片桐重延 監修 片 桐 重 延 ・室 岡 和 彦 共著
R〈 日本複 写 権 セ ン ター委 託 出 版物 〉 本 書 の全 部 ま たは 一 部 を無 断 で複 写 複 製(コ ピー)す る こ とは,著 作 権 法 上 で の例 ...
64 downloads
572 Views
25MB Size
Report
This content was uploaded by our users and we assume good faith they have the permission to share this book. If you own the copyright to this book and it is wrongfully on our website, we offer a simple DMCA procedure to remove your content from our site. Start by pressing the button below!
Report copyright / DMCA form
片桐重延 監修 片 桐 重 延 ・室 岡 和 彦 共著
R〈 日本複 写 権 セ ン ター委 託 出 版物 〉 本 書 の全 部 ま たは 一 部 を無 断 で複 写 複 製(コ ピー)す る こ とは,著 作 権 法 上 で の例 外 を除 き,禁 じられ て い ます 。 本 書か らの 複 写 を希 望 さ れ る場合 は,日 本 複 写権 セ ン ター(03-3401-2382)に ご連 絡 くだ さ い。
序
文
平 成6年 度 よ り実 施 され た 新 しい 高校 数 学 で は,コ
ン ピ ュー タに 関 す る取 扱 い
が い ま ま で 以 上 に重 視 され て い る。 そ れ は,こ れ か ら コ ン ピ ュ ー タに つ い て,ま た,コ
ン ピ ュ ー タ に関 連 す る 「数 学」 につ い て学 ぼ う とす る人 々 に と って学 びが
い の あ る もの で あ る。 元 来,日 本 の数 学 教 育 は,戦 後 長 い 間大 学 進学者 の ため の, あ るい は,将 来 特 に数 学 を 必 要 とす る人 々 の た め の もの で あ った。 しか し,数 学 が情 報 化,高
度 技 術 社 会 の た め に さ まざ ま な か た ち で 関与 して きた 現在,も
はや
単 に,将 来,数 学 を特 に必 要 とす る人 々 や,理 工 系 を 志 す 人 々 の ため の もの で は な くな り,よ り広 い意 味 で の 知 的ユー ザ ー とい わ れ る人 々 が 数 学 を 学 習 す る時 代 が きた の で あ る。 この こ と は,「 中 等 教 育(中 学 ・高 校)に
お ける数 学 的 リテ ラー
シー は,情 報 化,高 度 技 術 社 会 にお け る一 般 知 識 人 が もつ べ き標 準 的 な 教 養 を 目 指 す こ とに な る」(数 学 教 育 の会)の 指 適 に も端 的 に示 され て い る。 ま さ に,コ ン ピ ュ ー タ関 連 の 数 学 は,こ れ か らの 生 涯 学 習 の 基 盤 と して の 数 学 で あ る とい って も過言 で はな い。 本 シ リー ズ(全10巻)は,コ
ン ピ ュ ー タ関 連 の 数 学 を次 の 各 分 野 に分 けて 企 画
した。 そ れ は既 刊 の 「数 学 と コ ン ピ ュー タ シ リー ズ(全8巻)」 向 け に 発 展 させ,新
の思 想 を よ り現 代
しい中 等 数 学 の 考 え を 取 り入 れ た もの で あ る。
第 一 は, 第1巻
コ ン ピュ ー タ言 語 と処 理
第2巻 BASICに
よ る数 学 の 問 題 解 法
第3巻
よ る高 校 数 学
の 内 容 で,コ 数 学A,数
BASICに
ン ピュ ー タ関 連 の 数 学 を 学 ぶ た め の 基 盤 と新 しい数 学,特
学Bの 内 容 に準 処 した もの で あ る。BASIC言
に高 校 の
語 は,こ れ らの教 科 書 の
ほ とん どで 使 用 さ れ て い る言 語 で あ り,こ れ か らも教 学 教 育 用 言 語 の主 流 と して 導 入 され る で あ ろ う。
第二 は 第4巻
行 列 と線 形 計 算
第5巻 数 値 計 算 第6巻
確率統計
に そ の特 徴 が見 られ る よ うに,こ れ か らの高 校 数 学,あ
る い は,大 学 初 年 度 の 数
学 に取 り入 れ られ る で あ ろ う,行 列,線 形 計 算,数 値 計 算,確 率 統 計 の 基 礎 を 目 ざ した。 主 題 の性 格 上,や
や難 解 な 問題 も含 ま れ る が,全 体 を と お して 読 めば 高
校 生 に も理解 で きる よ うに心 が け たつ もりで あ る。 い うま で もな く,高 校 現 場 で 数 学Cを 中 心 に これ か らコ ン ピュ ー タ関 連 の数 学 を教 え よ うとす る先 生 方 や,大 学 で これ らの 数学 を平 易 に学 習 しよ うと い う人 々 に と って も有 効 に利 用 で き る で あ ろ う。 第 三 は, 第7巻
い ろ い ろな 曲 線 と図 形 処 理
第8巻
数 式 処 理 と関 数
第10巻 Mathematicaに
よ る離 散 数 学 入 門
に お い て取 り上 げ た数 学 ソ フ トウ ェア に よ る数 学 の展 開 で あ る。 数 学 ソ フ トは い ま や ます ます 発 展 し,こ れか らの数 学 で欠 く こ とので きな い分野 にな りつつ あ る。 図 形 処 理 や数 式 処 理,関 数 と グ ラ フの扱 い につ い て は,単 に中 等 数 学 の み な らず 数 学 教 育 や数 学 の研 究 に お い て も有 効 な手 段 に な る。 こ こで は,代 表 的 な数 学 ソ フ トにつ いて取 り上 げ,間 題 の解 法 を試 み た。 他 に 第9巻 は,コ
コ ンピ ュー タ に よ る グ ラ フ ィ ック ス
ン ピュ ー タ グ ラ フ ィ ック ス を そ の基 盤 か ら誰 にで もわ か る よ うに や さ し く
解 説 した もので あ り, 第10巻 Mathematicaに
よ る離 散 数 学 入 門
は近 年 め ざ ま し く発 展 して き た数 学 の一 分 野 で あ る離 散 数 学 につ いて,分 か りや す く解 説 した。 ま た,数 学 の代 表 的 な ソ フ トで あ る,Mathematicaの 利 用 法 を紹 介 す る と共 に,Mathematicaを
基本的な
用 い て具 体 的 な 問 題 を解 決 す る よ う
に した。
以 上,こ
れ か らコ ン ピュ ー タを学 習 す る人,コ
ン ピ ュ ー タ に関連 す る数 学 を学
習 し,教 育 し よ う とす る人,数 値 計 算 に習 熟 し数 学 の社 会 にお け る有 効 な活 用 を 図 る人,さ この 全10巻
らに,数 学 の ソ フ トウ ェ アを有 効 に利 用 しよ う とす る人 々 に と って, の書 が座 右 の銘 の ご と く,有 効 に活 用 され る こ とを願 って や ま な い。
な お,多 忙 な中 を この シ リー ズ の執 筆 に あ た られ た 白石 和 夫,高 橋 公,飯 田 健 三,室 岡 和 彦,佐 藤 公 作,志 賀 清 一,金 子 伸 一 の 各 氏 にお 礼 を 申 し上 げ る とと も に,本
シ リー ズの 出 版 を企 画 ・推 進 して くだ さ った 東 京 電 機 大 学 出 版 局,お
よび
終 始 ご助 言 くだ さ っ た前 編 集 課 長 朝 武 清 実 氏 に深 甚 の謝 意 を表 した い 1997年4月
監修 片桐 重延
は じめ に 離 散 数 学 と 呼 ば れ る 数 学 の 一 分 野 が 近 年 め ざ ま し く発 展 し て き た 。 こ の 原 因 と し て,探
究 の き っ か け,あ
で あ る。 ま た,離
る い は基 本 的 な 題 材 が 日常 生 活 に 結 び つ い て い る か ら
る。 例 え ば,コ
散 数 学 は コ ン ピ ュー タあ るい は情 報 化 社 会 に密 接 に関 連 して い ン ピ ュ ー タ の 構 能 拡 大 に 伴 っ て 離 散 数 学 に は 新 し い 研 究 分 野,新
し い 問 題 解 決 方 法 が 生 ま れ,情
報 化 社 会 で は そ れ ら が 身 近 な も の と して 扱 わ れ る
よ うに な って きた。 こ こ で は,従 来 か ら あ る 身 近 か な 題 材 を 中 心 に 離 散 数 学 を ま と め,Mathematica を 用 い て 問 題 を 解 決 す る よ う に し た 。 ま た,発 わ り に,あ
る い は 参 考 に ま と め た 。Mathematicaは
世 界 地 図 やTEX,グ
各 章 は,お
章の終
の 基 本 的 な 利 用 は,数
ラ フ ィ ッ ク ス や 音 で あ る 。 本 書 も こ の3つ
や 式,
に絞 った。
お よ そ 次 の よ う に 構 成 さ れ て い る。
で は,Mathematicaの
基 本 的 な 利 用 法 を 網 羅 的 に 紹 介 し た 。 リ ス トや
ア ル コ リズ ム と い っ た 離 散 数 学 だ け で な く,各 取 り上 げ,こ
の 章 だ け でMathematicaの
離 散 数 学 は,日 を 用 い,日
や,各
豊 富 な パ ッ ケ ー ジ を 持 ち,
ラ フ 理 論 な ど も扱 え るが,そ
デ ー タ や リ ス ト,グ
第1章
展 的 な 内 容 は 第6章
種 の グ ラ フ ィ ッ ク ス,微
基 本 的 な 扱 いが で き るよ うに した 。
常 的 な 問 題 か ら始 ま る こ と が 多 い 。 第2章
常 的 な 題 材 を 数 や 式,リ
分積分 も
ス トで 表 す,い
で はMathematica
わ ゆ る モ デ ル化 に つ いて ま と
め た。 第3章,第4章 て 考 え,順
で は,数
や 式,リ
ス トな ど を 用 い,数
え 上 げ お よ び数 列 に つ い
列 ・組 合 せ や 意 列 な ど に ま と め る と き の 方 法 をMathematicaで
した 。 応 用 と して 展 開 式 の 係 数,音
の 周 波 数,フ
ィ ボ ナ ッ チ 数 列,カ
扱 っ た 。 ま た,よ
り 数 学 的 な も の と して 母 関 数 を 取 り 上 げ た 。
第5章
半 で デ ー タ 解 折,つ
で は,前
半 で は,シ
紹 介 オ スな どを
ま り 記 述 統 計 をMathematicaで
ミ ュ レ ー シ ョ ン を 紹 介 し,確
率 の 考 え 方 との 比 較 を 試 み た。
行 い,後
第6章
で は,数
の 仕 組 み を 中 心 に,Mathematicaを
の 構 造 の 調 べ 方 を 紹 介 し,よ Mathematicaの
使 い 方,離
用 い て 集 合,論
列
り数 学 的 な 探 究 を す る 際 の材 料 と した。 散 数 学 を 最 初 か ら学 ぼ う と す る 人 た ち に と っ て 少
しで も 役 に たつ こ と が で き れ ば 幸 い で あ る。 な お,本 住 商 エ レ ク ト ロ ニ ク ス 株 式 会 社 CAE第2事 ま た,プ
理,行
ロ グ ラ ム や 脚 注 の 作 成 に つ い てCAE技
書 を 執 筆 す る に 当 た っ て は,
業 部 営 業 第2部 術部 揚
課 長 小 澤 和 夫 氏, 軍(ヤ
ン ・ ジ ョ ン)
氏 に 一 方 な ら ぬ ご 協 力 を 頂 い た 。 厚 くお 礼 を 申 し上 げ る 次 第 で あ る。 1997年3月
著 者 しるす
目
次
第1章
Mathematica
1.1
立 ち上 げ と終 了
1
[1]
立 ち上 げ
1
[2]
終
2
了
1.2 数 の 計 算
1.3
2
[1] 厳 密 値 と近 似 値
2
[2] 近似 値 の計 算
5
[3]
6
べ きの 扱 い
[4] n進
数
[5]
数
関
整
7 7
数
10
[1] 立 式 と代 入
10
[2] 組 込 み 関数
11
[3]
リス トの 扱 い
13
1.4 式 の 計 算 [1] 整式 の 因数 分 解 [2]
1.5
式 の展 開
14 14 15
[3] 整 式 の計 算
15
[4] 分 数 式 の計 算
16
グラ フ ィ ッ クス
18
[1]
デ ー タの グ ラフ
18
[2]
陽関数 のグラフ
19
[3]
陰 関数 の グ ラ フ
22
[4] 媒 介 変 数 表 示 の グ ラ フ [5]
極方 程式の グラフ
[6]
領
[7]
多数 の グ ラ フ
[8]
3次 元 の グ ラ フ
23 24 26
域
27
28
1.6 方 程 式 の 解
30
[1] 代 数 的 な 解
30
[2] 数 値 的 な 解
32
1.7 微 分 ・積 分
34
[1] 微 分係数
34
[2] 導 関 数
36
[3]
36
積
分
38
1.8 論 理 と プ ロ グ ラ ム
[1] 真偽 の判定
38
[2] 条 件 と論 理
39
[3] 反 復 と再 帰
40
練習問題
42
第2章 離散化の アイデア 2.1 数 で 表 す
44 44
[1] 測 定 の 方 法 [2]
2.2
Mathematicaの
利 用
45
[3] 単 位 の 変 換
47
[4] 数 の表 示 方 法
48
コ ー
ド
化 50
2.3
数式化 [1]
52
昼 の長 さの モ デル 化
52
[2] 再 帰 関 係 の表 現
54
2.4 集 合 と行 列 [1]
集
57
合
57
[2] 集 合演 算 と計 算 方 法
60
[3] 行 列表 現
64
[4] 移 動 の表 現
66
練習問題
70
第3章 数え上 げの方法 3.1
い ろ い ろな 数 え 方 [1] 兵 士 と石(1対1対
3.2
3.3
72
応)
72
[2] 指 で数 え る(積 の法 則)
73
[3] 分 類 して数 え る(和 の 法 則)
75
[4] 必 要 な もの を数 え る(鳩 の 巣 原 理)
77
順
列
79
[1] 辞 書 式 に並 べ る
79
[2] 樹 形 図 で 数 え る
80
[3] 順 列 を 作 る
82
[4] 重 複 順 列
83
組合せ
86
[1] 組 合 せ の個 数
86
[2] 組 合 せ を作 る
89
[3] 重 複組 合 せ
90
3.4 多 項 式 と組 合 せ [1]
式 で表 す
92 92
[2] 2項 定 理
94
[3] 展 開 式 の 係 数
96
練習問題
98
第4章 数列を作る 4.1
Mathematicaの
数 列
101
[1] 奇数 を 作 る
101
[2] い ろ い ろ な数 列 [3]
Mathematicaの
103 数 列
106
4.2 音 と 数 列
108
[1] 音 を作 る
108
[2]
12音 階 を 作 る
110
[3] 調 和 音 を作 る
112
4.3 再 帰 的な 式 [1]
預
金
[2]
ハ ノ イ の塔
114 115
[3] 数 学 的 帰 納 法
117
[4]
119
フ ィボ ナ ッチ数
[5] 母関数 4.4
114
122
カ オ ス とフ ラ クタ ル
124
[1] 反 復 法
124
[2]
カ オ ス
126
[3]
フ ラ ク タ ル
128
練習問題
130
第5章 データ処理 と確率 5.1 デ ー タ の 表 し方 [1]
統計 グラフ
[2] 代 数 値 5.2
5.3
相
132 132 136
関
140
[1] 相関図
141
[2] 相 関係 数
142
[3] 身 長 と体 重 の相 関 関係
143
モ デル 式 と予測
145
[1]
直 線 モ デ ル を作 る
145
[2]
2次 関 数 モ デ ル
148
5.4 確 率 の 実 験 [1]
5.5
151
起 こ りや す さ
151
[2] 確 率 の表 し方
153
[3] 確 率 の利 用
155
シ ミ ュ レー シ ョ ン
159
[1] 乱数 の利用
160
[2]
160
モ ン テ カ ル ロ法
練習問題
164
第6章 離散構造 6.1
指 数 の構 造 [1] 指 数 の原 理 [2] 複 素 数 の指 数
[3]
(−1)1/3の 意 味
165 165 167
168
171
6.2 数 の性 質 [1] 小数 の数字
171
[2] 連 分 数 で 表 す
173
[3] 整 数 の性 質
175
178
6.3 集 合 と論 理 の仕 組 み [1] 集 合 演 算
178
[2] 論 理 演 算
178
[3] 論理 式 の利 用例
181
182
6.4 数 ベ ク トル と 行 列 [1]
数 ベ ク トル
182
[2]
行
列
186
[3]
参
考
190 194
練習問題
196
問 お よ び練 習 問題 の 解 答
索
(1) 問の解答
196
(2) 練 習 問 題 の 解 答
210
220
引
第1章 Mathematica
Mathematicaは る 。Mathematicaで
数 学 を 探 求 す る た め に 開 発 さ れ た,世
界 的 に通 用 す る ソ フ トウエ ア で あ
数 学 を学 べ ば数 学 だ け で な くコ ン ピュ ー タ科 学 の 考 え 方 を知 る こ と も
で き る 。 こ こで は,数,関
数,式
に つ い てMathematicaの
特 徴 と う ま い 使 い 方 を 示 し,
論 理 や プ ロ グ ラ ム につ いて もふ れ る こ とに す る。
1.1 立 ち 上 げ と終 了
Mathematicaの
立 ち 上 げ と終 了 の や り か た に つ い て ま と め て お こ う。
[1] 立 ち上 げ コ ン ピ ュ ー タ の 電 源 を 入 れ,Windowsを
立 ち 上 げ, Mathematicaの
ン を マ ウ ス で ダ ブ ル ク リ ッ ク す る とMathematicaの ラ フ な ど を 扱 うの は,図 以 下,1.2節
1.3の 画 面 で,こ
アイ コ
画 面 が 現 れ る 。 数,式,グ
れ を ノ ー トブ ッ ク と い う。
以 降 の や り方 で 計 算 や グ ラ フ を 作 っ て い け ば よ い 。 た だ し,最
の 計 算 で は カ ー ネ ル(計
算 な ど を す る プ ロ グ ラ ム)を
初
コ ン ピュ ー タ に読 み 込 む た
め 多 少 の 時 間 が か か る。 起 動 して か ら終 了 す る ま で を セ ッ シ ョ ン と い う 。
[2] 終
了
Mathematicaを (1)
終 了 す る と き に は,次
ノ ー トブ ッ ク(画
面)右
の 手 順 で 行 う。
上 の フ ァ イ ル(F)に
して ク リ ッ ク す る 。Exit(Windows)ま
マ ウ スで カ ー ソル を移 動
た はQuit(Macintosh)が,図
1.1の ダ イ ア ロ グ の 中 に 現 れ る 。
図1.1
(2)
マ ウ ス でExitの
(3)
こ の ノ ー ト ブ ッ ク(画
(4)
要)の
ダ イ ア ロ グ
と こ ろ を ク リ ッ ク す る。
不 要 な らn,必 y(必
Fileの
面)を
要 な らyを
コ ン ピ ュ ー タ に 保 存 す る か 聞 い て く る。 キ ー ボ ー ドか ら入 力 す る 。
場 合,"test1.ma"な
Mathematicaが
ど と適 当 な名 前 を つ け て保 存 す る。
終 了 す る。
1.2 数 の 計 算 数 の計 算 を 身近 か な題 材 で ま とめ よ う。 [1]
厳 密 値 と近 似 値
分 数2/3や
平 方根√2な
どで 表 され た,代 数 的 な意 味 を もつ数 を厳 密 値 とい う。
一 方 ,0.6666667,1.414213を
そ れ ぞ れ の厳 密 値 の近 似 値 とい う。
〔例 題1〕
半 径 が2cm,中
心 角 が120° の 扇 形 の 面 積 の 厳 密 値 を 求 め よ。
〔解 〕 面 積 4Pi/3と
〓の 式 を
入 力 す る。 と
SHIFT
RETURN
キ ー を同 時 に
押 す(以 後 SHIFT る)とIn[1]:=が
とす
RETURN
この式 の前 の 行 に 現
れ る 。 結 果 がOut[1]=の
図1.2 扇形の面積
次 の 行 に現 れ
る。 Mathematicaの 囲 ま れ たIn[]:=の
ど を書 き込 ん だ 後,
入 出 力 は,図1.3の
よ う に ノ ー ト ブ ッ ク 上 で 行 う 。 青 い]で
行 か らOut[]=の SHIFT
結 果 ま で の 行 を セ ル と い う。 数 や 式 な
+ RETURN
を押 す と コ ン ピ ュ ー タ が 計 算 を 開 始
す る。
図1.3
ノ ー トブ ッ ク
この 操 作 を入 力 と い い,入 力 した結 果 は入 力 セ ル で 自動 的 に 囲 まれ る。 ま た, 入 力 した も の を計 算 して,結 果 を表 示 す る部 分 を 出力 セ ル とい い,入 出力 セ ル を 合 わ せ て 囲 む セ ル を単 にセ ル と い う。 図1.1のNewを し くな る。 次 に厳 密 値 の 近 似 値 を求 め て み よ う。
ク リ ッ クす れ ば セ ル は新
+
〔 例 題2〕
〔例 題1〕 の 面 積Sの
〔解1〕
↑キ ー で4Pi/3の
最 後 に SHIFT
式 を手 直 して10桁 の近 似 値 を求 め よ。
行 に カ ー ソ ル を 移 動 さ せ,次
の 下 線 部 分 を 追 加 す る。
で近 似 値 が 得 られ る。
RETURN
(1.1) 〔 解2〕
〔例 題1〕 で 次 の 厳 密 値4Pi/3を
得 た と き,%を
利 用 し,次
の式 で近似
値 を求 め る。
〔 解1〕
の よ う に,前
に 使 っ た 式 そ の も の を 手 直 し(追 加,削
用 す る こ と を リプ レ イ(Replay)機 を ア ンサ ー(answer)機
除,修
正)し て 利
能 と い い,〔 解2〕 の よ う に,%を
使 う方 法
能 と い う 。 リ プ レ イ や ア ン サ ー 機 能 は,長
い式 を何度
も使 う と き に 便 利 で あ る 。 表1.1 計算 の記 述 方 式
Pi(=π)の い,Pi,Sqrtの
よ う な 数 を 組 込 み 定 数,Sqrt[]の
よ うな 関 数 を 組 込 み 関 数 と い
よ う に 大 文 字 で 書 き始 め る。 関 数 名 の 正 し い ス ペ ル は 「?」 で オ
ン ラ イ ン ヘ ル プ を 呼 び 出 す 。 例 え ば,?S*〔注1〕 や?*qr*な
どで探 す とよい。 こ
れ を情 報 エ ス ケ ー プ と い う。 〔注1〕*は
ワイ ル ドカ ー ドでSに
続 く,ま た は,qrの
前 後 の 文 字 列 を表 わす 。
+
問1 次 の 式 の厳 密 値 と10桁 の 近 似 値 を 求 め よ。 (1) 半 径2の 球 の体 積 (2) 一 辺 の長 さが3の 正 三 角 形 の面 積
問2 円 周 率 πを1000桁
[2]
まで 求 め る に は,ど うす れ ば よ いか 。
近 似 値 の 計 算
Mathematicaで
は,あ
ま た,N[式,n]でn桁
る 数 に 小 数 点 を つ け た 式 は6桁
の近 似 値 で表 す。
の近 似 値 を求 め る。
例1.
例2.
これ らの 結 果 は第7桁 目 を 四捨 五 入 して い る。 例1の 表 し方 を固定小 数点 表示, 例2の 表 し方 を 浮 動 小数 点表 示 ま た は科 学 的表 示 とい い,1.07374を 109を 指 数 部 分 とい う。 〔 例 題3〕√2の
近 似 値 を で きる だ け多 くの方 法 で求 め よ。
〔解1〕N[]を
用 い る。
〔 解2〕//Nを
〔 解3〕
後 ろ に つ け る。
〓を代 入 す る。
仮 数 部 分,
表 示 の 桁 数 はN[式,n]で
はn桁,式//Nで
は6桁
に な り,有
桁 下 の 数 を 四 捨 五 入 す る 。 特 に,N[Sqrt[2]]とSqrt[2]//Nは
効 桁 よ り も1 同 じ結 果 に な
る。 〔 注 〕 あ る近 似 値12.34567の
有 効 桁 数(精 度)が6桁
で あ る こ とを 示 す 。 また,四 捨 五 入,切
問3 40!=1×2×
[3]
で あ る と は,12,3456ま
で正 しい 値
り捨 て,切 り上 げ の こ とを丸 め と い う。
… ×40は 何 桁 の数 か。 そ れ を簡 単 に知 る方 法 を示 せ。
べ き の 扱 い
正 の 数a>0,b>0に
つ い て,a3や(ab)0.5な
ど を べ き と い い,次
の性質 が成
り立 つ 。
(1 .2)
Mathematicaで
ま た,次
は,こ
れ ら をa^−1,a^0,a^(1/2)の
の 指 数 法 則 が 成 り立 ち,PowerExpand[a^p*a^q]な
よ うに表 す。
どで 確 認 で き
る。
(1.3) 式(1.2)と
式(1.3)に
〓につ いて 厳 密 値,6桁
〔 例 題4〕 〔 解〕
関 連 して厳 密 値 と近 似 値 が 次 の よ う に得 られ る。 の近 似 値 を そ れ ぞ れ求 め よ。
〓の 厳 密 値 はそ れ ぞれ (1.4) 〓の近 似 値 は そ れ ぞ れ
問4 式(1.3)の4つ
の 式 が 成 り立つ こ とを 確 認 せ よ。
n
[4] n進
数
例 え ば13=8+4+1=23+22+1と と い い,こ
の 数 を1101と
な る。 こ の よ う な 手 続 き を2進 表 し2進 数 と い う。 同 様 に し て3進
法,4進
法,2を
底
法 な どが
考 え ら れ る。 特 に8進
法 の こ と を オ ク タ ル,16進
数 は3af9の
よ う に 数 字10,11,…,15の
法 の こ と を ヘ キ サ デ シ マ ル と い う 。16進 代 わ り に そ れ ぞ れ ア ル フ ァベ ッ トa,b,…,
fを 用 い る 。 Mathematicaで 数 でbと
は10進
い う数 をn^^bと
〔例 題5〕1234,お
数 をn進
数 に 直 す と きBaseForm[x,n]を
して10進
数 に変 換 す る。
よ び12.34を16進
進 数71.65を10進
数 に 直 せ 。 ま た2進
用 い,n進
数1100011,お
よ び8
数 に 直 せ。
〔解 〕BaseForm[x,n]を
用 い る。
(1.5)
^^bを
用 い る 。
(1.6)
問5 分 数1/3の
[5]
整
た16進 法 で求 め よ。
数
整 数m>n>0が n]で
厳 密 値 お よ び近 似 値 を2進 法 で,ま
あ っ た と き,m÷nの
表 す 。 ま たm,nの
商 をQuotient[m,n],余
最 大 公 約 数 をGCD[m,n],最
り をMod[m,
小 公 倍 数 をLCM[m,n]
で表 す。
〔例 題6〕3つ
の 数1989,1996,2003の
最 大 公 約 数 と最 小 公 倍 数 を 求 め よ 。
〔 解〕
よ っ て,最
問6
大 公 約 数 は18,最
小 公 倍 数 は12307680
数111111111,148148148,98765432の
2,3,5,7,11,13の
最 大 公 約 数 と最 小 公 倍 数 を求 め よ 。
よ う に,2以
上 の 正 の 整 数 で1と
れ な い 数 を 素 数 と い う 。 素 数 はPrime…
そ れ 自 身 で しか 割 り 切
と い う組 込 み 関 数 で 求 め る こ とが で き
る。
〔 例 題7〕
素 数 を 小 さ い 順 に10個
求 め よ。 〓(1.7)
〔 解〕
式(1.7)でRange[10]は,1か [Range[10]]で
は,1番
ら10ま 目 の 素 数2か
で の 素 数 の リス トを 表 す の で,Prime
ら10番
目 の 素 数29ま
で の 素 数 リ ス トを
作 成 す る。 整 数 は,素 Factor
数 の 積 と し て1通
Integerで
り に 表 す こ と が で き,こ
れを素 因数 分解 とい い
求 め ら れ る。
素 因 数 分 解 を 利 用 し て 分 数 の 問 題 を 考 え よ う。
〔 例 題8〕
整 数106−1=999999を
素 因 数 分解 せ よ。
〔解 〕
よ っ て,
〔 例 題8〕
の 結 果 か ら次 の こ と が 導 か れ る 。 〓の と き,
〓と な る 。
(理 由)
(1.8)
式(1.8)の
両 辺 に106を
形 式 的 に か け て,
よ っ て,
(1.9)
問7 107−1=9999999を
[6]
素 因 数 分 解 し,分 数1/239を
循 環 小 数 に 直 せ。
複 素 数 の 扱 い
2次 方 程 式x2+4=0やx2+2x+4=0を 虚 数 単 位i=√−1を
満 た すxは
作 る こ と で,そ
実 数 で は 存 在 し な い が,
れぞれ
の よ う に 解 が 求 め ら れ る。 こ う し た,a+biでb≠0と
な る 数 を 虚 数 と い い,実
数 と い う。Mathematicaで
は 虚 数 単 位iをIで
数 と虚 数 を あ わ せ て 複 素
表 し,I^2=−1と
な る数 とみ て
虚 数 の 計 算 を 実 数 と 同 様 に し て 行 う。
〔 例題9〕
次 の計 算 を行え。
(1) 〔解 〕
(2)
(3)
(1)
(2)
(3)
こ れ ら は,{(2−3I)(1+I),(1−I)^4,Sqrt[−3]}と 〔注2〕Mathematicaで
は,掛
け算a×bは*ま
して 一 度 に 求 め ら れ る 。 た は 空 白 を 用 い て,a*bま
た はa
bの
よ う に 表 す 。 た だ し,2aや0.5f(x)は2a,0.5f[x]
問8
次 の 計 算 を 行 い,そ
(1)
で よ い。
れ が 成 り立 つ 理 由 を い え 。
(2)
1.3 関
数
関数 を数 と同 様 の 手順 で作 り,数 を代 入 して近 似 値 を求 め よ う。 [1]
立 式 と代 入
〔例 題10〕 半 径r,中
心 角a°の扇 形 の 面 積fの 式 を 求 め,r=2,a=120°
の とき
の 値 を求 め よ。 〔 解 〕f(r,a)=πr2a/360で
面 積 はrとaの
関 数 に な る。
10桁 の 近 似 値 は次 の 入 力 で 得 られ る。
図1.4 扇形の面積 問9 図1.4で,弧 し,r=2,a=120°
と弦 で 囲 まれ た 半 月 形 の 面 積gを,半
径rと 中 心 角a(°)の
関数 で表
の と きの値 を6桁 の 精 度 の 近 似 値 で 求 め よ。
関 数 を 記 述 す る と き の 入 力 例 と 主 な 規 則 を ま と め て み よ う。
規則1.
Sqrt[x],Sin[pi a]
組 み込 み 関数 の先 頭 は大 文 字 で書 き,変 数 を 大 か っ こ[]で 規 則2 . 3角 関 数 の 変 数 は ラ ジ ア ンで 扱 う 。
規則3 . 変 数 の主 な規 則 は次 の とお り。 x,yは 積x*yを,xyは1つ
の 変 数xyを
意 味 す る。
く くる。
3aは3*a=3aを,3/2aは
3/2aを,3^2aは9aを
意 味 す る。
変 数 にx_ の よ うに_ をつ け る と数 値 の 代 入 が で き る。
規則4 . 代 入 は次 の 方 法 で 行 うこ とが で きる。 (a) 式 先 行 〔 注1〕
(b)
(1.10)
/.の 利 用
(c) 代 入 先 行 〔注2〕
〔注1〕
「;」 はOut[]
〔注2〕r=2,a=120と
して 代 入 先 行 で 近 似 値 を 求 め た と き,そ
はClear[r],Clear[a]と
問10
[2]
半 径rの
の 出力 を押 さ え る。
し,rの
球 の 体 積fをrの
の 後r=.,a=.あ
る い
値 を ク リ アす る必 要 が あ る。
式 で 表 し,r=2の
と き の 近 似 値 を10桁
の 数 で 求 め よ。
組 込 み 関 数
Mathematicaが の 他 に,指
用 意 して い る 関 数 を 組 込 み 関 数 と い い,関
数 関 数a^x,対
ArcSin[x],そ
数 関 数Log[a,x],三
の 逆 関 数ArcSinh[x]
数Abs[x]=│x│
角 関 数Sin[x],逆
三 角関数
な ど が あ る。 三 角 関 数 と逆 三 角 関 数 を 使 っ
た 問 題 を 解 決 し よ う。 〔 例 題11〕3辺 〔 解 〕3辺
の 長 さ が そ れ ぞ れ4,5,6の
の 長 さ をa,b,c(0<a<b<c)と
は次 の 式 で 表 さ れ る。
三 角 形 の 最 も大 き い 角 を 求 め よ 。 す れ ば,余
弦 定 理 か ら最 も大 き い 角t
(1.11) し た が っ て,
(1.12) Mathematicaで
は,次 の 式 とa,b,cの
値 を 入 力 してtの
値 を ラ ジ ア ン で 求 め る。
(ラ ジ ア ン)
(度)〔注3〕
図1.5
三 角 形 の 辺 と角
問11 〔 例 題11〕 の三 角 形 の 面 積fを 次 の式 で 入 力 し,そ の近 似 値 を10桁
(1)
で求 め よ。
(2)
主 な 組 込 み 関 数 の 記 述 方 式 を あ げ て お こ う。 表1.2 関 数 の 式 と意 味
〔注3〕
π ラ ジ ア ン は180°,Mathematicaで
は,[,Degree]で
度 を表 す 。
〔注4〕Sin[0.6435]=0.599999は, 〔注5〕E(e)はMathematicaに xの グ ラ フ のx=0に
ArcSin[0.599999]=0.6435と
同 じで あ る。
お け る 自 然 対 数 の 底 で 無 理 数2.71828…
お け る接 線 の 傾 き が1で
で あ る 。y=e
あ る。
[3] リ ス トの 扱 い 次 の よ う に,{}で
く く っ た い く つ か の 数 や 式 の 集 ま り を リ ス トと い う 。 特 に
数 か ら な る リス トを 数 ベ ク トル と い う。 リス ト も関 数 と 同 じ考 え 方 で 処 理 が で き る。
Table[nの
式,{n,4}]で,nの
〔例 題12〕 〔解1〕
半 径1,2,3,4の リ ス ト{1,2,3,4}を
〔解2〕Tableで
式 にn=1,2,3,4を
代 入 し た リ ス トを 作 成 す る。
円 の 面 積 を そ れ ぞ れ 求 め よ。 直 接 利 用 す る。
リ ス トを 作 る。
(1.13)
図1.6
半 径1∼4の
円
問12 上 底,下 底 の 長 さが そ れ ぞれ 次 の値 で,高 さ が6の 台 形 の面 積 を 求 め よ 。 表1.3
台形 の デ ー タ
図1.7
高 さ6の
台 形
1.4 式 の 計 算 整 式 を 因 数 分 解 す る の にFactorを た 複 素 数a+biを き,入
用 い る 。 ま た 整 数 ま た は 分 数a,bで
ガ ウ ス の 整 数 と い い,こ
力 の 最 後 にGaussianIntegers−
表 され
れ を 係 数 に し た 式 に 因 数 分 解 した い と
>Trueを
つ け る。
[1] 整 式 の因 数 分 解
Mathematicaで
整 式
x2−2/3x−1/3 の因 数 分 解 は次 の よ うに して行 う。
因 数 分 解 を 利 用 した 応 用 課 題 を 考 え よ う。 〔 例 題13〕xn−1を 〔 解 〕n=3,4,5に
因 数 分 解 し,1+x+x2+…+xnを つ い て 試 み,nの
分 数 式 で表 せ。
場 合 を推 定 す る。
した が って 次 の 式 が 予想 さ れ,そ れ が 正 し い こ と は数 学 的 帰 納 法 で 証 明 で き る。
(1.14) (1.15) 式(1.15)の
両 辺 をx−1で
割 れ ば 次 の 式 が 得 ら れ る。
(1.16)
問13 n=3,5,7に
つ い てxn+xn-1+…+x+1を
整 数,ガ
ウス の整 数 の そ れ ぞ れ の 範 囲 で
因 数 分 解 せ よ。
[2] 式 の展 開 〔 例 題14〕(x+1)nをn=2,…,5に 〔 解1〕Tableで
つ い て 展 開 し,そ
多 項 式 の リ ス トを 作 り,そ
の係 数 の 特 徴 を 調 べ よ。
れ らを 展 開 す る。
(1.17)
(1.18) 〔 解2〕
各 式 をExpandで
結 果 は,式(1.18)と Mathematicaで 5}と
個 々 に 求 め る。
同 じ に な る。 は 昇 べ き の 順 に 式 を 展 開 す る。式(1.17)で,{n,1,5}は{n,
す る こ と もで る 。 ま た,Expandは
次 の よ う に して も よ い 。
[3] 整 式 の計 算 xの
整 式f(x),g(x)に
つ い て,f(x)をg(x)で
表 す。 商;PolynomialQuotient[f(x),g(x),x] 余 り;PolynomialRemainder[f(x),g(x),x]
割 っ た 商 と余 り を 次 の 式 で
ま た,整 式f(x),g(x)の
最 大公 約 数,最 小 公 倍 数 を次 の式 で表 す。
最 大 公 約 数;PolynomialGCD[f(x),g(x)] 最 小 公 倍 数;PolynomialLCM[f(x),g(x)]
〔 例 題15〕
整 式f=x3−5x2+6x,g=3x2−5x−2に
(1) fをgで
の式 を 求 め よ。
割 った と き の 商 と余 り
(2) f,gの 〔 解 〕(1)
つ い て,次
最 大 公 約 数,最
小公倍数
商;
余 り;
(2) 最 大 公 約 数;
最小公倍数;
最 小 公倍 数 の入 力 式 の最 後 に//Factorを
つ け る と因 数 分 解 した式 に な
る。
問14 xの
[4]
整 式 に つ い て,x3+1をx2+ab+bで
割 っ た と き の 商 と余 り を 求 め よ 。
分 数 式 の計 算
分 数 の 計 算 と同 様 に して,分 数 式 の 四 則計 算,展 開 も行 う こ とが で きる。 〔 例 題16〕
(2)
(1) 〔解 〕
次 の分 数 式 を 計 算 せ よ。
(1)
(2)
〓を通 分 せ よ。
問15
仮 分 数8/5を 帯分数1+3/5に
〔 例題17〕 分数 式
直す操 作と同 じことを分数 式に も行 うことがで きる。
〓を整 式と
〓の 和 に直 せ 。
〔 解〕
よ っ て,
(1.19)
Mathematicaで
〔 例 題18〕
は,Seriesで
分数式
分 数 式 を 多 項 式 に展 開 す る こ とが で きる。
〓をxの 多 項 式 に 直 し,係 数 の特 徴 を調 べ よ。
〔 解〕
(1.20) こ こ で,o[x]8は,8次 〔 例 題18〕
は,式(1.18)と
以 上 の 多項 式 を示 す。 よ く似 て い る。 こ の 展 開 を 多 項 式 展 開 と い う。
(1.21) (1.22)
式(1.21)の
係 数 は,重
複 組 合 せ の 個 数3Hn,式(1.22)の
係 数 は,フ
ィボ ナ ッ
チ 数 列 に な っ て い る。
問16
〓を 多項 式 に展 開 し,
〓の展 開 式 を推 測 せ よ。
1.5 グ ラ フ ィ ッ ク ス デ ー タ の折 れ線 グ ラ フや 関数 の グ ラ フ,基 本 的 な図 形 の表 示 につ いて考 え よ う。 [1]
デ ー タ の グ ラ フ
デ ー タ を点 や 折 れ線 グ ラ フに表 して み よ う。 これ らは離 散 的 な量 を表 現 す るた め に利 用 さ れ る。 特 に,乱 数 はRandomを
用 いて 次 の よ う に作 る こ とが で き る。
Random[]
0か ら1の 範 囲 の 実 数 値 の 乱 数 を作 る。
Random[Real,{2,5}]
2と5の
間 の実 数 値 の 乱 数 を作 る。
0と1の
間 の 乱 数 を100個
Table[Random[],{100}]
1か ら6の
Random[Integer,{1,6}]
〔例 題19〕1か 点(n,r)を
ら5ま
で の 整 数 の 乱 数 を500個
プ ロ ッ ト し,そ
整 数 の乱 数 を作 る。
作 り,n番
目 の 乱 数rに
つ い て,
の特 徴 を調 べ よ。
〔 解〕
1,2,3,4,5の
作 る。
(1.23)
値 だ け が 式(1.23)で
作 ら れ る こ と が 図1
図1.8
乱 数 の 点
.8か
らわ か る。
問17
コ ン ピ ュ ー タ で10回
〔例 題20〕8個
さ い ころ投 げ の 実験 を した い。 ど うす れ ば よ い か。
の デ ー タ,2.6,3.4,4.2,5.0,5.8,6.6,7.4,8.2か
(1,2.6),(2,3.4),…,(8,8.2)を
ら作 ら れ る 点
結 ぶ 折 れ 線 を 描 き,そ
の 特 徴 を 調 べ よ。
〔 解〕 〔 注2〕
(後 ろ の デ ー タ)−(前
の デ ー タ)は
一 定 の 値0.8で
図1.9
問18
8個
ラ フは 直 線 に な る。
点 を結 ん だ グ ラ フ
の デ ー タ1.5,3.4,4.9,6.0,6.7,7.0,6.9,6.5を
ら折 れ 線 を 作 り,そ
あ り,グ
も と に し て,〔 例 題20〕
のよ うに点 か
の 特徴 を調 べ よ。
デ ー タa1,a2,a3,…
か ら 点(1,a1),(2,a2),(3,a3),…
を 作 っ た と き,デ
ー タ と グ
ラ フ の 間 に は 次 の 関 係 が あ る 。
[2]
・a2−a1
,a3−a2,a4−a3,…
・a2−a1
,a3−a2,a4−a3,…が
陽
関 数
の
グ
ラ
が 一 定 の 値 の と き,グ 一 定 の 値 で 増 加(減
ラ フ は 直 線 に な る 。 少)す
る と き放 物 線 に 近 い 。
フ
y=2x2,y=√x,y=sinxな
ど,y=f(x)の
関 数 の グ ラ フ を 表 示 す る と き に は,x軸,y軸,xの か じ あ 決 め て お く必 要 が あ る が,Mathematicaは
形 の関 数 を 陽 関 数 と い う。 陽
範 囲,yの
範 囲 な どをあ ら
こ れ ら の 多 く を 自 動 的 に 行 い,
こ れ を デ フ ォ ル ト値 と い う。 た だ し,目
盛 り の 幅 は,(x軸):(y軸)が
式(1.24)の
よ う にAspectRatio−>Automaticを
黄 金 比(1+√5)/2:1に
な って お り,
つ け る とx 軸,y軸
の比 を
1:1に
で き る。
〔 例 題21〕
次 の グ ラ フ を−3≦x≦3で
(1)
描 け。
(2)
〔 解〕
(1.24)
図1.10 y=2x2の
x が あ る値aに
近 づ い た と きf(x)の
と き,Mathematicaで い う。 ま たxの
図1.11 y=√x+3の
グ ラ フ
はInfinityが
値 が 無 限 に 大 き い か,ま 現 れ,y=f(x)の
値 を 無 限 に 大 き く す る とf(x)の
の よ う に 表 し,f(x)の
漸 近 線 はy=bで
グラ フ
た は小 さ くな る
漸 近 線 はx=aで 値 が 一 定 の 値bに
あ ると
近 づ く と き次
あ る と い う。
(1.25)
〔例 題22〕
〓の グ ラ フ を 描 き,漸
近 線 を調 べ よ。 〔注3〕
〔 解〕 xを 無 限 大 に し た(x→
∞)の
と き のyの
値 は 次 の よ う に 入 力 す る。
(1.26)
関 数f(x)の
合 成 関 数f(f(x)),逆
関 数f-1(x)を
求 め よ う。
〓の グ ラ フ
図1.12
〔例 題23〕 め,そ
関 数f(x)=x2+2xの
合 成 関 数f(f(x)),逆
の グ ラ フ を 描 け 。 必 要 に よ っ て はClear[f]を
関 数f-1(x)の
式 を求
入 力 して お く こ と。〔注4〕
〔 解〕 合成 関数
〔 注5〕
(1.27)
逆関数 (1.28)
し た が っ て 逆 関 数 は, f(x)とf((x))お 1.13,図1.14に
合成関数;
逆 関数;
よ びf(x)とf-1(x)の な る。
グ ラ フ は,次
の入 力で それ ぞれ図
図1.13
f(x)とf(f(x)) 図1.14 f(x)とf-1(x)
〔注1〕PlotStyleは,ListPlotの
常 用 オ プ シ ョ ンの 一 つ で, PointSize[0.01]は,点
の表
示 サ イ ズ の指 定 す る。 〔注2〕PlotJoinedは,ListPlotの
も う一 つ よ く使 わ れ る オ プ シ ョ ンで,離
散 されて い る
点 を線 で 結 ぶ。 〔注3〕PlotRangeでy軸 PlotRange→Allな
の 範 囲 を−4≦y≦4と
し た 。 他 にPlotRange→Automatic,
どが あ る。
〔注4〕Clear[f]で,fの
定 義 を ク リアす る。
〔注5〕Simplifyは,多
項 式 を 簡 略 す る 。 「//」 は,右
こ の 式 はSimplify[Nest[f,x,2]]と 〔注6〕GridLinesは,2次
側 の 関 数 を 左 側 の 式 に 働 きか け る 。
同 じ意 味 に な る 。
元 グ ラ フ の 目 盛 り の 格 子 を 表 示 さ せ る オ プ シ ョ ンで あ る 。
の 合 成 関 数f(f(x)),逆
問19 関 数f(x)=1/2−x
関数f-1(x)を
求 め よ。
[3] 陰 関 数 の グ ラ フ 円(x−2)2+(y+3)2=3な い,ImplicitPlotを
ど,f(x,y)=cの
形 に表 さ れ る関 数 を 陰 関 数 と い
用 い て そ の グ ラ フ を 描 く こ と が で き る。 た だ し,最
よ うな 前 手続 きが 必 要 で あ る。 〔 注7〕
初 に次 の
〔例 題24〕
円x2+y2=1,楕
〓,〓の グ ラ フ を 描 き,特
円
徴 を調 べ よ。 〔 解〕
〔注8〕
図1.15
結 果 は 図1.15の
(1.29)
円 と 楕 円
よ う に 円 と 楕 円 は 中 心 が 一 致 し,楕
円 の 軸 の 長 さ が2,3に
な
る。 〔注7〕
陰 関 数 作 図 の 専 用 パ ッ ケ ー ジ"ImplicitPlot"を
後 に は バ ッ ク ・ ク ォ ー ト(`)を 〔注8〕AxesLabelは,座
つ け る(ク
読 み込 む 。 パ ッ ケ ー ジ の名 の 前
ォ ー ト(')で
は な い)。
標 軸 の ラ ベ ル を 指 定 す る オ プ シ ョ ンで あ る 。
〓,〓の グ ラ フを描 き,両 者 の 関 係 を 調 べ よ。
問20 双 曲 線
[4] 媒 介 変 数表 示 の グ ラ フ 円,双
曲 線,サ
イ ク ロ イ ドな ど は 次 の 媒 介 変 数(パ
ラ メ ー タ)tを
れ る 。 こ う し た 関 数 を 媒 介 変 数 表 示 と い う。
円
〓放物線
〓 リ サ ジ ュ ー〓
用 いて表 さ
〔 例 題25〕 〔 解〕
上 の媒 介 変 数 表 示 の 円 と放 物線 の グ ラ フ を描 け。
(1) (図1.17)
(2)
それ ぞれ の グ ラ フ は
図1.16,図1.17の
よ う に な る。
図1.17 図1.16
問21
方 物 線
円
上 に あ げ た リサ ジ ユー〓
の グ ラ フ を 描 け 。 た だ し,tは0か
ら2π
と す る。
[5] 極 方 程 式 の グ ラ フ x座 標,y座
標 で平 面上 の点(x,y)を
Oか らの距 離rとx軸
決 め る方 法 を 直 交 座 標 と い い,原
の正 の方 向 との な す 角 θを 用 い て(r,θ)で
め る方 法 を 極 座標 と い う。 極 座 標 上 で 半 径aの 円 はr=aで,こ 式 と い う。
点
平 面 上 の点 を 決 れを 円の極 方程
〔 例 題26〕 原 点Oか
らの距 離 が3でx軸
の 極 方 程 式 を 求 め,グ 〔解 〕
との なす 角 が45
°(π/4 ラ ジ ア ン) の 直 線
ラフ を描 け。
こ の 直 線 上 の 点 をP(r,θ)と
す れ ば,OP=r,∠POx=θ
だ か ら図1.18か
ら,
よ って 極 方 程 式 はr
図1.18
図1.19は
(1.30)
極方程 式の作成
図1.19
極 座 標 と直 線
次 の入 力 で描 く こと が で き る。
直 交 座 標(x,y)と
極 座 標(r,θ)と
の 間 に は,
(1.31) と い う 関 係 が 成 り立 つ か ら,式(1.30)を 変 数 表 示 に 直 し,〔 例 題25〕
式(1.31)に
代 入 し,次
の 形 式 に して 入 力 して も よ い 。
の よ う に媒 介
(1.32)
〓の グ ラ フ を0≦t≦6π
問22 極 座 標
[6]
領
用 い る と,い
〔例 題27〕y=x4−4x2と
くつ か の 関 数 ま た は 図 形 で 囲 ま れ た 領 域 を 表 示 す る。
そ の 接 線y=4x+1で
図1.20
問23
の特 徴 を調 べ よ。
域
FilledPlotを
ま た,必
で 描 き,そ
4次 関 数 と接 線
要 に 応 じ てRemove[FilledPlot]を
図1.21の
三 角 形 の 内 部 をFilledPlotで
囲 ま れ た領 域 を 示 せ。
入 力 す る。
表せ。
図1.21
三 角 形 の 内部
[7] 多 数 の グ ラ フ い くつ か の グ ラ フ を 同 時 に 描 く に は1つ
の 座 標 系 に 表 示 す る 重 ね 書 き と,座
標
系 も別 に して 描 く ア ニ メ ー シ ョ ンが あ る 。 こ れ らの グ ラ フ を 作 っ て み よ う。 (1)
重ね書き
円 や 線 分 な ど の 図 形 の 重 ね 書 き はPlotとTableを 〔 例 題28〕2次
関 数y=x2−4xの
グ ラ フ を,x軸
用 い る。 方 向 に ±1,±2,±3平
た グ ラフを 重 ね て 描 け。 〔 解 〕x2−4x=(x−2)2−4だ
か ら,y=(x−2+k)2−4でk=−3,−2,…,2,3
とす れ ば よ い。
図1.22
放 物線の平行移動
行移 動 し
問24
指 数 関 数y=k・2xで,k=1,2,4,8,16と
(2)
して グ ラ フ を 描 き,特
徴 を調 べ よ。
ア ニ メ ー シ ョン
Doを
用 い て グ ラ フ を 多 数 描 く ア ニ メ ー シ ョ ン を 行 っ て み よ う。
〔 例 題29〕
〓を 用 い て,y=1+x,y=1+x+x2,…
,y =1+x+x2+…+x5の 〔 解 〕Do,Plotを
各 グ ラ フを 描 け。 用 い て 次 の よ う に 入 力 す る と 図1.23の
よ う に グ ラ フ が5つ
で
き る。
(1.33)
図1.23
問25
2-x,2・2-x,22・2-x,23・2-x,24・2-xの
1+x+x2+…+xn-1の
グラ フ
グ ラ フ を ア ニ メ ー シ ョ ン で 描 き,そ
の 特 徴
を調 べ よ。
[8]
3次
元 の グ ラ フ
空 間座 標 上 の 方 程 式z=f(x,y)の 〔例 題30〕 錐 を3次
底 面 半 径2cm,中 元 グ ラ フ で描 け。
グ ラ フ を描 こ う。
心 が(0,0,0),高
さ3cmで
頂 点 が(0,0,3)の
円
〔 解1〕
こ の 円 錐 の 母 線 上 の 点(x,y,z)は,
を満 た す か ら,次
の よ う に入 力 す れ ば よ い 。
(1.34) 〔 解2〕
円錐 の 中 心0か 2:(2−r)=3:zと
ら の 距 離 がrの な る か ら,次
図1.24
と き の 高 さzは,図1.24の
よ う に,
の 式 が 成 り立 つ 。
円 錘 上 の点
底 面 に平 行 な 半 径rの 円 を空 間座 標(x,y,z)で
表 す と,
(1.35) パ ラ メ ー タr,tを
用 い て 入 力 す る と 図1.25が
得 られ る。
図1.25
問26 餅 型 の曲 面
円 錘 の3次
元 グ ラ フ
〓を 媒 介 変 数 表 示 で 表 して3次 元 の グ ラ フを描 け。
1.6 方 程 式 の 解 2次 方 程 式 や 連 立 方 程 式 の解 とそ れ を 求 め る方 法 につ いて 考 え よ う。 解 に は式 で 表 さ れ た解 と数 値 解 が あ る。 [1]
代 数 的 な 解
4次 ま で の 代 数 方 程 式 の 解 は複素 数 の式 で代 数 的 に 表 せ る。 代 数 方 程 式 の 解 を 式 で 求 め,そ (1)2次
の特 徴 を調 べ よ う。
方程式
2次 方 程 式ax2+bx+c=0をxに 〔 例 題31〕xの2次
つ い て 解 い て み よ う。
方 程 式ax2+bx+c=0,2x2−3x+4=0の
め よ。 〔 解1〕Solveを
用 い て解 を求 め る。
解 をそれ ぞれ求
/.でa,bに
数 値 を代 入 す る。
(1.36)
〓と な る 。
解 は, 〔 解2〕Rootsを
問27次
用 い て も解 が 得 ら れ る。
の方 程 式 の 解 を 求 めよ 。 必 要 に 応 じて//Simplifyを
(1)
追 加 す る と よ い。
(2)
(2) 2項 方程 式 方 程 式xn=aの 〔 例 題32〕2項 〔 解1〕Solveを
(−1)1/3は
形 の方 程 式 を2項 方 程 式 と い い,代 数 的 に解 く こ とが で き る。 方 程 式x3=−1の
解 を求 め よ。
用 い て解 を求 め る。
何 か?ComplexExpandを
用 い て そ の 意 味 を 知 る こ と が で き る。
(1.37)
を−1の
立 方 根 と い う。
問28 x8=16を
解 き,ComplexExpandを
用 い て 解 をa+biの
形 で表 せ 。
(3) 連 立 方 程 式 2元1次
の 連 立 方 程 式,n元1次,さ
らにn元2次
方 程 式,定
数 を含 む 連 立 方
程 式 な どの解 を代 数 的 に解 いて み よ う。 〔 例 題33〕
次 の連 立 方程 式 の解 を代 数 的 に表 せ 。 た だ しaは 定 数 とす る。
(1)
〔 解〕
(2)
(1)
(2)
2元2次,2元3次
な ど の 連 立 方 程 式 を 解 く こ と は 難 し い がMathematicaで
は
容 易 に そ れ らの 解 を 求 め る こ と が で き る。
問29 次 の連 立 方程 式 を 解 け。
(1)
(2)
[2] 数 値 的 な 解 指 数 方 程 式 や三 角 方 程 式 を超 越 方 程 式 と い う。 超 越 方 程 式 や5次 以 上 の代 数 方 程 式 の 解 はふ つ う代 数 的 に解 け な い ので 数 値 的 に求 め る こと に な る。 ま た,代 数 的 に解 け る方 程 式 も数 値 的 な解 な ら求 め る こ とが で き る。
(1) 代 数 方 程 式 の近 似 解 〔例 題34〕 方 程 式x5−4x+2=0の
解 を求 め よ。
〔解 〕
(1.38) この結 果 は,解 が代 数 的 に求 ま らな い こ と を示 す。 そ こで近 似 値 を求 め る。
〔注1〕//TableFormで,結
果 を1つ
ず つ 並 べ て表 示 す る。
問30 方 程 式x6+x5+x4+x3+x2+x+1=0の
解 の近 似 値 を求 め,そ の意 味 を調 べ よ。
(2) 超 越 方 程 式 指 数 方 程 式,対 数 方 程 式,三 角方 程 式 な どを超 越 方 程 式 とい い,解 は複 素 数 の 範 囲 で無 限 個 あ る。 超 越 方程 式 をMathematicaで
解 い て み よ う。
〔 例 題35〕 次 の方 程 式 の解 を求 め よ。
(1)
(2)
〔 解 〕 (1)
解 はlog23に
な る。
(2) こ の 方 程 式 は 代 数 的 に 解 く こ と が で き な い 。 そ こ で,y=2xとy=3x+2の グ ラ フ か ら お お ま か な交 点x=−1,3を
求 め る(図1.26)。
図1.26
図1.26か
y=2xとy=3x+2の
グ ラ フ
ら次 の 手 順 で 近 似 解x=−0.417608,3.71715が
〔注2〕FindRootは,ニ
求 め られ る。
ュ ー トン法 を使 って 数値 解 を 求 め る。 適 切 な 初 期 値 を 選 ぶ こ と
が大 切 で あ る。
問31 方 程 式sinx=
問32 方 程 式cosx=x/3
1/2の 解 をSolveで
求 め,残
りの解 を 補 え。
の お お よ そ の解 をy=cosxとy=x/3
の グ ラ フ か ら 求 め,Find
‐Rootで 解 の近 似 値 を 求 め よ。
1.7 微 分 ・積 分
Mathematicaで
は 微 分 ・積 分 が 簡 単 に 求 め ら れ る。 ま た,極
限 を利 用 して 微
分 係 数 や 定 積 分 を 代 数 的 に求 め る こ と もで き る。
[1] 微 分 係 数 関 数f(x)=x2の
上 の 点(a,a2)に
お け る接 線 の 傾 き は,極
限 の 考 え を利 用 し
て 次 の よ う に 表 し,こ
れ をx=aに
お け るf(x)の
微 分 係 数 と い いf'(a)と
表 す。
(1.39) x=a+hと
おけば
,式(1.40)が
得 られ る。
(1.40) a =1の
と き の 接 点(1
,1)を
通 る 直 線 とy=x2の
グ ラ フ を 描 い て み よ う。
〔注1〕
図1.27 y=x2と
〔 例 題36〕y=x2のx=aに 〔 解1〕
式(1.39)を
そ の接 線
お け る微 分 係 数 を求 め よ。 用 い て 微 分 係 数 を 求 め る。 〔注2〕
〔 解2〕
式(1.40)を
問33 式(1.40)お
(1) 〔注1〕EvaluateでTableを
用 いて 微 分 係 数 を 求 め る。
よ び式(1.41)を
用 い て次 の関 数 のx=a
(2) 評 価 し て か ら作 図 す る 。
に お け る微 分 係 数 を求 め よ。
〔注2〕Limit[]で
極 限 の 計 算 が で き る。
[2] 導 関数 微 分 係 数f'(a)にa=xを
代 入 して作 られ る関 数f'(x)をf(x)の
導 関 数 とい
い,導 関 数 を求 め る こ とを微 分 す る と い う。 い ろい ろ な関 数 の導 関数 を求 め よ う。 〔 例 題37〕y=(ax+b)nの
導 関 数 を求 め よ。
〔 解〕
よ っ て,
〓(1.41)
関 数f(x),g(x)そ
の も の にD[]を
公 式 が 求 め ら れ る。 ま た,f(x)の2次 は,D〔f[2],{x,2}]で
用 い る と 和,差,積,商 導 関 数,つ
ま りf'(x)の
などの微 分 の 導 関 数f(2)(x)
求 め ら れ る。
〔 注3〕
〔 注3〕
問34
[3]
こ の 式 で 合 成 関 数f(g(x))の2次
2x,お よ びlog(f(x))をxで
積
導 関 数 を 求 め て い る。
微 分 せ よ。
分
微 分 の 逆 演 算 を積 分 とい い,得
られ た結 果 を原 始 関 数,不 定 積 分 とい う。
(1) 不 定 積 分 例 え ば,xn+1を
微 分 す る と(n+1)xnだ 〓で,こ
こ こ に,Cは
か ら,xnを
の 関 数 を∫xndxと
積 分 した と き原 始 関数 は
表 す。
任 意 の 定 数 で 積 分 定 数 と い う 。Mathematicaで
用 い て 不 定 積 分 を 行 う が,積
分 定 数Cは
はIntegrateを
つ け な い。 ま た,//Simplifyで
結 果が
簡 単 に な る場 合 が あ る。 〔 例 題38〕(ax+b)nを
積 分 せ よ。
〔 解〕
よ っ て,
(1.42)
問35 次 の 関 数 をxで 積 分 せ よ。
(1)2ax
(2)sin3x
(2) 定 積 分 y=f(x)の x=a ,x=bで
グ ラ フ がa≦x≦bで
常 に 正 で あ る と き,こ
囲 ま れ た 部 分 の 面 積S(図1.28)は
の グ ラ フ とx軸,直
線
次 の式 で 表 され る。
(1.43) こ こ にF(x)はf(x)の
原 始 関 数,つ
ま りF'(x)=f(x)と
図1.28
式(1.43)を
次 の よ う に 表 し,f(x)のaか
な る 関 数 で あ る。
定 積 分
らbま
で の 定 積 分 と い う。
(1.44) Mathematicaで
は,式(1.44)の
定 積 分 もIntegrateを
用 い て 次 の よ うに 表 す 。
(1.45)
〔 例 題39〕x3をaか
らbま
で 積 分 せ よ。
〔 解〕
よ って
Mathematicaで
は
〓I ntegrate[f[x],{x,a, Infinity}]と
し て 求
め る。
問36 次 の 各 関 数 を0か
(1)
ら∞ まで 積 分 し,そ の 値 を 求 め よ 。
(2)
1.8 論 理 と プ ロ グ ラ ム
Mathematicaで
う。Mathematicaの
条 件,反
復,再
帰 の 表 し方 を 調 べ,そ
の 応 用 問 題 を解 決 しよ
プ ロ グ ラ ム は真 偽 の 判 定 に 利 用 す る こ と が 多 い。
[1] 真 偽 の判 定 条 件 や 反 復 に必 要 な 論 理 を まず 調 べ よ う。 例 え ば,2数
の 大 小;√3>1は
真
で あ る。 こ れ を 次 の の や り か た で 確 認 す る。
数 や 式 な ど の 関 係 が 真(True)か ど の 判 定 に は 次 の よ う に 末 尾 にQが
偽(False)か
な
表1.4 判 定 用 の シ ンボ ル
つ いた コマ ン ド
が 使 わ れ る。 真 偽 の 判 定 が で き な い と き 入 力 を そ の ま ま 出 力 す る。
〔例 題40〕2001,2003,2007,2009,2011の
中 か ら素 数 を 探 せ 。
〔解 〕
よ っ て,2003,2011が
素 数 で あ る。
問37 次 の 中 で 多 項 式 は ど れ かPolynomialQを
用 い て 調 べ よ。
2x,(2x−1)6,sin(x2+x+1),tan-1(x)の
導関数 の逆数
[2] 条 件 と論 理 (1) 関 係,論 理 の記 号 式 や 命 題x,yか
ら作 られ る 同 値,大
小 関 係,論
理 は表1.5に
ま とめ られ る。
表1.5 大小 と論理の記号
(2) 条 件 を つ け る
Mathematicaで
の 整 数(Integer)に
は,記
号/;で
式 に 条 件 を つ け る 。 例 え ば,階
限 定 す る と き に は,次
乗n!を0以
上
の よ うに定 義 す る。
(1.46) い くつ か の 数 に つ い て 試 み る 。
(1.47) 式(1.47)か (3)
分
ら,nが0以
上 の 整 数 の と き に だ けg[n]
岐
条 件 を,If,あ
る い はWhichで
分 岐 さ せ て処 理 す る。
を 計 算 す る こ と が わ か る。
〔 例 題41〕
論 理 を 用 い て 次 の 関 数 を 作 り,グ
(1) 〔解 〕
ラ フを 描 け。
(2) 〔注1〕
(1)
(2)
図1.29
式(1.48)の
〔注1〕y=│x−2│の
図1.30 y=│x+1│+│x−2│
y=│x−2│
グ ラ フ は,次
の や りか た で 描 く こ と もで き る。
最 善 の 定 義 はf[x_] :=Abs[x−2]で
あ る。
問38 次 の 関数 の グ ラ フを描 け。
[3] 反 復 と再 帰 計 算 や 操 作 を繰 り返 して,リ (1)
ス トや 合 成 関 数 を作 成 しよ う。
デ ー タ の作 成
12,22,32,…,n2やa1,a2,a3,…,anな
〔例 題42〕21=2,22=4,23=8,…,210=1024を
ど の数 列 を作 る方 法 を調 べ よ う。
表 示 せ よ。
(1.48)
〔 解1〕Doを
使 う。
(1.49) 〔 解2〕Forを
使 う。
(1.50) こ れ ら は す べ て 次 の よ う な 出 力 結 果 に な る。 た だ し,紙 2, 4,
問39
8,
16, 32,
数 列22,42,62,82,102を
64,
128,
256,
512,
面 の 都 合 で横 に並 べ た。
1024
作 れ 。
(2) 反復 と再 帰 あ る 関 数 を,そ ま た,あ
れ 自 身 を 用 い て 定 義 す る方 法 を 再 帰(リ
る 関 数 の 合 成 関 数 を 次 々 に 作 る よ う な 手 続 き の こ と を 反 復(ア
シ ョ ン)と
い う。
イ テ レー
い う。 反 復 と 再 帰 は ア ル ゴ リズ ム の 中 心 的 な 役 割 を 果 た す 。
〔 例 題43〕n=1,2,…,10に
つ い て,n!を
反 復 的 お よ び 再 帰 的 に 求 め よ。
〔 解 〕(1) nに
つ い て の 反 復 で 求 め る。
〔注2〕g=g*nの
代 わ り にg*=nと
を 表 す 。g+=n,g−=n,g/=nな (2)
カ ー ジ ョ ン)と
し て も よ い 。g*=nはg*nを
再 びgと
す る手続 き
ど も類 似 の 手 続 きで あ る。
再 帰 で 求 め る。
(1.52)
問40 数 列12,22,32,42,52を
〓に つ い て,4重
〔 例 題44〕 〔 解 〕Nestを
反 復 お よ び再 帰 で 表 示 せ よ。
の 合 成 関 数f(f(f(f(x))))を
求 め よ。
用 い る。
(1.53)
(1.54)
式(1.54)の
よ うな 分 数 式 を 繁 分 数 と い い,NestListで4重
まで の 繁 分 数 に な
〓に 近 づ く。
り,各 繁 分数 に任 意 の数 を代 入 す る と黄 金 分割 比
(1.55)
〓に対 してf(f(1)),f(f(f(1))),f(f(f(f(1)))),f(f(f(f(f(1)))))
問41
値 を求 め,ど の よ うな値 に近 づ くか 推 定 せ よ。
練 習問題 1. 数 を 丸 め て 整 数 に す る 組 込 関 数 に は,Round[],
−2≦x≦2で
Floor[],Ceiling[]が
適 当 な数 を と り,そ の 特 徴 につ いて調 べ よ。
2. 分数 式 〓にn=1,2,3,4を
3. 原点Oを
代 入 した と きの 式 を求 め よ。
焦 点,直 線x=−2を
る放 物 線 は図1.31でPH=POを
準線 と す 満 たす点
P全 体 で あ る。 この こ とを 利 用 して 極 方 程 式 を作 り,グ ラ フを描 け。 ま た,媒 介 変 数 表 示 に直 せ 。 た だ し,0.2≦t≦6.1と
す る。
図1.31
4.
中 心O(0,0),半
径1の
円 と 直 線x=tの
交 点 をA,Bと
放 物 線 上 の点P
す る と き,
あ る。
(1) t=1/2の
と き の 円Oと
直 線x=tを
た だ し,2点(a1,a2),(b1,b2)を (a1,a2)を (2)
円Oの
中 心,半
径rの
描 け。 端 点 と す る 線 分 はLine[{a1,a2},{b1,b2}]点
円 はCircle[{a1,a2},r]で
弧 と 線 分x=t>0つ
ま り 弦ABで
描 く。
囲 ま れ た 部 分 の 面 積fをtで
表せ。
〓と い う関 係 が成 り立 つ。
5. 三 角 関 数 の 間 に は 媒 介 変 数 表 示x=2/cost,y=3tantの
グ ラ フ を 描 き,双
6. あ る直 角 三 角 形 が あ り,周 の長 さが36,内
曲 線 で あ る こ とを 示 せ 。
接 円 の 半 径 が3で あ る とい う。 この三 角 形
の3辺 の長 さを 求 めよ 。 7. 次 の式 を直 して 公 式 を 作 れ 。 ただ し,Trig‐>True,Expand,PowerExpandを
(1) 8. 点(0,1)に
(2)
お け るy=exの
(3)
グ ラフ の接 線 はy=x+1で
9. 2辺 の長 さ が2,4の 長 方 形ABCDが Aか
らPま で の道 の りをxと
す る と き,APの
らPま
長 さyを 条件 を用 い て表 せ。
長 方形 上 の動 点
10. 次 の 式 を 直 して微 分 ・積 分 の 公式 を 作 れ。 (2)
あ る。 これ を図 示 せ よ。
あ り,そ の 周上 の動 点PがAか
図1.32
(1)
使 う。
(3)
で 動 く。
第2章 離 散 化 の アイ デ ア デ ー タを社 会 現 象 や 自然 現 象 を観 察 して作 り,規 則 を見 つ け関 数 や コ ー ドな ど で 表 現 す る こ と をふ つ う数 量 化 とい い,特 に離 散 的 な デ ー タ につ い て行 うこ と を離 散 化 と い う。 こ こで は,離 散 的 な デ ー タを数 量 化 し,Mathematicaで
処 理 す る方 法 を い くつ か取 り上 げ る。
2.1 数 で 表 す 現 象 を数 値 で 表 す と き,単 位 をつ けて測 定 し有 限小 数 な どで表 す。 これ を離 散 的 表 現 と も い う。 ここ で は,単 位 の表 し方 と数 の扱 い(記 数 法)に つ いて考 えよ う。
[1] 測 定 の方 法 量 を測 定 す る と き,ふ つ うあ る単 位 で 測 る。 単 位 はJISで 基 準 化 され て お り絶 対 単 位 と呼 ばれ る。 主 な単 位 と記 号 を あ げ て お こ う。 表2.1 主 な 量 と単 位 〔注1〕
ま た,各
単 位 に は 次 の 「接 頭 語 」 を つ け る。 こ こ に 例 え ば10-3は0.001を
表
す 。 表2.2 接 頭 語 の名 称 と記 号
〔注1〕JISハ
問1
ン ドブ ッ ク情 報 処 理
用 語 ・コ ー ド編
あ る コ ン ピ ュ ー タ が1回
(2)
地 球 の 質 量5,990,000,000,000,000,000ト
Mathematicaの
Mathematicaを (1)
版 よ り
次 の数 値 を接 頭 語 をつ け て 表せ 。
(1)
[2]
日 本 規 格 協 会1995年
足 し算 す る 時 間 0.00000000123秒 ン
利 用
用 い て 時 間 な ど の 量 を 表 し,単
位 の 変 換 を 行 って み よ う。
日付 と 時 刻
〔例 題1〕
現 在 の 日 付 と 時 刻 をMathematicaで
表 示 せ よ。
(2.1)
〔解 〕
現 在 の 日付 は1996年4月10日,現
在 の 時刻 は21時36分7秒
〔 例 題1〕 の 表 記 法 は国 際 的 な 規 約 に従 って い る。 な お,日
(2.2)
付 と時 刻 を 表 す に
は 次 の 方 法 が あ る 。 方 法4はJIS規
格 に 特 有 で, h08は
平 成8年
を表 す。
方 法1;19960410213607 方 法2;1996‐04‐10‐21:36:07 方 法3;1996
04
10 21:36:07
方 法4;h08,04,10,21:36=07
問2 式(2.1)でDate[−4]と
す る と ニ ュー ヨー クの時 刻 に な る。−4の 意 味 を 調 べ よ。
東京 の 時刻 を 与 え る数 字 は何 か。 (2)
角
度
表2.1で,ラ
ジ ア ン(弧
度)と
も呼 ば れ,円
の 半 径rと
弧 の 長 さlの 比 で
(2.3) と 表 さ れ る 。 例 え ば,180°
は π ラ ジ ア ン,
60°はπ/3ラ ジ アンに な る。 Mathematicaで
角 度 を利 用 す る と き は,
度 の と き に だ け 数 字 の 後 ろ にDegreeを
つ
け る。 角 度 を 利 用 し て 三 角 形 の 辺 の 長 さ を
図2.1
弧
度
求 め る こ と は測 量 の基 本 で あ る。
〔 例 題2〕
平 坦 値 で2地
詳 し く測 り,AB=1.21Kmを A,Bか
らP山
点A,Bの
距離 を
得 た 。 ま た,
を 望 み ∠PAB=75.0°,∠PB
A =101.0° を 得 た 。PA,PBを
求 め よ。
図2.2
P山 との 距 離
〔 解〕 正弦定理
(2.4)
〓
か ら,
〔注2〕
リ プ レ イ 機 能 でIn[2]のSin[101
行 し16.8し 〔注2〕
Degree]をSin[75
Degree]に
変 え て実
た が っ て,AP=17.0Km,BP=16.8Km
有 効 数 字 の 桁 数 を 表 わ す 。 有 効 桁 数 を 指 定 す る こ と に よ っ て,さ
らに 精 密 な 値 が
求 め ら れ る 。 例:N[…,100]。
問3
図2.3はA,Bの2地
点 か らQ島
だ よ う す で あ る 。AQ,BQの
を望 ん
距離 を 求 め よ。
図2.3
[3]
との 距 離
単 位 の変 換
Mathematicaを 〔 例 題3〕 (1)
Q島
用 い て単位 の変 換 を して み よ う。
次 の値 を()の チ ョ モ ラ ン マ(エ
単 位 の 値 に直 せ。 ベ レ ス ト)の 標 高 29038フ
ィ ー ト(m)
(2) 山 の手 線 の電 車 の平 均 速 度 時速76Km
(m/秒)
(3)
(ラ ジ ア ン)
〔 解〕
(1)
(2)
45度
の角 度 〔 注3〕
(3)
〔注3〕
こ の パ ッケ ー ジ は,世
界 中 で よ く使 わ れ て い る各 種 ユ ニ ッ ト(Unit:単
位)シ
ス
テ ムの 交 換 専 用 の もの で あ る。
問4
マ ラ ソ ン の 距 離42.195Kmは
[4]
何 マ イ ル か 。 ま た,xKmをyマ
イルに直す式 を作 れ。
数 の 表 示 方 法
離 散 数 学 で 扱 う数 に は次 の 数 が あ り,デ ー タを こ う した数 で表 す こと を記 数 法 と い い,必 要 な と きに これ らの 中 で 最 も適 した もの を選 ぶ。
自然数; 整数; 小数 有理数 ; 分 数; 情 報科 学 で は分 数 の こ とを有 理 数,小 数 で表 した数 の こ と を実 数 と い う。 小 数 の 表 し方 に は次 の よ うに 固定 小 数 点表 示 と浮 動 小 数 点 表 示 が あ る。
固定小数点表示; 浮動小数点表示; 〔 例 題4〕 (1)
次 の値 を固 定 小 数 点 表 示 ま た は浮 動 小 数 点 表示 で 表 せ。 一 辺 が3.65mの
正 方 形 と 半 径2.15mの
円 形 の 花 壇 を 作 っ た。 この 花 壇
の面 積 は ど れ だ け か。 (2)
金 の 原 子1個
は,一
ど入 る 。 金1cm3の は10-10mで 〔解 〕(1)
辺 が2.88オ
ン グ ス ト ロ ー ム(A)の
中 に原 子 は何 個 あ る か 。 た だ し,1オ
あ る。
3.652+2.152π=27.84(m2)
立 方 体 に ちょ う ン グ ス トロ ー ム
(2)
(2.5)
(2.6) (2.7) (2)はMathematicaで
次 の よ う に な る。 〔注4〕
特 に,式(2.5)を 式(2.6)を
式(2.6)の
形 に す る 変 形 の しか た を 正 規 化 と い う 。 ま た,
四 捨 五 入 し て 式(2.7)の
4.19に 当 た る 数 を 仮 数,19に
形 に す る こ と を 丸 め と い う。 式(2.7)で,
当 た る数 を 指 数 と い う。 表2.3 数 の処 理
浮 動 小 数 点 表 示 で は,仮 数4.19で 精度 が3桁 で あ る こ と を 表 す 。 浮 動 小 数 点 表 示 は精 度 も同 時 に示 し,大 きい数 や0に 近 い数 を表 す と き に浮 動 小 数 点 表 示 を 用 い る。 問5 次 の表 の各nに
つ いて√n+1,√nを10桁
の精 度 で 求 め,√n+1−√nの
精度 を調
べ よ 。
表2.4 桁 落 ち
表2.4の よ う に精 度 が下 が る現 象 を桁 落 ち と いい,浮 動 小 数 点 表 示 で 引 き算 を
す る と き に 起 こ る こ と が あ り,注 〔 注4〕 Mathematicaで
意 を 要 す る。
は,積 を 示 す 「*」 を 「スペ ー ス」 で 置 き換 え る こ とが で き る。
ア,数 値*数 値 イ,数 値*記 号 ウ,記 号*記 号 さ らに,数 値*記 号 の 「*」 は 省 略 も で きる。
2.2
コ ー ド化
JIS規 格 で は 数 字 や 英 文 字 の 各 文 字 に 次 の コ ー ドを 割 当 て て い る 。 こ の コ ー ド 体 系 を(句 点)JISコ
ー ド と い い,例 表2.5
JISコ
ー ド は 表2.6の
英 数 字 の コ ー ド(JISコ
よ う に2進 表2.6
え ば 「A」 は2341と
JISコ
数 と み な さ れ,こ
い う コ ー ドを も っ て い る。
ー ド)
れ を16ビ
ッ ト コ ー ド と も い う。
ー ド
注)網 部 分 はASCⅡ
問6
表2.5のJISコ
ー ドと そ の2進 表2.7
数 表 示 の 関 係 を調 べ よ。
英 数 字 の コ ー ド(ASCⅡ
コ ー ド)
コー ド
ア メ リ カ で は7桁
の2進
ASCⅡ (ア ス キ ー)コ の コ ー ドは31で,こ
数 で 英 数 字 な ど を 表2.7の
ー ドま た は8ビ の2進
よ う に 表 し,こ
ッ ト コ ー ドと い う。 こ の 表 で,例
コ ー ド は0110001に
な り,表2.6の
の コ ー ドを えば
「1」
各 コ ー ド の 下7
ビ ッ トと 同 じに な る。 表2.8
MathematicaでASCⅡ 〔 例 題5〕ASCⅡ
JISコー
ド
コ ー ドを 表 して み よ う。 コ ー ドでab12の4つ
の 英 数 字 を10進
数 に 直 せ 。 ま た,2進
16進 数 に 直 せ 。 〔 解 〕ab12を
コ ー ドの10進
数 表 示 に 直 す。
10進 数 表 示 を2進 数 表 示 に直 す 。 〔注1〕
同 じ く10進
数 を16進
数 に直 す。 〔注2〕
〔注1〕%は
直 前 の 結 果 を 表 し て い る。 こ れ を ア ン サ ー 機 能 と い う。
〔注2〕%7はOut[7]を
表 して い る。
問7
コ ー ドを10進
英 字y,zのASCⅡ
数 で,ま
た2進
数 で 表 せ。
数,
2.3 数 式 化 数 の 大小 な ど順 序 の あ るデ ー タの特 徴 を 調 べ る と き,関 数 な どの式 で 表現 で き る。 こ う した 離 散 デ ー タを モ デ ル 化 す る基 本 的 な方 法 につ いて 調 べ よ う。 [1]
昼 の長 さ の モデ ル化
昼 の 時 間 は1年 で ほ ぼ周 期 的 に繰 り返 す。1995年1月1日
か ら20日 お きに とっ
た デ ー タを もと に,昼 の長 さを 関 数 で 表 して み よ う。 〔 例 題6〕 長 さdをnの
表2.9の デ ー タを も と に,1994年12月31日
か らn日 後 の東 京 の 昼 の
式 で表 せ。 また,絶 対 誤 差 の 最 大 値 を求 め よ。 表2.9 東 京 の 昼 の 時 間
〔解 〕Mathematicaで 正 弦 曲 線 に 近 い。
点 を 次 の よ う に プ ロ ッ ト し て み る と 図2.4の
よ う に な り,
図2.4
1年365日
でn日
月22日)に
目は
東京の昼の長 さ
〓と す る。 図2.4で,周
近 い 。 そ こ で グ ラ フ を81日,左
期 の1/4が
に ず ら し た 式(2.8)を
春 分 の 日(3 た て る。
(2.8) 表2.9で,dの 期2π
差 が 最 も大 き く な るnを2ヶ
≒6.28だ
所 選 ん でa,bを
求 め る 。sinxは
周
か ら,
n=1の と き,10.98=−0.9813a+b n=181の と き,15.82=0.9887a+b
Mathematicaを
表2.9の
用 い て 連 立 方 程 式 を,精
デ ー タ は,次
度4桁
で 数 値 的 に 解 く。
の関 数 で表 せ る。
(2.9)
式(2.9)にn=1,21,41,…,361を
n=121(5月1日)で
代 入 す る と,次
表2.9の
の よ う に な る。
デ ー タ と の 差 を と る と絶 対 誤 差 が 最 大 に な り,
値 は
〓(時 間) こ れ は 約12分 〔 例 題6〕
と い うわず か な差 にな る。 で は,関
す る の に,絶
数 で 表 した モ デ ル が デ ー タ と ど の 程 度 合 っ て い る か を 確 認
対 誤 差 の 最 大 値 を 求 め た 。 こ う し た 手 続 き を モ デ ル の 評 価 と い う。
〔 注1〕ListPlotは,リ ‐> PointSize [0.01]は,ポ
問8 さdをnの
表2.10は,1995年
ス ト・デ ー タを2次
元 グ ラ フ に す る コ マ ン ドで あ る。PlotStyle
イ ン トの 表 示 サ イ ズ を大 き め にす る。
に お け る札 幌 の 昼 の 時 間 で あ る 。12月31日
式 で 表 せ 。 ま た,こ
か らn日
後 の昼 の 長
の モ デル を 評 価 せ よ。 表2.10 札 幌 の 昼 の 時 間
[2]
再 帰 関 係 の 表 現
nが 自然 数 の と き,n+1の
状 態 をnの 式 で表 す こ とが 行 わ れ る。 世 界 的 に 規
格 化 され て い る定 型 用 紙A版
の縦,横
の長 さ の関 係 につ い て調 べ よ う。
〔 例 題7〕
用 紙A版
タ を も と に,An版
の 縦,横
の 長 さ は 表2.11の
の 縦 横 とAn+1版
表2.11 A版
よ うに表 され て い る。 こ の デ ー
の縦 横 の 関係 を調 べ よ。
の縦 横
図2.5
図2.6
〔 解 〕An版
の 縦,横
Anの
A版 の 縦 横
縦横 の関係
の 長 さ を そ れ ぞ れan,bnと
す る 。 図2.6か
ら次 の 関 係 が
で き る。 →
の 関 係 か ら,an+1=bn
→の 関 係 か ら,bn+1=(an/2の 式(2.10),(2.11)の 係 を 再 帰 関 係 と い い,そ 〔 例 題7〕
よ う に,n+1の
(2.10) 小 数 を 切 り捨 て) と き の 状 態 をnの
(2.11)
ときの状態 で表 す関
の 式 を漸 化 式 と い う。
で は,an,bnと
の 再 帰 式 を 作 っ て み よ う。
い う2つ
の 変 量 が 互 い に 関 係 し 合 っ て い る 。anだ
け
〔 例 題8〕
表2.11でan+1とanの
〔 解 〕a1=p1を√2で で 割 っ た 値 をp3と
再 帰 関 係 を 求 め よ。
割 っ た 値 をp2,そ し,p3も
れ を 丸 め た 値 をa2と
す る 。p2を√2
同 様 に し て 丸 め る。
〓,小 数 以 下 を切 り捨 て る とa2=594
〓, 小 数 以 下 を 切 り捨 て る とa3=420
以 下 同 様 に し てp4,p5を
計 算 し,小 数 以 下 を 切 り 捨 て る とAn版
求 め ら れ る。 Mathematicaで
〔 注2〕Floor[x]は,xを 〔 例 題8〕
は,次
の よ う に して 縦 の 値 を 求 め る。
超 え な い最 大 の 整 数 を 出力 す る。
の 手 続 き を 模 式 化 す る と 図2.7の
図2.7
再 帰 関 係 は次 の よ うな形 式 が あ る。
よ う に な る。
再 帰 と丸 め
(2.12)
の縦 の 長 さ が
表2.12 再 帰 関 係 の型
問9 定型 用 紙B版
の縦 の長 さanと 横 の長 さbnが 表2.13の
anを 再 帰 関 係 で 表 し,Mathematicaで
よ うに な って い る。 縦 の長 さ
各 値 を求 め よ。
表2.13 B版 の縦 横
図2.8
B版 の縦 横
2.4 集 合 と行 列 順 序 を逆 に して もよ い多 数 の デ ー タにつ い て,同 一 の処 理 を した り共 通 部 分 を 考 え る と きに集 合 や行 列 で モ デ ル化 を す る。 こ う した 数学 モ デ ル作 成 の基 本 的 な 方 法 に つ い て調 べ よ う。
[1] 集 A,Bを
合
集 合 と み な し,集
合 の 計 算 法 則 を ま と め よ う。
〔 例 題9〕
次 のA,Bを
使 って次 の集 合 演 算 を表 せ 。
(2.13) (2.14) (1) 交 わ りA∩B 〔 解〕 (1)
(2) 結 びA∪B
交 わ り
式(2.13),式(2.14)のAとBに (積 集 合)に
(3) 補 集 合A
共 通 す る デ ー タ(2.15)がA,Bの
交わ り
な る。
(2.15)
図2.9
Mathematicaで
は,次
A,Bの
の よ う に し てAとBの
交 わ り
交 わ り を 求 め る。
A={0,1,2,3,4,5}; B={0,1,2,6,7,8,9}; In[16]:=Intersection[A,B] Out[16]={0,1,2} (2) A,Bの
結 び ど れ か 一 方 に あ る デ ー タ が 結 び(和
集 合)に
な る。
(2.16)
図2.10
A,Bの
結 び
(3) 補 集 合 デ ー タ 全 部 の 集 ま り を 全 体 集 合 と い い,Uで U=A∪Bの
と き,Aに
属 さ な いUの
表 す。
デ ー タ がAの
補 集 合Aに
な る。
(2.17)
補 集 合 を 求 め る と き,全 A,Bの
よ う に,順
体 集 合 が 必 要 に な る。
番 が 無 関 係 な デ ー タ の 集 ま り を 集 合 と い い,結
び や 交 わ り,
補 集 合 の 計 算 を 集 合 演 算 と い う。 Aの
要 素 の 個 数 をn(A)と
表 し,カ
ー デ ィ ナ ル ス 数 な ど と い う。
例 え ば,n(A)=6,n(B)=7,n(A∪B)=10 Mathematicaで
は,こ
れ らを 次 の よ う に す る 。
Length[A],Length[B],Length[Union[A,B]] ま た,図2.9や
図2.10の
集 合 の 考 え 方 で,問
よ う に 集 合 を 表 現 し た 図 を ベ ン(Venn)図
と い う。
題 を 解 決 し て み よ う。
問10 あ る女 子 大 学 の同 窓 会 が あ り,出 席 者36人
A:結
婚 して い る人
B:職
業 を 持 って い る人
この と き,次 の人 をA,Bを
につ いて 次 の こ とが わ か った。
→25人 →14人
用 いて 表 し,そ の 最 低 人 数 を求 め よ。
(1)共
働 き
(2)専
業主 婦
図2.11
[2]集
合 演 算
と 計 算 方 法
主 な 集 合 演 算 と そ れ ら の 表 し方,お ・結 び:Aま
た はBの
・交 わ り;A,B双
よ び 個 数 の 計 算 法 に つ い て ま と め て お こ う。
要 素 か らな る 集 合 をA
,Bの
結 び と い い,A∪Bと
方 に 入 る 要 素 か らな る 集 合 をA ,Bの
表 す。
交 わ り と い い,A∩Bで
表す。 ・要 素;3はAの
要 素 で あ る がBの
・補 集 合;U=A∪Bの ・直 積;A={1
要 素 で な い。 こ れ を3∈A
中 で ,a∈B全
,2,3},B={a,b}の
体 をBの
と き,次
,3∈Bと
補 集 合 と い い,Bで
の 集 合A×BをA,Bの
表す。
表 す。 直 積 と い う。
(2.18)
(2.19) と 表 せ る。 Mathematicaで て,A,Bの
はA={0,1,2,3,4,5},B={0,1,2,6,7,8,9},U=A∪Bに 交 わ り,結
意味
び,Aの
要 素,補
つ い
集 合 な ど を次 の よ うに表 す。
式
結果
(1)
結
び Union[A,B]
{0,1,2,3,4,5,6,7,8,9}
(2)
交 わ り Intersection[A,B]
(3)
3番
(4)
3はAの
目 の 要 素Part[A,3]ま 要 素 か?
{0,1,2} た はA[[3]]2
MemberQ[A,3]
True
(
(5) Aの
6) Aの (7)
補 集 合 Complement[U,A]
{6,7,8,9}
個数
6
Length[A]
直 積A×B
図2.12
問11 上 の(1)か
Outer[List,A,B]
図2.13
補 集 合
ら(7)を
直
積
実行 し,各 表 現 が正 しい こ とを確 認 せ よ。 た だ し,次 の 式 を
前 も って 宣 言 して お く。
(2.20)
A,Bを (1)
使 っ た 主 な リ ス ト処 理 を あ げ て お こ う 。 Aの
前 半3つ
を取 り出す
Take[A,3]={0,1,2} (2) Aの
後 半3つ
を取 り出 す
Take[A,-3]={3,4,5} (3)
Aの
後 に5を
追 加 す る
Append[A,5]={0,1,2,3,4,5,5} (4) Aの
前 に6を
追 加 す る
Prepend[A,6]={6,0,1,2,3,4,5} (5) Aの
第3番
目 の 位 置 に6を
Insert[A,6,3]={0,1,6,2,3,4,5}
追 加 す る
(6)
Aの
第3番
目の位 置 を 削 除 す る
Delete[A,3]={0,1,3,4,5} (7)
Aの3番
目 まで の 位 置 を 削 除 す る
Drop[A,3]={3,4,5} (8)
Aの
後 ろ か ら3番
目 ま で の 位 置 を 後 ろ か ら削 除 す る
Drop[A,−3]={0,1,2} (9)
Aの
Join[A,B]={0,1,2,3,4,5,0,1,2,6,7,8,9}
(10)
後 にBを
続 け る
ダ ブ リを な く す Union[{2,2,3,4,4,5}]={2,3,4,5}
(11)
リ ス ト を 要 素 と す る リ ス ト で,各
要 素 の1番
目を取 り出 す
Map[Take[#,1]&,{{1,2},{3,4},{5,6}}]={{1},{3},{5}}
(12)
{}を
(2.21)
な くす
Flatten[{{1,2},{3,4},{5,g}}]={1,2,3,4,5,6}
(13)
昇 順 に並 べ る Sort[A]={0,1,2,3,4,5}
(14)
順 序 を 入 れ替 え る Reverse[A]={5,4,3,2,1,0}
次 の(15)か
ら(18)は
(15) 定 数1を
数 学 的 な 処 理 で,数
ベ ク トル の 計 算 で も あ る 。
加え る
A+1={1,2,3,4,5,6} (16) 定 数3を
掛 ける
3A={0,3,6,9,12,15} (17)
(2.22)
要 素 毎 に加 え る
A+{0,1,2,6,7,8}={0,2,4,9,11,13} (18)
(2.23)
要 素 毎 に掛 け る A*{0,1,2,6,7,8}={0,1,4,18,28,40}
(2.24)
問12 上 の(1)か
ら(18)の
操 作 が 正 しい こ とを確 認 せ よ。
リ ス ト処 理 を 利 用 し て 問 題 を 解 決 して み よ う。
〔 例 題10〕
通 勤,普
通,特
時 と 減 加 速 度rm/s2で ま で の 時 間 に(空
急,新
幹 線 の 各 電 車 は,そ
あ る。 ま た,運
走 時 間)p秒
れ ぞ れ 次 の 初 速 度υKm/
転 士 が気 づ い てか ら ブ レー キ が作 動 す る
か か る。 表2.14 電 車 の停 止 能 力
運 転 士 が気 づ い て か ら停 止 す るま で の距離sは 次 の式 で表 され る。
(2.25) 初 速 度υ と減 加 速 度rを 式(2.26)と
す る と き,各 電 車 の 停 止 距 離sを 求 め よ。
(2.26) 〔解 〕In[20]:=v={100,110,130,240};r={1.0,1.1,1.3,0.7}; In[21]:=u=v*1000/3600.0 Out[21]:={27.7778,30.5556,36.1111,66.6667} In[22]:=u^2/2/r+2u Out[22]:={441.358,485.494,573.765,3307.95} 通 勤 は441m,普 〔例 題10〕
急 は574m,新
で 扱 っ た リ ス ト(2.26)を
数 の デ ー タを一 括 ま たMathematicaで
通 は485m,特
幹 線 は3308mで
数 ベ ク ト ル と も い う 。 数 ベ ク ト ル は,多
して 扱 う の に 便 利 な 表 現 で あ る 。 は,次
停 止 す る。
の よ う な 内 積 の 計 算 もで き る 。
{1,2,3,4}.{−2,1,3,5}=1・(−2)+2・1+3・3+4・5=29
[3]
行 列 表 現
多 数 の デ ー タが あ る と き,項 目別 に分 類 して 表 の形 に表 す こ とが あ る。 こ う し た 手続 きを デ ー タ の構 造 化 とい う。 構 造化 した デ ー タの処 理 を考 え よ う。 例 え ば,あ
る学 校 で あ る学 年 の3ク ラ ス の,各 学 期 の成 績 は次 のよ うで あ った。 表2.15 1学 期 の成 績
表2.16 2学 期 の 成 績
(2.27)
図2.14
行
列
図2.14の よ うに,表 の枠 を取 り去 り数 ベ ク トル を 何 行 か 重 ね た デ ー タ の 集 ま り を行 列 と い う。 上 の表 で は,同
じ位 置 に あ る デ ー タ同士 を足 して2で 割 れ ば1,
2学 期 の平 均 に な る。 同 じ位 置 に あ るデ ー タ同士 の足 し算 を行 列 の 加 法 と い う。
(2.28)
同 じ位 置 に あ る デ ー タ同 士 の実 数 倍 を行 列 の 実 数 倍 と い う。
(2.29)
こ う して,各 教 科 の平 均 値 が 求 め られ る。
表2.17 成 績 の平 均 値
Mathematicaで
は,リ
ス ト の リ ス トで 行 列 を 作 る 。
In[23]:=a={{6.2,7.1,5.8],{6.4,6.5,7.0},{6.6,6.8,6.6}}; MatrixFormで
行 列(2.27)と
同 じ表 現 に な る 。
In[24]:=MatrixForm[a] Out[24]=6.2
7.1 5.8
6.4 Mathematicaで
6.5
7.0
6.6 6.8
6.6
の 行 列 の 加,減,定
〔例 題11〕Mathematicaで,表2.15,表2.16の 〔解 〕
行 列a,bを
数 倍 は リ ス ト処 理 で 簡 単 に で き る 。
学 期 の平 均 値 を 求 め よ。
次 の よ う に決 め る 。
In[25]:=a={{6.2,7.1,5.8},{6.4,6.5,7.0},{6.6,6.8,6.6}};
In[26]:=b={{6.4,7.1,5.6},{6.4,6.7,6.8},{6.4,7.0,6.8}};
式(2.28),式(2.29)を
次 の よ うに して計 算 す る。
In[27]:=p=(a+b)/2
結 果 を行 列 の 形 で 表 現 す る。 In[28]:=MatrixForm[p] Out[28]=6.3
問13 表2.15,表2.16に き,1,2,3学
7.1
5.7
6.4
6.6
6.9
6.3
6.9
6.7
続 き,3学
期 の 成 績 が 表2.18,そ
期 の 成 績 の 平 均 値 を 求 め よ。
の 行 列 を 図2.15の
よ うにす ると
表2.18 3学 期 の成 績
図2.15 〔注 〕Mathematicaで
は,変
数 はa,b,x1な
3学 期 の 成 績 の 行 列
ど の 小 文 字 を 用 い,組
込 み 関 数 や 定 数E,Pi
な ど との混 同 を避 け る。
[4]
移 動 の表 現
移 動 の よ うす を数 学 的 に行 列 を用 い て表 現 してみ よ う。 (1) 経 路 A市,B町,C村
を結 ぶ 交 通 経 路 が あ る。A市
は市 内 バ ス が あ り,A市
町 を結 ぶ鉄 道 とバ ス が あ る。 ま た C村 とA市,C村
とB町
とB
を結 ぶ 交 通 経 路 は バ
ス しか な い とす る。 この と きの 経 路 は図2.16の よ うに示 され る。
図2.16
A市B町C村
の経路
点 と経 路 か らな る 図2.16を
図2.17
グ ラ フ と い い,交
通,通
信,食
2部
グ ラ フ
物 連鎖 な どを表現
す る の に 使 う 。 グ ラ フ で 点 を 頂 点,ABな
ど の 経 路 を 辺 と も い う 。A市
路 の よ う な 経 路 を ル ー プ と い う。 ま た,こ
の 関 係 を 時 間 的 な 推 移 で 見 る と 図2.17
の よ う に な り,こ
れ を2部
グ ラ フ と い う。 図2.16で
はA→A,A→B,A→Cの
経 路 の 本 数 が そ れ ぞ れ1,2,1で
あ る 。 こ う し た 関 係 は 表2.19の
れ,そ
よ う な 行 列 が で き,こ
の 枠 を 取 り去 る と 図2.18の
の循環 経
形 にま とめ ら
れ を 隣 接 行 列 と い う。
表2.19 経 路 の本 数
図2.18
問14 次 の グ ラ フはA市,B市,C町
隣 接 行 列
のバ スの 路線 を 表 して い る。 これ を 行列 で 表 せ。
図2.19
(2)
方 向 つ き経 路
あ る 公 園 で は,入
図2.20
り 口Aか
ら 出 口Cま
有向グ ラフ
で の 経 路 が 図2.20の
図2.21
よ う に な っ て い る。
隣 接 行 列2
一 方 向 だ け の経 路 を含 む グ ラ フを有 向 グ ラ フ と い う。 図2.20の 行 列 で図2.21の よ うに表 す こ とが で き る。 行 列 の第i行j列
有 向 グ ラフ も
の数 を第ij成 分 と い
う。 図2.16の
よ う に,向
ij 成 分 と第ji成 〔 例 題12〕
き が な い グ ラ フ を 無 向 グ ラ フ と い い,無
分 の 値 は 同 じに な る。
次 の 行 列 に 対 す る グ ラ フ を 求 め,ル
図2.22
〔 解〕
こ の 行 列 の グ ラ フ は 図2.23の
図2.23
図2.23か
向 グラフの第
ら,ル
ー プ と両 方 向 の経 路 を調 べ よ。
隣 接 行 列2
よ う に な る。
行 列 か ら作 る グ ラ フ
ー プ の あ る頂 点 はA,両
方 向 の 経 路 はABとACで
問15 次 の 各 隣 接 行 列 を グ ラフで 表 した と き に,ル ー プ の あ る頂 点,お
あ る。
よ び両 方 向 の経 路
を 調 べ よ。
(2)
(1)
(2)
2回 の 経 路 A→B→A,B→A→Cの
よ う に,2回
の 経 路 で 目 的 地 に 行 く経 路 の 本 数 を 数
え よ う。 そ れ に は,図2.17の2部
グ ラ フ を2回
重 ね れ ば よ い。
図2.24
〔 例 題13〕
図2.24を
参 考 に して,2回
2回 た ど る 経 路
た ど る経 路 の 推 移 行 列 を 求 め よ 。
〔 解1〕 A→Aは1・1+2・2+1・1,A→Bは1・2+2・0+1・1,A→Cは1・1+2・1+ 1・0 他 の 経 路 も 同 様 に し て 求 め ら れ る。 そ の 隣 接 行 列 は 次 の よ う に な る 。
(2.30)
〔解2〕
行 列 の積 を用 い る。 In[31]:=MatrixPower[a,2]//MatrixForm Out[32]=6
3 3 3 5 2 3 2 2
問16
図2.24を
参 考 に して 図2.16の
経 路 を3回
た ど る 経 路 の 本 数 を 行 列 で 表 現 せ よ。
式(2.30)か
ら,行
列 の積 は次 の よ うに作 られ る。
(2.31)
練 習問題 1. 地 球上 で,夜 明 け は昼 と夜 の境 界 で あ り,一 定 の 速 度 で 東 に移 って い く。 地 球 の 赤 道 半 径 を6378Kmと
した と き,赤 道 上 の夜 明 け の 速度 は 毎 時何Kmに
な るか 。 ま た,毎
秒 何 メ ー トル に な るか。 2. 7進 法 で 書 く と43で あ る数 は,5か
ら9の 何 進 法 で書 く と位 の数 が入 れ替 わ るか 。
3. 120人 の 生 徒 が,英 語,数 学,国 語 の試 験 を受 け,50点 56(人)で
あ った とい う。 ま た,す べ て の試 験 が50点
の 試 験 が50点
以 上 の生 徒 が33人
以 上 の人 数 は それ ぞれ55,60,
未満 の生 徒 が25人,ど
れ か1つ
で あ った。 この と き,す べ て の 試 験 で50点
以 上 とっ
た 生 徒 は何 人 い る か。 4. 五 線 譜 の 中間 に あ る ラ の 音 の 周 波 数 は440MHzで (下)の
周 波 数hn(n=−4,−3,…,4)を 帰 関 係 で,ま 図2.25は
と き,こ C,Dと
れ よ りnオ
ク タ ー ブ上
周 波 数 は次 の よ うに な って い る。 表2.20
5.
あ り,そ
たnの
ラの 音 の 周 波 数
プ ロ ッ ト して 関 数 の よ う す を 調 べ よ 。 ま た,hnを
食 物 連 鎖 の グ ラ フ で あ る 。 例 え ば 猫 が ネ ズ ミ を 食 物 と す る こ と を1で の グ ラ フ を 行 列 で 表 現 せ よ 。 た だ し,猫,鼠,ト
す る。
再
式 で 表 せ。
カ ゲ,昆
表 す
虫 を そ れ ぞ れA,B,
図2.25
6. 次 の 図 は,A,B,C,D4地
食物連鎖
点 の経 路 の 方 向 と本 数 を示 す 有 向 グ ラ フ で あ る。 こ の グ ラ
フを 行 列 で 表 現 し,経 路 を ち ょ うど2回 経 由 す る グ ラ フの 行 列 を 求 め よ。
図2.26
第3章 数 え上 げの方法 もの の 個 数 を数 え る方 法 を調 べ,数 学 的 に ま と め よ う。 ま と め た もの は組 合 せ 論 と 呼 ば れ る分 野 に な る。 〔 注 〕3章
以 降 は,Mathematicaに
現 れ るIn[]:=お
よ びOut[]=を
省 略 す る。
3.1 い ろ い ろ な 数 え 方 数 え 方 の問 題 は,主 な もの に,数 に結 びつ け る問 題,順 列 ・組 合 せ の問 題,多 項 式 の係 数 の問 題 な どが あ り,数 え上 げ を探 求 す る と きの基 本 的 な思 考 の道 具 に な って い る。 [1]
兵 士 と 石(1対1対
応)
ジ ンギ ス カ ンが ヨー ロ ッパ を征 服 す る途 上,パ
ミー ル高 原 の あ る峠 を越 え る と
き,兵 士 一 人 に一 個 小 石 を持 た せ,峠 に置 か せ て兵 士 の人 数 を数 え,1年
後,遠
征 の 帰 路 に同 じ峠 を通 った と きに,積 ん で あ った小 石 を持 た せ,不 帰 の兵 士 の人 数 を 数 え た と い う記 録 が,ヘ デ ィ ンの 中央 ア ジア探 検 記 に あ る。 〔 例 題1〕
前 述 の記 録 で,ジ
帰 り に残 っ た小 石 が2465で
ンギ ス カ ンの兵 士 が 行 きに小 石 を1万2000個
積 み,
あ った とい う。 何 人 の兵 士 が モ ン ゴ ル に帰 っ た こ と
に な るか 。 〔解 〕12000−2465=9535(人)
図3.1
峠 に 積 ん だ 小石
〔 例 題1〕 で は,兵 士 を 小石 に対 応 させ て そ の 人 数 を 数 え た こ と に な る。 こ う した や りか た を 兵 士 と小 石 との1対1対
応 と い う。 数 を知 らな い古代 の羊飼 いが,
朝 羊 を放 す と き に石 を 対 応 させ,夕 方 に 羊 の 分 だ け石 を除 いて 迷 った羊 を数 え た 方 法 も これ と同 じで あ る。1対1対
応 で う ま く数 え るや り方 は 〔例題20〕 の 重 複
組 合 せ で も利 用 し,こ う した方 法 を 組合 せ論 的 方 法 と い う。 問1 次 の ものを数え る方 法をあげよ。 (a) あ る学校 の 自転 車通学 する人数 (b) 夏 の甲子 園47校 で行 う野球 の トーナメ ン ト戦 の試合数 [2]
指 で 数 え る(積
の 法 則)
もの を数 え や す くす るた め に,身 近 な もの を使 った り,ま とめ て数 え るな ど数 え方 を工 夫 す る こ とが あ る。 そ の典 型 例 と して,指 を 使 った 数 え 方 を 調 べ よ う。 〔 例 題2〕
片 手 の 指 を使 い,ど
〔 解 〕 指 の数,そ
う数 え れ ば,い
ろ ば ん の や りか た,2進
くつ まで 数 え られ るか調 べ よ。
数 で 調 べ る。
(a) 指 の 本数 を数 え る と5ま で 数 え られ る。 (b) そ ろ ば ん の数 え方 で は9ま で 数 え られ る。 (c) 図3.2の よ うに数 え る と各 指 の使 い方 は2通 2×2×2×2×2=32通
りず つ あ る ので,
り数 え られ る。
図3.2で 指 を全 部 広 げ た と き0と す る と き31ま で数 え られ る。
図3.2
(c)の
片手の数え方
数 え 方 が 最 大 で あ る 。(c)は2進
法 で 数 え て い る。
問2 両 手 の指 を使 って数 を数 え る の に,図3.2の
よ うな2進 法 で は い くつ ま で 数 え られ
るか 。 ま た,蛙 の 前 足4本 ず つ で い くつ まで 数 え られ るか。 片 手 の 各 指 の 使 い 方 は,互
い に 無 関 係 に2通
りず つ 数 え る(図3.3)。
こ う した
数 え 方 を 積 の 法 則 と い う。 小 指 薬 指 中 指 人 差 し指
親指
2×2×2×2×2=32(通
り)
図3.3
積 の 法 則;Aの
起 こ る 場 合 がm通
の と き,A,Bの
〔 例 題3〕
集 合A={1,2,3,4}に
指 の 使 い方
り,各
場 合 に 対 しBの
起 こ る場 合 はm×n通
は,空
起 こ る 場 合 がn通
りあ る。
集 合 φ={},{1},{3,4},A自
の 部 分 集 合 が で き る 。 そ れ は 全 部 で い くつ あ る か 。 〔 解 〕1,2,3,4を,次
の 例 の よ う に し て5桁
り
以 下 の 数 字 に 置 き 換 え る。
身 な ど
例 え ば,{4,3,1}→1413011 {2,3,4}→0111 A={1,2,3,4}→1111 空 集 合 φ={}→0000 そ の 個 数 は,2進
数 で0か
の 個 数 だ か ら,16通
りあ る。
〔 例 題3〕
ら1111ま
で は 部 分 集 合 を2進
で
数 に1対
図3.4
部分集合
1対 応 さ せ て 数 え た 。 こ れ も組 合 せ 論 的 な 考 え 方 の例 で あ る。 問3 東 京― そ れ ぞ れ8社
香 港,香
港―
と6社 が,東 京―
バ ンコクに は バ ンコ ク の 直
行 便 に は5社 が乗 り入 れ て い る。 この と き,次 の 問 い に答 え よ。 (a) 東 京―
バ ン コ クの片 道 切 符 の買 い 方
は何 通 りあ る か。 (b) 最 も安 い切 符 を 買 い たい。何 回の チ ェ ッ ク で わ か るか。 図3.5
問4 あ る人 が,3着
飛 行 機 の乗 り入 れ
の コ ー トと4着 の セ ー タ ー を持 って い る と き,次 の 方 法 は何 通 りあ る
か。 (a)
コー トとセ ー タ ーの 組 合 せ の方 法
(b)
コー トとセ ー タ ーの 一 方 だ けを着 る と きの方 法
[3]
分 類 し て 数 え る(和
の 法 則)
デ ー タの 個 数 を 数 えて 全 体 の よ うす を 知 る場 合,何 か の 指 標 で 分 類 して 調 べ る こ とが あ る。 こ う した方 法 は,後 の 確 率 や 統 計 の 探 求 活 動 につ なが る。 〔 例 題4〕
あ る学 校 の生 徒 の血 液 型 は次 の よ うで あ った。 調 べ た生徒 数 は何人 か。
A型51人,B型23人,AB型12人,O型42人,不
明な し
〔 解 〕 全 体 を調 べ た生 徒 をU,そ
の 人数 をn(U)と
表 せ ば,
n(U)=51+23+12+42=128人 〔 例 題4〕
で は,表3.1の
よ う に 全 体 をA,B,AB,Oで
れ ぞ れ の 型 の 人 数 をn(A),n(B),n(AB),n(O)と
重 複 な く分 類 で き る 。 そ 表 せ ば,次
の 式 が 成 り立 つ 。
(3.1) 表3.1 血 液 型 の 人 数
次 に,重 複 した 分 類 を行 っ た場 合 につ いて 考 え よ う。 〔 例 題5〕 (a) (b)
あ る 用 紙1000枚 A:キ
ズ が あ る;11枚,B:厚
(a)に
加 えC:材
質 不 良;2枚,キ 〔 解 〕(a)
の 不 良 品 が 次 の よ うに な った。 各 不 良 枚 数 を求 め よ 。 み 不 足 ;6枚,キ
質 不 良;4枚,キ
ズ が あ り厚 み 不 足;4枚
ズ あ り材 質 不 良;2枚,厚
み不 足材
ズ あ り 厚 み 不 足 材 質 不 良;1枚
キ ズ が あ り厚 み 不 足 はA∩Bだ
不 良 品 の 枚 数 は,図3.6か
か ら,
ら (3.2)
[枚] (b)材
質 不 良 をCと
す れ ば,
不 良 品 の 枚 数 は,図3.7か
ら,
(3.3)
[枚]
図3.6
式(3.2),式(3.3)を,数
図3.7
え 上 げ にお け る和 の 法 則 とい う。
問5 40人 の生 徒 に第1問;5点,第2問;3点,第3問;1点
の小 テ ス トを 行 い,表3.2
の よ うに な った。1問 だ け正 解,お よ び 第3問 正 解 の人 数 を そ れ ぞ れ求 め よ。 表3.2 数 学 の 得 点
問6 1か ら100ま での 自然数の中で次の数 の個数 を求 めよ。 (a) 2,3,7の どれで も割 り切れ る数 (b) 2,3,7の どれかで割 り切 れる数 問5は 重 複 が な い分 類 の例 で,問6は [4]
必 要 な も の を 数 え る(鳩
暦 の計 算 を す るた め に考 え られ て きた。 の 巣 原 理)
学 校 にパ ソ コ ンを 入 れ る と き,生 徒 の人 数 分 だ け入 れ る必 要 は な い。 それ は, 主 に,全 ク ラス 同時 に使 う こ とが な い た め で あ る。 こ う した場 合 の個 数 と組 合 せ 方 の問 題 を解 決 しよ う。 そ の原 理 を探 る と鳩 の巣 原 理 に た ど りつ く。 〔 例 題6〕
あ る学 校 で は最 大3台 の パ ソ コ ンが 同時 に プ リン タを使 うだ け で あ る
と い う。10台 のパ ソ コ ン と3台 の プ リン タを購 入 し,パ
ソ コ ンと プ リ ン タ を 直
接 つ な ぐシ ス テ ム を構 築 す るに は,各 プ リ ンタ にパ ソ コ ンを最 低 何 台 ず つ つ な げ ば よ いか。
図3.8
パ ソ コ ン とプ リン タ の接 続
〔 解 〕 次 の 手 順 で 考 え る。 ① あ る プ リ ン タ に7台
以 下 の パ ソ コ ンを つ な ぐ と す れ ば,3台
こ の プ リ ン タ と つ な が っ て い な い 。 こ の3台 を 要 求 し た と き,残 ゆ え に,各 ② 逆 に,各
り の2台
プ リ ン タ に8台 プ リ ン タ に 表3.3の
以 上 の パ ソ コ ンが
以上 のパ ソ コ ンが 同時 に プ リン タ
の プ リ ンタで は処理 が で きな い。
以 上 の パ ソ コ ン を つ な ぐ必 要 が あ る 。 よ う に8台
ず つ つ な げ ば,ど
要 求 し て も対 応 で き る。 こ こ に ○ は つ な が り,×
の3台
が プ リ ン タを
は つ な が って い な い こ と を
示 す。 ③ した が っ て8台
ず つ パ ソ コ ンを つ な げ ば よ い 。 表3.3 プ リ ン タ とパ ソ コ ンの接 続 例
〔 例 題6〕 と も2台
で は,3台
の パ ソ コ ン に2台
の パ ソ コ ンが1台
の プ リ ン タ を つ な ぐ と,そ
の中で少 な く
の プ リ ン タ を 同 時 に 使 う こ と に な る。 こ れ を 鳩 の 巣 原
理 〔 注1〕 と い う。 〔 注1〕
鳩 の巣 原 理
n個 の 巣 に(n+1)羽
の鳩 が 入 る と き,少 な くと も2羽 の鳩 が 同 じ巣 に入 る。
図3.9
問7〔
例 題6〕 で10台
鳩の巣原理
の パ ソ コ ンと4台 の プ リンタ が あ り,同 時 に4台
の パ ソ コ ンが プ
リ ン タを要 求 す る条 件 の と き,プ リ ンタ とパ ソ コ ンを 接 続 す るケ ー ブル は最 低 何 本 必要 か。 5台 の プ リ ン タが あ り,同 時 に5台 のパ ソコ ンが プ リン タを要 求 す る場 合 は ど うか。
3.2 順 列 も の や デ ー タ を 並 べ る方 法 お よ び 並 べ た 個 数 に つ い て 調 べ よ う。
[1]
辞 書 式
に 並 べ る
Mathematicaで 〔 例 題7〕
デ ー タ を 昇 順 に 並 べ る手 順 に つ い て 考 え よ う。
数1,2,4,5を
す べ て 使 っ て4桁
の 数 字 を 作 り,こ
れ を 小 さ い順 に 並 べ
よ。 〔 解 〕4桁
の 数 を 小 さ い 順 に 並 べ る と表3.4の 表3.4
表3.4の
よ う に な る。
順列
並 べ 方 を 昇 順 に 並 べ る と い い 各 数 そ れ ぞ れ を 順 列(Permutation)と
い う。 Mathematicaで で 表3.4の
は,Permutations[{1,2,4,5}]
順 列 を す べ て 表 す 。 こ こ で,例
1→4,2→5,4→2,5→1と
え ば4521は
図3.10の
あ み だ く じで
い う置 き 換 え と 考 え る こ と も で き,こ れ を 置 換 と い う。
図3.10
一 方,a,b,cと
あ み だ く じの 置 換
い う文 字 に つ い て,Permutations[{a,b,c}]で
べ た デ ー タ は次 の よ う に6個
こ の3つ
を並
の 順 列 に な る。 こ の 並 べ 方 の 順 序 を 辞 書 式 順 序 と い
う。
(3.4) 問8 あ る人 が,奈 良,京 都,大 阪,和 歌 山 に行 く こと に な っ た。 そ れ ぞ れ をN,K,O,W と す る と き,訪 問 の仕 方 を辞 書 式 に並 べ,そ
[2]
の個 数 を調 べ よ。
樹 形 図 で数 え る
順 列(3.4)を
図3.11の よ うに 並 べ る と順列 を もれ な く表 す こと が で き る。 こ
の形 を樹 形 図 とい う。
図3.11
図3.11で,① ぞ れ に1個
は3本
あ り,②
樹
形
図
は ① の そ れ ぞ れ に つ い て2個,③
は ② の それ
ず つ あ る 。 積 の 法 則 か ら次 の 式 が 成 り立 つ。
(3.5)
〔 例 題8〕a,b,c,d,e,fの6都 個 数6P3を
の
求 め よ。
図3.12
〔解 〕
市 か ら3都 市 を 選 ん で 巡 回 す る 方 法 を 調 べ,そ
6都 市 の 巡 回
巡 回a→b→c→aはabcと
図3.13
表 せ,そ
で 並 べ る 順 列 全 体 の 個 数 と 同 じ く,図3.13か
6個 か ら3個 選 ぶ 樹 形 図
の 個 数 はa,b,c,d,e,fか ら120通
ら3つ
選 ん
り にな る。
(3.6) 問9 奈 良,京 都,大 阪,和 歌 山 をN,K,O,Wと
す る と き,こ こか ら2市 を選 ん で訪 問 す
る方 法 をす べ て あ げ,そ の 個 数 を 求 め よ。 n個
の 異 な る も の か らr個 取 り 出 し て 並 べ る順 列 の 個 数nPrは
次 の よ うに 表 さ
れ る。
(3.7)( 3.8)
Mathematicaで
〔 例 題9〕30人
は,式(3.8)を
用 い て順 列 の個 数 を求 め る ことが で きる。
の ク ラ ス の 中 か ら10人
を 選 ん で 並 べ る 方 法,25人
る方 法 を そ れ ぞ れ 求 め よ 。 〔 解 〕 式(3.8)n=30とr=10お 30!/(30−10)! 109027350432000
よ びr=25を
代 入 す る。
を選 ん で 並 べ
30!/5!
2210440498434925488635904000000
順 列 の 個 数nPrは,n値
が 大 き く な る と 急 激 に 大 き く な る 。Mathematicaは
そ
れ ら を 正 確 に 表 示 す る こ と が で き る。
問10
次 の個 数 を求 め よ。
(a)
1,3,5,7,9の
(b)
メ ンバ ー が15人
(c)
い ろ は48文
[3]
順
列
数 字 で 作 る3桁
を 作
記 を選 ぶ 方 法
る
の 個 数 を 調 べ よ う。
全 部 並 べ た 順 列,お
Mathematicaで
議 長,書
字 を選 ん で 並 べ る方 法
順 列 を 作 り,そ
〔例 題10〕a,b,c,dを
よ び そ こ か ら2個
選 ん で並 べ た順 列 を
作 って各 個 数 を求 め よ。
〔解 〕a,b,c,dを
全 部 並 べ た 順 列sと
そ の 個 数 は 次 の よ う に して で き る。
s=Permutations[{a,b,c,d}]
{{a,b,c,d},{a,b,d,c},{a,c,b,d},{a,c,d,b},{a,d,b,c},
{a,d,c,b},{b,a,c,d},{b,a,d,c},{b,c,a,d},{b,c,d,a},
{b,d,a,c},{b,d,c,a},{c,a,b,d},{c,a,d,b},{c,b,a,d},
{c,b,d,a},{c,d,a,b},{c,d,b,a},{d,a,b,c},{d,a,c,b},
{d,b,a,c},{d,b,c,a},{d,c,a,b},{d,c,b,a}}
Length[s]〔
24
注1〕
の 順 列 は,順
列 の 前 半2個 Lengthで
の 委 員 会 で 議 長,副
字 か ら5,7,5の17文
Mathematicaで
2個
の整 数 の個 数
列 の 集 ま りsに
の デ ー タ を取
つ い て,Map[Take[#,2]&,s]でsの
り 上 げUnionで
求 め る。 s=Permutations[{a,b,c,d}]; t=Map〔 u=Union[t]
注2〕[Take[#,2]〔
注3〕 &,s];
重 複 を 除
く 。 ま た,順
各 順 列 の 個 数 を
{{a,b},{a,c},{a,d},{b,a},{b,c},{b,d},{c,a},{c,b},{c,d},
{d,a},{d,b},{d,c}}
Length[u]
12
〔注1〕Length[リ
ス ト]は,リ
〔注2〕Map[関 け て,リ
数f,{1s1,1s2,…}]は,関
ス ト{f[1s1],f[1s2],…}を
〔注3〕Take[#,2]&は,目
問11
[4]
ス トの 中 の 要 素 の 数 を 数 え る。
1,3,5,7,9の
重
複
数fを
標 と さ れ て い る リ ス トの 前 の2項
数 字 か ら と っ た2桁
順
リ ス ト{1s1,1s2,…}の
各 要素 にか
結 果 と して 出力 す る。
の 数 をMathematicaで
を 取 り上 げて 出 力 す る。
作 り,そ
の個 数 を求 め よ。
列
い く つ か の も の を 重 複 し て 使 っ て 並 べ る 順 列 を 重 複 順 列 と い う 。Mathematica で 重 複 順 列 を 作 り,そ
〔例 題11〕
の 個数 を求 め よ う。
ト ラ ン プ52枚
〔解 〕 ハ ー トa,ダ
か ら3枚
イ ヤb,ス
選 ん で 並 べ た と き,並
ペ ー ド c,キ
ン グdの
べ 方 と個 数 を求 め よ。
並 べ 方 は 次 の よ う に な る。
aaa,aab,aac,aad,aba,abb,abc,abd,aca,acb,acc,acd,ada,adb,adc,add baa,bab,bac,bad,bba,bbb,bbc,bbd,bca,bcb,bcc,bcd,bda,bdb,bdc,bdd caa,cab,cac,cad,cba,cbb,cbc,cbd,cca,ccb,ccc,ccd,cda,cdb,cdc,cdd daa,dab,dac,dad,dba,dbb,dbc,dbd,dca,dcb,dcc,dcd,dda,ddb,ddc,ddd
図3.14
カ ー ド3枚 の 順 列
積 の法 則 を使 って その 個 数 を求 め る。 1,2,3枚 目の選 び方 は互 い に無 関係 だ か ら, 4×4×4=64[通 り]
(3.9)
こ う し た 並 べ 方 を 重 複 順 列 と い う。 問12 次 の個 数 を求 め よ。 (a) (a+b)(c+d+e)を
展 開 した と きの 項 の 個 数
(b) 0,1,2を 何 回使 って もよ い と き で き る3桁 の数 の個 数
〔 例 題12〕
ハ ー トの 札 を3枚,ダ
図3.15
〔解 〕
ハ ー トaを3枚,ダ
イ ヤ の 札 を2枚
ハ ー ト3枚
イ ヤbを2枚
並 べ る方 法 と そ の個 数 を求 め よ 。
ダ イヤ2枚
の 順列
辞 書 式 の 順 序 に 並 べ る と 次 の よ う に な る。
p=Permutations[{a,a,a,b,b}] {{a,a,a,b,b},{a,a,b,a,b},{a,a,b,b,a},{a,b,a,a,b}, {a,b,a,b,a},{a,b,b,a,a},{b,a,a,a,b},{b,a,a,b,a}, {b,a,b,a,a},{b,b,a,a,a}} Length[p] 10 〔例 題12〕
の 数 え 方 は次 の よ う に 考 え る。
①a3枚,b2枚
が み な 区 別 で き る と しa1,a2,a3,b1,b2と
順 列 の 個 数5!通 ②
し か し,実
a1,a2,a3の b1,b2の
す る。 これ らを 並 べ る と
りに な る。
際 に は 区 別 で き な い。 並 べ 方3!=6通
並 べ 方 も2!=2通
り が 重 複 す る(図3.16)。 り が 重 複 す る(図3.17)。
③ 重 複 の 個 数 を 除 く。
(3.10)
図3.17 図3.16
ダイヤのダブ リ
ハ ー トの ダ ブ リ
同 じ もの の重 複 を許 して並 べ る方 法 は次 の式 で表 す こ とがで きる。
重複 順列1
;a1,a2,a3,…,anか
ら合 わ せ てr個 選 び,重
複 を 許 して 並 べ る 方 法 は ,
nr通 り
(3.11)
重複順列2 ;aをm個bをn個
並 べ る方 法 は,
通り
(3.12)
問13 ハ ー トと ダ イ ヤの だ け の札 で,次 の 方 法 の 個 数 を 求 め よ。 (a) ハ ー ト7枚,ダ
イ ヤ6枚 を 並 べ る方 法
(b) ハ ー トと ダ イ ヤ合 わ せ て13枚
を並 べ る方 法 。
これ まで に示 した考 え 方 で 問 題 を 解 いて み よ う。
〔例 題13〕aを3つ,bを2つ,cを2つ 〔解1〕Mathematicaで
並 べ る重 複 順 列 と その 個 数 を求 め よ。 順 列 を 作 り,そ
の個 数 を求 め る。
s=Permutations[{a,a,a,b,b,c,c}]; Length[Union[s]] 210
〔 解2〕Mathematicaの
多重 順 列 の 式 で 求 め る。
Multinominal[3,2,2]
(3.13)
210 〔 解3〕
〔 例 題12〕
の 考 え 方 ① ② ③ で 求 め る。
①a3つ,b2つ,c2つ
が 区 別 で き る と す れ ば,順
列 は(3+2+2)!通
り あ る。 ②a3つ,b2つ,c2つ
は 区 別 で き な い の で3!2!2!通
③ こ の 順列 の個 数 は〓
り ず つ 重 複 す る。
[通 り]
重 複 順 列 の 個 数 に な る典 型 的 な 問 題 を あ げ て お こ う。 こ れ ら の 問 題 も 考 え 方 ① ② ③ で 解 決 す る ことが で きる。
問14 次 の 数 を,ヒ (a) 図3.18の
ン トを もと に して 求 め よ。 よ う に,碁 盤 の 目状 の 街路 が あ る。Aか
らBに
行 く最 短 経 路 は何 通 り
あ るか。 ヒ ン ト;縦1区 (b) (x+y)11の
画 をa,横1区
画 をbと す る。
展 開式 でx4y7の 係 数 を 求 め よ。
ヒ ン ト;(x1+y1)(x2+y2)(x3+y3)…(x11+y11)の
係 数 を 考 え る。
図3.18
問15 次 の個 数 を 求 め よ。 (a)
モ ー ル ス信 号 ・と−5つ
で何 通 りの信 号 が で き るか 。
(b) 16進 数 の4桁 の最 大 の数 は10進 数 で い くつ か。
3.3 組 合 せ n個 の 異 な る ものか らr個 取 り出 す組 合 せ とそ の個 数 に つ い て 調 べ よ う。 [1]
組 合 せ の 個 数
い ま,人 口 な どの 調査 の ためa,b,c,d,e,f の6都 市 か ら3都 市 を選 ぶ ことにな っ た と しよ う。 表3.5の20通
りの 中 か ら選 べ る。
表3.5 3個 と る組 合 せ
〔 例 題14〕a,b,c,d,e,fか 〔 解1〕
ら3つ
選 ぶ 方 法 と そ の 個 数 を 求 め よ。
樹 形 図 で 調 べ る と次 の よ う に な り,そ
図3.19
〔 解2〕a,b,c,d,e,fか こ こ で,例
え ばabcと
abc acb bac bca 他 の 場 合 も 同 様 に3!通 ,b,c,d,e,fか
の 個 数 は20通
り。
組み合せ の樹形図
ら3つ 選 ん で 並 べ る方 法 の 個 数 は6P3=120通 い う組 合 せ を 選 ぶ と き,そ cab
の 順 列 は 次 の6通
り。 りあ る。
cba
り ず つ あ る。a
ら3つ 選 ん で 並 べ る 方 法 の 個 数 は [通 り]
〔 解3〕Mathematicaで,組
(3.14)
合 せ の 関 数 を 使 う。
Binomial[6,3]
20
n 個 の 異 な る も の か らr(≦n)個
を選 ぶ 組 合 せ の個 数 は
(3.15) 次 に,組 合 せ の 個 数 の 典 型 的 な 問題 を取 り上 げ て み よ う。
〔例 題15〕a,b,c,d,e,fを
頂 点 と す る 凸 六 角 形 の 辺 お よ び 対 角 線 は何 本 あ る か 。
図3.20
〔 解 〕 辺 お よび 対 角 線 は,6個
凸六角形
の デ ー タか ら2個 選 ぶ 組 合 せ だ か ら,そ の 個数 は,
[通 り]
問16 凸8角 形 か ら三 角 形 は何 個 で き るか 。 また,そ の 中 で3辺
と も この8角 形 の 辺 を 共
有 しな い もの は何 通 りあ るか。
組 合 せ の 個 数 を 求 め る 問 題 で,選
〔 例 題16〕6を4個 〔解1〕6を
ぶ も の に 着 目 し て 解 決 し て み よ う。
の 自然数 の和 で表 せ。
大 き い 自 然 数 の 順 に 並 べ る と3+1+1+1,2+2+1+1の
パ ター
ンが あ る 。 各 場 合 の 個 数 を 求 め る 。 3+1+1+1の
形 の 和 は 次 の よ う に な り,そ
の 個 数 は4!/3!=4通
り。
3+1+1+1,1+3+1+1,1+1+3+1,1+1+1+3 2+2+1+1の
形 の 和 は,2と1を2つ
通 り で き る。 全 部 で4+6=10通 〔 解2〕6を1の
ず つ 並 べ る重 複 順 列 だ か ら,
りあ る。
和 と す れ ば6=1+1+1+1+1+1で5つ
例1;3+1+1+1は(1+1+1)+1+1+1で5つ
の+が の+か
あ る。 ら3個
の+を
選 ん で い る。
例2;1+2+2+1は1+(1+1)+(1+1)+1で5つ
の+か
ら3個
の+
を選 ん で い る。 し た が っ て,全
部 で5C3=10通
り あ る。
〔 例 題16〕
の 問 題 を 整 数 の 分 割 問 題 と い い,こ
問17 7を4個
の 自然 数 の和 で表 す方 法 は何 通 りあ る か。ま た,1と+の
maticaで
[2]
の 他 に も 多 数 の 変 形 問 題 が あ る。
各 組合 せ をMathe
作れ。
組 合 せ を 作 る
Mathematicaで
組 合 せ を 作 ろ う 。 こ の 考 え 方 を 構 成 的 組 合 せ 論 と い う。
〔 例 題17〕a,b,c,d,e,fか
ら3個 選 ぶ 組 合 せ をMathematicaで
作 りその個数 を
求 め よ。 〔解 〕a,b,c,d,e,fか &,s]]で
問18 nCrの
ら3個 選 ん で 並 べ る 順 列 を 作 り,各
辞 書 式 に 並 べ 直 し,Unionで
1,3,5,7,9か
ら3個
〔例 題18〕nCrの
重 複 を 除 い て 求 め る。
を 選 ぶ 組 合 せ をMathematicaで
値 の 表 をMathematicaで
作 り,そ
の個 数 を 求 め よ。
作 ろ う。
表 をn=1,2,3,4,5,6,r=0,1,…,nに
〔解 〕MathematicaでBinomial[n,r]を
順 列 をMap[Sort[#]
つ い て作 れ。 用 い る。
(3.16)
図3.21
図3.21を
パ ス カ ル の三 角 形
パ ス カ ル の 三 角 形 と い い,パ
ス カ ル が 再 帰 関 係 を 探 っ て 明 らか に し
た 。
問19
次 の こ と が 成 り 立 つ こ と を,指
(a)
nCr=nCn-r,n=5,r=0,1,…,5
(b)
nCr+nCr+1=n+1Cr+1,n=5,r=0,1,…,5
[3]
定 し たnとrに
つ い て示 せ。
重 複 組 合 せ
い くつ か の もの を 重 複 して 選 ぶ 方 法 を 重 複 組 合 せ とい う。 例 え ば,5つ 5H3は,次
の 文 字 か ら重 複 を許 して3つ 選 ぶ重 複 組 合 せ の個 数 を5H3と 表 す。
の よ うに して求 め られ る。
〔 例 題19〕a,b,c,d,eか 〔 解 〕5つ
の文 字 を ○,異
ら重 複 を許 して3個 選 ぶ 重 複 組 合 せ の個 数 を数 え よ。 な る文 字 の境 界 を│で,最
も左 の ○ をaと
し次 の│
の す ぐ右 をb… … と表 せ ば,各 場 合 は次 の よ う に表 せ る。
図3.22
図3.22の
対 応 に よ っ て,5H3個
重 復 組 合 せ と○│の 対 応
の す べ て の 組 合 せ が3個
の ○ と4個
の│の
重
複 順 列 で 表 せ るか ら,1対1の
対 応 が で き,
〓つ ま り7C3=35個
に な る。
一 般 に次 の式 が成 り立 つ。
(3.17) 問20 0,1,2,3,4,5の6数
字 で 作 る3桁 の数 は何 通 り あ る か。 た だ し,(3の
位 の 数)≧(2
の位 の 数)≧(1の 位 の数)と し,同 じ数 字 を 何 回 使 って もよ い とす る。
整 数 解 の 方 程 式 の 解 の 個 数 を 重 複 組 合 せ で 考 え よ う。
〔 例 題20〕 変 数υ,w,x,y,zに
つ い て の方 程 式
(3.18) が あ り,0以
上 の整 数 だ けを と る とき の解 の個 数 を求 め よ。
〔解 〕υ=1,w=2,x=3,y=2,z=1と
い う 解 を 図3.23の(a)の
υ=0,w=2,x=3,y=4,z=0の
解 を 図3.23の(b)の
図3.23
逆 に,こ
う した○9つ
し た が っ て,こ 方 程 式(3.18)の
と│4つ
オ フ ァ ン ト ス 問 題 と い い,こ
よ うに表 す。
解 と○│の 対 応
の 各 重 複 順 列 が,上
の 方 程 式 の 解 は9C4=126個 よ う に,整
よ うに表 す 。
の 方 程 式 の 解 に対 応 す る 。
あ る。
数 の係 数 だ け の方 程 式 で整数 解 を求 め る問題 をデ ィ う した 見 方 で 考 え る方 程 式 を デ ィ オ フ ァ ン トス 方 程
式 と い う。 問21 方 程 式υ+w+x+y+z=20で,次
の条 件 を 満 た す 整 数 解 の個 数 を求 め よ。
(a) 解 は0以 上 の 整 数 (b) 解 は1以 上 の 整 数 Mathematicaを
用 い て 重 複 組 合 せ の 個 数nHr=n+r-1Crを
表 に して み よ う。
〔 例 題21〕
重 複 組 合 せ の 個 数nHrの
値 を1≦n≦5,0≦r≦5の
〔 解 〕 式(3.17)にn=1,2,3,4,5とr=0,1,…,5を
範 囲 で求 め よ。
代 入 し,余 分 な 括 弧 を 除 く。
(3.19) 〔注1〕
1 1
1
1
1
1
1 2
3
4
5
6
1 3
6 10
15
21
35
56
1 4 10
20
1 5 15 35
〔 例 題21〕 れ ば 図3.21の
70 126
の や りか た で 作 っ たnHrは
表3.6の
よ うに な る。 この 表 を 斜 め に 見
パ ス カ ル の 三 角 形 に な っ て い る。 表3.6 重 複 組 合 せ の個 数
〔注1〕
リス ト{{1,1,1,1,1},{1,2,3,4,5},{1,3,6,10,15},{1,4,10,20,35}}に//Table
‐ Formを
問22
つ け る と上 の よ う に 行 列 の 形 で 表 現 さ れ る 。
表3.6か
ま た,こ
ら1Hn,nH1,nHr+1+n+1Hrを
の 関 係 を 使 っ て 表3.6でn=6の
推 測 し,そ 行 をr=6ま
れ が正 しい こと を示 せ 。 で求 め よ。
3.4 多 項 式 と組 合 せ 多 項 式 の係 数 な ど と組 合 せ の関 係 につ い て調 べ よ う。 [1]
式 で表 す
次 の よ うな支 払 い方 法 を多 項 式 の係 数 で 考 え,Mathematicaで
解 いて み よ う。
〓
こ れ ら は 数 学 的 な 処 理 の 基 本 的 な 方 法 で も あ る。
〔 例 題22〕1円
玉5枚,5円
あ る か 。 ま た,支
玉3枚,10円
玉2枚
玉5枚
5円 玉3枚
の 支 払 い 方 法 をB={x0,x5,x10,x15}
10円 玉2枚
の 支 払 い 方 法 をC={x0,x10,x20}
の 支 払 い 方 法 を,リ
で 表 し,A,B,Cの
だ か ら,30円
を 払 う方 法 は 何 通 り
払 い 方 法 は全 部 で何 通 りあ るか 。
〔 解1〕1円
べ きa+b+cが
を 使 い30円
ス トA={x0,x1,x2,x3,x4,x5}
中 か ら1つ ず つ 選 ん でxa,xb,xcと
し た と き,そ
の 積xa+b+cの
支 払 い 金 額 に な る。x30の 選 び 方 を 調 べ る と,
の 支 払 い 方 は3通
りあ る。
支 払 い 方 法 全 部 は,x0=1と
お き,式(3.20)の
展 開 式 でxの
べ き を 調 べ る。
(3.20)
支 払 い 方 法 は,0円
か ら40円
Mathematicaで
は,次
ま で41通
の よ う に して 求 め る。
〔注1〕
〓〔注2〕〓
〔注1〕Apply[Plus,p]でp={x0,x1,x2,x3,x4,x5}の 〔注2〕//Shortで 〔解2〕30円
り あ る。
和を表す。
式 の 途 中 を 省 略 し,≪≫ の 支 払 い 方 法 は,デ
の 中 に残 りの項 数 を示 す。
ィ オ フ ァ ン トス 方 程 式
(3.21) を 満 た す 整数x,y,zを
す べ て あ げ れ ば よ い 。 そ れ に は,式(3.21)の
各x,y,zに
つ い て,x+5y+1Ozの 直 す 。 ま たUnionで
30は3つ
の 支 払 方 法 は3通
払 う方 法 は 全 部 で41通
〔 解1〕
作 り,か
っ こを と っ て昇 順 に並 べ
重 複 を 除 い て 支 払 い 方 法 の 個 数 を 求 め れ ば よ い。
あ る か ら,30円
だ か ら,支 上 の
表 をMathematicaで
の よ う に,多
りあ る。
りで あ る 。
項 式 で 場 合 の 数 を 数 え る方 法 を 母 関 数 の 考 え 方 と い
う。 問23 1円 玉6枚,5円
玉3枚,10円
玉4枚 を 使 って50円
を 払 う方 法 は何 通 りあ る か 。 ま
た,支 払 い方 法 は全 部 で 何 通 りあ るか。
[2]
2項
(a+b)nの
定 理 展 開 式 と そ の 係 数 をMathematicaで
調 べ よ う。
〔 例 題23〕Matematicaを
用 い て(a+b)nの
〔 解 〕(a+b)2,(a+b)3の
展 開 式 は,Mathematicaで
同 様 に し て(a+b)4,(a+b)5の な る。
展 開 式 を作 れ。 次 の よ う に して 作 る。
展 開 式 を 作 る こ と が で き,そ
れ は次 の よ うに
こ れ ら の 展 開 式 の 係 数 だ け を 抜 き 出 す と,図3.21の 1
2
1 3 1 4
1
3
1
6 4
1
1 5 10 10 5
1
1 6 15 20 15 6 一 般 に
,(a+b)nの
パ ス カ ル の三 角 形 に な る。
1
展 開 式 は 次 の よ う に な る。
(3.22) 式(3.22)を2項
定 理,展
を (a+b)nの2項
開 式 の 係 数〓
係 数 と い う。 問24 (a+b)5の2項
係 数〓
と(a+b)6の2項
係 数〓
は次 の よ う に な って い る。 この値 か ら2つ の2項 係 数 の 関 係 を 調 べ よ 。
問25
(a−2b)7の
展 開 式 をmathematicaで
作 れ 。 ま た,パ
ス カ ル の 三 角 形 を 用 い てa3b4
の係 数 の値 を 求 め よ。
問26 Mathematicaで(x+y+z)5の aでMultinomial[3,1,1]と 式(3.22)か
展 開 式 を 作 り,x3yzの
係 数 を 求 め よ 。Mathematic
して そ の値 を 比較 せ よ。 こ う し た 係 数 を 多 項 係 数 と い う。
ら
(3.23) が 成 り立 つ か ら,〓
の 母 関 数 は(x+1)nに
2項 定 理 の 式(3.22)で,an-kbkの え 方 は,分
係 数 がnCkで
な る。
あ る理 由 を 考 え よ う。 こ の 考
数 関 数 の 展 開 式 で も使 う こ と が で き る。
〔 例 題24〕(a+b)5の
展 開 式 でa3b2の
係 数 が5C2で
あ る こ と を重 複 順 列 を 作 って
示せ。 〔 解〕
式(3.22)か
ら,(a+b)5の
展 開 式 は次 の よ う に な る。
(3.24)
展 開 式 でa5はaaaaa,a4bはaaaabやaaabaな
ど,a3b2はaaabbやaabbaな
と 表 せ る 。 つ ま り,a3b2はaを3つ,bを2つ Mathematicaで
つ ま り,a3b2は
ど
並 べ る順 列 を集 め て で き る 。
こ の 順 列 を 作 る と 次 の よ う に な る。
表3.7の
よ う に な り,そ
の 個 数 は 式(3.10)と
同 じ5C3=10に
な る。 表3.7
問27 (x+y+z)5の [3]
a3b2の
と り方
展開式で,x3yzの 係数 を順列 を用いて求めよ。
展 開 式 の 係 数
分数式
〓をTable[Series[1/(1−x)^n,{x,0,7}],{n,1,4}]//Table
Formと
項 式 展 開 す る と次 の よ う に る 。
し て,多
(3.25)
こ の 係 数 を 取 り 出 して み る と次 の 表3.8の
よ うに な る。
表3.8 多項 式 展 開 の係 数
〓の展 開式 でxrの 係 数 はnHrに
〓の 展 開 式 は,次
な る。 そ の理 由 を考 え よ う。
の こ と か ら1+x+x2+x3+…
に な る。
(3.26) 式(3.26)の
こ こ で,
1Hn=nCn=1だ
両 辺 を1−xで
〓 を〓 か ら,式(3.25)は
割 り,移
項 す れ ば,
と お い て 式(3.25)が
で き あ が る 。 ま た,
次 の よ うに な る。
〓に つ い て も成 り立 つ か 考 え よ う。
〔 例 題25〕
〓の展 開 式 でxrの 係 数 は2Hrに な る こ とを 示 せ 。
〔 解〕
式(3.25)の
両 辺 を2乗
し,Mathematicaを
用 い て右 辺 を
で 展 開 す る と,
こ こ で,〓
だ か ら,x8よ 〓の 和 をo[x]8×(式)と
り高 次 の項 と 見 てo'[x8]と
お
け ば,
(3.27) につ いて も成 り立 つ。
よ っ て,〓
式(3.27)か
ら2H0,2H1,2H2,…
そ こ で〓
を 数 列{2Hn},(n=0,1,2,…)…
問28
の 多 項 式 展 開 で 表 せ る。
が 分 数 式〓
の母 関 数 と い う。
〓は どん な数 列 の 母 関 数 か。Seriesを 用 い て調 べ よ。
練 習問題 1. 図3.24の
よ うに,縦 横10個
ず つ の小 正 方 形 に分 割 した正 方 形ABCDが
(1) 正 方 形ABCDに
含 ま れ る正 方 形 ま た は長 方 形 の個 数 を求 め よ。
(2) 正 方 形ABCDに
含 ま れ る正 方 形 の個 数 を求 め よ。
(3) 正 方 形ABCDの
周 上 に2点P,Qを
あ る。
と って これ を 直線 で 結 ぶ と き,直 線PQが
内 部 を通 る小 正 方 形 は最 大 何 個 に な るか。
図3.24
2. 1,2,3と い う数 字 のつ い た カ ー ドを作 って並 べ る。123や132の
よ う にk番
目 にkと
い う数 字 が く る もの を探 し,そ の個 数 を調 べ た い。
(1) Mathematicaを
(2) 和 の法 則 を用 い て そ の個 数 を求 め よ。
用 いて そ の よ う な数 を す べ て あ げ よ。
(3) 1,2,3,4,5と
(4) A,B,C,Dの5人
い う数 字 のつ い た カ ー ドを作 って並 べ た場 合 の個 数 を求 め よ。 の 名刺 とそ の 人 あ て の 封 筒 が あ る。 名 刺 を 封 筒 に で た らめ に
入 れ る と き,名 刺 と封 筒 が 一 致 す る場 合 は何 通 りあ る か。 〔 注 〕 こ う した問 題 を一 致 の 問 題,封 筒 の問 題 な ど と い う。 3. 図3.25の
よ うな碁 盤 の 目状 の 街 路 が あ る。Aか
問 に答 え よ。 こ こで,例 え ばAか (1) Aか
らP1に 至 る最 短 通 路 の個 数 をn(AP1)と
らBに 至 る最 短 通 路 の 個 数n(AB)を
(2) P1,P2,P3,…,P7を
らBに 至 る最 短 通 路 に つ い て 次 の 各
求めよ。
通 る最 短 通 路 の個 数 とn(AB)の
〔 注 〕 この 式 は(x+1)12=(x+1)3(x+1)9の
表 す。
関係式を求めよ。
展 開 式 でx6の 係 数 を比 べ た もの と同 じで
あ る。 こ う した 式 を た た み こみ とい う。 (3) R1,R2,R3,…,R7を
通 る最 短 通 路 の 個 数 とn(AB)の
(4) n(AP2)をn(AP1)とn(AQ2)の n(AQn+1)の
関 係式 を求 め よ。
関 係 で 表 せ 。 ま たn(APn+1)をn(APn)と
関係 で と らえ る こ と によ り組 合 せ の 再 帰 関 係 を 導 け。
図3.25
4. 分 数 式〓
と〓
5.
重 複 順 列 の 個 数nHrに
(1)
2Hr+1+3Hr=3Hr+1を
を 多 項 式 展 開 し,xnの 関 係 を そ れ ぞ れ調 べ よ。 つ い て,次
の各 問 に答 え よ。
用 い て次 の関 係 を示 せ 。
(3.28) (2)
Mathematicaで,分
(3)
式〓
数 式〓
を7次 の項 ま で展 開 せ よ。 お よ び式(3.23)を
用 いて 次 の 式 を 示 せ。
(3.29)
第4章 数列 を作 る Mathematicaを
利 用 して 数 列 を 作 り,音
を 数 列 で 調 べ よ う 。 ま た,ハ
ノ イ の 塔,フ
ィボ
ナ ッチ数 列 に つ い て探 求 しよ う。
4.1
Mathematicaの
Mathematicaを
[1]
奇
数
数 列
使 い,い
を 作
ろ い ろ な 方 法 で 数 列 を 作 っ て み よ う。
る
〔例 題1〕Mathematica
で,次
の よ う な1か
ら19ま
で の奇 数 を作 れ。 (4.1)
〔解1〕Rangeで,1か
ら19ま
で の 整 数 を1つ
お き に作 る。
a=Range[1,19,2] {1,3,5,7,9,11,13,15,17,19} Mathematicaで
は,Range,Table,リ
ス トな ど で も数 列 を作 る こ と が で き
る。 〔解2〕Tableで,奇
数2n−1を
作 る。
Table[2n−1,{n,1,10}] 〔解3〕
整 数 の リ ス トb={1,2,…,10}を
使 い,奇
数 を 作 る。
問1 次 の よ うな,20か
ら始 ま る正 の偶 数 を 〔 例 題1〕 の3通
りの方 法 で作 れ。
あ る 規 則 に 従 っ て で き る 数 の 列 を 数 列 と い い,第n番 は 一 般 項 と い う。 特 に 最 初 の 数 を 初 項,有
限 個 の 数 列(有
末 項 と い う。 数 列 の 初 項 を ふ つ うa1,第2項 例;数
列1,3,5,…
数 列 の 規 則 で,差 た,比
をa2,一
の 初 項 はa1=1,一
限 数 列)で
般 項 をanの
た
最 後 の項 を
よ うに表 す 。
般 項 はan=2n−1
が 一 定 の 数 列 を 等 差 数 列 と い い,一
が 一 定 の 数 列 を 等 比 数 列 と い い,一
目 の 数 を 第n項,ま
定 の 差 を 公 差 と い う。 ま
定 の 比 を 公 比 と い う。
等差数列 の例 (公 差1)
(4.2)
(公 差2)
(4.3)
(公 差−3)
等比数列 の例 (公 比2)
(4.4)
(公 比−1)
(4.5)
公比 どれ で もな い数 列 の例
(4.6) (4.7) 等 差 数 列,等 1次 関 数,指
比 数 列 の グ ラ フ を,Mathematicaで
描 く と,次
の よ うにそ れぞれ
数 関 数 の 上 に 点 が で き る。 (図4.1) (図4.2)
図4.1
[2]
図4.2
等差数列の グラフ
い ろ い ろ な数 列
い ろ い ろな 数 列 を,Mathematica 〔 例 題2〕
で作 って み よ う。
次 の 数 列 を等 差 数 列 お よび,等 比 数列 で 示 せ 。
(4.8) 〔 解1〕
〔 解2〕
問2
次 の 数 列 をMathematicaで
作れ。
(4.9)
〔例 題3〕
次 の よ う に,丸 を8段 まで 重 ね た と き の丸 の個 数(三 角 数)の 数 列 を
作 れ。
図4.3
三 角 数
〔 解1〕
次 の よ う に各 項 を整 数 の 和 と考 え,一 般 項 を求 め る。
こ こ で 図4.4か
ら,数
を 降 順 に し た,
a4=4+3+2+1とa4=1+2+3 +4の
片 々 を 加 え て,
図4.4
一般項 は
式(4.10)を
〔 解2〕
(4.10)
,an=(n+1)n/2 使 っ て,次
の 手 順 で 求 め る。
各 項 をや は り整 数 の和 と考 え,次 の階 差 数 列{bn}を
と って再 帰 関 係 を
作 る。
(4.11)
図4.5
階差数列
anをf[n]と
〔 解1〕,〔 解2〕
し て 再 帰 式 で 表 し,次
か ら,次
の よ う に処 理 す る。
の こ と が わ か る。
・明 示 的 な 式;an=n(n+1)/2 ・ 再 帰 的 な 式;a1=1
(4 .12)
,an=an-1+n
(4.13)
(4.14) (bnはanの ま た,次
階 差 数 列)
(4.15)
の こ と が 成 り 立 つ。
・等 差 数 列;a
,a+d,a+2d,…
・等 比 数 列;a
,ar, ar2,…
・一 般 項 に 数 列 は ,nの
式(明
の 一 般 項 はan=a+(n−1)d
(4.16)
の 一 般 項 はan=arn-1
示 式),再
帰 式 な ど の 表 し方 が あ る 。
問3 図4.6の よ うに ・の 数 を並 べ る と き の個 数(六 角 数)anを
図4.6
(4.17)
第6項
まで 求 め よ。
六 角 数
次 の数 列 は,一 般 項 をnの 式 で 表 す の に特 有 の考 え方 をす る。 〔 例 題4〕
次 の 数 列 の一 般 項anを 再 帰 式 で,ま たnの 式(明 示 式)で 表 せ。
(4.18)
〔 解1〕
再帰式で表す。
だ か ら,
〔 解2〕
明示式で表す。
(4.19) こ の 式 の 両 辺 に10を
掛 け,式(4.18)か
ら(4.17)の
片 々 を 引 く と途 中 が 消
え る。
(4.20)
(4.21) 〔解3〕
各 項 を9倍
して1を
引 き,明
も と の 数 列(4.18)を9倍
示 式 で表 す 。
す る。
(4.22) 一般 に
,9an=10n−1が
成 り 立 ち,式(4.21)が
成 り立 つ。
問4 次 の数 列 の一 般 項anを 再 帰 式 で,ま たnの 式(明 示 式)で 表 せ 。
[3]
Mathematicaの
Mathematicaを
〔例 題5〕
数 列
利 用 し,こ
れ ま で の 数 列 を 作 って み よ う 。
次 の 数 列 の 和 をMathematicaで
(a)
等 差 数 列 1+2+3+…+n
(b)
等 比 数 列 1+3+9+27+…+3n-1
〔 解1〕
第n項
ま で の 和 をnの
求 め よ。
式 で 表 す パ ッ ケ ー ジ を 使 う。
次 の 処 理 を す る。 ≪
Algebra'SymbolicSum'〔
注1〕
(4.23)
(a)
(b)
〔 解2〕
再 帰 式 を 作 り,第n項
まで の和 をnの 明 示 式 で 表 す 。
次 の処 理 を す る。 ≪ (a)
DiscreteMath'RSolve'〔
注3〕
再 帰 式 はa1=1,an=an-1+nだ
か ら, 〔注4〕
(4.24)
(b)
再 帰 式 はa1=1,an=3an-1+1だ
か ら,
〔 例題5〕 で,再 帰 式 の確 認 に は次 の方 法 が あ る。 (a)
(b)
〔注1〕
パ ッ ケ ー ジ 「Algebra'SymbolicSum'」
は,関
数Sumを
ボ リ ッ ク数 列 の 和 も 求 め ら れ る よ う に す る 。 〔注2〕
必 要 に 応 じ て[f]をClear(ク
〔注3〕
再 帰 式 に も 対 応 で き るRSlove[]を
リ ア ー)す
る(Clear[f])。
導 入 す る。
さ ら に 充 実 さ せ,シ
ン
〔注3〕RSlove[]の
問5〔
例 題5〕
結 果 をSimplifyで
整 理 して か ら出力 す る。
に な ら っ て 次 の 数 列 の 一 般 項anを
(a)
三角数の数列
{1,3,6,10,15,21,28,36,…}
(b)
1を 並 べ た 数 列
{1,11,111,1111,11111,…}
問6
次 の 数 列 の 第n項
の 和 を求 め よ。
まで の 和 を 求 め よ。
(a)
連 続 し た2数
の数 列
{n(n+1}
(b)
連 続 し た3数
の数 列
{n(n+1)(n+2)}
(c) (a)の
求 め よ 。 ま た,そ
逆 数 の数 列
4.2 音 と数 列 音 の 高 さ を数 列 で 表 し,協 和 音 の特 性 を 探 って 和 音 を作 り確 かめ よ う。 [1]
音 を作 る
音 の 高 さ は1秒 間 の振 動 回 数,つ
ま り周 波 数 で考 えHz(ヘ
で表 す。 音 叉 が 作 る音 の高 さ は,図4.7の で,こ
い う単 位
よ うに5線 譜 の 中 の ラの振 動 数440Hz
れ を基 準 音 とい う。 この基 準 音 ラの周 波 数 を もと に音 の数 列 を 作 ろ う。
図4.7
〔例 題6〕 1,2,…,nオ 〔 解〕
ル ッ)と
音 は1オ
ラ の 音
ク タ ー ブ ず つ 上 が る と 周 波 数 は2倍
ク タ ー ブ上 の ラ の 音 の 周 波 数anを
再 帰 的 に 考 え る。 図4.7か
ず つ に な る。 基 準 音 か ら
求 め よ。
ら次 の 式 が で き る 。
再 帰 式a1=440,an+1=2an
明示 式 を求 め る。
よ っ て,明
(4.25)
示 式 an=2n×220
問7 基準 音 か らnオ ク タ ー ブ下 の ラ の音 の周 波 数bnを 再 帰 式 と明示 式 で 表 せ 。 y=sinxの
描 く 曲 線 を 正 弦 曲 線(サ
に 近 い 。Mathematicaで
〔 例 題7〕
周 波 数 が1の
イ ン カ ー ブ)と
い う。 音 叉 の 音 色 が こ れ
こ う し た 音 を 作 っ て み よ う。
サ イ ン カ ー ブ を 作 れ 。 ま た,基
準 音 を サ イ ンカ ー ブで 作
れ。 〔 解〕
関 数sinxの
sin2πxの
周 期 は2π で,そ
グ ラ フ に な り,そ
の 周 期 は2π/2π=1に
個 の 周 期 が あ る音 の 周 波 数 がnだ か れ(図4.9),基
の グ ラ フ をx軸
準 音 は 式(4.27)で
か ら,基
方 向 に1/2π
に縮小 す ると
な る(図4.8)。1秒
間 にn
準 音 の サ イ ン カ ー ブ は 式(4.26)で
描
発 生 す る。
(4.26) (4.27)
図4.8 sinxとsin2πx
図4.9 基 準 音 の サ イ ンカ ー ブ
図4.10 基 準 音 の 発 生 と グ ラ フ 〔注1〕
〔注1〕
音 は,ミ
ュー ジ ック ドライバ が 機 能 す る コ ン ピュ ー タで 音 が 発 生 す る。 音 の 発 生
と 無 関 係 に 図4.10の
グ ラ フ を 表 示 す る が,こ
れ はsin880πx(0≦x≦10)の
グ ラ フで あ
る。
問8
sin2x,お
問9
基 準 音 よ り も1オ
[2]
12音
よ びsin10πxの
周 期 と周 波 数 を いえ 。
ク タ ー ブ 下 の ラ の 音 を10秒
間 発 生 せ よ。
階 を作 る
1オ ク ター ブの 中 の音 は5線 譜 で図4.11の よ うに 表 さ れ,こ
れ を12音
階 とい
う。 ま た,そ の 周 波 数 と周 期 の近 似 値 は表4.1で 表 さ れ る。 周 波 数 を数 列 で 表 し て 音 を作 ろ う。
図4.11
12音
階
表4.1 12音 階 の周 波 数 と周 期
〔例 題8〕12音
階 の 周 波 数 を 数 列{cn},(n=1,2,…,13)と
考 え,cnをnの
式 で
し て 数 列{cn}を
作 れ ば,
表 せ 。 〔解 〕
表4.1に
比 の値〓
つ い てc1=440,c2=466,…,c13=880と
は 表4.2の
よ う に ほ ぼ1.059に
な る。
表4.2 周 波 数 の比
cnを等 比 数 列 と考 え,公 比 をpと お け ば,
(4.28) c13=880,c1=440を
代 入 す れ ばp12=2だ
か ら,
(4.29) 一 般 項 は 表4.1の
(4.30)
,cn=440pn-1
点 と指 数 関 数y=440px-1を
す る こ とが わ か る。
重 ね て 描 け ば,図4.12の
よ うに ほぼ 一致
図4.12 音 の 周 波 数 の グ ラ フ
問10
表4.3の
数 列dnをnの
明 示 式 で 表 し,そ 表4.3 1オ
[3]
の 値 を 求 め よ(n=1,2,…,13)。
ク ター ブ下 の周 波 数
調 和 音 を作 る
よ く調 和 して い る音 を調 和 音 また は協 和 音 とい う。 例 え ば ラ と ド,ラ と レ,ラ と ミが 調 和 音 に な る。 周 期,つ
〔 例 題9〕 ラ と ド,レ,ミ 〔解 〕
ド,レ,ミ
5/6,3/4,2/3と
だ か ら,bとcは
ま り周波 数 の逆 数 を用 い て 調和 音 を調 べ よ う。
の 周 期 の比 の値ガ5/6,3/4,2/3に 近 い こ とを示せ。
の 周 波 数 を リス トで表 し,逆 数 を と って ラの周 波 数 で 割 る。
比 べ る。
非 常 に近 い。
問11 表4.1に 図4.13の
お い て ラ と ソの周 期 の比 は9/16に よ う に,調
近 い こ とを 示 せ 。
和 音 の 周 期 は 近 似 的 に 簡 単 な 整 数 比 で 表 せ る。
図4.13
各音の波長比
こ う して 作 られ る音 階 を 調 和 音 階 と い う。調 和 音 に お け る 周 波 数 の 性 質 を 探 ろ う。
〔 例 題10〕4つ 〔 解〕
の 調 和 音 ラ ド ミ ラ の 周 波 数 の 数 列 を 作 り,そ
こ の 数 列 は,リ
ス トで 次 の よ う に 表 せ る。
a={440,528〔
注1〕,660,880}
そ れ ぞ れ の 逆 数 を と り,各
項 の 階 差 を と れ ば 式(4.32)に
の明 示 式 を求 め よ。
な る。
(4.31)
(4.32)
式(4.32)の
数 列 は公 差
〓の等 差 数 列 に な り,一 般 項bnは
次 の式 で表 さ
れ る。
4つ の音 の周 波anは,逆
数 を と って 次 の 明 示 式 で 表 さ れ る。
(4.33) 数 列(4.33)の
よ うに,逆 数1/bnが
等 差 数 列 に な る数 列bnを 調 和数 列 とい う。
調 和 と い う言 葉 は調 和 音 に 由来 し,最 も簡 単 な 調 和 数 列 は次 の 数 列 で あ る。
〔 注1〕
「ド」 の 周 波数 は523で
あ るが,こ
こで は528と
して計 算 した。 多 少 の誤 差 を見 込
ん で の こ とで あ る。
問12 上 の3つ の調 和 音 ラ ド ミの和 音 を10秒
間発 生 させ よ。
4.3 再 帰 的 な 式 再 帰 関 係 を も と に 再 帰 式 を 作 る こ とが 比 較 的 容 易 に で き る こ と が 多 い。 再 帰 的 な 式 か ら 明 示 的 な 式 を 導 く と き の 考 え 方 に つ い て 調 べ よ う。
[1]
預 金
あ る銀 行 に,年 み,預
利5%で1万
円 を 預 け た ま ま に して お く と き,利
子 が利 子 を 生
金 額 は 次 の よ う に 増 え て い く。 ・預 金 直 後 に はa1=1(万
円)
・丸1年
後 に はa2=a1+0.05a1(万
・丸2年
後 に はa3=a2+0.05a2
円)
こ れ は 次 の 関 係 に な る。 a2=1.05a1 a3=1.05a2(万
問13 上 の預 金 で,丸5年
〔 例 題11〕 〔 解〕
円)
(4.34)
後 の預 金 額 を式(4.34)の
上 の 預 金 で 数 列{an}の
上 の 再 帰 関 係 か ら,再
再 帰 式,お
形 で 表 せ。
よ び 明 示 式 を 求 め よ。
帰 式 は次 の よ うに な る。 (4.35)
一 般 項anをMathematiaで
求 め る。
≪DiscreteMath'RSolve'
1/1.05=0.952381だ
か ら,明
示式 は (4.36)
問14 (a),(b)の
ロ ー ンを1万 円借 りた と き,5年
ま た,(a)が(b)の
半額 以 下 に な る の は何 年 以 降 か 。
(a) 年 利12%
[2]
後 に借 金 の 額 は ど うな って い るか 。
(b) 月利1%
ハ ノイ の 塔
イ ン ドの聖 地 べ ナ レス の あ る寺 院 に,バ
ラモ ンの塔 な る もの が あ る。 そ れ は,
中心 に穴 の あ い た 金 の 円盤 が 円 錐状 に64枚 重 な り,1本
の ダ イ ヤ モ ン ドの 針 に
通 され て い る もの で,天 地 創造 の と きに これ を 置 い た と さ れ る。 図4.14は4枚 の 円盤 の場 合 を示 して い る。
図4.14
ハ ノ イ の塔
さて,ダ イ ヤ モ ン ドの針 が他 に2本 立 て られ,そ の寺 院 の僧 侶 が 天地創 造以 来, 昼 夜 を問 わず この 円盤 を1枚 ず つ 一 方 の 針 に 移 して い る。 この と き,1回
に1枚
の 円盤 しか 動 か せ な い と し,棒 か ら抜 き取 った 円盤 は必 ず 他 の針 に差 し込 ま な け れ ば な らな い と す る。 ま た,ど の棒 に差 し込 ま れ た 円盤 も下 の方 が 大 きい 円錐 状 に な って い な け れ ば な らな い とす る。 円盤 が2枚
の 場 合 の 手 順 は 図4.15の
よう
に な る。 さ て,64枚
の 円盤 を す べ て移 し終 え た と きに こ の 世 の終 わ り が く る と い う の
で あ る。 そ れ は い つ か?
図4.15
これ は1883年
円 盤2枚
の移動
エ ドア ル ・ル ー カ スが バ ラモ ンの 塔 と名 付 け た ゲ ー ム で,後
に
ハ ノ イ の塔 と呼 ば れ るよ うに な った。 この ゲ ー ム は結 果 の 意外 さ と と もに,再 帰 関 係 を見 つ けや す い こ とか ら問題 解 決方 法 の 基 本 的 な 題 材 に取 り上 げ られ て きた。 〔 例 題12〕
ハ ノ イ の塔 の問 題 で,n枚
の 円盤 を移 動 す る回数an+1をanで
表 しa6
ま で求 め てanを 推 定 せ よ。1枚 の 移 動 に1秒 か か る とす る と移 動 が 終 了 し,こ の世 の終 わ りが来 るの は開 始 後 何 年 か。 〔 解 〕an+1をanの
再 帰 関係 で 表 す 。 例 え ば,4枚
の 円 盤 を 移 動 す る と き,上3
枚 の移 動 回数 が す で にa3と わ か って い る もの と考 え る と,図4.16の
① と③ の
回 数 は と もにa3に な る。 一 番 下 の 円 盤 は ② で 移 動 し これ を1回 加 え,4枚
の円
盤 の 移 動 回 数a4は 次 の再 帰 関 係 で表 され る。
(4.37) こ の関 係 は容 易 に一 般 化 で き,自 然 数nに
つ いて 次 の式 が成 り立 つ。
(4.38)
図4.16
Mathematicaで
は,数
列{an}を
a[n_]:=a[n]=2a[n−1]+1;a[1]=1;
セ ッ トに し た移 動
次 の 手 順 で 求 め る。
Table[a[n],{n,8}]
結 果 は 表4.4の
よ う に ま と め ら れ,1を
加 え る とan+1は2nに
な る ら しい。
表4.4 ハ ノ イ の塔 の回 数
Mathematicaで
再 帰 式 か ら明示 式 を求 め る。
(4.39)
よ っ て,an=2n−1 64枚 の と き の 移 動 回 数 は a64=264−1=1.8445E19
(回)
1年 を602×24×365=51536000(秒) と す れ ば,こ
の世 が終 わ る まで に
つ ま り,約5849億
年 と い う途 方 も な い 年 月 が か か る こ と に な る 。
問15〔 例 題12〕 の や りか た で16枚 約1年
の 円盤 を移 動 す る と き,要 す る時 間 を求 め よ。 ま た,
[3]
で終 え る場 合 円盤 は何 枚 必 要 か 。
数 学 的 帰 納 法
ハ ノ イ の 塔 の 問 題 で,n枚 再 帰 関係 明示 式
an+1=2an+1,a1=1か
つ い て,
ら
(4.40)
an=2n−1
を 推 定 し た 。 こ こ で,再
〔 例 題13〕
の 円 盤 を 動 か す 回 数anに
(4.41) 帰 式 と 明 示 式 が 常 に 一 致 す る こ と を 確 認 し よ う。
再 帰 関 係 の 式(4.40)は
〔 解 〕[1] n=1の
明 示 式(4.41)に
と き,式(4.41)はa1=1で
な る こ とを 示 せ 。 正 しい 。
[2] n=kで
式(4.41)が
正 し い と 仮 定 す る と,即
ち,
(4.42) こ の と き 再 帰 関 係 の 式(4.40)か
が 成 り 立 つ か ら,式(4.42)を
n=k+1で
も式(4
[1],[2]か
.41)が
ら,す
ら
代 入 し て,
成 り立 つ。
べ て の 自然 数nで
一 般 に 「あ る 命 題Pが
式(4.40)と
す べ て の 自 然 数nに
で 示 す こ と が で き る 。 た だ しkも
式(4.41)は
つ い て 成 り 立 つ」こ
成 り立 つ。
[2] n=kで
成 り立 つ と仮 定 す れ ば,Pはn=k+1で
こ の 証 明 方 法 を 数 学 的 帰 納 法 と い う。 こ れ は,ド
図4.17
数 学 的 帰 納 法 は,あ
と は次 の 手 順
自然 数 とす る。
[1] 命 題Pはn=1で 命 題Pが
同 じに な る。
も 成 り立 つ。
ミノ 倒 し的 な 仕 組 み を もつ。
数学 的帰納法の しくみ
る 性 質 が ど ん な 自 然 数 に つ い て も常 に 成 り立 つ こ と を 証 明
す る と き な ど に用 い られ る。 問16 数 列 の和12−22+32−42+…+(−1)n-1・n2に (a) Sumを
つ いて
用 い て 和 の 明示 式 を求 め よ。
(b) そ れ が 常 に成 り立 つ こ とを 示 せ 。 問17 次 の 数 列{an}に つ い て,anを
予 想 し,n>1で
常 に 成 り立 つ こ とを 示 せ。
ま た,MathematicaでProduct[1−1/k^2,{k,2,n}]と
[4]
して 結 果 を 確 認 せ よ。
フ ィ ボ ナ ッ チ 数
1,1,2,3,5,8,…
と い う数 列 は 次 の 再 帰 関 係 を 満 た し,フ
ィ ボ ナ ッ チ 数 列 と い う。
(4.43) フ ィボ ナ ッチ数 列 の 再 帰 関 係 を探 り,他 と の関 連 性 を調 べ よ う。
図4.18
〔 例 題14〕n段
階 段 の 昇 り方(n=3の
と き)
の 階段 が あ る。1段 上 が り と2段 上 が りで 昇 る方 法 と そ の 個 数an
をn=4ま
で求 め,anが
〔 解 〕1段
上 が りをp,2段
フ ィ ボ ナ ッチ数 の第2項
目か らの数 列 に な る こ とを示 せ。
上 が りをqと す れ ば
(4.44)
n
=3の
場 合 ,図4.18か
らa3=a2+a1が
成 り立 つ の で フ ィ ボ ナ ッ チ 数 列 が で
き る。
〔 例 題15〕Mathematicaで(4.45)の 〔 解〕
順列 を作 れ 。
次 の 手 順 で 順 列 を 作 る。
① 初 め に,リ
② an-1の
ス トa1={p},a2={pp,q}と
各 要 素 の 後 ろ にpを
つ け る。
お く。
③ an-2の 各 要 素 の後 ろ にqを つ け る。 ④ ② と ③ をつ な げてanと す る。
(4.45)
リス トanの
個 数 の 関 係 は2項
目 か ら式(4.45)と
一 致 し フ ィボ ナ ッチ 数 列 に
な る。 リ ス トanの
各 要 素 を パ ス カ ル の 三 角 形 の 数 に あ て は め る と図4.19の
る〔注4〕。
図4.19
〔注1〕Append[リ
ス ト,x]は,xを
パ ス カ ル の 三 角 形 とan
リス トに 追 加 す る 。
よ うにな
〔 注2〕Map[f,a[n−1]]は,②
を 実 行 す る。
〔 注3〕Map[g,a[n−2]]は,③
を 実 行 す る。
〔 注4〕
数 字 を横 に と る とパ ス カル の 三 角 形 を な して い る。
問18 モ ー ル ス符 号 を 次 の 手順 で 作 り,そ の 個 数 の 特 徴 を 調 べ よ。
の そ れ ぞ れ に・を追 加,an+2の
そ れ ぞ れ に− を追 加}
例;
次 に,黄
金 分 割 と フ ィ ボ ナ ッ チ 数 列 の 関 係 に つ い て 調 べ よ う。
〔 例 題16〕
長 方 形ABCDで
こ の と き,EBCFが
縦,横
の 長 さ を そ れ ぞ れ1,k(k<1)と
正 方 形 で 長 方 形ABCD∽
長 方 形AEFDと
す る。 な るkの
値 を求
め よ。 〔 解〕
図4.20で,長
方 形ABCD∽
長 方 形AEFDか
ら,k:1=(1−k):k
(4.46) だか ら
〔 例 題17〕
図4.20でEBCFが
で 長 方 形ABCD∽
正方形
長 方 形AEFDの
と
き, ① 長 方 形AEFDの Dを 作 り,長 AEGHに
中 に正 方 形HGF
方 形AEFD∽
長方形
す る。
② 長 方 形AEGHの
中 に正 方 形IEG
Jを作 り,長 方形AEGH∽
長方 形AIJH
に す る。 以 下 同 様 の 手 順 を繰 り返 す。 こ の と き,長 方 形ABCD,AEFD,
図4.20
黄金分割
AEGH,AIJH,…
の 横 の 長 さanをkの
式 で 表 し,フ
ィボ ナ ッチ数 列 と の関 係 を
調 べ よ。 〔 解 〕 図4.20か
ら,
こ の 数 列 か ら表4.5が
で き る。 表4.5 長 方 形 の 横anの 係 数
〓の係 数〓
の定数│ と お
け ば,〓
か ら,
と な り,bn=│anのkの
Mathematicaで
比 と い い,そ
係 数│,cn=│anの
は,方
程 式(4.46)を
定 数│は
そ の 逆数 を小 数 点 以 下10桁
問20 数 列{bn}でbn/bn+1は,nを
ま で求 め る こ とが で きる。
まで 求 め,両 者 に関 係 につ いて 調 べ よ。
大 き くす る とg;黄
[5] 母 関 数 数列{an}の
を黄 金
満 た す〓
の 近 似 値 をGoldenRatio[n]でn桁
問19 黄 金 比gと
フ ィボ ナ ッチ数 に な る。
各項 を係 数 とす るxの 級数
金 比 に近 づ く こ とを示 せ 。
を,数
列{an}の
母 関 数 と い う。 母 関 数 を 使 っ て 再 帰 関 係 を 方 程 式 で 表 し て み よ
う。Mathematicaは
〔 例 題18〕
こ こ で も効 果 的 な 働 き を す る。
ハ ノ イ の 塔 の 数 列{an}の
関 数 を 求 め,Mathematicaで 〔 解〕
再 帰 関 係an+1=2an+1,a1=1を
満 たす母
確 認 せ よ。
こ の 数 列 の 母 関 数 を 次 の よ う に お く。
(4.47) 両 辺 に2xを
掛 け た 式(4.48)を,式(4.47)か
ら辺 々 を 引 く。
(4.48)
(4.49) こ こで,再 帰 関 係〓
式(4.49)に
代 入 して
(4.50) 式(4.50)の
両 辺 にxを
掛 け た 式(4.51)を,式(4.50)か
ら辺 々 を 引 け ば,
(4.51)
(4.52)
よ っ て,
Mathematicaで
式(4.52)を
こ の こ と か ら数 列{an}の Mathematicaで
展 開 し て 確 認 す る と次 の こ と が わ か る 。
母 関 数(4.47)は
分 数 式 を 展 開 す れ ば,母
分 数 式(4.52)で
表 現 で き る 。 単 に,
関 数 か ら元 の 数 列 を 求 め る こ と が で き
る。
問21 フ ィ ボ ナ ッチ 数 列{Pn}の 母 関 数 を 作 り,Mathematica
で確 認 せ よ。
4.4 カ オ ス と フ ラ ク タ ル 数 列 は,株 価 の よ うに時 間 の経 過 で得 られ た り,近 似 値 の計 算 な ど反 復 の結 果 と して得 られ る こ とが あ る。 こ う した変 化 や移 動 の過 程 は動 的 システム と呼 ばれ, 広 い範 囲 に そ の 現 象 が 見 られ る。 こ こで はあ る方 程 式 を反 復 的 に解 く と きに生 じ る動 的 シ ステ ム につ いて 調 べ よ う。 [1]
反 復 法
方程 式x2+2x−1=0を,い
ろ い ろな初 期 値a1と 次 の再 帰 式 で近 似 的 に解 く。
(4.53)
Mathematicaで
式(4.53)は
〔 例 題19〕
図 形 的 な 意 味 を 考 え よ う。 方 程 式2x=1−x2か
ら得 ら れ る。
初 期 値a1=0とa1=−2.415で
式(4.53)を
反 復 し た 値 を 求 め,グ
ラ フを描 け。 〔 解1〕
再 帰 式 に 代 入 を 繰 り 返 しTableを
作 る。
(図4.21)
図4.21
初 期 値a1=−2.415の
anの
グ ラ フ(a1=0)
と き も 同 様 に し て で き る が,解2の
方法 で その値 を求 め
て み る。 〔解2〕f(x)=(1−x2)/2の
合 成f(x),f(f(x)),…
数 列 を 動 的 シ ス テ ム と 見 た と き各 項anを 不 動 点√2−1に
にx=−2.5を
軌 道 と い う 。a1=0の
収 束 す る と い い,a1=−2.415の
代 入 す る。
と き軌 道anは
と き の 軌 道 は負 の 無 限 大 に 発
散 す る と い う。
図4.22
問22
再 帰 関 係an+1=an2−0.5が
anの
グ ラ フ(a1=0)
あ る 。 次 の 中 で 収 束 す る初 期 値 は ど れ か 。 ま た,収
発 散 が 分 か れ る 初 期 値 に 最 も近 い も の は ど れ か 。 初 期 値a1=−1.4,−1.3,−1,0,1,1.0,1.4,1.5
束,
[2]
カ オ ス
反 復 法 は,〔 例 題19〕
の よ う に 初 期 値 の 取 り方 に よ って は 収 束 し な い こ と が あ
る。 そ の と き近 似 解 は 求 め ら れ な い が,数
〔 例 題20〕 {an}の
方 程 式x=1−x2を
列 の 研 究 対 象 と して 考 え よ う。
初 期 値0≦a1≦1の
反 復 法 で 解 き,作
られ る数 列
性 質 を調 べ よ。
〔 解 〕f(x)=1−x2の
合 成 関 数f(f(x)),f(f(f(x))),…
を 作 り,x=0.2を
代
入 し て み る。
図4.23 周 期2の
こ の 軌 道 は0,1が にnの
軌道
交 互 に 現 れ る。 こ う し た 軌 道 を,周
値 だ け を と る 軌 道 を 周 期nの
の 任 意 の 初 期 値 で,図4.23の
期2の
軌 道 と い う。 〔例 題20〕
よ う に 最 終 的 に0,1の
軌 道 と い う。 同 様
の 軌 道 は,0≦a1≦1
値 だ け を と る 周 期2の
軌道
に 落 ち 着 く。
問23 方 程 式x=1.13(1−x2)を
〔 例 題21〕
方 程 式x=1.2(1−x2)を
初 期 値0の 反 復 法 で 解 い た と きの 周 期 を調 べ よ。
反 復 法 で 解 き,軌
道anの
性 質 を 調 べ よ。
と して,anの
〔 解〕 再 帰 関係〓 の 軌 道 を 点(an,an+1)で
推 移 を 点(n,an)で
求 め,an
調 べ る。
(4.54)
〔注2〕
図4.24 anの
推移
図4.25 anの
軌道
〓で
再帰 関係 こ と も な く,簡
k>1.2の と き,図4.26か
らanの
軌道 は収 束 す る
単 な 周 期 も もた な い 。 こ う した 「無 規 則 」 な 軌 道 の こ と を カ オ ス
と い う。
図4.26
図4.26は
初 期 値a1=0,再
カ オ ス
り,点(k,an),10≦n≦20を
帰 関係
〓で0≦k≦4をx軸
に と
打 っ た も の で あ る。 点 が 不 規 則 に 打 た れ る と こ ろ
が カ オ ス を示 す 。 プ ロ グ ラ ム を次 に示 す 。
(4.55) (4.56)
(4.57) 〔注1〕NestList[f,0,15]は,a[1]=0を 〔注2〕Flatten[]は,リ
起 点 と し,a[15]ま ス トの 整 理 を 行 い,今
で 計 算 す る。
度 の 場 合 は,ListPlot[]で
扱 え るデ ー
タ リ ス トに ま と め る 。
問24 方 程 式x=ksinxを
[3]
反 復 法 で 解 く と き 軌 道 が カ オ ス に な るkの
値 を見 つ け よ。
フ ラ クタ ル
図4.27の よ うに,そ の 中 に 自分 自身 と相 似 な 図 形 が 現 れ る図 形 を フ ラ ク タ ル と い う。 カ オ ス が生 じる と き の動 的 シ ス テ ムanの 初 期 値a1全 体 の な す 図 形 は フ
〓
ラ ク タ ル に な る。 そ う した 例 を 作 っ て 見 よ う。
図4.27
フ ラク タ ル
〔 例 題25〕 次 の再 帰 式 に よ る軌 道anが カ オ ス に な る よ う な定 数cの 図 形 を 描 け。
(4.58) 〔解 〕│a20│<10に
な る 複 素数c=x+yiを
−0.5≦x≦1.5,−1≦y≦1の
範 囲 で
探 す 。
〔注3〕
〔 注4〕
〔 注5〕
〔注3〕 m=m+1を
最 初 にm=0,c=x+yiと 繰 返 し,こ
す る。
つm<20の
の 条 件 を 満 た さ な い と きg(x,y)=mと
〔注4〕g(x,y)=mを│x│≦1.5,│y│≦1.5で 〔注5〕
お き,│z│<10か
正 方 形:│x│≦1.5,│y│≦1.5の
と き z=f(z)と す る。
色 に置 きか え る。 メ ッ シ ュ を1002個
に と り,色
調 を デ フ ォ ル トに
図4.28
式(4.56)な
マ ンデ ル プ ロ集 合
ど の 再 帰 式 で 軌 道anが
は フ ラ ク タ ル に な り,こ
図4.29
カ オ ス に な る と き の 定 数 項cの
し て も フ ラ ク タ ル が 現 れ る 。(図4.28)境
と な る と き の 初 期 値 a1を プ ロ ッ ト 界 の集 合 を ジ ュ リア集 合 と い う。 この
と き の 処 理 は 次 の よ う に す る 。 た だ し,c=0.22−0.7i
練 習問題 1. 次 の数 列 を で きる だ け多 くの方 法 で作 れ。
(b))
作 る図形
れ を マ ン デ ル ブ ロ集 合 と い う。
複素数 の再帰式〓
(a)
ジ ュ リア集 合
2. 年 利3%の
銀 行 預 金 に1万 円 を預 け,a1=1と
す る。
丸1年 後 の 元利 合 計 金 額 をa2,丸n−1年 後 の元 利 合 計 金 額 をanと す る。 一 方 ,年 の利 回 りが8%の 株 式 を1万 円 買 い,b1=1と し,bnを 丸n−1年
後 の配 当
と元 金 の合 計 金 額 とす る。 次 の各 問 に答 え よ。
(a) an,bnの
再 帰 式,お
よび 明 示 式 を 求 め よ。
(b) 何 年 以 上 で 銀 行 預 金 の方 が 有 利 に な るか 。Mathematicaで
方 程 式 を解 け。
た だ し,銀 行 預 金 は利 子 が 利 子 を 生 む 複 利 で あ るの に対 し,配 当 金 で株 式 を 買 う こ と は な い とす る。 3. 平 面 上 にn本 の直 線 が あ る と き,3本
の 直線 でで き る領 域 の個 数anの 再 帰 式,お
明 示 式 を 求 め,明 示 式 が常 に正 しい こ とを示 せ。 た だ し,直 線 は ど の2本 どの3本も1点
よび
も平 行 で な く,
で交 わ らないとする。
図4.30
4.
フ ィボ ナ ッチ数 は
た だ し,gは 黄 金 比 5.
分 数10000/9702,10000/9899の
〓とな る こ とを 示 せ。
〓と す る。
ヒ ン ト;式(4.43),お
小 数 は ど う な る か 試 み,母
よび数学的帰納法 関 数 と 問21か
らその理 由
を説 明 せ よ。
6. 再 帰 関係 で描 け。
〓の ジ ュ リア集 合
〓の範囲
第5章 デ ー タ 処 理 と確 率 あ る こ との 全 体 の様 子 を見 た り,そ こか ら何 か 判 断 した り,予 測 を した りす る ときに デー タを集 め て 情 報 収 集 し表 現 な どの 処 理 を す る。 こ こで は,デ ー タ の表 し方 や 扱 い 方 に つ い て考 え,確 率 で 予 測 を行 お う。
5.1 デ ー タ の 表 し方 情 報 化 社 会 は情 報 の 洪 水 の 中 にあ る。 情 報 を う ま く利 用 して本 質 を求 め るため, 数 値 を中 心 に した離 散 デ ー タ の表 現 や 利 用,つ [1]
ま り記 述 統 計 につ い て考 え る。
統 計 グ ラ フ
表5.1は1994年
現 在 の原 子 力発 電 量 の実 績,建
設 中を含 む今 後 の計画発 電量
の 表 で あ る。 い ろ い ろな統 計 グ ラ フで この表 を表 そ う。 〔 例 題1〕
表5.1の 実績 を 円 グ ラ フ,計 画 を棒 グ ラ フ,両 方 を折 れ線 グ ラ フで 表
せ。 〔 解 〕Mathematicaは う。
で は統 計 グ ラ フ を特 殊 な グ ラ フ とみ な し,次 の 手 順 で 行
〓 〓
〔 注1〕(図5
.1)
(5.1)
〔 注2〕
(図5
.2)
表5.1 発 電 量 の実 績 と計 画
図5.2
図5.1
実績の円 グラフ
折 線 グ ラ フ はListPlotで
作 る こ とが で き る。 〔注3〕〓
〔 注4〕〓
棒 グ ラフ
(5.2)
図5.3
実 績 と計 画 の 折 れ 線 グ ラ フ
日 本 は 発 電 量 の 実 績 で は世 界 の3番 は,か
目 に 多 い。 しか し,将
な り消 極 的 で あ る。 そ れ に 対 し て ブ ラ ジ ル は,将
来 の 拡 張 性 につ い て
来 の原 子力 発 電 の活 用 に
非 常 に 積 極 的 で あ る。 こ う し た こ と が 統 計 グ ラ フ か ら わ か る。 〔 注1〕PieChart[data]は,dataを
円 グ ラ フで 表 示 す る。
〔 注2〕PlotRange->{{0,12},{0,1400}}で0≦x≦12,0≦y≦1400の
作図 範囲 を指
定 す る。 〔 注3〕PlotJoined->Trueで 〔 注4〕show[]で,複
離 散 的 な 点 を 結 び,折
れ 線 を 作 る。
数 の グ ラ フを 同 一 の グ ラ フ内 に重 ね て表 示 す る。
問1 表5.1で,計画×100/実績+計画 の デ ータ と 実 績 の 折 れ 線 グ ラ フ を 作 り,日
本 の原 子
力 発 電 の 積 極 性 につ い て調 べ よ。
〔 例 題2〕
表5.2は,あ
る学 校 の 男 女 そ れ ぞ れ20名
女 子 の 点 数 に つ い て リ ー フ プ ロ ッ ト,度 数 分 布 表,度
の 数 学 の テ ス トの 点 で あ る 。 数 多 角 形,パ
レ ー ト図 を 作
れ。 表5.2 数 学 の 点
〔 解〕
リ ー フ プ ロ ッ トは2桁
台 の 各 級 に つ い て,点
数 の1の
桁 を 並 べ た 表 で あ る。
〓
表5.3
女 子 の 度 数 の リ ス トb1と
リー フ プ ロ ッ ト
度 数 分 布 表(図5.4)を,次
の よ うに作 る。
(5.3)
(図5.4)
図5.4
度数分布表
図5.5
度 数 多 角 形 は度 数 分 布 の 折 れ線 グ ラ フで,b2の
度数多角形
デ ー タを交 換 して 作 る。
〔 注5〕〓
ListPlot[b3,PlotJoined->True]
(図5.5)
パ レ ー ト図 は 累 積 度 数 の 折 れ 線 グ ラ フ で あ り
,次 〔注6〕〓
の よ うに して作 る。
(図5.6)
図5.6
〔 注5〕Reverse[list]は,listの
パ レ ー ト図
要 素 を反 転 す る。
〔 注6〕Length[Select[b,#<n&]]で
リス トbの 中 のn未 満 の 要 素 の 個 数 を 求 め る。
問2 表5.2の 男 子 に つ い て 〔 例 題2〕 と同 様 の グ ラ フ と表 を 作 れ。 表5.2の
デ ー タ は 大 き さ が20の
女 子 の デ ー タ の レ ン ジ は35点
[2]
デ ー タ と い い,デ
か ら91点
ー タ の 範 囲 を レ ン ジ と い う。
で あ る。
代 表 値
前 述 の デ ー タ で は,女
子 の 点 数 は60点
台 に 集 中 し,男
子 よ り も集 中 度 が 大 き
い 。 こ う し た 傾 向 を 数 値 で と ら え よ う。 〔 例 題3〕
表5.2の
〔 解 〕Mathematicaで
女 子 の デ ー タ の 平 均 値,標 は,次
準 偏 差,メ
ジ ア ンを求 め よ。
の記 述 統 計 パ ッケ ー ジ を読 み 込 ん で こ れ らの値 を
求 め る。 表5.4 代 表 値
≪Statistics'DescriptiveStatistics'〔
注7〕
〔注7〕≪Statistics'DescriptiveStatistics'で 〔注8〕
記 述 統 計 の パ ッケ ー ジを読 み 込 む。
平 均 に は 他 に 相 乗 平 均;GeometricMean[],調
和 平 均;HarmonicMean[]が
あ る。 〔注9〕
分 散 のMLEは;Maximum
Variance[]は 〔注10〕
Likelihood
母 分 散 で,式(5.5)で20の
代 わ り に19で
関 数StandardDeviation[b]を
〔例 題3〕
の 各 値 は,次
Estimateの
略 で あ る。 割 りυ′=223.737に
母 標 準 偏 差 と い い,√υ′=14.9578で
な る。 あ る。
の 計 算 で 求 め て い る。
平均値
(5.4) 分
散 (5.5)
標準偏差
(5.6)
メ ジ ア ンj=(リ
ス トaを 昇 順 に 並 べ,10番
目65と11番
目67の
平 均 値)
(5.7) デ ー タ の 大 き さnが 問3
表5.2で,男
〔 例 題4〕 (a)
奇 数 の と き,メ
ジ ア ン はj=((n−1)/2番
あ る。
子 の デ ー タの代 表 値 を求 め よ。
次 の 代 表 値 に は どん な 特 徴 が あ るか,表5.2の 平 均 値mと
〔 解 〕(a)
目 の 値)で
標 準 偏 差s
平 均 値m=63.5は,点
(b)
デ ー タを 使 って 説 明 せ よ 。
メ ジ ア ンjと4分
位 数q1,q2
数 を 人 数 で 均 し た 値(図5.7)で,標
sは 平 均 値 か ら の ば らつ き を 示 し,m±sの
範 囲;48≦x≦80に
ほ ぼ70%が
準 偏差 入 る
(図5.7)。 (b) 下 位4分
メ ジ ア ンjは,順 位 数q1,上
位 が中 央 に くる人 の点 数 を示 す。
位4分
位 数q2は
順 位 が 下(上)か
ら1/4に
あ る人 の 点 数 で
あ る。 下 位4分 位 数q1と 上 位4分 位数q2の 間 に ち ょ うど50%が
入 る(図5.8)。
平 均 値 と メ ジア ンは近 い値 だ か らこの度 数分 布 は平 均 値 に 関 して ほぼ対称 で あ る。
図5.7
図5.8
平 均 値 と 標 準 偏差
メ ジ ア ンと4分 位 数
問4 女子 と比 べ たときの男子 の特徴 を,平 均値 と標準偏 差を使 って説明せよ。 度数 分 布 が与 え られ て い る場 合 の平 均 値 と標 準 偏 差 を求 め よ う。 〔 例 題5〕
次 の デ ー タは,100人
につ いて1960年
と1991年 に お け る1家 族 の 人
数 を調 べ た結 果 で あ る。 この表 か ら1960年 の平 均 値mと 表5.5 家 族 の 人 数
〔 解 〕 平均 値mは
次 の よ うに計 算 す る。
標 準 偏 差sを 求
よ。
(5.8) 分 散υ は,m=4と
人 数 の2乗
の 平 均 値 と して,標
準 偏 差sは√υ
で求 め る。
(5.9)
Mathematicaで
は,数
ベ ク トル の 内 積 を 利 用 し て 次 の よ う に して 求 め る。
(5.10)
(5.11) 〔 注11〕
問5
内 積a1.a2で1・16+2・11+…+7・15を
計 算 す る。
1991年 の家 族 の平 均 値,標 準 偏 差 を求 め,そ の 特 徴 を 調 べ よ。
平 均 値 と標 準 偏 差 を 利 用 して 偏 差 値 を 求 め よ う。 〔例 題6〕
表5.2の
女 子 の デ ー タ(b)か
ら,女
子 各 人 の偏 差 値 を求 め よ。
〔 解 〕 女 子 の 平 均 値m=63.5と
標 準 偏 差s=14.579を
い て,〓
を求 め る。
使 い,女
子 の 各 値biに
つ
(5.12)
一 般 に,偏
差 値 を 式(5.12)で
作 る。
偏 差 値 は 平 均 値50,標
準 偏 差10に
な る 。 デ ー タbが
正 規 分 布 に 近 い と き,偏
差 値50点,60点,70点
の 人 は そ れ ぞ れ 上 位50%,15%,2.5%に
い る。
● 参 考 ボ ッ クス プ ロ ッ ト メ ジ ア ン,4分
位 数 の 利 用 例 と し て 表5.2の
≪Statistics'DescriptiveStatistics'〔
デ ー タ を ボ ッ ク ス プ ロ ッ トで 表 す 。 注12〕
≪Graphics'Grahics'
〓で,〓
(メ ジ ア ン)
〓で,〓 (下位4分 位 数) (上位4分 位 数)
〓で,
〓で,35
(最 低 点)
〓で,91
(最 高 点)
(図5.9) 図5.10か
図5.9
5.2 相
ら,男
子 の方 が ば らつ きの大 きい ことが わ か る。
女 子 の ボ ッ ク ス プ ロ ッ ト
図5.10
男 女 の ボ ッ ク ス プ ロ ッ ト
関
数 学 と英 語 の成 績 の関 係 な ど,2種
類 の デ ー タの 関連 性 につ い て調 べ よ う。
[1]
相 関 図
〔 例 題7〕
表5.6は,あ
る10人 の生 徒 の数 学 と各 科10段 階 の評 価 で あ る。 こ の
表 か ら数 学Iと 各 教 科 の相 関図 を作 り特 徴 を 調 べ よ。 表5.6 各 教 科 の 評価
〔 解 〕Mathematicaで Aの
リ ス トを 作 り,次
の 処 理 を 行 う 。 こ れ は,数
学Iと
相 関 図 で あ る(図5.11)。
数学
図5.11
図5.14
完全な正の相関
図5.12
強い正の相関
強い負の相関
図5.15
弱い負の相関
図5.13
図5.16
弱 い正 の相 関
相関 がない
同 様 に,
と して 図5.12か 図5.11の
ら図5.16の
相 関 図 が で き る。
形 を 完 全 な 正 の 相 関 が あ る と い う。 図5.12を
い い,図5.13を
弱 い 正 の 相 関 が あ る。 ま た,図5.14は
強 い 正 の相 関 が あ る と 強 い 負 の 相 関 が あ り,図
5.15は 弱 い 負 の 相 関 が あ る 。
問6 表5.6か
[2]
ら国 語 と体 育,国 語 と社 会 の相 関 図 を作 成 し,相 関 関 係 を調 べ よ。
相 関 係 数
相 関 関 係 につ いて,正 負 と強 弱 の度 合 いを数 値 化 しよ う。 〔 例 題8〕
数 学Iと 英 語 の相 関 係数rを 求 め よ。
〔 解 〕 次 の 手 順 でrを 求 め る。 ① 平 均 値 と標 準 偏差 を求 め る。 数 学 の平 均 値x=5.5点,英
語 の 平 均 値y=6.4点
数 学 の標 準 偏 差sx=1.746点,英
語 の 標 準 偏 差sy=1.428点
② 共 分 散 を求 め る。
(5.13)
③ 相 関 係 数rを 求 め る。
(5.14)
〓で,〓
数学Iと 他 の教 科 との相 関係 数 は表5.7の よ う にな る。 表5.7 相 関 係 数
表5.8 相 関 と相 関 係 数 の 関 係
相 関 関 係 と相 関 係 数 に つ い て 表5.8の
こ と が,お
お よ そ い え る。
問7 国 語 と体 育 の相 関係 数 を求 め,相 関 関 係 の状 態 を 調 べ よ。
[3] 身 長 と 体 重 の 相 関 関 係 身長 と体 重 の相 関 関係 と肥 満指 数 で,肥 満 や や せ の傾 向 を 判 定 しよ う。 〔 例 題9〕
表5.9は,あ
カ指数,松 木 の指 数,ロ
る女子 高校 生15人
の身 長 と体 重 の デ ー タで あ る。 ブ ロ
ー レル指 数 に よ って各 生 徒 の肥 満度 を調 べ よ。 表5.9 身長 と体重
〔 解〕
標準 体重 を 次 の 式 で 表 す。
(a) ブ
ロ カ 指 数;(標
準 体 重)=(身
長−100)×0.9
(5.15)
(b) (c)
松 木 の 指 数;(標
準 体 重)=21.5×10-4×(身
長)2
(5.16)
ロ ー レ ル 指 数;(標
準 体 重)=135×10-7×(身
長)3
(5.17)
太 り ぎ み,や
せ ぎ み の 判 定 は,次
の式 で行 う
太 り ぎ み の 限 界;y=1.1×(標
準 体 重)
(5.18)
や せ ぎ み の 限 界;y=0.9×(標
準 体 重)
(5.19)
デ ー タ か ら リス トa,bを 5.17)。 ま た,ブ
図5.17
作 り,点
を 打 ち 各 標 準 体 重 を 直 線 と 曲 線 で 表 す(図
ロ カ 指 数 で 太 り ぎ み と や せ ぎ み の 判 定 を 行 う(図5
標 準 体 重(三
つ の指 数)
図5.18
.18)。
太 り とや せ の 限 界
(図5.17) (図5.18)
図5.17ま
で にb,c,dの
を 調 べ る。 図5.17か と が わ か る 。 図5.18か
グ ラ フ が 現 れ る が,こ
ら(身 長)>160程 ら,番
号11,13が
れ ら は 省 略 し,図5.17と
度 で は,3つ
図5.18
の 指 数 が ほ ぼ 同 じに な る こ
太 り ぎ み,番
号5,6,9,10の
生 徒が や
せ ぎ み で あ る 。 同 様 の こ と を 松 木 の 指 数 を 用 い て 調 べ る こ と が で き る(図5
.19)。
〓
た だ し,式(5.16)で (5.18),式(5.19)で
男 子 の 場 合 の 定 数 は21.5の
図5.19
問8
の 正 確 な 定 数 は,そ
標 準 体 重(松
代 わ り に22を
れ ぞ れ1.12,0.885で
木 の 指 数)図5.20
ロ ー レル 指 数 を 用 い て 図5.20を
作 り,表5.10の
用 い る。 式
あ る。
標 準 体 重(ロ
ー レル 指 数)
生 徒 の肥 満 と やせ を調 べ よ。
5.3 モ デ ル 式 と予 測 相 関 図 を代 表 す る直 線,曲 線 の 式 を 作 り,推 定 や予 測 を して み よ う。 [1]
直 線 モデ ル を作 る
デ ー タの相 関 関 係 を うま く表 す 直 線 の式 を考 え る。 〔 例 題10〕 次 の表 を用 い て,各 生 徒 の英 語 の点 数 を 数 学 の 点 数 の1次 関数 で表 せ。 表5.10 数 学 と英 語 の 点
〔解1〕MathematicaのFitを
使 っ て 一 次 関 数 の 近 似 を す る。
〔注1〕〓
よ っ て,近
似 直 線 はy=0.62x+2.97
y0
〔注1〕Fit[a,{1,x},x]で
リス トaの
一 次 関 数 近 似 を,Fit[a,{1,x,x^2},x]で2次
関数
近 似 を 行 う。 〔解2〕
数 学,英
語 の 平 均 値 が 表 す 点(x,y)を
通 り,傾
き〓
の 直 線 を作 る。
(5.20) ① 数 学,英
語 の 平 均 点 は,x=5.5(点),y=6.4(点)
② 数 学 の 標 準 偏 差 は,sx=1.685 ③ 数 学 と英 語 の 共 分 散 は,sxy=1.76 ④ モ デ ル 式 は,
Mathematicaで
は ① ∼ ④ を 次 の よ う に 行 う。
図5.21
回帰 直 線
〓か ら sxは 〓か ら,
〓 は〓 〓か ら,
直 線 はy=0.62x+2.97
は2.97377
(5.21)
式(5.20)を 〔 解3〕
回 帰 直 線 と い う。 式(5.21)は
回 帰 直線y=ax+bが
相 関 表 を よ く表 して い る(図5.21)。
あ っ た と す る。
こ の 直 線 と 各 点 と の 偏 差di(図5.22)の
平 方 和sが
最 小 に な る と き のa,bを
求
あ る。
(5.22) sをaの2次 sをbの2次
関 数 と み てaで
微 分;D[s,a]は−742+666a+110b
関 数 と み てbで
微 分;D[s,b]は−128+110a+20b
連 立 方 程 式 を 解 きsが 最 小 に な るa,bを
回 帰 直 線 は,y=0.62x+2.97に
求 め る。
な る。
図5.22
偏
差
〔 解3〕 の 方 法 を最 小2乗 法 と い う。 次 に,回 帰 直 線 を 使 って抜 け た 値 を推 定 し よ う。 〔 例 題11〕
数 学 の 成 績 が4の と き の英 語 の成 績 を,回 帰 直線 の式(5.21)で
推定
せ よ。 〔 解〕
式y=0.62x+2.97にx=4を
代 入 す る。
〔注2〕
英 語 の 成 績 は,約5と 〔 注2〕Mathematicaで
な る。 はxの 式yにx=aを
代 入 す る と き,/.x->aを
用 い る こ とが
で き る。 問9
表5.9の
身 長xと
と 比 べ よ 。 ま た,身
[2]
2次
体 重yの
長160cmの
回 帰 直 線 を 求 め,標
準 体 重 の 式y=0.9(x−100)
人 の標 準 体 重 を求 め よ。
関 数 モ デ ル
水 の 重 さ は4℃ の と き1ccで1gで
あ るが,詳
し く は表5.11と
に な る。 これ らの離 散 的 な各 点 を結 ぶ2次 関数 を 求 め よ う。 表5.11 水 の密 度
図5.23
水の密度
図5.23の
よう
〔例 題12〕
水 の密 度 を,温 度 の2次 関 数 で 表 せ 。
〔解 〕Fit関
数 を使 う。
(5.23)
(図5.23) (図5.24)
図5.24
問10
表5.12は
日 本 の60歳
近 似 曲線
以 上 の 人 の 割 合 で あ る 。 これ を2次
年 の 割 合 を 推 定 せ よ 。 た だ し,xは60,70,80,90,100の
関 数 で 近 似 し,西
暦2000
よ うに とれ 。
表5.12 60歳 以 上 の人 の 割 合
〔 例 題13〕
あ る コ ン ビニ で は,お
円 で 売 る と1日
に152個
菓 子Aは
目下 売 れ 行 き ナ ンバ ー ワ ンで,1個60
売 れ る と い う。 表5.13か
ら,1円 値 上(下)げ
す る と2個
売 り上 げ が 減 る(増
え る)こ
と が わ か っ て い る 。 こ の お 菓 子 を1個
い くらで売 れ
ば よ い か。 〔解1〕
表5.13の
デ ー タ を2次
式 で近 似 す る。
(図5.25) 表5.13
図5.25
売 り上 げ の よ うす
この2次 関 数yは,
だ か ら,1個68円 〔 解2〕 る。
で 最 大9248円
こ の お 菓 子1個
に な る。
の 値 段 をx円,売
れ た 個 数 をy個,売
り上 げ をz円
とす
(5.24)
1個68円
で 売 り上 げ が 最 大9248円
問11 外 食 チ ェー ンの 吉乃 屋Aで た,過 去 の デ ー タか ら,10円
に な る。
は,1杯400円
の丼 を1日 に800食
さば け る と い う。 ま
値 上 げす る とお 客 は50人 減 る と い う。 この 丼 の 売 り上 げ に
つ いて 予 測 せ よ。
図5.26
外 食 チ ェー ン の売 り上 げ
5.4 確 率 の 実 験 不 確 か な 現 象 の起 こ りや す さ を確 率 で 表 し,そ の 利 用 を 考 え よ う。 ま た, Mathematicaで [1]
確 率 の実 験 を試 み よ う。
起 こ リや す さ
コ イ ンや さ い こ ろ投 げ,ト
ラ ンプ な ど で不 確 か な現 象 を作 り出す こ とが で きる。
い ろ い ろ な不 確 か な 現象 に つ い て,起 〔 例 題14〕
こ りや す さ を考 え よ う。
今 年 夏 の か もめ ー るは が きの く じは百 万 枚 発 行 され,当 選 番号 は次 の
よ うで あ った とい う。 切 手 シー ト賞 の 当 た る可 能 性 を,各 場 合 につ いて調 べ よ。 (a) 百 万 枚 全 部 買 っ た場 合 (b) 100枚 買 った場 合 (c) 1枚 買 った場 合
表5.14
〔解 〕(a)
当 た る の は100万
6/100 ×
か も め ー るの 賞
=6万
枚
表5.15 度 数 と確 率
この 場合,確 実 に6万 枚 当 た る。 (b)
当 た る の は 100×6/100
=6枚
この 場 合,不 確 か で あ るが6枚 が現 れ や す い。 (c)
当 た る の は6/100=0.06
こ の と き0.06は Mathematicaで
起 こ りや す さ の度 合 いを 表 す。 は,次
(c) の 値0.06を,3等
の よ う に リス トを 用 い て 確 率 を 計 算 す る。
が 当 た る確 率 と い う 。(b)は
確 率0.06を
利 用 して い
る。 か も め ー る で 各 等 が 当 た る確 率 は,表5.15の る 。 「1等 が 当 た る こ と 」 な ど,起 根 元 事 象 と い い,「2等
こ る こ とが らで これ 以 上 分 け られ な い もの を
以 上 が 当 た る こ と 」 は,「1等
が 当 た る こ と」 で 表 せ る の で,こ 問12〔
よ う に 度 数 分 布 表 か ら求 め ら れ
が あ た る こ と,ま
た は2等
う し た こ と が らを 単 に 事 象 と い う。
例 題14〕 で 何 も当 た ら な い確 率 を求 め よ。
〔 例 題15〕
次 の 各 場 合 の 確 率 を 求め よ 。
(a)
幕 内 と十 両 の 力 士 の 枠 は 現 在40人
は210人
お り,彼
と27人
い る。 一 方,幕
下以 下の力士
らが 関 取 に な る チ ャ ン ス は み な 等 し い と す れ ば そ の 確 率 は ど れ
だ けか。 (b)
コ イ ン を3回
投 げ た と き す べ て 表 で あ っ た 。 こ の と き,4回
目 に表 が 出
る確 率 は ど れ だ けか。 〔解 〕(a)
(b)
67/210≒0.319
3回 目 ま で の結果に
前 述 の(a)で
は,チ
る 。 こ の 仮 定 を,同
無 関 係 に,4回
目 が 表 で あ る 確 率 は1/2
ャ ン ス が 等 し い と した の で 統 計 的 な デ ー タで 計 算 が で き
様 に 確 か ら し い と い い,次
(同 様 に確 か ら しい確 率)=
の 式 が 成 り立 つ。
(条件 を満 たす根元事象 の個数) /(根元事象全部 の個数)
(5.25)
しか し,現 実 に は各 力 士 の チ ャ ンス は け い この 量 な ど で異 な る。 同 様 に確 か ら しい仮 定 を して,確 率 を考 え る と き に は デ ー タの 特 性 の 一 部 を無 視 して 使 う。 (b) の よ う に,コ イ ン投 げ の よ うに何 回 も行 う こ とが で き,し
か も各 回 の状
態 が 同 じで あ る実 験 や観 察 を試 行 と い う。 各 回 で 表 が 出 る事 象 の確 率 は,他 に無 関 係 に1/2に な って い る。 「他 と無 関 係 に確 率 が 決 ま る」試 行 を独 立 試 行 と い う。 独 立 試 行 で,あ
る事 象Aの
起 こる確 率 がpの
と き,次 の式 が成 り立 つ 。
(n回 続 け て 事 象Aが
起 こ る 確 率)=pn
(5.26)
問13 あ る家 で は3人 の 子供 が 皆女 の子 で4人 目 の子 供 を現 在 妊 娠 中 で,4人
目 も女 の 子
か し らと こ の奥 さ ん は考 え て い る。 こ の子 が 女 子 にな る確 率 を 求 め よ〔 注1〕 。 〔 注1〕
確 率 を 考 え る と き,こ の奥 さん の 体 質,つ
問14 さ い こ ろ を2回 投 げ,1と1の
ま りデ ー タの 特 性 の一 部 を無 視 す る。
よ う に同 じ目が 出 る,つ ま り ゾ ロ メ に な る確 率 を 求
め よ。 ま た,こ れ を3回 繰 り返 す と き,3回
と も同 じ 目に な る確 率 を求 め よ。
[2] 確 率 の 表 し方 事象 を集合 で,確 率 を式 で表 してその値を求め よ う。 〔 例 題16〕
よ く 切 っ た52枚
の カ ー ドか ら1枚
引 く と き,次
集 合 の 記 号 を 使 っ て 表 し,そ よ。
の トランプ の確 率 を の値 を求 め 図5.27
トラ ン プ の 絵 札
(a)
ハ ー トか ス ペ ー ドで あ る 確 率
(b)
ハ ー トか 絵 札 で あ る 確 率
〔 解〕
ハ ー ト,ス ペ ー ド,絵 札 で あ る 事 象 を そ れ ぞ れH,S,Eと
す れ ば,そ
の
確 率 は次 の よ うに表 す こ とが で き る。
各 事 象 の 位 置 関 係 を 表 す と 図5.28,ベ
図5.28
図5.29
ン図 は 図5.29の
よ う に な る。
各事 象 の 位 置
事 象 のべ ン図
(a)
(5.27)
(b)
(5.28)
確 率 で は起 こ り う る事 柄 つ ま り事 象 を 集 合 で考 え,大 文 字A,Bな
どで表 す。
ま た,事
象Aが
起 こ る 確 率 をP(A)で
表 す 。 事 象A,Bが
あ る と き,次
の よ う
に事 象 を 表 す 。
Aま
た はBが
AとBが
Aが
起 こ る事 象(和
同 時 に 起 こ る事 象(積
事 象)A∪Bの
起 こ ら な い 事 象(余
図5.29のHとSの
よ う に,共
と い う。 排 反 な 事 象A,Bに
確 率;P(A∪B)
事 象)A∩Bの
事 象)Aの
確 率;P(A∩B)
確 率;P(A)
通 部 分 が な くH∩S=φ
つ い て,式(5.27)と
と な る 事 象H,Sを
排反
同 じ く次 の 性 質 が 成 り 立 つ 。
(5.29) 事 象A,Bに
つ いて 次 の性 質 が 成 り立 ち,確 率 の和 の法 則 とい う。
(5.30) 事 象Aと
そ の余 事 象Aの
確 率 に つ い て,次 の性 質 が 成 りつ 。
(5.31) 問15 a,b,cの3人
が レス トラ ンに行 き,か ぶ って い た 帽 子 を預 け た 。 帰 りに で た らめ に
帽 子 を も ら う と き,少 な く と も1人 が 自分 の帽 子 で あ る確 率 を求 め よ。
[3]
確 率 の利 用
確 率 の考 え方 を利 用 して,い
くつ か の問 題 を解 こ う。 次 の 問題 は赤 玉,白 玉 で
結 果 を象 徴 した決 定 問題 で あ り,人 生 で この よ うな決 定 場 面 が多 数 あ る。 〔 例 題17〕5つ
の筒 が立 て て あ り,中 に赤 と 白の 玉 が 入 って い る。3つ の 筒Aに
は白玉 が2個,赤 て い る(図5.30)。
玉 が4個,残
りの2つ の筒Aに
は 白玉 が3個,赤
い まa君 が 目隠 しを して で た らめ に筒A,Aを
玉 が2個 入 っ 選 び,次
の 中か ら玉 を1個 選 ぶ 。 こ の と き,選 ん だ 玉 が 白玉 で あ る確 率 を 求 め よ。
図5.30
筒
と 玉
にそ
〔 解 〕 筒 と玉 の選 び方 お よ び それ らの 確 率 は次 の よ う にな る。
図5.31
筒 と玉 を選ぶ 確 率
選 ん だ玉 が 白玉 で あ る確 率 は次 の よ うに な る。
(5.32) こ の 式 は,確
率 の か け 算 を 行 っ て い る。 図5.32か
き る。 事 象Aが
起 こ っ た と き に 事 象Bが
らそ の 根 拠 を探 る こ と が で
起 こ る 確 率 をPA(B)で
表 し,条
件 付
き 確 率 と い う。
図5.32
〔 例 題17〕 で は,筒Aを を 掛 けて 筒Aの
条件 つ き碓 率
選 ぶ確 率P(A)と,筒Aか
白玉 を 選 ぶ確 率P(A∩B)を
ら白玉 を選 ぶ 確 率PA(B)
求 め て い る。 次 の式 を,確
率 の積
の 法 則 と い う。
(5.33)
式(5.32)で
は,積
の 法 則 を2つ
使 っ てBの
確 率 を次 の よ うに求 め て い る。
(5.34) 問16〔
例 題17〕 に つ いて,次
(a)赤
玉 を選 ぶ確 率
の確 率 を求 め よ。 (b)選
ん だ 玉 が 白玉 の と き,筒Aを
問17 10本 の く じの 中 に3本 の あ た り く じが あ る。A,Bが
選 ん だ 確率
こ の順 に く じを引 くと き,A,B
が 当 た る確 率 を そ れ ぞ れ求 め よ 。
〔 例 題18〕A,Bの2人
が じ ゃん け ん を3回
繰 り返 し,勝
っ た 回 数 を 記 録 す る 。A
君 の勝 ち数 とそ の確 率 の 関係 を調 べ よ。 〔 解 〕A君
が勝 つ 場 合 ○ と その 個 数 と確 率 は次 の よ うに な る。 △ は あ い こか 負
け の場 合 で あ る。 A君
の 勝 つ 回 数 をXと
す れ ば,各Xの 表5.16 A君
確 率 は次 の よ う に ま と め ら れ る。 の勝 つ 回数 と確 率
0回 勝 つ;
1回 勝 つ;
2回 勝 つ;
3回 勝 つ;
こ こで,確 率 の 計 算 の 意 味 につ い て考 え よ う。 〔 例 題18〕 で,A君
P(1回
が3回
と も勝つ 場 合 の確 率 は次 の式 を も とに して い る。
目勝 ち ∩2回 目勝 ち ∩3回 目勝 ち)
=P(1回
目勝 ち)×P(2回
目勝 ち)×P(3回
目勝 ち)
(5.35)
じゃん けん や コ イ ン投 げ の よ うに,各 試 行 の事 象 が他 の試 行 の事 象 と無 関 係 な 試 行 を 独 立 試 行 と い い,異 な る試行 の事 象A,B,Cに
つ いて 次 の式 が成 り立つ。
(5.36)
じゃん けん でA君
が 勝 つ 回 数X(=0,1,2,3)の
変 数 と い う。 確 率 変 数 がX=kと 数Xの
よ う に確 率 を伴 う変 数 を 確 率
な る確 率 をP(X=k)の
各 値kと そ の確 率P(X=k)の
式(5.37)を,確
よ うに表す。 確 率変 率 変 数Xの
確 率分 布 と
い う。 表5.17 Xの 確 率 分 布
(5.37)
〓〔注2〕〓
(図5.33)
図5.33 xの
〔注2〕Binomial[n,r]で 確 率 変 数X=1,2,3,…,nの
組 合 せ の 個 数nCrを
確率分布
計 算 す る。
確 率 が そ れ ぞ れp1,p2,p3,…,pnの
と き,こ
の 確
〓
率 分 布 の平 均m,分
散υ,標 準 偏 差sを 次 の式 で求 め る。
平均〓
(5.38)
分散
〓 (5.39)
標準偏差
〓 (5.40)
問18 図5.34の る。 玉 が4段
よ うな パ チ ン コの 模型 が あ り,玉 は 同 じ確 率 で右 か左 に行 って 上 か ら落 ち
目 の一 番 左 に き た と きを4点,一
番 右 に き た と きを0点
とす る と き,点
数x
の確 率 分 布 を求 め よ。
図5.34
図5.35 得 点 の分 布
パ チ ン コの モ デ ル
パ チ ン コの得 点 分 布 は,次 の よ う に2項 分 布 を利 用 して も描 く ことが で きる。
〔注4〕〓
(図5.35) 〔注3〕PDFは
確 率 密 度 関 数(Probability
Density
〔注4〕[BinomialDistribution[n,p],k]で2項
Function)の
略 で あ る。
分布
計 算 す る。
5.5
シ ミ ュ レ ー シ ョ ン
Mathematicaで
不 確 か な 現 象 を な ぞ り,事
象 の 起 こ り や す さ を 調 べ よ う。
〓を
[1]
乱 数 の 利 用
Mathematicaで 〔 例 題19〕1か
は,次 の よ うに して 乱 数,つ
ま りで た らめ な数 を作 り出 す。
ら6ま で の 整数 の乱 数 を300個 作 り,度 数 多 角 形 を 作 れ。
〔解 〕SeedRandomで
乱数 の初 期値 を決 めて乱 数300個
と度 数 の折 れ 線 グ ラ フを
作 る。
図5.36 乱 数 の度 数 分 布
(5.41)
〔 例 題19〕
で1∼6の
整 数 の 乱 数 を 作 れ ば,さ
い こ ろ投 げ の 実 験 の代 わ りに な
る 。 実 際 の 動 き を 模 擬 実 験 す る こ と を シ ミ ュ レ ー シ ョ ン と い う。
問19 2個 の さ い ころ を 投 げ,目 の和 を み る試 行360回
[2]
の シ ミュ レー シ ョ ンを行 え。
モ ン テ カ ル ロ 法
乱 数 を 使 っ て 確 率 の 模 擬 実 験 を 行 お う。 こ の 方 法 を モ ン テ カ ルロ 法 と い う。
〔 例 題20〕−1<a<1,−1<b<1の x2+y2=1を
図示せ よ
乱 数a,bを100個
。 ま た 点(a,b)が
ず つ 作 り,点(a,b)と
円
こ の 円 の 内 部 に あ る と き の 個 数 を 調 べ よ。
〔解 〕 乱 数 の初 期 値 を決 め,乱 数 と 円 を描 き,条 件 にか な う個 数 を調 べ る。
(5.42)
〓(図5.37)〓
(5.43) か ら77
図5.37
円 の面 積 の 近 似
式(5.42)のRandom[Real,{−1,1}]で−1<a<1の 5.37で
は 面 積 が4の
で100個
正 方 形 に 半 径1の
の 点 か ら分 け て77個
乱 数aを1つ
作 る。 図
円 が あ る 。 こ の 円 の 内 部 の 点 を 式(5.43)
に な っ た の で,円
の 面 積 は 次 の 値 で 近 似 で き る。
(5.44) 〔 注1〕Lengthを 〔 注2〕〓 の 中 か ら〓
使 って,条 件 を満 足 す る点 の個 数 を数 え る。 で,〓
とな る もの を選 び 出 す。
問20 円 の シ ミュ レー シ ョ ンを ラ ンダ ム な点1000個 〔 例 題21〕A,Bの2人
が じ ゃん け ん を し,Aが
け た と き 得 点 か ら1点
引 く。 こ れ を4回
図5.38
〔 解 〕−1,0,1の
で 行 い,π の近 似 を行 え 。
乱 数 を4個
足 し4回
勝 っ た と き 得 点 に1点
繰 り 返 す と き,A君
加 え,負
の得 点 を調 べ よ。
じゃん け ん の モ デ ル
の 得 点 を 作 り,100回
繰 り返 して 度 数 分 布
を 作 る。 SeedRandom[1735] 〔注3〕
(図5.39) 〔注3〕Random[Integer,{−1,1}]で,−1か
ら1ま
で の 整 数 の乱 数 を生 成 す る。
図5.39 じ ゃん けん の得 点 分 布
〓
問21 4回 目 にAが ・参 考
得 る得 点xの 確 率 分布 を 計 算 し折 れ 線 グ ラ フを描 き,上 と比 べ よ。
正 規 分 布 と比 べ る
〔 例 題21〕
の リ ス トbを 使 っ て 平 均 値 と 標 準 偏 差 を 求 め,正
う。 こ の 考 え 方 は,デ
図5.40
規分布 と比較 しよ
ー タの分 布 を調 べ る と きの基 本 で あ る。
得 点 と正 規 分 布
図5.41
正規分布
〔 注1〕
〔 注2〕
(5.45)
(図5.40) モ ン テ カ ル ロ法 で 作 っ た じ ゃ ん け ん の デ ー タ は 正 規 分 布 に 近 い こ と が わ か る 。 〔 注1〕
平 均 値 と標 準 偏差 を求 め た。
〔 注2〕
平 均m,標
準 偏 差sの 正 規 分布N(m,s2)は
次 の式(5.46)で
求 め られ る。
(5.46)
各mの
グ ラ フ は 図5.41の
よ う に な り,x=mで
最 大 値〓
を と り,m−s
≦x≦m+sに
全 体 の 約68%が
入 る。
練習問題 1. あ る ス ー パ ー で は,A∼F社 数 量(ダ
か ら毎 月靴 を仕 入 れ て い る。 表5.18は
各 社 か らの 仕 入 れ
ー ス)と 仕 入 額(万 円)で あ る。 表5.18
(a) 1ダ ー ス当 た りの 平 均 単 価 が 最 も高 い会 社
靴 の仕 入 れ
お よ び低 い 会 社 を あ げ よ。 (b) 靴1足
の 平 均 価 格 を 求 め よ。
2. 次 の 表 は,1995年
の,日 本 の無 配 偶 者 の割 合 で あ る。 年 齢 を27.5,32.5,…
に と り,
各 割 合 を 年 齢 の2次 関 数 で 近 似 せ よ。 ま た,男 女 の 相 関 図 の 関 係 を 調 べ よ。 表5.19 独 り者 の割 合
3. 次 の表 と 図 は 水 の 温 度 と密 度 の 関 係 で あ る。 密 度 の リス トを 作 り,温 度 の2次 関 数 で 表せ。 表5.20 水 の 密 度
4. さい ころ を2個 投 げ る と き,次 の確 率 を求 め よ。 また,シ 回数−(b)の
回数}を20回
(a) 和 が6に
な る
ミュ レー シ ョ ンで{(a)の
計 算 し,正 に な る回 数 を調 べ,そ の 確率 を 求 め よ。 (b) 和 が7に な る
5. 10本 の く じが あ り,そ の 中 の3本 が 当 た り くじで あ る。A,Bの を100回
モ ンテ カ ル ロ法 で 行 い,A,Bの
当 た る回 数 を調 べ よ。
順 に く じを 引 く実 験
第6章 離散構造 数 や集 合,リ
ス トな どの仕 組 み につ い て,こ れ まで の話 題 を もと に調 べ よ う。
6.1 指 数 の 構 造 指 数 表 現 を 中心 に数 の性 質 を探 り,そ の基 本 的 な原 理 を 明 らか に しよ う。 [1]
指 数 の 原 理
指 数 が もつ 基 本 的 な性 質 を も とに,指 数 の 問題 を解 決 す る。 指 数abは,指
数
bを 変 え た と き,次 の よ うに そ の意 味 が 変 わ る。 ① a3=a×a×a;自
然数
② a-2=1/a2;負
の整 数
③ a1/2=√a;有
理 数(分
① → ② → ③ の よ う に,指
(6.1) (6.2)
数)
数 の 範 囲 を 広 げ,そ
(6.3) の 意 味 を変 え る こ とを 指 数 の
拡 張 と い う。 指 数 の 拡 張 を す る場 合 に 基 本 と な る性 質 を 探 ろ う。
問1 Mathematicaを (a)
(b)
用 い て次 の 式 を 求 め よ。 (c)
〔 例 題1〕
次 の 式 が 成 り 立つ こ と をMathematicaで
(a)
(b)
〔 解 〕Mathematicaで
確 認 せ よ。
(c)
は,各
式 を 次 の よ う に して 確 認 す る こ と が で き る 。
(6.4)
割 り算23÷22は23-2と
同 じで,指
基 本 法 則am÷an=am-nが
数 の2を3,4,…
自然 数m,nで
(a)
と す れ ば 表6.1に
成 り立 て ば,次
な る。
の 計 算 が で き る。
(b) 表6.1 わ り算 と指 数 計 算
基 本 法 則(ab)c=abcが
有 理 数(分
数)b,cで
も 成 り 立つ と す れ ば 次 の 計 算 が
で きる。
(6.5) こ こ で,a2=2と
な る 数aは2の
平 方 根 だ か ら,次
の こ とが いえ る。
(c)
(6.6)
問2 次 の式 につ い て基 本 原 理 を探 り,そ れ が成 り立 つ こと を示 せ 。 (a)
数c>0,d>0の
(b)
と き,次
これ らの法 則 か ら,d>0に
(c) の 基 本 法 則 が 成 り立 つ 。
つ いて 次 の式 が 成 り立つ。
〓dの 正 のn乗 根
問3 nn(n=±1,±2,…)が
[2]
最 も小 さ い と きのnの 値 を求 め よ。
複 素 数 の 指 数
虚 数 単 位i,つ
ま りi2=−1と
な る 数 を 使 っ て〓
な どの数 を考 え よ
う。
〔 例 題2〕
次 の 式 を 複 素 数a+biの
(a)
形 で 表 し,そ
うな るわ け を い え。
(b)
〔解 〕ComplexExpand〔
注1〕〓
と す れ ば,次
のよ うに
な る。
(6.7) そ の わ け は,次
の よ うに して示 さ れ る。
(a)
(6.8)
(b) 〓
と す れ ば,
(x+yi)2=i(x,yは
をSolve[{x^2==y^2,2x*y==1},{x,y}]で
実 数)だ
解 け ば ,Iを
か ら,
含 ま な い 実 数 解 は,
〓(複 号 同順)
だか ら正 の方 を選 ぶ と〓 〔 例 題2〕 で はaが 複 素 数 の 範 囲 で 指数 法 則〓 て い る。 こ の よ う に,指 〔 注1〕
数 法 則 が 複 素 数 の 計 算 で も成 り立つ。
複 素 数 の 範 囲 で,展 開 を行 う。
(6.9) を使 っ
問4 次 の式 を複 素 数a+biの
(a)
(b)
〓の意味
[3]
n乗 す る と−1に 面 上 の 点 に と り,そ
〔 例 題3〕x3+1=0の 〔 解1〕
形 で 求 め よ。
な る複 素 数a+biの1つ
を(−1)1/nと
表 す。 方 程 式 の解 を平
の 意 味 を 考 え よ う。
解 を 求 め,そ
の解 を描 け 〔 注2〕 。
因数 分 解 して解 を求 め る。
(6.10)
を プ ロ ッ トす れ ば 解 が 図 示 で き る。
3点〓
ListPlot[a,AspectRatio->Automatic,PlotStyle->PointSize[0.1]] 図6.1は,複
素 数a+biを
平 面 上 の 点(a,b)で
を 虚 数 部 分bに
表 した 平 面 の こ と を 複 素 数 平 面 と い う(図6.2)。
図6.1 x3+1=0の
表 す 。x軸
解
を 実 数 部 分aに,y軸
図6.2
〔 解2〕Solveで
複素数平面
解 を表 す 。
(6.11) 解 は〓
(6.12)
複 素 数 ら し くa+biの
形 に表 す。
解 は〓
(6.13)
上 の 解 で 式(6.10),(6.12),(6.13)を
比 べ る と次 の こ と が わ か る 。
(6.14) 〔注2〕x3+1=0の
解 は 次 の よ う に 求 め,図
示 す る こ と もで き る。
問5 x4+1=0の
式(6.13)の a+biの
解 を 式(6.14)の3つ
の方 法 で表 せ。
よ う に,r(cosα+isinα)の
形 の 複 素 数 は,次
形 に した複 素 数 を 極形 式 とい う。
の 変 形 で 極 形 式 に表 す こ と が で き る。
(6.15)
問6 〓
を,そ れ ぞれ 極 形 式 で表 せ 。
〔 例 題4〕(−1)x,ix(x=−1,−0.9,…,1)を
極 形 式 で 表 し,複 素 数 平 面 上 に 示
せ。 〔 解〕
(6.16)
か ら,
(6.17)
同 様 に,ComplexExpand[I^x]と
し て,
(6.18) (−1)xは
式(6.18)を
用 い て,次
の よ う に プ ロ ッ トす る。
(図6.3) … と す れ ば よ い(図6
.4)。
図6.3
問7 x6=64の
図6.4 ix
(−1)x
解 を 求 め,複 素 数 平 面 上 に図 示 せ よ。
6.2 数 の 性 質 整 数,有 理 数,無 理 数 に 特有 な性 質 をMathematicaを [1]
用 いて 調 べ よ う。
小 数 の数 字
〔 例 題5〕
次 の数 を小 数 で表 した と きの各 桁 の数 字 を101桁 ま で取 り出 し,そ の
現 れ 方 を 調 べ よ。 た だ しgを 黄 金 比 とす る。
(a) 〔 解 〕〓
(b)
か ら10aの
整 数 部 分1を
分)を 再 びaと す る。 この 再帰 手順 で10aの
取 り出 し,10a−(10aの
整 数部
整 数 部 分 を 取 り出 せ ば 各 桁 の 数 字
が 得 られ る。 〔 注1〕
(6.19)
〓
0,1,…,9の
各 数 字 の 度 数 は 次 の 手 順 で 求 め ら れ,ほ
ぼ 同 じ割 合 で 現 れ る 。
〓(図6.5) (b) 式(6.19)を
次 の よ う に変 え れ ば よ い。
(6.20)
結 果 はe={6,1,8,0,3,3,9,8,9…},各
図6.5 1/7の
図6.6
数 字 の度数
分 数 は 循 環 小 数 で 表 さ れ る の で,そ 環 しな い の で,図6.6の
数 字 の 度 数 は 図6.6の
の 度 数 は 図6.5の
よ う に な る。
g−1の 数 字 の 度 数
よ う に な る。 無 理 数 は 循
よ う に 度 数 は 一 様 に な ら な い こ と が わ か る 。 一 方, 〔注2〕
に よ っ て,1/7の g− 1の 小 数101桁
小 数 で 隣 り合 う数 字 の 相 関 図 が 得 ら れ る(図6.7)。 の 相 関 図 も 得 ら れ る(図6.8)。
同 様 に して,
図6.7
1/7の相関
〔 注1〕Floor[a]は,aを 〔 注2〕
問8
[2]
図6.8
図
越 え な い最 大 の整 数 を 出力 す る。
隣 同 士 の 数 の ペ アを 点 に して,グ
π=3.14159…
g−1の 相 関 図
の小 数 以 下100桁
ラ フで 表 示 す る。
に お け る0か ら9の 度 数 を調 べ よ。
連 分 数 で表 す
有 理 数 と無 理 数 の 違 いを,連 分 数 で 表 して 調 べ よ う。 〔 例 題6〕
(a) 〔解1〕(a)
次 の 数 を連 分数 で表 せ。 (b) 黄 金 比〓 10÷7=1…3,7÷3=2…1だ
か ら,
(6.21) を分 母 と分 子 に代 入 して い く と連 分 数 が で き る。
(6.22)
式(6.22)で
は 各 分 子 が1だ
か ら,各 分 数 の 前 の1,2と
数 と 最 後 の 分 母3で
(6.23) の よ うに表 す こ とが で き る。 逆 に この 数字 か ら連 分 数 を作 る こ とが で きる。 (b)
か ら関数〓
は,〓
の合 成 で連 分 数 を求 め る。
(6.24)
式(6.24)にx=1を
代 入 して み る と,分
母,分
子 に フ ィ ボ ナ ッ チ数 列 が 現 れ
る。
(6.25) Mathematicaで
は,次
の よ う に して 分 数10/7の
連 分 数 の 式(6
.23)を
求 め る こ
とが で き る。
同様 に(b)の
答 え が 次 の 式 で 得 られ る。 式(6.26)の
形 を 連 分 数 の 標準 形 と い
う 。
(6.26) 〔 例 題6〕(a)は,有
理 数(分 数)を 連 分 数 にす る とき ユ ー ク リ ッ ドの 互 徐 法 と
同 じ手 順 で 行 い,連 分 数 は有 限 で 終 わ る こ とを 示 して い る。(b)は,ル
ー トを
含 む無 理 数(代 数 的 無 理数)を 連 分 数 にす る と循 環 した定 数 が 無 限 に続 く こ とを示 す 。 な お,π の よ うな無 理 数(超 越 的無 理 数)の 連 分 数 は循 環 しない定数 が現 れ る。 問9 次 の数 を連分数 に展開 し,式(6.26)の (a)
形 で表せ。
(b)
[3] 整 数 の 性 質 約 数,倍
数,素 数 を 中心 に整 数 の性 質 を調 べ よ う。
〔 例 題7〕377と620(フ 〔 解1〕GCDで
ィボ ナ ッチ数 列 で 隣 り合 う2数)の 最 大 公約 数 を求 めよ。
最 大 公 約 数 を求 め る。
最 大 公 約 数 は1 〔 解2〕
素 因 数 分 解 す る。
共 通 な 素 数 は な い の で,最 〔 解3〕
大 公 約 数 は1
ユ ー ク リ ッ ドの 互 除 法 で 求 め る 。 (620を377で
割 っ た 余 りが233)
(余 りが0に な る式 の 直前 の式 の 余 りが 最大 公 約 数)
だ か ら,最 大 公 約 数 は1 〔 解4〕
ユ ー ク リッ ドの互 除 法 の手 順 を再 帰 式 で 作 って 求 め る。
(6.27)
2つ の 整 数 の 最 大 公 約 数 を 求 め る と き,素
因 子 分 解 や ユ ー ク リ ッ ドの 互 除 法 が
有 効 で あ る 。 こ の よ う な 手 順 の こ と を ア ル ゴ リ ズ ム と い い,〔 解3〕
や 式(6.27)
の 手順 が そ の例 で あ る。 〔 注3〕g[m,n]はm>nの [m,n]を,mの
整 数 を 扱 う。 数nの
代 わ り にnを 置 き換 え,n=0に
問10 100以 下 の正 の 整 数nで,nとn+10が
〔 例 題8〕2000の 〔解1〕2000=2453だ
代 わ りにmをnで
割 っ た余 りMod
な るま で 繰 り返 す アル ゴ リズム で あ る。
互 い に素 で あ る組 の個 数 を求 め よ。
約 数 とそ の 個 数 を求 め よ。 か ら,
表6.2 約 数 の構 造
約 数 は2m5n(m=0,1,2,3,4,n=0,1,2,3) 表6.2の
よ う な 構 造 を し て い る。
約 数 の 個 数 は5×4=20 約 数 の 和 は,
〔解2〕
約 数 を 求 め る 関 数Divisorsと
約 数 の 関 数DiverseSigmaを
使 う。
約 数 の 個 数 は20個,そ 〔 注4〕aの
の 和 は4836。
約 数 をdiと す れ ば,DivisorSigma[k,a]で(di)kの
と き は(di)k=1だ
か ら約 数 の個 数 を,k=1の
和 を計 算 す る。k=0の
とき は約 数 の和 を表 す。
問11 2025の 約 数 とそ の 個 数,そ の和 を求 め よ。 整 数aの
約 数 が1とa自
身 だ け の 場 合aを
素 数 と い う。 素 数 が 多 く現 れ る 数 列
を 調 べ よ う。 次 の 例 題 の 数 を メ ル セ ン ヌ 数 と い う 。
〔 例 題9〕2n−1(nは 〔 解〕
素 数)を
素 数 を20個
作 り,そ
小 さ い 方 か ら20個
れ ら に つ い て2n−1を
あ げ,素
数 か ど うか 調 べ よ。
計 算 して 素 数 か ど うか 判 定 す
る。
メ ル セ ン ヌ 数 は 小 さ い 方 か ら4個
は 素 数 で,最
初 の20個
中9個
は素 数 に な る 。
問12 10個 の 各 フ ェ ル マ ー数2^(2^n)+1(n=1,2,…,10)が
素 数 か ど うか 調 べ よ。
〔 例 題10〕n以
数〓
下(n≦1000)の
素 数 の 個 数 を 求 め,関
べ よ。 〔 解〕
自然 数nま
で の 素 数 の 個 数 をPrimePi[n]で
求 め プ ロ ッ トす る。
と比
図6.9
図6.10か き る。aの
素 数 の 個 数 とlog3x
ら,1000ま
図6.10
で の 素 数 の 個 数 は 対 数 関 数log3.2xで
各 数 値 に 最 も適 合 す る 関 数 の 詳 し い 調 査 は,こ
〔 注5〕PrimePi[n]は,正
問13 2か ら1000ま
素 数 の 個 数 とlog3.2x
の整 数nま
近 似 す る こ とが で
こ で は 省 く。
で の 素 数 の個 数 を与 え る関 数 で あ る。
で の各 整 数 に つ い て約 数 の個 数 を調 べ,最
も多 い数 を あ げ よ。
6.3 集合 と論 理 の 仕組 み リ ス トを 用 い て 集 合 と論 理 の 仕 組 み を 調 べ よ う。
[1]
集 合 演 算
リス トを 有 限 集 合 と み て 集 合 の 計 算 法 則 に つ い て 調 べ よ う 。
〔 例 題11〕
奇 数 の 集 合 をa={1,3,5,7,9},素
倍 数 をc={3,6,9},全
数 の 集 合 をb={2,3,5,7,9},3の
体 集 合 をu={1,2,3,…,10}と
す る と き,次
の集 合 を求
め よ。 (a) 〔 解〕 (a)
a∩(b∪c)
(c)
リ ス トa,b,cが
あ る と き,各
a∩(b∪c) Intersection[a,Union[b,c]] {3,5,7,9}
(a∩b)∪(a∩c) 集 合 は次 の よ う に し て 求 め ら れ る 。
(b)
(a∩b)∪(a∩c)
Union[Inetersection[a,b],Intersection[a,c]]
{3,5,7,9}
問14〔
例 題11〕
(a)
の 集 合a,b,cに
a∪(b∩c)
集 合a,b,cと
つ い て,次
(b)
の演 算 を 行 え 。
a∩(b∪c)
そ の 間 の 演 算 は,次
の 基 本 法 則 か ら成 り立 っ て い る。
① べ き の 法 則;a∪a=a,a∩a=a ② 交 換 法 則;a∪b=b∪a,a∩b=b∩a ③ 結 合 法 則;(a∪b)∪
c=a∪(b∪c),(a∩b)∩c=a∩(b∩c)
④ 分 配 法 則;a∩(b∪c)=(a∩b)∪(a∩c) a∪(b∩c)=(a∪b)∩(a∪c) ⑤ 相 補 の 法 則;a∪a=U;全 ⑥
問15〔
[2]
体 集 合
ド ・ モ ル ガ ン の 法 則;a∪b=a∩b,a∩b=a∪b
例 題11〕
の 集 合a,bに
つ い て ド ・モ ル ガ ン の 法 則;a∪b=a∩bを
確 認 せ よ。
論 理 演 算 「数2は
の よ う に,正
集 合{1,2,3}の
し い(真)か
「数xは{1,2,3}の
要 素 で あ る」
そ う で な い(偽)か
要 素 で あ る 」 はxに
に 真 の と きTrueを,偽
(6.28)
が 明 確 な 文 章 を 命 題 と い う。 ま た,
の と きFalseを
よ って真 偽 の い ず れ か を と る。 この よ う 返 す 関 数 を述 語 関 数 と い う。 述 語 関 数 を
用 い て 命 題 の 真 偽 を 判 定 しよ う 。
〔 例 題12〕
次 の 命 題 の 真 偽 を 判 定 せ よ。
(a)命
題3=22,3<22の
〔解 〕(a)
{3==2^2,3<2^2} {False,True}
だ か ら,そ (b)
れ ぞ れ 偽,真
PrimeQ[1999]
そ れ ぞ れ の真 偽
(b)
1999は
素 数 で あ る。
{True} だ か ら1999は
素数
TrueとFalseを
返 す 述 語 関 数 に は次 の よ うな例 が あ る。
例1. 3!=4
意 味 は3≠4,結
果 はTrue
例2. 3<=2^2
意 味 は3≦22,結
例3. OddQ[{−1,4}]
意 味 は 奇 数 の 判 定,結
果 は{True,False}
例4. MemberQ[{0,1,2},1]
意 味 は 要 素 の 判 定,結
果 はTrue
果 はTrue
問16 次 の真 偽 を判 定 せ よ。 (a) 23>32 命 題p,q
(b) 0は 偶 数 で あ る
に つ い て 表6.3の
命 題 を 作 る こ と が で き,こ
れ ら を 論 理 演 算 と い う。
表6.3 論 理 演 算
〔例 題13〕pの
真 偽 お よ びqの
真 偽 に よ っ て 論 理 和p∨qの
真 偽 が ど う な るか 調
べ よ。 〔解 〕
述 語 関 数orで
真 偽 を調 べ る。
{or[True,True],or[True,False],or[False,True],or[False,
{True,True,True,False} 論 理 和p∨qは,表6.4の
よ う にp,qが
そ れ 以 外 は 真 に な る 。 表6.4を 問17 論 理積p∧q,お
〔 例 題14〕
命 題p,qに
(a) p∧q
False]} 表6.4 真 理 表
共 に 偽 の と き 偽,
論 理 和 の 真 理 表 と い う。
よ び 条件p→qの
つ い て,次
真 理 表 を作 れ。
の論 理 を 簡単 に せ よ。
(b) p→q
〔 解 〕 論 理 演 算 の 関 数LogicalExpandを
用 い る。
〓
(a)
LogicalExpand[!(p&&q)] だ か ら,
(b)
LogicalExpand[Implies[!p,q]] だ か ら,p→qはp∨qと
〔例 題14〕
の 結 果 な ど か ら,次
同 じ。
の こ と が わ か る。 (6.29) (6.30)
p→qはp∨qと
同 じ
式(6.29),式(6.30)を
論 理 に つ い て の ド ・モ ア ブ ル の 定 理 と い う。
問18 命 題p,q,rに
つ いて,次 の 命 題 を 簡 単 に せ よ。
(a) p∨q∨r
[3]
(6 .31)
(b) (p→q)→r
論 理 式 の 利 用 例
論 理 式 を 使 っ て 解 決 す る 例 と して 方 程 式,恒 〔 例 題15〕
次 の 数 を 求 め,論
(a) x2−2x−1=0の (c)
等式 の 問 題 を 示 す 。
理 の 使 わ れ 方 を調 べ よ。
解
(b) xの
方 程 式ax+b=0の
解
100ま で の 素 数
〔 解 〕(a)
(6.32) 式(6.32)は,x2−2x−1=0が
真 と な る の はx=1+√2ま
た はx=1−√2
で あ る こ とを示 す。
(b) 〔注1〕
(6.33) 式(6.33)は,ax+b=0を 〓を 示 す 。
満 た す の は, a=0かつb=0,ま
た はa≠0かつ
(c)
Select[Range[100],PrimeQ]
(6.34)
{2,3,5,7,11,…97}
式(6.34)は,1か
ら100の
〔注1〕Reduce[]は,特
各 整 数 が 素 数 で あ る も の を 選 ん で い る。
殊 条 件 に よ る解 も含 め て,方 程 式 を解 く ことが で き る。
〔 例 題16〕a(x−1)2+b(x−1)+c=x2がxの
恒 等 式 で あ る と き 定 数a,b,cの
値 を定 め よ。 〔解 〕
Clear[a,b,c] SolveAlways[a*(x−1)^2+b*(x−1)+c==x^2,x]〔
注2〕
よ っ て,a=1,b=2,c=1 こ の 問 題 で は,条
件a(x−1)2+b(x−1)+c=x2が
常 に 真 と な るa,b,cの
値
を 求 め て い る。 〔注2〕SolveAlways[方
程 式,変 数]は,任
意 の 変 数 に つ い て,方 程 式 が常 に真 と な る パ
ラ メ ー タの値 を決 め る。
問19 次 の各 問 に 答 よ。 (a) xの
方 程 式ax2+bx=0を
解 け。
(b) 次 の式 がxの 恒 等 式 にな る よ う にa,b,cの
値 を定 め よ。
6.4 数 ベ ク トル と 行 列 リ ス トを 用 い て 数 ベ ク トル と行 列 の 仕 組 み を 調 べ よ う。
[1]
数 ベ ク
トル
a=(a1,a2,a3),b=(b1,b2,b3)の 次 の 性 質 を もつ も の を3次
よ う に 順 序 を つ け た3個 元 数 ベ ク トル と い い,そ
の 数 の 組 で,
れ ぞ れ の 要 素 を 成 分 と い う。 (6.35)
(6.36) 式(6.35)をべ bは,リ
ク トル の 和,式(6.36)を
ス トa={a1,a2,a3},
ト ルa=(a1,a2,a3),
ス カ ラ ー 積 と い う 。 こ の 数 ベ ク ト ルa,
b={b1,b2,b3}で b=(b1,b2,b3)に
表 す こ とが で き る。 数 ベ ク つ い て,aの
内 積,大
き さ を次 の よ
う に定 め る。 a,bの
内 積〓(6.37)
aの 大 き さ│a│=〓
(6.38)
こ こ で,│a│=√a・aが る 。 ま た,a,bの
各 成 分 が 等 し い と き,ベ
す べ て の 成 分 が0の 〔 例 題17〕
成 り立つ の で,ベ
ベ ク トル(0,0,0)を
ク トル の 大 き さ は 内 積 か ら求 め ら れ ク トル が 等 し い と い いa=bと
零 ベ ク トル と い いoで
数 ベ ク トルa=(2,−1,4),b=(3,2,−6)に
書 く。
表す。
つ い て,次
の もの を求
め よ。 (a) a+2b
(b)
〔 解1〕(a)
(b)
〔 解2〕Mathematicaで
は,次
の よ う に して 求 め る 。
(a)
(b)
(6.39) 問20 a=(2,−1,4)に
つ い て,内
積 を 用 い て 成 分 の 和,平
方 和,a/│a│を
求 め よ。
〔例 題18〕
数 ベ ク ト ルa=(2,−1,4),b=(3,2,−6),c=(1,3,−8)に
pa+qb+rc=(0,0,0)と
な る 定 数p,q,rの
つ い て,
値 を 求 め よ 。c=(1,3,−10)で
は ど
うか 。
〔 解〕
し た が っ て,p=q=r=0 c=(1,3,−10)の
と き,c={1,3,−10}と
し た が っ て,p=r,q=−r,rは 〔 例 題18〕 (a)
で は,数
じ手 順 で 求 め る 。
任意 の 実 数
ベ ク トルa,b,cの
c=(1,3,−8)の
し,同
間 に 次 の 関 係 が あ る。
と き,
(6.40) (b)
c=(1,3,−10)の
と き,
pa+qb+rc=(0,0,0)を
(a)
の ベ ク トルa,b,cを
満 た しp=q=r=0で
一 次 独 立 と い い,(b)の
な いp,q,rが
あ る。
数 ベ ク ト ルa,b,cを
一次従 属
と い う。
問21 次 の 中 か ら一 次 従 属 な3個 の ベ ク トル を 取 り出 せ 。
〔例 題19〕
ベ ク ト ルc=(1,10,r)とa=(2,−1,4),b=(3,2,4)に
つ い て,
(6.41) が 成 り立つ よ う に,定 〔 解〕
数p,q,rの
し た が っ て,p=−4,q=3,r=−4
値 を定 め よ。
式(6.41)の
よ う に,定
数p.qでcが
〔 例 題20〕5個
の デ ー タ2,1,5,−2,4の
表 せ る と き,cをa,bの 平 均 値mと
一 次 結 合 と い う。
分 散υ を 数 ベ ク トル の 内 積 で
表せ。 〔 解1〕
こ の デ ー タ の 平 均 値mと
分 散υ は次 の 式 に な る。
(6.42)
(6.43) 〔解2〕
内 積 を利 用 す る。
(6.44) 平 均 値 はm=a.b/5=2,分
散 はυ=(a−m).(a−m)/5=6
問22 内 積 を利 用 して,6個
〔 例 題21〕aを
の デ ー タ;−1,−2,7,2,6,0の
定 数 と す る 次 の 連 立 方 程 式 の 解 を,ベ
平 均 値mと
分 散υ を求 め よ。
ク トル を 用 い て 表 せ 。
(6.45) 〔 解1〕a×(1式)−2×(2式)
a≠2,a≠−2の
a=−2の a=2の
と き,〓
と き,解 と き,2つ
x=tと
(6.46)
な し。 の 式 はx+y=1で
す れ ばy=1−tだ
か ら,
一 致 す る か ら不 定 解 。
(6.47) 〔解2〕
し た が っ て,a=2の
と き,x=1−y
の と き,〓 式(6.47)に
お い て(0,1)は,a=2の
で 特 殊 解,t(1,−1)は,定
と き の 方 程 式(6.45)の
数 を0,a=2と
解 の1つ
なの
の解 なの
し た 方 程 式〓
で 基 本 解 と い う。 問23 次 の 連 立 方 程 式 の解 を,ベ ク トル を用 いて 表 せ 。
[2]
行
第1.3節
列
で 推 移 行 列 を 扱 っ た 。 こ こ で は,実
際 の 数 か ら な る 行 列 を 作 り,そ
和 と 積 を 求 め て 演 算 の 性 質 を 調 べ よ う 。 な お,行 い る が,Mathematicaの
列 は 普 通A,Bな
記 号 と の 混 同 を 避 け る た め,こ
の
ど大 文 字 を用
こ で はa,bな
どの小文
字 を 用 い る。 〔 例 題22〕
次 の2×2行
列 a,bを 作 り,そ
の 和b+b,積ab,baを
求 め よ。
(6.48) 〔 解〕
リ ス トの リ ス トで 行 列 を 作 る 。
和a+bはa+b//MatrixFormで
求 め る。
2×2行
列 の 積a×bはa.b//MatrixFormで
求 め る。
2×2行
列 の 積b×aはb.a//MatrixFormで
求 め る。
行 列 a,bの 演 算 は 次 の よ う に な る 。
行 列 の 積 は,普
通ab=baと
い 。 し た が っ て,例
は な ら な い 。 つ ま り,積
え ばaabb=ababは
問24 〔 例 題22〕 の行 列a,bでa−b,aaを 式(6.48)の 縦 にm行,横n列
よ う に 数 を 縦 に2個,横 並 べ た 行 列 をm×n型
の 交 換 法 則 が 成 り立 た な
成 り立 た な い。
求 め よ。 に2個
並 べ た も の を2×2行
の 行 列 と い い,第i行j列
列 と い う。 の 数aijを
第
ij 成 分 と い う。 特 に,n×n行
列 をn次
正 方 行 列 と い い,1×n行
列 ベ ク トル と い う。 ま た,各 a=bと
列 を 行 ベ ク トル,n×1行
成 分 が す べ て 一 致 す る 行 列a,bを
列 を
等 し い と い い,
表 す。 行 ベ ク トル の 例
問25 〔 例 題22〕 の行 列a,bに
列 ベ ク トル の 例
つ い てa=bが
成 り立つ と き,p,q,r,sを 求 め よ。
行 列 の 足 し算 や か け 算 な ど で 中 心 的 な 役 割 を 演 じ る 行 列 に,零
行 列,単 位 行 列,
対 角 行 列 が あ る。 そ の例 を3×3行 列 で 示 す。
零 行 列o=〓
単位行列e=〓
Mathematicaで
〔 例 題23〕
対角行列p=〓
こ れ ら の 行 列 を 作 ろ う。
上 の 零 行 列o,単
位 行 列e,対
角 行 列pを
作 れ。
〔 解 〕 零 行 列o=Table[0,{3},{3}]//MatrixForm
(6.49)
単 位 行 列e=IdentityMatrix[3]//MatrixForm
(6.50)
対 角 行 列p=DiagonalMatrix[{a,b,c}]//MatrixForm
(6.51)
n×nの
単 位 行 列 をn次
の 単 位 行 列 と い う。
問26 行 列aの 第ij成 分 を 第ji成 分 に 置 き換 え た行 列 をaの 転 置行 列 と い い,Transpose [a]で 行 う こ とが で き る。(6.53)の 問27 2×2行 列 の単 位 行 列e,対 行 列aをn回 る。 ま た,行 列 と い いa-1と
行列aの 転 置行 列 を求 め よ。
角 行 列pを 作 れ 。
か け た 積anをaの 列a,bと
単 位 行 列eに
表 し,Mathematicaで
累 乗 と い い,MatrixPower[a,n]で つ い て,次
の 性 質 が あ る と きbを,aの
はInverse[a]で
求 め られ 逆 行
求 め る。
(6.52) 逆 行 列 が 存 在 す る行 列 の こ とを正 則 行 列 と い う。
〔 例 題24〕
次 の 行 列aの
ま た,a-1を
求 め よ。
累 乗an(n=0,1,2,3,4,5)を
求 め,そ
の性 質 を調 べ よ。
(6.53)
〔解 〕
行 列 をa={{0,0,1},{1,0,0},{0,1,0}}と
し,aの
累 乗 を 求 め る。
Table[MatrixPower[a,n]//MatrixForm,{n,0,5}]
成 り立つ 性 質 は, a0=e;単
a3=e,a4=a,a5=a2=a-1 よ っ て,集 〔例 題24〕
位 行 列,a1=a,a2=a-1
合{an}は,集 の 場 合,逆
合{a,a2,e}で
表 さ れ る。
行 列 の 式(6.52)は,次
の よ うに な る。
(6.54) し た が っ て,a-1=a2,かつ(a2)-1=a,つ
ま り a2はaの,aはa2の
な る。
〓の累 乗 を 求 め,そ の 性 質 を 調 べ よ。
問28 行 列
上 の 集 合U={a,a2,e}に
は 次 の 性 質 が あ る。
逆 行 列 に
① 積 に つ い て 閉 じて い る(積 ② Uの
要 素a,b,cと
の 結 果 も こ の 集 合Uの
積 に つ い て 結 合 法 則a(bc)=(ab)cが
③ Uの 要 素aに
つ い てae=ea=aと
④ Uの 要 素aに
つ い てaa-1=a-1a=eと
こ の 性 質 を もつ 集 合Uを,(積 〔 例 題24〕
で はa3=eに
要 素 に な る)。
な るeが
成 り立 つ 。
あ る。
な る 逆 行 列a-1が
に つ い て の)群
あ る。
と い う。
な る の で,群{a,a2,e}を
位 数3の
巡 回 群 と い う(図
6.11)。
図6.11
問29 x4−1=0の
[3]
参
解 は,数 の積 に つ い て位 数4の 巡 回 群 にな る こ と を示 せ 。
考
数 学 的 な 考 察 を 続 け る た あ に,い (1)
くつ か の 題 材 を 補 う。
00に つ い て
Mathematicaで00を
〔 例 題25〕00の
計 算 す れ ば エ ラ ー が 起 こ る。 そ の 理 由 を 考 え て み よ う。
値 は存 在 しな い こと を示 せ 。
〔 解1〕z=xyの3次 6.13に
巡 回 群
な る 。 図6.13か
元 グ ラ フ をx>0の らx≒0の
と きyは
範 囲 で 調 べ る 。 図6.12を 急 激 に 減 少 し,特
に,〓
回 転 す る と図 の付近 で は
値 が定 ま らな い。
(図6.12)
(図6.13)
図6.12 z=xy
〔解2〕xyの xy
=kと
値 が,例
図6.13 z=xy(回
え ば0.1,0.3,…,1.9に
な る点(x,y)の
転 し た グ ラ フ)
軌跡 を考 え る。
な る 関 数 は次 の 式 で 求 め られ る 。
(6.55) (6.56) k=0.1,0.3,…,1.9に y≒0の 値 は存在
つ い て,式(6.56)の
と きxyは,0.1,0.3,…,1.9の
グ ラ フ は 図6.14に
値 を と る こ と が わ か る。
しな い。
図6.14
x ,yを
複 素 数 と しxyを
考 え る こ と もで き る 。
な る 。x≒0, し た が っ て,00の
〓は,Log[k,x]と
〔 注1〕
同 じ 関 数 で,kを
底 と す る 対 数logkxを
表 す。
(2) 連 立 方 程 式 〔 例 題26〕 次 の連 立 方 程 式 を行 列 で表 し,そ の解 を求 め よ。
(6.57)
〔 解1〕
行 列aと
ベ ク トルu,bを
連 立 方 程 式(6.57)は,次
次 の よ うに決 め る。
の よ うに行 列 の積 で表 す こ とが で き る。
(6.58) aの逆 行 列a-1を か け る と,次 の式 が成 り立つ。
Mathematicaで,こ
よ っ て,解
の 式 を 実 行 す る。
はx=3,y=7,z=−2
〔解2〕
式(6.58)にSolveを
〔 解3〕
行 列aと
用 い る。
列 ベ ク トルbにLinearSolveを
用 い る。
LinearSolve[a,b]〔
注1〕
{3,7,−2} 連 立 方 程 式 を 行 列 で 表 す と,式(6.58)の 〔注1〕LinearSolve[a,b]は,a.x==bを
(3)
よ うに
「一 次 方 程 式 」 に な る 。
満 た す ベ ク トル を 求 め る。
固 有 値 と 固 有 ベ ク トル
ベ ク トルu〓
行列〓
に つ い て次 の式 が 成 り立
(6.59)
つ。
こ の と き の−2,2を Mathematicaで
行 列pの は,次
固 有 値,u,υ
を 固 有 ベ ク トル と い う。
の よ う に して こ の 行 列pの
固 有 値 と 固 有 ベ ク トル を求
め る。
(4) 固 有 多 項 式
行列〓
に つ い て,数ad−bcをpの
行 列 式 と い い,Det[p]で
求 め
る。 n×n行
列qの
上 の 行 列pと2次
場 合 もDet[q]で の 単 位 行 列e,変
求 め る こ とが で き る。 数xに
つ い て,
(6.60) を,行 列pの 固 有 多項 式 とい う。 この方 程 式 の 解 が 行 列pの 固 有 値 にな る。 固有 多 項 式 のxに 行 列pを 代 入 した式 は,
(6.61) つ ま り,常
に 零 行 列 に な る 。 こ れ を ハ ミ ル ト ン の 定 理 と い う。
3次 の正 方 行 列pに
つ い て も同様 の 手 順 で 固 有 多項 式,固 有 値 が 求 め られ る。
例 え ば,
よ っ て,p3+2p2−4p−3e=oに
な る。
pの 固 有値 は−3,〓 〔注2〕Eigensystem[p]は,pの
固 有 値,固
有 ベ ク トル を 並 べ て 出 力 す る。
練習 問題 1. 0<a<bの
2.
と き,aabbとabbaの
ど ち らが 大 き い か 。
x=2-n,y=1/n, (n=1,2,3,…)に
また,x≒0,y≒0の 3. 2つ の 命 題a,bの Xor[真,真]は
つ い てxyを
とき,xyが3に
な る よ う に,x,yをnの
排 他 的 論 理 和Xor[a,b]は,次 偽,Xor[真,偽]は
(1) 論 理和││,論
理 積&&,否
求 め よ。
の真 偽 を返 す 述 語 関 数 で あ る。
真,Xor[偽,真]は 定!を 用 い てa,bの
(2) 3つ の 命 題 の排 他 的論 理 和Xor[a,b,c]を
式 で 作 れ。
真,Xor[偽,偽]は 排 他 的 論 理和Xor[a,b]を
偽 作れ。
作 れ。
4. f[x_]:=1+1/x;Nest[f,1,6] によ って で き る分数 の 分母 お よ び 分 子 は フ ィ ボ ナ ツチ 数 列 に な る こ とを示 せ。 5. 円周 率 π につ いて 次 の 問 い に 答 よ。 (1)
πの 小 数 の数 字1,4,1,…
の 最 初 か ら100個 の 隣 接 す る数 の相 関図 を 作 れ。
(2)
πを 連 分 数 の 標 準形 に した と き,最 初 か ら100個 の度 数 分布 表 と隣接 す る数 の
相関図を作れ。 6. 次 の連 立 方 程 式 の解 を,ベ ク トル を用 いて 表 せ。
7. 行 列
〓を 作 り,行
列pn,(n=0,±1,±2,‥)を
求 め,成
り 立つ 性
質 を調 べ よ。 8.
行 列〓 ま た,p3,p4を
に つ い て,行
求 め,sp+teの
列u=p2−(a+d)p+(ad−bc)eを
形 に 表 せ 。 こ こ にeは
求 め よ。
単 位 行 列,s,tは
定 数 と す る。
問 お よ び練 習 問題 の解 答 (1) 問の解答 第1章
問1
Mathematica (2)
(1)
問2
〓と す る 。
〓か ら47桁
問3
〓で確認
問4
近似値
〓で2進 の 厳密 値〓
問5
〓で16進 問6 最 大 公 約 数12345679,最
近似値
の厳密値
小 公倍 数888888888 〓か ら
問7 問8 (1)
〓理 由〓
(2) 問9 〓で 〓な ど で33.51032164
問10
〓と し,次 式 で
問11 9.921567416
(1) (2) 〓で
問12 問13
〓等 と入力 〓左 に同 じ
〓等 で商−a+x,
問14 余 り〓 問15
〓 で〓
問16
問17
Table[Random[Integer,{1,6}],{10}]で1か
問18
グ ラ フ は 放 物 線 に 近 い 。 あ る デ ー タ か ら そ の 直 前 の デ ー タ を 引 い た 値 が1.9,1.4,1.0,…,− 0.4と0.4ず
ら6の
乱 数 を10個
作 る。
つ 減 少 して い く。 〓か らSolve[f[x]=y,x]か
問19 Together
ら
〓ゆえ に〓
問20 両 者 の 漸 近 線 が と も に
〓前 者 は 定 義 域 がx≦−3,x≧3,後
〓グ ラ フ は 解 図1.1
解 図1.1
双 曲 線
問21 解 図1.2
解 図1.2
リサ ジ ュー
者 は値域 が
問22 解 図1.3幅
が 同 じ螺 旋(ア ル キ メデ スの らせ ん)に な る。
解 図1.3
問23
FilledPlot[{4−x,x},{x,0,2},AspecRatio−>Automatic]
問24
解 図1.4順
ら せ ん
に 左 に 平 行 移 動Plot[Evaluate[Table[{2^k*2^x},{k,0,4}]], {x,−4,4},PlotRange−>{−1,10}]
解 図1.4
平 行移 動
問25
〓 (解 図1.5)
解 図1.5
2k2-xの
平行移動
問26 解 図〓
解 図1.6
問27
(1)
問28
楕 円 面
(2)
〓か ら
解 は〓 問29 (1)
(2)〓
〓 (複号同順)
〓が 皆 約1だ か ら
〓な ど 。
問30
〓か ら
〓等式
問31
問32 解 図1.7か
〓の 解 。
ら解 は 大 体−2.9,−2.7,1.2,近
似解 は
解 図1.7 y=cosxとy=x/3
(2)
問33 (1) (1)は
問34 (1)
問35
(1)
問36
(1)
〓か ら
(2)
〓か ら
(2)
〓か ら
(2)
問37
結果
;{False,True,False,True}か
ら1番
目 と3番
目
問38 〓と す る 。 グ ラ フ は 解 図1.8
解 図1.8
場合 分けの関数
問39 (解1) (解2)
〓な ど
問40 反 復;〓 再 帰;〓 問41
〓に 近 づ く。
第2章
離散化のアイデア
問1
(1)
問2
グ リー ニ ッ ジ標 準 時 か ら の 時 間 差,Date[9]で
1.23ナ
ノ秒
(2)
5.99エ
クサ トン 東 京 の時 刻
問3
問4 問5
〓で5桁 の精 度 〓で4桁 の精 度
問6
2を00102,3を00112の
問7
10進 数;121,122,2進
よ う に 各 桁 の 数 字 を4桁
の2進
数 で 表 し て い る。
数;1111001,1111010
問8
〓誤 差 の 最 大 値0.24
問9 問10 (1)3人
以上
(2) 11人 以 上
問11 略 問12 略
〓か ら
問13
問14
問15
(1)
ル ー プ;A,C,両
方 向;AC,BC
(2)
ル ー プ;R,両
問16
第3章
数 え 上 げの 方 法
問1 (a) 学 校 の 発 行 す る整理 券 で
(b) 負 け た学 校 数 で
方 向;PR,QS
問2
人 の 両 手210=1024,蛙
の 両 手28=256
問3
(a)8×6+5=53
(b)各
問4
(a)4×3=12
問5
1問 だ け正 解;4+3+4=11人,第3問
問 6
(a)
問7
同 時 に4台;4×7=28本,同
ル ー トの 和8+6+5=19
(b)4+3=7
100/42の
整 数2
正 解;9+5+4=18人 (b)72 時 に5台;5×6=30本
問 8 KNOW,KNWO,KONW,KOWN,KWNO,KWON,NKOW,NKWO,NOKW, NOWK,NWKO,NWOK,OKNW,OKWN,ONKW,ONWK,OWKN,OWNK, WKNO,WKON,WNKO,WNOK,WOKN,WONKで4!=24 問9
KN,KO,KW,NK,NO,NW,OK,ON,OW,WK,WN,WOで4P2=12
問10
(a)5P3=60
(b)15P3=2730
(c)48P17=1509687361581479577649152000
問11
問12
(a)2×3=6〓(b)2×3×3=18
問13
(a)13C6=1716
問14
(a)11!/(4!7!)=11C4=330
問15
(a)
問16
8C3=56通
(b)213=8192
25=32通
問17 6C3=20通
(b)も
り
り 。3辺
(b)
同 じ
2×163−1=8191
と も周 を 共 有 しな い 三 角 形 は56−8×(1+3)=24通
り
問18
問19
(a)
(b)
問20 6H3−1=55通 問21
(a)
り
20C4=4845通
り
問22 問23 3通
問24 問25
り,全
部 で62通
り
(b)
15C4=2730通
り
り
の係数 は 問26
〓の係 数 は,
〓同 じ値 に な る。
問27
〓の母関数
問28 数 列
第4章 数列 を作 る 問1
(a)
(b)
(c) 問2
(a)
問3
(a)
(b)
(b) 問4
〓か ら〓
問5 (a) 一 般 項 は
〓 で〓 〓で和 は
和は (b) 一 般 項 は
〓 で〓
和は 問6
〓で (b)
(a)
(c)
問7 〓 で〓
問8
それぞれ周期 π
つ ま り〓
〓周波数〓
問9 問10 〓は
問11
〓だ か ら2数 は ほ ぼ等 しい。
問12 問13 問14
〓 (万 円) 〓 で〓 98年 以 降 〓か ら約18時
問15
間 か か る。
〓 で〓 問16
(a)
〓か ら
約25枚
(b) n=1の
と き1=1で
成 り立 つ 。n=kで
両 辺 に(−1)k(k+1)2を
加 え る と,次
成 り立つ
とす れ ば
の 式 か らn=k+1で
も成 り立つ。
(右辺)〓 した が って,す べ て の 自然 数nで 予 想(a)が 問17 an=0.5(1+1/n)ら
し い 。n=2の
と き3/4で
成 り立つ
成 り立 つ 。n=kで
〓両 辺 に1−1/(k+1)2を (右 辺)=0.5(1+1/(k+1))と
な っ てn=k+1で
成 り立つ と す れ ば, か け る。
も 成 り 立つ。
問18 〓
で{1,2,3,5,8,13,21};フ
問19
ィ ボ ナ ッ チ 数 列 に な る。
〓 で〓 〓 で〓
問20
〓か ら,
問21
〓と し 〓か ら,
問22 収 束;±1,±1.3,分
岐点
問23 問24
〓を 作 り片 々 引 けば, 〓確 認 はSeriesで
〓≒
±1.366か
〓 NestList[f,0.,100]と
ら−1
.3(x=x2−0.5の
よ う に 修 正,k≧2.8か
ら 解 図4.1の
解 図4.1
解)
し て 調 べ る 。 周 期4
式(4.55)でf[x_]:=k*Sin[x];式(4.56)で[f,0.1,n],式(4.57)で{k,1 3,0.01}の
行 う。
.5, カ オ ス が で き る。
第5章
デ ー タ処 理 と 確 率
問1
解 図5.1
問2
度 数 分 布 表(解
図5.2),度
数 多 角 形(解
図5.3),パ
解 図5.2
解 図5.3
レ ー ト図(解
図5.4)
解 図5.4
問3 平 均 値63.75,分 散453.988,標 準偏 差21.8605,メ
ジア ン68.5
問4 平 均 値 は ほぼ 同 じで 標 準 偏 差 が 大 き い か ら女 子 よ りば らつ きが大 きい。 問5 平 均 値3.01,標
準 偏 差1.6217で 共 に小 さい。 小 人 数 化 が 進 ん だ 。
問6
〓な ど(解
図5.5)(解
図5.6)。
負 の相関 が
あ る。
解 図5.5
問7
解 図5.6
〓強 い負 の相 関 が あ る(解 図5.5)。
問8 〓 肥 満;11番,や
せ;4,5,6,9,10番
〓と比 べ 身 長 に比 して 体 重 が 増 え な い。
問9
〓で 西 暦2000年
問10
に15.8(%)の
問11 〓で 〓(図5.26),280円
で最 大
予想。
問12 問13 問14 問15 3!=6通 問16
りの う ち3人 と も違 う場 合 が2通
りだ か ら1−2/6=2/3 (1−11/25 も可)
(a)
(b) 問17 Aが
当 た る確 率3/10,
Bが 当 た る確 率3/10 2/9+7/10 3/9=3/10
で 同 じ。
〓 で〓
問18 問19 〓
bか
ら2∼12の
各 度 数 は9,26,21,40,58,60,50,42,25,26,3
こ れ は 理 論 値 の100倍;10,20,30,40,50,60,50,40,30,20,10に
近 い(解
図5.7)。
解 図5.7
問20 式(5.42)で〓
に 代 え る。 結 果 は764に
を〓
な り
問21
〓理論値 〓(解 図5.8)で
ほ ぼ 合 う。
解 図 5.8
第6章 離散構造 問1
(a)
問2
(a)
(b)
(c)
(b)
(c) 問3 〓 問4
か ら〓 (a)〓
で最小−1
(b)〓
問5
問6
問7
(解 図6.1)
解 図6.1
問8
(b)
問9 (a)
〓に よ る 。40個
問10 問11 約 数
〓個 数15,そ
の 和 は3751
問12
〓に よ る。4番 目 まで は素 数 。
問13
〓に よ る。 最 大32個
問14
(a)
〓 によ る。
(b) 〓に よ る。
問15
〓結果 は共 に 問16
(a)
問17
(a)
問18
(a)
(b)
2^3>3^2に よ る 。〓
(b)
(b)
問19
〓か っ
(a)
ま た は(a=0か
つb=0かつc=0)ま
た は(a=0かつb≠0か
(b) 問20
〓成 分 の 和;a.bで5,平
方 和;a.aで21,
〓 で〓 問21
b,c,dが
一次従属
問22 m=a.b/6で2,υ=(a−m).(a−m)/6で35/3
問23
a=1の と き
問24 問25
問26 Transpose[a]で,〓
問27 〓
で〓
〓 で〓 問28
〓単 位 行 列,〓
は集合〓
問29
(2) 練習問題 の解答 第1章
Mathematica
1. 右 の 表 か ら,Round,Floor,Ceilingは 入,切
り 捨 て,切
り上 げ で 整 数化
Table[{Round[x],Floor[x],Ceiling[x]}], /.x−>−1.6な
どを入 力
四捨 五
で 表 され る。
つx=
−c/b )
2.
〓で そ れ ぞ れ,
〓媒介変数表示
〓か ら,
3.
〓で 解 図1.1
解 図1.1
4.
放 物 線
解 図1.2
円
(1) 〓
で 解 図1.2 (2) 〓
とす れ ば,〓
面積 は 〓 で〓
5.
だ か ら,〓
と い う双 曲 線 〓で 解 図1.3
解 図1.3
双 曲 線
と 弦
6. 3元2次
7.
連 立 方 程 式〓
を 解 く。〓
〓か ら〓
(1)
(2)
(3)
8.
〓で 解 図1.4の
よ うに な る。
解 図1.4 y=exと
その 接線
9. .〓 グ ラ フ は 解 図1.5
解 図1.5
10. (1)
(2) 〓 (3) 〓
分岐 の 関 数
〓で で〓 で〓
だ か ら3辺
は15,9,12
第2章
離 散 化 の ア イデ ア
1.
〓時 速1679Km,秒
速463.9m
2. 437=31で31の5∼9進 3. 3つ
数 は111,51,43,37,34だ
の 試 験 が50点
以 上 の 者x人,2つ
か ら9進
の 試 験 が50点
法 が答 え。
以 上 の 者y人
〓か ら,x=14(人)
〓の と き〓
4. 再 帰 式;
nの式
〓(解 図2.1)
5.
〓2回 は
6.
解 図2.1
第3章 数 え上 げの方法 1.(1)
(2) (3)
PをAと
し,点Cよ
り少 し上 に点Qを
とる。19個
2.(1)
(2)
1,2,3が
そ れ ぞ れ1,2,3番
目 の 場 合 をA,B,C,そ
〓(通 り) 〓(通 り)
(3) (4) 3. (1)〓
〓(通 り) (Binomial[12,6]で
求 め ら れ る)
の個数を
とす る。
②
(2)
(3) (4)
〓か ら
4.
〓の係数 は 5.
(1)
(2) (3)
第4章 数列 を作 る 1.
(a)
①〓
③
④ (b) ①〓
② など
③〓 2. (a) 再 帰 式
〓明示式〓 〓でn=60,丸60年
(b) 3. 再 帰 式〓
明示式 は階差 の和か ら 〓数 学的帰 納法〓 で 正 しい とす れ ば,〓
で ② は正 しい。
後
① か ら〓 よって〓 で も ② は正 しい。 す べ て の 自然 数nで
② は正 しい。
4.
〓か ら〓
数学 的帰納法;
〓の と き〓
ら成 立 。
だか 〓か ら
〓で成 立 つ とす れ ば
だ か らn=m+1で
も成 り立 つ 。
〓で ハ ノイ の 塔 の 数 列 が2桁 ず つ 現 れ る。
5.
〓で フ ィ ボ ナ ッ チ数 列 が2桁 ず つ 現 れ る。 ハ ノ イ の 塔 の 数 列,フ
ィ ボ ナ ッ チ 数 列 の 母 関 数f(x),g(x)は
式(4.52),問21か
ら
6.
〓と し,〔 例 題25〕
で(解
と 同 様 に〓
4.1)。
解 図4.1
第5章 デ ー タ処 理 と確 率 1.
(a)
〓 F社 が最 も高 く,A社 (b) 平 均;〓
と して,
〓12か
が最 も低 い。
ら0.1106(万
円)
2. 男 子;〓
女子;〓 独 身 者 は男女 と も40∼50歳
が 低 い。 若 年 で は男 が,老 年 で は女 が 高 い。
3.〓
〓 で〓
4.
(a)〓
(b)〓
〓で40個
が負
図
確率 は〓
から
5. 〓
〓 (Aが8,9,10つ
(an>bnの
と きen=bn,他
ま り 当 た り に な る 回 数)で32
はen=bn+1)
(Bが 当 た る 回数) 例 え ばA,Bが
当 た る回 数 の様 子 と平 均 は次 の よ うに共 に0.3に 近 い。
第6章 離散構造 〓か ら〓
1.
〓の場 合,〓
2.
〓の場 合,〓 3.
(1)
〓か ら,〓 (2)
Xor[True,True,True]でTrueな 偽 真 真,真
4. 〓
偽 偽,偽
真 偽,偽
ど か ら,a,b,cが 偽 真,偽
真 真 真,真
真 偽,真
偽 偽 の と き,真,偽,偽,偽,真,真,真,偽
とす れ ば,〓
〓か ら〓
〓か ら〓 〓は フ ィボ ナ ッチ数 列 で
〓も 。
偽真,
5. (1)
π=3.141592654…
の 隣 接 数 の 組 は(1,4),(4,1),(1,5),(5,9),…
〓で 解 図6.1 (2) 〓
〓で 解 図6.2
〓で 解 図6.3
解 図6.1
π│の│10進数 展 開相 関 図
解 図6.2
πの 連 分 数 展 開100ケ 1∼292の 分 布(1∼16)
解 図6.3
πの連 分 数100ケ (0∼16)
タの 相 関 図
タ
6. 〔解1〕
〓か ら
〔 解2〕〓 〓か ら〓 7. 〓
〓で
〓で
{pn│n整
数}は{e,p,p2,p3}つ
ま り,位
数3の
巡 回 群 に な る。
. 〓で
8
〓零行列
索
引 重 ね書 き
あ 行 ア イ テ レー シ ョ ン
41
アスキー
51
アニメー ション
28
ア ル ゴ リズ ム
4
記数法
51
一次結合
185
一 次従属
184
一 次独立
184
陰 関数
102
22
円グ ラフ
132
黄金比
19
オ ク タ ル
7
折れ線 グラフ
132
か
行
カ ー デ ィ ナ ル ス数
59
カ ー ネル
1
回帰 直線
147
階差数列
104
ガ ウス の整 数 カ オ ス
14 126,128
確率分布
158
確率変数
158
5
偽 基準音
ア ンサ ー機 能
13,63
仮数部分
176
ア ンサ ー
一般 項
27
数 ベ ク トル
38 108
軌道
48 125
基本解
186
逆関数
21
行 ベ ク トル
187
行列 行列 式
行列 の加法
64,186
194
64
行列 の実数倍
64
行 列 の積
69
極形式
170
極座標
24
極方程式
24
虚数
9
虚数単位
167
近似値
2
空間座標
29
組 合せ
86
組 合せ論
73
組 込 み 関数 組 込 み定 数
経路
4,11 4
66
桁落 ち
49
集合演算
59
原始関数
36
12音 階
厳密値
2
周波数
108
重複組合せ
90
公差
102
合成 関数
21,41
110
重複順列 16ビ
83
ッ トコ ー ド
50
89
樹形図
80
公比
102
述 語 関数
179
固 定 小 数 点表 示
5,48
出力 セ ル
構成的組 合せ論
固有多項式
194
固有値
193
固 有 ベ ク トル
193
根元事象
152
さ 行 再帰
41
再帰関係
55
再帰関数
104
再帰式
ジ ュ リア集 合
3 130
順列
79
順列 の 個数
81
条件
39
昇順
79
情 報 エ スケ ープ
4
初項
102
真 真理表
38
180
105
最小公倍数 最 小2乗
法
最 大公 約 数 サ イ ンカ ー ブ
3次 元 数 ベ ク トル
7,16 147
推移行列 数 学 的帰 納 法
7,16
数値解
数量化
109
182
数列 ス カ ラ ー 積
事象
69 118
30 44 102 183
152
80
正規化
49
指数
165
正規分布
163
指 数 の拡 張
165
正 弦 曲線
109
整数 の分割問題
89
辞書式 順序
指数部分
5
指数 法 則
167
正則行列
4分 位 数
137
精度
160
成分
シ ミユ レ ー シ ョ ン
189 6,49 182
積 事象
155
積 の法則
74
積分 定数
37
セ ッション
1
絶対単位
44
接頭語
45
セル
3
零行列
188
零 ベ ク トル
183
強い正の相関
142
デ ィ オ フ ァ ン トス 方 程 式
定積分
91
37
デ ー タの構 造 化
64
デ フ ォ ル ト値
19
転置行列
188
導関数
36
漸化式
55
等差数列
102
漸 近線
20
同値
全 体集合
59
動 的 シ ステ ム
39 124
等比数列 素 因数 分 解
8,176
相 関図
172
底
素数
大小関係
独立試行
代数 的な解 多項係 数 多項式 展開 単位行列 単 位 の変 換
158
度数多角形
135
8
度数分布表
135
な 行 188
186
7
た 行 対角行列
102
特殊解
内積
63
39 30
2項 係 数
95
2項 定 理
17,96 188 45,47
95 94,95
2項 方 程 式
31
2次 関 数 モ デ ル
148
2進 数
7
入力 置換
80
超越方程式
33
調和音
112
直積
60
直線 モ デル
145
直交座 標
24
3
入力 セル
3
ノ ー トブ ック
1
は 行 媒 介 変数
23
23
ヘルツ
108
155
偏差値
139
95
ベ ン図
59
媒介変数表示 排反 パ ス カ ル の三 角 形 8ビ
ッ トコ ー ド
発散
125
鳩 の巣原理 ハ ノ イ の塔 ハ ミル トンの定 理 パ ラメー タ パ レ ー ト図
反復
51
78
115
194
棒 グラフ
132
母関数
123
補集合
59,60
ボ ック ス プ ロ ッ ト
140
23
ま 行
135
41
交 わ り積 集 合
58
反復法
124
丸め
6
繁分数
42
マ ンデ ル ブ ロ集 合
130
微分
36
無向 グラフ
68
微分係数
35
結 び和集合
58
標準偏差
137 明示式
フ ィボ ナ ッチ数 列
複素数
17,119
命題
168
不 確 か な現 象
151
不定積分
36
負の相関 フ ラ ク タ ル
142
39
分散
137
ヘキサデシマル ベ ク トル の 和
177
モ デル 化
52
137 6
7
183
54
モ ンテ カル ロ法
128
べ き
137
メ ルセ ンヌ数
モ デル の 評 価
5,48
分岐
平均値
179
メジア ン
9,167
複素数平面
浮動小数点表示
105
160
や 行 ユ ー ク リ ッ ドの 互 除 法
176
有限数列
102
有向 グラフ
67
有効桁数 有理数
6 166
要素 の個数
59
余事象
155
弱 い正 の相 関
142
連分数
173
論理
39
論理演算
180
ら 行 ラ ジア ン孤 度 乱数
わ 行
46 18, 160
和事象
155
和の法則
リー フ プ ロ ッ ト
77,155
134 英 字
・記 号
リカ ー ジ ョ ン
41
離散化
44
answer
離 散 的 な量
18
ASCII
51
離散的表現
44
False
38
リス ト リスト 処 理
13 61
立 方 根
31
リプ レイ
4
領域
26
隣接行列
66
列 ベ ク トル
187
Hz JISコ
4
108 ー ド
n次 正 方 行 列 n進 数 Permutation Replay
50 187 7 79 4
True
38
Venn図
59
〈 著者紹介〉
片 桐 重 延 学 職
歴 歴
東京教育大学理学部卒業(1953) 日本私学教育研究所研究員 日本数学教育学会監事 理学博士
室 岡 和 彦 学 職
歴 歴
東京教育大学理学部卒業(1969) 日本無線株式会社 東京都立井草高等学校教諭 お茶の水女子大学付属高等学校教諭 教育学修士
新 ・数 学 と コ ン ピ ュー タ シ リー ズ10 Mathematicaに 1997年4月20日
よ る離 散 数 学 入 門 第1版1刷
発行
著
者 片 桐 重 延 室 岡 和 彦
発行者 学校法人 東 京 電 機 大 学 代 表 者 廣 川 利 男 発行所 東 京 電 機 大 学 出 版 局 〒101 東 京 都 千 代 田 区 神 田 錦 町2‐2 振 替 口 座 00160‐5‐71715
印刷 三功 印刷(株) 製本 (株)徳 住製本所 装丁 高橋壮一
C
電 話 (03)5280‐3433(営
業)
(03)5280‐3422(編
集)
Katagiri
Shigenobu
Murooka
Kazuhiko
Printed
in Japan
*無 断 で転 機 す る こ と を禁 じま す。 *落 丁 ・乱 丁 本 は お取 替 え い た しま す。 ISBN 4‐501‐52610‐6 R
C3355
〈日本 複 写権 セ ン ター 委 託 出 版 物 〉
1997
プログラミング教科書 高 校 生の た めの FORTRAN JIS基 本 水 準 に よ る
ビギナーズ FORTRANプ
秋冨 勝 他共著 B5判 128頁 2色 刷 FORTRAN学 習 ・演 習の テキ ス トとして,2色 刷で 見やす く学び やす く編集 した。JIS基 本水準 に基 づき, さらに上位 水準 で学 んで ほ しい事 につ いて も記述。
若山芳三郎 著 A5判 200頁
高校 生のための 基 礎BASIC
高校 生 の ため の
新JISフ
新JISフ
ロー チ ャー ト
ログ ラ ミン グ
好評 の前 著 「プ ログ ラム例 に よるFORTRANの 入 門」 をJISの 改 正,入 力方 法 の変化 等に あわせ て書 き改 めた もので あ る。
応 用BASIC ロー チ ャ ー ト
色刷 で見や す く学びや す く編 集 した。特 に高 校生 に 親 しみの もて るプ ログラ ムを選び 基 本を重視 した。
若 山 芳 三 郎 他 共著 B5判 106頁2色 刷 グ ラフ ィックか らフ ァイル,実 用的 な プ ログラム ま で どの機 種で も学 べるよ うに解 説。ロ絵 に グラフィッ クの カ ラー 写真 をのせ,楽 し く学べ る。
高校 生 の ため の
高校 生 のた め の
ポ ケ コ ン カ シ オ 版/ シ ャー プ版
C
秋冨 勝 他 共著 B5判 104頁 2色 刷 BASICの 学習 ・パ ソ コン演 習の テキ ス トとして,2
諸房 岑 他 共 著 B5判 各128頁
若山芳三郎 著 B5判 88頁
ポ ケコ ンの基 本性 能 が十分 に利用 で きる よ う,電 卓 機 能 ・統 計計算か らBASIC,C言 語,CASLま で, 具体的 に例 題 を取 り入 れた。
高校生 のた めのCプ ログ ラ ミン グ教 育の教 科書 ・演 習書 と して,Quick Cを 取 り上 げ,内 容 を精 選 して 編 集。 高校生 の親 しみや すい豊 富 なプ ログラ ミング 課題 を掲載。
高校 生 の ため の
教育 とコ ン ピュー タ
パ ソ コ ン
教 師 の た め の コ ン ピ ュ ー タQ&A
ワ ー プ ロ ・表 計 算 ・図 形 ・BASIC 秋 冨 勝 他 共著 B5判 148頁 2色 刷 市販 ソフ トで も評価 の高 い一太郎,Lotus1‐2‐3,花 子にBASICの 基礎 を取 り上げ,そ の 操作 法が 取得 で きる よ うに,コ ンパ ク トに1冊 にま とめ た。
教 育 とコ ン ピュー タ 教 師 の た め の パ ソ コ ン ワー プ ロ ・表計 算 ・BASIC・MS‐DOS 若 山芳 三 郎 著 B5判 208頁 教 育活 動 を支 えるパ ソコ ンの操 作技 術 を高 め るこ と をね らい と し,一 太 郎,Lotus1‐2‐3,BASIC,MSDOS を取 り上 げた。
秋冨 勝 著 B5判 168頁 現場の教師向けのコンピュータ解説書。 コンピュー タ理解の盲点について,読 みやすいように,Q&A 形式で見開き2ページにまとめてある。 教育 とコ ン ピュー タ マ ル チ メ デ ィア と学 習 活 動 マル チ学習カー ドで学 ぶ 後藤忠彦/若 山院一郎 共著 B5判 152頁 具体的な活用例を中心に,マ ルチメディアの学習指 導について解説。す ぐに使える体験ソフ ト付き。
*定 価,図 書 目録 のお問 い合 わせ ・ご要望 は出版局 ま でお願 い致 します.
P‐62