等 教 育 機 関 と ﹁ 第 三 の 役 割 ﹂ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
地 域 社 会 貢 献 の マ ネ ジ メ ン ト
146 144 141 140
140
高 等 教 育 機 関 と 地 域 資 源 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
高 等 教 育 機 関 と 地 域 社 会 貢 献 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
高 等 教 育 機 関 の 市 民 的 、 リ ー ダ ー シ ッ プ 的 役 割 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
7 変 化 す る 研 究 と 知 識 生 産 の 性 格 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
研 究 マ ネ ジ メ ン ト
127 122 121
120
研 究 イ ン タ ー フ ェ ー ス ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
地 域 型 研 究 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
10
10 訳 者 あ と が き
11
目 次
文 献 目 録
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
179
175
主 な 略 語 一 覧
大 学 名 一 覧
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
174
171
中 央 政 府 へ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
勧 告
163 161 158
158
高 等 教 育 機 関 へ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
地 方 お よ び 地 域 の 官 庁 へ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
地 域 社 会 に 貢 献 す る 大 学
ー ク ホ ル ダ ー か ら 生 じ て い る 需 要 に い か に 応 え る か が 、 大 学 が 直 面 し て い る 課 題 で あ る 。
15
る の で あ る 。 そ れ ゆ え 、 こ れ ま で 大 学 と 関 わ り を も と う と し な か っ た 関 係 者 や 仲 介 組 織 、 な か で も 地 域 開 発 の ス テ
能 力 を 十 二 分 に 発 揮 す る こ と に よ っ て の み 実 現 可 能 と な り 、 こ の 点 に お い て 、 各 地 域 の 大 学 は 貢 献 が 求 め ら れ て い
が 、 開 発 は 強 い 地 域 性 を も つ こ と か ら 、 今 日 発 せ ら れ て い る 。 国 家 目 標 は 国 家 の 構 成 要 素 で あ る 各 地 域 単 位 の 潜 在
開 発 プ ロ セ ス に 能 動 的 に 貢 献 す る た め に 、 大 学 の 資 源 は ど の よ う に 活 用 で き る の で あ ろ う か 。 そ の よ う な 問 い か け
1 | 序 論
き る の か が 問 わ れ て い る 。 直 接 的 、 間 接 的 雇 用 と い う 点 か ら 大 学 の 受 動 的 な 影 響 を 特 定 す る こ と は 可 能 で あ ろ う が 、
開 発 の 分 野 に お い て 最 も 顕 著 で あ る 。 大 学 は 地 域 に 位 置 し て い る が 、 そ の 地 域 の 開 発 に 対 し て ど の よ う な 貢 献 が で
究 と 特 定 の 経 済 的 ・ 社 会 的 目 的 を 結 び つ け る 方 向 に も 向 け ら れ て き て い る 。 こ の よ う な 特 定 目 的 へ の 需 要 は 、 地 域
そ の 要 求 は 国 民 一 般 の 教 育 水 準 や 科 学 研 究 の 生 産 量 を 単 に 上 げ る と い う 次 元 に と ど ま ら ず 、 大 学 に お け る 教 育 、 研
公 的 資 金 が 投 入 さ れ て い る 大 学 の 自 律 的 な 教 育 ・ 研 究 活 動 に 対 し 、 政 府 や 有 権 者 か ら の 圧 力 が 強 ま っ て き て い る 。
1 本 書 の 背 景
序 論
university
れ た ﹁ 第 三 の 機 能 ﹂ ︵
︶ と し て 認 知 す る と い う こ と で あ る 。
対 し て 、 現 在 の 現 象 の 特 徴 は こ れ ら の 活 動 を 主 要 機 能 で あ る 教 育 や 研 究 と 同 等 で あ る の み な ら ず 、 そ れ ら と 統 合 さ
連 以 外 の 教 育 、 地 元 企 業 へ の 研 究 支 援 、 公 開 講 座 、 コ ン サ ー ト 、 博 物 館 や 美 術 館 の 開 放 な ど が そ う で あ る 。 そ れ に
大 学 は こ れ ま で も 地 元 地 域 に 対 し 、 経 済 的 、 社 会 的 に 広 範 な 貢 献 を し て き た と い え る で あ ろ う 。 例 え ば 、 職 業 関
が 求 め ら れ て い る 。
き る よ う 権 限 を 地 域 へ 委 譲 す る と い う 政 治 的 な 要 請 も 存 在 す る 。 こ こ で も 大 学 は 地 域 の 組 織 的 な 能 力 構 築 へ の 貢 献
よ う な 経 済 的 な 背 景 に 加 え て 、 グ ロ ー バ ル 経 済 下 で 成 功 を 得 る た め に 、 そ の 地 域 に 合 っ た 環 境 を 地 域 自 ら が 創 出 で
呼 ば れ る い っ そ う 広 範 な 文 化 的 な 発 展 に 向 け て の 施 策 が そ れ ぞ れ 相 互 に ダ イ ナ ミ ッ ク に 結 び つ く 傾 向 に あ る 。 こ の
そ の よ う な 環 境 で は 、 技 能 の 向 上 、 産 業 ・ サ ー ビ ス の 革 新 プ ロ セ ス 、 さ ら に は ﹁ 学 習 地 域 ﹂ ︵
︶ と
の よ う な 観 点 か ら 地 域 と 連 携 す る 大 学 は 経 済 発 展 に 向 け て 決 定 的 な 地 域 の 資 産 、 拠 点 と な る 。
あ り 、 ま た 地 域 環 境 の な か で 、 知 識 と 技 能 の 有 用 性 は 物 理 的 な イ ン フ ラ と 同 水 準 の 価 値 を も っ て い る の で あ る 。 こ
か と い う 点 で 、 製 品 や サ ー ビ ス を 生 産 す る た め の 地 域 環 境 の 性 格 は 国 家 レ ベ ル の マ ク ロ 経 済 の 状 況 と 同 等 に 重 要 で
す る に ふ さ わ し い プ ロ セ ス を 反 映 す る も の と な る 。 グ ロ ー バ ル 市 場 で 競 争 力 を 維 持 す る 能 力 を 企 業 が も て る か ど う
こ れ か ら の 開 発 は 新 た な 産 業 力 学 、 つ ま り ﹁ グ ロ ー バ ル 化 と ロ ー カ ル 化 ﹂ ︵
globalisation and localisation
地 域 特 有 の 需 要 に 応 え る に は 明 ら か に 高 等 教 育 は 新 た な 資 源 と 新 た な 指 導 ・ 経 営 形 態 が 必 要 と な る 。 そ れ ら に よ
learning region
り 、 大 学 は 地 域 の 顧 客 が 必 要 と す る 知 識 ・ 技 能 に 関 す る シ ン ク タ ン ク 、 な ら び に そ れ ら の 提 供 者 と な り う る の で あ
third role
︶ の 特 性 を 多 く も つ こ と に な る 。
る 。 地 域 と 関 わ る こ と に よ り 、 大 学 は 一 部 の 高 等 教 育 政 策 に よ り 生 ま れ つ つ あ る ﹁ 対 応 性 の 高 い 大 学 ﹂ ︵
responsive
過 去 に お い て 、 大 多 数 の 国 の 高 等 教 育 は 熟 練 マ ン パ ワ ー に 対 す る 国 内 労 働 市 場 の ニ ー ズ や 研 究 ・ 科 学 技 術 開 発 ニ
16
︶ と 表 現
い う 役 割 を 学 内 メ カ ニ ズ ム ︵ 資 金 援 助 、 ス タ ッ フ 開 発 、 イ ン セ ン テ ィ ブ と 報 酬 、 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン な ど ︶ に よ っ
の 学 習 シ ス テ ム に ま と め あ げ る プ ロ セ ス で あ る 。 大 学 に と っ て 学 内 の 課 題 と し て は 、 教 育 、 研 究 、 地 域 社 会 貢 献 と
1 | 序 論
図 1 は こ れ ま で 述 べ て き た 議 論 を 図 に ま と め た も の で あ る 。 こ れ は 大 学 と 地 域 の あ ら ゆ る 要 素 を 関 連 づ け 、 一 つ
ら の 特 性 が 生 み 出 す 試 練 に 対 し て 適 切 な 対 応 策 も 編 み 出 さ れ て き て い る 。
い る 知 識 の 生 産 ・ 分 配 に お け る 性 質 上 の 変 化 。 多 く の 大 学 に と っ て 地 域 と の 関 わ り は 厳 し い 試 練 で は あ る が 、 こ れ
︶ に よ り 可 能 と な っ た 教 育 訓 練 の 新 し い 提 供 方 法 、 h 大 学 の 独 占 的 な 地 位 を 脅 か し て
の 減 少 、 f グ ロ ー バ ル な 次 元 で の 教 育 提 供 者 と の 競 争 の 激 化 、 g 情 報 通 信 技 術 ︵ ICTs : information and
value added
17
︶ を 表 す 。 地 域 に お け る 大 学 の 課 題 と し て は 、 さ ま ざ ま な 開 発 プ ロ セ ス ︵ 技 能 の 向 上 、 科 学
て 結 合 し 、 地 域 ニ ー ズ に い っ そ う 対 応 さ せ る こ と が あ る 。 こ れ ら の 結 合 は ﹁ 付 加 価 値 経 営 プ ロ セ ス ﹂ ︵
communication technologies
management processes
技 術 の 開 発 ・ 革 新 、 文 化 意 識 の 向 上 ︶ に 関 与 し 、 そ れ ら と 学 内 メ カ ニ ズ ム を ﹁ 大 学 / 地 域 付 加 価 値 経 営 プ ロ セ ス ﹂
の 変 容 に よ る 生 涯 学 習 ニ ー ズ 、 d 一 部 の 国 で は い っ そ う の 地 元 大 学 志 向 を 引 き 起 こ し て い る 学 生 へ の 公 的 経 済 支 援
あ る 。 a 規 模 が い っ そ う 大 き く 、 ま た 質 的 に も 多 様 な 顧 客 層 の ニ ー ズ を 満 た す こ と 、 s 労 働 市 場 に お け る 技 能 需 要
て い る 。 エ リ ー ト か ら マ ス 高 等 教 育 へ の 移 行 も そ の 一 つ で あ る 。 こ の 現 象 の も つ 特 性 と し て は 以 下 の よ う な も の が
こ の よ う な 世 の 中 は 、 そ の 多 く が 地 域 と 強 い 結 び つ き を も つ 、 さ ま ざ ま な 新 し い 現 実 に 取 っ て 代 わ ら れ よ う と し
持 さ れ る 。
設 備 基 盤 を 提 供 し て き た 。 こ の 体 制 で は 大 学 経 営 に 対 す る 要 求 は 限 ら れ 、 大 学 の 自 主 管 理 や 同 僚 性 の エ ー ト ス は 維
ら 二 四 歳 の フ ル タ イ ム 学 生 と い う 容 易 に 特 定 、 予 測 可 能 な 層 の 教 育 を 行 い 、 大 学 教 員 の 学 術 研 究 に 対 し て は 十 分 な
一 つ と な る が 、 比 較 的 安 定 し た 長 期 に わ た る 資 金 援 助 が 保 障 さ れ 、 そ れ に よ っ て 法 人 企 業 部 門 に 就 職 す る 一 八 歳 か
ー ズ を 充 足 す る こ と に よ り 、 主 と し て 中 央 政 府 か ら 資 金 援 助 を 受 け て い た 。 高 等 教 育 の 経 営 面 か ら す れ ば 、 財 源 は
大 学
地 域
S
T
I
R
S
C
T=教育 R=研究 S=コミュニティへのサービス
S=技能 I=革新 C=文化とコミュニティ
付加価値大学経営プロセス 付加価値地域経営プロセス 大学/地域間のダイナミック・インターフェース
図1 大学/地域付加価値メカニズム 出典:Goddard and Chatterton(1999)
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﹁ 高 等 教 育 機 関 ﹂ ︵ H E I ︶ と い う 包 括 的 な 用 語 は 後 に 述 べ る 歴 史 、 規 模 、 市 場 に お け る 立 場 、 財 源 と い う 点 で
け て 高 等 教 育 機 関 を 活 用 し よ う と す る 中 央 政 府 ・ 地 方 自 治 体 に 対 し 、 政 策 形 成 上 の 助 言 を 与 え る こ と で あ る 。
1 | 序 論
に 迫 ら れ て い る 高 等 教 育 の 管 理 運 営 者 に 指 針 を 与 え る こ と で あ る 。 第 二 の 目 的 は 、 地 域 開 発 と い う 目 標 の 達 成 に 向
も と に し た も の で あ る 。 プ ロ ジ ェ ク ト の 第 一 の 目 的 は 、 地 域 開 発 に 関 わ る 新 し い 一 連 の 関 係 者 や 仲 介 組 織 へ の 対 応
本 書 は 、 高 等 教 育 機 関 の 経 営 ︵ I M H E ︶ に 関 す る O E C D の プ ロ グ ラ ム の な か で 現 在 進 行 中 の プ ロ ジ ェ ク ト を
本 書 の ア プ ロ ー チ
を も っ た パ ー ト ナ ー と 交 流 し 、 協 力 し あ え る よ う に 学 内 文 化 の 変 革 が 進 む こ と と な る 。 ﹂
加 し 、 そ れ ら が 共 に さ ま ざ ま に 重 な り 合 う 学 習 地 域 を 豊 か に す る に つ れ て 、 大 学 に お い て も 多 く の 伝 統 や 信 条
る と い う 点 で 大 学 の 枠 を 超 え て 働 く ﹁ 橋 渡 し 役 ﹂ ︵
︶ が 奨 励 、 支 援 さ れ る 。 d 学 習 組 織 が 増
a 新 し い 事 業 環 境 に お い て 競 争 が 協 働 と 結 び つ き 、 融 合 さ れ る 。 s 他 組 織 や そ の 異 質 な 文 化 と 効 果 的 に 交 流 す
﹁ 大 学 に と っ て 、 学 習 地 域 は 世 紀 末 の 最 大 の 秘 密 兵 器 に な る で あ ろ う 。 実 際 的 な 観 点 か ら す れ ば 、 そ れ に よ り 、
こ そ が 鍵 を 握 る 機 関 と な る 。 こ の 課 題 に つ い て は デ ュ ー ク ︵
︶ が 適 切 、 簡 潔 に 言 い 表 し て い る 。
成 功 し た 大 学 と は 全 体 が 各 部 分 の 合 計 を 上 回 る 学 習 組 織 で あ り 、 成 功 し た 地 域 も 同 様 の 力 学 を も ち 、 そ こ で は 大 学
︵
university/region value added management process
多 様 な 組 織 形 態 を も つ と い う 認 識 の も と に 使 わ れ て い る 。 さ ら に 重 要 な こ と は 、 高 等 教 育 機 関 と い う 用 語 そ の も の
Duke 1998, p.5
19
が ま さ に い い 表 し て い る よ う に 、 研 究 に 従 事 し 、 上 級 学 位 を 授 与 す る 機 関 ︵ 大 学 ︶ と 副 学 位 や 継 続 ・ 職 業 教 育 を 行
boundary spanners
う 機 関 と の 境 界 が 薄 れ て き て い る こ と で あ る 。 高 ま る 地 域 的 な 役 割 の 一 部 と し て 、 多 く の 大 学 は 副 学 位 教 育 課 程 を
︶ と い う 形 で 結 合 さ せ る こ と が あ げ ら れ る 。 言 い 換 え れ ば 、
ス に 焦 点 を あ て る 。
て 述 べ る 。 6 章 か ら 8 章 で は 、 教 育 、 研 究 、 地 域 社 会 貢 献 と い う 三 つ の 役 割 に お け る 特 殊 な マ ネ ジ メ ン ト ・ プ ロ セ
5 章 で は 機 関 内 部 及 び 学 内 外 の 橋 渡 し と い う 点 で 高 等 教 育 機 関 が 取 り 入 れ て い る 地 域 連 携 メ カ ニ ズ ム の 概 観 に つ い
第 二 部 ︵ 5 章 か ら 8 章 ︶ で は 、 2 章 か ら 4 章 で 示 さ れ た 変 動 す る 環 境 へ の 高 等 教 育 機 関 の 対 応 に つ い て 論 じ る 。
た ヨ ー ロ ッ パ 連 合 ︵ E U ︶ の 役 割 に 特 に 関 心 を 向 け る 。
で は 、 地 域 政 策 の 一 端 と し て 加 盟 国 内 の 大 学 と 地 域 間 の 議 題 策 定 に 関 わ り 、 そ の 際 、 三 つ の 地 理 的 段 階 を 結 合 さ せ
体 ︵ つ ま り ス テ ー ク ホ ル ダ ー た ち ︶ の 高 等 教 育 機 関 へ の 影 響 力 と い う 視 点 か ら 、 地 域 環 境 の 特 質 を 考 察 す る 。 こ こ
す る 詳 細 な 考 察 を も と に 示 す 。 4 章 で は 、 ガ バ ナ ン ス 、 資 金 援 助 、 計 画 と い っ た メ カ ニ ズ ム を 通 じ た 地 域 の 関 係 団
ど の よ う に 対 処 さ れ て い る の か を イ ギ リ ス 、 オ ー ス ト ラ リ ア 、 ア メ リ カ 、 ス ペ イ ン 、 フ ラ ン ス 、 フ ィ ン ラ ン ド に 関
理 論 的 な 検 討 を 行 っ た う え で 、 3 章 で は 各 国 の さ ま ざ ま な 高 等 教 育 政 策 環 境 の な か で 、 こ れ ら の 地 球 規 模 の 力 学 は
た な 経 済 上 、 政 治 上 の 要 因 か ら 地 域 と の 関 わ り を 求 め ら れ て も い る 。 2 章 で 主 と し て 高 等 教 育 機 関 と 地 域 に 関 す る
や 学 生 募 集 の 点 で 国 際 的 な 機 関 で あ り 、 ま た ﹁ 国 家 の 構 築 ﹂ ︵
nation-building
第 三 部 ︵ 9 章 、 10 章 ︶ は 結 論 と 勧 告 で あ る 。 ま ず 9 章 で 高 等 教 育 機 関 に 地 域 的 役 割 を 受 け 入 れ さ せ る 推 進 要 因 と
︶ に も 長 年 関 わ っ て き た が 、 今 日 、 新
お け る 動 向 に 焦 点 を あ て 、 そ の よ う な 段 階 間 の 相 互 関 係 に 関 し て 検 討 す る 。 例 え ば 、 大 多 数 の 歴 史 あ る 大 学 は 研 究
く 述 べ る 。 特 に 、 あ ら ゆ る 高 等 教 育 機 関 の 経 営 に 影 響 を 与 え て い る 三 つ の 段 階 ︱ ︱ 国 際 的 、 全 国 的 、 地 域 的 ︱ ︱ に
本 書 は 三 部 構 成 で あ る 。 第 一 部 ︵ 2 章 か ら 4 章 ︶ は 地 域 開 発 プ ロ セ ス と 高 等 教 育 政 策 に 関 す る 議 論 に つ い て 詳 し
よ う に 設 定 す る か は 地 域 の 高 等 教 育 政 策 の 課 題 と な っ て き て い る が 、 こ こ で は 大 学 セ ク タ ー に 焦 点 を あ て る 。
に は 地 元 地 域 の み な ら ず 、 地 域 外 の 大 学 も 認 定 す る 学 位 を 提 供 す る と こ ろ も あ る 。 大 学 と 他 の 機 関 と の 境 界 を ど の 20
設 置 し た り 、 大 学 院 段 階 の デ ィ プ ロ マ を 授 与 し た り す る 一 方 、 コ ミ ュ ニ テ ィ ・ カ レ ッ ジ や 継 続 教 育 カ レ ッ ジ の な か
21
1 | 序 論
ル ダ ー 全 体 の 共 通 理 解 を 深 め る こ と で あ っ て 、 ど の 施 策 が 高 等 教 育 機 関 や そ の 地 域 に 最 大 の 便 益 を も た ら す の か を
ケ ー ス ・ バ イ ・ ケ ー ス で 検 討 さ れ な け れ ば な ら な い 問 題 で あ る 。 本 書 の 目 的 は 関 連 す る 問 題 に つ い て 、 ス テ ー ク ホ
こ と は し な い 。 高 等 教 育 機 関 と 地 域 双 方 に と っ て 利 益 を 最 大 に す る た め に 、 ど の よ う な プ ロ グ ラ ム を 行 う べ き か は 、
多 様 性 、 あ る い は 各 機 関 の プ ロ フ ィ ー ル の 多 様 性 か ら 、 あ え て 高 等 教 育 機 関 と 地 域 が 定 め る べ き 優 先 順 位 を つ け る
本 書 を 通 じ て 、 勧 告 は 組 織 経 営 と 地 域 開 発 の プ ロ セ ス ︵
processes
特 定 す る 普 遍 的 に 応 用 可 能 な 方 法 論 を 生 み 出 す こ と で は な い 。
︶ に 重 点 を 置 い て い る 。 国 や 地 域 の 環 境 の も つ
責 任 を も つ 関 係 者 と 仲 介 組 織 に 対 し 勧 告 す る 。
進 展 を 妨 げ る 阻 害 要 因 を ま と め る 。 そ し て 最 後 に 10 章 で 、 阻 害 要 因 を 軽 減 し 、 地 域 と の 連 携 を 深 め る た め の 資 源 と
織 が 必 要 か ?
◆ 高 等 教 育 機 関 の 地 域 に お け る さ ま ざ ま な 役 割 に つ い て の ポ ー ト フ ォ リ オ を 管 理 す る た め に ど の よ う な 経 営 組
◆ 高 等 教 育 機 関 の 地 域 に お け る 責 務 は 何 か ?
地 域 の 問 題
機 関 と 地 域 と の 関 係 を 検 討 し 、 そ の 背 景 を 論 議 す る 。
地 域 経 済 か ら み た そ の 地 域 の 特 色 、 f 地 域 の 政 治 、 g 地 域 の 教 育 シ ス テ ム と 教 育 機 関 の 特 殊 性 。 本 章 で は 高 等 教 育
が あ る 。 そ れ は 、 次 の よ う な も の で あ る 。 a グ ロ ー バ ル 経 済 に お け る 再 編 、 s 高 等 教 育 と 国 家 と の 関 係 の 変 化 、 d
域 が も つ 歴 史 的 な 財 産 で あ る 。 政 策 担 当 者 は 、 種 々 の 空 間 的 尺 度 か ら 高 等 教 育 機 関 に 働 く 要 請 を 認 識 し て お く 必 要
ル か ら ロ ー カ ル に わ た る 複 数 の 地 理 的 尺 度 に お け る 相 互 作 用 の 結 果 で あ る 。 歴 史 的 条 件 は 、 高 等 教 育 機 関 と そ の 地
高 等 教 育 機 関 が 地 域 ニ ー ズ に 応 え る 能 力 は 、 地 理 的 お よ び 歴 史 的 条 件 の 影 響 を 受 け る 。 地 理 的 条 件 は 、 グ ロ ー バ
2 高 等 教 育 機 関 と 地 域
22
社 会 に 貢 献 す る 国 際 的 研 究 と い う 、 よ り 明 確 な 責 務 の 表 明 の 仕 方 も あ る 。 欧 州 大 学 協 会 ︵
と の 関 係 を い か ほ ど か は 認 め て い る 。 そ れ ら は 、 ﹁ 社 会 ﹂ ︵
society
説 し て い る 。 ︶ の 報 告 書 は 、 高 等 教 育 機 関 が 外 部 の パ ー ト ナ ー と 契 約 を 結 ぶ こ と に 差 し 迫 ら れ て い る こ と を 真 剣 に 力
Association of European
2 | 高等教育機関と地域
Universities
Davies
﹁ 高 等 教 育 機 関 と 異 な っ た 社 会 セ ク タ ー と の 協 力 関 係 の 革 新 的 開 発 に よ っ て 、 高 等 教 育 と 研 究 プ ロ グ ラ ム が 地
さ 築 れ ﹁ ら に か ば 社 、 ︶ な な 会 ユ け ら の ネ れ な 種 ス ば い 々 コ 、 ⋮ の の 学 ⋮ 集 ﹃ 問 。 団 高 だ 大 の 等 け 学 ニ 教 で は ー 育 な 、 ズ の く 他 に 変 経 の よ 化 済 経 り と に 済 よ 発 お 、 く 展 い 社 応 の て 会 え た も 、 る め 周 文 に の 辺 化 は 優 的 的 、 先 地 パ 大 行 位 ー 学 動 に ト は の 甘 ナ ス 枠 ん ー テ 組 と ー じ み の ク な ﹄ 開 ︵ け か ホ れ れ ル ば た ダ な 、 ー ら 相 と な 互 実 く に り あ な 利 る ︶ る 益 対 で だ の 話 は ろ あ に 、 う る 取 政 。 協 り 府 ﹂ ︵ 力 組 と 関 ま 政 係 な 策 を け 担 1998
23
方 、 地 域 、 そ し て 国 家 の 発 展 に 効 果 的 に 寄 与 す る よ う に す べ き で あ る 。 ﹂
当 者 に つ ぎ の よ う に 述 べ て い る 。
UNESCO 1998
こ う し た 積 極 的 な 言 明 に も か か わ ら ず 、 地 域 ニ ー ズ に ど の よ う に 応 え る か と い う 問 題 は 、 た い て い の 高 等 教 育 機
︶ へ の 貢 献 と い う 一 般 的 な 表 現 か ら 、 地 方 や 地 域
研 究 の 共 同 体 を 最 も 重 視 す る 傾 向 が あ る 。 ど の よ う な 高 等 教 育 機 関 で あ れ 、 使 命 の 言 明 や 経 営 計 画 に お い て 、 地 域
ー カ ル な 地 域 に 組 み 込 ま れ て い る 度 合 い が 低 く 、 国 家 に よ る 規 制 も 少 な い 。 そ し て 、 国 際 的 あ る い は 全 国 的 な 学 術
地 域 は 、 高 等 教 育 機 関 に と っ て 極 め て 複 雑 で 問 題 を 含 ん だ 概 念 で あ る 。 特 に 大 学 は 、 自 治 組 織 と し て 存 在 し 、 ロ
得 る か ?
◆ 高 等 教 育 機 関 が 種 々 の 地 域 レ ベ ル に つ い て 地 域 の 利 益 に な る よ う に 営 為 で き る 信 念 を 組 み 込 ん だ 機 構 は あ り
◆ 高 等 教 育 機 関 は 地 域 の ニ ー ズ に 応 え な が ら も 、 ど の よ う に 国 際 的 お よ び 全 国 的 な 活 動 も 展 開 で き る か ?
地 域 の 問 題 は 、 さ ら に 所 有 者 に 関 す る 論 議 を 引 き 起 こ す 。 高 等 教 育 機 関 は 、 全 国 的 な 規 制 の 下 で 資 金 調 達 を し て
も し れ な い 。
た 、 大 規 模 総 合 大 学 は 、 国 際 的 あ る い は 全 国 的 な 教 育 研 究 活 動 を 進 め な が ら 、 地 域 に も 貢 献 す る 資 源 基 盤 を も つ か
機 関 は 、 そ の 活 動 は ロ ー カ ル な 方 向 か 、 グ ロ ー バ ル な 方 向 か の 、 ど ち ら か 一 方 に し か 向 か わ な い か も し れ な い 。 ま
あ る 。 し か し 、 大 学 の プ ロ フ ィ ー ル と 地 域 と の 関 連 は 、 か な り 複 雑 で あ る 。 例 え ば 、 技 術 訓 練 に 特 化 し た 高 等 教 育
高 等 教 育 機 関 の プ ロ フ ィ ー ル ︵ 例 え ば 、 資 金 源 、 教 育 と 研 究 の 割 合 、 規 模 な ど ︶ は 、 地 域 性 の 重 要 な 規 定 要 因 で
的 、 全 国 的 な セ ン タ ー と し て の 機 能 を 果 た す こ と だ と い う 意 見 が 支 配 的 で あ る 。
地 域 の パ ー ト ナ ー に し て も 、 高 等 教 育 機 関 が 地 域 ニ ー ズ に 応 え る 最 良 の 方 法 は 、 教 育 や 研 究 に お い て 卓 越 し た 国 際
の な か で も 非 大 学 機 関 が 担 当 す る 役 割 だ と し て 、 地 域 に 密 着 し た 教 育 や 研 究 が 増 え る こ と を 本 意 と し な い 。 さ ら に
れ ば 、 明 ら か に 地 域 的 な 観 点 か ら の 研 究 も 増 え る だ ろ う 。 し か し 、 た い て い の 大 学 で は 、 そ れ は 高 等 教 育 セ ク タ ー
主 な 出 資 者 で あ る 政 府 や 学 術 審 議 会 の 優 先 順 位 を 反 映 し て い る 。 も し 高 等 教 育 機 関 へ の 資 金 調 達 の 基 盤 が 多 様 化 す
高 等 教 育 機 関 で の 研 究 は 、 地 域 よ り も 国 際 的 あ る い は 全 国 的 な 視 野 に 向 け ら れ て い る 。 そ し て 、 そ れ は 研 究 費 の
究 大 学 ﹂ と 答 え た ︵
え た 。 そ し て 、 三 分 の 一 は 、 ﹁ 国 ︶ 。 際 的 な 研 究 の 優 秀 性 に さ し さ わ り の な い 限 り 地 元 の 地 域 社 会 を 支 援 す る 国 際 的 研
DfEE 1998a
お り 、 一 般 に 教 育 と 研 究 を 管 理 す る 自 治 組 織 と し て 営 為 し て い る 。 し た が っ て 、 そ う し た 国 家 シ ス テ ム に 地 域 社 会
向 の 大 学 ﹂ と 答 え た の で あ る 。 一 方 、 半 数 近 く は 、 ﹁ 地 元 に 貢 献 す る だ け で な く 国 際 的 競 争 力 も 高 め る 大 学 ﹂ と 答
校 の 地 方 で の 役 割 を 適 切 に 表 現 す る よ う に 尋 ね た 。 す る と 二 % だ け が 、 ﹁ 地 元 や 地 域 ニ ー ズ に 貢 献 す る 地 域 社 会 志
い は 全 国 的 な 見 地 か ら 教 育 と 研 究 に 従 事 し て き た 。 例 え ば 、 最 近 の あ る 調 査 で イ ギ リ ス の 大 学 の 上 級 管 理 者 に 勤 務 24
関 、 と り わ け 歴 史 の あ る 総 合 大 学 に と っ て は 、 ほ と ん ど 未 知 の 領 域 で あ っ た 。 多 数 の 高 等 教 育 機 関 は 、 国 際 的 あ る
の 名 称 に よ る も の か も し れ な い 。 ま た 、 地 域 で 人 材 募 集 を す る こ と か も し れ な い 。 そ し て 、 地 域 の 研 究 パ ー ト ナ ー
あ る 高 等 教 育 機 関 が 地 域 に 根 ざ し て い る と い う の は 、 あ る 特 定 の 地 域 と の 法 律 的 な 結 び つ き か も し れ な い し 、 大 学
さ ら に 、 高 等 教 育 機 関 の 地 域 で の 役 割 と 考 え ら れ る も の は 、 多 種 多 様 に 評 価 で き る こ と も 重 要 で あ る 。 例 え ば 、
オ ー ス ト ラ リ ア と 東 南 ア ジ ア か ら な る 太 平 洋 地 域 、 そ し て 欧 州 共 同 体 の よ う な 諸 国 連 合 地 域 で あ る 。
複 数 の 国 家 に ま た が る 地 方 に よ っ て 構 成 さ れ た り も す る 。 例 え ば 、 バ ル ト 諸 国 や 北 欧 諸 国 な ど の よ う な 汎 国 家 地 域 、
お け る 州 で あ っ た り す る 。 と り わ け 、 地 域 は 、 新 し く 生 ま れ た り 、 境 界 が で き た り す る 。 そ れ は 、 国 境 を 横 切 り 、
2 | 高等教育機関と地域
尺 度 で 使 わ れ る 。 そ れ は 、 隣 接 地 で あ っ た り 、 国 土 の 大 部 分 で あ っ た り 、 連 邦 国 家 や さ ら に 広 範 な 諸 国 連 合 地 域 に
ポ リ タ ン や コ ス モ ポ リ タ ン と は 正 反 対 だ と み な さ れ る 。 さ ら に ﹁ 地 域 ﹂ ︵
︶ と い う 言 葉 は さ ま ざ ま に 異 な っ た
域 補 ﹂ 多 強 ︵ く し の 、 高 高 ︶ 等 等 と 教 教 い 育 育 う 機 機 言 関 関 葉 は の は 、 国 偏 そ 際 狭 の 的 と 使 、 同 命 全 等 の 国 で な 的 あ か な る に 結 。 地 び そ 域 つ し へ き て の が 、 貢 地 歴 献 域 史 を の の 言 利 あ 葉 益 る で に 多 は も く 示 な の し る 大 て よ 学 い う が る な 発 。 機 展 し 構 さ か に ま せ し と て 、 め き あ あ た る げ 形 学 る 容 者 経 詞 に 営 ︱ と で ︱ っ メ て あ ト ﹁ る ロ 地 。
region
25
や 基 幹 産 業 と の 相 互 協 力 に よ っ て か も し れ な い 。 さ ら に 、 地 域 社 会 へ の サ ー ビ ス や 福 利 厚 生 施 設 の 提 供 に よ っ て か
region
も し れ な い 。 こ の よ う に 高 等 教 育 機 関 は 、 地 域 や そ の ス テ ー ク ホ ル ダ ー と の 関 係 を 重 要 な も の か ら あ げ て 、 自 ら を
ま ざ ま な 規 模 の 専 門 性 が 地 域 社 会 の 重 要 な 資 産 に な る こ と で あ る 。 そ し て 課 題 は 、 多 様 な 地 域 の ポ ー ト フ ォ リ オ を
た い て い グ ロ ー バ ル か ら ロ ー カ ル に わ た っ て い る 。 地 域 に 単 独 あ る い は 複 数 の 高 等 教 育 機 関 が 存 在 す る 利 点 は 、 さ
こ の よ う に 高 等 教 育 機 関 は 、 複 合 的 で 重 複 し た 地 域 の な か で 運 営 さ れ て い る 。 そ し て 、 活 動 の ポ ー ト フ ォ リ オ は
よ う な 機 構 は 自 治 へ の 挑 戦 に な る だ ろ う 。
画 し て 、 共 同 で 経 営 や 利 害 調 整 、 規 制 に あ た り 、 教 育 と 研 究 の 運 営 や 資 金 調 達 を し な け れ ば な ら な い 。 だ が 、 そ の
の 問 題 を も ち こ む に は 、 地 域 計 画 の 強 力 な 立 案 シ ス テ ム が 必 要 で あ る 。 つ ま り 、 多 く の 地 域 ス テ ー ク ホ ル ダ ー が 参
経 済 に 生 じ た 巨 大 な 変 容 の 理 解 が 極 め て 重 要 で あ る 。 そ れ は 、 大 量 生 産 、 ケ イ ン ズ 理 論 、 マ ク ロ 経 済 政 策 、 そ し て
高 等 教 育 機 関 が 地 域 と 有 効 に 関 わ る に は 、 そ の 地 域 へ の 関 心 を 発 展 さ せ た 一 九 七 〇 年 代 中 葉 以 来 の 資 本 主 義 世 界
地 域 開 発 の 新 し い 形 態
変 化 の 背 景 と 、 学 習 地 域 ︵
︶ の 概 念 に 立 脚 す る 地 域 ガ バ ナ ン ス の 新 し い 形 態 の 輪 郭 を 概 観 す る 。
の 重 点 の 移 動 、 政 治 活 動 お よ び 経 済 活 動 の た め の 重 要 な 活 動 領 域 と し て の 地 域 の 復 活 で あ る 。 本 節 で は 、 こ う し た
格 の 変 化 に お い て み な け れ ば な ら な い 。 と り わ け 、 そ れ は 物 質 か ら 非 物 質 財 産 ︵ 知 識 、 技 能 、 文 化 、 制 度 な ど ︶ へ
地 域 開 発 に お け る 高 等 教 育 機 関 の 役 割 の 変 化 は 、 グ ロ ー バ リ ゼ ー シ ョ ン の 広 い 背 景 、 地 域 開 発 と ガ バ ナ ン ス の 性
地 域 開 発 と ガ バ ナ ン ス の 再 定 義
こ と は 極 め て 重 要 で あ る 。
こ う し た 地 域 の 問 題 や 、 そ れ が 高 等 教 育 機 関 で ど の よ う に 進 展 し た か を 他 の 公 立 や 私 立 の 機 関 と 比 較 し 、 吟 味 す る
だ か ら こ そ 、 高 等 教 育 機 関 の 地 域 性 の 論 議 は 問 題 を は ら む 。 高 等 教 育 機 関 で 働 き 、 交 渉 を も つ す べ て の 人 々 が 、
﹁ 地 域 的 ﹂ ︵
regional
福 祉 国 家 に 依 拠 し た シ ス テ ム か ら 、 経 済 と 行 政 に お け る 規 制 緩 和 の 広 が り と 地 方 分 権 化 し た 経 済 組 織 の 出 現 へ と 移
learning region
る ー 行 。 バ し ル た 化 資 と 本 ロ 主 ー 義 カ の ル 発 化 展 が 局 一 面 対 で 化 あ し る て 。 進 こ む う 過 し 程 た に 変 お 化 い は て 、 、 地 経 域 済 経 の 済 発 の 展 成 戦 功 略 を と 確 地 保 域 す ガ る バ 動 ナ 態 ン 的 ス な に 観 と 点 っ か て ら 大 、 き と な り 意 わ 味 け が グ あ ロ
26
︶ 機 関 だ と 証 明 で き る 。
を つ く り だ し て い る 。 そ れ は 、 典 型 的 に は 、 会 社 、 商 工 会 議 所 、 政 府 機 関 、 研 究 開 発 セ ン タ ー 、 大 学 を ふ く む 教 育
一 連 の 中 間 組 織 が 、 あ る 特 殊 な 地 域 性 の あ る ﹁ 組 織 の 密 集 状 況 ﹂ ︵
国 民 国 家 の 調 整 能 力 が 低 下 す る の に 続 き 、 経 済 活 動 を 調 整 す る 機 関 は 地 域 単 位 で 組 織 ︶ ︵ さ れ る 。 地 域 レ ベ ル で は ︶ 、
Amin and Thrift 1994
27
訓 練 機 関 な ど の 成 員 か ら な る 。 こ の 成 員 た ち は 、 そ の 土 地 を 統 治 す る 支 持 基 盤 あ る い は 連 合 形 態 を 形 成 す る 。 そ れ
institutional thickness
︶ を 頼 り に し て い る 。 そ し て 、 こ の ネ ッ ト ワ ー ク 組 織 の 成 功 は 、 ﹁ ソ フ
は 、 国 家 に よ る 規 制 か ら 地 域 に よ る 自 主 規 制 へ の 移 行 を 意 味 す る 。 さ ら に 、 こ う し た ネ ッ ト ワ ー ク は 、 多 様 な 組 織
性 の 独 占 は 失 わ れ 、 ア イ デ ン テ ィ テ ィ に 疑 問 が 生 ま れ る 。
争 と 提 携 を 可 能 に す る 。 国 民 国 家 は 依 然 と し て 経 済 と 政 治 の 基 本 的 組 織 で あ り 続 け る が 、 政 策 決 定 、 代 表 権 、 正 統
2 | 高等教育機関と地域
び つ き や ﹁ 共 同 製 作 ﹂ ︵
collaborative manufacturing
animateurs
の 間 に 対 話 を 生 み 出 す 推 進 者 ︵
︶ が 主 流 に な る 。 そ れ は 地 域 レ ベ ル に 出 現 し 、 繁 栄 の た め の 競
フ ラ ン チ ャ イ ズ な ど の 小 規 模 ビ ジ ネ ス が 大 き な 役 割 を 担 う よ う に な り 地 域 を 復 活 さ せ る 。 経 済 活 動 は 、 工 場 間 の 結
地 域 レ ベ ル で 生 産 を 統 合 し 、 大 企 業 か ら 小 規 模 な 事 業 単 位 群 へ 分 権 化 す る 。 そ し て 、 下 請 け 業 者 、 部 品 製 造 業 者 、
化 の 進 展 と 資 本 の グ ロ ー バ ル な 流 動 性 、 他 方 で 、 国 民 国 家 に よ る 調 整 能 力 の 低 下 と い う 状 況 が あ る 。 こ の 変 化 は 、
せ 主 ら が ー ま る 義 れ 特 ド 戦 ず 。 活 よ 徴 主 後 動 う で 義 か 、 で と あ と ら 経 あ し っ い 一 済 る て た わ 九 そ 。 い 。 れ 七 れ 多 る し る 〇 自 く こ か 標 年 体 の と し 準 代 が 特 で な 化 中 、 徴 あ が し 頃 新 は る ら た ま し 、 。 、 製 で い こ そ こ 品 、 地 の の こ の 経 理 シ 特 で 大 済 的 ス 徴 仮 量 や な テ は 定 生 政 資 ム 、 し 産 治 本 ︵ ポ て 、 の 活 そ ス い 政 体 動 れ ト る 府 制 と ら ・ の 主 は 関 の フ は 導 高 連 す ォ 、 型 度 し べ ー こ の な て て ド の 社 規 、 は 主 シ 会 制 地 高 義 ス 福 の 域 等 と テ 祉 も 化 教 い ム シ と し 育 う は ス に て の 、 今 テ あ い 経 新 や ム っ る 営 し 新 、 た 。 に い 興 そ 。 そ 影 、 の し そ の 響 よ 調 て れ 一 し り 整 徹 は 方 て 地 シ 底 、 で い 域 ス し 西 、 る 的 テ た 側 生 ︶ 、 ム 職 諸 産 の 地 に 務 国 に 内 理 取 内 で お に 的 っ 容 は け み な て の 、 る い 資 代 分 フ 国 だ 本 わ 業 ォ 際
︶ と い う 意 味 あ り げ な 副 題 を 付 け ら れ た カ ン タ ー ︵
こ う し て 地 方 や 地 域 の 政 治 は 、 そ れ 自 身 が 革 新 的 で 企 業 家 的 に な る 。 そ れ は 、 典 型 的 に は 、 広 い ネ ッ ト ワ ー ク 資
ー ク が 確 立 さ れ 、 成 長 す る 環 境 の 鍵 に な る 要 素 で あ る 。
相 互 依 存 ﹂ ︵
︶ ︵
︶ に も 支 え ら れ て い る 。 こ れ ら は 、 組 織 間 の 地 域 ネ ッ ト ワ
も の に 支 え ら れ て い る 。 ま た 、 経 済 的 な 成 功 が 、 信 用 、 規 範 、 価 値 、 了 解 、 そ し て 個 人 的 知 識 に 依 存 す る ﹁ 非 交 換
ト 面 で の 社 会 基 盤 ﹂ ︵
︶ 、 あ る い は ﹁ 社 会 資 本 ﹂ ︵
︶ ︵
Putnam et al. 1993
︶
源 を 利 用 し て 、 そ の 土 地 と 他 の さ ま ざ ま な 段 階 の 政 府 、 大 学 、 私 的 セ ク タ ー の 利 害 関 係 者 、 そ し て 非 営 利 組 織 と の
social capital
︶ に よ る ﹃ ワ ー ル ド ク ラ ス ﹄ ︵
間 に 提 携 を 交 渉 し 、 構 築 す る 。 し た が っ て 、 成 功 し た 事 業 家 と し て の 地 方 自 治 体 は 、 国 民 的 福 祉 国 家 に お け る 一 支
soft infrastructure
﹁ 今 後 、 成 功 す る 会 社 は 、 規 模 の 大 小 を 問 わ ず 、 世 界 標 準 を 満 た す こ と が で き 、 グ ロ ー バ ル ネ ッ ト ワ ー ク に 踏
局 の 地 位 か ら 地 方 に お け る 共 同 と 政 治 的 革 新 を 促 進 す る 働 き を す る も の へ と 移 行 す る 。 企 業 や 地 方 を 経 営 す る た め
Storper 1995
み 出 せ る も の で あ ろ う 。 そ し て 、 成 功 す る 都 市 、 州 、 地 域 は 、 そ の 領 域 で 操 業 す る 産 業 を グ ロ ー バ ル 経 済 に う
の 、 こ う し た 将 来 へ の 見 通 し の 重 要 性 は 、 ﹁ グ ロ ー バ ル 経 済 に お け る 地 方 の 繁 栄 ﹂ ︵
untraded interdependencies
︶ に は 、 地
ま く 結 び つ け た も の で あ ろ う 。 ﹂
で 見 事 に 描 か れ て い る 。 カ ン タ ー に よ れ ば 次 の よ う で あ る 。
Thriving Locally in the Global
彼 女 は 、 グ ロ ー バ ル 化 の 力 は 非 常 に 強 力 で 、 き ま ま な 投 資 を 引 き つ け 、 維 持 し 、 ﹁ 組 み 込 む ﹂ ︵
World Class
域 社 会 は グ ロ ー バ ル な も の と ロ ー カ ル な も の を 結 合 し た 市 民 文 化 を 創 り だ さ な け れ ば な ら な い と 主 張 す る 。 そ の た
Kanter 1995
め の 挑 戦 と は 、 グ ロ ー バ ル 経 済 が 地 方 で 営 ま れ る 方 途 を み つ け る こ と で あ る 。 そ し て 、 そ の た め に は 、 そ の 土 地 を
Economy
他 か ら 区 別 す る 資 源 を 開 放 す る こ と が 必 要 で あ る 。 こ こ で の 論 議 に 欠 く こ と が で き な い の は 、 高 等 教 育 機 関 が グ ロ
embed
ー バ ル 経 済 に お け る 地 域 に と っ て 極 め て 重 要 な 立 地 上 の 資 産 を 提 供 し 、 競 争 的 な 優 位 性 を 提 供 で き る こ と で あ る 。
28
︶ と 呼 ば れ る
︵
財 政 や 生 産 組 織 の グ ロ ー バ リ ゼ ー シ ョ ン 、 国 民 国 家 の 弱 体 化 し た 交 渉 力 な ど の 変 化 は 、 技 術 進 歩 が 速 ま る こ と で
効 な 、 学 習 地 域 に な ら な け れ ば な ら な い 。 ﹂
ア イ デ ィ ア の 競 争 へ と 移 っ て い る 。 地 域 は 知 識 創 造 と 継 続 学 習 の 原 理 を 採 用 し な け れ ば な ら な い 。 そ し て 、 有
的 変 貌 の 本 質 は 、 地 域 を グ ロ ー バ ル 経 済 に お け る 重 要 な 経 済 単 位 と し て 登 場 さ せ る ︱ ︱ 新 時 代 の 資 本 主 義 で は
社 や 生 産 複 合 体 が 利 用 で き る 、 新 規 の 労 働 力 や 資 金 援 助 、 一 般 的 な 社 会 基 盤 の 発 展 と 関 わ っ て い る 。 こ の 経 済
2 | 高等教育機関と地域
﹁ こ の 知 識 集 約 的 総 資 本 は 、 あ る 特 定 の 産 業 の 枠 を 越 え 、 個 々 の 会 社 の 経 営 戦 略 を 越 え る 。 そ れ は 、 個 々 の 会
︶ は 次 の よ う に 観 察 し て い る 。
た め に 市 民 文 化 や 共 同 的 な ア プ ロ ー チ を 育 成 し 、 地 域 に グ ロ ー バ ル 資 本 を 組 み 込 む こ と の 必 要 性 で あ る 。 フ ロ リ ダ
仕 方 が 有 効 で あ る た め に も 重 要 で あ る 。 こ う し た 経 済 活 動 の 組 織 に み ら れ る 変 化 が 示 す も の は 、 地 域 経 済 の 発 展 の
す る 効 率 に 明 ら か に 影 響 す る 。 例 え ば 、 技 術 に 対 す る 教 育 文 化 や 態 度 の 違 い は 、 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン や 意 見 交 換 の
文 化 、 制 度 、 そ し て 過 去 の 産 業 遺 産 の 特 性 に み ら れ る 地 勢 学 的 差 異 は 、 高 等 教 育 機 関 の 内 外 に お い て 知 識 が 普 及
な ど 、 地 域 社 会 は 基 本 的 に い く つ も の 方 策 を 採 ら な け れ ば な ら な い 。
か れ た 態 度 を と ら な け れ ば な ら な い 。 さ ら に 、 グ ロ ー バ ル 経 済 で 競 争 す る た め の 協 力 的 提 携 と リ ー ダ ー シ ッ プ 計 画
い て 成 功 す る た め に 、 地 域 社 会 は 、 独 立 独 行 的 に 実 践 し な け れ ば な ら な い 。 そ し て 、 コ ス モ ポ リ タ ン 的 で 外 部 に 開
ボ レ ー シ ョ ン の た め の 社 会 基 盤 ﹂ ︵
︶ と 呼 ん だ 。 そ こ で は 、 グ ロ ー バ ル 経 済 に お
産 地 の 立 地 条 件 は 世 界 中 の 他 の 都 市 や 地 域 と の 競 争 に な っ て い く 。 カ ン タ ー ︵
Kanter 1995
も た ら さ れ た 。 そ れ は 、 最 も あ ら わ に は 、 情 報 通 信 技 術 ︵ I C T s ︶ の よ う な 一 般 的 で 媒 介 的 な 技 術 が 普 及 し た か
the infrastructure for collaboration
29
ら で あ る 。 技 術 革 新 と 開 発 の た め に 資 源 ︵ 技 能 、 知 識 、 情 報 ︶ を 利 用 す る こ と は 、 企 業 の 競 争 的 戦 略 の 中 心 に な っ
Florida 1995
た 。 そ れ は 、 グ ロ ー バ ル な 規 模 で 優 位 性 を 確 保 し 、 利 用 す る の に 適 し た 柔 軟 な 構 造 を 発 展 さ せ る 。 国 家 も 、 雇 用 や
︶ は 、 こ れ を ﹁ コ ラ
大 卒 者 の 比 率 が 高 く 、 未 熟 練 技 能 者 の 業 務 条 件 は 悪 化 す る ︶ 。 学 習 地 域 は ネ ッ ト ワ ー ク の 知 識 に 依 拠 し て い る 。 ネ
の す み ず み で 行 わ れ る 。 そ し て 、 ネ ッ ト ワ ー ク 関 連 業 務 が 知 識 集 約 セ ク タ ー に 生 ま れ る ︵ 高 い 研 究 開 発 ︵ R & D ︶ 、
め ら れ る 。 学 習 は 利 用 で き る 情 報 を 増 や す だ け で な く 競 争 力 の 構 築 で も あ る 。 学 習 は 先 端 技 術 部 門 だ け で な く 社 会
が 個 人 、 会 社 、 そ し て 地 域 に 成 功 を も た ら す 経 済 で あ る 。 変 化 が 急 速 で あ り 、 古 い 技 能 は す た れ 、 新 し い 技 能 が 求
︶ 。 ル ン ド バ ル の 定 義 に よ れ ば 、 学 習 経 済 と は 学 習 力 ︵ そ し て 過 去 の 実 践 を 忘 れ 去 る ︶
す る 国 家 シ ス テ ム の 研 究 か ら 生 ま れ た 学 習 経 済 ︵
︶ の 概 念 に み い だ せ る ︵
新 し い 経 済 環 境 に お け る 高 等 教 育 機 関 の 役 割 を 俎 上 に の せ る た め に 最 も 助 け に な る ア プ ロ ー チ は 、 技 術 革 新 に 関
学 習 地 域 ︵
learning region
ッ ト ワ ー ク の 知 識 と は 、 個 々 人 の 技 能 だ け で な く 、 学 習 シ ス テ ム を 形 成 し て い る 、 あ る 集 団 か ら 他 の 集 団 へ の 知 識
Lundvall 1992;
の 移 転 も 含 ん で い る 。 そ れ は 、 公 私 の パ ー ト ナ ー シ ッ プ の 制 度 的 な 社 会 基 盤 で あ る 。 ネ ッ ト ワ ー ク の 知 識 は 、 個 々
learning economy
人 の 関 係 に 大 き く 依 存 す る の で 、 あ る 特 殊 な 地 域 で 最 も 速 や か に 発 展 す る 。
Lundvall and Johnson 1994
さ ら に 、 情 報 社 会 で の 結 び つ き 、 情 報 通 信 技 術 ︵ I C T s ︶ 、 そ し て 学 習 地 域 は 、 相 互 お よ び 自 己 増 幅 的 だ と 考 え
︶
事 、 事 業 が 成 功 し て 、 成 長 し て い る 会 社 ︶ を 最 大 化 さ せ る よ う な 洗 練 さ れ た 環 境 の 提 供 に 向 か っ て い る 。
は 、 特 産 と し て の 企 業 活 動 や 技 術 革 新 、 流 動 資 本 に よ る 付 加 価 値 ︵ 研 究 開 発 ︵ R & D ︶ や 他 の 社 会 的 地 位 の 高 い 仕
る 。 経 済 的 成 功 に 地 域 や 地 方 の 介 入 が よ り 重 要 に な っ た だ け で な く 、 地 方 政 策 の 形 態 が 質 的 に 変 容 し て い る 。 そ れ
く 、 今 で は 生 産 地 の 特 色 も 、 そ れ が 投 資 の 判 断 材 料 に な る の で 、 商 品 だ け で な く 情 報 も 自 由 に 流 れ る よ う に し て い
発 ︵ R & D ︶ や 技 術 革 新 、 技 術 移 転 を 支 援 し 、 促 進 す る 政 策 に 注 目 し て い る 。 国 際 組 織 は 、 全 国 市 場 の 特 徴 と 同 じ 30
経 済 成 長 を 維 持 し よ う と す る な ら 、 先 端 技 術 で の 地 位 を 維 持 し な け れ ば な ら な い こ と に 気 づ い た 。 そ れ で 、 研 究 開
の ニ ー ズ を 反 映 し た 大 学 で の 専 門 教 育 や 職 業 教 育 の 提 供 に は 需 要 が 大 き い 。 大 学 は 、 こ う し た 地 域 経 済 の 新 た な 現 31
育 の 供 給 も 拡 大 す る 。 学 士 課 程 や 大 学 院 課 程 で の 地 方 の 成 人 学 生 に 対 す る 供 給 の 増 加 で あ る 。 と り わ け 、 地 域 経 済
こ う し た 需 要 側 の 変 化 と 併 行 し て 、 人 生 の 後 半 に 職 業 を 替 え る 必 要 に 迫 ら れ る も の が 増 え る こ と に よ り 、 高 等 教
高 度 技 能 者 を 増 や す た め に 学 生 の 卒 業 率 を 上 げ よ う と す る の は 当 然 で あ る 。
能 や 大 学 の 学 位 課 程 と 労 働 市 場 と の つ な が り を 調 節 す る 方 法 に 大 き な 意 味 を も つ 。 し た が っ て 、 地 方 当 局 が 地 域 の
盤 に し た 中 小 企 業 ︵ S M E s ︶ の サ プ ラ イ ・ チ ェ ー ン が 出 現 す る 。 こ の よ う な 動 向 は 、 大 学 卒 業 者 に 求 め ら れ る 技
国 的 企 業 、 研 究 組 織 と の 伝 統 的 な 関 係 は 、 企 業 ク ラ ス タ ー が 構 成 す る 新 し い 地 域 の 顧 客 層 と 入 れ 替 わ り 、 地 域 を 基
さ ら に 、 こ う し た 地 域 経 済 に お い て 、 大 学 は 教 育 と 研 究 の 双 方 に つ い て 、 新 し い 顧 客 層 と 対 面 す る 。 大 企 業 や 全
2 | 高等教育機関と地域
に 間 接 的 に 寄 与 す る 。 そ し て 、 究 極 的 に は 、 学 問 の 自 立 的 な 活 動 に よ っ て 、 経 済 的 成 功 に も 貢 献 す る 。
ィ ア に 注 釈 や 分 析 を 加 え て 、 地 域 経 済 の 媒 介 者 に も な る 。 大 学 は 、 こ う し て 効 果 的 な 民 主 政 治 の 社 会 文 化 的 な 基 礎
府 当 局 、 地 方 の 文 化 組 織 や 開 発 組 織 な ど の 外 部 団 体 の 代 表 と し て 、 地 域 を 活 性 化 さ せ る 。 ま た 大 学 は 、 例 え ば メ デ
構 築 に 次 第 に 重 要 な 役 割 を 演 じ る よ う に な る 。 ス タ ッ フ は 、 制 度 的 で あ れ 、 非 制 度 的 で あ れ 、 学 校 理 事 会 や 地 方 政
ら に 地 域 化 さ れ る と 、 大 学 は 、 そ れ が 人 、 技 能 、 知 識 を 資 源 の 基 盤 と す る た め に 地 域 の ネ ッ ト ワ ー ク や 組 織 の 能 力
そ し て 、 多 数 の 公 共 団 体 に 学 術 ス タ ッ フ が 参 加 す る こ と で 広 範 囲 に 全 国 機 関 を 支 え 続 け て い る 。 し か し 、 経 済 が さ
そ れ で は 、 大 学 は 論 議 の ど こ に あ て ま る の か 。 歴 史 的 に い っ て 、 大 学 は 国 家 の 形 成 に 主 要 な 役 割 を 果 た し て き た 。
ろ は 明 白 で あ る 。 I C T s を う ま く 使 わ な け れ ば 、 ネ ッ ト ワ ー ク の 結 合 や 集 中 の 見 込 み は 乏 し い 。
ー 現 象 ︶ に み ら れ る 社 会 的 ネ ッ ト ワ ー ク の 過 程 と 環 境 に お い て 築 か れ る 。 あ ま り 好 意 的 で な い 地 域 の 意 味 す る と こ
報 社 会 を 成 長 の 仕 組 み と し て 利 用 で き る だ ろ う 。 そ の 一 方 、 I C T s そ れ 自 体 は 、 あ る 特 殊 な 地 域 ︵ シ リ コ ン バ レ
ら れ る 。 I C T s の 利 用 や 理 解 に 協 力 的 な 学 習 文 化 が 強 い 地 域 は 競 争 的 な 優 位 性 を 発 展 さ せ る だ ろ う 。 そ し て 、 情
機 関 は 地 域 の 学 習 ネ ッ ト ワ ー ク の 形 成 に 限 ら れ た 役 割 し か 果 た せ な い だ ろ う 。 大 学 は 、 そ の 使 命 が 何 で あ れ 、 あ る
的 な 財 政 援 助 は な く 、 教 育 や 研 究 の た め の 資 金 や 学 生 募 集 は 全 国 的 な 競 争 で 進 め ら れ る 状 況 に お い て は 、 高 等 教 育
や 文 化 な ど 広 く 地 方 の 指 導 性 を 促 す 学 習 ネ ッ ト ワ ー ク を 展 開 す る こ と で あ る 。 し か し 、 地 域 で の 活 動 に 対 し て 直 接
学 習 地 域 で の 重 要 な 課 題 は 、 高 等 教 育 機 関 や 、 そ の 教 職 員 、 学 生 も 含 め て 、 地 域 に 関 わ る 人 々 を 結 集 し て 、 政 策
と し て の 役 割 が あ る 。
お い て で あ る 。 特 に 大 学 に は 、 教 育 課 程 を 経 由 し て 、 国 際 的 、 全 国 的 な 研 究 の 性 質 を あ る 特 殊 な 地 方 に 伝 え る 回 路
向 か う 。 大 学 の 教 育 と 研 究 課 題 と の 間 に 関 係 が つ く り あ げ ら れ る の は 、 こ う し た 学 習 と 知 識 の 新 た な 地 域 的 背 景 に
形 態 は あ る 特 定 の 地 方 と 本 来 、 密 接 に 関 係 し て い る 。 し た が っ て 、 大 学 で の 教 育 や 研 究 は 地 方 化 あ る い は 地 域 化 に
あ る 。 そ う し た 知 識 は 、 人 間 関 係 や 、 信 頼 、 協 力 に 支 え ら れ て お り 、 地 域 で 最 も 速 や か に 発 達 す る 。 対 話 的 な 学 習
と の 区 別 で あ る 。 後 者 の 知 識 群 は 、 ﹁ 異 系 交 配 型 知 識 ﹂ ︵
︶ で あ り 、 最 も 価 値 の あ る 知 識 類 型 で
知 識 ︶ と 、 ど の よ う に ︵ 技 能 知 ︶ 、 だ れ に ︵ ネ ッ ト ワ ー ク 知 ︶ 、 ど う し て ︵ 経 験 知 ︶ な ど の 暗 黙 知 ︵
tacit knowledge
特 定 の 地 域 だ け で は な く 複 数 の 地 域 に 忠 誠 を も つ 自 治 機 関 で あ る こ と を 強 調 し て お く べ き で あ る 。 こ の 点 に つ い て 、
hybrid knowledge
高 等 教 育 機 関 と 地 域 と の 関 係 は 、 法 律 が 決 め る 領 土 の 公 権 力 と の 関 係 よ り も 不 安 定 で あ る 。
︶
学 習 や 知 識 の 創 造 は 違 っ た 性 格 を も つ 。 特 に 重 要 な の は 、 コ ー ド 化 で き る 知 識 ︵ デ ー タ な ど 、 ﹁ 何 で あ る ﹂ と い う
に 根 ざ し た 課 題 研 究 や 体 験 学 習 の よ う な 対 話 や 実 験 、 そ し て 創 作 で 行 わ れ る よ う に な る 。 こ う し た 変 化 に お い て 、
最 後 に 、 重 要 政 策 課 題 で あ る 生 涯 学 習 に 関 し て は 、 教 育 や 学 習 は 教 室 で の 知 識 の 一 方 的 な 伝 達 モ デ ル か ら 、 地 域
い る 。 こ う し た 意 味 で 、 強 く 支 援 的 な 地 域 経 済 は 、 競 争 的 な 大 学 を 生 み 出 す 。 そ し て 、 強 い 大 学 は 地 域 に 貢 献 す る 。
ら れ る 。 そ こ で は 、 高 等 教 育 機 関 の 内 部 で の 学 習 と 教 育 を 外 部 で 実 践 す る 機 会 を 提 供 す る ニ ー ズ を 地 域 経 済 が も っ て 32
実 に 適 応 す る こ と で 大 き な 利 益 を 得 ら れ る 。 特 に 地 域 ネ ッ ト ワ ー ク は 、 大 学 の 生 き 残 り や 活 性 化 の 戦 略 と し て 考 え
味 に お い て 、 よ り 開 か れ 、 規 制 の な い 、 グ ロ ー バ ル な 経 済 と 政 治 シ ス テ ム の 結 果 と し て 、 中 心 と 周 辺 で 業 績 が さ ら
が き ま ま で グ ロ ー バ ル な 内 部 投 資 や 支 店 ︱ 工 場 活 動 に 依 存 し て い る こ と を 考 慮 す れ ば な お さ ら で あ る 。 こ う し た 意
し か し 、 上 述 し た 地 域 組 織 の 経 済 活 動 が 持 続 的 な 地 域 開 発 を 包 含 す る 程 度 は 明 ら か で な い 。 特 に 多 く の 地 域 経 済
略 を 案 出 し よ う と す る 経 営 の 背 後 に あ る 核 心 で あ る 。
動 性 や ﹁ 地 域 ﹂ ︵
︶ に お け る 地 域 ガ バ ナ ン ス の 新 し い 形 態 の 生 成 は 、 高 等 教 育 機 関 が 地 域 ニ ー ズ に 合 わ せ て 戦
は 、 直 接 的 、 間 接 的 に 、 地 域 開 発 に 関 わ ら な け れ ば な ら な い 。 こ う し た グ ロ ー バ ル 化 に よ る 経 済 と 政 治 の 再 編 の 力
2 | 高等教育機関と地域
に 法 人 と し て の 行 為 や 今 ま で と は 異 な る 顧 客 た ち や 彼 ら の 代 表 組 織 の 需 要 に 応 え る こ と を 求 め る な ら 、 大 学 の 多 く
高 等 教 育 の 内 部 と 地 域 か ら も た ら さ れ る 新 し い 環 境 と の 対 峙 は 、 大 学 経 営 に 重 要 な 意 味 が あ る 。 と り わ け 、 大 学
響 を 受 け る か を 考 慮 に 入 れ る こ と を 必 要 と す る 。
訓 練 、 技 術 革 新 、 研 究 に 対 す る 政 策 や 、 地 域 の 発 展 は す べ て 、 こ う し た 展 開 か ら 高 等 教 育 シ ス テ ム が ど の よ う な 影
開 の す べ て は 、 学 習 経 済 の ニ ー ズ へ の 適 応 に 苦 闘 す る 地 域 に と っ て 脅 威 で も あ り 、 機 会 で も あ る 。 そ し て 、 教 育 、
下 を 掘 る ﹂ よ う な 電 子 マ ネ ジ メ ン ト に よ る 大 学 教 育 の 登 場 は 、 学 習 を 地 理 的 制 約 か ら 開 放 す る 。 こ う し た 大 き な 展
て 、 彼 ら の 地 位 や 権 威 に 影 響 を お よ ぼ す だ ろ う 。 自 由 業 の 学 者 に よ る オ ン ラ イ ン 教 育 の 提 供 で 、 現 行 の 大 学 の ﹁ 足
体 化 に 直 面 す る と い う 。 と り わ け 、 学 生 に と っ て イ ン タ ー ネ ッ ト の 利 用 は 、 大 学 教 員 に よ る 知 識 独 占 の 土 台 を 崩 し
の 到 来 を 大 学 へ の 脅 威 と し て と ら え て い る 。 そ こ で は 、 地 域 に お け る 大 学 の 潜 在 的 な 役 割 は 、 学 習 の 場 と し て の 弱
の 考 え に 関 わ っ て 、 新 し い 形 態 の 教 育 提 供 を す る た め に I C T s を 利 用 す る こ と で あ る 。 多 く の 論 者 は 、 情 報 社 会
懸 念 さ れ る 問 題 の 一 つ は 、 あ る 土 地 に 立 地 す る 伝 統 的 な 大 学 を 拡 張 し た ﹁ バ ー チ ャ ル 大 学 ﹂ ︵
virtual university
33
に 分 化 し よ う と し て い る 。 高 等 教 育 機 関 は 、 さ ま ざ ま な 地 域 開 発 モ デ ル の 適 合 性 や 地 域 住 民 の ニ ー ズ の 充 足 度 に つ
region
い て 論 争 を 促 し て 、 地 域 に と っ て 重 要 な 仲 介 の 役 割 を 果 た す だ ろ う 。
︶
◆ 高 等 教 育 機 関 の 間 に は ど の よ う な 特 性 が あ る か ? ︱ ︱ 協 同 、 競 争 、 市 場 主 導 な ど 。
◆ 国 の 高 等 教 育 シ ス テ ム の 主 な 特 性 は ど の よ う な も の か ? ︱ ︱ 例 え ば 、 二 元 制 、 一 元 制 、 総 合 制 な ど 。
高 等 教 育 の 全 国 シ ス テ ム
に 関 わ る こ と の 含 意 を 論 議 す る 。
め ら れ る 。 本 章 で は 、 全 国 レ ベ ル で 高 等 教 育 政 策 の 性 格 が 変 容 し て い る こ と に 焦 点 を あ て て 、 高 等 教 育 機 関 が 地 域
運 営 さ れ る 傾 向 が あ る 。 そ し て 、 地 方 に 関 心 を 向 け る よ う な 重 要 な 政 策 の 転 換 は 、 た い て い 国 の 政 策 課 題 と し て 進
助 を 受 け て 、 国 の 規 制 を 受 け る 環 境 の も と で 運 営 さ れ て い る 。 対 照 的 に 、 高 等 教 育 機 関 は 、 全 国 シ ス テ ム の 内 部 で
ロ セ ス は 、 部 分 的 に は 、 地 域 と 国 と の 間 の 交 渉 で も あ る 。 そ し て 、 多 く の 地 域 組 織 は 中 央 政 府 か ら か な り の 資 金 援
国 の 政 策 環 境 が 与 え る 影 響 や 国 の 高 等 教 育 シ ス テ ム の 特 性 を 正 し く 吟 味 す る こ と は 重 要 で あ る 。 地 域 開 発 の 政 治 プ
本 報 告 の 関 心 は 高 等 教 育 機 関 の 地 域 ニ ー ズ へ の 対 応 に あ る 。 し か し 、 地 域 に 関 わ る 高 等 教 育 機 関 の 能 力 に つ い て 、
3 全 国 シ ス テ ム の 特 性
34
binary unified
3 | 全国システムの特性
centrally
Scott
35
︶ 。 特 に 二 元 制 は 、 イ ギ リ ス ︵ 一 九 九 二 ︶ 、 オ ー ス ト ラ リ ア ︵ 一 九 八 八 ︶ 、 そ し て ス ウ ェ ー デ ン ︵ 一 九 七 七 ︶ と
︵ 関 ハ を て う た あ る 受 に ド さ 。 け 管 イ 高 が ー 果 多 し い な 、 る ら た て 理 ツ 等 国 ヴ た く ◆ か る 区 ド 。 に だ い さ 、 教 家 ァ し の 地 し 。 別 イ そ 、 し な れ イ 育 の ー て 高 域 な を ツ れ 全 、 い て タ が 構 ド き 等 開 が 廃 で は 国 た 。 い リ 発 築 や た 教 発 ら 止 は 、 、 し 、 ス ︶ 的 と 反 る ア 展 に イ し 育 に マ た 近 ペ の な え 対 。 の し お ェ 、 機 関 ス 。 年 イ よ 高 地 に こ よ て い ー 今 関 わ 高 さ 、 ン う 等 域 、 う う き て ル も 、 る 等 ら 高 、 に 教 主 ス し な た 果 の 果 特 政 教 に 等 ギ 、 育 義 カ た 古 各 た よ た に 府 育 、 教 リ 多 シ が ン 国 い 国 す う し 歴 省 の フ 育 シ く ス 高 ジ 々 高 の 役 な て 史 庁 供 ラ シ ャ の テ 等 ナ の 等 背 割 大 い の と 給 ン ス 、 シ ム 教 ビ 状 教 景 は 学 る あ 高 に ス テ イ ス に 育 ア 況 育 に 、 は 。 る 等 照 の ム タ テ は の や で シ も 先 、 例 大 教 ら よ に リ ム 、 経 英 は ス 多 に 国 え 学 育 せ う 二 ア 類 大 営 米 、 テ く 概 民 ば は の ば な 元 、 型 学 に の た ム の 観 性 、 、 出 、 国 性 そ が が 導 国 い に 違 し を イ こ 資 各 で を し あ 支 入 々 て は い た 海 ギ れ 者 国 は 導 て る 配 さ で い 、 が よ 外 リ ま た う に ス で ち の 、 入 ポ 。 的 れ は の ほ あ な 高 た し ル 例 な て 、 高 と 伝 の 国 と 等 と 、 ト え ﹁ い 高 等 ん る 変 え オ 家 の 教 え 拡 ガ ば 二 る 等 教 ど 。 化 る ッ の 間 育 二 張 ル 、 元 国 教 育 変 例 の 中 ク 構 に シ 元 し な イ 制 々 育 機 化 え 要 心 ス 築 は ス ︵ で 機 関 は ば 請 的 フ や ど 制 た ど ギ ﹂ も 関 は な 、 を な ォ 国 の テ で 。 、 リ 、 は 地 く ヨ 受 要 ー 民 程 ム も 一 い ス 中 自 域 、 ー け 素 ド の 度 は 非 方 く の 明 大 、 つ 高 ︶ 央 主 に そ ロ て で や ア の ら 学 オ か 等 や か 管 関 れ ッ 、 あ ケ イ 対 ら 理 与 は パ 再 る ン デ 話 か 機 ー の 教 、 ﹁ に 関 ス 地 育 一 規 や す 厳 大 吟 。 ブ ン が 一 は ト 中 に 元 制 地 る し 陸 味 し リ テ あ 様 同 ラ 海 は 制 を 域 よ く の が か ッ ィ る に 等 リ 諸 大 ﹂ 受 へ う 中 中 求 し ジ テ か な 以 ア 国 学 ︵ け の な 央 心 め な 、 ィ ? る 関 さ 集 地 ら が ア 形 り 上 は で 優 側 与 ま 権 で れ ら メ 成 つ の 、 も 位 面 に ざ 的 あ て 、 リ に つ 地 近 み の ︶ あ 位 年 ら 強 、 は 向 ま ︵ る い 高 カ 重 る フ る 等 合 要 を 、 れ い ﹁ あ か な ︵ ラ 。 教 衆 な 享 そ る 歴 総 る っ 圧 合 。 ン 育 国 役 受 の 。 史 て 力 ス 機 の 割 し よ ま が 制 い を ﹂ ︶ 、 comprehensive
1995
い う よ う に 一 元 制 に 取 っ て 代 わ ら れ て い る 。 そ し て 、 高 等 教 育 は シ ス テ ム の 総 体 で あ り 、 そ の な か の あ る 役 割 を
︶ の 設 立 ︱ ︱ に み ら れ る よ う に 、 近 年 、 こ の セ ク
︱ ︱ 高 等 教 育 財 政 審 議 会 ︵
Higher Education Funding Council
RDAs : Regional Development Agencies
つ と め る 地 域 開 発 公 社 ︵
︶ へ の 地 域 担 当 者 の 設 置 や い く つ か の 大 学 が 代 表 を
地 域 ニ ー ズ か ら あ ま り 影 響 を 受 け て い な か っ た 。 し か し 、 デ ア リ ン グ 報 告 ︵ 一 九 九 七 ︶ や 、 そ れ に 続 く 政 策 の 転 換
数 多 く の 全 国 的 状 況 は 、 こ う し た 関 心 を 地 域 と の 関 わ り で 示 し て い る 。 例 え ば 、 イ ギ リ ス の 高 等 教 育 セ ク タ ー は
教 育 機 関 を 含 め た 多 数 の ス テ ー ク ホ ル ダ ー を 動 員 す る こ と の 必 要 性 と 関 連 し て い る 。
関 心 は 、 地 域 開 発 の プ ロ セ ス に 貢 献 し 、 地 元 に パ ー ト ナ ー シ ッ プ と 市 民 的 責 任 の 強 い 感 覚 を 生 み だ す た め に 、 高 等
に 最 近 で は 、 地 域 開 発 の 所 轄 官 庁 と 高 等 教 育 の 管 理 運 営 担 当 者 と の 関 心 が 一 致 す る よ う に な っ て い る 。 そ の よ う な
心 部 と 周 辺 部 と の 地 域 統 合 を 推 進 す る た め に 、 多 く の 政 府 は 地 域 開 発 の 手 段 と し て 高 等 教 育 機 関 を 利 用 し た 。 さ ら
高 等 教 育 機 関 の 地 域 に お け る 役 割 の 問 題 は 、 い く つ か の 国 家 政 策 と の 関 連 で 検 討 さ れ て い る 。 一 九 六 〇 年 代 、 中
学 が 外 部 環 境 と よ り 密 接 に 相 互 作 用 す る こ と を 余 儀 な く さ せ た 。
般 の 改 良 と 発 展 に 従 事 す る ﹂ と い う 追 加 的 な 役 割 を 引 き 受 け な け れ ば な ら な く な っ た 。 こ の 第 三 番 目 の 役 割 は 、 大
法 律 を 修 正 し た 。 そ の た め 、 今 や 、 ス ウ ェ ー デ ン の 大 学 は 、 教 育 や 研 究 に 加 え て 、 ﹁ 大 学 外 部 と 協 同 し て 、 社 会 全
教 育 機 関 の 方 針 に 強 い 影 響 を 与 え て い る 。 例 え ば 、 一 九 九 七 年 に ス ウ ェ ー デ ン 議 会 は 高 等 教 育 機 関 の 管 理 に 関 す る
に お い て 、 教 育 や 研 究 活 動 の 方 針 に 対 し て か な り の 制 度 的 自 治 が 認 め ら れ て い る 。 そ の 一 方 で 、 国 家 の 課 題 も 高 等
政 策 は 、 部 分 的 に は 、 個 々 の 機 関 が 地 域 の 課 題 を 追 究 す る 自 由 を 決 定 す る 。 高 等 教 育 機 関 の 多 く は 、 国 の シ ス テ ム
す る 高 等 教 育 機 関 の 能 力 に 大 き く 影 響 す る こ と で あ る 。 さ ら に 、 中 央 政 府 の 高 等 教 育 機 関 へ の 資 金 援 助 や 管 理 運 営
こ れ ら の 例 が 照 ら す の は 、 国 の 高 等 教 育 シ ス テ ム の 特 殊 な 性 格 が 、 増 大 す る 外 部 需 要 へ の 対 応 や 地 域 開 発 に 関 与
し た 一 例 が 、 ア メ リ カ 合 衆 国 の カ リ フ ォ ル ニ ア 州 モ デ ル で あ る 。
36
個 々 の 高 等 教 育 機 関 が 担 う と い う 、 総 合 シ ス テ ム の 必 要 性 に つ い て 認 識 が 広 が っ て い る 。 こ の シ ス テ ム が 最 も 発 展
Davies 1997
37
・ あ か ら さ ま な 競 争 ︵
overt competition
︶ ︱ ︱ 政 治 メ カ ニ ズ ム で は な く 外 部 圧 力 に 対 す る 反 応 と
に お い て 果 た す 役 割 が 定 め ら れ て い る 。
テ ゴ リ ー が 識 別 さ れ て い る ︵
の 範 占 囲 有 、 率 規 を 制 上 や げ 組 よ 織 う の と 指 特 導 ︶ 化 性 ︱ や の ︱ 価 あ そ 格 り れ 決 方 ぞ 定 で れ 方 ︶ 決 の 針 ︶ 。 定 高 の ︱ さ 等 よ ︱ れ 教 う 地 る 育 な 域 だ 機 戦 の ろ 関 略 ビ う は を ジ 。 、 駆 ネ 高 ド 使 ス 等 イ し 機 教 ツ て 会 育 や 競 が シ 争 ア ス 限 メ す ら テ リ る れ ム 。 カ の て 合 種 い 衆 々 る 国 の た の 類 め よ 型 に う の 、 に 特 高 高 徴 等 等 と 教 教 し 育 育 て 機 シ 四 関 ス つ は テ の 市 ム カ 場 ・ 法 的 規 制 ︵
regulation
collaboration/horizontal integration
・ 協 調 / 水 平 統 合 ︵
教 育 シ ス テ ム の 多 様 な 類 型 は 識 別 で き る だ ろ う か 。 そ れ は あ る 程 度 は 、 教 育 パ ー ト ナ ー の 数 や タ イ プ 、 協 同 活 動
3 | 全国システムの特性
◆ 学 生 募 集 や 、 教 育 と 研 究 の 財 政 に 地 域 間 協 力 は で き る だ ろ う か ?
◆ 高 等 教 育 機 関 の 財 政 や 経 営 に 対 し て 戦 略 的 責 任 を も つ 地 域 組 織 は あ る の だ ろ う か ?
◆ 高 等 教 育 機 関 の 財 政 や 経 営 は 、 ど の 程 度 ま で 地 域 レ ベ ル で 行 わ れ る の だ ろ う ?
全 国 的 環 境 に お け る 地 域 高 等 教 育 シ ス テ ム
の 一 つ と し て 、 多 く の 高 等 教 育 機 関 が 設 立 さ れ た 。
も う け ら れ た 自 前 の 高 等 教 育 シ ス テ ム を も っ て い る 。 ま た 、 フ ィ ン ラ ン ド で は 、 遠 隔 地 の 地 域 開 発 を 促 す 国 の 施 策
れ た 高 等 教 育 シ ス テ ム か ら 徐 々 に 離 れ つ つ あ る 。 一 方 、 ア メ リ カ 合 衆 国 で は 、 個 々 の 州 に よ く 整 備 さ れ 、 計 画 的 に
地 域 レ ベ ル に 導 入 し よ う と す る 立 場 か ら 、 イ ギ リ ス の 大 学 で は 反 対 も あ が っ て い る 。 フ ラ ン ス も 、 高 度 に 集 権 化 さ
タ ー に お い て も 地 域 的 課 題 に 取 り 組 む 動 き が あ る 。 し か し 、 よ り 大 き く 、 全 国 的 に 計 画 さ れ た 高 等 教 育 シ ス テ ム を
て 全 州 を 代 表 す る 運 営 理 事 会 を も つ 。 し か し 、 ア メ リ カ 合 衆 国 の 事 例 は 一 般 的 と い う よ り は 例 外 的 で あ る 。 そ れ は 、
よ く 発 達 し 、 調 整 さ れ て い る 、 す ぐ れ た 事 例 で あ る 。 そ れ は 、 州 が 定 め た 役 割 、 個 々 の 機 関 へ の 学 生 割 当 数 、 そ し
機 関 の 経 営 と 財 政 に 特 別 な 権 限 を も つ 下 位 国 家 構 造 が あ る 。 特 に 合 衆 国 は 、 下 位 国 家 レ ベ ル の 高 等 教 育 シ ス テ ム が
し 、 あ る 国 々 で は 、 ド イ ツ の 州 ︵
︶ 、 ス ペ イ ン の 自 治 体 、 そ し て ア メ リ カ 合 衆 国 の 諸 州 の よ う に 、 高 等 教 育
い の 高 等 教 育 シ ス テ ム は 、 学 生 数 、 教 育 内 容 、 財 政 や 学 校 経 営 に お い て 全 国 レ ベ ル で 規 制 さ れ た ま ま で あ る 。 し か
地 域 レ ベ ル で は 、 高 等 教 育 の 首 尾 一 貫 し た 計 画 と 財 政 制 度 の 創 出 に む か う 系 統 的 な 動 き は ほ と ん ど な く 、 た い て
ド イ ツ 、 ス ペ イ ン 、 ア メ リ カ 合 衆 国 ︶ 。
ギ リ ス ︶ 。 も う 一 つ は 分 権 モ デ ル で あ る 。 そ れ は 、 地 方 当 局 が 主 な 資 金 源 で あ る ︵ 例 え ば オ ー ス ト ラ リ ア 、 カ ナ ダ 、
政 府 が 主 な 資 金 源 で あ る ︵ 例 え ば フ ィ ン ラ ン ド 、 フ ラ ン ス 、 ハ ン ガ リ ー 、 イ タ リ ア 、 日 本 、 ニ ュ ー ジ ー ラ ン ド 、 イ
格 差 は か な り 大 き い ︵
︶ 。 二 つ の 主 要 な モ デ ル が あ る 。 一 つ は 集 権 モ デ ル で あ る 。 そ れ は 、 中 央
ン ス で は 、 地 方 当 局 は 平 均 で 高 等 教 育 に か か る 最 終 的 な 支 出 の 三 分 の 一 を 拠 出 し て い る 。 し か し 、 こ の 平 均 の 地 域
成 、 研 究 活 動 、 地 域 社 会 へ の 貢 献 な ど に つ い て ︶ へ の 関 与 は 、 O E C D 加 盟 国 の 間 で も 大 き く 異 な る 。 例 え ば フ ラ
し か し 、 地 方 分 権 化 の 程 度 や 地 方 当 局 の 高 等 教 育 へ の 資 金 援 助 、 経 営 、 計 画 ︵ 例 え ば 、 学 生 数 、 カ リ キ ュ ラ ム 編
準 同 盟 や 完 全 な 機 関 同 士 の 合 併 が 結 果 的 に 生 じ る 。
・ 垂 直 統 合 ︵
vertical integration
州 税 制 、 地 元 卒 業 生 な ど の 資 金 源 に 依 存 す る 高 等 教 育 機 関 の 財 政 基 盤 に お け る 地 方 の 特 性 、 そ し て 国 有 地 付 与 の 伝
de Gaudemar 1997
統 に さ か の ぼ る 地 域 社 会 へ の 貢 献 に 特 徴 的 に み ら れ る 。
Länder
ド イ ツ の 場 合 、 教 育 の す べ て の 側 面 に 対 す る 完 全 な 管 理 は 連 邦 政 府 に は な く 一 六 の 州 に あ る 。 こ の 意 味 で 、 高 等
︶ ︱ ︱ 系 列 化 や 単 位 互 換 を 展 開 す る た め の 戦 略 的 パ ー ト ナ ー シ ッ プ が 成 立 す る 。 38
し て 、 そ れ ぞ れ の 高 等 教 育 機 関 の 間 に 協 力 が 生 ま れ る 。
HEFCE:Higher Education Funding Council for England
︶ 、 ウ ェ ー ル ズ 高 等 教 育 財 政 審 議 会
高 等 教 育 財 政 審 議 会 ︵
︶ 、 ス コ ッ ト ラ ン ド 高 等 教 育 財
イ ギ リ ス で は 、 連 合 王 国 を 構 成 す る そ れ ぞ れ の 地 域 に 財 政 審 議 会 が 設 立 さ れ た 。 そ れ ら は 、 イ ン グ ラ ン ド
3 | 全国システムの特性
い う 現 実 に 、 部 分 的 で あ れ 、 反 す る か ら で あ る 。
教 育 機 関 は 中 央 集 権 的 に 課 せ ら れ た 手 順 に 従 う の で は な く 、 自 校 の 状 況 に あ っ た 戦 略 を 展 開 し な け れ ば な ら な い と
等 教 育 機 関 か ら ほ と ん ど 支 援 を 得 ら れ な い こ と に な ろ う 。 な ぜ な ら 、 地 域 の 状 況 は 極 め て 多 様 で あ り 、 個 々 の 高 等
し か し 、 そ れ は 地 域 レ ベ ル で の 高 等 教 育 を 全 国 的 に 計 画 さ れ た シ ス テ ム に し よ う と す る こ と に 対 し て は 個 々 の 高
な 多 く の 高 等 教 育 機 関 に と っ て 、 と り わ け 重 要 で あ る 。
ン テ ィ ブ や 資 金 プ ロ グ ラ ム が 必 要 で あ る 。 そ れ は 、 地 域 提 携 を 助 長 す る 活 動 が 高 等 教 育 予 算 の 中 核 部 を 占 め る よ う
て は か 教 地 い 州 か 育 域 る ︵ わ 機 レ 。 ら 関 ベ ず の ル 、 財 で ︶ ド 政 は か イ と 、 ら ツ 管 高 資 の 理 等 金 高 の 教 援 等 責 育 助 教 任 機 を 育 は 関 う 機 政 が け 関 府 明 、 を で 確 管 地 は な 理 域 な 地 さ が く 域 れ 拘 、 的 て 束 個 要 は す 々 素 い る の と る よ 州 目 が う 、 標 、 な そ を ド 州 の も イ 政 州 っ ツ 府 都 て の の に 地 大 要 あ 域 学 求 る で の は 。 行 フ ほ こ う ン と う 協 ボ ん し 同 ル ど た 活 ト な 財 動 的 い 政 を 伝 。 と 強 統 つ 管 化 は ま 理 す 多 り の る 大 、 地 よ な 高 域 う 自 等 的 な 治 教 側 イ を 育 面 ン 与 機 に セ え 関 も Länder
政 審 議 会 ︵ SHEFC : Scottish Higher Education Funding Council
︶ 、 そ し て 北 ア イ ル ラ ン ド 教 育 省 ︵ DENI :
︶ で あ る 。 こ う し た 機 構 は 連 合 王 国 の そ れ ぞ れ の 地 域 で 生 じ て い る 、
HEFCW : Higher Education Funding Council for Wales
39
さ ら に 広 範 な 政 治 と 管 理 に お け る 権 限 委 譲 の 一 部 で あ る 。 財 政 審 議 会 の 多 く は 、 ひ と か た ま り の 担 当 区 域 を
Department of Education Northern Ireland
も っ て い る 。 例 え ば 、 H E F C W に は ウ ェ ー ル ズ 地 方 に あ る 一 三 の 高 等 教 育 機 関 が 含 ま れ る 。 ま た 、 D E N
︵
Training and Enterprise Councils
を 育 成 し た 。
の 寄 与 を 大 き く す る た め に 高 等 教 育 地 域 開 発 基 金 ︵
HERD : HE Regional Development fund
TECs :
︶ 、 そ し て 地 域 の 技 能 向 上 に 関 わ る 地 方 担 当 部 局 と の 間 に パ ー ト ナ ー シ ッ プ
こ の 基 金 は 五 〇 以 上 の プ ロ ジ ェ ク ト に 投 資 さ れ た 。 そ し て 、 高 等 教 育 、 雇 用 者 、 訓 練 企 業 協 議 会 ︵
︶ に 融 資 し た 。
指 導 を 与 え る 、 地 区 担 当 官 が 設 け ら れ た 。 さ ら に 、 教 育 雇 用 省 は 、 地 域 の 競 争 力 と 地 方 や 地 域 の 労 働 市 場 へ
H E F C E の 場 合 、 イ ン グ ラ ン ド 地 域 の イ ニ シ ア テ ィ ブ を 束 ね 、 高 等 教 育 機 関 に 地 域 レ ベ ル で の 戦 略 的 な 40
I は 北 ア イ ル ラ ン ド 地 方 の 二 つ の 大 学 ︱ ク イ ー ン ズ 大 学 と ア ル ス タ ー 大 学 を 担 当 す る 。
41
ど の よ う な も の が あ る の か ?
◆ 地 域 の 組 織 間 ネ ッ ト ワ ー ク の 特 性 と は ど の よ う な も の か ? ﹁ 先 導 的 ﹂ ︵
lead
◆ 地 域 の ス テ ー ク ホ ル ダ ー は 高 等 教 育 機 関 に 対 し 、 ど の よ う な 期 待 を 表 明 し て い る の か ?
︶ あ る い は 規 制 的 仲 介 組 織 に は
よ う な 特 性 を も っ て い る か ?
◆ 経 済 基 盤 、 文 化 活 動 、 雇 用 構 造 、 さ ら に は 企 業 家 活 動 や 市 民 ネ ッ ト ワ ー ク の 水 準 と い っ た 点 で 、 地 域 は ど の
4 | 地域の特性
地 域 と 地 域 ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 性 格
分 析 の 際 に は 下 記 で 記 す よ う な 視 点 を も つ べ き で あ る 。
要 が あ る 。 高 等 教 育 機 関 に と っ て 地 域 環 境 の 長 所 や 短 所 を 分 析 す る こ と は 意 義 あ る 連 携 へ の 重 要 な 一 歩 と な る が 、
等 教 育 機 関 は 自 ら の 関 わ り 方 を 特 定 す る た め に 、 地 域 も し く は 地 域 群 の 特 性 に つ い て 全 体 的 な 理 解 を 深 め て い く 必
高 等 教 育 機 関 の 地 域 ニ ー ズ へ の 対 応 方 法 や 何 が 地 域 ニ ー ズ で あ る か は 地 域 の 特 性 と 結 び つ い て い る 。 そ れ ゆ え 高
4 地 域 の 特 性
サ ー ビ ス や 教 育 の 供 給 状 況 、 地 域 内 協 力 と 市 民 的 伝 統 の 性 質 、 生 活 や 文 化 活 動 の 質 な ど の 点 で 、 地 域 間 、 地 域 内 に
産 業 セ ク タ ー の 構 成 、 官 民 の 雇 用 構 造 、 企 業 家 活 動 レ ベ ル 、 中 小 企 業 の 成 長 度 、 人 口 の 密 度 な ら び に 増 減 、 社 会
さ れ て い る 。
や 政 治 の 構 造 改 革 な ど 、 数 多 く の 固 有 の 課 題 に 直 面 し て い る 旧 共 産 主 義 国 家 の よ う な 過 渡 期 に あ る 地 域 は 特 に 注 目
前 の 力 強 さ を 取 り 戻 し て き て い る ︶ 、 周 辺 地 域 ︵ 過 疎 地 、 辺 境 地 域 ︶ で あ る ︵
Davies 1998
︶ は い く つ か の グ ル ー プ か ら 構 成 さ れ て い る 。
ー 生 ﹂ ま じ ︵ た て 地 い 域 る の 重 ス 大 テ な ︶ ー 差 と ク 異 い ホ を う ル 高 用 ダ 等 語 ー 教 は の 育 高 数 機 等 お 関 教 よ の 育 び 政 セ 彼 策 ク ら 立 タ の 案 ー 特 者 と 性 や 相 に 管 互 つ 理 作 い 運 用 て 営 す 把 者 る 握 は 、 し 認 あ て 識 る お し い く て は こ お そ と く の も 必 可 重 要 能 要 が 性 で あ の あ る あ る 。 る 。 地 ﹁ 域 ス の テ 組 ー 織 ク も ホ し ル く ダ
参 照 ︶ 。 現 在 進 行 中 の 経 済
分 類 し た 。 そ れ ら は 集 中 地 域 ︵ 経 済 、 教 育 と も 高 水 準 ︶ 、 経 済 復 興 地 域 ︵ 数 十 年 間 の 相 対 的 な 低 落 傾 向 の の ち 、 以
ま た 欧 州 大 学 協 会 ︵ C R E ︶ も 、 大 学 ︱ 地 域 間 対 話 に 向 け て の 環 境 上 の 相 違 点 を 明 ら か に す る た め に 、 地 域 を 三
・ 高 所 得 、 停 滞 地 域 ・ 高 所 得 、 成 長 地 域
・ 低 所 得 、 停 滞 地 域 ・ 低 所 得 、 成 長 地 域
る 、 以 下 の よ う な 四 つ の 地 域 タ イ プ を 特 定 し た 。
ー プ 分 け で き る 。 デ イ ビ ス ︵
Davies 1997
は 個 人 を 指 す 。 こ の ﹁ 地 域 ク ラ ス タ ー ﹂ ︵
regional cluster
・ 学 校 、 継 続 教 育 ︵ F E ︶ 、 高 等 教 育 ︵ H E ︶ を 含 む 教 育 セ ク タ ー
stakeholder
・ 産 業 界 と 民 間 研 究 活 動
︶ は 、 高 等 教 育 シ ス テ ム が そ れ ぞ れ に お い て 異 な る 役 割 を 果 た す こ と と な
で あ る 。 地 域 は そ れ ぞ れ ど の よ う な 種 類 の 問 題 に 直 面 し 、 ど の よ う な 解 決 策 を 追 求 す る の か と い っ た 観 点 か ら グ ル 42
地 域 の 特 性 を 理 解 す る こ と は 、 能 動 的 で 意 義 あ る 大 学 ︱ 地 域 間 連 携 を 推 進 す る に あ た っ て 、 根 本 的 に 重 要 な 要 件
positioning
い う ﹁ 位 置 取 り ﹂ ︵
︶ の 問 題 に 直 面 し て い る の で あ る 。
ま で 地 域 の 次 元 か ら 地 球 規 模 の 次 元 ま で を 網 羅 す る 異 な っ た 地 理 的 規 模 の 間 で 介 在 機 関 と し て 機 能 し て き た 。 高 等
内 で 活 動 す る も の で あ る と い う こ と を 十 分 認 識 し て お か な け れ ば な ら な い 。 一 方 、 対 照 的 に 、 高 等 教 育 機 関 は こ れ
第 三 に 、 地 方 自 治 体 、 地 域 改 善 局 、 商 工 会 議 所 な ど 、 地 域 経 済 の 開 発 促 進 に 関 わ る 組 織 は 明 確 に 定 め ら れ た 領 域
す る 場 合 に は 、 高 等 教 育 機 関 と 地 域 ス テ ー ク ホ ル ダ ー 間 の 対 話 を 促 進 す る こ と は 可 能 で あ る 。
4 | 地域の特性
る 。 し か し な が ら 、 地 域 経 済 開 発 、 雇 用 、 文 化 、 健 康 と い っ た さ ま ざ ま な セ ク タ ー に 強 力 な 先 導 的 仲 介 組 織 が 存 在
の よ う な 分 散 し た 、 周 辺 的 な 経 済 地 域 に お い て は さ ま ざ ま な 利 益 団 体 と な る 中 小 企 業 を 探 し あ て る こ と は 困 難 で あ
こ れ は 縮 小 、 停 滞 傾 向 に あ る 企 業 、 自 ら に 意 思 決 定 の 権 限 が 無 い 工 場 を 抱 え る 地 域 に お い て 特 に そ う で あ る が 、 そ
第 二 に 、 地 域 の 企 業 が 高 等 教 育 機 関 に と っ て ﹁ 関 心 あ る 部 門 ﹂ ︵ sector of interests
43
教 育 機 関 は い っ そ う 広 域 的 な 次 元 で の 関 心 と 地 域 の パ ー ト ナ ー の 関 心 と の 間 で バ ラ ン ス を と ら な け れ ば な ら な い と
︶ と な り に く い 場 合 が あ る 。
方 、 企 業 は も っ と 迅 速 な 決 定 や 提 供 を 必 要 と す る 。
育 機 関 で は 教 育 、 意 思 決 定 過 程 は 年 間 サ イ ク ル で 行 わ れ て お り 、 最 終 的 に 卒 業 生 の 輩 出 と い う 形 で 終 わ る 。 そ の 一
あ ろ う 。 こ の ミ ス マ ッ チ の 一 つ に 高 等 教 育 機 関 と 企 業 が 業 務 を 遂 行 す る 際 の 時 間 基 準 が あ る が 、 一 般 的 に 、 高 等 教
関 と 他 の 仲 介 組 織 と の 連 携 が い っ そ う 進 め ば 、 投 資 サ イ ク ル と 提 供 時 期 の 面 で の ミ ス マ ッ チ の 解 消 が 必 要 と な る で
高 等 教 育 機 関 と ス テ ー ク ホ ル ダ ー と の 関 係 の 確 立 は い く つ か の 点 で 問 題 を は ら ん で も い る 。 第 一 に 、 高 等 教 育 機
育 ユ ー ザ ー
・ フ ル タ イ ム 学 生 か ら 継 続 職 能 コ ー ス や 単 位 認 定 の な さ れ な い 成 人 教 養 教 育 の 参 加 者 ま で 広 範 な 学 習 者 を 含 む 教
・ 地 方 自 治 体
・ 労 働 組 合 、 地 域 開 発 、 対 内 投 資 促 進 組 織 、 商 工 会 議 所 な ど の よ う な 支 援 組 織
︵
European Union
︶ が 埋 め て い る 。 次 節 で は 、 欧 州 連 合 ︵
︶ に お け る 進 展 を 取 り 上 げ 、 そ こ
が 求 め ら れ る よ う な 地 域 ア ジ ェ ン ダ が 生 じ て く る こ と も あ る 。 ヨ ー ロ ッ パ で は 、 こ の 空 白 地 帯 は 欧 州 委 員 会
残 っ て い る 。 地 域 メ カ ニ ズ ム が ま だ 十 分 に 発 展 し て い な い 場 合 に は 、 国 家 政 策 の 空 白 地 帯 で 高 等 教 育 機 関 の 関 わ り
点 で 強 固 な 伝 統 が あ る 。 そ の 一 方 、 イ ギ リ ス や 北 欧 に 代 表 さ れ る 国 で は 、 集 権 的 支 配 は は る か に 強 い 遺 産 と な っ て
ア メ リ カ 合 衆 国 や オ ー ス ト ラ リ ア 、 さ ら に は 多 く の ヨ ー ロ ッ パ 大 陸 の 国 々 な ど で は 、 分 権 や 市 民 の 責 任 と い っ た
に わ た っ て 多 様 に 進 展 し て き た 各 国 々 に 浸 透 し て き て い る 。
の ﹁ 新 し い 地 域 主 義 ﹂ ︵
new regionalism
European Commission
探 で る は 。 特 に 、 高 等 教 育 機 関 の 地 域 経 営 と も 関 わ る 地 域 の ガ バ ナ ン ス と 政 策 の 組 織 的 能 力 が 急 速 に 向 上 し て い る 背 景 を
︶ と い う 考 え 方 は 、 高 等 教 育 が 含 ま れ る か 否 か な ど 、 政 治 上 の 分 権 が 長 年
組 織 、 制 度 上 、 新 た な 実 践 が 必 要 と さ れ て き て お り 、 高 等 教 育 機 関 も そ れ ら に 対 応 す る こ と が 求 め ら れ て い る 。 こ
前 述 し た よ う に 、 地 域 は 経 済 、 社 会 、 文 化 活 動 上 、 い っ そ う そ の 重 要 度 を 増 し て き て い る 。 そ れ に 合 わ せ て 管 理 、
う な も の が あ る か ?
◆ 地 域 に お け る 協 力 や パ ー ト ナ ー シ ッ プ の 促 進 を 目 的 と す る メ カ ニ ズ ム に は 、 公 的 、 非 公 的 そ れ ぞ れ 、 ど の よ
◆ 制 度 と し て 明 確 に 位 置 づ い て い る 地 域 政 府 に は ど の 程 度 の 伝 統 が あ る か ?
政 策 メ カ ニ ズ ム や 資 金 援 助 機 会 に は ど の よ う な も の が あ る か ?
◆ 地 域 政 策 の 主 要 な 推 進 要 因 は 何 か ? 経 済 開 発 の 促 進 を 目 的 と し た 選 抜 的 な 財 政 支 援 や 基 金 を 提 供 す る 地 域
地 域 の ガ バ ナ ン ス と 政 策 の 新 た な 形 態
44
な い 地 域 間 で も 、 共 通 の 戦 略 目 標 あ る い は 類 似 の 経 済 問 題 が 表 明 さ れ て い る 場 合 に は 協 力 が 行 わ れ て い る 。
て 、 こ れ ま で ﹁ ユ ー ロ ︱ 地 域 群 ﹂ ︵
︶ 内 で 国 境 を 越 え た 協 力 が 実 現 し て き た 。 ま た 同 様 に 、 隣 接 し て い
4 | 地域の特性
ヨ ー ロ ッ パ に お け る 地 域 利 害 を 述 べ あ う 最 も 重 要 な 機 関 で あ る 。 法 律 上 認 知 さ れ た 地 域 か ら な る こ の 枠 組 み に よ っ
い る 。 一 九 九 三 年 に 創 設 さ れ た 欧 州 地 域 会 議 ︵
︶ は 、 二 三 七 の 地 域 か ら 構 成 さ れ 、
よ り は む し ろ 統 合 的 な 効 力 と な っ て お り 、 欧 州 連 合 や 国 民 国 家 の 下 位 に 位 置 す る 第 三 の 運 営 レ ベ ル と し て 機 能 し て
さ れ て お り 、 各 地 域 の 関 係 者 か ら 構 成 さ れ て い る 。 地 域 主 義 は ヨ ー ロ ッ パ 全 体 の 枠 組 み の な か で は 、 分 裂 的 と い う
︵
︶ を 通 じ て 代 表 者 を 送 り 込 ん で い る 。 地 域 評 議 会 は 政 治 ︱ 法 律 シ ス テ ム の な か で 制 度 化
こ の マ ー ス ト リ ヒ ト 条 約 の 枠 組 み の な か で 、 政 治 地 域 は 欧 州 連 合 一 次 法 の な か に 記 さ れ て お り 、 地 域 評 議 会
マ ー ス ト リ ヒ ト 条 約 は ﹁ 地 域 連 合 と し て の ヨ ー ロ ッ パ ﹂ ︵
Europe of the regions
経 済 の 地 域 化 は こ の 欧 州 連 合 の 政 治 上 の 地 域 化 と 同 時 に 進 行 し て い る が 、 明 確 に 規 定 さ れ た 政 治 上 の 単 位 と は そ
Committee of the Regions
45
れ ほ ど は っ き り と 結 び つ い て は い な い 。 地 域 経 済 政 策 に 関 わ る 体 制 は 国 や マ ク ロ 経 済 上 の 規 制 の 効 果 が 薄 れ て き た
Assembly of European Regions
結 果 、 経 済 の 構 造 的 な 転 換 に 対 す る 地 域 の 適 応 能 力 を 育 む こ と を 目 的 と し て 発 展 し て き た 。 こ の 経 済 の 地 域 化 は 政
Euro-regions
治 、 経 済 の 規 制 緩 和 と 2 章 で 強 調 し た よ う な 国 民 国 家 の 規 制 力 の 低 下 と い う い っ そ う 広 範 な 過 程 の な か に 位 置 づ け
︶ を 一 つ の ビ ジ ョ ン と し て い る 。
か し 、 高 等 教 育 機 関 の 新 た な 枠 組 み を 生 み 出 そ う と す る 共 通 の 圧 力 が 欧 州 連 合 に は 数 多 く 存 在 す る 。
ー は 国 家 間 で 多 く の 相 違 が あ り 、 ま た 機 関 の 歴 史 、 文 化 と い う 点 で も 個 々 の 高 等 教 育 機 関 は 非 常 に 多 様 で あ る 。 し
州 連 合 ︵ E U ︶ の 存 在 と そ の さ ま ざ ま な 政 策 メ カ ニ ズ ム で あ る 。 地 位 、 資 金 援 助 、 組 織 と い う 点 で 高 等 教 育 セ ク タ
ヨ ー ロ ッ パ の 大 多 数 の 国 に お い て 、 高 等 教 育 機 関 ︱ 地 域 間 連 携 の 強 化 に 向 け て 主 要 な 推 進 力 と な っ て い る の は 欧
地 域 連 合 と し て の ヨ ー ロ ッ パ
の 長 年 の 争 い を 収 拾 す る た め に 連 邦 制 の 方 向 に 向 か っ て い る 。 そ の 一 方 で 、 フ ラ ン ス で は 、 財 政 面 が 特 に そ う で あ
れ 自 体 も 多 大 な 権 限 を も つ 最 大 の 自 治 組 織 で 、 ド イ ツ の 州 に 相 当 す る 。 ベ ル ギ ー も フ ラ ン ド ル 地 域 と ワ ロ ン 地 域 間
に よ る 分 離 独 立 主 義 的 主 張 に 基 づ く 強 大 な 自 治 地 域 が 地 方 政 府 の な か に 存 在 し て い る 。 ま た ス ペ イ ン の 地 方 政 府 そ
で あ り 、 国 家 と 類 似 し た 性 質 を も っ て い る 。 ス ペ イ ン で も 、 カ タ ロ ニ ア や バ ス ク な ど の 地 方 で は 民 族 主 義 グ ル ー プ
方 で 地 域 化 が 深 く 進 行 し て い る 地 域 も あ る 。 ド イ ツ の 州 ︵
Länder
る が 、 地 域 に は 限 ら れ た 権 限 し か 与 え ら れ て い な い 。 デ ン マ ー ク 、 フ ィ ン ラ ン ド 、 ギ リ シ ャ 、 ア イ ル ラ ン ド 、 ル ク
︶ シ ス テ ム は 欧 州 連 合 で 最 も 強 大 な 下 位 国 家 単 位
地 域 は 、 地 域 間 協 力 、 強 力 な 地 域 関 係 者 の 存 在 、 地 域 に よ る 自 己 決 定 と い っ た 面 で 不 十 分 な 状 況 で あ る が 、 そ の 一
地 域 化 の 進 行 は 欧 州 連 合 加 盟 国 間 で 性 質 、 程 度 に お い て さ ま ざ ま と な っ て い る 。 多 く の 経 済 的 、 政 治 的 に 脆 弱 な
な 是 正 を 妨 げ て い る 。
わ ら ず 、 ヨ ー ロ ッ パ 内 に は 中 心 地 域 が 存 在 し 、 そ れ ら が 支 配 的 な 地 位 を 占 め 、 中 核 地 域 と 周 辺 地 域 間 の 格 差 の 大 幅
い っ た 要 因 の 影 響 を う け 、 地 域 間 で 非 常 に 多 様 な も の と な っ て い る 。 こ う し た こ と か ら 、 地 域 政 策 の 遂 行 に も か か
存 の 社 会 基 盤 、 経 済 構 造 上 の 特 性 、 さ ら に は ヨ ー ロ ッ パ 経 済 や グ ロ ー バ ル 経 済 に お け る 物 理 的 、 戦 略 的 位 置 づ け と
あ る 。 し か し 、 こ の よ う な 経 済 や 政 治 の 変 革 へ の 対 応 能 力 は 協 働 や リ ー ダ ー シ ッ プ の た め の メ カ ニ ズ ム と い っ た 既
し た が っ て 、 ヨ ー ロ ッ パ 統 合 は 地 域 の 自 立 と 地 域 レ ベ ル で の 新 し い 責 任 の 形 態 に 向 け て 可 能 性 を 切 り 開 く も の で
ン テ ィ テ ィ や 民 族 、 言 語 、 文 化 グ ル ー プ 間 の 軋 轢 と い っ た 文 化 的 な 誘 因 に よ っ て 強 ま っ て い る 。
ら な い 。 地 域 化 に 向 け た こ れ ら の 政 治 、 経 済 上 の 推 進 力 は 欧 州 連 合 内 の 一 部 の 国 民 国 家 に お け る 強 烈 な 地 域 ア イ デ
の 地 域 化 過 程 の 根 本 を な す も の で あ り 、 各 国 は 通 貨 同 盟 に 参 加 す る た め に い く つ か の 統 一 基 準 を 満 た さ な け れ ば な
そ の 新 し い パ タ ー ン は 一 方 で 地 域 の 復 権 と 国 民 国 家 の 凋 落 を 映 し 出 し て い る 。 欧 州 経 済 通 貨 同 盟 ︵ E M U ︶ は 経 済 46
ら れ る も の で あ る 。 国 境 を 越 え た 関 係 の 進 展 に よ っ て 、 経 済 活 動 の 新 し い 地 理 的 パ タ ー ン が 認 知 さ れ る こ と と な り 、
会 は 各 地 域 の 地 方 当 局 や 地 域 開 発 公 社 ︵ R D A s ︶ と い っ た 既 存 の 地 域 団 体 が ベ ー ス と な り 、 集 会 の 管 理 部 門 を 担
︵
︶ の な か で 採 用 さ れ た 方 針 は 、 間 接 的 に メ ン バ ー が 選 出 さ れ る 地 域 集 会 の 創 設 で あ っ た 。 こ の 地 域 集
書 ﹃ 繁 栄 の た め の パ ー ト ナ ー シ ッ プ の 構 築 :
47
う も の で あ る 。 イ ン グ ラ ン ド の 地 域 主 義 へ の 政 府 の ア プ ロ ー チ の 中 核 と な る の が ま さ に こ の 地 域 開 発 公 社 で あ る 。
DETR 1997
各 地 域 の 開 発 公 社 は 経 済 、 社 会 、 政 治 上 の 発 展 に 向 け て の 行 動 と い う 点 で 、 高 等 教 育 を 含 む 多 く の ス テ ー ク ホ ル ダ
イ ン グ ラ ン ド の 各 地 域 に お け る 持 続 可 能 な 成 長 、 競 争 力 、 雇 用 ﹄
イ ン グ ラ ン ド の 民 主 主 義 の 欠 点 を 補 う 手 段 と し て 考 え ら れ て い た 。 し か し 、 こ の 施 策 は 穏 や か な 形 に 修 正 さ れ 、 白
4 | 地域の特性
ら 強 い 要 望 が あ る 地 域 で は 地 方 議 員 を 選 挙 に よ り 選 出 す る と い う 新 し い 労 働 党 政 権 の 方 針 は 、 当 初 は 長 年 に わ た る
対 照 的 に ス コ ッ ト ラ ン ド 、 北 ア イ ル ラ ン ド 、 ウ ェ ー ル ズ で は 進 展 は よ り 急 速 で あ る 。 イ ン グ ラ ン ド 内 で 地 域 住 民 か
イ ギ リ ス を 地 方 ご と に み れ ば 、 イ ン グ ラ ン ド で は 地 域 主 義 は 多 段 階 の 過 程 を 経 つ つ ゆ っ く り と 進 行 し て い る が 、
ス 全 土 に わ た っ て 重 要 な 構 造 的 影 響 を 与 え る で あ ろ う 。
員 が 選 挙 で 選 ば れ る と い う 状 況 を 迎 え て 、 地 域 主 義 、 権 限 の 委 譲 は 支 持 を 広 げ て き て い る 。 こ れ ら の 変 化 は イ ギ リ
立 さ れ 、 ま た イ ン グ ラ ン ド の 各 地 域 に お い て も 地 域 団 体 設 立 へ の 動 き が あ り 、 さ ら に は ロ ン ド ン で も 市 長 と 議 会 議
し て き た 。 し か し な が ら 、 イ ギ リ ス 内 で も 、 ス コ ッ ト ラ ン ド 、 北 ア イ ル ラ ン ド 、 ウ ェ ー ル ズ に お い て 地 方 議 会 が 設
イ ギ リ ス 政 府 は 概 し て 地 域 政 府 と い う 考 え 方 に 批 判 的 で 、 ば ら ば ら の メ カ ニ ズ ム を 寄 せ 集 め た 形 で 地 域 開 発 を 推 進
き 続 き あ い ま い な 立 場 を と っ て い る こ と か ら 、 欧 州 連 合 体 制 の な か で 興 味 深 い 事 例 と な っ て い る 。 歴 史 的 に み て 、
イ ギ リ ス は 欧 州 連 合 の 政 策 枠 組 み の 一 部 、 特 に 通 貨 統 合 と 権 限 の 委 譲 や 地 域 メ カ ニ ズ ム に 関 わ る 実 験 に お い て 引
域 自 治 の 拡 大 に 関 し て 国 民 は 反 対 の 判 断 を 下 し た 。
く 、 ポ ル ト ガ ル で は 近 年 の 国 民 投 票 で 本 土 の み な ら ず ア ゾ レ ス や マ デ イ ラ と い っ た 諸 島 ま で も が 適 用 範 囲 と な る 地
セ ン ブ ル ク 、 オ ラ ン ダ 、 ポ ル ト ガ ル 、 ス ウ ェ ー デ ン な ど の 他 の 欧 州 連 合 諸 国 で も 、 地 域 主 義 へ の 推 進 力 は 比 較 的 弱
地 域 そ の も の の 技 能 や 中 小 企 業 の 能 力 や 技 術 の 向 上 を 目 的 と し て 、 多 く の 高 等 教 育 機 関 が 欧 州 地 域 開 発 基 金 と 欧
め て い る 。
め に 設 け ら れ た 欧 州 社 会 基 金 ︵
︶ を 通 じ て 加 盟 国 間 の 地 域 的 不 均 衡 を 是 正 し よ う と 努
た 欧 州 地 域 開 発 基 金 ︵
ERDF : European Regional Development Fund
州 社 会 基 金 双 方 の 事 業 に 参 加 し て い る 。 一 九 八 〇 年 代 以 降 、 欧 州 地 域 開 発 基 金 の 支 援 は 中 小 企 業 の 革 新 や 地 域 の 高
ESF : European Social Fund
等 教 育 機 関 の 研 究 開 発 を 助 成 す る 方 向 に 移 っ て き て い る 。 近 年 の 構 造 基 金 の 地 域 運 用 と い う 点 で い っ そ う 重 要 な こ
︶ や 欧 州 連 合 内 の 雇 用 見 通 し を 改 善 す る た
刻 な 遅 れ を み せ て い る 地 域 を 抱 え る 南 地 中 海 諸 国 内 の 開 発 上 の 格 差 を 縮 小 す る こ と が 目 的 で 一 九 七 五 年 に つ く ら れ
め の も の で あ る 。 欧 州 連 合 は 、 欧 州 構 造 基 金 、 そ の な か で も と り わ け 欧 州 連 合 の さ ま ざ ま な 地 域 間 、 特 に 一 部 に 深
る 欧 州 連 合 の 政 策 メ カ ニ ズ ム は 、 各 地 域 で 地 域 関 係 者 を 動 員 す る 形 で 経 済 開 発 、 教 育 や 技 能 訓 練 を 推 進 し て い く た
要 性 は 、 欧 州 連 合 が キ ー ・ プ レ イ ヤ ー と し て 、 経 済 、 社 会 上 の 連 帯 を 重 視 す る こ と か ら 生 じ て い る 。 広 範 囲 に わ た
ヨ ー ロ ッ パ に お い て 、 地 域 の 変 容 す る 役 割 を 取 り 巻 く さ ま ざ ま な 動 向 や 経 済 開 発 戦 略 を 生 み 出 す 新 し い 構 造 の 必
ラ ン ド の 地 域 格 差 を 是 正 す る た め の 政 策 を 地 域 レ ベ ル で ど の 程 度 調 整 で き る か に あ る 。
済 開 発 の 分 野 に い っ そ う の 労 力 を 注 ぎ 込 む よ う に な っ て き て い る 。 問 題 は 新 し い 段 階 に あ る 地 域 開 発 公 社 が イ ン グ
︵ F E ︶ や 高 等 教 育 部 門 、 対 内 投 資 、 地 域 開 発 公 社 と い っ た 地 域 の 各 ス テ ー ク ホ ル ダ ー は 明 ら か に 地 方 、 地 域 の 経
結 び つ け る こ と に あ る 。 地 方 自 治 体 、 訓 練 企 業 協 議 会 ︵ T E C s ︶ 、 中 央 政 府 の 出 先 機 関 、 商 工 会 議 所 、 継 続 教 育
こ と が 指 摘 さ れ て い る 。 技 能 向 上 の 面 で は 、 地 域 開 発 公 社 の 役 割 は 地 域 の 教 育 プ ロ グ ラ ム を 地 域 ニ ー ズ と 十 二 分 に
さ ら に は 知 識 や 技 能 の 生 産 を 通 じ た 間 接 的 な 影 響 の 両 面 に お い て 地 域 経 済 に 対 し 中 心 的 な 役 割 を 果 た す 存 在 で あ る
白 書 は 地 域 開 発 公 社 の ビ ジ ョ ン に つ い て 言 及 し た も の で あ る が 、 同 時 に そ こ で は 高 等 教 育 が 直 接 的 な 雇 用 や 支 出 、 48
ー に 対 し て 戦 略 的 な 枠 組 み を 提 示 す る 役 割 を 負 っ て い る 。
ガ バ ナ ン ス 上 、 対 象 地 域 を ど こ に 設 定 す る の か と い う 興 味 深 い 問 題 を 抱 え る こ と と な る 。 ま た 将 来 の ヨ ー ロ ッ パ
4 | 地域の特性
境 と い う 枠 を 越 え る ﹁ 大 学 ユ ー ロ 地 域 群 ﹂ ︵
︶ の 誕 生 に よ り 、 ヨ ー ロ ッ パ の 高 等 教 育 機 関 は
り 、 高 等 教 育 機 関 の 地 域 開 発 上 の 役 割 に 重 要 な 影 響 を も つ 、 新 し い 研 究 上 の 課 題 分 野 が 生 じ て き て い る 。 特 に 、 国
化 が も た ら す 影 響 が そ の 主 要 原 因 と な っ て い る ヨ ー ロ ッ パ 教 育 の グ ロ ー バ ル 化 と ネ ッ ト ワ ー ク 化 で あ る 。 そ れ に よ
し か し な が ら 、 こ の 地 域 レ ベ ル の 活 動 の 重 要 な 背 景 と な っ て い る も の は 、 高 等 教 育 機 関 や 研 究 に 対 し て 情 報 社 会
欧 州 委 員 会 の 革 新 プ ロ グ ラ ム と 技 術 移 転 の さ ら な る 課 題 に つ い て 共 同 研 究 を 行 っ て い る 。
の 技 術 移 転 や 協 力 の 拡 大 を 通 じ た 経 済 開 発 の 促 進 に 特 に 関 心 を も っ て い る 。 欧 州 革 新 的 大 学 コ ン ソ ー シ ア ム は 現 在 、
は 一 〇 機 関 を そ の メ ン バ ー と し て 設 立 さ れ た 。 そ れ ら の 多 く に つ い て は 後 述 す る が 、 参 加 機 関 は 大 学 と 中 小 企 業 間
成 長 へ の 貢 献 可 能 性 を 探 る こ と を 目 的 と し て 、 ヨ ー ロ ッ パ 全 土 に わ た る 高 等 教 育 機 関 の コ ン ソ ー シ ア ム が 誕 生 し ︶ て き て い る 。 例 え ば 、 欧 州 革 新 的 大 学 コ ン ソ ー シ ア ム ︵
ECIU : European Consortium of Innovative Universities
49
︵ バ ー チ ャ ル ? ︶ 大 学 に 向 け て の 動 き や ヨ ー ロ ッ パ 外 の グ ロ ー バ ル ・ ア ク タ ー に よ る 教 育 機 会 の 提 供 が も た ら す 長
academic Euro-regions
期 的 影 響 に つ い て も 同 様 に 考 察 す る 必 要 が あ る 。
そ の よ う な 地 域 レ ベ ル で の 相 互 作 用 に 関 す る 専 門 性 を 積 み あ げ る こ と に よ り 、 欧 州 連 合 が 緒 を つ け た 地 域 経 済 の
し て き て お り 、 運 営 委 員 会 や 専 門 家 審 査 会 に 関 わ る ば か り で な く 、 研 究 デ ー タ を 提 供 す る こ と も あ る 。
略 を 推 進 す る た め に 実 施 さ れ て き た こ と で あ る 。 高 等 教 育 機 関 は こ れ ら の 戦 略 の 審 査 と い う 面 で 主 要 な 役 割 を 果 た
と は 、 欧 州 地 域 開 発 基 金 規 則 第 一 〇 条 に 基 づ く 数 多 く の 資 金 提 供 事 業 が 革 新 や 情 報 社 会 化 と い っ た 分 野 で の 地 域 戦
◆ 高 等 教 育 機 関 は 自 ら の 地 域 へ の 影 響 力 や 地 域 と の 連 携 実 態 に つ い て 調 査 を 行 っ て き た か ?
地 域 高 等 教 育 シ ス テ ム の 影 響 力 評 価 と マ ッ ピ ン グ
核 機 能 ︵ 教 育 、 研 究 、 地 域 社 会 貢 献 ︶ す べ て に 関 わ る も の で あ る 。
た な 組 織 文 化 や メ カ ニ ズ ム の 創 造 、 f 新 し い 財 政 運 営 方 式 。 こ れ ら の 新 し い 経 営 方 策 は 、 高 等 教 育 機 関 の 三 つ の 中
に 関 し て 高 等 教 育 機 関 間 あ る い は 高 等 教 育 機 関 と 他 の 地 域 ス テ ー ク ホ ル ダ ー 間 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 促 進 す る 新
の で あ る 。 a 高 等 教 育 機 関 の 地 域 に 対 す る 影 響 力 の 把 握 、 s 地 域 と 連 携 す る う え で の 機 関 の 能 力 評 価 、 d 地 域 課 題
本 章 は 地 域 と 連 携 す る た め に 高 等 教 育 機 関 が 用 い る 多 く の 経 営 方 策 に 焦 点 を あ て る が 、 そ れ ら は 以 下 の よ う な も
外 部 環 境 に 対 応 す る に は 、 新 し い 方 法 で 高 等 教 育 機 関 を 誘 導 す る 経 営 上 の 仲 介 装 置 が 必 要 で あ る 。
て そ の 概 要 を 述 べ て き た が 、 こ う し た 問 題 に 何 ら か の 対 応 を し て い る 高 等 教 育 機 関 は ほ と ん ど な い 。 こ の 変 動 す る
グ ロ ー バ リ ゼ ー シ ョ ン 、 リ ー ジ ョ ナ リ ゼ ー シ ョ ン 、 ロ ー カ リ ゼ ー シ ョ ン 、 こ れ ら の ダ イ ナ ミ ッ ク ス の 影 響 に つ い
5 地 域 連 携 の た め の 大 学 経 営
50
れ で う る あ 問 評 。 る 題 価 が が が 、 あ 必 そ る 要 の 。 と 際 高 さ 、 等 れ 地 教 る 域 育 理 と 機 由 の 関 の 連 は 一 携 地 つ は 域 に 選 と 、 択 の な 的 結 ぜ で び 高 、 つ 等 的 き 教 を が 育 射 増 機 た せ 関 、 ば は 地 、 地 域 教 域 の 育 と 実 、 の 際 研 連 の 究 携 ニ 上 を ー の い ズ 評 っ に 判 そ 対 は う 応 下 強 し が 化 た る し も の よ の で う で は と あ な し る く て こ 、 い と 上 る が が の 求 る か め も と ら の い 51
信 す る と い う 点 で 自 ら の 意 識 を 高 め る こ と も 重 要 で あ る 。
な る 。 同 様 に 、 高 等 教 育 機 関 は ど の よ う な 活 動 を し 、 地 域 と ど の 程 度 の つ な が り を も っ て い る の か に つ い て 情 報 発
セ ス に 関 わ る 者 同 士 の 相 互 理 解 を 推 し 進 め 、 か つ 地 域 に お け る 高 等 教 育 機 関 の 活 動 に つ い て の 認 識 を 深 め る も の と
相 互 作 用 が 期 待 で き る 分 野 と そ う で な い 分 野 を そ れ ぞ れ 特 定 す る こ と に あ る 。 通 常 、 こ の プ ロ セ ス は 地 域 開 発 プ ロ
こ の 評 価 プ ロ セ ス の 目 的 は 高 等 教 育 機 関 と 他 の 地 域 パ ー ト ナ ー を ワ ー ク シ ョ ッ プ や セ ミ ナ ー を 通 じ て 結 び つ け 、
5 | 地域連携のための大学経営
り う る も の で あ る 。
が あ る 。 こ の よ う な 相 互 評 価 プ ロ セ ス は こ れ ま で ほ と ん ど 実 施 さ れ た こ と が な く 、 今 後 の 評 価 に と っ て 参 考 例 と な
プ を 設 置 す る こ と で あ る 。 加 え て 、 こ の プ ロ セ ス を 促 進 す る た め の 勧 告 機 能 を も っ た 先 導 的 な 組 織 も 置 か れ る 必 要
あ ら ゆ る 高 等 教 育 機 関 と 他 の 地 域 ス テ ー ク ホ ル ダ ー が 連 携 し 、 指 針 の 策 定 や 地 域 連 携 の 実 態 把 握 を 行 う 運 営 グ ル ー
価 す る プ ロ セ ス づ く り に 取 り 組 む 必 要 が あ る 。 そ の よ う な 評 価 プ ロ セ ス に と っ て 最 も 有 用 な フ ォ ー マ ッ ト は 地 域 の
こ と か ら す れ ば 、 高 等 教 育 機 関 は 他 の 地 域 ス テ ー ク ホ ル ダ ー と 連 携 し 、 地 域 に 対 し て も つ 広 範 な 影 響 力 や 役 割 を 評
地 域 レ ベ ル で は 、 高 等 教 育 機 関 の 地 域 開 発 に お け る 役 割 に つ い て 組 織 的 に 集 め ら れ た 情 報 は 不 足 し て い る 。 こ の
◆ 高 等 教 育 機 関 の 地 域 へ の 役 割 意 識 を 高 め る メ カ ニ ズ ム は 存 在 し て い る か ?
に ど の よ う に 配 布 さ れ て い る の か ?
◆ そ の よ う な 影 響 に 関 す る 報 告 書 は 高 等 教 育 機 関 と 地 域 双 方 を 啓 発 す る う え で ど の よ う に 活 用 さ れ 、 ま た 地 域
ミ ︵ 高 教 ッ 高 等 育 ク 等 教 機 育 ﹂ ︵ ︶ 教 機 関 の 育 な 機 関 存 も 関 も 在 の が 他 の ︶ か 地 の 効 な ら 域 地 用 も 、 に 域 を の ネ 対 ス 世 ま ッ し テ 間 で ト て ー 一 多 ワ も ク 般 ホ に 岐 ー つ ル 知 ク に わ の 影 ダ ら た 構 響 ー し る 築 は も め 。 、 収 高 る 影 技 入 等 と 響 能 の 教 い の 開 増 育 う 性 発 加 機 こ 格 、 や 関 と は さ 雇 を は 学 ら 用 地 比 問 に の 域 較 分 は 創 の 的 野 創 出 あ よ 構 造 、 ら く 成 性 物 ゆ あ る る 、 や 機 教 理 問 こ 関 育 的 題 と の 上 環 へ で 規 の 境 の あ 模 意 へ 万 る 、 欲 の 能 。 地 の 貢 薬 し 域 向 献 と か 次 上 と は し 元 と い 思 、 上 い っ っ 重 の っ た て 要 焦 た ﹁ い な 点 ﹁ 受 な こ な ダ 動 い と ど イ 的 。 に は の ナ ﹂ 、
い て は 、 地 域 イ メ ー ジ を 高 め た り 、 変 え た り す る た め に 、 あ る い は 人 口 流 入 を 促 し 、 転 出 を 抑 制 す る た め に 、 高 等
自 治 体 が 高 等 教 育 機 関 を 通 常 肯 定 的 な 影 響 を も つ も の と み な し て い る こ と は 明 ら か で あ る 。 特 に 地 方 や 過 疎 地 に お
つ ま り 仮 に 高 等 教 育 機 関 が な け れ ば 地 域 は ど う な る か 、 と い う 仮 説 を 設 定 す る こ と が 不 可 欠 で あ る 。 大 多 数 の 地 方
お く べ き こ と が あ る 。 こ れ ら の 影 響 を 測 定 す る 技 術 は 数 多 く あ る が 、 ﹁ 事 実 に 基 づ か な い 事 柄 ﹂ ︵
評 価 プ ロ セ ス が 必 要 と さ れ る 理 由 と し て 、 地 域 に お け る 高 等 教 育 機 関 の も つ さ ま ざ ま な 影 響 を 特 定 し 、 把 握 し ︶ て 、
counter-factual
要 因 で あ る 程 度 決 ま っ て く る 。 地 域 高 等 教 育 シ ス テ ム の 評 価 に 関 わ る 高 等 教 育 機 関 と 地 域 パ ー ト ナ ー は 以 下 の よ う
passive
機 関 の 進 化
な 検 討 課 題 を 抱 え て い る 。
dynamic
高 等 教 育 機 関 と 地 域 は 歴 史 的 に ど の よ う な 関 係 を も っ て き た の で あ ろ う か ? そ の 関 係 は ど の よ う に 発 展 し て き
機 能 的 な 、 ラ ン キ ン グ ベ ー ス の 教 育 ・ 研 究 評 価 を 補 完 す る も の と も な っ て い る 。
が な さ れ 、 批 評 的 で も あ り 、 関 係 大 学 に と っ て は 非 常 に 有 益 な も の と な っ て い る 。 ま た そ れ は 政 府 に よ る い っ そ う
大 学 の 自 己 評 価 を 指 導 し た フ ィ ン ラ ン ド 高 等 教 育 評 価 委 員 会 の そ れ が あ る 。 公 表 さ れ た 三 冊 の 報 告 書 は 十 分 な 検 討 52
大 学 が 地 域 に お け る 役 割 を 自 己 評 価 す る 際 の プ ロ セ ス の 一 例 と し て 、 近 年 参 考 に な る も の に フ ィ ン ラ ン ド 東 部 三
一 九 九 五 / 九 六 年 度 、 イ ギ リ ス 高 等 教 育 は イ ギ リ ス 全 労 働 力 の 三 % 以 上 を 占 め る 雇 用 を 生 み 出 し 、 そ れ に 53
高 等 教 育 は 今 や 農 業 の よ う な 伝 統 的 に 強 大 な 部 門 を し の ぐ 最 大 の 輸 出 産 業 と な っ て い る 。
お け る 拡 大 は 製 造 業 で の 大 規 模 な 雇 用 の 減 少 を 補 う う え で 特 に 重 要 な も の で あ ろ う 。 例 え ば 、 オ ー ス ト ラ リ ア で は 、
関 連 の 雇 用 は 拡 大 し て い く 可 能 性 が あ る 。 経 済 の 構 造 改 革 を 行 っ て い る 国 に と っ て は 、 そ の よ う な 高 等 教 育 部 門 に
純 増 と な る 。 地 域 雇 用 の 変 化 と の 関 連 で い え ば 、 製 造 業 や 農 業 の よ う な 部 門 が 縮 小 し て い る の に 対 し て 、 高 等 教 育
的 影 響 を も た ら し て い る と い え る 。 学 生 や 教 職 員 が 地 域 外 か ら 転 入 し て き た 場 合 に は 、 地 域 経 済 に と っ て は ま さ に
高 等 教 育 機 関 は 直 接 的 、 間 接 的 な 雇 用 の 創 出 、 教 職 員 や 学 生 の 消 費 支 出 を 通 じ て 、 地 域 に か な り の 直 接 的 な 経 済
5 | 地域連携のための大学経営
機 関 の 直 接 的 な 経 済 的 影 響
ル の 機 能 、 研 究 機 能 を 高 め て い く ケ ー ス が よ く み ら れ る 。
機 関 、 専 門 特 化 し た 機 関 、 主 と し て 教 育 を 行 う 機 関 、 地 域 を 重 視 す る 機 関 も 発 展 す る に つ れ て 、 い っ そ う 全 国 レ ベ
さ ま ざ ま な 発 展 段 階 に あ る 高 等 教 育 機 関 は 優 先 課 題 や 地 域 と の 関 わ り の 度 合 い も 多 様 で あ る 。 例 え ば 、 小 規 模 な
・ 地 域 次 元 上 の 焦 点
・ 教 育 機 能 と 研 究 機 能 の バ ラ ン ス
・ 地 域 な ら び に 全 国 レ ベ ル の 高 等 教 育 シ ス テ ム の な か で の 位 置 づ け
・ 学 部 構 成
・ 教 員 数 お よ び 学 生 数
た の で あ ろ う か ? 高 等 教 育 機 関 は 以 下 の 点 で ど の よ う に 進 化 を 遂 げ て き た の で あ ろ う か ?
表1 イギリスの高等教育機関の影響に関する研究から得た乗数値と雇用上の影響 大学(調査年) スターリング大学(1974) ヨークシャー・ハンバーサイド高等教育機関(1981) 東アングリア大学(1982) ブリストル・ポリテクニック(1982) コベントリー・ポリテクニック(1988) サウス・サンプトン大学(1991) リバプール・ジョン・ムーア大学(1993)
乗数値
雇用上の影響
1.24 ∼ 1.54 1.3 1.2 1.15 1.5 1.197 1.45
1,600 ∼3,100 55,600 2,857 ∼3,057 3,128 2,400 4,913 6,285
出典: Goddard et al.(1994)
地 域 経 済 開 発 へ の 貢 献
入 、 雇 用 上 多 大 な 影 響 が あ る こ と が 示 さ れ て い る 。
に 複 数 の イ ギ リ ス の 大 学 で 行 わ れ た 研 究 に よ る と 、 高 等 教 育 機 関 の 存 在 に よ っ て 収
ら は 高 等 教 育 機 関 の 影 響 調 査 の 分 析 枠 組 み と し て 活 用 可 能 な も の で あ る 。 こ れ ま で
に ど の 程 度 の 収 入 と 雇 用 が 創 出 さ れ た か を 強 調 す る た め に 実 施 さ れ て き た が 、 そ れ
な 出 発 点 と な っ て い る 。 こ の よ う な 研 究 は 高 等 教 育 機 関 が 存 在 す る 結 果 、 特 定 地 域
経 済 上 の 影 響 に 関 す る 研 究 は 高 等 教 育 機 関 の 地 域 へ の 影 響 を 調 査 す る う え で 有 用
値 は 一 ・ 五 前 後 と な っ て い る 。
し 、 こ れ ま で 実 施 さ れ た 高 等 教 育 機 関 の 影 響 に 関 す る 研 究 で は 、 ほ と ん ど の 場 合 、
地 域 の 規 模 、 リ ー ケ ー ジ ︵
︶ 、 税 率 等 に よ っ て 値 は さ ま ざ ま と な る 。 し か
が 生 じ る と い う 前 提 に 基 づ い て い る 。 乗 数 は こ れ ら の 支 出 の 連 続 か ら 計 算 さ れ る が 、
に 生 み 出 し 、 さ ら に そ の 支 出 に よ っ て 利 潤 を 得 た 者 が 支 出 を す る と い う 支 出 の 連 続
用 い て 測 定 し て き た 。 こ の 分 析 は 、 高 等 教 育 機 関 へ の 支 出 は 機 関 に よ る 支 出 を 地 域
直 接 的 な 経 済 上 の 影 響 に つ い て は 、 こ れ ま で 高 等 教 育 機 関 が ケ イ ン ズ 乗 数 分 析 を
よ る 総 生 産 高 は 四 三 〇 億 ポ ン ド を 超 え た ︵
McNicoll et al. 1997
地 域 開 発 に 対 し て 高 等 教 育 機 関 が も つ 影 響 に は こ れ ら 経 済 的 な も の に と ど ま ら ず 、
leakages
知 識 や 技 能 の 地 域 に お け る ス ト ッ ク と 結 び つ い た い っ そ う ダ イ ナ ミ ッ ク な も の も あ
︶ 。
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◆ 高 等 教 育 機 関 は 地 域 開 発 プ ロ セ ス と は 本 質 的 に 経 済 、 科 学 技 術 、 環 境 、 社 会 、 文 化 、 政 治 と い っ た 広 範 な 分 55
地 域 協 力 の た め の 能 力 構 築
地 方 や 周 辺 地 域 に と っ て は 盛 衰 に 関 わ る ほ ど 重 要 な も の で あ る 。
視 野 が 広 が る 。 こ の よ う に 高 等 教 育 機 関 は い っ そ う 広 範 な 経 済 的 、 社 会 的 、 文 化 的 な 世 界 へ の 入 口 と な り 、 そ れ は
環 が 発 生 す る 。 ま た 高 等 教 育 機 関 の 存 在 に よ り 、 維 持 さ れ る 芸 術 、 文 化 活 動 も あ り 、 そ れ ら の お か げ で 地 域 住 民 の
は 彼 ら が 逆 に 高 等 教 育 機 関 に 教 育 、 研 究 上 の 資 源 を 提 供 す る と い っ た よ う に 、 文 化 の 消 費 と 生 産 と の 間 に 成 長 の 循
力 を も っ て い る 。 高 等 教 育 機 関 が 芸 術 、 文 化 活 動 を 多 く の 観 衆 に 提 供 す る こ と に よ っ て 、 観 衆 の 質 が 高 ま り 、 今 度
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地 域 文 化 を 活 性 化 し 、 革 新 を 促 進 す る と い っ た 観 点 か ら し て も 、 高 等 教 育 機 関 と そ の 教 職 員 、 学 生 は 重 大 な 影 響
ダ ー の 養 成 、 f 地 域 組 織 へ の 客 観 的 な 知 識 の 供 給 、 g 地 域 の 活 性 化 と 地 域 へ の 対 内 投 資 で あ る 。
a メ デ ィ ア を 通 じ た 専 門 知 識 の 提 供 や 論 評 、 s 公 開 講 座 の 提 供 や 施 設 の 開 放 、 d 地 域 市 民 社 会 の た め の 中 心 的 リ ー
高 等 教 育 機 関 は 以 下 の よ う な 手 段 に よ っ て 、 い っ そ う 広 範 な 社 会 的 、 文 化 的 な 役 割 も 果 た し て い る 。 そ れ ら は 、
社 会 的 、 文 化 的 影 響
の 地 域 へ の 取 り 込 み 、 j 中 小 企 業 に 対 す る グ ロ ー バ ル 知 識 基 盤 へ の ア ク セ ス の 提 供 。
開 発 プ ロ グ ラ ム 、 g 地 域 住 民 の 技 能 と 教 育 水 準 の 向 上 、 h 特 定 の 訓 練 プ ロ グ ラ ム や 共 同 研 究 に よ る グ ロ ー バ ル 企 業
ら の 地 元 企 業 へ の 就 職 、 d 教 職 員 と 学 生 の 地 域 労 働 市 場 へ の 流 入 、 f 地 元 経 営 者 の 能 力 開 発 を 目 的 と し た 継 続 職 能
る 。 具 体 的 に は 以 下 の よ う な も の が あ げ ら れ る 。 a 企 業 へ の 技 術 移 転 、 s 地 域 外 か ら の 学 生 の 受 け 入 れ と 彼 ︵ 女 ︶
・ 資 金 援 助 基 盤 の 多 様 化
・ 運 営 中 枢 部 の 強 化
く が 特 定 さ れ て い る 。 そ れ ら は 以 下 の よ う な も の で あ る 。
︵
︶ 大 学 の 特 性 に 関 す る 近 年 の 事 例 研 究 に お い て 、 高 等 教 育 機 関 が 自 己 変 革 を 遂 げ た 際 の 手 法 の 多
地 域 間 関 係 の 伝 統 、 地 域 内 の 協 力 の 歴 史 な ど 、 数 多 く の 要 因 に よ っ て 影 響 を 受 け る 。 し か し な が ら 、 ﹁ 企 業 家 ﹂
く の 障 害 が 立 ち は だ か る こ と と な る 。 地 域 連 携 を 促 進 す る 能 力 や 意 欲 は 学 科 配 置 、 カ リ キ ュ ラ ム 、 高 等 教 育 機 関 ︱
た だ そ の よ う な 場 合 、 歴 史 が 長 く 、 比 較 的 威 信 の 高 い 大 学 な ど で は 、 地 域 と の 結 び つ き を 強 め る こ と に 対 し て 多
の た め の 学 外 担 当 部 局 を 立 ち 上 げ な け れ ば な ら な い 。
る 。 し か し 、 高 等 教 育 機 関 は 複 雑 で か つ 、 多 く の 場 合 、 地 域 に 根 ざ し て は い な い 組 織 で あ る た め 、 新 た に 地 域 連 携
テ ー ク ホ ル ダ ー と の 効 果 的 な 相 互 作 用 に は 、 高 等 教 育 機 関 の 組 織 文 化 と パ ー ト ナ ー の そ れ と が 近 い こ と が 前 提 と な
つ 特 性 は 変 動 す る 環 境 へ の 対 応 能 力 と い う 点 で は 、 他 の 組 織 の そ れ と は 異 質 で あ る 。 特 に 、 高 等 教 育 機 関 と 地 域 ス
管 理 運 営 モ デ ル は 地 域 と の 連 携 を 強 め る う え で は 効 果 的 で は な い と の 指 摘 が よ く な さ れ る 。 一 般 的 に 大 学 組 織 の も
要 と さ れ る 既 存 な ら び に 潜 在 的 な ﹁ 能 力 ﹂ ︵
capacity
・ 開 発 周 辺 組 織 ︵ 研 究 セ ン タ ー 、 サ イ エ ン ス パ ー ク な ど ︶ の 拡 張
entrepreneurial
・ 大 学 本 体 へ の 刺 激
︶ を 評 価 す る こ と が あ る 。 高 等 教 育 機 関 の も つ 伝 統 的 な 価 値 や
自 己 評 価 プ ロ セ ス の 重 要 な 要 素 と し て 、 地 域 の ス テ ー ク ホ ル ダ ー と 連 携 し 、 地 域 開 発 プ ロ セ ス に 関 わ る う え で 必
◆ 高 等 教 育 機 関 に 対 し 、 地 域 連 携 を 促 す 触 媒 は 内 在 的 か 、 そ れ と も 外 在 的 か ?
◆ 高 等 教 育 機 関 は 地 域 と の 連 携 を 成 功 さ せ る に 適 し た メ カ ニ ズ ム を も っ て い る か ?
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野 に わ た る も の で あ る と 理 解 し て い る か ?
し か し 、 変 化 へ の 障 害 も 過 小 評 価 す べ き で は な い 。 多 く の 比 較 的 規 模 が 大 き く 、 歴 史 も あ る 高 等 教 育 機 関 は 組 織
っ た 明 確 な イ ン セ ン テ ィ ブ や メ カ ニ ズ ム も 必 要 で あ る 。
視 点 が 組 み 入 れ ら れ 、 地 域 が 優 先 順 位 上 、 適 切 に 位 置 づ け ら れ る に は 、 内 部 の 意 思 決 定 に 外 部 団 体 が 参 加 す る と い
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効 率 的 で 効 果 的 な 経 営 プ ロ セ ス は 地 域 連 携 を 成 功 裏 に 進 め る う え で の 前 提 条 件 で あ る 。 加 え て 、 機 関 内 に 地 域 へ の
位 と 大 学 経 営 者 間 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の ﹁ 円 滑 化 ﹂ ︵
︶ 、 と い っ た 基 本 的 な 特 質 を 数 多 く も っ て い る 。
枢 部 に よ る 財 政 上 、 経 営 上 の 規 制 緩 和 や 分 権 、 s 既 存 の 組 織 と 同 等 的 立 場 に あ る 支 援 組 織 の 設 置 、 d 個 々 の 組 織 単
チ が 必 要 と さ れ る 。 地 域 に 対 し て 対 応 的 な 高 等 教 育 機 関 の 組 織 基 盤 は 、 a 簡 素 、 柔 軟 で 、 強 大 な 権 限 を も つ 経 営 中
的 ︵ 高 等 教 育 機 関 ︶ 、 で 特 に あ 比 る 較 ︵ 的 長 い 歴 史 を ︶ も 。 そ つ れ 大 ゆ 学 え に 、 お 地 け 域 る へ 変 の 革 対 プ 応 ロ 能 セ 力 ス を は 育 本 む 質 に 的 は に 長 相 期 互 に 作 わ 用 た 的 る ︵ 多 面 的 な ア ︶ プ 、 ロ 漸 ー 進
通 じ て 、 高 等 教 育 機 関 が 企 業 家 的 、 対 応 的 な 方 向 に 変 革 を 遂 げ た こ と が 明 ら か と な る 。
︶ が 含 ま れ て い な い 。 し か し 、 事 例 研 究 に 注 意 深 く 目 を 通 す な ら ば 、 周 辺 環 境 と の 相 互 作 用 の 拡 大 を
興 味 深 い こ と に 、 こ こ で は 自 己 変 革 を 遂 げ た 高 等 教 育 機 関 の も つ 特 性 の 一 つ に ﹁ 地 域 連 携 ﹂ ︵ regional
そ の も の の 反 応 が 鈍 く 、 新 し い も の に 実 験 的 に 取 り 組 む 能 力 も 欠 け て お り 、 地 域 ニ ー ズ へ の 対 応 も 他 の 機 関 と 比 べ
engagement
遅 い 。 ま た 高 等 教 育 機 関 内 の 活 動 は 大 多 数 が 学 問 分 野 ベ ー ス で あ る の に 対 し て 、 地 域 の 機 会 は 多 く が 学 際 的 な 教 育
interactive
や 研 究 を 要 求 す る も の で あ る 。 そ れ ゆ え 学 科 の 再 編 や 新 し い 学 際 的 な 組 織 も 必 要 と さ れ よ う 。 地 域 連 携 に 向 け て の
Clark 1998
能 力 構 築 と い う 点 で は 、 そ の よ う な メ カ ニ ズ ム 以 上 に 、 機 関 の 価 値 観 や 社 会 構 造 と い っ た 機 関 の 直 接 的 に は 把 握 が
incremental
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容 易 で は な い 部 分 を 変 革 す る こ と も 重 要 と な る 。
short-lines
要 す る に 、 高 等 教 育 機 関 を 地 域 開 発 に さ ら に い っ そ う 取 り 込 む た め に は 、 機 関 レ ベ ル 、 地 域 レ ベ ル ど ち ら に お い
・ 新 し い 組 織 理 念
︶ の 設 立 の 際 に 明 記 さ れ た 。 こ の ト ゥ エ ン テ 大 学 企 業 家 セ ン タ ー は 研 究 セ ン タ ー 、
こ の 理 念 は 大 学 内 の 企 業 家 活 動 を 統 合 す る ト ゥ エ ン テ 大 学 企 業 家 セ ン タ ー ︵
UTEC : University of Twente
訓 練 セ ン タ ー 、 教 育 セ ン タ ー 、 な ら び に 技 術 移 転 セ ン タ ー か ら 構 成 さ れ て い る 。 大 学 に と っ て は 目 新 し い こ
Entrepreneurship Centre
の 企 業 家 的 理 念 は リ ス ク を 冒 す こ と へ の 態 度 と い っ た 点 で 新 し い 組 織 文 化 を 生 み 出 し た 。
オ ラ ン ダ の ト ゥ エ ン テ 大 学 は 一 九 八 〇 年 代 に 自 ら を ﹁ 企 業 家 大 学 ﹂ と 位 置 づ け 、 戦 略 的 な 施 策 を 実 行 し た 。
な 理 念 を 生 み 出 し 、 そ の 理 念 を 通 じ て 全 学 的 に 地 域 と 連 携 で き る よ う な 体 制 を 整 備 し て き た 。
組 織 内 に 根 づ い た 慣 習 が 地 域 連 携 の 促 進 の 妨 げ と な ら な い よ う 、 高 等 教 育 機 関 の 多 く は 機 関 全 体 を 包 括 す る 新 た
よ う な 願 望 を 共 有 し て い る と は 限 ら な い 。
究 面 で 地 元 企 業 や 自 治 体 と の 協 力 関 係 を 強 化 し た い と 願 う 者 も 多 い で あ ろ う が 、 学 科 レ ベ ル の 教 員 は 必 ず し も そ の
も つ 偏 狭 さ 、 新 奇 さ 、 非 洗 練 性 と い っ た 点 な ど か ら 多 大 な 文 化 的 障 害 に 直 面 す る 。 上 級 管 理 者 の な か に は 教 育 や 研
る か ど う か に か か っ て い る 。 高 等 教 育 機 関 内 で 地 域 と の 連 携 を い っ そ う 強 化 す る 方 針 を た て る 場 合 に は 、 地 域 性 が
高 等 教 育 機 関 が 地 域 ニ ー ズ を 充 足 で き る か ど う か は 新 し い 責 務 を 取 り 入 れ 、 そ れ を 内 部 に 根 づ か せ る こ と が で き
新 し い 組 織 文 化 の 創 造
者 ︶ が お 互 い の 役 割 と 地 域 連 携 を 促 進 、 抑 制 す る 要 因 を 理 解 す る こ と が 鍵 と な る 。
ホ ル ダ ー ︵ 教 育 訓 練 提 供 者 、 企 業 や 経 済 団 体 、 労 働 組 合 、 経 済 開 発 お よ び 労 働 市 場 の 担 当 部 局 、 個 々 の 教 員 や 学 習 58
て も ト ッ プ ・ ダ ウ ン に よ る 計 画 メ カ ニ ズ ム だ け で は 十 分 で は な く 、 地 域 開 発 プ ロ セ ス に 関 わ る さ ま ざ ま な ス テ ー ク
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の は 何 か ? 大 学 内 の 誰 が 地 域 に 関 わ る 意 思 決 定 の 責 任 者 と な っ て い る の か ?
◆ ◆ 地 か 地 域 ? 域 ニ の ー ス ズ テ に ー 対 ク 応 ホ す ル る ダ う ー え と で 高 、 等 大 教 学 育 内 機 の 関 リ ︵ ー 上 ダ 級 ー 管 シ 理 ッ 者 プ 、 と 委 経 員 営 会 中 な 枢 ど 部 ︶ は の ど 間 の で 程 主 度 要 変 な 革 対 さ 話 れ 経 て 路 き と た な の っ で て あ い ろ る う も
大 学 ︱ 地 域 連 携 促 進 に 向 け て の メ カ ニ ズ ム
は そ の や り 方 に 魅 力 を 感 じ た 。 地 場 を 含 め た 企 業 と の 密 接 な 連 携 は 将 来 構 想 の な か で 中 心 テ ー マ と な っ た 。
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学 で は 教 育 と 学 習 は 当 初 か ら 研 究 主 導 で あ っ た が 、 伝 統 的 な 大 学 の も つ 慣 習 に 縛 ら れ る こ と も 多 か っ た 教 員
大 学 の 性 格 に つ い て 決 定 で き る ほ ど 多 大 な 自 治 権 を も っ て い た と い う 点 で ユ ニ ー ク で あ っ た 。 ウ ォ リ ッ ク 大
の 一 つ と し て 一 九 六 五 年 に 設 立 さ れ た 。 こ の 大 学 に は 設 立 時 か ら プ ラ ン と い う よ う な も の は な く 、 教 授 陣 が
イ ン グ ラ ン ド 中 西 部 に あ る ウ ォ リ ッ ク 大 学 は あ る 程 度 自 ら の イ メ ー ジ を 創 造 す る こ と が 認 め ら れ た 新 大 学
地 元 企 業 と の 連 携 強 化 に 積 極 的 と い う イ メ ー ジ を 発 信 す る た め に こ の 理 念 を 活 用 し て い る 。
生 か し て い く と 同 時 に 、 大 学 に 新 た な 統 合 ア イ デ ン テ ィ テ ィ を 与 え る も の で あ る 。 ス ト ラ ス ク ラ イ ド 大 学 は
ー ズ と し て 採 用 し て い る 。 こ の 理 念 は 実 践 的 で 地 元 地 域 に と っ て も 有 用 な 機 関 と し て の 長 年 に わ た る 強 み を
ス コ ッ ト ラ ン ド の ス ト ラ ス ク ラ イ ド 大 学 は ﹁ 有 用 な 学 習 の 場 ﹂ ︵
a place of useful learning
◆ 特 に 資 金 援 助 の 問 題 と 関 連 し て 、 大 学 内 に は 地 域 活 動 を 調 整 す る ど の よ う な メ カ ニ ズ ム が 存 在 す る の か ?
︶ を キ ャ ッ チ フ レ
力 が 発 揮 で き な い と こ ろ に あ る 。 数 多 く の 委 員 会 を 抱 え る 構 造 が 特 に そ の 原 因 で あ る が 、 多 く の 国 で 大 学 経 営 は 明
多 く の 高 等 教 育 機 関 が 直 面 し て い る 問 題 は 、 経 営 が 分 散 し 、 開 か れ た 組 織 形 態 と な っ て い る が ゆ え に 強 力 な 指 導
経 営 中 枢 部 の 役 割
に こ れ ま で 導 入 さ れ て き た さ ま ざ ま な メ カ ニ ズ ム に つ い て 吟 味 す る 。
す る こ と も 必 要 で あ る 。 さ ら に は 、 優 れ た 実 践 例 が 大 学 中 に 広 ま る 工 夫 も 欠 か せ な い 。 続 い て は 、 高 等 教 育 機 関 内
面 し て い る 課 題 で あ る 。 ま た 高 等 教 育 機 関 の 地 域 連 携 を 、 定 期 的 に 報 道 す る 地 元 メ デ ィ ア を 含 め た 対 話 経 路 を 創 設
に 関 す る 情 報 が 学 内 の 階 層 間 を 上 下 双 方 に 流 れ る よ う な メ カ ニ ズ ム を 生 み 出 す こ と は 、 大 多 数 の 高 等 教 育 機 関 が 直
学 長 、 理 事 長 、 学 長 ︶ の み が そ の 任 に あ た っ て お り 、 大 学 の 本 流 部 分 、 特 に 学 科 レ ベ ル に は 権 限 は な い 。 地 域 連 携
ざ ま な 内 部 メ カ ニ ズ ム が こ れ ま で 設 置 さ れ て き た 。 だ が 、 多 く の 場 合 、 地 域 連 携 に 関 し て は 少 数 の 上 級 管 理 者 ︵ 副
会 、 学 科 長 会 議 、 電 子 討 議 リ ス ト 、 特 別 委 員 会 、 上 級 管 理 者 チ ー ム ・ ミ ー テ ィ ン グ な ど 、 地 域 活 動 を 調 整 す る さ ま
し 、 機 関 計 画 の な か で こ の 課 題 に 与 え ら れ て い る 優 先 順 位 は 多 種 多 様 な も の と な っ て い る 。 確 か に 方 針 ・ 資 源 審 議
多 く の 高 等 教 育 機 関 が 、 地 域 と の 関 係 を 多 少 な り と も 重 要 な も の と 考 え て い る こ と は ほ と ん ど 疑 い が な い 。 し か
与 え ら れ る べ き か ?
◆ 地 域 担 当 者 に 対 し て ど の よ う な 教 育 訓 練 が な さ れ る べ き か ? 教 職 員 の 地 域 連 携 に 対 し 、 ど の よ う な 報 酬 が
◆ 高 等 教 育 機 関 の ス タ ッ フ 開 発 方 針 の な か に 地 域 の 特 性 を ど の よ う に 組 み 込 む か ?
う え で 新 し い 科 学 技 術 を ど の よ う に 活 用 し て い る の か ?
◆ 高 等 教 育 機 関 は ど の よ う に 地 域 の 情 報 通 信 技 術 ︵ I C T ︶ 基 盤 に 対 応 し 、 ま た 自 ら の 経 営 構 造 を 再 構 築 す る 60
地 域 に 関 わ る 権 限 を も つ ど の よ う な 地 位 / 役 職 が 新 た に 創 設 さ れ た の か ?
役 職 を 削 減 し 、 大 学 職 員 の 地 位 を 一 元 化 し た こ と に よ っ て 強 化 さ れ た 。
価 値 と 学 術 的 価 値 双 方 を 大 学 経 営 に 活 か す た め の フ ォ ー ラ ム を 開 催 し て い る 。 こ の 構 造 は 総 務 課 と 経 理 課 の
を 創 設 し 、 そ こ に 約 一 〇 人 の メ ン バ ー ︵ 五 人 の 学 部 長 、 五 人 の 上 級 管 理 者 ︶ を 置 い た 。 こ の U M G は 経 営 的
さ れ た 。 大 学 は 理 事 会 と 役 員 会 双 方 か ら 独 立 す る 大 学 経 営 グ ル ー プ ︵
︶
を 決 定 し て い た 。 そ こ で 委 員 会 の 数 を 大 幅 に 減 ら す こ と に よ り 、 こ の 非 効 率 性 を 改 善 し よ う と す る 試 み が な
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関 は 二 〇 人 の メ ン バ ー か ら な る 大 学 計 画 委 員 会 で あ る が 、 実 際 に は 五 〇 を 超 え る 中 央 委 員 会 が 大 学 の 方 向 性
ス コ ッ ト ラ ン ド の ス ト ラ ス ク ラ イ ド 大 学 は 中 枢 経 営 組 織 を も た な い こ と が そ の 特 徴 で 、 最 大 の 意 思 決 定 機
︶ と い う も の が あ る ︵
Clark 1998
イ ギ リ ス の ウ ォ リ ッ ク 大 学 は そ の 管 理 上 の 中 枢 を 強 化 し 、 集 権 化 す る と 同 時 に 、 学 科 レ ベ ル と の 間 に は い
が 容 易 に 意 思 疎 通 の で き る ﹁ 集 権 化 さ れ た 分 権 化 ﹂ ︵
centralised decentralisation
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っ そ う 直 接 的 な 関 係 を 敷 い た 。 多 く の 中 核 的 な 運 営 委 員 会 に は 中 間 的 な 教 員 組 織 を 通 さ ず 、 個 々 の 教 員 と 上
UMG : University Management Group
級 管 理 者 双 方 が 参 加 し て い る 。 学 部 や 学 部 長 レ ベ ル の 層 は な く 、 学 科 と 管 理 中 枢 の 間 に は い か な る 経 営 構 造
多 く の 高 等 教 育 機 関 は 変 動 す る 外 部 環 境 と 地 域 ニ ー ズ に 対 応 す る た め に 中 枢 経 営 組 織 を 変 革 し よ う と し て い る 。
︶ 。
高 等 教 育 機 関 経 営 の 面 で 近 年 導 入 さ れ て き て い る モ デ ル の な か に 、 強 力 な 中 枢 部 を も ち 、 そ の 中 枢 部 と 学 科 単 位
変 え よ う と す る あ ら ゆ る 試 み は 、 よ り 同 僚 的 で 自 律 的 な 大 学 の リ ー ダ ー シ ッ プ の あ り 方 と 対 立 す る こ と と な る 。
な 変 革 は 、 新 し い 経 営 的 / 企 業 家 的 価 値 と 伝 統 的 な 学 術 的 価 値 間 の 藤 を 伴 う 。 高 等 教 育 機 関 内 の 経 営 上 の 慣 習 を
り 小 さ な 中 枢 管 理 部 門 を 創 設 す る こ と は 、 地 域 連 携 を 促 進 す る う え で 重 要 な 要 素 で あ る 。 し か し な が ら 、 そ の よ う
ら か に 非 効 率 的 で あ り 、 イ ギ リ ス で も ジ ャ レ ッ ト 報 告 ︵ 一 九 八 五 ︶ に よ っ て そ の 問 題 は 特 に 強 調 さ れ た 。 強 力 で よ
オ フ ィ ス を 設 置 し た 。 こ の オ フ ィ ス は 地 域 社 会 で の 学 生 プ ロ ジ ェ ク ト 活 動 の 調 整 、 高 等 教 育 へ の ア ク セ ス の
北 イ ン グ ラ ン ド の シ ェ フ ィ ー ル ド 大 学 は 大 学 を 利 用 し た い と 希 望 す る あ ら ゆ る 人 へ の 案 内 施 設 と し て 地 域
訪 れ た 人 が 機 関 内 の 他 の 関 連 活 動 に つ い て も 知 る 可 能 性 が 出 て く る 。
対 す る ア ク セ ス や 情 報 を 総 合 的 に 提 供 し て い る 。 ま た エ ン ト リ ・ ポ イ ン ト が 設 置 さ れ る こ と に よ っ て 、 情 報 収 集 に
学 習 機 会 、 学 術 な ら び に 社 会 、 文 化 イ ベ ン ト と い っ た 高 等 教 育 機 関 の 三 つ の 役 割 ︵ 教 育 、 研 究 、 地 域 社 会 貢 献 ︶ に
エ ン ト リ ・ ポ イ ン ト ・ メ カ ニ ズ ム は そ の 数 も 増 え て き て お り 、 研 究 開 発 、 ビ ジ ネ ス ・ サ ー ビ ス 、 学 生 ボ ラ ン テ ィ ア 、
う と い う 点 で 貢 献 で き る も の で あ る 。 こ れ ら の 新 し い 役 割 、 職 務 は 多 く の 場 合 、 新 た な 資 金 源 と 結 び つ い て い る 。
ざ ま な 形 態 を と っ て い る が 、 そ れ ら ど れ も が 発 展 を 遂 げ て お り 、 地 域 ニ ー ズ を 満 た し 、 機 関 と し て の 対 応 能 力 を 培
こ れ ら は 地 域 オ フ ィ ス 、 シ テ ィ ・ オ フ ィ ス 、 研 究 開 発 オ フ ィ ス 、 国 際 オ フ ィ ス 、 外 部 リ エ ゾ ン ・ オ フ ィ ス な ど さ ま
印 象 の 問 題 は 、 エ ン ト リ ・ ポ イ ン ト あ る い は フ ロ ン ト ・ ド ア ・ メ カ ニ ズ ム を も つ こ と に よ っ て 解 決 可 能 で あ る 。
鎖 的 、 密 室 的 で あ る と の 印 象 を 一 掃 す る こ と に も つ な が る 。
の 間 を 橋 渡 す 水 平 志 向 的 な も の で あ り 、 高 等 教 育 機 関 が 地 域 の 文 脈 で 直 面 す る 最 も 困 難 な 問 題 の 一 つ 、 す な わ ち 閉
に な る た め の 、 ま さ に 鍵 と な る 要 素 で あ る 。 そ の よ う な メ カ ニ ズ ム は 高 等 教 育 機 関 の 伝 統 的 構 造 で あ る 垂 直 的 階 層
高 等 教 育 機 関 と 外 部 環 境 と を 結 ぶ 内 部 メ カ ニ ズ ム を 数 多 く 設 置 す る こ と は 、 地 域 に 対 し て 対 応 的 な 高 等 教 育 機 関
地 域 連 携 の た め の 内 部 メ カ ニ ズ ム
構 造 は 今 や 困 難 に 直 面 し て き て い る 。
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も 存 在 し て い な い 。 し か し な が ら 、 大 学 が 大 規 模 化 し 、 い っ そ う 複 雑 化 す る に つ れ て 、 こ の 中 央 集 権 的 経 営
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や 貧 困 コ ミ ュ ニ テ ィ の 問 題 に 取 り く む た め の 地 域 社 会 と の 連 携 。 d さ ま ざ ま な 施 設 や サ ー ビ ス を 通 じ た 地 元
セ ス を 拡 大 し た り 、 学 生 を メ ン タ ー と し て 活 用 す る た め の 地 元 の 学 校 や カ レ ッ ジ と の 連 携 。 s 非 伝 統 的 学 生
て 市 ・ 地 域 オ フ ィ ス を 設 置 し た 。 オ フ ィ ス の 共 同 連 携 は 以 下 の よ う な 分 野 に わ た っ て い る 。 a 大 学 へ の ア ク
北 イ ン グ ラ ン ド の リ ー ズ 大 学 は 大 学 が 市 や 地 域 に 対 し 、 最 大 限 の 貢 献 を す る た め の 中 心 的 な メ カ ニ ズ ム と し
進 が あ る 。
域 団 体 と 連 携 し て い る 。 セ ン タ ー の 重 要 な 職 務 の 一 つ に は 、 東 西 関 係 論 や ロ シ ア と の 共 同 プ ロ ジ ェ ク ト の 推
る 科 学 技 術 専 門 学 校 ︵
polytechnics
企 業 へ の 支 援 。 f 学 生 が 地 域 ベ ー ス の プ ロ ジ ェ ク ト 事 業 を 実 行 す る 際 の 枠 組 み と な る 学 生 プ ロ ジ ェ ク ト に 関
︶ で あ る A M K 機 関 や 地 場 企 業 、 さ ら に は 地 方 公 共 団 体 と い っ た 多 様 な 地
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運 営 に 関 わ る コ ー ス を 通 じ た 労 働 市 場 訓 練 、 d 地 域 開 発 事 業 お よ び プ ロ ジ ェ ク ト の 調 整 。 セ ン タ ー は い わ ゆ
の 課 程 、 s 特 別 仕 立 て の 専 門 職 業 教 育 や 、 リ ー ダ ー シ ッ プ 訓 練 プ ロ グ ラ ム 、 M B A プ ロ グ ラ ム と い っ た 管 理
下 の よ う な 数 多 く の 事 業 を 実 施 し て い る 。 a 農 村 コ ミ ュ ニ テ ィ を 主 要 対 象 と し た 継 続 ・ 成 人 教 育 や 放 送 大 学
整 役 を 果 た し て い る と 同 時 に 、 地 域 開 発 プ ロ ジ ェ ク ト の 仲 介 役 と し て の 職 責 も 果 た し て い る 。 セ ン タ ー は 以
東 フ ィ ン ラ ン ド で は 各 大 学 の 継 続 教 育 セ ン タ ー が ビ ジ ネ ス 関 連 の 教 育 事 業 を 含 め 、 地 域 住 民 へ の 教 育 の 調
経 済 の リ ス ト ラ へ の 対 応 と い う 観 点 か ら 、 地 域 社 会 と よ り 強 固 な 関 係 を 構 築 し よ う と い う 試 み で も あ る 。
域 に 対 し て 責 任 を 負 う と い う 明 確 な 意 思 表 示 で あ る 。 ま た そ れ は 特 に 南 ヨ ー ク シ ャ ー 地 域 が 直 面 す る 深 刻 な
市 の 経 済 ・ 社 会 再 生 計 画 を 策 定 し た 市 リ エ ゾ ン ・ グ ル ー プ の 設 立 に も 関 わ っ た 。 地 域 オ フ ィ ス は 、 大 学 は 地
問 題 、 さ ら に は 材 料 科 学 、 医 療 、 環 境 と い っ た 分 野 の 企 業 ネ ッ ト ワ ー ク の 運 営 に も 取 り 組 ん で い る 。 大 学 は
電 子 メ ー ル や イ ン タ ー ネ ッ ト 資 源 の よ う な 新 し い 科 学 技 術 も あ る が 、 印 刷 や 視 覚 メ デ ィ ア 、 ラ ジ オ と い っ た よ り 伝
こ れ ま で さ ま ざ ま な 媒 体 が 地 域 社 会 に 対 し 、 高 等 教 育 機 関 の 地 域 的 役 割 に つ い て 伝 え て き た 。 こ れ ら の な か に は
ら れ た 。
こ の 財 団 は 、 オ ラ ン ダ で は 法 律 に よ っ て 大 学 自 ら が 企 業 家 活 動 に 関 わ る こ と が 制 限 さ れ て い る こ と か ら つ く
い る 。 ま た 大 学 は 企 業 家 活 動 を 大 学 中 に 拡 げ る た め に 民 間 財 団 と し て ト ゥ エ ン テ 大 学 エ キ ス ト ラ を 設 立 し た 。
み が 成 功 を 収 め た こ と か ら 、 リ エ ゾ ン ・ グ ル ー プ の 範 囲 は 単 な る 地 域 的 な も の か ら 全 国 的 な も の へ 広 が っ て
く プ ロ ジ ェ ク ト な ど 、 大 学 に お け る 企 業 家 活 動 を 調 整 し て い る 。 し か し な が ら 、 こ れ ら の さ ま ざ ま な 取 り 組
り 、 ま た 契 約 研 究 、 継 続 職 能 開 発 ︵ C P D ︶ 、 ビ ジ ネ ス 開 発 、 新 し い 革 新 的 な 事 業 、 そ の 他 地 域 開 発 と 結 び つ
そ の 役 割 を 果 た し て い る 。 リ エ ゾ ン ・ グ ル ー プ は 地 域 メ ン バ ー か ら な る 助 言 グ ル ー プ に よ る 支 援 を 受 け て お
し 役 と し て 、 さ ら に は 民 間 企 業 や 公 共 部 門 向 け の 教 育 訓 練 に 関 す る 大 学 側 の ﹁ 対 応 窓 口 ﹂ ︵
︶ と し て 、
核 と な る 調 整 組 織 と し て 設 立 さ れ た 。 リ エ ゾ ン ・ グ ル ー プ は 企 業 の ニ ー ズ と 大 学 の 研 究 成 果 間 の 有 効 な 橋 渡
リ エ ゾ ン ・ グ ル ー プ ︵
︶ は 一 九 九 六 年 に オ ラ ン ダ の ト ゥ エ ン テ 大 学 に 技 術 移 転 の た め の
す る 市 ・ 地 域 連 携 構 想 ︵
CRISP: City and Regional Initiative on Student Projects
統 的 な コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ・ チ ャ ン ネ ル も 含 ま れ る 。 そ の よ う な 事 業 は 当 初 は 小 規 模 の 場 合 も 多 い が 、 多 く は 成 長
gateway
し 、 商 業 原 理 に 基 づ き 、 対 象 地 域 を 広 域 化 し て き た 。 学 生 ラ ジ オ も 放 送 メ デ ィ ア の 教 育 手 段 と し て 、 ま た 文 化 産 業
LG : Liaison Group
に お け る キ ャ リ ア へ の 中 間 的 な 一 歩 と し て 機 能 し て い る 。
︶ 。
64
下 の よ う な 点 で 中 心 的 な 役 割 を 果 た す こ と が 可 能 で あ る 。
65
が 向 上 す る こ と も 十 分 考 え ら れ る 。 高 等 教 育 機 関 は こ の よ う な 地 域 情 報 通 信 技 術 ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築 に 向 け て 、 以
I C T s は 地 域 ネ ッ ト ワ ー ク を 強 化 す る た め に 活 用 さ れ て お り 、 そ の ネ ッ ト ワ ー ク に よ り 地 域 開 発 プ ロ セ ス の 質
合 が 多 い が 、 特 に 地 域 レ ベ ル で は バ ー チ ャ ル 社 会 の 発 展 に 向 け て 重 要 な 識 見 を 与 え る こ と も で き る 。
れ 自 体 も 高 等 教 育 機 関 が 機 能 す る よ う な 形 に 修 正 さ れ て き て い る 。 高 等 教 育 機 関 は 科 学 技 術 開 発 の 最 前 線 と な る 場
献 し て も い る 。 特 に 、 新 た な 科 学 技 術 構 想 は 高 等 教 育 機 関 を 社 会 機 関 と し て 変 革 し て い る が 、 そ の 一 方 で 、 構 想 そ
る 考 察 は 避 け て 通 れ な い 。 I C T s は 高 等 教 育 機 関 の な か で 開 発 さ れ て い る が 、 逆 に 高 等 教 育 の 再 構 築 に 対 し て 貢
高 等 教 育 機 関 の 変 革 に 関 す る 議 論 は 高 ま り を み せ て い る が 、 そ の な か で 情 報 通 信 技 術 ︵ I C T s ︶ の 影 響 に 関 わ
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地 域 の 情 報 通 信 技 術 基 盤
し 、 学 生 の み な ら ず 、 学 外 者 も そ れ ら に 参 加 し て い る 。
文 化 活 動 、 特 に ダ ン ス と 音 楽 に 関 わ る 活 動 を 主 催 す る 中 心 メ ン バ ー で あ り 、 さ ま ざ ま な 音 楽 イ ベ ン ト を 開 催
た 。 そ の 後 、 そ の ラ ジ オ 局 は 発 展 を 遂 げ 、 大 学 か ら 独 立 し 、 地 域 の ラ ジ オ 局 と な っ た 。 ア イ ス F M は 地 域 の
イ ン グ ラ ン ド 北 部 の ニ ュ ー カ ッ ス ル 大 学 は 一 九 九 四 年 に ア イ ス F M と い う ラ ジ オ 局 を キ ャ ン パ ス に 設 置 し
供 す る 役 割 も 負 っ て い る 。 ま た 雇 用 支 援 、 職 業 斡 旋 、 国 際 化 に 向 け て の 手 段 と し て も 活 用 さ れ て い る 。
オ ・ カ ン テ ィ は 機 関 間 、 機 関 内 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 促 進 す る こ と に 加 え て 、 放 送 活 動 に 関 わ る 教 育 を 提
ラ ジ オ 局 は ク オ ピ オ 大 学 に 置 か れ 、 フ ィ ン ラ ン ド 放 送 協 会 に よ っ て 放 送 免 許 も 交 付 さ れ て い る 。 こ の ラ ジ
東 フ ィ ン ラ ン ド で は 三 つ の 地 域 大 学 と そ の 他 の 教 育 機 関 が 共 同 で ラ ジ オ ・ カ ン テ ィ を 経 営 し て い る 。 そ の
関 の も つ 教 育 ・ 研 究 施 設 へ の ア ク セ ス を 拡 大 で き る か ど う か に か か っ て い る 。 M A N s 内 の 技 術 発 展 の 多 く は め ざ
切 で あ る 。 M A N s の よ う な 技 術 基 盤 が 地 域 開 発 に 貢 献 で き る か ど う か は そ れ へ の ア ク セ ス 、 特 に 地 域 高 等 教 育 機
可 能 に な っ て き た 。 重 複 を 避 け る た め に 、 地 域 の ス テ ー ク ホ ル ダ ー が 共 同 で 地 域 の I C T 基 盤 を 整 備 す る こ と が 大
し 、 継 続 教 育 機 関 や 学 校 、 さ ら に は 企 業 、 個 人 ユ ー ザ ー に ま で ア ク セ ス が 拡 大 す る に つ れ て 、 地 域 社 会 と の 連 携 も
M A N s は 主 と し て 高 等 教 育 機 関 間 の 地 域 的 な パ ー ト ナ ー シ ッ プ を 促 進 す る こ と が そ の 目 的 と な っ て い る 。 し か
な ど へ の 理 解 、 信 頼 を 高 め て も い る 。
軟 な 生 涯 学 習 機 会 を 提 供 し 、 遠 隔 地 に お け る 学 習 を も 支 援 で き る こ と か ら 、 ﹁ バ ー チ ャ ル 大 学 ﹂ ︵
virtual university
ま し い も の で あ る が 、 そ れ に よ る 利 益 が 学 術 お よ び 研 究 コ ミ ュ ニ テ ィ の な か に と ど ま っ て し ま う 恐 れ は あ る 。
︶
送 、 遠 隔 地 施 設 へ の ア ク セ ス 、 ビ デ オ と い っ た 革 新 的 な ア プ リ ケ ー シ ョ ン の 提 供 が 可 能 と な る 。 ま た M A N s は 柔
バ ン ド 容 量 ︵ 通 常 三 四 M b p s 、 一 五 五 M b p s も 増 加 中 ︶ の 設 備 基 盤 を も つ こ と か ら 、 遠 隔 学 習 、 高 品 質 の 画 像 転
ア ・ ネ ッ ト ワ ー ク ︵ M A N s ︶ の 創 設 に 深 く 関 わ っ て い る 。 M A N s は 高 等 教 育 機 関 内 に 置 か れ て お り 、 ブ ロ ー ド
例 え ば 、 一 部 の 高 等 教 育 機 関 は 特 定 地 域 内 の 教 育 機 関 と 他 の ス テ ー ク ホ ル ダ ー と を 結 ぶ メ ト ロ ポ リ タ ン ・ エ リ
こ と が で き る の で あ る 。
こ の よ う に そ の 本 来 も つ 性 質 か ら 、 高 等 教 育 機 関 は 地 域 レ ベ ル で 情 報 社 会 の 進 展 に 向 け て 中 心 的 な 役 割 を 果 た す
4 新 し い 科 学 技 術 導 入 の 意 義 に 関 す る 議 論 を 促 進 す る 中 立 的 な 仲 介 者 と な り え る 。
バ ー チ ャ ル ・ キ ャ ン パ ス 上 の マ ル チ メ デ ィ ア 課 程 と い っ た サ ー ビ ス を 提 供 で き る 。
3 地 域 情 報 シ ス テ ム 開 発 の 一 員 と し て 、 ビ デ オ 会 議 、 コ ン ピ ュ ー タ ー ・ ア ー カ イ ブ や デ ー タ バ ン ク 、 さ ら に は
2 I C T s 戦 略 の 実 現 に 関 わ る 技 術 ス タ ッ フ を 提 供 で き る 。
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1 地 域 の 学 術 コ ミ ュ ニ テ ィ 間 を 結 ぶ 高 度 な 科 学 技 術 基 盤 を 整 備 、 充 実 さ せ る こ と に 寄 与 で き る 。
待 さ れ て い る 。
︵ 例 え ば 、 在 宅 勤 務 、 遠 隔 学 習 ︶ を 促 す こ と で あ る 。 ま た サ ー ビ ス の 提 供 対 象 が 将 来 的 に 非 学 術 組 織 に ま で 広
の 高 い 方 法 に よ り 組 織 間 で 共 有 さ れ 、 か つ 僻 地 の 施 設 に ま で そ の 範 囲 を 広 げ 、 社 会 や 組 織 上 の 慣 行 の 変 革
G M I N G の 目 的 の 一 つ は 資 源 や ネ ッ ト ワ ー ク 接 続 ︵ 例 え ば 、 ス ー パ ー J A N E T ︶ が い っ そ う 費 用 効 果
関 、 四 つ の 教 育 医 療 機 関 、 寄 宿 舎 お よ び 市 議 会 を 含 む 三 二 の 場 を 対 象 と し て い る 。
︶ か ら 一 部 資 金 援 助 を 受 け 、 G M I N G プ ロ ジ ェ ク ト は 五 つ の 主 要 高 等 教 育 機
ハ イ テ ク 企 業 ︶ と の 協 働 可 能 性 に 関 す る 調 査 が 進 め ら れ て い る 。 欧 州 地 域 開 発 基 金 ︵
な マ ル チ ・ サ ー ビ ス 通 信 基 盤 の 整 備 や 、 地 域 の 他 組 織 ︵ 研 究 組 織 、 継 続 教 育 カ レ ッ ジ 、 図 書 館 、 病 院 、 学 校 、
イ ン グ ラ ン ド 北 西 部 で は 、 G M I N G に よ り 、 グ レ ー タ ー ・ マ ン チ ェ ス タ ー 州 の 高 等 教 育 界 向 け の 高 性 能
-
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げ ら れ 、 そ の 役 割 も グ レ ー タ ー ・ マ ン チ ェ ス タ ー 州 の 経 済 再 生 と い っ た い っ そ う 広 範 な も の に な る こ と が 期
ERDF : European
技 術 基 盤 の 設 備 や 開 発 と い っ た 面 で 高 度 な 専 門 性 を も つ こ と か ら 、 高 等 教 育 機 関 は 地 域 情 報 ネ ッ ト ワ ー ク に お け
-
る コ ー デ ィ ネ ー タ ー ま た は フ ァ シ リ テ ー タ ー と し て 、 情 報 や 知 識 の 移 転 促 進 に 向 け て さ ま ざ ま な ス テ ー ク ホ ル ダ ー
Regional Development Fund
67
ス ペ イ ン の カ タ ロ ニ ア ・ ポ リ テ ク ニ ッ ク 大 学 ︵ U P C ︶ は 、 バ ー チ ャ ル ・ ビ ジ ネ ス ・ イ ン キ ュ ベ ー タ ー を
の ま と め 役 と な る 場 合 も あ る 。 ネ ッ ト ワ ー ク の 目 的 や 地 域 開 発 プ ロ セ ス に 対 す る 効 果 は 参 加 組 織 の 技 術 能 力 、 ネ ッ
-
通 じ た 起 業 機 会 を 増 や す た め に 、 テ レ マ テ ィ ッ ク ・ サ ー ビ ス ・ ネ ッ ト ワ ー ク を 構 築 す る プ ロ ジ ェ ク ト に 指 導
ト ワ ー ク ・ ア ク セ ス を 拡 大 す る こ と へ の 意 欲 に よ っ て 決 ま る 。
こ の よ う な 性 質 を も っ た I C T ネ ッ ト ワ ー ク は す で に 世 界 中 で 研 究 活 動 に 活 用 さ れ て お り 、 ま た 個 々 の 全 国 的 な
を 高 め る こ と に あ る 。
る 意 識 、 理 解 、 技 能 の 向 上 と 、 テ レ コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ・ ネ ッ ト ワ ー ク 提 供 者 と 協 働 し 、 地 域 通 信 基 盤 の 質
げ に は 地 域 の 数 多 く の 大 学 が 指 導 的 な 役 割 を 果 た し た 。 こ の N i A A の 目 的 は テ レ マ テ ィ ッ ク の 分 野 に お け
︶ と い う 民 間 、 公 共 部 門 双 方 が 参 加 し て い る 非 営 利 企 業 に よ っ て 運 営 さ れ て い る 。 こ の 組 織 の 立 ち 上
立 案 に 参 加 し て い る 。 こ の プ ロ ジ ェ ク ト は 、 北 部 情 報 利 用 機 関 ︵
︶ の 枠 組 み の な か で 実 施 さ れ て お り 、 大 学 、 地 方 公 共 団 体 、 訓 練 企 業 協 議 会 ︵ T E C s ︶ も こ の 戦 略
連 合 と 地 域 パ ー ト ナ ー が 一 部 資 金 援 助 し て い る 地 域 情 報 社 会 構 想 ︵
RISI : Regional Information Society
ネ ッ ト ワ ー ク 同 士 を 結 び つ け て 、 ネ ッ ト ワ ー ク の ネ ッ ト ワ ー ク を つ く ろ う と い う 動 き も 世 界 各 地 で 起 こ っ て い る 。
NiAA : Northern informatics Application
例 え ば 、 ヨ ー ロ ッ パ で は 各 国 の 研 究 ネ ッ ト ワ ー ク を 結 ぶ こ と に よ り 、 全 ヨ ー ロ ッ パ I C T ネ ッ ト ワ ー ク を 構 築 し よ
Initiative
う と い う 取 り 組 み も み ら れ る 。
Agency
明 ら か に 、 新 し い 科 学 技 術 基 盤 の 導 入 に よ っ て 、 多 く の 可 能 性 と 同 時 に 課 題 も 投 げ か け ら れ て お り 、 高 等 教 育 機
イ ン グ ラ ン ド 北 東 部 で は 、 情 報 社 会 の 発 展 に 向 け て 地 域 戦 略 が 立 案 さ れ て い る と こ ろ で あ る 。 こ れ は 欧 州
ロ ニ ア ・ ポ リ テ ク ニ ッ ク 大 学 の テ ラ ッ サ ・ キ ャ ン パ ス に 設 置 さ れ た 。
テ レ マ テ ィ ッ ク ・ ネ ッ ト ワ ー ク の お か げ で 、 多 国 籍 企 業 の 直 接 的 な 支 援 の も と 、 マ ル チ メ デ ィ ア 学 部 が カ タ
術 移 転 を 通 じ て ノ ウ ・ ハ ウ を 蓄 積 で き 、 地 域 に 魅 力 を 感 じ る よ う に な る こ と が 期 待 さ れ て い る 。 こ の よ う な 68
的 な 立 場 で 関 わ っ て い る 。 こ の プ ロ ジ ェ ク ト に よ っ て 、 地 域 の 関 係 者 が ネ ッ ト ワ ー ク 化 さ れ た サ ー ビ ス や 技
の 面 で も 活 用 で き る 。 こ の よ う に 、 M I S は そ の 導 入 に は 文 化 的 な 転 換 を 伴 う が 、 地 域 と 効 果 的 に 連 携 す る う え で
や 高 等 教 育 機 関 内 外 の 連 携 可 能 な 組 織 を 特 定 す る こ と が 可 能 と な り 、 ま た そ の よ う な デ ー タ は 自 己 評 価 や 実 績 調 査
素 で あ る が 、 学 生 の 出 身 地 、 就 職 斡 旋 、 卒 業 生 の 進 路 、 企 業 と の 契 約 状 況 と い っ た デ ー タ か ら 地 域 連 携 の パ タ ー ン
の ス テ ー ク ホ ル ダ ー と の 関 係 も 変 化 し て く る 可 能 性 が あ る 。 た と え ば 、 デ ー タ の 取 得 は M I S 事 業 全 体 に 関 わ る 要
導 入 に よ り 、 高 等 教 育 機 関 内 で 新 し い 経 営 形 態 、 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 形 態 が 進 む こ と が 期 待 さ れ る が 、 さ ら に 地 域
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テ ム は 地 域 に 対 し て 対 応 的 で 企 業 家 的 な 高 等 教 育 機 関 で あ る た め に 必 要 不 可 欠 な も の で あ る 。 新 た な 内 部 M I S の
︶ は 管 理 、 教 育 、 研 究 お よ び マ ー ケ テ ィ ン グ に 関 わ る 広 範 な 組 織 の 変 革 に 貢 献 し て い る 。 こ の よ う な シ ス
ア プ リ ケ ー シ ョ ン の 導 入 を 行 っ て い る 。 こ の よ う な 新 し い 経 営 情 報 シ ス テ ム ︵ MIS : Manegement Information
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地 域 連 携 に 向 け て の イ ン セ ン テ ィ ブ と 報 酬 構 造
必 要 な 手 段 な の で あ る 。
Systems
大 学 教 員 の 忠 誠 心 は 、 所 属 機 関 よ り も 研 究 分 野 に あ る こ と は よ く 知 ら れ て い る 。 そ の う え 、 全 国 的 あ る い は 国 際
地 域 の 科 学 技 術 基 盤 の 改 善 の み な ら ず 、 高 等 教 育 機 関 は 学 内 に お い て も 技 術 基 盤 の 更 新 や 新 し い ソ フ ト ウ エ ア ・
高 等 教 育 機 関 と 経 営 情 報 シ ス テ ム
ー バ ル 化 と い う 強 大 な 効 力 に よ っ て 発 展 途 上 中 の 地 域 内 協 働 プ ロ セ ス が 弱 体 化 し て し ま う 危 険 性 も 絶 え ず 存 在 す る 。
T ネ ッ ト ワ ー ク や 情 報 社 会 プ ロ ジ ェ ク ト へ の 参 加 は 学 習 地 域 の 創 設 に と っ て 必 要 条 件 で あ る が 、 抑 制 不 可 能 な グ ロ
脆 弱 化 、 さ ら に は 科 学 技 術 ネ ッ ト ワ ー ク へ の 公 平 な ア ク セ ス の 保 障 と い っ た 重 要 な 問 題 が 含 ま れ て い る 。 ま た I C
関 や 他 の 地 域 パ ー ト ナ ー は そ れ ら の 検 討 に 着 手 し 始 め た ば か り で あ る 。 そ れ ら に は 労 働 慣 行 の 変 更 や 組 織 統 治 権 の
animateurs
あ る 。 彼 ︵ 女 ︶ ら は ﹁ 推 進 者 ﹂ ︵
に 対 す る フ ィ ン ラ ン ド 政 府 の 厳 格 な 管 理 に 反 し 、 学 科 に い っ そ う の 自 由 を 与 え る も の で あ る 。
社 会 貢 献 、 そ の 他 と い う 四 つ の 主 要 職 務 の 時 間 配 分 を 所 属 学 科 と 交 渉 で き る と い う も の で あ る 。 こ れ は 大 学
ト 計 画 を 実 施 し た 。 そ の シ ス テ ム の 考 え 方 は 全 国 的 に 定 め ら れ た 年 間 総 労 働 時 間 の 範 囲 で 教 員 は 教 育 、 研 究 、
フ ィ ン ラ ン ド の ヨ エ ン ス ー 大 学 は ﹁ 柔 軟 な 労 働 負 担 ﹂ ︵
flexible work loads
︶ 、 つ ま り 地 域 と 関 わ る こ と な ど 、 機 関 の も つ べ き 新 し い 理 念 や 労 働 慣
高 等 教 育 機 関 を 地 域 ニ ー ズ に 対 応 さ せ る 主 要 な メ カ ニ ズ ム の 一 つ に 地 域 課 題 に 献 身 的 に 取 り 組 む 個 々 人 の 存 在 が
︶ と い う 名 称 で 知 ら れ る パ イ ロ ッ
地 域 社 会 貢 献 プ ロ ジ ェ ク ト の 運 営 に 対 し て は 毎 年 賞 が 授 与 さ れ て い る 。
定 す る こ と を 求 め ら れ て い る 。 ま た 教 員 の 昇 進 基 準 に は 地 域 指 導 者 と し て の 能 力 も 含 ま れ て お り 、 質 の 高 い
オ ー ス ト ラ リ ア の 王 立 メ ル ボ ル ン 工 科 大 学 で は 、 あ ら ゆ る 学 部 が 地 域 社 会 貢 献 の た め の 活 動 戦 略 目 標 を 設
あ ら ゆ る 段 階 の 教 職 員 の 技 能 、 コ ン ピ テ ン シ ー を 向 上 さ せ 、 そ れ ら に 応 じ た 報 酬 を 与 え る 必 要 が あ る 。
開 発 に 限 ら れ た 資 源 し か 割 い て お ら ず 、 仮 に 新 た な 地 域 課 題 に 対 応 し よ う と い う の で あ る な ら ば 、 高 等 教 育 機 関 は
か ら 地 域 活 動 を 促 進 す る う え で 有 効 な 手 段 で あ る 。 し か し 、 こ れ ま で の と こ ろ 、 大 多 数 の 高 等 教 育 機 関 は ス タ ッ フ
発 プ ロ グ ラ ム や 評 価 プ ロ セ ス の 改 革 は 教 職 員 の 地 域 活 動 へ の 理 解 を 深 め 、 ま た 活 動 に 対 し て 報 酬 が 与 え ら れ る こ と
必 要 な 技 能 を 獲 得 す る こ と の で き る ス タ ッ フ 開 発 プ ロ グ ラ ム を 積 極 的 に 実 施 す る こ と が 必 要 で あ る 。 上 級 管 理 者 開
と な っ て い る 。 こ の よ う な 障 害 を 克 服 す る に は 、 地 域 に 関 す る 知 識 を 習 得 で き 、 外 部 パ ー ト ナ ー と 協 働 す る う え で 70
的 な 視 点 で 書 か れ た 学 術 出 版 物 な ど を も と に し た 現 在 の 同 僚 批 評 シ ス テ ム は 、 大 学 教 員 の 積 極 的 な 地 域 連 携 の 妨 げ
高 等 教 育 機 関 と 地 域 ス テ ー ク ホ ル ダ ー と の 間 に 十 分 な 対 話 が あ る か ど う か は 、 こ れ ま で の 実 績 あ る い は ネ ッ ト ワ 71
地 域 の 関 心 事 を 伝 え あ う
◆ 外 部 団 体 は 高 等 教 育 機 関 内 の 意 思 決 定 に ど の よ う な 役 割 を 果 た し て い る の か 。
◆ そ の よ う な ス タ ッ フ の 参 画 を 機 関 は 把 握 し て い る の か 。
◆ ス タ ッ フ の 機 関 代 表 者 と し て の 参 画 の 理 由 な ら び に 彼 ら の 役 割 は ど の よ う な も の か 。
る の か 。
◆ 高 等 教 育 機 関 の ス タ ッ フ は 地 域 の 公 共 団 体 や 民 間 団 体 に 機 関 代 表 者 と し て 量 的 、 質 的 に ど の 程 度 参 画 し て い
地 域 は 地 域 課 題 を ど の よ う に 特 定 す れ ば よ い の か 。
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◆ 高 等 教 育 、 産 業 界 、 民 間 部 門 、 公 共 部 門 、 市 民 部 門 と い っ た そ れ ぞ れ 利 害 を も つ さ ま ざ ま な 部 門 が 存 在 す る
カ ニ ズ ム が 存 在 し て い る か 。
◆ 高 等 教 育 機 関 と 地 域 ス テ ー ク ホ ル ダ ー と の 間 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 、 対 話 を 促 進 す る た め に 、 ど の よ う な メ
地 域 内 対 話 の 促 進
ン ・ チ ャ ン ネ ル ば か り で な く 、 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ・ プ ロ セ ス の 促 進 を 役 割 と す る 人 々 を 育 て る こ と に も な る 。
の 間 の 慣 習 上 の 相 違 を 小 さ く す る 媒 介 と な っ て い る こ と が あ る 。 地 域 の ニ ー ズ に 応 え る こ と は コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ
そ の 一 つ に は 、 彼 ︵ 女 ︶ ら が 新 し い 理 念 を 高 等 教 育 機 関 の な か に 持 ち 込 み 、 具 体 化 さ せ 、 高 等 教 育 機 関 と 産 業 界 と
行 を 追 求 し て い る 人 々 も し く は グ ル ー プ で あ る 。 そ の よ う な 個 人 、 グ ル ー プ は い く つ か の 点 で 極 め て 重 要 で あ る 。
︶ 関 わ り 方 を し て い る 一 方 、 九 二 年 以 後
か も し れ な い が 、 機 関 全 体 を 通 じ た 垂 直 的 な 連 関 に つ い て は 限 ら れ た 事 例 し か な い 。 一 九 九 二 年 改 革 以 前 に
な っ て い る が 、 実 際 に は 主 と し て 上 級 管 理 者 の 職 務 と な っ て い る 。 個 々 の 教 員 や 学 科 レ ベ ル で の 連 携 は あ る
れ た 。 地 域 活 動 の 促 進 に つ い て は 、 特 別 委 員 会 や 大 学 全 体 の 方 針 や 資 源 に 関 す る 委 員 会 が 助 言 を 行 う こ と に
近 年 実 施 さ れ た イ ギ リ ス の 大 学 調 査 に よ る と 、 地 域 パ ー ト ナ ー と 関 わ る 責 任 の 所 在 は 大 学 間 で 相 違 が み ら
marketing culture
tactical
設 立 さ れ た 比 較 的 歴 史 の 長 い 大 学 は 地 元 地 域 と は 戦 術 的 な ︵
化 ダ い ﹂ ︵ ー レ と ベ の ル 間 で の の コ 対 ミ 話 ュ は ニ 高 ケ 等 ︶ ー 教 を シ 育 強 ョ 機 め ン 関 る ・ 内 こ レ で と ベ 上 で ル 下 あ を ど る 向 の 。 上 よ さ う せ に る 伝 う わ え る で か 重 は 要 不 と 確 な か る で メ あ カ る ニ 。 ズ 高 ム 等 は 教 機 育 関 機 全 関 体 と を 地 通 域 じ ス て テ ﹁ ー 市 ク 場 ホ 文 ル
こ と が 多 い 。 多 く の 場 合 、 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 主 要 チ ャ ン ネ ル と な っ て い る の は 上 級 管 理 者 で あ る 。 そ れ よ り 低
高 等 教 育 機 関 へ の 地 域 側 の ア プ ロ ー チ は 、 機 関 レ ベ ル 、 戦 略 的 レ ベ ル で は な く 、 個 人 レ ベ ル で 散 発 的 に な さ れ る
況 下 で は 、 地 域 の ニ ー ズ を 明 確 に 特 定 す る こ と は 困 難 と な る 。
て い る 。 ま た い っ そ う 密 接 な 協 働 が 追 求 さ れ て い る 場 合 で も 、 地 域 、 特 に 多 数 の パ ー ト ナ ー が い て 活 動 が 広 範 な 状
特 に 地 域 の 財 源 に 比 較 的 依 存 し て い な い 機 関 は 自 ら を 地 域 へ の 説 明 責 任 を ほ と ん ど も た な い 自 立 的 な 機 関 と み な し
高 等 教 育 機 関 と 地 域 の 関 係 は 相 互 の 困 惑 、 場 合 に よ っ て は 無 関 心 が そ の 特 徴 と な っ て い る 。 多 く の 高 等 教 育 機 関 、
に 対 す る 役 割 に 関 し て 明 確 な 考 え を も っ て い な い こ と が 多 い 。
ー ズ に つ い て よ く わ か っ て い な い 。 ま た 逆 に 地 域 団 体 の 方 も 豊 富 な 知 識 や 専 門 性 の 提 供 以 外 に 高 等 教 育 機 関 の 地 域
こ と に よ っ て 、 地 元 企 業 は 収 益 を 上 げ ら れ る で あ ろ う と い う こ と を 除 け ば 、 多 く の 場 合 、 高 等 教 育 機 関 側 は 地 域 ニ 72
ー ク の 有 無 に よ っ て 異 な る 。 高 等 教 育 機 関 と 地 域 と の 関 係 で い え ば 、 さ ま ざ ま な 形 態 の 技 術 移 転 や 技 能 提 供 を 行 う
ニ ケ ー シ ョ ン を 促 進 し 、 テ ラ ッ サ を 大 学 都 市 と す る た め に 、 P E C T を 通 じ て テ ラ ッ サ 大 学 フ ォ ー ラ ム が つ
し 、 市 、 大 学 、 産 業 界 間 の 双 方 向 関 係 を 構 築 し よ う と い う も の で あ る 。 大 学 と 地 元 公 共 団 体 と の 間 の コ ミ ュ
る こ と が 盛 り 込 ま れ て い る 。 こ の キ ャ ン パ ス は バ ル セ ロ ナ に 次 い で テ ラ ッ サ を カ タ ロ ニ ア 第 二 の 大 学 都 市 と
︶ を 策 定 し た が 、 こ の 計 画 に は 高 等 教 育 機 関 を 集 積 し 、 大 学 統 一 キ ャ ン パ ス を 推 進 す
れ て い る 。 テ ラ ッ サ 市 の 将 来 に 向 け て の 共 同 戦 略 に つ い て 議 論 し て い る 市 議 会 は テ ラ ッ サ 戦 略 計 画 ︵
カ タ ロ ニ ア 地 方 の テ ラ ッ サ 市 に は カ タ ロ ニ ア ・ ポ リ テ ク ニ ッ ク 大 学 な ど 数 多 く の 大 学 の 産 業 工 学 部 が 置 か
5 | 地域連携のための大学経営
ナ ー と し て 頻 繁 に 資 金 援 助 を 行 っ て い る 。
効 果 的 な 第 一 歩 と な っ て お り 、 自 治 体 や 中 央 官 庁 へ の 提 案 に 対 し 、 北 東 部 商 工 会 議 所 と と も に キ ー ・ パ ー ト
会 ︵ T E C s ︶ と と も に ﹁ 共 同 経 営 戦 略 グ ル ー プ ﹂ を 形 成 し て い る 。 こ の グ ル ー プ は 地 域 内 協 働 に 向 け て の
イ ン グ ラ ン ド 北 東 部 で は 、 ニ ュ ー カ ッ ス ル 大 学 が 地 元 の ノ ー サ ン ブ リ ア 大 学 や 二 つ の 地 域 の 訓 練 企 業 協 議
地 域 の ス テ ー ク ホ ル ダ ー と の パ ー ト ナ ー シ ッ プ と い う 点 で は 、 多 く の 大 学 が い っ そ う 積 極 的 に 地 域 フ ォ ー ラ ム を
に 設 立 さ れ た 新 大 学 は 責 務 を よ り 焦 点 化 す る 戦 略 的 な ︵
strategic
く ら れ た 。 ま た カ タ ロ ニ ア ・ ポ リ テ ク ニ ッ ク 大 学 の 都 心 キ ャ ン パ ス を つ く る た め に テ ラ ッ サ 都 心 部 の 再 開 発
PECT :
73
も 提 言 さ れ て い る 。 こ の よ う に P E C T の な か で 大 学 の 発 展 は 市 の 将 来 に と っ て の 必 要 不 可 欠 な 要 素 と 位 置
Terrassa Strategic Plan
づ け ら れ て い る 。
開 催 し 、 彼 ら と の 対 話 や 共 同 活 動 を 推 進 し よ う と し て い る 。
︶ 方 針 を と っ て い る 。
︶ が 大 学 の 発 展 に 明 ら か に 建 設
新 し く 、 か つ 伝 統 に 縛 ら れ て い な い 高 等 教 育 機 関 は 一 個 人 を 管 理 組 織 の メ ン バ ー と し て い る 。 近 年 実 施 さ れ た ノ ル
働 組 合 な ど の 外 部 団 体 か ら 正 規 に 代 表 者 を 入 れ な け れ ば な ら な い こ と に な っ て い る 。 そ れ に 対 し て 、 多 数 の 比 較 的
こ と が あ る 。 多 く の 高 等 教 育 機 関 、 特 に 長 い 歴 史 を も つ 大 学 で は 、 設 置 認 可 条 項 に よ っ て 地 方 公 共 団 体 、 教 会 、 労
高 等 教 育 機 関 と 地 域 間 の 相 互 作 用 を い っ そ う 強 め る 手 段 と し て 、 地 域 代 表 者 を 高 等 教 育 機 関 の 管 理 団 体 に 加 え る
高 等 教 育 機 関 ・ 地 域 間 の 代 表 者 派 遣 に 関 す る 把 握
も な っ て い る 。
域 の 高 等 教 育 機 関 を 包 括 す る い っ そ う 規 模 の 大 き い ヨ ー ロ ッ パ 学 術 地 域 の 構 築 に 向 け た 最 先 端 の 取 り 組 み と
ル ・ パ ド カ レ 地 域 の み な ら ず 、 イ ン グ ラ ン ド 南 東 部 、 ベ ル ギ ー の ワ ロ ン 、 ブ リ ュ ッ セ ル 、 フ ラ ン ダ ー ス 各 地
は 国 際 関 係 論 を 専 門 と す る こ と 、 地 域 の 役 割 を 外 部 社 会 に 伝 え る こ と に あ る 。 ま た こ の ネ ッ ト ワ ー ク は ノ ー
に は 七 つ の 大 学 、 二 つ の 研 究 機 関 、 地 方 自 治 体 、 商 工 会 議 所 が 参 加 し て い る 。 こ の ネ ッ ト ワ ー ク の 主 な 目 的
つ 、 ノ ー ル ・ パ ド カ レ 地 域 に あ る ヨ ー ロ ッ パ 大 学 極 ︵
Pôle Universitaire Européen Lille Nord-Pas de Calais
social interaction
ウ ェ ー の 大 学 に 関 す る 調 査 で は 、 こ の 種 の ﹁ 社 会 と の 相 互 作 用 ﹂ ︵
︶
ク は フ ラ ン ス の 各 地 域 で 高 等 教 育 機 関 、 企 業 、 政 治 団 体 間 の 提 携 関 係 を つ く り 上 げ て い っ た 。 そ の う ち の 一
フ ラ ン ス の 教 育 研 究 省 は 数 多 く の ヨ ー ロ ッ パ 学 術 ネ ッ ト ワ ー ク の 設 立 に 尽 力 し た が 、 そ れ ら の ネ ッ ト ワ ー
ー シ ョ ン ・ メ カ ニ ズ ム を も つ 高 等 教 育 機 関 の 例 も あ る 。
ま た 地 域 間 お よ び 国 家 間 に ま た が る 規 模 で の 運 営 や ス テ ー ク ホ ル ダ ー の よ り 広 域 的 な 関 心 を 反 映 す る コ ミ ュ ニ ケ 74
ン バ ー に な る 際 に は 、 そ の 場 限 り の 、 大 学 側 も 十 分 把 握 し て い な い 個 人 的 な 関 わ り か ら 、 規 則 で 定 め ら れ た 正 規 の
逆 に 高 等 教 育 機 関 の ス タ ッ フ が 機 関 を 代 表 し て 地 域 団 体 の メ ン バ ー と な る 場 合 も 多 い 。 ス タ ッ フ が 地 域 社 会 で メ
る 。
︶ を 管 理 委 員 会 に 加 え る こ と や 地 域 の 他 の 教 育 機 関 と 連 携 す る こ と も 正 規 に 定 め ら れ て い
す る よ う 法 律 で 求 め ら れ て い る 。 ま た ﹁ 北 部 沿 岸 地 域 関 係 者 ﹂ ︵
persons associated with the North coast
75
︶ と 呼 ば れ
メ カ ニ ズ ム を 通 じ た も の ま で 多 種 多 様 な 形 態 が あ る 。 多 く の 伝 統 あ る 大 学 は 学 校 長 な ど 地 域 の 役 職 に 対 し て 法 令 上
region of the State
任 命 責 任 を 負 っ て い る 。 ま た ク ワ ン ゴ ︵
Quango : quasi autonomous, non-governmental organisations
る 特 殊 法 人 の よ う な 団 体 が 増 加 す る に つ れ て 、 高 等 教 育 機 関 の 管 理 職 が 就 任 を 求 め ら れ る 役 職 が 増 え て い る 。
5 | 地域連携のための大学経営
オ ー ス ト ラ リ ア の サ ザ ン ク ロ ス 大 学 は ニ ュ ー サ ウ ス ウ ェ ー ル ズ 州 北 部 沿 岸 地 域 の ニ ー ズ に 対 し て 特 に 配 慮
に も み ら れ る 。
役 割 の み 与 え ら れ て い る 。 外 部 委 員 は カ ラ リ ア ン 研 究 所 、 メ ク リ ジ ャ ー ビ 研 究 所 、 大 学 の 継 続 教 育 セ ン タ ー
し か し 、 こ れ ら の メ ン バ ー に は 十 分 な 意 思 決 定 上 の 権 限 が 与 え ら れ て い る わ け で は な く 、 単 に 意 見 を 述 べ る
ら び に 地 域 最 大 手 企 業 の 代 表 取 締 役 ︶ を 理 事 会 構 成 員 と す る こ と で 地 域 ニ ー ズ へ の 対 応 性 を 高 め よ う と し た 。
フ ィ ン ラ ン ド 東 部 に あ る ヨ エ ン ス ー 大 学 は 四 名 の 外 部 メ ン バ ー ︵ 二 人 の 市 長 、 地 域 自 治 体 協 会 の 会 長 、 な
り 望 ま し い 形 で 競 い 合 え る こ と も 明 ら か に さ れ た 。
的 な 影 響 が あ る こ と が 示 さ れ た 。 ま た こ の よ う な 外 部 団 体 と の 相 互 作 用 が あ る か ら こ そ 、 大 学 は 地 域 の 他 機 関 と よ
外 で 発 展 を 遂 げ た が 、 二 〇 世 紀 に お い て は 国 家 が 高 等 教 育 に 対 す る 資 金 提 供 者 、 管 理 者 と い う 役 割 を 担 っ た 。 し か
し て き て い る 。 世 界 で 最 も 歴 史 の 長 い 大 学 の 多 く は 教 会 の 庇 護 や 地 元 企 業 の 後 援 に よ っ て 設 立 さ れ 、 国 家 支 配 の 枠
大 多 数 の 高 等 教 育 シ ス テ ム に お い て 、 各 機 関 の 総 収 入 の う ち 、 政 府 か ら の 財 政 支 援 が 占 め る 比 率 は 明 ら か に 低 下
高 等 教 育 機 関 へ の 資 金 援 助 の 多 様 化 と 権 限 の 委 譲
◆ そ れ ら の 財 源 を 活 用 す る た め に 、 ど の よ う な メ カ ニ ズ ム が 構 築 さ れ よ う と し て い る の か ?
◆ 高 等 教 育 機 関 が 利 用 可 能 な 新 た な 地 域 財 源 に は ど の よ う な も の が あ る か ?
◆ 誰 が 高 等 教 育 機 関 の 地 域 的 な 役 割 に か か る コ ス ト を 負 担 す る の か ?
◆ 地 域 資 源 や 、 地 域 活 動 の た め の 新 た な 資 源 を ど の よ う に 生 み 出 す か ?
◆ 高 等 教 育 機 関 は 新 た に 委 譲 さ れ た 財 政 上 の 権 限 を ど の よ う に 活 用 で き る か ?
ど れ く ら い か ?
◆ 地 域 や 国 か ら の 資 金 の 流 れ は ど の よ う に 管 理 さ れ る べ き か ? 機 関 内 で 財 政 上 の 分 権 が 実 行 さ れ る 可 能 性 は
財 政 マ ネ ジ メ ン ト
ニ ズ ム は 必 要 で あ る 。
地 方 公 共 団 体 の 審 議 会 、 開 発 部 局 、 商 工 会 議 所 な ど ︶ に ど の 程 度 外 部 メ ン バ ー が 置 か れ て い る の か を 把 握 す る メ カ
地 域 組 織 ︵ 専 門 職 団 体 、 学 術 団 体 、 健 康 当 局 、 法 律 お よ び 治 安 組 織 、 労 働 組 合 、 学 校 管 理 団 体 、 文 化 施 設 、 教 会 、 76
高 等 教 育 機 関 が 代 表 者 を 送 る こ と を 通 じ て 地 域 に ど の 程 度 浸 透 し て い る の か を 明 ら か に す る こ と は 困 難 で あ る が 、
一 括 交 付 金 は 二 つ の 要 素 か ら 構 成 さ れ て い る 。 一 つ は 約 六 五 % を 占 め る 教 育 向 け の も の で 、 交 付 額 は 各 機 77
補 助 目 的 に 合 致 す る 範 囲 内 で 自 分 た ち の 裁 量 に 基 づ い て 自 由 に 内 部 で 配 分 で き る 。
関 わ る 活 動 を 支 援 す る こ と を 目 的 に 、 各 大 学 や カ レ ッ ジ に 補 助 金 を 一 括 交 付 金 の 形 で 提 供 し て い る 。 機 関 は
ス コ ッ ト ラ ン ド 高 等 教 育 財 政 審 議 会 ︶ に よ っ て 配 分 さ れ て い る 。 H E F C E は 教 育 、 研 究 あ る い は そ れ ら に
イ ギ リ ス で は 中 央 政 府 か ら の 資 金 は イ ン グ ラ ン ド 高 等 教 育 財 政 審 議 会 ︵ H E F C E ︶ ︵ ス コ ッ ト ラ ン ド で は
う に 、 経 済 目 標 、 社 会 目 標 と 関 連 し た 到 達 目 標 を 明 確 に 示 し た 契 約 協 定 を 結 ん で い る と こ ろ も あ る 。
よ っ て 高 等 教 育 機 関 の 地 域 連 携 が 促 進 、 強 化 さ れ る こ と は な い 。 し か し な が ら 、 ス ペ イ ン の 自 律 的 な 地 方 政 府 の よ
機 関 に 交 付 さ れ る こ と は な い 。 そ れ ゆ え 、 国 か ら の 資 金 の 流 れ が 地 域 上 の 基 準 に 添 う こ と は ほ と ん ど な く 、 そ れ に
5 | 地域連携のための大学経営
プ ッ ト ︵ 授 与 学 位 数 な ど ︶ に 応 じ て 配 分 さ れ る 国 も あ る 。 し か し 、 一 般 的 に 就 職 状 況 に 基 づ い て 補 助 金 が 高 等 教 育
こ の 資 金 の 配 分 方 法 は 国 に よ っ て 違 い が み ら れ る 。 イ ン プ ッ ト ︵ 在 籍 学 生 数 な ど ︶ に 基 づ く 国 も あ る 一 方 、 ア ウ ト
第 一 の 資 金 の 流 れ は 学 生 数 や 空 間 上 の ニ ー ズ 等 に 基 づ い て 高 等 教 育 機 関 に 配 分 さ れ る 政 府 か ら の 補 助 金 で あ る 。
第 一 の 流 れ 主 流 を な す 国 家 に よ る 配 分
に 分 類 す る 。
視 し 、 地 域 の 資 源 を 含 む 外 部 か ら の 資 金 を 獲 得 し よ う と し て い る 。 こ の よ う な 転 換 を 理 解 す る た め に 財 源 を 三 通 り
高 等 教 育 機 関 は 中 央 政 府 に よ る 財 政 支 援 へ の 依 存 か ら 脱 却 し つ つ 、 財 政 の 健 全 化 を 図 る た め に 、 企 業 家 活 動 を 重
育 機 関 は 代 替 財 源 を 探 さ ざ る を え な く な っ た 。
し 、 こ こ 数 十 年 、 中 央 政 府 の な か に は 高 等 教 育 へ の 財 政 支 援 を 削 減 し て き て い る と こ ろ も あ り 、 そ の 結 果 、 高 等 教
ト ゥ エ ン テ 大 学 は 各 コ ス ト ・ セ ン タ ー ︵ 学 科 な ど ︶ が 大 学 か ら 多 額 の 資 金 を 受 け 取 り 、 そ の 資 金 を 自 由 に
機 関 内 で 移 用 で き な い 、 よ り 規 制 の 厳 し い も の も あ る 。
の 財 政 上 の 権 限 委 譲 は 高 等 教 育 機 関 が 外 部 環 境 の 問 題 に い っ そ う 対 応 す る よ う 、 高 等 教 育 機 関 内 の 財 政 上 ︶ の 、 リ ス ト ラ を 促 そ う と い う 試 み で あ る 。 そ の 一 方 で 、 実 験 の な か に は 、 資 金 の 使 途 が 限 定 さ れ ︵
州 政 府 は 高 等 教 育 機 関 が 予 算 上 さ ら に 裁 量 を も て る よ う 、 実 験 的 に 新 し い 資 金 援 助 策 を 実 施 し て い る 。 こ
さ れ て い る 。
大 学 は 契 約 を 交 わ し た 最 初 の 大 学 で あ る が 、 そ の 契 約 に は 社 会 に 役 立 つ と い う 技 術 大 学 と し て の 特 色 が 反 映
契 約 は 協 働 と 透 明 性 に 基 づ い た 行 政 と 大 学 間 の 新 し い 関 係 を 示 す も の で あ る 。 カ タ ロ ニ ア ・ ポ リ テ ク ニ ッ ク
っ て 、 カ タ ロ ニ ア 州 政 府 は 補 助 金 を 受 け 取 る う え で 大 学 側 が 達 成 し な け れ ば な ら な い 目 標 を 設 定 す る 。 こ の
上 さ せ る 契 約 プ ロ グ ラ ム ﹂ ︵
Contract programme for improving university quality
増 資 し た り 、 使 用 す る 権 限 が 与 え ら れ る 分 権 予 算 シ ス テ ム を 考 案 し た 。 こ の シ ス テ ム の も と で は 、 各 学 科 は
earmarking
三 つ の 収 入 源 す べ て を 管 理 で き る 。 ス ト ラ ス ク ラ イ ド 大 学 も 戦 略 的 資 金 は 中 枢 部 に 残 す 一 方 、 予 算 権 限 は 四
︶ に 合 意 し た 。 こ の 契 約 に 沿
ス ペ イ ン の カ タ ロ ニ ア 地 方 に あ る 五 つ の 公 立 大 学 と 二 つ の 私 立 大 学 は カ タ ロ ニ ア 州 政 府 と ﹁ 大 学 の 質 を 向
す る 七 三 の 継 続 教 育 カ レ ッ ジ に も 配 分 さ れ て い る 。
育 機 関 は 第 二 、 第 三 の 財 源 を よ り 効 果 的 に 獲 得 で き る よ う に な っ て い る 。 資 金 は 同 様 に 高 等 教 育 課 程 を 提 供
研 究 評 価 の 結 果 に 基 づ い た ﹁ 質 ﹂ を 基 準 に 選 抜 的 に な さ れ て い る 。 こ の 研 究 費 一 括 補 助 の お か げ で 、 高 等 教 78
関 の 学 生 数 を 反 映 し て い る 。 も う 一 つ は 研 究 活 動 を 支 援 す る た め の も の で 、 配 分 は 一 九 九 六 年 に 実 施 さ れ た
79
第 三 の 流 れ そ の 他 あ ら ゆ る 財 源 か ら の 収 入
流 れ の な か に 組 み 込 ま れ て い く 。
る よ う に な っ て き て お り 、 地 域 の パ ー ト ナ ー が そ れ に 加 わ っ て い る 場 合 に は 、 地 域 的 次 元 は 自 然 と こ の 資 金 援 助 の
る と い う 点 で 比 較 的 ﹁ 結 果 ﹂ ︵
output
多 く の 高 等 教 育 機 関 は 資 金 援 助 基 盤 を 多 様 化 さ せ 、 他 の 財 源 を 獲 得 す る こ と に よ っ て 、 第 一 の 資 金 源 の 削 減 に 対
︶ 志 向 で あ る 。 研 究 審 議 会 は 研 究 の 活 用 者 や 受 益 者 と の 連 携 を い っ そ う 期 待 す
第 一 の 資 金 の 流 れ 一 般 と は 異 な り 、 政 府 系 研 究 審 議 会 か ら の 資 金 援 助 は 研 究 資 金 が 実 績 基 準 と 関 連 し て 配 分 さ れ
動 に 地 域 的 な 次 元 を 要 求 し た り 、 特 段 の 配 慮 を し た り す る こ と は な い 。
全 国 規 模 で の 競 争 基 準 に 基 づ き 配 分 さ れ て い る 。 こ の た め 一 般 的 に 、 政 府 系 研 究 審 議 会 が 資 金 援 助 に 際 し 、 研 究 活
5 | 地域連携のための大学経営
政 府 か ら の 一 括 交 付 金 に 加 え て 、 高 等 教 育 機 関 は 研 究 審 議 会 か ら も 資 金 援 助 を 受 け て い る 。 こ の 資 金 は 一 般 的 に
第 二 の 流 れ 政 府 系 研 究 審 議 会
配 分 さ れ た 資 金 を 大 学 が 自 ら の 希 望 ど お り に 使 え る よ う に 、 実 験 的 に 予 算 シ ス テ ム 上 の 権 限 が 委 譲 さ れ た 。
ヨ エ ン ス ー 大 学 は フ ィ ン ラ ン ド 政 府 の 進 め る 計 画 の も と で パ イ ロ ッ ト 機 関 と な っ た 。 こ の 計 画 で は 政 府 か ら
支 援 は 削 減 さ れ 、 ま た 使 途 も 限 定 さ れ る よ う に な り 、 そ れ に よ っ て 外 部 の 第 三 の 財 源 の 重 要 性 が 増 し て き た 。
フ ィ ン ラ ン ド の 大 学 へ の 資 金 援 助 は 一 九 八 〇 年 代 以 降 、 急 激 に 変 化 し て き た 。 特 に 中 核 と な る 政 府 か ら の
進 む と み ら れ る 。
つ の 教 員 組 織 に 委 譲 し た 。 分 権 は さ ら に 学 科 内 の 研 究 グ ル ー プ が 自 ら の 資 金 を 管 理 で き る と い う と こ ろ ま で
高 等 教 育 機 関 は ま す ま す 企 業 家 活 動 や 外 部 環 境 と の 連 携 を 通 じ て 資 金 を 獲 得 す る よ う に な っ て お り 、 そ れ に よ っ
め る に ま で な っ た 。
全 財 政 支 援 の 約 三 分 の 一 し か 占 め て お ら ず 、 そ の 一 方 で 第 三 の 資 金 源 は こ こ 二 〇 年 で 倍 増 し 、 ほ ぼ 半 分 を 占
も 多 く の 大 学 研 究 セ ン タ ー ︵
︶ が あ り 、 中 核 を な す 政 府 か ら の 支 援 は 今 や
た 利 益 に よ っ て 、 五 〇 人 の 研 究 フ ェ ロ ー を 一 〇 〇 〇 万 ポ ン ド で 雇 っ た 。 ウ ォ リ ッ ク 大 学 に は 今 日 、 学 科 よ り
の 獲 得 を 目 的 と し な い 学 科 を 縦 割 り に 、 あ る い は 横 断 的 に 助 成 す る こ と が で き る 。 大 学 は 企 業 家 活 動 か ら 得
動 か ら 生 み 出 さ れ る あ ら ゆ る 収 入 に 目 を 行 き 渡 ら せ て い る 。 こ の 収 入 獲 得 ア プ ロ ー チ に よ っ て 、 大 学 は 利 益
に 基 づ く 業 務 は 収 入 獲 得 グ ル ー プ が 管 轄 し て お り 、 グ ル ー プ は 学 内 の 五 〇 を 超 え る 利 益 創 出 部 門 の 企 業 家 活
イ ギ リ ス の ウ ォ リ ッ ク 大 学 は 資 金 獲 得 に 向 け て 、 ﹁ 収 入 獲 得 ︵
earned income
て 資 金 援 助 基 盤 は 政 府 に よ る 支 援 中 心 か ら 多 様 化 の 方 向 へ 進 ん で き て い る 。 こ の よ う な 活 動 は 大 多 数 が 研 究 セ ン タ
URC : University research centres
ー の よ う な 非 伝 統 的 な 部 門 で 行 わ れ て い る が 、 自 然 科 学 や 科 学 技 術 以 外 の 分 野 を 含 む 多 く の 主 要 学 科 も 第 二 、 第 三
︶ 方 針 ﹂ を 掲 げ た 。 こ の 方 針
る か は 国 や 地 域 の 環 境 、 お よ び 機 関 の 歴 史 に 強 く 影 響 さ れ る 。
サ ー ビ ス 収 益 、 j 飲 食 業 な ら び に 宿 泊 施 設 か ら の 収 益 、 で あ る 。 こ の 第 三 の 資 金 援 助 の 流 れ を 拡 大 す る こ と が で き
の サ ー ビ ス 提 供 に よ る 収 入 、 f 自 治 体 か ら の 資 金 、 g ス ピ ン ・ オ フ 企 業 な ど 学 内 事 業 か ら の 収 益 、 h 特 許 な ら び に
こ の 資 金 源 の 典 型 的 な も の と し て は 以 下 の よ う な も の が あ る 。 a 寄 付 な ら び に 投 資 収 入 、 s 授 業 料 収 入 、 d 企 業 へ
て の 資 金 を 含 む 。 こ の 種 の 資 金 援 助 は 本 質 的 に 極 め て 多 様 で あ る が 、 一 般 的 に か な り 地 域 的 な 要 素 を 伴 っ て い る 。 80
処 し て き た 。 こ れ ら そ の 他 の 財 源 は 第 三 の 資 金 源 と 分 類 さ れ う る も の で あ り 、 政 府 や 政 府 系 研 究 審 議 会 以 外 の す べ
表2 1995 年度、さまざまな高等教育機関の財源 機関名
(%)
第1の流れ
第2の流れ
第3の流れ
76 38 66 55 45
3 15 7 25 4
21 47 27 18 51
トゥエンテ大学(オランダ) ウォリック大学(イングランド) ヨエンスー大学(フィンランド) シャルマース大学(スウェーデン) ストラスクライド大学(スコットランド) 出典: Clark(1998)
は 他 分 野 よ り も 自 ら の 予 算 を 獲 得 す る の に 長 け て い る 。 ま た 、 財 政 上 の 権 限 の 委 譲 は 学 81
こ の 点 に 関 し て は 大 学 内 部 で 差 異 が あ る 。 例 え ば 、 自 然 科 学 や 医 学 と い っ た 分 野 の 施 設
究 サ ー ビ ス に 対 し て い っ そ う 現 実 的 で 説 明 責 任 の 果 た せ る 価 格 を 設 定 す る 必 要 が あ る 。
も の の 発 展 や 地 域 へ の 貢 献 に 対 し て 投 資 で き る 十 分 な 剰 余 金 を も て る よ う に 、 教 育 や 研
対 し て 、 大 学 が 、 十 分 な 金 銭 的 な 負 担 を 求 め き れ て い な い こ と が あ る 。 大 学 は 大 学 そ の
ま た 鍵 と な る 問 題 と し て 、 外 部 資 金 に よ る 活 動 の 際 に 利 用 さ れ る 社 会 基 盤 へ の 貢 献 に
や そ の 他 の 基 礎 組 織 に 対 し て 一 括 で 予 算 が 配 分 さ れ る 。
入 し て お り 、 そ こ で は コ ス ト の 一 部 を 満 た す 程 度 に し か な ら な い 場 合 も あ ろ う が 、 学 科
要 が あ る 。 特 に 多 く の 高 等 教 育 機 関 は 予 算 上 の 分 権 と い う 新 し い 学 内 財 政 運 営 方 式 を 導
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れ る 機 会 を 十 二 分 に 享 受 す る た め に 、 高 等 教 育 機 関 は 新 し い 財 政 運 営 方 式 を 採 用 す る 必
自 ら の 環 境 が 抱 え る 課 題 に 真 摯 に 取 り 組 む た め に 、 ま た い っ そ う の 地 域 連 携 に よ り 得 ら
第 三 の 資 金 源 を 獲 得 、 保 持 す る こ と は 高 等 教 育 機 関 の 機 能 そ の も の に 影 響 を 与 え る 。
表 3 は オ ー ス ト ラ リ ア の 大 学 全 体 が 同 様 の 傾 向 を も つ こ と を 示 し て い る 。
資 金 に 依 存 し て い る 大 多 数 の 高 等 教 育 機 関 に と っ て は か な り 異 質 な も の で あ る 。
の 例 は 第 三 の 資 金 源 を 獲 得 す る と い う 点 で 最 先 端 に 位 置 づ く 機 関 の 例 で あ り 、 未 だ 公 的
核 的 な 政 府 資 金 に 迫 っ て い る 、 あ る い は 追 い 抜 い た 状 況 を 示 し て い る 。 し か し 、 こ れ ら
表 2 は ヨ ー ロ ッ パ の い く つ か の 高 等 教 育 機 関 に お い て 、 第 三 の 資 金 源 が 財 源 と し て 中
に 焦 点 を あ て た 研 究 セ ン タ ー を 設 立 し て い る 。
の 資 金 源 を 活 用 す る た め に 、 主 と し て 多 分 野 に ま た が る 学 際 的 な も の で あ る が 、 大 学 外
表3 オーストラリアの大学システムにおける収入源 財源 連邦政府補助金 州補助金 高等教育審議会 学生負担 投資収入、寄付、遺贈 その他 合計(100 万ドル)
(%)
1989
1992
1994
1995
77.1 4.6 ― 5.9 8.5 4 4,274
59.5 4.5 13.2 10.4 5.4 7 5,962
60.1 1.9 12.8 10.8 2.9 11.6 6,833
57.2 1.4 12 11.7 5.1 12.6 7,536
出典: DEETYA selected higher education finance statistics.
そ の 役 割 上 好 ま し か ら ざ る 兆 候 で あ る 。
こ と で あ る 。 こ の こ と は 比 較 的 不 利 益 を 被 っ て い る 地 域 に 立 地 す る 大 学 に と っ て は 、
る だ け の 力 が あ り 、 第 一 の 資 金 源 へ の 高 等 教 育 機 関 の 依 存 度 は 小 さ く て す む と い う
か ら い っ そ う 重 要 な こ と は 、 多 く の 場 合 、 大 都 市 圏 ほ ど 地 域 に 第 三 の 流 れ に 貢 献 す
資 金 援 助 の 流 れ は も は や 安 定 し た も の と は い え な く な っ た こ と で あ る 。 研 究 の 観 点
政 府 が 公 的 支 出 を 削 減 し 、 新 し い 優 先 課 題 に 重 点 を 移 そ う と す る に つ れ て 、 第 一 の
こ と が で き る の か と い っ た 面 で 明 ら か に 影 響 が で て く る 。 同 様 に 明 ら か な こ と は 、
雇 用 の 安 定 性 や 、 大 学 教 員 や 機 関 が 長 期 間 に わ た る 研 究 や 社 会 基 盤 整 備 に 取 り 組 む
潜 在 的 に 変 動 し や す い 資 金 援 助 の 流 れ に さ ら に い っ そ う 依 存 す る こ と に な れ ば 、
再 配 分 す る こ と に よ っ て 対 処 で き る 。
達 成 す る た め に 比 較 的 利 益 を 生 む 部 門 が 生 ま な い 部 門 を 支 援 す る と い う 形 で 収 入 を
こ の 問 題 は 強 力 な 中 枢 部 の 存 在 や 機 関 全 体 で 統 一 さ れ た 理 念 、 あ る い は 地 域 目 標 を 82
科 を よ り 対 応 的 に す る が 、 一 方 で 高 等 教 育 機 関 を 分 解 す る 遠 心 力 と な り か ね な い 。
83
る 。 新 規 の 高 等 教 育 機 関 や 外 部 か ら 高 等 教 育 セ ク タ ー に 参 入 し た 機 関 は 地 方 に 関 連 し た 教 育 を 提 供 す る と い う 伝 統
つ い た 政 府 の 政 策 の 変 化 の 結 果 で あ り 、 ま た 地 域 内 で の 教 育 機 能 と の 適 切 性 を 高 め よ う と す る 推 進 力 の 結 果 で も あ
果 と し て 変 容 し つ つ あ る 。 そ う し た 要 請 は 各 国 政 府 、 と り わ け ﹁ 学 習 社 会 ﹂ ︵
learning society
を 創 造 し つ つ あ る し 、 受 け 継 い で も い る 。 あ ら ゆ る タ イ プ の 高 等 教 育 機 関 に と っ て 、 地 域 の 労 働 ニ ー ズ に 合 致 し 、
︶ と い う 概 念 に 結 び
し か し な が ら 、 教 育 の 提 供 と い う 事 柄 は 、 現 在 で は よ り 地 域 に 関 連 し た 教 育 シ ス テ ム を 構 築 す る と い う 要 請 の 結
に し て き た の で あ る 。
な か っ た 。 学 生 募 集 に お い て も 、 卒 業 生 の 供 給 に お い て も 、 高 等 教 育 機 関 の ほ と ん ど は 国 内 全 体 や 国 際 市 場 を 対 象
6 | 教育マネジメント
た 。 こ う し た ア ク セ ス の 拡 大 に も か か わ ら ず 、 高 等 教 育 の 教 育 機 能 の 開 発 は 地 域 の 要 請 に よ る 影 響 を 受 け る こ と は
国 家 の エ リ ー ト を 対 象 に 提 供 さ れ た が 、 二 〇 世 紀 を 通 じ て 、 こ の 機 能 は よ り 多 く の 人 々 を 対 象 と し て 広 が っ て い っ
の 普 及 を 通 し て 教 育 す る こ と と も い え る 。 こ の 教 育 機 能 は も と も と 政 治 家 や 産 業 界 を 担 う 人 々 、 聖 職 者 、 公 僕 等 の
と は 、 教 え る こ と の 発 展 を 通 じ て 達 成 さ れ て き た 。 高 等 教 育 機 関 の 核 と な る 機 能 は 、 そ う い う 意 味 で こ の 知 識 基 盤
大 学 は 常 に 知 識 の 源 泉 で あ り 、 か つ そ れ ら を 貯 蔵 す る 場 と し て の 役 割 を 果 た し て き た 。 こ の 知 識 基 盤 に 近 づ く こ
6 教 育 マ ネ ジ メ ン ト
た し て い る 。 し た が っ て 、 優 先 順 位 は ど れ だ け 優 れ た 学 生 を 引 き つ け る か に 置 か れ て お り 、 地 域 で の 募 集 に 関 心 は
は 国 内 全 土 お よ び 国 際 的 な 市 場 を も っ て い る 。 さ ら に 医 療 の よ う な 分 野 で は 、 募 集 方 式 よ り は む し ろ 選 抜 機 能 を 果
り 大 き な 総 合 大 学 、 都 市 型 大 学 は 一 般 的 に 非 常 に 競 争 的 で 志 願 者 が 多 く 、 そ の 結 果 、 選 抜 的 で 、 学 生 募 集 に 関 し て
機 関 は 国 内 全 土 で 、 そ し て 競 争 的 な 学 生 市 場 に 焦 点 を あ て て 活 動 し て い る し 、 ま た そ う 望 ん で い る 。 と り わ け 、 よ
高 等 教 育 機 関 は 、 異 な る 学 生 市 場 の ど の 部 分 を 優 先 す る か に つ い て の 選 択 に 直 面 し て い る 。 ほ と ん ど の 高 等 教 育
ろ う か ?
◆ 地 域 募 集 を 実 施 す る た め に 、 他 の 地 域 と 教 育 機 関 と の 連 携 や 割 り 当 て の 配 分 に 高 等 教 育 機 関 は 関 与 す る の だ
◆ 地 域 募 集 を 増 加 さ せ る た め に ふ さ わ し い 仕 組 み と は 、 ど の よ う な も の か ?
◆ 地 域 募 集 に 関 す る 高 等 教 育 機 関 の 政 策 は い か な る も の か ?
学 生 募 集
で は 、 高 等 教 育 機 関 の 地 域 の 教 育 イ ン タ ー フ ェ ー ス の 諸 側 面 に 関 連 す る マ ネ ジ メ ン ト の 問 題 を 論 議 す る 。
再 調 整 さ れ て い る の と 同 様 に 、 教 育 と 学 習 の 地 方 化 と 脱 地 方 化 に 向 け て の 傾 向 が あ り 、 不 確 定 で あ る 。 以 下 の 各 節
は 、 地 域 的 に 埋 め 込 ま れ た 高 等 教 育 機 関 が バ ー チ ャ ル な も し く は 固 定 し た 場 所 の な い 高 等 教 育 機 関 の 誕 生 に よ っ て
の 教 育 市 場 全 体 の 規 模 を 拡 大 す る こ と に よ り 地 域 の 学 習 シ ス テ ム を 創 出 す る と い う 要 請 が あ る 。 し か し 、 こ の 事 項
可 能 性 を 広 げ る た め に も 、 全 地 域 の 教 育 供 給 者 が 重 複 し て い る 機 能 を 削 減 し 、 協 力 し て 教 育 を 供 給 す る こ と 、 地 域
ル 市 場 に お け る 地 位 を 獲 得 す る こ と に バ ラ ン ス を 保 つ こ と は 大 き な 挑 戦 で も あ る 。 地 域 に と っ て の 高 等 教 育 機 関 の 84
国 内 お よ び 地 球 規 模 で の 流 動 性 を 高 め 、 職 員 や 学 生 の 競 争 力 を 鼓 舞 す る と い う ニ ー ズ に 応 え 、 そ の 一 方 で グ ロ ー バ
ざ し て い る の で あ る 。
組 織 化 さ れ 、 大 多 数 の 学 生 は 地 理 的 に 最 寄 り の 大 学 を 選 択 す る 。 そ れ は 、 オ ラ ン ダ の 大 学 は 非 常 に 限 ら れ た
オ ラ ン ダ の 高 等 教 育 シ ス テ ム は 、 学 生 募 集 地 域 に よ っ て 特 徴 づ け ら れ て い る 。 こ れ ら は 主 に 地 域 に よ っ て
6 | 教育マネジメント
多 く の 高 等 教 育 機 関 は 、 明 ら か に 地 域 の 機 関 で あ る か 、 地 域 社 会 と の 関 係 が あ る 歴 史 を 背 景 に も つ か 、 地 域 へ の
は 比 較 的 地 域 の こ う し た 機 関 を 求 め る 傾 向 が 強 い 。
り 、 短 期 の 課 程 や 継 続 職 能 開 発 ︵
︶ を 求 め る 職 業 に 従 事 し て い る 人 々
パ ー ト タ イ ム あ る い は フ ル タ イ ム 成 人 学 生 の ほ と ん ど が 自 宅 か ら 通 え る 範 囲 の 地 域 に 基 盤 を 置 く 機 関 を 選 択 し て お
ギ リ ス の フ ル タ イ ム 学 生 が 家 か ら 近 い 大 学 を 選 択 す る よ う に な っ て き て い る ︵
Robson 1997
範 囲 で し か 学 生 寮 な ど の 設 備 を 提 供 し な い と い う こ と も 影 響 し て い る 。 そ れ ゆ え 、 学 生 た ち は 主 に 民 間 の ア
教 育 供 給 に お い て 強 力 な 役 割 を 果 た し て き た か で あ る 。 そ れ に 加 え て 、 多 く の 国 内 シ ス テ ム は 地 域 を 学 生 募 集 の プ
CPD : continuing professional development
85
パ ー ト な ど に 住 居 を 定 め て い る 。 こ う し た 事 情 が 絡 み 合 っ て 、 オ ラ ン ダ の 大 学 の 教 育 提 供 は 地 方 や 地 域 に 根
ー ル と し て 定 義 し て き た 。
︶ 。 ま た 、 二 五 歳 以 上 の
負 担 が 、 納 税 者 か ら フ ル タ イ ム 学 生 の 現 在 あ る い は 将 来 の 家 族 に 移 り つ つ あ る が 、 こ の こ と に よ り 、 よ り 多 く の イ
等 教 育 を 求 め て い る あ る 種 の グ ル ー プ が 存 在 す る と い う 環 境 が あ る か ら で あ る 。 例 え ば 、 近 年 で は 高 等 教 育 の 費 用
し か し 、 よ り 地 域 に 根 ざ し た 高 等 教 育 の 供 給 が 増 加 す る こ と に つ い て 、 説 得 力 の あ る 議 論 が あ る 。 な ぜ な ら 、 高
ど ん な と こ ろ か ら で も 地 域 へ 優 れ た 学 生 を 引 き つ け る こ と に 関 心 が あ る だ ろ う 。
ら 学 生 を 取 り 入 れ る 場 合 も 多 い 。 多 く の 高 等 教 育 機 関 は 、 そ れ ゆ え 、 地 域 の 発 展 に 前 向 き な 影 響 を 及 ぼ す と し て 、
ほ と ん ど な い 。 ま た 、 特 色 の あ る 、 専 門 的 な 分 野 は 、 し ば し ば 限 定 さ れ た 地 域 の 学 生 市 場 よ り は 国 内 全 土 の 市 場 か
校 の 生 徒 の 学 力 を 向 上 さ せ る た め に 、 訓 練 企 業 協 議 会 ︵
TECs : Training and Enterprise Councils
︶ と い う プ ロ グ ラ ム が 最 近 発 足 し た 。 こ の プ ロ グ ラ ム で は 、 大 学 生 が 地 方 公 立 学 校 の
得 て 、 ニ ュ ー カ ッ ス ル 大 学 と ニ ュ ー カ ッ ス ル の ノ ー ザ ン ブ リ ア 大 学 と の 協 力 で 、 ﹁ 学 校 に 生 徒 を 入 れ よ う ﹂
︶ の 基 金 を
イ ギ リ ス の 北 東 地 方 は 、 全 国 で も 最 も 中 等 後 教 育 へ の 進 学 率 が 低 い 。 大 学 に 進 学 で き る よ う に 地 方 公 立 学
で も あ る 。
学 生 が よ り 人 口 の 多 い 裕 福 な 地 域 へ 流 出 し な い で 、 遅 れ て い る 地 域 ︵ 地 方 ︶ に と ど ま る こ と は 本 質 的 に 重 要 な こ と
や 継 続 教 育 機 関 と の 連 携 を 強 化 す る こ と で 、 そ の 役 割 を 果 た す こ と に 貢 献 し て い る 。 ま た 、 地 域 の 学 校 か ら 優 れ た
高 等 教 育 機 関 に 対 し て 、 地 域 で の 教 育 機 会 を 創 出 す る ニ ー ズ は 高 ま っ て い る 。 多 く の 高 等 教 育 機 関 は 地 域 の 学 校
み と し て 、 地 域 的 な 募 集 政 策 の 推 進 に 大 変 熱 心 で あ る 。
率 を 拡 大 し 、 こ う し た 辺 境 の 地 域 か ら も っ と 人 口 の 多 い 地 域 、 例 え ば 首 都 な ど へ の 学 生 人 口 の 流 出 を 防 ぐ 試
こ う し た 地 域 に お け る 学 生 募 集 の 重 視 は 、 教 育 機 会 が 比 較 的 少 な い 周 辺 地 域 や 農 村 部 に お い て 特 に 際 立 っ て い る 。
︵
Aalborg
Students into Schools
イ ギ リ ス 北 部 に あ る シ ェ フ ィ ー ル ド 大 学 の 地 域 オ フ ィ ス は 、 中 等 後 教 育 に 参 加 し て い な い そ の 地 域 の 人 々
生 徒 の 向 上 心 を 上 げ る た め に メ ン タ ー と な る よ う な こ と が 実 施 さ れ て い る 。
︵
︶ な ど の ス カ ン ジ ナ ビ ア 地 方 の 辺 境 に 位 置 す る 大 学 は 、 そ の 地 方 に お け る 義 務 教 育 後 教 育 へ の 参 加
ス ウ ェ ー デ ン の ウ ー メ オ 、 ノ ル ウ ェ ー の ト ロ ム セ ー 、 フ ィ ン ラ ン ド の ヨ エ ン ス ー 、 デ ン マ ー ク の オ ル ボ ア 86
87
て い る か ?
◆ 高 等 教 育 機 関 は 、 地 域 に お け る 教 育 サ プ ラ イ ・ チ ェ ー ン ︵ 供 給 連 鎖 ︶ の 一 部 と し て の 自 覚 を ど の く ら い も っ
学 生 と 地 域 雇 用
講 料 ︶ の 七 % の 費 用 と 中 国 語 に 翻 訳 し た 教 材 で 科 目 を 提 供 し て い る 。
6 | 教育マネジメント
い う 要 因 に よ っ て さ ら に 難 し く な る 。 香 港 の 放 送 大 学 は 中 国 の 地 方 当 局 と 連 携 し て 、 香 港 の 授 業 料 ︵ 科 目 受
ら 入 学 許 可 を 得 る こ と が で き な い 。 こ の 傾 向 は 、 香 港 に お け る バ イ リ ン ガ ル 科 目 の 必 修 化 と 生 活 費 の 高 さ と
五 % に も 達 し て い る ︵ 研 究 大 学 は 二 五 % に 達 し て い る ︶ 。 中 国 出 身 の 学 生 の ほ ん の わ ず か し か 香 港 の 七 大 学 か
い る 。 中 国 本 土 と 香 港 を 比 較 す る と 、 香 港 の 人 口 は 全 人 口 の 〇 ・ 五 % に し か 過 ぎ な い が 、 大 学 生 の 数 は 二 ・
香 港 と 中 国 が 一 九 九 七 年 に 正 式 に 統 合 し た こ と で 、 地 域 的 な 教 育 提 携 に つ い て の 重 要 な 問 題 が 提 示 さ れ て
高 等 教 育 機 関 は 歴 史 的 に 高 等 教 育 が あ ま り 提 供 さ れ て こ な か っ た 隣 接 地 域 へ 学 生 募 集 を 拡 大 で き る 。
と い う 日 を 設 け た り 、 寮 の 設 置 や 生 徒 の 個 人 指 導 や 支 援 な ど が 具 体 的 内 容 で あ る 。
可 能 性 を 実 現 で き る よ う に 手 助 け す る こ と を 両 親 に も 関 わ っ て も ら っ て い る 。 大 学 へ の 訪 問 や 両 親 と の 夕 べ
こ の プ ロ グ ラ ム に は 二 二 の 学 校 と 一 〇 〇 〇 人 の 生 徒 が 参 加 し て い る 。 本 プ ロ グ ラ ム は 、 子 ど も た ち の 潜 在 的
の 教 育 上 の 向 上 心 を 上 げ る た め に 早 期 ア ウ ト リ ー チ ・ プ ロ グ ラ ム ︵
Early Outreach programme
◆ 地 域 内 で の 高 等 教 育 機 関 と 企 業 、 特 に 中 小 企 業 と の 間 を 橋 渡 し す る た め に 、 ど の よ う な メ カ ニ ズ ム が 存 在 す
︶ を 発 足 し た 。
高 等 教 育 機 関 が 地 域 の 労 働 市 場 に 重 要 な 影 響 を 及 ぼ す 機 能 を 果 た し て い る こ と は 疑 い の 余 地 は な い 。 地 域 と い う
生 の 地 域 的 な 特 徴 を 強 く 示 し て い る 。
卒 業 生 の 失 業 率 は 、 ロ ン ド ン か ら 離 れ た 最 も 高 い 失 業 率 を も つ イ ギ リ ス の 北 東 部 に お け る ﹁ 新 ﹂ 大 学 の 卒 業
身 が ポ リ テ ク ニ ッ ク で あ る ﹁ 新 ﹂ ︵
︶ 大 学 に 通 う 学 生 の 就 職 率 は 最 も 悪 い 。 こ れ ら 異 な る レ ベ ル の 大 学 の
イ ギ リ ス の ニ ュ ー カ ッ ス ル 大 学 が 教 育 雇 用 省 ︵ D f E E ︶ に 提 出 し た 最 近 の 報 告 書 ︵
1998a
︶ の 先 端 に 位 置 し て い る こ と は 有 益 で あ る 。 し か し 、 同 じ よ う な サ プ ラ イ ・ チ ェ ー ン に 位
文 脈 で 雇 用 者 と の 関 係 を 考 慮 し た 際 に 、 高 等 教 育 機 関 は 地 域 に お け る 人 材 を 排 出 す る ﹁ 教 育 サ プ ラ イ ・ チ ェ ー ン ﹂
new
︶ あ る い は 地
︵
education supply chain
marketing
置 す る 企 業 と は 異 な っ て 、 高 等 教 育 機 関 は そ の 生 産 物 で あ る 学 生 へ の ﹁ マ ー ケ テ ィ ン グ ﹂ ︵
︶ に よ る と 、 前
よ た 能 絡 る 学 訓 み 。 生 練 合 が を っ そ 提 て の 供 い 地 し る 域 て 。 出 い こ 身 る れ で か ら あ 、 の る 地 要 か 域 素 ど の に う 経 は か 済 、 、 的 高 学 な 等 生 基 教 が 盤 育 在 の 機 籍 力 関 し 強 が た さ 地 高 と 域 等 多 経 教 様 済 育 性 の 機 と ニ 関 規 ー の 模 ズ 種 に を 別 も 反 、 よ 映 そ る し し し た て 、 科 学 国 目 生 内 を の 経 提 社 済 供 会 の し 経 現 、 済 況 そ 的 に れ な も に 背 よ 見 景 る 合 に 、 う も ま 技
卒 業 生 の 残 留 率 が 重 要 な 仕 組 み で あ る 。 し か し 、 卒 業 生 の 地 域 内 で の 残 留 率 の 次 元 は さ ま ざ ま な 他 の 要 素 と 相 互 に
地 方 ︵ 地 域 ︶ に 革 新 性 を も ち 、 企 業 家 的 か つ 管 理 能 力 を も っ た 人 材 が ど の 程 度 定 着 す る か と い う こ と に つ い て は 、
◆ こ の よ う な プ ロ セ ス は 、 地 域 内 の 他 の ス テ ー ク ホ ル ダ ー に 関 与 し て い る か ?
◆ 卒 る 業 か 生 ? の 労 働 市 場 へ の 流 入 率 を 調 べ る た め に 、 ど の 程 度 、 労 働 市 場 の 情 報 が 蓄 積 さ れ て い る か ?
88
め の 重 要 な 仕 組 み で あ る 。 最 後 に 、 伝 統 的 な 二 〇 人 か ら 五 〇 人 程 度 の 従 業 員 か ら な る 中 小 企 業 ︵ タ イ プ C ︶ は 、 卒
学 位 プ ロ グ ラ ム で 学 ん で い た 間 の 学 生 の 就 職 斡 旋 は 、 こ の セ ク タ ー に お け る 卒 業 生 に 雇 用 す る 機 会 を 熟 知 さ せ る た
は よ り 難 し く 、 高 等 教 育 機 関 が こ う し た 企 業 の ニ ー ズ を 把 握 で き る か ど う か に つ い て も 疑 問 が あ る か も し れ な い 。
的 結 合 力 は な い か も し れ な い 。 そ の 結 果 、 高 等 教 育 機 関 が こ の タ イ プ の 企 業 に 卒 業 生 の 雇 用 と い う 面 で 近 づ く こ と
6 | 教育マネジメント
︵ タ イ プ B ︶ が あ る 。 こ れ ら は 卒 業 生 の 募 集 に お い て は 一 般 的 に は 経 験 不 足 で あ り 、 タ イ プ A の 組 織 の よ う な 組 織
お り 、 高 等 教 育 機 関 の カ リ キ ュ ラ ム に も 強 い 影 響 を 及 ぼ す こ と が で き る 。 第 二 に 、 急 速 に 発 展 し つ つ あ る 企 業 群
成 熟 し た 大 企 業 で 卒 業 生 に 安 定 し た キ ャ リ ア の 道 筋 を 提 供 し て き て お り 、 あ る 種 の 高 等 教 育 機 関 と の 関 係 も 築 い て
問 題 を 突 き つ け て い る 。 そ し て 、 三 つ の 階 層 に 分 か れ る 企 業 群 が 識 別 さ れ て い る 。 第 一 の 企 業 群 ︵ タ イ プ A ︶ は 、
い う 場 に 直 面 し て い る 。 こ の 多 様 性 と い う 点 は 、 高 等 教 育 に 育 成 す べ き 多 様 な 技 能 の ニ ー ズ を 理 解 す る 点 に お い て
高 等 教 育 機 関 は 、 現 時 点 あ る い は 将 来 に わ た っ て 卒 業 生 を 雇 用 す る 多 様 な 企 業 か ら 成 り 立 っ て い る 複 雑 な 市 場 と
ン グ や 経 済 発 展 へ の 努 力 を す る と い う 強 い イ ン セ ン テ ィ ブ を 持 つ だ ろ う 。
対 し て 学 生 を し っ か り と 提 供 す る こ と に 対 し て 部 分 的 に で も 報 酬 が 与 え ら れ る な ら ば 、 高 等 教 育 機 関 は マ ー ケ テ ィ
テ ィ ン グ 機 能 を 依 存 す る と い う 不 十 分 な メ カ ニ ズ ム に 帰 す る 。 も し 、 高 等 教 育 機 関 が 地 域 の 雇 用 者 を 含 む 雇 用 側 に
は せ ず 、 商 品 と し て の 価 値 を 付 与 す る ま で に は い た ら な い と い う 体 制 や 、 結 局 外 部 の キ ャ リ ア ・ サ ー ビ ス に マ ー ケ
こ の よ う な マ ー ケ テ ィ ン グ 機 能 の 欠 落 は 、 一 部 分 で は 学 生 を ﹁ 生 産 ﹂ ︵
︶ は す る も の の ﹁ 販 売 ﹂ ︵
sale
89
︶ 卒 業 者 を 雇 用 し た
業 生 を 選 抜 し ふ る い に か け て 審 査 し た り 、 も し く は 彼 ら に 手 ほ ど き す る と い っ た こ と を し た が ら な い 。 そ し て こ の
production
こ と が ニ ー ズ と の 接 続 性 を 不 確 定 に す る 。 そ の 結 果 、 そ う し た 企 業 は 一 般 的 に ﹁ 新 規 ﹂ ︵
green
が ら な い だ け で な く 、 新 卒 者 に 対 処 す る こ と も で き な い 。 そ れ ゆ え 、 伝 統 的 な 学 位 プ ロ グ ラ ム と タ イ プ C の 企 業 が
︶
域 市 場 の ニ ー ズ と い う シ グ ナ ル へ の 応 答 へ の 投 資 が 乏 し い ま ま で あ る 。
territoire et à l'action régionale
territoires
︶ が 、 A N T I D E ︵
Délégation à l'aménagement du
Action nationale d'ingéniérie du développement des
︶ ミ ッ シ ョ ン と い う 任 務 を 通 じ て 中 小 企 業 と 高 等 教 育 機 関 と の よ り 緊 密 な 接 近 を 導 く 案 内 を し て い
フ ラ ン ス で は 、 地 域 発 展 に 関 す る 自 律 的 な 中 心 的 機 関 で あ る D A T A R ︵
は 地 域 の 労 働 市 場 に 対 す る 理 解 を 深 め る こ と が 課 題 と し て 残 っ て い る 。
ロ グ ラ ム で あ り 、 こ れ ら は 異 な る 組 織 の 文 化 か ら 仕 事 へ の 転 換 を 円 滑 化 す る こ と が で き る 。 こ の よ う な 計 画 の 中 に
そ れ ら は ア プ レ ン テ ィ ス シ ッ プ 、 マ ッ チ ン グ と 誘 導 計 画 、 マ ー ケ テ ィ ン グ や カ リ キ ュ ラ ム の 修 正 と い っ た よ う な プ
高 等 教 育 機 関 と 中 小 企 業 の 共 通 点 を 探 り 、 そ の ギ ャ ッ プ を 埋 め る た め に 、 さ ま ざ ま な プ ロ グ ラ ム が 登 場 し て き た 。
と に な る 。
ニ ー ズ と 卒 業 生 の 技 能 と の 間 に は し ば し ば ミ ス マ ッ チ が お こ る 。 こ れ が 雇 用 者 と 使 用 者 と の 間 の 幻 滅 を う み だ す こ
や 知 識 を 学 生 に 身 に つ け さ せ る こ と を 高 等 教 育 機 関 に 期 待 す る の は 非 現 実 的 で あ る 。 そ の 結 果 と し て 、 中 小 企 業 の
転 可 能 な 技 能 を 習 得 し て お く こ と を 学 生 に 求 め て い る 。 し か し 、 中 小 企 業 の 多 様 な 雇 用 機 会 に 見 合 っ た よ う な 能 力
企 業 は 特 に 技 能 訓 練 を 引 き 受 け る に は 資 源 や 職 員 、 時 間 に 乏 し い こ と か ら 、 教 育 や 職 業 教 育 を 通 じ て 、 基 本 的 な 移
中 小 企 業 は 非 常 に 多 様 性 に 富 ん で い る た め 、 共 通 の ニ ー ズ を 探 り 出 す の は 大 変 困 難 で あ る が 、 一 般 的 に は 、 中 小
ま ざ ま な ル ー ト を 通 じ て 中 小 企 業 で の 職 を 求 め る よ う に な っ て き て い る 。
ン テ ィ ス シ ッ プ 、 企 業 プ ロ グ ラ ム で の 研 修 、 お よ び 修 士 学 位 レ ベ ル で の 募 集 や 失 業 者 か ら な る 卒 業 生 組 織 な ど の さ
ッ プ 、 学 習 お よ び サ ン ド イ ッ チ コ ー ス 、 休 暇 中 の イ ン タ ー ン シ ッ プ 、 パ ー ト タ イ ム で の 仕 事 、 募 集 フ ェ ア 、 ア プ レ
二 五 〇 人 以 下 の 雇 用 者 か ら な る 小 企 業 は 国 内 で は 大 多 数 を 占 め て い る 。 近 年 で は よ り 多 く の 学 生 が イ ン タ ー ン シ 90
求 め て い る 技 能 や 知 識 と の 間 の ミ ス マ ッ チ は 最 も 顕 著 で あ る 。
91
専 門 家 は カ リ キ ュ ラ ム 開 発 に 関 与 し 、 教 育 や 最 終 試 験 に も 関 与 す る 。 理 論 お よ び 実 質 面 の 教 育 は 一 般 的 に 、
の 学 修 の 後 に 授 与 さ れ る 。 そ う し た 機 関 の 目 的 は 、 高 度 に 適 切 な 専 門 家 を 地 方 経 済 に 提 供 す る こ と で あ る 。
く は 二 年 あ る い は 同 等 の 学 年 を 円 滑 に 乗 り 越 え た 学 生 を 募 集 し て い る 。 専 門 職 学 位 は 四 年 間 で の 高 等 教 育 で
一 九 九 一 年 に 、 フ ラ ン ス の 権 威 筋 は 新 大 学 の プ ロ フ ェ ッ シ ョ ナ ル 機 関 ︵ I U P ︶ を 設 立 し 、 大 学 一 年 も し
プ ロ ジ ェ ク ト は 高 等 教 育 機 関 、 雇 用 者 お よ び 地 域 の 諸 訓 練 企 業 協 議 会 ︵ T E C s ︶ を 結 び つ け て い る 。
6 | 教育マネジメント
効 果 的 に 使 い 、 い か に 高 等 教 育 と 産 業 界 の パ ー ト ナ ー シ ッ プ が 育 成 さ れ る か に 焦 点 を あ て て い る 。 こ れ ら の
ロ ジ ェ ク ト に 対 し て 資 金 援 助 し て き た 。 こ れ ら の プ ロ ジ ェ ク ト は い か に 中 小 企 業 が 当 該 機 関 内 で 新 卒 学 生 を
過 去 二 年 間 に わ た っ て 、 イ ギ リ ス 教 育 雇 用 省 ︵ D f E E ︶ は 労 働 市 場 へ の 卒 業 生 の 参 入 に 関 連 し た 三 〇 プ
ス で 一 〇 〇 機 関 の 設 立 を 計 画 し て い る 。
一 九 九 八 年 時 点 ま で に 一 三 の そ の よ う な 機 関 の 設 立 が 計 画 さ れ 、 A N T I D E は 二 〇 〇 一 年 末 ま で に フ ラ ン
具 体 化 す る 可 能 性 と 中 小 企 業 お よ び 発 展 的 な 地 位 に あ る 中 小 企 業 に 入 る 機 会 を 学 生 に 提 供 す る こ と に な る 。
八 〇 % は 中 小 企 業 で の 開 発 的 な プ ロ ジ ェ ク ト に 向 け ら れ て い る 。 そ う し た 計 画 は 中 小 企 業 が プ ロ ジ ェ ク ト を
教 育 訓 練 を 行 っ て い る 。 そ の 訓 練 期 間 の 二 〇 % 相 当 の 時 間 は 学 際 的 科 目 を 通 じ て の 発 達 に 向 け ら れ 、 残 り の
せ る 。 こ の 機 関 は 毎 年 準 学 士 号 や 学 位 あ る い は グ ラ ン ゼ コ ー ル ︵
grande école
企 業 で の イ ン タ ー ン と し て の 最 低 六 カ 月 間 の 体 験 で 補 わ れ る 。 多 く の I U P 学 位 の 鍵 と な る 特 徴 は 、 こ れ ら
︶ の 学 位 や 証 書 を も つ 卒 業 生 の
て い る 。 こ れ ら の 機 関 は 地 域 の 発 展 と 企 業 お よ び 教 育 機 関 の 緊 密 な 関 係 に 関 心 を 抱 い て い る 関 係 者 を 集 結 さ
る 。 相 手 と 共 同 す る 用 意 が 整 っ て い る と き 、 A N T I D E は 領 域 内 で 革 新 と 発 展 の た め の 産 業 組 織 を 創 成 し
か で あ る 。 と り わ け 、 ヨ エ ン ス ー ︵ 教 師 教 育 ︶ 、 ラ ッ ペ ー ン ラ ン タ ︵ 工 学 ︶ 、 ク オ ピ オ ︵ 医 学 ︶ と い う 特 定 領
東 フ ィ ン ラ ン ド の 事 例 で は 、 三 地 方 大 学 の 設 立 が 地 域 の 学 生 と 卒 業 生 を 在 留 さ せ る こ と に な る こ と が 明 ら
し 、 分 散 管 理 す る 地 域 の 学 生 と 労 働 市 場 情 報 ︵
LMI : Labour Market Information
イ ギ リ ス の 教 育 雇 用 省 ︵ D f E E ︶ は 、 学 生 の 雇 用 を 高 め る た め に 計 画 さ れ た 高 等 教 育 機 関 内 の さ ま ざ ま
き い 生 域 た て の に 。 は 進 お 、 展 い 就 を て 職 監 で 部 視 あ が す る 主 る 。 導 こ し 的 と か 役 は し 割 学 、 を 科 高 果 、 等 た 学 教 し 生 育 つ 部 機 つ 、 関 あ 学 は り 友 よ 、 会 り 三 、 優 大 お れ 学 よ た か び 地 ら 就 域 の 職 監 新 部 視 卒 に の 学 分 ニ 生 散 ー の さ ズ デ れ を ー て 認 タ い 識 ベ る し ー 。 て ス フ い が ィ る 合 ン 。 同 ラ 労 で ン 働 設 ド 市 立 東 場 さ 部 へ れ に の て お 学
る こ と は 多 い だ ろ う 。
︶ シ ス テ ム の 確 立 か ら 利 益 を 得
が 、 機 関 同 士 で か な り 異 な っ て い る 。 こ の 意 味 で 、 地 域 内 で の 学 生 の 活 動 状 況 に 関 す る 情 報 を 組 織 的 に 収 集 ・ 処 理
ー ズ と い っ た よ う な 問 題 に 関 す る デ ー タ 自 体 は か な り 豊 富 に 供 給 さ れ て い る が 、 そ う し た 情 報 を 収 集 し 広 め る 手 段
体 と の 間 で の 労 働 市 場 に 関 す る 情 報 の 相 互 調 整 が 不 足 し て い る 。 新 卒 学 生 の 雇 用 や 最 初 の 就 職 先 、 雇 用 者 た ち の ニ
調 整 も 取 れ て い な い の が 現 状 で あ る 。 学 外 で は 、 高 等 教 育 機 関 同 士 、 雇 用 者 、 商 工 会 議 所 、 そ し て 地 域 の 地 方 自 治
い る 。 地 域 で の 学 生 の 就 職 機 会 を 調 査 す る 責 任 部 署 が 、 学 部 と 学 生 部 、 学 友 会 と 就 職 部 と に し ば し ば 分 散 し て い て 、
高 等 教 育 機 関 は 地 域 の 労 働 市 場 内 で の 企 業 の ニ ー ズ に 対 す る 情 報 を 収 集 す る こ と に お い て 重 要 な 障 害 に 直 面 し て
が 学 生 の 過 去 の 経 験 に 応 じ て あ つ ら え て あ る こ と で あ る 。 若 年 学 生 と 成 人 が こ う し た 課 程 で 共 に 学 ん で い る 。 92
6 | 教育マネジメント
が 卒 業 生 の 在 留 と 大 学 の サ イ エ ン ス パ ー ク で の 活 動 を 改 善 す る だ ろ う 。
労 働 市 場 で の よ り 広 い 技 能 の 開 発 を 学 生 に 奨 励 す る 企 業 家 教 育 プ ロ グ ラ ム を 設 立 し た 。 こ う し た プ ロ グ ラ ム
ン ド に お け る 公 的 セ ク タ ー の 縮 小 が 近 年 の 卒 業 生 の 労 働 移 動 を 不 活 発 な も の に し て き た 。 そ の 結 果 、 大 学 は
セ ク タ ー で あ る 企 業 の ニ ー ズ に 合 う よ う に 作 成 さ れ た も の だ と い う こ と で あ っ た 。 し か し 、 不 況 と フ ィ ン ラ
フ ィ ン ラ ン ド の ヨ エ ン ス ー 大 学 が 直 面 し て い た 問 題 は 、 カ リ キ ュ ラ ム が 地 域 の 主 に 巨 大 な 、 し ば し ば 公 的
用 者 に よ っ て よ り 効 果 的 に 利 用 さ れ る こ と を 意 図 し て い る 。
し て き た 。 こ れ ら の プ ロ ジ ェ ク ト は 、 高 等 教 育 の 発 展 を 促 進 し 、 労 働 市 場 の ニ ー ズ に よ り 応 え る こ と や 、 雇
性 と い っ た 数 々 の 領 域 を カ バ ー す る 分 野 の 五 五 の 高 等 教 育 開 発 プ ロ ジ ェ ク ト に 二 年 以 上 に わ た っ て 資 金 援 助
ス 、 高 度 な レ ベ ル の 生 涯 学 習 、 労 働 市 場 で の 知 識 、 卒 業 生 の 企 業 支 援 、 カ リ キ ュ ラ ム に お け る 革 新 性 と 創 造
︶ は 、 重 要 技 能 、 達 成 度 の 記 録 、 仕 事 経 験 、 卒 業 生 へ の ガ イ ダ ン
な 活 動 に 資 金 援 助 を し て き た 。 教 育 雇 用 省 の 高 等 教 育 の 質 と エ ン プ ロ イ ヤ ビ リ テ ィ 部 門 ︵
HEQE : Higher
︶ が 、 企 業 、 高 等 教 育 、 研 究 機 関 及 び ロ ー ヌ ア ル プ 地 域 と の 関 係 を 通 じ て の 技 術 移 転 を
フ ラ ン ス の グ ル ノ ー ブ ル 近 く の ラ ト ロ ン シ ェ で は 、 軍 内 の 健 康 研 究 セ ン タ ー ︵
Education Quality and Employability Division
奨 励 し て い る 。 高 等 教 育 機 関 と 共 同 す る C R S S A が 後 援 し て い る 若 年 の 卒 業 生 に 契 約 は 提 供 さ れ て お り 、
CRSSA : Research Centre
93
地 域 の 中 規 模 企 業 に 最 低 六 カ 月 雇 用 さ れ る 。 ロ ー ヌ ア ル プ 地 域 は 、 若 年 の 卒 業 生 が も た ら す 技 術 移 転 か ら 企
for Health in the Army
業 が 利 益 を 受 け る 一 方 で 、 こ う し た 卒 業 生 の 給 与 を 補 助 し て い る 。
高 等 教 育 機 関 は 学 習 と 教 育 を 促 進 す る た め に 地 域 の 特 性 を 引 き 出 す こ と が で き る 。 地 域 の 特 性 を 活 か し た 専 門 的
◆ 課 程 の 配 置 、 適 応 、 ボ ラ ン テ ィ ア 活 動 の 点 か ら 、 ど の よ う に 学 生 は 地 域 に 統 合 さ れ る の か ?
◆ 教 育 課 程 外 の 活 動 を 監 視 や 認 定 す る た め に 、 ど ん な 仕 組 み が 存 在 す る か ?
◆ ど の 程 度 ま で 、 大 学 院 生 の 活 動 が 地 域 の ニ ー ズ に 合 致 も し く は 適 合 し て い る か ?
◆ 学 習 を 地 域 化 す る プ ロ セ ス に お い て 就 職 支 援 の 役 割 は 何 か ?
◆ 地 域 の ニ ー ズ を 満 た す 課 程 は あ る か ?
学 習 プ ロ セ ス の 地 域 化
を 見 つ け る 。
〇 % が 地 域 全 体 か ら で あ る 。 し た が っ て 、 三 分 の 一 の 学 生 が そ の 周 辺 で 、 二 分 の 一 の 学 生 が 地 域 内 で 雇 用 先
が あ る 。 さ ら に 、 フ ィ ン ラ ン ド の ヨ エ ン ス ー 大 学 の 場 合 に は 、 四 〇 % の 学 生 が そ の 周 辺 地 域 出 身 で あ り 、 七
の 五 六 % で あ り 、 南 部 オ ー ス ト ラ リ ア の 三 大 学 の な か で は 八 〇 % 、 タ ス マ ニ ア の 大 学 で は 六 五 % と い う 数 字
オ ー ス ト ラ リ ア の 大 学 の な か で 特 に 高 い レ ベ ル の 地 域 に お け る 卒 業 生 の 在 留 率 は ウ ェ ス タ ン シ ド ニ ー 大 学
性 が あ り 、 結 果 と し て 地 域 的 に 不 安 定 な 教 育 供 給 者 と し て 機 能 す る こ と に な る 。
は 極 め て 重 要 で あ る 。 さ も な け れ ば 、 学 生 を 輸 入 す る 地 域 に な っ た り 、 卒 業 生 を 輸 出 す る 地 域 に な っ た り す る 危 険
に お い て 、 都 心 か ら 離 れ た 周 辺 地 域 の 高 等 教 育 機 関 に と っ て 、 優 れ た 新 入 生 と 有 能 な 卒 業 生 を 公 平 に 確 保 す る こ と 94
学 生 が 経 済 力 の あ る 中 核 都 市 や 首 都 に 引 き 寄 せ ら れ る と い う 傾 向 は 多 く の 国 で 共 通 し て 強 く み ら れ る 。 こ の 意 味
U の 計 画 に か か わ っ て い る 。
95
ン タ ー を 運 営 し て い る 。 こ の セ ン タ ー は 、 特 に 周 辺 部 と の 関 連 で 、 地 域 で の I T 基 盤 を 発 展 さ せ る た め の E
ク ニ ッ ク ・ プ ロ グ ラ ム を 運 営 し て い る 。 学 部 は 地 域 の 学 校 と 企 業 が 関 係 す る 教 育 の た め の I T の 研 究 開 発 セ
部 に お け る 教 師 の 教 育 水 準 を 劇 的 に 高 め て き た 。 教 育 学 部 は ま た 卒 業 後 の 教 育 に も 力 を 入 れ 、 地 域 の ポ リ テ
リ ン ナ に あ る 分 校 キ ャ ン パ ス に あ る 教 師 教 育 プ ロ グ ラ ム を 運 営 し て い る 。 こ の プ ロ グ ラ ム は フ ィ ン ラ ン ド 東
フ ィ ン ラ ン ド 東 部 の ヨ エ ン ス ー 大 学 で は 三 分 の 二 以 上 の 活 動 を 教 育 学 部 が 占 め て い る 。 大 学 は ま た サ ボ ン
6 | 教育マネジメント
ー ブ 大 学 と 地 域 の 農 業 や 環 境 に 関 す る 研 究 所 の 専 門 家 た ち の 間 に 数 多 く の つ な が り が 設 立 さ れ た 。
ス ベ リ 大 学 は 教 育 と 研 究 が 農 業 と 観 光 な ど の 領 域 で 地 域 ニ ー ズ を 反 映 す る こ と を 確 約 し た 。 さ ら に 、 ラ ト ロ
リ ア 州 に あ る デ ィ ー キ ン 大 学 は 天 然 資 源 管 理 や 農 業 な ど の 領 域 の 課 程 を 地 方 キ ャ ン パ ス に 設 置 し た 。 ホ ー ク
オ ー ス ト ラ リ ア の い く つ か の 大 学 は 地 域 特 別 学 位 プ ロ グ ラ ム を 設 立 し た 。 特 に 、 オ ー ス ト ラ リ ア の ビ ク ト
略 に 関 わ る 人 材 開 発 の ニ ー ズ と 直 接 結 び つ く 課 程 を 設 置 し た 。
タ ー 地 方 の 経 済 発 展 を 刺 激 す る た め に 一 九 七 七 年 に 設 立 さ れ た 。 大 学 は マ ン ス タ ー が 求 め て い る 経 済 発 展 戦
ア イ ル ラ ン ド 西 部 の ト ラ リ ー に あ る 技 術 研 究 所 ︵ 政 府 に よ っ て 設 立 さ れ た 八 つ の 研 究 所 の 一 つ ︶ は マ ン ス
会 を 提 供 で き る 。
地 域 で 成 長 し て い る 産 業 と 密 接 に 関 連 す る 地 域 志 向 型 課 程 は 、 卒 業 生 に 労 働 市 場 に お け る 成 功 と 移 動 の さ ら な る 機
な 地 域 志 向 型 課 程 の 創 設 は 高 等 教 育 機 関 を 国 内 お よ び 国 際 的 な 学 生 募 集 に お い て 競 争 的 に 有 利 な 立 場 に 置 く 。 ま た 、
後 に 、 社 会 的 に 不 利 益 を こ う む っ て き た 集 団 の 間 で 中 等 後 教 育 に 参 加 で き る よ う に 奨 励 す る 出 張 カ レ ッ ジ 講
年 以 上 に わ た っ て 、 無 料 で 単 位 課 程 を 聴 講 で き る 六 〇 以 上 に も な る 聴 講 プ ロ グ ラ ム を 認 め て き た 。 そ し て 最
大 学 と の 移 動 を 容 易 に す る た め に 両 方 の 大 学 が 共 同 し て 設 置 し た 二 プ ラ ス 二 プ ロ グ ラ ム で あ る 。 州 法 は 六 〇
地 域 社 会 に 結 び つ け て い る 。 こ れ ら は 仕 事 経 験 に も と づ く 共 同 の 教 育 プ ロ グ ラ ム や コ ミ ュ ニ テ ィ カ レ ッ ジ と
ア メ リ カ 合 衆 国 の フ ロ リ ダ 大 西 洋 大 学 は 、 出 張 講 義 プ ロ グ ラ ム を 通 じ て 、 伝 統 的 な 学 問 の 課 程 を 一 般 的 な
の 顧 問 委 員 会 を 構 成 し て い る 。
る 最 初 の 学 位 は 、 観 光 産 業 、 大 学 、 地 方 の 官 庁 と 産 業 か ら の 専 門 家 を 利 用 し て 設 置 さ れ 、 現 在 、 彼 ら は 学 位
ン パ ス に 観 光 分 野 の 学 位 の 必 要 性 を 提 唱 し た 地 域 の 二 つ の 観 光 委 員 会 が 近 づ い た 。 観 光 業 と 事 業 運 営 に 関 す
を 設 立 し た 。 し か し 、 地 域 に は 観 光 業 の 研 究 を す る 中 等 後 教 育 機 関 が な い こ と へ の 懸 念 が あ っ た 。 地 域 キ ャ
オ ー ス ト ラ リ ア 、 メ ル ボ ル ン の ス ウ ィ ン バ ー ン 工 科 大 学 は 観 光 産 業 に 強 く 依 存 し て い る 地 域 に キ ャ ン パ ス
が 可 能 で あ る 。 そ し て そ の こ と に よ り 、 卒 業 生 を 地 域 の 労 働 市 場 に 送 り 出 す こ と に な る 。
高 等 教 育 機 関 は 在 学 生 を 訓 練 す る こ と に よ っ て 、 地 域 経 済 の 一 定 の 領 域 に 対 す る 資 源 と し て の 機 能 を 果 た す こ と
と 未 開 の 大 自 然 の 研 究 を 含 む 州 に と っ て 意 義 の あ る と 思 わ れ る 複 数 の テ ー マ を 確 認 し た 。
の ニ ー ズ を 満 た す た め 、 卒 業 生 対 象 の プ ロ グ ラ ム を 開 発 し て き た 。 さ ら に 、 タ ス マ ニ ア 大 学 で 南 極 海 の 研 究
南 オ ー ス ト ラ リ ア 大 学 は 、 オ ー ス ト ラ リ ア 自 動 車 経 営 セ ン タ ー と 協 同 で 、 地 域 の 自 動 車 製 造 業 と 流 通 産 業 96
97
大 学 院 生 の 活 動 は 高 等 教 育 機 関 の 教 育 活 動 を 地 域 社 会 に 根 づ か す こ と に も な る 。 高 度 な 次 元 の 研 究 活 動 に 関 与 す
触 れ る と い う こ と に も な る 。
地 元 の 人 々 や グ ル ー プ に お い て も 、 今 ま で 大 学 と 関 わ り の な か っ た 人 々 が 大 学 の 仕 事 ︵ こ の 場 合 は 音 楽 ︶ に
学 生 は コ ミ ュ ニ テ ィ で 実 際 に 働 く こ と に よ り 技 能 が 向 上 し 、 地 元 で 音 楽 関 係 の 仕 事 に つ き や す く な る 。 ま た 、
れ る 地 域 社 会 の 配 置 に 着 手 す る 。 こ の タ イ プ の 地 域 社 会 に 依 拠 す る 教 育 の 利 益 は 多 種 多 様 で あ る 。 例 え ば 、
6 | 教育マネジメント
家 と の 共 同 に よ る 課 程 で あ り 、 音 楽 を 通 し て の セ ラ ピ ー に 学 生 を 関 わ ら せ て い る 。 学 生 は 単 位 と し て 認 め ら
い う 選 択 科 目 を 学 ぶ 機 会 を 提 供 し て い る 。 そ れ は 、 健 康 、 社 会 、 刑 務 所 サ ー ビ ス 専 門 家 と 、 地 域 の 音 楽 演 奏
ス コ ッ ト ラ ン ド の エ デ ィ ン バ ラ 大 学 は 音 楽 科 の 学 生 に 地 域 社 会 に お け る 音 楽 ︵
Music in the Community
る 大 学 院 生 の コ ミ ュ ニ テ ィ は 地 域 に と っ て も 利 益 に な る 。 よ り 高 次 な 大 学 の 研 究 は 、 地 域 に と っ て の 技 術 移 転 の 効
︶ と
地 域 に 根 ざ し た 教 育 は 、 地 域 が 高 等 教 育 機 関 の 業 績 や 学 生 の 技 能 や 才 能 に 触 れ る 効 果 的 な 方 法 で も あ る 。
回 っ て い る こ と を 考 慮 す る と 、 特 に 重 要 で あ る 。
で 、 地 域 の 健 康 基 盤 に 重 要 な 貢 献 を し た 。 こ の こ と は 、 フ ィ ン ラ ン ド 東 部 の 疾 患 率 と 死 亡 率 が 国 の 平 均 を 下
卒 業 生 の 約 半 分 が 社 会 的 ケ ア と 健 康 ケ ア の 分 野 で 雇 用 を 確 保 し た 。 特 に 、 看 護 や 社 会 サ ー ビ ス の 提 供 の 分 野
フ ィ ン ラ ン ド 東 部 に あ る ク オ ピ オ 大 学 は 、 当 初 は 健 康 と 医 学 に 特 化 し た 機 関 と し て 設 立 さ れ た 。 そ の 結 果 、
義 プ ロ グ ラ ム が 一 〇 校 す べ て の 州 立 大 学 で 実 現 し た 。
︶
を 通 じ て 産 業 と 関 連 し た 博 士 課 程 を 開 発 し て い る 。
の 労 働 市 場 で の 実 績 を 向 上 す る 。 大 学 は ま た 、 科 目 費 の 一 部 を 肩 代 わ り す る 企 業 と 共 同 で 準 備 し た 学 習 計 画
は 、 そ の 地 域 へ の 技 術 や 知 識 移 転 の 手 段 に な り 、 そ う し た 課 題 指 向 型 プ ロ ジ ェ ク ト を 修 了 す る 学 生 は 、 地 域
Aalborg Experiment
Teaching Company Schemes
イ ギ リ ス で は 、 大 学 の 専 門 家 の 知 識 を 地 域 の 産 業 に 移 転 す る た め に T C S ︵
︵
︶ と い う 名 称 で 地 方 の 企 業 と 関 わ り 、 問 題 を 具 体 化 し 、 分 析 す る 。 学 生 の 教 育 プ ロ セ ス
発 し て き た 課 題 指 向 型 、 プ ロ ジ ェ ク ト 型 教 育 シ ス テ ム を 発 展 さ せ て き た 。 こ の シ ス テ ム は 、 ﹁ オ ル ボ ア 実 験 ﹂
デ ン マ ー ク の 北 ユ ト ラ ン ド に あ る オ ル ボ ア 大 学 は 、 学 術 理 論 と 専 門 的 実 践 を 弁 証 法 的 に 立 証 す る た め に 開
ら は 、 地 域 パ ー ト ナ ー と の 共 同 プ ロ ジ ェ ク ト や 地 域 の 問 題 に 焦 点 を あ て た プ ロ ジ ェ ク ト な ど で あ る 。
学 生 の 学 習 経 験 を 地 域 社 会 に 関 連 づ け る た め に 高 等 教 育 機 関 内 に さ ま ざ ま な 仕 組 み が 設 け ら れ て き た 。 特 に そ れ
の ビ ジ ネ ス プ ラ ン が 支 援 を 受 け て き た 。
ャ ピ タ ル の よ う な 支 援 の 仕 組 へ の ア ク セ ス を 提 供 し て い る 。 こ の よ う に し て 、 大 学 院 生 が 関 わ っ て い る 一 六
ス 界 で 働 け る よ う な 機 会 を 提 供 し て い る 。 企 業 家 的 ア イ デ ィ ア を も っ た 卒 業 生 に 科 目 、 管 理 、 ベ ン チ ャ ー キ
ア デ レ ー ド 大 学 に あ る 大 学 院 の 企 業 家 プ ロ グ ラ ム は 、 大 学 を 通 じ て 技 能 を 獲 得 し た 最 近 の 卒 業 生 が ビ ジ ネ
学 外 客 員 教 授 と い う 地 位 を 授 与 す る こ と で 、 教 育 課 程 に 実 践 的 な 経 験 を つ け 加 え る こ と も で き る 。
98
果 的 な 道 具 に も な り 、 地 域 経 済 に 優 れ た 技 能 を も つ 学 生 を 根 づ か す こ と に も な る 。 ま た 、 地 元 産 業 界 か ら の 代 表 に
高 等 教 育 機 関 は 地 域 を 教 育 活 動 の 資 源 に す る こ と で 、 ま た 地 域 に 大 学 生 と 大 学 院 生 の 仕 事 を 埋 め こ む こ と で 、 学
情 報 を 構 築 し て い る 。
6 | 教育マネジメント
は 近 隣 地 域 に あ る 複 数 の 訓 練 企 業 協 議 会 T E C s の 支 援 を 受 け て お り 、 大 学 と 地 域 間 に お け る 重 要 な 信 頼 と
が 本 計 画 に 関 わ っ て お り 、 監 督 者 は 機 会 を 概 略 化 し 、 実 践 規 約 を 作 成 す る た め に 任 命 さ れ た 。 P L U S 計 画
生 と 外 部 組 織 が プ ロ ジ ェ ク ト を 共 同 で 推 進 し て い く も の で あ る 。 四 三 の 学 科 を 越 え て 二 〇 〇 〇 人 以 上 の 学 生
︶ を 企 画 推 進 し て き た 。 こ の 計 画 は 学 部 四 年 生 と 大 学 院 生 が 関 わ る プ ロ ジ ェ ク ト を 立 ち 上 げ て 、 学
イ ギ リ ス 北 部 に あ る シ ェ フ ィ ー ル ド 大 学 の 地 域 オ フ ィ ス は P L U S 計 画 ︵
が 役 に 立 っ て き た 。
ン ト が 仲 介 者 と し て そ れ ま で 協 力 関 係 を も っ て こ な か っ た 高 等 教 育 機 関 と 企 業 の 協 同 を 結 び つ け て き た こ と
協 同 し た 三 〇 以 上 も の T C S が 動 い て い る 。 T C S プ ロ グ ラ ム を 実 現 化 す る た め に 地 元 の T C S コ ン サ ル タ
ュ ス チ ー ル ︵
︶ や イ ン ペ リ ア ル 化 学 工 業 ︵
ICI:Imperial Chemical Industries
習 プ ロ セ ス を 地 方 化 ま た は 地 域 化 で き る 。 し か し 、 教 育 プ ロ グ ラ ム を あ ま り に 地 域 化 す る こ と に は 複 数 の 欠 点 が 伴
BS: British Steel
う 。 第 一 に 、 地 域 の 経 済 的 基 盤 に あ ま り に 緊 密 に 結 び つ く と 、 そ の 課 程 は 地 域 経 済 の 浮 き 沈 み の 影 響 を 受 け や す く
Project Link University of
99
な る 。 さ ら に 、 地 域 志 向 型 の 課 程 は 、 そ の 地 域 出 身 者 以 外 の 学 生 の 関 心 を 引 き つ け に く く 、 国 全 体 の 労 働 市 場 で の
Sheffield
学 生 の 就 職 実 績 に は 逆 効 果 に な る 。 さ ら に 、 多 く の 高 等 教 育 機 関 は 、 専 門 知 識 を 生 み 出 す こ と や 高 い 質 の 卒 業 生 を
︶ な ど の 企 業 と
が T C S の 概 略 で あ る 。 T C S は 地 域 内 で 調 整 さ れ て 、 イ ギ リ ス の 北 東 部 に あ る 五 大 学 で は 、 ブ リ テ ィ ッ シ
が 設 立 さ れ て き た 。 大 学 の 博 士 号 取 得 者 と し て 登 録 し な が ら 研 究 者 が 企 業 で 働 き 、 問 題 解 決 を 手 助 け す る の
る べ き か ?
◆ 高 等 教 育 機 関 は 生 産 文 化 ︵ つ く っ た も の を 売 る ︶ に 関 わ る べ き か 、 市 場 文 化 ︵ 売 れ る も の を つ く る ︶ に 関 わ
◆ ど の 地 域 パ ー ト ナ ー が 、 地 域 の 訓 練 ニ ー ズ を 満 た す た め に 関 わ っ て い る か ?
◆ そ の よ う な 教 育 提 供 は 、 他 の 地 域 ス テ ー ク ホ ル ダ ー と の 共 同 の も と で 企 画 さ れ て い る か ?
て い る か ?
◆ 地 域 へ の 専 門 教 育 の 提 供 を 拡 大 す る た め に 、 第 三 者 あ る い は 独 立 し た 事 業 体 を 高 等 教 育 機 関 の 内 部 に 設 立 し
◆ ど の よ う に 生 き た 学 習 や 継 続 職 能 開 発 の 活 動 が 、 単 独 に 、 あ る い は 部 門 的 に 組 織 さ れ て い る か ?
生 涯 学 習 、 継 続 職 能 開 発 お よ び 訓 練 の 推 進
題 点 を 真 剣 に 考 慮 し な け れ ば な ら な い の で あ る 。
え て 学 位 課 程 を 開 発 す る と 多 大 な 時 差 が 生 じ て し ま う た め 、 高 等 教 育 機 関 は 地 元 密 着 型 カ リ キ ュ ラ ム に 付 随 す る 問
が る よ う に マ ッ チ ン グ す る こ と が 相 容 れ な い た め に 大 き な ジ レ ン マ を 抱 え る 。 そ れ 以 上 に 、 地 元 経 済 の ニ ー ズ に 応
若 者 が さ ま ざ ま な 職 を 求 め て ど こ に で も 行 け る よ う 支 援 す る こ と と 、 習 得 し た 知 識 と 技 能 が 地 元 経 済 の 発 展 に つ な
し て 学 位 を 取 得 し 、 地 元 に 残 り た が ら な い と い う 事 実 が あ る 。 こ こ に 真 の 意 味 で の 藤 が あ る 。 高 等 教 育 機 関 は 、
と は 思 え な い 。 実 際 に 経 済 が 悪 化 し て い る 地 方 で は 、 地 元 の 学 生 は む し ろ そ の 地 域 か ら 外 に 出 て 行 く た め の 手 段 と
地 域 ︵ あ る い は 地 域 外 ︶ の 若 い 学 生 が 、 と り わ け そ の 地 域 の 経 済 利 益 に 関 す る 科 目 を 学 習 す る こ と に 関 心 を も つ
る こ と は 多 く の 高 等 教 育 機 関 が と り う る 選 択 肢 で は な い 。
100
輩 出 さ せ る こ と が 高 等 教 育 機 関 の 役 割 だ と み な し て い る 。 そ の 結 果 、 地 域 の よ り 実 践 的 な ニ ー ズ に 合 致 し よ う と す
し か し 、 地 域 が 必 要 と す る 技 能 を 接 続 す る た め の 主 導 的 な 役 割 を 果 た す 仲 介 組 織 が な い た め 、 高 等 教 育 機 関 に よ
101
組 織 の た め の 成 人 教 養 教 育 や 、 特 別 仕 様 の 継 続 職 能 開 発 ︵ C P D ︶ 課 程 の よ う に 多 様 な 形 態 を と る 。
及 び 、 地 域 の 訓 練 ニ ー ズ に 応 え て 教 育 活 動 を 多 様 化 さ せ て い る 。 こ れ は 、 他 の 地 域 の 団 体 と 連 携 を 組 ん だ り 、 地 域
学 士 課 程 や 大 学 院 学 位 課 程 の プ ロ グ ラ ム に 加 え て 、 高 等 教 育 機 関 は 、 継 続 職 能 開 発 ︵ C P D ︶ や 継 続 教 育 ︵ C E ︶
る た め に 導 入 さ れ て き た 。
6 | 教育マネジメント
考 え ら れ て い た 。 こ の 意 味 に お い て 、 大 学 課 程 に お け る 職 業 経 験 は 大 学 修 了 と 職 を 得 る ま で の 時 間 を 減 少 す
し た 職 業 訓 練 教 育 を 促 進 す る 責 任 を 負 う ビ ジ ネ ス 部 門 と こ れ ら の 資 格 を 統 合 す る こ と は 極 め て 重 要 で あ る と
象 徴 性 に 関 わ っ て 利 益 を 受 け る ﹁ 職 業 バ カ ロ レ ア ﹂ ︵
vocational baccalauréat
る 適 切 な 提 供 は 困 難 で あ る 。 そ の 結 果 、 ど の 程 度 ま で 高 等 教 育 機 関 が 提 供 す る 専 門 教 育 や 職 業 訓 練 が 純 粋 に 地 域 の
︶ も 導 入 さ れ た 。 仕 事 場 に 根 ざ
れ て い る 職 業 学 習 免 状 ︵ B E P ︶ と 職 業 適 性 証 ︵ C A P ︶ 、 同 じ く 、 バ カ ロ レ ア の 資 格 と 結 び つ い て い る 強 い
が 導 入 さ れ て き た 。 特 に 、 一 九 八 〇 年 代 に 短 期 間 の 職 業 訓 練 教 育 課 程 が 導 入 さ れ 、 職 業 リ セ に お い て 研 究 さ
す で に 確 立 さ れ た 高 等 教 育 と 並 行 し て 、 職 業 訓 練 教 育 の 地 位 を 高 め る た め に 、 フ ラ ン ス で は 重 要 な 第 一 歩
家 的 な 技 能 の ニ ー ズ に 見 合 っ た 高 等 教 育 を 提 供 す る 多 く の 努 力 が み ら れ る 。
国 の 競 争 力 の 維 持 や 強 化 の た め に 技 能 開 発 の 重 要 性 が い っ そ う 重 視 さ れ る 。 こ う し た 変 化 の 結 果 、 地 域 的 お よ び 国
は な い こ と を 意 味 す る 。 す な わ ち 成 人 教 育 と 継 続 高 等 教 育 へ の 要 求 が 著 し く 増 大 し て い る 。 生 涯 学 習 が 強 調 さ れ 、
に な っ て い る 。 技 術 の 変 化 と は 、 取 得 し た 技 術 は す ぐ に 旧 式 と な り 、 キ ャ リ ア を 向 上 さ せ る こ と が 、 も は や 単 純 で
高 等 教 育 機 関 は 労 働 市 場 で の 専 門 教 育 や 職 業 訓 練 教 育 の 需 要 に 合 わ せ る こ と で 地 域 的 役 割 を い っ そ う 果 た す よ う
オ ー ス ト ラ リ ア の サ ザ ン ク ロ ス 大 学 は 、 特 に 職 場 の ニ ー ズ に 応 え る た め に 雇 用 者 と の 連 携 で 共 同 教 育 と 訓
ベ ル を 高 め る と い う 共 通 の 目 的 を も っ て い た た め に 促 進 さ れ た 。
設 立 さ れ た 。 地 方 自 治 体 の 関 与 は 、 そ の 地 域 の 発 展 を め ざ し て 、 市 と そ の 大 学 が 、 ビ ジ ネ ス 教 育 と 訓 練 の レ
地 方 財 団 で あ る ヴ ィ ボ ル グ ・ エ コ ノ ミ ッ ク ・ ソ サ エ テ ィ ー ︵
︶ か ら の 支 援 を 受 け て
フ ィ ン ラ ン ド の ラ ッ ペ ー ン ラ ン タ 工 科 大 学 の 経 営 学 大 学 院 ︵
School of Business Administration
練 プ ロ グ ラ ム を つ く り あ げ た 。 大 学 は 学 習 教 材 の 作 成 を 担 当 す る 専 門 家 た ち に よ っ て 伝 え ら れ た 実 践 家 た ち
Vyborg Economic Society
の 間 に あ る ニ ー ズ を 明 ら か に す る 継 続 職 能 開 発 セ ン タ ー ︵ C P D s ︶ を 設 立 し た 。 C P D s に よ り 、 サ ザ ン ク
︶ は 、 市 と
と 企 業 か ら 採 用 し て い る 。
そ し て 、 ア イ ン ト ホ ー フ ェ ン の 三 つ の 大 学 の 協 力 に よ る ベ ン チ ャ ー 企 業 で あ り 、 職 員 は 他 の 地 域 の 教 育 機 関
私 立 学 校 で あ る 東 オ ラ ン ダ の ト ゥ エ ン テ ・ ビ ジ ネ ス ス ク ー ル ︵ T B S ︶ は 、 ト ゥ エ ン テ 、 フ ロ ー ニ ン ゲ ン 、
ス の 訓 練 課 程 に 対 し て 増 加 す る ニ ー ズ に 応 え て い る 。
た 形 態 で 存 在 す る 。 そ う し た 学 校 は 、 他 の 教 育 提 供 者 や 地 域 の パ ー ト ナ ー と 協 力 し て 、 そ の 地 域 の 専 門 職 や ビ ジ ネ
こ れ ら は 、 継 続 教 育 や 継 続 職 能 開 発 の た め に 設 立 さ れ た セ ン タ ー や 分 離 し た 独 立 採 算 制 の ビ ジ ネ ス ス ク ー ル と い っ
題 と な る 。 そ し て 、 市 場 へ の 対 応 性 と い う 問 題 は 、 専 門 教 育 を 提 供 す る た め の ユ ニ ッ ト の 設 立 を 通 じ て 解 消 さ れ る 。
た 、 地 域 の 技 能 ニ ー ズ に 応 え る 能 力 は 、 組 織 の 要 求 が そ れ ほ ど 明 確 で な い 比 較 的 小 規 模 な 対 象 の 場 合 に は 特 殊 な 問 102
ニ ー ズ か ら 引 き 出 さ れ て い る の か 、 も し く は 高 等 教 育 機 関 が も つ 強 さ や 関 心 に よ る の か は し ば し ば 明 確 で な い 。 ま
ア ク セ ス の 増 加 と 柔 軟 な 学 習 の 提 供
◆ あ る 場 所 に 立 脚 し た 形 態 と バ ー チ ャ ル 形 態 に よ る 教 育 提 供 の 間 の 緊 張 と は 何 か ?
い 形 を 描 い て い る か ?
◆ 地 域 の 高 等 教 育 機 関 は よ り 広 範 な 集 団 へ の 教 育 機 会 の 拡 大 の た め に I C T に 依 拠 し た コ ー ス 配 信 と い う 新 し
6 | 教育マネジメント
◆ 高 等 教 育 機 関 は ど の よ う に 、 多 様 な 地 域 教 育 提 供 を 鑑 み た う え で 、 教 育 機 関 の 一 貫 性 を 維 持 す る の か ?
教 育 提 供 を 促 進 す る に は ど の よ う な 仕 組 み が 存 在 し て い る か ?
◆ サ テ ラ イ ト キ ャ ン パ ス 、 認 証 型 ネ ッ ト ワ ー ク 、 オ ン ラ イ ン コ ー ス 、 ア ウ ト リ ー チ セ ン タ ー の よ う な 、 柔 軟 な
変 化 す る 教 育 提 供 の 形 態
し か し 、 多 く の 高 等 教 育 機 関 が 生 涯 学 習 を 絶 賛 す る 一 方 、 地 域 間 で の 習 得 し た 単 位 互 換 な ど の 仕 組 み は ほ と ん ど
間 と 公 立 部 門 を 対 象 に 認 証 型 と 非 認 証 型 の 特 別 仕 様 の 訓 練 課 程 を つ く り 、 提 供 す る た め に 設 立 さ れ て き た 。
さ ら に オ ー ス ト ラ リ ア の デ ィ ー キ ン 大 学 に あ る ﹁ デ ィ ー キ ン ・ オ ー ス ト ラ リ ア ﹂ ︵
Deakin Australia
103
組 み は 何 か ?
◆ ど ん な 仕 組 み が 、 高 等 教 育 の 機 会 が 伝 統 的 に 開 か れ て い な か っ た 地 域 の 学 習 者 の ア ク セ ス を 増 や し て い る 仕
の 高 等 教 育 機 関 で 具 体 化 し て い な い 。 こ の こ と は 、 繁 栄 す る 地 域 に あ る よ り 競 争 力 の あ る 大 学 に 特 に あ て は ま る 。
︶ は 、 民
ロ ス 大 学 は い く つ か の 産 業 グ ル ー プ に 特 別 仕 様 の 課 程 を 遠 距 離 学 習 や 職 場 研 究 会 な ど の 形 態 で 提 供 し て い る 。
︶ は 、 ア ク セ ス す る 科 目 の た め の 公 認 機 関 ︵
議 長 で あ る テ ィ ー ズ 地 区 オ ー プ ン カ レ ッ ジ ・ ネ ッ ト ワ ー ク ︵
TROCN: Tees Region Open College Network
︶ で あ る 。 そ の 課
と ウ ィ ア サ イ ド 区 及 び ダ ラ ム オ ー プ ン カ レ ッ ジ ・ ネ ッ ト ワ ー ク ︵ Wearside and Durham Open College
︶ と ノ ー ザ ン ブ リ ア 大 学 を 拠 点 と し た U N I L I N K と 結 び つ い
程 は 、 地 域 を 対 象 に し た ア ク セ ス 提 供 ネ ッ ト ワ ー ク を 形 成 す る た め に 、 タ イ ン 川 地 区 オ ー プ ン カ レ ッ ジ 連 盟
AVA : authorized validating agencies
て い る 。 こ れ ら の ネ ッ ト ワ ー ク に は 三 〇 以 上 も の 単 科 大 学 や 地 域 の 大 学 が 加 わ っ て い る 。
︵
Network
ほ と ん ど の 高 等 教 育 機 関 は 人 口 が 集 中 し て い る 地 域 に あ る が 、 彼 ら は 、 遠 隔 地 や 農 村 地 域 の 人 々 に 対 し て も 遠 隔
TOCF :Tyneside Open College Federation
学 習 や ア ウ ト リ ー チ セ ン タ ー を 用 い れ ば 教 育 ア ク セ ス を 提 供 で き る 。 こ れ ら は 、 広 い 福 祉 国 家 プ ロ グ ラ ム の 一 部 と
︶
イ ギ リ ス の 北 東 部 の あ る 教 育 機 関 は 、 ア ク セ ス の 仕 組 み を い く つ か 開 発 し て き た 。 テ ィ ー ズ サ イ ド 大 学 が
で は な い 教 育 機 関 と の 間 で の 学 習 ル ー ト を 認 証 す る た め の 仕 組 み を つ く り あ げ る こ と で あ る 。
れ よ う と し な い こ と が よ く あ る 。 特 に 高 等 教 育 機 関 に 直 面 し て い る 固 有 の 問 題 は 、 地 域 を ベ ー ス に し た 大 学 と 大 学
し か し 、 旧 来 の 多 く の 大 学 は 、 こ の よ う な 代 替 的 な 学 習 ル ー ト か ら の 学 習 候 補 者 を 認 識 し よ う と せ ず 、 ま た 受 け 入
特 別 仕 様 の 課 程 開 発 と 提 供 は 、 非 伝 統 型 の 学 生 た ち に 高 等 教 育 機 関 へ の 道 筋 を 提 供 す る 効 率 的 な 仕 組 み で あ る 。
ま り 提 供 さ れ て こ な か っ た 農 村 や 周 辺 地 域 へ 新 し い 形 態 で の 教 育 配 信 を 試 み て き た 。
が 高 等 教 育 に よ り ア ク セ ス で き る よ う に す る た め に 教 育 活 動 を 拡 大 し て き た 。 そ し て 、 特 に こ れ ま で 高 等 教 育 が あ
三 年 間 の 学 士 号 と い う 枠 組 み か ら 抜 け 出 よ う と し て い る 。 ほ と ん ど の 高 等 教 育 機 関 は 伝 統 的 に 少 数 者 で あ っ た 集 団 104
多 様 な 対 象 者 に 柔 軟 な 高 等 教 育 形 態 を 提 供 す る た め に 、 高 等 教 育 機 関 は 伝 統 的 な 形 態 で の 課 程 の 配 信 と 標 準 的 な
︶ を 創 設 し た 。 こ の プ ロ
フ ィ ン ラ ン ド の ト ゥ ル ク 大 学 は 、 ト ゥ ル ク 地 域 周 辺 の 人 が 住 む 数 多 く の 島 々 や 沿 岸 に お け る 漁 業 や 農 業 の
105
信 課 程 の 提 供 が 不 安 定 に な っ て い る 。
局 と 産 業 界 の 共 同 に よ り 組 織 化 さ れ て い る 。 し か し 、 ス ウ ェ ー デ ン の 大 学 課 程 を 運 営 す る た め の 資 金 は 業 績
で 、 大 学 や 学 科 が 懸 念 す る よ う な 浪 費 な し に 、 運 営 で き る よ う に な っ た 。 セ ン タ ー は 、 ウ ー メ オ 大 学 地 方 当
6 | 教育マネジメント
う に な っ た 。 そ れ に よ っ て 、 か な り 多 数 の 参 加 者 が 、 そ れ ぞ れ の 課 程 に 引 き つ け ら れ る よ う に な っ た 。 そ れ
な か っ た 。 し か し 、 学 習 セ ン タ ー の グ ル ー プ 化 を 通 し て 、 同 時 に 三 、 四 カ 所 で 精 選 し た 課 程 を 提 供 で き る よ
属 し て い る 。 し か し 、 そ の よ う な セ ン タ ー で 、 完 全 な 大 学 課 程 を 運 営 す る た め の 費 用 対 効 果 が 証 明 さ れ て い
ス ウ ェ ー デ ン 北 部 の ほ と ん ど の 地 域 に は 高 等 教 育 の 学 習 セ ン タ ー が あ り 、 そ れ ら の 多 く が 地 域 の 学 校 に 付
遠 隔 教 育 で 利 用 で き る プ ロ グ ラ ム を 開 発 し た 。
の 役 割 を 達 成 す る た め に 、 大 学 は ノ ー ル ラ ン ド 全 体 の 遠 隔 地 用 に ﹁ 配 信 課 程 ﹂ ︵
distributed course
Archipelago Development Project
産 業 開 発 を 援 助 す る た め に 群 島 開 発 プ ロ ジ ェ ク ト ︵
︵ つ ま り 、 成 果 ︶ に 基 づ い て い る 。 そ の 結 果 、 複 数 の 地 域 セ ン タ ー で は 、 退 学 率 が 高 い た め に 、 い く つ か の 配
︶ を 設 け て 、
有 資 格 の 公 的 部 門 の 人 材 を 供 給 し て 、 ノ ー ル ラ ン ド の 文 化 の 発 展 に 貢 献 す る た め に 建 て ら れ た 。 そ の 教 育 上
で あ る 。 大 学 は も と も と 、 そ の 地 域 の 高 等 教 育 へ の ア ク セ ス を 容 易 に す る た め に 設 立 さ れ た 。 そ し て 、 特 に
ウ ー メ オ 大 学 は 、 一 九 六 〇 年 に ノ ー ル ラ ン ド で 設 立 さ れ た 。 そ こ は 、 人 口 密 度 の 低 い ス ウ ェ ー デ ン の 北 部
る 重 要 な 道 具 で あ る 。
し て 周 辺 地 域 や 遠 隔 地 域 に サ ー ビ ス の 提 供 を 増 や す た め に 高 等 教 育 機 関 が 用 い て き た 人 口 密 度 の 低 い 地 域 を 統 合 す
と 他 の ア ジ ア や ヨ ー ロ ッ パ の 大 学 か ら 構 成 さ れ て い る 。 機 関 の 目 的 は 、 東 西 関 係 の い っ そ う の 理 解 を 図 る こ
︶ と 名 づ け ら れ た 大 学 コ ン ソ ー シ ア ム を ひ き い て い る 。 こ の コ ン ソ ー シ ア ム は 、 い く つ か の 中 国
や 夏 期 講 習 を 教 職 員 や 学 生 に 提 供 す る た め に あ る 。 さ ら に 、 H K B U は デ イ ビ ッ ド ・ ラ ム 研 究 所 ︵
港 の 慈 善 団 体 か ら 資 金 援 助 を 得 て 設 立 さ れ た 。 そ の キ ャ ン パ ス は 、 中 国 本 土 に 教 育 機 会 を 拡 大 し 、 交 換 課 程
地 位 を 反 映 し て い る 。 H K B U は 、 北 京 の キ ャ ン パ ス に 清 華 大 学 ︵
︶ の 一 部 と し て 、 香
香 港 バ プ テ ス ト 大 学 ︵
︶ は 、 多 重 領 有 的 な 忠 誠 義 務 の あ る 地 域 と し て の 香 港 の
中 央 政 府 や 地 方 の 資 金 源 を 引 き 寄 せ て お り 、 エ ス ト ニ ア な ど 隣 国 諸 国 と の 関 係 を 発 展 さ せ る 原 動 力 と な っ た 。
ロ ジ ェ ク ト ︵
telework project
︶ は 、 高 等 教 育 に 対 す る 高 ま っ て い る 社
と で あ る 。
HKBU : Hong Kong Baptist
フ ラ ン ス の ﹁ ユ ニ バ ー シ テ ィ ー ・ ア ン テ ナ ﹂ ︵
University of Tsinghua
会 か ら の 要 求 に 応 え る た め に つ く ら れ た 。 ユ ニ バ ー シ テ ィ ー ・ ア ン テ ナ は 、 母 体 大 学 に そ の 運 営 を 依 頼 し て
David C.
い て 、 地 方 自 治 体 か ら か な り の 支 援 を 受 け て い る 。 教 職 員 は 主 に 短 期 の 一 年 目 の 大 学 課 程 を 運 営 す る ア ン テ
Lam Institute
ナ に 配 置 さ れ て い る 。 ア ン テ ナ に 参 加 す る ほ と ん ど の 学 生 は 、 経 済 的 に 低 所 得 者 層 で あ り 、 そ の よ う な 学 生
University Antennas
の 母 体 大 学 で の 完 全 な 課 程 で 学 業 が 可 能 と な る こ と に 、 大 き な 関 心 が 注 が れ て い る 。 ア ン テ ナ は 、 そ の 母 体
︶ を 通 じ て 新 し い 技 能 開 発 も 提 供 し て い る 。 そ の プ ロ ジ ェ ク ト は 、 い く つ か の
れ て い る 。 こ の プ ロ ジ ェ ク ト は 、 地 域 産 業 の た め に 訓 練 や 野 外 課 程 を 提 供 す る だ け で は な く 、 遠 距 離 通 信 プ
ン シ ョ ン 学 習 セ ン タ ー を 通 じ て 調 整 さ れ 、 島 の 自 治 体 や 地 域 政 府 を 含 む 異 分 野 経 営 グ ル ー プ に よ っ て 運 営 さ 106
ジ ェ ク ト の 目 的 は 、 地 域 の 人 口 減 少 と 経 済 の 衰 退 を 止 め る こ と で あ っ た 。 プ ロ ジ ェ ク ト は 、 大 学 の エ ク ス テ
オ ー ス ト ラ リ ア の サ ザ ン ク ロ ス 大 学 は 、 オ ー プ ン ・ ラ ー ニ ン グ ・ オ ー ス ト ラ リ ア ︵
Open Learning Australia
OLAC :Open Learning Access Centres
の 機 関 に 付 属 す る 三 つ の オ ー プ ン ・ ラ ー ニ ン グ ・ ア ク セ ス セ ン タ ー ︵
︶ ︶ 107
増 加 の 恩 恵 を 大 き く 受 け て き た 。
い る 。 放 送 大 学 は イ ギ リ ス に お い て 、 最 も 費 用 対 効 果 の 高 い 教 育 を 提 供 で き る 。 そ の 結 果 、 政 府 の 補 助 金 の
さ れ て い る 。 放 送 大 学 は ロ ン ド ン 近 郊 の 本 部 と 、 イ ギ リ ス 全 土 に あ る 地 域 学 習 セ ン タ ー を 通 し て 組 織 さ れ て
ジ オ プ ロ グ ラ ム の 課 程 は 、 い ま だ に 最 も 使 用 頻 度 の 高 い ツ ー ル で あ る 。 こ れ ら は 、 テ ュ ー ト リ ア ル 制 で 支 援
6 | 教育マネジメント
最 大 の 大 学 で あ る 。 遠 隔 教 育 に は 、 電 子 メ ー ル 、 ウ ェ ブ コ ー ス の よ う な 技 術 も 使 わ れ て い る が 、 テ レ ビ や ラ
て い る 。 学 生 数 は 二 〇 万 人 を 超 え 、 二 万 人 以 上 の 海 外 か ら の 学 生 を 含 ん で お り 、 イ ギ リ ス の 大 学 の な か で は
一 九 六 九 年 に 設 立 さ れ た イ ギ リ ス の 放 送 大 学 ︵ O U ︶ は 、 大 学 レ ベ ル の 近 代 的 な 遠 隔 教 育 の 先 駆 者 と さ れ
態 を と っ て い る 。
エ デ ュ ケ ー シ ョ ン は 、 通 常 、 先 端 的 な 技 術 イ ン フ ラ よ り も 、 テ レ ビ を 利 用 し た 教 材 の よ う な 伝 統 的 な 課 程 配 信 の 形
通 信 技 術 ︵ I C T s ︶ の 利 用 に よ っ て 、 す べ て の 地 域 で 多 く の 人 々 に 届 け ら れ る 。 し か し 、 遠 隔 教 育 や オ ー プ ン ・
関 を 通 し て 組 織 さ れ て い る 。 し か し 、 あ る 国 で は 、 個 々 の 大 学 が 媒 介 す る 。 オ ー プ ン ・ エ デ ュ ケ ー シ ョ ン は 、 情 報
シ ス テ ム に お け る 違 い は 、 放 送 大 学 の 組 織 に あ る 。 例 え ば 、 あ る 国 の オ ー プ ン ・ エ デ ュ ケ ー シ ョ ン は 分 離 さ れ た 機
柔 軟 で 場 所 を 必 要 と し な い 学 習 形 態 で あ る 開 か れ た 教 育 を 通 じ て 、 非 伝 統 的 集 団 に 高 等 教 育 を 提 供 で き る 。 国 の
大 学 の 周 り で 成 長 す る 地 域 の 高 等 教 育 の 構 成 要 素 で あ る 。
niche
︵
︶ プ ロ グ ラ ム を 開 発 し て 繁 栄 し て い る 。
は 、 一 二 州 内 の 五 七 カ 所 の 学 習 セ ン タ ー に 散 ら ば っ て い る 。 大 学 は 、 特 に I T や ビ ジ ネ ス 分 野 で の 隙 間
拡 大 し た 例 で あ る 。 大 学 は 、 現 在 、 学 位 を 取 得 す る 目 的 を も っ た 四 万 八 〇 〇 〇 人 の 学 生 を 抱 え て お り 、 学 生
ア メ リ カ 合 衆 国 の フ ェ ニ ッ ク ス 大 学 は 、 国 全 体 を カ バ ー す る よ う に 、 教 育 提 供 を 地 域 か ら 全 国 規 模 に ま で
し た り 、 地 域 の 一 連 の 関 係 者 た ち が 提 供 す る 内 部 お よ び 外 部 の 高 等 教 育 の 提 供 を 組 み 合 わ せ た り し て 対 応 し て い る 。
由 し て 教 育 課 程 を 提 供 す る 。 高 等 教 育 機 関 は 、 こ の 脅 威 に 対 し 、 地 球 的 規 模 で の ウ ェ ブ に 準 拠 し た 教 育 課 程 を 提 供
そ う し た 外 部 の 教 育 提 供 者 は 、 地 域 の 学 習 シ ス テ ム に 参 入 す る こ と が で き 、 イ ン タ ー ネ ッ ト の よ う な メ デ ィ ア を 経
し た が っ て 、 地 域 や 国 に お け る 多 く の 高 等 教 育 機 関 の 独 占 的 地 位 は 、 外 部 の 教 育 提 供 者 に 取 っ て 代 わ ら れ て い る 。
関 係 者 が 、 個 人 的 に 、 ま た 連 携 し て 、 画 期 的 な 方 法 で 教 育 ニ ー ズ に 合 致 し た り 、 応 え た り で き る よ う に し て い る 。
戦 に な っ て い る 。 情 報 通 信 技 術 ︵ I C T s ︶ の 発 達 は 、 高 等 教 育 機 関 や 他 の 公 立 や 民 間 の 機 関 だ け で な く 、 多 く の
ワ イ ド ウ ェ ブ な ど ︶ の 発 達 は 、 知 識 の 創 造 、 保 存 、 伝 達 に お い て 、 特 定 の 場 所 に 基 盤 を も つ 大 学 の 役 割 に 対 す る 挑
い て 起 こ っ て い る 。 特 に テ レ コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ・ ネ ッ ト ワ ー ク ︵ 放 送 、 有 線 テ レ ビ 、 イ ン タ ー ネ ッ ト 、 ワ ー ル ド
技 術 の 進 歩 と 広 範 な 社 会 、 経 済 の 変 容 の 結 果 と し て 、 顕 著 な 変 化 が 高 等 教 育 の 提 供 に お け る 役 割 と そ の 特 質 に つ
バ ー チ ャ ル 大 学
た ち の 調 査 対 象 に な っ て い る 。
近 頃 、 聴 覚 に 障 害 の あ る 学 生 の た め の 学 習 施 設 に 対 す る 賞 を 受 賞 し 、 柔 軟 な 学 習 設 備 の 類 似 モ デ ル の 推 進 者 108
を 設 立 し た 。 こ れ ら の セ ン タ ー の 顧 問 委 員 会 に は 、 地 域 社 会 の 代 表 者 た ち が 入 っ て い る 。 そ の セ ン タ ー は 、
オ ー ス ト ラ リ ア の サ ザ ン ク ロ ス 大 学 ︵ S C U ︶ は 一 九 九 四 年 に 設 立 さ れ た が 、 そ の 原 点 は 小 さ な 教 員 養 成
109
こ う し た 挑 戦 に 対 し て 、 多 く の 高 等 教 育 機 関 は 場 所 を 必 要 と す る 教 育 と 伝 統 的 な 学 術 的 用 語 か ら 脱 却 し た 高 等 教
ら 分 離 し つ つ あ る 。
う 、 変 化 し つ つ あ る 知 識 生 産 の 状 況 を 示 す 。 そ の よ う な 発 展 と 連 動 し て 、 高 等 教 育 機 関 は 特 定 の 場 所 や 地 域 社 会 か
6 | 教育マネジメント
に 、 イ ン タ ー ネ ッ ト は 、 本 来 の 場 所 を 必 要 と す る 教 育 の 地 位 や 権 威 を 変 え 、 多 分 に そ の 存 立 の 基 盤 を 浸 食 す る と い
利 用 可 能 性 で あ る 。 第 二 に 、 教 育 実 践 の 重 要 な 開 発 が 求 め ら れ る 高 等 教 育 の 大 衆 化 へ の 動 き が あ る 。 そ し て 、 第 三
所 を 必 要 と し な い 教 育 機 関 の 出 現 は 、 い く つ か の 発 展 が 要 因 と な っ て い る 。 第 一 に 、 技 術 的 に 発 展 し た 社 会 基 盤 の
託 が 複 雑 な 再 交 渉 の 段 階 に あ る こ と を 示 唆 す る ﹁ バ ー チ ャ ル 大 学 ﹂ ︵
virtual university
大 学 で あ っ た 。 大 学 は 、 斬 新 な 教 育 機 関 の 形 態 を と っ て お り 、 大 学 名 は 地 域 と 直 接 の 関 係 は な い 。 こ の 地 理
育 の 配 信 を 試 み て い る 。
︶ の 概 念 と 関 係 し て い る 。 場
I C T s の 導 入 に 基 盤 を も つ 教 育 提 供 や 高 等 教 育 機 関 の 形 態 が 変 化 し つ つ あ る 特 質 は 、 高 等 教 育 機 関 の 役 割 と 付
ス ポ ン サ ー が 支 え る 地 域 セ ン タ ー の ネ ッ ト ワ ー ク と を 組 み 合 わ せ た 教 育 パ ッ ケ ー ジ を 提 供 し て い る 。
り 難 し く す る こ と に 気 づ い た の で あ る 。 こ の バ ー チ ャ ル 大 学 は 、 I C T s と 伝 統 的 な 通 信 方 法 、 そ し て 企 業
き く 依 存 し て い る こ と を 認 識 し た 。 彼 ら は 、 縮 小 す る 州 の 予 算 と 増 加 す る 学 生 人 口 が 、 そ れ ら へ の 対 応 を よ
知 事 た ち は 、 彼 ら の 州 の 福 祉 を 認 識 し 、 国 が 経 済 や 社 会 の 変 化 の ニ ー ズ に 対 応 し た 中 等 後 教 育 シ ス テ ム に 大
ア メ リ カ 合 衆 国 の 西 部 一 八 州 の 知 事 と 、 ア ッ プ ル 、 マ イ ク ロ ソ フ ト 、 I B M を 含 む 企 業 に よ っ て 創 設 さ れ た 。
ウ ェ ス タ ン ガ ヴ ァ ナ ー ズ 大 学 は 、 遠 隔 教 育 に よ っ て 高 等 教 育 に ア ク セ ス し や す く す る と い う 展 望 を も っ て 、
カ タ ロ ニ ア 放 送 大 学 は 、 バ ル セ ロ ナ 本 部 の 指 示 に よ り 、 学 生 支 援 セ ン タ ー ネ ッ ト ワ ー ク を 含 む 地 域 開 発 計
ビ ス 等 へ の 、 巨 大 で 広 範 囲 な 設 備 へ 最 大 限 の ア ク セ ス を 提 供 し て い る 。
ン ラ イ ン マ ル チ メ デ ィ ア や イ ン タ ー ラ ク テ ィ ブ 教 材 、 テ ュ ー ト リ ア ル 支 援 、 図 書 館 資 料 、 ま た は 、 運 営 サ ー
パ ス を 経 由 し て 機 能 し て い る 。 学 生 や 教 授 た ち は 、 バ ー チ ャ ル キ ャ ン パ ス に 毎 日 接 続 し 、 キ ャ ン パ ス は 、 オ
に 創 立 さ れ た 。 大 学 は 、 コ ン ピ ュ ー タ ネ ッ ト ワ ー ク に よ り 、 カ タ ロ ニ ア 全 体 を カ バ ー す る バ ー チ ャ ル キ ャ ン
一 九 九 五 年 に 地 域 の 伝 統 的 な 大 学 教 育 が 対 応 し な か っ た 高 度 な 技 能 を も つ 労 働 力 と い う 要 請 に 対 応 す る た め
立 し た 。 基 金 の 創 設 に よ っ て 、 大 学 は 担 当 地 域 を カ タ ロ ニ ア 全 体 に 拡 大 す る 。 特 に カ タ ロ ニ ア 放 送 大 学 は 、
ス ペ イ ン の カ タ ロ ニ ア 地 方 の ほ と ん ど の 大 学 は 、 継 続 教 育 市 場 の 要 求 に 柔 軟 に 対 応 す る た め に 、 分 校 を 設
を つ く る た め に 新 し い 技 術 に 大 き く 依 存 す る こ と に な る 。
パ ス を 設 立 し よ う と し て い る 。 構 想 さ れ て い る 大 学 は 、 キ ャ ン パ ス ネ ッ ト ワ ー ク を 通 じ て 統 合 的 な サ ー ビ ス
ジ ェ ク ト は 、 三 〇 万 人 強 の 人 口 を も ち な が ら も 今 の と こ ろ 高 等 教 育 が 提 供 さ れ て い な い 地 域 に 一 三 の キ ャ ン
年 ま で に 、 ス コ ッ ト ラ ン ド 北 部 の 農 村 地 帯 や 僻 地 の 高 地 と 離 島 地 域 に 連 邦 大 学 を 設 立 す る こ と で あ る 。 プ ロ
ハ イ ラ ン ド ・ ア イ ラ ン ド 大 学 ︵
University of the Highlands and Islands
画 を 策 定 し た 。 支 援 セ ン タ ー は 、 コ ン ピ ュ ー タ ア ク セ ス や マ ル チ メ デ ィ ア 、 図 書 館 資 料 に つ い て 、 大 学 生 の
︶ プ ロ ジ ェ ク ト の 目 的 は 、 二 〇 〇 一
た 、 東 南 ア ジ ア と 全 世 界 に ウ ェ ブ を 通 じ て 教 育 課 程 を 提 供 し て い る 。
に 在 籍 し て お り 、 オ ー ス ト ラ リ ア の 州 と 海 外 を 通 し て 、 そ の う ち 四 〇 % が 遠 隔 地 で 学 ん で い る 。 S C U は ま 110
的 な 結 び つ き の 欠 如 は 、 遠 隔 教 育 と の 関 わ り の 反 映 で も あ る 。 九 〇 〇 〇 人 の 学 生 が 八 カ 所 以 上 の キ ャ ン パ ス
111
オ ー ス ト ラ リ ア の い く つ か の 大 学 は 、 オ ー ス ト ラ リ ア の 原 住 民 で あ る ア ボ リ ジ ニ ー と ト レ ス 海 峡 島 民 の 地
っ た 、 例 え ば 、 民 族 的 少 数 派 や 成 人 学 生 、 ハ ン デ ィ キ ャ ッ プ を も つ 人 々 の 集 団 な ど に 教 育 機 会 を 広 げ る 結 果 を も た
6 | 教育マネジメント
高 等 教 育 機 関 の 大 規 模 化 と 多 数 の 国 に お け る 高 等 教 育 の 大 衆 化 の 広 が り は 、 伝 統 的 に 高 等 教 育 の 進 学 者 が 少 な か
参 加 の 拡 大
供 す る 便 益 を 考 え る と き 、 地 域 の 高 等 教 育 機 関 へ の 大 き な 脅 威 に な る 。
に よ る 柔 軟 な 教 育 提 供 そ れ 自 体 が 、 新 し い プ レ イ ヤ ー た ち に 切 り 崩 さ れ 、 学 生 た ち が 急 速 に 伸 び る 別 の 選 択 肢 が 提
信 企 業 に よ っ て 支 え ら れ て い る バ ー チ ャ ル で 、 柔 軟 で 、 遠 隔 教 育 の 提 供 に よ り 繁 栄 し て い る 。 地 域 の 高 等 教 育 機 関
育 産 業 ﹂ ︵
に 使 わ れ た ﹁ 本 店 ︱ 支 店 プ ラ ︶ ン は ト 、 ﹂ ︵ も と も と 多 国 籍 的 な 性 質 を も ︶ つ モ 企 デ 業 ル の に ス よ ポ る ン 高 サ 等 ー 教 や 育 主 の 要 地 な 方 I 分 T 散 企 化 業 で や あ 遠 る 距 。 離 ﹁ 通 教 headquarter-branch plant
域 社 会 へ の 教 育 提 供 の 増 加 に 積 極 的 に 従 事 し て い る 。 ニ ュ ー サ ウ ス ウ ェ ー ル ズ 大 学 は 、 こ う し た 集 団 の 成 員
ら し た 。 ま た そ れ 以 上 に 、 多 く の 国 々 で は 、 高 等 教 育 の 提 供 は 、 そ の 土 地 の 先 住 民 、 少 数 民 族 、 文 化 集 団 な ど に 固
education industry
の 大 学 へ の ア ク セ ス を 改 善 し て い る 。 さ ら に 、 サ ザ ン ク ロ ス 大 学 は 、 オ ー ス ト ラ リ ア 先 住 民 カ レ ッ ジ と ガ ン
有 な 要 求 を 満 た す よ う に 特 別 に 編 成 さ れ て い る 。
本 質 的 に 、 バ ー チ ャ ル 大 学 に 関 連 す る 発 展 は 、 教 育 提 供 に お い て 規 模 の 経 済 を 創 出 し 、 単 位 経 費 を 削 減 す る た め
る と い う エ ク ス テ ン シ ョ ン の 拠 点 と し て の 重 要 な 役 割 を 果 た し て い る 。
ニ ー ズ に 応 え る だ け で な く 、 地 域 社 会 に 高 等 教 育 を 開 放 し 、 高 校 卒 業 の 資 格 が な く て も 、 教 育 機 会 を 提 供 す
︶ は 、 オ ー ス ト ラ リ ア の ほ と ん ど の 大 学 が 特 に 大 都 市 圏
心 地 に キ ャ ン パ ス を 設 置 し て い る 。 こ れ は 、 高 等 教 育 機 関 が 海 外 の 学 生 層 の よ う な 新 し い 学 生 市 場 に 参 入 す る 一 つ
て い る 。 例 え ば 、 多 く の 高 等 教 育 機 関 は よ り 広 い 学 生 の 市 場 に ア ク セ ス す る た め に 、 そ の 地 域 の 人 口 密 度 の 高 い 中
高 等 教 育 機 関 は 学 生 の 受 け 入 れ を 広 げ る た め に 、 他 の 地 域 の 遠 隔 教 育 セ ン タ ー と の 合 併 や 、 設 立 の 戦 略 を 展 開 し
退 職 者 た ち の 地 域 社 会 の ニ ー ズ に 対 す る 大 学 の 対 応 を 反 映 し て い る 。
し た 課 程 は 、 一 万 二 〇 〇 〇 人 以 上 の 学 生 の 対 象 者 を 引 き つ け た 。 そ れ は 、 南 フ ロ リ ダ で 急 速 に 増 え た 裕 福 な
例 え ば 、 フ ロ リ ダ 大 西 洋 大 学 は 、 六 〇 歳 以 上 の 人 々 の ニ ー ズ に 応 え て 、 独 自 の プ ロ グ ラ ム を 開 設 し た 。 そ う
ス テ ム の 圧 迫 に な っ て い た 。 地 域 の 大 学 は 、 さ ま ざ ま な 方 法 で 、 そ う し た 要 請 に 見 合 う 試 み を 行 っ て き た 。
ア メ リ カ 合 衆 国 の 南 フ ロ リ ダ 地 域 で は 、 一 九 六 〇 年 以 来 、 人 口 が 四 倍 以 上 に 増 加 し て お り 、 地 域 の 教 育 シ
な け れ ば な ら な い し 、 そ う し た 変 化 を 反 映 し た 教 育 課 程 の 提 供 を 開 発 し な け れ ば な ら な い 。
高 等 教 育 機 関 は 、 例 え ば 、 人 口 統 計 学 的 な 側 面 や 、 社 会 、 民 族 の 構 成 な ど で 変 化 し て い る 地 域 の 特 性 に も 対 応 し
す た め 、 こ の カ レ ッ ジ と セ ン タ ー の 職 員 は 主 に ア ボ リ ジ ニ ー と ト レ ス 海 峡 島 民 で 構 成 さ れ て い る 。
ジ ル ・ ジ ン デ ィ バ 支 援 セ ン タ ー ︵
Gungil Jindibah Support Centre
オ ー ス ト ラ リ ア の 大 学 の 最 近 の 調 査 ︵
Garlick 1998
で な い 地 域 で の 教 育 機 会 を 広 げ る た め に 、 系 列 キ ャ ン パ ス を 設 置 し た こ と を 明 ら か に し た 。 例 え ば 、 ラ ト ロ
の 方 法 で あ る 。
112
︶ を 設 立 し た 。 先 住 民 族 の 大 学 進 学 者 を 増 や
五 〇 〇 〇 件 以 上 の 登 録 が あ る 。
長 い 伝 統 が あ る が 、 そ れ は 大 学 教 職 員 が 地 域 の 農 村 で 教 室 の 運 営 を 始 め た 一 九 世 紀 に ま で 遡 る 。 今 日 、 大 学
イ ギ リ ス 南 西 部 の ブ リ ス ト ル 大 学 に は 出 張 教 育 講 義 ︵
︶ と 成 人 教 養 教 育 の 提 供 と い う
6 | 教育マネジメント
ば 地 域 の 多 数 の 教 育 対 象 者 た ち に 成 人 教 養 課 程 を 幅 広 く 発 展 さ せ て き た 。 そ し て 、 そ の 多 く は 、 村 の 集 会 場 の よ う
発 さ れ て 夜 間 課 程 、 ま た は 短 期 課 程 な ど の 形 態 で 実 施 さ れ て き た 。 都 市 の 役 割 の 一 部 と し て 、 古 い 大 学 は 、 し ば し
歴 史 を も つ 。 そ の よ う な 機 会 の 提 供 は 、 楽 し み や 興 味 か ら 、 よ り 体 系 化 さ れ た 職 業 技 術 ま で の さ ま ざ ま な 動 機 に 誘
旧 来 の 多 く の 大 学 も ま た 、 学 位 に 結 び つ か な い 成 人 教 養 教 育 ︵
liberal adult education
は 地 域 の 成 人 お よ び 継 続 教 育 の 主 な 提 供 者 で あ り 、 そ の 地 域 を 担 当 す る 八 人 の 指 導 教 員 を 置 い て い る 。 多 く
educational outreach
113
の 教 育 機 関 、 図 書 館 、 村 の 集 会 所 、 教 会 な ど の 地 域 全 体 を 通 し て 、 学 位 に 結 び つ か な い 継 続 教 育 課 程 に 一 万
な 小 さ な 地 域 セ ン タ ー で 企 画 さ れ て い る 。
︶ の 提 供 者 と し て の 重 要 な
の 教 育 市 場 に 参 入 す る た め に 大 学 セ ン タ ー を 設 立 し た 。
活 動 を 強 化 で き た の で あ る 。 ま た 、 サ ザ ン ク ロ ス 大 学 は 、 ブ リ ス ベ ン と シ ド ニ ー の 二 つ の 大 き な 広 域 都 市 圏
域 に ま で 教 育 機 会 を 拡 大 し た 。 サ テ ラ イ ト キ ャ ン パ ス の 成 長 が 、 パ ル マ ー ス ト ン ノ ー ス の 本 キ ャ ン パ ス で の
さ ら に 、 ニ ュ ー ジ ー ラ ン ド の パ ル マ ー ス ト ン ノ ー ス に あ る マ ッ シ ー 大 学 は 、 そ の 地 域 だ け で な く 国 の 他 地
そ う し た 集 団 に 高 等 教 育 の 機 会 を も た ら し た 。
ー ブ 大 学 は 、 遠 方 に 孤 立 し て い る た め に ア ク セ ス で き な い 集 団 の た め に 、 七 つ の 地 方 キ ャ ン パ ス を 設 立 し て 、
成 長 す る 地 域 学 習 シ ス テ ム の 鍵 と な る 局 面 の 一 つ は 、 多 様 な 教 育 提 供 者 ︵ 大 学 と 、 大 学 以 外 の 高 等 教 育 機 関 、 継
関 は 、 地 域 開 発 や 地 域 の 人 的 資 源 管 理 に お い て 受 身 的 な ア プ ロ ー チ を と っ て い る 。
ル で 教 育 提 供 と 経 済 発 展 の 間 の 結 び つ き に 気 づ い て い る と こ ろ は さ ら に 少 な い 。 よ く て も 、 た い て い の 高 等 教 育 機
の 高 等 教 育 機 関 な ど の 異 な る 教 育 シ ス テ ム の 部 門 間 に 体 系 的 な 地 域 協 力 が あ る 例 は あ ま り な い 。 そ し て 、 地 域 レ ベ
学 習 社 会 と 学 習 地 域 と い う 概 念 へ の 関 心 の 増 大 に も か か わ ら ず 、 ア メ リ カ 合 衆 国 以 外 に 、 学 校 、 大 学 、 そ し て 他
ス テ ム は 、 地 方 と の 一 貫 性 が 欠 如 し て い る な ど で あ る 。
間 に 著 し い 違 い が あ る 。 例 え ば 、 あ る 国 の 教 育 提 供 者 の 間 に は 地 域 協 力 の 長 い 歴 史 が あ り 、 一 方 、 あ る 国 の 教 育 シ
源 の 能 力 を 開 発 す る 一 貫 シ ス テ ム の 構 築 で あ る 。 そ の よ う な 地 域 学 習 シ ス テ ム を 発 展 さ せ る 潜 在 的 可 能 性 は 、 国 家
高 等 教 育 機 関 が 直 面 す る 最 も 重 要 な 挑 戦 の 一 つ は 、 地 域 の ス テ ー ク ホ ル ダ ー と と も に そ の 地 域 の 総 合 的 な 人 的 資
◆ 高 等 教 育 機 関 は 地 域 の 労 働 市 場 へ の 卒 業 生 の 輩 出 を 監 視 し て い る か ?
◆ 地 域 の 課 題 が 制 度 的 な 人 的 資 源 政 策 に 組 み 入 れ ら れ て い る か ?
ど の よ う に つ な が っ て い る か ?
◆ 教 育 機 関 の 間 に 単 位 互 換 の シ ス テ ム は あ る か ? そ し て 、 大 学 セ ク タ ー と 非 大 学 高 等 教 育 セ ク タ ー と の 間 は
◆ 高 等 教 育 機 関 の 間 の 地 域 提 携 を 支 え る 適 切 な 手 順 は あ る か ?
育 を 発 展 さ せ る 必 要 性 を 認 め て い る か ?
◆ ど の 程 度 、 地 域 レ ベ ル の 整 合 的 な 教 育 シ ス テ ム の 将 来 設 計 が あ る か ? 高 等 教 育 機 関 は 地 域 を 基 盤 に し た 教
地 域 学 習 シ ス テ ム の 整 備
114
strategic partners 115
イ ギ リ ス で は 、 一 九 九 二 年 の 高 等 教 育 シ ス テ ム の 一 元 化 に も か か わ ら ず 、 新 し い 大 学 ︵ 以 前 の ポ リ テ ク ニ ッ
6 | 教育マネジメント
質 は 損 な わ れ る 。 さ ら に 、 高 等 教 育 機 関 は 戦 略 的 に 自 身 を 地 域 の 高 等 教 育 シ ス テ ム の 他 の 教 育 市 場 に 参 入 さ せ 、 そ
高 等 教 育 セ ク タ ー が 、 高 等 教 育 シ ス テ ム に 訓 練 さ れ た 人 々 が 入 る た め の 課 程 に 焦 点 を あ て て い た ら 、 こ の 特 有 の 性
技 術 の た め の 国 の 労 働 市 場 に お け る ニ ー ズ の 多 く は 、 継 続 高 等 教 育 セ ク タ ー に 特 有 な 性 質 に あ っ て い る 。 も し 継 続
教 育 機 関 の 際 立 っ た 使 命 を 不 透 明 に す る 潜 在 的 不 利 益 が 高 等 教 育 機 関 の 側 に あ る か ら で あ る 。 例 え ば 、 中 級 の 職 業
継 続 教 育 機 関 と 高 等 教 育 機 関 を 結 び つ け る 国 の 教 育 シ ス テ ム の 創 設 に も 乗 り 気 で な い 。 そ れ は 、 二 つ の セ ク タ ー の
る と し て 、 継 続 教 育 の 提 供 者 と 正 式 な 協 定 を 結 ぶ こ と に 乗 り 気 で な い こ と を 示 す 証 拠 が あ る 。 ま た 、 地 域 を も と に
づ け ら れ て い る 。 高 等 教 育 機 関 は 、 ﹁ 質 ﹂ ︵
quality
ク ︶ と 他 の 大 学 と の 間 に 地 域 レ ベ ル の 協 力 が ほ と ん ど な い 。 同 様 に 、 大 学 と 継 続 教 育 カ レ ッ ジ と の 間 ︶ に で も あ あ ま り 結 び つ き が な い 。 そ し て 、 地 域 の 経 済 発 展 の プ ロ セ ス で ﹁ 戦 略 的 パ ー ト ナ ー ﹂ ︵
の 利 用 や 基 礎 的 課 程 を 提 供 し た り 、 非 伝 統 的 な 課 程 を 提 供 し た り す る こ と で 、 現 在 そ の よ う な 活 動 に 焦 点 を あ て る
︶ の 問 題 や 、 特 に 高 等 教 育 課 程 を 受 け る 学 生 の 能 力 が 不 確 か で あ
残 念 な こ と に 、 多 く の 地 域 で は 、 高 等 教 育 と 継 続 教 育 の 提 供 者 の 間 に お け る 市 場 の 特 殊 性 と 分 裂 性 に よ っ て 特 徴
地 域 経 済 の 発 展 を 促 進 で き る 。
﹁ 成 長 市 場 ﹂ ︵
growing the market
る と い う 認 識 も な い 。
他 の 地 域 の 教 育 プ ロ バ イ ダ ー と の 競 争 に 直 面 す る か も し れ な い 。
︶ は 、 商 業 主 義 や 市 場 シ ェ ア の 保 護 戦 略 に 反 し て 、 重 複 と 財 政 的 浪 費 を 回 避 し 、
進 す る こ と で あ る 。 地 域 の す べ て の 高 等 教 育 機 関 は 、 教 育 参 加 の 全 体 的 な レ ベ ル を 上 げ る こ と に 興 味 を 抱 い て い る 。
続 教 育 ︵ F E ︶ 機 関 や 学 校 ︶ 等 と 地 方 の 経 済 発 展 に 関 わ る さ ま ざ ま な 組 織 と の 間 に コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン や 協 力 を 促
︶ の 共 有 の
加 に つ い て も 、 州 の 公 立 大 学 と 私 立 大 学 と が 協 力 し て い る 。
ロ リ ダ 環 境 教 育 セ ン タ ー ︵
Florida Centre for Environmental Studies
︶ 部 門 と
オ ー ス ト ラ リ ア の サ ザ ン ク ロ ス 大 学 の 創 意 に 富 む 立 法 機 関 は 、 コ フ ス ハ ー バ ー ︵
Coffs Harbour
New South Wales TAFE
教 育 キ ャ ン パ ス の 展 開 に お い て 、 ニ ュ ー サ ウ ス ウ ェ ー ル ズ 州 技 術 継 続 教 育 ︵
︶ の よ う な 州 規 模 の 研 究 機 関 に お け る 参
フ ロ リ ダ 大 西 洋 大 学 と フ ロ リ ダ 国 際 大 学 の 大 学 院 プ ロ グ ラ ム が 重 複 し な い よ う な 仕 組 み を 構 築 し た 。 ま た フ
の 間 に 協 力 が あ る 。 そ の う え 、 州 の す べ て の 大 学 の 活 動 を 監 視 す る 理 事 会 は 、 フ ロ リ ダ 南 部 の 二 つ の 大 学 、
ら 州 立 大 学 の 学 士 課 程 に 学 生 を 導 く 教 育 プ ロ グ ラ ム を 提 供 す る た め に 、 コ ミ ュ ニ テ ィ カ レ ッ ジ と 州 立 大 学 と
拡 大 す る 人 口 の 要 請 に 合 致 し た い と い う 願 い に よ っ て 特 徴 づ け ら れ て い る 。 コ ミ ュ ニ テ ィ カ レ ッ ジ の 課 程 か
ア メ リ カ 合 衆 国 の 南 フ ロ リ ダ の 高 等 教 育 シ ス テ ム は 、 外 部 の 力 を 結 集 し た 協 力 と そ の 地 域 に お け る 急 激 に
得 る 上 で 特 別 重 要 な 点 は 、 異 な る 教 育 機 関 に 在 籍 し て い る 学 生 の 機 関 間 で の ル ー ト に 柔 軟 性 を 持 た せ る こ と で あ る 。
異 な っ た 教 育 提 供 者 を 集 結 さ せ た 調 整 さ れ た 教 育 シ ス テ ム の 例 が 実 在 す る 。 そ の よ う な シ ス テ ム の 構 築 と 信 頼 性 を
お け る 調 整 の 欠 如 と い っ た こ と に 苦 慮 す る 。
せ る 際 に は 、 地 域 の 経 済 発 展 に 関 わ る 諸 機 関 の 分 裂 と 多 元 性 、 そ し て カ レ ッ ジ 間 の 地 域 お よ び 下 位 地 域 間 に
役 割 を あ ま り 認 識 し て い な い こ と で さ ま た げ ら れ て い る 。 こ の よ う に 、 地 域 レ ベ ル で 学 習 シ ス テ ム を 成 長 さ
発 展 さ せ る 重 要 な 役 割 を 果 た し て い る 。 し か し 、 F E の 潜 在 的 可 能 性 は 、 他 の 機 関 が 地 域 再 生 に お け る そ の 116
し か し 、 イ ギ リ ス の 継 続 教 育 ︵ F E ︶ セ ク タ ー は 、 教 育 を 提 供 し 、 地 方 や 地 域 の 経 済 発 展 と の 結 び つ き を
術 継 続 教 育 専 門 学 校 ︵
117
オ ー ス ト ラ リ ア の ニ リ ン バ 教 育 特 区 ︵
︶ は 、 シ ド ニ ー 西 部 の 地 域 住 民 と 企 業 を
教 員 養 成 機 関 と し て 、 科 学 技 術 専 門 学 校 の 教 員 の 訓 練 で 重 要 な 働 き を し て い る 。
6 | 教育マネジメント
る こ と が 示 さ れ て い る 。 二 つ の セ ク タ ー の 間 に 協 力 も あ る 。 特 に ヨ エ ン ス ー 大 学 は 、 そ の 地 域 の 最 も 大 き い
登 録 の 数 ︵ す な わ ち 、 イ ン プ ッ ト の 数 ︶ に よ る 。 高 等 教 育 シ ス テ ム 全 体 の 資 金 は 、 業 績 主 義 を 基 準 に 評 価 す
算 資 金 は 、 業 績 ︵ す な わ ち 、 ア ウ ト プ ッ ト の 数 ︶ に よ る 。 一 方 、 科 学 技 術 専 門 学 校 に と っ て の 予 算 資 金 は 、
科 学 技 術 専 門 学 校 と 競 合 す る 。 そ の 二 つ の セ ク タ ー の 間 に は 多 く の 違 い が あ る 。 例 え ば 、 大 学 に と っ て の 予
大 学 よ り も ず っ と 強 い 。 し か し な が ら 、 そ れ ら の 大 学 も ま た 、 地 域 で の 付 託 が あ り 、 資 源 と 学 生 を め ぐ っ て
地 域 と 地 域 の 問 題 に 基 づ い て い る 。 そ し て 、 そ の 結 果 、 そ れ ら の 地 域 で の 付 託 は 、 東 フ ィ ン ラ ン ド の 地 域 の
地 域 協 力 は 、 将 来 に 向 け て の 一 つ の 挑 戦 で あ る 。 科 学 技 術 専 門 学 校 の 資 金 繰 り や マ ネ ジ メ ン ト の 意 思 決 定 は 、
フ ィ ン ラ ン ド で 近 頃 設 立 さ れ た 非 大 学 高 等 教 育 機 関 で あ る 科 学 技 術 専 門 学 校 ︵ A M K s ︶ と 大 学 と の 間 の
共 同 学 位 プ ロ グ ラ ム に よ っ て 、 パ ー ト ナ ー の 教 育 機 関 の 間 に 柔 軟 な 経 路 を 確 実 に す る 。
ー に な る こ と を 求 め た 。 こ の 共 同 プ ロ ジ ェ ク ト は オ ー ス ト ラ リ ア で 初 め て の も の で あ る 。 共 同 作 業 は 、 特 に
ニ ュ ー サ ウ ス ウ ェ ー ル ズ 州 学 校 教 育 局 ︵
New South Wales Department of School Education
︶ 、 そ し て 州 と カ ト リ ッ ク 教 育 シ ス テ ム と の 間 の 合 弁
対 象 に 生 涯 学 習 の 機 会 と 訓 練 プ ロ グ ラ ム を 提 供 す る た め 、 ウ ェ ス タ ン シ ド ニ ー 大 学 と ウ ェ ス タ ン シ ド ニ ー 技
Nirimba Education Precinct
Western Sydney Institute of TAFE
事 業 と し て 設 置 さ れ た 。
︶ と が 、 パ ー ト ナ
︵
︶ は 、 既 存 の 健 康 社 会 ケ ア 学 部
ジ し ︵ て イ 、 ギ そ リ の ス 結 の 果 新 、 大 大 学 き ︵ ︶ な 以 を 教 前 合 育 の 弁 機 ポ し 能 リ て を テ 、 発 ク イ 展 ニ ギ さ ッ リ せ ク ス て ︶ で き の 最 た 多 も 。 く 大 例 は き え 、 な ば 地 教 、 方 員 ス の 養 ト 教 成 ラ 員 セ ス 養 ン ク 成 タ ラ カ ー イ レ に ド ッ な 大 ジ っ 学 と た は の 。 ヨ 合 ま ル 弁 た ダ で 、 ン 拡 イ ヒ 大 ギ ル し リ カ た ス レ 。 の ッ そ
Jordanhill College
︶ を 拡 張 す る た め に 地 域 の 二 つ の 健 康 管 理 カ レ ッ ジ を 合 弁 し た 。
南 西 部 の ウ ェ ス ト オ ブ イ ン グ ラ ン ド 大 学 ︵
University of the West of England
地 域 学 習 シ ス テ ム の 重 要 な 側 面 は 、 地 域 で の 学 生 の 役 割 で あ る 。 地 域 に と ど ま る 学 生 と 卒 業 生 は 、 経 済 、 社 会 、
Faculty of Health and Social Care
文 化 に お け る 活 動 の 状 況 を 持 続 さ せ る 能 力 か ら み て も 地 域 の 重 要 な 資 産 で あ る 。
弁 や 同 盟 の 例 も い く つ か あ る 。
新 し い 発 展 の 投 資 コ ス ト を 発 生 す る こ と な し に 、 拡 大 と 協 力 を 確 保 す る 付 加 便 益 を も つ 、 地 域 の 教 育 機 関 間 の 合
ス ウ ェ ー デ ン に お け る 企 業 家 精 神 を 促 す た め の 企 業 プ ロ グ ラ ム の 展 開 が あ る 。
同 教 育 事 業 の 展 開 や 、 マ ネ ジ メ ン ト 訓 練 プ ロ グ ラ ム の 展 開 の た め の 大 企 業 と の 協 力 、 そ し て フ ィ ン ラ ン ド と
め に 共 同 で の 進 取 の 取 組 を い く つ か 展 開 し て き た 。 そ れ に は 、 東 ヨ ー ロ ッ パ の 若 手 教 員 や 研 究 者 の た め の 合
り 、 長 い 協 力 の 歴 史 が 特 徴 で あ る 。 二 つ の 大 学 は 、 湾 岸 地 域 の 境 界 を 越 え た 地 域 開 発 の プ ロ セ ス を 助 け る た
こ う し た 共 同 合 意 は 、 地 域 全 体 だ け で な く 、 国 や 地 域 の 境 界 を 越 え て も 可 能 で あ る 。
フ ィ ン ラ ン ド の ヴ ァ ー サ 大 学 と 、 ス ウ ェ ー デ ン の ウ ー メ オ 大 学 は 、 ボ ス ニ ア 湾 を 挟 ん で 互 い に 隣 接 し て お 118
学 に は 、 大 学 ︱ 学 生 ︱ 州 の 間 に 強 い ア イ デ ン テ ィ テ ィ が あ り 、 学 生 は 地 域 活 力 の 生 命 線 と み な さ れ て い る 。 119
6 | 教育マネジメント
が 、 そ れ は 公 立 大 学 の 州 民 を 対 象 と す る 授 業 料 が 安 い か ら で あ る 。 そ れ に よ り 、 合 衆 国 の た い て い の 公 立 大
れ は 一 つ に 、 合 衆 国 の ほ と ん ど の 公 立 大 学 で は 、 州 に と ど ま っ て 学 業 を 続 け る 学 生 の 割 合 が 高 い か ら で あ る
ア メ リ カ 合 衆 国 の 多 く の 州 立 大 学 に お い て 、 学 生 は 州 の 未 来 の 指 導 者 と し て 強 く 受 け 入 れ ら れ て い る 。 こ
わ る 多 く の 動 き を と り あ げ る 。
に 注 意 し な け れ ば な ら な い 。 以 下 の 節 で は 、 変 化 す る 研 究 事 業 の 性 格 、 研 究 の よ り ど こ ろ と し て の 地 域 の 効 用 、 技
等 教 育 機 関 に お け る 共 同 研 究 の 論 理 は 、 地 域 的 あ る い は 地 方 的 で あ る と 同 じ く 国 際 的 あ る い は 全 国 的 で も あ る こ と
多 く は 地 方 で の 代 替 的 な 資 金 源 の 出 現 で あ り 、 共 同 研 究 を 求 め る 多 く の 出 資 者 た ち の 条 件 に み ら れ る 。 同 時 に 、 高
し か し な が ら 、 高 等 教 育 機 関 で の 研 究 に パ ー ト ナ ー シ ッ プ や 地 域 化 を 促 す 数 多 く の 動 き が あ る 。 と り わ け そ れ は 、
も た ら し て い る と い う よ り も 、 高 等 教 育 機 関 の 間 に 競 争 を 激 化 さ せ て い る 。
す る こ と か ら 保 護 さ れ て も き た 。 さ ら に 、 多 く の 全 国 的 な 資 金 援 助 の 体 制 は 、 研 究 活 動 と 資 金 調 達 に つ い て 協 調 を
高 等 教 育 機 関 の 研 究 者 は 、 外 部 に 研 究 の ス ポ ン サ ー を 求 め る こ と を い や が っ て き た し 、 外 部 と 協 力 し て 研 究 活 動 を
識 の 産 出 に 伝 統 的 に 焦 点 を あ て て き た 。 そ し て 、 地 方 や 地 域 社 会 へ の 確 立 し た 知 識 の 応 用 は 避 け ら れ て き た 。 あ る
高 等 教 育 機 関 、 と り わ け 大 学 セ ク タ ー に お け る 研 究 は 、 全 国 的 あ る い は 国 際 的 な 学 界 へ の ﹁ 基 礎 的 ﹂ ︵
7 研 究 マ ネ ジ メ ン ト
basic
術 移 転 の プ ロ セ ス を 促 す た め に 発 展 し て き た さ ま ざ ま な イ ン タ ー フ ェ ー ス な ど 、 研 究 活 動 の 地 域 マ ネ ジ メ ン ト に 関
︶ 知 120
離 れ て 、 リ サ ー チ セ ン タ ー や サ イ エ ン ス パ ー ク の よ う な 新 し い 共 同 単 位 へ の 研 究 活 動 の 発 展 に よ っ て 達 成 さ れ て い
研 究 費 の 高 騰 に 対 処 す る た め 、 い よ い よ 外 部 の 研 究 パ ー ト ナ ー を 求 め る こ と に な る 。 こ れ は 伝 統 的 な 学 問 単 位 か ら
生 産 者 と 戦 略 的 同 盟 を 結 ば な け れ ば な ら な い 。 こ う し て 、 高 等 教 育 機 関 は 、 よ り 広 い 知 識 ネ ッ ト ワ ー ク を 利 用 し 、
7 | 研究マネジメント
新 し い 環 境 で は 、 高 等 教 育 機 関 は 、 も は や 知 識 生 産 を 独 占 し て お ら ず 、 研 究 の 最 先 端 で 生 き 残 る に は 一 連 の 知 識
け ら れ よ う 。
す 第 三 の 資 金 源 に 依 存 す る 、 高 等 教 育 機 関 の 学 際 的 研 究 セ ン タ ー の 出 現 は 、 こ の 新 し い 知 識 生 産 の モ ー ド に 位 置 づ
あ る 。 そ し て 、 反 省 的 ︵
︶ で 、 あ る 応 用 の 脈 絡 で も ち い ら れ る 。 外 部 の 研 究 パ ー ト ナ ー と 提 携 し 、 ま す ま
れ た こ と を 反 映 し て い る 。 モ ー ド 2 の 知 識 は 不 均 質 ︵
︶ で 、 専 門 分 野 横 断 的 で 、 社 会 的 な 説 明 責 任 が
は 均 質 で 、 専 門 分 野 的 で 、 階 層 的 で あ る 。 そ れ は 、 知 識 が 自 律 的 で 、 明 瞭 な 学 問 分 野 に 、 伝 統 的 な 方 法 で 生 み 出 さ
産 の モ ー ド 1 か ら モ ー ド 2 へ の 変 化 と 説 明 さ れ て い る ︵
Gibbons et al. 1994
︶ を も っ て い る 。 そ し て 、 学
る 。 高 等 教 育 機 関 に と っ て 重 要 な ポ イ ン ト は 、 知 識 生 産 の た め の 新 し い 媒 体 が 大 き な 組 織 的 含 意 を も つ こ と で あ る 。
heterarchical
121
と り わ け リ サ ー チ セ ン タ ー は 、 極 め て は っ き り し た 地 域 で の 存 在 理 由 ︵
reflexive
際 的 で 共 同 的 な 方 法 で 働 い て い る 。 そ う し た セ ン タ ー の 発 展 は 、 増 加 し つ つ あ る 民 間 の 研 究 所 と 競 争 す る 高 等 教 育
raison d'être
機 関 の 戦 略 で も あ る 。 こ の 知 識 生 産 の 新 し い 環 境 に お い て 、 高 等 教 育 機 関 は 、 学 習 地 域 に 共 存 す る パ ー ト ナ ー と の
︶ 。 こ の 論 点 に よ れ ば 、 モ ー ド 1 の 知 識
こ と は 重 要 で あ る 。 最 近 一 〇 年 間 に 、 知 識 の 生 産 の さ れ 方 や 、 広 が り 方 に 変 化 が 観 察 さ れ て い る 。 そ れ は 、 知 識 生
知 識 生 産 の 方 法 が 再 構 築 さ れ つ つ あ り 、 そ れ が 高 等 教 育 機 関 に お け る 研 究 を ど の よ う に 変 え て い る か を 理 解 す る
変 化 す る 研 究 と 知 識 生 産 の 性 格
山 林 学 は フ ィ ン ラ ン ド で 最 大 の 自 然 資 産 お よ び 経 済 セ ク タ ー で あ る 。 そ し て 、 東 フ ィ ン ラ ン ド の ヨ エ ン ス
多 く の 高 等 教 育 機 関 が 、 自 然 環 境 、 地 域 の 歴 史 や 文 化 の 伝 統 と い っ た 特 性 か ら 全 国 的 、 国 際 的 に 重 要 な 成 果 を も
会 が あ る か で あ る 。
き 重 要 な 問 い は 、 地 域 特 性 に よ っ て 研 究 が 推 進 さ れ る 程 度 、 そ し て 地 域 関 連 の 研 究 に ど の よ う な 新 し い 、 発 展 の 機
は 、 試 験 台 や 実 験 室 と し て 、 全 国 的 お よ び 国 際 的 に 競 争 的 優 位 性 を も つ 研 究 に よ く 利 用 さ れ て き た 。 追 求 さ れ る べ
映 し た 。 高 等 教 育 機 関 は 、 こ う し た 特 性 が 示 す 研 究 課 題 を 発 展 さ せ て 地 域 環 境 が も た ら す 機 会 に 応 え て き た 。 地 域
歴 史 的 に い っ て 、 高 等 教 育 機 関 を 構 成 す る 学 部 は 、 し ば し ば 地 域 の 自 然 、 社 会 経 済 お よ び 文 化 に お け る 特 性 を 反
な も の か ?
◆ 学 会 誌 の よ う な 同 僚 評 価 の プ ロ セ ス の 外 部 に あ る 地 域 型 の 研 究 に 対 し て 報 酬 や 承 認 を 与 え る 機 構 は ど の よ う
◆ こ う し た 研 究 の 結 び つ き は ど の よ う に 成 立 す る か ?
◆ ど の よ う な 地 域 の パ ー ト ナ ー た ち が 、 こ の プ ロ セ ス に 入 っ て く る か ?
◆ 高 等 教 育 機 関 は 、 研 究 活 動 の 発 展 の た め に 地 域 の 特 性 を ど れ く ら い 利 用 で き る か ?
研 究 知 識 の 共 同 生 産 、 共 同 所 有 、 共 同 利 用 に 踏 み 込 め る の で あ る ︵
地 域 型 研 究
Duke 1998
ー 大 学 は 、 こ の 財 産 か ら 強 力 な 研 究 プ ロ フ ィ ー ル を 開 発 し た 。 大 学 は 、 山 林 学 の 研 究 を 進 め る た め の 多 額 の
た ら す 研 究 を 生 み 出 そ う と し て い る 。
︶ 。
122
123
タ ー は 、 大 学 に と っ て 多 く の 点 で 重 要 で あ っ た 。 第 一 に 、 そ れ は 大 学 が 教 員 養 成 大 学 と し て の 狭 い 基 盤 か ら
帯 の 歴 史 、 文 化 お よ び 生 態 系 に つ い て の 研 究 を 行 う た め に カ レ リ ア 研 究 所 を 設 立 し た 。 こ の 新 し い 研 究 セ ン
ヨ エ ン ス ー 大 学 は 、 カ レ リ ア ︵ 訳 注
:
っ に り 複 た 、 わ 合 。 学 け 学 生 そ 部 の の へ グ 地 と ル 域 拡 ー が 大 プ 全 し も 国 、 、 的 そ カ 、 れ レ 国 に リ 際 よ ア 的 っ 文 な て 化 プ 地 の ロ 域 あ フ 経 る ィ 済 側 ー の 面 ル 発 を を 展 表 得 に 現 て よ し 、 り よ 地 広 う 方 く と の 貢 マ 文 献 ル 化 す チ 的 る メ な 手 デ 発 段 ィ 展 で ア を あ ・ 促 っ パ す た ッ 仕 。 ケ 組 第 ー み 二 ジ で に の あ 、 編 っ そ 集 た れ に 。 は 携 さ 、 わ ら と
フ ィ ン ラ ン ド 南 東 部 か ら ロ シ ア 国 境 に お よ ぶ 地 方 ︶ の よ う な 国 境 地
7 | 研究マネジメント
識 を 総 合 し 、 共 有 す る た め に 、 フ ロ リ ダ 州 立 大 学 機 構 の 理 事 会 に よ っ て 設 立 さ れ た 。
あ る 。 さ ら に 、 フ ロ リ ダ 環 境 研 究 セ ン タ ー は 、 フ ロ リ ダ の 生 態 系 お よ び 世 界 各 地 の 同 様 な 生 態 系 に 関 す る 知
ロ ー ゼ ン タ ー ル 校 の 海 洋 工 学 プ ロ グ ラ ム や ハ リ ケ ー ン 研 究 所 は 、 熱 帯 環 境 の 国 際 的 に 認 知 さ れ た セ ン タ ー で
ア メ リ カ 合 衆 国 の 南 フ ロ リ ダ 地 域 は 学 術 研 究 に 豊 か な 課 題 を 与 え る 。 フ ロ リ ダ 大 西 洋 大 学 と マ イ ア ミ 大 学
結 合 を 築 く 触 媒 の 役 割 を 果 た し た 。
ィ ー ル を 押 し あ げ 、 地 域 や 地 方 の 森 林 産 業 の 経 済 発 展 を 促 し た 。 そ し て 、 林 業 に 関 係 す る 他 の 地 方 機 関 と の
山 林 木 製 技 術 研 究 所 と の つ な が り を 確 立 し た 。 山 林 学 に お け る 大 学 の 結 合 は 、 そ れ だ け で 大 学 の 研 究 プ ロ フ
森 林 研 究 所 、 フ ィ ン ラ ン ド 山 林 学 研 究 所 、 ヨ エ ン ス ー 森 林 研 究 所 に よ っ て 補 完 さ れ 、 地 方 の 工 業 短 大 に あ る
競 争 で き た の で 、 全 国 に 一 二 あ る 研 究 拠 点 ︵ C O E ︶ の 指 定 を 勝 ち と っ た 。 大 学 の 山 林 学 部 は 、 ヨ ー ロ ッ パ
研 究 費 を 中 央 政 府 と 地 方 の 資 金 源 か ら 集 め る こ と が で き た 。 そ し て 、 フ ィ ン ラ ン ド の 他 の セ ン タ ー と う ま く
お け る 戦 略 的 な 水 上 運 送 の 回 廊 地 帯 を 形 成 す る 。 リ ト ア ニ ア の ク ラ イ ペ ダ 大 学 は 国 の 海 運 産 業 に 中 心 的 な 役
多 く の バ ル ト 海 沿 岸 諸 国 と 同 じ く 、 リ ト ア ニ ア は 海 運 産 業 に 大 き く 依 存 し 、 東 洋 と 西 ヨ ー ロ ッ パ と の 間 に
を 遺 伝 子 研 究 に お け る 世 界 で も 有 数 の セ ン タ ー に す る た め に も ち い ら れ る だ ろ う 。
線 を 形 成 し て い る 。 セ ン タ ー へ は 、 国 お よ び ヨ ー ロ ッ パ が 共 同 で 出 資 し て い る 。 そ れ は 、 ニ ュ ー カ ッ ス ル 市
子 研 究 所 に ま で 専 門 家 の ポ ス ト を 用 意 し て 、 遺 伝 病 の 研 究 を 進 め る 大 学 の 遺 伝 子 学 部 が 導 く 生 命 科 学 の 最 前
っ て 、 生 命 に 関 す る 国 際 セ ン タ ー の 研 究 を 共 同 で 推 進 し て い る 。 セ ン タ ー は 、 生 命 技 術 の 中 小 企 業 か ら 遺 伝
イ ギ リ ス の 北 部 の ニ ュ ー カ ッ ス ル 大 学 は 、 大 学 で の 研 究 を 地 域 の バ イ オ 遺 伝 産 業 に 結 び つ け る こ と を ね ら
ロ ジ ー パ ー ク へ 関 心 を 導 い た 。
業 研 究 所 に よ る 他 の 多 く の 自 然 療 法 製 品 に つ い て の 研 究 活 動 を 刺 激 し た 。 そ し て 、 天 然 産 物 の た め の テ ク ノ
引 に 対 す る 研 究 所 側 の 取 り 分 か ら き て い る 。 こ の 現 地 で の 成 功 は 、 新 し い 調 査 会 社 で あ る オ ー ス ト ラ リ ア 農
ィ ー ツ リ ー オ イ ル 研 究 所 ︵ A T T O R I ︶ が 設 立 さ れ た 。 こ の 事 業 の 基 金 は 、 期 待 さ れ る 研 究 成 果 の 市 場 取
団 に 関 連 し て 地 域 の テ ィ ー ツ リ ー オ イ ル 産 業 の 開 発 に 携 わ っ て い る 。 こ の 活 動 の 結 果 、 オ ー ス ト ラ リ ア ・ テ
オ ー ス ト ラ リ ア の ゴ ー ル ド コ ー ス ト 地 域 の サ ザ ン ク ロ ス 大 学 は 、 メ イ ン キ ャ ン プ ・ テ ィ ー ツ リ ー オ イ ル 集
助 け る よ う に 指 導 で き る 。
高 等 教 育 機 関 の 研 究 活 動 は 、 地 域 型 産 業 群 の 成 長 を 促 す よ う に 、 あ る 場 合 に は 新 し い 経 済 活 動 群 の 設 立 や 発 展 を 124
に 、 地 域 の 小 規 模 企 業 の 発 展 と 多 様 化 を も た ら す た め の 資 源 と し て 活 動 す る 地 域 の 現 場 事 業 所 の 設 立 も 計 画
産 業 で 働 く 多 く の 小 規 模 企 業 の た め に 、 研 究 成 果 を 実 用 的 な 知 識 と し て 生 か す こ と に も 関 わ っ て い る 。 さ ら
仕 事 ︵ 主 と し て ホ テ ル や レ ス ト ラ ン 業 ︶ を 追 加 し て 生 み 出 す と 見 積 も ら れ て い る 。 セ ン タ ー は 、 地 域 の 観 光
と で あ る 。 こ れ が 観 光 業 に す で に あ る 一 万 七 〇 〇 〇 の 仕 事 に 加 え て 一 五 〇 〇 の 直 接 ・ 間 接 の 観 光 旅 行 関 係 の
7 | 研究マネジメント
セ ン タ ー の 目 標 は 、 地 域 の 観 光 産 業 を 促 進 し 、 二 〇 〇 一 年 ま で に 観 光 旅 行 を 少 な く と も 一 〇 % 増 加 さ せ る こ
よ る 地 域 向 け 基 金 、 中 央 政 府 、 大 学 や 地 方 政 府 か ら の 財 政 援 助 に よ っ て 観 光 産 業 研 究 セ ン タ ー を 設 立 し た 。
ス ウ ェ ー デ ン 北 部 の 内 陸 地 域 に あ る ス ウ ェ ー デ ン 中 央 大 学 は 、 欧 州 連 合 の ﹁ 実 行 目 標 6 ﹂ ︵
︶ に
点 ︵ C O E ︶ と で 協 同 運 営 さ れ て い る 。 地 域 の 七 〇 社 が 、 こ の プ ロ ジ ェ ク ト に 参 加 し て い る 。
ト ﹂ 東 ︵ フ ィ ン ラ ︶ ン を ド 設 の 立 ラ し ッ た ペ 。 ー こ ン の ラ 活 ン 動 タ は 大 、 学 大 は 学 、 の 金 訓 属 練 業 開 で 発 働 セ く ン 地 タ 方 ー の お 中 よ 小 び 企 先 業 端 を 技 支 術 援 金 す 属 る 建 た 設 め に に お ﹁ け メ る タ 研 ル 究 ネ 拠 ッ
Metalnet
125
し て い る 。
Objective 6
歴 史 的 に 、 イ ギ リ ス の 南 部 ヨ ー ク シ ャ ー 地 域 お よ び そ の 産 業 の 中 心 地 シ ェ フ ィ ー ル ド は 、 金 属 製 鉄 業 と 緊
と の い く つ か の 共 同 プ ロ ジ ェ ク ト に も 関 係 し て い る 。
学 に 設 立 さ れ た 。 大 学 は 、 ラ ト ビ ア 、 ド イ ツ お よ び オ ラ ン ダ と い っ た 、 や は り 海 運 産 業 に 依 存 す る 近 隣 諸 国
た 結 果 、 強 化 さ れ た 。 一 九 九 七 年 に は 、 海 運 に 関 す る 訓 練 と 教 育 の た め に 、 海 運 研 究 所 と 海 運 技 術 学 部 が 大
割 を 果 た し て い る 。 こ の 役 割 は 、 旧 ソ 連 か ら 独 立 し た 一 九 九 〇 年 、 リ ト ア ニ ア に 多 く の 海 運 事 業 が 移 転 さ れ
部 門 は 、 カ ッ セ ル 大 学 の 資 源 マ ネ ジ メ ン ト と リ サ イ ク ル 経 済 の 講 座 に 基 金 を 提 供 し た 。 さ ら に 、 ア メ リ カ 合
開 発 会 社 か ら の 資 金 援 助 で 設 立 さ れ た 。 ド イ ツ の カ ッ セ ル で は 、 地 域 の リ サ イ ク ル 産 業 と 資 源 マ ネ ジ メ ン ト
イ ギ リ ス 北 部 の ニ ュ ー カ ッ ス ル 大 学 に は 、 マ イ ク ロ エ レ ク ト ロ ニ ク ス の 講 座 が 、 タ イ ン ・ ア ン ド ・ ウ ィ ア
こ れ ら は 通 常 、 応 用 分 野 に お い て 、 産 業 や 地 域 社 会 が 高 等 教 育 機 関 に も と め る ニ ー ズ や 望 み を 反 映 す る 。
高 等 教 育 機 関 で の 研 究 が 地 域 の 環 境 に 結 び つ け ら れ る も う 一 つ の 重 要 な 方 法 は 、 寄 付 講 座 の 教 授 ポ ス ト で あ る 。
め の ロ シ ア 語 を 訓 練 し て い る 。
行 経 済 の 専 門 家 を 教 授 に 任 命 し た 。 ま た 、 ヨ エ ン ス ー 大 学 は 東 西 革 新 セ ン タ ー を も っ て お り 、 中 小 企 業 の た
り は 東 フ ィ ン ラ ン ド の 三 つ の 大 学 に と っ て 好 機 と み な さ れ た 。 特 に ラ ッ ペ ー ン ラ ン タ 大 学 で は 、 ロ シ ア と 移
東 フ ィ ン ラ ン ド の 大 学 は 、 多 く の 研 究 領 域 が 地 域 の 状 況 と 関 係 し て い る 。 例 え ば 、 隣 国 ロ シ ア と の つ な が
知 識 お よ び パ ー ト ナ ー は 、 い く つ か の 国 境 を ま た が る 領 域 で 共 有 で き る 。
高 等 教 育 機 関 は 、 研 究 に 基 づ い た 活 動 の 基 盤 と し て 彼 ら の 地 理 的 位 置 も 利 用 す る 。 こ の 意 味 で 、 研 究 活 動 、 専 門
ト や 学 際 的 な 研 究 セ ン タ ー を 生 み 出 し た 。
共 同 研 究 を す る 最 先 端 資 材 加 工 会 社 の た め の ク ラ ブ で あ る 。 フ ォ ー ラ ム は 、 い く つ か の 大 学 院 の プ ロ ジ ェ ク
部 と し て 資 材 フ ォ ー ラ ム を 開 設 し た 。 フ ォ ー ラ ム は 、 三 〇 を 超 え る 研 究 開 発 プ ロ ジ ェ ク ト に つ い て 、 大 学 と 126
密 な 関 係 が あ っ た 。 こ う し た 歴 史 的 な 強 さ に 立 脚 し て 、 シ ェ フ ィ ー ル ド 大 学 は 、 そ の 地 方 事 務 所 の 活 動 の 一
◆ 中 小 企 業 が も つ よ う な 特 殊 な 技 術 ニ ー ズ に 合 っ た 提 供 か ?
127
究 基 盤 を 商 業 化 す る た め に 発 展 し 、 高 等 教 育 機 関 と 地 域 の ス テ ー ク ホ ル ダ ー と の 間 で 技 術 移 転 を 促 し た か ?
◆ ど の よ う な 仕 組 み ︵ サ イ エ ン ス パ ー ク 、 イ ン キ ュ ベ ー タ 、 パ テ ン ト オ フ ィ ス な ど ︶ が 高 等 教 育 セ ク タ ー の 研
◆ 技 術 移 転 オ フ ィ ス に は 国 際 的 ・ 全 国 的 な 役 割 と 同 等 な 地 域 の 役 割 が あ る か ?
◆ 高 等 教 育 機 関 の 研 究 方 針 に 地 域 の 次 元 は あ る か ?
7 | 研究マネジメント
研 究 イ ン タ ー フ ェ ー ス
投 資 し た 、 東 南 ア ジ ア の 多 く の 会 社 か ら の 新 し い 地 域 の 需 要 を 反 映 し て い る 。
門 は 、 多 く の 顧 客 に 日 本 語 と ビ ジ ネ ス の 訓 練 を し て い る 。 そ れ は 、 日 産 や 富 士 通 の よ う な 大 企 業 が 重 点 的 に
イ ギ リ ス の サ ン ダ ー ラ ン ド 大 学 は サ ン ダ ー ラ ン ド ・ ビ ジ ネ ス ス ク ー ル の 本 元 で あ る 。 こ こ で 日 本 語 研 究 部
動 に 関 わ っ て 生 じ る 地 元 へ の 投 資 不 足 の 危 険 を 考 え る と 不 透 明 で あ る 。
投 資 の ニ ー ズ に 応 え る こ と も 支 援 し て い る 。 し か し な が ら 、 こ う し た 新 し い 地 域 の ニ ー ズ に 応 え た 結 果 は 、 そ の 活
高 等 教 育 機 関 は 、 例 え ば 地 元 投 資 家 の ニ ー ズ を 満 た す よ う な 訓 練 や 助 言 の 提 供 に よ っ て 、 地 方 が 自 由 に 世 界 的 な
︵
match funding
数 多 く の 近 年 の 動 向 は 、 高 等 教 育 機 関 が 研 究 基 盤 を 商 業 化 す る た め に さ ま ざ ま な 仕 組 み の 開 発 を 促 し 、 研 究 活 動
︶ で 著 名 な 学 者 の 講 座 を 設 立 し た 。
衆 国 の フ ロ リ ダ 大 西 洋 大 学 は 、 地 域 社 会 教 育 や 看 護 の よ う な 領 域 に 公 的 資 金 と 私 的 資 金 を 合 わ せ た 基 金
化 に 通 き 報 ホ 定 れ の 研 す よ じ こ 告 ル し が は 高 究 る る て と や ダ た ス 、 等 イ 。 ス だ は 訓 ー 対 テ 高 教 ン タ と 、 練 と 話 ー 等 育 タ ッ い 高 サ の か ク 教 機 ー フ う 等 ー 間 ら ホ 育 関 フ と こ 教 ビ で 集 ル 機 と ェ 学 と 育 ス 研 権 ダ 関 他 ー 生 で 機 、 究 的 ー と の ス を あ 関 サ が 組 集 そ ス は 通 る と イ 移 織 団 の テ 展 じ 。 外 エ 転 の と パ ー 開 て そ 部 ン す 活 高 ー ク す と れ 環 ス る 動 等 ト ホ る い は 境 パ 明 に 教 ナ ル ﹁ う 、 と ー 確 対 育 ー ダ 二 こ つ の ク な す 機 の ー 重 と ま 間 、 仕 る 関 間 と 構 で り の 知 組 コ と の の 造 あ 、 最 的 み ン の 単 間 ﹂ る 教 も 財 に サ 間 純 の ︵ 。 育 有 産 は ル に な 研 こ カ 効 権 、 タ あ 線 究 れ リ な ︵ 研 ン る 形 の は キ 技 I 究 ト と モ 移 、 ュ 術 P セ 業 考 デ 転 高 ラ や R ン 務 え ル は 等 ム 知 ︶ タ に ら と 複 教 、 識 を ー お れ い 雑 ︶ 育 就 の 活 、 い る う な と 機 職 転 用 ス て 。 よ プ み 関 斡 移 す ピ も そ り ロ な の 旋 メ る ン 生 う も セ せ 教 、 カ 機 オ じ し 、 ス る 育 企 ニ 構 フ る た む で 。 機 業 ズ を 企 。 流 し あ そ 能 経 ム 含 業 高 れ ろ る こ と 営 は む 、 等 は 同 。 で 研 の 高 。 イ 教 、 時 研 は 究 教 等 し ン 育 個 に 究 、 機 育 教 か キ 機 人 進 や た 能 、 育 し ュ 関 的 行 知 い の 一 機 な ベ と な す 識 て 密 時 関 が ー 地 、 る の い 接 配 の ら タ 域 そ い 移 の な 置 教 、 ・ の の く 転 高 関 換 育 承 ユ ス 場 つ と 等 係 え 機 知 ニ テ 面 も い 教 を な 能 す ッ ー に の う 育 機 強 ど を べ ト ク 限 流 も 、
dual structure
関 に お け る 学 科 の よ う な 基 礎 単 位 は 、 外 部 世 界 と 結 び つ い た 新 し い 組 織 単 位 や 活 動 形 態 で 補 強 さ れ る 。 そ れ ら は 、
し て い る 。
よ う に な っ た 。 同 様 に 、 高 等 教 育 機 関 は 研 究 に よ っ て 増 え た 収 入 で 中 核 部 の 財 政 削 減 を ど う に か 相 殺 し よ う と
・ 公 共 セ ク タ ー は 、 高 等 教 育 機 関 の 研 究 基 盤 に 対 す る 投 資 の 収 益 を 国 民 経 済 の 競 争 力 の 増 強 と い う 観 点 か ら み る
・ 特 に 先 端 技 術 の 成 長 部 門 で は 、 経 済 的 成 功 を 確 保 す る た め の 手 段 と し て 政 策 の 関 心 が 中 小 企 業 に 向 け ら れ た 。
ば な ら な く な っ た 。
・ 技 術 基 盤 の 複 雑 性 が 増 大 し た た め 、 企 業 は 競 争 力 を 維 持 す る た め に 、 技 術 や 知 識 を 外 部 の 関 係 者 に 求 め な け れ 128
と 専 門 知 識 を よ り 密 接 に 外 部 の 環 境 と 結 び つ け る よ う に し て い る 。 こ う し た 動 向 に は 次 の よ う な も の が あ る 。
フ ィ ン ラ ン ド の ヨ エ ン ス ー 大 学 は ﹁ ヨ エ ン ス ー 大 学 財 団 ﹂ ︵ 大 学 か ら 地 域 へ の 知 識 移 転 を 手 が け る 会 社 の ス
129
single-entry points
テ ー ク ホ ル ダ ー の 役 割 を 務 め る 民 間 事 業 ︶ を 設 立 し た 。 そ の 財 団 は 地 方 組 織 の 寄 付 金 に よ っ て 設 立 さ れ た 。
の ス テ ー ク ホ ル ダ ー が 大 学 の 研 究 基 盤 を 利 用 で き る よ う に ﹁ 一 括 登 録 シ ス テ ム ﹂ ︵
︶ を 設 け た 。
れ に は 、 研 究 基 盤 を 活 用 し よ う と す る も の が 容 易 に 利 用 で き る と い う 利 点 が あ る 。 多 く の 高 等 教 育 機 関 で は 、 地 域
集 中 化 し た 制 度 的 仕 組 み は 、 高 等 教 育 機 関 か ら 地 域 へ の 効 果 的 な 技 術 移 転 を 調 整 す る た め の 必 要 条 件 で あ る 。 そ
研 究 移 転 の た め の 制 度 的 メ カ ニ ズ ム
7 | 研究マネジメント
い く つ か を 例 示 す る 。
あ か ら さ ま で 、 先 を 見 越 し た 戦 略 を 展 開 し て き た 。 以 下 の 節 で は 、 研 究 イ ン タ ー フ ェ ー ス を 設 立 し た 種 々 の 方 法 の
を 示 す 事 実 が あ る 。 し か し な が ら 、 ほ と ん ど の 高 等 教 育 機 関 で は 、 知 識 や 研 究 の 地 域 経 済 へ の 移 転 を 支 援 す る た め 、
本 質 的 に ほ と ん ど 地 方 的 で は な く 、 同 時 に 、 地 域 パ ー ト ナ ー を 除 外 す る の で は な く 、 パ ー ト ナ ー も 国 際 化 す る こ と
う し た 研 究 活 動 は 、 国 に よ る 研 究 基 盤 へ の 大 規 模 な 支 援 が 支 え て い る 。 さ ら に 、 高 等 教 育 機 関 と 産 業 界 と の 関 係 は
技 術 移 転 や さ ま ざ ま な ア ウ ト リ ー チ 機 構 の 最 も 成 功 し た 例 の い く つ か は 、 大 規 模 な 都 市 型 大 学 に み い だ せ る 。 そ
や 経 営 形 態 へ の 挑 戦 に な る 。
フ ェ ー ス は 、 と り わ け 伝 統 的 な 専 門 分 野 本 位 の 学 科 へ の 企 業 家 精 神 の 導 入 の 観 点 か ら 、 高 等 教 育 機 関 の 既 存 の 構 造
や 、 そ う し た 資 金 を 獲 得 す る た め の 広 範 な 領 域 で の パ ー ト ナ ー と の 提 携 に 依 存 す る 。 さ ら に 、 新 し い 研 究 イ ン タ ー
た り す る 原 因 に な る 。 ま た 、 こ れ ら の イ ン タ ー フ ェ ー ス は 、 よ り 企 業 家 的 に 求 め ら れ た 地 方 や 地 域 に 基 づ く 資 金 源
一 般 教 養 学 科 の よ う な 伝 統 的 な 組 織 に 存 立 す る 高 等 教 育 機 関 に 新 し い 考 え 方 を 導 入 し た り 、 企 業 的 な 文 化 を 促 進 し
政 府 と の 間 を 結 び つ け る 役 割 を も つ 、 全 国 に い く つ か あ る 組 織 の 一 つ で あ る 。 さ ら に 、 そ れ は ト ロ ム セ ー ・
組 み に 関 わ っ た 。 例 え ば 、 大 学 は N O R U T と 呼 ば れ る 地 域 研 究 所 に 関 与 し た 。 そ れ は 、 大 学 と 地 域 産 業 や
ノ ル ウ ェ ー 北 部 に あ る ト ロ ム セ ー 大 学 は 、 大 学 と 地 域 産 業 と の つ な が り を 強 化 す る た め に い く つ か の 取 り
な 地 域 の 他 の 成 長 領 域 の い く つ か を 再 生 し た 。
た め の 地 域 セ ン タ ー は 産 業 ク ラ ス タ ー を 基 礎 に 働 く 。 そ し て 、 海 洋 工 学 や マ イ ク ロ エ レ ク ト ロ ニ ク ス の よ う
域 の 最 も 革 新 的 な 約 一 五 の 中 小 企 業 に 工 学 設 計 の 設 備 や サ ー ビ ス を 提 供 す る 。 工 学 設 計 に お け る 技 術 革 新 の
で あ る 。 他 の 二 つ の 地 域 の 大 学 、 ニ ュ ー カ ッ ス ル お よ び サ ン ダ ー ラ ン ド の ノ ー サ ン ブ リ ア 大 学 と 共 同 で 、 地
計 に お け る 技 術 革 新 の た め の 地 域 セ ン タ ー ﹂ ︵
︶
を 調 整 し て 、 大 学 の 専 門 知 識 を 利 用 し た い 中 小 企 業 の た め の 表 口 と し て 機 能 す る 。 第 二 の 仕 組 み は ﹁ 工 学 設
発 し た 。 第 一 の 仕 組 み は ﹁ 知 識 ハ ウ ス ﹂ ︵
KH : Knowledge House
︶ を 促 す F O R N Y 、 中 小 企 業 に
リ サ ー チ パ ー ク に も 関 わ っ た 。 そ し て 、 中 小 企 業 に 支 援 的 助 言 を 与 え る T E F T の よ う な 、 い く つ か の 個 々
RCID : Regional Centre for Innovation in Engineering Design
spin-off
の 技 術 移 転 に 取 り 組 ん だ 。 他 の 取 り 組 み に は 、 外 部 へ の 分 離 独 立 ︵
︶ で あ る 。 そ れ は 、 北 東 部 の す べ て の 大 学
イ ギ リ ス 北 部 の ニ ュ ー カ ッ ス ル 大 学 で は 、 二 つ の 好 結 果 を 得 た 、 地 域 に ふ さ わ し い 技 術 移 転 の 仕 組 み を 開
そ し て 、 地 域 の 科 学 技 術 専 門 学 校 も サ イ エ ン ス パ ー ク に 関 わ っ て い る 。
そ れ は ヨ ー ロ ッ パ 方 式 で の 技 術 移 転 の た め に あ る フ ィ ン ラ ン ド 技 術 革 新 伝 達 セ ン タ ー 事 業 に 参 加 し て い る 。
ア の 地 方 自 治 体 連 合 か ら 支 援 を 受 け て い る 。 こ の サ イ エ ン ス パ ー ク は 五 〇 の 企 業 で 、 比 較 的 小 さ い 。 し か し 、 130
そ れ は サ イ エ ン ス パ ー ク に 関 わ る 企 業 と 仕 事 を す る 。 大 学 と は 法 律 の う え で は 別 個 の 会 社 で 、 市 と 北 カ レ リ
131
ラ ン ド の 大 学 、 ス コ ッ ト ラ ン ド 高 等 教 育 財 政 審 議 会 、 経 済 開 発 機 関 、 ビ ジ ネ ス 顧 問 会 社 や 金 融 機 関 に よ っ て
ゴ ・ モ デ ル に 基 づ き 、 エ デ ィ ン バ ラ 大 学 に よ っ て 導 か れ 、 今 や C O N N E C T は 、 他 の い く つ か の ス コ ッ ト
の 開 発 を 促 し 、 技 術 を 基 礎 と す る ベ ン チ ャ ー を 発 展 さ せ る た め に 計 画 さ れ た 。 ア メ リ カ 合 衆 国 の サ ン デ ィ エ
7 | 研究マネジメント
地 域 戦 略 イ ニ シ ア テ ィ ブ 基 金 に よ っ て 、 C O N N E C T プ ロ グ ラ ム は 、 ス コ ッ ト ラ ン ド の 力 強 い 研 究 基 盤
い た 研 究 開 発 や マ ネ ジ メ ン ト に 関 す る 問 題 に つ い て 情 報 を 広 め る 。
研 究 の マ ネ ジ メ ン ト 方 針 を 調 整 す る こ と で あ る 。 担 当 者 や い く つ か の ワ ー ク シ ョ ッ プ で は 、 地 域 に 基 礎 を お
ア ム の 目 標 は 、 ス コ ッ ト ラ ン ド の 一 三 大 学 が 、 そ れ ぞ れ の 地 方 ニ ー ズ に 適 切 な 力 量 を 発 揮 で き る よ う に 大 学
地 域 戦 略 イ ニ シ ア テ ィ ブ 基 金 ︵
︶ に よ っ て 設 立 さ れ た 。 コ ン ソ ー シ
ス コ ッ ト ラ ン ド の 大 学 研 究 政 策 コ ン ソ ー シ ア ム は 、 ス コ ッ ト ラ ン ド 高 等 教 育 財 政 審 議 会 ︵ S H E F C ︶ の
い く つ か の 高 等 教 育 機 関 が 取 り 組 む 地 域 全 体 に 関 わ る 調 整 で は 、 規 模 の 経 済 が も た ら さ れ る 一 方 で 、 重 複 が さ け
発 す る R E G I N N が あ る 。
よ る 卒 業 生 の 雇 用 を 促 す 中 小 企 業 コ ン ピ テ ン ス ︵
SMB-kompetanse
イ ン グ ラ ン ド 北 東 部 で は 、 地 域 の 大 学 が 産 業 パ ー ト ナ ー と 密 接 に な る た め 、 い く つ か の 共 同 機 構 が 展 開 さ
支 援 さ れ て い る 。
RSIF : Regional Strategic Initiative Fund
-
れ て い る 。 地 方 官 庁 で あ る G O N E は 、 欧 州 地 域 開 発 基 金 ︵ E R D F ︶ の 援 助 で 、 産 業 ニ ー ズ に 地 域 の 大 学
ら れ る た め に 、 研 究 資 金 と 専 門 知 識 を 共 有 化 す る 付 加 価 値 の 利 益 が あ る 。
︶ 、 そ し て 、 地 域 の 技 術 革 新 シ ス テ ム を 開
︶ や 地 方 産 業 と 関 連 機 関 が 緊 密 に 協 力 す る 北 部 ︵ 放 送 大 学 も 加 え て ︶ の 六 つ の 大 学 の コ ン ソ ー シ ア ム
移 転 の 調 整 の た め の 職 業 訓 練 フ ォ ー ラ ム を 用 意 す る た め に 地 域 技 術 セ ン タ ー ︵
北 東 部 産 業 へ の 高 等 教 育 支 援 ︵
︶ は 、 技 術
援 ネ ッ ト ワ ー ク ︵
︶ と 共 同 で 発 展 し た 。
の 展 開 に あ た り 重 要 な 役 割 を 果 た し た 。 こ の 方 策 は 、 多 く の 大 学 を 基 盤 と す る 組 織 が 集 ま っ た 北 東 部 技 術 支
を 結 び つ け る こ と を 目 標 と す る 地 域 革 新 と 技 術 戦 略 ︵
RITS : Regional Innovation and Technology Strategy
で あ る 。 H E S I N は 、 い く つ か の 地 域 に お け る 対 内 投 資 の 決 定 に 深 く 関 与 し た 。 北 部 R T C は 、 学 術 活 動
NETS :North-East Technology Support Network
研 究 セ ン タ ー
と 産 業 と の つ な が り を 橋 渡 し す る 独 立 し た 技 術 移 転 セ ン タ ー の 全 国 ネ ッ ト ワ ー ク の う ち の 一 つ で あ る 。
HESIN: Higher Education Support for Industry in the North-East
オ ー ス ト ラ リ ア の 最 も 古 い 地 域 の 大 学 で あ る ニ ュ ー イ ン グ ラ ン ド 大 学 は 、 農 業 ビ ジ ネ ス 研 究 所 、 動 物 遺 伝
高 等 教 育 機 関 は 、 専 門 分 野 と 結 び つ い た 学 科 の 確 立 を 補 完 す る 研 究 セ ン タ ー の 創 設 に は 極 め て 意 欲 的 で あ る 。 研
RTC : Regional Technology
学 ・ 品 種 改 良 研 究 所 、 農 村 開 発 セ ン タ ー 、 そ し て 治 水 政 策 研 究 な ど の 研 究 セ ン タ ー に よ っ て 、 農 村 社 会 に 多
究 セ ン タ ー は 、 し ば し ば 学 際 的 で あ り 、 多 く の 外 部 パ ー ト ナ ー を 招 く が 、 そ の 結 果 と し て 、 高 等 教 育 機 関 を 地 域 と
Centre
北 東 部 イ ン グ ラ ン ド の サ ン ダ ー ラ ン ド 大 学 は 、 大 学 が 提 供 す る サ ー ビ ス の 全 領 域 を 管 理 す る 完 全 所 有 の 子
く の 貢 献 を し て い る 。
よ り 密 接 に 関 係 さ せ る 効 果 的 な 機 構 に な る 。
132
︶
︶ ﹂ が ほ し い と い う イ ギ リ ス の ウ ェ ス ト ミ ッ ド ラ ン ド 地 域 の 強 い 期 待 か ら
イ ギ リ ス の ウ ォ リ ッ ク 大 学 は 、 よ く 発 展 し た 大 学 ︱ 産 業 の イ ン タ ー フ ェ ー ス の 代 表 で あ る 。 そ れ は 、 地 域
研 究 を し て い る 。
7 | 研究マネジメント
ア 大 学 は 材 木 と 魚 に つ い て 研 究 し て お り 、 ニ ュ ー イ ン グ ラ ン ド 大 学 で は 羊 毛 や 綿 生 産 そ し て 肉 品 質 に つ い て
次 の よ う で あ る 。 例 え ば 、 ノ ー ザ ン テ リ ト リ ー 大 学 で は 研 究 の 中 心 と な る 焦 点 は 牛 肉 と 牛 に あ る 。 タ ス マ ニ
大 学 で 研 究 さ れ て い る 専 門 分 野 と 地 域 経 済 の ニ ー ズ と の 間 の 結 び つ き の 開 発 で あ る 。 そ の よ う な つ な が り は
門 そ し て ビ ジ ネ ス と の 間 で の エ ン ジ ニ ア リ ン グ や 自 然 科 学 分 野 の 共 同 研 究 ベ ン チ ャ ー で あ る 。 活 動 の 焦 点 は 、
九 〇 年 に 連 邦 政 府 に よ っ て 設 立 さ れ 、 現 在 、 六 二 の 共 同 研 究 に 資 金 を 援 助 し て い る 。 そ れ は 、 大 学 、 公 共 部
オ ー ス ト ラ リ ア で は 、 ﹁ 研 究 セ ン タ ー 協 同 プ ロ グ ラ ム ︵
︶ ﹂ が 一 九
ー お よ び 地 方 の 一 〇 〇 社 の I T 技 術 の 向 上 を め ざ し た I T 能 力 育 成 計 画 を 含 む 。
は 、 高 度 製 造 シ ス テ ム ・ セ ン タ ー 、 意 思 決 定 支 援 シ ス テ ム ・ セ ン タ ー 、 極 小 技 術 訓 練 セ ン タ ー 、 磁 気 セ ン タ
サ ル タ ン ト と 製 造 サ ー ビ ス 、 専 門 的 研 究 と 営 業 サ ー ビ ス を 提 供 す る 多 く の 商 業 ベ ン チ ャ ー か ら な る 。 こ れ ら
れ る ビ ジ ネ ス ・ リ ー ダ ー シ ッ プ ・ チ ー ム と 大 学 と の 間 の 共 同 作 業 の 結 果 で も あ る 。 セ ン タ ー は 、 訓 練 、 コ ン
会 社 と し て 産 業 セ ン タ ー を 設 立 し た 。 こ れ は 、 ウ ィ ア 川 地 区 オ ポ チ ュ ニ テ ィ ︵
Wearside Opportunity
133
に ﹁ 適 切 な 大 学 ︵
Co-operative Research Centre Programme
︶ を 設 立
で き た 極 め て 産 業 推 進 的 な 大 学 で あ る 。 そ の 結 果 、 大 学 は 、 地 域 の エ ン ジ ニ ア リ ン グ お よ び 自 動 車 産 業 と の
relevant university
強 い つ な が り を 進 展 さ せ た 。 大 学 は 、 ウ ォ リ ッ ク 製 造 集 団 ︵
WMG : Warwick Manufacturing Group
し た 。 そ れ は 、 エ ン ジ ニ ア リ ン グ の 研 究 開 発 の た め に ヨ ー ロ ッ パ で 最 も 大 き な 大 学 院 教 育 の セ ン タ ー と し て
︶ と 呼 ば
ォ リ オ を 多 様 化 し て い る 。 過 去 一 二 年 間 に 二 五 〇 〇 万 ポ ン ド を 特 許 権 使 用 料 か ら 稼 い で い る 。 そ し て 、 研 究
薬 化 学 の 特 許 権 か ら の 特 許 権 使 用 料 に よ っ て 成 功 し た 。 し か し 、 現 在 で は 一 〇 〇 以 上 の 製 品 に そ の ポ ー ト フ
ク ラ イ ド 大 学 は 、 知 的 財 産 が も つ 潜 在 的 可 能 性 を 真 摯 に 開 発 し た 最 初 の 大 学 の 一 つ に な っ た 。 当 初 、 大 学 は
ア ウ ト の 促 進 で は な く 、 大 学 の 研 究 か ら 特 許 権 や 使 用 許 可 権 を 開 発 す る こ と で あ っ た 。 そ の 結 果 、 ス ト ラ ス
す る ﹂ ︵
︶ と い う 広 い 考 え 方 に 焦 点 が あ る 。 R C S が と っ た 方 法 は 、 ス ピ ン
︶ を 設 立 し た 。 そ れ は 、 技 術 移 転 の よ り 限 定 さ れ た 役 割 で は な く 、 大 学 の ﹁ 研 究 基 盤 を 商 業 化
ス コ ッ ト ラ ン ド の ス ト ラ ス ク ラ イ ド 大 学 は 、 研 究 相 談 サ ー ビ ス 部 ︵
RCS : Research and Consultancy
へ の 投 資 支 出 一 ポ ン ド あ た り に 占 め る 特 許 料 は 〇 ・ 一 五 ポ ン ド に あ た る 。 大 学 は 、 初 期 段 階 の 先 端 技 術 の 立
Services Office
ち 上 げ に 投 資 す る よ り も 、 お う お う に し て 技 術 開 発 と 知 的 財 産 権 ︵ I P R ︶ に 等 し く 取 り 組 む 方 が よ い と 思
commercialising the research base
っ て い る 。
ス は 、 地 域 経 済 内 の 企 業 の 能 力 に 製 品 や 発 明 を 合 わ せ る こ と が 難 し い た め に 地 方 的 で な い こ と が 多 い 。
あ る 工 程 や 製 品 の 特 許 権 や 使 用 許 可 権 か ら 特 許 権 使 用 料 を 稼 ぐ 。 し か し な が ら 、 ラ イ セ ン シ ン グ ・ イ ン タ ー フ ェ ー
高 等 教 育 機 関 は 、 知 的 財 産 権 の 開 発 に よ り 研 究 を 外 部 環 境 に 結 び つ け ら れ る 。 高 等 教 育 機 関 は 、 そ の 研 究 成 果 で
ラ イ セ ン シ ン グ
も 速 つ や 。 か に 設 立 さ れ た も の で あ る 。 W M G は 、 大 学 の 工 学 部 で の 活 動 と 産 業 と の つ な が り を 効 果 的 か つ 有 益 に 134
の イ ン キ ュ ベ ー タ ・ ビ ジ ネ ス 、 そ し て 八 〇 人 の 大 学 院 ス タ ッ フ を 含 む 四 〇 〇 人 以 上 の 人 々 が い る 。 大 学 は 、
135
ー ト ン 研 究 開 発 セ ン タ ー を 設 立 し た 。 現 在 セ ン タ ー に は 、 三 〇 の 商 業 テ ナ ン ト 、 八 つ の 研 究 グ ル ー プ 、 八 つ
ア デ レ ー ド 大 学 は 、 大 学 が 所 有 し 、 マ ネ ジ メ ン ト す る オ ー ス ト ラ リ ア で も 屈 指 の サ イ エ ン ス パ ー ク 、 テ バ
ー ビ ス が 、 構 築 し た 環 境 の 質 に 劣 る よ う な 土 地 開 発 が よ く あ る 。 さ ら に 、 そ れ は 純 雇 用 の 効 果 で あ る の か 、 地 域 の
7 | 研究マネジメント
莫 大 な 数 の 高 等 教 育 機 関 が 、 今 や サ イ エ ン ス パ ー ク に 関 係 し て い る 。 し か し 、 高 等 教 育 機 関 に よ っ て 提 供 さ れ る サ
フ ェ ー ス を う ま く マ ネ ジ メ ン ト す る た め に は 、 地 域 の 状 況 に 適 切 な イ ン タ ー フ ェ ー ス を 開 発 し な け れ ば な ら な い 。
必 ず し も 地 域 開 発 の 最 良 の 方 法 と は 限 ら な い こ と を 認 め な け れ ば な ら な い 。 高 等 教 育 機 関 は 、 大 学 の 研 究 イ ン タ ー
あ る 特 定 の 競 争 上 の 優 位 性 を 利 用 で き る 産 業 ク ラ ス タ ー に つ い て 展 開 で き る 。 し か し な が ら 、 サ イ エ ン ス パ ー ク が
企 業 で 占 め ら れ て い る 。 サ イ エ ン ス パ ー ク は 、 地 域 産 業 や 高 等 教 育 機 関 の 教 育 、 そ し て 研 究 プ ロ フ ィ ー ル に つ い て 、
い ら れ る 、 多 く の 記 載 が あ る 事 柄 で あ る 。 そ の 多 く は 、 高 等 教 育 機 関 が 主 要 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー で あ る キ ャ ン パ ス
サ イ エ ン ス パ ー ク は 、 地 域 経 済 の 開 発 プ ロ セ ス に お い て 企 業 家 精 神 と 中 小 企 業 の 成 長 を 促 進 す る た め に よ く も ち
助 が 交 付 さ れ 、 そ う し た 企 業 家 精 神 が 育 つ よ う に イ ン キ ュ ベ ー タ や サ イ エ ン ス パ ー ク が 設 立 さ れ た 。
る モ デ ル が 、 こ の ﹁ ス ピ ン ア ウ ト ﹂ ︵
spin-out
補 助 金 交 付 に よ る 研 究 開 発 設 備 の 提 供 で 放 置 さ れ て い た 土 地 や 建 物 を 再 利 用 し て 、 そ の 投 資 に 対 す る 収 益 を
ど こ か 他 の と こ ろ の 配 置 転 換 の 結 果 で あ る の か を 見 極 め る こ と も 重 要 で あ る 。
︶ 現 象 を 利 用 す る た め に も ち い ら れ た 。 企 業 家 精 神 を 支 援 す る 財 政 援
ま す ま す 高 等 教 育 機 関 は 、 研 究 か ら の ス ピ ン ア ウ ト 活 動 を 促 し て 、 研 究 基 盤 を 商 業 化 し て い る 。 い く つ か の 異 な
ス ピ ン ア ウ ト と サ イ エ ン ス パ ー ク
ク は 、 大 学 が 健 康 研 究 に 卓 越 し た セ ン タ ー と し て の 評 判 を 強 化 す る こ と に 役 だ っ た 。
こ れ ら の 機 関 は 、 大 学 院 生 を 含 め て 一 〇 〇 〇 人 以 上 の 専 門 家 か ら な る エ キ ス パ ー ト 共 同 体 を 形 成 す る 。 パ ー
労 働 衛 生 研 究 所 お よ び フ ィ ン ラ ン ド 地 質 調 査 を 統 合 し て サ イ エ ン ス パ ー ク を 設 立 し た 。 ひ と ま と め に す る と 、
東 フ ィ ン ラ ン ド の ク オ ピ オ 大 学 は 、 ノ イ ラ ネ ン ・ リ サ ー チ セ ン タ ー 、 地 域 公 衆 衛 生 研 究 所 、 フ ィ ン ラ ン ド
一 〇 〇 〇 人 以 上 を 雇 用 し 、 オ ー ス ト ラ リ ア の 他 の パ ー ク を 推 進 す る た め の モ デ ル に な っ て い る 。
ク を 設 立 し た 。 パ ー ク の 活 動 は 、 ソ フ ト ウ ェ ア や 技 術 革 新 、 採 鉱 と 製 薬 に 集 中 し て い る 。 パ ー ク で は 、 今 や
西 部 オ ー ス ト ラ リ ア 政 府 は 、 四 つ の 西 部 オ ー ス ト ラ リ ア の 大 学 と 協 力 し て 、 西 部 オ ー ス ト ラ リ ア 技 術 パ ー
た 神 な 。 は 貢 、 献 フ を ィ し ン た ラ 。 ン そ ド れ 南 は 部 、 の フ ウ ィ ー ン シ ラ マ ン ー ド の ︱ 州 ロ で シ 雇 ア 用 間 を 貿 失 易 う の の 復 で 活 は に な よ く り 、 増 工 加 学 し 部 た の 。 卒 さ 業 ら 生 に に 、 雇 そ 用 の の よ 機 う 会 な を 企 創 業 出 家 し 精
し て い る 。 そ の 半 分 は 大 学 の 卒 業 生 で あ る 。 セ ン タ ー は 、 大 学 付 近 に あ る 先 端 技 術 の ス ピ ン オ フ 企 業 に 重 要
部 の 卒 業 者 に よ り 多 く の 雇 用 機 会 を 提 供 す る こ と で あ る 。 今 、 セ ン タ ー で は 七 〇 社 の 企 業 が 四 五 〇 人 を 雇 用
に 大 き く 依 存 す る 地 域 の 経 済 基 盤 を 多 様 化 す る こ と 、 中 小 企 業 の 地 域 構 成 比 を 高 く す る こ と 、 そ し て 、 工 学
生 み だ し た 。
東 フ ィ ン ラ ン ド の ラ ッ ペ ー ン ラ ン タ 大 学 は 、 カ レ ル テ ク 技 術 セ ン タ ー を 設 立 し た 。 そ の 理 由 は 、 山 林 産 業 136
TOP : Temporary Entrepreneurial
て を 、 リ エ ゾ ン ・ グ ル ー プ が 調 整 し た 。 ま ず 、 臨 時 企 業 家 雇 用 制 度 ︵
工 場 地 帯 で あ っ た 。 そ し て 、 大 学 か ら の ス ピ ン オ フ を 促 進 す る た め 数 多 く の 機 構 が 設 け ら れ た 。 そ れ ら す べ
137
の 密 接 な つ な が り を 発 展 さ せ る 課 題 を 担 っ た 。 当 時 、 こ の 地 域 は 、 経 済 上 の 衰 退 に 直 面 す る 周 辺 的 な 古 び た
ト ゥ エ ン テ 大 学 は 一 九 六 一 年 に 設 立 さ れ 、 東 オ ラ ン ダ の エ ン ス へ ー デ 地 域 の 開 発 を 支 援 す る た め に 産 業 と
ナ ー の 双 方 に 利 益 が あ っ て 、 そ の 関 係 は 成 功 す る 。
能 開 発 で あ る 。 そ し て 、 研 究 は 実 践 に 有 益 で あ り 、 実 践 は 研 究 に 有 益 で あ る よ う に 、 大 学 の 研 究 者 と 地 方 の パ ー ト
7 | 研究マネジメント
ゲ ー ト ウ ェ イ 機 構 、 そ し て 最 後 に 決 し て 軽 視 で き な い こ と は 、 労 働 経 験 に よ る 学 習 と 、 教 育 や 研 究 と 結 び つ い た 職
用 す る ダ イ ナ ミ ッ ク な 関 係 に ち が い な い 。 例 え ば 、 ス ピ ン ア ウ ト 、 サ イ エ ン ス パ ー ク 、 研 究 拠 点 ︵ C O E ︶ や 他 の
チ で 地 域 の 開 発 に 貢 献 し て い る 。 し た が っ て 、 高 等 教 育 機 関 と 地 域 と の 研 究 に お け る 関 係 は さ ま ざ ま な ツ ー ル を 活
多 く の 高 等 教 育 機 関 は 、 地 域 の 進 化 す る ニ ー ズ を 次 々 と 反 映 す る 、 上 述 し た 機 構 を 組 み 合 わ せ た 多 面 的 ア プ ロ ー
進 化 す る イ ン タ ー フ ェ ー ス
こ と で 大 学 や サ イ エ ン ス パ ー ク の 機 能 を 広 げ る 。
模 な 、 操 業 を 始 め た ば か り の 技 術 中 心 の 革 新 的 な ビ ジ ネ ス に 、 お も に 小 規 模 な 管 理 作 業 ス ペ ー ス を 提 供 す る
ク シ ャ ー 州 議 会 と 共 同 で 、 ウ ォ リ ッ ク ・ サ イ エ ン ス パ ー ク に 技 術 革 新 セ ン タ ー が 創 設 さ れ た 。 そ れ は 、 小 規
で 論 議 さ れ た 。 そ し て 、 科 学 中 心 の 企 業 に 大 学 生 を 参 加 さ せ る 拡 大 プ ロ グ ラ ム も 生 ま れ た 。 ま た 、 ウ ォ リ ッ
ク ・ サ イ エ ン ス パ ー ク に 関 与 し て い る 。 こ の パ ー ク は 大 成 功 を お さ め た の で 、 近 隣 地 域 の 多 く の 衛 星 パ ー ク
イ ギ リ ス の ウ ォ リ ッ ク 大 学 は 、 四 二 エ ー カ の 土 地 に 六 五 の 企 業 と 一 三 〇 〇 人 の 従 業 員 を 収 容 す る ウ ォ リ ッ
る プ テ 。 、 ︵ ス ピ ン オ フ の た め の 地 域 計 画 で 働 ︶ く の 大 よ 学 う ス な ピ 地 ン 域 オ の フ 幾 機 百 構 か ︵ の 若 い ハ イ テ ク 企 業 グ ル ー プ や 、 ワ ー ク ︶ シ で ョ あ ッ
出 が ゥ 資 要 で 大 し 支 エ す 請 雇 学 た 援 ン る さ 用 に 。 さ テ 企 れ す れ 企 業 て る お た 業 イ い 。 ︶ け と サ ン る T の る 推 イ キ 。 O 創 ス 測 エ ュ 大 P 設 ピ さ ン ベ 学 は で ン れ ス ー か E あ オ て パ タ ら U る フ い ー や 育 の 。 の る ク 企 っ 資 そ 過 。 ︵ 業 た 金 れ 程 技 企 で は そ は 術 業 共 、 し 、 セ と 同 新 て 他 ン し 融 規 、 の タ て 資 ベ こ 機 ー 、 さ ン の 構 ︵ そ れ チ 二 に の た ャ 〇 よ 後 。 ー 、 っ 、 こ を 三 て 新 の 立 〇 も 規 よ ち 年 支 ベ う あ の 援 ン な げ 間 を チ 組 る の 受 ャ 織 た 取 ︶ け ー は め り に る 企 、 に 組 移 。 業 他 若 み 動 そ は の い か す れ 、 ヨ 企 ら る は 大 ー 業 一 。 、 学 ロ 家 九 三 技 の ッ を 〇 〇 術 あ パ 大 〇 〇 サ ︶ の の 、 る の 学 ー 新 ス そ 地 大 が ク し ピ し 方 学 パ ル い ン て 自 で ー ・ 仕 オ 最 治 も ト ト 事 フ 後 体 発 タ ゥ を 企 に が 展 イ エ 創 業 ト 融 が ム ン BTC : Business and Technology Centre
︶ で あ る 。 商 業
ス ウ ェ ー デ ン の シ ャ ル マ ー ス 工 科 大 学 は 、 産 学 連 携 を 進 展 さ せ る た め に 数 多 く の 学 科 、 財 団 、 そ し て 会 社
Twente Business and Science Park
を 設 立 し た 。 ま ず 、 シ ャ ル マ ー ス 工 業 技 術 財 団 ︵
UNISPIN : University Spin-off scheme
︶ で あ る 。 ス ピ ン オ フ 会 社 を 設
利 用 の た め の 研 究 開 発 や 特 製 の 継 続 的 専 門 性 開 発 プ ロ グ ラ ム を 開 発 し 、 売 り 込 み 、 販 売 す る 。 次 に 、 シ ャ ル
Placements
マ ー ス 技 術 革 新 セ ン タ ー 財 団 ︵
Chalmers Industrial Technology Foundation
立 し た い か 、 特 許 を 申 請 し た い 研 究 者 に 経 営 と マ ー ケ テ ィ ン グ の 援 助 を 提 供 す る 。 ま た 、 大 学 で の 仕 事 に 関
CIC:Chalmers Innovation Centre Foundation
す る 情 報 を 会 社 に 提 供 す る た め 、 実 験 施 設 、 ベ ン チ ャ ー キ ャ ピ タ ル 企 業 、 そ し て 産 業 界 と の 橋 渡 し 役 を す る
TKT : Technology Kring Twente
グ ル ー プ を 含 ん で い る 。
138
理 計 画 ︵
︶ 財 団 は 、 産 業 界 の 経 営 者 が 技 術 経 営 学
エ ン ス パ ー ク は 、 大 学 、 地 方 自 治 体 、 そ し て 地 方 商 工 会 議 所 が 後 援 し て い る 。 最 後 に 、 シ ャ ル マ ー ス 高 度 管
サ イ エ ン ス パ ー ク に お け る 主 要 企 業 の 研 究 開 発 部 門 と 研 究 者 が 綿 密 に 連 携 で き る よ う に 環 境 を 整 え る 。 サ イ
さ ら に 、 シ ャ ル マ ー ス ・ サ イ エ ン ス パ ー ク 財 団 ︵
Chalmers Science Park Foundation
を 学 ぶ 継 続 職 能 開 発 プ ロ グ ラ ム を 用 意 す る た め に あ る 。 シ ャ ル マ ー ス 大 学 と 地 方 産 業 の 間 の 関 係 は 、 ス ウ ェ
CHAMPS : Chalmers Advanced Management Programmes
7 | 研究マネジメント
︶ の 取 り 組 み か ら も 恩 恵 を 得 た 。 N U T E K の 目 標 は 、 こ の 委 員 会 の ほ か 、 大 学 や 地 方 の 産 業
ー デ ン 産 業 ・ 技 術 開 発 国 立 委 員 会 ︵ NUTEK : Swedish National Board for Industrial and Technical
139
界 が 共 同 で 融 資 し て 競 争 力 の あ る セ ン タ ー を 設 立 す る こ と で あ っ た 。 シ ャ ル マ ー ス は 、 今 や 、 産 業 界 と 極 め
Development
て 密 接 な 関 係 を 発 展 さ せ た 六 つ の セ ン タ ー を も つ 。
︶ は 、 シ ャ ル マ ー ス ・
会 へ の 貢 献 を 果 た し て い る 場 合 も あ る 。
︵
︶ 地 域 住 民 を 生 み 出 そ う と 多 額 の 寄 付 を 行 っ た 財 界 人 や 篤 志 家 の 一 九 世 紀 的 温 情 主 義 を 反 映 し て い る 場 合
三 の 役 割 で あ ろ う 。 こ の 役 割 は 地 元 地 域 に 高 等 教 育 機 関 を 設 置 し 、 ﹁ 文 化 水 準 の 高 い ﹂ ︵
︶ 、 ﹁ 教 養 あ る ﹂
認 知 さ れ て き て い る 。 恐 ら く 、 役 割 の な か で 高 等 教 育 機 関 を 地 域 と 最 も 強 く 結 び つ け る の は 地 域 社 会 貢 献 と い う 第
教 育 機 関 が 市 民 社 会 に 果 た し て き た 貢 献 は 一 つ に 束 ね ら れ 、 教 育 、 研 究 と 並 ぶ ﹁ 第 三 の 役 割 ﹂ ︵
third role
も あ る 。 そ の 一 方 で 、 高 等 教 育 機 関 は 多 額 の 地 方 税 が そ の 財 源 を に な っ て い る こ と か ら 、 自 ら の 義 務 と し て 地 域 社
cultured
し か し な が ら 、 今 日 、 こ の 歴 史 上 名 高 い 社 会 貢 献 機 能 を 促 進 し て い る 数 多 く の 要 因 は い く つ か に 収 斂 し て き て い
civilized
る 。 こ れ ら は 2 章 で 取 り 上 げ た グ ロ ー バ ル 化 と ロ ー カ ル 化 の 相 互 作 用 を 通 じ て 理 解 す る こ と が で き る 。 第 一 に は 、
︶ と し て
教 養 教 育 や 夜 間 授 業 の 提 供 、 図 書 館 、 劇 場 、 博 物 館 な ど の 施 設 の 開 放 、 あ る い は 公 開 講 演 と い っ た 手 法 に よ り 高 等
個 々 の 教 員 の 学 外 活 動 ︵ マ ス メ デ ィ ア 、 政 治 、 芸 術 、 審 議 会 、 社 会 経 済 や 科 学 技 術 の 分 析 な ど に お け る ︶ 、 成 人
8 高 等 教 育 機 関 と ﹁ 第 三 の 役 割 ﹂
地 域 社 会 貢 献 の マ ネ ジ メ ン ト
140
ま ざ ま と な っ て い る 。 し か し な が ら 、 第 三 の 役 割 が 強 調 し て い る よ う に 、 地 域 に お い て 高 等 教 育 機 関 の 存 在 は 高 ま
域 市 民 社 会 の 運 営 者 の 一 員 と な れ る の で あ る 。 こ の よ う な 関 わ り の 程 度 は 、 明 ら か に 地 域 間 、 高 等 教 育 機 関 間 で さ
に 地 域 社 会 に か な り の 程 度 貢 献 し て い る 。 要 す る に 、 社 会 貢 献 と い う こ の 第 三 の 役 割 を 通 じ て 、 高 等 教 育 機 関 は 地
は 教 員 や 学 生 に よ る ボ ラ ン テ ィ ア 活 動 、 プ ロ ジ ェ ク ト 活 動 、 メ ン タ リ ン グ 、 リ ー ダ ー シ ッ プ 、 論 評 を 通 じ て 、 す で
8 | 地域社会貢献のマネジメント
学 際 的 な も の で あ る た め 、 グ ロ ー バ ル な 問 題 を グ ロ ー バ ル な 尺 度 で 解 釈 で き る 立 場 に あ る 。 第 二 に 、 高 等 教 育 機 関
高 等 教 育 機 関 は こ れ ら の 動 向 と 二 つ の 点 で 関 係 が あ る 。 第 一 に 、 高 等 教 育 機 関 は 多 数 の 地 域 間 に ま た が り 、 か つ
ら 、 公 共 、 民 間 、 ボ ラ ン テ ィ ア の 三 部 門 が 地 域 社 会 の 運 営 に 向 け て 連 携 を 推 し 進 め て い る こ と が あ る 。
を 高 め て き て い る こ と が あ げ ら れ る 。 そ の 他 に も 、 地 方 自 治 体 、 中 央 政 府 双 方 が 緊 縮 財 政 を 強 い ら れ て い る こ と か
る 幻 滅 や そ の 影 響 力 の 低 下 に 対 応 し て 、 地 方 自 治 体 や 地 域 の ボ ラ ン テ ィ ア や コ ミ ュ ニ テ ィ ・ グ ル ー プ が そ の 重 要 性
動 表 題 や ﹁ ロ ー カ ル ・ ア ジ ェ ン ダ 21 ﹂ ︵
︶ の よ う な 政 策 は そ う で あ る 。 第 二 に は 、 国 家 構 造 に 対 す
う に な っ た こ と が あ る 。 例 え ば 、 ﹁ 地 球 規 模 で 考 え 、 地 域 レ ベ ル で 行 動 す る ﹂ ︵
think globally, act locally
141
高 等 教 育 機 関 の 市 民 的 、 リ ー ダ ー シ ッ プ 的 役 割
っ て お り 、 国 家 レ ベ ル 、 国 際 レ ベ ル ば か り で な く 、 地 域 レ ベ ル で も 高 等 教 育 に は 責 任 あ る 組 織 と し て 義 務 が あ る 。
Local Agenda 21
◆ 高 等 教 育 機 関 は 地 域 の リ ー ダ ー シ ッ プ に ど の よ う な 役 割 を 果 た す か ?
次 節 で は 高 等 教 育 機 関 が こ の 地 域 社 会 貢 献 機 能 を 遂 行 す る 際 の 手 段 、 方 法 に つ い て 取 り 上 げ る 。
︶ と い う 行
そ う 認 識 さ れ る よ う に な り 、 そ の よ う な 問 題 に 立 ち 向 か う た め に 、 地 域 間 で 相 互 連 携 し た 対 応 が 数 多 く 取 ら れ る よ
環 境 の 悪 化 、 貧 困 、 経 済 開 発 と い っ た 問 題 は 、 グ ロ ー バ ル な 、 国 家 の 枠 組 み を 超 え た も の で あ る と い う こ と が い っ
組 織 の 長 は 大 学 幹 部 が 務 め て い る 。 ニ ュ ー サ ウ ス ウ ェ ー ル ズ 州 北 部 に あ る サ ザ ン ク ロ ス 大 学 は 地 域 経 済 に 関
ば 、 ウ ェ ス タ ン シ ド ニ ー 大 学 は 北 西 シ ド ニ ー 地 域 経 済 開 発 組 織 に 対 し て オ フ ィ ス を 提 供 し て お り 、 ま た そ の
高 等 教 育 機 関 が 地 域 の 経 済 開 発 指 導 組 織 に 参 加 し て い る オ ー ス ト ラ リ ア に は い く つ か の 事 例 が あ る 。 例 え
こ れ は 誠 実 な 仲 介 者 か ら 公 平 で 私 心 の 無 い 傍 観 者 、 積 極 的 な 参 加 者 あ る い は 恐 れ を 知 ら な い 批 評 家 ま で 広 範 な も の
に 対 応 す る こ と は な い 。 に も か か わ ら ず 、 高 等 教 育 機 関 は 自 ら が 採 用 す る プ ロ フ ィ ー ル を 決 め な け れ ば な ら な い 。
あ る い は 機 関 と の 関 係 の 多 元 性 か ら し て 、 高 等 教 育 機 関 は 地 域 の ス テ ー ク ホ ル ダ ー の も つ 狭 い 、 特 定 の 業 界 的 関 心
高 等 教 育 機 関 は 地 域 社 会 に 対 し 、 数 多 く の さ ま ざ ま な 役 割 を 果 た す こ と が で き る 。 連 携 対 象 と な る 機 関 の 多 様 性 、
し た り 、 対 内 投 資 活 動 の 促 進 に 向 け て 有 効 な 取 り 決 め を 策 定 し た り す る 際 の 前 提 条 件 と な っ て き て い る 。
ワ ー ク に 注 入 さ れ る こ と と な る 。 ま た ﹁ パ ー ト ナ ー シ ッ プ 原 則 ﹂ ︵
partnership principle
し て 研 究 す る サ ザ ン ク ロ ス 研 究 所 を ノ ー ザ ン ・ リ バ ー ズ 地 区 と 共 同 で 設 立 し た 。 デ ィ ー キ ン 大 学 は 南 オ ー ス
と な ろ う 。
︶ は さ ま ざ ま な 資 金 を 獲 得
対 す る も の と な る 。 こ の 高 等 教 育 機 関 の 参 加 に よ り 、 先 入 観 の な い 、 知 的 な リ ア リ ズ ム の 一 面 が そ の よ う な ネ ッ ト
る 関 係 者 を 結 び つ け 、 そ の ネ ッ ト ワ ー ク に 知 識 や 情 報 を 流 し 込 む と い う 、 開 発 プ ロ セ ス の 比 較 的 目 立 た な い 部 分 に
客 観 性 と い っ た 点 で 高 等 教 育 機 関 へ の 期 待 感 を 強 め て い る 。 こ の 場 合 、 高 等 教 育 機 関 の 貢 献 は 、 地 域 社 会 の 鍵 と な
高 等 教 育 機 関 は 地 域 社 会 に 対 し 、 積 極 的 な 役 割 を 果 た す こ と が で き る 。 地 域 開 発 の 促 進 組 織 は 指 導 、 分 析 、 資 源 、
◆ 高 等 教 育 機 関 は ど の よ う な 立 場 を と る べ き か ? ︱ 中 立 的 な 仲 介 者 、 調 停 者 、 積 極 的 な 参 加 者 、 批 評 家 ?
◆ 高 等 教 育 機 関 は 論 評 、 批 評 と い っ た 面 で 、 地 域 で ど の よ う な 役 割 を 果 た す か ?
142
◆ 高 等 教 育 機 関 は 地 域 発 展 に 向 け て の 連 合 組 織 に 参 加 し 、 対 内 投 資 を 促 進 す る か ?
︶ ニ ュ ー ス レ タ ー を 発
す る こ と と な っ た 。 そ の 結 果 と し て 、 修 士 課 程 レ ベ ル 三 人 、 博 士 課 程 レ ベ ル 二 人 分 の 奨 学 金 が 各 パ ー ト ナ ー
画 に 深 く 関 わ っ た 。 こ の 連 携 に よ り 、 周 辺 地 域 の 持 続 可 能 な 開 発 問 題 に 関 し て 中 長 期 に わ た っ て 研 究 を 実 施
は 新 し い 地 方 当 局 、 郡 役 場 、 市 役 所 、 商 工 会 議 所 と の 連 携 を 通 じ て 職 務 を 遂 行 し 、 地 方 当 局 の 五 カ 年 行 動 計
設 置 し た の と ほ ぼ 同 時 期 に 地 域 戦 略 イ ニ シ ア テ ィ ブ ︵
RSI: Regional Strategy Initiative
143
出 資 の 基 金 か ら 給 付 さ れ る よ う に な っ た 。 R S I は 同 様 に ﹃ 地 域 連 携 ﹄ ︵
Regional Link
CURDS :
イ ン グ ラ ン ド 北 東 部 の タ イ ネ に あ る ニ ュ ー カ ッ ス ル 大 学 で は 、 都 市 ・ 地 域 開 発 研 究 セ ン タ ー ︵
行 し 、 ア イ ル ラ ン ド 南 西 部 の 地 域 開 発 に 関 わ る 情 報 の 普 及 を 図 っ て い る 。
︶ を 設 立 し た 。 R S I
ア イ ル ラ ン ド 南 西 部 の コ ー ク に あ る ア イ ル ラ ン ド 国 立 大 学 は 一 九 九 二 年 、 ア イ ル ラ ン ド 政 府 が 地 方 当 局 を
8 | 地域社会貢献のマネジメント
り 込 ん で い る 。
社 会 の 戦 略 的 分 析 を 行 う こ と に よ っ て 、 大 学 教 員 や 学 生 は 中 心 的 指 導 者 と な る べ き 人 材 を 地 域 市 民 社 会 の な か に 送
の 支 援 も し て い る 。 ボ ラ ン テ ィ ア 活 動 へ の 参 加 や 地 元 メ デ ィ ア に お け る 世 界 事 情 の 解 説 、 な ら び に 地 域 経 済 や 地 域
広 範 な ネ ッ ト ワ ー ク へ の ア ク セ ス を 提 供 し て い る 。 ま た 地 域 の 競 争 力 上 、 優 れ た 点 に 関 す る 分 析 や 地 域 戦 略 の 作 成
高 等 教 育 機 関 は メ デ ィ ア と の 連 携 や 公 開 講 演 と い っ た メ カ ニ ズ ム を 通 じ て 、 地 域 に 論 評 、 分 析 、 さ ら に は 情 報 や
て い る 。
ー ス ト ラ リ ア 州 の す べ て の 大 学 が 地 域 の リ ー ダ ー シ ッ プ 技 能 を 開 発 す る た め の リ ー ダ ー シ ッ プ 機 構 に 参 加 し
ト ラ リ ア 州 の グ レ イ タ ー ・ グ リ ー ン ・ ト ラ イ ア ン グ ル 開 発 協 会 の 設 立 に 中 心 的 な 役 割 を 果 た し た 。 ま た 南 オ
︶ と い う ス ロ ー ガ ン の
ス ペ イ ン の カ タ ロ ニ ア 地 方 に あ る 一 部 の 高 等 教 育 機 関 は カ タ ロ ニ ア 社 会 の 新 し い 国 際 イ ベ ン ト で あ る バ ル
高 等 教 育 機 関 は 同 様 に 、 ア イ デ ィ ア や 文 化 が 共 有 、 伝 達 さ れ る 枠 組 み を 提 供 し て い る 。 こ の 意 味 に お い て 、 高 等
﹃ 北 部 経 済 批 評 ﹄ ︵
︶ を 出 版 し て い る 。
の 問 題 に も 取 り 組 ん で い る 。 C U R D S は ま た 北 東 部 地 域 に 関 す る 主 要 情 報 源 で も あ り 、 近 隣 大 学 と と も に
で い る ほ か 、 地 元 地 域 に も 強 い 関 心 を も ち 、 経 済 の 構 造 改 革 、 労 働 市 場 情 報 化 、 新 し い 情 報 通 信 技 術 の 影 響
Studies
セ ロ ナ 二 〇 〇 四 フ ォ ー ラ ム に 関 わ っ て い る 。 ﹁ 平 和 に 向 け て の 文 化 ﹂ ︵
Development
も と 、 フ ォ ー ラ ム は 文 化 、 平 和 、 持 続 可 能 な 発 展 に つ い て 議 論 、 検 討 を 行 う 場 と な る 。 高 等 教 育 機 関 は 言 語
Regional
と コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 、 新 し い 科 学 技 術 と 都 市 化 と い っ た 分 野 で の 科 学 ・ 文 化 プ ロ ジ ェ ク ト に 参 加 す る こ と
Northern Economic Review
高 等 教 育 機 関 と 地 域 社 会 貢 献
に よ り 役 割 を 果 た す こ と に な っ て い る 。
Centre for Urban and
い る の か ?
◆ 地 域 社 会 に お け る ボ ラ ン テ ィ ア 活 動 や 慈 善 活 動 へ の 学 生 の 参 加 は 質 量 双 方 の 面 で 、 ど の よ う な 状 況 に な っ て
Culture for Peace
◆ 地 域 の ボ ラ ン テ ィ ア 活 動 の 機 会 に つ い て 学 生 が 情 報 を 得 る メ カ ニ ズ ム が 高 等 教 育 機 関 内 に あ る か ?
教 育 機 関 は 地 元 地 域 の 開 放 と 国 際 化 に 重 要 な 責 務 を 果 た し う る 。
144
︶ が ヨ ー ロ ッ パ 全 体 や 国 レ ベ ル の 仕 事 に も 取 り 組 ん
ア メ リ カ の ウ ィ ス コ ン シ ン 大 学 マ ジ ソ ン 校 は 二 人 の 卒 業 生 か ら の 三 五 〇 万 ド ル の 寄 付 に よ り 、 大 学 に よ る
8 | 地域社会貢献のマネジメント
︶ 、 ピ ー ス ・ コ ー プ ス ︶ ︵ で あ る 。 こ の ほ ︶ か ︵ に 学 も 生 、 を ア 海 メ 外 リ に カ 派 合 遣 衆 ︶ 国 、 さ の ら 地 に 域 は 社 ク 会 リ 貢 ン 献 ト と ン し 前 て 大 、 統 ア 領 メ が リ 実 コ 施 ー し プ た ス
︶ と キ ャ ン パ ス ・ ア ウ ト リ ー チ 機 会 リ ー グ ︵
全 米 中 の 地 方 自 治 体 が も つ 歴 史 的 遺 産 と 地 域 社 会 の 役 に 立 つ こ と を 使 命 と す る 国 有 地 付 与 大 学 の 伝 統 な ど が あ げ ら
︶ モ デ ル を 通 じ た 学 生 の 地 域 社 会 貢 献 活 動 で は 多 く の 点 で 世 界 の 先 頭 を 走 っ て い る 。 こ の 背 景 と し て は 、
ン テ ィ ア 活 動 者 と い う 意 味 で 地 域 社 会 の 大 き な 資 源 で あ る 。 ア メ リ カ 合 衆 国 は ﹁ 市 民 養 成 教 育 ﹂ ︵ education for
地 域 社 会 貢 献 活 動 の 窓 口 で あ る モ ー グ リ ッ ジ ・ セ ン タ ー を 設 立 す る こ と に し た 。 こ の セ ン タ ー に は 、 学 生 ボ
れ る 。 ア メ リ カ に は 大 学 の カ リ キ ュ ラ ム の な か に 地 域 社 会 貢 献 を 組 み 込 む 二 つ の 公 的 プ ロ グ ラ ム が あ る 。 そ れ ら は
citizenship
ラ ン テ ィ ア 事 務 所 や 学 生 部 長 室 に 加 え て 、 同 窓 会 も 入 居 す る こ と に な っ て お り 、 ま た セ ン タ ー は 地 域 社 会 へ
COOL : Campus
の 公 的 サ ー ビ ス の プ ロ フ ィ ー ル を 充 実 さ せ る た め に キ ャ ン パ ス の 中 心 地 に 置 か れ る 予 定 と な っ て い る 。 将 来
キ ャ ン パ ス ・ コ ン パ ク ト ︵ Campus Compact
的 に は 、 セ ン タ ー は 三 つ の 主 要 機 能 を も つ こ と に な る 。 そ れ ら は 、 学 術 研 究 と 地 域 社 会 貢 献 と を 連 携 さ せ る
Outreach Opportunity League
145
こ と に よ っ て 学 習 環 境 を 高 め る こ と 、 大 学 の 貢 献 機 会 に つ い て の 情 報 機 関 と し て 機 能 す る こ と 、 貢 献 施 設 へ
Peace Corps
の 学 生 の 参 加 を 促 進 す る こ と に よ っ て 、 彼 ら の 主 体 性 ・ 指 導 力 を 強 め る こ と で あ る 。 セ ン タ ー は 国 有 地 付 与
︵
AmeriCorps
大 学 の 機 能 の 一 つ で あ る 地 域 社 会 へ の 奉 仕 と い う 役 割 を 強 化 す る も の で あ る 。
地 域 社 会 に 貢 献 し た 学 生 は 奨 学 金 の 受 給 資 格 者 と な る 全 米 サ ー ビ ス 計 画 が あ る 。
高 等 教 育 機 関 の 第 三 の 役 割 の 二 つ 目 の 分 野 と し て 、 地 域 社 会 に お け る ボ ラ ン テ ィ ア 活 動 が あ る 。 学 生 は 特 に ボ ラ
◆ 地 域 社 会 貢 献 と カ リ キ ュ ラ ム を 正 規 に 結 び つ け る メ カ ニ ズ ム は あ る か ?
◆ 高 等 教 育 機 関 は 文 化 施 設 の 収 集 物 を 共 同 で 管 理 し 、 地 域 社 会 か ら 収 益 を 上 げ る メ カ ニ ズ ム を も っ て い る か ?
◆ 高 等 教 育 機 関 は 学 内 資 源 お よ び 施 設 の 外 部 利 用 状 況 を 把 握 し て い る か ?
◆ そ の よ う な ア ク セ ス へ の 金 銭 的 、 時 間 的 条 件 と は 何 か ?
◆ 地 域 社 会 は 高 等 教 育 機 関 の ど の よ う な 資 源 や 施 設 に ア ク セ ス が 可 能 か ?
高 等 教 育 機 関 と 地 域 資 源
に な っ て い る 。
寄 付 さ れ 、 そ の す べ て が 地 域 社 会 に 還 元 さ れ て い る 。 こ れ に よ り 、 学 生 と 地 域 社 会 の 結 び つ き は 強 固 な も の
い る 。 ま た 大 学 で 毎 年 開 催 さ れ る 慈 善 パ レ ー ド 週 間 で は 、 約 二 〇 〇 万 ポ ン ド の お 金 が S C A プ ロ ジ ェ ク ト に
い は 環 境 保 護 プ ロ グ ラ ム に 参 加 し た り 、 地 域 の 学 校 で 手 助 け を し た り 、 さ ま ざ ま な 活 動 に 学 生 を 送 り 込 ん で
か で は 強 大 な 勢 力 で あ る 。 S C A は 子 ど も と 遊 ん だ り 、 障 害 者 や 配 偶 者 の い な い 親 た ち を 支 援 し た り 、 あ る
い る と み ら れ る 。 S C A グ ル ー プ は 軽 視 さ れ る こ と も あ る が 、 地 域 社 会 内 の 非 政 府 ・ ボ ラ ン テ ィ ア 部 門 の な
れ ら は 一 万 五 〇 〇 〇 人 を 超 え る 学 生 を ボ ラ ン テ ィ ア と し て 派 遣 し 、 九 六 〇 万 ポ ン ド の 経 済 効 果 を 生 み 出 し て
︶ の 枠 組 み の な か で 実 施 さ れ て い る 。 イ ギ リ ス の 高 等 教 育 機 関 に は 一 二 五 の S C A グ ル ー プ が あ り 、 そ
イ ギ リ ス で は 学 生 に よ る 地 域 社 会 ボ ラ ン テ ィ ア 活 動 は 学 生 地 域 社 会 活 動 ︵ SCA : Student Community
高 等 教 育 機 関 は 図 書 館 、 ス ポ ー ツ 施 設 、 芸 術 や 文 化 活 動 の 施 設 な ど 、 数 多 く の 施 設 を 所 有 し て い る 。 こ れ ら の 多
Action
く は 有 料 で 地 域 住 民 の 利 用 に も 開 放 さ れ 、 ま た 収 入 や 雇 用 の 創 出 と い う 点 で 地 域 に も 大 き な 影 響 力 を も つ 重 要 な 地
146
147
億 四 千 万 米 ド ル と な っ て い る 。
地 域 に 多 大 な 経 済 効 果 を 生 み 出 し て お り 、 フ ロ リ ダ 大 西 洋 大 学 の 他 の 文 化 施 設 も 合 わ せ て 、 そ の 額 は 推 定 一
国 的 に 有 名 な ミ ュ ー ジ カ ル や ポ ピ ュ ラ ー ・ ミ ュ ー ジ ッ ク 歌 手 の コ ン サ ー ト も 行 わ れ て い る 。 こ の 地 区 は 周 辺
り 発 展 を 遂 げ た 。 五 五 〇 〇 万 米 ド ル で 運 営 さ れ て い る 実 演 芸 術 セ ン タ ー で は 大 学 の 制 作 作 品 だ け で な く 、 全
︶ の メ ン バ ー が 開 発 協 議 会 、 諮 問 委 員 会 、 政 治 活 動 委 員 会 の 委 員 と し て 運 営 に 関 わ
ア メ リ カ 合 衆 国 の フ ロ リ ダ 州 フ ォ ー ト ・ ロ ー ダ ー デ イ ル 芸 術 科 学 地 区 は フ ロ リ ダ 大 西 洋 大 学 ︵ FAU :
高 等 教 育 機 関 は 学 生 組 合 を 通 じ て 地 元 地 域 に 多 く の 資 源 を 提 供 し て い る 。 学 生 組 合 は 一 義 的 に は 、 自 校 の 大 学 生
Florida Atlantic University
に 奉 仕 す る た め に 存 在 し て い る が 、 実 際 に は 、 そ の ほ と ん ど が 大 衆 娯 楽 免 許 や 条 件 付 き の ア ル コ ー ル 販 売 免 許 を 取
8 | 地域社会貢献のマネジメント
問 題 を 多 少 な り と も 改 善 し て き た 。
を 大 学 内 に 取 り 込 む こ と を 役 割 と し て お り 、 こ れ ま で こ の 緑 豊 か な 機 関 が 地 域 社 会 か ら 孤 立 し て き た と い う
画 館 、 美 術 館 、 音 楽 セ ン タ ー 、 書 店 か ら 構 成 さ れ 、 毎 年 約 二 五 万 人 が 訪 れ て い る 。 ま た こ の 施 設 は 地 域 社 会
ウ ォ リ ッ ク 芸 術 セ ン タ ー は イ ギ リ ス の ウ ォ リ ッ ク 大 学 の 一 施 設 で 、 コ ン サ ー ト ・ ホ ー ル 、 二 つ の 劇 場 、 映
会 、 文 化 と い っ た 面 で 社 会 基 盤 整 備 が 比 較 的 遅 れ て い る 地 方 で 、 よ り い っ そ う 差 し 迫 っ た 課 題 と な っ て い る 。
わ け 財 政 面 を 基 本 と し た 連 携 に か か っ て い る 場 合 が 多 い 。 高 等 教 育 機 関 の も つ 施 設 の 地 元 地 域 へ の 開 放 は 教 育 、 社
形 で 補 助 金 が 支 給 さ れ る わ け で は な い の で 、 施 設 の 財 政 上 の 健 全 性 は 地 元 地 域 の ス テ ー ク ホ ル ダ ー と の 連 携 、 と り
域 施 設 で あ る 。 多 く の 高 等 教 育 機 関 で は 、 そ の よ う な 施 設 へ の 資 金 援 助 は 任 意 で あ り 、 政 府 か ら 使 途 が 定 め ら れ た
た し て い る 。 し か し 、 そ の よ う な 活 動 を 支 え る 資 金 、 特 に 政 府 か ら の 補 助 金 は ほ と ん ど な い 。 こ う し た 場 合 に は 、
深 い 、 価 値 の あ る 施 設 も あ る 。 こ こ で は 、 大 学 は ま さ に そ の 地 元 地 域 に お け る 生 活 の 文 化 的 管 理 者 と い う 役 割 を 果
高 等 教 育 機 関 が 所 有 、 管 理 し て い る 施 設 の な か に は 、 地 域 文 化 の 様 相 を 記 録 し て い る こ と か ら 地 域 に と っ て 興 味
費 需 要 を 把 握 し 、 か つ そ れ に 対 応 す る コ ベ ン ト リ ー 学 生 組 合 の 能 力 の 表 れ で も あ る 。
る 。 こ の よ う な 非 学 術 活 動 へ の 投 資 は 、 成 長 す る 夜 間 娯 楽 市 場 か ら 利 潤 を 得 る た め に 、 若 者 の 変 わ り ゆ く 消
源 を 獲 得 し よ う と い う 学 生 組 合 の 戦 略 の 一 端 で あ る 。 ナ イ ト ・ ク ラ ブ は 会 員 制 で 、 学 外 の 誰 も が 会 員 に な れ
名 の 先 駆 的 な ナ イ ト ・ ク ラ ブ を 開 い た 。 こ れ は キ ャ ン パ ス 内 の 既 存 店 舗 の み の 運 営 か ら 脱 却 し 、 新 た な 収 入
イ ギ リ ス の コ ベ ン ト リ ー 大 学 は 近 年 二 五 〇 万 ポ ン ド を 投 じ て 、 市 の 中 心 街 に ﹁ 惑 星 ﹂ ︵
The Planet
施 設 を 維 持 す る た め に 地 域 の 財 源 は 必 要 不 可 欠 で あ る 。 そ れ ゆ え 、 高 等 教 育 機 関 が 一 般 住 民 に 対 し て 開 い て い る 芸
︶ と い う
し た り し て 、 地 域 の さ ら に 広 範 な 顧 客 層 の 獲 得 を め ざ し て い る 。
い る 。 そ こ で は 、 第 三 の 資 金 源 を 拡 大 し た り 、 場 合 に よ っ て は 、 地 域 の 他 団 体 と 連 携 し つ つ 、 娯 楽 提 供 事 業 を 強 化
る か と い う 状 況 に 直 面 し て い る 。 多 く の 場 合 、 学 生 組 合 は 財 政 基 盤 を 強 固 に す る た め に 、 企 業 家 活 動 に 取 り 組 ん で
政 の 健 全 性 を 確 保 す る た め に 自 ら の 娯 楽 メ ニ ュ ー を 拡 大 す る か 、 一 括 補 助 金 の 継 続 的 な 削 減 か ら 閉 鎖 に 追 い 込 ま れ
し か し 、 学 生 組 合 は 大 学 一 般 と 同 様 に 、 補 助 金 削 減 の 危 機 に あ る 。 そ う し た な か で 、 学 生 組 合 は 将 来 に わ た る 財
ま た 学 生 組 合 が 主 要 な 娯 楽 の 場 と な る こ と に よ っ て 、 都 市 あ る い は 地 域 の 文 化 的 な 評 価 が 高 ま る こ と に も な る 。
ダ ン ス ・ イ ベ ン ト 、 あ る い は 夜 間 に ア ル コ ー ル を 提 供 す る こ と に よ っ て 、 地 域 の 中 心 的 な 娯 楽 施 設 と な っ て い る 。 148
得 し 、 施 設 や イ ベ ン ト に い っ そ う 広 範 な 人 々 を 受 け 入 れ て い る 。 こ の よ う に し て 、 学 生 組 合 は 喜 劇 、 音 楽 の 生 演 奏 、
149
人 口 の 少 な い フ ィ ン ラ ン ド 東 部 に あ る 三 つ の 大 学 は 図 書 館 資 源 の 利 用 と い う 点 で 協 力 し あ っ て い る 。 三 つ
等 教 育 機 関 は 教 育 や 研 究 と 同 様 に 、 協 働 を 求 め ら れ る こ と も 多 い 。 こ の 点 で 地 域 に 資 金 が あ れ ば 、 学 生 に と っ て 利
地 域 の ニ ー ズ に 合 わ せ る こ と の 可 能 な 施 設 や サ ー ビ ス の ポ ー ト フ ォ リ オ を 開 発 す る と い う 点 で 、 同 一 地 域 に あ る 高
特 に 図 書 館 の よ う な 施 設 や 情 報 技 術 サ ー ビ ス の 利 用 者 が 比 較 的 少 な い 地 方 で は 、 必 要 不 可 欠 な こ と で あ ろ う 。 地 元
高 等 教 育 機 関 相 互 あ る い は そ の 所 有 施 設 間 相 互 の 地 域 連 携 ・ 職 務 分 担 は 、 重 要 な 資 源 の 利 用 者 を 維 持 す る た め に 、
8 | 地域社会貢献のマネジメント
的 と し た ア ボ リ ジ ニ ー 文 化 保 存 セ ン タ ー ︵
︶ も 開 設 さ れ て い る 。
ン ド 大 学 に は ア ボ リ ジ ニ ー 文 化 の 回 復 と 発 展 、 な ら び に ア ボ リ ジ ニ ー 社 会 と そ の 他 の 社 会 と の 関 係 改 善 を 目
移 住 者 の 活 動 を 記 録 し て お り 、 同 時 に ア ボ リ ジ ニ ー 文 化 に 関 わ る 資 料 も 保 存 し て い る 。 ま た ニ ュ ー イ ン グ ラ
主 要 主 体 と な っ て い る 歴 史 資 源 セ ン タ ー ︵
Historical Resources Centre
の 大 学 図 書 館 は 各 大 学 の 専 門 性 を 反 映 し て 、 そ れ ぞ れ か な り 異 な っ て お り 、 大 学 間 の 相 互 貸 し 出 し は 図 書 館
用 可 能 な 施 設 の 範 囲 が 広 が り 、 学 習 経 験 も い っ そ う 実 り あ る も の に な る 。 と 同 時 に 地 域 社 会 と の 積 極 的 な 連 携 に よ
Aboriginal Cultural Centre and Keeping Place
に と っ て 重 要 な 機 能 と な っ て い る 。 図 書 館 サ ー ビ ス は 放 送 大 学 の 学 生 や 科 学 技 術 専 門 学 校 で あ る A M K 機 関
り 、 学 生 、 教 員 双 方 の 生 活 も 豊 か な も の に な り う る 。 要 す る に 第 三 の 役 割 は 一 方 向 で は な い の で あ る 。
︶ が あ る 。 こ の セ ン タ ー は 最 も 初 期 の
オ ー ス ト ラ リ ア の ニ ュ ー イ ン グ ラ ン ド 大 学 に は 、 ニ ュ ー イ ン グ ラ ン ド 地 域 で 行 わ れ る あ ら ゆ る 歴 史 調 査 の
と は 有 効 で あ ろ う 。
術 、 文 化 、 社 会 施 設 を 大 学 教 員 、 利 用 者 、 施 設 管 理 者 か ら 構 成 さ れ る 独 立 し た 連 合 体 が 共 同 管 理 し 、 市 場 化 す る こ
の 学 生 、 地 元 地 域 の 学 校 、 病 院 、 そ の 他 民 間 の 会 員 も 無 料 で 利 用 で き る 。
150
に 対 す る 責 任 や イ ン セ ン テ ィ ブ の 欠 如 、 地 域 ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 数 の 多 さ が あ げ ら れ た 。
た 顕 著 な 差 異 が み ら れ た 。 阻 害 要 因 に 関 し て は 、 地 域 連 携 に 向 け て の 財 源 が 限 ら れ て い る こ と 、 大 学 教 職 員
151
︵ 旧 ポ リ テ ク ニ ッ ク ︶ と の 間 で は 、 前 者 は 研 究 機 能 を 最 優 先 す る 一 方 、 後 者 は 教 育 上 の 役 割 を 重 視 す る と い っ
を 拡 大 す る 必 要 性 、 研 究 成 果 の 活 用 者 と の 関 係 の 強 化 が あ げ ら れ た 。 し か し 、 歴 史 の 長 い 大 学 と 新 し い 大 学
な 推 進 要 因 な ら び に 阻 害 要 因 は 何 か を 問 う て い る 。 最 も 重 要 な 推 進 要 因 と し て は 、 新 た な 資 金 源 、 ア ク セ ス
近 年 実 施 さ れ た イ ギ リ ス の 大 学 に 関 す る 調 査 で は 、 上 級 管 理 者 に 地 域 と の 関 わ り を 強 め る う え で 最 も 重 要
9 | 結 論
と に な る 。 こ の よ う な 推 進 ・ 阻 害 要 因 は 国 や 地 域 の 環 境 上 の 特 性 や 機 関 自 身 の 進 化 の 程 度 に よ っ て 定 ま る 。
て 述 べ て き た 。 こ の 意 味 に お い て 、 各 高 等 教 育 機 関 は 連 携 に 向 け て 、 機 関 独 自 の 推 進 要 因 、 阻 害 要 因 に 直 面 す る こ
本 書 で は 、 高 等 教 育 機 関 の 地 域 ニ ー ズ へ の 対 応 能 力 は 地 域 や 国 の 環 境 に よ っ て い か に 影 響 を 受 け て い る か に つ い
9 地 域 連 携 の 推 進 要 因 と 阻 害 要 因
結 論
︶ の 創 設 。
・ 経 済 的 事 情 の た め 自 宅 か ら 通 学 す る 学 士 課 程 学 生 の ︶ 増 、 加 地 。 元 高 校 生 の 早 期 受 け 入 れ 協 定 ︵ ・ ア ク セ ス 、 他 の 中 等 後 教 育 機 関 の 系 列 化 ︵
franchise
を 通 じ た 学 生 へ の 新 し い ﹁ 機 会 の は し ご ﹂ ︵
ladders of opportunity
・ 地 域 に 定 住 し て い る 正 規 の 社 会 人 学 生 や 非 伝 統 的 学 生 か ら の 需 要 の 高 ま り 。
compact
︶ な ど の 方 策
・ 柔 軟 に 新 た な 機 会 を 提 供 す る 地 域 収 益 事 業 へ の 参 加 。
・ 地 域 仲 介 組 織 や 地 域 関 連 組 織 へ の 上 級 管 理 者 の 派 遣 。
・ 収 入 増 に 向 け て の 職 能 開 発 を 主 眼 と し た 大 学 院 段 階 の パ ー ト タ イ ム 教 育 プ ロ グ ラ ム の 拡 大 。
め の 地 場 企 業 と の 提 携 の 可 能 性 。
・ 高 等 教 育 機 関 に と っ て 中 心 的 な 業 績 指 標 を 向 上 さ せ る た め に 、 卒 業 生 の 地 域 内 で の 就 職 を 増 や す こ と 。 そ の た
・ 大 学 教 員 と 提 携 す る 可 能 性 の あ る 企 業 か ら の 対 内 投 資 の 促 進 。
政 当 局 と 結 び つ け る 歴 史 的 伝 統 。
・ そ の 地 域 が 公 的 に 規 定 さ れ た 地 域 で あ る か な い か に か か わ ら ず 、 高 等 教 育 機 関 を 強 固 に 地 域 経 済 基 盤 や 地 方 行
教 育
地 域 開 発 に 関 す る 役 割 の 推 進 要 因
環 境 は さ ま ざ ま で あ っ て も 多 く の 高 等 教 育 機 関 に 共 通 す る も の で あ ろ う 。
152
続 い て 、 地 域 連 携 を 進 め る う え で の 数 多 く の 推 進 要 因 な ら び に 阻 害 要 因 を 列 挙 す る が 、 こ れ ら は 国 家 環 境 、 地 域
・ 地 域 開 発 ニ ー ズ と は 関 わ り の な い 学 外 の 専 門 職 業 団 体 が 認 定 し 、 決 定 す る 学 士 課 程 ︵ U G ︶ や 大 学 院 課 程 ︵ P
に 費 や し た 時 間 が 評 価 さ れ な い 学 内 の 昇 進 、 報 酬 シ ス テ ム 。
153
・ 職 能 開 発 の た め の 短 期 課 程 や 称 号 を 授 与 し な い 教 育 事 業 、 あ る い は 遠 隔 学 習 機 会 と い っ た 分 野 で の 企 画 や 提 供
・ あ ら ゆ る 関 係 者 を 包 括 す る 地 域 経 済 開 発 戦 略 の 未 成 熟 。
・ 旧 態 依 然 的 に 国 が 学 問 分 野 ご と の 供 給 数 を 決 定 す る 、 政 府 に よ る 補 助 金 支 給 対 象 と な る 学 生 数 の 上 限 設 定 。
・ 少 な く と も 既 存 の 仲 介 組 織 に よ っ て 明 示 さ れ て い る 地 域 の 開 発 ニ ー ズ と は 特 に 関 連 の な い コ ー ス へ の 需 要 。
9 | 結 論
教 育
地 域 開 発 に 関 す る 役 割 の 阻 害 要 因
・ ヨ ー ロ ッ パ に お い て は 、 欧 州 地 域 開 発 基 金 ︵ E R D F ︶ や 欧 州 社 会 基 金 ︵ E S F ︶ に よ る 支 援 。
・ 高 等 教 育 機 関 と 健 康 部 門 の 密 接 な 結 び つ き 。
・ 競 争 的 に 配 分 さ れ る 産 業 助 成 金 の 配 分 条 件 と し て 高 等 教 育 機 関 の 関 与 を 政 府 や 他 組 織 が 要 求 。
・ 国 レ ベ ル で の 科 学 技 術 の 開 発 ・ 移 転 政 策 を 地 方 分 権 化 し 、 経 済 開 発 に 関 わ る 地 域 フ ォ ー ラ ム に 権 限 を 委 譲 。
・ 産 業 界 と の 連 携 を 促 進 す る 強 力 な 政 府 の 政 策 。
研 究
・ 多 数 の 卒 業 生 の 地 元 企 業 へ の 就 職 や 学 生 の ア ル バ イ ト 、 プ ロ ジ ェ ク ト 労 働 に よ る 地 域 経 済 の 活 性 化 。
・ 研 究 課 題 が 研 究 審 議 会 や 中 央 政 府 の 優 先 課 題 に 強 く 影 響 さ れ る こ と 。
研 究
・ 卒 業 生 の 特 質 と 地 元 企 業 、 特 に 中 小 企 業 の 求 め る 技 能 上 の ニ ー ズ と の ミ ス マ ッ チ 。
・ 大 学 院 生 へ の 公 的 な 奨 学 金 が 少 な く 、 ま た そ の 配 分 に 地 域 ニ ー ズ が ほ と ん ど あ る い は 全 く 反 映 さ れ な い こ と 。
い か と の 不 安 感 か ら 、 地 域 人 材 の 技 能 開 発 に 消 極 的 な ス テ ー ク ホ ル ダ ー 。
・ 技 能 が 向 上 す る こ と に よ り 、 地 域 の 人 材 が 地 域 労 働 市 場 か ら 全 国 的 も し く は 国 際 的 な 労 働 市 場 へ 移 る の で は な
・ 新 た な プ ロ グ ラ ム を 導 入 す る う え で の 費 用 全 般 を ま か な う に は 不 十 分 な 地 域 か ら の 資 金 援 助 。
れ る べ き と い う 一 般 的 な 通 念 。
・ 学 士 課 程 段 階 で 地 域 ニ ー ズ に 対 応 す る プ ロ グ ラ ム を 導 入 す る 際 に は 、 既 存 の プ ロ グ ラ ム を 廃 止 し た う え で な さ
金 援 助 は 短 期 間 に 限 定 さ れ る 地 域 協 働 プ ロ ジ ェ ク ト の 費 用 面 の 問 題 。
・ 立 ち 上 げ 時 に は 金 銭 的 に も 、 上 級 管 理 者 の 労 力 に お い て も 、 多 大 な 費 用 、 時 間 を 注 ぎ 込 む に も か か わ ら ず 、 資
・ い か な る 地 域 基 準 を も 反 映 し な い 教 育 へ の 助 成 方 式 。
の 欠 如 。
・ 上 級 管 理 者 が 合 意 し た 地 域 方 針 が 実 際 に は 教 育 現 場 で は 実 行 に 移 さ れ な い な ど 、 経 営 陣 と 各 教 員 間 の 意 思 疎 通
︵ ・ 学 士 課 程 ︵ U G ︶ や ︶ 大 へ 学 の 院 不 課 安 程 と ︵ そ P れ に G 伴 ︶ う が い 多 っ 様 そ 化 う す 厳 る 格 こ な と 国 に 内 よ 基 っ 準 て 、 生 国 じ 際 る 基 準 と へ 考 の え 期 ら 待 れ 。 て い る ﹁ 質 の 低 下 ﹂
decline in standards
・ 大 学 教 員 の 昇 進 シ ス テ ム が 独 創 的 で 、 全 国 的 あ る い は 国 際 的 に 重 要 な 研 究 に 基 づ い て お り 、 研 究 成 果 を 地 元 企
154
G ︶ の 内 容 や 提 供 方 法 。
る い は 国 際 的 な レ ベ ル で 構 築 さ れ て い る 。
155
・ 通 常 、 研 究 の 成 功 に 、 イ ン フ ォ ー マ ル な 人 的 ネ ッ ト ワ ー ク は 非 常 に 重 要 な 意 味 合 い を も っ て い る 。 し か し 、 そ
て い る か ら で あ る 。
う よ り は 他 で も 反 復 可 能 な 取 り 組 み で あ り 、 ま た ﹁ 基 礎 的 ﹂ と い う よ り も ﹁ 応 用 的 ﹂ す ぎ る と の 印 象 を も た れ
ェ ク ト の 成 功 に は 障 害 と な り う る 。 と い う の も そ の よ う な プ ロ ジ ェ ク ト は 普 遍 性 に 乏 し く 、 新 境 地 を 開 く と い
9 | 結 論
・ 研 究 の 質 は 学 会 内 の 同 僚 が 評 価 す る と い う 慣 習 が 定 着 し て い る が 、 そ の よ う な 方 式 は 地 域 を 主 眼 と し た プ ロ ジ
・ 地 域 の 仲 介 組 織 も 地 域 ニ ー ズ に 関 わ る 研 究 プ ロ グ ラ ム を 委 嘱 す る の に 十 分 な 資 金 を も ち あ わ せ て い な い 。
も 資 金 援 助 を 行 う わ け で は な い 。
ま た 彼 ら は 、 特 定 の 開 発 ニ ー ズ を も つ 地 域 で 高 等 教 育 機 関 が そ の ニ ー ズ に 即 し た 研 究 を 行 う 場 合 で も 、 必 ず し
・ 研 究 へ の 資 金 援 助 者 は 援 助 先 を 研 究 の 質 や 中 心 的 な 人 物 の 評 判 に 基 づ い て 決 定 し 、 地 域 へ の 影 響 を 考 慮 し な い 。
地 域 開 発 や 地 域 課 題 と の 密 接 な 関 わ り を 求 め た り 、 そ れ に 報 酬 を 与 え た り す る も の で は な い 。
・ 欧 州 連 合 の 研 究 開 発 機 構 プ ロ グ ラ ム や 中 央 政 府 の 省 庁 あ る い は 大 多 数 の 慈 善 事 業 か ら の 研 究 費 補 助 は 、 概 し て
ら の 中 心 的 な 使 命 と は し な い ﹁ 威 信 の 高 い グ ル ー プ ﹂ ︵
superleague
の よ う な ネ ッ ト ワ ー ク は 研 究 会 議 、 学 問 分 野 ご と の 組 織 、 学 外 試 験 官 シ ス テ ム 、 国 の 審 議 会 を 通 じ て 、 全 国 あ
︶ に 属 す る 大 学 を 利 す る 状 況 と な っ て い る 。
・ 高 等 教 育 機 関 へ の 研 究 費 補 助 は 選 抜 的 で 、 ま た そ の 傾 向 は い っ そ う 強 ま っ て お り 、 通 常 、 地 域 と の 関 わ り を 自
分 と な る 恐 れ が あ る こ と 。
比 較 的 弱 い ︶ の 研 究 課 題 が 結 び つ い て お ら ず 、 そ の 結 果 、 ﹁ 合 意 し た ﹂ 地 域 上 の 優 先 課 題 へ の 取 り 組 み が 不 十
・ 上 級 管 理 者 段 階 で 決 定 さ れ た 方 針 と 学 内 で 地 位 が 下 位 に あ る 個 々 の 教 員 や 教 員 グ ル ー プ ︵ 組 織 へ の 所 属 意 識 が
業 の 問 題 解 決 に 応 用 す る こ と に は 何 の イ ン セ ン テ ィ ブ に も な っ て い な い こ と 。
端 に は 地 域 性 と は 縁 遠 い 、 歴 史 の 長 い 、 伝 統 的 な 大 学 が あ り 、 そ の 対 極 に は 制 度 的 進 化 の 最 先 端 に お り 、 地 域 の 大
て い る 。 し か し な が ら 、 高 等 教 育 機 関 が 新 し い 制 度 形 態 を 採 用 す る 程 度 は 機 関 に よ っ て 多 様 と な っ て い る 。 一 方 の
︵
︶ 、 ﹁ 対 応 的 ﹂ ︵
︶ 、 ﹁ 学 習 組 織 ﹂ ︵
learning organisation
学 と の 自 覚 が よ り 強 い 、 比 較 的 新 し い 大 学 が 位 置 づ け ら れ る 。 こ の 両 方 の 特 性 を も つ 高 等 教 育 機 関 は バ ラ ン ス の と
responsive
れ た 活 動 歴 を 維 持 す る た め に 、 機 関 の 再 構 築 と い う 点 で い っ そ う 大 き な 問 題 に 直 面 す る こ と に な る 。 し か し 、 ど ん
entrepreneurial
な タ イ プ の 機 関 に と っ て も 、 さ ら な る 地 域 連 携 へ の 需 要 が 制 度 変 革 へ の 主 要 な 推 進 要 因 の 一 つ と な る こ と は 疑 い が
︶ な ど さ ま ざ ま な 用 語 で 表 現 さ れ
多 く の 高 等 教 育 機 関 が 制 度 的 進 化 の プ ロ セ ス を 経 て 、 こ れ ら の 要 請 に 対 応 し て い る 。 こ の 変 革 は ﹁ 企 業 家 的 ﹂
公 共 セ ク タ ー 、 民 間 セ ク タ ー 、 市 民 セ ク タ ー の 過 剰 と も い え る 数 の 組 織 が 地 域 で 活 動 し て い る 。
わ ず 、 シ ン ク ・ タ ン ク や 政 策 集 団 な ど 数 多 く の 機 関 が 情 報 や 専 門 知 識 を 提 供 し て い る 。 ま た 社 会 貢 献 に お い て も 、
学 習 は 教 室 に 限 定 さ れ ず 、 ど こ で で も 起 こ り う る も の と い う 理 念 を も つ も の で あ る し 、 研 究 面 で も 公 共 、 民 間 を 問
な 事 業 者 が 長 年 に わ た り 大 学 の 領 分 に あ っ た 機 能 の 提 供 に 関 わ っ て き て い る 。 教 育 に 関 し て い え ば 、 生 涯 学 習 と は 、
の 独 占 的 立 場 を 失 う に つ れ て 、 数 多 く の 外 部 要 請 に 応 え よ う と 変 革 を 遂 げ て い る も の も あ る 。 今 日 、 い っ そ う 広 範
ー ン が 生 ま れ て き て い る こ と で あ る 。 高 等 教 育 機 関 の な か に は 、 教 育 、 研 究 な ら び に 地 域 社 会 貢 献 の 提 供 者 と し て
高 等 教 育 機 関 の 地 域 ニ ー ズ へ の 対 応 に 関 す る こ の 考 察 か ら 明 ら か に な っ た こ と は 、 新 た な 経 営 お よ び 制 度 の パ タ
新 し い 制 度 形 態 の 出 現
大 企 業 の 研 究 開 発 部 を 抱 え な い 地 方 に と っ て は 大 き な 問 題 で あ る 。
156
・ 企 業 か ら の 資 金 援 助 は 支 店 の ニ ー ズ を 反 映 し た も の で は な く 、 本 社 の 研 究 開 発 部 か ら 支 出 さ れ て い る 。 こ れ は
り 、 a 新 し い 事 業 環 境 ︵
︶ に お い て 競 争 が 協 働 と 結 び つ き 、 融 合 さ れ る 。 s ︶ 他 が 組
﹁ 大 学 に と っ て 、 学 習 地 域 は 世 紀 末 の 最 大 の 秘 密 兵 器 と な る で あ ろ う 。 実 際 的 な 観 点 か ら す れ ば 、 そ れ に よ
Duke
織 や そ の 異 質 な 文 化 と 効 果 的 に 交 流 す る と い う 点 で 大 学 の 枠 を 超 え て 働 く 橋 渡 し 役 ︵
new enterprise environment
9 | 結 論
奨 励 、 支 援 さ れ る 。 d 学 習 組 織 が 増 加 し 、 そ れ ら が さ ま ざ ま に 重 な り 合 う 学 習 地 域 を 共 同 で 豊 か に す る に つ
boundary spanners
157
れ て 、 大 学 内 で も 多 く の 伝 統 や 信 条 を も っ た パ ー ト ナ ー と 交 流 し 、 協 力 し あ え る よ う に 学 内 文 化 の 変 革 が 促
関 心 の 一 致 が み ら れ る 。 こ の 一 致 は 生 涯 学 習 に 関 す る I M H E の 会 議 で の デ ュ ー ク ︵ ︶ の 基 調 演 説 ︱ ︱ ま さ に
教 育 機 関 に は 明 確 な 役 割 と 参 画 へ の イ ン セ ン テ ィ ブ が あ る 。 そ れ ゆ え 、 そ こ で は 幸 運 な こ と に 、 大 学 と 地 域 の 間 で
っ そ う 対 応 的 、 企 業 家 的 な 高 等 教 育 機 関 の 創 設 が 中 心 に 位 置 づ け ら れ て い る こ と も あ り 、 学 習 地 域 の な か で は 高 等
な ﹁ い 学 。 習 地 域 ﹂ ︵
learning region
進 さ れ る こ と と な る 。 ﹂
本 書 に ふ さ わ し い 結 論 が 述 べ ら れ て い る 声 明 ︱ ︱ の な か で 的 確 に 表 現 さ れ て い る 。
︶ は 本 書 を 貫 く 概 念 で あ る 。 地 域 課 題 の な か で 社 会 的 需 要 の 充 足 が 期 待 さ れ る 、 い
点 を あ て る が 、 適 宜 、 他 の 省 庁 に も 言 及 す る 。
は 文 化 担 当 で あ る ︶ 。 こ の よ う に 高 等 教 育 機 関 は 、 政 府 内 の 機 能 的 分 業 を 再 生 産 す る 。 以 下 の 論 議 で は 教 育 省 に 焦
し て い る の は 、 す で に 大 学 の 一 部 に す ぎ な い ︵ 例 え ば 、 一 人 の 副 学 長 は 研 究 お よ び 産 業 渉 外 担 当 で あ り 、 も う 一 人
学 技 術 、 雇 用 と 労 働 市 場 、 内 政 や 地 方 自 治 、 そ し て 文 化 や ス ポ ー ツ な ど で あ る 。 し た が っ て 、 こ う し た 省 庁 が 担 当
援 助 組 織 体 に あ る か も し れ な い 。 し か し 、 大 学 の 地 方 計 画 は 、 多 く の 種 々 の 省 庁 と も 関 係 す る 。 そ れ は 、 産 業 、 科
省 庁 相 互 の 対 話 や 連 携 を 促 す 。 大 学 へ の 資 金 援 助 に 関 し て 、 主 務 官 庁 は 教 育 省 あ る い は 会 計 を 担 当 す る 準 独 立 資 金
本 的 な 問 題 を 提 起 す る 。 そ の よ う な 状 況 で 、 地 域 ニ ー ズ に 対 し て 高 等 教 育 機 関 の 対 応 を 強 化 す る こ と は 、 必 然 的 に
地 域 ガ バ ナ ン ス の 構 造 を も た な い 集 権 的 国 家 に お い て は 、 地 域 開 発 は 機 能 別 に 組 織 さ れ た 省 庁 間 の 職 務 分 担 に 根
10 中 央 政 府 へ
勧 告
158
競 争 力 の 総 量 で 具 体 化 さ れ る 。 ⋮ ⋮ だ が 、 あ る 地 域 で は 力 強 い が 、 他 の 地 域 で は 産 業 と 高 等 教 育 機 関 と の 間 の 誤 っ
159
の O E C D 報 告 書 で 、 例 え ば 、 事 務 局 次 長 は 次 の よ う に 言 及 し た 。 ﹁ 国 家 の 経 済 的 繁 栄 は 地 方 の 経 済 的 活 力 お よ び
雇 用 関 連 の 省 庁 は 、 技 能 と 地 域 の 競 争 力 と が 結 び つ い て い る と い う 認 識 を 強 め て い る 。 こ の テ ー マ に 関 す る 最 近
省 庁 間 の 対 話
10 | 勧 告
習 は そ の 土 地 の 人 々 の ニ ー ズ に 対 応 的 で な け れ ば な ら な い 政 策 課 題 だ と い う 事 実 を 強 調 す べ き で あ る 。
向 は 、 ど れ く ら い 学 生 の 進 学 や 進 級 を 援 助 あ る い は 抑 制 し て い る か を 評 価 す る 。 要 す る に 、 地 理 的 分 析 は 、 生 涯 学
継 続 教 育 、 職 業 教 育 、 コ ミ ュ ニ テ ィ カ レ ッ ジ 、 高 等 教 育 、 大 学 院 な ど で あ る 。 そ し て 、 地 方 に お け る 教 育 提 供 の 傾
あ へ り て に 領 こ る の 、 、 関 有 個 の 。 参 卒 基 し 地 々 入 業 本 て 内 の 一 に 生 的 多 の 高 覧 関 は な く 高 等 作 す ど 課 の 等 教 成 る こ 題 統 教 育 の 地 の は 計 育 機 課 方 労 、 資 の 関 題 デ 働 高 料 配 が に ー 市 等 を 置 自 お タ 場 教 集 に ら け に に 育 め つ に る 対 入 シ て い つ 特 し る ス い て い 別 て か テ る 基 て な 、 を ム 。 本 地 関 供 確 全 し 的 域 心 給 認 体 か 情 連 は が す と し 報 携 、 不 る し な を の 教 足 こ て が 収 一 育 か と 、 ら 集 覧 シ 、 で ど 、 す 作 ス 過 あ の そ る 成 テ 剰 る 課 の 必 ︵ ム か 。 程 情 要 の を こ が 報 が 種 確 う ど は あ 々 認 し こ 地 る の す た で 理 。 ︶ レ る 分 教 的 た を ベ た 析 え 詳 い す ル め で ら 細 て る の の は れ を い 必 階 ベ 、 て 欠 の 要 梯 ン 高 い い 省 が を チ 等 て て 庁 あ 識 マ 教 、 い は る 別 ー 育 学 る 高 よ す ク 、 生 こ 等 う る テ 産 の と 教 に こ ス 業 出 が 育 、 と ト 構 身 多 シ 教 に を 造 地 い ス 育 あ す や は 。 テ 省 る る 職 ど し ム も 。 必 業 こ た の 全 そ 要 構 で が 特 国 れ が 造 あ っ 性 の は 、 mapping
た 組 合 せ で 対 処 し て い る ﹂ 。 し か し な が ら 、 雇 用 や 産 業 関 連 の 省 庁 で 対 話 が 進 め ら れ て い て も 、 高 等 教 育 は た い て
高 等 教 育 の 配 置
地 域 の 学 習 シ ス テ ム を 支 援 し 、 促 進 す る の に 不 可 欠 で あ る 。
ー ト ナ ー シ ッ プ や 対 話 を 促 す 必 要 が あ る 。 こ う し た 仕 組 み は 、 地 域 開 発 に 貢 献 す る た め に 、 教 育 供 給 者 が 協 力 す る
さ ら に 、 政 府 は 、 学 校 教 育 関 係 者 の ほ か 、 継 続 教 育 や 高 等 教 育 、 職 業 訓 練 関 係 者 の よ う な 地 域 の 教 育 供 給 者 と パ
ク ホ ル ダ ー が 集 う 地 域 フ ォ ー ラ ム の 育 成 を 含 む 。
標 を も っ た プ ロ グ ラ ム や プ ロ ジ ェ ク ト を 企 画 す る よ う に 設 け る こ と が 求 め ら れ る 。 こ こ に は 、 広 範 な 地 方 の ス テ ー
イ ン セ ン テ ィ ブ や 資 金 援 助 プ ロ グ ラ ム は 、 高 等 教 育 機 関 が 、 地 域 で の 協 同 活 動 を 強 化 す る 明 確 な 地 域 の 視 点 や 目
地 域 開 発 と 高 等 教 育 機 関 へ の イ ン セ ン テ ィ ブ と 資 金 援 助 プ ロ グ ラ ム
な 貢 献 で あ る 。
設 や 学 生 観 客 、 お よ び 大 学 の こ れ ら の 活 動 へ の 参 加 は 、 認 め ら れ 、 計 画 さ れ 、 財 政 的 に 支 援 さ れ る 必 要 が あ る 主 要
庁 が ほ と ん ど 認 識 し て い な い 、 文 化 や ス ポ ー ツ と の 関 係 で あ る 。 大 学 図 書 館 、 博 物 館 、 美 術 館 、 そ し て ス ポ ー ツ 施
最 後 の 全 国 的 な 政 策 課 題 、 そ れ は 大 学 が 地 域 レ ベ ル で 直 接 的 、 間 接 的 に 関 与 し て い る の だ が 、 そ の 貢 献 を 関 係 省
う こ と が 、 技 術 や 教 育 の 省 庁 で の 対 話 に お い て 扱 わ れ る 必 要 が あ る 。
政 策 の 懸 念 の 結 果 で あ る 。 技 術 は 教 育 と 学 習 の 過 程 で 移 転 す る と い う 事 実 、 そ し て さ ら に 地 方 化 の 効 果 が あ る と い
バ レ ー 現 象 の 結 果 で あ り 、 ま た い く ら か は 、 と り わ け 欧 州 連 合 に お け る 技 術 開 発 能 力 の 不 均 等 な 分 布 に 対 す る 地 域
っ か り と で き て い る 。 そ れ は 、 い く ら か は 大 学 の サ イ エ ン ス パ ー ク に お け る 多 数 の 模 倣 実 験 を 刺 激 し た シ リ コ ン ・
技 術 移 転 に お け る 大 学 の 役 割 に は 、 地 域 で の 技 術 移 転 を 含 ん で い て 、 著 し い 対 照 が 、 今 や 、 技 術 関 連 の 省 庁 に し 160
い 討 論 に 不 在 で あ る 。 こ の 隔 た り を 埋 め る 必 要 が あ る 。
こ う し た 情 報 を 整 え る こ と が で き る 。
161
位 置 を 知 り 、 将 来 の 可 能 な 方 向 を 確 定 す る に は 、 そ れ ら を 利 用 し な け れ ば な ら な い 。 ま た 、 高 等 教 育 機 関 は 、 グ ロ
高 等 教 育 機 関 は 、 未 来 の 技 術 、 経 済 、 社 会 の 動 向 に 関 す る 知 識 の 宝 庫 で あ る 。 地 域 が 自 ら を 理 解 し 、 世 界 に お け る
高 等 教 育 機 関 と 地 方 お よ び 地 域 の 官 庁 と の 経 済 の 長 所 や 弱 点 に 関 す る 共 同 研 究 は 、 両 者 の 関 係 の 構 築 に 役 立 つ 。
10 | 勧 告
地 域 分 析 に お け る 高 等 教 育 機 関 の 専 門 技 術
に 動 員 す る 条 件 が 整 っ て い な い 場 合 は 、 こ う し た 相 互 の 知 識 と 理 解 が 必 要 で あ る 。
き に 、 開 発 担 当 機 関 は 交 渉 過 程 に 携 わ る 大 学 の 適 切 な 部 局 を 速 や か に み つ け だ せ る 。 大 学 の 資 源 を 地 域 開 発 の た め
リ オ に 関 す る 詳 細 な 知 識 に 支 え ら れ な け れ ば な ら な い 。 そ う す れ ば 、 例 え ば 潜 在 的 な 新 し い 対 内 投 資 家 が 現 れ た と
よ う に 、 地 方 官 庁 は 高 等 教 育 に つ い て 学 ば ね ば な ら な い 。 一 般 的 理 解 は 、 高 等 教 育 機 関 の 研 究 や 教 育 の ポ ー ト フ ォ
援 助 の 仕 組 み な ど が 十 分 に 理 解 さ れ る こ と は な い 。 高 等 教 育 機 関 に と っ て は こ う し た こ と の 説 明 が 主 要 課 題 で あ る
ま で あ る 。 大 学 人 を 教 員 や 研 究 者 と し て 駆 り 立 て る も の 、 高 等 教 育 機 関 の 自 治 や 経 営 の 手 法 、 中 央 政 府 に よ る 資 金
地 方 や 地 域 の 領 域 で 業 務 を 遂 行 す る 多 く の 公 的 諸 機 関 に と っ て 、 大 学 は ﹁ ブ ラ ッ ク ボ ッ ク ス ﹂ ︵
black box
ー バ ル な 情 報 へ の 門 番 と し て の 役 割 を 果 た す こ と が で き る 。 そ し て 、 地 域 経 済 の 種 々 の 分 野 の ニ ー ズ に 合 わ せ て 、
︶ の ま
高 等 教 育 の 理 解
地 方 お よ び 地 域 の 官 庁 へ
共 同 プ ロ ジ ェ ク ト の た め の 財 政 支 援
れ で 門 地 る 働 性 域 。 く 開 の 機 発 競 会 の 争 が 取 力 あ り を る 組 上 。 み げ 最 が る 後 生 こ に ま と 、 れ と 地 る 結 域 。 び の 文 つ 能 化 い 力 的 た 構 開 技 築 発 能 の で の 観 は 強 点 、 化 か 非 に ら 職 お は 業 い 、 教 て 大 育 、 学 の 目 教 提 標 職 供 と 員 や す や 、 る 施 社 卒 設 会 業 設 一 生 備 般 の は に 留 公 大 保 開 学 率 討 設 が 論 備 維 を を 持 促 開 さ す 放 れ た す 、 め る 継 に 共 続 動 同 的 員 計 な さ 画 専
斡 旋 、 お よ び 経 営 者 啓 発 に お い て 、 生 産 物 や プ ロ セ ス ・ イ ノ ベ ー シ ョ ン を 支 援 す る 専 門 知 識 を 提 供 す る 機 会 が あ る 。
る 代 表 団 に 大 学 の 関 係 者 が 参 加 で き る 。 地 方 の 技 術 開 発 プ ロ グ ラ ム で は 、 大 学 は 、 コ ン サ ル タ ン ト 業 、 学 生 の 就 職
グ ラ ム の そ れ ぞ れ の 主 な テ ー マ で 、 大 学 に 対 し て 積 極 的 な 参 加 の 要 請 が あ る 。 対 内 投 資 の 探 索 で は 、 海 外 に 派 遣 す
地 域 分 析 と 知 識 移 転 の 後 に は 、 大 学 の 専 門 知 識 と 結 合 し た 行 動 計 画 や プ ロ グ ラ ム が 続 か ね ば な ら な い 。 開 発 プ ロ
高 等 教 育 機 関 の 地 域 行 動 計 画 お よ び プ ロ グ ラ ム へ の 編 入
採 用 す る 必 要 が あ る 。
要 な こ と は 、 公 共 団 体 は 、 地 域 の 経 済 や 文 化 の 開 発 の さ ま ざ ま な 側 面 を 導 く 諮 問 委 員 会 に 大 学 ス タ ッ フ を 積 極 的 に
る 場 合 、 専 門 知 識 デ ー タ ベ ー ス を 管 理 す る 管 理 業 務 オ フ ィ ス を 設 立 し な け れ ば な ら な い 。 最 後 に な っ た が や は り 重
招 く こ と に な る か も し れ な い 。 業 務 レ ベ ル で は 、 中 小 企 業 や 小 規 模 の 公 共 お よ び 民 間 の 組 織 が 大 学 の 知 識 を 利 用 す
す る 調 査 会 議 の よ う な 行 事 が 事 例 の 一 つ で あ る 。 そ の よ う な 会 議 は 、 大 学 ス タ ッ フ を 共 同 の 地 域 戦 略 形 成 チ ー ム に
要 が あ る 。 戦 略 の 観 点 か ら は 、 大 学 や 地 域 の 公 共 お よ び 民 間 セ ク タ ー か ら 選 ば れ た 代 表 者 に よ る 、 地 域 の 将 来 に 関 162
公 的 諸 機 関 は 、 戦 略 お よ び 業 務 レ ベ ル の 両 方 で 、 こ の 知 識 基 盤 を 活 用 す る た め の 仕 組 み を 高 等 教 育 機 関 と 探 る 必
163
貢 献 す る よ う に 大 学 の 資 源 を 動 員 で き る 仕 組 み を 創 設 す る こ と で あ る 。 こ れ は 疑 い な く 大 学 の 第 三 の 役 割 に な る
は 、 直 接 的 お よ び 間 接 的 な 雇 用 の 観 点 か ら 高 等 教 育 機 関 の 受 動 的 な 影 響 を 確 認 す る だ け で な く 、 開 発 の プ ロ セ ス に
に じ 科 ︵ て 学 大 研 ︶ 学 究 あ 教 の る 育 総 が や 体 、 研 的 さ 究 な ら を 量 に 利 を 、 用 増 そ す や う る し し こ た た と り 地 で す 域 あ る の る 要 ︵ 。 望 こ か ︶ う ら 開 し 移 発 た 動 に 需 し 貢 要 て 献 の い す 特 る る 定 。 こ が 現 と 最 在 も も の 要 明 要 求 瞭 望 さ な は れ 領 、 て 域 特 い が 殊 る 地 な 。 域 経 し 開 済 た 発 的 が で 、 っ あ 社 て る 会 、 。 的 重 大 な 要 学 目 な は 標 こ 地 に と 域 応
of
︵ 教 育 と 研 究 に つ ぐ ︶ 。 そ し て 、 そ の 遂 行 は 、 確 立 し た 制 度 的 ガ バ ナ ン ス の 伝 統 へ の 挑 戦 に な る 。 以 下 の 段 落 で は 、
in
こ の 役 割 を 真 摯 に 受 け と め よ う と す る 高 等 教 育 機 関 の た め の 可 能 な 行 動 プ ロ グ ラ ム を 概 略 す る 。
10 | 勧 告
究 活 動 へ の 政 府 や 有 権 者 か ら の 圧 力 は 大 き く な り つ つ あ る 。 政 策 課 題 は 、 住 民 の 一 般 教 育 の 水 準 を 単 に 上 げ た り 、
経 済 協 力 開 発 機 構 ︵ O E C D ︶ の す べ て に わ た っ て 、 公 的 に 資 金 援 助 を 受 け て い る 大 学 の 自 律 的 な 教 育 お よ び 研
高 等 教 育 機 関 へ
に 支 え る こ と で 、 大 学 の 持 続 的 な 取 り 組 み を 確 保 す る に あ た り 重 要 な 役 割 を 果 た す 。
ら の 資 金 援 助 は 、 ま す ま す 短 期 で 、 プ ロ ジ ェ ク ト 対 象 に な っ て い る 。 地 方 や 地 域 の 当 局 は 、 意 思 決 定 過 程 を 財 政 的
し た 大 学 の 上 級 管 理 職 に 相 当 な 重 荷 を 背 負 わ す 。 大 学 の 第 三 の 役 割 に 関 連 す る 中 央 政 府 や 欧 州 連 合 の よ う な 団 体 か
ス を 持 続 さ せ る 仕 組 み の 構 築 に 対 し て で あ る 。 先 に 概 観 し た 取 り 組 み の 多 く は 、 資 源 集 約 的 で あ り 、 経 済 的 に 困 窮
こ れ は さ ま ざ ま な 形 態 を と る が 、 た ぶ ん 最 も 重 要 な 支 援 は 、 高 等 教 育 機 関 が 長 期 的 な 視 野 で 地 域 の イ ン タ ー フ ェ ー
同 様 に 、 地 方 当 局 は 、 高 等 教 育 機 関 と の 新 し い 関 係 の た め に 必 要 な 支 援 を 財 政 的 援 助 に よ っ て し な け れ ば な ら な い 。
全 国 的 な 資 金 援 助 団 体 は 、 高 等 教 育 機 関 が 第 三 の 役 割 を 遂 行 す る た め に は 特 定 の 基 金 を と っ て お く 必 要 が あ る 。
要 で あ る 。 そ の よ う な 資 料 作 成 は 、 地 域 ニ ー ズ に 対 応 す る 高 等 教 育 機 関 が も つ 要 望 や 能 力 に つ い て の 自 己 評 価 に 不
の 周 知 は 、 地 域 と の 契 約 の 広 が り や 重 要 性 に 大 学 教 職 員 の す べ て が 注 意 を 向 け る た め に 、 地 域 で の 公 表 と 同 様 に 重
現 在 の 連 携 を 記 録 し 、 地 域 で 公 開 す る こ と は 、 大 学 の プ ロ フ ィ ー ル を 引 き 立 て る 重 要 な 第 一 歩 と な る 。 大 学 内 で
し て い る も の と 、 提 携 の 協 定 に よ り 大 学 と し て 公 式 に 参 加 し て い る も の と を 区 別 す る こ と が 重 要 で あ る 。
す る 大 学 教 職 員 を 確 認 す る こ と に よ っ て 一 覧 が 作 成 で き る 。 そ の 際 に 、 大 学 教 職 員 が 個 々 人 の 資 格 で 非 公 式 に 参 加
最 後 に 、 地 域 で の 公 務 に 関 す る 大 学 の 寄 与 は 、 政 治 、 メ デ ィ ア 、 ボ ラ ン テ ィ ア 活 動 、 芸 術 や 他 の 教 育 機 関 に 参 加
を 明 ら か に す る 。
認 す る た め で あ る 。 一 覧 の 作 成 は 、 大 学 で 関 わ っ て い る 学 科 を 確 認 し 、 ま た 、 新 た に 設 け る こ と が で き る つ な が り
資 料 が 意 味 を も つ に は 外 部 基 準 が 求 め ら れ る 。 そ れ は 、 例 え ば リ ス ト に は 掲 載 さ れ て い な い 地 方 の 会 社 や 組 織 を 確
研 究 の 側 で は 、 研 究 の 利 用 者 や 受 益 者 と の 提 携 に つ い て 一 覧 を 作 成 し な け れ ば な ら な い 。 再 び い え ば 、 こ う し た
情 報 が 教 育 課 程 開 発 の 指 標 と な る よ う な 仕 組 み の 創 設 を 意 図 す べ き で あ る 。
せ た り す る こ と に も な る 。 大 学 は 、 卒 業 し て か ら の 経 歴 を 含 む 長 期 的 な 視 野 の も と に 学 生 を 追 跡 し 、 そ う し て 得 た
ア を 確 保 で き る 。 そ し て 、 高 等 教 育 へ の 進 学 者 を 増 や し た り 、 地 域 労 働 市 場 に お け る 卒 業 生 の 技 能 レ ベ ル を 向 上 さ
理 的 位 置 の 確 認 で あ る 。 外 部 デ ー タ を 賢 く 利 用 す る こ と で 、 大 学 は 、 全 国 お よ び 地 方 で の 大 学 生 や 大 学 院 生 の シ ェ
︵
mapping
可 欠 な 前 提 で あ る 。
︶ か ら 始 ま る 。 最 も 基 本 的 な 課 題 は 、 学 生 の 出 身 地 、 学 生 が 履 修 す る 教 育 課 程 、 卒 業 生 の 職 業 、 産 業 、 地
対 応 の 出 発 点 は 、 教 育 、 研 究 、 そ し て 地 域 へ の 公 務 参 加 の 観 点 か ら 、 地 域 と の つ な が り の 簡 単 な 一 覧 作 成
地 域 連 携 の マ ッ ピ ン グ
164
・ 焦 連 貢 文 点 携 献 化 ︵ は で 、 、 き そ あ る し ︶ る 。 て 地 土 そ 政 域 地 れ 治 の に は 課 政 立 、 題 策 脚 特 を 課 す に 含 題 る 多 ん へ 機 様 で の 関 な 、 大 と 領 広 学 し 域 範 の て に に 特 大 横 基 別 学 断 づ な の 的 く 貢 統 な こ 献 一 相 と は 性 互 を 何 を の 認 か 再 つ 識 ? 主 な し 張 が て 大 す り い 学 る を る は 機 形 か 、 会 成 ? そ に す の な る 大 貢 る こ 学 献 。 と は に 、 の よ こ 潜 っ の 在 て プ 的 で ロ な あ セ 幅 る ス 広 。 に さ 実 広 に 際 い も 、 領 か 地 域 か 域 で わ
・ 総 合 ︵
synthesis
︶ 大 学 が 貢 献 で き る 地 域 に 独 自 な 特 色 は 何 か ? 開 発 プ ロ セ
ら ず 、 地 域 開 発 に 最 も 費 用 効 果 的 に 貢 献 で き る 領 域 を 優 先 さ せ る 必 要 が あ る 。
focus
10 | 勧 告
・ 地 理 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ ︵
geographical identity
165
・ ・ 教 あ に 地 解 大 ス 育 る 一 域 を き に と 。 揃 政 深 く 働 い 策 め 異 く 学 の ︵ る な 、 習 必 っ グ 政 ︵ 要 て ロ 策 が 影 ー を あ 響 バ も る す ル つ 。 る 化 。 大 。 、 学 ︶ 大 経 は 地 学 済 こ 域 は 、 う 政 、 技 し 策 地 術 ︶ た の 域 、 地 政 主 と 社 域 策 な の 会 の を 推 特 、 労 理 進 殊 文 働 解 要 な 化 市 し 因 連 な 場 、 は 携 ど の 政 何 の の 情 策 か 機 推 報 目 ? 会 進 は 標 を 要 、 を 地 確 因 教 支 域 定 は 育 援 や す 、 や し 国 る 特 学 、 の た 殊 習 補 機 め な プ 強 関 に 地 ロ で は 、 域 グ き 、 そ 開 ラ る 地 の 発 ム 領 域 地 の の 域 開 域 軌 形 を 発 の 跡 成 確 を 総 に に 認 推 体 お 影 す 進 と い 響 る す し て を 必 る て 相 及 要 た の 互 ぼ が め 理 に す regional policy
か ? あ る 大 学 で は 地 域 研 究 の 課 題 に 応 え る 仕 組 み が 導 入 さ れ て い る 。 し か し 、 地 域 の ニ ー ズ に 教 育 や 学 習 を
teaching and learning
つ な げ る こ と に は あ ま り 進 展 が み ら れ な い 。
︶ 大 学 は 、 ま さ に そ の 本 質 に お い て 、 あ る 地 域 の 開 発 プ ロ セ ス が 、 経 済 、 技 術 、 環 境 、 社 会 、
自 己 評 価 の た め の 多 く の 特 性 が 考 え ら れ る 。
地 域 ニ ー ズ へ の 高 等 教 育 機 関 の 対 応 力 に つ い て の 自 己 評 価
・ 対 応 性 ︵
︶ 大 学 は 、 予 期 し な い 地 域 ニ ー ズ に 素 早 く 応 え ら れ る か ? 経 済 開 発 は 、 戦 略 的 で あ
合 わ せ る 必 要 が あ る 。
発 の 政 策 課 題 を 形 成 す る た め 、 大 学 は グ ロ ー バ ル ネ ッ ト ワ ー ク や 外 部 情 報 を 利 用 し 、 そ れ ら を 地 域 の ニ ー ズ に
・ 研 究 お よ び 情 報 ︵
︶ 大 学 は 地 域 の 将 来 計 画 の た め に 情 報 を 提 供 し て い る か ? 地 域 開
う し た コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 機 会 は 、 ニ ュ ー ス レ タ ー 、 電 子 メ ー ル 、 公 開 討 論 会 の 開 催 に よ り 提 供 で き る 。
連 携 に 加 え て 、 大 学 を 中 心 と し て 伝 え な け れ ば な ら な い 地 域 連 携 の 機 会 は 、 外 部 に も 、 内 部 に も 発 生 す る 。 そ
・ コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ︵
︶ 地 域 ニ ー ズ や 優 先 順 位 は 、 大 学 を 経 由 し て 伝 え ら れ て い る か 。 戦 略 的
ぼ し た か は 不 透 明 な ま ま で あ る 。
能 ︵ 例 え ば 地 域 開 発 オ フ ィ ス ︶ を 設 立 し た 。 し か し 、 こ う し た 機 能 が 教 育 や 研 究 の 主 流 に ど れ く ら い 影 響 を 及
・ 主 流 ︵
mainstream
る と 同 じ く ら い 日 和 見 的 で あ る 。 も し 絶 好 の 機 会 ︵ 例 え ば 新 し い 技 術 や 流 動 的 な 投 資 計 画 、 新 し い 財 政 的 誘 因 、
communications
新 し い 規 制 制 度 な ど の 公 開 ︶ が 、 地 域 で 掌 握 で き な け れ ば 、 他 の 地 域 が そ れ を 利 用 す る だ ろ う 。 大 学 は 、 例 え
research and intelligence
ば 新 し い 課 程 や 研 究 プ ロ グ ラ ム の よ う に 、 適 切 に 応 え る 仕 組 み を 設 け な け れ ば な ら な い 。
responsiveness
leadership
︶ は 商 業 主 義 よ り 好
・ ・ 共 す 学 指 同 る は 導 ︵ 以 、 力 上 地 ︵ の 域 こ や と 全 で 国 あ 的 ︶ る な ︶ 大 。 政 大 学 こ 策 学 間 う 課 は の し 題 地 共 た を 域 同 ア 決 で を イ 定 の 支 デ す 指 援 ィ る 導 す ア 能 力 る を 力 に よ 前 を ど う に も の に 進 っ よ 手 め て う 順 る い な は た る 役 で め 。 割 き の こ を て 能 れ 果 い 力 は た る を 、 す か 大 政 か ? 学 策 ? が プ 地 築 ロ 既 域 く セ 定 の こ ス 方 大 と に 針 学 も よ へ は 求 い の す め ア 対 べ ら イ 応 て れ デ に 、 る ィ 加 生 。 ア え 涯 を て 学 導 、 習 入 大
collaboration
プ ロ セ ス に 参 加 者 が 増 え る こ と に 興 味 を も っ て い る 。 ﹁ 市 場 の 育 成 ﹂ ︵
growing the market
ま れ る 。 そ し て 、 そ れ は 学 校 と 大 学 を 含 む 教 育 シ ス テ ム 諸 段 階 の 内 部 お よ び 段 階 間 で の 共 同 を 意 味 す る 。
166
︶ 地 域 連 携 は 大 学 で の 学 術 活 動 の 主 流 の 一 部 に な っ た か ? 多 く の 大 学 が ゲ ー ト キ ー パ ー 機
こ う し た 状 況 で は 、 大 学 の 総 長 、 学 長 、 副 学 長 な ど の 近 く に 地 域 担 当 局 を 設 け る 必 要 が 明 ら か に あ る 。 そ の 部 局
自 律 的 に 業 務 を 進 め る 。 そ れ ぞ れ の 副 学 長 や 副 総 長 は 、 教 育 や 研 究 、 産 業 渉 外 連 絡 を 別 々 に 対 処 す る か も し れ な い 。
10 | 勧 告
ン と 公 務 、 産 業 渉 外 連 絡 、 成 人 教 育 、 職 業 ガ イ ダ ン ス ・ サ ー ビ ス ︶ は 、 た い て い 地 域 の 関 係 者 や 諸 機 関 と 外 見 上 は
や 、 そ の 部 局 を ﹁ 動 か す ﹂ ︵
︶ 能 力 は 限 ら れ て い る 。 多 様 な 中 央 の 管 理 機 構 ︵ 不 動 産 管 理 、 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ
長 、 執 行 部 首 脳 ︶ に は 、 地 域 の 利 益 に 大 学 を 代 表 さ せ る 責 任 が あ る が 、 外 部 の 議 題 を 展 開 さ せ る こ と に 関 し て 大 学
身 の 職 務 を 遂 行 す る 。 そ れ は 地 域 連 携 を 含 む か も し れ な い し 、 含 ま な い か も し れ な い 。 上 級 ス タ ッ フ ︵ 学 長 、 副 学
高 等 教 育 機 関 は 、 柔 軟 結 合 ︵
︶ を 特 徴 と す る 組 織 で あ る 。 個 々 の 大 学 人 は 研 究 や 教 育 に つ い て 自
地 域 連 携 の た め の 内 部 機 構 の 創 設
以 上 の 質 問 へ の 回 答 は 、 組 織 的 な 構 造 や プ ロ セ ス の 変 化 に 向 か う 。 次 節 で は そ れ ら を 論 議 す る 。
実 践 を 大 学 の 文 化 の な か に 定 着 さ せ る 重 要 な 経 路 で あ る 。
対 話 が 活 発 に で き る 程 の 類 似 性 を も っ て い る か ? さ ら に 、 学 際 的 ユ ニ ッ ト は 地 域 連 携 を 大 き く 促 進 す る 学 術
・ 大 学 文 化 ︵
︶ 大 学 の も つ 文 化 や 高 等 教 育 機 関 の 学 術 実 践 と 地 域 の パ ー ト ナ ー と は 、 連 携 や
追 加 的 な 資 金 源 を 求 め る こ と か ら 、 参 加 者 の 行 動 に 影 響 す る 対 話 に 移 行 し な け れ ば な ら な い 。
・ パ ー ト ナ ー シ ッ プ ︵
partnerships
で は 次 の よ う な こ と を す べ き で あ る 。
institutional cultures
167
・ 地 域 と の つ な が り を 調 整 、 管 理 運 営 す る 。
loosely coupled
・ 大 学 の マ ー ケ テ ィ ン グ に 貢 献 す る 。
deliver
・ 戦 略 的 計 画 に デ ー タ を 入 力 す る 。
︶ パ ー ト ナ ー シ ッ プ の 目 的 は 明 ら か か ? パ ー ト ナ ー シ ッ プ は 長 期 間 で あ り 、
の 役 割 を す る ﹁ 推 進 者 ﹂ ︵
animateurs
︶ の 存 在 で あ る 。 大 学 に お い て 成 功 裡 に 地 域 連 携 を 主 流 に し よ う と す る な ら 、
地 域 と の パ ー ト ナ ー シ ッ プ が 成 功 す る 鍵 と な る 要 因 の 一 つ は 、 異 な る ネ ッ ト ワ ー ク と 組 織 の 間 の ゲ ー ト キ ー パ ー
教 職 員 の 職 能 開 発
や 大 学 教 職 員 の 昇 進 ル ー ト に 地 域 連 携 に 関 連 す る 活 動 を 加 え る 必 要 が あ る 。
奨 励 す る イ ン セ ン テ ィ ブ ・ シ ス テ ム を 設 立 し な け れ ば な ら な い 。 そ し て 、 同 様 に 、 高 等 教 育 シ ス テ ム の 全 国 的 評 価
に 反 映 さ れ る よ う に す る 。 ま た 、 地 域 の ス テ ー ク ホ ル ダ ー を 援 助 し 、 協 力 す る 大 学 ス タ ッ フ の 活 動 に 報 酬 を 与 え 、
奨 励 す る に は 、 大 学 は 地 域 と の 関 係 の 一 覧 作 成 ︵
mapping
大 学 は ﹁ 推 進 者 ﹂ と し て の 手 腕 を 身 に つ け た 多 く の 教 職 員 を 必 要 と す る 。 大 部 分 の 必 要 と さ れ る 技 能 や 特 性 は 、 直
︶ で も ち い た 指 標 の い く つ か が 大 学 内 で の 報 酬 シ ス テ ム
の 大 学 で 、 教 育 業 績 や 品 質 評 価 と 同 僚 評 価 の 利 用 に 報 酬 を 与 え 始 め た 。 し た が っ て 、 地 域 と 連 携 す る 大 学 教 職 員 を
て 刊 行 物 の 同 僚 に よ る 評 価 で 決 ま る 。 こ の 評 価 は 、 大 学 内 の 等 級 や 給 料 の 報 酬 に 反 映 さ れ る 。 最 近 で は 、 い く つ か
多 く の 大 学 人 の 第 一 の 忠 誠 は 、 大 学 で は な く 、 専 門 分 野 に あ る こ と は よ く 知 ら れ て い る 。 そ し て 、 評 価 は 主 と し
イ ン セ ン テ ィ ブ と 報 酬 シ ス テ ム の 検 討
的 に 影 響 を 受 け る 。 次 に こ の 点 に つ い て 論 議 す る 。
地 域 担 当 部 局 の 活 動 の 有 効 性 は 、 個 々 の 大 学 人 や 学 部 へ の 制 度 的 な イ ン セ ン テ ィ ブ や 報 償 の 仕 組 み に よ っ て 基 本
・ 大 学 の 正 式 ル ー ト か ら 地 域 連 携 を 本 流 に す る た め の 圧 力 を か け る 。
・ 大 学 内 部 の 連 携 や 地 域 理 解 の 枠 組 み を 開 発 す る 。
168
・ 地 域 マ ー ケ テ ィ ン グ に 貢 献 す る 。
169
10 | 勧 告
で 、 大 学 を 全 体 と し て 動 か す よ う に な る 。 こ の 対 話 は 、 一 覧 作 成 の 実 施 で 収 集 し た デ ー タ に 依 拠 す る 必 要 が あ る 。
い っ た ん こ う し た 技 能 を 習 得 す れ ば 、 主 要 な 大 学 教 職 員 は 、 将 来 の 地 域 に お け る 役 割 に つ い て の 大 学 の 内 部 対 話
要 因 、 f 組 織 間 の 重 複 と 、 こ う し た 組 織 は ど の よ う に 相 互 利 益 の た め に も ち い る こ と が で き る か に つ い て 。
に 関 わ る 組 織 構 造 、 s 中 央 お よ び 地 方 自 治 体 の 権 力 と 責 任 、 d こ う し た 組 織 に 影 響 を 与 え る 種 々 の 時 間 尺 度 と 推 進
発 の 事 実 に つ い て 知 識 を も っ て い る よ う に す る 必 要 が あ る 。 こ う し た 事 実 に は 次 の よ う な も の が あ る 。 a 地 域 開 発
k 監 督 と 個 人 的 な 支 援 技 術 、 l 組 織 の 政 治 と 力 学 ︶ 。 の 側 面 の ほ か に 、 高 等 教 育 機 関 は 、 主 要 な 大 学 教 職 員 が 地 域 開 プ ロ グ ラ ム の そ の よ う な ﹁ 方 法 知 ﹂ ︵
know-how
そ し て 、 大 学 は そ の 位 置 を 総 体 的 に 分 析 す る こ と か ら 学 び 、 そ れ を 将 来 の 行 動 を 導 く た め に 利 用 す る の で あ る 。
d 円 滑 化 と 仲 介 、 f 異 な っ た 組 織 文 化 で の 労 働 、 g 企 画 の 策 定 と 実 行 、 h 財 政 的 援 助 の 増 額 、 j 自 己 決 定 的 学 習 、
要 と す る 。 関 連 す る 能 力 に は 次 の よ う な も の が あ る 。 a 変 化 の マ ネ ジ メ ン ト 、 s ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築 と 管 理 運 営 、
感 的 に 得 ら れ 、 実 践 を 通 じ て 学 習 さ れ る 。 し か し な が ら 、 あ る 訓 練 や 支 援 は 大 学 教 職 員 の 職 能 開 発 プ ロ グ ラ ム を 必
National University of Ireland
University of Adelaide
University of Ulster
︶
Western Governors University
︶
University of Umeå
University of Warwick, Warwick University
University of the West of England
University of Western Sydney
︶
︶
︶
Oxford University
University of Aalborg
Queens University
University of Kassel
Polytechnic University of Catalonia
Open University of Catalonia
︶
︶
College of Indigenous Australian Peoples
Royal Melbourne Institute of Technology
University of Edinburgh
︶
Yale University
︶
University of Wisconsin-Madison
University of Vaasa
︶
︶ ︶ ︶ ︶
University of Kuopio
大学名一覧
171
︶
︶
︶ ︶
︶
︶
■ 大 学 名 一 覧 ア イ ル ラ ン ド 国 立 大 学 ︵ ア デ レ ー ド 大 学 ︵ ア ル ス タ ー 大 学 ︵ イ ェ ー ル 大 学 ︵ ヴ ァ ー サ 大 学 ︵ ウ ィ ス コ ン シ ン 大 学 マ ジ ソ ン 校 ︵ ウ ェ ス タ ン ガ ヴ ァ ナ ー ズ 大 学 ︵ ウ ェ ス タ ン シ ド ニ ー 大 学 ︵ ウ ェ ス ト オ ブ イ ン グ ラ ン ド 大 学 ︵ ウ ォ リ ッ ク 大 学 ︵ ウ ー メ オ 大 学 ︵ エ デ ィ ン バ ラ 大 学 ︵ 王 立 メ ル ボ ル ン 工 科 大 学 ︵
オ ー ス ト ラ リ ア 先 住 民 カ レ ッ ジ ︵ オ ッ ク ス フ ォ ー ド 大 学 ︵ オ ル ボ ア 大 学 ︵
カ タ ロ ニ ア 放 送 大 学 ︵
カ タ ロ ニ ア ・ ポ リ テ ク ニ ッ ク 大 学 ︵ カ ッ セ ル 大 学 ︵
ク イ ー ン ズ 大 学 ︵ ク オ ピ オ 大 学 ︵
︶
* 本 文 中 の 大 学 訳 名 ︵ 五 〇 音 順 ︶
University of Sunderland
University of Newcastle
New South Wales
Coventry University
︶
172
University of Klaipeda Cambridge University Coventry Polytechnic;
University of Coventry Southampton University
Southern Cross University University of Sheffield
Chalmers University of Technology
Swinburne University of Technology
University of Midsweden
Stirling University
University of Tasmania
University of Tsinghua
Strathclyde University, University of Strathclyde
︶
︶
University of Chalmers, Chalmers University
︶
︶ ︶
University of New England
University of Tromsø
University of Turku
University of Twente
Teesside University
Deakin University
︶ ︶ ︶
︶
︶
︶
︶ ︶
現 名 称
︶ ︶ ︶ ︶ ︶
︶
︶ ︶
︶
︶
ク ラ イ ペ ダ 大 学 ︵ ケ ン ブ リ ッ ジ 大 学 ︵ コ ベ ン ト リ ー 大 学 ︵ コ ベ ン ト リ ー ・ ポ リ テ ク ニ ッ ク ︵ サ ウ ス ・ サ ン プ ト ン 大 学 ︵ サ ザ ン ク ロ ス 大 学 ︵ サ ン ダ ー ラ ン ド 大 学 ︵ シ ェ フ ィ ー ル ド 大 学 ︵ シ ャ ル マ ー ス 大 学 ︵ シ ャ ル マ ー ス 工 科 大 学 ︵ ス ウ ィ ン バ ー ン 工 科 大 学 ︵ ス ウ ェ ー デ ン 中 央 大 学 ︵ ス タ ー リ ン グ 大 学 ︵ ス ト ラ ス ク ラ イ ド 大 学 ︵ 清 華 大 学 ︵ タ ス マ ニ ア 大 学 ︵ デ ィ ー キ ン 大 学 ︵ テ ィ ー ズ サ イ ド 大 学 ︵ ト ゥ エ ン テ 大 学 ︵ ト ゥ ル ク 大 学 ︵
ト ロ ム セ ー 大 学 ︵
ニ ュ ー イ ン グ ラ ン ド 大 学 ︵ ニ ュ ー カ ッ ス ル 大 学 ︵
ニ ュ ー サ ウ ス ウ ェ ー ル ズ 大 学 ︵
Northern Territory University
University of Northumbria
Florida Atlantic University
Jordanhill College
University of Joensuu
University of South Australia
Massey University
Rosentiel School at the University of Miami
University of the West of England at Bristol
University of the Highlands and Islands
Harvard University
University of East Anglia
University of Phoenix Bristol Polytechnic;
University of Bristol Florida International University
Hong Kong Baptist
University of Hawkesbury
Open University
︶
Lappeenranta University of Technology ︶
Liverpool John Moores University
︶
︶ ︶
University of Lappeenranta, Lappeenranta University
︶
La Trobe University University of Leeds
︶ ︶
大学名一覧
173
︶
︶
︶
︶
︶ ︶
︶
︶
︶
︶
︶
︶
︶
︶
︶ 現 名 称
ノ ー ザ ン テ リ ト リ ー 大 学 ︵ ノ ー サ ン ブ リ ア 大 学 ︵ ハ ー ヴ ァ ー ド 大 学 ︵ ハ イ ラ ン ド ・ ア イ ラ ン ド 大 学 ︵ 東 ア ン グ リ ア 大 学 ︵ フ ェ ニ ッ ク ス 大 学 ︵ ブ リ ス ト ル 大 学 ︵ ブ リ ス ト ル ・ ポ リ テ ク ニ ッ ク ︵ フ ロ リ ダ 国 際 大 学 ︵ フ ロ リ ダ 大 西 洋 大 学 ︵ 放 送 大 学 ︵ ホ ー ク ス ベ リ 大 学 ︵ 香 港 バ プ テ ス ト 大 学 ︵ マ イ ア ミ 大 学 ロ ー ゼ ン タ ー ル 校 ︵ マ ッ シ ー 大 学 ︵ 南 オ ー ス ト ラ リ ア 大 学 ︵ ヨ エ ン ス ー 大 学 ︵ ヨ ル ダ ン ヒ ル カ レ ッ ジ ︵
ラ ッ ペ ー ン ラ ン タ 大 学 ︵
ラ ッ ペ ー ン ラ ン タ 工 科 大 学 ︵ ラ ト ロ ー ブ 大 学 ︵ リ ー ズ 大 学 ︵
リ バ プ ー ル ・ ジ ョ ン ・ ム ー ア 大 学 ︵
Centre of Excellence
Association of European Universities
︶ 継 続 職 能 開 発
Department of Education Northern Ireland
︶ 欧 州 大 ︶ 学 北 協 ︶ ア 会 欧 イ 州 ル 革 ラ 新 ン 的 ド 大 教 学 育 コ 省 ン ソ ー シ ア ム
Continuing Professional Development
︶ 研 究 教 育 拠 点
European Consortium of Innovative Universities
European Regional Development Fund
︶ 欧 州 経 済 通 貨 同 盟
Higher Education Funding Council for Wales
Information and Communication Technologies
Intellectual Property Rights
Liaison Group
Regional Development Agencies
Technical and Further Education
Training and Enterprise Councils
︶ 訓 練 企 業 協 議 会
︶ 技 術 継 続 教 育
Scottish Higher Education Funding Council
︶ 地 域 開 発 公 社 ︶ ス コ ッ ト ラ ン ド 高 等 教 育 財 政 審 議 会
︶ 情 報 通 信 技 術
︶ ウ ェ ー ル ズ 高 等 教 育 財 政 審 議 会
Higher Education Funding Council for England
︶ 欧 州 地 域 開 発 基 金
European Economic and Monetary Union
European Social Fund
︶ 欧 州 社 会 基 金
︶ リ エ ゾ ン ・ グ ル ︶ ー 知 プ 的 財 産 権
︶ イ ン グ ラ ン ド 高 等 教 育 財 政 審 議 会
■ 主 な 略 語 一 覧 C O E ︵ C P D ︵ C R E ︵ D E N I ︵ E C I U ︵ E M U ︵ E R D F ︵ E S F ︵ S L I I H H H G P C E E E ︵ R T F F ︵ s C C F ︵ W E C ︵ ︵ ︵ R D A s ︵ T A F E ︵ T E C s ︵
174
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︵
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文献目録
175
■ 文 献 目 録
Regional Development Agencies and the Knowledge Economy: Harnessing the
︽
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︱
179
限 っ て 生 涯 学 習 社 会 に お け る 高 等 教 育 機 関 の あ り 方 を 述 べ れ ば 、 よ き 市 民 の 育 成 や リ ー ダ ー の 輩 出 に 加 え て 、 有 効
請 が あ る 。 学 習 シ ス テ ム の 形 成 に ガ ウ ン と タ ウ ン の 利 害 は 一 致 し 、 そ れ は 国 家 的 に も 政 策 課 題 に な る 。 教 育 機 能 に
の 多 様 化 の 要 請 が あ り 、 地 域 社 会 サ イ ド に は グ ロ ー バ ル な 知 識 経 済 の 進 行 で 革 新 的 な 産 業 ク ラ ス タ ー を 育 成 す る 要
訳者あとがき
社 会 は 学 習 地 域 で 学 習 シ ス テ ム を 形 成 す る 。 そ れ が 現 代 的 連 携 で あ る 。 大 学 サ イ ド に は 中 央 政 府 に 頼 っ て い た 財 源
本 書 は 、 一 九 九 五 年 に フ ロ リ ダ が 提 出 し た ﹁ 学 習 地 域 ﹂ ︵
︶ の 概 念 を 発 展 さ せ て い る 。 大 学 と 地 域
習 シ ス テ ム は 二 一 世 紀 の 大 学 と 地 域 社 会 と の 現 代 的 連 携 を 示 す 。
立 大 学 の 場 合 、 国 有 地 付 与 大 学 の 設 立 に さ か の ぼ る 。 そ う し た 大 学 と 社 会 の 連 携 を 古 典 的 連 携 と す れ ば 、 図 1 の 学
で あ る 。 大 学 と 社 会 の 連 携 と い う 考 え 方 は 、 決 し て 新 し く な い 。 例 え ば 、 本 書 が 高 く 評 価 す る ア メ リ カ 合 衆 国 の 州
本 書 の 考 え 方 は 1 章 に 示 さ れ る 。 そ れ は 、 図 1 ︵ 18 頁 ︶ の 学 習 シ ス テ ム に 図 式 化 さ れ た 地 域 社 会 と 連 携 す る 大 学
﹃ 地 域 社 会 に 貢 献 す る 大 学 ﹄ と し た 。
訳 で あ る 。 原 書 の 標 題 の 直 訳 は ﹃ 地 域 ニ ー ズ へ の 高 等 教 育 機 関 の 対 応 ﹄ で あ る 。 訳 書 で は 原 標 題 の 意 味 を と っ て 、
本 書 は O E C D の 研 究 報 告 The Response of Higher Education Institutions to Regional Needs, 1999, 149p.
な 継 続 職 能 開 発 ︵ C P D ︶ の 提 供 に よ る 地 域 ニ ー ズ へ の 対 応 で あ る 。
learning region
本 書 の 特 色 は 、 大 学 と 地 域 社 会 の 現 代 的 連 携 を 大 学 の 豊 富 な 事 例 か ら 報 告 し て い る 点 で あ る 。 5 章 は 大 学 組 織 、
の 付 録 を 除 く 全
訳 者 あ と が き
∼ 一 五 年 度 ︶ ﹁ 生 涯 学 習 社 会 に お け る 短 期 高 等 教 育 機 関 の あ り 方 に 関 す る 基 礎 的 研 究 ﹂ の 研 究 成 果 の 一 部 で あ る 。
最 後 に な っ た が 、 本 書 は 文 部 科 学 省 私 立 大 学 教 育 研 究 高 度 化 推 進 特 別 補 助 を 受 け た 研 究 プ ロ ジ ェ ク ト ︵ 平 成 一 三
こ と ば を 添 え る 。
の 皆 様 に 厚 く 御 礼 を 申 し あ げ る 。 ま た 、 出 版 に あ た っ て は 玉 川 大 学 出 版 部 の 成 田 隆 昌 氏 の ご 尽 力 が あ っ た 。 感 謝 の
翻 訳 し た メ ン バ ー そ れ ぞ れ が 担 当 の 仕 事 を 果 た せ た の は 、 勤 務 先 や 就 学 先 で の ご 理 解 が あ っ た か ら で あ る 。 関 係 者
本 書 の 翻 訳 に あ た り 、 O E C D 東 京 セ ン タ ー の 方 々 に は 翻 訳 許 可 や そ の 他 事 務 手 続 き で お 世 話 に な っ た 。 ま た 、
修 正 し た い 。
も し 訳 文 の な か に 原 書 の 意 味 を 十 分 に 汲 ん で い な い も の や 誤 り が あ れ ば 、 訳 者 の 責 任 で あ る 。 ご 叱 正 を い た だ き 、
本 書 は 、 一 般 書 と い う よ り 、 二 一 世 紀 の 大 学 の あ り 方 に 関 心 を も つ 方 々 の 研 究 や 学 習 の 資 料 と し て 有 用 で あ ろ う 。
2 章 、 3 章 、 7 章 、 10 章 の 翻 訳 を 担 当 し た 。
6 章 を 担 当 し た 。 な お 6 章 に は 山 下 美 樹 ︵ ポ ー ト ラ ン ド 州 立 大 学 大 学 院 、 大 学 院 生 ︶ の 協 力 を 得 た 。 相 原 総 一 郎 は
出 相 泰 裕 は 、 文 献 の 翻 訳 作 業 の 進 行 を 担 当 し た 。 山 田 礼 子 は 、 同 志 社 大 学 の 研 究 室 で 私 た ち の 研 究 会 を 開 催 し 、
相 原 総 一 郎 2 章 ・ 3 章 ・ 7 章 ・ 10 章
山 田 礼 子 6 章
出 相 泰 裕 序 文 ・ 謝 辞 ・ 1 章 ・ 4 章 ・ 5 章 ・ 8 章 ・ 9 章
訳 出 は 以 下 の よ う な 分 担 で 三 名 が あ た っ た 。
象 も 与 え る 。
国 や 地 方 の 政 策 担 当 者 だ け で な く 、 大 学 関 係 者 に も 参 考 に な る 。 た だ し 、 成 功 し た 事 例 の 報 告 は 時 と し て 平 板 な 印 180
6 章 は 教 育 、 7 章 は 研 究 、 そ し て 8 章 は 社 会 貢 献 に つ い て 大 学 の 事 例 を 報 告 す る 。 地 域 社 会 の ス テ ー ク ホ ル ダ ー や
二 〇 〇 五 年 四 月
訳 者 一 同
181
訳者あとがき
プ ロ ジ ェ ク ト に ご 支 援 ・ ご 助 力 を い た だ い た 方 々 、 と り わ け 大 阪 薫 英 女 子 短 期 大 学 の 扇 谷 尚 学 長 に 厚 く 感 謝 し ま す 。
□訳 者 あいはら
そういちろう
相原 総一郎 大阪薫英女子短期大学児童教育学科助教授 専門分野:教育社会学、高等教育論 で あい
やすひろ
出相
泰裕
大阪教育大学生涯学習教育研究センター講師 専門分野:大学開放論、リカレント教育論 やま だ
れい こ
山田
礼子
同志社大学社会学部教授、同教育開発センター副所長 専門分野:高等教育論、継続教育論
高等教育シリーズ132
地域社会に貢献する大学 2005 年 5 月1日 第 1 刷
編 者 訳 者
OECD(経済協力開発機構) 相 原 総 一 郎 出 相 泰 裕 山 田 礼 子
発行者
小 原 芳 明
発行所
玉 川 大 学 出 版 部
〒 194―8610 東京都町田市玉川学園 6―1―1 TEL 042―739―8935 FAX 042―739―8940 http : //www.tamagawa.jp/introduction/press
振替 00180―7―26665
印刷所
オカムラ印刷株式会社
NDC377 C Tamagawa University Press 2005 Printed in Japan ISBN4―472―40320―X C3037
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